2017年07月

2017年07月31日

雑感。社会面からいくつか…

先週末、原発から出る使用済み核燃料を処理し、高レベル放射性廃棄物となったものを地層処分するための適正について、経産省がマップを示しました。しかし関東、特に東京の地下は早い段階でコンクリ、アスファルトで固められ、かつ地下鉄が錯綜するなど、ほとんど関東ローム層の地下にある岩盤の調査はすすんでいない、とされます。別の場所でも、未だに活断層が発見されたり、それこそ原発の直下にあるのが活断層かどうか、もめている段階であって、このマップは不明、もしくは未定のものまで「好ましい特性が確認できる可能性が相対的に高い」とする、いわば杜撰な内容です。
恐らく国はいくつか、候補をしぼっているのでしょう。しかし例えば東京を候補から外すと「優遇だ!」との批判もある。狙い撃ち、との批判を避けるためにも全国調査しました、という体裁を整えただけのこと。海沿いは海上輸送面から有利、ともしますが、津波対策をどうするのか? 海底や海岸線の形から、津波のエネルギーが増幅するような箇所もあるりますが、そうしたものは一切考慮されていません。これれは安倍政権下で権勢を拡大した状況だからこそだせる、経産省の『おじゃマップ』とも言えそうです。

稲田前防衛相が離任式を行いました。自分大好き、自らグッドルッキングと言ってしまうほどの稲田氏ならでは、のことで、通常は辞任する大臣はこうした大々的な離任式など行いません。やはり自分は悪くないけど、幕僚長や陸自幕僚が情報を上げてこなかったから、自分が詰め腹を切らされただけ、とでも言いたいのかもしれません。
しかしそうであるなら、尚のこと閉会中審査に出席することに、何の問題もないはずです。むしろ身の潔白を明らかにする場、とできるはずです。逆に、出席を拒否すれば実態解明に後ろ向き、として安倍政権にますます逆風が吹く。安倍政権のことを考えるなら、自ら出席します、と名乗り出てもよい場面です。しかし自分大好きで、周りの迷惑にも一切心が配れない、稲田氏は誰にとっても『邪魔女』となったのでしょう。

国の補助金詐欺で、森友学園の籠池夫妻が逮捕されました。しかしあくまで建設費の補助金を不正にうけとろうとした詐欺であり、本丸は8億円の値引きをした財務省近畿財務局における背任容疑です。この詐欺事件は、3通の建設費を記した書類があるなど物証もあり、有罪が確定ですから、大阪地検特捜部もここで籠池氏を逮捕したということは、そう遠くないうちに背任容疑でも何らかの判断を示すものと思われます。
ただし、これが政権にとって邪魔な人間を排除するため、口封じするために勾留する可能性もあり、この点は注視しておかないといけないのでしょう。例えば、日本原研で内部被ばくが起きた事故を、翌日には外部被ばくを誤って計測した、と報じ、その後でこっそりとやっぱり内部被ばくだった、とする。国は過熱しそうな報道を抑え、不都合な方向に世論が向かうのを抑えるためなら、平気でうそをつきます。この逮捕を「一つの山場」などと報じるところもありますが、籠池氏が有罪になるのは当時からわかっていたこと。財務省や財務局まで捜査の手が及んで、初めて実態解明がすすむ、といえるのです。ここを山場などと報じることこそ、実態解明にとっては邪魔場といえ、問題の本質が何か、それを逸らしてはいけないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:30|PermalinkComments(39)このエントリーをはてなブックマークに追加 原子力 | 社会

2017年07月30日

民進代表選と、田原氏の発言

横浜市長選は、自公推薦の現職、林文子氏が当確となっています。与党の地方選3連敗は防げましたが、今回は与野党対立の構図が崩れているので、悪い流れを断ち切った、という意味しかないのでしょう。カジノを含め、林氏の政策が支持された、というより他に選択肢もない、というこれまでの選挙の流れを踏襲したように感じます。

蓮舫氏の辞任に伴う民進代表選、枝野元官房長官と前原元外相が立候補を表明していますが、前回も蓮舫氏、前原氏、玉木氏だったように、民進では3名以上の立候補者がでるのが通例です。それは1対1の対決だと遺恨を残す可能性があるからで、党を分裂する恐れも否めないからです。しかし今回、前原氏と枝野氏は保守とリベラルの対決、ともされますが、代表選後にはどういう形であれ、党が分裂する可能性があります。
蓮舫氏が政策をまとめきれなかったのも、党内の意見集約がままならないのも、政権交代という目標を見失ったままだからです。それは政権の座から滑り落ちた、その総括でさえままらならず、蓮舫氏はその原因をつくった野田氏を幹事長に据えてしまうほど、です。そのため誰もが自分は悪くない、として自説を主張し合う。自分のせいじゃないから、自分が間違っていないから、それができる。できてきた、といえるのです。

しかし安倍政権が退潮しても、民進の党勢が回復しないのは何かおかしい点がある、ということになる。そうなると今度こそ、悪い部分を探さないといけなくなる。そのとき炙り出される悪い部分、それに該当してしまう人は出ていくか、自分を変えざるを得なくなる。そして今回の代表選は、その悪い部分に焦点が当たることになる。どうすれば、ふたたび政権交代を狙えるのか? 果報は寝て待て、として何もせずに無為に過ごした5年、しかし果報があるのに党勢は回復しない。ではどうすれば? それが問われるのが、この代表戦です。
ただここにきて気になるのが、ジャーナリストの田原氏が「首相のためでも、自民のためでもない」ことをして、首相を辞めるという話。野党は反対でない、というのですから、それは野党にとって都合よい提案のはずですが、中身は明かしません。政策的に野党とは大きく違うので、政策の提案ではないでしょう。だとすれば、選挙制度の話だと思われます。

あくまで推測ですが、中選挙区制にもどす。これだと現在のような、オセロをひっくり返すような選挙結果にならない一方、二番手、三番手に野党候補がすべりこめる確率が高くなる。これだと与党としては3分の2確保が難しくなり、改憲が困難になりますが、憲法を広く与野党合意を得ながら審議する、という形にこだわるなら、3分の2という数自体が邪魔にもなり、丁寧な審議と阻害する要因にもなります。それを政権の最後に提案し、それを成果として幕引きとする可能性はあるのかもしれません。
ただしこれは、与党からみれば改憲に賛成しない与党内に対して、強烈な意趣返しにもみえ、かつ自分の手でできないなら、先行きも難しくしてやれ、という嫌がらせにも見える。そしてさらに、これは選挙制度改革をともにやろう、と訴えて解散総選挙を約束した野田民主政権への、返礼ともなります。色々な意味で、選挙制度改革が改憲という目標を失った安倍氏にとって、政治の幕をひきやすい決断ともいえるのです。最初に聞いたときは、解散総選挙の提案か? とも思いましたが、それだと与党内で面白くない人もでるでしょうし、民進が代表選をする中で、解散総選挙の提案もしにくい。一票の格差問題の抜本解決、というのが一つ考え方かと思い至りました。民進がそれを果報とできるか? 議席数を加法できるか? まずは代表選にかかっている、といえるのでしょうね、

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2017年07月29日

経済指標のの集中発表日

6月の一般職業紹介状況、有効求人倍率が1.51倍で4か月連続の改善、ということばかり報じられます。しかし前年同月比で求職者数が4.0%減、求人数6.5%増、就職率が0.4%増、求職者が減って、就職もすすまず、結果的に求人数が積みあがっていく。これが今の状況です。そして恐らくこれから人手不足倒産、廃業がすすみ、均衡へと向かっていく。なぜなら日本はほとんど成長しておらず、国外に販路を求めようにもさらに人材が必要となるので、それもままならない。その均衡点が破れるのも近いのでしょう。
6月の労働力調査をみると、15〜64歳の人口が前年同月比、男性28万人減、女性34万人減、しかし就業者は男性3万人減、女性42万人増。つまり今は非労働力人口が大幅に減ることで人材を賄っていますが、どうしてもこれがゼロになることはない。そして65歳以上の非労働力人口が増えてきた。団塊世代が65歳を超えだし、日本はこれから本格的な労働力不足に突入する。事業をつづけられる労働力を確保できない時代が、すぐそこまで来ているのです。

6月の家計調査は良好でしたが、消費支出の実質2.3%増は、住居費の前年同月比25.1%増が影響しており、被服・教養娯楽などの生活にゆとりがあって増えるものは、逆に減った。勤労者世帯の収入は実質で0.1%増ですが、配偶者の収入が10.1%減となっており、世帯主の収入が1.2%増となっている。あくまで個人的な推量ですが、団塊の世代の男性側の引退によって、女性が世帯主になるケースが増えている。労働力調査をみても男性が減少し、女性が大幅増になっているので、世帯構成の変化が映し出されているのでしょう。
つまり上記、三つの指標が示す日本の少し先の未来は、労働人口の減、消費世帯の減、それに伴う逆人口ボーナスによるマイナス成長に転落、です。そして、安倍政権はこの問題に対して何も手を打っていない。問題は、さらに安倍ノミクスによってこれが加速する恐れもある、ということです。まず黒田バズーカによって、日銀は危機対応における余力が圧倒的に削られてしまった。そればかりか、黒田バズーカを止めた途端に景気後退入りする可能性すら示唆されます。そしてもう一つ、市場に今起きていることが問題です。

株も為替も、日本市場は商いが減少しています。一方で米IMMの取り組みをみても、米国の投資家は円を売っているにも関わらず、円高に向かっている。欧州系と米国との世界経済の今後、その読みの違いという面が大きい。米国ではまだ世界経済に不穏なことが起こるのは先、金利差や中銀の方向性の違いを見て、為替を取引する。しかし欧州系はそう見ていない。今が絶好調すぎて、必ず先行きに不穏なことが起こる、との読みが立つ。だから円を買っている。世界経済が不安定化すれば、日本から海外に流れた投資資金が巻き戻されて円高になる。つまり世界経済が失速するときでも、円買いを入れておくと収益が確保できる。そんな取引にかけた投資家が増えている、というのが問題です。
将来の読みなので、どちらが正しいかは分からない。しかし世界経済が不安定化する前でも、円高要因が芽生えてしまった。問題は、円高がすすむと海外要因が起こらずとも、資産価値の減少を嫌気して、海外投資を引き上げる動きがおこることもあり得る、ということです。逆に、それが世界経済を不安定化させかねない。国内が低成長すぎて、海外に投資する割合を増やし過ぎた日本。外国人投資家にとって、狙い撃ちされやすい状況が徐々に生まれている、ということなのです。

本来、日銀の信用不安がおこれば円安です。しかしその前に大きな円高の波が襲うかもしれません。逆人口ボーナスが確実におこる日本、中央銀行に危機対応能力が乏しくなった日本、海外投資を増やし過ぎて、いざというときの市場急変動を自ら起こしかねない日本、それが安倍ノミクスを5年もつづけた結果、日本が辿りついた今です。日本が先進国か? という話がコメント欄でありましたが、先進国の対義語は後進国です。しかし後進国と呼ばれた国も追いついてきて、先後の差は単なる時間軸上の問題でしかなくなった。問題は、安倍ノミクスによって日本が『後退国』になっている、ということなのです。そしてそんな日本が、世界を不安定化させる引き金を引きかねなくなっている。対応能力が乏しいから、そこを崩そうと考える輩も増えてきます。市場で起こりつつあること、それを看過していると、そのうち取り返しもつかなくなることが確実なのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:36|PermalinkComments(24)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 政治

2017年07月28日

防衛監察について

一部で、稲田防衛相の辞任のタイミングは、蓮舫氏の民進代表辞任つぶし、との報道があります。私も考えましたが、その説をとりません。なぜなら民進にとってネガティブな報道をあえて潰す必要がないからです。さらに女性閣僚と、女性代表のダブル辞任は面白おかしく取り上げられ、かつ稲田氏の方が扱いが大きくなり、ネガティブな見方がさらに拡大されて伝わる可能性がある。むしろ今日、突然の辞任となるとインパクトが大きくなり、週末の話題をさらいまくるのを嫌って、二日にまたがる辞任劇にしたように見えます。
また、個人的にシビリアンコントロールや、自衛隊が閣僚の醜聞を流すことについての是非は、今回のケースではあまり重要視していません。防衛大臣という平民がとんでもない人物だった場合、例えばこっそり他国との戦争を模索していても、自衛官は唯々諾々とその命令に従っていればよい、とはならないからです。政府が隠ぺいするも、それを国民が知っておくべき、そう自衛官が判断するならリークしかないのですから、その手段を狭めてはいけない。あくまで事例ごと、内容ごとに判断すべきでもあるからです。

防衛監察の報告で、重要な点は2月13、15日に「日報データの存在について何らかの発言があった可能性は否定できない」→「書面を用いた報告が為された事実や、非公表の了承を求める報告が為された事実はない」and「防衛大臣により公表の是非に関する何らかの方針の決定や了承がなされた事実はない」です。しかし誰がみても違和感があるのは、「可能性は否定できない」のに、その後の「事実はない」と断定する点です。
議事録が残っているなら、そこに書かれていることがすべてであり、こうした曖昧さはないはずです。議事録が残っていないなら、断定するのがおかしい。そして、わざわざandで結びましたが、報告が遅れた原因となった防衛相の関与についても、一体何を根拠としているのか分からない。曖昧さが混在する点について、調査の限界をみとめていますが、であるなら「事実はない」とすること自体がおかしくなってくるのです。

