2017年10月

2017年10月31日

日銀のみえない出口

フジテレビの某ドラマで『磯部真蔵』なる人物が腹痛で辞任する場面が、安倍晋三氏を揶揄している、として非難の声があるようです。安倍信者はこうしたパロディーを許容する心もないのか? 結局、世の中をぎすぎすさせているのは安倍信者、とも言えそうです。
民進党の代表が大塚参院議員に決まりました。古い顔では意味がないですし、理論派で清潔感がある人物を、といった形でしょう。癖がないので、立憲民主、希望とも話ができる。しかも衆院議員でないので、もし仮にどちらかに合流するとしても、スムーズに代表移行がすすめられる。そんな思惑もあるかもしれません。いずれにしろ、民進の立ち位置はこれではっきりして、自己主張は控えて調整役に徹する、となるのでしょう。

そんな大塚氏の出身である日銀が、金融政策決定会合を行いました。物価見通しを小幅に引き下げましたが、金融政策は現状維持です。しかし17年度を1.1%から0.8%に、18年度を1.5%から1.4%へとしたものの、19年度は変えていない。このまま政策をつづければ19年度には目標に達する、と言いたいのでしょうが、成長率については17年度を1.8%から1.9%に上方修正したものの、18年度は1.4%、19年度は0.7%成長としており、成長率は下がるのに物価は上がる、と想定していることになる。非常に奇異です。
しかもコスト面からの価格上昇、を想定しているといい、それではコストプッシュ型のインフレですから、景気にとって悪影響となるのでしょう。つまりインフレで景気に打撃だから19年度の成長は0.7%に下がるのか? という疑問もわく。その場合、インフレ目標が正しいのか? となるでしょう。そうなると、今の政策を見直すべきでは? という意見が当然のようにでてくるところですが、まったくそうした気配はありません。
またしても1人の委員が追加緩和を求めるなど、今の日銀にはブレーキ役がいない。ここから引き締めに転じるとしても、手続き、手順で戸惑うケースも想定されます。それは市場との対話に失敗する可能性、ということであり、今の世界的に良好とされる景気が崩れたときに、日銀は打つ手もなく、日本経済全体が沈んでいくのかもしれません。そのタイミングが19年なのか。他の動きをみても、妙にこの年が符合してきます。

ここ1ヶ月の外国人投資家の買いについて、安倍氏が消費税増税を訴えたことで、財政出動やさらなる金融緩和が出てくるもの、として期待が高まったのでは? といった話もあります。しかし安倍氏が教育無償化の予算に、企業の負担を求めたりして、あれ? となって買いの手が止まった。日本政府、実は財政的に余裕がなく、出動するほどの資金がないのでは? そう見なされたことで勢いを失った。ここで日銀も動かなかったことで、ますます日本には景気に対して期待が低下することにもなったのでしょう。
景気の好調さと低インフレで、世界はゴルディロックス(適温)状態とされます。しかし実はもう一つ、金余りがここに付け加わった過熱状態だと気づいたとき、世界的な動揺が走ることにもなるのでしょう。そのとき黒田総裁のことはclod(クロド:のろま)総裁と呼ばなければいけない日が、いずれくることにもなるのでしょうね。

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2017年10月30日

偽札と日本市場

自民党が審議時間を議席による配分にすべきだ、と主張しています。しかしかつて与党4、野党6だった配分を、下野した自民の要求で与党2、野党8に変えたもので、もし自民の要求通りなら与党7、野党3になります。謙虚どころか、暴挙というべき要求であり、いくら高い球を投げておいて…ということだとしても、早くもメッキが剥がれました。安倍首相が野党の質問に戦々恐々、ということがここからも分かりますが、先送りにしても加計学園は認可するつもりでしょうから、その質問が怖くて怖くて仕方ないのでしょう。

日本で偽の米100$札が発見されました。通常、これだけ精巧な偽札をつくってもすぐに発覚し、コスト的にペイすることができないため、割に合わないとされます。機械は通過したけれど、手触りに違和感があったとするので、あまり馴染みのない日本でつかった、とみることもできますが、日本より精度の低い機械をつかっている国は山ほどあり、そういうところで使った方がより成功する確率が高かったでしょう。もしかしたら、米国を混乱させるために刷ったものが、使い道がなくなり、換金したのか? そうだとすれば以前のようにスーパーノートのように、北朝鮮の関与も疑わせます。
ただし、今のブラックマーケットは国際化がすすみ、製造元がアフリカだったりもしますから一概には言えませんが、恐らく今のままの数百万円の被害では、犯人側は赤字でしょう。今後、日本ばかりでなく世界的に出回るのか? それともこれは日本単独で狙い撃ちしたものなのか? 今後の推移が気になるところです。

日本の株式市場、今日はTOPIXリバランスに伴う、引けでの大商いが予定されていたため、それを睨んでの売買でした。しかし前場、小幅下落だったにも関わらず、日銀がETF買いを入れてきたため、余計に押し上げられての引けだった。10月はここまで一度も出動しておらず、1日ぐらいは…とでも考えたか。しかし日銀の会合の最中、ETF買いを行ったことで、日銀が今回は政策を変更しないことがはっきりした。市場からも今回は無風、とみなされていますが、先に動いたことで意思の固さと、意固地という意味での頭の固さも両方、示してみせたともいえます。
消費税再増税まで、景気を保たせたいとの事情もあるでしょうし、来年度予算ではそのために大盤振る舞いをする。国債の買いは手控えられない、ともされますが、少なくともETF買いは止めた方がいい、という声が高まる中ですから、余計に今回の動きは違和感もある。外国人投資家が現物、先物を合わせて買い上げる中で、日銀が出動する必要があったのか? ますます日銀の異常性を、世界に喧伝してみせた、といえるのでしょう。

日本はブラックマーケット、それは『黒』田日銀総裁が株式市場を牛耳っている、という意味であり、どこから生み出したのかも分からないマネーを、各市場にばらまいている。日本版スーパーノートは、日銀によって刷られているから性質が悪い、ともいえます。手触りではなく肌触り、肌感覚として非常に違和感のある日銀の政策。黒田氏の総裁延長の話や、政局がからむだけに、ブレーキの利かない点が気がかりなのでしょうね。

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2017年10月29日

数字で考える衆院選

NNNの世論調査で、内閣不支持率がふたたび上回った、という結果がでてきました。コメント欄でもあった『北朝鮮の脅威』によって安倍政権が選ばれた、という主張に対して、先の衆院選における得票数をみてみると、簡潔に答えが分かります。前回は1756万票、今回は1856万票、単純に100万票増ですが、投票率が1%程度上昇しているので、80万票強が上乗せされたにすぎません。しかし公明が35万票近く減らしたので、与党としては50万票以下しか得票数を増やしていないことになります。ここからみると、北朝鮮に対する対応を与党に委ねた、などというのが如何に奇妙な話か、よく分かります。
維新の内紛、という話も伝わりますが、前回は838万票、今回は339万票。半減以上ですし、共産よりも得票数が下がり、野党第4党となった。これで代表には責任が何もありません、などということの方がムリです。自公以外は候補者の立て方が少し変化もするので、単純計算は難しいですが、維新は小選挙区、比例合わせて前回が52、今回が51と、ほとんど変化がない。むしろ東京で希望に譲るなどした影響も加味すれば、維新の凋落ぶりは深刻なレベルといえるのです。希望の失速と歩調を合わせたことが原因としても、近畿エリアで8議席、その他で3議席の惨状は、地域政党レベルとしても過言でないのでしょう。

比例だけでみれば民進は前回の民主党時代に978万票、希望は967万票で、立憲民主が1108万票ですから、ほぼ倍増です。比例だけでいうと、希望と立憲民主を合わせれば自民を逆転、自公を合わせても、立憲民主、希望、共産、社民で逆転です。つまり国民の勢力図からすれば、圧倒的に野党が勝ち。それでも小選挙区制という制度のため、自民が大勝しただけ、というのが数字からもはっきりわかるのです。
しかし今回の選挙の構図は、自公vs.希維vs.立共社です。この構図で分けてみると、自公が2554万票、希維が1307万票、立共社が1642万票です。確実にいえることは、立共社が第二党で間違いなく、希維が第3極となった。第3極が与党寄りの態度をとるのか、野党としてふるまうのか、によって今後の国会の情勢も大きく変わる、といえるのです。そして、与党寄りだった維新の凋落をみれば、その戦略がとても危険であることは、誰の目にも明らかで、日本のこころも、新党大地も転びました。それが現実です。

小選挙区になると、候補者の立て方等で大きく変わるので、単なる得票数という考えは通用しなくなります。希望は1144万票に対し、立憲民主は473万票で、獲得議席は同数、といったことも起こるからです。自民が圧勝、といっても2650万票でしかなく、希望の2倍強の得票数で10倍以上の議席を得る、これが小選挙区制の怖いところです。
こういう数字をみれば、自民幹部が苦虫を噛み潰したような顔をしていたことが、よく理解できます。野党がきちんと共闘すれば、結果は真逆になるからで、希望の排他主義が招いた勝利でもあったからです。そして、数字からみてもはっきりわかるのは、自民支持が増えたわけではない、ということ。特に、自民は選挙をするたびに、295→291→284と徐々に獲得議席を減らしているのです。そして前回は、次世代を合わせると比例でぎりぎり5割を切る程度だったものが、5割を大きく切ってきた。これが「謙虚」の根拠でもあったのでしょう。数字からみる衆院選、安倍政権が国会を開きたがらない事情もよく映します。ただし、開かなければさらに支持率が下がる。半年以上も国会を閉じたままで、国難に対して何にも手を打たない政権にむかって、「お前が国難」と叫ぶ国民が次の選挙ではもっと増えるのはほぼ確実でしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:21|PermalinkComments(12)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2017年10月28日

雑感。中国共産党大会

米国でケネディ暗殺に関する文書が公開されましたが、肝心なところは半年かけて精査してから、になるようです。逆にCIAが精査する必要があるほど、機微な内容を含むというのが問題なのでしょう。ロシアゲート事件で、初の訴追という話も伝わります。まだ誰がどういった内容で、というのは分かりませんが、ロシアゲート事件の解明がすすむと、トランプ政権が一気に弱体化することもあり得ます。
来週にはトランプ大統領のアジア歴訪ですが、共和党議員から公然と批判の声が上がるなど、政策実現能力が問われるトランプ政権ですが、ナゼかトランプ減税だけは期待が高まる状況です。それは共和党にとっても減税による支持拡大が図れるからですが、財政赤字が拡大すれば逆効果となる。実際、共和党内にも反対があり、予断を許さない状況ですが、市場だけが先走ってその効果を織りこんでいる、というのが現状です。来週に発表ともされる次期FRB議長人事とふくめ、米国の政治、経済も正念場でしょう。7-9月期GDPが3.0%増と、ハリケーン被害をほとんど感じさせない強さですが、脆さは政局から現れるのかもしれません。

