2015年03月

2015年03月31日

安倍首相の春

安倍首相が桜をみて一句詠みました。「賃上げの 花が舞い散る 春の風」これを聞いてすぐに散ったらダメだろう…と思いましたが、周りにいる記者は愛想笑いするだけです。個人的に添削すれば「賃上げの 花咲き乱れ 春うらら」なら、満点です。しかし現実との乖離から、それはどこ吹く風、というなら「賃上げの 記事は多いが 蜃気楼」なのかもしれません。
一方で、鳩山邦夫氏の主宰するメンバーと桜をみたときは「世の中は 桜の花に なりにけり」と述べたとつたわります。桜はぱっと咲き、ぱっと散る。バブルを意識してこの良寛の句を択んだなら、良識はあるのかもしれません。ただ安倍ノミクスは自然に咲いた花ではなく、人工的に咲かせた花です。栄養剤を打ちつづけ、満開になった後はムリが祟って枯れてしまう手法です。「世の中が 桜のように 散りにけり」となるかどうか、それは今年にかかっています。

中国の主導するアジアインフラ開発銀(AIIB)の参加締切日となりました。日米は静観ですが、英国から雪崩を打って各国も参加を表明した。極めて規模は大きくなりそうです。ただ北朝鮮の参加は拒否、と伝わりますし、経済的に不安定な国もあるなど、内容には問題もありそです。ただ日米は不参加、要するに中身をつくり上げる過程にはタッチできません。
そんな中、中国がユーラシア大陸を内陸、沿岸とで東西をつなぐ新シルクロード経済圏、一帯一路の構想をぶち上げました。インフラをつくれば産業が活性化する、という中国の奇妙な思想が色濃く滲みますが、治安が不安定な国を通過する際どうするか? さらに通関をどうするのか? 例えば自国の知らないうちに、国内を爆弾、もしくは化学兵器などの危険物質が通過する可能性もあり、そのため検閲を厳しくすれば利便性は頗る低下します。一帯一路は、夢想の段階ではすばらしくとも、現実的ではありません。それこそ中国は人民元を共通通貨とし、中国型の制度、経済政策を共通とする、TPPに対抗する新たな経済圏をつくりたいのであって、そこにAIIBの資金を効果的につかう計画なのでしょう。問題はインフラ整備が各国でも重い負担となったとき、中国に支える力があるか? という点です。住宅ローン規制の緩和など、中国から相次いで減速への対策が打ち出されていますが、落ちはじめた市場への処方箋となるかは不透明です。

日本の株式市場は年度を通じて、約3割ほどの上昇となりました。しかし今年に入ってからは値嵩株だけが上がり、先物で指数のみ吊り上がる状況となっており、決して健全な上昇局面とは言えない状況となっています。先物やオプションでは、日々異なる戦略に振り回され、値動きも粗くなっています。現物株も、材料がでると飛びついてストップ高、しかしその材料が、極めて不純なものも多く、単に「上げるから買う」という需給要因に大きく比重がかかり過ぎの印象です。
今年はまず4、5月に需給要因が崩れます。さらに夏ごろには、GPIFなどの準公的資金も、続々と需給を乱す要因となってきます。日本の企業の稼ぐ力が、本当についているのかはそのとき、大きく市場を左右するのでしょう。安倍氏は『我が世の春』を謳歌しているようですが、この『我が』はmyです。しかもこの春は、いずれ花散らしの嵐がくると、すぐ吹き飛んでしまうような脆さを秘めたままでもあります。それが中国から吹き荒れる黄砂なのか、それとも中東から吹きつけるアラブの春の風なのか。日本までつながっていたはずのシルクロードは、新シルクロードには入らないと決めた。どこから吹いてくる風かは分かりませんが、背伸びしている経済に、強い横風を浴びたときにどうなるのか? 安倍の春に花をつけるような植物は、ほとんど育っていない今、生き物も住みにくい場所に日本はなりつつある、といえるのかもしれませんね。

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2015年03月30日

安倍首相、シンガポール国葬参列において

シンガポールのリー・クアンユー元首相の国葬に、安倍首相が参列しました。その席で安倍氏が居眠りをし、世界からも「Sleeping Abe!」と、驚きと侮蔑を交えて伝えられている、とされます。6時間弱の強行日程だから、と擁護する声もありますが、今どき日本全国、東南アジアぐらい日帰り出張するのは当たり前の時代です。しかも安倍氏は手続きしたり、空港で待たされることのない、高待遇での行程であり、疲労が溜まって…というのは通じません。逆に短時間だからこそ、そこに集中して臨まなければならず、それすら出来ないなら出席する体調ではなかった、としか考え難い。むしろ、国会でさえ居眠りするぐらい政治家の緊張感のなさが影響した、という方が自然にうけとめられます。いずれにしろ日本が大恥をかいたことに間違いありません。

沖縄県知事による辺野古移設作業の停止指示に対し、防衛省が行政不服審査法により執行停止を農水省に申し立て、林農水相が効力の停止を決定しました。そもそも、行政不服審査を行政間でだすことが正しいのかどうか? 同じ内閣の管轄にある中で、省庁間の対立の火種になるような決定を下せるのか? 甚だ疑問です。安倍政権では効力停止を錦の御旗に、工事を継続するようですが、これで行政手続き上の問題や、作業の進め方に一つ瑕疵が生じたことになります。
しかもこの手法が蔓延すれば、行政不服審査に行政不服審査で対抗し、国民による申し立てが事実上、機能しなくなる恐れがあります。しかも農水省が独自に、辺野古沖の海にもぐって実態調査をした形跡もありません。つまり書面上、防衛省が正しいと判断しただけのこと。これは翁長県知事と会おうともしない政権幹部と同様に、沖縄の方を半ば見ようともせずに決定を下したことになります。これも沖縄県民の心を大きく傷つける結果となっているのでしょう。

「我が軍」発言も、「これだけ時間を割かれるならもう使わない」と安倍氏は述べていますが、問題と認識しているので、早めに幕引きをはかったのでしょう。一部で「我が」はourと訳す、との話もありますが、日本語のニュアンスで「我が」には所属と所有があります。所属はourですが、所有はmyです。どちらの意味でつかったかは、前後の文脈にもよりますが、その考察もなく限定して批判したり、擁護したりすることは慎むべきでしょう。ただしそれを海外でどう受け止められるか、と考えたとき、翻訳者によりニュアンスが変わるならそれも問題なのでしょう。
しかし「Sleeping Abe!」のニュアンスは、正しく海外に伝播します。国葬されるほど評価が高い、その席で哀悼の意どころか、居眠りする姿を晒した。これが相手の国の国民にどう受け止められるか? 考えるまでもありません。シンガポールでは『虎の皮をかぶる山羊』という諺があります。通常、『羊の皮を被った狼』とされますが、こちらは逆。せっかく拾った虎の皮で、安心して草を食べていた山羊が、狼をみつけて慌てて逃げだしたため、虎の皮も忘れていった。つまり中身がないのに、威光を嵩にきて威張り散らすようなことを指します。内閣という威光を借りて、行政不服審査を行政の間で通してしまうことなど、辺野古移設の正当性を訴えられない、その中身のなさを露呈しているとも言えるのでしょう。しかも日本では虎の皮をかぶっていても、海外に行くときは忘れてしまうようです。春眠に暁をおぼえないだけならまだしも、赤っ恥を搔いてしまうようなら、まずその心がけから改めなければならないのでしょうね。

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2015年03月29日

雑感。財政と安保法制

自民党の高村副総裁が訪米し、安保法制について関連法案を今国会中に成立させる、と強気に述べました。そのために1ヶ月程度の延長も示唆。しかし共同通信の世論調査で、今国会中の成立を49.8%が反対、38.4%が賛成と、政府には厳しい見方がでています。安倍政権が思っている以上に世論の声は厳しく、4月のガイドラインの改定にも影を落としそうです。当然、これは安保法制の成立も視野に入れたものとならざるを得ず、仮に国民の意思を無視して成立を急げば、それは政権支持率にも跳ね返ってきます。特に、内閣府の社会意識に関する調査において、悪い方に向かっているで一番多かったのが財政です。安保法制は、日本の財政に深刻な負担ともなってきます。そのことについてほとんど報じられませんが、それが意識されると政権から心が離れるでしょう。
政府が債務残高をGDP比での減少を掲げる方針、と伝わります。実際に債務が減らなくても、GDPが上昇すれば見かけは減ります。一応、プライマリーバランスの黒字化も堅持するようですが、二重の基準はより国民に分かり難いでしょう。それこそ、安倍政権では経済指標ですら、都合のよい数字だけを使い、しかもその数字の読み解き方ですら、メディアに配るペーパーには明らかに誤誘導する意図が透けてみえます。基準となる数字が増えれば、それだけ本質から目が逸らせます。

例えば今年度は恐らくマイナス成長となりますが、物価は増税分も含めて2%台で推移しているため、今年のマイナス成長幅は物価を除くと2%以上となります。これは財政上、極めて厳しい数字ですが、増税により税収は増えているはずなので、経済成長と税収、そして債務残高の相関はこれまでと、これからでは大きく変化してくるのです。それらを2重基準とすることで、さらに見え難くするなら、国民にとって都合よい数字だけが喧伝されるようになるでしょう。
安保法制により、国民の負担はどれだけ増えるのか? 政府はまずその説明から始めるべきでしょう。安倍ノミクスによる経済成長に失敗した今、実はその負担に、日本の財政が耐えられるのか? から議論を始めないと、財政をふくめた日本の問題点の洗い出しにはなりません。

統一地方選が始まりました。地方選に弱い安倍政権、というのは地方組織の弱体化が、安倍政権では益々すすむ、ということでもあります。小泉元首相は自民をぶっ壊す、と述べて首相となりましたが、そのために安倍氏という爆弾を仕込んだのなら、これほど効果的なことはなかったのかもしれません。恐らく、安倍政権の支持率は50%を割りこむことはない。一方で、地方選には弱い。ただし国政選挙は対抗馬がいないから強い、という奇妙な状況がつづきそうです。
そして安倍政権への国民の幻滅が頂点に達したとき、自民をぶっ壊すどころか、国政自体が壊れていくのかもしれません。政権支持率にしろ、数字だけを追いかけるのではなく、その裏にあるものが今後、さらに重要視されることでしょう。これからは数字の意味、すなわち『安倍レージ』を考えるクセをつけなければならない、となるのでしょうね。

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2015年03月28日

安倍首相の米議会での演説

安倍首相が米議会で演説することが決まりました。これはイスラエルのネタニヤフ首相と同様、米議会を握るのは共和党。保守系の人間を好意的に迎えてくれます。ネタニヤフ氏は選挙においてパレスチナとの対立を煽り、政権維持に成功しましたが、大きな禍根を残したとされます。
一方で安倍氏は、従軍慰安婦に対して米紙のインタビューで「従軍慰安婦は人身売買の犠牲」と述べるなど、日韓の関係改善を条件とされたようです。民主党ではないので、中国までは要求されていないかもしれません。もしかしたら、その辺りがAIIBの参加見送り、につながったのかもしれません。しかし安倍氏を支持してきた人にも、今回の態度を豹変させる姿勢は承服できないところでしょう。米国に言われたら何でもするのか? どこまで米国にシッポを振るのか? そのため従軍慰安婦に関しても、従来の見解を踏襲するというなら、戦後70年の談話はどうなるのか? この「従軍慰安婦…」発言は、意外なところで波紋を呼びそうです。

しかも安倍氏を支援する読売、産経などは米議会での演説を「初」とします。確かに上下両院合同会議では「初」ですが、1961年の池田首相が下院で演説をしているので、演説自体は「初」ではありません。ネットの記事では読売、産経両紙ともに池田氏の記述がなく、誤認させるような点も恣意的と言えるのでしょう。TPPでの妥協、日韓関係の改善まで条件にして勝ちとった米議会演説ですから、よほどプラス面だけを強調したい、といった意図が読み解けます。
そんな中、報道ステーションにおいて元経産官僚の古賀氏が、自身がコメンテーターを下ろされたとコメントし、波紋を広げています。そのほとんどが古賀氏への高評価であり、一方で報道ステ側には、政権に気をつかう、媚を売るといったことを批判する流れにあります。報道という、もっとも中立…ともすれば政権監視を担う立場にある番組で、政権に阿っているのであれば、本来の役目を果たしていないのではないか? と見られたとしても当然です。これは最近の報道番組がニュースに対してコメントする、方向付けしてしまうことからも、問題を大きくします。

原発では独自路線を貫く報道ステが政権に気をつかうのは、報道ステの前に放送されていたニュースステーションを降板になった、久米氏の二の舞を踏みたくないから、との噂ももち上がります。しかしそれなら、他の報道番組はどうなのか? 4月の改編時期、やたらと情報番組が増えるようですが、グルメや街ブラばかりで、お茶を濁しているだけなら、早晩厭きて、視聴者は離れていくでしょう。政権批判もできず、景気がいいと伝えるだけならお茶を挽くことになります。
そして政権批判をするメディアに圧力をかける安倍政権、ということも今後は単なる噂話としては語られなくなりました。今はまだ古賀氏単独のことで、信憑性は低くとも、2人、3人と現れるなら、徐々にその話の確度が高まっていきます。特に、米議会演説における読売、産経の報じ方に、安倍政権への配慮が滲む。経済指標の伝え方でさえ、原因や理由に関して配慮がうかがえる。国民も薄々、それらに気づいてきています。報道番組として、単に茶化すだけはよくありませんが、少なくとも安倍氏とメディアの幹部が茶飲み友達となっている現状で、報じられる内容は国民にとって『ちゃんちゃらおかしい』ということになりつつあるのでしょうね。

