2017年03月

2017年03月31日

森友学園に立ち入り調査

民間では尻すぼみ、年度末で忙しいのに邪魔、と酷評のプレミアムフライデー。しかし安倍首相はきっちり休暇をとって別荘に向かいました。気になるのは、安倍氏はよく別荘に向かいますが、昭恵夫人を伴うケースを耳にしたことがない。今回の森友学園の問題を契機に、仮面夫婦、没交渉などとも語られますが、Facebookも官僚による反論文が載ってから更新も止まっているようですし、今回の出来事で夫婦間の溝がより深まったのかもしれません。
安倍氏は昭恵氏が勝手なことをして…と思っているでしょうし、昭恵氏としては安倍氏が「関係していたら議員も辞める」などと言わなければ、100万円を渡したことだってウソをつく必要ないのに…と思っているはずですから。それに、谷氏と仲がよいとされる昭恵氏、政治家なら秘書を切り捨てて自分が生き残る、など当然の判断でしょうが、昭恵氏にそれができるか? むしろ情報発信の場としてのFBもとり上げられ、ストレスが溜まり、別荘で息抜きしたいのは昭恵氏の側かもしれません。

森友学園の幼稚園に、大阪府教育庁が補助金適正化法違反の疑いで立ち入り検査を行いました。森友学園側は返却する、としますが、問題はこれまで不正を見抜けなかったこと。兵庫の認定こども園といい、一度でも認定なり、申請をうけつけるとその後の検査が杜撰であるため、補助金不正が横行する実態が明らかになっています。自民が籠池氏の証言似対して、国政調査権の発動を示唆しますが、一政党の首相の特別補佐とする立場の人間が国政調査権を云々すること自体奇妙ですが、そんなことを調査するぐらいなら、こうした補助金不正について全国規模で調査する方が先でしょう。
そもそも国政調査権とは「国政に関する調査を行う」ものであり、証言の白黒をつけるものではありません。特に自民が指摘した筆跡や寄付金集めの題目など、国政とは一切関係ない。逆に、野党から財務省の資料などを要求されるなど、まさにヤブ蛇です。むしろ野党側の提案なら、国政調査権として適当であり、やる価値もあるのでしょう。自民の提案なら、官憲に任せればよい話です。

産経が報じた民進の辻元議員の「3つの疑惑」、維新の足立議員が発端のようですが、すでに2つは否定されています。残り1つの瑞穂の国記念小学校の隣、そこが豊中市に2000万円で売却された件ですが、当時国交副大臣だった辻元氏の地盤だから怪しい、ということですが、森友学園でも自明なように、管理は国交省航空局でも、所有は財務省ですから国交副大臣程度の権限では、まったく太刀打ちできません。財務省からは鼻であしらわれるレベルでしょう。それに、忖度によりディスカウントされたわけではなく、補助金を活用して豊中市が安く購入できたのであり、問題はまったくありません。
公園用の土地は、例えば個人でも節税対策として市に貸すなどします。緑化、遊休地の活用、そして公益においては市民の憩いの場となるなど、だから補助金がでたり、税免除されたりするのです。辻元氏がその取引に何か関わった、という話でもあれば別ですが、単に地元で公園ができたからといって疑惑としていたら、それこそ与党の議員の地元に国有地の払い下げで何か施設ができたら、すべて疑惑になります。少なくとも補助金の不正受給、などの動きを確認しないうちに『疑惑』などと報じれば、誤報との批判をうけて当然といえるのでしょう。

安倍氏を支持するメディアのうち、産経は積極的に反論を講じようとして自爆、読売はまるで森友学園の問題はなかったかのような扱いです。どうも安倍氏の態度も、日によって積極的だったり、消極的だったり、両極端に揺れているようで、そんな態度も映すのかもしれません。プレミアムフライデー、安倍氏は憂いあるフライデーであることに間違いはなく、昭恵氏にとっては恨みあるフライデーになったかもしれない。新年度に入ってからの夫婦間の亀裂、それは昭恵氏が悪に染まれるかどうか、といったことから激震をもたらすこともあるのかもしれませんね。

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2017年03月30日

雑感。年度末の市場

年度末を前に、株式市場は大幅調整です。配当分のTOPIX再投資も終わり、後は機関投資家によるドレッシング買い期待もありますが、年間の騰落でみても十分に上がっており、買いを入れなければならない事情もなく、また為替相場の行方も気がかりです。米FRBが年初からマネタリーベースを拡大しており、これが円高を促している、との指摘もでている。つまり米国では利上げとマネタリーベース拡大、という二つの動きでドル高を牽制しており、これまで金利上昇期待だけをみてドル買いを入れていた層も、その部分を吐き出さざるを得ない。なのに、米MMFをみても未だ高水準のドル買いが残っています。つまりまだ円高になる可能性が残っており、これが上値を抑える要因です。

昨日もとり上げましたが、米国では自動車サブプライムローンの問題が燻る。中古車市場が崩れ、担保価値も低下する。販売奨励金で新車を売りまくっただけに、当面は中古車市場がダブつきます。中古住宅市場は逆に在庫不足が目立ちますが、米国ではマネタリーベースが拡大するように、資金のダブつきから投資に向かい易く、それが住宅市場をさらに押し上げている、とみられます。
米国では税還付が始まるため、新たな投資資金として期待される。しかし今年に限ってみれば、すでにトランプ政権の「驚くべき減税策」への期待がのっているため、税還付が投資に回るか? つまりここからの投資は高値掴みの可能性もあります。また米国ではアクティブ運用の苦戦から資金が流出し、パッシブ運用に移っている、との記事もある。安定性と利回りの投資が注目されるのも、下げない市場がアクティブには厳しいことと同時に、高値警戒感がただようためです。今はどの市場も高値の状態であり、利回り重視の安全性が好まれている、ということになります。

日本ではやたら4月は外国人投資家が買う、と喧伝されてきましたが、米国でパッシブ運用の比率が高まる中、株式投資が増えるか? 極めて懐疑的といえます。一時的に資金量が増える中、多少は増えてもそれぐらいでしょう。問題は、1-3月で外国人投資家は現物・先物あわせて2.6兆円を売り、日銀が1.6兆円買う。後は企業の自社株買いなどで、12月末の株価とほぼ同じ水準にありますが、日銀のこうした動きが止まらなければ、ますますアクティブ運用には逆風であり、日本株投資をしよう、と思えない外国人投資家も増えます。ではパッシブ運用が増えるか? 日本の安定運用先と目されるところは軒並み高値で、買えるところが少なく、その意味で魅力的な投資先ではないのです。
それもすべて日銀がTOPIX型のETFを買い上げるから。これまでも新興株が強かったのは、東証一部のアクティブ運用が機能しにくかったからであり、パッシブ運用も含めて、今の日経平均を買おうとするインセンティブがない。広く先進国株で運用する投資資金の一部は流れてくるかもしれませんが、買い上げるほどの力はないのでしょう。結果、外国人投資家が買わないと、今買い溜めている日系の動きの逆回転も起こりかねず、だからこそ外国人投資家の買いを煽っている、という状況かもしれません。

米国の消費者信頼感指数などをみても、トランプ相場に浮かれた今がピーク、とみられます。この状況が一年継続することはなく、今年度の業績には寄与しても、来年度の業績には厳しい結果になるかもしれない。事実、トランプ氏は政策実現能力が疑われ、FRBもECBも金融正常化が合言葉になっており、バブル潰しが愈々はじまるかもしれない。そのときは、投資に逆風も吹きかねないのです。
経済学者のクルーグマンは「埋没費用」と「履歴効果」をよく用います。埋没費用は投資は目的を果たすときのみ有用、果たさないとムダ、という意味であり、履歴効果はその影響がなくなった後も、以前と同じ状態をつづけてしまう、という意味です。これからFRBやECBが金融引き締めをすすめるなら、もしかしたら埋没費用を恐れ、履歴効果をつづけるような企業は危険、といえるのかもしれません。超緩和状態からの脱却、それは誰も経験したことがないのであり、これからの世界はどこが埋没するか、履歴すら関係なく凋落する国がでてくることが予想され、新年度からは厳しい時代の到来が予感されるのでしょうね。

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2017年03月29日

債務と災禍

英国がEU離脱を正式に通知しました。早くて2年の交渉のスタートです。しかし早くも長期化、かつまとまらずに英国が無条件離脱、という可能性が囁かれます。米国ではオバマケアの改廃案が撤回となり、減税でさえ驚くものにならないかもしれない。そんな中でも株式市場は堅調です。日本だけに限ってみれば、今日は配当権利落ち日でしたが、配当分をTOPIX先物に再投資する流れもあり、権利落ち分をすぐに埋めました。しかし昨日、日系大手の証券会社が先回りしてTOPIX先物を買い溜めており、上値を抑えた恰好です。恐らく年度末期待もあって、まだ売り向かってはいませんし、4月は外国人投資家が買い越す特異月とも喧伝され、そうした期待もあるのでしょう。
しかし4月は国内投資家が売り越す特異月です。ここ10年でみても、4月は上昇がやや上回るぐらいで、それほど上昇するアノマリーが強くありません。ここに来て世界各国で囁かれる不安、それは民間の債務拡大です。米国では販売奨励金やリースなどで販促をかけてきた結果、中古車市場が崩れており、愈々自動車サブプライムローンが破裂するのでは? とも囁かれる。学資ローンも拡大しており、経済がよくなる見通しだけで増やした債務が、いずれ弾ける恐れがある。減税が思い通りにならないと、米国も厳しいといえるのでしょう。一先ず4月半ばまで伸ばした債務上限も、トランプ政権では解決する見通しは立ちません。今年は債務について、様々なところで問題が噴出する恐れもあります。

日本では債務と財務のダブルパンチです。日銀が国債を直接引き受ける、禁断の手法ではないか? とも囁かれますが、財務に関しては森友学園の問題が大きくなっています。自民が偽証罪に問う、と息巻けば、公明からは「委員会で決めること」と冷淡な対応も目立つ。公明からすれば、安倍氏のオウンゴールに付き合う必要はない、ということであり、また偽証罪に問うなら、何を、どう偽証とするか? によってさらに議論が沸騰する恐れがある。何でそんな馬鹿なことをするのか? といったところでしょう。
一方で、フジテレビが「辻元議員が『塚本幼稚園に参りました』と語った映像」として盛んに流しますが、民進党の調査チームとして行った会見であり、現地には行ったのでしょうが、中に入ったことの証明にはなっていない。では中に入ろうとしたか? 記者も同行していたでしょうし、その中で辻元氏のような目立つ人が単独行動できるはずもないので、記者に確認すれば分かる話です。これまで、民進が報道自粛を忖度するよう迫った、ともされましたが、実は逆かもしれない。同行した記者は事実を知っているので、もし辻元氏がそのような行動をしていたら、すでにそれを報じているでしょう。しかし自民がそれを攻撃材料とするので、記者が自民の意向を忖度して真実を報じなかった。そんな可能性も高まります。

籠池氏が谷氏に送った文章がでてきて、要望したことはすべて実現した、と共産が迫ります。霞ヶ関文学でみると、谷氏の返答FAXはゼロ回答ではなく、むしろ実現を約束したものとの指摘もでてきた。そうなると菅官房長官の「ゼロ回答」の答弁自体、虚偽との認識もでてくる。すべてが早期に幕引きを計ろうとして、失敗した挙句に泥沼にはまる。政権が行ってきたこと、自民が行おうとすること、どちらも周りからみて「何をやっているんだ」のレベルであるなら、債務でも財務でもなく、才知の不足が問題かもしれません。
4月になれば、恐らく今回の東芝によるWHの破産法申請も含め、米国が日本に経済対話において強く出てくることも予想されます。それは成果の欲しいトランプ政権にとって、日本を屈服させたら、大きな得点になるから。そしておトモダチの安倍氏なら、プレゼントをくれるだろう、との期待が膨らむためです。経済対話の内容が伝わるとき、安倍政権はさらなる苦境を迎えることも想像できます。

英国では「知恵の数より毛が多い」という諺があります。安倍氏は年齢からみると、非常に頭髪は豊かですが、残念ながらそれに見合う知恵は備わっていないようです。英国ではまた「床屋にいけば一日、妻をめとれば一週間、新馬を買えば一月、家を建てれば一年、正直に暮らせば一生幸せ」というものがあります。妻を娶って一週間も幸せだったかどうか、それは分かりませんが、少なくとも今の安倍氏は昭恵氏を娶って後悔しているかもしれません。新馬を新車と読み替えると、車も家もローンという負債に関わる。実はこの諺、現状の世界の苦境を言い表しているかもしれません。
しかしこれは、どこの国でも、どの為政者でも『正直に暮らしていない』から今の問題が生じているのであって、安倍氏の場合は「妻も自分も関わっていたら議員も辞める」と言ったことすら、自分の責任なのです。一番は、安倍氏の口の災禍、その問題で政治が混迷させる、といった不誠実さが蔓延していること、それが日本をはじめ、世界のリスクとして意識されるところなのでしょうね。

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2017年03月28日

雑感。証人喚問で偽証罪に問うのか?

東芝が米WHの破産法申請を今晩にも、と伝わります。そうなると米政府との話し合いもついたのか? もしかしたら4月からの経済対話ばかりでなく、国連で始まった核兵器禁止条約の制定交渉でも、米国との同調を求められたのかもしれません。日本人が核兵器禁止にむけた演説を行うのに、政府がそちらと同調がとれない。トランプ米大統領に気に入られるために、日本は常に高い代償を求められる、ということかもしれません。

橋下前大阪府知事が、森友学園の学校認可に対して「僕が梯子をかけた」と述べました。これは下地維新議員の失言をカバーしようと、あえてもち出したのでしょうが、手続きを簡素化して認可を出しやすくすることを「梯子をかける」とは表現しません。「梯子をかける」とは、みんなが苦労して上るところを、一部にだけ一足飛びに上がってしまえるようにすること、です。もしこの定義で橋下氏が「梯子をかけた」のなら、すでに知事職を退いたのに府行政に口利きして認可を通した、となります。
これまでは冷淡でしたが、安倍首相まで見限るような態度を示し、さすがに橋下氏も焦っているのでしょう。もし国政に打ってでるなら維新が土台になるのですから、橋下氏も無碍にできません。放っておいても安倍政権に媚び、民進を攻撃していれば党勢は拡大できる、とみていたのでしょうが、その戦略の綻びを感じます。

安倍支持層の戦略も綻びを感じます。辻元民進議員の疑惑、として追及しようとの動きがありますが、もしこの疑惑とするものが安倍氏の語る『悪魔の証明』の場合、辻元氏に会見を求めたところで何も解決しない。行うべきはメールの送り手である籠池夫人の会見、もしくは公式見解です。どういう意図だったのか、主張する根拠はあるのか、それを確認した上で、辻元氏の反論を聞く機会をつくるしかありません。
しかしそうした行動を求めると、証人喚問で籠池氏が発言したことに、安倍氏は「悪魔の証明」と語るばかりで、証明していないことと整合がつかなくなる。ナゼなら、いくら籠池夫人が証言しても、辻元氏が「悪魔の証明」と説明すれば、それ以上の回答をしなくていい、となるからです。そこで辻元氏を攻撃すれば、安倍氏を攻撃しないことの説明がつかなくなる。その矛盾が嫌なので、辻元氏にばかり会見を求めます。

