2014年10月

2014年10月31日

日銀、Beginning of the END

日銀が追加緩和、黒田バズーカ第二弾を撃ちました。年間60〜70兆円としていた資金供給を80兆円に、ETF買入れをJPX日経400も含めて3倍の3兆円に、J-REIT買入れも3倍の900億円に増額します。昨日、ちらりと考えていましたが、実は日銀には3つの追加緩和する要因がありました。
1つはFRBによるQE3の終了を、成功裏に終わらせねばならない。これは媚米体質の安倍政権と歩調を同じにします。1つはGPIFの運用見直しによる、国債市場への動揺緩和。もう1つは消費税再増税への布石を打つため、4兆円の補正予算を組もうとする政府との同調。このタイミングの重なりは、日銀内のコンセンサスをとるでもなく、やってしまえ、との思惑も働き易かったのです。

総務省発表の労働力調査で、失業率は前月から0.1pt上昇の3.6%ですが、問題はそこではありません。前年同月比で、正規雇用が36万人増。これは一貫して減少してきた正規雇用が増加に転じていますが、特殊要因です。一方で、自営業主・家族従業者が19万人減です。円安の影響で、中小零細企業がばたばたと倒れ始めた。それを示唆するのかもしれません。家計調査による消費支出は前年同月比、実質で5.6%減。名目でも1.9%減。勤労世帯の実収入は前年同月比、実質で6.0%減。名目でも2.3%減。賃金が減って、消費も減って、しかも良くなるどころか、むしろ悪くなっている。消費者物価は3.0%上昇で、税を除くと1.0%程度の上昇ですが、生活実感は益々悪くなっている中で、さらにコストプッシュインフレを促す円安に、日銀が舵を切ったのです。
しかも今回、市場は急上昇しましたが、先物系上位にはイベントドリブン型の、いつもの面々が並びます。しかし聞こえてくる市場の声は、日銀を非難するものが多い。決定会合でも賛成5、反対4と割れたように、今回の決定に大義はありません。しかもGPIFが国債比率を60から35%、国内株を12から25%、外国債を11から15%、外国株を12から25%へと、運用比率見直しを発表したのと、同じ日だったことで財政ファイナンス、日銀による付け替えではないか? との疑念を国内外問わず、多くの人に抱かせてしまった。これは日銀の信用に関わる問題となります。

さらに黒田氏のこれまでの強気な見方、増税に関する発言が、今回一変させた。これも日銀の信用を失墜させます。サプライズ効果はでても、安心して運用できる市場とは看做せないためです。しかも、市場からも昨年4月のQQEの効果について、懐疑的な見方が広がっていた。上記したように、経済への効果は限定的で、すでに不況入りも囁かれ、しかもその原因が円安に伴うコストプッシュインフレかも、という中での追加緩和ですから、景気をさらに冷やすかもしれない。マイナス金利が頻発し、個人向け国債の販売も停止されるなど、異常事態にも関わらず、問題ない、と一蹴するだけでどうして、というその理由についての明確な回答はありませんでした。
今は円安、株高ですが、円安、株安に陥ると日本は地獄をみます。日本への投資はダブルで損失を抱える恐れがあり、しかも日銀の態度に信がおけない。外国人投資家が続々と逃げだす恐れがあります。個人的には、日本が地獄の窯のふたを開けたのかもしれない、と考えています。これまででさえ、出口が難しかったのに、さらに出口を難しくした。年末にむけ、中国が破綻する恐れを懸念していましたが、日本が先になるかもしれない。それほどの悪い事態です。

今日、市場は沸きましたが、売り方の買戻しを巻きこんだ面が大きく、現物、先物を合わせると売買はまさに沸騰です。それが逆回転を起こしたとき、日銀のバランスシートは急速に悪化、円の信用も失墜するでしょう。まさに、バズーカを放って焦土と化した日本から、いつ逃げだすか? 市場は誰もが意識した。今日はハロウィンですが、そこに登場するカボチャのお化けは、ジャック・オ・ランタンと言います。ある伝承では、かつて悪魔を高い木に登らせ、十字架をつけて降りられないようにし、地獄に落ちない約束をとりつけた、とされます。しかしジャックは悪党で、天にも上れず、地獄にも行けず、それでカボチャのお面をつけ、この世をさまよっているのだ、と。まさに日銀がジャックと同じ立場になった、そして国民は塗炭の苦しみに苛まれる、といった状況が予想される事態になった、との決定が今日、下されたのでしょうね。

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2014年10月30日

FRBによるQE3の終了

小渕前経産相の関係先に、東京地検特捜部が捜査に入りました。公選法違反が濃厚なのですから当然ですが、一部メディアで議員辞職やむなし、と本人が認めていると報じられ、本人が否定しています。要するに、特捜が動いたということは、政権側が強制捜査にGOサインをだした。そうなると有罪確実、として先に議員辞職するよう促した、というところなのでしょう。
昨日も指摘しましたが、何とか委員会をつかった政治活動もどきの手を、維新の党の江田共同代業がつかっていたことが判明しました。この手法をつかうと、政治資金、活動の不透明性が強まり、極めて由々しき事態が将来おきるのでしょう。それでも何とか委員会は政治家にとって都合よく、政治サイドから改める動きは出てきません。いずれこの何とか委員会による政治活動、資金隠しによって大問題が起きる、と予言しておきます。不正を許す仕組みなのですから。

米国ではFOMCが開かれ、QE3が終了しました。声明文の文言はややタカ派とされ、米株、米債は下落し、円安がすすんで日本株は上昇しています。ただその文言をみると、揺れるFRBの立場が透けてみえます。恐らく金融政策で、これ以上の労働市場の改善はムリ、一方で二極化する米不動産市場、そこにバブルの萌芽がみられる。低いインフレの長期化で、インフレ予想が低下し、目標である2%を達成するのも困難。世界経済は欧州、中国、日本もダメ。とりあえず、再投資によって市場流動性の規模は維持されますが、増殖を止めた資金量による波及効果は、FRBも把握できない。それはQE2の終了から、わずか3ヶ月でQE3を開始したことも同様に、FRBもどうしたら今の状態を満足するレベルで収束できるか、その知恵はないことによるのでしょう。
来年はFOMCメンバーが変更され、タカ派が減ることから来年中のゼロ金利解除はない、との意見が浮上しています。フラミンゴ、日本でいえば丹頂ヅルのように、米国一本足の世界経済で、大丈夫か? との不安もあって、引き締めには移れない。世界経済の減速を、IMF等も認める中で、米国とてマクロ指標は強弱マチマチであり、その一本の足が折れたら目も当てられません。

それでも株高が続く、という論調があります。それは運用先が株しかないから、という金融の事情によります。肥大化した金融の資金を吸収できるだけの市場は、今のところ株式しかありません。債券市場は各国で中央銀行が暴れており、まともな値つけができない。さらに中央銀行が退場した途端、大混乱が予想される。日本では日銀が株式市場でもETF買いなど暴れていますが、影響は小さい。不動産市場も安定感がなく、株を買うしかない、という需給面からの株高です。
ただし、日本で見られる状況は先物売買、ETFを通じて指数を買う、ということであり、現物株を買って将来の成長を期待する、とはなっていません。昨年は買った外国人投資家も、日本には成長戦略がないため、それを理由としては買えないのです。そして恐らく、それは世界規模でそうなるのでしょう。低成長と低インフレの共存、その中での株式運用は、値動きにより利益をだす短期の投資家が跋扈する世界、となります。今後、益々その傾向を強めるのでしょう。

一時的に世界で楽観が支配するのも、ECBの追加緩和への期待であり、FRBの政策変更への手助けとなりました。しかし米国とてシェール革命がなければ、今の好調はなかった。逆にいえば、資源国への転換、という最終兵器を使ってしまっている状況です。ただしそれも、WTIで1バレル80$を割れてくると、マイナス効果として働きます。原油、ガス需要の低下がもたらすものは、米国の失速につながる怖れがあり、その水準に近づいている点は、注意も必要なのでしょう。
フラミンゴは、食べる微生物によって赤くなります。丹頂ヅルの頭は羽がないから赤くみえます。丹頂ヅルは、寝込みを襲われないよう川で眠り、寒さを防ぐため一本足になります。今の米国が、世界経済の減速に震え、一本足で立つしかありませんが、経済政策の頭であるFRBに灯るレッドサイン、その思惑のズレには、市場も要警戒となってしまうのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 22:57|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

2014年10月29日

永田町に解散風?

昨日、産経にスクープがないとしましたが、どうやらフジ産経グループは民主党の醜聞探しに躍起だったようです。民主、枝野幹事長の政治資金収支報告書の問題をだしてきました。ただ小渕氏の問題と、決定的に異なるのは収支報告書の問題に留まる点です。産経は『幹事長として』や『弁護士』として、責任があるといった論調をとりますが、閣僚の責任の方が大きいことは、論を待ちません。国会追及の手が弱まる、と語る人もいますが、例えば枝野幹事長が辞職すれば、閣僚はなぜ辞職しないのか? と追求できますし、それこそ枝野氏が潔く身をひく、として議員辞職したら、自民は沈黙せざるを得なくなります。そこまでの瀬戸際戦術を、現時点で民主がとるとは思えませんが、いくら民主の醜聞を探しても、自民に何の得もありません。
今回の動きで気になるのが、望月環境相の説明です。賀詞交歓会やゴルフ大会など『実行委員会』なる、怪しい組織をかませば収支報告書に記載しなくていい、とします。しかしそれこそ違法な金集めの場になりかねず、実行委員会があれば、収支の合わない会合を開き放題、という話になります。特に望月氏のケースは『後援会』が銘として謳われた会合であり、そんな怪しげな組織が開催したとは、参加者も考えていないでしょう。いずれにしろ、こうした別組織を立ち上げ、収支報告書への記載逃れするケースを、即刻法律で禁止しなければいけませんし、これを前例としないためにも、望月氏には如何なる状況であれ、記載するよう迫るべきなのでしょう。

そんな永田町に、解散話が浮上しています。急速に支持を失う安倍政権が、党内引き締めのために解散風を吹かせている、というのです。しかしこの解散は、安倍氏の一人負けになる公算が強く、それが党内の結束固めにならない点が重要です。恐らく、今解散、総選挙をすると、自公は議席を落とすものの過半数は維持するでしょう。一方で、野党は議席を増やす。自公でも地盤の弱い、若手が落ちるだけで、旧勢力は依然として残るのですから、痛し痒しです。むしろ、解散が失敗だったとして安倍政権下ろしが公然とできる。逆にやって欲しいとすら考えている。
野党も議席がふえて、次の総選挙への布石となる。野党共闘の話し合いを急ピッチですすめねばならず、そこに不安があっても、野党も解散はウェルカムです。つまり安倍氏が首相の座から下りるだけ、になりかねない。しかも財務省にとっては、安倍氏が仮に解散に打ってでるとしても、増税判断が先。むしろ増税してその審判をうける、として解散して欲しい、と考えている。しかしそうなると、年をまたぐか、年明けになります。そうなると予算審議に影響する。どちらにしても、財務省は面白くない。結局、安倍氏だけが不利益を被るのが、年内解散です。こういう話は、誰が流すにしても、メリット・デメリットを正しく考察してみれば自ずと結果は見えます。

作家で、NHK経営委員の百田氏が、『拡散希望』として野党がエボラ対策審議を拒否している、とツイッターで発言しています。しかしそんな話は聞きませんし、そもそも委員会で、醜聞追求できるのは予算委だけです。担当閣僚に醜聞がある場合は別ですが、そもそもこの改正案はまだ審議入りすらしておらず、拒否もできない状態であり、とんでもない誤解、軽率さによるものです。こういう瞬間的に、何の裏付けもなく発言、行動してしまう人物は、言論人という立場からもツイッターはやるべきでなく、それこそ炎上体質と呼ばれてしまうのでしょう。
しかし望月氏のケースでも、即応して説明したものの、逆に疑惑の目をむけられるケースもまた問題です。安倍政権の第一期では、何とか還元水が話題になりましたが、何とか委員会による資金集めを望月氏がしているのではないか? 収支報告書に記載しなくていい、とはそういうことでは? 政治資金収支報告書は、政治家の資金の透明性を保つことを目的としていますが、疑惑が増すばかりです。最高裁で、1万円以下の政務調査費の支出にも、領収書の提出を命じる判決を下しました。政治とカネ、国民も司法も、澄みすぎるぐらいの水を望みますが、そこに棲んでいる魚だけは、澱みを好むといった状況になっているのでしょうね。


analyst_zaiya777 at 22:53|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2014年10月28日

恥ずかしい人々

昨晩、零時の望月環境相による記者会見、朝日新聞の裏どりに、慌てて記者会見を開いたものでしたが、内容が意味不明です。政治資金収支報告書には支出分742万円の記載のみであったものの、後援会の収支ではなく、誤って支出だけ記載したもの、と説明します。しかも亡くなった経理担当の妻がやったことで、自分でも分からない、と。しかし実行委員会が行ったものとはいえ、08、09年の賀詞交歓会で2000円、10、11年のゴルフ大会で5000円を集めた、としていますが、ゴルフで5000円は安過ぎる気がしますし、もっとも腑に落ちないのは、経理である妻と相談もせず、政治資金収支報告書をだしている、というその感覚です。下手をすれば政治生命が終わるかもしれない、収支報告書をどう考えているのか? もしこれが単なるイイワケに過ぎないなら、亡くなった妻を貶めた、として有権者にとって頗る不評を買う説明となるのでしょう。

