2012年10月

2012年10月31日

石原新党と野田民主は踊る

米国の東海岸に、ハリケーン「サンディ」が上陸し、大きな爪痕を残しました。証券市場の取引が休場になったり、冠水した道路、停電などの実害以上に、今後の衛生問題が不安視されます。大統領選への影響が盛んに報じられますが、国民生活にはスポットが当たりにくいものの、実はもっとも大事な点です。それが翻って大統領選にもはね返る。GDPを0.1%下押し、という試算もありますが、疫病や健康被害が拡大することにより、その数字はさらに悪くなってしまうのでしょうね。

石原氏が都知事を辞職しました。任期で退任するわけではないので、職員の拍手は英雄の見送り、よりも厄介払いに聞こえてなりません。石原氏が個別の政策を「些細なこと」と発言し、もっとも政局的な政治家となりました。さらにこれまで支援してくれた自公を裏切っていますが、そうした批判は一切聞かれません。石原氏が毛嫌いする小沢氏の称号、壊し屋、政局至上主義を地でいく形です。その小沢氏が、第三極の軸に石原氏を容認と語った、そんな噂も流れているようですが、細川政権の失敗を経験していますから、まずその構想に小沢氏が乗ることはないでしょう。
橋下氏もたち日、減税日本との連携に難色を示しましたが、ハードルを上げているというより、政策を歪めれば信用が得られない、との危機感とみられます。石原氏は、たち日を引き継ぐ形で新党を結成しますが、理念糾合ではなく、官僚機構の打破を旗印に訴えますが、石原氏の政策にはむしろ官僚機構べったりな匂いしかしない。これまでの政治家としての行動を辿っても、官僚機構への提言は乏しい。掲げた旗も、国民に耳障りのいいことをいう、と政局的な動きでしかないのです。

国会では代表質問がありましたが、野田首相は経済対策をかかげ、こちらは解散へのハードルを上げました。野田氏は燃え尽き症候群、ともされますが、財務省の振り付けで踊っていたマリオネットが、糸を切られて踊れなくなっただけです。元々、政策の軸もなく、熱心にとりくんできた課題もなく、何のために政治をしているか分からなかったため、都合よく裏で糸をひいてくれないと、踊り方も知らない。残りの任期は、自分で考えた創作舞踊となり、途端にみすぼらしくなったのです。
石原氏は「小異を捨てて、大同につく」という言い方をしましたが、方向性がまったく違うものを小異とは呼びません。これで大同団結すれば、それこそ「正気を捨てて、大道芸をする」政治の場が危機的状態になりかねません。仮に政権をとれても、政策協議で難航し、空中分解するだけです。

大道芸で空中ショーまでみせれば、お客さんは喜ぶでしょうが、それで被害をうける国民はそれどころではありません。そして今、空中分解しつつあるのが民主党です。『操り人形』という舞台劇は、すでに終焉しました。ロングラン講演を狙う野田劇場が、初期の頃の演出家・仙谷氏まで出演させ、客寄せを狙う臨時国会ですが、醜い踊りを繰り広げるばかりで見せ場はありませんでした。
野田民主は、次の選挙で「中道リベラルから、穏健な保守」ぐらいの立ち位置で戦うようです。少し嫌な言い方をすれば、民主はすでに大道芸ですらなく、中道芸なのかもしれません。民主そのものが、意見・主張の異なる政治家を集めた野合であり、意見の食い違いで失敗をみせる中で、第三極までそうした野合と見られることは、逆にマイナスでしかありません。政権交代がメインテーマであった3年前とは異なり、今は経済情勢、海外環境が大きく悪化し、国民は着実に前進できる政治が必要、と考えています。決して政治の本流に、野合を求めていないのであり、ここで野合を目指すことは、踊るばかりで結論をだせない政治、として国民がさらに失望することに繋がりかねないのでしょうね。

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2012年10月30日

日銀の追加緩和策について

日銀が金融政策決定会合を開き、資産買入れ基金を11兆円積み増しを決定しました。内訳は長期国債に5兆、国庫短期証券に5兆、ETFを5千億、J-REITなども小額があり、総額11兆円です。さらに金融機関が融資を増額した場合、無制限で低利融資する仕組みを年末までに検討し、実施することが発表されています。さらに城島財務相、前原経財担当相、白川総裁の連名で「デフレ脱却にむけた取組みについて」なる共同文書を発表。しかもそれらが15時直前という、株式市場の場中ギリギリになっての発表となるなど、なんとも異例ずくめの展開となりました。

共同文書内で、消費者物価を1%まで上昇させるよう、金融緩和を維持するとの文言もみられますが、2014年度の見通しで達成できるとしていた1%の目標を引き下げるなど、日銀の態度も曖昧です。最大の問題は、80兆円かけても消費者物価が上昇せず、打つ手も限られる中で日銀は消費者物価の上昇を確約できない。一方で、消費税増税するための最低ラインを確保したい政府側がの、強硬な態度が両者のすれ違いを生み、結果的に政策で齟齬をきたす懸念を生じることなのでしょう。
ECBが国債買取を無制限、FRBがMBS買取を無期限、この資金供給に対し、日銀は融資増額に対する無制限の低利融資で応えました。ただ、仕組み次第では金融機関の不良債権を増やしますし、融資条件を厳しくすれば、融資は増えない。お金がないから貸せないのであれば、この対策は有効ですが、お金があっても貸さない現状で、特段の景気刺激効果はありません。さらに今はリーマンショック後と同様に、消費蒸発が起きる不安を抱えています。世界経済がふたたび大きな衝撃があると、設備投資が過剰になった企業は、それこそ破綻懸念を生む。今は借り手も、積極的ではない状況です。
本当に借りたいのは、中小企業金融円滑化法を申請するような企業であり、そこは金融機関も積極的に貸したがらないのが現状です。そしてこの円滑化法が来年3月で終了であり、倒産増加の懸念すらあります。そうした事態に手当てするためには、金融政策では最早限界と云える状況です。

発表後、市場は急落しましたが、これは欧州で『日銀も通貨安競争に参戦』など、煽り記事もあったことで、期待値が高まっていたことが主因です。先々週は海外勢が現物、先物を大きく買い越しており、利益確定売りになりました。ただ懸念は、ここで日銀が『無制限』との文言をつかったことで、欧米の競争には確かに参戦しており、逆にこれ以上の緩和策はない、との憶測を呼ぶことです。無制限の資金供給策を幾つもうてば、当然それは中央銀行への不信にもなってきます。
通貨安が、国への不信で起きることは断じて避けねばなりません。日銀はぎりぎりで踏みとどまっていますが、今後政府からの圧力が強まり、市場からも催促がくるでしょう。本当にデフレ脱却を促すのは、金融政策よりむしろ政府側の施策によって、為されるべきなのです。金融政策は栄養剤みたいなもので、病が篤くなっているなら、何らかの治療が必要なのです。増税するための地均しをしたい政府が、増税だけを決めて、経済成長するための施策をもたない点が、すべての不幸と云えるのでしょう。前原氏は日銀の協力を得られて満足かもしれませんが、自らの事務所費さえ管理できない人間が、経財担当相である点にはかなりの不安を感じる部分なのかもしれませんね。

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2012年10月29日

臨時国会が開会

野田首相の所信表明演説は『明日への責任』がキーワードでした。しかし野田氏は『明日の席次』だけを気にして、政治をしているようであり「大局より政局でいいのか?」と述べましたが、国会開会を先延ばししたのは民主党側が政局でそうしたのであり、これはブーメランです。物事がすすまなくなると、大局や責任論といった議論に持ち込みがちですが、予算成立とともに通さなかった、という与党の責任は棚上げです。野田政権は、物事の決め方が極めてマズイという事情が優先しているのであり、自らの能力不足を他人の責任にしたり、善意に期待するのは愚かな行為です。
民主から2人が離党し、マジック6になりました。竹島問題で離党した議員を会派に復帰させるなど、なりふり構わぬ多数派を目指しますが、すでに消化試合になりつつあります。後は過半数割れ、というゴールテープを誰が切るか? その注目度のみであり、こうなるとみんな揃ってゴールしよう、と考えたくなります。前原国家戦略担当相の事務所費問題など、明らかにこのタイミングで『さされた』とみられ、一部のメディアの世論調査の写真で、ついに野田氏の顔がゆがんでいるものが採用されるなど、メディアは野田政権の退陣シフトをひきだしました。こうなると政権浮揚はありえません。

参院で所信表明ができないなど、着実に汚名を残しつつありますが、後は『首相で落選』という史上初の汚点を残せるか? そこに注目が集まります。各地で支部が解散するなど、組織が崩れてきた。しかも復党の動きで、さらに民主という組織が、国民から懐疑的に見られるようになった。重要な領土の問題で、妥協的という視線を浴びることが、最大の失敗なのでしょう。何しろ、自民、維新、石原新党はどれも領土問題に関しては強気で、野田民主の落差が大きく映ってしまいます。これは選挙でも、注目を浴びる一つであり、そこに民主は極めて大きな禍根を残したのでしょう。
鈴木宗男氏が語るように「民主はがっかり、自民はこりごり」という意見が多い。ただ現状「第三極はさっぱり」というところに、選択肢を見出せない点が、国民にはみられます。一部で、維新の支持が民主を上回りましたが、橋下党首が仕掛けた週刊朝日との戦争で、露出効果がでた形です。

民主党的には、金庫がカラとの噂もある自民、連携にむけての協議が長引きそうな維新、みんな、たち日等の動きをみても、早期解散には利があります。衆参の選挙日程をできるだけ離す、ということもメリットがあります。ただ野田氏や落選確実の議員にとっては、解散はできるだけ先延ばししたい。組織としてのメリットと、個人の判断に差のある状況が今です。組織防衛ではなく、個を守ろうとすることで、組織は壊れていく。民主党で今起きていることは、社会心理学でいうところの『斉一性の原理』です。全会一致をめざし、異論を排除して組織を維持しようとするため、離党ドミノと呼ばれる、組織に排他的な流れがおき、人が集団から離れていってしまうことになります。
そうなると、岡田副総理は『自薦の用心棒』とよばれる存在であり、異論、反論などを封殺する役目を負っています。これまでは、野田氏に対してメディアが用心棒的に、野田氏は正しい、民主党が間違い、という報道の仕方で野田政権を守ってきました。しかし小沢氏が離れ、途端に悪役を見出せなくなり、輿石氏にその役割を負わそうとしましたが、悪い言い方をすれば似合いすぎていて、逆に野田氏が頼りにすること、そのものが問題視されそうだった。そのため、悪役がいない茶番劇に、とうとう本丸の悪役をもちだしてきたのが、野田政権へのネガティブキャンペーンとなっているのです。
造語でいえば『他薦の用心棒(メディア)』は、支持率低下とともに離れていく存在だった、ということです。今国会は解散にらみで動きます。科学哲学の分野で『斉一性原理』といえば、同じ現象がくり返される、という仮定のことをさします。民主の離党ドミノ、それがくり返される構図をつくっているのが野田政権の態度であるならば、過半数割れゴール時の人数に注目が集まってくるのでしょうね。

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2012年10月28日

鹿児島3区補選は自民が勝利

衆院鹿児島3区補選は、自民の元職・宮路氏が当選確実となりました。投票率が57%と、無党派が動かなかった側面もありますが、これは残り任期も限られる中、資金面で制約のある第3極をめざす政党が、候補を擁立しなかった点も挙げられます。同一選挙区で、何度も資金を手当てできない、というわけです。一方で民主、自民は総力戦の様相であり、その打撃は民主により大きいでしょう。
宮路氏の対抗は、国民新の野間氏でしたが、これで連立与党として1議席を失った。最大の問題は、責任論に及ぶのを恐れ、野田首相が選挙区入りしなかったことです。閉会中なので、選挙区入りするタイミングはあったはずですが、それができない。その弱気は、野田氏が首相になってから一貫してのことです。支持率が20%を割れば、すでに野田氏が来ても戦力にはなりませんが、自分から状況を打破する意欲もなく、改善することもできないリーダーでは、負け戦は続くことになるのでしょう。

では、総選挙のタイミングはいつか? 実は混沌としてきました。コメント欄には書きましたが、公明の事情は複雑です。12月都知事選、7月都議選、9月参院選、創価学会婦人部がフル回転の状況です。公明は年内解散で、できるだけ都議選、参院選に寄せたくなかった総選挙でしたが、都知事選が加わって変わった。できればどこかと重ねる方がいい。そうなると都知事選か、参院選が濃厚ですが、逆に云えばそれ以外で選挙をした方が、民主にとっては有利だと判断もできます。
公明はすでに、関西圏で維新との選挙協力をうちだすなど、自民離れを起こしていますが、早期解散に前のめりな自民党執行部とも、距離を置くとされます。解散時期をコントロールするためには、野田政権に協力するかも知れず、この辺りが選挙時期を読みにくくします。民主に能のある人材がいれば、自公分断戦略を練るでしょう。そしてそれは衆参ダブル選挙狙いになるはずです。

