2017年09月

2017年09月30日

23区の定員増をみとめず

昨日は8月の経済指標の集中発表日でしたが、気になったのは労働力調査で、小売・卸売業の就業者が急拡大していることです。9月の半期末の前に、採用を増やした? 逆にそれぐらいしか要因が見当たりません。iPhone8の発売に向けて…だとしたら、大コケでしょう。iPhoneXと発売日に差があり、かつそちらを狙うAppleファンが多いとみられるためです。
家計調査をみると、8月の消費支出が実質で前年同月比0.6%増であり、確かに消費は伸びている。しかし支出の多くを占める食料の伸びが寄与しており、これは天候不良で価格が上昇した部分もあるのでしょう。ただ気になるのは、保健医療や教育などが大きく減っている。8月は通常、夏期講習などもあって教育費が増える時期。余裕があるときに増える分を削っている。先の小売の大幅な雇用もそうですが、8月は不思議な結果が多いといえます。

文科省が東京23区の大学の定員増や、新設・増設を認めない方針を告示しました。これは先の閣議決定に基づいたもので、加計学園など、地方自治体と組んで大学をつくるところへの側面支援です。ただし、現時点でさえ大学進学を希望する学生のほとんどが、進学できるだけの枠はそろっているとされます。23区以外でも増員、新設・増設をみとめていたら、過当競争で淘汰される大学もでてくるでしょう。さらに、大学経営の自由度を狭め、生殺与奪の権利を行政側がにぎることにもつながる。安倍政権がすすめる教育介入の一端、ともいえそうです。
しかもパブリックコメントに集まった意見で、賛成が「大学や学生の質保証につながる」という、原因と結果が滅茶苦茶な意見で、これなど地方大学の関係者が書いたもの、と言えそうです。地方に大学があっても、そこで就職するわけではない。むしろ東京に就職先が多い、というばかりでなく、セミナーなども都心で行われるのが大半で、今のままなら格差が拡大して、一部の都心にある大学の学生だけが有利、ということになるでしょう。

そもそもそれほど雇用環境が改善したなら、本来は地方でも就職先が多い、となっていなければいけない。しかし生憎とそうなってはいない。地方は医療や介護の崩壊が懸念される一方で、大学を卒業した学生はそういう方面には中々いかない。学んだことを生かすためには、やはり都会に出るしかなくなるのです。安倍政権で感じる、こうした的外れの対策は、安倍氏が今回の選挙戦でも「新党ブームで混乱と、景気低迷を生んだ」と述べることからも明らかで、こんな嘘を信じられるお人よしか、嘘を盲目的に信じてしまう愚かな人間しか安倍政権は支持できない、といえるのでしょう。
全国幹事長会議で示した自民の公約骨子で、一番に来たのは北朝鮮問題でした。どうやら小池旋風をうけ、内容も一部見直しており、いずれ検証しますが、経済が最優先ではなくなったようです。北朝鮮問題に、日本が能動的にかかわることはない。米国の補助でしかないのですから、それで何を訴えても中身が伴うはずなどない。なのに、リスクを訴えるぐらいしかアピールポイントがないのかもしれません。それに、消費税再増税の使い道の変更、という大義として掲げたお題目が、なぜか公約骨子からすっぽり抜けてしまいました。少子化対策と称して、教育費無償化などを掲げたのも、結局のところ加計学園などへの側面支援でしかなく、それだけ重視していない、ということか。いずれにしろ、保守系の教育への介入が灘高校の教科書問題でも取り沙汰される中、教育と政治の関係についてもしっかりみておかないと、教育が脅威・苦になってしまいかねないのでしょうね。

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2017年09月29日

選挙とブームと時代

安倍氏が解散の当日、街頭演説を行いました。「ブームは希望を生まない」と述べますが、ブームはムーブをつくり、熱狂は時代をつくります。大体、政治で「愚直に政策を…」と語りだすと、それは手詰まり、苦境を表します。見事に安倍氏は演説でその言葉を発してしまいました。つまり自分は『時代の寵児』でない、時代遅れと認めたのです。
1990年の新党ブームで景気後退が長引いた、とも語っていますが、自民党政権が滅茶苦茶をした結果、すでに経済が大きく壊れており、滅茶苦茶にした分長引くのは当然であり、むしろだから政権交代が促された、ともいえます。正しく経済にブレーキを利かさず、ただただ株価が上がればいい、土地が上がればいい、などという発想、今の安倍政権とも相通じるものがあります。つまり、新党の勃興は自身が撒いた種でもあるのです。

小池希望の党代表が「民進のリベラル派を排除」と述べました。小池氏と前原民進代表との会談でも、恐らく芳しい答えはなく、全員合流とはいかないのでしょう。これで困ったのは『政権交代を実現した政治家』との名声を得ようとしていた前原氏です。そもそも条件を詰めず、先に解党を宣言したのは背水の陣ですらありません。その結果、ただ『民進党を壊した政治家』との汚辱にまみれ、この人物に交渉ごとを任せても上手くいかない、とのイメージが先行する。政治家として浮上の目すらないほどの打撃になりかねません。
それを回避する唯一の術は、自身が民進に残り、リベラル派を率いて戦う、という戦場でいったら後詰めの役回りを引き受けることだけです。逃げ遅れた人を糾合し、撤退する軍を安全な場所まで逃がすために時間稼ぎをする、討ち死に覚悟の部隊。つまり自身と肌の合わない、自ら追い出そうとしていたリベラル派と一蓮托生で戦わない限り、前出の汚名を政治家である限りずっと引きずる。これは前原氏にとって大きな誤算でしょう。

まだ政策も発表されていないので、票読みも早いですが、個人的には約400議席を自民、公明、民進でもっており、それを今回は自民、公明、希望、維新で分け合うことになるだろう、とみています。つまり保守票を互いに食い合い、その中に民進の一部の票がのっかると大体このぐらいの議席を獲得する、ということです。希望が上手くやれば、維新と合わせて200は越えてくるでしょう。しかし過半数はとれない。上手くやれなければ100前後。その辺りが希望の限界とみています。
すると、残りの65議席の行方が大事です。これは民進リベラル、共産、社民、無所属で分け合う形になりますが、私はタナボタで共産が票を伸ばす、とみています。護憲を訴える人の投票先で有力なのが、共産しかないからです。保守の争いが、結果的に革新系を伸張させる、という欧州で起きている選挙の流れに、日本も逆の形で乗る可能性が高いとみています。

騙し、騙され、は政治の常ですが、先に安倍政権が冒頭解散という奇策に打ってでたら、小池氏の電撃結党という奇策に、解党という奇策で答えた前原氏。誰が勝者で、誰が敗者になるか。ブーム(boom)という言葉にerangをつけると、ブーメラン(boomerang)です。eraとは時代という意味もある。boom-era-ng、そう別けるとまるで『時代の寵児』とも読めそうです。よくブーメランを、自分に攻撃が跳ね返る、という意味で用いる人もいますが、ブーメランは敵を攻撃するだけで、自分を傷つけるものではないのです。誰が『時代の寵児』となり、誰が『時代から弔辞』を送られるか。誰がブーメランの攻撃を受ける側で、時代に取り残されるのか? 見所だけは多い選挙といえそうですね。

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2017年09月28日

暴走解散とプッツン解党

衆院が解散されました。所信表明も行わずの冒頭解散、今回は7条解散ですが、首相の専権事項ともされるこの解散、『専権』とは権力を弄ぶこと、ですからまさにそうなのでしょう。ただし、首相の専権事項とは法的に規定されたものではなく、単なる自民党の慣例というべきもので、それをもって安倍首相の判断を容認する言葉ではありません。

民進の前原代表が「名を捨てて実をとる」として、民進としては公認せず、希望の公認を得るよう提案、両院議員総会にて了承されました。しかし間違えてはいけないのは、一番の実をとるのは前原氏です。つまり自民-希望の対立構造の中で埋没した都議選、それの二の舞となれば、前原氏は「選挙で大敗した代表」のレッテルが貼られる。都議選ならまだ一地方選とイイワケできますが、国政ではムリ。それを回避する策、それが希望に丸のっかりした上で、自身が「政権交代を演出した政治家」の名誉を得ることだったのです。
しかし本来は、希望への移籍を望まない人のために、道を設けるのが組織のトップたる者の責任。今、希望の小池代表は選択権は自分にある、として全員を受け入れるかどうか限らない、という姿勢を示す。しかし前原氏は、そこまで詰めてからコトを動かさなければいけない。それが『責任』です。少なくとも公認を受けられない人は、政党助成金を割譲する形で手渡さなければおかしいのでしょう。前原氏はAll for Allを掲げましたが、自らSale for Sale、民進党を売り渡し、自分に従わない者は裸にひんむいておいだす、では、やっていることは平成の壊し屋、しかも壊すだけでなくブルドーザーで轢き倒すぐらいの対応といえ、トップとして最悪の器量だった、ということにもなります。

では今回、前原氏は恐らく小沢氏から教授されたことは、ほぼ間違いないでしょう。頻繁に会合を行い、過去からの様々な手法を学び、細川政権をつくったときのこと、その中で公明が参院に党を残していたこと、などを参考にしたはずです。そして今、世界的に起きている新党ブーム、既成政党への批判の受け皿になり、躍進する姿。そうした流れについても考慮したでしょう。ただし、その中身は不勉強のようです。
独国で議席を伸ばしたAfDは革新の中に生じた、保守勢力。仏国ではマクロン氏率いる前進!の躍進は、左派のオランド前大統領に対する中道左派、一方で、ルペン氏の急進保守も議席を伸ばしている。欧州では革新系政権をとっているケースが多く、その中で急進保守が票を伸ばしたのです。では、日本は? といえば保守勢力である自民が政権の座にあり、希望はそれ以上に保守、自らは改革保守としますが、政治的にみれば急進保守という形です。つまり保守の中に、保守の勢力を広げようとしている形です。

さらに前原氏は革新系の勢力を、まるで一掃しようとしているかに見える。自分が嫌いな共産と組むぐらいなら、死なばもろとも。党内で自らと対峙してきた革新系にも、公認をださないという待遇で徹底的に潰す。今回の民進の動きは、そうした私怨の匂いしか感じません。「一強多弱に忸怩たる思い」とも語っていますが、前原氏本人の「一生惰弱」な部分が見え隠れする民進の解党的な動き。忸怩たる思いを抱いてみているのは、前原氏の態度にもむけられているのかもしれませんね。

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2017年09月27日

希望の党の結成会見と政局

小池都知事が希望の党の結成会見を、所属予定の議員とともに行いました。注目していたのは党人事が発表されるかどうか。小池氏の独断専行がみとめられるなら、昨日の今日でも選挙をする上で、党体制を構築しておく必要があります。それがなかった。しかも、解散後でも結党会見はよかったのですから、尚のこと急ぐ必要がない。つまり、もう一度党の人事でサプライズを起こす機会をもっている、ということになります。

政局が急すぎて、考察すべき点が多いですが、前原民進党代表が希望者は希望の党から出馬させ、自身は無所属で、と述べています。言葉は悪いですが、自身の人望のなさ、止まらぬ離党にプッツンした、というのが真相に思えます。「安倍一強を倒すためなら…」何でもする、と語っていますが、党内で相談した形跡もなく、個人の判断で発表してよいことかどうか、何でもする、の前に何をしていいか、すら考慮できていないからです。
共産の志位委員長や、維新の松井代表も批判したように、公党間の調整すらない。恐らく前原氏はずっと民進主導の政界再編を主張し、希望ができる前なら他の野党も渋々でものむ、となっていた。しかし離党者続出で、下手をすれば共産ですら議席を下回りかねない。それがプッツンの原因でしょう。だったら希望に合流すればいいんだろう、と。

小池氏が『自民の補完勢力をめざす』、そんなことはありません。小池氏は『自民を補完勢力にする』つもりです。『改革保守』『寛容』その2つの言葉には、多数をめざすためには多くを受け入れる、というスタンスが滲む。ある程度の幅をもたせ、包摂的にとりこもうという態度。しかし民進の一部議員をとりこんだからといって、自公を過半数割れに追いこみ、維新と連立をくんでも過半数に達しないほど追いこまないと、政権を担うほどではない。参院も議員数が圧倒的に足りない。そこでもうひと風、吹かせないといけない。
あくまで個人的な憶測ですが、小池氏は橋下前大阪市長に出馬を促し、共同代表として国政を任せる気ではないか? そうなれば、維新も希望に協力せざるを得ず、大阪から首相を、の掛け声で関西圏を押さえる。東京は小池氏、愛知は大村氏と河村氏、等々の地方自治の大同団結も達成し、民進、自由、社民も合流する形で過半数を狙う。こうすれば一気に政権の選択肢として、大きく浮上することにもなるのでしょう。

