2016年02月

2016年02月29日

G20後の市場

高浜原発4号機が、送電開始直後に自動停止しました。詳細は分かりませんが、推測するに配線のミスではないか? と思われます。長い停止期間があり、また原発のメンテナンス事業をもつ企業の経営の点からも、いつにも増して保守点検を行った。普段やらないところまで、といった事情から、馴れない作業を強いられて配線をミスする。送電の逆流が起こったとすれば、開始直後のトラブルにも説明がつきます。今回のケースをみても、安全基準云々より、原発関連企業の能力不足、電力会社のチェック不足、そうしたものが運転への不安となって襲ってきます。

G20後の市場で「円安・株高か」と?もつけずに報じる某メディアもありましたが、今日の東京株式市場は下落して終えています。中国株の弱さもありましたが、これはG20で景気刺激の具体策がでる、と期待した向きが売ったものです。しかし引け後、中国は預金準備率を0.5%引き下げ、17%にすると発表しました。ただこれがあまり効果ないのは、金融の供給側をいくら緩めても、下流の問題は何も解決しないばかりか、ただの延命措置にしかならないからです。
米経済指標がよく、週末には円安にふれた市場も円高にもどってきました。G20でユーログループの議長が通貨下落がみこまれる政策決定を行う際は、事前に通知することで合意と述べた。今回の中国の預金準備率の引き下げが、事前に通知されたかどうかは分かりませんが、これはマイナス金利の拡大を含む金融政策を打とうとする、日銀には大きな足枷となります。ユーログループ議長は「不意をつかれる事態を回避する」と述べているのですから、恐らく当日に通知ということではない。日銀が会合で多数決にはかることを決めた段階で、G20参加国に通知するのであれば、悪いことを考える国なら政府系ファンドによる為替操作をうながすため、情報を漏洩するでしょう。いずれにしろサプライズを起こしにくくなり、また海外に利益を簒奪される恐れも強まる。また政策決定ばかりか、円売り介入すらしにくくなった、と言えるのでしょう。

日本市場を下支えするのは、先週に日経があげた記事、景気刺激策5兆円の鼻薬が利いているため、とされます。しかしファンダメンタルズはいい、という認識でいる日本が、もし5兆円もの景気刺激を打つのなら、それは乱高下する市場対策費、ということになる。そしてそれすら、通貨安を促すと想定されれば、G20各国へと通達する必要がでてくるのなら、そのときも相場が発表前にもかかわらず、不透明な動きを引き起こすことになるのかもしれません。国内の景気対策なら為替への影響は限定的でしょうが、市場対策なら為替にも影響する可能性が高いためです。
G20、意外と日本にとってはかなり厳しい内容、と言えるのでしょう。黒田日銀総裁は「説明した」と述べますが、G20参加国としてみれば話をうかがった、というレベルでしょう。内政干渉はできないので、通貨切り下げ競争を止める術は示せない一方、G20が協調して通貨切り下げ競争をくり広げる国を排除しようとする可能性もにじむ。G20は財政、金融、規制緩和の3本の矢を謳い上げたものの、具体策はない、などとされますが、このモヤッとした不透明感は、政策当局者にとってかなり心理的な圧力となって、今後の政策をしばることにもなっていくのでしょう。

何もできないけれど、何かしようとすることには縛りをかける。何をしていいか分からない一方、何かされると困る、という事情。世界が出口を見出していないことを、如実に示してしまいました。各国の事情は異なる、と言いますが、本質は同じです。景気悪化に打つ手なし、それがより鮮明になったということなのでしょう。そんな中で、日本の財政、金融は限界をむかえ、頼るべきは規制改革ですが、最近日本で頻発するのは関電の高浜原発のように、甘い審査で運転させてみたら失敗する、建設会社は杭打ち偽装をする、など企業が杜撰で、安全に対する信頼を失っている事象です。こんなとき規制を緩和して本当に大丈夫か? G20で放った世界版3本の矢、日本に命中すると、致命傷にすらなりかねない出血をともなう事態になりかねないのでしょうね。

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2016年02月27日

G20共同声明を採択

米GDP改定値が年率換算で、前期比1.0%増と速報値(0.7%増)より上方改定されました。中身は在庫調整がすすまなかったことであり、決して好感できる材料ではありませんが、追加利上げ懸念が台頭、ドル高にふれています。ただこの円安の中に、昨日のG20に向かう前の黒田日銀総裁の発言「中国の為替政策は透明だし、理解できる」がある、とも考えています。介入していることは半ば公然で、ヘッジファンドが売りたてるオフショア市場との対決姿勢を鮮明にする中国のことを「透明で理解」するのですから、日本の介入もそれで正当化するつもりではないか? との思惑が働きます。そして、そんな行動を容認する文言がG20の共同声明にも含まれています。
それが「為替レートの過度の変動や無秩序な動きは経済・金融の安定に悪影響を与える」との文言です。つまり「過度の変動や無秩序な動き」に対して、介入で対抗できるとも読み解けます。これまでも「通貨の競争的な切り下げを回避することや輸出競争力のために為替レートを目標としない」はありましたが、過度や無秩序なら、為替操作が可能であるなら、ヘッジファンドには楔になります。当局の考える過度、無秩序が一体どれぐらいなのか? を探らないことには、安心して売りを出せないことになります。特に今は、中国のハードルは低くなっているのでしょう。

G20の共同声明で、現在の市場の動きについて「世界経済のファンダメンタルズを反映したものではない」とも明記されました。しかし米国でさえ景気後退が懸念される中、市場が正しいのか、当局の見立てが正しいのか、判断は難しいところです。また仮に、欧州、資源国、中国などでクラッシュが発生した場合、今の水準でさえ割高となり、売りが拡大するのですから、今はファンダメンタルズよりも内在するリスクが市場には影響し易い。株価は半年先をみるもの、ファンダメンタルズは過去の数字です。将来何がおきるか、についてG20は何も保証していません。
米国が主張していた財政出動に関しては、機動的に実施としたものの財政とのバランスも明記され、具体性はない。また新興国からの資金流出については「検証」し、作業部会で対策について協議するとします。ただ昨年の流出額は7000億$、その9割超が中国からとされます。結局、過剰投資、過剰設備、過剰流動性という3重苦をかかえる中国が、規制をかければ大きなダメージを被ることにもなる。しかも新興国から流出した資金が還流されていれば人民元高になるはずですが、その逆の動きを示すのですから、中国経済は深刻でお金を置いておけない、との認識が中国国民には根強くあるのでしょう。結果、中国からの資金流出は止まらないことにもなります。

ふわっと戻りを試しだした株式市場ですが、先週には年金とみられる信託経由の資金が過去最高、15000円アンダーの水準では危機的であることが、如実にみてとれます。先週は週初に1000円幅で上げ、今週は週末に抵抗線になっていた16350円をブレイクするため、朝方にぽんと大きな買いを入れた。見所はそんなところで、売買代金が2兆円と少しでは上値を追う投資家もおらず、淋しい取引にしかなっていません。仮に年度末まで、何とか必死で水準を上にもち上げたとしても、その後には弱含むことになりかねない。そんな相場つきになってきているのでしょう。
注目は来週にはじまる全人代、中国はそこまでは人民元を防衛するとみられますが、ここ数ヶ月の為替介入の量は、持続的に行うのは厳しいものがあります。全人代後の中国の状況は、雇用統計後の米国の動きとともに、予断を許さないところでもあります。ファンダメンタルズが…などとくり返すばかりで、未来に改善する見通しすら示せない世界のリーダーたち。市場のリード(読み)が勝るのか、今はその鬩ぎ合いになってきているのでしょうね。

明日は1日、お休みしたいと思います。

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2016年02月26日

民主、維新が合流で正式合意

3日前、『イヤホン聴きながら自転車運転で事故。有罪判決』という記事が、各メディアに流れました。しかし少なくともイヤホンは聴く道具であって、イヤホンを聴くわけではない。非常に違和感のある見出しを、しかも一斉に流したのは、イヤホンで音楽を聴くのは違法で危険だ、という認識を広めるよう警察からの要請もあったのでしょう。ただこの事件はあくまでスピードの出しすぎが原因であって、音楽を聴くことで注意力が散漫になるのなら、車でも音楽やラジオを聴いたり、それこそナビの音声ガイドさえ規制しなければならない、となります。『音楽聴きながら…』だとそういう議論になる。『イヤホンをしながら…』だと、補聴器をつけた人は自転車に乗れない、となる。だからといっておかしな日本語をつかって啓発することに意味はありませんし、物事の本質とは完全にズレていて意味不明な規制につながるのなら、尚更に首を傾げます。

民主と維新が3月に合流することで正式合意しました。岡田民主代表は「幅広く」と述べているのですから、僭越ながら党名の候補をあげれば『民主結集党』でいいではないか? とも感じます。共産が選挙協力、SEALDsも支持母体ではなくとも支援する、というなら誰もが利害や対立を越えて、結集するという意味合いが強まるでしょう。何より今、メディアは盛んに『結集』と報じていますし、『結い』の字も入っています。略名を『民集』としても面白いでしょう。『民結』で『みんけつ』と読ますと語感がいまいち。『みんゆう』なら語感はいいですが、政党名と短縮名の読みがちがうと混乱します。『民集』は『民衆』という響きとも合いますし、さらに『みんしゅう』と思い切って平仮名にすればイメージは大分かわります。これだと維新の要求にも添いますし、旧みんなの党の出身者にも比較的受け入れ易いものとなるでしょう。
党名は公募した方がいい、との意見もあります。確かに五輪エンブレムでも公募の方が盛り上がる、としてそうなりましたが、今は安倍政権支持者から、相当の嫌がらせがあることを覚悟しなければいけないのでしょう。日本新党の頃とは違って、今は他者を批判、腐して貶めることが公然と、しかも平気で行える時代になっています。特に、メディアのネガティブキャンペーンが利いて、新党への期待は低い状態ではじまるのですから、面白半分での投稿が大半となるでしょう。

そんな中、H25年の国勢調査がでてきて、アダムズ方式を採用すると選挙区単位で9増15減となります。自民はアダムズ方式採用に反対、公明はアダムズ方式採用による、次の選挙から反映、と主張します。明らかに公明は、衆参ダブル選つぶしに来ている。今、創価学会内がごたごたしており、創価学会執行部に反発し、離反する会員が増えています。安保法制への賛成は名誉会長の意志でない、という意見が拡大すれば、ますます会員が公明離れを引き起こす状況となるでしょう。今、公明は選挙などしたくないのです。参院選は仕方ないものの、衆院選などもってのほか。やれば創価学会を動かせず、大敗北するとの危機感がそこには横たわっているのでしょう。
以前から指摘していますが、野党がしっかりしているから野党が勝てる選挙、などありません。ほとんどが与党がダメだから野党が勝つ、これは各国共通です。米国ぐらいだらだらと1年近く大統領選をやれば、風の吹き方が二転、三転したりもありますが、数週間の選挙期間では政策が浸透することはなく、あるのは現状でいいのか? 与党のままでいいのか? という是非論になります。岡田氏は「野合で何が悪い」と述べましたが、野党なのですから、問題は『野合』かどうかではなく『野暮』であるかどうか、です。国民の意見をすくい上げることができずに、自分勝手なことをしていれば、与党と同じ、とみなされます。世事に機微に、政治に機敏に、そういう野党であれば、いつかは政権交代という目も見えてくるのかもしれませんね。

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2016年02月25日

安倍首相がまた「日本に投資すべきとき」

安倍首相が講演で「日本のファンダメンタルズはしっかり、経済の好循環は確実」と述べ「日本に投資すべきとき」と訴えました。これは機関投資家向けですが、外国人投資家は昨年の暮れ辺りからずっと売りで、国内勢では太刀打ちもできません。海外勢は「日本のマクロは悪い、ミクロも円安でどうなるか分からない、安倍ノミクスは失敗で他に打つ手はない」と思っているから売るのです。認識のおかしい政権、というのも当然売り材料にされることになります。
月例経済報告の関係閣僚会議で、安倍氏は3年間で労働人口が300万人も減った影響を検討するよう指示をだしましたが、遅きに失しています。年金収支の悪化、成長率の減衰、人口減少社会は経済的にみるとマイナス面が大きいのです。そこに手を当てず、金融政策に頼っているだけで「ファンダメンタルズは良好」などと言っているから、誰からも相手にされない。市場は下落で答えるのです。正しい認識を示し、どう対応するかを示して、初めて市場から相手にされます。今は、言葉は悪いですがウソつき、詐欺師ぐらいにしか海外勢からは思われていないでしょう。

今日、シャープが台湾の鴻海精密工業からの出資受け入れ、を表明しました。経産省所管の産業革新機構の案は魅力に乏しい中、やたら「日の丸」「技術流出」という言葉が飛び交い、産革への流れをつくるための情報操作も見られましたが、経済の世界では魅力的な提案をしたもの勝ち。しかも海外から「日本の市場開放は遠い」と揶揄されるに及び、安倍政権が慌てて鴻海案の採用を促した、としか思えない経緯もある。日本への投資は外的圧力がないと達成されない、という認識を広げた点でも、今回の再建計画の選定は失敗だったということになるのでしょう。
もう一つ、日本に投資する気を失わせるのが、東電のメルトダウン判定基準隠し、です。これを『ずさん対応』などと報じるところもありますが、とんでもない。炉心溶融をみとめる3ヵ月後まで、事故の影響を過小評価させ、東電の経営を安定させようとの意図が働いて隠蔽した。これは当時から注目を集めていた問題であり、きちんと調査しないはずがない一方で、経営の最重要判断であり、多くの経営陣がたずさわったはずです。そこで決まったのが『隠蔽』だったのでしょう。

