2014年01月

2014年01月31日

都知事選における討論会

都知事選おいて、初の討論会がTV中継という形で行われました。正直、各候補とも優等生の回答で、差はつかなかったとみられます。まず、期日前投票について、舛添氏が大きくリードと伝わりますが、これは東京都の特殊性も影響しています。実は、東京の期日前投票にいくのは、かなりの数がメディア関係者です。土日も仕事…下手をすれば都知事選の中継や、インタビューなどで飛び回らなければならない。そんな理由から、期日前投票にいくのがメディア関係者なのです。
しかも今回は、自民と組んだメディアにとって絶対に負けられない戦い、との厳命もあるため、舛添氏に票が集中しています。むしろ、そう報道をしたい、としてこぞって序盤に期日前投票に行け、と命じられたのでしょう。これは宇都宮氏が2位、という事実にも現れており、候補者の意見も聞かない、2週間も前に期日前投票するのは、討論を聞く前から投票する候補を決めていた、いわゆる組織票の匂いが強いものです。なので、現時点の差はそれほどついていないと見ています。

討論会は舛添氏、宇都宮氏、田母神氏、細川氏の4人だけでしたが、大きく意見が割れたのは東京五輪です。舛添氏、田母神氏が公共工事肯定派、宇都宮氏、細川氏が簡素派でした。立派過ぎる8万人収容のスタジアム、で議論が盛り上がりましたが、問題は維持し続けるにもずっと赤字になることです。東京五輪は、一体何を世界に示したいのか? 元々はコンパクトさが売りだったはずです。いつの間に見栄えを競うようになったかは知りませんが、都民は建設費ばかりでなく、維持費にも多額の税金が投入されることを、都民の負担になることを忘れてはいけません。
原発政策では、田母神氏は安全を確保して動かす、という意見ですが、これは意味不明です。都知事は東電の株主ですが、原子力規制委には何の権限もありません。安全かどうかに口を挟める権限はない。あくまで経営判断として、動かすかどうか、です。国政なら田母神氏の意見でもよいですが、都知事選にはそぐわない。また4兆円の火力発電の油代、という話も、原発を再稼動しても火力発電は必要なので、4兆円丸々…ということではありません。また、その高い油代はドル建てだからで、円建てにすればもっと下がります。そういう提案はない。ムダだというなら、株主として東電にそうした要求する、という話がなければウソになります。
それに、宇都宮氏が指摘した処理コストの準備不足をどうするか? という問題も議論しなければなりません。舛添氏は火力でCO2、という話をもちだしましたが、今はCO2が温暖化の原因、という人もいません。中国のようにPM2.5というなら問題ですが、CO2排出は大した問題ではないのです。問題はコスト、それを先送りするのが原発であり、全世界から原発がゼロになっても尚、ずっと管理コストを払わなければいけないのは将来世代だ、ということを忘れてはいけません。

最後に、政治資金の問題では、細川氏が30年前の資金問題を説明していましたが、舛添氏は新党改革の解党当時の政治資金については、説明していませんでした。田母神氏は、石原都政時代におこった猪瀬氏の問題を避けていました。宇都宮氏は企業献金をうけない、と明言しましたが、秘書の数さえしぼれば可能でしょうが、そうなると議会対策や施策のブレーンをどう自ら調達して行くか、という点に不安を残します。個人献金制度の拡充などが必要となるでしょう。
最後に、福祉の問題は各候補とも横並びでしたが、実は待機児童や介護の問題は、喫緊にして最重要といえるでしょう。しかし誰も魅力的な提案がない。都の所有地の活用や、規制緩和や、当たり前のことですが、ナゼそれが今までできなかったか? を訴えていない。特に、舛添氏などは厚労相の経験があるのですから、むしろそれを提案しなければなりませんでした。母の介護が原点、と訴えますが、身内の人間からは「母の介護なんてしていない」と、呆れ気味に語られた、とされます。厚労相時代の施策が間違っていたことは、すでに周知の事柄であって、そこに積極的な提案がないのですから、この部分はマイナスといえるでしょう。優等生ですが、そこにも優劣がある。その差をこれから都民は見極めないといけないのでしょうね。

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2014年01月30日

FOMC声明文について

STAP細胞の発見が注目されます。これがすばらしいのは、遺伝子情報の特許に関わらず、再生医療に応用が可能ということです。一方でリスクは、仮にあらゆる体細胞からSTAP細胞がつくれるようになると、簡単にクローンができてしまう点です。最近の細胞学の技術の進歩はめざましく、個人的には脂肪由来の幹細胞に注目していました。皮下脂肪にも幹細胞があり、それを培養、体内に戻すと、勝手に悪い部分へと集まっていき、組織を再生するばかりでなく、癌細胞を駆逐する効果が得られる、というものです。脂肪幹細胞は、現在どんな箇所に効くか、という臨床研究がすすんでいる、とされますので、これが実用レベルになれば、様々な病の治療につかえるのです。
しかしこのSTAP細胞が、脂肪幹細胞の代わりとして使えるなら、さらに患者の負担を減らせることができます。今は、諸外国も検証と、人間への応用研究を早速はじめていることでしょう。せっかく日本人が先鞭をつけたのですから、応用、実用レベルまで先をすすんで欲しいものです。

米国ではバーナンキFRB議長の、最後のFOMCが開かれ、市場は声明をうけて失望が広がりました。混乱する新興国への言及がない、とのことで、日本市場もふたたび株安、円高へと巻きもどされました。しかしFRBのこれまでの言動からも、これは自然な流れです。FRBの委員からは、行った量的緩和の規模と、緩やかな米景気回復との間に、効果の点で期待外れ、との声が以前からありました。つまり米国という器に、いくら水を注いでも、どこかに洩れているとしか考えられない。蛇口をしめれば、その洩れた水の受け皿が干上がることは、むしろ想定通りなのです。
そして、新興国が痛んでも、経済規模でみれば微々たるもの。欧州の債務不安などとは比べものにならないぐらい、米国への影響は少ない。自国の住宅、ジャンク債等にバブルの兆しがでており、新興国の混乱がおきても、米国は自衛できるとの読みが働き、今回の声明になっているのです。つまりFRBにとって、これは金融緩和をすれば必然である、と考えているのです。

しかし別の側面もあります。米国は諸外国への責任を果たしていない、として次の緩和の手にブレーキがかかります。また今回の措置により、FRBは市場に優しくないとの思惑が蔓延することも、次の手を打ちにくくさせるでしょう。つまりここからの数手、米国は打ち方を間違えると、それが米国にとっても敗着になる恐れがある。新興国ばかりでなく、米国も綱渡りなのです。
日本では、昨日のトルコ利上げの報をうけ、一気に楽観が広がって株買い、円売りに傾いた層が、一夜にして損をうけ、今日は様子見が強まりました。さらに、最近の下げ相場で出てくるTOPIX先物を買う欧州系が今日も頑張ったことで、妙に15000円に拘る相場になりましたが、そろそろこの欧州系も玉が尽きます。問題は、先週辺りから徐々にポジションを落とし始めた外国人投資家が、今週に入ってその動きを加速させている、とみられる点です。つまり今後、本格的に昨年のポジションを落とし、利益確定するなら、円高、株安という展開が十分に想定されるのです。

米国は、内向きのスタンスに入り始めた。それは一般教書演説でも、今回のFOMC声明でも顕著になりました。つまり日本をはじめ、諸外国はその悪影響に身構えておかないと、米国発の予想以上の大きな変動が起こりやすくなった、ということを意味します。米国は、米国益のみを追求し、施策を打ってきます。今後、TPP交渉なども米国益を追求する形で、益々辛らつな要求をつきつけてくるでしょう。本気の米国に、安倍政権では対応しきれない点が、心許なく感じられる点なのでしょうね。

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2014年01月29日

雑感。代表質問における態度

米国で、オバマ大統領による一般教書演説が行われました。にじむのは貧困層から、中韓所得層までの、いわゆる米民主支持層に手厚い、ということです。最低賃金の引き上げ、オバマケアなど、財政負担や企業負担が重く、今後の中間選挙までの方針は鮮明です。一方で、日本は一言半句もでてきませんでした。東アジアの部分で「同盟国を支援し…」の中に、日本が含まれるのかもしれませんが、日米の冷たい関係は、一般教書演説からも読み解けます。

日本でも国会は代表質問が行われています。民主が、昨年末の靖国参拝に対し「中韓との関係改善を…」と問い詰めたのに対し、安倍首相が早口で、通り一遍の説明をしましたが、どちらも間違えています。まず靖国参拝で、中韓が注文をつけてくることはこれまでもあり、特殊な事例ではありません。大事なことは、世界各国が日本にむけて非難声明をだしたことです。つまり安倍政権でおきた、特殊事例について質問し、説明させなければ何の意味もありません。
また民主を挑発し、維新、みんなに『責任野党』なる言葉をつかって秋波をおくる。ここから分かるのは、安倍氏の人間性であり、執念深く、また自分にすりよってくる人間だけをチヤホヤする、極めてリーダーとしては危険なタイプである、ということです。マキャベリの君主論からとると「人間は誰しも自尊心をくすぐられるのは気分がよい。しかしその気分のよさに浸っていると、ペストにかかってしまう」です。つまり巧言令色の徒ばかりを周りに集め、苦言を呈する人間を遠ざける。マキャベリはこれを防ぐのに、「真実を示されても、君主は気分を害さない保証を示すこと」とします。中韓に対する早口説明など、安倍氏の狭量な態度が強くにじみます。

しかもここに来て、労働者派遣法の改正で派遣労働の常態化など、企業に手厚く、労働者には厳しい、さらに格差拡大につながる施策を安倍政権は模索している。アクリフーズの問題でも、会見で会社幹部が「準社員」なる呼び方をしていましたが、正社員との間にある溝は深く、それが不満となる。さらに正社員になれる道が、さらに狭まるのなら、労働意欲の問題にもつながります。
安倍政権は、小泉政権から始まった格差拡大を、さらに深化させようとしている。ナゼなら、官僚や大企業の社長が、彼にとって巧言令色の徒だからです。そうした者たちを近づけ、不平不満ばかりを言う、耳に痛いことばかり言う庶民は遠ざける。その姿勢が、より鮮明になってきているのでしょう。賃上げを大企業には迫っても、非正規の待遇改善については要請していない。この使い分け、米国とは真逆の方向性が、オバマ政権から嫌われる一因でもあるのです。

国連が、新興国における進出している外国系企業の活動、労働者への待遇面においても、その国の労働法制ではなく、人権意識をもって対応しているか? について調査に乗り出す、とします。日本企業は遅れている、とも。それは国内においてさえ、格差が拡大している中で、新興国にある工場の待遇など、改善している場合ではありません。安倍政権下では、日本は労働者の待遇などに改善が必要な国、とされるのも、時間の問題となるのかもしれませんね。