しかも稲田氏が聴取をうけることになった陸自のメモ書きについてはふれない。なかったこと、とします。しかしそれがなければ、21日には防衛監察の結果は出ていたのであり、もしなかったことにするなら、稲田氏は辞任する必要がない、辞任は考えていなかった、となる。つまり辞任せず、閉会中審査を受ける腹づもりだったのなら、今になっても特段の変化がないことになり、ここで辞任する意味がなくなるのです。
稲田氏は会見で、辞任する意向を「その都度」安倍氏に伝えていた、と述べている。相談した、ともしており、稲田氏が何の情報もなく、居酒屋で上司に愚痴を聞いてもらうのでもない限り、辞任について相談したりはしないでしょう。そして、防衛監察について、19日には官邸に報告を上げていた、という一部報道もあり、もし陸自のメモ書きがなかったことになるなら、安倍氏はその報告を19日にはうけとっていた、となる。安倍氏が閉会中審査で「報告は一切うけていない」という答弁すら、怪しくなるのです。

日報問題に関して、7日の週に閉会中審査を行うことで、与野党が調整に入ったと伝わります。しかし稲田氏の会見を聞くと、稲田氏どころか、安倍氏の出席も必要となってくるのでしょう。最後の最後まで、安倍氏に迷惑をかけまくり、また国民に対しては「誤解を与える」という、自分は悪くないけど誤解するから、などという誰も納得しない説明をくり返す。どこまでいっても、誰にとっても迷惑千万という政治家になってしまったのでしょう。この防衛監察結果、新たな火種をもたらす、という意味で、やはり「火増っ子」という言葉がふさわしいのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:45|PermalinkComments(55)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2017年07月27日

稲田防衛相と、蓮舫民進代表の辞任表明

稲田防衛相が、明日の防衛監察の報告の前に辞意を表明、明日にも辞表を提出すると報じられます。しかし防衛監察の結果をうけ、閉会中審査をすることで与野党が合意しており、明日の辞表が受理されると、閉会中審査の開催すら揺らぐ。黒江防衛事務次官や岡部陸幕長の引責辞任も含め、関係者が事前に逃げだしている印象しかうけません。
安倍首相も菅官房長官も「問題ない」としていたのですから、辞表を受け入れるかどうか、その判断も安倍政権の支持率にかかってきます。しかも辞めれば終わり、にできないのですから、この判断は極めて難しい。憲法違反とまでされた都議選の演説も、閉会中審査で議論しなければいけない。それを放棄し、稲田氏隠しをしたら、自民党はガタガタになりかねないのでしょう。なぜなら安倍氏が自ら言及した「丁寧な説明」から逃げた、とみなされるためです。

民進党では蓮舫代表が辞任の意向です。「遠心力を求心力に替えることができなかった」としますが、民進党内でもっとも強い遠心力をもつのが、野田幹事長です。なぜか? 彼は自分に阿諛追従してくれる人物以外、排除しようとする。権力を握ると、特にそうなる。膝を詰めて話し合って何かを決める、ということをしない。自分がこうと決めたらまい進する、聞こえはいいですが、それが間違っている場合は遠心力しか働きません。誰も彼と心中したいとは思いませんし、何よりそんな権力者への失望が大きくなります。
つまり野田氏は誤ったリーダー観をもっており、それが遠心力の原因です。この10ヶ月、野田氏は積極的に、党内の意見調整をはかり、支持母体である連合に働きかけた形跡がない。これでは求心力が生まれるはずもないのです。憲法にしろ、諸問題にしろ、話し合いで決めましょう、という。これも聞こえはよいですが、積極的に意見をとりまとめていかなければ集約など絶対にムリで、そのときは自分を消して、集団としてのよりよい決着を図らないといけない。野田氏はそこに『自分が…』が出てしまう。つまり指導者として代表的な『率先型』か、『調整型』か、野田氏は『率先型』ですが、それには自身の有能さ、優秀さ、もしくは人徳が必要ですが、野田氏には圧倒的にそれが足りないのに、『率先型』をめざすから、誰もがついていけなくなり、逃げだしていくのです。

そんな人物を幹事長に担いだ時点で、党内不一致が確実となった。野田氏が幹事長を辞めると、次のなり手がいないのはそのためです。そして幹事長ばかりでなく、執行部人事でさえ難航する。それは最初から最終手段のような人事をしたからで、その結果、誰もが今さら頼られても…となってしまった。つまりゲームで例えるなら、国籍問題と野田幹事長というライフを2つもった状態で党運営をはじめたつもりが、一気にライフを使い切ってしまうと、そのままゲームオーバーになった、そんな形なのでしょう。
しかしこの二つの動きで、今後の政局は混沌です。恐らく蓮舫氏の頭にも解散時期があったはずで、早期解散を封じると同時に、新体制で選挙を迎えようとのシナリオがある。一方で、早期の臨時国会開催を求めるにはマイナス。安倍政権も民進の代表選を待たなければ信義に反するので、それを待つと早くとも10月、もしくは安倍政権にとって縁起のいい年末解散辺りが考えられます。それまで政権支持率は下がりつづけるでしょうが、問題は野党の支持率の推移であり、どういった民進執行部となるか、が関わってきます。

民進代表選については、いずれ候補が出そろってからの話になりますが、その前に内閣改造によって、安倍政権がどう変わるのか? もあり、自民、民進ともに体制刷新をしてからの決戦になりそうです。ただ、それが求心力どころか、ともに窮状力から発した組織再編であるなら、主要なところが変わらない自民、主要なところが変わる民進、という対比としての対決が、興味をそそるところなのでしょうね。

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2017年07月26日

雑感。民進の議員懇

昨日まで開かれていた閉会中審査の余波は、今日もつづいています。山本地方創生担当相が今治市、加計学園には何度も連絡していて、京産大にはしていない、との指摘に対して「随時連絡をとっている」とした答弁。内閣府としては確認できないとし、山本氏が直接やりとりしたかも、としました。しかし仮にそうだった場合、山本氏がどんな情報を伝えたか、それすら確認できないことになり、問題が残ると言わざるを得ません。また本当は連絡をとっていないのに、そう答弁したなら虚偽答弁となり、こちらも大きな問題です。
安倍首相の1月20日問題、大臣規範に抵触するために拘っている、という話があります。それまでに加計氏から接待をうけていたら供応に当たる、というものですが、しかし罰則規定のない大臣規範に、そこまで拘泥する必要があるのか? これまでとて、大臣の任命責任はある、と言いながら責任をとってこなかった安倍氏が、ここで関係業者からの供応があった、としたとて罰則のない倫理規定なのですから、これまでと同様、責任をとらなければ済む話です。どうしても切り離したい何かがあったとすれば、供応以上の知られたくない、何か特別な関係があったのでは? そんな疑念も浮かんでしまいます。

右系の二つの雑誌の新聞広告が載っていて、執筆者も似通うのと同時に、見出しもほぼ同じということが少し話題です。恐らくは内容もほぼ同じなのでしょうが、要するにメディアは印象操作をしていて、安倍政権を貶めている。真に悪いのは獣医学部と近い、4条件をつくった石破氏だ、というのが本旨です。驚くのは、こんな主張をしたら自民党が分裂し、弱体化していくことになるのに、それをしている点です。つまり彼らにとって、自民党総裁の対立候補を潰すのが優先であって、自民党がどうなろうと構わない。右系としながら、その態度は未だに安倍一強ならぬ、安倍一徹といった主張にしかみえません。
自民の内紛を促すような態度も、今日になって二階自民幹事長の上から目線発言といい、与党にまったく反省の態度がみられないのも、最大野党の民進の弱体化により、与党の慢心が止まらない、といえます昨日の両院議員懇談会でも、意見が百出してまとまらない。野田幹事長が辞任の意向を示しましたが、後任の幹事長すら決まりません。

蓮舫氏の欠点は、理念でも理屈でも、人徳でも能力でも人を魅了できない、ということです。代表に就任してから10ヶ月経ち、どうやって党をまとめ、どうやって政権交代をめざすのか? その姿がまったく見えない。民進党がどこへ向かおうとしているのか、何を目指すのか、国民どころか、党員ですらよく分からないでしょう。中途半端な追及と、安易な妥協をくり返してきて、やっと加計問題で風に乗ってはみたものの、そのまま糸が切れて、どこへ流れていくのかも、誰にもよく分かりません。
野田幹事長が交代することで、一体何が起きるのか? 国民にどういう国づくりをしていくのか、自民と何がか違うのか、それを明確にしない限り、埋没したまま風頼み、がつづくことになるのでしょう。野田幹事長時代は戦う野党としての、ファイティングポーズすらとらなかった。安倍一強が、自民党の政党支持率が下がらない中、政権支持率だけが下がって、安倍一弱になった。それも野党の選択肢がないのが原因です。しかし右系の雑誌が自民の内紛を促すようなことをはじめている。ここで民進が変わらなければ、政権交代など夢のまた夢、そのときは民進が影も形も残さず終わることにもなるでしょう。蓮舫一弱ならまだトップ交代で済みますが、蓮舫一人ぼっちになる公算も高まってくるのでしょうね。

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2017年07月25日

閉会中審査について2

今日は参院での閉会中審査が行われました。最近、自民は青山氏推しですが、前川前文科事務次官に対する質問では自分の感想を交え、質問が長くなるのと同時に、最後は自分の感想で締めることで印象操作をはかる。安倍首相や加戸前愛媛県知事への質問は短く、相手に自由に喋らせる。よく考えてはいますが、露骨すぎて興醒めする国民も多いでしょう。
しかも加戸氏の話で、東京のキー局が前川氏へのインタビュー映像をみせて、意見を尋ねてきて虚構の話をしていた、としますが、前川氏はこれを否定します。ならば、その映像がテレビ局には残っているでしょうから、どうして青山氏はそれを証拠として提出するよう求めなかったのか? 恐らく前川氏も提出に異論ないでしょうし、加戸氏も同様でしょう。テレビ局とて、すでに使った映像であり、カットした部分も含めて提出したとて問題もない。結局、自民は証拠になるものは示す必要がない、そう考えているとしか思えません。

1月20日に加計学園の申請を知った、という昨日の安倍氏の答弁が問題になっています。これまでの国会答弁でも、もっと前から「知っていた」としており、質問主意書への回答でも、前から知っていたことを示すようです。安倍氏は質問主意書への回答は過去の話で、今回は今治市の申請であり、加計学園が申請したのは1月10日で、それを認可する段階の20日に初めて知った、とします。しかし安倍氏以外の閣僚でさえ、加計氏との接触と働きかけをみとめており、腹心の友である安倍氏にだけ隠す、という説明に納得できるはずもありません。当時は働きかけについて問題視されていない。だから山本地方創生担当相にも会ったのであり、会ったことが問題なら山本氏もアウトになる。そうでないから山本氏にも会っているのに、安倍氏にだけ、何を躊躇ったのか? 理解に苦しみます。
しかも、今治市の職員と会った、とされた柳瀬前総理秘書官は「記憶にない」とし、官邸への入館は「記録にない」とする。1年も経たないうちに誰が官邸に入っていたかも分からない、というこれまで安全保障を訴えてきた安倍政権の、足元の安全保障はザルと示された形になります。議員会館でさえ10年ほど、入館者の記録は残すとしますし、一般企業とて数年は管理するでしょう。官邸はそれすらしていない。全く危機管理もできていない危ない組織と露呈したのです。しかも、それを常々安全保障を主張してきた青山氏が、一切指摘しない。安倍氏の説明通りなら怒り心頭、といった場面であるにも関わらず、です。

そしてこれは、日報問題に関して安倍氏が「報告を受けていない」とすることもそうです。つまり安倍氏は、最終結果が出るまで報告をうけなくていい、としますが、安全保障上そんな報告を待っていられないわけで、待ちの姿勢はおかしいのです。結局、安全保障は二の次、悠長に報告がまとまるまで待ちます、という平和ボケの内閣であることが露呈したのであり、ここも安全保障が重要というなら、怒らないといけない。
今回、自民は「新たに判明したことはない」として、幕引きを図るような発言も聞こえてきますが、むしろ解明すべき事例がはっきりしてきて、また関係者すべてを証人喚問で呼ばないことには、埒が明かないことも分かってきた。加計学園の関係者、今治市、農水省、獣医師会、そして昭恵氏も含めて、偽証罪に問える証人喚問をして、初めて解明に向かって動き出す、といえるのでしょう。

安倍氏は、省庁間の調整のときに第三者の目が入らないことが問題だった、とします。しかし省庁間の調整に、一々第三者を交えるなど、どれだけコストアップで、かつ非効率な組織か? 考えるまでもなくわかるでしょう。第三者の目ではなく、シヴァの額にある第三の目は真実を見通す、とされます。真実を覆い隠し、またそのために余計なコストをかけて、かつその第三者まで「記憶にない」と言い出したら、検証すらできなくなる非常に無駄なことをするだけに終わります。行政官の記憶力について、疑問符が多くつけられた今回を考えると、それをする意味もないのです。シヴァは破壊神、安倍政権に第三の目を用いるなら、破壊と再生がはじまることになる、といえるのでしょうね。