これが日本企業の不審につながるのは、東芝問題でもそうだったように、日本企業は経営上の不都合な情報を隠す、との認識が広がることです。しかも一発で経営危機に陥るほどの破壊力を秘める。悪いことを言えば、日本企業でそんな悪い情報を隠している噂を聞きつけたら、売り立てておいて稼ごう、と考える投資家が現れてもおかしくない。そんな状況なのでしょう。
安倍政権では、赤字国債の発行に必要な特例公債法をH28〜32年まで、国会で承認をうけずとも発行できるよう、改正する法案を提出しています。実は、一発で経営危機に陥るほどの破壊力を秘めた、不都合な情報を日本政府が隠しているのではないか? だから赤字国債発行を、この5年間に審議させずに発行しようとしているのではないか? そんな疑いを強くする事例とも云えるのでしょう。そうなると必然的に日本売りが増える。シャープでもそうだったように、日の丸にのるより、より条件のいい海外の提案にのる。そんな資金の流れを引き起こすのは、実は情報流出であるのかもしれない。それは日本政府がヒタ隠しにする不都合な情報は何か? それを狙われて、海外勢は日本売りを貯めているというのが現状なのでしょうね。

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2016年02月24日

3ダメンズのイイワケ

上海で週末にG20財務相・中央銀行総裁会議が開かれます。市場では「期待」なども語られますが、これまでもG20が主導的に何かを決定することはなかったのであって、残念ながら期待するだけムダです。過去より現在の方が、より状況は困難を極めており、プラザ合意の夢よ、もう一度。と願ったとしても、プラモデルぐらいの脆さの合意しか得られないのでしょう。
特に、中国では証券監視の監督者を処分しましたが、世界景気の不安定さを示す上海株の乱高下をG20で追及されたくないため、先にシッポを切った、ともみられます。しかし証券市場操作、為替操作の疑いを強くする今、中国が集中砲火を浴びることはほぼ確実です。中国の成長に依存してきた欧州の宗旨変えが、こうした国際会議での中国包囲網をつくり上げる。内需主導型経済への移行に失敗しつつある中、国際的な場での中国の立場は悪化しているのです。米中外相会談でも、これまでとちがって中国が押される場面が目立ってきたのは、その一つの動きなのでしょう。

米民主党候補のクリントン氏が中国と合わせて、日本も為替操作を指摘しました。不当に円を安くしている、市場の介入とまで踏みこんではいませんが、日銀には痛烈なカウンターです。これが米国の主流派の意見になれば、もう日銀は緩和の手は打てない。そんな中、以前から3ダメンズと指摘している黒田日銀総裁、本田、浜田内閣参謀参与が、最近ふたたび発言を活発化させています。その黒田氏が昨日の国会の財務金融委員会で「マネタリーベースの拡大は予想物価上昇率は上がらない」と認めました。これは仰天発言です。これまでの説明との整合もそうですが、日銀が現在行っているマイナス金利付き質的・量的緩和の、その後半部分を全否定したのですから。確かに、マイナス金利は質的・量的緩和に逆行する、金融規制の強化です。本来、金融機関がうけとる国債利回り分の収益を、日銀が吸い上げた挙句、当座預金に付利するというのですから。つまり日銀がこれまで行ってきたことは失敗で、これからは金融引き締めになるから、そのことを暗に認めておいて、これからのイイワケに使おう、との魂胆が透けてみえます。
ここに来て本田参与が、消費税増税の延期がありえる、とも発言し始めました。しかも「消費税は3党合意で決まっていたこと」「中国や海外要因は外的」といって、安倍ノミクスは失敗ではない、と言い出した。まるで実験室やクリーンルームで、他からの要因を排除して実験したら成功していた、みたいな口ぶりですが、表現は悪いかもしれませんが、そこには小保方氏の「STAP細胞はあります」発言にも似た、失敗は認められない、成功したことの説明はできない、といった幼稚な発想しか垣間見ることができません。マイナス金利に失敗し、愈々手詰まりとなったがため、言い逃れを始めた。しかも、これで消費税増税などをすればトドメになる。自分たちの今後の活動のためにも、完全敗北することは絶対に阻止する、という浅ましさなのでしょう。

自民党内からは公然と財政出動の話がでますが、安倍政権下でいくら財政出動しても、景気を底上げすることはない。そもそも今回の補正予算には、防衛装備のような景気対策とは何も関係ない歳出も含まれている。言ってみれば本予算で通らなかったものを、補正予算に含めているのであって、官僚を統制できていない安倍政権の本質が、こんなところにも表れる。さらに1億総活躍といったお題目をつければ予算がつく、という本質ではない形でしか予算執行できないのですから、景気対策にはほど遠い。政治家が何をすべきか、ということさえ分かっていないのに、官僚が知恵をしぼるはずもなく、いくら補正予算、追加の景気対策をしても何もならないのです。
それ以上に、消費税増税を先送りすれば財政は悪化するのが確実です。海外勢はここぞとばかり債先に売りを入れてくる可能性もある。長期債までマイナスに陥る中、国債価格が下落すればパニックを引き起こしかねなくなります。財政とのパッケージでやらなければいけませんが、これまで出来なかった、出来る能力もない政権が、それを打ち出せるとは到底思えません。3ダメンズがまさに3駄メンズとして、その本領を発揮しだした、というのがここ最近の発言にも表れているのです。

安倍政権には「期待」どころか、もう「懸念」しかない。幼稚な人々が、幼稚な発想ではじめたことが、市場経済の中で行き詰まり、逆回転を起こそうとしていることに焦りだした。政権崩壊、まさにその序章はスタートしたのでしょう。もしかしたら3ダメンズなのか、安倍政権のそれ以外の人間かは分かりませんが、これまでのことをふり返った暴露本のタイトルは『あの頃』になるかもしれない。壮大な実験の失敗に、自分の誤りをみとめられない人が、陰謀や他人のせいにして言い逃れする様を、手記にすることになるのかもしれませんね。

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2016年02月23日

雑感。マイナス金利後の動き

民主と維新が、3月に合流することとなりそうです。党名を変える形で民主が吸収するということですが、もっとも分かり易い新党名は『民主結維党』でしょう。『結維』という漢字はありませんが、『結い』と『維新』を合わせて『ゆい』と読ませ、略名は民主のままとすれば、双方も受け入れやすい名前です。『けつい』と読ませても面白そうですが、問題は英語名でしょう。維新の党の英語名は『Japan Innovation Party』、直訳すると日本革新党です。これをそのまま用いると『Democratic Innovation Paety』、民主革新党…より左っぽい感じになります。維新を英語で表記するものがないので『Innovation』になったのでしょうが、態度は保守、党名は革新、という状態よりは、まだ実状に近づくのでこちらの方がすっきりする、となるのかもしれません。

日銀がマイナス金利を導入してから1週間、様々な動きがあります。ここにきて三井住友銀がATMの手数料無料、ATM設置数No.1をアピールするなど、預金者獲得ともみられる動きを見せています。預金金利を下げ、運用が難しくて預金を増やしたくない、とされる中でやや異例ともみられますが、逆からみれば預金流出がおき始めている、とみた方がよいのでしょう。小売店のポイント制積立て預金の利回りが高く、そちらに申し込みが殺到している、また住宅向けの小さな金庫が売れている、との話もありますが、定期預金でさえ利息がつかない中、銀行に預けておいても仕方ないとの認識が広まっている。今週に入ってから株式市場の売買高も2兆円カツカツ、と個人投資家も逃げだしている。預金もダメ、投資もダメ、そんな状況に日本は陥っているのでしょう。
信用金庫が預金金利引き上げ、といった話もありますが、信用金庫は日銀とは別に積み立てがあり、金利は非公表であるものの、まだ高い金利設定のままだとされます。しかし金額に上限があったり、信金にも工夫がみられ、手放しで喜べるほど使い勝手はよくなさそうです。問題は、信金の積立て先さえ運用難であることは同じです。ただ、ここに来て企業も超長期債の発行に前向き、とされます。企業の発行する債券は、その信用により利回りも変わるため、こうしたものが国債の代替として機能するのかもしれません。ただし、こうした超長期債を発行するような企業は、経済環境が悪くなると経営への不審が広がり易いため、注意が必要な代物ともなるのでしょう。

国内はまだ混乱がつづきますが、海外はもっと混乱中です。英国によるEU離脱が現実味を帯び、ユーロ安円高がすすみ、つられてドル円も円高にふれました。3月末の上昇を見こんで、そろそろ仕込みを入れる層がでてきたものの、米国株の上昇要因は、日本株の下落要因になっており、重しとなる。加えて、国内の資金の流れが未だに落ち着いておらず、預金が減れば貸し出しが増えるどころか、減るかもしれない。それは不動産ローンの貸し出しも同じ、金融機関の預金の流出状況、それが実は今後の金融政策の行方すら決定しかねない、とも言えるのでしょう。
今はまだ分かり易いけれど、雲のものともつかない材料で市場は上げ下げしています。しかし間違いなく、今後襲うのは円高です。世界的に景気が改善傾向を示さない限り、円高は止まらない。しかも世界各国が、この景気減速、後退をうけて何をしでかすかも分からない状況では、ますます国が潰れることがない、その安定感が円買いを促すことにもなります。三井住友銀が、ベアを見送るとも伝わる。インフレ誘導い失敗した日本、残されたのは日銀の経営の不安定さ、ということでしかない。その材料をいつ織りこんで円安になるのか? まだまだ先のことでしょうが、そのときは安全資産の円という認識も消えているのであって、預金金利の流出が、海外への資産もちだしという最悪な形で円安にすすむことになることも、警戒すべきなのでしょうね。

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2016年02月22日

世論調査と定数削減

各社の世論調査がでてきましたが、フジ・産経の調査を除くと支持率が6〜7%低下というのが、共通する傾向です。また辞任した甘利前経済再生担当相、失言の丸川環境相、丸山法務部会長、停波発言の高市総務相、不倫で辞職した宮崎議員などは、辞職して当然、もしくは大臣の資格なし、という厳しい判断が並びます。また、景気に実感なし、マイナス金利にも期待せず、社会保障にも不満、と安倍政権のやることなすこと、評価しないが並ぶ。その一方で、北朝鮮への制裁強化は評価としますが、日本の危機レベルはロケットの発射前後で何ら変化していないにも関わらず、拉致被害者を見捨てて制裁強化したのは正しい、とするほど正常な判断は働いていない。メディアが盛んに危険、危険と煽りたてるので、何となく制裁強化というペナルティーを加えることが正しい、との認識なのでしょうが、ロケット発射は危険と報じるメディアも、拉致被害者やその家族がさらに苦しい立場に陥っている、ということは伝えようともしません。
ただ、この世論調査で浮かび上がってきたのは、安倍氏の人柄、指導力を評価することで維持される政権支持率とは、実は自民党議員のだらしなさ、無能さを露呈すると高まる傾向にあるのではないか? ということです。つまり自民党の政党支持率が40%もあるので、世論調査に答えるのは自民支持層が多い、ということは分かります。自民支持層にとって、閣僚にしろ自民党議員にしろ、不祥事や失言でダメさ加減にうんざりするほど、安倍氏がしっかりした人間に見えてくる。国会の質疑すらみない人には、逆ギレ答弁などは知りようもなく、そのため印象としては失言しない政治家、不祥事のない政治家、に思えてくるのです。つまり自民支持層にとって、安倍氏は今のところ最適な首相、という認識が40%台の支持率を維持できる要因なのかもしれません。

しかし安倍氏が10減、10減、とくり返していた衆院の選挙制度改革、比例の4減、選挙区の6減を指示したとされます。しかし自民が弱そうな、有権者の少ないところだけ減らす、ということで野党は反発しています。アダムズ方式なら、党利党略もなく計算式によって議席が配分されるのですから、より公平なやり方です。しかし自民内には未だに次の選挙での定数削減に不満が燻っており、落としどころを狙った。ただしそれが自民党は不公平なやり方でも平気で相手に押しつける、との悪印象を増すことにつながり、自分のためだけに政治をしている現状を浮き彫りにします。
このアダムズ方式の採用については調査会の答申で示されたものです。ただし、そこには大国勢調査に基づき…となっているだけで、小国勢調査しか行っていない今回は、従う必要がない、が自民の意見です。しかし6年前にも大国勢調査は行われており、それに基づき区分けしてもいい。何も簡易版とされる小国勢調査だけを見る必要はありません。できれば直近の調査である小国勢調査が望ましいですが、それに拘って0増6減なら、1票の格差はあまり縮まらないのです。

議員定数削減ではなく、議員の質を上げることが重要、との指摘も相次ぎますが、かつて公示日にテストをする案を述べましたが、自筆の論文でもよいのでしょう。テーマをいくつか決めて論文を提出させ、それを公示日に提出させ、選挙期間中に公開する。そこで人間性がある程度見えてきます。テーマは政治より、ある状況を設定し、そこで自分がどう行動するか? だったり、日常に即した内容が適するのでしょう。○、×ではなく、その方が人間性がでてくるからです。
今どき、試験もなく就職できる職場は少ない。今はそれを政党に委ねている形ですが、その政党にいる国会議員の質がそもそも低下しているのですから、質の低下した議員に選ばれた候補者の質が高ければ、それは奇跡に近いとさえ言えるのでしょう。議員の質をどう上げるか、といった方法ではなく、数ばかりを議論するぐらい、今の政治家の質は劣化しているのですから、議員の質の可視化をすすめていかないと、不祥事、失言などが減ることは決してないのでしょう。全体の政治家の質が劣化すれば、それほど高い質でなくとも一際に輝いて見えてしまうのが、現状なのでしょう。しかも与党内の『落としどころ』を優先するその姿勢は、むしろ『落とすところ』がどこか? ということを一際浮かび上がらせて見せることにもなるのでしょうね。

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2016年02月21日

雑感。来年度は厳しい年になる

安倍首相のラジオ放送でも、フジの番組に出演した稲田政調会長もそうですが、日銀のマイナス金利について「ローン金利が下がるのは国民にプラス、当座預金の一部だけなので影響は限定的」という論調をつかい始めました。マイナス金利への悪評が蔓延し、むしろ触れられたくない、政権とは切り離したい、という雰囲気がただよいます。しかしローンを組む人にメリットでも、預金者である国民全体にとって、金利が引き下げられるのはデメリットです。恐らくマイナス金利は竹中派の経済学者から欧州のようにマイナス金利を導入すべき、と具申があって、政府から日銀に検討を依頼したものですから、責任逃れはゆるされないところです。
一部の、ローンを組んで大きな買い物ができる層を助け、国民全体は不幸にする施策。そのイメージがマイナス金利には定着しており、黒田日銀総裁がいくらでもマイナス金利を拡大できる、などと言おうものなら、国民から総スカンを喰らい、支持を失いかねない。共同通信の世論調査で支持率が7%下落したのもその一つです。第三弾はバズーカなどではなかった。この手榴弾は投げようとした途端に手元で爆発し、国民生活に打撃を与える自爆になってしまった。しかも市場からも見捨てられ、むしろ金融緩和の限界説が語られている。「イールドカーブ全体を押し下げ…」という説明自体、もうデフレ解消には役立たずであることが、この円高ではっきりするのでしょう。1-3月期のGDPがでる頃には、トリプル爆弾が市場も、政権も襲うことになるのでしょう。

