2017年04月

2017年04月30日

雑感。森友学園の問題、第二幕?

共同通信が最近では珍しい郵送方式の世論調査を行い、日本が戦後に海外で武力行使をしなかったのは憲法9条があったから、が7割を超えました。面白いのは憲法9条改正は必要49、必要ない47でほぼ拮抗、しかし安倍政権下で、と限ると改憲に賛成が45%、反対が51%と反対が増えてくる。つまり改憲は必要かもしれないけれど、安倍政権がすすめる改憲案は嫌、という本音が透けてみえます。
それは森友学園の問題とも無縁ではないでしょう。忖度などの怪しい行動をする政権への不信、不安、そんなものが見え隠れする。本来、時の政権の方針には賛成が増える傾向もあります。安倍政権が改憲に前向きなら、それに賛成する人も増える。また北朝鮮の問題もあって、それが49%になった原因でしょう。一方で安倍政権、また自民党の改憲草案はどうも胡散臭い。共謀罪ですら国民との対話、国会答弁を軽視し、説明責任を果たそうとしないのですから、改憲どころの話ではない。おかしな憲法になる確率がかなり高いので、そんなことを嫌気する部分も大きいといえるのでしょう。

森友学園の籠池前理事長が、財務省本省との会議の録音を公表しました。頻繁に昭恵氏との関係を匂わすこと、財務省もそれを理解している様子なこと、籠池氏も折にふれて報告していたことなどからみても、昭恵氏及び財務省の担当者に話を聞かなければ真相解明もできませんが、安倍自民や財務省は、真相を解明する気もないようです。
ただの名誉校長として名義を貸していただけにしては、問題発覚後も頻繁に籠池氏の妻とメールするなど、その親密ぶりが際立っていました。つまりそれは単なる名義貸しでなかった、ということ。それは名義を借りた方としては最大限利用とするでしょうし、昭恵氏もそれを受け入れていたことは、自民党が公表したメールの量からも確実です。ただ名義を貸しただけの相手と、それだけのメールをしないでしょうから。それに昭恵氏は学園の方針に共感し、下見にまで随行するなどかなり前向きだった。疑う余地もなく、昭恵氏はお飾りなどではなく、実質的な学園の代表として機能していたことになります。

しかも籠池氏は、昭恵氏が秘書的に扱っていた公務員ではなく、安倍氏の秘書も随行していた、と証言した。もしこれが本当なら、安倍氏も森友学園の問題にかかわっていたことになる。秘書がやったこと、として切れないのは、秘書がもしその話を聞いて動いたら、それは昭恵氏を介した形になる。昭恵氏と一緒に行った先で、その話を聞いているからです。昭恵氏が直接指示をだしたかどうか、それは分かりませんが、昭恵氏も了承済みで、それに基づいて秘書も動いていることになるのです。
これは安倍氏の約束した、「自分や妻がかかわっていたら議員辞職する」にもかかってくる。しかも安倍氏にとって厳しいのは、これは『悪魔の証明』でない点です。昭恵氏が会見するなり、参考人招致、証人喚問などに応じ、その日の随行員などについて説明させればいい。そうできないのは、官僚ならともかく、昭恵氏では追及をかわせそうにないから。しかし追及をかわせないのは、それこそうそをつかせようとしているから、ということにもなる。どちらにしろ国民の不信はますます高まるのでしょう。改憲の前に、会見させる、そうでない限り、改憲議論ですらも国民も懐疑的な目でみることになるのでしょうね。

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2017年04月29日

安倍首相の露英訪問と危機意識

安倍首相による露英訪問、官邸がこれだけ北朝鮮の危機を煽っているのですから、よほど重要なことが話し合われる、と思っていましたが、どうやら単なる表敬訪問だけで終わりそうです。まず日ロ首脳会談、共同経済活動にむけた調査団の派遣、元島民の墓参に航空機を利用、などが話し合われた、とされます。しかし正直、事務方レベルで話し合う段階でしかありません。調査団も、双方の法的立場を害さない特別な制度、とされた共同経済活動が本当に実現できるのか? それすら不透明で、何が一体できるかすら依然分かりません。墓参に航空機、という話もビザなしなのか? 露国が準備した航空機では、ビザを要求される可能性が高く、そうなると露国の実効支配をみとめた形になります。首脳会談で決まった、にしては中途半端すぎて、首脳レベルの話とは到底思われません。
今回もプーチン大統領は30分遅刻、日本からは虎の掛け軸をプレゼントした、などとも伝わりますが、言葉は悪いですがご機嫌取りにでもうかがったようです。そもそも露国が招いて日本の首相が訪問したなら、遅刻に対して厳重に抗議すべきです。そうならないのは、日本側が要請してセットしてもらった会談、としか思えない。しかも北朝鮮問題を話し合うでもなく、事務方でも、電話でもできるような話でお茶を濁すのですから、危機を訴えるタイミングで何のため? がますます分かりません。

日英首脳会談は、さらに意味が不明です。英国がEUを離脱しても結束は固い、安全保障は緊密に連携、などどうでもいい話ばかり。東京五輪にむけ、国家サイバーセキュリティーセンターを視察、という話もありますが、五輪に関していえばロンドンは5年近く前の話であり、わざわざマリオになるためだけに行ったのでないなら、リオ五輪から多くのことを学ぶべきでしょう。どうもセキュリティー分野の知見共有、という話は胡散臭い。
それこそ共謀罪が成立した暁には、英国の情報セキュリティー体制を丸ごと輸入するつもりかもしれません。監視カメラと情報の傍受、それで国民を監視する。どうしてもこのタイミングで英国に行きたいとしたら、それこそ共謀罪つくってセキュリティー入れず、にならないよう実績のある英国のシステムを買いに行った、としか思えないのです。先進国では比較的テロが起こりにくい、それはIRAとの長年にわたる闘争などもあり、監視社会を発展させてきた英国に学ぶ、ということになるのでしょう。

英国で行った記者会見では、その異様さが浮き彫りです。「世界の平和と繁栄が重大な危機」だ、としますが、「GWには仕事を忘れて休日を楽しんで、私も十分に英気を養う」と述べます。「重大な危機」に、どうして休んでいるの? 危機を解消するために奔走し、休んでいる暇なんてないのでは? 休めるぐらいに事態が切迫していないなら、「重大な危機」ではないのではないか。誰しもそう思うことでしょう。休みをとることができるぐらいの危機? としか考えられません。
共謀罪も、政治家にまつわる犯罪要件は一切除外されており、一般人を狙い撃ちしているとされます。北朝鮮のミサイル発射や核実験でさえ、それを撃たせるかどうかは政治の手腕次第です。安倍氏のやろうとしている、言っていることはすべて、為政者にとっての危機であり、国民の危機とはまだだいぶ距離がある、と思えてなりません。安倍氏は六ヶ国協議を否定し、圧力をかけ続けるべきだとしますが、その手法が正しいのかどうか。それによっては危機も回避できるかもしれませんし、逆に日本に照準を合わせて危機が高まるかもしれない。つまり今、政治の手腕が試されており、そんな意識が国民に対しても危機を煽る要因かもしれない。しかし国民の危機とは、その政治の失敗によってもたらされるものでしかないのです。安倍政権が失敗するのなら、それは国民にとっての危機。そしてその危機が近づいている、というのなら、安倍政権の失敗ということでもある。「世界の平和と繁栄」ではなく、「安倍政権の平穏と安寧」が「重大な危機」だ、と安倍氏は述べているのかもしれませんね。

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2017年04月28日

経済指標の集中発表日

米1-3月期実質GDPの速報値が、前年比年率換算で0.7%増に鈍化しました。聞こえてくる原因は天候悪化や、税還付の遅れですが、今年の冬は比較的温暖で、たまたま3月が悪かっただけで、寒波に見舞われた年を下回ったのですから、天候の関係は薄そうです。税還付も3月初めぐらいには前年水準に追いついており、2月が悪かった説明にはなりますが、1-3月の通期で考えるには違和感もあります。
今回の悪化の要因は、自動車販売の低迷が大きいと考えます。これまで奨励金などで販売台数を押し上げてきましたが、中古車市場が崩れるほど車が溢れてしまった。お行儀の悪い売り方はもう限界であり、すそ野の広い自動車産業の低迷が、GDPを押し下げた。トランプ政権では自動車工場の国内回帰を目標にしていますが、むしろ逆効果になるかもしれません。仏つくって魂入れず、工場つくって作業員入れず、という事態に陥りそうです。

日本では有効求人倍率がバブル期並み、とされます。しかし前年同月比で有効求職者数が4.3%減となったことが大きく、労働人口不足が顕著である結果です。しかも就職件数も2.0%減ですから、人は減る、ミスマッチが起きている、だから求人数だけは上がっていく。この問題に国はまったく手を打たないからこそ、有効求人倍率に跳ね返る、という政府の不作為によって成り立つものであり、不名誉な数字といえます。
労働力調査をみると、この傾向がはっきりする。労働力人口は15〜64歳が12万人減、65歳以上が54万人増。就業者数は15〜64歳が13万人増、65歳以上が57万人増。人数が減っている15〜64歳で、就業が増えている。これが有効求人倍率にも効いていますが、ただし男女に別けると男性が7万人減、女性が19万人増。つまり単純に増えた、といってみても女性はパートやアルバイトなどの非正規の就業も多く、これが賃金や生活実感などを押し上げない理由ともなっているのでしょう。

3月の家計調査を見ても、実収入は前年同月比で名目1.1%減、実質1.4%減。米国でもそうであるように、自動車工場などをつくっても単純な組立工の場合、賃金は低い傾向があり、所得の伸びを抑える傾向がある。労働人口不足なら海外に工場を移してしまえばいいわけで、賃金を上げてまでその国でつくるメリットがない。どの産業を、どれぐらいその国で育てていくか。それによってどう中間層を増やしていくか。それが国全体の設計として、政府に問われるものでもあるのです。
消費支出は前年同月比、名目で1.0%減、実質で1.3%減。これで1年以上も前年同月比でマイナスの状況がつづきます。3月は新年度への切り替えもあって、被服や通信などが伸びる傾向もありますが、それ以外を大幅に削ってしまった。これも家計の中でやりくりしているからで、賃金が伸びていない以上どこかが増えれば、どこかを減らさざるを得ない。まさに日本は縮小均衡にむかって、ゆっくりと沈没しているような状況なのでしょう。

求人つくっても人は入らず、今の日本が陥っている状況です。それはミスマッチ、ブラック企業の放逐ができないこと、など様々な要因もあるでしょうが、最大の問題は有効求人倍率が上がった、といってそれを成果としか考えない、安倍政権の無策にあるといえるのでしょう。政府つくってポリシー入れず、求人を増やす前に、今は求む真の政治家、という募集をかける方が必要なことなのかもしれませんね。

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2017年04月27日

日銀会合と不動産バブル

日銀が金融政策決定会合を開き、国内景気の現状判断で緩やかな「拡大」と用いました。9年ぶりの表現ですが、市場からは「やっちまった!」の声が聞こえます。あくまでアノマリーですが、ここを天井にして景気が悪化するケースも多いからです。今回は特に、昨秋からのトランプ政権の減税と公共工事などの政策期待が相場を押し上げ、それが消費を活発化させたことによる好況といった面が強く、いつ腰折れしてもおかしくない。実際、昨日発表された税制改革は、これまでの主張通りではあるものの、財源の裏付けは一切なく、実現性には乏しいものです。期待が一気に剥落する可能性もあります。
ムニューシン米財務長官が「成長すれば財源はある」と述べましたが、極めて懐疑的です。先進国にそれほど成長余地はなく、今の米国とて株や不動産など、バブル的な上昇によって支えられた成長です。ECBも仏大統領選をうけて、金融引き締めに転じるのでは? とされており、資産バブルの行方も気がかり。日本でも法人税減税で財源不足が懸念されており、これはどの国も同じ。法人税減税は、意外なほど景気浮揚の効果はないのです。それは、業績改善が経営者の報酬に消える割合が高いから。また所得税も小幅に下げる方針ですが、これも富裕層に有利。富裕層が肥えても、景気寄与度が低いことははっきりしており、トランプ減税はその意味でも、景気には不安を残すものとなっています。

トランプ氏はNAFTA見直しを指示したものの、どうやら撤回したようです。国境税も輸入業者や小売からの猛批判で撤回、指導力が疑われだしました。就任から100日を前に、主張を実現させようと躍起ながら、手腕が乏しくて見通しが立たない。市場もいい加減、オオカミ少年の言葉にうんざりし始めており、ただでなくとも市場のバブルが支えなだけに、それを一気に終息させかねないほど、空虚な言葉ばかり響いてきます。
そんな危なっかしい米国経済に支えられ、景気判断を上方修正した日銀ですが、GDPを今年度は前年比1.6%増、来年度1.3%増とし、前回から小幅に引き上げています。しかし日本でも不動産市場は「静かなバブル」と呼ばれ、東京五輪後には暴落が囁かれる。そうした見方が広がると、バブル崩壊はそれより前倒しになるでしょう。すると数年ももたない可能性があります。物価見通しは下げたのに、金融政策は現状維持。物価の達成目標が遠ざかっているのですから、本来は手を打たなければいけない。なのに手を打てない。そうなると、日銀の金融政策が物価目標達成のためなのか? との疑問も生じます。

黒田バズーカの賞味期限切れも囁かれます。賃上げなどに積極的な企業のETFをもう買えない、それは小さな規模のETFを、日銀が買いあがっても限界があるのは当然です。このようにもう弊害は至るところに現れている。日銀がREITを買い、地銀などが不動産投資に傾注するために起きている静かな不動産バブル、今やそこに積み上がった日本の爆弾、それが弾けるととんでもないことが起こりそうです。
日銀が引き起こしたのはバブルではなく、バベルの塔ではないか? との指摘もでています。『天に近づき、神の怒りを買って』混乱をもたらす象徴とされた。東京ににょきにょきと立つ再開発という名の不動産ビル、それは賃料が上昇していないように、一時的な借り替えの需要はとらえても、日本全体が成長せず、新規の事業主が増えているのでもない現状では、いずれ崩壊が確実です。そしてこの日銀バベルの塔、それは『安倍に近づき、民の怒りを買って』という日銀の失敗の象徴として、今後も語り継がれることにもなるのでしょう。バベルの塔は、言葉をばらばらにし、人々を各地に散らした、ともされますが日銀バベルの塔は、日本をばらばらにするほどの破壊力をもって弾けることになるのかもしれませんね。

