2012年11月

2012年11月30日

民主党の政権政策について

昨日はニコファーレで、今日は記者クラブで党首討論が行われました。まだ見ていませんが、前者の方が討論というより、個別に主張する場に終始したようで、その点は残念です。ネットの双方向性を生かせば、原発政策を語るときは、その賛否などを示しつつ各党首に語らせれば、イヤでも数字を意識して語ることになります。もっと上手い仕組みを考えるのはこれからなのでしょうね。

民主党のマニフェスト、今回は『政権政策』と若干言葉を代えています。しかも野田隠しをしていたポスターを改め、前面に野田氏を打ち出すなど、安倍氏との党首討論で男をあげた、とされる野田氏一押しです。ただ、街頭演説を幾つかみても、安倍氏と野田氏の勢いの差は歴然です。YouTubeでも、野田氏が登場しても拍手はぱらぱら…。安倍氏は声援がとびます。野田氏は物凄い数のSP、護衛に囲まれており、聴衆との距離も一段と遠い。臆病で、自分が嫌われていることは十分に熟知しつつ、何とか党首としての対面をたもつべく、盛り上がらない演説も数をこなしている印象です。
一方で、マニフェストをみると一目瞭然なのが、野田氏の語ることはマニフェストと同じ。似るのは当然なのですが、書いてある内容を口語に変えると、そっくりそのまま演説内容となるほどです。これが野田氏が霞ヶ関に愛される理由、原稿を読み上げる能力の高さ、と云えるのでしょう。逆に云えば、だから国民から支持されない、一本調子の演説になりやすい点が弱点といえます。

前回マニフェストから大幅変更ですが、そっくり消えたのが地方分権、行財政改革。驚くのは政権政党であるにも関わらず、政策すべてを網羅していない。各論としては一部で、身を切るとして衆院75、参院40削減や天下り禁止なども掲げますが、実に薄っぺらい。消費税を全額社会保障に充てる、としますが、景気条項で消費税増税が止まったときの代案がありません。綱渡りの状況です。
さらに歳入庁設置にむけた準備組織を2015年度設置、と遅い。年金制度改革は国民会議に丸投げ。デフレ脱却は日銀と一体となって最大限の努力、と曖昧。原発ゼロの仕組みに発送電分離と電力小売の完全自由化を掲げますが、工程表もありませんし、それを実現するためには様々な仕組み作りが必要で、それは示さない。人に約束をするとき、やってはいけない、すべての項目は網羅している状況です。薄い、遅い、曖昧、そして地方分権などやる気もない。これでは公約として落第点です。

一方で2/13頁を費やして成果を上げますが、例えばLCC(格安航空会社)の就航が増えた点など、これは別に民主党政権の成果ではないですし、保育所定員が増えたことも成果としますが、幼保一元化も中途半端な状態で、自民政権時代からとり組みが始まり、成果が出始めたことを主張されてもピンとは来ません。さらに事業仕分けで歳出をスリム化、と述べますが、それとて鳩山政権時代のことですし、むしろ歳出が増えているのはニフェストで約束したムダ削減が未達であること、それを考えればマイナスと指摘できます。決して自慢できるような成果は上がっていないといえます。
このマニフェストの薄さは、急な選挙で準備不足、という以上に党内の反対勢力に配慮した結果、明確に記載できないという事情が含まれます。今日も公認をうけた後、離党して他党から立候補すると表明した議員がいるように、純化路線をしても民主はバラバラ、という印象を強くするのでしょう。「開かれた国家」を標榜しますが、野田氏が人に心を開いていない中で、緩めるのが財布のヒモでは、決して人をバラマキ批判もできないのでしょう。ドジョウだと思っていたら、井の中の蛙で大海を知らないようでは、党首討論でもスルーされるように、諸外国からも見向きもされない、といったことになってしまうのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:27|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2012年11月29日

選挙後の連立について考える

都知事選が告示されました。突然の辞任だったのと、国政選挙と重なっているため注目度が低く、意外と泡沫候補が少ない印象です。都知事選は、あまり衆院選には影響しないとみられますが、しかし前職が後継者を指名して、途中で辞任することの是非が、あまり問われないのは残念です。
維新が政権公約を発表しています。中身はいずれ確認しますが、記者会見は珍しくけんか腰となりました。石原氏と橋下氏が並んで政策を語ると、必ず齟齬が生じると考え、記者が突っこんだためです。政策も二転、三転している印象ですし、やはり維新は太陽の党と組んで『対応を問う』という形で、面白おかしくとり上げられることが、さらに増えてしまったと云えるのでしょう。

自民党内に不穏な動きがあります。以前、少しふれたように自民は自公維の連立政権を目指すと考えます。しかしそれは、党内事情からの発想です。安倍氏は反石破票で総裁に就任しましたが、党内基盤も弱く、地方の票ももっていない。そこで保守色を鮮明にし、さらに維新と組むことで保守層からの圧倒的支持を得て、政権を維持したい。そこで石原氏を総理に担いで、参院選までを乗り切り、失言、暴言、参院選惨敗で退陣した後、自分が総理になるという戦略が想定されています。
一方で、石破幹事長は地方票に強くても、党内基盤が弱い。そこで民主党を自民に合流させ、参院対策と借金返済をする。それで幹事長としての手腕が評価され、また旧民主勢力を自身の支持票とすることで、次の総裁選を勝ち抜きたい。こうした自民党内の綱引きで、維新、民主をとり合う構図が想定されるのです。つまりこれは安倍派、石破派という総裁と幹事長の権力闘争に転化できます。

石破氏は、安倍氏の経済政策に苦言を呈し、また3党合意を堅持する方針です。安倍氏を擁護する感じはない。一方で安倍氏も、3党合意にはあまりふれず、保守色を前面にうちだし、突出した発言をくり返す。選挙後、民主が割れることは想定済みですが、自民も内部はごたごた続きかもしれません。重鎮が続々と引退し、重しがとれた中ですから、益々党内抗争の抑えが利かない状況です。
これは自公が過半数をとるか、でも変わります。過半数をとれば、維新をとりこむ策は価値が小さく、民主と合流する方が参院を考えても良い。過半数をとれなければ、後は速度勝負で、安倍氏に近い人物は維新に、石破氏に近い人物は民主に走るでしょう。民主も野田氏が代表を引きずり下ろされる前でないと、合流の決断が下せないためです。実は今回の選挙、獲得議席数によっては、選挙後の動きの方が活発になるかもしれないのです。そしてそれが政権の枠組みを決めるのかもしれません。

当然、維新も民主も拒絶できますが、総理になりたい石原氏と、脆弱になった民主・野田氏には渡りに舟。拒否する選択はなさそうです。三方にメリットのある連立、それが自公維となるのでしょう。そしてこれはメディアも望んでいる。未来を敵視し、殊更貶めるのもこの自公維大連立が間近であり、雑音を入れたくない。原発政策では、多少維新がゆり戻して『フェードアウト』と使いましたが、脱霞ヶ関を旗印に掲げていたのに、スケジュールや方法は官僚に委ねると発言しているように、原発政策はあくまで霞ヶ関で決めていくことになり、これはメディアの主張通りにもなります。
当然、自公維でも過半数にならない、という選挙結果もありますが、現状ではそれを覆すのは困難です。ただ、自民が安倍派、石破派で分裂含みとなれば、そのとき改めて政界再編という形が起こるのかもしれません。つまり自民も割れて、がらがらぽんになるということです。その意味でも、選挙結果、獲得議席がどうなるかは、要注目と云うことになるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:13|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2012年11月28日

日銀の独立性について

日銀が今年上半期の損益を発表し、2329億円の損失となりました。外為関係が3076億円、保有株の減損が1693億円、ETFも469億円、社債も54億円の評価損であり、逆に総資産残高は約150兆円と、前年比8.9%増で、国債保有残高は約103兆円と、前年比21.9%増となっています。自己資本は7%強と、健全性は確保しているとされますが、日銀とて決して安泰とはいえない状況であるのは一目瞭然です。

最近、マネタリストが活発に発言しています。まず日銀は『目標の独立性』は有しておらず、『手段の独立性』のみ有する、というものがあります。しかしオバマ大統領がFRBにインフレ目標など示さないように、各国の中央銀行は『目標の独立性』も有します。問題意識の共有化、は政府と一体であるべきで、デフレ解消という目標を政府と共有し、初めて日銀がインフレ目標を立てるのが原則です。マネタリストが日本だけ中央銀行のあり方を変えたいのなら、そう主張すべきです。
政治がインフレ目標を選挙の公約のように掲げ、それを中央銀行に守らせる。政治は大衆迎合であり、見かけの経済をよくしようと画策する。それがハイパーインフレや、財政の緩みを生んできたのであり、中央銀行の独立性とは、そうした面から担保されるべきものです。日銀の金融政策は失敗が多く、決して擁護する気はありませんが、インフレ目標を政治が押し付ける行為は、絶対に避けるべきと云えます。むしろ政治と日銀の問題意識の共有化、この不足は是正すべきです。

日銀には『良いデフレ』という考えがあります。つまり需要の低下に伴うものは『悪いデフレ』、供給の改善に伴うものは『良いデフレ』、よって日銀はデフレ解消を積極的に志向してこなかった。速水総裁時代は物価0%が目標でしたし、今でさえ1%を目途です。現状は需要曲線が下方に下がる『悪いデフレ』なので、積極的に解消すべきなのですが、日銀は動かない。それは金利調整機能を失い、オペに伴う間接金融ではデフレ解消などできない、という諦観が含まれており、さらに速水総裁時代に始めた量的緩和策の失敗の経験、それらが日銀を頑なにさせているだけです。
公共工事を増やせば民に資金が行き渡り、需要増に伴うインフレになる、という意見もあります。ただ財政出動でも、今は末端の個人にまで恩恵が行き渡らない。それは雇用のミスマッチが起きており、建設業も安い人件費として、高齢者や外国人を臨時雇用して済ませようとします。働き盛りの20〜40歳代は、もっと賃金、待遇のいい雇用を求めている。さらに高齢者の方が免許など、使い勝手や経験もあるため、益々そうした傾向を強めている。公共工事による経済回復には、限界があるのです。メディアによる安倍氏の直接金融発言は誤報のようですが、公共工事が今後も伸びるならまだしも、政権交代すれば縮小される宿命なら、益々建設業も設備投資は手控えてしまうでしょう。

日銀は日本の子会社だから、日銀に国債を引き受けさせても、決算上は相殺できる、という意見も誤りです。会計上のテクニックを用いても、海外から意識されるのは政府債務と、日銀の経営状態だからです。お札を刷れば、インフレ予想が高まる、という意見も異なります。それが末端に行き渡ればインフレ予想は高まるのであり、ここにはマネーストックの考えが必要なのです。
日銀法改正により日銀に命令権をもちたい、というのは政治の誘惑ですが、経済も知らない人間が関与することによる弊害については、一向に議論されません。安倍氏が経済に無知である点は、何となく伝わりましたが、少なくとも経済ブレーンの面々がマネタリストである点には注意も必要でしょう。日銀の独立性とともに、政治が一つのマクロ経済の思想、特定の経済ブレーンの意見に流されず、多角的に検討するようにできることも、経済運営にとっては必要だと云えるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:20|PermalinkComments(6)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 政治

2012年11月27日

日本未来の党の立ち上げ

嘉田滋賀県知事が、新党『日本未来の党』を立ち上げました。主要政策に、卒原発、活女性・こども、守暮らし、脱増税、脱官僚、誇外交の6本を掲げ、嘉田氏は知事を続け、代表代行には脱原発の飯田氏、名だたる著名人も応援に名を連ねるといった形です。そこに生活、脱原発も解党して合流する見込みです。連携の形はいくつかあり、元の党を残したまま、まとまる形を想定していましたが、解党して合流なので一つの党として、選挙を戦うことになります。これからポスター、ビラ、看板も含めて作り直さなければならず、非常に負担も重いですが、それでもまとまってきた。
これを苦境における救命ボートとみるか、方舟とみるかで、大きく異なります。ナゼか小沢氏の暗躍、ということばかりが話題ですが、嘉田氏にはみんなの党、維新、亀井氏なども接触しており、さらに著名人の中には、嘉田新党であれば自分も出る、と志願した人までいる。つまり草の根運動の星的存在なので、誰もが接触していたのです。そんな中、脱原発の旗を降ろした維新に見切りをつけたこと、これにより脱原発の選択肢を、国民に与えることを目的とするのなら、これは脱原発を争点とする人にとっては、方舟です。小沢氏が入ると心配、という意見の報道ばかりですが、小沢氏の支援票は600万票ある、とされる中ですから、草の根運動と合体すれば大きな勢力です。

さらに、維新への不安は大量の新人議員の増殖です。維新が大勝すれば、大半が新人議員であり、国政経験もなく、民主の二の舞になりはしないか? そうした声にも、この未来の党は応える。現有議席が70ですから、生活には一期目の議員が多いとは云え、三期目になると政務官クラスなので、次に当選すれば、それに近づきます。さらに、維新の石原氏は自民との部分連立にふれるなど、今の民主、自公、維新とされる選択肢では、どこに入れても連立政権になる可能性が否めない。
『死に票』の議論には、二つの意味があります。有権者の票が有効につかわれない、という正当な意見と、だから小政党ではなく票が生きる大政党に入れなさい、という二つです。後者は民、自公、維新を勝たせたい、という既得権益側の要件が含まれていることを汲めば、今回の未来の党による大政党化は、まさに『死に票』を減らし、有権者の意志が反映される形になった、ということです。