産経などはこの問題で、民進が報じないようメディアに求めたことを「忖度」という言葉をつかって批判します。しかしメディアとしては、先に出所不明のネット記事があったことが確認されており、それを籠池夫人が根拠としていた場合、怖くて報じられない。ネット記事の受け売りで、自社で確認もしなければ批判されるのに、そのネット記事を信じて発言する人のことになると二重で証明の難しい話になります。つまりメディアにとって証人喚問なりで、籠池夫人が証言してくれないと、籠池氏の証人喚問での証言と同レベルで扱うのも難しいといえるのです。これは忖度でなく判断ですから、もしそれを同レベルで扱わないのがおかしい、というなら籠池夫人の証人喚問をまず要求する必要があります。
正直、こんな一議員の件で証人喚問する、というのもおかしな話であり、昨日も指摘したように「どうでもいい」話です。本質である学校認可と、国有地の不当廉売の問題とは何の関係もないのですから。なので、こうした動きをする人は、日本のためになることではなく、日本の腐敗を助長しているために動いているようで、安倍政権を守るためなら日本が腐ってもいい、と考えているとしか思えないのです。「梯子をかけ」て、一部の人間、組織を優遇してしまうような、そんな劣悪な社会を正す、それが第一でなければいけないはずです。むしろ、それを考えられない人たちに支えられた政権が、今の日本を率いている、ということでもあるのでしょう。

自民が急に偽証罪の刑事告発について、前のめりになりました。しかし予算委において偽証に問うなら、それこそどんな部分が偽証か、しっかりと示さないといけない。そこに昭恵氏に纏わる『100万円の受領の有無』がある場合、昭恵氏も捜査対象に入る、ということを意味します。なので、どこまで踏みこむのか? フジテレビが指摘した、単なる振込用紙の筆跡、というだけなら委員会は相当に荒れるでしょう。100万円の受領の有無にまで踏みこんで偽証罪を主張するのか? まだまだ山場はつづくのでしょうね。

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2017年03月27日

17年度予算が成立

今日になり、森友学園の問題で民進党の辻元議員の話がでていますが、なぜ急に騒ぎ出したのか? この話は既出であり、確か予算委で現地視察を行ったときか、大阪府が森友学園にて籠池夫人の妨害で退いた、といった辺りで籠池夫人が辻元氏に関して何か言っているとの件は報じられています。当時は被害妄想が頂点だったときであり、そんなときの籠池夫人のメールに名前が出てきても、事実である可能性は小さい。それこそもし何もないのなら、安倍氏がよく用いる『悪魔の証明』になります。
玉木氏の脊髄反射もどうかと思いますが、「会見する『予定』」とTwitterで書いただけなら、ドタキャンという言葉はふさわしくないのでしょう。場所、時間を指定しておいて、その間際でキャンセルすることをドタキャン、と言い、指定をする前に予定を取り下げるなら、キャンセルですらありません。ナゼなら、それだけの情報では誰もそのためにスケジュールを空けたり、会場をセットしたりしていないからです。
籠池氏が示した100万円の振込み、その筆跡鑑定をして籠池夫人のものだった、事務員という説明と異なる、偽証だ。といった意見も目にします。しかしそんな枝葉末節で一々偽証に問うていたら、証人喚問をしても誰も喋らなくなるでしょう。本筋と離れたところで騒ぐのは、それだけ安倍政権を擁護する側が苦しいことを如実に示す事例、といえます。今回は一応取り上げましたが、一言でいうなら「どうでもいい」話で問題をすり替えようとする試みこそ、本来は批判されるべきもの、となります。

17年度予算が成立し、5年連続過去最大の97兆4547億円となります。税収は微増、新規国債発行額も微減、という中で予算を膨らます要因は税外収入を高く見積もるからです。しかし16年度には税収が不足し、補正予算をくむために国債の追加発行を迫られた経緯もあります。
来年度とて税外収入という予想の立てにくいものに頼り、かつ円高がすすむ中では税収すら予定通りにいくかどうか。海外景気も、米国ではトランプ政権がオバマケアの改廃案を撤回し、すぐに減税案に移る、といった楽観も聞こえますが、実際にはオバマケアの改廃案ででる財源を当てることができなくなり、ますます減税規模をふくらますのが困難になってきた。ただでなくとも公共工事の拡大、防衛費の増大を訴え、その財源の捻出にも苦労する中で議会との調整すらうまくいく見込みはありません。米国の消費マインドの継続性、それ次第では企業業績にも影響してくることになるでしょう。

未だに国会でも「安倍ノミクスは道半ば」で前にすすめるべきだ、としますが、5年経ってもゴールにたどり着けないような経済政策が「道半ば」なら、それはもう迷走中と言えるのです。辿りつく先はインフレでも、景気回復でもなく、景気後退かもしれない。ナゼなら出口がどこに開いているかも分からないまま、迷走しているのですから。
今日起きた2つの事件は、日本の未来を暗示するようです。那須高原の雪崩事故、リスクを承知で計画を止めなかった結果、最悪の事態を迎えました。さらにてるみくらぶの破産申請、年初から激安を謳い、ツアーを組んで集金に努めた結果、保証を多く越える利用者となり、多大な損害を与えることになった。いずれもリスクがあっても止めることができなかった。人間は一度はしりだすと、止まることもできなくなし、限度を越えたリスクをとりだす。その結果、多くの人を不幸にします。なぜ中止できなかったか、なぜ途中で損害を食い止めようとしなかったのか。安倍ノミクスも今、そうした状況につっこんでいます。株価が大幅下落する、国債価額が下がる、それだけで日銀は損を抱え、利子収入を国庫に返納する、いわゆる税外収入の一部になってきた仕組みすら、これまで通り執行できなくなる怖れも高まるのです。そうなれば歳入に穴が開き、赤字国債の追加発行が増えることにもなりますし、国債の利払いが増えるのなら、それも国庫にとっては厳しい状況を生むのです。

悪貨は良貨を駆逐する、これはグレシャムの法則ですが、人に対しても通用する、とされます。質の悪い君主になると、その影響力でよい人間まで悪いことをする、今の安倍政権への逆風に対抗しようとするその所為をみても、そんな言葉が思い起こされます。そして経済でも滅茶苦茶な日銀による黒田バズーカで、正しい国債のありようでさえ狂ってきました。駆逐された後の顛末は語るべくもありませんが、経済をみても逆風が安倍政権に吹きつけるなら、安倍政権の命の灯火は、風前以上に危うい状況といえるのでしょうね。

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2017年03月26日

雑感。内閣支持率とお金

大相撲は千秋楽で、稀勢の里が優勝争いをしていた照ノ富士に連勝し、二場所連続で優勝となりました。負傷をおしての優勝であり「見えない力が働いた」と語りましたが、まさか照ノ富士が忖度した、ということもないでしょうが、相撲には常に八百長疑惑がつきまといます。そして大怪我をおして強行出場した、で思い出すのは貴乃花関であり、小泉元首相の「よく頑張った!」が度々映像でも用いられました。しかし今回、大阪場所だったこともあったのか、内閣総理大臣杯の贈呈に安倍首相は表れませんでした。こうした劇的な場面に立ち会えない、これもツキを失った証左なのかもしれません。

一部では世論調査もでていますが、内閣支持率は横ばいか微減、といった形であり、恐らく官邸もホッとしているでしょう。しかし森友問題への理解は低く、この問題が尾を引くことは確実です。ただ、これまでの世論調査でも内閣支持率は高いものの、個別の政策については納得いかない、反対が多数を占める、といった異常事態であり、やっていることも言っていることも信用していないけれど、他に選択肢がないので内閣支持率だけは高い、ということが状態化してきました。
日経の世論調査で、繁忙期の残業時間を100時間未満、とすることに対して、妥当が43%、もっと短くが37%となっています。財界に近い日経なので、財界の企図する結果に寄せてきたとも言えますが、過労死レベルの残業時間に納得してしまう理由は二つでしょう。繁忙期なら仕方ない、という諦観と、もう一つは政府が決めたことだから、という根拠のない納得です。この後者こそ、安倍政権の支持率を高止まりさせる原因でもあり、もう決まっていることだから、どうせ代えられないから、という納得の上に、安倍政権はなり立っているといえます。
ただ、選挙における得票率ではまったく異なる結果が導かれており、安倍政権では支持率低下は、即選挙で大敗を招く可能性がでてくる。内閣は選挙で代えることができずとも、選挙区で議員に投票する選挙では、気に入らない議員を落とすこともできるからです。これまでも安倍政権は閣僚を切ってきた、その結果、自民党議員の評判はすこぶる悪くなっており、少しの情勢変化で騰落ラインが変わり、落選する議員が増えるためです。そして安倍政権のことも積極的支持ではないため、その結果として内閣が交代しても、別に問題ないと考える人が大半でもあります。

しかし、森友学園の問題で、恐らく国費のムダ遣いが相当に大きいことが分かると、情勢も一変するはずです。あくまで憶測ですが、籠池氏側にわたった100万円が、内閣官房機密費だったり、昭恵氏の活動をサポートするのに、公費がどれぐらい支払われるのか? それはお付きの秘書ばかりではなく、移動費も含めて昭恵氏が私費で負担している、などと政府は答弁しますが、昭恵氏が本当にそんな細かいことをしているのか? それこそ日本全国飛び回っているのですから、お付きの秘書も含めれば、移動費だけで100万円近くにはなるでしょう。一部では講演料をうけとっている、としますが、この前の講演では受け取っていない、という。お金にならないことで、さらに負担ばかり増すことをするのですから、安倍家の懐事情についての疑問も湧いてきます。
そんな中、庶民は賃金も上がらず、苦しい生活を強いられる。昭恵氏の行動が、まるで格差の象徴にも見えてきます。繁忙期には100時間も仕事をする、それでも暮らし楽にならず。そんな中で、お付きの公務員をまるで秘書のように扱い、日本全国とびまわって湯水のようにお金をつかった挙句、塚本幼稚園のようなものを礼賛し、名誉校長にもなっていた。そうした批判に転嫁されると、安倍政権の支持率もどうなるか、分からなくなるのでしょう。安倍ノミクスが失敗し、これからの日本経済に斜陽もみえる中、お金の問題にはより敏感になってくることにもなります。100万円の出元、昭恵氏の活動費の出元、そこに少しでも税金が入っていたら…私人と言い張るだけに、致命傷にもなってくるのでしょうね。

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2017年03月25日

安倍首相のおトモダチもトラブルつづき

森友学園の問題、安倍政権の対応が後手後手となり、また意味不明な反論をして逆に疑惑を広げるなど、ふたたび政権の座についてから始めてといっていいほどの、ドタバタぶりです。それはこれまで閣僚に不祥事があっても、最後はその人物を切ればいいとの楽観があり、余裕をもてたから。今回は安倍首相が疑惑の対象となり、切り捨てれば終わり、という決着の手が使えません。
これまでも疑惑閣僚について、安倍政権では本人任せで冷たい対応も目立ちました。それは恐らく第一次政権で、おトモダチ閣僚を庇いすぎて自分が倒れた、そんな反省もあったのでしょう。そしてそれが閣僚の問題と、政権の問題という切り分けとなり、追及を逃れてきた面があります。安倍氏は「任命責任はある」と言いながら、その責任をとってこなかった。だからこれまで安泰だったのです。しかし今回は安倍氏自らの問題であり、周りも安倍氏を庇おうとする。だからドタバタするし、閣僚を切って問題を終結、という手もつかえないため、いつまでもずるずると引きずる。籠池氏の人格攻撃をすることで、さらに悪循環に入ったともいえ、相手を悪し様に言えば言うほど、安倍政権の評判が落ちて行く、という逆効果も生まれています。やること為すこと失敗だらけ、というこれまでと全く異なる安倍政権の対応は、こんなところに違いもあるのです。

そんな安倍政権が頼りとするのは、トランプ米大統領でしょう。しかし24日、オバマケア改廃案の議会採決を撤回しました。共和党内をまとめ切れず、採決が見通せなかったからですが、トランプ氏の試金石とみられていただけに大失態です。これで政策の成立が見通せず、減税も大型公共工事にも目処が立たなくなりました。今回も「成立させなければ共和党議員は次の選挙で落ちるぞ」と脅したため、遺恨を残す形となり、その他の政策でも議会調整を難しくしたからです。
トランプ氏が大統領として独断でできるのは軍事です。そこで北朝鮮を強襲という話もでていますが、今度は中国との協調ができそうもない。トランプ氏は米中会談に期待、と週初のティラーソン国務長官の訪中で表明しましたが、イランのミサイル開発に協力したとして中国の個人、企業に制裁をくわえるなと、米中が必ずしも蜜月でなく、北朝鮮への行動で一致できる見こみもありません。もし北朝鮮を攻撃すれば、米中が激突する事態も想定されますので、直近で踏みこむ見通しは立たない。安倍氏とすれば、米国による北朝鮮攻撃で、不測の事態に退位負う刷るため現政権への支持を訴え、政局の混乱をもたらす野党を批判する、といった手がつかえません。

しかももう一人のおトモダチ、プーチン露大統領は亡命していた政敵を暗殺した、とみられます。北朝鮮が金正男氏を暗殺、という報道ばかり日本では多いですが、露国ほどこうした暗殺の多い国はありません。北朝鮮を非難するなら、露国も非難しないとウソになります。世界で非難の声が高まれば、日露の経済協力すら頓挫する可能性があり、北方領土の解決が遠のくばかりか、経済協力に参加するよう圧力をかけた企業連合からも恨まれる。この問題の行方も気がかりとなってきます。
国内では、おトモダチの黒田日銀総裁が行ってきた国債買い切りで、市中の国債が減ってしまい、金融機関が機能しない恐れがあり、年度末を控えて日銀が国債の貸出制度を拡充する、と発表しました。一部では『売りオペ』などとも報じられますが、日銀の政策が限界に近づいていることを如実に示すものです。黒田バズーカが弾切れになれば、安倍ノミクスは完全に終焉です。しかも『失敗』という結果を残して。何とかしてそうさせないよう、政府はクルーグマン氏やシムズ氏の理論を支柱に、日銀にさらに国債を買わせようとしていますが、現実的にはもう難しいのです。

切るに切れない、安倍氏のおトモダチまで行き詰まり、安倍氏本人も行き詰っている。これまでも内政の手詰まりを外交に求める傾向はありましたが、今はそれも使えなくなってきた。株式市場もなぜかここ2日、日系大手の2日連続の日経平均先物の大量買い、があって支えられましたが、トランプ相場の終焉もみえ、下落傾向が強まるなら下げ足を早めるでしょう。これまででさえ、日銀のETF買いがなければ大幅に下がっていたのであり、その日銀が失敗を露呈しつつあるのですから、もう誰も安倍氏を救ってはくれないのです。『そして誰もいなくなった』というドラマが放映されていますが、これまでおトモダチ閣僚を切ってきた安倍政権、『そして安倍氏もいなくなる』という日がカウントダウンを始めた、といえるのでしょうね。

