2014年02月

2014年02月28日

マウントゴックス社の民事再生手続き

来年度の予算案が、衆院を通過します。70時間という審議時間が多いか、少ないかは別にして、ねじれが解消されると丁寧な審議は尽くされない、という見本のような展開です。膨らむ公共工事、これが消費税増税による景気の落ち込みを防ぐため、と称して補正を含めて盛り込まれますが、もし本当にそれほど景気が落ち込むなら、消費税増税をやめた方が景気にはフレンドリーなはずです。

ビットコインの取引所である、マウントゴックス社が民事再生手続きを申請しました。違和感があるのは、まずバグが有り、不正アクセスにより114億円相当のコインが消失、という話です。データのバックアップもなかったのか? 違法な取引があれば、すぐ取り消すような監視システムになっていなかったのか? 2月初旬に最初に確認された、ということですが、約1ヶ月も無策のまま、周知もされずに過ごしたとすれば、これは未必の故意ともとれるものです。
さらに28億円の預け金の欠損。これも非常に不可解で、金融機関に預けておいたのなら、誰かが引き出せば履歴が残ります。自己管理なら、内部の犯行の可能性が高い。それはデータと違い、現金があるのですから、誰かがもちださない限りはなくなりません。一番の疑惑は、未だに刑事告訴には否定的、という点です。犯人の目処がなくとも、事件性があればすぐにでも警察に届けでる、これがふつうの感覚です。事件性がないのに、不正アクセスとしていれば問題ですし、不正アクセスなら事件ですから、告訴すればいい。28億円の消失も同じで、なくなったのが事実なら盗難ですから、刑事事件です。どうにも腑に落ちない説明だといわざるを得ないのでしょう。

さらに民事再生法という手段にでることです。再生させるのなら、事業継続が前提になりますが、一般の金融業なら、信用を失えばまず再生は不可能です。これは金融業ではないので、当てはまるかは不明ですが、バグという企業側の瑕疵を、今後どうやって利用者に弁済していくのか? その説明は聞こえてきません。つまり事業体として、換金可能な商品を扱う主体として、すでにマウントゴックス社への信用もないまま、再生したいという願望を並べただけに見えます。
先には円天の事件もありましたが、仮想通貨という発想は、詐欺に利用されやすい仕組みです。ビットコインは有限であり、価値が変動するとしますが、もっとも変動するのが人の心です。ベットする人が増えるということは、それだけ預け金が増える、となります。元々、価値のないところに価値をつくっているのですから、価値が下がりだすと預け金も引き出される恐れが高い。手元にある資金の減少を、手を拱いているだけでいいのか、という感情の揺らぎを生むでしょう。

自分の懐が痛まない、他人のお金だからこそ、そこに高い倫理観とルールが必要となるはずです。ビットコインにはそれがありません。そして、実は来年度の予算案も、同様の心理的な仕組みによって、ムダが拡大して漏出する構図にある、といえるのです。ただ予算案が異なるのは、過去からの継続という側面と、国民の目を気にする、という政治的な事情があるだけなのです。
ビットコインは国としての保証がない、という言われ方もしますが、国としての保証だけで成り立つのが、国債です。そしてそれをバラマキ、今の予算案はつくられています。税収などがある国と、こうした仮想通貨を同列で語ることは、必ずしも正しくはありませんが、今の政府の動きをみるにつけ、仮想通貨を扱っているような、そんな軽さしか感じられないのは、同じレール上にあるといえ、危険な兆候なのかもしれませんね。

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2014年02月27日

夏に内閣改造?

TPP交渉が暗礁に乗り上げています。安倍首相は、期限を切ると制約ができて相手にとって有利、としましたが、実に大きなジレンマがあります。一部で、米国内の労働団体などの反対もあって、米国も安易に妥協できない、という話もありますが、それ以上に問題なのは、日本に関税項目を認めてしまうと、他国も同じ条件をもとめて、再度交渉し直すケースが頻出します。つまりTPP全体が、日米ともに現政権では達成困難になったために、無期限になった、ということです。
甘利経再担当相は腹案をもって挑んだ、とされますが、それを披露する機会もなかった。米国も国内事情を抱えますが、それ以上にこれまでTPPを引っ張ってきて、他の参加国も背負っているのです。遅れて参加した日本が覆せるはずもない。かといって、日本に出て行け、と言うわけにもいかない。どちらも原則を変えないなら、これはもう交渉の余地すらない、という事態です。

読売新聞が、トップで『夏に内閣改造』とうちました。明らかに安倍政権への援護射撃ですが、憲法解釈見直しなど、安倍氏が強硬路線に転じ、自民党内の反対派も動きだしたため、ポストをちらつかせて黙らせる意図です。しかも、実際にその頃には内閣支持率も低迷し、危機感も高い、という見通しもあります。消費税増税の打撃で景気はどん底、夏場にムードを一新しなければ、鈍化の影響は限定的、としていた見通しとの整合もつかなくなります。
重要な3地方選、名護市長選、東京都知事選、山口県知事選は2勝1敗でしたが、これが政権安定につながらなかった。投票率が低すぎて、安倍政権、自民を国民が支持した、と主張できなかったためです。永田町に一瞬流れた安堵感を、NHKのおトモダチ人事が消し飛ばしている、という事情もあるでしょう。NHK受信料の未払いをしていた人物が委員会に入る、会長に至っては理事に辞表をださせる、という無茶苦茶ぶりで、メディアも世論も見放し始めました。もしこの委員がその任にい続ければ、受信料の未払いが正当化できるのですから、マネジメントの崩壊です。

そしてここにきてTPPの頓挫、これは成長戦略としていただけに、これで安倍政権の成長戦略は灰燼に帰しました。特区や法人税減税などの施策は、成長にはほとんど寄与しないのですから、経済政策に目玉がありません。これで完全に安倍ノミクスはトドメをさされた形です。日経新聞が、ここに来てやたらと中小企業にも恩恵、非正規の所得も上昇傾向、と煽るのも、安倍ノミクスの賞味期限切れを意識し、何とかそうしたムードを払拭しようとする、タメの議論です。
さらに、アンネの日記を毀損する行為が横行しています。この行為の結果として、一つには海外から偏狭な極右思想が日本では蔓延している、とみられるでしょう。中韓が、日本に仕掛けていることと整合的なので怪しくもありますし、また個人とは思えない、組織的な動きであることからも、本質は不明ですが、こうしたことも安倍政権には打撃となることが確実でしょう。安倍政権も1年がたち、途端にふえたネガティブ要因、まさに類は友をよんでこの為体なら、夏ごろにはその『類』が『死屍累々』となり、青息吐息で改造に着手することになるのかもしれませんね。

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2014年02月26日

中国人民元の急落

昨日から人民元の急落が話題です。元々、中国人民銀行が人民元安に誘導しており、中国の為替は介入ありきです。中国国家外為管理局(SAFE)は、大規模な資金移動はない、と火消しに躍起ですが、何らかの不意の人民元売りが大量に入った、と言うことは間違い有りません。
ここで気になるのが、ビットコインの動きです。中国では人民元の信頼性とともに、海外への送金、また投資目的などでビットコインの利用が急拡大していた、とされます。しかし少し前、ビットコインが急落したときから、中国でもそうした動きには変化がみられたでしょう。そして最大の取引所が急に閉鎖した途端、中国でおきた人民元の急落。人民元は管理相場だけに、この符号には何らかの意味がありそうです。正確には分かりませんが、ビットコイン経由の取引が停止し、急に人民元を海外にもちだす必要性ができた。もしくは中国にあるビットコインの取引所が、人民元で資金を移動した。そんな動きが背景にはあったのかもしれません。

さらに気になるのが、シャドーバンキングの事実上のデフォルトもおきましたが、それ以上に中国の非金融企業による総債務残高が、S&Pの推計で12兆$と示されました。しかも5年間で約3倍近くに急拡大しており、これは異常です。これが健全な投資、事業発展に伴う債務であればまだしも、返済のために企業同士の合併、資産売却や分社化の動きなどもみられ、債務拡大による問題は大きい、と暗に示している形です。さらに厄介なのが、中国の国家統計局のだす数値に信頼性がないように、企業が提出するバランスシートにも、信頼性のない点が大きな問題です。
来週からの全人代による政策期待が今はありますが、リーマンショック後の4兆元の景気刺激策は、結果的に効率の悪い投資につながり、逆に負債を増やす結果になった、との指摘もあります。つまり前回の景気刺激策はマイナスだった、今回は具体性をもった、何らかの対応を必要とします。それが出てくる可能性は現時点でかなり低いといえ、そこで失望になるかもしれません。

中国では、シャドーバンキングの取りつけ騒ぎもおきており、金融危機がおきる前夜のようにも見えます。企業の負債が急拡大する中で、安直に売られた理財商品により、実は中国全体が負債まみれだった、ということにもなりかねない。そのとき、不動産などの資産価値が失われ、逆資産効果により消費が減退、生産活動もおちこみ、景気が一気に冷え込む恐れすらでている。しかも、近いうちに起きるかもしれない、というのが現状です。
そこでおきた人民元の急落、管理相場の中で、大きな資金が動いたとみて間違い有りませんが、その意図が何だったのか? もしかしたら、これまでも逃げ出していた富裕層が、愈々危ないとなって、一気に資産を引き上げたのか。いずれにしろ、今年いっぱい中国経済が安定的に推移する、というのは空想であり、それが大鉈で済むのか、崩壊へと至るのか、といった違いになるのかもしれません。もしかしたら、戦時賠償の訴訟問題なども、中国国内に頼って訴訟するより、日本と訴訟した方がいい、という意図が裏にあるなら、愈々中国の終わりの始まり、ということなのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 22:34|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 アジア | 経済

2014年02月25日

エネルギー基本計画の政府案

日経平均が15000円にのせてきました。どうやら米系短期スジが先週辺りから仕掛けをうっているらしく、日米欧で同時株高商状をつくりだしているようです。特段の材料もなく、凪の状態を好感して、一時的な演出をしている形です。しかも、追加緩和が期待される日欧ばかりでなく、中国を初めとする新興国の動揺に、FRBがテーパリングを停止してくれる、との観測もあるようです。つまりG20での合意を考えれば、年内にテーパリングで資金供給をしぼることは現実的でない。米政府とのパイプをもった、と噂される主体だけに、米国で何か動きがあるかもしれません。

韓国が、中期の経済財政の目標をだしました。2017年までに潜在成長率を4%、就業率を5%、1人当たりの所得を60%、それぞれ上げるとします。しかし数値目標は勇ましいですが、具体策は何もなく、空手形とも指摘されます。むしろ、財閥系の企業がどれだけ海外で稼いでくれるか、ですべてが決まってしまう韓国にとって、ヘルスケアや国民への給付などのような、当たり障りのない、耳ざわりのいい施策を掲げるしかない、という事情も透けてみえます。国内では何の成果もない、とされながら、支持率だけは高い朴政権ですが、強気の外交という以上に、数値という夢を与えることでしか国内の不満を抑える術はないのかもしれません。
同時に家計債務の削減もかかげていますが、政策で無理やり家計債務を減らすなら、強引に不動産価格をあげるしかありません。原発がデータ不正で停止して以降、企業活動には不適として投資もすすまない。頻繁に停電の恐れがあるため、安定した活動ができないのです。外から入ってくる資金もなく、それを目指すなら朴ノミクスでも行い、量的、質的緩和をするしかないのです。