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2017年04月26日

日経平均が4日続伸

あくまで市場の噂のレベルですが、北朝鮮は来月7日、つまり韓国大統領選まで動かないのでは? とするものがあります。韓国で親北の政権ができるなら、日米韓の連携も崩せるのですし、交易も好転するかもしれない。わざわざこんな時に動く必要がない、というのです。またにらみ合いが長期化すれば、困るのは米国です。大艦隊を派遣しつづければ、それだけで軍事費が嵩む。北朝鮮が口実さえ与えなければ、攻撃することもできずに米艦隊は宝の持ち腐れ。そうなれば米議会がトランプ政権に圧力をかけ始めるでしょう。この軍事行動は予算のムダ遣いになっているのではないか、と。
日本では「追いつめられたのは北朝鮮」との見方が多いですが、中露が野放図な先制攻撃を許していないのなら、いずれ追いこまれるのは米国、との結末に陥りそうです。むしろ中北の狙いもそこにあるのではないか? 中国としては米艦隊の能力を探れ、北朝鮮は米議会からの圧力で、いずれトランプ政権が話し合いのテーブルにつくのを待てばいい。最近の市場の楽観には、こうした早急な決着シナリオではなく、長期戦の様相を呈してきた、との見方が増えていることも影響しているのかもしれません。

日経平均が4日続伸、これは今年初であり、しかも三桁の上昇がつづきます。きっかけは米税制改革が今晩示されることですが、ここ最近の市場の流れをつくるのは「売り方の買戻し」です。米国債の利回りが下落したのも、売り方の買戻しであり、今回の米税制改革でもほとんど反応していない。米株ではNASDAが初の6000pt台、ダウもトランプラリーの最高値に近づき、日本株も上昇。これらも売り方の買戻しでつくられた相場です。
つまり今、トランプ期待が剥落して景気が下がる、欧州選挙イヤーで不測の事態が起こる、朝鮮半島有事、中国の景気腰折れ、などの懸念が縮小し、売り方が買い戻したことで上昇につながりました。ただし、その継続性は懐疑的です。まず米国債が動いていないことから、売り方が一旦買い戻した後の新たな動きが出ていないこと。つまり今後の景気拡大を見越して買う、というステージではないのです。また為替相場は、これまで円売りが多かったのであり、売り方の買戻しなら円高になっているはず。しかし円安に向かっているのは、米税制改革にリパトリ減税も含まれることから、米還流資金により円安になる、との思惑が働いています。つまり今はまだ、一旦ポジションを手じまった、という程度であり、次の動きが見えているわけではないのです。

それに米税制改革も財源が見えているわけではない。法人税15%にしたら、数千億ドルの代替財源が必要です。オバマケアの見直しに失敗し、すでに財源不足が露呈する中で、とにかく数字だけを見せる、ということなら市場も改めて失望するでしょう。週末の債務上限問題でも、国境の壁の建設費や国境税などをもりこむことを諦めた、ともしますが、トランプ政権の公約は、お金のかかることばかりで、議会調整がまったくすすんでいないのが現状です。ここで新たにカール・ビンソンの派遣費用という問題が加われば、トランプ政権は9月の予算年度の切り替えまでに、行き詰まることが確実です。
経営者だから、お金の話はきっとうまくやるだろう、これが市場の期待です。しかし数字に弱く、計算が苦手。経営者らしくない言動といい、市場の期待が剥落するのも、そう遠くない。この税制改革でどんな中身がでてくるのか? その実現性、実行力も含めて、市場は改めて判断することになる。これからの数日、実は相場にとってとても重要であり、トランプ政権への見方がどう変化するか? それによって市場関係者の戦略も変わってくる、とも言えるのです。売り方が買い戻した、ということはそのポジションは軽くなっている。週末から日本ではGWですが、世界がゴールドに輝くのか? トランプ政権が誕生してから100日、ハネムーン期間も終わり、甘い蜜をたくわえていたはずの花が、実はただのウツボカズラのような食虫植物だったなら、市場にたかってきた金食い虫も融かされてしまいかねないのでしょうね。

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2017年04月25日

雑感。相次ぐ閣僚の不祥事

今村復興相が二階幹事長のパーティーで、東日本大震災の被害を「東北でよかった」と発言し、辞任する意向です。「自主避難者は自己責任」発言といい、算盤勘定でしか物事を考えられず、人の感情をまったく無視した政治家、といえるのでしょう。安倍政権として痛いのは、通常国会が閉会してから金田法相、稲田防衛相など、問題閣僚を一掃して内閣改造を考えていたのに、経産政務官の辞任と言い、こうして五月雨式の辞任に陥るのは第一次安倍内閣時代を想起させます。安倍政権として、ではなく安倍氏の動揺、精神的不安定さまで引き起こすことが痛い、といえるのでしょう。
森友学園の問題では、籠池夫妻と財務省との音声データなるものもでてきましたが、会計検査院が決着のついていない案件の議事録を廃棄したことに、問題提起を行いました。これはすでに弁護士からも、財務省の説明に疑義が呈されており、会計検査院も放置できないとして『忖度』を外したのでしょう。ただし、そうなると会計検査院に対し、安倍政権の圧力が高まることも想定される。会計検査院は独立機関とはいえ、多くが各省庁に所属する職員で構成されるのであり、安倍政権の圧力に『忖度』を働かせやすい、といえます。

今は安倍氏の動揺を抑えようと、周囲も「支持率が高い」ということを安倍氏に吹き込み、それを安倍氏も用いますが、直近の選挙でみても投票率が5割強、自民の得票は半分にも満たないので、実は全有権者の3分の1も、安倍自民には投票していない、という計算になる。つまり得票率で考えると、実は政党支持率にすら達していない、となります。政権支持率が5割以上であっても、決して安堵できる数字ではないのです。
しかも、残りが野党支持票か? というと政党支持率からみても異なる結果です。つまり逆からみれば、アンチ安倍の票が野党に流れているのであり、今村氏の問題では被災地の有権者が、中川経産政務官の問題では女性の有権者が、敏感に反応する。アンチ安倍票として野党に流れる公算が高くなるのです。このアンチ安倍票と、過半数を超える浮動票が動くのなら、政権支持率など軽く吹き飛んでしまうでしょう。

昨日も取り上げたように、やたらと北朝鮮の問題で危機感を煽る安倍政権ですが、安倍氏は露国、英国の外遊日程だけは入れました。北欧外遊は取りやめたようですが、もし本当に危機があるなら、首相が国を離れることは致命的な判断の遅れになる可能性もある。また一方で、二階幹事長が若手のGW中の海外視察をみとめない可能性を示唆した。選挙に弱いから、などとも語られますが、明らかにタガが緩み、浮かれ気分で海外に行ってハメを外されたら困る、という事情も含まれるのでしょう。それだけ次の選挙は厳しい、と考えており、今の選挙に弱い議員を立候補させず、顔ぶれを変えることができない以上、不安要因は少しでも減らしておきたい、が本音です。
日経平均は3日連続の大幅高です。米国で明日、発表される税制改正に対する期待からですが、大きな期待を上乗せし過ぎているのが気がかりです。もしこれが内容に乏しいと、週末に控える米国の債務上限の問題にもかかわってくる。減税すれば景気がよくなり、財政は健全化される、どこかの国のどこかの首相も用いていた文言を、米国でも唱える人がいますが、すでにオバマケアの見直しに失敗して減税するにも財源がない。トランポノミクスは出だしから躓いており、挽回できるかどうかが試されます。

そして米国景気がもり仮にトランポノミクスでも浮揚しないと、米国頼みの日本の景気にまで影響する。数字はうそをつかない、などと言われますが、その数字を用いてうそをつく人は山ほどいます。安倍ノミクスは道半ばで迷走中、というか、挽回すら難しい現在、支持率という数字に騙されていると、痛い目をみるのは安倍政権、ということになるのでしょうね。

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2017年04月24日

仏大統領選と北朝鮮情勢

仏大統領選、独立系のマクロン氏が23%後半、国民戦線のルペン氏が21%半ば、共和党のフィヨン氏が20%弱、メランション氏が19%半ば、と事前の予想通りにマクロン氏とルペン氏が決選投票にすすみました。しかしこれだけの大接戦にも関わらず、世論調査の結果通りであり、ごく僅かなブレしかなかったのは驚きです。というより、こんな接戦なのにマクロン氏とルペン氏で決まり、という事前予想を立てていることにも驚きます。
決選投票の予想はマクロン氏6割、ルペン氏4割の得票でマクロン氏が勝利、極右勢力の退潮を示す、とされます。しかし今回、マクロン氏に吹いた追い風は、トランプ米大統領によるルペン氏の支持表明でしょう。トランプ氏が何を考えて、異例な口先介入をしたかは分かりませんが、あんな大統領は嫌、と仏国民の多くも思ったことでしょう。直前のテロ行為を打ち消すほどのインパクトです。反グローバリズムなどとも言われますが、トランプ氏の言に従っていたら、EUから離れられても反グローバリズムというグローバリゼーションのグループに入らないといけなくなる。それは仏国民も嫌なのでしょう。
ただフィヨン氏の支持層も6割がマクロン氏、4割がルペン氏支持と伝わりますし、極左と極右という違いはあれど、反EUでは一致したメランション氏の支持層も、どれぐらいルペン氏に流れるか。それにマクロン氏、ルペン氏ともに議会対策には苦労するとみられ、議会選挙を経ないと政局が安定しない。経たとしても安定するかどうかは未知数、ということになります。極右の動きに歯止め、などとする人もいますが、明らかに極右政党が票を伸ばしているのであって、急進的な流れは一先ず食い止めた、というに過ぎません。一昨日も述べたように、政治がグローバリズムの恩恵を国民にもたらさない限り、反政府的な反グローバリズムの流れは止まらない、とも言えるのでしょう。

そんな余計なことをしたトランプ氏、西に向かわせるとした空母カール・ビンソンを含む米艦隊が、余計な豪軍との演習を終え、日本海の付近に明日、到着するとされます。そして明日は北朝鮮でも人民軍創設85周年を迎える。北朝鮮が核実験などしなければ御の字、ただし実験すれば米国としては攻撃せざるを得ない。ここまでの攻撃態勢をとり、相手が動いたのに何もしない、では米軍の沽券にかかわります。
恐らく中国も、核関連施設への攻撃は黙認する、とみられる。それが北朝鮮への威嚇となり、中国も北朝鮮の体制転換にむけた交渉がしやすくなるからです。しかし先に北朝鮮が中国を非難したように、中国ルートの交渉も怪しくなってきた。そうなると北朝鮮は反撃という手段をとるかもしれない。その攻撃が米艦船でとどまるのか、韓国や日本にまで拡大されるのか、それは北朝鮮の胸三寸ともいえます。

官邸からは「トランプ氏との電話会談ではこれまでと違う緊張」などと語られ、官邸メルマガではミサイル発射に対して国民が「身を守るためにとるべき行動」など、危機感を煽る報道はでますが、それは不誠実極まりないものです。まずメルマガ、国民の大多数がうけとっているわけではない情報ツールで発信されても、国民全員には伝わらない。内閣官房の国民ポータルサイトとの連携もありますが、こんな大事な情報を特定のツールで発信する、いわば誰もがその情報を受け取れ、という恫喝にも思えます。
さらにスノーデン文書として、米国家安全保障局(NSA)が、日本にメールやネットの情報を一元管理できる機器を日本側に提供、という情報もでてきた。むしろ共謀罪はそんな機器をつかって情報収集していることを、後追いで法的根拠をつけるためのものかもしれない。そして自分たちからの情報を積極的に得よう、とする支持層向けには情報を与える今回のメルマガといい、すでに安倍政権では情報を恣意的に扱い、自分たちに都合よい形で受発信する、といった形が成立しているのかもしれません。

仏国の哲学者、ベルクソンは『自由』という定義の拡張者としても知られます。欲望に囚われず、理性的な道徳命令に応じて為される判断が、それまでの哲学では『自由』とされましたが、それは選択の自由でしかないのだ、と。つまり複数の選択肢の中から選び取ったに過ぎない、真の自由とは『新しい可能性』という自由である、と『時間と自由』の中で述べています。仏国では、既存政党によらないマクロン氏、ルペン氏を決選投票に選びましたが、日本ではいまだに古臭い利権構造に執着した、古臭い流れに固執している。そして北朝鮮が『新しい可能性』という自由を行使したとき、日本がとるべき選択に自由などないのでしょう。米国のすることを全面的に支持、という安倍政権は、共謀罪といい、『自由』の縮退者という面が強いといえるのでしょうね。

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2017年04月22日

共謀罪とテロ等準備罪

共謀罪を審議する衆院法務委員会で、金田法相への質問に答えようとした林刑事局長に対して「あなたに聞いていない」と詰め寄った民進の階氏に、自民の土屋氏が「テロ行為だ」とヤジを飛ばしました。これは与党の驕りであり、与党のやることに反対する者はすべてテロリストと判断できる、と暗に示したものと言えます。つまり共謀罪が成立してしまえば、官邸へのデモや抗議のための座りこみなどをすれば、それは犯罪行為に至りかねないテロリストとして監視対象になる、ということです。
今の政治体制では、与党の行うこと=日本の形です。行政が安倍政権の意向を忖度し、国会も与党に牛耳られ、最高裁は内閣から長官が指名され、裁判官が任命され、内閣に逆らうこともできません。つまり国の形は今や三権分立が崩れ、内閣に集約された権力構造になっている。そんな内閣に逆らうことは、反逆者とみなされる。共謀罪が成立したら、いよいよ日本も北朝鮮のことを異常な国、とすることもできなくなるのでしょう。これまで金田氏は頑なに「一般人は捜査対象にならない」としてきたのに、盛山法務副大臣は「限られる」としながら一般人への捜査をみとめた。つまり野党、そして政府のやることに反対する者、すべて監視対象になる、ということです。