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2017年07月24日

閉会中審査について

閉会中審査の初日、結論から先に書けば、稀に見る安倍政権のノープランぶりが顕著になった、となります。興奮することなく、穏やかに答弁すれば国民の印象もよくなり、支持率が回復するのでは? そんな期待をもっているようですが、証拠を示すこともなく水掛け論に終われば、心証はさらに悪化する。行政機関が他省庁と調整すれば、必ず文書を残す。事実として文科省からはメモ書きも含め、様々なものが出てくるのに、内閣府や官邸からは一向に出てこない。今回もそれは変わりませんでした。

安倍首相は冒頭「李下に冠を正さず」を用い、友人に関わることで疑念があるのはもっともで、答弁にその視点が欠けていた、ことを謝罪しました。しかしずっと「腹心の友」への便宜では? と追及されても答弁してこなかったのは「欠け」ではなく「避け」もしくは「逃げ」です。そして、この問題でずっと欠けているのは記憶と記録であり、今日の答弁でも連呼された「記憶にない」「記録がない」を、連呼する姿勢には、理解するだけの冠(頭)ですら正しく機能していない、と思わざるを得ません。
前川前文科事務次官からキーパーソンと名指しされた和泉補佐官は、感情的で不安定な答弁を繰り返しました。「極端な話をすれば記憶に残る」として「総理に代わって私が言う」発言を否定しましたが、「極端な話」でない部分の記憶はしっかりしているようで、前川氏との会話で「特区や規制改革をフォローするように」という業務連絡のような話を、滔々と語りました。和泉氏の「極端な話」は自分に不都合なことは記憶に残らず、都合いい部分だけは捻じ曲げてでも記憶をつくりだす、と述べているようにしか聞こえません。

国家戦略特区WGの八田議長もおかしな答弁をする。小野寺自民党議員からの質問で、「獣医学部は参入規制の典型」としますが、元は農水省の獣医師の需要予測に基づいて、新設を認可するかどうか、が決まります。つまり需要予測がどうだったか、について一切語らない。文科省だけが抵抗勢力であるか、のように語りますが、一貫して農水省の需要予測について安倍政権が語ったことはない。だからこれが「利益誘導の典型」、作るべきでないのに作らせようとする、そんな形にしか見えないのです。
そこに特区という、安倍氏が主導した組織がかかわり、かつ申請を出していることさえ安倍氏に認識がなかった、などというから話がおかしくなる。ゴルフも食事もして、しかも会う数が増えていて、かつ何度も申請をだすほど固執しているのに、億尾にもだしていないのか? 誰もが「そんな馬鹿な」と感じることに、相変わらず答えがない。私を信じて、と言いたいのかもしれませんが、その信用が落ちているから支持率も下がっているのであって、だとすれば信じられるだけの材料は、安倍氏が提示しなければいけないのに、それが今回もまったくない。それがノープランの意味です。

これまでも申請があったのに、対応していないから今回も加計学園に安倍政権として便宜をはかったことがない。そういう理屈を用いますが、それは加計学園の経営環境が悪化したことで、泣きつかれたなら今回で対応が変わることもあるわけで、何の説明にもなっていません。事実、建設費の坪単価が高すぎる、などは実際の工事費に上乗せしたのではないか? と疑わせるわけで、加計学園の経営環境まで含めて、精査しない限りは安倍政権の主張をそのまま受け取ることができないのです。
明日は参院でも閉会中審査が開かれますが、一旦嘘つきにみられた後、丁寧さを装うとそれだけで詐欺的にみえ、むしろ疑惑を深めるだけと言えます。今日と同じことをくり返すならノープランどころか、ノープレイン、水平から浮上できないどころか、沈んでいくばかりとなるでしょう。これまで散々、職をかけると言ってきて、ここにきてそれを言わなくなった。追い込まれたこの段階になって、急に自分の身がかわいくなったというのなら、少なくともノーブレイン、考えることすら放棄し始めた、といえるのかもしれませんね。

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2017年07月23日

仙台市長選と為替の動き

仙台市長選が野党共闘で、前衆院議員の郡和子氏の初当選という結果になりました。産経などは民共共闘という見出しで報じ、民進党は優勢が伝わってから支援に前向き、などともしますが、この仙台市長選は国政の縮図のような選挙戦だったことが興味深い。つまり自民県連、公明県連支持の菅原氏と、民進、社民支持、共産、自由支援の郡氏、元みんなの党の林氏、元自民の大久保氏、この4人の争いは、自民、野党連合、野党ながら自民補完勢力、傍流という4つに分類される。今後も、この構図の選挙戦が日本中で多く展開されることが予想されます。
自民はステルス戦術を強いられた、ともされますが、国政選挙になれば嫌でも前面に立つことになる。その場合はもっと悲惨な結果になることでしょう。そして自民補完勢力は、この構図では埋没が確実です。ただでなくとも多すぎる自民党議員、公認をうけられずとも議員に未練を残し、出馬することでそれも票の分散になる。野党共闘が怖いばかりでなく、与党にとっては維新までもが目の上のたんこぶ、この構図の中では邪魔な存在になりかねないのです。
また『野党共闘』と報じられることこそ、自民にとっては厄介極まりない。なぜなら、それが自民対抗勢力にみえるから。だから産経は『民共共闘』という書き方をする。自民との対立構造ではなく、『民共』という別組織にみえるよう、工夫しているのです。しかし小手先の詐術など吹き飛ばすほどの逆風が今、与党には吹いている。それが仙台市長選で明らかになったことなのでしょう。安倍氏が解散に前向き、などという話もありますが、都議選でさえ前面に立つことを恐れ、演説もできなかった人物が解散して、選挙を戦えるのか? もし安倍隠しをして大敗したら、党内の逆風が安倍氏など吹き飛ばしてしまうのでしょう。

ここにきて少し気がかりなのが、市場の動きです。先週、為替市場では円高に向かいましたが、これは米投資家が蓄え過ぎた円売りを巻き戻したもの、とみていました。しかし米MMFの取り組みでみると、むしろ増やしていた。高水準の円買いのマグマが、さらに溜まってしまった状態です。怖いのは、こうした一方的に傾きが大きくなりすぎると、その撒き戻しが一気におきる点です。しかも、今以上に円売りを入れる要因が、当面はなくなったのであり、いつどこでその巻き戻しが起きるか。緩やかならよいのですが、急になると経済的、市場的には大きなインパクトをもたらすことになります。
内閣府の経済白書でも、安倍ノミクスの失敗を意識させる内容も散見される。これはいつまでも失敗を認めないと、政策の変更もできないのと同時に、次の政権にとって負の要因を引きずることになるため。つまり徐々にですが、官僚の中でも次期政権へのシフトが起きつつある。日本の経済政策の転換点に差し掛かりつつあり、それも不規則要因として意識されるようになるのかもしれません。

政権が長期であればいい、などというのは論外です。安倍政権は、短期の成果を焦り過ぎて滅茶苦茶なことをしてきた。安倍ノミクスも、黒田バズーカもそうです。だから5年も経つと、その弊害が目立ってきたのであり、経済的には限界に近付きつつある。そこに政治的な緩みが重なって、さらに苦境に転じつつある。支持率が崖を下るように落ちていくのは、様々な要因がここで限界であることを示すのでしょう。
明日からの閉会中審査、そしてまだまだ続く重要な地方選、そして補選、安倍政権にとってはさらに苦境を意識させることにもなるのでしょう。日本に起きつつあるパラダイムシフト、安倍氏からみるとパラダイスシフト、天国から地獄へ、を目の当たりにすることになるのかもしれませんね。

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2017年07月22日

雑感、米中包括経済対話

トランプ氏がG20の場で、安倍昭恵夫人が「ハロー」も言えなかった、と述べました。しかし米紙が検証したところ、英語でスピーチもしており、日常会話はムリでもある程度の英会話能力はあるとみられ、米紙などは昭恵氏を英雄視する向きもありますが、失言続きの昭恵氏が失敗を恐れ、通訳を介した会話のみと決めていた、そう考えると分かり易いのでしょう。それに、恐らくトランプ氏のようにぐいぐいくる人物は嫌いなタイプであり、その嫌悪も手伝っていたのかもしれません。いずれにしろ深い考えがあってやったことではなく、自分本位な態度が、嫌われ者となったトランプ氏への態度として、米国ではそれができないことからの称賛、という見方もできてしまいます。

米トランプ大統領と中国の習近平主席との首脳会談で決まった100日計画、それにつづく経済問題を話し合うための米中経済包括経済対話が開かれ、会見も中止されるなど、双方にとって何の進展もなく終わりました。恐らく中国にとって100日計画というのは、トランプ政権の値踏みをするための期間であり、どうやら長く保ちそうにない、となって安易な妥協をする必要性がなくなったものでしょう。トランプ政権はこれを成果として喧伝することを目論見、強く迫ったのでしょうが、中国の抵抗が強くて驚いたかもしれません。それはトランプ-習会談と、中国の様子がまったく異なるためでもあったのでしょう。
しかし中国と交渉したことがある人間なら、それまで下手に出ていても、こちらが弱みを見せた途端に攻めてくる、という経験は誰しもあるでしょう。中国にとって、米国は強気にでられる相手となった。北朝鮮との取引で、中国企業や個人に対して制裁が科される見込みですが、それとて中国としては想定内でしょう。それは北朝鮮が制裁をうけても順調に成長をつづけるように、中国企業にとっても米国の制裁より、実利が上げられるなら北朝鮮との取引をつづける。長期的な国際関係より、目先の利益を最大化し、それをくり返すのが中国流の経済外交、ということもいえるのです。

しかし米中包括経済対話がとん挫すると、飛び火するのは日本です。トランプ氏が成果を求めるなら、安倍氏しかいないからで、今のところ防衛予算の拡大によって、米国製兵器の購入を増やす、ということでまとまっていますが、恐らくはもっと成果を求めて、日本への要求がエスカレートするでしょう。それを断る力が今の日本にはありません。
トランプ政権の退陣が早いか、それとも要求をのまざるを得ないのか? それとも安倍政権の退陣によるごたごたで圧力回避となるのか? そうした時間軸の問題にもなってくるのでしょう。昭恵氏がハローも言えなかったのか、ハローと挨拶するほどの間柄にならないことを見越したのか、米中の首脳ともども波浪高し、ということだけは間違いないのでしょうね。

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2017年07月21日

政治家と、友人

稲田防衛相が会見を開いていますが、陸自にしろ幕僚長にしろ、稲田氏のいう「打合せ」を行ったのなら、必ず議事録を残しているはずであって、それを出せば一発で事実関係が解明するはずです。また山本地方創生担当相も会見で「京都もつづく」というような発言をしたことは認めていますが、告示前にその発言をしたら、その時点で四国に決まり、加計ありきだとされても仕方ありません。この件でも、メモ書きを残しているとしながら、捨てたという。しかも自分が見て、確認してから捨てたのですから、悪質極まりないと言えます。
森友学園の問題から一貫するのは「記録はない」だけど「そんなことは言っていない」という、あえて水掛け論にするような政府の対応です。本当は記録を残しておかなければ、その時点で責任論でアウトのはずが、責任論は棚上げしておいて、自己保身を図ろうとする。しかも、その自己保身のために他者を切り捨てる、もしくは他者に罪を被せようとして、反撃されて困っているのが今です。森友問題の籠池氏、稲田氏に対する陸自幕僚、山本氏に対する獣医師会、すべて同じ構図でカウンターが返ってきているのが現状です。そして相手は記録をだし、正当性を主張するも、安倍政権の側は「記録はない」「そんなことは言っていない」をくり返す。だから誰も、安倍政権の主張を信じないのです。

稲田氏は、安倍首相の「秘蔵っ子」という話もありますが、今や「火増っ子」という言葉が正しいのでしょう。安倍政権に降りかかる火の粉、さらに勢いを増すことばかりしています。防衛監察をうける、としますが、陸自幕僚は議事録をだしているのですから、稲田氏が記憶のみをその根拠とするなら、明らかに反論としては弱い。その場合、防衛監察はあくまで自衛隊内の法令違反などがあった場合に機能する組織であり、防衛相直下の組織です。その組織が、上司である稲田氏を処分できるのか? という疑義も生じます。
つまり稲田氏が防衛監察に協力したとて、今日ともされていた報告を覆すのかどうか、その判断も稲田氏次第であり、稲田氏を調査するのは第三者委員会なり、別組織を仕立てなければいけないのではないか? そんな疑問もわきます。結局、防衛監察をうける、というのが時間稼ぎ、24、25日の閉会中審査を「防衛監察中なので」で乗り切るための、方便にしか見えない。しかも28日とされる防衛監察でケジメ、8月3日の改造で交替、というシナリオのための日程に見えてしまう。この時点でマイナスの対応といえます。