日本でもエネルギー基本計画の政府案がまとまり、原発は「重要なベースロード電源」と位置づけました。日本では、原発がなくても停電の恐れもありませんが、この言葉は、常時発電できる、という位置づけだそうです。しかし実は、そこにこそ大きな問題があります。つまりエネルギーを常にムダにしている、また原発は消費地から遠く、送電ロスも大きな問題です。それに核のゴミまで含めると、原発はとても非効率な電源、という言い方もできるのです。
つまり現時点で、原発を再稼動させずに問題がある、とすれば高い原油、天然ガスを買っていることしかありません。しかし以前から指摘していますが、国内で核のゴミを捨てる場所のない日本は、いずれ核のゴミを、高いお金をだして輸出し始めるでしょう。そのとき、恐らく原油や天然ガスなど比べ物にならないぐらい、日本から富が海外に散逸することになります。結局、今はそのコストを伏せているため、奇妙な言葉をつかって、原発再稼動ばかりでなく、新増設にまい進する、ということになるのです。

かつてはシルクロードを通って、当時のローマとも日本は交易していた、とされます。将来的には、ベースロードという言葉をつかって、核のゴミを発展途上国に押し付けることになるのかもしれません。むしろ原発に死線をにぎられる韓国をみると、日本もいずれ辿る道、としてベースロードという言葉はあるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 22:51|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 原子力

2014年02月24日

G20声明の数値目標

ソチ五輪も終わり、やっとメディアの大騒ぎにも終止符がうたれます。今回は特に興ざめさせる報じ方が多かったように感じます。選手を各局に引っ張り回すぐらいなら、代表会見でも十分に感じますし、何よりインタビュアの質の低さは、選手がかわいそうになるぐらいでした。
しかしその間、ウクライナでは政変がおきています。ウクライナ経由でガスパイプが通っており、親ロシア派のヤヌコビッチ大統領が逃亡した現在、その行方が注視されます。ただ今回、ガスパイプを止めると、欧州経由の資金は一気に制裁として逃げ出すでしょうから、ロシアもこの点では攻めあぐねるでしょう。今、欧州の金融機関はほぼECBに手綱をにぎられている状況です。ロシアも一時期の資源国としての強さもなく、資金の引き上げは大きな打撃となります。かつてのKGBのように、仮に親EU政権ができたら、テロなどに手を貸すのか? しばらく目が離せないのでしょう。

G20がオーストリアで開催され、GDPを5年間で2%以上底上げし、2兆$以上増加させる、との声明がだされました。しかし具体案はなく、各国も11月の会合までに取りまとめ、という形に市場からは拍子抜け、との声も聞こえます。難しいように聞こえますが、実は不動産バブルがおきると、このぐらいはすぐ達成できます。問題は、非常に近視眼的な、5年間という期間におけるその程度の経済成長にすがる、という現状の厳しさを露呈した、ということにあります。
中国のシャドーバンキングも世界経済のリスクに数えられましたが、投資により持ち上げられた経済は、いずれ大きなマイナスを伴います。FRBのテーパリングも、今は日銀も追加緩和が期待されますが、それもいずれ終わりを迎えます。流れている資金が減少するそのとき、どうやって景気の落ちこみを防ぐか、は各国に持ち帰りです。グローバルに資金は流れているのに、先進国の各国の個別提案に委ねる。これではG20として集まる意義は、ほとんどありません。大量の資金を動かす、そのマネーの動きを緩やかにすれば、多少は急変動を防げますが、それは投資家の多い米国が嫌がる。今の世界における本当のリスクは、資金の流れが異常に速いことなのに、です。

今日の日経平均は乱高下しました。100円安ではじまり、200円上がって300円下がって、結局は昨日の終値近辺にもどしました。こんなに動いても現物株の売買代金はやっと2兆円。先物だけで値動きをだし、日計りの利ざやを稼ごうと動いています。これも資金の流れの速さを示すものですが、現物株に投資すると分散しなければならず、引き上げるときも手間がかかる。なので、日計りの取引を活発化させ、如何なる事態にもイベントドリブンで抜けようと考えているのです。
今、世界は何が起こるかわからない、そんな不透明な雲の中に突入しつつあります。米国のリーマンショックのときはFRBが、欧州金融危機ではECBがアンカーとなり、支えてきましたが、中国をはじめとする新興国では、そのアンカー役が見当たらない。経済規模に比べて、動く資金が明らかに大きすぎるため、です。IMFや世銀とて、この事態に対応できるかは不明です。だから長めの投資家は、今は様子見を決めこみますし、短期スジが跋扈する形が横行しているのです。

相変わらず、安倍政権周辺からは安倍ノミクスで経済成長、と威勢のいい言葉がきこえてきますが、昨年はほとんど成長していないのに、若干規模を縮小させた今年、それ以上に成長するはずがありません。あるとすれば、海外景気が何らかの理由で好調になったときだけ、ですが、そんな見通しもありません。そのときに打ち出されたG20の数値目標、資金移動は早いのに、政策担当者の歩みは遅々として、形ばかりに拘っている。そんな印象を強めるだけなのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:52|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 経済

2014年02月22日

雑感。メディアの有り様

森元首相の失言が話題です。よくサービス精神旺盛で…という言われ方もしますが、要するに口が軽くて下世話、というに過ぎません。公人が公の場で発言していいことと、してはいけないことを弁えていない。居酒屋で、仲のいい人間たちとするような会話を、平気で不特定多数に向かってしてしまいます。これを親しみやすい、とするのは誤りで、言わば公人としての質に欠ける、ということなのです。公人には公人の役割があるのですから、それを踏み外せば批判されます。

産経新聞系に、最近の米紙の論調は、偏向報道の多い朝日新聞と同じ、という記事がありました。我々からみると、朝日も産経も偏向報道が多いとみえ、それが偏向報道と用いること自体、奇異にみえます。ただ一つ云えることは、政治は偏向報道が目立っても、経済の見方だけは、正しい論調で伝えなければなりません。政治は右も左もあって成り立つものですが、経済はそうではないからです。しかし最近、日経の安倍ノミクス礼賛、株買い奨励記事などを目にすると、経済にも歪んだ見方が蔓延しており、これは決して好ましい状況ではない、ということなのでしょう。
例えばTPP、一部の記事では『農産品5項目をどこまで守れるか?』といった論調も載りますが、国会決議でこれは『脱退も辞さず』となっているのですから、本来は妥協の余地などありません。程度問題ではなく、守れなければ脱退も辞さず、のはずです。日経は経団連の意向を強く反映しがちですが、農業も経済ですから、農業面からの考察もしておかなければなりません。その上で、国会決議を守れなかった安倍政権に対し、どう説明するか、どう身を処すか、といったことを政治の側に問い詰めていく。それが新聞としての本来の役目でもあるはずです。

最近のテレビはつまらない、と専らです。ただドラマやバラエティはともかく、報道や情報番組もつまらない、と感じます。それはきっと、世の中の裏にある動きに多くの人が気づき始め、そうしたものを感じとられることを、極力怖れる製作者サイドの萎縮、によって起きている気がします。政治報道も、世論誘導まがいのリークをそのまま垂れ流せば、後に叩かれ、大きな問題となります。多くのメディアが安倍ノミクス礼賛へと傾いたのも、大きな流れに逆らうより、それに乗っておけばとりあえず批判されるときは皆一緒、といった新たな護送船団方式に感じます。
メディアでも、政治に関しては右から左まであってよい、と考えます。それが自分の考えに合うか、意見が正しいか、ということを客観的に視聴者に提供することができるからです。特に、今のコメンテーターという意味不明な立場の人間を傍らにおき、都合よいことを喋らせる形態であれば、尚更バラエティの色を強めていますので、右、左がやり合うぐらいの方が面白いのでしょう。

メディアにしろ、公の立場なのですから、世論や風潮に阿って記事の質を下げるより、公としての役割を守り、政権と対峙するサイドに立つものも必要なのです。今の報道の有り方が一方に偏るからこそ、米国からその反証としての記事に過敏な反応をしてしまいがちです。ただ、明らかに公としての役割を逸脱し、政権礼賛などをくり返せば、いずれ批判の的にさらされるのでしょうね。

明日は一日、お休みしたいと思います。

analyst_zaiya777 at 22:47|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 メディア | 社会

2014年02月21日

安倍ノミクスの成果

最近の東京株式市場は値動きの激しい展開がつづきます。しかし、木曜日までの傾きはそれほど大きくなく、流石に今日は週計りの取引を一旦手仕舞う動きとなり、大きく傾きましたが、それほど売りも買いも強くない印象です。むしろアノマリーや、値動きに合わせて順張りするアルゴリズム取引の所為により、上げ始めたら上げ、下げ始めたら下げ、の動きが強い展開になっています。

流石にここに来て、国内でも安倍ノミクスに懐疑的な見方が広がっています。賃金は男女とも減。これを低賃金の仕事に就く人が増えた、と政府は分析していますが、賃金の安い仕事が増えていることが、そもそも問題です。景気がよくて人材が必要なら、少なくとも人件費を上げているはずですが、そうなっていないのですから。これも、昨年来の安倍政権のウソ、になります。
さらに円安にしても、企業は製品価格に転嫁しておらず、これではJカーブ効果などおきるはずもない。生産数量が増えないので、設備投資も増えない、人も雇わない。安倍ノミクス1年の成果は、円安と株高だけとなりました。しかも円安にしたため、貿易赤字が拡大しており、経常赤字にまでなっている。むしろマイナスであり、誰もがこの結果にdisappointment(失望)する形になりました。結局、日本の成長率は野田政権当時より、ちょっといいぐらいなのですから。

今日の株価の上昇には、一部でG20草案が洩れたせいでは? との指摘があります。草案では「経済成長に向けて各国がコミット」との文言が盛り込まれる見通しです。かなり強い意志を示す、ということで、各国は何らかの対応を迫られることになります。以前から米政府から情報が流れているのでは? と噂されるスジが大きく買っているので、この辺りが噂の根っこになるのでしょう。
問題は日本の対応です。安倍ノミクスは失敗策でした。公共工事と金融緩和、この2本しか柱がなく、一方の金融緩和は「いずれ正常化にむけた動き」が、声明に盛り込まれることからも、ここで追加緩和できるか? との懸念が生じます。公共工事のB/Cは、日本では非常に低いことが知られており、また効果も限定的です。つまり今のままではコミットを果たせない。それどころか、安倍ノミクスで財政が痛みますから、今後はさらに余裕がなくなります。そのコミットを果たすために、一番ハードルの高いのが日本、ということになってしまうのでしょう。