選挙後の枠組みを考えるとき、自民は民主を吸収、合併する。これは参院対策である一方、民主が蓄えている政党交付金を、自民、民主で連結させれば、総選挙で増えた借金を一気に返すことができるためです。一方、どうしても首相になりたい石原氏を抱きこみ、自社さの時のように、石原政権をつくる。ただ、石原氏は連日の国会答弁に耐えられるはずもなく、数ヶ月で失言、暴言のために麻生政権の二の舞で短命政権となり、そこで安倍氏が政権をつくる。これだと維新も文句はないので、連立を離脱しない。そんな構図を考えていました。つまり自公維連立政権です。有権者は、これらの党のどこに投票しても、結局それは『死に票』となる恐れが強かったのです。
しかし第三の選択ができ、もし名を連ねた著名人が応援演説など活発に行うなら、非常に有権者に訴えるものとなるでしょう。小沢氏、亀井氏は裏方、嘉田氏が代表という形なら、国民に安心感も与えられる。政策の変更も、嘉田氏が代表であれば変更はない、それは応援演説をする人物も、そう主張できるということです。既得権益に染まらず、既存の政治家とも異なるクリーンなイメージをもつ嘉田氏が、後ろで手綱をひく。これがこの新党の魅力となってくるのでしょう。

第三極が、どこを選んでも実は一極…。そんな失望が漂いそうだったところに現れた、もう一つの極。浮動票のうち、かなりの数はこの極に流れることでしょう。ただ、準備不足がどこまで浸透度に影響するか? それ次第では、逆に『死に票』となってしまう政党名を記載する人が増えるのかもしれません。後半月、未来の党が『未来を問う』ことができるかどうかは、候補者の努力次第、ということになるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:07|PermalinkComments(9)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2012年11月26日

嘉田滋賀県知事の新党構想

野田首相が、自民の安倍総裁が提案したニコ動での党首討論に、難色を示しました。安倍氏はニコ動の特性でもある双方向性が、ある程度メリットがあると踏んだ。一方で、野田氏にとってはネットで袋叩きに遭うことが自明なので、既存メディアなどの一方向性を利用するか、ニュースで一部を抜粋して使われる講堂などでやる方がいい。自民に何か魂胆が…と勘繰りますが、そもそも民主が魂胆をもって党首討論に誘ったのであり、実現したければどこかで折れるしかありません。公示後はネット配信もできませんから、土俵で争っているうちは、勝負にすらならないのでしょうね。

嘉田滋賀県知事が、脱原発で新党構想を立ち上げました。脱原発、の争点がボケていることへの危機感ですが、生活、脱原発、みどりが参加の意向を示しています。維新も太陽の党と組み、脱原発の旗を降ろしたため、選択肢がない状況に陥りかねなかった。そこで脱原発、という旗を掲げる党を、新党でまとめるか、脱原発ネットワークとして連携するか、という形となっています。
関電が電力料金の値上げを申請し、平均して11.88%と試算されます。経産省の落としどころは10%以下、とみられますが、円安局面になっていますので、今後さらなる燃料調達費の高騰が見込まれます。問題は総括原価方式の電力料金、競争原理が働かず認可制である点、発送電の分離などが、依然として手をつけられていないことです。結果として、電力料金は改善の見込みすらなく値上げとなり、国民は今後よくなる、という希望すらもてず、ただ値上げを受け入れるしかありません。

そして、今後は原発の廃炉費用を捻出するため、基金という形で積み上げなければならない点も、電力料金への不安となります。火力とは異なり、解体でも放射性廃棄物が出ることから、国や電力会社が想定している以上に、廃炉にはお金がかかります。それを将来的に廃炉となってから負担するのなら、電気料金は大きく跳ね上がるでしょう。そうしないよう、原発はずっとモニュメントとして、現地に残されるといった事態すら想定され、それは地元への心的負担となってしまいかねません。
原発政策は、未だに大きな矛盾を抱えています。残念ながら民自公、それに維新は、あくまで原発再稼動の姿勢を崩していませんが、再稼動するにしろ、使用済み燃料プールの増設など、矛盾を解決しようとする諸課題でさえ、公約に載せていません。再稼動に前向きな政党ほど争点化を避け、この議論にマスキングしてしまいます。そういう態度だからこそ、益々国民は脱原発へと流れてしまう。脱原発にしろ、代替エネルギーをどうするか? そうした課題はありますが、まだそちらの方が議論、検討に前向きであり、問題への対応に真摯な態度がみられるためです。

恐らく、生活、脱原発、みどりの風にしろ、今から名称を変えて新党、というには準備不足の面が否めないでしょう。緩い連携、選挙協力にとどまるとみられますが、維新の松井幹事長が心配するほど、これらの政党には三大争点における齟齬は少ない。むしろ理想的な連携、協力という形になるはずです。ただし、ここが代替エネルギーにおいて、魅力的な提案ができること、それによって有権者の投票行動にも、弾みがつくはずですので、脱原発という求心力だけではなく、それを経済政策にまで絡めて主張できるかが、鍵となってくるのでしょう。
しかし、やはり維新、太陽の党との連携話が決着し、メディアの関心がやや薄れたタイミングでの発表には、戦略的な匂いがします。ばらばらと幾つモノ政党が離合集散しているときは、その中の一つとして埋没するはずだった記事が、今は大きな扱いになる。維新、太陽の党は、政策を切って捨て、自民に近づいてしまい、二大政党との対立軸を失う、という愚を犯しましたが、こういうところにも選挙を知り尽くした参謀のいる政党、いない政党、という差が出てくるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:22|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 原子力

2012年11月25日

自民党の掲げる国防軍

自民が公約にとり上げた国防軍、俄かに話題となっています。単に名前を変えるだけでは意味がなく、自民の意図を計りかねましたが、今日の安倍氏の言葉を聞いて、理解できました。ジュネーブ条約に則り、軍隊でないと武器をつかって人を殺した場合、単なる人殺しになってしまう。自衛隊のままでは、隊員の士気も上がらない旨の発言をしていましたが、ここから窺える本音は、自衛隊を武器をもって海外派兵する。そのためには軍隊にしておかないと、制約が多いということです。
つまり自民党が政権をとれば、国防軍として自衛隊をPKOに参加させることになる。憲法改正を示唆してまで、国防軍を創設したいのは、自衛隊のPKO参加の是非を問う、ということです。次の選挙で、自民が多数をとればPKOへの参加など、国民からのお墨付きがでた、として積極的になるでしょう。しかし今のPKOの活動、行動が正しいか? その論点もなく参加を強制させられそうな現状で、安易な参加には不安もあります。治安維持、という名目で殺しているのはその国の住民です。いくら反政府活動をしていても、家族、血縁、友人からみれば殺したのが誰か? という点が重視され、恨みを買う。そうした行為に対する反応に、日本人は耐え難いものを感じるはずです。

自衛隊は、あくまで家に入ってきた泥棒を退治する、自警団的な位置づけです。この場合、武力をもって侵攻してきた相手に、武力で返しても罪に問われることはない。国防軍は、他人の家に踏み込んで振るえる武力を手にする、ということです。ただそもそもの問題は、自衛隊であっても可能なこと、可能でないこと、その線引きをあえて低く抑えてきた日本が、一足飛びに国防軍という議論が可能か? ということです。2010年に沖縄沖に中国の潜水艦が現れたとき、日本の対応は拙いものでした。そして今も尖閣沖に、民間船とはいえ、中国が連日攻勢をかける中で、自衛隊の役割が何かすら、国民には正しく議論の過程、その意義さえ伝えられていません。
04年に中国沖に潜水艦が浮上航行したときは、初動の遅れはありましたが、追尾しました。沖縄沖に武装した艦艇がきた場合、現在はあくまで海上保安庁の対応ですが、海自にできることはないのか? 民間人とはいえ、武装した相手が庭に入ってきても注意もしてくれない警察なら、国民の安心は得られないでしょう。海保との棲み分け、海自能力の温存など、様々な要因はありますが、自衛隊としての活動をもう一度見直すタイミングには来ているのでしょう。

内閣府の調査で、中国へ親しみを感じない、が18%、日中関係が良好だと思わない、が92.8%、外交関係が悪化しています。ただ、中国ではエコ企業の認定をパナソニックなど、日本企業に与えるなど、反日デモの後で日本企業が逃げだす動きを見せたことで、慌てている面があります。企業が去れば、中国で雇用が失われ、国内の治安維持が覚束無くなる、とやっと気付いたのです。
選挙後、中国は露骨に対日関係の改善へと、舵をきってくるでしょう。ただそれは、企業の繋ぎとめのためであり、決して海上の緊張が緩和されるわけではない。だからこそ、まず国防軍などと、米軍を喜ばすことをいきなりやろうとするのではなく、足元をしっかり固めるために、入ってくる無法者にどう対処するか、それを示すことが大事なのです。今の自民は、保守のアピールを強めんと、段階を踏むべき事柄でさえ、その段階を飛ばそうとしてしまう。これでは、本当に日本の安全、国防に責任をもっているのか? ということに不安が生じてしまうことになりかねないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:31|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2012年11月24日

解散後の民主の動き

東京都知事選、民主党が自主投票になりました。猪瀬氏圧勝の流れの中で、舛添氏や松沢氏などにアプローチしたものの袖にされ、結果的に不戦敗であり、これは衆院選にも影響してきます。推薦した都知事候補の票も、ダブル選なので衆院議員候補にのってくるからです。しかし自民や、維新とて猪瀬氏にのっている現状では、ダブル選とはいえ、都知事選の結果は、国政選挙においてはあまり影響がないのでしょう。
ただ猪瀬氏は副知事だったので、都政に詳しいのは当然として、その知識をひけらかして他人に反論を与えない。その傲慢さと、人をまとめる能力には欠けているため、No.2として能力的には適任でも、トップとして相応しいかどうかは、また別の判断もあります。根回し不足を指摘されるのも、議会という場においては厳しい。都議会で答弁に立つ機会も多い都知事に猪瀬氏が向いているかは、なってみないと分からない、ということになってしまうのでしょうね。

野田首相が街頭演説に立ちました。しかし、テレビのニュース映像では野次も聞こえてこなかった。民主党議員が厳しい野次にさらされている中ですから、やや意外です。ただ、連合は構成員の家族にまで動員をかけているようなので、警護隊のように、野田氏は各地で連合の構成員という支持者の前で、話をすることになりそうです。つまり浮動票向けに、話はできないのでしょう。
連合が、野田民主に肩入れするのも、実は下部組織が壊れ始めており、象徴がないと求心力が保てないためです。しかも野田氏から、自民と組んで連立政権を樹立し、今後も政権政党となることを約束されているため、もあるでしょう。自民の石破幹事長など、露骨に民主との連携を示唆しており、今回の党首討論に応じたのも、民主に泣きつかれた面があります。ニコ動で応じる、旨を安倍氏が発言していますが、そこで三大争点を棚上げするなら、益々民主、自民とも苦しくなるにもかかわらず応じたのは、それだけ民主の情勢調査が厳しく、連立に暗い影が落ちていることもあります。

しかし民主が落下傘や刺客を送っても、元々地元ではよく知らない候補者では、当選するとは到底思えない。要は、この刺客の動きは、反党行為をした人間は許さない狭量さと、自民を利するためにやっている行動です。これは刺客になる人も、刺客を支持する人も裏切る行動なのです。しかも民主党議員でさえ、罵声をうける選挙に、連合の構成員の家族まで巻き込んでしまう。家族の人まで、非難される恐れがあるにも関わらず、それをする。この辺りに、野田氏の性質である他人の痛みが分からない、どんな迷惑がかかっていても関係ない、そんな冷酷な部分が垣間見えます。
民主は、もち代を配った議員が離党した場合、返金を求めるようです。しかし政党交付金は、政党ごとに配られていますが、その使途について明確に規定されていない。逆に云えば、一度払ったものに対して、返還する義務はどこにも規定されていません。道理を通してみても、ウソつき、裏切りを指摘される現執行部に、それを言える権限もないでしょう。280億円程度、金庫には唸っているとされますが、それで厳しい選挙戦に、数百万円しか配っていない方がケチと云われるところです。

民主党の議席予測は、100から50議席まで幅広いですが、個人的には小選挙区が20、比例が20〜30とみています。逆に、野田氏が人を踏みつけにして大きくなる、という手法をとる以上、それ以上の議席を民主に与えるのは危険、ということでもあります。野田氏はここまでの動きをみる限り、民主を踏み台にして、自民への合流を模索しているとしか思えない。そんな人物を民主党の支持者も応援できるのか? 野田民主は踏み絵をせまって議員を選別しますが、決してこれは純化ではなく、独善化であり、その一人よがりを許すか? という判断にもなってくるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:38|PermalinkComments(6)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2012年11月23日

橋下維新の焦りと、亀井新党の動き

今日も政治の世界では、滅茶苦茶な話が伝わります。民主の安住幹事長代行が、自民と一対一の党首討論を呼びかけています。国会閉会中であり、二党だけを優遇して扱う理由は皆無です。野田氏は街頭演説にも立てず、記者と支持者の前でないと、話もできない。だから党首討論で目立ちたい、ということなるやってはいけません。そもそも前回は、解散という最強の手札をもっていましたが、今はもう野田氏には撃つ弾がないので、罵りあいになることが目に見えています。大きな政策に、自民と民主では相違がないのでは尚更意味がなく、やるならネットで勝手に配信すればいい話です。

維新の代表代行、橋下氏の焦りも伝わります。選挙区調整をじゃんけんで決める、などは有権者をバカにした議論ですが、逆に維新はまだ地方組織が弱く、勝てる候補者を選定する仕組みもない中で、数だけを模索するのでこうなります。公募に応じた人がそのまま出身地の選挙区でかぶったというだけなら、本来は維新が譲るべきです。太陽の党との合流以来、維新は迷走気味ですが、政権交代という大義のあった3年前なら、こうした混乱も許容範囲だったかもしれませんが、今回は違う。迷走はそれだけ、政党としての弱体化を意識され、有権者離れを起こすのでしょう。
一方で、着実に拡大しつつあるのが第三極Bチーム。亀井氏、山田氏と河村氏が合流し、減税日本・反TPP・脱原発を実現する党を立ち上げ、略称は脱原発となりました。これはTPPで、野田民主が強い推進から後退したため、次の旗として脱原発を全面に掲げたとみられ、俄かに原発政策が争点に浮上した。そして脱原発では生活、脱原発、みどりの党、さらに社民、みんなの党まで乗る姿勢を示しており、一気に勢力範囲が拡大してきました。選挙は勢いに乗った方が勝つ。第三極Bチームが、既成政党との対立軸になると、元々議席が少なく、保守という旗では自民とガチンコの勝負になってしまう第三極Aチームは、さらに厳しい選挙になる。だから橋下氏は焦っているのです。