恐らく誤算があるとすれば、小池氏自ら都知事を辞め、国政に出馬するケースでしょう。都民への裏切り感が強く、ガタガタになる可能性もあります。東京五輪後、国政にもどる段階で共同代表として、政権の座を譲り受ける。これで晴れて、日本で初の『夫人』のつかないファーストレディとして君臨できます。小池氏の年齢からも、それがラストチャンス。ここで焦って一気呵成、というと足元をすくわれるのでしょう。
梯子を外された共産は、恐らく分裂した民進との連携が想定されます。自由も社民も、この流れには乗らざるを得ないので、共産との連携は解消でしょう。しかし間違いなく、今回の選挙は劇場型になった。安倍氏が争点潰しをして、ほくそ笑んでいたら、野党が主役となって選挙がすすむことになる。短期決戦を、野党の話題だけでメディアが染まり、野党の伸張ぶりに注目が集まることになったのです。上野動物園で生まれたパンダの名前が『シャンシャン』となりましたが、しゃんしゃんには上手く仕事をすすめていく様子、という意味もあります。ここまでは話題をさらい、うまく進めてきた印象もありますが、一つでも下手を打つと、小池氏の用いるリセットのように、すべてが瓦解しかねない危うい綱渡りになります。民進というパートナーが自殺的解党となれば、希望の党ならぬ未亡人の党となって、有権者のみる目も変わりかねなくなるのでしょうね。

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2017年09月26日

株式市場と北朝鮮と選挙

独国総選挙、与党のメルケル首相率いるCDU/CSUが第一党を維持しましたが、連立先の社会民主党(SPD)は連立を拒否、緑の党と自由民主党(FDP)との連携を模索します。支持を伸ばしたのはドイツのための選択肢(AfD)です。まずSPDが連立を離脱するのは、手柄はメルケル氏、問題があるとSPDに、といったこともあり、難民問題でぐらついたメルケル氏とは連立できなくなった面があります。AfDの伸張も難民への強行姿勢が支持されてのもの。左派の強い独国で、右派のAfDが議席を獲得したことは、独国にとって大きな変化になりそうです。

株式市場では、日本の解散、総選挙で買い、というアノマリーを買っているとの話もあり、9月は堅調推移がめだちます。しかし相場が上昇に転じたのは10日の週。一方で解散風が吹き始めたのは16日の土曜日から。このタイムラグについて興味深いのは、外国人投資家が10日の週に先物を一気に買っていることです。しかもそれは、通常の買い方とはまったく異なり、慌てて売っていたポジションを手仕舞った印象です。
この事態について、とある噂は「日本に電磁パルス攻撃(EMP)があったら、日本にポジションを置いておくこと自体がリスクだから」とも語られます。つまり、北朝鮮が高高度核攻撃を行った場合、電子データは飛ぶことになるので、今のように電子上のデータだけでやりとりするデータは、バックアップがとれていない限り、すべてパァになります。つまり北朝鮮との緊張の高まりで、売りポジションのデータもパァになることを恐れたのではないか? ただそうなると、買いのポジションも同じでは? という話にもなりますが、買い方は大事にする可能性があり、保証してくれるかもしれない、というのです。

つまり売りのポジションを組むような主体は、どさくさに紛れてなかったことにされる。それを恐れて売りポジションを手仕舞った。むしろ、株式市場は北朝鮮リスクを無視していたわけではなく、北朝鮮リスクを意識した上昇だった、という話を耳にしたのです。日本の場合、データのバックアップも国内で行われている可能性があり、広範囲に及ぶEMPでは、実際にどうなるかは分かりません。バックアップデータの保存先など、公表しているところはないからです。ただし、そうなると買い方ばかりが残っている形となり、その後は手仕舞い売りが続出することになるのかもしれません。
しかもこういう動きをするのは短期投資家が多く、その買いが一巡すると、急に動きも止まったように、ある程度のポジションを日本に残しておかないといけない以上、これから上を目指すのは厳しい、ということなのでしょう。明日の権利付き最終売買日を高値で抜けて、その後の再投資を期待する、といった話もありますが、長期の投資家が買いのポジションも落とそう、となったら少々厄介かもしれません。

いずれにしろ、選挙目当ての上昇、という話は少々眉唾のようです。アノマリーはありますが、安倍政権がうちだす策に景気対策がほとんど盛られない以上、株式市場としても期待薄にしかなりません。安倍ノミクスは総仕上げ、そう打ち出すのなら、海外投資家も安倍ノミクスからは総引き上げ、という形も見えてくるのかもしれませんね。

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2017年09月25日

安倍首相の解散会見。国難突破解散?

小池東京都知事が新党「希望の党」を立ち上げ、代表に就任する意向を示しました。都議選圧勝後、すぐに都民ファの代表を下りたのも、こうした動きを想定したものでしょうし、今ここで国政の小池新党が惨敗すれば、小池氏の勢いも殺がれる。そう判断してのことでしょう。しかし各政党からの寄せ集めとなり、「ごぼう抜き」ならぬ「希望抜き」となりましたが、集まったのは「きんぴらごぼう」ならぬ「チンピラ希望」では心もとないのであり、溜まるアク(悪)を抜かないと食べられたものではなくなるのでしょう。

安倍氏が臨時国会で冒頭解散を表明し、記者会見を行っています。選挙前なので大風呂敷を広げるのは仕方ないとしても、これだけ嘘とゴマカシにまみれると、言葉は悪いですが、よほど頭が悪いのか、嘘つきなのか、それともその両方なのか、と思わざるを得ません。「国難突破解散」と銘打ち、これまで見向きもしなかった『少子化対策』と、危険を煽るだけの『北朝鮮問題』を取り上げました。
しかし安倍氏の語った『少子化対策』は、子育て支援です。育てやすくなれば子づくりに励むだろう、などというのは大間違いです。3人目を産んだら補助金をだす、不妊治療を無料にする、育休を3年確保し、職場復帰できるよう法的に規制する。等々、行うべきことは山ほどあるのに、教育量無償化しか出てこない。これまで歯牙にもかけてこなかった問題だから、何をしていいか分からない。選挙公約だった待機児童ゼロをあっさり撤回したように、物事の本質も分かっていないから、対応も頓珍漢にしかならないのでしょう。

北朝鮮問題では、だらだらと日朝の経緯を嘘を交えて語りましたが、最後に拉致問題にふれて「拉致問題の解決に向けて、国際社会でリーダーシップを発揮し、全力を尽くして参ります」で、41文字。しかもどうやったら解決できるか、といった策もない。中身なし、やる気なし、が鮮明です。それは圧力などかけていたら、いつになっても話し合いができず、要するに北朝鮮の出方次第でしかない。リーダーシップを発揮? 当然、日本の問題ですから自国で解決するのであって「米大統領に言及してもらった」などという時点で、本人に解決する術もない、ということを如実に示すのでしょう。
税金の使い道を変えるから、解散する。という文言はさらに怪しい。「税こそまさに民主主義」と語りましたが、寡聞にしてそんな言葉は知りません。北朝鮮のリーダーは選挙を経ていない、と間違った認識も示す。北朝鮮も選挙はしていますが、選択肢がないだけです。さらに民主党政権でも税を争点に選挙した、3年前も再増税延期を争点に選挙した、としますが、3年前は自ら勝手にそれを争点にした上で、自民ポスターには全く違うことを書くなど争点化しなかった。民主党の野田政権のときは、増税と選挙制度改革を引き換えにして与野党が選挙をすることで合意したから、そうなっただけです。

しかも全世代型社会保障とする税の使い道で、高校教育無償化も「真に必要」な子供と、制限つき。誰がその「真に必要」かどうかを審査するのか? それ次第では全員が教育を無償で受けられるわけではない、ということです。そもそも税金の使い道を、民主党政権で増税を決めた選挙ですら問うてはいないのです。それを安倍氏の都合で変えるから改めて問います、という理屈がおかしい。さらに、それが冒頭解散をする理由にするのは、大義どころかスジ違いです。国会で話し合いによって変えればいいだけのこと。国会で少しでも議論し、埒が明かないから、であれば冒頭解散も理解が得られるでしょう。
安倍ノミクスの成果、とするものは嘘だらけ。「国難突破解散」としましたが、むしろ安倍氏の主張通りに政策が変更されたら「国難増加解散」にしかなりません。選挙で過半数が勝敗ライン? それで選挙で信任を得た? そんなものは党内から引きずり降ろされるだけでしょう。やっと少子化に問題意識をおいたことは評価できても、5年間放置され続けてさらに問題が拡大し、かつ語る対策は、まったく効果がない。北朝鮮の対応も、先に危機があるから今解散、としますが、圧力をかけた先に危機が高まるなら、それは失敗ではないのか? 圧力をかけたら、解決に向かって先々は安全に向かうのではないのか? 言っていることが滅茶苦茶、この解散を言いかけるなら「国難突破解散」ではなく、「ボクちゃん愚か解散」とでもした方が、よほど的を射ているといえるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:25|PermalinkComments(35)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2017年09月24日

小池新党へ流れる政治家

自民党の福田内閣府副大臣が離党し、小池新党への参加を表明しました。横浜地盤ですが、選挙に強くないものの自民圧勝の流れで比例南関東選出、ということもあって、選挙に勝つには小池旋風にのるしかない、ということなのでしょう。しかし副大臣を拝命していて離党しなければならないぐらい、自民にも危機感があるのかもしれません。
日本のこころの中山氏も参加表明ですが、これで困るのは若狭氏でしょう。大物の合流でどんどん存在感をなくす。かといって数をそろえなければ、国会での存在感を失う。新人ばかりでは使い物にならない一方、他の政党から流入がつづけば政党色が自分の思い描いていたものとちがってしまう。特に、日本のこころが参入してくると極右の色が強くなる。極右の政党が多数をとったことはこれまでなく、大抵は雲散霧消してしまうのが常です。それは、極右の人間の個性が強すぎるから。声が大きく、自己主張が強く、我慢というものができないため、結果として党を割ったり、飛びだしたりが増えてしまいます。

麻生財務相が朝鮮半島有事で、日本に武装難民がくる可能性を指摘し「警察で対応するのか。自衛隊、防衛出動か。射殺ですか」と述べました。まず武装難民が大挙して押し寄せる、という状況が想定しにくいですが、そもそも朝鮮戦争が再開されたら、日本に飛び火する可能性が高い。難民がわざわざ危険を冒して日本海を渡り、戦争に巻きこまれることを承知で、思想教育で敵とされている国に行くか? よほど共産主義に絶望し、韓国以外の選択肢をとろうとするほどの教養のある人が、日本を選ぶとは到底思えません。
それでも日本に渡るのは、むしろ日本経由で米国に行きたい、という人でしょう。兵士が逃げだす場合でも同じで、戦争から逃れたいなら露国に渡るはずです。露国だと北朝鮮に追い返されそうですが、今や露国にとって北朝鮮の人々は大切な労働力。こっそりと匿って作業員として従事させてくれるでしょう。日本ではそういう対応が難しくとも、中露なら可能です。中国なら朝鮮族を頼って渡り、露国なら作業員としての待遇を頼って渡る。わざわざ日本に来る。しかも武装して…可能性はあまりないでしょう。

麻生氏は軽口をたたいた、というより確信犯でしょう。最近、安倍政権では保守層の離反がめだつ。ここで北朝鮮の脅威を煽り、離反を防ごうという思惑です。小池新党が極右よりになるなら、それこそ改憲を求める保守層が一気に流れるかもしれない。安倍政権が選挙で訴える政策も、どちらかといえばリベラル色が強く、保守層にとっては支持を表明しにくい点もある。北朝鮮で強硬姿勢を示す、それが保守層へのアピールになるのです。
小池新党の党名が『希望』になる、といった話もでています。希望には未来によい状況が訪れることを期待する、といった意味もありますが、ただの願望、という意味もある。自民党からでさえ、人が流れる小池新党ですが、このままだと希望の党どころか、烏合の党にすらなりかねないのでしょう。他の政党から人を集めて、一気に野党として巨大化する、ごぼう抜きならぬ希望抜きになったとしても、後が大変なことになりかねないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:29|PermalinkComments(34)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2017年09月23日

自民党の選挙公約素案について

自民党の公約素案が報じられています。1.安倍ノミクスの総仕上げ、2.人づくり革命の実現で『全世代型社会保障』の確立、3.働き方改革、4.北朝鮮への『圧力』の継続、5.憲法改正案の国会提出、です。まず3.に関しては、毎勤で分かることは、今年度は基本給を引き上げる代わりに、ボーナスを大きく下げていること。産業界寄りの安倍政権では、企業が損をしないように配慮が加わる。つまり働き方改革とは、これまでもホワイトカラーエグゼンプションのように残業代ゼロ、の方向に傾きがちです。
5.に関しては、そもそもこの臨時国会に提出する、と述べていたのを先送りしただけ。しかも9条加憲案は矛盾だらけです。安倍氏の提案通りにするなら、自衛隊は『軍隊でもない武器をもった集団』となる。国連の要請で海外に派遣されても、武器をつかったら滞在国の法律で裁かれ、傷害罪、下手をすれば殺人罪に問われかねない。安倍氏の提案は自衛隊を著しく危険にさらし、かつ自衛隊を海外に出してはいけなくなるものです。

4.に関してはこれまでも指摘してきましたが、すでに北朝鮮は日本になら、核攻撃をできるのに圧力をかけて、何が起こるか分からない。今日も核実験か? という揺れを確認しましたが、もしかしたら水爆の起爆装置の確認だったかもしれない。もし自民に投票するなら、日本は核ミサイルの標的になることを容認した、となりかねません。
2.は、安倍政権の『人づくり革命』とは、高齢になっても働け、専門外でも教えてあげるから働け、という国民酷使の考えです。それを実現して『全世代型社会保障』というのですから、言ってみれば国民を酷使したことで税収が増え、その分を給付に回す、というだけ。特に安倍政権では消費税再増税により、5兆円ふえると見積もる税収のうち、これまでは4兆円を財政健全化に、1兆円を社会保障に、としてきましたが、財政健全化の4兆円のうち1.4兆円を教育などの社会保障に回す、という。しかしこれは人づくり革命のための財源であり、実現して確立するわけではない。しかし財政に穴が開くことになるので、そこを人づくり革命で生まれた労働力による生産性向上で穴埋め、という意味なのでしょう。