TPPも、自由貿易により相互に依存しあい、戦争抑止につながる、win・winになる、といった論調もありますが、まったく異なります。自由貿易にすると、必ず不均衡が生じ、相手に生命線を握られると隷属的な関係にならざるを得ない。工業品なら、時間をかければふたたび内製できますが、農産品だと貿易を止められたら終わり、すぐにパニックが起きます。つまり逆、自由貿易が不均衡解消にむけ、軍事行動による解消を目指しやすい、ということでもあるのです。
関税があれば、不均衡を一定程度フラットにする効果があります。TPPが始まれば、すべて資本力により力関係が決定する形であり、日本では米国の足元にも及ばないでしょう。つまりTPPも、成長には決して寄与しない。安倍ノミクスがこの1年、目指してきたことはすべて誤りなのです。それが分かると、今後の株価が上値を目指さない、ということも理解できると思います。そして株価が下落すると、安倍ノミクスの成果はほとんど水泡に帰す、ということにもなります。その日は、着実に迫ってきている、後はそのタイミングを計るだけであり、この数日の激しい値動きは、それを意識しながらの動き、ということになるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:48|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 政治

2014年02月20日

米紙から相次ぐ安倍政権批判

今度は米紙で、本田内閣官房参与の記事がのりました。言葉は悪くなりますが、どうして安倍政権に協力する人材は、こうも頭が悪い人たちばかりなのでしょう? 米紙は安倍政権へのネガティブキャンペーンを打つため取材しにきているのに、まんまと調子にのって答えたようです。多少、脚色はあるとしても、発言そのものが事実なら、安倍リスクをまた喧伝された形です。
米紙では、すでに安倍政権はくそみそに貶されています。日本のメディアはあまり報じませんし、未だに日米関係の悪化すら伝えません。しかし明らかに最悪といわれた鳩山政権の頃よりずっと悪い。米国が仇敵、イランと対立していた頃を彷彿とさせます。東アジアの安定を損なうのは日本、という報じ方がされるのも、今の米国の風潮がそうした形に流れているために起きます。米国が間違えている、として米機関、大使館などに批判のコメントをする人もいますが、それも米国による日本の見方の悪化に繋がります。米国はそうした国を、徹底的に攻撃してくる国であり、批判に黙っているような寛容さはない。衛藤補佐官の問題も、不問と伝えるメディアもありますが、違います。表向きはそうでも、裏では熾烈な日本攻撃を仕掛けてくる、それが米国です。

一部の米紙では、日本は韓国に経済政策を学べ、という論調が載りました。某日本のメディアでは、明日にでも韓国は破綻、といった報じられ方もしますし、一部の保守系の人にとっては目を剥くような内容ですが、一理あるのは韓国経済は外国人からみてわかり易い点です。一部の財閥系企業が苦境になると、国自体が傾く歪な構図ですが、逆にみればその企業の成否さえみておけば、韓国経済の大半が理解できます。米韓FTAなど、世界の潮流に先行して動く機動性、そうした面を評価すれば、日本は分かり難く複雑で、動きが緩慢と映ってしまうのでしょう。
しかも、その一部の財閥系企業では40代でリストラ、が当たり前です。要するに幹部にまでなれるのはごく一部の社員であり、後はすべて切られます。なので、そうした企業に勤めた人間はそれまでに資金を蓄え、韓国内では起業してもうまくいかないので、先に海外にでてコミュニティーを築いていた人を頼り、海外で生業をみつけようとします。それが欧米などで韓国系の政治力が強まる背景となっており、国内が夢のない国だからこそ、といった点もまた歪と言えます。

さらに言えば、国自体が脆弱で、自ら国を捨てた、という意識をもつ人たちは民族的アイデンティティにすがります。ディアスポラ(離散)はユダヤ系に用いられる言葉ですが、まさに韓国系も同様です。竹島や慰安婦、日本海の問題などを殊更に論うのも、日本人には理解できなくても、民族的な一致を訴えなければ、すぐにでもバラバラになってしまう不安がそうさせるのです。
安倍氏は第二次政権をつくるに辺り、前回の反省を踏まえて戦略を練った、とされます。しかし第一次政権のときは、日米関係は最良と謳われた小泉政権の余韻もあって、また米国が共和党政権だったこともあり、米政府の対応も比較的好意的だった。だからこそ、米国に媚び諂っておけば大丈夫、との慢心もあったのでしょう。つまり今回は、前回の成功体験を踏まえて外交をしているため、失敗が目立つという形であり、熾烈な外交の場では、安倍政権にいる幼稚な人材ではまったく歯が立たない、ということでもあります。少なくとも、米国から『日本は韓国よりタチが悪い』とみられていることは、十分に意識しておく必要があるのでしょうね。

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2014年02月19日

安倍首相の周辺の人材について

大雪被害に対し、政府の動きが緩慢で、天ぷら問題などもありましたが、それと同じぐらいに東京の出足が遅く、舛添新都知事に批判が集まっている、という記事があります。選挙公約に、防災に強い町をうたっていたのに、奥多摩は未だに孤立状態のところがあるにも関わらず、舛添氏がそれに対して何らかの対策を命じた、という声が聞こえてこないことがその背景です。

実は、舛添氏にはもっと重大な問題もあります。安倍政権の憲法解釈について異論を呈すなど、選挙で協力してもらったにも関わらず、掌返しをしたことに自民が怒り、新党改革時代の政治資金問題を調査している、という話があります。本来、自民としてもここで引きずり下ろしたくはありませんが、五輪利権で対立するようなら、むしろ舛添氏を辞任へと追いこみ、ふたたびの都知事選の間に、自民党主導の規定路線をきずくことで、利をえよう、との戦略もあります。
さらに、選挙特番でもバラしたように、自民党にとって舛添氏は苦肉の策。そして責任は都連代表の石原氏に押しつけることも可能で、やる気になったら自民都連が舛添下ろしに動ける状況です。それがイヤなら、舛添氏は平身低頭、せっせと自民に山吹色の饅頭を運ばなければなりません。脛が傷だらけの舛添氏にとって、雪害対策などしている場合でない。防災に強い町、雪害に対応することより、身に降りかかる火の粉をどう払うか? とでも考えているのかもしれません。

そんな自民も慌しくなってきました。衛藤首相補佐官によるYouTubeへの米国批判動画。この国の保守を名乗る政治家の幼稚ぶりが目立ちます。米紙が、アジアを危険に晒すのは日本、という記事を乗せるだけの理由を、自らつくっているのですから。これは動画削除では済まず、辞任させなければ収まりがつきません。はっきり言って、オバマ大統領のアジア歴訪で、日本がキャンセルされかねない事態です。ただでなくとも、NHK人事に関して米国が神経を尖らせる中、内閣の中にも反米的体質をもっている人物がいる、と見えてしまうのはマイナスでもあります。
そんなNHKも、籾井会長の「どこが悪い」発言、米大使館による取材拒否、など揺れています。明らかにリークですが、リークが出たこと自体が問題であり、極端に偏った人事を行ったため、頼るべき相手を失くした人にとっては、リークが最大の攻撃材料になったのです。そして、そのリークを許すような発言をすること自体、籾井氏の浅はかさを示す、という点では致命的です。

安倍氏周辺の保守系の人物は、責められると開き直る、という癖をもちます。声が大きくなり、早口になってまくしたてる、自説を擁護する論調を一つの理屈だけで滔々と語る、という点も驚くほど一致しますし、やたらと善悪二元論のような、わかり易い図式で描こうとするのも似ています。そこが、若者に指示される部分なのでしょうが、その仮想敵国に米国を入れてしまえば、今の国力や立場からみて、政権など吹き飛ばしてしまおう、と考えるのも当然と言えます。
そして、失言をくり返す人物をずるずると処分できない安倍氏への不満は、頂点に達していると言っていい。日本ではほとんど報じられませんが、米要人の相次ぐ円安牽制発言など、米国は着々と日本包囲網を敷いているのです。靖国参拝の前に、渡米して情勢を探り、大丈夫と伝えた飯島参与といい、安倍氏の周りにいる人間の質は、とても外交に堪えうるレベルではありません。結局、安倍氏本人もそうですが、周囲にいる人間まで含めて大人にならない限り、安倍政権における外交では国益を損ない続けることになってしまう、ということなのでしょうね。

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2014年02月18日

日銀の金融政策決定会合について

甘利経再担当相が、TPPにおける重要5品目を守れない、旨の発言をしています。米国に完敗した形ですが、尚も譲歩を求める、と意味不明な発言もしているようです。元々、最終的には全品目について関税撤廃、がTPPの目的であり、交渉の余地などないのですから、これは最初から分かっていた結果です。ここに来て、米紙などで日本を批判する記事が多いのも、米国の意向を反映しています。直接言えば内政干渉なので、新聞記事という形で日本批判をくり返している。そんな国と交渉しても、妥協してくれるはずもなく、原理原則を振りかざしてくるだけです。

日銀の金融政策決定会合が行われ、量的、質的緩和は現状維持、ただし貸出増加支援と、成長基盤強化支援の2つの規模を2倍とし、期間も1年延長と発表し、市場は急騰しました。しかし今日は明らかに売り方が、緩和と聞いて慌てて買い戻したもので、夜間は若干の下落で推移しています。そもそもその効果からして疑問符がつくものですから、今日の動きは勇み足ともとれます。
これは0.1%の利率で4年、貸し出しを増やした金融機関に日銀から融資されます。現在、貸出増加支援は5兆円程度の残高です。ただし国内の優良企業は、豊富なキャッシュを抱えており、この制度に頼る必要はほとんどありません。逆にいえば、これ以上の規模に膨らむためには、融資基準の緩和など、大幅なてこ入れが金融機関にも必要となってくるため、今後は不良債権化する恐れがあります。そもそも、日本の成長産業が7兆円の経済規模になる、ということは非常に考え難い。最近、介護向けのデイサービスなどが乱立している、という話も耳にします。成長産業の位置づけには、こうした介護事業も含まれますが、すでにバブル化しており、後に淘汰などの動きにより、融資が不良債権化する恐れを今から孕んでいる、ともいえるのです。

景気の下振れリスクには対応、という文言を若干強めた印象もあり、市場は期待を先走らせた形跡もありますし、2倍という4月の異次元緩和時のマネタリーベース拡大を意識した、という面もあるでしょう。ただ今回はテクニカル的にも、元々2倍にはできたものです。アナウンス効果はありますが、実効性は乏しい。むしろ負の遺産すら残しかねない、ぎりぎりの施策です。
そもそも、日本経済に楽観的見通しを示す黒田日銀が、このタイミングで緩和を打ち出してくる。この不整合、収まりの悪さが何とも気持ち悪い。本当に日銀の想定通り、CPIが2%、成長率が2.7%程度に自信があるなら、緩和などする必要がないのです。その達成が困難になった、という見通しは示さず、次々と緩和策をうてば、そのうち日銀への信頼が失墜するでしょう。

有識者会議にも参加する某教授が、GPIFの運用先の半分を株式にすべし、と発言しています。残念ながら、この国の経済関連の有識者は、経済政策を需給規模でしか語れない、という癖があるようです。規模ではなく、質を高めない限り、何も解決せず、逆に不正な資金の流れを生むだけ、という反省もないようです。結局、その質の部分とは官僚の差配によって決められる点であり、ここに政治家も、有識者も手をだせない。そんな裏事情ばかりが透ける、今回の決定だったのでしょうね。