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2015年03月27日

2月経済指標の集中発表日

大塚家具の株主総会、大差で娘である社長派の勝利となりました。日本の構造が変わり、一部の富裕層に富が集中、中所得層が総崩れになる中で、高級路線を堅持するのはかなり困難な状況です。中価格帯に移行するのは情勢変化からみても自然ですが、そこに旧来の成功体験が邪魔をした、という構図です。しかし江戸時代からつづく老舗とよばれるお店は、娘相続が一般的です。丁稚から始まり、番頭まで出世した人間の中から優秀な人間を婿とし、後を継がせる。経営は優秀な婿が、家は娘がついでいく。これが商人の編み出した相続方法でもありました。
今回、あれだけ娘のことを罵れば、関係改善など困難です。経営云々の前に、人間性を疑われた。日本人的気質として、経営者には経営が優秀であると同時に、人格者であって欲しいと感じています。娘を悪し様にいう親、というのはそれに反している。この時点で戦略の誤りであり、かつそれが経営手腕にも疑問をもたれる形となった。結局は老害を意識されたのでしょう。

年度末を前に、今日は2月経済指標の集中発表日です。有効求人倍率1.15倍、非正規社員が減少、という話が喧伝されますが、求職者数が前年同月比4.8%減、求人数が3.9%増なので、これが寄与した形です。つまり労働力不足が寄与しており、一見すると改善にみえるものの、これは日本の構造的問題の露呈であり、経済が好調の故ではありません。しかも就職件数も3.4%減なので、ミスマッチが多いということでもあります。就職できず、繰越しが増える点にも注意が必要です。
労働力調査では、正規雇用58万人増、非正規雇用15万人減、完全失業率3.5%と、質の改善がすすむと報じられます。しかし就業率が57.1%、前年同月比0.4pt増と、厚労省とは真逆の数字がでています。またパートは増え、アルバイトが大幅に減った。これらの傾向は、15〜64歳の労働力人口が前年同月比31万人減、就業者も23万人減、にはっきりと現れていて、65歳以上の労働力人口が前年同月比64万人増、就業者も63万人増、つまり圧倒的に65歳以上の再雇用が増えた、ということになります。ハローワークを通した就職件数が減り、労働力調査で就業率が増えるのも、この高齢者層の就業が大きく寄与した、といえるのです。しかもそれら高齢者層は、アルバイトではなく正規雇用の継続か、パートに移ることで、2月というこの時期の雇用の伸びも説明がつきます。

家計調査はもっと深刻です。実収入は前年同月比で実質0.7%減、消費支出も実質2.9%減です。小売販売額も前年同月比1.8%減ですが、日本はこの1年、ずっと2%近い消費の減少を経験している。しかも賃金もずっと実質ではマイナスのままです。景気後退期と同じことが今、起きている。しかも改善の見込みがない、ということでもあります。ベア改善も、日本の労働者の10数%にしか関係しない、ということでもあり、逆にこれだけ高齢者の労働力が増えている現状では、ベアも関係ありません。実質的に寄与する割合は、もっと低いのかもしれないのです。
今日の東京株市場はジェットコースターでした。配当の再投資を見こみ、かつ14時以降の裁定買いを狙った朝方の買いが、債券安と同時に出た売りでも入らなかったことから、一気にムードを悪くした形です。市場の脆さを改めて意識されたのでしょう。しかも、某証券会社の調査で、退職金を株式に投資する、という割合が驚くほど少なかった。市場の上昇局面では、投資も増えるのがこれまでの常識でしたが、経済だけでなく、投資の分野でもこれまでとは違った動きが起きているのです。景気回復を実感できない。それどころか経済成長を信じられない。その結果、非常に色々な分野で脆さが増している、というのが現状なのでしょう。大塚家具は老害ですが、日本の労働人口も高齢者が増えている中では、製品の質にそうした影響が及ばないのか? 今後は効率化を阻害する要因が、ムリの利かない労働者層の拡大、ということになるのなら、日本の構造的問題は深刻さをより増しているといえるのでしょうね。

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2015年03月26日

「我が軍」の衛星打ち上げ

独旅客機の墜落事故の原因で、副操縦士が意図的に…との情報がでてきました。ただ首を傾げるのは、ハイジャック防止のため、ドアをロックできるようにするのは理解できますが、締め出されたとされる機長が如何なる手段をもってしても、コックピットに戻れないとする点です。それこそ機長、副機長どちらか一方がテロリストに感化され、犯罪を企図した場合それを食い止める術がない、ということにもなります。カギであればコックピットを離れる際は常備するよう規定しなければいけないでしょうし、閂のようなものなら、コックピットを乗っ取られたら為す術がない、となります。早かったボイスレコーダーの解析とともに、釈然としない部分を感じます。

安倍首相の「我が軍」発言が波紋を広げています。米国などでは『our』であって、『my』をつかったオバマ大統領が批判された、という例もあるようですが、それ以前に『軍』?に引っかかります。憲法9条には、はっきりと『陸海空軍そのほかの戦力は、これを保持しない』と規定されます。軍隊はもてない、だから自衛隊という呼称をつかってきたのであり、憲法を逸脱した見解を示したことになります。しかも菅官房長官は、これまでの歴代の政府見解すら覆してきた。閣議決定すら経ず、なし崩しで変えたとすれば安倍政権における政策などの決定システムには、重大な欠陥があるとも言えます。
日本語の「我が」には、所有以外にも所属を意味する場合があります。長嶋氏が引退するときの「我が巨人軍は…」でもありますが、もしかしたら安倍氏は軍の総帥になりたいのかもしれません。その場合は、幼稚な軍事オタクとなるのでしょうが、いずれにしろ自衛隊を軍と考える、軍にしたい、という人たちが政権中枢にいる、ということだけは間違いないことです。

そんな中、情報収集衛星の打ち上げに成功しました。これはレーダー予備機とされるものの、従来機より高性能化されており、故障さえなければ従来機よりメインで運用されるはずです。北朝鮮や中国、それに日本の海洋における動きを察知するのに役立ちますが、気になるのは中国が、衛星撃墜試験を再び行った点です。前回は成功し、破片がばら撒かれたことで国際社会から批判されましたが、今回は失敗した。しかしただの失敗ではなく、意図的な失敗だったのでは? とみられる点が危惧されます。つまり国際社会からの批判もうけず、くり返し実験をするためには失敗しておいた方がいい。そうして命中精度を上げ、いずれ攻撃を成功させる。その照準は、日本の監視衛星に向けられる可能性が極めて高い、ということでもあります。
衛星を管理、運用するのは相手の軍備、訓練の監視、先制攻撃の防止には役立ちますが、実際の戦争になった場合、真っ先に攻撃対象になるもの、との認識が大事なのでしょう。そしてまた、精度が上がり、国民監視すら可能となるなら、例えば今は街角にあるカメラを犯罪の証拠として用いる場合もありますが、この衛星画像もそれに資するのかもしれません。監視社会へまた一歩近づいた、という意味では、これも示唆的なのかもしれません。独国の諺に『猿は高く登れば登るほど、お尻を見せる』というものがあります。人も能力がないのに高い地位につけば、馬脚を現します。高い位置にあるものの見方については、改めて考えるべきなのかもしれませんね。

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2015年03月25日

市場の動きについて

住友商事が発表した今期の損益見こみが、かなり衝撃です。米シェールガスを含む資源投資に失敗し、100億円の黒字予想から850億円の赤字に修正しました。円安で海外投資に関しては、見かけの価値が上がっているはずですが、それだけに衝撃も大きい。また米企業も同様に苦境に陥っているはずですが、リグの稼働率はあまり下がらず、また早期に破綻したのは一社だけ。米国経済全体も含めて、原油安でも落ち着いてみえるのが、不思議と言えば不思議です。

日本の株式市場は、明日の配当権利とりに向け、下がらない状態がつづきます。しかし売買代金は3兆円に届かず、年度末と考えるなら低調と言える状況です。大型株は上がっており、ドレッシング買いを入れる必要がない、という以上に、すっきりしない閑散という気もします。数ヶ月前なら、日経225の10倍近い取引が成立していた日経225ミニなど、今では日経225より取引が少ない。極端にTOPIX先物偏重になったかと思えば、ここ数週間は現物株の方が増えている。しかも材料株には大きな買いが入り、何日も上昇を演じます。極端なことを言えば、日本市場の中で満潮と干潮ができており、お金が満ちる銘柄への取引と、そうでない銘柄とが、かなりはっきりと色分けされてしまっている。極めて不健全な取引が横行している状況です。
しかも、日本株がバブルでない、という理由付けに来期10%の増益を達成すればPERで15倍、という言葉があります。まず来期10%も増益できるかどうかすら曖昧です。仮に円安になれば、国内経済への打撃が深刻となり、内需に期待できなくなります。外需も今すでにバブルであり、それが後1年はつづく、という算段になります。その目論見通りにいくかどうか。トヨタでさえ来期は販売面で苦戦する予想の中、どうにも楽観的すぎる見立てではないか、とすら思われます。

実はこうした見立ても出ています。年金は運用比率が決められており、幅はありますが国内債券35%、国内株式25%で、未だに債券比率が高い。債券はすでに高値圏であり、後は下がるだけとも言われます。つまり株価が上がっていくと、GPIFが買わずともこの運用比率に入ってしまう。ここ数週間、GPIFの買いが止まったように見えるのも、トヨタの高値に見られるように、年金の運用比率上、限界に近づいてきたのではないか? 日経平均が2万円を越えると、逆にGPIFが売り手になるのではないか? GPIF保有株がぐんぐん上がっている状況に、買いを尻ごみし始めたのではないか? それがここ数週間の動き、年度末にしては閑散とする原因ではないか?
しかも来年度、債券価格がずるずると下落すれば、それもGPIFが株売りに転じる条件ともなります。これまでも何度か、海外投資家は日本売りを仕掛けており、ここで出てきた戦略が、GPIFを早めに売り方へと転じさせる。ここ数日、急速に4月の調整を示唆する発言が市場関係者から流されるのも、株だけが突出して上げてしまうことへの危機感から、ということにもなります。今、日本市場を支えているのは間違いなく買い手が増えている、という需給要因です。それが崩れたとき、日本には大きな調整が訪れる。それは債券安、株安を伴うかもしれない。これで円安ともなれば、トリプル安です。恐らくこれは遠くない未来には訪れますが、あまりに株高を急ぎすぎると、数ヶ月と経たずにそうしたことが起こるのでしょう。

下手をすれば、日本もマイナス金利を導入しなければなりませんが、貯蓄率の高い日本で、マイナス金利などとなればパニックを引き起こしかねません。一部では、日銀は内々に調査している、ともされますが、日銀の打つ手も限られてきた中、株高のみすすむ現状には注意も必要ということなのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:17|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

2015年03月24日

雑感。教育と理性

統合型リゾート施設(IR)をつくるためのIR推進基本法案について、自民、維新、次世代の3党により、今国会に提出される見込みとなりました。しかし、外国人のみのカジノに、なぜわざわざ日本に来て外国人旅行者が入るのか? それこそ円安で外国人旅行者が増えていますが、円高となればすぐに外国人旅行者も激減します。その結果、事業者としては苦境となり、政治家や政党に寄付を渡し、日本人にも解禁するよう働きかけることにもなるでしょう。国内の反対勢力を抑えこむため、という口実で、利用者を外国人に制限するとしますが、将来的には自民党の政治家に献金が集まるためにも、規制を高めにして成立させようとの魂胆が透けてみえます。

下村文科相と、任意団体である博友会が政治資金規正法違反で、告発されました。本人は国会で疑惑を追及されていた最中も、博友会のパーティーに出席していたとされますから、寝耳に水かもしれません。しかし安倍政権は、自民党の政治家を徹底的に守る意向であり、小渕前経産相なども明確な違反がありつつ、未だに動きはありません。証拠がないという以上に、政権に忠誠を誓えば起訴されない、との思惑が働き易くなっているのだとすれば、これも一種の恐怖政治と呼べるのかもしれません。党内統治、引き締めには最も有効であるからです。
大阪桐蔭で、教材費などを父母から多めに徴収、裏金としてプールし、遊興費や交際費として使っていた事件が発生しています。これが問題と感じるのは、中身は異なりますが、凡その構図が一時期問題となった警察の裏金プールと同様、ということでもあります。大阪桐蔭は教育機関であり、行政とは関係ありませんが、手法は極めて似通っています。実は会計処理について規則で縛られる機関において、この手のやり方しか裏金を捻出する方向がない、ということでもあります。

