2015年09月
2015年09月30日
安保法案の施行日決定と、スパイ事件
安保関連法が公布され、半年以内に施行と決まりました。これだけの大型法案の割りに、施行日が早いと感じます。財務省、防衛省は大変でしょう。安倍首相はやりくりで、集団的自衛権に関する予算を賄う、としましたが、突発事象はやりくりではダメで、初めから防衛予算として積み立てておくか、予備費を多くするしかありません。来年度の予算にはそうした措置を盛りこむ必要がありますが、すでに概算要求は締め切った後。予算折衝は熾烈を極めそうです。防衛省も、これだけのダメ法制を省令や内規で補完していかなければならない。遅れれば隊員の危険にかかわります。また装備品の拡充も含めて、てんやわんやなのかもしれません。
菅官房長官がテレビ番組で、福山雅治氏と吹石一恵氏との結婚に際して「結婚を機に、ママさんたちが『一緒に子供を生みたい』という形で国家に貢献してくれたらいい」と述べました。結婚は子供をうむ前提だとうけとられかねない、との質問がありますが、その前に子供をうむのは国家に貢献したいから、ではありません。戦前の「生めよ、増やせよ」のような認識は、時代錯誤です。第1次安倍政権の柳沢厚労相の「女性は生む機械」発言のように、女性軽視発言とうけとられても仕方ないのでしょう。「国家に貢献」という認識を官房長官がもつ時点で、我田引水ともうけとられ、人間性にも疑問符がつく。政治家としての認識にも首をかしげざるを得ません。
安倍氏がNYで投資家向けの講演で「一にも二にも、三にも重要なのは経済、経済、経済」と述べたところが、メディアでも盛んに流れます。しかしそこで笑いは起こらず、自嘲気味に自ら笑うにとどまりました。逆に講演の最後で「日本の黄金時代を享受して下さい」と述べたところで、ドッと笑いがおきました。外国人投資家はジョークとうけとったのでしょう。8月鉱工業生産指数が0.5%低下し、リセッションが確実視される時代が黄金なら、黄金の国・ジパングとよばれた国の黄金は随分と輝きもなくなり、くすんだものだ、と。外国人投資家はせっせと安倍ノミクスで投資した分を回収している現在、もう黄金の果実は摘み取った、ということでもあります。
中国ではスパイ容疑で日本人2人が拘束されています。5ヶ月間、日中双方とも公表しなかったのは、対日戦勝70年に安倍氏が出席するか、といった綱引きもあり、日本の安保法制の審議もあった。結局、双方の国家の事情により、個人が5ヶ月も蔑ろにされた。ここでの発表は双方とも打ち合わせ済みでもあったのでしょう。双方の首脳が国連に出席しており、内政上の打撃も少なく、政治日程上は都合よかった。国の命令で動いていたかはともかく、国家に利用される立場になったことは間違いなさそうです。解放されるかどうかも、双方の国の都合によるのでしょう。
安倍氏は国連で難民支援はうちだしましたが、難民受け入れは表明しなかった。一部、海外紙では『安倍氏は国内事情優先』と書かれたように、労働力不足を訴えながら難民は要らないという。お金はだすけれど、難民には責任をもたない、という姿勢は国際社会からも反発を買いそうです。湾岸戦争でお金だけだす、という失敗をした日本が、また同じ失敗をくり返しているようにしかみえない。結局、一にも二にも三にも、安倍氏にとって重要なのは保守系の支持ではないのか? 人を大事にする、といいう姿勢がみえない以上、自衛官もこの政権には不安しか感じないでしょう。いざ海外で人質にとられたら…。お金さえ出してくれない懸念を想起させた、といえるのでしょうね。
菅官房長官がテレビ番組で、福山雅治氏と吹石一恵氏との結婚に際して「結婚を機に、ママさんたちが『一緒に子供を生みたい』という形で国家に貢献してくれたらいい」と述べました。結婚は子供をうむ前提だとうけとられかねない、との質問がありますが、その前に子供をうむのは国家に貢献したいから、ではありません。戦前の「生めよ、増やせよ」のような認識は、時代錯誤です。第1次安倍政権の柳沢厚労相の「女性は生む機械」発言のように、女性軽視発言とうけとられても仕方ないのでしょう。「国家に貢献」という認識を官房長官がもつ時点で、我田引水ともうけとられ、人間性にも疑問符がつく。政治家としての認識にも首をかしげざるを得ません。
安倍氏がNYで投資家向けの講演で「一にも二にも、三にも重要なのは経済、経済、経済」と述べたところが、メディアでも盛んに流れます。しかしそこで笑いは起こらず、自嘲気味に自ら笑うにとどまりました。逆に講演の最後で「日本の黄金時代を享受して下さい」と述べたところで、ドッと笑いがおきました。外国人投資家はジョークとうけとったのでしょう。8月鉱工業生産指数が0.5%低下し、リセッションが確実視される時代が黄金なら、黄金の国・ジパングとよばれた国の黄金は随分と輝きもなくなり、くすんだものだ、と。外国人投資家はせっせと安倍ノミクスで投資した分を回収している現在、もう黄金の果実は摘み取った、ということでもあります。
中国ではスパイ容疑で日本人2人が拘束されています。5ヶ月間、日中双方とも公表しなかったのは、対日戦勝70年に安倍氏が出席するか、といった綱引きもあり、日本の安保法制の審議もあった。結局、双方の国家の事情により、個人が5ヶ月も蔑ろにされた。ここでの発表は双方とも打ち合わせ済みでもあったのでしょう。双方の首脳が国連に出席しており、内政上の打撃も少なく、政治日程上は都合よかった。国の命令で動いていたかはともかく、国家に利用される立場になったことは間違いなさそうです。解放されるかどうかも、双方の国の都合によるのでしょう。
安倍氏は国連で難民支援はうちだしましたが、難民受け入れは表明しなかった。一部、海外紙では『安倍氏は国内事情優先』と書かれたように、労働力不足を訴えながら難民は要らないという。お金はだすけれど、難民には責任をもたない、という姿勢は国際社会からも反発を買いそうです。湾岸戦争でお金だけだす、という失敗をした日本が、また同じ失敗をくり返しているようにしかみえない。結局、一にも二にも三にも、安倍氏にとって重要なのは保守系の支持ではないのか? 人を大事にする、といいう姿勢がみえない以上、自衛官もこの政権には不安しか感じないでしょう。いざ海外で人質にとられたら…。お金さえ出してくれない懸念を想起させた、といえるのでしょうね。
2015年09月29日
日経平均が17000円割れ
インドネシア高速鉄道を、中国が受注する結果となりました。中国は高速鉄道の輸出という実をとり、インドネシアの負担なしで合意するなど、攻めの姿勢できました。日本はそれに対抗できなかった形です。ただこの記事を読売、産経は菅氏の発言「理解し難い」「極めて遺憾」と伝え、朝日などは「日本案採用せず」で、日経は「安倍政権に打撃」と伝えます。しかし間違いなく、安倍政権の戦略ミスが招いたことで、重大な決断をしきれなかった結果です。台湾への輸出実績に胡坐をかいていなかったか? これは安倍政権への甚大な打撃となるのは間違いありません。
日経平均が17000円を割れてきました。中国不安とも語られますが、最も重要なのはオイルマネーに変調の兆しを報じられたことです。原油価格の下落で、中東の富裕層にも打撃となっているのは確実で、また日米欧各国の株価も下がり、オイルマネーも相当の含み損を抱えていた。我慢ならず、9月期末を前に売りに転じたとすれば、これは相当に下押し圧力が強まることになります。
また独自動車大手VWの問題も、システミックリスクを意識させました。欧州の規制委員はすでに不正プログラムの存在を知りながら、ずっと放置されていた。つまり規制当局が規制しきれていない問題が、そこかしこに隠れているのではないか? VWのように安全株とみられていたものさえ、そうでなくなった。株が投資先として、急速にリスク性が高まったことも影響しています。
そしてこのシステミックリスク、今日は第一汽船の民事再生法申請もありましたが、日本でもっとも高まった点が重要です。先の東芝の不正会計も、本来なら市場退場のペナルティがあってもおかしくない。原発事故後の東電もそう、オリンパスの不正会計も。特に安倍政権で、経済指標でさえ捻じ曲がって伝わるようになり、何か不公正で、問題のある市場になってしまったのではないか? どこにどんなリスクが隠れているか? 不透明感の高まりは日本市場においてもっとも強い。米株は高値から2割も下落していないのに、日本株は3割に近い下落幅となっているのも、上がり過ぎた反動というだけでない。先々週も外国人投資家は売り越しており、今年1年買った分を超えてきました。愈々、安倍ノミクス開始以来の買い分まで売りたててくるのかもしれません。
さらに安倍ノミクス、新3本の矢が不評というのもあります。市場期待に沿うようなものは、一本目の『希望をうみだす強い経済』ぐらいですが、シロアリに喰われてぼろぼろになった旧3本の矢の上に、いくら立派なお城を建てようとしてもムリ。崩れるに決まっています。本当なら、その土台をすべて外して新しい、何か別なものを造らなければいけないのですが、そうする気配すらない。誰もが安倍ノミクス第2ステージも失敗する、という面を想起させてしまうのです。
以前も指摘した『終わらせられない安倍ノミクス』を、市場が強制的にNOを突きつけ、終わらせるのか? その水準には、着実に近づいてきたのでしょう。インドネシアの諺を一つ。『笑う友達はみつけやすいが、泣いてくれる友達は得がたい』 今日も安倍氏は米国で、日本への投資を促すスピーチを行っていますが、日本が好調なときは一緒に笑って、投資してくれますが、日本が不調に陥ると、彼らは真っ先に逃げていきます。今はもう逃げだす人の方が増えており、メディアに登場する機会がめっきり減った、安倍政権の経済ブレーンたちもそうだとするなら、おトモダチをより囲っておきたい、とする意識も働きますから内閣改造にも期待がもてない、もう投資するより先に、日本から資金引き上げに、ということにもなってきたのでしょうね。
日経平均が17000円を割れてきました。中国不安とも語られますが、最も重要なのはオイルマネーに変調の兆しを報じられたことです。原油価格の下落で、中東の富裕層にも打撃となっているのは確実で、また日米欧各国の株価も下がり、オイルマネーも相当の含み損を抱えていた。我慢ならず、9月期末を前に売りに転じたとすれば、これは相当に下押し圧力が強まることになります。
また独自動車大手VWの問題も、システミックリスクを意識させました。欧州の規制委員はすでに不正プログラムの存在を知りながら、ずっと放置されていた。つまり規制当局が規制しきれていない問題が、そこかしこに隠れているのではないか? VWのように安全株とみられていたものさえ、そうでなくなった。株が投資先として、急速にリスク性が高まったことも影響しています。
そしてこのシステミックリスク、今日は第一汽船の民事再生法申請もありましたが、日本でもっとも高まった点が重要です。先の東芝の不正会計も、本来なら市場退場のペナルティがあってもおかしくない。原発事故後の東電もそう、オリンパスの不正会計も。特に安倍政権で、経済指標でさえ捻じ曲がって伝わるようになり、何か不公正で、問題のある市場になってしまったのではないか? どこにどんなリスクが隠れているか? 不透明感の高まりは日本市場においてもっとも強い。米株は高値から2割も下落していないのに、日本株は3割に近い下落幅となっているのも、上がり過ぎた反動というだけでない。先々週も外国人投資家は売り越しており、今年1年買った分を超えてきました。愈々、安倍ノミクス開始以来の買い分まで売りたててくるのかもしれません。
さらに安倍ノミクス、新3本の矢が不評というのもあります。市場期待に沿うようなものは、一本目の『希望をうみだす強い経済』ぐらいですが、シロアリに喰われてぼろぼろになった旧3本の矢の上に、いくら立派なお城を建てようとしてもムリ。崩れるに決まっています。本当なら、その土台をすべて外して新しい、何か別なものを造らなければいけないのですが、そうする気配すらない。誰もが安倍ノミクス第2ステージも失敗する、という面を想起させてしまうのです。
以前も指摘した『終わらせられない安倍ノミクス』を、市場が強制的にNOを突きつけ、終わらせるのか? その水準には、着実に近づいてきたのでしょう。インドネシアの諺を一つ。『笑う友達はみつけやすいが、泣いてくれる友達は得がたい』 今日も安倍氏は米国で、日本への投資を促すスピーチを行っていますが、日本が好調なときは一緒に笑って、投資してくれますが、日本が不調に陥ると、彼らは真っ先に逃げていきます。今はもう逃げだす人の方が増えており、メディアに登場する機会がめっきり減った、安倍政権の経済ブレーンたちもそうだとするなら、おトモダチをより囲っておきたい、とする意識も働きますから内閣改造にも期待がもてない、もう投資するより先に、日本から資金引き上げに、ということにもなってきたのでしょうね。
2015年09月28日
石破派の立ち上げ
スペインのカタルーニャ自治州議会選挙、分離・独立を求める連合政党が62議席、連合には入らない極左政党の10議席を足して72となり、135議席の過半数を大きく上回ってきました。ただ得票率は50%を割れており、分離・独立派がどこまで連携できるか不透明、と何とも不透明な結末です。独立憲法の制定など、連合政党は分離・独立にむけて動きだすとされる中、スペイン政府がどう対応するか? 欧州のモデルケースとしても注目される動きとなります。
日本では、東大阪市議選で維新が議席を獲得、公認全員が当選となりました。おおさか維新にとって11月のダブル選挙に勢い、とされますが、今回は政治活動費が争点であって、既成政党には不利な面もありました。大阪都構想を掲げて戦った、とは到底思えないことからも、まだ11月の風はどちらにも吹いていない、となります。残り半月で、どんな風が吹くか、によるのでしょう。
国政では石破氏が自身の派閥、『水月会』を立ち上げました。ぎりぎり20人をそろえ、次の総裁選には出馬できる、と自信を示した形ですが、逆に薄氷であるだけに切り崩しも活発化するでしょう。派閥が必ずしも推薦人として限定されるものではありませんが、政権側からは「タイミングが最悪」と、早くも嫌悪感を示されており、嫌がらせは日常的に実行されるはずです。
しかし名前に『クラゲ』? 一般には『海月』でクラゲですが、『水月』でもクラゲと読みます。ぷかぷかと漂流する示唆なのか? それともスーパームーンが発足日である記念か? 福井県にある水月湖は、湖底に長く沈底した堆積物が、植生をあらわすとして注目されていますが、自分たちもそれだけ恨みが堪っている、と言いたいのか? ただ政策集団としますが、むしろ政局集団にしか見えず、総裁選で石破氏を総裁にするというためだけに集まったようにしか見えません。
しかし自民党内で、政権に面白くない動きが持ち上がった、というのは久しぶりのことです。むしろ自民党がただの政令(内閣の発する命令)に従うだけの集団となり、政権の言いなりになっているよりは、ダイナミズムは確実に出てきます。むしろ政治に関心がない、という有権者は、言葉は悪いですが、無風で、紆余曲折もない、波乱万丈な展開がないことに面白みを感じない部分もあった。それが安保法制以来、政治への注目が増し、こうして政局的にも党内抗争や、野党も動き出すなど、ドラマ的な展開としても面白みが出てきた。俄然、注目が集まりやすくなります。
国民が静観集団となっていたものが、これからは能動的に、政治をみる動きも増えてくることでしょう。だから安倍政権が怒るのです。政治に注目させたくない、この時期にあえて新派閥を立ち上げたことを。しかしだからこそ、石破氏もここで立ち上げたのでしょう。全面対決の意志を鮮明にできますから。クラゲは近づいてくる相手に毒針をさす、海の厄介者です。党内で、閣僚にもつけず、漂流しながらいずれ政権に絡みついて、毒針を刺すつもりなのか? 10月の番組改編期、政局というドラマだけは俄かに新番組として、注目を集めるところとなってきたのでしょうね。
日本では、東大阪市議選で維新が議席を獲得、公認全員が当選となりました。おおさか維新にとって11月のダブル選挙に勢い、とされますが、今回は政治活動費が争点であって、既成政党には不利な面もありました。大阪都構想を掲げて戦った、とは到底思えないことからも、まだ11月の風はどちらにも吹いていない、となります。残り半月で、どんな風が吹くか、によるのでしょう。
国政では石破氏が自身の派閥、『水月会』を立ち上げました。ぎりぎり20人をそろえ、次の総裁選には出馬できる、と自信を示した形ですが、逆に薄氷であるだけに切り崩しも活発化するでしょう。派閥が必ずしも推薦人として限定されるものではありませんが、政権側からは「タイミングが最悪」と、早くも嫌悪感を示されており、嫌がらせは日常的に実行されるはずです。
しかし名前に『クラゲ』? 一般には『海月』でクラゲですが、『水月』でもクラゲと読みます。ぷかぷかと漂流する示唆なのか? それともスーパームーンが発足日である記念か? 福井県にある水月湖は、湖底に長く沈底した堆積物が、植生をあらわすとして注目されていますが、自分たちもそれだけ恨みが堪っている、と言いたいのか? ただ政策集団としますが、むしろ政局集団にしか見えず、総裁選で石破氏を総裁にするというためだけに集まったようにしか見えません。
しかし自民党内で、政権に面白くない動きが持ち上がった、というのは久しぶりのことです。むしろ自民党がただの政令(内閣の発する命令)に従うだけの集団となり、政権の言いなりになっているよりは、ダイナミズムは確実に出てきます。むしろ政治に関心がない、という有権者は、言葉は悪いですが、無風で、紆余曲折もない、波乱万丈な展開がないことに面白みを感じない部分もあった。それが安保法制以来、政治への注目が増し、こうして政局的にも党内抗争や、野党も動き出すなど、ドラマ的な展開としても面白みが出てきた。俄然、注目が集まりやすくなります。
国民が静観集団となっていたものが、これからは能動的に、政治をみる動きも増えてくることでしょう。だから安倍政権が怒るのです。政治に注目させたくない、この時期にあえて新派閥を立ち上げたことを。しかしだからこそ、石破氏もここで立ち上げたのでしょう。全面対決の意志を鮮明にできますから。クラゲは近づいてくる相手に毒針をさす、海の厄介者です。党内で、閣僚にもつけず、漂流しながらいずれ政権に絡みついて、毒針を刺すつもりなのか? 10月の番組改編期、政局というドラマだけは俄かに新番組として、注目を集めるところとなってきたのでしょうね。
2015年09月27日
安倍ノミクス第2ステージについて
スペインのカタルーニャ自治州で、議会選挙が行われました。分離独立を求める行動に移れるかどうか? それが焦点ですが、もし仮にこのカタルーニャ自治州が、スペインから独立することになれば、欧州全体にも波及する問題になります。国が弱体化すれば、大枠としての国に属さない方がいい。EUという大枠があれば、尚更その下である国、の位置づけが曖昧となります。元々、カタルーニャなど独立していた地域にとって、今は千載一遇のチャンスでもあります。
しかしこれは日本も同じです。琉球、アイヌなど、独立していた地域もある。そもそも歴史的には、小国家の連合体であったことは、中国の史書からも明白です。沖縄独立論なども囁かれますし、国連人権委での翁長知事の演説により、辺野古移設が国内問題から、国際問題に格上げされました。つまり日本には人権抑圧とも思われる圧政が存在する、という見立てすら可能となったのです。では地方が分離・独立を考えるには、やはり日本の経済事情が重要となります。
安倍首相が第2ステージ、と称する安倍ノミクスですが、実は第1ステージすら幕引きできないのが現状です。第1は金融政策の片足立ちですが、もし仮に金融緩和を終息させる、となれば今のFRBでもそうであるように、大混乱を招くでしょう。規模を縮小させることすら困難で、恐らく金融機関からの助力を得ながら、債券市場を動揺させないよう粛々と終息に向かわせるしかない。ただ、それすら上手くいく保証がないのです。つまり第1ステージが終わらせられないから、進化、発展と称して第2ステージ、というのはよくある誤魔化しの手法に過ぎないことになります。
実は、日銀の第1の量的緩和が終息できた、利上げまですすめたのは、単なる幸運でしかありませんでした。一部のエコノミストなどは利上げが早すぎた、としますが、あのタイミングを逃せば利上げはできなかった。しかし利上げまで、正常化まですすめた、という成功体験が、欧米をはじめ、日銀まで再び金融緩和を行う、その根拠とされたことは間違いありません。つまり金融緩和から正常化できる、という経験則がここで得られたのです。ただ残念ながら、先にも示したようにそれができたのは単なる幸運です。欧米でバブルが起きた、日銀の量的緩和が引き金ですが、バブルが起きている間に金融を正常化できた、というに過ぎないのです。
その後、世界各国が金融緩和を行っても、現在のようにバブル崩壊後の残滓のような状況であると、引き締めに転じられない。米FRBでさえ、中国バブル崩壊を意識せざるを得ません。引き締めができる幸運な状況は、過ぎつつあり、もう遅きに失しているかもしれません。つまり日銀も同じ、第1の量的緩和の頃のような幸運な時期は、当面訪れる気配もないのです。
最大に問題なのは、新自由主義は金融政策による景気刺激を訴えますが、それが失敗したときの対策はもち得ていない点です。誰も、まともに終息させる理論的裏づけを語れないのであって、成功がマストの条件、金融政策で必ず景気が浮揚する、が大前提になっているのです。なので、安倍ノミクスのように2度目のリセッションを体験するような状態になると、新自由主義では手出しもできないのです。景気が浮揚するまで続ける、は時間が許さないことにもなります。
もし仮に、日本が破綻しかけたら地方自治体は続々とにげだすかもしれない。これは沖縄に限った話ではありません。米著名投資家ジム・ロジャース氏がいうように、安倍氏が日本を崩壊させるかもしれない、そのときの状況次第では、日本は大混乱に陥るでしょう。何より、安倍ノミクス第1ステージが幸運に終われない中、第2ステージと舞台を移そうとしても、それは第1ステージの上に立てられたものです。金融政策に頼りきったばかりに、終わりの見えなくなった安倍ノミクス。安倍政権の終わりだけは、着実に引き寄せつつあるのが現実なのでしょうね。
しかしこれは日本も同じです。琉球、アイヌなど、独立していた地域もある。そもそも歴史的には、小国家の連合体であったことは、中国の史書からも明白です。沖縄独立論なども囁かれますし、国連人権委での翁長知事の演説により、辺野古移設が国内問題から、国際問題に格上げされました。つまり日本には人権抑圧とも思われる圧政が存在する、という見立てすら可能となったのです。では地方が分離・独立を考えるには、やはり日本の経済事情が重要となります。
安倍首相が第2ステージ、と称する安倍ノミクスですが、実は第1ステージすら幕引きできないのが現状です。第1は金融政策の片足立ちですが、もし仮に金融緩和を終息させる、となれば今のFRBでもそうであるように、大混乱を招くでしょう。規模を縮小させることすら困難で、恐らく金融機関からの助力を得ながら、債券市場を動揺させないよう粛々と終息に向かわせるしかない。ただ、それすら上手くいく保証がないのです。つまり第1ステージが終わらせられないから、進化、発展と称して第2ステージ、というのはよくある誤魔化しの手法に過ぎないことになります。
