2013年10月

2013年10月31日

FOMC、日銀の金融政策

米メジャーリーグで、上原、田沢投手のいるボストン・レッドソックスがWSを制覇しました。とても喜ばしいことです。30後半になって守護神として一線で活躍するなど、すばらしいものです。
一方、昨日は川上哲治氏が逝去されました。晩年はテキサスの哲(ポテンヒットが多かったから)とも呼ばれましたが、最大の功であり罪でもあるのは、野球の権威づけに大なり小なり貢献したこと、でしょう。功はそれによりプロ野球人気をつくった、罪はそのことにより、データ、管理などを重視し、野球のダイナミクスを奪ってしまったことです。選手の査定にまで口をだし、V9を成し遂げたにも関わらず、史上初の1億円プレイヤーは他球団に譲るなど野球を矮小化し、非常に体制的であった、ともいえます。ただ、それがスモールベースボールの基礎となった、川上氏が残した足跡は大きいのでしょうね。

日米で中央銀行の金融政策決定会合が行われました。双方とも政策を維持し、サプライズはありませんでしたが、内容は大きく異なります。FOMCでは、経済は引き続き緩やかなペースで拡大…との文言がのりましたが、金利の上昇や不動産市場の一服、政府機関の閉鎖など、現状の景気認識においては、極めて正確に分析しています。その上でハト派的ではなかった、とされて行き過ぎた売買の巻きもどしになっていますが、新議長の就任を前にして、フリーハンドを残しているのであり、これは来年の1月、新議長や他の理事により政策の方向性が打ち出されるはずです。
一方で、問題が多いのは日銀です。来年度の成長率を1.5%に上方修正し、消費者物価も1.3%とし、再来年には2%の目標を崩していません。しかし、7-9月期のGDPは民間予測で1.5%と、4-6月期の3.8%から急落する見通しです。消費の鈍化と輸出の伸びの鈍さ、が影響しており、多大な公共工事がのってこの数字ですから、実は極めて悪いといえます。つまり安倍ノミクスは、すでに頓挫気味であり、それを日銀はまったく織り込んでいない、といった現状があります。

黒田総裁は、今後数ヶ月はインフレ率が伸び悩むことが、追加緩和の理由になるとしています。しかし見通しが高いのですから、本来は追加緩和を打たずとも、そうならねばいけません。つまり見通しが、政策効果によって達成される、と述べているのですから、これは異常です。逆にいえば、見通しと現状が合致しないとき、市場から追加緩和を催促されることになり、それに応えられないと失望される、といったことを来年はくり返すのでしょう。
しかも今回、経済見通しの変動要因として、雇用・所得動向を追加しました。賃上げの動向をより注視する、ということですが、金融政策による雇用・所得の改善は、FRBでさえ失敗を認識しつつあります。つまり改善状況が、非常に悪い形となっている。数値にあらわれない就職をあきらめた人数により、改善しているのであり、賃金も上がっていない。そんな中でバブルを起こしそうでもあり、テーパリングが議論されているのです。ただし、現状認識のしっかりできているFRB、それができずに目標ばかりが高い日銀、ということでみれば、より日銀の方が不安を残す内容といえるのでしょうね。



analyst_zaiya777 at 22:58|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 一般

2013年10月30日

日経平均が14500円のせ

みのもんた氏の次男が起訴猶予となりました。しかし非常に違和感があるのは、警察がそう判断した理由の中に「社会的制裁をうけて…」云々の記載があることです。高い地位にある人間が、犯罪をおこしたときに社会的制裁をうけるのは、むしろ自然なことです。何も警察が情状酌量の事情にする必要はない。これは弁護士の常套句ですが、それだと社会的に地位が高い人間と、制裁をうけるほどの地位のない人間との間で、刑罰に差が出てしまうという問題が生じてきます。
本来、社会的に地位の高い人間には、むしろ刑罰を重くするぐらいでも十分であり、それは生きるため、止むに止まれずにとった行動ではない、と情状酌量の余地のない点が重視されなければなりません。この「社会的制裁をうけ…」という文言を用いた時点で、警察は社会的正義を果たす組織ではない、と露呈していることになります。この事件は物証もあり、証言もそろい、起訴に何の障害もなかった。どうも、この判断の裏には上からの圧力があった、という匂いがしてしまいます。

米FOMCを前にして、円安がすすみました。ドルショートが溜まり過ぎ、イベント前に買い戻す動きがでているようです。日経平均も14500円に載せてきましたが、最近の動きは裁定買いで引け前に上げる動きが週初にかけてでて、それが週末が近づくとポジションを落とす、という動きにつながっています。長期投資ではなく、週単位でのトレードの増加、といった形なのでしょう。
今日は少し異なる動きがでてきました。新興市場から、大型株へのシフトが活発で、東証一部の売買代金が2兆円を大きく越えたこと、です。月末ドレッシングを先取りする動きが一部、含まれているとは見られますが、材料のない中ではやや異例です。これも米金融緩和縮小が、先送りされるという観測と同時に、円安がおこったことを好感するものなら、継続性もありそうですが、どうもそうした動きではないようです。三角もち合いを意図的に抜く動き、とも感じられません。

新興市場には個人投資家が多い、とされます。しかし今の投資資金は、行く当てを探して放浪しています。恐らく、外国人投資家がこっそり新興市場へ投資し、それをあるきっかけで売り、大型株へともどした動きが今日だったのではないか? そう考えています。きっかけは決算、来期への成長期待の剥落、といった面が強いのでしょう。結果的に、今の株高の脆さを示すものです。
しかも気になるのが、9月の米不動産市場がふたたび高い伸びを示したこと。これをみてFRBがバブル退治に動くなら、テーパリングは早まります。9月FOMCで大逆転した流れは、個人的には不動産市場の落ち着きにあったとみています。その前提が崩れれば、いくらイエレン氏でも、注視せざるを得なくなる。それが市場の変動要因となってきそうです。今は金融相場で、理屈が通用しにくいですが、大きな資金移動がおきるとき、市場が予想以上に変動することを覚悟しなければならない、そんな相場つきがしばらく続くのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:56|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

2013年10月29日

核廃棄物の処理施設の行方

東電が、国が肩代わりしている除染費用について、支払いを渋っている件について、環境省が延滞料を課す方針です。340億円に対して年利5%なので、月で1億円以上の負担が増える形です。これは、経産省が検討をはじめた除染費用の国費投入、という動きに対する環境省のカウンターであり、経産省の策動が成功すれば、これまでの、これからの除染費用免除という特典がつきかねません。しかし破綻もしていない企業に、年利つきで貸している費用まで、減免されるという形は困難です。最悪、環境省はこれまでの除染費用は徴収する、という姿勢を示したことになります。

小泉元総理と、社民党の吉田党首が会談しました。社民党は退潮する党勢を、小泉人気にあやかりたい。小泉氏は自ら動くことで、それが記事となり、脱原発の機運を高められる。そして、脱原発を唱えていると、講演の依頼も増えることになります。さらに、以前も指摘したように、子息である進次郎氏への深慮遠謀の援護射撃でもあるのでしょう。
一部で、米国のブッシュ前大統領との親密ぶりから、石油利権とも結びつけて語られますが、小泉氏は自然エネルギーと述べており、直近の発言からは石油利権と直接には結びつかないようです。米国との繋がりなら、安倍氏嫌いのオバマ政権の主張に沿う、という形の方が、今回の動きには説明がつき易い。ただ、その可能性はやはり低いでしょう。原発特許利権は米国が多く抱えており、それに反して動くことになります。小泉氏の主張にそこまでの深みは感じられません。

フィンランドのオンカロ廃棄物貯蔵施設が、高レベル廃棄物の唯一の処理施設となっています。新興国で新設される原発でも、処理まで一貫して計画されたものはなく、事業計画としてみると、どこも中途半端なまま、計画だけが推進されているかに見えます。しかし恐らく、この流れの先には開発途上国に対し、多額の補助金とともに核廃棄物を、世界から押し付ける計画が、裏にあるのではないか? と考えています。特に、アフリカなどで王族支配をする国では、住民の反対など関係なく、事業をすすめられます。またこうした国は国立公園が多く、それは動物の保護区になっています。その地下、数百メートルに埋めてしまえば、どこからの苦情もありません。
核廃棄物の世界的な協定をつくり、そこに参加する国が増えれば増えるほど、こうした動きを通し易くなる。米国もヤッカ・マウンテンへの処理施設建設を頓挫し、核廃棄物の処理には苦慮している。新興国での原発建設が決定されれば、こうした動きを加速してくるでしょう。今はその下準備期間であり、安倍政権は国内の原子力ムラのみならず、米国の期待を負って、世界にむけて原発建設を進めようとしているのです。そこに小泉氏がNOと言い出した。なので、安倍政権は小泉氏に強く反発している、ともいえます。国内の原子力ムラなら、宥め空かすことができても、米国相手ではそうもいきません。国内問題を一挙に解決する、核廃棄物を新興国へと押しつけてしまう計画、それが明らかになるとき、果たして世界はそれを喜ぶことができるのか? それを考えて今の動きを見ていく必要があるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 22:44|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 原子力 | 政治

2013年10月28日

国政選と地方選のミスマッチ

経産省が、東電の除染費用を国費に付回すよう、画策しています。これは、東電の破綻を回避し、経産省が東電と結んで利権を確保しようとする動きに他なりません。安倍政権では、こうした利権に対する動きに鈍感で、対策もせず、単に省庁間の争いに投げているふしがあります。一部閣僚も加わりますが、この闘争が終わった後、どちらかに利権がつくことになり、日本にとって何の益もありません。これが政治主導で、強い日本というスローガンを掲げる政権かと、首を傾げます。

川崎市長選で、自公民が相乗りした候補が、無所属新人の元県議に敗れました。地方選はまったく振るわない、最近の自民の選挙弱者ぶりを、俄かに露呈した形です。地方選は国政選とは異なり、注目度も低く、本来であれば組織票をもつ推薦候補が有利なはずです。しかしそうならない。30%そこそこの低投票率でも勝てないのですから、既成政党にとっては深刻な事態といえます。
支持母体としても、国政選挙に注力するあまり、選挙疲れという面は否めません。建設業などは、国からの大型の公共工事の受注を重視するあまり、地方選で機能していない面もあります。しかし最大の問題は、これだけの高い支持率を誇る安倍政権、自民の数字が本当にそうなのか? という根本的な問題に突き当たるのでしょう。曲りなりにも、政権支持率は60%越え、政党支持率も40%、つまり国民の半数以上が政権を支持し、自民にも半数近くが支持する中で、地方選に勝てないということは、本来ありえない、しかも自公民相乗りですから半分は支持したはずなのです。

地方には地方の事情もあります。ただし、支持率がダイレクトに反映されない。ちょっと事情が透けてきたのは、まず新聞の購読層が高齢化している、という事実があります。新聞を読むのは60代以上が中心ですから、世論調査をしても、読んでもいない、信頼してもいないメディアの世論調査に、積極的に協力することはありませんから、読んでいる高齢者の方が、協力することになります。
高齢者にとって、地元の行政サービスに頼る部分はあるとしても、多くは年金、介護、医療などの、いわゆる国政がダイレクトに自分たちの生活に直結してきます。国政選にはこうした高齢者も参加する。一方で、地方選は新聞も報じませんし、よく分からないし、出かけるのも億劫なので、参加しない。国政選の投票率が50%、地方選が30%という中で、この差が高齢者であり、そこが世論調査の支持率を支えているとするなら、この結果にもある程度納得ができるのでしょう。