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2014年01月28日

日経平均の15000円割れ

日経平均が終値で15000円を割れました。夜間では15000円を上回っているようですが、これは為替が103円台にもどしており、またスピード調整が必要、との思惑によりそうなっています。問題は、スピード調整した後の相場の動きですが、今回の調整は長引きそう、というのが専らです。
米国ではバーナンキ議長最後のFOMCが開かれます。前回、100億$のテーパリングを決めていますが、ここで緩和規模を増やすと新興国からの資金流出が、緩和規模を減らすと米国経済への不安が、それぞれ台頭します。しかも次のFOMCは3月、新体制下のFRBの手腕がみえない内は、新規資金を動かし難い。仮に、新興国から資金をまきもどしても、それを活用して国内でつかう、といった形にはならず、当面は様子見といった形になることが想定されます。

中国では、デフォルトが懸念されていた高利回り金融商品、約5億$分を投資家に返還することが明らかになりました。これはシャドーバンキングとよばれる理財商品であり、春節前後に返還期限が集中する、その一部です。問題は、地方政府と金融機関が折半し、穴埋めするとのことで、このスキームが拡大すると、隠れていた地方政府の債務が確定するかもしれない。そのとき、地方政府そのものがデフォルト懸念に陥るのではないか、といった不安があります。
しかも、地方政府が救済するのは富裕層対策、つまり役人の懐を痛めないため、との意識が働くと、民衆の反発も招き易い。富裕層の中には、農地から追い出され、その保証金を当てた、という人もいるため千差万別ですが、本来は自己責任で行うべきものです。また救済されるものと、されないものが出てくると、それも差別とされます。いずれにしろ難しい対応を迫られる。さらに、金融機関も負債を計上しなければならず、体力が弱いと連鎖破綻の懸念も生じてしまいます。昨年は資金を吸収した人民銀が、資金供給に転じれば今度はインフレ昂進の不安もあります。

米中の不透明感、そこに新興国の不安が重なります。トルコでもインドでも、インフレ昂進により利上げ局面に入った。アルゼンチンなどのように、介入を諦め、通貨安を招くケースもある。いずれも脆弱な経済規模で、流出入する資金の大きさが問題となります。結局、先進国の金融緩和により振り回されているのであって、それなのに新興国が対応を誤ると、デフォルトします。
では、日本はどうか? 今年の好業績は織りこみ済み、問題は来期です。今以上に円安がすすまなければ、業績の伸びは頭打ち。逆に、100円を割れるようだと売り材料にされます。逆にいえば、為替動向に左右される展開が、より強まるのであり、当面の買い材料には乏しい。

直近では、欧州系のミニの取引に傾きをかける主体がTOPIX先物を買い、米系の日経225先物売りとの間で綱引きになっています。欧州系はオプションと、米系は現物とのヘッジの部分はあるとしても、一段落した後で、この溜まったポジションをどうするか? それによっても動きが出てくるでしょう。以前も指摘したように、当面は16000〜14000のレンジを固めつつ、上記のような不安にどう結果がでるか、をみるしかないようです。まだ外国人投資家の売りは、そう大きく観測されていないことからも、ここからさらにリスクオフが進むようだと、一時的なオーバーシュートは大きくなりそうな気配もあり、やや不安が高まっているのでしょうね。

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2014年01月27日

籾井NHK会長の発言

今日の市場は大幅な下落に見舞われ、一時15000円割れも試しました。楽観相場の巻きもどしが主因ですが、問題は今回、中国のシャドーバンキング問題が含まれることです。春節明けに償還をむかえる金額が大きく、連鎖破綻? との不安があり、また昨年来から中銀の金融引き締め策があって、資金繰りに不安を覚えることが背景です。つまりこれまで、中国の統制経済下では、銀行は破綻しないだろう、との思惑もあって、楽観視してきた部分もありますが、規模も不明のシャドーバンキングは、金融引締下で耐え切れるのか? 今回も心配しすぎ、ならよいのですが、そうした不安は今は仮に大丈夫でも、くり返される問題といえるのでしょう。

籾井NHK会長の発言が問題視されています。内容云々は割愛しますが、「会長の立場はさておき…」、「個人的な意見では…」と、何度も質問された上で、持論を披見して立場を悪くする、という何とも浅慮な態度が問題です。記者は籾井氏が安倍氏に近い、保守的な思想の持ち主であって、わざと挑発したのです。いくら上記のような前置きをつけても、メディアのトップがダブルスタンダードである、という印象をもたれた時点で、もうトップには相応しくないのです。
しかも、記者の行動の中に、安倍氏を直接挑発すると記者や社に嫌がらせがあるので、その憂さ晴らしを周囲にし始めた、という理由も含まれる点が重要です。つまり記者たちもストレスが溜まり、爆発寸前であり、保守系の人間がもつ短気を逆手にとり、攻撃することで面白い記事を書こうとしている。籾井氏はまんまとそれに嵌った、その浅はかさがすでに会長失格です。

安倍首相がダボス会議で、「日中は第一次大戦前の英独と似る」という発言を英紙が報道したことに、菅官房長官が「真意が伝わっていない」と述べています。しかし安倍政権では、何度この「真意が伝わらない」という言葉を聞いたことか。直近でも、靖国神社参拝について、米国の「失望」との声明文にそう使いました。これだけ真意を伝えられないのは、口下手なのか、浅慮なのか、それとも真意とするものが虚で、伝わっているものの方が実、という以外ありません。
真意、という点では、貿易収支が約11.5兆円の赤字となりました。主因はエネルギー関連の輸入、と報じられますが、数量でみるとエネルギー関連はリーマンショック前より約10%ののびでしかなく、衣類や電子部品は20%を越える伸びです。つまりエネルギー関連はドル建てであるため、金額ベースでは大きくなる、むしろ貿易赤字の主因は『円安』であり、それが真意です。こうして政府発表の資料には、真意をごまかしているものが多い、だから誰もがこの政権からの真意が伝わらない、どこかにウソが雑じっている、と感じてしまうのです。

元々、安倍氏の周りは失言癖のある人物でいっぱいです。記者がそろそろ政権を引きずり下ろしを始めた。それが籾井氏の騒動からわかる真意です。真意が伝わっていない、とするのが、籾井氏の発言なのか、記者の本音なのか、それを読み誤ると、安倍政権退陣の日は思っている以上に早くなってくるのかもしれませんね。

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2014年01月26日

安倍政権にいらだつ米国

マルハニチロの子会社アクリフーズの契約社員が、冷凍食品に農薬を混入したとして、逮捕されました。まだ容疑の段階ですし、詳細は不明ですが、これが先ごろ判決の下った中国の農薬混入事件と類似することは、誰の目にも明らかです。賃金改定により、契約社員の待遇が悪くなったことに不満をもっていた? という点もそっくりです。政府は盛んに景気がよくなった、好循環をめざす、としますが、格差の拡大はこうして日本でも深刻な事態になってきています。

米国が日本に提供していた核爆弾40〜50発分のプルトニウムを返還するよう要求、協議に入っていると伝わります。これは高速増殖炉が事実上、ストップしているばかりでなく、米国の圧力が強まったことが影響したとみられます。本来、自民は原子力推進策をとっており、高速増殖炉は再処理もふくめて下ろせない旗です。さらに言えば、この米国提供の核燃料は、日本が平和裏に原子力を扱い、また米国もそれを認めている、お墨付きを得ている、という象徴でもあります。しかし昨年来、その返還交渉を始めざるを得なくなった。それは、米国が予想以上に安倍政権への警戒を強めている、ということが背景となっているのでしょう。
米WSJ紙が、オバマ政権が、安倍政権に『靖国参拝をしない保証』を求めていると記事にしています。日本では、公然と核武装論を唱える人物もおり、安倍政権の右傾化はそうした軍国主義と結びつき易く、その懸念を払拭しなければならない。靖国参拝はその象徴であり、この核返還協議は、米国の圧力をかわしきれなくなった、日本の事情が影響しているということです。

各社の世論調査によると、安倍政権の靖国参拝をよかった、とするのが反対より多い、という結果を伝えます。しかし遺族会とて一枚岩ではなく、むしろA級戦犯合祀は、たった一人の神官により勝手に決められたので分祀すべき、とする自民、古賀氏のような人物もいます。天皇陛下が参拝できないことは、誠に遺憾だ、と。右系の人は「戦争で亡くなった霊を弔うのは当然だ」としますが、天皇陛下が参拝できないところに、ただの行政長官が行くことで、米国から「失望」と云われる状況がどんなに異常なことか、考えているとは到底思えません。
さらに辺野古移設案について、米国は滑走路の長さが足りない、近くに兵器倉庫を置くスペースがない、として難色を示していた、ということを今日も報じていました。以前から明らかにされていましたが、ここから分かることは、辺野古移設案を強引に押し進める安倍政権は、官僚利権にどっぷり漬かり、米国や沖縄県民を蔑ろにしている、ということです。辺野古しかない、仲井真知事の判断をよかった、と書き立てるメディアも同罪で、官僚と深く結びつくメディアがそう煽ることで、国民全体を誤誘導している、ということになるのです。

しかし米国のイラだちは強まっている。正式な声明ではないにしろ、メディアをつかい、靖国不参拝を迫っています。これで安倍政権の閣僚、政務官辺りですら参拝すれば、外交上の圧力はさらに強まることになるでしょう。安倍政権を否定する流れは、国内外で今後もおきてくるはずです。靖国参拝をしない保証どころか、長期政権にならない保証すら、求められかねないのでしょうね。

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2014年01月25日

安倍首相の施政方針演説

産経新聞には、公選法が通用しないようです。告示後まで偏った報道をつづける背景には、フジサンケイグループ会長が頻繁に安倍首相と会食し、お台場カジノ計画をすすめている、との噂通り、政権べったりの姿勢があるのかもしれません。産経新聞はゴシップ紙として、自らの立ち位置を確立したのかもしれません。フジテレビとともに、凋落を覚悟したのでしょう。

昨日、第186回通常国会が召集され、安倍氏の施政方針演説が示されました。かつては今国会中にとりあげるべき課題、などを読み解くこともできましたが、今では単なる姿勢方針に変わったようです。つまり政権の態度、首相の理念などが盛り込まれ、具体策は不明のまま。そもそも、女の子からの手紙や、成功事例をかたられても、政権が何をしたいかはさっぱり不明です。
ただ最近、メディアの一部からもはっきり『マイナスなことを言うと、せっかく盛り上がったムードを壊す気か!』と怒られ、プラス面しか報じることができなかった、と語る人が出てきています。この一年、如何にメディアが言論封殺されてきたか、を示すものであり、ジャーナリストの気骨がない人や、評論家に適していない人はそれに従ってきた。そして、それが好循環実現のための安倍政権の手法だった、ということも徐々に暴露されることになってきました。