有村女性活躍担当相は脱税企業から、宮沢経産相は外国人企業から、大塚国交政務官は外国人から、と献金をうけてはいけない相手から、続々と献金をうけていることが発覚、返金したと説明します。しかし第三者から指摘されないと違法に気づかないのか? その甘い管理をしている人たちが、国の予算の使い道を議論しているのですから、監視が甘いのも当然と言えます。
ただ、内閣改造後に醜聞がつづく、改造が悪かったという報道をするむきもありますが、大間違いです。前閣僚の収支報告書に不備がなく、現閣僚が不備だらけ、というのではないためです。単に改造前は「ムードを壊すな!」とする風潮で各社も収支報告書の調査をためらっていた。ムードどころか実体が壊れ始め、メディアも収支報告書の調査に本腰を入れ始めた、というだけのことです。読売、産経などのおトモダチメディアにスクープが出ないのも、調査をしり込みしていることが影響します。一方で朝日は、これ幸いとスクープに全力を出してきた。特に今回、望月氏のスクープつぶし会見で、朝日のやる気は益々増したのでしょう。そもそも論ですが、調査に耐えられない政治家が、あまりにも多すぎる。それが大きな問題なのです。

参院財政金融委員会に出席した、岩田日銀副総裁が就任前、2年程度で2%の物価目標を実現できなければ辞任、と述べたことを「深く反省する」と発言しました。達成困難なので前言撤回、という話です。同委員会に黒田総裁も出席し、増税先送りなら「対応が困難」と述べ、マイナス金利を「特に問題ではない」、2%の物価達成目標は「期限なし」、国債買入れは「財政ファイナンスではない」と、自分たちがやっていることは間違いない、と述べますが、増税先送りで対応が困難となるのに、マイナス金利を問題ない、と言ってしまうその感覚にはついていけません。
恐らく黒田氏は明確な金融、財政政策についての柱をもっていない、と推測されます。2%の物価にさえしておけばすべて上手くいく、とでも言いたげで、その過程で起きる異例で、異常な事態でさえ気にならない。しかも、実際に達したからといって上手くいく、という確信があるわけでもない。コストプッシュ型になっても円安でインフレ、に固執するのも同様なのでしょう。それが経済に与える打撃について、一切の考察がない点も経済についての正しい認識が欠如している、と感じさせます。バズーカは撃てても、焼け野原になった後を復興させる力を感じさせません。

政治家、閣僚も、日銀の総裁、副総裁も同様ですが、大事なお金を扱う部署の、トップにいる人物たちです。それがいずれも自分に甘く、お金の管理が杜撰という話であって、これは恥ずかしい話なのです。外国人企業の献金など、自民にブーメランが返っています。恥、という字は心に耳がついていますが、国民の声に耳を傾け、心をもって対応しないと、今後も不祥事にうんざりし、自画自賛に呆れ、ということが続き、政権そのものが恥と評価されることになりかねないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:03|PermalinkComments(6)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2014年10月27日

雑感。マタハラ裁判について

太陽の党を継承、結党した田母神氏が、マタハラ裁判に関して「降格で裁判するような女性に『貴方を愛してくれる男性はいますか?』と問いたい」とツイートし、物議を醸しています。こんなことを言うので保守系の人間性に疑問符がつく、という見本のような内容です。前段では女性は妊娠すれば長期離脱するので、男性と労働条件を同じにできない、ともしています。少なくとも政治家をめざすなら、だからこそ解決策を示すべきで、差別を助長してはいけません。
例えば、子供ができた男性は3歳になるまでに数ヶ月の有給育休をとらせる、と企業側に義務化すれば、条件は同じになります。連続してもいいし、分割してもいい。それで数ヶ月間を育児に割り当てれば、男性も女性も子供ができれば休む、という状況は同じとなります。安倍政権で画策している、女性は3年を育児に…という案に比べれば、よほど男女同権ですし、給与格差を気にして女性が休みがち、という状況も解消される。唯一、企業としては負担増になりますが、女性も男性も休むもの、との差別は解消されるので、それこそ女性が輝く社会にも資すものとなります。

仮に上記の対策をとっても、企業側のセクハラ、マタハラを止めることは不可能です。そうしたケースでは企業に罰則を課すのではなく、企業経営者、及び上司を刑事罰に処す、ということも有効でしょう。一度目は略式、執行猶予としておき、二度目になると実刑を科す。例えばそうなると数ヶ月は禁固、もしくは懲役刑となり、長期離脱を余儀なくされる。マタハラ、セクハラをすれば、逆にそれを為した者が長期離脱する、となれば企業の対応も変わるはずです。しかもこれは直接の上司に罪を押しつける、ということができないよう経営者も従犯として、同一の罪を科せられるのであれば、尚更歯止めが利く。政治家ならこうした提案が必要です。
例えば、企業に罰則を科すなら、業績が下がるため労働者の生活を苦しめることとなり、裁判なり、労基などに相談することも躊躇するでしょう。自分の上司が刑事罰を科される、という心理的負担も考えられます。しかし一度目なら執行猶予であり、二度目に起こせば、それは再犯でもあって罰せられる、ということなら心理面でも提訴し易くなります。上司との関係悪化、といっても、すでにセクハラ、マタハラをした時点で関係は壊れているので、問題ないでしょう。

唯一、警戒すべきはセクハラ、マタハラには見えないよう処遇、待遇をこっそり変える、という手を企業がとるケースですが、これは法律ではなく、大審院判例などで広義への適用例を示せば、抑止力になるはずです。ただ経営者が罰せられることになれば、心もちとしても労働者を居辛くさせようとするでしょう。しかしそれは労働基準法にかかるのですから、個別の事情にもよりますが、それで対応するしかないと考えます。ハラスメントをするような経営者はすでに失格で、何よりそうした態度をとれば、不名誉になるとの意識を広めていくことが大事なのです。
安倍政権では、少子化対策を掲げるのですから、こうした問題には敏感であるべきです。今回の最高裁も、政権の意向をうけて二審判決を破棄した、とみられますが、セクハラ、マタハラを暴力として扱うのは当然なのです。そこで精神的に障害を負えば、今後も子供を産み、育てるはずだったのに、その道を阻害することにもなり、益々少子化がすすんでしまうのですから。誰もが安心して子供が産める環境作りをすることが、政治家としてとるべき道です。それを『労働条件を同じにできない』や、『愛せるか?』などと言ってしまえば、政治家としての資質以前に、人としてどうなの? という疑念の方が先に立ってしまうのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:38|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 司法 | 社会

2014年10月26日

安倍内閣の支持率低下

欧州の銀行に対し、ECBが実施したストレステストで130行のうち、25行が資本不足と判定されました。中核的自己資本比率が5.5%未満だと資本不足とされますが、仏国や独国の金融機関は健全なので、国債価格の下落の痛手もある南欧などには、やや厳しい内容です。しかも欧州はふたたび景気後退のリスクが迫り、高い失業率、デフレ懸念など、今後も不良債権が増加する恐れがある。これではいくら金融緩和をしても、景気浮揚のための貸し出しが増えない、といった事態になりかねず、影響が長期化することも想定しておかなければならないのでしょう。

福島県知事選は前副知事の内堀氏が当選確実になっています。与野党相乗り、争点も曖昧となり、まさに一強多弱の状況だったので、意外感はありません。しかし国政では一強多弱が崩れつつあります。各社の世論調査で、安倍政権の支持率が下落、しかも一部では経済政策への支持が、不支持を下回るなど、単なる女性閣僚のW辞任に留まらず、安倍ノミクスへの不満も、不支持に雑じってきた点が特筆されます。しかも今回、一部の週刊誌などでは、政府や新聞、TVなどが垂れ流す経済への見方、指標に対する説明などに対して「嘘をついている」と指摘されており、安倍ノミクスそのものばかりでなく、メディア不信に直結しそうな流れになっています。
しかも今回、特徴的なのは、一部で民主の支持率が上がっていることです。特段、何かをしたわけではないのに支持率が上がったのは、W辞任に追いこんだ手腕というより、自民を支持できない、とする消極的なものと推測されますが、もう一つは野党共闘がすすんでこともあるのでしょう。個別政策ではまったく異なる民主、維新が閣僚不祥事の追求で手を組んだ。維新の国政トップに江田氏がつき、大阪維新との距離ができてすっきりした面もあるのでしょう。どうしても大阪維新と近いと、安倍氏との個人的な近さからも攻撃し難い面があったものの、江田氏が入ることで与党追求に本腰を入れられる。これらの理由で民主など、野党の支持が上がっています。

野党に是々非々なんて有りえない、とは野党議員の発言と伝わりますが、まさにその通りで、党内でばらばらな意見をまとめるより、与党の醜聞を追及している方が、野党らしさが出るのです。つまり自民以外の野党が、やっと戦い方を思い出した。与党ボケや、与党に接近しようとの厭らしい気持ちから、政権をとろうというモードに入った、ということでもあるのでしょう。
この臨時国会、実は重要法案とされるものはIR法案など、国民にとってメリットの少ないものです。しかも労働法制の改正では、扶養控除の廃止を検討するなど、どう考えても国民に不利益な内容が含まれる。醜聞追求をしていると、国政の停滞も囁かれますが、今回は経産省、法務省関連の委員会で、国民生活にはあまり関係ない点も、野党が追求し易かった面があるのでしょう。そして予算委など、安倍氏が出席を嫌がっている、との報道を読売がしたことでも、国会審議の停滞を招いても野党が責めたがっている、という空気を安倍氏が感じ始めていることを意味します。臨時国会は予定通りに閉じ、増税を決めるとの算段はもう狂い始めています。

これまで民主党政権のダメさ加減と、近しいメディアとの会食、ゴルフ接待によりムードを連携してつくり上げてきた空気が、瓦解し始めた。それは自民党のダメさ加減を、改めて思い起こしたことにもよるのでしょう。無難に乗り切ろうとした臨時国会だけに、逆に国民が注目する醜聞追求、という項目だけが目立ってしまう。7-9月期の景気の弱さを天候要因としてきましたが、俄かに10-12月期の国会の嵐模様の方が、メードを壊して景気を下押しする要因になりそうですね。

analyst_zaiya777 at 23:10|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2014年10月25日

雑感。中国の住宅価格下落

今週の米株市場は3日も200$以上の上昇をつけるなど、先週までの下落とは打って変わって反発を強めています。欧州も不安定ながらも自律反発局面に入っていますが、キッカケはECBによる社債購入への言及、とみられます。ECBが欧州の景気悪化をうけ、資金供給を本格化する。その期待への買いが市場を下支えします。しかし国債にしろ、社債にしろ、ECBの購入対象は安全な債券であり、逆に市場から安全な投資先が奪われていく。日本でも短期国債のマイナス金利状態に突入しましたが、これは明らかに異常であり、次の大変動を準備しているように見えてしまいます。

安全な資産がなくなれば、リスク投資する。貸付が増える、と見込んでいた中央銀行の思惑は、これまでのところ見事に外れています。欧州金融機関のストレステストの結果に注目も集まりますが、一方で自己資本に規制をかけて、もう一方でリスク投資する、というのは矛盾です。結果、資金の流通量を増やしても景気を浮揚せず、金融市場だけを肥大化させてきました。
ECBが新たに資金供給すれば、FRBによるQE停止後も、資金の量は増え続ける。金融市場も安泰、これが今の市場の理屈です。イスラム国の脅威も、エボラ出血熱への警戒もありながら、今週に切り返せた原因でもあります。また米企業の決算が思いのほか良かった点も、安心感につながったのでしょう。しかしキャタピラ決算など中身はあまり良くなく、世界経済の減速は、着実に米企業も蝕んでいるようです。そして次の危機を引き起こしそうな中国の材料もあります。

中国国家統計局の発表で、9月新築住宅価格指数が、70都市中の69都市で下落しました。未だに1%前後の下落幅は、到底信じられるものではなく、下落が始まってからの数字の安定感からも、操作されたものと推測されます。7-9月期GDPの7.3%も同様に、数字的なものは意味がなく、中国経済の方向性は悪化であり、それは不良債権の増加としていずれ顕在化するのかもしれません。
VIX指数の長期低下が、次の不安を準備しているともされます。危機に鈍感となった市場が、真の危機に気づいたときに市場が大変動を起こす。その周期が正しければ、12月か1月ごろ、VIX指数の急変動が起こり易い、とされます。それは中国経済のクラッシュが引き起こす、と予想していますが、年をまたぐときか、中国で重視される旧正月前か、資金クラッシュが起き易いタイミングを意味するのかもしれません。景気悪化は認めつつ、対策が出てこない中国の実態は、実は借金まみれなのかもしれない。それは官民合わせてのことになれば傷は深くなります。

アジアインフラ投資銀行が、21カ国の参加で基本合意書に署名されました。アジアのインフラ投資は不足する、ともされますが、この仕組みは分かり難く、またフローをどう追うのか? そんな基本的なことすら不明です。没落しつつある中国がつくった金融の仕組み、それが次のクラッシュとどう関係するのか? その辺りを無視して浮かれる市場が、いつ頃織り込んでいくのか? そのタイミングの見極めが肝要なのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:04|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 アジア | 経済