維新の最大の弱点は、国政選挙という大舞台を仕切れる選挙参謀がいない点です。松井大阪府知事にしろ、自ら風を起こせるほどの知名度はない。亀井氏の存在感と比べるとひ弱で、メディア戦略上は橋下氏に頼るしかない。その一方、目玉政策がかすんでおり、有権者に訴える目玉がない。
実は、1ヶ月もの選挙戦において、重要なのは後半の伸びです。1イシューの郵政選挙でさえ、後半は落下傘による刺客との対立が目玉でした。しかし今回は民自公がTPP、消費税、原発を争点から遠ざけたため、逆に選挙戦に突入してから、改めてこれらに焦点があたる形になり、その態度が有権者の投票行動に影響しそうです。そうなると、民自公どころか、維新でさえ危なくなります。

亀さんの歩みは遅いですが、TPP、消費税、原発とじわじわ先を行っていたウサギ、橋下維新に圧力をかけ始めた。維新は昼寝をしていたつもりはなくとも、いつの間にか重い薪を背負わされ、そこに火を点けられた。悪いタヌキたちを泥舟で沈めたつもりが、次に因果応報を迎えるのは自分たち、ということに気付きはじめた。薪とは即ち石原氏であり、着火温度も低く、よく燃える代わりに、自分たちの身をも焦がしてしまう劇薬です。数を集めれば、それは政策などに違いも出てきますが、たった10人程度の小政党でそれをボヤいていたら、国民からすれば先が思いやられるのです。
亀がウサギを追い抜けるか? それは分かりませんが、少なくとももう背中は見えているでしょう。三大争点を軽く扱う政治評論家が多く、第三極Bチームの議席も低く見積もる向きもありますが、国民の多くは三大争点に関心があることは、はっきりしています。そこを争点とし、後三週間を戦うなら、亀さんが竜宮城ならぬ議事堂に導くようなことも、有りうるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:23|PermalinkComments(4)TrackBack(1)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2012年11月22日

自民の公約と円安、株高

自民党が政権公約を発表しました。安倍氏の経済政策に内外から批判も出て、一定の見直しはされたようです。ただ、政権公約をみると全体としては『言葉が踊る』だけで、中身には首を傾げる部分が多くあります。全体が56ページもあり、量も膨大で読み込むのも大変ですが、残念ながら『検討します、推進します、取組みます』で、実現性を謳っているものは少なく、4年前は政権政党であり、政権政党としての責任や、実行力を主眼とした割には、物足りない印象が否めません。
例えば2020年度までにプライマリーバランス黒字化を謳いますが、10年間は国土強靭化計画に則り、財政出動は増えます。さらに安倍氏の言葉を借りれば「建設国債を日銀に無制限で引き受けさせる」のですから、財政の箍はゆるみがちです。では健全化に向けて、何か施策があるか? といえば国・地方公務員の総人件費を年間2兆円削減、のみです。それ以外は、経済成長3%のみというのでは中身がないと批判されます。実際、財政健全化への取組みは、義理で入ったような印象です。

では、その経済成長戦略は『ハイブリッド経済立国』です。要するに産業と金融・サービス部門を双発的に発展させましょう、という提案ですが、その達成の一つに日銀との間でアコード(協定)を結び、物価目標を2%とするものがあります。インフレターゲットは、欧米などでも実施されていますが、問題はその実現性です。金融・サービス部門が発展した欧米では、金融政策が大きな影響をもちますが、日本はまだ産業が強く、その意味で間接金融では実効性が低い面があります。
安倍氏の主張では、だから公共工事を拡大し、民間に資金を流す迂回的な直接金融の手法を示したとみられますが、建設業が経済全体に与える相対的な位置づけが低下しており、かつてと比べ効果は低下しています。また復興需要がある中で、建設業界の人材獲得にも苦労しており、あえてここに注力する必要はない。そして一番大事なのが、過剰投資になってはいけないということです。今はすでに公共投資がオーバー気味であり、よほど吟味して今後の計画を整えておかないと、無駄な設備や道路ができ、その維持費によって日本の財政は潰されることになりかねません。

安倍氏は、自らの発言で円安、株高になったことを誇らしく語りますが、市場原理主義の悪い癖は、元々『市場に委ねる』という行為は、収斂させることを目的とします。つまり短期の変動は雑音、ぐらいにとどめておいた方がいい。特に、今回は米アナリストが「日本は円安基調に入った」とリップサービスしましたが、これは米MMFベースで、円売りのボリュームが拡大しすぎて、これ以上の円売りが出せない。そこで日欧の投資家に円を売らせよう、という戦略的なものです。そこで欧州のCTAスジが、円売り、株買いを仕掛けている。これは円高、株安にする仕組みと同じであり、自分に都合がよいときだけ評価し、悪いときは非難する、ではこの行動を抑制することができません。
つまり今の円安、株高は、単に投機マネーを引き寄せた結果であり、今の状態が逆回転を起こせば、日本を沈没させる引き金になりかねないものなのです。公約にも国債暴落のX-dayを防ぐとありますが、実際にはその火種を与えているといえるのです。今は金利水準からも、仏国格下げなどの欧州不安からも、円安は行き過ぎとの見方であり、先の米アナリストなど「日本が貿易赤字」になったことを掲げますが、恒常的には「日本は経常黒字」であり、常に円高圧力があることを見過ごしています。

そして外債購入を、財務省、日銀、民間のファンドで行い、円安にする仕組みは、長期でみれば円高圧力に寄与するものです。つまり外債を抱え、定期的に利子収入を得る形により、経常黒字が強化される。これは米債を購入しろ、という圧力を受けているだけのもので、外債の価格下落が起きたとき、誰が損失を負担するのか? それが政府なら、絶対につくってはいけない仕組みです。
全体は、非常にボリュームがありますが、総花的である一方、言葉だけが印象的に踊っています。逆に、こうしたイメージは今回の選挙ではマイナスでしょう。国民は具体策、実現までの道筋をみたいのであり、意味の分からない言葉をみても、聞いてもピンときません。そして中身にも齟齬があるものを、今後どう整合させていくか? その点の課題には、この公約は応えてくれないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:36|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 経済

2012年11月21日

公明党、国民新党の公約について

鳩山元首相の引退宣言で、沖縄県民へのインタビューで「混乱させた」と、不快感を示すものがありました。残念なのは、沖縄の声を反映しようとすれば、必ず『混乱』します。ナゼなら永田町、霞ヶ関、メディア、財界に至るまで親米主義がまかり通り、それとケンカしなければ沖縄の声が、通らないためです。沖縄の支持がなければ、政治家は誰も『混乱』を嫌がりますから、沖縄県の声を届けようとはしなくなるでしょう。達成できないことは責められても、『混乱』を原因として非難することは、極力避けるべきです。それこそ、自らの首を絞めることになりますから。

自民が政権公約を発表しましたが、先に発表された公明、国民新の政権公約を概観しておきます。公明で目立つのは、防災・減災ニューディールで、10年で100兆円規模の事業を打つことです。しかし自公政権時代、公共工事が的を射ていたことはなく、無駄な事業が野放図に続けられてきました。復興予算からも、役所の耐震化費用が捻出されていたように、自公政権になって、真に有効な公共工事となるか? むしろそうでない可能性の方が、極めて高いと云えるものです。
地域主権方道州制の導入を訴えても、それに伴うはずの国会議員、国家公務員の削減計画は載っていない。政治資金改革は訴えても、政党交付金にはふれていない。踏み込みが中途半端で、全体的に見栄えのいいことはあっても、具体策に落とせないのが実状です。そして国民会議、検討委員会の設置など、要するに政治は何も決めない、という項目が多い点も疑問です。検討します、促進します、すすめます、という云わば玉虫色の表現で締めくくる項目も多く、全体として中身は薄いものとなっています。さらに薄いのが、経済政策です。金融政策の抜本強化、という話は自民と重なりますが、未だにエコポイント制度などに頼る以外、目ぼしい経済政策は皆無と云える状況です。消費税で軽減税率の導入を訴えますが、具体的でないので評価のしようもありません。

国民新は、綱領という形で発表されています。教育立国を掲げ、高校までの義務教育化を盛り込みますが、就労機会を奪うことについては、何もふれていません。さらに『決められる政治』を掲げますが、悪い言い方をすれば『多数派工作にのる』ことに過ぎず、決めることに価値がないこともあります。自主憲法の制定、という点は突出しますが、ナゼか素案も示さず、それさえ制定できれば内政、外交が上手くいく、という論調をとるため、これでは不安の方が大きくなるでしょう。
珍しいのが、経済政策がない点です。実際、新エネルギーについての記述はあっても、他の経済政策はない。むしろ郵政事業の拡大、利用を通じて経済に寄与させる点は、特徴的ともいえます。自主防衛などの保守的傾向はみられますが、全体として05年までの自民に近似した内容です。

公明も、国民新も、言ってみれば大政党と連携しなければ政策実現力はない。さらに云えば、政権与党を経験したのですから、その時代に出来なかったことを改めて主張する場合、反省と展望を示さない限り、実現可能性は低いと見なされる立場にあります。では両党にそれがあるか? と云われれば何もありません。 政治が目標だけ示しても、次の選挙では国民が懐疑的にみるだけで、それはマニフェスト選挙の失敗の影響でもあります。公明のように見栄えのいい項目だけ並べても、国民新のように理想だけを掲げても、国民は積極的にこの両党を選択しようとはしないでしょう。
そして最大の問題は、TPP、消費税、原発についての記述がほとんどない点です。すでに成立した、曖昧にして争点化を避けよう、ということなら政治の責任を回避した、とみられます。与党を体験した両党だからこそ、厳しい目も向くのであり、それに誠実に応えていないという意味で、両党に対してこの公約では、国民からの期待は広がらないことが、ほぼ確実と云えるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:20|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2012年11月20日

TPPに反対する理由

鳩山元首相が、出馬を見送りする方向となりました。米国の機嫌を損ねた政治家は、徹底的に糾弾するという目的で、様々なネガティブ報道もされてきました。自身がお調子者で、大らかすぎて、官僚と組んだ一部の民主党内の勢力から、裏切られたというのもあるでしょう。結果的に、それらの勢力が『誓約書』などを持ち出されるに及び、ギブアップした形です。選挙区情勢も厳しく、民主党の公認がなければ、当選も難しかった。最後まで決断できなかった政治家の限界かもしれません。

そして米国との距離をはかる上で、重要なのがTPPです。自民は前向きであるものの、今のところ玉虫色の表現です。民主は野田氏が積極推進し、ASEANでも他の国の首相は、会談さえ拒否されていますが、オバマ米大統領が会談に応じてくれたのはTPPにむけて前向き発言する、という事前協議の結果とされます。さらに野田民主が突出してTPP議論を進めることで、後に自公民で連立政権を組んだとき、TPP交渉をやり易くする意図が窺えます。維新は、太陽の党と組んで曖昧でしたが、どうやら石原氏が折れ、推進する方向になったようです。みんなの党も推進派、その他の党は反対という構図です。
TPPの前に、少し日米の状況にふれておきます。米国はクリントン政権辺りから、製造業から金融、サービス業を中心の経済に変えています。米国内では研究、開発などをしますが、製造は第三国で行う。Appleなどに象徴されますが、これが米国全体ですすんできた道です。逆に自動車業界などは、製造拠点を移転できないため、日本のTPP参加には反対します。この構図が日本にも重要です。

日本は小泉政権以降、規制緩和をすすめる過程で、同時にデフレもすすみました。これは有効需要が少ないのに、そのパイを奪い合う競争型になったためで、製造業も国際競争の波に晒される、という理由で派遣が解禁され、賃金低下が起こり、日本全体がデフレスパイラルに陥ったのです。
TPPは『例外なき障壁の撤廃』を求めるものです。しかしこれで有利なのは、海外に流出しない金融、サービスに特化した米国であり、製造業が主体の日本にとって、規制緩和と同じ効果をもたらします。つまり新興国と同じ条件で競争型になれば、自ずとデフレ圧力がかかり易くなるのです。米自動車業界が、日本の参加に反対するのは、製造業を移転できない弱みがあっても、他のTPP参加国はまだ自動車産業が育っていないから。そこに日本が入ると、一気に苦境に陥ることが自明なので、オバマ政権に圧力をかけてでも止めようとする。これがTPPにおいて製造業が抱える問題点なのです。

つまり、TPPは日本に更なるデフレ圧力をかける、だから参加してはいけないのです。日本が金融、サービス業を発展させ、製造業の流出に耐えられるようにするなら別ですが、米国がバブルを生みやすくなったように、市場に携わる人間が増えれば仕組みを増やさなければならず、そうして複雑になった分、不透明化とバブル化を起こす。これが米国型の経済構造ですが、それと対等に戦おうとするのは、これから構造転換を図らなければならない日本にとって、すでに競争ですらありません。
経団連がTPPに賛成するのは、製造業は海外移転すればいい、と考えるためです。かつては財界に都合悪いことでも、積極的に発言するオピニオンリーダーの役割でしたが、最近の経団連はただの圧力団体であり、経ダメ連といいいます。経済界がその程度の認識なのに、政治家がこの仕組みを理解できるはずもありませんが、このデフレ圧力の構図をしっかりと認識できずに論じることは危険ですし、これは鎖国か、開国か、といった類の話ではまったくないのです。
日本は実験的に、規制緩和や無条件で競争化される中で、製造業中心の先進国はデフレに陥るということを示しています。現況を正しく認識せず、TPPという同じ失敗をくり返そうとしている。これは維新のブレーンとされる竹中氏であれば、尚更そちらに向かう、ということでもあります。これは自民の訴える無制限緩和でも、解消される見込みはありません。TPPとデフレを重ねる論調はあまり見られないので、あえてとり上げましたが、このままだと日本は極めて深刻な事態に陥りかねないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:29|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 経済