中国では5年に1度の共産党大会が閉幕しました。習近平国家主席による独裁がさらにすすんだ、という印象です。政治局常務委員を習派でかため、しかも後継者を置かなかった。そうなると次の共産党大会でも、自らを主席とすることになり、ここから10年は習近平体制がつづく、ということをこれは示します。しかし中国がこれから10年、安泰でいられるか、というと懐疑的です。それは中国が借金大国になっているからです。
国、企業、家計に至るまで膨大な債務を抱えている。日本だと政府債務がGDPの2倍、とされますが、企業や家計にはそれほどの負債はありません。一方で中国は万遍なく債務を抱えています。それでも中国で金融不安がおこらないのは、4大銀行が共産党に隷属しており、貸し渋りがおこらないから、とされます。しかしその仕組みが通用するなら、世界中で同じことをするでしょう。金融規制をかけて、行政が金融機関に命令権をもてば、不良債権をださずに経済が拡大していくことができるからです。

しかしその結果、中国は巨大な債務を抱える国になった。世界がそれを警戒して中国から資金を引き上げることで人民元安がおこり、中国は必死で人民元を買い支える、といったことも起きました。ふたたびそんな動きが起こると、米国債市場へと波及し、世界が震撼する事態を引き起こすこともあるかもしれません。今は楽観が支配する相場だからこそ、中国にしろ膨大な債務を抱えていても、今は安心していられます。
中国のことわざに『一万を恐れず、万一を恐れる』というものがあります。しかし今の中国は、万に一つも危機に陥ることがないだろう、という極めて不確かだけれど、誰もがそう信じるものがある。しかし『一万を恐れず、一億も恐れず』といくら借金しても大丈夫との認識が広がる今こそが、万一のことが起きる原因になりかねないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:32|PermalinkComments(6)このエントリーをはてなブックマークに追加 アジア | 経済

2017年10月27日

雑感。野党の動き

国連での日本の立ち位置が悪化しています。核兵器廃絶の決議案を毎年提出し、決議していましたが、今回は「変更点が多く後退した」、「核禁止条約が入っていない」などの異論が噴出。安倍政権の方向性では、ますます国際社会での立ち位置が悪くなっていくことが、よりはっきりしてきました。
さらに、麻生財務相による「明らかに北朝鮮のおかげ」発言。「この国を、守り抜く。」がキャッチフレーズだったのに、自民党は「北朝鮮から、守られる。」だったようで、実はウィンウィンの関係だったことを自ら認めた形なのでしょう。謙虚を合言葉にしていた安倍政権が、さっそく傲慢さを露呈した形です。しかも麻生氏、あまり報じられませんでしたが、選挙後に他党を揶揄する発言もしており、軽挙は改められないようです。

希望の党が両院議員総会で、当面は共同代表をおかず、幹事長兼政調会長に前民進幹事長の大島氏を、国対に笠氏を当て、首相指名では当選8回の渡辺周氏に投票する、と決めました。大島氏は前原氏との近さで幹事長になった人。前原氏が共同代表につくのを待つ体制にみえますが、これは暫定で人事は決められなかった、のが真相のようです。
橋下前大阪市長が小池代表を批判する希望の議員に「小池氏の看板が泣ければ落選していた」とツイートしていますが、結果をみれば明らかで「小池氏の看板」は邪魔だっただけです。当選したのは民進出身議員がほとんどで、はっきり小池系といえるのは近畿ブロックで比例順位を高くした井上氏ぐらい。しかも惜敗率が32%台で、明らかに小池マターで政治の常道を外して物事が決められた結果です。小池氏がいない方が、多くの議員が当選できたでしょうし、排除の理論がなければ比例復活も増えたはず。これだけ明白な結果がでていて、今さら「小池氏の看板」をもちだすのは、暗愚としか思えません。

民進の前原代表は、両院議員総会で辞職せず、週明けの30日に結論がずれこみます。政治の世界では3日あれば色々とできますが、ここで動けば民進と希望との亀裂を決定的にします。しかし逆に、動くことで維新と同じように与党寄りの野党、という立ち位置となる。ただしそうなると、希望から離脱する議員が増えますし、残った希望の議員からも批判されることになるでしょう。維新がそうであるように、与党の不祥事を批判もできないから、国会での存在感をなくして縮小を余儀なくされる。希望がそんな立ち位置を余儀なくされるなら、それは前原氏の失策として、広く記憶されることになります。
橋下氏が、維新の議員に対して怒りのツイートをくり返し、党の法律顧問を辞任しました。大阪維新には残りますが、松井代表の交代をせまった議員への怒りから、国会で実績を残せないから大阪以外に広がらない、とします。しかし不支持の高い与党政権には、戦う野党の方が国民ウケもいいのです。安倍氏に協力する維新は、組織力も弱く、自民のように低投票率で勝てるような政党ではない。しかも、大阪万博の開催にむけて安倍政権にすりよるのは大阪維新の事情です。大阪維新があるから、国会維新も安倍政権に協力せざるを得ず、結果的に国民に支持が広がらない。これはどちらがどう、という話でもなく、維新の総体として、方向性がそうならざるを得ない、という話なのです。

名は体を表す。名前の間に少し言葉を足すと、その人が見えてきます。麻生氏は麻(たま悪)生、小池氏は小(ずる)池、そして前原氏はま(ちが)え原、といったところ。何となくその政治家がとった行動、言動を示す言葉になります。希望の党に言葉を足すなら、これから『きぼ(しゅくしょ)うの党』になるのかもしれませんね。


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2017年10月26日

安倍政権の脱デフレと税制

ECBが年内が期限だった量的緩和を来年9月まで延長することを決め、年内は毎月の購入額を600億€に、年明けから300億€に縮小することを決めました。ほぼ予想通りで波乱はありませんが、これで米国につづき、世界は金融緩和を縮小させる方向にすすんでいることが、よりはっきりしました。
浜田内閣官房参与が「日銀が2%物価目標を達成していないが、過度に批判されている。好調な実体経済を実現できており成功」と述べています。しかし金余りの環境をつくり、一時期は好調にみえたとしても、いつまでも緩和をつづけられるわけではない。終わりのある話です。その終わりを先送りしてきたために、日銀は強制終了に陥る懸念すら漂ってきた。簡易テーパリングとされる国債購入の減少は、いずれにしろ日銀の失敗を意味するものです。そんな中、政府関係者の間で2%未達でもデフレ脱却宣言をする、という話が持ち上がってきました。

消費税を再増税するためにデフレ脱却が必要、また「安倍ノミクスは成功」というための実績づくり、さらに心理的プラス効果、などが語られますが、足元のCPIは0.7%で、1.0%にも届いていません。現状、世界的に経済指標は絶好調、しかしこんな環境は長くつづかない、とされます。FRBの引き締めとECBの縮小、日銀の簡易テーパリングで、来年の早い時期には世界全体から資金は吸収方向にむかいます。つまりこれまで唱えられていたマネタリーベースの拡大に伴うインフレ、という政策は世界的に見直しがされるのです。
そこで、安倍首相が「賃上げ3%」をもちだしてきた。茂木経産相は「そのために政策総動員」などとしますが、これまでも官製春闘は成功したと言えず、これまでとて対策を打ってきたのに、効果がなかった。しかも増税をするために企業に優遇を与えようと減税をするなど、本末転倒といえます。これまでうまくいかなかった、その反省もなく成果をだせるはずもありませんが、安倍政権はこれまでも成果ばかり誇り、失敗をみとめて真摯に反省することがなかった。だから対策が場当たり的で、成果が得られないのです。

消費税増税分を教育費などに回す、というものも財源不足が指摘されると、企業の社会保険料を上げて賄う、といった話が昨日、急にでてきました。自民は選挙期間も「内部留保に課税はおかしい」としてきましたが、これも同じぐらいおかしな話です。希望とは同じ穴のムジナ、発想は大して変わりないのでしょう。社会保険料は社会保険に回すべきですし、これで企業負担を増すのなら、賃上げなどしているどころではないでしょう。
安倍ノミクスが失敗し、色々なことに辻褄合わせをしようとしているけれど、そもそも失敗しているだけに、どこかを動かすと別の場所がおかしくなる。たとえ脱デフレ宣言をしたとて、経済界からは「どこが?」と非難轟轟となり、反発も必至となる。自縄自縛、やることなすこと、おかしなことばかりで上手くいかない可能性も高いのです。

デフレーションは、経済的には『通貨収縮』と訳されますが、一般名詞として使うと『自信喪失』となります。テーパリングとは、Taperingと書きますがTaperとは名詞で『先細り』も意味する。脱デフレに失敗して日本は『自信喪失』、国会を開かず、国難ともした少子化対策には何の手を打つこともなく、日本全体が『先細り』。だから賃金も上げないし、ますます日本は縮小していくことにもなりそうです。日銀が簡易テーパリングなどとぐずぐずしている間に、日本テーパリングが始まることを意識しないといけなくなるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:23|PermalinkComments(26)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 経済

2017年10月25日

前原民進代表と小池希望代表

財務省の社会保障見直しがでてきました。国民の負担増がめじろおしで、選挙では影響させたくないから出さなかった、露骨な情報隠しです。次の選挙まで間があるから、このタイミングでだして、それまでにさっさとまとめてしまおう、ということです。

前原民進代表が都内で講演し、民進党の存続に言及しました。ただ民進党や地方組織の方向性を示してから出処進退を、としていた部分を若干後退させたものの、依然として意欲をみせている。しかしこれはおかしな話で、そのまま選挙をしていたら「酷いことになった」ので、希望合流は正しかったとしますが、結果的に希望の民進出身議員、民進から出馬する予定で希望に移った候補者も死屍累々、酷いことになったのは間違いありません。結果的に、前原氏の下で選挙をしても、小池氏の下で選挙をしても酷かったのです。
しかもそういう間違えた判断をした人が、今後の方向性を決める、誰がそれをみとめるのか? ワンマン経営でもあるまいし、これだけ大きな判断ミスをしたのなら、もうその時点で終わりです。ただ逆に、往生際の悪さから前原氏は誰かと密約し、参院民進を希望に合流させるまでが計画だったことがうかがえる。それが小池氏との間だけなのか、それとも別の誰かがいるのか? 色々なことがこれから分かるのかもしれません。

それこそ自民がこの選挙結果に落胆していた理由、自民、希望、維新、改憲勢力だけで国会を牛耳るのが目的だったのなら、これは自民、小池氏、前原氏が仕組んだ壮大な茶番だったのでしょう。公明は改憲に「野党第一党との協議」を求めていたのであり、希望が野党第一党になれば反対できなくなる。解散から異様に早かった小池氏の動き、自民の総裁選に手を突っ込もうとしたり、公明の太田氏には候補を立てないなどした理由。優柔不断な前原氏が突如、素早くこれほど大胆な決断をした理由、改憲のための大同団結だったとすれば、非常に理解がしやすい。今日の前原氏の講演、政界再編論者でもある篠原氏との講演は、前原氏にとって本来、高らかな勝利宣言になる予定だったのかもしれません。
希望も議員総会を開いていますが、改憲大同団結が崩れた今、小池氏には国政で目的もない。再度の動きに期待をのこして「創業者としての責任」をもちだしましたが、それこそワンマン経営を認めたようなものです。かといって、小池氏が離れれば華もなく、ただの民進党出身者の吹き溜まりになってしまう。「政権交代は次の次」という言葉をそのまま引き継ぐしかなく、「私は辞める気はさらさらない。私に文句を言う人は排除します」といった方が、首尾一貫した態度になるのかもしれません。

