2015年08月

2015年08月31日

雑感。政界再編?

今日の日経平均は反落しましたが、日系が珍しく日経225先物の売り方にずらりと並びました。ただ、現物株買い、先物売りの裁定取引だった可能性もあり、逆にTOPIX型ではここ最近、売り方だった米系の一手買いになるなど、ここ数日の反対売買とみられる動きが活発でした。朝方の7月鉱工業生産指数も、前月比で0.6%減と低下傾向であり、在庫指数も低下したように、今年に入ってから溜め続けた在庫が、企業の生産活動にも影響し始めたのかもしれません。そうなると長引く可能性もあり、7-9月期GDPがおちこむ、つまりリセッションの状況が見えてきます。
補正予算も検討されていますが、最近の補正は真水が少なく、効果が乏しいこともあって有効な対策とはなり得ない。結局、成長戦略がなかったツケが、ここに来て大きくなってきた面が否めません。中国経済の減速が…と言ってみたところで、その中国に頼ってきたことそのものが、日本経済の限界でもあります。そんな中国では、デマで雑誌記者を含む197人が処罰されています。日本とて、著名エコノミストなどがこぞって株高を唱え、経済は良好と唱える。表舞台から消えたくないから、政府と歩調を合わせて株高誘導する、というなら、これも一つの成熟型社会の結果なのかもしれません。デマや風説の流布にならないよう誰もが気を配っていることになりますから。

昨日の国会前デモが主催者発表12万人、警察発表3万人、と大きな開きを見せています。少なくとも並みのスポーツ施設より、よほど人が集まっており、3万は軽く越えているでしょう。大抵のスポーツで観客動員数は水増しされていますが、それよりはるかに多い密集度と人の流れです。
民主と維新の代表が会談しています。合流は先送り、としますが、そもそも現段階で合流できるはずがありません。まず維新は分裂に際し、多数派工作をしなければならず、比例で当選した議員は既成政党には移れないため、維新の党を丸々解体して新党をつくり、統一会派をつくるしか合流の手がない。政策ばかりでなく、選挙区調整など、あらゆる面において色々と工夫しなければならず、そう簡単にまとまる話でもありません。

しかも政党助成金の話も、現執行部がすべて牛耳るので、離党する議員にはびた一文渡さない、とするのか? 頭割りとするのか? 維新がこれだけぐらぐらしているとき、合流話になったら確実に人が大阪維新に流れてしまうでしょう。まず維新の党として数を確定する。それから合流の話になります。年内には統一会派にするのか、合併するのか、などが決まるのでしょう。
しかしこうした政界の動きも、安保法案が後押ししたものです。明らかに安保法案をごり押しする安倍政権に近づけば、国民の逆鱗にふれる。政治家としては、与党でもない野党がこの国民の声を無視して動くことはできない、と考えるのは当然で、それが維新の路線対立に拍車をかけました。安保法案は、仮に成立した後も国会の主戦場になることが確実です。それは曖昧な法案の内容、曖昧な答弁のため、今もってイラク特措法の対応が論戦の対象になるように、そのたびに問題となるためです。つまり今のうちに、安保法案の賛否で党を割っておくのは、ある意味、後の党内抗争に発展しないためにも必須な事がらともなってくるのでしょう。

一部で、松野維新代表は、民主党の野田政権時代に離党したので、民主内にも反対する勢力がいる、と述べる人もいますが、その野田氏が約束にない消費税増税を決め、党をぶち壊した張本人なのですから、逆に言えば野田氏の側が居づらくなる、ということはあるかもしれません。その反省もないから、未だに民主の支持がもどらない、ということなら、増税に反対して出ていった人をもどし、増税は失敗だったと認めることが、一つのきっかけともなり得るでしょう。何より、これだけ経済が大減速しているのは、増税と安倍ノミクスの失敗であって、その一つである消費税増税には、野田政権も関与していたのです。これで政界再編が、政策再編につながるのかどうか? 安保法案が導くのは、もしかしたら国内対立の芽、なのかもしれませんね。

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雑感。政界再編?

今日の日経平均は反落しましたが、日系が珍しく日経225先物の売り方にずらりと並びました。ただ、現物株買い、先物売りの裁定取引だった可能性もあり、逆にTOPIX型ではここ最近、売り方だった米系の一手買いになるなど、ここ数日の反対売買とみられる動きが活発でした。朝方の7月鉱工業生産指数も、前月比で0.6%減と低下傾向であり、在庫指数も低下したように、今年に入ってから溜め続けた在庫が、企業の生産活動にも影響し始めたのかもしれません。そうなると長引く可能性もあり、7-9月期GDPがおちこむ、つまりリセッションの状況が見えてきます。
補正予算も検討されていますが、最近の補正は真水が少なく、効果が乏しいこともあって有効な対策とはなり得ない。結局、成長戦略がなかったツケが、ここに来て大きくなってきた面が否めません。中国経済の減速が…と言ってみたところで、その中国に頼ってきたことそのものが、日本経済の限界でもあります。そんな中国では、デマで雑誌記者を含む197人が処罰されています。日本とて、著名エコノミストなどがこぞって株高を唱え、経済は良好と唱える。表舞台から消えたくないから、政府と歩調を合わせて株高誘導する、というなら、これも一つの成熟型社会の結果なのかもしれません。デマや風説の流布にならないよう誰もが気を配っていることになりますから。

昨日の国会前デモが主催者発表12万人、警察発表3万人、と大きな開きを見せています。少なくとも並みのスポーツ施設より、よほど人が集まっており、3万は軽く越えているでしょう。大抵のスポーツで観客動員数は水増しされていますが、それよりはるかに多い密集度と人の流れです。
民主と維新の代表が会談しています。合流は先送り、としますが、そもそも現段階で合流できるはずがありません。まず維新は分裂に際し、多数派工作をしなければならず、比例で当選した議員は既成政党には移れないため、維新の党を丸々解体して新党をつくり、統一会派をつくるしか合流の手がない。政策ばかりでなく、選挙区調整など、あらゆる面において色々と工夫しなければならず、そう簡単にまとまる話でもありません。

しかも政党助成金の話も、現執行部がすべて牛耳るので、離党する議員にはびた一文渡さない、とするのか? 頭割りとするのか? 維新がこれだけぐらぐらしているとき、合流話になったら確実に人が大阪維新に流れてしまうでしょう。まず維新の党として数を確定する。それから合流の話になります。年内には統一会派にするのか、合併するのか、などが決まるのでしょう。
しかしこうした政界の動きも、安保法案が後押ししたものです。明らかに安保法案をごり押しする安倍政権に近づけば、国民の逆鱗にふれる。政治家としては、与党でもない野党がこの国民の声を無視して動くことはできない、と考えるのは当然で、それが維新の路線対立に拍車をかけました。安保法案は、仮に成立した後も国会の主戦場になることが確実です。それは曖昧な法案の内容、曖昧な答弁のため、今もってイラク特措法の対応が論戦の対象になるように、そのたびに問題となるためです。つまり今のうちに、安保法案の賛否で党を割っておくのは、ある意味、後の党内抗争に発展しないためにも必須な事がらともなってくるのでしょう。

一部で、松野維新代表は、民主党の野田政権時代に離党したので、民主内にも反対する勢力がいる、と述べる人もいますが、その野田氏が約束にない消費税増税を決め、党をぶち壊した張本人なのですから、逆に言えば野田氏の側が居づらくなる、ということはあるかもしれません。その反省もないから、未だに民主の支持がもどらない、ということなら、増税に反対して出ていった人をもどし、増税は失敗だったと認めることが、一つのきっかけともなり得るでしょう。何より、これだけ経済が大減速しているのは、増税と安倍ノミクスの失敗であって、その一つである消費税増税には、野田政権も関与していたのです。これで政界再編が、政策再編につながるのかどうか? 安保法案が導くのは、もしかしたら国内対立の芽、なのかもしれませんね。

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2015年08月30日

黒田日銀総裁のNY講演

WTI原油先物価格が大きく切り返しています。売り方が株式の反発をみて、一旦利益確定の買い戻しをいれたものとみられますが、株式市場でも信用売りが溜まっていることを、反発の理由とするものがありますが、需給はそう容易くない。9月末まで、また12月末までに今回でた損失を、どう穴埋めするかをヘッジファンドなどは考えています。儲かっている市場から売る、これ以上は上がりそうにない、間延びした市場から売る、が鉄則になります。特に日本は外需が崩れた途端、企業業績もジリ貧になる脆弱さであり、株価の基本である企業業績がどう推移するか? 正直、市場期待が高すぎるだけに、それに沿うだけの結果を達成するのは、相当に難しくなったとみています。そのとき売り方が力をもつのであり、3月以降ずっと高水準で先物買いを溜めこみ続けた米系のように、大きなポジションとその整理が、今後も波乱要因になることが確実です。

黒田日銀総裁が、NYで講演しました。中国経済について「成長率は減速するが来年は6〜7%は維持」と述べていますが、これが見かけの発表ベースのことなら、とんだお人好しです。政策対応に余裕がある点を、その理由としますが、日本が異次元の金融緩和という手を打っておいてマイナス成長に陥るように、政策が必ずしも効果がでるとは限らない。むしろリーマンショック後に打った大規模な財政出動が、過剰な設備投資につながり、今はその整理すらままならない状況であり、景気対策の手段が、先進国のどこよりも困難という問題に答えていません。
不動産にしろ、株式市場にしろ、緩和すればバブル化し、退治しようと動けば暴落する。国民の経済知識が乏しいまま、資本主義社会に放り込まれた結果、社会主義時代の国家が何とかしてくれる、という甘い判断のまま投資してしまう。その危険性の中で、政策を打たなければなりません。そんな中国に、財政上の理由だけで期待するのは、政策当局者としても落第です。

また黒田氏は「日本は完全雇用状態」と述べましたが、大きな誤りです。経済指標で示されるのは、労働人口が急減していること。これは、このまま何もしなければ日本の成長率も急減する、ということです。労働の効率化や、労働に頼らない仕組みで成長する以外、日本は減退する。その裏側で、雇用の方が緩やかに落ちているため、数字的には改善しているように見えます。もし黒田氏が、この仕組みを知っていてこの講演をしたとすれば、外国人投資家を騙す目的だったのでしょう。むしろ、知っていてあえてウソをついた、確信犯なのかもしれません。
物価上昇率2%への目標達成に自信を示したのも、確信犯としてのウソなのでしょう。中国ではよく経済指標は信用できない、と語られますし、事実その通りの結果です。しかしその指標を都合よく解釈し、他人を騙すようなことをする人間が、日本の金融政策の責任者、という点にこの国の重症度も感じます。それこそ安倍ノミクスも、黒田バズーカも期待に働きかける、つまり期待を生みだすためにウソをつかなければならない、といった宿命のようなものを背負っているのかもしれません。期待という、将来への明るい展望をばらまいた挙句、その達成が困難となったとき、むしろ今すでにその状態に近づきつつありますが、日本への期待が失望に変わったときの外国人投資家の動きがもう始まっているのだとすれば、高い信用売りという材料も、あながち反発期待へと結びつかないことをキモに命じておく必要があるのでしょうね。

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2015年08月29日

雑感。五輪の諸問題と政治

橋下大阪市長が、大阪維新を国政政党化する、と宣言しました。橋下氏にとっては、自分につき従ってくれた松井氏をはじめ、大阪組に義理を果たすためにも、5月に否決された大阪都構想を掲げるなどの争点づくりに躍起です。つまり橋下氏が離れる以上、目標がない大阪維新には票を集める術がない。組織票では圧倒的に負けるため、夢よふたたび、として大阪都構想という争点をつくるしか、松井氏は選挙を戦えないのです。しかし本当は維新の党の大阪組は、当面は党に残したかったはず。安倍政権の支持率が落ちたように、決してその近さだけでは有権者に訴えきれない。むしろマイナス面すら生じかねない状況ですから、この新党は出だしから不安しかありません。
感情的となり、対立が表面化した大阪組を抑えることができなかった。何名でスタートするかは分かりませんが、多くの人の人生を巻きこんだ責任について、橋下氏は後に思うところもあるかもしれません。政治とは政策次第で、多くの人の人生を狂わしてしまう。そればかりか、自分を支持してくれた政治家の運命すら変えてしまう。自分のやりたいことだけ、やっていればいいのではない。それに気づくと、責任という問題に直面します。橋下氏がその責任や義理を果たそうとするのか? はたまた安倍首相と一緒に政治をしたいだけか、によって橋下氏の人間性が浮き彫りになるのでしょう。後者なら政治家・橋下には有権者も失望しか禁じ得なくなります。

東京五輪のエンブレム問題、説明すればするほど深みに嵌る、といった展開を辿っています。詳細は様々なところで分析されているので避けますが、修正してまで佐野案に拘った理由が説明されず、また当初案とされたものはさらに貧相で、ありきたりなデザインであるため、審査員の審美眼が狂っていたか、よほど佐野案にしたい理由が存在した、としか思えないのです。
さらに新国立競技場の問題をみると、与党系のメディアからは「総工費を削減した」と報じられますが、安倍氏が「ゼロベースから見直す」と宣言しているのですから、決して「削減」ではありません。「ザハ案より総工費が少なくなった」が正しい表現です。しかも大抵、大型の建設工事には予想外の費用がかかるものであり、これ以上かかったら建設会社の自腹、とでも契約を結ばない限り、達成は困難です。むしろ安倍政権では、総工費と諸経費は別、として予算を2本立てとし、国民の目を晦まそうとするかもしれません。何より今の政治家に、必要な見積もりの条件をすべて提示できる能力がないのは、できそこないの安保法案をみてもよく分かります。