さらに、結びとして『柔軟かつ真摯に政策協議』と述べていますが、先の臨時国会で、特定秘密保護法を強行採決した。安倍氏の語る『柔軟かつ真摯』とは、気心の合う、仲間との間で決めてしまう、ということです。この通常国会でさえ、その手法に手を染める恐れが強い。特に、今は野党にも維新、みんな、民主の一部、とお仲間がいっぱいです。それらとの間で『野党との協議』として、反対派を遠ざけ、決めてしまえる。そんな思惑が演説にもにじみます。
野口英世氏の逸話をひき、「志を得ざれば再びこの地を踏まず」を引用していますが、志は目的、望みであって、結果ではありません。続けて「国会議員となったのも『志を得る』ため…互いに寛容の心をもって建設的な議論…」として、国会で結果をだすよう求めます。特定秘密保護法は、そうした過程をふんだのか? 否でしょう。しかも、言葉尻を捉えて申し訳ありませんが、国会議員になる前に『志を得て』おいて欲しいものです。そして個人の『志』、『国家観』は千差万別であるように、それをもってしても、寛容という言葉をもって議論を迫るのは、権力をもつ側からの強圧、とも受けとられます。寛容、謙遜の態度をもたなければいけないのは、むしろ権力をもつ政権側であることを、忘れてはいけません。そして、ムードを壊すな! とメディアに圧力をかけていた側の言葉としても、まるで正反対のことを述べていると感じます。

安倍政権と、メディアが組んでいた茶番が最近、転じ始めたのも米国の態度が強く影響しているのでしょう。オバマ米大統領のアジア歴訪において、時間の都合で国賓待遇にできず、日米関係の悪化が意識されます。しかも、年末の靖国参拝で、訪日も果たせないかもしれず、そうなればジャパンパッシングとして、安倍政権の命運を縮めることにもなるでしょう。今回の施政方針演説でも、外交に関して米国があまり強調されなかった。ここに吹く隙間風は、予想以上に冷たい北風になってきた、といえるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:02|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2014年01月24日

急速にすすむ円高

急激に円高がすすんでいます。以前もとり上げましたが、サントリーによる米ビーム社の買収に際し、米M&A投資助言会社による円安の頭打ち観測…の結果は、ルー米財務長官による円安不寛容、という形となって表面化しました。今日はアルゼンチンのペソ急落など、新興国経済への不安もありますが、最も重要なことは、米政府が円安牽制をはじめたこと。これにより、ヘッジファンドなどが円の売り持分を処分せざるを得なくなった、これが背景とみられます。
ではナゼ、このタイミングでルー財務長官が円安牽制をしたのか? そこには日米に漂う外交不和、があります。小泉政権時代の円安は、蜜月だった首脳関係により、寛容の態度を示していた。今が、日米における緊張の時代であるだけに、安倍ノミクスすら否定しかねない流れです。

もう少し踏みこむと、最近メディアから急に『円安=日本に利益』を否定する報道が流れました。米政府の意向を汲んで、メディアが配慮したのか、政府の意向かは分かりませんが、これから円高に向かうことを見越し、ダメージコントロールを始めたことは間違いありません。私は以前から円安は日本にメリットがない、と発言してきましたので、この流れを否定する気はありませんが、昨年のこの時期、安倍政権の閣僚から円安こそ日本再興のカギ、なる説明があった。その舌の根も乾かないうちに、世界の潮流に合わせて態度を変えているようでは、正しい情報を伝えていない、と感じます。しかも、これがダメージコントロールどころか、世論誘導の可能性すらあります。
つまり元々、円安によるメリットは少ない。企業の見かけの業績は改善されますが、現地生産、現地販売をしている限り、利益は変化していない。しかも今は本国に還流することは稀ですから、計算上の利益が押し上げられただけ、なのです。その間、輸入物価の上昇により、インフレが昂進。実質賃金は目減りし、庶民は徐々に苦境へ、苦境へと追いやられてきたのです。さらに貿易赤字が定着、今では経常収支さえ赤字となり、日本は富を国外に流出させてきました。

さらに問題は今後、市場は円安、株高という手法が使えなくなり、円買い、株売りにつながる可能性がある。ソフトバンク株の軟調など、明らかに海外勢が日本市場から逃げ出している形跡もあり、株高という安倍政権への評価が一変する恐れがあります。安倍氏は施政方針演説で、好循環実現国会、などと掲げましたが、むしろこれから昨年17兆円を買い越した外国人投資家が、一斉に売りへと回れば、悪循環型の経済悪化に陥る恐れすらあるのです。
今回の調整局面のきっかけは、米企業の業績の伸びが鈍化したことです。ナゼか? 米企業はこれまで、自社株買いなどを通じ、見かけのPERを押し上げてきた。つまり流動性のある株を減らし、同じ業績でも一株当たりの利益を増やす、という形でPERを改善させてきました。しかし市場に流通する株が減り過ぎたことで、流動性の低下が価値を低下させ始めてきた。その手が使えなくなってきた、というのが昨今の流れにあります。Facebook、Twittwrなどのネット新興株も、今後の退潮が懸念される状況であり、米経済の好循環という話すら、眉唾に思えてきた。そこに新興国の不安が重なりはじめ、リスクオフへと転じはじめているのです。悪循環型の経済悪化に歯止めをかけるために、ふたたび金融政策に頼るようなら、今度こそ不都合な事情が頻出することになるのでしょう。今、そうした瀬戸際にあることは、意識した方がよいのでしょうね。

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2014年01月23日

安倍首相のダボス会議の講演

昨日、日銀金融政策決定会合後の会見において、黒田総裁が来年度の物価見通しについて自信を示し、追加緩和への期待が後退しています。元々、日銀はこれまでも物価、景気について楽観的な見方を示してきたので、消費税増税の影響を相殺するため追加緩和、ということ自体、勝手に市場が夢想していただけのことです。しかし市場は乱高下し、昨日はほぼ横ばいで終えましたが、今日になりその影響を織りこむ形で、下落しています。

今日の下落は中国のHSBC、PMIの発表などもありましたが、それ以上にさらに失望を誘ったのが、ダボス会議における安倍首相の講演です。「日本は夜明けを迎えた」と発言していますが、英語のドーン(夜明け)は昔から結社、テロ集団に好まれて使われてきた単語です。夜明け、という言葉は、日本では『日の出』などの言葉にも表れるように、いい意味で用いられますが、海外の受け止めは異なります。しかも、1日の切り替わりを意味するなら、海外では日本は右傾化し、軍事大国へ向かう、その『はじまり』ということを意識したのかもしれません。
安倍氏は東証の大納会で鐘をならすなど、市場に気をつかう政治家です。しかし逆に、それが弱点にもなってきました。最近、経済評論家でさえ、公共の電波で「安倍ノミクスで儲かったのは輸出企業と株主だけ」と述べ始めました。個人的には建設業も付け加えられると思いますが、市場のみならず、国民の間にも不満がたまり始めてきた。甘い言葉ばかり囁き続けてきたため、現実との乖離に幻滅しはじめている。経済評論家も、これ以上のうそはつけない。誰もが「安倍ノミクスって一体何なの?」そう考える、そんな夜明けが近づいてきているのが、今です。

安倍氏のすすめる経済外交は、元々韓国などが得意としていたもので、安倍氏は二番煎じをしているに過ぎません。しかしダボス会議でも、法人税減税に前向きな発言をするなど、企業優遇の姿勢は、財閥系を優遇する韓国に似ています。一時、ウォン安で謳歌していた韓国企業が、ウォン高になって突然変調したように、今後の日本も同じことが起こるでしょう。つまり、安倍氏の手法をとる限り、今の韓国は将来の日本の姿にみえてきます。特区構想など、経済が上向きのときは良いですが、斜陽に入るとただの焼け野原のように焦土化してしまうに違い有りません。
著名投資家との会談なども行っていますが、甘い言葉をささやいて資金を呼びこんでも、実が得られなければ、すぐに逃げて行く。安倍氏の手法では、ずっと市場の要求にこたえなければならず、それではいつか息切れします。そして、息切れするタイミングはもうすぐそこです。

第一次大戦前の英独のよう、日中をそう評する英紙があります。今がITバブル前夜のよう、そう感じる人も多くいます。安倍氏のやっていることは、そうした黎明期、夜中に訪れるナチュラルハイに近い状態とも言えるものです。安倍氏は勝手に夜が明けた、と考えているようですが、世界は『これから』迎えるであろう日本の夜明けに、安倍氏が先頭に立っているとは考えていない。むしろ、ルー米財務長官が円安牽制発言を行ったように、これから日本への批判、圧力が高まって行く。そんな夜明け前の長鳴鳥のように、世界は受け止めたのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 22:45|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 経済

2014年01月22日

都知事選の構図

今度の都知事選、異例ずくめと言える展開がつづきます。細川氏が出馬表明し、これで候補者が出揃いますが、超高齢化選挙となります。さらに今回、どこも政党内のごたごたが噴出し、リーダーシップ不足を露呈します。また選挙戦術でみても、前時代的なネガティブキャンペーンが多く、この情報化社会に、いかに政治が遅れているかを垣間見せてくれます。

自民は舛添氏を支援することに小泉進次郎氏が異を唱え、これに党幹部が反発、批判をくり広げます。ただ、これでは都知事選ばかりでなく、この後の山口県知事選、統一地方選など、どう戦っていくのか? 安倍氏に集票能力がないことは、これまでの地方選の敗北からも明らかです。小泉氏とて、応援演説に引っ張りだこですが、敗北つづきです。しかし今、演説で人が呼べるのはごく僅か、その内の一人が小泉氏です。それを貶す党幹部がいることは、明らかに党にとってマイナスであり、父親が別の候補を支援するからといって、私怨のように攻撃する自民に、長期戦略でみて党を発展させていくほどの度量のある政治家がいない、ということを示しています。
民主は連合が舛添氏支援を決めましたが、これではむしろ細川陣営を利することになります。益々、舛添氏が原発容認派、という印象を強めるからです。連合の集票力は、はっきり言って地方選レベルでは低い。連合内も、必ずしも脱原発で一枚岩ではないですし、今回の選挙では厄介モノです。むしろ、これは今後の民主党と連合との、支援体制に大きな亀裂を残す、という点では、民主にとって深刻です。つまり次の国政選までに、民主内の内部分裂も予感させる流れです。

維新も細川氏の旧知の旧日本新党派と、田母神氏を推す石原代表側で分裂、共産、社民は宇都宮氏の推薦でまとまりましたが、社民は脱原発で最後まで統一候補をのぞんでいた。生活は細川氏への支援を決め、みんなの党、結いの党は態度不明なまま、ここに至っている。実はこの都知事選、次の国政における政界再編の、代理戦争のような様相を呈してきた、と言える状況なのです。
つまり舛添氏にのる自公、民主の一部(労組系)。細川氏にのる民主、生活、維新の一部。そして第三極となる維新の一部(旧太陽)、共産、社民。これにみんな、結いが結びつく形で、政界再編の色分けができていくことになります。労組系は、今回の舛添氏支援で、第三極としての色を強くしていくのでしょうし、維新の一部は自民へ接近するでしょうから、必ずしもこの構図で、将来の政界再編になるわけではありませんが、とても今回の都知事選は、国政の点でも興味深くなってきた、といえる展開なのです。

そして、台風の目になった小泉氏。きっとその行動が、選挙のキャスティングボートばかりでなく、次の政界再編のカギを握るのでしょう。しかし超高齢化選挙と書きましたが、裏で動いている人間まで、ブレーンまで超高齢化しており、知事選というより、男ばかりなので、口の悪い言い方をすれば『じじい選』といった形であり、本当に人材不足は深刻だといえるのでしょうね。