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2017年03月24日

証人喚問後の動き

今日も籠池氏の証人喚問の余波が広がります。まず西田自民党議員が昭恵夫人と、籠池夫人とのメールのやりとり、とする文章をだしました。しかしスクショでもコピーでもないので、削除や編集された可能性もあって、これは籠池氏側と整合をとらない限り、証拠にはなりません。問題は、昭恵氏が「記憶が飛んでしまって」というところ。しかし安倍政権は「ない」と断言します。それは内閣官房付の、お付きの官僚が二人きりになっていない、渡されていない、と証言するから、とします。しかしお付きの官僚がSP並みの待遇を求められるなら、二人きりにしたことが即懲戒対応になります。つまり嘘をつく動機が存在することになるため、証人喚問でなければ本当のことを喋るインセンティブがないのです。それで「ない」と言い切るのは、些か拙速な判断といえるのでしょう。

しかも波及は自民による維新切り、というところに来ました。松井氏は証人喚問をうけるとしますが、下地氏の失言もあって旗色も悪い。しかも維新、公明が大阪府での百条委員会設置をつぶす。ちぐはぐな対応も目立ちます。下手をすれば国会に、私審会のメンバーが証人喚問され、事実解明を国会主導でされるかもしれない、にも関わらず動けない。それは何か後ろ暗いことがあるのでは? と疑われても仕方ありません。つまりそれは、松井氏は潔白、と言えるけれど、維新としては潔白といえない部分がある、と思われることにもなる。そんな維新に、すべての責任をおしつけよう、と自民がし始めているのですから、それはもう国会での協力や、連立協議も難しくなったことを意味します。
今日の国会で、麻生財務相が苛立ちを共産党にぶつけたように、日に日に厳しくなる追及、しかも財務省という自分のお尻に火もついて、黙っていられなくなったのでしょう。しかし品のない言葉を投げかけ、政権にとってはイメージ悪化と、さらなる打撃となったことでしょう。その程度の判断もつかないぐらい、心に余裕がなくなっています。

しかも安倍首相まで、昭恵氏の証人喚問について「犯罪者でもないのに呼ぶのか」と憤りますが、籠池氏も証人喚問する時点では犯罪者ではありません。一民間人を犯罪者呼ばわりする失礼さ、を印象づけることになり、これもマイナスです。その論調をつかうなら籠池氏も証人喚問してはいけなかった。しかも嘘つき、とのレッテルを張ることに失敗し、FAXや稲田防衛相の夫が介入していたことなど、証人喚問で暴露されたことで後手に回って対応することも印象を悪くする。やることなすこと正道を外れ、邪道をすすもうとして、結果的にどれも道を踏み外している、といった印象さえあります。
結局、当初の「昭恵氏は私人」「妻も私も関わっていたら議員も辞める」としたことが重しとなり、それを否定するための策を弄するのですが、強弁が過ぎて、嘘にしか聞こえない。またそれに理屈を付けようとするから、嘘に嘘を塗り重ねたことになり、国民から懐疑的な目をむけられる。そんな悪循環に陥っているとしか思えません。

まず、自民は先月25日、森友学園に行った『国会議員』とは誰か? そして昭恵氏の写真を外せ、と命じた理由は? 安倍氏は自ら辞めた、というように答弁していますが、辞めさせたのではないのか? この辺りから真摯に応える必要もあるのでしょう。とにかく隠そう、隠そう、とするためにその動きが怪しくしか見えない。財務省も国交省も議事録すらない、という。そんな行政は誰も信じません。安倍政権の信用どころか、行政全体が信用を失ってしまうことになりかねず、こうなるとさらに暴露も増えるでしょう。
これまでは安倍一強などとされてきましたが、それが安倍一驕(る)となり、安倍一脅(す)となり、そして今は安倍一怯(える)となっている。安倍氏が勝手に独り相撲をとった。それは驕りだったのでしょうし、その整合性をつけるために周りを脅す、嘘をつかせ、証拠を隠す。それでも疑惑が納まらず、政権を失うことに怯えている。そして自民、財務省、維新までもが、安倍一恭(しい)としたために、共倒れする可能性すらでてきているのでしょう。今はもう安倍一凶、安倍氏の存在自体が大きなネックになってきています。籠池氏は「トカゲのシッポ切り」は止めて、と言っていましたが、その「トカゲの尻尾」は、存外頭だと思っていたところにまで、広がっていくのかもしれませんね。

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2017年03月23日

籠池氏の証人喚問

籠池氏の証人喚問、覚悟を決めた証人だとこうも興味深いものか、という意味で都議会の百条委員会がいかに茶番か、を示すものとなりました。しかも証人喚問のトリを飾った維新の下地氏は「松井府知事がかけた梯子から、あなたが転げ落ちた」と、かけてはいけない梯子を、自ら認めるといった失態つきです。しかも午前には松井氏の証人喚問を同じ維新が提案したのですから、この梯子の話は当然でてくるでしょう。ザワつく周囲を一喝して、上機嫌で話をつづけましたが、事前に準備した質問でこの内容、維新は相当の赤っ恥をかいたことになるのでしょう。

内容の前に、昭恵夫人がFacebookで反論を寄せましたが、『秘書』とする者が政府から派遣された職員である場合、公務員を私的に秘書として使役する、という別の問題も生じます。みなし公務員であればまだしも、私人と主張するのですから、公務員を『秘書』呼ばわりし、秘書の働きをさせることは特権的待遇として糾弾されて然るべきです。
まず財務省が送ったとされるFAXに関して、菅官房長官が籠池氏から届いた封書を示し、職員宛にとどいたもので、夫人経由の陳情ではない、と否定しましたが、籠池氏が留守電を残し、細かい内容は職員へ、という返信がきたら職員宛に細かい内容を記した封書を送るでしょう。菅氏の反論は否定になっていません。しかも昭恵氏は回答する旨の報告を受けた、とします。昭恵氏を経由しない質問の場合、わざわざ昭恵氏に回答すると伝える必要はありません。昭恵氏も関係者だから、配慮して伝えた可能性もありますが、その場合は質問内容も含めて報告するでしょう。ナゼなら、そうしないと「何の回答?」と必ず疑問をもつでしょうから。なので、昭恵氏がこの話を知らない、ということが俄かに信用できなくなる。知っていて忘れたか、聞いたけど対応していない、ではないからです。

自公は明らかに「籠池氏は嘘つき」とのレッテルを貼り、幕引きを計ろうとしていますが、堂々と発言し、「記憶にない」もほとんどなかった。ありのままを語っている、との印象を国民は強く抱いたでしょう。幕引きどころか、幕開けと感じたはずです。FAXで言及された『28年度予算で調整中』の意味、これはFAXの日付が分かりませんが、麻生財務相も了承済みともうけとれます。それこそ財務官僚が昭恵氏の案件を予算にもりこむなら、大臣に報告しないはずがありません。予算案は大臣の決裁が必要なはずですから。
100万円の経緯について「秘書に席を外して」とは言っていない、と昭恵氏は主張しますが、あくまで虚偽の説明ができる場において、です。偽証罪のかかる証人喚問でない以上、いくら否定しても価値は低い。しかもメールのすべてを公開する、としなければどんな関係だったかも詳らかにできません。むしろ昭恵氏の側に、多くのことを立証する、説明する必要性が生じた。ここも安倍政権にとっては誤算だったでしょう。

3枚の建設費用については「刑事訴追があるから」と答弁しなかった。松井氏が脅しているので当然ですが、籠池氏にもここは負い目があるのでしょう。しかし逆にみれば、そこしか答弁拒否をしていないので、他は大丈夫と考えているからこそ、正直に話したとも理解できます。尚のこと、関係者すべてに話を聞く必要が生じたことになります。
誰が醜態を晒し、誰が嘘をつき、誰が口を噤んでいるのか。もし自公がこれで終わり、とすれば怒りの声が一層高まるでしょう。しかし証人喚問という場が、事実解明につながる可能性について、籠池氏が俄かに示してしまった。これは都の百条委員会や、今後の国会での証人喚問について、より国民の期待を煽る結果になったのでしょう。もしかしたら幕引きでも、幕開けでもなく、ずっと幕は開きっ放しで幕間もないのかもしれません。強いていうなら倒幕、という幕を国民は見ることになるのかもしれませんね。

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2017年03月22日

米国のオバマケア改廃案の行方

WBCで侍ジャパンが敗北しました。敗戦の理由は色々と云われますが、日本では内野まで天然芝で覆われたグラウンドがなく、しかも雨天だったことで、内野が不慣れだったことが影響したのでは? と考えます。土ならバウンドが止まり易いですが、芝だとスリップしてくるからです。日本にも内野まで天然芝の球場が必要かもしれません。
しかもこの敗北を一番悲しむのは安倍首相では? とも囁かれます。籠池氏の証人喚問を23日に設定したのは、WBCの決勝とぶつけたかったから。日本が決勝にでなければ、籠池氏の証人喚問をテレビでみる人も増えるでしょう。特に、WBCのために予定を空けていた人など、逆に通常の平日よりも衆目にさらされ易くなった。まさに最近の安倍氏のツキのなさを、こうした事例が如実に示すのかもしれません。

そしてこれは23日未明になりますが、米国で重大な決定が行われます。オバマケアの改廃案が米議会で通過できるか? これがトランプ政権の試金石となるからです。そしてそんなトランプ政権の状況をみて、株式市場は大きく下げました。これまでトランプ氏の経済政策で米国が一段と成長する、がメインシナリオであり、割高でも買ってきましたが、もしかしたらトランプ政権で米経済は停滞、下手をすればマイナス成長ともなれば、今の割高な株価水準を正当化できません。日本も米株に合わせ、連れ安になります。
実は米国の変調の兆しは、数日前から見られました。トランプ大統領がTwitterで「盗聴された」とくり返す。FBIや議会までがその事実を否定する中、トランプ氏は「数日後に驚くべき発表」とツイートし、後に報道官から「オバマ氏が英国に盗聴を依頼した」と言い出したのです。勿論、英国は否定。これが外交問題に発展しています。何が変調の兆しだったか? それはトランプ氏の「驚くべき発表」への感応度が低下し、また出てきた話にも反応しなかったのです。つまりトランプ氏の用いてきた『サプライズへの期待作戦』は、就任から2ヶ月足らずでその魔法の効力が切れ、使い物にならなくなったということです。

そうなった原因は簡単で、先には減税案に対してサプライズを予告し、実際には何も出てこなかった。予算教書もだせず、国境の壁でさえ予算捻出の目処が立たない。これまでは勝手に放言をし、それを面白がってきた面もありますが、実行の段階になると様々な調整が必要なのに、誰もそこに骨を折ろうとしない。オバマケアの改廃案についても、共和党の政治家に「賛成しないと落選するぞ」とこのタイミングで脅す。これでは恐らく議会も反発し、通過は絶望的になったと言えるのでしょう。
特に、トランプの魔法が切れかけており、議会としてもトランプ氏に阿諛追従する必要も薄れました。トランプ氏が否定しても、支持率は40%台前半、しかも株価が下落すると米国民のマインドが崩れ、経済も低迷するでしょう。そうなるとFRBも金利上昇ができなくなり、ますます安全資産としての国債購入が増え、株価が下落する、というスパイラルに陥り、支持率もさらに下がる。トランプ政権下でこのデススパイラルが意外と早く起こる可能性が高まり、ますます議会が云うことを聞かなくなり…となるのです。

米国では早くも弾劾の話もでていますが、自己愛性パーソナル障害や、虚言癖といった話もでています。露国による大統領選への介入の問題も抱え、早ければ夏ごろにはFBIも報告をだすのでは? ともされます。そうなるとトランプ氏は自動的に弾劾になる恐れもあって、今年の米国はトランプ政権の寿命にも注目が集まりそうです。
そしてもし、露国による米大統領選への介入が確認されれば、日露の経済協力さえストップしかねない。親密さをアピールしてきたトランプ氏、プーチン露大統領と、二人が一気に苦境に陥る中、安倍氏は諸外国で頼る先もなく、孤立する可能性もあります。最近では安倍氏の呪い、として安倍氏が親密ぶりをアピールすると、その国の為政者が危機的状況を迎える、というもので、韓国の朴氏は大統領を追われ、露国のプーチン氏は制裁を科せられ、そしてトランプ氏が弾劾をうけるなら、この噂の真実味もさらに増しそうです。どうせ対中路線をとるなら、習近平中国国家主席に媚び諂えば、いずれ失脚するのでは? などとも語られます。明日の23日、証人喚問から未明のオバマケアの改廃案、そして市場の動きまで含めて、安倍氏にとってのツキが試される、ということになるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:09|PermalinkComments(8)このエントリーをはてなブックマークに追加 アメリカ | 政治

2017年03月21日

雑感。働き方改革と昭恵夫人の講演

働き方改革でめざす残業規制の上限を、年720時間としましたが、休日出勤を除くものであり、週1回はとるよう定める法定休日も出勤すると、960時間になることを政府も認めました。繁忙期の月100時間と合わせ、政府には労働者は使い捨て、との認識が拭えないようです。経営側と近い、安倍政権では危惧されたことではありますが、働き方改革とはつまるところ、過労死レベルの残業を政府お墨付きで行える、との結果に終わりそうです。

先週末のG20では反保護主義の文言が外れ、不均衡是正との文言が入りました。米国が一国主義となり、協調路線がとれなくなったためですが、不均衡是正というなら米国に資金が集中する、現状には大きな問題があります。それこそ戦略的にみれば、ドル基軸通貨体制の見直しなど、米国に揺さぶりをかけても良いのでしょう。恐らくこれには中国など、新興国でも賛成を示すところがでてくるはずで、米国が保護主義に陥るなら基軸通貨としてふさわしくない、との流れをつくっておくことが肝要で、それが米国へのプレッシャーになるはずです。
しかし安倍首相は昨日もとり上げましたが、独国に行っても率先して新たな提案をするでもなく、「独国とともに(自由貿易の)チャンピオン」と、意味不明な言葉を発するばかりです。諸外国からはそう見られていないのですから、尚更発言力が伴いません。7月のG20では共同声明ではなく、別文書に自由貿易を盛りこむことで、バランスをとろうとする動きもありますが、2つも3つも文書をつくれば、効力がその分分散されるだけです。

2017年の公示地価も発表されましたが、駅近は上昇、郊外は下落、と二極化されました。駅近の上昇を「経済が回復」と説明する向きもありますが、明らかにバブルの所為です。分かり易い利便性を訴えられるところには、資金が集まってくる。海外マネーは環境や自然災害などの外部要因には興味ないため、駅近というだけで上昇します。それは人口減少で、より不便なところに暮らす必要がない、といった面もある。国内がそういう状況なので、海外マネーもあえて郊外には目を向けないのです。
春闘も低調、そこに来て残業は過労死レベルまでみとめる、というのですから、消費を上向かせるには死ぬほど働け、ということかもしれません。逆にみれば、それ以外で来年度の日本経済には見るべき点がありません。地銀に対して外債などの投資に金融庁などが検査、といった話もあります。金利上昇局面ともなれば、使い道のないお金を外債などに回していた地銀などの体力のないところが、苦境に陥ることにもなる。第四銀行と北越銀行が経営統合を前提に、持ち株会社を設立する動きもあります。来年度から、地銀再編の新たな波が起こるかもしれません。それは決して成長をめざしたものではなく、弱者連衡の形の統合という形も多くなるのでしょう。