日経平均は16000円を割れましたが、3日間で800$も上げた米株市場は意外と底堅く、週末の2日間で60$しか下げていません。米景気後退も囁かれる中、FRBに期待が高まる金融市場に突入しており、これが悪材料も好材料にうけとめる、楽観相場をつくっています。ただ残念ながら日本がキャッチアップするのはもう少し後、というのが今のところの市場観測です。FRBが緩和姿勢に転じれば金利差が縮小し、円高になるのですから、こればかりは仕方のないことです。
問題は3月以後の展開です。政府も日銀も打つ手なし、これが来年度の日本です。世界全体で景気後退が叫ばれる中、設備投資を増やせない企業と、マイナス金利にしたのだから設備投資しろ、と無茶ぶりする経済のことが何もわかっていない政府と。市場がそれを見越せば、間違いなく日本を売り立ててくるでしょう。年初からつづく外国人投資家の売り越し傾向は、単なる利益確定売りではない。持分を減らし、売りを蓄え、崩す気満々で需給環境が悪化する4月を外国人投資家が迎えようとしている。4月からの市場は、よほど慎重にみておかなければいけないのでしょう。

日本に落ちるトリプル爆弾、それは株式市場の下落、デフレへの逆戻り、年金原資の大きな目減り、です。つまり安倍政権が成果、としてきたことがすべて崩れる。株価は円高と売り崩しによって、物価は円高によりデフレが鮮明となり、年金は18000円以上の高い水準で買ってしまったものが多く、下落がつづけば損失を拡大させる。しかも120円の円安水準で外国株、債券を買っているので、こちらもおかしくなる。国債は多少の値上がりをしても持分が減ってしまっている。つまりすべて逆回転、安倍政権の終わりもその辺りで見えてくることになるのでしょう。
株式市場がどこまで下がるかは予断をゆるしません。円高により急減する業績に、景気後退が重なるのですから、さらに業績が下がり、株価の妥当性が損なわれていきます。どこで円高が止まるかは、為替水準にもよりますが、10000円割れも現実味を帯びてくるのでしょう。最近、続々と証券会社による年末の株式市場の見通しが、下方修正されています。ただ、まだ当初の見通しに引きずられ、甘い算定が目立つともいえます。今年から数年は、しばらく何が起こるか分からない、という認識をもつことが大事です。昨年の不動産投資が高水準、という数字もでてきましたが、このバブルを崩壊させないためだけのマイナス金利だとしたら、日本もバブル崩壊による景気下押しは相当に深くなることを覚悟せざるを得なくなるのでしょうね。

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2016年02月20日

雑感。選挙制度の改革

安倍首相がラジオ番組で「民主党の政治家だったら、どんな政策で支持を上げるか?」と問われ、「政治家を辞める選択肢もある」と述べました。冗談なのかもしれませんが、前提を否定して答えをはぐらかす、という姿は、聴取者に好ましくない、と受け止められるでしょう。面白回答なら「民主党をぶっ壊す、と言って田中真紀子さんと代表選を戦う」とすれば、小泉氏のケースをなぞっているな、とすぐにピンと来て、民主党を批判的に述べる自身の態度とも整合し、一目おかれるところだったでしょう。政治家が政策を考えるとき、すべてに前提があり、それを否定してこの政策、態度をとる、などということはあり得ない。すべてに解決策を導き出すことが、政治家としての信頼を勝ち得ます。逃げます、という態度は褒められたものではありません。
安倍氏はまた「民主は共産に似てきた」と述べますが、これは手強くなった、ということを示すのでしょう。つまり対案や是々非々、などと言っている間は、話合いに応じると言っているのも同じ。そんな野党は怖くもありません。反対、対立、追及という姿勢に転じれば、自ずと野党は手強くなる。安倍一強などとも言われてきましたが、やっと野党が戦い方を思い出したのです。

社民党大会に民主、維新、共産、生活など各党が集まり、さながら選挙の出陣式のような様相を呈しています。特に共産が参加したのは驚きに値しますが、SEALDsも参加していることから、まさに選挙に向けた体制作りの一歩、という位置づけなのでしょう。5党が連携すれば、小選挙区でも逆転できるところがでてくる、という計算ですが、単純に統一候補とするだけでは、有権者も納得しない。例えば、共産支持者が統一候補だからといって、いきなり民主党議員に投票するか? と言えばNOでしょう。互いに強く結びつき、目標を掲げることが今後、必要となります。
安倍氏は昨日の10減発言から、急に選挙制度改革に前向きとなりましたが、まず行うべきは選挙広報の折込広告、及び政党による立候補者の広告を新聞に掲載しないこと、です。現状、新聞をとっている国民は5割を切り、費用対効果が限定されるばかりか、新聞をとっている家庭とそうでない家庭で、差が生まれてしまう。国勢調査の結果で、区割りを変えるとしますが、まさに国勢調査と同じように、全家庭にしっかりと選挙広報をとどけられるよう、選挙管理委員が調整するようにしなければいけません。選挙なのに、一部の家庭のみに通達される仕組みは改めるべきです。

また選挙カーも各候補者ごとではなく、選管が調達し、選挙広報として巡回するようにするべきでしょう。今や選挙カーで語ることに政策などなく、名前の連呼とお願いだけなのですから、調整する必要もなく可能です。これは選挙資金として各候補者のコストダウンにもつながりますし、格差も減らせる。自転車で巡回できる体力のある候補者に有利で、不祥事があるとすぐに病気になって入院してしまうような貧弱な政治家には不利、ということにもなります。選挙カーのシステムは、最早ただの名前の広報でしかないのなら、選挙のお知らせだけでも十分なのでしょう。
政治の場もそうですが、今や選挙制度とて、現代では古臭く、機能不全に陥っているものが目立ちます。安倍氏が前のめりになったのなら、こうした硬直化した選挙システムの改革も含めて提案すべきなのでしょう。ただ、昨日の答弁でも、福島瑞穂氏が追及した軽減税率の適用を新聞だけみとめることについて、明確な説明はできなかった。安倍氏がどれほどメディア関係者と会食していたか、という追及にも答えられない。メディアとの癒着をすすめる安倍政権が、新聞の広告収入をけずる、こうした選挙制度の改革に首を縦にふることはないのかもしれません。ただ、血税が国民の5割も目にしない媒体へと流れていること、それすら止められないのなら、行政のムダ削減など絶対に不可能であることを、暗に示すだけなのでしょう。民主党の政治家だったら…。人は自らのおかれた立場、環境において、その中で全力をつくすことを求められます。自分の周りの環境が激変しつつある中、安倍一強から安倍異形という認識も広まってきた。逃げ出したくなってきた、その心の投影がでてきているのかもしれませんね。

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2016年02月19日

安倍首相と、野田前首相との質疑

一昨日の丸山自民法務部会長の発言、編集されて意味が伝わっていない、という人もいますが、そんなことはありません。黒人=奴隷の子孫、という考えが根っこにあり、ダイナミックな変革の喩えに、オバマ大統領を引き合いにだした。日本が米国の51番目の州…に至っては、日本の根本的な改造をするヒント、としますが、日本出身者が世界で活躍するために米国民になる、日本が消える、という根本的な矛盾を抱えます。変革、改造ではなく、これは消滅です。

野田前首相との国会質疑を前に、安倍氏が午前に選挙制度改革で10減の指示をだした、ということが伝わりました。まさに安倍氏の悪いクセ、見栄え、体裁だけをととのえたという形ですが、解散のときに交わした合意書には『結論を得た上で必要な法改正を行うものとする』と書いてあるので、3年たって指示をだした、は何のイイワケにもなっていません。さらに安倍氏は3党合意を守るのは共同責任、と述べた。結局、リーダーシップを発揮せず、党に丸投げしてきた、ということを如実に語っています。しかも民主も同じ、という相変わらずのロジックをくり返す。民主党に問題がある、としながら民主党自分たちと同じ、と反論したら、自分たちにも問題がある、とみとめていることになるのです。それで出来ていない、出来ない、は自分の責任です。
しかも経済の話題にうつった途端、数字が合わなくなった。安倍氏が一体、どこの国の経済指標をみているのか分からないほど、GDPの認識が合わない。野田氏は安倍政権での平均の値、安倍氏は四半期の、しかも一番いい数字をみているようですが、安倍政権下では増税前の駆け込みや、黒田バズーカなどで四半期ベースでは変動が大きい。しかも増税後からは明らかに右肩下がり、マイナス成長を頻発しており、決して褒められた数字ではありません。しかも名実逆転を成果、としますが、野田氏に名目が高いと生活が苦しくなる、と看破された。このあたりは、財務省からよくレクを聞いていたのでしょう。逆に、安倍氏の景気への認識がおかしいことが浮き彫りになりました。デフレでない、状況をつくったとしますが、10-12月期のGDPデフレーターでは、すでに0に接近しており、またデフレに逆戻りしつつある状況をつくってしまっています。

昨日の経済財政諮問会議でも、マイナス金利の良い面をもっと訴え…と安倍氏は述べますが、どんな政策でも良い面、悪い面がある。どちらもきちんと提示し、その上で良い面を引き出すにはどうするか、悪い面がでないようにするためにはどうするか? それを示さなければなりません。国民向けに良い面ばかりアピールする、というのはまさに飾りだけで、実態を暗くしているに過ぎない。一事が万事、安倍氏というのはこうした態度、言動に彩られてしまっています。
自由主義者ハイエクの言葉を、少し長いですが引用します。「政治哲学者は…共通の行動の可能性とその結果を明らかにし、多数がいまだ考え及んでいない政策全体の包括的な目的を与えるのが仕事だ。色々な政策の結果に関して、そのような包括的な描写が示された後においてのみ、民主主義は自ら望むものを決定することができる」 政治哲学者はリーダーとは異なりますが、そうした人々が『包括的な描写』を示したときだけ、それは民主主義として決定しうるのです。

安倍政権ではどうか? 選挙制度改革は「指示をだした」。経済政策も「良い面を訴える」という。『包括的な描写』とはほど遠く、民主主義の意思決定過程において、極めて問題あるということが分かるでしょう。最近、民主党が質疑でつかおうとするパネルに対し、委員会で自民が拒否するケースが目立つ、といいます。さらに安保法制におけるほう政局の検討資料について、一部の開示だけにとどまる、ともいいます。どんな検討がされたか、様々なケースを例示するためには、情報はすべてオープンにする必要がありますし、何より情報を隠して民主主義が機能するはずもない。結局それは全体主義であったり、国民に不自由さを強いるものともなるのです。
ハイエクは『法の前の平等』だけが、自由に役立つ唯一の平等、と述べます。海外向けには「法の支配」を訴え、中国包囲網を築こうとする安倍政権が、国内向けには「法の支配」の枠外に自分をおいて、安寧を得ようとする。少なくとも『包括的な描写』をしようとするメディアを圧し、自分たちにとって都合のよい情報だけをばら撒くのなら、安倍政権下での民主主義は、機能不全に陥ったとさえ云えるのでしょう。それは見栄え、ではなく見劣り、という状態だとも言えるのでしょうね。

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2016年02月18日

雑感。ふわっとした株価のもどり

米株市場が3日続伸しました。サウジや露国が結んだ増産凍結合意に、イランが支持を表明したとの報で原油が反発、株価を下支えしたのと同時に、FOMC議事録やタカ派だったセントルイス連銀総裁まで利上げ反対を訴え、FRBは長期にわたって利上げできる環境ではなくなった、との認識が広がりました。しかし原油は増産見送りであって、現状維持をつづけるなら過剰供給の状態は解消せず、またFRBは利上げできず、を市場は大体織り込んできたはずで、大した材料ではない。ただ米株市場は、こうしたふわっとした材料で反転することがしばしばあります。
2、3ヶ月でマインド改善、という循環の一つですが、日本が厳しいのはさらにドル安がすすみ易くなったことで、株式に限っては遅れてのキャッチアップとなりますし、戻りも鈍いでしょう。2月後半から3月ごろ、反転の兆しがあるとみていましたが、やや早い印象です。ただし早いから長続きするわけではなく、むしろ循環が早まったなら終わりも早い。円高による戻りの鈍さと、短期間ということなら、大して戻らないうちに4月初旬には次の下方圧力が強まってきそうです。

ふわっとした改善に役立っているのは、中国が人民元の下落を食い止めるため介入しているとみられること、及び金融機関への流動性供給をくり返していること、です。しかし長期で継続することは不可能とみられ、1月末に発表された外貨準備高は995億$減の、3.2兆$とされました。売り立ててくるヘッジファンドへの対抗を人民銀行総裁が示すなど、国をあげて1000億$規模の介入をつづける。外準にどれぐらいの水準が適正か、という決まりはありませんが、2兆$を切るまで効果がでないと、かなり厳しい状況となります。しかも金融機関への流動性供給策は、それが貸出しに回ったとしても不良債権化する恐れもあり、景気後退における経済政策は、失敗がそのまま長期的な景気低迷につながる、日本型の低成長に陥る恐れすらも出てくるのでしょう。
しかも気になる数字が、米国の金融機関で、世界が今年のうちに景気後退入りする可能性を20%と見積もるところがでてきています。株価の下落、社債市場も、コモディティ市場もすでに景気後退をおりこみ始めた、との指摘もでてきた。世界全体の株式市場を支えてきた企業業績の上昇が、今年は下落に転じるとの予想が支配的となり、すべてが崩れる恐れが高まっているのです。

