2017年05月
2017年05月31日
雑感。安倍政権の慢心
待機児童ゼロを3年間先送り、が首相から表明されました。女性の雇用がすすんだことを理由としますが、一方ではそれを雇用増の成果、としていたはずで、両輪並び立たずにやっと気づいたのか? しかしその前に、これまでほとんど何の対策も打っていないのであって、自然減を夢想していたのだとしたら、よほど都合いい期待です。
しかも講演では、意欲的な自治体を支援するための予算22万人分を2年確保、さらに次の2年は10万人分を追加し、32万人の確保をめざす、とします。すでに論理が破綻しているのは、20年度に待機児童がゼロにする、と述べているので、残り2年にどうして追加? 10万人が新規に待機児童が増える、という計算なのか? だったらゼロにはならないのでは? と疑問もわきます。確かに保育が充実すれば、自分も預けて働きたい、という人がいるのも自然でしょう。だとすれば目標設定がおかしい。その可笑しさに気づいたのに、今回の見直しでその旗は降ろさない、というのは単にダメージコントロールにしか見えず、また3年後に「できませんでした」といって先送りするつもりなのでしょう。それは2%物価目標もそうであるように…です。
今日も国連の特別報告者の話題が出ています。人権理事会に報告した特別報告者ケナタッチ氏を「個人の資格で活動」といいますが、そもそも「個人の資格」とは何か? 人権理事会から任命をうけた専門家であることに、何の疑いもありません。「個人の有する資格」なら弁護士や外交官といった経験、実績ですが、「個人の資格」の意味が分かりません。恐らく政府も正しく説明できる人はいないでしょう。個人で活動しているかのような印象操作をしてくて、そんな言葉をつかったら意味不明になった、ということでしょう。
一方で、北朝鮮の人権状況を調べた特別報告者を叙勲受章者に選んでいる。内容によって対応を変えている、と政府も反論しますが、ならば内容について一つ一つどの部分に誤解があるか、をきちんと示さなければいけません。どちらも報告書は公開されており、何を評価して何について反論があるか、示すことができるからです。
前川前文科事務次官が、和泉首相補佐官から「総理は自分の口から言えないから、私から言う」として、加計学園の獣医学部新設に対して、圧力をかけられたと発言しています。これが事実なら、前川氏は担当の専門教育課による「総理のご意向」文書と、和泉氏から二つ同時に圧力をかけられていたことになる。むしろ文科省の動きが鈍いから、複数の圧力ルートがあったとすれば、それは内閣府がチームを組んで圧力をかけていた、となるのでしょう。
しかも、待機児童ゼロは今回も先送りするのに、加計学園は新設を焦った、というのが安倍氏の本質をよく表す、といえるのでしょう。新たな待機児童ゼロの施策は「子育て安心プラン」だそうですが、財源の措置も決まっておらず、3年後といえば安倍氏が改憲の一つとして言及した、高等教育無償化も待っている。これまでも、新たな施策を始めるときは国債に頼ってきた安倍政権、そうやって子供たちが育った後で、国債増発によるツケが巡ってくる、ということにもなりかねない。自分に協力する者は叙勲し、批判する者は徹底的に糾弾する、そんな国では安心して子供を育てられないのであり、目立ってきた安倍政権の増長ぶりからすると、「言葉だけ慢心プラン」というのが、新たな施策に組みこまれることでしょうね。
しかも講演では、意欲的な自治体を支援するための予算22万人分を2年確保、さらに次の2年は10万人分を追加し、32万人の確保をめざす、とします。すでに論理が破綻しているのは、20年度に待機児童がゼロにする、と述べているので、残り2年にどうして追加? 10万人が新規に待機児童が増える、という計算なのか? だったらゼロにはならないのでは? と疑問もわきます。確かに保育が充実すれば、自分も預けて働きたい、という人がいるのも自然でしょう。だとすれば目標設定がおかしい。その可笑しさに気づいたのに、今回の見直しでその旗は降ろさない、というのは単にダメージコントロールにしか見えず、また3年後に「できませんでした」といって先送りするつもりなのでしょう。それは2%物価目標もそうであるように…です。
今日も国連の特別報告者の話題が出ています。人権理事会に報告した特別報告者ケナタッチ氏を「個人の資格で活動」といいますが、そもそも「個人の資格」とは何か? 人権理事会から任命をうけた専門家であることに、何の疑いもありません。「個人の有する資格」なら弁護士や外交官といった経験、実績ですが、「個人の資格」の意味が分かりません。恐らく政府も正しく説明できる人はいないでしょう。個人で活動しているかのような印象操作をしてくて、そんな言葉をつかったら意味不明になった、ということでしょう。
一方で、北朝鮮の人権状況を調べた特別報告者を叙勲受章者に選んでいる。内容によって対応を変えている、と政府も反論しますが、ならば内容について一つ一つどの部分に誤解があるか、をきちんと示さなければいけません。どちらも報告書は公開されており、何を評価して何について反論があるか、示すことができるからです。
前川前文科事務次官が、和泉首相補佐官から「総理は自分の口から言えないから、私から言う」として、加計学園の獣医学部新設に対して、圧力をかけられたと発言しています。これが事実なら、前川氏は担当の専門教育課による「総理のご意向」文書と、和泉氏から二つ同時に圧力をかけられていたことになる。むしろ文科省の動きが鈍いから、複数の圧力ルートがあったとすれば、それは内閣府がチームを組んで圧力をかけていた、となるのでしょう。
しかも、待機児童ゼロは今回も先送りするのに、加計学園は新設を焦った、というのが安倍氏の本質をよく表す、といえるのでしょう。新たな待機児童ゼロの施策は「子育て安心プラン」だそうですが、財源の措置も決まっておらず、3年後といえば安倍氏が改憲の一つとして言及した、高等教育無償化も待っている。これまでも、新たな施策を始めるときは国債に頼ってきた安倍政権、そうやって子供たちが育った後で、国債増発によるツケが巡ってくる、ということにもなりかねない。自分に協力する者は叙勲し、批判する者は徹底的に糾弾する、そんな国では安心して子供を育てられないのであり、目立ってきた安倍政権の増長ぶりからすると、「言葉だけ慢心プラン」というのが、新たな施策に組みこまれることでしょうね。
2017年05月30日
安倍首相と国連事務総長の会談
4月の一般職業紹介状況が発表され、有効求人倍率がバブル期越えの1.48倍、などと報じられます。しかし若年層が拡大していたバブル期と、若年層が減少する現在と、数字の意味はまったく異なります。前年同月比で、有効求職者が4.6%減、有効求人数が6.0%増、就職件数が4.5%減。職を求める人が減り、ミスマッチがあって就職できないから、求人が上がっているという構図です。しかし新規求人状況をみると、前年同月からはどの業種もほとんど減少しており、職が決まらないだけで、企業の求人意欲の低下もうかがえる内容です。
4月の労働力調査も、3月までは正規の伸びが続きましたが、4月は正規の伸びが鈍化し、非正規が高く伸びた。トランプラリーが収束し、企業マインドにもピークアウト感がみられることが、雇用面にも強く表れたのでしょう。そして4月の家計調査は、深刻度が桁違いです。実収入が名目1.7%減、実質2.2%減。消費支出も名目0.9%減、実質1.4%減。新年度入りして賃上げ、ではなく賃下げされた? だから消費も伸びないのでは、そう推測されるものであり、求人が増えても賃金に反映される見込みは、統計からはうかがえない。それなのにメディアが賃上げを煽る構図は、危険しか感じられないものです。
国連の特別報告者による書簡について、政府答弁書は「国連またはその機関である人権理事会の見解を述べたものではなく、内容には誤解に基づくと考えられる点が多い」です。前段は当たり前で、この報告者による報告により、人権理事会が追加の調査をしたり、判断するのですから、現時点で「見解」であるはずがありません。後段は、「内容には」と「に」を入れることにより内容そのものを否定せず、また『多い』とつけることで特定の部位を否定するのを避ける、といった工夫をしています。つまり特別報告者に送った書簡を「反論になっていない」とまで批判されたため、以外に手ごわいとみて、批判一辺倒になるとさらに事態を悪化させかねず、安倍世間も腰が引けているのが現状なのでしょう。
そう判断したもう一つの理由、それは国連による安倍首相-グテーレス国連事務総長との会談による国連のプレスリリース(PR)が、日本の発表と大きな差異があることでしょう。菅官房長官は「特別報告者は独立した個人の資格で調査、報告を行う立場」と、あたかも国連とは無関係のようなことを述べましたが、国連PRによると「人権理事会に直接報告する独立した専門家」とします。つまりどこにも「個人の」など出てきません。しかしこれは当たり前で、個人の資格で国連に報告をだすのが是、とされるなら誰でも国連に『報告』できることになってしまいます。国連PRの言う通り、国連から要請された権限において、報告は為されたということです。
日韓合意はさらに差がある。日本の発表はグテーレス氏が「日韓合意を支持」とします。しかし国連PRには「事務総長は特定の合意内容には言及しなかったが、この問題に対する解決の内容や性質は、2国間で決めるもの」とします。合意を支持、どころか見直しもアリとしているのです。しかしこれも当然で、二国間の合意に対して、事務総長が口をだす権利もなければ、それが何か力をもつものではない。特にこの日韓慰安婦合意は、文書化された決まり事があるわけではなく、条約ですらないのです。国連がそれに対して、あれはいい、これはダメ、などと言う立場でも、必要性もありません。
つまり安倍-グテーレス会談を利用し、国際社会からお墨付きを得ている、と喧伝しようとしたものが、国連PRによって嘘がバレた、というのが顛末なのでしょう。しかし一部メディアは、未だに政府発表は報じても国連PRの内容については報じない。それが指示なのか、忖度かはわかりませんが、10分間とされる会談が、政府の発表通りの内容なら国連はほぼ特別報告者という無法者による勝手な行動、として日本への謝罪に近いものです。その場合、10分間の立ち話、というのも違和感があります。一方で国連PR通りなら、それは確認と事情説明だけで、立ち話ですむ程度の内容だった、となります。
日本は人権理事国に立候補し、当選しています。その中で自発的誓約として「今後もしっかりと協力」を約束している。今回、国連まで巻きこんで自己正当化に利用しようとした結果、逆に安倍政権の詐欺的手法を国際的に、広く喧伝する結果となったのでしょう。経済もそうですが、詐術的な行為で一時しのぎをしようとして、失敗する。日本をとことん貶める政権、ということだけが今回の結果として残ったのでしょうね。
4月の労働力調査も、3月までは正規の伸びが続きましたが、4月は正規の伸びが鈍化し、非正規が高く伸びた。トランプラリーが収束し、企業マインドにもピークアウト感がみられることが、雇用面にも強く表れたのでしょう。そして4月の家計調査は、深刻度が桁違いです。実収入が名目1.7%減、実質2.2%減。消費支出も名目0.9%減、実質1.4%減。新年度入りして賃上げ、ではなく賃下げされた? だから消費も伸びないのでは、そう推測されるものであり、求人が増えても賃金に反映される見込みは、統計からはうかがえない。それなのにメディアが賃上げを煽る構図は、危険しか感じられないものです。
国連の特別報告者による書簡について、政府答弁書は「国連またはその機関である人権理事会の見解を述べたものではなく、内容には誤解に基づくと考えられる点が多い」です。前段は当たり前で、この報告者による報告により、人権理事会が追加の調査をしたり、判断するのですから、現時点で「見解」であるはずがありません。後段は、「内容には」と「に」を入れることにより内容そのものを否定せず、また『多い』とつけることで特定の部位を否定するのを避ける、といった工夫をしています。つまり特別報告者に送った書簡を「反論になっていない」とまで批判されたため、以外に手ごわいとみて、批判一辺倒になるとさらに事態を悪化させかねず、安倍世間も腰が引けているのが現状なのでしょう。
そう判断したもう一つの理由、それは国連による安倍首相-グテーレス国連事務総長との会談による国連のプレスリリース(PR)が、日本の発表と大きな差異があることでしょう。菅官房長官は「特別報告者は独立した個人の資格で調査、報告を行う立場」と、あたかも国連とは無関係のようなことを述べましたが、国連PRによると「人権理事会に直接報告する独立した専門家」とします。つまりどこにも「個人の」など出てきません。しかしこれは当たり前で、個人の資格で国連に報告をだすのが是、とされるなら誰でも国連に『報告』できることになってしまいます。国連PRの言う通り、国連から要請された権限において、報告は為されたということです。
日韓合意はさらに差がある。日本の発表はグテーレス氏が「日韓合意を支持」とします。しかし国連PRには「事務総長は特定の合意内容には言及しなかったが、この問題に対する解決の内容や性質は、2国間で決めるもの」とします。合意を支持、どころか見直しもアリとしているのです。しかしこれも当然で、二国間の合意に対して、事務総長が口をだす権利もなければ、それが何か力をもつものではない。特にこの日韓慰安婦合意は、文書化された決まり事があるわけではなく、条約ですらないのです。国連がそれに対して、あれはいい、これはダメ、などと言う立場でも、必要性もありません。
つまり安倍-グテーレス会談を利用し、国際社会からお墨付きを得ている、と喧伝しようとしたものが、国連PRによって嘘がバレた、というのが顛末なのでしょう。しかし一部メディアは、未だに政府発表は報じても国連PRの内容については報じない。それが指示なのか、忖度かはわかりませんが、10分間とされる会談が、政府の発表通りの内容なら国連はほぼ特別報告者という無法者による勝手な行動、として日本への謝罪に近いものです。その場合、10分間の立ち話、というのも違和感があります。一方で国連PR通りなら、それは確認と事情説明だけで、立ち話ですむ程度の内容だった、となります。
日本は人権理事国に立候補し、当選しています。その中で自発的誓約として「今後もしっかりと協力」を約束している。今回、国連まで巻きこんで自己正当化に利用しようとした結果、逆に安倍政権の詐欺的手法を国際的に、広く喧伝する結果となったのでしょう。経済もそうですが、詐術的な行為で一時しのぎをしようとして、失敗する。日本をとことん貶める政権、ということだけが今回の結果として残ったのでしょうね。
2017年05月29日
日銀の昨年度決算
東芝の半導体事業の売却が、経産省による日の丸事業体による経営計画がとん挫、またウェスタンデジタル(WD)による経営権の確保も、独禁法に抵触する恐れがあって見直しとなり、米投資ファンドが産業革新機構などが少しずつ出資し、そこにWDも参加する形になりそうとの報道があります。WDは後で他の出資者から株式を買い取り、一社経営をめざすとしますが、問題は数千億円の出資をくり返す半導体事業では、経営に未経験のところではすぐに事業も行き詰まる恐れがあり、経産省がそれを理解していない点です。
経産省は金融機関や企業を回り、出資者を募ったとしますが、手を挙げた企業はいない。どこでもよくわからない事業へ手をださないのが上策であり、日の丸を掲げようと、投資と収益のバランスの難しい半導体事業には、どうしても二の足を踏むのです。むしろ経産省の動きは、技術流出させない、とのお題目だけで弊害でしかない、ということです。
日銀が16年度決算を発表しました。国債保有は417.7兆円と、前年度より約68.5兆円増です。しかし運用利回りが0.301%に低下、利息収入は減少しており、一般の金融機関であれば運用の失敗が意識されます。実際、額面を上回る価格で購入した国債を利息調整すると、-1.3兆円となり、これが国債利息収入を押し下げました。
保有国債の含み益は9.6兆円でしたが、前年度末15.2兆円の半分近くになっており、これは深刻です。マイナス金利導入と、金利下落局面を追及していましたが、もう深彫りは難しくなっており、今後は金利上昇局面、つまり国債価額は下落に転じることになります。含み益から含み損になるのは、そう遠くないうちに起きるでしょう。
上場投資信託(ETF)は、時価が15.9兆円となり、含み益が2.8兆円と倍増。ただし株価は日経平均で2000円程度、TOPIXでも170ptほど上昇しており、運用としては10%以上は確保していないと失敗です。ぎりぎり及第点といったところですが、ETFも売るに売れない資産であり、株価が下落すると含み損になる。特に、日銀のETF買いによって支えられている部分も株価には大きいので、止めた途端に含み損、止めなくてもいつかは含み損が意識されるものです。
経常利益は1.1兆円と、前年より0.3兆円増えましたが、資産をこれだけ増やしていることも考えると、物足りないどころか失敗といえるのでしょう。ここから引当金を4600億円積み、4800億円を国庫に返納し、残りを配当と法定準備金の積み増しに充てる。自己資本比率は8.07%と、前年度より微増になっています。
重要な点は、すでに国債、株価、不動産にもピークアウトがみられることです。そして今後、想定されるのはあらゆる市場が同時に下落する、同時安です。つまりそれは、ゼロサムゲームではなくなる、ということ。資産をもつすべての投資家が、損失を被る形になりそうだ、ということなのです。それは日銀も免れない問題となってくるでしょう。緩和は誰でもできる、しかし引き締めは誰がやっても難しい。日銀がいよいよ、その局面に入ってくる、ということでもあります。そしてもし、日銀が引き締めに失敗するようなことにでもなれば、強烈な円安によって日本企業の叩き売りもはじまることでしょう。東芝の技術流出を心配する前に、日銀のつかう奇術の種がバレたとき、これほど短期間に資産を増やせる、その秘密が流出したときは、真の危機となるのでしょうね。
経産省は金融機関や企業を回り、出資者を募ったとしますが、手を挙げた企業はいない。どこでもよくわからない事業へ手をださないのが上策であり、日の丸を掲げようと、投資と収益のバランスの難しい半導体事業には、どうしても二の足を踏むのです。むしろ経産省の動きは、技術流出させない、とのお題目だけで弊害でしかない、ということです。
日銀が16年度決算を発表しました。国債保有は417.7兆円と、前年度より約68.5兆円増です。しかし運用利回りが0.301%に低下、利息収入は減少しており、一般の金融機関であれば運用の失敗が意識されます。実際、額面を上回る価格で購入した国債を利息調整すると、-1.3兆円となり、これが国債利息収入を押し下げました。
保有国債の含み益は9.6兆円でしたが、前年度末15.2兆円の半分近くになっており、これは深刻です。マイナス金利導入と、金利下落局面を追及していましたが、もう深彫りは難しくなっており、今後は金利上昇局面、つまり国債価額は下落に転じることになります。含み益から含み損になるのは、そう遠くないうちに起きるでしょう。
上場投資信託(ETF)は、時価が15.9兆円となり、含み益が2.8兆円と倍増。ただし株価は日経平均で2000円程度、TOPIXでも170ptほど上昇しており、運用としては10%以上は確保していないと失敗です。ぎりぎり及第点といったところですが、ETFも売るに売れない資産であり、株価が下落すると含み損になる。特に、日銀のETF買いによって支えられている部分も株価には大きいので、止めた途端に含み損、止めなくてもいつかは含み損が意識されるものです。
経常利益は1.1兆円と、前年より0.3兆円増えましたが、資産をこれだけ増やしていることも考えると、物足りないどころか失敗といえるのでしょう。ここから引当金を4600億円積み、4800億円を国庫に返納し、残りを配当と法定準備金の積み増しに充てる。自己資本比率は8.07%と、前年度より微増になっています。
重要な点は、すでに国債、株価、不動産にもピークアウトがみられることです。そして今後、想定されるのはあらゆる市場が同時に下落する、同時安です。つまりそれは、ゼロサムゲームではなくなる、ということ。資産をもつすべての投資家が、損失を被る形になりそうだ、ということなのです。それは日銀も免れない問題となってくるでしょう。緩和は誰でもできる、しかし引き締めは誰がやっても難しい。日銀がいよいよ、その局面に入ってくる、ということでもあります。そしてもし、日銀が引き締めに失敗するようなことにでもなれば、強烈な円安によって日本企業の叩き売りもはじまることでしょう。東芝の技術流出を心配する前に、日銀のつかう奇術の種がバレたとき、これほど短期間に資産を増やせる、その秘密が流出したときは、真の危機となるのでしょうね。
2017年05月28日
雑感。トップの判断
南スーダンPKO部隊の、最後の40人が帰国しました。無事で何よりですが、命の危機、紙一重だったことも報じられます。隣に駐屯しているバングラデシュの軍と、南スーダン政府軍が交戦。自衛隊の駐屯地には銃弾も撃ち込まれていた、と。ロケット砲でも撃たれていたら、間違いなく死傷者がでていたでしょう。武器ももたず、また使ってはいけない、とされる自衛隊にできることは多くない。政治の決断の遅さが、甚大な被害につながる恐れを、今回まざまざと意識させられたのでしょう。
安倍首相がG7から帰国しました。北朝鮮問題で主導、との話もありますが、実際には米欧との間で右往左往したに過ぎません。しかも今回「対話より圧力」としますが、いきなり圧力によって北朝鮮の体制が崩壊しない限り、圧力の先には対話があるはずです。しかし圧力による対話なら、それは北朝鮮が敗者的屈辱によるものとなるはずで、そんなことが可能なのか? そもそも北朝鮮は対話を否定しておらず、非公式での米北会談に応じたように、圧力をかけるまでもありません。
圧力が条件闘争だとしたら、それは「対話より圧力」ではなく「対話のための圧力」であるべきです。圧力をかけた先に何が起こるか? そこに北朝鮮の暴走の可能性を、どの程度まで織り込まなければいけないのか? そして安倍氏が煽る北朝鮮の危機も、そこに織り込まざるを得ないのだとすれば、北朝鮮の暴走が危機というより、日米が圧力のかけ方の度合いを間違えたとき、が危機を招くといえるのでしょう。