一つの例として、衆院憲法審査委員会で『国と地方の在り方』をテーマに呼んだ4人の有識者による参考人質疑で、いずれも「国と地方の関係を理解していない」と、厳しい意見を述べました。沖縄の例を挙げて、沖縄の民意と国が押しつける施策とがずれている、と指摘します。もし共謀罪が成立したら、辺野古で座りこみをする人は勿論として、国会でこうした意見を述べる人、それに沖縄で反対の声を挙げる人まで、犯罪予備軍として監視対象になるかもしれません。何より、対象の犯罪行為を減らした、と言われていましたが、複数の犯罪を一つにまとめて数を減らしただけで、実際には膨大な数の犯罪がその対象になっている。ということは、誰しもどこかに引っかかる可能性が高いのです。
キノコを採取してもテロリスト、国会でも話題になりましたが、そこには誰もが犯してしまうような些細な犯罪まで含まれる。そしてキノコ狩りが趣味の人物と連絡をとっている人も、集団的犯罪組織として登録される。こうして誰もが芋づる式に、監視対象におかれる、ということにもなるのです。まさに共謀罪は、日本にいるすべての人間を監視するために存在する、とも言えるのでしょう。

露国のサンクトペテルブルクで起きた地下鉄の爆破事件、すぐに中央アジア出身の犯人が特定されました。これらも国民監視をする国ならでは、といえるのでしょう。昨日も指摘したように、本来であればテロリストになるような不平、不満を溜める国民を減らす、それが国の為すべきことなのに、そうではなくて監視により国民を統制しようとする。政治の手腕もなく、崇高な理念も理想もなく、もっとも安易なやり方で権力を握ろうとする、そんな浅ましさの象徴のような法律が、共謀罪です。
成案ができてから答弁する、と述べていた金田氏は、相変わらず曖昧な発言をくり返し、副大臣との齟齬まで生じている。五輪のために必要、などと安倍氏は述べますが、そんなに焦っているのなら、なぜ大した説明もできず、法律として練られていないものを出してきたのか? まずその問題の方が大きいといえます。そもそも政府のつかう『テロ等準備罪』、どんなものでも行政のだすもので『〜等』とついているものは、その『〜等』の方が内容が多く、また濃いことが多い。一体何を準備したら組織的犯罪集団なのか? 個人のつながりすら利用し、国民全体を監視しようとする、極めて暮らしにくい国にしようとするのなら、もし自民が与党の座から滑り落ちたとき、この法律によって監視されるのはむしろ自民党となる、そんな危機感すら抱けないのなら、この国の危機管理上必要、という発言自体が、危機管理能力のなさを露呈する、といえるのでしょうね。

明日は一日、お休みしたいと思います。

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2017年04月21日

雑感、保護主義の潮流

日本からの外債投資が、年度初めの2ヶ月で3兆円の売りになったことが話題です。ただ売り越しは毎年のことで、期初に益出し売りを行って利益を確定しておく、そんな動きの一環であり、驚くには値しない。ただ今年はその規模が膨らんでいる。年後半の不安感がそうさせるのかもしれません。例えば株式も、4月は外国人投資家が買い越しになる特異月ですが、株価が軟調なのは国内投資家が売り越しになり易い。これも期初の益出し売りで、それが相殺している形です。
外債投資の環境も厳しくなり、ますます運用先が乏しくなる金融、保険業。これは金融の手数料が増加したり、保険料の引き上げなどで、国民負担が増える方向で推移するかもしれない。G20前の会見でも黒田氏は「国内の物価目標達成のためであり、為替操作のためではない」と語っていますが、その物価目標のため、金融環境が悪化し、国民負担が増す形で物価上昇になるのなら、これも悪いインフレといえるのでしょう。脱デフレの先に、もしインフレが達成されたとすれば、それはすべて悪いインフレ。国内経済は低迷し、国民は疲弊するだけなのでしょう。本当に、安倍-黒田ラインは日本をダメにすることにかけては極めて優秀である、とは言えるのでしょう。

G20が開かれていますが、保護主義への懸念が討議されています。しかしポピュリズムによって保護主義、閉鎖主義になる、というのは誤りで、多くの大衆にとってグローバリズムには問題があったから、反対する人が増えている、というこれは逆説的な問題なのです。多くの人にメリットが享受する、それが国の役割なら、まさに正しい方向にすすんでいることになる。グローバリズムによる恩恵を、一部の富裕層、企業がため込んだら、必然的におこることであって、もしこの流れを変えたかったら、きちんと低層までその恩恵をいきわたらせないと、誰も納得しない。例え一時は抑えこめてもまた同じ問題によって世界が混乱する、ということにもなるのです。
ポピュリズムへの警鐘、という話は盛んにしますし、保護主義への警戒もしますが、ではどうやって解消するのか? それが全く議論されていない。これが最大の問題です。個人的には、解放すべき部分はするべきですし、しない方がいい部分もある。例えば食糧、自由化すれば野放図に乱獲をし、生態系が壊れて絶滅する種が現れたり、米国やメキシコのように地下水のくみ上げ過ぎで、壊滅的な打撃をうけそうな国もある。規制をかけないといけない部分があるのなら、それは自由化してはいけない、となるのです。

なぜか、今はグローバリズムというと何でも自由化、保護主義というと何でも高関税、と両極端に振れ過ぎていますが、適度な規制と適度な自由化、そのバランスを崩した議論としか思えません。仏国大統領選で、反EUの候補二人に勢いがあるのも、民衆はEUがあった方がいい、とは分かっていても、その恩恵に与れない、むしろ移民などが職を奪う、自分たちの生活を脅かすのならなくていい、それが世界の潮流です。政治がその答えをだしていないのですから、当然国民はそんな政治に失望し、ちがう形を求めようとします。
仏国のテロも、そんな政治のスキをついて、EUの分断を図ろうとするISILの一連の動きでもあるのでしょう。そして日本とて、国民の生活が苦しくなっていくなら、過激派の動きが強まるのかもしれない。そこで共謀罪がでてくる。富裕層、大企業が稼ぎ、国民には恩恵が行きわたらずに溜まる不満、犯罪予備軍になりそうな国民を、根こそぎ監視するのが目的なのでしょう。政府の答弁で、国民が捜査対象になることも明らかにされた。つまり共謀罪とは、テロ組織に入りそうな貧困層を監視するためのもの、ということになるのです。小泉政権から始まったグローバル化、格差拡大、その最終段階が共謀罪だからこそ、何度も国会で採決しようとしてきた。自民党がめざしてきた国、それは富裕層と大企業だけが喜び、多くの国民が貧困と監視に喘ぐ国、となるのであり、その最終段階に入ってきた、とも言えるのです。愚ロー馬鹿リズム、昨日も指摘しましたが、愚かで低レベルで、おバカな国民を大量生産することもその目的だったのなら、それはいつの間にか達成され、自民の議席が大きく伸びている、ということでもあるのかもしれませんね。

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2017年04月20日

安倍政権とグローバリズム

日本郵政が豪子会社の減損処理を計画、と報じられました。買収後、2年で大幅な減損処理など、経営として成り立っていませんが、当時もTPPで豪国との間で密約か? とも囁かれたほどですから、大して実情も知らないまま手をだした案件だったのでしょう。東芝はWH買収で巨額損失をだしましたが、日本郵政はそんな東芝出身の西室氏を経営者として仰いでいる。東芝のWH買収は西室氏の後継であった岡村氏ですが、実は西室時代から東芝はおかしくなっていた、ともされます。よほど買収が下手、というより経営手腕のない人なのでしょう。そしてTPPに関しては、米国抜きで設立をめざすとします。
麻生-ペンス会談でも鮮明になったのは、TPPに米国を呼び戻そう、という姿勢です。しかしトランプ政権の間はまず無理、グローバル化の恩恵は海外に投資、買収などができる大企業、富裕層に限られ、庶民は職を奪われ、賃金が下がり、むしろ悪影響しかない。それが今の、世界を動かす大きな潮流です。安倍政権がTPPにこだわるのも、まさに大企業や富裕層をその支持層とするから。しかしTPPを推奨するということは、日本は世界の潮流に乗り遅れるばかりか、ますます多くの国民はその悪影響により苦しむことになるのかもしれません。正直、こういう流れは乗り遅れれば遅れただけ弊害も増える。世界がグローバル化の旗を降ろすのなら、日本は真っ先にそうしなければいけないのに、それができていないのです。今週末の仏大統領選挙でその流れがさらに加速するなら、もう世界は反グローバリズムの流れが止まらなくなるのでしょう。

そんな安倍政権、与党には言葉は悪いですが、愚ロー馬鹿リズムが蔓延しているようです。中川経産政務官が女性問題、ハワイで挙式まであげた不倫相手がおり、さらに別の不倫が報じられたことで発覚、辞任です。結婚届はだしていないので重婚ではない、としますが、イイワケのレベルが低すぎて、それ以上に軽率な行動は政治家失格ともいえ、政務官辞任では済まされないのでしょう。父親の秀直氏も女性問題で引責する形になっていますが、カバン、看板、地盤、と同時に血小板まで色濃く受け継いだようです。
昨日、安倍氏が岸田派のパーティーに出席して語った言葉、かつての池田内閣での下村・都留論争を掲げ、下村氏の掲げた高度経済成長か、都留氏の掲げた福祉の充実か、では下村氏の考えが正しかった、と述べました。経済成長して、それを福祉に回せばいい、ということのようですが、安倍政権になってからほぼ経済成長は横ばい、福祉の質を落としているのですから、要するに下村氏の考えには同調するものの、それが実践できていない、ということになるのでしょう。

自分が性格No.1、とも語っていますが、人の悪さではNo.1、ということかもしれません。森友学園の問題では、与党の同意を得られないと資料が出せない、と財務省がみとめました。省庁は行政府として国会、政党とは独立した存在であるべきなのに、一政党の意向を忖度どころか、許可を得なければいけないなど、日本の三権分立が完全に潰えた、ということをこの一時は示すのでしょう。日本の経済を壊したばかりか、行政や国会まで壊さないと気が済まないようです。壊した後に残るのは、日銀のバランスシートの肥大化によりいつ破裂するか分からない危機感と、三権分立がなくなった後の権力集中による独裁、ということにもなりそうです。
昨日は、共謀罪の審議入りで、法務省刑事局長の出席が、自民党の鈴木委員長の職権で決められました。委員会の理事で話し合うのではなく、いきなり職権で決めてしまう。三権分立どころか、国会を議論の府としても認めていない、ということかもしれません。

愚か、Low(低レベル)、おバカ、そんなリズムに乗って、日本がダメになっていく、それが安倍政権の愚ロー馬鹿リズムのような気がしてなりません。また安倍政権はgrovelismとの指摘があります。grovelとは「平伏する、卑下する」という意味であり、米国には媚び諂って、米国の意向を忖度して動こうとする。その反動からか、国内向けにはgrouch(不機嫌、不平をいう)となる。しかしそんな安倍政権が愚ロー馬鹿リズムでは、日本はますます悪い方向にむかうだけ、ということになってしまうのでしょうね。

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2017年04月19日

日銀の金融システムリポート

日銀が金融システムリポートを発表しました。「自己資本比率は規制水準を上回っており、安定性を維持」とします。「収益力が下押しされてもリスクテイクできる」とも。しかし金融機関が提供するサービスは「均質で代替性が高く」競争が激しいから、不安定化する恐れがある、とも。ひどい物言いですが、要するに日銀が長期金利をゼロにはりつけ、金融機関は収益力が低下しても大丈夫だろうけれど、金融機関の努力が足りずに同じようなことをしているから、破綻するところが出てくるかも、と述べているのです。簡単に言えば、もし金融システムが不安定化しても、自分たちのせいじゃない、お前たちのせいだ、とでも言いたげです。
それでいて金融機関が収益維持のために、過度なリスクテイクをとると過熱し、リスクだとします。また収益低下に歯止めがかからなくてもリスクだ、と。要するに、金融機関はほどほどのリスクをとり、新しい商品を開発するなど自己努力で収益を回復しろ、という何とも都合いい結論です。すでに地銀や信用金庫など、外債に手をだして厳しい環境にある、ともされます。リポートの中でも不動産投資の伸びが気になる、とはかかれますが、だからどうする? という提案はない。問題意識のもち方から対応に至るまで、日本の中央銀行としては些か心配になるほど、能力不足が否めない内容となってしまっているのでしょう。

最近の日本の株価は、米国株の動きを予想して売買がすすむ、といった傾向があります。為替の連動性を離れ、また売買が低調な中で、アルゴリズム取引はその日の晩の米株の動きを予想し、売りや買いを傾ける。しかもその予想が外れてもすぐに解消するのではなく、じっくりと取引する。当然、想定の範囲以上に動いてしまえば異なるのでしょうが、今はそうした市場環境にない。上値は重く、下値は日銀が控えており、底堅い。そこでそんな取引が増えているのでしょう。
金融機関はそうやって新たな仕組みを生み出し、収益を得ようとする。以前は株と債券との仕組みであったり、少し前は為替との連動だったり。そしてそれが広まり、対抗策が打たれたり、環境が激変したりするとそれが廃れ、新たな仕組みが生まれる。日銀の言うようなリテール部門だけをみて、均質などという話ではないのです。自己資本取引の部分は以前と比べると著しく低下しましたが、金融機関とて生き残るために必死なのです。

政府が日銀審議委員人事で提案したのは、緩和派の片岡氏と、バンカーの鈴木氏で、バランスをとったつもりでしょうが、今でさえ黒田日銀総裁の意を忖度した緩和派が多いにも関わらず、一人ぐらいの銀行出身者を入れたとて、状況が変わることはありません。安倍政権は今、黒田バズーカを見直されては困る、ということなのでしょうが、事実上日銀が緩和を継続するにも青息吐息のような状況です。
もし本当に消費者物価が上昇すれば、日銀は長期金利をゼロ近傍で張り付かせるために行っている買いオペにも、膨大なコストがかかる。そしてそれは事実上、日銀による財政ファイナンスとの指摘もある。しかも国債を高値掴みしてしまえば、日銀が買いオペを止めた途端、価格下落に伴う巨大な損失が生じることにもなりかねません。

実は、日本の金融システムを一番不安定化させる要因は、日銀がため込んでいる資産、その価値ともいえるのです。信用棄損にもなれば、それこそ日本の金融は崩壊することにもなるでしょう。米FRBではじまったバランスシート縮小、ナゼそれが必要か? それすら話題にならない日銀に、日本の金融をゆだねることこそ最大のリスクとも言えるのでしょう。金融システムリポートより、日銀の健全性についてのリポートを出す方が、よほど説得力もありますが、「ロクでもない黒だ」総裁では金融システムの改善すら望み薄、といえるのでしょうね。