こうした改憲大同団結を崩したもの、それが立憲民主の登場だった。誰かの描いたシナリオを書き換えた。だから政治に失望していた層が、一気に盛り上がった面も強いのでしょう。ただし「理念を貫いた」という言葉に囚われると、数を増やす機会を自ら遠ざけ、政権交代を狙いにくくもなるのでしょう。むしろ今、そう喧伝されていること自体、また新たに誰かが描いたシナリオかもしれない。むしろ当初「誰でも受け入れる」といっていた言葉を思い出し、寛容を旨としていけば、数合わせではなく数の論理として、政権交代を狙いやすくもなるのでしょう。金満経営の自民、ワンマン経営の希望に対するには、円満経営をめざす方が、立憲民主としてはより立ち位置を評価されやすいポジションになる、といえるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:21|PermalinkComments(21)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2017年10月24日

16連騰の日経平均

日経平均が16連騰です。ただし、盛り上がりにも高揚感にも欠けるのは、売買高が伴っていないからでしょう。今回の上昇局面で目立つのは、上に行かせたいときには為替をいじったり、特定の銘柄をあやつるなどで、買い方の弾不足です。それでも世界的な株高、という局面でもあって売りがでにくいから、上昇がつづいている。今はこの流れに乗る、という投資家も多く、積極的に自分たちが上げるつもりはないけれど、上がるならついていく。そんな態度でしかありません。そして今日などは、記録を伸ばすことでムードを壊さないようにしよう、という態度からか、最近は動きを手控えていたTOPIX先物を操作してきた。やはり弾はないけれど、何とかして連騰記録をつづけているだけ、にみえます。
今回の上昇相場、きっかけは以前も指摘した通り、北朝鮮の暴発懸念から、日本株への売りを回収する流れでもあったのでしょう。しかしある段階から、欧米の株高にキャッチアップする動きに切り替わった。外国人投資家は売り越しから、一気に買い越しまで来た。つまり当初は持ち分を減らす意図だったものが、いつの間にか持ち分を増やす流れに変わった。その変化の理由の一つに、衆院選があります。ただしそれは、金満与党による見せかけの上昇を演出するための株買い、を期待する流れだったと考えています。

安倍ノミクス継続期待、やら安倍政権の経済政策への期待、といったものが出るはずもない。なぜなら、自民党の公約にめぼしい経済政策もなかったから。むしろ財政再建を遅らせる、市場としてはマイナスの要因が大きかった。そうなると、よくて現状維持、悪くすれば景気の失速が意識されます。決して安倍政権への期待が高いわけではありません。
それは買いの主体が、当初は欧州系、途中から米系も参戦してきましたが、週明けになると日米合弁系のみが必死で買い支えている印象しかない。つまりこの二日は、ご祝儀相場風の演出を施されてはいますが、積極的に売ってこないから何とか単一の主体でも上げることができた、にすぎないのです。米株が下がっても、日本株が下げない。などとも喧伝されますが、この間に米国が連続して下げたのは9、10日の1回だけ。しかも値幅は14$ほどであり、翌日に上げれば、それを好感してまた上がる、という思惑も働くのでしょう。

バブルか、バブルでないか、その見方は様々ですが、個人的には不動産市場で先にバブルが起きており、株式がまだそれほどでない、といっても不動産市場に変調を来せば、株のバブルも終わるとみています。そして、米国ではICOと言われる企業の資金調達手法を、著名ファンドマネージャーが「詐欺」と断言するなど、不穏な動きもある。昨今のバブルの終焉には、必ずといっていいほど資金調達、投資手法などの問題がからむ。決してリスクは北朝鮮問題だけではないし、むしろそれなら回復も早いのでしょう。
安倍政権が選挙後、初めての閣議をひらき、昨日の安倍氏の会談と同様「謙虚」を合言葉にしてきました。しかしこれまで安倍政権は『牽強付会』をもって、憲政の常道をやぶってきたのであり、謙虚にメディア幹部とオフ会を開くと、これまでと同じ『謙虚オフ会』で『牽強付会』となるのでしょう。市場では謙虚さより、驕りによる上昇もめだってきそんなそうばました。連騰の先にめだつ世界、さらなる上昇の地平なのか、バブル崩壊による奈落なのか。米国でも同じですが、政権幹部の『検挙』が起こると、このバブルを崩すきっかけになりかねないことには、注意も必要なのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:09|PermalinkComments(23)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

2017年10月23日

衆院選の総括と接待

日経平均が15連騰と新記録です。ただし今日は、衆院選も終わって一服するだろう、という見立てで売り建てていたところに反対売買をださせようと、前場が始まる前から手ぐすね引いていた層がおり、日中はほとんど横ばいでした。市場については後にまとめてやりたいとは思いますが、まったく好感できない新記録は、熱気がないという以上に市場からはエネルギーを奪い去り、何の感慨もうかばないという皮肉な状況でもあります。

衆院選の最終結果がでました。自民285、立憲民主55、希望50、公明29、共産12、維新11、社民2、無所属22です。今回、少し見方を変えると自民が現状維持、立憲民主が躍進以外、どこの党も総じて議席を落とした。立憲民主には優しい風が吹いたものの、他は総じて無風、むしろ逆風に近いものです。それでも支持基盤の強固な、地力の差が今回の結果として表れていると感じます。ただし、共産が立憲民主に押され…は懐疑的です。
そもそも立憲民主は小選挙区64のみであり、小選挙区で立憲民主の候補がいないと、比例で立憲民主と書く有権者も多かった。立憲民主が小選挙区中心で、多くの選挙区に候補を立てられれば、比例に共産と書いてくれる有権者も増える。つまり今回、共産はババを引いたようにみえても、立憲民主を野党第一党に押し上げたことで次に期待がつながった、ということになります。しかし次に期待がつながらないのが、希望です。

自民大勝、とされる原因の多くは希望にあります。まず、解散の大義が問われていたところに、小池氏が「政権選択選挙」を提示し、一気に解散の意味付けができてしまった。これで自民の失点を消す効果があった。排除の論理をかかげたせいで、民進の大物政治家がもっている基礎票を、比例にとりこめなかった。結果、比例復活が妨げられた。この排除の論理は、驕りを嫌気されていた自民の助け舟となり、驕りの程度として、自民<希望にしたことは確実。つまり希望は自民の失点をことごとく消し、サポートしたのです。
つまり今回の選挙を総括するなら、言葉は悪くなりますが、保守を自称する幼稚な政治家が、保守を詐称するぐらいの知恵がまわる幼稚な政治家に立ち向かって、軽くあしらわれた。それが希望と自民の差、でもあったのでしょう。昨日の大敗をうけ、「排除の論理がまずかった」などという政治家は、もうその見立て、政治勘からして落第であって、こういうところが幼稚なのです。民進党は『政権をとったらどうしよう』病だと指摘したこともありますが、希望は『大物政治家が来たら、自分たちが党を主導できなくなる』病に罹った細野氏、若狭氏によって、今を壊した。大望をもつのはよいことかもしれませんが、それに対する戦略、態度が極めて幼稚だった、それがこの結果なのでしょう。

しかし安倍氏が最後の演説を行った秋葉原の光景は、安倍支持者は日々気持ち悪くなっている、と感じさせるものでした。それは横断幕を掲げる、国旗を振る、安倍氏にむかって黄色い声援をおくる。北朝鮮と同じ光景が、安倍氏の周りで展開されるのです。保守を詐称して支持を集めてはみても、本性である全体主義、極左的な態度はこうしたところに現れてしまうのでしょう。米大統領を歓待するのに、プロゴルファーまで使う。ゴルフのプレー代もそうですが、それも国費で賄われるなら、壮大な無駄遣いといえるのでしょう。国と国との関係が、接待ゴルフのような悪しき関係によって構築されるのは、日米とも幼稚なトップによる児戯、という形になってしまったからなのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:45|PermalinkComments(35)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2017年10月22日

第48回衆院選について

第48回衆院選、続々と結果が報じられていますが、午後7時半の段階で投票率が前回を6%近く下回り、期日前投票が多かったとはいえ、過去最低を更新しそうです。台風が直撃しているとはいえ、これだけ投票率が下がると組織票をもっているところが強い。そんな結果が見え隠れします。ただし民進が割れ、希望と立憲民主に割れたことで組織力が弱体化したはずの立憲民主が、票を伸ばしています。前回の参院選と同様、共産の組織力がのると低投票率でも戦える。そんな構図がより鮮明になった選挙といえそうです。

自民は現有議席を小幅に落としそうですが、政権は維持と報じられます。しかしそれは細田派、二階派が安倍支持を表明しているからで、党内の基盤が固いとみられるからですが、政権支持率は低落中。今回、大勝してもこの流れは変わらないでしょう。すると、支持率からレイムダックになるのがいつか? 恐らく通常国会を経る段階ではそうなる見込みであり、そうなると自民党総裁選は当然、勝てなくなります。安倍氏としては、改憲は争点にしにくいので、昨日も指摘したように北朝鮮の暴発待ち、といった考えがうかがえます。
しかし自民が候補者調整がつかなかった選挙区で、ダブルで議席を落とすケースもうかがえます。特に神奈川4区、浅尾氏がいる政党は政権をとれない、という浅尾の呪いのジンクスで有名ですが、自民公認が得られず、無所属での出馬となったものの元防衛副大臣の山本氏と共倒れになりそうです。ここは立憲民主と希望、自民の2候補というある意味興味深い選挙区でしたが、立憲民主の早稲田氏が伸びており、これが一つの教訓ともなりそうです。つまり自民といえど、票が割れたら勝てない、ということです。

今回、事前に与党勝利が伝えられており、注目は野党です。希望と立憲民主が争う、といいますが、235も候補を立てた希望と、78の候補の立憲民主では当選率に大きな差があります。立憲民主は15から躍進、といっても元職が多いという面もありますが、とにかく立憲民主の躍進がめだつ。失点つづきの希望、加点が多かった立憲民主、当然そこには勢いに差がでるものですが、選挙後に割れそうな希望、筋を通してまとまった立憲民主は堅そう、というイメージもあったでしょう。それはまさに選挙後の枠組みにも関わります。
維新幹部が、自民党入りを示唆したようです。単独で法案を提出できなくなったら、じり貧になるということでしょう。しかし希望の股割きは、結果的にそういう状況をうみだすかもしれません。野田元首相の「股はくぐらない」発言もありましたが、その股は三つ、民進への出戻り、希望として存続、そして自民党入り、です。泥船になった希望、小池氏がさっさと飛び降りるのでは? ともされており、そうなると狩場になることでしょう。希望が失望となり、絶望となって死亡となる。そう語られますが、最後に民進の政党助成金を泥棒できそうにないことで、分断は必然となるのでしょう。