実は、日銀の第1の量的緩和が終息できた、利上げまですすめたのは、単なる幸運でしかありませんでした。一部のエコノミストなどは利上げが早すぎた、としますが、あのタイミングを逃せば利上げはできなかった。しかし利上げまで、正常化まですすめた、という成功体験が、欧米をはじめ、日銀まで再び金融緩和を行う、その根拠とされたことは間違いありません。つまり金融緩和から正常化できる、という経験則がここで得られたのです。ただ残念ながら、先にも示したようにそれができたのは単なる幸運です。欧米でバブルが起きた、日銀の量的緩和が引き金ですが、バブルが起きている間に金融を正常化できた、というに過ぎないのです。
その後、世界各国が金融緩和を行っても、現在のようにバブル崩壊後の残滓のような状況であると、引き締めに転じられない。米FRBでさえ、中国バブル崩壊を意識せざるを得ません。引き締めができる幸運な状況は、過ぎつつあり、もう遅きに失しているかもしれません。つまり日銀も同じ、第1の量的緩和の頃のような幸運な時期は、当面訪れる気配もないのです。
最大に問題なのは、新自由主義は金融政策による景気刺激を訴えますが、それが失敗したときの対策はもち得ていない点です。誰も、まともに終息させる理論的裏づけを語れないのであって、成功がマストの条件、金融政策で必ず景気が浮揚する、が大前提になっているのです。なので、安倍ノミクスのように2度目のリセッションを体験するような状態になると、新自由主義では手出しもできないのです。景気が浮揚するまで続ける、は時間が許さないことにもなります。
もし仮に、日本が破綻しかけたら地方自治体は続々とにげだすかもしれない。これは沖縄に限った話ではありません。米著名投資家ジム・ロジャース氏がいうように、安倍氏が日本を崩壊させるかもしれない、そのときの状況次第では、日本は大混乱に陥るでしょう。何より、安倍ノミクス第1ステージが幸運に終われない中、第2ステージと舞台を移そうとしても、それは第1ステージの上に立てられたものです。金融政策に頼りきったばかりに、終わりの見えなくなった安倍ノミクス。安倍政権の終わりだけは、着実に引き寄せつつあるのが現実なのでしょうね。
2015年09月26日
雑感。米中首脳会談
米中首脳会談で、共同会見が行われました。人民元の再切り下げはない、この1点が合意内容で、それ以外のサイバー攻撃、東シナ海、南シナ海の問題、人権問題など、多くの点ですれ違ったことが、会見内容からも伝わります。また中国から望むことが多く、それを米国が冷たくあしらった、といった事情も透けてみえます。会見で中国の習主席は「今年の中国は7%成長」「新たな形の大国関係」を訴えましたが、いずれも凋落する中国経済を目の当たりにして、米国にとって旨味のある提案ではない。それより米中間で抱えた問題が多く、また大きいため、それが解決、解消するまで、あえて米国からカードを切ってやる必要もありません。
習氏がこのタイミングで訪米したのは、国連出席とともに、任期が残り1年となったオバマ大統領が一時期、親中に傾いたことからも何らかの成果として、米中関係の進展を望むのではないか? とする期待だけです。国連出席から五中全会などの国内日程からも、習氏の日程がずらせない。事前協議で成果が少ないことを知りつつ、経済外交と割り切って訪米した、というのが実態だったのでしょう。実際、米国は対立した問題に対して、具体的な行動に移すことは明言しておらず、それを言質として中国は当面の国内事情について、米国の介入を心配する必要がなくなります。外交成果というより、国内の安定に寄与するための訪米、といった形なのでしょう。
そんな米国も事情は複雑です。ベイナー下院議長が辞任しますが、共和党でもオバマ氏に協力的だった議長の辞任により、オバマ政権のレイムダック化は一層すすみます。そんな中で、北朝鮮が暴走をはじめました。北朝鮮に軍事オプションを検討しなければいけないなら、政治力の衰えたオバマ政権では困難です。一方、外交的に解決する場合では、中国がアテにできないのは痛い。いずれにしろ、中国の弱体化はオバマ政権にとって面白くないので、米中外交にも隙間風が吹きます。実務的、とされるオバマ氏は、実に合理的にしか諸外国との関係を考えません。
安倍首相も訪米しますが、オバマ氏との会談はセットされないようです。安保法制を成立させ、米軍負担を肩代わりする約束を果たしたので、もしかしたら立ち話や短時間の会談など、ご褒美はあるかもしれませんが、今の安倍政権は親米路線なので、話し合う必要はほとんどありません。前回会談から半年も経っておらず、オバマ氏の時間を割くだけの材料もないのでしょう。
しかし安倍政権は未だにTPPにこだわりますが、ほぼ頓挫したとも伝わります。豪国ではアボット首相が交代し、カナダも選挙次第でTPP反対派が勝利する可能性がある。何とか米国では議会から委任はとりつけましたが、レイムダックとなったオバマ政権が、重大な決断を下すことに米国内での反発も強いでしょう。米国では大統領選まで1年を切ると、政権の引継ぎに関心が集まります。事実上、重大な決断は憚られる。カナダの選挙日程や、豪国の事情も考慮すれば、もう米大統領選が終わるまで、話がすすむはずもないのです。おかしな話、日本だけが焦っている印象です。
成果を焦っているのは、安倍政権も同じ、ということなのでしょう。事実、外交成果とよべるものが皆無であることは、政権も自覚しているはずです。日中韓どころか、日露、日朝の交渉も停滞しており、TPPも頓挫となれば示しがつきません。国連では安保理改革を訴える見通しですが、それこそ国際的に利害の大きい問題を、一足飛びに成し遂げることも困難です。中国の老子の言葉に「つまだつ者は立たず、またぐ者は行かず」というものがあります。高くみせようと背伸びしても、人より早く行こうと大股で歩いても、長くは続かない、という意味です。何ごとも着実に、一歩ずつということを忘れては、大計も抱けません。世界が不透明な時代に入りつつある今、日中が米国詣でをし、米国の威光に怯えているのも、経済の低迷が影響しているのだとすれば、まず自国の経済を立て直すところから始めないといけない、ということなのでしょうね。
習氏がこのタイミングで訪米したのは、国連出席とともに、任期が残り1年となったオバマ大統領が一時期、親中に傾いたことからも何らかの成果として、米中関係の進展を望むのではないか? とする期待だけです。国連出席から五中全会などの国内日程からも、習氏の日程がずらせない。事前協議で成果が少ないことを知りつつ、経済外交と割り切って訪米した、というのが実態だったのでしょう。実際、米国は対立した問題に対して、具体的な行動に移すことは明言しておらず、それを言質として中国は当面の国内事情について、米国の介入を心配する必要がなくなります。外交成果というより、国内の安定に寄与するための訪米、といった形なのでしょう。
そんな米国も事情は複雑です。ベイナー下院議長が辞任しますが、共和党でもオバマ氏に協力的だった議長の辞任により、オバマ政権のレイムダック化は一層すすみます。そんな中で、北朝鮮が暴走をはじめました。北朝鮮に軍事オプションを検討しなければいけないなら、政治力の衰えたオバマ政権では困難です。一方、外交的に解決する場合では、中国がアテにできないのは痛い。いずれにしろ、中国の弱体化はオバマ政権にとって面白くないので、米中外交にも隙間風が吹きます。実務的、とされるオバマ氏は、実に合理的にしか諸外国との関係を考えません。
安倍首相も訪米しますが、オバマ氏との会談はセットされないようです。安保法制を成立させ、米軍負担を肩代わりする約束を果たしたので、もしかしたら立ち話や短時間の会談など、ご褒美はあるかもしれませんが、今の安倍政権は親米路線なので、話し合う必要はほとんどありません。前回会談から半年も経っておらず、オバマ氏の時間を割くだけの材料もないのでしょう。
しかし安倍政権は未だにTPPにこだわりますが、ほぼ頓挫したとも伝わります。豪国ではアボット首相が交代し、カナダも選挙次第でTPP反対派が勝利する可能性がある。何とか米国では議会から委任はとりつけましたが、レイムダックとなったオバマ政権が、重大な決断を下すことに米国内での反発も強いでしょう。米国では大統領選まで1年を切ると、政権の引継ぎに関心が集まります。事実上、重大な決断は憚られる。カナダの選挙日程や、豪国の事情も考慮すれば、もう米大統領選が終わるまで、話がすすむはずもないのです。おかしな話、日本だけが焦っている印象です。
成果を焦っているのは、安倍政権も同じ、ということなのでしょう。事実、外交成果とよべるものが皆無であることは、政権も自覚しているはずです。日中韓どころか、日露、日朝の交渉も停滞しており、TPPも頓挫となれば示しがつきません。国連では安保理改革を訴える見通しですが、それこそ国際的に利害の大きい問題を、一足飛びに成し遂げることも困難です。中国の老子の言葉に「つまだつ者は立たず、またぐ者は行かず」というものがあります。高くみせようと背伸びしても、人より早く行こうと大股で歩いても、長くは続かない、という意味です。何ごとも着実に、一歩ずつということを忘れては、大計も抱けません。世界が不透明な時代に入りつつある今、日中が米国詣でをし、米国の威光に怯えているのも、経済の低迷が影響しているのだとすれば、まず自国の経済を立て直すところから始めないといけない、ということなのでしょうね。
2015年09月25日
国会閉会とアベクロ会談
戦後最長の通常国会が閉会しました。閉会後の会見は、昨日と違って神妙な面持ちを貫いていましたが、1億総活躍の担当相をおく、と相変わらずこうした『担当相』ポストの設置が好きなようです。女性活躍担当相、五輪担当相、安倍政権で設置されたこうした担当相は位置づけが曖昧で、責任体制も不明確。仏つくって魂入れず、といった組織になっているのが現状です。
新国立競技場の問題で、下村文科相が辞意を示し、安倍氏が改造まで留任したことなどはパフォーマンスに過ぎます。そもそも安倍氏とおトモダチで、庇いつづけましたが、政治資金の問題では政治家としての資質が問われていました。安倍政権では閣僚不祥事に対してグレーゾーンを設定してきており、政権の存立危機事態として、常に超法規的な対応もとられてきました。警察の捜査に介入し、企業の賃上げに介入し、メディアの放送に口出しし、異例で異常に長かった国会の光景が、今の日本の異例さ、異常さを象徴しているような、そんな国会でもありました。
しかし1億総活躍にしても、恐らく上手くはいかないでしょう。安倍政権が頼ってきた経済ブレーンは、新自由主義の人間ばかり。規制緩和、市場開放、そして金融政策を駆使して経済を導く、という手法です。実は1億総活躍にしろ、出生率改善にしろ、介護離職ゼロにしろ、新自由主義にはそぐわない。社会全体を底上げしよう、そこに政府関与を強めようとするものです。言ってみれば安倍政権がこれまでとってきた政策とは真逆、なので理論的裏づけもなく、またサポートするのは官僚だけ。まともな政策が打たれるとは、到底思えない布陣にしかなりません。
安倍首相と黒田日銀総裁が会談、いわゆるアベクロ会談が行われ、一気に追加緩和の期待が膨らみ、日経平均は大幅高しました。しかしここ最近、大幅高の裏に日系証券の日経225先物の大量買いあり、とされ、今日も同じです。言ってみれば、アベクロ会談にはまだ期待がもてる、ということを内外に示すため、円売り、株買いを仕掛けた主体が、昔は外国人投資家、今は日系がその役割を担っているに過ぎません。昨晩はイエレンFRB議長が年内利上げを示唆し、金融政策の方向性の違いは意識されますが、個人的には仮に日銀の追加緩和が打たれたとしても、瞬間的には株買い、円売りになりますが、すぐに反対方向に動くとみています。中身が市場期待にそぐわず、また債券市場の混乱を意識される。追加緩和を打たなければならないほど日本が悪い、と看做されるなど、ここでの追加緩和はネガティブ材料視されやすく、サプライズが裏目になる公算が高いのです。
8月の消費者物価指数が2年4ヶ月ぶりにマイナスとなりましたが、コアCPIは下がってもコアコアCPIは上がるなど、エネルギー価格の下落が大きい一方、円安によるコスト高の影響も大きい結果です。安倍氏はデフレ脱却を大きな成果と語りますが、円安になれば勝手に物価は上がりますし、もし上がらないなら企業がコストを吸収したに過ぎない。企業か、消費者かは別にして、円安による物価高は日本の富の散逸であって、国民はそのことで消費マインドを減退させていることは、耐久消費財の販売が低迷している現状をみても明らか、国民は迷惑しているのが現状です。
政府の月例経済報告では、基調判断は下方修正したものの、基調判断の方向性については「市場に予断を与える」との理由で示さないなど、ここにも異例で、異常な対応が見え隠れしました。経済はマインドに働きかける新自由主義、そして国の施策としては全体主義、と方向性に違いも見られだした安倍政権。異例で、異常な状況を、当たり前になるまで続けていくつもりなのか? 3年経っても上手くいかず、迷走をはじめたというなら、制度をつくっても魂を入れてこなかったツケが回ってきたということなのでしょう。新自由主義も全体主義も、死人が人を襲う、ゾンビのような形を日本に強いる制度、ということになってしまうのかもしれませんね。
新国立競技場の問題で、下村文科相が辞意を示し、安倍氏が改造まで留任したことなどはパフォーマンスに過ぎます。そもそも安倍氏とおトモダチで、庇いつづけましたが、政治資金の問題では政治家としての資質が問われていました。安倍政権では閣僚不祥事に対してグレーゾーンを設定してきており、政権の存立危機事態として、常に超法規的な対応もとられてきました。警察の捜査に介入し、企業の賃上げに介入し、メディアの放送に口出しし、異例で異常に長かった国会の光景が、今の日本の異例さ、異常さを象徴しているような、そんな国会でもありました。
しかし1億総活躍にしても、恐らく上手くはいかないでしょう。安倍政権が頼ってきた経済ブレーンは、新自由主義の人間ばかり。規制緩和、市場開放、そして金融政策を駆使して経済を導く、という手法です。実は1億総活躍にしろ、出生率改善にしろ、介護離職ゼロにしろ、新自由主義にはそぐわない。社会全体を底上げしよう、そこに政府関与を強めようとするものです。言ってみれば安倍政権がこれまでとってきた政策とは真逆、なので理論的裏づけもなく、またサポートするのは官僚だけ。まともな政策が打たれるとは、到底思えない布陣にしかなりません。
安倍首相と黒田日銀総裁が会談、いわゆるアベクロ会談が行われ、一気に追加緩和の期待が膨らみ、日経平均は大幅高しました。しかしここ最近、大幅高の裏に日系証券の日経225先物の大量買いあり、とされ、今日も同じです。言ってみれば、アベクロ会談にはまだ期待がもてる、ということを内外に示すため、円売り、株買いを仕掛けた主体が、昔は外国人投資家、今は日系がその役割を担っているに過ぎません。昨晩はイエレンFRB議長が年内利上げを示唆し、金融政策の方向性の違いは意識されますが、個人的には仮に日銀の追加緩和が打たれたとしても、瞬間的には株買い、円売りになりますが、すぐに反対方向に動くとみています。中身が市場期待にそぐわず、また債券市場の混乱を意識される。追加緩和を打たなければならないほど日本が悪い、と看做されるなど、ここでの追加緩和はネガティブ材料視されやすく、サプライズが裏目になる公算が高いのです。
8月の消費者物価指数が2年4ヶ月ぶりにマイナスとなりましたが、コアCPIは下がってもコアコアCPIは上がるなど、エネルギー価格の下落が大きい一方、円安によるコスト高の影響も大きい結果です。安倍氏はデフレ脱却を大きな成果と語りますが、円安になれば勝手に物価は上がりますし、もし上がらないなら企業がコストを吸収したに過ぎない。企業か、消費者かは別にして、円安による物価高は日本の富の散逸であって、国民はそのことで消費マインドを減退させていることは、耐久消費財の販売が低迷している現状をみても明らか、国民は迷惑しているのが現状です。
政府の月例経済報告では、基調判断は下方修正したものの、基調判断の方向性については「市場に予断を与える」との理由で示さないなど、ここにも異例で、異常な対応が見え隠れしました。経済はマインドに働きかける新自由主義、そして国の施策としては全体主義、と方向性に違いも見られだした安倍政権。異例で、異常な状況を、当たり前になるまで続けていくつもりなのか? 3年経っても上手くいかず、迷走をはじめたというなら、制度をつくっても魂を入れてこなかったツケが回ってきたということなのでしょう。新自由主義も全体主義も、死人が人を襲う、ゾンビのような形を日本に強いる制度、ということになってしまうのかもしれませんね。
2015年09月24日
安倍首相による再選会見
連休明けの日経平均は大幅続落となりました。重要なのは、安倍首相による会談で「GDP600兆円」と語られる、そうヘッドラインが流れても市場は無反応、まったく意に介さなかった点です。いくらムード悪の状況とはいえ、安倍ノミクスは幻想、安倍政権の語ることはウソ、というのが市場コンセンサスになりつつあり、日系の投資家でさえ興味を示さなくなっています。
そんな安倍氏の総裁選再選会見は、極めて問題が多い。言葉は悪いですが、国民の多くが鼻白んだことでしょう。まずニヤニヤと笑っての会見。会見冒頭、「民主党政権の下で混乱を極め…」「日本はようやく新しい朝を迎えた」と晴れがましく語りましたが、安保法案の混乱と、景気低迷が重なる折、言うべき言葉、とるべき態度ではありません。安心を与えるつもりかは分かりませんが、ここは神妙に、国民に語りかける会見とすべきで、薄ら笑いは反発を強めるだけです。
1億総活躍社会、として新たな3本の矢「希望をうみだす強い経済」「夢をつむぐ子育て支援」「安心につながる社会保障」を掲げます。まず首を傾げるのは、1年と経たないうちに女性活躍は終わり? という点です。その舌の根も乾かない、何もすすんでいない段階で1億総活躍、などと似たフレーズを並べられても、女性だけでもダメなのに、枠を広げて上手くいくはずがない。誰もが信用できない、と警戒するでしょう。中身がスカスカだとしか思えないのです。
待機児童ゼロ、幼児教育の無償化、奨学金の拡充などが第2の矢だそうですが、いずれも安倍政権で予算はけずられ、後退してしまった施策ばかり。介護離職ゼロをめざす、年金も含めた所得全体の底上げ、も安倍政権では後退させましたが、財源は? と素朴に感じます。一般会計予算は戦後最大、100兆円を超えた状態で、あれもこれもと盛りこんで世論ウケを狙っても、国民は見透かします。そもそもGDP600兆円がウソ臭いのですから、全体が虚構の臭いしかしないのです。
そのGDP600兆円、ふるさと創生ででてきたのは大型公共工事の名前ばかり、それで地方の起爆剤となる、といった夢物語で達成しようというのか? 逆に、これだけの施策を打つにはGDP600兆円になって、予算規模が膨らまないとムリ! という事情から出てきた数字で、根拠レスにしかみえない。そもそも最初の3本の矢はすべて墜落していて、飛んでいないのが現状です。2年連続でマイナス成長が意識される中、過大すぎる目標には誰も期待しないからこそ、市場も無視します。
質疑で「来年も、再来年も給料が上がる」と、してはいけない約束までしてみせた。公と民との区別すらついていないようです。しかも実質賃金が下がっており、派遣法改正に伴い、今後も低賃金労働が増える傾向にあるのですから、国民のごく一部が恩恵をうける、というに過ぎず、全体の国民所得は減っていることにもなります。何より、冒頭で「雇用が100万人増えた」と述べますが、高齢者や女性などの非正規労働であって、安定雇用につながっていないのが現状です。
新3本の矢、言い換えれば「絶望を招く弱い経済」「夢物語の子育て支援」「安定しない財源による社会保障」と、これを薄ら笑いで語ったのですから、よほど現状認識ができていないか、うそで糊塗する政権だと、国民の誰もが感じたでしょう。現状認識のおかしい為政者が、もっとも国を誤った方向に導くのですが、それすら想起させます。安倍ノミクスが『安倍のみくす』くす笑う、と揶揄されるのも宜なるかな。そんな再選会見となったのでしょうね。
そんな安倍氏の総裁選再選会見は、極めて問題が多い。言葉は悪いですが、国民の多くが鼻白んだことでしょう。まずニヤニヤと笑っての会見。会見冒頭、「民主党政権の下で混乱を極め…」「日本はようやく新しい朝を迎えた」と晴れがましく語りましたが、安保法案の混乱と、景気低迷が重なる折、言うべき言葉、とるべき態度ではありません。安心を与えるつもりかは分かりませんが、ここは神妙に、国民に語りかける会見とすべきで、薄ら笑いは反発を強めるだけです。
1億総活躍社会、として新たな3本の矢「希望をうみだす強い経済」「夢をつむぐ子育て支援」「安心につながる社会保障」を掲げます。まず首を傾げるのは、1年と経たないうちに女性活躍は終わり? という点です。その舌の根も乾かない、何もすすんでいない段階で1億総活躍、などと似たフレーズを並べられても、女性だけでもダメなのに、枠を広げて上手くいくはずがない。誰もが信用できない、と警戒するでしょう。中身がスカスカだとしか思えないのです。
待機児童ゼロ、幼児教育の無償化、奨学金の拡充などが第2の矢だそうですが、いずれも安倍政権で予算はけずられ、後退してしまった施策ばかり。介護離職ゼロをめざす、年金も含めた所得全体の底上げ、も安倍政権では後退させましたが、財源は? と素朴に感じます。一般会計予算は戦後最大、100兆円を超えた状態で、あれもこれもと盛りこんで世論ウケを狙っても、国民は見透かします。そもそもGDP600兆円がウソ臭いのですから、全体が虚構の臭いしかしないのです。
そのGDP600兆円、ふるさと創生ででてきたのは大型公共工事の名前ばかり、それで地方の起爆剤となる、といった夢物語で達成しようというのか? 逆に、これだけの施策を打つにはGDP600兆円になって、予算規模が膨らまないとムリ! という事情から出てきた数字で、根拠レスにしかみえない。そもそも最初の3本の矢はすべて墜落していて、飛んでいないのが現状です。2年連続でマイナス成長が意識される中、過大すぎる目標には誰も期待しないからこそ、市場も無視します。
質疑で「来年も、再来年も給料が上がる」と、してはいけない約束までしてみせた。公と民との区別すらついていないようです。しかも実質賃金が下がっており、派遣法改正に伴い、今後も低賃金労働が増える傾向にあるのですから、国民のごく一部が恩恵をうける、というに過ぎず、全体の国民所得は減っていることにもなります。何より、冒頭で「雇用が100万人増えた」と述べますが、高齢者や女性などの非正規労働であって、安定雇用につながっていないのが現状です。
新3本の矢、言い換えれば「絶望を招く弱い経済」「夢物語の子育て支援」「安定しない財源による社会保障」と、これを薄ら笑いで語ったのですから、よほど現状認識ができていないか、うそで糊塗する政権だと、国民の誰もが感じたでしょう。現状認識のおかしい為政者が、もっとも国を誤った方向に導くのですが、それすら想起させます。安倍ノミクスが『安倍のみくす』くす笑う、と揶揄されるのも宜なるかな。そんな再選会見となったのでしょうね。
