2013年12月

2013年12月29日

安倍政権が直面する試練

安倍首相の靖国参拝について、Facebookへの「いいね!」が7万件超、コメント9千件超を『人気が高い』と評するメディアもあります。しかしフォロワー数40万のうち、4分の1以下です。確かにメディア関係者が過半数、アンチが多いことはあっても、首相支持者でさえその行動を評価していない、ということになります。コメントには記載していますが、日本の保守系はマイノリティです。なので先鋭化し、特定の組織を構築したり、ネットなどの特定の場ではその行動が突出し、目立つことになりますが、全体としては少数であることがこの数字からも窺えます。
さらに、安倍氏は「首相が参拝できない状況を改善したい」としていますが、全世界が批判コメントをだす中、参拝できない環境を自らつくりだした、ともいえます。今回の件の報復とみられる、米大使館Facebookに批判コメントを載せる人間もいるようですが、そうすることが逆に、国粋主義者が跋扈している、として海外が日本を危険視する、ということに気づけていない。つまりやっていることが、すべて逆です。自らが望むような結果とは、逆の効果を与えるようなことしかできないなら、早晩、安倍氏は米国からの圧力で辞職に追い込まれるでしょう。

来年、安倍政権は2つの試練を迎えます。それは消費税増税後の景気の落ち込みと、TPP交渉の行方です。特に、後者は甘利氏の回復具合が思わしくなく、交渉担当としては相応しくない、との見方があります。そもそも、担当大臣クラスである甘利氏では、閣僚級とはいえ、一格下がる印象がありました。西村副大臣では尚更、交渉担当としての格の違いは明白ともいえます。
さらに、TPPに対する米国のポジションが、少し変わってきた印象があります。TPPは安全保障も含む、というのが一般的な見方ですが、靖国問題への対応をみると、安倍政権とは距離をおきたいムードも漂います。さらに国粋主義に陥る、ということは、経済開放にも支障をきたす、ということ。また日本の保守系が、同性婚をふくむ家族、人間関係の変化に対して閉鎖的であり、それはマイノリティへの権利拡大をめざす、今の世界の潮流とも逆行する流れになっています。

つまり安倍氏が保守層の上にのり、その主張を最大限尊重し、その意向に添う限りにおいてオバマ政権とは相容れない。辺野古埋立て申請の件も、米国防省からは歓迎の意向が伝わりますが、オバマ氏の意見が伝わってこない。TPPにおける日米の比重が重いなら、尚更『価値観の共有』という、大事な部分が抜け落ちたまま、連携していくという歪な構図にならざるを得ません。
米国にとって、経済的メリットだけがあるなら、TPPにも前向きなのでしょう。しかし安全保障を提供する、ということは負担にもなります。オバマ政権が軍産複合体の上にのる、共和党系候補ならまだしも、オバマ政権では財政再建路線との兼ね合いもあって難しいでしょう。日米で大きくすれ違う思惑、2つの試練と書きましたが、実は日本のマイノリティである保守層の上にたつ、ということが安倍氏にとっては針の筵であり、このマイノリティの権利拡大をめざすと必然的に米国とぶつかる。そうした事態がもっとも大きな試練、ということにもなってくるのでしょうね。

明日からお休みして、新年は1月5日から再開したいと思います。今年、読んでいただいた皆さまはありがとうございました。良い年をお迎えくださいね。

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2013年12月28日

都知事選に宇都宮氏が出馬表明

来年の2月9日に決まった都知事選に、宇都宮健児氏が出馬表明しました。メディアに猪瀬氏圧勝のムードを作られた中、次点に食いこむなど善戦した印象はありますが、脱原発を争点にした前回にくらべ、今回は違った争点が出てきます。自民がとったアンケートで、舛添氏、東国原氏がでてきましたが、国政で失敗した面子を並べただけで、永田町の閉塞性を映したにすぎません。
知名度は一つの選択肢ですが、自民党は要するに、自民都蓮とうまくやれる人間を探しているのです。それが五輪利権を手に入れるチャンスでもあるのですから。宇都宮氏は、前回は反猪瀬票を集めた面はありますが、政策は未知数です。ただ共産系がのれば、都議会対策にもなり、都政の混乱という部分は回避できるでしょう。掲げる旗次第では、共産系の基礎票以上がのることになります。

では次の都議選の争点は何か? 東京五輪はまだ6年以上先で、現実味はありません。むしろ自民系候補に委ねると、利権の巣窟にされかねませんが、都民にそこまでの切迫感もないでしょう。残念ながら都は裕福であり、財政破綻自治体と比べ、その辺りは鈍感です。争点は安倍政権への評価、その一点です。経済で成功したとみられていますが、未だに国民の実感は低い。経団連がベア容認方向ですが、これとて選挙を前にして自民から要請され、表明した面がある。実際、春闘の結果をみない限り何ともいえませんし、それこそ消費税と合わせて5%近く、実質の賃金が上がらなければ生活実感は益々苦しくなるだけで、賃上げの効果は限定的になりかねません。
最近、少し世論の風が変わったのは、ふつうに町の人にインタビューしても「騙されている」「乗せられている」と、語る人が増えたことです。政治やメディアがいくら煽っても、実感がないどころか苦しくなれば、誰でもそう考えます。安倍政権も1年たち、いい加減に結果が伴わなければならない。だからこそ、都知事選がそのまま安倍政権1年の評価にもなりうるのです。

ならば、自民候補への対抗馬は、徹底的に庶民よりになる必要があります。大企業優遇、個人には増税、社会保障の負担増などを課す安倍政権と、逆をいく政策を掲げる。また自民は東京にカジノ建設を主導しようとしている。猪瀬氏は都がそれを運営することを目論見、自民と対立する面もありましたが、猪瀬氏がいなくなった今は、自民がそれを差配しようと狙っている。そこに楔を打っておかなければならず、裏の争点として浮上してきそうな雰囲気があります。
都知事選は泡沫候補だらけになることが常ですが、今のところ対自民候補という意味では、その他の候補も一致しそうです。明確に、そこと対立する政策を並べ、訴えていけるかによって、勝負は変わってくるのでしょう。何より、靖国参拝により、中韓のみならず米欧まで総スカンになってしまった安倍政権。安倍氏は首相が靖国参拝ができないような事例を失くす、ことも一つの意義としていましたが、こうなっては後代の首相も靖国に参拝できなくなりました。そんな読みの甘い首相であることを露呈した今、自民候補も揺らぎ始めているとは云えるのかもしれませんね。

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2013年12月27日

年末の経済指標と市場

仲井真沖縄県知事が、辺野古埋立申請の承認を正式に表明しました。しかし県外移設とこの承認の整合性については、説明できませんでした。ただ、昨日の靖国神社参拝により、米国と日本政府との協議にも暗い影をおとした今、政府との口約束に実現性という重みはありません。また辺野古埋立てを始めたら、県外移設を同時平行ですすめるはずもありません。そんなことで、説明責任を果たしたことにならず、記者会見での仲井真氏のイラだちばかりが目立ちました。

日本経済にも暗い影を落とす、と昨日は指摘していますが、2日続けて日経平均先物より、TOPIX先物が強くなり、NT倍率改善として明るい見立てを述べるところもあります。しかし今日などは某欧州系が重たい日経225先物のポジションを落とし、替わってTOPIX先物を大量に買った。いわば相場調整をしながら利食った、というのが真相です。一昨日までの節税対策売りでできなかった、ポジションを落として年を越えるための動きに過ぎません。また米系もこの動きに乗って、TOPIX買いを入れていますが、これは現物売りとのアンワインドの動きだったと思われます。
日本経済の動きとしては、消費者物価が1.2%上昇、有効求人倍率1.00倍と、一見すると明るい話題に見えます。しかし毎月勤労統計では、現金給与が0.5%増にしかなっておらず、国民生活は尚一層、苦しさを増しています。さらに日本ではコアCPIしか重視されませんが、コアコアは0.6%であり、インフレ定着にはほど遠い。総合だと1.5%なので、生活実感からするとさらに苦しい、といったもので、あまり好感する材料ではありません。しかもじわり、と消費税増税前の駆け込み需要と、企業側にその備え、という形が見えており、まったく評価できない部分も散見されます。

昨今の貿易赤字の説明に、原発が止まって…とメディアは型通りの説明をしてきましたが、石油、石炭関連は10%超の伸びであるのに対し、半導体関連や服飾は20%以上の伸びであり、主因はこちらだったと判明しています。つまり日本の産業構造が、海外で物をつくって日本に輸入する、という形態に変わった後で円安となり、日本の富が海外に逃げだす構図が定着しているのです。
しかも最近語られるのが、ドルベース、ユーロベースでみた日経平均の騰落率は、それほど高くないという実態です。来年には円高にして売りぬけ、という戦略も見えてくる。つまり今年、10兆円を越える大量買いをしたポジションを、海外勢もいつか落とさなければならない。その条件が来年、出揃ってくることになります。その材料の一つに、安倍氏の靖国参拝も含まれます。

政府は来年後半、一時期の落ち込みから復活する、という見立てをしますし、6月には新たな成長戦略、とも示します。しかし安倍氏の手法に自民内でも不満が溜まり、それを抑えるには族議員や利権団体に対し、金をバラマキ続けるしかない。補正予算や来年度予算案をみても、その傾向が明らかなのです。結局、そこが安倍政権の限界です。そして日本は将来の成長を先食いした分を、支払わなければなりません。来年、下押し圧力は相当程度高まることが、ここ数日の動きからもはっきりしてきたのでしょう。最後の一儲けが、年末年始のアノマリーにかけているのか、その先にあるのかで、今後の市場動向も変わってくるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 22:47|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

2013年12月26日

安倍首相の靖国参拝に対する米国の動き

年末にきて、安倍政権の動きが活発で、靖国神社への参拝を行いました。中韓の反応はほぼ想定通りなので、米国の動きに注目してみます。まず今回、安倍氏は普天間基地の辺野古移設に道筋をつけ、満を持して参拝することとした。当然、米国も賛同とはいかずとも懸念、憂慮程度の反応で済ましてくれる、と考えていた。しかし、米国がだした声明は『失望』です。内政干渉にもなりそうなこの問題で、米国が切ったのは最大限の批判というカードだった。これに安倍氏も失望したのか、後の会見でも厳粛というよりは元気なし、といった風でした。

しかし、米国の反応は当たり前です。今のオバマ政権にとって、米軍再編は必ずしも喫緊の課題ではない。むしろ短期的には財政負担にもなり、オバマケアで増える負担の対応に苦慮する矢先、余計な項目が増えただけにみえます。さらに米国の世論調査で、重視すべき国として中国が日本より高かったように、オバマ政権にとって最重要相手国は、北朝鮮問題、経済などあらゆる分野で中国となっています。その中国を怒らせ、関係悪化に導く安倍氏は邪魔でしかありません。
米国とて無策ではなく、暗に安倍政権に参拝するな、と促してきた。先の2+2で、千鳥が淵戦没者慰霊碑へ米高官が赴くなど、靖国に行くなと示してきた。また「日中関係の悪化を招いているのは日本」という中国に、恰好の材料を与えることになる、とまで言って制してきた。それを安倍氏は破ったのです。これで米国は、安倍氏を完全に見限ることになってくるのでしょう。

安倍政権の弱点は経済です。強みが逆に、弱みにもなりうるのです。なので、そこを崩せばいい。恐らく米国で、来年の日本は消費税増税があって期待できない、という報道がくり返され、また米系が、欧州系とのファンドマネージャー会議を開いた際などでも、来年の日本株はアンダーパフォーム、と伝える。今年の欧州系は日本株を大量に買い越していますが、これもユーロ高、円安により見かけのポートフォリオが悪化したことで、買い増した側面がある。逆に、欧州系がポジションを落とせば、確実に日本市場を悪化させることが可能、ということにもなります。
これまでは世界経済の悪化を、日本の異次元緩和や財政出動で支える、という構図があったため、批判を控えてきた。しかし米国は裏切りを嫌う国です。面従腹背、恭順の態度を示しながら、最後には「痛恨の極み」として、自身の思想を優先してしまうような人間は信用しない。むしろ契約型社会の米国人からみれば、契約違反にも映ってしまう。だから「失望」するのです。