最終結果は分かりませんが、立憲民主が野党第一党になると、与野党間の協議では立憲民主が野党の立場で自民と対することになります。そこで改めて手腕が問われることになっていくのでしょう。しかも、今回は選挙に勝ったとはいえ、自民は責めどころを残したままです。上手くやれば、次で政権交代を狙える立場までいくことでしょう。
安倍自民は「安倍ノミクスの加速」を掲げました。しかしすでに青息吐息の日銀は、すでに国債の購入を手控え始めており、徐々に世界は金融正常化に向かいつつある。安倍ノミクスの終焉、凋落まで安倍氏が面倒みる、ということなら今回の選挙結果にも意味があるのでしょう。安倍氏にはいいとこどりだけして、逃げることは許さない。小池氏には、いいとこどりを許さない。この選挙がそうしたことを示すなら、次の選挙には誰のところにいいとこ鳥が舞い降りるのか? その結果も違ってくるのでしょうね。

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2017年10月21日

明日の投票日を前に

今回の衆院選、異例なことが起こっています。期日前投票に長蛇の列、とも報じられますが、明日が大荒れになるからといって、これまでなら雨なら投票に行かない、という人が多かった。しかし投票に行こう、との呼びかけもあって、とにかく行く、と考える人が増えているのです。そうなると投票率が上がってくる。そしてもう一つ、今回はまだどこに投票するか決めていない、という人も多いように感じます。
野党が公示直前までバタバタしていた、というのもあるのですが、与党も内情は複雑です。創価学会は都議選の都民ファ支持で、自民と対立したことも一つですが、最近の自民への阿諛追従ぶりに支持できない会員も増えています。自民も、これまで金融業界は自民支持も多かったのですが、銀行業界は収益環境を奪われ、さらに当座預金をタダで儲けている呼ばわりされ、自民に深い恨みもある。証券業界も、株高でも増えない取引に、収益の改善がみえず、懐疑的な見方が増えている。建設業界も、相続税対策のマンション需要や、アパート建設が一巡したらどうするのか? すでにピークを過ぎたとされ、五輪特需後の建設需要について、深刻な事態が待ち構えていることで見方が変わってきた。財界でさえ、ばらばらになりつつあり、最後まで投票先に悩む、ということが与野党ともに起きているのです。

若者に自民、安倍支持者が多い、という話があります。しかしその理由とする安倍政権が北朝鮮への対応として行っていることは、戦前の米国が日本にしていたのと同じです。あの国は何をするか分からない、野蛮だ、として圧力、制裁をかけた。日本が真珠湾に先制攻撃をしかけると「リメンバー・パールハーバーを合言葉に、国を一つにまとめて戦争をした。これも敵をつくって自分の支持に結びつける、という政治手法の一つであり、しかもこの手法の問題は、必ず最初に犠牲になる者が必要、ということです。
しかも安倍政権は、頑なに米軍基地を沖縄に張り付けておく。北朝鮮が最初に狙うのは米軍基地、つまりその周辺住民は犠牲になることを知って、北朝鮮を追いこもうとしているのですから、安倍政権の狙いははっきりしています。もし北朝鮮が暴走したら「リメンバー・沖縄」を叫び、国民の支持をとりつけて北朝鮮と戦争したい、ということなのでしょう。そうすれば経済が壊れ、政権が行き詰まっていても支持率が急回復するかもしれない。これは北朝鮮が暴発をする前に、米国が仕掛けても同じでしょう。本土攻撃は極めてダメージが大きいものの、一つの島なら犠牲にしてしまおう。安倍政権の態度には、そんな意思が強くにじんでいます。安倍氏は圧力をあけて、北朝鮮の政策を転換させる、といいますが、独裁国でそうなる可能性は極めて低いのですから。

フランス革命の思想的支柱、として挙げられるのはルソーともう一人、ヴォルテールですが、そのヴォルテールの『ミクロメガス』で、人類の生活は戦争と殺人が支配している、といわれた言葉に反論する一節があります。「兵士や殺人者たちは刑罰に値しない。むしろ刑罰をうけるのは、宮殿の中で安住しながら数百万人の血をながすことを命令し、かつその結果に対して恭しく神に感謝をささげている、あの怠け者の野蛮人なのである」というものがあります。ヴォルテールは偽の告発で逮捕され、獄死するという事件が発生すると、告発者を非難し、「破廉恥漢を打ちのめせ」という標語を何度も叫ぶなど、規制のキリスト教に対して、権力に対して激しく糾弾したことでも知られます。
彼のもっとも有名な言葉は「神がいなかったら、新しく考えだす必要がある」でしょう。自分が信じていたものでも、それが違う、実は神ですらなかった、というのなら、また新たにどんな神なら崇拝できるのか、を考えだせばいい。実は、選挙とはそういう行為でもあります。もし投票先に悩んでいたら、自分が崇拝…この場合は支持できるところがどこか、それを探す行為でもあるのです。それは決してつらい作業ではなく、むしろ楽しい作業として行われるべきなのでしょう。そして、自分が見定めた神が、期待通りに仕事をしてくれるか? それを見極めて、また次の選挙では「新しく考えだす」のか、を考えることができるのです。今の日本、何が正しいか、すら議論されることも少ないように感じますが、宮殿の中で怠けている野蛮人が一体誰なのか? そのことだけでもしっかりと確認して、投票するようにしたいものですね。

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2017年10月20日

雑感。経世済民

米上院で予算決議が可決し、円安、株高がすすんで日本株は14日連騰です。しかしこの米予算決議がくせ者で、本来上院では100議席中60議席で通過できるのですが、税制改正法案に限って50議席以上で通過できるようにするもの。これでトランプ減税に弾みがつく、というのですが、オバマケアの改廃案も同様に予算決議が可決したものの、共和党の造反によって成立していない。トランプ減税法案にも、共和党から反対の声が上がっており、それをどう説得するのか? 今はまだその見通しすら立っていない状況です。

神鋼の不正データ問題、社長が「これ以上ない」と会見した次の日に、問題がさらに拡大するなどしてきましたが、ついに社員による妨害があった、と報じられます。品質管理を低下させる、それは企業にとってコストを低下させ、業績を大きく押し上げる。だからこそ一つで起きていることは、横断的に行われている可能性が高くなる。なぜなら、バレるまでは収益を改善した功労者として、会社から好意的な評価をうけられるからです。
しかし米国まで調査を行う、という。米国の利益を最大化するために行動する米国にとっては、神鋼からも賠償をとろう、と狙っているのでしょう。特にトランプ氏は米鉄鋼業界や石炭産業など、オールドエコノミーの復活を唱えて当選した人物であり、日本の鉄鋼メーカーがつぶれた方が、正直メリットがあると考えがちだからです。エアバッグの問題でタカタを攻撃したのと同じで、とことんやってくるかもしれません。

よく言われることですが、経済という言葉は『経世済民』を略したものです。これは世を治め、民を救う、という意味であり、それをエコノミーの訳に当てました。政治という言葉はまつりごとを治める、であり、政治よりも経済の方が、民を救うことを目的としているだけに、重要だというのです。しかし考えてみれば、政治を行うためには経費がかかる。それを得るために経済を活性化することは、必須と言ってもよいことです。
しかしここに来て、日本企業の不祥事が相次いでいます。本当に企業が高収益体質に移行しているなら、どうしてこんな不正に手を染めるのか? 逆に言えば、不正をすることで収益を確保してきたのではないか? そんな疑問もわきます。日本の企業はROE(自己資本利益率)の低さを常に指摘されてきました。小泉政権になって、市場原理主義が強化され、それを改善する試みとして、安易に不正に手を染めることが増えたのではないか? そう疑わざるを得ない、とも感じます。実際、そのころは経営が傾く企業も多かった。それは金融機関に不良債権の整理を迫り、企業の資金繰りが大きく悪化した時期でもあり、竹中改革の一環として行われたことでもあったからです。

安倍政権でコーポレートガバナンスコードが出されましたが、結果的に日本企業はそれを遵守できていない、という問題が今回も露呈しました。結局、社外取締役を増やしたものの、日本ではまったく機能していないケースが多く、むしろ高給取りの役員が増えただけ、富裕層の再雇用制度、などとも揶揄される始末です。日本では経世済民が『傾世裁民』、つまり世が傾き、民が分断される、という意味での傾裁となっているからこそ、おかしくなっている、ということも言えるのでしょうね。

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2017年10月19日

安倍氏の語る経済政策の成果

安倍自民総裁が「政策が正しければ経済成長する。株価も上がる」と述べました。正しい? というのは違和感があります。日銀が国債を買い、株を買い、REITを通じて土地も買う。それが正しいのなら、各国がそうするでしょう。しかし緩和策として欧米がとったのは国債の購入だけ。そして今は正常化へと向かう流れの中、日本だけが取り残された状態です。つまりそれは世界からみて、日銀のやっていることは異常で異様、ということなのです。

日銀が緩和をすると、海外の不動産が爆騰する。これはアノマリーではなく、資金の流れが大体解明されています。以前の量的緩和時と比べ、円キャリートレードが増えているわけではありませんが、今回は世界的な金余りを生んでおり、それが株にしろ、不動産にしろ価格を引き上げている。資金の調達先と、運用先と、グローバルな中で異常なことをしている国があれば、それを利用して儲けようとする。そうした流れがあります。
しかも、日銀の黒田バズーカは『脱デフレ』を目標としたもの。欧米のように、金融不安がある中で行われたものではありません。そして政府は今、「デフレでない」としますが、むしろデフレに逆戻りしているような状態であり、目標は未達なのです。これで経済成長をしているから、株価が上がったから、というのは副作用に喜んでいるようなもの。つまり腹痛だからといって薬を飲んだら、五十肩が治った、といって喜ぶようなものです。決して腹痛が治っているわけではないのに。

訪日外国人客が、民主党政権時代は800万人、今は2400万人としますが、これも海外の不動産価格の上昇などにより富裕層が拡大、その恩恵をうけている部分が大きく、副作用による効果、といえます。また労働者が280万人拡大した、といいますが、これは高齢者と女性の雇用が増えた、低賃金労働者層が拡大しているだけ。世帯主がそうして賃金を引き下げられ、妻がパートなどの働きにでているケースも多く、決して雇用が増えた=家計が潤う、という話でもない。これなど例えば、薄毛に悩む人が増毛剤をつかったら、黒く太い毛がさらに抜け、産毛が増えた。しかもその産毛が黒く、太くなればよいのですが、そのまま抜けていく運命にあります。決して評価できる話ではありません。
今日、日経平均は13連騰ですが、これをバブルでない、という人は業績の裏付けがあるから、とします。しかし企業とて富裕層の一種であり、株も土地も多くもつ。富裕層により富が集中するように、企業も同じ流れの中にあるのです。つまり株価が上がる→業績が改善→株価が上がる、という連関をしているだけであって、株価が下がると業績の裏付けも失うのです。こうして目くらましをし、バブルを「そうでない」などという人がいる間は、それがバブルと気づけない。これは歴史上くり返されてきたことです。