1.は今さら何をいわんや、といったところであり、むしろ安倍ノミクスの終焉、黒田バズーカの打ち止め、撤収を意識させます。日銀によるETF購入に対する風当たりも強くなり、さらに国債買い入れの継続性も危惧される。安倍氏が終わりを示唆するなら、市場も終わりを意識することになり、円高、株安を模索するかもしれません。
この5項目を言い換えるなら、1.安倍ノミクスはもうお手上げ、2.人使い倒しの実現で『全世代型社会的弱者』の確立、3.働く方(からむしり取る)改革、4.北朝鮮への『圧力』は軽率、5.憲法改正案の国会提出(ただし、まともなものとは限らない)、となるのでしょう。逆に言えば、安倍政権ではまともにできていない部分ばかりであり、それをうまく言い換えて、弱点を転じて利点に見せかけよう、というのが、この5項目だとみられます。軽挙妄動をつつしまないと、本当に地獄の底まで連れていかれることになりかねないのでしょうね。

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2017年09月22日

北朝鮮の動きと市場の落ち着き

北朝鮮の外相が太平洋上の水爆実験を示唆、金正恩朝鮮労働党委員長が「史上最高の超強硬対応措置の強行を…慎重に検討」との声明をだしました。もし本当に太平洋で核実験などをしたら、偏西風にのって米国まで放射性物質がとどくのは確実。そうなると、米国の世論が沸騰することにもなるでしょう。トランプ大統領は動かざるを得なくなり、そうなると米朝開戦、しかも圧倒的な軍事力の差から、北朝鮮が自暴自棄になって米国以外にも周辺国へ向けて、核攻撃をする開始する可能性が高まります。
今の対北朝鮮の構図はイジメとよく似ています。イジメている側は、相手がぶち切れて反撃したり、自死の道を選んだりした際、「そんなことをするとは思わなかった」と述べます。しかしこれは勝手な思いこみでしかありません。実際にそういう行動をとったとき、誰が責任をとるか? 相手が「ごめんなさい」と言ったら許してやる、いくら日米がそう言ったところで、相手も日米を信用していないので、水掛け論にしかなりません。
これまでも指摘しているように、安倍氏は不測の事態がおきたとき「そんなことをするとは思わなった」とでもいうつもりでしょう。しかし個人的には、北朝鮮のことをそこまで信用する安倍氏の気が知れません。国家は人の総体であり、良心や理性の役を果たす人が必ずいます。しかし北朝鮮はそういう人材を、これまで切り捨ててきた。つまり金氏の個人的な動機でいくらでも動く国になった。イジメられた側は、すでにナイフを手にしている。日米韓首脳会談でも、安倍首相はトランプ大統領の演説を「評価」しましたが、良心や理性のハードルが下がった相手が、そのナイフをどう使うか? 罵り合いと煽りが生む先のことを、もっと冷静に考える必要があるのでしょう。

そんな北朝鮮のリスクがあっても、市場は堅調ですが、FOMCを通過して若干の変調がみられます。昨日の日本株は朝の上昇を後場に消しましたが、今の株式はドル円よりクロス円をみて取引している、とされます。つまり昨日はユーロがほとんど動かず、欧州系が買いに動かなかった。今の通貨はドル<円<ユーロの順で強く、ユーロの強弱が株式にも影響する。そんな相場付きです。またさらに、円のキャリートレードが始まっているのでは? とも囁かれており、始まったばかりのトレードを北朝鮮リスクで手じまいたくない、というのが、ここ元の堅調さに表れているのかもしれません。
確かに米ダウはFOMCまで10連騰、上がりすぎの感もありますが、それ以上にトランプ減税ならぬ共和党減税の行方が、ここに来て暗雲もただよいます。財源となるべきオバマケア代替法案が、未だに成立の見通しが立たないからです。それでもいくらか減税できる、としますが、規模が伴わないことも歴然で、市場期待を満たしそうもありません。

市場が甘い見立てをする北朝鮮危機。ロケットマンと、ならず者と、ポチと、言い方を代えるとのび太とジャイアンとスネ夫と、イジメっ子といじめられっ子、その構図の中で、ドラえもんの存在如何で力関係が変わってしまう。それこそのび太<スネ夫<ジャイアンの構図ではないかもしれない。破滅を覚悟した相手とは、誰がやっても勝つことは難しいのです。
市場が必ずしも正しいわけでないのは、サブプライムローンでも十分に証明されました。人の判断は誤ることも多い。この緊張を高め合う構図で、誰かが間違えたとき、緊張のレベルが急速に跳ね上がってしまうことにもなります。落ち着いている市場が正しいのか、それとも人は必ずしも正しいことをするわけではない、という哲学的問いが正しいのか。答えがもし後者だった場合、北朝鮮の公式声明の文末にあった「火で罰する」に、世界中の人々が大混乱することになりかねないのでしょうね。

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2017年09月21日

FOMCと日銀と安倍首相の演説と

米FOMCで政策金利は据え置き、10月から資産圧縮が開始される方針が決定しました。引き上げ幅は、最初は月100億$、最終的には500億$を圧縮する方針で、1年目に3000億$、2年目に5000億$、その後は年6000億$程度で推移するとみられます。この資産圧縮は経済指標によらない、として粛々とすすめられるので、市場にとってこれはただ下押し圧力にしかならない。FRBが再投資しない分、誰かが買わないと金利が上昇し、景気を下押しする。では債券にそれだけ資金が流れると、株や不動産などから資金が流出することにもなりかねない。この機械的にすすむ資産圧縮は、直近の市場は落ち着いていますが、徐々に影響がでるものでもあります。個人的には、金利引き上げ以上に景気を冷やす、と考えています。
日銀の金融政策決定会合は現状維持。1人の反対票も「不十分」とするもので、引き締めには程遠い状況です。しかし米欧が引き締めに転じ、景気が冷えこんだときに日銀は下支えする術を失うことになりかねない。FRBがそのために引き締めを急ぐのに、日銀はそれを必要でない、とする理由は依然として語られません。ETF購入も必要、としながら重要ではない、とするなど、政策の理論的支柱を失っているようにしか見えません。

安倍首相がNY証取で演説しました。しかし『人づくり革命』を訴え、景気刺激などを語らないため拍子抜け、の声も聞こえる。市場にとって『人づくり』しなければいけないほど、日本人の労働の質が落ちているなら、その方が問題であって、結果がでるのは何十年後になるかもしれず、まったく面白みがないのです。安倍ノミクスそのものが批判的であり、読売が訴えるような『アベノミクス再加速』なども、バブル化政策を再加速させてどうする? 世界はもう引き締め、バブル潰しに躍起ではないか、との懸念を強めます。
国連の演説では、北朝鮮攻撃にほとんどを費やしましたが、幾つも嘘がある。KEDOは95〜02年で活動停止、としますが、KEDOは05年まで継続している。こんな見え透いた嘘をついたのか、といえば、自身も携わった日朝首脳会談が02年にあり、その前から停止していた支援を国交正常化交渉の見返り、として別の形で再開。しかし当時の安倍官房長官が強行に拉致被害者の帰国を許さず、その交渉もとん挫した、という経緯があります。KEDOが続いたのは韓国が金大中政権下の98年から開始した、太陽政策と軌を一にするのであり、一方でKEDOの最重要課題であった軽水炉建設は、だいぶ早い段階で止まったのです。つまり北朝鮮が核放棄を約束したKEDOは、かなり早い段階で破綻したが、韓国の政局によって05年までは支援がつづいた、という話なのです。

しかも六ヶ国協議で共同声明に合意した、としますが、それと並行して北朝鮮は核開発をすすめ、剰えその協議の期間に「核保有国」宣言をしている。最近、北朝鮮に「騙された」と述べる人もいますが、上記の経緯をみても分かる通り、北朝鮮が「核開発を停止する」とした期間は、非常に短い。これはだらだらと協議し、有効な策を打てずにいる間に並行して北朝鮮はずっと開発してきた、にすぎないのです。安倍氏自ら「対話とは、我々を欺き、時間を稼ぐため、最良の手段だった」としますが、外交はそういう手段もあり得るので、これは『騙した』のではなく『出し抜かれた』だけです。
安倍政権よりのメディアが「過去に拉致問題に言及した」とわざわざ付け加えなければいけないほど、誰からも注目されていない。そもそも昨年の国連演説で、やっと数分を北朝鮮に充てたぐらいで、それまで詳細を語ることもなく、こそっとワンフレーズ触れたぐらいだったのでしょう。トランプ米大統領に先に語られ、焦って内容に含めたことが、構成からも見て取れます。日本にとって最大限に重要な事柄であるのなら、いの一番に触れなければなりませんが、やっと最後の、しかも他の項目と絡まないところで、横田めぐみさんのことに触れた。これが拉致問題を最優先、としている政権の実態です。

金融、経済政策も、北朝鮮問題も、共通するのは「再加速」や「圧力の強化」といった言葉。つまりこれは、これまでやってきて上手くいかないものの、もっと規模を大きくしてやれば上手くいく、という理屈であり、すでに失敗しながら、その失敗を認められない人がするイイワケなのです。そしてこういう人は必ず次にするのが、○○が○○だから上手くいかなかった、という責任転嫁。すでに中露が…などという人もいますが、中露も巻き込まないと上手くいかないことは最初から分かっており、単に自分はそういうことができなかった、できない、というだけでしかないのです。
安倍氏のNY証取での演説に引っ掛ければ、安倍氏の行っているのは『人質づくり革命』です。北朝鮮を言葉で挑発し、危機感を煽って国民を人質にさしだすようなことをしている。経済では将来を犠牲にして緩和をつづける。それに気づかず、むしろ安倍氏を応援するようなことをするのは、ストックホルム症候群なのかもしれません。人質が犯人に協力するようになること、安倍政権ではそう感じる人を増やそうと、さらに危機意識を煽りつづけるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:07|PermalinkComments(19)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 経済

2017年09月20日

トランプ大統領の国連演説

メキシコで巨大な地震が起きました。32年前と同じ、メキシコシティーは軟弱な地盤の上に建っており、非常に脆弱であることをまた露呈しました。メキシコにも本格的な耐震設計を導入しないと、悲劇を繰り返すことにもなるのでしょう。ただし、最近判明した長周期パルスなどによる影響など、最新のものを導入すべきでもあります。

トランプ米大統領による国連演説。横田めぐみさんの拉致にふれましたが、北朝鮮の異常性を強調するために政治利用された感が否めません。これまで国連で取り上げた人がいない。それは裏を返せば、日本の代表も取り上げてこなかった。拉致問題の解決を訴える安倍政権でも、国連で積極的に訴えてこなかった、ということでもあります。
さて、安倍氏は国連演説で言及するのか? トランプ氏が言ったからやっと言える、では日本の代表として心もとない限りなのでしょう。そしてトランプ氏が「ロケットマン」とまで揶揄した北朝鮮の金正恩氏が、これで報復や対抗措置を講じるようなことになれば、一体誰の責任なのか? 言葉だけは勇ましいものの、今の米国には北朝鮮に向けて軍を動かす余裕はない。余裕がないのに挑発する行為は、言葉は悪いですが、通常なら自殺行為、日本に限ってみれば危険を増すだけ。そんなものを称賛するのは、どこかピントがずれている、とさえいえるのでしょう。それでも喜ばしいという人は、北朝鮮は動かない、とどこかで考えているということ。相手をならず者呼ばわりしながら、実は相手のことを信用している、そんな矛盾の中でこれらの行動は行われていることになります。

しかも、日本では北朝鮮発言を大きく取り上げますが、実際はシリアやイラン、キューバやベネズエラと言った国々への発言の方が時間を割いている。要するに、米国に牙を剥きそうな国々を卑下する目的だったのが、国連演説です。マティス国防長官が「ソウルが危険にさらされない軍事行動」に言及しましたが、もしそれが可能なら、それは米国と北朝鮮が手打ちした、ということ。懲罰的な攻撃を甘んじて受け、それと同時に対価として金正恩体制の存続を約束する、といったことでしか達成不可能です。
しかもトランプ氏は「完全破壊」を宣言しましたが、それは一般の国民でさえ全員殺す、ということか? 「完全」というのですから、北朝鮮の痕跡を地上から消す、となるのでしょうから、無辜の民でさえ許さない、ということでしょう。そんなことが許されるのか? もしそれをしたら、トランプ氏は世界市場最悪の君主として、歴史に名を刻むことになるでしょう。そんな人物を果たして支持できるのか?