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2014年02月17日

10−12月期GDP速報値について

雪害が大変なときに、安倍首相が高級料亭で食事をしていた件が話題です。かつてKYで鳴らした方なので、今さらの気もしますが、政治家はパフォーマンスの職業であり、国の雰囲気を体現していないと、バッシングされます。これは国民がひもじい思いをしているときに、贅沢している政治家を叩くのと、ほぼ同じ心境です。その意味で、マイナスの影響が否めません。
ただ、こうしたネット情報が出てくること自体、安倍政権に逆風が吹き始めていると感じます。市場の下落、海外からの批判、そんなものを敏感にうけて、国全体が安倍政権へ懐疑的な目をむけている。そんな一端が、高級料亭の一件にも垣間見られている、といえるのでしょう。

日本の10-12月期GDP速報値が出ました。実質の季節調整値で前期比0.3%増、年率換算で1.0%増となりました。市場予想を大幅に下回り、年率2.6〜2.7%の目標をたてていた政府、日銀も見直しを迫られる、そんな数値です。個人消費は前期比0.5%増、と支えましたが、これには証券優遇税制の廃止に伴う、昨年末の株の駆け込み売りによる証券会社の手数料も含まれており、自動車などには消費税増税前の駆け込みが出ているとはいえ、かなり悪い数字といえます。設備投資の伸びも1.3%増でしたが、これも消費税増税前の駆け込み需要といえるのでしょう。
一方で悪いのは外需です。Jカーブ効果は依然として現れず、輸出は0.4%増に留まり、輸入を差し引くと0.5%減となりました。小泉政権当時、日銀の量的緩和によって円安となり、Jカーブ効果がでたのは、日銀の緩和により新興国のバブルがおきたため、です。今回、それがないのは先に欧米の金融緩和があり、新興国はバブル状態だったこと。つまり今までがピークであり、FRBのテーパリングによりバブルが終息、これから消費が鈍化する傾向である、ということが挙げられます。安倍政権がこれまで間違えてきたのは、小泉政権当時の成功体験を抱えた人物たちが、それをJカーブ効果と誤って認識しているため、です。なので、政権幹部にとってこの結果は意外なのでしょうが、理屈を知れば意外でも何でもありません。むしろ当然ともいえるものです。

問題はこの結果をうけ、1-3月期の期待値も剥落したこと、です。大雪で消費は鈍化、トヨタも部品が間に合わず生産停止、株式も下落し、売買代金も低調。さらに公共工事は入札不調が出ているように、建設業界のパイをオーバーしているところに来て、この大雪で壊れる道、橋、建物なども出てきた。建設業界には嬉しい悲鳴ですが、行政の発注工事が滞る懸念があります。しかしやらなければ、ライフラインの確保もできない場合があり、非常事態ともいえます。
1-3月期までは堅調、とみられていた景気が、ここで腰折れする可能性があるのです。そこで市場には日銀の追加緩和期待がでましたが、FRBのテーパリングペースを上回る緩和策を打ったとしても、下支えにはならないでしょう。金融緩和はどこかでバブルを生みますが、必ずしも資産効果を高める方向に向かうばかりではない。底を抜くよう暴れることさえあります。FRBのテーパリングで生じた新興国不安の流れに、抗しきれるものではありません。

そして10-12月期GDPの鈍化が判明したことで、1月以降の指標に悪いものが目立つことにも整合がつきました。日本は夏頃をピークに、景気は短期的な下落局面に入っていることになるのです。そして、そのタイミングで消費税増税がくる。安倍政権への逆風より、景気への逆風は先行して吹き始めている、とも言えるのです。内閣支持率は、一部の調査では依然として60%越えですが、株式市場が先行して下げている、という状況が今を正確に映しているのかもしれませんね。

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2014年02月16日

甘利経済再生担当相の訪米

福島原発では、相変わらず汚染水の流出がつづきます。半年間、データを隠したことを確認に手間取った、タンクの堰に溜まった水は線量が低い、などの理由を並べますが、放射性物質がNo Controlであることに、何ら変わりありません。メディアは報じませんし、原発の検証報道では群をぬく質をほこったNHKも、籾井体制では期待薄の状況です。正しい情報を隠す、そうしたところに将来性はまったくないのですが、この国を仕切っていると考えている人間たちには、どうも自分たちに不都合な情報は隠して当たり前、という勝手な思い込みが根強いようです。

甘利経再担当相が渡米し、TPP交渉を二国間で行いましたが、不調に終わりました。日本ではナゼか、米国も関税撤廃できない項目があるから、交渉できる。と楽観を述べる人もいましたが、やはり米国にそんなぬるい考えはないようです。日本が関税撤廃により争うのは主に米豪ですが、米国は新興国です。相手の資本さえ乗っ取ってしまえば、民間レベルで価格調整が可能です。それより日本に車を買わせたり、権利関係の拡大を図った方が利益がでる。米国のそうした発想に、初めから妥協点をもって交渉に挑む甘利氏の甘さでは、通用しません。先週に渡米した岸田外相の交渉も不調、対米交渉能力は限りなくゼロに近いことがこれで証明されました。
これで月内のTPP交渉も、暗礁に乗り上げるか、日本が大幅な妥協をしない限り、交渉がまとまらないことが確定です。TPP参加を決めたことさえ、正しかったのか? 昨年の日本産農産物の輸出が過去最高、と何度も報じられましたが、たかだか5000億円強ですし、ここでそれを盛んに喧伝しなければならないのは、農業団体へのイイワケにも思えます。つまりTPPで妥協しても日本は輸出で稼げる、と訴えているわけです。しかしこの農産品の輸出も、昨年までの先進国から流れていたマネーで、バブル化した新興国の富裕層が、もの珍しさで買った、という面が否めない。今年もその水準を維持するためには、相当の努力も必要となってくるのでしょう。

今年の政府の経済対策の目玉は、法人税減税です。ダボス会議でも、安倍氏が「国際相場とも競争的に…」と述べ、30%前後への引き下げを示唆しました。しかし市場は反応薄、つまり無視された形です。財務省は早くも、赤字の繰越年限を短縮することを検討し始めており、減税分の穴埋めを画策しています。つまり、市場としてはイーブンにならざるを得ない。しかも、税率を下げれば海外の企業が進出してくれる、という状況でもないため、的外れとの指摘もあります。
これまで安倍ノミクスで喧伝されてきたこと、効果や結果について、まったく逆のことが起きつつある。安倍のベア、とも言われる賃上げの動きも、こんな局面で賃上げする経営者は失格、と述べてきましたが、そうしなければ経済の失速が計り知れない負の影響をもたらす。かといって、やれば企業経営に深刻な影響もでる、といった形です。つまり日本全体が、徐々に追い込まれてきた、それが安倍ノミクス1年の結果、とも言えるのでしょう。甘利氏の渡米で判明したこと、それは都合いい情報ばかりを喧伝してきたことが、すべて誤りだった、ということでもあるのです。原発再稼動に前向きなら、電事連による後押しで、メディアも安倍政権を礼賛してくれる、そんなパターンの失敗を、これから体感するときがくるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:32|PermalinkComments(0)TrackBack(1)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 経済

2014年02月15日

雑感。五輪と国費

関東に降った大雪で、交通は大混乱しています。小さいものも合わせると、建物崩壊も起きており、雪対策を施していない設備の不備が目立ちます。しかし、何十年に一度のこうした自然災害に対策しておくことは、コスト面からみても整合しない。難しい問題ですが、こういう事態に対してどう行動しておくか? それを意識しておく方が、被害も少なくて済むのでしょう。

ソチ五輪が真っ盛りですが、五輪選手に国費を投入したのだから「楽しんだ」と言うな、という議論があります。しかしこれにはとても違和感があります。例えば国会議員、地方議員、公益法人の役員などによる海外視察。大抵、観光が含まれており、現地での視察や会議、それら業務以外の時間が山のようにあります。それらはすべて国費から出ているのですから、宿泊せずに日帰りするか、業務以外の時間はじっと施設に篭って業務に徹すべき、というのと同じです。
そもそも、そのスポーツに対して国費以上の支出をしているのは選手です。また成績を上げるよう、選手は試合まで寸暇も惜しまず努力しているのですから、費用対効果の面では極めて高い。むしろ、海外視察をしてWikipediaに書かれた内容を、そのままレポートとして提出するような海外視察の費用対効果は、著しく低いものです。選手個々により、競技との向き合い方は様々であって、極限まで研ぎ澄ませて競技に挑む方ばかりではありません。リラックス状態がよい成績につながる場合もあり、そうした方は勝っても、負けても楽しんでいるのでしょう。

それに、国は国威発揚や、広告、宣伝に利用しているのですから、そもそも選手の向き合い方にまで口をだせるレベルではありません。フィギュアスケートの羽生選手に、安倍首相がインタビューした件など、まさに五輪を政治利用する行為です。むしろ国が支援、補助している額に比べ、メディアへのとり上げられ方などからみても、費用対効果は高いといえるでしょう。
五輪に参加する選手は、国の業務でそれをしているわけでは有りません。きちんとスポンサーがいるなり、裕福で自ら活動費が捻出できるなら、国の支援など必要はない。援助が義務を課すものなら、むしろきちんとした雇用契約を結ぶべきでしょう。あくまで支援、補助であるなら、選手の向き合い方に口をだすべきではありませんし、強要することは愚の骨頂です。

今回のソチ五輪、メダル獲得数が少なく、せっかく東京五輪にむけ、盛り上げようとメディアの煽りは感じますが、今ひとつな印象です。冬の五輪は日本人にとって不利な項目も多く、また採点系の分かり難さも、視聴には適さない一因なのでしょう。しかしそれ以上に、国やメディアによるうんざりするぐらいの押し付けがましさが、むしろ敬遠してしまうことにもつながっている、と感じます。スポーツの楽しみ方は人それぞれなのですから、金をかけたから、などという理屈を並べている時点で、スポーツへの興味を阻害することになってしまうのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:39|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 社会 | 一般

2014年02月14日

安倍ノミクスで日本売り

安倍首相による「憲法解釈は私が責任をもつ」発言。波紋がひろがっています。それは当然で、例えば左系の政党が政権をにぎったとき、自衛隊は違憲だから解散、といって組織を失ってしまえば、建て直しにかなりの時間を要します。つまりその時々の首相が勝手に変える、という訳にはいかないものなのです。しかもこの件が特異なのは、安倍政権になって初めて、失言を失言として報じられる、ということでもあります。これまでも失言はありましたが、それは半ば無視されてきた。人間のくず、もそうですが、安倍氏の周りには失言癖のある人物ばかりであり、今後そうした失言に集中攻撃を浴び、政権が弱体化するその端緒になりそうな気配です。