どうして業績が下落するのか? 株価対策を優先して賃上げに後ろ向きだったため、資産価値の上昇で何とか下支えされてきた個人のマインドが、市場が崩れたことで期待できなくなること、及び企業も資産価値の目減りで、減損処理を迫られるためです。今後、景気後退を迎えるならもう賃上げもできなくなる。株価対策で人件費、コストを抑える、という経営がうまくいっている間は循環が機能しても、一度崩れると対策もない。昨年の夏から始まる変調が、今年はマイナスの効果をもって市場を襲う。そんな悪循環が今、はじまっているのです。
ふわっと改善、と述べておいて悪材料ばかり並べましたが、景気が悪いからといってずっと市場が下がることもありません。楽観、悲観の循環と、大きな景気の波とは必ずしも一致しない。恐らく来週辺りから、日本株もふわっともち上がるのでしょう。ただ19000円までいければよいですが、恐らくそこまで戻すこともない。景気後退を、数字でおりこみはじめた市場は、もうその確率だけ下がるよう、調整が働くからです。中国の下支えがいつまでもつか? もたなかったとき、どういう政策に転じるか? 通貨安競争に入った世界、そして欧州の動向、日本の景気後退はほぼ確実、という事態をみれば、今後の株価動向が少しみえてくるのかもしれませんね。


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2016年02月17日

雑感。家計収支とゲス

産経はよく民主党に『ブーメラン』、最近では『ゲス』とつけて批判することも多いですが、今日の記事で『民主党もゲス発言「安倍首相の睡眠障害を勝ちとろう」…』というタイトルの記事がありました。しかし『も』とつけたら、自民党がゲスと認めているようなものなのですが…。

今日の株式市場は大幅下落です。最近では200円程度の変動では小幅な印象ですが、昨日は日中500円、今日は400円幅で上下動しています。原因は欧州CTAスジが、朝方に日系のトレンドフォロー型の買いを引き出すために買い、日系の動きが鈍いと売る、という流れをつくっていることが原因です。しかし現物株の商いも細っており、余計に先物ぶん回しが空回りの印象です。
12月の機械受注がでてきて、前月比4.2%増。ただし10-12月期は前期比0.5%増にとどまり、GDPで1.4%も伸びたとは到底思えない。GDPの一次速報では、設備投資は別の統計の数字をとるので、整合しなくても仕方ない面があったとしても、二次速報、確報とすすむ段階では設備投資も下方修正されるかもしれない。そうなると、日本の景気後退がよりはっきりするのかもしれません。

2015年の二人以上の世帯で、家計消費支出が実質で2.3%減、名目で1.3%減となりました。対前年増減率をみても光熱・水道が上昇しただけで、後は全項目で減った。二人以上の世帯で勤労者世帯の実収入は名目1.1%増、実質0.1%増ですが、これは昨年が大きく減った分の反動と、家計調査をみても世帯主以外の収入が増えたことが、その理由です。世帯主の年齢階層別で、可処分所得の増減をみると40歳未満が2.4%増、40代が0.5%増、50代が1.0%減、60歳以上が1.8%減。若年層に所得移転が移っているようにみえますが、まさに世帯主以外が働ける家庭での伸びが、家計を支えた。高齢になると世帯主以外で働ける人もおらず、収入が減っている状況がうかがえます。
民主では消費税増税時の軽減税率を止め、定額給付にすべきと主張します。しかしもう一歩踏み込めば、ベーシックインカム制度の導入を提唱してもよいのでしょう。これは生活できるだけの金額を国から給付してしまおう、という政策で、欧州では実験的に一部地域で開始が検討されています。働かなくても生活できてしまう、夢のような制度と云われますが、それだけでは生活が苦しく、余剰を得るためには結局働かなければならず、年金や生活保護の代用として機能する、ともされます。

この制度の肝は、国民を労働者ではなく消費者と捉えること、です。消費によって経済に寄与させる。実は少子高齢化がすすみ、またITや生産革命がおきる中で、今後も労働力が不要となっていく時代において、失業者対策をどうするかは世界中で喫緊の課題です。生活に余裕を得たい人だけ働き、製品は自動的につくられている時代、実はそう遠くない未来の姿かもしれません。
最近、安倍ノミクスの正念場、と報じるところが多くあります。しかしもう正念場はとっくに過ぎています。しかも、安倍ノミクスのマイナス面は今後、数十年に亘って日本経済を苦しめるトゲになる。経済政策、財政政策を根本から変えないと、日本は縮減していくだけ、下手をすれば破綻してしまうでしょう。ゲス、という言葉は性質の卑しいもの、という意味もありますが、身分の卑しいもの、という意味もあります。自民はゲスでない、というなら、それは後者、つまり世襲議員が多くて身分は高貴、と言いたいのかもしれません。しかし働いても報われず、格差が拡大していく社会をつくりだす、身分の分化がすすむのなら、それはゲス社会とも言えるのでしょう。ちなみに「ゲス張る」という言葉があり、これは『卑しい根性をまるだしにする、下品な態度をする』という意味です。安倍氏の答弁は、野次を飛ばしたり、他人を非難したり、「ゲス張る」という態度にふさわしいとなるのでしょう。まずゲスを生み出さない国づくり、というところから始めないと、本当に日本は近いうちに沈没してしまうのかもしれませんね。

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2016年02月16日

雑感。堕ちた自民党議員

いくつかのメディアで世論調査がでてきました。読売の内容が少し面白く、内閣支持率は52%、支持する理由の内訳は、これまでの内閣よりよい42%、首相に指導力がある18%、自民党中心の政権16%、政策に期待できる10%、首相が信頼できる7%。つまり首相に指導力はあるけど信頼はできない、と考える人が意外に多い、ということです。それは政策すべて反対の方が多いのですから、やっていることは滅茶苦茶、と考えるのも当然です。支持しないという人は3つに大別され、自民党中心、指導力がない、信頼できない、という項目が高い。支持する人からも、支持しない人からも、信頼と指導力に関して注目されるというのはある意味、稀有ではありますが、その結果として日本の方向性が間違っているとしたら、より問題は大きいと言えるのでしょう。

最近、巷に流行るもの、『ゆすり、たかり、甘利』という言葉。続々と明らかになる音声データで、甘利事務所による斡旋収賄容疑には相当根深い問題をはらむ、ということが分かってきました。まさに『ゆすり、たかり、甘利』はすべてイコール、同じ意味です。睡眠障害で国会を欠席、という話もありますが、説明も責任もとらず、逃げ隠れする様は昭和の政治家、そのものの姿です。自分の為したことで眠れないほどなら、政治家をつづける資格はありません。説明もせず、責任もとらず、もしこれが国家の危急存亡に関わるようなことなら、眠れないから国会にでられない、などと言っている場合でもないからです。そして甘利氏は、安倍政権でまさにTPPをはじめとする、国家の浮沈にかかわる重大な問題を担当してきた閣僚のうちの一人です。
ここに来て、あるメディアから重大な指摘がありました。自民党の山田議員の公設秘書が自殺、という記事です。公設秘書は山田議員の事務所を辞めた後、告発する記事をメディアに提供し、またブログ記事からも警察に相談していた、とのこと。そして身の危険をうかがわせる記事を上げた後、自殺した。しかも練炭自殺というのに、本人確認が難しいほどのキズを負っていた、というのですから、尋常なことではありません。もしこれが他殺なら、とんでもない事件に発展する可能性を秘めています。

この山田議員、メディア懲らしめ発言の文化芸術懇話会の結成に参画したり、とかく右よりの発言がめだつ。右翼系団体との付き合い? などとも報じられる。自民党内でも極右に位置する人物です。ここからはあくまで憶測ですが、これまでも安倍政権を批判する人物、団体をネットで攻撃する存在が確認されたり、安倍政権を擁護する論調が、押し並べて統一的な理由、理屈を用いていたり、といったこともありました。何かの組織が背後で動いている可能性、という話ですが、こうした2期生ぐらいの若手がそうした団体とつながり、人手をつのって情報操作を依頼しているとすれば、これは自民がネット世界で情報操作をしているとの証拠がでてくる可能性もあります。
そして、この事件が議員を貶めようとする、として恨みを買ったのだとすれば、極めてピンポイントで犯人像もしぼられてくるのでしょう。ただ、この事件はほとんど報じられていませんし、事件の異質性に鑑みても、慎重に取り扱う必要のあるものです。しかし甘利氏に対し、これほど及び腰の国会が、事件化を防ごうと動くことも暗に想起させるものでもあります。これだけ明白な証拠がでてくれば、もう『推認』裁判長に頼らずとも、甘利氏を有罪にできるにも関わらず、検察は未だに動こうともしない。よく刑事ドラマでありがちな、悪徳政治家が秘書を口封じで殺し…という展開さえ予想される事件であるにも関わらず、メディアがとり上げないのは、それが事実かもしれない、ということも勘繰ることができてしまいます。『やっていることが滅茶苦茶』それが司法、検察にまで及んでいるとするなら、この国の腐敗は一気にすすんでしまったのであって、指導力があっても信頼のおけない指導者の下で、日本は危険な国家へと近づいてしまったことを示すのかもしれませんね。

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2016年02月15日

10−12月期GDPについて

日経平均が1000円を越える大幅高で、16000円を回復しました。ただ、3日間大きく売った日系大手が2日分、今日1日で買い越しており、ちょうどそのときの下げ幅が1100円。その分がもどったという展開です。ただ現物の売買高は週初なので減っているのに、戻りが鈍い。やはり円高是正とはいえ、113円台後半にしかなっておらず、他の主体の動きが緩慢といった影響もあるのでしょう。2日つづきで大陽線という形をつくって、底打ちムードを出したいと考えたとしても、実体経済はますます悪化していることが、10-12月期のGDPでもよりはっきりしてきました。

10-12月期実質GDPが前期比0.4%減、年率換算で1.4%減と、大幅な減少となりました。中身はかなり悪く、民間最終消費支出が実質で前期比0.8%減と、大きく足を引っ張りました。原油安や暖冬の影響と説明しますが、それだけではこれほど大きく落ち込みません。暖冬で冬物衣料は暖房用品が減っても、その分外出する機会が増えれば支出も増えます。そうでないのは、昨年の実質賃金が大きく減っていることが影響し、消費を押し上げなかった状況がうかがえるからです。
民間住宅は実質で1.2%減。いよいよ中国の爆買い減速の影響が、不動産市場にも現れ始めている印象です。昨年の7月から上海市場が変調をきたしており、マネーバブルが弾けている。また株の大幅下落で投資家が痛んでいる現状もあって、資産価値として不動産に目をむけようという人は少ない。不動産ローンの金利が下がり…と、マイナス金利の効果をかたる人もいますが、終の棲家として購入するなら、金利重視でも良いでしょうが、資産価値としては今後も期待できません。ここまでGDPの成長を引っ張ってきた住宅関連が、今後は足を引っ張ることになりそうです。

設備投資は実質で1.4%増ですが、マイナンバー制度への対応か、ソフト関連が多い。設備投資のマイナスが目立ったことからも、今後には期待できない。民間在庫が0.1%減と、こちらはプラス寄与ですが、消費がこれだけ下がって在庫が減ったのなら、生産はかなり調整していなければならず、これでは賃上げになどなるはずもありません。輸出は0.9%減、輸入は1.4%減で、差し引きではGDPを0.1pt押し上げたものの、どちらも減ったのなら経済的には縮小を示しています。
どれも1-3月期には下がる方向としか思えない。2期ぶりマイナス、としか報じませんが、一部では設備投資が2四半期連続でプラスに寄与したのも、これまで計算に入れていなかったものを算入することで、数字の辻褄を合わせたのでは? とも勘繰られています。それがなければ3四半期連続でマイナス、景気後退を示していたのであり、7-9月期の奇妙な2次速報のプラス改定がなければ、ファンダメンタルズがいいなどと、とても言えない状況だったことにもなるのでしょう。

しかも、マイナス金利で不動産ローンの金利が下がっていますが、預金金利も下がっている。日本は少子高齢化がさらにすすむのであって、ローンを組んでまで家を買おうという人より、老後に備えて貯蓄しようという人が、今後も増える傾向にあります。しかし預金しても金利がつかず、年金保険など運用に失敗している可能性が高くて、安倍首相が言明したようにGPIFの運用損は、年金支給に影響する。老後の不安から、消費が伸びない傾向が今後もつづくのであって、マイナス金利の効果とは、日本の現状に照らせばマイナス効果しかない、ということになるのです。
2年連続でのマイナス成長が見えてきた日本。安倍政権は確実に、歴史に名を残すことになりました。そして安倍ノミクスという言葉も、もはや失敗の象徴として今後は語られることになるのでしょう。そんな安倍ノミクスの終幕につけられたタイトルが『マイナス金利』です。マイナス金利、マイナス成長、マイナスという言葉がより相応しくなってきましたが、これらをひっくるめると安倍ノマイナス、という現状が今、起きつつあるのでしょう。これで株価まで安倍ノミクス開始以来のマイナスに沈んだら、安倍のベアは笑い話にならなくなるのでしょうね。

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2016年02月14日

雑感。為替の話

先週末、ドイツ銀行が50億$相当の上位債券を買い戻すと発表し、イタリア政府が不良債権の買い入れでECBと協議と発表、欧州株が一気に反発し、米国株にも波及。1月の小売売上高がよかったこともあって、ダウは300$以上の上昇となりました。シカゴ日経平均先物も15000円半ばと、反転が予想されますが、円は対ドルで113円台と、まったく戻りの鈍い展開となっています。
中華圏の春節で、訪日旅行客の爆買いが期待されるところですが、春節前に訪日していた人は、帰国の際に換金したとき、意外と多く戻ってくることに驚くかもしれない。しかしその効果は一時的で、今後は円高で訪日する外国人旅行客が減っていくことも予想されます。異常な円安だったので、今のうちに日本へ…という人が多くいたことも事実であり、訪日外国人数も正常値へともどる。しかし、そうなると日本の経済はガタガタになる恐れすらでてきています。