2012年11月19日

亀井氏が新党立ち上げ

各社世論調査が出ましたが、内閣支持率など上昇、下降が各社によって異なり、政党支持率でさえ維新に対するものでは違いが出ており、内容がまったく信じられません。各社、自分たちに都合がいい回答がでるよう、A群、B群などの電話をかける相手を使い分けたようであり、数字に意味はなく、傾向すら不鮮明となりました。各社で、戸別に世論調査をする意味があるのか? 番組制作費の削減が叫ばれる昨今、なぜ統一した調査によって、結果を各社が分析する手法をとらないのか? 結局、世論調査は自分たちが世論をいかに誘導したか、それを知るのが目的なのでしょうね。

亀井氏が新党『反TPP・脱原発・消費増税凍結を実現する党』(反TPP)を立ち上げました。ネーミングセンスはありませんが、小政党なので、存在感を出したかった。そして自らの主張で突出することにより、利を得るのは意外と生活です。現状、自民、民主、維新までがこの反TPPとは対立する主張となっています。そして、生活と反TPPが組むことにより、生活もこの主張を強く訴えることができる。つまり、自民、民主、維新が争点化するつもりのないこれらの政策に光が当たり、改めて対立軸とすることで第三極の中心に生活・反TPPが立とう、という亀井氏の戦略がみてとれます。
既得権益との関係は、原発政策をみれば一目瞭然です。民主は2030年までにゼロを目指す、と原発再稼動ですでに関係を結んだため、曖昧です。自民は10年かけて議論、ただそんな悠長なことをしていても、使用済み核燃料がたまり、使い物にならなくなりますので、これは逃げです。維新は石原氏に配慮したのと、関西経済界からの圧力で態度が不鮮明になりました。つまり民主、自民、維新とも既得権益とは、それなりに上手くやっていきたい、との思惑から国民に選択権を与えていない。逆に、反対やゼロと打ち出せる政党は、それだけ利権団体の圧力は受けていないことを意味します。

TPPも、実体としては景気にマイナスです。細かくやると長いので割愛しますが、TPP交渉もある段階までは、交渉の内容、経過について政府がつかんだ内容が公表されていました。ただ交渉が止まったためか、日本にとって都合悪い条件になったか、ある時から情報が止まっています。これはすでに、日本が交渉に参加できる余地はなく、反対派を勢いづかせるとの判断から情報が止まった、とも推測でき、仮にそうであるなら、最早日本にとって参加する価値は皆無ともいえます。
消費税増税も、安倍氏が「無制限緩和」などという、無茶な提案をするのも財務省の肩書きであり、遮二無二経済を上向かせ、何としても計画通りに消費税を上げたい。そのための金融緩和とも読みとれます。すでに、三党合意で特例公債法案を、2015年まで国会審議を経ることなく通してしまう。財務省に都合のいい法案が通り、憂いはすでに後退局面に入った景気です。財務省は、安倍詣でをくり返しているとされ、そこで刷り込まれたのが財政出動せず、金融緩和によって景気回復のシナリオだと推測できます。つまり、これらも官僚利権と密接に絡みついた内容だといえます。

メディアはTPP、原発、消費増税ともに利権と結びついており、反対はしない。そこで矮小化してきましたが、発信力のある亀井氏が、そこに対立軸として明確に打ち出した。これで、イヤでも政局の俎上に三大争点はならざるを得なくなった。これが、小沢氏の無罪確定の日と重なったのは、偶然なのか、亀井氏の戦略なのか。いずれにしろ、これが第三極Aチーム、とされる維新側と、第三極Bチームとなる生活・反TPPという構図で戦いやすくなったことで、新たな展開が予想されます。
国民が、最大に関心あるのは原発政策であり、80%が反対ともされます。亀井氏が郵政の後、新たな材料を探しているとは見ていましたが、この構想のために石原氏の誘いを蹴ったとすれば、本気度も高いのでしょう。メディアが如何に自分たちの都合いい意見を集めるため、世論を勝手に区分けしようと、国民の最大意見を集める政党が勝てるようでないと、国民のストレスが最大化されるだけです。亀井氏の読みが、成功するかどうかは、大いに注目を集めるところなのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:29|PermalinkComments(8)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2012年11月18日

民主党の動き

解散からここまでの、民主の動きを追ってみます。まず野田氏が党首討論で解散宣言したことを、評価する人がいます。これは『解散しない』ストレスをかけていた相手が、その要因を除去したことを好感する動きです。これは暴力をふるう人物が、相手を支配するとき利用する手と同じで、ある時だけ優しく振舞われると、かかっていたストレスの大きさだけ、それを除去してくれたことに快楽を感じる。大体、国民から疎まれながら後に大きな決断をすると、支持が上がるのも同様の理屈です。

野田氏は、殊更に自民との対立軸をアピールします。そうすることで相手を利し、二大政党制を訴えている。一方で、維新・太陽の動きを非難するのも、第3極の中心軸は維新で、生活ではないとのアピールです。自ら追い出し、実は多くの対立軸が存在する小沢氏の復権は、怖い。消費税増税、原発、TPP、三大争点とされる点は、民自公と生活では真逆になっています。だからこその無視です。
自民との対立軸に、世襲批判をあげていますが、それこそ小異です。世襲でない方が勿論良いですが、新人議員の資質が問われる中、早くから秘書として政界に携わり、地盤を引き継ぐ世襲という方式には、一定の効果もある。それより三大争点の方が、日本の未来を決める点で大きな意味をもちます。しかし民自公はそこに対立軸がない。つまり争う気がなく、これも無視を決め込みます。これで分かると思いますが、民自公も、この最大争点を小異として扱っているにすぎません。

では、安倍氏が訴える経済政策で、民主が対立軸を打ち出しているか? と云えば、何もありません。リーマンショック後、低迷から回復させたという言い方もありますが、それは米中が巨額の景気刺激策を打ったからです。その結果、米中は多額の財政赤字と、不良債権を抱え込んでしまった。日本はエコカー補助金の延長など、手垢のついた政策を続けただけで、目ぼしい景気刺激策はない中で、海外の需要に支えられてきました。そして今後も、民主に経済政策は期待できないことを示しています。野田氏はTPPを経済政策のごとく語りますが、TPPに景気浮揚効果はありません。比較優位の原則も、あくまで需要あってのことであり、それが今は消失しているのが現状なのです。
そして民主は、執行部が掲げる政策に踏み絵を迫って公認をだす、と宣言しています。つまり民主は選挙前も、選挙後も分裂の火種をかかえることが、確実の状況です。選挙公約さえ曲げる党が、誓約書を破るのは簡単でしょう。何しろそれは、国民との約束ですらありません。悪い言い方をすれば、独裁を狙う一部の勢力によって、独断で決められた内容であるなら、尚更守る必要もないものです。

そもそも、民主は政権公約をどうやって決めるのか? 両院議員総会で多数決をとるなら、多数に倣え、ということも可能でしょう。それとも、前回のマニフェストは誓約書がなかったから、破っても良かった、とでも云うつもりなのか? いずれにしろ、執行部一任で政策を決め、それを誓約書によって従わせるなら、選挙で当選した後、誓約書を破って党を割る人間が増えるのは確実です。
そして選挙後も、党が割れる…という意識が、国民に投票する気を失わせます。そもそも、09年選挙のマニフェストを、一切なかったことにしている野田氏が、政権公約を守ってくれるとは誰も考えないでしょう。それは『近いうち』の約束を守った、としても、三ヶ月の焦らし効果と重なっているだけで、本来なら遅いと指摘されるところです。約束は守らない、時間には遅れる、そんな人物が、党内から誓約書などで暴力的に人を追い出そうとしている。その正当性についての審判が、次の選挙における民主党への評価となるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:29|PermalinkComments(6)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2012年11月17日

自民の経済政策

最近、サムゲタンが話題です。アニメや芸能人のブログで、脈絡もなくサムゲタンのことが取り上げられた、という話です。これは明らかに、竹島問題で日本からの観光客が減ったため、韓国側から広告代理店を通してうったステマでしょう。事態が沈静化しつつあり、韓国旅行を増やしたい韓国が、多少の広告費をはらっても年末年始の連休に、韓国旅行を増やしたい事情が透けて見えます。
日本側が行ったとはいえ、韓国で大学生が日本語で演劇する、などがニュースでとり上げられていますが、普段なら記事にもならない事柄です。日本でも竹島の単独提訴が見送られ、今後は雪解けにむけた動きを活発化させることでしょう。それは広告費の入る日本、観光が潤う韓国、という日韓のメリットが感じられるため、政府単位でそちらに流れていく可能性が火上位高いためです。

一昨日、太陽の党と減税日本が合流で会見し、今日になると太陽の党は維新に合流、減税日本は蚊帳の外におかれました。石原氏にとっては、減税日本との合流も『大したことない』ことだったようです。石原氏は首相になりたい。その一点で、国政に復帰するので、維新との合流に邪魔となったら減税日本を冷酷に切る、たち日が掲げていた政策すら擲つ、という非情さを見せます。
自分を弁慶に準えますが、弁慶は将軍になっていない。石原氏の行動には何の忠誠心も感じられず、むしろ権力にまい進する姿にしか見えない。今回の行動は、明らかに支持者を失望させるでしょう。とにかく多数をめざす、という我欲を達するための行動にしか見えないためです。政治は数が大事ですが、数あわせをするためだけに人を利用すると、後にしっぺ返しを喰らうでしょう。維新は政策面でばらばらなことが確実で、民主と同じ失敗をくり返す、との認識を強めそうです。

野田氏は街頭演説ができず、自民は大々的に街頭演説をして、国民にアピールしました。ただ自民が有利とは思えないのが、安倍氏の経済政策への疑問です。日銀法改正に言及し、建設国債を日銀に購入させる、とまで述べます。安倍トレードとされる昨今の株式上昇局面でも、債先売/株先買の動きが一部で出ており、利回りが上昇しつつあります。つまり安倍氏は何か勘違いしているとしか思えず、建設国債だからといって、無制限にそんなことをすれば国債の信頼は失墜し、利回りが上昇して景気を冷やすのです。安倍氏は、平成の高橋是清にでもなるつもりかもしれません。
ただ当時の成功は、あくまで鎖国的政策との協調の結果であり、今回のように同時にTPPや開国政策をとれば失敗するでしょう。国内に資金は回らず、資金が海外に流出することによって円安を志向しやすくなりますが、産業は国内回帰しない。ナゼなら日本国内が、公共投資による有効需要を生みだす政策しかないなら、それが行き詰ったときに需要がストップするからです。

もし安倍氏の語る経済政策がうまくいくなら、欧米中など、経済不安を抱えた国は真っ先にそれをしています。逆に云えば、それをしても経済は回復していない。ナゼなら金融機関が引き締まっており、それは資金を無理矢理押し付けることでも、お金は回らないためなのです。円安誘導、インフレターゲットにしろ、それはバブルとの相対であり、むしろ安倍氏が近視眼的に日本を立ち直らせ、その後破滅へと向かわせようとしているようにしか、思えません。
小泉政権時代、日本が一時的に好調だったのも、海外のバブルが主因です。その原因は、日銀の緩和マネーとされており、世界経済を長期の停滞に陥らせているのが今です。そしてまた、安倍氏は同じ夢想を描いているのでしょう。ただ世界は未だに長期低迷のツケを払い続け、さらにもう一段の下げを志向しやすくなっています。安倍氏が語る経済政策は、実は上部の資金の流れのみに注力しており、末端の国民にまで行き渡らせる政策ではない。旧態依然としたリフレ派なら、その点はよくよく考えておかないと、安倍トレードの先に日本破綻にベットする資金を活気付かせることになるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:35|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 経済

2012年11月16日

野田首相の会見

維新と太陽が、合流でほぼ合意と伝わります。その結果、減税日本は弾かれた。これらの動きは、維新と太陽、減税日本は仮に与党になってもゴタゴタ続きになる、という印象を深くしました。これらの党首は誰もが鶏口で、選挙で勝つためだけに牛後に甘んじるというなら、船頭多くして…に陥ります。維新の政策を太陽側に呑ませた、と云っても石原氏がそれに留まるようなら、この人物の価値はありません。目を瞬かせながら、国民に約束した政策以外のことをやるんだ、と叫んで、維新ら他の議員から白い目でみられ、空中分解する様子が目に浮かぶようです。

0増5減の法案は成立しましたが、区割りはまだです。野田氏は、議員定数の削減に道筋をつけたことを成果のように述べますが、マニフェストは衆院議員を80削減と謳っていたので、消費税増税のために議員が身を切る、と云うこと自体がウソです。80を削減し、さらに40減とするなら消費税増税分と捉えることも可能ですが、ただ40減なら公約未達です。また民主の提案する40減は比例定数なので、区割りの見直しが必要な0増5減と、別けて議論をすすめても良かった。それを政局で、0増5減と絡めて議論してきたのは民主であり、これは取引材料ですらない。それを党首討論という場で主張すること自体、できレースの匂いすらするもので、実体は中身がないのです。
野田氏が会見を行いましたが、興味深いのは色々とテーマを並べ、それらは道半ばで「前へ進むか、後ろに戻るか」と選択を迫ったことです。道半ばに留め置いたのは野田政権であり、また特に解決の道筋を示したわけでない。単純に、すでに民主は『古い政治』であり、「前へ進むか、後ろに戻るか」と云われれば、民自公の既成政党か、第3極か、という選択を迫ったようにしかイメージできない。これも野田氏の眼中にあるのが自民だけ、と示し、意図的に第3極を排除したものでしょう。ただし、今回の選挙は政策的にも、民主対自民ではない、ことだけは確かです。

