2012年12月

2012年12月28日

雑感。安倍政権の裏と表

今年の東京市場は10395円18銭で終わり、年間騰落率は22.9%です。衆院の解散宣言から20%近い上昇をしましたが、これをドル換算すると14%程度の上昇でしかありません。外国人投資家が、円安で上げざるを得なかったことも窺い知れますが、為替のポジションもすでに積み上がりすぎているので、来年はその動向次第で、証券市場のパフォーマンスも決まってくるのかもしれません。
安倍政権の経済運営も重要です。安倍政権では二本の柱としており、経済財政諮問会議のメンバーは小林三菱ケミHD社長、佐々木東芝社長、伊藤東大教授、高橋日総研理事長です。伊藤氏は財務省べったりですし、高橋氏は小泉内閣時代の政策統括官として、活動した人物です。さらに佐々木氏の東芝は、原発建設の大手。この経財諮問会議は財務省主導、原発推進が鮮明となっています。
また日本経済再生本部を立ち上げ、こちらを甘利経済再生相を中心に、竹中氏が入るようなので、こちらは経産省が主体で上げ潮派とみられます。この財務省と、経産省の力関係で公約のバラマキが国債発行なのか、消費税増税分を充当するかが決まるのでしょう。法的には消費税を公共工事に充てられますし、民主党との3党合意で、赤字国債発行法案を4年間通してしまったので、予算審議でもめることはない。後は力関係だけなのですが、省庁間の力関係では、財務省よりになるのでしょう。

しかし産経は、安倍氏の一期目で「美しい国」を掲げたことを文字って「優しい国」と打ち、読売は「脱お友達内閣」と掲げますが、アンチテーゼ? と目を疑うばかりです。明らかに安倍氏は周囲を政策グループ「創生『日本』」のメンバーで固めており、一方で敵と看做した相手は厳しいポジションに就けている。ならば、揶揄するなら『お仲間内閣』か、『敵には厳しい国』でしょう。
さらに官僚との『良好な関係』を謳うので、官僚にとっては『暮らしやすい国』。ただ消費税増税シフトは敷かれたので、国民にとっては『暮らしにくい国』。安倍内閣には『上げ潮』派が多いので、経済はバブルに向かいますが、後に弾けるとすれば大きな『下げ潮』が必ずきます。物事には必ず裏と表があるので、安倍政権に対して語られることも、裏と表を両面みておくべきでしょう。

では外交は? 中国、韓国、ロシアに人材を充て、領土問題や経済面での協議をはじめようとしています。ハッキリ云えば、これだけ対米シフトをとりましたが、オバマ米大統領は日本に突出して欲しくない、が本音ですから、中国、韓国、ロシアに日本が強く出て欲しくない。この辺りが竹島や尖閣で、選挙時に語っていたことを覆した原因です。よって、安倍氏が靖国神社に参拝できる日がくるとすれば、それは米国に頭を垂れ、何か見返りを献上しなければムリなのでしょう。
TPPにも前向きな姿勢を示しましたが、中韓の反発に、米国が目を瞑るには物足りない手土産です。米軍が韓国に、中古の無人偵察機を売却といった報道もありますが、グアム移転費の増額や、米戦闘機の購入などが、こっそり予算計上されるかもしれません。それは自国防衛、という都合のよい解釈で語られつつ、実は日本にとっては屈辱的な、裏側を伴ってくるのかもしれないのでしょうね。

年内は、今日で最後になります。経済は世界全体が先送りにより、小康をえる中で、日本だけがふたたび財政出動という道に踏み出そうとしている。政治は、各国でもリーダーの交代がありましたが、来年の弱体化による選挙、政権交代といった事態が、各国では頻発することでしょう。今はまだ異常な事態、という認識をもって、常に裏と表を見つめていく姿勢が大事なのだと思います。来年は、その裏側が見えると、不安や不信によってぐらぐらと動き出すこともあるのでしょう。そのときの備えは、常にもっておくよう、心がけておくべきなのでしょうね。
来年は1月4日から再開します。よい年をお迎え下さいね。

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2012年12月27日

経済の話。今の円安の動きについて

日本未来の党が、分党する方向となりました。嘉田代表と、小沢派との対立が表面化した形ですが、一見すると嘉田氏が小沢シンドロームにかかったように見えます。元々、嘉田氏は国政において何をしたいのか? 具体的な詳細はまだ示されておらず、未来の政権公約もかなり中身は薄かった面があります。それを示さず、大きな国家像をもつ小沢氏を飼い殺し? と疑われる状態におけば、それは反発もうけます。つまり国家像を示し、それが小沢氏の構想を上回り、小沢氏を部外においても事足りる、という状態にならない限り、嘉田氏に理想のリーダー像を重ねることは難しいのです。
しかし分党にしたのは、参院選の選挙協力など、いわゆるオリーブの木構想の一翼を担うつもりでしょう。政策では大きな齟齬がないため、自民に対抗する組織をつくるには、地域政党の糾合しか手がないのです。小沢新党が、民主と合流する憶測もありますが、そのときの勢力図を考えるとき、参院選までの動きは、やや不透明な面も残されているのでしょうね。

クリスマス休暇を過ぎても、株式、為替市場で外国人投資家の動きが活発です。これは米国の財政の崖問題の道筋が、不透明になっていることも影響し、ディーラーも休めないためと見られますが、ここにきて年初来高値を更新、為替も85円台後半にのせてきました。この強烈な円売りは、安倍政権による先行きの緩和期待と括られることも多いですが、ちょっと別な見方をしてみます。
小泉政権時代、日銀による量的緩和策により円売りが加速し、円キャリー取引がおきました。今回もそうした円キャリーまで進むことに期待する流れとしては、今回違った側面もあります。当時は海外は株高、不動産バブルであり、投資対象に困らない状況でした。しかし今回は各市場は上がりきり、伸びきった状態であり、不動産市場は未だに底打ちが精一杯です。投資対象もないのに、日本から海外に資金をもちだしたり、円キャリーをしてまで投資するとは到底思えません。

しかし膨大な円売りを解消させる手が、一つあります。それは日本の貿易赤字を拡大させ、日本を経常赤字に追い込むことです。日本では輸出が活性化する、という期待ばかりが語られますが、米年末商戦が低調という話もあり、緊縮財政がつづく欧州、実体経済の悪化を誤魔化している中国等、決して海外では消費に期待できる状況ではありません。一方で日本は、株高、円安で浮かれて消費を拡大させ、貿易赤字が拡大し、いずれ経常収支を上回ってしまう恐れが高くなっています。
輸出は伸びず、輸入だけが拡大しての経常赤字に、これだけの財政悪化を抱えた国が、それでも円を垂れ流し続ければ、恐らく金融機関はこぞって円を投売りします。そこで、大量の円売りを抱えたヘッジファンドは、利を得る算段ではないか? つまりこれは日本破綻へのベットであり、危ないぞ、と思わせるまで円売りを続ける気かもしれません。すでに期待だけで売る水準は越えています。

早くも円安デメリットが意識され始めていますが、来年は輸入物価の高騰が、消費を直撃してくるかもしれません。インフレが必ずしも景気を上げるだけではなく、賃金デフレの状況ではむしろ景気を冷やします。安倍政権は短期で、経済政策の成果を狙っていますが、この行方次第では怨嗟の声がつよまるでしょう。財政の崖も、結局は増税の方向性をもっており、欧米では今後の消費低迷が意識される。そこに来ての円安で、輸出が増える、などと浮かれているとしっぺ返しを喰らうのかもしれません。
安倍政権が、いずれ円安是正に動かなければならなくなる可能性など、来年の経済動向と、政策の迷走は、安倍政権で次々とできる経済の司令塔の多さとともに、不透明感も強いといえます。省庁間の主導権争いとなって、船頭多くして…とならないためには、幅広い経済政策への理解も必要ですが、安倍氏のブレーンが円安至上主義に傾いている以上、行き過ぎたバブルの幕引きのとき、大きな変動が起きることを覚悟しなければならない、そんな事態を想定しておくべきかもしれませんね。

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2012年12月26日

安倍内閣総理大臣が就任

自民党・安倍総裁が第96代内閣総理大臣に就任しました。閣僚名簿も発表されましたが、派閥均衡でない、とされながら、党内で一定の勢力を抱えたグループのトップを選抜した上で、その人をみて閣僚や党役員に押し込めた。そのため、能力至上主義ではなく、人の適性をみて判断した人事といえます。また、谷垣氏や石原氏などの、今後敵に回るかもしれない相手を法務、環境などにつけ、批判をさせないよう首輪をつける。これは敵性をみて判断した人事と云えるのでしょう。
しかも文部の下村氏、行革の稲村氏など、かなり強い意見の人も入れてきた。この狙いははっきりしていて、教育改革で日教組と対立軸をつくった。一方で、原子力防災を石原氏に押しつけています。父親は強力な原発推進派であり、次々に活断層がみつかる原発を動かすのに、突破力が必要な反面、その責任論が噴出すれば閣僚を追われます。さらにTPPを推進すれば農協などから突き上げをうけるため、ここにも距離のある林氏を置いた。両名ともいざとなれば切り捨てられる人材なのです。

今回の組閣で、非常に気になるのは内閣官房参与です。谷内元外務次官、丹呉元財務次官、小泉氏の首相秘書官だった飯島氏、米エール大名誉教授の浜田氏です。この人選をみると、明らかに財務・外務官僚とは戦わない、という姿勢が見え隠れします。飯島氏は小泉政権時代に財務省の勢力拡大に力を貸し、代わって財務省の力を得て、権力基盤を安定させた人物であり、当時プライマリーバランスの改善を訴えたのは、それが財務省の意向だったためです。そこに谷内氏、丹呉氏という次官の大物を当てた。安倍政権では、公務員制度改革は絶対にすすまないと断言できます。
さらに丹呉氏は、読売新聞の社外監査役です。ここから、安倍氏がどういう政権運営をするか見えます。朝日を偏向報道と罵倒する一方で、政財界に力をもつ社主がいる読売の手は借りたい。日銀をデフレの元凶と決めつける一方で、財務省は味方につけたい。日教組も同様ですが、ネットでは悪の枢軸といった見方が多い、一部の組織を攻撃することで、自身の支持を高める狙いなのです。

これは非常に危険な手法です。小泉時代の劇場型に近いですが、悪い言葉をつかえば、小者を倒すために巨悪の力を借りるようなもので、巨悪はそれによってさらに力を増し、競争相手を蹴落として肥大化する。これは撃攘(敵を撃ち払う)型であり、その後に待つのは焦土となった場所に、進駐軍として現れる勝組なのでしょう。それは新聞協会が悲願の軽減税率であったり、財務省による日銀への人事権の強制など、安倍政権が看做した敵を撃ち払うと必然的に起こることかもしれません。
読売は、その紙面にて『国民が不支持でも、野田氏を称える』旨の記述をしています。新聞が国民と乖離した意見をもち、さらに世論をミスリードしようとしたことが、この一事からでも分かります。そんなメディアに、安倍氏はすり寄った。財務省の力を借りれば、閣僚の醜聞という形は出にくくなる。野田政権は、元々問題のある閣僚を自ら選びとったため、失敗しましたが、今回の組閣は閣僚経験者など、いわば身体検査が済んでいる人材が多く、その辺りにも不安はない。海江田民主党代表が『粉骨砕身』なら、安倍政権は小泉政権の手法を借りた『換骨奪胎』内閣と云えるのです。

ただ、官僚という日本に巣食う最大の問題からは目を背けました。安倍氏の見定める敵が、本当に日本にとって敵なのか? それは郵政をみても、首を傾げたくなるところであり、巨悪に立ち向かう強い態度はありません。それ以上に、誰かの力を借りて振るう力には、貧弱な態度にしか見えません。きっとそれが、前回の失敗から得た教訓であり、自ら政治力をふるって改革をするめるのではなく、虎の威を借りることなのでしょう。そうやって得られた安定政権で何ができるのか? 安倍政権が抱えた問題は、より深刻な問題をその後で引き起こすのかもしれませんね。

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2012年12月25日

民主党代表選と、自民党役員人事

民主党代表選が行われ、海江田氏90票、馬渕氏54票で、海江田氏が代表に選出されました。経済に詳しい…と評されますが、この方の経済政策の軸は、ついぞ聞いたことがありません。テレビに経済評論家として出ていた頃も、小遣い稼ぎや損をしない方法、といったいわゆる財テクの部分の話が多く、経済政策全般については、経産相時代もパッとしたものがありませんでした。裏を返せば、インテリが運用について学んだことを、テレビに出てひけらかしていたといった感が強く、マクロ経済学的にはほとんど知識も、知恵もないといったところです。
党内事情は複雑で、衆院選の大惨敗により、衆参の比率が逆転し、今や近自民系が握っていた票が激減しています。そしてこの結果により、近自民系が党を割り、自民に合流するといった形もとりにくくなった。すでに自民の方は議席が十分で、問題は金です。近自民系が、民主の抱えている150億円を抱えて、自民に合流すればカモねぎですが、そうでない場合、旨みがありません。参院選でふたたび民主が敗北し、代表を交代する、というシナリオを描くとしても、参院選まで待てば自民は潤沢な政党助成金が入る。近自民系にとって、民主離党、自民合流のタイミングが難しいのです。