昨年の為替の取引高が、世界的に減っていることが話題です。ドイツ銀行の経営不振の一端ともなったスイスフランの急騰で、他のヘッジファンドも多くが打撃をうけて手仕舞いしたり、資金の出し手であった金融機関が警戒するようになったり。また不正操作で多くが課徴金などをうけ、人材が減ったこともあるようです。その結果、投機的な動きが減って取引量が減り、ピーク時の14年には1日6兆$あったものが、今は5兆$にもとどかない。そして、もし世界が順調に成長していたなら、実需の取引が増えても良さそうですが、そうでないことも取引高には影響します。
安倍政権では、為替の急変動に対して「注視する」と述べ、介入への牽制を促します。日銀の黒田総裁と安倍首相が会談したときも、為替や株がやや上向いたように、介入への警戒が市場にあることは事実でしょう。しかし上記したように、今は投機的に相場を動かそうという層は減った。一部では生き残って、相場の変動にかけて取引するヘッジファンドはあるでしょう。しかし今の動きは投機というより、金利差縮小であったり、政策の方向性の違い、といった面を映している。下手に介入などをすれば、後にうけるしっぺ返しの方が大きいのかもしれません。

マイナス金利の実際の運用は16日からで、悪い評価は早計との声も聞かれますが、国債の金利はすでに動いている。日銀は金融機関の収益に影響がないよう設計した、というのですから、その効果はすでにでているともいえ、その結果として金融株の下落を引き起こしたのですから、初動は失敗で間違いありません。米経済の減速を意識され、米金利の低下が余計だったとはいえ、為替の面でも円安がすすんでしまったのは、日銀の緩和打ち止め感が影響しているのですから、そうした意味でも失敗といえるのでしょう。マインド面への働きかけを重視していたのに、そのマインド面を悪化させ、追加緩和ですら期待感を消失させたのですから、尚更です。
為替の円安局面が終焉し、円高局面が今後、進行して行くとしたら、人為的に、一時的にそれを食い止めても無意味なのでしょう。為替の取引量が尻すぼみしていくのは、フィンテックとよばれる情報仮想通貨の取引量の拡大も影響している、とされます。将来的に、通貨は何らかの形で統合されていくのかもしれません。それは形のないマネーかもしれませんし、そこで各国の通貨はその価値が定義づけられ、機能して行くなら、ますます人為的に操作することは難しくもなるのでしょう。『為替』という言葉、笑い話ですが『変わる世界』の略語という人もいます。為替の『為』は『ため』とも読みますが、『報い』の意味ももつとされます。今、為替を人為的に操作しようとすることは、日銀と同じで後に大きな『報い』となって跳ね返ることにもなるのかもしれませんね。

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2016年02月13日

安倍政権の閣僚たち

自民党の宮崎議員が不倫で辞職を発表しました。しかしまったく意味不明です。例えばプロスポーツの選手が、不倫で引退などしないように、家庭がどうだろうと本業の実力で評価されるからです。確かに育休という家庭を大事にする姿勢と、不倫とは整合しませんが、それこそ別の自民議員は選挙さえ経れば禊が済んだ、として判断は有権者に委ねてきた。今回は単に、本人が議員辞職するからこれ以上の追及や批判を止めてください、という情けない姿しかありません。
信なくば立たず、と安倍首相の口癖をつかいましたが、下品な言い回しをするなら、良いネタを提供したようなもの。この辺りから推察するに、世論の動向をみて、早ければ夏の参院選の比例名簿に名前が載るかもしれません。安倍官邸が辞職させた、とされますが、安倍氏が余計な追求をされたくなかったためと、もう一つは記者会見で成功し、世論の同情を集めればすぐにでも議員に復活させてあげる、との口約束が早めの決断を促したのではないか。しかし世界の皆様に謝罪、など誇大妄想に過ぎるのであって、失笑を買っています。また、早めに辞職させることで民主への攻撃材料をつくったつもりでしょうが、上記したように政治家としての活動と、家庭のことは別。不倫ぐらいで辞職するなら、議員の半分近くがそうなるかもしれません。そもそも「申し訳ないことをした」と述べますが、バレるまでは謝罪する気もなく、バレても誤魔化そうとした。何が「申し訳ないこと」なのか? と言えば「バレたこと」としか、現時点では思えないのです。

安倍政権が、第一次の末期的症状に似てきました。島尻沖縄・北方担当相が『歯舞』を読めなかった件。「はぼ…」でつまっており、漢字で書いてあったとしても、そのまま読めばよかった。つまりこれはど忘れや、漢字の不勉強などではなく『はぼまい』という言葉が正解なのか? それを躊躇ったというのが真相でしょう。北方担当相になって4ヶ月、歯舞という言葉さえあやふやなまま、大臣を務めてきたなんて、安倍政権の北方領土への関心の低さがうかがえるというものです。
丸川環境相の発言も、本人は抗弁するつもりが、安倍官邸の一喝で謝罪に追い込まれた。長引かせて首相のお腹を痛くするな、ということでしょうが、どうして丸川氏が1mSvに根拠がないなどと言ったのか、その根拠は? 誰にも相談せず…とは誰に相談した結果、そういう話を耳にしたのか? 何も答えませんでした。単なる思い込み? だとしたら、閣僚としての資質がないばかりか、要注意人物ということになるのでしょう。単なる思い込みで政策を打つことは危険に過ぎます。

岩城法務相はまともな答弁ができず、質問と官僚の用意した答弁とどの部分がそれに当たるかも分かっていない始末。能力不足も問題ですが、特にTPPに関して、国内法と国際法との違いが分からないなど、致命的です。政治の立場からTPPを、法的にコントロールできないことを端的に示している。官僚に任せておけばいい、ではTPPの利点なども実はまやかしに過ぎないのかもしれない。官僚は国民のために仕事をする必要がなく、効果や影響を誤魔化しても責任はとらずに済むのですから、この政権では政治の統制など機能せず、語られる数字も怪しい、そう思わせます。
そして高市総務相の「電波停止」発言です。一つの番組でも、公平性を保てなかったら事業者として電波を停止させられる恐れがある。これは報道を萎縮させる懸念、という以上に、公平という言葉そのものを歪ませる恐れがあります。政策の実現力があるのは与党しかありません。政策を批判する、ということは与党を批判する、となる。つまり政策の悪い面ばかりでなく、良い面も報じないと、公平性を保てない可能性があります。しかし現実に悪影響の方がめだっても、良い面について伝えると、政策の良否の判断がつかなくなる恐れがあります。つまり100人中、99人が不満でも、1人が満足ならそれを公平に伝えなければならない。これは非常に危険です。

上記の問題の幾つかで「民主党の頃も…」といった反論を、安倍政権はします。しかし民主党がそんなに悪くて、批判するなら、なぜ真似をするのか。真似をした時点で、それはもう批判できない。同じ穴のムジナになったのであり、民主党の頃も…は、自分自身が批判する民主と、自分たちが同じであると認めたことになるのです。相手が悪いことをしていると批判しておいて、その真似をするなら、そちらの方がよほど『悪どい』と云えるのでしょう。「信なくば立たず」を掲げても、安倍政権の閣僚たちは「信なく、役立たず」というのが実情なのかもしれませんえ。

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2016年02月12日

株式市場の3日続落

重力波が初観測された、という物理学の大発見がありましたが、株式市場のフリーフォールが今日も観測されました。3日間で2000円以上、日経平均は下落しており、下支え役が見当たらない状況です。しかし売っているのは海外勢ではなく、日系です。日系大手など、この3日で先物だけでも大きな傾きをかけており、多少はオプションや現物株などにヘッジはかけているでしょうが、まるでCTAスジのような、短期売買での値動きをかけることに事実上なってしまっています。
この動きは、この半年つづけてきた取引とは大きく異なる。内情は推測するしかありませんが、もしかしたら水準を次々と下方にブレイクしたため、買いのポジションを整理せざるを得なくなったのかもしれません。元々、今年の市場予想でもかなり高い水準をだし、事あるごとにこの日系に属するエコノミストは、上向きの観測を述べてきた。自分たちでも高いポジションを組んで、そこに誘導するよう運用をはかってきたのなら、買い負けというのが真相かもしれません。

負けた原因ははっきりしていて、昨年のヘッジファンドの運用に関して、多くが芳しくないところが多い。イベントドリブンやリターンリバーサルなどの運用手法は軒並み失敗、唯一成功しているのがトレンドフォロー型です。上昇相場には買い、下落相場には売り、という単純なものですが、この実績が一番いい。多くの投資主体がこのトレンドフォローを踏襲するなら、値動きが荒くなるのではなく、1日の値幅が大きくなる傾向があります。国内勢も昨年の失敗から、このトレンドフォローに移行したのなら、昨今の乱高下とされながら日中の値動きはそれほど荒くない、下げるときはずっと下げる、といった値動きについても、多少の説明がつくことになります。
今の円高、債券高、株安についてリスクオフで、安全資産につく動きと説明されることが多くあります。しかしここには違和感がある。これだけ値動きがでていれば、円だろうと国債だろうと、もう安全とは呼べない。逆に円を買う、国債を買う、というのがリスクを引き受けていることになるのです。つまり今は『安全』というリスクを負って、円や国債を買うのです。ナゼなら、市場が安全資産として買うから、そのトレンドフォローを全員がしているのが、現時点の動きです。円、国債、金、いずれも急に動意したのが、それを端的に示しているのでしょう。

今日は2月のマイナーSQの日でした。下に幻のSQとなり、反発するのを期待した向きは裏切られた。3月のメジャーSQはさらに読み難くなりました。月末のG20などに期待する向きもありますが、これまでもG20が実行性のある対策をうちだしたことはない。G7にしても、この水準で円高対策に協調介入、など誰も賛同はしないでしょう。単独で為替介入をしようにも、安倍政権では外為特会の取り崩しを景気対策に回してきており、タマは少ない。それに米国がいくら急変動だから、といってこの水準での円売りは容認しない。また一番の問題は、戦力の逐次投入はもっとも忌むべきことで、効果が限定される。他国が納得できる防衛ラインを決めて、そこを絶対に死守、という意気込みを示さなければ円高は止まりません。今日は安倍首相と黒田日銀総裁が会談しましたが、そこまで話し合ったかは不明ですし、黒田氏は財務省でも外為にかかわったことはないので、恐らく何をどうすべきかは判断もつきかねるでしょう。何よりマイナス金利導入が今回の相場環境の悪化を招いているぐらいですから、対策の打ちようも思いついていないはずです。
昨日も指摘したように、イエレンFRB議長は「中央銀行が国債を買い占めれば、本来は市場に回るはずの国債利回りによる金融機関の収益を、中央銀行が吸い上げていることになる。短期では国債買取が市場への資金投入になっても、長期では市場の引き締め効果になってしまう。だから付利は正当化される」という論調です。つまりマイナス金利は、実は金融引き締めになる、とFRBは考えているのです。追加緩和だと思っていたら、実は反転引き締めだった。市場がそれを織りこむなら、円高の動きはとても自然なことなのです。日本が陥っているトレンドフォローとしての円高、株安。いくら市場の常識を当てはめて売られ過ぎ、などと言っても、今や常識の通用し難い相場です。異次元の緩和措置が、異次元の市場をつくってしまったのですから、重力波は時空を歪める、とも言われますが、まず市場の歪みから直さないと、出直しのきっかけは得にくい状況なのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:25|PermalinkComments(13)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

2016年02月11日

イエレンFRB議長の議会証言と円高

イエレンFRB議長の議会証言がハト派的とみなされ、欧州市場で円が対ドルで一時、110円をつけています。幾つも示唆的な内容も語っているため、かいつまみながら具体的に考えてみたいと思います。ハト派な部分として、利上げのスケジュールを聞かれ「金融政策は予め決められたコースを辿るものではない」とし、景気見通しや雇用、インフレの目標達成をめざすことが、金融政策を決めると述べました。つまり世界の混乱を鑑みれば、もう利上げできない、と市場が受け止めた。米経済の成長は急減速していない、としますが、見られた段階で漸次利上げを先送りになるだろう、という予想が今は支配的です。

議会が気にしたのは、米国も利下げすべきでは? マイナス金利は? の2点です。イエレン氏は利下げは否定したものの、必要になったらやる、とフリーハンドを示しました。マイナス金利に関しては用意周到な計画づくりはする、ただ法的な問題や、米経済の仕組みにおいてマイナス金利が可能かどうかを、予め検討しておくという意味だとします。政策手段としてもっておく、となりますが、利下げやマイナス金利への言及で、必然的にハト派的な流れとなっています。
また、米財政における債務状況は、何年かは持続可能だけれど、高齢化に伴って持続不可能にみえる。として議会への対処を促しました。日本より対GDPの債務比率の低い米国が、将来は持続不可能と述べているのですから、日本とて同じ、どころか益々日本は深刻化します。しかも移民や難民の受け入れで、未だに少子高齢化の波が襲っていない米国で、すでに議論されているのに、すでに少子高齢化を迎え、さらに将来は悪化する日本では対応の検討すらされていません。

またFRBが半期に一度、議会に提出する金融政策報告書には、ちょっと驚くべきことが書かれています。『米資産価格の急落で、より健全な形で評価されるようになった』 つまりリスク性の高い資産が高値を形成し、市場を歪めていた。FRBは米国でバブルが生じていると考えていたことが、報告書には書かれているのです。逆に今、市場が混乱しているのはバブルのプチ崩壊であり、経済全体については大して影響はない、と今のところFRBは考えている、ということになります。
ただこれは昨年末まで、年初からの混乱は含まれません。どの程度がFRBが『過去30年の予想株価収益率の平均』かは、はっきりと示されていない。恐らくその水準を下抜けば、もう利上げはできず、利下げに向かう。通貨安競争を意識すればマイナス金利も、となるのでしょう。実際、FRBは利上げに伴い、超過準備金に0.5%の付利を行っています。その理由として、FRBが得る利子収入が過大で、この付利を行う能力がなければ「FRBはかなり性急にバランスシートを大幅に縮小」と述べます。これを簡便にすれば「FRBが本来市場に流れるはずの国債の利子を吸いとってしまったら、経済が悪化するでしょ?」となります。同じように、バランスシートを拡大する日銀は、金融機関に流れるはずだった国債の利子を日銀に集中させ、尚且つマイナス金利をかけ、積み上げの阻止を狙っている。同じ中央銀行ですが、考えることはかなりの差があるといった状況です。

円が安全通貨だから、という発想自体は、今や少し変更が必要なのでしょう。今回は米国の金融政策の方向性の変化と、欧州の金融機関に不透明感が生じた、そのダブルで異常な水準にあった円安が是正され始めた、というのが実態です。FRBが指摘しているように、昨年までに何らかのバブルが生じていた、というなら、そこには円安も含まれていた。米国が本気でドル高退治に動けば、まず円など耐え切れなかったのであって、それがここに来て一気にでてきてしまった印象です。
日本にはバブルの認識もないですが、米国が直面するドル高による景気減速に対応するための、ドル高退治。これが今起きているなら、日本政府にも対応はできない。それを見透かしてのドル安、円高なら、安全通貨というより、残念通貨としての円高と考えた方がよいのでしょうね。

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2016年02月10日

雑感。マイナス金利批判者への批判?