カントの言葉に「人間がその理性によって課されている使命は、ともに一つの社会にあって、芸術と学問を通して自己陶冶し、文明化し、道徳家することである」があります。晩年の著作で、決して評価は高くありませんが、この中でいう教育の難しさは、社会の悪例や、悪意もしくは拙劣な教育者の害悪について、です。つまり教育自体が困難なのではなく、教える側にそれだけの理性、品格が備わっているか? そうした問題に多くが根ざしている、という意味です。
教育行政に携わる者、教育機関、理性がもっとも必要な立場にみられる様々な問題は、若者に対して害こそあれ、有益なものではありません。カントはこれも晩年の著作ですが、その中で「自らの理性をつかう勇気をもって、権威や伝統に盲従する未成年状態から脱しよう」と述べています。今、政権に盲従し、阿諛追従するメディアの如何に多いことか。つまりそれらは未成年状態だ、ということにもなります。政治家が、カジノに頼って景気浮揚をはかることも同様ですが、人の理性をもっとも試す産業を促進するなど、日本の未来を問われるものでもあるのでしょう。今の為政者が、カントの『永久平和のために』を読むと、目を丸くするかもしれません。理性、理性と謳っていた人間が行き着く先に、軍備の撤廃があるという先人の言葉を、安倍政権に関わる人間は、一度は詠むべきなのかもしれませんね。

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2015年03月23日

社会意識に関する世論調査について

安倍首相の訪米が正式に発表されました。米議会での演説は調整中、いってみればTPPで妥協しまくったので、韓国の朴大統領がしたように自分も演説させて、とのお願いは未だ受け入れられていない、という状況です。今日の発表に至ったのは大安ということ以上に、沖縄への牽制が強いとみています。恐らく法廷闘争にもつれ込むとみられますが、そうなると一旦は工事を止めるよう、裁判所から決定がでるはずで、しかも地裁、高裁レベルでは国敗訴の可能性もある。最高裁では国の意をうけた裁判官ばかりなので、勝訴は難しくとも時間稼ぎはできるのです。
本来、沖縄とは理をもって説得するしかありません。しかし安倍政権は利で懐柔することばかりを優先し、面とむかって話し合ってすら来ませんでした。嫌なことから目を背けてきた結果、法廷で向かい合うというなら、安倍政権で地方分権など有りえないとも云えるのでしょう。

3月の月例経済報告で「企業部門に改善」として、基調判断が上方修正されました。確かに鉱工業生産指数は若干もどりましたが、ブレの大きい指標であり、また2月貿易統計をみても数量ベースでは減少している。つまり全体として、日本の生産活動は低迷する一方、円安がすすんだことで輸出企業の採算性が改善された、に過ぎません。それでもムードを改善させるため、上方修正せざるを得なかったのは『社会意識に関する世論調査』が見るも無残な結果だったためでしょう。
悪い方向にむかっている分野として、財政(39%)、物価(31.3%)、景気(30.3%)、地域格差(29.6%)、雇用・労働条件(27.8%)です。しかも前回調査と比べ、各項目は軒並み数字が上がっている。安倍政権の経済財政政策は「悪くなっている」という意見が圧倒的、との世論調査の結果がでたのです。これは安倍政権にとってショックであり、嘘でも改善している、という必要性が生じたのです。しかも国の政策に、民意が反映されているかどうかでは反映27.6%、反映されていない69.4%なので、安倍政権は民意と逆行した政策をしているとの判断も下された。内閣支持率が50%越えでも、地方選で敗北しまくるここに、安倍政権のおかれた状況が映し出されています。

しかも良い方向にむかっているのは科学技術、医療・福祉などとつづきますが、STAP細胞の問題や腹腔鏡手術の問題など、色々とあるこの時期にこの結果。しかも政治とはほとんど関係ない話です。次は治安、防災とつづきますが、日本とてテロ警戒レベルを引き上げざるを得ず、また東日本大震災からの復興も道半ば、防災に関する報道は一時期増えましたが、実際には自治体レベルで区々の対応であり、決して良い方向にむかっている、とまではいえない状況です。
安倍政権にとって、この結果からは目を背けたくなる。嫌なことから目を逸らす、安倍政権ならばこの世論調査の結果は隠しておきたいところです。実際、メディアの扱いも小さく、ほとんど報じないところもあるほど。以前から注目されるような世論調査ではありませんが、それでも安倍政権のことを全否定する内容だけに、報じ難いという面があるようです。一部では、わざわざ景気の悪化を「消費税増税に伴い…」と但し書きをつけるところもありますが、もっとも悪くなっているという意見の多いのが財政なのですから、増税のせいにするのも違和感があります。

沖縄の民意さえ汲めない、経済政策も評価できない。統一地方選を前にして、安倍政権にとってこれは不都合な真実です。だからこそ、このタイミングで月例経済報告の基調判断を上げた。景気はよくなっているんだよ、というブラフです。ベアにしろ、ムードを上げるためのアゲアゲな情報は、メディアもこぞって報じながらのこの結果。安倍政権とメディアが組んで、行ってきたことの限界も見え隠れするのでしょう。さんご礁の破壊以上に、国全体、及び国民生活の破壊について、国民から訴えられそうな局面にまで来ているのでしょうね。

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2015年03月21日

雑感。戦後70年の経済

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)と国家公務員共済組合(国共済、KKR)などが、運用指針を正式発表しました。国内債券35%、国内株式25%、外国債券15%、外国株式25%です。既報されていましたが、これが株式の強気材料として、これまでの上昇を支えてきましたが、ここ2週間ほどやや様相を異にしています。国内勢は小幅ですが、売りが目立つものの外国人投資家が買う。しかも約2ヶ月買い進めた先物は売りに転じているものの、現物株式の買いが目立つのです。
外国人投資家も一枚岩ではありませんが、先物で買い上げておいて現物株を買う、という些か損な取引にみえます。ここ最近の引け間際、14時から上げる構図は裁定取引とみられますが、それにしても配当権利とりとしても随分と奇妙です。はっきりしたことは分かりませんが、FRBがドル高牽制を強めてきたため、今後は円高の為替差益が狙える、と考えているのかもしれません。

ギリシャも近々改革案を提示と表明し、露国のルーブル安も一服するなど、世界はふたたび楽観に傾き過ぎている状況が再現されているのは間違いありません。ただ米債券運用の大手PIMCOが、今年の米成長率見通しを若干引き下げているように、世界は必ずしも好環境ばかりではありません。欧州が量的緩和で、景気が持ち直すとの予想をOECDがだしていますが、日本が黒田バズーカを撃ち続けても成長が限定されているように、金融緩和だけでは景気がよくなりません。
しかももう世界はバブル的症状であり、そのピークはすでに越えつつあります。残念ながら次の危機は中国をはじめとするアジアから起こる、と予想しますが、問題はいつ起こるか? 年内はもつのか? それが焦点だろうとみています。これは日本とて対岸の火事ではなく、14年のマイナス成長を今年も続けるなら、日本売りが始まってしまう可能性は十分にあります。

デフレ脱却は成長率とは関連性が薄い、とは昨日も指摘しましたが、目に見えて物価が下がってきた様子もうかがえます。2月百貨店売上げは好調でも、コンビには低調を続け、恐らくはスーパー等も同様でしょう。ほぼ丸1年、小売関連が1〜2%程度の前年割れをしてきたツケで、小売も耐え切れなくなっているのでしょう。そしてそれは製造業への値下げ圧力となって効いてくるはずです。デフレマインドの復活というより、インフレマインド自体が働かない。賃金が先に上がらない、今回のコストプッシュインフレの終焉が見えてきているのでしょう。
問題は、日本に次の経済政策がない点です。安倍ノミクスは失敗しました。デフレ脱却も成長には寄与しない。これまでも公共工事を拡大させた結果、人手不足で逆効果。他業種まで人件費高騰に喘ぐ始末です。では安倍政権に他の手があるか? といえば残念ながら皆無なのです。日本に訪れる問題、それはフルスロットルをつづけた挙句、エンジンが焼きつきそうになり、スローダウンを余儀なくされる点なのでしょう。今後、バブルの逆回転の起こる時期をある程度読んでおかないと、市場からとんでもないしっぺ返しを喰らうことになるのでしょう。そのとき年金、金融機関の自己売買まで、株式を買ってしまっただけに、日本全体が貧乏になってしまうかもしれません。戦後70年、ある秘数では国の反映は63年周期、という話もあります。戦後の終わりが、ふたたび貧困国から出直すために安倍政権があるのなら、三代続いて矮小となり、力も知恵もない政治家の誕生までも、象徴的と言えるのかもしれませんね。

明日は一日、お休みします。

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2015年03月20日

雑感。情報の共有

地下鉄サリン事件から20年です。世界初の化学兵器をつかった大規模テロ、世界はすぐにこうしたテロへの対応を検討し、対策を講じていますが、日本は未だに小幅な対応にとどまります。空港、駅ばかりでなく、テーマパークやコンサートホールなど、人が集まる場所は狙われ易いのですが、自然災害における避難は訓練しても、化学兵器テロの訓練はほとんど行われません。金融機関でさえ、人質をとった、立てこもった、という訓練ぐらいしかないのが現状です。地下鉄サリン事件から20年、日本が化学兵器テロに弱い構図は一向に変わりないのかもしれません。

自公が『安全保障法制整備の具体的な方向性について』のとりまとめ案が出てきました。1.自衛隊の活動が国際法上正当性をもつ、2.国民理解、国会関与などの民主的統制の確保、3.自衛隊員の安全確保、です。3など自己矛盾ですが、政治家が机上の空論で検討した感が否めません。
国会の関与は事前承認を『基本』。国連決議は『関連』でも可。など曖昧で幅広い適用が可能となっています。他国の武力行使との一体化を防ぐ、などは共同作戦もとらない軍隊同士で、情報共有が可能かどうか? などは運用上に大きな齟齬を生じそうです。つまり後方支援にしろ、前線で戦う部隊の作戦情報がないと、対応も難しい。一体化しない以上は作戦漏れの懸念もあり、情報も流れてこないことが想定されます。現場が混乱し、混乱したときの情報はさらに混乱を生む。同じ戦場に立ち、同じ作戦行動をとれないとなれば、最前線にとり残される恐れもあります。『一体化しない』などの文言に、政治家の鞭ぶりが垣間見られるのでしょう。

情報共有という意味で、興味深いのが中国が主導するアジアインフラ開発銀行(AIIB)に、仏、独、伊国まで参加を表明。麻生財務相も検討を示唆しました。英国があけた一穴に、他の国も追随した形であり、米国が今後どう対応するか? このとき日米の情報共有ができなければ、日本が先進国で唯一参加しない、という事態にもなりかねません。損得勘定でいえば、参加しておいて仕組みに問題あれば離脱する、という手もありますが、米国のプライドが邪魔をしそうです。
国際決済銀行が興味深いリポートを出しています。デフレと経済成長率は、関連性が薄いというもので、安倍政権や黒田日銀とは真っ向対立する主張です。ピケティ流に過去のデータから読み解いたもので、経済成長率は資産価格デフレとの関連性の方が強い、とします。言ってみれば資産価格が上がるときは経済成長率も高く、下がるときは成長率も低い。これを今の日本に当てはめると、急速に株や不動産が上がっている状況では、経済成長を保てても、そのバブルが潰えてしまえば成長率が大きく下がる、となるのでしょう。資産価格が上がるのが、経済成長を前提とした買いなのか、中銀による資金供給という事例によるかは、過去と現在では大きく異なる点かもしれません。しかしデフレは副次効果ということが、この研究からも示されます。

日本はこれまでも、世界から情報共有をしてもらえない国です。それは独自の法制度、価値観をもち、また黄色人事を差別的にみる傾向からもそうなっていました。しかし今は、デフレ脱却を至上命題のように掲げること、その主張もまた異常だと看做され始めているのでしょう。世界がはまった資産価格インフレが止まったとき、資産価格デフレが始まったときが、恐慌の始まりなのかもしれません。中国では早くも資産バブルの崩壊が始まっています。そんな中国の情報を共有できないと、日本は経済の最前線で孤立化する恐れも強まってくるのかもしれませんね。

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2015年03月19日

米FOMCについて

チュニジアでテロ事件が起きています。今さら中東が危険、欧州が危険、などという区分けは意味がなく、どこにいてもテロの危険があるのでしょう。それは各国で政府への不満が高いにも関わらず、政権支持率が高い、という奇妙な符合と重ねて考えれば、捌け口がテロなど限りなく暴力的な衝動へと駆り立てる、ということでもあります。自分はこんなに不満があるのに、大多数が満足し、政権を支持するとすれば変化が期待できません。国民の声を聞かない政治、大多数だけを潤す政治、王権や独裁を打ち倒してもそれが変えられないのであれば、より過激化していくだけなのです。民主化の中に潜む、富める者と貧しい者、その差の拡大は破滅的でしかないのかもしれません。

米FOMCにおいて、極めてハト派的な内容が出てきました。『忍耐強く』の文言は外されたものの『性急にはならない』ことを強調。ドル高をくり返し牽制、FF金利の見通しを下方修正、などとした上で、利上げ時期については何も決まっていないとします。つまり経済の見通しを下方修正し、ドル高などの影響でインフレ率が低下、利上げは困難との認識を示したのです。
ただし「リスクが均衡したら利上げする可能性」とも述べており、バブル退治には積極的になることも示唆します。今、FRBが利上げを急ぐ理由は、中銀の引き下げ競争となり、バブル化した市場が多くの国で散見される、来年の大統領選に直撃したくない、不測の事態に向けて備えを確保しておきたい、というものです。一方で、利上げしたくないのはそれほど米経済が好調ではない点、ドル高による悪影響が挙げられるのでしょう。世界各国の中銀と逆行することで、米一極主義を保つこともできますが、世界で唯一バブルに警戒を示す、という意味では興味深いものです。