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2014年01月21日

舛添氏をめぐる、2つの問題

今日の日経平均は大幅な上昇でした。しかし、これは昨日の経済財政諮問会議ででた代替財源がなくとも、法人税減税を検討、という安倍氏の指示が伝わったために、一部が債先売/株先買をいれたためであり、最近の流れとしては日経225先物を買っても、現物が伴わない形を踏襲しただけ、となりました。今日は売りの方が多いですし、TOPIXは0.16%の上昇にとどまっています。
安倍政権の間違いは、経済のパイを拡大すれば税収が上がる、という点です。表層的にはその通りですが、安倍政権は公共工事など、歳出を拡大しての景気拡大ですから、今は単に税収が上がってもそれ以上に歳出が増えている、という状況です。そこにもってきて、さらに財政を苦境に陥れるのですから、債券安になって当然です。圧倒的に不足しているのは、歳出改革によりムダ削減をすること。ここが抜けているため、安倍政権の下では常に財政に不安を生じる形となります。

都知事選は異例の事態になっています。安倍氏による、事実上の舛添氏への事実上の指名ともとれる発言などは、党としては様々な発言があっても、政権としては距離を置いてきたこれまでと異なります。それだけ、自民には苦戦、との自覚もあるのでしょう。さらにここにきて、女性票を失いそうな状況になってきました。それは片山参院議員への応援要請について、です。
応援を要請したのは安倍氏であり「すごく話題になる」とのこと。しかし片山氏は2つの問題があり、パラリンピックもあるのに、障害をもつ実子の扶養に関する係争がある。また自民は自助、共助の観点での扶養問題を提起しており、二の足を踏んでいる状況とのこと。片山氏は元妻であり、確かに二人並んで演説すれば、大きな話題になるでしょう。しかしこれまでも関係改善に、舛添氏側から努めたことはなく、こうしたケースでは、むしろ女性の側は評価されますが、男性は男を下げる、といった傾向があります。しかも片山氏が正論であり、それに舛添氏が頭を下げると、さらにだらしない元夫、と映ります。注目はされますが、片山氏は度量の広さを、舛添氏は不甲斐なさを評価されるでしょう。

ここに来てさらに、ラジオDJが「都知事選が終わるまで原発にふれない」ことを要請された、と暴露し、話題になっています。局側の配慮か、要請があったかはナゾですが、これも自民支持をうける舛添氏に不利です。原発隠しをするのは、舛添氏を支援する側なのですから、裏でそんなことをしている人間を、都民も信用できるはずがありません。しかもここに来て、さらに森元首相がやらかしました。ある番組で「原発ゼロなら五輪返上」と言い出したのです。
五輪招致委とも異なる見解ですし、討論会などで細川氏の、過去の返上話で追い込もうとしていた矢先、舛添氏にはブーメランとなります。何しろ、自民支援というばかりでなく、森氏は五輪組織委員会会長です。自民が間隙をついて決めてしまった、という話もありますが、舛添氏はその処遇も説明しなければなりません。仮に、柏崎刈羽原発の近くに活断層あり、と判断された場合、五輪を返上しなければならないのですから。原発を人質にして、原発再稼動を迫るといったマイナスイメージを植えつけ、さらに攻撃材料を失った点が、選挙戦術に深刻なダメージとなります。

そして、片山氏の問題では、過去の結婚生活のことまで蒸し返されました。片山氏が過去にインタビューで語ったところでは、結婚してすぐ暴力的となり、愛人までつくったから別れた、とのこと。これで、公明党が頼りにする創価学会婦人部の協力は、困難になったといえるでしょう。つまり一生懸命、細川氏の過去の醜聞を掘り起こしていたら、いつの間にか舛添氏の方が醜聞だらけだった、ということです。大手メディアは、先の「原発にふれない」などの話の通り、舛添氏にはソフトに、細川氏にはハードに記事をかきたてるのでしょう。しかし一度、騙された形になった都民が、ふたたび軽率な判断を下すのか? という点を考慮すると、こうした情報が拡散していく可能性が高く、舛添氏には不安ばかり強くなった、といえるのでしょうね。

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2014年01月20日

雑感。中国の第4四半期GDP

沖縄県名護市長選の結果をうけて、政権、与党からはスケジュール通りにすすめる、との発言も聞こえますが、ダメージコントロールの類であり、むしろ政治m、メディアがそれを伝えるほど、現実は厳しいことが分かります。しかも今回の選対の失敗は、きっと都知事選にも影響してくる。金で票を買いにいったことは、都民も知りました。自民党の手法の愚かさは、今の安倍ノミクスでも金をバラマキ、関心を買うというのと同じ、非常に心証の悪いものとなります。
さらにここに来て、週刊誌により安倍氏の持病再発の疑いが報じられます。そういえば、顔色も冴えなくみえ、以前と比べて迫力もなくなった。元々、安倍氏のかかげる安全保障政策は、実は統制権をもつトップに重い負担があります。持病のある安倍氏には、とても不都合な手法であり、堪えられるものではないのです。恐らく今は、国政よりも米国の不興といったことが心に重く響いており、ストレスが増えた。ここにきて、辺野古移設がスケジュール通りにならないと、さらに米国からの圧力が強まる。だからこそ、辺野古移設をスケジュール通り、というのは国民向けではなく、米国向け、さらに言えば安倍氏の心境に配慮した報道、といえるのでしょう。

中国の第4四半期GDPが、前年同期比7.7%と報じられました。2013年は通年でも7.7%と、安定成長を強調します。しかしインフラ投資や不動産価格の上昇により、押し上げられた側面が強く、内需は前年より低下、鋼材価格も下落がつづくなど、見た目の数字よりはかなり悪い印象です。
懸念されるのは、こうして一時的でも停滞してしまうと、今の資金の逃げ足は速く、投資資金が集まらなくなることです。日本からの直接投資も減っていますが、内需の停滞、賃金上昇圧力、シャドーバンキングに対する不安、など、今の中国に投資する理由はほとんどない、と言っていいでしょう。一部メディアでは、韓国がすぐにでも崩壊、といった報道もありますが、韓国は苦境に陥ったとしても、財閥系が強いだけに経済面での崩壊は、早くはありません。政治的な側面は別ですが…。それより、中国の経済は崩壊の萌芽がいくつも散見される点は極めて厳しいといえます。

靖国参拝に対しても、過剰な発言を控えているのも、中国は重要な国際会議を控え、日本との緊張を高めたくないだけ、と伝えられます。ただそれ以上に、中国が警戒するのはテロ、デモであって、反日が反共産党へと転じることを怖れている、とされます。しかし今は、反共産党どころか、その前に経済面で潰れる恐れを抱いている、といえます。周体制で経済の改革がすすむ、という期待だけが支えですが、逆にいえばそれがすすまなければ怒りより失望がくるかもしれません。
以前と比べ、中国経済が日本市場に与える影響力は減じていますが、円安をうまく生かしきれていないのも、中国経済減速の影響は否めません。安倍氏はアフリカ外遊、中央アジアなど、対中国での活動を鮮明にしていますが、実は安倍ノミクスの成否は中国が握っているといってもよく、中国で大きな変動があれば、間違いなく安倍ノミクスの効果など吹き飛んでしまいます。安倍氏は、実は自らの首を締めているのかもしれない。ストレスの溜まる日は続くのかもしれませんね。





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2014年01月19日

名護市長選の余波

注目されていた名護市長選、現職の稲嶺市長の当確がでました。しかし自民の選挙戦も姑息というより、やり過ぎです。224億円の補助金、に続いて選挙終盤には500億円の基金、と言いだした。これでは札束で、頬を叩いて票を買う、というもので反発する市民も出てくるでしょう。
最悪なのが、それを堂々と演説したのが、石破自民幹事長だということです。予算執行権もない、自民党幹事長が何の権限があって、そんなことを言うのか? 確かに与党ですから、政権に働きかける、といったことは可能でしょう。しかし今から予算国会がはじまるというときに、確約もされていない空手形をチラつかせ、票を買う。こんな高飛車で、いい加減な選対は、過去に増長した自民がやっていた手法、そのままであり、決して褒められたものではありません。

これで、辺野古移設は暗礁に乗り上げました。埋め立て申請は通っても、付帯的な工事がすすまず、停滞します。それでも強引に押し進めれば、さらに地元の反発を買い、頑なにさせる。慎重な対応が求められますが、米国に成果、としてアピールしているだけに政権としてはここで辺野古移設のスケジュールを変更するのも困難、それでも無理やり、となれば沖縄自民県連は壊滅します。
しかもこれは、議会から退任を突きつけられている仲井真氏の指導力にも、疑問符がつきました。拘束力はなくとも、末松陣営の応援演説まで行い、県と市の亀裂が深刻です。また、ここで沖縄県には振興予算をつけ、名護市には予算措置を厳しくする、といった露骨な対応をすれば、安倍自民への国民のみる目も変わる。安倍自民に逆らうものは、苦境に陥る、という優勝劣敗を明らかにするような手法は、独裁や強権という印象を強くし、国内外の批判に晒されるでしょう。

そして地方選で負け続ける自民、という構図が、より自民党内に深刻な状況をうみだします。安倍党首、石破幹事長、というのは人気のある、国民の支持の高い二人として選任されています。しかしこんな高い支持率でも、地方選で負けるのはどこかが間違っている、としか考えられない。支持率なのか、選対なのか、前者ならメディアの工作ですが、後者なら、今はまだ三連戦の初戦ですが、三連敗ともなればまず党執行部には何らかのペナルティもあります。
しかし石破氏も、ここで退けば『選挙に弱い政治家』のレッテルが強烈な印象を残す。そうなると、もう党首の芽さえ遠のくのです。そこで、さらに露骨な金権選挙になるか、その試金石となるのが、都知事選、山口県知事選となってくるのでしょう。そもそも今回とて、強引に沖縄自民県連を辺野古移設容認へと寝返らせ、仲井真知事も公約を翻して、埋め立て申請を認めた。その手法は、民主が消費税に賛成した経緯と、それに基づく国民の反発、という一連の流れに近く、反発はその分強くなることも予想できたはずです。それでも、スケジュールありきで突っ走った。その時点で、選対がおかしいのです。負け癖がついた自民、ネガティブイメージのついたまま、重要選挙を迎える今、風が改めて吹き始めているのかもしれませんね。

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2014年01月18日

ここから円安に向かうか?