北朝鮮憎し、で判断を曇らせていては、ミャンマー軍によるロヒンギャの虐待でさえ、非難する資格を失います。トランプ氏の演説で評価できる点は、それこそ拉致被害者について国際社会に広く喧伝してくれたこと、だけなのでしょう。そしてそれは、日本ができていなかったことをしてくれた。米国ファーストのトランプ氏の発言は、実は日本さえ揺さぶることになった、ということでもあるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:03|PermalinkComments(24)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | アメリカ

2017年09月19日

大義なき解散

日経平均が2万円越え、年初来高値です。しかし9月の配当権利で100円以上の上乗せがある中ですから、配当落ちでその分は下がることになります。それでも2万円越え、その背景には英中銀のタカ派発言で£高、つられて€高、円安が進行しており、対$でも円安となり、それが株価を押し上げた側面があります。欧州系が主導しているとみられる今の流れ、まだ詳細はつかみ切れていませんが、マネーの暴走の一端とみられます。
一部では選挙期間は株高、というアノマリーを囃す向きもありますが、今回は経済でバラマキ政策が出てくる公算は少なく、むしろ財政悪化懸念を意識された円安、という面もありそうです。しかし株高でも、安倍政権の支持率はほとんど関係ないでしょう。もはや誰も、安倍ノミクスで株が上がった、と思っていないからです。海外のバブルが世界的に株価を押し上げ、その流れに日本もあるから上がる。それだけのことで、決して政策効果なわけではない。まして、日本は未だに緩和をつづけるほど経済が弱いのなら、それはむしろ経済政策の失敗を意識されるほどでもあります。

大義なき解散、という批判もあってか、読売と日経がご丁寧に「これを争点に」との記事を上げました。日経が消費税増税の使い道、読売が全世代型社会保障、対北圧力、9条改正の3項目ですが、どれもこれも争点にすらなりません。対北圧力は外交であり、外交方針を争点に問うたことはない。9条改正は要するに改憲であり、国民投票で問うべきものです。増税分の使い道や社会保障に関しては、民進の前原氏の主張に近く、争点潰しの争点でしかない。例えば前回の衆院解散で、安倍氏は「増税先送りを争点」と述べましたが、野党はすべて増税先送りに賛成だった。するとポスターには「安倍ノミクスは道半ば。」と、争点と全く関係ないことを書いた経緯もあります。大義がないから争点潰しをした上で、あえてそれと別の項目を掲げて戦う、という厭らしさは今回通用しません。
今回は大義がない選挙は通用しない。なぜなら、600億円もかけて選挙を前倒しにする、衆院議員を無職にする、という以前に、自らが危機を煽った北朝鮮問題がある中、政治空白をつくることに対する理由が必要だからです。読売が流したので、恐らく安倍氏もそれに乗るのでしょうが、それでは国民の反発が高まることになります。なぜなら、それが国民生活をも犠牲にする北朝鮮問題を放っておく理由なのか? と。

野党が大義を示せ、という人もいますが、本来は解散する側が示すべきです。野党が示すべきは対立軸。本来はもっとも注目が集まるはずの大義に、カウンターをだすのが自然ですが、それがないのであれば自らこれという対立軸をだすしかありません。そうでなければこれまでと同様、支持母体の規模で負けるだけでしょう。特に、前原氏は自民と主張が近く、政策面で違いをみいだすのは難しく、些細な差でちまちま争ったところで、大きな風を吹かせることなど、到底ムリなことといえます。
野党が示すべき対立軸はたった一言、『驕りに怒れ』で良いのかもしれません。選挙戦の間も、ずっと自民がオトモダチを優遇し、疑惑を隠していることをずっと批判する。政策論争をそっちのけで、ただただ自民の醜聞を論い、対応について問題がある、と訴える。そして自分たちはこんな利益誘導により、大切な税金を無駄に使わない、と主張する。国民とともにあり、国民の声を聞く。そう主張すれば、反自民票をある程度はとりこめるでしょう。政策論争を拒否するので、一種の賭けではありますが、徹底して自民の驕りを糾弾する選挙戦術を展開するしか、勝つ方法はないのかもしれません。キャッチフレーズは『オゴリに怒り、不正に鉄槌を!』これを徹底できるかどうか? それが大義なき解散で大業を為す、という野党としての目標とすべきなのでしょうね。

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2017年09月18日

解散機運の高まり

3連休の初日、急に解散風が吹き始めました。元々、安倍氏の解散のタイミングはここしかなかったので違和感はありませんが、唐突感が否めません。そしていくつかのことが、今回の動きで分かります。まず安倍首相は、今回の解散に注目して欲しくない。だから3連休の初日、人々が新聞を読まない、ニュースをみないタイミングを狙ったのです。
ということは、森友・加計隠しの批判が怖い。北朝鮮の危機を煽っておいて、政治不在にすることへの批判が怖い。国際問題や自身の問題より、野党の準備不足をつく、といった政局的な動きへの不快感を向けられるのが怖い。つまり安倍氏は、やりたくないけどここしかないからやる、というかなり消極的な判断が働いたものとみられます。

文春が先週号で、前原民進代表の醜聞、として『北朝鮮のハニートラップ?』という記事を載せました。しかし読んでみれば、20年ほど前に訪朝し、北朝鮮の監視役の女性と親しげな写真を撮った、というだけ。同行した人物も「監視役の女性は、親しげにしないと処罰されるので、そうした」とし、何もなかった、と証言する。つまり扇情的な見出しの割に、中身なし、という記事です。先の山尾氏の記事も同様、どうやら文春は与党と組んで、野党の醜聞を連続して流した、ということがこれではっきりしました。
しかも同行した人物は、ネガも写真も前原氏に渡した、というので、その写真が流出する経路は北朝鮮ルートか、もっと以前に同行した人物がコピーでもとっていたか、しかありません。いみじくも安倍政権と北朝鮮との結びつき、を示すのかもしれません。それは、金正恩氏が就任した折、盛んに語られたモンゴル-北朝鮮ルート。それが今も生きていれば、交渉はできるのであり、北朝鮮の挑発に脊髄反射し、国際社会に危機を喧伝する役目を安倍政権が担ってきた、そのご褒美だったのかもしれません。前原氏の醜聞があるよ、と。それを最近、新潮の中刷り盗み見、など醜聞つづきの文春が、自民と共闘する路線へと転じたことで流す。そんな仕組みが出来上がったのかもしれません。

しかし安倍氏の誤算もある。再選をめざす豊田議員が、禊を済まさないといけない、として公に出てきた。しかも「かわいそうな自分」アピールは、どう考えても自民にとってマイナスで、選挙戦の間中、また音声が流されることになる。さらに時間をおいた方が、民進内の共産アレルギーをもつ議員が離党するか、党内で声を上げ、ばらばら感を演出してくれただろうに、急な解散となり、民進と共産が連携することで結束してしまうこと。自由党の小沢氏を軸に調整すれば解散にも間に合うので、強敵となります。
しかも小池新党が間に合えば、票を奪い合うのは自民党と。恐らく小池氏なら間に合いそうな選挙区を優先し、逆にポイントをしぼってくるので、全国展開されるよりも厄介です。小池氏が新党の候補者を立てる選挙区のみ、回ればよいのですから。

投票日で意見も割れますが、22日で確定でしょう。補選の日程はずらせないので、その翌週に衆院選、などと余計に注目を集めることをしたがるはずもありません。これで補選の結果を政権運営に影響させなくできます。ただし、北朝鮮や中国など、重要日程が相次ぐこのタイミングは、むしろ安倍氏にとって望ましいのかもしれません。なぜなら、自身が応援演説で回れば、森友・加計学園の問題を揶揄され、罵声すら浴びせられるかもしれない。北朝鮮への対応を隠れ蓑にして、自身は公邸にこもる。安倍氏は演説にでたくないのかもしれず、北朝鮮の暴発、ウェルカム。それこそ北朝鮮ルートに、暴発を働きかけているのかもしれません。選挙期間中、何かしてね、と。
つまりこのタイミングは色々なことから安倍氏は『隠れる』ことができるのです。しかし安倍氏の支持層である神道政治連盟、神道で『隠れる』とは、お亡くなりになること、を意味します。天照大神は天岩戸に『お隠れ』になり、亡くなったのを、天の鈿女や手力男らによって再臨する、が神道の奥義とされます。安倍氏が今度、『隠れる』ようなことがあったら、再臨できるのか? 毎月22日はショートケーキの日。特に10月は、真っ赤な15が乗る月です。安倍氏が考えているように、ここでの情勢がそれほど自分にとって甘いのか? 自民大敗の選挙の指揮をとった麻生財務相の進言だけに、むしろそのケーキはほろ苦い味をしているのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 21:48|PermalinkComments(34)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2017年09月16日

ミサイル発射に伴う市場の織りこみ

株式市場は北朝鮮のミサイル発射でも落ち着いていましたが、すでにトランプ政権が軍事行動を否定しており、以前のように艦隊の派遣などがない限り、北朝鮮有事が起こりにくくなっていることから、リスクオフにならないことで、ヘッジファンドなども売りでは動かないことが影響しています。今の米国に、朝鮮半島で有事をおこす余裕もない。それを露呈しているからこそ、北朝鮮の動きを市場も傍観するのです。
そして恐らく、市場は来週のFOMCをメインに考えています。利上げは見送り、FRBの資産圧縮は織り込まれている、とされますが、本当に資産圧縮の効果をすべて織り込んでいるか? そこは懐疑的です。すでにFRBは資産を増やさず、マネタリーベースの拡大は止めていますが、これだけ大規模な縮小は人類が初めて経験します。サブプライムローン問題も市場は大したことない、と考えていて、後に大きなしっぺ返しを食らったように、今回も楽観的にとらえていることから、想像力が市場には欠如しているのです。

ただFOMCの結果が判明する20日に、急に何か動きがでるわけではなく、圧縮を開始してから1〜2ヶ月、マネーの動きが変調をきたす段階で、何らかのトラブルがでてくることになるのでしょう。その萌芽は、中国によるビットコインの規制による急落にみることができます。国内の取引所を閉鎖、その動きでビットコインが急落しました。国外での取引は規制をうけないので、マネー量全体に変化はないはずですが、中国での取引では手間が多くかかるので、価値に変化が生じる。FRBによる資産圧縮は、マネーの量そのものを変化させてしまうので、必ずその影響はマイナス面を伴って表れます。
ただ、どこにどんな影響がでるか? 市場はその想像がつかないので、今はどこにも影響がないことを前提にした楽観が支配するのです。北朝鮮問題にしろ、市場にとっては北朝鮮が核ミサイルをもとうと、長距離ミサイルをもとうと、むしろ軍拡競争によって兵器産業が潤う、ぐらいにしか考えていない。インドやパキスタンが核保有国になったときも、世界はその状況を織りこんで、平衡感覚を保った。北朝鮮もいずれ、保有を前提にして世界は落ち着く。市場はそうみていることになります。

FOMCによるマネーの変化、北朝鮮による核保有という世界情勢の変化、市場がそうした状況について想像力を欠如させるように、政治家がそれを正しく認識することすら難しいのかもしれません。市場原理主義、新自由主義に基づく経済学では、市場が多くの英知を集めて収束するので、その結果が正しいという前提がありました。しかしサブプライムローンでみせた市場は必ずしも正しくない、という認識からすれば、今この楽観が支配する市場が正しいのかどうか、その成否についての見極めも大切になります。もし来週のFOMCで資産圧縮が決まれば、その開始時期から数か月後、今年の年末辺りに何がおきるかをしっかりと見極めておかないといけないのでしょうね。

明日は一日、お休みしたいと思います。

analyst_zaiya777 at 23:44|PermalinkComments(37)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 一般

2017年09月15日

雑感。北朝鮮のミサイルと、日印原子力協定

北朝鮮が火星12号とみられる中距離ミサイルを発射、北海道を越えて太平洋に墜ちました。問題は、安倍政権は14日には発射の兆候をつかみながら、安倍首相の帰国を一時間しか早めなかったこと。その結果、発射タイミングでは帰国が間に合わず、安倍氏は雲の上といった状況です。もし電波状況が悪ければ、撃墜命令も間に合わず、日本に墜ちているでしょう。ぶら下がりに応じた安倍氏の顔のむくみをみても、体調面に不安があり、帰国をそれ以上に早められなかったか、単にインドで深酒をしたのかもしれません。
しかし直近、2回のミサイルでわかることは、今のところ北朝鮮は『米軍越え』について慎重であり、米軍の少ない北海道方面を狙っていること。グアムを狙うと在韓、在日米軍を越えることになり、そのときの米軍の出方が分からない。グアムに届くけれど、グアム方向に撃たない、それが今回です。米本土を狙う、というならICBMでなければならないのであり、明後日の方向に中距離ミサイルを撃つ、それが北朝鮮の意向ということです。
しかし少し気になる話は、もし北朝鮮が『失敗を装って日本にミサイルを墜とした場合』です。国交のある国同士なら賠償という話になりますが、それを戦争行為とみなさない場合、ただ抗議するだけになります。さらに迎撃システムの無能ぶりを露呈することとなり、国内的にも厳しくなる。かといって戦争行為とみなしたところで、日本にできることは限られ、米軍に攻撃を依頼するにしても、応じてくれる見込みもない。日米同盟も試されることになります。『失敗を装って…』その一言は、実に重大な意味をもちます。