そもそも屋外施設に冷暖房を盛りこもうとしていましたが、冷房は中に冷気を、外に暖気をだします。冷気を感じるほど稼動させれば、施設の周りには相当な暖気を吐き出すことでしょう。しかも二酸化炭素の排出を問題視し、原発再稼動をめざしているのに、これほどムダに電気を使用する設備もありません。施設の中にいる人だけを優遇し、周りに迷惑をかける、という態度も、日本人のつながりを大事にする態度とも異なります。世界初に拘り、愚かな設備をつけようとする態度がそもそも問題であって、外さなければいけない設備だったともいえます。
デザイナーの世界も、建築家の世界も、中身が薄っぺらで能力のない人間でも、権威との距離の近さで利を得てしまう。何とも狭く、問題のある業界であることが、今回露呈しました。同じように、政治の世界もくっついたり離れたり、政策をみても首を傾げるものが多かったり。国民の審美眼も磨いておかないと、いずれ見直すだけで苦痛を感じるほどの問題にも直面するでしょう。よく若者と高齢者の格差、若者が将来に亘って今の高齢者より損をする、ということが語られますが、この業界を牛耳っている高齢者たちの問題、外さなければいけない人たちを何とかしないと、格差の問題にも手がつかないことを覚悟する必要があるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:12|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 社会 | 政治

2015年08月28日

7月の経済指標について

昨日発表されたGPIFの4-6月期の運用実績は衝撃でした。約2.65兆円の黒字、という以上に国内株式の運用比率が、3月末の22.00%から23.32%にしか上昇していなかったからです。債券比率の低下からみても、ざっくり2000億円も増えていない。日経平均は19207円から20236円に上昇しているため、年金は売り方だった計算になります。しかし場中、年金の買いは観測されており、それとは逆に、こっそり売っていたのか? この説明がつかず、真相は藪の中です。

7月労働力調査が発表され、正規29万人、非正規17万人増であり、完全失業率も3.3など良好な数字とされます。しかし年齢、男女別の就業者をみると、前年同月比15〜64歳の男性が27万人減、女性が8万人増、65歳以上の男性が23万人増、女性が20万人増。相変わらず、女性と高齢者の就業率が上昇しているだけ、という問題があります。15〜64歳の人口動態が、男女計100万人も減少しているので、一見すると就業率が改善したように見えますが、これは少子高齢化の結果として、労働人口が減少する中で高齢者に頼った労働が増えている、極めて問題のある状態です。高齢者とていつまでも働けるわけではない。このままでは将来、強烈な労働力不足に陥るのでしょう。
7月家計調査は、勤労者世帯の実収入が実質で5.4%も伸びるなど、これは以前から指摘されていた通り、6月の一時金が7月に後ズレした影響でしょう。一方で消費支出が実質で0.2%減。つまり7月も消費が増えなかったことが示されました。一時金の影響で、教養娯楽が16ヶ月ぶりに高い伸びを示しますが、それでもマイナスを補えなかった。住居費の落ち込みが顕著ですが、それと同時に教育費も減っている。これは子供にかけるお金を減らす、という将来の不安となります。

7月の小売販売額は前年同月比1.6%増ですが、季節調整済みだと1.2%増。これと家計調査を重ねると、伸びた分の多くがインバウンド消費とみられ、事態はより深刻です。増える高齢労働者も、生活苦でそうなっているなら、日本の消費はほとんど期待できない。今後も低下傾向をつづけるのでしょう。最近、気になるのが日米ですすむ、在庫の積み上がりです。前向きな投資というより、日米とも消費減退の影響と、過剰供給の問題が解消されず、いずれ大きな調整を迫られることが確実です。中国の株価動向を織りこむのはこれからですから、よりインパクトが大きくなりそうでもあり、8月も消費減退となるなら在庫と消費の関係は、深刻さを増すのでしょう。
株価は3日間、大きく切り返しました。しかし半値戻しまで残り数百円のところですが、この辺りで頭打ちとなりそうです。何より、米国では株価急落前の経済指標で株価がもどっていますが、これは屁理屈の類であって、米経済が堅調かどうかは、8月の数字を確かめないといけません。今は買い方のポジション整理が追いつかず、必死で上げ、そこで整理をしたいといった思惑から、下げ過ぎを囃して切り替えしてきたのすぎません。世界同時株安の影響を今後、どの程度おりこむのか? その精査がはじまります。ここからは市場も気迷い状況がつづくのでしょう。

最近、見かけの経済指標と、実体、中身とが大きく乖離するケースが増えています。急速に縮む労働人口、日本はいずれこの数字を、景気に織りこまざるを得なくなります。効率化で何とかなる水準を超え、高齢者に頼る日本。労働人口の減少は、GDPの減少という問題となって襲ってきます。消費は長期的にみても期待薄、日本に成長期待が醸成されない背景を解決できない安倍ノミクスでは、日本の将来はより暗くなっていくばかりなのでしょうね。


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2015年08月27日

橋下氏が維新の党を離党

日経平均は反発しましたが、いつもの日系1社の先物買いだけで追随がなく、現物株はぎりぎり3兆円の売買代金を維持する程度の盛り上がりです。この日系1社、コール市場でヘッジをかけていますが、どれほど先物を買っても上げ幅が限定的となるのは、異常な水準まで先物の買いポジションを溜めていた米系の反対売買により、打ち消されてしまうからです。まだこうした海外勢の買いポジションは、完全には解消しきれておらず、期待が剥落した市場が適正水準を見出すまで、まだ時間はかかりそうです。

維新の党から橋下大阪市長、松井大阪府知事が離党しました。柿沢幹事長が山形市長選で、公認を見送った候補を応援した…というのは口実で、11月の大阪府知事、市長のW選挙を維新の党の看板を背負って戦わない、そんな戦略が橋下氏側にあったのでしょう。来年の参院選も大阪維新として戦う。橋下氏は大阪市長選に出馬せず、代わりを立てることになりますが、全面支援した上で、自身は衆院選にむけて準備をすすめる。そして将来的には自公、大阪維新の連立政権を狙っているものとみられます。その頃まで安倍自民がつづいている確証はありませんが、むしろ安倍首相の後継者をアピールしつつ、自民に食い込んで行く腹でしょう。
つまり自社さ時代と同様に、第2党が総理の座につく。今回の安保法制を通せば自民の議席が減るのは自明ですから、そこに隙が生まれます。憲法改正には3分の2を維持する必要があり、自公と大阪維新の連立政権が必要との算段です。その計算を狂わすのは、以前も指摘したように自民の都合なのでしょう。安倍政権は後半年、総裁選が無風となることでその公算が高まります。

しかし橋下氏、政界の壊し屋としてくっついては離れる、をくり返す。それでも隠然たる力をもち続ける理由は、相手を悪し様に言わない点です。日本維新の会として石原氏と組んだ後も、悪く言わない。今回も松井氏に批判を任せ、自身は一歩ひいた調整役のような立ち回りを演じた。橋下氏が裏で糸をひきながら、黒子に徹する。橋下氏はこれほど政党をつくり、壊しており、決して風をよむのが得意なのではない。立ち回り方が上手いことを、この一事が示します。
トップが前面に出て引っ張る、というのは勢いがある内はまだしも、衰えると一気に支持者、身内も離れます。特に感情的になったり、威圧的な態度をとるとそうなりますが、今回も橋下氏が抗議すれば、角がたったでしょう。次にその攻撃をうけるのは自分かもしれない、との疑心暗鬼すら生じるからです。松井氏に悪役を任せ、自らは物分りのいいトップとして君臨する。手腕としては正解ですが、コンビとしての一体感が崩れると終わりですし、何より有権者を騙し続けられるか? というと疑問です。大阪都構想のように必ずしも有権者は橋下信者ではありません。松井氏の不人気は、W選挙で誰を市長候補に立てるのか、でも結果は変わってくるはずです。

安保法制は自民党の多数で何とかなりそう…というのが、国政から離れる、の真意であるなら、上記のシナリオを目論んでいるのでしょう。しかし自らの思惑通りにいかないのが政治です。安倍政権の支持率下落で、安倍氏が幸せなうちに政権運営をつづけられなくなると、それが橋下氏にも波及する。安倍夫人の問題など、醜聞が増えてきた安倍政権。二代目壊し屋として政界を渡り歩く橋下氏が、次に寄りつく相手がぐらぐらしつつあり、すでに壊れかけている点が最大の懸念でもあるのでしょうね。

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2015年08月26日

日経平均の反発と政治とお金

今日の日経平均は反発しました。自律反発の域をでませんが、朝方からみられた現物株には4頭のクジラが、先物にはいつもの日系の1社が、強い意志で買い支えた、というのが今日です。決して今回の下落局面が終わった、ということでもないのでしょう。ただ速度違反と急激に下げ過ぎた分を、一旦は調整したに過ぎません。年金にしろ、株価が下落すると買い支える、つまりポートフォリオのバランスで株の比率が下がるから、というのがコンセンサスです。
しかし株が下がり過ぎ、また買っても株価が戻らない、また買う分の余力を失うと、債券を売って調整せざるを得なくなります。ここで年金系が踏ん張るのも、20000円台で相当に買いを入れてしまったため、なのでしょう。運用成績が発表されるまで、多少はポートフォリオを無視して動くこともできますが、今後は年金による債券市場への動揺も観測されるかもしれません。

自民党を離党した武藤議員が、会見を行っています。国会議員枠ではなく、特別枠だったとの説明には違和感しかありません。その特別枠を使える権利は、特別な付き合いができる相手、それが国会議員という立場だとしか思えないからです。そもそも論として、特別枠などという文言は詐欺でしか使いません。証券会社でそうした枠を設定していれば、金融庁の査察が入りますし、小規模の投資会社だとしても、逆にそういうところが新規公開株を押さえられるはずもない。どちらにしろ、そうした説明に根拠がないので、詐欺にしかならないのです。
弁護士が「瑕疵はない」と言っているようですが、「問題あり」などという弁護士にはそもそも相談しないでしょう。武藤氏がその第三者による特別枠発言を立証しない限り、武藤氏側が出資者に特別枠と伝えていることから、詐欺と認定される恐れが強いのです。武藤氏が詐欺に引っかかったのか、詐欺に引っ掛けようとしたのか、その分岐点は武藤氏の立証責任にかかります。

しかし今回の下落局面でも、安保法制の採決まで、来年の参院選まで、株高を維持したい政府の意向、といったものを期待する声があります。マル政マネーは、選挙前にはよく囁かれますが、個別の政策や来年の選挙といった長いスパンの話は、安倍政権で初めて語られることです。先週からの下げ局面で、まったくクジラやマル政マネーの勢いが失せていたことからも、一言でいえば「息切れ」が目立つにも関わらず、そうした期待が語られるのも、実はそこしか下支え役がない、という現状があります。朝方の外国人投資家の売買動向も、500万枚を越える売りがつづく中、この下落局面でも買ってくれるのが公的マネーしかない、そんなところなのでしょう。
ただ注意しなければいけないのが、今はこれまでとまったく異なる環境に、市場はおかれている点です。日米欧の超金融緩和、新興国が急速に成長した後のゆり戻し、低成長、マイナス成長に陥る恐れ、消費不足に伴う低インフレ、ブラジルでもみられるスタグフレーションなど、これまで先進国が支えれば何とかなった、暴落局面と今回は、影響の広がりや問題の拡散などの面で、まったく異なったトラブルが今後発生することにもつながる様々な要因が点在します。その幕間で、今は小休止ということなら、それこそ鯨幕のように白と黒をくり返しつつ、ゆっくりと下げる展開になることを、半ば覚悟しなければいけないのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:20|PermalinkComments(9)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 政治

2015年08月25日

株式市場の乱高下

年初来安値を下回ってきた中国株ですが、人民銀行が政策金利を0.25%下げ、預金準備率も0.5%下げる追加の金融政策を発表しました。こうした動きを察知したのか、今日のアジア株は上昇するところもあり、一方で上海株は下落して終えています。今日の日経平均は乱高下でしたが、いつも先物で桁違いの商いを行う欧州系2社が、まったく異なる戦略をとったことが一つ要因です。
最終的に、この2社は大きな傾きを残しましたが、何かトリガーがあって買い、売りのアルゴリズム取引を膨らませた。トリガーが何かは分かりませんが、為替とも連動していたとみられ、それが一気に1000円も押し上げ、また押し下げた原因でもあります。気になるそれ以外の動きとしては、売りも買いも反対の売買がゼロ、即ち売りなら売りだけ、買いなら買いだけ、の取引をする主体が多かった。大きなポジションチェンジを迫られ、混乱した中の取引だったとみられます。

欧州が切り返していますが、これは下げの速度違反から、きっかけ探しでの反発とみられます。昨晩、米市場が取引時間中に大きく切り返したように、下げ過ぎとの見立てから買いも増えてきた。しかしこれが、本格的な反騰になるかは微妙です。中国の利下げも、貸出金利が4.6%、預金金利が1.75%になったから、急に景気がよくなるわけでもない。企業は過剰設備、個人は過剰投資の現状にある中国に、ふたたび振り回される展開となることが予想されます。
一旦は下げ止まるかもしれない。しかしそれはあくまで速度調整に留まるでしょう。今回の急落で、世界におきる不規則な動き、もしくは中国の景気の波がどう動くか、といったことを確認しつつ、日本株も動かざるをえず、グローバルマネーの動きに翻弄される展開をしばらく覚悟する必要があります。いつ、どこで金融クラッシュが起きるか、今後は分かりません。

翻って日本では、米FRBの利上げの影響が不透明、と述べる経済学者、証券アナリストもいますが、言葉は悪いですが転職した方がよいレベルです。これだけ事前アナウンスがあり、時間とお金をかけて調査した結果、分からないというのですから。現時点で分かっている範囲のことを説明し、その結果として調査不足なのか、分析不足なのか、で評価されるべきであって、不明で言い逃れられるものではありません。そういう人間に限って、今回の急落も問題ない、と言ったり、日銀の金融緩和を解除しても大丈夫、と言ったりします。気をつけなければいけないのが、「不明」というのは責任の回避に他ならない、ということでもあるのです。
4月頃から、日本の底堅い相場とよばれるものはディフェンシブ株で支えられてきました。今日も金融株などを先に弄ってきたのも、そのポジションをくすぐると、市場が大きく反応すると見越した動き、でもあったのでしょう。与党内から景気対策の話もでて、政府に圧力をかけ始めましたが、数兆円程度の景気対策なら焼け石に水、金融緩和の規模にしても同様です。グローバルマネーの変調が、官製相場を大きく崩す、ということを目の当たりにした後は、誰もその効果について信用がおけなくなりました。ディフェンシブ株でさえ大幅下落に見舞われる、それが今回の急落局面でえた教訓であり、官製相場なんてややムードがいいときにしか機能しない、がコンセンサスです。