つまり30%の国政、地方選挙に関心がある年代を問わない層、これが実は国民の支持示すのではないか? それは政党によらず、むしろ政党そのものが利権に見える。そこに依存している候補者では、地方の窮状を変えられない、これが国民の総意なのかもしれません。国政選と地方選とのミスマッチ、世論調査との乖離は、実は高齢者層の意見をどう扱うか? そしてそれがどう動くか? という差として考えるのが、より理解できる考え方なのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 22:33|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 地方

2013年10月27日

米経済の急ブレーキ

25日、日経平均が急落しました。理由は様々に語られますが、実は単純で、月曜に欧州CTAスジが、米雇用統計前のイベントドリブン型の大きな買いを入れました。通常、水曜には吐きだす売りを、金曜に行っただけのことです。それが、米金融緩和の長期化に伴う円安期待の剥落、終末の益だし売りと重なり、予想外の大幅な売りになった、というだけの話です。しかし、こうした株価の上下だけでなく、世界経済にはふたたび暗雲が漂い始めてきており、そこに不安があります。

一つは米国の金融規制強化策の検討です。バーゼル3より厳しい規制をかけ、米国債などの流動性の高い資産を買わせる。つまりこれは、FRBの金融緩和の終了と同時に、米国債の買い手として規制強化に伴う、金融機関への国債保有義務付け、という意味をもちます。しかしだからと言って、米国債が今後も、安泰な投資先であり続ける保証はありません。それは今回の政府機関のシャットダウンにも表れるように、米国の突然死に対応せざるを得ない、という宿命でもあり、蓄え過ぎたFRBの資産とともに、金融機関だけでは今後も増え続ける米国債をカバーし切れないのかもしれません。
それはこれまでの米国債の買い手だった、中国の変調とも重なります。これまでは高成長で、膨らみ続ける外貨準備として、米国債の保有を膨らませましたが、不動産バブルの影響から、今後は吐きだす方向でしょう。経済のパイがそれだけ縮むからですが、これは他の新興国も同様、成長が止まり、外貨準備に回す資金へ減らします。基軸通貨たるドルへの投資は今後、減る見込みです。

しかも米製造業の景況指数や、不動産価格の一服にみられるように、米経済に急ブレーキがかかった。QEを止めるだけで、これだけ経済の下押し圧力がかかる中、FRBの大量購入の受け皿に金融機関が当たればどうなるか? 民間投資は減り、それがさらに金融資産の減少をもたらし、益々経済のパイを減らさざるを得なくなる。つまり米経済はある日、突然死する可能性を強めているのです。
日本経済は、以前からとり上げているように、政策的に外需に期待する構図が鮮明です。しかも安倍ノミクスは、巨額なバラマキが伴うため、一見すると内需が堅調な一方、外需が取り込めていない。これが今の貿易赤字の構図です。原発停止で燃料輸入が…なんて、輸入される天然ガス、原油の3割しか燃料には回らない中、ナンセンスな議論です。根本は安倍ノミクスにより、国内の富が海外へと放出される形が今、定着しているだけです。そしてこれは消費税増税前の、駆け込み需要がつづく間は、米経済の変調、中国経済の不安とともに、外需が落ちこむ中で続くのでしょう。

さらに、日本では株式の優遇税制が廃止され、個人の売りが観測される点にも問題があります。来年はNISAがはじまりますが、当面それが株価を押し上げることはないでしょう。国会の予算委で、民主党の前原氏が政府、日銀に対して出口戦略を問いましたが、米国でさえ失敗しそうな今、政府、日銀に答えられるわけがありません。そして米FRBがQEを終了するタイミングで、そこにある危機が現実化することになる。だからといってQEをつづけると、FRBの資産の膨れ上がりにより、米経済はそれこそ突然死します。世界に覆いはじめた暗雲とは、QEを終了できない、といったジレンマに基づく、突然死への警戒といった側面、そんな恐れを強めているのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:37|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | アメリカ

2013年10月26日

韓国経済の問題について

AppleがiPadとMacBookの新製品を発表しました。これまで、最新のスペックを先取りする形で投入してきたAppleにしては、今回はやや意外感の強いものです。通信規格のIEEE80211acに、iPadは対応しませんでした。無線LAN対応より、戸外の通信を重視したのかもしれませんが、そうした割り切りはJobs体制のAppleにはなかったものです。マイナーチェンジの増加も、転換期にあるのかもしれません。
Appleには日本の部品が多い、とはいえ、利益率が高くないのはサプライヤー側の収益をみても明らかです。工場の稼働率を維持するため、量の多いAppleを注文をとる代わりに、安価で受注している。そのAppleが、かつての日本メーカーのような状況になりつつある。Apple製品がでると、未だに日本のメディアは大騒ぎですが、目をひくほどのものはなく、淋しさすら漂わすのでしょう。

韓国で少し気になる記事がありました。IMFの指針に基づくと、現在およそ500兆ウォン(約44兆円)とされていた借金が、1500兆ウォン(約138兆円)に膨れ上がる、とされるものです。韓国の名目GDPは1200兆ウォンに満たないぐらいですので、一気にGDPの100%オーバーと、欧州でも債務危機を起こした各国のレベルに近づいてきます。しかも韓国は対外純資産負債残高は、100兆ウォンを越える負債超過であり、また家計負債は1000兆ウォンにせまるレベルで、民間非金融法人の、金融負債額も2000兆ウォンを越え、金融資産額は1800兆ウォンなので、差し引き200兆ウォンの負債超過です。
しかも、企業の金融資産はすぐに換金できないものも多く、実態としてはもっと悪い。家計負債は、いわゆる住宅関連も多く一概には言えませんが、つまり韓国は国家負債が1500兆ウォンの負債、対外債務も100兆ウォン、家計負債が1000兆ウォン、企業も200兆ウォンの負債超過、という状態です。この数字は、破綻一歩手前というほどで、そこにきて景気対策をばんばん打つので、この増加が止まらない状況です。本当に、来年は韓国経済の破綻が伝えられるかもしれません。

韓国で日本叩きが異常なレベルなのも、国内の不満を逸らす術がそれしかないから、でしょう。韓国で、日本のアニメ『進撃の巨人』がヒットした、というのも、巨人は権力や圧制の象徴といった側面があるため、と伝えられます。つまりそれだけ格差社会であり、金とコネが重視される。財閥系の大企業依存症から脱け出せない、極めて歪な経済構造のゆえでもあるのでしょう。
日本の貿易統計をみても明白なように、外需はまったく振るわない。それは欧米でも薄日とはされますが、未だに高い失業率であり、消費はもどっていない。そこに来て、韓国企業は不祥事つづきで、米国市場での販売停滞を余儀なくされた。ダブルで苦境に陥っている。実は、韓国のトリプル債務問題は、国内では完治不能なほどであり、外需の回復を待つしかない。韓国が抱える不満、不安は破綻が確実視されるまで、日本へと向けられるのでしょう。それを考慮しつつ、推移を見守ることになるのですが、IMFも欧州への支援で手一杯な中、日本への波及を避けるよう、今から備えておくべき時期には来ているのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:50|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | アジア

2013年10月25日

特定秘密保護法案が閣議決定

米国による盗聴問題は、独国首相の携帯電話にまで及んでいた、と報じられます。敵性国のみならず、同盟国も含まれていた。これは衝撃的であり、互いの信頼関係にも影響してきます。ただ、日本はよく調査もせず盗聴はない、などと答弁しますが、むしろ盗聴されていることは暗黙の了解、といった認識なのかもしれません。青森にあるネット情報のチェック施設など、検出されるワードとして、政治家の電話、ネット接続などが該当するケースの方が多く、それを容認しているのですから、自然と情報漏れが常態化している、ということになるのでしょう。

特定秘密保護法案が、閣議決定されました。俗に、国民の知る権利が…という論調は他でやってもらうとして、まずこの法案は2+2における米軍との軍事オペレーション、その前提にあったことは間違いありません。作戦が日本側で洩れ、米兵が危険に晒されることは絶対に避けたい。軍事面では、例えば日本が敗戦濃厚となっても、それを洩らせば国民の団結心が崩れる、国益に反す、として報じた人間が罰せられる可能性が大です。それは戦前と同じで、情報統制が可能ということです。
秘密保護法案は、防衛、外交、特定有害活動、テロ活動、が対象とされます。このうち、特定有害活動はスパイのみならず、国家に反対を唱える人間に対し、『有害』と認定し、その行動を監視することも可能です。つまり、戦前の特高警察の再来を可能とします。自民党には戦前の、特高警察の流れを汲む議員もいますから、まさに本願とも云うべきものであり、衆参選挙で共産党が議席をのばした今、てぐすね引いて再建したいと考えている。それは表向き、警察内部に設立されるかもしれません。

しかも政府は、NHK経営委員会の委員に、保守系の強いメンバーを国会同意人事として提案しました。最近、原発に否定的な報道をくり返し、安倍政権の意に沿わないNHKも、委員が保守系になれば、そうした報道すら困難になる。NHK単なる国家の報道機関になる、という懸念が益々強まります。会長交代となれば、益々そうなるでしょう。民放もほとんどが安倍政権に靡き、予算委でゴルフのバンカーに喩えた安倍氏の発言を称賛するなど、首をかしげるものばかりです。バンカーでパターを使ってもでないが、我々はサンドウェッジをもって入った。上手くもないですし、意味が分かりません。
上手ならパターでもバンカーから出せるでしょうし、下手ならサンドウェッジでも出ません。安倍政権は、これまでと同じ古臭い公共工事型の内需刺激に、金融政策を合わせた、ニコイチを安倍ノミクスと称しているのですから、クラブを持ち替えたわけではありません。言うなら、自分たちはスコップをもってバンカーに入った。砂までかき出すつもりだ、という方が的を射ているでしょう。

情報統制により、世論誘導ができる権利を得る、それが特定秘密保護法案でしょう。今のように、メディアが総政権びいきに陥った中で、この特定秘密保護法案が加わって、磐石になる。そんな狙いもあるはずです。しかし新聞、テレビの信頼感が落ちている中で、メディアと政府が、ともに凋落していくことも想定できます。インテリジェンスを高めたつもりが、インスタビリティ(不安定さ)を増す、という事態も考えられ、知の欲求を制限することへの反動、という面も考えられるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:03|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2013年10月24日

雑感。危機時の対応について

フジテレビの「ほこ×たて」でヤラセがあり、放送自粛と伝わります。以前、ハッカーとセキュリティ会社の回でもトラブルが報じられており、そのときにきちんと対応していれば、起きなかった問題です。つまり単純な対決でない場合、公平で公正な条件が必要となり、そうなるとテレビ的に面白くなくなる恐れが強まる。ドキュメントなのに、フィクションが入り込むのは致命的です。
BPOで27時間テレビの頭蹴り問題が拡大するのを恐れ、「いいとも」終了をぶつけた、などと揶揄されますが、以前にも「海猿」の原作者とトラブルになったりと、顕著なモラルハザードが見受けられます。経営者は収益をあげる前に、危機管理が重要な仕事ですが、フジテレビは視聴率低下が著しく、経営の危機管理すらままならなくなっているようです。韓流押しの辺りから、上から現場へと意見を押しつける、嫌な流れも出ていましたが、今はそれが極まっているのでしょう。