では、安倍首相がミサイル発射の兆候をにぎりながら、ぎりぎりまで居続けたインド。日本から持ちだしてインドの経済発展に協力する、という姿勢がめだちます。高速鉄道計画や地下鉄への円借款や協力、日印投資促進パートナーシップなどですが、その中に日印原子力協定の発効にむけた動き、もあります。日本がインドに原発を輸出する代わりに、製造者責任を負う。福島第一原発で起きたように、原発の事故は甚大な影響をもつのに、それを受けても尚、安倍政権は原発の輸出を諦めていない。それは経産省の原発利権とずぶずぶだからで、国内の新設が難しい中で、輸出による生き残りをはかる動きを肯定するものでしかありません。
しかしもう一つ重要な原子力協定の動きとして、日米原子力協定が来年7月で満期となりますが、その後の動きとして再協定の発効、自動延長、見直しの三つがあります。原発推進派は現状の協定を再発行するよう要請し、自動延長をくり返すと、いきなり米国から破棄されるかもしれない。一方で、原発反対派は再処理事業までみとめている現在の協定を見直し、新たな協定にすべき、と訴えます。

青森県の六ケ所村で行われている、使用済み核燃料の再処理が、拙い管理や施設の老朽化の放置、などで再度停止されました。まともに動いていないばかりか、高レベル廃液をガラス固化する施設は、未だに動いてすらいない。その結果、再処理してもウランとプルトニウム、それに廃液に分離された状態でとどまり、使い道もないまま放置される。日米原子力協定がなくとも、この作ってしまった分は残る形となります。
行き当たりばったりで、長期戦略のない原子力政策。安倍氏はミサイルを発射した北朝鮮に「明るい未来はない」と述べましたが、日本の原子力政策に明るい未来などあるのか? 行くも地獄、行かないも地獄、ただただ何千発も核ミサイルを製造できるプルトニウムと、どうやって処理していいか分からない廃液が溜まっていくばかり。もし北朝鮮が『失敗を装って』墜とすミサイルが、原発を直撃したら…。再処理施設を直撃したら…。さらに将来、地下処分施設ができたとき、そこを攻撃されたら…。原発という安全を前提にして成立するものが、核戦争という危機を生む。原子力というものが存在するテーゼが今、ふたたび問われているのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:31|PermalinkComments(30)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 原子力

2017年09月14日

安倍政権の対北朝鮮政策の難しさ

昨日のAppleのiPhone発表を伝える日本の新聞記事で、「iPhoneには日本製の部品が多く入っているので売れなかったら大変」といったニュアンスが目立ちます。いい加減、こうした脅迫まがいのステマはやめた方がいい。日本企業がApple一本足になった結果、一社一製品の浮沈で経営が不安定化する。それは企業経営の失敗、ということであり、そんなことのために選択肢に影響を与えてはいけないのでしょう。こういうステマは日経が得意ですが、米国がからむと読売も加担するようです。しかしこういうステマに頼らざるを得ないほど、今回の製品に自信がない、ということなのかもしれません。

北朝鮮の朝鮮アジア太平洋平和委員会がだした声明で「取るに足らない日本列島の4つの島を核爆弾で沈める」など、威勢のいい言葉を並べました。軍の意向を忖度して語る、という形ですが、こうした国の正式発表でもないものに、脊髄反射しても仕方ありません。問題は、北朝鮮がミサイル発射なり、追加の核実験なり、または別の手段なり、それらをとったときに日本を標的として行われるものもあり得る、ということです。
安倍首相は訪印していますが、恐らく事前にスイスで米朝の極秘会談が行われると知っていた。だから北朝鮮は動かない、とみて国を留守にしたようです。しかし北朝鮮はミサイル発射を準備中、これまでも交渉中であっても実行したことはあるので、安倍氏の判断は甘いと言わざるを得ません。これまでは米国への威嚇を重視していた北朝鮮が、日本への威嚇でも十分成果を誇れるのであって、短中距離ミサイルならいつでも撃つ準備ができている、ということが、北朝鮮の一連の動きからも推測されます。

そんな中、韓国が北朝鮮への人道支援800万$を検討しています。ただし、米朝の極秘会談とどこまで連携しているのか? もし連携があるとしたら、それは北朝鮮との何らかの手打ちを模索している、となります。そうなると、訪印して北朝鮮への制裁を確実なものとする、と語る安倍氏がとんだピエロになります。韓国は日米には伝達済みとしますが、今晩の米国のカウンター次第で、米韓の意思疎通の程度も知れます。
では、日本として北朝鮮に対してどんな手を打てば有効なのか? はっきり言って、日本が安倍政権であることを前提におくと、打つ手はありません。なぜなら、安倍政権が米国一本足の外交しかしてこなかったから。協力してくれそうな海外の国、思い浮かべようとしても一つも出てこない。外交とは、多くの国と連携できればそれだけ有利ですが、その連携できる国を、安倍政権では作ってこなかったのです。今回のインドにしても、円借款1900億円など、多額のおみやげの結果、歓待してくれますし、北朝鮮の制裁に対しても一応は協力を表明してくれます。しかし北朝鮮との取引はすでに停止しており、インドがこれから北朝鮮にかける圧力の手はない。日本の提案にのっても差し支えないから応じられる、ともいえる状況です。

もし米朝の極秘会談がまとまったら、それこそ韓国の人道支援ばかりでなく、日本も人道支援名目で、資金の拠出を求められるかもしれません。つまり米国は、ハリケーンやベネズエラなどの対応に追われ、北朝鮮が当面大人しくしてくれるなら、バーターで日韓からの『人道支援』をさせる可能性が高いのです。そうなると、制裁強化を誇ってきた安倍氏はいきなり梯子を外される。それも、米国一本足で外交してきたツケ、他に手がないことにより、従わざるを得ない状況ともいえるのです。
政権が長期化するメリットの一つに、外交の一貫性がある。しかし安倍政権では信頼して付き合える国を作ってこなかったために、いざというときにどの国にも頼れなくなってしまった。長期政権のメリットがない、となるのです。それは国会経営の失敗であり、ステマどころか、米国からの『捨て駒』として使い倒されるだけ、になってしまうのかもしれませんね。

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2017年09月13日

東芝の迷走、日銀の瞑想

AppleがiPhone8とiPhoneXを同時に発表しました。Xは販売10周年の記念モデルで、顔認証を特徴とします。しかし10年使える最新機能、とする割には大して見栄えがしない。価格が上がって他社と比べても差がない。A10など独自コアで優位性を保ってきましたが、その差もなくなってきた。高級路線より鮮明にした今回、世界的な経済環境の動向次第では、Appleの神話にも陰りがみえるのかもしれません。

東芝の半導体事業の売却交渉が迷走中です。WDに米裁判にもちこまれ、もし裁判に負けたら他方に売却した場合、さらに深い傷を負うかもしれない。それを考えるとWDに売却した方が有利ですが、経営権の問題で折り合いがつかない。そこにきて、経産省が巻き返して日米韓連合を改めて推し始めた。東芝の優柔不断、経産省の横やり、そこにきて米国ファーストを標榜する米企業の思惑、といった複雑な構図に陥っています。
もしiPhoneなどがコケると、世界的なスマホ需要にも大きな変化が生じるかもしれない。そうなると、半導体事業の人気も下火になるかもしれません。早く売却しないと…と焦っていたら、ここに来て既存の株主を対象にして新株予約権を発行し、資金調達する案が浮上してきました。東芝としては1株価値は希薄化しますが、市場にもインパクトは少ないだろう、と考えているようですが、これだけ交渉が迷走するようだと、すでに経営陣への信頼は失墜しており、持ち株が増えても売却してしまうかもしれない。それを避けるために、転換時期を延ばしたら、株価が下落したときに既存株主は大きな負担をおうことにもなる。この手法は非常に微妙で、市場としても今のところ消化不良といった形です。

直近の株式市場は、売り方の買戻しが活発です。9日を過ぎて何もなかった、と理由が語られますが、むしろ安保理決議に対して北朝鮮が反発しており、より緊張は高まっている。それでも買い戻したのは、来週のFOMC待ちであるのと同時に、売り方が負けやすい環境だから、ともいえます。例えばここ数ヶ月、国内から外貨建て資産への投資が1兆を越えるなど、不思議な動きがめだつ。日本の低金利で海外へ投資…とも語られますが、低金利環境はここ数年の話であり、今年に入っての動きではない。年金はすでに比率を変更しているので、機関投資家というのも考えにくい。投信の設定でもここ数ヶ月で大型のものはあまりない。この動き、企業による内部留保の運用か? とも語られます。
しかし海外の株や債券には、日本マネーが兆円単位で入る。こうして海外が上がり、日本株も上がる、という構図になり易く、売り方としても非常にやりにくく、売り負けというケースが増えているのでしょう。米金融機関をみても、取引部門は悪化がめだつ。買いでしか収益をとれなくなり、汎用性を失っているのも原因の一つでしょう。

今の買い方を支えるもう一つの要因は、企業業績の堅調さです。そしてそれを覆すのは、軍事的な側面であろう、として売り方も仕掛けますが、その仕掛けが上手くいかずに買い戻すケースが、今回でもみられます。しかし業績を悪化させる要因は、不測の事態ではなく、政策当局のミス、不手際、そういった面なのだと考えています。
そしてそれは、恐らく現状では日銀がそうしたミスを犯す可能性が高い。動かないこと、動けないこと、によって日銀は負のエネルギーを蓄えつづけている。急に動けば市場のインパクトが高い。かといってこっそりと方針転換をするようだと、ある日突然、市場を大きく揺さぶる事態にもなるでしょう。どう動いても、日銀は市場に与える影響が大きくなってしまった。黒田バズーカとして規模を誇ってきたことのツケで、何をしてもこれからはネガティブインパクトになる公算大です。東芝は、経産省という存在によって消化不良なら、日銀は黒田バズーカによって視界不良、だから沈黙し、目を閉じて負の要因が溜まっていく事態を放置しているのです。東芝の迷走、日銀の瞑想、騒いでいるものより今、騒いでいないものが現実になったとき、市場に大きな変動要因が生まれる、ということを忘れてはいけないのでしょうね。

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2017年09月12日

北朝鮮への安保理制裁決議

国連安保理での北朝鮮制裁決議、結果的に骨抜きとなり、中身は微妙です。まず原油は制裁対象から外れ、石油精製品の輸出を上限200万バレルとした。米国の試算では原油400万バレル、石油精製品450万バレルを北朝鮮は輸入しているので、およそ3割の打撃と語りますが、その分は民間にしわ寄せがくるだけで、それこそ金正恩氏の乗る車がEVに代わるかもしれない、といった影響ぐらいとみられます。
繊維製品の輸出は全面禁止ですが、繊維素材ならどうだろう? 製品になる前の段階で輸出し、海外でタグをつけるなどしてその国の製造とする。原産地偽装でありがちなやり方ですが、密輸を見抜くのはどこの国でも大変です。その抜け道をふさぐための貨物船の臨検措置も、強制力はありませんし、禁輸品目があるとの合理的な情報、という制約がある。問題は臨検した結果、何もなかった場合は北朝鮮の思う壺。国際裁判所に安保理決議の無効を訴えて提訴してくるかもしれません。それに、東シナ海で中国が臨検をするはずもなく、また臨検しようという艦船を容認するはずもありません。

北朝鮮の海外派遣労働者は、新規の就労ビザを認めない、としますが、就労ではなく短期滞在をくり返す形にするか、やり方はいくつもある。金正恩氏の資産凍結も見送られた。抜け道をつくれそうな項目ばかりで、これが安保理決議をとれるぎりぎり、でもあるのでしょうが、そのぎりぎりは結局のところ、北朝鮮を追いこむには至らない。
高いボールを投げておいて、次はやるぞ、という米国による牽制だという人もいますが、もしその高いボールのままなら、中露は拒否権を発動するだけ。そうなると安保理ではなく、国連総会の採決を目指す形となり、微妙なところでしょう。中国はがっちりアフリカ票をもつので、欧州が一枚岩になれなければひっくり返される。それに安保理決議と、総会の採決ではまったく位置づけが異なるので、強制力は打ち出せないでしょう。

問題は、北朝鮮のカウンターです。難しいのは、例えば日本を飛び越してもグアムまで全く届かない中距離ミサイル。アラスカや米西海岸に向けて撃ちながら、届きそうもない長距離ミサイル、といったケースです。読み解き方に悩むような場合、米国の対応が難しくなる。それこそ制裁を強化しようとしても、中露が反対して拒否権を発動すれば、それこそ同盟国だけで行動しなければならなくなる。かといって、何もしないではここまで高いボールを一度でも投げた手前、示しもつかなくなります。
安倍首相はぶら下がりで「格段に厳しい制裁決議」「高いレベルの圧力」と、相変わらず言葉だけが踊っていますが、日本も北朝鮮の政策を変えるためにリーダーシップを発揮、とします。しかし国際的に制裁、圧力の輪を広げる、ということでしょうが、先の東方経済フォーラムでは露国のとりこみに失敗した。そして明日から訪印します。北朝鮮がどんなカウンダーをするか、分からないこのタイミングでの訪印。どう考えても日本の安全保障を優先させた結果、ではないでしょう。安倍氏は外交にいくとストレスもなく生き生きする、と言われるように、ただ外交に出たかっただけ。しかも格下とみなす国相手なら、露国などと違って優越感をもって外交できる。そんな意図もあるのかもしれません。朝鮮では『来いというところはないが、行くところは多い』との諺もある。まさに安倍氏の今の態度といえるのでしょう。そしてもう一つ『みみずも踏めば動く』という諺もある。日本が自ら踏みに行こう、という安倍氏、その動きにあたふたしている段階で、リーダーシップどころかリーダーとしてシープ(羊、転じて『愚かな人』)にみえてしまうのでしょうね。