ここで最近のコメントで気になる話を取り上げます。まず文科省と獣医師会がオトモダチとの指摘。そんなことを言ったら、経産省は企業とオトモダチ、農水省は農林水産業者とオトモダチだから、関与してはダメとなるでしょう。業務上の付き合いと、別荘に行って一緒にお酒を飲んだり、ゴルフをしたりする関係と混同したもので、通常の業務の範囲で話を聞くこともあれば、協議することもある、という程度のことです。
次に、前川前文科事務次官が天下りにかかわっていた、とするもの。今回の天下りは文科OBと、文科内の人事課で事足りるような話です。一方で、官僚の間ではそのことは周知の事実。なぜなら、セカンドキャリアはどこであっても興味津々であり、ふつうに「あいつは上手くやった」と文科内で話がでたことでしょう。文科内のエースでもあった前川氏であれば、尚のこと天下りの構図からは遠ざけられたはずです。もし関わったとすれば、逆に私怨で「あいつはダメ!」などと、天下り人事を拒否するケースですが、その場合は天下りそのものが成立していないので、処罰の対象にはならない。知っていたけれど黙認していた、ということなら歴代の文科事務次官すべて同罪です。これは巷間語られるように、加計学園に批判的な人物を遠ざけるため、天下りを問題視し、都合の悪い人物を更迭したというのが実態なのでしょう。
国のトップの判断は、人を生かしもし、殺しもする。上記した安倍氏のやり方では『偶々うまくいく』というぐらいの期待しかできない。むしろ失敗する可能性が高い、とも言えるのです。南スーダンでは銃弾が撃ち込まれても、偶々誰にも当たらなかった。北朝鮮に圧力をかけたとて、うまくいく可能性は低い。むしろ政変を期待するなら、油断したところを裏工作で内部崩壊させるのが上策で、対話より圧力では北朝鮮がギブアップしない限りは望む結果が得られませんし、ギブアップする可能性は著しく低いのです。
そして加計学園の問題、政権の意にそぐわない者は抹殺する、生かすのは安倍氏のオトモダチだけ、という構図ですが、その判断が自分たちを殺そうとしている。凶弾は自らに跳ね返る、ということであるなら、人を殺す判断をしはじめたことが、安倍政権を追い詰めているといえるのかもしれませんね。
安倍首相がG7から帰国しました。北朝鮮問題で主導、との話もありますが、実際には米欧との間で右往左往したに過ぎません。しかも今回「対話より圧力」としますが、いきなり圧力によって北朝鮮の体制が崩壊しない限り、圧力の先には対話があるはずです。しかし圧力による対話なら、それは北朝鮮が敗者的屈辱によるものとなるはずで、そんなことが可能なのか? そもそも北朝鮮は対話を否定しておらず、非公式での米北会談に応じたように、圧力をかけるまでもありません。
圧力が条件闘争だとしたら、それは「対話より圧力」ではなく「対話のための圧力」であるべきです。圧力をかけた先に何が起こるか? そこに北朝鮮の暴走の可能性を、どの程度まで織り込まなければいけないのか? そして安倍氏が煽る北朝鮮の危機も、そこに織り込まざるを得ないのだとすれば、北朝鮮の暴走が危機というより、日米が圧力のかけ方の度合いを間違えたとき、が危機を招くといえるのでしょう。
ここで最近のコメントで気になる話を取り上げます。まず文科省と獣医師会がオトモダチとの指摘。そんなことを言ったら、経産省は企業とオトモダチ、農水省は農林水産業者とオトモダチだから、関与してはダメとなるでしょう。業務上の付き合いと、別荘に行って一緒にお酒を飲んだり、ゴルフをしたりする関係と混同したもので、通常の業務の範囲で話を聞くこともあれば、協議することもある、という程度のことです。
次に、前川前文科事務次官が天下りにかかわっていた、とするもの。今回の天下りは文科OBと、文科内の人事課で事足りるような話です。一方で、官僚の間ではそのことは周知の事実。なぜなら、セカンドキャリアはどこであっても興味津々であり、ふつうに「あいつは上手くやった」と文科内で話がでたことでしょう。文科内のエースでもあった前川氏であれば、尚のこと天下りの構図からは遠ざけられたはずです。もし関わったとすれば、逆に私怨で「あいつはダメ!」などと、天下り人事を拒否するケースですが、その場合は天下りそのものが成立していないので、処罰の対象にはならない。知っていたけれど黙認していた、ということなら歴代の文科事務次官すべて同罪です。これは巷間語られるように、加計学園に批判的な人物を遠ざけるため、天下りを問題視し、都合の悪い人物を更迭したというのが実態なのでしょう。
国のトップの判断は、人を生かしもし、殺しもする。上記した安倍氏のやり方では『偶々うまくいく』というぐらいの期待しかできない。むしろ失敗する可能性が高い、とも言えるのです。南スーダンでは銃弾が撃ち込まれても、偶々誰にも当たらなかった。北朝鮮に圧力をかけたとて、うまくいく可能性は低い。むしろ政変を期待するなら、油断したところを裏工作で内部崩壊させるのが上策で、対話より圧力では北朝鮮がギブアップしない限りは望む結果が得られませんし、ギブアップする可能性は著しく低いのです。
そして加計学園の問題、政権の意にそぐわない者は抹殺する、生かすのは安倍氏のオトモダチだけ、という構図ですが、その判断が自分たちを殺そうとしている。凶弾は自らに跳ね返る、ということであるなら、人を殺す判断をしはじめたことが、安倍政権を追い詰めているといえるのかもしれませんね。
2017年05月27日
雑感。トランプ政権の迷走
米国の予算教書に、グリーンブック(歳入関連提案)がなかったことが話題です。オバマケア代替法案も見通しは暗く、歳入改革もない。予算教書も、国際協力の予算を削ったり、といった歳出改革で国防費を増やす形です。これは経済において大きなマイナスでしょう。国防関連は潤いますが、国外に拠出するものでも巡りめぐって米企業を潤してきたのであり、それが失われるとグローバル企業などにはマイナスです。
そしてロシアゲート事件では、トランプ氏の娘婿であるクシュナー氏にも捜査、とされます。これが深刻なのは、恐らくクシュナー氏が更迭されるときは、トランプ氏が大統領職を放りだす、とみられるためです。トランプ氏は人を信用しない、最初から側近を身内で固める、と宣言しており、クシュナー氏はまさにその中心です。すでにバノン氏は信用を失い、相談できる相手はクシュナー氏以外いない。相談できる相手がいなくなれば、トランプ氏としても惰性でつづけるか、新たに相談できる相手を探すしかない。そもそも大統領になりたかっただけで、大統領になって何をするか、というビジョンをもっていないだけに、そこまで根気がつづかない、とみられるのです。
G7では首脳宣言が英文で6頁と、伊勢志摩サミットの5分の1以下となりそうです。伊勢志摩サミットはだらだらと長くなった印象もありますが、6頁はあまりに短い。意見調整がつかず、余計な話を入れられなかったとしても、です。その中で少し気になったのは「国境の管理は国家の主権的権利」という文言です。移民の流入に否定的な米英への配慮、と伝わりますが、国境とは主権が及ぶ範囲ですから、そこを守ることは主権的なのか? これはEUの統合により、いずれ国境をなくそうとする欧州と、米英がすり合わせた結果、意味がよくわからなくなってしまった、という形なのでしょう。
しかしG7では保護主義に対する文言が弱められ、地球温暖化も先送り。トランプ政権が徹底抗戦するためですが、トランプ氏はG7に中国や露国を入れるべき、とも主張します。確かにかつて露国が参加した時期もありますが、クリミア併合で権利を失効している。クリミアを失ったウクライナの立場としたら、国境の管理をしようとしたら、露軍が介入してきて勝手に投票が行われ、独立されてしまったのであり、米国の主張する「国境の管理は国家の主権的権利」を行使できなかった、となります。つまりトランプ氏は態度を使い分けていることになり、露国の参加を促すことは、やはりロシアゲートを疑わせてしまう。
トランプ氏の大統領就任前の、銀行取引まで調査対象が広がっている、と報じられます。そこに露国の関与がないのか? ということですが、もしそれで露国の保証があったり、露国の富豪との関係が見つかったら、もう言い訳もできないのでしょう。クシュナー氏は露国との間で、秘密回線をつくろうとしていた、との話もありますが、まさにロシアゲートは開かれていた、という話になります。
市場はトランプ政権の失脚でペンス副大統領が代行する、がメインシナリオで落ち着いていますが、トランプ氏に指名されたペンス副大統領が、醜聞で退陣するトランプ政権の後を継げるのか? 一先ず移行期間は代行できるでしょうが、いくら議会は共和党が多数と言っても、安定多数ではないだけに、トランプ政権の影を引きずりながら残り3年を、強い決断力ですすめるかは、正直懐疑的でもあるのでしょう。クシュナー上級顧問、クシュナーとは毛皮職人の意味で、職業を姓にした外国人に多いパターンです。クシュナー氏の醜聞がもし事実だとすれば、トランプ政権の化けの皮、も剥がれることになるのでしょうね。
そしてロシアゲート事件では、トランプ氏の娘婿であるクシュナー氏にも捜査、とされます。これが深刻なのは、恐らくクシュナー氏が更迭されるときは、トランプ氏が大統領職を放りだす、とみられるためです。トランプ氏は人を信用しない、最初から側近を身内で固める、と宣言しており、クシュナー氏はまさにその中心です。すでにバノン氏は信用を失い、相談できる相手はクシュナー氏以外いない。相談できる相手がいなくなれば、トランプ氏としても惰性でつづけるか、新たに相談できる相手を探すしかない。そもそも大統領になりたかっただけで、大統領になって何をするか、というビジョンをもっていないだけに、そこまで根気がつづかない、とみられるのです。
G7では首脳宣言が英文で6頁と、伊勢志摩サミットの5分の1以下となりそうです。伊勢志摩サミットはだらだらと長くなった印象もありますが、6頁はあまりに短い。意見調整がつかず、余計な話を入れられなかったとしても、です。その中で少し気になったのは「国境の管理は国家の主権的権利」という文言です。移民の流入に否定的な米英への配慮、と伝わりますが、国境とは主権が及ぶ範囲ですから、そこを守ることは主権的なのか? これはEUの統合により、いずれ国境をなくそうとする欧州と、米英がすり合わせた結果、意味がよくわからなくなってしまった、という形なのでしょう。
しかしG7では保護主義に対する文言が弱められ、地球温暖化も先送り。トランプ政権が徹底抗戦するためですが、トランプ氏はG7に中国や露国を入れるべき、とも主張します。確かにかつて露国が参加した時期もありますが、クリミア併合で権利を失効している。クリミアを失ったウクライナの立場としたら、国境の管理をしようとしたら、露軍が介入してきて勝手に投票が行われ、独立されてしまったのであり、米国の主張する「国境の管理は国家の主権的権利」を行使できなかった、となります。つまりトランプ氏は態度を使い分けていることになり、露国の参加を促すことは、やはりロシアゲートを疑わせてしまう。
トランプ氏の大統領就任前の、銀行取引まで調査対象が広がっている、と報じられます。そこに露国の関与がないのか? ということですが、もしそれで露国の保証があったり、露国の富豪との関係が見つかったら、もう言い訳もできないのでしょう。クシュナー氏は露国との間で、秘密回線をつくろうとしていた、との話もありますが、まさにロシアゲートは開かれていた、という話になります。
市場はトランプ政権の失脚でペンス副大統領が代行する、がメインシナリオで落ち着いていますが、トランプ氏に指名されたペンス副大統領が、醜聞で退陣するトランプ政権の後を継げるのか? 一先ず移行期間は代行できるでしょうが、いくら議会は共和党が多数と言っても、安定多数ではないだけに、トランプ政権の影を引きずりながら残り3年を、強い決断力ですすめるかは、正直懐疑的でもあるのでしょう。クシュナー上級顧問、クシュナーとは毛皮職人の意味で、職業を姓にした外国人に多いパターンです。クシュナー氏の醜聞がもし事実だとすれば、トランプ政権の化けの皮、も剥がれることになるのでしょうね。
2017年05月26日
雑感。リーダーとリード
世界経済フォーラムで、2050年に日米などで年金が25000兆円不足する、との試算がだされました。急速な高齢化と、マイナス金利に伴う運用難。これは後30年足らずで世界は壊れる、との警告です。国家予算を軽く凌駕する規模の年金負担により、国家がつぶれるのです。何か対策を考えないといけませんが、国家の首脳は相変わらずこの問題から目を背けます。
NATO首脳会議では、トランプ氏の主導で国防費のGDP比2%超という目標の実現に向けた、いわゆる公平負担にむけた工程表づくりと、ISILへの関与を強化することなどを決定し、閉幕しました。他国の首脳を押しのけて前に出るなど、トランプ氏の傲慢さばかり目立ちますが、国防負担の増大は各国の財政にも暗い影を落とす。トランプ氏は世界に軍拡をすすめたいとしか思えない、その結果、国家が疲弊していく、という悪循環を引き起こすのではないか? そんな点も不安を増す部分ではあるのでしょう。
北朝鮮問題で、議論をリードするといって出ていった安倍首相は、まったく目立ちません。唯一が日米首脳会談を開いたこと。対話より圧力で一致、とのことですが、要するに米国は北朝鮮に攻めこむ気がない。圧力でお茶を濁すだけで、決意がないことをこれは意味します。それを見透かして北朝鮮はミサイル実験をくり返す、安倍氏は一体、何次元をまたいだのか分かりませんが「脅威の次元」発言をくり返し、それでも何の手も打たない、となります。要するに日米首脳会談は、ともに北朝鮮には打つ手なし、を確認する場だったといえるのでしょう。リード(lead)どころか、チープ(cheep)だったといえるのでしょう。
しかしトランプ氏はロシアゲート事件で、安倍氏は加計学園問題で、国内は炎上中。政権の継続性すら危ぶまれます。加計学園の問題では、やたらと前川前文科事務次官を悪人とする印象操作に、政権側は躍起となっています。しかし合法の出会い系バーに出入りしていたら信用ならない、となったら公務員を全員調査し、出入りが確認されたら全員解雇しなければいけなくなります。なぜなら、政権側が「信用できない」とするのですから。
「恋々と地位にしがみつき…」とも批判材料にしますが、まさにそっくりそのまま、安倍氏に当てはまるのでしょう。個人をギーク(geek:変態)と決めつけ、言葉を封殺しようとするなど、悪逆の限りを尽くします。しかし個人の性的趣味がどんなものであろうと、文科事務次官としての職務で見聞きしたこと、それが正しいか、間違っているか、という判断が大切なのであり、間違っているならそう言えばいいだけのこと。個人攻撃を強めるからこそ、何か隠したいことがあるのでは? との勘繰りを一層強くされるのです。
安倍氏(リーダー)の意向を忖度し、空気をリード(read)する、そんな輩に囲まれていないと不安で仕方ない。反抗する輩はすべて抹殺するのが、安倍政権の方針でもあるのでしょう。しかしむしろ安倍政権の化けの皮がピール(peel:剥がれる)することにつながっており、ますます個人を蔑ろにする政権、との見方を強めます。もうそんな政権はデッド(dead)ともみなされるのでしょうね。
NATO首脳会議では、トランプ氏の主導で国防費のGDP比2%超という目標の実現に向けた、いわゆる公平負担にむけた工程表づくりと、ISILへの関与を強化することなどを決定し、閉幕しました。他国の首脳を押しのけて前に出るなど、トランプ氏の傲慢さばかり目立ちますが、国防負担の増大は各国の財政にも暗い影を落とす。トランプ氏は世界に軍拡をすすめたいとしか思えない、その結果、国家が疲弊していく、という悪循環を引き起こすのではないか? そんな点も不安を増す部分ではあるのでしょう。
北朝鮮問題で、議論をリードするといって出ていった安倍首相は、まったく目立ちません。唯一が日米首脳会談を開いたこと。対話より圧力で一致、とのことですが、要するに米国は北朝鮮に攻めこむ気がない。圧力でお茶を濁すだけで、決意がないことをこれは意味します。それを見透かして北朝鮮はミサイル実験をくり返す、安倍氏は一体、何次元をまたいだのか分かりませんが「脅威の次元」発言をくり返し、それでも何の手も打たない、となります。要するに日米首脳会談は、ともに北朝鮮には打つ手なし、を確認する場だったといえるのでしょう。リード(lead)どころか、チープ(cheep)だったといえるのでしょう。
しかしトランプ氏はロシアゲート事件で、安倍氏は加計学園問題で、国内は炎上中。政権の継続性すら危ぶまれます。加計学園の問題では、やたらと前川前文科事務次官を悪人とする印象操作に、政権側は躍起となっています。しかし合法の出会い系バーに出入りしていたら信用ならない、となったら公務員を全員調査し、出入りが確認されたら全員解雇しなければいけなくなります。なぜなら、政権側が「信用できない」とするのですから。
「恋々と地位にしがみつき…」とも批判材料にしますが、まさにそっくりそのまま、安倍氏に当てはまるのでしょう。個人をギーク(geek:変態)と決めつけ、言葉を封殺しようとするなど、悪逆の限りを尽くします。しかし個人の性的趣味がどんなものであろうと、文科事務次官としての職務で見聞きしたこと、それが正しいか、間違っているか、という判断が大切なのであり、間違っているならそう言えばいいだけのこと。個人攻撃を強めるからこそ、何か隠したいことがあるのでは? との勘繰りを一層強くされるのです。
安倍氏(リーダー)の意向を忖度し、空気をリード(read)する、そんな輩に囲まれていないと不安で仕方ない。反抗する輩はすべて抹殺するのが、安倍政権の方針でもあるのでしょう。しかしむしろ安倍政権の化けの皮がピール(peel:剥がれる)することにつながっており、ますます個人を蔑ろにする政権、との見方を強めます。もうそんな政権はデッド(dead)ともみなされるのでしょうね。
2017年05月25日
日銀の会議とFOMC議事録
昨日、日銀の本店で国際会議とされる公開討論が行われました。黒田総裁は挨拶から発言まで弱気一辺倒であり、特に自然利子率の低下と見極め難さにより、政策は困難を極めていると、事実上黒田バズーカの失敗をみとめるかのような発言をしました。自然利子率とは経済にとって居心地の良い水準の利子率、という意味ですが、黒田氏の行動からすると、今の日本はマイナス金利にするぐらいの低成長である、となります。正しく説明するなら、安倍ノミクス、黒田バズーカ、ともに失敗し、自然利子率より低いマイナス金利にしたけれど、景気も物価も上向かず、どうしたらいいのでしょう? となります。
この会議にはバーナンキ前FRB議長も参加し、物価が上がらないのは「今の経済状況が一時的との猜疑」から、と述べます。それは当たり前で、日銀が今の水準の資産買い入れを続けるわけにはいかないのですから、誰もが一時的と考える。バーナンキ氏の指摘が正しいなら、サプライズ狙いで驚くような規模の緩和をしたこと、がそもそもの誤りとなります。国債買い入れ枠の規模を下げても引き締めとはみなされない、などとしますが、市場はそう受け取らないでしょう。金融政策に「継続は力なり」などない。買い入れ枠を下げて、持続性を高めたところで、すでに効果が限られている以上、蛇足にしかならないのです。
米国では5月FOMC議事要旨がでて、市場は利上げ回数が年2回の予想が若干増えるなど、ハト派の受け止めでした。一つは最近の経済指標の弱まりから、確認すべきとの意見が大勢であったことですが、年内に資産縮小の方針も示された。うがった見方をすれば、金利上昇より資産圧縮を優先したともいえ、それをハトと呼べるのか? そして金利上昇と資産圧縮と、その効果の違いによりどんな影響があるか? これから考察が始まります。
資産圧縮については、満期を迎えた国債をこれまで再投資していましたが、それをすべて再投資せず、3ヶ月ごとに見直しながら圧縮をすすめる、というものが議論され、おおむね賛同されたといいます。しかしこの場合、比較的短めの国債が早期にFRBのバランスシートから消え、長めの国債がより残る形です。そうなるとFRBのバランスシートが、インフレや経済成長などの長期金利が反応しやすい情報によって推移することになる。経済が成長すると、その頭を抑える要因になるのかもしれません。
しかし米国債は利上げ局面であるにもかかわらず、低金利状態がつづきます。日欧からの投資が旺盛だからで、少しでも高い金利である米国債に流れている。つまり日欧の自然利子率より、米国債の金利が上回るなら、それは投資しておけば収益になるのですから、当然の投資行動といえます。しかしそれが金利差拡大を促さず、結果として円債を安定させている。どうにも皮肉な展開であり、そんなことも日銀の政策を水泡に帰す一つの要因となっていますが、これが政策の結果としてなら、むしろ自然と言えるのでしょう。
バーナンキ氏は、財政政策との連携が必要、といいます。ヘリコプター・ベンの異名をとり、ヘリコプターマネーにも言及したことのあるバーナンキ氏としては、なんとも物足りない、在り来たりな意見といえるのでしょう。しかし安倍政権は5年経ち、これまでの大盤振る舞いが祟り、財政上の余裕を失いつつあり、財政の機動的な投入はもはや難しいのが現状です。安倍政権、黒田日銀、長くなってきただけにその弊害が目立ってきており。「継続は茨なり」が今の日本の現状なのでしょうね。
この会議にはバーナンキ前FRB議長も参加し、物価が上がらないのは「今の経済状況が一時的との猜疑」から、と述べます。それは当たり前で、日銀が今の水準の資産買い入れを続けるわけにはいかないのですから、誰もが一時的と考える。バーナンキ氏の指摘が正しいなら、サプライズ狙いで驚くような規模の緩和をしたこと、がそもそもの誤りとなります。国債買い入れ枠の規模を下げても引き締めとはみなされない、などとしますが、市場はそう受け取らないでしょう。金融政策に「継続は力なり」などない。買い入れ枠を下げて、持続性を高めたところで、すでに効果が限られている以上、蛇足にしかならないのです。
