2016年12月

2016年12月29日

雑感。2017年にむけて

昨日の安倍首相の真珠湾演説、日露首脳会談と同じで、メディアはまるでなかったこと扱いです。年末だから…というより、評価すべき点がないためでしょう。例えば、オバマ大統領の演説全文をみていて気づいたのは、安倍氏が強調した寛容:toleranceを、一度もつかっていないのです。toleranceは『寛容』と訳されますが、『忍耐』や『大目に見る』の意ももつので、上から目線に感じます。オバマ氏は日米に関しては友情:friendshipをつかっており、こんなところにも両国の認識の差、が浮かび上がるようです。
そんな安倍氏がハワイに発つ前、潘基文国連事務総長に電話をしています。任期切れ間近の挨拶ですが、注目は今後の活躍に期待を示した点です。朴クネ大統領が事実上、更迭されており、大統領選が早まりそうな最中ですから、安倍氏としては保守系の現与党に政権を続けて欲しい、と考えているのでしょう。慰安婦合意をふくめて、政権与党につづけてもらわないと困る事情もあります。ただしその与党セヌリ党も分裂し、韓国の政局は混沌を極めています。変に手をつっこむと、安倍氏も痛い目に遭うことでしょう。

明日の売買最終日を控え、今日の東京株式市場は大きく調整しました。あれ? 米ダウは2万$をつけないの? という認識が広がり、米金利の低下で円高方向に動いたこと、また半導体株へのネガティブな情報、東芝の巨額損失など、マインドが一気に悪化しました。しかし米株など、トランプ期待がすべてその通りになっても、今の株価を正当化はできません。トランプ氏の当選で、米有権者の判断力の低下も懸念されますが、実は市場とて同じこと。今の米株は判断力が低下し、買う方が儲かるから買う、という単純な理屈でしか行動していません。その結果、大量に溜まった株買い、円売りのマグマはいずれ逆回転をおこさざるを得ない、そんな状態でもあります。
来年の株価は、その逆回転がゆっくり起きるのか、急速に起きるのか、いつ始まるのか、で決まるのでしょう。日銀の黒田総裁は「追い風が吹いてきた」と日本経済に自信を示しましたが、年末押し迫ったところでETF買いのバーゲンセールを行っていた側の云う台詞ではありません。風説の流布、市場操作の疑いすら抱かれかねないものです。

しかし政府も統計調査の嘘が発覚しています。経産省の繊維流通統計調査で、すでに廃業した業者の情報をずっと使い続け、水増ししていたとのこと。この統計自体は重要なものではありませんが、統計の信頼性が揺らぎかねないこうした情報が、年末の押し迫ったときにこっそり出てくる。隠したいけれど、告発で発覚したことなので隠蔽してもばれるからこのタイミングで…というミエミエの悪知恵ですが、問題は他の統計データは大丈夫なのか? 東芝の不正会計の問題もありますが、日本の数字の信憑性も揺らいでいます。来年の市場には、こうした数字の妥当性、信憑性の問題がつきまとうことが確実です。
今の市場は、自分たちが本当に正しいのか? そんな確信がもてずにいます。これまでは浮かれ気分でしたが、来年になると夢から醒め、現実を直視する場面も増えるでしょう。将来の不安があり、今の方が幸せに感じるから、ネガティブ材料をすべて無視してきた。しかしそんな不安に答えが出てくるのも来年です。2017年、7が最後につく年は経済を揺るがす事件が重なっています。1997年はアジア通貨危機、2007年はリーマンショックにつながるサブプライムローン危機、いずれも世界経済を揺るがしました。中国が不動産バブル抑制に動き、米国も金利上昇で不動産市場に翳り。バブル崩壊を引き起こしかねない材料もいくつか出てきています。

日本は政治が安定しているから、投資先になる、という話もあります。ただ、これは不確定な情報なので一切明かせませんが、安倍政権が一発でふきとぶほどの、超ド級の醜聞がある、ともされます。ラッキー7など、7は比較的よいイメージのある数字ですが、7の巡りの不吉な経済問題の発生なども考え合わせると、実は悪いめぐりなのかもしれません。聖書の黙示録も、7の封印が解かれ、7の天使が人類を恐怖と、混沌に陥れます。黙示録ではその後、最後の審判が行われ、聖別された人間だけが新しいエルサレムにたどり着くことができる。来年の世界、どんな7の封印が解かれ、どんな7の天使が現れるのか? どこの国のバブル、どこの選挙で何がおこってもおかしくない今、7の巡りには要注意なのかもしれません。何がおきても、わずかな確率でも無視せずに、冷静に対処できるようにしておくことが大切なのかもしれませんね。

1年間、当ブログを読んでいただいた皆様、ありがとうございました。本年は今日で最後とします。来年は1月5日から再開予定です。よい年をお迎えください。

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2016年12月28日

安倍首相の真珠湾での演説

茨城県北部で大きな地震がありました。今年は熊本、鳥取と、M6クラスの地震が多かった年です。東日本大震災を契機に、日本全体にひずみが溜まっている状態であり、油断はできないのでしょう。世界全体でも大きな地震が多く、日本だけの問題ではありませんが、地震や噴火といった事象には警戒も必要です。また福島原発や、茨城県の東海村には原子力施設が多く、地震の巣ともよばれる地域の近くに、どうして原子力施設を多く建ててしまったのか? その辺りからの問題も残されているのでしょう。

安倍首相による真珠湾訪問、評価は二分されるようです。評価する人は美辞麗句がすばらしい、とし、評価しない人は行動が伴っていない、が多い。注目したのは「和解の価値」でしたが、それが「和解の力」に変えられていた。恐らくハワイに発つ前、スピーチライターから修正が入ったのでしょう。「価値」では意味がとりづらい、と。
しかし問題は英訳で「The power of reconciliation」としました。conciliationでも『和解』を意味しますが、どちらかと言えば『懐柔』に近く、『再-』を意味するre-をつけても『和解』です。しかしこのreconciliationには諦め、渋々、甘んじて、といった印象も強い。収まるべきところに収まった、というのならsettlementで良さそうですが、こちらは若干固い印象もあり、政治の世界では『和解』にはreconciliationが好まれる傾向もあります。ただ日米関係の経緯を知っていれば、やはりそこには『諦観による和解』の印象がつきまとう。むしろ「渋々…敗戦したから…和解」という皮肉をこめたのだとしたら大したものですが、安倍氏は英語に詳しくないので、そこまで知らないでしょうし、オバマ氏の最後にそんな皮肉を浴びせたら、それこそ失礼に値するのでしょう。

しかも問題は、広島でオバマ氏が行った演説の構成と、ほぼ同じ。現在の状態、空爆開始前の情景、自分の感想。言葉こそ違えていますが、ほとんど意趣返しです。逆にみると、こうスピーチすれば感動を得られる、として安倍氏がパクッたのかもしれません。その後で演説したオバマ氏は何も言いませんでしたが、本音では不快だったことでしょう。演説が政治家としては見せ場、花形であり、しかも広島演説を丸々パクられたのですから。
しかもアンブローズ・ビアズの「The brave respect the brave」を引用したのですから、尚更です。このビアズという人物、生粋の皮肉屋で、『悪魔の辞典』を書きました。実はタイトルの仰々しさに、一度本屋で手にとってぱらぱらとめくったものの、すぐに棚にもどした記憶があります。社会風刺と冷笑に満ちていて、心に余裕がないと重かったためです。しかもエイブラハム・リンカーンの「誰に対しても悪意を抱かず、慈悲の心で向き合う」と「永続する平和を我々すべての間にうちたて、大切に守る任務をやり遂げる」という言葉も引用した。皮肉屋の言葉と、奴隷解放運動をすすめた人の言葉、これが暗喩だとすれば、そこには日本が奴隷的な状態にある、と言っていることになります。

最近、安倍氏が日米同盟をいうときの定番でもある「希望の同盟」も、どう考えても「非望(分不相応の高望み)の同盟」に聞こえてしまう。あえて同列である、そう言い続けないと、自らを隷属的とみとめるようなものだから。むしろ逆転させて「同盟関係を希望」とする方が、よほどすっきりするのかもしれません。今の敗戦国扱いはやめて、同盟国として扱ってね、という願望です。そしてそこにはreconciliationにあるre-:再-があるのだとしたら、『和解のやり直し』が本旨なのかもしれません。
しかしこれらは、安倍氏の本心とは異なるでしょう。アリゾナ記念館訪問前、27分の会談で相手を労った後、これほど強烈な皮肉をこめたとすれば相当な曲者ですが、安倍氏はそんなことができる才覚はない。皮肉屋ビアズの言葉は、その背景まで知らないと正しい意味がつかめませんが、寡聞にしてこの言葉は知りません。ただ推察するなら、ビアズの言葉は「The brain respect the brain」としたかった、とするなら、オバマ氏のスピーチライターに対する尊敬の念をこめたオマージュ、としての演説だったのかもしれません。するとそのことも知らされず、情感たっぷりに語ってみせた安倍氏は、The bravado(虚勢)という形の演説となり、悦に入っているという恥ずかしい形になってしまったのかもしれませんね。

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2016年12月27日

東芝の損失と11月の経済指標

東芝が子会社WHによる米原子力サービス会社S&Wの買収に関して、1000億円以上の損失を計上する可能性と伝わります。しかし三菱重工による仏原子力大手アレバへの出資も同様ですが、どうやら欧米の原子力関連産業が、中国などに買収されて技術を盗まれるのを恐れて、日本が損をだすことを半ば覚悟しながら買収や出資をしているような、そんな噂もあります。つまりかつての湾岸戦争のとき、軍をださなければカネを出せ、といわれた構図と同じ、米軍の傘の下で、原発を管理、維持することなくぬくぬくと過ごしているのだから、世界の原子力産業に対してカネをだせ、と言われて企業が政府から尻を叩かれた結果なのかもしれません。
損失度外視で海外の原子力産業にも、お金をだす。出すよう仕向けられている。そう考えると、政府が必死になって原発再稼動や、高速増殖炉計画をつづけようとすることも理解できます。国民の税金で原子力産業を潤し、そのお金で海外の原子力産業を下支えする。前回のWHの巨額損失のとき、どうして東芝をつぶさないのか? と疑念をもたれましたが、そもそも官製買収の一環でWHを買収したなら、東芝はとばっちり、政府の尻拭いをさせられただけなのですから、それで倒産させようとしたら東芝が怒りだすでしょう。

11月の有効求人倍率が1.41倍となりました。しかし新規求職者数が前年同月比5.4%も減少しており、さらに10月はほとんど横ばいか、マイナスだった産業まで、11月になると新規求人を増やした。年後半は暇になる、と思っていたらトランプ相場をみて、急に求人をだしたのかもしれません。もしくは年度末にむけて、在庫を生産するためか。いずれにしろ求職者が減っている中ですから、人材確保には苦労する構造となり、日本からますます産業は逃げていく方向なのでしょう。特に今回、器具製造業が伸びており、これは産業機械関連であることからも、株価上昇で企業が設備投資をしておく、といった需要をこなすための求人、とみることができます。
11月家計調査では実質で前年同月比1.5%減となり、今年は2月を除いてずっとマイナスが続きます。しかも教育、住居修繕、被服などの余剰的な消費が減っており、家計は苦しくなっていることがうかがえる。しかし勤労者世帯の実収入でみると、前年同月比で実質1.0%増と、収入は増えている。一連のことから読み解けるのは、求職者が減っていることからも、人材不足が顕著で、賃金上昇を促し易い状況がととのっている。ただし、産業機械の分野で人材確保を急いでいることからも、設備投資をしようとする企業の気配もある。それは人材不足で、日本から脱出して海外で工場を設置しよう、という動きにつながるのかもしれません。安倍政権では少子化対策もすすまず、労働人口の減少がますますすすむのですから、企業としては当然の判断といえます。

しかし原子力産業のように、海外企業を買収、出資しても痛い目に遭うケースも多い。また10月の世界電子部品出荷額が、前年同月比で13.1%減になるなど、世界経済には暗雲もただよう。スマホ需要も一巡し、またパソコンが低迷。IoTが主力になるのはまだまだ先、海外に出たとて需要減少の問題はつきまといます。日本企業に限った話ではありませんが、シェアリングが主流になれば、本格的な需要減退が、企業にとって重しになるでしょう。
しかも日本ではマイナス金利が導入され、資金は借りやすいものの、逆に金融機関にとっては貸し難くなった。しかも不動産は相場自体が高くなってしまい、金利の低さ以上に価値の目減りが気になってくる。一部では、このマイナス金利のことを『台無し金利』と呼びます。儲かりそうなところにはわっと資金が集まり、バブルをつくり、そして市場を壊していく。バブルの市場と、一方では衰退産業なのに、官製で下支えが入る原子力産業のようなところと。台無し金利なのに、破綻しかけた企業には資金が集まらない、という実体からすれば、今後の世界経済は不安定化していくことにもなり、企業の淘汰の時代がはじまることを、ある程度覚悟していくべきでもあるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:38|PermalinkComments(4)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 原子力

2016年12月26日

和解の価値発信?