2015年09月23日
日露外相会談と米中首脳会議
日本のシルバーウィーク期間中、日ロ外相会談が行われました。しかし北方領土交渉に関して、岸田外相は「つっこんだ議論」と述べ、ラブロフ露外相は「話はなかった」としました。重要なのは、平和条約締結に関する話し合いの前提になったかどうかで、日露でその認識を違えた、という点です。すれ違ったまま次官級協議に入れるはずもなく、またプーチン大統領の訪日にも影響する問題です。外務省は安倍首相と、プーチン氏との個人的なつながりに期待、と何ともお粗末な対応しか示せていませんが、逆にその個人的付き合いのために、手詰まりともなっています。その後に経済団体との会談も行われましたが、それを飛ばして帰国の途につけば、露国も慌てたはずです。会談内容と違うことを記者会見で語ったとしたら、それは外交的非礼として席を立っても良かった。その判断が、あの状況で岸田氏につかなかったのは、安倍氏の思い入れがあったのでしょう。握手が遅れた背景に煩悶がある点に、大胆な行動をとれない日本外交の限界も見え隠れします。
独自動車メーカー、VWが排ガス規制逃れの不正プログラム問題で揺れています。多額のリコール費用、課徴金、などの問題とともに、どうして不正プログラムが必要だったか? という点が重要です。恐らく排ガス除去フィルタの能力、寿命といった部分に懸念があった。そうなるとユーザーは単にプログラムの改正ばかりでなく、今後は排ガス除去フィルタの交換費用が重く圧し掛かる。ユーザーからの集団訴訟といった問題まではらんでくるのでしょう。さらに、中国や新興国など、大気汚染の原因としてVWを執拗に叩いてくるかもしれません。課徴金をせしめる、というばかりでなく、VWがシェアを落とすということは、自国の自動車産業を育てることになるからです。
そんな中国では9月製造業購買担当者景気指数(PMI)が47.0と、判断の分かれ目となる50を7ヶ月連続で下回ったばかりか、前月の数字も下回ってきました。過剰設備、過剰投資、過剰債務という3つの過剰を抱える中国は、景気刺激策も打ちにくく、下降線をたどる景気を食い止められません。もし手をだせば、それこそさらに過剰を増幅させ、その後の下押し圧力を強めます。
米中首脳会談にむけ、習主席が訪米していますが、ボーイングから大量に航空機を買う、中国国有企業の改革を行い、投資しやすい環境をつくる、といった経済面では友好的な条件を示します。しかしかつて日中もそうであったように、政冷経熱といった状況を生みだすのが中国の戦略です。いざとなれば、経済面から圧力を回避する。もしくは政治で衝突したとき経済面で圧力をかける、といった作戦がとれる。露国の失敗をみて、尚のことそうした戦略を重視しているでしょう。
例えば、南シナ海で日中が衝突したとき、中国は日本企業の工場や店舗を差し押さえるでしょう。経済に安全保障を絡める。だからどんなに自国が苦しい中でも、大盤振る舞いをしてでも米企業に中国に進出して欲しい、投資して欲しい、といった戦略をとります。それに乗ってしまった日本は、すでに厳しい状況にありますが、米国は安全保障を最優先にする国です。また中国経済が斜陽に入った今、中国の思惑が上手くいくことは今回においては難しいのでしょう。
安倍政権は中国を仮想敵として、安全保障の重要性を訴えますが、恐らく今、日中が衝突すれば苦境に陥るのは日本です。中国経済の減速だけでも大きな影響が想定される中、日本から中国に進出している企業が、あまりに多く、逆に中国が日本に進出しているケースは、驚くほど少ないからです。安全保障に経済を絡めて考えることのない日本は、そういう意味でも安全保障上、見劣りがするのですが、それを改めず、また外交力が低いままで軍事力の行使にふみきることは、極めて深刻な問題を後に起こすことにもなります。対ロ外交でも、対中外交でも戦略がない安倍政権は、国際社会の中で不安定化しつつあるのが現状なのでしょうね。
独自動車メーカー、VWが排ガス規制逃れの不正プログラム問題で揺れています。多額のリコール費用、課徴金、などの問題とともに、どうして不正プログラムが必要だったか? という点が重要です。恐らく排ガス除去フィルタの能力、寿命といった部分に懸念があった。そうなるとユーザーは単にプログラムの改正ばかりでなく、今後は排ガス除去フィルタの交換費用が重く圧し掛かる。ユーザーからの集団訴訟といった問題まではらんでくるのでしょう。さらに、中国や新興国など、大気汚染の原因としてVWを執拗に叩いてくるかもしれません。課徴金をせしめる、というばかりでなく、VWがシェアを落とすということは、自国の自動車産業を育てることになるからです。
そんな中国では9月製造業購買担当者景気指数(PMI)が47.0と、判断の分かれ目となる50を7ヶ月連続で下回ったばかりか、前月の数字も下回ってきました。過剰設備、過剰投資、過剰債務という3つの過剰を抱える中国は、景気刺激策も打ちにくく、下降線をたどる景気を食い止められません。もし手をだせば、それこそさらに過剰を増幅させ、その後の下押し圧力を強めます。
米中首脳会談にむけ、習主席が訪米していますが、ボーイングから大量に航空機を買う、中国国有企業の改革を行い、投資しやすい環境をつくる、といった経済面では友好的な条件を示します。しかしかつて日中もそうであったように、政冷経熱といった状況を生みだすのが中国の戦略です。いざとなれば、経済面から圧力を回避する。もしくは政治で衝突したとき経済面で圧力をかける、といった作戦がとれる。露国の失敗をみて、尚のことそうした戦略を重視しているでしょう。
例えば、南シナ海で日中が衝突したとき、中国は日本企業の工場や店舗を差し押さえるでしょう。経済に安全保障を絡める。だからどんなに自国が苦しい中でも、大盤振る舞いをしてでも米企業に中国に進出して欲しい、投資して欲しい、といった戦略をとります。それに乗ってしまった日本は、すでに厳しい状況にありますが、米国は安全保障を最優先にする国です。また中国経済が斜陽に入った今、中国の思惑が上手くいくことは今回においては難しいのでしょう。
安倍政権は中国を仮想敵として、安全保障の重要性を訴えますが、恐らく今、日中が衝突すれば苦境に陥るのは日本です。中国経済の減速だけでも大きな影響が想定される中、日本から中国に進出している企業が、あまりに多く、逆に中国が日本に進出しているケースは、驚くほど少ないからです。安全保障に経済を絡めて考えることのない日本は、そういう意味でも安全保障上、見劣りがするのですが、それを改めず、また外交力が低いままで軍事力の行使にふみきることは、極めて深刻な問題を後に起こすことにもなります。対ロ外交でも、対中外交でも戦略がない安倍政権は、国際社会の中で不安定化しつつあるのが現状なのでしょうね。
2015年09月19日
安保法制の成立について
安保法案が未明に参院本会議で可決、成立しました。安倍氏は祖父である故・岸信介元首相の業績に追いついた、国民は日米安保のときのように、一時期反対が盛り上がってもすぐ忘れる、と思っているようですが、過去は新聞やテレビが報じないと、過去におきた出来事を探すのも大変だった時代です。しかし今は、ネットでいつでも検索できる時代。きっかけさえあれば、簡単に調べられ、思い出すことができる時代なのです。図書館に行って新聞記事を調べたり、誰かに聞きに行って…という時代とは比べ物にならないぐらい『履歴が残る時代』なのです。
昨日のコメント欄のまとめ、みたいな形になりますが、まず今回の安保法制の成立を、最も喜んだのは防衛省ではなく、外務省です。安倍氏は答弁で「防衛予算は増やさない。やりくりで何とかする」と明言したので、防衛省は負担やリスクばかり増え、おもしろくない。これは防衛機密文書が、続々とリークされたことでも分かりますが、一部の親米の制服組はそれでも防衛予算は跳ね上がる、米軍と密接な軍事行動をとれることを喜びますが、全体からみればごく少数、多くがこの安保法制に不満、不安、そして怒りをもって受け止めることでしょう。
今回、一番喜んだのは外務省です。湾岸戦争時「Show the Flag!」と米国から脅され、震え上がった過去とは違い、自衛隊をさしだせば事足りるからです。協力費と称して戦費負担をする、そんなものに外交予算を奪われることもない。際どい外交交渉など必要がなくなるよう、細かな規定、規制もすべて取り外してしまった。いざとなれば国内法で逃げ、自衛隊を派兵させない、というハードルを外そうと画策したのも、外務省でしょう。もし防衛省がもう少し深く関与できていれば、少なくとも隊員を守るハードルは法文の中に明記したはずです。それすら取り去ったのですから、これはもう外務省主導、自衛隊の命を軽視して、外交こそ国防の基本、ということすら放棄した。まさに自衛隊を生贄とするための法律を、官邸と外務省がつくりだしたのです。
安倍首相と外務省は蜜月です。『地球儀俯瞰外交』なる、小国を回って支援を約束し、それで称賛をえて悦に入る、という安倍氏の満足度が高い施策をうみだし、覚えがめでたい。在外公館も二桁の数で増やし、外務省利権が一気に拡大した。まさにウィンウィンの関係です。
中国脅威論に拘泥するのも、外務省主導といった面があります。ソビエトが崩壊したとはいえ、未だに空母、空軍の規模からみて、最大の軍事的脅威は露国です。クリミア併合、ウクライナ介入など、軍事オプションも厭わない。北方領土にも度々要人が訪問、対決姿勢を鮮明にします。ただ中国外交では日本が尖閣の実効支配をしているので有利、北方領土は実行支配されているので不利、だから露国は刺激したくない。安倍氏はいまだにプーチン氏をおトモダチ、と思っているので、これも露国脅威論に傾かない原因です。確かに中国軍の急成長、急膨張は要警戒ですが、空母がないので海戦を伴う領土紛争をしかける力は、今のところ中国にありません。南シナ海の埋め立てや、東シナ海のガス田のように外交オプションの方が、中国に対抗する術であるはずなのに、日本人の多くがそれを意識せず、軍事オプションが優先と考えている。それも政府、外務省辺りが策動し、自ら都合いいように世論誘導をはかっている結果でもあるのでしょう。
4月、米議会で「安保法制を夏までに成立」と約束させたのも、紛れもなく外務省です。安倍政権でめだつ、国際公約? を盾にした内政の方向付けも、外務省と安倍政権が一体となって仕組んでいることでもあるのです。今回の安保法制、安倍氏のちょっとしたミエと媚米といった態度、それに外務省が楽をしたいためだけに成立を急いだ、といっても過言ではないのかもしれません。中谷防衛相も、そして防衛省も、想定外のことばかりで答弁に窮したことも、実は安倍官邸と外務省が、自分たちに都合よくまとめたためだったとすれば、今回もっとも平和と安寧をえられたのは答弁でもすまし顔ですわっていた岸田外相と外務省、ということになるのかもしれませんね。
20日から22日までお休みし、23日から再開したいと思います。
昨日のコメント欄のまとめ、みたいな形になりますが、まず今回の安保法制の成立を、最も喜んだのは防衛省ではなく、外務省です。安倍氏は答弁で「防衛予算は増やさない。やりくりで何とかする」と明言したので、防衛省は負担やリスクばかり増え、おもしろくない。これは防衛機密文書が、続々とリークされたことでも分かりますが、一部の親米の制服組はそれでも防衛予算は跳ね上がる、米軍と密接な軍事行動をとれることを喜びますが、全体からみればごく少数、多くがこの安保法制に不満、不安、そして怒りをもって受け止めることでしょう。
今回、一番喜んだのは外務省です。湾岸戦争時「Show the Flag!」と米国から脅され、震え上がった過去とは違い、自衛隊をさしだせば事足りるからです。協力費と称して戦費負担をする、そんなものに外交予算を奪われることもない。際どい外交交渉など必要がなくなるよう、細かな規定、規制もすべて取り外してしまった。いざとなれば国内法で逃げ、自衛隊を派兵させない、というハードルを外そうと画策したのも、外務省でしょう。もし防衛省がもう少し深く関与できていれば、少なくとも隊員を守るハードルは法文の中に明記したはずです。それすら取り去ったのですから、これはもう外務省主導、自衛隊の命を軽視して、外交こそ国防の基本、ということすら放棄した。まさに自衛隊を生贄とするための法律を、官邸と外務省がつくりだしたのです。
安倍首相と外務省は蜜月です。『地球儀俯瞰外交』なる、小国を回って支援を約束し、それで称賛をえて悦に入る、という安倍氏の満足度が高い施策をうみだし、覚えがめでたい。在外公館も二桁の数で増やし、外務省利権が一気に拡大した。まさにウィンウィンの関係です。
中国脅威論に拘泥するのも、外務省主導といった面があります。ソビエトが崩壊したとはいえ、未だに空母、空軍の規模からみて、最大の軍事的脅威は露国です。クリミア併合、ウクライナ介入など、軍事オプションも厭わない。北方領土にも度々要人が訪問、対決姿勢を鮮明にします。ただ中国外交では日本が尖閣の実効支配をしているので有利、北方領土は実行支配されているので不利、だから露国は刺激したくない。安倍氏はいまだにプーチン氏をおトモダチ、と思っているので、これも露国脅威論に傾かない原因です。確かに中国軍の急成長、急膨張は要警戒ですが、空母がないので海戦を伴う領土紛争をしかける力は、今のところ中国にありません。南シナ海の埋め立てや、東シナ海のガス田のように外交オプションの方が、中国に対抗する術であるはずなのに、日本人の多くがそれを意識せず、軍事オプションが優先と考えている。それも政府、外務省辺りが策動し、自ら都合いいように世論誘導をはかっている結果でもあるのでしょう。
4月、米議会で「安保法制を夏までに成立」と約束させたのも、紛れもなく外務省です。安倍政権でめだつ、国際公約? を盾にした内政の方向付けも、外務省と安倍政権が一体となって仕組んでいることでもあるのです。今回の安保法制、安倍氏のちょっとしたミエと媚米といった態度、それに外務省が楽をしたいためだけに成立を急いだ、といっても過言ではないのかもしれません。中谷防衛相も、そして防衛省も、想定外のことばかりで答弁に窮したことも、実は安倍官邸と外務省が、自分たちに都合よくまとめたためだったとすれば、今回もっとも平和と安寧をえられたのは答弁でもすまし顔ですわっていた岸田外相と外務省、ということになるのかもしれませんね。
20日から22日までお休みし、23日から再開したいと思います。
2015年09月18日
米FOMCによる利上げ見送り
今日も国会は混乱しています。一つ一つにはコメントしませんが、東南アジアとの経済的結びつきが大事だから、南シナ海で抑止力もつのは大事、と述べる人がいます。しかし中国との経済的結びつきは、その比でないことは言うまでもありません。中国が南シナ海で覇を唱えようとしたとき、軍事で対立すれば双方が経済的打撃を大きくするでしょう。指を咥えてみていろ、という話ではありませんが、経済的問題を引き合いに安保法制の正当性を語っても意味がありません。ナゼなら経済的な視点に、軍事を絡めると必ずマイナス面の方が大きいのですから。
米FOMCにおいて、現状維持が決定されました。個人的には利上げを予想していましたが、インフレ予想を下方修正し、中国経済の動向を注視、として判断を先送りしました。しかし実は、この理由付けをしてしまうと米FRBは当面、利上げを封じられたことにもなります。「米経済は利上げできるほど堅調」としながら、世界との連動性をみると、ではどうなったら利上げできるのか? との疑問に行き着きます。また監視もしていない、指標ですら信じられない海外の経済環境を、誰がどう判断し、金融政策に反映するのか? 疑問は尽きないことにもなります。
株式市場は利上げ、先送り半々とされましたが、米市場はダウが下落、日本株は大きく下げました。日系の某大手証券が日経225先物を売ると下げる、というアノマリーの踏襲でもありますし、5連休前のポジション整理の面があったとしても、注目されたFOMCで市場期待に添う内容にも関わらず調整を迫られたのは、世界経済の見通しについて自信が揺らいだ面もあったのでしょう。FRBが利上げを先送りしなければならないほど、中国経済の打撃が大きいなら、シナリオの見直しを迫られます。現状、中国はバブル崩壊しない、しても軽微、という楽観シナリオを元に、証券会社等は年末に2万円という予想を変えていません。年内に利上げするほど世界経済は強い、という前提から世銀、IMF、OECDなどが続々と今年の成長予想を引き下げるのと同じ判断を、日系証券も組みこみ始めたのかもしれません。
今回、FRBは新興国に目配せした。ということはドル高に伴う新興国のドル建て債務を懸念した、とも言えます。グローバル化した経済は、一国主義ではもう立ち行かない状況に陥っており、これは利上げばかりでなく、追加緩和を期待される日本にも同様の圧力となって襲うことでしょう。つまり新興国に資金が流れ、これ以上バブル化することに懸念が生じると、日欧でも追加緩和が打ちにくくなる。今は世界全体が減速していく中なので、正当化される面があったとしても、今後楽観が強まって新興国でバブル化が懸念されると、日欧も金融の引き締めを迫られるかもしれない。自分たちの経済がそれほどよくなっていない、としても。
つまり日本のように、脱デフレの看板だけでは追加緩和も打ちにくくなる、ということでもあります。日本に学ぶのなら、低インフレも低成長も、金融緩和では解消できないことが自明です。巷間語られていた金融政策の効用は、実体経済において実証はできなかったことをFRBも認めたのだとすれば、グローバリゼーションのマイナス面を意識したのも今回なのでしょう。市場との対話を重視し、利上げを遅くした結果ハードルが上がりつづける現状で、世界経済の不透明感という見えないハードルの方が、飛び越しにくいことを実感した結果でもあるのでしょうね。
米FOMCにおいて、現状維持が決定されました。個人的には利上げを予想していましたが、インフレ予想を下方修正し、中国経済の動向を注視、として判断を先送りしました。しかし実は、この理由付けをしてしまうと米FRBは当面、利上げを封じられたことにもなります。「米経済は利上げできるほど堅調」としながら、世界との連動性をみると、ではどうなったら利上げできるのか? との疑問に行き着きます。また監視もしていない、指標ですら信じられない海外の経済環境を、誰がどう判断し、金融政策に反映するのか? 疑問は尽きないことにもなります。
株式市場は利上げ、先送り半々とされましたが、米市場はダウが下落、日本株は大きく下げました。日系の某大手証券が日経225先物を売ると下げる、というアノマリーの踏襲でもありますし、5連休前のポジション整理の面があったとしても、注目されたFOMCで市場期待に添う内容にも関わらず調整を迫られたのは、世界経済の見通しについて自信が揺らいだ面もあったのでしょう。FRBが利上げを先送りしなければならないほど、中国経済の打撃が大きいなら、シナリオの見直しを迫られます。現状、中国はバブル崩壊しない、しても軽微、という楽観シナリオを元に、証券会社等は年末に2万円という予想を変えていません。年内に利上げするほど世界経済は強い、という前提から世銀、IMF、OECDなどが続々と今年の成長予想を引き下げるのと同じ判断を、日系証券も組みこみ始めたのかもしれません。
今回、FRBは新興国に目配せした。ということはドル高に伴う新興国のドル建て債務を懸念した、とも言えます。グローバル化した経済は、一国主義ではもう立ち行かない状況に陥っており、これは利上げばかりでなく、追加緩和を期待される日本にも同様の圧力となって襲うことでしょう。つまり新興国に資金が流れ、これ以上バブル化することに懸念が生じると、日欧でも追加緩和が打ちにくくなる。今は世界全体が減速していく中なので、正当化される面があったとしても、今後楽観が強まって新興国でバブル化が懸念されると、日欧も金融の引き締めを迫られるかもしれない。自分たちの経済がそれほどよくなっていない、としても。
つまり日本のように、脱デフレの看板だけでは追加緩和も打ちにくくなる、ということでもあります。日本に学ぶのなら、低インフレも低成長も、金融緩和では解消できないことが自明です。巷間語られていた金融政策の効用は、実体経済において実証はできなかったことをFRBも認めたのだとすれば、グローバリゼーションのマイナス面を意識したのも今回なのでしょう。市場との対話を重視し、利上げを遅くした結果ハードルが上がりつづける現状で、世界経済の不透明感という見えないハードルの方が、飛び越しにくいことを実感した結果でもあるのでしょうね。
2015年09月17日
安保法案の委員会通過
参院平和安全法制特別委で、安保法案が自公、次世代などの賛成多数で可決されました。しかし今日の動きは、様々な問題があります。まず理事会室ではなく、委員会室で理事会をはじめたこと。また締めくくり質疑も行わず、また鴻池委員長の不信任動議が否決されて、議席にもどってきたタイミングで採決をはじめた。どんな動議かも示されず、いきなり委員長席に駆け寄ったのは、まず自民党議員でした。それを取り囲む形で野党議員が周りに押しかけ、大混乱という形です。駆け寄ったのは野党議員、という報道が多いですが、画面をみていれば分かる通り、安倍氏が着席した後、最初に走り出しているのは画面奥、与党議員なのです。つまりすべて計算ずく、計画された上で議長が着席した途端に駆け寄る、との算段がついていたのでしょう。
この決定の課程で最大の問題は、野党を騙まし討ちするような与党が、国民を騙まし討ちしないはずがない点です。国民に不都合なことを隠して、また説明も不十分なまま、自衛隊は派遣される。国民に被害がでる。そんなことが起こりかねないことが、今回のことでもはっきりと見せてしまいました。野党さえ説き伏せられず、スケジュール管理もできておらず、まともな審議さえできない。そんな与党が、正当な理由をとりつけて海外派兵するとは到底思えないのです。
しかもフィリバスター潰しの動議時間制限を、動議にかけるとしますが、そんなことをすれば、どんな動議でも短縮でOKとなります。これだけの重要法案で、動議、採決を短縮して通してしまったのですから、小さな注目を集めていない法案でも、同じように短縮採決を強行するかもしれません。そんな不安すら、今回の一件をどうしても今週中に通しておきたい、という我欲のために想起させることにもなったのでしょう。与党が様々な手練手管を駆使すればするほど、国会改革の必要性を国民が感じ、動かざるを得ないと意識するようにもなっています。
そもそも土曜日をふくめて5連休となるシルバーウィークをまたぐと、反対運動が苛烈となることを懸念した、というのですが、可決してしまえば諦めると考えているのでしょうが、それどころか怒りに火をつけます。安倍政権が間違えているのは、不安で止まっているうちはそうかもしれませんが、危機感に変わった段階で、その危機を増幅させる、もしくはその根源に対して怒りを感じる、という根本的な人間の思考が分かっていない点です。安倍氏はそれを中国の軍拡にすり替えるつもりでしたが、具体的な説明に欠けた。また9月訪中を模索していたため、中国を殊更に悪に据えることも躊躇った。そんな戦略ミスも散見され、国民の不安を増幅させるのは安倍政権、という印象を根付かせた。この怒りはずっと安倍政権、与党に向き続けます。