日経平均が2週連続で下落しています。それでもTOPIXは大して下がっておらず、これはNT倍率の調整であり、健全な動きという人もいます。ただ、今は年末にやり過ぎた日経225先物を動かしていた層が、TOPIXの1300ptの水準で仕掛けている形跡もあり、そのためTOPIXベースでは下がらないのでは? との観測もあります。日経平均より、加重のばらつきが少ないため、TOPIXは操作し難いのですが、今はうなるほどの投資マネーを手にしているため、相場操縦をすることも可能です。そうしたマネーが円売りや、株買いを高水準に積み上げられる原動力ですが、一方的な展開にもなり難い、という状況がいくつか散見されるようになりました。

1.7兆円にも上る米ビーム社への巨額買収を決めたサントリー。こうして海外企業のM&Aがすすめば、邦銀の貸出先が増え、また円売りもすすむので好材料、と受け止めるむきがあります。確かに、円高のとき買収しておけば同じドル建ての金額でも、もっと安上がりで済んだ、ということになります。しかしその頃では、ビーム社も納得しなかった。同じ金額でも、です。この一件で分かるのは、米M&A投資助言会社が、ビーム社にこれ以上の円安にはならない、ここから円高に向かう、という判断を伝えた、ということです。アドバイザリー契約をむすんだところが、必ずしも正解しているとはいえませんが、そうした見方が海外で増えている点が重要です。
米国はテーパリング、日本は追加緩和、だから更なる円安という見方もあります。しかし欧米でせまるデフレの波は、むしろ欧米の方が何らかのデフレ対策を要する、という見方もできます。日銀はすでに質的、量的緩和に移行しており、ふたたび緩和競争となれば、規模や質という点で日銀が負ける恐れが高い。これが投資助言会社が下した判断だとすれば、ここからは円安より円高に向かい易い、ともいえます。もう一つ、何らかのリスク要因が増大している、という情報が入っているのかもしれない。今の多すぎるポジションが巻き戻されれば、それも円高志向となります。詳細は不明ですが、そうした判断もある、ということを見逃してはいけません。

日本企業の増益は、今はまだ為替差益の部分が大きい。しかもここに来て、賃金上昇圧力が加わる。もしここから円高に向かうと、企業業績は大きく圧迫されます。日経225の重すぎるポジションを軽くするためにも、2月にくるであろう調整局面にそなえて、今はまだTOPIX型で相場をいじっている、というのが一つの見立てです。最近はアノマリーを先回りする取引が活発であるため、2月調整局面を先どりするなら、来週辺りから仕掛けも増えてきます。そうした動きには警戒も必要です。
明日、名護市長選の投票日です。ここから都知事選、山口県知事選、と3つの地方選には注目でしょう。海外からの安倍政権への見方が、変わってくるかもしれない。これまでも安定的な支持率を保ちながら、ナゼか地方選では勝てていない自民。注目度も高いこの3つの地方選は、試金石という意味でも重要であり、それは政治、経済両面においてそういえるのでしょうね。


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2014年01月17日

細川氏の不安要素

昨日は舛添氏の不安要素をとりあげたので、今日は細川氏の不安要素について、考えてみたいと思います。メディアが「30年前の1億円」や「五輪放棄発言」を問題視していますが、個人的に両者とも大した問題とは思っていません。当時、自民内では1本、といえば1億円が政界工作として用いられていた金額です。正直、当時の永田町の常識からみれば、安く見積もられています。
五輪放棄も、原発問題に関する安倍氏の態度について言ったものであり、「完全にブロック」発言より、程度も低い。五輪で盛り上がっているところに水をさすな、とお祭りに否定的な人間を排除する、という論調に過ぎません。むしろ、こうしたネガティブキャンペーンに手を貸すメディア、という色を見透かす材料としてしか、これらの記事の意味するところはありません。

不安要素、ずばりそれは『小泉氏の本音』です。以前もとり上げたので、簡潔にしますが、小泉氏の今回の動きには、私怨でも、脱原発を目標とするでもなく、ある思惑が働いています。それは安倍政権が、小泉氏がぶっ潰したはずの古い自民党の利権団体にすりより、政権維持に利用しており、そんなことをしていたら自民はやがて衰亡します。それは15年前と同じ、そのとき落ち目になった自民の救世主として、息子の進次郎氏を担がれてはたまらない。安倍氏が滅茶苦茶にした後、その敗戦処理の苦労を息子にさせるわけにはいかない、との思いが強いのです。
公共工事や安倍ノミクスなど、国民の目晦ましが利いている間に批判しても、大して効果はありません。しかし国民にウケのいい『脱原発』なら、原発推進の安倍政権に楔をうちこむことができるだけの支持を得、退陣にまで追いこめずとも、安倍氏を思い止まらせることができるだろう、ということです。そして脱原発は、自民党内にも支持がおり、父親がこの問題で突出しておくことで、安倍自民とは一線を隠し、安倍政権が凋落した後、息子の進次郎氏が党内基盤をつくることにもつながってくる、との読みが小泉氏に働いた上での、『脱原発』だと見ています。

つまり同床異夢、これは細川氏を推す勢力全体にも言えることです。今から選挙公約に盛りこむ文言などを調整する必要はなく、むしろ細川氏の目指す方向性をうちだせばいい。支持母体の数をみるより、そのことで失う浮動票を重視すべきです。しかし、細川氏にその決断ができるか? 以前もとり上げたように、心の弱さが散見される細川氏は、大も小もと考えてしまいがちです。
人は、責任がかかると途端に脆くなります。自由人なら大胆に発言できても、選挙に勝つというプレッシャーにより、支持母体のある政党に頼りたくなる。そうしたものは、公約に強く滲むはずです。文言の調整などをしていると、都民の支持も集まらないかもしれない。それらをの差配を行う水先案内人の選任と、その能力如何によって、選挙戦が変わってきてしまうのです。

メディアは「脱原発のシングルイシューにするな!」と躍起です。しかし東京都ほど、都職員により、その他の施策はがっちり押さえられ、トップはシングルイシューだけ追いかければいい、という組織はありません。国政より、よほどシングルイシューが相応しいポジションといえます。
小泉氏をもち上げ続けたメディアは、面と向かって小泉氏を批判できない。小泉氏も、面とむかって自民と対立している、とは思われたくない。真に『脱原発』の達成に注力するなら、なぜ自らが出馬しないのか? だから代理をたてたのです。そしてメディアも代理だから批判しやすい、代理のみを批判する、という構図があります。自民に政権がもどり、小躍りして喜んでいたメディアが、死に物狂いで批判の矛先をむけてくる。その攻撃に耐えられるか? 30年前の再現になりはしないか? それが不安要素になってくるのでしょうね。

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2014年01月16日

舛添氏の不安要素

まず、田母神氏がTwitterで、NHKのニュースでサッカーの話題が長すぎるのを問題視し、『馬鹿になる』とし、その後の批判に、火消しに躍起となっています。問題はこの『馬鹿になる』の部分です。大切な情報さえ伝えていれば、国民が察する機会は著しく減少しますが、馬鹿にはなりません。馬鹿になるとすれば、大切な情報を伝えないか、誤った情報を伝える場合です。さらに、番組の構成にケチをつけるのも、介入との味方を強くし、ただでなくとも保守系は偏狭、偏屈という批判があがりがちなところに、油を注ぐ結果と鳴っています。こうしたものは、火消ししてもふたたび延焼する、といった性質のものですので、軽率だったといえるのでしょう。

延焼懸念が、舛添氏にもでてきました。16年前の出版物で『東京沿岸に原発、基地を』と述べるなど、原子力ムラにどっぷり漬かっていた、とみられる点です。311以降、変更した可能性はあるものの、原発推進派の自民の推薦をうければ、出馬会見時の「原発に依存しない社会」発言も、怪しくなってきます。そもそもこの出馬会見では、原発問題を争点にしたくないため、こうした発言をしたのであり、舛添氏お得意の二枚舌、とみられる点がさらに問題の根を深くします。
さらに、母親の介護を引き合いにだし、社会保障の充実を訴えます。しかし、障害をもつ実子の養育費をめぐる裁判は、これを否定します。障害の程度は分かりませんが、重ければ成人していても働くことは困難ですし、付き添いも必要ですから、余計に出費もかかります。収入が減ったから…というのも、養育費引き下げの一因としますが、一時期借金をしてでも家族を養う、という人は山ほどいます。しかも舛添氏は資産家ですから、尚更理屈が立たない。つまり実子すら、そうやって個人の事情で切り捨てようとする人間が、社会保障の充実と訴えても、信憑性はない。むしろ、母親を介護したのに、実子は世話をしないの? 社会保障も、税収が減ったからと切り捨てやしないか。社会保障充実のためには増税、などと自民と同じで言い出しやしないか。そんな疑いが、これらの一連の動きからは働いてしまうのです。

また結婚、離婚をくり返してきた。愛人もいた、という報道もあり、女性票にも影響する恐れがある。ここに来て、女性が翻訳したものを自身の名で出版、発表したという話もでてきた。女性にだらしない、というより、女性を狡猾に利用してきた、といった面が意識されると、さらに女性票は逃げていきます。若い頃は二枚目だったのかもしれませんが、それが今回ネックになります。
五輪も、防災対策も、具体策は何もない。告示までに何か出てくるのか? それとも都や自民がひいたレールに乗っかるのか? どちらにしろ、この点で評価できるものは何もないのでしょう。小泉進次郎政務官が「自民を出て行った人を支援しない」と、父親とのバッティングを避けるため、発言していますが、自民でもっとも人気のある進次郎氏の応援がない、という点も、舛添氏には不利なのでしょう。政策通とされ、討論には強いとされますが、出馬表明の際、記者たちがあまり質問しなかったことで、逆に「質問ありませんか?」と聞くなど、どうにも華がない。演説になったり、独演になると、弱弱しさが目立ち、記者も面白くないのです。

二枚舌、二枚目、二親等、そして進次郎、どうにも『二』に相性が悪いようです。記者と同じように、都民が『二の句もつげない』といった、私論などで振り回さないか? もしくはお金に困っていることから、前の人と同じことをくり返す『二の舞』にならないか? 今からそんな不安を想起させる時点で、それを払拭するための十分な説明といったことが必要となってくるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:54|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 地方

2014年01月15日

都知事選は一騎打ちか?

今日の日経平均は大幅上昇でした。昨日もそうですが、引け間際の裁定買い、昨日なら裁定解消売りをひきだすための、先物売買が散見されて100円以上の余計な値幅がでている印象です。昨日の米国は、JPMの好決算などもあり、切り返していますが、業績相場の一喜一憂が、日本ではより大きな波となって、上下の値幅を大きくとるように働くのでしょう。

海自輸送艦おおすみが、漁船と衝突、転覆して乗船していた二名が亡くなりました。気になるのが、特定秘密保護法によりこうした事件の真相も、隠蔽されないか? ということです。読売の渡辺会長が統一基準をつくる有識者会議の座長をつとめますが、渡辺氏といえばむしろ、世論誘導や情報隠蔽に手を貸し、政治家に貸しをつくることで読売グループ内で権力をえて、今の地位についた、という生粋の政治記者です。情報開示に積極的なジャーナリスト気質ではない。
だからこそ安倍政権から選任された、というならその通りですが、自衛隊の不祥事も国防にかかわるから、と隠蔽されてしまう懸念を、益々高めているといえるのでしょう。メディアの側は、とりまとめをする座長ではなく、むしろ反対や改善を求める側から、意見を述べる立場にあるはずです。政治とメディアに都合よい特定秘密保護法をつくる、という動きがより顕著になりそうです。