米国では5月FOMC議事要旨がでて、市場は利上げ回数が年2回の予想が若干増えるなど、ハト派の受け止めでした。一つは最近の経済指標の弱まりから、確認すべきとの意見が大勢であったことですが、年内に資産縮小の方針も示された。うがった見方をすれば、金利上昇より資産圧縮を優先したともいえ、それをハトと呼べるのか? そして金利上昇と資産圧縮と、その効果の違いによりどんな影響があるか? これから考察が始まります。
資産圧縮については、満期を迎えた国債をこれまで再投資していましたが、それをすべて再投資せず、3ヶ月ごとに見直しながら圧縮をすすめる、というものが議論され、おおむね賛同されたといいます。しかしこの場合、比較的短めの国債が早期にFRBのバランスシートから消え、長めの国債がより残る形です。そうなるとFRBのバランスシートが、インフレや経済成長などの長期金利が反応しやすい情報によって推移することになる。経済が成長すると、その頭を抑える要因になるのかもしれません。
しかし米国債は利上げ局面であるにもかかわらず、低金利状態がつづきます。日欧からの投資が旺盛だからで、少しでも高い金利である米国債に流れている。つまり日欧の自然利子率より、米国債の金利が上回るなら、それは投資しておけば収益になるのですから、当然の投資行動といえます。しかしそれが金利差拡大を促さず、結果として円債を安定させている。どうにも皮肉な展開であり、そんなことも日銀の政策を水泡に帰す一つの要因となっていますが、これが政策の結果としてなら、むしろ自然と言えるのでしょう。
バーナンキ氏は、財政政策との連携が必要、といいます。ヘリコプター・ベンの異名をとり、ヘリコプターマネーにも言及したことのあるバーナンキ氏としては、なんとも物足りない、在り来たりな意見といえるのでしょう。しかし安倍政権は5年経ち、これまでの大盤振る舞いが祟り、財政上の余裕を失いつつあり、財政の機動的な投入はもはや難しいのが現状です。安倍政権、黒田日銀、長くなってきただけにその弊害が目立ってきており。「継続は茨なり」が今の日本の現状なのでしょうね。
2017年05月24日
安倍政権への反抗
石原経済再生担当相が、自身のグループで谷垣派にラブコールを送り、自身の派閥を「これから尺取虫のようにどんどん大きくなる」と述べました。寡聞にして尺取虫がそんな巨大化するとは知りませんし、成虫のシャクガも蛾の中で大きな種ではない。なぜ例えが尺取虫? 動きのユーモラスさはあっても、害虫として駆除されることも多く、万人に愛されるような虫でもないのに…。「福島第1原発はサティアン」「最後は金目」等々、失言には事欠かない人ですが、蚕はタンパク質工場として優秀とされており、勘違いした? にしろ、石原派は尺取虫、などという看板を掲げられたら、谷垣派も合流はしにくいでしょう。
加計学園の問題は、さらなる文書の流出でますます内閣、総理のご意向の疑いを強くする展開です。しかも前文部事務次官が、A4判の8頁の資料について「昨秋に担当の専門教育課から説明をうけた」際の資料とみとめ、菅官房長官の説明との食い違いを見せています。しかも新たな資料も、また文科省からの流出とみられ、安倍内閣VS文科省の構図をより鮮明にしてきました。
加計学園をごり押しされた文科省、何とかして『ご意向』通りに加計学園を指導し、軌道に乗せようとしてきたところで起こった文科省天下り問題。他の省庁とて、教育機関への天下りをしているではないか、なぜ文科省だけ狙い撃ちされるのか? と忸怩たる思いも抱いたでしょう。森友学園の問題は、文科省の頭越しに様々なことが決められ、教科書への介入、道徳教育の強化など、教育行政に口をだす安倍政権への反発も、そこにはあったかもしれません。しかしこの文科省の動きは、別の面を引き出しそうです。
商工中金による不正、これは経営の苦しくなった企業への融資を低利で行う、東日本大震災のときに創設された制度を悪用し、経営が苦しくなったよう見せかける工夫まで指導し、商工中金が実績づくりをしていた、というものです。早くも一部メディアから「常態化していた」「社長には報告されなかった」というアリバイ報道もありますが、実際には予算枠内で如何に消化するか、という問題であり、経産省から天下りした社長が知らないはずがありません、つまりこれは経産省ぐるみで、予算枠を減らされないよう、取り計らっていたという悪質な代物です。
しかし経産省の調査ではお手盛りだ、として金融庁が立ち入り調査する。経産省としては虎の子の商工中金に、財務省が手をつっこんでくる、というのは屈辱です。そしてこの監査でお目こぼしされたら、財務省に借りをつくる。経産省には面白くない話です。これまでは経産省の今井内閣総理大臣秘書官が、原発政策などをコントロールし、政権内でも大きな顔をしてきました。しかし愈々財源が不足し、財務省の意向に配慮せざるを得なくなってきた安倍政権では、急に麻生財務相が元気になってきたように、財務省が巻き返しつつある。この事件はそんな力関係の変化を垣間見せるものです。
安倍首相も政権をとってから5年、行き詰まりや弊害も目立ってきて、当初頼ってきた勢力との決別、関係の変化もみられる。それは電通の過労死事件でもそうです。広告を握り、メディアを牛耳ってきた電通を切った。そのころからメディアの報道姿勢にも変化がみられるようになりました。弊害が目立つようになってきて、関係性を変えだした安倍政権。あれだけ協力してきたのに裏切られた、そう考える主体による反抗、それが増えてきたのだとしたら、安倍政権の崩壊への歩みも尺取虫並みに、一足飛びにすすむのかもしれませんね。
加計学園の問題は、さらなる文書の流出でますます内閣、総理のご意向の疑いを強くする展開です。しかも前文部事務次官が、A4判の8頁の資料について「昨秋に担当の専門教育課から説明をうけた」際の資料とみとめ、菅官房長官の説明との食い違いを見せています。しかも新たな資料も、また文科省からの流出とみられ、安倍内閣VS文科省の構図をより鮮明にしてきました。
加計学園をごり押しされた文科省、何とかして『ご意向』通りに加計学園を指導し、軌道に乗せようとしてきたところで起こった文科省天下り問題。他の省庁とて、教育機関への天下りをしているではないか、なぜ文科省だけ狙い撃ちされるのか? と忸怩たる思いも抱いたでしょう。森友学園の問題は、文科省の頭越しに様々なことが決められ、教科書への介入、道徳教育の強化など、教育行政に口をだす安倍政権への反発も、そこにはあったかもしれません。しかしこの文科省の動きは、別の面を引き出しそうです。
商工中金による不正、これは経営の苦しくなった企業への融資を低利で行う、東日本大震災のときに創設された制度を悪用し、経営が苦しくなったよう見せかける工夫まで指導し、商工中金が実績づくりをしていた、というものです。早くも一部メディアから「常態化していた」「社長には報告されなかった」というアリバイ報道もありますが、実際には予算枠内で如何に消化するか、という問題であり、経産省から天下りした社長が知らないはずがありません、つまりこれは経産省ぐるみで、予算枠を減らされないよう、取り計らっていたという悪質な代物です。
しかし経産省の調査ではお手盛りだ、として金融庁が立ち入り調査する。経産省としては虎の子の商工中金に、財務省が手をつっこんでくる、というのは屈辱です。そしてこの監査でお目こぼしされたら、財務省に借りをつくる。経産省には面白くない話です。これまでは経産省の今井内閣総理大臣秘書官が、原発政策などをコントロールし、政権内でも大きな顔をしてきました。しかし愈々財源が不足し、財務省の意向に配慮せざるを得なくなってきた安倍政権では、急に麻生財務相が元気になってきたように、財務省が巻き返しつつある。この事件はそんな力関係の変化を垣間見せるものです。
安倍首相も政権をとってから5年、行き詰まりや弊害も目立ってきて、当初頼ってきた勢力との決別、関係の変化もみられる。それは電通の過労死事件でもそうです。広告を握り、メディアを牛耳ってきた電通を切った。そのころからメディアの報道姿勢にも変化がみられるようになりました。弊害が目立つようになってきて、関係性を変えだした安倍政権。あれだけ協力してきたのに裏切られた、そう考える主体による反抗、それが増えてきたのだとしたら、安倍政権の崩壊への歩みも尺取虫並みに、一足飛びにすすむのかもしれませんね。
2017年05月23日
昨年度の毎月勤労統計
平成28年度の毎月勤労統計が発表されました。名目賃金は0.4%増、実質賃金も0.4%増。しかし名目賃金はリーマンショック、そして東日本大震災による大幅な減を取り戻すに至らず、実質は6年ぶりの上昇ですが、物価が上がらなかったため、という何ともお粗末な結果です。しかも今回、気になる数字がそこには散見されます。
実労働時間が、所定内で0.8%減、所定外で0.7%減。つまり前年より労働時間が大きく減っている。しかも落ち込みはパートタイム労働者の方が大きく、そのためパートライム労働者の賃金も減少している。結果的に時間当たり賃金は上昇しましたが、一人当たりの手取りは減る、という形です。常用雇用は2.2%増ですが、労働時間の減少をみても、雇用の頭打ち感、ピークアウトも懸念されるところなのかもしれません。
しかも就業形態別の賃金の推移をみると、さらに問題を感じます。高い伸びなのはバブルが懸念される不動産、市場が高値推移をつづける鉱業、復興需要と東京五輪関係が本格化する建設、消費は低迷ながら人材確保を急いだ小売、などです。ただしこれらの業種、労働時間でみると不動産は1.1%減、鉱業は2.7%減、建設業は0.0%増、小売は0.9%減。つまり実は、仕事が減っている。バブルが終わった途端、これらの業種には逆風が吹くことにもなり、賃金も低下してくるのかもしれません。
人材不足であるはずの医療・福祉は辛うじて0.5%増ですが、飲食サービス業は1.0%減と、賃金の伸びは低調。増やせない、という実態があるのかもしれませんが、労働時間は医療・福祉が0.8%減、飲食サービス業が1.9%減。労働時間の減少が、人材不足の解消につながっていくのなら、賃金は上がりにくい状況にある、といえるのでしょう。
SMBC日興が29年度のGDP予測を1.4%増に据え置いています。輸出が堅調で消費がもち直す、としますが、早くも米中の消費に陰りがみえ、国内の設備投資にも暗雲がただよう。米国はトランプ減税期待の剥落、中国は不動産引き締めなどで、消費の二大大国にも懸念がある。国内に目を転じれば、賃金の上昇率も小幅で、ガソリン高の影響も見逃せない。安倍政権が増えすぎた精製施設を問題視し、ガソリンの供給能力が低下、原油はそれほど高くないのに、国内のガソリン高がつづいており、家計を圧迫する要因になっています。
株式市場も勢いを失いました。ドル建ての日経平均が直近の高値をつけ、外国人投資家から高く見えるためで、売買高も2兆円かつかつ。今の市場は、一定以上の水準を保とうとはするものの、さらに上値を追おうとはしない。もうすでに高値である、という水準感ばかりでなく、コンセンサスから外れることを必要以上に恐れている傾向もみられます。市場に流通するマネーの量が拡大し、『市場の意向』が強く反映される形となった今の市場。『政府の意向』より、『市場の意向』が注視されるようになると、官製相場の終焉につながる、ともいえます。大きな下落も拒否する閑静相場、もしくは物体が常態を維持し続ける、という意味の慣性相場に陥っているとするなら、次に大騒ぎを引き起こす要因は何か? それが重要となってくるのでしょうね。
実労働時間が、所定内で0.8%減、所定外で0.7%減。つまり前年より労働時間が大きく減っている。しかも落ち込みはパートタイム労働者の方が大きく、そのためパートライム労働者の賃金も減少している。結果的に時間当たり賃金は上昇しましたが、一人当たりの手取りは減る、という形です。常用雇用は2.2%増ですが、労働時間の減少をみても、雇用の頭打ち感、ピークアウトも懸念されるところなのかもしれません。
しかも就業形態別の賃金の推移をみると、さらに問題を感じます。高い伸びなのはバブルが懸念される不動産、市場が高値推移をつづける鉱業、復興需要と東京五輪関係が本格化する建設、消費は低迷ながら人材確保を急いだ小売、などです。ただしこれらの業種、労働時間でみると不動産は1.1%減、鉱業は2.7%減、建設業は0.0%増、小売は0.9%減。つまり実は、仕事が減っている。バブルが終わった途端、これらの業種には逆風が吹くことにもなり、賃金も低下してくるのかもしれません。
人材不足であるはずの医療・福祉は辛うじて0.5%増ですが、飲食サービス業は1.0%減と、賃金の伸びは低調。増やせない、という実態があるのかもしれませんが、労働時間は医療・福祉が0.8%減、飲食サービス業が1.9%減。労働時間の減少が、人材不足の解消につながっていくのなら、賃金は上がりにくい状況にある、といえるのでしょう。
SMBC日興が29年度のGDP予測を1.4%増に据え置いています。輸出が堅調で消費がもち直す、としますが、早くも米中の消費に陰りがみえ、国内の設備投資にも暗雲がただよう。米国はトランプ減税期待の剥落、中国は不動産引き締めなどで、消費の二大大国にも懸念がある。国内に目を転じれば、賃金の上昇率も小幅で、ガソリン高の影響も見逃せない。安倍政権が増えすぎた精製施設を問題視し、ガソリンの供給能力が低下、原油はそれほど高くないのに、国内のガソリン高がつづいており、家計を圧迫する要因になっています。
株式市場も勢いを失いました。ドル建ての日経平均が直近の高値をつけ、外国人投資家から高く見えるためで、売買高も2兆円かつかつ。今の市場は、一定以上の水準を保とうとはするものの、さらに上値を追おうとはしない。もうすでに高値である、という水準感ばかりでなく、コンセンサスから外れることを必要以上に恐れている傾向もみられます。市場に流通するマネーの量が拡大し、『市場の意向』が強く反映される形となった今の市場。『政府の意向』より、『市場の意向』が注視されるようになると、官製相場の終焉につながる、ともいえます。大きな下落も拒否する閑静相場、もしくは物体が常態を維持し続ける、という意味の慣性相場に陥っているとするなら、次に大騒ぎを引き起こす要因は何か? それが重要となってくるのでしょうね。
2017年05月22日
雑感。共謀罪と中国による邦人拘束
読売新聞が文科省の天下り問題で引責した前川前文科事務次官について「出会い系バーに出入り」と報じました。加計問題で文書漏洩のつづく文科省と、政権の間での泥仕合になっているようです。そしてこれは、大西自民議員の醜聞つぶしの側面もあるのでしょう。違法なお店なら問題ですが、そうでないなら家庭の問題はあっても、一般紙が報じるべきものとは思えない内容です。読売も、産経と同じで感情的に安倍擁護の論陣を張り始めたのか? それほど加計学園の問題は、安倍政権にとって致命的との認識を共有するのでしょう、
中国で邦人の身柄が、国家安全危害罪などで拘束されています。産経の記事で「実態とは無関係に「スパイ摘発」を乱発して国内の求心力を高めようとする習近平指導部の政治的意図が浮かぶ」とします。しかし日本でも『共謀罪』で同様のことが起こる可能性があり、そのときは『習近平』の部分を『安倍晋三』に読み替えると、この文言を繰り返し使えます。ただし産経にとって、安倍政権のやることはスパイ対策で、中国政府のやることはスパイ摘発の乱発、になるのでしょう。これは中国で、実際に何が起こっているのかを精緻に調べ、その上で誤認逮捕ならそう主張すればいいのです。
今はまだ外務省も「何があったか?」という状況であり、中国では適用が曖昧だ、などとしますが、共謀罪とて今のところ適用対象が曖昧模糊としていことも疑いようがありません。国連人権理事会から任命された特別報告者が、共謀罪への懸念を表明する書簡を、国連へと送ったことに対し菅官房長官が「政府に説明する機会を与えられず、発出されたもので抗議した」と述べます。しかし国連の特別報告者は、ごく少数であたっている可能性があり、これは日本政府と対するための、応援要請だった可能性もある。つまりこれから、政府と全面対決になるのなら、日本政府の意図はその前段で、相手が少数のときに攻め懸けるための抗議、ともみられます。
この特別報告者の内容は、「プライバシーや表現の自由を不当に制約する恐れ」や「テロや組織犯罪と無関係なものも含む可能性」について言及したものです。国連に説明する前に、国民にも説明していないのであり、それで衆院の法務委員会を通過させてしまった、が現在です。もし国連に説明するなら、それを公開の場として、合わせて国民への説明としてもよいのでしょう。誰もが説明が足りていない、と感じる中で、自分たちに都合の悪い報告をだされたら説明する、というのは上から目線を感じさせます。
「朝日新聞を言論テロ」とした知人のFacebookに、安倍首相が「いいね」をしたことが朝日の記者から、菅官房長官に質問されました。菅氏は「承知していない」としましたが、首相が「朝日新聞をテロリスト」と認識していたら、共謀罪の対象ということにもなる。朝日新聞を監視対象とすれば、それこそリーク情報も筒抜け、メディアとしても潰れることになりかねないのでしょう。まさに「表現の自由を不当に制約する恐れ」が、そこに含まれていることになります。まさに安倍政権こそ、言論を封殺するという意味ではテロリストと認定されかねません。国際的な評判を気にするなら、その前に国民の不支持が多い政策への説明をしないと「無関係にスパイ摘発を乱用…」との言葉が、まさに安倍政権にそっくりそのまま跳ね返るだけでしょうね。
中国で邦人の身柄が、国家安全危害罪などで拘束されています。産経の記事で「実態とは無関係に「スパイ摘発」を乱発して国内の求心力を高めようとする習近平指導部の政治的意図が浮かぶ」とします。しかし日本でも『共謀罪』で同様のことが起こる可能性があり、そのときは『習近平』の部分を『安倍晋三』に読み替えると、この文言を繰り返し使えます。ただし産経にとって、安倍政権のやることはスパイ対策で、中国政府のやることはスパイ摘発の乱発、になるのでしょう。これは中国で、実際に何が起こっているのかを精緻に調べ、その上で誤認逮捕ならそう主張すればいいのです。
今はまだ外務省も「何があったか?」という状況であり、中国では適用が曖昧だ、などとしますが、共謀罪とて今のところ適用対象が曖昧模糊としていことも疑いようがありません。国連人権理事会から任命された特別報告者が、共謀罪への懸念を表明する書簡を、国連へと送ったことに対し菅官房長官が「政府に説明する機会を与えられず、発出されたもので抗議した」と述べます。しかし国連の特別報告者は、ごく少数であたっている可能性があり、これは日本政府と対するための、応援要請だった可能性もある。つまりこれから、政府と全面対決になるのなら、日本政府の意図はその前段で、相手が少数のときに攻め懸けるための抗議、ともみられます。
この特別報告者の内容は、「プライバシーや表現の自由を不当に制約する恐れ」や「テロや組織犯罪と無関係なものも含む可能性」について言及したものです。国連に説明する前に、国民にも説明していないのであり、それで衆院の法務委員会を通過させてしまった、が現在です。もし国連に説明するなら、それを公開の場として、合わせて国民への説明としてもよいのでしょう。誰もが説明が足りていない、と感じる中で、自分たちに都合の悪い報告をだされたら説明する、というのは上から目線を感じさせます。
「朝日新聞を言論テロ」とした知人のFacebookに、安倍首相が「いいね」をしたことが朝日の記者から、菅官房長官に質問されました。菅氏は「承知していない」としましたが、首相が「朝日新聞をテロリスト」と認識していたら、共謀罪の対象ということにもなる。朝日新聞を監視対象とすれば、それこそリーク情報も筒抜け、メディアとしても潰れることになりかねないのでしょう。まさに「表現の自由を不当に制約する恐れ」が、そこに含まれていることになります。まさに安倍政権こそ、言論を封殺するという意味ではテロリストと認定されかねません。国際的な評判を気にするなら、その前に国民の不支持が多い政策への説明をしないと「無関係にスパイ摘発を乱用…」との言葉が、まさに安倍政権にそっくりそのまま跳ね返るだけでしょうね。
2017年05月21日
雑感。自民の手法と猪木氏の告訴
防衛省が、嘉手納基地以南で米軍基地の返還の協力する市町村に、補助金をだす制度を新設します。首長が移設の受け入れを表明し、公共施設の整備に充てられる、としますが、相変わらず札束で頬を張りながら、移設受け入れを迫る安倍政権らしいやり方です。補助金に目がくらんで市町村が手を上げれば、沖縄の分断にもなる。こうしたいやらしいやり方しかできないのは、まともに説得できるような理屈を考えつかないため、でもあるのでしょう。
同じことは築地の豊洲移転問題にも言えます。自民都議や橋下前大阪市長まで参戦し、大阪や築地だって汚染があるから、豊洲に移転しても問題なし、と訴えます。しかし築地だろうと大阪だろうと、最初から汚染がある場所につくったわけではない。運営していくうち、気づいたら地下が汚染されていた、という話です。技術の進歩で検出しやすくなったことと、かつてはその害について知られていなかったことなど、そんな要因で市場をつくった。それが今の基準に適合しないのは当たり前です。しかし豊洲移転となれば、事情は異なる。初めから環境基準以上の汚染がある土地に、移転するかどうか、という話です。仕方なくそうなってしまったのか、分かった上でそうするか、は雲泥の差があります。
例えば、家を買おうとする人が「この土地に汚染があります」と言われたら、まず買う選択をしないでしょう。汚染があるけど、周りには人が暮らしていて、問題が出ていない、と言われてもそうです。それでも買うとしたら、大幅なディスカウントをするか、サービスをするしかありません。専門家が出てきて「安心」などと言っても、何の意味もないのです。普通であれば選択しないものを、どう納得してもらうか? 小池都知事はまだ態度を不鮮明にしていますが、自民都議は豊洲移転を強く訴える。つまり説明不足でも、豊洲移転をごり押しする姿勢は、まさに『自民のやり方』と言えるのでしょう。
アントニオ猪木氏が、元秘書で都民ファーストの会から出馬を予定している野田氏を、1120万円の着服で告訴していた、と報じられます。しかし不可思議なのは、16年の7月に解雇し、16年の12月に告訴し、さらに先週の新潮がスクープ記事をだした点です。しかも判子も通帳ももって出ていった、というので、穏当な解雇でないのは明らかですし、解雇した理由が横領だったら、すぐにでも告訴しそうなものです。