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2017年04月18日

日米経済対話が始まる

昨日、中国の2017年第1四半期GDPが発表され、前年同期比6.9%増と市場予想を上回ってきました。鉱工業生産も小売りも強かったですが、何より固定資産投資も伸びている。1-3月期でふたたび上昇する住宅価格、抑制しすぎると景気を冷やし、緩めると急上昇する。中国にとっては非常に厄介な対応がつづく。金融機関に溜まる負債など、成長しているのに一向に中国経済の中身が改善しない、といった状況です。
そんな中国で、一帯一路構想に基づく首脳会議への出席者が発表されましたが、28ヵ国のうち先進国からの参加は伊国のみ。元々、シルクロード経済圏という名が示すように、これはアジアから欧州を結ぶ地域の話であり、日米などは関係ないことですが、AIIBの創設メンバー57ヵ国と比べても、大分規模が下がった印象は否めない。それは中国経済の多くの課題をみるにつけ、世界がより慎重になってきたことと無縁ではないのでしょう。

日米経済対話の初会合が開かれました。麻生財務相は3本柱、として「貿易投資のルールと課題に関する共通戦略」「経済及び構造政策分野」「分野別協力」を掲げ、これをアジア太平洋地域に広げる、つまりTPPへの米国の復帰を企図する、と鮮明にします。しかし3が好きな安倍政権ですが、この3本柱にほとんど意味がありません。3項目をパッとみても、どこで何が話し合われるのか分からないように、経済は密接であり、別けて考えるのはナンセンス。これは階層という意味で、簡単に言えばまずはルール作りを行い、互いの政策などのずれを修正、そして分野ごとの協議に移る、ということなのでしょう。
しかし明らかに米国は二国間FTAを目指し、これを共通戦略にする気はない。相手国に合わせて圧力をかける方が、大国としては有利なわけで、そこが変わることはありません。グローバリズムを否定するトランプ氏が、多国間交渉に応ずる積極的な動機がない。さらに日本の動機が見え透いているため、それを逆用される可能性が高いといえるのでしょう。つまり米国の要求を100%飲むなら復帰してやる、などです。

しかし金融政策や、為替に関する言及がなかったのは、米国による中国への対応と酷似する点が気がかりです。今は北朝鮮への対応で、日米韓が連携するタイミング。ただ米韓FTAの見直しにも言及するなど、米国としては少しずつトランプ色を強めていこうとする過程であり、偶々日米はこれから話し合い、というに過ぎない。そして偶々、北朝鮮問題があって日米連携が崩れている、との印象を対外的に与えるのを嫌った。そんな事情から、両国ともウィンウィンの話し合いになる、とのアピールに終始したとも言えます。もしそんな両国にとって都合のいい話し合いなら、次回会合の時期について「年内に双方の都合いい時期」などとしないはずですから。
ペンス副大統領は経済に疎い。麻生財務相も経済に疎い。数日前、麻生氏が個人資産の活用について「投信の拡充」を指摘しましたが、はっきり言えば、投信は金融機関が手数料を稼ぐためだけの仕組みで、よほど投資に知識がない、投資をしている時間もないけれど遊んでいてなくなってもよいお金がある、という人間以外で、購入してはいけないものです。こういう点をみても、麻生氏が経済、金融について無知だと分かります。

しかも麻生-ペンス会談より注目されたのが、世耕経産相-ロス商務長官の会談です。具体的な話し合いの中身は分かりませんが、麻生-ペンス会談が時間を余らせて終わったのに対し、世耕-ロス会談は時間を延長しました。より厳しい話し合いが行われたのでしょう。
米国の高速鉄道への日本の参画、を安倍政権では画策していますが、運営権の入札に日本は参加しませんでした。つまりハード面でのみ、日本は参加するという形になりますが、そんな都合よく受注できるか? 当然、運営権をにぎる企業がやり易い形でハード面をつくることにもなるでしょう。つまりこの時点で、日本の戦略的ミスも目立ってきたことになります。中国が一帯一路なら、日米経済対話は一体何路? というぐらい話し合いの経路が広がってしまった。むしろ米国の術中にはまってしまった印象であり、日米経済対話が安倍外交の失敗案件として、また一つ加わるのなら、新幹線の輸出という一路でさえ受注できない、ということにすらなりかねないのでしょうね。

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2017年04月17日

雑感。文化や歴史への理解?

自民党の山本復興担当相が「一番のがんは学芸員」と発言し、後に撤回しています。しかも一部は事実誤認の下、発言したことが判明しており、質の低さばかりが目立ちます。「文化や歴史を理解してもらう観光が最も長続き」としますが、そんなこともありません。観光の目的は様々、知らなくともその雰囲気を楽しむ、といった方法もあります。それが気に入ればまた訪問するでしょうし、文化や歴史を知ったら、それでもう満足して来なくなるかもしれない。自分の価値観、一義的なものの見方で他人を卑下する。そんな政治家が一番、問題を抱えているとも言えます。
特に今、安倍政権は歴史修正主義であり、道徳心にパン屋がふさわしくない? などの問題ももち上がっている。西洋から入ってきたものを否定し、国粋主義をとるような国の文化がこの先どう変遷するか? 歴史の見方とて多面的でなければいけないのに、戦前礼賛に固執する政権では、戦前の体制をどう海外に説明する気なのか? 「学芸員らの文化財にしてしまっては資源が生きない」とも述べていますが、学芸員は文化財を保護、修復して後世にまで伝える責任があります。一過性の観光資源で浪費してしまって終わり、ではそれこそ責任を果たしていないことにもなるでしょう。事情を知りもしない政治家が口をだし、文化財や自然を破壊してきた「文化や歴史」についての考察が、山本議員は圧倒的に足りていないのでしょう。

トルコでエルドアン大統領に権限を集中する国民投票が行われ、投票率が85.5%、賛成が51.41%、反対が48.59%となり、賛成多数で改憲されることとなりました。ただし、その投票には不正が疑われており、公式印章が押されていない投票用紙や封筒を、選管が投票後にみとめた、とされるものです。選管は「自分たちが用意したものだから問題ない」としますが、では公式印章とは一体何のためについていたのか? 急にそれを認めたのは、一体どんなルールに基づくのか? まったく不明といえるのでしょう。
つまり日本でも、選管が協力しさえすれば選挙結果を不正に操作できるのであり、特に今回、僅差の決着が予想されており、少しの不正をすればエルドアン氏にとって有利な結果にできる。そんな誘惑も働く。そして日本の場合、森友学園の件でもいたるところに散見される『忖度』が、不正に手を貸す理由となるのかもしれません。

安倍首相は、北朝鮮に対して「対話と圧力」が重要としますが、今の米国が行っているのは「圧力をかけて対話を迫る」というもので、しかもその対話は始まってもいない。恐らくは中国経由での対話、は開始されているかもしれませんが、もしそうなら日米は対話の席にもつかせてもらえないことになる。それは以前も指摘したように、金正恩体制は崩壊させても、より厄介な反米、反日国家を北朝鮮に誕生させてしまうかもしれないのです。日本が関与するのは、米国と一緒に圧力だけ、なのですから。
韓国大統領選でも話題になっているのがフェイクニュース。米大統領選でも、わずかな差を生んだのはフェイクによる情報拡散、今回のトルコはどうだったのか? そして日本でも次の選挙では、一体どんなフェイクが選挙戦を左右するのか? それこそ北朝鮮がもし実力行使にでてきたら、うそ! と驚くころにはもう遅い、ということにもなりかねません。米国はフェイクによって、トランプ大統領を生む、といううそによって歴史の1ページも刻まれました。日本の文化や歴史も、うそで築かれるというのなら、そんなものを外国人に説明したら恥ずかしい、ということにもなるでしょう。実は今や「対話と圧力」という言葉は、国民にも向いています。ただそれは「対話(うそ情報)と圧力(テロや北朝鮮などの危険性を誇張)」で、国民を一つの方向性に向かわせようとする試みであり、よくよく気をつけないと、文化も歴史もおかしくなってしまうとなりかねないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:21|PermalinkComments(21)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 海外

2017年04月16日

安倍首相主催の「桜を見る会」

昨日、安倍首相主催で「桜をみる会」が開かれ、「自公は風雪に耐える」として自ら「風雪に、耐えて5年の、八重桜」の句を詠みました。今ひとつなのは、風雪に耐えているのが自公連立なら18年、政権の座にあるだけでも15年です。「5年」は自らが政権についてから、の話であって、しかも「風雪」はここ最近気に入っているのか、つかい始めた文言。ずっと使い続けたなら「耐えて5年」でもよいのでしょうが、ここ最近吹き始めた風雪の話であれば、それを使うことに違和感もあります。しかも自公の関係にも当てはめているので、尚更その期間が正しいのか? という疑問にもつながってしまいます。

恐らく、安倍氏は森友学園による疑惑は「風説」、とでも言いたいのかもしれません。なのでこの句を詠み替えると「風説に、耐えて5年目、安倍桜」となる。そしてそれは、自公の関係においてもそうなります。最近、自公にすきま風という話をよく耳にする。つまりそれは「風説」で、自公連立は安泰ですよ、と言いたいのでしょう。
しかし公明にとって、もはや安倍政権に協力する気はない。それは勝たせ過ぎて暴走する安倍政権に、ついていけないというのが本音です。連立を離脱する気はさらさらないけれど、安倍政権に協力して、選挙で自民が大勝することによりさらに立場が悪くなるなら、適度な協力で、適度に勝たせておく方が得策。そんな雰囲気を感じとり、維新に近づく安倍氏の態度がさらに追い打ちです。公明としてはますます協力しなくてもいい、という気にさせる。都議会でも鮮明になった自公の溝、それを深めたのは安倍氏自身であり、この辺りは最近の判断力の低下、逆の手を打ってしまうところと通じる点もあるのでしょう。

介護法案の衆院委での強行採決も、まさに異常と呼べる事態です。通告にない質問を10分しただけで「審議を尽くしたから関係ないことを質問した」として、与党が強行採決した。これは国会が予定調和じゃないといけない、というのと同じで、関係ない質問をさせないよう事前に与野党協議でブロックしてしまえば、国会では何も追及できなくなる。政権が不正なことをしていても、国会は無風で通過してしまうようになるでしょう。今の自民は日本がそんな国でもいい、と述べているのと同じです。まさに日本の中国化、腐敗まみれの国にしようとしているのと同義なのでしょう。
これも安倍政権の指示、というより自民党内で、安倍氏の不興を買うような質問を封じようとした忖度だった、と伝わります。まるで北朝鮮が、金正恩氏に気に入られるようミサイルや核開発をする構図とそっくり、ともいえるのでしょう。安倍氏が北朝鮮を危険視するのも、同族嫌悪といったところなのかもしれません。独裁者気質をいよいよ鮮明にし、そんなトップの意向をうかがいながら下々の者が動く。そんな国は必ず暴走しますが、日本もそんな暴走がはじまっているのかもしれません。
そして、日本の国会議員がそんな輩ばかりとなったのなら、これから国会は「さくらを見る会」、つまり国民を騙すための「さくら」ばかりがいて、国民にとって不都合な法案を通してしまう、そんな姿をみせられるだけの場になるのかもしれません。国民からすれば、安倍ノミクスや脱デフレ、黒田バズーカなどの政策、安保法制や今回の共謀罪なども含めて、政権のする説明に対して「妄言に、耐えて5年の、安倍ぼんくら」ということになるのかもしれませんね。

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2017年04月15日

米朝の軍事衝突の可能性について

昨日取り上げたMOABは、通常炸薬ではなく気化式と呼ばれる燃料を用いるようです。するとあの大きな寸胴は、気体を最後まで漏らさず、圧力を溜めるためのものかもしれません。点火から破裂するまでの時間が遅れれば遅れるほど、すべての燃料に着火でき、威力が増すからです。核燃料のように特殊な起爆装置は必要ないだけに、世界にこの方式が拡散されるとしたら、新たな軍拡競争が始まるのかもしれません。それは核ミサイルのような、自らも滅びを招くようなものではなく、一瞬にして相手だけを殲滅できる兵器としての普及、という意味になりますが…。

15日に北朝鮮が核実験か? ともいわれていましたが、どうやら今日は軍事パレードのみで終わりそうです。北朝鮮としてはICBMの実験にしろ、核実験にしろ、後ずれさせて交渉のカードを上積みし、米国をそのステージに引き出した方が得策です。いつがそのタイミングとしてベストなのか、それを見定めて行動に移すつもりでしょう。北朝鮮としてはそうした不透明感はありますが、実際に先手を打って攻撃する可能性は少ない。むしろ先手を打つ可能性が高いのは、米国の方です。
中国が北朝鮮への攻撃を容認した、との見方もあります。トランプ氏が習主席をほめちぎり、為替操作国の認定もしなかったからで、両国で交渉がまとまったのではないか、とみられるためです。しかし中国にとって、北朝鮮の緩衝地帯は必要不可欠なはず。もし米国との話がまとまったのだとしても、恐らくそれは韓国による併合ではなく、金正恩体制の崩壊までのはず。すると米国は、単に米国に逆らい、米国本土を狙える兵器をもつ国だけなくなればいい、という些か安易な形で妥協することにもなる。米国の得になることはほどんどないのに、軍事行動まで起こし、多大なコストを支払ってまでそれを為すのですから。

トランプ氏が対外的な軍事行動で支持率を上げたい、といったこともあるでしょう。しかし厄介な点は、北朝鮮内で金体制から国民を救った英雄になれるか? むしろ朝鮮民族に仇を為す国、とみられるのではないか、ということです。中国が主導して新たな北朝鮮の国家体制をつくるなら、尚のことそうなるでしょう。つまり金体制の次は、もっと厄介な反米国家を誕生させてしまうかもしれない。それは核も、長距離ミサイルの技術ももった上で、ということになりかねないのです。
もしトランプ氏が、金体制の崩壊を望み、軍に指示をだしているなら、きっかけ次第で先制攻撃をするでしょう。中国が合意しているなら、それと同時に中国の息のかかった北朝鮮の幹部が、金正恩氏の暗殺に動くのかもしれない。ただ、すぐに成功することはないでしょうし、その間に北朝鮮の反撃がどの程度のものになるか。それによっては日本も多大な影響をうけます。