しかもここに来て、安倍政権ではスティグリッツ教授やシムズ教授のような、金融の肥大化による財政拡張路線についての言及がたびたび目立つ。日本の国債の立ち位置まで、危うくなっているのが現状です。それは金融機関の崩壊を招く引き金になるかもしれません。
安倍昭恵氏が講演の中で「この国のため、社会のため、弱者のため、世界平和のために、休みなく頑張っています」と述べましたが、意味のないところで頑張られても、何の価値もないのであって、努力だけをみとめろ、という甚だ不合理な要求ともうけとれる内容を語っています。本当にそうした方向に向かっているのならまだしも、「安倍晋三万歳!」などという教育を与えるところを礼賛するような「世界平和」など要らないのであって、本当に頑張っている人は「頑張っている」などといいません。この国を間違った方向にむかわせている人たちが、自分たちがやっていることを評価しろという、そんな欺瞞が、一番この国の意欲を殺ぐ原因ともなっているのでしょう。ちゃんとやっている人ではなく、昭恵氏に頼った人、組織だけが弱者なのか? この国の誤ったリーダーシップが、夫唱婦随で行われているとするなら、これほど不幸なこともないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:41|PermalinkComments(33)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 経済

2017年03月20日

雑感、都議会の百条委員会

安倍首相が訪独し、国際情報通信技術見本市(CeBIT2017)で挨拶し「独国とともに開かれた体制を守るチャンピオンでありたい」と述べました。とても違和感があるのは、チャンピオンは各分野で一人、もしくは一国しかなれないもの。独国とともに…と使う時点で誤りであり、翻訳者も苦労したでしょう。そして日本がそれほど開かれた体制、という状態にあるか? メディアは外資に買収されない法律がありますし、農業には高関税が残っています。移民や難民はほとんど受け入れていません。一体、何が開かれているというのか? メルケル首相も、米国でトランプ大統領から握手を拒否されたときのように、鼻白む顔をしたかもしれません。私たちはチャンピオンだけど、日本人は相撲が盛んなように、他人の褌ですもうをとるのが上手ね、だったら元々自由貿易、人の交流をめざしたEUと、日本とでは土俵がちがうのだから、自分たちは横綱でいいじゃない、と。

都議会では百条委員会が開かれています。まんまと小池劇場のシナリオ通り、都議会は無能ぶりを露呈し、こんな都議なら代えて然るべき、という流れになっています。石原氏は体調不良を理由に、3時間から1時間に短縮させた。これでは都議会で多数派の自民、公明が質問の多数を占めますが、それは豊洲移転をともに推進した仲間です。藪を突けば蛇がでる関係であり、追及の手がゆるむことは予想されたことでした。
しかし小池氏側の都議が、百条委員会の短縮をうけいれたのも、それこそ自公の不甲斐なさを露呈させるため。石原元都知事の答弁は、記憶にない、その割に自分の都合のいいことだけはよく憶えていて否定する、といった都民の怒りを買うものでしたが、その怒りは追及し切れなかった自公へと向かうのです。このまま豊洲移転の経緯がうやむやになったまま、誰も責任をとらない、とらせられない、となれば、都議会の多数派である自公へと向かってしまうのです。つまり小池氏はある程度放っておいて、議会に文句さえつけていればいい。それだけで7月の都議会選挙で勝利が転がってくるのです。

石原氏が用いる「豊洲の地上は安全」という論ですが、恐らく橋下前大阪府知事もこれを用いていることから、これが編み出した石原氏の反論、ということなのでしょう。豊洲の地下水モニタリングで環境基準を越えるものが出ても、関係ないということです。しかし地上にどれぐらい汚染があるか、それは確認されていません。地下ピットがあるため、完全に地下水と地上とを切り離せていない。それが豊洲の弱点です。しかも、石原氏も橋下氏も、地上のモニタリングを確認して話をしているわけでもない。もし環境基準は下回りますが、汚染があります、といったら豊洲の風評被害はもう止められなくなります。
保守系の人間がよくする、丸々と言っているんだからいいではないか、では国民の理解は得られません。国民はその理由、理屈を知り、納得したいのです。そしてそれを石原氏は聞いていない、という。浜渦元副知事も売買交渉の途中で、交渉役から放れたから知らない、という。それでは誰が、納得の行く説明をしてくれるのか? どうやらこうした人たちは、責任のある立場にいる人がそうする、という認識もないようです。その結果、この豊洲移転の問題は堂々巡りをしています。何か不誠実なことをしているようだけれど、誰がそうしたのか、何でそうなったのか、それを国民、都民は知りたいのです。

そこに答えがない限り、この問題は終わらないでしょう。今週には籠池氏の証人喚問も国会では予定されていますが、それも同じです。奇しくも浜渦氏が「当時は称賛された判断だった」と答えました。しかし称賛したのは何か不誠実なことをして、嘘をついていたからだったら、その称賛の分が怒りとなって返ってくる。これが歴史上、くり返されてきたことです。チャンピオンなどと浮かれていても、八百長試合でそうした地位を得ていたなら、むしろ罵声を浴びせられるのです。国民のもやもやが残る、すっきりしない決着をすれば、座布団がとびかうこととなり、混乱を生じるだけなのはどんな勝負でも同じなのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:33|PermalinkComments(17)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 地方

2017年03月18日

東芝と原発とディルバートの第一法則

昨日の記事を書いているとき、ふと東芝はどうなのだろう? と考えたとき、ディルバートの第一法則を思い出しました。『企業は事業への損害を最小限に食い止めるために、無能な人を管理職に昇進させる』というものです。ディルバートは風刺漫画のキャラクターで、その含蓄に富んだ内容から、後に法則として数えられるようになりました。
有能な従業員はせっせと仕事をこなし、また生産性向上を図るために企業へ提案したりもします。そんな有能な従業員の邪魔をしないよう、無能な人間は管理職に引き上げてしまう。また取引先や社内でいらぬトラブルを起こし、企業全体としての運営が阻害されるのを防ぐ、という意味がある、とします。つまり経営陣にとって、下からごちゃごちゃ言われるのは煩わしいのであり、有能な社員が提案することさえ、疎ましい。そこに無能な管理職、というバッファを置くことで、経営陣は安泰ということです。

しかし現代は、これが一段すすんだ状態ともいえるのでしょう。つまり無能な管理職が、昇進を果たしてしまった。経営陣にまで上り詰めた形が、企業でも垣間見える。それが東芝の歴代の経営陣、WH買収に始まる転落劇とみなせます。いつでも原発事業を見直す機会はあったはずですが、ことごとくそのタイミングを逃した。粉飾決算でごまかし、責任もとれない。そこには無能な管理職が、そのまま無能な経営者になった、としか思えないのです。福島原発の事故もそうでしょう。すでに6年が経ち、今ごろ原発事業の苦境を訴えても、そんなこと分かっていたはずだろう、と誰もが考えます。
しかし東芝が原発事業を見直せなかった原因の一つには、安倍政権の方針もあります。日本政府は原発輸出の旗を下ろさず、原子力協定をインドなどと結びました。しかし未だに一件の原発も輸出できていません。福島原発で各国でも反対運動がおき、また基準が厳しくなるなど、環境が激変した。にも関わらず、安倍政権が原発輸出にこだわり、国策で推進するという。東芝としては、海外の案件が受注できれば損失をカバーできる、との目論見もあったはずですが、期待は裏切られつづけ、そして今日を迎えます。

例えば三菱重工が米カリフォルニア州の原発に蒸気発生器を納入、しかし2012年に蒸気漏れで原発は稼動を停止、そのまま廃炉となりましたが、その賠償請求額が140億円になりました。しかし電力会社の請求は7500億円、要するに廃炉費用の負担を求められた形です。これも納入は安倍政権の誕生前ですが、海外の原発リスクを如実に示す事例でしょう。機器に不具合があっただけで、巨額の賠償請求をうける。それが原発施設全体ともなれば、厳しくなった基準ではいつトラブルで停止し、損害を請求されるか分かりません。海外では責任の所在が、製造側なのか運用側なのか、曖昧なケースもある。原発は巨大プロジェクトだけに、企業にすればその一事業だけで浮沈すら左右することになるのです。
そんなものに国家が前のめりで、企業を巻きこんで海外に売りこみをかける。では国家がその損失をカバーしないといけないのか? そんなことをしたら有権者が怒りだすでしょう。つまり安倍政権のすすめてきた原発輸出、そのものが日本の浮沈を左右し、企業を振り回してきた、とさえ言えるのです。東芝が原発を切れなかった理由、そこには無能な経営者ばかりでなく、無能な国家の運営者による介在があった、といえるのかもしれません。

翻って、民進党も原発政策に揺れています。蓮舫代表のめざす2030年にゼロ、これが達成できなかったことで求心力を失った、とされますが、その原因は簡単です。野田幹事長は代表を支える立場なのに、代表のめざす方向性に従わず、そっぽを向いた。その結果、党をまとめる役がいなくなり、議論が百出して意見がまとまらない。野田氏というのは、本当に組織として機能させることが下手、と言えるのでしょう。中途半端に我が強すぎて、中間管理職には向かない。しかしディルバートの第一法則を思い出すなら、蓮舫氏が『無能な管理職』を就けてしまったのが原因、ともいえるのでしょう。日本の原子力政策、それ全体がこの『無能な管理職』によって政府、企業までもが仕切られている以上、まともな事業運営など期待する方が難しい、ということでもあるのでしょうね。

明日は一日、お休みしたいと思います。

analyst_zaiya777 at 23:43|PermalinkComments(15)このエントリーをはてなブックマークに追加 企業 | 原子力

2017年03月17日

チームとリーダー

WBCで日本は準決勝にすすみました。こうみると、大谷選手がケガで出場を辞退したことが幸いした、とみることもできます。どうしても注目選手がいると、その選手が活躍すればよいですが、不調に陥ると結果すら左右する。前回のイチロー選手のように、不調でも周りがカバーして…というぐらいリスペクトがあればよいですが、大谷選手はまだ若く、そこまでではありません。結果、全員が一丸となって、不調の選手をカバーするという形が予選を全勝という形での通過となったのでしょう。

WBCの準決勝、決勝が開かれる米国では、トランプ大統領が予算教書から数段は格の低い概要をだしました。議会との調整もつかず、また政権も正式に発足できない中ですから仕方ない面もありますが、そこで分かったことは米国は軍事大国になる、ということです。しかしそれは、米国が一番になるのでも、強国になるものでもない。強いていうなら、張子の虎になる、となります。いくら軍事で外部からの攻撃に備えても、米国内の環境も、人々の健康に関する部分も予算が削られ、守られないというのですから。
トランプ氏の考える米国ファーストは、どうも悪い意味でビジネスライク。弱者を切り捨て、強者を富ます、というこれまでの延長にあるようです。しかも威嚇の力をもった新自由主義であり、雇用に関しては企業に圧力をかけて達成、環境も恐らく諸外国頼み、オバマケアの代替案も国民の選択に委ねる、としますが、結局は国民の負担を強いる形になるのです。誰も幸せにならない、一部の富裕層と軍需産業だけが潤う、そんな国をめざすことになるのでしょう。そしてその影響は世界中がうけることになります。

日本ではもっと深刻です。安倍首相が国会で「講演料はうけとっていない」と答弁した後で、昭恵夫人は「記憶にない」と確認のメールを籠池夫人に送った、とされます。しかもくり返し、籠池氏を口汚く罵り「関係はない」としていたものの、昭恵氏はずっと「関係していた」。 講演料の収受ですら忘れていたら、もしかしたら100万円を渡したことだって、単に忘れているだけかもしれない。安倍氏も微妙に答弁を修正したのも、昭恵氏が忘れているだけだと取り返しがつかなくなるためなのでしょう。
しかも米国から東芝のWHの破産法申請は「重大な懸念」とクギを刺されました。先に麻生財務相が口先介入を行ったことで、米国の逆鱗にふれたともされる。安倍政権は口の軽さとその内容の拙劣さと、その両面で立場を悪くしており、経済対話にも大きな禍根を残すことになるのでしょう。でなければ東芝に大量の国費を投入し、WHを存続させるのか? いずれにしても財務相の軽率な一言で、日本が巨額の負担を強いられる形になるのでしょう。

安倍政権がチームとして機能しているか? むしろ機能しているから、森友学園であれほど見事な連携を成し遂げた、それは大阪も絡めて、ということかもしれません。しかしその結果、チームがバラバラになった。それはリーダーが責任をとらず、逃げたり、その場限りの対応をしているのですから、周囲はその尻拭いに疲弊していくだけなので当然でしょう。日報問題にしても、そもそも『戦闘状態』を隠すために策を弄した結果、暴露に慌てるといった状況です。暴露がでてくる、ということ自体がチームとしての機能を失いつつある、ということ。不誠実なことを部下に強いた挙句、それに耐え切れなくなった者から順に、真実を白日の下に曝そうとします。
今、日本でおきていることはすべてつながる。それはチーム日本のリーダーがその資質に足らない、ということであり、そこからくる無理、矛盾によってバラバラになりつつある。今の日本は、その機能を安倍氏というリーダーによって、アベヤンス(abeyance:停止)した状態、といえるのでしょうね。

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2017年03月16日

日米の金融政策

籠池氏の証人喚問が、急転直下23日で決まりました。恐らく「安倍首相から100万円の寄付をうけた」との発言に、これで偽証で逮捕すれば口封じができる、と与党からゴーサインが出たのでしょう。しかしこれこそフェイクで、誘い水、菅野氏と綿密に打ち合わせし、国会で証言するために打った一芝居だとしたら…。23日はまた違った結果がでるのでしょう。実は驚くことに、今まで学園の設立に関する部分と自分の利益になること以外、籠池氏の語っていることに嘘はない。稲田防衛相との関係など、籠池氏にとって特にメリットはないのに、関係性に拘っていますが、これまで嘘をついていたのは稲田氏の方でした。誰がミイラで、誰がミイラとりなのか? 23日に明らかになるのでしょう。

米FOMCが開催され、FF金利の誘導目標を0.25bp引き上げて0.75〜1.0%としました。今年、来年の金利引き上げ見通しを示すドットチャートも年3回であり、株式市場はハト派とうけとめて大幅高、ただし債券、為替市場は失望から急落です。しかし経済見通しがほとんど変わっていないにも関わらず、年3回の利上げ計画に至ったこと、及びバランスシートの縮小に関しては「議論を始めたばかり」とたこと。その2つをみてもかなりタカ派です。議論を始める、ではなく、始めたばかり、つまりもう検討段階に入っているという意味であり、早ければ年央にはバランスシートの縮小計画について、言及があるかもしれません。それは経済見通しが変わらずとも、引き締めするとの意図を読み解けるからです。
日銀の金融政策決定会合は現状維持。ただし市場は無反応でした。不動産に関して若干弱めの見方に変更したものの、ほとんど見通しを変えていないので現状維持も当然ですが、市場関係者から不満も洩れる。日銀のとるYCC(イールドカーブコントロール)政策が正しいのか? YCCをとっているのに、どうして昨年の物価上昇率が下がったのか? しかも当初黒田総裁が「成果」と語っていた不動産市場が、どうしてここに来て弱含んだのか? 何も答えていないからです。盲目の信頼を寄せろ、黒田氏はそう述べているように聞こえますが、もうその時期は過ぎています。今は結果が出ていないから、批判も高まります。