安倍首相のハワイ訪問は「和解の価値発信」だそうです。和解? 法律的には双方が譲り合って争いをやめること、を指しますから、決して敗戦で一時占領下におかれ、今もなお沖縄に大量の基地が残り、米軍が駐留し、さらに紳士協定という屈辱的な条件で米軍をおいている状態は、決して「ゆずり合った」わけではありません。相変わらず、言葉で飾ることが代好きな安倍政権ですが、その言葉の使い方を間違えている、という致命的な欠点をこんな年末のおしせまったときでもしてしまう点は、とても残念です。
しかも前段を間違えているばかりか、後段も意味不明です。そもそも米国が和解を望んでおらず、相手に屈服か従属を求めているのですから、それを発信したとて何の意味もない。日本がそういう状態ではないですし、海外からみれば「安倍は気でも狂ったのか?」と思われるか、笑われるだけでしょう。かっこつけたのに決まらない、一番かっこ悪いことになっています。米国に臣従している方がいいことあるよ、と素直に言えばいいのですが、そんなことにメリットを感じる国もない。価値、ここで英訳するならvalueやworthではなく、meritとなるのでしょうが、国のトップ、組織のトップとして鶏口牛後を望む人はほとんどおらず、「安倍は変わっているね」そう思われるだけでしょう。

政権発足から4年を迎え、安倍政権はおかしな言葉のオンパレードです。「デフレではない状況」をつくった、としますが、今はもうデフレです。デフレを否定する言葉にすることで、上手くいったと印象づけようとしていますが、現実がそうなっていないのですから、安倍氏の認識がおかしい、としか思えない。雇用もそうで、安倍氏の認識がおかしいとしか思えない。認識がおかしいから、間違えていても平気なのかもしれませんが、本当はとても恥ずかしいことをしているのです。記者も指摘しませんが、本来なら赤面しながら訂正するレベルの間違いを、安倍氏は金科玉条のごとく掲げていることになります。
積極的平和主義、という言葉も意味不明でしょう。平和主義に積極的も、消極的もありません。武力をもって成し遂げるものは、平和主義とは言いません。駆けつけ警護も論外でしょう。駆けつけ、は英訳せずkaketsukeとしていますが、外国人にあえて意味を伏せているのだとしたら、kaketsukeの意味は、米国の意に反して武器禁輸措置の決議に応じず、その武器で自衛隊が攻撃されること、になるかもしれません。

しかし安倍政権は発足当初から市場に口をだすなど、その軽さが指摘されても来ました。甘利越え、なる言葉をうみだした甘利前経再担当相は、一線も越えたらしく閣僚を辞任しました。暴言では著名な麻生財務相は未だに閣内にいますが、暴言が改まったわけでもありません。そしてここに来て、暴言王としての地位をとりもどそうと、活発に動いているのが森喜朗五輪組織委員会会長です。東京都以外の各地方自治体に、協議をお願いする際に東京都が約束した五輪組織委が予算負担する、という話を「自分が就任する前だから知らない」と言い放ちました。五輪組織委は東京と、日本五輪委が共同で出資した財団法人であり、就任前だから従わなくていい、などという理屈は成り立ちません。東京が決めたことを実践するための組織であり、事前に知っておくべき内容とも言えるからです。
言葉が軽く、また間違いも多い安倍政権の下ですから、こんな暴言をしても誰も文句を言わない。範を垂れるべき存在が、そもそも悪い模範となっているので、始末に終えないのです。そして「和解の価値発信」という言葉も、国内でこれほどごたごたしている東京五輪の問題が海外に知れれば、まず国内の和解に務めた方がよいのでは? という目で見られることでしょう。明日、どんな軽い言葉を発してくるのかは分かりませんが、和解を法律用語で英訳するとout of courtですが、間違えてcoat(コート;衣服)としたら、安倍マリオと同じぐらい、その軽さに嘲笑ぐらいは買えるのかもしれませんね。

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2016年12月25日

雑感。政治とカネ、来年こそ…

安倍氏が史上4人目となる、現職総理大臣としてハワイ真珠湾訪問にでかけました。そんな中、日米の著名人53名が連名で、安倍首相の認識や今後、他の慰霊碑にも訪問するか、などについて公開質問状をだしました。日本政府に答える義務はありませんが、無視すれば逃げた、との認識が広がりますし、野党がこれを質問状として国会で正式に議論するよう促すと、内閣としても答弁書として正式に対応せざるを得なくなります。ただ民進党は保守系の蓮舫代表、もし自分が総理になったら…と余計な想像をして、二の足を踏むかもしれません。コトは戦争認識であり、それだけ難しい問題をはらみます。
しかし安倍氏は会見でも「歴史的意義」を強調していたので、自身の認識をはっきりしておかなければ嘘になります。意義とは、各々が勝手に推察し、思い描くようなものではないからです。そして本当は、質問状に答えることで国民の疑問に答えることにつながるのですが、難しい説明からは逃げることも多い安倍氏が、果たしてそれができるかどうかは疑問なのでしょう。

そんな米国では、トランプ財団についてNY州が調査を開始しています。これは大統領選のときから問題視されていましたが、未登録、資金集めやその使途が不透明などとされ、警察も関心をよせていました。トランプ氏は財団を解散するとしますが、捜査対象であり、それは許されません。当局からの資料提出を拒めば、強制捜査でしょう。もしかしたらトランプ氏は就任前から有罪判決をうける、といった問題ある門出になるかもしれません。
しかしそればかりでなく、トランプ氏の事業を娘に引継がせる、ともしますが、その娘婿は政権に参画するともされており、結局のところ利益供与の疑いは残ったままになる。しかもこの財団問題、関連企業の和解のために使用された疑いがあるなど、下手をすれば詐欺罪にすらなりかねない。下手をすれば、史上もっともお金にトラブルを抱えた大統領の誕生になるのかもしれません。

国連のパン事務総長にも不透明な資金の授受が報じられていますが、来年は『政治とカネ』の問題が、世界的に拡大するかもしれません。それは収益を維持できなくなっている企業が、権力に阿ってそれを維持しよう、とする意識が世界的に蔓延しているからです。そして拡大する富裕層を羨望の目でみる政治家も、自分たちも甘い汁を吸おうとしてお金に吸い寄せられていく。言葉は悪いですが、お金に汚い人たちが拡大した、それが新自由主義による富裕層優遇という政策の結果、なのかもしれません。
日本でもすでに何件も、政治とカネの問題が浮上しながら、すべて警察が大した捜査もせず不起訴にしています。検察審査会も骨抜きされ、不正をただす仕組みがこの国からは一気に後退してしまいました。しかし世界的にそうした問題が拡大するなら、それは格差の問題と相まって、国民の怒りを買い易くもなってきます。そして、以前にも指摘したようい政治と距離をおきはじめたメディア、今年は文春砲という言葉も生まれましたが、政治への追及をはじめるのであれば、ここから起きる政治とカネの問題、来年には要注目になってくるのかもしれません。それは史上『初』と発表した安倍政権に対して、それは4人目である、と報じるメディアがでてきたことにも、端的に表れているのかもしれません。来年の政局、カネが絡んでの政権追及となれば、これまでと違った展開も想定されてくるのでしょうね。

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2016年12月23日

雑感。一人当たりGDP

来週、安倍氏がハワイ真珠湾を訪問しますが、何と現職総理として吉田茂氏、鳩山一郎氏、岸信介氏も訪ねていた、ということが判明しています。外務省は知らない、としますので、恐らく非公式なのでしょうが、安倍氏の真珠湾訪問がますます霞む事態になっています。政府が「安倍氏の訪問が現職初」と発表したのに、いつの間にやら4人目、しかも祖父まで…となっています。しかも政府が情報をつかんでいないため、足取りもつかめず、「祖父が歩んだこの地を…」といったテンプレートの挨拶もできません。今、政府は必死で当時の資料をしらべているところかもしれません。

伊銀3位のモンテ・パスキが増資計画に失敗、伊政府からの支援を仰ぐ、と伝わります。不良債権の証券化など、必死で財務健全化を訴えてきましたが、支援に前向きとみられていたカタール投資庁なども手を引き、大口投資家の賛同が得られなかった点も大きいのでしょう。しかし金融不安があった日本でも、米国でも公的支援はありましたし、驚く話ではありません。しかしこの増資をめざしていて失敗した、という一事が示すのは、世界の大口投資家が今後の経済を、楽観的にみていない、ということです。
トランプラリーでは金融株が上昇していますが、あくまで規制緩和と金利上昇がその理由です。しかし規制緩和が予想通りすすむ可能性は少なく、金利上昇が収益につながるかは不明です。これまで企業は金利低下もあって、資金を金融機関から調達していました。しかし今後は増資など、市場から調達するようになるでしょう。結局、金融機関からの調達は保険、もしくは市場から調達できないような企業が多くなるはずです。そして、そうした企業は経済環境の悪化に弱い。米国のシェールオイル関連企業がそうであるように、企業の業績悪化が金融機関にも打撃となる。金融機関の健全性は景気に連動するケースが多く、どうしても投資家は先の景気をみて、金融機関の増資に応じるか、応じないかを決めることも多くなってくるのです。

最近、日本の生産効率の悪さ、などが話題になりますが、内閣府が発表した国民経済確報で、2015年の国民1人当たりの名目GDPは、ドル換算で前年比9.6%減となり、OECD加盟35ヶ国中20位と、前年より順位を一つ下げました。14年10月の黒田バズーカ以来、強烈な円安が襲ったためですが、日本はそこそこ国民も多いため、1人当たりに換算すると非常に低く見えがちです。少子高齢化で生産年齢人口が下がっていることも一因ですが、もう一つの要因は非正規社員の拡大ではないか、と考えています。
かつての日本企業は、社員から積極的に、何を変えたら効率が上がるか、ムダがなくなるか、といった業務改善提案をさせていました。しかし社員であれば、褒賞目当てもあって提案もしますが、非正規だとそのインセンティブはない。ナゼなら、効率化したら自分たちの首が切られてしまうかもしれないのですから。非効率で、人手をかけて仕上げる方が非正規社員にとってメリットがある。つまり日本は非効率の方が労働者にとって都合いい、そう考える層が増えてしまったのです。

また現場を知らない経営者や、管理職が増えたことも要因でしょう。口では効率化、コストダウン、と言っても何をしていいか分からない。一つの工場で部品から最終製品までつくるわけではなく、また実情も知らないので、何をどう改善していいか分からない。経営層と労働者層の乖離が広がっていけば、ますます非効率な方法が蔓延するでしょう。
格差が広がる米国の場合、金融工学などの新たな仕組みを生み出して、この生産性の低下を防いでいます。その結果、サブプライムローンなどが未だに跋扈していますが、AppleやGoogleなどの巨大企業も、利益を拡大させることで生産性の低下を防いでいます。しかし残念ながら日本に、こうして高成長を維持できる企業がない。結局のところ、非正規の拡大や成長できない企業、という意味では、経営の失敗ということになるのです。そしてそんな経営者が高給取り、という最悪の問題とも重なってきてしまう。格差の拡大と、非効率性という問題と、そこに日本の病巣も浮かび上がるのでしょう。それは政治家でさえ、世襲が増えている最中、企業経営者に世襲をやめろ、などとは言えないでしょうから、日本はこの構造的な家重視、世襲という体質を見直さない限り、ここからふたたび日が昇るような成長を果たすことは難しい、といわざるを得ないのでしょうね。

明日は一日、お休みしたいと思います。

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2016年12月22日

雑感。安倍政権考

糸魚川市の大火、古くからの街並みであれだけの隘路ですから、当然そこは防火地域、もしくは準防火地域のはずですが、古い建物は建築基準法が適用される前に建てられたものでしょうから、一つの火事が強風と相まって大火事となってしまったのでしょう。しかし怖いのは、一箇所に災害が集中するケースで、消防団などの対応が利かなくなってしまいます。1軒の鎮火に失敗し、2軒、3軒と広がると乗数的に被害が拡大します。火の粉が次の火事を誘発するので、消防団も2倍、4倍と必要になってしまうのです。

昨日のつづき、のような形で安倍政権について考えてみます。安倍政権には3つの矛盾があります。まず日本会議を支持基盤としながら、媚米的態度をとることです。日本会議は様々な組織が関与しますが、その主張の一つに「戦後、米国から押し付けられた憲法」というものがあり、自主憲法の制定を掲げます。それが安倍政権での改憲の動きとなりますが、米国にとって面白かろうはずがありません。今は静観していますが、日本が独自路線を歩み始める、と宣言するのですから。つまり米国に媚びながら、裏では自主独立の道を歩む、という矛盾。断言しますが、安倍政権が媚米の態度をとる上で、改憲に強く踏みだせば、米国からの横槍が入ることはほぼ確実といえ、今のままでは絶対に安倍政権では改憲ができない、となるでしょう。
つまり安倍首相が、改憲議論と一歩距離をおくのも、米国の反発を怖れたものであって、委員会に議論を委ねることで、自身のせいではない、と米国に示しているのです。しかしいざ国会で審議、採決の段になるといやが上でも自民党総裁としての、安倍氏の責任になってくる。そのときに米国との蜜月が終わりを迎えることになります。

経済政策では、事実上財政出動を拡大させたのは就任1年目のみ。災害復興が重なり、建設業界が悲鳴を上げたため、財政出動はできずにいます。整備新幹線やリニア新幹線など、息の長い建設工事はありますし、東京五輪にむけての工事も重なり、公共工事は何もせずとも増えてしまっています。それ以外の経済政策はもち得ておらず、ほぼ黒田日銀による金融緩和のみ。つまり安倍ノミクスという自らの名を冠した経済政策をうちだしながら、安倍政権自体は何もしていない、という矛盾です。
地球儀俯瞰外交とされるものは、結局『俯瞰』という上から目線で、各国にお金だけばら撒いて終わり。その完結編が日露首脳会談ですが、お金だけ出して何も決まっていない。すべてこれから話し合い、調整すると言います。参院選では「安倍ノミクスは道半ば」、日露首脳会談では「平和条約にむけた第一歩」と、4年も経って経済も外交も何の成果もだせていないこと。安倍政権は成功した、支持が高い、とされますが、自ら何も成果はありませんよ、と認めている。ここに大きな矛盾があります。

そしてその3つの矛盾が、一気に噴出したのが日露首脳会談です。米国の制止をふりきり、嫌がる財界を無理やり話し合いに引きずりだした。これまで安倍ノミクスや媚米外交をとり、政権の延命だけを只管はかってきた、そのすべてを犠牲にしてまで挑んだ日露首脳会談で、ゼロ回答となった。つまりこれまでは媚米、安倍ノミクスで利益を得られる、曲りなりにも協力的だった米国、財界が今後、安倍政権の敵に回るのです。
メディアを牛耳った安心感からか、電通叩きに走ったことも、今後はメディアの動きを変化させる要因になりかねない。個人的な付き合いの安倍氏より、広告主の方が大切だからです。特にそれは、安倍政権の醜聞叩きとなって顕著となるでしょう。それは利益の代弁者として失格の烙印を一度でも押されたら、もう用済みなのです。

来年度の予算案もでてきましたが、外為特会を一般会計に組み入れたり、今年度の当初予算のときの税収が、大幅に落ちたにも関わらず、来年はそれ以上の税収をみこむなど、涙ぐましい手をつかって見かけ上、安倍ノミクスは失敗していない、という形をとりました。しかし原発政策でも、もんじゅは廃炉でも高速炉計画は継続、などここにも矛盾がありますが、経産省の力が強まりすぎている。外為特会という利権に手をつっこまれた財務省の逆襲が、こうした安倍政権への風向きをみて始まることも予想されます。財務省の力の源泉は、何も予算をにぎっているからではない。メディアコントロールの面でも、財務省はこれまで力を発揮してきたのです。来年、安倍政権が迎えることになる各所に上がった火の粉。外交という矛、経済という盾、その二つが実は火で燃えてしまうぐらいの脆弱なものだったことに、改めて気づくことになるのでしょうね。

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2016年12月21日

来年の政局について

来年の政局について、少し考えてみたいと思います。まず1月解散はかなり難しい。1月半ばから安倍氏は外遊日程を組んでおり、後半には就任直後のトランプ米次期大統領との会談を申し入れしています。トランプ氏がうける確証はありませんが、逆にそれを断られた上で解散はできませんし、受けてもらえるなら1月末しか解散のタイミングはありません。しかしそうなると早くて3月にならないと通常国会が開けない。予算案の年度内成立はほぼ絶望的、かつ5月まで成立できなければ、通常国会はほぼ予算審議で終わります。
しかし安倍政権はその日程でも強引におしすすめる可能性があります。それは先の臨時国会で、カジノ法案を通した手法のように、ほぼ審議せずに予算案を通してしまう、という禁じ手です。予算審議は国会の花形、ほとんどテレビ中継もされますし、どんな形で政権を追及してもいい。通常は100時間程度の審議時間を確保する必要がありますが、逆からみれば政権には疎ましい時間です。そこでカジノ法案のように、大した審議もせずに通過させてしまう。落ちない支持率、それに安住する安倍政権では、野党が猛抗議しようと痛くない。そうして解散をしても、通常国会で3月末に予算を通してしまう、異例の手法をとってくる可能性は残されています。