北朝鮮のミサイル実験が失敗したのは、米国による電子的な妨害という話もあります。しかしピンポイントで狙うのではなく、日本海に展開する米空母を被曝させる目的で、核ミサイルをつかったら? それなら短距離で落ちても爆発さえすればいいのですから、かなりの効果も得られるでしょう。そしてそれは偏西風にのって、日本にも流れてくる。核ミサイルが、何かを破壊するのではなく、被曝して誰も立ち入れない地域をつくり、近隣の生活を滅茶苦茶にすることを目的とするなら、安易につかってしまうのかもしれない。MOABが一定の範囲だけを、相手を殲滅する兵器なら、核ミサイルは相互を破壊するものであり、一方だけが壊れていくという事態が想定しにくい以上、苦境に陥れば陥るほどスイッチを押す力も強まってくる、ということになりかねないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:17|PermalinkComments(2)このエントリーをはてなブックマークに追加 アジア | アメリカ

2017年04月14日

OECDによる対日経済審査報告書

米NBCテレビが米情報機関当局者の話として、北朝鮮が核実験をすると確証が得られれば先制攻撃、と報じました。今はまだ口先による抑止目的とみられますが、正直トランプ政権の意図が、どこまでを目的としたものか? よく分かりません。本気で武装解除させる気なら、攻撃できる機会を狙っている、ともいえます。
そんな米国がアフガンのISに大規模爆風爆弾(MOAB)を落としました。核兵器を除くと最強、などと喧伝されますが、通常の炸薬だと量の違いしか威力の差は生まれない。どうも実験映像をみると、上方向に広がるはずの爆風の威力を下、及び水平方向に向けることで、威力を増しているとみられます。しかし後方は爆風を逃がさないよう重りになるため、ジェットエンジンを搭載できず、自由落下させる方式にしています。そうなると上空まで輸送するしかなく、対空防衛能力が低い相手にしか使えない。言うほど北朝鮮への抑止効果が働くとは思えません。塹壕にこもるテロリスト向けの兵器、でしかないのでしょう。

経済協力開発機構(OECD)のグリア事務総長が来日し、対日経済審査報告書を発表しました。日本経済の見通しはGDPが17年に1.2%、18年に0.8%。消費者物価は17年に0.9%、18年に1.1%。消費税の引き上げ、年金支給開始年齢の引き上げ、マクロ経済スライドへの移行、金融緩和は維持。驚くぐらいの財務省の代弁ぶりで、そんな増税してどうして成長するの? という点がまったく不明です。
雇用に関しては正規の雇用保護を緩和、非正規の待遇改善、最低賃金の引き上げも求めますが、そうしたものは遅々としてすすまず、しかも働き方改革はすでに議論も終盤であり、現状で決まっている程度では景気押上げ効果もないでしょう。毎年、当たらないと有名な報告書なので、見るべき価値もないのかもしれませんが、これが財務省の代弁であるなら、日本経済が見るべき価値もないとみなされても、致し方ないのかもしれません。政策担当者が何もわかっていないのですから。

16年10月時点の人口推計もでましたが、外国人を含む総人口は、前年より16.2万人減で、かつ高齢者の割合が27%を超えました。つまり今後ますます拡大する購買層である高齢者の年金を抑制し、購買力を落とす。また人口減で雇用確保のため、正規社員を増やす流れにあるのに、非正規の待遇を改善して正規の待遇を厳しくする。やっていることが逆、滅茶苦茶であって、これで日本経済が活況を呈すなら、それは海外でバブルがおき、それに引きずられるという小泉政権時代の再来がない限り、無理といえるのでしょう。内需は犠牲にして外需に頼れ、この報告書からはそうとしか読み解けません。
財務省出身の黒田日銀総裁の行った金融政策も支持。もう限界か? 地銀などに悪影響が出ており、再編が起きるともいわれているのに、です。OECDは一体何を見ているのか? 財務省の下書きしか見ていない、ということかもしれません。そして財務省が何をみているか? それが安倍政権への忖度。安倍首相が気持ちよくなるよう、海外の権威をつかって安倍ノミクスは成功とのお墨付きを与える。このタイミングで高い経済成長、脱デフレを示したことは、まさにそういう意味になるのでしょう。

モアブとは、古代の死海の東にあった国であり、イスラエルとは度々諍いをおこした、と聖書には書かれています。モアブが実戦配備され、使用された。その能力を考えると、重りによって上への爆風を抑えられ、横方向に広がってより打撃を与える。もしOECDの報告書通りにしたら、日本経済にもモアブが落とされたような、そんな被害がでることになるのかもしれません。マクロ経済スライドどころか、真っ黒経済にスライドしていく日本。横方向への広がりを爆風ではなく、恩恵にしていかない限りは、成長も物価上昇もない、といえるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:21|PermalinkComments(2)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 一般

2017年04月13日

雑感、トランプ氏の動きと世界的な思惑

昨日、イオンの会長が「脱デフレというイリュージョン」と述べ、今日になりFリテの柳井会長も「(国内の値上げは)考えられない」とし、安倍ノミクスの脱デフレにトドメを刺しました。財界と安倍政権との距離は開く一方ですが、今やメディアでも安倍ノミクスと使いませんし、恥ずかしいのか、安倍政権の閣僚まで使いません。いつ失敗と認めるのか、別の手立てを発表するのか、そんなタイミングといえます。
トランプ米大統領が「ドルは高すぎる」とし、円高に向かっています。トランプ氏は「自らの信頼が…」ドル高を促したとしますが、米国債は大統領選以後0.4%ほど上昇しており、これはトランプ氏の信用がないため。その間に2回のFRBによる利上げもあったので、実質的には利上げに追いついていないことになります。ただ、そもそも米消費者物価は2%程度、2%を超える金利水準は高すぎるといえますし、何より政策金利はまだ上限が1.0%で乖離もある。金利が大統領選前にもどるなら、必然的にドル円は100円水準まで落ちることになります。今日の円高は、単に円売りポジションを巻き戻したから。それは週末の連休を控えて、かつ朝鮮半島有事を警戒し、円売りを縮小するのに恰好の材料いされた、ということです。

しかしそんな朝鮮半島有事に関し、1つの噂を耳にしました。それはトランプ氏が、急に態度を転換したことにまつわるものですが、確かに娘婿のクシュナー氏まで、選挙期間中に露国要人と会っていた、との話もでており、クシュナー氏は議会で証言はしていないので責任論にはなりませんが、トランプ政権も露国との距離をとらざるを得なくなった、という面が一つ。もう一つとして、世界的なシンジケートが、極右政権の危険性を喧伝するため、トランプ氏をミスリードさせている、という話があるのです。
恐らくそれはCIAによる陰謀説にもつながりますが、シリアの化学兵器使用、という攻撃のための大義を与え、北朝鮮にむけても電撃作戦で空母を派遣する。しかしこの迅速な、準備されたかのような対応も、すでに敷かれたレールだった。どうしてそんなことをしたのか? それは仏国の第一回投票も迫る中、極右勢力の伸長を抑える必要があったから、というのです。事実、欧州では世論調査でも極右勢力の支持率が急速に低下、トランプ政権の混乱をみて、とまことしやかに語られますが、これも世論はもう極右勢力を望んでいない、という印象を与えるために調査をゆがめた可能性もある。移民への不満、怒りも収まっておらず、テロも頻発する中での極右の失速はどうにも奇妙です。

ここで戦争の恐怖を突きつけ、その混乱による経済の失速を目の当たりにすれば、欧州の有権者を思いとどまらせることができる。そんな思惑が、世界的なシンジケートの動きとして働き、今がある。中国がトランプ政権に配慮した動きを示すのも、すでにそうしたシンジケートの一つに組み込まれているから。露国は経済規模も小さく、メジャー企業も国に近いため、シンジケートに入っていないから、米露の衝突という構図を描きやすい、とも言われるのです。そしてシンジケートに勿論入っていない北朝鮮が、この動きにどんなリアクションをみせるか、によっても事態の推移は変わってしまうのでしょう。
そしてそんなシンジケートは、安倍政権も疎ましく思いだした。今、世界は金融引き締めによってバブルを潰し、巡航速度にもどそうとしているのに、未だに緩和に固執し、世界景気を危うくする元凶にも思えるからです。今年に入ってから財界の動きが、安倍政権に冷たくなったこととも無縁ではないでしょう。折しも二つの大手小売りから安倍政権に発せられた警告、これを無視していたら安倍政権は不幸な結末になるはずです。

あくまで噂ですし、裏でどんな思惑が錯綜しようと、結果がその通りになるとは限りませんが、トランプ氏は大統領になる前、ビルダーバーグ会議には参加していない。陰のサミットともされるこの会議で承認をうけていない大統領は異例です。しかしトランプ政権には、この会議に参加する多くの人間がいる。トランプ氏は大統領選のときの「NATOは時代遅れ」発言を見直し、世界からの支持をえて気をよくしているようですが、それこそ露国や北朝鮮の反応によって、経済が減速すると一気に風向きも変わる。今はまだ幸せなうちに統治できていますが、果たして世界的な思惑がしかける演出で、これが悲劇なのか、喜劇なのか、最後に衝撃、というエンディングが待っているなら、まだまだ行方は混沌としている、ということになるのでしょうね。

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2017年04月12日

米空母カールビンソンの動き

ティラーソン米国務長官がモスクワでラブロフ外相と会談しています。シリア攻撃から始まった米国の実力行使の動き、それに露国がどんな反応を返すのか、注目されます。ティラーソン氏は元々、プーチン大統領とも親しいこともあって、今回の外相会談は関係改善に向かうとみられていましたが、それこそティラーソン氏がプーチンと会えるのか? それすら不透明な状況です。
この問題は、恐らく今月27日の安倍首相の訪ロとも関係してくる。米ロ外相会談が決裂すれば、安倍氏も渡航は難しくなります。露国がどこまで態度を硬化させるか、それを見極めることができるからです。そして今、日本海に派遣されている米空母カール・ビンソンの動きも、これらにはからんでくるのでしょう。日本の自衛隊が合同演習に参加しますが、これは北朝鮮への牽制にとどまらず、展開する地域によっては露国も刺激する。米ロにとって、日本海というのは一つの緊張を生む海域でもあるのです。

北朝鮮は最高人民会議を開き、お祭りムードですが、問題はこのカールビンソンに対して、北朝鮮がどういう反応を示すのか? 一つ懸念されるのは、米空母の近くにミサイルを撃ちこむことです。すでに日本の領海、EEZ内に何度もミサイルを撃ちこんでいるので、米空母が日本の領海にいても、北朝鮮はミサイルを撃つ可能性があり、どこに撃つかも予断を許しません。もし狙ってカールビンソンの近くに着弾しても、北朝鮮は知らなかった、と突っぱねる可能性がある。そのとき、米空母がどういった反応をするか?
反撃すれば、単発的な衝突に発展する可能性があります。そしてそれが拡大すれば全面衝突になる。米軍にとって、撃たれて撃ち返さない、といった忍耐ができるのか? カールビンソンがどこまでの指示をうけ、日本海まででてきたのか? それ次第では双方のすれ違いが第二次朝鮮戦争へと発展する可能性もあるのです。

安倍氏は北朝鮮の拉致被害者の救出、などと述べますが、それ以前に在韓邦人の救出をどう遂行するのか? それが先です。古いですが、外務省の発表した15年10月の時点での韓国の在留邦人は約4万人、多少は減っていたとしても、もし朝鮮戦争になったら3万人ぐらいは避難計画を立てておかないといけない。飛行機で何往復、船舶で何往復、そのときの優先順位は? 指示はどうやって伝えるのか? そうしたことをすべて事前に計画しておかないといけないのです。言葉は悪いですが、拉致被害者の居場所が分かっていれば救出もできますが、現時点ではそれすら判明していない。よほど特殊部隊を北朝鮮に派遣し、救出作戦をする以外では無理なのであって、それより韓国にいる邦人救出を優先させるべきでもあるのです。
しかし3万人を移動させるのは、正直難しい。民間船をチャーターすることもできず、海自艦だけで行うなら数週間はかかるかもしれない。はっきり言って、米艦防護などしている場合ではないのです。下手をすれば救出作戦中、攻撃されるかもしれない。命がけの救出作戦を、延々とつづけなければいけないかもしれないのです。

精神分析で有名なフロイトは、『文化への不満』で「文化とは…生の欲動と死の欲動との間の闘い」とし、それが生一般の本質的内容、とまで述べます。つまり死の欲動の代表でもある攻撃欲動が人間には誰しも備わっており、それが互いにぶつかる。文化の衝突という戦争になる、と述べています。トランプ大統領が異常でも、金正恩総書記が異常でもなく、それぞれの生の欲動と死の欲動の狭間で、戦争は起こってしまう。認識のすれ違いで衝突が起こりやすい日本海、米国、露国、北朝鮮、中国、そして日本。15日にカールビンソンが到着し、パワーバランスが崩れたしばらくの間は、その落ち着きどころを探すのも難しいといえるのでしょうね。

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2017年04月11日

監査と景気ウォッチャー調査

東芝が決算を発表しましたが、監査法人は意見不表明、継続に疑義とまでしており、これは3度目の発表延期を避けたいがため、東芝側が踏み切ったにすぎず、東証としても上場廃止にむけた議論が必要となるでしょう。というより、もうとっくに上場廃止になっていておかしくないレベルであり、まだそうなっていない方が不思議です。一旦は上場廃止となっても、出直せるのなら再上場もできるでしょう。それこそ今は、ナゼ東証がここまで来ても意見表明をしないのか、原発企業に配慮する安倍政権への忖度か? といった陰口まで叩かれる始末、これは日本の株式市場の信用にもかかってきます。

内閣府が3月景気ウォッチャー調査を発表しました。現状判断DIは前月比-1.2ptと、今年に入ってから3ヶ月連続の減少です。しかも項目別ではサービス関連が横ばいで、それ以外は大幅減、特に住宅関連と飲食が弱い。先行き判断DIは前月比-2.5ptと、2月は小幅に上昇したものの、それを打ち消す大幅な下げとなりました。項目別では飲食と小売りが大きく悪化しており、ここは個人消費の肝であるだけに、相当に消費マインドが低下していることもうかがわせます。トランプラリーの一服と同時に、日本は景気なんて良くなりっこない、という諦めムードが漂っているような、そんな印象です。
地域別にみると、現状判断では北海道が小幅に上昇、先日のさくらリポートでも景気判断を「緩やかに拡大」に引き上げられた北陸、それに南関東が上昇。驚くのは沖縄で、5.1ptもの上昇をみせます。一方で、先行き判断では北関東だけ上昇するものの、後は大きく下がっている。つまり日本経済は先行き、シュリンクしていくと、景気に敏感な業態の人々が感じている、とこの景気ウォッチャー調査は示しています。