最近の株式市場は、日系の某大手が先物買いに傾くと、上げるということが常態化しています。先週の投資主体別売買動向は、外国人投資家による巨額の現物株売りとなり、それを日本の投資信託などが買い支えた恰好です。メジャーSQが絡んだとはいえ、現物株を商いするのは長期投資家が多く、愈々日本脱出がはじまったと言われます。まだ今年買った分をすべて吐き出しただけ、ともされますが、『だけ』に終わるはずもなく、安倍ノミクス開始以来、買った分をすべて吐き出すなら、年末にかけてこの売りが継続するかもしれません。それは日本人でさえ、安倍政権に期待しなくなったのですから、外国人投資家に期待しろ、ということにムリがあります。
期待しないどころか、安倍政権には怒りすら覚えはじめた日本人。株式は2万円がほど遠くなり、ボラティリティーの高い展開に、売買代金も2兆円割れ寸前。いくらFOMC待ちとはいえ、この売買高では18000円を維持するのも困難なのでしょう。フィリバスターとは、議事妨害という意味ですが、もう一つ略奪兵という意味もあります。日本にやってきて、日本の富を掠めとる外国人投資家が、今後は跋扈することになるかもしれない。そのはしりとして村上ファンドの復活、金満主義の台頭も、今年象徴的に現れたのかもしれません。海外勢が買わない、下支え役が国内勢だけ、となれば簡単に崩せることにもなる。安保法案を通して、日本市場がこれまで築いてきた魅力ある国、という前提が崩れ、平和や安全を脅かされる事態に直面するのかもしれませんね。
この決定の課程で最大の問題は、野党を騙まし討ちするような与党が、国民を騙まし討ちしないはずがない点です。国民に不都合なことを隠して、また説明も不十分なまま、自衛隊は派遣される。国民に被害がでる。そんなことが起こりかねないことが、今回のことでもはっきりと見せてしまいました。野党さえ説き伏せられず、スケジュール管理もできておらず、まともな審議さえできない。そんな与党が、正当な理由をとりつけて海外派兵するとは到底思えないのです。
しかもフィリバスター潰しの動議時間制限を、動議にかけるとしますが、そんなことをすれば、どんな動議でも短縮でOKとなります。これだけの重要法案で、動議、採決を短縮して通してしまったのですから、小さな注目を集めていない法案でも、同じように短縮採決を強行するかもしれません。そんな不安すら、今回の一件をどうしても今週中に通しておきたい、という我欲のために想起させることにもなったのでしょう。与党が様々な手練手管を駆使すればするほど、国会改革の必要性を国民が感じ、動かざるを得ないと意識するようにもなっています。
そもそも土曜日をふくめて5連休となるシルバーウィークをまたぐと、反対運動が苛烈となることを懸念した、というのですが、可決してしまえば諦めると考えているのでしょうが、それどころか怒りに火をつけます。安倍政権が間違えているのは、不安で止まっているうちはそうかもしれませんが、危機感に変わった段階で、その危機を増幅させる、もしくはその根源に対して怒りを感じる、という根本的な人間の思考が分かっていない点です。安倍氏はそれを中国の軍拡にすり替えるつもりでしたが、具体的な説明に欠けた。また9月訪中を模索していたため、中国を殊更に悪に据えることも躊躇った。そんな戦略ミスも散見され、国民の不安を増幅させるのは安倍政権、という印象を根付かせた。この怒りはずっと安倍政権、与党に向き続けます。
最近の株式市場は、日系の某大手が先物買いに傾くと、上げるということが常態化しています。先週の投資主体別売買動向は、外国人投資家による巨額の現物株売りとなり、それを日本の投資信託などが買い支えた恰好です。メジャーSQが絡んだとはいえ、現物株を商いするのは長期投資家が多く、愈々日本脱出がはじまったと言われます。まだ今年買った分をすべて吐き出しただけ、ともされますが、『だけ』に終わるはずもなく、安倍ノミクス開始以来、買った分をすべて吐き出すなら、年末にかけてこの売りが継続するかもしれません。それは日本人でさえ、安倍政権に期待しなくなったのですから、外国人投資家に期待しろ、ということにムリがあります。
期待しないどころか、安倍政権には怒りすら覚えはじめた日本人。株式は2万円がほど遠くなり、ボラティリティーの高い展開に、売買代金も2兆円割れ寸前。いくらFOMC待ちとはいえ、この売買高では18000円を維持するのも困難なのでしょう。フィリバスターとは、議事妨害という意味ですが、もう一つ略奪兵という意味もあります。日本にやってきて、日本の富を掠めとる外国人投資家が、今後は跋扈することになるかもしれない。そのはしりとして村上ファンドの復活、金満主義の台頭も、今年象徴的に現れたのかもしれません。海外勢が買わない、下支え役が国内勢だけ、となれば簡単に崩せることにもなる。安保法案を通して、日本市場がこれまで築いてきた魅力ある国、という前提が崩れ、平和や安全を脅かされる事態に直面するのかもしれませんね。
2015年09月16日
日本国債の格下げと、安保法案の混乱
米格付け会社S&Pが、日本国債をAA-からA+に格下げしました。昨年12月のムーディーズ、今年4月のフィッチと、米国の大手格付け機関が、ここ1年と経たない間にそろって日本国債を格下げしたことになります。安倍ノミクスの失敗、と判断するのは時期尚早としながらも、ほぼ失敗するのは確実であることが、この格下げには含まれます。日本は甘い財政見通しをずっとつづけながらも、2023年に基礎的財政収支の黒字化は困難、とされます。安倍ノミクスでもマイナス成長に陥るなら、財政出動の負担と重なり、財政逼迫が必定となります。失敗と判断された時点では、また数段階の格下げを覚悟しなければならないのかもしれません。
安保法案が大混乱に陥っています。中央公聴会、地方公聴会を一日ずつ、その日の夜にしめくくり質疑など、明らかに拙速すぎて余裕のないスケジューリングが、ネックとなっており、野党も抵抗し易い面も影響しています。次世代、日本を元気にする会、新党改革と自公がホルムズ海峡の機雷掃海について「(事実上)例外なき国会承認」で合意と伝わりますが、安倍首相自らホルムズ海峡の例は現実味がない、と認めており、それを合意事項に盛りこみ、かつトップ項目として報じている時点で、セレモニー的な意味合いしかないのでしょう。核兵器の運搬は禁止、としても現実味がない。むしろ原潜や原子力船の燃料としての核物質の運搬の方が、懸念としては残ります。与野党5党が合意、としても明日をも知れぬ小政党ばかりの野党3党、しかもおトモダチ野党ばかりが修正案で合意しても、国民理解がすすむはずもありません。
維新にしてもおトモダチの橋下氏が離党し、10月にもおおさか維新を設立と伝わりますが、大阪系の議員がここで内閣不信任などを拒否すれば、党を追い出されるよい口実を与えてしまう。そうなると政党助成金の分割をうけ、新党設立の原資とすることもできなくなります。先に橋下氏が離党してしまう、という致命的な戦略ミスから、党執行部の言いなりになるしかない。そうなると、内閣不信任に賛成した議員が、新党で安倍政権に協力するといった矛盾を生じます。この混乱は、維新の大阪系議員にとっても歯噛みする思いなのかもしれません。
しかしここに来て、安倍政権の国会運営の不味さが、一気に噴出してきました。これまでは閣僚に不祥事があっても、国会運営が不味くても、政治そのものに関心のない層が増えたため、注目されてこなかった。注目された途端、あまりの稚拙さに国民も愕然としたことでしょう。閣僚でさえ法案の中身を知らず、答弁もままならないどころか、二転三転する。与党のスケジューリングが不味く、結局タイトな日程となって混乱に拍車をかける。あらゆる組織でも、トップがしてはいけないことばかりしている、それが安倍政権で国を率いていることに、国民もはじめて気づかされたことでしょう。卑近な例で示すと、夏休みの宿題を最終日になって、周りも巻きこんで必死でやっているような、そんな危うさしか、今の国会を見ると感じられないのです。
しかもこの動きが、賛成した国会議員の落選運動に発展しようとしている。安倍政権は採決さえしてしまえば、国民は忘れると高を括っていますが、今回は『怒り』が原動力になっているため、忘れることがありません。『痛み』は忘れられても、『怒り』は折にふれて口の端にのぼるからです。財政にも甘い見通し、安保法案でも甘い見通し、これが最大に安倍政権に危機意識を感じるところなのでしょう。楽観をばらまいて、ムードをよくしよう、というのが安倍ノミクスですが、ここに来て一気に安倍ノトリアス(悪名)に変わりつつあるのでしょうね。
安保法案が大混乱に陥っています。中央公聴会、地方公聴会を一日ずつ、その日の夜にしめくくり質疑など、明らかに拙速すぎて余裕のないスケジューリングが、ネックとなっており、野党も抵抗し易い面も影響しています。次世代、日本を元気にする会、新党改革と自公がホルムズ海峡の機雷掃海について「(事実上)例外なき国会承認」で合意と伝わりますが、安倍首相自らホルムズ海峡の例は現実味がない、と認めており、それを合意事項に盛りこみ、かつトップ項目として報じている時点で、セレモニー的な意味合いしかないのでしょう。核兵器の運搬は禁止、としても現実味がない。むしろ原潜や原子力船の燃料としての核物質の運搬の方が、懸念としては残ります。与野党5党が合意、としても明日をも知れぬ小政党ばかりの野党3党、しかもおトモダチ野党ばかりが修正案で合意しても、国民理解がすすむはずもありません。
維新にしてもおトモダチの橋下氏が離党し、10月にもおおさか維新を設立と伝わりますが、大阪系の議員がここで内閣不信任などを拒否すれば、党を追い出されるよい口実を与えてしまう。そうなると政党助成金の分割をうけ、新党設立の原資とすることもできなくなります。先に橋下氏が離党してしまう、という致命的な戦略ミスから、党執行部の言いなりになるしかない。そうなると、内閣不信任に賛成した議員が、新党で安倍政権に協力するといった矛盾を生じます。この混乱は、維新の大阪系議員にとっても歯噛みする思いなのかもしれません。
しかしここに来て、安倍政権の国会運営の不味さが、一気に噴出してきました。これまでは閣僚に不祥事があっても、国会運営が不味くても、政治そのものに関心のない層が増えたため、注目されてこなかった。注目された途端、あまりの稚拙さに国民も愕然としたことでしょう。閣僚でさえ法案の中身を知らず、答弁もままならないどころか、二転三転する。与党のスケジューリングが不味く、結局タイトな日程となって混乱に拍車をかける。あらゆる組織でも、トップがしてはいけないことばかりしている、それが安倍政権で国を率いていることに、国民もはじめて気づかされたことでしょう。卑近な例で示すと、夏休みの宿題を最終日になって、周りも巻きこんで必死でやっているような、そんな危うさしか、今の国会を見ると感じられないのです。
しかもこの動きが、賛成した国会議員の落選運動に発展しようとしている。安倍政権は採決さえしてしまえば、国民は忘れると高を括っていますが、今回は『怒り』が原動力になっているため、忘れることがありません。『痛み』は忘れられても、『怒り』は折にふれて口の端にのぼるからです。財政にも甘い見通し、安保法案でも甘い見通し、これが最大に安倍政権に危機意識を感じるところなのでしょう。楽観をばらまいて、ムードをよくしよう、というのが安倍ノミクスですが、ここに来て一気に安倍ノトリアス(悪名)に変わりつつあるのでしょうね。
2015年09月15日
日銀の金融政策決定会合
フジ・産経合同世論調査で、安保法案反対集会に参加しているのは政党支持者、その内訳は共産41%、社民15%、民主12%、生活6%としています。しかし数字に騙されてはいけないのが、調査のうち3.4%が参加経験アリ、でこれは3.4%を分割した数字に過ぎません。この世論調査からすると、サンプル数は1000人ですから、約34人が参加したに過ぎず、数字に直すと共産14人、社民5人、民主4人、生活2人。全体集合から直すと共産でさえ1.4%に過ぎないのです。
そもそも世論調査に参加するのは、政治意識の高い層であり、逆に言えば何らかの政党を支持している層です。さらに、この数字をそのまま有権者全体に当てはめてしまうと、共産支持層だけで80万人ぐらいが参加した計算になってしまう。むしろ、今回のデモはこれまで政治意識が高くなかった主婦や、学生で世論調査には答えない層なのです。あくまでざっくり計算しただけですが、数字のトリックで議論をミスリードするのはメディアのよくとる手法です。逆にいうと、それだけレッテル貼りに躍起で、苦境ということでもあるのでしょう。そしてこうした手法をとったメディアは、どんな記事でも色眼鏡をかけている、ということでもあります。
日銀の金融政策決定会合が開かれ、現状維持が決定されました。意外なのは、黒田総裁の会見で、国内経済の強気見通しも維持した点です。海外経済の見方は下方修正したものの、先進国の景気回復が波及する、と楽観的な見通しも示しましたが、その先進国・日本は2期連続マイナス成長、すなわち景気回復どころか景気後退が予想され、波及どころの騒ぎではありません。
企業は設備投資が堅調、との見通しも示しますが、そもそも今年の計画は年前半に設備投資計画が集中するものの、4-6月期GDPでも設備投資が引き下げられたように、計画通りにすすんでいない。新興国経済の減速が予想以上、米国の低成長も足枷となり、今年の生産計画を見直す動きもある。さらに個人消費はベア実施でも、実質賃金は目減りがつづき、消費には追い風となりません。一部では「日銀は別の世界の日本という国の経済指標をみているのではないか?」と揶揄されるほどです。それほど日銀の現状認識に、不信感も高まっているのが現状です。
一昨日、携帯電話の料金引き下げを安倍首相が言及しましたが、その経済財政諮問会議では食料品価格の上昇が、消費減退を招いているのではないか? と議論されています。つまり携帯電話料金の引き下げはCPIを押し下げ、日銀の2%物価達成目標を遠のかせ、追加緩和をひきだす効果がある。政府にとって『脱デフレ』路線をとりつつ、デフレ誘導することにメリットがでてきた、というのです。政府による日銀へのプレッシャー、これまで一枚岩とみられてきた安倍政権、黒田日銀に生まれた対立の構図、それが逆に政策の不透明要因を強めることにもなるのでしょう。
日本に蔓延る経済政策、これを『自由主義経済』ではなく『自分主義経済』と呼んだ方がよいのかもしれません。自分に都合いい方へ動かすためなら、市場に介入する。権力をつかってお金を動かす、景気指標も曲解して公表する、もしくは都合よく解釈する。自分のためだけ、自分のためだけに経済を導こうとする。そんな態度が、そこかしこに目立つからです。メディアも世論調査の数字を曲解して伝えていますが、『自分のため』なら何をしてもいい。『新自分主義』による、あらゆる弊害に国民はうんざりし、行動に起こしつつあるのが現状でもあるのでしょうね。
そもそも世論調査に参加するのは、政治意識の高い層であり、逆に言えば何らかの政党を支持している層です。さらに、この数字をそのまま有権者全体に当てはめてしまうと、共産支持層だけで80万人ぐらいが参加した計算になってしまう。むしろ、今回のデモはこれまで政治意識が高くなかった主婦や、学生で世論調査には答えない層なのです。あくまでざっくり計算しただけですが、数字のトリックで議論をミスリードするのはメディアのよくとる手法です。逆にいうと、それだけレッテル貼りに躍起で、苦境ということでもあるのでしょう。そしてこうした手法をとったメディアは、どんな記事でも色眼鏡をかけている、ということでもあります。
日銀の金融政策決定会合が開かれ、現状維持が決定されました。意外なのは、黒田総裁の会見で、国内経済の強気見通しも維持した点です。海外経済の見方は下方修正したものの、先進国の景気回復が波及する、と楽観的な見通しも示しましたが、その先進国・日本は2期連続マイナス成長、すなわち景気回復どころか景気後退が予想され、波及どころの騒ぎではありません。
企業は設備投資が堅調、との見通しも示しますが、そもそも今年の計画は年前半に設備投資計画が集中するものの、4-6月期GDPでも設備投資が引き下げられたように、計画通りにすすんでいない。新興国経済の減速が予想以上、米国の低成長も足枷となり、今年の生産計画を見直す動きもある。さらに個人消費はベア実施でも、実質賃金は目減りがつづき、消費には追い風となりません。一部では「日銀は別の世界の日本という国の経済指標をみているのではないか?」と揶揄されるほどです。それほど日銀の現状認識に、不信感も高まっているのが現状です。
一昨日、携帯電話の料金引き下げを安倍首相が言及しましたが、その経済財政諮問会議では食料品価格の上昇が、消費減退を招いているのではないか? と議論されています。つまり携帯電話料金の引き下げはCPIを押し下げ、日銀の2%物価達成目標を遠のかせ、追加緩和をひきだす効果がある。政府にとって『脱デフレ』路線をとりつつ、デフレ誘導することにメリットがでてきた、というのです。政府による日銀へのプレッシャー、これまで一枚岩とみられてきた安倍政権、黒田日銀に生まれた対立の構図、それが逆に政策の不透明要因を強めることにもなるのでしょう。
日本に蔓延る経済政策、これを『自由主義経済』ではなく『自分主義経済』と呼んだ方がよいのかもしれません。自分に都合いい方へ動かすためなら、市場に介入する。権力をつかってお金を動かす、景気指標も曲解して公表する、もしくは都合よく解釈する。自分のためだけ、自分のためだけに経済を導こうとする。そんな態度が、そこかしこに目立つからです。メディアも世論調査の数字を曲解して伝えていますが、『自分のため』なら何をしてもいい。『新自分主義』による、あらゆる弊害に国民はうんざりし、行動に起こしつつあるのが現状でもあるのでしょうね。
2015年09月14日
茨城・宮城の大雨被害の影響
先週末、安倍氏が携帯料金引き下げの検討を示唆したことで、携帯電話会社の株が軒並み急落しました。収益性への不安、という面もありますが、もっとも嫌気されるのが今後も政府が介入してくる、規制状況が長引くという新自由主義者がもっとも嫌う面を、まざまざと意識させたからでもあるのでしょう。競争や企業努力ではなく、政治介入により収益性が左右されてしまう。これは例えば企業が高成長になって、株主の期待に応えられるようになると、頭を叩かれて凹まされる。つまり衆愚政治の材料になりかねない、という面を強く警戒させます。
また携帯会社にはもう一つ、高成長していたソフトバンクの懸念が存在します。米市場に上場したアリババが、決算を下方修正して売られ、IPO価格を下回る事態です。米スプリント買収も成功とは言いがたく、借り入れが負担になりつつありますし、日本市場も頭打ちになってきた。それでもマーケットメイク銘柄として、未だに高い水準で商いもされますが、台所事情は非常に厳しいのでしょう。iPhone6Sも起爆剤にはなりにくいですし、国民ウケのよい施策を行おうとする安倍政権による、携帯電話会社に吹いた逆風に、戦々恐々としているのが現状なのでしょう。
茨城・宮城の大雨被害は、いくつもの影響が考えられます。まず東日本大震災の復興、五輪建設などで、建設会社は濡れ手で粟というほど仕事があります。つまり大雨被害からの復旧、復興という新たな事業があっても、焦って受注しない、できないということも想定されます。国や地方自治体も、かなり割高な工費を設定しないと早期の現状回帰が難しい、ということを意味します。
茨城も宮城も米どころ、収穫前の打撃となり、今年の米価にも響くかもしれません。また補償をうけられる農家はよいですが、そうでない高齢の零細農家は、米作りを諦めてしまうかもしれない。川の泥が入ったところは、来年には栄養豊富で多くの収量もみこめそうですが、その前に水田に入ったガラクタの除去や小石をとり払うなど、作付けできるまでの負担も大きいからです。先送りになったとはいえ、TPPでもかなり米国の米を買い付けることで、日米で合意しているように、農家は今後も先行きが明るくない。辞め時と考える人もいるでしょう。ますます自国で食料を自給できない、自律自存できない国へまた一歩近づいてしまうのかもしれません。
一方で、民主党政権時代にアスファルトから人へ、でスーパー堤防を否定したことを批判する向きもあります。しかしそもそもスーパー堤防は下流域に集中する水が溢れるのを防止する、という発想であり、今回のケースは茨城でも、宮城でもバックウォーターとよばれる上流域の水害です。スーパー堤防を上流域まで…となれば、それこそ予算は莫大となるでしょう。堤防による治水には限界もあり、どこか弱いところを見つけては溢水するのですから、それこそスーパー堤防の想定と異なる今回のケースのように、想定外をすべて埋め尽くさない限り、万全とは言えないのです。むしろスーパー堤防ができていたら、本流はもっと水位が上がっても大丈夫なので、上流域ではもっと水が溜まってより大きな洪水がおこっていたのかもしれません。
公共工事を増やしたい国交省か、建設業者辺りが流したデマとみられますが、上記したように立てこむ建設事業に、スーパー堤防などを盛りこんでも事業開始は後ろ倒しになるだけですし、その間は? 結局水害に弱いままとなるだけです。川底を下げたり、流域幅を広げたりすることが、実は古臭くても確かな対策といえます。スーパー堤防などと銘打たれると、何か最新で、安全な設備だという印象を与えがちですが、中身はただの金くい虫だということも大いにあり得ます。災害に乗じた泥棒などの犯罪、こうした流言飛語をとりしまることが、政府がまず最初に対応すべき事例です。もしこれを自民党が、民主党を貶める目的で流しているデマだとしたら論外ですが、そういう意味では初動の救助にはある程度成功し、支持率も上がった面があるようですが、その後の対応に課題を残しており、またメディアがヘリで災害時に空撮をつづけたことで災害救助にも支障を来たした、といった話もでています。情報の扱い方に、政府、メディアとも大きな問題があったといわざるを得ないのでしょうね。
また携帯会社にはもう一つ、高成長していたソフトバンクの懸念が存在します。米市場に上場したアリババが、決算を下方修正して売られ、IPO価格を下回る事態です。米スプリント買収も成功とは言いがたく、借り入れが負担になりつつありますし、日本市場も頭打ちになってきた。それでもマーケットメイク銘柄として、未だに高い水準で商いもされますが、台所事情は非常に厳しいのでしょう。iPhone6Sも起爆剤にはなりにくいですし、国民ウケのよい施策を行おうとする安倍政権による、携帯電話会社に吹いた逆風に、戦々恐々としているのが現状なのでしょう。
茨城・宮城の大雨被害は、いくつもの影響が考えられます。まず東日本大震災の復興、五輪建設などで、建設会社は濡れ手で粟というほど仕事があります。つまり大雨被害からの復旧、復興という新たな事業があっても、焦って受注しない、できないということも想定されます。国や地方自治体も、かなり割高な工費を設定しないと早期の現状回帰が難しい、ということを意味します。