中国景気についても、様々な試算が出されますが、深刻なバブル崩壊、というシナリオを最悪としますが、政局リスクについて語るものが少ない。それでは分析不足です。真の最悪のシナリオは、中国共産党の内紛から、内戦状態に陥ること。まともな政治が機能していない、先進国とは異なる事情を抱える中国において、内戦が起こらないと限定する必然性もないのです。日本株の動向もこれと同じ、分析不足のものが目立ちます。まだ落ち着きどころを云々するのは早い、とは思いますが、少なくとも市場関係者がばらまく楽観や、トレンドフォロー並みの現状説明ではないものを示すところでない限り、信をおいてはいけないということでもあるのでしょうね。

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2015年08月24日

世界同時株安

米軍の相模総合補給廠で、爆発、火災事故がありました。中国の爆発事故で、消火時の情報伝達が…その後は情報統制が…と言ってみても、こんな身近でそれをする組織が国内にもある、と改めて気づかされた形です。弾薬や化学物質はない、と米軍は発表していますが、あれほどのボンベを一箇所に溜めておく、その理由が不明です。周辺住民は火薬の臭いがした、とも証言しており、何が正しいのか分かりません。日米地位協定で、日本の捜査権が限られる中、米軍の都合で日本の安全な生活が脅かされている、それが現状なのかもしれません。

今日の株式市場も下げ止まる様子がなく、2日間で1500円近い急落となっています。日本が突出して下げているのは、日本が突出して粘っていたことの裏返しで、米ダウは6月に入ってから上値の重い展開となり、すでに下落局面に入っていました。日本株だけが上海市場の変調でも、20000円台と高値を維持していましたから、少しでも他市場ででた損失をカバーしようと、日本に集中して売りが浴びせられた形です。下落の理由は上海株が下げ止まる気配をみせない、原油価格がWTIで40$割れを試す、とも語られますが、遅れて日本株が下落局面入りした、というのが今回の大幅下落の背景にはあると感じられます。反発のキッカケは今のところ見出せません。
ただ今は速度違反であり、一旦は反発する局面があるかもしれません。しかし今後、ますます悪循環に陥ることも想像されます。逆資産効果による消費減退、ヘッジファンドの破綻、閉鎖。自社株買いをすすめた企業の減損処理、消費減退に伴う企業の過剰設備の問題等々。世界でこれだけ株が下がると、恐らく米中の1年間のGDPが軽く吹き飛ぶ規模の、逆資産効果がおきています。本来、国ごとに異なる景気状況があり、悪いところがあれば良いところが支える、といったバランスとなるはずが、今は利きません。世界同時株安の前に、世界同時株高バブルだったからです。

下値目処も難しいですが、どこを安倍ノミクスの起点とみるかはあっても、8900円とするなら高値20900円の3分の1押しで16900円、半値押しで14900円、というところがチャートの節目です。むしろここまで調整らしい調整もなく上がってしまったのであって、異常事態だからこその20900円、そう考えるとチャートの節目も関係ないのかもしれません。相場が自信をとり戻すまで下げ続ける、といった警戒もあります。それは水準感ではなく、マインド次第なのでしょう。
日本株に限っていえば、ドルが120円を割ってきて20900円は割高だった、というマインドが醸成され、もう2万円回復は困難になりました。円安に頼った業績回復局面も終わったため、PERから算出される適正水準も掴みにくい。落ち着きどころを失った展開がつづいてしまいます。残念なのは、安倍ノミクスで内需がぼろぼろのため、日本の独自要因で下支えするのが困難な点です。円高、原油安でデフレ圧力が強まり、日銀の追加緩和期待も高まりそうですが、そもそも打つ手が限られ、対策にならないと市場から看做されれば、巨大な売り圧力となって日本を襲うでしょう。一か八かの賭け、を打てるかどうかは非常に緊張感も高まるところとなります。

世界同時調整局面入り。これから年末にかけ、世界で経済シンポなども開催されますが、潮流であった新自由主義の限界を、世界は意識したことでしょう。パニック売りともされますが、パニックというには市場は冷静です。すとんと落ちるのではなく、ずるずると落ちる。ヘッジファンドなどが相当、他の市場で被った痛手分を、どう確保するかで悩んでいる様相もうかがえます。追証発生も増えてきたことから、これからは焦って下値とみて買うのではなく、市場よりも冷静にならなければなりません。個人の方はタイミングの見定めが肝心となってくるのでしょうね。

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2015年08月23日

雑感。朝鮮半島の古い話

中国の山東省で、また化学工場の倉庫が爆発しました。4月の福建省のパラキシレン工場の爆発、天津の爆発など、化学物質の扱いに不安を残す事故が多発しています。一部で、中国の景気減速に伴い、在庫が倉庫に積み上がり、また社員の士気が落ちているために管理が杜撰になっている、などとされます。いずれにしろ、高成長路線から脱却し、安全、安心な社会をうたう改革をすすめてきた習近平政権にとって、こうした問題が打撃となることは間違いありません。
そんな中国では、北朝鮮との国境付近に人民解放軍を集めている、との報があります。朝鮮半島の緊迫で、自国に影響がでるのを恐れたものですが、流民と化した北朝鮮の人々が移動してくるのを防ぐ意味もあるのかもしれません。紛争地域から逃れる人々は、難民として扱うことが国際的に決まっています。中国としては、難民となった北朝鮮の人々が、長期間にわたって居座りつづけることは絶対に避けたい。それは重い負担というばかりでなく、中国にいる朝鮮族と合流し、第三国に流れる、または中国東北部で一大勢力になるのを恐れているためかもしれません。

朝鮮半島の古い記事をみると、後漢書東夷伝に、遼河一帯にあった古朝鮮が、燕の衛満によって滅ぼされた記事があります。そこで古朝鮮の準は、馬韓の地に攻め入って破り、韓王になった、と。準の後は絶え、ふたたび馬韓の国は辰王によって支配されることになるのですが、辰王とは三韓を統べる王とされ、元々辰国として統一されていた韓国の地が三つに分裂した際に、馬韓の辰王に服属する形になった、とされるものです。即ち馬韓の王が、三韓の長であり、それが一時期にしろ朝鮮の王が就いていた、というのです。これは前漢の頃の話です。
三世紀までは存在が確認されている馬韓ですが、後漢書では「北は楽浪と接し、南は倭と接し、辰韓は東にあり」と記されます。「南は倭と接し」というのは、海を超えて接しているわけではありません。地続きで「倭」という国が朝鮮半島の南にあった、と記されるのです。また弁韓についても「辰韓の南にあり、その南また倭と接す」とあるので、朝鮮半島の最南端には、倭という国が確かにあったことが示されます。韓については「鉄を産出し、韓、ワイ、倭、みなこれを商いす。中国の銭を用いるごとし」というので、尚のこと朝鮮半島の複雑な民族構成と、社会事情がうつしだされます。日本はヒミコの時代であり、鉄器の使用はほとんど確認されていないことから、倭というのはやはり朝鮮半島にいる倭人の国、で間違いないのでしょう。

ワイ族は後に高句麗をつくった、とされますが、魏書には「夫余に出ず」とあるので、王族は夫余族系でしょう。これは後にできた百済も「夫余より出ず」とされるので、夫余族が相手国を支配していった形がうかがえます。高句麗や馬韓の古い文献が残っていないことからも、夫余族は支配した国で焚書を行ったのです。辰韓は自ら「秦の亡人」とするなど、始皇帝が統一した秦を意識していた。古い朝鮮半島の歴史は、かくも複雑で、時折中国側からの侵略、服属という歴史の中で、それに生き残ってきた国が今にいたるということにもなります。
朝鮮族の準が、馬韓を攻めたときのように、北朝鮮が韓国を攻めるのか? 歴史がくり返されるなら、中国との関係を悪化させる北朝鮮が、生き残りをかけて必死で戦うことでしょう。心配なのは、経済的にも苦境で、また民心が朴政権から離れている韓国が、必死の相手に対抗できるのか? という点です。もし朝鮮戦争が再発し、米軍が韓国を支援するとなると、国境付近にいる中国軍が北朝鮮に雪崩れこむことも想定されます。それは支援ばかりでなく、金正恩体制を終わらせ、中国傀儡政権をつくるための行動ともなるはずです。一触即発の朝鮮半島情勢ですが、軍事ばかりでなく、政治的な駆け引きも今後激しくなるのなら、日本も上手く立ち回れるよう外交戦術を今から考えておくべきタイミングではあるのでしょうね。

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2015年08月22日

自民党総裁選は無風?

米国市場でダウが500$を越える大幅な下げとなり、シカゴ日経平均先物9月物も19000円割れとなっています。要因の一つには、中国の政局リスクがあるのでは? とも語られます。共産党一党支配とはいえ、内部は血みどろの政争状態です。天津の爆発事故で、毒ガス報道に関してメディアが割れるなど、不都合なことが起きている。北戴河会議の前におきた爆発事故といい、軍制服組トップの失脚が今年相次いだことから、人民解放軍のクーデターとの見方も出ているのです。爆発の原因に、放水したことが早々と報じられましたが、最初の火災の原因すら分からず、現場の消防隊員がほとんど死亡している中で、爆発原因だけがすぐ報じられる不可解さ。何か隠されているのではないか? そしてそれは、習近平氏の反対分子の仕業では? そうなると、株価はどうしても中国政治リスクを織り込まざるを得ません。そしてもしこれが、反習近平派による株安との連動だとすれば、今後も中国では何が起きるか分からない、ということでもあります。あくまで怪しい噂レベルですが、中国の情報には要警戒がつづくことは間違いありません。

そんな日本は、9月の自民党総裁選は「無風」との報道が、あらゆるメディアを通じて出てきています。そういう流れにして、無投票再選により基盤固め、という安倍氏に近いスジの思惑ばかりでなく、参院自民の都合が強く滲みます。参院自民の描く最良のシナリオは、安倍氏が6月に辞任、7月に自民党総裁選を大々的に行い、9月の参院選は新政権の支持率が高いうちに行う、です。つまり、ここでムリして安倍総裁を代える理由がない。むしろ代えたくない。
ただし、このシナリオの肝は安倍氏が6月、通常国会末に自ら辞任してくれること、です。しかし安倍氏は憲法改正を視野に、居座る気満々であり、節目には山口県出身の首相が…とこぼすほど、執着があります。そこで出てくるのが健康不安説。恐らく、来年4月以降は閣僚の醜聞が続々とでてきます。それは自民党内からのリークであり、安倍政権の支持率を落とし、安倍氏にストレスをかけて追いこみ、病気で辞任させる。もし仮にここで対抗馬にでても、参院自民のこのシナリオ通りなら協力が得られず、勝つ見込みがありません。よほど名を売りたいか、ここで安倍対抗馬としての存在感を示したいとしても、大敗しては意味がない。そこで全員が尻ごみしています。

安倍氏の側から、積極的にこのシナリオを崩すことはほぼ不可能です。解散すれば自民は大敗、政権の寿命をちぢめるだけです。それは安倍氏の政治生命も終わり、であって、安倍氏にいいことは一つもない。内閣改造による懐柔も、上記シナリオ通りなら、よほど身奇麗な人間か、一度は閣僚をしてみたい、という引退覚悟の人間か、能天気な人間か、しか引き受けません。そうなると、いずれにしても恰好の醜聞ネタを提供するだけ、まともな人間はまず半年と少しの任期、しかも火達磨になることが約束された安倍政権とは、距離をおきたがることでしょう。
自民党総裁選が、無投票再選になるなら、ますますこのシナリオで自民党は動くことが確実となります。総裁候補と呼ばれる人間も、後三年待つのは厳しいですが、10ヶ月間を支持者固めに奔走することができ、じっくり総裁選を戦える。願ったりの展開なのです。自民党総裁選を無投票再選する。安倍氏側近たちが必死でそうした流れにもちこむことさえ、安倍氏にとっては将来の不幸を約束する。そして野党どころか、与党、そして官僚まで安倍政権をレイムダック化するのに、協力する。それは誰にとっても疎ましいからです。無風なのに弱体化する安倍政権、これまで風を切って順風満帆ですすんできたにも関わらず、風が止まれば途端に行き場を失い、漂流する。無風の先に待つのは、ただ沈むだけの泥舟でしかないのでしょうね。

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2015年08月21日

北朝鮮の動きと、株価暴落

昨日、北朝鮮による韓国の拡声器への砲撃があり、韓国も応射しています。北朝鮮は準戦時状態、つまりいつでも戦争できる状態をとり、48時間以内の対応を韓国側に求めています。拡声器による金正恩体制への批判がイヤ、ということがあるとしても、ここに来て韓国の朴大統領が、中国の抗日戦勝記念式典への出席を決めたこと、も北朝鮮側の事情としては大きいのでしょう。
中北関係は、ここ数年でも最悪の状況です。しかも今年に入って、北朝鮮はくり返し食糧危機を伝えている。日米との関係改善は一足とびにはできず、頼るべきは中国しかありません。そんな中、中韓関係を重視し、式典に出席する朴政権へは妬み、嫉みが生じるのでしょう。しかもその朴政権、対外的に敵をつくって国内を引き締めるしか、言葉は悪いですが能のない政権です。対日強行路線に批判が集まるや、北朝鮮への強硬な態度をとりはじめた。北朝鮮としても、許し難い行為に映っているはずです。いきなり向けられた敵意へのカウンター、北朝鮮の態度にはこうした韓国への反発が透けてみえます。
北朝鮮は北朝鮮で、国内の引き締めに材料がいる。一当て、韓国軍相手に軍功を得て、金正恩体制を磐石にしたいところです。戦争は、こうした双方のすれ違い、思惑違いからも起こってしまう。安倍首相の語るような「米軍と一体化し、それを海外に発信すれば戦争に巻き込まれない」などというのは、ただの論理遊びにすぎません。北朝鮮が暴発するときは、日本がどんな状況であっても戦争になります。今は北朝鮮も、まだ韓国との間で外交的に解決する態度を示すので、酷い状況にはならないと予想できますが、戦争のきっかけは論理とは外れるものであって、外れるからこそ戦争になる、ということでもあるので、それを弁えない安保法制など、無意味なのです。