都知事選は、舛添元厚労相と細川元首相の一騎打ちの様相となってきました。一部で、小泉氏はそれほど協力的ではないのでは? との観測を述べる政治評論家もいますが、ここまで名前がでて、細川氏が落選すれば「小泉は終わった」という評価を定着させてしまいます。小泉氏にとっては負けられない戦いになります。舛添氏の出馬会見の日に、わざわざ会談し、出馬を表明するといった対抗心の見せ方は小泉流ともいえ、本気モードであることがうかがえます。
さらに、おおすみ艦の事故が安倍政権にとって、ネックになってきます。こうした事故を起こすと、原因の有無に関わらず、しばらく自衛隊への風当たりも強まります。経済と安全保障が安倍政権の二本柱であるだけに、自衛隊に監視などの基本的な作業を怠るような瑕疵があるなら、不安をのこします。通常国会で提出予定の、いくつかの安全保障、憲法関連の提出にまで、今回の事故は影響してくるでしょう。自重した発言に、政府の警戒感が伝わってきます。

一方で、東電の再建計画も提出され、ここにも原発再稼動がもりこまれました。規定路線化する動きですが、これにより都知事選の原発争点化、にも拍車がかかりそうです。国費を投入しながら、民間企業のまま再建させる、そのために原発再稼動が必要、という論調なら、それに反対の人間からすれば都知事選で意志表明するしかない。安倍政権にとっては、実に悪いタイミングで2つのことが重なった、と言えます。さらに市場急落には、誰よりヒヤッとするのでしょう。
今年になり、誰も安倍ノミクスとは言わない。それは何も、昨年の流行語でもう厭きた、というのではなく、今の景気回復がほとんど日銀の量的緩和、黒田ノミクスによるものである、という認識が広がりつつあるためです。6月、とされる新成長戦略でさえ、地方選で3連敗すればどうなるか分からない。そうなれば、益々安倍政権の功績ではない、という意識となり、求心力低下につながってくるでしょう。今年になり、不都合なタイミングで悪いことが重なり、運気が落ちたように見える安倍政権、という問題が、実は都知事選にも強く影響することになるのかもしれませんね。

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2014年01月14日

日経平均の急落

財務省発表の経常収支で、13年11月は5928億円の赤字となりました。巨額の貿易赤字を、所得収支でカバーできない状態が続きます。商品別では原粗油、液化天然ガスなどが増えているように見えますが、実はほとんどがドルベースの取引で、円換算したときの見かけの数量が増えている、といったことが問題です。数量ベースでは約10%増と、決して主因ではないのですが、金額ベースに直すとトップ項目になってしまう。つまり現在、20%以上の円安になっているため、貿易赤字が拡大しており、決して原発を停止したことによる原粗油や、天然ガスの使用が増えたため、ではありません。
しかしビックリデータを活用するメディアは、相変わらず「原発停止の影響で…」と伝えます。しかし経済誌、経済情報を扱うメディアでは、こうした言い方はしていません。電子部品や衣料など、数量ベースで悪化している方が、より重要だからです。通常のニュース番組などでは、あまり調べない、よく知らない一般人向けであり、経済メディアとの乖離が窺えます。

今日の日経平均は大幅下落でした。先週の雇用統計が悪化し…という理由も語られますが、米ダウの下落は業績に懸念がでたため。そして日本では、安倍政権の足元のグラつきを見透かされた、という話がでています。名護市長選も現職の稲嶺氏リード、都知事選にも細川、小泉連合が出馬を表明し、自民二連敗の可能性がでてきた。それに、昨年末の靖国参拝で、欧米が日本非難で歩調をあわせたこと。これらの要因により、年内にレイムダック化の可能性がでてきたため、海外投資家の高いポジションをもっていた層が、資金を引き上げたというのです。
ただでなくとも、昨年は15兆円以上の株買い、MMFベースの円ショートポジションは14万枚と、歴史的な水準に膨らんでいた。若干、整理がすすんだとはいえ、まだ異例ともいえるポジションがあります。少し見方が変わっただけで、大きな下落に見舞われる。それが今日でした。

そして相変わらず伸びない輸出数量。これから円安に基づく値下げができる、という見立てもありますが、円高のときに業績をけずって値段を抑えていた企業にとって、果たして値下げできるか? 市場占有率を高めるには、広告宣伝費やブランドイメージ作りに、数年はかけなければいけません。1日で2円近く円高になってしまうほど、変動の強い相場ですから、安易に値下げもしにくい。これらにより、日本企業の収益性にも疑義がでてきた。それが、これから業績相場へと移行するタイミングでポジションを落とす、という理由となっているのでしょう。
もう好材料はほとんど織り込み済みですから、こうした悪材料に、敏感に反応しやすくなっているのが、現在の相場です。歴史的な水準にある株買い、円ショートのポジションを、今以上に積み上げなければ、やはり相場は弱含みます。上値を買う投資家は海外勢ぐらい、ということを考えると、ここからしばらくは16000〜14000円のレンジ相場を想定しておく方が、失敗は少ないといえるのでしょうね。

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2014年01月13日

都知事選で脱原発は争点か?

いくつかの世論調査で、普天間基地の辺野古移設を「よかった」とする回答が、「よくなかった」を上回るケースがあります。おや? と感じるのは、仲井真沖縄県知事は「驚くべき提案」としましたが、確約のない空手形ばかりで、法的根拠も米軍と調整した形跡もない。実は、何も進展していないのに、よかったとするのか? ただ、質問の仕方にも問題があり、普天間基地の移設が進展したこと、を「よかったか?」と問われれば、よかったと答えざるを得ず、こうした設問をしているメディアも多々あります。沖縄県内移設をどう思うか? という質問ではないのです。
鳩山政権以来、世論調査でも辺野古への移設には反対、の方が多い。しかし今、国民に反対意見が多いとすると、名護市長選で移設容認派には不利。そんな思惑が透けてみえます。もし仮に、辺野古移設を国民が歓迎しているとするなら、わずか数年で、政権が交代しただけで、ろくに国民へ説明することもないまま、また沖縄負担は残ったまま、国民はころっと趣旨替えした、ということになります。最近、メディアの世論調査には首をかしげることが益々増えましたが、ビッグデータならぬ、ビックリデータの活用は政府、メディアの至上命題のようです。

安倍政権からは、都知事選で原発問題を争点にすることを、否定する発言が相次ぎます。しかし東京都は東電の大株主であり、都知事選には東電の電力政策をどうするか、という選択権があります。つまり東電は擬似的に国営化していますが、株を上場する民間企業であり、株主の意向を通せます。それが嫌なら、東電を国営化するか、もしくは都に株をすべて売却させ、株主提案権を放棄させるか、そのどちらかとなります。つまり半官的な扱いである電力会社を、そのまま存続させたツケで、都知事選で原発政策を争点にしても違和感がない、となっているのです。
電力政策は国策だ、という意見もありますが、日本のように地域独占を許し、国と電力会社がなぁなぁで電力政策をすすめるような国は、ほとんどありません。また日本原燃が下北の再処理施設の安全審査を申請しましたが、実はここにも大きな問題があります。申請されたのは再処理工場、ウラン濃縮工場、MOX燃料工場、貯蔵センターです。高レベル廃棄物を処理する施設は含まれていない。この施設は完成したにも関わらず、トラブル続きで動かせる目処が立っていません。つまりこの4施設だけ、稼動を早めても高レベル廃棄物がたまり続けるだけなのです。

原発は、確かに国策ですすめられましたが、国はきちんと最終処分までの工程を決め、国民に提示したわけではない。現在の技術ですら、ガラス固化体にして、地下に埋設できるかどうかは不明なのです。ならば、そこに国民の選択があってもまったく自然です。むしろ国政選挙において、きちんと道を提示し、選択権を与えていないのですから、株主という立場からそれを選択できる道があってもよいのでしょう。結果的に、今のように電力会社を民営なのか、国営なのか、曖昧にしたままきたツケにより、国民の選択できる道が増えた、ということです。これにきちんと説明がつけられないようでは、口先介入で争点化を避けても、逆にそれが争点として注目されるだけ、ということになるのでしょうね。

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2014年01月12日

雑感。都知事選に思うこと

昨日、家電メーカーのことを取り上げましたが、経営者は売れそうなものを作れ、というばかりで魅力的な提案ができない、と指摘しています。しかしこれは日本全体の問題で、それが露呈しているのが、東京都知事選です。自公民は、とにかく勝てる候補、勝てる候補と迷走した挙句、自民は離党して貶していた舛添氏を推薦する方向で、民主は断られた細川氏にすりよります。
しかも民主・菅氏など、代表選の際にあれほど否定していた細川氏を、脱原発というだけでもち上げている。滑稽というしかありません。どこも組織上の地位や、自らの体面を守ることに汲々とし、有権者などそっちのけです。政治が如何に国民から乖離しているか、この都知事選から透けてみえる、といった点でも、安倍政権への評価という点でも、面白くなってきました。

舛添氏は厚労相時代、ぶら下がりでいきなり持論を公表、根回しもなく、推計もない政策を堂々と語り、記者たちを仰天させた経緯があります。都政はほぼ官僚主導、お山の大将だけ担いでいれば上手くいきます。石原元都知事も、思い立ったように排ガス規制などをやりましたが、都庁にも通わず、丸投げしていたから上手くいきましたが、舛添氏は口をだしたがるタイプであり、混乱も予想される。それに、良く言えば空気を察するタイプであり、悪く言えば節操がない。自民がボロ勝ちしそうなときに出馬、ボロ負けしそうなときに逃げだす。こうした忠誠を尽くせない、主人をころころ替えるタイプは、基本的に日本人は嫌う傾向もあります。そこにもってきて、一定の票田となる都の職員からも、ウケが悪いといった点に不安をのこします。
細川氏は、佐川急便事件のことを自民が蒸し返しますが、自民へのブーメランにもなりかねません。細川氏は1億円の返済を釈明できませんでしたが、当時の自民議員も、佐川から献金をうけた疑惑がありました。国民は、禊がすんだとは考えていません。当時の広範な政界工作の一つ、と考えるなら、より自民党議員への献金が、群を抜いて多かったはずです。この事件で明らかなことは、細川氏のもつ心の弱さです。追い込まれると弱い。ただ細川氏のもつ大らかさ、家柄のよさからにじみ出る人のよさそうな面、は都職員にも歓迎され易いといえるでしょう。

さらに小泉氏が動くことで、自民は股割きになります。さらに田母神氏を推す保守系もいることで、自民支持層も股割きになることでしょう。ただでなくとも都知事選に弱い自民が、支持層割れを起こす。抜群の知名度を誇るがゆえ、序盤は他に名前も知らない候補より、と高い支持も得られますが、こうなっては基礎票さえ覚束ない。公明も、舛添氏の前面支援はしにくい状況です。
民主は党内の抵抗をおさえ、細川氏を推すことで、こちらも股割きです。また脱原発を推す有権者としても、細川氏なのか、宇都宮氏なのか、それも股割きになります。維新は石原氏の指導力のなさを露呈し、崩壊の芽がでました。党代表が推す候補とは違う候補を、党員が応援することも可能で、そんな体制では早晩、瓦解します。維新は股割きどころか、終わりの始まりです。

中央政界は、保身に汲々とする余り、有権者に魅力のある提案ではなく、自分たちに都合のいい提案をしてきて、結果的に内部分裂を誘発している。保身どころか、どの党執行部も基本的なことができていません。その証拠に、今まで手を挙げた人が、軒並み60歳越えという超高齢化選挙戦になりそうな気配です。6年後の五輪を見据えるなら、これほど心許ない選挙もないでしょう。都知事選を、中央政界にたずさわる、もしくは携わっていた人間たちが引っ掻き回した挙句、都民は蔑ろにされてしまった。このしっぺ返しが誰に向かうか、それは来月明らかになるのでしょうね。