これまでTPPなど、ひたすら米国に媚び諂い、ご機嫌をうかがってきたのにナゼこのタイミング? という話を深ぼりすると、もしかしたらソチ冬季五輪の開会式に参加するつもりかもしれません。欧米各国は人権問題に対し、ソチ五輪開会式への参加を見合わせている。しかしここで安倍氏が参加すれば、露国は感激し、北方領土返還にむけた道筋ができるかもしれない。その戦略がないことはありません…が、米国の怒りは本格的な安倍政権打倒へと舵を切らせるでしょう。
単に、年内に参拝しておきたかった、というなら安倍政権は終わりでしょう。満を持したつもりが、慢心にみえ、政権の賞味期限は満了になります。年末ならあまり報道もされない、と思っていたなら、自己満足のツケは大きいのでしょう。安倍氏が勘違いしたままの米国が望んでいることは、あくまで米共和党系の知日派、の意向にすぎません。そこを喜ばすだけで、オバマ政権からは距離を開けられている現状、海外からのネガティブ報道には注意も必要となってきたのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:36|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | アメリカ

2013年12月25日

雑感。普天間基地の移設問題

日経平均が終値で16000円を超えてきました。しかしここ二日ばかりは値下がり銘柄数の方が多く、歪な構図となっています。特に、まだTOPIX先物は1200pt台をうろつき、リーマンショック前や今年5月ですら、この水準の日経平均は14000円台がせいぜいでした。今は値嵩の現物株をしこんでおき、日経225先物で値をとばし収益をだす、といったポートフォリオを組む層が活発ともされます。日経平均は需給要因で押し上げられた面が強く、日本市場の実力とはほど遠いのが実感です。棹尾の一振ねらいとはいえ、逆にその買いが溜まっていれば、売り崩そうという狙いもでてきます。今年、年末まで下がらない売買高といい、まだ海外勢が頑張っている雰囲気には、ちょっと危険な匂いもします。最後に大商いが待っているかは、まだ予断をゆるさないのでしょう。

沖縄県知事の仲井真氏が、安倍首相と会談し、その提案を「驚くべき立派な内容」と応じました。27日とされる辺野古埋め立て申請の承認を、事前承認してしまったかのような発言です。しかし沖縄県の要請に対し、政府側が約束したのは「手をつけます」です。つまり、一つとして実現性は必ずしも担保していない。これに驚くようでは、政治家失格ともいえる発言です。
そもそも年内に承認を決める、その理由は名護市長選の前、すなわち年をまたぐ前に決めておきたい、という事情がそうしています。しかしその結果、米国との調整を政府がする前に沖縄県が判断せざるを得なくなってしまった。だから確約ではなく、努力目標になってしまった。その時点で本来、この話は破断にしなければなりません。そうしない、仲井真氏も晩節を汚しそうです。

公約を違える政治家は嫌われる。しかも、十分な説明も果たさないのなら尚更です。今回も沖縄振興予算として3000億円を計上しますが、まず問題はこれまでも沖縄振興、として多額の予算がつかわれながら、結果は出ていない。予算の使い方に問題がある、としか思えない。そこを精査することもなく、基地移転のためだけに補助金漬けにするので、益々改善の道が遠のきます。
この国では、高齢になり、理想とともに全うする、という政治家は希少であり、探すのに苦労するほどです。必ず最後にはこうして公約を違え、県民の声を無視しても国政側や利権へとすり寄ってしまう。仲井真氏も同じ轍を踏むようです。このニュースを流す報道機関は、必ず評価する人もいる、という付け足しをしますが、今回のように決定事項もなく評価する人は、振興予算が欲しいだけ、ということにもなるでしょう。そもそも普天間の移設でさえ年限は切っていないのです。この年末にきて「驚くべきお粗末な知事」が何人も登場することに、驚くことの方が多い昨今ですね。



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2013年12月24日

雑感。来年の政局について

韓国への武器の提供の問題で、韓国側はこれを否定する報道がつづきます。韓国の歪みですが、日本から何かうけとった、ということさえ今の韓国ではネガティブな受け止めになります。これで仮に北朝鮮が暴発した際、日本から物資が輸送されただけで、問題視されそうな雰囲気です。
ただこの報道で、日本のPKO法における答弁との齟齬、を誤魔化してはいけません。政府見解や、閣議決定をいとも容易く変えてしまう。安倍政権の法律を軽く扱う姿勢が、こうしたところにも現れます。戦闘に巻き込まれていない段階で『緊急性』を適用する、その場合、今度はどこまでを『緊急』とするか、の定義も必要です。それもない点に、安倍政権の軽さを感じてしまいます。

来年の野党の動きを少し考えてみます。橋下維新共同代表が、安倍氏と3時間にわたる会談を行っています。恐らく安倍氏側も、維新を分裂しても…といった発言をする橋下氏の腹を探りたい。橋下氏としても存在感が薄れ、国政を旧太陽側に握られることで、埋没懸念もあった。さらにうがった見方をすれば、都知事選における石原氏の動向について、話し合ったものとみられます。
猪瀬氏をシッポ切りしましたが、問題は石原都政下でのこと、政権側が本気で維新をつぶす気なら、石原氏まで捜査の手をのばします。そこで橋下氏は維新を割り、結いに合流する可能性もある。維新が太陽とくっついている限り、野党としての協力が可能、安倍氏も橋下氏の動向はつかんでおきたいのです。では、橋下氏が維新を割る可能性はあるか? ある、と考えています。

安倍政権での地方分権は議論にすらなりません。自民の利権は地方にあるのですから当然で、手にしている旨みを捨てるはずもない。自民党政権では、橋下氏の都構想にしろ、地方分権にしろすすまない。是々非々で対応、などをしていたらいつまでも無理です。また与党に協力する野党なんて、国民からすれば択ぶ必要すらない。与野党協議を否定しませんが、それはよりよいものへと替える試みであって、決して特定秘密保護法のように改悪に至る協議は、必要ないのです。
今のところ、ネガティブイメージのない党は結いの党だけなので、軸はここになるのでしょう。ただし与党と対抗できる政党まで拡張できるか、は不透明です。江田氏も元官僚らしく調整はできますし、15名まで離党組を増やした手腕もありますが、トップとしての個性が弱い。上をめざすなら天地人、つまりツキ、戦略、人材が必要とされますが、今はそのどれにも恵まれていません。

橋下氏は天があったのに、地人を失敗した。他の野党もおして知るべしで、野田氏がNHK特集に出ていましたが、その戦略性のなさに唖然としました。党内調整に失敗したから、野党を頼る? その結果、野党をどれだけ利するかの計算もできなかったようです。民主党は大敗して当然、ともいえるほど、この天地人をもたない党首に任せたことが、痛恨の失敗だったのでしょう。
結いの党が軸でも、決してそこが背骨にはならない。恐らく来年は維新の分裂と、民主党がもう少し議席を減らし、そこを糾合する形にはなるのでしょう。恐らく、安倍政権への評価も、その頃までには変わっているはずです。そのとき、改めて天地人を意識するときが来るのかもしれません。そのとき、結いがどういう形で変貌しているのか? それ次第で与党対抗の一番手をどこが担うか、が決まってくるということになるのでしょうね。

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2013年12月23日

安倍政権の一年

安倍政権の一年について、少し考えてみます。経済は昨日も市場予想としてとり上げましたので、割愛することにして、政治的には危険な手法に手を染め始めた一年といえます。特定秘密保護法をあれだけ無茶な通し方をし、安倍氏の意図が分からない、という人もいますが、単純だと考えます。安倍氏は『大統領制』もしくは『専制君主制』として、自分一人が権力を掌握したいのです。
特定秘密保護法も、首相が指名し…、首相の下に…と、首相に権限が集中する形が鮮明です。恐らく、安倍氏は『一人の英雄的な人物による統治が、日本を救う』という古くて青臭い理想をもっているのでしょう。そして今回、韓国に武器輸出を例外的に認める、というなし崩し的に、兵器輸出の道を開いてきた。この『古くて青臭い理想』に、軍事傾斜というスパイスを足して、安倍政権の味付けは完成するのでしょう。そのために日米はより緊密となり、米国の軍事利権の一部となる。そうした方向をすすめるためにも『独裁』が最もてっとり早い道となります。

昨今の世論調査は、首をかしげるものが多い。これは海外でも同様で、政権に反対するデモ、ストが頻発し、どれだけ支持率が低いかと思えば40%超えが多い。全国民が政権にNOと言うわけではない、としても、如何にも不自然な数字です。この傾向は21世紀になって顕著であり、『政権支持率が高い』ことは各国共通です。例えば野田政権など、あれだけ国民から嫌われても、支持率が30%を切ったのは解散宣言後でした。この理由は、政情不安がある国は投資対象になりにくい、という経済界の思惑と、メディアとの利害が合致し、そこを政治利用している、ということになります。
そして日本では、この50%超えという支持率に慣れておらず、やたらと高く見えるために安倍政権は好調、という報じ方をしてしまいがちです。しかし20世紀の頃と比べると20%は嵩上げされる、とみて間違いありません。しかし他の野党は、このメディアの攻撃とも戦わなければなりません。

特に、最近のキャスター、コメンテーターがやたら「明るい話題」と、ネガティブ報道を封じるよう、誘導する発言が目立ちます。これは政権への批判も抑える、というのと同義です。政権支持率が落ちれば、ムードも悪くなるのですから。つまりメディアが「明るい話題」ばかり取り上げる、という姿勢は安部政権にとって好都合、特定秘密保護法でさえメディアは批判を控えます。安倍政権は、こうしたメディアの態度にも守られる、21世紀型の安定政権を目指しているのです。
よく経済外交、として財界人を引き連れ、トップセールスする姿も報じられます。何十カ国もの海外を回った、というのも21世紀に入って各国で行われていたこと。目新しさは何もありません。21世紀型の政権とは、国内向けにはメディアの協力で高支持率を維持し、海外に向けては国内の閉塞感を打破するため、セールスをかける、ということであり、安倍政権はまさに海外のこうした流れを日本に導入した、初の首相となるのです。

これは経済不安の最中、安寧をえるための唯一の策ともいえる手法です。安倍政権はそれを巧みに利用しているのです。しかし、その目指す先が『独裁』なのですから、危険極まりないことは言うまでもありません。奇しくも『独裁』が、独国の総裁を短縮した形にみえ、麻生財務相が言及した『ヒトラー』に見えてしまう点が、この支持率の裏側にある不安として、メディアが煽る以上に楽観にひたってはいられない、という現実にもなってくるのかもしれませんね。

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2013年12月22日

来年の市場予想

来年の市場について、少し考えてみます。その前に、今年後半はFRBが9月に金融緩和の縮小(テーパリング)が発表される、との見立てから日経平均の上値14000円を目処、としていました。しかしテーパリングは12月に後ズレし、その間に市場環境は激変、今ではテーパリングの受け止めも変わり、米ダウは史上最高値を更新しています。しかしこの背景は、その間に欧米から新興国に逃げていた資金が還流、俄かに欧米経済の復活が叫ばれるようになったことがあります。
しかしいくら欧米が成長するとしても、3%が限界です。逆に今、不安に陥っているのが新興国であり、ここも数%成長、もしくはマイナスに転落するところも出てきそうです。先進国の屋台骨がしっかりしていれば大丈夫、は20世紀の神話であり、21世紀は新興国の高成長に支えられてきた。つまり今後、世界全体が低成長時代に突入する、というこれは先触れのようなものになります。