あくまで憶測ですが、野田氏が小池氏にすり寄ることが分かり、維新側からの要請で、猪木氏も動いたのでしょう。ただあまり取り上げられず、告訴が受理されたにも関わらず警察も動かない。維新がこのタイミングでリークし、記事になったと考えます。記者会見の場での猪木氏の当惑した顔、一応のシナリオは頭に入れたものの、そこから波及する質問はすべて遮断した点などをみても、猪木氏にとって寝耳に水。困惑が先に立っていたのでしょう。維新に利用された、という気持ちが強かったのかもしれません。
訴訟で政敵つぶし、醜聞で政敵つぶし、自民がよくやる手です。そう考えると、維新も自民からの派生政党であり、自民のやり方を踏襲している、ともいえるのでしょう。しかしそれは、自身の政党を利するのではなく、自民を利することで自分たちも甘い蜜を吸う、という意味ですが。「自民のやり方」それは誰かを不幸にし、それで自分たちが安寧を得る、という手法です。猪木氏の言葉「元気があれば何でもできる」もありますが、自民は「権力があれば何でもできる」というところなのでしょう。猪木氏は会見でも「元気ですか〜」とやっていましたが、そこは「嫌疑ですか〜」でもよかったのかもしれません。「嫌疑があれば敵でもつぶせる。維新・日本会議・自民・ダー」というのが、一連の流れになるのかもしれませんね。
同じことは築地の豊洲移転問題にも言えます。自民都議や橋下前大阪市長まで参戦し、大阪や築地だって汚染があるから、豊洲に移転しても問題なし、と訴えます。しかし築地だろうと大阪だろうと、最初から汚染がある場所につくったわけではない。運営していくうち、気づいたら地下が汚染されていた、という話です。技術の進歩で検出しやすくなったことと、かつてはその害について知られていなかったことなど、そんな要因で市場をつくった。それが今の基準に適合しないのは当たり前です。しかし豊洲移転となれば、事情は異なる。初めから環境基準以上の汚染がある土地に、移転するかどうか、という話です。仕方なくそうなってしまったのか、分かった上でそうするか、は雲泥の差があります。
例えば、家を買おうとする人が「この土地に汚染があります」と言われたら、まず買う選択をしないでしょう。汚染があるけど、周りには人が暮らしていて、問題が出ていない、と言われてもそうです。それでも買うとしたら、大幅なディスカウントをするか、サービスをするしかありません。専門家が出てきて「安心」などと言っても、何の意味もないのです。普通であれば選択しないものを、どう納得してもらうか? 小池都知事はまだ態度を不鮮明にしていますが、自民都議は豊洲移転を強く訴える。つまり説明不足でも、豊洲移転をごり押しする姿勢は、まさに『自民のやり方』と言えるのでしょう。
アントニオ猪木氏が、元秘書で都民ファーストの会から出馬を予定している野田氏を、1120万円の着服で告訴していた、と報じられます。しかし不可思議なのは、16年の7月に解雇し、16年の12月に告訴し、さらに先週の新潮がスクープ記事をだした点です。しかも判子も通帳ももって出ていった、というので、穏当な解雇でないのは明らかですし、解雇した理由が横領だったら、すぐにでも告訴しそうなものです。
あくまで憶測ですが、野田氏が小池氏にすり寄ることが分かり、維新側からの要請で、猪木氏も動いたのでしょう。ただあまり取り上げられず、告訴が受理されたにも関わらず警察も動かない。維新がこのタイミングでリークし、記事になったと考えます。記者会見の場での猪木氏の当惑した顔、一応のシナリオは頭に入れたものの、そこから波及する質問はすべて遮断した点などをみても、猪木氏にとって寝耳に水。困惑が先に立っていたのでしょう。維新に利用された、という気持ちが強かったのかもしれません。
訴訟で政敵つぶし、醜聞で政敵つぶし、自民がよくやる手です。そう考えると、維新も自民からの派生政党であり、自民のやり方を踏襲している、ともいえるのでしょう。しかしそれは、自身の政党を利するのではなく、自民を利することで自分たちも甘い蜜を吸う、という意味ですが。「自民のやり方」それは誰かを不幸にし、それで自分たちが安寧を得る、という手法です。猪木氏の言葉「元気があれば何でもできる」もありますが、自民は「権力があれば何でもできる」というところなのでしょう。猪木氏は会見でも「元気ですか〜」とやっていましたが、そこは「嫌疑ですか〜」でもよかったのかもしれません。「嫌疑があれば敵でもつぶせる。維新・日本会議・自民・ダー」というのが、一連の流れになるのかもしれませんね。
2017年05月20日
米株の堅調さ
米株は予想通りというか、トランプリスクでもふたたび騰勢を強めてきました。今は世界的な低金利もあって、どこも運用難であり、少しでも上昇しやすい市場に資金をおいておきたい、とのニーズがあります。特に株は相場が天井に近いと思っても、下がらないなら配当というインカムゲインもある。下がらない相場にしたい、という意識が機関投資家を中心に広がっているのが、奇妙な相場の底堅さにつながっています。
原油相場がWTIで、ふたたび50$をつけてきたように、OPEC減産延長の思惑ともされますが、減産分はすでにシェールオイルの増産などで埋められつつあり、OPECの方針に関わらず需給は極めて緩んでいる状態です。それでも相場は上げる。米国で原油在庫が増えていても上げる。上にいきたい、いきたいというのが、あらゆる市場で共通した意識です。
しかし米株の上昇には、最近弱含んできた製造業指数の改善も、好感された面があります。ただし製造業の指数が悪くても、新規失業保険申請件数が下がるように、雇用市場は堅調であり、米国はますますモノづくりからサービス業中心の形態へと変化しているようです。ただそうなると、トランプ氏が選挙戦で語っていたラストベルトの雇用が改善したのか? 疑問ものこるところです。他の雇用が改善したのだからよいではないか? というのは日本の見方で、米国では自動車の組立工が、いきなりショップの店員になったりはしないので、ラストベルトの雇用者は相変わらず日の目をみない、ということが起こるのです。
トランプ氏の根強い支持、というのもこのラストベルトに職の改善を約束したからです。つまり新たな業種に転職することもできない人々にとって、やっと自分たちの職を増やす、という大統領が現れた。これまで見向きもされなかった人々の気持ちを、やっと代弁してくれる人が現れた、だから少々の失言や、醜聞でも態度を変えることがありません。しかしそろそろ政権発足から半年、結果が出ないと不支持に回る人も増えるでしょう。
トランプ氏のロシアゲート事件は、かなり根深い問題をはらむようです。ラブロフ外相との会談で、トランプ氏が「重圧を除いた」と発言したことが報じられる。これは大統領と外相との会談内容まで、リークの対象になっているということ。こうなるともうトランプ氏の疑心暗鬼は頂点に達するでしょう。かといった通訳や記録員を置かなければ、会談もできません。諜報機関と敵対して生き残った者はいない、と言われるように、トランプ氏は外と内から徹底的な攻撃にさらされることになるのかもしれません。
しかし市場では、トランプ氏が退陣してもらった方が都合いい、との見方もあります。ペンス副大統領が代行してくれれば、税制改革も早くすすむ。政治的混乱も起きない。そんな裏の裏は表、みたいな発想で、好材料ととらえているのです。しかしペンス氏になったとて財源不足が解消されるわけでもなく製造業の雇用が増えるわけでもない。むしろ米経済の停滞を、より顕在化するとの懸念もただようのです。減税がなければ、すでに正当化できない水準の株価。ダウ20000$をラストベルトだと考えていると、意外なトランプリスクに直面したとき、戸惑うケースも増えることになるのでしょうね。
原油相場がWTIで、ふたたび50$をつけてきたように、OPEC減産延長の思惑ともされますが、減産分はすでにシェールオイルの増産などで埋められつつあり、OPECの方針に関わらず需給は極めて緩んでいる状態です。それでも相場は上げる。米国で原油在庫が増えていても上げる。上にいきたい、いきたいというのが、あらゆる市場で共通した意識です。
しかし米株の上昇には、最近弱含んできた製造業指数の改善も、好感された面があります。ただし製造業の指数が悪くても、新規失業保険申請件数が下がるように、雇用市場は堅調であり、米国はますますモノづくりからサービス業中心の形態へと変化しているようです。ただそうなると、トランプ氏が選挙戦で語っていたラストベルトの雇用が改善したのか? 疑問ものこるところです。他の雇用が改善したのだからよいではないか? というのは日本の見方で、米国では自動車の組立工が、いきなりショップの店員になったりはしないので、ラストベルトの雇用者は相変わらず日の目をみない、ということが起こるのです。
トランプ氏の根強い支持、というのもこのラストベルトに職の改善を約束したからです。つまり新たな業種に転職することもできない人々にとって、やっと自分たちの職を増やす、という大統領が現れた。これまで見向きもされなかった人々の気持ちを、やっと代弁してくれる人が現れた、だから少々の失言や、醜聞でも態度を変えることがありません。しかしそろそろ政権発足から半年、結果が出ないと不支持に回る人も増えるでしょう。
トランプ氏のロシアゲート事件は、かなり根深い問題をはらむようです。ラブロフ外相との会談で、トランプ氏が「重圧を除いた」と発言したことが報じられる。これは大統領と外相との会談内容まで、リークの対象になっているということ。こうなるともうトランプ氏の疑心暗鬼は頂点に達するでしょう。かといった通訳や記録員を置かなければ、会談もできません。諜報機関と敵対して生き残った者はいない、と言われるように、トランプ氏は外と内から徹底的な攻撃にさらされることになるのかもしれません。
しかし市場では、トランプ氏が退陣してもらった方が都合いい、との見方もあります。ペンス副大統領が代行してくれれば、税制改革も早くすすむ。政治的混乱も起きない。そんな裏の裏は表、みたいな発想で、好材料ととらえているのです。しかしペンス氏になったとて財源不足が解消されるわけでもなく製造業の雇用が増えるわけでもない。むしろ米経済の停滞を、より顕在化するとの懸念もただようのです。減税がなければ、すでに正当化できない水準の株価。ダウ20000$をラストベルトだと考えていると、意外なトランプリスクに直面したとき、戸惑うケースも増えることになるのでしょうね。
2017年05月19日
雑感。加計学園の問題
米国ではロシアゲートと呼ばれる、選挙戦の最中の露国の介入を調べるための、特別検察官が任命されました。しかもこの特別検察官は、そこから波及するすべての事案、に対して調査することを求められており、その中にはトランプ大統領によるFBIへの介入疑惑も含まれます。フリン氏は選挙戦の間に露国関係者と18回会った、トランプ氏はコミーFBI長官の解任を副長官からの上申書で決めた、としていましたが、副長官は上申書を提出する前に解任を聞いていた、など様々な疑惑も噴出しています。通常、米国の混乱を望むなら露国は、この疑惑を最大限に利用し、大統領を追い落とそうとするはずですが、逆に否定するところをみても、露国としてはトランプ政権でいた方が都合いい、そんな事情も透けてみえます。
日本では共謀罪が衆院で強行採決されました。自民による『横暴罪』ともされ、審議を30時間で区切ってしまったことは、大きな禍根を残したといえます。しかし自民としては、安倍首相による加計学園の問題が取りざたされ、大幅延長がしにくくなった。しかもこの問題、かなり政権にとって深刻な事実をはらみます。
文科省は8名への聞き取りと、サーバー内のデータ確認で「なかった」としましたが、安倍政権寄りとされる時事通信特別解説員の田崎氏は「多分本物」「官邸は誰が流したか把握」「問題ある人物」だとしています。これを裏から読み返すと「正義感をもつ反骨漢」「官邸としてはどこまでリークしたか、されたか不明」「だから本物でもそう認められない」となります。この程度の調査で2日も要したことをみても、その人物がどの程度の情報をもちだしたのか? その調査が終わらなかったのでしょう。もし処分でもして、さらにリークされたら堪らない。しかも、初日は日時なし、翌日に日時入りのデータが出てきたことをみても、戦略的にデータをだしてくる可能性もあり、安倍政権は恐怖も高まる。そもそもこれほど詳細な日時、人名が記載されたデータであれば、前後関係で検証も可能です。それを検証すらしない、と幕引きを図った時点で、かなり危険だと認識していることになります。
しかし日本では、米国のようにロシアゲート事件、といった一目でわかる醜聞追及のための御旗が立たない。例えば森友学園、加計学園、モリとカケならソバ、なので安倍ソバ用人疑惑としてもよいのでしょう。側用人とは将軍の傍らで、老中の上伸をとりつぐ者、のことです。しかし今回のケースでは、安倍氏の周辺にいる人物が優遇され、かつ省庁まで含めてその罪を隠ぺいする、という意味でのソバ用人です。
またかっこよくするなら、安倍学園ゲート事件と呼んでもよいのでしょう。ただし、日本では米国と異なり、特別検察官も任命できず、不正をした者たちが自分たちの調査をして「問題ない」と言ってしまうぐらいの為体ぶりです。英語でSoberといえば、キマジメなどの意味をもちますが、安倍政権では生真面目である人が居づらくなり、問題ある人物と呼ばれ、排除されていく。腐敗国家の見本のような事態も進行しているのです。今回の問題でも、産経がやたら擁護の論調をとりますが、そんな産経は韓国を侮蔑する記事を上げ、のちに削除しました。しかし他国を笑っていられない、「総理のご意向」で利益誘導する腐敗国家を批判せず、他国を笑っているようでは品位に悖る、とも言えるのでしょう。安倍ソバ用人事件なのか、安倍学園ゲート事件なのか、いずれにしろソバはのど越し、とも言われますが、このままでは共謀罪も含め、日本が息の詰まるような国になってしまうことが確実なのでしょうね。
日本では共謀罪が衆院で強行採決されました。自民による『横暴罪』ともされ、審議を30時間で区切ってしまったことは、大きな禍根を残したといえます。しかし自民としては、安倍首相による加計学園の問題が取りざたされ、大幅延長がしにくくなった。しかもこの問題、かなり政権にとって深刻な事実をはらみます。
文科省は8名への聞き取りと、サーバー内のデータ確認で「なかった」としましたが、安倍政権寄りとされる時事通信特別解説員の田崎氏は「多分本物」「官邸は誰が流したか把握」「問題ある人物」だとしています。これを裏から読み返すと「正義感をもつ反骨漢」「官邸としてはどこまでリークしたか、されたか不明」「だから本物でもそう認められない」となります。この程度の調査で2日も要したことをみても、その人物がどの程度の情報をもちだしたのか? その調査が終わらなかったのでしょう。もし処分でもして、さらにリークされたら堪らない。しかも、初日は日時なし、翌日に日時入りのデータが出てきたことをみても、戦略的にデータをだしてくる可能性もあり、安倍政権は恐怖も高まる。そもそもこれほど詳細な日時、人名が記載されたデータであれば、前後関係で検証も可能です。それを検証すらしない、と幕引きを図った時点で、かなり危険だと認識していることになります。
しかし日本では、米国のようにロシアゲート事件、といった一目でわかる醜聞追及のための御旗が立たない。例えば森友学園、加計学園、モリとカケならソバ、なので安倍ソバ用人疑惑としてもよいのでしょう。側用人とは将軍の傍らで、老中の上伸をとりつぐ者、のことです。しかし今回のケースでは、安倍氏の周辺にいる人物が優遇され、かつ省庁まで含めてその罪を隠ぺいする、という意味でのソバ用人です。
またかっこよくするなら、安倍学園ゲート事件と呼んでもよいのでしょう。ただし、日本では米国と異なり、特別検察官も任命できず、不正をした者たちが自分たちの調査をして「問題ない」と言ってしまうぐらいの為体ぶりです。英語でSoberといえば、キマジメなどの意味をもちますが、安倍政権では生真面目である人が居づらくなり、問題ある人物と呼ばれ、排除されていく。腐敗国家の見本のような事態も進行しているのです。今回の問題でも、産経がやたら擁護の論調をとりますが、そんな産経は韓国を侮蔑する記事を上げ、のちに削除しました。しかし他国を笑っていられない、「総理のご意向」で利益誘導する腐敗国家を批判せず、他国を笑っているようでは品位に悖る、とも言えるのでしょう。安倍ソバ用人事件なのか、安倍学園ゲート事件なのか、いずれにしろソバはのど越し、とも言われますが、このままでは共謀罪も含め、日本が息の詰まるような国になってしまうことが確実なのでしょうね。
2017年05月18日
1−3月期GDPについて
1-3月期GDP速報値が出てきました。11年ぶり5期連続で上昇、などと報じられますが、11年前には研究開発などをGDPに参入していないのであり、比較対象がおかしい。実質で前期比0.5%増、年率で2.2%増。名目で0.0%減、年率で0.1%減。石原経済再生担当相は「雇用と所得環境の改善で消費がもち直し」などと述べ、個人消費も0.4%増にはなっていますが、賃金は下がっており、何をかいわんやです。
名目がマイナスになったように、これは輸入物価の上昇によって実質が押し上げられた、という形であり、ではどうして物価が上昇したのか? それは米大統領選以後、一気に円安となり、1-3月期は平均すると114円台で推移した。10-12月期の前半は100円台の前半であり、それが寄与した形です。
これは金額ベースで輸出を押し上げ、輸入を押し下げる。輸出は2.1%増、輸入は1.4%増。輸出から輸入を差し引いた外需寄与度はわずかにプラスですが、実は円安がなければマイナスだったかもしれない。そして個人消費0.4%増も、円安で外国人旅行客が割安な日本で買い物をした、というに過ぎません。テレビの買い替え需要、などともされますが、4K、8Kの本放送となったら新たにチューナーを買わないとみられない、今のテレビを買わざるを得ないほどエコポイント特需のときの液晶テレビが脆かったなら、それも問題でしょう。
問題は設備投資0.2%増です。機械受注に低下傾向がみられるように、先行きはマイナスが予想される。実は今、世界経済を支えるのは企業間取引です。設備投資と企業広告、好調とされる企業のほとんどがこれで稼いでおり、個人消費で潤うのはAppleやAmazonなど、これらは他社からパイを奪うことで堅調なだけで、世界全体に消費が盛り上がる傾向もない。ネット関連企業はほとんどが広告で稼ぐ媒体です。また消費は低迷しても、設備投資だけは堅調だった。それはIoTなどがすすみ、古い設備での製造が難しくなり、新たな設備への投資も必要だったことから、そうなってきたのです。
しかしここにきて、政府による官製インフレが個人消費を停滞させ、大量生産しにくくなってきた。価格を上げたために一品当たりの利益率は改善するものの、量が捌けなくなり、工場の生産ラインも停滞。日本で労働時間の減少が起こっているのはまさにそれで、企業はモノを作らない、だから賃金も上がらない、消費は弱い、という悪循環が起こり始めているのです。さらに外需、外国人旅行客に頼りたいところですが、ここにきて円高もすすんでいる。かつて有事の円高、などともされましたが、それは外国人投資家が日本株を買うとき、ヘッジで円売りを入れるためであり、ここ数週間の円安傾向も、まさに外国人投資家の株買いと軌を一にして起こってきたものです。つまり有事の円買いではなく、有事の円売りの巻き戻し、が正しい見方になります。
原油安によるオイルマネーショックが起こってから、市場は悪材料に目をつぶる、という傾向も強まった。すべての市場が下落を始めると、負の連鎖が起こることを学習したからです。そして日本では、20000円手前で上値が重い、などとされますが、相場が上昇するときは日系が株買いを行うと同時に、先物売りのヘッジをかける。ノックアウトなども盛んに語られますが、実は相場が下落するときはこの先物売りの反対売買により「底堅い」などとされる状況が一旦は創出されますが、手もちの先物売りを使い果たすと、一気に下落が早まることも度々経験してきました。
さらにここにきて、世界全体で政治が一気に弱体化するリスクも高まってきました。壊れる直前の世界経済、そこに力のない政治が重なるリスク、GDPがGovernment Disturb Politics(政府が政治を乱す)に読み替えるべき日が近づきつつあることもまた、リスクとカウントする必要がでてきたといえるのでしょうね。
名目がマイナスになったように、これは輸入物価の上昇によって実質が押し上げられた、という形であり、ではどうして物価が上昇したのか? それは米大統領選以後、一気に円安となり、1-3月期は平均すると114円台で推移した。10-12月期の前半は100円台の前半であり、それが寄与した形です。
これは金額ベースで輸出を押し上げ、輸入を押し下げる。輸出は2.1%増、輸入は1.4%増。輸出から輸入を差し引いた外需寄与度はわずかにプラスですが、実は円安がなければマイナスだったかもしれない。そして個人消費0.4%増も、円安で外国人旅行客が割安な日本で買い物をした、というに過ぎません。テレビの買い替え需要、などともされますが、4K、8Kの本放送となったら新たにチューナーを買わないとみられない、今のテレビを買わざるを得ないほどエコポイント特需のときの液晶テレビが脆かったなら、それも問題でしょう。
問題は設備投資0.2%増です。機械受注に低下傾向がみられるように、先行きはマイナスが予想される。実は今、世界経済を支えるのは企業間取引です。設備投資と企業広告、好調とされる企業のほとんどがこれで稼いでおり、個人消費で潤うのはAppleやAmazonなど、これらは他社からパイを奪うことで堅調なだけで、世界全体に消費が盛り上がる傾向もない。ネット関連企業はほとんどが広告で稼ぐ媒体です。また消費は低迷しても、設備投資だけは堅調だった。それはIoTなどがすすみ、古い設備での製造が難しくなり、新たな設備への投資も必要だったことから、そうなってきたのです。