今日の日本株式は意外な動きを示します。円高にはなりましたが、最近は為替離れを起こしていたにも関わらず、思い出したように連動しました。日中は久しぶりに値動きが出ましたが、これは欧州系が桁違いの大商いを演じた結果であり、欧州CTAスジが利益確定売りを出す中、これまでは日経225のラージとミニでヘッジをかけて取引する層が、日経225とTOPIXで仕掛けた影響も大きいのでしょう。1日の取引量が桁違いのここが動いた原因、それは昨日の取引かもしれません。
昨日は引け間際の上昇を演じましたが、日系のTOPIX先物の大口買いによる影響です。高値でも買う、下げていれば買う、と見て株価を振り回した。現物の商いも今日は増えているので、かなりここがボリュームをかけて取引したことが窺えます。バブル商状の株式ではこうした一部の思惑で値動きが出てしまう。ただの利確ではない、思惑相場の展開でもありました。

イエレン議長は会見で、最近米国で高まるFRB改革にも言及しています。市場原理主義の共和党が政権を握れば、それこそ今のようにFRBが市場に関与しすぎる状況に、批判が高まることになります。翻って日本では、市場原理主義でもあるはずの安倍政権は、日銀におんぶにだっこの状況で、市場に委ねるといった方針ではないばかりか、日銀改革すら議論の俎上にあがりません。
形だけ、市場原理主義、新自由主義を導入していいとこどり、というならまだしも、現状のバブルには何ら対策も示しません。決して米国が最善とは思いませんが、少なくともバブル退治に目配せしている点は、評価できるのでしょう。欧州系に振り回される市場、というのは一歩間違えれば、暴落を引き起こす要因ともなりえます。むしろ積極的にバブルをおこす日銀は、富める者と貧しい者とを生み、破滅的な状況を自らつくりだしている、と言えるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:15|PermalinkComments(5)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | アメリカ

2015年03月18日

日銀金融政策決定会合について

春闘でベアが過去最高、という報道が相次ぎます。しかし定昇含め、3%程度に達しなければ一昨年並みの生活水準にすら、もどりません。それを踏まえれば、過去最高などという言葉に何の意味もないことが分かります。つまり今年度は一貫して、過去最悪の生活水準の悪化を経験しているのですから、どこまで戻るか? それを基準にして考えなければウソになります。

『安倍が(嘘を)つき、黒田が(屁理屈を)こねし、バブルもち―』の、黒田総裁が日銀金融政策決定会合後の記者会見で、金融政策の現状維持と、物価の先行きが当面0%程度との見通しを示しました。エネルギー価格の下落を原因に挙げますが、ではWTIが1バレル100$台をつけていた頃が、本当に適正な価格だったのかどうか? 本来、需要と供給により価格は決定されますが、ならばこれほど急落するのは、よほど経済が失速しない限り有りえません。逆に言えば、脱デフレ傾向だったのは円安と原油バブルが影響したものであり、実際の効果のほどは低かった、ということにもなります。原油価格の読み誤りとは、その時点まで遡ることになるのです。
民間の消費者物価調査で、一部急騰しているものがありますが、増税前の年度末を控え、在庫を抱えたまま4月を迎えたくないため、値下げした分が影響しているのでしょう。3月いっぱいはその傾向が続きますが、4月以降は円安上乗せ分と、消費鈍化による値下げの影響とが交錯する形になります。そこで0%を打ち出したのは、よほど日銀も自信がないのでしょう。ベアが過去最高となり、来年度から消費が活発になるとすれば、値上げがしやすくなるのですから、物価目標も高くおけるはずです。ここにも、市場で謳われることと日銀の意識との乖離がみられます。
会見では黒田氏の歯切れが悪く、記者が詰め寄るシーンもありました。岩田副総裁も含め、2年で2%の物価目標を達成できなければ責任をとる、とまで2年近く前には述べていたのですから、責任のとり方を知りたいのは当然です。辞任するかどうか、というより、現状認識を正しくし、新しい施策が必要なのではないか? とは誰もが感じます。そもそも脱デフレが正しい施策なのか? 資金を大量に流し込めばインフレになる、という手法自体の正しさでさえ、議論の対象とすべきです。円安による輸入物価の上昇は、決して資金供給の結果ではない。むしろ副作用が引き起こした症状、という意味において、本来の作用として期待された経路とは異なるのです。

2月貿易統計で、赤字額で前年比47.3%減少、とあたかも景気が好循環を示し始めたかの報道が相次ぎます。しかし輸出の数量ベースは2.1%減、輸入は4.5%増なので、原油安が大きく寄与した形です。しかも好調な欧米にむけた輸出が好調、アジア・中国向けが低調。これが価格帯を押し上げた面もあります。この傾向が今後もつづくか? 欧米の不動産市場に変調がみられるように、もう少しみないとこれが本格的な欧米の復調かどうかは、読み解けないところでしょう。
黒田氏の屁理屈も、化けの皮がはがれつつあります。安倍氏の嘘はすでに自明ですが、そのバブルもちの味付けは、米国の動向に関わっているという意味では、ジェリービーンズ味なのかもしれません。ミシェル夫人が初来日していますが、Abeを発音するとアビになります。今、日本のメディアは総じて安倍共感となっていますが、それが阿鼻叫喚に変わるのかどうか? まさに安倍のベアの成否によるのかもしれませんね。

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2015年03月17日

原発廃炉と株式市場

日本の株式市場が、ふたたび活気を失っています。朝高後、値動きが止まってしまい、日中は売買も低調。今日も売買代金が2.5兆円を切るなど、SQ後の高所恐怖症と、「上げる」と思っている層も朝高で出動機会が減るなど、閑散商状です。すでに米市場離れを起こしているので、これは単なるFOMC待ちではなく、市場参加者の減少を感じさせます。個人投資家が好む銘柄、新興市場がまったくこの上昇についていけてないように、「上げる」層がいない市場の低迷ぶりは、日本市場への魅力が薄れていく、その過程の一つということなのかもしれません。
一つ、川柳を紹介しておきます。『安倍が(嘘を)つき、黒田が(屁理屈を)こねし、バブルもち、すわって食うは、外国人投資家』というものです。途中に『かんぽ、年金が味付けし…』を付け加えると、現状を示すのかもしれません。詠み人知らずですが、結果として天下をとるのではなく、食った後に逃げられる、という意味ではより深刻な状況であり、笑える状況でもありません。

原発が廃炉、と一斉に報じられます。廃炉にしても放射化し、高レベル廃棄物となった圧力容器を処分することもできないため、現地に置かざるを得ません。また低レベル廃棄物をどう処理し、再利用するつもりなのか? それを監視しておかないと、日常生活に低レベル破棄物が入り込んでくる恐れもあります。例えば、山奥にある高圧電線用の鉄塔など、安全性さえ確認できれば、電力会社としては再利用もしやすいので、使用される恐れが拭えません。
しかも気になるのが、電源三法交付金が消える地方都市に、別の財源を政府が検討し始めていることです。原発には寿命があり、補助金はいつまでも受け取れない。原発立地自治体は、それを見据えて将来に亘って収益になるような、そうした事業をつくらなければなりません。しかし豪華な保養施設をつくったり、市庁舎だったり、分相応の贅沢な暮らしを享受してきたことも事実です。それを維持するための補助金なら、日本国民は何のために高い電気料金を払っているのか? 『かつて』原発を立地していた地域を養うために、ずっと補助金を払い続けるなら、日本は今後も増えていくその負担で、自滅の道を歩むことになるのでしょう。

日銀の緩和マネーで、じゃぶじゃぶになった株式市場、補助金で財政規律が緩み、原発が廃炉になった途端、苦境に陥る原発立地自治体は、実は明日の株式市場の姿なのかもしれません。公的マネーが消えたとき、自立できる姿をみつけておかないと、今のバブルは将来の負担になって、日本の株式市場ばかりでなく、日本経済全体を襲う災厄となってしまうのでしょう。
賃上げで来年度の消費が活発…という理屈は、トリクルダウンと同じぐらい、実証性は何も証明されていない話です。原発が、安全を重視するとどんどん高コストとなり、実は他の発電方法よりも効率の悪い発電であることが議論されていますが、それと同じ。日銀の緩和が、高コストの経済政策であるかどうか、あったのかと後に証明されるかどうかは、この株高が実体経済とどう整合するのかを、今からよく見ておく必要があるのでしょう。原発にしろ、日本だけが特殊な状況におかれ、議論がすすまないように、日銀の質的、量的緩和もまた世界からみると、かなり特殊な状況なのに、それの成否については未だに冷静な議論が為されません。この国は、お金があると気持ちが緩み、浮かれて使いまくる、という他人の金を扱う行政や、市場関係者の体質そのものに、問題の根があると云えるのかもしれませんね。


analyst_zaiya777 at 23:20|PermalinkComments(6)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 原子力

2015年03月16日

国連防災世界会議と日本の対応

東洋ゴムの免震装置のデータ改ざん、担当が1人で、管理職も1人という体制を「信じられない」という声もありますが、むしろ自然です。人件費削減が叫ばれた頃から、ダブルチェックはコストアップとの認識が広がったのですから。よって当初、どういう経緯で偽装したか、は不明でも、ダブルチェックがないのですから担当が替わらない限り、不正をつづけることが可能です。10年も担当していることから、担当者は出世コースには乗っていない、技術畑の人間と分かりますが、上司はもち回りで代わり、内容も知らない。しかも、不正が発覚した後も是正していないことからも、安全を軽視する企業風土がそこには厳然と存在していたことをうかがわせます。

バヌアツ共和国のサイクロン被害で、日本は6名の調査員を派遣しています。しかしこれは二次支援に必要なのであって、一次支援として水、食料、医療品などを送ることが大事です。こうした被災では何段階かに別けた支援が重要であって、じっくりと調査してからの支援とは別に、即応するべきなのです。どうも積極的平和主義の、その積極性は日本政府から感じられません。
国連創設式典のスピーチでも、安倍氏は積極的平和主義をもりこむ予定ですが、その言葉がもつ意味については、日本人ですら理解していません。だとすれば、実績を示していくしかなく、それこそこうした海外の被災地に対して、日本が素早く、確実な対応を示してこそ言葉が意味をもっていくのです。しかし安倍政権にそうした意図は垣間見られず、言葉だけが上滑りします。

しかも仙台で国連防災世界会議が開かれており、安倍氏は「国際社会に貢献したい」と述べたばかり。ただしその貢献策は人材育成や制度整備、インフラ支援など、どうも防災というより『天下り団体の創設と公共工事』の匂いがぷんぷんするものです。それらに40億$の予算をつけることからも、利権に群がる構図がここにみられ、積極的営利主義とでも云えるかのしれません。
この世界会議でも、コントロールしているはずの福島原発に関しては、安倍氏からはほとんど言及がなかった。むしろ原発立地地域でどう防災を組み立てていくか、は積極的に日本から発信して行くべき内容です。コントロールできていないから、日本からは何も発信できない。発信する項目がない、とするなら恥ずべきことです。4年経って、原発再稼動には前向きですが、そこには国際的に誇れる安全対策があってこそ、ではないということなのですから。

防災を尽くした、そう考えていても被害は出てしまいます。防災とは、被災後にどう対応するか? もまた議論されて然るべきであって、今回のバヌアツはその行動を示すべきときでもありました。安倍政権はそこでもまた、失敗しようとしています。外交では失敗つづきで、今もって安倍政権を積極的に応援してくれる、海外の国はありません。内向きで、中身のない人間ほど積極的、積極的と使いがちですが、問題が複雑化してきて対応が困難になると逃げてしまう安倍政権では、積極的閉鎖主義ということになってしいまっているのが、現状なのでしょうね。


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2015年03月15日

雑感。海外の不安な記事

最近のハイテク関連は、残念なニュースがつづきます。まずApple Watch、バッテリーが18時間しかもたず、へたってくると半日ももたなくなります。これは腕時計ではなく、健康器具としてスポーツをするときに使うもので、需要は限定されるのでしょう。しかも通話などはiPhoneがないとできないのですから、尚更これをもつ意味は限られます。よほど両者をつなぐアプリがなければ、一般の人には買う必要がありません。もう一つはVAIO Phone。価格は高級品、中身は中級から低級、というブランドイメージを壊す最悪の代物です。こういうがっかりしたニュースがつづくようだと、スマホ関連の成長が止まる気がしてなりません。むしろ差別化が難しくなり、メーカーが迷走する結果としてこの二つがあるのなら、象徴的な存在にもなりそうです。


バヌアツ共和国にサイクロンが直撃し、大きな被害が出ています。大統領が訪日中であり、日本の対応が聞こえてきませんが、支援は素早く発表した方がいい。むしろもうニュージーランドに到着しているぐらいの方が『積極的平和主義』をアピールできるはずです。災害の多い日本だからこそ、暴風雨の後に必要な物資についての知恵もあるはず。しかも訪日中なのですから、尚更その行動について、日本政府も責任をもってことに当たる必要があります。
海外から不穏なニュースが伝わります。露国のプーチン大統領の重病説。頑健さを売りにしてきたプーチン氏だけに、こうしたニュースには即座に反論し、元気さをアピールするはずが、映像が流されるものの録画かもしれない、といったことで、明らかにこれまでと様子が異なります。しかもウクライナ問題は小康とはいえ、解決していないこのタイミングでの雲隠れ。もしかしたら露国に激震が走るのかもしれません。独裁者の急逝は、必ずその国に新たな権力闘争の火種を生みます。直近の露国からのニュースには、注目しておかなければなりません。