自民は党役員人事を発表し、幹事長に石破氏、副総裁に高村氏、政調会長に高市氏、総務会長に野田氏、選対に河村氏です。ここから伺い知れるのは、石破氏への包囲網です。明日は首班指名と閣僚人事ですが、重厚内閣、危機突破内閣などと囁かれますが、その実、派閥の領袖や総裁選にでてきて票を集めそうな人物を、続々閣僚に登用している。いわば危機とは、自らが党内基盤の弱いことを自覚し、政権に票を持つ人を集めて多数とするのと同時に、この政権がつぶれたら閣僚クラスとて同罪となり、自民党にとって離党、復活組である石破氏が総裁になりますよ、という党内への脅しをかけている。つまり突破とは、石破氏を『突き破る』体制だとみることが可能なのです。
そこに来て、次の参院選がカギとなるのでしょう。安倍氏のシナリオは、参院選で勝利すれば政権基盤が安定し、長期政権が望める。一方で、負けても石破氏に責任を押しつけ、自民党内の多数派をもって政権を運営する。石破氏は参院選勝利となれば、選挙に強いというイメージとともに、石破チルドレンを大量に抱えて党内多数派を目指せますが、負けたときのシナリオが難しい。そのとき、改めて民主内の近自民系が必要となってくる。参院選までは離党、合流などになると、国民からの厳しい視線に晒されますが、それが終わった後、その結果によっては大きな動きになるかもしれません。

政局的にみれば、明日の首班指名で近自民系が造反、党を割って新党をつくるというシナリオが興味深いですが、支持母体離れと、党に残すお金が勿体なくて、さすがにそこまではできないでしょう。さらに同じ選挙区に自民候補もおり、簡単に自民との合流はできない。その合流に大義がなければ、次の選挙は自分たちが厳しくなるだけです。近自民系にとっても、悩ましい事態になりました。
恐らく、海江田代表では攻撃に迫力なく、選挙も自らが比例で勝ち上がるほど弱い。組織離れも続いており、民主の代表も参院選まで、といった認識が強まります。細野氏を幹事長としても、票は集まらないでしょう。それは党のイメージが悪すぎて、今さら民主に勝たせる大義もないためです。ただ、財テクを身上としていた人物が、党の150億円を超える資金をにぎったとき、何をするか? それだけが不透明要因です。むしろそのお金をつかって何か仕掛けるなら、民主の末路は金欠、ということになるのかもしれませんね。

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2012年12月24日

今年の政治を振り返って

今年の政治を振り返ると、かなりの深刻さに暗澹たる気持ちにもなります。明日は民主党代表選ですが、海江田氏にしろ、馬渕氏にしろ、前原氏らを中心とする右派とも、旧社民系を中心とする左派とも異なる中間派にみえます。ただ、両者とも戦う野党のリーダーといったタイプではなく、安倍氏を向こうに回してどう存在を示すか、よく分かりません。谷垣氏のソフト路線で、自民の二番煎じを狙うとしても、党勢は自民が野党時代の二分の一、組織も崩れて回復の芽もありません。
野田氏の不思議は、1年3ヶ月の任期中、3回も大型の内閣改造を行い、その度に問題閣僚を多数抱えるなどしたのに、リーダーに相応しいとされること。人事権は首相が握る最大の権力であるにも関わらず、それに失敗し続けた。さらに内閣支持率は20%を切ることはほとんどなかったのに、議席を4分の1に減らすなど、世論調査と国民の評価とが必ずしも合致しないこと。これを党の責任、としてみても、政党支持率は自民の2分の1であったにも関わらず、比例得票数は自民の5分の2です。今の世論調査と、野田氏とを重ね合わせると、より記者と官僚に愛された首相と断定できるのでしょう。

しかも今年は、政権与党が約束していないことを、平気で推進する。3党合意という、政権選択をしても無意味、という現実に直面し、国民が政治に失望するといったムードが漂った1年ともいえます。国民に説明できない、不都合な問題でも、与野党が共犯となれば、次の選挙でどちらも選びようがない。日本の2大政党制は、結果的に失敗と国民に映ったことで、維新などの国政としては無名な勢力が、台頭してきました。しかし選挙違反が相次ぐように、維新の政治にはまだ不安もあります。国政に携わる政党として、成熟していくにはまだ数年はかかると見てよいのでしょう。
今年は民主が拙劣な政権運営で混乱した挙句、自滅したと歴史に刻まれる1年ですが、プラトン曰く『専制的な体制は、民主主義の体制から生まれる』を地でいく形でした。民主党はその実、強烈な専制体制を野田執行部が築き上げ、そして崩壊していった。盛者必衰と云われますが、まさに独裁を気どったリーダーが、その手法を国民から疑問視され、一部のみが支持して今の結果といえます。逆に云えば、野田氏への支持とは、票にならない支持だったと云えるのでしょう。

これをアリストテレス風に云うと、人間の卓越性は2種類、思考能力と人柄に分別でき、前者は論理であり、後者は倫理となります。リーダーは本来、どちらももつべきですが、野田氏に前者は感じられない。後者は『習慣から生じる』とされますが、野田氏にはその習慣に『ウソつき』が含まれていた。父親は自衛官、とされつつ部隊名が曖昧模糊としており、一方で代表選のとき、自分は庶民派と訴えるために、親が公務員という比較的恵まれた家庭であるにも関わらず、親の苦労話をもちだした。こうして野田氏は、常に『偽る』ことを習慣とし、人を出し抜いてきたといえます。だから本性を見抜かれると、この人物は支持できない、何となく胡散臭い、とみなされるのです。
近くにいると、相手の本性を見抜くのはかなり困難です。野田氏は政治家や、官僚からは支持されても、国民という離れた位置にいれば、その習慣が見抜けた。だからメディアがしても、野田氏に対しては一定以上に評価が上がらなかったのでしょう。こうした認識を、もっと国民がもてるようになれば、政治をみる目が養われるのでしょう。ただ、最後に自民が大勝したという結果は、選挙制度の問題もありますが、やはり国民の政治を観察する目に、もう少し厳しいものが必要と感じます。
今、選挙制度改正の議論が盛り上がるのも、実は自民党政権に戻した後で、自民党を政権政党として存続させるため、大きな政治変動を起こさないために、為されているものが大半です。選挙制度は見直さなければなりませんが、それが都合よく捻じ曲げられないためにも、未来の政治がよくなるためにも、国民はこうした動きを厳しく監視していかなければならないのでしょうね。

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2012年12月23日

来年の市場予想

来年の経済環境について、少し考えてみます。今は米中が底打ち、反転が期待され、欧州でもギリシャがEU、IMFから支援を受けられたことで6段階の格上げされ、投機級を免れるなど、楽観が広まっています。しかし欧州は景気後退が続き、しかもユーロ高によってドイツ経済がおかしくなった。ギリシャのみならず、ユーロ圏離脱が公然と語られるなど、不安は強まっています。さらに米国は、財政の崖の勾配をいくら緩やかにしても、増税は不可避であり、それが今後の景気にも影響してきます。今、殊更に楽観をばら撒くのも、そうであって欲しいという願いでもあります。
日本の事情は少し複雑です。欧州、米国が景気悪化を心配されつつも財政再建へと舵を切っています。中国でさえ、景気刺激は民間資金を活用、と財政規模を誇る方向ではなく、あくまで政策効果に伴う結果として、景気刺激を打とうとしている。そんな中、日本がまるでアンカーのように、世界初の試みにも近い政策をとろうとしています。政府による日銀への緩和命令は、中銀の独立性について疑義を生じさせ、海外からの不規則な動きを呼びこむことでしょう。

NHKスペシャルが『日本国債』の特集をしていました。今、外国人の国債の保有比率は徐々に上昇しており、恐らく2割になると、先物との組み合わせで、売り崩しによる仕掛けが成功してしまう可能性が高まります。日本国債の売りタイミングを待っている外国人は多く、それは安倍ノミクスの失敗が意識されるとき、が最良です。逆に云えば、日本はそうした瀬戸際の経済政策に踏みこんだのです。あまりそういう認識もなく、政治家の決意もみられないのが、特に気になるところです。
日本国債は現在、0.7%後半の利回りですが、インフレ予想が起きるなら、恐らく1%にはすぐにでもなるでしょう。1.2%を超えると不規則な動きが出そうです。サブプライムショックの前、一時期その水準に達したこともありますが、あくまで世界経済が堅調、という前提の上です。今回、底打ちはしても堅調さには程遠く、来年の欧米は通貨安競争にいそしむことが予想されます。今、円は無防備に売られまくり、それを好感する向きもありますが、逆回転には注意すべきです。株、債券、為替、いずれの水準においても、外国人投資家の市場占有率が上がれば上がるほど、崩しに脆弱になっていることは、忘れてはいけません。そして来年は、そうした動きにより警戒が必要となります。

日本の株式市場は、一時的に12000円をつけるかもしれませんが、それは投機の動きであり、決して容認できない水準です。私は今年の相場水準を9500〜5000、意外高があって10500円程度とみていました。日経平均5000円水準は欧州、中国などで何らかのショックが起きるとき、ということですが、来年もそうした事態には備えておくべきです。来年は、12500〜5000円と予想します。
恐らく、日本の相場は日銀総裁選びまでは堅調、2月辺りで一旦、補正予算で材料出尽くしになっても、そこそこ下支えは効くと考えます。問題はその後、総裁が誰になるかによって、日本への見方が変わるはずです。来年は上下の変動が激しく、それは米国ダウが100ドル以上、動くようになっているのと同じ、高値になると残りは期待と不安、という曖昧なものに頼るため、マインドでより大きく動くようになるためです。日本も、その高値に近づいており、それは企業収益の面からも、期待できる点が少ない、ということでもあります。来年は、何がおきても不思議がない、という意味では、経済における変動が政治を大きく動かす、そんな場面も想定しておいた方がよいのでしょうね。

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2012年12月22日

安倍氏による国防軍と憲法改正

原規委が、東北電力の東通原発の敷地内に活断層がある疑いを指摘しました。建設の認可時、こうした調査は推進派である電力会社と国が行いますが、ここに問題があります。いくら学者を入れても、発注者が推進派である場合、客観性が保てないからです。裁判で、原発の安全性を証明するのは電力会社の責任、という判断も下されていますが、有識者でさえ自分たちに都合よい者を集めれば、理論武装はできます。しかし客観的判断とは、利害をすべて排除しなければできません。
安倍氏は原発の新設に前向きな意向を示しましたが、はっきり云えば、客観的に原発の建設が可能な地域をさがしだすのは、非常に困難といえるでしょう。手をあげた自治体には、理論武装して何が何でも建てる、というなら別ですが、客観性を保つなら確実に無理です。しかも、地元は騙されているようだ、としていますが、元々騙しているのは電力会社や国である、という認識が大事なのでしょう。東通など、地質学では活断層と認めざるを得ない、とするものの東北電は膨潤という云い方をしており、ではその根拠は? となったときにどういう材料が出てくるかは見ものです。

安倍氏は、選挙中と若干ニュアンスを変えつつある項目が、多くあります。TPPもそうですし、憲法改正もそうです。米国からは、尖閣諸島へのプレゼンスを高める発言があり、一見すると安倍政権に追い風とみえますが、これは安倍政権がすすめようとする国防軍や憲法改正を牽制する動きです。
恐らく、共和党政権ではこうした動きになりませんが、米民主党にとって、日本が余計な動きをすることにより、中国との緊張が高まる状況は好ましくない。むしろ米軍が尖閣にプレゼンスを高めておくことで、日本の右傾化、と呼ばれる動きを抑えこむ狙いです。つまり軍備拡大も、憲法改正も、オバマ政権は望んでない。もしそれをするなら、安倍政権は別のお土産が必要となってきた。そこでTPPなどで妥協する、つまり国益に適うなら…という当初のTPPの説明が、国益 = 国防軍となって、TPPはその代わりに犠牲となる可能性が高い。国防軍をつくる代わりに、TPPは不利な条件を受け入れる、という判断を安倍氏がしてしまう公算が、非常に強まっているといえるのでしょう。

つまり安倍政権が、何を最大限に訴えていたかを考えれば、政権の功績として憲法改正や、それに基づく国防軍の創設が、もっとも比重が高く、また実績としても訴えやすい項目となるのです。しかし自衛隊に、最大に欠けているのはインテリジェンスです。必要なのは長距離ミサイルでも、最新鋭のヘリコプターでも、オスプレイでもありません。監視・防衛網を独自にもつことです。
今は米軍の借り物で、自衛隊は監視を補っています。4月の北朝鮮のミサイル打ち上げで、米軍の情報を待って、警戒システムが遅れたのは周知の事実であり、日本は米軍の情報を最も重要視していたのです。今回は日本の情報のみで、警報システムを作動しましたが、事前に行動を予測できていたからできたのであり、不意の行動ではやはり米軍の情報に頼らざるを得ません。そんな目隠ししたままで筋肉質になっても、自衛隊が有効な部隊になれるはずもありません。尖閣周辺に中国が領空侵犯してきたこともそうですが、日本はこの監視・防衛網が圧倒的に不足しています。