誠心誠意を尽くして説明し、国民に理解してもらう。そういう態度でない限り、支持率回復など絶対にムリであるにも関わらず、それができない。加計氏の参考人招致も与党が拒否していますが、安倍氏が「腹心の友」とまでした人物は、随分と安倍政権に非協力的といえ、自ら説明して潔白を証明する、ということもせずに逃げ隠れする。むしろ「不苦心の友」、加計氏は苦心することなく、安倍政権だけが苦境に陥っていくというのなら、友人関係としては極めて歪な間柄と言えそうです。
まともに説明もできない、関係者も呼べない、ということなら、その時点で安倍政権は終わっているといえ、年内に退陣となるでしょう。しかし次期総裁について語るのは時期尚早といえますが、今の自民党総裁選は、ほとんど議員票で決まってしまい、党員票、地方票が死んでしまう。かつ国会議員には日本会議に属する者が多く、議員票で決まってしまうなら嫌でも日本会議の意を汲んだ人物にしかならない、というデメリットもあります。民進党の蓮舫代表が、野田幹事長の更迭を決めたようですが、野党の選択肢が少ないという以前に、自民党内の総裁選ですら硬直化し、選択肢が極めて狭まっている状況といえるのです。加計問題で露呈した『政治と金』ならぬ『政治と友』の問題、友に利益誘導するための政治なら、国民監察の結果として退陣要求が突き付けられるだけなのでしょうね。

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2017年07月20日

日銀の会合と物価見通し

山本地方創生・規制改革担当相が獣医師会と行った会議で、公募前に加計学園に決まったかのような発言をしていたことが、週刊誌で報じられました。山本氏は会議に出ていたことは認めたものの、「獣医師会の思い込み」として発言を否定しました。しかし獣医師会で情報を共有するため、とはいえ議事録が残っており、口頭での否定となる山本氏の反論は弱い。自ら条件をつけた、と国会で答弁しており、加計ありきとの心証はさらに強まりました。
そんな山本氏、安倍ノミクスの提唱者としても知られます。一時は市場も山本氏の発言で右往左往したこともありますが、こんなトンデモ人物だと知られていたら、安倍ノミクスへの失望はもっと早かったかもしれません。リフレ派、経済に詳しい、という自負もあるようですが、担当の規制改革で出てきたものが『加計ありき』なのですから、その手腕、政策にも疑問符がつくところです。

安倍ノミクス3本柱の一つ、金融緩和を担う日銀が金融政策決定会合を開き、現状維持を決定した上で、物価2%の達成時期を6回目の先送りし、19年度頃とすることが決定しました。黒田総裁が会見を開いていますが、「予想物価上昇率が上がると、実質金利が下がって緩和の効果が高まる」としました。しかし世界的に低金利の予想が支配しつつあるのに、日本の予想物価上昇率が上がる、という理屈が分かりません。モメンタムはしっかりしている、と言いますが、賃金は上がらず消費は低迷、設備投資という企業間の取引だけは堅調ですが、消費拡大に備えたもの、というより少人化、省力化への投資であるなら、設備投資による景気への波及的効果は極めて低い、継続性に乏しい、と言わざるを得ません。
黒田氏をはじめ、安倍政権でさえ、デフレ脱却できないことをデフレマインドのせいにしますが、実は低成長マインド、もしくは停滞マインドがその元凶、という話もあります。安倍政権では企業が高収益を上げれば、水がしたたり落ちるように、その効果が家計にいき渡る、というのが経済政策の骨格にありますが、効果が上がっていない。それは企業は海外で稼ぎ、国内に還流する必要がないためですが、この「還流する必要がない」が、日本経済が低成長、停滞しているからであり、翻って国民も、国がよくなる展望を抱けないから、無理をしてでも消費してもいい、と思えない部分があるというのです。

つまり、日本自体がほとんど成長していないのに、デフレマインドが外れるはずもないのです。そこにリフレ派が乗り込んできて、無理やりお金をばらまけば上手くいく、としてすすめてきたのが黒田バズーカでした。しかし今では黒田バカーか? などとも揶揄されるほど、効果がないのにダラダラと続けている。もしくはマイナスの効果が出始めているのに、それを認めずつづけている、とみなされているのですから、マインドが上向くはずもありません。実は、ここでも今の安倍政権が抱える、重要なことなのにほとんど説明しない、という問題が潜んでおり、成長するビジョンがまったく分からないのです。
今日は為替が若干の円安にふれ、株価もそれに反応して上昇しましたが、むしろ日銀は想定通りであり、今晩のECBでの材料を意識した動きでしょう。なので、この動きが継続するにはECBがテーパリングの具体策をうちだす、なりの材料が必要です。先週まで、ECBのテーパリング観測をうけて外国人投資家は€買い、$買い、円売りという金融政策の違いをみた取引が活発で、むしろそれでポジションを傾け過ぎた反動が、今週は起こっている形です。

リフレ派の主張により、先に『金ありき』で金融緩和をしてみた結果、失敗が顕著になってきた。それは元々、経済的な能力が低い、手腕もない人物らが始めたことなら、そうなることは必然である、とも言えるのでしょう。黒田氏は、物価見通しを外しつづけても「日銀の信頼は失わない」と述べますが、今や無知銀とされる日銀の見通しは、天気予報よりも外れるとも揶揄されており、安倍・黒田ラインで失ったものは多い、ということは間違いないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:31|PermalinkComments(15)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 一般

2017年07月19日

稲田防衛相の醜聞

稲田防衛相にド級の醜聞が発覚しました。南スーダンPKO部隊の日報廃棄の問題で、2月15日に陸上幕僚長と対応についての協議をしていたことを認め、ただし隠ぺいを了承したことも、非公表を了承した事実もない、とします。しかし防衛省幹部、とされる人物が稲田氏に残存を伝えた、と語ったと多くのメディアも伝えており、そうなると稲田氏は嘘をついているか、防衛省幹部が嘘をついている、という話になる。いずれにしろ防衛相である稲田氏の責任論に波及することは間違いありません。
さらに国会で虚偽答弁をしていた恐れも出てきた。国会の答弁でうそをついても罰則規定はありませんが、罷免に値するとして、更迭されてきた経緯もあります。来月3日に改造、といっても疑惑を抱えたまま交代させると、疑惑隠しとの印象を強めるだけ。タイミングからみて、データ残存を聞いていないはずもなく、そうなると対応について話していないはずもない。稲田氏は海外で「グッドルッキング(器量よし)」と用い、冷笑をうけることも屡ですが、紅顔ではなく厚顔というのが正しいようです。

防衛省の内輪もめ、という話もありますが、防衛観察の結果が公表される前、国会も閉会中で影響は少ない。まさにこのネタをリークした人物からみれば、千載一遇の好機が生まれていたといえます。安倍政権に打撃を与えたい、という意図はないかもしれませんが、恐らく稲田氏には打撃を与えたかった。こんな人物は防衛大臣にふさわしくない、そんな意図は含んでいたのでしょう。背広組が手練手管をつくして、日報を隠そうとしたからこそ、これまでも度々リークが行われてきた。稲田氏も背広組に囲まれ、そこに同調していたなら同罪だろう、との意識をもっていたのかもしれません。
来週の24日に衆院で、25日に参院で閉会中審査が行われることが決定しました。配分は与党3、野党7と慣例を破ってきた。小此木自民国対代理が「特区の必要性も議論」と述べているので、与党の質疑時間はそれに充てられるのでしょうが、はっきり言ってムダです。国民が疑問に思っていることに答えるのでなければ、わざわざ閉会中審査などやる必要もないからです。無駄な時間をつかって…と、国民の怒りがさらに強まり、それが自民党に向かうだけです。そして稲田氏の問題も、今回取り上げざるを得ない。上記したように、交代させれば疑惑隠しとの疑いを強くするだけだから。議事録が残っているはずなので、それを公表すれば済む話ですが、果たしてできるかどうか?

しかしここにきて、安倍政権がトラブル続きなのも、自身が昨年から撒いてきた種が実りを迎えているから、といえます。稲田氏を防衛相に留任させ続けたこと。モリカケ問題もそうです。暴言、失言議員もそう、安倍氏が着実に積み上げてきた結果が、ここで結実しているのです。そしてそれは議員として過ごしてきた中で、稲田氏を後継者と見定め、育ててきたことも同様だといえるのでしょう。
稲田氏は「グッドフッキング」。フックといえばゴルフなら左曲がりですが、この程度の能力、認識で大臣をしていれば、左派から見るととても都合よかった、という意味です。またget the hookは「首になる」という意味にも使える。get off the hookだと「危機を脱する」の意味ですが、どうやらこちらは使えそうにありません。

ゴルフ好きの安倍首相、スライスばかり打っているつもりが、フックになっていた。ゴルフは打数を少なくする競技ですが、これでは成績も伴うはずがありません。ちなみにゴルフで打数が多くなるとボギーと言いますが、ボギーには「悩みの種」という意味もあります。打数が少ないと小鳥、鷲、アホウドリ、コンドル、ダチョウと、まるで出世魚のように名前が変わりますが、ボギーはダブル、トリプルと増えるだけ。すでにボギーだらけとなってしまった安倍政権、総裁任期を延長して9ホールの試合を考えていたのでしょうが、ギブアップするタイミングも近づいてきているのでしょうね。

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2017年07月18日

雑感。安倍政権と報道の仕方

民進党の蓮舫代表が、戸籍謄本の一部などを開示し、二重国籍疑惑に関する会見を行いました。以前コメント欄には記しましたが、『公党の代表だから』説明すべき、という論調を私はとりません。政党の代表であるかどうか、それは党内の問題であり、特にプライベートの問題で、かつ党内で承認をうけたのであれば、国民に説明する必要がないからです。
これはあくまで政治家としてのテクニック、公表した方が国民から信頼を得られる、と思えばすべきですし、党代表としてみれば党勢拡大に寄与する、と思えばする。この段階での公表も政治テクニックです。その上で、今回の会見で分かったことは、海外の国籍を離脱するのではなく、日本の国籍を選択し、かつ外国籍の放棄を宣言、という形をとった。なので、戸籍を示さなければ台湾籍の離脱を証明できないのでそれをした、ということです。台湾は国として認められていないので、国籍自体が曖昧な位置づけであり、後者の方法をとったとなります。これは以前も説明しており、今回は証拠を示した形になります。

安倍政権の外交を評価するのは、政治部記者ばかり、という話があります。「得意の外交」などとするのも同様ですが、理由は簡単で、政治部記者は政府専用機に同乗して厚遇をうけるばかりか、海外では飲食にも同席できる。TPP交渉会合でも、政治家が記者と会食ばかりしていたことが話題でしたが、安倍氏が外遊にでかけると、政治部記者はそれだけお近づきになれる。つまり「得意の外交」どころか、政治部記者からみれば「お得意様の外交」には自分にもメリットがあるからこそ、評価するのです。
一方で、最近のメディアが安倍政権批判一辺倒、という意見があります。しかし加計学園の問題は疑惑であり、その疑惑に答えないからこそ報道が増えます。メディアが取り上げ易い条件は二つ、キャラが特異である、これは籠池氏や豊田元自民議員やタレントの松居一代氏などが、今はトレンド入りです。もう一つは、疑惑でありつづけること。国民にもやもや感が残り、興味が尽きることがない。実は、安倍氏はこの二つを犯しており、安倍氏の特異なキャラが浮き彫りになり、かつ疑惑を抱える。恰好のネタを提供し続けるからこそ、取り上げられるのです。

また閉会中審査で、余計な政治テクニックを弄すこともマイナスです。与野党の質疑時間を同じに、また関係者の証人喚問も条件闘争にもちこもうとする。そこには「真摯な対応」とした安倍氏の発言と食い違う。田崎時事通信解説員は「安倍氏の指示でない」と述べているようですが、閉会中審査を決めたときと同様、安倍氏の鶴の一声で前進させたという体を装いたいことは、誰の目にも明らかです。手柄は自分に、不都合なことは部下に、そんな上司像は、安倍氏の特異なキャラを浮かび上がらせてしまいます。
産経は、加戸前愛媛県知事の発言を殊更にとりあげますが、記事の中で「地方の訴え」がすばらしい、とこれが情緒面であることを暗に示す。読売は、京都府と京都産業大の会見をうけて幕引き、といった記事を紙面に載せますが、なぜか最近の読売は「出会い系バー」のときもそうだったように、ネットにはその記事を載せない。安倍氏擁護の論陣を張ろうとメディがテクニックを弄しても、今や通用する時代ではありません。

政治も、タレントも、そしてテレビ番組、新聞記事でさえ、国民からの人気が重要なのです。それぞれがテクニックを尽くして、自分のことを最大限の人気が得られるようにする。今は単にそういう情勢の中で、蓮舫代表は戸籍を示してでも疑惑を晴らそうとし、安倍氏は証拠も証人も中々だそうとせず、疑惑の解明には後ろ向きでいる。それが人気、政治でいえば支持にも表れる、と言えるのでしょう。蓮舫氏も決して成功とはいえないものの、形は示した。安倍氏は失敗し続けるからこそ、さらに支持が落ちる。「得意の外交」どころか「特異なキャラ」がばれてしまった安倍氏だけに、今後もネタとして扱われることが増えるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:44|PermalinkComments(33)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | メディア