よくバブルの定義ははじけてみないと分からない、という人がいます。私は若干見方が異なり、潜在成長力以上のピッチで成長する、それは市場ごとであっても構いませんが、それをバブルとしています。不動産価格の上昇要因は、需要が供給を上回る場合、と一義的には定義できますが、家や事務所が欲しい、という以外に投機資金の流入が激しくなり、価格を押し上げる場合はバブルです。投機資金が逃げ始めると、価格下落圧力にさらされて、実態以上に押し下げられてしまう。家が欲しいと思っている人がいても、価格が下がるので買いたくない、と思わせるためです。
今はその逆です。様々な市場で、資金が流入する、だから買う(もしくは円のように売る)という投機マネーが流入しています。これは株式市場であっても同様、先進国への還流マネーが当面、投機資金として市場の押し上げ要因となります。しかし先進国の労働の質の低下、新興国の変調により今後、低消費型社会が訪れるなら、業績圧迫要因として上記が襲ってきます。市場が期待するような上昇は、すでにバブル化している可能性が高い。米国でも、市場関係者は来年も10%程度の株価上昇を予想しますが、国民は横ばいか下落とみている。それは資金の流入状況が異なるために起こります。

日本も、安倍ノミクスはいわゆる成長の先どり政策です。異次元の金融緩和と公共工事のバラマキは、金融引き締め時の経済の圧迫と、いずれ財政健全化へと舵を切らざるを得ない。本当は将来、成長する分を今つかい、押し上げているに過ぎません。そこに資金が流入しています。
来年は、この資金の流入により16000円を何度かは超えてくるでしょう。そうしたい、と思う層が動くためです。しかしそれほど大きくは超えない、とみています。それは先にも指摘した、市場関係者の見方と一般的な国民の見立てが異なる、資金の行き渡り具合が違うというのがすべてです。株価が上昇し、潤った個人がふたたび株を買う、という話も聞きますが、株価が本格的にこの水準を上抜くには、全員参加型にならざるを得ない。しかしそうなったとき、株価は天井を打ちます。

今は単に、市場に増えてきた資金が各市場を押し上げる、という構図だけなのです。しかしFRBが曲りなりにもテーパリングに舵をきり、市場への資金流入は絞られる。市場関係者は日銀の追加緩和を期待しますが、逆に経済環境が悪化しない限り、緩和はできない。環境の悪化が察知できるほどなら、市場は下押ししているはずです。下値目処は、ここ数年掲げているように5000円、ただしこれは中国経済のバブル崩壊要素を含むので、そうした記事が出てこない限り、当面は14000円とみておいて良いのでしょう。ただ4月以降の消費税増税の悪影響を勘案すると、来年の日本経済は試練を迎えることだけは間違いなく、その影響が今ひとつ読みにくくさせる原因にもなってくるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:37|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

2013年12月21日

来年度予算案と政府の経済政策

来年度予算が95.9兆円と、当初予算としては過去最大に膨らむ見込みです。公共事業や防衛費などの増額が決まるなど、安倍カラーが鮮明で、前年度とくらべて赤字額が5.2兆円減少、といってみたところで、消費税増税分が埋める形であり、それ以上に歳出増が重くのしかかっています。しかも消費税増税で見込まれる分は過大とみられるため、この額を優に超える赤字となりそうです。
しかも閣議決定された来年度のGDP見通しが実質で1.4%の拡大と、こちらの見積もりも過大とみられます。こうした前提で、来年度が運営されるのですから、予算にしろ年末にかけて予定していない赤字国債が増えそうな気配です。まず、最近の経済でおかしなことは、政府や日銀は盛んに景気回復、景気は上向き、と喧伝するのですが、市場からは日銀の追加緩和が、あたかも実施されなければおかしい、といった論調で語られることです。一部はインフレ率が、日銀の目標である2%に達していないから、ともされますが、ここ最近の黒田日銀総裁の発言からみても、年限をきらない発言が目立つ。つまり物価が上昇傾向にある限り、追加緩和をうつ必要性は、現在の政府、日銀の発言からはまったくないといえるのです。市場が間違いか、政府、日銀がウソをついているかは、来年には判明するのでしょう。

昨日、安倍首相がメディアを梯子したようです。残念ながら、すべてチェックはできていませんが、安倍氏に論戦を挑むような人間もおらず、腫れ物にさわるような扱いだったようです。それは政府と反対意見を述べるようなメディアを、Facebook上で批判するような相手ですし、スクープをとりたい記者は表向きの言葉より、裏でそっと教えてくれる情報を期待し、おべんちゃら記事を書き続ける、ということなので、北朝鮮ではありませんが、忠誠心合戦になってしまうようです。
しかしこの一年、安倍政権は国民を欺き続けました。年初から賃金はすぐ上がる、景気回復を実感できる、と喧伝し続けましたが、未だに世論調査の景気実感は、80%近くが感じていない、です。安倍氏は某番組でボーナスが上がる、と述べていましたが、問題はほとんどボーナスも出ず、働いている期間工やアルバイト、パートなどの生活が苦しい人たちです。政府は消費税を除き、1.2%の物価上昇を見込むので、仮にそうなると4%以上の物価高が襲います。低所得者層への景気対策で配られる額を、優に超える負担となってしまう。これでは到底、堪えられません。それでいて0.4%の個人消費増を見込むのですから、随分と楽観的です。もし本当なら、来年は貸金業が活況となる、となるのでしょう。

そもそも、その前提となる雇用、賃金の改善という話が曲者です。まず設備投資が伸びていません。今年は急に不動産、観光業が活発になったため、一見すると雇用が改善したかにみえますが、そうしたものは臨時雇用である場合がほとんどです。輸出も数量ベースではまったく伸びておらず、企業が人手を増やす、正社員比率を高める要素は皆無です。政府見解を言い換えるなら、来年は正規、非正規の格差がさらに開く、ということになるのかもしれません。
さらに、来年は欧米が活況、という話もありますが、これは欧米から新興国へ逃げていた資金が、逆回転を起こしていることで現状、そうなっているだけです。その映し鏡のように、新興国は苦しんでいる。来年が世界全体で伸び代がある、とはとても思えないのです。安倍政権が描く未来像と、市場が考える未来像とは違っているものの、似ているのがともにバブルを起こそう、という意欲なのかもしれません。安倍政権の予算案からは、そんな都合いい、日本の将来をふたたび暗くするような、危険な匂いしかしない、という点が来年を不安にさせるところですね。

analyst_zaiya777 at 22:54|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 経済

2013年12月20日

北朝鮮の動き

諫早湾干拓事業における開門問題で、確定した高裁判決を国が破る、という前代未聞の事態がおきています。地裁判決と股割きだ、とも言われますが、これは誤りで確定判決に従わなければなりません。林農相は地元の長崎と話し合いがつかなかった、としていますが、話し合いなど関係ありません。もしその理屈を通すと、令状をもって家宅捜索する警察や、査察を行う国税庁などが踏みこむ際、話し合って合意を得られなければ執行できない、という事態にすらなりかねません。行政府といえど、確定した判決には従う。そうでない限り、この国の遵法意識は育ちませんし、判決の重み、という重大なものすら失われてしまうことになりかねないのでしょう。
結果的に、この確定判決は民主党政権時代のことで、自民政権では従いたくない、という裏事情により、こうした事態に陥っています。もっと悪い言い方をすれば、農業は票田になりえても、漁業は票になりにくいから嫌、という自民の思惑も見え隠れするようです。長崎は開門に反対、佐賀は開門に賛成、という話にしても、佐賀より長崎の方が、自民内の有力議員が多い、といった話にもなりそうです。いずれにしろ、国が判決に従わない姿勢は、今後の一票の格差にも影響してくることになるのかもしれません。

北朝鮮が韓国に対し、予告なく無慈悲に報復、という通告文を送付しました。韓国の保守系団体による、金正恩氏の写真を燃やした行為への対応、という形ですが、韓国でも国家安全保障会議(NSC)を設置するなど、慌しくなってきました。張成沢氏の粛清以来、北朝鮮の動向が読めませんが、それ以上に沈黙する中国の動きにも、注意が必要になってきているのが現状です。
張氏の粛清の理由でもあった、中国との交易における弊害、しかし中国側からみれば張氏ルートの利権でもあったわけです。中国からすれば、これを潰された形となった。また金正男氏と、張氏のルートから北朝鮮に改革を促そうとしていた、との話もあるように、今の正恩体制を、中国側が必ずしも快く思っていない、という事情もあります。つまり北朝鮮としては、ここで中国側からの報復を抑えるためには、韓国との緊張を高めておく、といった必要性がある、ということです。

核施設の稼動や、軍事挑発なども含め、米韓へのアプローチを続ける。それは軍事路線に傾斜しつつある正恩体制にとっても好都合です。テロ計画があったかどうかは別にしろ、そうした懸念を発表せざるをえない国内情勢の引き締めのためにも、韓国との交戦は有利に働く。実に、北朝鮮にとってここで戦端を開くのに、十分な理由がいくつも重なっていることになるのです。
さらに、中国側に配慮するなら旧正月は外すでしょうから、1月後半までがタイムリミットです。中国側にまで突っ張る気なら、旧正月を狙うのでしょうが、金正恩氏にそこまでの度胸があるかは、推測するしかありません。ただ、韓国に攻撃をしかけることに、躊躇いは少ないでしょう。仮にそこで成果を上げれば、晴れて正恩氏は軍功という肩書きをもって統帥権を発揮できます。いずれにしろ、北朝鮮情勢が俄かに緊迫していることは、間違いなくなってきたのでしょうね。

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2013年12月19日

猪瀬都知事の辞任について

FOMCの結果は、国債、MBS証券の買取りを50億$ずつ減少させ、月750億$規模とするというテーパリング開始でした。ただし、ゼロ金利解除時期についてのフォワードガイダンスにより、市場にサプライズ、日本株も年初来高値を更新、円安に傾いています。昨日はNSAの問題にふれましたが、あくまで噂の類ですが、今日になり別の見方を示してみたいと思います。
昨日、先物を大幅高に導いた米系金融機関は、住宅ローン関連の不正販売として130億$の和解金を米政府に支払っています。このとき、バーゲニング取引により、罰金と情報の横流しの相対取引が成立した。米政府は一罰百戒、金融機関に厳しい態度を示している、と国民むけに喧伝でき、金融機関は情報を先どりすることでぼろ儲けする。ただし、欧米の厳しくなる監視の下では難しいので、日本でのみ仕掛けた、ということです。あくまで噂ですので真偽は不明ですが、こうした噂が流れてしまうほど、今回の一社だけ突出した動きには疑念がつきまとうのでしょう。

猪瀬都知事が辞任会見を行いました。遅きに失した感はありますが、政治的にみれば絶妙なタイミングです。名護市長選に全力投球したい自民、1月19日から2〜3週間開けば、都知事選には間に合います。それより遅れれば、名護市長選、都知事選と負けたときの政権へのダメージが大きい。通常国会序盤で、ケチをつけられれば予算審議にも影響します。一見すると、朝日新聞がスクープをとった形となった、猪瀬氏と徳田虎雄氏との東電病院をめぐる密約という話も、自民から一斉に退陣要求を促す発言がでたのも、石原維新代表との会談も、まさに頃合を見計らったようです。
さらに石原氏には、別の理由もありました。一水会の木村氏も、鈴木秘書も元は石原人脈です。さらに東電病院売却の話も、石原都政下のことであり、副知事として贈収賄の罪に問われるなら、本来であれば石原氏とて捜査対象になりうるはずです。会話録音があるともされており、しかもそれを捜査機関が握っている。もし「石原氏にも了承済み…」とでも漏らしていたら、石原氏も贈収賄に問われます。「晩節汚すな」と語られたともされますが、もっと切実に「目をかけてやったのに、恩を徒で返すつもりか!」ぐらいに恫喝したのでしょう。背後には、この事件でお目こぼしでも約束されたのかもしれません。猪瀬氏は、政治的には石原人脈に頼らざるを得ず、その梯子を外されたらアウト、なので辞任に至った、というのが経緯だったとみています。