2014年10月24日

雑感。韓国、中国漁船の違法操業

NYで男性医師のエボラ出血熱への感染が確認されました。しかも感染してから行動範囲が広く、また交流していた人数も多い。二次感染の恐れが拭えません。日本で仮に発症したら、満員電車などに乗ると一気に拡大しかねません。しかも日本の対応が心許ないのは、デング熱の甘い対応で感染を拡大させたことでも証明ずみです。以前から指摘もありますが、世界で日本式の挨拶を広める必要があるのでしょう。握手でなくお辞儀、特に接触感染が懸念される流行病には、日本式の挨拶が適しています。発症してからでないと感染しない、とされますが、いつ変移して感染力を増すのか分かりません。そもそも、発熱しているかを空港、駅でチェックしていると言っても、発熱している時点で発症しているのですから、それは後付けで確認しているに過ぎないのです。水際ではなく、瀬戸際の危機感で対応しなければならないのでしょう。

韓国で朴大統領と、日韓議員連盟会長の自民、額賀氏が会談しています。その中で、慰安婦問題に関し「正しい歴史認識」と述べるなど、朴氏の態度には変化がみられません。経済も失速、セウォル号事故の対応など、支持率も低くなった今の朴氏に、さらに外交上で失点を重ねるわけにもいかず、日本から手土産もなく会うわけにはいかない、との想いが強いのでしょう。
以前も指摘しましたが、韓国は抗日、反日を国の成立時点で基にしているため、必然的に日本へは厳しい態度をとりがちです。迷惑をかけたのだから、韓国が苦境になる度に、日本が援助して当然との認識が根底にある。日韓漁業協定が暗礁にのりあげていますが、まさに韓国は日本に法外な漁獲割り当てを要求、互いの排他的経済水域にも入れない、異例の事態がつづきます。これも今、韓国は苦境にあり、日本が折れて当然との認識があります。しかも違法操業が多く、欧州からも来年1月には違法操業国(IUU)に指定される動きがあり、益々日本近海で漁獲量を増やそう、という韓国側の思惑が、日本との交渉も硬化させる原因となっています。

中国漁船の、小笠原諸島沖の赤珊瑚の違法操業も問題となっていますが、海保では広い二本の経済水域をカバーし尽くすのは困難です。日本海では韓国漁船が、尖閣沖、小笠原諸島沖では中国漁船が、それぞれの国の経済の困窮具合に合わせ、違法操業してでも利益を得たいとの欲求を高めている状況です。海保の能力をすぐに大幅に向上させるのも困難な中で、日本の資源が奪われていくのを、対策もなく日本政府が放置している状況なのです。
しかし安倍政権では、海賊対策に自衛隊を、と言っているのですから、密漁船の対策にも海自を出していいのではないか。別に攻撃しろ、と言っているのではなく、小笠原沖で航海させ、違法操業をみつけたら通報する。追尾、監視するといった行動をとることで、かなりの圧力になります。あくまで通常の訓練として、そのついでに違法操業をチェックする。海自の能力なら造作もないでしょうし、余計な予算をかけずに、すぐにできる対策となるはずです。

日本の海洋資源を守れず、自衛隊を海外に派遣することばかり、安倍政権はご執心ですが、本末転倒です。ODA大綱でも同様に、海外の治安回復は開発と同じ、として海外の軍隊にお金をだす算段はしても、海保の能力でさえ現状では足りない。日本は海に囲まれ、海から恩恵をうけてきた国なのですから、海洋資源についてもっと大切にしていかないと、それこそ水際も守れない、ということになりかねないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:17|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | アジア

2014年10月23日

政治への不信とテロリズム

カナダ議会に、イスラム国に参加する意思のあった犯人が侵入、銃を乱射しました。日本で扱いが小さいのは、海外で起きた事件だから、というより宣伝効果を意識したのでしょう。先に、イスラム国に参加する意思のある北大生もいましたが、これが宣伝となり、日本人の参加が増えるかもしれない。社会への不満、将来への不安、それは日本でも着実に醸成されています。
北大生の事件で、公安が不当な捜査をした、とジャーナリズムが明らかにしています。二本の公安としては、イスラム国の情報もなく、これ幸いと事件に託けて情報収集したものです。ジャーナリストにヒザを屈して教えを請う、というのはプライドが許しません。しかし捜査が執拗だからこそ、公安も情報収集に必死だというのが伝わり、日本で同様なことが起きたとき、対応できるのか? との不安も生じますが、国民の不満を高める報道が国会から出てきました。

経産相に就任したばかりの宮沢氏が、政治活動費としてSMバーの領収書を添付していた、という記事。しかも「自分ではなく秘書のような事務所関係者が行った」と、説明が曖昧です。昔からこうした醜聞を性事活動、と呼んだりしますが、閣僚になった途端、調査された途端にボロがでる、これではその地位が経済産業大臣ではなく、軽薄短小大臣となってしまいます。
しかも前任の小渕氏はボロがでるわ、でるわ、という事態で、カレンダーを配っていた、財団法人に売却された家に母親が家賃も払わず住んでいる、など遵法意識の欠片すら感じられません。今から家賃を払う、としていますが、息のかかった財団法人なら家賃分を献金で返すかもしれません。電力会社方式で給与に献金分を上乗せ、という形なら何でもできてしまえるのですから。そうした不透明さを残せば、幕引きにすらならない。結果的に小渕氏が首相になる目は、完全に消えたのでしょう。それどころか、政治家生命の灯火すら吹き消されたのかもしれません。

増税議論で、自民の一部議員が18ヶ月の先延ばし、という話も出ていますが、統一地方選、参院選、前倒しの衆院選を見越して、18ヶ月としているのでは? との指摘もありますが、その通りです。アベノミクスを成功させる会、なるものの意見ですが、経済の関係者の間では、すでに安倍ノミクス不況とすら囁かれます。そこに来て、増税を政治の都合で右往左往させようとしている。結局、自民はオール増税賛成で、景気への配慮など微塵も感じらないのです。
政府開発援助(ODA)大綱の改定案が出され、平和と安定の確保は開発の前提、として民生や災害救助なら他国軍への支援を認める、とされました。民生、という曖昧さの残る基準をかかげた時点で、日本がODAとして軍事支援できてしまう。今後は米軍が海外で駐留する経費すらも日本のODAで拠出される、ということになりかねません。国民にはお金がない、医療費、介護費、年金を削ると脅しておいて、ODA大綱で海外へ、特に軍事支援にお金を拠出してしまう、そのバランス感覚は解せません。それこそイスラム国を空爆する米軍支援、となれば日本もテロの標的です。

政治家が歓楽街に出かけ、それを政治活動とする。一方で国民は、明日をも知れない生活に喘ぐ。そんな中にテロリストの萌芽があります。事実を公平に伝えようとするジャーナリストを叩き、政府広報のような記事ばかりを垂れ流す記者は、安穏と生き残れる。政治を変えたくても今は手がないだけに、益々閉塞感がただよう状況であり、景気も失速する中、不穏になってきたのは政界ばかりでなく、国全体という認識をもつべきなのでしょうね。

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2014年10月22日

増税議論について

参院外交防衛委員会で、自民党の片山委員長が政府側答弁資料をもちこんだ、として謝罪に追い込まれています。委員長は中立公正、与党にも野党にも肩入れせずに運営しなければならず、政府の代弁者になってはいけない。小泉チルドレンは嫌い、とされる安倍首相に取り入ろうと、政府に有利な運営をしようと焦りもあったのかもしれません。しかし結果的に政権の足を引っ張り、益々小泉チルドレン嫌いを加速させたのでしょう。目立ちたがりばかりだ、と。

自民党の議連で、消費税増税賛成派と反対派の二つの会合が行われました。先の安倍氏による英FT紙のインタビュー記事で、増税一直線ではない旨、伏線をはっていますが、すでに増税分をみこんで支出を決めている部分もあって、上げざるを得ない状況に変化はありません。先送りすれば、その分を赤字国債で埋めるので、その間の利払いを含めてマイナス面も大きくなります。しかし、だから増税しなければ…というのは本末転倒で、そもそも増税を当て込んで政策を決めている時点で、この政府に財政再建は絶対にムリ、と思わせるものでもあるのです。
例えば、増税しないことで国債の信任が落ち、経済が混乱…という財務省得意の論調は、可能性としては極めて低い。上記したように、増税したからといって財政再建には一切寄与しないのですから、単に日本の財政規模が大きくなるだけ、の話です。日本で信用クラッシュが起きるとすれば、それは歳入減が顕著になったとき、歳入と歳出のバランスが崩れたとき、です。さらに日銀が財政ファイナンスをしている、と見られれば信用ガタ落ちで、ハイパーインフレを招きかねない。いずれにしても、増税できずに信用が落ちた国は、古今東西ありません。

しかし逆にみれば、日本は歳入増をみこんで、先に新たな歳出を決めてしまうので、歳出入のバランスを崩し易い状況でもあります。それを導いているのが政治、行政なのですから、信用リスクは増税如何に関わらず、そうした政府の態度にあるのです。古い歳出の有り様を見直し、必要のないものを削る。そうした努力もない政府には、必然的に信用リスクが付きまとうのです。
財務省発表の上半期貿易統計で、5.4兆円の赤字です。相変わらず「原発が停止したことで天然ガスの輸入が伸び…」と、ステレオタイプの文言を述べるところもありますが、原油の輸入量が下がり、エネルギー全体としては前年同期比で微減。つまり効率のよい、最新のガス発電が増え、古い重油をつかう火力発電が減っただけで、原発停止の影響は皆無です。しかも液化天然ガスは、数量では3.6%増で、金額の8.7%増とは大きな乖離があります。赤字増大の最大の理由は、円安によるものであって、しかも輸出より輸入の伸びが高かったため、ということになります。

増税し、税収減になったらそれこそ信用リスクに関わります。すでに歳入が決まっていて、バランスが崩れるためです。しかも、増税を止めたとて景気対策にならない。悪化を続ける景気には、±0だからです。増税した分を元にもどす、というなら景気対策にもなりますが、現状維持では瞬間的に株価を押し上げる程度の効果しかない、とも言えるのです。歳入が減っても財政のバラスを崩す。日本の貿易赤字をみるにつけ、この国が外貨を稼げる体質から変わってしまったこと、それなのに政治が内需を徹底的に痛めつける政策を打つこと、それが真の信用リスクに浮上しつつある、とも言えるのでしょうね。

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2014年10月21日

景気判断の引き下げ

昨日辞任した小渕前経産相、毎日が報じていましたが、有権者に写真入りワインを渡していたことで、完全にアウトです。一部のメディアは、公選法違反でも復帰できるといった書き方をしていますが、意味不明です。メディアが未来の展望を勝手に語る必要もなければ、無実の人間を悪し様にののしってきたメディアが、おトモダチだからと庇う姿にしか見えないからです。
例えば松島前法相の問題で「団扇ぐらいで…」という人もいますが、大間違いです。抜け駆け、金権政治に陥らないよう、みんなで決めたルールを守らないことが問題なのです。例えば団扇ではなくタオルに討議資料をプリントして配ったら? タオルケット、毛布、羽毛布団と、際限なく有権者の喜ぶものを配り始めるでしょう。一部に政策等をプリントしておけばいいのですから。団扇も、ただプリントアウトするだけのものより、お金がかかっている。財産価値がゼロだろうと、製作者がお金をかけて団扇をつくる行為、そのものが金権体質を呼ぶのです。団扇ぐらい…ではなく、歯止めをどこにかけるか? それを選管はこれまで団扇もダメ、としてきた。検察も捜査する気がない、という雰囲気をつくりたがっていますが、一つルールを破れば一穴になる。そうならないためにも、自民党の都合で歪めても、国民側が物分りよくしてもいけないのです。

安倍首相とのインタビュー記事を載せた英FT紙まで、安倍ノミクスの危機と報じる日本の景気ですが、日銀のさくらリポート、政府の月例経済報告と、相次いで判断が引き下げられました。内閣府の政策コメンテーター委員会でも、出席者57人のうち、23人が「悪くなっている」としますが、逆に23人だけ? と感じます。9月の全国百貨店売上高が前年同月比0.7%減、主要都市が0.2%減、地方が1.8%減と、外国人観光客の集まる都市部でも厳しい結果ですが、それより地方の凋落ぶりが目立ちます。9月はコンビニ売上高も1.3%減と、内需がぼろぼろの状況ですから、経済状況が悪いのは自明であって、有識者であれば、景気認識を正しくしておかなければなりません。
日本では有識者を有色者、つまり経済では財務省の色が、政治でも与党との付き合いの深さ、という色がついています。二閣僚の辞任でも『瀬戸際の安倍ノミクスに打撃』と問題視しており、日本のメディアのように出直せる、などという論調はない。逆に経済は、後戻りできない事態になっており、日銀の試算によると金利が1%上昇すると、金融機関に7.6兆円の評価損がでる、とされます。しかも半年前の試算より1兆円減っていますが、それは日銀が国債を買い進めたことが原因であり、その損失は日銀が被ることになる。個々までの株価下落で、すでに多額の評価損を抱えているともされ、日銀の態度にも疑問符がつきますが、今止めたら深刻な事態が起きるかねません。