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2017年09月11日

北朝鮮への制裁決議案

日本の特定外来生物、カミツキガメ、ブルーギル、ミシシッピアカミミガメ、古くはアメリカザリガニ等々、かなり多くが北米原産です。貿易摩擦を動物の輸入で一部を相殺していたのでは? と勘ぐれるほどです。しかし緯度が似ていて定着もしやすいものを、易々と受け入れておいて、それが野に放たれて定着したから特定外来生物、などに指定するのは本末転倒な対応といえ、最初からきちんと制限しつつ輸入すべきだった、といえます。
そして日本の特定外来兵器、と呼ぶべきか、昨年12月に沖縄の海上に墜落(米軍は不時着)したオスプレイの事故原因をパイロットのミス、とする報告書を米政府がまとめました。しかしエンジントラブルで噴煙を上げるオスプレイの姿をみても、この機体が実用に耐えられるレベルかどうか、は一目瞭然でしょう。この機体が日本で増殖するようなら、その危険性を国民も認識しておかないと、生活する上でも危険となるのかもしれません。

北朝鮮への制裁決議が、国連安保理で協議されています。しかし金正恩氏の個人資産凍結は見送り、人材派遣に関しては中露が反対しており、どうも雲行きが怪しい。原油の禁輸も限定的、となりそうです。圧力、圧力とは言いますが、国際社会がそれで一致できるはずもない。安倍首相は勇ましいことを語りますが、国際合意の取りつけに、日本が奔走した形跡もない。安倍氏の主張は、復活したこの言葉を用いれば、対象は違えど「言うだけ番長」ということになります。むしろ言ったことを、米国を通して成し遂げようとし、番長ほどの格もないので「言うだけスネ夫」というのが正しいのかもしれません。
しかしその番長、米国が北朝鮮への制裁に積極的でないのでは? とされます。反米政権誕生のベネズエラへの工作を優先し、北朝鮮への対応は、それこそ東方経済フォーラムでの安倍氏の行動にかかっていた。それに失敗した結果、安保理決議案でさえ妥協を余儀なくされた、ということかもしれません。小野防衛省が急に「北朝鮮を核保有国とみとめ…」と言いだしたのも、日本側の戦略転換をうかがわせます。もしかしたら、マティス米国防長官との電話会談で、何らかの示唆があったのかもしれません。

つまりこの安保理決議を経て、北朝鮮が何らかのアクションをとり、それが米国との対話開始のキッカケとなるのかもしれません。つまり圧力に失敗し、北朝鮮を核保有国とみとめた話し合いの始まりとなるかもしれない。その場合、最近の米国でも急に盛り上がってきた日韓の核武装議論。これには裏があり、核戦争がおきるかもしれない日韓に、米軍を置いておくわけにはいかない。つまり米軍の撤退と同時に、日韓に自力で国防を任せる、そんな思惑が隠れているのです。米軍再編は、アジア戦力を一気にグアムを重視する方向に舵をきることになるのかもしれません。
それはトランプ氏の期待を裏切り、対露交渉に失敗した安倍政権が招いたツケ、ということになるかもしれない。米艦防護ができるよう、安保改定などをしても、米軍そのものがいなくなったら意味がなくなります。そして日本の核武装、などという道に本当に踏み込めるのか? 国民の理解が得られるのか? 米軍という特定外来軍隊という危険が去った後、日本の立ち位置はどう変わるか? 今からシミュレートしておくべきですが、安倍氏のように米軍依存しかなかった政治家では、その想像力さえもてない、危険を自ら招いてしまうことも起こり得るのかもしれませんね。

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2017年09月10日

小池新党と民進党

自民や民進からは人が離れていく一方ですが、一方で人が寄ってくるのが若狭氏がつくろうとする新党です。しかし若狭氏が「第二民進党ではない」と語るように、民進党の離党組を多く抱えれば、党を乗っ取られる可能性もあって、ここが悩ましいところです。元々、若狭氏がそれほど保守的な主張をしていたか? といえば懐疑的です。国政に小池新党を立ち上げたところで、そのコントロールを小池氏が握るなら、その新党は保守的な主張をしていくことになります。その中で、例えば小池氏が別の政治家を気に入るようなことがあれば、言葉は悪いですが、知名度も低くて華もない若狭氏など、すぐにお払い箱でしょう。つまり若狭氏は、一刻も早く自身のグループをつくらないといけません。
しかし政治経験のある政治家と、一回生では力量さも歴然。若狭氏の憂鬱は、小池氏に協力した国政政治家、として名を売りましたが、華がないので番組に呼ばれるケースも少なく、逆に都議の音喜多氏などの方が出演する機会も多かった。自民から仲間を引き連れてとびだしたのでもなく、またメディアで顔と名前を売ったのでもない。自身が代表としてふさわしいか? その部分に疑問符が残る点にあるのでしょう。

しかし民進の前原代表が、離党者のところではすべて候補者を立てる、と述べているので、そうなると小池新党ともガチンコになる。代表選の間は、小池新党との連携もにおわせていたので、これは態度の変更ともなる。しかしもう一つの側面は、野党同士が潰し合う構図になり、自民を利する結果にもなりそうです。逆に言えば、そうなると余計に野党の中で違いを出さなければならず、共産との連携が視野に入ってくる。前原氏としても、結局は自身の態度や発言によって、嫌だった連携に舵を切らざるを得ない状況です。
そんな前原氏には、功利主義者のミルの言葉を送っておきます。「人類が何者かの行動の自由に干渉することが正当とされる唯一の根拠は、自己防衛である。…たとえ、良かれと思って行ったことだとしても、他人の自由に干渉するのは避けるべきであり、決して強要してはならない」 これは民主主義が陥りやすい多数者による専制において、いかにして人は自由をもって生きるか、ということの答えとして、ミルが唱えたことです。

前原氏は、恐らく民進党の『自己防衛』として、様々なことを牽制として発言しているのでしょう。しかし沈み行く船からは、誰も逃れようとするものであり、それを逃げるな、救命ボートも、浮輪も投げてやらないぞ、と言ってみたところで、やっぱり逃げる人は逃げるのです。ではどうするか? 民進を沈まない船に変えること。そういう方向に党を向かわせる必要があるのでしょう。しかし、前原氏の主張では、やっぱり民進は沈んでいくことが見えるから、人が離れていくのです。逆にいえば、多数者による専制が通用している間は、民進の遠心力はさらに強くなるばかり、といえるのでしょう。
ミルは「危害の原理」とよぶ「他者に危害を加えない限り、自由であるべき」とする考えを支持する人を「リバタリアン」と呼びました。それはリベラル、リバティーから派生する語でもあります。前原氏にとって、その道に踏み出すことができるか。むしろ離党者に寛容であることができるか? 政権奪取のため、と言いながら、それと逆のことをしている今を改められるか? 早くも10月の3補選で、それが試されています。ミルの有名な言葉は「満足した愚か者より、不満足なソクラテスの方がいい」ですが、代表に返り咲いて満足していたら、不満足なソクラテスに足元をすくわれるだけなのでしょうね。

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2017年09月09日

人が離れる与野党

民進党から5人が来週にも離党か? とされます。元々、細野氏は自誓会の長であり、代表選でも様子を見ていた残ったグループのメンバーが、愈々という形です。しかし細野氏が若狭氏との連携を模索するように、もし小池新党に合流するなら、これらの政治家は現在の政治情勢の中で、極右に位置することになります。民進の支持層にはやや左が多く、個人はどうあれ、民進がそうした立ち位置だから、と支持していた人も多い。それが極右勢力として位置づけられると、これまでの支持層を失う可能性がある。つまり右の票を自民と取り合う、という形になり、選挙戦術はこれまでとガラリと変えないといけない。むしろ自民と小池新党が右の票を取り合うなら、漁夫の利で共産が議席を伸ばすことにもなりそうです。
前原氏は離党する選挙区に対抗馬、としますが、前原民進から出たい、という候補者がそんなにいるか? も問題でしょう。前原民進では勝てる見込みがないからです。選挙の供託金を没収されるほどの大敗を被るかもしれない。それこそ前原氏が、自民と近い政策をうちだすのなら、自民と民進がガチンコで支持を奪い合う、となる。すると支持母体の多い、基礎票の多い自民が有利であることは自明なのです。反自民票をとりこみたいのに、自民と近い政策をかかげて選挙に勝てるのか? 結果、左の票が行き場を失うだけなのでしょう。

しかし民進の遠心力、という話と同時に、ここに来て安倍首相の遠心力、という話もでてきています。保守系の論客からの絶縁宣言、15年来の安倍氏と蜜月だったNHK解説員の批判、さらに安倍氏の支持母体である日本会議、その中核をなす神道政治連盟から、傘下の神社が続々と離脱、という話も入ってきます。裕福な神社ほど離脱、ということのようですが、裕福ということは抱える氏子も多い。日本会議の力の源泉であった、抱える有権者の数が多いという理屈が、今後はつかえなくなります。それは日本会議の政治力の低下、を意味し、今後は日本会議に名を連ねる政治家の数も、減るかもしれません。
重要なことは、こうして安倍氏から離れる人の多くが同じ理由であること。驕り、変質、そこからくる期待外れ、と語っている。モリカケ問題が発覚する前から、安倍政権はすでに保守層の期待を裏切ることばかりしており、徐々に不信感が募っていたのでしょう。それがモリカケ問題、安倍氏の改憲案をみて、一気に不満が噴出した。しかも安倍氏から離れる人は、無言で去っていくのではなく、わざわざ苦言を呈し、批判する。これは昔から保守層が声も大きく、それを発表する場も多かったから、という面があるとしても、NHK解説員はわざわざ自分から記事をもちこんだ、という。つまり言いたい、言わざるを得ないほどにそれが酷い、ということを示すものなのでしょう。

つまり民進は遠心力、人が離れていくだけですが、安倍政権には反発力、離れた人が刃を向けてくる、という傾向があるのです。忠誠を尽くしていたからこそ、裏切られたときの反発も大きい。そしてそれは、各メディアでも反安倍の論調をとる人物がこれからも増える、ということを意味するのでしょう。それは、民進から離れる人は私利を求めてそうするのであり、安倍氏を支持していた人は公利を求めてそれをしていたら、実は安倍氏の私利に利用されていた、ということであり、その怒りも含まれるのでしょう。
安倍氏は政治家として、特にやりたいことがあったわけではない。何となく政治家一家として地位を引き継ぎ、その中でみつけた目標、それが祖父を越えることだった。だから、主義主張がころころ変わっても不思議はない。一方で、安倍氏を支持しているのは主義主張を通そう、という人たちです。安倍氏の豹変が許せるはずもないのでしょう。安倍氏は結局、尻(私利)すぼみで政権運営を終えるのかもしれません。しかしその尻(私利)ぬぐいに、日本全体が数年をかけて修正せざるを得なくなった。結局、安倍氏の私利は多くの人を巻きこんで、何も為さなかったという意味では私利ゴミ、というレベルなのかもしれませんね。

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2017年09月08日

GDP改定値と景気ウォッチャー調査

メキシコでM8.2クラスの地震が起きました。メキシコシティーは地盤の関係で、固有の揺れで振動を大きくするなど、大きな地震の多い割に、対策が遅れている印象があります。気になるのは、これが太陽フレアの爆発とは関係がないのか? 今回の大規模太陽フレアでも「人体に影響はない」という人もいますが、影響はあるけれど無視できるほど小さなレベル、という意味であり、まったくないわけではありません。それに今回、電力や通信にダメージを与えるのでは? とされた電子線ばかりでなく、太陽光線には様々なレベルのエネルギー線があります。それがギリギリ保たれていた大地の緊張、磁場の変動も含めて、何らかの影響があったとすれば、今後もこのタイミングでの地震なども想定できるのかもしれません。

4-6月期GDP改定値がでて、実質で速報値(前期比1.0%増、年率4.0%増)から、前期比0.6%増、年率2.5%増に下方修正されました。また法人企業統計がネックで、速報値と改定値に大きな乖離が生じた。もうこれはブレ、というレベルではなく、速報値に用いている統計データの信ぴょう性にもかかわってきます。まるで日本では法人企業統計に含まれない会社が、山のように活動していると見えるからです。特に今回、設備投資が大きく下がっており、計画だけで実行が遅れているだけなのか? 当面は先送りなのか? によって企業による景気の見方は大きく変わってくる、といえるのでしょう。
8月の景気ウォッチャー調査をみると、現状判断DIは前月と変わらず49.7でしたが、家計は微減、企業関連は製造業が回復して微増といった形です。この調査で4-6月期をみると、企業関連は右肩上がりで、6月はかなりよかった。これは先行き判断も同じで、4-6月期に企業がマインドを転換させる要因はなかったといえます。それなのに設備投資が速報値から低下した理由、やはり分かりません。企業の景気判断は良好なのですから。

しかし景気ウォッチャー調査で気になるのは、8月の天候悪化に関して、あまり言及が少ない。確かに、東日本だけの影響といえますが、一大消費地である東京で野菜が高騰しているので、影響は軽微でないはず。それにしては感応度が低い、といえます。さらにこの調査では、北朝鮮問題があまり考慮された様子はありません。
株式市場は200日移動平均線を下回ってきた。さらに問題は為替で、これまでボックス相場の下限とみられていた対ドルでの108.2円あたりを下抜き、やや円高へ勢いがついた状況です。恐らく明日は北朝鮮も動かない、とみられますが、週明けの11日が安保理の制裁決議案採決とされており、それが過ぎた後で何か動きがあるかもしれません。チキンレースはまだまだつづく懸念がありますが、今の市場はこうしたリスクを過小評価しがちで、それは景気ウォッチャー調査でも同じ、といえるのでしょう。