2017年07月15日

米トランプ政権の行方

米国では6月小売売上高が前月比0.2%減となり、追加利上げ観測が後退しました。期待インフレ率も低下気味で、消費の弱さが確認されるからです。ドライブシーズンなのに、原油在庫の低下も緩慢で、米国人の消費意欲が減退しているのではないか? ただ7月のAmazonプライム会員セールなどを控え、またネット購入が増えれば必然的に自動車での移動も減る。米国の生活スタイルの変化もみられ、それが利上げ後退に直結するかどうかは、今後の検証次第というところでもあります。
ただ少し気になる情報は、トランプJr.が国家反逆罪で起訴される恐れがあり、その司法取引で大統領職を辞するのではないか? というものです。トランプJr.氏は大統領選への露国の介入を容認していたのですから、対立候補の醜聞集めのためとはいえ、国家反逆罪に問われる恐れが高い。トランプ大統領本人も、Jr.の擁護の論調は強くない。「いい奴」という独特の言い回しでとどまります。下手に庇うと自身も罪に問われる可能性もある。しかしさらに娘婿のクシュナー氏にまで捜査が及べば、万事休すです。トランプ一家から誰もいなくなってしまう。トランプ氏も無事で済むはずがなく、弾劾が待つでしょう。

オバマケア代替法案も、もはや形骸化させて成立させ、体面をととのえた上で予算案の成立をはかる、という案もでている。逆に、オバマケア代替法案が残ると、予算案すら通せないのです。それはオバマケア代替法案でねん出する財源をアテにするからで、逆にアテにできなくしてしまえば予算の枠が決まるので、予算案を通せる、そんな算段です。トランプ氏はその予算を通してお役御免、そんな観測も流れるのです。
トランプ氏にとっては特別捜査官の報告を待つ身であり、情勢が芳しくないことも伝わっているでしょう。メディアと守旧派の政治家により、罷免されたと訴えるタイミングは、報告が出てからでは遅すぎる。30%のコアな支持層がいることは確認済みなので、また復活できる可能性もある。そしてビジネス面で考えても、打撃の少ないうちに退く、という判断もできるのです。ただ一つ、それを阻むものがあるとすれば、露国とどんな契約をむすび、支援してもらったか? だけなのかもしれません。

市場はこの話を好感するのか? そのとき市場が楽観に傾きやすくあればそうなるでしょうし、トランプ減税への期待は剥落していますが、次期政権への期待も乗りやすい。ただ問題は、週末の上昇でも分かる通り、指標が悪くても利上げ観測の後退で上昇、指標がよいと上昇、そうしてイエレンFRB議長がいう「株は割高」になっている状況をつくりだしている、ということです。
そしてもう一つ気がかりなのは、イエレン議長の後任人事です。トランプ氏はGSのトレーダー出身のコーン氏を当てる方針、と報じられますが、エコノミスト出身でない異例の人事であり、賛否も分かれる。イエレン氏の再任の目は低いですが、新任議長による不規則な運営は、もっとも市場が嫌うところともなるでしょう。

しかしそこでトランプ政権が退陣してしまえば、まったく事情も変わります。より共和党に近い、新自由派の学者がつくかもしれない。そのとき、市場は悪材料として織り込み始めるのかもしれません。何しろ、規制緩和は問題とする識者になるはずですから。来年の2月がFRB議長の任期切れですが、それまでの政治の動きも、次期FRB議長人事にとっては重要といえます。
そしてこれは日本にとっても否応なく影響がある。奇しくも日米とも政権がぐらつき始め、さらに中銀トップの人事も重なる。なぜか最近、フェイクニュースだとか、メディアをやたら攻撃する人も増えましたが、日米とも政治がフェイクということまで似てきたというのなら、退任時期も重なってくるのかもしれませんね。

明日と明後日はお休みしたいと思います。

analyst_zaiya777 at 23:24|PermalinkComments(49)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | アメリカ

2017年07月14日

雑感。連合と経済同友会

京都産業大が記者会見を開き、H30年の4月の開学の難しさ、教員確保の困難さを理由に、獣医学部の新設を諦め、ライフサイエンスの研究に舵をきる、と発表しました。すでに加計学園は建設を始めており、今から仮に設置許可をうけられても出遅れるのは確実。獣医師の過当競争も意識され、そうなると生徒も集まりそうにない。経営判断としては正しいのでしょう。
結果的に、京産大が断念した理由は、加計学園のみを残らせようとして、他の申請者が追随できない条件を付加してきたから、ということがハッキリしたわけです。閉会中審査で、和泉補佐官の出席を検討、などと政府がしている時点で、解明する気がないのだろう、ということが分かります。前川氏から名指しされたのですから、むしろ積極的に出席し、自らその疑惑を晴らす、というぐらいでないとおかしいのです。それもまた安倍氏の「鶴の一声」が必要というなら、自民党は何も決められない党、ということになるでしょう。

連合が残業代ゼロ法案に対して、安倍政権との直談判をしたことが話題です。民進党とともに法案に反対してきた経緯があり、法案の中身がほとんど変わっていないにも関わらず、それを飲むのですから、明らかに民進党への鞘当て、としか思えないからです。共産党との接近や原発反対を掲げる蓮舫代表への不信、とも語られますが、選挙に勝たなければ政策も実現できないのであり、自分たちの主張で民進党が足を縛られ、野党のままとなっては本末転倒のはずです。むしろ支持政党を変えるのではないか? とも囁かれる所以です。
一方で、経済同友会は安倍政権の経済、財政政策に批判的な意見が並びます。「GDPに対する債務残高の比率を安定的に下げる」という財政目標には、GDPが増えれば債務を増やしてよいというのか? と懐疑的な姿勢を示す。2025年には団塊世代がすべて後期高齢者入りしますが、社会保障費が財政を圧迫し、研究や教育への投資が抑えられている、と問題視する。この二つの動きは、連合の自民接近と、財界の自民離れ、という方向性の違いとして興味深いいものです。

しかしこれは安倍政権が招いたことで、安倍ノミクスがとん挫した結果、経済的な評価が低くなり、代わって持ちだしたのが『働き方改革』で、連合はそこに期待した。残業代ゼロ法案はスジ悪でも、他の部分で実利をとれるのではないか? しかし衰退を示す連合が選挙で力を示せないのは、周知の事実です。連合の幹部が組合員の方をむかず、政局にかまけるなら、ますます衰退していくだけでしょう。しかも接近した途端、安倍政権が弱体化するのでは、その判断ミスも深刻といえるのでしょう。
一方で、財界は実利を求めるのが常であり、安倍政権にはもはや期待できない、となって手を切った。財界が見限った、ということはメディア、広告の流れも変わる。電通に対して略式起訴を不相当と東京簡裁が決めました。しかし裁判所のパフォーマンスだ、との声が広がり、また経産省も電通に一か月の入札停止を求める行政処分を決めましたが、お盆をはさんだ期間であり、最大限の配慮もしめす。それも安倍政権にとって2本柱でメディアを牛耳っていた、その一角が崩れることを恐れたものだったのでしょう。しかし財界が見限ったのですから、広告主の意向も変わった。この方面からでも、安倍政権のメディア統制が音を立てて崩れていく様子がうかがえるのかもしれません。

力を失って生き残りをはかる連合、したたかに生き残りをはかる財界。安倍氏の『鶴の一声』に期待しても、もはやその力を失えば『雉の一声』にしかならないのでしょう。けんもほろろ、そこに期待するのが是か非か、すぐに答えもでるのでしょうね。

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2017年07月13日

自民と民進の説明責任

来週以降、閉会中審査で、安倍首相が出席して予算委を開くことを自民・竹下国対が民進に伝えました。しかし小手先の一旦拒否、安倍氏の鶴の一声で開催、というシナリオはうさん臭くもあります。そもそも「説明する用意がある」とは何か? 自らすすんで「説明します」と、どうして言えないのか? 未だに自分は悪くないけれど、野党がそこまで言うから開いてあげる、という上から目線が抜けない態度としか思えません。
コメントでは記しましたが、これまでは国会を開いても『追及しきれない野党』と、責任は野党にかかった。しかし今後は『説明しない与党』と、責任の所在が変わる。それが支持率の低迷がしめす、空気の変化です。安倍政権がきちんと説明できなければ、さらに支持率が低下する。自ら証拠を提示し、関係者をすべて国会に招致し、説明を尽くせるかどうか、それが問われます。内閣改造が8月3日とも、4日ともされますが、その露払いをしようにも日程的にかなりタイトです。それまでの準備も含め、与党がどれだけ誠意をもって対応できるか、それが安倍政権の命運にも大きくかかわってくるのでしょう。

そんな中、民進の蓮舫代表が二重国籍について、謄本なりを示して来週にも説明する意向を示しました。レイシストに屈するのか、という意見もありますが、懸念に対して答えをだすのが政治家なら、この態度は正しいといえます。当初の説明が二転、三転したことにも問題があり、本人の責任も大きいからです。
ただしこの問題で感じるのは、都議選の大敗という事態になるまで引っ張り、責任のとり方として国籍問題を取引材料にする。つまり幕引きをはかるための武器をとっておいたのではないか? 一度の失敗ならこの材料で幕引きできる、そう考えていたのではないか、ということです。実際、この話がでると民進党内で蓮舫氏への風当たりがパタッと止んだ。どういう情報がでてくるか、見ないことには動けない、ということもありますが、まさに取引材料にはなったわけです。ゲームでいえば、ライフを一つもちながら党運営をしていた、というところなのでしょう。

その入れ知恵をしたのも、野田幹事長でしょう。都議選の大敗をうけて、野田氏が自ら辞任する、という情報が流れ、すぐに本人が否定した。これも一つの動きですが、野田氏としては自らが辞任するのも、蓮舫氏のライフになる。つまり蓮舫氏はライフ2できたのであり、ここでそのどちらを使うか、そんな判断が背景にあるのかもしれません。
しかし問題をかかえ、それを取引材料にして組織統治に活用するやり方は、対外的な面からみると最悪の対応といえます。それは民進の支持率が上がらないこともそうですし、都議選でも人が離れることにも表れる。選挙の強さを期待された蓮舫氏が、おひざ元の東京で壊滅的な状況となったのですから、本来であれば責任論が噴出してもおかしくなかったのです。それをやっと二重国籍問題の解消で幕引きする。蓮舫氏のライフが一つ減って、やっと戦う体制ができてくる、というところかもしれません。

ただし野田氏に、本気で自民と戦う気があるのか? 未だに彼は党内と戦っている印象であり、蓮舫氏を代表のままにしておくためには? に骨を折っているようにしか見えません。「説明する用意がある」とする自民、「説明させる用意をさせる」とする民進、どちらも国民からどう見られているか? それを弁えていない、そう見えるだけに、閉会中審査を八百長相撲にするようなら、国民が二大政党に対して『待った』をかける場面が、今後でてくることでしょうね。

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2017年07月12日

G20と安倍外交

米国ではトランプJr.にもロシアゲート事件が拡大しています。露国人弁護士と、対立候補であるクリントン氏の醜聞を聞くために会った、というものですが、その説明のために公開したメールで、はっきりと「露政府の支援の一環」と書かれている。露政府が関与している時点でアウトなのに「一環」とあるからには、他にも大統領選への露政府の介入を、トランプ氏は認識していた、ということになる。何でこんな決定的な証拠を、あえて自ら暴露するのか? わけが分かりませんが、父親譲りのノープランということなのでしょう。
G20の声明では、反保護主義と不公正な貿易相手に対する防護措置もみとめられた。そもそも『不公正』を判断する指針が何か? それがない以上、この声明は両論併記ではなく、相反する二つの事柄を並べたに過ぎなくなる。例えば日銀の緩和、これまでは「インフレ目標と説明し、理解を得られた」と日本政府は説明してきましたが、各国中銀が緩和をする中ですから、日銀も責められなかった。しかし世界と異なる態度となれば、それが為替操作を目的とした「不公正」と指摘されたら、言い逃れもできません。そのときは日本も対日制裁により、貿易面の不利益を被ることにもなりかねないのです。

そんなG20で、トランプ氏と会談した安倍首相ですが、安倍氏は北朝鮮に対し「圧力を一段引き上げ」を要請、トランプ氏は議論に前向き、としますが、明らかにトランプ氏は後ろ向きです。それは露国が北朝鮮への圧力を望まない以上、トランプ氏が「うん」と言うはずもないからで、中露首脳会談で「米軍事演習を止める代わりに北朝鮮の核、ミサイル開発の停止」なる交換条件をもちだしたからには、米中露の思惑は一致した。条件闘争、話し合いによる終結で合意した、ということがここから読み取れるのです。
支持率下落の中、向かったG20で安倍氏は「得意の外交でアピール」とも喧伝されましたが、少なくとも外交が好きではあっても、得意ではありません。それはここまで、外交上の成果がほとんどない点からも明らかです。諸外国では極右政治家、と報じられていることもあって国際会議では孤立する場面がめだつ。TPPは米国の離脱で再交渉中ですが、相変わらずその損益について、国民に語ろうとしない。日欧EPAは大枠合意、とされますが、まだ締結までいくつもハードルがありますし、こちらも損益について、国民に説明しようとしない。本当に国益に適う成果なのか? もしそうであるなら積極的にアピールしているはずで、そうでないから説明できない、としか思えないのです。