危機管理、という面で対照的な二つの件を取り上げます。プロ野球千葉ロッテマリーンズの選手が、三鷹ストーカー殺人事件の被害者をTwitter上で揶揄した、とされる問題で、友人に管理を任せていた、と発表されました。第三者に自分の名をつかってTwitterをさせる時点で、これはアウトです。これが失言なら、謝罪し、例えばボランティアなどに尽くすなどして済んだ問題であり、逆に第三者へと責任を転嫁したことで、別の問題を起こしてしまいました。
一方で、元サッカー代表選手の前園氏が、酒に酔った上でタクシー運転手に暴行した件では、双方の対応がきちんとしていました。タクシー会社がだした声明も、殊更相手を非難するのではなく、前園氏も初めから謝罪し、素直に罪を認めて謝罪する方針を示した。これは双方が、危機がおきたときにどう対応するか、ということを弁え、それぞれが誠意をもってあたった結果であり、問題はすぐに収束し、双方はダメージをうけるどころか、好意的に受け止められるでしょう。

しかし政治の世界では事情が異なります。ウソをついても、罪を犯しても、謝罪をした時点で政治生命が終わる。致命的であればあるほど、対応しない方がマシ、との認識が先に立ちます。安倍首相がどんなに間違ったことを言っても、それをウソとは認めない。それとまったく似た構図が、昨今起こっています。阪急阪神ホテルズによる、食材偽装に関して、これは偽装ではなく誤表示だ、という主張の一点張りでした。まるで政治家のイイワケのようで、非常にいただけません。
危機のとき、どう振舞うかで、人や組織などの本質がみえてきます。イイワケ、誤魔化しと見抜かれれば、それは後に大きな打撃となります。認めることは認め、謝罪することは謝罪する、という態度が本来のあり方であるはずです。今の政治は、安倍政権の高い支持率によって、これまで危機にいたることは皆無でした。しかし7-9月期はほとんど成長していないのでは? という危惧もでてきて、これから本格的な危機を迎えるでしょう。安倍ノミクスが偽装か、誤表示か、という問題とともに、貫けないはずの盾に、何でも貫く矛という経済面でテッパンだと思われるところから、安倍政権には思わぬ打撃をうけることも、あるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 22:38|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 社会 | 一般

2013年10月23日

原発建設と原発再稼動の動き

汚染水の問題、安倍首相の発言が徐々に変わります。IOC総会では「完全にブロック」、16日の本会議では「全体として状況はコントロール」、22日の予算委では「モニタリングの結果、すべて基準値をはるかに下回る数値しかでていない。そういう意味で完全にブロック」となりました。しかし原規委員長の田中氏が、同じ予算委で「検出されている」と述べるなど、矛盾も露呈しています。
そもそも、外洋のモニタリングはしていませんし、一部でサンプル調査をしているだけのはずです。モニタリングは継続的な監視であり、もし外洋でそれをするならブイを浮かべ、計測した上で24時間監視する必要があります。恐らく安倍氏はサンプリングと間違えていると思われますが、これだけを見ても、安倍氏が内容をよく把握していないことがうかがえてしまいます。

英国で、新規の原発建設が決まりました。しかも、一部で中国企業が参加する見通しであり、寡聞にして中国の原発事情については分かりませんが、裏では安価な受注合戦があったものと見られます。太陽光パネル、製鉄、などの過剰設備と生産、それによって値崩れを起こし、結果的に産業としては衰退している中国で、原発輸出は一つの国策産業でもあるのでしょう。
しかし韓国で、全発電量のうち、原発の比率を40%台まで高める計画が、20%と現行水準のままとなったのは、偽装や性能不足により、原発の信頼性が著しく低下したためです。では、中国企業に信頼性があるか? は依然としてナゾです。トラブルがあっても隠してしまう国で、性能不足、試験結果の捏造などが起こりうる可能性を、十分に示唆するものです。残念ながら、日本の原子力ムラのみならず、アジアの原発産業への信用は、極めて低いと言わざるをえないのでしょう。

自民が、原発再稼動推進の方針をうちだし、原規委の対応を遅い、と批判しました。しかし元々原規委の設立時、政治、行政からの独立をもって、これまでの原子力行政の失敗を見直す、という趣旨があったはずです。しかし自民は、それも民主党政権時代のこととして、変えてしまうつもりかもしれません。自民とて原子力ムラの住民なのですから、しばらく選挙がないこの時期、態度を鮮明にしてくることは容易に想像できましたが、これも高い支持率で増長した結果かもしれません。
IAEAが、1mSvの除染を「現実的でない」として、見直すよう提言しました。IAEAも広義では原発推進です。各国の原発の査察が役目であり、逆に言えば原子力産業がなくなるなら不要な組織だからです。しかも、除染がある水準以下にはならないことも知っている。それは日本の東海村にあるアスファルト固化処理施設で、火災爆発事故を起こした後の実態をみても、明らかだからです。

新興国では、原発建設に前向きな国もあり、日本はその受注に務めています。しかしどこの国も、核のゴミをどうするか? という議論がないまま、単にクリーンエネルギーというだけで、推進しているように見えます。ある説では、地球は35年周期で、これから寒冷化するという話もあります。いつまでもCO2排出を目的とした議論から脱却できないと、それこそ世界中に処分できないゴミを抱え、もっとも弱い国に押し付けるということが現実味を帯びてくることもあり得るのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:36|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 原子力

2013年10月22日

米雇用統計と日本市場

米政府機関の閉鎖で、遅れていた9月米雇用統計は、14.8万人増と、予想の18万人に届きませんでした。8月の数値が上方修正されており、影響は軽微と見られますが、これから米政府機関の閉鎖の影響がでてきます。また、10月は集計期間がみじかく、11月の発表では正確な数値がでない、との見方もあり、その分の混乱はこれから織り込まなければなりません。閉鎖の影響で、GDPを0.3%押し下げる、などの見通しもでていますが、今後怖いのは、ふたたび政府機関の閉鎖、デフォルトがあるのでは? という意識が高まり、米経済のマインドが低下してしまうことなのでしょう。
米国では不動産価格の上昇にも、一服感があります。いずれくる金融緩和の縮小、FRBの懸念をうけて、金融機関も尻ごみし始めた。投資先に、と買う個人もそれほどは増えなかった。元々、賃金の伸びや経済成長をこえて、不動産価格が伸びているときはバブルに近く、春先の米国はそうした状況でした。ただ結局、その伸びが抑えられた途端、米経済は弱含み始めた、といえます。

日本市場では、週内にも15000円乗せ、などと威勢のいい話も聞こえます。東京市場に入ると、ぽんと円安に動くなど、今は円売りが活発で、一見すると株価も連動して高くなり易い、といえます。企業業績も上方修正され、PERでみても割安感が強まる、という話もあります。本当にそうなのか?
円売りポジションは大量に溜まっています。米緩和継続により、円売りを入れやすい地合ですが、みんながそう考えているときが危険です。大量に溜まったポジションは、キッカケ次第で急速に巻きもどされる懸念がある。また、この前ノーベル経済学賞をとったシラー教授がつくったシラーPERというものがあります。これは、長期の影響を考慮できる企業価値をあらわす指標ですが、これをみると買われ過ぎのサインが出ています。つまり今期は円安の特殊要因がのりますが、長期に亘って企業価値が底上げされた訳ではない。それをシラーPERは表しています。

それは9月貿易統計でも、強く現れています。未だに数量効果の伸びはなく、輸出においては3ヶ月ぶりに1.9%減でした。つまり7、8月は米がバブル気味で伸びた数量も、ここにきて息切れしているのです。そして、輸入も2ヶ月ぶりに2.2%減であり、俗に言われる原発再稼動がないから、輸入が増えた…ということでもありません。そしてもっとも大事なことは、リーマンショック前から輸入は4%減にも関わらず、輸出は18%減であることです。つまり世界経済の鈍化傾向を如実に映した数字であり、日本は世界がバブルにならないと、以前の経済規模にはもどらないことを示すのです。
安倍首相は、インフレになれば経済成長し…と述べますが、インフレと経済縮小が同時におこることは、夏ごろの新興国でも顕著にみられました。経済成長をするからのインフレであり、インフレを目指せば、必ず歪が溜まるのです。輸出企業ばかりをみて、経済政策を考える。内需は公共工事で…という手法で、インフレと経済成長が果たして両立するのか? 株価が上がれば資産効果が…とも述べますが、日本ではその比率がすこぶる低いのが現状です。むしろ、海外投資家が多い現状は、海外の富裕層を儲けさせ、日本の輸出品を買ってもらおう、という経路にしか思えません。それで、一体いつまでマインドを保てるかは、世界経済の行方にかかっている、ということなのでしょうね。

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2013年10月21日

解雇特区法案の後退

国会の予算委がはじまり、論戦がスタートします。原稿を事前に準備する代表質問では、本来誤った答弁はでないのですが、とり上げたように連合の統計資料を、安倍首相は誤認していた。この予算委は官僚が傍らについている場合もありますが、そこでトチると議事録にも残り、映像も使い回しされます。齟齬がいくつも見え始めてきた今、どんな答弁をするのかは、非常に重要です。

そんな中、問題視されていた解雇特区について、かなりトーンを落とした形の法案となりそうです。当初は解雇の要件、手続きを契約するときに決める、使用者有利の形が提案されていましたが、関連の裁判例を引く雇用ガイドラインを策定、それに基づいて雇用労働相談センターが助言する、いわば契約時に取り決めたら、それが絶対的に有利だったものから、裁判事例という一般的な類型にまで落とされた。これだと、実際に雇用契約時のトラブルで裁判にまで発展し、その事例が適用されるまでは有効であるか、企業としても分かり難い、となってしまいます。
つまり、いくらセンター側に可、と指摘されても裁判を起こされたら、判断が覆ってしまう可能性があります。法的に、特区では契約上のものが優位、とならないのなら、本来の労働、雇用に対するいくつもの法律が勝ってくるからです。未だに失業率が高く、使用側が圧倒的に有利な条件もありますから、雇用時に結ばれた契約が有効か? という問題もあります。凡そ、この問題は憲法にも認められた労働者の権利を、特区に限って蔑ろにする、というものでムリがあります。

一定の条件で労働時間の規制撤廃、という問題も同様で、これは削除される方向です。有期雇用から、一定の期間を経た後で無期雇用に転じなくてもいい、という項目にしても、企業の使い捨てを認めるようなもので、はっきり言えば、この特区で、この制度を活用する企業はすべて『ブラック企業』です。自民はブラック企業、と揶揄されるワタミの社長、渡辺美樹氏を参院で擁立したことで、ジタミ = ブラック政党と云われましたが、まさにそんな法律でした。
解雇特区法案は事実上、骨抜きにされましたが、例えば無期雇用への転換時期については改めて見直す、としています。しかし未だに期限が近づくと、解雇してしまうのが実態であり、有期雇用から無期雇用へと転換できた人がどれぐらいいたか、も明らかにしない内にやるべき議論とは思えません。国家戦略特区でも、議論から大臣を外すとしますが、官僚抜きで、民間議員のみで運営から法案策定までをすすめない限り、テッパン規制を外すことにはなりません。逆に官僚にとっては大臣が外れ、一手間かからず、直接意見がいえる場を提供されたに過ぎなくなります。