きっかけは経済面です。今日も、大した理由もなく日経平均は急落です。今日の動きは明らかに2月SQ値を下回り、一気に先物系が売りたてた、といった感じですが、買い支える向きも少なかった。最近、海外勢は安倍氏がNY証取で行った講演の「Buy my Abenomics」をもじって「Bye-Bye Abenomics」とし、日本からの撤退を推奨する向きもあるようです。1月は1兆円ほど売り越しになりましたが、昨年の15兆円をイーブンにもどすだけで、後14兆円あります。さらに、今年に入って国内勢が買い越していますが、ここを追証まで追いこめば、更に下が叩けます。先物系が下を狙って動きやすい、そんな相場つきであることが今日の下落にもつながっています。
今はもう3本の矢どころか、1本の矢も飛んでいない状況です。矢は自らエンジンを積んでいないため、放っておいても落ちます。しかもこの矢、真上に射たため、それが刺し貫くのは射た本人です。いつまでもそこに立ち止まっていれば、串刺しになるのは自ずと安倍氏本人になるのです。今、批判が噴出したのは、安倍氏の放った矢の向きが変わった、ということです。

しかも、日本では円安によるJカーブ効果はおきない、と指摘され始めました。日本は他の先進国も辿ったように、サービス業中心の経済体系に移行しつつあったのですから、むしろ当然です。しかも円安で、国内ではエネルギー調達コストが上がってしまった。これは米国と逆、製造業が海外に逃げる要因ともなります。これは原発再稼動でどうにかなる問題ではなく、むしろ将来の高負担を甘受するなら原発でもよいのでしょうが、それは日本の将来を危うくするだけです。結果的に、エネルギーを内製できる策もなく、円安に頼ったのが安倍ノミクスの失敗です。
気になるのが、米国では右肩上がりだった農地価格が、昨年末から下落が始まっている。以前から指摘していますが、米国の資産効果が切れ始めている。いずれ住宅価格にも波及するでしょう。投資、投機目的の買いではいずれ迎える終焉です。そしてそれが、日本株にも及んでいる。実に単純な構図で、日本が売り対象に入ってしまう。それも安倍ノミクス効果なのです。

未だに、来期も増益基調だとしてPERで割安、と述べる人もいますが、来期の減益要因が山積する中で、PERを軸に説明しても大して意味はありません。問題は需給であり、それは確実に今年、日本売りなのです。これは法人税減税でも変わらない。一瞬は好感しても、そもそも法人税を納めている企業の方が少ないのですから、3割ぐらいの企業にだけ恩恵があっても、相場全体の下支え要因にすらなりません。つまり今、安倍政権で語られていること、そのすべてが期待感を抱かせないのです。少なくとも、憲法解釈だけでなく、経済にも責任をもって欲しいところですが、相場が上がっているときは散々、口をだしてきた安倍政権の経済閣僚も、最近は市場の動きを無視し始めました。その責任感のなさが、安倍ノミクスに失望させる点でもあるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:34|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

2014年02月13日

雑感、人間のくず?

特定秘密保護法に関する有識者会議で、公開された議事録が、全体の3分の1に圧縮されているようです。情報公開請求をすると開示されますが、重要な発言まで削除されており、極めて問題があります。密室で、情報に関するものが決められていく、その恐怖に多くの人は気づいていませんが、情報を扱う人間の意識が、その程度ということには警戒しておいた方がよいのでしょう。特に、1970年代のスパイ事件に関与した読売新聞記者の処遇に、政府が口をだした話など、議事録から削除してよいものではない。広く国民に知らした方がよい話といえます。

情報発信の有り方でも、不都合な話があります。都知事選時、NHK経営委員の百田氏が他候補を「人間のくず」と呼んだ件ですが、安倍氏は「私はそう呼ばれても気にしない」と答弁して、擁護しています。これはセクハラやパワハラと同じで、私は気にしない、は何の説明にもなっていません。本人がそれを気にし、心的被害を負うかどうか、です。さらにその発言をした人間の資質が問題であり、個別の候補の応援をしたことといい、明らかに資質がない、と断じられます。
籾井氏にしろ、本当に安倍氏の周りにいる保守とよばれる人たちの幼児性が、目に余ります。慰安婦はどの国でもあった、などと言えば、それが事実だとしても誰でも怒ります。貴方たちもやっていたから自分もやった、はイイワケとしては最悪で、反論ですらありません。実際、そうであったとしても、子供がケンカのイイワケにしたら、まず親は怒るレベルの代物です。

ここに来て、舛添都知事の女性蔑視発言まで、海外で取り上げられるようになりました。安倍政権で、どんどん日本への海外の見方が悪化しており、それらも幼稚で稚拙な外交態度が影響しています。国内の保守系は喜ばせても、海外は日本が危うい方向に向かっている、と感じる。さらに、安倍首相がそれを制御できていないばかりか、助長しているのですから、尚更厳しい目が向きます。結局、そうした見方は回り回って、外交の場でうまく交渉がまとまらない、などの負の影響がでる。そうした方向に、まさしく突き進んでいるのが安倍外交なのです。
『くず』というのは使い道はありませんが、捨てれば済むものです。しかし日本の立場を危うくする場合、それは『くず』ではなく、害悪、疫病神ともいえるものです。安倍氏がどんな信念をもとうと勝手ですが、少なくとも日本が軍国主義化している、女性蔑視が蔓延している、との懸念をもたれるようなことをすれば、それは『くず』よりもっとタチが悪いのです。『ならず者』というと、今ではゴロツキをさしますが、元は『不成者』と書き、一人前になれない人をさします。いい加減、大人になれない、幼稚な発言、行動をくり返すようでは『くず』ではなく、世界から『ならず者』呼ばわりされることに、気をつけなければいけなくなるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:37|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 社会

2014年02月12日

イエレンFRB議長の議会証言

注目されていたイエレン議長の議会証言、結果は無難すぎて、評価しようのない内容でした。昨年末から悪化している雇用統計については「驚いている」とし、米経済は順調との見方を示し、テーパリングはすすめると発言しています。これで米株市場が上昇したのは、悪い結果にならなかったという安堵感だけで、リスクオンにはほど遠い。新興国経済の混乱には、あまり多くを割きませんでした。米国は、米国の経済のみを指標とする、ということのようです。

日本では12月機械受注が15.7%の大幅減となり、リーマンショック後を上回る落ち込み幅となりました。反動減などと内閣府は分析しますが、実は今年に入ってから、出てくる指標にあまり良いものがない。すでに景気は転換点に入っているとみられ、今回の機械受注も同様に、消費税増税後の景気の落ちこみを織り込み始めた、という形であり、増税によるマイナス効果は思っている以上に大きくなりそうな雲行きです。つまり消費関連の指標の悪化、企業側のマインド低下、とダブルパンチで日本景気を下押しすることになり、数年は景気がもどらない可能性もあります。
深刻なのは、米国の資産効果が止まってしまうこと、です。よくも悪くも、世界経済を支えてきたのは、米国の資産バブルです。イエレン氏は「株価はバブルでない」としますが、株も不動産も金融緩和が終われば止まってしまい、逆資産効果にすらなりかねない、危うい水準にあります。米国の賃金は横ばいであり、資産効果がなくなれば消費は鈍化せざるを得ない。それと、日本の消費税増税が重なってしまう。今年、4-6月期は日米ともに消費鈍化に伴う、景気の悪化が見込まれる段階であって、そうしたものを機械受注も映している、とみられます。

一方で、今日の市場を支えたのは輸出も輸入も10%以上の大幅な伸びになったこと、でした。しかし、今年は春節の影響で1月の統計は伸び悩む、とみられており、早くも水増しの指摘もでています。そんな中、吉林省のシャドーバンキングがデフォルト、との報道も伝わってきました。依然、返済にむけて調整中とはしますが、目処はたっておらず、ここで暗黙の保証が切れるなら、保有している投資家からの投売りもでてきそうです。中国経済は綱渡りになってきた、そこで出てきた好材料の貿易統計にも、裏では深刻な事態を隠すためかもしれない、そんな懸念もあります。
イエレン氏は、中国経済への言及もほとんどありませんでした。どうも、米国が世界経済の下支え役から下りた、との印象もうけるほどです。イエレン氏の武器も少なく、始めからフォワードガイダンスと、口先だけの経済運営が強いられる中ですから、今回のように当たり障りのない、市場に安心感を与える形に、ならざるを得ないのでしょう。しかし、それだけでは到底、今の経済は満足しません。いずれ、大きな博打にでるときも必要なのでしょうが、そのとき真価が問われる、ということになってくるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:47|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | アメリカ

2014年02月11日

政治とジャーナリスト

都知事選で勝利した舛添氏が、当選証書をうけとりました。都政の空白をなくす、と決意を語っていますが、当選後の池上氏からのインタビューを断っていた、とバラされるなど、自身の空疎ぶりが目立ちます。提灯記事をかいてくれる記者の前では語れるけど、ジャーナリストを前にしては質問にも答えられない。そんな人間的な弱さは、到底リーダー像に相応しいとも思えません。3.11後、原発への見方が変わった、としますが、どう変わったかさえ説明できない。これで今後、公選法違反の問題や、自身の政治資金の問題に追求が及んだとき、まともに答えられるのか? 不安というより、心配になってしまいます。

昨日もとり上げましたが、都知事選の結果をうけ、やたら原発再稼動に信任、という記事が各紙で目立ちます。原発問題は争点でない、と報じていたメディアとは思えない、手の平返しですが、原発は最終処分の方法、そのコストが算出されて、初めて経済性について語れます。再処理工場でさえ、当初の建設費を大幅に越えても尚、稼動していないように、最終処分場が決まり、運転されるまでにはまだ相当の時間とコストもかかりますので、それを待たないとコスト評価もできない。むしろ原発が経済的、という人が無責任という判断も下せてしまうのです。
そんな都知事選後、自民が浮かれるのも当然といえば当然で、目だった地方選で、安倍政権下ではこれが初の勝利とも呼べるものです。安倍政権が信任された、と報じるのもそうですが、投票率が50%を切り、組織票による勝利だったことは、実は米紙とて報じているほど、世界的にも周知の事実です。日本のメディアだけが、そんな浮かれた報道をつづけている、ということにもなっている、実はとても恥ずかしいことだと憶えておいた方が良いでしょう。

しかし安倍自民が高揚し、憲法改正などに突き進めば、まず間違いなく米側から横槍が入ります。岸田外相の訪米で、沖縄問題の前進を歓迎、という報じられ方もありますが、米国は日本国内がゴタつくことで、グアム移設計画などに遅れが生じることを嫌っており、辺野古にこだわりはない。米側の歓迎、という裏にはそうした事情があります。また、ここに来て安倍氏も出席し、米国とのTPPについて協議した際、結局何も決められなかった、と報じられました。これは由々しき事態で、本来はトップが出席するときは決断しなければならない。そうでないなら、出る必要はないのです。それでも決め切れなかった、米国は安倍氏の優柔不断ぶりを意識したでしょう。
安倍氏の下す決断は、実は官僚の描いた絵図面であることが多い。補正予算、予算案も同様に、官僚の枠組みからは外れていない。それをみて、外国人投資家が嫌気している面があります。成長戦略がうちだせないのは、官僚利権に食い込めず、既得権益に拘るため、との見方が海外でも定着してきました。日本で報じられる安倍像と、海外が伝える安倍像は大きく違ってきているのです。この国の政治家は、ジャーナリストの追及には堪えられない。それが今回、色々と明らかになっていることなのでしょう。その前に、この国にジャーナリストらしいジャーナリストが池上氏だけ、というのが不幸なのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 22:56|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | メディア