これまでは「得意の外交」どころか、「特異な外交」を展開してきた。それは高い支持率に胡坐をかき、国民への説明を怠っても通用してきた。しかし支持率の低下はそれをもう許さないのです。G20で存在感を示せず、北朝鮮問題ではむしろ韓国の文政権も融和的であり、日本だけが取り残される懸念も高まってきた。北朝鮮のICBMが米西海岸までとどくのなら、米国にとって圧力によって暴走されては困る。インドなどと同様、核保有を承認してしまう可能性も高まってきた、といえるのです。
急に中国の一帯一路にも理解を示し、漂流し始めたようにしかみえない安倍外交。元々、米追従しか外交方針がなかったのであり、その米国が梯子を外すと、日本の立ち位置を危うくするとの危惧はあったのです。そしてトランプ政権の誕生で、まさにそんな事例が散見され始めている、といえるのでしょう。地球儀俯瞰外交などと喧伝されてきましたが、俯瞰とは『高いところから見下ろすこと』であり、国際的な評価も低く、経済的にみるべき点もなくなった安倍政権では、そもそも米国という大国の下から見上げることしかできなかった、といえるのかもしれません。そして世界の変化にも取り残される。地球気づかん外交であるなら、今後は日本が孤立化する事態も想定すべきといえるのでしょうね。

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2017年07月11日

景気ウォッチャー調査とさくらリポート

共謀罪が施行されました。金田法相が「捜査機関による恣意的な運用ができない仕組み」としますが、稲田防衛相の公選法違反発言、過去では甘利前経済再生担当相の斡旋利得、小渕元経産相の公選法違反等々、数え上げればキリがないほど、安倍政権になってから捜査機関の恣意的運用が行われてきた形跡がある。今さら、共謀罪だけはそうしません、などと言ってみたところで、誰も信じないでしょう。相変わらず読売による『出会い系バー』報道について、一切の説明がない。捜査し、それで得た情報で、逮捕されずともこうした醜聞として流され、相手を貶めることにも使えるのですから、不安だけが募ります。

昨日、6月景気ウォッチャー調査が発表され、現状判断DIが50.0と前月比1.4pt増、先行き判断DIが50.5と前月比0.9%増。一見すると良好な結果ですが、判断理由をみると景気悪化を示す言葉も散見される。消費はインバウンドに頼り、ボーナス商戦への期待も乗りやすい時期ですが、肝心のボーナス自体が減少傾向で、消費にむすびつかない可能性が高い。まさに今の日本は外国人頼み、といった経済運営がつづきます。
そんな中、日銀が海外中央銀行向けの当座預金に、マイナス金利を適用という話があります。これは外貨準備を運用する目的で開くものであり、93口座13.6兆円の運用がある。通常は短期金利-0.05%の付利であり、短期金利がマイナスで推移するのですから、当然マイナスにならなければいけなかった。しかし影響が読み切れず、ここまで適用はされてこなかったものです。ECBはマイナス金利にしている、と日銀は説明しますが、そのECBは年内に引き締めに転じるとみられており、あえて日本だけが各国の中央銀行にマイナス金利の適用を求める、といった形になるのですから、むしろ影響は拡大する可能性が高いのです。

株式市場でも、先週の2万円割れはETFの決算集中日に合わせ、換金売りが膨らんだためともいう。解約が増えずとも分配金の支払いがあるためで、ETFの保有が膨らんだために、換金売りも膨らむ。つまり日銀がETFを買い続けると、それを狙った取引が増え、必然的にETFの保有も拡大し、こうした決算集中日などに不規則な相場の変動要因になりかねない。そうした事態が近づいている、とされます。
そして先週末の指値オペも、こうした市場の変動を抑えようと、タイミングが早めであっても踏み切った、ともされます。官製相場ともされますが、日銀が自らの行動で変動要因をつくり、それを自ら封じ込めるという自縄自縛に陥っているのです。そして、今回の海外中銀の預金口座へのマイナス金利の適用も、一部を引き上げさせて、円安に誘導するためではないか、とも囁かれる。日銀は強引に金利を押さえつけ、金利差を拡大して円安にすることも同様、なりふり構わなくなってきたのかもしれません。

市場では9時過ぎの円安、という話がある。毎日ではないものの、9時過ぎに急に大量の円売りがでてきて、株もそれに応じて一瞬上げる、という動きを指します。官製マネーなのか、海外投資のためか、いずれにしろ日本市場が動き出すと、資金が逃避する方向に動いている証拠であり、対外投資が増える昨今を象徴するような動きといえるのでしょう。日銀の7月さくらリポートは、9地域のうち5地域の判断を引き上げる、良好な結果でした。しかし日銀による市場でのさくら行為が通用するにも、限界が見えてきた。さくらの散る時期が近づいてきたのであり、共謀罪では一般市民の不安が、株式市場では日銀の態度に対する不安が、ともに日本では広がってきたといえるのでしょうね。

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2017年07月10日

閉会中審査と空気

「THIS IS 敗因」なる言葉があります。豊田議員、萩生田内閣官房副長官、稲田防衛相、下村自民幹事長代行の頭文字をとったものですが、これは明らかに優しい言い方で、並びとしては「SHIT」でしょう。クソ、という意味ですが、都議選で落ちた人たちはまさに自民党の国会議員にむけて、この言葉を発したいところのはずです。
個人的に、問題のくくりとしても正しいのは「Ash is T」だと考えます。つまり安倍首相、下村氏、萩生田氏は加計学園の疑惑であり、主語。述語は稲田氏と、菅官房長官で、これは人を見下す態度や、憲法違反に類する暴言です。Tは豊田議員、異質なので別枠の目的語で、大文字です。訳すと「灰色はTです」と意味不明ですが、今日の閉会中審査はまさにグレーな回答が目立ったといえます。

まず山本地方創生担当相が、獣医学部新設の4条件をチェックするのは文科省の仕事、と述べましたが、違います。閣議決定されているので、閣僚はその条件に則って行動しないといけない。内閣府が4条件を外し、加計学園に決まるよう取り計らったたようにみえる今回、内閣府が閣議決定を無視したことになりますが、それは内閣法を無視した形になるのかもしれない。もし山本氏がそれは文科省の職権、といい、文科省との間で調整が必要となった場合でも、閣議において調整が為されないといけない。私はこう思う、で文科省の職権とすることはできませんし、まして自身が閣議決定を無視してもいい、とはならないのです。
しかし何か新しい材料が出てきたわけではありませんが、「記憶にございません」という常套句もでてきて尚一層、疑惑が深まった印象です。そしてこの閉会中審査の裏で、藤原前審議官の招致を自民が了承し、和泉首相補佐官と当時の木曽官房参与の招致は、自民が拒絶した。つまり藤原氏は配置転換も終えて足切り決定、和泉氏と木曽氏はさぐられたくない腹がある、ということを示した。つまりキーパーソンが誰か、そしてそれが出席しない今回の閉会中審査では不十分、ということが明らかになったということです。

山本七平氏は『「空気」の研究』では「『空気』とは何であろうか。それは非常に強固でほぼ絶対的な支配力をもつ『判断の基準』であり、それに抵抗するものを異端として『抗空気罪』として社会的に葬るほどの力をもつ超能力であることは明らか」とします。つまりこれまでは、一強という空気を読んで『判断の基準』とし、それに抵抗するもの、つまり今回は文科省を『抗空気罪』として処分しようとした、がこれまでです。
しかし各社の世論調査をみても、内閣支持率は危険水域に入りつつあり、空気は変わった。潮目が変わった、というのも同義ですが、その結果として『判断の基準』も変わったのです。それは安倍政権が、おトモダチに利益誘導する不正なことをし、それに対してまともに説明しない、そんな社会的なムードが生まれ、安倍氏を支持する側が『抗空気罪』を犯しているとの認識が広がってきたことも影響するのでしょう。

Ashには『遺骨、廃墟』といった意味もある。空気どころか、この問題に関わる人物が語る空疎な言葉には、もはや政権そのものの屋台骨がくずれ、廃墟のようないつ崩れてもおかしくない状況といえるのでしょう。記録も残さない、記憶にも残らない、意思決定過程をまったく明らかにしようとしない。それはもうグレーを通り越した、クロに近い印象しか残しません。キリストが磔になった十字架は、T字型だったともされる。「Ash is T」が遺骨はT字型、という意味にもうけとれます。キリストも再臨は一度だけ、二度はなかった。安倍氏がここで『抗空気罪』を犯し、政権にしがみつくのも三度目はない、と理解した上のことなら、ずっと抗空気罪に苦しめられることになるのでしょうね。

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2017年07月09日

内閣改造は8月上旬?

安倍首相が外遊先で、8月早々に内閣改造と党役員人事を行う旨、発言しました。日程から逆算するとそこしかない、ということですが、政治日程的にはあまり面白くない。引継ぎが終わったらすぐに国会を開会して、支持率の高いうちに法案を通した方がいいからです。逆にこれまでの改造と同様、問題閣僚がでてくることを想定し、それらを一層するまでの時間が必要だとすれば、この改造は守りということになるのでしょう。そうなるとメンバーは必然的にベテランがメインになるはずです。
しかし金田法相のような例もある。法相や農相などを重視しないと、憲法改正や日欧EPAの締結をめざす折、混乱が拡大することにもなりかねない。実力があって、かつ安倍内閣に協力的な議員…実はそれほど多くありません。特に日テレが世論調査を行い、さらに支持率が下がっているように、もう安倍政権は泥船です。実力のある議員であればあるほど、安倍政権に協力して評判を落としたくない。そんな判断が働きます。

安倍氏が苦境のとき手助けしてくれる人がいないのは、身から出たサビです。一強という言葉に浮かれ、協調を捨てて独裁に走ったからこそ、とも言えるのです。むしろ党役員には希望者殺到で、閣僚になりたがるのはベテランでも閣僚未経験者で、実力にも疑問符が残る、ともなるのでしょう。それで在庫一掃内閣となったら、それこそ発足当初から手ぐすね引いているメディアの身体検査によって、袋叩きにされることが確実です。メディアも都議選であそこまで言われ、やっと目を覚ました。結局、この内閣は都合が悪くなると相手を簡単に切ろうとしてくる、非常に鼻持ちならない相手なのだ、と。
それは籠池氏の姿と、メディアは自分自身を重ねたことでしょう。安倍自民のやり口、いくら協力しても、いつ切られるか分からない。そしてそれは議員も同じなのです。安倍内閣に協力し、忠を尽くしたところで、安倍氏の真のおトモダチにならないと悪人に仕立て上げられ、切られるだけ。おトモダチになろうとしても、もう相手は泥船に乗っている。一緒に沈みたくないなら、距離を開ける。だから閣僚のなり手もいない、となります。

気になったのは安倍ノミクス、経済最優先という言葉を安倍氏が再び使い始めたこと。夢よ、もう一度、ということなのでしょうが、埃の被った看板をいくらふたたび掲げても、誰もそこに期待しません。日銀が突出してバブル化策を打つのに、日本は世界からみて低成長にとどまり、国民への恩恵もほとんどない。しかもそれを働き方改革で成し遂げる、というのですから意味が不明です。広義では賃金増や余暇の拡充も含まれるのかもしれませんが、それが経済に効果を与えるには時間もかかりますし、効果も薄いのです。
そして最大の問題は、安倍政権では議員も働きたくない、閣僚になりたくない、という状況をすでに安倍政権がつくりだしてしまったこと。自分の身の回りですら、働きたいと思う人がいないのに、そんな人物が働き方改革などを行って、本当に国民が納得するような状況がつくりだせるか? 甚だ疑問が残るというところなのでしょう。国民には働き方改革で目くらましをし、党内には誰が味方?改革で目をこらして、政局を乗りきろうとする。しかし一強時代の驕り、同じ仲間である自民党議員を駆逐せんばかりの態度をとってきたことから、今さら一協体制は築けなくなっているのであり、国民もそんな安倍氏にふたたび期待することもない、となるのでしょうね。

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2017年07月08日

雑感。G20と貿易

6月米雇用統計は非農業部門雇用者数が22.2万人増、4、5月分も上昇するなど、良好な結果でした。しかし賃金の伸びは前月比0.2%増と伸びは低い。ただ低いといっても、前年同月比では2.5%増であり、賃金インフレは確実にすすんでいる。一方でインフレ予想が低下するのは、資産価格の頭打ち感が台頭しているためかもしれません。
これで年内3回の利上げは確定的、来年も3回の利上げが予想され、秋からはテーパリングが始まるかもしれない。経済は堅調なので、低金利やFRBのバランスシートに、いつまでも資産を蓄えておく必然性がない。これはすでに市場コンセンサスですが、それにこの雇用統計はお墨付きを与えた、というところでしょう。若干の円安にふれていますが、多少の利上げ懐疑派も白旗を上げた、そんな動きだったのかもしれません。

しかしG20でのトランプ大統領のふるまいは、そんな米国の経済に不安をもたらします。米国ファーストの交渉戦術は、時に他国と衝突する。例えば中国による鉄鋼の過剰生産の問題で、米国は独自制裁という協調の枠組みはとらない姿勢を示す。それが欧州との間で軋轢を生む。欧州ではAmazonやGoogleにも独自に課税を検討するなど、米国だけが勝ち組になることを許さない姿勢を示す。結果、米欧はトランプ政権下では対立構造をつくるのかもしれません。それは先のNATOの話し合いからの遺恨、という面もありそうです。
日欧のEPAが大枠合意したのも、欧州にとっては米国との関係を考えた上でのことだといわれています。米国が自由貿易の旗を下ろすなら、その分をどこかに回さなければいけない。中国の減速がさらにはっきりしてきて、ここまで欧中貿易で潤ってきた欧州にとっても、新たな貿易拡大を図らなければいけない。政治、貿易面で、これから米国と対立することが増えるのなら、見方を増やすためにも日本と組んでおく、ということです。