茨城も宮城も米どころ、収穫前の打撃となり、今年の米価にも響くかもしれません。また補償をうけられる農家はよいですが、そうでない高齢の零細農家は、米作りを諦めてしまうかもしれない。川の泥が入ったところは、来年には栄養豊富で多くの収量もみこめそうですが、その前に水田に入ったガラクタの除去や小石をとり払うなど、作付けできるまでの負担も大きいからです。先送りになったとはいえ、TPPでもかなり米国の米を買い付けることで、日米で合意しているように、農家は今後も先行きが明るくない。辞め時と考える人もいるでしょう。ますます自国で食料を自給できない、自律自存できない国へまた一歩近づいてしまうのかもしれません。
一方で、民主党政権時代にアスファルトから人へ、でスーパー堤防を否定したことを批判する向きもあります。しかしそもそもスーパー堤防は下流域に集中する水が溢れるのを防止する、という発想であり、今回のケースは茨城でも、宮城でもバックウォーターとよばれる上流域の水害です。スーパー堤防を上流域まで…となれば、それこそ予算は莫大となるでしょう。堤防による治水には限界もあり、どこか弱いところを見つけては溢水するのですから、それこそスーパー堤防の想定と異なる今回のケースのように、想定外をすべて埋め尽くさない限り、万全とは言えないのです。むしろスーパー堤防ができていたら、本流はもっと水位が上がっても大丈夫なので、上流域ではもっと水が溜まってより大きな洪水がおこっていたのかもしれません。
公共工事を増やしたい国交省か、建設業者辺りが流したデマとみられますが、上記したように立てこむ建設事業に、スーパー堤防などを盛りこんでも事業開始は後ろ倒しになるだけですし、その間は? 結局水害に弱いままとなるだけです。川底を下げたり、流域幅を広げたりすることが、実は古臭くても確かな対策といえます。スーパー堤防などと銘打たれると、何か最新で、安全な設備だという印象を与えがちですが、中身はただの金くい虫だということも大いにあり得ます。災害に乗じた泥棒などの犯罪、こうした流言飛語をとりしまることが、政府がまず最初に対応すべき事例です。もしこれを自民党が、民主党を貶める目的で流しているデマだとしたら論外ですが、そういう意味では初動の救助にはある程度成功し、支持率も上がった面があるようですが、その後の対応に課題を残しており、またメディアがヘリで災害時に空撮をつづけたことで災害救助にも支障を来たした、といった話もでています。情報の扱い方に、政府、メディアとも大きな問題があったといわざるを得ないのでしょうね。
2015年09月13日
雑感。自民党員の減少
三井住友海上保険が、英損保アムリンを買収して完全子会社にしました。日本の労働人口が急速に減少する、というのは保険の支払いをする世代も急速に減少する、ということを意味します。今、日本で増えている労働者は高齢者と女性、家族で入る保険という意味では失業率が改善しようと、実は保険としてはまったく増える見込みがない、ということにもなります。
一部では高齢になっても入れる保険も出てきましたが、病気も増える年齢ですし、採算性という意味では問題もある。保険会社が積極的に海外に打ってでるのも、日本だけに留まっていたらジリ貧が必至だからです。そんな中、ホンダが原付バイクの生産を熊本に移す、と発表しました。円安と海外の人件費高騰でメリットが薄れた、という理由ですが、逆に考えると日本の労働コストが海外並みに落ちてきた、ということも示します。実質賃金も上がらないように、保険にかけるお金でさえ賄えない人が増えている。双方から保険会社には逆風が吹き荒れています。
安保法案の成立が間近となり、日本各地で様々な動きがあります。広島では人文字で『NO WAR NO ABE』と描かれましたが、ふと気づくと『WAR ABE』がワラベ、童に読めるという皮肉でもあります。デモでは子供たちを戦争に行かせない、と発言しているのですから。しかしこうしたものは、国内のニュースでは扱いが低くとも、海外に発信されるときは一面だったり、トップニュースだったりします。大人しい日本国民が、安倍政権に強烈な拒否反応を示している、というのが驚きをもって伝えられるからです。こうした海外の見方もしっかり伝えることが大事なのでしょう。ナゼなら、海外に行ったときに逆に日本人が無知を思い知らされるからです。
政局では、俄かに持ち上がる民主党解党論。これは維新の分裂に伴って、民主党のままでは維新の比例当選したメンバーを受け入れられない。そんな事情とも重なります。解党した上で新党にすべて引き継ぐなら、看板の架け替えだけに終わりますが、維新との合流で一応の形になる。以前から囁かれてきたことが、またここで浮上しているだけです。ただこの動きは不発でしょう。何しろ、解党的出直しは今の党執行部にとって権力が揺らぐ話でもあります。よほど決断力があるか、危機的状況でない限り、権力の座にある人間はそうした決断がしにくいものです。
一方で、自民の党員数が24年で547万人から89万人まで減少した記事もあります。産経ではそれを党費(年4000円)も負担、としていますが、新聞の購読を1月止めれば払えるぐらいの額であって、もしそれを負担と感じるほど国民が疲弊しているなら、そちらの方が問題でしょう。そもそも、政治を応援したい、というほどまともな政治が行われているとはとても思えず、国民の政治不信が沸騰しているのが現状でしょう。特に、国民がどれほど声を上げようと、政治がくみ上げようとしない。一部の特権階級の人間たちが、勝手に物事を決めていってしまう、という不満を国民は感じています。川内原発の商業運転開始、辺野古移設、消費税、労働法、そして安保と、それ以外にも実に様々なことで、国民にとって負担、不幸に感じることが永田町だけで決められています。
与党を応援しようと、野党を応援しようと、何も変わらない。党費なんて払うだけムダ、というのが多くの国民の感じることでしょう。ちょっと機関紙が配られたり、義務的に集会に呼ばれることも、面倒くさいと感じる。自分たちの声が反映される期待すらないのですから、これはもう政治離れどころではありません。国会の3分の2を占める巨大与党の党員が、有権者全体の100分の1ぐらいしかいない、という事実は極めて由々しき事態だということです。
米国のように、大統領選で地方廻りを1年近くやれば、その間に世論の声をどうしても吸い上げなくてはならなくなる。ナゼなら風によって有利、不利が様々に動くからです。その意味で、自民の総裁選など2週間ぐらいしか選挙戦がないのですから、期間も桁違いですが、その前に議論を深める機会もない、といった問題が浮上するでしょう。議論していく中で問題点がみえ、それを解消しよう、という努力もない。今の安保法案も同様ですが、議論する気がない政権側によって、ほとんど議論が深まらないまま採決に至ろうとしている。もし今のまま、安保法案が通ってしまえば、日本は一番大事な労働人口を、ごっそりとそちらにもっていかれる恐れすら、出てきてしまうのです。残念ながら、この国のモノづくりにトドメをさすことになるのかもしれない。益々、海外へと逃げだす企業が増えていく。それは海外で報じられる反安倍の動きとともに、日本は大丈夫か? という海外からの目を増やすことにもなっていくのでしょうね。
一部では高齢になっても入れる保険も出てきましたが、病気も増える年齢ですし、採算性という意味では問題もある。保険会社が積極的に海外に打ってでるのも、日本だけに留まっていたらジリ貧が必至だからです。そんな中、ホンダが原付バイクの生産を熊本に移す、と発表しました。円安と海外の人件費高騰でメリットが薄れた、という理由ですが、逆に考えると日本の労働コストが海外並みに落ちてきた、ということも示します。実質賃金も上がらないように、保険にかけるお金でさえ賄えない人が増えている。双方から保険会社には逆風が吹き荒れています。
安保法案の成立が間近となり、日本各地で様々な動きがあります。広島では人文字で『NO WAR NO ABE』と描かれましたが、ふと気づくと『WAR ABE』がワラベ、童に読めるという皮肉でもあります。デモでは子供たちを戦争に行かせない、と発言しているのですから。しかしこうしたものは、国内のニュースでは扱いが低くとも、海外に発信されるときは一面だったり、トップニュースだったりします。大人しい日本国民が、安倍政権に強烈な拒否反応を示している、というのが驚きをもって伝えられるからです。こうした海外の見方もしっかり伝えることが大事なのでしょう。ナゼなら、海外に行ったときに逆に日本人が無知を思い知らされるからです。
政局では、俄かに持ち上がる民主党解党論。これは維新の分裂に伴って、民主党のままでは維新の比例当選したメンバーを受け入れられない。そんな事情とも重なります。解党した上で新党にすべて引き継ぐなら、看板の架け替えだけに終わりますが、維新との合流で一応の形になる。以前から囁かれてきたことが、またここで浮上しているだけです。ただこの動きは不発でしょう。何しろ、解党的出直しは今の党執行部にとって権力が揺らぐ話でもあります。よほど決断力があるか、危機的状況でない限り、権力の座にある人間はそうした決断がしにくいものです。
一方で、自民の党員数が24年で547万人から89万人まで減少した記事もあります。産経ではそれを党費(年4000円)も負担、としていますが、新聞の購読を1月止めれば払えるぐらいの額であって、もしそれを負担と感じるほど国民が疲弊しているなら、そちらの方が問題でしょう。そもそも、政治を応援したい、というほどまともな政治が行われているとはとても思えず、国民の政治不信が沸騰しているのが現状でしょう。特に、国民がどれほど声を上げようと、政治がくみ上げようとしない。一部の特権階級の人間たちが、勝手に物事を決めていってしまう、という不満を国民は感じています。川内原発の商業運転開始、辺野古移設、消費税、労働法、そして安保と、それ以外にも実に様々なことで、国民にとって負担、不幸に感じることが永田町だけで決められています。
与党を応援しようと、野党を応援しようと、何も変わらない。党費なんて払うだけムダ、というのが多くの国民の感じることでしょう。ちょっと機関紙が配られたり、義務的に集会に呼ばれることも、面倒くさいと感じる。自分たちの声が反映される期待すらないのですから、これはもう政治離れどころではありません。国会の3分の2を占める巨大与党の党員が、有権者全体の100分の1ぐらいしかいない、という事実は極めて由々しき事態だということです。
米国のように、大統領選で地方廻りを1年近くやれば、その間に世論の声をどうしても吸い上げなくてはならなくなる。ナゼなら風によって有利、不利が様々に動くからです。その意味で、自民の総裁選など2週間ぐらいしか選挙戦がないのですから、期間も桁違いですが、その前に議論を深める機会もない、といった問題が浮上するでしょう。議論していく中で問題点がみえ、それを解消しよう、という努力もない。今の安保法案も同様ですが、議論する気がない政権側によって、ほとんど議論が深まらないまま採決に至ろうとしている。もし今のまま、安保法案が通ってしまえば、日本は一番大事な労働人口を、ごっそりとそちらにもっていかれる恐れすら、出てきてしまうのです。残念ながら、この国のモノづくりにトドメをさすことになるのかもしれない。益々、海外へと逃げだす企業が増えていく。それは海外で報じられる反安倍の動きとともに、日本は大丈夫か? という海外からの目を増やすことにもなっていくのでしょうね。
2015年09月12日
来週の市場予想
安倍首相が携帯電話の料金引き下げを、高市総務相に指示しました。支持率下落に焦り、国民ウケの良さそうな案を矢継ぎ早で打とう、という意図が透けて見えます。茨城の大雨被害の視察も、国会日程を優先した挙句、今日という日になりましたが、何ごともTPOを弁えないと意味がないのです。必要なとき、必要な場所で、状況を弁えて行動する。今、行方不明者の捜索や被害状況の把握につとめている段階で、安倍氏が行くべきではない。これも焦りの為せる行動なのでしょう。
その焦りを助長するのが、最近の株式市場の動向です。11日はメジャーSQにも関わらず、売買代金は3.47兆円、盛り上がりにも欠け、SQ値である18119円を上回ろう、という意図だけが透けてみえた印象でした。来週は材料てんこ盛りで見極め要因が多いとはいえ、SQ通過で値動きが軽くなったにしては、淋しいとしか言えない。今は配当権利がのっているので、日経平均は18264円ですが、権利落ちすると100円近く下がってしまうので、18000円を何とかキープしているぐらいでしかありません。日本独自の上げ材料が、某自民党議員の口先介入、というのも淋しいものです。
さらに官製賃上げや、携帯料金の引き下げなど、国が民間に介入するケースが目立ってきた。実は、新自由主義の経済とは逆行する動きともなっているのです。市場開放、規制緩和ではなく、政府介入で民間企業への圧力による国民負担の軽減。こうしたものをみて、外国人投資家が逃げ出している面も見逃せません。安倍ノミクスの成果が出ていないばかりでなく、海外の経済の潮流である新自由主義と反対する施策が目立つ。浜田氏などを招き、安倍ノミクスは新自由主義、という鍍金を貼ってきたものが、剥がれてきたことで期待値も下がってしまっています。
日本独自でみても、経済指標が頗る悪い。10日に発表された7月の機械受注は前月比3.6%減と、受注額は低水準に陥り、7-9月期の成長率見通しも下方修正せざるを得ない状況です。リセッションがみえてきた日本経済、外需が中国不安などで落ちこめば、下支え要因を失います。新自由主義とも異なる経済政策、それでリセッション入りを招くのですから、外国人投資家が売りたてることにも説明がつく。最近、先物市場で買い方トップに日系が収まることが多いのも、海外の見方と、国内の見方との乖離といった面が強く影響している面が否めません。
大胆に予測すれば、日銀の追加緩和はない。財務省主計畑の黒田日銀総裁にとって、17年4月の消費税増税10%達成にむけて、逆に15年度は低い方がいい。増税のタイミングから量ると、恐らく来年の4-6月ぐらいに追加緩和を打つか? といったところ。早くても1-3月に追加緩和すれば、半年後ぐらいに効果がでて、先送り判断を封じることが可能です。一方で、FRBは9月利上げが濃厚とみています。先送りしたとて今のところ年内利上げを目論んでいるのですから3ヶ月程度の話です。むしろ先送りすることのリスクの大きさを考えたら、やらないわけにはいかないとみています。
問題は、その2つを受けた市場の動きですが、今は株式、為替、債券市場が独自に判断して動くことが定番です。債券と為替は、追加利上げを織りこんできていますから、小幅に利益確定がでるとみています。米債券安と、ドル安。株式市場は追加緩和の織りこみ不足なので、下げる展開も予想されます。ただ、週明けからの動きもあるので不明な部分があるものの、織りこみという点だけをみれば、現時点では日本にとって円高、株安が起きるかもしれません。ただ16日、日本市場では17日になるFOMCの結果をうけた値動き、それに諸々の短期スジの思惑が絡んできますから、安倍氏の憂鬱はより深まる展開がつづくことになるのでしょうね。
その焦りを助長するのが、最近の株式市場の動向です。11日はメジャーSQにも関わらず、売買代金は3.47兆円、盛り上がりにも欠け、SQ値である18119円を上回ろう、という意図だけが透けてみえた印象でした。来週は材料てんこ盛りで見極め要因が多いとはいえ、SQ通過で値動きが軽くなったにしては、淋しいとしか言えない。今は配当権利がのっているので、日経平均は18264円ですが、権利落ちすると100円近く下がってしまうので、18000円を何とかキープしているぐらいでしかありません。日本独自の上げ材料が、某自民党議員の口先介入、というのも淋しいものです。
さらに官製賃上げや、携帯料金の引き下げなど、国が民間に介入するケースが目立ってきた。実は、新自由主義の経済とは逆行する動きともなっているのです。市場開放、規制緩和ではなく、政府介入で民間企業への圧力による国民負担の軽減。こうしたものをみて、外国人投資家が逃げ出している面も見逃せません。安倍ノミクスの成果が出ていないばかりでなく、海外の経済の潮流である新自由主義と反対する施策が目立つ。浜田氏などを招き、安倍ノミクスは新自由主義、という鍍金を貼ってきたものが、剥がれてきたことで期待値も下がってしまっています。
日本独自でみても、経済指標が頗る悪い。10日に発表された7月の機械受注は前月比3.6%減と、受注額は低水準に陥り、7-9月期の成長率見通しも下方修正せざるを得ない状況です。リセッションがみえてきた日本経済、外需が中国不安などで落ちこめば、下支え要因を失います。新自由主義とも異なる経済政策、それでリセッション入りを招くのですから、外国人投資家が売りたてることにも説明がつく。最近、先物市場で買い方トップに日系が収まることが多いのも、海外の見方と、国内の見方との乖離といった面が強く影響している面が否めません。
大胆に予測すれば、日銀の追加緩和はない。財務省主計畑の黒田日銀総裁にとって、17年4月の消費税増税10%達成にむけて、逆に15年度は低い方がいい。増税のタイミングから量ると、恐らく来年の4-6月ぐらいに追加緩和を打つか? といったところ。早くても1-3月に追加緩和すれば、半年後ぐらいに効果がでて、先送り判断を封じることが可能です。一方で、FRBは9月利上げが濃厚とみています。先送りしたとて今のところ年内利上げを目論んでいるのですから3ヶ月程度の話です。むしろ先送りすることのリスクの大きさを考えたら、やらないわけにはいかないとみています。
問題は、その2つを受けた市場の動きですが、今は株式、為替、債券市場が独自に判断して動くことが定番です。債券と為替は、追加利上げを織りこんできていますから、小幅に利益確定がでるとみています。米債券安と、ドル安。株式市場は追加緩和の織りこみ不足なので、下げる展開も予想されます。ただ、週明けからの動きもあるので不明な部分があるものの、織りこみという点だけをみれば、現時点では日本にとって円高、株安が起きるかもしれません。ただ16日、日本市場では17日になるFOMCの結果をうけた値動き、それに諸々の短期スジの思惑が絡んできますから、安倍氏の憂鬱はより深まる展開がつづくことになるのでしょうね。
2015年09月11日
雑感。安倍政権の目線
宮城でも大雨被害がありました。大雨、暴風になると防災無線が聞こえにくい、といった問題と、今回は避難勧告が間に合わなかった、という問題と。支流で流域範囲もせまい川で油断もあったのでしょうが、経験則が通じない今は、未曾有の事態に対処することになった際は、リスクサイドにより重きをおいて判断することが大事なのでしょう。これは行政がどれぐらい事前にリスク管理をしていたか? という問題とも重なり、その上でリスクを最大に重く見積もる、ということでもあります。能力のない行政機関はより大きな被害をだす、ということでもありますから、今後はそうしたこともまた住民の選別対象となっていくことでしょう。土地に執着がなければ、より安全な対応をしてくれる市町村へ移り住むことが、身を守る術だからです。
安倍首相が明日、常総市で視察を行います。しかし邪魔以外の何ものでもありません。まだ緊急対応の真っ最中であり、中央行政のトップは次のステップ、復興で何ができるかを考えるべきで、言葉は悪いですが物見遊山とパフォーマンスとしか思えません。対策本部にずっと膝詰めで張り付いていたわけでもなく、思いつきなら今は止めるべきです。しかしそうした判断もできず、支持率下落に焦っているなら、今後も逆効果になりかねない事例が増えてくることでしょう。
改正労働者派遣法が衆院で可決、成立しました。業務の区分がなくなり、同一職場での労働が3年に限定される。使い捨て、という以上に派遣社員にとっても不利なシステムで、仕事に慣れ、職場環境も落ち着いてきたところで強制的に打ち切り、となってしまいます。大企業病というと、重大な決断ができず、冒険できない症状を指しますが、安倍政権の大企業病は異なる症状で、もっと深刻です。法人税減税の議論も、20%台などと語られますが、安倍政権は常に企業目線、しかも大企業との付き合いが深く、そこからの目線しかもち得ていないのですから、デフレ脱却など不可能です。肝心の消費を上げる策がプレミアム商品券だけなのですから。目標と施策とがまるで合致していない。消費者目線に立てない、それが安倍政権の罹患する大企業病です。
SEALsのメンバーがテレビで某解説員と討論した件が話題です。しかしこの某解説員、政治関連の番組によく出演しますが、安倍氏と会食することで、そこででた話題をネタとして披露することも多い、解説員どころか『会食員』です。しかも長く政治に携わり、過去のネタも挟みながらですから、大学生ぐらいが可能はずもありません。そんな解説員にとって安倍氏はメシ友であると同時に、メシの種なのですから、徹底的に擁護に回るのであって、太刀打ちできるはずもないのです。むしろ、そんな条件で番組をつくること自体、安倍氏への応援の意味を含むのでしょう。
衆院が16日参院採決を求め、参院は18日採決としたいところ、15、16日と公聴会を開くことで、17日と間をとって採決する案が濃厚となってきました。シルバーウィークで反対デモが拡大すると収拾がつかなくなる。来週内に、との意向を最低限担保した形です。しかし本来、大雨被害に視察にいくぐらいなら今日の参院本会議を延期して、危機対応にあたるべきなのです。昨日とて、関係閣僚会議が10分だけ、という話もでていますが、安保法案では国民の安全、安心を謳う割りに、安倍氏の態度がそれとまったく相応しくない。安保法案を通すためだけに、躍起になっている風にしか見えないのです。国民のニーズに応えられず、自らの都合ばかりを優先するような企業の製品は、誰も買いません。安倍政権も同じです。国民の声を吸い上げず、こうした重要法案の公聴会を中央、地方の1日ずつ。本来であれば、北海道から沖縄まで、最低でも6箇所ぐらいで公聴会を開いても何ら不自然ではないにも関わらず、日程優先でそれも省いてしまう。安倍政権という大企業の株は、コンプライアンスが働いていないこともあって、経営陣(内閣改造)ぐらいでお茶を濁されても、今後も落ち続けていくことになるのでしょうね。
安倍首相が明日、常総市で視察を行います。しかし邪魔以外の何ものでもありません。まだ緊急対応の真っ最中であり、中央行政のトップは次のステップ、復興で何ができるかを考えるべきで、言葉は悪いですが物見遊山とパフォーマンスとしか思えません。対策本部にずっと膝詰めで張り付いていたわけでもなく、思いつきなら今は止めるべきです。しかしそうした判断もできず、支持率下落に焦っているなら、今後も逆効果になりかねない事例が増えてくることでしょう。
改正労働者派遣法が衆院で可決、成立しました。業務の区分がなくなり、同一職場での労働が3年に限定される。使い捨て、という以上に派遣社員にとっても不利なシステムで、仕事に慣れ、職場環境も落ち着いてきたところで強制的に打ち切り、となってしまいます。大企業病というと、重大な決断ができず、冒険できない症状を指しますが、安倍政権の大企業病は異なる症状で、もっと深刻です。法人税減税の議論も、20%台などと語られますが、安倍政権は常に企業目線、しかも大企業との付き合いが深く、そこからの目線しかもち得ていないのですから、デフレ脱却など不可能です。肝心の消費を上げる策がプレミアム商品券だけなのですから。目標と施策とがまるで合致していない。消費者目線に立てない、それが安倍政権の罹患する大企業病です。