今後の動きとしては、検察も動かなければなりませんが、一応、従順に政治的なレールに乗った。しかも、五輪決定を決めた都知事が犯罪者、という世界的な見た目、印象にも政治的には配慮したいとの思惑があります。しかしここで弱腰になれば、検察不信は極まるでしょうし、政治的な圧力の匂いがぷんぷんします。しかも、安倍氏は次期都知事に下村文科相を推した、と聞きます。その政治センスのなさが、未だに自民も都知事選に勝てる見込みをもてない原因でしょう。
都知事選には知名度も必要ですが、国政の匂いの強い人間では、拒否反応が強いのです。それは無党派層というより、国政も都政も同じ主体に握られる、という国民の潜在的な恐れに起因します。では、候補としてのびっくりキーワードはキャスター、政治臭のしない人間、ということになるのでしょう。今、名前の挙がっている人間はどうも、脛にキズがちらちらありそうで、都民としても清新さを求める今回では、何かと躊躇もあるでしょう。驚くような候補が出てくるか? それ次第では風向きも変わってくることに、間違いないという状況なのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:42|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 地方

2013年12月18日

経済の話。FOMC結果前の市場の急騰

自民党が、特定秘密保護法に対する反論として朝日新聞12、東京新聞7、毎日新聞4本の記事をあげ、対応マニュアルを配ったとされます。しかしその前に、政府見解と異なる石破幹事長の口を塞がないと、政令や省令でいくら規制します、と言われても信用できるはずもありません。恣意的な指定がないよう、重層的な仕組みをつくっている、としても、その層は薄っぺらく、しかも首相の鶴の一声さえあれば、層なんて簡単に突き破れるのですから、説明が説明になっていません。
また安倍首相まで、猪瀬都知事の問題で「2020年の東京五輪に影響しないよう…」と述べるなど、地方への介入とみられる動きまであります。結局、東京五輪が石原利権から、自民利権へと変遷するだけではないか? とみられるこうした動きにも、とてもきな臭いものを感じます。

今日の株式市場は意外高しました。FOMC前に、こうした大幅高を演じるのは9月以来であり、二番煎じを狙った動きではないか? ともされますが、その前に少し考えるべきことがあります。元国家安全保障局(NSA)のスノーデン氏により、暴露された内容にはいくつか驚くべきものがあります。それはNSAの目的が、テロリストなどの国家安全保障上、必要なものばかりでなく、経済情報を探ることも含まれていた、ということです。
一部でこれは、新製品、新薬などの情報を事前につかむため、ともされますが、重要なのは、市場を動かすテコになりうる材料を、なぜNSAが収集するのか? です。それが国益のためであるならば、当然その情報は活用して然るべきです。つまりNSAが盗聴、インターネット情報の無断収集によって得られたものは、米企業に流れている、とみてほぼ間違いないのでしょう。

米国では、コンマ数秒の差で金融機関に情報が流れることで、莫大な利益がでているとされます。NSAがつかんだ情報が、そうしたところに流れていたら、さらに莫大な利益を得ることができます。つまりFOMC前、もし仮にFRBがテーパリングを先送りする、という情報をNSAが先につかんでいたら…。年初来高値に遠い、日本株を沸騰させるぐらいの先物買いをつぎ込んでもお釣りがくる。それに日本は監視が緩い、安倍政権下では米系金融機関の動きを牽制してこないだろう、との思惑もあっての、今日は意外高だったのかもしれません。何しろ、スノーデン氏の事件の際も、日本は「米国の問題だから…」と口を濁すぐらいの弱腰なのですから。
9月の時点では、FOMCが市場予想を覆して現状維持を決め、翌日も前場は急騰しましたが、買いが続かずに後場は下落しました。イベントドリブンが今回、本当に事前にFOMCの情報をつかんだものだったかは、すぐに判明するのでしょう。そうした超短期の売買で振り回される日本市場は、脆弱なままです。東証は夜間取引に前向きな態度ですが、その前にジャスダック市場で仕手化してしまったネットゲーム関連など、もっとしっかりと規制を機能させた後でない限り、きな臭い動きに振り回されるだけ、ということにもなりかねません。年末までの一儲けなのか、海外投資家の動きには警戒も必要なのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:32|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

2013年12月17日

国家安保戦略策定に思う

猪瀬都知事の問題が、ついに百条委員会まできました。今さら瑣末的なことにはふれませんが、こんな人物に433万票を超える記録的な大勝をさせた、日本の選挙制度に大きな問題を感じます。分からなかった、見抜けなかった、というのは簡単ですが、実はこの人物の本質を見抜くチャンスは、いくつかありました。道路公団民営化の際、私は不十分と指摘し、もし猪瀬氏がここまでしかできませんでした、今後こういう改善をしなければ、と自戒をこめて語るのなら評価できる、と述べたことがあります。しかし猪瀬氏は自らの実績をひけらかし、決してマイナス点を語ることはなかった。つまり真実や実態ではなく、自賛、虚言がこの人物の持ち味でもあったのです。
それをもち上げ続けたメディアの問題も大きいですが、都民も都知事になろうという人物について、もう少し慎重に見極める目をもつことが大事です。石原前都知事の後任だから、などの軽い気持ちでは、判断を誰かに委ねていることになる。それは危険な行為かもしれないのです。

国政では国家安全保障戦略を、初めて策定しました。内容はまだ見ていませんが、重要な点はここに軍拡が含まれることです。現在、軍拡をすすめる国は総じて疲弊しています。しかも日本は人口減少で、税収は減る。消費税増税がこの軍拡につかわれるなら、公約違反です。社会保障の充実どころか、国民負担は増える方ばかり、それで軍事費に歳出を回すなら間違っています。
しかも兵器は買って終わりではありません。維持、管理、最後には廃棄費用までかかります。兵士の熟達度も必要ですし、それを維持する能力も必要です。昨日、米軍ヘリが墜落しましたが、兵器とて事故を起こします。それで国民に被害がでれば、その兵器は無用の長物となってしまいます。決して高額で、高機能であるから安心、安全というわけではありません。
例えば中国の防空識別圏問題でも、日本のレーダー網が中国軍機の発見が遅れましたが、これが設備能力の問題なのか、人的能力の問題なのかは、明かされることがありません。なので軍事費をかければ解消されるか、は国民の知るところではないのです。監視の利きにくい予算だからこそ、軍事費は膨張をつづけてしまいます。しかしそれでは、財政がもたない。これは今後の世界の、一つの課題ともなってくるのでしょう。離島防衛、などと国防族からは語られますが、無人島だろと領有権問題のある島だろうと、いきなり上陸する場合、警察権により対処すべきか、防衛権により対処するのか、その線引きすら曖昧なまま離島防衛に予算をつぎ込めば、後にムダになることも多いですし、何より軍事費の膨張になる可能性が高いことは、言うまでもありません。

さらに、安倍政権で不安なのが、法治国にあるまじき立法府の軽視です。例えば特定秘密保護法など、将来的に左よりの政権ができた場合、安倍氏ら保守勢力は国家転覆の恐れあり、テロリストと指定し、内偵などを行う可能性は否めない。自分たちが自由につかえる刀は、相手もつかえる武器にもなり得るのです。法治国なのに、その法律がいい加減、という致命的欠陥を抱えます。
猪瀬都知事ではありませんが、しっかり本質を見抜いておかないと、国民が失望する頃には不幸になっていた、という事態になりかねません。自賛、虚言が多い人物は、会見などをみれば見抜けます。それを見抜く目を養わなければ、国民はいつまでも搾取される側として、政治家に騙され続けることになってしまいかねないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:47|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2013年12月16日

12月日銀短観について

某新聞の世論調査で、日米関係がよいと答えた人が55%で最高になった、と報じられます。しかし私のみるところ、今は鳩山政権時と同等の険悪さです。悪い言葉をつかえば、日本のポチ化が強まった、だけです。社主が米知日派と近い新聞だけに、この結果はしてやったりなのでしょう。
そんな米国で、インフレ率の低下を緩和継続の根拠、とする論調があります。しかしこの説でいくと、現在の金融緩和でもインフレ率が低下しており、新たな策が必要です。もし緩和継続だけなら、退任するバーナンキ議長は次期イエレン議長に、宿題を残して引き継ぐことになります。あくまでインフレ率に着目すると、といった話ですが、その説に頼りたいといった心境なのでしょう。

日本では日銀短観が出てきました。大企業製造業DIが+16と9月調査より4pt改善と、リーマン前の高い水準にもどりました。非製造業DIが+20と6pt改善、中小企業製造業DIが+1と10pt改善、非製造業DIが+4と5pt改善。一見すると好調な結果ですが、先行きはいずれも2〜3pt悪化となり、見通しの悪さが影響し、市場は下落しています。内容的にも、建設、不動産、物品賃貸などの消費税増税前のかけこみがかなり利いており、先行きの悪化もこれらの剥落が影響しています。
短観の中で気になるのが、大企業の輸出売上高が、4%しか伸びていない点です。為替見通しも対ドルで96.78円と、前回調査より円安にふっていますが、今は2012年度後半より10%は円安であり、4%では円安効果を下回り、数量効果がのっていないのです。さらに今年下期の経常利益は、総じて下方修正されている。上期の実績が計画より好調だったので、トータルでは下がらないとみられますが、年後半の業績の上方修正期待は、短観からは剥落したとみるべきなのでしょう。

さらに設備投資計画が前年比4.6%増と、前回より0.5pt悪化しており、先行きに暗い影を落としました。実は、土地投資額も大幅なマイナスになっており、建設需要の一巡を感じさせます。また生産、営業用設備の過剰感は残っており、雇用人員判断には不足感がでてきた。これは建設業が顕著で、公共工事の乱発により、技能をもった労働者が圧倒的に不足していることを映します。雇用が改善、という言い方をする場合もありますが、ミスマッチ対策が過大になるのでしょう。
総じて、日銀短観は現状のよさと、消費税増税にむけて身構える、といった色が鮮明です。次回から企業の物価見通し、も項目を付け加えるようですが、内閣府発表の需給ギャップが7-9月期-1.6%と、相変わらず需要が供給を下回る状態です。逆に、ここでインフレになるならそれはコストプッシュ型である、との証明にもなります。外需、内需ともに需要が伴っていない景気回復、という形が鮮明な中で、今後の見通しが悪いという点が、最大の不安にもなってくるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:50|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 一般

2013年12月15日

雑感。江田新党について

少し前、東電が福島原発2号機について、外部からの注水により10tの必要な冷却水は足りていたが、バルブの開閉ミスで途中から水が洩れていた、炉内に入っていれば冷却できた可能性がある、旨の発表をしました。しかしこの10tの推計の根拠が、少し調べましたがよく分かりません。私は全停電により炉内から制御棒が脱落、暴走をはじめたとみていますが、それだと10tでは不足します。もし運転が正しく停止し、余熱の除去であるなら10tぐらいで足りるとみますが、それとて推計です。そもそも、10t/日で新しい水を入れ続ければ、今と同じでタンクはすぐにパンクしたでしょう。
きっとそのとき国は、ほとんど汚れていない、などの理由で水を海洋に放出することを認めたのかもしれません。原発の設計指針に、全停電時のことは考慮しなくてよい、となっていたことは斑目前原子力安全委員長が記者会見で悔恨しており、それなのに全停電で原子炉が正しく停まった、と考えるのはナンセンスです。どこかで気の利いた人が、コストも考えず要求されていない仕様を付け足した、といったあり得ない事態を想定しない限り、原子炉が停まるはずがないからです。この辺り、再稼動にむけてトラブルがおきても対処できる、というニュアンスで、世論誘導するための一つの詐略のように聞こえますが、大手メディアは相変わらず右から左に報道するだけのようです。