しかしそんな日本は、トランプ政権に阿諛追従する姿勢を示す。TPPですら、米国がもどってくるのを待つ、という異様な判断をする。もどってこなかったらどうするのか? それすら議論せず、すでにTPP締結の国会承認は受けているから、として説明もしない。状況が変わったのですから、本来は国会で改めて審議しなければいけないはずなのに、それをしない。共謀罪でも示した国会軽視は、TPPでも当てはまるのです。
米国は、米国ファーストですから、当然のように日本にも米国に貢物をするよう、要求してくるでしょう。米経済は現在、絶好調ともいえる状況ですから圧力も低いかもしれませんが、G20でみせた傍若無人ぶりは、やがて日本にも向けられるでしょう。米国の自国ファーストが、やがて経済の減速を招く事態を引き起こすことでしょう。じわり広がる貿易戦争の前夜祭といった状況、中国からくるコンテナで続々とみつかるヒアリ。これすらも日本経済を弱体化させるための攻撃、という見方もあります。世界の誰もが幸福を享受できた時代から、利上げ局面になれば脱落する国もでてきます。他国を貶めるための工作が増えるなら、ヒアリでヒヤリ、などと言っているうちに負け組になってしまうのでしょうね。

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2017年07月07日

日銀の指値オペと年金運用実績

稲田防衛相をはじめ、政務三役がそろって40分ほど席を外していたことについて「政務」と説明され、波紋が広がります。稲田氏は「15分ほどで戻れる場所にいた」「連絡はいつでもつく状態」だから問題ない、としますが、それを言い出せば、ずっと政務三役が一人も防衛省にいなくても問題ない、というのと同じです。「民間との防衛政策の勉強会」としますが、時間帯からみると、お昼をとっていたようにしか見えず、政務の内容が問われるといえます。内容はともかく、誰と会っていたかを説明する必要があるのでしょう。
特に今回、対応を難しくするのは広域で、被害が複数の県にまたがることです。つまり現地対策本部が複数ある、ということ。連絡体制を密にしないと、それこそ現場が動けない事態もあり得ます。むしろ、政務三役がいない方がいい、という判断が現場にあるのなら、早々に政務三役を罷免すべき、といえるのかもしれません。

日銀が10時、定例の国債買い入れオペを増額し、また2月5日以来の臨時の指値オペを発表しました。長期債利回りが0.105%で、指値オペが0.110%だったため応札はゼロでしたが、長期債利回りは0.085%まで低下しました。この一連の動きで、日銀はターゲットを1.110%においている、との見方が市場に広がり、市場ではこの動きに対する分析もすすみます。
ただ問題は、欧米ではここ2週間ほどで長期債利回りが0.2%以上の上昇であり、日本の0.04%とは桁が違います。特にECBのテーパリング観測が広がり、利回りに上昇圧力がある中、日本だけがより桁の低い水準で金利をとどめようとする。それが市場にとって、どんな影響があるのか? まだ完全には織りこめていません。例えば昨日、大枠合意と伝わる日欧EPAですが、細目の投資条件に入ると議論が紛糾してまとまらないだろう、とされます。それは日銀が債券市場は指値オペで、株式市場はETF購入で相場操縦のようなことをする、公平で開かれた市場ではない、ということからも調整の難航が予想されます。こうした動きがもたらす悪影響については、後に様々な形で現れるのかもしれません。

GPIFが昨年度の年金の運用実績を公表し、5.86%増の7兆9363億円の運用益です。構成は国債31.68%、国内株23.28%、外国債13.03%、外国株23.12%、短期債8.89%です。昨秋以降、トランプラリーにより株式は国内、海外とも10%以上の上昇であり、国内株は15年度末で30兆円程度、16年度末で35兆円程度、なのでほぼ売却していない、という形です。一方で、国内債は50兆円から48兆円に減らしており、これは国債価額の低下を意味するのでしょう。となると、日銀はほぼ売買せずに年をまたいだ、といっても過言ではありません。
つまり株式上昇局面でもGPIFは売らなかった、となる。しかし基本ポートフォリオからみてももう株式保有は限界に近く、3月末から現状まで上昇しているので、ここが目いっぱいの水準、だから上値が重い、という見方もできそうです。つまり今以上に上昇すればGPIFが売り方に回る。それを吸収して上昇させる主体がない限り、上に行かない。一方で日銀がETF買いにより、下げを拒否するために膠着が強まるのです。

しかし米国でも、見事にグロース、バリューと株式の買い材料が目まぐるしく変わる。市場が最良の条件を織りこんでしまっているため、それ以外の相場を動かす材料が見当たらず、日計りで値動きを出して稼ぐ、という展開になってしまっています。今ぐらいの金利上昇では金融機関の収益は改善せず、それなのに金利上昇を囃して上がる。相場がまったく現実をみていない状況であり、これは大相場が起きやすい地合い、ともいえるのです。年金は今の水準なら、多少下がっても下支えには動けないでしょう。日銀にかかる比率がますます上がり、それを避けるために指値オペをつかい、相場に圧力をかけたということなら、相場への指図オペともいえ、その悪影響が相場全体に広がりかねない、ともいえるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:01|PermalinkComments(29)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 年金

2017年07月06日

日欧のEPA

安倍首相による「こんな人たちに負けるわけにはいかない」発言について、色々と語る人もいますが、今一つしっくりくるものがないので、私論を残しておきます。安倍氏が「こんな人」としたのも国民であり、政治は国民を守る義務がある。自分に反対しようと、批判しようと、変わりありません。しかも、有権者に向けて「負けるわけにはいかない」とした。対立候補にむけた発言ならまだ理解できても、有権者に対して「勝ち負け」などという基準があるはずもない。有権者に負けるような政治家は、政治家ではありません。
ある組織、団体なら、自分と対立する者、批判する者を排除して、お山の大将として専制君主としてふるまうのもアリでしょう。しかし、得てしてそんなトップは組織を壊す。反対派も内包してこそ、組織は許容量を大きくしていけます。まして国のトップであれば、その主張は分断主義者、国を弱体化させる最悪の人物といえ、首相としての資質に欠ける、と言わざるを得ません。この件で、安倍氏を擁護する人物は、得てして「反対していた人物に向けての発言」だからよい、としますが、一般的な組織論と、政治ととの違いを弁えていない、と言えるのでしょう。かつての政治家はウィットに富む、反対派であっても傾聴するような演説を心掛けたものですが、自慢と他人を貶すことしか言わない、つまらない演説だから、誰もが聞いても仕方ないとしてヤジの声を大きくするのです。恐らく、その場にいた誰もが「こんな人に任せるわけにはいかない」と考えたことでしょう。ならばそれは、政治家としてすでに負けであり、自民党議員が大量落選して当然ということになるのです。

日欧のEPA交渉が大枠合意と伝わります。しかしこれを自由貿易協定、などというのはお門違いです。あえて言うなら、関税低減貿易協定とでもいうべきです。例えば、農薬の問題や排ガス規制など、日欧には差があります。もし輸出を拡大するなら、相手のルールに則った製品にするしかない。おかしな話ですが、そのルールを相手より厳しくし、製品対応を難しくすれば、貿易量をコントロールできる。決してすべてが自由ではないのです。
欧州の問題は、かつてのドーピング豚や狂牛病の問題を引き起こしたように、欧州の農産物の安全性にも疑問がある点です。チーズばかり注目されますが、日本としてどうやって輸入品の安全性を担保するか? そこにどんな障壁を設けるか? 米国からの輸入農産物でさえ、長距離の船便を考慮して、防カビ、防腐、防虫剤について妥協を強いられた。欧州ではさらに長い航路が予想されるのであり、どんな薬剤が使用されるか、それについてもきちんと監視していかなければいけないのでしょう。

それは日本からの輸出も同じです。今は量が少なく、プレミアム感もあるので輸出も航空便がメインで、割高でも捌けますが、量を輸出すればプレミアム感も失われ、価格競争に見舞われる。輸送費をけずるなら船便が有利ですが、そうなると長期保存の問題もかかる。その辺りのバランスを考えない限り、この関税低減による貿易効果をはかれない、ともいえるのです。
安倍氏は合意にむけて「安倍ノミクスの成長戦略の一貫…」と述べましたが、関税の多くを撤廃したとて、貿易量の変化は上記した通り、むしろ今後の政府の対応にかかっている、といえます。安倍ノミクス自体、成長戦略がないとされて久しいのに、これを成長戦略とすることさえ、的外れといえます。外交巧者の欧州は、様々な規制、ルールを駆使して日本からの輸入を減らすことを画策するでしょう。関税がない以上、研究開発費の補助も含めた、熾烈な政府による対応合戦の始まりでもあるのです。

安倍氏の勘違いは、貿易協定をむすんだこと自体を「よいこと」と述べてしまう点です。欧州ではここからスタート、相手を打ち負かして初めて「よいこと」とするのです。岸田外相が、ペーパーを読みながら「世界の3割の巨大経済圏が…」などと、成果を棒読みしている時点で「こんな人たちは負けている」のであり、まず安倍政権は有権者と勝敗を争うのではなく、諸外国との貿易競争に「負けるわけにはいかない」と挑むべきなのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:23|PermalinkComments(29)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 欧州

2017年07月05日

北朝鮮のICBM成功報道

九州の大雨が心配です。最近の台風は低気圧を連れて行かないばかりか、むしろ去った後に低気圧が勢いを増す。これも温暖化の影響なのか、これまでの常識とは異なる防災対策も必要なのでしょう。防災ハザードマップの改訂などを通じて、リスクを早めに周知、対応がとれるような対策も必要なのでしょう。

北朝鮮がICBMの発射に成功、と報じ、米国も追認する形になりました。ただ日韓は未だに分析中とします。あくまで推測ですが、米国が分析した情報が日韓と共有されない。それはICBMの脅威は日韓と関係ない、ということと同時に、米国と日韓の間に溝があるように感じられてなりません。それはトランプ氏の個性、相手をビジネス上の付き合いだけで、真に信用はしない疑心の強い面と、もう一つは対北朝鮮における日韓の位置づけの変化、もあるのかもしれません。
トランプ氏はツイッターで「日韓が我慢しない」と、あたかも日韓の代弁者であるかのようにふるまい、また「中国は何もしていない」と怒りを露わにしますが、米国が我慢ならず、米国が何もしていないことを他者に仮託しているだけです。そして、米国がレッドラインを越えたとして行動に移そうとするなら、日韓に協力を仰がなければいけないのと同時に、日韓にかなり深刻な打撃を受けることも、認めさせないといけない。つまり米国にとって、軍事オプションをとるにしろ、タフな交渉を強いられることにもなります。

最近、米国と日韓で、北朝鮮の軍事行動に対する認識へのズレも目立つ。それは米国にとって、日韓とは情報共有をせずに、それこそ相手を騙して軍事オプションの採用をみとめさせるつもりではないか? そのためには北朝鮮の情報を日韓が多くもつことが、反対される材料となり、不都合なのでは? そう思えてなりません。
だからといって、今軍事オプションの可能性が高まっているわけではなく、これは将来に向けた深慮遠謀なのでしょう。数年先を見据えて、情報の共有を低下させるばかりか、むしろ誤った情報を与え、自分たちが動けるようにしておく、という意味です。米軍は数時間以内に北朝鮮の制圧作戦を終了する、日韓は攻撃をうけない。そういって納得させ、軍事オプションをとりやすくする、ということになります。

実際、トランプ氏のレッドラインが何か? むしろ中露が米韓軍事演習を控えることで、北朝鮮の核・ミサイル開発を止めるバーター案を出してきましたが、トランプ氏にとって蜜月の露国からの提案、無碍にできないところでしょう。レッドラインどころか、レッドダウト(赤い疑惑)が付きまとうトランプ氏、堪忍袋の緒を赤い糸がしばっているのだとすれば、日韓を裏切ることさえ、あり得る軍事オプションかもしれません。ことは北朝鮮の問題ですが、ここにきて国際的などろどろした関係性、米国のレッドカーペットを誰が歩くのか、そちらの方が重要となってきているのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:18|PermalinkComments(26)このエントリーをはてなブックマークに追加 アジア | アメリカ

2017年07月04日

雑感。安倍政権の人事

6月の米ISM製造業景気指数が57.8と、市場予想を上回る好調ぶりとなりました。ただ、支払価格は前月から低下、インフレが上がらない状況が鮮明となり、判断も分かれます、またマークイット製造業PMIも52.0と前月より低下。指標の方向性についても疑問が生じるなど、絶好調とされる米国、実体はどうなの? ということが年後半の課題になりそうです。
日本でも、日経などは『値上げしやすい環境』と報じますが、賃金デフレが始まった指標も示されており、どうして値上げ? と疑問に感じます。日本は指標の読み取り方と、そこから導かれる結論に疑義が生じており、経済紙の信用が議題になりそうです。

岸田外相が、安倍ノミクスについて疑問を呈し、波紋が広がります。次期総裁を狙うためにはレイムダック前に安倍政権が退陣してもらうか、内閣改造で閣外に出るしかありません。閣内不一致を覚悟して言及したのは、そんな背景もあります。岸田氏としてはEUとのEPA交渉をまとめ、それを成果として総裁選に打って出たいところでしょう。
安倍政権では一足早く、官僚の人事に動きがあります。財務省の佐川理財局長が、国税庁長官に栄転です。安倍政権のために情報を一切ださず、守り通した功績で、他人の情報を暴く側に回る。何とも皮肉ですが、これは国税庁の職員にとっては地獄かもしれません。長官が情報隠しをしていたじゃないか、と言われることが確実だからです。