中国とミャンマーも一触即発です。ミャンマー軍機の爆弾が、中国側に着弾し、犠牲者がでたことで中国としてはいつでも介入する口実ができました。ただ、アジアインフラ開発銀行への、英国の出資という話もありますが、中国としてはここでコトを構え、国際社会から制裁をうけてしまうと、金融面での協力が頓挫するばかりか、さらに投資資金が引き上げられかねません。ミャンマーの反政府軍に肩入れするぐらいはできても、それこそウクライナの親露派と同じで、それが知れると制裁を受けかねず、中国としても痛し痒しの状況がつづきます。
日本でも安保法制に関して、公明が自民の方針を了承し、関連法案がでてくる見こみです。しかし例えば中国とミャンマーが交戦し、そこでPKOとなれば、両国で活動する企業を人質にとられた状態となります。下手にどちらかと交戦すると、企業への嫌がらせもおきかねません。日本の場合、米企業などと違ってメジャークラスの企業ではなく、中小企業が海外展開するケースも多い。その場合、まず標的となるのが確実なのです。日本の自衛隊の活動は、こうした面からも厳しい、と言えるのでしょう。それを弁えず、米国と同じ立場で活動しようとすると、国益を害すことが確実です。日本が安保に関して迷走を始めるのが確実ですが、がっかり感がでるころには手遅れ、ということになってしまうのでしょうね。

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2015年03月14日

雑感。言論の自由と言論の操作

国会ではTBSの番組に安倍首相が出演したとき、街頭インタビューに注文をつけたことを「言論の自由」と首相自身が発言し、もめています。しかし公に発言した安倍氏のこの発言には、問題がありません。それで萎縮してしまう報道人がいたら情けない、と安倍氏自身も述べていますが、その情けない報道人ばかり、という問題はありますが…。さらに言えば、その発言自体というより、そのことを議論すらさせない、といった風潮にも問題があります。ただそれ以上に、安倍政権では特定の番組、公人を狙い撃ちする形で、暗に圧力をかけていることの方が問題です。安倍政権では、政治家の言論の自由は最大に認めるものの、公人、私人の発言は監視している。その行為には大いに問題がありますし、さらに言えば編集のやり方に口をだしていますが、逆に「安倍ノミクスの恩恵を感じる」と述べる人を、わざわざ探し出して報道するなら、それはメディアが世論誘導した、ということになるのです。発言には問題ありませんが、その内容については決して褒められたものではない。むしろ批判されて然るべきものです。「編集のやり方に口をだすのは、政治権による報道機関への明確な介入ではないか?」と。

しかし、例えば露国でもプーチン政権の支持が高い。メディアはウクライナ問題で失速した露国経済関連の報道を控えるようになった、という話もあります。つまり国民が落ち着いているのは、露国経済の実体を知らされていない恐れがあります。ことほどさように、メディアが政治に加担すると、支持率など容易に操作できることが、露国からもうかがえます。そして韓国の朴政権の支持率が改善した、という報道もありますが、ここにも穿った見方をすれば、世論調査を操作する禁断の手法に、朴政権が手を染め出した恐れすら拭えない、と考えています。
もし米大使の襲撃事件を、米国への天誅だと考えて政権支持率が上がったのなら、韓国国民の意識の歪みは、国際社会から白眼視されるレベルの酷さ、ということになってしまいそうです。いずれにしろ、世論調査を操作するのは直接、間接に可能であり、それは日本も当てはまります。

これは最近の経済指標でも、首を傾げるものが多い点からも指摘できます。2014年通年のGDPが、速報ではプラスを維持したものの、改定値ではマイナスになった。これは1-3月期の増税前の駆け込みを含む数字なので、より深刻です。しかも速報レベルで増やした在庫が、改定値では大きく下がった。操作し易い数字を弄る、というのは大いにその疑惑を深めるものです。
さらに、安倍氏の政治資金の1万円以下の使途が報じられると、他の閣僚の領収書を官邸が調査をはじめ、公開に時間がかかっていると言います。そんな微に入り細を穿つようなことをする官邸で、国民の目に広く晒される経済指標に注文をつけないはずがない。一応、法的に経済指標をまとめる仕事には規制もありますが、安倍政権ではそれらの法的な部分すら蔑ろにしがちです。安保法制の議論にしろ、官邸は最大限に解釈して適用することを示唆したぐらいですから。世論が正しい認識をもち、判断するためには、情報を公開する側に相当の覚悟と、信念が必要です。今、世界はその覚悟と、信念が歪んでいる国が増えてきています。政府が経済で失政を重ね、国民に夢や希望を与えることができなくなり、夢や希望に類する話を吹聴するようになっています。それを指摘するような街頭インタビューを流すと、それにケチをつける政治家の存在が、端的にそのことを示していると言えるのでしょうね。

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2015年03月13日

株価が19000円越え

今日も株は大幅高です。最近、市場には「上がる」と思っている人より、「上げる」と思っている人の方が多く、全員がそのトレンドフォローになっています。なので、下げ材料になるような項目は潰しにかかる。例えば今日のメジャーSQも19225.43円と、始値より大分高いところでつけると、幻のSQにしないために買いが入ります。今日も「上げる」と思っている人たちが元気だ、となるとそれに追随する。最近、クジラなど呼ばれることもありますが、市場にいる『上げ潮』派が元気なうちは、この騰勢を妨げるのはよほど海外から強烈なマイナス要因がないと難しい、ということでもあるのでしょう。実態との乖離はますます広がりそうです。

昨日発表された法人企業景気予測調査、1-3月の大企業BSIの現状判断は1.9、としか報じられませんが、増税後からずっと右肩下がりで、4-6月の見通しは1.0とさらに下落します。中小企業は-14.8と、ずっとマイナスに沈みますし、企業の景況感は悪化をつづけることが示唆されます。
しかも、利益配分のスタンスを聞いていますが、大企業は設備投資60.3%、内部留保56.1%、株主への還元55.4%となり、人件費はでてきませんが、中小企業は内部留保56.8%、従業員への還元55.4%、設備投資39.8%と並びます。苦しい、と答えた中小企業の方が、従業員に優しい、という事実がこの国の問題を表しているのでしょう。しかも経常利益は全産業で今年度0.3%の増益、来年度は0.5%の増益を見込みます。市場関係者が謳う二桁増益、とはほど遠い内容といえます。企業はいつも慎重なものですが、これだけ実質賃金が大幅に下がってきた日本で、少しぐらいベアが達成されても消費が改善される見込みがないにも関わらず、それを囃すのと似るのかもしれません。

2月の消費者態度指数は前月差1.6と上昇しましたが、ここ半年で前年同月を上回ったのは初です。しかしこれは原油安が影響しているとみられ、耐久消費財の買い時判断がぐっと上がったように、これまで大きく下がってきた分の反動でしょう。2月後半からふたたびガソリン価格など上昇を始めており、その影響がどう出るか、を見ておかないと判断がつかないものです。
米国でも同様に、景気が回復しても消費が改善しないのは、これが金融相場だからです。通常の景気循環なら、引き締めは金利の調整であって、インパクトは小さい。しかし量的緩和からの引き締めは、どうしてもインパクトが大きくなってしまう。家計は景気回復を信じられず、防衛的になる。特に、今の市場の異常な値動きなどを見るにつけ、それが弾けたときのマイナス面を想像し、余計な出費を控えよう、控えようとの意識が働きます。金融緩和からの出口にはバブル状態でないと、とても脱出することができません。日本とて、市場関係者がいうように来期の企業業績は二桁増益が期待できるのなら、緩和を続ける意味は、本来失われているといえます。日米の金融政策担当者の考え方の違い、それはさらに消費者を不安にさせる要因ともなります。

英国がアジアインフラ投資銀行(AIIB)への参加を表明しました。実は、英国はロンドンなど一部の大都市でのみ、不動産バブルが起きていましたが、最近その状況に変化が見られます。あくまで個人的な見方ですが、英国はバブル崩壊に伴う失速を恐れ、中国に阿ったのではないか? 英国にもっと投資を。それがAIIBへの参加という形になったのだと見ています。つまり市場を人質にされた時点で、英国に選択肢が残されていなかった。市場の上昇だけをみて喜んでいるようだと、これは米国、日本とて同じ話になりかねません。英国が対岸の火事ではなくなります。
クジラの生態をよく調べると、海面から深海まで頻繁に行き来する、と言います。エサをとるばかりでなく、寄生虫を振り落とすため、海面にジャンプする種もいます。日本の市場は一直線に上がっていますが、これで海面からジャンプし、集っている寄生虫を振り落としたとき、後は一気に沈んでいくだけかもしれません。日本にいるクジラ、それをおいしく食べるのは鯨食の文化がある日本人ではなく、海外の投資家だったときは、悲惨なことになりかねないのでしょうね。

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2015年03月12日

株価上昇の要因?

線虫が癌の匂いを嗅ぎ別ける、という研究が発表されました。将来的には安価で、あらゆる癌の早期発見ができる可能性もあり、期待されるところです。研究者は実用かには十年という言い方をしますが、こういう研究は海外の、特許ビジネスを狙う輩が鵜の目鷹の目で狙ってきます。線虫だけに、鵜も鷹も食べようとはしませんが、その目には注意しておくべきでしょう。

今日の日経平均は一瞬19000円をつけるなど、かなり強い動きを示しました。ただ、SQに絡む仕掛け的なものであり、決して日本経済の強さを好感したものではありません。一部、トヨタのベアに反応…という記事もありますが、ベアに関しては元々前向きでしたし、額が判明しただけです。以前から指摘している通り、ベアを実施しても総人件費を変えないよう、企業は労働組合側と条件で話し合うのが常であり、これをもって内需が活性化するというのは誤りです。何より、SQに向けてロールオーバーで先物の商いが膨らむ中、昨日など現物株は2兆円ちょっと、今日も2.5兆円ちょっとしか売買が膨らんでいません。3月のSQに向けた週など、活況な年なら毎日3兆円を越えるほどの取引ができているはずです。本当に日本景気が来年にむけて、活況になるなら、インカムゲインが期待できる現物株をこの時期なら買っているはずです。
しかも先物市場では、日経平均先物225に比べ、TOPIX先物が1.5倍以上に規模が膨らんでいます。これほどTOPIX先物だけに偏った取引は珍しい。有力な説としては、世界各国で債券がマイナス金利となり、債券運用者にとって有力な投資先がない。欧米の株式は高値圏にあって怖い。そこで日本の株、しかもTOPIX先物に限って取引している、とするものがあります。本来、債券取引を重視するのは年金など、安全資産での運用を基本とする主体です。仮に株式を買うとしても、大型株の経営が安定した企業であり、先物運用などは多くありません。しかし海外の投資家にとって、日本企業の経営の問題まで深く精通するのは困難であり、また長く資金を置いておくには円安など、様々な問題もあって不透明。そこでTOPIX先物を買う、という形をとります。

日経平均先物は、一部銘柄の寄与が大きく、値動きも荒いため手がけにくい。大型株も不祥事があれば売り込まれ易い。流動性も高く、規模も大きく、また公的マネーが明確に下支えする、と宣言しているもの。それがTOPIX先物であり、海外の債券運用者がこぞって買うようになった。それが日経平均先物225の1.5倍の規模まで、TOPIX先物を膨らませた原因とされるものです。
今回、順調にロールオーバーがすすみ、先高期待が維持された、と喜ぶ市場関係者もいますが、将来出てくる大きな売り圧力を先送りしたに過ぎません。また日本は近い将来、必ず多重苦が訪れます。公的マネーが買い余力を使い果たしたら、日銀が引き締めに舵をきったら、為替の急変動がおきたら、債券市場が急に動意づいたら、必ず株は大きく下落する。そのとき海外の債券運用者は、今のポジションを整理します。巨大な売り浴びせが起きることにもなるのです。

そもそも企業が人件費を上げるなら、一時的にしろ減益要因となり、企業の株としては売りが妥当です。それを上回って経済が拡大する、という確信があって買うわけでもありません。米国ですら雇用が絶好調とされながら、小売の経済指標が弱含むように、ベアや雇用情勢は必ずしも景気とは連関しなくなっています。現代版の経済構造は、従来の常識を覆しつつあります。
以前も指摘しましたが、海外の債券運用担当者…とは言いますが、そこには日本の公に近い機関のマネーも雑じっているかもしれません。日本にいる獅子身中の虫は、癌に近づいてそれを悪化させはしますが、誰にも知らせてはくれません。虫の息になる前に、治療が必要なのですが、それを治療するはずの金融、経済の担当者が、寄生虫のような状況ではそれこそ望み薄です。19000円をつけたことが、虫の知らせにならなければよいのですが、啓蟄をすぎてますます悪い虫たちが跋扈するかもしれない。日本はあらゆる意味で危機前夜の状態なのでしょうね。