江田新党の党名が『民権党』か『結いの党』に絞られました。民権党はおカタく、民主党と字面も似ていて誤解も与えそうなので、結いの党が有利のようです。江田氏は政界再編の下準備、いずれ党は消滅してもいい、と掲げますが、これはかなり難しいことです。政権交代を掲げ、二大政党制をめざした民主は綱領もなく、物事の決め方も定かでなく、結果的に政権をとった後で弱点を露呈、離党が続出して崩壊していきましたが、みんなの党のようにアジェンダに拘泥すれば、人は集まらない。人を集めたところで、党の方針を多数決などで決めると、少数派が面白くない。一方で、党幹部に権力を集中させても、独裁になって他の議員の嫉妬を受けやすくなります。
自民のように、長い歴史の上で、派閥が意見を取りまとめるようだと楽です。派閥がワンクッションとなり、金と地位で懐柔が可能だからです。しかしそれでは今のご時勢、失敗するでしょう。今の自民は、派閥の力が弱まったものの、未だに派閥の領袖クラスが健在なところは、遠慮という形で声を抑えています。さらに高い支持率と、利権の復活で浮かれ気分であることも幸いします。しかしこうした党の統治体制を、新しい党が構築するのは容易ではなく、新党の体制づくり、綱領から何から、とにかく決め事が多くて来年いっぱいはかかるのではないか、とみられます。

一方で、みんなの党、渡辺代表が会派離脱を認めない、とする方針です。これは嫌がらせ以外の何者でもなく、ダメージはみんなの党がかぶります。何より、日本人は判官びいきが好きな民族性があります。力のある者が、高圧的に迫ったり、容認しない態度は嫌うといった特質があります。長引けば長引くほど、みんなの党に対する国民の見方は厳しくなっていくことでしょう。
来年は、政界再編話が増えるでしょう。意外と安倍政権の賞味期限は短い、早い段階での選挙が有りうる、との思惑が走るためです。結党から一気呵成、というタイプだった維新も失敗、できれば安心感のある政党を求める機運も高まるでしょう。江田新党がその段階まで昇華できるかどうか、ここ半年が勝負でしょう。メディアもケンカ両成敗の雰囲気ですが、どちらかと言えば判官びいきに流れています。渡辺氏が嫌がらせを加える方が、むしろ江田新党には好都合、と考えると、渡辺氏のヘアスタイルがふたたび鶏冠を立てることになるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 22:51|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2013年12月14日

通貨取引と低成長時代

昨日、株式市場ではメジャーSQの算出日でしたが、15303円とやや下の展開になり、乱高下するといった展開でした。その際、円安、株買いのトレードが発動し、一時円は対ドルで104円に手が届くところまで下落し、海外市場ですぐに103円前半にもどりました。最近、株式市場が下落すると、すぐに年金基金(GPIF)の話題がでてきて、相場を支えようとする、という話もありますが、円に関しても来年は対ドルで110円だ、といった威勢の良い話が聞こえてきます。確かに日本は2ヶ月連続で経常収支がマイナスとなり、円が売られ易い地合いであることに違いありませんが、そんなことを言い出したら米国なんて貿易赤字は常態化していますし、経常収支も何度もマイナスになっています。実需ベースの通貨取引が、相場の方向性を決めるわけではありません。

スイスフランと日本の円は、二大キャリー取引通貨とされており、今も増えているとみられます。しかし一時期より活発でないのは、ボラティリティの大きさを嫌気している、とされます。現在、貿易取引は世界全体でみても、リーマン前より増えているわけではないので、実需ベースの通貨取引が増えているわけではありません。このボラティリティは、すべて金融緩和により金融機関につみ上がった資金、及び市場に流れこむ個人マネーとみられています。
円の投機的ポジションは、13万枚超とリーマンショック以来、最大の売りを示します。こうしたポジションの上下動が、今の変動を生み出しているため、単純に金利差だけで取引するにはリスクが高すぎる。そのためキャリー取引が抑制される、むしろ今の円安は先安期待に支えられた、投機によって為されている。しかし実際、円安になったときはその反対売買がおきる、という矛盾を抱えたまま、多くが円売りにポジションを傾ける、という異常な状況でもあるのです。

よくFRBのテーパリングに関して、労働市場が以前の状況にもどっていない、という言い方で否定する人がいます。しかし以前の状況にもどるのか? 以前、というのがリーマンショック前のことなら、まず無理です。それに匹敵するバブルがおきれば別ですが、そのときはもっと大きな問題がその先に襲います。英中銀のカーニー総裁が、いみじくも「世界は低成長時代にはいったのかもしれない」と発言していますが、まさに私も同意します。少し景気が回復すると、テーパリング、財政健全化などの動きによって、成長率が抑制的になる、それが今後の世界経済です。
これは為替も、株も同様、肥大化した金融が将来への期待として、売りでも、買いでもポジションを積み上げてしまうと、後にそうした動きになれば反対の動きが出て抑制される。今も、株式市場には年末年始にむけて上昇する、というアノマリーに賭けたポジションがつみ上がっています。ただの需給要因だけで、ここから上値をとっていくと、後に大きな反動も出るでしょう。低成長時代、そこにマネーだけが豊富、という歪な中で来年を迎えますが、株式も為替も、ボラティリティに注意が必要な時代になるのかもしれませんね。

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2013年12月13日

雑感。日米地位協定の改定?

北朝鮮の張成沢氏が処刑されました。正男派だった、中国利権を牛耳った、クーデターを画策した、など様々な罪が並べられますが、重要なことは今後の北朝鮮がどういった方向にむかうか、です。今回、軍部の意向が通っているように見えますが、だからといってすぐに軍政に向かうことはありません。北朝鮮には、それほどの外貨がないからです。むしろ一時的に、周辺諸国との融和路線をとり、そこで貿易、経済特区などでえる利権を軍部に集中させてから、という方が危ない。
そして金正恩氏が単純に、軍の傀儡になってしまうのか? です。軍に近づき、政権安定に利用した後、反目して逆にクーデターの餌食となる、といった首領は枚挙に暇がありません。特に、正恩氏は軍事的には何の実績もない。軍が暴走しても、カリスマ性がないため抑止できない可能性が高い。ムリに押さえ込めば、それこそ暴発を招きます。忠誠心合戦がはじまる、ともされますが、野放図な軍拡や軍功争いに陥ったときは、周辺諸国にも緊張が走ることになるのでしょう。

そんな日本では、日米地位協定の改定をめざす方向で、政府は協議に入っています。しかし未だに問題の多い、米兵が事件を起こしたときの扱いではなく、基地返還をにらんだ環境条項の追加、もしくは別立ての特別協定として付加する、という形になりそうです。しかし遅きに失した感はあります。大きな工場が移転すると、必ず跡地には有害物質が残されています。築地移転先の豊洲、東京ガスの跡地も同様です。これは長く立地する間に、環境などの法律が変遷しており、基準がなかった頃に土中に廃棄されたものは、違反とすることはできません。軍事施設なら、尚更どういったものを廃棄しているか、70年の歴史からも分かったものではありません。
政府はこれを突破口に、沖縄に辺野古移設を認めさせる方針、と伝わりますが、自分たちは一番難しい兵士の事件についての交渉を棚上げし、沖縄に妥協しろ、というのはスジが通りません。しかし恫喝幹事長、と最近揶揄されることも多い石破氏は、特定秘密保護法の独自解釈を滔々とメディアで語るように、この問題も沖縄にごり押しする構えです。早く跡地利用させてやるからどけ、ということです。自民党の高圧、傲慢な体質がこんなところにも見え隠れします。

猪瀬都知事の新著が『勝ち抜く力』だそうです。最近話題の炎上商売にも思えますが、執筆開始時は、きっと本気で勝ちつづける気だったのでしょう。皮肉にも、勝ちに拘るからついたウソが続々とばれる、という事態を招きます。最初にダメージコントロールしておけば、今の状況にはなっていません。後どれぐらい都知事にすがりつくかは『負け惜しむ力』にかかっているのでしょう。
しかしこの都知事問題さえ、自民の利権と密接にからみます。猪瀬氏の息の根を止めず、じわじわ攻めているのも、傀儡の都知事をおいて五輪利権をとりこみたい、という自民の都合によります。派遣制度の規制緩和も、結果的に企業むけに都合いいよう、むしろ労働者を圧迫する方向に改定しようとしています。一度お灸を据えられたはずなのに、逆にこれほどまで利権にまい進する政党へと成り下がってしまった自民。その実態に気づけずにいると、やがて忠誠心合戦、自民への献金、付け届けによって有利、不利がきまるといった北朝鮮や、中国と同じような国に、日本もなりかねないのでしょう。今、隣国で起きていることと安倍政権との融和性が高い、という点からすると、安倍政権がめざす地位協定とは『米国へのおもてなし』であり、忠誠心合戦という様相を帯びるのかもしれませんね。

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2013年12月12日

米国経済への不安

自公の税制大綱がまとまりました。法人に優しく、個人に厳しく、といった形が鮮明であり、加えて社会補償費の負担増という問題も、個人には重くのしかかります。それで政府がすすめているのは、国土強靭化に伴う公共工事、というのですからさらに罪が重い。しかも、消費税増税で支持率が落ちなかったことから、各省庁は予算の分捕り合戦をはじめており、その財源には増税が必要、との思惑が政治家、官僚に蔓延しているのですから、最悪の展開に陥っています。
約5.5兆円の補正予算も発表されていますが、これにより当初予算と合わせ、98兆円超の歳出になり、過去4番目の大きさです。安倍首相は来年は税収が増える、としますが、アジア開発銀行も日本の成長率を1.7%に下方修正しており、どうも期待とおりの税収増とはならない空気も出ています。そこにきて、米国からちょっと気になる情報が、いくつか出てきました。

まず昨日、米財政協議がまとまりました。茶会系が反発しており、もう少し紆余曲折ありそうですが、問題はここで歳出の強制削減で合意された点です。米国も財政健全化にふみだしており、これが米国の景気回復を阻害する可能性があります。さらにボルカー・ルールの成立です。これは2015年7月から実施、とかなり先の話ですし、骨抜きとはいかないまでも金融機関が怯えるほどの内容は含まれない、とされます。しかし金融機関の高額報酬は制限されますし、自己勘定取引は大きく規制されます。抜け道をさぐって、取引できるとされますが、そんなことをすればJPモルガンなどのように、難癖つけられて、後で大きな賠償額を奪われるのがオチです。つまり800ページに及ぶボルカー・ルールをすべて読み込んでさえ、金融機関には自己規制がかかってしまいます。
一部の金融機関では、すでに対応済みとしていますし、海外の債券や株は規制の対象外ともされますので、影響は軽微という味方が専らです。しかしマインド面は確実に悪化します。そして、来週開かれるFOMCで、テーパリング(金融緩和の縮小)開始が決まるのでは、との思惑が広がっています。ここにきて、FRB理事がテーパリング容認姿勢を語ることが増えているので、二度も市場に誤ったメッセージをだすこともないでしょうから、今回はやる、との見立てが増えています。

さらに、副議長にイスラエル中銀のフィッシャー元総裁を打診、と伝わったことが、ここにきての市場への悪影響を与えています。フォワード・ガイダンス(FG)と呼ばれる、比較的長期にわたって金融政策に言及することで、テーパリング開始後にも、市場に安心感を与えるとみられていましたが、フィッシャー氏はFGに否定的なのです。つまり市場に不透明感が広がってきているのです。
しかし、考えてみれば中央銀行の意図を、そう易々と知ることができるなら、これほど楽なことはありません。むしろFGなど、市場の堕落とも呼べる期待であり、本来は一言一句を精査して、次の政策の予想をたてる、というのが金融機関の役割だったはずです。それが正しいかどうか、でアナリストの能力が評価されるのであり、FGを行えばそれが横並びになる、というだけのことです。