今日の株価下落は、中国の7-9月期GDPが7.3%と、市場予想は上回ったものの、景気減速が意識されたことです。しかしこれは単なる口実にすぎません。発表後しばらく株価が動かなかったことも、それを証明します。ボラティリティが上がった日本市場は、変動で稼ぐヘッジファンドのターゲットにされており、その動きで右往左往しているだけ。それに手を貸しているのが、GPIFの運用比率の引き上げなどという話をばらまき、今日になって否定、反対売買を浴びせられる、などと日本政府も手を貸しているのですから、始末の悪い話となっている、というだけです。
日本では色物、というと王道を外れた、邪道という意味で用いられます。有色者もそうですし、色のついた報道をするメディアも、それは同様なのでしょう。しかし景気判断を次々と引き下げ、その結果としての株価下落だけに浮揚策もなく、政権が色を失くしたところで、閣僚が観劇会や物品で色をつけるといった失態も重なった。政局も、市場も一気に色めき立つ、というのも、政権が一生懸命に「ムードを壊すな」として、日本を一色に染めようとしてきたことからくる、反動というところなのかもしれませんね。

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2014年10月20日

閣僚二人の辞任

小渕優子経産相と、松島みどり法相の2人が今日、辞職しました。小渕氏の会見は説明になっておらず、収入と支出には依然として差があり、公選法違反の疑いもあるのに「自分でも疑念をもっている」と他人行儀に終始しました。政治資金規正法なら会計責任者に罪を被せられますが、公選法は連座制ですから議員辞職は免れない。自身のこととしてしっかり対応しなければいけないのに、第三者委員会という外部委託してしまう。それならいっそ官憲の捜査に委ねます、といった方がよほどすっきりします。これも誰かの入れ知恵、と思うと政治家の力量も知れます。
2007年に後援会向けに観劇を始めたのも、恐らく誰かの入れ知恵だったのでしょう。民主党旋風が吹き荒れ、自民有力議員でも落選の怖れがある中で、古い観劇会などの手法により紐帯を強めようとした。なので、小渕氏が古い秘書に丸投げしていた、というイイワケは通じにくい。2000人の参加で12000円の会費なら、支払いとの差額は未だに1000万円に及びます。気になるのは、消費税の扱いはどうなっているのか? さらに旅行業としての申請も必要ではないか? ツアーを企画し、販売しているのです。単なる取次ぎ、とするには規模も大きく、また一枚紙のパンフも作成しており、純粋に商業活動にも見えてしまいます。明治座が割安で場所を提供した、ということならそれは便宜供与、贈賄にあたるのでは? との話もあって、この問題は尾を引くのでしょう。

松島氏は半ば団扇、と認めているフシもありますが、団扇議員は副大臣クラスにもいるとされます。この問題も尾を引きそうですが、それ以上に問題なのが、新閣僚の上川法相と宮沢経産相です。どちらも神道政治連盟懇談会、という神政連に近い存在であり、いわば安倍氏と主張の近い、おトモダチです。神政連に牛耳られている、とされる安倍政権で、さらに神政連関係者が増えてしまった。これは一つの思想、主張に染まっていることを意味し、それは国民の大多数の意見との乖離があっても、その思想に流され、修正が利きにくくなる、ということにもなります。
コメント欄には記載しましたが、小渕氏は自民議員にさされたのではないか? との噂もあります。つまり今年に入って、内閣改造というエサをチラつかせ、党内の求心力を保ってきた。安倍氏自らが認めるように、改造しなければ暴動が起きそう…というぐらい、自民内には緊張が高まっていた。その結果がおトモダチ内閣であって、党内に失望を誘うこととなり、目玉議員である小渕氏の醜聞をリークした、という話です。つまり安倍氏の下ではもう閣僚になれない議員が山ほどおり、嫉妬や羨望から、自民議員の間から閣僚をさす行為が横行し始めたのではないか?

それは第一期安倍内閣と同様、今後も閣僚が醜聞まみれになる、ということを意味します。そうした意味で、反安倍勢力の取り込みを図るか? 新閣僚に注目していましたが、またおトモダチ。これで安倍引きずり下ろしの烽火が、自民党内に上がったのかもしれません。元々、党内基盤が脆弱で、派閥の力も衰え、支持率が下がれば党内の憤懣を抑えようがない。塩崎厚労相のメール問題、江渡防衛相の政治資金問題、女性3閣僚の特定団体との関係、なぜか次々と出てくる醜聞、その背景にあるのは、どろどろとした人間の浅ましさなのかもしれません。
今日の株式市場は、女性2閣僚の辞任をうけても今年最大の上げ幅をみせました。反動が出やすい局面でしたが、一部でGPIFの株式運用比率が25%になる、とこれまで20%と報じられたより、大きな金額が報じられ、一段高となっています。しかしこうした市場を恣意的に扱う行為が最悪で、長期投資家は嫌気がさし、ますます逃げ出します。25%になったとて、外国人投資家が昨年買った分をすべて売れば、その金額を越えてしまうのですから、短期の値動きを気にするより、長期の成長により呼びこめないのが、安倍政権でみられる市場操作の手法、ということもいえます。

早期に幕引きをはかった、という顛末にはならず、第二幕の開演を早めるだけ、との話もあります。自民一強だからこそ始まった内輪もめ。実はその舞台裏の方がおもしろい、ということなら、幕をひいている間の方がトラブルも生じやすく、支持率低迷とともにそうした自民党内の茶番、観劇を国民がみせられる、という話にもなってくるのでしょうね。

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2014年10月19日

株式市場の動き

先週末、世界の株式市場は同時反発しました。きっかけは下げすぎで、欧州が反発したことに加え、米国の住宅着工、消費者態度指数などが予想を上回り、楽観が広がったことです。これでムードが変わればよいですが、まだ下げ局面の反発に過ぎない可能性もあり、用心が必要です。何より、来月半ばまでヘッジファンドの換金売りは続くとみられ、日本でもそうであるように、追証発生に伴う売りが嵩むなど、これだけ相場が急変すると、不意の売りも観測されます。
しかも米市場で気になるのが、半導体株への不安が現実化していることです。Intel決算はよかったものの、他はまるでダメ。しかしAMDなど、同時に人員削減計画を発表したところは何とか上げています。この人員削減は、好調だった米国の労働環境に波紋を投げかける恐れもあり、それは原油価格の下落で、今年のシェール革命における設備投資計画が狂ってきたのと同様、米国の労働市場にも変化があらわれるかもしれません。そうなると、世界全体が失業に喘ぐ時代の到来です。

日本市場にも変化がみられます。それは債券市場であり、世界と同様に債券価格が上昇、金利が低下しています。しかし日本国債のCDSが上昇、つまり破綻リスクがじわりと上がったことを意味します。ここに、安倍政権の退陣を織りこみ始めた、との説があります。第一次安倍政権と同様の流れになってきた、という認識が広がり、レイムダック化が早いと市場はみています。
実際、小渕経産相の問題ばかりでなく、おトモダチ内閣と揶揄される改造人事は、すこぶる海外勢にも評判が悪く、政策実行に疑問符がついています。そこにきて相次ぐ閣僚辞任となれば、消費税再増税はおろか、法案が一本も通らなくなる。財政再建も、景気浮揚も成し遂げられない。そんなリスクが、債券買いという裏側で、リスクとしてCDS買いとなって現れたのです。

株式市場の変調も、日本の政変を促します。今は急速な動きで、自律反発も入りやすい地合いですが、市場でこれから懸念されるのは、自社株買いをした企業の保有株式、その価値の目減りです。米国では自社株買い、株価上昇という流れで来ており、問題にならなかった。しかし日本ではそれほど株価が上昇しないうち、調整局面を迎えている。企業はいつか、その目減りした資産を評価しなければなりません。それは償却するまで続きます。以前、日本では株式持合いによる弊害が指摘されていましたが、今度は自社株で、同じ問題を引き起こしそうです。
14000円台なら、それほど大きな問題にはならないでしょう。しかし世界経済の変調は、必ず業績にも影響してくる。未だ日本企業は強気の業績見通しを堅持していますが、中国の貿易赤字など、内需、外需が崩れていることは鮮明であり、資産効果のない米国にも期待薄です。そして日本の政局の混迷が、海外投資家の手控え要因となるなら、さらに日本経済は混乱しそうです。

当面、日本を買える材料はありません。それは日銀の追加緩和が打たれたとしても、GPIF改革がすすんだとしても、当面の下支え要因になりますが、問題は業績です。いつか肝心の業績も見直すでしょう。その時期は、まさに10月下旬から11月半ば。2Qの結果とともに発表されることになります。更なる海外勢の売りを呼びこむのか、それとも見直し買いを入れるタイミングがくるか。今回は特に要注目となってくるのでしょうね。

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2014年10月18日

閣僚辞任ドミノの始まりか?

新聞各社に、小渕経産相の辞任論が踊ります。しかし、ことは閣僚辞任に留まりません。2008年から12年までの収支の差額が5000万円を越えましたが、13年も実施していながら未記載だった。つまり違法性を認識した会計責任者が、13年に記載を削除した可能性が高い。しかも親族からの多額の物品購入、政治資金からの物品購入など私物化が著しい、ということは本人に自覚あり、と看做されます。いずれ市民団体からの告発もあるでしょうが、公選法違反が濃厚です。
政治資金規正法違反なら、会計責任者に罪を押しつけることもできますが、公選法違反だとそうも行きません。よく政治家は選挙期間中の街頭演説に、芸能人をよびます。これは無償ですが、顔の広さや自身の力をアピールすることができます。観劇会も同様の効果をもつ、即ち格安で芸能人が出演してくれる、ということは政治家としての力の演出でもあり、単なる差額分の補填ではなく、饗応接待にあたる恐れがあります。そのときは一発で政治家生命が終わります。

実際、安倍首相としては閣僚辞任なら松島法相とセット、と考えているでしょう。団扇は討議資料だ、という説明そのものが公選法違反との指摘もあり、また一時的に名前の入っていない団扇を配っていた経緯など、どう考えても庇いきれません。松島氏は肝いりで閣内に入ったのではなく、本当は五輪を盛り上げるため、橋本参院議員の閣内入りを検討していたところ、スキャンダルもあって松島氏にお鉢が回った、とされます。目玉の小渕氏を代えるなら、優先順位の低い松島氏とセットにしないと、それこそ辞任ドミノとなり、ダメージも拡大します。
しかし次の経産相、法相が問題です。茂木前経産相という話もありますが、これからの安倍政権の閣僚には、醜聞探しが活発化します。茂木氏は酔っ払い答弁などの前歴があり、二日酔いも度々指摘されます。正直、これまの「ムードを壊すな」の号令の下、醜聞すら報じられなかった状況とは、事情が異なります。さらに原発再稼動、廃炉などの問題が山積みである経産相、さらに景気悪化が深刻となれば、袋叩きに遭う恐れもあります。簡単に務まる閣僚ではありません。

法相は以前から名誉職ですが、女性閣僚にしないと、女性活躍の方針とも異なります。その女性3閣僚が、秋の例大祭に合わせて靖国を参拝しました。問題はない、と強気ですが、これで確実に中国は「日中関係を悪化させているのは日本」と、世界各国で喧伝して回るでしょう。米国も、すでに靖国神社ではなく、千鳥が淵の戦没者慰霊碑を訪れているように、靖国神社に問題あり、との認識で一致しており、これで安倍政権は二重、三重に外堀を埋められた形になります。
女性が活躍するはずが、安倍氏の子飼いの保守系ばかりを集めた結果、トラブルメーカーになってきた。海外でも、安倍氏が本気で女性を活用する気はない、と感じることでしょう。女性を活用したいのではなく、自分の意見を通したいだけだ、と。それは従前の、NHK会長、経営委員会人事でも同様、安倍氏は自分の気心の知れた相手を送りこみ、組織を牛耳りたいだけではないか? それで本当に女性活躍の場をつくる、と言えるのか? その女性も、自分と意見の合う人間だけではないのか? そんな懸念すら生じさせます。いみじくも有村女性活躍担当相の共働き反対エッセーなど、本気で女性が社会進出することを望んでいないふしも見受けられる。女性で身をもち崩す、というのはどこの世界にもあることですが、安倍氏の女性運のなさ、が最大の致命傷になりつつあるのでしょうね。

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2014年10月17日

安倍政権のツキが落ちたのか?