というのも、来年はそこ以外で解散権がつかえないからです。夏には都議選があり、都議会公明が自民都連との決別を果たしたことからも、都議選にフル回転する創価学会婦人部の協力が得られず、自民議員が苦戦する可能性が高い。少なくとも前後3ヶ月は、解散権が事実上封印されるのです。来年の年末解散も想定されますが、その頃には選挙制度改革がすすみ、区割りも変更となることから、有権者への周知徹底という意味でも選挙は事実上できない。安倍氏の政界の力でもある解散権は、1月末しかつかえません。
その前提は、26日からのハワイ訪問と1月末のトランプ氏との会談を成功裏に終えること、です。しかし日露首脳会談以後、安倍政権への風当たりは変わった。安倍氏が頼みとしてきた米国ルートは知日派、本来は共和党系ですが、トランプ共和党候補に反対した点をみても、オバマ政権寄りのスタンスをとっていました。そのオバマ政権の不興を買ってまで日露首脳会談に臨んだ安倍氏を見限った感があります。その米知日派と密接につながる読売が、オスプレイの運行再開で、沖縄の反発に対して『政権苦慮』という見出しをつけたのです。これまで『苦』や『悪』という字を政権に対してつかってこなかった。イメージが悪化するためですが、カジノ法案から明らかに安倍政権への態度が変わり、こうしたネガティブな言葉でも用いるようになった、米知日派としても安倍政権に気をつかうより、新たにトランプ政権との繋がりをもとうと、必死になってきたのかもしれません。

ではその知日派がどういう手を打つか? 政権人事も判明しつつありますが、共和党との人脈があまりない。なので、知日派としても何とかしてコネをつくりたいところです。そこで日本を叩いて、トランプ氏に都合よい提案を日本からさせる。例えば工場の移設や、インフラ投資に日本も拠出、などですが、そのために1月末の日米首脳会談をセットさせたのではないか? 安倍氏としても、トランプ氏との交情をむすびたいところですが、先の自宅訪問後、顔に泥を塗られたこともあり、何らかの手土産が必要との認識がある。米知日派と、安倍政権の意図はこの点で合致しており、何らかの条件をもっていく可能性が高いのです。
しかしここまで滅茶苦茶な外交をすれば、安倍氏の国内での人気はがた落ちでしょう。朝貢外交の批判も免れません。そして米知日派は、安倍政権を見限り、次の政権によるトランプ政権との新たな関係を模索、つまりそのとき知日派が必要となってくるのです。つまり日本のことをよく知る自分たちでないと、新たな政権のことが分からない、そうアピールしてトランプ政権に接近する口実ができることになるのです。

つまりその日程からすると、安倍政権をあるタイミングで失脚させる必要があり、それが1月末解散で自民党が大敗。かつ過半数は維持というシナリオです。それで自民内で政権を交代させ、自分たちの出番となる。安倍氏がそのシナリオに乗るか、それは分かりませんが、政権をつづければつづけるほど、メディアによる安倍政権への攻撃が、苛烈となっていくでしょう。これまで、媚米の態度を貫いてきたのも、そうした米側の裏工作を仕掛けられたくなかったからですが、それがトランプ政権の誕生とともに、日露首脳会談で変わったのです。この変化、今は小さいですが、来年にはもっと激しくなるでしょう。安倍氏にとって最も厄介な、米国による安倍下ろし、それを起こさせないための日米首脳会談だと思っていたら、そこが罠になる。これはあくまで仮説ですが、このシナリオ通りにすすむのなら、安倍氏は本当に外交手腕がない、ということにもなってくるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:44|PermalinkComments(26)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | アメリカ

2016年12月20日

日銀の政策決定会合

麻生財務相が北方領土に関して「基本的にあそこは露国の主権下にある。そこに特別な制度をつくることで合意した」と発言しました。政府は『実効支配下』の間違いだ、としますが、恐らく確信犯でしょう。安倍首相が特別な制度の下で、徴税についても露国と議論、と述べたことへの反発とみられるからです。つまり双方が主権を主張するところだから、徴税も議論できるという論調ですが、その話し合いに財務省は加われない。徴税しろと言われても、無理なものは無理。徴税不能となっても財務省、国税庁のせいにされては堪らない、とばかりに「北方領土は露国の主権下」と、明示したともいえます。

日銀が金融政策決定会合を開き、現状維持を決めるとともに、景気判断を小幅に上方修正しました。消費や輸出の判断を上方修正しましたが、百貨店売上げ高は1年を通じて昨年を下回ることがほぼ確実、勿論インバウンド消費の剥落はありますが、生鮮食品の高騰が家計の打撃になっており、個人消費が盛り上がった形跡はありません。輸出も前年割れがつづくように、輸入も下がっており、上方修正するような数字はない。それでも判断をひき上げたのは、むしろ市場の上昇に合わせた、とみなすこともできます。今の株式市場の上昇は根拠に乏しくなっています。日銀という権威が景気についてお墨付きを与えることで安心感を与えたかった。円安を「驚くほどでない」と発言したのもその一環でしょう。
しかし昨晩、頻発したテロをうけ、円はドルに対して下落、ユーロに対して上昇しました。今の通貨の強弱はドル>ユーロ>円ですが、今は円の売り持ちポジションが増えており、不測の事態で円買いになる。それはかつてのような安全資産としての円というより、リスクオフで円を売る、売られるという低成長国としての宿命になりつつあるのかもしれません。つまりリスクが減って経済成長する、という状態にあっても日本は成長できないから、そのタイミングでは円を売りたくなる。それが先進国中、最弱通貨としての円の実態でもあるのでしょう。

しかし来年はどうなるか、分かりません。欧州の選挙イヤーですが、極右政党の台頭が現実味を増すごとに、テロの危険も高まっていく。そしてテロが起これば、極右政党が議席を伸ばす、といった悪い意味の相乗効果がここには働きます。対立構造を加速していきかねません。そして米露もそれは同じ、その対立を煽るようなことを発言する。トルコで露大使が殺害されましたが、今や米露、欧州どこもテロ対象国です。
日本も安倍氏が行ったイスラエルの演説以後、テロ組織に狙われていますが、今のところ実行されてはいません。それは未だに日本人に対して、中東の人のもつイメージがよい点も含まれるのでしょう。ただ駆けつけ警護などで、ムスリムに銃口を向けるようになるなら、どうなるかは分かりません。南スーダンは部族間対立が顕著で、必ずしもイスラム教徒に限ったことではありませんが、中東やアフリカなど、PKOを必要とするところはテロ組織とも密接な関係にある、ともいえるのです。

来年は、急激な円高になることも想定されるのでしょう。今日の日銀は現状維持でしたが、妙に黒田日銀総裁が記者会見で、細かい数字などを間違えている点も気になりました。自分の政策に自信がなくなってきたのか、それとも悪い予想ですが、ボケが来ているのか。いずれにしろ、すでに限界に近い日銀の緩和、それが急速な円高に対しては対抗する術をもたない。しかも迅速な対応が必要とする場面で、黒田氏の能力に疑義が生じてしまう事態は、さらなる変動要因ともなりうるのでしょう。海外のテロ、日本のボケ、いずれも不安を助長する要因であり、今日の麻生氏の発言ももしボケによるものなら、日本は高齢化リーダーが最大の懸念材料になりつつある、ということになるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:42|PermalinkComments(7)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 政治

2016年12月19日

雑感。日露首脳会談の話題はもう終わり?

今週に入ったら、先週あれだけ大騒ぎした日露首脳会談のことは完全スルーというメディアが目立ちます。評価できる内容だったら、今週も広告宣伝として、ばんばんとり上げていたでしょう。しかし各社の世論調査は「共同経済活動を評価する」が半数越え、一方で「安倍政権で解決できるか?」は一桁となりました。要するに、一緒に何かをするのはいいことだけれど、安倍政権では北方領土の解決なんてムリ、ということなのでしょう。
まるでその穴埋め、のように島根の女子大生殺害・遺棄事件をとり上げていますが、正直公表されている材料で容疑者死亡で書類送検、というのはかなり難しいと思われます。部屋で被害者をとった写真、と盛んに報じられますが、それは足取りの一つであって殺害、遺棄の証拠ではない。しかし遺棄、損壊は公訴時効が成立しており、今回は殺害についてのみの書類送検となりますが、部屋から血痕などがでないと、本来は証拠として弱いのです。容疑者が死亡しているし、時間が経った事件でもあり、どうせ誰も傷つかないからと日露首脳会談の代替として提供されたイベント的な記事、でなければよいのですが…。

オスプレイの運用再開が決まりました。安倍政権の力不足という点と、これも日露首脳会談の意趣返しかもしれません。そして来週の安倍氏によるハワイ訪問に向けて、高いハードルを課してきた。日本は米軍の意向を覆せない、北方領土を返還されたら、米軍がすぐに北方領土に基地をつくるぞ。こうアピールすることで、日露交渉を頓挫させる狙いすらうかがえます。今後は経済協力をする企業、団体への制裁も予想されるところです。いずれにしろ、米国の怒りをこの一事には強く感じさせます。
高速増殖炉もんじゅが廃止の方針となり、福井県側は強く反発しています。しかし核燃料サイクル事業は維持し、新たな増殖炉の実証プラントをつくる、と言います。もんじゅの廃炉費用と実証炉の建設と、国民は多大な負担を強いられるのと同時に、仏国で建設予定の実証炉ASTRIDへの共同出資、日本の実験炉・常陽の改築など、実用化が困難で、かつ実用化されても安全性に疑問の残るものに、血税が垂れ流されている事実。しかも三菱重と日本原燃が、福島原発の事故の際、意気揚々と営業にやってきた仏原子力大手アレバに、数百億円を出資とも伝わります。アレバも経営再建中であるように、世界の原子力事業は斜陽、米国のように減量せずに燃料棒を廃棄、と決めてしまえばこの研究開発費はすべて浮きます。しかし原子力関連産業を食わせるために、高速炉計画を止められない。国民の安全を犠牲にし、かつ納めた税金を大量につかって、ほとんど意味のない事業を延々とつづける。経産省主導の安倍政権では、原子力事業はマストなのでしょう。

そんな中、来年度の予算案が公表されました。国債発行を微減させる代わりに、税収が微増するとみて97.5兆円と、今年度より7000億円強の増額です。しかし今年でさえすでに、3次補正や税収減に基づく国債の追加発行が2兆円に迫っており、財源不足に陥っている。来年度も同様に、税収不足に陥ることが予想されます。それはこの3次補正が、景気対策ではなく政策経費として用いられるから。つまりこれまでは補正予算を年末から年初に組み、それが来年度の企業の経済活動にもプラスに寄与しましたが、来年度にそれはない。ということはその分、経済活動が落ちることを意味します。さらに円安とて、企業に有利とは限らない。貿易統計は輸入も輸出も減、これをみても来年度の経済活動が、予想通りに活発化する見込みは立っていない、といえるのでしょう。
オスプレイにしろ、原発にしろ、安倍政権では暴走を止められない。予算では官僚の暴走を止められない。ムダ削減、という言葉が一切聞こえてこない点をみても分かりますが、安倍政権はそもそも安倍ノミクスで経済成長し、その果実で財政を賄う、ということでしたから、低成長に陥った時点で他に打つ手はないのです。軍事研究開発として研究機関への予算が18倍の110億円、という話もありますが、国民の安全を守る、として大量の予算をかけた結果、財政を苦しめて破綻懸念などを生じれば、本末転倒でしょう。日本をリスク漬けにする安倍政権、それは外交に手腕なく、官僚を統制する力もなく、経済については無知、という三重無能によって為されている、といえるのかもしれません。カジノ法案では安倍政権に協力する読売や産経まで、批判的論調でしたが、カジノを北方領土につくると露国に提案? などの記事もでてきています。米国に見放されはじめたのも、その三重無能により、いよいよ行き詰ってきた結果、といえるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:29|PermalinkComments(49)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 原子力

2016年12月18日

来年の相場について

米国では16日、ダウ、NASDAQともに下落しました。実は、米国ではダウ20000$、NASDAQ5500ptで年越し、などとも囁かれており、それに向けて速度調整をしなければいけない、という事情もあります。逆に言えば、そうした思惑だけが今の相場を支えており、トランプラリーとして語られるのとは異なる銘柄が上昇するのも、この歴史的瞬間を見てみたい、との高揚感が理由です。しかしそのためPERは17倍台とかなり割高、しかもドル高局面で今後の企業業績の改善もみこめない中ですから、余計に急落リスクを高めていると言えます。

そろそろ来年の相場について考えてみたいと思いますが、まず昨年の反省から。昨年のこの時期、私の見立ては「年初が一番高く、後は下落がつづく」というものでした。トランプ相場で年初来高値が更新され、その予想は外れた形になります。それはそれで残念ですが、トランプ相場の破壊力については、やや懐疑的に見ています。富裕層に優しい、財政出動、減税をその根拠にしていますが、実態もよくわからないうちに、その最大の効果を織りこむ勢いです。少しでもその実態が分かってくると、実態の方に合わせないといけない。つまり下落してしまう、ということになります。
これまでの世界経済は米国一本足、米景気が良好なだけで、世界中で低成長という状態でした。しかも最大の問題は、その効果がまったく海外に波及しないこと。つまり好調な米国にモノを売って稼ぐ、それで貿易相手国が潤う、ということが無い点です。ナゼか? と言えばリーマンショックを経験後、市場にバブルがおきても富裕層が消費を抑えてしまう、つまり今の米国経済は、不動産や株式といった市場だけが好調、そんな形です。消費も好調、とも言われますが、市場の伸びに比べたら微々たるものです。しかし元々、資産効果による消費への波及はこの程度とみられるので、米国は資産バブルだけで好調を持続している状態です。しかしダウが今年中に20000$を達成してしまうと、達成感と現実との乖離によって相場が下落し、来年は逆資産効果が生まれてしまう。すると実際の下落率よりも、マインド面の悪化がより深刻な影響をもたらすことになるのでしょう。