一方で自民は、政権交代へむけて足がかりができたばかりでなく、落選議員が勝てると踏んで、党執行部への突き上げが強くします。それが公明との、戦略上の齟齬を来たさないためには、衆院選を都知事選と絡めたい。11月中旬には、解散に追い込まなければなりません。元々が自民、公明はこの形で折り合ったのであり、この辺りの駆け引きが今後は激しくなると予想されます。それは大票田をもつ公明の意図をさぐる綱引きであり、公明がキャスティングボードを握るのかもしれません。
今回の鹿児島3区補選では、民主、自民ともそこそこ支持層は固めたようです。風のない選挙なので、ある程度は奏効したのでしょうが、自民の基盤の方が大きいことを示した。逆に云えば、民主は前回の衆院選でも浮動票がかなり嵩上げされたのであり、次期衆院選ではどこの選挙区でも苦しい、ということが今回で如実に示された形です。これが、離党の動きを加速させかねず、逆に公明の思惑とは違って、野田氏が盛んにいう解散は首相の専権事項、という言葉すら虚構になるのかもしれません。政権与党が過半数割れを起こしたとき、すでに首相には解散をコントロールする力がないのです。
民主では、野田氏に総辞職させ、新政権で解散という目論見もありますが、党代表選から半年も経たず、代表を解任するような党では、それこそ統治能力を疑われます。野田氏に代表続投を容認したときから、すでに民主は死に体であり、薩長にまつわる鹿児島から起きた動き、それは民主を崩すには十分のインパクトをもって、今後の解散戦術にも影響することになってくるのでしょうね。

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2012年10月27日

雑感。Windows8が発売

政府が予備費3926億円をつかった、経済対策をうつと発表されました。復興予算が流用され、また執行が停滞する中で、また復興関連事業に多くの予算がつきました。ムダ遣いに対する補填? とも勘繰れます。グループ補助金に801億円がつけられていますが、これまでも申請しても却下される、という事態が起きており、これは運用に問題の多い事業です。行政は複数の事業体が重なると、単体でも事業を把握していないため、判断がつきにくくなります。さらに取引相手が複数にまたがると、グループを組むにしても、全体像を見え難くします。結果的に、損をだすわけにもいかない、として申請を受諾せず、差し戻してしまう傾向があって、それを改善しなければなりません。
政府はこれでGDPを約0.1%押し上げる、と試算していますが、残念ながらそこまでの効果はないでしょう。GDP比で0.1%の支出をしたから、という理由だけで、直接投資の効果を得たければ、公共工事などの方が効果的です。特に今回の経済対策では、家庭用燃料電池の設置補助のような、直接的な効果がでるものが少なく、むしろ先を見据えた対策が多い。中身が乏しいのに、効果を過大に訴えて、政府への批判を少なくする、といった目的がこうした点にも見られるのが残念です。

昨日、Windows8が発売されました。残念なのは、日本メーカーの出す新製品に、あまり目ぼしいものがない点です。恐らくまだこのOSでどういう形がよいか、模索しているところで、従来機種からOSを乗せ変えただけ、というものが目立ちます。さらにデザイン、スペックで海外製に見劣りする中、価格だけは高いという点もあります。最近の日本メーカーは、収益性が低下し、研究開発費が削られている面が出ているとすれば、今後も製品には期待できないのかもしれません。
iPad miniが出ましたが、日本メーカー製と同じ問題を抱えます。スペックは低いのに価格は高い。Appleファンなら買うかもしれませんが、AppleファンならiPadやiPhoneをすでに持っているはずで、中途半端なスペックのiPad miniに必要性は感じない。日本メーカーのパソコンも、すでにWindows7をもっている人に、Windows8がどこまで必要か、考えるまでもありません。もしWindows8が、Androidが出る前に、タッチ操作が可能として出ていれば、大きなアドバンテージになったのでしょうが、Android搭載のタブレット、スマホをもっていれば、操作性その他の体感は同じなので、どうしても欲しいとは思わないはずです。残念ながらパソコン市場の浮揚効果は少ない、と云えるのでしょう。

パソコンに限らず、デザイン性の低さも日本メーカーの大きな問題です。どうせすぐ真似される、という発想は、Apple対サムスンをみても意匠裁判で勝てば、有利な展開にもちこめます。今後は、デザインを向上して顧客の心をつかむ、といった努力も必要なのでしょう。その点、今回はVAIO Duo11、dynabook R822辺りが頑張っていますが、メカニカルな機構をもちながらスタイリッシュさを求める、その二律背反に答えをだすのは、小型化が得意だった日本企業の得意芸であるはずです。
ただ、かつての技術を継承せず、今がただ突飛な製品を出して失敗する、ということを恐れるだけなら、日本メーカーは今後も埋没してしまうのでしょう。せっかく操作性が大きく変わり、可能性が大きく広がるタイミングなのですから、体力的にはきつくても冒険するぐらいの心意気がないと、日本メーカーは益々厳しい状況に追い込まれてしまうのでしょうね。

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2012年10月26日

石原新党の余波について

石原都知事が定例記者会見で、政策は大事だが連合を優先、と発言しました。しかしそうなると、石原・維新連合がどんな政策を掲げても、国民は懐疑的にみます。政権をとったらどんな態度に変わるか、分からないからです。さらに連合に反対するたち日、みんなの党の動きに「視野が狭い」とし、倒幕になぞらえて戦争した薩長が同盟を結んだ、と述べています。保守系の流れが、日本で多数になりえないのは、他人のせいにするばかりで、傲岸不遜に振舞う態度が、欺瞞に見えてしまう点があります。
顔を突き合わせ、話し合ってみろ、とまで述べていますが、それなら自分はナゼ意見の合わない相手、生活、共産、社民と倒幕にむけて話し合いのステージをもたないのか? 自分が仲のよい、維新とだけ連合を組むことを他人に強要するのか? それが説明できません。政策を丸投げするなら、尚更倒幕にむけて多数を目指すために、自分と仲が悪い相手とも組む覚悟を示す必要があります。

石原・維新連合で130議席、と強気の見通しを示す政治評論家もいますが、そうなると100人以上が新人議員です。いくら党首の顔が立っても、これでは国民が思考停止に陥ったとしか思えません。さらに維新も、たち日も勉強会をもち、新人の発掘に余念がありませんが、質の問題は抱えます。
たち日は、自民の公募にあぶれた者が多い。維新は勢いに乗っかろうとした者が多い。全員とは云いませんが、少なくとも100人も新人議員が増えれば、玉石混淆でも石が多いのは目に見えます。そこにきて、政策をうっちゃって組んだ連合なので、政策が信じられない。これでは致命的です。

都知事選が9日か16日になるので、公明は年内解散を望まない公算が強い。ただ、分散して選挙するより、まとめた方がよい、と考えるなら早期解散に動くでしょう。しかし選挙協力を組んだ維新が、石原新党と連合するようだと、態度を見直すかもしれません。創価学会は中国と親密であり、名誉会長はいくつも中国から表彰されているほどです。中国にケンカを売る石原氏とは合いません。都知事選では公明も推薦していますが、国政になると話はまったく違ってくるはずです。
しかも、昨日行われた生活の結党記念パーティーでは、4200人を集めたとされ、これは維新立ち上げパーティーより多い数字です。生活は現職議員も多く、単純比較はできませんが、明らかに生活が選挙後も一定勢力を保つことが分かります。第三極の中心軸を生活が担うことも考えられ、益々石原氏の維新とのみ連合する凝り固まった考え方が、倒幕の上では大きな弊害になってくるでしょう。

自民は票を食われる、民主は助かる、ともされますが、石原氏もH24年の都知事選では、直前で震災があり、現職が圧倒的に有利な中で、地盤のない東国原氏に追いすがられました。民主旋風が吹き荒れた前回の都議選でさえ、自公が多数をおさえるほど、東京都は自民が強い地盤であるにも関わらず、です。石原氏の選挙強さも高齢に伴い、衰えており、コアなファンしか票をとれないでしょう。
さらに、石原・維新が連携すれば…という話も、連携すればコアなファンも離れる。これは痛し痒しです。政策を擲つ、とはそういうことであり、結局それは野合としか映りません。きちんと政策で連携できない限り、やはり脅威とするには迫力不足なのでしょう。石原氏は、都政でも中途半端のままだったり、達成できなかった事業も多くあります。説明責任を果たし、その辺りの事業をどう決着させるつもりだったか、語る必要もありますが、そうしたことを避けてしまう保守系の議員にありがちな態度が、多数の支持を集めにくい部分として今後も意識されてしまうのでしょうね。

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2012年10月25日

石原都知事が新党立ち上げへ

プロ野球のドラフト会議が行われました。花巻東高校の大谷投手が、大リーグ入りを表明している中、某球団が指名しています。よく逆指名は不遜、指名されたらその球団に入るべし、という論調がありますが、職業選択の自由の観点からみれば、働きたくない職場、球団であれば断ってよいはずです。不人気球団に不利、という話もありますが、人気が出るよう努力もしないような球団であれば、それこそ働き甲斐もありません。他を出し抜こうと、指名前から誠意を尽くして説得もせず、指名してから表立って動ける、という球団ならそれこそ真を問われるものです。
日本球界は、地上波の放送がほとんどなくなり、凋落傾向にある中で海外に脱出したいという若者は、今後も増えるでしょう。球界全体が魅力をとり戻し、若者が活躍したいと思う場をつくるよう努力するのでなければ意味がありません。これは球界を牛耳っている人物らの責任です。米球界側が日本と交渉する際、誰と話していいか分からない、という状態においていることが問題です。

石原都知事が知事を辞職し、新党をつくって国政にでることを表明しました。一般論は避けますが、まず日本維新との関係は、連携はできても連立は困難です。会見でも指摘した憲法全面改正や、横田基地問題にふれるなど、いわゆる石原氏は急進保守、嫌米保守に属します。一方で、橋下氏は小泉政権の関係者を多数かかえた親米保守であり、その差を埋めるのはかなり困難です。石原氏はブレも散見されますが、たち日を糾合することからも、政策や理念の旗は下ろしにくい面があります。
しかも自民、民主、生活、社民、共産との連携を拒絶しましたから、組めるのは維新とみんなの党ぐらいです。しかしこの両党は政策至上主義で、双方が組むことさえ難しいのに、ここでさらに石原新党が加わればカオスに陥ります。石原新党の急進保守的な立ち位置は、永田町内では極めて難しいといえるのでしょう。万年野党、との認識が国民に広がると、票も集まりにくくなります。

ただ石原新党は、メディアの注目を集めるでしょう。石原親子対決になるためです。さらに三男の宏高氏が自民に留まると、面白おかしく書き立てられます。ただ日本で保守は、それほど強い票田をもっておらず、注目度だけでは如何ともし難い。いくら最後の奉公と云っても、野党では外野で咆哮していることになり、何の意味もありません。さらに都議会との関係に嫌気がさし、都政を投げ出した…との風評はついて回ります。70歳という年齢も、一期だけで引っ掻き回して辞められても…と意識されます。尖閣購入で名を売りましたが、集めた寄付を宙に浮かした点もよくありません。
総じて今回の動きは、離党者の受け皿として2、3人は流れるかもしれませんが、大きな動きにはなりにくいでしょう。たち日の平沼氏も、石原氏も資金面は強いですが、それを頼って移るような議員は小粒で、期待もできません。維新と組んで、第三極の主流となって…と考えていたのでしょうが、その維新の支持も落ち、今や少数にとどまりそうな勢いです。そこに嫌米的な態度をとる石原氏が加わると、メディアも前向きに報じてはくれないでしょう。いずれ政権与党に加わって、政策立案に参加したいと若手議員に思わせる、働き甲斐のある場を提供するのと、今回は大きく異なります。老体ばかりが自己満足で徒党を組んでいる、と見られがちな中で、どう魅力を訴えていくかがカギなのでしょうね。

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2012年10月24日

貿易統計とさくらリポート

22日、24年度上半期の貿易統計が発表されました。3兆2190億円の赤字であり、輸出では自動車が伸びる一方、電子部品や鉱物性燃料の減少が大きく、トータルでは2%の減。輸入は液化天然ガスの伸びが24%に達し、非鉄金属は28%も減少していますが、トータルでは2.6%も伸びており、これで差し引きの赤字額が拡大しました。非鉄金属の輸入が減少したのは、日本でレアメタルなどの利用を減らす流れが加速するなど、一面ではよい部分もありますが、消費の減少で一部企業が生産を抑制している面もあり、これは世界的な傾向ともいえるのかもしれません。