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2014年01月11日

雑感。CESと日本の家電メーカー

米ラスベガスで、世界最大の家電ショー(CES)が開催されていました。しかし目立つのは中国製、台湾製など、国外の企業ばかり。特にウェアラブルと呼ばれる、身につけるタイプのものはほとんど海外企業です。確かに、このウェアラブルは癖があり、容易に犯罪に転用できてしまう、言い方を変えると一般人を容易に犯罪に巻きこんでしまう、というもので、ハードルも高い。だからといって、手を拱いていては日本メーカーの凋落も止まらなくなるでしょう。
ウェアラブル製品の問題は、気に入った異性を街で見かけた場合、すぐにネット検索してソーシャルメディアなどをみつけられる、といった点があります。ストーキングし易く、また相手になりすますことも可能です。特に、個人の信用がつよく影響する日本では、より弊害が強いものです。スマホにしろ、携帯電話にしろ、かざさないと映せない世界から、いつの間にかネットに自分が晒されてしまう、そんな世界になります。例えば、気に喰わない対応をした店員、町でみかけたかっこいい人、そんな基準でネットに顔を晒されてしまう。ウェアラブル製品には、可能性以上に個人の権利侵害という問題が大きい、しかし時代はそうした狭間で、便利な製品をのぞんでいます。よりよい提案ができたメーカーが、次の時代をつくれるといえるでしょう。

昨日もとり上げましたが、米家電メーカーVISIOが4Kテレビを日本円で10万円台で投入してきました。しかもかなり高機能品で、日本では50万円ぐらいしそうです。日本の家電メーカーは未だに高額品の位置づけで、市場占有率も高められないまま、負けが決定です。簡単にいえば、日本メーカーは高付加価値品を高級、と位置づけたいようですが、今はそんな時代ではありません。
パソコンも、日本メーカーは未だに平気で10万円台の製品が主流ですが、海外メーカーは1桁違った上で、機能的にはほぼ同等です。後からソフトなどは足せるので、機能さえ充実していればいい、というユーザーも多い。さらにパソコンの出荷台数は、昨年比15%近い落ちこみで、需要自体が減退している。需要がないのに、供給サイドがそれに対応していない。それで市場がクローズするなら良いですが、海外メーカーがそれを許していません。よほどのマニアか、ゲーマーでもない限り、高機能のパソコンは必要ありません。逆にいえば、日本の家電メーカーはより消費のパイが少ない世界へと、対象を狭めているにも関わらず、それに対応していないと感じられます。

このままでは、日本の家電メーカーは続々と退場を余儀なくされるでしょう。特定の分野へ特化するか、重電メーカーになるか。家電メーカーのままだと、安倍首相の経済外交からも蚊帳の外です。後は法人向け、という選択肢もありますが、CESつまりコンシューマーエレクトロニクスショー、顧客向けでの提案がない、というのはそういうことなのかもしれません。
日本の家電メーカーは白物家電で稼いでいますが、今はまだこの分野への海外メーカーの参入が少ないため、そうなってるだけです。本気で体質を変えない限り、一昨年のような苦境にふたたび晒されるでしょう。日本の家電メーカーに奮起を促したいところですが、今の経営者の思考法では、後十年は難しいとしか感じられず、厳しいところなのでしょうね。

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2014年01月10日

米雇用統計と労働の質

川崎の逃走事件で、容疑者が「強姦をやっていないから逃げた」と述べていますが、これは誤りです。強姦罪は、現場にいただけで罪になります。行為そのものではないのです。少なくとも、そんな理由だったら弁護士と話してから逃げるべきだったのでしょう。逃走そのものは罪に問えない、と警察も考えているようですが、心証の悪化による重罰は免れなくなったのですから。

米12月雇用統計、非農業部門の雇用者数が、7万人台にとどまりました。20万人予想でしたので、大幅に低い数字です。為替市場が動揺していますが、FRBの動きを含めて読みにくくなりました。これは12月の米小売売上高が2.7%増と極めて低く、さらに店舗での売上げが14%以上のマイナス、ということも影響するのでしょう。天候不順もありましたが、店舗で売れないので人を雇う必要がない。雇用にも当然マイナスです。米政府がFRBに緩和させないため、雇用統計を低く見積もった、という邪推すら喚起してしまいそうな、そんな数字となっています。
欧州でも、失業率は12%以上と、高止まりが続きます。しかも先進国で起きている問題は、労働の質の悪化です。技能をもつ人でも職に就けず、より厳しい環境におかれる。日本は駆け込み需要をさばくため、一時的に労働市場が改善していますが、世界全体では失業率の高止まりのため、賃金をあげなくても優秀な人材が確保できる、雇用側が有利の状況が起きているのです。

中所得の罠、という言葉があります。新興国で、高付加価値の職種へと移れず、いつまでも付加価値のない軽作業へと従事し、成長が止まってしまう現象です。しかしこれは止むを得ない面があり、今の労働者層は教育水準が低い時代に育っており、研究開発などの高付加価値のつく職種にはつけない。また先進国でも労働の質が低下している昨今、新興国に高付加価値の労働を移す、という動きにもなり難い。総じてまだ先進国の方が、教育水準も高いためです。
キャノンが国内生産の比率を42%から50%に引き上げます。こうした動きが広がり、国内の労働市場が活況になれば良いのですが、今はまだ海外に生産拠点を移した企業の減価償却も終わっておらず、こうした動きは少数です。今はまだ、国外の価格を据え置いていたから、これから円安効果で価格を引き下げ、数量効果がでる、という人もいます。しかし米家電メーカーが10万円で4Kテレビを発表するなど、円安分の値下げをしても、価格競争力があるかはまったく不明です。

世界で起きている労働の質の低下、停滞。この流れがいずれ消費にも、大きな影響を及ぼしてくるでしょう。日本は賃上げ、賃上げと政府が煽りますが、そんなことをしている国は世界で日本だけ、ということを忘れてはいけません。日本は世界の将来を先どりして、少子高齢化、デフレという時代をすごしましたが、その結果、国家主義による政治が賃上げを要請、などという時代に世界がなるのか? 経済環境と賃金には今後も目が放せないことは間違いないのでしょうね。

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2014年01月09日

自民党の運動方針

横浜地検川崎支部から逃走していた容疑者が、横浜で逮捕されました。逃走途中で携帯電話と、衣服一式を手に入れていたとのことで、もし仮に逃走補助をした人物がいるなら、その人物も罪に問われます。つまり逃走という行為によって、本人のみならず周囲も犯罪者にしてしまったわけです。仮に家族なら、逃走補助も不問になりますが、軽々しく手を貸したりしないことが懸命です。携帯電話で居場所が特定されるなど、お粗末にすぎますが、神奈川県警の不手際により、犯罪者を増やしてしまったことが、今回の事件における結果ということなのでしょう。

自民が今年の運動方針で、靖国参拝への「不戦の誓い」の言葉を落としました。安倍氏がめざす積極的平和主義とは、治安維持のための自衛隊派遣もふくまれるので、治安維持とはいえ戦闘が想定されます。つまり安倍政権の方針では「不戦」にならないのです。また「平和国家」も落としていますが、代わって「日本の歴史、伝統、文化を尊重し、靖国神社への参拝をうけつぎ、国の礎となられた方々への尊崇の念を高め、感謝の誠を捧げ、恒久平和への決意を新たにする」との文言に、差し替えられました。
自民党保守系の、従来の主張に近いものですが、なぜ軍事作戦に関わった人間だけが「国の礎になられた方々」なのか、理解に苦しみます。モノづくりをした人たちや、戦争で亡くなられた人以外でも、国の礎になってきました。靖国に祀られる人を英霊、と呼ぶのと同じで、これらには明白な誤認があります。国家とはその国に携わった人、すべてが礎となっており、英霊であるはずです。こうしたものは、突きつめると差別意識の助長にもなりますし、戦争賛美との疑いも強くします。靖国は不幸にも、国の施策によって落とさなくていい命を落としてしまった人を祀るための廟、そうした意識をもつ方が、より国内においても受け入れやすいものになるはずです。

さらに「日本の歴史、伝統、文化」と靖国神社を並べるよう、記載していますが、少なくとも靖国は明治以降です。歴史は浅く、伝統とするほどの古さもなく、文化とするだけの広がりもありません。むしろ靖国神社をイデオロギーと切り離すほうが、文化としての価値をもつのでしょう。今は思想、信条というに近く、神道としての形態であることさえ首をかしげてしまいます。
自民がもつ、軍事作戦に携わり、亡くなった者だけをやたら賛美する姿勢が、今回の運動方針でもはっきりと示されたのでしょう。そうした偏見、偏向をもって靖国を特別視するほうが、品位を落としているとみる国民は多い、と感じます。党員を74万人から120万人に増やす、という目標もたてるようですが、突出した意見に偏っていけば、結果的にその目標には遠く、国民のごく一部だけを喜ばす、ということにしかならないのでしょうね。

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2014年01月08日

賃上げと株価

今日は日経平均が16000円台を回復して来ました。しかし昨年から続く、円売り、株買いを仕掛けて引け間際に裁定買いを誘発する、という使い古された手法であり、相場の勢いは感じられません。売買代金が連日2兆円を越えていますが、SQ週ということと、昨年末の買いもちポジションの解消という面があり、このボリュームを維持できるかは微妙です。

最近、賃上げの話題がかまびすしくなっています。証券会社が若手を中心に3%の賃上げを表明しましたが、実はこれぐらいあげて物価と消費税増税を相殺できる、ぎりぎりの水準です。つまり各企業はこれ以上をめざし、平均して3%を達成できなければ、来年の消費は確実に減退します。
証券会社から語られないことの一つは、企業が実際に賃上げすれば高コスト要因であり、株価的にはマイナスということです。しかも4-6月期は消費が減退し、生産調整に陥る企業もでることから、非正規雇用を中心に冬の時代を迎えるかもしれない。つまり正規雇用はぎりぎり賃上げで相殺できても、非正規雇用の消費意欲は間違いなく落ちるため、予想以上に消費鈍化が長引く可能性もあります。3%の賃上げが達成されてさえこの程度、と思っておいた方がいいのでしょう。

しかし先にも示したように、株価的にはマイナス要因です。それで株価が落ちこめば、それを指標のようにしている安倍政権にも打撃でしょう。来年度は賃上げ企業には減税の恩恵もありますが、単年度のみの特殊要因です。それが再来年度にはより強く、業績圧迫要因となってくる。半年先をみる市場が、この要因を無視して今は株価が高値をめざしている、という状況なのです。
業績が上がったから賃上げ、と述べる経営者もいますが、業績改善要因を無視しているようです。海外の売上げ比率が上がっても、現地生産であれば国内の労働者へ恩恵を還元する、ということに正当性はありません。単なる為替要因だけなら、尚更次に円高へと向かったとき、苦境に陥るのは目に見えているでしょう。つまり、今ここで賃上げに言及するような経営者は、失格の烙印すら押されかねない、意味不明なことをしていることになります。例えば証券会社、昨年は新たに市場参入してくる人や、証券優遇税制廃止にともなう駆け込み、などもあって取引量が増大し、業績は著しく改善していますが、今年は両者の要因が剥落します。そんなときに賃上げ、というのは、政府の意向を汲んで行動する、というだけのものにしか見えないのです。