SEALsのメンバーがテレビで某解説員と討論した件が話題です。しかしこの某解説員、政治関連の番組によく出演しますが、安倍氏と会食することで、そこででた話題をネタとして披露することも多い、解説員どころか『会食員』です。しかも長く政治に携わり、過去のネタも挟みながらですから、大学生ぐらいが可能はずもありません。そんな解説員にとって安倍氏はメシ友であると同時に、メシの種なのですから、徹底的に擁護に回るのであって、太刀打ちできるはずもないのです。むしろ、そんな条件で番組をつくること自体、安倍氏への応援の意味を含むのでしょう。
衆院が16日参院採決を求め、参院は18日採決としたいところ、15、16日と公聴会を開くことで、17日と間をとって採決する案が濃厚となってきました。シルバーウィークで反対デモが拡大すると収拾がつかなくなる。来週内に、との意向を最低限担保した形です。しかし本来、大雨被害に視察にいくぐらいなら今日の参院本会議を延期して、危機対応にあたるべきなのです。昨日とて、関係閣僚会議が10分だけ、という話もでていますが、安保法案では国民の安全、安心を謳う割りに、安倍氏の態度がそれとまったく相応しくない。安保法案を通すためだけに、躍起になっている風にしか見えないのです。国民のニーズに応えられず、自らの都合ばかりを優先するような企業の製品は、誰も買いません。安倍政権も同じです。国民の声を吸い上げず、こうした重要法案の公聴会を中央、地方の1日ずつ。本来であれば、北海道から沖縄まで、最低でも6箇所ぐらいで公聴会を開いても何ら不自然ではないにも関わらず、日程優先でそれも省いてしまう。安倍政権という大企業の株は、コンプライアンスが働いていないこともあって、経営陣(内閣改造)ぐらいでお茶を濁されても、今後も落ち続けていくことになるのでしょうね。
2015年09月10日
雑感。茨城の大雨被害
茨城県で鬼怒川の堤防が決壊、大変な被害がでています。しかし今回、随分と逃げ遅れた人が多い。朝から水が堤防を越えていた、という話もあって、避難警報などの体制がととのっていたのか? など疑問も湧きます。また鬼怒川かどうか定かではありませんが、茨城を通ったとき、川幅に対して堤防が近い、と感じたことがあります。川の近くまで田んぼにしたり、住宅にしたり、利用することで経済的には利もありますが、大水に余裕がなくなります。またそうした川は川底に土砂我たまり、どんどん高くなって流域の土地よりも上がってしまう。茨城ばかりでなく、東京もそうした土地が多いので、これは日本全国同様に危険のある話となります。
ゲスの勘繰りですが、安倍政権は内心ほくそ笑んでいるかもしれません。災害時、自衛隊の救助が脚光を浴び、存在のありがたみを感じます。安保法制と、災害救助は似て非なるものですが、安保法案を通し易くなる。またこの報道に多くを割かれ、安保法案の強行採決が目立たなくなるかもしれない。政権にとって都合いい面があるからです。しかしもう一歩踏みこめば、例えば自衛隊が米軍支援で海外派兵されているとき、つまり手薄になっているとき、広域災害がおこったら、自衛隊が対応できるのか? そのために兵員増強などという話になったら本末転倒ですが、米国のように予備兵を多く抱えるか、常在兵力を過大なものとしておかないと、いざ二つ、三つと活動の場が広がる際には対処できないのです。安倍政権はこの点、ほとんど説明がありません。
ISILがその機関誌で、日本の外交使節への攻撃を示唆しました。ISILと敵対する米国主導の「連合国」の一員に、日本も入れられた。勿論これは先の人質事件からの流れであり、広義ではカイロ演説に端を発することは間違いありません。ISILに敵対する国に240億円の支援、として怒りを買い、安倍氏の思惑通りに連合国入りを果たし、テロに狙われる国になったのです。
しかも、戦争以上にこうした突発的なテロ、個人や団体を狙うケースでは、よりインテリジェンスが求められる。むしろ自衛隊より外交、諜報がモノをいうのですが、安倍政権では自衛隊の活動範囲の拡大には注力しても、こうした外交、諜報にはまったくと言っていいほど無関心で、未だに劣った状況がつづきます。これでは何も守れない。むしろ危険を増やすだけで、自衛隊ですら海外の活動で狙われる。国内でもテロの危険が増す、ということにつながりかねません。
安倍政権のインテリジェンス、情報戦で象徴的なのが、今日も相場急落で某自民党議員が「追加緩和」を匂わせました。口先介入どころか、風説の流布のごとき内容で、いわゆる相場操縦のような形です。国内向けにはこうした虚構をふりまき、自分たちの思惑通りに動かそうとの意図が透けますが、国外でそれは誤ったメッセージと受け止められる。勇ましくカイロ演説をした安倍氏が、人質事件ですぐに前言を翻すなど、情報発信からそれが与える影響、波及についての考察が乏しく、意図せざる状況に追いこまれて撤回、見直しということをくり返します。
今回の大雨災害も、一義的には地方自治体の責任ですが、鬼怒川は一級河川であり、国土交通省の所管です。堤防がけずられていた、などの話もあって、どこか歪んだ行政の結果として、今回の大きな被害を生んだのではないか。それはウソで糊塗しても、一穴開いてしまえばボロが出る状況とも似ています。被害が出てからの対応より、被害がでないようにする対応が評価される、ということであれば、今回はお粗末な行政の結果という面も指摘できるでしょう。結局、そうした失敗の尻拭いに自衛隊員が危険にさらされてしまうのが、今の政治の限界でもあるのでしょうね。
ゲスの勘繰りですが、安倍政権は内心ほくそ笑んでいるかもしれません。災害時、自衛隊の救助が脚光を浴び、存在のありがたみを感じます。安保法制と、災害救助は似て非なるものですが、安保法案を通し易くなる。またこの報道に多くを割かれ、安保法案の強行採決が目立たなくなるかもしれない。政権にとって都合いい面があるからです。しかしもう一歩踏みこめば、例えば自衛隊が米軍支援で海外派兵されているとき、つまり手薄になっているとき、広域災害がおこったら、自衛隊が対応できるのか? そのために兵員増強などという話になったら本末転倒ですが、米国のように予備兵を多く抱えるか、常在兵力を過大なものとしておかないと、いざ二つ、三つと活動の場が広がる際には対処できないのです。安倍政権はこの点、ほとんど説明がありません。
ISILがその機関誌で、日本の外交使節への攻撃を示唆しました。ISILと敵対する米国主導の「連合国」の一員に、日本も入れられた。勿論これは先の人質事件からの流れであり、広義ではカイロ演説に端を発することは間違いありません。ISILに敵対する国に240億円の支援、として怒りを買い、安倍氏の思惑通りに連合国入りを果たし、テロに狙われる国になったのです。
しかも、戦争以上にこうした突発的なテロ、個人や団体を狙うケースでは、よりインテリジェンスが求められる。むしろ自衛隊より外交、諜報がモノをいうのですが、安倍政権では自衛隊の活動範囲の拡大には注力しても、こうした外交、諜報にはまったくと言っていいほど無関心で、未だに劣った状況がつづきます。これでは何も守れない。むしろ危険を増やすだけで、自衛隊ですら海外の活動で狙われる。国内でもテロの危険が増す、ということにつながりかねません。
安倍政権のインテリジェンス、情報戦で象徴的なのが、今日も相場急落で某自民党議員が「追加緩和」を匂わせました。口先介入どころか、風説の流布のごとき内容で、いわゆる相場操縦のような形です。国内向けにはこうした虚構をふりまき、自分たちの思惑通りに動かそうとの意図が透けますが、国外でそれは誤ったメッセージと受け止められる。勇ましくカイロ演説をした安倍氏が、人質事件ですぐに前言を翻すなど、情報発信からそれが与える影響、波及についての考察が乏しく、意図せざる状況に追いこまれて撤回、見直しということをくり返します。
今回の大雨災害も、一義的には地方自治体の責任ですが、鬼怒川は一級河川であり、国土交通省の所管です。堤防がけずられていた、などの話もあって、どこか歪んだ行政の結果として、今回の大きな被害を生んだのではないか。それはウソで糊塗しても、一穴開いてしまえばボロが出る状況とも似ています。被害が出てからの対応より、被害がでないようにする対応が評価される、ということであれば、今回はお粗末な行政の結果という面も指摘できるでしょう。結局、そうした失敗の尻拭いに自衛隊員が危険にさらされてしまうのが、今の政治の限界でもあるのでしょうね。
2015年09月09日
株価の急騰と安倍ノミクス第2ステージ?
日経平均が1343円高の18770.51円、上げ幅は21年7ヶ月ぶりとなりました。ただこれは昨日が日本市場だけ独歩安となり、2日間の騰落でみると5%程度なので、中国市場と同等というレベルです。昨日の日本市場は、中国貿易統計の悪化を素直に映しましたが、引けた後で中国当局の政策期待が盛り上がってきた。期待だけで形は一切ありませんし、中身も分かりませんが、これが売り方の買戻しを誘発し、世界同時株高という形を引き起こし、遅れた日本が追いついた、というのが今日です。売買代金も3兆円ちょっとと盛り上がりにも欠け、先物でもロールオーバーと違う買いを入れたのは、ぶん回しの得意な欧州系と、結果より中身はあまり芳しくありません。
リスクオンで株買い、とも語られますが、世界全体で盛り上がりつつあるのが対策期待です。欧州ではドラギECB総裁が追加緩和を匂わせ、G20を過ぎて中国は政府が関与して市場コントロールし易くなった。日本でも安倍首相が再選を決め、安倍ノミクス第2ステージを訴え、米国でもFRBの利上げ延期、と市場が様々な期待を2日間で織り込んできた。しかしそれらの政策には、必ず副作用を伴いますが、それは起きないとの前提に立ってのリスクオン、ということになっています。
昨日発表された8月景気ウォッチャー調査、現状判断DIが前月比2.3pt減の49.3となり、節目の50も割れてきました。しかも『変わらない』まですべて減少し、『やや悪くなっている』が突出して増えた。項目別では、住宅関連以外すべてマイナスと良いところなしです。先行き判断DIも前月比3.7pt減の48.2と、こちらは現状判断以上に悪化が目立ち、景気減速が意識された形です。
判断理由の中にも株安、円高を意識するものがあり、市場動向が暗い影を落とし始めたことは間違いないのでしょう。一部で原油価格の下落から、ナフサ価格の下落を好機とみる向きはありますが、原料価格の高騰に一服感がでる、ということは消費に減速感が出ているときであり、これが好感できる材料かは微妙です。今日は消費動向調査も発表され、41.7と前月比1.4pt上昇、前年同月比でも1.0pt上昇しています。ただこれは統計上のクセで、8月前半の株高の時期にとられたもので、後半にかけた株安は織りこんでいないとみられ、今後の動向には注目です。
4-6月期GDP改定値も数字は改善しましたが、在庫増、設備投資減と将来的には重しとなる結果でした。株式は20000円台を回復しない限り、いくら1300円以上あげようとマインド改善にはつながらないでしょう。しかし今日のように売り方の買戻しが中心で、特に引け間際の10分ぐらいなど、今日下がるとみて日中に売った分を、損切りで買い戻したような形で上げるとなると、明日以後の取引では売り方の動きも大分軽くなった、といえ、将来的には重しとなることでしょう。
信用売りが増え、裁定買い残は安倍ノミクス開始以来の最低レベル。買い方が頑張れる材料が、今日はそろっていたに過ぎません。安倍ノミクス第2ステージ、などとしますが、第1ステージが失敗している中、第2ステージの成長戦略の中身は何も変わっていないのですから、お客は集まりません。脚本に見せ場なし、役者は大根、しかも短期講演が確定しているこのステージに、一体何を期待すればいいのか? 安倍応援メディアは『長期政権も』などと書き立てますが、短期政権であることが明白となると、それこそ経済政策の期待値ですらもてなくなるのです。
一部で、今日の上昇は安倍氏再選を囃した、とするものもありますが、昨日ならまだしも1日遅れで織りこむほどの材料でもありません。ボラタイルな展開で、海外の長期投資家が益々にげだす中、国内の長期投資家だけが縛られ、逃げ出せない。運用実態が国内、海外と大きく違ってきており、これが第2ステージの幕開けというなら、結末は悲劇しか待っていないのかもしれませんね。
リスクオンで株買い、とも語られますが、世界全体で盛り上がりつつあるのが対策期待です。欧州ではドラギECB総裁が追加緩和を匂わせ、G20を過ぎて中国は政府が関与して市場コントロールし易くなった。日本でも安倍首相が再選を決め、安倍ノミクス第2ステージを訴え、米国でもFRBの利上げ延期、と市場が様々な期待を2日間で織り込んできた。しかしそれらの政策には、必ず副作用を伴いますが、それは起きないとの前提に立ってのリスクオン、ということになっています。
昨日発表された8月景気ウォッチャー調査、現状判断DIが前月比2.3pt減の49.3となり、節目の50も割れてきました。しかも『変わらない』まですべて減少し、『やや悪くなっている』が突出して増えた。項目別では、住宅関連以外すべてマイナスと良いところなしです。先行き判断DIも前月比3.7pt減の48.2と、こちらは現状判断以上に悪化が目立ち、景気減速が意識された形です。
判断理由の中にも株安、円高を意識するものがあり、市場動向が暗い影を落とし始めたことは間違いないのでしょう。一部で原油価格の下落から、ナフサ価格の下落を好機とみる向きはありますが、原料価格の高騰に一服感がでる、ということは消費に減速感が出ているときであり、これが好感できる材料かは微妙です。今日は消費動向調査も発表され、41.7と前月比1.4pt上昇、前年同月比でも1.0pt上昇しています。ただこれは統計上のクセで、8月前半の株高の時期にとられたもので、後半にかけた株安は織りこんでいないとみられ、今後の動向には注目です。
4-6月期GDP改定値も数字は改善しましたが、在庫増、設備投資減と将来的には重しとなる結果でした。株式は20000円台を回復しない限り、いくら1300円以上あげようとマインド改善にはつながらないでしょう。しかし今日のように売り方の買戻しが中心で、特に引け間際の10分ぐらいなど、今日下がるとみて日中に売った分を、損切りで買い戻したような形で上げるとなると、明日以後の取引では売り方の動きも大分軽くなった、といえ、将来的には重しとなることでしょう。
信用売りが増え、裁定買い残は安倍ノミクス開始以来の最低レベル。買い方が頑張れる材料が、今日はそろっていたに過ぎません。安倍ノミクス第2ステージ、などとしますが、第1ステージが失敗している中、第2ステージの成長戦略の中身は何も変わっていないのですから、お客は集まりません。脚本に見せ場なし、役者は大根、しかも短期講演が確定しているこのステージに、一体何を期待すればいいのか? 安倍応援メディアは『長期政権も』などと書き立てますが、短期政権であることが明白となると、それこそ経済政策の期待値ですらもてなくなるのです。
一部で、今日の上昇は安倍氏再選を囃した、とするものもありますが、昨日ならまだしも1日遅れで織りこむほどの材料でもありません。ボラタイルな展開で、海外の長期投資家が益々にげだす中、国内の長期投資家だけが縛られ、逃げ出せない。運用実態が国内、海外と大きく違ってきており、これが第2ステージの幕開けというなら、結末は悲劇しか待っていないのかもしれませんね。
2015年09月08日
消費税再増税にむけた軽減案?
自民党総裁選は結局、野田氏が推薦人を集められずに安倍氏の無投票再選になりました。安倍氏側からの激しい切り崩し工作、とされますが、人、物、金の三つとも実は安倍氏には準備し難い。まず人事権、これまでも半数以上がおトモダチで組閣、論功で入るのは小粒で問題のある古株ばかり。今回とてその流れが変わるはずもありません。公共工事などの地元への利益誘導も、概算要求ですら100兆円越えの中、特別枠を回すにしても相当に困難が伴う。安倍氏は金集めが下手ですから、実弾も少ない。実は切り崩し工作に使える原資は、かなり乏しいのが現状です。
官房機密費を党内工作につかっているとしたら論外ですが、今回はやはり『時間』を材料につかった、とみた方がよいのでしょう。支持率という条件付でしょうが、6月に辞職を条件とされたら、自民党内で誰も文句をいう人はいません。以前も指摘したので詳述はしませんが、切り崩し工作が成功するほど、自民党議員が納得できるのは終わりを決めたとみて間違いないのでしょう。安保法案潰し、とも言われた野田氏の動きは、衆院議員はすでに採決が終了しており関係ない。参院議員も、参院選に最良の選択をしてくれるなら、悪い条件ではありません。
しかしここに来て、不穏な動きがあります。まず消費税再増税にむけて、財務省がだしてきた負担軽減案、購入歴を把握して税還付する、というマイナンバーとの連動を示唆する内容ですが、まず店舗の端末の準備が間に合わない。また政府に国民一人一人の支出内訳を握られる、などはマイナンバー法の拡大解釈であり、個人情報を政府がどこまで握るのか? という意味でも問題を残します。さらに公明は公約としていた軽減税率ではなく、不満たらたらです。
意外なのは、安倍政権応援メディアの一つ、読売がこの軽減案に大反対のキャンペーンを張っている点です。安倍政権はすでに財務省に白旗を上げており、読売が抵抗するのも違和感がある。メディアをつかって財務省離れを促したいのか? こんな案が通ってしまえば国民の怒りがさらに助長され、安倍政権への逆風が吹き荒れることを恐れているのか? 前者なら消費税再増税阻止の思惑もありそうですが、後者なら極めて深刻な事態を懸念しているのかもしれません。
麻生財務相が「カードをもっていかなければ還付が受け取れないだけ」と述べていますが、政府が補助金をだしても、端末を導入できるのは余裕のある店舗のみ。むしろ薄利多売を標榜する小売では、コスト負担と客の回転率が落ちる、という二つの意味で苦境に陥ります。安売りを防ぎ、インフレ誘導を促す、といった政府の方針とも一致しますが、国民負担は増大します。
また端末の保守、メンテナンスを怠れば、直接ホスト端末と情報をやりとりできるのですから、よいウィルスの仕込み場ともなるでしょう。逆にいえば、それらを加味すると端末を導入できるのは高級店のみ。個人商店や小規模なスーパーでも導入が難しい。この税還付は、庶民イジメとも映るのです。高級店で買い物をし、食事をする人間にはちゃんと税還付が、そうでない庶民は税還付も受けられず、重税感ばかり圧し掛かる。そして小規模な小売は、ますます淘汰されていくでしょう。大企業優遇、これも安倍政権の方針とは合致してきます。
インフレ誘導、大企業優遇、国民負担は端末の導入、システムの構築、維持、メンテナンスという面からも増大することが確実です。さらに言えば、金融機関には手数料収入が入り、マイナンバーによるシステム導入負担を、そうした面からも補える。まさに国民の情報管理を公然とできる財務省、金融機関、巨大資本による小売、飲食業等が栄えて、国民ばかり苦しむ。これがこの軽減案の正体です。まともな人間なら反対して然るべきですが、自民党は財務省と組んで、この案を通そうと動きだした。安倍政権に更なる逆風が襲うことは確実であり、6月寿命にしても延命策が必要となりそうですが、読売の反対がそのカンフル剤もないことを見越しているなら、この案の真実が国民に知れ渡ったとき、突然死を迎えることになるのかもしれませんね。
官房機密費を党内工作につかっているとしたら論外ですが、今回はやはり『時間』を材料につかった、とみた方がよいのでしょう。支持率という条件付でしょうが、6月に辞職を条件とされたら、自民党内で誰も文句をいう人はいません。以前も指摘したので詳述はしませんが、切り崩し工作が成功するほど、自民党議員が納得できるのは終わりを決めたとみて間違いないのでしょう。安保法案潰し、とも言われた野田氏の動きは、衆院議員はすでに採決が終了しており関係ない。参院議員も、参院選に最良の選択をしてくれるなら、悪い条件ではありません。
しかしここに来て、不穏な動きがあります。まず消費税再増税にむけて、財務省がだしてきた負担軽減案、購入歴を把握して税還付する、というマイナンバーとの連動を示唆する内容ですが、まず店舗の端末の準備が間に合わない。また政府に国民一人一人の支出内訳を握られる、などはマイナンバー法の拡大解釈であり、個人情報を政府がどこまで握るのか? という意味でも問題を残します。さらに公明は公約としていた軽減税率ではなく、不満たらたらです。
意外なのは、安倍政権応援メディアの一つ、読売がこの軽減案に大反対のキャンペーンを張っている点です。安倍政権はすでに財務省に白旗を上げており、読売が抵抗するのも違和感がある。メディアをつかって財務省離れを促したいのか? こんな案が通ってしまえば国民の怒りがさらに助長され、安倍政権への逆風が吹き荒れることを恐れているのか? 前者なら消費税再増税阻止の思惑もありそうですが、後者なら極めて深刻な事態を懸念しているのかもしれません。
麻生財務相が「カードをもっていかなければ還付が受け取れないだけ」と述べていますが、政府が補助金をだしても、端末を導入できるのは余裕のある店舗のみ。むしろ薄利多売を標榜する小売では、コスト負担と客の回転率が落ちる、という二つの意味で苦境に陥ります。安売りを防ぎ、インフレ誘導を促す、といった政府の方針とも一致しますが、国民負担は増大します。
また端末の保守、メンテナンスを怠れば、直接ホスト端末と情報をやりとりできるのですから、よいウィルスの仕込み場ともなるでしょう。逆にいえば、それらを加味すると端末を導入できるのは高級店のみ。個人商店や小規模なスーパーでも導入が難しい。この税還付は、庶民イジメとも映るのです。高級店で買い物をし、食事をする人間にはちゃんと税還付が、そうでない庶民は税還付も受けられず、重税感ばかり圧し掛かる。そして小規模な小売は、ますます淘汰されていくでしょう。大企業優遇、これも安倍政権の方針とは合致してきます。
インフレ誘導、大企業優遇、国民負担は端末の導入、システムの構築、維持、メンテナンスという面からも増大することが確実です。さらに言えば、金融機関には手数料収入が入り、マイナンバーによるシステム導入負担を、そうした面からも補える。まさに国民の情報管理を公然とできる財務省、金融機関、巨大資本による小売、飲食業等が栄えて、国民ばかり苦しむ。これがこの軽減案の正体です。まともな人間なら反対して然るべきですが、自民党は財務省と組んで、この案を通そうと動きだした。安倍政権に更なる逆風が襲うことは確実であり、6月寿命にしても延命策が必要となりそうですが、読売の反対がそのカンフル剤もないことを見越しているなら、この案の真実が国民に知れ渡ったとき、突然死を迎えることになるのかもしれませんね。
2015年09月07日
自民党総裁選が風雲急?