米国にも来年、不透明感がただようかもしれません。それはオバマ政権のレイムダック化と、FRBの不透明感という財政、金融への不安からくるのでしょう。日本には増税の波が、アジア、新興国には一時期のバブルの影響が襲います。堅調な欧州株からは、機関投資家が手を引き、今年は例年の倍近い大きな売りをいれた、という話も伝わります。来年、諸々のことが危険のサインを示します。相場格言なら、辰巳天井ともいわれます。今年の状況をみて、浮かれている今の与党に、来年の不安なんてないのかもしれません。しかし支持率という潮目の変化は、経済面での失政がつづくと大きくなるのは、世界全体で同じです。来年は、倍返しの逆転がおきないよう、今は祈るばかりなのでしょうね。

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2013年12月11日

野党の動き

維新の会の東国原氏が離党、議員辞職を発表しました。比例当選なので党に迷惑をかけない、ということですが、まずこうした動きは有権者に支持されない、ということです。その時点で迷惑をかけていますし、会見でもちくりと党に不満を漏らしていたので、むしろ庇っている橋下共同代表にも迷惑をかける行為です。一方、党の広報担当でしたが、維新の施策は旧太陽の党の意向に沿うものであり、公でそれを擁護しつつ喋るのは面白くない。それでも、自民ではこれも下積み、として上手く立ち回れば出世の道もありますが、維新ではそれもない、という事情もあります。
江田氏らが立ち上げる新党とともに、維新を糾合するには、旧太陽の勢力は邪魔。そんな政局より、目先の都知事選との思惑なのでしょう。彼のように唯我独尊のタイプは、お山の大将でしか力を発揮できません。国政の場における根回しと、どろどろの人間関係は性に合わないのでしょう。前に、江田氏の立ち上げる新党を『いっしん党』…と提案していますが、いずれ維新と組むにしろ、似すぎているため『けんしん会』がいいと、勝手に考えます。江田憲司氏の『けん』と『献身』をかぶせて、いずれ野党糾合するときには献身的に働く、という意味にもとれます。国民向けには、既得権益打破よりよほど「身を粉にして働く」という方がインパクトもあるでしょう。

そんな中、民主にも遠心力が働いており、落選議員を中心に離党の動きが止まりません。次の選挙は細野氏で戦う、という暗黙の了解で今は海江田氏に任せており、その細野氏が江田氏の勉強会に参加している。次の選挙の軸は、自民対江田新党、という構図が強まる中ですから、益々民主に残っていても目はありません。政党支持率ではかろうじて2位を保ちますが、政権時に自民と近い政策をとったため、先の衆参選挙でも対立軸が打ち出せなかった。前原氏や野田氏などのグループが力をもつ限り、中々国民に信用して、といってもそうならない点も遠心力になります。
しかし江田新党も順風満帆でないのは、維新の松野氏、民主の細野氏を加えても衆参70名もいかない点です。掲げる旗を曖昧にすれば、それこそ民主内の組合系をとりこみ、支持基盤も得られますが、江田氏の考えとは違った形にならざるを得ない。旗幟を鮮明にすれば人は集まらない。この天秤にどうバランスを与えるか、です。党綱領のとりまとめには相当気をつかうでしょう。

さらに安倍自民との戦い方です。今の安倍政権は、明らかに官僚支配が強まっており、また軍国主義化が鮮明ですが、だからといって今のメディアはそうした攻撃の仕方をとりません。対立軸をそこにおくと、メディアの報じ方も弱まります。恐らく、次の選挙の戦い方としては予算の使い道、つまり増税して国民負担が増したのに、ムダ遣いや防衛費増額などによる、国民生活とは乖離した政府の予算の使われ方を糾弾する、という形になっていくのでしょう。具体的な金額や、こんな贅沢をしています、という映像の方がインパクトもあって、メディアの扱いも違ってきます。
既得権益打破、を掲げるなら、尚更そうした行政上の問題点をついていく方がいい。そのためにも『献身』もしくは『奉仕』という旗がより分かり易くなります。安倍政権が、自分たちのやりたいことを押し通す、ごり押し、唯我独尊的な傾向を強める中ですから、そうした態度が求められるのかもしれません。野党再編は次の通常国会後、ということになるのでしょうが、やたら保守系の人間に独善の気質がめだつ現在、いかに謙譲の姿勢を保てるかがカギになってくるのでしょうね。

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2013年12月10日

東アジアにおける緊張の高まり

韓国の朴大統領が、北朝鮮の金正恩第1書記をして恐怖政治とし、呼び捨てにするなど異例の対応をみせました。これは反日に対する批判が増え、今度は反北で支持率回復をねらう流れと考えられますが、朴氏からは残念な感じしかうけません。敵をつくり、支持をえるのは政治的にはありがちで、また危険な手法ですが、それを国外に向けつづけるなど、外交手腕は稚拙としか言えず、国内外から品位を疑われます。将来、政権交代になったとき犯罪者として糾弾されたくないから、野党にも配慮するといったことで、自分本位の保身、名誉欲というところが滲みます。
一方で、日本も韓国の防空識別圏問題について、中国とは違って反対姿勢を示ししませんでした。韓国は事前に『説明』を行った、中国とは違うとしますが、『協議』ではありません。この理屈では、日本も今より広い防空識別圏を『説明』すれば、竹島や北方領土などを含む範囲まで広げることが可能です。実際、中国へ反発したなら韓国へも反発しなければ、道理は通りません。先に、韓国から米国に打診があり、そこで合意されてしまったから口をつぐんだ、といった理由なら、日本の外交姿勢の一貫性について問われることになるのでしょう。

さらに、この韓国の防空識別圏問題は、民間航空着の運航は妨げない、と中国より柔軟ではありますが、では戦闘機は? 無断で重なる防空識別圏に入ってきたとき、スクランブルをかけたら、非常に危険な状況に陥ります。また例えばロシア機などが、重なる防空識別圏に入ってきた場合、日韓のどちらがスクランブルするのか? 両国でそうすれば、三国の極めて繊細な対応を求められます。これは北朝鮮機であっても同様、スクランブル競争などになれば、それこそ危険が高まる。こうした問題について、話し合った形跡がまったくないまま、今日に至っています。
しかも、韓国ではイージス艦を増設する計画ももち上がります。当面は中国と領有を争う離於島の問題としますが、韓国は元々海軍能力が弱く、それは北朝鮮も同様でした。韓国が軍備を増強するなら、北朝鮮とてそうした方向を模索するでしょう。財政上難しい、という面があるにしろ、韓国の軍拡には北朝鮮の暴発を促しかねない、という面とあわせて日本とて懸念があるはずです。それすらも日本政府から、何かのリアクションがあった、ということはありません。

安倍内閣の姿勢は、こうした点でどうも一貫性を欠きます。結局、TPP交渉の年内妥結見送りも、関税面では日本の抵抗が決裂の要因、とWikileaksに暴露されています。知的財産など、その他では米国の要求と他国との隔たりが大きいなど、日本が交渉を壊したことにはなりませんが、戦略性という点で、安倍内閣の目論見は崩れた形です。関税では妥協を迫られる公算が大です。
さらに特定秘密保護法など、安倍政権を支持するメディアからは容認の声も聞かれますが、例えば将来、安倍政権と真逆の政権ができたとき、そうしたメディアが攻撃の対象にされることも想定できます。政権が永続するなら、今のメディアの態度も貫けるのでしょうが、世の中は変遷します。その度、態度を変えるようなら、その無節操さに読者も呆れるばかりとなるでしょう。結局、こうしたことを理解せず、敵、味方で意見や態度をころころと変えているなら、真の意味で外交、内政において一本のスジが通らないことにもなる。東アジアにおける国々の統治者たちの能力の欠如、が今一番の危機といえるのかもしれませんね。

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2013年12月09日

GDP二次速報と景気ウォッチャー調査

みんなの党、江田議員他13名が離党しました。渡辺代表はマインドコントロール、とまで述べましたが、修正合意のスジの悪さが大量離反を招いており、与党に近づく野党は壊滅する恐れを、強く意識させたことが影響します。NHKの世論調査をみると、自公、みんなが大きく政党支持率を落としており、党内がまとまらず衆参で欠席した維新が、漁夫の利を得た形です。内閣支持率も10%程度おとしており、潮目が変わった感もあり、益々渡辺氏の判断が正しかったのか、問われます。
安倍首相による、閉会をうけた記者会見も行われましたが、特定秘密保護法の恣意的な運用はしない、という説明は鵜呑みにできません。南アのマンデラ氏が亡くなりましたが、彼はかつて時の政権からテロリストとして処分されました。テロリストの敵は、テロリストです。安倍政権に敵対するものは、国家転覆の恐れがある、とされる可能性が高い。だからといって、国民を糾弾すると政府が転覆しかねないので、恐らくこれは個人情報保護法のように、行政上の不都合な情報を隠す目的が強くなるはずです。そしてそれは、政権を攻撃する政治家、メディアを調査し、微罪、軽犯罪を集めることに使われかねない。そしてそれを隠蔽する目的での利用が考えられます。官僚が運用に携わるシステムを、官僚が都合よく使わないはずがなく、官僚に非協力的な政治家、メディアなども攻撃の対象となる恐れが拭えないのでしょう。

内閣府から二つの重要な経済指標が発表されました。まずGDP二次速報ですが、年率換算で1.1%と、一次速報より0.8%も低下しました。大体、一次速報が注目されますので、二次速報は大きく報じられませんが、安倍ノミクスに急ブレーキ、という表現がぴったりです。設備投資が一次速報から0.2下がった、と説明していますが、それ以上に国民総所得が-0.2となっており、日本全体で稼げていない、という形が鮮明です。公共工事の大盤振る舞いも、広がりは感じられません。
円安効果が輸出に利くのは1年〜1年半後、という人もいますが、これは誤りです。過去、そうした結果になったのは円安より、海外でバブルがおきたことで消費が活況だった、ということが影響しています。いくら為替予約がある、といっても円安で値下げできるなら遅くとも半年で効果が出るはずです。日本でも同様に、購買力を高めるのは価格のみならず、イメージ戦略やアフターサービスなど、多岐に亘ります。値下げし、一時的に販売を押し上げてもそれでブランドイメージを崩せば、次の成長はつかめない。今の韓国をみているとまさにそうした形です。

もう一つ、景気ウォッチャー調査が出てきましたが、家計動向では早くも住宅関連の落ち込みが激しくなっており、増税前の駆け込み需要が、小売、製造業には利いていますが、設備投資が低下しているように、増税後の影響についてすでに身構えている印象です。雇用関連も0.3下がりましたが、これが右肩下がりになるなら、ここからの景気はすべて消費税増税前の駆け込み需要に支えられる、という形が鮮明になるのでしょう。それは伸びない賃金が影響します。
米国では、エネルギー価格が低下しており、それが消費への悪影響を防ぎます。しかし日本ではエネルギー価格の上昇が大きい。日本ではコアCPIを物価動向として採用しますが、世界はコアコアCPIを用いる、との指摘もあるように、デフレ脱却などはまだ道半ばにして7-9月期GDPの伸びが鈍化したように、国民全体は苦しくなっています。NHKの世論調査でも好景気を実感できているのは16%と出ていたように、これが安倍ノミクスの真相です。統計調査で窺えるのは、今の日本は踊り場、停滞という言葉であり、潮目がかわった政権支持率とともに、マインド低下が今後の経済にも暗い影を落としそうな雰囲気がでてきた、といえるのでしょうね。