米国では債務上限問題が12月に先送りされ、安堵感もただよいますが、これはハリケーンの影響がでていたときから、復興臨時予算で合意しており、既定路線といえます。ただし問題は、フィッシャーFRB副議長の辞任表明。さらに次期FRB議長候補とされたコーン氏の撤退。米国の金融政策を担当する人材の枯渇、金融政策を見直す大事な時期にもかかわらず、なり手がいない、という異常事態がおきようとしています。
日本市場で次々と水準をブレイクしたサインが点灯した。今日の太陽フレアによる地場への影響と同じように、予想外のところで問題を生じされる可能性もあるのでしょう。チキンで鯛を釣ろうとする投資家もいるかもしれませんが、このチキンレースで勝利を得られるのは、早く逃げ出した釣り師(フィッシャー)ということにもなりかねないのでしょうね。

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2017年09月07日

山尾民進議員の離党と、日ロ首脳会談

民進党の山尾議員が離党です。気になったのは、「誤解を生じさせるような行為」で「様々な方に迷惑をかけた」ので、離党すること。迷惑をかけたのなら、それを償うのが普通であり、それが離党では、償うような立場をみすみす放棄するようなもの。誤解を生じさせる、という有権者側の対応に問題をすり替えようとすることもそうですが、歯切れが悪すぎます。補選前に、一先ず民進との関わりをなくす、という判断ならこの会見での説明の通りなのでしょうが、それは党側の判断であり、個人として判断ではない、と自ら認めるのも同じです。つまりそれは、前原民進の判断ということになります。
思い出されるのは永田メール問題。先に、山尾氏を幹事長に推したのも、子飼いの手下の可愛さ、という点が当時の永田氏と重なる。前原氏は、自分と自分の周りのことだけを考え、情報を囲い込んでしまう傾向がある。幹事長の決断をする前に、山尾氏の身辺調査をしておけば、こうした事態にはなっていないはずであり、かつそれがなければ、これだけ大ごとにはなっていなかった。前回の代表のときと同様、今回も短命の匂いがする。それは前原氏の情報の取り扱いのまずさ、に起因するところが多いのです。

安倍首相とプーチン露大統領との会談、3時間を予定していた会談が2時間で終了した。このことをみても、すでに信頼関係は崩れている。気になったのは、安倍氏が「ウラジーミル」と呼びかけるのか? ですが、生憎とそうした場面はなかった。あくまで今回の会談は東方経済フォーラムですから、親しげに呼びかけても問題ない。それでもしなかったのは、昨年の山口会談で、もう関係は完全に壊れていることを示すのでしょう。
つまり個人的な親密さで…などと語る人もいますが、親密ですらない。露国は極東開発の費用を日本からひねり出そうとし、致命的な決裂は避けるものの、日本の要求を聞く必要もない、となっていることがうかがえるのです。それは、露国にとって制裁強化を訴える米国の手下、日本がいつ翻意するか分からない中で、日本と経済協力の交渉していることもあるのでしょう。つまりプーチン氏にとって、目の前の安倍氏はいつ裏切るか分からない、敵勢力の一員、とみえているからに他なりません。

安倍氏がわざわざ今回、訪露したことに関して、悪い観測を耳にしました。それはトランプ米大統領との電話会談が頻繁だったように、アジアのことをよく知らないトランプ氏が、安倍氏の描く北朝鮮戦略に沿って、行動しているのではないか? 軍事は第一オプションではない、と言ってみたり、最近のトランプ氏の言動はどこか他人事にも聞こえる。それは安倍氏に委ね、行動させているせいではないか、というのです。
なぜこれが悪い観測か? といえば、安倍氏の圧力強化で中露が一致するはずがない点です。安保理でも決議案を採択できず、安倍氏の訪露でも成果なし。そうなったら、トランプ氏の安倍氏に対する見方、信用は地に墜ちるでしょう。これまで政権内の要職でさえ、簡単にFiredしてきたトランプ氏。使えない奴は切る、という決断が早い。何度も電話会談して対策を相談してきた安倍-トランプ間にすきま風が吹くと、今後は米国からの要求、圧力が日本にとって強まるでしょう。ただでなくとも『成果』を求めるトランプ氏、安倍氏が利用できない、となれば対日貿易への圧力を高める、などといった嫌がらせも増えることが予想されるのです。

恐らく、9月いっぱいで結果がでないと、トランプ氏は安倍氏のことを見限るでしょう。最初の会談で、政治の素人であるトランプ氏に、外交を指南すると大見得を切った安倍氏、およそ9か月で化けの皮が剥がれるとしたら、それはプーチン氏にしろトランプ氏にしろ、まったく心を許せるほどの友になり切れなかった、ということなのでしょう。似ている、とされる安倍氏と前原氏、与野党の党首がともに人付き合いが苦手、という事態は、二人のかぶる『化けの皮』、言葉を入れ替えると『バカのわけ』に通じるところがあるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:28|PermalinkComments(14)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | ロシア

2017年09月06日

雑感。安倍首相の訪露

日経平均が今日の終値で19300円台となりましたが、この辺りに200日移動平均線があり、ここを下抜くと調整局面、として買い方の抵抗もめだちます。ただ、9月はメジャーSQであり、月末からロールオーバーなどの動きが活発化するものですが、9月第一週が1日だけで迎えるため、実質は5日間しかロールオーバーの期間がない。しかもSQ算出日の後が9日で、北朝鮮の建国記念日にあたり、そこまで頑張るのも難しい状況です。
しかしここ数日で、何か情勢の変化があるか? というと、ないと判断できる。なぜならこのタイミングで日韓とも首脳が東方経済フォーラムに出席するため、国を離れたからです。弾道ミサイルを準備、ともされる中ですから、よほど何もないとの自信があるのでしょう。そうでない限り、国を離れることは許されません。

しかも今回、訪露の目的が今一つはっきりしない。露国や韓国との首脳会談、とも伝わりますが、露国は先に北方領土を特区に指定しており、共同経済活動の無力化すら懸念される。ここで北朝鮮との対応で連携、といってみたところで、安倍首相は圧力、プーチン大統領は経済的に圧力をかけたところで、草を食べてでも開発は止めないだろう、と述べているように、首脳会談で覆せるほどのたやすい溝ではありません。
韓国の文大統領は、先に斬首作戦の部隊を12月にも創設、としましたが、すでに米韓合同軍事演習では何度も実施されたもので、部隊の創設ぐらいなら、韓国軍の部隊を一部割けばいいだけのことで、すぐにできます。これは単なる時間稼ぎ、12月までに北朝鮮は核実験を再度行い、ほぼ核技術を手に入れているから、その後の北朝鮮との交渉は核保有国としての交渉となり、斬首作戦は遂行されない、との読みも働いているはずです。こうした文氏と会談したとて、連携を確認するぐらいしかできないはずです。

実りも低そうなのに、しかも国際的な緊張が高まっているのに、わざわざ出かけた理由。それはプーチン氏に対して、支持率アップにつながりそうな材料をお願いしに行く、藁をもつかむ思いなのかもしれません。先の山口会談で、全くの期待外れに終わっただけに、今度こそ…と考えているのでしょう。しかし今のプーチン氏に、安倍氏に飴を渡す必要はないのであって、むしろ逆に北朝鮮への融和を促され、その見返りとして何かの条件を提示されるかもしれない。日米の分断を図られる可能性もあります。
最近、話題になっている今井秘書官が安倍政権を「9月で終わり」と述べたオフレコの内容です。これが重要なのは、経産省主導の安倍政権に見直しがかかる点です。露国との経済協力も、北方領土の見返りがないなら、むしろすすめる必然性がない。特に今、米国が露国へ圧力をかける中、産業界を意識して無理やりすすめても、米国に尾を踏まれたらすぐにでも頓挫する可能性が高いのです。むしろ、もう北方領土でも進展がないなら、プーチン氏に別れを告げる挨拶では? とも勘ぐれます。それはプーチン氏が助けてくれなければ、私はもう終わりです、という泣きなのかもしれない。どんどん人が離れていく安倍氏、最後に残ったのが冷血なプーチン氏、というのが人望のなさを如実に示しますが、ウラジオストクの会談が『恨みを抱く』会談となるのか? 会談後の会見や声明の内容次第では、安倍氏の心の動きも読み解けるのかもしれませんね。

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2017年09月05日

雑感。政治のごたごた

民進執行部、山尾幹事長と伝わっていましたが、蓋を開けたら山尾氏は無役、幹事長には大島氏、代表代行に枝野氏、政調会長に階氏、国対委員長に松野氏、選対委員長に長妻氏、となりました。山尾氏に醜聞がでる、という報道で…とも伝わりますが、人事案は一度でも公にしてしまうと、執行前に修正するのは様々なネガティブな要因をうむ。前原代表は出鼻をくじかれたばかりか、党運営にも大きな禍根を残した形になる。結局、執行部に華がなく、若返りもはかれなかった。代表の顔だけ代わって、顔ぶれは同じ、にしかならなかったからです。

自民の長尾議員が、偏向報道というネットメディアの記事の拡散をよびかけ、後に事実無根の内容が含まれる、として撤回、謝罪しています。議員がこの程度のフェイクニュースを信じてしまう、ということに危惧を抱きますが、最近はエリートなのに残念な議員、という記事も目にします。しかし学校の成績がよくても、社会の動きに精通したり、人の機微に敏感で社会性をもてるわけではないので、これは当たり前の話です。
興味や集中力が向かうと、勉強ではいい成績がとれる。しかし興味や集中力がもてないと、それこそ人並み以下の知識しかもてない。政治とはそれこそ国の為すことの総体であり、興味がもてないからといって、無関心でいたり、見捨てていいわけではない。こういう人物は研究者、専門家としては能力を発揮できますが、政治家の資質として、決して向いているわけではない、ということになります。官僚から政治家へ転身する人も多いですが、自分がどうか、それすら見極められないほど社会性がないケースもあるのです。

自民の竹下総務会長が「島根に(弾道ミサイルが)落ちても何の意味もない」と発言し、野党は暴言だとし、竹下氏は撤回を拒否しました。竹下氏の発言は事実ですが、だからといって何を言っていいわけではない。島根県の人がそれを言われて、おもしろかろうはずもないからです。新幹線も走っていない、高速道もつながっていない、そういった国の施策に据え置かれた結果、発展できずにいる。だから北朝鮮も狙ってこない、というのは政治家の不作為も要因の一つなのです。この言葉を言い換えると「政治が島根を発展させてこなかったから、北朝鮮も島根は狙われないよ」と言っているように聞こえる。そうなると、まるで未開発を礼賛しているようにしか聞こえず、そこに暮らす人にとって屈辱にも聞こえるのです。
政治はこうした人の機微、様々な経緯も踏まえて発言しないといけない。親鸞の言葉を借りるなら「念仏は行者にとって『非行非善』。自分の『はからい』で行ずるものでもなく、自分の『はからい』でつくる善でもない」と述べます。念仏は他力であり、自分でしているものではない、とまでする。これを政治に当てはめて読み替えると「発言は政治家にとって『非行非善』。自分の『はからい』でするものの、正しくないものであり、善に非ず」となっているようなものです。与野党ともに、の話ですが、政治家がその任をまっとうできるような能力もなく、軽率な発言、方針をうちだしては撤回をくり返すような様は非行政治家といえ、それが多数に上る、というのがこの国の不幸でもあるのでしょう。親鸞のように、宗教を貴人や行者だけのものでなく、庶民へと拡張するような、そんな方針をうちだす政治家の誕生が、待たれるところなのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:27|PermalinkComments(31)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2017年09月04日

民進の新執行部

昨日の北朝鮮の核実験をうけて、株式市場も売り…かと思いきや、円安をうけたポジション調整に終わった印象です。米国の戦略もまだ定まっていないとみられ、当面の動きはない、とみているのでしょう。北朝鮮はESM攻撃、電磁パルスによる電子機器への打撃についても言及しています。米国ではハリケーン・ハービーの打撃より、復興需要に目を向けて株買いをする向きもありますが、自動車サブプライムローンなどを組んでいる人が保険に入っているとも思えず、買い替えできるのか? ESM攻撃などをうけたら、それこそ米国家財政を傾けるほどの復興予算がかかるのであり、個人もそれに準ずる。この攻撃は、単なるインフラへの打撃というばかりでなく、米経済を根底からひっくり返すものとなるのでしょう。
しかしもう一つ考えると、以前から指摘しているように、原発は停電するとメルトダウンを起こし、福島原発のように水素爆発を起こす可能性がある。つまりESM攻撃による停電、というばかりでなく、原発が備える非常用発電機、電源車両などが打撃をうけると、原発事故を誘発する可能性があるのです。撃墜の難しい高高度での水素爆弾による爆発、それによって地上の原発の事故をおこすことができるのなら、これだけ有効な攻撃はない、となります。米国が原発の廃炉をすすめるのも、こんな事情があるのかもしれません。