Windows8が明後日発売されますが、それによるパソコン需要の減退が起きています。しかし発売されても、需要は強くないとされます。価格が上がる一方、未完成との噂もあること。及び法人需要が強くなく、Windows7でできることが引き継がれるなら、買い換える必要性が薄いことなどが挙げられます。電子部品や半導体の輸出に、この辺りも影響しているかも知れず、注意が必要です。
さらに自動車の輸出は、予想以上に伸びていますが、米国需要の強さが寄与しています。米国経済は低位でも堅調、とされてきましたが、業績悪化でふたたび従業員削減を計画する企業が増えており、今後の消費の伸びは期待できないかもしれません。米企業が示す見通しの引き下げは、明らかに今後の世界経済に対する不安であり、それは日本にも波及すると認識した方がよいのでしょう。

地域別でも、この傾向は鮮明です。輸出は、米国:16.6%増、EU:16.1%減、中国:8.2%減、アジア:4.7%減と、米国が減少に転じれば総崩れ、といった状況です。日本の消費は海外よりも堅調であるため、輸入はどの地域でも微増しており、これが貿易赤字の主因という見方もできます。
日銀がさくらリポートをだしました。7月が総じて判断を引き上げたため、10月は東北を除く8地域で景気判断を下方修正しました。中身でやや心配なのが、設備投資は増加している、と米国とは少し異なる動きがみられることです。個人消費が3地域から『底堅い』とされるものの、横ばいから弱含みとされるなど、国内需要は決して旺盛ではない。海外がこれほど減速傾向を示す中での設備投資ですから、これが過剰投資や在庫の積み上げにつながり、長期的な景気を冷やす要因になりかねません。

さくらリポートをうけ、30日の日銀政策決定会合で緩和策がでるとの期待が高まりました。政府は、日銀法改正を脅しに、資産買入れ基金を20兆円ほど積み増し、100兆円規模に増額するよう求めています。ECBは無制限に国債買入れ、FRBは無期限にMBS買取り、と上限を撤廃しており、20兆円を積み増しても焼け石に水です。それに買取額が増えても、これまで景気浮揚効果がなかった対策が、閾値を超えていきなり景気に寄与するとは到底思えない面もあります。やらないよりマシ、というぐらいです。
しかし市場の期待値がこれほど上がると、やらないと売り叩かれる懸念も生じます。最近の欧州CTAスジは、日経ミニ、TOPIXミニに大きな傾きをつくる傾向にあり、それが買い上がる要因となってきましたが、今日辺りからポジション整理の動きもみられたようです。残念ながら、これからしばらくは企業業績に期待できず、市場の上値追いは厳しいところです。貿易統計やさくらリポートから分かること、それは中央銀行の対策にも限界がみられ始め、今後はより厳しい政策による対応が必要だ、ということです。しかし米中がトップ交代の過渡期にある中、日本も政局が混迷に陥り、野田氏が政権を続けることが市場のリスクとなってくるでしょう。冬にむけて、諸課題をこなす世界とともに、日本の政治リスクにも目配せが必要となってくるのかもしれませんね。

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2012年10月23日

田中法相の辞任と、輿石戦術

田中法相が辞任です。推測が雑じりますが、辞めそうにない田中氏に委員会を欠席するよう唆し、追求を避けるために入院して検査し、74歳という高齢であれば健康上の問題がでるだろう。そこでメディアにも辞任已む無し、という報道を流し、健康上の理由で辞めてもらう。こうして外堀、内堀を埋める計略を練ったのは、どうやら党執行部です。14日に、野田―輿石会談が開かれてから、輿石氏の態度が変化したとの報もありますが、この辺りから輿石氏の動きを読み解くことが可能です。

野田内閣は発足以来、失態続きです。まず鉢呂経産相が発足後、すぐに失言で辞任。一川防衛相、山岡国家公安委員長は袋叩きに遭います。内閣を改造しても田中防衛相が失態、前田国交相も選挙違反の疑いで問責。松下金融担当相は自殺しました。そして今回、田中法相の辞職です。実に、野田内閣は野田首相と藤村官房長官以外、約1年の政権としては異例の閣僚交替を誇っています。
そして党執行部に目を転じると、野田氏が代表になってから、もう一人役職に変化がないのが輿石幹事長です。解散先送り戦略をとり、党内の信頼も勝ちとり、野田氏の信任も得ている。まさに我が世の春、というほどの隆盛ぶりですが、選挙情勢は芳しくなく、選挙後には引責が見えています。そこで輿石戦術が見えてきます。最近、民主で語られ始めた衆院選と、参院選をできるだけ離す、という理屈です。衆院は大敗北でも、その後のゆり戻しで次の参院選は、多少は民主が盛り返すだろう。そうして参院で多数を占めれば大連立の芽も残り、影響力を行使し続けられる。これが輿石戦術です。

そしてこれは、輿石氏にとって非常に都合がいい。年内解散で衆院選敗北の責任をとって幹事長を辞し、通常国会は参院議長に横滑りする。これで念願が叶います。また民主内の参院の勢力が拡大すれば、益々自分の権限が大きくなる。そうなるよう、参院側のハンドリングはしっかりと行い、参院第1会派を維持しておく。早期解散が、輿石氏にとってもメリットになり始めた、ということです。
そのため、田中法相はさっさと辞めさせ、それをメディアには『政権に大打撃』『首相の任命責任』『政権運営に影響必至』と書いてもらう。それで解散が早まるなら、輿石氏には願ったりです。そのため0増5減の先行実施にも言及、解散のための地均しを始めた。それが19日の党首会談前の「何らかの具体的提案」という発言につながったのではないか? そして14日会談では、野田氏から早期解散に向けての調整、もしくは影響を調査するよう依頼があり、それで輿石氏にもっとも自分にとって利のある戦術が芽生えた、ということが、一連の行動、言動から推測できるのです。

米国、財界、財務省、そしてメディアからも見限られ、また身内である幹事長からも、野田氏は見限られた。後は近臣の藤村氏や、花斉会のメンバーぐらいしか、信じられる相手もいなくなり、野田氏は官邸に引きこもるようになったのでしょう。後は、明智の三日天下のように、野盗(野党)に刺されるか、徳川の伊賀越えのように無事に乗り切れるか、もしくは明智に本能寺で討たれた織田のように、身内から謀反が起きるのか。いずれにしろ、野田政権の断末魔、最後の姿が徐々に見えてきた、といえる事態になってきたのでしょうね。

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2012年10月22日

雑感。KDDI基地局における裁判について

前原国家戦略担当相が、年内解散について言及し、永田町がざわついています。ただ、野田首相と連携していない前原氏が何を発言しようと、特に意味はありません。個人的見解だけで政局が動くことはなく、政権の援護射撃にすらなり得ないでしょう。今や前原氏は政府の中枢ではなく、閣僚であっても傍流に位置します。下種の勘繰りをすれば、自民との意思疎通、連携が図れるのは自分だ、という態度にも思えます。国民の声や、野党に阿るような発言をするとき、それは自分こそそうした声に耳を貸し、代弁者たりえるとの意識が見え隠れしますが、概して前原氏の場合、それが無責任さにみえてしまうのは、結局、実行力というものが伴わない自身の態度に問題があるのです。

先週、少し気になる裁判がありました。宮崎地裁のKDDIの無線基地局に伴う、健康被害についての裁判です。判決は、特定の地域にまとまった健康被害は認められるが、携帯基地局との因果関係は認めず、原告敗訴となりました。実は、電波防護基準は短時間に大量の電磁波を浴びた場合による、健康被害を起こさないことを念頭に定められたものであり、少量の電磁波を浴び続ける、という事態に対処していません。実は、その件については定量的な情報は得られておらず、判決はそれを念頭に因果関係を排除していますが、後に因果関係が判明した場合に備えて表現を曖昧にする、という極めて問題の大きいものとなっています。つまり裁判所が予防原則を見送った、ということです。
電磁波にしろ、放射線にしろ、一度に大量に浴びた場合の危険性は定量的な情報が得られていますが、少量を浴び続ける、という状態については分からないことが多い。現在、人類は被害を受けている人から結果を収集し、それを後世の基準とする、悪い言い方をすれば『壮大な人体実験』をしている最中、といえます。さらに日本は薬害エイズや肝炎の問題にしろ、海外で治験が出ていても、それを無視して被害を野放しにする傾向が行政や司法に蔓延しており、それで影響を拡大してしまいます。

有意な健康被害があるのなら、対策を打つよう企業に求めなければなりませんが、そうなると全国、全世界に波及する可能性がある。日本はこうした問題でも、リーダーになることを恐れる、そんな傾向がみてとれます。後にこうした問題で影響が確定し、賠償や対策費が嵩むことになれば、その方が企業にとってマイナス、という考え方も存在しない。実に、率先垂範の意思すらない国になっています。
この裁判が気になったのは、日本に欠けているリーダーシップが、問題解決を遅らせる典型だと考えたからです。これは政治も同じで、誰かに被害が出ていても、自ら動いて何かを為そうという気概のない人間が、今の野田内閣です。特例公債法案などが通らないと影響がでる、しかしその批判は野党に向かうだろう…これは、民主が野党時代の考え方をそのまま引きずっているだけで、自分たちが国を動かしている、とは考えない。だから無責任に時間稼ぎ、見て見ぬふりができます。

国のトップが電磁波、放射線の問題に向き合えば、すぐにでも対策が必要と判断できます。国民が健康に、安全に生きることを保証することが、健全な経済活動をする上でも必須といえます。今の法律が、低量の電磁波、放射線の影響を考慮できていないなら、健康被害を調査、継続して監視することを求めても良かった、そんな判決でもあります。それをできない司法の限界と、この国のリーダーシップ欠如の問題を重ね合わせると、根深い問題だと改めて認識できてしまうのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:07|PermalinkComments(10)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 司法 | 社会

2012年10月19日

民自公の党首会談が決裂

民自公の党首会談が決裂しました。昨日、輿石幹事長が「具体的な提案あるのではないか」と述べましたが、一切ありませんでした。しかし分かったこともあります。まず、野田―谷垣会談で、野田氏から「予算編成はやらない」との提案があった。それで谷垣氏は8月に同意した。つまりこれは年内解散の確約ですから、今は何もないどころか提案を後退させており、自公の怒り心頭も当然です。
恐らく、野田氏も何らかの提案をするつもりだったところ、党内事情が混迷してきた。その原因は、田中法相とみています。今日、辞任已む無しとの報道もありますが、朝の突撃取材では辞任を否定しており、田中氏はまだ同意していない。これは辞任を規定路線とするため、メディアにあえて流した情報です。さらに昨日の決算委員会の欠席も、党からの指示とされ、今日の入院も党から促されたのだとすれば、田中法相にとって寝耳に水、陥穽に嵌められたという形です。これは旧民社系も野田政権に反発するでしょう。つまり野田氏が解散を確約すれば、反野田勢力に旧民社系が合流、党内がばらばらになり、政権がもたないと判断した。党首会談より党内融和を優先したのでしょう。

そして今月29日に臨時国会の開会を、民主が決めました。参院で問責をうけ、それを臨時国会まで持ち越した政権が開く、初めての国会です。参院での審議は停止するのが決定的であり、民主内ではまだ、決まらない政治の責任を野党に転嫁できる、との妄想を抱いていますが、この異常な事態を招いた原因は、与党の側に責任が大きい。田中法相の件で、先手を打ったつもりでも、改造をするたび問題閣僚をうみだす人事の異常性を浮き彫りにしただけで、この件はずっと尾をひきます。
原発政策で、財界と距離を開けられた。復興予算でメディアに広告費をうち、これが批判を抑えていた遠因ですが、使途が問題視され、今後は広告費にも回せない。メディアも野田政権の延命には、非協力です。頼みの財務省も、野田政権では予算審議が滞ることから、すでに見限ったとされます。財務省の悲願を達成した恩人でも、結局は使い捨てです。財務次官はすでに交替しており、今後を考えれば野田政権でない方がいい。特例公債法案の成立を蔑ろにしたことも致命的でした。