しかし監視・防衛網を強化しても、政治として実績にはなりにくい。軍族にとっては、高度な攻撃用兵器しか評価対象にはならないためです。国防軍などと云う前に、まず自国の領土を守るために最大限必要な、監視体制を構築する方が先でしょう。安倍氏のようなタイプにありがちなのは、見栄えばかりを重視し、中身が乏しくなることです。それを重厚そうな面々による内閣で覆い尽くすのか? 選挙中、広げてしまった大風呂敷を、少しずつ畳み始めていますが、行き過ぎると野田政権のようにウソつき呼ばわりされます。それを目くらましするための、見栄えのいい成果を求め、憲法改正や国防軍にまい進するなら、様々な問題に直面することになってくるのでしょうね。

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2012年12月21日

雑感。ネットに関係した事件について

今日はマヤ歴の最終日だそうです。マヤはその創世神話の中で、何度か人が生まれ、滅びた後でトウモロコシの粉でつくった4人が、人類の祖とします。ギリシャ神話でも、人は黄金や銀の種族の人は滅び、今は鉄の種族の人間とされたり、滅びと再生をくり返したことが記載されます。
ただそれは、人類の不幸を表すためのものであり、人間が神により創られたのに、どれだけ不完全さを抱えているか、を説明するためのものです。決して人類が滅びと再生をくり返した、という歴史的事実ではありません。こうしたマヤ歴などの転換点をさして、人類が滅びるとしたり、世界の破滅を示唆する向きもありますが、そう簡単に滅びるようなことはない、と云えるのでしょう。
ただ、一部で年末に近畿圏で地震? 3月に彗星接近? など、いくつか気になる記事もあります。滅びではなく、自然災害に十分注意しておく、ということは怠ることがないようにしたいですね。

麻薬特例法違反で、2ちゃんねる開設者が書類送検されました。ただ違和感があるのは、例えばみんなが集まる公園をつくり、そこで覚せい剤の取引があった場合、公園の管理者や所有者が逮捕されることはありません。あくまでそれは、取引した者が犯罪であって、場所は関係ありません。
この件で、開設者が放置したことを問題とした場合、人が集まる空間をつくった者は、そこで犯罪行為が行われた場合、犯罪となるのか? これは多くの識者が指摘しているように、法律がないところに法律をつくるようなものです。警察は一罰百戒を目論んでいるようですが、むしろ警察不信をさらに高めることになるのでしょう。サイバー犯罪対策課が、ほとんど機能していないことは、なりすましメール事件で露呈しており、2ちゃん憎しの国家権力による圧力としか、見なされない。しかもネットで支持される安倍氏が政権をとる前、このタイミングであるのも示唆的です。

一方で、今年はステマも話題になりました。ブログでサムゲタン推しが入る少し前、韓国の観光協会が、新聞の一面をつかって韓国旅行を宣伝しており、当然それは広告代理店の差配により行われた、と推測されます。これをタレント個人の問題、とする傾向もありますが、雇用形態によっては、これを個人で行った場合は契約違反ですし、また納税額が変わる場合は事務所が把握していた可能性が高いものです。特に広告代理店を通していたなら、尚更個人で契約することはなく、事務所を通しているはずです。これは単に犯罪に加担した、ということと同時に、脱税や契約違反による懲戒解雇、などの問題に発展しない場合、組織ぐるみと考えてもよいのでしょう。
タレントはCMに出るのと同じ、という感覚かもしれませんが、以前もあった健康食品やダイエットを謳い、健康被害が出た場合はタレントの責任になる可能性が高いものです。ナゼならタレントが虚偽の記載をしたことにより、得喪という事態が起きるためです。使った、やってみた、よかった、と書けば、それは体験談であり、ただのCMとは異なります。タレントの新たな収入源、という話もありますが、広告代理店が安全性をチェックできない場合、犯罪として処分されてしかるべきであり、安易にそうした行為に手を染めては、いずれ身に降りかかる災いとなってくるのでしょう。

官製談合防止法違反の疑いで、2人の自衛官が略式起訴されます。利益供与がなく、悪質性が低いことで処分が軽くなった、としますが、それなら多くの組織がメーカーとずぶずぶの関係となり、天下り先確保で動くことでしょう。警察が、歪んだ正義を抱えていることが、今年多くの場面でみられましたが、こんなところでも官僚の組織防衛に手を貸し、一方でネットは悪質だと断罪し、首を傾げる容疑で逮捕する。こんなことをしていたら、それこそ警察を滅びと再生しなければならない、との世論が益々高まってしまうでしょう。いずれ身に降りかかる災いとして、今回のいくつかの事件は記憶されることになるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:12|PermalinkComments(6)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 社会 | 一般

2012年12月20日

維新の分裂?

注目されていた日銀の金融政策決定会合は、10兆円の国債購入基金の積み増し、101兆円規模にする。及び金融機関に対する貸出支援制度として、融資残高を増やすとその分を低利融資し、凡そ15兆円程度を日銀から金融機関に回す、などが決定されました。また物価目標の検討に入ります。
朝方、安倍氏と日銀の白川総裁が電話したことが明らかとなり、会合中の情報漏えいの問題が懸念されるなど、未だにドタバタが続きます。恐らく、国債購入基金より、後者の貸出支援制度の方が、市中に資金が回りますが、残念ながら資金需要はないので、効果は限定的です。問題は、今日も春闘で定昇の見直しに言及するなど、物価が上昇しても賃金デフレが続いてしまうこと。それは消費を極端に冷やしますし、そこへきて税負担が重くなれば、国民の不満は爆発するのでしょう。維新が最低賃金撤廃を公約に掲げようとするなど、市場原理主義の誤りは所得を成果主義ではなく、成功主義に置こうとする点です。残念ながら、今のマネタリストにも同じ匂いがする以上、それではインフレ予想が上がるどころか、怒りのボルテージばかりが上がることになるのでしょうね。

その維新の内紛が激しくなりそうです。大阪維新と、旧太陽の党はまったく異なる党であり、総選挙後、石原氏がにんまりしていたのは、太陽の党のメンバーは全員当選、仮に党を割っても自民との合流を示唆すれば、20〜30はついてくる。つまり維新と組んだことで、一気に勢力を4倍超にできたためです。石原氏は選挙中も自民との連携を示唆し、維新の勢力を削ることにも成功した。自民の安定多数に手を貸した、最大の功労者との指摘もあるぐらい、野党側からみれば不要な人物です。
野党は本来、与党の暴走への歯止め、検証をすることで存在を主張します。政策で納得できる内容となるなら、それは賛成すればよいのであり、部分連立や連携を示唆すれば、それは野党ではありません。国会が始まっても、石原氏の態度の曖昧さは益々際立ってくるでしょう。正直、維新が参院で勝利をめざすなら、石原氏と旧太陽の党とは分党した方がいい。石原氏が首班指名にこだわったのも、自分を推戴する政党であるとの自負心からであり、決して党を考えてのことではない。石原氏に滲むのは自利、東京でまったく維新の票が伸びなかったのも、石原氏のそうした面が影響しており、今回の行動はすべて息子たちを当選させるためだった、と説明できてしまいます。

恐らく、大阪維新から旧太陽の党へ公然と批判の声が上がると、石原氏のプライドが許さなくなり、党を飛びだします。首班指名が26日なので、その後であればいつでもよく、政党助成金の算出日をまたぎますが、分党なら関係ありません。それまで多数派工作をしかけ、安倍自民とは連携したい大阪維新より先に、自民との連携、連立ができれば相手へのけん制にもなる。自民も、党をでた人間にも門戸を開く、としていることから、益々旧太陽の党は自民へと接近していくでしょう。
石原氏と、橋下氏が共同代表という立場になれば、益々そう動きます。今は、悪い言葉をつかえば盗人が居座り強盗を決めこみ、政党助成金という追い銭をもらうまで、党に居座っている形です。もし、大阪維新が旧太陽の党の追い出しにかかれば、さらに手切れ金の上積みを要求されるのかもしれません。今年、そんな事件も発覚していますが、最初は甘い顔をして相談に乗ったり、弱みをにぎるまで下手にでて、後で強気になるパターンで、相手の家庭に取り入るのが手口とされます。そんな手口に騙され、ぼろぼろにされるのか? 維新は早くも正念場と云えるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:06|PermalinkComments(4)TrackBack(1)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2012年12月19日

民主党の今後

韓国大統領選は、与党セヌリ党の朴クネ氏が勝利したようです。穏健派、と見られていた朴氏が勝利したことで、韓国は急激な経済改革を回避し、北朝鮮には比較的強硬な態度で臨むことになります。これが良いことか、どうかは置きますが、一先ず日本への影響は軽微で済みそうです。

衆院選で惨敗した、民主の行方を考えてみます。岡田氏が実績を訴え切れなかった、と総括していますが、その認識の甘さがすでに政治家失格です。政治は数字ではなく、実感を伴わなければなりません。数字を示され、改善したでしょ? と問われても、ピンと来なければ誰も評価しない世界です。これは達成率何%と示されても同じ、それで生活、社会がよくなったと感じなければ、何の価値もないのです。民主の実績で、国民が実感したのはただ一つ、ウソをついたという現実のみです。
野党第1党なので、与党追及の一番手になるはずですが、そうした印象は皆無です。3党合意、自公との政策協調を続けたため、戦う野党ではなくなったと見られる。だから民主は、自民に吸収されるしかなかったのですが、圧倒的多数を占めた自民に、今さら合流もできません。野党にもなれず、与党にも近づけない。このジレンマで、次の代表が選出されることになります。

細野氏は代表選に出馬しない意向です。衆院議員は、次の衆院選まで温存を主張しますが、参院選に大敗すれば、民主党は跡形もなくなるでしょう。その危機感もなく、火中の栗も拾わない。これは安倍氏も同様ですが、組織の危機に際して後ろに控えるような人は、個人の危機管理はできても、組織をまとめ切れないのが常です。それは、組織を活性化するには身を捨てる覚悟が必要なためで、それが出来ない。個人の体裁ばかり気にしては、それは組織を壊す方にしか働かないのです。そこでの働きが認められ、トップについて、始めて有能さを主張できるとの認識が欠けています。
前原氏や岡田氏では、それこそ自民との癒着が深刻で、野党との協調に齟齬を来たす。馬渕氏という手もありますが、悪い言い方をすれば、中堅は中途半端であり、重厚さで押すのか、清新さで攻撃性を増すのか、どちらかでないと埋没の懸念があります。原口氏、海江田氏のような比例復活組では選挙が弱い。思い切ると参院から北澤氏や桜井氏、それこそ蓮舫氏などもありそうですが、奇策の面は否めませんし、党の体制を立て直すときには、いずれも難ありとの印象は強まりそうです。

民主はすでに、与党にも野党にも相応しくないと見られ、連合会長は支援を約束しますが、下部組織離れも起きていることから、形を変えるしか、党勢立て直しはありません。結果的に、それが代表選びにも影響してくるのでしょう。それこそ自公との融和か、対立か。それは代表の色によっても異なってきます。融和路線なら、野党第1党の座は維新に譲る形となり、益々存在価値をなくし、自民に吸収されやすくなり、対立路線なら維新との合流を視野に入れる、そんな展開もあるのでしょう。
いずれにしろ、民主で大臣を経験した、という肩書きはマイナスのイメージしかなく、若くても政界では隠居か、ご意見番程度の価値しかもたないのでしょう。イザナギ超えを指摘された02年からの経済成長期には、実感なき…と謳われましたが、それが09年に終わり、民主党政権はその後、一度として景気浮揚を果たせなかった。諸外国の要因など、諸々のことはありましたが、畢竟それが政治として良さをまったく実感できず、それは政治の手腕、手法にまで及ぶ懐疑的な見方になるのです。
少なくとも、子ども手当てなどの、マニフェストに載せた項目はやりきるだけの、努力をみせるべきで、それだと子育て世代からはもう少し信用もされたのでしょう。それを数字に置き換え、何%の達成率などと示した段階で、民主党はもう終わっていたのかもしれません。大惨敗の後も、内輪もめを始めてしまうその稚拙さといい、国民にとって民主はイヤだった過去の思い出、ぐらいにしかなっていないのでしょうね。