安倍という医者が、日本を診断したらその罹っている病気、国難と言い換えてもよいですが、それに処方箋を書いた。しかしまったくそれが効果がないばかりか、意図的か、そうでないかは別にして副作用がでて、病気が治っていないのに空元気をだせるようになった、というのが現状でしょう。しかし元々罹患している病気が死に至るようなものだった場合、いずれにしろ日本は不健康、といえます。日本に打たれた劇薬、その効果と副作用について正しい認識をもたないと、それこそ突然死することも意識しなければいけないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:30|PermalinkComments(35)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 一般

雑感。選挙とフェイクニュース

昨晩は大型アップデート、とやらで時間がかかりそうだったので、今日は早起きして記事を書いており、簡潔にします。

朝日新聞の世論調査がでました。恐らくここから終盤、各メディアも最後の調査だと思われます。政党支持で希望を逆転した立憲民主ですが、小選挙区で投票したい、という政党では希望が9、立憲民主が7です。これは自分の選挙区には立憲民主の候補がいない、という判断があると思われますが、比例区では希望が11、立憲民主が13となっており、小選挙区でとりこぼしても比例では復活できる公算も強まっています。
ただし、ここに来て「立憲民主は票が集まりすぎてムダ票になる」などという話が流されています。こうした話も、恐らくは特定のサポーター集団が、某党を利するために流したものと思われ、拡散の仕方をみてもそういう形を推測できる。今、日本でも米国の大統領選のように、露国の介入があることも想定しないといけません。なぜなら、西側諸国が制裁をくわえる露国に、唯一といっていい経済協力をすすめる国、それが日本、安倍政権です。露国がそれを推進したい、と思えば自民党を勝たせるために、様々な情報を流してくるでしょう。

日本でも情報源を調査し、それがどういった形で流されているのか、フェイクなのか、といったことを監視する必要があるのかもしれません。例えば炎上に加わっているのは数%のネット利用者、という話も同じで、実際にどういう形でそれが起きるのか? 解明しておくのは決して無駄なことではありません。そして、そんなこともできていないのなら、いくら日本の安全は大丈夫、などといっても眉唾、といえるのでしょう。
今年に入って、自衛隊の事故が相次いでいます。理由は色々とあるでしょうが、一つには高価な兵器を買う代償に、隊員が訓練する費用や古い機体の整備費用が削られている、ということもある。そして高価で、高性能な兵器を買えば、それはさらに隊員への負荷ともなってきます。Jアラートをかき鳴らし、国民の不安を煽る安倍政権では、それを正当化するために自衛隊を酷使しがちです。結局、そうやって自衛隊が疲弊すれば国も守れない。国を守るとはどういうことか、今一度考えておかなければいけません。インターネットの情報も同様、国は未だに米国の事象を先例として、警鐘を鳴らすことをしていない。それは自分たちに都合よいから、あえて警戒、警報を鳴らしていないかもしれないのです。Wi-fiの脆弱性の警報も大切ですが、フェイクニュースによって国の政治が壟断されてしまう恐れ、選挙期間であるだけに、そうした警報も必要なのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 05:38|PermalinkComments(2)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2017年10月17日

中国と安倍政権

露国で開かれているIPU(列国議会同盟)の会議で、日本が求めた北朝鮮の核非難決議は、中東の反対で拒否されました。先に露国とサウジが兵器の輸出で合意しており、露国の意向が中東に通った、ということだとしても、これが安倍外交の限界ともいえるのでしょう。親日国が多い、とされる中東でも、カイロでの演説でISから敵視されるなど、決して安倍氏の評判がいいわけではない。国際社会から協力が得られている、といっても結局はこうした会議でも日本は主導できない。そんな弱さ、脆さが垣間見られます。
しかもこの報道、一部ではニュースとなったもののネットでは拾えず、新聞も報じていません。情報統制? とも勘ぐれます。北朝鮮と韓国の話し合いは、韓国が前向きだったものの北朝鮮が拒否。ただし露国の顔を立てたのか、立ち話は行われた、という報道も同じです。こうした世界情勢について、きちんと伝えないと国民の正しい判断に資することもできないはずですが、まだメディアの呪縛は残っているようです。

あくまで個人的見解として、自民の安倍政権は急進左派に属す、と考えます。驚くかもしれませんが、情報統制と全体主義、共謀罪などによる密告制、個人の自由の制限、軍事強化と財界との結びつきなど、民主化後の露国や中国と、驚くほど似ています。左派というと人権派、というイメージが強いですが、一周回ると人権を無視した全体主義に走りがちです。これまでも天皇家などへの態度など、保守としてあり得ないことをくり返す安倍政権は、どう考えても右派に分類することが難しいのです。
そんな中国では、明日から共産党大会です。習近平氏に注目が集まりますが、虎退治として腐敗撲滅を訴え、国民の支持を得て独裁体制を築く。さらに共産党による起業家の促進として補助をだしている一方、国の有力企業へも出資を通じて支配力を強めようとしている。中国のネット企業が国の出資を受け入れれば、国民の個人情報は国にダダ洩れの状態となるでしょう。中国は一時期の経済の好調さも陰りが見える中、国家統制を強めようとしている。ただし、この共産党大会をめざして香港株は上昇をつづけてきており、人民元も安定させている。そういう意味では、中国当局の資金力にはまだ余裕がある、と言えそうです。

それは安倍政権にも言え、選挙戦の終盤になると、必ずといっていいほどネット記事では自民の広告ばかり表示されるようになります。今日は新聞の折り込み広告まで入れたようですし、新聞の一面広告も他党に比べて圧倒的に多い。企業献金の額も圧倒的に多く、政党助成金も多い自民党は、金満型選挙の典型ともいえるのかもしれません。
ソフトな国家統制と、自由主義経済を取り入れることが、成長という側面ではかなり有利に働く。戦後の日本や開放路線の中国が、端的にその効果を示すのですが、必ず失敗する宿命もある。それは人の欲望が、自制的な態度を失わせて統制を強めすぎたり、弱めすぎたりすることで起こる問題です。経済が高成長路線から安定期に入った、とされる中国ですが、そういうときに現れた独裁的体質が、実は混乱を生む可能性を強く示唆するのかもしれません。一強とされる安倍政権も、この5年で経済的な膿は多くたまってしまった。日中とも、政治が安定として評価される面がある一方、個人崇拝に陥ると、政治の暗転がある日突然、訪れることにもなる。共産主義体制からソフト路線に転じて成功した中国と、自由主義から全体主義へと転換しつつある日本と、ともに政権を担う政党が金満、というのが示唆的でもあるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:15|PermalinkComments(41)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | アジア

2017年10月16日

欧州と日本の選挙

米軍機が日本上空の訓練で、フレアと呼ばれる熱探知ミサイル回避用の、熱源を飛ばしたことが報じられます。通常の訓練では海洋で飛ばすものの、空中で燃え尽きるから地上でも問題ない、としますがとんでもありません。燃えカスは落ちてきますし、何より成分は何なのか? 沖縄で墜落したヘリも放射性物質が用いられていた、というように少量で瞬間的に高い熱量をだせる燃料、人体に悪影響があるものであっても、決して不思議ではありません。日本政府が今から確認する、ということは事前通達もなく、また詳細な説明もされていなかった、ということを日本政府の慌てぶりが示すのでしょう。

一部の世論調査で、ついに立憲民主が希望を政党支持率で逆転してきました。希望の凋落ぶりが鮮明となってきましたが、こうなるとますます反自民の受け皿として、立憲民主が伸びてくることが予想されます。勢いを失った希望が、地盤である東京に力点をシフトしたことも影響するでしょう。こういうときに何の策もなく、ただ防戦に回るようだとさらに勢いを失うものです。味方の戦意がくじかれるからで、こうしたものも軍師のいない陣営では起こり得るのであり、まさに希望がそんな状態に陥っているのでしょう。
期日前投票の投票率が上がっています。週末は台風の影響で天候が荒れるから、その前に済ませておこう、という有権者もいるでしょうが、そのまま読むなら投票率も上がってくる可能性が高い。そうなると野党に有利とみられます。さて、選挙の終盤戦ではどこまで盛り上がってくるのか、選挙戦への国民の関心が高まるのか、それが結果にも大きく寄与してくることになるのでしょう。

そんな中、オーストリアで行われた選挙で、31歳のクルツ党首率いる国民党が第一党となりました。今年、欧州は選挙イヤーでしたが、英国以外はおおむね想定通りだったように感じますが、それでも極右勢力や右派の伸張がめだってきた。それがここに来て、また流れが少し変わった印象をうけます。
日本株も10日連続の上昇ですが、欧州もそろって株高、最高値を更新し続けています。むしろ欧州の株高が日本にも波及している、という状況です。経済は堅調、株も高い、これは現政権にとっての追い風になりますから、むしろそう誘導されてきた、といっても過言ではないでしょう。ECBは今年、テーパリングに踏み出しきれなかったのもそのためです。しかしそんなに経済が好調で、株も高いなら緩和などつづけるべきでない。10月から始まった米FRBのテーパリング、そして来年には始まるとされるECBのテーパリング、何とか今年まで、選挙イヤーの欧州で経済面から影響を与えないように、として耐えてきたものが来年には大きく変わってきます。

今の市場はそのラストスパート、最後の宴を享受している段階です。日本の選挙では与党優勢が伝わりますが、もし安倍政権継続なら、嫌が上でも安倍氏が安倍ノミクスの最後、凋落までみとどけることになるのでしょう。そもそも、選挙戦終盤にも関わらず政権は不支持率の方が早い。選挙に勝利した途端、レイムダックになることが確実です。元々、テーパリングのtaperは『先細り』という意味です。世界経済は先細り、欧州でも少数与党が誕生して連立に苦労し、日本でも弱体政権がつづくことになります。
人為的にめくらましをかけて、世界は逃げ切りをはかろうとしたら、逆に不安定化を招いてしまった。それはフレアみたいな、誘導弾を人に対してつかったことで逆に追いこまれる、ということになるのかもしれません。flareなら『炎』ですが、flairなら『勘』です。今から『勘』を目くらましされないよう養っておかないと、これからの激動の時代に右往左往させられるだけ、になってしまうのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:59|PermalinkComments(20)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2017年10月15日

雑感。政治と色

衆院選前のラストサンデー、というより選挙期間で一回しかない日曜日です。そんな中、小野寺防衛相が官邸を離れ、神奈川で応援演説を行いました。山本副大臣を代理として官邸に配置しているから問題ない、としますが、そんなことを言ったらずっと代理で十分では? と感じます。逆に、中途半端にこの日はいい、この日はダメ、という理屈が分かりません。結局のところ、北朝鮮の脅威を訴えるのも選挙のための出まかせでは、と感じさせます。安倍政権では度々こうしたことが起こりますが、何を守って、何を守らないか、その区別がついていないことを、こうした一連の事象は示すのでしょう。