産経の記事『苦境の女性閣僚』で、気になる一文『本業以外で野党に足すくわれる女性閣僚』がありました。閣僚の資質とは関係ない、と言いたいのかもしれませんが、その前にこれは政治家の資質としてどうか? という問題です。松島法相に対して民主党から告発状もでましたが、公選法に関わる問題なのですから、そもそも本業である政治家としての資質がないのです。
昨日コメントにも記載しましたが、小渕経産相は額賀派。昔からお金にまつわるトラブルの絶えないグループです。リクルート事件、日歯連事件、いずれも竹下派の系譜がかかわり、自民党を揺るがした事件。今回もまた、自民党を凋落させかねません。安倍首相はASEMに出席していて不在ですが、まだ対応を菅官房長官と調整していないらしく、帰国後何らか決める、とされます。しかしこれは一閣僚の辞職では済みません。女性閣僚が活躍することで、好影響を…と自ら喧伝し、それが頓挫するのですから。しかも二人も。これは総辞職に発展しかねない問題です。

ASEMで、中国の李国強首相が安倍氏に、にこやかに挨拶してきたようです。日本側は中国語通訳を準備しておらず、互いに英語を介するもののようですが、このタイミングで中国が接近してきたのは雪解け、などではなく、明らかに閣僚スキャンダルを知り、優越的態度で接近してきた、とみるべきです。つまりこれで安倍政権の支持率は凋落する、日本が折れる形で日中会談に応じる、そのキッカケを与えに来たのです。外交は相手の弱みにつけこむものです。中国は9月の景気判断を持ち直し、とするなど、今は日本に折れる必要もなく、大国としての余裕をみせつつ、APECで首脳会談を日本から持ちかけさせる戦術をとってきた、それがこの挨拶の意味です。
しかも海外から気になる記事がもう一つ。Wikileaksが再びTPPについてのリークをだし、そこには様々な問題がある、とされます。デジタル著作権管理の回避規制、これは表現の自由を制限するものです。著作権規約を特例のみ各国独自に認める、つまりほとんどの著作権は米国がその延長期間などについて決める、ということです。企業秘密の暴露は有罪、個人の著作権侵害の怖れのあるものは勝手に除去、等々。要するに、かなり言論の自由は制限され、尚且つ米国基準をうけいれ、また米国より厳しい基準を各国は課される、という内容になっている、とのことです。

米国のコンテンツ産業の保護と、米国の情報管理に都合いい内容となっており、益々TPPに参加すると不利益が増しました。以前、指摘したように日本はTPP交渉に関して、妥協するための布石をうち始めている。この著作権問題も当然知っているはずですが、国益を損なっていることを知りつつも、日本側は屈する気かもしれません。ASEMで、安倍ノミクスを改めて売りこむ、と意気込んでいたようですが、世界は今、安倍ノミクスは悪い意味で用いられることを知るべきです。
しかも、女性活躍も地方創生も、成長戦略ですらありません。地方に本社機能を移転すると税優遇、などという話もありますが、これは単なる配置転換で成長はしません。今国会の目玉がその2つなら、日本は成長を放棄したと看做されている。そこに来て、目玉の女性閣僚の質が悪かった。無理やり女性を幹部などにしても、能力主義ではなければ成果がでないばかりか、マイナス面も多い、と俄かに露呈してしまったのです。成長戦略どころか失速戦略になってきた。消費税再増税を前にして株価急落、景気に不安も漂うという、安倍政権のここ1年余りのツキのなさ、これが最大の総辞職へと導く原因になりかねないのでしょうね。

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2014年10月16日

株安と増税

今日で御嶽山の捜索を、今年いっぱい打ち切りになります。低温と雪、それに火山灰による悪条件で、二次被害が出かねない。それに恐らく、噴火で焦って滑落したようなケースもあるでしょうから、捜索範囲は膨大です。危険を避ける意味でも、雪解けした後の気候が穏やかになってから、ということになってしまうのでしょう。

世界同時株安の症状です。米年末商戦は好調、を織りこんでいた市場が、9月小売売上高をみて自信を喪失し、一気に下げてきました。QE1、QE2と引き締めたときは10%近く下げており、今回はまだそこまで至っていない。下げ余地ありとみた仕掛けで、一時ダウは460$も下げ、その流れを日本市場も引きずりました。しかも深刻なのは、米市場がこれだけ乱高下しても、セリングクライマックスになったという認識がないことです。それは日本も同じ、長い下ヒゲをつけ、下げすぎサインがでても、一向に下値をつけた、という認識には至っていません。
しかも日米欧で、最大の下げをみせるのが日本です。今日はリクルートが再上場しました。昔から、こうした大型上場があるとき、相場の転換点になるというアノマリーがあります。米市場のアリババも同様、日本も一山越えた感じが出ているとしたら、この下落は長期化する恐れがあります。しかもヘッジファンドの損だし売りが、来月半ばまで続くとしたら、ここからは逆資産効果が働く懸念が強まってきました。日欧の消費者マインドはすでに低下、米国のマインドが下がると、世界の景気が同時に冷えこむ。需要不足に特効薬もなく、それが不安にさせます。

さらに日本が先進国中、最大の下げになるのはこの状態で増税優先、という点も挙げられます。米政府は増税反対、IMFなどは条件付賛成、しかし今年の財政出動規模を上回らないと増税後の景気悪化に耐えられないため、IMFの意見は自己矛盾です。欧州では財政規律優先の独国とともに、日本は増税優先で、ともに景気の足を引っ張る中、G20では具体策もなかった。市場では、景気対策について何かでるのでは? と期待していたところの拍子抜けになったことも下げの要因です。
安倍ノミクスはバブル化策なので、バブルが終われば失速するのは当然ですが、世界同時失速を招く、とまでは予想できませんでした。日本では夏場には増税の影響から回復、という期待もありましたが、裏切られた。世界は今、同時株安というより、同時期待剥落という状況なのです。色々と期待を上乗せし、実体経済以上の株高を演じてきたものが、実状に合わせるということならそうなのでしょう。しかしそのとき、必ず相場はオーバーシュートします。その損失が如何ほどか? その大きさ次第では、世界の雪解けはまだ当分先、それまでに出口もみえない同時混乱という状況に陥ることも、意識しておくべきなのかもしれませんね。

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2014年10月15日

またでる安倍政権の閣僚スキャンダル

政府が国際広報予算を昨年度8.5億円、今年度18億円、来年度には52.2億円を計上しています。しかし安倍政権の国内広報予算は、ほぼメディアとの関係強化に使われており、新聞やTVにとって高い広告費をだしてくれるお得意様、といったレベルです。国民向けではありませんし、何より中身が問題で、政府のやっていることに理解を求めるもので、政策周知ではありません。
これをそのまま海外メディアにもちこんでも通用しませんし、例えば韓国が行っている民間を利用した広告など、むしろ広告としてより、それをメディアがとり上げることを意図して為されています。しかしネガティブな印象のある安倍政権が行っても、批判の的にされる可能性がある。実は、安倍政権ではまず安倍氏のもつネガティブイメージの払拭から広報戦略をとらなければならず、かなりの余計な作業も必要となっています。手法の困難さと同時に、安倍政権では予算をかけたとしても、効果がでるまでは相当先になることが確実となっているのでしょう。

また閣僚の醜聞が週刊誌で報じられるようです。小渕経産相が後援会員向けの観劇で、チケット代の補填を行っていた、とするものです。事実なら公選法違反で一発アウトの内容ですが、なぜか政治資金収支報告書にも記載されており、どういう意図があったのか、不明です。しかし目玉閣僚ながら、官僚の書いた答弁書を棒読みするなど、実力不足を露呈しており、この件が尾をひくと一気に株を下げ、党内でも小渕待望論などが出なくなる恐れも否めません。
しかし問題の百貨店・松島屋はスカーフ、団扇、議員宿舎に棒読み、雑音まで売りだしています。塩崎厚労相の口利きに、高市総務相の靖国参拝問題まで生じてきました。日中首脳会談が取り沙汰される今、あえて行うことは保守系を喜ばせますし、実は中国の出方をみている、という話もあります。しかし中国が「日本がムードを壊した」とする口実を与えるわけで、いいことは一つもありません。そもそもこのタイミングで公言することか? という話でもあります。

安倍政権では地方創生に2000億円、などの予算規模だけが華々しく報じられますが、実態としては大半がバラマキです。今年、成長率が引き下げられた結果、実は税収の落ちこみも予想されており、いくら円安で企業業績がよくても現地生産、販売なら日本の税収は伸びません。また外国人旅行者の旺盛な消費が、小売売上げにも利いていますが、免税適用が拡大されたため、これも税収増には至らない。円安で輸出増、のプランが崩れた今、日本の財政上はバラマキが厳しくなっており、今年度5.5兆円の景気対策以上の効果がなければマイナスと試算されるのです。
高市総務相は、実は右ではなく左の思想をもつ一方、権力者にすりよるため、安倍政権で閣僚になるための靖国参拝では? ともされます。ここで、戦前に国粋主義者として活躍した三宅雪嶺氏の言葉を、簡略にして載せておきます。『国家の処世上、適応しないものならば打破すべし、海外との競争に不利ならば擲棄すべし、なんぞ旧物に恋々として国家千万年の大計を誤るものならんや』 つまり国粋主義のこだわりが、国粋主義に反する、と言うのです。三宅氏は思想家、哲学者として入閣要請をうけながら、断ったとされる人物であり、豪胆な精神の持ち主として評されています。安倍政権のもつ国粋主義的な行動が、どんなこだわりをもつかは分かりませんが、少なくとも国粋主義に反している、とも言えるのでしょう。ちなみに、三宅氏にはスキャンダルもあり、国粋主義者の宿命という点では、興味深いところでもありますね。

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2014年10月14日

雑感。特定秘密保護法の運用基準

今日も日経平均は下落、15000円を割れてきました。甘利経財担当相が「国際機関の世界経済の見通し悪化の影響」を日本がうけているとしますが、その見通しを最大に引き下げられたのが日本ですから、言葉を替えれば日本発の世界景気減速懸念、とも言えてしまいます。よく欧州の不透明感をもちだす人もいますが、これは日本も同じ。政府からは円安懸念が語られ、追加の金融緩和も打ちにくくなり、逆に政策対応という点では、不透明感も強くなっているのです。

特定秘密保護法の運用基準と、施行期日が12月10日と閣議決定されました。防衛、外交、特定有害活動の防止、テロ防止の4分野で、指定期間は30年、内閣の承認で60年にまで延長でき、さらなる延長も可能という、期間はあって無きが如し、といった内容です。運用基準の55項目も、曖昧で拡大解釈の余地があるとされ、時の政府の解釈次第という面が強いようです。
さらに独立公文書管理監も、審議官級とされるため、これは内閣保全監視委員会とともにほぼ内閣の意向を丸写しした判断を下すでしょう。また市民、記者もそそのかし、あおりたて、共謀があった場合は、懲役刑が課されます。結局、何がそそのかしなのか? という判断を下す側が、情報が洩れては困る側となっている以上、恣意的にすべて決まってしまう、ということでもあります。全般、時の政権にとって不都合な情報が、特定秘密になるという体なのでしょう。

やや気になるのは、保存期間を経過した文書の扱いで、法令や規定に基づいて廃棄、と決められている点です。つまり隠したい情報は、一定期間を経た後で閲覧、公表の申請をしてももうなくなっている可能性が高い。もしくは廃棄した、と抗弁できる。資料を隠蔽したければ、法令や規定を変更し、30年経たないうちに廃棄できるよう、設定しておけば済んでしまいます。
沖縄返還時の日米密約など、政府は隠したい、国民は知らなければならない情報は、この特定秘密保護法で覆い隠される。洩らした人間、報じた人間が、政府の恣意的な判断で罰せられる、という状況は極めて問題があります。それこそ原発など、危機管理ですら特定秘密になってしまう。今でさえ、政府のだす情報に歪みが感じられる中、情報が恣意的に扱われる懸念は常に付きまとう。例えば、冒頭の甘利氏など、本当にその程度の景気認識なのか? と疑わしくなります。幸い、経済分野に関しては特定秘密になりませんが、政府の真意を知ることはかなり困難になります。

ここに来て、甘利氏がフロマン米通商代表とのTPP交渉で、激怒したという話が洩れ伝わります。しかし大抵、こうした報道がでるときは日本が妥協する前兆とみた方がよく、厳しい交渉に挑んだが、国益の最大化を考えて今は妥協する、というアリバイ作りであることも多いものです。安倍政権が隠したい情報を、30年も隠しておける特定秘密保護法、何を保護したいのかをよく考えないと、それこそ間違った運用が容易にできてしまう点に、問題は集約されるのでしょうね。

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2014年10月12日

市場の不安定さ

日経平均が連日、大きな変動に見舞われ、しかも10月に入ってから1400円を越える下落となり、下落率は9%に迫る勢いです。ここ最近の手口として、某米系の先物大口売りが話題です。その理由としてTOPIXとS&P500の連動性に着目したもの、という分析もされていますが、トレンドとしての説明はついても、8日はFOMC議事録の公表で米市場は一段高をしており、それでも翌日は下げたTOPIXとの説明がつきません。グローバルマクロ系の動きともされる今回の先物売りには、あくまで噂ですが、きな臭い思惑があるという話も聞こえてきます。
米国は最近、ドル高容認に傾いているとされます。それは、日欧などの景気減速と、新興国の不安定さをみて、ドル高にして世界経済を支える方向性を、米政府はもっているというのです。一応、FRBの引き締め方向とも連動しており、かつてはドル高を牽制した米政府が最近、口を噤んでいることでも証明されます。IMFが世界経済の下方修正リスクに言及しましたが、こうしたことは口にするだけで、マインドを悪化させる可能性がある。それでも言及したのは、それだけ警戒感を強めているためでもあり、ラガルド専務理事が各国が財政出動をすすめるよう、言及したのも喧伝されているより、よほど世界経済が減速しているとの危機感もあるのでしょう。