そして4月からの日米経済対話でも、恐らく中央銀行の問題はとり上げられるでしょう。日本が不当に金利を低く抑え、通貨安に誘導している。そんな非難をかわす術は現状ありません。米通商代表部(USTR)の代表に指名されたライトハイザー氏が「農業では日本が第一の標的」と述べたように、今週末のG20でも「保護主義」の文言が外れる見通しですが、まさに通商交渉は、自由貿易から保護貿易へと舵をきるのでしょう。そのとき、攻撃材料を多く与えた方が負け、不利益を被ることになりますが、まさに米欧の金融政策と歩調を合わせられない、そんな日銀の態度が今、最大のネックになりつつあります。
もしこのまま金利差拡大を放置すると、やがて円キャリートレードが活発化し、世界にバブルをばら撒くかもしれない。バブル退治をしたい世界の中央銀行にとって、まさに日銀がリスクなのです。諸外国の圧力が高まり、引き締めに転じるのなら、その動きは急になるかもしれない。今の世界は、低金利と信用不安もなく、適度な政治リスクがあっても資産価格が上がる、ゴルディロックスの状態といえます。しかし日本だけが、コールドロック(冷たい鍵)がかけられたように、低成長の状態でもあるのです。

昨日の春闘、集中回答日でも大企業の賃上げペースは減速。昨年でさえ大企業の賃金は下がっており、今年はそれが加速するでしょう。中小は賃金が伸びても、まだ大企業に比べて低い水準であり、今年の消費も期待できない部分があります。安倍ノミクス、黒田バズーカ、いずれも失敗し、今は安倍ノミス、黒田バカという状態であり、残った言葉をまとめるとクズー、それが今の日本の経済状態を表すのかもしれません。安倍政権も、黒田日銀も失敗をみとめず、それを変えるタイミングも失った。景気が悪いのにコールドロックがかかったままの日本は、このまま下方への圧力が強まるばかりなのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:11|PermalinkComments(30)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | アメリカ

2017年03月15日

雑感。森友学園疑惑

森友学園の問題で、安倍政権は迷走中…、そのトップで道に迷っているのが稲田防衛相です。籠池氏のことを父の代から知っているのでは? と問われ「名前を聞いたこと」を認めましたが、第一回の口頭弁論にでたことは忘れている。夫と立ち上げた弁護士事務所の「代表に就いたことはない」としながら、初当選した選挙広報には『代表に就任』とはっきり書かれている。挙句に「ここ10年来会っていない」とする籠池夫人の発言を紹介されると「奥様らしいなぁ…と」親しげだったことを窺わす部分はよく憶えている。基本的な大事な部分の記憶だけ、都合よくぽんぽんと欠落する異常性です。
しかも今日、記者会見の予定だった籠池氏はドタキャン。しかし東京に現れ、ジャーナリストの菅野氏と会談、後に菅野氏が明かしたところによると、迫田国税庁長官(国有地売買時の理財局長)の単独インタビューをとってくれば、メディアの出演に応じるとしました。しかも2月8日の幼稚園の修了式で「財務省から、弁護士に『10日ほど身を隠して』と言われた」との発言が報じられ、国家ぐるみの犯罪の可能性すらでてきました。

稲田氏の袋叩きを、安倍政権は容認しているとみられます。なぜなら安倍首相への攻撃が緩和され、さらに「首相夫人は私人」発言の追及もかわせる。ただし稲田氏がここまで疑惑を拡散してしまうと、幕引きが難しくなってきます。さらに日報問題に関して、NHKがスクープとして紛失した、とされた陸自にデータが残っており、遅れて公表しようとしたものの辻褄が合わないから消去しようとした、と報じられる。防衛省としてダブルのトラブルに見舞われた形となり、辞任は避けられない恰好となりました。
ここに来て、昭恵氏の活動をどう支援するか、を政府で検討とします。税金をつかって私人を支援するのなら、それも批判の対象になる。公人、見なし公務員とすれば何の問題もないものを、私人とするからおかしくなる。籠池氏との関係を断絶していたことにしろ、と言われたから稲田氏の答弁がぼろぼろになる。籠池氏を隠せ、といわれたから、財務省もおかしな動きをする。「昭恵夫人は私人」などというから、整合をつけるために様々な検討をしなければいけなくなる。すべて安倍政権のおかしな指示で、周りがそれに合わせようとすることから、混乱が大きくなっているとも言えるのです。

籠池氏は「政権が2つ飛ぶ」や「安倍政権などどうでもエエいうことになる」と、一大スキャンダルに発展する可能性を滲ませた。当然、今日のドタキャンも何らかの圧力があったのでしょう。安倍政権が籠池隠しに奔走すればするほど、さらに疑惑の目が向かう。安倍政権が頑なに参考人招致を拒むのも、やはり何かあるのでは? と思わせる。安倍政権の泥縄対応で、泥沼の深みにどんどんはまっていく印象もあります。
籠池氏が新たな資金の流れも証言した、とされますから、籠池疑獄に発展するのか? 政治家から金を渡し、『安倍晋三記念小学校』をつくろうとしたなら、当然それは与党の人間ですし、現閣僚とも説明している。そうなると、その政治家の政治資金収支報告書に記載がないとおかしいですが、恐らくはないのでしょう。籠池氏にも補助金適正化法違反、籠池夫人にも同様の違反の可能性が報じられます。ここには大量の犯罪案件が眠っているともいえ、もはや会計検査院の調査では追いつかないのでしょう。

最後に童謡を載せておきます。『籠池 籠池 籠の中の政治家は、いついつでやる、疑惑の先に、稲田も財務省もすべった、後ろの正面(背信したのは)誰?』 かごめ唄は1800年代に編纂された『竹堂随集』に記述があり、その前から童歌としてあった、というぐらい古いものですが、意味が通じず、その由来については諸説紛々です。しかしこの疑惑に蓋をしていると、こんな童歌が未来永劫、のこることになるのかもしれません。政治家、のところを安倍、と謳い替えても意味は通ります。国に対して背信を働き、誰がこんなとんでも学校をつくろうとしたのか? 答えをだすまで、後ろの正面に誰がいるのかを見るまで終われなくなってきたのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:22|PermalinkComments(15)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2017年03月14日

サウジ国王の来日

稲田防衛相が「弁護したことはない」とした森友学園に関して、1日で答弁撤回です。不思議なのは「失礼なことをされた」として10年関係を断っている、としながら第1回の口頭弁論をしたことを忘れていた点。ネガティブなイメージは残り易く、失礼なことを憶えているなら、そんな相手の弁護をしたことも憶えていて然るべきであり、そちらは未だに記憶にないとするのは明らかに不可解です。またそんな相手から献金をうけたり、感謝状を贈れば、尚のこと過去の出来事も思い出すはずで、そこだけすっぽり抜けているなんて、記憶に何らかの欠落があるとしか思えない。そしてもしそうなら、防衛大臣としての資質、能力ですら危ぶまれるところです。防衛相が、忘却相だったり、妄言相だったり、放擲相だったりしてもらっては困るのです。

世界は今、大きく動きだす予兆があります。15日に総選挙を控えるオランダで、トルコとの関係悪化が報じられます。先週末、トルコ改憲における国民投票への在外投票を訴えるために、オランダ入りしようとしたトルコ閣僚の入国を拒否し、非難合戦から対抗措置までとるなど、両国の関係が悪化している。トランプ米大統領の混乱をみて、極右勢力の勢いが殺がれた、ともされていましたが、これで再び極右勢力が盛り返す気配もあります。オランダは小政党の乱立状態で、極右政党もすぐに単独過半数がとれるほどではない、とされますし、連立相手もいないので政権をとる見こみはありませんが、極右が第一党の最大野党ともなれば、政局が混沌とします。しかも今年、続々と行われる欧州国政選挙の前哨戦でもあり、結果は間違いなくその後に影響してきます。このタイミングでトルコが動いてきたのは、むしろ極右でもあるトルコのエルドアン大統領が、わざと対立を煽って緊張を高め、自身の支持率を上げるために利用している可能性もあります。

日本にはサウジの国王が来日中です。爆買いが注目されますが、以前から国王一族は旅先で買い物に興じてきた。アラムコの上場先や石油に代わる産業の育成、などの話もありますが、そもそもサウジは閉鎖的な国で、海外旅行客などをほとんど受け入れていません。それは王族が支配し、多くの国民が低層にとどまり、外国文化の流入にも慎重である点。また王族が女性を抱えこむため、男性は恒常的にパートナーとなる女性の不足に悩む、といった問題もある。これまでは原油高で潤い、国民にもその利益を享受してきたため安定していましたが、原油安で苦境に陥る構図は、国民に大盤振る舞いができなくなって、政局不安に陥った南米の国とかなり似通う部分もあります。
問題は、閉鎖的な環境を改めない限り、産業も育たない点です。サウジとてそれぐらい理解している。かといって王族支配を揺るがす、開放には踏みだせない。当然、今回は上場先の値踏みが目的でしょうが、それと同時に政府系ファンドの投資先探し、がメインではないかと考えます。今はあらゆる市場でバブルが発生しており、株価も高い状況ですが、その先に急落が待つのなら、政府系投資ファンドが巨額の損失を抱える恐れもある。サウジが投資に失敗すること、それは一気に国が傾く懸念すら想起させます。

アラムコ上場によって巨額資金を得る。しかしその時点でバブルが崩壊してしまえば、設備投資などをして産業を育てようとしても、恐らく失敗するでしょう。それなら、安定して投資できる先があればその方がいい。かといって今は、その安定した投資先すら乏しい状況でもあるのです。世界の情勢を確認する、それは日本政府の経済政策や、中央銀行の金融政策も含め、調査する意味もあるのでしょう。
その上で、ウィンウィンになれる関係先を決める。安倍政権の決断が遅く、日本への見方が悪化している、との話もありますが、これまでの付き合いからも日本を重視したいところではあるでしょう。一方で、日本としてもサウジと組めば、悪い意味で日本全体が第二の東芝になりかねない。海外に投資した結果、破綻懸念すら生じる恐れもでてきます。サウジとの付き合い方、それは日本からも投資対象としてふさわしいかどうか? ウィンウィンになれるのか? その辺りがカギとなるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:08|PermalinkComments(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 中東 | 経済

2017年03月13日

週明けもつづく安倍政権の窮状

森友学園の問題、先週末の籠池理事長の会見、それにぶつけた自衛隊の南スーダンPKOからの撤退会見、そして週末の東日本大震災での報道で、沈静化すると見込んでいた安倍政権の思惑をはずれ、さらに疑惑が拡大の一途をたどっています。瑞穂の国記念小学校を設計した事務所が「建設費は23億円」と発言し、籠池氏の説明「15億円」、建設会社が証言した「7億円」とも異なることとなり、よく分からなくなってきました。
さらに稲田防衛相について、籠池氏が「顧問弁護士だった」と発言、訴訟資料にも「訴訟代理人」として稲田氏の名前があり、親密さをうかがわせる資料とします。資料は2005年のものですから、10年は会っていない、とする稲田氏の説明は覆せませんが、法律相談をうけたことはない、とする説明は覆せる。またそうしたズブズブの関係だからこそ、感謝状をだしたのでは? という利益相反の疑いがでてきます。しかも双方の意見が食い違うなら、参考人招致をして解明しないといけない、との機運も高まってきます。

安倍首相にとって誤算だったのは、政府主催の東日本大震災の追悼式の式辞で、「原発」の文言を外したことが不評だったことです。岩手県を視察し「震災を風化させない」と述べましたが、原発事故は風化させたいのか? との矛盾を生じる。震災があって、原発事故があり、未だにそれで避難する人がいる。5年が早いのか、遅いのか、はありますが、少なくとも原発事故により未だに避難している人がいる以上、外すべきではなかった。
そして森友学園の問題も、¥まったく疑惑が出尽くしているわけでもなく、幕引きに失敗したこと。私人・公人問題も燻る中、昭恵夫人の発言がさらなる火種となり、国民の怒りを買う。「良く報道してください」は、森友学園に関わった人間として、あまりに軽率な発言でした。森友学園の疑惑が深まるほど、そこに関わった昭恵氏への疑惑も増す。それなのに「良く報道」すれば、それは疑惑を隠したい、問題を覆い隠したい、とお願いするようなものです。これも安倍政権への追及に拍車をかけた原因です。

そしてPKO撤退も理由を節目にしたことで、スジが悪い。さらに残業時間100時間の上限を首相裁定で決めた。これも経団連としては御の字ですが、週休2日なら1日4時間以上の残業を強いることとなり、過労死レベルです。電通社員の死、から盛り上がった過労への規制という方針を、自ら取り下げたことになる。気弱になった安倍氏が、経団連の支持だけは何とか保ちたい、との方向しかみえず、これもネガティブ視されます。
「何度も説明している」と安倍氏は言いますが、それで納得していないから何度も聞かれるのであり、国民が納得していたら何度も聞く野党が非難されます。しかし今、疑惑はさらに深まり、説明責任を果たしていない安倍氏の側に、懐疑的な目が集中しています。そこにPKO撤退、式辞での原発削除、残業上限、とさらに問題を重ねた。安倍政権を追及するムードが、国民の中にもはっきりと醸成されてきた、といえるのでしょう。

貧すれば鈍する、とも言いますが、安倍氏の場合は『顰蹙を買うと鈍する』という負のスパイラルに陥る傾向があります。これまでは少々のミスでも、メディアが擁護する論調をとっており、安全運転がつづいていましたが、森友学園の問題以後、メディアの風向きも変わった。読売まで社説で『私人では済まされない』とするように、その説明の拙さ、危うさに批判に転じざるを得ず、嘘に嘘を重ねる安倍政権では、ますます深みに嵌ってしまうのです。
さらに有識者まで「安倍一強が崩れた」と報じる。こうした報道が増えると、国民の中にも「そうなのか?」という機運が高まります。まさに負のスパイラルに陥った、といえるのでしょう。各社の世論調査でも、支持率が急落です。支持率が高いから政権が維持される、という状態から、政権を排除するために支持率を低くする、との動きがこれから本格化してくるかもしれません。Hindrance(障害)があるとDone(終わり)する、安倍氏は元々、心が弱いだけにその障害を抗弁で乗り切れなくなると、突然死する確率がさらに高まることになるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:33|PermalinkComments(9)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2017年03月12日

雑感。日米の金融政策におけるリスク

10日発表の米2月雇用統計で、非農業部門の雇用者数が23.5万人増と良好な数字となりました。ただ平均時給の伸びが予想にとどかず、米株市場は様子見となっています。先週末の日本株はメジャーSQでもあり、そのアク抜け感もあって大幅高でした。ADP雇用統計以来の流れを引継ぎ、円安がすすんだ形で株高にし易い面もありましたが、米雇用統計後は円高に向かっており、梯子を外された恰好です。
最近では、3月のメジャーSQ後に国内勢が大量買いするのがアノマリーです。3月末は高いとのアノマリーを先どりする動きですが、実は昨年などSQ週とほとんど変わらない水準で3月末は着地しており、3月末が高い、とのアノマリーは大してアテになりません。それは最近の相場では、いかに早く織りこむかを競っているようなところもあり、SQ週では遅すぎる面もあるからです。円安もそう、もう3月のFOMCで米国の利上げはほとんど織りこまれているのですから、それを見込んで今から円を売っても遅いのであり、米国市場で円が買い戻されたのも、売り方による恰好の買い場になった可能性が高まります。