日経平均が続落です。日系大手が2日連続で大きく売り越していますが、これまでも買いのケースでは2日続きで一方にポジションを傾けるケースはありましたが、売りでは知る限り初めてです。ただこの日系大手も約半年、こうした取引をつづけており、決算が悪いところをみても、こうした取引で儲かっているとは、とても思えない。何らかの戦略転換を迫られたか。それとも下げを大きくして、反発力を蓄えたのか、それは12日か、翌週の頭には判明するのでしょう。
12日を反転のきっかけにしたい理由は、今日と明日行われるイエレンFRB議長の議会証言が行われるから。明確に利上げ先送りなどがでてくると円高要因になりかねませんが、米株市場が落ち着けば、今のように1日のポジションで大きな傾きをつける取引でも、安心して取引ができます。円高となり、株価が下がれば今溜まっている売りポジションを吐き出し、利益確定をしながら、さらに勢いをつけて買い上げる、との算段があるのかもしれない。そうなるかどうかは、イエレン氏次第といったところなのでしょう。

複数のメディアで、小泉政権時代に活躍した某経済学の教授が、マイナス金利を批判する論調への反論記事を載せています。簡潔に言えば『マイナス金利は濡れ手で粟で儲けていた金融機関を叩くもの。文句をつけるのは銀行など、金融機関に有利なコメントをする、その子会社などにいるエコノミスト』というものです。この方は単純モデルで決め付ける論調が多く、円安で輸入増、マネタリーベース拡大でインフレ、などの論調も見受けましたが、今回もそうなのでしょう。
残念ながら、私は金融機関には否定的です。しかしマイナス金利には反対です。まず金融機関が濡れ手で粟、という認識がおかしいのですが、安倍政権下では曲がりなりにも物価上昇率は0.1%を上回ってきましたから、当座預金の付利だけでは金融機関の運用として、損をしていることになる。『濡れ手で粟』ではなく、経営判断として問題がある、と批判しなければなりません。

しかし日本経済の成長率は四半期ごとにプラス、マイナスを行ったり来たり。このままだと2年連続のマイナス成長、貸し出しを伸ばせる状況ではありません。また経営が健全なところは内部留保が潤沢、不良債権化に厳しい目が向くため、経営が苦しいところには安易に貸し出せない。もし企業側から貸し渋りの苦情が殺到するようなら、貸し出しに回さない金融機関を批判してもよいのでしょうが、今はかつてと異なり、そういった状況でもない。貸し剥がしとて、倒産件数が減少しているように、無理やり企業から毟り取ってはいない。むしろ、マイナス成長を頻発させる安倍政権の経済運営が失敗しているから、当座預金に積み上げておくしかないのです。
かつての金融機関は、自分が生き残るために悪どいこともした。今とて問題はある。しかし金融機関がクラッシュすれば、経済へのダメージは計り知れない。米国は偶々再編がうまくいって、リーマンブラザーズや小規模金融機関の破綻程度で済みましたが、失敗していたら米国は沈没していたでしょう。金融機関を野放図にのさばらせる、という論調はとりませんが、だからこそ監視を強め、健全性を保ちながら、経済を回すために資金繰りを活発化させるよう法律や制度で対応すべきであって、貸し出ししないから潰れてよし、は暴論の謗りを免れないのでしょう。

今とて運用を主とする年金、保険、ヘッジファンドなどは軒並み業績を悪化させている。例えば不動産ローンが借り易くなった、住宅は買い時、などとする人もいますが、残念ながらそうは思えません。今、買い時なら将来的には売るタイミングを失う。ローン金利はつかずとも、資産価値の目減りという事態に将来、直面するでしょうし、ローン金利が上がったときでも、生活を維持しながら金利を払い続けられるのか? デフレ環境で賃金が下がっても大丈夫か? 非正規雇用なら、尚さら雇用の不安定化により、今ローンを組んで大丈夫か? 様々な判断が必要なのです。
金融機関が貸し出せる環境か、借り手がいるのか、その総合的判断を経た上で、どれぐらい貸し出しに回せるのか? という算盤がはじけるのです。国民が預けたお金に対して利子もつけず、付利で稼いでいる、何となく金融機関がうまくやっているように感じてしまいがちですが、インフレというコストを差し引けば、金融機関はむしろ損をしている。それをさらに金利を歪めてマイナスにしたところで、金融機関が無理して貸し出せば、将来の不良債権の拡大を招くだけなのです。将来はもっと経済環境がよくなる、という夢想すら抱けなくなった現在では、尚のこと貸し出しを増やす状況ではない。まず安倍政権に、経済をよくしろ、閣僚が口利きで濡れ手に粟の儲けを得ているんじゃない! と叱ることから始めた方が、景気にはプラスなのでしょうね。

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2016年02月09日

世界同時、市場の混乱

株、為替、債券、いずれも冬将軍が直撃です。まず長期国債が史上初のマイナスをつけましたが、これは昨晩の米コモディティ市場で、金価格が急騰したことと無関係ではありません。世界経済の不安、その引き金はギリシャ問題の再燃と、ドイツ銀です。ドイツ銀が経営不振であることは以前から伝わっていましたが、自己資本増強のために発行した債券の利払いにまで、懸念が生じた。昨年は約9000億円近い赤字、独国の銀行がギリシャに貸し込んでいたことは周知の事実ですが、その後、ECBが量的緩和の対象として独国債を買いまくり、マイナス金利政策も手伝って、最早利ざやを稼ぐことも難しい。その一方で、自社の債券の高い利回りが経営を圧迫する。ここでさらに自己資本を厚くする債券を発行しようとしても、低い利回りでは資金が集まらない。まさに欧州における金融政策の歪みが、ドイツ銀を直撃する恰好となっているのです。

為替のステージは、日本の長期国債がマイナスになったといっても、欧米の金利の下がり方の方が大きく、安全資産としての円というより、債券利回りの縮小による円高と意識された印象です。緩和を示唆したECBも、この混乱の原因がECBの緩和策にあることは自明であり、対応の見直しを迫られる。FRBも利上げが遠のく。1月に緩和の手を打ってしまった日銀と、ECBの緩和手詰まりとFRBの引き締め見送り、という日本と欧米との差。長期金利がマイナスになったとしても、金利の方向性が差を縮小する形なのですから、日本は円安ドライバーを失った形になったのです。
株が日経平均で900円以上下げましたが、昨日の場中、欧州系の裁定解消とみられる買い、日系の追随買いもあって400円近く切り上げているので、今日のところの実質は500円程度の下げです。逆に、2円以上の円高となった割りには底堅かった印象です。日本勢の狼狽売りを、12、1月と売っていた外国人投資家が買い支えた。1月に人為的に底打ちを意識させようとつけた16017円の水準は下回らずに済んでいます。しかし、対ドルで115円割れが定着するようだと、さらに下げることになる。企業業績の悪化を織り込まざるを得ないためで、為替との連動性がより強まりそうな気配です。

しかもこのマイナス金利がつづけば、欧州で起きているような年金不安が日本にも直撃するでしょう。特に日本は深刻で、国債はマイナス金利で、株は下落で、外国株、外国債は円高で目減りするトリプルダウンです。このペースだと数兆、数十兆が四半期ごとに赤字となる。これまでの日本もそうですし、欧州でも始まり、米国でもその兆しが見えるように、これが将来不安を引き起こし、消費に回さない、投資しないという消費者の行動を促しかねなくなります。
しかもドイツ銀にみられるように、金融機関の収益性の問題から、健全性を問われれば、まさにリーマンショックの二の舞。しかもドイツ銀ほどの巨大な金融機関ともなれば、その影響は非ではないでしょう。しかも各国の中央銀行は、もう無理を通せない。金融不安がその国を直撃する懸念が、さらに国民を不安にさせ、消費を減退させるかもしれない。まさに悪循環の入り口に立っている、そしてその原因は、中央銀行の失敗によるところが大きい、というのですから深刻です。

つまり中央銀行が、経済から何から金融政策で対処しようとしたこと、それが歪みを生む原因だったのです。そのため本来、中央銀行が監視すべき金融機関、年金や保険などの運用を主体とする機関も含めて、その歪みが一気に来てしまった。日本を筆頭に、高齢化がすすむ国ではインフレ誘導自体が、もう困難なのです。それは旺盛な消費をする層が、そもそも減退していくからで、経済成長=高インフレ、という構図が成り立たない。それを無理やり2%のインフレをめざす、などとしてきたため、金融政策の歪みがその直下にある金融をことごとく蝕み始めたのです。
それでも2月後半か、3月初旬までには急に、思い出したように市場は回復するでしょう。そうしないと、米国のシェールオイル関連企業の借り換えができず、破綻が続出するのですから、米国は必死で相場環境を好転させようとするはずです。ただ、今回の問題はいつか世界を崩壊にまで導くほどの破壊力を秘めた、闇を抱えたまま、推移することになります。マイナス金利の矛盾を解消できれば、破綻は回避できるのでしょうが、その可能性は現時点では低いことを意識しつつ、金融と市場の動きを注視していくしか、今のところ手がないのが現状なのでしょうね。

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2016年02月08日

景気ウォッチャー調査と、マイナス金利と

昨日の北朝鮮によるロケット発射で、安倍首相の強い意向で日本版NSCの様子を写した写真が公開されました。残念ながら、こんなことをしているから『ごっこ』などと批判されるのです。米国がビン・ラディン氏を暗殺した作戦で、NSCの映像を公開したのは、もうビン・ラディン殺害計画が最終段階だったからです。つまり、もうそのメンバーが集まって作戦を練る必要がない。しかし今回、北朝鮮のミサイル発射、核実験は今後もあるでしょうから、同じメンバーが召集され、会議が開かれるのでしょう。北朝鮮がもし、その会議の内容を知りたい、もしくは議論を北朝鮮に有利なよう取り計らってもらおう、となればメンバーの誰かを脅迫、家族を人質にとるなどするでしょう。メンバーの家族や親族を危険にさらしてまで行うようなことではありません。
ビン・ラディン暗殺で米国が公開したのをカッコいい、とでも思ったか。日本はやってます、というアピールなのか。見栄えを重視しがちな安倍政権だけに、両方あり得そうですが、この写真はさすがにマズイと思ったのか、お昼のニュースで一度流れただけで、新聞やその他のメディアも採用はしていません。日本の対応、危機管理を担当するNSCが、その危機管理すらできていないのでは、対応すらまともなものがでてこない、そう看做されても已む無しなのでしょう。

1月の景気ウォッチャー調査がでてきました。現状判断DIは前月比2.1pt低下の46.6。項目別にみても、小売が横ばい以外、大幅な低下を示しました。先行き判断DIは前月比1.3pt上昇して49.5。こちらは住宅関連以外、軒並み上昇する見通しです。この調査は毎月25日から月末にかけて調査します。多少、日銀のマイナス金利でわっと盛り上がった株価、円安などを好感した向きもあるかもしれませんが、それより先行きで改善を示すのは、春節期待といった部分が大きいのでしょう。判断理由にも多くが「インバウンド消費」への期待が滲み、国内に関する良い部分を探すと「原油安でコスト減」「寒さが厳しくなって冬物衣料、もしくはスキー関連」といった、天候や世界経済のマイナス部分が、逆に恩恵になるところぐらいでしかありません。
日銀のマイナス金利導入に関して、少し気になる噂を耳にしました。それは今後、当座預金にかけるマイナス金利の枠を拡大していく。そのとき、同時に日銀は国債購入枠を減らす。つまり、金融機関が当座預金から資金をひきだし、国債購入に当てさせる。そうすることで国債の暴落を回避しつつ、日銀の量的緩和を終息させようするのではないか? 今は量・質・金利の3段構えですが、軸足を質とマイナス金利に移す。逆に、そうでないと国債購入を終わらせることができない。

しかしもしこのマイナス金利拡大による量的緩和の終了、という策では量を供給しているわけではないため、マネタリーベースでみると拡大はしていない。つまりそのときは、デフレ脱却の旗を下ろすか、物価上昇率を0〜0.5%と目標を低くするか、しなければならなくなります。しかも、国債の暴落はある程度抑えられても、円高、株安はすすみ易くなるかもしれません。今の国債は明らかに需要過多、日銀が量の旗を下ろした時点で、これ以上の円安にはならない、との連想が働く。これは日銀が緩やかに金融緩和を止めるための策であって、経済は弱含むことが確実です。
先週末の米雇用統計で、追加利上げの思惑が強まった、とされるものの円安にはすすみ難く、むしろ今晩の欧米市場では一層の円高がすすんでいます。今後、どんな手を打っても日銀の限界説が囁かれ、終わりまでのカウントダウンの算盤をはじく音が聞こえます。失敗のキズを浅くするためだけの、マイナス金利の枠拡大と国債購入枠の縮小と、それを意識すれば当然、円高にすすむというのです。旅行収支が53年ぶりに黒字、という話もありますが、それが異常な金融緩和によってもたらされたものなら、その異常性がとり除かれたとき、早晩終わりを告げることにもなります。国民でさえ内需の活性化を期待できず、インバウンド消費しか期待しようがない国、金融緩和『ごっこ』の終焉にはとんでもないマイナス効果しかもたらさない、となるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:27|PermalinkComments(25)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 一般