民進党が代表選を経て、新執行部の体制が固まりつつあります。山尾氏が幹事長、とのことですが、前原氏は党の顔として期待されたはず。これでは前原、山尾というダブルトップ体制に見えます。これの何が問題か、といえば、民進党はただでなくとも政策が分かり難い、浸透していない、とされる。それを解消する最も簡単な手は、個人とイメージを重ねさせることです。その人物の顔をみると、やりたい政策やどんな主張をしているか、そのイメージが湧くようになれば、国民には広く浸透したことになります。
これは蓮舫氏も同じだったのですが、なぜか2トップ体制を好む。つまり代表と、幹事長とが同じ程度の知名度とする。しかし蓮舫氏もそうだったように、そうなると代表の顔がぼやけ、イメージも分散される。知名度で選ばれることが多い代表なのに、自らその利を捨てて、幹事長に実務家ではなく、同じように知名度で人を充ててしまう。一体、誰が下働きをするのか、実務をとりまとめていくのか、よく分からなくなっています。

しかし代表代行に枝野氏、長妻氏、大島氏を充て、ここが実務家のポジション、と言いたいのかもしれません。しかし幹事長は時に泥をかぶっても代表を生かすのが仕事、そのための実務家です。代表代行では発言力も弱く、また中間管理職的でもあり、泥をかぶるような立場でもない。結局、顔が二つという、その両方の顔が国民にいい顔をしようとするのなら、この政党を信用できるのか? ともなってくるのです。
民進の凋落には、政権をとっていたときの東日本大震災における対応のまずさ、すなわち福島第一原発への対応の混乱もその一因だとみられます。ならば、北朝鮮のESM攻撃が取り沙汰される昨今、原発停止を前面に訴えて、安倍政権との違いをアピールするなどとし、その顔として前原氏がすわる、という形なら、国民に広く自民との差を訴えることができるのでしょう。それを連合に尾を踏まれてできない、というのなら、顔ばかり大きくなっても、その短い尾でさえ自由に振り回すことができない、としてますます国民からよく分からない党、とみられて支持が上がらないことにもなりかねないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:24|PermalinkComments(27)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2017年09月03日

北朝鮮の核実験と安倍首相の声明

北朝鮮が6回目の核実験を行い、ICBM搭載可能な水素爆弾の開発に「完全に成功した」と発表しました。威力は少なくとも前回の10倍以上とみられ、小型化も図れたのなら、北朝鮮の技術は飛躍的に進歩した、といえるのでしょう。ただ、あくまで個人的な推測ですが、小型化にはまだ成功していないのでは? と考えます。今回、威力を増したことから推測できるのは、見せかけの効果を高めたかった。逆にいえば、見せかけるのは技術が今一歩だから、真に胸を張って自慢できるところまで、まだ来ていないから。最近、北朝鮮から「完全に成功」という発表が多くなりましたが、疑われることすら恐れている。それは北朝鮮としても切迫した事情があるからですが、9月3日に実施というのもその焦りもあったとみられます。
このタイミングでの実験は、それこそ中国共産党大会前の間隙、米国のハリケーンという事情も重なるのでしょう。つまり米中とも、北朝鮮への関心が薄れ、対応が難しい。北海道をを飛び越しての中距離ミサイル、という一見配慮したようにも見える行動で、米中を油断させたこともあるでしょう。9月9日の建国記念日に注目が集まる、その前に実施する、というのも狙った行動だったのでしょう。しかし今回、安倍氏は公邸に泊まっていなかった。午前から公邸におり、12:29分という時間にもいたとみられますが、今回は対応が遅かった。油断していたことがうかがえます。それは米国も同じ、午前には日米首脳が電話会談をしていましたが、どうも核実験の話はでていなかったとみられることからも、そう推察できます。

安倍氏は声明の中で「我が国の安全に対する、より重大かつ差し迫った新たな段階の脅威であり、地域及び国際社会の平和と安全を著しく損なう」とします。以前から指摘しているように、日本は「新たな段階」ではない。今回、威力を増したことはありますが、中距離ミサイルならすでに弾頭に搭載できているでしょう。長距離だと難しいのは、大気圏再突入のために戦端を細く、かつ頑丈にしなければならず、核弾頭の小型化が必須だったから。日本程度なら、そこまで小型化に拘る必要がないので、既存の実験で示された核弾頭ぐらいでも十分、といえます。
しかし、この声明で重要な部分は、「…であり」で一旦切れること。つまり「我が国」は「安全」のみ「新たな段階の脅威」なのであり、「国際社会」は「平和と安全」を「損なう」のです。切れるのは、当然主語に同じ意味の言葉がわざわざ出てくることからも明らかで、日本の平和は? という素朴な疑問もわく。わざわざ使い分け、それで日本の位置づけが国際社会より下、一体どこの国の首相なのか? というレベルです。

安倍氏は安保理決議違反や、NPTへの挑戦、日朝平壌宣言、6者会合共同声明の違反、とします。しかし北朝鮮は常々国際法を盾にしており、要するにNPTは批准していないので、国際法上みとめられた権利であり、国連決議は北朝鮮を敵視する米国が主導してつくられたもので、自分たちはそれに従う必要はない、という立場です。つまり米国とて核実験をしているのであり、核廃絶の動きにも日米とも同調していない。そんな中で、北朝鮮だけ核保有をみとめない、という理屈は成り立たない、ということであり、これがこの問題を難しくしているのです。だったら日米が、堂々と北朝鮮にそれをするな、と言える行動をとらない限り、この問題は堂々巡りといえるでしょう。
しかも問題は、もし北朝鮮の核技術が、本当に実用レベルに達したとき、圧力をかけた先に待つのは、周辺国を巻きこんだ壊滅的な戦争です。圧力でいいのか? という問題を提起することになります。米国は、核保有国には弱い側面がある。核保有国であることをみとめた交渉に移る可能性も高い、といえるのでしょう。日本に「重大かつ差し迫った新たな段階の脅威」とは、米国がころりと態度を転換させ、日本だけが突出して圧力、圧力と言い続けることで、その恨みを買うこと、となるのかもしれません。日本の「平和」に言及しなかった安倍氏、自ら軍事的脅威を煽り続ける以上、恥ずかしくて口にもできなかった、ということなら、「脅威」だけで「損なっていない」という理屈も、自身の態度がすでに「平和を損なってきた」とみとめることにもなるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:51|PermalinkComments(10)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | アジア

2017年09月02日

雑感。日本市場はつまらない。

米8月雇用統計がでて、非農業部門の雇用者数が15.6万人増。市場予想は下回りましたが、FRBが完全雇用とみる水準は上回っています。失業率も0.1pt悪化したものの4.6%と堅調。賃金上昇率は前年同月比2.5%増と、なぜかここ数ヶ月同じ数字が並びますが、伸びが鈍化しているとされるものの堅調。PCEコアデフレーターが1.4%と低いことを除けば、9月19、20日に開かれるFOMCで資産圧縮に移ることがほぼ確実視されます。
一方で利上げは年内0、1回で見方が分かれていますが、インフレがすすまない現状は、利上げする理由が成り立たない。説明がつかないので、下手に利上げして景気が失速すれば、責任をすべて負わされる可能性もある。現実問題として、不可能とみてよいでしょう。しかし資産圧縮なら、金融不安のない状況で、また完全雇用も達成しているので、見直すだけの理由が成り立つ。FRBはこちらを急ぐ可能性があります。

最近は株式も為替もつまらない、という声をよく聞きます。両方とも日本市場で、ほとんど動かないからです。それは日本独自の材料で動くことがほとんどない。経済指標がでても、まったく眼中にない。それは、今の市場が日本経済で動いているわけではないから。よく株式アナリストが、企業の増額修正余地がでてきた、などと株買いをす住める発言をしますが、市場はもうそんなものは織り込み済み。そういう発言が出てから買うようでは、遅きに失しています。結果、市場は日本の動きで一喜一憂することなく、織り込み済みの内容が大きく変更されるようなことがない限り動かない、となります。
一方で、円高がすすむのは米MMFの取り組みをみても、円売りが減ってきたから。円売り、株買いのポジションの縮小とみられ、8月は外国人投資家の株売りもすすんだ。こうしたものは長期投資家の動きとみられ、日本市場を敬遠しているもの、とみられます。日銀が緩和縮小を示唆したのでもなし、海外でも変調がおきたのでもなし、このタイミングで外国人投資家が日本を敬遠しだした理由。あくまで私論ですが、生産緑地の宅地化解禁にあるのではないか? と考えます。

世界は今、不動産バブルで支えられた状況です。土地価格が上がり、経済規模が大きくなり、そこで増えたお金が消費を堅調にする。その基本は、土地が不足する。住宅が不足するから、価格が上がります。しかし日本では、ここに来て生産緑地として宅地化を制限されていた土地が、一斉に放出される。土地余り、住宅余りを引き起こすことになります。ここのところ、不動産価格を改定する動きもめだつ。それは買い手が少ないのが影響します。それでも都心だったり、駅近なら値崩れも少ないですが、生産緑地はそういう場所から少し離れた土地も多く、一気に値崩れをおこす可能性も高いのです。
日本で不動産価格が崩れれば、日本は世界から成長として取り残される形になる。しばらく期待できない、として海外勢が日本市場から手を引くのも当然、と言えるのでしょう。経済最優先、と謳っている安倍政権も、最近では信用ならない。安倍ノミクスは失敗し、世界の成長と比べると見劣りする日本。それがここに来て、土地の大量放出という問題が重なってきた。「つまらない」という言葉は否定のように聞こえますが、「つまる」の否定ではなく、独立した言葉として形容詞をつくります。日本市場はつまらない、それは成長に限界があり、安倍政権も、黒田日銀も「いきづまる」ことで、魅力がないとも言えます。「いきづまらない」という否定にならないところに、日本の限界も見え隠れする、ということなのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:33|PermalinkComments(8)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 一般

2017年09月01日

民進代表選は前原氏の勝利

民進代表選が行われ、党員・サポーター票で前原氏252、枝野氏188、議員・公認予定者票で前原氏250、枝野氏144となり、前原氏が代表に就任しました。予想以上にポイント差がつかなかった印象ですが、国会議員票で8票が白票など、離党予備軍なのか、どちらも選べない、という批判票なのか。いずれにしろ結束とは程遠い状況がうかがえます。
前原氏の就任後の挨拶で気になったのは、「自己責任型社会の冷たい社会ではなく…」という部分です。社会が重なって…という誤用はともかく、自民党がそういう社会をつくった、という事例として、決意表明では奨学金制度、年金などを掲げます。そして新たな選択肢を示すのが「歴史的な責任、ミッション」だと。しかし選択肢としながら、内容については語らない。自分たちが政権をとったら、どういう制度に変えるか? それがあって初めて「選択肢」です。最大に問題と感じるのは、それをするのが「歴史的な責任」としたこと。「歴史的」というのは、すでに記録すべき事例ということであり、形のないものをそう形容することもなければ、仮に案があったとしてもそれを判断するのは前原氏本人ではありません。それこそ歴史的に、どう捉えるかは歴史が決めます。

前原氏は代表選の間から野党共闘に関しては、民進の旗に集え、という態度です。理念・政策に賛同してくれれば受け入れる、という。この高飛車な態度で、政治的には共闘の合意をとりつけたとしても、その支持層までついてくることはないでしょう。例えば共産との共闘を政治的合意で成し遂げたとしても、共産党支持層が票を入れることはない。前原氏が高飛車すぎるからです。ともに戦おう、ともにやっていこう、ではなく、民進の旗に集え、であれば、自分たちが理想とする政治ができるとは到底思えない。自分たちは民進の支持層ではない、という反発が強まるだけでしょう。
特に前原氏の場合、社会保障の充実には国民負担率も上げる、としている。しかし社会保障を充実させたとて、日々の暮らしが苦しくなれば経済は萎む。そもそも年金を充実させても高齢者に回るだけで、労働者世帯にとってはただ負担が増すだけ。奨学金制度の改正にしても、子供のいない世帯では恩恵もない。つまり前原氏のやり方だと、負担と受益の関係で不公平感が高まりかねない、ということになります。さらに増税による景気下押し効果も加味すれば、税収が増えないことになりかねません。

前原氏の主張は、言葉は悪いですが、竹中氏らが唱える単純型経済モデルに基づく、加減算の政策でしかありません。負担をしてもらって30増えたら、15は使える、という極めて単純な理屈です。しかし経済はそう簡単に動かない。もし経済環境が今のままなら、消費税増税は景気にとって致命傷になりかねない。さらに、日銀が緩和を止めれば、景気の下押しは相当なものになるでそう。そのとき増税などしたら、日本は経済のシュリンクによって、それこそ中流国に成り下がりかねなくなるのでしょう。
そんなものを「歴史的な責任」でやって欲しくない。つまり「最悪なことをした」ということを歴史に刻むことになるのです。以前も指摘しましたが、もう一度きちんと経済ブレーンなりを雇って、きちんと話し合わない限り、国民にとって何の選択肢も与えていない、ということにもなるのでしょう。むしろ、前原氏は維新と近づいたこともあるように、維新とも昵懇の竹中氏らともつながるのなら、安倍自民と前原民進では、やはり選択肢がない、となるのでしょう。決意表明で、鮮魚部門で働いていたことで、周りからは「魚臭い」と言われた、とも述べていましたが、今日の話は「嘘臭い」「胡散臭い」ようにしか聞こえない。奨学金をもらってもう一度、経済だけでも勉強し直すことをおススメしたいぐらいですね。

analyst_zaiya777 at 23:37|PermalinkComments(24)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般