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2013年12月08日

みんなの党が分裂

みんなの党、江田氏が離党の意向を表明し、みんなの党が分裂です。みんなの党の英訳である『Your Party』のYourは、単複同形ではありますが、これでついに単数である『あなたの党』になります。二枚看板である江田氏が抜ければ、求心力低下は免れず、選挙でも苦戦することになる。江田氏の旗の掲げ方次第では、多くの議員がのれる新党になるため、どれだけの議員が流れるか? そこに注目が集まりますが、みんなの党の決着のつけ方にも注視しておいた方がよいでしょう。
たとえば、渡辺代表が「比例は政党の票だから、党に返すべし」旨の発言をしています。しかし政党が、選挙で約束したことを違えた場合、国民が期待して入れた票の意味とは異なってきます。比例代表選の票は、決して政党へフリーハンドで与えられたものではありません。先の民主党の例をみても分かりますが、時の執行部が選挙で約束していない、消費税などを唱えれば、それはすでに比例票は死に票になっています。時の執行部に全権委任された票ではないのです。

特に今回、渡辺氏の対応は衆院が賛成、参院が欠席、とブレました。与党の稚拙な国会運営を唱えてみても、衆院で修正協議をしているのですから、法案自体には賛成のはずです。しかも、参院でさらに修正協議にもちこむ、というなら話は分かりますが、そうした動きはみせなかった。みんなの党って何なの? という懐疑的な見方を増やしてしまった。渡辺氏の党運営、国対にも不安を残すことになった。さらに与党への接近ぶりが、次の選挙への不安となって襲います。
今の巨大与党は、野党の協力をとりつける必要がありません。必要なのは議論を尽くした、というポーズだけです。渡辺氏が、みんなの党を丸ごと与党の生贄として、差し出しているようにも見える。今回、参院で欠席に至ったのも、離党組を何とか減らそう、という詐略に見えてしまう。最終的には、与党に協力することでいずれ復党を画策するのではないか? その場合、今のみんなの党の議員はほとんど公認もうけられず、次の選挙にでる目さえ断たれてしまうことになります。

一方で、江田氏は今回、渡辺氏と離れることで次の目標が生まれる。自民でも、民主でもない、色のついていない新党の誕生は、国民の期待を一身に集める可能性があります。それは『失敗していない政党』だからです。特に、江田氏は舌鋒鋭く、脱藩官僚として脱霞ヶ関との期待がある。翻って渡辺氏は、行革担当相として失敗した体験をもっていた。みんなの党に付きまとっていたネガティブな部分を、渡辺氏がすべて引き取った印象さえ抱いてしまう。そこに期待する人が増えれば、発足当初から二桁どころか、他の政党からの参加も含め、糾合していく可能性を秘めます。
このとき江田氏が注意しなければいけないのは、失敗の過去をもつ人間をムリにひくことを止める、ということです。前原氏、野田氏など、国民の目からするとネガティブな印象しかない。最近のドラマの台詞を文字って「私、失敗していないので」という形で、新党を次の選挙まで引っ張れば、大化けすることも十分ありえます。勝手に政党名を考えるなら『いっしん党』などが良さそうですが、『あなたの党』から何人流れるか、来週の動きは要注目ということなのでしょうね。

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2013年12月07日

11月米雇用統計

昨晩、あっさりと特定秘密保護法が参院で可決されました。賛成側のメディアからは、盛んに国民の懸念、不安の払拭に努める、旨の報じ方もされますが、欠陥法案を通しておいて運用で何とかします、が一番不安なのです。一番不安なことをしておいて、払拭できるはずもありません。しかも、そんな欠陥法案を通してしまった与党が目指すのが、憲法改正だというのですから、その不安は恐怖に近くなります。欠陥憲法をつくって、運用で勝手にやります、と言い出しかねません。

米国では昨晩、11月雇用統計が発表されました。非農業部門雇用者数が前月比20.3万人増、失業率は7.0%。いずれも市場予想を上回りました。労働参加率が改善する中、失業率が低下したなら、これは良い結果といえます。ただし、11月は政府機能の停止の影響でブレがある、ともされており、素直にこの数字をうけとることはできません。また賃金の上昇も時間当たり0.04$の上昇と、これまでとくらべると高い数字になりましたが、まだ低いままに留まっている点が気がかりです。
米株式市場は2つの見方で割れました。年内のテーパリング開始と、3月まで判断先送り、という2つです。しかし素直にこの数字を好感する流れとなり、市場は大幅高、ドル高、ユーロ安を招いています。日欧の緩和がつづく、との観測もありますが、全体としては米国の景気回復をよろこんでいます。ただ、賃金の上昇も平均週間労働時間が0.1のびたのも、不動産業の活況を映しているとするなら、米経済の回復も依然、脆弱といえます。米国の不動産業は投機資金によって押し上げられている側面があり、流動的であって、テーパリングによる影響はよく分かりません。

米国でテーパリングが行われると、資金の流れは確実に変わります。5月にテーパリング観測が広がったときから、新興国からマネーの引き上げがおきました。日欧の緩和マネーは、それほどリスクをとった運用は少ない。新興国に長めの資金をおくのは、ほとんどが米系です。グローバル展開の差、ということもありますが、リーマンショック後の規模縮小や資産査定などで、海外での展開を縮小させてきたため、日欧は新興国などの運用に遅れをとってきた。米系が新興国から引けば、その分だけ新興国には下押し圧力がかかることになります。
問題は、新興国の変調がどれだけ世界経済に影響するか。そして、日欧とも債券が高止まりし、また低金利、マイナス金利になれば、運用先に窮する金融機関がでてくる。その資金の受け手として、米国では自国の株式、不動産市場に期待し、今は高値をとっているといえます。しかしそう上手くいくのか? 米国とて低賃金労働が増え、ディスインフレの懸念が強まる中で、資産だけが高値をとっていくことをバブルと呼びます。その状況でテーパリングがはじまる。来年のマネーの流れは、相当に変動が大きくなるのでしょう。米雇用統計が、必ずしも米経済を映していない中で、その指数にしたがって行う金融政策の行方が、来年の経済の不透明さにつながってくるのでしょうね。

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2013年12月06日

国会のテロリスト

国会では特定秘密保護法案の成立にむけ、駆け引きが続きます。衆院で提出された内閣不信任案も起立投票で決まるなど、とにかく異例ずくめです。さらに2日間の延長を決めましたが、政権と与党との戦略の違い、というより、ここにきてメディア、各団体、国民などが一斉に批判をはじめた。衆院採決のときは、これほど拡大しなかったのに、という焦りからバタついている印象です。
ここにきて政権、与党は内閣支持率が高い、政党支持率が高い、という言葉を口にし始めました。これは自分で、自分を正当化しなければならないほど、追い込まれている証拠です。ここに来て批判が高まったのは、二転三転する答弁、後だしで出てくる情報が、すべて国民にとって不都合なものばかり、といった失敗をメディア、国民が敏感に感じとったためです。安倍政権がネジレ国会の原因をつくりましたが、その轍をまたくり返そうとしている。その愚かさ、稚拙さ、そうしたものが影響しています。メディアが総批判を繰り広げるのですから、今後でてくる支持率にも影響してくる、つまり今後、イイワケがイイワケにならなくなることが必定なのです。

さらに経産省の諮問機関である総合資源エネルギー調査会で、原発を『重要なベース電源』なる奇妙な言葉をつかい、再稼動、新設への動きを強めてきました。これも国民の声を反映しているとは、とても思えない。安倍政権の独りよがりぶりが、ここにも現れます。なぜ原発がベース電源ではないのか? それは簡単で、必ず長期で保守、点検をしなければなりません。つまりそれをカバーするには、一定量の原発を保持し続ける必要があるのですが、古い原発は再稼動どころか、そのまま廃炉にすらなりかねないものがある。新設しつづけない限り、ベースにはなり得ないのです。
またその対抗馬として、自然エネルギーを挙げるのも奇妙です。太陽光、熱、波力、風力にしろ、安定的でないのは自明です。以前も指摘したように、原発に対抗できるのはマグネシウム発電、海洋温度差発電、地熱、などです。これらは常に安定して電力を確保できますし、温度差発電以外は大規模化も、小規模発電にも対応できるすぐれものです。しかも原発でさえ、ウラン燃料を海外から買わなければならない。国産でウラン燃料をまかなうなら、再処理を本格始動しなければなりませんが、この計画も遅延、遅延で未だにまともに動いていないのが現状なのです。これで、どこが『ベース』になり得るのか? 小泉元首相のように、処分場を決めてから言うべきでしょう。

安倍首相が、夕刊フジの単独インタビューに答えていますが、フジサンケイグループといえば、保守系のいわばおトモダチです。メディアが総批判を強める中、おトモダチで意見表明というのも、批判的な相手の前には出て行けない、弱さを露呈しています。石破幹事長の言葉を借りれば、国民に広く説得せず、声高に叫ぶのはテロリストとなります。しかし国民の声を無視し、自分たちのやりたいことを通そうとする人間も同じテロリスト(恐怖政治主義者)と呼ばれることを、キモに銘じておくべきなのでしょうね。

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2013年12月05日

安倍政権と米中会談

甘利経再担当相の病状が、舌癌と公表されました。早期、ということですが、転移の早いところでもあり、入院とその後の経過観察も含めれば、とてもではありませんがタフな交渉ができる状況にはありません。それでも安倍首相は慰留したとされ、TPP会合には西村副大臣が出席するようです。年内合意にこだわるあまり、ここに来ての担当者交代という事態は何としても避けたい、という体面にこだわったとしか思えません。安倍氏はおトモダチに囲まれていないと安心できない人物ですが、おトモダチの健康への気遣いは、あまり感じられず、血も涙もないようです。

特定秘密保護法案が、委員会で緊急動議により質疑を止め、強行採決されました。石破自民幹事長など、したり顔で「審議は尽くされた」と述べますが、国民の誰がみてもそうは思えません。自民党が詭弁と、傲慢でみちた政党であることが、今回は如実に示された形です。
一方で、最近でてきたのがバイデン米副大統領が訪日していましたが、メディアは中国の防空識別圏問題で日米が足並みをそろえた、といった報道に終始していましたが、米国は日本と温度差がある、という話です。バイデン氏も日本に対し、危機管理メカニズムが必要と述べています。つまり、中国の防空識別圏があるという前提で、日本も対応しなさいと言っているのです。

民間航空機への指揮命令について、すでに齟齬が生じていますが、米航空会社が飛行プランを提出するのも、米国は中国の防空識別圏を容認する姿勢、とみることが可能です。米中会談で「認めない」としますが、撤回は要求しない。しかし、実はこの対応を非難はできません。防空識別圏自体、国際的なルールがないからです。つまり協議をしろ、と述べているのであって、これは尖閣諸島上空における紛争問題はない、としてきた日本の態度とは相容れないものです。
国際社会も、中国が協議もせず一方的に線引きしたことを非難しますが、防空識別圏自体は非難できない。しかしその協議をはじめれば、自然と尖閣の領有権が俎上に上がる。この問題で追い込まれつつあるのは、実は安倍政権なのです。米国が撤回まで要求しないのも、二国間の問題であるからで、そこで米国が交渉の矢面にたてば、さらにおかしなことになります。米国頼みの安倍政権にとって、米国抜きで中国と交渉するか、しないか、というところから戦略を練らなければなりません。交渉しなければ規定路線化されかねない、安倍政権も頭の痛いところです。

しかしバイデン氏と中国の習近平国家主席との会談をみても、米中は何かを握っているとしか思えない。仮に、北朝鮮有事になった際、中国の近海は飛ぶな、という中国側のスタンスを米国も容認しているなら、防空識別圏は新たな領土問題として、日本にふりかかったことになります。国内は強行採決、などやりたい放題ですが、安倍政権のおトモダチづくり外交、嫌いな相手とは付き合わない、という頑なな姿勢が招いた危機、と考えるなら安倍政権でおきる必然が、今は国内外でおきているとみて、間違いないのでしょうね。