明日の自民党総裁選の告示にむけ、党内が慌しくなってきました。野田聖子氏の出馬が取り沙汰され、総裁選を戦うとなれば様々な影響がでてくるからです。まず、野田氏はここで名を売ることのできる点が大きいのは元より、まったく勝ち目のない戦いでない、と考えているフシがあります。まず議員票はほとんど安倍氏が固めているようにみえますが、問題は地方票、党員票です。
安保法制に関して、地方から反論、反対活動が相次ぐように、前回の総裁選でもそうでしたが、安倍氏は地方に強くない。特に今回、地方選で敗北続きでもあり、また図らずも不戦敗となった選挙も結構多い。地方創生なんて掲げても、公共工事のバラマキと、商品券を発行するための補助金ぐらいで、長期の成長に役立つ施策はほとんどありません。円安で工場を日本に還流させる、といってきましたが、ほとんどの企業にそうした動きはなく、また地方に多い自営業が続々とつぶれているように、地方経済にとって深刻なダメージが発生し始めています。地方に不人気な安倍氏、もし党員票でダブルスコアをつけられたら、大恥どころの騒ぎではありません。
沖縄の話し合いが決裂したことも、中央の意向を押し通し、地方の意見に耳を貸さない安倍政権、との印象を強めたでしょう。大阪自民も、維新に肩入れする安倍氏に不満を抱えている。しかも以前予想したように、安倍政権が来年6月までの寿命なら、冷遇期間も短くて済む。むしろ反安倍でいる方がそのとき有利では…との思惑まで広がります。さらに党員票で安倍氏が大差をつけられているのに、議員票でひっくり返したら選挙で…との恐怖心も働いてくるでしょう。
国会では、総裁選中は一切の審議が止まる懸念がある。そもそもこのタイミングに総裁選を行い、対立候補つぶしを画策したのですが、失敗すればそうなります。これは単なる安倍政権の力量不足が招く事態です。しかも安保法案の審議が止まるから出馬するな、とは表だって言えない。それは、元々安保法案に反対の議員が野田氏につく事態を誘発することになりかねないからです。安保法案について、選挙の公約で明記されていたわけでもなく、ごり押しする政権に反対する有権者も多い。次の選挙を安倍政権で戦わないなら、刺客を送られることもなく、また反対の多い有権者に訴えるよい材料ともなる。安倍政権が殊更に「審議を止めるな」といえば、安保法案の審議を止めるために行動したのだ、という主張をする議員を誘発するかもしれないのです。
安倍氏が「野田氏と一緒の選挙カーに乗りたくない」と言ったと伝わります。ただこれは二面あって、野田氏を下にみている、という効果と、総裁選自体をやりたくない、という意味と。討論が苦手、主張が下手、都合が悪くなると興奮して早口になり、何を言っているか分からなくなる、というのが安倍氏の弱点です。声質が甲高いため、人の心がつかめず、弁論にも冴えがないのですから、安倍氏が総裁選を戦いたくない、と考えるのは自然です。さらに総裁選、安保法制を初めとした国会対応ともなれば、疲労とストレスが一気に安倍氏を襲うでしょう。堪えられる健康状態であるかどうかも、安倍氏の今後について不安を生じさせるところです。
野田氏を推す、安保法案に反対の古賀氏が名誉会長をつとめる岸田派以外にも、安倍政権で冷遇されつづけた古株が、一気に野田氏支持で雪崩をうつかもしれない。おトモダチの閣僚就任がほとんどですから、安倍氏と距離を置いてきた議員には、乾坤一擲という気持ちも湧くでしょう。7月にももう一度あるかもしれない総裁選を睨み、この総裁選で一気に決めてしまうのか? それを切り崩す安倍氏の唯一の策は「6月には辞職する」と、参院側に確約することで、参院議員固めをすることなのでしょう。どういう展開になっても屈辱的な対応を強いられそうな安倍政権、選挙カーに乗りたくないどころか、総理の座を下車するタイミングを自ら決め、残り1年もない期間を逆風の中で耐え続けるのか? 選挙には出馬、と馬がつく言葉を用いますが、安倍氏のたどるのは塞翁が馬なのか。馬が合う人ばかりと付き合い、周りにおき、馬の耳に念仏とばかりに国民の声を無視してきただけに、下馬評が気がかりになってきた。ハナムケとは、馬の鼻先を旅立つ方にむけたことからでた言葉ですが、その旅立ちは不幸なことになりかねなくなっているのでしょうね。
安保法制に関して、地方から反論、反対活動が相次ぐように、前回の総裁選でもそうでしたが、安倍氏は地方に強くない。特に今回、地方選で敗北続きでもあり、また図らずも不戦敗となった選挙も結構多い。地方創生なんて掲げても、公共工事のバラマキと、商品券を発行するための補助金ぐらいで、長期の成長に役立つ施策はほとんどありません。円安で工場を日本に還流させる、といってきましたが、ほとんどの企業にそうした動きはなく、また地方に多い自営業が続々とつぶれているように、地方経済にとって深刻なダメージが発生し始めています。地方に不人気な安倍氏、もし党員票でダブルスコアをつけられたら、大恥どころの騒ぎではありません。
沖縄の話し合いが決裂したことも、中央の意向を押し通し、地方の意見に耳を貸さない安倍政権、との印象を強めたでしょう。大阪自民も、維新に肩入れする安倍氏に不満を抱えている。しかも以前予想したように、安倍政権が来年6月までの寿命なら、冷遇期間も短くて済む。むしろ反安倍でいる方がそのとき有利では…との思惑まで広がります。さらに党員票で安倍氏が大差をつけられているのに、議員票でひっくり返したら選挙で…との恐怖心も働いてくるでしょう。
国会では、総裁選中は一切の審議が止まる懸念がある。そもそもこのタイミングに総裁選を行い、対立候補つぶしを画策したのですが、失敗すればそうなります。これは単なる安倍政権の力量不足が招く事態です。しかも安保法案の審議が止まるから出馬するな、とは表だって言えない。それは、元々安保法案に反対の議員が野田氏につく事態を誘発することになりかねないからです。安保法案について、選挙の公約で明記されていたわけでもなく、ごり押しする政権に反対する有権者も多い。次の選挙を安倍政権で戦わないなら、刺客を送られることもなく、また反対の多い有権者に訴えるよい材料ともなる。安倍政権が殊更に「審議を止めるな」といえば、安保法案の審議を止めるために行動したのだ、という主張をする議員を誘発するかもしれないのです。
安倍氏が「野田氏と一緒の選挙カーに乗りたくない」と言ったと伝わります。ただこれは二面あって、野田氏を下にみている、という効果と、総裁選自体をやりたくない、という意味と。討論が苦手、主張が下手、都合が悪くなると興奮して早口になり、何を言っているか分からなくなる、というのが安倍氏の弱点です。声質が甲高いため、人の心がつかめず、弁論にも冴えがないのですから、安倍氏が総裁選を戦いたくない、と考えるのは自然です。さらに総裁選、安保法制を初めとした国会対応ともなれば、疲労とストレスが一気に安倍氏を襲うでしょう。堪えられる健康状態であるかどうかも、安倍氏の今後について不安を生じさせるところです。
野田氏を推す、安保法案に反対の古賀氏が名誉会長をつとめる岸田派以外にも、安倍政権で冷遇されつづけた古株が、一気に野田氏支持で雪崩をうつかもしれない。おトモダチの閣僚就任がほとんどですから、安倍氏と距離を置いてきた議員には、乾坤一擲という気持ちも湧くでしょう。7月にももう一度あるかもしれない総裁選を睨み、この総裁選で一気に決めてしまうのか? それを切り崩す安倍氏の唯一の策は「6月には辞職する」と、参院側に確約することで、参院議員固めをすることなのでしょう。どういう展開になっても屈辱的な対応を強いられそうな安倍政権、選挙カーに乗りたくないどころか、総理の座を下車するタイミングを自ら決め、残り1年もない期間を逆風の中で耐え続けるのか? 選挙には出馬、と馬がつく言葉を用いますが、安倍氏のたどるのは塞翁が馬なのか。馬が合う人ばかりと付き合い、周りにおき、馬の耳に念仏とばかりに国民の声を無視してきただけに、下馬評が気がかりになってきた。ハナムケとは、馬の鼻先を旅立つ方にむけたことからでた言葉ですが、その旅立ちは不幸なことになりかねなくなっているのでしょうね。
2015年09月06日
株式市場について
週末に8月米雇用統計が発表され、非農業部門の雇用者数が17.3万人増、失業率は5.1%、時間あたり賃金も上昇するなど、好悪両面があって、リスクオフの市場ではこれまでのようにイイトコどりというわけにもいかず、米市場は大幅下落、為替もドル安円高と、利上げを織りこみながらリスクオフで円買い、とかなり乱暴な動きとなりました。先に、ドラギECB総裁が追加緩和に言及し、ユーロ安がすすんだ流れもあって、今後は円安による業績の効果が利きにくい状況がつづきます。
かといって日銀に追加緩和の手はほとんどない。むしろ、市場が追加緩和を期待するのは、自分たちが立てた今期の業績予想に届かない、それを達成させるため、という意図が強いようにも感じます。ECBとて打つ手は限られ、恐らく資産購入のような量的緩和の拡大を小幅に増強するぐらいしかできない。一部で、米FRBの引き締めは遅すぎた、という議論も巻き起こっているように、緩和の手は打つときは思い切りだけでできますが、やればやるだけ閉じるのが難しくなる諸刃の剣です。
株式市場について、年度末までにもう一度20000円越え、さらに23000円、30000円などと景気のいい話をするところもあります。しかし残念ながら、そうはならないでしょう。まず今回の下落、中国経済の『不安』から発生しただけで、実体経済がどれほど悪化しているのか、は今後明らかになる。それが二番底ぐらいでしょう。そしてさらに、これだけのバブルを起こした後は、必ず半年ぐらいしてから金融破たんが起こります。それで大底、何らかの対策を世界と協調して打つことで、やっと反転です。ただ反転といっても底練りがつづくのか、一気に切り返せるかは対策次第で、失敗すればさらに底を探りにいく。これらは1年ぐらいかかる話です。
過去の事象と重ねて2〜3ヶ月で底打ち、そこから反転とするデータもあるようですが、それはショックと呼ばれるようにすでに実体の悪化で急落した局面ならそうです。しかも対策に成功したから反転した。今回がそれに類するかは、まだ『不安』の段階でこれほど急落したのであって、先の長い話です。中国政府には財政的に余裕がある点を、対策が成功する理由とするものもありますが、どこの国もバブル崩壊に伴う対策は苦慮するものであり、出てきてみないと分からない話です。
週末に開かれたG20でも、中国に対策がありませんでした。中国における三つの過剰、生産設備、投資、在庫。景気を減速させずにこれらを解消するのは困難で、対策の打ちようもありません。日本のバブルとてこれほど酷くなかった。中国が本格的にバブル崩壊となれば、どんな不規則な弊害が飛び出してくるかは、まだ誰も完全に予測を立てることができないのです。
バブル崩壊が半年先なのか、1年先なのかは分かりません。もしかしたら、その間にもバブルを助長させ、延命をはかる措置がでるかもしれない。そのときは戻りを試すこともあるでしょうが、それを期待して待つのは愚策です。そういう策が出てきたとき、臨機に対応すればいい話で、何もその期待を市場が織りこむ必要もありません。むしろ今がそんな期待をすべて織りこもうとしてきたからこそ、リスクオフになると一気に売られているのですから。
日本の株式市場は当面、週末のメジャーSQと9月FOMCの思惑も働き、値幅のでる動きにもなりそうです。通常、様子見となりそうな場面ですが、今は短期スジが動かずとも大きな値幅がでる展開であり、これに短期スジが乗っかると大きな変動になりやすい局面でもあります。日本では日銀の追加緩和ぐらいしか、対策の手がない一方、その対策が対策とならない懸念すら付きまとう。一旦、強いリスクオフになった市場では、イイトコどりどころか、ワルイトコどりが活発になるものであり、この鳥は性質が悪いことはしっかりと頭に入れておいた方がよいのでしょうね。
かといって日銀に追加緩和の手はほとんどない。むしろ、市場が追加緩和を期待するのは、自分たちが立てた今期の業績予想に届かない、それを達成させるため、という意図が強いようにも感じます。ECBとて打つ手は限られ、恐らく資産購入のような量的緩和の拡大を小幅に増強するぐらいしかできない。一部で、米FRBの引き締めは遅すぎた、という議論も巻き起こっているように、緩和の手は打つときは思い切りだけでできますが、やればやるだけ閉じるのが難しくなる諸刃の剣です。
株式市場について、年度末までにもう一度20000円越え、さらに23000円、30000円などと景気のいい話をするところもあります。しかし残念ながら、そうはならないでしょう。まず今回の下落、中国経済の『不安』から発生しただけで、実体経済がどれほど悪化しているのか、は今後明らかになる。それが二番底ぐらいでしょう。そしてさらに、これだけのバブルを起こした後は、必ず半年ぐらいしてから金融破たんが起こります。それで大底、何らかの対策を世界と協調して打つことで、やっと反転です。ただ反転といっても底練りがつづくのか、一気に切り返せるかは対策次第で、失敗すればさらに底を探りにいく。これらは1年ぐらいかかる話です。
過去の事象と重ねて2〜3ヶ月で底打ち、そこから反転とするデータもあるようですが、それはショックと呼ばれるようにすでに実体の悪化で急落した局面ならそうです。しかも対策に成功したから反転した。今回がそれに類するかは、まだ『不安』の段階でこれほど急落したのであって、先の長い話です。中国政府には財政的に余裕がある点を、対策が成功する理由とするものもありますが、どこの国もバブル崩壊に伴う対策は苦慮するものであり、出てきてみないと分からない話です。
週末に開かれたG20でも、中国に対策がありませんでした。中国における三つの過剰、生産設備、投資、在庫。景気を減速させずにこれらを解消するのは困難で、対策の打ちようもありません。日本のバブルとてこれほど酷くなかった。中国が本格的にバブル崩壊となれば、どんな不規則な弊害が飛び出してくるかは、まだ誰も完全に予測を立てることができないのです。
バブル崩壊が半年先なのか、1年先なのかは分かりません。もしかしたら、その間にもバブルを助長させ、延命をはかる措置がでるかもしれない。そのときは戻りを試すこともあるでしょうが、それを期待して待つのは愚策です。そういう策が出てきたとき、臨機に対応すればいい話で、何もその期待を市場が織りこむ必要もありません。むしろ今がそんな期待をすべて織りこもうとしてきたからこそ、リスクオフになると一気に売られているのですから。
日本の株式市場は当面、週末のメジャーSQと9月FOMCの思惑も働き、値幅のでる動きにもなりそうです。通常、様子見となりそうな場面ですが、今は短期スジが動かずとも大きな値幅がでる展開であり、これに短期スジが乗っかると大きな変動になりやすい局面でもあります。日本では日銀の追加緩和ぐらいしか、対策の手がない一方、その対策が対策とならない懸念すら付きまとう。一旦、強いリスクオフになった市場では、イイトコどりどころか、ワルイトコどりが活発になるものであり、この鳥は性質が悪いことはしっかりと頭に入れておいた方がよいのでしょうね。
2015年09月05日
安倍氏の場当たり的対応
安倍氏が4日、関西のテレビ番組に出演するため大阪を訪れました。国会開会中であり、いわば椿事です。安倍氏を支持する側は、委員会出席も求められていないから問題ない、との論を述べますが、首相は求められずとも委員会に出席することが可能です。特に今回、中谷防衛相が答弁に窮する場面がめだち、言ってみれば部下の失態が相次いだ。そんなときに関西ローカル圏の番組に自ら出演する、というのは通常ありえません。鴻池参院平和安全法制特別委員会、委員長が不快感を示すのも当然で、国会軽視と云われても仕方ないような話です。
大阪訪問の理由は、橋下大阪市長と会わずとも、大阪維新の支援である点は間違いありません。言ってみれば参院採決に、大阪系の協力をとりつける。ひいては参院での大阪維新の勢力を拡大させるため、安倍氏がここまで気をつかっています、というアピールのためなのでしょう。しかし逆効果になりそうな気配です。まずこの行動自体、褒められたものではありません。しかも意図がかなりはっきりする分、関西の自民党支部も面白くない。大阪維新が勢力をのばせば、関西圏の自民が全滅する。それは将来に亘って、自民が関西では弱小勢力になる、といった長期の自民党にとって不都合な事態にもなります。こうした点からも、安倍氏が今しか見ていない、将来を俯瞰して長期戦略を練ることのできる人物でない、と分かります。一言でいえば『場当たり的』です。
共産党がふたたび爆弾を落としました。防衛省内議事録、中谷氏は省内の文書か確認中としますが、1日とかからず確認できるはずで、違うならすぐに否定するでしょうから、今は犯人探しの最中なのでしょう。しかも内容が酷い。統幕長が昨年、衆院選後すぐに「夏までに安保法案成立」を伝えていた。明らかな越権行為であり、更迭ものですが、この安保法案成立の重要な時期だけに、辞めさせるわけにもいかず、さらに発言からも明らかなように右より、親米という安倍氏とシンパシーを感じる間柄。処分すらままならず、省内の議事録かどうかも明言できないのが現状です。
しかも安倍氏への逆風は、株式市場からも吹き荒れます。8月29日までの世論調査で、支持率が回復する傾向も見受けられましたが、それも急落した株式市場が急反発した、やはり日本は安泰、との意識が広がっていたときです。しかし今週、二番底を探りに行く展開となり、先週は買い支えた国内勢の動きもぴたりと止まった。つまり国内勢も安倍政権、安倍ノミクスに懐疑的な見方をし始めた、ということを示します。外交も停滞、内政もガタガタ、それでも安倍政権を唯一支えてきた株価がおこした反乱は、いくら中国不安のせいにしても安倍政権に直接はね返ります。これから安倍政権の実績、とされてきた年金の運用実績なども、一気に逆回転をはじめ、そのたびに政権を苦しめることにもつながるからです。郵政の上場まで株高、などとのん気に構えていた国内勢も、この脆い市場をみて安倍政権への不満を口にするタイミングに来ています。
さらに安保法制のため、岩手県知事選などを不戦敗にしたことも、自民党の勢力伸張にはマイナスに働く。実に多くのものを失って得るのが安保法案の成立、ということですが、世論の反発が強いことは、反対派は12万人とする集会も、賛成派とする集会には500人しか集まらなかったことでも自明です。宣伝不足という事情があったとしても、賛成派の「憲法守って国を守れず」との主張には、明らかに齟齬があります。立憲主義をやめてしまえば国の形が変わる。安保法案の成立前と、成立後では『国』という定義そのものが大きく変わってしまうのです。
河野統幕長も、安倍氏の取りまきとしてみるなら、相変わらずの口の軽さと、思慮に欠けた軽率な人物として、これまでと同じ流れのうちにあるのでしょう。安倍氏を場当たり的としましたが、株式市場という相場も当たらなくなり、防衛という現場からも造反と思しき内部資料の流出がおきる。安倍氏のみている場が、身近な人物のことばかりで、しかも長期展望のない短期間のことであるのなら、もう安倍政権の存在自体が『場違い』ということにもなってきたのでしょうね。
大阪訪問の理由は、橋下大阪市長と会わずとも、大阪維新の支援である点は間違いありません。言ってみれば参院採決に、大阪系の協力をとりつける。ひいては参院での大阪維新の勢力を拡大させるため、安倍氏がここまで気をつかっています、というアピールのためなのでしょう。しかし逆効果になりそうな気配です。まずこの行動自体、褒められたものではありません。しかも意図がかなりはっきりする分、関西の自民党支部も面白くない。大阪維新が勢力をのばせば、関西圏の自民が全滅する。それは将来に亘って、自民が関西では弱小勢力になる、といった長期の自民党にとって不都合な事態にもなります。こうした点からも、安倍氏が今しか見ていない、将来を俯瞰して長期戦略を練ることのできる人物でない、と分かります。一言でいえば『場当たり的』です。
共産党がふたたび爆弾を落としました。防衛省内議事録、中谷氏は省内の文書か確認中としますが、1日とかからず確認できるはずで、違うならすぐに否定するでしょうから、今は犯人探しの最中なのでしょう。しかも内容が酷い。統幕長が昨年、衆院選後すぐに「夏までに安保法案成立」を伝えていた。明らかな越権行為であり、更迭ものですが、この安保法案成立の重要な時期だけに、辞めさせるわけにもいかず、さらに発言からも明らかなように右より、親米という安倍氏とシンパシーを感じる間柄。処分すらままならず、省内の議事録かどうかも明言できないのが現状です。
しかも安倍氏への逆風は、株式市場からも吹き荒れます。8月29日までの世論調査で、支持率が回復する傾向も見受けられましたが、それも急落した株式市場が急反発した、やはり日本は安泰、との意識が広がっていたときです。しかし今週、二番底を探りに行く展開となり、先週は買い支えた国内勢の動きもぴたりと止まった。つまり国内勢も安倍政権、安倍ノミクスに懐疑的な見方をし始めた、ということを示します。外交も停滞、内政もガタガタ、それでも安倍政権を唯一支えてきた株価がおこした反乱は、いくら中国不安のせいにしても安倍政権に直接はね返ります。これから安倍政権の実績、とされてきた年金の運用実績なども、一気に逆回転をはじめ、そのたびに政権を苦しめることにもつながるからです。郵政の上場まで株高、などとのん気に構えていた国内勢も、この脆い市場をみて安倍政権への不満を口にするタイミングに来ています。
さらに安保法制のため、岩手県知事選などを不戦敗にしたことも、自民党の勢力伸張にはマイナスに働く。実に多くのものを失って得るのが安保法案の成立、ということですが、世論の反発が強いことは、反対派は12万人とする集会も、賛成派とする集会には500人しか集まらなかったことでも自明です。宣伝不足という事情があったとしても、賛成派の「憲法守って国を守れず」との主張には、明らかに齟齬があります。立憲主義をやめてしまえば国の形が変わる。安保法案の成立前と、成立後では『国』という定義そのものが大きく変わってしまうのです。
河野統幕長も、安倍氏の取りまきとしてみるなら、相変わらずの口の軽さと、思慮に欠けた軽率な人物として、これまでと同じ流れのうちにあるのでしょう。安倍氏を場当たり的としましたが、株式市場という相場も当たらなくなり、防衛という現場からも造反と思しき内部資料の流出がおきる。安倍氏のみている場が、身近な人物のことばかりで、しかも長期展望のない短期間のことであるのなら、もう安倍政権の存在自体が『場違い』ということにもなってきたのでしょうね。
2015年09月04日
雑感。お金の話
7月毎月勤労統計が発表されました。現金給与総額は前年同月比0.6%増、実質賃金も0.3%増となり、良好な結果です。ただ家計調査との齟齬が気がかりです。家計調査では臨時収入・賞与が前年同月比、実質で11.5%増と、ボーナスが7月に後ズレした影響が顕著で、実収入も5.4%増と押し上げられた形です。しかし毎月勤労統計では、特別に支払われた給与が前年同月比0.3%増のみです。給与総額をみるとはっきりと、統計上のクセが示されますが、毎月勤労統計が367551円、家計調査が587156円。毎月勤労統計は事業者に、家計調査は2人以上の世帯に限って家計に調査をとるもので、対象に差があるとはいえ、統計上の整合がとりづらくなっています。
しかし毎月勤労統計でも、事業規模30人以上の製造業に限ってみると、給与総額が579440円、家計調査に近い数字であることが分かります。つまり家計調査は、円安の恩恵をうける製造業に勤める家計に、調査を依頼している傾向があり、さらに家計調査で消費支出が実質で0.2%も減となっていることも重ねると、円安の恩恵が国内に寄与していない。円安で稼いでいる製造業の従業員が、消費に回さない傾向もみてとれるのです。さらに毎月勤労統計で、事業規模の小さな企業の給与がほとんど増えていないように全国、全体へ波及していないことが、こうした点からも指摘できます。市場はここ数週間で、外国人投資家が今年買った分をすべて吐き出し、さらに安倍ノミクス開始以来、買ってきた分まで売ろうとしている、と指摘されます。安倍ノミクスの失敗が意識され、長期投資家まで逃げ出し始めた。これは市場にとってかなり重しとなる材料なのでしょう。