野田氏は12月の日露首脳会談に期待しているようです。資源開発にかかる資本に、日本の投資を活用したい。そこで領土問題に妥協を示すと見ており、北方領土問題に決着がつけられるかもしれない。そのため、国連演説でも北方領土はあえて深彫りを避けていたぐらいです。ただ、支持基盤の弱い野田政権と、何らかの妥結をする必要はロシア側になく、これまでの野田外交でも何の成果もなかったように、何の提言も見出せないでしょう。野田氏は思い込みや、原則論により柔軟性が乏しく、さらに失言は少なくとも虚言、言葉遊びによる詐術を多用する傾向があり、最も信頼できない相手です。
野田氏の強烈な権力欲と、民主党内の選挙先送りの雰囲気が、解散時期を不透明にしていましたが、ここに来て野田氏は四面楚歌になってきました。この元になった楚の項羽は、有名な鴻門の会で宿敵の劉邦を逃がし「じゅし共に謀るに足らず」と、その知恵のなさを配下の者に嘆かれます。それは今の野田氏と輿石氏のようです。さらに項羽は「沐こう(猿)にして冠す」、猿が冠をかぶっているようだ、と罵られたこともあります。党内のそんな声から「骸骨を乞う」、これも項羽の一の配下が述べたことですが、つまり辞職願い、離党する人間が頻出する形になり、年内解散が迫ってくるのかもしれませんね。

明日、明後日とお休みしたいと思います。

analyst_zaiya777 at 22:58|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2012年10月18日

中国の7−9月期GDP

週刊朝日が、橋下大阪市長に関する連載記事『ハシシタ 奴の本性』について、謝罪する事態となりました。人格攻撃どころか、差別的内容であったこと、またそれを助長しかねない内容でもあり、言論の自由を逸脱していたことは明白だったのでしょう。最近のメディアは、攻撃の仕方を間違えており、矮小化された、極めて危険な正義感に基づく場合が多く見受けられます。
政策や発言を捉えて、その矛盾や実効性を疑問視する類なら、それが歪つでも正義感は許容されるのでしょう。身内や親族を攻撃すれば、その影響は計り知れず、むしろそれをした側の悪意しか目立たなくなるのです。しかも、完全子会社の週刊朝日を別会社としたことも、問題を大きくしました。企業の問題を追及する際、完全子会社なら責任問題は一体で報じるのがメディアです。自らの態度と、報道における態度を使い分ける姿勢が、メディアの立ち位置として不透明さを残したといえるでしょう。

中国の7-9月期GDPが、前年同期比7.4%増となりました。数字が予想に近く、景気に底打ちの兆しが見える、として市場は好感しましたが、これはかなり厳しい数字です。09年から12年6月末まで、中国金融機関による新規貸出しは35兆元(434兆円)に及ぶとされます。これは昨年のGDPの7割、2.5年で分割すればGDPを3割近く押し上げた形です。そしてその新規貸出しが、8月からふたたび増加傾向にあるとされます。つまり1兆元の景気対策に伴い、新規貸出しでGDPが嵩上げされている懸念があります。
しかも地方政府の受け皿機関が、国家審計署によると10兆7千億元の債務残高をかかえており、中国政府は債務返済期限を1年先送りする対策を打ちました。つまり共産党大会前に、債務問題を隠蔽したのです。さらに金融機関は、資産管理商品による投資を行わせ、それをリスクのある貸付に回す、ということが常態化しており、利回りがいい反面、貸し倒れリスクも大きい。これは金融機関のバランスシートに載らず、10兆元を超えるとされているものの、引当金も積まれておらず、金融機関を突然死させるに十分な規模をもっていますが、まったく公表されていません。

中国政府の債務は少ないものの、こうした受け皿機関、金融機関に時限爆弾のように蓄えられた債務は、非常に莫大です。中国では莫言氏がノーベル文学賞をとりましたが、まさに莫言(言うこと莫れ)で、債務を公表していない。しかもGDPを、裏の融資で押し上げているとすれば、見た目以上に中国経済の深刻さが読みとれるのでしょう。輸出入の鈍化の前に、中国経済の真の不安は、金融トラブルです。しかも、需要の鈍化に伴い、一部では卸売物価に鈍化がみられ、インフレ懸念から一気にデフレ傾向を示している。これを食い止めるためには、ふたたび金融緩和せざるを得ませんが、そうなると金融機関の収益性は益々落ちますから、闇金融に頼る傾向を強めてしまうのでしょう。
さらに人民元が上昇を続けていますが、これも中国強硬派のロムニー候補より、オバマ候補を支援する材料ではないか? と見られています。為替操作も、共産党大会前に不透明要因を消す、という目的で利用しているなら、いずれ金融も操作してくる可能性もありますが、春節の爆竹のように、連続で爆発するような事態となれば、国家の統制が利かないほどに、経済破綻へ至るのでしょう。

日本市場は、ムーディーズによるスペインのジャンク級格下げが見送られ、それがリスクオンを助けた、とされます。つまり格付け3社の内、2社がジャンク級に格付けすると、急激に利回りが上昇する、とされており、時間を稼いだとの見方です。ただ支援要請すれば、当然ジャンク級になりますので、これは時限的なリスクオンと云えます。中国リスクの波は、日本により大きくかぶります。今後の市場は、中国経済との連動性が強まってしまうことは止むを得ず、経済指標とて信じられない国に、右往左往させられる場面が増えてしまうのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:18|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 アジア | 経済

2012年10月17日

経済対策と一票の格差

米軍海兵隊員による集団強姦致傷事件、米軍の質の低さを相変わらず露呈した形です。20代の若者を鍛えるだけ鍛え、精神的には未熟なまま前線に送りだすのですから、有り体に言えば事件は必ず起こります。犯罪抑止として、刑罰を重く科そうとしても日米地位協定が邪魔をするのですから。
今回は日本の警察が先に身柄を確保でき、日本の法律で裁けますが、米軍基地にもどって本国に召還されれば罪に問うこともできません。犯罪者引渡し協定など、途方もない労力をかけてやっと達成できるかどうかです。オスプレイ運用ルールは守らない、夜間離発着訓練も同様ですが、米軍と付き合うには忍の一字しかなく、それを基地周辺住民に押し付けているのが現状なのです。

野田首相が、緊急経済対策について各閣僚に指示をだしました。予備費1兆円をつかえば、国会決議は不要であり、年内解散を遅らせるための戦略、とみられます。そもそも、景気底割れを防ぐと云いながら、今底割れに緊急性があるわけではありません。米消費が好調を維持し、逆に今は横ばいが続きます。仮に欧州債務不安や、米国の財政の崖が世界経済を悪化させるとしても、まだ数ヶ月は先であり、慌てて経済対策を打つ必要はない。むしろ予備費1兆円を、臨時に特例公債法案で影響をうけている地方へ回せば、その方がよほど経済対策として機能する、と云えるのでしょう。
しかも復興予算の使い道について、チェックできない野田政権に、必要な景気対策を打てるとは到底思えません。野田政権に予算を使わせると、省益確保が優先される可能性が高くなります。それは、本来は選挙に有利となるようバラマキをしたいところでも、官僚の統制ができていないため、官僚にとって都合いい予算を組みやすい、という事情によります。以前なら『エコ〜』が、景気対策に効きましたが、すでに買い替え需要は一巡した。民主党政権になってから打たれた景気対策のほとんとが、自民党政権時代の焼き直しであり、新規の策は皆無なのが現状です。これも、官僚に頼っているばかりで知恵のない証拠であり、野田政権にはまったく期待できない一因となります。

一票の格差是正について、最高裁が厳しい判断を下しました。立法府が違憲を放置している状態に、司法が雷を落とした形です。今回は参院ですが、参院は議席数も少なく、人口の少ない県にも2議席を割り当てていると、一向に格差は解消しません。これは大選挙区制とし、関東や関西で何議席、などとすればある程度の平滑化は可能ですが、四国地方は少ない、などの県民が少ない地方からの不満が出るでしょう。格差は、結局は人口の偏在問題であり、少数を切り捨てるかどうかに帰結します。
参院の役割についても、議論の対象にするなら、また一考なのでしょう。個人的には、参院に政党は不要と考えるので、数を減らして貴族院のように、個人が独立している方がチェック機能も働きますし、またネジレの問題も解消できると考えています。それだと、地方の声に耳を傾ける意味でも、県に2議席以上割り当てていても、多少は許容できる部分もあるでしょう。今のように、衆参の役割が似通っている上、ネジレなどの構造的な政治の停滞を生みやすい環境を続けるなら、一票の格差を縮小するよう選挙制度の大幅な改革が必要となるのでしょう。こうしたものも、政権与党が意見をとりまとめ、集約していく能力が問われるのですが、今のように議長がお飾り、年功でただすわっているだけの民主党に、調整を期待するだけ困難ということになってしまうのでしょうね。


analyst_zaiya777 at 23:30|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 経済

2012年10月16日

米財政赤字と特例公債法案

米財務省が、2012会計年度における財政赤字が1兆893億$、GDP比で7%と発表しました。米国の財政悪化の伸びは、日本の比ではありません。イラク、アフガンの駐留米軍を減らし、法人税収が伸びても赤字額は減らず、大統領選を前にして公約が達成できていないオバマ大統領には逆風です。
米国では、9月雇用統計に経済学者からも、民主党に有利となるようとり計られたのでは? との疑義が呈されています。楽観をばらまき、経済を上向かせる。それが至上命題であり、特に大統領選の前に、オバマ氏が有利となる思惑も働く。しかし財政赤字に関しては数値の調整が利きません。もしこの数値を操作すれば、次政権に移ったとき、糾弾されることが目に見えているためです。結局、オバマ氏は公約を達成できなかった、そのことは大統領選の材料になりえることです。
先に示したように、米国の財政赤字の伸びは急激です。財政の崖と云われますが、景気に打撃が大きいものの、崖を下った方が財政には寄与します。しかし先のIMF、世銀の年次総会で示されたのは、財政改革を急ぎ過ぎず、景気に目配せするよう求める姿勢です。これは米国が財政の崖を回避するための、有力な材料となりますが、財政改革が遅れれば遅れるほど、今後は格下げとの兼ね合いが出てくる。時間軸で云えば、最上級格付けを失う方が先にくる可能性は十分ある、と云えます。

日本も、特例公債法案の成立にむけて、月末に臨時国会が開催される見通しです。民主からは条件さえ整えば年内解散で合意、とのアドバルーンも打ち上がりますが、すでに民主への信を失っている自民は、時期を明示するよう求めています。これまでにも、裏で与野党が時期を調整したことはあり、野田氏のいう「解散時期は示せない」との理屈は成立しません。むしろ谷垣氏の甘さが、今の事態を招いているのですから、自民は妥協する必要性を感じていない、ともいえるでしょう。
財務省がいくら裏で、特例公債法案の成立にむけたペーパーを与野党に配ろうと、この点に変化はないでしょう。仮に今、財務省に逆らおうと、政権をとれば仲良くやれるとの思惑が自民には働きます。また、消費税増税では谷垣氏も財務省に騙されたのですから、その点も自民は我を通しやすい。特例公債法案を蔑ろにしようとした、野田首相を見限ったとの報もあり、財務省が恩義に感じて野田氏の延命に手を貸す、ということももうないといえるのでしょう。

そんな中、新たな民主の延命策として、今後は離党ではなく分党とし、内閣不信任に反対するよう求める策が、民主内で模索されているようです。しかしそれでは何のために離党、分党するのか不明で、落選確実です。内閣不信任で反対すれば、選挙をしても民主を責められず、埋没するでしょう。いくら看板をえても、それが民主党○○支点と見なされれば、分党しない方がマシです。
民主は党としても奇策が多く、議員の動きにも首を傾げるものが多い。この奇策は、決してよい意味ではなく、奇妙な策ということです。特例公債法案とて、本来は赤字の補填であり、もし与野党で合意できないなら、知恵をしぼって赤字国債を発行しなくても、乗り切れる策を考えてもよいのでしょう。それが奇策に当たりますが、復興財源とてムダ遣いの温床にされる民主では、奇策どころか気息奄々で、財政を真剣に考えることなど期待できないということになるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:35|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | アメリカ

2012年10月15日

ソフトバンクによる米企業の買収

成りすましメール事件で、TBSに犯行声明とみられる手紙が届けられていたことが、明らかになりました。他の報道機関は切歯扼腕していることでしょうが、報道では捏造が多いTBSというのも、何かの暗示かもしれません。そんな中、横浜市のHPに小学生を襲撃するメールを送った件で、明大学生の刑が確定していますが、犯行声明の中に含まれていました。供述では動機も語られていますが、もし仮に成りすましメールだった場合、その動機は捏造か、誘導の可能性が出てきています。
犯行声明には「警察、検察をはめたかった」とあり、まさにその通りの結果です。犯行方法も記されていたことから、犯人からの終結宣言とみられますが、ナゼ最後の犯行声明が成りすましメールの送信でなかったか? それはウィルス対策ソフトも出回り、犯行がやりにくくなったせいかもしれません。いずれにしろ警察は面目丸つぶれ、このまま汚点を残したままではいられないでしょう。