そこで日本ですが、安倍政権が財務省依存を強め、閣僚からも有識者からも消費税の増税容認が語られる。米政府は、日本の景気後退を深刻化させる、増税を止めたいのではないか? それが日本市場を崩すことで促そうとしているのでは? というのです。安倍政権は株価連動内閣、とも揶揄されるほどに株価を注視し、支持率もそれに倣います。そこで増税できなくなるまで、株価を下げることで増税を阻止し、日本の景気後退を防ぐ。世界経済を支えるためにも、日本の失政を食い止める動きを、米政府が仕掛けているのが、今回の大量売りではないか、というのです。
ただし、この噂通りとすると、若干早すぎる印象があります。増税判断は11月末から12月初め、ともされるため、10月のこの段階で仕掛けると、そのときまでに大量の損を抱える恐れがあります。しかしそのヘッジとして、今は円安を維持しているともされ、そのときは円高とし、ドルベースの損失を減らす工夫までされている、ということなら信憑性も増してくるのでしょう。

ただ米系の思惑は、本当のところは分かりません。世界経済の減速、崩壊にベットしているだけ、ということなら売り崩しの手口、とも言えるのでしょう。米企業決算も、オープニングのアルコアは好調でしたが、マイクロチップ・テクノロジーなど、その後に続く企業は世界経済の減速を意識させる内容であり、NASDAQなどは三桁の下落になっています。買い方がポジションを落とすまで、売り立てれば10月は特に大きな動きも期待できる。そう戦略を立てたとしても、一向に不思議ではありません。今年、ヘッジファンドの運用成績はあまり良くない。どんな形でも収益をあげたい、と考えがちな事情が、その裏には多く存在しています。
世界規模で、資産価値が大きく減少する。それは資源や商品先物なども同様に、市場が崩れていることもそうなる。そのとき、早く売り逃げようという層が現れると、売り崩しが成功し、某米系も大きなリターンを得るのでしょう。今、世界全体で市場がボラティリティを増し、ファンド勢にとっては腕のみせどころ、気合の入るところです。逆にいえば、世界経済はそうした動きに翻弄されることとなり、さらに不安を醸成することになるのかもしれませんね。

明日は一日、お休みしたいと思います。

analyst_zaiya777 at 22:46|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

2014年10月11日

ノーベル賞の大騒ぎ

ノーベル物理学賞に青色LEDの日本人研究者が受賞し、言葉は悪いですが、メディアのバカ騒ぎが続きます。すばらしい発明という点に、受賞の前後で何ら変わったことはなく、受賞した後になって尻馬にのるのは、海外からの評価をうけないと、物事を正しく論評できない日本人の悪しき体質、にも見えてしまいます。さらに安倍政権では、発明の特許権を会社帰属とする、法改正を行います。企業に研究者は要らない、サラリーマンで十分ということなら、日本から優秀な技術者は逃げて行くでしょう。中村氏が米国籍をとってまで米国に移住してしまった失敗から、悪い部分だけを学んでいるようです。本気で安倍政権は日本を凋落させたいようです。
さらにノーベル文学賞の村上春樹氏、ノーベル平和賞の憲法9条など、メディアは煽るだけ煽りますが、村上氏は大衆文学である点がネックとされ、政治色の濃い平和賞にとって、今年最大の関心はイスラム過激派です。その犠牲者であり、対立するマララ・ユスフザイさんがとることに、誰も異論はありません。もしかしたら、世界に戦争の危機が訪れるとき、憲法9条が有力候補に上がるかもしれませんし、来年も安倍政権が続いていたら、最右翼になりえるのでしょう。しかしそのときは皮肉たっぷりに、受賞者として安倍氏が赴くことはないのかもしれません。

政局は俄かに緊迫しています。松島法相の団扇、議員宿舎への入居問題、さらに塩崎厚労相の特養老人ホームの口利き疑惑、民主・野田議員の懇ろ発言、と政治家の質の低さが次々と露呈します。自民は、団扇問題を追及した蓮舫氏も団扇をくばった、として反論しますが、蓮舫氏は丸い厚紙で、選管にも確認済みとしているので、松島氏とは次元が異なります。柄のついた団扇そのもので、これは公選法違反になるからです。ストール、議員宿舎とともに、問題の百貨店、松島屋と揶揄されるほどで、しかも法相就任時のトラブルなど、官僚との関係も悪化しています。
塩崎氏の件は、幕引きをはかって息子の弁護士がでてきているようですが、口裏合わせが上手くいっていない、との指摘もあります。しかもこの問題は、国立競技場の解体、建て替えにおける談合疑惑と同じ、政治家の口利きという本質が、自民が政権に復帰して、緩んだ部分を如実に示しています。経団連の政策評価など、背中が痒くなるレベルのおべんちゃらで、如何に政治と接近して、おこぼれの儲けを得るか、それに腐心する浅ましさしか感じられません。

しかし日経平均も、米市場の日経平均先物は15000円に接近しており、この流れだと14000円台に突入するのも時間の問題でしょう。今、世界経済減速という流れに歯止めをかけるのは米企業決算、というところですが、そこが崩れるとさらに市場心理を悪化させそうです。こうなると、安倍政権への評価も変わってきます。上がるのも早ければ、下がるのも早い今の相場展開に、年金の原資を投入しようというのですから、益々この政権に信がおけなくなる。相場の下落が、政権支持率の悪化を招き、さらに外国人投資家を遠ざける構図になるのかもしれません。
在特会との関係を疑われる閣僚の存在など、ネガティブな記事が目立ってきたのも、空気の変化です。問題閣僚を山のように抱え、景気は失速、外交面でうまくいった国もない。結果だけをみれば、安倍政権は『何もしていない』、もっと言えば『悪くした』ものばかりです。メディアは未だにムードを壊すな、という報道を続けますが、ムードの方から壊れてきた。ノーベル賞受賞でいくら大騒ぎしても、落ちこんだマインドは回復しません。しかも、安倍政権自ら、そのムードに水をさすよう研究者不要という、企業よりの政策をとろうというのですから、尚更壊しているのは誰なのか? という話になります。むしろ団扇であおいでも壊れるぐらいの空気なら、最初から空虚な大騒ぎ、つまりから騒ぎだったということになるのでしょうね。

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2014年10月10日

株式市場の下落

日経平均が三日続落、しかも10月になってからは800円以上、5%を越える下落です。しかもドルベースでみるともっと深刻で、例えば7月1日は101.3円で日経平均は15326円、今日は107.9円で日経平均は15300円。ドルベースなら151.3と141.8、実に6%を越える下落率で、同じ15300円でも、景色が違ってきます。10月はファンド勢の損だし売りが嵩む、ということは以前から知られていますが、これだけパフォーマンスの悪い日本では、売りたくなるのは必定です。
先週、現物、先物合わせて1兆円以上を売っていますが、9月は2兆円以上買い越しており、また円売り、裁定買いも未だに高水準と、まだ売り余力も相当あるとされます。またここに来て、米株がボラタイルな展開を続けており、バブルか、そうでないか、といった議論が出ているように、世界経済減速の影響を米経済だけが免れる、という必然性について懐疑的な見方が広がっていることも、市場を下押しします。企業決算、見通しが示されるここからは、米市場の動向も、世界経済全体の方向性という意味では、重要となってくるのかもしれません。

しかも、海外投資家の見立てとして、地方創生を掲げて円安牽制をする安倍政権と、インフレ重視で円安容認の日銀との間で政策の整合性がとれるのか? という不安が語られます。要するに、安心してポジションを傾けられない。日本市場は外そう、という思惑が働き易くなった。それは円売り、株買いのアンワインドを起こし易い、という意味で下落を大きくさせます。
個人的には、政権の掲げる脱デフレの目標設定がそもそも間違えていて、中銀のインフレターゲット論なども、総じて考えると上手くいった試しがありません。経済の一つの側面であるインフレを目標にすると、他にマイナスの影響がでる。経済全体の構造をチェックし、上手く機能させていくためには、狭い視野では必ず失敗する。脱デフレはまさにその一つと云えます。

最近、市場関係者の間からもスタグフ懸念が囁かれます。景気後退とインフレが共存し、より経済に打撃となるスタグフ症状を示しても、政府、日銀が景気後退を認めないため、未だに脱デフレを目標とします。7-9月期の減速を天候要因としたなら、2週続けて大型台風が直撃する10-12月期とて不安が残るはずなのに、その考察はありません。9月日銀会合の議事要旨をみても、本当に経済の専門家か? と目を疑うような内容が目立ち、そこに不安を感じます。
8月機械受注が4.7%増で、内閣府は基調判断を上方修正しました。しかしバブルに湧く建設業、リース業などが中心で、全体への広がりはありません。9月の消費者態度指数など、前月比1.3pt低下の39.9になるなど、家計が圧倒的に弱くなっています。その国の経済の基は家計にあり、そこがインフレでさらに苦しむ状況で、議事要旨は家計への配慮、目配せがありません。

安倍政権で、必然的におこってきた景気後退局面。財政出動と金融緩和、という二つの泡をつくって、実体を覆い隠してきましたが、その泡を二つの台風が吹き飛ばし、何が起きているかを露にするのかもしれません。日本経済への不安、昨年の外国人投資家の買い越し額は、GPIFが今後増やす、とされる株式投資の額を大きく凌駕します。本気で売りたててきたら、抵抗する術がない。日銀が、今のETF買いを続けることも同様に、今後は何が起きるかを将来にわたって冷静に、見極めていくことが大事なのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:08|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

2014年10月09日

韓国による産経記者の起訴

日銀の黒田総裁が、NYで日本経済について講演しました。米国では労働市場にスラックが起きているが、日本では引き締まり、賃金上昇により消費を底堅く推移させる。潜在成長率が低くてもインフレを目指す、と自信を示しました。しかし又、又、又聞きぐらいで確認したところ「我々が日本の経済指標をみていないと思っているのか?」と、かなり不評だったようです。米国でFOMC議事録も発表されましたが、日本の低成長をリスクでとり上げられる、IMFも先進国中で最大の成長率下方修正をする、といった状況で、何をかいわんや、というところのようです。

産経の前ソウル支局長が、朴大統領への名誉毀損で在宅起訴されました。米国からも憂慮が示される中、踏み切ったのは朴氏の強い意志がある、ともされます。これを日韓首脳会談など、外交取引にするのでは? ともされますが、そうなると司法への政治介入を喧伝する形となるので、もし朴氏がそんなことを考えているなら、お粗末です。実際、決着まで数ヶ月から年単位となるため、その頃の情勢変化の方が、よほど外交上の注目点になりやすい、ともいえます。
しかし米国の人権報告でも、韓国の報道機関への規制に関して疑義が呈されるなど、海外の流れは確実に変わった。情報を統制する国家が、教育も歪めていないはずがなく、そこから発信されることでさえ、フィルターがかかっていると看做される。日本としては、慰安婦報道を流れを変える契機ともなりうるタイミングであり、努々対応を誤ってはいけません。

韓国の反日は宿命です。朝鮮王統を継ぎ、朝鮮半島の正当な後継国であると喧伝するためには、併合時も抗日を貫き、独立自存を保ったとする方が都合よく、現にそれを理由に、韓国内でも北朝鮮が正当な後継国、と述べる人物もいます。それを抑えこむためにも、教育、報道で反日をつづけ、今は休戦状態にある朝鮮戦争に勝利しなければならない、それが韓国の国是なのです。
韓国にとっては、反日により何かの権利を得たり、相手を屈服させることは、戦争の勝利に等しいこと。なので、国費をかけてでもロビィ活動を行う。そうした背景を公で言う必要はありませんが、丁寧に世界に向けて広げていく努力をすれば、如何にそれがバイアスのかかった情報か、ということが主流の見方にもなってくる。安倍政権のように、朝日叩き、メディア叩きをして喧伝する、ということをすれば、それこそ韓国と同じレベルの言論統制国、と看做されかねません。

以前もとり上げましたが、タニア・ヘッド、ソマリー・マム。と二人続けて女性被害者の虚言が問題になっています。今このとき、その報道の背景、裏にはどういう思惑があるか、それに世界が気づけるか? そう問うことが安倍政権でできるか、が重視されます。しかし黒田氏のように、我田引水で世界で通用もしない持論を展開したり、偏屈な極右政権と見られていることは、マイナスでしかないのでしょう。公人の発言、公人のみせる態度は、それが国家レベルでの危機を招いたり、また浮沈させたりするものです。日本経済は沈み行く中で、外交面で安倍政権がどういった手腕をみせるか? それほど期待できない点が、残念なところなのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:56|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 アジア | 政治

2014年10月08日

景気ウォッチャー調査について

昨日、発表された8月の景気動向調査、やや意外感のある結果でした。一致指数が前月比1.4pt低下の108.5、先行指数も前月比1.4pt低下の104.0と、低下は予想通りですが、一致指数では商業販売額、中小企業出荷指数が小幅に改善しており、先行指数では新築住宅着工床面積、中小企業売上げ見通しが小幅改善です。意外なところに、改善傾向がみられる点は驚きです。内閣府は、この結果をうけて「下方へ局面変化」と、景気の悪化を事実上みとめる形になっています。
今日、内閣府から発表された景気ウォッチャー調査も、中身には意外感があります。現状判断DIは47.4と横ばい。良くなっている、が大きく増えて、やや良くなっているが大きく減った。やや悪くなっているが増えて、悪くなっているが減った。中身をみると、雇用関連が-4.1と低調でしたが、小売が堅調です。ただ小売の動向をみると、今回の結果も説明つきそうです。要するに、外国人旅行客をとりこめる百貨店、専門店などは売上げを伸ばし、食料品中心のスーパーなどは業績が悪化している。内需は衰えている中、これも外需頼みの構図といえるのでしょう。