米株が上昇しないと日本株も上昇しない。米株が20000$をピークに下落に転じるなら、恐らく日本もそれに追随するでしょう。そこには円安の持続力もある。米MMFでみても、外国人投資家は大量のドル買い、円売りの状態になっており、しかもそれは日銀の金利操作政策に移行したことに依存する部分も大きい。しかし結局、日銀は金利上昇局面を無理やり押さえ込むため、量的緩和状態に逆戻りしている状況であり、それなら円売りも正当化されなくなる。結果、ふたたび円売りに逆戻りする可能性も高い。しかもそのタイミングは、米株が軟調になるタイミングと同時になる怖れも高い。
今の相場環境が、年初で大きく転換するなら、来年も年初が一番高い、ということになりかねないのでしょう。トランプ相場の持続性に疑義もあるので、年初から1〜2週間のうちに高値をとり、その後下落に転じることになりそうです。問題は速度と深さ、ですが、上昇が速度違反だったので、現実を知って我に返る度合いと同じペース、とは限らないのでしょう。トランプ政権の始動は2月から、欧州選挙ラッシュは3月から、となりますが、到底そこまでの持続性はないでしょう。さらに、トランプ政権が失敗すれば、欧州でEU離脱派が失速し、トランプ政権が成功すれば、欧州でEU離脱派が勢いをもつ、という厄介なシーソー関係にあります。この連立方程式の問いは、世界は安泰でいられない、ということにもなってくるのでしょう。

来年の日経平均は、上値は年初の20000円近くから、下値は悪い予感が当たると10000円を切る場面があるかもしれません。EU崩壊のコスト、米中の緊張、ドル高による新興国の破綻に伴うコスト、などなど、世界は一つのピースを外しても、がらがらと今の高さは維持できない状態です。それはまるでバベルの塔のようでもあります。「我々のために」という我欲により街と塔をつくりはじめたところ、その傲慢さゆえに神によって互いに言葉を理解できなくされ、各地に散らされた、という話です。互いの主張が理解できず、対立を深めていく構図、それは国同士、さらに国内でも対立構造を深めていく状態をさすのかもしれません。対立が深刻化すれば、それは相場にとって手控え要因ともなるでしょう。今の市場は、そうなる焦りで今年中に高値をとっておきたい、というのなら、そのバベルの塔はジェンガのような脆さ、といえるのかもしれません。そのジェンガ、英国発祥ともされますが、その最初のピースを英国が抜いたのなら、そこから引き抜いて積み上げるピースが、どこで崩れるか? そのタイミングが問題になってくるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:33|PermalinkComments(12)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

2016年12月17日

雑感。米中の緊張

昨日の日露首脳会談で、安倍首相が日テレで語った内容によると、プーチン氏は日ソ共同宣言の「平和条約締結後、歯舞、色丹の2島を引き渡し」とする文言でも、主権を渡す気はない、と明かされました。どういう形になるのかは分かりませんが、露国としてはこの2島を日本に貸与する形を想定しているのかもしれません。その認識の違いについて、安倍氏がどう反駁したのか、までは語られていませんが、そうした認識のズレがあるのに、ますます経済支援する意味がわかりません。共同経済活動→2島返還協議→4島返還協議? と思っていたものが、共同経済活動→2島の扱いについて協議、で止まるからです。
この共同経済活動について、日本企業にメリットという話もありますが、個人的にはリスクとの兼ね合いで、企業にメリットは少ないと考えます。保守強硬路線を強める今の露国は、クリミア併合やシリア介入など、領土的野心をむきだしにし、かつそれを国民は支持しています。つまり今後も経済制裁が課されかねない。それは露国と付き合いのある企業とて同様、制裁対象になりかねません。それを回避するには、事業を途中でストップするしかない。また露国側の事情により、パートナー企業がどうなるかも分からない。政権に不都合な企業は潰されるのが、当たり前の国です。先に領土問題を解決させ、露国との共同経済活動を始めた中国も、露国側の事情により計画がストップする事態に陥っている。正直、中東で原油を採掘するより厄介な相手、それが露国でもあるのです。まともな企業経営者なら、そんなリスクを冒してまで踏みこむべきか、そうした判断をしているでしょう。今は安倍政権に言われたから、渋々…というところでも、日本とて安倍政権がいつまでつづくか分からない。日露の政変に巻きこまれて、事業計画が変更になることまで考慮すれば、まず踏みこみたくない領域であるはずです。

そんな中、米中の緊張が高まります。海洋調査をしていた米国の無人潜水機を、中国が奪取した。恐らく中国側の勘違いとみられ、米側のいう海流や塩分濃度の調査、ということを中国側も確認したのでしょう。返還にむけた協議に入っています。しかしこうした調査をしておくことは、後の軍事行動としても利用できる。南シナ海は深度がとれないところもあるので、潜水艦には不向きですが、一般の艦船でも潮の流れで多少は動く。舵が利かなくなると、それこそ潮の流れにのるので、そうしたことも含めて戦術を立てるには詳細な情報が必要です。今回の調査がそうしたものかどうか、は分かりませんが、かといって禁止されているものでもないため、中国としても返還に応じざるを得ないでしょう。
ただ、トランプ政権になることによって安堵している露国と異なり、中国の立場はやや微妙です。為替操作国の認定や、制裁関税の動きも活発化するかもしれない。中国もトランプ氏の発言に触発されたのか、米自動車会社への不当販売として制裁を課す、といった動きもみられるなど、泥沼の対立へと踏みこもうとしています。先に日本も、米国と歩調を合わせるように中国に対する市場経済国認定を見送りましたが、中国は強く反発した。中国は人民元安もあって、欧米からもそっぽを向かれる中で、孤立化し始めているのです。

中国では人民元安への対策として、外貨準備を急速に減らしており、今や日本が米国債の保有で1位の座をとりもどしました。ここ元の米国債の金利上昇の背景の一つも、中国の米国債売りがあるのでしょう。人民元安→外貨準備の取り崩し→米金利上昇→人民元安のイタチゴッコであり、外貨準備が通貨安の防衛策として機能していない面もうかがえます。そしてさらに、中国が米国債の保有を減らすことは、今後の両国の関係を緊張させたとしても、相互に困ることが少なくなった、とも言える状況です。
先に、FOMCによる利上げでも、中国は「利上げを急ぐと世界経済にマイナス」と発言する高官がいるなど、中国には景気失速に対する焦りがにじみます。その焦りの一面として、日本の自衛隊機が威嚇射撃をした、などという中国の発表にもつながり、今回の潜水機の奪取にもつながった、とみています。中国がコケたら、接近して経済協力をはじえた中露では多くのトラブルを抱えることになるのかもしれません。米露が組んでも、中国が失速したら世界は新たな不透明な時代に入る、といえるのでしょう。一体誰が敵なのか、味方なのか、その見極めが今後は大事になってくるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:34|PermalinkComments(13)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 海外

2016年12月16日

日露首脳会談について

山口-東京と日露首脳会談が行われました。結論を先に書けば、日ソ共同宣言の前に逆戻りしたかのような、そんな虚無感をいだきます。まず安倍氏は領土問題の解決を諦めた。これは随所にその意図が散りばめられており、共同経済活動にむけたプレス声明では、領土問題は一言もでてこない。あくまで平和条約をむすぶためのもの、と定義されています。しかも会談後の共同記者会見の場でも、領土問題で進展があったか? との記者の質問にも、安倍氏は一切、領土問題にはふれませんでした。
その答えは、同じ共同記者会見でのプーチン大統領の言葉にあります。プーチン氏は歴史から紐解く、として日ソ共同宣言にふれ、そこで「平和条約締結後、2島返還について話し合いを行う」としているのだから、平和条約締結が先、とはっきり言い切りました。つまり順番は平和条約締結→2島返還について協議→4島返還について協議? となります。しかしその後、プーチン氏は「日米安保がある限り、クリル諸島を返還できない」とも述べています。そう、日米安保が堅守されるのなら、北方領土の一部とて露国は返還に応じる気がない、ということがこれではっきりしたのです。

では平和条約締結は何のため? との疑問も湧きます。結んだ方がいい、ということに違いはありませんが、そのために失う代償が大き過ぎる。実は昨日、欧州では露国への経済制裁を半年延長することが決まっています。米国では露国による大統領選へのサイバー攻撃が調査中です。露国としてはG7に風穴を開けるつもりで日本に近づき、米国でトランプ大統領が誕生することとなり、風穴は必要なくなった。それでも経済支援は欲しいから、2時間半も遅刻してでも日本に来ただけです。そんな国と平和条約など結んで、何かよいことがあるか? 世界的にみても、平和条約がない2国間関係など山ほどありますが、わざわざG7の結束を破ってまで平和条約締結にまい進しても、得るものは少ないはずです。
これはもう、安倍氏が外交実績として『日露平和条約の締結』を目標に掲げた、ということでしかないのでしょう。トランプ政権になれば、米国の支援もうけられる。一方で日米安保は覆せないので、領土問題はムリ。そんな諦観、妥協の結果が今回です。しかし忘れてはいけないのが、安倍氏が語る「新しいアプローチ」です。北方4島では、何か特別な制度をこれからつくるかのようですが、露国では「露国の法律の下で」と報じられているように、実効支配している露国が特区のようなものをつくって、その中で日本企業が入って活動する、という形になるのでしょう。それは北方領土における露国の主権をみとめることも同じです。つまりこれまで日本政府が堅持してきた、露国の主権はみとめない、という立場を転換させた。それが「新しいアプローチ」なのでしょう。

しかも今回の会談で、急に「島民ファースト」なる言葉がでてきましが、島民が高齢化し「人道的見地から」渡航、往来をし易くする、と安倍氏は語ります。しかしプーチン氏は「ビザなどの簡素化」と述べた。これも、露国の主権をみとめることです。ビザなし渡航が原則だったものが、露国からビザを発行してもらって渡航できる。つまりふつうの海外旅行と同じだけれど、少し行き易くなる、と述べているのと同じです。この言葉の裏には「島民のために」を盾にして、露国の主権をみとめてもいいでしょ、というのと同じで、言葉を悪くすれば、島民をダシにして態度の転換を正当化する試み、ともいえます。
与党からは、急に日露首脳会談の成果について、「北方領土解決にむけて」という言葉から「平和条約締結にむけて」という言葉に変わった。これも安倍政権側から、領土問題についてふれるな、とお達しがあったのでしょう。露国の主権をみとめる形で、今後の交渉をすすめる以上、領土問題という言葉すら禁忌なのかもしれません。NHKや民放に安倍氏は出まくっていますが、領土問題についてまともに答えないのも、同じ流れなのでしょう。

安倍氏はつまみ食い外交、などとも揶揄されますが、父親の代から親子二代の悲願ともされた北方領土問題。だからこそ、政権からは「親友の地元を訪ねるのに、まさかプーチンも手ぶらでは来るまい」などと語られていましたが、見事に手ぶらでプーチン氏はやってきて、「温泉に入って疲れをとるのではなく、疲れないのがいい」など、日本を小バカにするような発言に終始しました。まさにプーチン氏は物見遊山外交を実践したのです。安倍氏はつまみ食いする程度の成果を国内向けに誇りますが、プーチン氏は豪華ディナーのような成果を得た形になりました。事務方の調整は一切すすまず、トップ会談の結果、決まったのが「協議を始める」という一点だったことも、いいようにあしらわれた感が否めないのでしょう。「新しいアプローチ」という言葉が、「安倍らしいアホlaunch(着手)」と聞こえてしまうのは、気のせいばかりではないのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 22:54|PermalinkComments(36)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | ロシア

2016年12月15日

FOMCによる利上げ

昨晩は国会会期が3日間延長されたものの、参院から戻されたカジノ法案が衆院で可決し、事実上国会は閉会しました。そんな中、公明都義が自民都連との決別を発表し、静かな波紋が広がります。これは都政ばかりでなく、国政選挙でも影響がある。何しろ公明は東京地盤を重視しており、創価学会をフル回転させて都議選を戦います。すると、国政選挙を行う際でも、公明都義は自民候補を応援し難くなる。なぜなら、敵対する自民都義がそこにはいるためで、表だって仲良くはしにくいのです。これは創価学会の婦人部にも影響するでしょう。公明都義も応援しない自民党候補を、何で自分たちが応援しなければいけないのか、と。つまり東京の自民地盤が弱体化することにもなるのです。
都議選は中選挙区だから、自民も公明も敵対候補だから、などとも語られますが、これは維新にすりよる国政での自民の態度も、大いに影響しての動きでしょう。自民と維新が近づけば近づくほど、埋没懸念もある。カジノ法案が本当に維新への謝礼として通したのなら、謝礼ももらえない公明の立場は? あんな異例で、異常なことをしてまで維新の顔色をうかがう必要があるのに、公明には何もない。自主投票にした公明で、山口代表が反対票をだしたことも、公明都議の動きを促した。自民党は公明のご機嫌とりをする必要に迫られ、別の意味でも自民は尾を踏まれてしまった感があります。

昨晩の米FOMCはちょっとしたサプライズになりました。0.25%の利上げは予想通り、ただ景気認識をまったく代えていないにも関わらず、来年の利上げを示すドットチャートでは、2回から3回の利上げと引き上げられたのです。これはFRBが現状の株式市場や不動産市場について、バブル的とみていることが原因なのでしょう。バブルは将来的にダメージが大きいので、少しずつ抑制するしかない。2回の利上げでは足りない、との意志の表れです。しかしさらに意外だったのは、ドル高について言及がなかった点です。
利上げ回数を上げたのですから、米金利はその分上昇する。ドル高による悪影響が徐々に現れる中で、ドル高牽制をしなかった。この放置の意味を個人的に推察するなら、恐らくトランプ政権誕生により、いずれ米国から資金が逃避する、と考えているためかもしれません。NAFTAの見直しやTPP離脱を示唆するばかりでなく、米雇用ファーストを訴えるトランプ氏の政策は、米投資を手控えさせる要因になりかねない。今の動きはいずれ見直される、との自信もある。バブルが退治されれば、否応無く米国から資金が逃げるのだから、といったところかもしれません。

それを窺わせるのがイエレンFRB議長の会見で、トランプ氏の政策には不透明性がある、と認めつつ、完全雇用を取り戻す策としての財政政策は明らかに不要、とトランプ氏の主張を退けてみせた。市場をバブル的にさせたトランプ氏の主張する政策は「明らかに不要」と述べたのです。つまり期待が剥落するだけで、バブルも終焉するだろう、とみていることになります。またドッド・フランク法(金融規制改革法)を堅持することが重要、として規制緩和への期待も萎ませようとした。FRBのバブル退治は、トランプ期待を剥落させることに主に注力されている、といえるのかもしれません。
円ドルは一時、118円をつけましたが、日中の株式市場では2円以上、円が急落したにも関わらず日経平均は20円程度の上昇。これだと、ドルベースでは大幅に下落したことになります。トランプ相場の賞味期限について、FRBがつけた注文。相場の暴走には一旦、冷や水を浴びせる結果になったのでしょう。ただ、冷や水を浴びせられても、まだ市場で過熱した動きは、一瞬にしてその水を気化させてしまうだけの熱量も、未だにくすぶっている状態です。しかしECBのテーパリング、FRBの利上げ、そして日銀の金利操作への転換など、市場に投入される薪は、着実に減ってきている。いつその熱と冷や水とのバランスが崩れるのか? 今後はそのバランスの見極めが大切なのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:31|PermalinkComments(4)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | アメリカ