2014年02月10日

日露首脳会談について

日露首脳会談、安倍首相は三本の矢の置物を贈り、ロシアのプーチン大統領はかつての五輪で、日本選手の活躍した記念品を贈りました。よく昼食会が豪華だった、親交の篤い証拠だとする意見もありますが、むしろこの贈り物に意図が篭められている、と見て間違いありません。安倍氏は経済を、プーチン氏は歴史認識を相手に突きつけた。ロシア側からは靖国に限らず、戦後秩序に挑戦しようとする安倍氏が、北方領土も同列視することを良しとしていない。6月のG8で個別に会談、秋に訪日という話もでましたが、議論はすすんでいない。蜜月ともされる日露関係ですが、実は雪解けというほど、両国に妥協できるような材料もないのが現状です。
さらに、日露が接近することを良しとしないのが、欧米です。欧米諸国はロシアの人権問題を疑問視しますが、本旨は国内に強行的な態度をとる、プーチン氏への懸念という面があります。逆にいえば、日露が接近することは暴君的体質をもつ日露の親和性、という目で欧米諸国はみています。

露国は露骨に開催国ロシアを挟んで、日中を等位置に別けましたが、これは何も衝突を懸念してそうしただけではない。そこには日中を天秤にかけ、あわよくば日中露、三国同盟におけるキーに露国を位置づける、という深慮遠謀があります。つまり北方領土、尖閣などの領土問題ばかりでなく、経済、軍事面で存在感を増す中露に、日本を引き込めればかつての世界大戦前と同じ、三国同盟へとつきすすめるのです。日米に隙間風が吹き、欧米から孤立を始めている日本は、まさしく中露への接近を余儀なくするだろう。そうした露国のしたたかな外交があります。
しかし露国のことを『したたか』とするのは、日本が『したたか』な外交をしていない、その裏返しでもあります。そもそも、露国を『自由と繁栄の弧』の一角として、中韓の牽制と考えるのは誤りです。きっとそんな外交では、すぐ騙された、と騒ぐだけでしょう。日本人は親密さに安心し、善意を期待しがちですが、今の露国にそんな余裕はありません。資源価格の下落と、欧州の投資資金の引き上げが続き、青息吐息で運営している。日本に甘い顔をしながら、そこから何らかの条件をひきだし、土産は渡さない。それが記念品という原価の安い贈り物にも現れています。

昨日の都知事選で、原発は争点でない、と散々に報道しておきながら、今日になると原発再稼動に賛成の舛添氏が勝ったから、原発は信任を得た、という発言が国政やメディアからは相次ぎます。舛添氏の主張は「徐々にゼロ」ですが、これは原発の寿命がくれば廃炉というだけの話であって、特に現状は変えない、ということです。そしてここに露国が絡んでくる可能性もあります。
天然ガスの輸出先を探す露国は、日本にもパイプラインを引きたがっている。そればかりでなく、広い土地を核廃棄物の処理場として、日本から多額の資金を引き出すこともできるのです。以前、アフリカでそうした動きがあるのでは? と邪推しましたが、露国とてその候補です。露国とて核廃棄物は存在し、その処理場も必要です。数千年と維持、管理費をせしめられれば、国の基盤は安定する。これは非常においしい原子力ビジネスなのです。今後、日露が接近すればするほど、他国からの目も変わってくるでしょう。日本のように『したたか』でない、一すじの縄でしか外交できないような国は、欧米には太刀打ちもできないのでしょう。安倍氏のように、何とかの一つ覚えのように三本の矢に頼っているようでは、いずれ腐ってぽきりと折られることが、ほぼ確実といえるような状況でもあるのでしょうね。

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2014年02月09日

東京都知事選について

まず、全聾の作曲家といわれた佐村河内氏の事件、起きるべくして起きた、という感じのする事件です。現在、行われている五輪でも、やたらと選手の周辺取材をして、そこに人柄をつくり上げていきます。取材陣の意図が物語り性の創作にあるのですから、取材されて「あいつは悪人」などと言う人はいませんし、またそうしたものは報じない。それと同じ構図が、佐村河内氏の事件にも垣間見られます。全聾の作曲家と祀り上げ、騙されたと騒ぎ出します。
STAP細胞の小保方氏の件もそうです。研究の成果はすばらしいですが、日常生活や趣味がどうだろうと、それは関係ありません。それでもメディアは殊更、そういった方面に興味をむける。研究のことはよく分からないので、分かり易い人間性でしか相手を語れない。本来、すばらしいものを生み出す力と、人間性はまったく関係ないことです。全聾だろうと、そうでなかろうと、いい音楽かどうかは別。それでも、メディアはそこをとり上げ、そこを殊更に強調する。昔の演歌歌手の時代から、そんな売り方が常態化している日本人の嗜好には合うのでしょうが、だから騙されたと感じる、そう意識しておかないと、同じことの繰り返しになるだけなのでしょう。

都知事選で舛添氏の当選確実がでました。10年に1度の大雪、のはずが、50年に1度の大雪になってしまい、投票率が46%とほぼ組織票による結果がでた、といった形です。メディアの徹底した原発隠し、争点ぼかしが利いて、何をもって投票するかがよく分からないまま、ということもありました。というより、本当は東京都の強固な官僚支配体制の中で、もし行政に不満があるのなら、その官僚支配をどう打破するか? が争点の第一にくるべきであり、それがない候補に期待はできない、ということでもあります。その意味では、どの候補も落第でした。
しかし今回の都知事選、興味深いのが誰がなってもその後、です。舛添氏は記念品を配った件で、早くも公選法違反で告発されていますし、新党改革時代の政治資金の問題を、当時の同僚が指摘していますから、都議会でも共産系がてぐすねひいているでしょう。下手をすれば、猪瀬氏よりも金銭問題を抱えています。森田千葉県知事も同様ですが、ナゼか自民系の知事には警察の追及の手も緩いですが、議会で汲々とすれば、世論のムードも変わってきますから、注目です。

仮に、脱原発の候補が当選していれば、その手法が問題となります。いくら株主といっても、株主提案を連発するのか? 一定の持分があるとしても、都は第一位の株主ではありません。結果的に、その主張が空振りに終われば、都知事としての責任論にも関わってくる。公約未達として、次の選挙は相当に厳しくなります。だからこそ、どうやってその道筋をつけるか? が重要となってきますが、舛添氏の当選でそれは杞憂に終わりました。
田母神氏は右系の支持を集めた上に、討論にも呼ばれて泡沫候補からは脱しましたが、やはりネット調査の結果とは大きな乖離が生じました。石原氏を隠し、徳州会マネーの問題を追及されなかった点もありましたが、それ以上に石原氏の基礎票がほとんどなかったことも露呈しました。また、やはり右系の票はそれほど多くない、東京はそれでも全国に比べて多いと見られますが、それでもこの程度の得票だと、今後の他候補の選挙戦術にも影響がでてきそうです。

舛添氏は、自民都連との関係、自民との関係など、これまでの我がままな自分を変えない限り、いずれ衝突します。そして公選法、政治資金規正法の問題など、クリアしなければいけない問題も多く、その結果として自民の御用聞きにならざるを得ない。今回、何をもって舛添氏を選んだかは分かりませんが、何となくイメージをつくり上げた結果、騙されるということが、都知事選でふたたび起こりそうです。舛添氏の次の選挙のときには、有権者が反省を促される、という場面がまたくるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 22:50|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 地方

2014年02月08日

米雇用統計について

関東地方は大雪です。坂が多いところに住んでいますが、手にスノボをもって歩いている人までいました。東京は雪に脆弱ですが、少しでも楽しもうというのか? それでもリスクが伴う行為であることは間違いなく、極力そうした行為は避けた方がよいのでしょう。

米国では1月雇用統計がでました。非農業部門の雇用者数が前月比11.3万人増、失業率は前月比0.1%下がって、6.6%でした。市場予想にもとどかず、弱めの数値でしたが、米株式市場は3桁の上昇で終えています。ただし、これは来週のイエレン氏の議会証言で、弱めの雇用統計をうけてテーパリングの一時的な停止、もしくはそれに類するハト派の発言を期待したものであり、債券市場は下落したように、これは債先売り、株先買いによる上昇とみられます。
しかしこの議会証言が曲者です。イエレン氏以外、FRBの緩和に否定的な経済学者が、イエレン氏の後に呼ばれています。つまりハト派の発言をすれば、後で袋叩きになる可能性が高い。さらに今のFRBはタカ派の方に勢いがあります。かつての理事時代のような、自説を述べていれば良いわけではなく、FRBを代表しての発言ですから、より慎重になるはずです。それに、もしハト派の発言をし、3月のFOMCでテーパリング継続のような事態になれば、新議長は信頼を失います。イエレン氏がこの数ヶ月で、多数派工作を終えているとは、現時点の投票権をもつ理事の発言をみても、あり得ないとみられるため、議会証言が市場の期待にとどかず、売り場となる可能性が高い。

日経平均は14000円割れを試し、そこからアルゴリズム取引で切り返してから、一気にもどしています。売り方が一旦負け、戦略を変えたためですが、ここで15000円までもどす力はないでしょう。今の市場は、極端に楽観、悲観が交錯しますが、今回の雇用統計に関する問題について、正確に論評しておらず、そうした一義的な見方による上昇、下落には自ずと限界がつきまといます。
雇用統計の問題は、賃金は僅かながら上昇していますが、労働時間、残業ともに下がっていること。つまり賃金がすえおきで、仕事量が減少している。寒波の影響という可能性はありますが、これは相変わらず賃上げの傾向にない、ということを示す。雇用の数字ではなく、米経済の賃金上昇ペースが、明らかにもどっていないのです。今は住宅、株式などの資産価格が上がっているため、一見すると消費も堅調にみえますが、それが終わると一気に消費が弱含んできます。

それを金融政策で緩和しようとすると、必ず資産バブルになるしかない。今回のように、その見直しが始まった途端、世界全体が混乱する状況に陥ってしまうのです。FRBの手法に否定的な人は、その負の資産効果を最も怖れているのです。これはFRB理事にも同じ意見の人がいて、タカ派の発言をしている。そしてそこに正当な理由もなく、テーパリングをやめることもないのです。
今の市場は、雪の街中でスノボをするようなものです。本来、やってはいけない場所でやる、というばかりでなく、人や車が突然、とびだしてくるかもしれない。誰かがスリップして転べば、そこに玉突してしまう恐れがあるのです。滑りやすく、坂の上まで運んでくれるリフトもない。そんな市場が暫く続くことを、覚悟しておかなければいけない状況なのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:55|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

2014年02月07日

安倍氏の訪ロ

明日の東京近辺は大雪だそうで、これは都知事選にも大きく影響します。投票率が低ければ、組織票をもつ候補に強みとなります。それを知ってか、舛添氏などは自民、公明支持層の集会を丹念にまわっている。天候まで味方した、これは天命だ、と考えているのかもしれません。
ただ当日の天候が悪化していればまだしも、前日に降った雪が当日、少し残る程度だと、逆に遠出できなくなり、投票行動につながるかもしれない。この辺りが投票率にも関わるのでしょう。NHKの籾井会長など、自ら製作現場に介入した、原発報道の見直しを指示したと予算委で語っており、こうしたメディアの報道規制で、今一つ低調ですが、今回の都知事選は終わってから、誰がなっても次の波がすぐに来る、という意味ではしばらく注目しておいてもよいのでしょう。