ソフトバンクが米スプリント・ネクステルの買収について合意し、正式発表されました。しかしソフトバンクの株価は2日間で20%を超える大きな下落、指数寄与度が大きいため、日経平均の上値を押さえる原因となりました。原因は、スプリントの抱える負債が1兆5千億円、それがソフトバンクの有利子負債とあわせ、2兆円を超える負債となること。さらに買収資金の調達により、一気に財務体質が悪化します。米携帯電話事業は、上位2社の寡占状態であり、今後の事業拡大をはかるには設備投資も嵩みます。ソフトバンクにかかる債務が、事業規模を超えた場合は破綻懸念を生じます。
また買収資金の調達方法です。新株は発行しない、と株主に優しい提案をしています。また邦銀大手3行も、1兆5千億円程度なら新規融資に前向きとみられていますが、英ボーダフォン買収の際は、短期の金利負担が重たかったことから、携帯電話という特定事業を担保として証券を発行、それで負債を減らした面があります。今回も同様の手法をとるとしても、日本で成功したのは、ソフトバンクが契約数を順調に増やせたからです。米国で同様に事業を増やせなければ、収益性に懸念をもたれます。

しかもソフトバンクは、携帯電話の契約数の発表を、とり止めたい意向を示しているようです。これは日本市場の停滞、さらにイー・アクセスなどの買収で、サービスの一元化をはかる上では、負担が重い面もあるのでしょう。つまりこれからは、契約数の伸びではなく、収益性の拡大に軸足を移す、とみられます。サービス面を強化させ、その中から収益性の高いサービスを探る、という方向性であり、恐らくそれは米国でも同様に、契約数を増やす方向性は描きにくいとみられます。
スマホ市場が拡大し、携帯電話ビジネスは大きな転換が迫られています。以前と比べ、通信料金は高くなりましたが、それでも通信量の拡大に到底及びません。それだけ設備投資も増え、サービス形態も変えなければならない。グローバル戦略で、日米間の共通サービスを増やしても、元々の携帯電話の考え方、文化が異なるので、上手くはいかないでしょう。そんな中で、メリットを探していく作業になりますが、ただ事業規模が大きいというだけでない効果を、投資家にきちんと訴えない限り、株価の回復も困難であり、時価総額経営の行き詰まりが見えてくることになるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:26|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 企業

2012年10月14日

輿石幹事長の動き

民主党の輿石幹事長が、生活の小沢氏との連携を模索、と伝わります。生活からすれば、一年後には政権から転落している民主に協力しても、実入りは少ないですし、第三極の結集に禍根を残します。さらに消費増税以外でもTPP、脱原発など、民主と生活には政策に大きな隔たりがあり、協力するはずがありません。それでも輿石氏が盛んにこの件を取り上げるのは、党内における自身の求心力維持のため、です。つまり輿石氏が幹事長なら、衆院過半数割れでも内閣不信任が通らない、という幻想を抱かせるしかありません。それをできるのは、輿石氏のみだということです。
しかし衆院鹿児島3区の補選、その結果で輿石氏への信認も失墜するでしょう。ここは自殺した松下金融担当相の秘書が、国民新として出馬予定ですが、民主も全面協力であり、ここで惨敗すれば輿石執行部の選挙戦術に、大きな不安を残します。民主は久しぶりに情勢調査を行ったようですが、結果は80議席そこそことのこと。これは現有議席の3分の1、ということで衝撃を与えています。

維新は一気に支持を減らしましたが、ここに来て橋下大阪市長が石原都知事らと会談をもっています。長男である伸晃氏が、自民総裁選で惨敗し、都知事へ転身か? とも囁かれます。代わって父親が国政にもどり、石原新党をつくると囁かれており、自民に接近して失敗した橋下氏が、維新の国政を任せる相手として石原氏を担ぐ可能性も強まっています。だからといって、維新―石原新党がそれほど支持を回復させるとは思いませんが、国政として一定の勢力になることは確実です。
民主は政党助成金をうけとらない、という奇策に出ていますが、自民の金庫を干上がらせる前に、民主の支持率が枯渇しそうです。輿石氏は、自身の党運営の不味さ、国会開会しない態度で支持を下げているのに、若手に選挙対策の取組み次第で、資金配分に差をつける意向を示しており、自分の失敗を棚に上げているようです。こうした態度も、党執行部に不信が芽生えるでしょう。

ハイデッガーの珍しい死の概念について語った部分を引用します。『死は確実にやってくる。しかし今すぐというわけではない』これを語る世人は、自己解釈により死を自分でコントロールできる、死は如何なる瞬間にも可能である、ということを隠蔽する、とハイデッガーは解きます。今の民主党議員の心情は、この言葉に尽くせるといえるでしょう。一年と立たずに総選挙は来ますが、それまではコントロールしていると考えている。ただ、死はいつでも可能となっています。
野田政権は、原発再稼動、オスプレイ配備などを強硬しており、これらが事故を起こせば政権は突然死します。ハイデッガーのもう一つの言葉を紹介しておきます。『人間は原子力エネルギーによって生きていけず、逆に滅びていくだけだ』これは仮に平和利用に限定しても、それによって人間は本質を見失う、とさえ述べます。原子力がもつ巨大な力ゆえ、それを制御し、平和的に利用するという目標設定のみで、人類がいられるかどうか? それを破壊に使ってしまうという危険性、脆さを指摘したものです。原発が事故を起こせば、大きな被害が出ることが福島で、日本も体験した。それを知りつつ、また同じ轍をふむのなら、民主党は跡形もないほどに全員討ち死に、という危険性すら生じるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:34|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2012年10月13日

雑感。他人の口を借りること

パソコンを乗っ取り、脅迫メールを送りつける事件があります。金銭的被害はなく、愉快犯のようでもあり、仮に同一犯だとすると目的は不明です。他人の口を借りれば大きなことが言える、というのはどこも似たようなもので、相変わらずIMFに特例公債法案の成立を日本に要請させるなど、財務省はやりたい放題です。IMFに出資しているのは財務省ではなく、日本政府です。IMFが日本の立場を代弁するならまだしも、従が主を超えるときに、他人の口は便利に使えるということでしょう。

外務省が「日本外交文書デジタルアーカイブ」に、1885年10月21日付で、山県有朋内務卿と井上馨外務卿との会話の中に、清国と尖閣諸島について出てくるとの記事があります。この会話では、清国も領有を主張しており、日本が譲歩して国境線の確定を先延ばしした、と読みとれ、新たな日中間の火種となりそうな気配です。外務省は、尖閣に関する日本の領有時期を明確には示しておらず、琉球王国の所有に頼るのが現状です。中国の明代の資料、というのも位置や名称が曖昧なため、尖閣と位置づけるのは厳しそうですが、日本も証明にはかなりの困難を要するのかもしれません。
東京地裁が、1965年の日韓国交正常化に伴う行政文書を、開示するよう判決を下しました。外交上の守秘義務もありますが、交渉の経緯、内容を知る上でも重要なものであり、また50年近くを経過していることから、非公開とする特段の理由は感じられません。ただ、外務省としては不手際、国民にウソをついていることが、明かされることを嫌がるといった類の懸念が強いとみられます。上記の話など、外務省は情報を開示しておきながら、これまでふれて来なかったのであり、より詳細に中身が知られることを、恐れている姿勢がそこに見え隠れしています。

そんな中、秘密保全法の行方も気になります。公務員による情報漏洩に対し、処分するための法律です。これは先の国会で提出を見送られており、臨時国会にも提出されないと見られますが、その中身が重要です。もし秘密保全法により、全情報が遮断されるとなれば、国民は永久に騙され続けることになる。これは外交のみならず、原発事故なども同様であり、政府が意図的に流す情報のみが国民に知らされるとなれば、情報操作も容易となり、真実を知らされないままとなりかねません。
企業で不正があり、それを公開しても不利益を被らないよう、法律で決められています。国家の場合、不正、違反との境が難しく、国家規模の犯罪の場合、それを追求することが困難になるでしょう。国家の秘密を漏洩する、という行為が国家的な損失になる場合、それが政治的になのか、外交的になのかを別けて考える必要もあるのでしょう。そして政治家がもし秘密保全を破った場合、また意図的に虚偽の答弁、情報を流した場合についても、同様に国家の損益を考えて処分する必要がある、といえます。

他人の口を借りれば、何でも云えてしまいます。しかし本質的に、それが正しい行動であるかどうか、それを見極めることも大事だと云えます。国民の知る権利という問題より、国民が何を知るか、という選択的な問題として、情報の正否を判断できるようにならなければ、この国が成熟していくことは難しい、と云えるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:29|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 社会

2012年10月12日

雑感。ノーベル平和賞にEU

iPS細胞の臨床応用の件で、誤報だったという話になっています。該当する人物の経歴が虚偽、手術も実際に行われていない、などお粗末極まりないですが、そもそももしこの事実が正しいなら、手術を行う前に大々的に報道されているでしょう。6件も手術を行った、とされることからも事実を隠蔽して何例も手術をしたとしか思われず、国際会議で発表する予定だったとしても、それは伏せていたかった何らかの事情が存在したはずです。その辺りの調査不足があったのでしょう。
平成22年の読売報道から、誤報が続いていた。その頃からメディアと付き合い、効果について認識していた該当人物がつき続けるウソを、検証もできなかった点は問題でしょう。研究者には常に、研究費を集めたい、名誉を得たいという欲望に駆られ、成果を大きく評価してしまいがちです。創薬の分野は、特に臨床試験の結果を捏造するなど、そうした不正に目を光らせなければなりません。科学技術の報道は難しいですが、だからこそ慎重さが求められているということなのでしょね。

ノーベル平和賞が、EUに決まりました。「戦争の大陸から平和の大陸」に変えたことが受賞理由だそうですが、いがみ合っていても、分裂気味でも、戦争さえしなければ平和ということなら、日本も受賞資格ぐらいはありそうです。南欧が離脱して欲しくない、それはノーベル財団とて運用がうまくいかず、賞金の捻出に窮しているように、世界経済の安定を願ってのことかもしれません。まさかEU安定のために、ノーベル財団まで賞金で支援するとは思ってもみませんでしたが…。
S&Pがスペインを格下げし、格付けの投機的水準にリーチがかかりました。ただし、今はESM、OMTなどの体勢が整い、逆に早くスペインに支援要請して欲しい、という立場です。しかしスペインが支援要請すれば、今度はイタリアにリーチがかかる。イタリアを狙い撃ちされたとき、それはESM、OMTでも支援するのは苦しく、無制限の支援としても限界を迎えることになってくるのでしょう。

世界経済の下振れが指摘される中で、IMFは最近、急激な財政再建に懸念を表明し、先進国が流動性の罠に陥り、金融緩和は利かず、財政再建が成長を押し下げる割合が強まっていると警告しています。一方で、新興国は金融緩和で経済を下支えするよう求め、IMFが望む成長率に、世界経済を維持するような提言が増えています。しかし非常に矛盾を抱えており、すでに資金が国境を越えて右往左往する時代、先進国が流動性の罠に陥っているなら、それは新興国の金融緩和効果も相殺します。
金利を下げれば通貨安となり、輸出が増えるとよく語られますが、その前に投資資金が引き上げられ、新規資金が流入しなくなるため、内需が悪化します。輸出で稼げる外貨より、投資資金を呼び込んで得る資金の方が、大きくなってしまった。新興国の金融緩和が行き過ぎると、それは通貨安から破綻へという道へ、一気に転がり落ちる可能性があり、バランス感覚が大事な局面なのです。

日本は世界に先駆けて、低金利、低成長という道を歩んでいます。しかし均衡してしまった日本は、今後それをどう変えるか? という点に注力すればよいですが、世界はこの均衡点を目指し、そこにタッチ&ゴーで離陸するという難しい道を模索しなければならない。失敗すれば墜落が待っています。IMFの発言は、どこか無責任に聞こえますが、それは具体策のない現状への、回答を持ちえていない証左でもあるのでしょう。先送りされてきた景気の減速、後退へと突き進む中で、EUの問題や米国の『財政の崖』の問題を、真剣に議論しない姿勢に、本気度を疑ってしまうのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:22|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 欧州

2012年10月11日

民主、自民執行部の初顔合わせ

ソフトバンクが、米通信第3位のスプリント・ネクステルの株式を3分の2程度、TOBにより買い付け、経営権を握る目的であることを発表しました。米国では中国メーカー、華為技術と中興通訊の通信インフラ技術を「軍部によって握られ、脅威」として排除するよう、議会が承認したばかりです。即ち、通信事業について極めて微妙なタイミングでの、買収発表ということになります。
米国でもGoogle、Facebook、Appleなどが、通信情報をFRBに開示していたとの報道もあります。米中は、情報はカネにも安全保障面でも大事、として保守的な傾向が見えている。心配なのは、最近守りに入ったと指摘されていたソフトバンクが、その火中に栗を拾いに行くのではないか? ということです。以前、NTTドコモもAT&T買収に失敗していますが、よほど上手くやらないと、米政府により拒絶される恐れも考慮しておいた方がよい、そんなところなのでしょうね。