さらに会見で、意図的に外したのが09年マニフェストです。未達、手つかず、真逆、のオンパレードで、09年の衆院選で大勝した政党と、今の民主はまったく別物である、と端的に認めた形です。つまりそれは、多くの票を得ることができる政党ではない、というのと同義です。自民の補完勢力になったからこそ、自民を意識し、自民との対立点だけを述べた。そんな会見でした。
さらに外交面も述べていますが、インド首相の訪日延期、ASEMでも諸国と会談がキャンセル、16日解散が与えたインパクトは、外交面で大きな禍根を残しました。野田氏は常に内向きで、外との交渉ごとは苦手。それは離党者が増える現状、解散も内輪のごく少数にしか明かさない、と人とのコミュニケーションが不得手としか思えない。残念ながら、そういう人物の方が冷徹に人とのしがらみもなく行動でき、それが強いインパクトを与えるので、好ましく見える。ただそれが与える影響、特に外交面では今回が与えたマイナスを考慮しないと、野田氏の人物像を見誤るのでしょう。

解散は早めにすべきだった。実はもっと早く、ということであり、解散を決断した野田氏は、上手く焦らし効果を狙ったような部分もあります。つまり解散して欲しいのにしない、というストレスから解放してくれた、それを好ましいと感じる人間の心理状態によって、野田氏を評価する声もあります。ただ、今回の会見を聞いても、彼が国民との対話をしよう、としているようには聞こえない。自民をもち上げ、それと対立する自分という構図を訴えることで、自分を有利に取り計らおう、という意図が感じられる、自分大事の姿勢がそこに垣間見えてしまいます。
鶏を割くに、何ぞ牛刀を用いん…。鶏口牛後だった人物たちが、渋々と牛後に甘んじていたため、トップになった途端、自分のやりたいことを始めたのが民主です。先の言葉は小事に大人物を用いて大仕掛けするが、その必要はない、というほどの意味です。民主の失敗は牛のような巨大な体なのに、鶏並みの知恵しかなく、すべて停滞するか、官僚に委ねるばかりで政治力がまったく発揮されなかったこと、です。この鶏は、牛刀で割かれることになってしまうことになるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:28|PermalinkComments(8)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2012年11月15日

解散後の動き

昨日の解散宣言から、様々な動きがあります。まず金融市場。為替が一気に円安、株式は上昇しましたが、これは欧州系イベントドリブンの動きで、期待云々ではありません。米国市場も大統領選まで上げ、その後急落するのと同じです。米国は大統領選を有利にしようと、経済指標をかなり操作していたため、今後悪材料が続くだろう、という読みがあります。また年末には景気回復、来年には成長という楽観をばら撒いていたのも、ヘッジファンドが解約売りを出させないようにするためでしたが、そのシナリオは崩れつつあり、45日ルールの処分売りが出ています。日本でも同様の動きでしたが、欧州系は売り向かっていたため、買いに余裕があり一段高を演じています。
安倍自民総裁が「金融の無制限緩和」と意味不明なことを述べていますが、少なくとも政治家は自分で『やる』ことを約束すべきで、人に『やってもらう』ことを声高に言うものではありません。日銀法を改正して『やらせる』なら、そう宣言すべきです。そんなことをすれば見切り売りが出てくるでしょう。緩んだ規律で、政治の圧力で金融政策を混乱させることが、自明だからです。政治は自分で『やる』経済政策、景気対策を訴えるべきで、安倍氏にそれらがない。公共投資を増やす、ともしていますが、自民に戻れば復興予算や消費税増税分は、コンクリートに消えることでしょう。

太陽の党と、減税日本が合流です。減税日本の小林氏が石原氏と近く、実現した形ですが、政策はばらばらの野合ですし、特に語ることはありません。石原氏が間違えているのは、先に民主が失敗し、それと同じ政局的な動きですすめていることです。たち日、減税日本と数を頼みにした時点で、保守系の票は逃げます。多くの国民も期待しません。議席は政党の足し算で増えますが、票は足し算では増えないのです。コアな層に訴え、地域政党として独立して戦った後、選挙後の枠組みで協力を約束しておいた方が、よほど有利なのです。逆に、太陽の党や減税日本が、弱者連衡をしているようにしか見えない。それでは、コアな層からも見限られる恐れがあるのです。
民主は離党者も増えていますが、党に残って自分党で戦う、という人もいます。つまり政権公約をだしても、党内すらばらばらで守られるとは到底思えない。TPP参加も野田氏はASEMで約束するようなので、益々党は壊れていきます。民主はCMで『今と未来に、誠実でありたい』と流しますが、悪い言い方をすれば、願望を述べられても現実はそうでない、と認めたようにしか思えません。

日朝協議も始まりましたが、横田夫妻に訪朝してもらい、孫と対面させることを本人や家族会にはかることなく、打診したようです。野田政権は、本当に血の通わない政治しかしない、自分たちの実績作りのために、他人を踏みつけにする政治ばかりします。相手を思いやることができない点は、野田氏の抱える性質です。小学生の頃、通信簿に『バカ正直』と書かれたようですが、年を経る内、いつの間にか後半は消えてしまったのでしょう。政治に大事なことは、人が国をつくり、人が国を動かすという大元です。人を蔑ろにする政治に、国民は正直に失望するだけです。
野田氏は、代表選のときに街頭演説で『ウソつき』とされたのに応えず、自民から『ウソつき』と批判された途端、それを嫌気して誠実を訴えるようになりました。こうしたことも、野田氏が自民だけをみて政治をしており、国民の声は届いていなかった、ということが分かります。今が誠実ではない人物が、未来は誠実に振舞う、とは誰も思えないでしょう。誠実さには真心をこめる、という意味もありますが、心のない人物だからこそ「ありたい」と述べているのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:24|PermalinkComments(6)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2012年11月14日

野田氏による解散宣言

今日の党首討論で、野田氏が16日解散に言及、民主党三役会議でも来月4日告示、16日投票の方針が確認されました。後二日で決めることもありますが、概ね日程は外さないでしょう。しかも野田氏はアジア首脳会議(ASEM)に出席し、TPPへの参加を表明するものとみられます。またメディアが、諸外国と約束したことは覆せない、と騒ぐと思うので先に記しますが、そんなものは簡単に覆せます。政権が変われば、諸外国との関係も変わるものであり、見直しはどの国でもします。できない、と云っているのは日本のメディアぐらいで、TPPでさえ締結しない限りはいつでも見直し可能です。

ただ今回でも明白で、残念なのは、野田氏はずっと自公の方ばかりを向いており、決して国民をみていない。重大な案件を国民にむけて発表するのではなく、先に自民と約束してしまう。さらに仲間であるはずの党員にも教えない。独断専行して組織を壊す、典型的な失敗型のリーダーです。
その党首の下、民主が壊れるのは必然です。そんな民主内には悲痛、達観といった空気が流れます。小沢鋭仁氏が離党したように、続々と離党者が増えるでしょう。小選挙区制では、一票でも少なければ負け、比例復活にかけるしかありませんが、空白区が増えると基礎票が減る。支持率10%程度の政党が厳しいのは、この比例復活しか当選の見込みがないためなのです。そこで離党者が増え、今から公認をたてるのも厳しくなると、比例復活の道も途絶える。これは分裂選挙となり、候補者が党の方針を違え、異なる政策を掲げて戦っても同じ、政党名に『民主』とは誰も書いてくれなくなるのです。

生活の小沢氏がオリーブの木構想を打ち上げたのも、全国に候補をたてるとなると、資金力、組織力が不足し、戦えないとわかっているから。比例ブロックごとに注力し、復活を目指して戦う方が、よほど利があると云えるのです。つまりそうでないと、乱立する小政党が政権をめざす戦略は描けない。橋下氏の甘さ、全国に候補を立てるという戦略は、組織も整わない中で土台ムリなのです。
そこで、選挙制度改正で、野田氏は議員定数の削減にこだわっていましたが、自公と約束しても他の小政党とは約束していないので、16日に何か結論がでることはありません。安住幹事長代理は、念書をとると息巻いていましたが、自公は協力で約束したので、討論通りに通常国会での成立を目指す、という形でしょう。これは選挙の争点ではなく、政局の争点として今後の具になります。比例が減れば、小政党が政権政党になるまで時間がかかり、政治のダイナミズムは失われる。野田氏の念頭にあるのは、これを通すと自ら身を切ったから増税してもいいでしょ? という論調ばかいでなく、民自公の大連立を磐石なものとするために比例を減らしましょ、とけしかけているに過ぎないのです。

野田氏は、解散することで『決断できる党首』であることをアピール、自らは生き残る戦術です。つまり彼にとって、周りの人間はすべて踏み台だった、ということになります。首相が党員を蹴落として、自身の立場を存続するだけに汲々とした。それが今回の解散劇です。55歳であり、まだ議員としてやりたいことが多い。首相として頂点を極めた後、影響力を保持しつつ存続するためには、次に目指すのは自民で出世することなのかもしれません。そのためには仲間の多くが討ち死にしても、気にならない。『稀代の冷血宰相』という称号でさえ、ふさわしいのかもしれません。
日本では仲良く、組織を重視し、といった姿勢を評価されてきました。そんな中、野田氏が登場してきたのは、次世代型の、他人との関係が希薄で、組織を壊すことに何の躊躇いもない。そんなタイプの政治家が登場した、ということかもしれません。今回の解散に、何かタイトルをつけるとすれば、野田氏による『ワガママ解散』として、歴史には記録されることになるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:22|PermalinkComments(6)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2012年11月13日

ネズミと太陽

石原氏が太陽の党をたちあげました。たちあがれ日本のときもセンスがなく『たち日』では、一部で人が亡くなった日、命日をさす言葉になります。今度は、大阪万博の太陽の塔、とも重なりますが、これが維新と組むためだけなら『貸与の党』、維新の影武者なら『代用の党』、政界引退間際の人たちばかりで『退潮の党』など。冷やかしには事欠きません。さらに太陽党はかつて羽田氏が立ち上げた政党名ですが、短期で消滅しており、太陽は昇ったら必ず沈むことを証明しました。今回はまるで、たち日から落日になった印象であり、事実、誰も新党に合流しませんでした。
精一杯盛り上げようと、石原氏が第三極の軸、と報じるメディアもありますが、議員が誰も合流しない点が、明確にそれを否定します。もし石原氏が軸になるなら、議員は続々とその下に参集しているでしょう。人望も人脈もないことが、この時点で明白なのです。石原待望論は、一部のメディアや保守系有識者が語るのみで、永田町の多数派ではないのです。冬の太陽は暖かくても、夏の太陽は紫外線も強く、忌避する人も多い。『太陽の季節』が書かれた頃と今は、太陽の価値すら異なっており、それに気付けないほどの鈍感な人でない限り、こうした党名は選ばないはずでしょう。いっそ夜明けや、あけぼのとつけた方が、ひねりがあったと思われますが、こうしたものも世代でしょうか。

民主党内に野田下ろしの動きが出ています。しかし側近が解散、TPPを意図的に流す以上、消費税増税と同じで、野田氏は仕掛けます。そうなると民主は分裂選挙です。離党する議員の数がカギと見ていましたが、本命は分裂選挙であり、公約さえないまま民主が選挙するかどうか、となります。
一部で、党を離れた生活の議員がいる選挙区に、公認をたてて『刺客』とする報道があります。ただ野田民主では、政策は自民に近く、政策で選ぶ無党派はそれを対立軸とみません。一方で、支持母体を分裂させるのが狙いなら、自民を利することになり、これは民主も面白くない手法です。ただここから窺えるのは、野田氏は選挙後、民主を出て自民に合流するのでは? という疑いです。つまり自分が政界再編の仕掛け人になる、それが野田氏の乾坤一擲の秘策かもしれません。

今は自民の『北風と太陽』作戦が当たり、特例公債法案など、選挙に向けた懸念が一つずつ消えています。同じ北風と太陽が出てくる作品に、ネズミの嫁入りがあります。ネズミが自分に相応しい天下一の婿をさがしに旅に出る。太陽は雲に弱い、雲は風に弱い、風は壁に弱い、壁はネズミに弱い、ということで、結局ネズミと結婚するという話です。これを今の政界に重ねると、太陽の党は暗雲が漂い、暗雲は解散風にとばされ、解散風は党内の壁にあたり、壁は首相の解散権で穴を開けられる。では、一番強いのは首相か? というと、それは永田町の中だけで、国民からみれば、袋のネズミが、ネコを噛んだ程度にしか見えず、野田氏自身は大山鳴動して出てきた一匹のうそつきネズミです。
民主内で『ネズミ相談(ネコに鈴をつける)』をしても、何も効果はないでしょう。分裂選挙をしたくなければ、党を出るしかありません。『忠』と鳴いても、自分が討ち死にしては意味もありません。野田氏が吹く、TPPや解散風は、ハーメルンの笛です。ネズミを引き連れて川に落とす、返す刀で子供たちをさらっていく。正心誠意が身上らしいですが、先に不誠実なことをしたのは誰か? それは公党間の約束を破った『うそつき』ではなく、国民との約束だったマニフェストを破った『うそつき』であり、この笛に踊らされていると、国民がもっとも不幸にさせられるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:20|PermalinkComments(7)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2012年11月12日