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2012年12月18日

安倍氏の経済政策について

衆院大勝をうけ、安倍総裁が日銀の白川総裁と会談し、政策アコードを結びたいと持ちかけたことを明かしました。安倍氏は経済財政諮問会議の復活、10兆円規模の補正予算など、景気対策を相次いで打ち出す方針です。また財務相に麻生氏、経産相に甘利氏の声もありますが、若干不安なのが、麻生氏は経済に詳しい、とされますが、前回の首相時代には、首を傾げる発言も多かった。企業を経営したことがある、と云っても財務や経理は知らない、と思われる点があることです。
その麻生氏が、参院選まで景気対策をするよう進言したようですが、その点も不安です。補正予算による景気対策とは、官僚が寄せ集めた通常予算に乗らない政策を集め、束ねるといったものです。民主は知恵もなく、まさにホッチキスで止めるだけでしたが、自民はそこに記事の見出しになるような、独自性を付加しているのが特徴でした。ただ、これらの補正予算とは予算の執行期間が短いため、場当たり的な対策にしかならないのが常です。それこそ復興予算の流用で明らかになったような、公共施設の耐震化を、景気対策にすり替えられる公算が強い。それを見抜き、長期の成長に資する分野に配分できるかは困難であり、一時的なバラマキなら、財政を逼迫させるだけです。

さらに安倍氏を始め、自民党議員が解散から円安、株高になったことを成果のように語る、その無知さにも不安を感じます。分かったのは、東南アジアに投資していたヘッジファンドが、高値警戒で運用先を東アジア、南アジアにシフトしていること。そのマネーの一部が、日本に流入し、今の歴史的水準まで詰みあがる円売り、株の買い越しを続けているのであり、結局それは投機的なマネーです。年金など、比較的長めの資金は動いていない。それは安倍政権の経済運営に不安もあるためです。
これは長めの国債の需要が低下していることにも現れます。債券市場は、ほとんど国内勢ですが、仮に物価が2%、利回りが1.7%になると、国債価格は数%の下落が見込まれます。これは日本の特性として、年金、邦銀がほとんどの国債を保有するため、日本国内で50兆円を超える金融資産が消失します。そうなれば、年金の運用損、邦銀の自己資本比率の悪化などを伴い、市中にお金が出回りにくくなる恐れがある。今は、非常に単純化されて「お金をばら撒けば解決」といった議論に流されがちですが、その裏で何が起きるかに、もう少し目配せをしておいた方がよいと感じます。

経済財政諮問会議も、小泉政権末期には、ほとんど官僚のまとめた資料をそのまま提出するような為体でした。メンバーにもよりますが、本気で機能させるためには、広汎な知識と知恵以外にも、首相のリーダーシップが不可欠です。ただ、その首相がマネタリストで、公共工事を至上命題に掲げているのですから、逆に云えば、それ以外の経済政策を語るのが、この経済財政諮問会議となります。そのときそれは、安倍氏にとって耳の痛いことを云う人材が必要、ということになります。
正直、まだ形すらない段階で議論しても詮無いことですが、安倍政権が経済政策を最優先するなら、財政規律の問題は常に浮上します。ネズミ講、という詐欺がありますが、実は消費もこれに似ています。商品を無限につくり出しても、需要を食い尽くせばいつか終わりが来ます。買い替え需要を待つのは、今の超寿命化を売りにする商品では期待しにくい。日本が少子化、人口減という現実は、それだけで消費の先細りを意味するのです。内需を活性化させる策とは? そうした論点が、政治の場でもっと語られてもよいのでしょう。

少し市場の話をすると、日銀の決定会合をすぎると、恐らく海外投資家はクリスマス休暇に入りますから、今はその前の大商いをしている状態です。1万円のコール市場のボリュームを捌くための上昇、と見ており、会合をすぎると過熱感冷ましに入るのでしょう。こうした投機の動きに、政治が一喜一憂しているうちは、経済に対する見方に期待できる点は何もない、といえるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:03|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 経済

2012年12月17日

衆院選を総括する

衆院選、昨日の自民大勝をうけて、安倍総裁が「危機突破内閣をつくる」と述べています。比例得票数は前回より減、比例も2議席しか増えない中、小選挙区で大きく伸びた点が大勝につながりました。風がない中、自民を利する材料は幾つかありました。笹子トンネル事故も、道路公団民営化時の人、システム的な問題であるにも関わらず、国土強靭化にすり替わった。東日本を襲った震度5強の地震も、同様です。さらに中韓、北朝鮮と国防に関しての懸念が増した。投票日は気候が温暖で、浮動票が逃げ、組織票が勝った。それでも、安倍自民の票が増えなかった点で、次の選挙は自民も厳しいのでしょう。ただ問題は、その受け皿が民主でなく、どの党になるか不明な点です。

民主は9月解散がベストでした。それは第3極が整わず、自民も消費税増税断行政党として断罪されますから、民主も議席確保できたはずです。この3ヶ月は野田氏が増税臭を消すために費やされましたが、同時に自民もそうであり、増税臭のない自民に小選挙区で票が流れた。それは組織力が弱いのに、組織型選挙に突入した結果、浮動票の2000万票を失うという致命的な見通しの悪さ、政治手腕の拙さにも現れます。これが自民と自分を利するため、首相の座を最後まで利用した野田氏の力量です。
昨日のテレ東で、政治部記者から評価できる政治家、として野田氏がトップでしたが、政治部記者は既得権益の代弁者であり、そこから評価される政治家とは、国民にとって不都合な政治家ということです。国民は、この評価を間違えてはいけない。政治部記者に嫌われるぐらいでちょうどよいのです。むしろ、既得権益と対立し、国民に利益を還元するような政治家の評価は低いのです。

維新は石原氏と、太陽の党の合流がネックです。すでに分裂気配、と噂されるように、あまりに政策、態度が違いすぎる。それは民主以上に個性が強く、分裂を厭わない政治家ばかり、ということです。そして石原氏は自民との部分連立を示唆するなど、選挙区で自民候補と戦う、同じ党の人間に不利な発言を平気でする。仲間を切る、想いが至らない点では極めて問題がありました。

未来は飯田代表代行が小沢シンドロームにかかり、公示日に要らぬ混乱を招いた。さらに小沢隠しをしましたが、実は嘉田代表と小沢氏が、並んで演説した方が、効果は高かったといえるのでしょう。広い層に訴えるより、小沢ファンに訴求した方が、政治の力を通す意味では有利だったはずです。結果的に、嘉田氏という中央政界には何の力も、実績もない人が訴えても、今ひとつ実現力を疑問視されます。嘉田氏が小沢氏を引き連れる、こういう形がもっとも自然だったといえます。

みんなの党は、維新と組まず成功しました。ただ、維新が太陽の党ではなく、みんなの党と組んでいたら、もっと票は伸びていたはずで、痛し痒しです。政策の旗を降ろすと政党の立ち位置が薄まる。一方で、その旗が邪魔して多数派工作できない。部分連立もできないでは、政権与党にいつの段階で目指すのか? このままでは数十年かかって、やっと育つぐらいで、今の政治家はほとんど引退しているでしょう。みんなの党が、いつ多数派戦略をとるのか? それがカギなのでしょう。

では、上記の中で、次に政権政党を狙う野党はどこか? それは民主では絶対に有り得ません。1度経験したことが重要、という言い方を民主はしますが、だから民主の力量は知れており、やらせたくないと誰もが感じる。残った議員は、ほとんど財務官僚に篭絡されており、まともに国民の声は届かない。民主は解体し、どこかと合流するしか道はなく、それが夏の参院選を決してきます。民主に残っているのは金だけ、その金の分捕り合戦の結果、次の受け皿探しが決まってくるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 22:41|PermalinkComments(11)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2012年12月16日

第46回衆院総選挙の結果について

東京都知事選は、猪瀬氏が圧勝でした。自公、維新の相乗りで、かつ前職から後継候補として指名されたのですから、当初から優勢で面白みもなく、有権者の興が殺がれた面もあるのでしょう。

第46回衆院選、まだ確定していない段階ですが、自民300、公明30、民主60、みんな20、未来15ぐらいと予想が出ています。投票率も前回より7%程度下がり、風が吹かない中で、典型的な組織力の差がそのまま結果となって現れる悪いパターンになっています。これは投票日、全国的に気候が温暖となったことも影響します。前回、民主にのった組織も自民に流れ、また浮動票もどうせ自民圧勝なら、と自民に入れる。勝ち馬に乗るパターンとなってしまった、ということなのでしょう。
さらにメディアが争点を報じない。報じないのでどう判断していいか悩み、選挙で誰に入れていいか分からない、なので棄権、という無党派が増えた。政治家で議論するのが難しければ、有識者を集めて論じても良かったはずですが、それもない。国民は目隠しされたまま、手探りで投票するため、結果的に与党の経験が長く、安心感がある自民をえらぶ形も増えた。政策では選んでいないので、今度は国民も裏切られたとは思わないでしょうが、失敗したとは感じるかもしれません。
自民が悪い、というより、これだけ支持母体の大きさで選挙をすると、利益誘導型にならざるを得ないことが、極めて問題です。そして民主の組織力が、極めて脆弱だと知れた。組織固めが機能しない。維新は維新で、高飛車に選挙をおし進め、第3極の票を民主、維新、未来で奪い合う形になった。準備不足の第3極と、民主が票を奪い合うのですから、二大政党制などは夢のまた夢、民主への逆風が極めて目立った選挙、ともいえるのでしょう。そして今後も、民主に組織は戻らないかもしれません。それは、民主が政権交代に相応しい政党と認識できるか、によるのでしょう。

この結果により、自民は民主や維新と組む必要がない。むしろ部分連立で談合できれば、憲法改正さえできる数字です。逆に、自民が民主と合体し、自公維で連立などをすれば、次の選挙で逆風が吹くことが確実なので、そうした戦略はとりにくくなるほどの大勝です。自公は当面、今のまま続くことになります。3党合意なるものが見せた現実は、政治が密室談合で、与党と協力することが政策実現の第一歩という、与党礼賛の体制に陥ったことを意味します。それは国会が、400を超える部分連立体制で牛耳られ、残り100少しの体制外の勢力からしか追求されない、という意味でもあります。
決められる政治、を求める声もありますが、その『決める』人たちが支持母体だったり、官僚だったりするため、まず先にその権力構造を変えることが民主には求められたのに、失敗しました。結果的に、もっと『決める』人たちの力が強まったのが、今回の選挙なのでしょう。決めてはいけないことを決めることが、3党合意でも示された。今後もその傾向は拡大してしまうことが確実です。

これで年金、社会保障など、持続不可能と云われるものが、小幅な手直しでそのまま維持されます。原発も、安全でないものも再稼動される恐れが高い。消費税増税も、経済指標を操作してでも実施するかもしれません。逆に云えば、それをしても永田町やメディアからの批判の声も届かないほどの数、ということです。自民が身を律すことができるのか、支持母体をふり切れるのか、古い政治に戻るのか? 今後の政治には、より市民の目が必要になってくるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 22:50|PermalinkComments(8)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2012年12月15日

日銀の役割について

昨日、日銀短観が出ました。大企業製造業の業況判断指数が-12、非製造業が+4、先行きも-10、+3となるなど、解散後にとった統計としては、あまり景況感には影響せず、唯一為替相場の前提が78円90銭と、現在よりかなり円高にみていることが、先行きに対して楽観できる内容です。

俄かに選挙の争点にもなった、日銀の役割について考えてみます。FRBの役割と比較すると分かり易いのですが、FRBは物価の安定と雇用の最大化、を目標とします。政策金利と雇用とは、相関関係があるとされますが、それは金利が景気の調整弁として機能してきたためです。しかしゼロ金利に陥ると、景気を調整する効果を失い、そこでFRBがとったのが不動産担保証券(MBS)の購入です。
米国では、一般人も不動産や株式に投資しますし、年金などは弾力的な運用により老後の受給も変わる401kも多いため、MBSにより不動産市場を支えることに一定の効果があります。金融国家であるからこそ、金融商品を買うことに意味がある。失業率の改善をゼロ金利解除の目安に置いたのも、そこまで低下すれば、金融政策の調整弁をとり戻せる、という意味です。FRBの政策にムダはありません。

日本の場合、リーマンショック後も金融機関が危機に陥ったわけでも、地方行政が次々に破綻処理を迫られる事態にも陥っていない。さらに投資が多い国でもなければ、年金基金でさえ国債中心の運用で、株や不動産市場が景気に与える影響は軽微です。それでいて、ETFやJ-REITの買い支えをする。これらはムダとは云いませんが、実はあまり効果が大きくなく、政治の圧力で渋々やっているだけです。効果が低いのに実施する、ここに日銀の最大の問題点が隠れているのです。
インフレが0%でよい、と考えている点も疑問ですが、ではインフレ目標を2%におき、実際にそうなれば長期金利も、米国の実例に合わせると1.7%まで跳ね上がります。金融機関はさらに金利を上乗せするので、貸付は優に3%を超える。中小企業金融円滑化法が来年3月で終わると、倒産件数が跳ね上がると懸念される日本で、2%のインフレに耐えられるか? それは中小企業が、重い金利負担に耐えられるか? というのと同義なのですが、そうした議論はほとんどないままです。