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2015年03月11日

雑感。東日本大震災から4年

東日本大震災から4年です。安倍首相はつい先日も福島に視察に行きましたが、仮設住宅は立ち止まって説明を聞いただけで、すぐに立ち去ったと言います。仮設住宅は断熱性能が低く、また湿気も高くてカビがひどい、と言います。しかし復興予算が余っている、という記事もありますが、ならば仮設住宅の上に住宅の駐車場のような屋根をかけるだけでも、大分違ってくるはずです。雨や雪が直接当たるので、水が染みこむのですから、それを避ける。仮設住宅同士を屋根でつなげば、雨が降っても人々が外に出てくるのが容易となるので、コミュニケーションもとれ、寂しさを感じなくて済むようにもなるでしょう。そうした提案をするのが政治家の仕事です。
もっとも、政府は仮設は仮設、長居する場所ではない、早く出て行って欲しいというのが本音でしょうから、問題や苦情があっても放置します。しかし生活再建もできず、住宅ローンも組めない、家賃も高いとなれば仮設住宅から出ていくのも困難です。ではそこに政治の知恵があるのか? 公営住宅の話もありますが、家賃の問題はずっと付きまといます。津波、原発など家を失った事情は様々ですが、少なくとも生活再建を難しくしているのは原発が主因です。国ばかりでなく、東電がもっと積極的にこうした問題に関与してもよいのかもしれません。

その東電では、昨日も汚染水タンクの堰に溜まった雨水が750tも洩れ、しかも高濃度の放射性物質が発見された、と発表されています。まず驚くのは、タンクの周囲にある堰に、まだそれほど高濃度の放射性物質がある、という事実です。堰には人が近づけることからも、安全対策は万全にしなければならないはずです。一度、洩れた後でふたたび舗装された、とされますが、そもそも地下水の多い場所で、その流れを変える作業をしています。地下水が減ると、それだけで地面が沈降するなど、問題が出てくるはずで、単なる舗装ではすぐにひび割れが生じるのでしょう。
事故時、水溶性セシウムと不溶性セシウム、その両方が飛散したとされます。水溶性は水に溶けるため、一時的に体内に取りこまれるととどまりますが、汗や尿から排出できます。一方で不溶性は、胃に入ってもそのまま排出されますが、肺に入ると体内から排出するのが難しく、ずっと線量をだしつづける、被曝しつづけることになります。福島原発の敷地内は、未だに線量が高い場所が多い。それは不溶性セシウムがそこにあり、ふたたび舞い上がる恐れも示唆するのでしょう。今、屋外の作業では口にマスクをするだけで、目は露出した状態ですが、目から入った砂埃などが、鼻を通ってノドへといたることなども考えると、不安にもさせられます。

メディアでは思い出したように、廃炉の話や高レベル廃棄物の話が取り沙汰されますが、原発そのものの再稼動については、あまり特集としては報じられません。電力会社に配慮した姿勢が滲みますが、再稼動の前に、改めて福島原発で起きていること。そこにあるセシウムなど、放射性物質の問題などを再考しないまま、再稼動を前提にしていることは危険に過ぎるのでしょう。
新聞の発行部数が下がった、という話もありますが、読売の大幅減には政府に阿諛追従する態度や、原発再稼動を推進しようとする態度に、読者が辟易した面も大きいと考えます。慰安婦問題で部数を落とした朝日新聞、原発再稼動の推進派とみなされる読売。国民の方を向いていないメディアは、結局のところ衰退産業にしかなりません。原発について、改めて中立的に考える契機にも、こうして震災、事故をとらえる機会が大事なのでしょうね。


analyst_zaiya777 at 23:17|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 社会 | 原子力

2015年03月10日

円安、株安、債券安

独国のメルケル首相が7年ぶりに訪日しています。日独が接近、と伝えるところもありますが、明らかにウクライナ問題で対ロ包囲網を築く目的であることが窺えます。ただし、米国のように露国を苦境に陥らせ、態度を軟化させようというものではなく、むしろ露国に接近しようとする日中の動向を知る、という目的でもあるのでしょう。さらに言えば、ウクライナ国内の紛争が解決した後、経済復興をするためには多額の支援が要る。IMFはすでに支援を決めましたが、IMFを通じたものであっても日本に追加支援をするよう、依頼しに来たという面もあるはずです。
経済的には絶好調で、日本に接近する必要は独国にはありません。7年ぶりの訪日、ということが両国の事情をよく表します。日本にくると、戦後の問題や原発再稼動など、両国の違いが浮き彫りになりますが、あえてこのタイミングを択んだ、ということは穿ち過ぎかもしれません。独国にできて、日本にできていない、その差は独国にとって極めて優越的な状況を生みます。しかし支持率の高さからみても、メルケル氏にそうする必要性は皆無であり、あえてそれをすることもないのでしょう。ただ、それでも日本にクギを刺しておく必要があったとすれば、やはりウクライナ問題なのでしょう。実利、というのとは少し異なる事情がそこに垣間見えます。

今日は円安、株安、債券安のトリプル安となった日本市場、政府にも激震が走っていると言います。円安でも株高にならなければ、日銀が追加緩和をする必要性がないばかりか、逆効果になりかねません。つまり金融政策に制限がかかった。しかもこれ以上、日銀が債券を買うと、それこそ新発債のほとんどを日銀が買い占める、ということになりかねません。そして日銀の追加緩和の政策対応が不可能になると、政府、日銀は市場コントロールを奪われた状態になります。
しかも円安、株安になると外国人投資家も見切り売りをだしてきます。2月に2.6兆円、そのうち2兆円以上、先物を買い越している外国人が売れば、日本市場は調整局面入りとなります。しかもこの円安、株安はドルベースの日経平均の目減りとなるため、一気呵成に売り始めるかもしれない。円安でも日本経済にとってマイナス、この認識が広がったことは日本政府、市場関係者も脅威でしかないのです。しかも、そこに債券安が加わった。債券安はまだ気にするレベルではありませんが、たびたび不調をおこす入札、ある日突然応札なし、ということもあるかもしれません。

未だに下村文科相の疑惑が追及され、国会では『政治とカネ』が主要議題になっています。しかしここで出てきた『政治とカネ』は、安倍政権が自慢してきた、政治がコントロールするマネーの変調、という意味でより重要です。明らかに安倍ノミクスの流れが変わった、とも囁かれます。為替離れを起こしたと見られていた株式市場が、逆の相関を見せ始めたのですから。
さらにギリシャが支援に必要な対策をとっていない、という問題が出てきました。このままでは3月末にかけて、ギリシャ問題で市場が右往左往する場面もでてきそうです。独国の諺では『財を慕うものは、諸々の悪しきことの根なり』と言います。日銀がお金をばらまけばインフレになる、脱デフレという政策をとってきた政府、日銀が、財を慕うものであったかどうかは、今の政治とカネの問題にも端的に現れているのかもしれません。最後に、これは聖書の一節ですが、載せておきます。『なぜあなたは私に災いを見させ、労苦を眺めておられるのですか。…法律は眠り、裁きはいつまでも行われません。悪者が正しい人を取り囲み、裁きが曲げて行われています』 もしかしたら、この国で起きていることはこれなのかもしれません。裁きを政治による施策だと看做せば、施策が曲がるときは、悪者が正しい人を取り囲むような状態で為される、今のメディアによる言論統制がまさにそれに当たるのかもしれませんね。

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2015年03月09日

GDP改定値と景気ウォッチャー調査

10-12月期GDP改定値が実質で前期比0.4%増、年率で1.5%増と、速報値のそれぞれ0.6%増、2.2%増からは下方修正されています。速報値からの変化は、在庫が0.2%増から0.2%減。民間の設備投資が0.1%増から0.1%減。家計支出0.3%増から0.5%増。在庫の減少はよい兆し、という報じ方もありますが、企業の設備投資が減少したことでも分かるように、製造業が活況というわけでもありません。個人の支出も、実は9月から急速にすすんだ円安の影響で、中国人の爆買いの一部がこの数字にのっている可能性も示唆されます。春節前ですが、ネットで日本が安い、と喧伝されていたとも伝わります。旅行者と個人の消費が明確に別けられない以上、疑念はつきまといます。
気になるのは、国民総所得(GNI)が1.7%増から1.5%増に、引き下げられたこと。雇用者報酬も0.1%増から0.0%に下方修正されています。結局、賃金は通年でも実質ベースでは改善されなかったばかりか、国民全体の稼ぐ力も落ちた。それ以上に、GDP速報値ではギリギリ通年でプラス成長になるよう、数字を細工したのではないか。その化けの皮をはぐと、通年では0.03%減、つまり通年でマイナス成長になったのではないか? との疑念はさらに深まったのでしょう。

2月の景気ウォッチャー調査は、極めて良好な数字が並びました。現状判断DIが50.1と前期比4.5ptも上昇。先行き判断DIも53.2と前期比3.2pt上昇。項目別でもすべて上昇、地域別でもすべて上昇、年が明けてから急速にマインドが改善されたかに見えます。その理由として原油価格の下落を挙げるケースもありますが、実は『良』や『やや良』と答えた人の理由をみると、首をかしげるものが並びます。「可処分所得が増えて消費が上向くと思われる」、「地方公共団体によるプレミアム商品券に期待」、「外国人旅行者の消費が堅調」と、期待と外国人頼みで指数が好転した、となっているのです。つまり実態を伴わない、期待先行の状況と言えるのでしょう。
しかも『やや悪』とした判断理由では、「値上げが相次ぎ、来客の防衛意識が強まっている」、「(自動車の)減税制度が終了すると、一気に冷え込む可能性」、「値上げをとりもどせるか不安」というものです。悪い方の判断では、良い方の判断よりもよほど実感が伴っている印象です。しかも判断理由について、『悪』としたものが載っていない。抜粋されているわけですが、『良』に比べて、割合が多いにも関わらず、判断理由の概要にほとんど採用されない理由が分かりません。これは地方別でも同じ、悪い理由の方が、よほど学ぶべきものがあるにも関わらず、です。

メディアはこの景気ウォッチャー調査が現状でも、先行き判断でも、判断の分かれ目である50を超えた、としか伝えません。しかし上記したように、判断理由は良いとしたものは期待先行、悪いとしたものは現状を見ている。一般的にも当てはまる傾向ですが、今回気になるのは、GDP速報値をぎりぎり通年でプラス成長に見せかけたように、景気ウォッチャー調査も現状、先行きとも50に乗せることが優先されたのではないか? そんな疑念すら湧いてくることです。
しかも原油価格の下落でも、好影響が期待できるとするところから、それでも悪いとするところまで。ここに来て、ガソリン価格が再び上昇しており、120円台にのせた為替も、原油安の影響を相殺する方向で働くでしょう。しかも良い方の判断では、外国人旅行者頼みのところが多い。結局、国内景気を支えるのは国外の要件だけ、という構図がここからも見え隠れします。内閣府は「緩やかな回復基調」に判断を上方修正しましたが、『悪』とする判断理由を載せないことからも、良い、良いと言うことでマインドを改善させよう、印象をよくしよう、という政権の判断理由の方が強く滲む形になっているのでしょうね。

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2015年03月08日

自民党大会について

中国の王毅外相が、反ファシスト戦争70年の軍事パレードに「誰であれ誠意をもってくるのであれば歓迎する」と、安倍首相を招待する意を含ませました。先の日中首脳会談、国旗も外し、愛想笑い一つみせなかった習近平主席が、ふたたびクセ球を投げてきた印象です。出席すれば談話にクギを刺され、出席しなければ日中の友好を踏みにじった、として批判できる。本来れあれば出席した上で、逆に日本からクギを刺すことが外交戦術としては考えられますが、安倍政権の外交手腕では期待薄です。嫌いな相手、苦手な相手をうまく説得し、胸襟を開かせるような、そんな高等テクニックは国会ですら見かけません。外交の場面で、しかも会うのが二度目、前回は挨拶程度しか交わしていない相手では、まず出席した方が傷口を広げるのでしょう。オバマ米大統領が出席するなら、参加する意味はあるかもしれませんが、このクセ球をヒットコースに打ち返すのはかなり困難で、安倍政権の外交手腕が問われるところでもあるのでしょう。

自民党が結党から60年の党大会を行っています。安倍首相は安倍ノミクスは成果を上げている、と発言していますが、公的資金が株を買う。日銀がETFを買う。公共工事の大盤振る舞いと、それこそフルスロットルで経済政策を打っている、と言いたいのでしょう。しかしそれでこの程度の成長、4-9月期などマイナス成長に陥っているのですから、それはどこか政策がおかしいのです。消費税増税だけではない、労働分配率の悪化など、日本に燻る消費不況には安倍政権ですすむ政策の歪みが影響するのです。好循環どころか、悪循環を起こしているとしか思えません。
憲法改正には触れず、安保法制には前向きな姿勢を示しましたが、安倍政権では憲法改正は間に合わない、との自覚もあるのでしょう。さらにこの時期、統一地方選を前にして憲法改正に脚光を浴びると、不利との思惑も働きます。ただでなくともISILの問題で、安倍政権下では日本の安全を脅かされる、との認識をもたれています。ここで憲法9条を変えるとなれば、益々そうした認識を強めます。安保法制はメディアとのタッグで議論をすり替えることができても、憲法となればそうも行きません。統一地方選への直撃は、なんとしても避けたいところでしょう。