陸山会事件への態度

内閣府から7-9月期GDP速報値が発表され、前期比0.9%減、年率換算で3.5%減となりました。寄与の大きい個人消費が0.5%減、設備投資が3.2%減と大きくなりましたが、それ以上に不安が輸出の落ち込みです。中国リスクが叫ばれますが、欧州、中国が悪いのは織り込み済み、ただ米国向けまでタイ洪水後の増産体制で反動増となっていたものが剥落し、減となっています。輸出は5.0減、GDPへの寄与率は0.7%で、外需は崩壊状態となっています。これを景気対策で何とかしよう、というのも困難であり、内需を軸に据えても、即効性のある対策はないのが現状といえます。

陸山会事件で、東京高裁は無罪判決を出しました。しかも、元秘書らは有罪の認識がなく、また報告もしていない。当然、小沢氏も関与がないので無罪、と弁護側の完全勝利の内容です。上告は困難ですが、唯一指定弁護士が上告の理由としてできることは、政治資金規正法が認める裁量が、不動産登記の時期まで厳密に、それを外した段階で違法性を認めるか? という法解釈上の疑義を問うことですが、それをすれば全政治家に影響する。例えば今の前原氏の外国人献金問題や、秘書宅を事務所としていた問題、実体のない法人格からの領収書など、すべて違法とされてしまう恐れがあります。これは政治家全体が望まないため、このまま判決が確定する確率が高い、とみています。
安倍自民総裁が「無罪と無実は違う」と述べていますが、これは明確な名誉毀損です。裁判で無罪を勝ちとった人に、貴方は無罪だが無実ではない、と云えば当然断罪されます。たとえ国民の声を代弁した、とイイワケしても、誰の口を借りようと自身の発言はそのまま、その人の責任です。人権侵害と言い換えてもいいですが、いくらメディアが批判せずとも、民事では賠償がとれます。

さらにメディアは、殊更に小沢氏は『ホッとした』、指定弁護士は『盛んに首を傾げていた』と、判決が際どかった印象を与える報道をしていますが、大審院判例で『二審において特段の新たな証拠がない場合は、判断を覆さない』とされており、証拠申請が却下され、即日結審した時点で無罪は確定されたことです。もし指定弁護士が首を傾げていたなら、それは首が回らなかっただけでしょう。
また夕刊に間に合う時間にも関わらず、中身を差し替えず、判決が確定していないような記載の新聞もあったようです。安倍氏といい、この事件で未だに「説明責任」と述べる人物は、逆に何を説明すればいいか、どう説明すればいいか、それを自から説明すべきでしょう。不透明な資金の流れ、という文言が目立ちますが、強制捜査でも判明しなかったその『不透明な資金』とは何か? 単なる思い込みでなく、確証があるのならそれを示さない限り、その言葉は何の意味も為しません。

最近、冤罪事件が多発しています。陸山会事件が明らかにしたのは、検察の杜撰な見込み捜査、自白偏重による弊害、そうした法曹界全体への問題提起です。『推認』裁判が陸山会事件では話題になりましたが、「証言には信憑性がある」ことを判決理由に掲げた時点で、裁判官が『冤罪可能性』を否定していない、ということになります。そうやって大量に生み出された冤罪は、何も警察、検察の問題ばかりでなく、それを認めてきた裁判所も含め、法曹界が改めなければならないのです。そうでなければ、今後も法曹界が冤罪の大量生産に手を貸す、ことになるのでしょう。
そして、冤罪事件の被害者救済、名誉回復の問題と重ねるとき、この陸山会事件を契機として対策を考えるべきでしょう。裁判が決着したのに「無罪と無実は違う」といったり、「説明責任を果たせ」ということは、司法判断を軽視するものとなり、今後に大きな禍根を残すことにもなります。法曹界の出直しと合わせ、被告になった人物の名誉回復のあり方も含めて検討するようでないと、この国は被告になったら人生が終わってしまう、そんな事態になりかねません。検察が違法捜査、捜査報告書の捏造までする中ですから、尚更そうした方向において、この事件を活用することを検討すべきなのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:08|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 司法 | 社会

2012年11月11日

解散にむけた野党の動き

みんなの党の渡辺代表が、選挙時期は衆参ダブルでいい、と発言しました。いくら維新、みんな、たち日の連携協議に時間がかかると云っても、補正予算も組めない政権を十ヶ月も延命させていては、政局第一主義の謗りも免れないでしょう。国民の声を優先するなら、連携協議をさっさと終わらせる、それぐらいの覚悟と努力がないのでは、仮に政権を担ったとしても期待できない、と思われることでしょう。決断力がない、調整力がない、それは政治家として失格だからです。

野田氏は一時期、目標喪失で目も空ろ、と云われていましたが、一転して活き活きとしてきました。ということは、TPP参加表明、解散はもう決定事項とみていい。両院議員総会では執行部一任をとりつけ、マニフェストにも記載するつもりでしょう。そうした手順すら踏まず、諸外国と約束してしまったから、という消費税増税のときと同じ、お決まりのパターンをとる可能性もあり、TPP反対派は離党タイミングすら奪われる恐れがあります。選挙準備、ポスター作成などを考えれば、解散ぎりぎりで離党を決断するのが最悪で、年内解散ならもう動き出さなければいけないため、です。
野田氏は意固地であり、年内解散ありき、ですべての議員が動かなければいけない。そんな中で維新、みんな、たち日の関係が微妙です。維新が全国すべての1区に候補者擁立、としたのは、明らかに選挙が苦しいためです。政党支持率が10%あっても、支持母体が少ないため、得票率は上がらないと見られ、比例復活を狙うしかない。一方で、維新とて金欠なのは各候補に自前の資金で選挙を戦うよう、要請していることでも明らか。比例重複した候補は、是が非でも当選させたいところです。しかしどの政党も、1区の議席が欲しいのは自明であり、維新だけが特権的に優先させるはずもありません。

公明は9日投開票を固辞しつつ、16日選挙にむけて動きだしている。当然、これは都知事選絡みです。生活も明日の公判で小沢代表の禊がすめば、選挙準備は整います。問題は、民主から離党する議員の数で、これが少ないと内閣不信任が通せない。これは選挙準備の整わない維新、みんな、たち日が反対する可能性があるのです。そうなると、野田氏が解散時期を、自らの都合がいいタイミングで差配することになり、年末ぎりぎり解散か、もしくは年明け解散という恐れが出てきます。
野田氏の決意は年内解散でも、民主党的にみれば、政党交付金をもらえるまで解散は引っ張った方がいい。野田氏と輿石幹事長が会談していますが、野田氏の決意が固いと知ったとき、輿石氏の妥協点は、参院選にむけて政党交付金を蓄える方向にはしるかもしれない、ということです。

野党がまとまって民主を追い込むためには、維新、みんな、たち日も含めて、内閣不信任で解散させるしかありません。野田氏が目論むTPP参加表明、それに反対する側を抵抗勢力と決め付けて選挙した、郵政解散と同じ轍をふむことは、野党として避けなければならないからです。ただ民主内に残って、TPP反対を封印して選挙を戦う、という勢力はそれほど多くないとみられ、離党組が増えるならこうした懸念も消えるのでしょう。これから数日、離党の動きがどう推移するかによって、選挙のタイミングやそのときの風も、また変わってくることになるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:30|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2012年11月10日

中韓にただよう『信用不安』

中国では第18回、共産党大会が開かれています。影響力を残したい胡錦濤氏の共青団と、太子党の習近平氏の綱引きが起きており、北京の人民大会堂周辺は厳戒態勢です。暴動が起きないよう…というより、暗殺などの、不測の事態を回避したいといったところでしょう。残念ながら、かの国の権力闘争では何が起こっても不思議はありません。温首相の蓄財問題など、醜聞のリークも活発化しており、粛清は逮捕、拘束などに及ぶかもしれず、しばらく何が起こっても不思議はありません。
問題は、新聞や有力者などが盛んに日本経済の衰退を訴え、アジア各国と仲良くすべき、との論調を報じていることです。日本製品不買運動は、一面では日本企業に打撃ですが、先のレアアースの件と同様に、着実に中国経済を蝕み始めており、日本企業の対応力により、逆に中国側が追い詰められている。日本が妥協する形で、関係改善をはかろうという動きが、一部で起きていることの表れです。インドネシアも同様に、デモが頻発し、企業が逃げ出しているように、中国もデモを国民の不満のはけ口としたことで、企業が逃避している。対中投資が減少するだけでなく、工場が移転について検討する動きがあり、それは雇用不安となって、格差以上の問題を中国に引き起こすことになります。

2020年までにGDP倍増、所得倍増計画を明らかにしていますが、中国で懸念されるのは闇金融です。個人が個人や企業にお金を貸す、企業が企業にお金を貸す、保証をつける、といった複雑な関係を結んでいます。しかしかの国は、儲け至上主義が蔓延しており、信用という最も大事な部分が欠けたまま『金融』を、個人に至るまで行っているのが実状です。そしてそれが崩壊しつつあります。どこかで誰かが夜逃げ、持ち逃げすればこのシステムは、すでに連鎖破綻を生むようなものだからです。
中国は今、経済対策が奏効し、減速傾向に歯止めがかかったとされています。しかし『信用』の欠如は、経済指標でもそうです。中国税関総署が発表した貿易統計で、日本からの輸入が10月は前年同月比10.2%減、9月の9.6%減に続き、大幅下落です。しかし日本の財務省発表の貿易統計と重ねると、9月時点で、中国は日本からの輸入は1兆2千億円とし、日本は中国向けの輸出が9500億円とします。為替の前提などが多少異なっていたとしても、これは大きな差です。逆に中国は日本への輸出が1兆円、日本は中国からの輸入を1兆3千億円近く、としており、速報とはいえ、大きな乖離があるのです。

お隣の韓国も、経済では怪しい話が伝わります。原発に使われる部品のデータが捏造され、原発稼動に疑義が生じている。またミサイルが打ち上げ延期になるなど、先の自動車の燃費偽造とあわせ、技術力以前に、韓国企業にも『信用』という大事な点が失われつつあります。日本が巧みに立ち回るなら、日本企業の優位性、信用に足るだけの技術力を訴え、世界に対してアピールすることができます。
中韓に漂う『信用不安』。それはあらゆる面で、日本にプラスとなるよう、戦略を立てることが可能なのです。ただ、日本ではそれを企業に任せ、政府は高みの見物を決めこむ点では、戦略性がない、ともいえます。TPPに参加を表明する前に、日本企業の売り込み方すら知らない政府では、仮にどういう形であれ日本経済の再生など達成できない、ということなのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:23|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 アジア | 経済

2012年11月09日

永田町に吹く解散風

永田町は一気に解散の流れが強まっています。東アジア首脳会議でオバマ大統領と会談し、TPP参加を表明、11月末解散というシナリオには信憑性があります。ただこのシナリオには、民主内の反対勢力を追いだすため、これは解散を早めたい財界、財務省、メディアの思惑が働いたことによるブラフである可能性もあり、TPP自体に野田氏が前向きなのは確実ですが、その通りにいくかは微妙です。
民主内で解散先送りの勢力と、TPP反対の勢力は重なります。輿石幹事長の面子をつぶさず、この勢力を追いだして解散を早めるには、TPPをもちだすのが一番です。しかしそうなれば支持母体離れを起こし、民主はさらに選挙が不利になります。自民との対立軸、維新には楔、という言い方もされますが、TPPは国民がその是非を判断しかねており、浮動票はこれを争点とは見ません。むしろ組織票が逃げることを考えれば曖昧なまま選挙が一番で、これを軸とするのは見誤った判断となります。

しかしTPPが亡霊のように浮上したことで、民主の選挙戦術は大きな転換を迫られます。離党者がでると、さらに空白区が増え、比例復活の道が閉ざされます。頼みの浮動票は、仮にTPPを重視するなら維新に入れます。それは民主が親米中道、という今まで経験したことのない、かつそれが態度としては脆弱で、推進まで苦労することが確実なのですから、疑念の方が強く働くと想定されます。
さらに自民は戸別保証で奪われた農村票をとり戻し、云うことなしです。つまりこれは民主を不利にし、自民を利する。正常な判断が働いていたら、この道は辿りません。TPP自体、このタイミングで出てきたのは、早期解散を促したい勢力による計略、としか思えないのです。それに野田氏が乗るか? それは分かりませんが、内閣改造で判断力低下は示されており、有り得るのかもしれません。

一方で、特例公債法案を通すためのブラフで、解散先送りでは? という推測は当たらないでしょう。解散風は、一度吹き始めたら荒れる一方です。野田氏が明確に否定しなかったことからも、今後時期が遅れれば遅れるほど、与党への風当たりが強くなる。いくら難癖をつけて野党を攻撃しても、益々支持率を低下させるばかりです。ということは、年内解散で確定とみて良いのでしょう。
党の綱領、公約が判明しないうちは票読みできませんが、恐らく野田氏は50〜70を達成ラインとする可能性があります。つまりそれが、民自公で政権与党を担える数だからです。それを割らないよう、支持率20%割れでレイムダック状態が長期化しないよう、このタイミングを選ぶのでしょう。ただTPP参加が旗なら、この数は容易に下回り、代わって維新が伸びる構図となるかもしれません。

私は9月解散が民主にベター、と指摘してきました。2ヶ月伸びて、何が変わったかと云えば、民主はさらに苦境に陥っただけです。解散は、首相の専権事項であるがゆえに、そのタイミングにその人物の能力、性格などが如実に反映されます。野田氏は決断が遅く、かつ首相というイスにしがみつき、自尊心の強さがそのまま権力欲に結びついてきた。その結果、民主党を壊すのに一役買ったことになります。年明けの永田町の勢力図は、きっと野田氏の思い描く通りにはなっていない、それは自身の能力から導かれる結果として、判断の誤りを痛感することになるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:20|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2012年11月08日

日本は景気後退局面か?