日経平均が大幅下落に見舞われています。甘利経再担当相などは「中国発世界同時株安」と述べますが、それだけではありません。今年、市場では世界経済は安泰、多少は減速しても米国はさらに景気拡大、中国のバブル崩壊はない、がメインシナリオです。つまり今の株価に、中国のバブル崩壊を織りこんでいないからこそ、動きが大きくなります。しかもこれは米国の株式市場も同様、中国関連株株が売られる、これも業績予想がそもそも中国のバブル崩壊をみていないからこそ、株価の妥当性を失い、下落するのです。中国のバブル崩壊はずっと囁かれながら、今じゃない、今じゃない、と先送りしてきて、それが今に当たったということになります。
昨日は2万円割れはない、とみた個人が先物を大量に買い、日系が買い方上位にずらり並ぶ展開だったものの、朝方から崩れたために市場ムードが悪化しました。しかも先物に1枚ずつ入る売り。これは市場を大きく崩さないよう、買い方のポジションを減らすときにみられる動きで、それもムードを悪くした。買い方が自信をなくす、先高期待が失われたとも意識されます。

朝方の外国証券経由も売りがつづき、外国人投資家の買いも細っている。夏枯れ、が意識されます。しかも今回、市場に諦めムードが漂うのは、チャート上の悪い流れと同時に、中国株下落の第二幕が始まった、ということは、これは数段かけて下げるということを意識させたからです。4-6月期GDPが大幅マイナスとなったことが改めて意識されるなど、年後半の景気再加速、そんな言葉すら虚しくなった。それが今回の下落の背景であり、抵抗力が弱かった原因です。
市場は論理とは外れるものであって、外れるからこそ暴落になる。あまりに全員が同じシナリオを描き、投資行動に移したことで、変動を大きくしてしまうのです。その最たるものが中国市場であり、不動産も株も暴騰、暴落をくり返してしまいます。安倍政権の支持率低下、安倍ノミクスの失敗など、これから無視してきた諸条件を市場がおりこんでいくなら、どこで下げ止まるかは予断をゆるしません。北朝鮮の暴発が、中国の景気減速で支援が期待できなくなった末のものとなるなら、それを抑えるのが困難なように、中国バブルの崩壊は様々な影響を周囲に及ぼすと考えて、より警戒を強めておいた方がよいのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:13|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | アジア

2015年08月20日

上海株がふたたび下落局面へ

国債の前倒し発行が増えている、と報じられます。超低金利なので、今の内に国債を発行して額面を小さくすることで低利で資金を調達する。財務省出身の黒田日銀総裁と、財務省がくんだデキレースのようにも思えますが、少なくとも金融緩和の一つの側面ではあります。
昨日発表された7月全国百貨店売上高は、前年同月比3.4%増となりました。訪日外国人の免税売上高が3.5倍になるなど、大きく牽引しています。また7月コンビニ売上高も前年同月比1.2%増です。4-6月期GDPとは乖離した数字ですが、これを解き明かすのは7月訪日外国人が192万人と、前年同月比50%以上も増加した点にあるのでしょう。百貨店、コンビニは外国人が利用する。小さい子供を除き、8000万人近くが国内の消費者だとすると、増加した60万人は1%弱。ここが爆買いすると、ちょうどこれらの数字を裏付けるものとなります。訪日外国人への依存度はますます高まりますが、海外の動きはそこに懸念を生じさせるものとなっています。

上海株の下落、第二幕がはじまっています。暴落だった6月半ばから7月初旬、1ヶ月休んで改めてはじまった下落曲面。天津市の爆発事故や台風の直撃など、このところの中国に漂うマイナス面を意識した動きなのか、当局の株価対策が機能しません。さらに欧米からは新興国不安、という記事が掲載され、中国も同様に警戒すべき対象となるなど、風向きが明らかに変わりました。
一部の推計では、4-6月期に2000億$以上が、外国人投資家によって中国から引き上げられたとのこと。中国向けの貸出しも大きく減るなど、中国国内では資金調達にも苦しみだした。そこで中国人民銀行が資金供給を行い、資金繰りの改善をはかっていますが、先に噂された人民元買い介入も、資金流出に対応したものとの見方がでているように、急速に低下する流動性に、中国も苦慮している姿が浮き彫りになります。問題は、一度こうした動きが始まると対策もない。そもそもが高金利と、緩やかにすすむ人民元高を享受しようと流入してきた資金だけに、その前提が崩れれば終わりです。景気減速をうけた利下げがはじまり、人民元安への誘導も余儀なくされ、さらなる資金流出が懸念されます。

景気がよくなれば資金が流入し、さらに景気がよくなる。これが好循環です。しかし中国は明らかにその動きが大きくなり、日米欧の金融緩和によってさらに資金が流入し続けてバブルとなり、長期化した。それが逆回転をおこせば、深刻な悪循環に陥ります。まさに今はその端緒についた、というところなのでしょう。後はその動きが緩やかなのか、急なのかだけです。
昨晩の7月FOMCにおける議事録は、労働市場の改善をうけて利上げが近いとするものの、世界経済の不安定化も示すなど、ややハト派のうけとめでした。中国ではじまった資金流出は、中国依存を強めてしまった世界経済全体においても深刻な影響を与えるのでしょう。最近、日韓の政策当局者の口癖のようになってきた「緩やかな景気回復基調にもどる」との文言は、ほとんど根拠レスの希望的観測にすぎません。まず中国の資金流出が止まったかどうか。そこを見定めないことには、はっきりしたことは言えません。中国の株式市場がふたたび下落局面に入ったのも、当局の介入効果の限界を示しています。中国では1兆元の市場介入資金が準備されている、などという噂も囁かれますが、そんなことをすれば中国企業の多くは国有化、もしくは国が経営権をにぎる、といったことにもなりそうです。そんな国からはますます投資家もにげだすでしょう。「緩やか」とは言えない景気減速に見舞われた中国、周辺国が「緩やか」であることを願っても、高くなりすぎた山は転げ落ちるしかない、といった事態が近づいているのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:21|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | アジア

2015年08月19日

武藤議員の醜聞と自民

自民党の武藤議員に対して週刊文春が金銭問題と報じ、自民党も離党届を受理しました。しかしこれは自民党の致命的ミスです。CRI・ミドルウェアの未公開株を議員特権でおさえたとして出資集めを依頼し、4000万円以上を集めたものの株は買えなかった、ということで返金。700万円が未返済というのです。武藤氏は知人に1億円を貸付け、その返済目的の株だった、としましたが、この1億円は資産報告書にも未記載です。また政治資金をつかったなら政治資金規正法にも抵触します。さらに700万円は、貸付ける際に借りた人に返す用途につかった、としていることから横領。もしくは詐欺罪も成立する。以上は文春の報じるところですが、議員特権という極めて信憑性の高い言葉で信用させていること。また未公開株の譲渡、という悪質性から考えても、自民党は離党ではなく議員辞職勧告を言い渡さなくてはなりませんでした。
今ここで議員を辞職させたら、補欠選挙になる。ぎりぎり安保法制の採決には絡まないかもしれませんが、逆風を意識させれば、政権がさらに弱体化する。早めにトカゲのシッポ切りで幕引き、というシナリオですが、むしろ問題のある議員を処分できない、悪いことを捌けないグレーさは、今の国民にとって許しがたい行為に映ります。ただでなくとも議員の待遇は恵まれ、一般の国民は苦しい生活に陥る中、妬みを生みやすくなっており、松島前法相、小渕前経産相、下村文科相など、グレーのまま警察の捜査が止まる状況を国民はつぶさに見てきました。武藤議員は離党させ、警察捜査に委ねる気かもしれませんが、それでも党内のコンプライアンスが問われる事態となるでしょう。新国立競技場を初めとしたムダ遣いは天井なし、そのときも処分は官僚1人の首を切っただけ。それで内部統制がゆるゆるでは国民の怒りは自民党に向かいます。

国会の審議が再開されましたが、お盆休み前の共産党・小池氏による防衛省内部文書の問題がとり上げられました。検討はダメだけど研究はいい、など中谷防衛相の歯切れの悪い答弁がめだちます。法案成立前でも研究ならよい、とするなら少なくとも国会で大臣が答弁する義務を負うことになります。分からない、不明は許されず、政権の事情で都合の悪いところは隠す、ということは許されないのでしょう。それはつまり法的に瑕疵がある、もしくは不備のある状態を法案提出者が知りつつ、法案の審議をすすめることにもなるからです。
しかしこの内部文書が出てきた、という経緯を考えると、この問題はかなり根深いことにもなるのでしょう。防衛省は思想、信条についても調査し、制服組は採用されているはずです。中で破壊活動をされたり、情報漏えいがおきては困るからです。しかし今回、その内部情報が漏洩した。それは思想信条によらず、安保法制の危険性を鑑みた一部の職員が、法案成立を阻止しようとして持ち出した可能性が高い。それほど防衛省内でも危機を感じている、ということでもあるのでしょう。そうなると、今後も防衛省からは情報漏えいがおきる公算が高まります。

米軍ヘリの墜落で、自衛隊員が搭乗していた経緯について日米の説明が食い違ったり、情報の隠蔽とみられる行為が多発しています。いくら特定秘密保護法で指定しても、正義感からの行動は止められない。安倍政権は、不規則な答弁をくりかえす中谷氏ばかりでなく、防衛省内の正義感にも苦しめられることになった。そのすべては、安保法案の不誠実さにあるのでしょう。党内に蔓延るコンプライアンスの甘さ、一方で防衛省内に溜まる危機感。安倍政権には二つの台風がまさに直撃しつつあるのかもしれませんね。

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2015年08月18日

雑感。タイのテロ事件

タイでテロ事件が頻発しています。恐らく、国内の政情不安を狙った反政府勢力とみられますが、これまでもタイでは政治的な動きでテロが起きており、タクシン派と反タクシン派、それに言語的、文化的系統の異なる少数民族も数多くおり、人種構成もかなり複雑です。タイでは内閣改造や、憲法の制定もこれからと、しばらく不安定な時期がつづいてしまうのでしょう。
ちなみに、タイ文字は子音44、母音32、声調符合4からなり、かなり複雑です。仏教用語として古代インド語も混じり、また中国系タイ人も10%を超えるなど、言語的には坩堝とよべるような形で、表記するのも大変です。江戸時代、漂流してタイに流れ着いた山田長政は国王から賜った爵位である「オークヤー・セーナーピモク」と呼ばれるなど、名称も独特です。タイを理解するのは、相当に複雑な民族構成や、言語など、かなり困難であることを覚悟する必要があります。

中国では天津爆発事故の原因が、未だに明らかにされていませんが、シアン化化合物に引火し、消防隊が知らずに水をかけて消火し、爆発を引き起こしたとされます。しかしそもそも火災の原因は? よく分かりません。巨大な爆発で、現場保存が難しい。また有毒ガスの発生も指摘され、検証作業も難しいのでしょうが、その原因についても正しい情報が出てくるかも不明な点で、中国という国もまた難しい問題を抱えます。そんな中、実際には許可された何十倍もの危険物質が保管されていた、本来は許可をだすべきでないところに、地区の行政との癒着で許可が与えられていた、という問題も指摘され、地方行政府に責任を擦り付ける報道も目だってきました。
さらに保険金支払額は最大100億元(2000億円弱)で、対応が可能と発表されたり、国内の不安払拭につとめますが、今日の上海株は6%を超える大幅な下げでした。タイがそうであるように、中国でもテロが警戒されます。また危険物を大量に扱うところは、テロの攻撃対象となり易い。中国も今後、経済が不安定化し、共産党一党支配が揺らぐのなら、テロ事件も懸念されます。

そんな日本も実は、テロへの警戒が必要です。安保法制の改定により、安倍氏のいうように『戦争をしかけられる恐れ』は、確かに縮小するかもしれない。それは米軍に戦争を仕掛ける国は今のところないからです。しかし米軍と一体化する、ということは戦争をしかける国になる。そして恨みを買い、テロを仕掛けられる国になる、というのと同義でもあるのです。
米国の退役軍人が「原爆投下はよいこと」という意見が大勢であるように、言い方は悪いですが、米軍は一般市民を殺しても平気です。その発想で、無人機による空爆でも一般市民を巻きこんでいる。結果、テロに狙われます。米国ではテロを防ぐため、ネット監視や通話情報も監視し、警戒している。米ネット企業など、政府からの情報提供要請をうけていることは、最早常識です。逆に考えれば、日本もそれだけのコストと能力をもたなければリスクは高まり、国民は安全どころか、国内にいても常に不安にさらされる生活を送ることにもなるのでしょう。

戦争は起こらないかもしれない。しかしテロの標的にされる国。それは先のイスラム国人質事件でも露呈した、安倍政権の外交下手、一方に肩入れすることで、敵方に恰好の口実を与えるという意味で、危険に陥ることにもなるのです。タイの諺には「虎から逃れてワニに遭う」というものがあります。一難去って、また一難、というぐらいの意味ですが、戦争という虎から逃れても、ワニに遭うならそれは安全ではありません。アジアで頻発するテロ、事件を重ねたとき、他人事とは言っていられない時代がくることを、安保法制では予感させられてしまうのでしょうね。

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2015年08月17日

4−6月期GDPについて

4-6月期GDP速報値が発表されました。実質で前期比-0.4%、年率は-1.6%で、市場予想の-1.9%よりは良かった、として市場は落ち着いた動きでした。しかし数字以上に、中身は相当悪い印象です。寄与度でみると内需が-0.1%、外需が-0.3%ですが、内需のうちの民間最終消費支出は-0.8%です。前期は0.3%と、辛うじて物価上昇分ぐらいの支出は増えていたのですが、ゼロに近づいたとはいえ、まだプラスの物価上昇にある中、消費支出が大きく減った。これは深刻です。
物価に賃金上昇が追いついていない、集中豪雨などの気象要因があった、などとも語られますが、関東では5月の気候はよかったですし、世帯収入は上がっています。特別手当は増えていますし、何より世帯主以外の収入が増えています。原因ははっきりしていて、消費税増税、軽自動車税の増税など、税負担が消費マインドを著しく冷やしている。これに尽きます。