しかしここにきて、政府による官製インフレが個人消費を停滞させ、大量生産しにくくなってきた。価格を上げたために一品当たりの利益率は改善するものの、量が捌けなくなり、工場の生産ラインも停滞。日本で労働時間の減少が起こっているのはまさにそれで、企業はモノを作らない、だから賃金も上がらない、消費は弱い、という悪循環が起こり始めているのです。さらに外需、外国人旅行客に頼りたいところですが、ここにきて円高もすすんでいる。かつて有事の円高、などともされましたが、それは外国人投資家が日本株を買うとき、ヘッジで円売りを入れるためであり、ここ数週間の円安傾向も、まさに外国人投資家の株買いと軌を一にして起こってきたものです。つまり有事の円買いではなく、有事の円売りの巻き戻し、が正しい見方になります。
原油安によるオイルマネーショックが起こってから、市場は悪材料に目をつぶる、という傾向も強まった。すべての市場が下落を始めると、負の連鎖が起こることを学習したからです。そして日本では、20000円手前で上値が重い、などとされますが、相場が上昇するときは日系が株買いを行うと同時に、先物売りのヘッジをかける。ノックアウトなども盛んに語られますが、実は相場が下落するときはこの先物売りの反対売買により「底堅い」などとされる状況が一旦は創出されますが、手もちの先物売りを使い果たすと、一気に下落が早まることも度々経験してきました。
さらにここにきて、世界全体で政治が一気に弱体化するリスクも高まってきました。壊れる直前の世界経済、そこに力のない政治が重なるリスク、GDPがGovernment Disturb Politics(政府が政治を乱す)に読み替えるべき日が近づきつつあることもまた、リスクとカウントする必要がでてきたといえるのでしょうね。
2017年05月17日
国家公務員一般職試験の申込減
秋篠宮佳子様が婚約、と報じられます。それはそれでおめでたいですが、テレビのバカ騒ぎにはうんざりさせられます。しかもお祝いムードへの同調圧力をかけるなど、逆にメディアの報道には興醒めするばかりです。お祝い事だからこそ、温かく見守ってあげる、ということができない。スポーツでも競技でも、誰かカリスマをつくってその場限りの盛り上がりをつくり、報道に意味をもたせようとする。真に何を伝えるべきか、讃えるべきか、それが分かっていないから、ただのバカ騒ぎにしかならないのでしょう。
国家公務員一般職試験の申込数が、前年度比で3年ぶりに減少となりました。民間企業の人材不足でそちらに流れた、などともされますが、平成の世に厳しい身分制度が布かれる公務員で、一般職では出世も限られる。それこそ自民で大学の学費を貸与し、出世払いなどという案もでていますが、身分は安定しても上級職試験出身のキャリアには遠く及ばず、出世しない公務員では魅力がない。そしてここにきて新たな問題が持ち上がります。
民進党が入手した、とされる文科省の加計学園への土地譲渡に関する資料。そして籠池氏が公開した森友学園の資料。詳述はしませんが、共通にみられるのは内閣府からの圧力、それに基づいて行われた忖度、配慮、そして異例な対応です。中には政令にない、法令すら破って行われたものもある。例えば近畿財務局や財務省の資料廃棄、などもそうです。本来は契約が終わってからでも検証ができるよう、資料は残しておくよう定められており、それを破ってまで廃棄した、という。つまりここにきて浮上してきたのは、公務員になったら上司の命令で、違法なことをさせられる、という懸念です。特に一般職は不都合なことがあると真っ先に足切りされる。極めて弱い立場であり、魅力が乏しくなったのです。
政治の世界でカリスマを求める動き、その流れが安倍政権を誕生させた、ともいえます。しかしカリスマ的支配を唱えたヴェーバーは、政治学者としても活躍した一方、東洋に対しては『合理性を欠く後進国』と厳しい見方をしたことでも有名です。しかも日本人については「商業道徳がなっていない」とまで評しました。ヴェーバーが見ていたのは大正時代の日本ですが、まさに現代に至るまで首相の意向により、公平であるべき取引が歪められる、商業道徳のなっていない国である、というのも皮肉なのでしょう。
公務員になると、嘘をつかなければならない。悪いことにも手を貸さなければならない。長期政権となり、政治倫理すら崩れてきたのは、共謀罪の審議などを見るもでもなく明らかでしょう。ヴェーバーは『職業としての学問』『職業としての政治』を著し、公正であるべき学者や政治家の姿を示しましたが、安倍政権でこれを読んでいる人はいないようです。そしてこれにもう一つ『職業としての公務員』も付け加えなければならなくなった、それが現代の日本かもしれません。憲法でも15条2項に『すべて公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない』とあります。憲法では公務員を選挙でえらぶ、となっており、必ずしも現状と合ってはいませんが、1項の『公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である』を行使しないといけないのかもしれません。こんなところにある違憲状態、それに集る権力者を放置している以上、『合理性を欠く後進国』との評価もぴったり、となってしまうのでしょうね。
国家公務員一般職試験の申込数が、前年度比で3年ぶりに減少となりました。民間企業の人材不足でそちらに流れた、などともされますが、平成の世に厳しい身分制度が布かれる公務員で、一般職では出世も限られる。それこそ自民で大学の学費を貸与し、出世払いなどという案もでていますが、身分は安定しても上級職試験出身のキャリアには遠く及ばず、出世しない公務員では魅力がない。そしてここにきて新たな問題が持ち上がります。
民進党が入手した、とされる文科省の加計学園への土地譲渡に関する資料。そして籠池氏が公開した森友学園の資料。詳述はしませんが、共通にみられるのは内閣府からの圧力、それに基づいて行われた忖度、配慮、そして異例な対応です。中には政令にない、法令すら破って行われたものもある。例えば近畿財務局や財務省の資料廃棄、などもそうです。本来は契約が終わってからでも検証ができるよう、資料は残しておくよう定められており、それを破ってまで廃棄した、という。つまりここにきて浮上してきたのは、公務員になったら上司の命令で、違法なことをさせられる、という懸念です。特に一般職は不都合なことがあると真っ先に足切りされる。極めて弱い立場であり、魅力が乏しくなったのです。
政治の世界でカリスマを求める動き、その流れが安倍政権を誕生させた、ともいえます。しかしカリスマ的支配を唱えたヴェーバーは、政治学者としても活躍した一方、東洋に対しては『合理性を欠く後進国』と厳しい見方をしたことでも有名です。しかも日本人については「商業道徳がなっていない」とまで評しました。ヴェーバーが見ていたのは大正時代の日本ですが、まさに現代に至るまで首相の意向により、公平であるべき取引が歪められる、商業道徳のなっていない国である、というのも皮肉なのでしょう。
公務員になると、嘘をつかなければならない。悪いことにも手を貸さなければならない。長期政権となり、政治倫理すら崩れてきたのは、共謀罪の審議などを見るもでもなく明らかでしょう。ヴェーバーは『職業としての学問』『職業としての政治』を著し、公正であるべき学者や政治家の姿を示しましたが、安倍政権でこれを読んでいる人はいないようです。そしてこれにもう一つ『職業としての公務員』も付け加えなければならなくなった、それが現代の日本かもしれません。憲法でも15条2項に『すべて公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない』とあります。憲法では公務員を選挙でえらぶ、となっており、必ずしも現状と合ってはいませんが、1項の『公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である』を行使しないといけないのかもしれません。こんなところにある違憲状態、それに集る権力者を放置している以上、『合理性を欠く後進国』との評価もぴったり、となってしまうのでしょうね。
2017年05月16日
米中の動きと日銀
米国ではトランプ大統領がラブロフ露外相に、機密情報を漏洩した、と一部のメディアが複数の政府高官の話として報じました。ISILに関して同盟国から得た情報を、同意も得ずに露国に漏らしたことで、漏洩元を特定される恐れがある、とします。安倍首相との会談の際も、北朝鮮のミサイル発射への対応をメディアを排除せず行った、として糾弾されたばかりのトランプ氏は、安全保障に関して危うさしか感じさせないのでしょう。聞いたことを誰かに言いたい、自分がやっている姿を誰かに見せたい、そんな自己顕示欲で安全保障をされては、実際に動く部隊や諜報機関はたまったものではない。早晩、そちらの方向からも退陣に向けた動きがおきるのかもしれません。
中国で開かれた一帯一路の国際会議、開幕日に北朝鮮がミサイルを発射し、日本では中国側が「泥を塗られた」「メンツを潰された」などの報道も多かったのですが、今日になり少し状況が変わってきました。共同声明は採択されたものの、貿易に関する分科会では欧州側が署名を拒否、EU全体としても提案を受け入れなかった。つまり中国が喧伝する「大成功」どころか、多くの課題を残す形で閉幕したのです。
つまり中国にとって、この国際会議が万事うまくいくのなら、大々的に喧伝するのに北朝鮮が邪魔をした、となりますが、意見調整がすすまずに成功とはいえない状況であったなら、ほかに目を逸らす意味でも北朝鮮の暴走は容認できた、となります。EU側の担当者も文書が回ってくるのが遅かった、とするように中国側の準備不足、根回し不足が初めからわかっていたのでしょう。各国の報道でも細かい報道をされたくなかった、中国の発表を短く伝えるぐらいにしたかったのなら、むしろ中国が北朝鮮にミサイル発射のゴーサインをだした、とみなすことも可能なのでしょう。
黒田日銀総裁が都内で対談を行い、出口戦略について複数の手がある、できると「確信している」と述べました。しかし「確信をもてない」などといえば国債が暴落し、大変なことになりますから、そう答えるしかありません。ただ実際には、長期国債は『出合いなし』が頻発する異常事態がすでに常態化しており、出口に向かった途端に国債が暴落する恐れはぬぐえないのでしょう。唯一、残された手は金融機関と共謀し、国債を買い支えさせることですが、そのときは当座預金への付利など、相当に金融機関を優遇しないと協力も得られないでしょう。何しろ、金融機関としては金利が高い方が収益機会も多いのであって、暴落という急激な動きでない限り、それは望ましい形だからです。
米国ではトランプ政権のレイムダック化が、予想以上に早いかもしれない。中国はそのやり方についていけない周辺国が続出し、事業が立ちいかなくなるどころか、債務国が連携して債権放棄を求めてくるかもしれない。そうなると国内の債務の大きさからも、バブル崩壊が見えてきそうです。経済の二大国が、ともに危うい国家運営を迫られる中、安倍首相や経団連の榊原会長、さらに二階幹事長まで、最近は日経新聞系のメディアの単独取材に応じるなど、経済に関する危機感が相当に政権内にも高まっている、これは証左でもあるのでしょう。世界経済は好調ともされますが、米中の危うい綱渡りの中で、一時的な陽だまりにいるような状況です。相場は悲観の中に生まれ、懐疑の中に育ち、楽観とともに成熟し、幸福の中で消えていく。有名な格言ですが、今の段階が『成熟し』の中にあることも「確信」できるのであり、そうなると日銀はすでに「爆沈している」といえるのかもしれませんね。
中国で開かれた一帯一路の国際会議、開幕日に北朝鮮がミサイルを発射し、日本では中国側が「泥を塗られた」「メンツを潰された」などの報道も多かったのですが、今日になり少し状況が変わってきました。共同声明は採択されたものの、貿易に関する分科会では欧州側が署名を拒否、EU全体としても提案を受け入れなかった。つまり中国が喧伝する「大成功」どころか、多くの課題を残す形で閉幕したのです。
つまり中国にとって、この国際会議が万事うまくいくのなら、大々的に喧伝するのに北朝鮮が邪魔をした、となりますが、意見調整がすすまずに成功とはいえない状況であったなら、ほかに目を逸らす意味でも北朝鮮の暴走は容認できた、となります。EU側の担当者も文書が回ってくるのが遅かった、とするように中国側の準備不足、根回し不足が初めからわかっていたのでしょう。各国の報道でも細かい報道をされたくなかった、中国の発表を短く伝えるぐらいにしたかったのなら、むしろ中国が北朝鮮にミサイル発射のゴーサインをだした、とみなすことも可能なのでしょう。
黒田日銀総裁が都内で対談を行い、出口戦略について複数の手がある、できると「確信している」と述べました。しかし「確信をもてない」などといえば国債が暴落し、大変なことになりますから、そう答えるしかありません。ただ実際には、長期国債は『出合いなし』が頻発する異常事態がすでに常態化しており、出口に向かった途端に国債が暴落する恐れはぬぐえないのでしょう。唯一、残された手は金融機関と共謀し、国債を買い支えさせることですが、そのときは当座預金への付利など、相当に金融機関を優遇しないと協力も得られないでしょう。何しろ、金融機関としては金利が高い方が収益機会も多いのであって、暴落という急激な動きでない限り、それは望ましい形だからです。
米国ではトランプ政権のレイムダック化が、予想以上に早いかもしれない。中国はそのやり方についていけない周辺国が続出し、事業が立ちいかなくなるどころか、債務国が連携して債権放棄を求めてくるかもしれない。そうなると国内の債務の大きさからも、バブル崩壊が見えてきそうです。経済の二大国が、ともに危うい国家運営を迫られる中、安倍首相や経団連の榊原会長、さらに二階幹事長まで、最近は日経新聞系のメディアの単独取材に応じるなど、経済に関する危機感が相当に政権内にも高まっている、これは証左でもあるのでしょう。世界経済は好調ともされますが、米中の危うい綱渡りの中で、一時的な陽だまりにいるような状況です。相場は悲観の中に生まれ、懐疑の中に育ち、楽観とともに成熟し、幸福の中で消えていく。有名な格言ですが、今の段階が『成熟し』の中にあることも「確信」できるのであり、そうなると日銀はすでに「爆沈している」といえるのかもしれませんね。
2017年05月15日
麻生派の拡大と自民内の動き
受動喫煙対策に関して、厚労省をバックに屋内は禁煙、ただし一部のバー・スナックは認めるとする塩崎厚労相と、一定面積以下は喫煙、分煙などで済ませたい自民党喫煙派とで、対立が深まっています。これが単なる党内対立で済まなくなってきたのは、小池都知事が都議選の公約にもりこむのでは? ともされるためです。今国会で法案が成立しないと、都による独自の地方令などでも規制できる。決められない自民、もめている自民、という印象を強める目的もありそうです。
飲食業界から反発もうけそうですが、元々小池氏の支持は女性が多く、子供のために受動喫煙を減らす、というと賛成も集まりそうで、むしろプラスとの読みもある。こういうとき、かつての自民なら寝技師がでてきて、折り合いをつけるものですが、その役に適任の二階幹事長はAIIB会議で中国にいる。このタイミングで法案がまとまらないと、通常国会を延長しない限り、成立は難しい。そればかりか、都議選には間に合わないこと、必定です。
そんな自民で、麻生派と山東派、それに谷垣派を割った6名が合流し、約60名の党内第二派閥が誕生します。麻生財務相が主導する形で、宏池会の流れを汲む谷垣派の一部を泣き落とす形で大宏池会構想としましたが、実際には三木派からの名門でありながら、小派閥にとどまる山東派が麻生氏の誘いにのって、大派閥として出直すのが今回です。
麻生氏としては、大宏池会で細田派を脅かしたい。今は二大派閥制で、自民内を活性化などとしていますが、結局それはあわよくば自分が政権を握るかもしれない、握りたい、ということ。恐らく、安倍氏も二回やったように、自分も…と考えているのでしょうが、散々にミソをつけて第一次政権の幕をひいただけに、支持が集まらないというぐらいは察しているでしょう。そこで別の人間を担いで総裁を、というのが狙いとみます。
しかしここに来て、週刊誌でも報じられた志帥会の流れを汲む二階派と、経世会の流れを汲む額賀派の合流という話もでてきた。志帥会の流れ…といっても二階氏は経世会に近く、合流は自然な流れですし、ここに来て睨みの利く幹事長として存在感を示す。二階氏自身は高齢であること、また自民を離党した経験があるなど、総裁を狙うことは自身の判断としてもないでしょうが、誰かを担いで安倍後の自民を牛耳りたい、そう考えていることは必定です。そして麻生氏、二階氏が狙うのが、岸田外相です。
保守本流とされた宏池会の流れを汲む岸田派は、保守傍流とされた清和会が「保守」などと称されることに、忸怩たる思いもあるでしょう。癖もソツも、まして実績もないとされる外相の職を一先ず無難にこなしており、その意味では経験値もある。麻生氏も、二階氏も、岸田氏を担いで総裁選を戦いたい、とは思えど、麻生氏と二階氏が手を組む可能性は低い。むしろどちらかが岸田氏と結べば、どちらかは反発して離れてしまう、そんな関係にあるのでしょう。
そしてそこには、分裂した谷垣派がどう動くか。麻生派への反発を強めるなら、岸田派との合流も視野に入る。そうなると岸田派、二階派、額賀派、で自民党の過半数に近づくこととなり、むしろ細田派と麻生派が合流するかもしれない。そうなれば二大派閥にまとまる可能性がでてきます。現在、安倍一強などとされるのも、細田派の力が強すぎる面もあるのです。国会も小政党が乱立気味でしたが、自民内も同じであり、細田派が突出して数が多かった。そう、細田派一強が、安倍一強につながっていたともいえるのです。そこに自民内ででてきた動きは、確実に安倍包囲網ともなってくるのでしょう。
受動喫煙の問題からみえる党内の分裂、それに乗じようとする勢力。それは自民内の動きでも同様、安倍後をにらんだ動きがはじまった、それが麻生派の合流なのでしょう。たばこだけに煙に巻く、ということではありませんが、一寸先は闇といわれる政界で、その紫煙の先にみえたのは、自民二大派閥制による疲弊、という形になるのかもしれませんね。
飲食業界から反発もうけそうですが、元々小池氏の支持は女性が多く、子供のために受動喫煙を減らす、というと賛成も集まりそうで、むしろプラスとの読みもある。こういうとき、かつての自民なら寝技師がでてきて、折り合いをつけるものですが、その役に適任の二階幹事長はAIIB会議で中国にいる。このタイミングで法案がまとまらないと、通常国会を延長しない限り、成立は難しい。そればかりか、都議選には間に合わないこと、必定です。
そんな自民で、麻生派と山東派、それに谷垣派を割った6名が合流し、約60名の党内第二派閥が誕生します。麻生財務相が主導する形で、宏池会の流れを汲む谷垣派の一部を泣き落とす形で大宏池会構想としましたが、実際には三木派からの名門でありながら、小派閥にとどまる山東派が麻生氏の誘いにのって、大派閥として出直すのが今回です。
麻生氏としては、大宏池会で細田派を脅かしたい。今は二大派閥制で、自民内を活性化などとしていますが、結局それはあわよくば自分が政権を握るかもしれない、握りたい、ということ。恐らく、安倍氏も二回やったように、自分も…と考えているのでしょうが、散々にミソをつけて第一次政権の幕をひいただけに、支持が集まらないというぐらいは察しているでしょう。そこで別の人間を担いで総裁を、というのが狙いとみます。
しかしここに来て、週刊誌でも報じられた志帥会の流れを汲む二階派と、経世会の流れを汲む額賀派の合流という話もでてきた。志帥会の流れ…といっても二階氏は経世会に近く、合流は自然な流れですし、ここに来て睨みの利く幹事長として存在感を示す。二階氏自身は高齢であること、また自民を離党した経験があるなど、総裁を狙うことは自身の判断としてもないでしょうが、誰かを担いで安倍後の自民を牛耳りたい、そう考えていることは必定です。そして麻生氏、二階氏が狙うのが、岸田外相です。
保守本流とされた宏池会の流れを汲む岸田派は、保守傍流とされた清和会が「保守」などと称されることに、忸怩たる思いもあるでしょう。癖もソツも、まして実績もないとされる外相の職を一先ず無難にこなしており、その意味では経験値もある。麻生氏も、二階氏も、岸田氏を担いで総裁選を戦いたい、とは思えど、麻生氏と二階氏が手を組む可能性は低い。むしろどちらかが岸田氏と結べば、どちらかは反発して離れてしまう、そんな関係にあるのでしょう。
そしてそこには、分裂した谷垣派がどう動くか。麻生派への反発を強めるなら、岸田派との合流も視野に入る。そうなると岸田派、二階派、額賀派、で自民党の過半数に近づくこととなり、むしろ細田派と麻生派が合流するかもしれない。そうなれば二大派閥にまとまる可能性がでてきます。現在、安倍一強などとされるのも、細田派の力が強すぎる面もあるのです。国会も小政党が乱立気味でしたが、自民内も同じであり、細田派が突出して数が多かった。そう、細田派一強が、安倍一強につながっていたともいえるのです。そこに自民内ででてきた動きは、確実に安倍包囲網ともなってくるのでしょう。
受動喫煙の問題からみえる党内の分裂、それに乗じようとする勢力。それは自民内の動きでも同様、安倍後をにらんだ動きがはじまった、それが麻生派の合流なのでしょう。たばこだけに煙に巻く、ということではありませんが、一寸先は闇といわれる政界で、その紫煙の先にみえたのは、自民二大派閥制による疲弊、という形になるのかもしれませんね。
2017年05月14日
雑感、中国の動き
今朝、北朝鮮がミサイルを発射しました。到達高度は2000km以上で、ロフテッド軌道により高度を抑えつつ、実際には4000km超の射程にも達するとみられます。ICBMにまた一歩近づいたとなると、また新たな問題も生じる。まず米軍が日本海に展開していても、ミサイルを撃たれたら撃ち落とせないのでは? との懸念。もちろん、現時点で米軍に北朝鮮からの飛行物を撃ち落とす許可もでていないでしょうが、高高度のミサイルだと海上から離れた場所で発射される可能性があり、海上からの攻撃はますますしにくくなる。戦争状態になれば、空軍により制空権の制圧が行われるでしょうが、宣戦布告のない突発的な攻撃は防げない可能性が高まります。そうなると先制攻撃はうけるのが必然、という事態にもなるでしょう。