特区構想を、これまでは手を挙げた自治体に任せていたものから、トップダウンにすることを安倍政権は画策しています。しかしある日突然、働いていた職場が『解雇特区』となったら? 一旦解雇され、再契約を迫られるなどの弊害も出てくるでしょう。望みもしない特区、という押し付けがましさに、安倍政権のブラック政党的態度が、強く現れてしまっているのかもしれませんね。

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2013年10月20日

中国の7−9月期GDP

中国の7-9月期GDPが発表され、前年同期比7.8%増と、前期の7.5%を上回ってきました。しかし中身は深刻で、ふたたび公共投資の増、というすでに過剰設備が指摘される中での、異常な数字です。もし今の段階で、公共投資をするなら、そこにはシャドーバンキングのマネーが流入している懸念もあり、さらに地方政府が債務を拡大させているのかもしれません。実際、10%以上の高利を謳う債券が、工事がストップして紙くずになった、という話しも聞かれます。それを個人の問題、と切り捨てる地方政府もあるようですが、そうなると今度は消費が落ちていきます。個人の資金を吸い上げると、景気は鈍化していく、その傾向を、今回は単に誤魔化しただけなのでしょう。

しかし一方で、米FRBにイエレン氏が議長に指名されたことで、米金融緩和の縮小時期が先送りされる、という期待で新興国にふたたび資金がもどっています。これが一時の小康を生むかもしれません。ただし、以前ほどには新興国への投資が増えないでしょうし、ここで入るのは短期資金のみです。2、3年おいておける資金ではない。そうなると腰のすわった回復は難しいかもしれません。
中国の更なる不安は、北朝鮮です。未だに金正恩氏の訪中の成果がなく、関係は冷え込んでいます。原発再稼動など、未だに不穏な動きを見せる北朝鮮に対し、中朝国境付近で行われた中朝経済貿易文化観光博覧会における、国連安保理決議における制裁決議をうけた企業の出展、という問題にも中国は神経質に対応しました。習体制になり、未だに北朝鮮との友好関係の構築に、中国側が積極的になれず、一方で経済協力しなければ北朝鮮は破綻にむけて一直線です。そうなったときの損失を考えて、今は中国も突き放せないジレンマを抱えています。

しかし中国は不動産投資、公共投資偏重の経済成長から未だに脱却できないばかりか、そのバブルが弾けそうになると、改めてそれを増やす、といった矛盾を拡大させる政策をとり続けている。これでは北朝鮮が崩壊する前に、中国が崩壊してしまいそうです。北朝鮮は一部で市場開放をすすめましたが、未だに計画経済です。中国は大部分を市場開放した一方、計画経済の名残のように公共投資が残っています。この部分が大きな違いであり、中国の方が斜陽に入ってからは早い。一旦バブルが起きてしまったら、その沈静化に失敗すると、一気にマイナスに転換します。
中国の崩壊時期が延びているのは、決してよいことではありません。それは崩壊の程度が大きくなってしまうからです。しかしその前に、中国の個人がシャドーバンキングの閉鎖で、次々と自己破綻に陥っていくことで、社会不安の高まりの方が早いかもしれない。7-9月期GDPの復調は、むしろ悪い意味でしかなく、今後に不安を残したことになってしまうのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:47|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | アジア

2013年10月19日

安倍首相のうそ

安倍首相はバカなのか? 裸の王様なのか? という議論があります。まったく億尾にもださず、あからさまなウソを平気でつくからですが、本人がこれを誤り、と気づいてついているとしたら稀代のペテン師ですし、確信犯だとしたら大した度胸です。五輪招致におけるIOCで、汚染水を「under control」と述べた後、外洋での汚染確認や排水溝から排出基準以上の放射性物質が確認されても、未だにその誤りを認めていないところをみると、実は後者なのかもしれません。

国会の代表質問においても「連合の集計では、ベースアップを行う企業が5年ぶりに2桁」と述べましたが、これもウソでした。連合がだしたのはベアではなく、一時金などの対応であり、意味合いがまったく異なります。これを、連合を支持母体とする民主への反撃、と述べるところもありますが、実は自爆していた、と何とも笑えない話です。これは、安倍氏自身が直接資料を調べることはないでしょうから、調査した人間が間違えたのか、確信犯だったのでしょう。
ここに来て、財界から賃上げに前向き、なる報道もありますが、臨時国会中に復興特別法人税の見直しなどが審議されるのですから、協力姿勢を示すのは当然です。これが来年、情勢が変わった、などとして発言を後退させないか? という問題であり、実際に賃上げに結びつくかどうかは不明です。安倍氏は点検し、賃上げ状況については公表する、と述べていますが、何の権限があってそんなことをするのか? 本当に企業に賃上げさせたいなら、最低賃金の引き上げやサービス残業への罰則強化、などの政治的手法を駆使し、実質的な労働環境の改善につとめるべきでしょう。

さらに、賃上げを伴った良いインフレに…と安倍氏は述べているので、今は悪いインフレに向かっている、という認識はあるようです。本来、賃金の上昇や経済成長する、という期待があってインフレ予想が盛り上がるのならよいのですが、安倍ノミクスの1年間は円安による物価高に見舞われている。しかもマンション販売、契約をみても増税前の駆け込みであり、来年は需要が落ちるのが確実な状況です。ここで賃上げにできるのか? 来年は真価が問われることになります。
賃上げもされず、円安による物価高が襲うと、駆け込み需要の剥落とで、景気の落ち込みがひどくなります。そのとき、安倍ノミクスが壮大なウソ、ということになってしまうのでしょう。昨日、メディアの勧善懲悪ぶった態度を指摘しましたが、実はこうしたことが起こるのは、政府への追求ができない、その欲求不満が溜まっているとき、往々にして起こります。誰かの非を鳴らすことに悦楽を憶えた人間が、最高権力の追求ができず、小悪を捉えて、溜飲を下げているのです。

しかし来月、安倍氏が訪問する予定の、カンボジアの諺を引用しておきます。「ウソは易者に、泥棒は職人にある」 専門家なんて言っても信用しない方がいい、という類のものです。今はメディアも、専門家とよばれる人間でさえ、安倍氏を追及はしません。もし、安倍氏がペテン師でも、確信犯でもないのなら、裏でシナリオを描いているライターにより踊らされる、ただの道化師という可能性もあります。これだけのウソをつける人間は、カンボジアでももしかしたら易者よりも、職人よりも悪党である、という評価になってくるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:51|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2013年10月18日

雑感。最近のメディアの報道姿勢について

最近の、メディアの劣化を感じた記事をいくつか。まず昨日もとり上げた米債務上限問題で、議会の混乱を政治の劣化、としか報じない姿勢です。決して茶会系の動きを肯定はしませんが、これは米国の存立にも強く関わる問題です。茶会系が一定程度の勢力を保つ限り、政治に圧力をかけますし、そうした行動がまた支持を集めます。日本の常識で単なる政治闘争としてみると、この点を誤ってしまいます。オバマケアは米国民のアイデンティティさえ揺るがせた、ということです。

次に、従軍慰安婦に関する報道で、産経が突出して当時の調査が杜撰だった、と報じています。一方で、朝日はシンガポールなどの調査が不足している、としてあたかも韓国の調査は問題ない、という報じ方であり、他紙はベタ記事か、スルーです。他紙のスクープの後追いはしたくない、という意識以上に、敏感な問題にふれたくない、という弱腰の姿勢が見え隠れします。
一方で、靖国神社の秋季例大祭に安倍首相が真榊を奉納し、参拝しない件について、中韓への配慮と報じます。明らかにこれは中韓ではなく、米国への配慮です。最近、2+2交渉で来日した米高官が、千鳥が淵の戦没者墓苑にのみ参拝した。これが安倍氏への無言の圧力になりました。以前から、米国は靖国を外交問題の火種とし、苦言を呈してきた。安倍政権ではそれを覆すことができず、結果的に自費で供物を奉納、となっただけのことです。内政的には参拝した方が支持層に訴えられる。外交でも、これまでのあからさまな中国包囲網をみても、ここで靖国参拝のみ自重したとて、特にメリットはありません。門戸は開いている、と対中外交での安倍政権は『待ち』なのです。

三鷹ストーカー殺人事件も、メディアは警察が悪、として叩きますが、個人的にはあまり警察側の対応に問題を感じません。むしろ、被害者が帰宅した後で確認の連絡をするなど、かなり配慮の行き届いたものです。残念ながら、最悪の結末にはなってしまいましたが、警察とて万能ではなく、個人にかかりっきりになることも出来ない。その矛盾の中で警察を責めるのはコクです。
また台風で被害勧告ださず、甚大な被害となった大島町を責める姿勢にも、疑問を感じます。確かに、対応への問題は多々あります。しかしそれは、救出活動をする現段階で、責任者をTV出演させてまで、責めるべきものではありません。町議会や町長本人の意識として、問題があると確認されれば、メディアとして糾弾しない限り、改善できないという判断も働くでしょう。一義的に、TVにでて謝罪することではない。メディアが悪人を『仕立て』てはいけないのです。

福島第1原発で、排水溝の水から2.8万〜3.4万Bqの放射線が確認されています。この水は外洋に通じており、東電は排出基準以上だが、海にでれば希釈されるので問題ない、と述べます。しかしそれを言った途端、排出基準って何? と首を傾げてしまいます。大気も、海洋も、排出すれば希釈されるのは当たり前で、だからいい、というのは本末転倒です。しかしメディアはこの問題についてまったく追求しないばかりか、報じないところもあるなど、対応に疑問を感じます。
最近、メディアが自ら勧善懲悪の、善になろうとする悪を追求する、という態度の記事が目立ちます。しかしこれは逆に、メディアに懐疑的な目が向けられていることへの、反動の動きでもあるのでしょう。しかしそれが、無用な批判であったり、間違った批判であると、それは報道被害という新たな問題を生みます。善を装うモノほど悪である、というごく常識的な基準に当てはめるなら、メディアの悪徳ぶりは今、相当に強まってきたといえるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 22:44|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 メディア | 社会

2013年10月17日

米日の社会保障関連の動き

朝鮮総連中央本部を、モンゴル系投資会社のアバールリミテッドライアビリティカンパニーが、50億1千万円で落札しました。きな臭いのは、安倍首相の私邸で、モンゴル大統領と会うなど、どうやら日本政府、北朝鮮、モンゴルとの間に密約の匂いがすることです。北朝鮮の反応が伝わってきませんが、すぐに反発してこないのは、総連に貸借されることが事前に決まっているため、かもしれません。飯島ルートがこけ、外務省ルートになった途端、50億円をさしだして関心を買った。これを足がかりにして、拉致問題への話し合いに繋げる気なのかもしれません。売却の下限を二倍以上も上回ってまで、落札の意欲をみせたのも、そうした思惑をうかがわせます。