しかし今回、興味深い選挙戦の構図がみられます。立憲民主に保守系の論者が応援演説に入っているのです。リベラル、ともされる立憲民主ですが、右でも左でもない、とするように決して議員のメンバー構成は左ばかりではない。しかし保守的傾向が強いわけでもないので、保守系の論者が協力する理由はただ一点、自民が保守でなくなったから、です。そして立憲民主が反自民の受け皿たりうる、そう考えているのでしょう。
さらに日本のこころの中野代表が度々、もう党は終わる、といった発言をする。知名度のある中山氏が去り、党の存続が危うい、と感じているのでしょうが、選挙戦に突入する前からの発言であり、正直こんなことを言っていたら、ますます投票する有権者が減ってしまうでしょう。これでは一矢を報いることすらできそうにありません。

そして同じ轍を踏むのが希望です。各社でも各選挙区での情勢調査もでていますが、まったく芳しくない。以前も指摘したように選挙戦術のまずさ、自民との連携話も含め、党が割れる可能性も感じさせる。細野氏が今日のTV番組でも「民進にもどることはあり得ない」としましたが、結党メンバーである細野氏は、完全に民進と決別していますが、民進から公認を得られず、仕方なく希望からでたメンバーがどうするかまで、縛る権利はありません。それこそ踏み絵を盾にとるなら、ますます人心は離れるでしょう。
本来、保守系の論者は『改革保守』を標榜する希望を応援する、とみられていました。しかしそうなっていない。それは希望が、保守からも保守とみとめられない勢力、むしろ日本のこころが消滅したら、その後釜として極右の立場となり、保守とは一線を画す、とみなされつつあることを示すのかもしれません。保守から、そして政治から「心が失われ、希望が消えいく」というのが、日本の趨勢ということかもしれません。個人的には、決して自民は保守というくくりではない、と考えていますが、政党の色分け、実は考えているものと少し異なるのかもしれません。

私がイメージする政党の色は、自民=黒、希望=緑、共産=赤、立憲民主=青、維新=黄、社民=橙ですが、選挙後にこれがどう変化するのか? ちなみにマヤ文明では、緑と青は同じ文字で、区別されていなかった。また黒は太陽が入る場所、西をイメージするもので、死や戦争を意味していました。マヤは古代文明の中で、もっとも天文に秀でた文明です。さて日本の政局、選挙戦は残り1週間でどう変化するのか。注目度が高いだけに、興味深いといえるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:37|PermalinkComments(32)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2017年10月14日

米国の動きと北朝鮮

民進の前原代表が、参院民進による民進再結集論に対して「両院議員総会の決定は重い。希望で審判をうけたら、その政党でやるべき。有権者を愚弄している」と述べました。しかし自身が嘘をつき、議員を愚弄した前提はすっかり忘れているようです。民進で公認をださない、としたから多くが移ったのであり、しかもその希望は踏み絵を迫った。つまり参院でも希望に移れない議員は当然でてくるわけで、それなのに「俺に従え。守ってやらないけれど」と述べていることになり、とんでもないリーダーと言えるでしょう。
最近、ジャーナリストの田原氏なども選挙をする大義として、11月に米朝緊張説を唱えています。しかし有事に政治的安定が必要だから、とする理由はおかしい。もし与党が大敗すれば、その時点で安定が損なわれる。また選挙まで1年以上を残しており、選挙前にはごたごたする、というのは半年以上先だったのです。逆に、もし11月に有事があるなら、この時期は最大限に警戒して準備しておかなければならず、その話が本当なら安倍政権は解散をしてはいけなかった、となります。

11月に米朝有事、という話もどこまで信ぴょう性があるのか? 今、米国ではイランとの核合意を見直す話がでています。もしそうなれば、イランは再び核開発を加速させ、今のうちに最終工程まですすめようとするでしょう。米国が勝手に合意を見直すのですから、当面は経済制裁もない。核開発に必要な部品を輸入することもできてしまうのですし、露国、パキスタンなど、技術を売りたい国は少なくありません。
そうなると中東の緊張はより高まるでしょう。シリア問題は、トランプ政権が反政府組織への支援をやめたことで、ほぼアサド政権が勝利するとみられていますが、イランの問題はイスラエルが絡むだけに、かなり拡大する可能性があります。そして先制攻撃により、核施設をつぶしたいイスラエルを抑えこむことは、トランプ政権ではできない。イランとの核合意の見直しは、自ら中東の緊張を招き、米軍をくぎ付けするほどの問題に発展しかねないのです。そんなことをしておいて、さらに北朝鮮に戦争を仕掛ける、といった多方面作戦ができるのか? ハリケーン被害への対応は一息つきますが、アフガンの増派もしていますし、そんな余裕が米軍にあるとは、到底思えません。

むしろ、何でここに来て北朝鮮がおとなしいのか? 10日の労働党創建記念でも何の動きもなく、このままなら米国も有事をおこす大義にかける。制裁が上手くいっていない、という事実でもあれば別ですが、それが判明するのはもう少し先でしょう。来月のトランプ氏による東アジア歴訪、ASEANへの出席でお墨付きを得て、愈々…という話だとしても、中露がお墨付きを与えるとは、到底思えないということもあります。
11月、もしあるとしたら逆にトランプ氏による電撃訪朝。北朝鮮とのことは話し合いで解決し、中東問題へ本腰を入れるのではないか? 今のトランプ政権の動きをみると、それを目指しているとしか思えません。ティラーソン国務長官の退任も囁かれながら、ティラーソン氏が我慢しているのも、話し合い路線を堅持している彼が、この北朝鮮作戦の肝だから、とみられます。11月有事があるとしたら、市場がそれを無視しているのも不可思議なところでしょう。むしろ市場は北朝鮮問題は解決、もしくは凍結で一段落、そう織りこんでいるとしか思えません。リーダー(Leader)としての決断、それは常に重いものですが、それを周りにいる者が正しくリーダー(Reader)にならないと、自分が被害をうける場面もでてきてしまう。トランプ(Trump)がトランプ(Tramp:放浪者)になったときは要注意ですが、Tromp l'oeil(トロンプ・レイ:だまし絵)だとしたら、11月に起こることは喧伝されていることとは真逆のことになるかもしれないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:24|PermalinkComments(35)このエントリーをはてなブックマークに追加 アメリカ | 政治

2017年10月13日

株式市場の上昇と日銀

広がる神戸製鋼の製品データ改ざんの問題。売り上げの4%としますが、本当にそれだけで終わるのか? 品質管理部が横断的なら、一部で都合のよいやり方が横行し、それで通用するのであれば多くの製品でも真似ているでしょう。五月雨式に情報がでてくるのは、それこそ問題がある部分とない部分、切り分けが難しいのでは? ともみられます。
しかし神鋼といえば、安倍首相が3年間サラリーマンとして勤めたところです。モリカケ問題が取り沙汰される中、出身企業でも不正が発覚したのは示唆的かもしれません。社会的な経験を積ませるため、政治家の子息をしばらく企業で働かせる、当然受け入れる企業も見返りを考えてのことです。政治家とのつながりをもって栄えよう、などという企業、組織はそもそも考え方が腐っているのであり、下地はあったということなのでしょう。

株式市場は21年ぶりに日経平均を21000円台に乗せました。総選挙での自民勝利に安心感、などと理由を語る人もいますが、これまで不安で一度も下げていない、またそれは現状維持と同じであり、高値をとる理由でないのにかかわらず、ここまで強い、ということを何も説明していません。マル政マネーの動きを囃し、選挙期間中は与党が株価を下げさせないだろう、とみた海外勢が買いで仕掛けている、というのが正しいのでしょう。
最近はこうした、株価の上昇を説明することができないケースも目立ちます。IMFが景気見通しを上昇した、で株価が上げる。実際には追認しただけで、市場はすでに織り込み済みだったはずです。またもたざるリスクで買い、などはそんな判断で買っているところは聞いたことがない。もしそんなところがあったら、高値掴みですぐにファンドなど閉鎖していることでしょう。今日はマイナーSQを除いても3兆円近い出来高がありましたが、これまで売買がスカスカだった点をみても、市場の実勢をみているわけでもない、単なる選挙イベントに乗っかった買いは、今日が一旦のピークという感じです。

G20において、浅川財務官が「金融正常化は世界経済の下方リスク」と述べました。しかしこれは当たり前で、世界経済を下支えするために異常なことをするのであり、正常化によって下支え要因がなくなる。しかしそれを恐れて動かない、とすれば、いずれ起こるのは「金融緩和は世界経済を崩壊させるリスク」を招くことになります。
実際、日銀は国債購入を控え始めており、年間80億円から、このままだと60億円ぐらいになるのではないか、とされます。しかしETF購入は続けている。シャドーテーパリングともされるこの手法、先に見直すべきは20年ぶりの高値、とされるETFの買いです。なぜならETFの購入は市場に資金を供給する、という説明がされるだけで、脱デフレに寄与する経路は何も説明がないからです。つまり市場を下支えすることだけが目的、という以外になく、日銀による株式市場の操作は、より正常化のリスクを高めるだけなのです。

銀行という文字、明治初期にbankの訳語を考えた福沢諭吉らが、中国で銀本位制をとるなど、当時は銀の取り扱いが多かったことから『銀』行とした、ともされます。しかし今、日銀は500兆円に近い国債を保有し、株式市場では最大の買い手となっている。日本銀行どころか、今や日本金持ち行になっています。『銀』という字の右辺は『艮』ですが、これは人が目を後ろ向きにしている様の象形であり、そむく、とまる、という意味があります。金が背く、金が止まる、いずれ日銀もそんな事態に見舞われる恐れ、実は明治時代から想定されていた、ということになるのかもしれませんね。

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2017年10月12日

選挙戦序盤の情勢調査について

世界の都市総合力ランキングで、東京が去年につづき3位、と報じられます。しかし雅楽とデスメタルを無理やり並べてランク付けしたとて、誰しもピンと来なくて当然です。例えば交通・アクセスで東京は点数を伸ばした、としますが、東京の地下鉄は複雑で、日本人でさえ迷うほど。それが改善したようなことはないのに点数を伸ばしている。要するに、数字を丸めるために色々と操作できるので、順位に特別な意味はないと言えます。

選挙序盤の情勢調査がでてきました。概ね『自民300をうかがう』『希望失速』『立憲民主に勢い』との論調です。ただ希望は100〜60と予想範囲も幅広く、この辺りは情勢を読み切れていない面も映すのでしょう。そして、このタイミングでこの報道を横並びで流した、という効果は正反対で二つ、考えられます。もう選挙に行っても情勢は変わらない、として無党派層を諦めさせる効果。もう一つは、これは大変だ、と無党派層を喚起させて反安倍、反自民票を呼びこむ効果。どちらになるかは今後の情勢次第、なのでしょう。
党首討論が各メディアで行われています。その中で割合が、フジの新報道2001ではモリカケ問題6%、経済政策・税制改革で73%、TBSのNews23ではモリカケ問題32%、政界の枠組み35%、テレ朝の報道ステでは6割がモリカケ問題、残りは憲法9条となりました。報道ステを非難する人もいますが、恐らく各社で色を別けたのでしょう。逆に、かぶっているのがモリカケぐらいなので、約1時間の中で各社でポイントを別けた、と読み解けます。