米国にとって不都合な事態、ということは中韓の態度にも関わります。大統領選が終わった韓国は、親北政権とも言われますが、早くも米北との距離感を試される。また中国はトランプ政権への配慮をみせ、為替操作国の認定や貿易面での制裁回避、といった方向に舵を切りました。一帯一路会議の開幕に泥を塗られた、というのはあまり意味がない。中国にとって、北が言うことを聞かなくて、という口実にも使えるのですから、むしろ現状は中北関係は冷めきっている、という演出も必要です。ただあまりに距離があり過ぎると、今度は米国からの期待感の喪失にもつながり、だったら経済制裁をかけてもいいのでは、となる。中国にとっても極めて匙加減が難しい問題となります。
そんな中国で、一帯一路会議が開かれ、シルクロード基金への1000億元の増資も含め、総額7800億元を拠出する方針を示しました。沿線国家には500億ドル以上を投資し、18万人の雇用を創出、などと中国は胸をはりますが、中国が事業をすすめると、その雇用の大半は中国人で占められる、という問題がある。中国企業が受注し、中国人が移り住んでその事業にたずさわるのですから、決してその効果がそのまま喧伝できるものではない。波及効果的に、周りの消費が活発になったりはするでしょうが、そのお金は中国国内で回っている。だからこれだけの拠出ができることにもなっています。
しかし最近、中国株市場は年初来安値水準です。中国では不動産市場にしろ、悪化してくると当局が介入し、下支えするのが常態化しており、不動産市場とのシーソーの側面もありますが、上値をとれないと資産価値が上がらず、経済的には決して安泰とはいえない状況です。一帯一路にしろ、すでに中国の材料は織り込み済みのものも多く、今後新たな材料がないと、株にしろ不動産にしろ、厳しいことになるでしょう。中国がいよいよ、バブルとの闘いで、どれだけの能力と規模があるか? 北朝鮮問題にしろ、対応力が試されるといえます。
ただ、市場の噂で少し気になるのが、最近の日本株の急上昇は、中国株投資から手を引いた外国人投資家のマネーでは? ともされる点です。つまり日本株は、先進国投資のカテゴリーから、アジア投資のカテゴリーに格下げされた、ということ。しかも先進国投資は比率が固定されており、海外が上がると日本株も上がる、という循環でしたが、アジア株投資では資金量が固定されており、海外が下げると日本が上げる、という流れにあるともされます。中国株は一部しか海外の投資をみとめていないため、そんなことが起こるともされますが、今後も中国の動向、それにどう付き合っていくかは、日本ばかりか世界の課題でもあるのでしょう。今秋の共産党大会、それまでに中国の動きには注意も必要なのでしょうね。
米国にとって不都合な事態、ということは中韓の態度にも関わります。大統領選が終わった韓国は、親北政権とも言われますが、早くも米北との距離感を試される。また中国はトランプ政権への配慮をみせ、為替操作国の認定や貿易面での制裁回避、といった方向に舵を切りました。一帯一路会議の開幕に泥を塗られた、というのはあまり意味がない。中国にとって、北が言うことを聞かなくて、という口実にも使えるのですから、むしろ現状は中北関係は冷めきっている、という演出も必要です。ただあまりに距離があり過ぎると、今度は米国からの期待感の喪失にもつながり、だったら経済制裁をかけてもいいのでは、となる。中国にとっても極めて匙加減が難しい問題となります。
そんな中国で、一帯一路会議が開かれ、シルクロード基金への1000億元の増資も含め、総額7800億元を拠出する方針を示しました。沿線国家には500億ドル以上を投資し、18万人の雇用を創出、などと中国は胸をはりますが、中国が事業をすすめると、その雇用の大半は中国人で占められる、という問題がある。中国企業が受注し、中国人が移り住んでその事業にたずさわるのですから、決してその効果がそのまま喧伝できるものではない。波及効果的に、周りの消費が活発になったりはするでしょうが、そのお金は中国国内で回っている。だからこれだけの拠出ができることにもなっています。
しかし最近、中国株市場は年初来安値水準です。中国では不動産市場にしろ、悪化してくると当局が介入し、下支えするのが常態化しており、不動産市場とのシーソーの側面もありますが、上値をとれないと資産価値が上がらず、経済的には決して安泰とはいえない状況です。一帯一路にしろ、すでに中国の材料は織り込み済みのものも多く、今後新たな材料がないと、株にしろ不動産にしろ、厳しいことになるでしょう。中国がいよいよ、バブルとの闘いで、どれだけの能力と規模があるか? 北朝鮮問題にしろ、対応力が試されるといえます。
ただ、市場の噂で少し気になるのが、最近の日本株の急上昇は、中国株投資から手を引いた外国人投資家のマネーでは? ともされる点です。つまり日本株は、先進国投資のカテゴリーから、アジア投資のカテゴリーに格下げされた、ということ。しかも先進国投資は比率が固定されており、海外が上がると日本株も上がる、という循環でしたが、アジア株投資では資金量が固定されており、海外が下げると日本が上げる、という流れにあるともされます。中国株は一部しか海外の投資をみとめていないため、そんなことが起こるともされますが、今後も中国の動向、それにどう付き合っていくかは、日本ばかりか世界の課題でもあるのでしょう。今秋の共産党大会、それまでに中国の動きには注意も必要なのでしょうね。
2017年05月13日
雑感。共謀罪の答弁
米国ではトランプ大統領がコミーFBI長官を更迭する前に、3度自分が捜査対象か? と尋ねたところ、NOといったことで更迭しても問題ない、という論調をとっています。しかし捜査対象に「あなたを捜査しています」などという警察官はおらず、また自分の上司であれば尚のこと正直に言うはずないでしょう。むしろ捜査機関に対し、「自分が捜査対象か?」などと尋ねることが問題であり、弁解のつもりがさらに罪を深くした印象です。
トランプ政権では未だに組閣、閣僚の全指名が終わっていませんが、成り手がいないことと同時に、今回の件でも禍根を残したといえます。FBI長官自体は議会の承認をうけるものではありませんし、政権が交代してもコミー氏がつづけていたように、政権に左右されるポストではありませんが、他のポストでさえトランプ氏の不興を買うと、すぐにFiredされてしまう恐れが強まった。それに議会でさえ、承認を通しにくくなったのでしょう。今回の件でも、FBI長官の更迭を容認した司法長官に対して不審が高まっており、またこれまでの閣僚も度々議会証言で、うそを重ねてきた。議会の信用は失墜しており、今後の議会運営も行き詰まりが予想されます。
それでも米国が羨ましい部分は、閣僚人事にともない議会で証言がある点でしょう。日本のように、首相が勝手に指名して任命されるのではなく、どんな態度でその職に臨むのか、ということを議会で証言し、それが記録に残るのです。そこでうそをついていたら、後に糾弾されて閣僚を辞任することになったりもする。官僚の書いた原稿を読むわけでもなく、きちんと証言のできる人間だけが、閣僚として議会にもみとめられるのです。
翻って、日本では相変わらず共謀罪に関して、金田法相は答弁を官僚に丸投げ、金田法相への質問まで官僚が答弁する、といった為体です。しかも金田氏の答弁と、副大臣の答弁に齟齬があった件などはスルーしてすすみます。公明が『取り調べの可視化を検討』で共謀罪を容認した、というのは論外です。本気であれば『検討』を入れてはいけませんし、取り調べの可視化だけでは冤罪の抑止にならない。今回、任意同行されていた女性が自殺した愛媛の事件など、任意同行の段階から捜査過程を明らかにしない限り、何が起こっていたのかも判然としなくなるからです。
法務省の林刑事局長が、「犯罪の嫌疑がなければ尾行や張り込みをできない」と述べましたが、こんなものは当たり前です。問題はその嫌疑をねつ造し、ありもしない嫌疑で捜査に至るかどうか、です。これだけ冤罪が多いのは、その当人はまったく関係ないのに嫌疑がかけられていた、ということ。そして共謀罪では、友達の友達も『組織』にみなされる可能性が高く、嫌疑の連鎖がおこりかねない。そうなれば、誰がどんな嫌疑をかけられ、捜査されるか分からない、となるのです。
さらに組織的犯罪手段の構成員、と認識していない者が計画を立てても共謀罪は成立しない、と答弁した。しかし『共謀』罪だとその答弁は名称とも合致しますが、法案が『テロ等準備』罪であるなら、1人でもテロリストなのですから、話がおかしくなってきます。最近はメディアでも『共謀罪の趣旨を盛り込んだテロ等準備罪』という言い方をしているところもあります。この書き方だと、テロ等準備罪が共謀罪より軽い、という印象もうけますが、名は体を表していないのか、それとも実は共謀罪よりも適用範囲が広いのか。安倍政権では解釈の変更だったり、言葉に新しい意味を付加するなど、法案の中身自体への信ぴょう性も低く、ますます不審が高まります。さらに、安倍政権に近い人物がこれまで有罪確定とみられながら、警察が起訴しなかった例などもある。警察の捜査と政権の態度、米国でも同様ですが、それが共謀したときが、もっとも国民にとって恐怖ということでもあるのでしょうね。
トランプ政権では未だに組閣、閣僚の全指名が終わっていませんが、成り手がいないことと同時に、今回の件でも禍根を残したといえます。FBI長官自体は議会の承認をうけるものではありませんし、政権が交代してもコミー氏がつづけていたように、政権に左右されるポストではありませんが、他のポストでさえトランプ氏の不興を買うと、すぐにFiredされてしまう恐れが強まった。それに議会でさえ、承認を通しにくくなったのでしょう。今回の件でも、FBI長官の更迭を容認した司法長官に対して不審が高まっており、またこれまでの閣僚も度々議会証言で、うそを重ねてきた。議会の信用は失墜しており、今後の議会運営も行き詰まりが予想されます。
それでも米国が羨ましい部分は、閣僚人事にともない議会で証言がある点でしょう。日本のように、首相が勝手に指名して任命されるのではなく、どんな態度でその職に臨むのか、ということを議会で証言し、それが記録に残るのです。そこでうそをついていたら、後に糾弾されて閣僚を辞任することになったりもする。官僚の書いた原稿を読むわけでもなく、きちんと証言のできる人間だけが、閣僚として議会にもみとめられるのです。
翻って、日本では相変わらず共謀罪に関して、金田法相は答弁を官僚に丸投げ、金田法相への質問まで官僚が答弁する、といった為体です。しかも金田氏の答弁と、副大臣の答弁に齟齬があった件などはスルーしてすすみます。公明が『取り調べの可視化を検討』で共謀罪を容認した、というのは論外です。本気であれば『検討』を入れてはいけませんし、取り調べの可視化だけでは冤罪の抑止にならない。今回、任意同行されていた女性が自殺した愛媛の事件など、任意同行の段階から捜査過程を明らかにしない限り、何が起こっていたのかも判然としなくなるからです。
法務省の林刑事局長が、「犯罪の嫌疑がなければ尾行や張り込みをできない」と述べましたが、こんなものは当たり前です。問題はその嫌疑をねつ造し、ありもしない嫌疑で捜査に至るかどうか、です。これだけ冤罪が多いのは、その当人はまったく関係ないのに嫌疑がかけられていた、ということ。そして共謀罪では、友達の友達も『組織』にみなされる可能性が高く、嫌疑の連鎖がおこりかねない。そうなれば、誰がどんな嫌疑をかけられ、捜査されるか分からない、となるのです。
さらに組織的犯罪手段の構成員、と認識していない者が計画を立てても共謀罪は成立しない、と答弁した。しかし『共謀』罪だとその答弁は名称とも合致しますが、法案が『テロ等準備』罪であるなら、1人でもテロリストなのですから、話がおかしくなってきます。最近はメディアでも『共謀罪の趣旨を盛り込んだテロ等準備罪』という言い方をしているところもあります。この書き方だと、テロ等準備罪が共謀罪より軽い、という印象もうけますが、名は体を表していないのか、それとも実は共謀罪よりも適用範囲が広いのか。安倍政権では解釈の変更だったり、言葉に新しい意味を付加するなど、法案の中身自体への信ぴょう性も低く、ますます不審が高まります。さらに、安倍政権に近い人物がこれまで有罪確定とみられながら、警察が起訴しなかった例などもある。警察の捜査と政権の態度、米国でも同様ですが、それが共謀したときが、もっとも国民にとって恐怖ということでもあるのでしょうね。
2017年05月12日
雑感。そもそも論と共謀罪と改憲と
共謀罪における安倍首相の1月の国会答弁で、「そもそも罪を犯すことを目的としている集団」と述べ、批判をうけると、『そもそも』は『基本的に』の意味だとしました。しかし答弁書によると『そもそも』は大辞林に『どだい』とあるから『基本』という意味である、としているようです。しかし本来は『抑』でも『そも』と読み、古典作品でも度々でてくるものであり、前の文をうけて次の語をひきだす、調子を整えるための言葉です。言葉を重ねても『抑』一字であらわし、名詞の意味で用いると『事のおこり、はじめ』などです。
『事のおこり』だから『どだい』ということかもしれませんが、明らかに安倍氏は『そもそも』を接続詞として使っている。前段が分からないため、論評はできませんが、これは「元来、罪を犯すことを目的とした集団」と述べたかったのでしょう。ただし、問題は安倍氏自身が答弁の中で、何度も「辞書を調べた」と述べている点です。しかし残念ながら、どの辞書も『どだい』『基本的に』などの意味を載せていない。安倍氏は架空の辞書を調べた、という不可解さしか残さないのです。恐らく流れは、答弁で「辞書」とつかってしまったから何とか辞書と結び付けたい。そこでぎりぎり『どだい』なら『基』という意味だから基本でもいいだろう、となったのでしょう。しかし安倍氏の調べた辞書の存在は謎のまま残り、かつ日本語に新しい用法が加わった? という気持ち悪さは否めません。
安倍氏の20年施行、発言を受けてストップしていた国会の憲法審査会で、自民の中谷氏が20年に拘らない、との見解を表明して18日に憲法審査会が再開される予定です。しかし18日は自民が共謀罪を強行採決するのでは? とされており、憲法審査会はふたたびストップするかもしれません。これまでも自民党が与野党合意を得ようとする試みがあっても、官邸主導でぶち壊してきた経緯もあって、憲法審査会のスケジュールも予断をゆるさないところなのでしょう。
そもそも(元来)、憲法審査会は「国と地方のあり方」について、各党が意見表明をする段階であって、安倍氏の指摘した9条や26条の議論までは、まだ途方もない時間がかかるものです。それらをいきなり安倍官邸の都合ですっとばして、9条や26条に関して議論しろ、などとしたら国会軽視も甚だしいとなるのでしょう。
しかも、ここに来て改憲における国民投票と国政選挙を同時に、という話がでてきました。恐らく、ここ最近の国政選挙の大勝をうけ、官邸が強気になっているのでしょうが、得票率をみても薄氷であり、やや上回ったぐらいで自民が議席を獲得していますが、まるでオセロのようにすべてひっくり返るほどの危うさ。それに気づいている人間は、その危険性を訴えます。何しろ、初の国民投票となればふだんは投票にいかない層が、必ず動くことになる。すると自公の基礎票の位置づけが低くなり、無党派層がどう流れるかも不明なのです。安倍官邸は、改憲に賛成する人が多い、などと安易に考えているようですが、19年になると日銀が限界を迎え、かつ世界経済もバブルの崩壊となっているかもしれない。そうなると、政権にネガティブな票が増えることも予想されます。
そもそも(事のおこり)は、安倍氏が改憲して名を残したい、という我欲が改憲の発露であることは誰の目からみても自明です。つまりこれは欲を抑えられない、浅はかな政治家の暴走でしかないのです。安倍氏のつかった『抑(そもそも)』、欲を抑えられない、という『基本的に』政治家失格の首相による暴走だとするなら、共謀罪を『凶暴罪』と読み替えてその適用対象を、我欲に基づいて国政を混乱させる政治家にむけなければいけない、となるのでしょうね。
『事のおこり』だから『どだい』ということかもしれませんが、明らかに安倍氏は『そもそも』を接続詞として使っている。前段が分からないため、論評はできませんが、これは「元来、罪を犯すことを目的とした集団」と述べたかったのでしょう。ただし、問題は安倍氏自身が答弁の中で、何度も「辞書を調べた」と述べている点です。しかし残念ながら、どの辞書も『どだい』『基本的に』などの意味を載せていない。安倍氏は架空の辞書を調べた、という不可解さしか残さないのです。恐らく流れは、答弁で「辞書」とつかってしまったから何とか辞書と結び付けたい。そこでぎりぎり『どだい』なら『基』という意味だから基本でもいいだろう、となったのでしょう。しかし安倍氏の調べた辞書の存在は謎のまま残り、かつ日本語に新しい用法が加わった? という気持ち悪さは否めません。
安倍氏の20年施行、発言を受けてストップしていた国会の憲法審査会で、自民の中谷氏が20年に拘らない、との見解を表明して18日に憲法審査会が再開される予定です。しかし18日は自民が共謀罪を強行採決するのでは? とされており、憲法審査会はふたたびストップするかもしれません。これまでも自民党が与野党合意を得ようとする試みがあっても、官邸主導でぶち壊してきた経緯もあって、憲法審査会のスケジュールも予断をゆるさないところなのでしょう。
そもそも(元来)、憲法審査会は「国と地方のあり方」について、各党が意見表明をする段階であって、安倍氏の指摘した9条や26条の議論までは、まだ途方もない時間がかかるものです。それらをいきなり安倍官邸の都合ですっとばして、9条や26条に関して議論しろ、などとしたら国会軽視も甚だしいとなるのでしょう。
しかも、ここに来て改憲における国民投票と国政選挙を同時に、という話がでてきました。恐らく、ここ最近の国政選挙の大勝をうけ、官邸が強気になっているのでしょうが、得票率をみても薄氷であり、やや上回ったぐらいで自民が議席を獲得していますが、まるでオセロのようにすべてひっくり返るほどの危うさ。それに気づいている人間は、その危険性を訴えます。何しろ、初の国民投票となればふだんは投票にいかない層が、必ず動くことになる。すると自公の基礎票の位置づけが低くなり、無党派層がどう流れるかも不明なのです。安倍官邸は、改憲に賛成する人が多い、などと安易に考えているようですが、19年になると日銀が限界を迎え、かつ世界経済もバブルの崩壊となっているかもしれない。そうなると、政権にネガティブな票が増えることも予想されます。
そもそも(事のおこり)は、安倍氏が改憲して名を残したい、という我欲が改憲の発露であることは誰の目からみても自明です。つまりこれは欲を抑えられない、浅はかな政治家の暴走でしかないのです。安倍氏のつかった『抑(そもそも)』、欲を抑えられない、という『基本的に』政治家失格の首相による暴走だとするなら、共謀罪を『凶暴罪』と読み替えてその適用対象を、我欲に基づいて国政を混乱させる政治家にむけなければいけない、となるのでしょうね。
2017年05月11日
近くて遠い日経平均2万円
東電が新経営再建計画を発表しました。原子力や送配電事業で、10年以内に再編・統合をはじめることで、福島原発の処理費用、年5000億円をうみだすとします。しかし原発は自ら免震塔の耐震偽装で再稼働のめども立たなくなり、送配電で5000億円も捻出できるなら、それは利用者や電力自由化で参入した企業へ、過度な負担をお願いするということ。福島原発の処理費用は、すでに想定の2倍。もし年5000億円で処理を継続するなら、最終的に処理が終わるのは当初想定の倍以上の期間がかかる、とも予想されます。
米国で、広島・長崎に落とした原発にかかわった地下施設で天井が陥落、つまり地上からみると陥没して大穴が開く事件がありました。天井が木製だった、などの話もあって、老朽化が原因とみられます。鉄板もコンクリも腐食はする。木より寿命は長いですが、放射性物質の寿命にはとても敵いませんし、放射線環境下ではより腐食もすすむ。これから数十年にかけて、世界は老朽化した原子力施設と向き合っていかなければいけない。日本は超高齢社会ともされますが、原子力施設も超高齢の時代に突入してくるのです。
日経平均は2万円直前で足踏み、などとも報じられます。しかし急ピッチで上昇した、買われ過ぎサインが出ていて時間調整が必要、などとも評されますが、恐らくは外国人投資家にこれ以上、持ち分を増やす余裕がなくなったことが原因です。円安の動きも一服しているように、外国人投資家は日本株を買うとき、よく円売りのヘッジをかけます。東証が引けてからするすると円安になるのも、株式市場の関係者が目を離し、商いが薄くなるタイミングで欧州勢が為替市場に参加してくる。ここ最近は、外国人投資家が主導する円安、株高局面だったことが売買動向などからもうかがい知れます。
最近ではノックアウトの水準感も話題ですが、大切なことは外国人投資家が後どれぐらい買うか、買えるか、です。そして今は、株式の割合以上に円売りの持ち分が気になる。減らしていたとはいえ、4月でもまだ高水準の円売りポジションを持っていたことが、米MMFなどからも鮮明ですから、株買いの勢いから考えても、今や高水準の円売りも溜まってしまっている。株買いの勢いの喪失と、円売りの勢いの喪失と、最近では連動も低くなっていますが、それでも外国人投資家の動向を知る上では重要であり、かつ今後どれぐらい外国人投資家が買えるか、その目安にもなるので重要といえます。
4月の景気ウォッチャー調査では、現状判断DIが5ヶ月ぶりに改善です。下がり続けていたこと、また4月後半から株の上昇局面がはじまったこと、などが改善の理由ですが、しかし先行き判断DIも上昇はしますが、家計動向関連は相変わらず低調であるなど、評価が分かれる部分もある。正直、賃金が伸びるどころか下がっている現状では、家計への期待は乏しい。期待はバブルのつづく海外や、訪日外国人客の懐具合、といった点で企業が夢よ、ふたたびというのが今回の改善の理由でもあるのでしょう。
日本の景気は、景気ウォッチャー調査をみるまでもなく悪い。外国人投資家にとって2万円に大して意味はない。ドル、ユーロベースでみた日経平均ではもう高値なので、これ以上買うのを躊躇う、という面が大きいのでしょう。そして米国で報じられる第2のウォーターゲート事件、とされるFRB長官の更迭も、ここに来てトランプラリーの終焉を意識させ、上値を重くする要因になってきたのです。日本の景気は、もう悪いで確定している。企業は海外の売上高を増やしてきて、それが売上高にも寄与してきましたが、だからこそ海外の景気動向を意識せざるを得ない。米国で、原子力施設に開いた大穴のように、誰が放射線が飛び交うその底に落ちていくか? という意味でも、景気の見方には気をつけないといけないのでしょうね。