今回の日銀法改正議論になると、すぐハイパーインフレが持ち出されますが、実際今の需要と供給の関係からそうなる可能性は極めて低い。むしろ、インフレにする手立てが、日本にどれぐらいあるか? その方が問題です。円安にして輸入物価を上げれば? という議論もありますが、それだと貿易赤字が拡大し、別の問題も生じます。今、円安に導くのは比較的簡単で、日本が経常赤字になる、と有識者や政治家が喧伝し続ければ、投機スジが勝手に円安へと導いてくれます。これはウソでもいい、極めて都合よいやり方で、副作用は投機スジに為替市場が翻弄されることぐらいです。今でも投機スジは期待値だけで円を売り続けていますが、経常黒字である以上、恒常的に円買い要因は強く、それは投機スジの敗北を意味しており、今後のしっぺ返しは懸念されます。
日銀に、円安にできる仕組みはありません。ゼロ金利に陥った以上、米国との量的な競争に勝つしかありませんが、経済規模からみてもそれは無理です。ハイテクの技術革新が頭打ちし、モノの価値が上がらなくなったため、さらにデフレが進展しやすい。通貨量を増やしても、需要が生まれない限り、インフレ予想も起きにくい。経済環境が好転しなければ、貸付も増えず、最終的には金利負担ばかり重くなってしまう。そうした中で、日銀に頼るばかりでは、政治の役目は果たしていない、と云えるのでしょう。政治ができることは、日銀法改正とともに、実は中小企業金融円滑化法の延長が議論されて然るべきなのです。その点が抜け落ちている今の議論には、やはり経済を考える上で大事な点が足りない、そう感じてしまいますね。

analyst_zaiya777 at 23:14|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 政治

2012年12月14日

各党の選挙戦略

菅前首相の車が、事故を起こしました。気になるのが、事故の程度にしては傷が深いこと。シートベルトは? そう問われると、実は厳しいのかもしれません。選挙戦も苦戦が伝えられる中、まさに踏んだり蹴ったり。首相経験者の落選、となるのか? 今や引退した鳩山氏が羨ましい、と感じているのかもしれません。少なくとも、悪い意味で注目度が高まることはなかったのですから。

明後日には衆院選の投票日ですが、ここにきて維新の支持に下落が目立ちます。選挙最終盤で支持を落とす、というのは致命的です。今回、最後の最後でしか浮動票は動かないので、ある意味、最後の追い込みが大事です。維新の支持が落ちるのは当然で、『イシ』を『ジミ』に変えると、同じと気付かされた。石原氏は失言の宝庫ですが、自民との連携に選挙中ふれるのは最悪です。
しかも最初は第3極として、未来を攻撃すれば、大阪府市エネルギー戦略会議側から反論される。やっと後半に自民を攻撃する。保守で支持層がかぶるのは自民なのですし、最初から有利が伝わるのですから、そこを切り崩さない限り勝ち目はない。もし選挙ブレーンがいるとすれば、稚拙な戦略だったといえるのでしょう。しかも、候補者にまったく統一戦略がない。失速も当たり前で、自民と組みたいから、というだけでは補い切れない、選挙戦略の失敗を指摘できるのでしょう。

一方、自民も300を越す勢い、と当初から変わっていません。。支持母体を固めた、とされる一方、各種の世論調査でも4割以上が未定で、結果は流動的とされます。無党派層への広がりが思ったほど少ないのです。しかも、調査に応えていない層を加えると、投票先を決めていないは5割以上になります。小選挙区は競り合い勝ち、と伝わりますが、5割のうち3割が投票に行くとすれば、浮動票の動向は怖いといえるのでしょう。それは自民の支持率を、優に超えてくるからです。
民主の戦略もお粗末です。自民有力議員のところには候補を立てず、一方で未来などの第3極には、ムキになって候補をぶつけた。自民を利したい思いが強いのが明白です。さらに自民を攻撃しているようにみせながら、実は自民の宣伝しかしていない。広告を打つ量は、どの政党より群を抜いて多いのに、議員定数削減などを訴えられても、金満選挙ぶりに虚しく響くだけといえます。

そして今回、もっとも得をしているのが広告収入が増える、各メディアです。それでいて今回、著名人の訃報や北朝鮮のミサイル発射、中国の領海侵犯などもありますが、選挙に関して報道が少ない。多党化で難しいとはいえ、おざなりに党首を追うばかりで争点などをまったく報じない、または一方で1人の政治家をフィーチャーし、明白な公選法違反を起こすなど、報じ方にも問題が生じています。つまり自民、民主なら記者クラブ存続、他の党だと報道の自由化がすすみ、自分たちの地位が低下するのが分かっているため、あえて報じない選択をしているのです。
第3極のびず、こう書いておくと、一番ホッとするのはメディアであり、既得権益の側です。笹子トンネル事故がおきても、天下りや独占業態への批判もない。原発のほとんどが活断層の直下、もしくは近傍にあると報じても、原発の安全性について報じない。扇情的でない点は評価できても、いずれも選挙の争点ではないのか? とさえ感じてしまいます。今回の選挙は、最後まで風が起こらない中で、何がその人にとって重要なことなのか? それを問われる選挙と云えるのかもしれませんね。

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2012年12月13日

米FOMCによる金融緩和

選挙後、NHKが国債の現状について、特集を組むそうです。これは財務省が、仮に安倍政権になったとしても、国債を増発せずとも『緊急性』を謳えば、消費増税を国土強靭化に回せる、と暗に示すものでしょう。社会保障費は毎年増大する、とされますが、今の不足分を埋めても8%に上げると余裕があります。安倍氏の経済政策がブレているように、ブレーンがおらず後ろ盾が脆弱とみて、財務省が『消費税 = 建設国債』相当だとして、安倍政権を篭絡することになるのでしょう。

米FOMC、欧州財務相会議で銀行監督の一元化が決まるなどし、一気に円安、株高へと推移しました。CTAスジなど、歴史的な水準まで円売りを抱えているとみられますが、ロールオーバーが済み、動きが軽くなったこともあり、明日のメジャーSQに向けて一気に仕掛けたのでしょう。今は1万円のコールが重く、鞘寄せしておきたい。そんな思惑もあって、今日の値動きにつながっています。
そのFOMCではツイストオペの終了に伴い、毎月450億$の長期債の買い上げが発表されました。不胎化しない、買い切りのようなので、これでMBSの購入と会わせ、FRBは毎月850億$、年間1兆$の資産を積み上げていくことになります。ファイナンス懸念も生じそうですが、今の米国にそれを冷静に語る論調がないのは、サブプライムローンのときに似ています。また同時に、失業率が6.5%以下になるまで、ゼロ金利を継続する姿勢を示しました。FRBは物価の安定と雇用の最大化が義務付けられるので、失業率にも目標値を定めた形です。

米国ではアウトソーシングの逆、インソーシングが囁かれます。製造業の国内回帰、中国などの人件費高騰や、人、モノの移動に伴うコスト、管理などの面でも国内でつくった方がいい、とするものです。これはオバマ政権の方向性とも合致しますが、残念ながら一時的です。効能は色々と語られますが、特にTPPが締結されれば、中南米地域であれば交通費もかからず、ルールが統一されていれば、それこそ人件費、為替の優位性のみが、製造コストに大きく影響してくるためです。
今は不動産市場も活況とされ、雇用環境も改善とされます。しかし金融相場の厄介な点は、資金流入の拡大が止まったとき、市場規模の拡大へと移行できるか、という点にあります。ゼロ金利は失業率を目標としますが、その前に市場への資金流入を減らさなければならない。そのタイミングに、来年FRBは苦労することになるのでしょう。下がったといえ、米不動産市場はふたたび実需と乖離し、投機の対象になりつつある。それをどこかで食い止める、それは非常に困難となるはずです。

スイスがマイナス金利政策を拡大しています。フラン高抑制にむけて、為替介入を宣言するなど、欧州の中で独立した小国として、資金流入を食い止めねばならない。これは示唆的であり、安倍ノミクスで一部、マイナス金利の話題も出ましたが、日本では単に預金を減らすことにより、貯蓄を活用してもらう方向の議論になりがちですが、むしろ資金需要がないときに、銀行に預金が溜まっていることの是非、資金需要の掘り起こし、といった方面で議論をすすめなければなりません。
来週、日銀の金融政策決定会合ですが、ここで大胆な緩和策が期待され、今の市場を牽引しています。しかし、恐らく政策効果より、日銀の態度変化に期待しておいた方が、間違いは少ないといえるのでしょう。そのとき、外国人投資家が失望して見切売りするか、さらに期待を積み上げるかが決まります。ただ、今の期待値だけで上昇するような相場は、非常に危険であり、投機資金は逃げ足も速いために、この辺りの判断を間違えると、議論も間違った方向に進みやすいのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:29|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | アメリカ

2012年12月12日

北朝鮮のミサイル発射

北朝鮮がミサイルを発射しました。今回、最大の懸念は、発射するまで兆候が確認できなかったこと。つまり日本は、北朝鮮から先制攻撃されたらどんな軍備があってもお構いなしで、撃ち込まれて初めて気付く、と確認されたのです。つまりJアラートにしろ、Mネットにしろ、発射から6分後であり、軌道が分からないとPAC3も間に合わない。米国も、韓国も、監視体制に不備がある以上、これは大きな問題となります。さらに、東倉里の発射基地だけでなく、地下の発射基地があれば、それは致命的となって、撃つまで分からない状態となってしまうのが確実です。
さらに、米韓がガセ情報に踊らされていたこと。米国は極秘裏に今回の動きをつかんでいた、とされますが、それだと韓国が出し抜かれた理由が説明できません。むしろ米国は、そう喧伝することで、情報戦に遅れをとっていない、というダメージコントロールを謀っている可能性があります。つまり米韓にとって、情報戦の遅れは電撃作戦を許してしまう恐れが、非常に高いのです。

面子が潰されたのは中国です。習体制になって1ヶ月で、北朝鮮が暴走した。抑制が利かないとの印象を与えました。中国は面子を重んじますが、打つべき制裁は、中朝国境付近の警備を引き締めるかもしれません。北朝鮮は、金融口座の凍結より、物資の流入を止める方が、本質的には打撃を与えられます。中国が本気になれば、北朝鮮にとって痛いペナルティになりますが、今回の潰された面子を、中国がどう回復させるか? それが今後の動きとして重要となってきそうです。
では、米国はどうするか? 先に中国要人が米国を訪問し、この件を協議しているようですが、今後はイランに派遣している無人偵察機プレデターを、北朝鮮上空に派遣するかもしれません。米国本土まで届くミサイルをもつ。そうなると、北朝鮮国内の地形を徹底的に調査する必要があります。それこそ地下発射基地を探し、事前に潰せるよう、準備する行動にでるかもしれません。

イランは核施設に続き、政府の重要な部門にもウィルスが送りこまれた、と報告されています。被害状況は非公開ですが、相当たちの悪いウィルスと云われ、徹底的にデータを破壊するものです。これが米CIAなのか、イスラエルのモサドの仕業かは分かりませんが、これとてオープンなシステムだから可能です。しかし北朝鮮はほとんどがクローズで、ソフトへの攻撃が難しい。核実験も準備、と噂されますが、米国としてもハード的につぶすしか最早手がない状況となっています。
沖縄沖から日本海にかけて、米軍が何気なく展開しているようなことがあれば、データ収集に入っているということです。実際、今回の件はそれだけ米国にとって脅威を与えたのでしょう。北朝鮮制裁へのオプションは、幾つか準備されているとしても、その中に軍事オプションが含まれることが現実味を帯びそうです。次に北朝鮮が暴走、口実を与えれば、制裁打撃オプションもありそうです。

中国も、金融制裁で妥協するなど、国際世論を抑えにくくなっていることが明白です。もしかしたら、昨日のWSJ紙の警告は、軍事オプションに備えたものかもしれません。いずれにしろ、米国が動くより先に、中国が動きたくなるところですから、北朝鮮の軍の有力者と結んで、クーデターというシナリオもあります。東アジアの来年は、少し慌しい動きを覚悟すべきなのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:04|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 アジア | 政治

2012年12月11日

自公の関係

米WSJ紙が、安倍ノミクスに対してリスクが高い、と警告する記事を掲載しました。これが共和党より、米金融業界よりのWSJ紙が出した点が重要です。自民・安倍総裁の政策は、米共和党が喜びそうなものばかりで、このタイミングでマイナス面を報じる必要はない。しかし自制を促したのは、世界で初めての試みが多い安倍ノミクスへの警戒と同時に、ある思惑が隠れていると考えます。
あくまで推測ですが、米国は来年辺り、アジアで大きな変動が起きるのではないか? そう予測しており、不測の事態においても日本が率先してリスクに対処してもらいたい。その時、バラマキで日本の財政がさらに余裕を失うと、対応ができない。ではその変動とは何か? 推測に推測を重ねますが、経済危機ばかりでなく、天変地異のようなものも想定されると考えます。インドネシア沖、四川、そして東日本と立て続けに巨大地震に見舞われながら、大きな火山の噴火がない。今、プレートはすべて東アジアへと集束するよう、マントルの下降流が起きているとされます。地殻の変動期に、それこそ不測の事態を想定し、日本には財政上の対応力を求めているのかもしれません。