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2013年12月04日

雑感。党首討論について

今日の株式市場は大きな下落となりました。英国系の売りが目立つ、とされますが、期先は買いですので、これはロールオーバーの流れです。一方、昨日から欧州系CTAスジが昨日から、徐々に売りに転じている。未だに2万枚以上の買いもちとみられることから、ここが半分をSQまでに処分したとすれば、それだけで15000割れも考えられる。そうした動きを恐れ、売りが嵩んだというのが理由です。米経済指標が好調で、早期テーパリング観測が強まったことも、昨日はドル高、円安で株高を演出したものの、今日は悲観でとったことも為替との連動取引にはマイナスだったのでしょう。


党首討論が開かれました。特定秘密保護法案に関しての応酬がメインですが、少し気になるのが、みんなの党・渡辺代表の動きです。参院での反対も示唆したのは、恐らく党内での孤立に気づき始めたから、とも見られます。このまま安倍政権に近づくと、党は確実に割れますが、自民に協力しても次の選挙で勝てる議員は片手で足りるほど。逆に、渡辺氏についてくるのが片手で足りるなら、党が割れたのではなく、渡辺氏側が追い出されたとの印象が強くなります。政党助成金も頭割り、となれば渡辺氏側は面白くない。今回は与党協力を見送り、賛成しない可能性もあります。
一方で、ここにきて第三者機関の具体策を挙げるなど、自民党も姑息にすぎる作戦です。企業においても、不祥事を起こすのは経営と監視機関が一体となり、不正を暴こうとする動きがないときに起こります。安倍氏は有識者がいればチェックが利く、という言い方をしますが、この国の有識者が、本来の意味での任にないことは自明です。そんなものに頼る時点でブラック企業です。

党首討論でも、日銀の追加緩和について「総裁が適切に判断」と述べるなど、安倍ノミクスはほぼ金融政策、という目で海外勢からはみられています。今は追加緩和期待で円安、株高になっていますが、来年3月まで待ってETF買いの増額程度では、失望売りになることは目に見えています。円安、株高、それによる景気浮揚も日銀のお陰であって、安倍政権は何もしていない。それが実態です。
この特定秘密保護法案が、安倍政権の最初の実績、とも呼べるのでしょう。それが国民の反対の声が大きい法案である、という点が重要です。憲法改正など、それにつづく安倍政権の方向性、その危険性に国民が気づく日も近いのでしょう。それは経済政策、社会保障であっても同様、安倍政権がつづく限り、この国は誤った方向にしか向かわない。経済でも「やるぞ、やるぞ」というハナ薬が効いている間が、一番効果が上がるものですが、安倍政権の実体が見えてきた今、ブラック政権により国民の目が晦まされてきたものが、今後は徐々に明らかになる、今回はその第一歩になるのかもしれませんね。

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2013年12月03日

北朝鮮で張成沢氏が失脚

北朝鮮から大きな動きが伝わります。国防委の副委員長、張成沢氏が失脚したというのです。張氏の側近も処刑されたと伝わり、実質的に金正恩氏の独裁が強まるのか、それ以上に権力闘争が激しくなるのか? やや読みにくくなってきました。先には朝鮮戦争にも従軍した元米兵を捕らえ、謝罪文を読ませるなどの行動もありました。それを米朝交渉のテコとするのでは? と見ていましたが、張氏の失脚がそこにどの程度、関わってくるのかはかなり微妙です。

先週、イラン核協議において、常任理事国に独国を加えた6カ国が、第一段階の措置で合意しました。2か所の核関連施設の査察受け入れ、もありましたが、イランで重要なパルチン核関連施設は査察を免れた。これは重要な問題であり、イランはこれからも軍事転用できる核技術を蓄えることが、この措置では可能となったのです。イスラエルは当然反発していますが、思ったほど激しいものではなく、意外なほど冷静です。ここには裏事情があるとされます。
イランと米国は、すでに核の軍事技術をもつことで合意している。ただし、核爆弾まで転用する技術はないため、イランがもつのはダーティー爆弾まで。つまりは劣化ウラン弾や放射性物質を混ぜたミサイルまで。実は、劣化ウラン弾などすでに米軍などが使用しており、禁止事項とするのも困難で、また核関連施設があれば、製造可能でもあって、それを抑止することもできない。だから核爆弾をもたない代わりに、そこまでは許諾しているのではないか? との疑いがあります。

こうした合意に至ったのは、一つにイランの政権が交代したこともありますが、もう一つは北朝鮮情勢の緊迫化に、米国が焦っている、とする理由が挙げられます。イラン問題が解決し、イラク撤兵、アフガンからも軍をひけば、米国は当面、軍を自由に動かせます。財政問題もあって軍事作戦は難しい局面ですが、支持率低迷に悩むオバマ政権にとって、乾坤一擲になるのが北朝鮮です。
イラン問題は、国内のイスラエル系住民にとっても容認しがたい面があり、声高に喧伝しにくい。しかし北朝鮮を攻撃対象とするなら違います。翻ってみれば、中国が防空識別圏を設定したことさえ、北朝鮮有事に備えてのことなら、米中はすでに握っているとみていい。そして米民間航空に、飛行ルートの提出を暗に認めているなら、それは今から有事に備えてのことかもしれないのです。

北朝鮮が、そうした動きをつかみ、融和路線の失敗と看做して張氏を更迭したのなら、今回の動きにも関連があるのかもしれません。かなり穿ちすぎな論ですが、諸々の動きを含めて考えると、朝鮮半島で大きな動きが今後、出てくるかもしれません。北朝鮮が自走式のミサイル発射台を備えたことが、米軍事戦略の転換ともされますが、ここから米軍の動き、特に在日米軍が慌しくなるようなときには、注意しておいた方がいいのかもしれませんね。



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2013年12月02日

雑感。流行語大賞とTPP交渉

今年の新語・流行語大賞が4つになりました。ただ、日常生活で「おもてなし」なんて使っている人間はおらず、五輪招致決定にかけて、何か入れなければ…という意図を感じます。また特別賞の楽天にしても、言葉として使っている人は、ほとんどいません。これも来年は田中投手が抜け、プロ野球人気の衰えにも拍車がかかることを懸念し、某所がねじこんだ感が満載です。
景気がいいときは流行語も豊作、という話もありますが、裏返せば国民が一つの方向に流されている、という傾向を端的に示すものでもあります。それが良いことか、悪いことか、という判断はしませんが、扇動家が増えている昨今、それがどういう意図で流行とされるのか、という点に思い至ってもよいのでしょう。それがまた、世の中がどう動くのか? を知ることにもなるからです。

甘利経再担当相が検査入院しました。TPPにおける米通商代表部フロマン氏との日米協議が物別れに終わった直後なので、色々と憶測をよんでいます。日本が重要5分野を守る、としてきたのは、米国とて高いレベルの自由化、には限界があり、日本と歩調を合わせて新興国とも交渉できる、という読みがあったためです。しかし米国は日本側の提案にのらない。あくまで品目で数点の例外を認めるぐらいで、日本にも同じ要求をしてきた。そのストレスは並々ならぬものがあります。
米国が高いレベルの自由化、が可能となる理由は簡単です。重要分野における、相手国の輸出企業を買収すれば済むからです。関税ではなく、企業が自由に価格設定をするので、国内産業を保護できます。買収できなくとも、企業を一枚かませて、国内の流通を牛耳れば事は足りるでしょう。それが可能なのは、米国が戦う相手はいずれも新興国であり、規模が小さいためです。

しかし日本は異なります。米だったり、牛肉などは米国、豪州との価格競争に晒されることになる。米企業はいくつかあり、規模も巨大であって買収とはいかず、また輸入する際に企業を噛ませば、米国の強い非難に晒されるでしょう。この時点で日本は浅慮だったのですが、それは交渉担当としてもお腹が痛くなります。もしかしたら麻痺、痺れかもしれませんが、甘利氏の検査入院はそうしたものではないか? と、これはあくまで憶測ですが流れているのです。
来週の会合でも、恐らくその溝を埋めるには、日本が妥協するしかない。しかし妥協すれば国内がもたない。妥協しなければ年内合意はあり得ない。それどころか国際的な非難に晒されかねません。日本とは交渉できない、というムードが広がることは何としても避けたいでしょう。安倍政権は続ければ続けるほど、当初の発言と矛盾を生じてくる、これは最初の段階から、ムリやウソが多い証拠ともなります。以前、「今でしょ!」はマインド面を向上させ、景気を浮揚させるために、意図的に流行らせた疑いについて触れました。投資するのは今でしょ、消費するのは今でしょ、というのを深層心理に植えつけるための広告戦略、ということです。TPPも、Wikileaksが報じたところでは、交渉はかなり深刻な事態が着々と進行しています。そこに気づけないと、国民全体のお腹が痛くなるまで、するすると進んでしまう可能性に、注意しておかなければならにのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:35|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2013年12月01日

石破自民幹事長の発言

石破自民幹事長が、ブログで「単なる絶叫戦術はテロ行為とその本質においてあまり変わりない」と書き、批判を浴びています。前段では意見を浸透させるよう努めることが大事である旨もかかれていますが、この論をそのまま使えば、選挙のとき「どうか一票を!」と叫んでいる候補者はすべてテロリストです。マイクを使わず、一人一人に説いて回り、選挙カーもスピーカーの使用を禁止すべきです。国会で、大声で野次をとばす議員も、与野党問わずテロリストとなります。
公職にある人間、メディアの関係者は広く、国民に意見を知ってもらう機会、媒体もありますが、多くの人間はそうできない。絶叫戦術といいますが、連呼はそうできない人間の最終手段です。問題は、その主張が正しいか? そして周辺の一般人に迷惑をかけていないか? です。石破氏の言葉を借りれば「特定秘密保護法案は、あらゆる行動を政府がテロ行為と認定できてしまうことと、その本質においてあまり変わりない」となります。本質、とは突きつめていけば曖昧さを殺ぎ落とせますが、そこに『あまり』とつけた時点で、広く使えてしまう便利な言葉であり、あらゆることをテロと認定できる、ということを俄かに露呈してしまった形になるのです。

こんな愚かな発言を、この大事なときにしてしまった原因はイラだちでしょう。維新に配慮して衆院採決を延ばした挙句、維新は棄権してしまった。そこに来て参院は日程が押して、強引な運営にならざるを得ない。良識の府、とされた参院が見る影もないほど、単なる通過点のように扱われている。読売などは、修正案はすばらしい、として国会運営の不味さにも沈黙しますが、そろそろ各メディアも与党の国会運営を批判し始める。デモも報じられ、国民に反対意見が多い、ということが益々喧伝される形になる。それが石破氏のイラだちでもあるのでしょう。
さらに減反廃止も閣議決定されましたが、新たなバラマキと批判され始めた。減反を廃止して、補助金を半減する一方、転作への補助金は増える、日本型直接支払制度とよばれる耕作放棄地対策も、用途が広くて補助金の様相を呈する。散々、民主政権をバラマキ批判した自民が、公共工事でバラマキ、農家にバラマキ、となってきた。つまり民主政権は家計に、自民は産業、農業へ、というバラマキの路線の違いだけということが、ここにきて鮮明になってきたのです。

円安、株高で何となく景気も好調、雇用も堅調、もしかしたら企業も賃上げするかもしれない、とされて自民の支持率はここまで高く推移しています。しかし円安や株高では潤う企業と、潤わない企業がある。農業の補助金にしろ、うけとる額の多寡がでてくる。自民の進めるバラマキ政策では、格差が拡大していくだけ、ということでもあります。しかもそれが努力の結果ではなく、政策による有利、不利でおきるのですから、益々政権にすりよる企業、団体が増えてきます。
自工会が自民への大口献金者ですが、なるほど自民の施策には自動車業界優遇が多い。その他、法人税減税などもそうですが、結果的にそれが国民の声とは乖離しても、こうした企業、団体に配慮する姿勢にもつながるのでしょう。だから国民の声が耳障りになった。自民党という政党は、国民主権ではなく企業、団体を大事にするということに、その本質においてあまり変わりない、ということにもなってくるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:43|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般