民主、自民の執行部が初顔合わせを行いました。野田氏の媚びるような笑みが印象的ですが、臨時国会を開いても、田中法相の問題が爆発しそうです。ただ、田中前防衛相のときもそうですが、野田政権ではムリ筋でも閣僚を延命させる傾向があり、それらは輿石氏が差配していると受け取れます。田中法相は衆院なので、参院枠とは関係ありませんが、党内力学によって辞任が決まるとすれば、旧民社系のトップとして傷がつかないよう、臨時国会後の改造まで待つはずですし、その前に田中氏から身を退くならそうするでしょう。その前に、解散する可能性もあります。
野田政権は、閣僚の醜聞程度では解散せず、それはこれまでの行動からもそうです。しかし解散の引き金になりそうなのが、復興予算の流用です。これは東日本大震災復興基本法に記された『単なる災害復旧にとどまらない活力ある日本の再生を視野』という文言を、政府の復興基本方針で『日本経済の再生』が盛り込まれ、役所の耐震化など、復興と関係ない事業への流用にも流用可能となりました。そして、これと同じ構図なのが、消費税増税法案に盛り込まれた『成長戦略並びに事前防災及び減災等に資する分野に資金を重点的に配分する』というものです。つまり、社会保障にのみ消費税増税分が用いられるのはウソで、これは何にでも使える予算、ということに前例ができた形です。

衆院の決算行政監視委員会の小委員会が、民主の欠席で流会しました。消費税増税はマニフェストにも書いておらず、約束違反との批判もありますが、民主のついた最大のウソが「ムダ削減」です。当初、注目を集めた事業仕分けも、仕分けた事業に予算がついたり、名前を変えて存続したり、結果的に予算削減にはつながっていない。そこに来て、予算枠が増えた途端にムダ、とされた事業に予算が流用される。そこに民主党の実力のなさ、官僚依存に陥ったことでムダ遣いをチェックできず、官僚にいいように予算を使われても、処分すらできない体質になってしまった姿が垣間見えるのです。
ムダ削減を訴えた民主党が、ムダの温床になってしまった。その点を追求されると、3年前の総選挙と、逆の現象が起きることになり、今度は民主がバッシング対象になるのです。総選挙の引き金には、恐らくこの復興予算の流用問題で責めきれるか? そこで特例公債法案の成立にむけ、財務省と自公が組み、民主を見切るか? という点にかかるのでしょう。民主は11月半ばまで、臨時国会の開会を遅らせ、解散を封じる意向を固めたようですが、ムダを見抜けない政党では、予算案をつくらせると不安、という国民の意識も高まってくるでしょう。野田氏はマニフェスト作成を指示し「国民の声を吸い上げ…」と述べたようですが、声を聞くなら「すぐ解散」です。そうした緩慢さ、延命だけに汲々とする姿を晒し続けることで、割りと早く解散に追い込まれることとなるのでしょうね。

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2012年10月10日

中国要人のIMF、世銀の年次総会欠席

世田谷で立てこもり事件がありました。少し感じたのは、警察の突入が早かったこと。報道のヘリが飛び交っていたとはいえ、乗ればかなり音がするベランダに、複数の警察官を配置し、突入させた。人質がいなかったとはいえ、説得もなく突入したのは、加害者側が死亡しても構わない、そんな意図を感じました。元警視で、事件の長期化は避けたい、余計なことを喋られたくない、そんな思惑があったとすれば、今回の事件の早期の幕引きも、警察不祥事隠しの一つと見えなくもありません。

中国人民銀行の周総裁、財政相の謝氏がIMF、世銀の年次総会を欠席します。中国工商銀行、中国銀行、中国農業銀行、中国建設銀行も同様に欠席です。これらはホスト国として、日本に打撃ではありますが、それ以上に国際会議の場に現れないことは、中国にとってマイナスです。日本と交渉するわけではなく、参加して世界各国と意見交換するだけでも、それは有意義であるからです。
気になるのは、中国は1兆元の景気対策を打ち出してから、ふたたび地方政府の債務が拡大している、との報があることです。中国の国家が抱える債務は過少ですが、迂回して資金集めをしているため、全体の債務が見え難い面があります。中国の銀行は、それらを突っこまれると弱く、今回の欠席も、実は減速が見え始めた国内経済と、債務の問題を説明できないため、とも疑えます。

昨日から、株式市場で気になるのが、中国政府系ファンドの資金引上げの噂があることです。尖閣国有化への対抗措置、というより共産党大会前に、中国の株式市場対策資金を確保するため、とみられる動きですが、これが大きな下げ要因の一つに上げられます。中国市場の減速と不買運動、それより世界は中国マネーの引き上げ、という事態が今後も起こることを考慮しておくべきでしょう。
そんな中、IMFが邦銀の国債購入が11年の24%から20年には30%まで増大し、金利上昇局面でリスクとなる旨を警告しています。しかしこれはIMF内の財務省出向組がしかけた動きであり、地銀などの再編を促す一助とするためのものです。国債保有は、当然景気やインフレ動向などを睨むため、日本が破綻するという恐れが拡大しない限り、安全資産です。保有割合はその都度決めており、まったくリスクではありません。今の問題は、日銀が超緩和状態で国債を吸い上げても、その資金で国債を購入していること。結果的に、資金が硬直化していることであり、流動性が担保されない点です。

日本の国債を買わず、海外資産を買え、という暗黙の圧力との見方もできますが、海外資産より安全と見なされるからこそ、国債が購入されます。逆に云えば、国債以外の資産を購入していると、自己資本比率を損ねる恐れもある。利回りが低下して円高要因、との指摘もありますが、利回りが上昇すれば利払い費が増え、財政はさらに悪化しますし、住宅ローン、自動車ローンなどの利息も上昇するのですから、長期金利によって何を目指すか? にもよります。
相変わらず、消費税10%では不足、との指摘をIMFはしますが、財政再建を急ぎすぎて経済が悪化すれば、それはギリシャと同じ状況を生みます。輸入企業を潤す円安に、金利上昇を用いるなら内需は壊滅的になることを覚悟しなければなりません。IMFの指摘は、財務省の代弁をしているだけであり、簡単に論駁できてしまいます。残念ながら、財務省の能力低下と、IMFの提言の有用性の低下の時期が合致してしまいますが、国際機関だからといって決して正しいことを云うわけではない、との認識が大事なのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:27|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | アジア

2012年10月09日

雑感。野田首相と安倍総裁への期待値

昨日、書き忘れたことを少し。最近ある四行詩を思い出しました。13年前に大きな話題になったノストラダムスの予言『1999年7の月―』のことです。この中で『恐怖の大王』と、些か大仰に書かれた内容があり、それが世紀末論と結びつきました。しかしこの『恐怖の大王』は、実は『支払い役の大王』と訳すべきとの指摘があります。1999年と云えば、ユーロ圏が発足した年であり、ECBは前年に設立されていますが、『支払い役の大王』に匹敵するほどの、大量の資金拠出を行っています。
その後に続く『アンゴルモア』を『モンゴル』と読み替えると、中国を甦らせ…となり、その前後で『マルスが支配する』を、軍事大国である米国に置き換えると、この詩が微妙に符号してきます。予言など、こじつけの部分もありますが、今の状況はその詩の後、という状況であり、IMF、世銀とも『支払い役の大王』に相応しいのであり、世界は『解決役の大王』を求めているのでしょう。

TV各局の世論調査の結果が、続々と発表されています。これは国民の意識調査ではなく、固定された層の意識の変化を探る調査になりますが、重要なのは内閣支持率が下がったこと。改造効果がなかったことです。つまり民主は、政権浮揚策を失い、野田氏を引きずり下ろして新たな内閣で総選挙、という戦略を描こうにも、民主内で首相に相応しいのは野田氏なので、それも期待できません。さらに首相に相応しい、とするのは安倍自民総裁が若干上回りますが、安倍氏に期待できない、が半数を超える。即ち、日本は二大政党のどちらの党首も、国民から期待されていない状況です。
さらに、2人とも醜聞を抱えています。野田首相の実弟である船橋市議が、政務調査費不正受給の問題で、市議会から百条委設置が発議され、同数により議長採決で否決される、という事態が起こりました。安倍総裁の山口県第4選挙区支部が、クラブやキャバクラの飲食代を政治資金から拠出していました。どちらも本人というより、足元の揺らぐ事態ですが、嫌っている勢力から狙い撃ちされ、資金の流れなどを調べられると耐え切れない、それが今の政治家の常と呼べる事態です。

そんな中、自民では全国幹事長会議が行われていますが、メディアによって『総裁選は地方票軽視、不満相次ぐ』、『結束を確認』と逆の書かれ方をしています。前者の方が詳細なので、実態を反映しているといえるのでしょう。また安倍氏が経団連の米倉会長と会っています。原発再稼動では路線が同じ、TPPでは地方の農業団体を考慮し、総裁選でも後ろ向き発言が目立ったので、中立といったところ。ただ、自民が原発に前向きとなったことで、対立軸ができたのが、生活の小沢氏です。
小沢期待票、というのはどの調査でも現れませんが、選挙をすると必ず結果となります。独国へ視察し、脱原発による新たなエネルギー戦略を考える参考にする、としており、次の選挙は民自公の向こうを張って、脱原発を掲げてくるでしょう。経団連が反発し、無視を決めこむ可能性はありますが、脱原発に関しては争点になることが確実です。そして小沢期待票が後どの程度のるか? それによって生活の議席数が決まってくるのでしょう。

橋下大阪市長も、脱原発では明確な態度を示せなかった。最近、みんなの党の渡辺代表を外すことで、急速にみんなの党に接近しますが、一時期は既成政党とくくっていた側です。維新のそんな態度が結果的に人気を陰らせ、落ち目になってきています。ここで票を稼ぐつもりなら、ふたたび脱原発を旗に掲げてくるでしょう。今、二大政党とも党首は『期待できない』とくくられる。橋下氏が国政に出ないため首相になれず、リーダーとして選べない、という機運もある中、誰が首相にふさわしいか? 競争に名乗りをあげるなら、国政進出を狙ってくるかもしれません。今の日本はリーダー不在、と云われる状況の中で、期待値を上げようとするトップの打つ手が、次の選挙では大きく結果に関係してくるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:32|PermalinkComments(2)TrackBack(1)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2012年10月08日

経済の話。IMF、世界銀行年次総会

iPS細胞の山中京大教授が、ノーベル生理学・医学賞の受賞となりました。応用範囲が広く、革新的な研究であるため、発表から6年での受賞です。理系離れと云われて久しいですが、科学技術の分野は、かなり高度に専門化されていても、まだ不明な領域も多く、研究範囲も広いのでしょう。
ベルギーで停止していた原発の原子炉で、ヒビが発見され、廃炉の可能性が出ています。原発はすでに確立された技術と思われがちですが、応力腐食割れなど、原子炉の強度、寿命もまだ分かっていません。日々発見されることで、見直していく柔軟性をもたない限り、責任をもつとは云えないのでしょう。科学技術が注目されるたび、この柔軟性を失ったものは衰退していくだけだと感じます。技術は、情報公開されて初めてその中で磨かれていくものです。その対比を考えると、考えさせられるものがありますね。

IMF、世界銀行の年次総会が開かれます。復興をアピール、観光地としてもアピール、などと伝わりますが、やはり経済面が重要な会議です。世界経済はECB、FRBが無制限の資金供給を約束し、小康を保っていますが、残念ながら弾は撃ち尽くした状態であり、年内は何とか緩和効果が継続しても、来年には効果が剥落することも見えています。FRBはまだ追加緩和の余地があるとしますが、これ以上の緩和に踏み切れば、FRBへの信認が失墜することになりかねないのでしょう。
注意すべきは、IMFが欧州の債務不安に事実上、かかり切りになっていることです。最大の不安が、中国経済の減速であり、以前であれば新興国としてIMFの救済対象でしたが、経済規模が大きくなり、今のIMFでは規模が足りないでしょう。出資割り当て額は3600億$、追加で1兆$まで増加が可能ですが、今はギリシャをはじめ、予防的融資まで含めるとかなり多くの国が、IMFからの支援を受けています。仮に中国が支援要請すると、1兆$で足りるかどうか? それがカギとなってきます。