企業の設備投資が-0.1%は、かなり意外な結果です。今年前半に集中するはずの設備投資がマイナスになったからですが、1-3月期に2.8%と大きな伸びとなったことの反動なら、再浮上する要因すらありません。内需、外需ともに減退を示す以上、企業にとって設備投資するインセンティブが働かない。住宅投資は2四半期連続で1.7%、1.9%の伸びを示していますが、五輪特需もあるのか? ただし最近の不動産状況は、価格改定として値下げして販売されるケースも目立っており、消費税増税以後、落ちこんだ部分を回復させようとムリして住宅建設をすすめても、買い手のいない状況も透けてみえます。投資対象以外の住宅は今後も厳しいのでしょう。
もっとも驚いたのは、在庫投資が0.1%のプラス寄与だった点です。1-3月期に0.5%増だったのであり、横ばいの推移でもマイナスになるはずでした。それがプラスだったのは、これが消費減退による、予期せぬ在庫積み上げになった可能性が高く、7-9月期には大きな下押し圧力になりそうです。昨年の4-6月期も予期せぬ在庫の積み上がりが、その後で2四半期もマイナス寄与になったように、この在庫もまた企業の生産意欲、設備投資意欲を殺ぐ要因となりそうです。

政府最終消費支出は0.4%で、小幅にプラスを続けていますが、ということは累積で歳出が膨張をつづけている、ということです。それは新国立競技場でも、無駄遣いする気満々の安倍政権では、歳出の歯止めがかからないのは当然です。輸出は-4.4%、輸入は-2.6%、とともに悪化。市場予想を上回ったのは、在庫投資や住宅投資が予期せず増えたためであり、将来を先食いしただけです。7月の経済統計も芳しくなかったことから、2四半期マイナスは確定かもしれません。
メディアは「景気は踊り場」などと伝えますが、昨年度はマイナス成長であり、踊り場どころかずっと下り坂です。昨年の10-12、1-3月期がよかったのは、前2四半期が悪すぎた反動です。今年は増税の影響が薄れ…という予想そのものが裏切られ、やっぱり悪かったとなります。

景気対策のための補正予算、金融緩和、などの期待も語られますが、そもそもの環境が悪いのですから、ただのバラマキにしかなりません。大事なことは、いくらメディアが煽っても国民のマインドが低下していること。急速に低下する労働人口、倒産件数は減っているはずなのに、就労人口も減っている。65歳以上と、女性の就労が急上昇していますが、それでは支えきれないほど、国内経済が急速に萎んでしまっているのです。就労形態が変わっているのですから、賃上げしても寄与が低い。それこそ高齢者雇用や、パートタイムなどの賃金を上げる方が景気対策としてはよほど寄与する、これが現状なのです。安倍政権の頓珍漢な経済政策の結果、二年連続でマイナス成長になろうとしている。安倍ノミクスの実績とは、まさに株価だけ。その株価も、GDP悪化をうけても上昇したように、国内景気には最早関心がないかのようです。企業業績をよく見せかけるためだけの通貨安競争、今のところ日本は勝っていますが、中国も参戦したこの競争が、実は日本にとって経済面における最大の脅威、安保法制以上に深刻なものとなるのかもしれませんね。

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2015年08月16日

戦後70年談話について

安倍首相が戦後70年の節目で、首相談話を発表しました。中身は従来の談話を踏襲する形としましたが、反省やお詫びは他人の口を借りる、という何とも歯切れの悪いもので、かつ冗長な文章となり、中身は薄い。安保法制に影響しないよう、公明にも配慮したため従来の保守層からは皮肉、逆に安倍批判の強い層からはもの足りない、と中途半端な内容に終わっています。
逆風の中、安倍氏が唯一こだわった「未来の子供たちに謝罪をつづける宿命を背負わせてはならない」は、評価する人もいるようですが、実は意味不明です。まず主語は何か? 中韓に対してなら、それは外交に関するもので、安倍氏自らどれだけ努力したのか? が問われます。その場合なら「背負わせない」と決意表明にするか、「背負わせないよう努める」と努力目標とするかの、どちらかでしょう。漠然とした対象に向かってその言葉を発し、自分で何をするか示さず、他者にどうして欲しいのかも示さず、何もしなくてもそうなったらいいな、という何かふわふわした印象しか残さない。正式な閣議決定の文章に載せたことで、その言霊的な力を信じているだけだとすれば、そんな政治には何も期待できない、となってしまうのでしょう。政治は現実であり、現実には法文があり、言葉を力に変えるのが本来の政治の仕事なのですから。

会見冒頭、「政治は歴史に謙虚でなければならない」とする文言も、その行動を安倍氏自らがとっていないので、誰にむかって発した言葉か、が疑問です。21世紀構想懇談会が提言したことを『歴史の声』として受け止め、談話に盛り込んだとしますが、過去の首相の発言も『歴史』で、だからその受け止めとして談話では引用としたのか? それだと談話全体が『歴史』に対して、現時点での考察を語るだけの、ただの通過点にしかならない、となります。よく言われるように、どうして70年談話をだす必要があったか? これも『歴史』であり、謙虚であるのなら、批判すら許されなくなるでしょう。「政治は…」としていますが、政治であっても真摯に向き合い、批判、反省、そして改善を見出すのはむしろ『謙虚』ではなく、積極的な態度でなければならないのです。中韓批判を盛りこんだのでしょうが、言葉の使い方を間違えています。
『政治は歴史と真摯に向き合い、恣意的に扱うことは厳に慎まなければならない』が、必要な文言だったのでしょう。それこそ「謙虚」なら「明治維新以後、節目には山口県出身の総理大臣が…」などと述べること自体、「謙虚」な態度ではありません。歴史を恣意的に扱って、自らの有利なよう取り計らっているからです。結局、政治は歴史を利用し易い性質があり、だからこそ恣意的に扱う人間を厳しい目で見ていなければならない。安倍氏もその点、落第です。

談話後の記者会見で、記者が「中国を脅威とみるか、みないかで法案の賛否が分かれる」と質問していますが、その認識そのものがすでに誤りです。脅威とみなせば憲法を侵してまで、格下の法律を通してよいのか? そのことが問われているのです。脅威と思っていても、憲法上みとめられないからダメ、という人もいる。脅威と思っていなくとも、軍事力の行使に前向きな人もいる。それは米国の意を汲んでいる人などが、主にそうです。中国脅威論は、判断基準の一つにはなるかもしれませんが、それが法案の賛否を決するほどの重大事項ではありません。以前も指摘したように、冷戦時代の方が、よほど脅威という意味では強かったのですから。
安倍氏の認識、そして取り巻きである官邸デスクの認識、これらが国民とずれているからこそ、安保法制への反対が増えているのでしょう。共同通信の世論調査で、政権支持率が5.5%回復しています。どうやら、70年談話で公明の添削をうけ、しっかり盛り込んだことを評価する創価学会の声、というのも大きいのでしょう。しかし安倍政権の、この時代もいずれ「歴史」となります。そのとき「謙虚」であったことを後悔することがないよう、今を大切にし、行動することが求められるのが現状でもあるのでしょうね。

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2015年08月13日

雑感。機械受注統計と中国経済

中国の天津港湾地区にある倉庫で、爆発が起きました。原因は不明であるものの、事前に車が燃えていた、との報もあるように、単なる事故ではないかもしれません。危険物質を満載した倉庫、というのは中国全体を示唆するようですが、テロだとすれば自動車が突入したのかもしれませんし、自然発火だとすれば危険物の取り扱いがどうなっていたのか? 中国ではバブル崩壊も囁かれますが、これで天津の物流が止まり、また失われた物資からも破綻企業が出てくるかもしれない。被害をうけた人への補償など、様々な点で痛手になることでしょう。
今日も人民元の基準値をひき下げ、この3日間で4.6%も下落しました。人民銀副総裁が「定期的な介入」は中止し「効果的に管理」する、と述べています。言葉が遊んでいる印象ですが、要するに急激な人民元安は容認せず、ゆっくり誘導するということなのでしょう。これは「ファンダメンタルズは力強い」として、急激に人民元安になる根拠がない、とする声明をだしたことでも、裏付けられるのでしょう。管理相場を覆すような大きな変動には断固として対抗する、という意図が透けてみえますが、そもそもファンダメンタルズは弱く、それ以上に数字に信頼がおけません。

6月機械受注統計が、船舶・電力を除く民需の受注額は前月比7.9%減と、市場予想を超える大きな落ち込みでしたが、4-6月期では前期比2.9%増と、4四半期連続の増加です。しかし前向きな設備投資というより、古い設備の更新を余裕のあるときにやってしまおう、という行動にみえます。さらに、中国進出に失敗し、撤退する企業は設備を残してくることが多く、工場移転に伴う設備の購入が活発化している状況もみえます。しかし問題は先行きの7-9月期の見通しは、前期比0.3%増。集計した段階では人民元の基準値引き下げなどの影響もあり、中国経済への警戒は高まっていなかったことから、計画を停止する企業も出てくる可能性が高まります。
元々、設備投資は期初の計画段階より、実施されないことも多い。0.3%増は瀬戸際どころか、ほぼマイナスを覚悟するような数字です。消費も低迷、外需も期待できず、設備投資すらおちこめば、4-6月期はマイナス成長予想が拡大するように、7-9月期もマイナス成長に陥る可能性が高まります。昨年度は増税でマイナス成長、というイイワケができても、今年度もマイナス成長に陥るなら、もう安倍ノミクスは完全に失敗した、とのレッテルも貼られるのでしょう。

今日の株式市場は、日経平均だけ堅調という異常な相場つきでした。TOPIXは辛うじてプラスだったものの、下落銘柄の方が多く、明日のマイナーSQにむけて21000円が重かったこともあって指数寄与度の高い銘柄のみ、買い上がった印象です。これを反発力のある強い相場、とは言い難いのでしょう。日本の官製相場は、今のところ中国より成功しているようですが、今後は分かりません。
日本の「ファンダメンタルズは弱い」。しかし日銀が「定期的な介入」を続けているから堅調、というところであって、「効果的な管理」に移れる状態でもなくなっています。今年は年後半の見通しを示していませんが、日銀の動き次第で、年後半の相場つきは大きく変わってきます。しかし中国で不動産バブルの崩壊、株バブルの崩壊、が叫ばれますが、日本の株バブルとて今は深刻なレベルです。業績の裏づけがある、といっても年後半の高い業績の伸びがないと、それを正当化することはできません。中国が崩れれば、日本も無傷ではいられないのです。天津の爆発事故が、烽火のように見えたのは、気のせいではないのかもしれません。世界経済の不安定化を改めて示唆するのなら、世界全体が身構えざるを得ない時代がくるのかもしれませんね。

明日、明後日とお休みして、16日から再開したいと思います。

analyst_zaiya777 at 23:29|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | アジア

2015年08月12日

ツキの落ちた安倍政権

中国が再び人民元を1.6%切り下げました。しかしそれと同時に、国有銀が人民銀行の委託でドル売り介入を行っています。基準値から2%前後の余裕をみているので、急激な動きに対処するため、ということもあるでしょうが、もう一つの見方として外貨準備を減らしたかったのではないか。人民銀の手元資金を厚くし、株価対策などで劣化した国有銀の自己資本を、人民銀から補填しようとの意図とも考えられます。同時に発表された各種経済指標は良好な数字もありますが、信憑性がないのは言うまでもありません。中国の人民元さえ、信用を失墜させつつあります。
アジア通貨危機の再現も懸念されていますが、アジア各国も通貨安に見舞われる中、円まで125円台をつける場面がありました。円の弱さを如実に示しますが、株式も大きく下落しています。原因は8月のマイナーSQに向け、コール市場で21000円の商いが活発化していたため、高いポジションでやり合っていたものの買い方が負けたことで、調整を大きくしたのでしょう。中国不安で、年後半に業績の急回復、というシナリオにも黄色信号が灯り、市場のメインシナリオが崩れてくると、さらに大きな調整にもつながります。中国の動向にはしばらく注視せざるを得ません。安倍政権では株価対策に躍起ですが、ここにきて中国が最大の懸念に浮上してきました。

菅官房長官、翁長沖縄県知事の会談が行われようとする矢先、沖縄沖の海上で、米軍ヘリが墜落しました。重要なのは自衛隊員も負傷している点です。昨日、国会で共産党が暴露した防衛省による、日米ガイドライン及び安保法制の改定にともなう対応、という話が真実だとすれば、この米軍ヘリに自衛隊員が搭乗し、合同訓練を実施していた可能性があります。これが個別的自衛権に基づく、自衛隊としての訓練に、指導員として米軍が立ち会う、という形なら問題はなかったのでしょう。しかし米軍の訓練に自衛隊員が搭乗し、訓練していたとなると、微妙な時期だけに集団的自衛権との兼ね合いから、国会で大きな問題になることも想定されます。
さらに沖縄では、米軍の危険が再び意識され、菅氏と翁長氏の会談にも影響します。普天間の危険性を訴えても、辺野古とて沖縄のリスクが下がるわけではありません。住宅地からは離れますが、沖縄の負担が減るでもなし、航空機が沖縄県内をとぶことに変わりがないからです。