賃上げは低調、今日になり小麦の卸値も上昇が発表されたように、原材料価格が円安や世界的な気候変動などで上がり、生活必需品の値上がりがつづく。ここにきて、じゃがいもの不作でポテチの減産なども追い打ちですが、3月の調査には入らずとも、今後の調査にはこの辺りの動きも反映されてくる。下がっていた原油も、地政学リスクの高まりに上昇に転じており、ますます先行きが暗いことになってきそうです。
日本が苦しいのは、すでに日銀がマネタリーベースの縮小に転じていること。増やし過ぎたものが減ってきただけ、ともいえますが、方向性が大事である為替市場では円高に向かい易くなっている。これで円高になれば物価上昇は緩和に向かいますが、その効果がでてくるのは半年以上先、企業業績にはもっと早くに効いてきます。円高に耐性がついた、とも言われますが、程度次第であり、日銀の態度の変化を市場がまだ織りこみ不足である現状では、円高の動きもどこまですすむか不透明なのでしょう。さらに朝鮮半島情勢がどうなるか、によっては円安に向かい、かつ貿易も滞り、国内は物価高、外需にも頼れない、そんな苦境に陥ることも想定されます。

米政府監査院が、米軍基地の辺野古移設に関して滑走路が短すぎる、として移転に疑義を唱えました。普天間基地は1本で2700m、辺野古は1700mが2本、以前から言われていたことですが、当たり前のように不便になります。米軍が辺野古を唯一とは考えていないのは、こんなところにも原因があるのですが、監査院による指摘で改めて意識されるところなのでしょう。
日本にも米政府監査院のような、政府の意向を忖度しない、監査院を設置すべきなのかもしれません。それは日銀も同様に。東芝が監査法人を何年も騙し、破たん懸念を生じている今だからこそ、余計にそう感じるのかもしれません。もし監査法人が指摘するなら、私人である昭恵氏への公務員の派遣など、到底みとめられるものではありません。第三者の目でチェックをうけること、今ほど重要になってきているときはないのでしょう。景気は右肩下がりで、歳出と歳入のバランスも合わなくなってきている。そうなると補正を組む予算もなくなり、埋蔵金をつかっても賄い切れなくなってきています。国の場合、不正会計とは言いませんが、さらに財政悪化を招く可能性が、今は否めなくなっているのでしょう。第三者の監査も必要ですが、国民の鑑査も必要、ということでもあるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:07|PermalinkComments(7)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 政治

2017年04月10日

長島氏の民進党離党と、浜渦元東京副知事の会見

民進の長島議員が離党届をだしました。共産との選挙協力に納得できず、今の決断になったのは政権選択である、衆院選でも協力について協議しているからだ、とします。しかし明らかに都連幹事長を務める中、都議選で大惨敗を喫すれば党内の立場も悪くなる。共産との協力がすすめば、ますます居場所もなくなる。だから離党するのです。そもそも、長島氏に人望と力量があれば、これほど大量の都議の離脱を招いてはいないわけで、その時点で責任論に発展しかねないものです。また、離党した都議が小池新党に流れる中、ここで小池氏との連携を唱えれば、都議を率いて離脱した裏切り者という事実が確定してしまう。だから中途半端な「一人で離党、一人で活動」ということになりました。
興味深いのは「真の保守とは?」と訴えながら、寛容や中庸が大事だとします。安保法制のときには左の人の方が苛烈だったとも。しかしそれは保守の主張をするから、左派が批判する、という話にすぎません。しかも会見では、政治の劣化や国民の分断を主張しながら、それをまとめるのがナゼ保守なのか? という答えがない。寛容なら、どうして共産を排除するのか? 中庸なら、どうして左の意見との調整ができないのか? そもそも寛容が大事なら離党はしていないわけで、寛容できないから離党するのであって、どうも主張が首尾一貫しない。劣化しているのは、こんな未熟な理由で支持してくれた有権者を裏切る行為、そのものといえます。結局これは、すぐに小池新党に合流したいけれど、裏切り者の匂いを消してからにしたい、という自己都合をいかにごまかすのか? そんな事情に固執する、自分勝手さからくる政治家としての劣化…むしろ政治家らしさ、からくるといえるのでしょう。

そんな都議選に影響しそうな、浜渦元副知事に偽証罪を適用か? という報道について浜渦氏が反論の会見を行いました。疑問は、浜渦氏は東ガスとの交渉をまとめただけで、石原氏からお役御免を言い渡された、石原氏は短気で、怒られるからその指示に従った、とする点です。その後も都職員がくれば話はした、という。通常、もし本当に交渉だけで担当を外れたなら、職員が報告にくることはありません。話しても仕方ないですし、話すことで余計なトラブルを生じるからです。交渉の内容について、質問にくれば答えた…と述べますが、それは交渉がまとまっていないということ。交渉がまとまっていれば、文書にし、覚書にし、双方に齟齬がないようにするはずです。東ガスが売ってくれるよう話をまとめました、そこでお役御免になったなら、それこそ無責任です。
つまり本当は何も決まっていない時点でお役御免になったなら、こんなことを言った、言っていた、という話をしても仕方ない。それは相手の信義次第であって「そんなこと聞いてない、言ってない」と言われたら、それで終わりです。これは何も決まっていないのに担当を交代した、という話なら、後任がいることになりますし、後任について浜渦氏が語っていないのなら、恐らく引き継ぎもしていないのでしょう。それは後任がいない、担当を外れているとは言えない、そう自ら示したことになるのです。だから浜渦氏に相談し、指示を仰ぐということが起こっていたのでしょう。

長島氏にしろ、浜渦氏にしろ、自分を正当化するためにイイワケが過ぎて、逆にそこから矛盾も生じてくる。一つ一つに整合性がとれているようにみえても、全体をみると辻褄が合わなくなってくる。劣化しているのは、記者会見ですぐにこうした指摘をできない、メディアの側にもありそうです。最初に幹事社と相談して決めた質問、それを丁寧に、順番通りに行うことを優先し、臨機で質問を変えることができない、両者の会見ではそんな場面も目立ちました。
説明者も劣化、質問者も劣化、これが日本の現実かもしれない。そしてそんな人たちが政治の中枢に近い位置にいるのですから、この国がよくなるはずもない、となってしまうのでしょう。逆にいえば、そんな政治家を国の中枢にのさばらせる国民が劣化、といえるのかもしれません。産経などは蓮舫民進代表の足元で…と、長島氏より蓮舫氏の問題にすり替えようとしていますが、党の代表は通常、地元対策ができないものです。保守なのに中庸、そんなことを言っている政治家こそ、注意を要する、という意味の注要ということにもなりそうで、議論がねじ曲がり易い産経に、期待感をもって迎えられる政治家、という意味でもそうなるのでしょうね。

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2017年04月09日

シリア介入による経済への影響

米国によるシリア攻撃で、経済的な影響も懸念されます。3月雇用統計をうけ、6月の利上げ観測が後退。円安になっていますが、これまでのリスクオン相場であれば円高になっているはずです。中東での出来事なので、原油は小幅に上昇、金価格も若干上昇していますが、リスクオンとは言い難い動きです。北朝鮮問題がくすぶるとはいえ、日本の円が逆の動きを示したり、原油も金もほとんど動かないなど、世界のマネーの流れが少しずつ変わっている、そんな印象もうけます。
原因の一つは、ヘッジファンドから機関投資家などの大口顧客が、その手数料の高さに嫌気がさして撤退、資金流出がつづくことでアクティブ投資が減っていることもあるでしょう。もう一つは、あらゆる市場が今の経済環境に即してみると高すぎて、さらに上値を追いにくい点も挙げられます。そしてさらに、この動きがトランプ氏の就任早々に起こったことで、戦略を立てにくい面も影響するのでしょう。

原油上昇は、中東有事における供給懸念です。しかしすでに中東の原油生産は全体の3割ほど。すでに原油減産の影響を織りこんでいる市場にとって、産油国ではないシリアで有事があっても、それを供給懸念に結びつけにくい。それ以上に、世界の対立が先鋭化し、経済が減速することによる需要減がおきれば、供給と需要のバランスがとれてしまう、との見方もできます。コトはシリアの局所的な衝突にとどまらず、NATO対中露の構図になれば、世界経済すら動揺する事態になることでしょう。それでは投資環境そのものが悪化することになります。
円の場合はやや事情は複雑でしょう。これまでリスクオンで円高、の構図は米サブプライム危機や、欧州債務危機などでは日本への影響が少ない、ということからの動きです。しかし安倍政権では安保法制を改定し、かつ米国への協力を約束している。中東有事に巻き込まれる懸念もあり、かつこれが朝鮮有事に飛び火するなら、日本に資金を移すことにもリスクがある。なので米雇用統計で、FRBの引き締め懸念が後退すると円安に向かい易くなるのです。ただし、今は減ってきたとはいえ、まだ海外勢は円ショートのポジションが多いため、真にリスクオフになるとポジションの巻き戻しにより円高になり易い。今はまだ真のリスクではない、との判断が働いているからこそ、FRBの動きに釣られたとも言えるのでしょう。

しかも、中東有事の影響を日本は受けやすい。米国のように原油高になれば国内のシェール関連産業が潤う、という構図でもあれば別ですが、原油高は日本経済に直撃するので、尚のこと円は買いにくい。一方で、原油高騰で省エネ関連として日本車は買われ易くなるので、一見すると堅調に思えますが、米国の自動車バブルの弾け方をみると、当面は原油高がマイナスにしか働かない。それも円を売りやすくするのでしょう。つまりもうリスクオンで円高、という構図が通用しにくくなったのです。
ただ、未だに金価格が微妙な動きであるように、まだリスクオンとは言えない。しかしもうリスクオフと浮かれているわけにはいかない。より注意深く、より神経質ながら、平時は値動きが抑えられるといったことが起こりやすいともいえます。そしてイザ、有事がおきるとどんと大きく動きやすくなった。しかも今の市場が高すぎるので、下向きへの大きな動きが予想されます。政治の動き、国際的な情勢の変化、といった市場が予測しにくいもので大きな動きが出る。これはアルゴリズム取引のもっとも苦手とするところであり、そんなこともヘッジファンドから資金が流出する原因ともなっているのです。

つまり今は卵が先か、鶏が先か、それは分かりませんが、資金の流れが変わったことでリスクのとらえ方、資金の向かい方が変化し、またそうやってリスクのとらえ方が変わることで、資金の流れがさらに変わる、という変化の過程にあるともいえるのでしょう。その流れの変化を読むことで、ここから数年先の市場の動きも読み解ける、といえるのかもしれません。「卵を立てられるか?」そう問われても誰もできなかった。コロンブスだけが卵の先をつぶし、立てて見せた。これがコロンブスの卵の故事ですが、先だけではなく全部つぶれてしまえば、卵も立たなくなる。世界経済も同様に、先だけつぶれているうちは立っていられますが、すべて台無しになったら…。トランプ氏が軍靴を響かせるのなら、市場はこのつぶれる卵の方を意識しやすくなる、ともいえるのでしょうね。

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2017年04月08日

雑感。米中首脳会談

昨晩、米国で発表された3月雇用統計、非農業部門の雇用者数が前月比9.8万人増と、市場予想を大きく下回り、また1、2月も下方修正されるなど、かなり悪い数字でした。時間当たり賃金も前年同月比では2.7%増ですが、前月比では0.2%増と伸びが鈍化。失業率だけは4.5%と前月より0.2%下がり、これだけはよい数字でしたが、後は驚くぐらい悪かったというのが実感です。
トランプ氏の言う通り、製造業が集中すれば嫌でも賃金の伸びは低下しますが、小売りの雇用が減少したのは少し気になります。これまでの消費者信頼感の高さからも、小売りは堅調とみられていたからです。年末商戦分の反動? ならば3ヶ月の契約が切れただけ、ともいえますが、米国の雇用の動きからも、今後の個人消費が気になるところです。

米中首脳会談が開かれ、米国の対中貿易赤字を削減するために両国が100日計画を作成する、といいます。米中ともにやっている体を装わないといけない、それがこの100日計画なのでしょうが、大抵こうしたものは100日経っても何も決まらず、期間が延長されるうちに国際情勢が変化し、話がとん挫する、という経緯をたどります。こんな難しい話が100日程度で決まるはずもないのですから、恐らく両国とも本気で何かをする気もないのでしょう。なので北朝鮮問題にしろ、情勢の変化をどう迎えるか? それ次第で、その次の戦略を今からえがいていないといけない、となります。
そして恐らくこれは、日米の経済対話でも同様に何らかの対策を求められることになる。同じように100日計画を立てるなら、日本は困ったことになります。それは国際情勢が変化しようと、日米の関係に変化が生じることもないので、ケンカして席を立つこともできない。約束の履行ができないなら、即制裁ということになりかねないからです。今回、中国とも中身の話まではしていませんが、外交と安全保障、経済、法の執行とサイバーセキュリティ、社会と文化、の4項目の対話を求めるとします。しかしこれらは米国が望む項目ばかりといえ、トランプ氏は主張が通ってご満悦でもあるのでしょう。そして中国がこれだけ積極的に問題解決する、と約束したのだから日本も、との主張をトランプ氏がしてくることは容易に想定できる。これは日本にとってのプレッシャーにもなります。

しかも今回、夕食会の終了間際、トランプ氏から習近平氏にシリア攻撃を伝え、習氏も理解を示した、と伝わります。しかし逆からみれば習氏も事後報告に対して、それ以外の行動をとれなかった、といえます。ただ中国にとっては、ここからトランプ氏との外交が始まる。中国では昔から「不変をもって万変に応ず」ともいわれます。中国人は妥協することも多いですが、この言葉は辛抱強い一方、臨機に対応することも説明します。辛抱強く根回しし、最終的には中国の意思を通そうとしてくる。中国の怖さは、ゆっくりと時間をかけて相手を懐柔することであり、ここでトランプ氏の要求通り、中国にとっては都合の悪い4項目の話し合いに応じたのは、ここからトランプ氏の懐柔作戦が始まる、ということでもあるのでしょう。
今の米国経済が最良の状態ならば、ここからは落ちていく一方でしょう。そのとき、中国がどういう態度で米国と付き合おうとするのか。一方は短期の成果を、一方は長期で成果を、という意味で、互いの意思は一致したのでしょう。ただ今後、両国とも経済の失速が懸念される中ですから、そのときどういう関係を互いが求めるのか? それ次第では緊張が高まるでしょうし、むしろ新たな冷戦構造の始まりを告げるかもしれない。中国では「良馬は後ろの草を食わず」ともいわれます。馬は下がって後ろの草を食べることのないように、前だけ見てすすむ、という意味です。両国の思惑のすれ違い、先頭を走る両国の後ろに立っている日本は、馬に蹴られないよう注意しないといけないことだけは間違いないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:40|PermalinkComments(4)このエントリーをはてなブックマークに追加 アメリカ | アジア