米国で、広島・長崎に落とした原発にかかわった地下施設で天井が陥落、つまり地上からみると陥没して大穴が開く事件がありました。天井が木製だった、などの話もあって、老朽化が原因とみられます。鉄板もコンクリも腐食はする。木より寿命は長いですが、放射性物質の寿命にはとても敵いませんし、放射線環境下ではより腐食もすすむ。これから数十年にかけて、世界は老朽化した原子力施設と向き合っていかなければいけない。日本は超高齢社会ともされますが、原子力施設も超高齢の時代に突入してくるのです。
日経平均は2万円直前で足踏み、などとも報じられます。しかし急ピッチで上昇した、買われ過ぎサインが出ていて時間調整が必要、などとも評されますが、恐らくは外国人投資家にこれ以上、持ち分を増やす余裕がなくなったことが原因です。円安の動きも一服しているように、外国人投資家は日本株を買うとき、よく円売りのヘッジをかけます。東証が引けてからするすると円安になるのも、株式市場の関係者が目を離し、商いが薄くなるタイミングで欧州勢が為替市場に参加してくる。ここ最近は、外国人投資家が主導する円安、株高局面だったことが売買動向などからもうかがい知れます。
最近ではノックアウトの水準感も話題ですが、大切なことは外国人投資家が後どれぐらい買うか、買えるか、です。そして今は、株式の割合以上に円売りの持ち分が気になる。減らしていたとはいえ、4月でもまだ高水準の円売りポジションを持っていたことが、米MMFなどからも鮮明ですから、株買いの勢いから考えても、今や高水準の円売りも溜まってしまっている。株買いの勢いの喪失と、円売りの勢いの喪失と、最近では連動も低くなっていますが、それでも外国人投資家の動向を知る上では重要であり、かつ今後どれぐらい外国人投資家が買えるか、その目安にもなるので重要といえます。
4月の景気ウォッチャー調査では、現状判断DIが5ヶ月ぶりに改善です。下がり続けていたこと、また4月後半から株の上昇局面がはじまったこと、などが改善の理由ですが、しかし先行き判断DIも上昇はしますが、家計動向関連は相変わらず低調であるなど、評価が分かれる部分もある。正直、賃金が伸びるどころか下がっている現状では、家計への期待は乏しい。期待はバブルのつづく海外や、訪日外国人客の懐具合、といった点で企業が夢よ、ふたたびというのが今回の改善の理由でもあるのでしょう。
日本の景気は、景気ウォッチャー調査をみるまでもなく悪い。外国人投資家にとって2万円に大して意味はない。ドル、ユーロベースでみた日経平均ではもう高値なので、これ以上買うのを躊躇う、という面が大きいのでしょう。そして米国で報じられる第2のウォーターゲート事件、とされるFRB長官の更迭も、ここに来てトランプラリーの終焉を意識させ、上値を重くする要因になってきたのです。日本の景気は、もう悪いで確定している。企業は海外の売上高を増やしてきて、それが売上高にも寄与してきましたが、だからこそ海外の景気動向を意識せざるを得ない。米国で、原子力施設に開いた大穴のように、誰が放射線が飛び交うその底に落ちていくか? という意味でも、景気の見方には気をつけないといけないのでしょうね。
2017年05月10日
雑感。韓国大統領選
韓国大統領選は、文在寅氏の圧勝という形になりました。事前予想から大きく外れることもなく、選挙期間中のネガティブキャンペーンでも、支持率が変わらなかったのは、最近の仏大統領選も同じです。つまり韓国では保守系の政権にうんざりする、ということが革新系の文氏を支持する動機となっているため、大嫌いよりはそこそこ嫌いぐらいなら支持する、という形になっているのでしょう。
そのネガキャンの一つは、廬武鉉政権のときの黒幕疑惑であり、これは朴槿恵政権の問題と構図がまったく同じ。ただ違いは、文氏は咎められることもなく、今回大統領になった、という点です。韓国の司法制度まで詳しくありませんが、9年以上前だと立件も難しいでしょうから、仮に事実だとしてもそれを咎めることも難しい。結局、それはネガキャン以上の攻撃材料になりえなかった、ともいえます。
文氏は選挙期間中も、THAADの配備について「次の政府に任せるべき」と態度を明確にしてこなかった。しかしこれに追い風を吹かせたのは、トランプ米大統領です。THAADの負担は韓国が、と述べたことで、韓国内でもTHAADの位置づけが揺らいだ。元々、韓国には配備してあろうとなかろうと、ミサイル発射を知ったときにはもう落ちているレベルであって、THAADの必要性は大して高くありません。それに対して負担まで押しつけられるなら、必要という保守系や中道系の洪氏や安氏の意見の方が、むしろネガティブに受け止められた面もあります。THAADの配備について、文氏は未知数であり、今後はどう判断するか、予断をゆるさないのでしょう。
しかし文氏のアキレス腱は、むしろ経済です。韓国株式市場は高値更新と活況ですが、これも世界的なバブルだから。新大統領への期待、という実態のないものに賭けて、買う層が多いというだけの理由であり、これは米大統領選のミラー相場のようになっているためでもあるのでしょう。逆に、それが失望をさそうようなら、一気に売られる。さらに雇用を確保し、人件費を上げるなら株の価値が下がるため、国民の期待に応えるのならますます市場からしっぺ返しを食らう。どちらにしろ、手腕も政策も未知数なのに期待だけは高い、というのはかなり苦しい状況といえます。
しかしそんな手腕も政策も未知数、どころか化けの皮がはがれつつあるのに、未だに期待だけは高い、というのが米国です。トランプ政権ではオバマケアの代替案を、僅差で下院を通過させることに成功しましたが、ネックの上院ではいまだに議員選出などでもめていて、通過できる見込みもありません。さらにここにきて、FBIのコミー長官を更迭する、という。これは議会の反発が強まることも予想され、さらにオバマケア通過に黄色信号がともった、ともいえるのでしょう。
何となく新しい方がいい、そんな思惑も、文氏が支持を集めた理由です。それはトランプ氏も同様、仏大統領選でも目立ったのは極右のルペン氏、極左のメランション氏です。今、世界は大きく二つに分かれつつあり、右と左、今はそこに票が集まるようになっています。そしてそんな両極端な政府は、常に自身を防衛するために警察権を掌握し、自分に罪がかからないようにする、というのもまたお決まりのパターンになりつつあるのでしょう。韓国のことわざで、少し汚い言い方ですが『糞をたれた奴は逃げ去って、屁をした奴が捕まる』というものがあります。大悪党はうまくやって身の安全を確保し、小悪党は逮捕される。文政権がどんな態度をとるか、最初から醜聞がつきまとうだけに、そうした点にも要注目といえるのでしょうね。
そのネガキャンの一つは、廬武鉉政権のときの黒幕疑惑であり、これは朴槿恵政権の問題と構図がまったく同じ。ただ違いは、文氏は咎められることもなく、今回大統領になった、という点です。韓国の司法制度まで詳しくありませんが、9年以上前だと立件も難しいでしょうから、仮に事実だとしてもそれを咎めることも難しい。結局、それはネガキャン以上の攻撃材料になりえなかった、ともいえます。
文氏は選挙期間中も、THAADの配備について「次の政府に任せるべき」と態度を明確にしてこなかった。しかしこれに追い風を吹かせたのは、トランプ米大統領です。THAADの負担は韓国が、と述べたことで、韓国内でもTHAADの位置づけが揺らいだ。元々、韓国には配備してあろうとなかろうと、ミサイル発射を知ったときにはもう落ちているレベルであって、THAADの必要性は大して高くありません。それに対して負担まで押しつけられるなら、必要という保守系や中道系の洪氏や安氏の意見の方が、むしろネガティブに受け止められた面もあります。THAADの配備について、文氏は未知数であり、今後はどう判断するか、予断をゆるさないのでしょう。
しかし文氏のアキレス腱は、むしろ経済です。韓国株式市場は高値更新と活況ですが、これも世界的なバブルだから。新大統領への期待、という実態のないものに賭けて、買う層が多いというだけの理由であり、これは米大統領選のミラー相場のようになっているためでもあるのでしょう。逆に、それが失望をさそうようなら、一気に売られる。さらに雇用を確保し、人件費を上げるなら株の価値が下がるため、国民の期待に応えるのならますます市場からしっぺ返しを食らう。どちらにしろ、手腕も政策も未知数なのに期待だけは高い、というのはかなり苦しい状況といえます。
しかしそんな手腕も政策も未知数、どころか化けの皮がはがれつつあるのに、未だに期待だけは高い、というのが米国です。トランプ政権ではオバマケアの代替案を、僅差で下院を通過させることに成功しましたが、ネックの上院ではいまだに議員選出などでもめていて、通過できる見込みもありません。さらにここにきて、FBIのコミー長官を更迭する、という。これは議会の反発が強まることも予想され、さらにオバマケア通過に黄色信号がともった、ともいえるのでしょう。
何となく新しい方がいい、そんな思惑も、文氏が支持を集めた理由です。それはトランプ氏も同様、仏大統領選でも目立ったのは極右のルペン氏、極左のメランション氏です。今、世界は大きく二つに分かれつつあり、右と左、今はそこに票が集まるようになっています。そしてそんな両極端な政府は、常に自身を防衛するために警察権を掌握し、自分に罪がかからないようにする、というのもまたお決まりのパターンになりつつあるのでしょう。韓国のことわざで、少し汚い言い方ですが『糞をたれた奴は逃げ去って、屁をした奴が捕まる』というものがあります。大悪党はうまくやって身の安全を確保し、小悪党は逮捕される。文政権がどんな態度をとるか、最初から醜聞がつきまとうだけに、そうした点にも要注目といえるのでしょうね。
2017年05月09日
株式市場と、日銀と
安倍首相が述べた「憲法学者の9割が自衛隊を違憲」という数字、今日の国会答弁で「7、8割が…」と数字が変わりました。結局、数字の根拠はないことがここから分かります。根拠があれば数字が変わることはありませんし、アバウトな数字を述べた点をみても、単に個人的な感想、印象のみでそう語っただけでしょう。しかし自分から「読売新聞を読んで」と述べておいて、その根拠とした数字が曖昧では主張の正当性すら揺らぐ、というものです。自分の主張を正当化するためなら、平気でうそをつく。今回もまた、そんな事例の一つとして記憶されることになりました。
最近、株式市場が活況です。昨日は売買代金が3兆円を超え、今日も2.6兆円、5月は比較的商いが低下する月ですが、連休明けの特殊事情とはいえ、海外勢が資金を日本に振り向けてきている様子がうかがえます。一部では、英国の不動産市場の伸びが鈍化したように、先進国向けの投資資金のうち、英国に振り向けていた分を日本へ回す、といった動きがあるのでは? ともされますが、仏国大統領選挙は予想通りの結果、とはいえ議会選挙を待たねばならず、かつ今が経済は絶好調。ここから落ちていく一方であるなら、資金の振り向け先として欧州には不安も残る。
米国もNASDAQは最高値を更新しつづけていますが、高すぎて買うには怖い。お隣の韓国も、国政は混乱中にもかかわらず株式市場は高値をつづけている。OPEC減産合意を上回るシェールオイルの掘削で、原油相場も下落。どうも今、世界はおかしくなっている。リスクはあるけれど、運用して収益をださないと機関投資家や個人投資家が納得してくれない。政治状況や経済情勢など、まったく無視して上げられそうな市場を、ただ上げているだけにすぎない。以前も述べたように、世界はいくつもバベルの塔のようにより高く、より高く、そう動いていることになります。
そんな中、日銀の黒田総裁がアジア開発銀行(ADB)の年次総会で、金融政策について「(経済の)教科書を文字通り適用できない」と、こぼす場面がありました。しかし残念ながら、黒田氏が読んでいる教科書は算数ですが、今の経済は数学で動いているのであり、対応がつかなくて当然です。マネタリーベースを拡大すればインフレ、算数ではそう書いてありますが、数学では金融政策の方向性、資金の流出入量、人口動態からの消費動向など、様々なものが加味されます。日本ではいくらマネタリーベースを増やしても、消費が弱いので物価が上がらない。買わないからモノの価値が上がらないのです。
3月の毎月勤労統計は、実質賃金が前年同月比で0.8%減。これで消費が盛り上がるわけもありません。しかも深刻なのは、パート労働者の時間当たり賃金は2.1%増なのに、実質賃金は2.2%減。つまり単価は上がったけれど労働時間が減ったために、手取りが減った。企業が労働力を確保しよう、とするために薄く広く集めた結果、一人一人には恩恵が行きわたりにくい。そして恐らく、増えた部分は年金を減らされる高齢者の補填に回っているのであり、これでは経済がうまく回るはずもありません。
日銀のある幹部が、金融緩和を止めてインフレ目標が未達となったとき、支払うコストが膨大、として金融政策をつづける、と述べました。簡単に言えば、ここで止めると景気も回復していないから、日銀が抱えた資産のネガティブな部分にかかるコストが日銀の経営を圧迫するから、つづけるしかない。というダメ経営者の典型のようなことを言い出したのです。残念ながら、日銀が東芝と重なってみえます。失敗した政策を見直しもできず、泥沼に嵌まっていく。平気で数字のうそをつく安倍政権といい、数字すら正しく読み解けない日銀といい、この国では数字がすでにおかしくなり始めているのでしょう。「経済学者の9割が安倍ノミクスは危険」という中での、爆騰する市場が示す数字、何を信じるか、さえこの国ではおかしくなり始めてしまっているのでしょうね。
最近、株式市場が活況です。昨日は売買代金が3兆円を超え、今日も2.6兆円、5月は比較的商いが低下する月ですが、連休明けの特殊事情とはいえ、海外勢が資金を日本に振り向けてきている様子がうかがえます。一部では、英国の不動産市場の伸びが鈍化したように、先進国向けの投資資金のうち、英国に振り向けていた分を日本へ回す、といった動きがあるのでは? ともされますが、仏国大統領選挙は予想通りの結果、とはいえ議会選挙を待たねばならず、かつ今が経済は絶好調。ここから落ちていく一方であるなら、資金の振り向け先として欧州には不安も残る。
米国もNASDAQは最高値を更新しつづけていますが、高すぎて買うには怖い。お隣の韓国も、国政は混乱中にもかかわらず株式市場は高値をつづけている。OPEC減産合意を上回るシェールオイルの掘削で、原油相場も下落。どうも今、世界はおかしくなっている。リスクはあるけれど、運用して収益をださないと機関投資家や個人投資家が納得してくれない。政治状況や経済情勢など、まったく無視して上げられそうな市場を、ただ上げているだけにすぎない。以前も述べたように、世界はいくつもバベルの塔のようにより高く、より高く、そう動いていることになります。
そんな中、日銀の黒田総裁がアジア開発銀行(ADB)の年次総会で、金融政策について「(経済の)教科書を文字通り適用できない」と、こぼす場面がありました。しかし残念ながら、黒田氏が読んでいる教科書は算数ですが、今の経済は数学で動いているのであり、対応がつかなくて当然です。マネタリーベースを拡大すればインフレ、算数ではそう書いてありますが、数学では金融政策の方向性、資金の流出入量、人口動態からの消費動向など、様々なものが加味されます。日本ではいくらマネタリーベースを増やしても、消費が弱いので物価が上がらない。買わないからモノの価値が上がらないのです。
3月の毎月勤労統計は、実質賃金が前年同月比で0.8%減。これで消費が盛り上がるわけもありません。しかも深刻なのは、パート労働者の時間当たり賃金は2.1%増なのに、実質賃金は2.2%減。つまり単価は上がったけれど労働時間が減ったために、手取りが減った。企業が労働力を確保しよう、とするために薄く広く集めた結果、一人一人には恩恵が行きわたりにくい。そして恐らく、増えた部分は年金を減らされる高齢者の補填に回っているのであり、これでは経済がうまく回るはずもありません。
日銀のある幹部が、金融緩和を止めてインフレ目標が未達となったとき、支払うコストが膨大、として金融政策をつづける、と述べました。簡単に言えば、ここで止めると景気も回復していないから、日銀が抱えた資産のネガティブな部分にかかるコストが日銀の経営を圧迫するから、つづけるしかない。というダメ経営者の典型のようなことを言い出したのです。残念ながら、日銀が東芝と重なってみえます。失敗した政策を見直しもできず、泥沼に嵌まっていく。平気で数字のうそをつく安倍政権といい、数字すら正しく読み解けない日銀といい、この国では数字がすでにおかしくなり始めているのでしょう。「経済学者の9割が安倍ノミクスは危険」という中での、爆騰する市場が示す数字、何を信じるか、さえこの国ではおかしくなり始めてしまっているのでしょうね。
2017年05月08日
雑感。改憲と読売新聞
昨日の仏国大統領選、マクロン氏が66%、ルペン氏が33%とダブルスコアでマクロン氏が勝利しました。しかし消去法で選んだマクロン氏の66%は、来月の議会選挙では割れるとみられ、既成政党に流れる票も考えると、マクロン氏のつくる『前進』は小政党にとどまる可能性が高い。むしろルペン氏の強固な33%からみても、下手をすれば議会第一党になりかねない勢いです。既成政党である社会党、国民運動連合と前進が組んで、過半数を獲得できるのか? 小選挙区制で、票が割れると怖いのは日本の選挙でもよく知られます。ルペン氏率いる国民戦線の33%、第一回投票でも22%、その力は脅威でしかないのでしょう。
安倍首相が今日の国会で、改憲についての説明を「読売新聞を読んで」と応じました。正直驚くのは、読売新聞をとっていない人は、安倍氏の真意を知らなくていい。もしくは読売新聞を買え、という露骨な販促を政治家が行ったことにもなる点です。まだNHKで報じた、というのなら見るか、見ないか、という選択権を国民に委ねられているので問題は少ない、とはいえますが、この特定のメディアへの利益誘導は、今後も大きな問題になりそうです。
なぜなら森友学園の問題も、加計学園の問題も構図が非常に似通うから。自分が説明しなくても分かるだろう、という空気感をつくっているのであり、説明責任を果たさず、忖度や空気を読む、といったことで物事を押し通してしまう。まさに安倍氏のこうした態度が、国政を大きく混乱させている要因、とさえ言えるものです。
しかも、自民党内でさえも評判の悪い安倍氏の改憲案。9条の1項、2項に手をつけず、3項を付け加えると「だけど…、しかし…」といった接続詞でむすばないといけない。憲法に冗長で、イイワケがましい文章を加えざるを得ない。理念でも何でもなく、これでは説明です。しかも前段で軍隊の不保持を述べておいて、軍隊ではないけれど部隊をもつ、と相反する文脈になる。これまで改憲を主導してきた人間からすれば、ふざけるな! というところですし、護憲派からも何の意味がある? と疑問が呈される。中道を狙ったつもりが、漂流しかねない懸念しかなく、そのため説明を拒否したのかもしれません。
つまり意図を詳しく説明してしまえば、そこに責任論が生じる。やりたかったことができない、ということも政治の世界では失脚する原因となります。森友学園や加計学園の問題から目を逸らし、大義を掲げて求心力を増す、そんな算段だったのでしょうが、国会では安倍離れを加速させかねない事態に陥っている、とも言えるのでしょう。すでに麻生財務相が、岸田派との連携を模索しはじめた。岸田氏も首相の座に色気がある。自民党内にポスト安倍、の機運を高めた、安倍氏の行った読売新聞紙上では改憲発言は、まさに自ら滅びの道へと足をふみだした、そんな行動にもつながるのでしょう。
第一次大戦の混乱に嫌気がさした芸術の世界では、ダダイズムが流行りました。ダダは仏語でいうと『お馬どぅ、どぅ』という玩具で、ダダイズムそのものは『既成価値の否定』という意味をもちます。モナリザの絵にヒゲとエッチないたずら書きをしたデュシャンは、その絵のタイトルにL.H.O.O.Q.とつけました。これを仏語の同音異句にして訳すと「彼女はお尻が熱い。」です。無価値、無意味なものに芸術をみいだすという試み、安倍氏が行ったそれは、どうも自身をめぐる醜聞、そんなものに嫌気がさし、安倍氏が混乱する中で生まれたもの、そんな気がしてなりません。
ダダ、日本では「芸術なんて賛美しても無ダダ」のダダ、とされます。安倍氏が陥ったダダイズム、改憲というムダなことを始めようとして生じたことは、安倍氏のお尻に火が付いた、という意味でL.H.O.O.Q.という評価になりそうですね。
安倍首相が今日の国会で、改憲についての説明を「読売新聞を読んで」と応じました。正直驚くのは、読売新聞をとっていない人は、安倍氏の真意を知らなくていい。もしくは読売新聞を買え、という露骨な販促を政治家が行ったことにもなる点です。まだNHKで報じた、というのなら見るか、見ないか、という選択権を国民に委ねられているので問題は少ない、とはいえますが、この特定のメディアへの利益誘導は、今後も大きな問題になりそうです。
なぜなら森友学園の問題も、加計学園の問題も構図が非常に似通うから。自分が説明しなくても分かるだろう、という空気感をつくっているのであり、説明責任を果たさず、忖度や空気を読む、といったことで物事を押し通してしまう。まさに安倍氏のこうした態度が、国政を大きく混乱させている要因、とさえ言えるものです。
しかも、自民党内でさえも評判の悪い安倍氏の改憲案。9条の1項、2項に手をつけず、3項を付け加えると「だけど…、しかし…」といった接続詞でむすばないといけない。憲法に冗長で、イイワケがましい文章を加えざるを得ない。理念でも何でもなく、これでは説明です。しかも前段で軍隊の不保持を述べておいて、軍隊ではないけれど部隊をもつ、と相反する文脈になる。これまで改憲を主導してきた人間からすれば、ふざけるな! というところですし、護憲派からも何の意味がある? と疑問が呈される。中道を狙ったつもりが、漂流しかねない懸念しかなく、そのため説明を拒否したのかもしれません。