昨日の米株市場は大幅安となりました。現職が再選されると上昇、というアノマリーも今回は覆された形です。ただ、俗に言われる財政の崖への対応に不透明感、というばかりでなくロムニー・トレード、民主支援買い、などの不明瞭な取引のまき戻し、ということも重なったのでしょう。逆に云えば、市場をそれだけ操作し、楽観をバラマキたかったほどの接戦、と云えるかもしれません。

そんな日本の景気が、後退入りを示唆しています。10月景気ウォッチャー調査が現状39、先行き41.7となり、判断の分かれ目となる50を大きく下回ったばかりでなく、連続して低下を続けています。景気判断も「さらに弱まっている」と、下方修正されました。9月機械受注も船舶・電力を除く民需で前月比4.3%減、昨年と比べても7-9月期の弱さが目立ちます。6日に発表された景気動向指数で、景気の動向を示す一致指数が6ヶ月連続で低下しており、すでに「足踏み」から「下方への局面変化」と、後退局面を示唆していましたが、それを補完する経済指標がたて続けに出ています。
景気ウォッチャー調査で、気になる点は雇用関連が大きく下落していること、です。現状判断DIでも、雇用関連はずっと50を上回っていましたが、前月比6.5も下がって44.3。復興に伴う採用が一巡した可能性があり、これは住宅関連が大きく低下したことからも、被災した家の建築や補修が、一通り済んだことが原因でしょう。これは先行きも同様であり、冬は雪国などもあるため、元々住宅関連は弱まる傾向にはありますが、10月から低下傾向になるのは、かなり悪い兆候です。

野田政権は予算委を開きたくないため、補正予算は組まない見込みです。現状、景気浮揚につながる対策が打てる見込みもなく、組むべきではないと思いますが、政治の都合で先送りされるべきではありません。残念ながら、野田首相の語ることは未だに財務省の原稿で「政治の駆け引きに補正予算をつかうべきではない。新たな仕組みを」は、まさに財務省の代弁としか思えない。その財務省は悲願だった消費税増税を成し遂げたくても、知恵がないので景気対策は打てないことが自明です。
さらに、オバマ政権の継続で金融緩和が維持され、円安という見方もありますが、残念ながらリスクオン、オフ相場でそう簡単にはいきません。むしろ危機が拡大するとき、買われやすい円により、企業業績は圧迫されるでしょう。世界危機に連動して、輸出関連企業は二重に苦境に陥る構図は、今後も続くことになります。しかもそれを介入で緩和しようとしても、蟷螂の斧に過ぎないのです。

日本の景気浮揚には、強い対策をうてる強固な政権の構築が、まず第一義といえます。官僚のムダ遣いに対抗し、有効な予算の使い方をすすめるためにも、政治が国民から高い支持をえて、官僚を統制できる立場になければいけません。民主はお詫び行脚で、各地で意見交換会を開くようですが、そんな政権は最早、何もできないと云っているに等しいのです。お詫びすれば許されるのは、すでに政治ではありません。野田政権が続く限り、景気にもっとも重要なマインドが、ずっと冷え込んでいく。そういう意味でも、野田政権が続く間は、景気も後退がつづくことになるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:30|PermalinkComments(6)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 一般

2012年11月07日

オバマ大統領の再選

米大統領選は、オバマ氏が再選されました。現時点で獲得した選挙人の数は303、ロムニー候補の206と大差ですが、得票率は50%と48%と拮抗。それ以上に、同時に行われた下院選挙では共和党227、民主党182と、改選前の議席から比べると民主党は議席を減らしており、上院は民主が52、共和が45と何とか優勢を死守しましたが、ネジレ状態を継続させた点にオバマ支持の低下をみます。さらに、リンカーン大統領の映画が、最近のハリウッドでは主流ですが、二期目に暗殺されたリンカーン氏と、オバマ氏を重ねる向きもあり、この辺りは急な事案として、注意が必要なのかもしれません。
スーパーPACとされた勝手連的に候補者を支援する仕組みで、ロムニー氏が寄付金集めでは優位とされていました。しかしそれらも、ブッシュ減税の延長を訴え、富裕層の支持をえたことで献金が増えた可能性もあり、それが中間層から嫌気された面もあります。米大統領選はお金がかかる、とされますが、ほとんどがTVCMや演説会場でのサービスなどであり、使途は大したことありません。問題は、それが何も生まない相手へのネガティブキャンペーンである点で、巨額の資金が湯水のように消えた、という意味では大統領選は壮大なムダの体現である、とい言い方すらできそうです。

日本への影響では、ロムニートレードの逆戻しで、ドル安・円高に少し動いたぐらいで、大きな変動はありませんでした。大統領選後のアノマリーとしては、株式市場は民主なら2年目の上昇、共和なら3年目の上昇、と云われます。民主なら財政出動で短期に硬貨が得られ、共和なら改革・開放路線で市場が沸騰するまで時間がかかる、というわけです。しかしすでに多額の財政出動を行っており、GDPで100%を超える赤字となるなど、米国とて財政健全化が優先されます。金融政策も、すでに手は打ち尽くしたとみられており、このアノマリー通りにいくかは不透明な状況です。
さらに、すでに選挙期間中から経済指標を操作しているのでは? と疑われていたように、実際の米景気がどの程度か? 今ひとつ読めません。中国の景気減速で、今後の日本の輸出先として、ふたたび米国が首位に立つ、ともされますが、米景気の不透明感は今後も続くでしょう。グローバル化で、米国のみ好調であるというシナリオは、どうしても描けないためです。オバマ氏は製造業の雇用を増やす、としていますが、米企業が本国回帰するためには、世界経済が相当に混乱しない限りはあり得ません。そんな中で、中国企業に対する制裁関税や、受注停止などを露骨にしかけるのかもしれず、そうした余波はアジア情勢にも影響してくる問題として、意識した方がよいのでしょう。

防衛分野では、クリントン国務長官が交替するとされ、方針は変更されるかもしれません。一部で、沖縄の在日米軍に対する苦言がメディアで呈されたように、米国内に変化もあります。米軍が沖縄の意向を無視してオスプレイを配置したり、米兵による事件が沖縄県民の激しい反発を買っており、いずれ駐留という形も見直さざるを得なくなる。こうした米国内の世論、動きを注視し、日本が動いていけばいずれ沖縄の基地問題は、解消に向かうこともできるでしょう。
ただ中国の動きが活発化しており、これは自衛隊の配備も含め、日本も努力する必要がある問題です。国務長官が誰になっても、アジア重視は変わらない。それはシェールガスでエネルギー問題が緩和された米国にとって、中東よりアジアに懸念が強いためです。例えば、グアムと沖縄を循環する海軍のルートを、尖閣方面を回ってもらうようにする。そうすれば、沖縄から海兵隊を移しても今以上の抑止効果が得られます。オバマ大統領が4年間のフリーハンドが得た今だからこそ、4年間かけてじっくりと交渉できる。オバマ氏とリンカーン氏が重なるなら、奴隷解放に比して戦後から日本を解放するよう、米国ときちんとヒザをつめて話し合うことが大事なのです。ただ、野田政権ではそれもムリ、自民党政権でも心許ない中で、次の政権がどういう日米関係を築けるかは、より重要ということなのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:14|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 アメリカ | 政治

2012年11月06日

田中文科相の不認可問題

G20が閉幕しました。米大統領選挙も始まりますが、財政の崖に対して懸念を表明し、延長を求めています。米国では財政再建を、経済成長によって達成し、歳出削減や増税はするな、と云っているようなもので、米財政の方に不安を生じます。米国とてGDP比で100%を超えた財政赤字は、いずれ解消しなければいけない課題です。どこかで増税、財政支出の抑制に転換する可能性はあり、日本と同じ長期低迷に陥った場合、米国は非常に厳しいことになる。今のG20が延長を求める姿勢と云うのも、実は経済理論に基づいて指摘していることではない、という点は懸念されるところでしょう。

田中文科相が3大学を不認可とした問題が、波紋を広げています。相変わらず、問題意識は正しいのに是正する手法が間違っているため、田中氏はトラブルを抱えます。大学の認可制度は、明らかに官僚側がよく使う、イチャモンをつけて認可は大変で、省庁の言い分には逆らえないという認識を植え付け、後に天下りの受け入れなどを要請しやすくする、といった形式です。そこで審議会を設け、修正や見直しを経て、やっと認可までこぎつけた大学側からみれば、官僚の言い分に従って正しい手続きを踏んできたのに、大臣の一声で覆っては官僚ではなく、大学側が迷惑を被ります。
少子化、といっても進学率は低く、まだ大学は成長の余地があります。ただ日本では貧困化がすすんでおり、進学したくてもできない生徒も多い。そこで不人気の大学は留学生などで、穴埋めしているのが現状です。まず学べる環境作りから始め、一方で基準に適合しない大学を審査により淘汰する。審議会とは、本来この基準に適合しない大学に対して、もっと目配せする必要があるのです。

最近の若い人の傾向として感じるのは『面倒なことはやらない』です。些細なところでは果物を食べない。これは、甘栗は皮を剥いてあるもの、みかんは皮のついてない缶詰なら食べる、ということで、偏食というより、もっと美味しいジャンクフードが、もっと手軽に食べられるから、あえて食べる必要性を感じないのです。恋人をつくらない、などまさにそうでしょう。ゆとり教育で自主性を促そうとした結果、皮肉なことに自主的に『面倒なことは回避』という選択をするようになったのです。
車を買う、という目標をたてて努力することもありません。そうした若者を、学びの場につれだし、積極性をもたせるために必要なこと。それはキャンパスなどのハコモノより、教授、教員の育成がもっとも重視されなければなりません。しかし、教授に多くの役人を退いた人間がいる現状で、質の問題をもっと考える必要があるのです。ナゼ高校教師にはなれないのに、大学の教授なら、元役人というだけでなれるのか? そんな硬直した教育の現場から、抜本的に変えねばなりません。

新たな基準で再審査、という話にしろ、すでに先行投資した分をどうするのか? 今までのやり方を覆すのですから、その点を説明せず、いきなり不認可にすれば批判を浴びます。まったく八ツ場ダムと同じ失敗を、民主政権はくり返した形です。政治主導の悪い点は、根回し不足になることです。官僚のお家芸でもある、根回しを排除しては、批判や中傷を浴び、たとえ目的が正しくても、それは失敗となってしまう。前回の外務省改革を訴えたときと同じなのですから、田中文科相は失敗に懲りていないのか、性質としてこうした手法しか取れない、ということなのでしょう。メディアは苦痛を訴える側の意見を吸い上げるのは得意です。これで文科行政の改革も、数年は遅れることになるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:04|PermalinkComments(6)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 行政

2012年11月05日

政治と広告

橋下氏と石原氏が京都で会談し、政策の不一致は多数決で決めていく方針で合意、と伝わります。しかし維新は政策を重視しており、仮にそこで石原新党の政策に各議員が乗ると、党側の扱いが変わってくるはずです。逆に云えば、多数をとった側の党の掲げる政策を丸呑みする以外、多数決による政策選択はないと断言できます。それでたち日の各議員は納得するのか? それ以上に、選挙協力などをして相手を利することになれば、政策立案では自らの主張を通せなくなりますから、そんな状態で本当に協力できるのか? むしろ多数の選挙区に候補をたてた側が、両者の立場的にも有利になるのですから、出だしから自分たちの政策は通せないと宣言するようなものです。
維新と石原新党の支持率をあわせると、自民に肉薄、という記事もありますが、合算が正しいかどうかは、もう少しこの連携の動きを見極めなければならないのでしょう。多数決をとるぐらいなら、一つの党になって派閥・グループとして活動するほうが余程すっきりしますが、石原氏とて今は勢いのある橋下氏に寄りかかっていますが、この人物がそれだけで満足し、4年間も議員をするとは到底思えません。自分のやりたい政策にうずうずするとき、亀裂が走ることになるのでしょう。

東京都が五輪を掲げ続けたのも、広告代理店に都民の税金を流すことで、自分へのネガティブ報道を抑制させる意図があった、とされます。そして高いところでは、まだ正式発足していない石原新党の政党支持率が9%もあった。これが広告効果なら、都民の税金で大きな効果を得たわけです。
一方で、民主が1面をつかった新聞広告を出し、選挙間近との見方もあります。金余りの民主にとって、数千万円は痛くないのかもしれませんが、これもメディア対策の一貫でしょう。しかしこれとて政党助成金など、税金が充てられています。ムダ遣い政党との認識が、一層広まるでしょう。

野田首相がASEMに出席するため、ラオスに向かいました。しかしレイムダック化した政権ではロシアすら首脳会談に後ろ向きとされ、今回も支援の欲しい欧州や、経済協力の欲しいアジア諸国とは会談できても、大国からは見向きもされない方向です。外交では失敗続きで、全く何の成果も残していない。むしろ中韓との関係悪化、米国との関係も改善できず、といった状況です。
そんな中、日米共同統合演習が始まりました。ただ離島奪還訓練が模擬に変わったのは、官邸側の意向であり、準備をすすめていた米軍も方針転換に唖然とした、という話も伝わります。しかし尖閣購入とて、都に買われるよりマシと国で購入を決めたぐらいで、配慮が徒となっています。さらに尖閣購入という枷のなくなった石原氏が新党に動くなど、野田民主にとってはマイナス面も大きい。実に、外交・党運営ともに失敗の連続ともいえます。

野田氏への評価で、もっとも高いのが『人柄』です。本人のことを直接は知りもせず、人柄を好感するのはイメージ戦略、むしろ復興予算からも広告を打ち、党代表としても広告をうつ。そんな代理店との繋がりが、野田氏のイメージを向上させてきた背景もあるのでしょう。米大統領選で学ぶことの一つに、政治家の株を取引する市場があっても良いのでは? そう考える部分もあります。期待する政治家の株を売り買いし、それを市場が反映すれば、政治家の人気の実態も分かるでしょう。
一方で、学びたくないのはネガティブ広告の乱発です。日本では広告を打つ、というだけで代理店が喜び、代理店に依拠して活動するタレント、文化人などがその意向を反映した意見を述べる、という形式であるため、広告料の高さばかりが評価されます。しかし世論調査にしろ、市場に委ねてみればいい、という一つの思想があってもよく、結局利権でしか動いていない今の政治だからこそ、国民からの失望が高い、とも言えるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:18|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2012年11月04日