2017年04月07日

米国によるシリア攻撃

米国によるシリアへの59発の巡航ミサイルによる攻撃、各方面に衝撃が走りました。米中首脳会談の最中、ということ以上に最大の問題は、これが国連の決定に基づくものではないこと。つまり米国は、米国独自の判断で軍事力の行使にも踏みこむ、と世界に明示した形になります。元々、合意形成の苦手なトランプ大統領にとって、単独での攻撃を選択する方がやりやすかった、という面はあるとしても、今後はいつ、どんなタイミングで何をしでかすのか? 予想がつきにくくなったことは間違いないのでしょう。

中国にとっては面子をつぶされたこと以上に、北朝鮮への圧力となった。口だけじゃないと示され、行動が求められる。ただ今回のように、シリアが化学兵器をつかった可能性、とあくまで攻撃の正当性を訴えることから、より北朝鮮を抑制的に行動させるよう、牽制するしか当面の戦略も描けないのかもしれません。そしてこれは貿易面の交渉もしにくくなる。もし仮に米国が北朝鮮を攻撃した場合、中国が北朝鮮支援に動けば、輸入停止などの措置をとられかねない。これは平時においても、北朝鮮への物資供給は人道目的のものは国連決議違反ではありませんが、それすら問題視されかねない。今回は顔見せ、ということですが、中国側から貿易の話をすること自体が厳しくなったのです。
それは逆に、メキシコにとっては追い風になる。中国との貿易を停止すれば、米国の生活用品が枯渇する恐れもありますが、それをメキシコなどで代用して調達しなければならないからです。国境の壁などつくり、メキシコとの関係を悪化させている場合でない。これはNATO各国も同様、米国は孤立化しないためにもNATOを味方につける必要があり、当面は厳しい要求をしにくいものの、これが踏み絵となる可能性もあり、当面の安寧を得られるかもしれませんが、米国がもし正当性なき戦闘に陥った場合は、批判しにくくなる恐れもあります。

困ったのは露国、シリア、そして北朝鮮。そもそも露国は国連加盟国でもあるシリアがテロ組織に攻撃されているからアサド政権の要請で介入した、との理屈です。今回は事前連絡という仁義は通してくれましたが、今後はわからない。いつ攻撃してくるか、それが米国の事情ということいなるからです。露国もシリアも、トランプ政権に期待していただけに、裏切られたとの思いが強い。今回は露軍も反撃はしませんでしたが、くり返されるなら露国も反撃しないといけなくなる。代理戦争どころか、シリアを舞台に衝突も辞さない行動を余儀なくされるかもしれないのです。
一番頭を抱えているのが日本。米露が決裂すれば、北方領土の解決どころか経済協力の案件さえ飛びかねない。今ならまだ傷も浅いですが、実際に事業が動いてからでは、露国にただですべて奪われ、日本は追い出されかねません。露国で事業をすることのリスク、それを如実に示されました。さらに困ったことに、今回の攻撃は事前に日本に伝えられていなかった、とみられる点です。確かにシリア問題に日本の位置づけは薄いですが、もし北朝鮮に米国から攻撃をするときでも、一体どれぐらい前に連絡があるのか? それともないのか? 疑心暗鬼も生じます。そしてもし仮に、今回の攻撃の正当性が失われた場合、日本がどういった反応をするのか? それ次第では、中東における日本の信用もがた落ちになる。非常に難しい立場におかれるのかもしれません。

トランプ氏は最近ビッグマウス、有言不実行を揶揄されることも多くあり、そんな批判を払しょくする思惑もあったのでしょう。しかしその結果、世界に蔓延したのはビッグダウトです。大きな不信、本当に何をしでかすか分からない、との不安をばらまいただけなのでしょう。フットワークの軽さは見せつけましたが、確証のないまま動く、そんな危険性も垣間見せた。もしトランプ氏が今後も軍事面で存在感を示そうとするなら、その無軌道なビッグマルス(軍神)ぶりに、世界はうんざりする機会も増えるのかもしれませんね。

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2017年04月06日

北朝鮮のミサイルと米中首脳会談

今村復興相が「自主避難者がもどるかどうかは自己責任」と述べ、記者会見を怒って切り上げた問題、国会でも陳謝していますが、その文言は「多大な迷惑をかけ、申し訳ない」というもの。迷惑をかけたことが問題なのではなく、発言の真意にどこか被害者の切り捨ての意図が含まれることが問題なのです。しかも今村氏を続投させれば、安倍政権全体が避難者に対してそういう目線なのか、との疑いを強くすることでしょう。

今日の日経平均は大幅下落ですが、一部で軍事関連銘柄が上げるなど、きな臭い動きも漂います。昨日は北朝鮮が核実験ではなく、ミサイル発射だったことで安心感から先回り買いをみせたところもありましたが、FRB議事録で早期の資産縮小について議論されていたことが判明し、米株が下落。それが直撃した面もありますが、今晩から始まる米中首脳会談の結果次第で、朝鮮半島や南シナ海の緊張が高まることにもなります。
市場で懸念され始めたのが、米国による先制核攻撃。ピンポイント爆撃のような生ぬるいものではなく、一瞬にして全土を焦土化すれば、反撃もないというわけです。ただそうなると中国、韓国、露国、それに日本などの汚染も懸念されますし、何より一般市民を犠牲にすることを容認した攻撃となる。ただすでに米国は広島、長崎に同じことをしており、一時的には国際社会の批判が高まっても、いずれ風化できると考えるのかもしれません。今のところ相場を動かすブラフ、といった面もありますが、今すぐにコトが起きなくても息の長く、時折思いだされては話題になる、そんなテーマかもしれません。

今回の北朝鮮のミサイル発射で、異例なのは米国です。当初発表した新型中距離ミサイルではなく、スカッドERに訂正したからです。もし本当に米軍が当初の想定を間違えたのなら、それはミサイル防衛など不可能であることを示します。相手がどんなミサイルを撃ったのか、それを正確に知ることで迎撃できるからです。米中首脳会談に配慮し、米軍がフェイクに修正したのなら、会談の狙いは融和、となります。
しかし融和や妥協を最初に想定することは、トランプ流の会談手法ではありません。スカッドであれば大した脅威ではありませんし、また失敗したのなら技術がまだ成熟していないことになる。さらに4月5日に、どうしてそんな意味のないミサイルを北朝鮮が撃ったのか? 奇怪と言わざるを得ないのでしょう。そうなると米軍が本当に間違えたのか? それとも別の狙いが何かあるのか?

それは米国が先制攻撃を仕掛けても、まだ北朝鮮には大した反撃能力がないから大丈夫、というための理由付けに用いられるのかもしれない。それが先の先制核攻撃、という話につながります。つまりこの訂正は、トランプ氏に決断を促すかもしれない。勿論、米中首脳会談の行方にも重なりますが、むしろ米国はいつでも攻撃できるんだぞ、というトランプ氏に自信をつける意味でも、効果があったのかもしれません。
今朝、安倍首相とトランプ氏の電話会談が行われ「日本を100%支える」との言質を得たと盛んに喧伝されますが、トランプ氏は支持者を前にすると大風呂敷を広げ、過大な約束をした挙句、収拾がつかなくなっているのが今です。安倍氏もトランプ氏の支持者とみなされており、これが過大な約束である可能性もある。決して額面通りにうけとり、そんな約束が実現される、などと考えていてはいけないのでしょう。そもそも「支える」とは、支援という意味であって、決して代わりに戦ってくれる、と約束しているわけではない。それこそ北朝鮮とは、日韓が戦え、そうしたら米国は100%後方支援してやるから、と言ってくるのかもしれません。ナゼなら、それが米国ファーストの戦略なのですから。もしかしたら、日本が戦っても大丈夫だよ、北朝鮮はスカッドミサイルを失敗するぐらいの技術力だから。そんな意味でも、今回の分析の見直しが有効に用いられたのなら、米国の見直しのタイミングは電話会談にむけて絶妙であり、安倍首相も望み通りの回答でご満悦だったとしても、後に騙されたと気づくことになるのかもしれませんね。

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2017年04月05日

自公のすきま風

週末に安倍首相がプレミアムフライデーを利用して別荘に行き、昭恵夫人との親密ぶりをアピールする、という場面がありました。しかし安倍氏が別荘に到着した際、昭恵氏がいなかったのに奇妙だと考えていたら、どうも後で合流し、2回の食事だけ一緒にとり、それをメディア向けのアピールとして利用したようです。満面の笑みの安倍氏と、下を向いて笑顔もない昭恵氏、という滑稽さばかり浮かび上がり、仮面夫婦という印象が一層強まったことでしょう。何でこんな見え透いたことをしたのか? 逆に、女性からみると妻を自分のモノのように扱い、利用した、と映るのに、です。
昭恵氏が選挙応援に行った際も、公務員が随行していたことも判明しました。連絡員だから問題ない、公務員の政治活動に当たらない、としますが、選挙応援に随行することが政治活動です。選挙応援という政治活動する人をサポートするのですから。政治家であれば秘書は公務員でない。少なくとも、もし昭恵氏に秘書が必要というのであれば、安倍氏が私設秘書を雇うべきなのであって、そこをケチって公務員で賄っているからおかしなことになるのです。これか国家による安倍家への優遇、寄付と認定してもよい問題であって、私人としたため余計にその疑いを強くした、といえるのでしょう。

最近、自公の間にすきま風が吹いている、と話題です。先週、公明の山口代表と食事をとり、その後で桜の下で共同会見をしました。「簡単には散らない。何度も風雪に耐えているから」と安倍氏は述べ、親密ぶりをアピールしましたが、どうも安倍氏は関係改善をはかろうとするとき、食事を共にする機会が多い。先の昭恵氏とのアピールでも、二度のデートはともに食事でした。森友学園の問題が起きてすぐ、メディアの政治部キャップを集めて食事会をした。英国ではランチタイムに大事なことが決まる、とも言われますが、安倍氏の食事会はどうも芳しい成果が得られていないようです。
しかもこの間隙に、維新との距離を縮めているようですが、共謀罪にしろ昨年のカジノ法にしろ、公明との調整も進まない内に通してしまうことで、公明の不満は爆発寸前。維新と近づきすぎれば、公明が次の総選挙で自主投票、などということになりかねません。なぜなら、公明が選挙で主力とする婦人部が嫌がる法案ばかりで、そこが付いてこないからです。組織が壊れるなら、自主投票でお茶をにごす。自民と維新が接近すれば、そうした可能性もますます高まる。自民を強くし過ぎた結果、公明の発言権が薄まっていくなら公明にとっては本末転倒なのです。

ここに来て、民進の支持率も上がりませんが、蓮舫氏の不人気というより、野田幹事長の手腕の無さ、が痛い。森友学園、加計学園の問題でも、もっと政権を追いこめるはずなのに躊躇する。まるで安倍氏のことを応援でもするように。しかも不思議なことに、メディアでも自民党議員でも、蓮舫氏の批判はしても、野田幹事長の批判はしない。自民党にとってはこれほど都合のいい野党の幹事長であれば、それはウェルカムですから批判しなくて当然ですが、メディアもこんなダメ幹事長を批判しないのには、かなり違和感もあります。恐らく一つは財務省悲願の消費税増税を、三党合意という形で決めてくれた功績。財務省の意向を忖度したメディアは野田氏を攻撃しにくいのでしょう。
そしてもう一つは、やはりどこかで野田氏が自民とつながっている可能性。それは直接でなくとも、政界ブレーンを自認するメディア幹部などを介して、自民の意向をうけとり、行動しているのではないか? との疑念です。前原元国交相が「何でも反対はいけない」と頓珍漢なことを言っていますが、むしろ自民のやることにすべて反対、というぐらいの迫力ある幹事長を当てれば、少なくとも反自民票のとりこみもできるでしょう。反自民票、それは女性票ということにもなりそうです。英国では『移植重ねりゃ木が枯れる』ということわざもある。桜も、実は結構枯れ易い木であり、それを日本人は丹念に手当し、毎年の花を咲かせてきたのです。安倍自民が怠る、そうしたメンテナンスで一体、誰が離れていくか。女性はよく花に喩えられますが、次の選挙で花も咲かない、といったことにもなるのかもしれませんね。


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2017年04月04日

駐韓大使の帰任

露国のサンクトペテルブルクでの地下鉄で、テロとみられる爆発事故が起こりました。政敵を暗殺し、他国の紛争に介入する。力をつかった治安維持に、安寧という言葉はない。力には力を、そんな構図が露国の治安を悪化させます。しかも今後、ふたたび原油安にもどるのではないか、とみられ、露国経済にとっての試練を迎えれば、より国内が不安定化することでしょう。シリアもウクライナも、国民にとって何の利があるのか、よく分からない。それなのに軍事介入をくり返し、軍事費用を捻出しているのですから。
シリアが空爆し、化学兵器が用いられたのでは? との疑惑も囁かれますが、これが報復的攻撃でなければよいのですが、抵抗する者は容赦なく抹殺する。そんな態度が蔓延する国では、治安の回復など望むべくもないのでしょう。目指すのが抑圧された社会で、政権に歯向かうものを徹底的に弾圧する、というのですから。そしてそれは日本でもそんな社会に近づきつつある。共謀罪は、まさにその道を拓くとさえいえます。

日本では慰安婦像の設置で帰国させていた、長峰駐韓大使をもどします。安倍政権は大統領選の情報収集、とその理由を語りますが、それぐらいなら職員でも可能なはず。大使をおくことの最も大きな効用は、国を代表する立場でもあり、地位の高い人物とも会談をセットできる点です。さっそく大統領代行と会談していますが、このタイミングで大統領代行に会わなければいけなかったのは、やはり北朝鮮の動きとみて間違いないのでしょう。
明日にでも核実験か? とも噂され、それは5、6日に開かれる米中首脳会談に合わせたものともなるでしょう。中国の習主席の顔に泥を塗る、などとも言われますが、金正恩体制になってから、どうも中国のメンツをつぶすことも平気でやってくる。中国は三代世襲に難色を示した、とも伝わるので、金正恩氏はこれを意趣返しぐらいにしか考えていないのかもしれません。つまりこれまでは米国との対話を求め、強硬な態度をとってきましたが、今後は米国と同時に中国とも、対話の機会を求めている。金正恩氏が中国に渡ったという情報がないように、米中との対話を、北朝鮮も渇望しているのかもしれません。