ツキがなくなった安倍政権、まさに最近はそんな言葉がぴったりです。安倍首相は山口県入りし、節目では山口県出身の政治家が首相だった、として総裁選にも意欲をみせました。しかし自民内では、いつ病気退陣するか? が注目され、安倍氏を追いこんで恨みを買うようりは、総裁を続けさせ、来年の参院選直前で交代させ、新しい首相で参院選を戦う、がベストシナリオとも語られます。1年もあると、ここで新政権を誕生させても、支持率が下落している恐れもある。安倍ノミクスも限界で、これから景気がさらに下方へと推移していくと、ますます政権への風当たりが強まる。支持率下落と相反するように、安倍首相続投、の声が日増しに高まるのは、安倍氏を最期まで使い倒して退陣させたいから、そんなシナリオも透けるのです。
安倍首相が国民の声を理解していないことは、広島豪雨の際でも、一旦は官邸に戻ってもすぐ別荘にて休暇をつづけようとした点などに現れます。国民が苦しんでいても、気にならない。今回も、日航機墜落事故から30年、政府から何らかのコメントが出るかと思いきや、もしかしたら出ているのかもしれませんが、未だに報道はありません。それは首相も、官房長官も官邸に不在なのですから機能するはずもないのですが、多大な被害をだした事故の、節目の年に首相であることすら気にならないのかもしれません。自民の安倍政権退陣シナリオを崩すのは、安倍氏が突然、病気辞任してしまうことです。安倍氏は自らの態度、行動、言動でより自身を追いつめていく、ツキを落とすことを自らする。病気が悪化する原因は、他のことでは無責任を貫いても、ここだけは自己責任、という点で、自民党内をやきもきさせているのでしょうね。

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2015年08月11日

川内原発の再稼動

中国が人民元の対ドル基準値を2%切り下げてきました。一部で輸出回復を狙って、という話もでていますが、輸出競争力は得られても回復するかどうかは、相手国の経済次第です。日本でも円安になると輸出増…と述べたところで、現実的にそれが起きていないように、価格据え置きで単価を上げる戦略であれば、企業業績は回復させても国内経済への寄与は小さい。仮に単価を下げ、数量効果を狙っても、相手国の需要が縮んでいれば大した効果がありません。
むしろ今回の狙いは、単価を下げることによって、相手国にデフレ圧力をかけることではないか? とみられます。昨晩のフィッシャーFRB副議長発言が的を射ていますが、低インフレ率では利上げできない。この言葉に集約されるように、資源価格の下落、通貨高によって欧米にデフレ圧力をかけ、金融緩和状態をつづけさせる。それがひいては中国景気を下支えする。中国企業の見かけの業績も改善すれば、高すぎる株価も正当化されるかもしれない。そんな思惑が透けてみえます。日本への影響は、インバウンド消費の減退は必然ですし、人民元建ての取引は少なくとも、輸入物価の上昇をもろにうけ、中国内の競争は厳しくなります。株式でも、インバウンド関連の高PER銘柄が下落したように、円安メリットの低下という意味のインパクトも出てくるでしょう。

九州電力の川内原発が再稼動しました。原油価格が下落し、イランの核合意による原油市場への復帰で、一部では供給過多の現状から採掘所の淘汰がおきるまで、1バレル30$も割れるのでは? とも語られます。つまり火力発電には追い風が強く吹く中、準備ができたからの再稼動です。一部メディアでは「原発ゼロ解消」とかかれます。これは原発ゼロを問題だ、とする意識から書かれるもので、原発ゼロを正しいとする意見では「〜に幕、〜途絶える」という表現になります。
しかしこの表現の問題は、そもそも「原発ゼロ」にあるのではなく「原発稼動ゼロ」にある点です。つまり「原発がゼロ」になったことは、福島原発が臨界状態に入ってから、一度も日本には起きていない。ただ稼動していなかった、というに過ぎません。原発がすべて廃炉になり、更地になって初めて「原発ゼロ」が日本に達成されるのであって、むしろ「原発ゼロ」が目指すべき方向性であり、それと逆行する動きが今日おきた、という意味で節目ではあるのでしょう。

さらにこの川内原発の問題は、九電が「責任はある」と認めても「責任はとれない」ことです。福島原発の事故以後、原発事故時の保証のための積み立てもできましたが、事故の影響を鑑みれば、まず電力会社の能力を越えます。国は「責任は事業者で、国にない」という態度ですが、結局「責任をとらざるを得ない」のであり、そこに投入されるのは税金です。政治家が、自身の責任逃れをしたとしても、国が「責任を放棄」すれば、電力会社が潰れるか、国民が多大な被害をうけることになる。どちらにしろ国が傾くほどの甚大な問題を引き起こしてしまいます。
国は「責任がない」から、地方自治体の避難計画策定にも関与しないのか。事業者は「責任がある」のに、事故を起こさないというだけで、起きたときのアフターケアまでは「責任を負わず」、やはり避難計画には関与しないのか。原発の問題は、国や事業者がいかにその態度が信の置けないものか、を浮き彫りにするのでしょう。それは如何なる問題においても相手を信用できるか、に関わるのであり、国会開会中にも関わらず、また国民が様々なことに不安、不満を感じている中で休暇をとった首相、という面からも信用に足りなくなってきているのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:06|PermalinkComments(6)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 原子力

2015年08月10日

景気ウォッチャー調査と、消費動向調査

7月景気ウォッチャー調査が発表され、現状判断DIが51.6と前月より0.6pt改善です。しかし中身をみると、やや悪くなっているが1.6pt減り、変わらないが2.6pt増えたことが寄与しており、全体的に大きく下がった6月から横ばい、となります。先行き判断DIは深刻で、家計関連、企業関連ともにすべてマイナスで、51.9と前月より1.6pt悪化です。やや良くなる、が大きく減る一方、変わらない、やや悪くなる、が大きく増えました。地域別でみても現状は経済規模の大きい南関東の下落が大きい。先行きは北陸、沖縄以外すべてマイナスと日本全体が悪化する見通しです。

7月消費動向調査はもっと衝撃です。消費者態度指数は40.3と前月差1.4pt低下、前年同月差でみても0.6pt低下です。しかも暮らし向き38.1と1.3pt低下、収入の増え方39.6と0.7pt低下、雇用環境44.7と2.6pt低下、耐久消費財の買い時判断38.8と1.1pt低下、と指数を構成する要素、すべてがマイナスとなっています。その他の意識、として調査される資産価値でさえ41.9と1.8pt低下しており、国内のどこにも好循環が起きていないことを、この指標は示しています。
やや意外なのは、都心の不動産は活況と伝わる中で、資産価値の目減りを感じる点ですが、その恩恵が行き渡っていないとしたら、今の上昇は中国を初めとする海外マネーが主導しているため、なのでしょう。五輪需要や都心の一等地はすでに個人の所有が少なくなり、そこだけがバブル的に上昇している。恩恵の行き渡りにくい不動産市場の状況を示しています。

これは株価も同じ。最近、指数寄与の高い銘柄の売買が活況である一方、先物の売買はそれほど盛り上がらない。先物は手口が公表されるので、それを嫌がるマネーが個別銘柄に隠れて、指数をいじっている傾向がうかがえます。それと、インバウンド消費や不動産関連など、主に中国消費に関する銘柄へ資金が集中している。つまり、日本国内の景気が悪い一方、中国人が消費するところは上がる、と考える中国マネーの自信による買い上げであり、実態として業績が伴っていない銘柄まで上がってしまっています。指数寄与度の高い銘柄の、リバランス的な売買とともに、中国マネーによる業種にしぼった買い、これが次の波乱を予感させるところです。
さらに消費動向調査で、1年後の物価見通しで『上昇する』が87.7%にも達しています。物価が上がる、生活が苦しくなる、が一体化しており、安倍ノミクス当初想定の物価が上がると消費が盛り上がる、といった説明は虚構だったことを数字が示している。そうなると安倍政権がめざしていた脱デフレ、という目標自体が正しかったのか? むしろ間違った方向に誘導したのではないか? という疑念すら生じます。すべては脱デフレをコストプッシュインフレに求めたことが原因ですが、4-6月期GDPではマイナスが予想される中、7月はさらに下押し圧力が強まっていることが確実となり、ふたたび2四半期マイナス成長、景気後退が意識されます。

2015年上半期の国際収支状況で、経常収支が8.1835兆円の黒字となりました。輸出が5.9%増加、輸入が8.8%減少と、貿易収支の改善が寄与した形ですが、前年同期と比べて2割も円安になったのに、輸出が5.9%増はもの足りない。数量がまったく増えていないどころか、逆に減少するように稼いでいるのは円安効果だけ。一方、輸入が減ったことを原油価格の下落で片付ける向きもありますが、内需低迷により輸入すら数量が減少していることを見逃してはいけません。
金融収支をみると、株式投資が6兆円以上も増えている。GPIFの運用比率の見直しで、外国株式の比率を上げたのですから、これは連動した数字なのでしょう。しかし米株が調整局面に入ったことから、第一次所得収支も今後、厳しいのかもしれません。金融で外貨を稼ぐ構図になった、と報じられますが、先進国の株、不動産がほぼすべて右肩上がりだったこれまでのような好環境は、そう長くは続きません。経済指標からみえる日本の景気減速が円安を促しているとすれば、日本は物価高騰によりさらなる景気減速を導くかもしれません。輸出入が減速する中、TPPで貿易拡大を目指していた安倍政権、それが頓挫した今、打つ手なし、といった状況が更なる景気の悪化を予想させるところなのでしょうね。

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2015年08月09日

日米同盟が完全に機能?

埼玉県知事選で、現職の上田氏が4選を確実としました。出口調査で、自民推薦の塚田候補は自民党支持層を固め切れなかったことが影響しています。元々、県知事選はよほどのことがないと現職が強いものですが、自らつくった多選自粛条例を破った上田氏が当選したのは、自民支持層の萎縮も影響しているのでしょう。岩手県知事選に自民から出馬を予定していた平野元復興相も、出馬表明をしながらここに来て取りやめたように、自民支持層でさえ候補を支持しなくなっている。安保法案の影響は、選挙に大きく響くことが鮮明となってきて、来年の参院選までその影響が残りそうな雲行きです。参院自民は気が気でないところでしょう。

長崎市で行われた原爆犠牲者慰霊平和祈念式典で、安倍首相が非核三原則の堅持を表明しました。先に国会でも述べていた通りですが、世論の反発の大きさに戦々恐々としているのが現状なのでしょう。田上長崎市長が安保法案の慎重審議を求めたことに対し、「法案は戦争を未然に防ぐもの。国民の声に真摯に耳を傾け、丁寧に説明」と述べていますが、もっとも大事な「法案は戦争を未然に防ぐ」という点が、まったく説明されていないのですから、意味がありません。
式典後の記者会見で「この法案で日本が危険にさらされたときは日米同盟が完全に機能」と述べますが、では今は不完全なのか? どういう条件のとき機能しないのか? が一切説明ありません。「完全に」の説明すら、何がどうなったら完全か? を国民がイメージできないのですから、その点を説明しないと何も始まりません。しかも、日米同盟が不完全な今、日米安保の改定が一切議論されないのはなぜか? もし安保法案が通った後、改定するとしたらどうなるのか? それを説明するのが「丁寧に」に当たるのですが、国会答弁や記者会見でも皆無といえる状況です。

しかも「安保環境は厳しくなっている」と言いますが、確かに冷戦終結後、ソ連の脅威が去ってぬるま湯だった時代から比べれば、中国の伸張は一つの脅威でしょう。では、冷戦下と今で、どういう環境の違いがあるか? についての考察はありません。むしろ当時の方が、中国の軍装備が一足とびに発展したとしても、今より強い緊張状態にあったと云えます。単純化すれば、共産主義が機能している間は、経済がクローズしていますから、政治・軍事のみを考えていればよかった。しかし今は経済が接近し、政治・軍事に経済を絡めて考えなければならず、より複雑になったのであり、当時機能していた『不完全な』日米安保と、今も『不完全なまま』の日米安保で、日本だけが安保法制を改定したとて、何が変わるのかは国民の誰もが理解不能なのです。
安倍氏は自民党のインターネット番組でも、こうした説明を一切していません。むしろ現実離れした想定をもちだして説明してみたり、これが常識だと言わんばかりで、国民に理解してもらおう、という気概は一切感じられません。「戦争を未然に防ぐ」というシステムでさえ、何も説明していないのです。もしかしたら軍事大国と化した米国が、戦争は防いでもテロを頻発させるように、日本もテロの標的にされるかもしれない。日米安保が「完全に」機能することで、平和とは真逆のことが起きるかもしれないのです。では、テロはどう防ぐのか? 米国と同じようにネットを監視し、通話記録を監視し、情報管理型社会を構築するつもりなのか? そこまで説明して、初めて「丁寧に」なるのですが、国民の反発が強まりそうだとして、シラを切りつづけるなら、日米同盟の前に国会すら「完全に機能」させることが難しくなるのでしょうね。

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2015年08月08日

マネーの流れ

昨晩発表された7月米雇用統計ですが、市場の受け止めは早期利上げ、だったようです。為替はやや円高にふれていますが、これは織りこみ済みの内容だったためで、発表後、瞬間的に125円にのせたものの、追随する売りがないとみるや一転して円高にふれました。先に123円台から125円まですすんだ円安が、9月利上げを織り込んだものだった。黒田ラインと呼ばれる125円突破を狙った動きが失敗し、すぐに手仕舞うといった慌しい動きとなりました。

米株はダウが7日続落、年初来安値に接近しています。米株安は、個人が運用することの多い米国では、逆資産効果が強く意識されます。日本の自動車業界をみても、ほとんど米国でのみ業績好調、といった歪な状況にあり、米国の消費が崩れたら日本も総崩れ、となってしまう。
これまで新興国不安が台頭、資金が還流することで潤ってきた米国が一転して弱含む状況は、かなり深刻です。それは投資マネーが行き場を失った、ということだからです。資源価格の下落も需要の弱さを映したものだとしても、投資マネーで押し上げることもない。むしろ売り、でとることを投資マネーが模索し始めています。これは売り浴びせが起こる兆候かもしれません。

中国を初め、ブラジルなど経済が不安定な国は山ほどある。売り崩せる市場は山ほどある、と言い換えてもよいかもしれません。中国は擬似資本主義なので、海外マネーは届きにくいですが、それ以外はマネーの量で潰せるほどの国の経済規模もあって、かなり危険です。米国で、住宅融資の条件緩和という話が出てきたのも、マネーがダブついている証拠なのでしょう。
中国では、上海株の急落の原因を反習近平派の策動とする記事があります。しかしもし反習近平派なら、捜査されたらすぐにバレるようなことをするのも考え難いですし、社会混乱を引き起こしたら一気呵成にいかないと、捜査されたら自分たちが危険に陥ります。そんな中、証券会社幹部が逮捕、党籍剥奪と伝わります。癒着、賄賂などの多い中国では、こちらの方が信憑性が高い。つまり一部の大口投資家や仕手系と組んで、相場操縦をしている可能性が高い。情報を横流しし、証券会社の人間が儲けようとしていることが想定されます。個人投資家を蔑ろにし、自己利益のみ追求する社会で、売り浴びせをして儲けようとする輩が跋扈していても、何の不思議もありません。反習近平派というより、自己利益のみ優先する個人の性向が、今後も中国では株式の急変動などの不安として襲うことにもなるのでしょう。