2016年12月14日

12月の日銀短観

昨晩にオスプレイが沖縄県名護市沖の海に落ちた件でメディアは当初、一斉に『不時着』とし、その後『大破』に切り替える苦渋の見出しをつけます。よほど『オスプレイ墜落』と書かれるとマズイ、との米軍の判断があるのでしょう。しかしどの飛行物でも、操縦士が落とそう、と思わない限りは不時着を試みるもので、それに失敗すれば墜落です。沖縄国際大学に米軍ヘリが墜落したときも、当時は『不時着』としましたが、機体は大破していました。米軍に『墜落』は禁忌のようです。
しかし海兵隊トップのニコルソン四軍調整官は「操縦士を誇りに思う。普天間でもなく、辺野古にも向かわず、沿岸に不時着したのは感謝されるべき」との論陣を張り、沖縄県民ばかりか、日本国中を唖然とさせました。別の機体が胴体着陸していたことも、特に問題はない、とするなど、言葉は悪いですがThe U.S.Armyという人物のようです。これは安倍政権のツキが落ちていることを示すのでしょう。ハワイで日米同盟の強化を訴えるつもりが、今回の問題もとり上げざるを得なくなった。対応を誤れば、日本国内でオスプレイ不要論が噴き出しかねません。墜落したのが21時半、それが給油訓練中の事故、というからには日が落ちるのが早いこの時期、闇の中で給油訓練をしていた? という不可解な部分も残ります。細いパイプ同士をつき合わせるような難しい、イレギュラーなことを夜間にしていたとすれば、常に墜落の危険はつきまとうともいえるのです。

12月日銀短観がでて、大企業製造業DIは10と+4ptとなり、トランプ効果で1年半ぶり改善と報じられます。しかし急上昇したのは石油関連や非鉄金属であり、OPEC減産合意をうけた改善が正解でしょう。大企業非製造業DIは18と横ばい、小売、卸売など、対個人向けは総じてマイナスです。中小企業DIは製造業が+4、非製造業が+1と良好ですが、先行きに関しては大企業、中小企業とも総じてマイナスに転じるので、日本企業の多くがトランプ相場は一過性、とみていることが分かります。為替見通しも104.90円と、前回調査の107.92円より下げた。これは年度いっぱいの為替予約はすでに入れてしまった企業も多く、今の115円オーバーの円安効果は、今年度は受けられないことを示すかもしれません。
よい材料を探すと、需要判断がやや需要超過、在庫水準がやや不足気味、価格判断が上昇傾向、というところでしょう。しかしここは急激な円安で、輸入が不足気味になっている影響かもしれず、為替予約などしない小口の取引をする輸入企業などは、困難に陥っているかもしれない。製造業が活況になるかどうかは、今後の推移をみる必要もあります。

意外感もあるのは今年度の収益計画が、前回調査から大きく悪化している点です。経常利益は中小企業が改善し、プラス転換している中で、大企業はマイナス幅を拡大している。やはりここは海外メーカーとの大口の取引が多い大企業は、早めに為替予約を入れてしまうことが影響するのかもしれない。トランプ相場と言われる、今のような指数寄与度の高い大企業優先の相場つきとは、短観が示す内容は真逆といえるものとなっています。
設備投資計画も、大企業は低下、中小企業は上昇、と二極化されました。下手をすると、このトランプ相場が一過性で終わってしまうのなら、大企業はほとんど恩恵も受けられず終わる、という可能性もあります。動きが急だけに、為替などの市場の思惑と、現実との乖離は考えている以上に大きくなっているのでしょう。

しかも気になるのが、日銀が国債買入れを増額し、また16日に買い入れを通告するなど、異例の対応もめだっています。国債の動きも慌しくなり、対応を迫られるためですが、その金利低下でもっとも影響をうけたのが、賃貸物件の建設投資です。相続税対策、不動産業による広告、勧誘などが功を奏したのか、異例な水準にまで膨らんでいる。2、3年後には賃貸が値崩れを起こす可能性もあり、そうなると投資の失敗や、副業収入の悪化で、生活がより苦しくなるかもしれない。すべては融資しやすい環境をうみだした、日銀の失敗という点が大きいものです。短観が示す内容は、トランプ効果の波及や、OPEC減産合意、それに日銀の金融政策など、どれもが上手くいって始めて達成できるような、そんな脆さしか感じないのでしょう。安倍政権も日銀も、安倍ノミクス、黒田バズーカが失速しても不時着できる、と考えているのかもしれませんが、墜落する恐れの方がより高まったことを意味するのかもしれませんね。

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2016年12月13日

19000円台の株式相場

カジノ法案が参院内閣委員会で修正案に基づき、自民、維新の賛成多数で可決され、参院本会議で可決された後、衆院に送り返されることになりました。採決を拒んでいた民進は、明日に控えた国会会期末で修正案を審議せずに採決できるわけがない、と考えたようですが、ここまで国会軽視をしてきた自民が、道理を通して再審議などするはずもありません。むしろ自民の異常性を浮かび上がらせる算段でしょうが、民進の甘さばかり目立ちます。
衆院に送り返された後、再度審議することがスジ、などという話を国民は知りません。参院で採決させず、中間報告になった方がよほど異常性は際立ちます。中間報告、というと言葉は軽いですが、委員会の審議の途中で、本会議にかけてしまうというもの。緊急性を有したり、委員会が混乱して収拾がつかない、などとなればそれも一つの手ですが、今回はまったく馴染まない。中間報告で通してしまえば、自民の焦りがよりはっきりしたはずです。しかし民進内にもカジノ推進派の議員がいるので、この辺りが限界だった、との見方もできます。そもそもカジノは自民議員にも反対がおり、すべての党が党議拘束を外して、議員の良心に委ねて判断すべきものだったのです。自民、民進、ともに指導力の無いトップだけに、内紛を怖れての折衷案であるのなら、カジノより党内の舵取りに悩んでいる結果なのかもしれません。

株式市場は昨日、日経平均で19000円に乗せてきました。しかし今日は欧州系も動きませんでしたが、昨日までの買いはFOMC前に、好材料がでる可能性に賭けたポジション整理、という話もあります。売りポジションを減らす、もしくは買いポジションを増やす、好材料がでる見込みは今のところありませんが、市場環境として何が出てきても好感する可能性が高く、そのためショートのポジションがもち難い、ということです。
しかし今、グレートローテーションが起こっている、債券投資から株式投資への、大きな波が来ている、という意見には懐疑的です。確かに持分として株式の比率を少し増やしたことはありませんが、通常の運用比率の見直しぐらいで、ローテーションというほど大それた動きは観測されていない。もしそれが本当なら、米国債は長期金利でとっくに3%台に乗せているでしょう。しかも株式投資に魅力を増したから、というより、国債投資のリスクが高まったから、という消極的な理由が大きいものです。

個人的に、トランプラリーの賞味期限が近づいてきたようには感じます。何がキッカケかは分かりませんが、年内はぎりぎり保ったとしても、年初はもうもたないでしょう。多くの場合で、来春まで株高、などと公然と語られるようなときは、往々にしてその数ヶ月前に上昇相場も終わります。そもそも企業業績が改善する、などという意見も胡散臭いものばかり。いわゆる期待と、こうなればいい、という楽観に基づくものであって、一つには米国景気がそこまでもつのか? との不透明感を無視したものとなっています。
トランプ氏は好況のときに政権を引継げてラッキーという人もいますが、真逆に考えています。この好況を成し遂げたのがFRBの量的緩和であって、それがFOMCで見直されつつある中、異なる手法で好況を維持しないといけない。減税と規制緩和で、本当に好況が維持、もしくはさらに活性化されるか? というと懐疑的なのでしょう。つまり政権交代で、経済政策が確実に変わるのなら、それが好影響を与えるか、悪影響を与えるか、というと、これまでが好影響できているだけに、むしろ悪影響になりかねない、その可能性が高まっている、ともいえるのでしょう。

この上昇相場はトランプ政権誕生、つまり2月までもつ、という人もいます。しかしそういう人が出てくるときも、またそこまでもたないことが多いものです。年末まで大丈夫、というのは、受給やどうしても相場を上に見せかけたい、という固定層も多いのでそうなるケースの方が多いのですが、何だかよく分からない「この時期まで大丈夫…」という言葉には気をつけた方がよいのでしょうね。

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2016年12月12日

今年の漢字は『金』

今年の漢字は『金』でした。これで『金』は3回目ですが、五輪は金メダルだけではないはずなのに、五輪イヤーで金が選ばれるのは、日本では毎年のように政治とカネの問題があり、そこに重なるためかもしれません。安倍首相と菅官房長官は『動』を推しましたが、10位以内にも入っておらず、それでは国民も首を傾げます。政治的にも前半は参院選を睨んで通常国会は安全運転、選挙も凪、日露交渉が動くかどうかはまだ未知数です。それで何で『動』なのか? 理解に苦しみます。
個人的に今年の漢字は『札』です。舛添前都知事のせこさ、それに反比例して膨らむ五輪関連予算、豊洲問題、それに自衛隊の駆けつけ警護も始まりますが、『札』には公文書の意味もあり、公のだす文書のもつ意味が改めて問われた1年にも感じられるからです。お札という意味なら格差の拡大、そしてインドの高額紙幣の廃止。カードという意味ならトランプ米大統領の誕生、となるでしょう。また経済的には日銀が量的緩和を拡大したことも紙幣を刷りまくる印象を強めましたが、次のカードが量的緩和から金利調整だった、という点もあります。赤字国債の増発、も『札』には含まれますし、補正予算が年前半に2度も組まれる点も、お札をばら撒くイメージをより強めました。

内閣府発表の10月の機械受注が、前月比4.1%増と3ヶ月ぶりに増加に転じました。しかし内訳をみるとやや印象が異なり、製造業受注額は1.4%減、非製造業受注額が4.6%増と、非製造業が伸びた形であり、中でも発電機や農林機械、建設機械などが伸びた。恐らくTPP対応として組まれた関連予算を狙ったものや、補正予算が早かった影響もあるのでしょう。
しかし日本産業機械工業会が発表した10月産業機械受注額は前年同月比24.6%減と、ちょっとショッキングな数字です。内需が19.2%減と官公需の需要が剥落、外需も米国向けが70.6%減、欧州向けが90.6%減、米大統領選待ちだったとは言え、先進国大丈夫か? と不安になるレベルです。そして必ずしも二つの指標は同じではありませんが、この傾向の差は気になります。トランプ相場が発動する前とはいえ、企業マインドは冷え切っており、それが反映された側と、されていない側で、捉え方を間違えると経済の見方が大きく食い違うことにもなってしまうのでしょう。

今年の前半には熊本地震がありました。崩れた熊本城が衝撃の凄まじさを物語りましたが、ここは戦国武将である加藤清正が難攻不落に改築したお城です。その姿をみて『清く正しく』という心まで崩れたようで、この国からそうしたものが失われたことを、象徴的に示したのかもしれません。『札』をカードとすると、今のIR法案に通じるかもしれない。ほとんど審議もせず、数だけで通してしまう今の国会に、『清く正しく』の態度は微塵も感じられません。
酔わせて女性を襲う、という事件も多発していますし、障碍者施設を襲撃したり、高齢者による危険運転など、不条理な事件も問題になった年です。政治が乱れれば、国民にもそれが伝播する。上手いことをやった者が得をする、そんな風潮が蔓延すれば、この国から『清く正しく』という言葉は死語になってしまうのかもしれません。甘利前経済再生担当相が不起訴になったことなど、国民にとって悪いことをしても罪に問われない、とする意識を芽生えさせることになったのでしょう。日本人がこれまで徳、としてきたものが崩れ始めた年。これはことしお『札』でも貼って、厄除けでもしない限り、来年は恐ろしい災厄を招くことになるのかもしれません。『札』という字は木を薄く削る、という象形になっています。今年は日本の良い部分が削られ、薄っぺらい国になってきた、ということでもあります。ちなみに札レイ(レイはがんだれに萬)と書くと、病気や若死にを意味します。今年、日本は突然死を免れましたが、日銀の無理が祟ると、そのうち突然死する怖れもでてくるのでしょう。残念ながら、政治にはその認識がなく、よい指標しかみていないのですからいつそうなっても可笑しくありません。来年、よい言葉が世相を表すようでないと、本当に危険な水準に来ているといえるのでしょうね。

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2016年12月11日

国際情勢の動き

萩生田官房副長官が、韓国で朴大統領が弾劾になった件で、慰安婦合意を「やり直してくれ」と言われても受けつけない、と述べました。しかし外交文書として、正式に調印されたものでないので、新たに政権をとった側が「そんなの知らない」と云われれば、それで終わりです。文書もないので引継ぎもない、口約束だけなら何を、どう合意したのかも分からない。会社同士の契約でも同じですが、交渉相手が代わってしまったら、「あのとき言った」は通用しないのです。安倍政権の支持者向けにそう言わざるを得ないのでしょうが、外交上の慣例にないようなおかしなことをしたツケは、これから払うことになるのでしょう。実際には、すでに支払った10億円をどう決着するのか? が問われます。今のままではただ10億円を支払った、で終わり。もしかしたら日本から「やり直してくれ」と言わないといけないのかもしれません。

伊国ではレンツィ首相の退陣に基づき、ジェンティローニ外相が指名される見こみです。しかし伊国中部でおきた地震への対応や、総選挙準備のための暫定政権であり、来年の早い段階で総選挙が行われます。春のオランダを皮切りに、仏国、独国とEUの主要国が選挙イヤーに突入する来年は、欧州で何が起こるか分かりません。オーストリアのやり直し大統領選は左派候補が勝利し、政策の見直しは行われませんでしたが、選挙イヤーで不測の事態がおきる可能性は十分にある。というより、確率的にはそちらの方が高い。それだけ現職が弱く、EU離脱を訴える右派政党が勢いを増している、ということでもあります。
世界を不安定にさせる要因、それが新自由主義です。世界は今、中産国の罠、と呼ばれるように製造業だけの成長では限界があり、どこかの市場を拡大させ、それによる金融部門を活性化させないと先進国に近づくことができません。焦って不動産市場に手をだした韓国は、逆回転を起こして家計部門に負債が溜まり、余計に経済がおかしくなった。中国では、何とか不動産バブルを弾けさせずにここまで来ていますが、最早制御不能に近くなっており、弾けた瞬間に国の経済そのものが破綻してしまうほどの爆弾です。しかも不動産がどれだけ成長しても、国として成熟した傾向をみせないのは、やはり市場の歪みを放置していることにもよるのでしょう。一見すると高い成長を維持していますが、歪みを正常化させただけで、国の経済規模が一気に桁を一つ下げるかもしれません。