米国の債務上限問題が、期限ぎりぎりで先送りになりました。予算案が来年1月15日、債務上限問題は2月7日まで、期間限定の安泰をえた形です。しかしさらに中間選挙に近づいたため民主、共和、どちらも引くに引けなくなり、さらなる混乱が予想されます。オバマケアを巡る混乱は、支持基盤にもとづく理念闘争であり、自分のことは自分ですべきという、独立以来の思想にも関係します。有識者が、保険に入っていた方が医療費削減につながる、という計算では済みません。そんな主張が通るぐらいなら、個人の銃保有でさえ見直され、捨てられるはずだからです。
米国では必死に、米国債は安全、魅力的な投資先、という論調をくり返します。だから格付け変更に対して、敏感に反応するのですが、こんな政治闘争を繰り広げていれば、もう米国債を安定した投資先とは看做せません。事実、償還の早い債券はバーゲン状態となり、期間が短いものの方が安くなる、という状態になりました。4ヵ月後に、また同様のことをくり返すかもしれません。

しかし日本ではまったく逆の動きが起こっています。それは社会保障制度改革プログラム法案です。公助から自助へ、という流れの元、要支援の人を地方自治体の事業にする。要介護1、2の人も特養には入れないようにする。医療費もふくめて自己負担も上がる計画です。この計画通りならば、要支援、要介護の人のために、家人がついていなければならない場面が増えます。元々、介護分野は成長産業として、家人が行うものが産業とばれば、雇用にも好影響とされ、すすめられた経緯があります。しかし実態は、東南アジアからの介護職員の受け入れで何とか賄っているのが現状で、まったく制度的には失敗でした。さらに利用者が減少となるなら、益々産業としては苦しくなり、今後はサービスの質の低下、労働者のモチベーション低下を招きかねません。
さらに、医療費が高騰することでぎりぎりまで病院にかからず、かえって医療費がかかる場合すらある。オバマケアの議論と、まさに逆です。消費税増税分が、すべて社会保障費となる。しかも経済成長するなら、それで社会保障の伸びも、増税分で賄えるはずなのです。つまり財務省は、経済成長なんてしない、だから増税はあくまで不足分を埋めるだけ。自公は増税分をすべて社会保障費に使われてはたまらない、バラマキに使いたい、という魂胆がミエミエなのです。

かつては『良心』として、市場の下落により、経済から政治に圧力をかけることが往々にしてありました。しかし今はそれを先読みする短期スジにより、そうした『良心』は否定される傾向にあります。異次元緩和や、支持率によって誘導しようとする政治手法が増える昨今、心という大事なものを、どこかに忘れてきてしまったような気がするのは、日米とも同じなのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:49|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 経済

2013年10月16日

国会の新たな火種?

台風26号の爪痕が大きく残されています。伊豆大島の甚大な被害や、北海道は雪を招くなど、台風はあらゆる災厄を招きます。今後、警報の出し方などに、もう一度見直しが必要かもしれません。火山灰地は地すべりなども多く、日本のような火山国では、どうしても警戒しなければなりません。
少し心配なのが、今年の予備費にどれほどの残りがあるか? です。今年は大雨の被害が多く、予備費の積み残しも少なくなっているはずです。さらに来年の経済対策に、今年の税収増分を当てるなど、如何にも政府に予算が残っていないように見えます。大雪の備えも必要でしょうし、予備費が不足すれば、赤字国債で賄わなければなりません。そうした計画性が、安倍政権できちんとできているか? 今の大盤振る舞いを見るにつけ、予算の使途に不安を感じてしまいます。

今国会で、新たな火種になりそうなのが、河野談話の根拠となった16人のヒアリング調査が、杜撰だったという件です。韓国では40人余りにヒアリングし、信頼性の低い証言をきって、19人分の証言を採用していた。日本はその切り捨てられた20人超の中の16人からのものであり、氏名、年齢などの本来であれば、もっとも重要な部分でさえ曖昧、と報じられています。つまりこれが事実なら、日本のヒアリング調査における結果とは、慰安婦を認めるには値しない内容であったにも関わらず、河野談話によってお詫びした、ということになってしまいます。
しかし問題なのは、慰安婦の存在はすでに世界に広く知れ渡っており、この見直しには相当の外交圧力がある点です。米国では最近、女性の権利という問題に敏感です。広義ではイエレン氏のFRB議長選出においても、女性の権利向上といった側面があります。安倍氏による昨日の所信表明でも、女性の活用といったことを謳っており、女性の地位を低く貶めていることは、国際的な圧力をうけるのです。そこに来て、慰安婦を日本政府は確認していない、として河野談話を見直せば、世界から総スカンを食いかねません。それは女性を貶める、という認識になってしまうからです。

社民党の党首に、吉田忠智参院議長が選出されました。社民党にとって不幸なのは、慰安婦裁判で名を馳せた福島前党首が交代し、代表質問も行えない。つまりこれまでの党の態度からも、左派政党としても、慰安婦問題への対応で、政府のいい加減さを追求する先鋒に立てたはずなのに、そうなっていないことです。時宜を得ない、退潮する政党は、こういうものかもしれません。
仏国のある評論家の言葉に『ケンカは、始めは理由が相手だが、やがて人が相手になる』と述べています。しかし慰安婦の論争とは、本来の理由からして誤りが見つかった。事実ではなく、政治判断が重要だった、と当時のことを語っていますが、事実が後に判明したときに、こうした大きな問題へと発展する。だからこそ、事実に基づいて行動することが政治には求められます。人ばかり見て、事実や理由から日本人は目を背けがちですが、国際社会の中で、事実をもってすることの大事さを、今後も痛感する場面が出てくるのかもしれませんね。

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2013年10月15日

安倍首相の所信表明演説

やっと国会が開会します。53日間という会期は、重要法案の審議日程を考慮すると、ぎりぎりであり、数で押し切る気満々の与党、与党に協力する気満々の維新、まとまり切れない野党、という構図の中で、一体どんな国会になるのか? さらに汚染水問題を追及する気などさらさらないメディアが、安倍政権に阿諛追従する中で、世論の動向を含めて今国会の動きは、今後の政局をふくめて重要です。

安倍首相の所信表明演説が行われました。いきなり『三本の矢』にふれ、景気回復の実感が全国津々浦々まで届いていない、と認めました。この時点で、昨年末からの主張が、すでにウソになっているのですが、個別のところで「政・労・使の連携を深める」として、賃上げ促進を謳い上げます。しかし、これは明らかに政治の権力の逸脱であり、全体主義の傾向を強める安倍政権ならでは、の主張です。政治が労使間交渉に口を出す、社会主義国家のようであり、極めて異例です。
しかも「世界が日本の復活に注目」としますが、明らかに春先と異なり、今は海外勢も様子見を強めています。売買代金は2兆円割れですし、買越し基調も崩れている。すべては成長戦略への失望と、消費税増税に伴う減退を意識したものです。来年は剥落する円安効果も、企業業績に期待しにくい部分であり、2期連続の3%成長に達した、と自慢げに述べられても、その間のバラマキ額は補正予算でGDPの2%程度、日銀の異次元緩和を加えると、実はこの数字も一過性のものでしかありません。

安倍政権ではデフレを悪、とする論調が強く、所信表明もそれに彩られます。しかし元々デフレ基調をつくったのは、小泉政権の労働制度改革から始まります。非正規の拡大によって賃金デフレを起こし、消費のパイが減少した。これはグローバル競争の中で、政治がめざした方向だったはずです。しかし安倍政権では、そこに手当てするのではなく、剰え国家戦略特区をトップダウンで実施し、解雇特区とも揶揄される労働市場をさらに悪化させようとしている。インフレになればお金を使うようになる…という論調は、お金がある人間がすることで、お金がない人間が益々増えていく中で、消費のパイはさらに減る。消費が減退すれば、企業は設備投資もせず、益々資金を蓄えるか、企業買収競争という不毛な戦いへと突入する懸念はまったく消えない、といえます。
しかも、批判を心得ているのか、「成長戦略のこれまでとの違いは、実行が伴うかどうか」と述べました。しかし実行されても大して影響がない、と思われているから、今の段階では海外勢が様子見なのです。実行ではなく、そもそもの成長戦略の練り直し、が本来は必要なのです。しかも、社会保障改革も、財政再建も、経済を強くすれば何とかなる、というようにしか聞こえなかった。明治の頃の「心志あれば、必ず便宜あり」をひいて、明治の頃の大胆な改革に準えましたが、今のところ安倍政権では給付カットによる改善、という方向性しか示していないのが現状です。

安倍政権は大きなジレンマを抱えます。安全保障、改憲など、やりたい政策をはじめると国会はそれ一色となり、具体的な個別の政策には対応できない。だからこそ、本当は困難な社会保障改革や、労働市場の改善などを先に片付けなければいけないのですが、どうやらそうした発想もないようです。それを数の横暴で封じていくのなら、それこそナチスの手法に学べ、という麻生財務相の言葉が重なってくるのかもしれませんね。

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2013年10月12日

小泉元首相の脱原発発言

一昨日、東電がついに港湾外の海水から、1.4Bqの放射性セシウムを検出、と発表しました。沖合い約1kmと近いですが、希釈された上でのことですし、またセシウム以外の放射性物質も含まれるため、薄くとも重大な問題です。潮溜まりのような場所ではさらに濃度が上がっている可能性、また海底に沈殿している可能性、等をふくめて広範な調査が必要になっています。
政府がやっと周辺海域の水質調査について、IAEAを含めた取り組み、に言及しました。しかしIAEAの調査、といったとてIAEAに調査用の人員はおらず、日本側のだしたデータを精査するぐらいで終わる恐れもある。東電と切り離した民間の調査機関が、IAEAの指示に基づいて行う、という仕組みづくりも必要でしょう。大メディアが誘導までして世論調査の結果を捏造する昨今、東電のような破綻寸前の企業が、調査を適当にやって、安全ですという不安は尽きないのですから。

小泉元首相が、脱原発についての行動を強めていることで、一部週刊誌では袋叩きの様相を呈しています。日本をダメにした政治家、とまで罵倒し、小泉政権の残党を多く用いて当時より人気もある、安倍政権に嫉妬しているのでは? との見方まで示します。しかしすでに政界を引退し、支持率の多寡で嫉妬するほど、小泉氏は軽薄な人物ではありません。首相になる以前から、政界では珍しく軽率に発言せず、歯に衣着せない物言いをしていたことで、首相にまで上り詰めた人物です。その小泉氏がとった首相時代の政策には、問題のあるものも多かった。そんな小泉政権の5年半を、安倍政権は短縮して突っ走っているだけで、嫉妬とはほど遠いはずです。
小泉氏は核廃棄物の海外視察の後、脱原発なら支持が集まる、として原発ゼロを声高に主張しはじめた、とされます。恐らく小泉氏は、息子の進次郎氏が首相になるのは存外早い、とみて今から援護射撃を打ち始めた、とみています。先にも記したように、安倍政権は短距離走のように、矢継ぎ早に小泉政権時代の手法を真似、突っ走っています。息切れするのも早い。そして安倍政権が失脚した後には、安倍政権を否定する形でないと、国民の支持が得られない。しかし安倍氏の行っていることは保守本流そのものであり、自民内での多数派です。安倍政権否定は、直接自民政治の否定につながりかねず、それでは党内をまとめることが難しい。しかし安倍氏の進める原発推進だけは、自民内でも反対派がいる。国民の支持も高い。脱原発なら、安倍政権が失脚して混乱した国、党をまとめあげて進次郎首相の誕生への最短コースとなるのです。