ロシアのソチで、冬季五輪が開かれます。最近、fragile5として新興国のブラジル、インド、インドネシア、トルコ、南アが経済的、制度的に脆弱さをもつ、とされます。ここにロシアが含まれない点に、奇妙な配慮を感じます。しかし今回の変動でもロシアへの影響は比較的小さく、五輪が終わるまでは堅調に保ちたい、また保つだろう、との思惑もあっての動きとみられます。
しかし大会期間中、大きなテロでもおきれがそんなムードも一変します。欧米の首脳は人権問題で、開会式への欠席を決めましたが、裏ではテロ活動を懸念した、との話もあります。実際、米国は具体的な手口まであげ、警戒を発していますし、テロ組織の犯行声明がいくつも出ています。そんな中、安倍首相は出席を決め、渡露していますが、これは一種の賭けです。つまりテロがおきれば日露首脳会談もとぶ。それどころか、テロ情報が有る中での参加ですから、その判断が正しかったのか、も問われます。これで同行SPがケガでもすれば内閣転覆になる話です。

さらにその裏で、岸田外相が渡米します。国務長官がアジアを歴訪するのに、日本が外されている。4月のオバマ氏の訪日も、日程的に国賓待遇にできない。岸田氏の渡米にはそうした流れを変えてもらう、という目的があります。しかし、安倍氏が就任後、初の訪米のときに示された冷遇以上に、今回の岸田氏にはつらい交渉が待っています。つまり日本には交渉材料がなく、懇願レベルでしかない。逆に、米国は強気の交渉ができますから、TPPに拠らずとも関税障壁や、貿易面での改善を求めてくるでしょう。円安で、昨年は5兆円以上の対米貿易黒字になりましたから、尚更米国のハードルは高い。つまり米国は、日本外しを続けていけば、自ずと好条件になるのです。
残念ながら、日露、日米とも現時点で日本側から提案できる条件は少ない。逆に、タマは相手がもっている状況です。逆に、卑屈に条件提示をするしかない状況にあるのです。両国とも、資源国として優位な立場にあり、また日本に厳しい対応をみせる方が国内的にも有利、ということであり、むしろそういう状況に安倍政権がしてしまったのです。今、世界の安倍政権をみる目は、当初の安倍ノミクスで注目された頃から一変し、危険なリーダーという認識で一致しつつある。益々、外交成果は得られ難いのでしょう。奇しくもかつての二大国にわたる首相と外相ですが、両国の冷たさに、日本にもどってくると大雪、と何とも寒い結果になるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 22:48|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2014年02月06日

雑感。春闘と補正予算

ソニーがパソコン事業の売却を決めました。日本のパソコンメーカーは、独自ソフトや使い勝手などを売り文句にしていますが、同一価格帯なら訴求力もありますが、桁が違うので海外のデザインや機能を謳うメーカーとは戦えません。またWindows8以降はカスタマイズ、つまり自らアプリを択んで仕上げるタイプが主流になるので、いずれにしろ体質は転換が必要でした。
そんな中、富士通がだした答えはGRANNOTE、60歳以上の活動的な大人向けだそうですが、迷走ぶりを端的に示しています。お金もある、購買意欲もある、そんな層を狙い撃ちしてもパイを食い合うだけです。むしろ無くても十分、という考えていた層を掘り起こしてこそ、一つの流れがつくれます。NEC、ソニーと撤退が相次ぎますが、日本企業は大丈夫か? と不安になります。

春闘もはじまりましたが、トヨタ労組はベア4000円の要求です。ただここに来て円高、株安になっており、経営者としても好循環どころか、悪循環に陥る懸念もあって、要求通りに妥結するかは微妙です。問題は、消費税増税による一般世帯の負担は5000円、と試算されており、これでは円安による物価高を加えると、家計は赤字に陥ってしまいます。要求時点でこれですから、一時金を含めても、来年度は『質素倹約』が家庭の合言葉になるのかもしれません。
5.5兆円規模の補正予算も成立しましたが、公共工事1.1兆円、震災復興1.9兆円と、人材不足により入札不調が多発しているこれらに多く充当されており、これでは景気対策にもなりはしません。低所得者へのバラマキも6500億円、一般会計でムダとされた事業が復活している、という話もあります。さらに、予算審議もこれから始まりますが、消費税増税の分捕り合戦で、予算規模が膨らんでいる。安倍政権の景気対策はまったく機能しないにも関わらず、歳出ばかりが増える、という形が定着しそうです。こうした見方も今の株安にはつながっているのです。

日本企業は株高になって資本が増えても、すぐに借り入れを増やして設備投資に回す、という考えはない。なのですぐに破綻懸念に直結することはないのですが、逆に景気回復の足は鈍らせる。だからこそ安倍政権の、短距離でダッシュするような流動性供給やバラマキでは、好循環は生まれません。FRBのテーパリングでも示された、引き締め局面には大きな負の効果が現れるため、長期でみて企業は賃上げにも後ろ向きだった。しかしここに来て政府からの賃上げ圧力に屈し、そうしようとする動きは、まるで終わりの始まりのように見えてなりません。
Jカーブ効果とも言われますが、円安により時間をおいて輸出が回復する際に説明されますが、実はそのモデルケースには海外の景気変動を含んでいません。これだけの、海外における不安定要因がある中で、好循環などが実際に実現するのか? むしろ無矛盾律に陥っていると感じてなりません。今の景気をよい、とだけ判断し、企業もその波に乗って賃上げにまい進すると、その後の戦略において大きな差も生まれるでしょう。今の政府や企業経営者の的外れな議論をみるにつけ、この国に対する不安は益々増えてしまう、ということは確実なのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 経済

2014年02月05日

内閣府職員の事件についての憶測

今日も日経平均は乱高下しました。14000円割れでアルゴリズム取引がはしり、一気に切り返したことで何とか持ち堪えましたが、反発力の弱さが意識されます。国内年金勢などの買いもあって、連日の3兆円と商いは膨らみますが、先物も大商いになっており、裁定取引もかなり含まれています。そればかりか、日米とも個別銘柄の乱高下が目立つなど、落ち着くには時間がかかりそうです。

内閣府職員が、米大学に留学中、韓国のセミナーに出席するといって、その後北九州市沖で発見される、という事件があります。最初に述べておきますが、確たる情報はありません。ただ某研究所所長が女性問題を匂わせたり、元官僚がスパイ説を唱えたりすると、おや? と感じます。
公務員の海外渡航には緑のパスポートが支給され、一回のみの使用です。日本にはもどってこれない、だから女性問題で、緊急で国内にもどってこなければならなかった、としていますが、どうして女性の側を米国に招かなかったのか? もし離婚の話し合いだとしても、旅行として女性側に米国に来てもらえば、何の問題もありません。また、もし身内でトラブルになってるのに、絶対に帰国させない、ということもないでしょう。自治労が強い公務員で、そんな待遇であるはずがありません。あくまで職務として渡航するのですから、問題が解決した後、再発行すれば済む話です。

密かに北朝鮮に渡るため…としても同様で、それなら中国ルートの方がよほど安全です。目的と手段の稚拙さが、まったくかみ合っていません。巨大組織が裏にあって、大型船で沿岸まできて、そこからゴムボートで上陸する意図では? というのも、自らゴムボートを調達している点からみて、眉唾に思えます。それ以上にピンと来たのが、以前耳にしたことのある、CIAのテスト、ということだったのでは? 個人的にはそう考えています。
つまり日本ではインテリジェンス機能が弱い、と以前から指摘されていました。そこで内々に、CIAに内閣府職員を送り、体験し、その経験をもって日本にもCIA的組織をつくろうとしたのではないか? その際、出された課題が韓国にいる実績を残しつつ、日本にわたる、ということだったのではないか? 本名の宿泊と、偽名の宿泊との使い分け、モーターボートの調達、そのときの偽名などは、まずスパイ活動の基本です。そして目的地が九州ではなく、対馬であったなら、個人の浅慮として渡航できると考えたのではないか? そんな憶測が成り立ちます。

もしこれが事実なら、公安や警察には知らされていないでしょう。日本版CIAにしろ、官僚としては抵抗したいところ。むしろ自分たちの組織として立ち上げたい、と考えるでしょうから。暗黙にすすめていたのに、職員の死亡で俄かに注目が集まってしまった。昔から不透明な事件について、女性問題を絡めるのがこの国の常套手段ですが、まさにそんな雰囲気がただよいます。
事実かどうかは別にして、日本版CIAを創設するのは各国の抵抗も強いでしょう。それ以上に、安倍政権下でそれをすすめることは、危険視され易いということもあります。日本は圧倒的にインテリジェンス能力が弱い、とされますが、政府や国会が口ごもるほど、この事件の裏は大きそうです。ただこの事件によって、日本版CIAの設立が数年は遅れることにはなるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:47|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 社会 | 一般

2014年02月04日

米経済の見方と株式市場の大幅下落

世界同時株安の様相で、日経平均は14000円割れを試す水準まで来ました。米国のISM製造業景気指数の悪化で、米経済への見通しが変わった、とされますが、その説明に『寒波』とだけしか伝えられていません。しかし、昨年も何度か強烈な寒波に米東部は見舞われていますが、これほどの落ちこみはなかった。荷物の配送に滞った、という事情が第一、とは到底考えられません。
実は昨年末から米国内で囁かれているのは、シェールガスの採掘コストの問題です。以前は岩盤を砕き、水を流し込んでガスを溶け込ませ、その水を吸い上げる形でガスをとりだしていました。しかしそれでは深層地すべりを起こす、また地下水にまじったガスを含む水により、近くの井戸に被害がでるようになりました。そこで、今では掘りながら凝固させる溶液を流し、採掘するのが一般的になっています。しかしこの工法では、1箇所から採掘できる量が限られ、今のガス価格では採算が見合わないのではないか? つまり設備投資分を回収する前に、採掘が終了してしまうのでは? そんな疑問から、新規プラントの建設を手控えていることが影響しているのです。

つまりリーマンショック以来、米経済を支えてきたシェールガス革命と金融緩和、という二本柱が崩れてきた。ガス価格が高騰すれば、国内回帰をすすめてきた米産業界も一旦、計画を見直さざるを得ない。そして産業界が、新規の工場建設などの動きを弱めれば、移ってくる住民もおらず、住宅建設もとめざるを得ない。そうした負の連鎖が直撃し、米経済への見方に変化がでているのです。
さらに、強烈な市場の下げによる逆資産効果が、今後の消費にどう影響するか? そうした面も意識しなければならない。今はまだ債先買い、株先売りの調整ですが、FRBのテーパリングにより、大量の債券の買い手だったプレイヤーがいない。今はまだ100億$ずつの削減で、消えたわけではありませんが、すでに各国も外貨準備を積み上げる状況ではない。米国債の買い手が、世界全体で見当たらなくなっているのです。ここで、ふたたびFRBが危機対応としてテーパリングを見送るなら、米国はFRBと心中する覚悟を決めた、ということなのでしょう。