世界銀行も、400億$以上の融資を行っていますが、国際開発復興銀行(IBRD)には米日独で30%以上を出資しており、国際開発協会(IDA)に至っては米日独で50%以上を拠出しています。逆に云えば、世銀が拠出を行おうとすれば、米日独にかかる負担が大きくなり、あくまで出資、拠出した資金は返ってもきますが、短期的には財政状況を悪化させる要因になりかねません。新興国への融資も多いですが、今後の世界経済の行方次第では、世銀とて経営に窮する時代がくるのかもしれません。
IMF、世銀は世界経済の調整役の面をもちつつ、今の危機に有効な対策はもっていません。しかもIMFの融資は、失業率の悪化など緊縮財政をせまるため、弊害も指摘されています。今回の年次総会も多くの経済関連団体、学者も参加しますが、誰もが有効な策を出さないのなら、世界経済はこの危機への対策をまだ持ち得ていない、ということになります。残念ながら、そうなる予想ですが、中央銀行が手を打ち尽くした今、政策的に何らかの方策を示していかないと、来春ぐらいに世界経済は大きな山を迎える、という事態になりかねず、今回の総会はそうした面でも注目しておくべきなのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:42|PermalinkComments(2)TrackBack(1)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 一般

2012年10月07日

北朝鮮の兵士が亡命

北朝鮮で、開城工業地帯をむすぶ共同管理区域で、上官を殺して亡命するという事件が発生しました。そんな中、北朝鮮に赴任していた英国人外交官の話があります。平壌に暮らす中流の、彼と知り合った人々の暮らしを語ったものですが、その中で興味深いのは、多くが朝鮮労働党に入って、職を得る道を望んでいなかった。貿易会社につとめ、海外に行く機会をえる方を望んでいた、とする部分です。つまり比較的恵まれた家庭でも、体制に寄り添うことを望んでいない。そんな流れが、今回の亡命事件の背後にあるのでは? そう考えられる部分もあるのでしょう。
金正恩体制に代わり、台風の通過でまた大雨で洪水になった。食糧事情の悪化も続き、今では儒教的な思想も崩壊しているとされます。軍の中枢に、早くも粛清と見られる動きも起こりましたが、金正恩氏のカリスマ性が低下する中で、軍から反抗の機運が出てくると、存外早く北朝鮮の体制は脆弱していくのかもしれません。拉致問題など、北朝鮮も動き始めていますが、崩壊速度との兼ね合いで調整する、という難しい段階に来ているのかもしれません。

そんな中、野田内閣で拉致問題担当相に就任したのは、田中慶秋法相です。献金問題を抱え、青息吐息の大臣ではまともな対応ができるか、甚だ不安です。前任の松原氏は悔しさを滲ませて退任しましたが、8月末の課長級会談の裏で、会食という形でもう一つの会談を設けていたようです。この場で、拉致の話は出ていないとのことですが、恐らく話はあったはずです。ただ条件面まで折り合えるほどではなく、端緒についたところ、といった感じだったのでしょう。これも野田政権で、論功でころころ閣僚を変えてしまう影響で、継続性がない面が諸に出てしまっています。裏の会談には、松原氏の秘書も同席したというのですから、本来は松原氏が続投すべきだったと云えます。
遺骨の返還に対しては、北朝鮮も前向きに対応しています。すでに墓地が移設され、今では場所が不明で、誰が埋葬されているかも分からない墓地が多い、というところまで判明しています。当然、北朝鮮は見返りを求めてくるでしょうが、政権中枢に届けられた贈り物が、延命策に利用される、ということも想定しておくべきでしょう。つまり日本は、北朝鮮の今の体制のまま拉致問題を推し進めるのか? 新体制に交代させて解決を目指すのか、という二択をする必要性があります。

北朝鮮の崩壊タイミングをいつ、と見るかは専門家でも別れます。しかし比較的忠誠心が高い、とされる兵士からも北朝鮮を見限る兵士が現れた、というのは軍に動きがでる、キッカケとなりうるものです。遊園地など、娯楽に力を入れ始めていますが、北朝鮮では職場と家の往復がほとんどであり、平日に行くことができる家庭は少なく、休日のみが盛況ということでしょう。そうした非効率な運営は、結果的に体制側の財政を悪化させる遠因の一つですが、国民に娯楽を与えないと、国家の運営にすら窮する状況になってきた、ということなら、もう一押しで体制は崩れるでしょう。
野田政権の本気度は、ほとんど感じられませんが、中韓との関係も悪化する中で、北朝鮮とどう向き合うか? その戦略の描き方すら、野田政権にはない、というところなのが残念な点ですね。

analyst_zaiya777 at 23:24|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 アジア | 政治

2012年10月06日

野田民主は臨時国会を開かないのか?

オスプレイを岩国基地から普天間基地へ移動する際、四万十川上空を移動した、普天間基地でも市街地で垂直用の飛行形態をとった、など米軍の約束違反と思われる行為が続きます。実は米軍が地元と結んだ約束を破るのは、日常茶飯事です。夜間のタッチ&ゴーなど、地方自治体との間で実施しないと云っても、実際は行われています。紳士協定なので、相手が紳士でない場合は破られるのですが、米軍にとって細かい運用面での合意は、あってないも同然という扱いなのが現状です。

民主党が常任幹事会を開き、山形県酒田市長選に出馬する和嶋議員の繰上げ当選の予定だった、川口氏を除籍としました。生活の県連大会に参加したことが、明白な反党行為とのことですが、川口氏は正式に生活への参加を表明しておらず、これは財産権の侵害にあたる可能性があります。
つまり議員として活動すれば手にできる報酬や損害を訴え、裁判できる権利を得たということです。川口氏は「民主党の対応に失望した」として、裁判を起こし、生活への参加を正式に表明できる権利を得た。一方で、繰上げ当選になる名簿順位が下の人間も、裁判で川口氏が勝利した場合、無効となる恐れもある。これは民主党執行部の焦りが、禍根となって今後も残ることを意味しています。

民主、自民が新執行部へと代わり、関係が悪化しています。党首会談を要請せず、臨時国会の日程すら決まらない。自公は年内解散に追い込むことで合意し、臨戦態勢であり、また民主は離党対策や、早くも持ち上がった閣僚の醜聞で、国会を開きたくない思惑が働きます。ただ強硬姿勢をとり、歳出の執行を遅らせる財務省にとって、特例公債法案の年越しは考えられないところです。
しかも自民との関係悪化は、総選挙後に民自公で大連立、あわよくばキングメーカーとして君臨したい野田氏にとって、望ましくないところです。といって、党内で支持を落とし過ぎると、民主党を崩壊させた張本人とのレッテルも貼られる。両方に目配せする結果、野田氏は身動きがとれなくなり、また性格的に大事なことは後回し、ということで今回も周りが騒ぎ出して、やっと本人の腰が上がりました。ただ、解散を約束しない特例公債法案の成立がありえるかどうか? それは難しい連立方程式になるのでしょう。回答は無理数になりそうです。

『近いうち』に対して、前原経財担当相が「約束を違う人ではない」と野田氏を擁護しているように見えて、実は野田氏に代わって自民と民主を結ぶ、キングメーカーになりたいとの思惑で発言しています。しかしこの『近いうち』が、紳士協定で結ばれたものなら、一方が紳士でない場合、齟齬にされることも有り得ます。野田氏に、紳士としての素養があるかどうかは、今月中にどういう回答を出すかにかかっているのでしょう。財務省、財界、野党、それに党内で副代表、政務官クラスに処遇したとは言え、反野田でまとまりつつある勢力、それに対する優先順位、不等式の立て方を間違えると、野田氏の計算とは違った結果に陥ることは間違いないのでしょうね。

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2012年10月05日

日銀政策決定会合に前原氏が出席

米国の9月雇用統計が発表され、非農業部門で11万4千人、失業率は7.8%と前月より0.3%下がりました。注目されたのは、経済面ばかりでなく、失業率が8%超えのままなら大統領選で共和党・ロムニー候補が有利、7.8%まで下がれば、オバマ大統領が有利という評価があったためでもあります。
ただ市場は、ややロムニー候補の方が市場に優しい、との評価もあって、先の討論会でロムニー氏が若干盛り返し、それを好感していた部分もあるので、オバマ氏有利となった今回の結果をどう判断するかは微妙です。しかも製造業は伸びておらず、これは昨今の非製造業が景気判断の別れ目である50を超える実体と、合致しています。非製造業の伸びが、消費の堅調さとなって製造業へと波及するか? これは本来の景気循環とは逆の流れなので、そこに直近の注目は集まるのでしょう。

日銀の政策決定会合があり、現状維持となりました。注目されたのは前原経財担当相が、閣僚として9年ぶりに出席したことですが、9月の会合ですでに緩和を決めており、様子見が規定路線で、前原氏はそれを覆せなかった形です。今回のことで、前原期待で市場も盛り上がった部分もありますが、経済の専門家ではない前原氏では口をはさむことすら難しい、ということが知れたのでしょう。9年前に出席した竹中氏は経済学者であり、委員とも丁々発止のやり取りも可能ですが、前原氏では専門用語すら理解できず、自説を語る以外で会話に入ることは、困難だったと思われます。
前原氏や、自民党の安倍総裁も外債購入に積極的ですが、白川日銀総裁は明確にそれを否定しました。円安誘導の側面がある一方、日銀法を盾に「財務省が一元的に対応すべき」との論は突き崩せません。さらに来週から開催されるIMF総会で、財務省は為替介入について理解を求める意向ですが、各国から否定される恐れが強まっています。それは実効為替レートベースで、円はそれほど高くなっておらず、日本は単に通貨安を狙っている、としか海外では受け止められていないため、です。

企業ができる、簡単な円高対策は円建て取引を増やすこと、です。日本は米国との取引が減った今もドル建ての取引が多く、円建ては4割程度とされます。これでは円の変動が業績に影響しやすい。企業が従前から円高に弱い体質を引きずっているのです。ならば政府に円高対策を求めるより、企業間の取引で円建てを増やす、それが企業ができる取組みであり、むしろそちらを優先すべきです。
これは対中国政策でもあります。中国は人民元を決済通貨とするよう、東南アジア、中央アジアでも人民元取引をすすめており、着実に取引を増やしています。日本がアジアで地位を保つなら、円建て取引を増やす努力が民公的にも、民間も必要です。さらに貿易でも、最近は赤字が目立ちます。これなど原発が止まったことで、原油や液化天然ガスの輸入が増えたことで説明されることも多いのですが、企業が工場を海外に移設し、日本に輸入する製品が増えている要素も含まれており、逆にそれなのに円建て取引が増えない、ということの方に、違和感を覚えた方がよいのでしょう。

バーナンキFRB議長が、金融政策には限界がある、と認めたように、中央銀行にできることは少ない。特に、今が超緩和時代であり、日銀には物足りなさもありますが、だからと云って日銀が円高の流れに変化を与えることは、ほとんどないのでしょう。残念ながら、リスクのオン、オフで流れる資金の方が、よほど大きく市場を動かすからです。今の市場は、ややリスクオンに傾いていますが、嵐の来ない間に行動する、という発想以上のボックス圏を破るだけの勢いには欠けるのでしょうね。

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2012年10月04日

雑感。選挙の当落予想は当たるのか?