読売の調査によると、比例投票先は自民が29%、他党をダブルスコアで引き離しているそうです。ただ、各紙が横ばいの中、読売だけが突出して自民が票を伸ばすなど、少し信じ難い部分もあります。そんな自民の不安材料は、公明との関係です。安倍執行部は、公明とのパイプ役がいないことで知られます。公明と、政策や発言の調整をしていないことは、このところの安倍氏の発言からも自明ですが、さらに支持母体の回帰や、維新、民主と自民の補完勢力が増えた面も大きいのでしょう。
ただ、自民にとって長年頼ってきた創価学会のパワーは捨て難い。候補者名は自民、比例は公明、という形で議席を確保してきており、今回は楽勝選挙で軽視していますが、いずれまた公明に頼りたい、という腹蔵があります。ただ、安倍氏が今の政策をそのまま適用すると、公明は離れていくでしょうし、それは維新、民主との連携、連立を模索しても、相対的に地位の下がる公明はおもしろくない。それは自民、維新、民主ではすべて保守勢力となり、中道の公明とは相容れないためです。

元祖・第3極、という言葉を公明が用いるのも、蜜月だった谷垣執行部と異なり、今が相当冷えていることを意味します。公明が、自民との関係を切るかどうかは、安倍氏がやりたい政策を強行するかどうか、その点にかかっているとみられます。それは中国に近い、創価学会の意向から考えて、安全保障分野ではないか? 中国を刺激するな、という発言となって警告がでるかもしれません。
みんなの党まで、自民に政策ごとの部分連立、という話が出るなど、政党まで勝ち馬に乗る動きが活発です。維新が自民と連立すると、当然みんなの党は置いていかれますから、それを懸念した動きでしょうが、選挙で問うことは一体何か? これらの動きはそれを蔑ろにするものです。自分がやりたい政策は与党でなければできない。だから与党に乗る、としても、では国会とは何か? 連立ですべて決めてしまう、また3党合意が優先されるなら、国会すらムダと断言できるのでしょう。

今回の選挙、風がないので最後の最後まで票読みは困難ですが、政治への失望がより強く国民に意識されるのかもしれません。連立、連携による密室談合政治が、今後すすむかもしれないという意味において、日本の政治は停滞期を迎えることになるのでしょう。そして閉塞感が強まれば、次に何が起きるかは予断を許しません。地殻は変動期にあるのに、政治だけは変動期を逃れ、与党へ向かって集束している。これが次の激震期を準備することになるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:18|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2012年12月10日

各経済指標をみて

ここに来て、安倍自民総裁にも公選法違反の疑いです。文芸春秋に寄稿したとのことで、内容は見ていませんが、確実に違反です。野田氏と同様に、注意で済ますか、そうではないかが問題ですが、もし野田氏や、安倍氏の行動がセーフになれば、選挙期間中になると町はモニタで溢れ、ビデオ映像がくり返し流され、週刊誌や新聞は政治家が寄稿した原稿で、埋まることになるでしょう。憲法改正の前に、政治家は公選法についてきちんと勉強すべきで、むしろこちらを改正する方が先ではないか? とさえ思えます。金とネームバリューのある政治家だけが優遇される、そんな選挙にいつの間にかなっている。今回の選挙は、一票の格差とともに、選挙違反が目に余りますね。

敦賀原発の直下に、活断層がある疑いを原規制委が指摘しました。ただ、まだ総意ではなく、結論が変わる可能性はあります。さらに、原発は政治に頼らず廃炉を決められる、という姿勢を示すことで、今後の原発再稼動に道をつける。いわば、原子力ムラからスケープゴートに仕立てられた可能性もある。早くも日本原電は破綻か? と危機感を煽る向きもありますが、誰かが廃炉にし、建物の撤去などを進めなければならない。これは地元の雇用もそうで、更地にもどるまでは雇用が維持されます。大事なことは、激変緩和措置は確かに必要ですが、奇妙な感情論で再稼動、廃炉を決めてはいけない、ということです。科学的に、少しでも疑いがあれば止める決断が大事なのです。
各社の世論調査の結果が出ています。各社ともガタガタで、傾向も読み解けませんが、一つ気になったのが、経済政策、原発、TPPなどの個別政策を訊ねると、自民が一番よい、とするものがありました。原発は検討中、TPPも曖昧、経済政策もリスクが高い。それで自民が頭一つ、二つ抜けるということは、如何に支持層が固まっているか、であり、内容は関係ないことが分かります。

そんな経済の現状はかなり悪いです。10-12月の法人企業景気予測調査では、大企業製造業は-10.3、非製造業も-2.9と、景況感は悪化しています。11月の消費動向調査は、消費者態度指数が39.4と、前回より0.3pt悪化。11月の景気ウォッチャー調査は40.0と、前回より1pt改善。これは調査をとった時期が、解散を発表した後だった影響で、冬物衣料や円安になった影響とみられます。ただ、景気ウォッチャー調査以外、海外頼みの回復期待で下支えされますが、非常に悪い数字が並びます。
金融政策でインフレ目標を達成しようとすると、まず資源、商品価格から高騰をはじめます。今、欧米の超金融緩和でも市場が控えめなのは、需要がないためです。しかしこれが機能すると、まず市場が上昇し、それに伴って利益をえた投資家が消費を増やすことで需要が生まれる、というパターンを辿ります。市場が上昇しても、コストは同じなので生産者への恩恵は、投資家の消費によって支えられ、後に賃金上昇を伴うインフレ、というのが一連の流れであり、これが金融政策のインフレです。

お札を刷れば…という理屈は、マネタリーベースの話であって、経済の専門家からすれば少数派。恐らくそれでは賃金上昇より、物価上昇が上回る悪いインフレになります。マネーストックを上げる話にしても、まず投資家の懐から潤っていくので、その間の物価上昇は、大多数が損失として被ることになる。それで経済が上手く回ればよいですが、行き過ぎるとリーマンショックのようなことが起こります。貸付より、投資の方が金融機関も儲かるのですから、当然投資によるリターンを求め、失敗した金融機関は淘汰され、大きすぎて潰せない議論をくり返すことになります。
今は、日本が超金融緩和によって世界にマネーが溢れ、こうした循環が起こることを期待した海外勢が買って、日本市場は恩恵をうけました。ただし為替も、株式も買いすぎているため、今後少し整理が必要であり、そこで日系が買い支えているために、市場がぴたりと動かなくなりました。ただ、海外勢の読みは、はっきり云って楽観すぎる面があり、実状としてインフレになるかは、今はまだ分かりませんし、その間に起こる弊害に、世界経済が耐えられる保証もありません。日本は安倍ノミクスに浮かれていますが、少し冷静になって考えられないようだと、経済政策を選挙の焦点としてみるにはややリスクであり、危険な選択になりかねなくなってしまうのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:30|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 政治

2012年12月09日

雑感、選挙運動について

野田首相が、選挙区において録画した映像を、街頭で流すという問題が有ります。ちょっと注意も必要ですが、これは公選法の文書・図画の頒布に、明確に違反しています。ただ、それを注意で済ますのか、そうでないのか、ということです。選挙ブレーンがいれば、こうしたことはまず起こりませんが、焦りがあると選管に確認もせず、こんなことをする人間が現れます。それが現首相、という点が問題を複雑にしていますが、野田氏は色々な初めてを現出させてくれるかもしれません。
これは橋下大阪市長も「逮捕されるかも…」と述べているように、ネットはグレーです。選管は違反としていますが、成りすましや偽装し、特定の候補を支持したり、貶めることはできます。取り締まりは、偽装メール事件がそうであるように、極めて難しい。逆に、ある程度は認めて、違反との線引きをハッキリした方がいいのでは? という意見もあります。こうした議論が政治で不活発なのは、むしろネットを利用しない高齢者が、多いためかもしれません。そこに野田氏が、違った意味で風穴を開けた。これがセーフだと、ネット選挙はなし崩しで解禁されるのかもしれません。録画を街頭で流すのも、ネットに動画を投稿するのも、行為としては同じなのですからね。

そんな中、国家公務員法違反に問われた、政党機関紙配布に関する最高裁判決が出ました。「中立性が損なわれる恐れが実質的に認められる」ことが、公務員の政治活動を制限する要件だと、初めての判断を示しています。極めて分かり難いですが、要するに公務員としての地位、立場、状況を利用したかどうか。また公務員内でも管理職という、地位的な条件を利用したか、それによって違反かどうかが決まる、ということです。その結果、違反に問われた2人のうち、1人は有罪、1人は無罪と判断が分かれました。ただ、この大審院判例は、非常に曖昧と云わざるを得ません。
1つに、公務員による団体活動として行ったか、という違反の規準もありますが、公務員の労働組合として機能している自治労は、連合傘下として民主の支持母体として機能しています。表層的には、自治労の政治活動はアウトに見えますが、『公務員による』という部分の解釈次第では、セーフです。別に、公務員がすべて入るよう強制されていなければ、それは任意団体でしかない。結局、そうしたグレーゾーンのまま、今ある形は崩さないよう、配慮された判決でしかないのでしょう。

今回の衆院選には、600億円かかるとされます。しかし、ほとんどビラや郵送される葉書などは、必要ないものです。選挙公報として打たれる新聞広告も、必要はない。公示日に、有権者の家に一覧の名簿さえ届けば、ほとんど用が足りるとさえ云えます。ムダ削減は、あまり今回の選挙では叫ばれませんが、選挙にかかる費用を削っていく努力は、議員削減と共に必要だといえるのでしょう。
ネット選挙が解禁されれば、ネットを上手く活用した候補者の当選確率が上がる。そうした戦略の練り直しもまた、必要となるでしょう。それこそ、それについていけない人物は、選挙弱いということにもなるので、永田町の勢力図が一変するのかもしれません。むしろ、そうして勿体ない選挙運動、お金のかからない選挙を、今後推進していく上でも、今回の一連の動きは好感されるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:24|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2012年12月08日

安倍ノミクスによる公共工事

藤村官房長官の発言が、波紋を呼んでいます。北朝鮮のミサイルを「さっさと撃って」と述べましたが、しかも動機が「できるだけ地元に帰って話がしたい」ですから、イイワケにもなりません。比例復活すら危うい、と噂される藤村氏が踏んでしまった地雷。それはタカ派の安倍氏との決定的な違いとして、国防に真剣でない民主、というイメージを国民に広げたのでしょう。そしてそれは、メディアにとっても恰好の攻撃材料となった。皮肉にも、藤村氏が官房長官であることが徒になったのです。ギリギリまで撃たせないよう外交努力を続ける、と云うべきだったのでしょうね。

11月米雇用統計が14.6万人増、失業率も7.7%と予想より改善しました。米労働省のデータに合わせる、と意気込んでいたADP雇用統計は11.8万人増であり、予想も9.3万人増、どちらが正確かはナゾですが、米国では感謝祭からクリスマスまでの商戦を、堅調に見せかけたい。そんな思惑が働いたのかもしれません。一方で、欧州でもECBの利下げ観測から、ユーロ安となっています。
日本では、安倍ノミクスが喧伝されています。公共工事に10兆円つぎ込めば、GDPも10兆円増えるので何の問題もない、というものです。しかし無制限緩和にしろ、どうして安倍ノミクスになるとこうしたネズミ講が成功するか? と理性的に説明するものはありません。日本はすでに過剰設備の状態であり、新設の公共インフラは必要としていません。道路の補修が引き合いに出されますが、大規模な場合は国が関与する必要もありますが、管理・メンテナンスは旧道路公団の仕事です。

ただ、今回の笹子トンネル事故にしろ、Nexco中日本の管理、メンテナンスが不十分であり、さらに天下りの受入れ団体と化すなど、実はそうした役員の数を減らせば、メンテナンス費用はある程度捻出ができる、と知れました。問題は、日本の道路の管理体制であったり、補修・メンテナンスに予算がつきにくい、などの構造的なものであり、決して予算がないわけではない、ということです。
さらに、その大盤振る舞いが止まった瞬間、GDPは10兆円分が急落、利払いと多額の償還にむけた予算繰りが、一層厳しくなる。これが公共工事依存で経済が拡大したツケだと、戦後の高度経済成長から学んできたことです。歳出の拡大により、経済が順調な回復軌道にのる、という明確なシナリオを描けるなら、チャレンジする価値はあるかもしれません。しかし失敗すれば終わり、日本は破綻へ加速度的に転がり落ちることになる。そういう選択を国民が望むのか? 今回、問われています。