日本には日本固有の事情があって、今回大きな下落になっています。日中は先物が14000割れになりましたが、ナイトはやや盛り返しているようです。少しスピードがつき過ぎているので、一旦は調整するかもしれませんが、下落率が10%以上となり、12000円台につっこんでもおかしくない、今はそんな勢いで、海外勢の手仕舞いがすすんでいます。国内勢の追証の問題など、実は大した問題ではなく、海外勢の高水準のポジションが、一気に転じればこうなってしまうのです。
安倍ノミクスの化けの皮、というと言い過ぎかもしれませんが、日本経済に本気で期待できるなら、こんな下落にはなっていないでしょう。世界が怯えているのは、逆資産効果により、すべての市場が下落すること。その下支えにすら、安倍ノミクスはなっていません。残念ながら、ポジション調整はまだ終わっておらず、その大きさが下値の水準をはかる目安、ということしか、今は語れないのでしょうね。



analyst_zaiya777 at 22:38|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | アメリカ

2014年02月03日

安倍政権は格差拡大を志向

都知事選では面白い現象がいくつもあります。メディアがとり上げない。特集のような形での報道が、ほとんどありません。討論会は開けても、コメンテーターと呼ばれる職種の人にとってもコメントするのが難しい。政府から睨まれたくない、という暗黙のうちに首都、東京の知事選を回避している印象があります。原発関連の報道もめっきり減りましたし、配慮なのか、指示なのかは分かりませんが、投票率を下げよう、下げようという意図は明確にみえます。
一方で、共産党の戦略も透けてみえてきました。最近、赤旗が大人しいと思いましたが、宇都宮氏は2位でいい、との思惑が働いているのでしょう。つまり舛添氏の新党改革、解党時の問題を都議会で追及し、早々に退陣においこめる、との腹もあるのでしょう。宇都宮氏の弱点は、行政経験がないことです。しかしここで2番手につければ、次の選挙ではその実績をアピールできます。共産党にとっても、報道規制により組織票の生きる選挙の方が今回は都合いい。だから今は派手に動かず、隠忍自重している面もあるとみられます。公選法による平等な報道、という以上に、今はそれぞれの陣営がメディア戦略において、有権者を蔑ろにしているのかもしれません。

そんな中、一部のメディアで非正規から正規雇用へと変更した企業に、補助金をだすとの報道がありました。しかし安倍首相の答弁でも、非正規の常態化について「働き方の多様化」という話があり、まったく逆行する話です。どうやら、安倍政権で拡大する正規と非正規との差、格差拡大に対するカウンターとして、この時期にでてきた報道のようです。極端な話、ブラック企業なら非正規から正規に変えた、と報告し、騙して補助金をもらうぐらいはふつうにやるでしょう。そもそもそれを審査、後追いで調査する機関、罰則がなければ形骸化するだけです。
そもそも、非正規の常態化は「働き方の多様化」ではなく、「働かせ方の多様化」です。労働者が正規雇用になりたい、という願望が必ずしも叶うわけではなく、働き方は択べない。雇用者が、働かせ方を択べる状況にあります。むしろ、非正規の常態化を法制度としてすすめるなら、労働者が望めば正規へと転じられる、という条項が必要であり、それがあって初めて生きます。悪い話をすれば、企業が労働者から厚生年金を徴収しながら、それを国に納めておらず、年金がもらえなくなった、という話と、これは同じ問題を誘発するような話なのです。

せっかく都知事選で、小泉氏がクローズアップされたのですから、小泉政権当時から広がった格差の問題をとり上げてもよいのでしょう。そして、小泉政権の頃に格差拡大へと奔走した竹中氏、太田氏などが、安倍政権ではブレーンとして力を有している。まさに労働法制の審議は、この二人によって進められているのですから、安倍政権は格差拡大型の政策をとり易いのです。
昨年の有効求人倍率が0.13pt上昇の0.93倍に改善、完全失業率も0.3pt低下と、いかにも改善したように見えますが、勤労世帯の実収入は1.7%減と、賃金デフレは継続中です。どうしてこれで求人や失業率が改善したか? といえば偏りが大きいためです。消費税増税前の駆け込みで不動産、建設、家具などが堅調、一方で20%以上の円高にも関わらず、消費者物価は前年比で0.4%しか上昇していない。それを吸収した企業は業績悪化、苦境に陥っているのです。安倍政権の下では、こうして報われる人、報われない人が恣意的に決まってしまう、ということでもあるのです。なので、こうした批判を緩和する目的で、一部のメディアが雇用環境の改善、という実態としてそうなり難い手法にも関わらず、喧伝する形になるのでしょう。メディアは安倍政権に対して、完全に白旗をふっていますが、その内国民の中から海賊旗があがる、という日がくるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 22:39|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 経済

2014年02月02日

株価と安倍政権

先週の日経平均は大幅に乱高下しました。さらに、週末の米取引で14600円台まで下がっており、今週の市場も厭戦気分が漂いそうです。ここで、新興国を初めとする海外要因で下がっている、という認識をもってはいけません。米国では、外需から内需へ、という資金シフトが起こっており、新興国などの成長をとりこんで業績を上げてきた企業から、米経済の堅調さを評価する流れです。
しかし日本はそうなっていない。ナゼかは自明で、4月から始まる消費税増税で、当面の内需には期待できませんし、日本には賃上げ圧力という別要因もある。つまり外需から内需へ、という資金シフトではなく、逃避により株式市場の下げが加速しているのです。加えて、円を売っていた比較的長く、資金をおく層が今は円買いに走り、代わって超短期のヘッジファンド勢が今は円を売っています。つまり暫く為替動向は落ち着かず、下手をしたら一気に95円ぐらいまで突っこんでもおかしくない。そんな危ない値動きをする国が、日本になってしまったのです。

その原因も日本です。日銀の黒田バズーカ以来、円売りも株買いも歴史的な水準まで、海外勢が積み上げてきた。その水準が元にもどろうとするだけで、円高、株安になってしまいます。つまり今が適性水準でないことは自明であり、FRBのテーパリングがきっかけではありますが、遠因は日銀にあって、さらに成長戦略の出てこない安倍ノミクスに、海外投資家が内需への期待感を剥落させたこと、というのが、今の下落の要因ともなっているのです。
さて、問題は株価下落が都知事選にも影をおとす、という点です。安倍政権の評価とは、ほぼ景気に限定されています。外交面で、中韓の嫌がらせに、嫌がらせで対抗する、といった類のことはありますが、世界の趨勢に変化はない。今はまだ、国内の保守系を喜ばせる程度です。一方で、米国との距離は大きく開き、新興国にはODAなどのバラマキで歓心を買いますが、それらの国から中韓への牽制、という言葉は聞かれません。唯一、欧米の連携をやぶって出席するソチ五輪開会式で、露国から何かよい条件をひきだせれば別ですが、今のところ具体案は望み薄です。

行政的には、何の実績も残していない。そればかりか、年金は削減され、国民負担は増えるばかり。唯一あるのは日本版NSCぐらいで、後は特定秘密保護法という悪法です。国会運営でさえ、すでに強行採決に手を染め、やりたい放題が始まっています。ほぼ安倍氏が誇れる部分としては、株価が上がった、年金の運用益が過去最高、ということのみでもあるのです。
その株価が14000円を割れてくるようだと、都知事選にも悪影響がでるのは必定です。恐らく官邸からは、GPIFや日銀がETFを買うよう指示が出ているかもしれません。そして、舛添氏の行政経験を殊更に囃す向きもありますが、これまでの行政が、国民の方を向いていたなら現状にはなっておらず、行政経験は、すなわち失敗経験でもあるのです。安倍氏の行政が成功していたなら、そこはアピールポイントなのでしょうが、そうならないのは今の行政が示しています。

株価下落により、安倍氏への評価も一変してしまうかもしれない。その分水嶺は14000円程度にあるのでしょう。都知事選までに、安倍氏がキモを冷やす局面がくるのか。市場関係者以上に、今週の株価は安倍政権にとっての地雷になりかねず、その動向が注目されるところなのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:49|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 政治

2014年02月01日

橋下氏の動きと政局

橋下大阪市長が、出直し選挙を示唆しました。橋下氏の心情を斟酌すれば、都構想で結束をかため、大阪維新の会の引き締めをはかり、その上で旧太陽との対決、決裂なら分党という流れに向かうための一里塚、ということなのでしょう。選挙の争点は大阪都構想ですが、心の中では大阪vs都、抗争。いい加減、ここらで都知事選のネジレなど、整理つけておかないと3年後の国政ですら危ない。そのための出直し選、ということなのでしょう。
しかしそうした維新の事情は、大阪市民には何の関係もありません。選挙費用もかかり、また候補に立つ人間にとっても準備不足ですし、何のメリットもない。仮に、大阪市民が大阪都構想に同意しても、何の解決にもなりません。そんなものを争点にされても、択びようもありません。市民にとって何が必要か? ということを見失うと、力も失ってしまう。逆に言えば、これは賭けでもあるのでしょう。しかも、その賭けに勝っても結いとの合流、負けると維新は吸収される、という道をたどる。悲壮感すら漂う決意だということは、滲んでいます。

みんなと結いは、泥沼に陥っています。渡辺氏の嫌がらせですが、渡辺氏としても、ブレーンから脱藩官僚はいなくなるし、いいことがない。さらに、安倍氏から海外の会見で、協力を呼びかけられて悪い気はしないものの、ここで与党との近さをアピールしても、みんなとしては選挙に勝てません。せっかく作った党の衰退、という事態に、八つ当たりせずにはいられない、といったところ。まさに子供のケンカですが、渡辺氏の方が金と力もあるため、ジャイアンとスネ夫に見えてしまうところが、さらにみんなにとってはマイナスに働くのでしょう。
しかし今、一番おもしろくなってきたのが自民です。自民内にも、反原発派はいます。今回の都知事選、小泉進次郎氏と党執行部の確執がはっきりしてきましたが、それ以上に政界関係者を震撼させるのが、細川候補へ応援に入る人が、まさに錚々たる人物たちであることです。つまり、反原発を訴えればそれらの人たちに、選挙協力をしてもらえるかもしれない、との誘惑があります。

今回、都知事選にこれだけ応援者が増えるのは、しばらく国政がないこと。及び安倍氏の手法では、原発再稼動の流れを止めることはできない、との危機感があります。そしてこれが逆に、安倍氏は著名人から距離をおかれている、との証左にもなっている。いくら国内で支持率が高い、といってみたところで、著名人から否定されると国民のみる目も変わってきます。
さらに、ここに来てNHKラジオで、原発の問題を経済的側面から語ろうとした人が、拒否されたとの記事もでてきた。メディアが原発報道の自粛でスクラムを組む中で、著名人が反原発を訴えることは、相当の勇気もいることで、それを知れば尚更、強い危機感との認識も広がるのでしょう。そして、自民党議員にもその覚悟が迫られます。都知事選の結果がでた後、党内がグラつくのか、それとも反対意見を抑えつけて磐石の体勢を築くのか? それこそ、選挙終盤になって東京都にも補助金500億、などと言い出したら、危機感の表れということになるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:48|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般