気になるのは「自民党はこの2年で日本人の気持ちを『諦め』から『希望』に変え…」と述べた点です。東日本大震災から4年、様々なメディアでも特集されますが、どれも暗澹たる気持ちにさせられるものばかり。それは決して復興の難しさばかりでなく、行政の怠慢や不作為による影響も垣間見られるものです。そもそも『希望』を感じる人が『安倍ノミクスの実感がない』と、8割以上が答えるはずもない。むしろ安倍政権が始まってから『諦め』が支配し始めたのです。
しかも復興の問題でも、やたらと一体感を煽る『絆』や、暗に我慢を強いられるケースが多い、と聞きます。それが負担となり、心のバランスを崩すとも。安倍政権になってからやたらと恩着せがましく、安倍ノミクスの成果…と訴えた李、積極的平和主義もそうですが、日本人が美徳としてもっていた控えめに、相手の心を斟酌して行動する、といった行動が減った気がします。絆もそうですし、言わずもがなでこれまで日本人が実践してきたことを、言葉にして強要するかのような場面が目立つのです。その結果、強迫観念に陥り、それに耐えられない人が脱落していく。それは『諦め』から『希望』に変えたのではありません。『押しつけ』に変えたのです。その結果、国民は『飽きられている』というのが現状でしょう。自民党が今後、どれだけ続くかは分かりませんが、国民が『呆れている』に変わったとき、寿命がつきるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:03|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2015年03月07日

2月の米雇用統計について

米2月雇用統計が発表され、非農業部門の雇用者数が29.5万人増、失業率も5.5%と改善、市場予想も上回り、早期利上げ観測がでて米株市場は下落、ドルは全面高となりました。ただ金利からみると、まだ利上げはやや遅れるとみているフシもあり、どうにも判断がつきかねる内容ともいえます。原因は、最近注目を集める時間当たり賃金が0.03$の増加と、前年から2%の増加となりますが、前月からは0.1%の増加と相変わらず勢いがない点です。1月に高い伸びだったのも、最低賃金を上げた結果だったことがこれではっきりし、企業の賃金動向にも不安が残る形です。
米国は貿易赤字であり、どの業種で雇用を増やしているか? といえば建設業が2.9万人増であり、これは各国で起きている資産バブルの波に乗り、住宅建設が増えていることが影響しているのでしょう。一方で価格は二極化し、つくる分だけ売れる、という状況にもありません。それこそ投機目的で、中国人の爆買いが米不動産市場にも影響しているのだとすれば、このバブルの波は中国が起こしている、と言えるのかもしれません。極めて重要なのは、投資大国である米国がその恩恵をもっとも受けている、ということ。その結果としての雇用統計とも言えます。

そんな中国では、外国人投資家について制限つきで認めてきた国内投資において、過去に遡って所得税を課す、との検討を始めました。上海・香港の相互取引導入まで遡る、とされることから約4ヶ月程度ですが、寝耳に水の話です。これまでも国内の投資家からもキャピタルゲインに対して、税を適用してこなかった面があり、外国人投資家からとなると、波紋も大きそうです。
さらに中国では地方政府による水増し疑惑に対する調査で、約7倍の過剰な報告があったとされます。公表された内容であり、最悪の部類に入るものでしょうが、他の地方政府も数倍に水増ししているとすると、実は中国のGDPはまだ日本を抜いていないのではないか? とすら思えてきます。しかも、そんな中国の爆買いにより、世界の市場が支えられているとすると、薄ら寒さすら憶えます。これで中国で外国人の機関投資家に課税などがされると、中国から投資資金が逃げていく恐れすらあります。逆に、中国に投資してくれる層にまで課税しなければいけないほど、台所事情は厳しいのかもしれません。

日本の株式市場は、米雇用統計によりシカゴ日経平均先物が大きく上下しました。一時、19000円を越えたものの、米株市場が下落するのに伴い、結果として100円以上下落して返ってきました。円もドルで121をつけましたが、120円台後半で返ってきています。残念ながら、金融相場において米早期利上げ観測はマイナス材料であることは間違いありません。すでに円安離れを起こしている市場では、121円台は逆の意味になるかも知れず、ここからは為替を睨む展開も多くなりそうです。
しかも来週、SQで19000円台をつけるのに失敗すると、当面は弱含んでしまうかもしれません。最近、賃上げで来年度の日本経済は好調…と、昨年とまったく同じことをメディアなどが報じますが、残念ながらベアが上がろうと、増税の影響が消えて統計上、実質での大幅な所得の減少が緩和されようと、成長産業のない、また投資型社会でもない日本では、世界的な波にのることはできないのでしょう。個人が投資しないので、年金やら郵政やらがぞろぞろと市場に参入していますが、外国人投資家が逃げ出すだけで、日本の市場は立ち行かなくなります。中国の投資課税の影響がどう出るかは分かりませんが、金融相場の転換には注意しておく必要があるのでしょうね。

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2015年03月06日

雑感。閣僚の醜聞

ECBが量的緩和の詳細を発表。-0.2%までのマイナス金利にある国債までを買い入れる、としたことで安心感が出て、世界各国でユーロ安、株高の動きとなっています。しかし現実問題として、ECBが月額600億€とした買い入れ額を達成するためには、また欧州主要国の国債がすでにマイナス金利であることからも、マイナス金利の国債を受け入れざるを得なかった、と言うのが真相です。実はこの金額の大きさ、短期で急速に膨らむECBのバランスシート、という面が昨今の欧州圏における経済指標の改善を促しており、逆にそれが達成できなければECBショックが起きる、と囁かれます。つまり金融相場の今、ECBのQE実現はそれだけ重視されているということです。

安倍政権でまた問題発生です。中川農水政務官と、自民党・門議員との不倫疑惑です。中川氏は夫・昭一氏の死去に伴い、地盤・看板・カバンを引き継いでいることもあり、夫を裏切る行為とみられかねず、また門氏は妻子ある立場。中川氏は入院しましたが、今の時代は某女性タレントをみても分かりますが、世論は不倫に厳しい面があります。対応に失敗すると地盤を失いかねません。農水大臣が交代し、またTPP交渉が大詰めのこの時期、どんな大病があって入院しているかは分かりませんが、この程度で心身のバランスを崩すようなら政治家の資質に欠けます。
下村文科相の問題は、答弁が二転、三転しており、ついに「経理担当のミス」と事実上、寄付をお願いしていたことを認めました。取材拒否メールを送ったことも認め、疑惑のほとんどが事実だったことになります。ミスばかりでなく、取材拒否メールや任意団体とされるものが、本来は政治団体として届け出が必要なのでは? との疑惑は残り、さらにミスだから修正すれば済む、という政治資金規正法上のザルぶりにもうんざりしますが、それ以上にこんなお金の管理しかできない人間が、国家予算の多くを決裁していることに不安を感じさせます。

美濃加茂市の市長が贈収賄に問われ、無罪判決が出ています。このとき裁判では、証人である贈賄側の供述が二転、三転し、信用できないとの判断がありますが、まさに下村文科相も同じです。疑惑が報じられてから、何日も経ってミス、と認めるような人間に信はおけません。よく閣僚の辞任ドミノがおきると政権がもたない、と報じられますが、第二次政権になってからすでに3人、もうドミノは始まっています。その論調が正しいなら、すでに退陣を余儀なくされているはずです。そうならないのは、メディアがすぐに火消ししてしまうから。安倍首相への補助金還流の記事が出てくるのと同時に、民主党の岡田代表の醜聞も合わせて報じるなど、メディアも必死で政権側の醜聞を潰します。これがドミノでも退陣しない理由でもあるのです。
今日は啓蟄です。春となり、土の中に隠れていた虫たちが出てくる頃。株式市場にも、水準をブレークしたことで19000円を狙った仕掛けてきな買いが入ったように、来週のメジャーSQに向けて、色々な虫が動き出しました。政治の世界でも、悪い虫たちが税金に集り、補助金をつけて還流するビジネスやら、政治資金すらきちんと管理できないのに、政治家をしている人たちが多くいます。啓蟄の『蟄』という字は、計らずも『蟄居』にも使われ、それは路チューで入院した人にも適用できます。さらに『執政』という字も、今や悪い虫たちによって行われているなら、『蟄』で代用できるのかもしれません。ちなみに『執』という字は、手かせを嵌められ、跪く人の象形文字という説もあります。かつては政治家は、政治に傾注し、それこそ奴隷のように働くという意味だったのかもしれませんが、今では本当なら違反で逮捕されてもおかしくない人たちが行うもの、という認識の方が、的を射ているのかもしれませんね。

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2015年03月05日

安保法制の議論について

米国の駐韓大使が、暴漢に襲撃される事件がおきました。日本の駐韓大使を襲った前科のある人間が、容易に各国の大使に近づけてしまう、その管理体制は外交問題にすら発展しかねません。恐らく、韓国はかなりのペナルティーを支払うことになるのでしょう。それは影に日向に現れるはずです。それがどういう形かは分かりませんが、土下座外交を余儀なくされるかもしれません。
先の米国務次官の「指導者が、旧敵国を非難することで…」の発言は、実は日本向けでもあります。中韓のみならず、日本までナショナリズムに依拠した統治体制をとり始め、それを米国が危惧した面があるのです。ただ、日本では中韓向けとうけとめて冷静に応じ、韓国は殊更に反応する。これで中韓向け、との印象がさらに強まった形です。日本の外務省HPで、韓国に対する表現の変更にも過敏に反応していますが、韓国の打てば響く体質が悪い方向にでると、暴走となって跳ね返る。韓国政府でさえコントロール不能に陥り、さらに米国に代償を払うとなると、下手をすれば韓国は無政府状態になるのかもしれません。形骸化しつつある朴政権の無策と、国民に高まる不満と、それをはらすための愛国とが、今はバランスを崩している状態なのでしょう。

そんな日本では『存立危機事態』とやらで、集団的自衛権の行使にむけた自衛隊法や関連法改正の議論が始まっています。まず船舶検査を『国際社会の平和と安定のために活動する他国軍の後方支援』にまで、拡大することを政府は模索しています。しかし例えばイラク戦争の際、米軍は明らかに『国際社会の平和と安定』を崩す方向で活動していました。今につながるイラクの混乱、ISILの伸張なども、イラク戦争により微妙にとれていたバランスを壊した結果でもあります。
シリアでは反政府軍に肩入れし、ウクライナでは政府を支持する。その行動に整合性はなく、場合に応じた対応です。『国際社会の平和と安定』と判断する基準は何か? 国連による決議か? それとも米軍の行動なら有無をいわさずそう認めるのか? まずそこからして曖昧です。船長の同意を残すかどうか、で自公はもめていますが、そもそも前提となるべき基準からはっきりしておかないと、必ず現場や国内においても混乱をきたすことでしょう。

海外派遣は『国連憲章の目的達成』のため、後方支援を可能とする恒久法をつくろうとしていますが、この文言だと国連の決議は経ないことになります。そもそも国連憲章自体の解釈次第、で適用範囲の拡大が可能です。言ってみれば歯止めなき派遣が、恒久的にできてしまいます。
そして『存立危機事態』です。これに言葉を足すと『内閣存立の危機事態』であっても、内閣は国を代表する立場なので、自衛隊が出動できるという話にもなってきます。『内閣存立の危機』とは、つまり愛国心を煽り、敵国への敵愾心を国民に植えつけ、一体感を醸成して支持を高める、ということでも可能ということでもあるのです。それこそナショナリズムのための戦争も含まれる、となってしまいます。時の政権が、鋼のような精神力で抑制的に、自衛隊を扱うのならまだしも、安倍政権でそれは期待薄ですし、他の政権に代わったとして、それが人格、知性ともに優秀であるとは思えません。それこそ補助金をうけているかどうか、すら自分で調べられない政治家たちが、目の前にぶら下がった誘惑に打ち勝つなんてとてもムリ、と誰もが思うでしょう。だからこそ法律とは、人の欲求を抑制するために必要なのですが、欲望むきだしの安倍政権でつくられる法律、改正法にしろ、初めからハードルを下げよう、下げようという意図ばかりです。韓国ではありませんが、ナショナリズムが歪んだ方向で顕現しようとする輩を、誰かが食い止めないと、多くの人が血を流すことになりかねないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:12|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2015年03月04日

中国への見方が変化か

米国で、中国から妊婦の旅行者を斡旋し、米国籍をとらせる旅行代理店に大規模な摘発が入りました。米国では出産などの費用が高く、また渡航費や安定日に入っているとはいえ、妊娠中に飛行機にのるなどリスクの高いものですが、それでも中国籍より米国籍を択ぶ人が多い、というのが中国の事情を映しています。今、中国から企業が逃げだしているという記事が俄かに増えており、またそれと時を合わせるように、様々な中国人規制が世界で議論され始めています。
中国で活動する米企業の団体、華南米国商会は、今年の投資額を昨年より9.3%減少する、としました。欧州企業の団体、中国EU商会でもすでに13%が投資を延期したか、停止したとします。中国では法規制やネットの閲覧規制が、ビジネス上の悪影響を与えている、としますが、それだけではありません。通信傍受やある日突然、摘発をうけるなどのリスクを抱えます。地元の有力者と結ぶとき贈り物などをすれば、賄賂と認定される恐れもある。有力者と結ばないと、事業が難しい。極めて事業がやりにくく、また内需に停滞感がでており、設備投資をする状況ではない、というのが一般的な判断です。さらに大物投資家まで中国破綻に言及し、逃げ出しやすい環境です。