しかし市場が拡大しても、一般庶民にはほとんど恩恵がなく、恩恵のある富裕層が浮かれれば浮かれるほど、庶民には不満がくすぶる。富裕層は政治への献金や、民間議員と称して政治に近づき、自分たちの主張を通してしまう。それが庶民には不満となり、また人件費を削る企業にも怒りをもつ。さらに移民、難民などを受け入れると、庶民は自分たちのパイが削られることになる一方、富裕層は何も痛くない。今の世界は、富裕層だけがまるで別世界にいるように安泰で、庶民ばかりが少ないパイを奪い合う。なので庶民同士でも争い合うように、移民・難民の排斥に向かいます。それでも現状をもっと悪化させることは防げますが、抜本的解決、不満解消にはつながらない。そうした怒りが、世界中で政治を揺り動かしている、とさえ言える状況です。
韓国の大統領弾劾とて、きっかけは政治の壟断という問題ですが、エスタブリッシュの間で上手くやっていることへの怒りが爆発した、ということです。伊国の国民投票も、現状を変えられない政府への不満が根底にあります。トランプ米大統領の誕生も、そうした動きの一つです。既存政治への失望と、新規勢力への期待と渇望、米大統領選が先鞭をつけたとみられるそうした動きが、来年も世界を揺るがしつづけるのでしょう。

日本では先行して既存政治へ失望し、民主党政権を誕生させたものの失敗、また自民へ戻りましたが、現状のような景気の停滞と日銀の市場への介入、を生んでしまいました。異例の賃上げ要請も、庶民に対して政治は何かしていますよ、というポーズに過ぎず、現状は何も変わっていない。変わっていなくても、次の新興勢力が見当たらないので『他より良い』として妥協している状況です。しかし世界が変動期にある中で、日本だけ停滞していることになりかねない。一足先に…が、いつの間にか一足遅れ、になる恐れすらあるのです。政治に「やり直してくれ」は利かない、それを国民すべてが思い知らされる、そんな一年になるのかもしれませんね。

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2016年12月10日

来年の政局について

産経系のメディアで『蓮舫代表、醜悪ブーメラン直撃 首相相手に罵詈雑言の党首討論デビュー』とする記事がありました。蓮舫氏の発言を「口汚い批判」とし「息をするように嘘をつく」などと言い放った、として二重国籍問題とからめ、ブーメランだとします。しかし先に「息をするように嘘を吐く」として野党当時、民主党政権を批判したのは他ならぬ安倍氏でした。当時のブログでの指摘ですから、産経のアーカイブにも残っているでしょう。どうして産経系のメディアは総じてアーカイブを調べないのか? 調べていてもこんな記事を書くのかは分かりませんが、当時の安倍氏の批判は口汚くなくて、蓮舫氏の指摘が口汚い、というのなら、少なくとも対比表を併記して当時の安倍氏の記事と、今回の党首討論との指摘との差をきちんと示すべきなのでしょう。
しかも、ネットでは二重国籍問題で『お前がいうな』の意味の『おまいう』が溢れた、などとも書いていますが、産経の大好きな保守系の集まるサイトの話なのか? 寡聞にしてその言葉が流行語大賞を狙えるほどに、ネット上に『溢れた』という話は聞きません。産経系の書くブーメランは、いつも的外れの方向に飛んでいくか、墜落するほど質の悪い武器であることは、今回でもはっきりします。党首討論が決して褒められたものでなかったことは論を待ちませんが、蓮舫氏が零点なら、安倍氏は落第です。蓮舫氏は自己主張ばかりで論点を絞って質問をしたわけではなく、安倍氏は逃げ回るばかりでしたから。あの党首討論は、目立ちたい蓮舫氏と、会期中に1回ぐらいやっておかないと…、という与野党の事情が合致して開かれたものの、双方の党首の能力不足だけが際立つものでした。

安倍氏が年末、真珠湾で慰霊する話が、いつの間にか「アリゾナ記念館で」という付帯条件つきの『初』になりました。戦後まもなく、吉田首相が現職の総理大臣として真珠湾を訪問しており、読売などは『米大統領とともに真珠湾を訪れるのは初』と、何だか『初』をつけて記念にでもしたいのか、『初』をつけないといけないかのような記事が目立ちます。ただ『安倍氏が真珠湾で慰霊』と書くだけでは済まない事情が、メディアにもあるのでしょう。
問題は、それを安倍氏が『成果』とし、年明け解散に踏み切るのでは? と観測される点にあります。安倍氏にとって、海外の情勢変化は厄介です。伊国の国民投票では改憲が否定されましたが、日本ではあまり大きく報じられていません。それは改憲をめざす安倍政権にとって、改憲が否定される、というのはネガティブ材料になるためです。また来年は欧州の選挙イヤー、EUがガタガタになれば解散などしている場合でなくなる。選挙制度改革の進捗とともに、解散するなら年初しかタイミングがありません。

来年の政局は、この年初の解散で決まる、といっても過言ではないのでしょう。そこで与党が現有議席程度にとどまれば、恐らく来年の年末辺りは、国会は改憲にむけて突っ走っていることでしょう。恐らく自民は公約にも目立たないところに一行だけ『改憲をめざす』と書いておいて、勝利すれば国民から支持された、と主張するでしょう。今国会の年金法案、カジノ法案、TPP関連法案などをみても、数の横暴という力を使いだしており、もうその安易さに染まりだしたら、面倒な与野党調整などするのがバカバカしくなります。自公に維新を含めた3党で、3分の2をとれば改憲にまっしぐらです。
それに対抗するのは民進党が筆頭ですが、支持率は低迷です。反自民票が乗るとはいえ、このままでは心許ない。蓮舫氏は党首討論を見る限り、準備してもらった質疑と、対応力はありそうですが、一を聞いて十を返せるほどの能力は無い。それに、あくまで優等生を自任したいのか、罵詈雑言どころか酷く大人しい言葉に終始した。もっと激しく攻めていいところでも、イメージを大切にした、と言えます。しかしこのままでは米大統領選の二の舞です。それはトランプ氏 VS ヒラリー氏の構図を、安倍氏 VS 蓮舫氏で踏襲しているようなもの。自画自賛と野党批判をくり返す安倍氏に、政治家としてキレイごとで対抗していては世論がつかめない、ということでもあります。

民進党が勝利せずとも、与党+維新で3分の2をとらせないためには、政治的に『いい子ちゃん』であってはダメなのでしょう。悪童と呼ばれようと、常に一面を飾るぐらいの発信力が必要です。そしてその発言が、大衆の心に響かないといけません。是々非々、などというのも政治的に『いい子ちゃん』で、対案をだす、というのもその類です。蓮舫氏が悪役(ヒール)になりきって、それこそ野党時代に安倍氏がついていたような罵詈雑言を与党に浴びせ、その立場を奪い返すことができるか、そこに来年はかかってくる、と言えるのでしょうね。

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2016年12月09日

株高で安倍氏はうきうき?

韓国では朴クネ大統領への弾劾が、賛成多数で可決されました。国会前のデモに、与党も観念したらしく、大差の賛成票が投じられています。こうなると憲法裁判所も『不当』判断はしにくく、もし不当→国政復帰、などとなれば韓国は大混乱。韓国経済は資金流出により破綻するかもしれません。そうならないためには朴氏、または裁判所の判断が重要となりますが、まだまだ予断を許さないところなのでしょう。

日経平均株価が好調で、一時19000円にタッチしてきました。ただ今日はいつも不思議な傾け方をする欧州系が買いを飛ばした結果で、若干イレギュラーな印象です。しかし今日は米金利の上昇をみていた可能性があり、為替は夕方からキャッチアップし、対ドルで115円をつけてきています。日本国債も長期金利が一時0.06%をつけるなど、債先売り/株先買いの動きだとすると、今日の上昇には説明がつくのでしょう。ではナゼそんな動きが出たのか、というと予想以上に株が上がってしまったためかもしれません。債先/株先の取引はリスクヘッジのためのものですが、株が上がり過ぎると損が高まる。米国では年初来高値をさらに更新、TOPIXも年初来高値をとるなど、想定以上に日米の株が上がったことで株先売の損失を整理する必要があった。それがイレギュラーな動きの本質なのでしょう。
しかし米国債の動きには注意が必要です。中国がさらに外貨準備を減らしている可能性がある。中国からは来年は不動産投資が減少、など規制と抑制発言が相次ぎ、相当に不動産バブルへの警戒がみられます。なぜか中国では、不動産バブル抑制と同時に製造業関連の指標によいものが目立つようになりますが、統計データの不正で逮捕者をだしたように、情報の信憑性は皆無です。不動産投資が弱含むと、もしかしたら資金繰りが悪化する企業が増えると予想され、そのために外貨準備を取り崩し、手元資金を篤くしているのかもしれません。すると米国債売りは、まだまだ止まらない可能性もあります。

しかし一昨日は米金利の低下を好感し、米株が大幅高をしたように、金利上昇と株高とが同時におこる米国は今、かなり無理をしている状況です。欧州でも昨日はECB総会が開かれ、800億€の債券買い入れプログラムを来年4月から600億€に減額し、年末まで延長します。これも債券売りを誘発した側面はありますが、債券では稼げなくなった、が一般的な見方です。なので債券から株へ、という資金循環を起こしていますが、決して今の株高を正当化するだけの経済環境が訪れるわけではない。今はむしろ、株価が上がるから来年は好調、という歪んだ見方をする人が出てくるぐらい、世界はおかしな状況になってしまっているのです。
そんな中、安倍氏はエコノミスト懇親会に出席し、ご満悦で「申酉騒ぐ、の年になった」「うきうきするような株価予想を」と述べました。今の株価が好調で、機嫌がいいのかもしれませんが、日本経済がよくなったから株高になったわけではありません。例えば、今年の外国人投資家は7兆円売り、トランプ相場が始まってから3兆円以上買ったから、まだ4兆円の余裕がある、と述べる人もいます。しかし1年間で考えるべきではなく、安倍ノミクスが始まってから外国人投資家は8兆円近くを買った。その分を今年1年かけて売ってきたのであり、差し引きすれば外国人投資家は4兆円買い、とも言えるのです。米経済がトランプ相場でよくなったからといって、日本経済がよくなるかどうか分からないのに、これ以上の傾きをかけてくるか? というとその確証はありません。

申酉騒ぐ、のですから来年も大変な1年になる、というのが当面の話なのでしょう。「うきうき」どころか「浮き沈み」の激しい年になりそうです。市場が忘れているのは、トランプ氏は米国ファースト、米国の利益を最大化する、と言っているのですから、それは日欧などの先進国ばかりでなく、新興国でさえも苦しくなることが予想されるのです。なのに、今の市場は世界全体が一斉に好調となる、かのような動きです。
そしてそれが起きるにしては、市場に流入してくる資金が日欧ともに減少する緩やかなテーパリングに向かっており、金利も上昇し、その中で景気をみていかなければいけないのですから、必然的に厳しめにならざるを得ません。来年の予想は近々出したいと思いますが、来年は政治も、経済も騒がしい1年になることでしょう。今、何の備えもせず、株高になってウキウキしているような指導者では、来年は浮き足立つ場面が目立ってくるのでしょう。安倍ノミクスの失敗を覆い隠してくれたトランプノミクス、としか考えていないのなら、憂き目をみることになりかねないのでしょうね。


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2016年12月08日

GDP統計の推計見直し

7-9月期GDP改定値が公表され、実質で前期比0.3%増(速報値2.2%増)と、大幅な下方改定となりました。名目で前期比0.1%増(速報値0.2%増)ですが、今回は基準の見直しにより、名目で2015年のGDP確報値が532.2兆円と、31.2兆円も嵩増しされていることが話題です。まずこの推計の見直しについて、簡単にふれます。

国民経済計算(SNA)は国際基準であり、2008年に国連で採用された基準が最新となっていて、今回はそれに適応する目的です。概念としてこの国際基準の最新版を2008SNAと呼び、日本で適用されるものはJSNAと呼んでいます。2008SNAは研究・開発の計上から、非合法的な活動までを包括して国の経済として採用することを求めていますが、日本のJSNAでは非合法的な経済活動、例えば覚せい剤の取り締まりや、違法賭博などの収益は採用されません。余談ですが、カジノ法案が通れば、将来的にはカジノもJSNAには採用されるでしょうし、マネーロンダリングでカジノを通過すると、非合法的な活動でさえ日本では経済活動としてGDPに組み込まれるかもしれません。そのとき、安倍政権のめざすGDP600兆円に達するのではないか? と皮肉を籠めて言われています。
SNAでは産業連関表、国際収支表、資金循環表等が含まれますが、その中で産連は2008SNAに対応していない基準年でもある平成23年表を用いているため、個別に対応します。ちなみに平成31年に公表される平成27年表で、正式に2008SNAに対応します。国収はIMFの基準に準拠していますが、IMFの基準が2008SNAに基づいており、問題ありません。資循は今年の3月に2008SNAに対応済みです。つまり産連のみ未だ対応がついておらず、総務省や経産省など、統計をとる省庁が独自に調整していることになります。

それを踏まえて今回の改定値をみると、一次速報から比べて設備投資は大幅な悪化。逆に消費支出は改善、と二極化されています。日銀はこれまで、需要サイドの統計のウェートが大きいと下方乖離している、と主張して一次速報のブレを指摘し、独自の推計をだしていますが、日銀の独自推計に今回は近い形になった。ただし、これは日銀の主張が必ずしも正しいとは限りません。今回の統計でもはっきりしたのは、供給サイドのデータを重視すると、途中で廃棄、消費されなかったものも計上され、一見すると消費したかに見えてしまう。つまり供給のデータが重視sれる二次速報、また確報値で上ぶれし易い。一方で設備投資のように、計画段階で盛りこんでも需要サイドが先送り、計画の見直しなどをしてしまうと、供給サイドのデータが乗ると、実行されていない分がマイナスとなってくる。これで景気がよく、設備投資も計画通りいっていれば、需要と供給が合致するのですが、より設備投資は景気を反映しやすくなった、ということが言えるのでしょう。
つまり、消費支出はつくった分だけ計上されるようになり、実際に消費せずとも経済活動として認められるようになった。在庫のままだと在庫投資に計上されますが、廃棄された分も経済活動として計上できるようになった。一方で、設備投資には研究・開発も加わったことで、企業の景況感をより反映することになった。どの企業でも、景気が悪くても設備の更新は必要だったので、その分は安定的に推移していましたが、研究・開発は景気を色濃く移すのです。しかも一次速報と、二次速報の差をみると、企業が計画から実行段階にどう動いたか、より映しだすようになったといえるのでしょう。