しかも先行き判断DIは48.7と前月比1.7pt減という大きな下落です。中身も悪く、やや良くなる、変わらないが大きく減って、やや悪くなる、悪くなるが大きく増えた。しかも項目がすべてマイナス、よい部分がありません。メディアでも安倍ノミクス失速が伝えられ、マインド面が変わってしまった印象もあり、アンケート調査になると、顕著な結果も出てきてしまうのでしょう。
東京商工リサーチ発表の9月企業倒産状況をみると、倒産件数は827件と低いものの、円安倒産は急増しています。倒産ではなく、経営の厳しい企業を休眠させるよう、裏で通達があるとされる中で、円安倒産は防ぎようもなく、結果的にそればかりが目立ちますが、中小零細企業は今後も苦しい状況においこまれます。ナゼなら、8月国際収支状況をみても貿易収支は8318億円の赤字。これを第一次所得収支、即ち海外からの利子、配当のうけとりが過去最大となり、補った形で、単月では黒字を維持しています。つまり海外の資産をもつ大企業が有利、中小零細企業にはまったく恩恵のない形が、円安によってさらに強化されているという事態に陥っているのです。

サービス収支も2508億円の赤字ですが、前月からは500億円以上改善しており、これも外国人観光客の影響です。円安でウハウハの外国人が、国内でお金を落としてくれることで、ぎりぎり保っているのが、今の日本経済です。これでは、次に円高局面を迎えたとき、日本は大いなる苦境に陥るでしょう。今の日本は、極めて円高に弱い経済体質になりつつあるとも言えるのです。
最近、政府、政府系有識者からは「実質雇用者報酬は増えた」と喧伝されます。しかし正規雇用は11万人減でも、非正規雇用が168万人増なのですから、増えるのは当たり前です。その報酬が、将来に亘って約束されない点が問題なのです。経済指標でも、雇用はピークを越えた感があり、非正規雇用も今後は減少していく。安倍氏お得意の「景気の好循環」どころか、「景気の悪循環」が始まる、その入り口に立っているとも云えるのでしょう。かつてナポレオンに準えたこともあるので、もう一度ナポレオンの言葉を示しておきます。「私はつねに二年先のことをしている」これは絶頂期、彼が自信に満ちていたときの言葉ですが、安倍氏が二年前、この現状を準備したのであって、行動の結果として日本は更なる深刻な事態を迎えつつある、と言えるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:50|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 一般

2014年10月07日

日銀の政策決定会合

ノーベル物理学賞に、青色LEDの発明に携わった赤崎氏、天野氏、中村氏の3名が選ばれました。喜ばしいのですが、やはり気になるのが、中村氏が特許訴訟で企業ともめた点です。日本企業の成果報酬に関して、大きな議論をよびましたが、ノーベル賞の受賞段階になると、多くの研究者が米国の大学に在籍している点は、やはり日本の研究体制というものに疑問を感じます。すばらしい発見をしても、他者との関係性を気にして、成果報酬の面や地位などに優遇がない。このままでは発見、日本人、所属、米国という形が定着してしまう気がしてなりません。

日銀の政策決定会合が開かれ、現状維持が決まりました。途中、国会の質疑に応じるため中断するなどもありましたが、黒田総裁は夕刻の記者会見でも強気の見方を崩しませんでした。ただ微妙に、来年度の2%物価目標に対して、到達しなければQQEの調整、という形の言及もあり、追加緩和に含みは残した形です。しかし人材不足と、実質賃金の低下、消費鈍化が同時におこる今に対応する施策は見当たらず、金融緩和の調整で上手くいくか、という話はありませんでした。
また国会で、黒田氏は円安について「多分プラス」と述べ、その効果について自信のなさも示しました。安倍首相も外需の鈍さを認めていますが、小泉政権当時は日本だけが景気が弱く、金融緩和したため、そのマネーが海外の不動産バブルを引き起こした。それが外需を盛り上げたのであり、現在は世界全体に景気低迷、またサイクルも早すぎるためにバブルも起きない。なので、外需の弱さも想定できていなければいけなかったのです。安倍氏はまた、企業が海外へ工場移転する流れが止まっている、と述べますが、民主党政権時代は円高で、今は資材調達コスト、人材不足で海外へと移転するインセンティブが働くのです。何より、内需の弱さは国内の工場稼働率を低くします。今、工場移転の動きがないのは積極投資する必要がない、という理由なのです。

米FRBが労働市場情勢指数(LMCI)を発表しました。初めての指標なので、評価もできませんが、1月からの流れをみると3.0、3.0、4.9、7.1、6.3、5.1、2.7、2.0、2.5です。ここからは4月にピークをつけた後、低調な伸びにとどまっているのが今です。雇用統計など、注目される指標以上に、米国経済も堅調ではあっても伸びは低い。賃金の伸びが低い今、米経済がいつ腰折れしてもおかしくありません。今の経済は、バブルが起きないと支えられないのが現状です。
翻って日本では、IMFが日本経済の見通しを7月の1.6%成長から、0.9%成長に下方修正しました。日銀が国家財政規模にせまる勢いで、資産を増やしている中で、微増の成長にとどまるという、極めて問題のある指摘であり、しかもこれは年単位の計算ですので1-3月期も入る、いわゆる駆け込み需要も含んだ数字であり、より深刻であることが窺えます。科学の分野では、日本人の基礎研究に光もあたりますが、経済の分野では、日本人の意見など世界からは歯牙にもかからない。昨年は注目された黒田総裁でさえ、今では悪評の方が目立つほどです。理論経済学者の宇沢氏は、先ごろ亡くなられましたが、世界で通用した氏は新自由主義の経済理論を忌み嫌った、とされます。その理論を今、採用している日本の経済が、喧伝されていた効果もなく失速していくのは、所属、米国という経済体系による限界、ということも言えてしまい、世界へむけた発信力もなければ、見向きもされなくなるのは仕方ないのかもしれませんね。

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2014年10月06日

雑感。社会不安

長崎でおきた同級生を殺害した女子高生の父親が、自殺した模様です。こうした猟奇的事件が起きると、身内をはじめ、地元にも記者が殺到し、コメントをとろうと跋扈します。被害者家族も、加害者家族も犠牲者、という認識もなく、結局は追いこんで行くことになります。それで知りえることと言えば、背景は何か? という類推でしかなく、事実は一向に分からないのに、です。知る権利とともに、知られない権利もないと、やはり片手落ちなのかもしれません。

イスラム国へ参加しようとした北大生が私戦予備、陰謀の疑いで事情聴取されています。イスラム国から接触があった、と述べる人もいますが、軍事オタクで実戦経験を積みたいと考えるなら、実は給料も支払われるイスラム国は最適、との見方もできてしまいます。安易に戦争のドンパチをしたい、と考える若者がいないでもない。特に、急速に国家としての体制を整えつつあり、兵士ばかりでなく、新興勢力として能力主義でのし上がられる。既存の国家、制度に対して不満をもつならば、イスラム国への参加を考える人がいても、決しておかしくないのです。
しかも、今でさえ参加している人がいるのではないか? それはシリア反政府軍への支援のため渡航し、イスラム国に捕まった人物もいるように、実戦部隊でないとしても、何らかの関わりをもつ人もいるかもしれない。日本人でムスリムは少ないとはいえ、ゼロではないのですから、今後のイスラム国次第では益々こうした動きに、警戒も必要となってくるのでしょう。

経済の分野ではリーマンショック前、グリーンスパン元FRB議長がつかったコナンドラム(謎)状態に近づいている、といった話があります。米国債の動きが、通常の状況では説明がつかず、バブル化しているのではないか、という見立てです。先週末の雇用統計をうけて、利上げ局面が近づいたといった認識が広がったにも関わらず、米国債の動きは緩慢。為替も一気に110円をつけにいくも、今日には109円台前半に押し戻される。金利差では説明がつかない動きです。
経済がリーマンショック前なら、日本の社会情勢は、オウム真理教のテロ事件前に近づいている雰囲気があります。道徳心や価値観が揺さぶられ、経済は低迷、政治による変化を期待できない、といった閉塞感に支配され始めている。文化的にみても最近、某巨人系などの不条理で、どぎつい演出が目立ち、またそれが流行る傾向にあります。ドラマや映画でも、ほのぼのとした演出が少なくなるときは、社会的に不平、不満が溜まっているときによく見られることです。

読売新聞の世論調査で、支持率が前月から微減の62%、不支持率が微増の30%と報じられます。しかし中身が問題で、支持する理由は「他の内閣よりよい」が圧倒的、後は辛うじて「安倍氏が首相だから」が高いだけ。政策に期待もしていなければ、自民党だから、という理由でさえ、不支持の方が高い、という結果です。この世論調査が正しいなら、国民は「日本の首相はお飾りでいい」と考えており、苦しい現状を打破してくれないと思いつめていることになります。
閉塞感ただよう国で、異常な事件が頻発し、それをメディアは謎だとして追いかけます。しかし突きつめて考えれば、国民の多くが現状に満足し、平穏に過ごしているときはそうした事件も少ないのですから、本質は明らかです。人の心がささくれ、社会的な不安がさらに追い討ちをかけます。今は、経済も社会も、何が起きても不思議ではない状況なのは仕方ないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 社会 | 一般

2014年10月05日

雑感。経済の最適

最近、少し気になっているのが火山、噴火予知に人も予算も足りない、といった論調をメディアが流すことです。地震や津波の予測でさえ、未だに成果が上がっていない。いくら予算をかければ足りるか、そしていつ頃成果がでるか、それは未知数です。しかも今回のように、観光業に打撃となるから、と判断を遅らせたり、それこそ川内原発などはその予知で原発の運転停止、使用済み燃料棒の搬出まで行われる。責任は重大で、噴火しませんでした、では済まないのです。
こうした報道は、気象庁による今回の御嶽山噴火における責任回避と、予算獲得にむけた動きをメディアとスクラムを組んで行っている、という形です。しかし予算をかけたからといって、成果がだしにくいのは上記の通り、しかも最後は人の判断です。予算をかけるな、というのではなく、何が最適なのか? があって初めて予算の話ができる、ということでもあるのです。

9月米雇用統計が発表され、非農業部門の雇用者数は24.8万人、失業率は5.9%に低下しました。7、8月も上方修正され、これをうけてダウは再び17000$台にのせています。しかし労働参加率は62.7%に低下、これが失業率を押し下げており、また時間あたりの賃金は0.01$減と横ばい圏、7月に急上昇して以来、何とかインフレ率を上回る程度です。インフレ率の低さを、FRBなどはスラック(余剰資源)の存在があるとして警戒しますが、今回もその判断は逸脱しない模様です。
先にECB理事会が行われ、ドラギ総裁の会見でマジック不発、として欧州株は大きく下落しています。しかしドラギ氏の手法は口先で期待を煽り、市場を満足させるものであって、実際の手をみせた途端、それはタネ明かしをしたのと同じことになります。今回、量的緩和の手は打ちませんでしたが、そのネタは禁断であり、マジックとして成立するかどうかも不明です。

IMFのラガルド専務理事など、今後15年で世界全体で公共投資に6兆$が必要と述べますが、その考えが世界を崩壊に導く、と指摘できます。各国は、各国の事情に合わせた成長を目指すべきで、規模は関係ない。しかも公共工事に頼れば、インフラは充実するかもしれませんが、益々そのメンテナンスにかかる予算が、国の財政を圧迫します。結局、国は高成長を維持できなくなれば、年金も含めて崩壊する、というシステムを助長するだけに終わるのでしょう。
それこそリスクと利用、という狭間で最適解を求める努力が、今は求められます。日本では安倍ノミクスに翳り、という言い方をされますが、1年しかもたない経済政策はバブルと呼ばれます。しかもその間、労働の質の低下がすすみ、益々経済成長しにくい体質に、日本は変化しています。経済の最適解は、学者でさえ難しい答えですが、少なくとも噴火よりは知見、学説も多く存在します。その国がどう成長すれば、持続的で破綻のリスクが少なくなるか、それを求めていかないと、消滅する地方都市どころか、国自体が消滅するリスクに近づく、ということを弁えて対策を考えていかなければいけないのでしょうね。

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2014年10月04日

北朝鮮と韓国の接近

北朝鮮の黄軍総政治局長が、仁川アジア大会で訪韓し、南北高位級会談を実施することで合意しました。中韓の接近で孤立、と見られていた北朝鮮が、ここに来て急速に中韓と関係改善しています。一部の週刊誌で報じられたように、拉致被害者全員死亡、との北からの報告を、あれだけ被害者家族を期待させておいて、日本側としても出すわけにもいかない。焦って日本側がその報告に待ったをかけ、報告の発表を先延ばししたとするなら、北朝鮮は安倍政権の首根っこを押さえ、それをもって堂々と中韓との交渉が行える、ということにもなるのでしょう。
日本側は再び制裁することもできず、ましてや北の口を封じるために、裏では支援させられるかもしれない。安倍政権下では、拉致問題の交渉を時間稼ぎしたい、とのインセンティブが日本側としても大いに働くことにもなったのでしょう。拉致問題で予算を獲得する官僚に、安倍政権がまんまと利用された、との背景も語られますが、稚拙で幼稚な安倍外交の結末は、常にこうした形になるのかもしれません。世界で孤立しているのは、日本だ、ということです。