第3極の動き

共同通信の世論調査で、内閣支持率が17.7%となりました。各社のネガティブ報道が続き、11%以上の急落です。石原新党へ「期待する」は40.2%、「期待しない」は53.2%。評価が分かれたとされますが、これは非常に悪い数字です。石原氏は政策を放り出して連携を組むとしていますから、選挙で支持を集めるためには、『人』で選挙しなければなりませんが、生憎と石原氏は好き嫌いが激しく、自分に媚び諂う人間には寛容ですが、少しでも敵対すると高圧的にけなしまくる癖があります。そのため、石原新党には人が集まり難いという構図を、抱え続けなければなりません。
さらに、仮に石原新党が第3極で中心軸になったとしても、この石原氏の性癖により空中分解は必至です。政策で意見対立すると、石原氏から三行半を突きつけ、連立相手は離れてしまいます。石原氏をトップに据えた連立など、石原氏が心変わりするか、石原新党・維新連合が過半数をとる展開しかないのですが、この期待値をみても、そうならない。そもそもたち日を糾合したことから、老体ばかりとなってしまい、次の次の選挙には誰が残っているか? そんな政党に日本の未来を託そう、と考える国民もいないでしょう。石原氏が間違えているのは、理念糾合ならその旗をしっかり立て、余計な連携などはしない方がいい。政策が違うのに組もうという方が、より失望を増すのです。

石原新党が中心軸になれば、確実に第3極は烏合の衆になりそうですが、来週には大きな動きもあります。12日に小沢氏への判決が出ます。控訴審も1回で結審しており、判決は変わらないとみられ、無罪判決がでるようだと判決が確定する可能性が高い。つまり新事実もなく、形式事犯では大審院にもちこむ意義は低い。そしてここで結審すると、小沢氏は選挙にむけて弊害がなくなります。
第3極の中心軸に、小沢氏の生活がなることはほとんどありませんが、衆院できづなと組んで第3の勢力である生活が加わらないと、第3極が政権をとる可能性はゼロです。選挙後の数はまだ分かりませんが、小沢氏は新党立ち上げ後、ほとんどの選挙で数を減らしていませんから、今の勢力を維持すると仮定すると、生活が永田町で占める比重も変わってきます。仮に半分まで減ったとしても、生活は20以上の議席を残すので、それも政権をとるためには必要な議席となってきます。

今、メディアは小沢氏に関する報道を極力減らし、国民に注目させないといった手法を用いています。ネガティブ報道を繰り広げても消えない小沢期待に対して、ついにギブアップした形であり、この辺りは米国からの差し金、指示といった側面もありそうです。ただ、メディアがそうした手法をとること、そのものが異常であり、国民に「何かある」と思わせ、期待を維持させる結果となっています。メディアの手法など、もう手垢のついたものばかりで、今や世論を動かせる存在ではありません。
12日以降、小沢氏は本格的に動いてくるでしょう。そうなると、衆院の第3勢力である生活を取り上げざるを得なくなり、すると急に勢いがついたように、国民には映ってしまう。解散を先延ばししたことで、明らかに生活が有利になっている、ということです。こうした面からも、野田民主は9月選挙でなければ、民主は大敗するということなのです。小沢氏は石原氏と異なり政局のノリになる人物である一方、永田町、メディアなど敵も多い人物です。ただ、橋下氏が石原新党の勢いが弱い、生活が強いとみたとき、次の第3極の流れが見えてくるのでしょう。何しろ『政権をとれる』という夢想がない限り、第3極など所詮は野合でしかないのですから、大目標のために何を捨て、何をとるかをもっと鮮明にしておかないと、国民からの期待値も上がらない、ということになるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:42|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2012年11月03日

雑感。米国大統領選

最近、韓国に逆風となる記事が続いています。Appleが地図表記において、竹島表記を認めたこと。その際、Apple社側は日本市場を重視する姿勢を示し、韓国の抗議にも耳を貸さない意向を示しました。そして今日、米環境保護局(EPA)が現代自と起亜自の燃費性能に、最大6マイルの過大表示があると発表しました。両社は過大表示分を、走行距離に見合う分に、さらに15%を上乗せして補填する案を決めていますが、騙されて買ったとして、さらに大きな訴訟を起こされる可能性もあります。
米国発でこうした記事が続くのは、韓国製品の市場規模が大きくなったこともありますが、それ以上に韓国版サブプライムローンが懸念される、そんな面もあるのかもしれません。予てより韓国では不動産市況が悪化してきましたが、これが破裂すると韓国経済は再びIMFへ支援を要請する可能性が高い。そのとき、自動車業界などはサービスの低下を招き、米国民に影響してしまう恐れもある。米国民には韓国製品離れを、韓国企業には今の内に不具合への対策をとらせることで、韓国経済の破綻に備えよう。そんな米国の事情により、今回の一連の報道があるのかもしれません。
これが大統領選のタイミング、という点も重要なのでしょう。オバマ大統領は韓国と良好な関係を築こうとしてきました。しかし大統領選が終わるのを待っていると、間に合わない。オバマ氏にとっては、あまり好ましい記事ではないので、米国にも焦りがあると見ることができます。年末にむけ、韓国から不良債権の話が続々と流れてくるようだと、日本も身構えておいた方が良さそうです。

米国の大統領選、稀にみる接戦です。支持率では拮抗、大統領選の取引市場ではオバマ氏有利、寄付金集めではロムニー氏が若干上回る、といずれも米大統領選の結果を暗示する、とされてきた指標すらまちまちで、結果は神のみぞ知るといった感じです。一部では同数となり、下院が大統領を共和から、上院が副大統領を民主から選出する、という見方まで出ており、そなことになれば米国は、大混乱に陥るかもしれません。しかしそうなってもおかしくない水準にあります。しかも今回、熱狂により米国全体が盛り上がって、対決色が強まっているならまだしも、冷めた見方が多く、消去法的にどちらかを選ぶという点において、これまでの米国とはやや異なる印象もうけます。
そのため不透明感を嫌う米国からは、資金が逃避する傾向にあります。昨日の雇用統計など、よい数字であったにも関わらず、米市場は下げて終わりました。ただ為替は若干の円安ドル高にすすんだものの、ここにも熱狂はなく、米債券市場も落ち着いた動きです。リスク資産を若干たたむ動きはあるものの、様子見を決め込んでいる投資家も多い。財政の崖への対処について、次期大統領がどういった方針を打ち出すかなど、見極め材料の多い点も、資金が動かない理由かもしれません。

ただ欧州債務不安、中国経済、それに新興国経済の破綻、という問題が重なることは米国とて望まないところでしょう。アルゼンチンも、債務カットに応じなかったヘッジファンドとのトラブルを抱えるなど、南米にも若干の動きも出てきそうです。大統領選が、非常に画一的な中国への対応ばかりを論じ合う中で、次期大統領は船出から難題が直面することになりそうで、一つでも対応を誤れば、米国が抱いてきた楽観論が一気に覆ることになる。そんな不安も、今の米国は抱えているのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:24|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 アメリカ | アジア

2012年11月02日

民主の選挙準備は?

米国の10月雇用統計が発表されました。10月は17.1万人、9月は11.4万人から14.8万人に、8月は14.2万人から19.2万人に、大幅改定がされています。失業率は7.9%と、0.1%上昇していますが、9月雇用統計が発表された際、GEのCEOが「オバマ政権によって操作されている」と発言し、物議をかもしたことから、今回は雇用者数を操作したのではないか? そう勘繰れるほどの大幅改定です。米国は自動車業などの活況はありますが、金融業界は未だに人員削減を行うなど、かなり斑な印象です。そこで出てきた数字ですから、大統領選にむけたサービスととられても仕方ないのでしょう。
沖縄の米兵がまた事件を起こしています。夜間外出禁止、綱紀粛正など、特に意味はないと考えます。大事なことは、兵士が長く不毛な中東での戦争により、疲弊していること。箍がゆるんでいるのではなく、心の劣化が起きているのではないか? そう疑えることです。退役軍人には、心のリハビリも必要とされますが、現役軍人にケアが行き届いているか? これは教育ではなく治療ですから、そうしたものがなければ犯罪は、ふつうの都市以上に起きやすいといえるのでしょう。政府は、身柄引き渡しを求めないとしていますが、そういう態度がさらに国民の不満を高める点でしょう。

参院で、緊急質問が27年ぶりに行われました。しかしこれは、所信表明演説のなかった参院が、花形である代表質問の代わりとして求めたものであり、中身がなくて当然といったレベルです。問題は、野党の解散戦略に、若干の齟齬を生じていることであり、今や公明は都知事選と絡めて年内解散、自民はやや時期が曖昧となり、下手をすれば衆参ダブルも容認、といった感じです。
しかし民主の事情は複雑です。島根2区は公募が集まらず、空白区も60以上残るなど、選挙準備が整いません。一方で、栃木県知事には公認候補を出せず、地方組織の瓦解が続きます。さらに日歯連が一部で自民支持を固めるなど、自民から奪った支持母体がまた戻ってしまうなど、組織票も期待薄の状況です。1週間解散が先送りされれば、組織が2つ、3つ壊れていくなど泥沼に陥っており、まさにドジョウの住処といった感じです。解散先送りでさらに当選の確率を下げるなど、自縄自縛の状況です。

民主が苦しいのは、経済状況が芳しくないのに、野田氏がそれを所信表明でもち出しても、経済界からも政権延命が最大の害、といった声がでるなど、まったく支持が広がらない、つまり効果がないことです。岡田氏が「野党らしい対応」と自民を揶揄しましたが、民主は最後まで与党としての振る舞いを知らない。自民が政権与党の時代なら、とにかく党に視線を向けさせよう、という動きもありましたが、民主では締め付けを厳しくしているため、離党の動きも水面下でしか展開していません。
こうなったら柳の下に、もうドジョウがいないのですから、なりふり構ってはいられないはずです。しかし民主は『野党らしい対応』で、選挙を先延ばししてしか、自滅を先送りしていない。それがさらに大きな自滅となる、と知りながらです。これを造語するなら『自縄自爆』となるのでしょう。野田氏は最近、酒量も増え、呂律も回らず、お疲れどころか二日酔い? という面もみられるようです。組織がぼろぼろになっていくトップが、悪酔いしているようでは、もう組織としては体を為していないと云えます。泥沼、逆境にむしろ元気がでる、というタイプもいますが、野田氏の心の弱さがさらに露呈すると、人や組織は益々離れていくことになるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:28|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2012年11月01日

雑感。米国のハリケーン

パナソニックが昨日、通期の連結業績予想を下方修正し、今日は大きく売られました。「ふつうの会社ではない」とまで述べた社長会見に、電機業界の苦境がにじみ出ています。下振れ要因の8割がデジタル家電、と述べるように、部品さえ揃えば誰でも同じようなものがつくれる時代になると、後はブランドイメージやデザイン力がモノを云います。特に、付加価値をつけて高級品として売る、日本型の高収益構造を訴求する手法が、デジタル家電では利きにくいのです。今後、日本の電機業界が目指すべきはデザイン力で、多少高くても欲しい、と思える製品の投入が待たれるのでしょう。

米国のハリケーン・サンディの影響、その深刻さが伝わります。上水、下水もやられており、汚水が残り続けると、健康被害が心配されます。経済的には、停電により操業停止に陥っている場所もあるようですが、それ以上に地下鉄がストップし、交通網が断たれて操業できない企業もあることから、商行為の停滞による影響が懸念されます。一時的にはインフラの復旧などで政府、企業は支出を迫られるため、カバーされる面もありますが、この商行為の停滞の方が深刻になると予想されます。
米国では市や郡のレベルで、財政破綻が相次いでいますが、このサンディがそれを加速させる恐れもあります。さらに企業が生産能力を再生できず、倒産に追い込まれる恐れなども加味しないと、10-12月期のGDPがどこまで落ち込むか、は予想できません。今回、被害が広範囲で大きく、また南部の製油所の復旧次第では、ガソリン価格が高止まりし、その分消費を下押ししかねない面もあります。保険料の高騰などもあるかも知れず、今後の推移をしばらくみないといけないのでしょう。

そして気になるのが、これが対岸の火事でない点です。ニューヨークなど、低い土地で地下の利用がすすんでおり、大潮と重なったハリケーンで、排水能力がおいつかなかった面があります。これはそのまま、東京にも当てはまる事情です。東京はこれまでの異常気象から、比較的逃れてきた面があります。悪い条件がどこまで重なるかもありますが、水害に弱い構図なのは論を待ちません。
日本では、国土強靭化なる方針もありますが、災害に備え始めると、かかる費用は天井なしになってしまいます。特に、今回のハリケーンのような歴史上稀にみる規模に及ぶと、その被害を完全に食い止めることは、ほぼ不可能といえる状況です。現時点で、どの程度の規模まで被害が拡大しないよう食い止め、どの水準から退避などの、行動指針を示すことが必要なのでしょう。

しかし原子力規制庁がだした、放射性物質の拡散予測のように、地形や季節性の影響を考慮せず、この程度…という示され方しかしないようだと、不安を増すばかりです。もう少しキメの細かい情報を提供できない。見栄えばかりの情報しか、行政が提示しない点が問題です。日本の災害対策の根本的な誤りは、必要なときに行政が情報を出し渋る、という点であり、それは責任のなすりつけ合いだったり、業界への配慮だったり、ということが往々に起こってしまうことにあるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:31|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 アメリカ | 経済