問題は米国で、トランプ氏はオバマ前大統領の『戦略的忍耐』は失敗だった、として中国も何もしないのなら、武力介入も辞さない態度を示します。今は交渉前に高圧的な要求、というチップを積み上げている状態ですが、これで中国が何もしなければ、トランプ氏は困ったことになる。ここまでチップを積み上げ、相手が勝負から下りてしまうと、聴衆(国民)が納得しない可能性が高い。そうなると、ふり上げた拳の下ろしどころもなくなり、本当に北朝鮮に攻撃してしまうのかもしれません。
そのため駐韓大使が、在韓日本人を避難させる必要も生じてくる。そしてそれは在韓米国人も同様に、まず日本に逃がすことともつながり、そうした調整のために駐韓大使が必要だった、との見方も成り立つのです。しかし、慰安婦像設置などというささいなことで帰国させた挙句、緊張が高まってやむなく戻す。安倍政権のちぐはぐぶりも目立ちます。

籠池氏の証人喚問もそうですが、駐韓大使の帰国も、安倍首相の鶴の一声で決まったのでしょう。最近、目立つのが脊髄反射で怒り、命令をだすものの結末はろくでもない、というケースです。今回もまさにその例に漏れないのでしょう。安倍氏の驕り、長期政権になってきて緩んだ気持ちと、自らへの反抗は赦さない、という狭量な態度から失敗を重ねている、とさえ言えます。露国のテロも、安倍氏は恐怖に感じるのでしょう。それはテロを許さない、というばかりでなく、自分の目指すべき理想像であるプーチン大統領が狙われる事態が、未来の自分と重なって見えてしまう、というところからくるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:36|PermalinkComments(17)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2017年04月03日

3月の日銀短観

3月日銀短観が出てきました。大企業製造業DIが現状で+2、先行きで-1、非製造業DIが現状で+2、先行きで-4、中小企業製造業DIが現状で+4、先行きで-5、中小企業非製造業DIが現状で+2、先行きで-5。面白いのはそろって今がピークで、先行きの悪化をみこむ点です。内訳をみると、製造業ではいわゆる設備投資関連の現状判断は高く、先行きも明るい。この辺りはほぼ計画的にすすむため、突発的事象がおこらなければ予定通りにすすむとみられます。一方で、自動車現状はいいものの、先行きは暗さを見こむ。すでに米国の市場悪化も伝えられることから、残りの受注を捌けていたこれまではまだしも、米国の反動減が怖い、といったところかもしれません。
非製造業になると、事態はかなり深刻です。現状は先行きに明るさを示すのは小売と通信ぐらい。これは新年度入りし、新入社員も増えることから新生活の消費、新規契約が増えるとの期待がそうさせるのでしょう。しかしそれ以外は今がピーク、先行きは落ちるとの見通しを示しており、これは内需の深刻さを如実に映すのでしょう。

在庫が減ったのは年度末で処分売りをしたのでしょうが、販売価格は現状が上昇している結果になるものの、先行きでは横ばいをみこむ。こうした点にも先行きの弱気ムードが感じられます。しかしそれとまったく逆の結果を示すのが、企業の売上げ高です。売上げ高は16年度の計画ベースで小幅に悪化しますが、17年度の見通しでは反動増を見こみます。しかも製造業は輸出の伸びは低いものの、国内向けの伸びを高くみこむ。6月までは悪化するけれど、下期には回復すると企業が考えているのだとしても、そう判断する材料は何もありません。希望的観測にすぎないかもしれません。
経常利益は16年度計画では製造業は2桁減、17年度も小幅減と、冴えない数字が並びます。しかし純利益は最近、かなり好調であり、株価もそれに応じて現状を正当化する意見もめだちます。16年度計画では製造業が2.6%増、非製造業は15.1%増となり、17年度も非製造業は3.0%増と、2期連続で伸びを示す。ただこれは、売上げ高も経常利益も伸びていないことでも分かる通り、固定費の減少によるものとみられ、要するに高齢層のリタイヤと若年労働層の増加によって、固定費が下がった影響とみられます。景況がそれほどよくないのに業績がいい、それが労働者層の交代期におきることなら、決して長続きするものでもないのでしょう。

設備投資は16年度が何とかプラスで終わりそうなものの、17年度の伸びが小幅で、毎年の修正幅をみても17年度はマイナスになるかもしれない。全体的にみると、17年度の企業の見方は慎重、ということがうかがい知れます。それはトランプ政権の誕生ばかりでなく、日銀の金融緩和の限界もみえてきて、何が起きるかわからないばかりか、何か起きたらネガティブな方向にバイアスがかかることが、予想以上にマインドを悪化させている、ということも言えるのです。
相場も新年度入りですが、米系ではあまり大口の取引のないところが、日経平均で仕掛けて一時19000円を回復するも、引けにかけて失速しました。今年はアルゴリズム取引の影響と、収益を確保したい金融機関の思惑とで、不意の変動が大きくなるかもしれません。それは上に限界もみえるため、アクティブ取引では値動きをだして稼ぐしかないためです。日銀短観にみる今年度の景況感、どうも芳しくない。そんなこともまた、外国人投資家にとって値動き、仕掛け、という動きを増やす要因ともなるのでしょう。

今年は安倍ノミクスどころか、クが落ちて安倍ノミスを意識することが多くなることも、外国人投資家が手控える要因たりえます。解散も囁かれますが、ツキも落ちた安倍氏が、ミスを連発する。クが落ちるというより、苦行が増えるという意味では、株式も下落して安倍ノミクスが終焉し、安倍ノ苦シミとするような1年になるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:27|PermalinkComments(33)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

2017年04月02日

雑感。恐怖と安倍氏と教育勅語

厚労省が保育所の運営指針として、国旗・国家に親しむ、と規定しました。文科省が先に幼稚園の運営指針に盛りこんでいたこととの整合をとった形です。しかし有識者委員会で意見をとりまとめた、とするものの議員からは「議論が一切ない」とします。これに厚労省は「幼稚園側と整合をとることは委員会で認識が共有」というロジックで整合化する。こうした手法は厚労省が手を汚すことなく、委員会に責任を押し付けて政策を通すために用いられます。
また安倍政権は教育勅語に関し、「わが国の教育の唯一の根本となるような指導を行うことは不適切」とする一方、「憲法や教育基本法に反しないような形で教材として用いることまでは否定できない」とする、答弁書を閣議決定しました。噛み砕けば、「唯一の根本にしなければ教育勅語を教えていい」となります。安倍政権の正体見たり、といったことにもなるのでしょう。国のために命を捧げよ、という教育を否定しない。森友学園の根っこにもあるこの問題が、ふたたび浮上するかもしれません。

安倍氏の支持層に関して、ある興味深い考察はやたらと中国の脅威を訴える、というものがあります。今にも核戦争が始まる、中国が攻めてくる、北朝鮮からミサイルが飛んでくる、現時点では確率的にかなり低いはずのこれらが、よほど気になるようです。しかし考えてみれば、なぜそこまで安倍氏を支持するのか? どんなに愚かなことをしても、嘘をついても、その支持が継続する。それがナゼかを考えたとき、中国や北朝鮮による攻撃、という恐怖を刷りこまれ、そこからの救世主としての安倍像があるのでは? と考えられるのです。
90年代に新興宗教が盛んになったのは、終末思想やノストラダムスの予言に代表されるように、世界が終わってしまうかも、という恐怖です。第一次新興宗教ブームは幕末維新期、第二次新興宗教ブームは戦後、そして第三次が90年代に相当しますが、人は幸福への道より、恐怖からの脱却を求めて宗教をすることが、これらの社会的な混乱期に起きることでもはっきりします。幸福を求めるなら、経済の低迷などでも宗教を求められそうですが、そうならないからです。価値観の揺らぎ、何が起こるか分からない不安、そうしたものが再び起きたのが、中国を初めとする新興国の勃興と脅威の拡大。そんなとき、まさに安倍氏を盲目的に信仰する形が生まれ、その姿は中国や北朝鮮の脅威という恐怖、そこからの脱却を安倍氏に求めることで起きた、ともいえるのでしょう。

内村鑑三が「宗教とは、人生に対するその人自身の解釈」と述べました。少し言葉を足すと、宗教は人生そのものを変え、生き方にすら影響する。教育勅語に当てはめるなら、日本のためには身を捧げられなくても、安倍氏のためには捧げられる、という矛盾すら生じそうです。本来は恐怖からの脱却を求めるものが、いつの間にかそうした献身にすり替わる。どの宗教でも、そうやって信仰心を試すものですから。
問題は、幼少期から国旗、国家に親しもうと、教育勅語を唱えさせようと、愛国心が育つわけではない、ということです。むしろ思春期を過ぎればそんな価値観に反発し、反骨心をもった若者ばかり、ともなるでしょう。親の価値観とも異なり、そのズレが子供にはストレスとなるのですから。ストレスはやがて爆発し、親への反目となるか、国家への敵愾心が育つか。いずれにしろ、教育勅語とは真逆の結果にしかならなそうです。

だからこそ安倍政権にしろ、常に敵性国家をつくり、国民に恐怖を植え付けるしかないのかもしれません。ただ、これまで媚びてきた米国の方が、日本にとっての敵として強大で厄介な相手になりつつある。これは想定外だったのでしょう。以前も指摘したノストラダムスの予言、10番72節の恐怖の大王の詩、2017年のアナグラムだとしたら、恐怖の大王はトランプ氏、ということにもなりかねません。恐怖する対象が増えてしまった安倍氏、そしてその支持者、その価値観の揺らぎが今後、直撃するかもしれません。そもそも教育勅語という言葉、天皇の国民に対する言葉、という意味であり、現在でそれをそのまま用いることには大いに違和感もあるところです。今それを採用したとて、教育ちょっかい、というぐらいの価値しかないのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:31|PermalinkComments(51)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 宗教

2017年04月01日

米貿易赤字の原因究明の動き

今日はエイプリルフールですが、ウソと言いたくなるような悪い話が米国から聞こえてきました。米通商代表部(USTR)が17版貿易障壁報告書を発表し、それに合わせるようトランプ米大統領が貿易赤字の原因究明のための調査に関する2つの大統領令に、署名しました。中、日、独、メキシコなど、米貿易黒字を抱える国々にとって、貿易に障壁があると認定され、それが貿易黒字を促しているとなれば、その解消を約束しない限り制裁がかけられることも想定されます。90日以内に報告が求められるので、6月末までには結果が出るのでしょう。そしてそれは4月から開始される日米経済対話にも反映されるはずです。
先に米独首脳会談で、握手を求められたのにトランプ氏が応じなかったことが話題ですが、そのときトランプ氏はNATOの分担金として、メルケル独首相に3000億$の請求書を渡した、と報じられます。事実かどうかは不明ですが、もしこれが本当なら日本にも同じ請求書をだしてくるでしょう。ナゼなら安倍政権自ら、日本は米国に守ってもらうと明言していますし、駐留経費まで負担している。日本は独力で自国防衛できるのに、嫌々米軍が常駐している、という形ではないのですから。米軍がそれだけでは不足、と言い出したら米軍撤収か、経費の増額の二択を迫られることになります。そこに2国間の貿易協定である経済対話が重なるので、日本が苦しい交渉を迫られることが確実です。

トランプ政権では6、7日に米中首脳会談を行いますし、日米経済対話も控え、絶妙なタイミングで大統領令に署名した、といえます。逆にいえばオバマケア改廃案の撤回、入国制限の形骸化など、事実上の失地を回復する唯一の策が、不均衡貿易と訴えるこれらの分野ですから、尚のこと力が入ります。しかし経営者、と言われるトランプ氏は比較優位という経済の常識ですら知らないのですから、トレードオフや機会費用さえ知らないかもしれない。米国第一主義が、話し合うことではなく要求すること、だった場合は特に注意が必要となるのでしょう。
そして安倍政権では、これまでも米国の核の傘、や米軍に守ってもらう、という態度をとってきたため、米軍の撤収や日本の防衛への言及がなくなることさえ、インパクトが大き過ぎて、そうした事態を避けたいとの意思が働く。つまり安倍政権では貿易交渉をしたとて、トレードオフにできる条件がない、交渉できる材料がないのです。安倍政権では機会費用が大きくならざるを得ない、ということになります。それはこれまでの安倍政権がとってきた態度とのトレードオフ、となるのでしょう。

黒田日銀もマネタリーベースが縮小し始めるなど、事実上の引き締めに転じる中、トランプ政権による貿易障壁の認定は、安倍ノミクスのトドメになる可能性が高いものです。昨日発表された2月の家計調査は衝撃です。消費支出が実質で、前年同月比3.8%減。昨年が上昇だったので、反動が大きかったとの見方もできますが、昨年の3月から始まったこの下落傾向が、これで1年つづいたことになるからです。
一方で、勤労者世帯の収入が実質で前年同月比0.7%上昇です。ただ注意すべきは、配偶者の収入が4.4%減である点です。原因を推測すれば、恐らく世帯主の収入が1.1%増と高いことからみても、世帯主の交代が起きているのではないか? つまりこれまで夫が世帯主とされてきましたが、高齢でリタイアしたりすることで、妻が世帯主となるケースです。日本では夫より妻が若いケースも多く、まだ働いていることが多い。世帯主を交代し、扶養関係を替えることで妻の収入を高くする。そうだとすると、世帯主の収入が上がり、配偶者の収入が減ったことの説明がつくのかもしれません。

しかし消費支出の減少は、明らかに将来不安が直撃している。被服や教養娯楽など、余裕のあるときの出費が軒並み5%以上減ったのですから。安倍ノミクスが失敗し、トランポノミクスにより、日本経済が失速する。年度末の株価も19000円を支え切れず、先行き不安も漂います。ウソ! と言いたくなるような日本経済の惨状を、今年は目の当たりにするのかもしれません。Aprolfool、4月バカとされますが、4月にバカをみるのは一体誰なのか? 森友学園の問題とともに、経済の逆風が吹き荒れるのなら、ウソにしたくなるのは安倍政権なのかもしれませんね。

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