しかしそんな韓国も深刻です。韓国銀行のデータで、6月末の家計債務は1040兆ウォン、独保険大手の調べでは、2013年でGDPの92.9%に達する、とされます。韓国全体の負債は4244兆ウォン、とされますから、実にGDPの3倍強です。企業の債務も入っているとはいえ、中国依存を強めた結果、中国とともに沈み行く国、という歴史の踏襲を今回も丁寧になぞっているように見えます。
さらに仁川アジア大会でも垣間見られる杜撰な運営。不可解な判定、韓国を有利にする設備の操作、かねてから懸念されていたサルモネラ菌など、飲食の安全に関する意識の低さ、など。さすがに世界が、韓国は異例で異常、と気づくキッカケにもなりうる事例が、枚挙に暇有りません。韓国は戦時下にある国家主義、嘘をついたり、自国を有利にすることがある意味、まかり通ってしまう国です。しかも、そんな韓国に逆風となりうる事例がいくつかあります。

米国でここ最近おきた、被害者を偽って注目を集めた女性たちがいます。911の生き残りとされたタニア・ヘッド。カンボジアの人権活動家、ソマリー・マム。いずれも米国人が涙し、後に「騙された!」と大騒ぎになった事件です。米国人は女性の被害者、というと過剰反応しがちで、真贋を見極める目が曇ります。それが慰安婦問題に波及してくると、流れが変わるかもしれません。
しかしそんな流れを阻害してるのが、実は安倍政権です。朝日新聞の吉田証言の問題で、安倍政権はそれを材料に『国際社会に慰安婦はなかった』と喧伝するつもりですが、世界が注目しているのはそこではありません。慰安婦の被害者、と称する女性たちの証言を重視しているのです。吉田某の証言など、大した話ではない。もし本気で慰安婦はなかったと世界に喧伝したいなら、優秀な記者を雇い、女性たちの証言を検証した上で、その証言が誤っていること、を証明して発表しなければならない。今は逆に、安倍政権の動きに対して世界は警戒心を強めるだけで、これでは慰安婦は日本が隠したがっているからこそ、実際にあった、と強く印象付けるだけなのです。

北朝鮮にも軽視され、解決の道を遠ざけた安倍氏の外交手腕では、慰安婦問題をさらにこじらせるだけなのでしょう。また、安倍氏の周りにいる保守系の人物たちも、その軽率で稚拙な考えを捨てないと、外交の場では通用しない、と知るべきです。安倍氏や、その周りの保守系の人物たちが、韓国のような国家主義を羨ましい、と感じているのなら、それらの人物の韓国叩きなどが嫉妬、とみなされても文句もいえない、ということになってしまうのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:06|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 アジア | 政治

2014年10月03日

民主党は消費税増税に賛成?

御嶽山の噴火で亡くなったり、怪我をした人に保険金が降りることになりました。約款では、噴火などの自然災害は保険の対象とならない旨の記載もありますから、政府からの要請があったのではないか? と推察されます。今回、気象庁が警戒レベルの引き上げを見送った責任が大きく、賠償訴訟になりかねない。保険金をうけとると、裁判でも損失補てんが為された、として原告敗訴の事例もありますから、行政への責任論も回避できます。現在の政界、財界との関係からも、今回の噴火を行政側の責任論にしたくない、との意向を汲んだ可能性は十分にあり、一見すると国民にとって好材料に見えても、裏ではどろどろとした思惑も絡んでいそうです。

国会論戦も始まりましたが、民主党の前原氏が「消費税増税の先送りは安倍ノミクスの失敗」と、まるで増税を促すような質問をしました。先に、枝野民主党幹事長が某討論番組で、消費税増税に賛成の論陣をはっていましたから、民主党は党をあげて増税賛成ということなのでしょう。しかしだからこそ、民主党の退潮は止めようがない、とも言いえてしまいます。
安倍政権の抱えるジレンマは、財務省の力が強くなりすぎ、最早増税の流れは止められない。だからこそ「増税できるのか?」と責めなければなりません。その材料は、各種の経済指標から山ほどあり、今日の論戦の総所得の話でも、簡単に論駁できるほどの答弁しかできない。逆に、それを安倍氏に語らせることで、後に材料として使う。増税すれば失敗するのは明らかであり、今は言質をとることを最優先にする。この臨時国会、短期で成果を焦ってはいけません。

そして増税賛成では、対立軸がない。増税して失敗したとき、ほらみろ! という論陣で戦うなら、次の選挙も万が一ぐらいでは勝てるかもしれない。恐らく自民は増税は三党合意の規定路線、という説明をするですから、そのときのためにも現状の経済指標と照らして無理ではないか、という論調をとらなければならない。それには、枝野氏や前原氏の方針は邪魔でしかありません。
結局、今の民主党には政権与党時代の色気があって、またすぐに戻って、そのときは財務省の協力を得たい、との下心が見え隠れする。それではまず勝つ戦はできません。ナポレオンは「人を動かす二つのテコは恐怖と利益」と述べました。安倍氏は安倍ノミクスという幻想で、利益をちらつかせて高い支持を獲得した。しかしそれがただのまやかしである、とここ数ヶ月で急速に明らかになった。であれば、ここでスタグフの恐怖、そうなったときは対策も打ちにくく、景気の失速は著しく、生活が苦しくなる、ということを指摘しておくことが重要となってくるのです。

安倍氏は国会答弁でも、貿易赤字の理由を企業が海外に製造拠点を移していること、が原因と認めました。しかしそんなことは、経済に携わる人間であれば知っていること。知らない、で打たれた対策で成果が出ないのなら、それはもう政治家の責任なのです。ナポレオンも熱狂と、転落を経験しましたが、安倍氏のロシア遠征がいつくるのか? それまで力を蓄えているようでないと、民主党そのものも将来的には消滅している可能性が、濃厚となってくるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:04|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2014年10月02日

世界の不安定要因と株価の下落

昨日の最高裁で、陸山会事件における石川元衆院議員の有罪が確定しました。水谷建設元社長だけが詳細な供述をし、元会長も、元社長つき運転手も元社長の行動を否定する中、一審、二審では推認、追認というたった一人の証言のみを証拠採用する、という異例の展開に、最高裁は認定という形で答えました。この裁判が深刻なのは、今後政権側が政敵を貶めようとすれば、いくらでも同様の手法をとれること、です。一人を抱きこみ、嘘の供述をさせれば裁判所が有罪にしてくれる。裏金を渡され、それを返した渡辺みんなの党前代表などとの待遇の差、そこには国策捜査の怖さを痛感します。元国会議員が、裏金で有罪が確定したのにメディアの扱いが異様に小さいことといい、これが如何に問題のある判決であるか、を如実に示すのでしょう。

日本株は大きく下落しています。すでに裁定買い残が積み上がり、ポジション外しをしたかったところに、米株の急落が引き金になった形です。米国内でエボラ出血熱患者が確認されたことで空運、輸送関連が売られた、ともされますが、口実のように感じます。最近の資源関連の下落にみられるように、世界経済の減速による需要不足、これはシェールガスの採算割れに陥るかもしれない水準に近づいています。1バレル80$割れになると、米経済にも深刻でしょう。人、物の移動が制限されれば、益々エネルギーの消費が減る。今の米経済が、雇用なき景気回復とよばれ、明日の雇用統計を前に、利益確定売りをだしたくなるタイミングでもありました。
香港での雨傘革命も、経済停滞のつづく中国で、さらに深刻な事態を引き起こしそうです。これが台湾、東南アジア諸国にも波及、中国国内の独立派も勢いづかせる懸念があります。安易に妥協できない一方、つっぱり過ぎると中国が不安定化しかねない。ただでなくとも習政権が不正粛清と称し、政敵を倒している最中ですから、危機感をもった政敵がそうした動きを利用する恐れもあります。そうなると、瀕死の中国経済に駄目をおすかもしれません。

イスラエルも米イ首脳会談の最中、入植計画を発表。米国に強く批判される、という一幕がありました。中東情勢を、さらに混沌とさせるイスラエルの動きに、米国も激怒した形ですが、イスラム国との長期戦を抱え、他のイスラム国家との連携が必要なときですから、尚更深刻です。下手をすれば、イスラム国がイスラエルとの戦争を宣言するかもしれない。そうすれば、中東の各国はまとまり、第5次中東戦争が勃発するかもしれない。そんな動きともなってきます。
ウクライナ問題はほぼスルーした市場が、流石にこれだけの悪材料を抱え、反応したというのが急落の流れなのでしょう。ただでなくとも世界経済が不安定な中、これをこなすだけの強さは、どの国もない。堅調な米経済さえ、シェールガスが崩れれば終わり、という構図です。日本経済は、さらに外需依存を強める中で、株価はふわふわと上昇していたので、大きな調整にさらされることは致し方ないのでしょう。TOPIX再投資も半ば終わり、自社株買いも期初では中々発表もない。年金改革はまだ先、という中で、需給が崩れたのです。今後も、こうした動きが増えるのは已むを得ません。今、実体経済との整合性を、株価がどう折り合いをつけるか。それを模索していく流れになってしまうのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:07|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 海外 | 

2014年10月01日

日銀短観と円安

日朝外務省局長級会議、平壌で説明を、という以外はほとんど物別れに終わっています。そもそも、一部で報じられているように8、9月に報告という『合意』があったのか? それすら疑問を生じます。ここまで弱腰だと、何か日本政府が北朝鮮に握られているのでは? とさえ勘繰られ、平壌に調査団を派遣しても、具体的な結果は得られなさそうな雰囲気も漂います。

9月日銀短観が発表されました。大企業製造業、非製造業DIともに現状13。先行き13と14。中小企業製造業DIは現状-1、先行き0。非製造業DIは現状0、先行き-1。大企業非製造業が見通しより6pt悪化しますが、驚くほど変化のない数字が並びます。それは業種別の数字もそうで、現状、先行きともに目立った動きがありません。在庫が微増していますが、販売価格、仕入れ価格判断ともに下落傾向を示します。これは最近の堅調な物価指数とは、やや異なる数字です。
若干、嫌気した市場が反応したのは想定為替レート100.73円でした。最近、外国人投資家が仕掛ける円売り、裁定買いを誘発し、一時対ドルで110円の大台に乗せました。この外国人投資家の動き、一部で日米の金融政策の差で語られることも多いですが、2000年代後半の米市場の流れが、日本でおきることを期待した向きもあります。経済は悪化しても、通貨安によりグローバル企業の業績は堅調、内部留保の増える企業は自社株買いに回し、株価は堅調。右肩上がりを続けました。実際、日本企業の今年前半をみても、3兆円に迫る自社株買いが発生しており、通年では6兆円規模に達する見込みです。GPIF改革でも10兆円規模の買い、とされますから、それに匹敵する株買い需要が企業側から発生していることになります。外国人投資家は円安によってこの流れが継続、米国でみた夢よ、もう一度。と考えて裁定買いを入れているのが、現状です。

株価を政権への評価、と考える安倍政権にとって、実に自社株買いは都合いい。第二の献金と呼ばれる所以です。トヨタが110円乗せで急速に株価が切り返したように、企業にとっても都合いい。円安により、濡れ手に粟で手に入れた金を株価対策に使え、経営者も評価される。まさに政界、財界のためにある、それが円安による裁定買い、自社株買いという流れなのです。
しかし購買力平価でみると、105円より円安にすすめば異常な円安、と呼べる水準にあり、輸入物価の上昇が家計に直撃するのは間違いありません。外国人旅行者への免税も始まりましたが、まさに円換算の買い物は安く、外国人旅行者の呼び水になるはずです。ただし国内にいる限りでは、円安の割高感と増税負担で、家計は苦しくなるばかり。一体、安倍政権は誰のために、どこに向かって政策を打っているのか、さっぱり分からなくなっている、とも言えるのです。

日本では嫌韓の流れで、韓国経済崩壊などの書籍がよく売れています。しかし安倍政権の経済政策では、日本の家計が壊れて外需依存、外国人旅行者に期待する構図となり、それは少し前の韓国経済と、似た状況に近づいているのです。まさに、今度円高となったときは、ウォン高に苦しむ今の韓国と同じ状況に、日本が陥るかもしれない。それは家計の負債状況が関係しそうです。
安倍政権では、驚くほど韓国の手法を後追いで真似ている面があります。トップ外交然り、大企業優遇、外需依存の経済政策然り。特に経済政策では、韓国のノ・ムヒョン政権に協力し、FTAや規制緩和で助言したとされる竹中氏が、安倍政権でも参画しているので宜なるかな、というところなのでしょう。米市場でヒンデンブルグ・オーメンとよばれる下落サインが点灯し、一部で話題です。新興国ではスピルオーバー効果とよばれる、通貨安、株安、金利上昇への懸念も強まってきました。アジア通貨危機を引き起こしたシステムだけに、今は通貨安、裁定買いで喜ぶ日本株市場も、今後へのの警戒感は、さらに増してきたといえるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:08|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 |