しかし希望の戦略ミスが目立ちます。排除の論理で自ら1対1の構図を否定し、政党が分散してしまったこと。また小池氏に期待する女性票は寛容を好むのに、これで逃げてしまったこと。政権交代をめざすのに首班指名でサプライズをだせなかったこと、などなど数え上げればキリがありません。これだけ失敗を重ねても、民進や自由で議席をとっていた議員なら挽回も可能ですが、新人は厳しい戦いを強いられています。
一方でここまでミスがほとんどないのが立憲民主です。情報発信を枝野氏に一元化し、参院議員の福山氏を幹事長にして事務処理を安定させた。連立の枠組みを問われても「どことも組む気はない」とし、選挙の勝利を最優先させた。誰でも受け入れる、というのも女性票をつかむものです。判官びいきばかりでなく、こうした戦略の巧みさ、これが短期決戦において有利にならないはずもないことを、この調査は示すのでしょう。

ただ不可思議なのは『維新は埋没』とされますが、希望との連携でこれほど国政選挙で取り上げられたことはなく、むしろメディア露出は増えた。しかし勢いがないのは、希望の戦略ミスと同時に、堺市長選でも敗北したように、大阪での人気に陰りが見えてきたことが要因です。大阪で上手くいった、上手くいった、とアピールするのも府政に不満をもつ有権者からみれば、批判的な見方を増やす要因となっています。
『共産は立憲民主に押され…』というのも、懐疑的です。選挙で連携する関係であり、もし立憲民主に票を奪われ、自分たちが議席を落とすなら、それは連携の仕方が不味い、という話です。小選挙区では被らないけれど、比例で伸びていない、というのなら、それは共産としてのアピール不足でしかないでしょう。党のHPに掲載される選挙公約も味気ない、と指摘していますが、もう少し広告宣伝の戦略を立てないと厳しい、という話です。

序盤は無党派層が動かない、特に希望と立憲民主と、反自民票が分かれる形なので、現状では態度を表明しない人も多くなったでしょう。そしてその効果で、確実に見込めるのが無党派層の反自民票が、雪崩を打って立憲民主に流れるかもしれない、ということです。どうせなら勢いのある方に、そうした効果は確実にでるはずです。まだこの数字はいくらでも動いてくるでしょう。沖縄で墜落した米軍機も、調査には織り込まれていないはずです。ユリのミス、ともされる選挙戦術をどう挽回するのか? 自民のモリカケ隠しに希望のドタバタが大きく寄与した、ともされるだけに、モリカケを再び選挙戦の焦点としてきたメディアの動きも含め、まだまだ予断は許さないところなのでしょうね。

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2017年10月11日

雑感。市場と米軍と原発と

日経平均株価が20年10ヶ月ぶりの高値です。しかしこれほど感動も喜びもない高値も珍しいものです。それは日銀が異常な緩和をし、日銀が株を買っているからの上昇であり、市場参加者が盛り上がっていないのですから、当然です。しかも、昨日ほど露骨ではないものの、今日も為替との連動で株高をもくろむ動きがあり、こうしたものがマル政マネーを疑われるところであり、腰の入っていない買い、腰抜けの買いとも揶揄される上昇であるのが、今回と言えるのでしょう。

沖縄でヘリが墜落、炎上しました。米軍は空中で火が出て不時着、炎上したとしますが、どちらにしろ操縦機能はほとんど利かない中で、住宅地の近くの農場に墜ちた、ということは間違いありません。結局それは、もし住宅地だったら不時着する場所を探す暇すらなく、そのまま墜ちる可能性もある、ということ。政府は基地の返還で沖縄の危険は除去された、という言い分ですがまったくそうでない、と示すのでしょう。
今日の米軍横田基地公害訴訟でも、早朝、夜間の飛行に際して地裁は国に損害賠償を命じました。米軍が地域住民との約束を破って、早朝や夜間に訓練すると、日本政府が賠償金を払う。おかしな構図ですが、日本政府が米軍をコントロールできない、国と国との間で約束を結び、それに違反したら国との信頼関係において要求できない。だから今、こうしたおかしなことが起こるのです。

福島原発の事故で、国と東電の責任をみとめる判決が福島地裁ででました。福島は想定された津波に対する防護措置を怠ったこと、が問題にされましたが、例えば新基準で再稼働をみとめている現状、事故がおこったらどうなるか? 例えば新燃岳が噴火しましたが、噴火は予想外、などと言いだしやしないか。最悪は、モリカケ問題で情報隠しをする今の政府が、事故の原因すら隠すのなら、被害をうけた住民の損害賠償すら阻害される可能性もある、ということです。国の姿勢は、ことのほか重要ということになります。
青森県六ケ所村の再処理施設が、保安規定違反を指摘され、自主的に運転開始の審査を中断する、と発表しました。原燃サイクルは上手くいっていない。これは国民にも関係する話であり、電力料金として支払っている中から、再処理施設の維持費は賄われているのであり、何十年も運転すらできず、ただ維持するだけでお金を垂れ流す無駄をくり返している、ということでもあります。原発再稼働を急ぐ安倍政権ですが、原燃サイクル自体が回っていないのであり、またそこにも多くの問題が内包されるのです。

政権が何も言わないから、それが表だっていないだけで、日本の中は矛盾と行き詰まりでがんじがらめ、とも言えるのです。株式市場では日銀がいなくなったらどうするのか? 安全保障を米国に委ねたら、国民の生活が脅かされる、という事態を招く。原発は動かせばリスクを高め、再処理計画は入り口でつまずいている。こうした問題に、今度の選挙は何も答えてくれません。内在する危機、としてしっかり認識した上で、投票にも反映していかないと、いつか日本が突然死するぐらいの衝撃が走りかねないのでしょうね。

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2017年10月10日

ノーベル経済学賞と安倍ノミクス

衆院選が公示されました。共産と希望が何とか過半数をそろえ、政権選択選挙の体を為しましたが、事実上は選挙後の枠組みをどう変えるのか? それが選挙後の構図として注目されるところです。しかし選挙後の連立、枠組みについて選挙前に語ることは、ほとんどのケースでマイナスに作用します。まず選挙を戦う前から色がついてしまう。相手の人気にあやかろう、というならいざ知らず、選挙後の枠組みはその結果によっても変わってくる。その縛りにもなりかねないのです。こういうところにも選挙を率いて戦ったことがある政治家と、そうでない政治家の差が現れるのかもしれません。

ノーベル平和賞を獲得したICANが、核禁止条約への参加を見送った日本に対し、署名するよう求めました。外務省が2日遅れで「喜ばしい」とコメントするなど、日本の動きは鈍い。いくら北朝鮮の核を非難しても、核不拡散条約(NPT)に参加していない北朝鮮への批判は的外れです。むしろ核禁止条約を批准し、それで北朝鮮を批判するなら、大きな力となることでしょう。こういうところにも日本の戦略の不味さがうかがえます。
ノーベル経済学賞は、シカゴ大のセイラー教授による行動経済学でした。安倍ノミクスも新自由主義なので、主流の経済学である数学的モデルに基づく仮定の経済学、です。その最大の仮定は、情報の完全性と合理的行動。つまりすべての情報を知っている、それに基づき自己利益を最大化する、という行動原則を当てはめた上で、経済政策を実行する。安倍ノミクスでいえば、マネタリーベースを拡大すればインフレになる、というのも日本を閉じた社会と仮定し、お金の価値を下げてモノの価値を上げる、という手法です。

セイラー教授が提唱するのは限定合理性、社会的選考、自制心の欠如という心理学からのアプローチであり、主流の経済学通りにならないと示した、その功績をたたえられました。限界合理性は、人間の認知能力には限界があるから、必ずしも合理的には振る舞えない。社会的選考は、公平性や他社の利益も考えて人間は行動する。自制心の欠如は、人は禁則を守れない問題を、心理学による割引率で示したものです。
安倍ノミクスが成功しない、というのも主流の経済学『だった』ものを基にするから、といえます。例えば社会的選考は賃金にも影響する、と言われます。経営者が自己利益のみ追及するのではなく、他者の利益も考慮するなら、賃上げをするでしょう。つまり政治はそれを促す施策を考えればいい、となります。しかし安倍ノミクスは行動経済学に則った施策でないため、打つ手がない。そもそも脱デフレでさえ的外れなことをしているのですから、経済政策が上手くいくはずもないのです。

今日の株式市場は上昇で6日続伸、2年ぶりの高値と言われます。北朝鮮が労働党創建祈念でも何もしなかったから、などとまことしやかに理由を語るところもありますが、9時半ごろに円安を仕掛け、株を高値に誘導してそのまま水準を維持した。最近の株を高値に誘導する主体はタマがないのか、こうした為替で仕掛け、誘導するというケースも目立つ。為替はすぐに元にもどったように、誘導が終わったらすぐに処分したのでしょう。結局、こうした何だかおかしな市場になったのも、おかしな経済学の結果といえるのかもしれません。ノーベル賞が示す、安倍政権とのギャップ。核廃絶も、経済学もそうですが、安倍政権の時代遅れぶりを如実に示す、と言えます。イグノーベル賞に倣って、アブノーマル賞でもあったら、その方が安倍政権では受賞しやすい、といえるのかもしれませんね。

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2017年10月09日

雑感。公示前に総選挙について

社民党の政策は『憲法を活かす政治』です。歴史があるだけに項目も多いですが、多くは『くらし 支えます』という項目に予算を振り分ける、というもの。その財源は法人税や富裕層への増税、という形を示します。問題はこれまでも指摘しているように、ボトムアップ型の景気拡大には必ず時間差があること。そこに金融緩和があれば、その間の下支えになりますが、黒田バズーカはほぼ限界を迎えつつある。そこにどう手当てするかが課題です。
日本のこころ、は選挙公約としてまとまっていないので非常に読みにくいですが、自主憲法の制定が党是であり、今回も改憲案をまとめています。しかし党首討論でも、事実と確認できないことで共産を誹謗中傷するなど、保守系にありがちな情報ソースの分からないことに拘泥し、相手を罵るという悪い癖が見え隠れする。ちらりと草案をみましたが、非常に稚拙で、深みのない文書が並ぶ。しかも、内容が酷い。例えば11条で『皇位は、世襲』とするので、この憲法では秋篠宮殿下は皇位につけなくなります。どうしようもなく残念な、中山氏が抜けて、スカスカな感じのする政党になってしまったのでしょう。