日本の株式市場は、日系の大手証券が下落時の買い方として活発に動いていましたが、ここ1週間ほどはその座を下り、変わって欧州系、米系などが日替わりで買い方上位に浮上する構図です。買い支えマネーの出元は変わらないものの、発注先を多様化したような印象ですが、行き場を失ったマネーが少しでも有利な日本市場に流れているだけ、かもしれません。しかし業績が伴っていない小売株の状態など、日本の歪みも相当に溜まってきました。外国人投資家が本格的に夏休みに入る中で買い始めるといった不思議。世界のマネーの流れが変化しつつある中で、安倍政権の支持率下落や、日本の経済状況をみて日本へと流れてくるマネーも変化するのであれば、買いが溜まっている分、それは上より下を試しやすい、ということにもなるのでしょうね。

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2015年08月07日

安倍政権の内憂外患

7月米雇用統計が発表され、市場予想をやや下回る21.5万人増。ただし6月は25.4万人から26万人へ、5月は22.3万人から23.1万人へ上方改定され、失業率も5.3%と横ばい。判断としてはフラットといった数字です。時間当たり賃金も0.05$上昇で、FRBが注目するU6失業率も10.4%と小幅ながら改善。9月の利上げを邪魔しない、また利上げを回避するほど弱くない、といったほどよい数字です。市場の受け止めは微妙ですが、米景気の立ち位置はより不鮮明になりました。

昨日、広島の原爆戦没者慰霊式・平和祈念式で、安倍首相が「非核三原則の堅持」について言及しなかったことを、国会で追及され「長崎ではもりこまれるはず」と述べました。新たな見方として、来週の戦後70年談話の前哨戦として、挨拶の文言を変更するとどういう反応があるか? それをシミュレーションしたのではないか? 安倍首相は事務方が協議して決めている、と述べましたが、「あぁ、この人物は核兵器に対して何の思い入れもないんだな」ということを露呈してしまいました。だから事務方任せで、挨拶の文言も決めている。しかしその事務方に、安倍氏の方針、意を汲んだ者がいるため、姑息なことを考えているのではないか? 今回、シミュレーションとしては大きな反応が確認されたこととなり、70年談話の文言変更も厳しくなった。そんな中、70年談話を閣議決定して、政府の公式見解とする話が出てきています。
9月訪中を延期したため、外交的な影響は過少になった、との見方もありますが、それ以上に談話の内容自体をトーンダウンする、という決断に至ったのでしょう。もしここで過激な内容を入れ、外交問題に発展すると、国会も止まる。それは安保法制の通過を最優先する安倍氏にとって、致命的にもなりかねません。米議会との約束を優先し、これまで拘ってきた70年談話を切り捨てる。そんな決断をしたことを示すものが、実は最近、そこかしこで散見されています。

辺野古移設を1ヶ月停止し、沖縄との話し合いに応じる。これは安保法案成立までの凍結であり、余計なトラブルを避けたい、との思惑が透けます。新国立競技場のゼロベースから再検討も、その延長にあります。この問題でも責任問題が取り沙汰され、誰も責任をとらない状態がつづいていますが、それは川内原発再稼動も同じです。政府は「専門家の意見に従う」とし、原規制委は「基準に従って判断しているだけ」という。もし仮に事故がおこっても、誰も責任をとらないことが容易に分かりますが、こちらも新国立競技場と同じでインパクトが大きい、として再稼動せざるを得ない、との判断を下しています。安倍政権の主体的判断は? といったことがまったく伝わらず、無責任体質を露呈しながら、国民の嫌がることが粛々とすすみます。
安保法案が通過するまで、とにかく安全運転、という方針を固めた安倍政権ですが、原発の再稼動だけは止められない。それは安倍氏が核兵器に対して何の思い入れもないことでも分かるように、重要案件だとすら意識していないことを意味しています。もし原発が事故を起こしたら…と考えるなら、避難計画の策定と訓練が遅れている現状で、再稼動などできるはずがありません。つまり戦争の危険性は必死で訴えても、核や原発といった放射線の危険性についてはまったく無視し、その危険に国民を曝そうというのが、安倍政権の方針なのです。

内憂外患、という言葉がありますが、内の憂いを極力排除する一方、外患は殊更に喧伝する。そんな安保法制の議論ですが、内の憂いは次から次へと襲い始めてきました。核の危険性、残虐性に何の思い入れもなく、核兵器の運搬でさえ排除しないとした安倍政権で、軍事要件の拡大につながる安保法制は、やはり危険性の方が国民には意識されてしまうのでしょう。そして世界遺産登録時の態度から、表向きの結果を重視して中身で国益に反した行動をとる、そんな安倍政権の態度から急速に高まった懐疑。安倍政権の抱える内憂とは、実はコアがない、原則でさえ簡単に覆してしまう、という『非コア、反原則』が最も強いのであって、安全運転をとればとるほど強い実現力のある政権、として見られなくなり、転落が激しくなるといった矛盾の中にあるのでしょうね。

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2015年08月06日

安倍氏が非核三原則にふれず

安倍首相が原爆死没者慰霊式・平和祈念式での挨拶で『非核三原則の堅持』を盛りこみませんでした。すでに「持ちこませず」は米軍の核搭載艦により事実上破られており、日本は「通告を受けていない」「知らなかった」として、半ば黙認する形となっています。媚米主義の安倍政権ですが、正直に事実をみとめたのだとすれば、腹を括ったということになるのでしょう。
しかし民主党、白議員の質問で、今回の安保法制では核ミサイル、クラスター爆弾、毒ガス兵器なども運搬可能、と問われた中谷防衛相が日本はそれらを保有していない、想定していない、と述べています。しかし米軍から依頼されたら? 核ミサイルの搬送は現実的ではないかもしれませんが、非核三原則もそうですが、クラスター爆弾禁止条約の締約国でありながら、済し崩す気満々ということを今回、示したのでしょう。法的に規制もなくなり、国際条約でさえ「通告をうけていない」「知らなかった」で押し通す気かもしれません。産経などは白氏の質問を荒唐無稽、などとしますが、むしろ米軍の依頼でそれらの武器を運搬している、と知られたら、自衛隊は集中砲火を浴びることにもなるので、保守系メディアが激しく反発している意図が透けて見えるようです。

6月の景気動向指数速報値が、現状の一致指数で112.0と前月より0.7pt上昇、先行指数で107.2と前月より1.2pt上昇となりました。基調判断は「足踏み」ですが、中身をみると首をかしげる部分もあります。一致指数のマイナス寄与度をみると、商業販売額(小売業)が前年同月比で-0.25、中小企業出荷指数-0.23、有効求人倍率-0.17。インバウンド消費や内需に関連する指標、それに人手不足で超売り手市場と言われる部分が、軒並み景気の足を引っ張っているのですから。
耐久消費財出荷指数や生産指数はプラス寄与なので、モノはつくっているけれど、国内では売れていない。貿易統計をみる限り輸出も増えていないので、この数字をそのまま信じると、在庫を積み上げている、という形なのかもしれません。賃金の上昇やインバウンド消費を囃し、市場では小売業が活況ですが、経済指標からは市場判断は誤りだと指摘していることにもなります。

市場では、昨日から急に『日銀プレー』と呼ばれる買いが入りました。不動産業など、追加緩和を意識した業態が上がっているのですが、仮に追加緩和しても、金利はこれ以上下がりようがないので、不動産市場が追加緩和で活況を呈すような状況は考え難い。一部ではこれまで買い溜めた現物を吐き出すつもりで、先物を上げている、という話も出てくるほどに怪しい動きです。
安倍政権の支持率も下がってきて、安倍ノミクスの虚構もすでに周知の事実。唯一、日銀の金融緩和のみが日本を買える要素となりつつあります。日銀の金融政策決定会合が、異様なほどに期待を高めてしまうのも、そんな事情からです。経済指標も斑どころか、悪いものの方が目立つようになってきて、追加緩和しないと日本はマイナス成長に陥ることを意識しているのでしょう。

安倍氏が言及しなかった非核三原則。安倍ノミクス三本の矢も、今は誰も口の端にも上らせないほどになりました。三つの約束、三つの柱すら立てられない、安倍政権の三年目。三が鼎足の形とならない、三つのことすら守れないところに、弱みが見えてきたといえるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:28|PermalinkComments(8)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 経済

2015年08月05日

中国との関係の変化?

東京五輪のエンブレム問題で、デザイナーが記者会見を行いました。違和感があるのは、組み合わせですべてのアルファベットがつくれる、とした点。付け加えたり、抜いたり、かなりムリがあります。前回の東京五輪のエンブレム、日の丸の印象を残すため、丸い形を表現する意味で、下の三角を残した、としますが、それだと上にある紅い丸がその円の外周からはみ出し、大きな円という印象を崩している。言葉は悪いですが、すべて『とってつけた』説明に聞こえます。
デザインの要素は同じ、と認めていますが、考え方が違うのでまったく違うもの、とします。著作権でもめるケースではよく聞く言葉ですが、一般人は最終的な形しか見ない、知らないのですから、識者が訳知り顔で「デザインは似ることがある」と言われても、素直にうなずけません。あるコメンテーターが「ドビ氏のデザインは、デザインの教科書に出てくるようなもの」と酷評しましたが、そんなデザインと似通ったものが、東京五輪のエンブレムに採用してしまった、ということもであるのです。複雑にするのが必ずしもいいわけではありませんが、動き出したら止まらない、権利とお金が発生しているからといって擁護していると、後にとんでもないことになるのは、新国立競技場と同じなのかもしれません。

9月上旬、とされていた安倍首相の訪中が、白紙と伝わります。中国における戦勝記念式典を外し、1日ずらして訪問するメルケル方式を模索していたものの、悪中論で安保法制の成立をめざす今、日程的にも訪中、参院採決となると甚だ都合悪いことにもなる。対中関係の改善より、安保法案の成立を優先させた政治決断、ともされます。しかし世界全体が対中関係について、微妙な軌道修正を迫られる中、この決断は意外な結果を導くことになるのかもしれません。
中ASEAN外相会議で、ASEAN側からかなりの反発が出たようです。勿論それは南シナ海の埋め立て問題ですが、背景には対中輸出が各国でも減っていること。逆に中国からの輸入が増えており、各国にとって経済面で中国が利益を享受できるパートナーから、過剰生産状態にある鉄鉱石などを、安売りしてくる厄介モノへと変化している。これはモノを安く買えるからいい、という話ではなく、国内産業の保護と対中貿易赤字、という両面で中国を敵視し易くなっています。

これは欧州も同じ。中国の成長に乗っかって成長してきた独国など、製造業中心の国と、その中国から還流する投資マネーで国内経済が堅調となった英国など、AIIBにも参加するなど蜜月関係を築いてきました。さらに人民元をSDRに組み入れる方向でも、英独は容認方向であるなど、中国の成長が頓挫するのを恐れ、協力する姿勢を示してきた。しかし日米の意向が強いIMFは、SDRへの採用を見送るなど、隙間風も吹き始めました。そこには上海株の暴落に、中国が形振り構わず介入したことで、日米の主張を通し易くした面があったということでもあります。
米国も対中接近からは、大分距離をおき始めました。今後10年、成長できる国かどうか? そう考えると、今の中国経済には不安しかありません。そして中国経済の成長が止まると、急速に軍事負担が経済、財政にとっても重石となってきます。安倍氏は中国脅威論を訴えますが、対中関係改善をしなくてもよいほど、恐るるにたらず、ともなれば、中国脅威論すら正しいのか? という話にもなってくる。以前も指摘しましたが、もし本当に中国が軍事的に脅威なら、それを国会で語り、メディアで語る、といった緊張感を高めるようなことを政治がしてよいのか? そんな話にもなります。むしろ東アジアの情勢変化は、中国脅威論から後退する兆しを示し始めているのが現状なのです。ASEANが一致して対中に厳しい態度をとり始めた。日本の対中脅威論が、とってつけた説明になるのなら、ますます安保法制の議論も、権利とお金の面を強くすることになるのでしょうね。

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2015年08月04日

雑感。日本で成長が必要なところ

6月毎月勤労統計が発表され、現金給与総額は前年同月比2.4%減です。所定内給与が0.4%増、所定外給与が0.4%減、特別に支払われた給与が6.5%減で、厚労省はこの特別に支払われた給与、すなわちボーナスが7月に後ズレした可能性があり、大きな減少になったと分析します。しかしこの特別に支払われた給与、今年度に入って大きな伸びを示してきました。4月は10.9%増、5月は25.2%増、元々の金額のベースが低いので、数字だけを比較すると大きくなってしまいますが、これと6月の低下幅をみると、金額ベースではそこそこ当てはまる数字となります。もしかしたら、政府、経済界からの要請で4、5月と前払いした分が、6月の減少につながった原因かもしれません。
確報や7月速報が出てこないと断言はできませんし、ボーナス支給月で6月は4.2%減、残り3%がまだ、という事情も影響したのかもしれません。しかし今回も所定外給与の大幅減が気がかりです。所定内労働時間が0.1%減、所定外労働時間が1.7%減、つまり国内の景気がよくて仕事が増えている状態ではない。これは毎月同じ傾向を示すので、日本の景気はそれほどよくない、ということを示唆するのは確かです。実質ベースでは、賃金総額は5月が±0で、4月も確報ではマイナスとなりました。労働分配率の伸びは緩やかで、物価の伸びには対応しきれていない。日本の消費は増えない、という悪循環に陥っており、景気には相変わらず暗い影を落としています。