しかも産連は統計を独自に調整する中で、この二次速報の急落を生んだことは、よほど企業の景況感は悪い、ということが言えるのでしょう。トランプ相場が勃発、11月の街角景気も改善しているように、10-12月期はまた違った結果になるのかもしれませんが、7-9月期にその兆候は無い、ということにもなるのでしょう。結果として、今回の推計の見直しにおいて、安倍政権が画策したようなGDPの金額ベースの上乗せを、安倍ノミクスの実績としてアピールする、との目的には合致しなかったのでしょう。むしろより景況感を反映しやすくなったことで、安倍ノミクスの成否が常に映しだされることにもなったのでしょうね。

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2016年12月07日

党首討論と、孫氏の米投資

ソフトバンク(SB)の孫社長が米国でIT企業へ500億$の投資を行う、としてトランプ次期米大統領と会談しています。これはサウジの政府系ファンド(PIF)との間で結ばれた700億$規模のファンドをベースにしたものですが、5年間でSBが250億$、PIFが450億$ずつを出し合います。孫氏は「規制緩和もされるだろうし…」と、投資の意義を強調しますが、そもそも700億$規模のファンド、しかもIT分野で、と言っているのですから、経済規模や技術の進捗度合いからみても、その3分の2近くを米国に投資することは、別に不自然でも何でもありません。「雇用が…」と説明したのは、トランプ氏の主張に沿うためであって、別に雇用をつくる投資ではなく、これはIT企業家に投資をし、そのリターンで収益を得るという通常の財テク、運用でしかないはずです。
それを市場が好感したのは、今の市場環境によるのでしょう。孫氏はSBに溜まった有利子負債について、未だに有効な解決策を示しておらず、英ARMの買収の成否も不透明な中、金が金を生むビジネスに注力する方向性を鮮明にしています。このトランプ氏との会談は、SBが買収した米通信大手スプリントが、TモバイルUSを統合しようとして規制当局から寡占化を理由に拒否されたことを、トランプ氏に根回しするために行われた、とみられます。そもそもそのスプリントは従業員の削減をすすめており、雇用の回復という方向性とは真逆の方針でした。それを投資で雇用回復、などというのは、言葉は悪いですがちゃんちゃらおかしい、というレベルでしかないのです。

日本では党首討論が行われました。カジノ法案について問われた安倍首相は、議員立法から説明するなど、明らかに時間を空費させる戦術をとり、時折野次に注文をつけるなど、質問に答える気はほとんどなかったような討論です。その中で、一つ分かったのは安倍氏が語る有効求人倍率の改善、という説明についてです。
人口減少によって雇用が回復するなら、それは消費も減少していくわけだからそうはならないはず。これが安倍氏の、有効求人倍率の改善を、安倍政権の成果とする論拠になっているようです。しかし普通に間違いです。人口減少社会でも消費が減っていないのは、人口のボリュームゾーンが上方にシフトしているからです。簡単にいえば高齢化、15歳から65歳までの生産年齢人口が減少し、65歳以上の高齢者が増えていますが、65歳以上の高齢者も消費者としてカウントできる、だから今はそれほど生産を落とさず済んでいるのです。

しかしその巨大なボリュームゾーンとなった高齢者も、いつかは消費者としてのパイも縮小する。そのとき生産も落とさざるを得ず、有効求人倍率が悪化する。しかしその頃には新たに生産年齢人口に加わる年齢層も減っている、という悪循環になってしまうのです。つまり日本は縮小、停滞に向かって着実に向かっている。にもかかわらず、安倍氏は何も手を打たないのですから、話になりません。亡国の政権、と指摘する所以はここにもあります。日本が悪い方向にむかっているのに気をよくしているなんて、頭が悪いか、そうやって日本の力を殺ぐことを目的としているか、どちらかでしかないのでしょう。
孫氏のように雇用回復、といいながら、裏では自分の企業の従業員を解雇し続けるようなやり方は『狡知に長けた』という言い方もできるのでしょう。安倍氏のように、本当は問題があるのに、それを都合よくしか解釈できないような人間は、日本を『荒地にさせる』とも言えます。安倍氏はトランプ氏にあった海外の要人、として誇らしげにしていましたが、孫氏がそれに続いた。しかもいきなり「マサ!」とまで呼ばれるほど、歓待されています。寡聞にして「シンゾウ!」と呼びかけられた、とは聞きませんが、この孫氏の成功をみて、他人のことを羨ましがる安倍氏が、さらに米雇用の回復、という手土産をもっていくのかもしれません。日本では「規制緩和が…」と語らない孫氏、あらゆる意味で孫氏と安倍氏、その言葉をつき合わせると能力の差、を感じてしまうのかもしれませんね。

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2016年12月06日

毎月勤労統計と人口動態

来年の1月27日に、トランプ米次期大統領と安倍氏が訪米し、会談する方向で調整していることが判明しました。なるほど「日本もカジノを解禁しましたよ」と手土産にするため、今国会で焦って成立させようとしているのでしょう。大統領就任から一週間、またしても一番乗りを狙っているようですが、最近では『トラの威を借るキツネ』ならぬ『トランプの威を借る安倍』という箴言の方がしっくりくるようです。
安倍氏のハワイ訪問は、5月のオバマ大統領の広島訪問の際、オバマ氏側から提案され、それをペルーの立ち話で安倍氏の側から了承を伝えた、などと喧伝されています。しかしそれだと、立ち話が5分で終わった説明がつきません。通訳を介すと挨拶だけで5分ぐらいは経ってしまう。安倍氏が了承を伝えた際、オバマ氏が「OK。後は事務方で」などと言って立ち去ってしまったなら、それも何かおかしな関係でしょう。そもそも5月の提案を、11月まで回答を渋っていた、などというのも失礼な話です。オバマ氏から提案された、決まったのはペルーで、と辻褄を合わせようとして、余計にボロが出ている印象です。

10月の毎月勤労統計が発表され、現金給与総額は0.1%増の266,802円でした。所定内が0.3%増となったものの、所定外は1.4%減となり、足をひっぱった形です。しかし気になるのは所定内、所定外ともに労働時間が減ったこと。所定内は季節要因もありますが、所定外1.8%減と大きく減っており、仕事がない状態であることがうかがえます。また一般労働者が2.2%増、パートタイム労働者が1.6%増と、一見すると雇用が伸びているようにみえますが、入職率は0.11%減、離職率は0.08%減、つまり仕事に就く人は少なくなっているけれど、辞める人がいないから伸びた、ということになります。
企業は人材を抱えこむため、高齢退職者の再雇用に積極的ですが、労働時間が減っているように、人材に余剰感もある。世界経済の回復が遅れ、国内消費も低迷する中で、いよいよ来年辺りから労働階層の減少と同時に、雇用環境も悪化する、最悪の状態に陥るのかもしれません。しかも給与総額が伸びた、とはいえ物価も上がっているため、生活は苦しくなっている。ここに来て雇用環境まで悪化すれば、日本では景気低迷が深刻化する恐れも拭えなくなりそうです。

今日は7月の人口動態統計が発表されましたが、昨年は毎月28000人ぐらいが自然減となっており、今年に入ってから平均すると29000人減と、人口減少が著しくなってきている。国からすれば、高齢者が亡くなってくれれば年金の給付が減らせる、となるのでしょうが、人口減は消費減も伴います。結果、国の経済は萎んでしまうことにもなるのです。
来年は厳しい予想しかうかがえませんが、株式市場ではそんなことには目もくれず、トランプ相場の流れに乗るだけです。しかしレーガン大統領就任と比肩する意見も散見されますが、4月までつづいたレーガノミクス相場も、後は失速する一方でした。今回はあまりに早くキャッチアップしたため、すでに息切れも見えてきた。トランプ氏による中国への高圧的な態度も、世界経済を不安定にさせています。米国不動産を支えている中国人投資家が、相場の転換で一斉に手をひく可能性もあるためです。世界が今、トランプ氏に熱い視線を送り、その勢威に乗ろうと躍起ですが、『トランプを野に放つ』状態になれば、逆に悪材料にすらなりかねない。安倍氏は一生懸命、米国に媚を売るのも日本経済ががたがたになりそうなことを、意識したものかもしれません。しかし米国経済とて不安定になったら、日本叩きが本格化することも想定されるのです。『トランプの尾を踏む』、そんな状態になることも、来年は覚悟しないといけないのかもしれませんね。

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2016年12月05日

安倍首相によるハワイ訪問

長野県のある一地域で、大麻を栽培、大量逮捕につながった、という事件があります。一部のTVで逮捕の場面が映しだされるなど、麻取とメディアが組んで、成果として大々的に報じようとしたことが指摘されます。しかしそのリークされたメディアがNHK、日テレ、フジと、なぜか親安倍派のTV局ばかりだったことは、何やら示唆的とも言えるのでしょう。

安倍氏が夕刻記者会見を開き、12月26、27日にハワイを訪問し、オバマ米大統領とともに真珠湾で戦争犠牲者を慰霊する、と発表されました。ペルーのAPECでオバマ氏と立ち話した際、安倍氏の方から提案した、というのはタメにする論です。恐らくこれは5月のオバマ氏の広島訪問の際には合意していたもので、政治的なバーター取引との印象を薄めるために、あえてペルーで提案、に拘っているものとみられます。
しかし違和感があるのは、安倍氏が「4年間の総括」と述べている点です。それは安倍氏とオバマ氏との関係は4年ですが、真珠湾の戦争犠牲者の慰霊は毎年行われているものです。つまり戦没者の慰霊を二人の関係性でまとめ、利用するなど、言語道断だからです。しかも「同盟の強化の意義を発信」など、戦没者を本気で慰霊する気があるのか? 同盟の強化とは、互いが戦争をしないという取り決めでもありますが、それは第三国にとってまったく見方が異なる。同盟が強化されたら日米が共同して攻めてくる、という話に過ぎません。だから米国に媚び諂い、安寧を得た方がよいですよ、などと世界に発信するなら、相変わらずもの笑いの種でしかないのでしょう。なぜ同盟を強化しなければ、米大統領が広島、日本の首相が真珠湾を訪問しなかった、できなかったか。それは単に、両国が率直に戦争責任、戦争犯罪をみとめてこなかった、という軟弱な態度に終始していたから、というだけの話です。未だに戦争責任、戦争犯罪をみとめていない国もありますが、もうとっくにみとめてきた国もある。同盟の強化は、単なる口実に過ぎません。

しかも本当に「同盟の強化」が為されたのか? 安倍氏は安保法制によって…と言いたいのでしょうが、単に日本で法案が通った、というだけで執行はされていない。先月から南スーダンに派遣された部隊で、初めて任務が付与されただけです。正直、その具体的な事例は皆無、また双方の国の政治の中枢にも、その認識が一切無いでしょう。
「同盟の強化」された関係なら、日本が執拗に求めたAPECでの首脳会談が、立ち話で終わるはずもない。トランプ氏の自宅訪問に対する意趣返しだとしても、強化された同盟関係の首脳が会いたい、と言って袖にするはずがない。オバマ氏が退陣直前だとしても、話し合うことは山ほどあるはずです。つまり話し合うこともないほどの関係、それが「同盟の強化」された日米の偽らざる姿、ということなのです。

なるほど、安倍氏が解散に前向きだったのも、山口会談、真珠湾訪問と、Wの外交成果を訴えられる、との計算があったのでしょう。しかし前者はすでに頓挫、「信頼関係の下に着実に一歩一歩」と、1回では解決できないとの見通しを示した。しかしこれまでプーチン氏との信頼関係を築いてきた、と思っていたら、露国から梯子を外された。信頼などという言葉は単なる安倍氏の勘違い、思いこみだった、ということが判明しています。
後者は胡散臭い政治バーターの結果、謝罪外交にならないよう、互いに『初』との称号を得られるよう、配慮された相互訪問という形であって、決して成果とよべる内容でもありません。コメントを残すか、残さないかもありますが、恐らくオバマ氏に倣ってコメントは残すでしょう。そのとき米国で、どんな評価が下されるか? 謝罪が足りない、などと批判されれば「同盟の強化」どころではなくなるでしょう。記者会見のタイミング、夕刻の民放で生中継されるギリギリ、NHKの7時のニュースで質疑応答が、と親安倍派のメディアに配慮した形になった。そこに漂う腐臭もまた、4年間の総括というなら、日本で流れることになる礼賛記事と、海外で流れる批判的記事との差、についての「透明性の強化」が必要となってくるのかもしれませんね。

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2016年12月04日

安倍ノミクスと税収

日露外相会談、会談前に通例となっている握手を、ラブロフ露外相はあえてしませんでした。露国ではウリュカエフ前経済発展相が外資をよびこんで経済を活性化させる筆頭、一方でラブロフ外相は高圧的な態度で、甘い顔をしないというプーチン政権では役割分担がありました。ウリュカエフ氏が逮捕、拘束された今、ラブロフ氏がどう変わるかとみていましたが、従来通りの路線だった、つまり強硬派がかなり力をもっている状態ともいえます。そんな折、北方領土交渉どころか平和条約の締結などを提案しても、良い答えが返ってくるはずもありません。米国で親露派のトランプ政権が誕生することも追い風、OPECが減産合意で、原油価格がふたたび上昇していることも追い風です。まさに露国には妥協する理由がない、という状況にもなっていることを示すのでしょう。
著名投資家ソロス氏は「露国への投資を増やした」と述べていますが、日本からの支援と原油高の追い風、さらに米露が協力して小国を叩き、そこから金を毟り取ろうとするなら、その対象には日本も入ってくるでしょう。鈴木宗男氏などは、トランプ政権の誕生は日露交渉に追い風、などと述べますが、トランプ氏が日本の味方をする、などという想定自体が甘い。米国ファースト、露国ファースト、そうしたものは自国の利しか考えられない、ということでもあるのです。かつてソロス氏は中国へも投資していましたが、今は退いている、ともされる。ソロス氏のように合理的な行動を心がける人と、政治家のように自分の主張のためなら、多少の非合理な理屈も採ってしまう人との差、こんなところにも表れるのかもしれません。

安倍政権が赤字国債を増発、とする記事があります。なぜかメディアはさらっと触れたぐらいでスルーしますが、これは安倍ノミクスの重大な転機です。安倍政権ではほぼ成長していないので、これまでの税収増はほぼ円安効果、海外で活動する企業が円安分の利益を上乗せしたことで達成されました。しかし円高になった途端、その効果が切れる。円高になったら「企業は耐性がある」と発言する市場関係者も多かったですが、その耐性とは結局、円安になったら税として納める分が多くなっただけ、円高なら税として納めずに済む、という類の話だったことが、これではっきりしてきました。
これでは企業が賃上げなどできるはずもない。いくら税引き後の利益とはいえ、円安で税負担が増えるのなら、企業は貯めておこうというインセンティブを働かせ易くもなるのです。安倍政権は4年連続の賃上げ要請などしており、経団連ならぬ佞団連会長も同意していますが、安倍政権ではもう一つ、同一労働・同一賃金もめざしており、尚更賃上げをできる状況でもありません。大企業は賃上げせずとも新卒の採用希望が集まってくるのであり、賃上げする必要がない。中小零細企業は賃上げしたくてもできない。それが現在の日本の労働環境です。そして賃上げがすすまないから、所得税収入も伸びない。円安による法人税頼みの限界、がここに来て一気に噴出したのです。