豪国では、中国人の不動産取得について、罰則の強化が叫ばれています。新築であれば中国人でも買えますが、中古は規制されます。しかし規制の網をくぐり、中国人による中古物件の購入が拡大しているため、摘発と罰則の強化で対応しようというのです。今はまだ議論の段階ですが、中古物件を購入した中国人に売却命令が出れば、豪国の不動産市場も弱含む可能性がでています。
日本では中座くいだおれビルが、香港のファンドに100億円で売却されましたし、2月の百貨店売上高も、中国の春節の影響で好調とも伝わります。世界が中国との関係を、少しずつ変化させつつある中で、日本だけが周回遅れで、中国の爆買いを喜んでいるような印象です。中国では贅沢規制や、取り締まりの強化で富裕層は続々と逃げ出している。そんな中で、日本の円安を引き金として、日本へ向ける資金が増えた。しかし決して長期で期待できるような代物ではありません。

尖閣諸島が中国領、とするHPを中国が立ち上げましたが、今年の国防費を10%増やす見こみとします。研究開発を一から行うので…と理由を説明しますが、最大は人民解放軍の兵士の人件費高騰でしょう。企業が賃上げをすすめる中、兵士の給与を低いままに抑えると、人材が集まらないばかりか、不満が溜まります。中国の軍事予算の膨張は、国家破綻にまで直結するレベルであり、嵩上げされるGDPと、低めに発表される軍事費と、その差には大きな溝ができているのでしょう。
中国の爆買いは、軍隊アリみたいなものです。大勢でやってきて、そこにいる小動物を狩りつくす。問題はそれが今後、爆売りになって返って来るかもしれないということです。豪国の不動産市場ばかりでなく、中国の爆買いで市場が吊り上げられているケースでは、その国の経済の根幹を、中国に握られているのと同じ状況なのです。欧米しかり、日本もまた同様です。中国の軍隊アリがそれこそ軍事的、領土的野心をもって訪れたとき、それこそ爆買いが爆売りとなり、経済を混乱させた上で、攻めてくるかもしれません。今、中国との付き合い方を考えておかないと、将来に渡って禍根を残すことになりかねず、注意が必要となっているのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:56|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 アジア | 一般

2015年03月03日

企業アンケートについて

内閣府の調査で、企業の海外生産比率は14年度で22.9%に達する見込みで、19年度には26.2%と、さらに海外移転をすすめると回答しています。有効求人倍率でみると、求職者数は前年同月比で8%近い減少となるのは、人口減や高齢化などで説明つきますが、求人数まで8%近い減少になっており、労働市場は本当に売り手市場なのか? 極めて懐疑的にみています。しかし本当に求職者数が今後も減っていくなら、企業は日本から脱出するのが当然です。円安だから国内生産へ、とはならない構図が、こんなところにも見え隠れします。つまるところ、日本全体の構造改革を後回しにしている限り、好循環は起こらないということが、こうした調査でも顕著です。
企業は1年後の円ドル相場を119.5円とみており、輸出企業の採算ラインも99円を平均とします。1年前の92.2円より6.7円も上がっており、急速に円高抵抗力が弱っている…というより、円安により輸入物価が上がり、資材も上がってしまうため、円安になると採算ラインが必然的に上がる、という傾向も見え隠れします。ただ、こうした調査で欠けているのが、輸入企業の採算ラインもあって然るべきです。確かに、価格転嫁すれば採算ラインなど無意味ですが、転嫁できない現状があるからこそ、問題があります。さらに言えば、円安をすべて価格転嫁していたら、今は1年前より10%以上のインフレ昂進となっていたはずです。円安、円高、その功罪を公平に判断できるようになっていない、輸入企業だけを殊更に取り上げる数字があるからこそ、間違える人が多くいる、という話にもなります。

しかもこの調査で気になるのが、今後3年間で設備投資を増やす見通しと答えた企業は64.5%と、前年度の調査66.4%より減っていることです。こうした点をみても、企業が国内で従業員を増やす方向にない、ということが分かります。ただし、企業は雇用者数を増やすとした割合が61.1%と、前年度の調査54.9%より増えている。国内では設備投資も減るのに、雇用者が増えるのですから、この雇用の増加は海外分とみた方がよさそうです。現地雇用とみると整合できますから。
しかも業種別の成長率見通しをみると、この国の歪みが浮き彫りになります。証券、商品先物取引業が5%を越えるなど突出して高く、他は好調な業種でも2%、陸運や小売などは1%以下に沈みます。金融政策ばかりが重視される今を、企業アンケートも如実に示していると云えます。

ついに安倍首相にも補助金還流ビジネスの疑惑が出てきました。下村文科相には口止めメール疑惑まで。安倍氏は「知らない」「利益にならない補助金」だから問題ない、としますが、研究開発用の補助金なら、その研究が上手くいけば企業には大きな収益があります。それは政治家に献金としてバックしてでもうけたい補助金、と言えるでしょう。もうこの時点で、政治資金規正法はザルと言えます。利益になるかどうか、を現時点で判断することが可笑しいのです。
しかもこれだけ補助金をバラマキながら、企業は設備投資を減らす。実際には、効果として期待できないものが多いのではないか? 税金が、企業による単なるお試しで終わっているだけではないか? こうした疑念をもちますし、相変わらず安倍政権では、補助金交付の選定に関する重大な欠陥についての、問題解決の道筋を示さないばかりか、議論すら避けています。「利益にならない補助金」とは、言い換えれば「ムダ遣い」です。その一部を政治家がうけとる仕組みを何とかしない限り、この国の財政上の問題は解決できませんし、それ以上に企業と政治家だけが潤い、国民に資金、恩恵が還流してこない仕組みが続く、といえるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:02|PermalinkComments(12)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 経済

2015年03月02日

雑感。年金運用と税収

GPIFが発表した10-12月期決算が、市場では話題となっています。9月末に比べ、12月末で株式の新規買いが1.8兆円規模に膨らんだためです。このペースでは今年の前半で、運用比率の変更に伴う買い分を消化してしまう。そうなると、その後は逆張りベースの従来の運用に戻る。今年の株式市場は、年後半に大きな山場を迎える、とされる所以ともなっています。
国内債券は6.4兆円減、海外株式、債券は順調に持分を増やしています。ただ問題は、国内株式が一番先に、運用比率に達してしまうことです。ある程度の幅はありますから、まだ余裕はありますが、日本株が一番先に到達して買い手がその分減れば、日本が真っ先に売り叩かれかねません。ただでなくとも、先物だけを買い上げる今は、外国人投資家が上昇局面の最終段階に来ているような、そんな手法をとっているかにみえます。共済年金も運用比率を見直しましたが、この好環境が夏ごろには終焉する、という観測に先立って今は誰しも動いているようでもあります。

年金は6.6兆円の黒字ですが、税収も高い伸びとなっています。4月から1月までで前年同期に比べ12.3%増。所得税が伸びていること、及び消費税増税の影響もあっての伸びですが、その間に黒田バズーカ第二弾があったこと、及び昨年度以上の円安になっていることも寄与しています。さらに企業が株式配当に力を入れていることも挙げられます。ROE経営とされるように、自社株買いや配当を増やし、株主満足度を高めている。高額所得者は資産を運用に回すことで、フルに寄与しています。ただし現状は株式、債券、不動産などがバブル商状に陥っていて注意も必要です。
名目ベースでも所得は目減りしていることは、各種指標でも明らかですが、給与から天引きされる所得税ではなく、雑所得が増えている限り、それは国内を広く潤しません。一部では増税したのに税収増を達成した、という論調もありますが、日銀がバブル助長により資産を膨張しているといった、従来にない形であって、景気は一貫して低迷を続けています。問題は、今はフルスロットルで好環境を演出していますが、将来も今と同じ条件になることはまずないこと。つまり今がピークで、今後は悪化する一方になることがほぼ確実である点です。

年金の買いが終わったら? 日銀が量的緩和を終了したら? 円安が逆回転したら? 外国人投資家が売り始めたら? 実はそうした諸々の懸念が先々、現実化しそうでもあるのです。米国がドル高を牽制しはじめ、日銀も追加緩和ができないばかりか、それだけ企業業績がよいなら、緩和を縮小しろという圧力がかかるかもしれない。それが起きそうなタイミングが、年後半に集中する可能性が高まっているのです。外国人投資家は、黒田バズーカから買い増した現物株を売るために、先物を今買い上げているとすれば、4月以降には売り始めてくるでしょう。
安倍政権が前のめりになり始めた安全保障問題も、政治リスクを意識させます。外国人投資家はそれを始めた時点で、日本への投資は増やしませんし、逆に減らすでしょう。年金の運用益も税収も、フルスロットルの恩恵なら、息切れも近いとなります。新規の買い材料が見当たらないと、それだけでも売り材料になります。数ヵ月後の状態、約1.5ヶ月で外国人投資家が大量に買った先物を、どう処分して行くか? その行方次第では、逆回転の序章が早くも始まってしまうのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:09|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 一般

2015年03月01日

雑感。安倍政権の閣僚は「知らない」人ばかり

中谷防衛相が人質救出について「自衛隊は訓練を実施し、装備、能力もある」と述べましたが、嘘です。まず日本は空母を保有していませんし、海外で軍を展開していないので、当時国まで軍を空輸する必要があります。その場合、当時国の政府に了承をえる必要がありますが、そもそもそれらの動きは敵にも筒抜けでしょうから、作戦を遂行することを難しくします。仮に後方支援などを行っていた場合でも、戦闘用高速ヘリが必要ですから、後方支援用の装備とも異なるので、後で輸送するか、最初から高速ヘリを準備するとなると後方支援の範疇を逸脱している、と言えます。事前に人質にとられることを想定し…という地域に派遣するなら、後方支援など名ばかりで初めから実戦を想定して体勢を組んでいなければ、自衛官を危険にさらすだけです。
実戦経験も、ノウハウももつ米軍でさえ、人質救出に成功する確率は低い。むしろ何度も失敗し、米兵を犠牲にしたり、逆に人質を増やす結果になっています。無人機で空爆したり、長距離でミサイルを撃ち込む殲滅戦とは異なり、人質救出が最も過酷で、困難な作戦です。そんなものができる、と考えているのは戦争賛美者でありながら軍事を知らない楽天家しかいません。政治家に多いタイプ、と言えますが、なるほど日本アカデミー賞を独占した『永遠の0』を安倍氏も愛読するなど、自民党の保守系にはフィクションの戦争ものが大好きな人が多いようです。

安倍政権では、補助金還流が盛んなようで、下村文科相や望月環境相、上川法務相も手を染めていたことが判明しています。「知らなかった」で法的責任はない、とされますが、その団体、組織との付き合いの深さによっては「知らない」ことにも責任が生じます。例えば西川前農相などは顧問も勤めており、補助金を受けていたことを「知らない」とすれば、それは顧問料ですら適切か? と疑いが生じます。またそんな無駄な顧問を雇っていた企業に、補助金をだしていたことが適切か? という行政上の不手際の問題も疑われます。その顧問料がなければ、補助金がなくても事業が行えた可能性が高いのですから。それを農水省が「知らない」とすれば、その予算執行は事業仕分けをしなければいけないレベルのお粗末さ、とも言えるのです。
自民党の政治家は、献金の把握は難しいとしますが、そんなことはありません。ペナルティを設ければ済みます。例えば補助金をうけた企業、団体、及びその職員に至るまで政治献金をしていたことが判明したら、10年間は補助金を停止する。うけとった政治家は、年利100%の罰金を負う。100万円の献金を受けとって、3年後に発覚したら300万円を政治家が国庫に納めなければならない。そうなったら、政治家は血眼になって補助金をうけた企業かどうか、を調査するでしょう。調査するのが嫌なら、献金をうけとらなければ罰はうけません。維新のように、企業・団体献金を禁止にするのも一つの手ですが、国庫が潤うこうした対策も一つの手です。

さらにパーティー券の購入も同様とすれば、補助金をうけた団体が券を購入できず、出席を打診することもできません。自身の支援団体に、補助金を流してそれを還流させる手法自体が成立しなくなります。これは補助金以外でも、国が競争入札ではない発注をした企業・団体にも広げれば尚いい。競争入札なら、それは企業が頑張って受注した結果ですから縛ることはできませんが、指名入札には企業選定の時点で、政治が介入できる余地があります。政治と企業・団体が癒着できるところに楔を打つ。双方にペナルティを設けることが、また抑止力になるのです。
安倍政権が、本気で『政治とカネ』に取り組む気なら、野党に提案をうけるまでもなく与党が動かなければいけません。しかしそうでないなら、安倍政権は「金権政治」や「腐敗政権」と呼ばれても、致し方ないと云えます。安倍氏は「不愉快」と述べますが、今もっともそれを感じ、公に言いたいのは国民です。その当事者である安倍氏には、国民が不愉快に思うことを是正する力があるかどうか? が今試されています。そのやり方も「知らない」なら、安倍政権は早々に支持を失うことになるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:08|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般