問題は来週のFOMCの利上げ幅と、FRBのバランスシートに関する言及です。米国では雇用は堅調、インフレも昂進しており、異常な緩和をつづける必要がない。また長期金利は2%半ばで推移しており、0.5%ぐらい利上げしても問題ないのです。ただそれが市場に与えるインパクトと、年3回で達成されるとみこまれる市場操作金利を、2回で達成してしまうということになれば、金融機関の戦略も大きく変わってきます。今は金利上昇で、金融機関には有利とみられ、金融株が買われていますが、保有している国債の価格が大きく下がれば短期の業績にも影響してきます。金利上昇の速度も問われるため、実はFOMCの結果は、今後の経済を大きく左右する可能性も秘めていることになります。
しかも困るのは、FOMC後に開かれる日銀の金融政策決定会合です。単純に金利差が拡大して、円安になると喜んでばかりはいられない。そうなればトランプ政権からの圧力が高まることは必定ですから、4月からの経済対話を考慮すれば、FOMCで動きがあれば、日銀もキャッチアップしないといけない。日銀の動きはまったく市場に織りこまれておらず、下手をすれば市場を驚かす、サプライズ好きの黒田総裁は今回、負のバズーカを撃たなければいけなくなるかもしれません。

ECBも緩和から引き締めに転ずることが、俄かに意識されます。独国ではすでにバブル、仏国では逆に景気が低迷している。それでも引き締めざるを得ないのは、バブルが怖いためでもあるのです。景気が疎らでも、英国のEU離脱があろうと引き締めに転じる、との強い決意をECBがもてば、世界はその後どうなるか分かりません。そして米欧の金融政策の転換は、日本も無傷ではいられないことにもつながるのでしょう。
今週、そうした新たなステージに入るのか? 米国の動きは注目となります。そして日銀が今の政策をつづけられるのか? あまり評判のよくないオペ、その見直しともなれば、日本市場にも影響するでしょう。今週はイベントウィークでもあり、その前に何を織りこんだのかも分からない日本の株式市場、イベントの結果次第では急変動を引き起こす要因になりかねず、要注意でもあるのでしょう。今、世界は政治リスクとバブル退治せざるを得ない金融政策のリスクと、そのリスクがまだ顕在化していない、という楽観の中で動いており、予断をゆるさなくなっているのが現状でしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:29|PermalinkComments(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 一般

2017年03月11日

東日本大震災から6年

東日本大震災から今日で6年です。メディアの報道も少なくなり、風化という話も聞かれますが、どんな出来事も記憶から記録に変わっていくものです。憶えている人が少なくなっていけば、それは記録として語られることになる。6年が早いのか、遅いのか、それは個々の方の思い入れの深さであったり、様々にあるでしょうけれど、いつかは記録としてそれを見る人の方が増えるでしょう。5年の節目をすぎて、メディアがそうした方向に舵を切ったとしても、強ち批判もできないのでしょう。

ただ福島原発は未だに道半ばどころか、調査ですら順調にすすんでいません。福島原発からでてくる高レベル放射性廃棄物をどうするか? といった問題もありますが、茨城にある東海再処理施設では、高放射性廃棄物が水中に乱雑に放り込まれており、水の循環装置もなく汚染され、取り出し方も分からない、といった報道もあります。
とりだしたところで、どこにももっていくことはできませんが、今年に入ってからこの東海再処理施設で、高レベル廃液をガラスと混ぜ、固化体にする施設を再開します。原発で使った燃料棒を再処理しても、新たに作った燃料棒をつかうための原発はほとんど動いていないにも関わらず、再処理だけはすすめる。特に、東海再処理施設は実証施設であり、すでに商業施設として青森にプラントをつくっているだけに、東海のガラス固化施設を稼動するのは、せっかく施設があるから動かさないともったいない、という理由以外では必要ないものです。しかし青森の商業施設がうまくいかず、結果として茨城で行わないと、原子力事業全体が頓挫していると指摘されかねない。ただし、老朽化も懸念され、機器の不調で止まっていたことからも、再びトラブルに見舞われる可能性が高いものです。

しかも茨城でつくった高レベル放射性廃液を固めたガラス固化体、そのもって行く場所も決まっていないのは周知の事実です。しかも、今後それを受け入れる地方自治体は、洩れなく福島原発で出てきた高レベル放射性廃棄物もついてくる。当然、それは容器に入っているでしょうから形は同じでも、福島のネガティブなイメージもついてくることになる。今、福島の震災で避難している住民の子供へのイジメが問題になっていますが、恐らく引き受け自治体も、そうした問題に直面することになるでしょう。国や地方自治体にしろ、この問題に後ろ向きであれば、尚更引き受け手も現れなくなるでしょう。
避難区域を解除しますが、ホットスポットは残ったままです。線源から離れた方が、計測する上で有利ですが、国のやり方は地面から1mの高さで計測する。それで線量が下がったから…とします。しかし地面こそ線量が高いのであり、そこにすわったり、屈めば高い線量を浴びてしまう。それに最近では、砂埃を巻き上げるほどの風が日常茶飯事です。放射性物質を吸いこむ確率は依然として高いにも関わらず、それを解除してしまう。6年目、という考え方一つですが、原発、放射線との向き合い方は昔も今も変わっていない。変わらないどころか、悪化しているとさえ言えるのかもしれません。

安倍首相が五輪招致で、福島原発を「アンダーコントロール」と述べてから3年半、未だに福島原発の中でさえよく分かっていない。制御下どころか、可視化すらできていない状況です。頼みの凍土壁も、莫大な予算をかけ、今後も継続しなければいけないのに、効果は極めて低かった。東芝がWHを破産法申請する方針で検討していますが、これも福島原発の事故が影響している。実は、未だに多くの問題を引きずっているのが、福島原発の事故といえるのでしょう。むしろメディアが東日本大震災のことを忘れよう、忘れさせようとしているのは、国民を「アンダーコントロール」したいから、というのが強ち嘘に聞こえない。この国のアンダーグラウンドで行われていることの方が、よほど危険ということでもあるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:18|PermalinkComments(17)このエントリーをはてなブックマークに追加 社会 | 原子力

2017年03月10日

撤収? 撤退?

韓国では朴大統領の弾劾がみとめられ、即時罷免となりました。予想通りの展開とはいえ、韓国初の大統領の失職であり、今後の大統領選や、贈収賄や一般人による政治の壟断に対しての公判にも影響があるでしょう。さらに韓国経済にさえ、暗い影を落としそうです。

今日は日本でも夕方からバタバタと政局に動きがありました。森友学園による瑞穂の国記念小学校の認可申請を、森友学園側から取り下げました。昨日はYouTubeに映像まで上げて、認可を訴えていたにも関わらず、1日で態度を豹変させたのは、大阪腑による立ち入り調査における籠池夫人の振る舞いが逆効果であり、観念せざるを得なかったためでしょう。月末ともされる私学審では、不認可がでることが確実ですから、トドメをさされる前に撤退したのです。しかし今後も紆余曲折が予想されます。
財務省は土地返還交渉をする、といいます。現状復帰の契約をむすんである、としますから、ゴミを埋め戻して更地にして返すことになりますし、国交省は補助金も返還請求するといいます。もしこの二つを呑めば、籠池氏側は破産するでしょう。裁判で争ったとしても、国相手では勝てるはずもありません。ただ政治家の関与はない、と述べましたが、それは再起を期すのであれば、政界ルートを失うわけにはいかない。恨みを呑んで…要するに政治家は庇うから、後で助けてね、ということであり、その効果次第では裁判でも勝てるかもしれない。そこに一縷の望みをかけ、早期撤退に踏み切ったのでしょう。

しかし撤退といえば、安倍氏は露骨に、この会談にぶつけるよう南スーダンの撤収を発表しました。籠池氏の発言、そこから目を逸らしたい、また将来に明るい展望を描けるようなことを示さないと、国民の声が怖くてたまらない。そんな二つの理由から、今日の緊急会見になったのでしょう。しかし南スーダンの情勢緊迫化が理由でない、として再度のPKOに含みをもたせ、また自分は失敗していない、とする。
どこか籠池氏の会見と似通うところもありますし、籠池氏ほどの豪胆さもない。籠池氏はトランプ型、石原型であり、攻撃されると攻撃し返さないと気が済まない、嘘をついてもそれを認めず、とにかく反論して状況を乗り切ろうとするタイプ。安倍氏は攻撃されると陰湿な嫌がらせをする、保守系では珍しいので安倍型、といえるのかもしれません。ただ安倍氏は日本で一番、権力を有するからできることでもあります。

安倍氏は南スーダンから撤退ではなく、撤収であるとします。しかし日報問題を初め、国会での追及からは間違いなく撤退したいのでしょう。そして5月とされる撤収時期、都議選に衆院選をぶつけるのでは? ともされ、ある意味で絶好のタイミングにも見えます。ただ弱気の虫がでている安倍氏が、議席を落とす覚悟をもって解散に打ってでられるか? 韓国では有力とされる文氏が大統領選で勝利すれば、日韓の慰安婦合意を見直すと述べていることから、安倍政権にとっても逆風になります。しかし逆からみれば、韓国に対して強硬路線に転じ、保守系の支持を固められるかも…そんな思惑もあるかもしれません。
しかし日本会議との蜜月に、すきま風が吹くことになった籠池氏切り。安倍氏は自分が都合悪くなれば、誰であろうと切る人間だ、そんな警戒心も保守系には芽生えたことでしょう。森友学園は、それこそ日本会議の教育方針を体現する、模範学校であったはずです。それを悪し様にののしり、切った安倍政権。この微妙なすれ違い、撤退の『撤』という字は行人偏の『徹』をつかって徹兵としても同じ意味にあります。行人偏の『徹』は『貫き通す』、手偏の『撤』は『捨てる』、という意味でもあり、安倍氏は徹と撤の使い分けを間違えると、自らが『撤去』されることもありうるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:22|PermalinkComments(21)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 社会

2017年03月09日

雑感。安倍政権の迷走

森友学園の理事長、籠池氏が見事なテンプレ対応です。反論のためのYouTubeでは被害者意識を前面にだし、しかも仕組まれた、と陰謀論を吐き、さらに謝ることもなくどんな疑惑にも反論をくりだす。保守系とされる人物らが追い込まれると、必ずこうした対応をとりますが、籠池氏も洩れなく同じタイプの人間、と言えるのでしょう。
しかも与党系議員への恨み節まで。まだ悪し様に個人名を特定してはいませんが「しつこい」と発言した安倍首相には電話番号も知らないと述べたり。ただ、籠池氏の息子が週刊誌で語ったところによると、講演をお願いした結果、本人から直接の断りの電話が息子の電話にとどいたものの、それを父親の番号を教え、回したと語っています。つまり安倍氏の側は電話番号を知っていた。籠池氏のマメさからも、安倍氏の電話番号は電話帳に登録しておいたでしょう。このことでも嘘になっているのかもしれません。

また「10年は会っていない」と語っていた稲田氏は、弁護士をしている夫が、籠池氏側の弁護をしていることが、週刊誌で報じられている。自ら何度も会った上、夫が仕事を請ける立場なら、頻繁に連絡をとるぐらいはしているでしょう。もしそうでなかったら、人付き合いとしても稲田氏は悖る行為だ、といえるのかもしれません。
ここまでの安倍政権は迷走つづきです。問題発覚の当初は、籠池氏を擁護する姿勢を示したものの、後に全否定に転じている。昭恵夫人が森友学園で講演した際、付き添った官僚は「公務だった」と初めて認めましたが、これまでの答弁が嘘だったことになる。そして公務なら、私人に付き添うことが正しいのか? との議論になる。自ら墓穴を掘り、事態を悪化させている印象もあります。どうしてここまで迷走するのか? 興味深い話は、今の安倍官邸は、菅官房長官の力が衰え、二階幹事長が力をもち始めたことで、安倍氏も双方からの意見をとるために、方針がぶれているのではないか? というのです。

安倍氏と菅氏の確執は、様々な場面でもみえている。辺野古移設も菅氏の案件ですが、上手くいっていない。これまでは菅氏が、その剛腕で諸々の問題を抑えこんでいたものの、この問題で菅氏の存在感が希薄なのも、どうやら安倍氏との間ですきま風が吹いているらしいのです。その結果、官邸は統制が利かず、安倍氏の生来のものである弱気と、猜疑心の強さがでてしまい、籠池氏の参考人招致でさえGOサインをだせない。しかし参考人招致を伸ばせば伸ばすほど、国民にも隠したい何かがあるのでは? との疑念を生じさせ、また籠池氏でさえ、安倍政権への不信が高まり、口を滑らせる公算が高まる。さっさと一度でも参考人招致をしておけば、こんなことにはならなかったのに…。その判断力の低下も、官邸の意思決定が揺らいでいる結果とみてよいのかもしれません。
しかも昨日の昭恵氏の公開討論の場で、さらに昭恵氏への国民の印象は悪化したでしょう。「良く報道して欲しい」との言葉に、名誉校長についていたことの反省もなければ、国民への謝罪の気持ちもない。国民の意思とは乖離した、浮世離れした政権との印象を強めれば、昭恵氏への参考人招致でさえ現実味を帯びるかもしれません。

安倍氏の焦り、苛立ち、怒り、そんなものが務台政務官の「長靴業界は儲かった」発言での辞任にもつながるのでしょう。安倍氏の心の余裕がなくなってきて、これからは政権内でも殺伐とした空気が広がる。そしてそれが、政権離れを促すことにもつながります。鴻池氏の暴露から始まった自民内のささやかな内紛が、安倍氏の心にも波紋を広げている。求心力を失い、旧臣も離れていく。問題閣僚を早く切り離したい、と考えはじめた安倍政権、森友学園が校庭にうめもどした、とされるゴミ以上に掘られたら困る問題が山積しており、安倍政権で崩れ始めた鉄の結束、甘利氏の政権離脱からバランス感覚を失っていたのだとすれば、ここに来て様々な問題が噴出することも、必然だったのでしょう。掘り返される様々な問題、安倍氏が政権末期になると、とると想定されるテンプレにまで陥るのか、心の余裕すら失いつつある中、現実味を帯びてきたのでしょうね。

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2017年03月08日

GDP改定値と景気ウォッチャー調査

内閣府発表の10-12月期GDP改定値が、年率1.0%増から1.2%増に上方修正されました。設備投資が0.9%増から2.0%増へ、個人消費が微減から微増となり、内需の寄与度がプラス転換したことが大きい。一方で、市場予想は1.6%増だったため、市場はこの数字に落胆しています。個人消費の伸びが思ったほどでないこと、及び公共投資の落ち込みも大きい。外需の支えがないと、経済成長すら覚束ない中で、消費も公共投資も先行きは暗いものでしかなく、日本の独自要因で成長はまったく見通せません。

2月の景気ウォッチャー調査がでてきました。現状判断DIが前月比1.2pt減と、大幅なおちこみです。1月に大きく下がったサービス関連が持ち直しましたが、項目別にみても大幅な下落で、日本の景気が悪化している状況がうかがえます。それはトランプラリーが一巡した年明けから顕著であり、正月休みをすぎて我に返った、ということかもしれません。
先行き判断DIは、逆に前月比1.2pt増と、大幅な増加を見こむ。「何とか今の景気よりも3ヵ月後はよくなるように…」とのアンケートの回答にもあるように、今が悪いから雪が解ける頃には良くなっているはず、と信じたいのかもしれません。しかし中々そうした展望を抱けないような経済指標も散見されますし、市場の動きも鈍くなっています。