しかしそれは、別の意味で財務省派の小泉氏が、原発推進路線の経産省派の安倍氏との対立軸をもった、ということでもあります。だから経産省側が、ここで小泉氏をつぶさないと脱原発政権の誕生になる、と早くも潰しにかかった。それがここ最近の、週刊誌の報道なのでしょう。
脱原発は票になる、その嗅覚の鋭さは、政治家なら誰でも思うことです。それを思惑通りに、進次郎氏の援護射撃とできるか? 今回はメディアの協力が得られそうもなく、バッシングが増えることは覚悟しているでしょう。しかし政界を引退した後の、悠々自適だからこそとれる行動でもあり、その成否については、今後の政局や社会情勢次第、ということにもなってくるのでしょうね。

明日、明後日はお休みしたいと思います。

analyst_zaiya777 at 22:50|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 原子力

2013年10月11日

米国のFRB次期議長指名と債務上限問題

日本の株式市場が、4連騰してきました。14000円割れの水準では、日系の先物買いが目立ち、その強い抵抗にあって切り返したこと。及びイエレン・ラリー、米債務上限問題に道筋が見えてきたこと、などが材料視されています。その米国は材料もりだくさんです。
FRBの次期議長として指名されたイエレン氏は現在の副議長、しかも女性ということで、異例づくしです。メディアの協力により、レイムダック化を防げているとは言え、こうした異例の人事というのは、強い政権基盤の下でしか、中々通せるものではありません。特にハト派と看做され、新自由主義が多い共和党としては、これだけ異例の緩和をさらに継続させるようなイエレン氏は、天敵に相当します。しかし女性の社会進出を否定すれば、国民に不人気となりつつある今の共和党にとって、来年の中間選挙で致命傷になりかねない。議会で、徹底的にハト派の意見をつぶし、それをもって承認する形が妥協点とみられます。しかし今の米国、そうはならない可能性が高い。

予算案も、債務上限問題も、どちらもネックはオバマケアです。オバマ氏は脅しに屈しない、として交渉もしない強硬路線です。その頑なな態度から、共和党も態度を硬化し、妥協点さえ探れない。これはFRB次期議長の選出も同様で、これは上院マターであるため、ほぼ共和党は口を挟めない事案です。オバマ氏はそのまま押し切ってしまうでしょう。そうでないと、サマーズ氏の指名に失敗した、その失点をとりもどせない。強い指導者というイメージに拘っているのです。
ではオバマ氏のこれほどの頑なさは、どこから来ているのか? それは暗殺への怯え、なのだと考えています。就任前から、二期目の暗殺が噂されていたオバマ氏、国民の人気も高く、演説もうまい。その姿はケネディ元大統領に重なります。日本の大使にケネディ氏の娘をあてたのも、何かの因果か。来年の中間選挙を過ぎると、大統領選の機運が盛り上がり始めるため、それまでのここ一年が、タイミングとしては最適です。今の流れは着実に『急進的なティーパーティーの人間によって、オバマ大統領が襲撃される』というシナリオに向かって、すすんでいるようにみえます。

麻生財務相や、甘利経再担当相が、米債務上限問題でかなり強気な、米国を非難する発言をしています。恐らくこれも、今の冷たいオバマ政権への恨み節が雑じるのでしょう。米国のお気に召すよう、追従しているのにつれない態度。麻生氏はナチス発言以来、米国からの援護射撃は期待できない身分ですので、安倍氏がいうと角が立つことを、あえて言う立場にはあるようです。
日本の株価は公的資金なのか、何か分からない資金によって、下支えもされます。イエレン氏の登場により、1年は先送りされたとされる金融緩和の解除。しかしアジア株と、日本株のシーソーのような現状は、決して今の経済が安泰ではないことを示しています。米国は都合の悪い人物を、暗殺によって消してきた、負の歴史を抱える国です。今回も、オバマ氏が米国にとって都合が悪くなると、世界にとっての不都合なことが、より大きくなってしまうのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 22:41|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 アメリカ | 経済

2013年10月10日

TPP交渉と政局

アジア太平洋経済協力会議(APEC)、東南アジア諸国連合(ASEAN)の会議と、それに続くTPP交渉が、ブルネイで行われました。中韓との首脳会談が、何やら重大事のように報じられますが、重要なのはそこではありません。オバマ米大統領の不在で、TPP交渉の年内の大筋合意、の文言は見送られましたが、具体的な交渉の中身が依然として不明である点です。一方で、自民は重要5品目を関税撤廃したときの影響について検討をはじめる、と交渉開始にあわせるタイミングで報じられましたが、実はこの報道自体、何やらきな臭いものを感じます。
安倍首相は「国益を最大限守っていく」と述べますが、国益を守る気なら、年内の大筋合意にこだわるほど、交渉を急ぐ必要はありません。むしろ7月の交渉参加、事前に多少のレクチャーはあったとしても、わずか3ヶ月でこれだけ広範な交渉を、合意できるほど内容が精査できるはずもありません。つまりこれは、TPP交渉を政局化したくない、3年後の統一選までずるずる引きずりたくない、だから焦って年内に合意したかった、という党益を最大化したいとの意思の表れでもあります。

その上でさらに、重要5品目の関税撤廃、という問題に国民の目を逸らせたかった。これをうけ、農業団体などの反発は必至でしょう。農業団体の支援をうける議員が、造反する恐れすらあるかもしれない。それでもこの問題に注目させれば、その他の重要な項目で非常に不利な条件があったとしても、国民に知られることなく通過できる。それは医療なのか、著作権などのソフト分野なのか、いずれにしろ農業分野で国論を二分させることが、今回の狙いでもあるのでしょう。
某紙に、野田前首相のインタビュー記事が、ほぼ一面つかって報じられました。安倍政権を準備した、という自画自賛も交えたもので、民主党内では近自民系による野田再任の動きが強まっている、とされます。こうした報道が立て続けに並んだのも、民主内の近自民系は農業団体の強い地盤ではなく、都市型の選挙区が多い。そこで、多少の自民内の造反があっても、TPPを議会でスムーズに合意させるためには、この近自民系を活用する必要があり、メディアがこぞって復権の動きをみせた。再任に至らずとも、党議拘束をやぶってでも賛成し、後は自民が拾ってくれる、との算段もあるのかもしれません。つまり公明を切り、憲法改正にむけた下準備を双方、メディアも協力して始めたと見ています。それがここ数日で出てきた、一連の流れから推測されるのです。

TPPは、合意しても各国の議会で批准されなければならない、国際的な条約となります。日本では信を失うのか、という報道が連日連夜ならぶのでしょう。それは今の米債務上限問題と同じです。反対する人間は、その理由の如何に関わらず、ネガティブに扱われてしまう。日本は報道に流され易く、さらに決まれば素直に受け入れてしまう民族性もあって、その流れをつくればトラブルなく通せます。
しかし各国は異なります。恐らく、TPP交渉は各国の思惑をはずれ、米経済の囲い込みという側面を強くしているため、半分も議会を通過できないのかもしれません。TPPに含まれる不都合な真実、それをどこかの国がすっぱ抜き、交渉自体が頓挫するのが先か? 日本のようにやたら年内合意を焦ってきた、早期合意派が押し切るのが先か? そして日本国内の政局をふくめ、新たな動きが出てくる予兆がはじまっている、ということに今はなっているのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:41|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2013年10月09日

東京高裁による裁判員裁判の否定

東京三鷹市でストーカー殺人事件がおきました。警察の対応について、被害者に警察から連絡するなど、軽率だったのではないか? との話もありますが、ストーカー規正法といっても、被害者の意向を無視して強制的な措置はとれません。恐らく、被害者が女優志望だったこともあり、コトを荒立てたくない、という思いがあり、相談して警告を与えるという話だったのでしょう。
これは被害者側が、警察の対応が自分たちと違った、という話でもでない限り、軽軽に警察の対応について疑問視するのは、ちょっといき過ぎです。警察は不祥事つづきですが、何でもかんでも批判するのではなく、冷静に双方の話を待つ必要があります。一方で、昨今のSNSや無料通話サービスなどで、よく知らない相手と付き合うというパターンも目立ちますが、それは犯罪に巻きこまれる危険性が、極めて高いものです。ネット犯罪もそうですが、ネット二次犯罪にも留意が必要です。

東京高裁で、千葉大学の女子学生を殺害した事件で、千葉地裁の裁判員裁判で死刑判決が破棄され、無期懲役に替わりました。これは非常に重大な問題があり、こうした判決がつづくなら、コストと手間と負担を鑑みても、裁判員裁判などやめるべきといえます。司法が一般の感覚と乖離しているのでは? との問題意識から、一般人参加の裁判員裁判がはじまったのに、職業裁判官がこれまでの常識を当てはめ、民間の判断を否定するのですから、尚更もって罪深いといえます。
つまり一般では、こんな凶悪犯罪をした人間は、殺害したのが1人だろうと、計画性がなかろうと、死刑にしても已むを得ない、と判断したのです。これは永山基準の否定です。ナゼか職業裁判官は、この永山基準からの逸脱を嫌がります。それは自らの判断を含めてしまうと、責任や遺恨といった自らと向き合う必要がでてくるため、です。結果的に、システマチックである分、責任からは回避される。ここに『職業』裁判官の、職業的な意識が見え隠れしています。

例えば今回の三鷹の事件も、1人しか殺害していないので死刑は回避されるのかもしれません。しかしストーカーをする人間は、愛情飢餓による執着、といった精神的な問題が見受けられます。日本ではこれまで、それを罪を軽減する材料としてきましたが、そうではないのです。そうした人間が、数年の間、刑務所にいたという実績だけで社会復帰させるのは危険だ、ということです。つまり罪は罪として罰し、刑務所に収監された後で、きちんと治療、処置を施して社会復帰させなければ、また同じ罪を犯す恐れがまったく消えていない、ということになるのです。
未だに心神耗弱で、無罪を主張する弁護士がいますが、心神耗弱になったら罪を犯してしまうような人間を、野放しにしてはいけない、ということでもあります。心療内科では薬物治療への依存、という問題が語られることもありますが、もっと刑務所内でのそうした治療を、積極的に行ってもよいのでしょう。行政には新たな負担もかかりますが、社会復帰した後、再犯することで逸失する大きさを考えたら、必要経費の範囲だと思われます。司法では永山基準が、一般の意識と乖離している問題とともに、改革が必要なことを今回も改めて感じさせた、ということなのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:31|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 司法 | 社会