異例の人事は文科省に及びます。天下り問題で処分された藤原氏を官房長に出戻りさせ、懲戒処分をうけた課長も、処分時と同格のポストに戻します。情報が駄々洩れになった反省から、飴をつかって鎮静化させよう、との意図が明白です。その裏で、前川前文科事務次官の参考人招致に応じ、これでモリカケ問題の幕引きをはかる。これが官邸の描いたシナリオでしょう。ただ、芽生えた疑心がそう簡単に氷解することはないので、8月とされる加計学園の認可の問題で、飴の効果がはかれるのかもしれません。
しかし閉会中審査は、安倍首相の外遊中の期間にぶつけるなど、都議選にむけて閉会中審査に応じ、説明責任を果たす姿勢を示す、という戦略を拒否したのは安倍氏だったことが明白となりました。そうなると、臨時国会の開催日程も後ずれが予想されます。ただでなくとも改憲案の提出を掲げるのですから、党内調整も時間がかかる。最悪、臨時国会を開かない、という選択肢もあり得ます。実際、安倍政権では通常国会が長引いたことを理由に、臨時国会の開催を拒否した前科がある。臨時国会を開かなければ、改憲案の提出ができなくても不履行にはならない。改憲をもちだしたからには、もう他の重要法案を通すインセンティブもない。ますます臨時国会を開きたがらないでしょう。

そしてそれは内閣改造の時期とも重なります。改造を遅らせれば、国会を開く時期も遅くできる。そしてそれは、現職閣僚を針の筵に座らせることも同じになるのです。安倍氏も自らの後継については、脳裏をよぎっているでしょう。THIS is 敗因の一人である稲田氏が外れた今、岸田氏なら母親は喜ぶでしょうが、党内勢力的には面白くない。菅官房長官や麻生財務相では、自分を嵌めた人間にも思えて、納得しにくい。安倍氏の夏、人事を尽くさず天命を気長に待つ、という時間稼ぎを考えているところなのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:25|PermalinkComments(30)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2017年07月03日

安倍政権の責任?

6月日銀短観、現状判断DIが大企業製造業17(+5)、非製造業23(+3)、中小企業製造業7(+2)、非製造業7(+3)。先行き判断DIが同じ並びで、15(-2)、18(-5)、6(-1)、2(-5)となりました。良好な数字、と報じるところもありますが、先行きでは落ちるので、好悪別れる結果です。しかも大企業で強いのは石油、鉄鋼などの素材関連と、半導体や省力化の設備投資関連であり、鉄鋼は中国で急騰、急落をくり返すように危うい状況ですし、原油もWTIが40$台前半になると、業界自体は厳しくなる。先行きの下落をみこむように、あまり長続きはしない、と企業もみていることになります。
また一方で、今日の株式市場では都議選の影響で、安倍政権のレイムダック化は悪影響、とする人もいますが、経済政策に期待のある政権ならそうでしょうが、今の安倍政権に期待する投資家も少なく、相場としては材料になりにくい。それよりも年金の新投資法、ESG投資で1兆円、が話題になった程度です。経済に期待のもてない政権が不安定化したら、むしろ好感した買いが入るでしょう。株価が落ちなかった理由は、むしろこちらかもしれません。

昨日の都議選、結果的に自民は23議席と、公明と同数、共産にも迫られ、大惨敗どころではなく、壊滅級といえます。早くも安倍政権の責任ではない、という話も伝わりますが、国会を早く閉じてしまった責任もある。戦略的には、通常国会の会期を延長し、都議選をまたぐ選択もあったのです。モリカケ問題を追及されたくないし、失言、暴言が相次いだため、30日に閉会中審査に応じ、説明責任を果たそうとする態度もとらなかった。
さらに1日の安倍首相の街頭演説で、『安倍辞めろ』のプラカードを安倍氏から隠すよう、自民党青年団の幟が立った。これは規制線の内側に、自民党を支持する人だけが入れた、ということ。結局、警察も一体となって安倍氏の見たくないもの、聞きたくない声を遠ざけた過保護体質、保護責任の問題は安倍政権が負うことになるのです。

ポスト安倍の動きが、自民党内で活発です。しかし菅官房長官、麻生財務相、岸田外相にとって、政権の退陣が遅れれば遅れるほど、支持率が下がれば連帯責任となって総裁選への出馬も難しくなる。内閣改造を待っていたら、間に合いません。一方で、安倍政権に使い捨てられることになる今度の閣僚も、なり手は少ないでしょう。特に、小泉進次郎氏に注目が集まりますが、言葉は悪いですが、ええ格好しいの小泉氏にとって、問題山積の政権に入って発言を封印されると、長所を消されるだけ。絶対固辞でしょうし、それは橋下前大阪市長も同様でしょう。そうなると在庫一掃内閣になるか、箔をつけたいだけの中堅の寄せ集めになるか、いずれにしろ政権は弱体化し、支持回復は望めそうもありません。
安倍氏は今日の敗戦の弁で「安倍政権に緩みがあるのではないか、という厳しいご批判があったのではないか」と述べました。この期に及んで傍観者? 批判があるから受け止めるのではなく、自ら率先して説明責任を果たし、任命責任を認めて憲法違反とまで指摘される稲田防衛相を、すぐに更迭すればよかったのです。自分たちは悪くないけれど、批判されたから、言われたから対応します、安倍政権はいつもそうです。まず自らのことして考えられない、英語で『責任』はresponsibility、responseは言うまでもなく『応答』です。国民の声に『応答』せず、『責任』すら果たそうとしない。自民党内から『責任』の取り方を迫られたとき、安倍氏のすわっていた席には、別の人がすわることになるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:07|PermalinkComments(36)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2017年07月02日

東京都議選について

東京都議選が開票中です。しかし各社の予想では、都民ファはほぼ立候補した人が当選する勢いで、推薦候補も合わせれば過半数は大きく超えそうです。自民は30に届くかどうか、38がこれまでの最低議席数ですが、それすら大きく下回りそうです。結果的に、自民を蹴って小池氏に乗った公明は大成功、現有議席を維持できそうであり、共産は若干落としそうですが、この辺りは固定の支持層をがっちり固めた印象。選挙前から離党者が続出するなど7議席にまで瓦解していた民進は、それすら維持できそうもありません。

ごく一般的な勝因、敗因の分析はメディアに任せて、少し脇の話を考えてみます。安倍首相が最後まで頼みの綱、と考えていたEUとのEPA交渉。都議選の最中にそれがまとまれば、成果として大いに喧伝しようとしていましたが、チーズの関税で意見がまとまらず頓挫。都民で酪農家は少ないので、相当に妥協するとみられていましたが、それすらできなかった。恐らくEUとしても今のところ経済は絶好調、強気の交渉もできる。どうやら最後は、どうせ都議選は大敗だし、国政選挙になって地方の農水関連の票を減らされてはたまらない、として自民党内からブレーキがかかったもの、ともみられます。
そうなるとTPPでさえ、米国抜きの成立をめざしていますが、ブレーキを踏まれるかもしれません。トランプ政権はTPP交渉に復帰する見込みもなく、3年半を無為に費やすのか? その間にも国政選挙があり、不信感が高まった安倍政権がすすめるTPPに、懐疑的な農家も増えることでしょう。そんな突き上げもあって、自民党内から安倍政権への批判の声が上がりそうで、そうなると安倍政権は外交上、行き詰まることにもなりそうです。

維新は0に終わりそうで、公明と明暗を別けました。しかし維新と公明は、大阪では協力関係にあり、今後その関係にもヒビが入るでしょう。最近の公明は「政界枯れ尾花」ともされ、風が吹くとあっちに靡き、こっちに靡き、と首の傾きを変えてきました。凋落する維新からは離れる。一方で、自民がこれだけ勢いを失うと、公明としても今後の協力関係に悩みそうです。特に、都民ファが国政進出すると、国政選挙でも公明はそちらにつく。大阪の維新との協力も解消し、自民との距離をさらに開けるかもしれません。
しかもそれを促すのは野党の弱体化であり、自民との協力を強固にしなくとも大敗することがない。ほどほどに自民を勝たせ、キャスティングボードを握っておくに限る。そんな思惑が背後にあるのですから、今度は自民が公明との関係に悩むことになるのかもしれません。この都議選で安倍一強が崩れた結果、連立与党にも緊張が走るのでしょう。そしてそれは維新の失墜も意味し、安倍補完勢力の瓦解にもつながるのでしょう。

都議選の投票率も、それほど上がらなかった。しかし自民は凋落した。ということは、いくら支持基盤固めをしても、実際の選挙では支持層とされる人も動かなった。それは面従腹背の関係にある、と想起されます。自民が間違ったことをしていたら支持しない、となることが今後も予想される。それは安倍政権にとって痛恨であり、改憲に向けた動きをすすめることさえ、ネガティブに受け止められる可能性が大になったのです。
安倍一強が崩れた先に、そして誰もいなくなった、となる。安倍氏が後継者潰しをし続けた結果、ともいえますが、そういう点でも安倍氏は未来において、無責任なことをしつづけたともいえるのです。自公連立が、死後連立にすら思える今回の都議選。死屍累々となった自民都連を踏み台にして、今後の国政にも大きな禍根を残すことだけは間違いないことなのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:24|PermalinkComments(38)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 地方

2017年07月01日

安倍首相の街頭演説

東京都議選、期日前投票が前回より1.57倍になるなど、投票率が上がりそうな気配もあります。これほど報じられた都議選も前代未聞であり、それは自民が惜しみなく材料を提供し続けた面もある。二階自民幹事長が「落とすなら落としてみろ。新聞を買ってもらっていることを忘れたらダメ」と言い出し、麻生財務相が「かなりの部分、情報が間違っている」とも述べます。これまで散々ヨイショ記事を書いてもらって、そのときは「新聞を読め」とまで語っていた安倍首相ですが、急に旗色が悪くなったら自民党がこぞってフェイクニュース扱いするなど、まるでどこかのトランプ氏のようです。

そんな安倍氏が、都議選の最終日に秋葉原で、最初で最後の街頭演説に立ちました。冒頭、「政権与党のリーダーとして、ご心配をおかけしていることに申し訳ない思い」としましたが、心配しているこちらが悪い、とでも言うかのようです。これは稲田氏が「誤解を与えたこと」を謝罪する、と言うのと同じロジックで、自分は悪くないという前提があります。
しかも復興がすすんだ、日米同盟が強固になった、雇用が改善した、賃上げになった、と成果を強調しますが、すべて安倍政権のお陰ではない。しかも賃上げは、昨日取り上げたようにすでにマイナス、実感がないとされているのに、未だにそれを自分の成果と述べてしまうから嫌われるのです。復興が民主党政権時代、すすまないのは当たり前、まだ震災から2年程度では復興の前に、復旧に忙しかったから。日米同盟が強固になったのではなく、同盟が従属に変わっただけ。雇用改善は少子化の結果、こういう人の褌で相撲をとるようなことばかりしても、もう国民は騙されません。むしろ政権への不信感が募るだけです。

「演説を邪魔するような行為を、私たち自民党は絶対にしない」それは当たり前で、演説の場に行って邪魔するようなことは、どこの政党もするはずがありません。ヤジるのは、政党色のある人もいるかもしれませんが、大多数は無党派の、安倍政権に怒りを感じている人です。無党派、とするのは現代で強固な支持政党をもつ人が少ないから。世論調査でも野党の支持率が低いように、今や支持政党のある人の方が壊滅的です。
しかも人が話しているのを遮って、自分の意見ばかり述べる人は自民に山ほどいます。そもそも「売り言葉に買い言葉は慎む」と集会でも演説したばかり、舌の根も乾かぬうちにヤジに反応するとは、導火線が短すぎるにもほどがあるでしょう。さらに「憎悪から何も生まれない」としますが、散々に民主党政権のころを悪しざまに言った後で、自分が悪く言われると必ず使うそのフレーズ、自分が憎悪を止めるべきなのでしょう。

最後にやっと都議選にふれ、「看板を書き換えても中身は変わらない」と述べますが、看板も中身も変えないなら、今と同じです。仕事ができるか、建設的な政策を述べられるか、としますが、仕事をした結果、モリカケの学校建設が優先してすすめられたりしては困りますし、都政に関していえば豊洲移転で、無害化が達成されないなどとなっては困るのです。都民のために仕事ができるか? 少なくとも自民都連は「していなかった」といえるのです。
「仕事ができるか、できないか」と述べますが、自民都連はできていなかったからこそ、反発が起きている。言葉を換えれば「仕事ができなかった方か、未知数な方か」と問われたら、新しい方に賭けようと考える人が増えるだけです。「自民党しっかりしろ」で足を運んでくれた、と冒頭に述べていますが、動員で駆りだされた人と、暴政で怒りにかられた人が、足をはこんだのです。この演説で、失言にもふれない、疑惑にもふれない、集まった人は「自民党がっかりした」と感じさせたことでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:09|PermalinkComments(41)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般