1月の経常収支は655億円の黒字ですが、前年同月比では89%も減少しています。貿易収支が前年同月と比べて2倍近い8534億円も赤字となり、経常収支を圧迫しました。しかしこれは原油高と円安が直撃した結果であり、安倍政権は二つの要因でインフレになった、と喜んでいるかもしれませんが、日本全体としてみれば悪材料でしかありません。
しかもこれは、最近の円の重さにもつながります。貿易赤字では、実需の円は外に向かい易い。つまり円高を志向しやすい。経常収支が辛うじて黒字なので、最終的には円安になるのですが、為替アナリストらは「円安になる」との予想を多く立てますが、貿易赤字が膨らめば、結局のところ円安への動きを抑えることになります。

そして株式も同様ですが、3月末は需給要因で株高、がこれまでのアノマリーです。しかし外国人投資家はすでにトランプラリーで3兆円以上の買い越しとなっており、これ以上は持分の比率からも買い難いのであって、需給要因としての買いは国内しかありません。しかし年金にしろ、この水準であれば昨年度末よりも2000円以上高く、昨年末と同水準、あえて買い上げるような要因は見当たりません。つまりアノマリーが今年おきる、その材料には極めて乏しい状況です。それでも短期スジなどが狙うかもしれませんが、よい売り場を与える公算も強いので、月末の最後の週ぐらいしか期待できないところです。
その理由は、米MMFの通貨取り組みをみても、対円で外国人投資家は売りも買いも減らしている。いくら米国で3月利上げの見方が大勢になっても、円安にすすまないのは、これ以上の円売りを仕掛けるだけの、インセンティブがないためです。もうトランプラリーで、ドルを買ってしまった、株も買ってしまった、現実が後追いしてきても、だからさらに買い増す、ということはしにくいのであり、これが上値を重くする要因なのです。

以前から指摘しているように、さらに日本は内需がボロボロなので、独自要因で上げる材料がない。海外経済の動向が業績にも大きく影響するなら、歴史的水準の高値で、上値の重い外国株と歩調を合わせてしまう。いくら日本は史上最高値はまだまだ先、といってもこれは仕方ありません。ドルベースでみると、安倍ノミクス始まって以来の高値水準にある日本株を、今以上に買う要素はないのです。
しかも安倍-黒田ラインはインフレにご執心で、それが日本経済にとって良いことか、という観点もなく、ただインフレになればいい、という姿勢ですから、政策も期待できなくなっています。そんな日本の状況を、インフレエンザと呼ぶ人もいる。インフレという熱病に冒され、体力を落としていく。何とかにつける薬がないように、安倍-黒田ラインにはつける薬もないので、日本が瀕死の状態になるまで適切な処置をされる見込みもない。そんな国には、誰も投資しようとは思えないのが現状なのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:14|PermalinkComments(4)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

2017年03月07日

「新たな脅威」と「脅威は新たな段階」

昨日の北朝鮮によるミサイル発射で、安倍政権の発言が「新たな脅威」から「脅威は新たな段階」に変化しました。「新たな脅威」と言えば、全く別の脅威が生じた、という意味になりますが、「脅威は新たな段階」というとステージが一歩上がった、との印象を与えるためでしょう。ただそんなことは指摘されるまでもないことであり、政治的に利用しようと誇大広告を打ったら、現実と乖離しすぎていて恥ずかしくなったのでしょう。
北朝鮮のメディアが、在日米軍への攻撃を明言しました。第2次朝鮮戦争をシミュレートすれば、北朝鮮としては先制攻撃で在日米軍を叩き、米軍の反撃体制が整わないうちに、一気に韓国を占領しない限り勝利はありません。なので北朝鮮が在日米軍を叩くことは想定の範囲内であり、驚くべきことではない。問題は、在日米軍が攻撃されたとき、日本が反撃するのか? という点です。当然、自国領土が攻撃されれば反撃するでしょうが、安保法制の改正で海洋にいる米軍が攻撃をうけたときも、自衛隊が防衛権を発動できる、となりました。日本を朝鮮戦争に巻き込みたい、と米国が考えれば、わざと米艦艇を東シナ海に展開するでしょう。それで新たな朝鮮戦争は北朝鮮・中国と韓国・日本の構図になり、米軍は日韓に兵器を売って稼ぎ、後方から高みの見物ができます。北朝鮮が公式に在日米軍の攻撃を示唆したわけではありませんが、それが日本にとって如何に困難な状況をうみだすか? 在日米軍の存在は、日本を巻き込むための生贄とさえ思えるほどです。

安倍政権にとって、「脅威は新たな段階」に入ったのが、森友学園の問題です。建設費について私学審議会と、国に補助金を申請した額が大きく異なることは詐欺、私立海陽学園への推薦入学の件は、偽計業務妨害にあたる公算が高く、これまで自民が籠池理事長の参考人招致について「民間人は慎重に」と述べていたものが、はっきりと犯罪行為すら認定される段階になれば、その限りではありません。森友学園側は「補助金は返す」「推薦の件はコンサルのミス」とし、犯罪の意図はないと述べますが、今回の国有地の払い下げの問題がもち上がらなかったら、そのままこの学園が開校していたかもしれません。
松井大阪府知事が、籠池氏を批判するのも違和感があります。「幼稚園を経営していて、教育者だから信用した」と述べ、大阪府の私学審議会が暫定の認可をだしたことを正当化しますが、基本的に書類しか確認せずに、私学なり幼稚園なりを運営していれば、小学校の認可をうけられるならこれからは素性の怪しい経営主体が、わんさか申請をだすことでしょう。結果、大阪では教育の質が落ちる、と自ら認めていることになります。

しかも安倍政権は困ったことに、詐欺や偽計業務妨害の疑いのある行為をしていた、そんな学校法人の名誉校長が昭恵氏です。名誉校長の辞退は早くて2月であり、これが犯罪行為と認定されるなら、当時は関係者になりますし、しかも名誉校長としてパンフレットの筆頭にも掲げられている。そうした犯罪を構成する要素、つまり証拠品に昭恵氏の名前が一つでも用いられていたら、昭恵氏が容疑者になる可能性もでてきます。
すでに安倍政権、維新、それに日本会議まで「最近は会合にも参加していなかった」と、籠池氏を切るシナリオをすすめていますが、ばっさり切ると安倍政権も無傷ではいられない。だから参考人招致すら嫌がりますが、松井氏が「詐欺」を言明したことで、国民にもあれは詐欺では? との疑念がはっきりした形になりました。松井氏は、単純に籠池氏のことを悪し様にいうことで、身の安全をはかろうとしたのでしょうが、どこかがそうやって動けば、どこかが傷つく。意外な形で、保守系が互いに傷つけあう構図が出来上がっています。それだけ籠池氏が、様々な組織に喰いこんでいた、ということでしょう。

安倍政権としては、飛び火しては堪らないとばかりに、加計学園の問題はなかったことにし、メディアもまったく報じようとしません。しかしその代わりとして、森友学園の説明を丁寧に、としたことから、逆に森友学園の件がさらなる追及をうける形となる。また、私的な行為として昭恵氏がかかわっていたとするなら、政権が昭恵氏を庇うことにも矛盾が生じてきます。籠池氏を犯罪者としてしまうと、安倍政権にとって「脅威は新たな段階」から、「新たな脅威」とステージを上げてくる。昭恵氏の犯罪組織との関与、という問題にまで発展するなら、防衛力も機能しなくなるのでしょうね。



analyst_zaiya777 at 23:08|PermalinkComments(23)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 社会

2017年03月06日

北朝鮮によるミサイル発射

今朝、北朝鮮が東倉里から弾道ミサイル4発を発射し、3発は日本のEEZ内、1発はEEZ付近に落ちました。安倍首相が緊急会見を開き、「新たな脅威となったことを明確に示す」と述べましたが、意味不明です。すでに昨年9月、日本のEEZ内に着弾しており、また今回も自走式の発射台だとしても、すでにそれは実戦配備済みです。
唯一、北朝鮮が「新型のミサイル」と述べていることだけで、「新たな脅威」と述べているのなら、お粗末な情報管理といえるでしょう。今回、判明している状況の変化は、1発が3発になったことぐらいであり、ミサイルが新型かは引き上げてみないと分かりません。各種の情報から推察することは可能ですが、今の段階で分かっている話ではないのです。恐らく安倍氏が「新たな脅威」を感じているのは、国内の政局でしょう。だから殊更に、この問題で脅威を煽りたい。国内も、日米首脳会談のときに撃たれた弾道ミサイルは、比較的報道も少なかったのに、今回は多い。以前と比べて今回は話題が少ない、といったことはなく、金正男氏の暗殺で注目が集まりやすいことはあっても、決して今回が重大な局面変化を向かえたわけでもないのに、報道が増えたのは、政府への配慮といった面があるのかもしれません。

しかし間違えてはいけないのが、ミサイルは撃たせたら負けです。今はまだ、実験段階とみられ、日本の領土に着弾することはありませんが、およそ5年前には韓国の延坪島に、北朝鮮が砲撃をしかけており、決して対岸の火事ではありません。それこそ韓国と北朝鮮は現在に至るまで、朝鮮戦争をつづけているため戦端は開きやすいといえますが、韓国を支援する日本、という形では巻きこまれる可能性が高いのです。
日本と韓国の政府内に、トランプ米大統領があたかもすぐに北朝鮮に攻めこむ、といった期待があるのも事実です。ただし、そうはならないでしょう。トランプ氏がビジネスマンとして判断するなら、尚更そうです。なのでこれは、米国へのアピールとも異なる。そして今回、このミサイル発射は中国への圧力だ、という人もいますが、今さら中国にとってはこの程度のことで動じることもない。恐らく、米韓軍事演習にあわせたことは間違いありませんが、そうした外部のスケジュールに合わせ、ミサイルの発射実験の日程を組んでいる、というのが今回の北朝鮮の動きなのでしょう。そうなると、その先にどんな未来を北朝鮮が描いているのか? そこに日本攻撃が含まれるのか? といったことを政府は検証し、対応しないといけないことになります。撃たせたら負け、つまり撃たせないための対応をしなければいけないのです。

安倍政権では米国からの圧力もあり、日韓で軍事情報の共有をすすめています。北朝鮮の動向を知る上でも好都合、と語られますが、日韓が一体とみなされれば、北朝鮮が日本を攻撃する、恰好の材料を与えることになる。韓国を支援する日本、韓国と一体である日本、朝鮮戦争の延長として攻撃をしかけるなら、こうした日韓の関係が口実になるのです。つまり安倍氏は、日本を危険な状態に晒していることになります。
米国が自国の利だけを考えれば、日韓に北朝鮮を攻略させて、併合後の韓国との経済協力の中で、旨味だけ吸い上げればいい。あえて中国と衝突することを覚悟し、朝鮮戦争に介入する必要はないのです。そして日本は、韓国と軍事的に接近しすぎると、火の粉がとんでくることを覚悟しないといけない。米国が日韓の接近を促し、安保法制まで変えさせたのは、嫌も応もなく日本を朝鮮戦争にひっぱりだす算段もあるのでしょう。

こんなときに敵基地攻撃能力や、軍備増強を検討していたら、お粗末にすぎるのでしょう。北朝鮮のミサイル開発計画にのせられ、場当たり的な対応をしているにすぎません。そしてもしこれから軍事強化と、日韓の連携をすすめるなら、むしろ朝鮮戦争に巻きこまれることを覚悟しないといけないのでしょう。相手を攻撃できる能力がある、とは相手の恐怖を誘い、攻撃をうける覚悟も必要なのです。安倍氏の語る「新たな脅威」、それは自分が撒いた種により、戦争に近づいていることを言い表すのなら、それは安倍政権の失敗の結果、ということでもあるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:06|PermalinkComments(16)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | アジア

2017年03月05日

雑感。10-12月期の年金運用

安倍首相が、待機児童解消にむけた新プランを6月に策定、と発言しています。17年末までに待機児童ゼロ、の約束を果たせなくなり、期待をつなぎとめる必要を感じたのでしょうが、遅きに失しています。選挙のたびに公約にするのに、6月まで何の手も打たないのか? 今も尚、困っている人がいるにも関わらず、です。しかも6月にでてきた案も、あまり期待できません。なぜなら、安倍昭恵夫人が、森友学園の教育方針を礼賛するように、この政権は教育を、票集めや洗脳の場としか考えていない、としか思えないためです。
森友学園が、4月開校予定の小学校の説明会を開きました。ただし徹底した情報統制を布いて、メモをとることさえ許さなかった、と言います。情方公開の乏しい学校、しかも私学審議会で、愛知県の中学校に推薦枠を得ることで合意、と説明しましたが、その中学校は事実無根と否定する。どこまで虚偽、虚構で固められているのか、底なしになってきました。そんな学校法人が幼稚園を経営するのを、安倍氏は当初礼賛した。実情を知っていれば、まずそんな答弁はしなかったでしょう。本気で待機児童の問題にとりくむのなら、少なくとも虐待が疑われ、異常な経営方針をもつこんな学校法人を放置してはいられないはずです。子供を安心して通わせられなければ、待機児童も減らない。メディアの幹部連中と会食する、ゴルフをする暇があるなら、保育園を落とされた父母ともっと面談の機会をもつべき、とさえ言えるのでしょう。

年金積立金管理運用独立法人(GPIF)が、10-12月期の運用実績で約10.5兆円の黒字、と発表されました。トランプラリーが始まり、外国人投資家が3兆円以上も日本株を買い越しており、2000円以上も株が上がった。じまた円は対ドルで10円以上も円安になったので、黒字幅も大きくなりました。株式は約24%、外国株、債券は約34%も保有しており、株式も円安も10%以上すすんだのですから、評価益だけで10兆円は軽く越えます。
しかし問題は、国債で約5000億円の損失をだしていること。そしてこれは、恐らく今後も拡大していく方向とみられます。今はまだ、日銀のオペで食い止められていますが、債券は世界的にも金利の上昇圧力があり、米国は利上げ局面、日欧は緩和の限界、と事情は違うものの、債券から資金が逃げ易くなっている。これは年金や保険など、これまで国債で運用してきた主体にとって、非常に好ましくない状況といえます。

これまでのは、債先売り、株先買いを同時にしかける、といった景気の悪化と安全資産とのバランスをとった運用が多かった。そのバランスを崩したのも、中央銀行による超緩和です。今、運用を主体とするところは困ったことになっている。米国では、金利上昇で金融株買い、という短絡的な流れになっていますが、そう簡単ではありません。
どんな運用でも、端緒では大きな利益を得られる。GPIFが10-12月期で大きな利益を得たように、です。しかしこれから運用のサバイバルが始まる。トランプラリーが終焉し、世界が将来に大して期待できない、と気づいたときから、買い方のポジションしか組めない運用では、大きな損失を抱えることにもなるのでしょう。株式比率を多くしたことで、より損得が大きく出るようになった年金運用、安倍氏は長期政権を望んでいるようですが、年金の運用には安定は望むべくもない。単純に四半期の決算だけで評価もできませんが、少なくとも年金『飢饉』を今回は回避できた、というぐらいの評価しかできないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:29|PermalinkComments(28)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 年金