2013年10月08日

世界経済の成長鈍化見通し

9月景気ウォッチャー調査が発表され、6ヶ月ぶりに上昇しました。つまり安倍ノミクス相場が始まって以来、ほぼ下げ続けてきたこの、景気をもっとも反映すると言われる指標はずっと悪化していたのです。しかし中身は非常に懸念されるものです。消費税増税でも、9月末までに契約すると、5%のままとなる影響がみられ、建設業が活況。自動車関連も人気車種だと2〜3ヶ月待ち、ということもあって、年度内の引渡しを前提に製造、販売が活況と、いわゆる消費税増税前の駆け込み需要で、大分押し上げられた側面があります。さらにこの調査期間は、まさに東京五輪決定で盛り上がっていた時期であり、株価も一段高という局面が、マインドを好転させた面は否めません。

そんな株価も、五輪決定前の水準まで下落しています。米国の債務上限問題が主因であることは間違いありませんが、もう一つ浮上してきたのが、来年の世界経済の見通しです。遅かれ早かれ、米FRBは金融緩和縮小に向かう。これが新興国を相当程度に冷え込ませることは、ここまでのシミュレーションで明らかです。また日本が消費税増税に向かう。今年の内需は駆け込み需要で堅調でも、来年以降はその反動減と、マインド低下が直撃する。新興国、先進国も総じて低調となるのです。
この予測が外れるかもしれない、一つの要因は欧米でふたたび始まった不動産バブルの兆候です。日本も五輪特需と、公共工事のバラマキで建設業はしばらく好調ですが、来年は駆け込み需要の剥落もあって、バブル化は抑制されそうですが、いずれにしろバブルは波及するので、欧米経済がこれで押し上げられると、小康も得られるでしょう。ただしそれは問題の先送りに過ぎません。

アジア太平洋経済協力会議(APEC)が開かれ、その宣言で「世界の成長は弱すぎ、リスクも依然下向き、経済見通しは想定よりも成長が鈍化」する可能性に言及しています。日本にいると、メディアがやけに景気の気を上げるため、好調であるかのように報じ、政府も指標が悪化しても上方修正をつづけるなどしているため分かり難いですが、世界経済は明らかに変調してしまっているのです。
8月国際収支も発表されましたが、貿易収支の赤字が拡大しており、8859億円で8月としては過去最大となりました。これは法人企業統計とも合致し、4-6月期の経常利益は前年比24%増ですが、売上高は前年比0.5%減。つまり数量効果はまったく出ておらず、企業はコストカットで経常利益を拡大させる構図が、より鮮明なのです。これでは賃上げなどに向かわないことが明らかで、一方で企業の現金・預金は6.9%増。益々企業が内部留保として溜めこんでいるのであり、この流れに沿うよう日本は法人には減税、個人には増税、なのですから景気に期待できないのは当然です。

もし賃上げをすれば、売上高が下がる中で、経常利益も下がる。株価も当然、それにあわせて下がってくる。だから今、半年先をみる株価が低調になってきたのです。株価が下がれば、安倍ノミクスへの評価も下がる。法人税減税と、消費税増税という政策にふみだそうとする安倍政権、時限爆弾を自らセットした一方で、世界経済へも悪影響を与える恐れがでてきて、Buy my Abenomicsが空虚になりつつある、ということを自覚するのも存外早くなってきたのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 22:53|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 一般

2013年10月07日

各社の世論調査と強要

しまむらの従業員に土下座させた女性が、逮捕されました。これは今後、悪質な投稿が増えることへの警告、という意味もあるのでしょう。冷凍庫に入ったり、食品を粗雑に扱ったりして、営業停止においこまれる店舗も多いですが、残念ながらこれらの投稿を行った従業員には法的措置が困難な面があります。店と従業員との関係、教育のあり方などは問われ、民事での賠償請求は覚悟しなければなりませんが、それ自体を問う罪は見当たらないためです。しかしこの土下座事件は、拡散して同様の行為をとる人間が増えると、営業妨害という問題をはらみます。モンスターコンシューマーの量産、という事態を未然に防ぐためには、一罰百戒の態度を警察も示す必要があったのでしょう。今は強要ですが、不当要求が増えれば企業活動にも影響します。

各社の世論調査がでました。最近のこの数字は、メディアによる通信簿、にみえてなりません。消費税の8%増税に過半数が賛成、と各社も並びますが、如何に自分たちが報道した結果、国民を誘導できたか、それを示す数値ということです。官僚は、メディアに対して記事のレクチャーや夜討ち、朝掛けと称する質疑において、自分たちの意図するよう記事を書かせるかで出世にも影響する、とされます。つまり省益に適うような記事を増やすことが評価されるのです。逆に、メディアの側は官僚の意図するような記事を書き、それで国民をこれだけ欺けた、という結果を示すには、この世論調査はすこぶる都合がいいのです。それを官僚に示し、更なる情報を得るためのツールになっているのではないか? そんな憶測まで抱くほど、今の数字には違和感があります。
そんな中、違和感のない数少ない数字が景気回復の実感、です。実感がない、は10%台で各社横並び。もう一つが、法人減税で賃金は増えない、が優位である点です。しかしこれと対をなすのが安倍内閣で景気回復をする、が優位である点です。つまりこの結果からすると、企業は儲けるけれど国民への恩恵は少ない、と国民は判断しているはずですが、それでも安倍内閣の支持が高い。これだと国民は不幸になるのが分かった上で、安倍政権を支持している、という構図になってしまいます。

日本では長らく『決められない政治』を、悪と決めつける風潮がありました。安倍政権は決めている、という評価があるのかもしれませんが、安倍政権が行っているのは、官僚や財界が『決めて欲しかった政治』です。消費税増税も、企業優遇も、国民にとって何も望ましいことではない。それでも『世論調査』が、その政治姿勢を支持してしまうと、政治が大きな誤解の下ですすむ恐れが否めません。
一部で、茂木経産相が中心となって、企業へ賃上げ行脚を行う、と報じられています。しかも収益を上げても賃上げしない企業は、公表する、とも。悪いジョークとしか思えませんが、企業は何の法律にも違反していませんし、問題のある行動をとったわけでもない。それなのに、政府からブラック企業のレッテルを貼られ、世に晒されるのです。しかも欠損の繰越金があれば、賃上げできる状況ではない、と正当化されるため、この処置は毎年収益をあげる健全な企業が、ある年に儲かって、賃上げの額が少なかっただけで標的にされてしまうものです。そんな国からは、企業が益々逃げ出していくでしょう。政治が賃上げを『強要』し、それに従わなければ公表、投稿という営業妨害に等しい行動をとる。今は誰がモンスターなのか? この記事が事実なら、それを如実に示しているといえるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:38|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2013年10月05日

雑感。金融関係の事件について

福島第一原発ではまた汚染水漏れがおきています。タンクが傾いていた、という理由に更なる問題を感じます。それは他のタンクでも、傾いている場合は水位計の数値よりぎりぎりである可能性があり、大きな地震が来たら洩れることもあるためです。それ以上に、傾きが地盤沈下なら今後も大きくなることが想定され、その度に洩れる恐れもある。98%までタンク内に水が入っている、という状況は異例であり、水漏れリスクとの狭間にあります。今後もこの問題は続くかもしれません。

金融機関による事件が重なっています。みずほ銀行の暴力団への融資、しかも問題が発覚してからの対応も遅々としてすすまず、未だに当時のコンプライアンス担当役員に、事情も聞いてない始末です。また投資助言会社アブラハム・プライベートバンクが、金融商品販売業者の登録もなく、商品を勧誘・販売しており、金融庁から何らかの処分が下る見込みです。
二つの事件に共通するのは、問題発覚からの対応のまずさ、です。みずほ銀は、焦げ付きもあることは認めましたが、コンプライアンス役員が数代にまたがって、この問題を放置していた。逆にいえば、内部では周知の事実であり、情報はつかんでいるはずなのに、それを公表もしない。担当役員への聴取もせず、他人事のような対応です。官民で、暴力団排除をすすめてきた中での遅れ、海外でもコンプライアンスが低い、とみられれば信用の低下にもつながってくる問題です。

アブラハム社は、明らかに確信犯であり、問題発覚後も事業形態については特許出願中、という説明をくり返します。しかし特定のファンドに集中するよう、誘導すれば顧客重視とは異なり、またそのファンドから手数料をもらえば、法に違反します。業界内でもあまり良い評判はありませんでしたが、ここまで対応が遅れたのは、メディアに広告をうち、その見返りに風評を抑える、といったブラック企業とメディア、という特有の関係性も垣間見られます。
経済事犯は、与える影響の大きさに比べ、罰則が緩いという大きな問題があります。SMBC日興のインサイダー取引の教唆事件でも、懲役2年6ヶ月、執行猶予4年、罰金150万円の地裁判決がでています。しかし金商法自体に、情報漏洩による罰則がないということが判明し、教唆として公判をすすめるなど、何ともお粗末な内容です。判決文でも金銭をうけとっていないから、と執行猶予にしましたが、金銭的な影響の大きさに比べて犯罪自体の成立が危惧されたのは、大きな問題です。

経済に携わった人間は、一度有罪判決をうけても、その知識を生かして再就職先は多い。犯罪の成立自体が困難であり、公判で罪をみとめなければ、それこそ執行猶予をうければ冤罪だと訴え、そのまま働けるような状況です。今後も金融緩和がつづき、金融部門が肥大化していくなら、尚更この手の経済事犯には厳罰で処す、といった形でない限り、歯止めが利かなくなります。政治家自身が、そうした側の人間と手を組んでいる、という話もあり、経済事犯への対応が甘いということでは、この国のコンプライアンス自体に問題がある、と言わざるをえないのでしょうね。

明日は一日、お休みしたいと思います。

analyst_zaiya777 at 22:49|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 司法

2013年10月04日

米債務上限問題と財政再建

米予算案、債務上限問題が、オバマ大統領のアジア歴訪をキャンセル、という事態にまで発展してきました。重要なのは、オバマ大統領がTPP交渉において議長を務め、そこで成果として一定の合意を得る、という観測がここにありましたが、それが頓挫したことです。すなわち、TPP交渉の年内妥結の方向に不透明感が強まっており、日本も戦略の見直しが必要になったことです。しかし、遅れて交渉に参加した日本としては、交渉が長期化し、交渉時間がとれる方が本来であれば望ましいはずです。しかし、ナゼか日本政府は年内妥結に拘っている。ここに甚大な問題があります。
つまり安倍政権は、短期の成果ばかりを追及する政権であり、このTPP交渉も安倍ノミクス第5の矢、として喧伝するつもりだったのでしょう。政権交代から1年で、大規模公共工事の復活、異次元の金融緩和、東京五輪の招致、消費税増税決定、TPP交渉参加と年内妥結。これだけを見ると、すばらしい成果といえます。しかし短期間で矢継ぎ早に成果をだすことが、決して国の未来のためではない。しかし、安倍ノミクスはマインド重視であり、こうして短期で結果をだしていかないと、すぐに萎んでしまうリスクがあります。特に、来年の消費税増税でマインド低下は確実ですので、TPPにより将来成長する、という絵を示すことが、必要となってしまっているのです。

オバマ大統領には、根本的に問題があります。それは10月17日、とされる債務上限問題のリミットですが、これだけ短期間に債務上限問題をくり返す、というのは、オバマ政権では巨額の債務が今も増え続けている、歴代の米大統領の中でも最大の債務増加率をオバマ政権が示すことです。
当然、これは前のブッシュ政権の負債も相当にあるのですが、ここにオバマケアによってさらに財政負担が増えると、米国は税制の抜本改正も必要となるでしょう。民主党と共和党の対立、ティーパーティーの強硬派、と理由を述べることは簡単ですが、米国の債務が溜まり続けること、これが今回の米国の根っこにはあります。一体、米国の債務はどこまで、どれぐらい増えるのか? それを問題視しないうちは、米国の問題は解消できない、ということになるのでしょう。