田中慶秋法相に、違法献金問題が持ち上がりました。中国籍の人物から4年間で42万円の献金をうけており、本人もそれを認め、返金しています。民主党政権では対応が割れており、前原氏は外相を辞任していますが、就任直後の野田首相は総理の職を辞していません。一方で、樽床総務相が、破産法違反事件で有罪判決をうけた人物から、780万円の献金をうけた、とされるものがあります。こちらは事件の前だった、としていますが、野田氏、前原氏とも脱税事件が起きた男性の関係する会社から、献金をうけており、このときは両氏とも閣僚でありながら処分無し、としています。
民主党は政治資金規正法で禁じられた外国籍の人物からの献金、に異常なほど甘い、という体質が見えてきます。元々、民主党は外国人の地方参政権に前向きで、その意味で支援を受けやすかった面もありますが、だからこそ脇を固めておかなければいけなかった。新たに閣僚になった人物は、洗礼として収支報告書を調査されます。それに耐えられない人物が多い、ということは、民主党として政権政党として耐えられるのか? との不審の目も増える、ということになるのでしょう。

昨日、世論調査のことにふれましたが、最近の世論調査はかなり不思議な数字が並びます。有権者、母集団が8千万人だとすると、今の世論調査は1千人程度の回答を得たとされるので、大体8千分の1の意見を集約しています。毎月世論調査を行うので、実は100回に1回より低い確率で回答の順番が回ってくる形になっているのです。しかし一般人が世論調査に応えることは、ほとんどありません。これは特定の、意見を調整しやすい層に調査しているか、そもそも調査が数字通りに行われていないか、どちらかだと考えますが、監査が入らないため自己申告でしか分からないのが現状です。
その世論調査、朝日新聞の政党支持率では民主14、自民21、生活1、公明3、共産1、社民1、維新2、支持なしが49です。これをそのまま使って、騰落予想をだすと自民234、民主156、生活11、公明33、共産11、社民11、維新22となります。これは政党支持率をすべて足し、その割合に議席をかけているだけですが、実にこれと似たような騰落予想をだす人物が、以外に多いことは驚きです。
つまり民主は150以上の議席が獲得でき、落選議員が出ても2分の1以上は当選する。そんな政党から、どんどん人が逃げ出すという奇妙な現象が今起きているのです。これは議員の肌感覚、実勢を、世論調査の政党支持率と乖離がある証拠です。実は、民主は生活と分裂する前後で、それほど政党支持率は変えていないため、政党支持率上では離反する議員が増えれば増えるほど、残っている議員の当選確率がどんどん上がる、となるのですが、これが実状と大きく乖離しているのは云うまでもありません。

最初に母集団の話をしましたが、実は一回の世論調査で国民の8000分の1、という数を集めれば、全員が無党派である可能性もあるのです。つまり本来、8000万人という母集団に対し、1000人に調査して数字のブレが少ない、という結果はありえない。逆に、ある時は大きくブレが出て、統計上の問題…という時のないことの方が、異常なのです。世論調査の政党支持率と、騰落予想をだす人物の個別の調査、なるもので出される数字に、信憑性のあるはずがない、ということになります。
あくまで確率の世界なので、支持率が近しい値で推移する、という可能性がないことはありませんが、毎回無作為抽出された電話番号にかけるなら、逆に支持率は大きく変動する方が、可能性としては大きいのでしょう。今は母集団に対して、集計をとる数字が小さすぎる。政党支持者が多い、というのなら現状でも良いのでしょうが、無党派層が多いなら尚更、無党派層を考慮して数を増やした方がいいのでしょう。当落予想をだす人物が、どんなコネクションをもち、どれだけの規模でそれを推計しているかは分かりませんが、少なくとも今後は益々、当たる確率が低くなっていくことだけは、間違いないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:30|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | メディア

2012年10月03日

日本維新の会とメディア

秋田県でシェールオイルの採取に成功しました。1800mの深層にある岩盤を酸で溶かし、吸い上げる方式で分離します。米国のシェールガス採取では、水を岩盤に流し込むため、地下水にガスが混入する、などの問題があります。今回それはありませんが、問題は岩盤が解けて失われたら、炭鉱跡地の陥没などと同じ、何かのきっかけで岩盤がない部分で陥没が起きる可能性です。また地下に空洞がある、となれば土地としての価値が下がらないか? 日本が独自のエネルギーを得ることは大事ですが、地震大国であり、くれぐれも安全を担保する方向で開発をすすめて欲しいものです。

最近、報道ステーションへのバッシングが盛んです。これを、かの番組が原子力政策への批判を始めたタイミングに重ねると、中々興味深いといえるでしょう。視聴率の低い番組が続こうが、続くまいが、国民にとってどうでもいいことであり、週刊誌が何度も報じる辺り、別な意向が働いているとみて、まず間違いありません。その方針を誰がだしたか? そちらに興味があります。
甲状腺の調査で、福島県が事前打ち合わせを行い、情報隠蔽ともとれる依頼をした、との報道もあります。福島県としては、人口流出を防ぎたい、福島は安全と云いたい、との思惑があって、さらに今そうやって情報隠蔽をした人物が、真相が明らかになったときにはもういない。公務員の悪い慣習で、部署移動をした後まで責任追及をしない姿勢が、こうした情報隠蔽を起こしやすい原因ともなっています。被曝による影響は後年、発症するリスクを高めるので、今の隠蔽を将来的にも何らかの責任をとらせるような、そうした法による体系づくりも必要となってくるのかもしれません。

日本維新の会の支持率が下がっています。メディアは公開討論会で、議員を含めて阿諛追従するばかりだったことで、支持が下がったとします。それを意識したのか、松浪議員が『独裁にはしない』と述べると、今度は『主導権争い』と書かれる。これは松浪氏の若さでしょうが、バッシングしたい、攻撃したいと手薬煉ひいている相手に、脊髄反射するとそれを攻撃材料とされるのです。
橋下氏はバッシングに反撃することで、道を切り開いてきたタイプですが、松浪氏にそうした力はない。以前も指摘したように、維新は情報発信を一本化することです。それは橋下氏の個人的な見解でもなく、党として意思統一した内容を、みんなが自分の言葉で伝えることが大事であり、そうでなければメディアとは戦えません。そもそも、支持が下がったのは既成政党に近づいたことであり、自民と近づくなら、維新ではなく自民に投票すればいいではないか、と思われたことが原因です。しかしそう書くと、自民批判にもつながるため、そう書かないというだけなのです。

党首選が終わり、各社の世論調査も出ていますが、民主は変わらず、自民は小幅上昇という形です。自民も単に露出効果であり、全体的には政策論争もなく、低調な選挙戦を象徴する数字だったといえるでしょう。しかも、各社の世論調査は現時点で、自分たちの意向に近い形で数字がでるような癖があり、その数字から読みとれるのは、メディアは民主はイヤだけど、自民もちょっと…。でも野田首相は云うことをよく聞いてくれるから及第点、と考えていることだけです。
維新の議員は、支持が下がったと焦れば焦るほど、メディアとの情報戦という泥沼にはまっていくでしょう。これまで注目を集めることのなかった議員が、世間の耳目を集める中で、どう処世を身につけるのか? そこから維新は変えていかないと、メディアからの恰好の攻撃材料になりやすい面もあり、その意味でも今が正念場と云えるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:14|PermalinkComments(6)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2012年10月02日

経済の話。9月日銀短観について

昨日、日銀の9月短観が発表されました。大企業製造業DIは-3、非製造業DIは8、中小企業製造業DIは-14、非製造業DIは-9と、ほぼ予想通りで変化幅も小幅にとどまりました。しかし7割を集計したが9/11日で、その後起こった日中関係の悪化を織り込んでいない、との指摘もあります。それを端的に示すのが、2012年度の企業の収益計画が売上高で前年比3.3%の増、経常利益も3.2%増と、下期の急回復を未だに見込んでいる点です。前回の調査ではそれぞれ5.0%増、9.4%増を見込んでいたので、ある程度は修正していますが、それでも欧州債務不安や米国の財政の崖、中国バブルの崩壊はまだ見ていないのが現状です。
さらに、設備投資計画が大企業で12.3%増と、ほぼ修正なく推移していますが、これも見直しを迫られるでしょう。まず対中投資において、保険料率の上昇といった問題を企業は抱えます。特約で今回のデモの損害も、ある程度カバーされるとしていますが、中国リスクが強まったことで保険会社は料率を改定する動きを示しており、中国への設備投資がさらに高コスト化することが必定です。

業種別では、鉄鋼や非鉄などが大きく景況感を悪化させる一方、消費税増税を見込んで住宅関連が堅調なように、木材などが改善しています。端的には外需の落ちこみで輸出が振るわず、内需が中心の産業は、復興や将来的な増税を見越した消費先食いが起こっており、かなり差がついている。そうしたことが数値からも読みとれ、今後政策的に注力すべき方向も見えるのでしょう。
一方で、自動車産業の落ちこみは現状、先行きともに変化幅は2桁以上悪化していきます。内需はエコカー補助金で消費を先食いさせ、外需は米国の買い替え需要の一巡、欧州、中国の消費鈍化が今後のしかかってきます。これは政策対応の失敗で、米の消費が堅調な間は補助金など出すべきではなかった。今後テレビと同じように、冬の時代を迎える可能性があり、買い替えサイクルがテレビより短いとは云え、厳しいといえるでしょう。軽自動車より小さい、第三の車も、安全性に問題があるとされますが、二輪車よりは安全です。またこれは高齢者向けではなく、主婦の買い物、家族の送迎用としての利用を想定した方が、普及に一役買うことでしょう。そのための制度設計をすすめることで、自動車業界の苦境をすくうといった工夫、知恵が、政府には求められてきます。

米国ではISM製造業景気指数が50を回復し、楽観も広がりましたが、中国PMIなどは50割れが続き、世界経済は緩やかに停滞が続きます。QE3の限界、ECBの資産拡大に対する懸念など、海外の対応には期待できない。そんな中で、前原経財担当相は日銀と会談する意向を示し、インフレターゲット論などについて、協議する方向です。ただ、金融政策の限界が囁かれる中、日本が海外に追いつくほど金融緩和をしたとて、経済が上向くことは考えられません。9月の資金供給量が前年同月比9.0%増となりましたが、当座預金残高への積み上がりが原因であり、これは資金運用先がない中で、当座預金に資金を置いておく金融機関の態度が問題であり、そこが改善しなければならない課題です。
補正予算の話も出ていますが、少なくとも今の政治家、行政で正しい目的と使途を担保する術がありません。復興予算すら正しく使えない省庁と、それを監視できない政治に、補正予算が選挙対策費として費用対効果の低い支出となる可能性が、否めないのです。日銀短観からみる日本経済の問題点、対応するには内需の活性化がキーです。そこに知恵を出さない限り、日本経済は一向に上向くことなく、逆に海外の動向に引きずられて更なる悪化が懸念されるところなのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:20|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 一般

2012年10月01日

第3次野田改造内閣について

第3次野田改造内閣が発足しました。一言で云えば『閣僚体験会内閣』、資質はまったく未知数どころか、ゼロから勉強を始める閣僚ばかりが初入閣しました。金とポストで代表選の票を買ったのですから、これはある程度想定されたことですが、それにしても首を傾げる人材ばかりです。
財務省の城島氏は、前原氏、岡田氏の失言、暴走を嫌気した財務省が両名を蹴り、回ってきたお鉢です。3党合意をまとめた実績で論功行賞がある、とはいえ大抜擢ですが、財務の素人。労組出身で調整型の同氏には、財務省の言うことをよく聞いて…という官僚主導の匂いしかしません。そんな前原氏は、所轄官庁のない国家戦略担当相へ追いやられ、凌雲会としては仙谷氏も処遇されず、不満がたまります。側近の長浜氏が環境相という要職についたのと、対極的な処遇とも言えるでしょう。

しかも輿石氏に頭を下げさせ、内閣不信任に小沢氏が棄権するよう依頼する。そのために三井厚労相、中塚金融担当相を入れた、ともされますが、民主党内に残る旧小沢グループは、御旗のない烏合の衆です。小沢氏とて、そこで棄権すればオリーブの木構想を自ら否定し、他党との連携より政局、とみられるので到底棄権などの提案は呑めません。その思惑は、都度語られることになりますが、これは絶対に有り得ないといえるでしょう。それより重要なのは田中慶秋法相で、小沢裁判が高裁でも一日で結審していますが、この決着をどうするか? また原発関連の告発状を、8月から警察が一斉に受理し、捜査が始まっていますが、この処理をどうするかが、法相の手腕にかかっています。
その旧小沢グループを糾合しそうな一部が、原口氏です。役職に処遇されず、代表選時の発言に従い、党を割らなければまた口が軽い、態度がころころ変わると陰口を叩かれ、民主内の評判ががた落ちします。また鹿野グループ、赤松氏の旧社会党系は完全に蚊帳の外で、内にも火種を残すほどの論功行賞ぶりです。それが閣僚体験会への参加条件だったとなれば、内閣不信任に造反も出るでしょう。

経団連が早期解散を口にし始めました。田中真紀子文科相で、中国との関係改善とも語られますが、財界は野田内閣の交代で、中国の怒りを諌める腹を固めたことが知れます。頼みの財務省、財界が野田氏に公然とNOを突きつける。改造して後1年やりたい、という野田氏の思惑は透けますが、「最善にして最強」、「適材適所」といった内閣の残像すらないこの第3次改造に、国民は薄っぺらさしか感じません。その壁の薄さに、声の大きい真紀子氏ですから、閣内不和が表に漏れてくるのも早いでしょう。
自民には、3日天下で知られる明智光秀がいて、天下をとるまでもなく討ち死にしましたが、野田内閣が1日体験会で終わるかどうか? それは野党にかかっているのでしょう。自・公の解散戦略に違いが生じており、威勢のいいことを言いながら、党内に来年のダブル選でいい、という勢力をかかえる自民と、政策ごとに協力はするが、絶対に来年まで衆院選をもちこしたくない公明、という構図が、不透明感をます原因です。ただ、党内から下克上をしかける勢力、が存外早く動きだすかもしれません。

改造とは、本来改良、改善でなければなりませんが、今回は安普請で、欠陥だらけですきま風や雨漏りも目だってくるでしょう。そもそも、政策の統一感がなく、法案ごとには閣内が一致するとも思えません。シロアリを退治すると云っていた野田氏が、シロアリに食われ、屋台骨から崩れていく家に、いつまで住み続けられるか? この体験会には、忍耐力が試されるということなのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:17|PermalinkComments(5)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般