インドネシアで計画されていた高速鉄道、日中が受注競争を繰り広げる中、インドネシアは計画を白紙撤回しました。距離が短い、日中どちらに決めても禍根を残す、という以上に、インドネシアの経済不安も大きいのでしょう。中国の人民元切り下げ以後、不安定化する東南アジア経済の余波を見極めないと、大型の公共工事を発注できなくなった。この案件は様々な意味で注目していましたが、これは今後、世界の潮流となっていく動きです。そんな中、日本はAIIBに対抗するため、国際協力機構(JICA)はアジア開発銀とくんで、国際協力銀行(JBIC)もアジア向けインフラ投資を条件を緩和して拡大する、と言います。どうかしているとしか思えませんが、一度走りだしたら止まらない、行政の悪しき慣習によって、この2つは不良債権を大量に抱えこむのかもしれません。
来年度の概算要求が102兆4099億円と発表されました。国債の利払い費が2.6兆円増加する見通しですが、今の低い金利ですら、これだけ増えるのですから、仮に金利が上昇し始めると財政を著しく圧迫します。現状、この利払いは日銀からかなり還元されることにもなりますが、その日銀も今後、ETFやJ-REIT市場が変調し、債券安に見舞われれば、還元されることもなくなります。安倍政権では一貫して、財政再建には後ろ向きで、かつ成長もしていないのですから、国債の問題は日本の成長にとっても、極めて深刻な影響を及ぼしてくることでしょう。
江戸時代初期の人で、石田梅岩が「商人は買ってもらう人に自分が養われていると考え、相手を大切にして正直にすれば、大抵の場合に買い手の満足が得られます」と語っています。ずっと商家に奉公した人が感得した境地で、後に無料塾を開いて思想や経験を広めたのですが、今はこれに「企業は従業員を大切にして正直にすれば…」と、「政治家、公務員は国民を大切にして正直にすれば…」などが加わるのでしょう。日本が陥りかけている現状は『誰も幸せになれない国』です。実質賃金は上がらない、海外の市場も萎縮し、縮減するかもしれない、財政も悪化の一途、と良いところがまったくないのが現状なのです。安倍ノミクスが失敗した、その認識が世界中で共有されるかどうか、G20でも「相手を大切にして正直に」せず、ウソをつきつづけるなら、相手の満足はまったく得られない事態に陥りかねないのでしょうね。
しかし毎月勤労統計でも、事業規模30人以上の製造業に限ってみると、給与総額が579440円、家計調査に近い数字であることが分かります。つまり家計調査は、円安の恩恵をうける製造業に勤める家計に、調査を依頼している傾向があり、さらに家計調査で消費支出が実質で0.2%も減となっていることも重ねると、円安の恩恵が国内に寄与していない。円安で稼いでいる製造業の従業員が、消費に回さない傾向もみてとれるのです。さらに毎月勤労統計で、事業規模の小さな企業の給与がほとんど増えていないように全国、全体へ波及していないことが、こうした点からも指摘できます。市場はここ数週間で、外国人投資家が今年買った分をすべて吐き出し、さらに安倍ノミクス開始以来、買ってきた分まで売ろうとしている、と指摘されます。安倍ノミクスの失敗が意識され、長期投資家まで逃げ出し始めた。これは市場にとってかなり重しとなる材料なのでしょう。
インドネシアで計画されていた高速鉄道、日中が受注競争を繰り広げる中、インドネシアは計画を白紙撤回しました。距離が短い、日中どちらに決めても禍根を残す、という以上に、インドネシアの経済不安も大きいのでしょう。中国の人民元切り下げ以後、不安定化する東南アジア経済の余波を見極めないと、大型の公共工事を発注できなくなった。この案件は様々な意味で注目していましたが、これは今後、世界の潮流となっていく動きです。そんな中、日本はAIIBに対抗するため、国際協力機構(JICA)はアジア開発銀とくんで、国際協力銀行(JBIC)もアジア向けインフラ投資を条件を緩和して拡大する、と言います。どうかしているとしか思えませんが、一度走りだしたら止まらない、行政の悪しき慣習によって、この2つは不良債権を大量に抱えこむのかもしれません。
来年度の概算要求が102兆4099億円と発表されました。国債の利払い費が2.6兆円増加する見通しですが、今の低い金利ですら、これだけ増えるのですから、仮に金利が上昇し始めると財政を著しく圧迫します。現状、この利払いは日銀からかなり還元されることにもなりますが、その日銀も今後、ETFやJ-REIT市場が変調し、債券安に見舞われれば、還元されることもなくなります。安倍政権では一貫して、財政再建には後ろ向きで、かつ成長もしていないのですから、国債の問題は日本の成長にとっても、極めて深刻な影響を及ぼしてくることでしょう。
江戸時代初期の人で、石田梅岩が「商人は買ってもらう人に自分が養われていると考え、相手を大切にして正直にすれば、大抵の場合に買い手の満足が得られます」と語っています。ずっと商家に奉公した人が感得した境地で、後に無料塾を開いて思想や経験を広めたのですが、今はこれに「企業は従業員を大切にして正直にすれば…」と、「政治家、公務員は国民を大切にして正直にすれば…」などが加わるのでしょう。日本が陥りかけている現状は『誰も幸せになれない国』です。実質賃金は上がらない、海外の市場も萎縮し、縮減するかもしれない、財政も悪化の一途、と良いところがまったくないのが現状なのです。安倍ノミクスが失敗した、その認識が世界中で共有されるかどうか、G20でも「相手を大切にして正直に」せず、ウソをつきつづけるなら、相手の満足はまったく得られない事態に陥りかねないのでしょうね。
2015年09月03日
中国の抗日戦争勝利式典
マイナンバー改正法が成立しました。個人情報の漏出で、年金のようにウィルス感染も懸念されるところですが、実はブラック企業が従業員のマイナンバーを売る、といった懸念がもっとも強まります。今でも名簿の売買が活発ですが、加えて企業がマイナンバーの情報をヒモづけられ、個人情報の価値が上がります。早期退社した人間へのリベンジ情報売り、会社に損を与えたのだから代替として、個人情報を漏出させる、そんな事態が近づいているのかもしれません。
中国では抗日戦争・反ファシズム戦争勝利70周年の記念式典を行いました。異例の軍事パレードを行ったのも、国内の引き締め、愛国心の醸成と、米軍への牽制である点は間違いないでしょう。ただもう一つ、パレードは軍事兵器の展覧会、という面も忘れてはいけません。先進国は総じて兵器の輸出国です。中露も旧共産圏や反米勢力などに兵器を売ってきましたが、ここ最近は米軍の兵器開発で差をつけられる一方だった。米軍に対抗しうる兵器、そのアピールには絶好の場です。
しかし中国軍の無人兵器がどこまで実用的か? 米軍のように世界各地に監視衛星をとばし、GPSを保有し、ジオサットで地球全体を測位するぐらいまですれば操作精度は高まりますが、中国軍はそうではない。中国本土の運用か、近くにレーダー送信用の拠点を築かない限り、無人機は飛ばせないでしょう。ハード面は部品さえあればできても、ソフト面がまだ追いついていない。そんな事情も透けます。兵力30万人削減も、近代化の結果という以上に、人民解放軍が肥大化したままだとクーデターの恐れが拭えない。今回とて軍事費削減かと思いきや、近代化に予算を振り分ける、という。つまりもう軍事費削減には手をつけられず、軍の力が無視できなくなった、というのが本音です。経済が不安定化し、国民の不満が高まると、いつクーデターがおきてもおかしくない。軍事パレードで兵器を陳列し、海外に売りこむことは経済面からも必須といえます。
しかし中国兵器を欲しがる国は、ほとんどないでしょう。中国の人民元切り下げで新興国通貨も不安定化しており、経済危機を引き起こしかねない。中国発の不安に世界が飲みこまれつつあり、軍事費負担が重くなってきた。大陸間弾道ミサイルや対空母ミサイルなど、どこまで使えるか分からない兵器を、いくら安価だからといっても中国から積極的に買おうとする国はありません。
AIIBが融資基準を、アジア開発銀などの国際機関より緩和する見通しが伝わります。逆にいえば優良案件は少なく、緩和せざるを得ない、といった点もあるのでしょう。何より世界経済の減速懸念が強まっており、不良債権になる可能性が高まる中、融資基準を緩和して大丈夫なのか? 中国の政策当局者の不安は、世界が中国に寄りかかって経済成長した分の巻き戻しという意味で、より深刻なのでしょう。中国が他国に頼りたいと思っても、それを許さない現状があります。
欧米の首脳クラスが訪中しなかったのも、式典の意図に懸念という以上に、凋落をはじめた中国経済と距離をおきはじめた、そんな事情も透けます。殊更に平和を訴えた習近平主席、仲良くしようというときは大抵自分が弱ってきたとき、ということならば、中国の弱みばかりが浮き上がってきた。反ファシズムを謳いながら、自らがファシズムへと突っ走ってきた中国が、その軍事負担に耐えられないほど経済が失速するケースを、今後は想定しておいた方がよいのでしょうね。
中国では抗日戦争・反ファシズム戦争勝利70周年の記念式典を行いました。異例の軍事パレードを行ったのも、国内の引き締め、愛国心の醸成と、米軍への牽制である点は間違いないでしょう。ただもう一つ、パレードは軍事兵器の展覧会、という面も忘れてはいけません。先進国は総じて兵器の輸出国です。中露も旧共産圏や反米勢力などに兵器を売ってきましたが、ここ最近は米軍の兵器開発で差をつけられる一方だった。米軍に対抗しうる兵器、そのアピールには絶好の場です。
しかし中国軍の無人兵器がどこまで実用的か? 米軍のように世界各地に監視衛星をとばし、GPSを保有し、ジオサットで地球全体を測位するぐらいまですれば操作精度は高まりますが、中国軍はそうではない。中国本土の運用か、近くにレーダー送信用の拠点を築かない限り、無人機は飛ばせないでしょう。ハード面は部品さえあればできても、ソフト面がまだ追いついていない。そんな事情も透けます。兵力30万人削減も、近代化の結果という以上に、人民解放軍が肥大化したままだとクーデターの恐れが拭えない。今回とて軍事費削減かと思いきや、近代化に予算を振り分ける、という。つまりもう軍事費削減には手をつけられず、軍の力が無視できなくなった、というのが本音です。経済が不安定化し、国民の不満が高まると、いつクーデターがおきてもおかしくない。軍事パレードで兵器を陳列し、海外に売りこむことは経済面からも必須といえます。
しかし中国兵器を欲しがる国は、ほとんどないでしょう。中国の人民元切り下げで新興国通貨も不安定化しており、経済危機を引き起こしかねない。中国発の不安に世界が飲みこまれつつあり、軍事費負担が重くなってきた。大陸間弾道ミサイルや対空母ミサイルなど、どこまで使えるか分からない兵器を、いくら安価だからといっても中国から積極的に買おうとする国はありません。
AIIBが融資基準を、アジア開発銀などの国際機関より緩和する見通しが伝わります。逆にいえば優良案件は少なく、緩和せざるを得ない、といった点もあるのでしょう。何より世界経済の減速懸念が強まっており、不良債権になる可能性が高まる中、融資基準を緩和して大丈夫なのか? 中国の政策当局者の不安は、世界が中国に寄りかかって経済成長した分の巻き戻しという意味で、より深刻なのでしょう。中国が他国に頼りたいと思っても、それを許さない現状があります。
欧米の首脳クラスが訪中しなかったのも、式典の意図に懸念という以上に、凋落をはじめた中国経済と距離をおきはじめた、そんな事情も透けます。殊更に平和を訴えた習近平主席、仲良くしようというときは大抵自分が弱ってきたとき、ということならば、中国の弱みばかりが浮き上がってきた。反ファシズムを謳いながら、自らがファシズムへと突っ走ってきた中国が、その軍事負担に耐えられないほど経済が失速するケースを、今後は想定しておいた方がよいのでしょうね。
2015年09月02日
株式市場の乱高下
東京五輪エンブレムの問題を報じる米紙では、英語の『disgrace』をつかって『恥』とします。『shame』より屈辱的な意味合いが強く、新国立競技場の見直しから『新たな』をつけるなど、非常に辛らつです。つまり安倍ノミクス「3本の矢」から、安倍政権の施政下でおきた「3つの恥」と、今後は海外からの評価も定着しそうです。3つの恥、1つは新国立競技場、1つは東京五輪エンブレム、そしてもう1つは株価です。8月後半から、日本市場だけが異様にボラティリティーの高い展開をつづけており、ヘッジファンドから個人まで、アルゴリズム取引が浸透している米国では、稀にフラッシュクラッシュと呼ばれる急落を引き起こしたりはしますが、そうした状況でない日本が、これだけボラタイルな展開をつづけているのは先進国としては異例です。
今日の取引は、日中値幅が600円を越え、朝方の急落から急騰、小幅安までジェットコースター相場だったにも関わらず、現物株の売買代金は3兆円を割るなど、先物のぶん回しといった様相が強まっています。来週のメジャーSQにむけた思惑があるにしろ、中国株の動向を横目でみつつ、といった展開ではあるものの、この大相場の主因はやはり日本に原因があります。
言ってみれば、日本は背伸びした状態です。企業の2桁増益を市場はおりこんでいる。簡単に言えば、本当は180cmの人が、来年は成長するからといって今年の測定で背伸びして200cmと記録していた。そんな背伸びをしているから足元がぐらぐら、背伸びして、もどって、疲れて腰を屈めて、といったように上下動、振幅を大きくしてしまう市場が、現在です。
そんな企業動向を知る上で、昨日は4-6月期の法人企業統計が出てきました。業種別の売上高動向をみると、増益期待が萎むことが分かります。前年同期比では、例えば輸送用機械など6.2%増ですが、前期比では7%を越える下落幅。昨年度は右肩上がりで円安ボーナスが加算された形であり、それが1-3月期をピークとし、騰勢をつづけられなかった。今後はそのボーナスが剥落するばかりか、対ドルで120円を割る場面が増えたように、円高がマイナス面として作用しそうです。
これは円安メリットをうけてきた業種で、すべて同じ結果です。経常利益でも、実は黒田バズーカ第2弾のメリットを最大にうけた4-6月期の好調は想定済み、それが年度を通じて維持できる見込みはありません。何より売上高が落ちた影響が、今後は出てくることにもなります。
設備投資が前年同期比5.6%増、ということばかり盛んに喧伝されますが、増税の影響で手控えられた前年同期比と比べても、大した意味がありません。むしろこの1年通してみると最低額です。また今後も増加はみこめず、むしろ設備投資は今後、GDPでも重しとなっていくでしょう。何より昨年度は4-6月期を除いて9兆円を大きく越えており、その水準を超えるのは困難です。
法人企業統計の数字は、あくまで過去のものですが、市場が混乱をはじめた7-9月期以降、企業の売上高が高かった昨年を越えることは難しい。経常利益でさえ、円安ボーナスがなくなったからには、一進一退どころか、マイナスになるかもしれない。それが現状、日本の企業に対する正しい見方です。2桁増益の幻想、それにむけて一生懸命背伸びをし、株価だけを高値に誘導してきた安倍政権ですが、息切れが目立ってきた。ずっとムリして背伸びしてきた分、かがみこむ機会が今後も増えるのなら、水準感など無視した暴落がおきたとしても、決して不思議ではない。disgraceによって、discountになっても致し方ない局面に来ているのかもしれませんね。
今日の取引は、日中値幅が600円を越え、朝方の急落から急騰、小幅安までジェットコースター相場だったにも関わらず、現物株の売買代金は3兆円を割るなど、先物のぶん回しといった様相が強まっています。来週のメジャーSQにむけた思惑があるにしろ、中国株の動向を横目でみつつ、といった展開ではあるものの、この大相場の主因はやはり日本に原因があります。
言ってみれば、日本は背伸びした状態です。企業の2桁増益を市場はおりこんでいる。簡単に言えば、本当は180cmの人が、来年は成長するからといって今年の測定で背伸びして200cmと記録していた。そんな背伸びをしているから足元がぐらぐら、背伸びして、もどって、疲れて腰を屈めて、といったように上下動、振幅を大きくしてしまう市場が、現在です。
そんな企業動向を知る上で、昨日は4-6月期の法人企業統計が出てきました。業種別の売上高動向をみると、増益期待が萎むことが分かります。前年同期比では、例えば輸送用機械など6.2%増ですが、前期比では7%を越える下落幅。昨年度は右肩上がりで円安ボーナスが加算された形であり、それが1-3月期をピークとし、騰勢をつづけられなかった。今後はそのボーナスが剥落するばかりか、対ドルで120円を割る場面が増えたように、円高がマイナス面として作用しそうです。
これは円安メリットをうけてきた業種で、すべて同じ結果です。経常利益でも、実は黒田バズーカ第2弾のメリットを最大にうけた4-6月期の好調は想定済み、それが年度を通じて維持できる見込みはありません。何より売上高が落ちた影響が、今後は出てくることにもなります。
設備投資が前年同期比5.6%増、ということばかり盛んに喧伝されますが、増税の影響で手控えられた前年同期比と比べても、大した意味がありません。むしろこの1年通してみると最低額です。また今後も増加はみこめず、むしろ設備投資は今後、GDPでも重しとなっていくでしょう。何より昨年度は4-6月期を除いて9兆円を大きく越えており、その水準を超えるのは困難です。
法人企業統計の数字は、あくまで過去のものですが、市場が混乱をはじめた7-9月期以降、企業の売上高が高かった昨年を越えることは難しい。経常利益でさえ、円安ボーナスがなくなったからには、一進一退どころか、マイナスになるかもしれない。それが現状、日本の企業に対する正しい見方です。2桁増益の幻想、それにむけて一生懸命背伸びをし、株価だけを高値に誘導してきた安倍政権ですが、息切れが目立ってきた。ずっとムリして背伸びしてきた分、かがみこむ機会が今後も増えるのなら、水準感など無視した暴落がおきたとしても、決して不思議ではない。disgraceによって、discountになっても致し方ない局面に来ているのかもしれませんね。
2015年09月01日
五輪エンブレムの見直し
株式市場が大幅下落です。中国の製造業購買担当者景気指数(PMI)が49.7となり、中国不安が再燃した、というのが専らですが、実は二番底が意識されつつある点も見逃せません。7月の急落局面では、下落相場入りを拒否する急反発に成功しましたが、今回は失敗した。日系の見切り売り、が下支え役が消失した原因であり、大幅な下落につながっています。しかも金融相場の最中、勢いがつくと止まらない。誰もが早く逃げ出そうとするからです。以前も指摘したように、儲かっている市場を売って、損失の穴埋めをするには年初来でまだ高い水準にある日本市場が好都合。なので、日本の値動きが他と比べて大きくなり、下落率も大きくなってしまうのです。
東京五輪エンブレムが取り下げられました。ただ五輪組織委の説明が解せないのは「国民の理解が得られない」から撤回する、という点です。安保法案とて、国民の理解がすすんでいるとは到底思えない現状でも、安倍政権はごり押ししており、意思決定機関が違うとはいえ、必ずしもこの国では「国民理解」が絶対条件ではありません。展開図が模倣、との指摘に佐野氏は「クローズの審査ではよくある」と述べていますが、そうだとすればデザイン審査の場とは、権利意識の欠片もない人たちが判断していることになります。内々でみて楽しむだけなら問題ない、とする画像の愛好家と、ほぼ同じ発想で無断使用がまかり通っているからです。
しかも『佐野ありき』ではないか? との疑惑に、製作者の名が伏せられていたことを否定の理由としますが、デザイン業界の狭さ、互いに顔見知り、連絡も取り合っていたとすれば、事前に佐野氏が自分のデザインを審査員に伝えれば、あの貧相なデザインが大差で選考された理由にも説明がつきます。まだ釈明会見と、原案との違いについての説明もないまま、佐野氏にお咎めなし、は許されないでしょう。新たなコンペは透明性を…と述べますが、今回の検証も透明性をもってすすめなければなりません。何より、すでに多額の損失を被っており、新国立競技場のように誰も責任をとらない、となってはいけないからです。五輪はボランティアなど、国民の協力が欠かせず、今回も庇い続けた組織委の問題なども含めて、曖昧な決着は許されないのです。
しかも指摘され始めたのが、五輪招致の際に安倍首相が語った「福島原発はunder control」発言の呪い。新国立競技場では建設費がno control状態になり、エンブレムでは盗用疑惑がno control状態になった。福島原発とて、未だに汚染水を垂れ流し、甲状腺がんの問題も拡大してno controlであることは自明です。一度うそをつくと、うそを重ねてしまうアノマリーに、五輪は陥ってしまったのではないか? 「見たこともない競技場」発言が「聞いたこともない建設費の競技場」と「どこかで見たことのあるエンブレム」に二分割された、といった指摘もできます。
安倍ノミクス、黒田バズーカも期待に働きかけるために、ウソをつき続けてきました。その結果、先高期待が剥落すると下落も大きくなる。市場もno control状態に入ったとするなら、安倍政権は支持率の基盤を失うことともなります。「日本をとり戻す」といって総裁になった安倍氏が、次の総裁選にも出馬する意向を示しました。そうやってとり戻したものは、利権と既得権益に塗れ、ウソで糊塗されたものであったとしたら、政権がずっとno controlで暴走をつづけてきたのであって、そのツケがここに来て次々と炸裂してきた。まさに呪いにかかってしまっているのかもしれませんね。
東京五輪エンブレムが取り下げられました。ただ五輪組織委の説明が解せないのは「国民の理解が得られない」から撤回する、という点です。安保法案とて、国民の理解がすすんでいるとは到底思えない現状でも、安倍政権はごり押ししており、意思決定機関が違うとはいえ、必ずしもこの国では「国民理解」が絶対条件ではありません。展開図が模倣、との指摘に佐野氏は「クローズの審査ではよくある」と述べていますが、そうだとすればデザイン審査の場とは、権利意識の欠片もない人たちが判断していることになります。内々でみて楽しむだけなら問題ない、とする画像の愛好家と、ほぼ同じ発想で無断使用がまかり通っているからです。
しかも『佐野ありき』ではないか? との疑惑に、製作者の名が伏せられていたことを否定の理由としますが、デザイン業界の狭さ、互いに顔見知り、連絡も取り合っていたとすれば、事前に佐野氏が自分のデザインを審査員に伝えれば、あの貧相なデザインが大差で選考された理由にも説明がつきます。まだ釈明会見と、原案との違いについての説明もないまま、佐野氏にお咎めなし、は許されないでしょう。新たなコンペは透明性を…と述べますが、今回の検証も透明性をもってすすめなければなりません。何より、すでに多額の損失を被っており、新国立競技場のように誰も責任をとらない、となってはいけないからです。五輪はボランティアなど、国民の協力が欠かせず、今回も庇い続けた組織委の問題なども含めて、曖昧な決着は許されないのです。
しかも指摘され始めたのが、五輪招致の際に安倍首相が語った「福島原発はunder control」発言の呪い。新国立競技場では建設費がno control状態になり、エンブレムでは盗用疑惑がno control状態になった。福島原発とて、未だに汚染水を垂れ流し、甲状腺がんの問題も拡大してno controlであることは自明です。一度うそをつくと、うそを重ねてしまうアノマリーに、五輪は陥ってしまったのではないか? 「見たこともない競技場」発言が「聞いたこともない建設費の競技場」と「どこかで見たことのあるエンブレム」に二分割された、といった指摘もできます。
安倍ノミクス、黒田バズーカも期待に働きかけるために、ウソをつき続けてきました。その結果、先高期待が剥落すると下落も大きくなる。市場もno control状態に入ったとするなら、安倍政権は支持率の基盤を失うことともなります。「日本をとり戻す」といって総裁になった安倍氏が、次の総裁選にも出馬する意向を示しました。そうやってとり戻したものは、利権と既得権益に塗れ、ウソで糊塗されたものであったとしたら、政権がずっとno controlで暴走をつづけてきたのであって、そのツケがここに来て次々と炸裂してきた。まさに呪いにかかってしまっているのかもしれませんね。