必要なことは、Nexco中日本などの旧道路公団の、予算の使い道を徹底的に洗いだし、その浮いた分を道路補修に回す。それでも必要な、緊急性のある部分から公共工事は始める。この場合、額は決めない。そして新設の道路を止めてでも、そうした安全、安心に向けた施策を打つ、という決意です。赤字国債がGDP比で10%を超える国は、国債の格下げは起こります。それも、日銀が引き受けるのである程度は吸収可能、というのでは、一年ともたずにそんな施策は見直しが必須となります。
日本が成長するためには、まず少子高齢化を解消し、国が基盤として人口増大により成長する、というシナリオをつくることが大事なのです。今回、この部分が蔑ろにされているようですが、人口増大社会にもどるなら、公共工事を増やして将来に亘って利便性を増す、ということにも説明がつきます。ただ、今のままなら補修して長期間使えるようにできても、使う人がいない、ということになりかねません。中国の失速、欧州債務不安の再燃、など来年は経済環境がどうなるか、分かりません。ここで日本がムリして歳出拡大する価値があるか、その見極めが大事なのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:23|PermalinkComments(8)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 経済

2012年12月07日

小沢シンドロームについて

三陸沖で大きな地震がありました。東日本大震災の余震かどうか、まだ分かりませんが、震災の記憶は蘇ってきます。いつ何が起きても不思議ではない、そのことだけは間違いないのでしょう。

未来の比例名簿提出遅れの問題をとりあげます。飯田代表代行が、当日に名簿順位の変更などを行い大混乱しましたが、飯田氏は小沢シンドロームにかかっているようです。意味じくも嘉田氏が「小沢氏を利用しようとする人」が小沢氏と反目し、党が割れると述べていますが、まさに飯田氏がそれです。小沢氏を取りこむと、メディアからの苛烈なバッシングが起こり、耐え難いストレスがかかります。そのストレスから逃れようと、原因をとり除こう。自分が悪いことをしているのではないか、小沢氏に権力を奪われるのではないか、そういう疑心暗鬼に陥って、自分が主導権を握ろうとして動き、逆に、メディアから余計に攻撃されるということをくり返します。その内、小沢=悪と考えるようになり、小沢反対派に転じるのが、小沢シンドロームとされるものです。
本来、飯田氏は国政が初めてなのですから、選挙は任せればいい。しかしそうすると、選挙で勝てば小沢氏の力が強まり、代表代行と云っても、小沢派が大量に合流している今、お飾りになりかねない。飯田氏が焦れば焦るほど、メディアの思う壺だということに気付けていないのでしょう。

特に産経新聞が行っているのも、小沢シンドロームで括れます。見出しは過激に、未来のネガティブなものを掲げますが、記事の最後に中立的な内容を書き、公平性を保っているような描き方をします。見出ししかみない読者への効果的な手法ですが、一部気がかりなのが、今回の比例名簿の記事です。午後5時をすぎて、名簿が持ちこまれた公選法違反ではないか? とするものがあります。
しかし産経の主張は、単に状況をまとめるとそういう可能性が否めない、というだけであって、封筒がもちこまれた現場も、それが帰りに空になっていた、という目撃情報もない。云わば空想の類です。空想でよいならどんな記事でも可能であり、それでは虚構新聞と同じレベルです。

菅前首相が、小沢氏のイジメを告白していますが、電話に出ない、連絡がとれない、なんて話は、自民党が派閥抗争をしていた時代に比べると、子供のけんかですらありません。菅氏は権力を握った途端、その権力を奪われるのでは? 主導権を握られるのでは? そう小沢シンドロームにかかり、排除に動いた。結果的にそれは、政治家としては敵わない、という恐れがそうさせます。
飯田氏が、小沢シンドロームにかかったとなると、未来も分裂懸念を抱えます。ただ、それが飯田氏の個人的な問題なのか、それは嘉田氏の決断にもよるのでしょう。しかしこの病巣は意外に深く、またストレスの排除ですっきりする、という治療にも似た心理的な要因により、中々その傾向から脱せない、という面を含みます。小沢氏に仕切らせないぞ、そんな肩肘張っていると、益々ストレスがかかり、この症状を重くしますが、今後の飯田氏の動向が一つの鍵なのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:11|PermalinkComments(8)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2012年12月06日

各紙の選挙序盤の情勢調査

昨日、歌舞伎役者の中村勘三郎氏が亡くなりました。最近、事務所の推しで露出がふえる役者への反発も強まりますが、歌舞伎の世界はその最たる世襲です。伝統芸能だから許容される、という理屈は、何とも収まりが悪いものでしょう。外部の血を入れるのは、それが清新な息吹をもたらし、競争型により切磋琢磨が生まれるためです。そんな中、中村勘三郎氏は歌舞伎に新たな流れをもたらし、伝統を守りつつ革新を求めた。だからこそ稀有な役者だったと云えるのでしょうね。

新聞各紙が情勢調査を発表しました。今回は風が吹いていないため、序盤は支持母体が大きいところが強いことは、初めからわかっていたことです。多くが自民300超える勢い、民主100届かず、維新50、未来20ぐらいということですが、これは自民に不利な結果となります。つまりこの構成だと、衆院の議席400以上が原発賛成派で埋まってしまう。ここに来て、原子力規制委が「止める可能性」などと発言し、原発再稼動がないかのような動きを見せますが、選挙で信認を得た、という口実で、再稼動にむけた動きが永田町の圧倒的多数で推進されることになるのが、この結果では明らかです。
維新の場合、30年代にフェードアウトですが、その頃には石原代表がフェードアウトしているから…というなら、ウィットに富みますが、当面は再稼動ありきですすみます。ここに来て旧維新勢が、連立合流はない、と述べますが、維新が安倍氏の下に参入することは規定路線。原発推進の3トップが順に票を伸ばせば、国民からみて好ましくなく映ります。自公の引き締め、組織固めが着実であることは、今回の情勢調査では判明しますが、これが終盤にどう転ぶかは不透明といえます。

実は今回、最大のバラマキ政策が自民党です。国土強靭化計画も、公約では金額が書き込まれませんが、当初10年で200兆円でしたから、公共工事は毎年15兆円以上の増額です。財源は国債の増発分を日銀の買いオペ増額で対応、という形ですから、行政のムダ削減もできそうにない。今の株式市場も、安倍トレードで囃されるのは電力会社などの、既得権益の側です。実は安倍氏がもっとも恐れているのは、懐古主義にいたるのは早すぎる、元の木阿弥だ、という認識の広がりです。
自民が訴える政策は、4年前行っていたことと大して違いはありません。ただ、買いオペ増額というマジックをつかえば、バラマキ可能と知恵をつけただけです。元の木阿弥とは、君主の死を隠すため、声が似ていた木阿弥という人をつれてきて、代理をさせたという逸話に基づくとされます。一時期は裕福な暮らしをしても、また貧乏にもどる、という含意があるのです。買いオペ増額で、一時的には財源が捻出され、湯水のように公共工事に回せても、世界第一位の財政悪化を抱える日本が、どれだけそうした手法をとって、国債の信認が保てるかは不透明であり、途切れれば貧者に逆戻りどころか、借金返済に追われることとなり、それこそ南欧のような赤貧の状態となるのでしょう。

成長型にもどる、と云いつつ、効果的な少子化対策がみられない。本当は人口増、脱高齢化社会という施策も必要なのですが、それがない点に、未だに自民の経済政策や、認識に古さが垣間見えてしまいます。中村勘三郎氏のような、伝統を守りつつ革新を求める、それにより日本を変える、という意欲は、残念ながら自民党にはまだ見られません。元の木阿弥で、誰が貧乏になるのか? その点を意識されると、自民の勢いには翳りが出てくることにもなるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:26|PermalinkComments(8)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2012年12月05日

維新の最低賃金について

自民の幼児教育無償化、未来の子供手当て、等をバラマキの批判もあります。ただ、各党探せばどこかにバラマキの項目が見つかるので、財源論を云々しても始まりません。選挙後、大型補正予算を組む、という主張も同じ、単年度とはいえ毎年講じられる景気対策でさえ、バラマキに分類できます。財務省が嫌がるのは、官僚の利権に絡まない予算が、毎年固定して支出されることです。そして、予算捻出にかけて財務省や官僚の抵抗に、どれだけ抗する情熱があるかどうか、それで判断ができるものです。逆に云えば、民主は途中でぽっきりとその情熱が折れ、予算編成を官僚に丸投げしたために、色々な政策が実現できなかった、というだけのことです。バラマキ = 悪、ではなく、バラマキするならその覚悟と、情熱を示して納得させる、ということなのです。
また各党、街頭演説では他党の批判に余念がないですが、ネガティブキャンペーンは聞いていて見苦しいものがあります。野田氏による「維新は二股のオロチ」発言など、ウィットにも富まないので、面白みもありません。人を批判するのは、自らの品位を貶める行為です。だからこそ機知に富み、周囲も思わず含み笑いする、ぐらいの器量が必要なのです。少し前は品格という言葉が用いられましたが、逆に云えば、そうした品格のない人ばかりが党首になっているように思えます。

円安基調に、若干の翳りがみられます。きっかけは米国で、QE3.5と呼ばれる緩和策が現実味を帯びてきたことです。今月でツイストオペが期限切れとなり、短期国債から長期国債への借り換えが、米国で停止されます。それを補う目的で、新たな買いオペのプログラムが打ち出される、との見方が支配的です。効果や規模は、来週のFOMC待ちですが、日銀の金融緩和が選挙でも焦点となる最中、米国の緩和によりその効果が減殺されそうです。金融緩和は、結果的に他国とのバランス、量の多寡で評価されるようになると、世界的な金融緩和の競争時代に突入するのかもしれません。
そんな中、維新が最低賃金を廃止から改革に変更しました。ここから分かるのは、維新は確実に、企業の収益性を確保することにプライオリティーを置いている。本質的には市場原理主義であり、国民が求める安全、安心の位置づけは低いのではないか? という懐疑です。そしていくら金融を緩和しても、これでは賃金デフレが激しく、内需の低迷は長期化する、という予想も立ちます。この問題は、維新にとってのアキレス腱になりかねない、極めて微妙なものとなってくるかもしれません。

今では、小泉政権当時の経済政策、竹中路線は評価されておらず、格差拡大に寄与したとされます。セーフティネットもなく自由化、市場化したため、派遣労働の拡大、非正規雇用の増大という負の遺産を残した、ということです。つまり維新が竹中路線を継承、踏襲することが判明すると、さらにこうした格差社会の拡大、大企業優遇、投資家対策ばかりが優先されると意識されます。
維新は二股のオロチどころか、両面スクナという岐阜土着のまつろわぬ神に、祇園説話に語られる巨旦大王がブレーンとしている、そんな形です。巨旦大王は裕福なのに宿を貸さず、滅ぼされたとされる祟り神の一種です。米国でも、富裕層増税が年末にむけて議論される中、日本ではさらに企業優遇、富裕層にとってメリットのある政策が打たれるかもしれない。こうして裕福な巨旦大王が、裏で糸をひいているという印象が強まり、格差が問題視されるようになると、維新は今後の選挙戦で厳しいことになるのかもしれませんね。

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2012年12月04日

雑感。衆院選の公示

衆院選が公示されました。維新は当日に辞退者がでて、未来は比例名簿をぎりぎりで届けでるなどありましたが、既成政党は競って受付開始と同時に提出する。むしろこれは既成政党との違い、その暗喩とも受けとれます。そんな未来のネットアンケートが話題です。原発賛成票が多く、未来の主張と逆行とのことですが、原発推進派は利権ですから、意見公募などを出しても組織的に対応し、賛成多数の世論を見せかけます。原発反対派は利権ではなく、理念ですから動き出しは遅い。ネットアンケートは、1人1票という仕組みがつくれない以上は、参考でしかありません。
読売新聞が、世論調査は質問の仕方で意見が変わる、と認めていますが、どの調査でも必ず不備が生じるものです。むしろ1人1票という選挙の方が、民意には近い。1イシューではないので、選挙の結果が何を示すのか? という問題はありますが、だから選挙に強い、と云われる政治家は評価されてきた面があります。それだけ民意をバックにでき、政治を執り行う力ともなるのです。

重複を除く1499人が立候補しています。風のない選挙、ともされますが、色々と面白い話もあります。まず野田首相が比例と重複をしていますが、これは異例です。そこそこ名簿順位も高く、自ら苦境を認めたようなものです。しかも「しがらみだらけの古い政治に戻るのか?」と呼びかけますが、民主はしがらみだらけだから、原発再稼動、新設も認めたのであり、ナゼか政権政党なのに、未だに改革派の野党のような物言いが続きます。気分はもう野党、ということかもしれません。
面白いのが共産党の公約の表紙です。選挙の写真は口を閉ざして写すもので、それは決意を示す、だらしなく映らないよう、というのが慣例でしたが、それを破った上で、ガッツポーズまでしています。まるで演歌歌手のようですが、元祖ブレない政党、として注目度を増していることもあり、相変わらずの立候補者数の多さ、女性候補も多いことから、党勢拡大があるかもしれません。