2016年02月07日

北朝鮮の衛星打ち上げ

北朝鮮がロケットを発射し、どうやら人工衛星の投入できる軌道まで上昇、実際に衛星を投入したかは分かりませんが、一応ロケットとしては成功のようです。ロケットとミサイルの技術は同じですし、それこそ人工衛星の代わりに核弾頭を積めば、そのまま大陸間弾道ミサイルとして、核ミサイルを北朝鮮が事実上、保有したことになります。メディアは大騒ぎですが、実は日本にとって脅威のレベルが上がったわけではありません。すでに日本を飛び越すほどの長距離ミサイルは保有しており、また核実験には成功している。日本の危機レベルは以前から高かったのです。
一方で、危機レベルが跳ね上がった国、それが米国です。すでに韓国に高高度防衛ミサイル(THAAD)の配備をすすめることで韓国側と協議を開始する、というように、跳ね上がった危機を低減するために動きだした。しかしこれはちょっとお粗末で、北朝鮮が失敗していたら、協議すらしなかったというのでは、遅きに失しているといえます。状況が変わったことで、すすめ易くなった、ということなら、それは韓国とではなく、中国側からの圧力を避けられる、という意味になります。

THAADは低い位置から高い位置へと飛び上がるミサイルを追尾し、破壊する兵器であるため、レーダー監視網は格段に強化しなければならない。韓国に配備すれば、間違いなく中国の監視にもなる。中国側としては、自国の兵器の使用まで監視され、制限される、という意味でもっとも嫌がる方向となります。米国は中国を監視できる立場になったのに、中国は米国のお膝元にそういう装備はもっていない。これは米中の接近してきた軍事バランスを改めて突き放すものです。
しかし、THAADを回避してきたのは韓国も同じ。中国が嫌がることを朴政権ではせず、親中をつらぬき、経済最優先の態度をとってきましたが、韓国にも態度を変える3つの理由がある。中国経済の失速、米国の圧力、そして朴政権の断末魔の苦しみ、です。韓国経済も中国への依存を強めたために、中国の失速と歩調を合わせて、むしろ国の基盤が弱いだけに大きく失速してしまった。このまま中国に遠慮していると、米国からの圧力を避けられなくなり、それこそ在韓米軍が撤収する事態にもなりかねません。中国の不都合なことは今のうちに…と考えるきっかけになります。

国連の安全保障理事会の開催も日米韓が要請していますが、新たな制裁措置も、中国次第では骨抜きです。日本も独自の制裁案、などとしていますが、これで結局1年半前に緩和した効果もなく、拉致問題は何の進展もないまま、解決の道のりは遠のきました。できることを、できるときにしなかった。しかも1年半も、無為に時間だけを過ごしたことは安倍政権の失点でもあります。
メディアが「ミサイル、ミサイル」と騒ぐのは、安倍政権の失点を覆い隠すためではないのか? とさえ思うほどです。最初に記したように、日本の危機レベルは何も変わっていない。むしろもうすでに日本は北朝鮮の射程に入っている、ということを踏まえて対策をとって来なければいけなかったのです。朝鮮半島では「牛の角も手をかけたときに抜いてしまえ」という諺があります。やり始めたら最後まで、というほどの意味ですが、8日からとしていたロケット打ち上げを、7日に変更し、その日に打ち上げた。奇策、奇襲、サプライズ。どこかの政府と中央銀行と、やることはよく似ています。それで世界を驚かせ、自分たちに耳目を集め、自分たちの都合いい話だけを押し通す。そんなやり方に世界は辟易しても、頭から角をだして怒りをあらわにしても、口しかだせない、手をだせない状況が当分つづいてしまうのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:43|PermalinkComments(6)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 アジア | 政治

2016年02月06日

雑感。民主党の参院選向けポスター

台湾南部地震で、ビルが倒壊するなど大きな被害がでています。99年の台湾中部地震をうけて、耐震基準が改正されたので、まだ耐震性能の低いビルが多い、ということにもなります。日本でも杭打ちデータの偽造がありましたが、メディアはほとんどとり上げないものの、未だに続々と杭打ちデータの偽造が発覚しています。いざ、を考えておくことが天災への対応になります。
昨日は桜島の噴火がありましたが、また噴火予知に失敗しています。今、警戒されているのは鹿児島湾内の、海底噴火とされます。海底で巨大な噴火がおきると、水蒸気爆発をおこして津波が湾内を襲う。津波は今、地震ばかりでなく、噴火が原因でおこるものも想定すべき時代になっているのです。地震予知は人材も予算も豊富、噴火予知はそのどちらも乏しい、などと偏っていては、国民の安全は守れない。今回もよくある噴火だから、などとして予知できなくても問題ない、とするのではなく、予知の精度を高める努力を怠ってはいけないのでしょう。

厚労省の「地域若者サポートステーション」の広報用ポスターに『キミはまだ本気だしてないだけ』と大書され、上から目線だと問題視されています。厚労省は『本気』は本当の気持ち、どんな思いも打ち明けて欲しい、という意味だと説明しますが、残念ながらそんな意味はありません。今は言葉の意味の変化も早いですが、厚労省がわざわざ新解釈を付加する必要はないでしょう。『本気』の従来の意味は『真剣な気持ち』であって、原義でサポステの業務に当てはめれば、『キミはまだ真剣な気持ちで就職活動していないだけ』となります。人気漫画の『俺はまだ本気だしてないだけ』とタイアップし…と、ここからすでに無理があるのですが、1人称の『俺』にはそれがイイワケになっても、2人称の『キミ』には押し付けになってしまうことが、厚労省はわからないようです。サポステのスタッフから指摘されるなど、恥ずかしい限りです。
ポスターの話でいうと、民主党の参院選向けポスターが以前、話題に上がりました。岡田氏の写真を用いた『1人ひとりを大切にする国へ』と、キャッチコピーだけの『一強打破』と『民主党は嫌いだけど、民主主義は守りたい。』というものです。最後のコピーが自虐的だとされましたが、問題はそれでどうするか? ということが見た人に委ねられただけで、だからどうする、がない点です。不遜ですが、これを直すと『民主党は嫌い。だけど民主主義は守りたい。野党統一候補へ』とすれば、自民ではない選択肢を有権者に示すことになり、分かり易くなります。

ただ、その野党共闘も右往左往しており、民主は名を残したいのか、実をとりたいのか、よく分かりません。2つめの『一強打破』も、一強を打破するために、国民はどうしたらいいの? がない。民主党のポスターなので『だから民主党へ』を悟って下さい、では国民にまったく伝わりません。結局、野党統一候補の構想は、構想止まりですすんでいないから、という中途半端では、この時期にポスターを発表する必要もないのでしょう。むしろ岡田氏の写真入りのポスターは民主党の参院選向けキャッチコピーですから、この1つだけで十分とさえいえるほどです。
最近、日本でも『反知性主義』という言葉が用いられるようになっています。ただ、少し言葉の意味合いは米国のものと異なっていて、元々は知的階級やエリート社会に懐疑的な立場の主義・主張です。日本では、知性をもたない態度や言動だったり、知性をもつ相手を攻撃し、つぶす行為にもこの言葉が用いられます。そう考えたとき、安倍政権は一体どちらか? そう考えると、大いに悩むところです。知性的とは思えない言動、反論を聞くにつけ、今の政権は反知性主義とも思えますし、官僚というエリート社会へのアンチとして安倍政権が存在するなら、原義のような意味合いにも捉えられる。ただし、それが国にとって良い方向にすすんでいるか? と問われると、とてもそうとは思えない点が残念な部分ではあるのでしょう。

しかし今、政府を批判するとすぐに『左翼』レッテルを貼り、中傷や暴言を浴びせ、意見をつぶそうとする動きは、間違いなく知性をもつ相手をつぶす行為、反知性主義といえるのでしょう。次の参院選は、真に日本のことを憂うなら、日本のことを考える人なら、どういう態度をとるべきか? ということを明確に訴えた方がいい。それこそ知性的な、理性的な有権者のとるべき態度、という訴えをしていかないと、知性のある人ですら首をかしげているようでは「2位じゃダメなんですか?」と言われつづけてしまうだけなのでしょうね。

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2016年02月05日

雑感、日本の景気

米国の1月雇用統計が発表され、非農業部門雇用者数は15.1万人増と市場予想を下回りました。ただ、時間当たり賃金が25.39$と、前月より0.12上昇していますし、平均週間労働時間もコンマ1伸びている。全体としてはそれほど悪くない印象です。部門別でみても、小売の伸びが大きく、全体は減少傾向にあるものの、それを補った形であって、小売が堅調なら米経済は堅調なのか? それとも噂されるAmazonの実店舗化による雇用なのか、この辺りは判断に迷います。

日本の景気をはかる指標もいくつか発表されています。まず12月の景気動向指数速報は、一致指数が前月比0.7pt低下し、111.2。先行指数が前月比1.2pt低下し、102.0.遅行指数は横ばいで115.6です。しかも一致指数のマイナス寄与が高いものは投資財出荷指数、鉱工業生産財出荷指数、生産指数であって、製造業関連の指数が軒並み悪化しています。また商業販売も悪化しているので、日本は消費も生産も弱い、と見るべき点がない。これは12月の指標で、それでも株価は19000円を何とか維持して終えており、今はそれより株をみても悪い、といった点が心配です。
1月の消費動向調査をみても、前月比0.2pt低下の42.5。収入、雇用、暮らし向きと悪化していますが、それ以上に大幅なマインドの悪化を示すのが資産価値で、前月比4.5ptも悪化している。これを調査の基準日となった1月15日は、株価が17000円を切った水準だったから、としますが、今日はまさに17000円を割れてしまった。物価の見通しもじわっと上昇する予想が減っており、概要では「日銀のマイナス金利導入は、この数字に織り込まれていない」と、織り込まれたら改善するような口ぶりですが、しかし市場はすでにマイナス金利を景気にとってはマイナス、と受け止めており、織り込んだとて消費動向が改善する見込みすらない、と言えるのでしょう。

そんな黒田日銀総裁は、昨日の予算委員会にて、若干のトーンダウンともみられる発言をしています。新聞では「個人がマイナス金利になることはない」という部分を切り取って伝えるところが多いですが、その前後で「金融緩和はいたずらに長くやるものではない」として、これまで何でもやる、達成するまでやる、と述べていたところから、終わりを意識させる発言に変えています。これは市場がすでに金融緩和を好感しないことをうけ、手詰まりになった。また打つ手がないことを暗に示したものでしょう。金融機関の収益圧迫懸念に対して「相当程度回避」と述べますが、欧州では現にマイナス金利を導入しているスイスの金融機関では、赤字に転落しているところもあり、まったく説明になっていません。日本の現状に合わせたマイナス金利、としますが、欧州の実状とその日本の特性に合わせた変更で何が変わるか、を説明しなければならないのです。
景気動向指数も、消費動向調査も、あまり注目はされない経済指標ですが、両者とも明らかに『変調』を示す。株価が下がると、すぐに原油安や中国経済が…と、メディアでさえそんな論調しか示しませんが、国内経済は明らかにおかしくなっているのです。日本の企業は3月決算が多いですが、第3四半期まででもすでに変調を示す決算予想を示す企業も、増えてきています。株価が下がった理由は、企業の業績予想が見通せなくなってきた、今後も悪化するということであれば、下方への圧力が強まっているといえるのでしょう。残念ながら、問題を正しく把握できない。把握し、そこに手を打とうとすると、自ら悪いとみとめることになるから出来ない。そんな見栄え重視の経済政策ばかりを打ってきたからこそ、安倍政権は対策がとれなくなってしまったのです。欧州も陥っているマイナス金利の罠、一度はまったら脱け出せず、じりじりと景気後退を招く。これをアリ地獄というなら、日本だけはその特性に合わせて『アベ地獄』と称してもよいのかもしれませんね。

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2016年02月04日

政治とカネの問題と、メディアと

ついに為替もマイナス金利導入前の水準を下回ってきました。日銀は125〜116円を防衛ラインと考えている、とも囁かれますが、下限に近づきつつある。といってこれだけ明確に失敗すると、次の金融緩和の手は打ちにくい。今回のマイナス金利、中国の春節前に円安にして、爆買いをひきだす目的だったのでは? とさえ揶揄される中、3月末の決算期に円高になっていると、海外資産の評価損だけで利益が消えるのかもしれない。逆に、ここまで為替の評価益だけで好調と見せかけていた企業、業種にとって、為替の動向には一喜一憂しているところなのでしょう。

安倍首相が日刊ゲンダイを引き合いに、報道は萎縮していないと述べましたが、わずか1社しか例示がない時点で、萎縮を意識させます。少なくとも2、3社はすぐに名前が挙がるようでないと、政権監視というメディアの役割を果たせていないのであって、萎縮と捉えられても仕方ないところです。かつて政権批判と「新聞は週刊誌のネタにただ乗りしている」と、痛烈な論調を示していた週刊誌のNEWSポストセブンが、編集長が交代したのか、編集方針が変わったのか、政権に阿ったと話題です。『日経平均23000』『爆騰』などの記事では、高値予想の代表格みたいなエコノミストを並べて論陣を張るなど、首を傾げるレベルの記事になってしまいました。それで売上げが上がったかどうかは分かりませんが、少なくとも書店では長いこと同じ週の版を見かけます。
メディアも散々、技術流出だから産業革新機構、とぶち上げてきたシャープの支援体制の枠組みで、鴻海有利で検討がすすめられる、と伝わります。恐らく米紙などから『日本丸ふたたび』などとして、日本企業が外資に買収されるのを良しとせず、法律をつくってはそれを阻止してきた内向きな日本への批判に、安倍政権が耐えられなくなったのでしょう。株価も下がり、海外勢も株を買わなくなるなど、安倍政権も株価という意味で正念場を迎えている。外資をよびこむには、シャープを人身御供にしてでも…といったところでしょう。ただ、もう海外勢は安倍政権を信用していません。マイナス金利でも株買いに動かなかったように、信用失墜を市場は大いに嫌います。