これは日本も同様です。安倍氏は経済成長と財政再建は両立する、と消費税引き上げ時も述べていましたが、経済が成長へと転換するタイミングで、増税した例はほとんどありません。成長が軌道にのってから、増税によって景気の熱を冷ます、が一般的です。日銀の「緩やかに回復」という景気の基調に、増税をかぶせるとどうなるか? そこに両立の道はみえません。だから次々に空想の好調さを演出したい、TPP参加で日本はさらに成長、と言いたい、そんな気持ちが透けています。
日本は米国と新興国との調整役になる、と訳のわからない論調もあります。しかし米国はその利に染まず、交渉がすすむのなら簡単に離脱してしまう国です。後発で参加の日本の立ち回り方次第では、とり残されて行き詰る恐れもあるのでしょう。年度内の妥結がみえない今、成果ばかりを焦る今の世界の政治に、翻弄されて終わる可能性にも留意しておかないといけないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:50|PermalinkComments(3)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 アメリカ | 政治

2013年10月03日

金融緩和とメディア

菅官房長官が、記者会見で記者席を1m後ろに下げ、国民目線にしたい、としました。つまり奥行きをだし、目線を上げることでイメージアップしたい、ということですが、まったく効果なし。むしろ、老眼がひどくなって、近くの記者の顔がみえなくなったから…という方が笑い話にもなります。
目線を上げたいなら5m離すか、大学の講堂のように記者席を階段式にするか、少なくとも台に乗るのをやめるべきです。安倍政権の言っていることと、結果との齟齬、的外れであることが、こんなところにも垣間見えます。安倍ノミクスを始めた頃、すぐにでも賃金アップ、という話をしていたはずが、来年ですら覚束ない。生活実感はじわりと悪化しており、このままでは安倍ノミクスは壮大な詐欺だった、という国民からの怨嗟の声も強くなるでしょう。その声が届かないよう、記者との距離も開けたかった…とすると、これはもうジョークにもならない話になります。

米国の予算案が議会を通過せず、メディアはオバマケア抜きの予算案を主張する米共和党を、一斉に袋叩きにかかりました。外交、内政、ともにキレのないオバマ大統領の支持率が、何とか高いのも、今の米メディアが肩をもっているからです。しかもこのメディアの動向は、世界的な傾向ともなっています。端的にいうと『金融緩和をする国のメディアは、政府寄りの報道をする』です。
米国では多くのメディアが、企業買収ファンドや、巨額の資産を有する個人に買われています。こうした経営主体にとって、金融緩和がありがたい一方、短期利益を追求することから『今』を重視します。つまり中間選挙、大統領選もまだ先のことであり、今の金融緩和を支援し、時の政権に協力しておけば、今の利益を最大化できる。共和党寄り、とされたメディアでさえ、経営主体の交代などで、こうした傾向が強まっている。それが今の欧米のメディアの動向です。

日本では、若干その背景が異なります。メディアは財界の意向を汲みやすく、財界に隠然たる力をもつのは、メガバンクと輸出企業の経営陣です。日銀の国債購入で、早々とポジションを落としたみずほを筆頭に、不良債権化しそうな国債を減らすことができたメガバンク。円安で僥倖をえた輸出企業。さらに法人税減税に手をつけそうな安倍政権に、財界として協力するのは当然です。
金融緩和は、景気やインフレへの効果以上に、金権体質を生み、大企業や資産家にとって愛される政策である、ということなのです。そしてそこに牛耳られたメディアが、金融緩和時の政府に協力することで、支持率を上げる。これが今、世界で起きていることなのです。政治にとって金融緩和は麻薬です。この甘い汁を一度吸うと、ますます金満家を優遇したくなる。それが企業重視の安倍政権にもはっきり表れており、小泉政権時と同じ流れが起きている原因にもなっています。

菅官房長官は「国民目線」を大事にする、とします。しかし今のメディアは政府への協力者であり、記者会見したり、その質問に答えるだけでは、決して国民の目線とはいえません。金融緩和という劇薬に手を染め、その幻覚をみているのは安倍政権なのか、国民なのか。その薬をやめたとき、副作用に苦しむことは確実ですが、それは薬を打った政治家だけでは済まない。メディアも含まれるばかりでなく、国民がその副作用でもっとも苦しむ、となってしまうのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 22:35|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | メディア

2013年10月02日

雑感。伊勢神宮の式年遷宮と政教分離

今日の日本の株式相場は大幅反落でした。米国の予算案が通らず、国民の支持とり合戦に陥った結果、長期化すると予想されます。さらに債務上限問題まで決着できないと、甚大な結果となる。その確率は低くとも、リスクはヘッジしなければいけません。さらに昨日の安倍首相の記者会見から、先物が急落をみせたように、失望との見方も広がりました。具体的な中身がなく、法人税減税も検討課題で、詳細は未定。短期スジはオプションの15000円のコールの買いを落とし、あわせて先物も釣られて安くなった形です。日本からの材料は今後、少ないとみられますし、日銀の追加緩和も語られますが、ETFの購入拡大ではすでにインフレ誘導ではなく、株価対策と見透かされます。公的資金の運用弾力化、という話題しか、当面の日本株の押し上げ材料はありません。

伊勢神宮の式年遷宮が、遷御の儀でクライマックスを迎えます。これに安倍氏が出席していますが、政教分離に反しない、とします。しかし靖国神社でも同様に、例えば式典などがないとき、個人として参拝してもそこまで咎める人はいませんし、それは自由意志によるものだとして、一定の理解も得られるでしょう。しかし式典に出席すれば、そこには政教分離という法律に、明瞭に反する行為となります。結局、そうして憲法を蔑ろにする精神だからこそ憲法改正にまい進する、という悪い醜聞も付きまとうでしょう。国の基だから、というのでは明らかに根拠が薄弱です。
例えば、古伝と呼ばれるいくつかの書では、伊勢神宮より古い宮として、伊雑宮がとり上げられることがあります。伊雑宮が特筆されるのが、平安末期より戦乱に巻きこまれ、九鬼家に支配される武家領となった後、江戸時代には将軍・家光、家綱の籠に直訴に及んでいる点です。領地の返還を求めたものと、伊勢神宮が伊雑宮の分家、とする主張をするためだったのです。当然、直訴は死罪でしたが、神官の行ったことでもあり、追放という形で決着した、と伝わります。

伊勢神宮の由緒正しさ、格式などはほぼ日本書紀、古事記によります。古伝と言われるものでも偽書、偽伝の類が多いので、必ずしも信用に足るものではありませんが、伊雑宮の神官がみせる行動には、異常な執着が感じられます。古代史は確定されたもの、と思われがちですが、実はまだ分からないことも多い。これからも新たな発見により、変化していく可能性は十分にあります。
古代から特別視されてきた伊勢神宮。日ユ同祖論の中では、式年遷宮自体がユダヤ式の移動幕舎の投影、とみる向きもあります。それで権威は揺るがない、と思われますが、例えば国の形が変わったら、また伊勢神宮の位置づけも変わってしまう。伊雑宮の方が本来の宮である、となっても同じです。つまり今判明していること、で宗教に肩入れすることは必ずしも政治として正しくない、といえます。人々が伊勢神宮の神意にふれ、壮麗さに感動を憶えるのと、政治がその立場として参加するのとは、決して同列で語れる話ではありません。そうした曖昧な態度で誤魔化すからこそ、海外からつけ込まれる、ということを考えて、政教分離という原則を見直すかどうかをきちんと議論しなければいけない、ということになるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:40|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 社会

2013年10月01日

消費増税発表と景気対策

日銀短観が発表され、大企業製造業が現状+12、先行き+11。非製造業が現状+14、先行き+14。製造業の足を引っ張ったのは自動車です。これは米QE3終了観測で、新興国経済が崩れたことで、製造に足枷となっていることが想定できます。また、マインドを維持できたのは、東京五輪決定も多少は好感された面があるのでしょう。統計時期は微妙ですが、ある程度期待が乗った分はあると考えます。

消費税増税が決定され、安倍首相が会見を開きました。合わせて5兆円規模の経済対策も発表されています。しかし、この経済対策が曲者です。復興特別法人税の1年前倒し、投資減税、企業賃上げ支援、などで合わせて1兆円以上の企業支援策がうたれます。しかし苦境の企業が賃上げや、設備投資に回す余裕はありませんし、余裕のある企業は国全体が低成長であるのに、国内の賃上げや設備投資をする必要はありません。ほとんどが海外の設備投資に消えるだけでしょう。
さらに、公共工事偏重なのも気になります。公共工事は早期にGDPに寄与しますが、継続性のない景気刺激策です。建設業が裾野のせまい業態となり、波及効果も低いものです。この景気対策で成長率が0.5程度の押し下げに留まる、との見方もありますが、それもこの速効性のカンフル剤だから、です。逆にいえば、長期でみれば財政の悪化を含めて、マイナス効果も大きいものです。

問題は、今回の財源です。今年度の税収の上ブレ分と国債基金の積み立ての残り分、ということで、新たな国債発行はないとします。しかし来年の景気対策を先食いしており、しかも歳入が4月にきっちり集まってくるわけではないので、政府短期証券などで賄うのでしょうが、これには金利がつきます。来年分の歳入の取り崩しとなる以上に、金利負担というマイナスも生じる。つまり本来、昨年の税収上ブレ分で打つべき対策であるにも関わらず、それを今年度分としているため、将来を先食いしている。これで来年度が低成長に留まる場合、来年は景気が低迷しても対策も打てない。打つ場合は国債発行の増大、という局面を迎えることになります。
安倍氏は有効求人倍率が上がってきたことを効果、としますが、職安では厚労省からの圧力で、大した審査もせずに求人数を増やすために企業の求人を受け付けるため、ブラック企業の斡旋が増えている、との実態があります。行政機関だから、と信頼して採用面接をうけても、使い捨てられて終わり。そんな例が増えている。ただ有効求人倍率をみてもダメで、実質的に昨年の賃金が下がっていることは、低廉な単純作業が増えているなど、労働の質の低下を考慮しなければなりません。これは欧米でも起こっていることであり、安倍政権の成果主義の結果、ともいえます。

低所得者対策で、3000億円のバラマキが実施されます。貯蓄には回りにくくとも、コストと効果を考えると、決して有効な策ではありません。安倍政権では、将来の先食い、といった経済政策が目立っていましたが、ここに来てそれが極まった、と言えるのでしょう。もう財政的な余裕はない。これからの景気対策は、安倍政権が提唱する実質2%成長を達成できなければ、赤字国債という形にならざるを得ません。そしてそれは来年、増税による反動減によって、すでに下回ってしまう見込みです。これはデフレを悪、とする安倍政権の業でもあり、その解消にコストプッシュインフレを引きおこし、さらなる経済の下押しを予感させる中での増税、という最悪の政策により、顕著な流れになっていくことでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:50|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 経済