また金融緩和が焦点となる選挙も初めてです。ただ金融緩和すればバラ色、というだけで終わる点が、極めて脆弱な経済認識であり、日銀は間接金融しかできないのですから、そこから先にお金を回す仕組みは、各党も皆無です。自民の建設国債でバラマキ、という仕組みでは確実に失敗するでしょう。財政破綻が先か、デフレ脱却が先か、そんな綱引きに頼ることに対し、説明が足りていない点も問題です。残念ながら、財務省が破綻シナリオをバラマキする中ですから、自民が財務省を統制できなければ、仮に政権政党にもどっても実現性は薄い、ということになってしまうのでしょう。
さらに原発に注目される国政選挙も初めてです。消費増税への審判、という意味もある。実にこれだけの課題、重要政策があるのに、風が起きていないのは、何度かの失敗を経て有権者の目が肥えてきたことと、個別政策の重要度が大きすぎて、態度を決めかねている面があるのかもしれません。ただ、最終的には投票日には結論をだすのであり、選挙の結果が国民の意志である点は、何も変わりません。1人1票だからこそ、それが民意として反映されるのです。
師走選挙にしては、選挙に行くという人が6割を越えるなど、意外と浮動票が流れそうです。何を重視するか、有権者の1人1人が違うと思いますが、少なくとも総論賛成、各論反対という選び方ではなく、各論にも目を配って選んでいかないと、また政治に騙されることになってしまうのでしょうから、投票日まで悩むぐらいでちょうど良い、と云えるのかもしれませんね。

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2012年12月03日

日本未来の党の原子力政策

昨日の中央道笹子トンネル事故で、早くも防災・減災ニューディールが必要、と述べる人がいますが、これは早計です。日々の管理・メンテナンスと、公共工事による改修、補修を重ねてはいけないためです。今回の事故は、明らかに管理・メンテナンス不足に伴うものであり、それはこれまでの政権、道路公団民営化の際の責任の所在など、そうした部分に原因が隠れているためです。
むしろ管理・メンテナンスをしても耐用年数を過ぎ、利用には危険だと判断されれば、改修・補修が必要なのであって、それは通常の公共工事の枠内でやればよい話です。今は首都高のように古いから改修、ついでに地中埋設、などと手を広げていくような議論になりがちで、余裕があるときならその大盤振る舞いで結構ですが、今は財政が逼迫しており、有るものを上手く使うという知恵が必要なときです。それは管理・メンテナンスという範疇であって、公共工事とは異なります。

日本未来の党の『卒原発』について考えてみます。まず、新エネルギー分野、省エネ、再生可能エネなどを原発の代案として掲げると、「海のものとも山のものともつかないものに期待できない」という意見を聞きます。これは異なります。そうであるからこそ、それは成長産業なのです。形が決まり、やり方が固定されるなら、それは汎用品として世界に普及します。その道筋をいち早くつくった国が、その後のエネルギー産業利権を得るのです。だからそこに政策資源を注入し、率先してすすめるべきで、「海のものとも山のものともつかない」ことが、利点でもあるのです。
もんじゅと、六ヶ所再処理工場の廃止を謳いますが、これには違和感があります。廃炉の肯定ででる廃棄物は、必ずどこかで処分するか、除染をして線量を下げて再利用しなければなりません。それには設備が整った新たな施設をつくるより、既存の設備を利用する方がいい。急激な雇用減など、地元への対応のためにも両施設を利用すべきです。廃止、というだけで後工程がないのですが、すでにある施設をどう利用するか、それを示すだけで信頼感も変わります。

もう一つ、使用済み核燃料の総量規制、という話も馴染みません。規制がない頃に使い、溜まった核燃料と、今後仮に動かす原発があればそこから出てくる核燃料、そこに違いはありません。日本が今ある核燃料を管理、保管していく宿命の中で、量を規制することに大した意味はありません。その量が変わったことで、安全の閾値に違いはないからです。
乾式保管にまで言及した点は評価しますが、乾式だと広い収納スペースが必要になるはずで、そうしたシステム的な部分まで踏み込めば、より理解がすすむでしょう。水中保管だと、いつ水が漏洩するかも分からない、ということまで中々有権者には理解しにくいでしょうし、尚更その利点が評価されにくい。こうしたことは飯田代表代行の理想も含まれますが、技術畑の悪い癖といえます。

卒原発は、基本的に再稼動を認めるのかどうか、嘉田代表にも揺らぎがみられます。ただ火力発電の増設など、まったく対応しなかった関電でも、2基の再稼動と節電で乗り越えられたのですから、一時的には火力を増やすだけで十分対応可能、といえます。総選挙時期に、電気料金値上げ申請など、露骨な原発再稼動へ向けて、経済界も含めて圧力がかかる点は理解しますが、この旗はきちんと掲げておかないと、ブレを指摘されることになるでしょう。嘉田氏の兼務批判を仕掛ける向きもありますが、原子力ムラに敵対する人間への風当たりと、小沢嫌いの動きが露骨に出ています。
それに負けないためには信念を曲げないことが大事です。民自公、それに維新まで原子力ムラとの対決から逃げてしまった。「小沢氏を使いこなせない人間に、官僚の統制などできない」と述べた矜持があるなら、「卒原発できなければ、日本の未来はない」というぐらいの気概をもって当たらないと、原子力ムラと真っ向から対決することは難しく、支持も集まらなくなるのでしょうね。

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2012年12月02日

維新への不安

中央自動車道の笹子トンネルで、崩落事故がおきました。まだ原因は分かりませんが、もっとも警戒すべきは、最近確認されている富士山周辺の異変と、これが連動しているかです。例えばつり天井を支えていた金具が、硫黄を含む地下水によって腐食した、そう想定できます。東日本大震災のような巨大地震は、必ず噴火をともなうともされますから、地下水の流れや岩盤の亀裂など、よほど注意しておかないと、従来とは違う変化があるのかもしれません。従来のように、外から目視するばかりでは安全が確認できない。震災後の点検は、よほど丁寧にやらなければ安全は確保できない、ということを、今回の事故は示しているのでしょうね。

今日も政治の討論番組などが活発で、そんな中、維新の橋下氏に違和感を生じます。維新は先ごろ公約を発表し、公約では原発政策を曖昧にし、政策実例集で『30年代にフェードアウト』と使います。橋下氏はこの理由について「使用済み燃料で自然に動かせなくなる」ことをフェードアウト理由とします。しかし政治の実行力次第では、再処理を行い、地下埋設処分とて可能でしょう。何も手を打たなければ自然消滅ですが、それはフェードアウトではなく、無作為による事業の停止です。
また「普天間の二の舞」と盛んに述べますが、政治は目標を立てるのが仕事です。目標をたて、それを実現するよう手を尽くす。仮に達成できなければ、問われるのは実行力や指導力です。橋下氏は暗に、原発は米国マターだから自分たちでは決められない、と述べているに過ぎません。混乱を嫌がるような政治家なら、決して官僚機構の打破、など成し遂げられないのであり「官僚に色々と聞いて、工程表を決めさせる…」というなら、官僚の都合いいシナリオになるのが見えています。

維新は最低賃金をやめ、所得保証をつける緩い形のベーシックインカムを模索しているようです。これに違和感があるのは、維新ブレーンの竹中氏は生粋の市場原理主義者。働いて得られる報酬は低く、競争原理が働かないのでは、労働意欲は涌かないでしょう。介護などの特定業種から、試験的に導入するのかもしれませんが、社会保障制度全般との兼ね合いでは、バラマキ批判も出そうです。小さな政府路線とベーシックインカムは必ずしも合致しないので、竹中氏なら小さな政府路線と見ていましたが、政党としての方向性も不明となり、そこには整合的な説明が必要なのでしょう。
そして石原氏が、首相候補は平沼氏、と述べた点も不可解です。難癖をつけたくありませんが、結局誰かに譲るから…と述べておいて、周りから推戴されて首相に就く、という環境整備をしているようにしか見えない。高齢批判をかわし、首相につくにはそれしかないからです。それなら代表の座は下りるべきで、代表でありながら首相は違う人がなる、さらに橋下氏の存在など、三重構造となってしまうので、維新そのものの物事の決め方に不透明感が強まってしまうのでしょう。

維新は「我々を信じて欲しい」という言い方をしますが、信じるにしては、様々な要因に首を傾げる点が多すぎる。無条件で委任状を預けるには、人柄でさえ信じられない。それは、人を攻撃することで存在感を増す、という性質をもつ党首が二人並ぶがゆえ、政策で衝突すれば割れると誰もが想像できてしまう点が、影響するのでしょう。政策実例集が、単に夢物語でこうなったらいいな、的な願望をまとめたものであることが、原発政策でも顕著に判明するのですから、尚更そうです。
「普天間の二の舞」どころか、維新が政権につくと「民主の二の舞」になるのではないか? その不安に応えることは、まだできていません。維新が、改革政党であるなら、少なくとも目標はきちんと据えないと、やる気がない、と見られるだけです。そうした点にもっと説明を咥えないと、それこそ新人議員ばかりが増えて不安なのに、さらに不安を増すことになりかねないのでしょうね。

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2012年12月01日

雑感。政治と金の話をいくつか

世界が、選挙絡みできな臭い動きがあります。北朝鮮が12月10〜22日の間に、長距離弾道ミサイルを撃つ、と発表しました。当然、19日に大統領選を控える韓国への圧力です。また16日衆院選の日本も視野に入れているでしょう。逆効果とも思えますが、軍幹部の更迭などをすすめた金正恩体制で、短期で効果的な軍事成果を求めたとき、韓国で延期され続けているロケット発射より、一足早く打ち上げに成功する。これは国威発揚と、今後の交渉にむけた瀬戸際外交継続を意味するのでしょう。
一方で、パレスチナが暫定のオブザーバー国家として、国連に認定されました。これでイスラエルが仕掛けていた攻撃は、今後は紛争扱いとなり、国連の介入がしやすくなる。イスラエルは反発し、入植拡大などを発表していますが、イスラエルも1月総選挙であり、強硬姿勢が選挙結果にどう反映されるか? 強気の方が選挙でも有利、という下馬評がこのオブザーバー国家の認定により、どう変化するかは予想がつきません。シリア情勢の混迷化とともに、中東にも目が離せません。

日本の選挙でも、きな臭い話を一つ。『議員も身を切る』と訴えている民主が、2011年度の繰越金が180億円以上に上ります。大金持ちの党が、貧乏な党に「一緒に身を切ろう」という、何とも傲慢な態度にも見え、当然資産のある方が今後、有利に働くのが自明ですから、何とも恰好のつかない事態です。さらに、今年を含めると230億円は優にあり、民主の金満体質は目に余るほどです。
お金にまつわる話では、自民・安倍総裁の国債を日銀に直接引き受けさせる話が、誤報かそうでないのか、という話があります。発言を確認すると「例えば建設国債を引き受けてもらう。買いオペなどをつかって…」と述べていますので、自民が反論としてつかっている「国債に色はない」という言葉を借りると、建設国債という色のついた国債が今後出てきて、それを日銀が買いオペする、というようにも聞こえます。つまりこれは、国債発行の仕組みを知らない安倍氏の舌足らずと、経済に疎い政治部記者の、相互の誤解によって生まれたものです。安倍氏はネガティブキャンペーンと捉えているようですが、素直に買いオペ枠の拡大…とでも言っておけば、混乱はしなかった。議員、それも総理をめざす政治家は、言葉を間違えただけで市場を混乱させる、よい教訓になったのでしょう。

そんな安倍氏は円安、株高を自らの成果、と述べますが、仮に投票日までに株価が元にもどったら、どう説明するつもりか? 今は海外勢、特に短期スジが仕掛けており、この層は12月SQまでには処分売りをだすとみられます。そして短期スジが活発となった要因の一つに、欧米で主張されるバーゼル靴留篦垢含まれる、とみています。自己資本比率を高め、質を向上させる規制がかかるこのバーゼル靴瞭各が延長されれば、金融機関はかなり助かる。そして余剰資金を運用に振り向ける余裕ができたのです。逆に、導入が決まれば一気に海外勢の資金が萎む可能性は否めないのでしょう。
そんな海外資金も、米国の『財政の崖』は協議がまとまらず、延長がコンセンサスですし、欧州のギリシャ支援も、財政改革を先送りし、決しています。2012年は政治が決めきれず、先送り、延長に終始した一年と総括できるのでしょう。そして日本も、総括として総選挙が行われます。財政の崖は、富裕層への徴税を強化するかどうかがカギですが、日本ではもっとも裕福な民主が「身を切る」と述べている。ならば、100億円ぐらい国庫に返納してもよいはずです。今の世界はもう一つ、富裕層が「身を切れない」現実に、国民はうんざりしているともいえるのです。米国の選挙結果がネジレたように、政治と金、その関係も選挙には大きく影響してくることになるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:07|PermalinkComments(6)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 経済