ここに来て、遠藤五輪担当相にも口利き疑惑が報じられました。外国語指導助手(ALT)の派遣に関して文科省に圧力をかけた、とされるものです。仮に事実であったとしても、URの対応をみるにつけ、行政側から証拠がでてくるとはとても思えません。しかし最大の問題は予算化されるというこのALT派遣事業、子供の英語学習において英会話の能力不足が危惧される中、どうして派遣なのか? という点です。ネイティブが英語といっても国によっては訛りもあり、派遣で精査できるのか? 国の事業として行うなら、正規の職員として雇うべきではないか? 子供と接するのに、あまりに無防備で無責任な人選がされる可能性もあって、正しい態度とはとても思えません。
派遣にすればコストダウンになる、という話でもない。もしコストダウンになるなら、それこそ人選を簡素化している部分であって、子供たちが犯罪に巻きこまれる恐れも強まる。別に日本人だから、外国人だから、ではなく、教員は少なくともきちんと試験をし、面接をし、採用されているのに『助手』だけは別、という判断はおかしい、ということです。逆に、そういう部分に遠藤氏が関与し、派遣に恩典を与えるよう枠組みをつくったのなら、より罪深いとさえ言えるのです。

甘利氏の問題では、やたらと産経などが『100万円で辞任』と、100万円を強調しますが、未だ全体像は明らかになっておらず、しかも告発者は接待を含めて1200万円以上、としています。しかも中国を例にひきますが、金額の多寡などは大した問題ではない。要は、法律に違反しているかどうか、です。法律に違反するなら1円でも罪なのです。論点を間違えているとしか思えません。
安倍政権で増えてきた『政治とカネ』。政治によるメディア接待も、安倍政権ではやたら豪華になり、首相番記者との記念撮影など、サービス満点だったことも話題です。政治とカネ、そこにメディアの問題もくっついてきた。日銀によるマイナス金利報道が、先に日経にスクープを報じられたことも問題視されましたが、政治とカネとマスコミと、これをPmm問題と呼んでもよいのでしょう。Pが大きくて、それにmaneyとmass-com.がぶら下がっている構図。しかし株も為替も、政治の思惑と大きく外れてきた。そして徐々に暴露される政治家の口利き。そこに文春を初めとする、メディアの政権攻撃も増えてきた。mとmの反乱が、政権を追いつめていくことになるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:24|PermalinkComments(14)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | メディア

2016年02月03日

マイナス金利導入も株式市場は出直し

元プロ野球選手の清原氏が覚せい剤の使用疑惑で逮捕されました。西武に入団当時、企業戦略の一環で『清風』などとキャッチコピーがつけられ、覚せい剤防止のイメージにも起用されました。しかし長いこと『疑惑』と報じられ、吊るし上げられたことは、結果的に更生の機会を奪いつづけてきた、とも言えます。例えば芸能人、公人などは現行犯の前であっても抜き打ちで血液検査ができるなどして、逮捕が遅れることがないよう、早めに更生できるような手法があっても、よいのではないかと考えます。つくり上げられたイメージで苦しむ本人が、それを払拭したくて覚せい剤に手をだし、泥沼に嵌っていくよりはよほど本人のためのように感じてしまいます。

日銀のマイナス金利導入後、上昇した分をすべて吐き出す勢いで、今日は株価が下がりました。黒田日銀総裁は講演で「金融機関がかぶるコストは、国債価格の上昇で釣り合う」と述べ、日銀からも当初のマイナス金利分は10兆円ほど、とアナウンスもあります。しかし国債は売ってしまえば終わり、新規で買うと高い金額で買うことになり、さらに価格が上昇していないと利益はでません。下手に価格下落が始まると、マイナス金利のコストに資産価値の目減り、と金融機関にとってダブルで負担となる。そのとき国債の需要は消失し、暴落する懸念すら起きてきます。
黒田氏は「必要ならさらにマイナス金利を引き下げ」「量・質・マイナス金利で追加的な緩和措置」などと述べますが、今日の円高・株安、3日しか持続しなかったその効果で、事実上打つ手は限られた、とみます。今後、日銀の金融政策で市場から資金が引き上げられる可能性が高まった。まず大手銀が企業の普通預金に手数料、と報じられましたが、これは企業の収益性の悪化を意味します。さらにこの動きが拡大すれば、内部留保の多い企業ほど苦しくなる、となります。これは株式にとってマイナス材料であり、逆に企業がタンス預金をすすめるなら、金融機関は運用資金の目減りによって、国債や株式などから資金を引き上げざるを得ない、となるのです。つまり金融機関が収益性を維持しようとする動きが、市場下落の引き金となりかねなくなります。

今日の株価の大幅下落は、日系がそろって売ったためです。今回、海外勢は円売り・株買いにまったく動かなかった。日系のみが突出したため、戦略の見直しを迫られた。この日系、という主体は証券会社そのものではなく、資金を預託している側、つまり運用ルールを取り決め、証券会社に資金をだしている側をさします。ここからは憶測ですが、恐らく「損をしないよう、株価が上昇を演じられるよう、相場を操縦してくれ」という委託をうけているのではないか? とみています。底打ちムードをだそうとしたり、今回のマイナス金利で上昇相場を演出しようとしたり。しかし相場の基調変化に敏感で、すぐに反対売買を行って損益を確定させる。今回も、海外勢が買わないとなって、また原油安と円高がすすんだことで、すぐに売らざるを得なくなったのです。
そこには『損をしない』という前提があるから。そしてこうした値動きを荒くする資金がいることで、さらに個人が投資を手控える。本来、上昇ムードを演出しよう、とする資金が逆の効果しか生んでいない。これはマイナス金利も同様、狙った効果と逆の動きを引き出している。マイナス金利の導入によって、それがさらにはっきりとしてきて海外勢はますます日本を買いにくくなり、結果として上昇ドライバーを失った。今の日本市場はそんな政策、対応の失敗が強く意識されています。

市場のムードを無理やり演出しようとしても、もうその主体の本質が見えてしまっているため、誰もそれに乗らない。安倍ノミクスの本質、黒田日銀の本質。それを取り繕ってみても、効果が上がるはずもありません。つくり上げたイメージが、がらがらと音を立てて崩れ、その危機意識は政府、日銀に強くなっているのでしょう。だからといって麻薬のような施策に逃げ、現実から目を背けてばかりいるようでは、いずれ泥沼に嵌ってしまうことにもなります。今、個人向け国債などが続々と販売停止となり、需要が減退する中で国債価格が上がり、利回りが低下している現実が、いずれ反対売買をしかけ、国債価格の下落によって日本全体を混乱に導こうとする、海外勢の動きが背景にあるのなら、気づいたときには泥沼と思っているものが、実は底なし沼、という事態に日本が陥っていることすらも想起させるまでになってきたのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:31|PermalinkComments(8)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

2016年02月02日

雑感。米大統領予備選がはじまる

2015年の農林水産物、食品の輸出実績が発表され、対前年比21.8%増の7452億円とされます。しかし為替をみると一昨年は9月頃まで対ドルで102円程度で推移していたので、為替予約も考えると、ほぼこの額で取引されていたものと思われます。10月の黒田バズーカ第2弾で120円に乗せ、その後この水準で推移しているので、昨年は120円で取引されていた。すると実はこの増加分は、ほとんど為替差益で説明できてしまう、となります。勿論、ドルベースの取引ばかりではないですが、輸出先トップ3は香港、米国、台湾ですから、尚更通貨安の恩恵を感じさせます。貿易統計をみても、逆に数量ベースでは輸出は減っているのであって、金額だけH25年に策定された輸出戦略だけ達成した、と言われても、大いに違和感が残るところとなってしまいます。

米国では大統領選が本格スタートし、アイオワ州で民主、共和両党の予備選挙による投票が行われました。民主は僅差でクリントン氏、サンダース氏となり、共和はクルーズ氏、トランプ氏、ルビオ氏がごく小さな差で並びます。アイオワ州は大雪予想もあって、得票率が低くなるのでは? と見られていましたが、そこまでの冷え込みではなかったようです。ただそうなると、勢いのあったサンダース氏の敗北は痛いでしょう。一度殺がれてしまった勢いが、二連敗することで完全に失速する恐れもあり、次のニューハンプシャー州では勝利が必要となってきます。
一方で、共和党は事前の支持率ではトップだったトランプ氏が失速。保守強硬派のクルーズ氏がトップに立つなど、かなり異変です。一部で、日本のメディアが『ルビオ氏が健闘』なる記事をだしますが、これはこの民主、共和両党の候補をみて、一番日本に優しそうで、しかも共和党と自民利権とのつながりが深いところだからこそ、中間派とみられるルビオ氏に頑張って欲しい、という意味合いです。逆にいえば、共和のワン・ツーは強硬派すぎて日本にとっては危険。またクリントン氏は夫の時代の自動車産業への圧力が想起されますし、民主社会主義をかかげるサンダース氏だと、対日政策がどうなるか分かりません。日本のメディアもルビオ氏を推したい。しかし3位は3位、いくら勢いがあっても出遅れは如何ともしがたい部分ではあるのでしょう。

米国ではガソリン安でも消費が伸びず、大半が貯蓄に回っています。日本では団塊の世代の大量退職が問題視されていますが、米国も同様です。退職に伴い、老後の資金を貯めておこう、とする動きが消費を押し上げない。日本では未だにインフレ予想を押し上げて消費に回そう、と日銀が躍起になっていますが、米国とてそれが起きてはいないのであって、人口構成比による消費性向をよくみないと、対策を間違える、という典型でもあるのでしょう。
しかも、米国でも強さを求めたり、格差是正を訴えたり、そうした候補が支持を伸ばすのは、明らかに米国の構造変化に戸惑っている有権者の姿が浮かびます。自分たちが輝いていた頃をとりもどす。世界の警察であったり、分厚い中間層の復活であったり、そうしたものを求めてしまいがちです。政策の失敗を意識し、古い政治家に失望し、新しい何かを求めようとします。

翻って日本は、米国より一歩先んじて古い政治体制を壊したものの、一巡して逆戻りしているような状況です。しかも、より問題は深刻になっているにも関わらず、国民はそれを見て見ぬふりで、気づけば格差はさらに広がり、円の弱さは国の弱さに直結している。それでも、国民は選択肢すら行使しようとせず、いずれ終わる日まで甘んじて今の境遇を受け入れているかのようです。
米国は選択し、何かを変えようとしている。先んじて様々な問題があり、それを解決できなかった国と、これから解決しようと抗おうとする国と、大統領選は極端な訴えをする候補者が多いことでも話題ですが、変えるために何が必要か? それを半年以上かけて見極めようとできる分、日本のように与党の都合いいときに解散、総選挙という国よりは、米国の選挙制度とて様々な問題があるとはいえ、よほど健全な政治体制の決め方、といえるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:33|PermalinkComments(7)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 アメリカ | 政治

2016年02月01日

日銀のマイナス金利を市場は好感?

甘利前経済再生担当相による口利き疑惑、URから甘利氏の秘書との会議議事録もでてきましたが、どう考えても口利き、斡旋利得が適用できる案件です。しかも甘利氏が会見で述べた秘書が語った話、事務所で封筒の入った紙袋を渡され、陳情の案件を甘利氏も承った段階でその紙袋を秘書に渡し「適切に処理しておいて」と述べたのなら、甘利氏もその罪は免れない。東京地検が動きだした、ともされますが、安倍政権の下では東京地検が及び腰になることも想定されます。この事件もドリルで開けた穴に葬り去られるのかどうか? 推移には要注目なのでしょう。

先週末の日銀のマイナス金利導入で、今日も株式市場が上昇、などと報じられますが、先週末のシカゴ日経平均先物をぎりぎり上回った程度で、相場は全般弱かった。しかも、今日も先週末につづき、日系の分厚い先物買いが日経平均を支えたことが要因であり、決して手放しで喜べる状況ではありません。恐らく、日銀のマイナス金利導入に対し、日本のエコノミストは約8割が好感、一方で海外では「世界経済には都合いい」としながら、日本への期待が高まっていないことが一因にはあります。今日も売買高をみると大相場ですが、外国人投資家のやれやれ売りと、日本勢が必死に買い支える構図がそうさせたのなら、早晩この上昇局面は終わりを告げます。
しかも、国民に弊害はない、という論調もありましたが、早くも預金金利、定期預金の金利を下げたところがある。スズメの涙、と言われた利子が、その涙も涸れ果てたような状況です。しかも今後、予想されるのは金融機関の手数料の引き上げ、不動産や自動車ローンの金利引き上げ、です。本来ローン金利は、国債の利率が低下すれば引き下げられますが、今は経済環境が悪く、借り手の審査も厳しくなる傾向がある。貸す必要がないなら、他社の動向をみつつ金利を引き上げる動きがおきるかもしれず、そうなると今の株式市場は逆の動きをしていることになります。

世界で初のマイナス金利付き質的、量的緩和ですから、初動としては分かり易い理屈にとびつく層が多くなるのはやむを得ないとしても、現実との乖離が大きくなれば、将来の変動を大きくするだけ。国内の投信会社が、続々と国債ファンドやMMFの申し込みを停止にする中で、国債価格が跳ね上がった。日銀の当座預金に積み上げられない資金が国債に向かう、という確証もないまま、それに沿った取引をすることも同様です。個人の資金が投信に入ってこない、今後は需給がゆるむことも予想され、申し込み停止が長引けばむしろ国債は価格下落に向かうのでしょう。
さらにここに来て、黒田日銀総裁の施策を無条件に賛辞していたエコノミストも、長期ではマイナス金利に弊害があると言い出した。海外勢も疑心暗鬼、国内の日銀の味方も消えつつあります。それは自らの分析力、エコノミストとしての資質を問われることを恐れ、『異次元』から急に『異常』という、現実の次元にひきもどされた感のあるこの政策と、距離をおきたくなってきたのかもしれません。つまり『異次元』の頃は、まだ夢をみているだけでいられたのに、マイナス金利付き〜になった途端、実質的な悪影響が起こり始めている、その現実を無視できなくなった結果です。

URが甘利氏の秘書に、何度も「上限」と言っていた。その上限額が一体いくらだったのか? は判然としません。そしてまた、口利きによってその上限額に、どの程度上積みされたのか? それは政治マターで公的マネーの流れが歪められた結果でもあるのでしょう。そして日銀のマイナス金利付き〜も同様です。政治マターで歪められた資金の流れ、政治の口利きによって、もしマイナス金利を上積みしていくことになれば、弊害はすべて国民に降りかかることになるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:21|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 |