今年前半、日本にみるべき点がないのは、上記の理由によります。つまり賃上げが実際に行われても、やっと現状維持、むしろ増税前の駆け込み需要後、生産量や消費にどの程度の影響がでるかを、しっかりみない限り、新規で資金を傾けるような材料はないのです。今はまだ、新年の余韻も残っていますので、好調そうに見えますが、影響を勘案するのはこれから、ということです。
安倍政権の経済運営が迷走しているように感じるのは、円安はあくまで外需依存にする、内需には悪影響がある、ということを知った上で実行しているかと思っていましたが、今はそのバランスをとり始めた、とみられる点です。しかしそのバランスは、外需、内需その両面においてマイナスの影響になりかねない、諸刃の剣です。だから財界、政界、メディアもこぞって楽観をばらまく、ということになるのでしょう。その楽観にのっても、気づいたら泥沼、という事態が目前に迫っている。それが夏ごろには明らかになってくるのかもしれませんね。

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2014年01月07日

都知事選にむけた動き

神奈川県警から、容疑者が逃走する事件がありました。最近、こうした事件も多いですが、一向に処分の話が報じられません。今回は接見時の不手際、逃走時の甘さ、それに広報の遅れなど、多々問題が散見されます。こうした問題に、厳格に対応しなければ、それこそ景気回復の実感をお届け、どころか、安全、安心して暮らせないということにもなりかねません。

都知事選が動き出しました。実質、後1ヶ月しかないので、無名候補はもう動き出さないと間に合いません。後だしシャンケン、とも言われますが、それができるのは有名人に限られます。そんな中、元航空幕僚長の田母神氏が、都知事選への出馬を表明しました。石原元都知事が、個人的に支援するとのこと。ただ石原氏は、先の衆参選挙のときも、よろよろで大して演説もできず、力になるか未知数です。それ以上に、正月の生放送の中で、猪瀬氏と徳州会との問題に際して、石原都政下のこと…と質問した相手に、とんちんかんな回答をして誤魔化していました。猪瀬氏についても気の毒、とするなど、この問題に正面から向き合っていない。それで支援となると、田母神氏も石原氏の背景にある黒い人脈まみれ、とみなされることになります。
また石原氏は自民、公明のバックアップもありましたが、今回は自民、公明ものらないでしょう。独自候補の擁立がなくとも、公明が嫌う、保守系の色が強すぎる人物でもあります。さらに論文問題で辞職していますが、それを気骨がある、とみなすか、組織に馴染めない、とみなすかで違ってきます。そもそも保守はマイノリティですので、田母神氏は今のところ泡沫の一人です。

細川元首相がとりあげられますが、悪い冗談です。一度、組織を放り出した人間を担ぐには、それなりに理由が求められます。民主が打診、という話もありますが、ネームバリューだけでは票も集まりません。民主は鳥越氏にも打診し、断られたとの話もありますが、もっと若手で考えなければ、清新さをアピールもできない。これは今年、党首選も行われる見込みですが、それにも影響する党執行部の失態にもみえます。もし独自候補を立てられなければ致命的です。
一方で、舛添元厚労相が出馬の意向を固めたようですが、政治手腕と養育費問題、という二つの不安を抱えます。名は通っていますが、新党改革時代のマニフェスト等をみる限りにおいて、期待はできません。それに、自民都連との関係もよくなく、仮に当選しても不安だらけです。

宇都宮氏には共産、社民が推薦をたてるようですが、今はまだ後ろ盾のある宇都宮氏と、ネームバリューの舛添氏が有力です。しかし自公民などの組織票をもつ党が、独自候補擁立に苦慮するのが、今の政治情勢の複雑さを示します。本来、これだけ圧倒的な支持率の安倍政権ですから、自民候補が圧勝するはずですが、衆参議員の誰も手を挙げないのが、良い証拠です。
小泉元首相の暗躍も報じられますが、小泉氏は単に、自分の主張をメディアに取り上げてもらうための、売名に過ぎません。ただ、政治家を志す、もしくは政治家の中から都政に携わりたい、という人間が出てこない。この国の政治の危機管理から変えないと、国民の安全、安心という部分はいつまでも醸成されない、ということなのかもしれませんね。

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2014年01月06日

安倍首相の年頭会見

東証では大発会でしたが、日経平均は大幅下落でした。ただTOPIXベースでは下落率も1%未満ですし、上昇した銘柄の方が多い。単純に、昨年から高いポジションをもつ欧州系の売りでしたが、ご祝儀買いやNISAの取引が始まったことで、これを相殺した面があります。欧州は為替変動を除くと、日本市場では2割ほどしか利得がなく、旨みが少ない。先物のポジション落としがすすむと、現物株にも売りが波及しやすい環境にあります。年前半の日本に期待できる点はありません。

安倍首相は年頭会見で、『1年前の危機的状況…』と語りました。『1回表ノーアウト満塁の危機』とも。まず、おや? と思うのは1年前、それほど危機的だったか? ということです。確かに円高により、輸出企業は青息吐息でしたが、相対的にみて日本の内需は停滞であって、危機的ではなかった。むしろ欧米の危機により、逃避的に安全資産とされる円が買われる状況であり、日本は安泰と海外はみていたことになります。つまり安倍氏の見方とはズレているわけです。
しかも野球の常識を知っているなら、1回表であれば、大量失点を防ぐよう行動すべきであり、1つ1つアウトを重ねるのがセオリーです。むしろ1回表で満塁にして大量得点を狙ったのが、安倍ノミクスです。攻守を間違えています。さらに『景気回復の実感を収入アップでお届け…』と、何やら怪しげな言葉をつかってきました。政府は賃上げを約束できませんし、毎日新聞の企業アンケートでも、未だにベアまで含めて賃上げを考える企業はごく少数です。むしろ円安でも数量効果がでず、設備投資も拡大していませんし、国内で賃上げできる材料は皆無です。業績が上がったから、賃上げするのではなく、国内生産が増えたことにより、賃上げは為されます。そうでなければ、単純に国内労働者は円安でタナボタを得る、という形になってしまいます。

質疑応答で、憲法解釈をめぐっては国民的議論と諸外国にも丁寧に説明、積極的平和主義についても説明、と応じていますが、何より国民が積極的平和主義、というものが何かを知らない、といった面があります。産経・FNN世論調査で、積極的平和主義にも賛成が多いとされますが、安倍氏の語るこの言葉は、将来的には自衛隊をPKOなどで戦地にも派遣、ということも含まれます。表面的には平和と謳っていますが、戦後の日本が初めて銃をもって軍を派遣する、ということです。PKOだけなら、問題は少ないかもしれませんが、そうなると米軍は必ず、軍事作戦にも日本が参戦するよう、促してくるでしょう。そこまで含めて積極的平和主義を考えなければいけません。
この年頭会見で、安倍氏は経済への比重をおく、といった趣旨の説明をしましたが、それと呼応するように、各メディアは「安倍ノミクスが試される」といった表現をつかってきました。円安にしろ、これ以上すすまなければ業績の変化率でみると、今年は停滞を意味します。つまり1回裏の守りについた今年、マネーが溢れて乱打戦になるのか、それとも一方的なコールドゲームになるのか、が決まるといってもいいのでしょう。残念ながら、安倍政権の守りはザルです。深慮遠謀ができない人物は、常に攻めるしかないのです。試される、とは即ち市場は受身で、政権や日銀からの投じられる球を待つ、ということです。それがなければ、まず経済面から安倍政権は苦境に立たされる、ということになるのでしょうね。

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2014年01月05日

雑感。今年おきて欲しいこと

本年もよろしくお願いします。

今年は元旦から、新聞各紙で中国の軍事的脅威をうたうものが、いくつかありました。安倍首相の靖国参拝で、当面の日中関係の悪化をみこし、新聞もこうした記事を打ちやすくなったことが背景でしょう。喫緊の重大ニュースは、むしろソチ五輪前にロシアで頻発するテロです。東京五輪を控え、日本もテロの脅威に気を配らなければならない。それなのに、ネガティブな報道を控えようとする昨今の風潮は、政府と歩調をあわせて中国脅威論に逃げ込んでしまいます。
今年起きて欲しいことの一つに、メディアの変革があります。長らく待望していますが、今の記者はジャーナリストの魂もなく、サラリーマン化している、との指摘もあります。新聞など、40頁のうち半数が広告ですし、読むべき記事も少ない。社説も今では各紙の特定の主張をする場に変わり、『〜せよ』との命令形も多くなりました。世論の代弁もしていないのに、居丈高にそう主張するメディアに価値はありません。最近は解説でさえ、首をかしげるものが増えました。テレビもイベント会社に成り下がっていますし、読売新聞が新社屋に移るなど、今年何らかの転機にきているような気もしますので、ここらで大きなうねりが起こるのかもしれません。

経済でも、今年大きなうねりがくるでしょう。年初、米株市場が大きく下げました。高値警戒というより、高値不安の水準にあり、昨年までは何でもポジティブに反応する、という傾向でしたが、FRBのテーパリング開始により、ちょっとした不安でも催促相場に陥る気配があります。FRB議長交代期における混乱と、中間選挙という年の特性をみても、高値をとれる状況にありません。
年初、急変したのが為替市場です。ユーロなど3円近く円高になるなど、大きな動きをみせました。急変をうながす原因はたった一つ、重いポジションです。追随して円を売り、株を買う層が中々あらわれない。このため、年末まではドレッシングで持たざるを得なかった層の、ポジション外しの動きが出やすい環境にあります。一時、NISAの買いが…などと語る人もいましたが、NISAは小額投資であって買い支え役にはなりません。そうした流言で高値に誘導してきただけです。

最近では、安倍ノミクスに騙されている、乗せられている、と公然と語る人もでてきたように、デフレを悪とする安倍政権は、それ以上に国民に痛みがあるコストプッシュインフレを引きおこしています。そこに来年は増税負担が重くのしかかる。日本とて、決して景気に楽観はできません。しかし、政府試算や民間でも、来年の経済に楽観的な見通しを述べてきた。今年大きなうねり…としましたが、それはこうしたウソとどう整合つけるか、それによって国民の見る目も変わってくる。こうしたところから、顕在化していくことになるのでしょう。
相場格言では『午尻下がり』とされます。これは経験則ですが、午は方位でいうと南、午という字自体、十二支の七番目、七月を意味し、暑気により太陽が二つある様を象ったとされています。つまり暑さがピークとなり、これから緩やかに気温が下降していく、相場の熱が冷めていく様とも重なります。賃金への還元が、期待通りにすすまなければ、国民の怒りの熱は政府へと向かうでしょう。そのうねりが向かう先は、うそをついていた側であるとするなら、必然的に政府やメディアへと向かい、変革をうながす、と云うことになってくるのかもしれませんね。



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