では今の円安は追い風か? というとそんなこともないでしょう。米国の自動車業界は販売奨励金で高水準の販売数を維持していますが、こうしたものは消費の先食いです。しかも利益率も下がり、販売も頭打ちになってきた。しかも移民の排斥により、今後も右肩下がりになることが予想され、自動車業界が円安効果を享受できない可能性が高い。またTV販売でも、今の4Kテレビは将来の4K・8Kの本放送になったとき、チューナーを別途買わないといけない、などの制約もあり、中々販売が伸びない。最近ではVRが注目され、俄かにゲーム業界も盛り上がりますが、ポケモンGOのように初動はよいでしょうが、VR酔いの問題は解決されず、社会問題化すれば一気にマイナスイメージがついてしまう。
今の最大の問題は、実は様々なものが過渡的状態にあり、一つとして今買ってよい、と言えるものがない点にあります。車とて、トヨタがガソリンエンジンの開発を止める、と述べるように、言わば将来的にはEVが主流となることが確実で、それを待ちたい気持ちも働きます。今後数年、様々なものが移行期に入り、買い控えがおこり易い環境にある、とも言えるのです。税収減、今ではタックスヘイブンの問題なども取り沙汰されますが、日本ではその摘発に後ろ向きです。それは日本の政治家が闇の社会ともつながっていて、そうした連中が利用している割合が高いから、とも囁かれます。しかし税収減という問題に直面し、日本でも抜け穴を塞ぐ必要もでてくることでしょう。安倍氏はこれまで鼻高々に「安倍ノミクスで税収が増えた」と述べてきました。しかし今やその言葉も嘘になってしまった。「安倍ノミクスで佞衆が増えた」という実績だけが残るのかもしれませんね。

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2016年12月03日

雑感。トランプ大統領と予言集

11月米雇用統計が発表され、非農業部門雇用者が17.8万人増とほぼ予想通りとなりましたが、9、10月が2000人下方修正され、時間当たり賃金も0.1%減と、若干弱い印象です。ただ暦法の問題だったりもするので、12月の利上げには影響ない、との見方が専らです。そもそも米国は完全雇用の状態ですから、低金利をつづける道理はありません。これまでは市場との対話に失敗してきたから、むしろ市場が対話を曲解していたから、利上げができなかっただけ。しかし12月は、市場にもFRBにお情けがあって利上げできる、というに過ぎません。かつてのFRBは鶴の一声、で市場を操作しましたが、今は鳩の囁き、ぐらいでしかなくなっており、市場からはナメられ、市場に操作される存在になってしまっています。
それを促したのが、市場に大量に投下されたマネーです。いつの時代もマネーを大量にもった側が強い。例えば、米国債の金利が上昇、価格が下落していくとFRBは大量に抱える米国債の価値の目減りにより、資本が毀損していきます。それを起こさないためには、再びFRBが国債買いを再開し、買い増すか、市場に買ってもらうよう促すしかありません。すでに資本が毀損していれば、もうFRBの力は落ちているため、買い支える余力もなくなる。今はまだトランプ相場で金利急騰、といっても大したレベルにはありませんが、これがもう一段、金利が上に遷移するなら、そのときFRBと市場の力関係は簡単に逆転してしまうことにもなりかねません。

そんな米国では、トランプ氏による閣僚人事の噂が流れています。しかしその色は金融機関の出身者、元軍人、そして極右思想主義者、の3色でしか彩られておらず、これに基づく国づくりとは、決して労働者階層にとって優しくないことが想像されます。しかも、空調大手キヤリアのメキシコへの工場移転計画を見直させた、とも本人が語る。これでは株主にも優しくない。アメリカファーストのはずが、今のところ労働者にも、株主にとっても都合が悪い…との意識が米国でも俄かに広がっています。
しかしそんな米国で、一つの噂として流れるのが、米国では社会保障番号に代わる、新たな住民統制としてICチップを埋めこみ、それに基づいて就職できたり、給料をうけとったり、パスポートも管理される、というのです。つまり不法労働もICチップがない人物は働けないので、排除できる。また国外に脱出することさえ、ICチップで管理される。それこそICチップを埋め込んだ人だけ投票できる。そうやって選別される、それがアメリカファースト実現のための手段になる、ともされています。

移動どころか、買い物をするだけで居場所が分かるわけで、犯罪者も逃げられない。ICチップにハードに個人番号を書き込まれたら、改竄もできない。イイコトづくめのようですが、強烈な管理社会の出来上がりです。アメリカファースト、その言葉の裏には、米国が一番先にそうした管理社会に移行するぞ、という意志の表れなのかもしれません。
トランプ氏のもう一つの得意とするフレーズ「Make America Great Again」ですが、どうもこの言葉は馴染めません。最初はレーガン大統領が用いたものですが、当時からAmericaとGreatが同じ名詞として並んでいる印象があり、Great Americaでは? と思えるためです。文法的に間違いはないのですが、その違和感について、少々暴論をぶってみたいと思います。

日本ではほとんど忘れられた存在ですが、ノストラダムスの予言集10番72『1999年7の月、空から恐怖の大王が来る アンゴルモアの大王を甦らせ、マルスの前後に支配させるために』があります。そのAmerica Greatを『恐怖の大王』と読み替えると、トランプ大統領の誕生はまさに合致する。アンゴルモアの大王、というのは仏国王フランソワ1世との見方が多いですが、このフランソワ1世はアメリカ大陸を発見したアメリゴ・ベスプッチを派遣した人物です。つまりこの詩篇は、恐怖の大王、トランプ政権の誕生と、来年に選挙を迎える仏国に、フランソワ1世のような極端な王を誕生させることの暗示かもしれません。
マルスの前後、が読み解けませんが、軍神でもあるマルスなら戦争の暗示でしょうし、火星移住計画のことを指すなら、人類が何か大きな決断をする一つかもしれません。1999年と、時期がずれているように感じますが、トランプ氏が1990年代の後半から、再び現してきたことと合致するなら、もしかしたらこれは米仏による、新たな世界秩序について示しているのかもしれません。あくまで暴論の類ですが、ふとみると10番72というこの詩篇の番号、入れ替えると2017年となります。トランプ大統領が誕生する2017年、奇妙な符合が気になるところでもあるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:47|PermalinkComments(8)このエントリーをはてなブックマークに追加 アメリカ | 一般

2016年12月02日

カジノ法案が委員会を通過

カジノ法案が内閣委員会で、賛成多数で可決されました。自民関係者からはカジノを推進する維新に配慮した、などとも語られますが、そんなことで僅か審議時間6時間で通したりはしないでしょう。別に、維新に媚を売らなくても、維新から諂ってくる状況にあるからです。これは本当に安倍-トランプ会談で「日本でもカジノを解禁するんだよね?」などと囁かれたのかもしれません。トランプ氏の金ぴか私邸はカジノを想起させますから、安倍氏がぽそっと洩らした言葉で、取り返しのつかないことになった。なので今国会中にこれを通し、トランプ氏との次回会談で、カジノ利権を貢物としたいのかもしれません。
山本地方創生担当相が「東京一極集中を緩和する意味でもいい」と述べますが、現時点で囁かれる候補地は東京、横浜、大阪など、大都市圏ばかりです。そもそも日本にカジノをやりたいから来る、という観光客がどれほどいるか? 恐らくほとんどいないでしょう。それこそ世界各国にカジノが乱立する中で、よほど特色をださない限り、日本でやる必要がないのです。そうなると観光客の少ない地方都市につくっても意味が無い。観光客が集まる場所で、ついでの夜のお楽しみであるなら、それこそ観光客の集まる大都市圏しか作れない。むしろこれは大都市圏に、さらに資源を集中させる仕組みです。

しかもここに来て、カジノが成長戦略だ、という論調がまかり通っています。これまで無かった市場が立ち上がるのですから、プラスだという浅はかな議論ですが、赤字を垂れ流して破綻すれば、その処理に莫大な資金も必要となる。つまり成長戦略というのは、成功して初めて言えるわけですが、世界中で過当競争に陥っている分野に参入して、成功するという確証もなくつっこむのは、無謀戦略にしかなりません。
しかも政治的な動きとして、議員立法ですから内閣が答弁に立つ必要がないので、内閣にダメージを与えることなく通せる。しかも自民、維新の焦りに公明がついて来れず、党議拘束を外しました。公明にも自民が焦る理由が伝えられていないのでしょう。しかしこれは禍根を残したと言えます。改憲にも温度差がある公明、改憲に前向きな自民、維新が組むことが面白かろうはずがありません。自公協力の力関係が変わりつつあり、安保法制ではほぼ丸のみ、しかもカジノ法案でコケにされるなど、公明が立場を失いつつある。自民を勝たせ過ぎている責任の一端を公明も負っているわけですが、そのことで発言権を失っていく。皮肉と言えますが、『公』の字はハム、まさに皮肉な立場に自らを追い込んでいるともいえそうです。

よく「対案を出せ」と言う人がいますが、正直その言葉に正当性は感じません。例えば今回のカジノ法案、カジノに反対なら対案もありません。成長戦略としての対案だとすれば話は大きくなりますが、恐らくそんな議論は成り立たない。そもそもカジノが成長戦略というなら、まずどれぐらいの事業規模で、その波及効果、副作用等を法案を提出した側がきちんと示すことが必要です。しかし今回、それはない。そこが叩き台となって、本当にこうした効果があるか、副作用にどれぐらい予算がかかるか、という議論になって対案などなくても話し合いはできるのです。むしろそれすら議論させず、通してしまった今回、仮に失敗しても誰も責任をとらなくて済む、という極めて不誠実な形にしかなっていないとも言えるのです。
しかも官僚は、この法案でカジノがどこの省庁に属すのか? 総務省なのか、経産省なのか、で手薬煉ひいています。またカジノ依存症の患者が増えることが想定され、厚労省も予算獲得になる。新しい事業の立ち上げに伴い、それが失敗したときのツケは、ただ事業が一つ消える、というだけでは済まなくもなるのです。官僚にとっては新たな利権、そして法案を提出した議員に、カジノ関連企業からの献金を問い質したところ、返答しなかったように、そこには巨大な利権も渦巻く。それをたった6時間の審議で決めてしまう、というところに与党の驕り、金満体質をよくよく示すとも言えるのでしょう。維新の『維』は糸偏にふるとりですが、左辺は『墜』の意味であり、それで『つなぐ』の意味になるといいます。維新、まさにトランプ氏のカジノ利権という時流にのったつもりでしょうが、それが釈迦の垂らすクモの糸にみえたなら、利権に群がる連中を振り落とそうとすると、自らも墜ちていくだけなのでしょうね。

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2016年12月01日

OPECが減産合意

OPECが減産に合意し、市場は円安株高にふれています。サウジが日量約49万バレル、イラクが21万バレル、クェートが13万バレルを削減し、イランは経済制裁前の400万バレルを主張したものの、380万バレルで合意し、実質的には増産です。ナイジェリアやリビアは削減対象から除外、インドネシアは合意を拒否しました。合計すると日量3268万バレルから117万バレルの削減、となります。
露国が段階的に30万バレル削減する方針を示し、OPECも非加盟国との会談を今月中に行って、世界全体で削減する方針です。しかし10月の生産量からの調整としても、OPECの会議を控えて生産を増やしていた国などもあり、供給過剰の状態が解消される見こみはありません。さらに監視員を置いて、減産の状況を監視するといいますが、すべての油田に人を配置できるわけではないでしょうから、国家ぐるみで生産量を捏造されれば、供給量は減らないどころか、増えるかもしれない。合意に加わらなかったインドネシア、非加盟国会合に加わるかどうかも分からない米国、そしてOPEC非加盟の中南米の動向、等々不透明なことが多いにも関わらず、原油相場だけは急騰しました。

産油国の問題は、史上空前の生産能力を維持しながら、『つくらない』ということが果たして達成できるのか、です。国家ぐるみで生産を調整している中東などはまだしも、米国のように小さな企業体が、独自に生産するような国は、生産調整が利きにくい。価格が上昇すればすぐに生産しようとするでしょう。産油国が価格上昇を企図しても、これはイタチゴッコにしかなりません。今回の価格上昇も、長続きはしないでしょう。
しかし減産合意で、リスクオフとして円安になってしまうことが問題です。様々な試算もでていますが、110円を越える円安は行き過ぎ、という見方が大半なのに、115円を試しに行ってしまう。米系大手や欧州系大手が円売り、株買いを仕掛けていることが、楽観に傾くとそちらにバイアスをかけてポジションを増やす、ということにつながっていますが、原油高は日本のコストプッシュインフレにしかつながらず、景気を悪化させかねないにも関わらず、その材料は無視です。ただただ円売り、株買い。しかも米系大手は日銀のETF買いに合わせるようTOPIX先物に高いポジションを組んでおり、今後の動向が警戒されます。

中東では「屠殺人が多いと肉が腐る」という諺もあります。作り過ぎてしまう、というほどの意味ですが、まさに今の産油国、石油開発企業の多さは、その作り過ぎを生んでしまう状況です。みなが作り過ぎない、という合意を得たわけでもない今回、全員が痛みを被るのではなく、一部が痛みを被り、一部がそれを高笑いしながら眺める、という構図が生まれたとき、それがOPECの影響力の低下と、調整能力の減退を招くことになりそうです。
そしてこの減産合意は、さらに日露による北方領土交渉を遠のかせた、とも言えるのでしょう。露国は余裕をえて、日本の経済協力の価値が低下する。どうしても欲しいお金ではなくなってくる、ということです。しかも円安になれば、相手を満足させる額を準備するにも、日本の負担が大きくなります。例えば円で1兆円、という合意をしても、円の価値が下がればそれが露国からみて8000億円、7000億円に見えてしまう。円安のときの海外投資は、よほど気をつけなければいけませんが、まさに12月は悪材料が重なってきた、といえるのでしょう。

屠殺人が多いと肉が腐る…それは、売りものの肉について語ったことですが、実は屠殺人が腐って、その業界から去ってくれるまで供給過剰がつづく、という意味にもうけとれます。みんながきちんと約束して、仲良しこよしで解決できる、とした今回の合意。多すぎる屠殺人が満足するぐらい価格が上がらなかったとき、果たしてどうなるのか? 屠殺人同士の競争、それこそ殺し合いのような熾烈なものに突っこんで行くのかもしれませn。一先ずの楽観が演出されましたが、今後の動向次第では、世界は殺伐とした状況に陥る展開も予想されるところなのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:26|PermalinkComments(12)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 中東