2017年03月04日

トランプ政権と安倍政権と欧州選挙

米国の人権報告書で、日本は「報道の自由に対して懸念がある」国とされました。高市総務相の「停波」発言を念頭におき、「報道の独立性は重大な局面」とします。メディア側からも安倍氏との会食や、ゴルフ接待を喜ぶ社があるなど、重大な局面どころか、もう深刻な事態ではあるのでしょう。しかしそんな米国も、トランプ政権の誕生によって重大な局面を迎えています。ただし、こちらは報道が独立するどころか、政治と対立する状況であり、その意味では報道の独立性は、より健全な方向に向かっているといえます。
しかしそんな米国で、また新たな問題がもち上がっています。セッションズ米司法長官が昨年、大統領選の期間中、駐米露大使と会談しており、それを公聴会で否定していた、つまり嘘をついていたことが発覚しています。フリン補佐官に続き、2人目ですが、トランプ政権が露国と接近していたことと同時に、こうした情報がぽろぽろ流されるのは、米諜報機関がトランプ政権に対し、快く思っていないことが確認できます。ペンス副大統領も私用メールアドレスで、重要気密を扱っていた、大統領選を争い、トランプ氏が批判したクリントン氏と同じ問題を暴露されており、政権の体を為していないのが現状です。

実はこの動き、日本にも重大な影響を及ぼします。トランプ大統領と諜報機関の対立に、安倍首相が直接巻きこまれる可能性があるからです。安倍氏はトランプ氏と会談し、日本の首相として承認をうけた、と安堵しているところですが、米諜報機関としてはトランプ包囲網の一つとして、安倍政権の退陣を画策するかもしれない。なぜなら、安倍氏はトランプ氏と接近しすぎており、安倍氏を潰せばトランプ氏の動揺を誘えるからです。
さらにこれは、欧州の選挙への影響も考えてのこと。今、日本では森友学園の問題が拡大しつつあり、安倍氏に近い人物に、また新たな土地の無償譲渡の問題がもち上がっています。安倍政権が初動に失敗したこともありますが、メディアも勢いづいてきたのは、米諜報機関のお墨付きを感じます。海外でも、危険な保守思想の学園と安倍政権のつながり、といった報じ方をされ、日本全体を危険視する論調もでてきた。つまり欧州の選挙で、右派の躍進が警戒されるところであり、保守である安倍政権を叩き、欧州の有権者にもアピールすることが、米国益にも適うとの判断が働きやすくなっているのです。

米諜報機関がトランプ政権と対立すればするほど、安倍政権はスケープゴートにされやすい。実は、米国の分断は、どちらかの側についた者をも巻きこむのです。米国は政権が代わると、ごっそり政府職員も代わりますが、諜報機関だけは別です。特殊な訓練を要しますし、職務上知りえた内容もあって、そう簡単に交代させるわけにはいかない。トップは政権交代で代わりますが、現場は異なるのであって、そこがトランプ政権を危険視すればするほど、あらゆる手を用いてトランプ氏を引きずり下ろしにかかります。
保守の危険思想、ヘイト団体と密接に関わっていた、そしてトランプ氏から寵愛されている。まさに安倍氏は、今後の世界で「保守は危険」と訴えるのにうってつけの対象です。森友学園の問題をひっぱるだけひっぱり、海外でも大々的に批判記事を書かせ、最後は退陣させる。その動きを加速させるのは、オランダの選挙結果によるのかもしれません。極右政党が躍進すれば、その後の仏国選挙などもあって、本格的に米諜報機関が動き出さざるを得なくなるのでしょう。

米諜報機関も、次の政権を決めずに動くことはしないでしょうから、今から自民党内の有力候補者と、知日派が頻繁に会っているかもしれません。その結果、確信がもてたらオランダの選挙結果も見て、動きだすのでしょう。作戦名を勝手につければ『安倍晋三危険小学校焦土化作戦』。石井国交相が「現状復帰をさせて買い戻し」を言及したように、安倍政権を更地にして、この作戦は終結することになります。米閣僚が続々と刺される中、海外の要人といえど、特に日本の首相など、米国は簡単にすげ替えてくる。もしこうした動きが起きるのなら、安倍氏の戦略ミスは、もしかしたらトランプ氏に接近したところから始まったといえるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:02|PermalinkComments(32)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2017年03月03日

石原元都知事の記者会見

森友学園が鴻池氏の会見に対して、反論文を掲載しています。詳述は省きますが「嫌悪感を感じます」は、教育者がつかうべき言葉ではありません。最近はこうした言い回しも認められるようですが、正しくは「嫌悪感を生じる」もしくは「嫌悪感がある」です。○○感という場合、それはもう『感じ』ですから、感じを感じる、というのは言葉としておかしいのです。一般の方ならとやかく言うことはありませんが、教育者なら後進のためにも言葉を正しく用いて、教え導かなければならず、この点でも落第といえるのでしょう。

言葉が正しくない人物がもう一人、石原元都知事です。豊洲移転が規定路線だった、専門家が決めた、報告は受けていない、一任していた、記憶にない。よくこれだけ無責任なことを「果し合いに行く覚悟」で「屈辱を晴らしに行く」と述べてまで記者会見への意欲を示し、開けたものです。たった一つ分かったことは、こんな人物に長いこと都政を任せていたことが誤りだった、ということ。それは週に2、3回しか登庁せず、しかも2、3時間で帰ってしまうのですから、都政に熱意もなく、適当にやっておく、程度の認識だったのでしょう。
だからといって、都知事には責任があります。知らない、というなら、その知らないことが問題であり、聞いていない、は聞いていないことが問題です。決裁には石原氏のサインも必要で、サインするというのは責任を負う、ということ。だから何も知らず、聞かずにサインしてはいけないのです。これは都知事だから、ではなく一般でも、民間の契約でも同じことであり、都知事にはより重くその責任がかかっていることになります。

しかも瑕疵担保責任について、頓珍漢な回答を連発していましたが、時系列なども含めて事実誤認があるとしか思えない。剰え「豊洲は安全」と述べ、移転しないのは小池都知事のせい、とばかりの態度です。誰かのせい、と言いたい。それが決闘や屈辱を晴らす、のだとしたら、人間性まで疑われるレベルなのでしょう。ますます組織のトップとしてふさわしくない。トップは仮にすべてを部下に丸投げしていたとしても、それでトラブルが生じたり、失敗したりすれば、すべての責任を負うのでなければならないからです。
これでむしろ、百条委員会はやり易くなったのでしょう。この記者会見も、元々は百条委員会を回避しようと、記者会見や小池氏との直接対決を突破口としようとしたため、企図されたものです。しかし百条委員会が決まり、大したことが喋れない、となってこのような会見となった。ただしそれは、国民にも不信感を与え、糾弾する側への援護射撃にしかならないのです。結果、石原氏は戦略の甘さ、能力のなさ、まで露呈したと言えます。

百条委員会を通過しないと分かりませんが、このままでは東京地盤の自民党国会議員は、壊滅する恐れもでます。石原氏は恐らく、責めこまれたら自民都議を道連れにするために、今回は手控えたとみられ、逆に自民都議が追及の手をゆるめれば、ここまで石原『悪』で染まった風潮の中では、批判の矛先が向かい易い。しかもその自民都連を率いるのが石原伸晃氏ですから、尚のこと手を抜いた、とみられるのです。
そして自民都連も悪とみなされれば、国政選挙も厳しいことになる。息子が2人も小選挙区に出ており、その2人も落選危機を迎える。そうなると自民都連の動きも鈍くなり、安倍政権の人気も低迷する中、ぎりぎりで得票率を上回って議席を獲得していたものが、東京ではひっくり返ってしまうかもしれないのです。石原氏がここまで国民を敵に回すような、無責任発言をくり返したのはちょっと驚きですが、これでは石原家全体が疑惑まみれに見えてしまうことも、ある程度仕方ないのでしょう。石原都政に対する違和感を生じると同時に、嫌悪感すら抱くのなら、自民都連も無傷ではいられないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:18|PermalinkComments(24)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 地方

2017年03月02日

雑感。シムズ理論と日本

安倍首相夫人である昭恵氏が公人か、私人か、今日も論争がおこっているようです。辞書の定義に従えば公人は公職にあるもの、ですがその対義語でもある私人は公職を辞したもの、です。昭恵氏が一度でも公職にあり、それを辞したら辞書の定義は私となりますが、そうではない。特に安倍氏は、私人の定義を明らかに公に語るべきでない人、として用いており、それは辞書の定義とは合致しない。もし公の職を退いたとしても、問題があれば追及するに吝かでないのであり、築地の豊洲移転でも石原元都知事が百条委員会に呼ばれる、というのが良い例でしょう。安倍氏が言いたかったのは、明らかに民間人、まさに奥様だから議題にするな、ということです。それはこれまで裁判でも散々に争われた『公人』の定義であり、その対義語として用いるなら『民間人』となるのでしょう。しかし首相夫人が民間人? と言われると、さらに首をかしげるところでもあるのでしょう。

昨晩の米株は大幅高でした。ただこれは、トランプ米大統領の演説で下げるとみて売っていた層が、何もなかった、で買い戻した形です。しかしもう一つは、そんな売り方を崩して踏ませようとする動き、も300$高まで駆け上がった要因といえます。
しかし一方で、株のバブルをみているのか、FRB高官のタカ派発言が相次ぎます。3月の利上げ確率は60%を越えてきた。つまり今は、利上げがあっても株高、という状況であり、これがバブルとしてFRBは危険視する。それでも株が上げる、という異常事態ともいえます。しかしすでに住宅販売、自動車販売など、ローンを組んで購入するようなものには減速がみられます。株高→マインド良好→経済指標好調、の流れも、利上げをつづけることである日、がくんと急ブレーキがかかるかもしれない。バブルの後始末ほど、大変なものはありませんが、今はそれまでの間、バブルを謳歌するとの認識なのでしょう。

日本では先月、ノーベル経済学賞を受賞したシムズ・プリンストン大学教授が来日し、政府要人と会うなど、シムズ理論について話題になりました。シムズ理論で消費税増税を正当化するつもりでは? とのことですが、そもそも浜田内閣官房参与が「驚いた」と述べて、デフレ脱却の新手法として紹介しました。しかし2011年にノーベル経済学賞を受賞した理論を、今ごろ驚いているなら、経済学者として失格なのでしょう。
しかし問題は、財政政策の拡張にもみえるシムズ理論が、今の日本に必要か? ということでしょう。日本に染み付いた構造的な要因は、小泉政権以後のコストカットによる国際競争力強化、という流れの中で、主な購買層である中間層が崩れてしまっては、いくら財政政策を強化したところで、効果は上がりません。これまで様々な財政政策でも機能しないのは、この構造を長期にわたって元に戻す作業が必要であり、それを抜きで財政政策をしても、金融緩和をしてもほとんど効果がない、と断言できます。

海外の権威に弱い、安倍政権がシムズ理論に頼るのも、もう手詰まりである証明なのでしょう。しかしシムズ氏の用いる計量経済学は、どちらかと言えば過去の分析には適しますが、未来予測は苦手です。確率を用いるため、そこに多くの不規則要因がある。適用者の個性が色濃くでてしまい、まったく予期できない結果を導くことも多いのでしょう。
浜田氏が驚かないといけないぐらい、今の安倍政権には「驚くべき」提案がない。相場の勢いのなさは、日米の政治の姿の差、そのものといえるのです。来週のメジャーSQに向けた動きが出ており、ここから先は上値も重い。ただ3月末までは需給関係の改善があっても、その先はさっぱり期待できない。日本ではバブルが起きていないので、傷が浅くて済む、との期待は多少ありますが、外需頼みの今では下支え役すら不在の状況でもあるのです。もしシムズ理論などを日本で採用しても、シリスボムズ理論にしかならないのが現状なのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:20|PermalinkComments(23)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 一般

2017年03月01日

トランプ大統領の演説と、安倍首相の私人発言

トランプ米大統領の議会演説、これまでと同じ主張で中身はなかったのですが、普段態度の悪い人が、たまにお行儀よくすると賢くみえる、という印象だけで好意的にうけとめる人が多かったようです。しかし中身をみると、眉を顰めるものもある。メキシコとの壁は「近いうち」としますが、予算措置もなければ、メキシコとの合意もない。法人税も下げる、中間所得層も減税する、としますが、2月10日に「2、3週間のうちに驚くべき減税」を発表としましたが、もうその期日は明日に迫っています。一事が万事、この調子で、期待のつなぎとめはしても、その魔法がつづくのはそう長くありません。
1兆$のインフラ投資も、具体策は一向にでてこない。貧困家庭への教育支援の話も、軍備増強にしてもすべて同じで、財源については語りません。政策が形になっていないので、期待はつなげても、その具体策がでてこないので、誰も評価できないのが現状です。しかし勘違いしてはいけないのが、目的は正しくても、そこに至る方法、やり方が間違っていたら、それは必ず失敗するし、異なる結果が導かれる、ということです。むしろ最悪の結果となって襲うことになるのですから、方法論も分からずに賛美したり、期待することは厳に戒めなければなりません。騙された、と言っても後の祭りなのですから。

ナゼか国会で、騙された、と言わんばかりの態度なのが、安倍首相です。安倍昭恵氏は私人、と述べましたが、とんでもない話です。首相夫人を私人としたら、私人を政府専用機に乗せ、公的な場に帯同している、となってしまいます。公の場に一切でなかった、宮沢元首相の夫人ならばそれでも構わないかもしれませんが、昭恵氏は講演をひきうけたり、自ら公の活動もしている。決して「私人」で通用するものではありません。
さらに鴻池元防災担当相が、籠池氏から金銭で口利きを依頼をうけた、と暴露しました。昭恵氏にも40万円の資金を渡したことが、森友学園の会計から明らかになっていますが、そうなると講演料どころか、名義貸しの対価かもしれない。その名義をつかい、行政に働きかけを行っていたならその名義自体に力がある、つまり私人程度の影響力ではない、となります。さらに言えば、籠池氏こそ私人ですが、疑惑の対象者として国会で追及されるのです。昭恵氏が私人だろうと、公人だろうと、嫌疑をかけられることとなれば、決して言及すらゆるされないタブーではないのです。むしろ安倍氏が弁明できないのなら、昭恵氏に参考人招致なり、直接国会で話をしてもらう必要も生じるのでしょう。

トランプ氏は演説の中で「多くの国は米国の輸出品に高い関税をかける。米国はかけていない」とします。しかしこれほど明白な嘘もないでしょう。公人が嘘をつけば、その言葉が独り歩きし、不都合な結果をもたらすことにもなるのです。公人とは、その行動、言動に責任をもつ、ということ。公人なのにそれができなければ、当然のように批判されますし、最後は公人という立場から退かなければいけなくなります。
トランプ氏はまだ、政策に何の実態もないため、発言を期待にすり替えることもできますが、安倍氏はもう4年以上、首相の座にある。昭恵氏も当然、同じ期間を公人として過ごしてきたのです。発言が2転、3転したり、首相夫人を私人だと述べたりすれば、当然のように多くの人が首をかしげることでしょう。それが嘘なら勿論、糾弾されることにもなります。公人としてふさわしくないからですが、安倍氏の発言と籠池氏の発言、どちらかが嘘をついていることになる森友学園の問題。公人である安倍氏、私人である籠池氏、そして伝言ゲームだから発言が2転、3転しているのか、未だに本人から情報発信のない、公人である安倍昭恵氏。誰が狡人で、貢人で、拘人なのか? 最終的には一番ずる賢く、悪い人間が幸人となり、力のない者が降人となって消えて行く、ということになるのでしょうが、この国の公人に何が正しいのか、を高らかに語れる人がいない時点で、私人である一般の国民は、一様に不幸人ともいえるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:26|PermalinkComments(15)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | アメリカ