自民党の武藤議員のTwitterが炎上しています。内容についてはふれませんが、他の自民党議員は怪しげな自称作家のTwitterに基づいておかしな発言をしたり、と自民党劣化の評は日々大きくなっています。派閥が教育機関の役目を担っていたが、力を失ったことで教育をうける機会が減った、とする意見もありますが、マスコミ懲らしめ発言とて、勉強会『文化芸術懇話会』の席で行われました。つまり今、自民党は意見の合う仲間内でしか、意見交換をしない風潮がつくられており、自分がどれだけおかしいか、世間と乖離しているか、それを知る機会すらない。それこそ大学のサークルレベルの集まりで、政治の勉強会をしているのが現状なのでしょう。
しかし言葉は悪いですが、いい歳をしてそんなことをすれば幼稚、と非難される。しかもそれを教育すべき、党首の安倍首相が『幼稚』と非難されることが多いのですから、自民の現状はおして知るべしです。そんな中、TPP交渉が大筋合意できなかったと報告をうけた安倍氏が「え、ダメだったの?」と洩らしたことが伝わります。真意は分かりかねますが、それが意外な報告だったことは間違いないのでしょう。それはメディア報道とも軌を一にしています。

最近、市場では安倍ノミクス唯一の成長戦略が頓挫した、と話題です。後1回交渉すれば…や、月末に再交渉という話で必死に市場期待をつなぎ止めていますが、そもそもTPPは成長戦略ですらないので、期待してよい話でもありません。産業によっては伸張するところがあっても、日本全体が成長することはない。TPPに参加したら、すべての国が成長するのであれば、世界はもっとFTAやEPAが締結されているはずです。交渉内容がより重要で、下手をすれば国全体が凋落するきっかけにすらなりかねず、米韓FTAの韓国のように失敗例は多々隠されているのです。
米領プエルトリコがデフォルトしました。甘利経再担当相は「影響はない」と述べますが、米国の債券投資にプエルトリコは高利回り債として、多く組み込まれています。そこが損失をだせば、日本への投資も縮減しかねない。決して無風ではいられないのであって、時間差はあるかもしれませんが、影響は必ず出てきます。こうした甘い見通しをだす政府は、これまでなら支持率も高く、問題はでなかったかもしれませんが、支持率も低く信頼が低下してくると、こうした見通しにすら悪影響が出かねなくなります。市場誘導どころか、逆効果にすらなりかねない。

安倍氏のグルメリポートが、いつも「ジューシー」というだけ、とボキャブラリーの貧困さが指摘されています。グルメリポートさえ、原稿が必要なのかもしれません。言葉がふわふわと遊び始めた安倍政権、政治への信頼が失墜してくれば、ますますその発言へと向く目が厳しくなります。毎月勤労統計でみるように、国民生活はますます苦しくなっている。本当に必要な成長戦略は、まず政治家を大人にすること、というところから始めなければいけないのが、日本の現状なのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:37|PermalinkComments(8)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2015年08月03日

礒崎補佐官の参考人招致

参院特別委における礒崎首相補佐官の参考人招致、相変わらずNHKは中継しなかったようです。政権に不都合な部分を放送しない、という方針らしく、衆院の強行採決は審議が長引いたため、他局でお昼の番組が生中継する、という異例の展開となっています。NHKが恣意的に、国民の注目する問題を報じない、という姿勢をとるなら、益々受信料不払いの動きが増えるのでしょう。受信機をもつだけで受信料を払う、それを義務化する意味がさらに希薄されるのですから。

そんな礒崎氏は「軽率な発言により、委員会の審議に多大な迷惑をかけたこと」をお詫びと、冒頭から謝罪目的のすり替えではじまりました。発言自体ではなく、迷惑をかけたことをお詫び、とすれば責任論に発展しない、という今では一般企業も行うクレーム対応通りの内容です。
その後「法的安定性は関係ない」と述べたことで大きな誤解を与え、謝罪と撤回とします。ここでもすり替えが行われていて、誤解を与えたから謝罪と撤回であって、発言の内容自体は否定していません。迷惑をかけたこと、誤解を与えたこと、その二つを謝罪と撤回の理由とする、元官僚らしく二重に防御ラインを敷いたのでしょう。しかしこのケースでは失敗で、結局安倍政権では「法的安定性は関係ない」を否定しない、との受け止めもできてしまいます。つまりここで幕引きにするなら、「法的安定性は関係ない」をはっきり否定した方がよかったのです。

しかも民主・福山氏の質問に対して「法的安定性の全体を否定したわけではなく、最後の部分の当てはめで、国際情勢の変化の『情勢』を強調したかった」から、本来は「法的安定性とともに国際情勢の変化についても十分考慮すべき」と言いたいことが縮まった、と意味不明な答弁をしています。強調したいことがすっぽり抜け落ち、並立しているはずの項目を否定する、そんな言葉の言い間違いは聞いたことがありません。一方を強調したいから、他の項目を貶める、などと言うことをしたら、その時点で言い間違いではなく、また誤解を与えるのでもなく、その人物が一方を矮小化、もしくは否定的にてみている、ということを示しているのです。
今回の質疑で明らかになった、礒崎氏の雑誌やこれまでの発言、憲法違反という人はいない、憲法改正を一度味わってもらい、怖いものでないとなったら、2度目以降に難しいものをやる、放送法の中立義務違反、とする発言など、この人物は問題山積みであることが次々と暴露され、しかも自らを擁護すればするほど、矛盾を抱えることが今回の答弁でもはっきりしました。

野党にとっては、頗るよい攻撃対象をみつけた。折りにつけ、礒崎氏を攻撃し、アラを浮かび上がらせれば、安倍政権を追いこんでいける。そんな目算もたったことでしょう。まさに庇えば庇うほど、過去の発言が蒸し返されたり、政権との立場の違いが浮き彫りとなり、その説明に辟易することになります。まさに安倍政権は身内に破壊力抜群の地雷を抱えてしまったのです。
礒崎氏は、首相『捕逸』官となるのかもしれません。捕逸とは、英語ならパスボール、野球でいうピッチャーの投げた球をキャッチャーが後ろに逸らすことです。まさに党首の投げた球を捕れない補佐官。官僚らしからぬ軽率さと、自己主張の強さと、そして答弁の下手さ。こんな人物に頼ってつくられた安保法制が、瑕疵だらけなのは当然なのかもしれません。これは禊とはならず、政権に対する『見損ない』につながるなら、礒崎氏が主張した9月中旬の安保法制の成立すら、危ぶまれる事態を招いてしまうのかもしれませんね。

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2015年08月02日

安保法制と自民党総裁選

新国立競技場で、政府はサブトラックを常設しない方針を固めたようです。近隣にもサブトラックをもつ施設がある、建設費が上がる、がその理由のようですが、今ここでそれを断念してしまうと取り返しがつきません。一つの提案としては、トラックを上げて二層とし、サブトラックを地下化する。観客席はあえて低いまま、つまり相撲の観戦と同じように前列を『砂かぶり』とし、すわったときの目線を地面と同じにしてしまうのです。選手が落ちたら大変なので、透明な板で仕切るか、ワイヤーのような目立たない柵をつくるなりしなくてはいけませんが、日本的な観戦方法として、新国立競技場の目玉としてもアピールできる。一番いいのは、トラックを上げれば風通しがよくなり、芝生の生育にも有利な点です。砂かぶりで見たくない人は、後ろの席をとればいい。スポーツを上から見るもの、という固定観念を外せばこんな提案も可能です。
元々、地下をサブトラックにする計画があったようなので、ちょっとした工夫さえできれば金額も低く抑えられる。相変わらず国は知恵もなく、建設費の高騰を恐れて萎縮しているようですが、お金がなければ知恵をだす。お金のかかる設計にするのではなく、知恵と工夫で日本のよさを伝える。そうでなければ、新国立競技場の負のイメージは払拭されないのでしょう。

3日、礒崎首相補佐官の参考人招致が行われますが、15分だけではまともな質疑ができません。謝罪して幕引き、というのではこの問題、幕が引けない可能性も高い。安保法案に賛成の識者でさえ、この発言は疑問視していますし、何より公明が「進退はご自身で…」と述べるなど、自公連立にヒビさえ入りかねなくなっています。安倍氏は辞任ドミノを恐れているようですが、新国立競技場の問題でも文科省官僚1人の首を切って幕引き、としたことが不評であるように、長引かせることで逆に問題閣僚が滞り、ドミノになりかねない事態に陥っている、とも言えます。
最近、週刊誌でも安倍政権退陣、次は谷垣氏? 石破氏? という記事が並ぶようになりました。こうなると、もう党内の箍が外れます。安倍政権は長くない、となれば、安倍政権に阿ったりすることもなくなり、また反対意見が噴出し易くなる。礒崎氏を更迭しなければ、党への風向きが強くなるのですから、党内からも更迭論がでてきます。しかも創価学会の支援がなければ当選が危ない、という議員はより強く更迭を求めるでしょう。礒崎氏をめぐって安倍政権は四面楚歌になりつつありますが、それはまるで項羽にとっての虞夫人のような状況かもしれません。

9月の党総裁選は、もう安倍政権ではもたない、と判断されるでしょう。何より支持率が急落する中、反対が根強い安保法制を通してしまえば、国民の怒りが参院選を襲う。総裁選が安保法制の採決後になれば、ますます安倍政権をつづける意味を党内で失います。安倍氏は、安保法制を今国会中には通さず、継続審議とする中で自民党総裁選を戦うしか、生き残りはできません。しかしそうなると米議会での約束がウソになる。また衆院は一度通過しているので、継続審議といっても次の国会では出し直し、一からの審議となります。そうなると臨時国会はムリ、一年後の通常国会まで待つ形となり、それこそ参院選に直撃するでしょう。どの道、安倍氏が党総裁選を勝つことは、かなり難しくなっているのが現状なのです。
つまり礒崎氏か、下村氏から始まる辞任ドミノ、最後に倒れるのは安倍氏になりそうなのが現在の政治情勢なのです。安倍氏は、もう安保法制を通すしか名を残す、実績を残す術はありません。しかしそれが美名なのか、悪名なのか。項羽は「書は以って姓名を記すれば足る」といって、字を書くことに熱心ではなく、勉強といえば戦術を学ぶことしかしなかったそうです。彼の名は、歴史には残りましたが、漢に敗れた将という屈辱的な面が強くなりました。安倍氏がもし安保法制を通して討ち死にすれば、やはり屈辱的な面を強くすることになるのでしょう。国民はそれをただすわって、砂かぶりで見ているだけではない、声をあげている点が、今回は大きな違いとなっているのですからね。

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2015年08月01日

雑感。2022年の冬季五輪は北京。

WikiLeksが、米国家安全保障局が日本の重要施設の電話を盗聴していた、とする情報を公表しました。独国や仏国でも盗聴が行われていたので、日本も盗聴されていて当然です。しかし日本は、というか安倍政権は抗議する気もないようです。それは国内の某所では、米国の情報監視に手を貸しているぐらいですから、今さら…とでも考えているのかもしれません。
TPP交渉が合意できず、安倍首相が「最終合意めざす」「後1回、会議を開けばまとまるところまで…」と述べますが、その後1回は永遠に来ないのかもしれません。次回会合の日程も決まらず、米大統領選まで1年を切れば、実質的にオバマ政権は交渉能力を失います。民主党の次期大統領候補、クリントン氏は反対を表明していますし、次期大統領まで待てば国際情勢すら変化していそうです。それはTPPを新たな国際的な枠組み、NATOのような軍事同盟にまで発展させようとする試みさえ、必要ないかもしれない、という意味でそうなってくるのかもしれません。

2022年冬季五輪が、北京に決まりました。カザフスタンのアルマトイが対抗でしたが、新興国の経済不安の問題から、北京になったとすればIOCのこの判断は、後に悔いを残すことになるのかもしれません。ただでなくとも冬季五輪を商業的に成功させるのは難しい、とされる中で人口降雪機を使い、コスト高の要因がいくつもある。内陸地特有の夏暑くて冬寒い、といった土地で、冬季五輪などを行えばどうなるか? 今後いくつもの壁にぶつかることでしょう。
中国の調査船が鹿児島沖に現れ、日本の排他的経済水域(EEZ)内で調査をしていたり、中国海警局の公船が、尖閣沖で中国漁船に立ち入り検査をしているなど、中国の動きが活発化しています。これは安保法制に伴う安倍政権への当てつけであり、中国はこうして実績を積み上げ、大陸棚を主張する自国のEEZ拡大を図る戦略です。あれだけ国会で中国を挑発すれば、中国も動かざるを得ません。しかし本来、中国は軍を動かしてもおかしくないのに民間船や公船をつかってくるのは、それだけ中国海軍の能力が低いため、でもあります。逆にいえば、安倍政権で仮想敵国を中国と定め、堂々と国会でそう主張できるのも、海自と中国海軍の実力差が圧倒的だから、です。軍事力が均衡しているなら、緊張を高めるようなことなどできるはずもない。むしろ安倍氏が国会で中国脅威論を振りかざせばかざすほど、実は中国など怖くない、と喧伝していることにもなります。

カザフの国防軍が、抗日戦争勝利記念の軍事パレードに参加する見通しです。中国はAIIBなどの仕組みをつくり、大量の資金をアジアに振り向ける流れをつくった。すり寄ろうとする動きが早くも出てきたのでしょう。しかし中国経済の深刻さは、上海株の急落にも現れています。当局の資金が枯渇した、と流れるだけで急落してしまうその脆弱さは、最早健全とも言い難いものです。
もっとも深刻なのは、海外投資家が香港株から手を引き始めたことです。容易に国家が介入してしまう怪しさは、投資家にとって最大のリスクです。これは投資ばかりでなく、中国へのビジネス戦略の転換も意味します。AIIBへの出資でさえ、二の足を踏むところが今後、出てくるかもしれません。上海株暴落で打った、中国当局の対応は、それほど海外からみると不評だったのです。IOCの情報収集力は、東京五輪のエンブレムもそうですが、後にトラブルを誘発するほどに拙い。そんなIOCが冬季五輪として択んだ北京。米国のように、他人の家の壁に穴をあけてでも情報を集めるぐらいでないと、中国経済の深刻さは読み解けなかったのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:14|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 アジア | アメリカ