つまり意図を詳しく説明してしまえば、そこに責任論が生じる。やりたかったことができない、ということも政治の世界では失脚する原因となります。森友学園や加計学園の問題から目を逸らし、大義を掲げて求心力を増す、そんな算段だったのでしょうが、国会では安倍離れを加速させかねない事態に陥っている、とも言えるのでしょう。すでに麻生財務相が、岸田派との連携を模索しはじめた。岸田氏も首相の座に色気がある。自民党内にポスト安倍、の機運を高めた、安倍氏の行った読売新聞紙上では改憲発言は、まさに自ら滅びの道へと足をふみだした、そんな行動にもつながるのでしょう。
第一次大戦の混乱に嫌気がさした芸術の世界では、ダダイズムが流行りました。ダダは仏語でいうと『お馬どぅ、どぅ』という玩具で、ダダイズムそのものは『既成価値の否定』という意味をもちます。モナリザの絵にヒゲとエッチないたずら書きをしたデュシャンは、その絵のタイトルにL.H.O.O.Q.とつけました。これを仏語の同音異句にして訳すと「彼女はお尻が熱い。」です。無価値、無意味なものに芸術をみいだすという試み、安倍氏が行ったそれは、どうも自身をめぐる醜聞、そんなものに嫌気がさし、安倍氏が混乱する中で生まれたもの、そんな気がしてなりません。
ダダ、日本では「芸術なんて賛美しても無ダダ」のダダ、とされます。安倍氏が陥ったダダイズム、改憲というムダなことを始めようとして生じたことは、安倍氏のお尻に火が付いた、という意味でL.H.O.O.Q.という評価になりそうですね。
2017年05月07日
安倍首相の改憲メッセージ
仏国大統領選の投開票が始まりました。消去法でマクロン氏、とみられていますが、ソフト路線に転じたルペン氏でもいい、という有権者がどれだけいるか。そしてこれまで消去法で大統領を選び、後悔してきた仏国民が、富裕層の一人で上昇志向の強いけれど、政治的な実績には乏しいマクロン氏で満足できるのかどうか。正直、仏国にとっても不幸な大統領選と言えるのかもしれません。
そんな日本では、安倍首相が「2020年に改憲を」と憲法記念日にメッセージをだしました。9条の1、2項を残した上で自衛隊を明記、高校教育無償化を盛りこむ、といいます。しかしこれほど意味のないことを、国会で何百億円もかけて議論し、国民投票にまた何百億円もかけて行わなければならないのか? 安倍氏自らが述べるように「施行70年で、歴史的使命を果たしたい」「2020年を日本が生まれ変わるきっかけにしたい」というだけの話です。要するに自分が歴史に名を残したいから、国会を通しやすく、国民に理解が得られやすい項目だけにしましょう、と言っているにすぎません。本当にこの人物は、日本をよくしたい、という考えは一切なく、自分が歴史に名を残したい、といった我欲でしか物事を考えられないのでしょう。
まず第26条、教育を受ける権利、教育の義務の第2項『すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育をうけさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償化する。』とあるのですから、高校教育を無償化したいなら、下位にある教育基本法で義務教育を『9年』から『12年』に変えればいい。当然、そのことで受験はどうする、私学との兼ね合いは、などという様々な問題は生じるでしょう。しかしそれは高校教育の無償化、と憲法に書くのと大差はありません。
教育基本法を変えず、義務教育は9年のまま、としても下位の法律でいくらでも可能です。この高校教育無償化は、何となく国民にとって有益そうなものを盛りこみ、改憲議論を活発化させたい、という言葉は悪いですが、ゲスな発想で生まれたもの。そんなものを堂々とメッセージに含めるぐらい、安倍氏の政治センスのなさを露呈する。国民にむけて「そんなものは必要ない」と、正しいことを言えないのですから。
9条も同じです。そもそも1項の『国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。』とあるのに、安保法制の改定で『武力による威嚇又は武力の行使』を可能とする、憲法違反に抵触することをしておいて、今さら3項、4項と追加していって何になるのか。2項の初めに『前項の目的を達成するため…』と、戦力不保持を謳っているのであり、1項が否定されてしまったら、もうこの条文そのものが形骸化しているも同じです。つまり意味がなくなったものに、屋下屋を架します、と述べているに過ぎません。
自衛隊は、憲法学者が9割反対、国民は9割賛成、というのも一体どんなソースから採用したかさえ、さっぱり分かりません。駐韓大使が韓国にもどった後、韓国政府の要職とは会えず、米国のとりなしでやっと首相と会えた、という話が出た後、急に在韓日本人の退避について米軍が協力、という記事がでました。陸路を米軍が担当し、港から海自の船で日本へ、との手法が検討されているようですが、甚だ問題のある方法です。恐らく韓国人が偽造パスポートをつくって、殺到してくることでしょう。戦時の緊急事態に、どうやって見抜くのか? 恐らくこれは、観光産業が大打撃の韓国政府と、在韓日本人に向けてきちんと対応していますよ、と言いたい日本が組んで、こんなつまらない案を出してきたものでしょう。国民の安全、安心が最優先でない政府が、とても非効率でムダである改憲議論をもちだしてきたとて、ろくでもないものにしかならないのは論を待たないのでしょう。仏国では消去法で大統領をえらびますが、日本では小虚報で国民を欺こうとする、そんな手法が蔓延してしまっている、というのが今回の一連の動きでもあるのでしょうね。
そんな日本では、安倍首相が「2020年に改憲を」と憲法記念日にメッセージをだしました。9条の1、2項を残した上で自衛隊を明記、高校教育無償化を盛りこむ、といいます。しかしこれほど意味のないことを、国会で何百億円もかけて議論し、国民投票にまた何百億円もかけて行わなければならないのか? 安倍氏自らが述べるように「施行70年で、歴史的使命を果たしたい」「2020年を日本が生まれ変わるきっかけにしたい」というだけの話です。要するに自分が歴史に名を残したいから、国会を通しやすく、国民に理解が得られやすい項目だけにしましょう、と言っているにすぎません。本当にこの人物は、日本をよくしたい、という考えは一切なく、自分が歴史に名を残したい、といった我欲でしか物事を考えられないのでしょう。
まず第26条、教育を受ける権利、教育の義務の第2項『すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育をうけさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償化する。』とあるのですから、高校教育を無償化したいなら、下位にある教育基本法で義務教育を『9年』から『12年』に変えればいい。当然、そのことで受験はどうする、私学との兼ね合いは、などという様々な問題は生じるでしょう。しかしそれは高校教育の無償化、と憲法に書くのと大差はありません。
教育基本法を変えず、義務教育は9年のまま、としても下位の法律でいくらでも可能です。この高校教育無償化は、何となく国民にとって有益そうなものを盛りこみ、改憲議論を活発化させたい、という言葉は悪いですが、ゲスな発想で生まれたもの。そんなものを堂々とメッセージに含めるぐらい、安倍氏の政治センスのなさを露呈する。国民にむけて「そんなものは必要ない」と、正しいことを言えないのですから。
9条も同じです。そもそも1項の『国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。』とあるのに、安保法制の改定で『武力による威嚇又は武力の行使』を可能とする、憲法違反に抵触することをしておいて、今さら3項、4項と追加していって何になるのか。2項の初めに『前項の目的を達成するため…』と、戦力不保持を謳っているのであり、1項が否定されてしまったら、もうこの条文そのものが形骸化しているも同じです。つまり意味がなくなったものに、屋下屋を架します、と述べているに過ぎません。
自衛隊は、憲法学者が9割反対、国民は9割賛成、というのも一体どんなソースから採用したかさえ、さっぱり分かりません。駐韓大使が韓国にもどった後、韓国政府の要職とは会えず、米国のとりなしでやっと首相と会えた、という話が出た後、急に在韓日本人の退避について米軍が協力、という記事がでました。陸路を米軍が担当し、港から海自の船で日本へ、との手法が検討されているようですが、甚だ問題のある方法です。恐らく韓国人が偽造パスポートをつくって、殺到してくることでしょう。戦時の緊急事態に、どうやって見抜くのか? 恐らくこれは、観光産業が大打撃の韓国政府と、在韓日本人に向けてきちんと対応していますよ、と言いたい日本が組んで、こんなつまらない案を出してきたものでしょう。国民の安全、安心が最優先でない政府が、とても非効率でムダである改憲議論をもちだしてきたとて、ろくでもないものにしかならないのは論を待たないのでしょう。仏国では消去法で大統領をえらびますが、日本では小虚報で国民を欺こうとする、そんな手法が蔓延してしまっている、というのが今回の一連の動きでもあるのでしょうね。
2017年05月02日
連休の谷間の市場
共謀罪の審議を行おうとした衆院法務委員会が、野党から法務委員長の解任決議案の提出により休憩、流会となりました。そもそも連休の谷間の審議自体、異例なことですが、刑事局長の委員会出席の採決を行うなど、委員長の暴走がめだつ委員会でもありましたから、野党もどこかでだすタイミングは計っていたのでしょう。これで5月第2週のうちに通すためには審議時間の足りないまま、委員会を通過させるしかない。しかし重要法案と位置付けてきたものを、審議不足で通したら与党へのダメージは幾許か、国会の審議日程にも大きく影響してくるのでしょう。
しかし連休の谷間でも株式市場は堅調、2日つづけて3桁の上昇です。しかしこれもポジション落としの動きに代わりなく、売り方が下りたことで生じたものです。オランダでも成功したように、仏国大統領選でも経済的には好調であることをアピールし、EU崩壊を防ぎたい、というどこかの思惑を反映したものかもしれない。なので連休中もそう下げることはないだろう、むしろ上昇する恐れがあるから売り方は下りざるを得ないのです。
来月には英国選挙もありますが、上記の思惑なら英国選挙は重視されない。独国選挙まで4ヶ月近くあり、連休明けに一旦は買いの手は止まるかもしれません。何より経済指標を無視しすぎており、ミクロの業績がいい、とはいってもそれすら資産価格の上昇が好影響をもたらしただけで、実際の業務の好調さがつづく見込みはない。マクロの悪化とは将来に亘る懸念材料ともなります。ただ最近の株式市場は、非常に近視眼的な動きがめだち、半年先、1ヶ月先のイベントですら無視した動きもあります。またたぶん大丈夫、予想外の結果になっても何とかなるさ、という奇妙な楽観も支配している。異常な状況です。これはバブルの徒花でしかないのですが、金融引き締め前の最後の一稼ぎ、という面が強いのでしょう。
米MMFの通貨取り組みをみると、円売りの割合が減っているのに、円安に向かっています。円売りの主体が欧州や、国内勢に変化している。欧州ではECBの金融引き締め観測、これは独国選挙までの間隙を縫って行われる可能性が高い。国内勢は運用先に困り、とにかく海外で運用するしかない。しかも為替ヘッジをかけない外債運用もめだち、取引量が増えている間は円安へと向かい易い。それは当面、国内にもどす必要のないお金ですから、円売りが継続しやすいとも言える状況です。
Sell in Mayとも言われ、5月に売れとされる市場が意外と強い理由。誰もが運用せざるを得ない、という中で需給だけの上昇をはじめている。まさにバブルの最終段階ともいえる状況なのでしょう。最近の市場は、Cell Inmate(収容者の小室)といわれています。市場はもう入りきれないほどの人であふれているのに、まだ自分も入れてくれ、と言って次から次へと参加者がいて、それが上値を押し上げている、というのです。しかし小室というように、もうそのキャパシティはオーバーしている。いつそこから人が逃げ出しはじめるのか? 今はSeller in Maze(迷宮にいる売り方)ということもまた、市場を不規則な動きにする原因でもあるのでしょうね。
3日から6日までお休みして、7日に再開したいと思います。
しかし連休の谷間でも株式市場は堅調、2日つづけて3桁の上昇です。しかしこれもポジション落としの動きに代わりなく、売り方が下りたことで生じたものです。オランダでも成功したように、仏国大統領選でも経済的には好調であることをアピールし、EU崩壊を防ぎたい、というどこかの思惑を反映したものかもしれない。なので連休中もそう下げることはないだろう、むしろ上昇する恐れがあるから売り方は下りざるを得ないのです。
来月には英国選挙もありますが、上記の思惑なら英国選挙は重視されない。独国選挙まで4ヶ月近くあり、連休明けに一旦は買いの手は止まるかもしれません。何より経済指標を無視しすぎており、ミクロの業績がいい、とはいってもそれすら資産価格の上昇が好影響をもたらしただけで、実際の業務の好調さがつづく見込みはない。マクロの悪化とは将来に亘る懸念材料ともなります。ただ最近の株式市場は、非常に近視眼的な動きがめだち、半年先、1ヶ月先のイベントですら無視した動きもあります。またたぶん大丈夫、予想外の結果になっても何とかなるさ、という奇妙な楽観も支配している。異常な状況です。これはバブルの徒花でしかないのですが、金融引き締め前の最後の一稼ぎ、という面が強いのでしょう。
米MMFの通貨取り組みをみると、円売りの割合が減っているのに、円安に向かっています。円売りの主体が欧州や、国内勢に変化している。欧州ではECBの金融引き締め観測、これは独国選挙までの間隙を縫って行われる可能性が高い。国内勢は運用先に困り、とにかく海外で運用するしかない。しかも為替ヘッジをかけない外債運用もめだち、取引量が増えている間は円安へと向かい易い。それは当面、国内にもどす必要のないお金ですから、円売りが継続しやすいとも言える状況です。
Sell in Mayとも言われ、5月に売れとされる市場が意外と強い理由。誰もが運用せざるを得ない、という中で需給だけの上昇をはじめている。まさにバブルの最終段階ともいえる状況なのでしょう。最近の市場は、Cell Inmate(収容者の小室)といわれています。市場はもう入りきれないほどの人であふれているのに、まだ自分も入れてくれ、と言って次から次へと参加者がいて、それが上値を押し上げている、というのです。しかし小室というように、もうそのキャパシティはオーバーしている。いつそこから人が逃げ出しはじめるのか? 今はSeller in Maze(迷宮にいる売り方)ということもまた、市場を不規則な動きにする原因でもあるのでしょうね。
3日から6日までお休みして、7日に再開したいと思います。
2017年05月01日
改憲と米艦防護
海自艦いずもが米補給艦が太平洋沖を航行する際に、米艦防護を行います。不可思議なのは、そもそも『いずも』は甲板に離発着用のデッキを備えた、海自艦では珍しい空母並みの能力を有する艦であり、ミサイル防衛などにはまったく適さない点です。つまりこれは、海自が『初』の米艦防護の名誉を、いずもに与えようとした、ということです。
しかも今回の件は、政府にも公表する気がなかったという。しかも太平洋沖、危険はまったくない海域で、かつ戦闘状態でもない補給艦ですから、安保法制の改定により、いついかなる場所であっても海自が米艦防護を行える、というこれは実績づくりのために行われた、となるのでしょう。しかも次になると、もう『初』ではないので、メディアの報道を沈静化させることができ、国民の反発も抑えられる。まさに『名誉』を得たい海自と、『実績』をつくりたい政府、その思惑で意味のない行動をしたことになります。
しかも安倍氏は「英気を養う」として休暇中、いずもはそんな意味のない作戦行動に駆り出される。しかもこれには税金も投入するのですから、尚更意味のあるものでなければならないのに、です。仮に米艦防護が必要だ、と政府が主張しても、これでは誰も納得はしないでしょう。なにか、海自艦を自分たちの玩具、とでも考えている人間たちの仕儀にしか思えないからです。政治家と背広組のせいで、制服組が酷使され、税金が意味もなく垂れ流される、今回の動きはそういうことでしかありません。
そんな安倍首相は新憲法制定議員同盟が開いた集会に参加し、「この節目の年に必ずや歴史的な一歩をふみだす」と述べました。この言葉に集約されるように、安倍氏は「歴史的な」ことをしたいだけで、改憲についてどうしたい、というビジョンはないのでしょう。それが保守については都合よく見える。なぜなら、ふつうは改憲をめざすというと、自らどうしたいとの草案があって、それに向かって邁進するというイメージをもたれがちですが、安倍氏の口から改憲後の姿について語られることがほとんどないように、安倍氏にとって「改憲する」が目標でしかないのです。
なので保守層の「改憲して戦争のできる国にする」という目標と合致した。もし本当にビジョンがあれば、首相を辞した後でいくらでもそれを披見できる機会があった。もし仮にもう一度、首相にもどるという目標があったとしても、です。むしろビジョンを発表し、その賛同を得た方が支持を得やすかった、といえるでしょう。しかしそれをしなかったのは、自らにビジョンがないからです。つまり安倍氏にとっての目標とは「歴史的な」ことをする、名を遺すということでしかないのです。
中曽根元首相は「現行憲法は我々に豊かさをもたらしたが、憲法の欠陥とともに様々な問題に直面」と述べます。一時期までは豊かさが国民に行きわたりましたが、新自由主義の経済を取り入れてからは、格差が広がる一方で低所得世帯が増えた。同じ憲法下であってもこうしたこと起こりうるのであり、憲法の問題ではなく、これは時の政権、憲法の下位にある各種法制によって問題が解決できるか、できないか、それが試されている、ともいえるのです。
現行憲法下で行われた米艦防護とて、こんな意味のないことをして、一体誰が喜ぶのか? ほとんどが歴史に名を刻んで、それを後にニタニタ笑って眺める、という程度の軽輩にとってのイベントなのでしょう。神輿は軽い方がいい、まさに安倍氏はその任にふさわしい、といえるのです。いずもの甲板にはヘリが離発着できる、とされますが、本来は艦載機を搭載し、空母としても機能できるものです。何を載せるか、それによって機能が変わるように、どんな政権を頭にかつぐか、によって国の形も変わってしまう。それを憲法の責任に押しつけるぐらい、無責任な人たちによって改憲議論がすすんでいる時点で、その動きがろくでもない、ということの証明にもなるのでしょうね。
しかも今回の件は、政府にも公表する気がなかったという。しかも太平洋沖、危険はまったくない海域で、かつ戦闘状態でもない補給艦ですから、安保法制の改定により、いついかなる場所であっても海自が米艦防護を行える、というこれは実績づくりのために行われた、となるのでしょう。しかも次になると、もう『初』ではないので、メディアの報道を沈静化させることができ、国民の反発も抑えられる。まさに『名誉』を得たい海自と、『実績』をつくりたい政府、その思惑で意味のない行動をしたことになります。
しかも安倍氏は「英気を養う」として休暇中、いずもはそんな意味のない作戦行動に駆り出される。しかもこれには税金も投入するのですから、尚更意味のあるものでなければならないのに、です。仮に米艦防護が必要だ、と政府が主張しても、これでは誰も納得はしないでしょう。なにか、海自艦を自分たちの玩具、とでも考えている人間たちの仕儀にしか思えないからです。政治家と背広組のせいで、制服組が酷使され、税金が意味もなく垂れ流される、今回の動きはそういうことでしかありません。
そんな安倍首相は新憲法制定議員同盟が開いた集会に参加し、「この節目の年に必ずや歴史的な一歩をふみだす」と述べました。この言葉に集約されるように、安倍氏は「歴史的な」ことをしたいだけで、改憲についてどうしたい、というビジョンはないのでしょう。それが保守については都合よく見える。なぜなら、ふつうは改憲をめざすというと、自らどうしたいとの草案があって、それに向かって邁進するというイメージをもたれがちですが、安倍氏の口から改憲後の姿について語られることがほとんどないように、安倍氏にとって「改憲する」が目標でしかないのです。
なので保守層の「改憲して戦争のできる国にする」という目標と合致した。もし本当にビジョンがあれば、首相を辞した後でいくらでもそれを披見できる機会があった。もし仮にもう一度、首相にもどるという目標があったとしても、です。むしろビジョンを発表し、その賛同を得た方が支持を得やすかった、といえるでしょう。しかしそれをしなかったのは、自らにビジョンがないからです。つまり安倍氏にとっての目標とは「歴史的な」ことをする、名を遺すということでしかないのです。
中曽根元首相は「現行憲法は我々に豊かさをもたらしたが、憲法の欠陥とともに様々な問題に直面」と述べます。一時期までは豊かさが国民に行きわたりましたが、新自由主義の経済を取り入れてからは、格差が広がる一方で低所得世帯が増えた。同じ憲法下であってもこうしたこと起こりうるのであり、憲法の問題ではなく、これは時の政権、憲法の下位にある各種法制によって問題が解決できるか、できないか、それが試されている、ともいえるのです。
現行憲法下で行われた米艦防護とて、こんな意味のないことをして、一体誰が喜ぶのか? ほとんどが歴史に名を刻んで、それを後にニタニタ笑って眺める、という程度の軽輩にとってのイベントなのでしょう。神輿は軽い方がいい、まさに安倍氏はその任にふさわしい、といえるのです。いずもの甲板にはヘリが離発着できる、とされますが、本来は艦載機を搭載し、空母としても機能できるものです。何を載せるか、それによって機能が変わるように、どんな政権を頭にかつぐか、によって国の形も変わってしまう。それを憲法の責任に押しつけるぐらい、無責任な人たちによって改憲議論がすすんでいる時点で、その動きがろくでもない、ということの証明にもなるのでしょうね。