明日、公示を迎える衆院選ですが、未だに生き物のように蠢いているような、そんな流動的なものを感じます。そうしているのが、希望の形が決まらないこと。政権選択選挙のはずが大連立も示唆するので、自民党を政権から引きずり下ろしたい、という票がとれない。小池氏としては自民を飛び出して都知事選にでた理由が、安倍首相から冷遇されたことであり、安倍氏さえ引きずり下ろせればいい、という考えなのでしょうが、それは「政権選択選挙」とは言わない。結果、受け皿になり得ていません。
読売の世論調査で、内閣支持率は変わらずだったものの、不支持率が大きく上がった。読売は政権支持者が多い層に調査するので、支持率は固定層ですが、不支持率が上がっているのは興味深い。つまり解散からここまでで、安倍政権は不興を買っていることが分かる。政策を愚直に訴えるはずが、いつの間にか北朝鮮の脅威ばかりになっている。そんな驚異の最中に解散をした、その政権を信用できるはずもありません。

安倍氏にはヤジが、枝野立憲民主代表にはシュプレヒコールが上がる。これが今回の選挙の一つの側面として注目されるのでしょう。国民の声に答えない首相と、声を聞くとする野党の代表と、その差が如実に表れる。固定の安倍支持層以外、自民を応援するところはないのかもしれない。これは投票行動にも大きく影響してきます。
票読みは難しいですが、自民200、希望100、立憲民主50、共産30、公明20、維新15、後は民進で希望から公認をうけられなかった無所属や社民、といった形で展開されるのかもしれません。共産も社民も、立憲民主のイメージの良さに引きずられる形で議席を伸ばしそうです。この読み通りなら、自公で過半数割れとなり、選挙後の枠組みなどで当分、ごたごたするかもしれない。だから自公、という論調をとる与党には、逆にこういう事態を招く責任と言う形で、批判の声が集まりそうです。

仏国の王であったシャルル七世。ジャンヌ・ダルクを死に追いやった、という意味で有名ですが、彼は大恩人でパトロンでもあたジャック・クールを後に国事犯として退ける、など自分のことしか考えなかった、という意味でも有名です。そんな彼に対して、宰相リシュリュが語った言葉は「君主は防音の上にその権力をうちたてる」です。今、まさに安倍氏はジャンヌ・ダルクとも称される小池氏を犠牲にするのか? ジャック・クールを切るのか? そんな忘恩の徒である王に、国民が反旗を翻すのか? フランス革命はまだ先のことですが、日本では一足飛びにそうなる可能性もでてきた、ということなのかもしれませんね。

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2017年10月08日

立憲民主、『まっとうな政治。』

前原民進代表が、今回の経緯をTwitterで語りました。概ね言いたいことは、左傾化により改憲すらままならない。小池氏の希望とは基本的な理念が合う、だから合流を決めた、というのですが、排除の理論で公認すらださない旧民進党議員でつくられた立憲民主と「連携」できるという、何とも都合いい理論ももっているようです。しかし、前原氏が何と言おうと、小池氏は自民との大連立も否定していないのであって、こういうところに本当に詳細を詰めた上で希望への合流を決めたのか? という懐疑の目も向くのであって、そこに前原氏に対しての政治家としての資質に疑義が生じる、ということになります。

立憲民主のパンフは『まっとうな政治。』であり、分断と排除の政治、立憲主義の破壊、一握りの人がトップダウンで決めてしまう傲慢な政治、とどこか自民のようでいて、希望を責めているような文言が並ぶ。『右でも左でもなく、前へ』というのは、『自公でも希望でもなく、私たちへ』という言葉の裏返しでもあるのでしょう。
1項の『暮らしを立て直し』では『中間層の再生』を掲げます。最低賃金の引き上げや保育士、介護士などの待遇改善を訴えるので、整合的といえます。ただ財源は? というと所得税・相続税、金融課税などの再分配機能の強化、というので、迫力不足です。経済政策が何も語られないので、判断しようもありませんが、財源の問題は付きまとうでしょう。消費拡大をもって景気拡大、とするには必ずタイムラグがあります。その間の景気の下支えに苦労することになるでしょう。

2項に原発ゼロをもってきますが、『原発ゼロ基本法』を策定としますが、どうゼロへの道筋を描くのか? ただし稼働ゼロを主張するので、この点は他党を一線をひきます。3項の『ともに支え合う社会の実現』は、選択的夫婦別姓も盛りこむなど、保守とはここでも一線をひくのでしょう。手話言語法制定なども盛りこみ、かなり人権派団体とのつながりもうかがわせる。これまで社会的弱者、とされてきた人との対話を通じて、盛りこむ項目が多いからこそわざわざ5項目の1つとして立てられているので、本気なのでしょう。
4項の『情報を公開』で特筆するのは、天下り規制法の制定を訴える点です。自治労の合意を得られているのか? 連合の支援をうける、という中で原発再稼働も認めないなど、かなりしがらみを切り離してきています。5項の『立憲主義を回復』では、護憲ではなく改憲主義であることを主張します。ただし、9条はそのまま、解散権の制約や知る権利などを盛りこむための改憲、とします。『立憲主義を破壊する、安保法制を前提とした憲法9条の改悪とは徹底的に戦う』とし、領域警備法と周辺事態法を、憲法の枠内で制定する、という点に特色があります。これは民進時代の対応と整合的、といえるでしょう。

全般的に踏みこみ不足である点は否めません。経済政策がない、社会保障についての言及がない、など公約として物足りなさも目立つ。ただ自公、希望とは一線を画した内容をうちだすなど、特色もだしてきているので、選択肢としての魅力は増しているのでしょう。特に、改憲派でありながら9条をそのままにする、というのは立憲民主だけです。『まっとうな政治』の裏には『末路な政治家』として切り捨てられそうになったものの、『真っ向な政治』で受けて立とう、という気概を示したのかもしれません。短時間でよくまとめた、とは思いますが、公約では不足した政策などを今後、どう補っていくのか? Twitterフォロワー数が多いのですから、情報発信力によってどう補っていくか、そこが問われていく、といえるのでしょうね。

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2017年10月07日

公明党、『教育負担の軽減へ。』

9月米雇用統計は衝撃的な数字となりました。非農業部門雇用者数が3.3万人減、と7年ぶりの減少です。ただハリケーンの影響とみられ、南部の州が雇用を手控えた。またリゾート地でのアルバイトが減ったことで時間当たり賃金も大きく上昇するなど、中々判断が難しいところです。ただ一つ言えるのは、ハリケーンで減ったのなら、雇用主である企業に大きな被害が出た場合、中々雇用がもどらないかもしれない、ということです。こういうところでもハリケーン被害の規模をはかることができるのかもしれません。

公明党の公約は『教育負担の軽減へ。』が一押しです。しかし消費税増税の使い道を、教育費に回すなら、財政再建の費用を回すだけなのですから、将来世代につけ回すのと同じことです。つまり財源は安定しますが、財政は不安定になり、結果的に将来世代がそのツケを払うことに変わりありません。しかも、『負担の軽減』としているのに、文中には『教育無償化』とさらっと出てくる。しかし消費税を回したところで無償化できるほどの財源もなく、恐らく二枚舌によって、有権者に言葉を使い分けているのでしょう。
しかも『日本最大の課題』に立ち向かうには『安定の政治こそ』といい、『構想力』『責任』『覚悟』が必要で、それが自公だといいます。しかしその最大の課題を招いたのは自公政権であり、このまま続いたら『安定』して日本は突然死に向かうことになる。では、その解決策は? というと、公約では何も示されていません。

驚くのは、社会保障に関してほとんど言及がない。低年金者や低所得者への支援、という形では出てきますが、破綻が懸念される年金、さらに未払いの問題も発生するなど、社会保障に多くの問題があるにも関わらず、何の言及もない、という『無責任』ぶりです。さらに『「核兵器のない世界」へ向けての取り組み』として核不拡散条約(NPT)の態勢強化を訴えるだけで、核兵器禁止条約についてまったく言及がない。ICANがノーベル平和賞をもらっても、反応がない。平和の党、を名乗っていたころとはだいぶ様変わりし、佞臣の党になったようです。自民との違いを見出すのが難しいくらいです。
わずかな差は、消費税に軽減税率、憲法9条に3項を加憲には懐疑的、という部分です。しかし軽減税率を導入すれば、それこそ教育費に回す分も減らさざるを得ない。憲法改正自体は否定していない、などと態度の曖昧さも目立つ。公明を積極的に選ぶ理由は皆無、この公約も、創価学会を納得させる『ため』のものでしかないのでしょう。

しかし最近の山口代表は口の悪さが目立つ。野党にむけて「頭が乏しい」と言ったり、立憲民主を「一見民主」と言ったり。クリーンさや、誠心といった趣はもはやなく、相手を誹謗中傷する意地汚さしか感じません。宗教的紐帯を支持基盤とした政党が、こんな下卑た笑いをとったところで、それを冷ややかに見る人が多いだけです。よほど後ろ暗いからそうするなら『後冥』、単に相手を貶めようという醜悪な根性なら『狡迷』とも呼ばれそうです。いずれにしろ、パンフの表紙にある山口代表の顔、半笑いのような、目は笑っていないものの口角の上がった詐欺師のような顔が、最近の公明という党をそのまま映しているのでしょう。立憲民主を「選挙のために魂を売った」と批判しますが、権力のために魂を売っている公明には、自分の弱点だけに相手を批判したくなる、そんな悪意しか感じない党に成り下がってしまっているのでしょうね。

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2017年10月06日

希望の党、「希望への道」しるべ

希望の党の政策をみてみます。タイトルだけみて脊髄反射する人も多く、特に『「希望への道」しるべ』と題した『12のゼロ』には反発する意見も多くみかけます。『原発ゼロ、隠ぺいゼロ、企業団体献金ゼロ、待機児童ゼロ、受動喫煙ゼロ、満員電車ゼロ、ペット殺処分ゼロ、フードロスゼロ、ブラック企業ゼロ、花粉症ゼロ、移動困難者ゼロ、電柱ゼロ』 中には数合わせで入った、とみられる項目もありますが、中身は政策集をみてみないと分かりません。逆にいえば、それを見ずに批判している人は、ただ批判したいがためにしているだけ、ということも言えるでしょう。
花粉症ゼロ、その方法として「杉等の伐採促進、国産材の活用促進」といいます。無花粉杉の植樹とのセットなのかはよく分かりませんが、とにかく元を断つ、という話です。猿、鹿等の有害鳥獣の半減をめざす、ともしますから、希望の党は日本の自然にまで、上から目線で人間ファーストの考えを押し付けたい、ということかもしれません。一方で犬、猫の殺処分ゼロ、というのですから、何を守って何を捨てるのやら…。

希望の経済政策は『ユリノミクス』だそうですが、注目な内部留保課税と、ベーシックインカム制度の導入、です。前者は設備投資を促す制度であり、共産党のよう、二重課税だ、という批判もありますが、いわば死に金の活用という面もあります。不動産や動産でも一部に課税がされますが、現金なら課税されない。その風潮に一石を投じるものです。後者は社会保障全般を見直さない限り、財源ねん出も難しいものですが、色々と探しましたが、希望の社会保障制度の考え方が、さっぱり分かりませんでした。むしろ年金も生活補助も一括してベーシックインカム制度にまとめるのか? よく分かりません。
家計においては住宅費と教育費の負担を下げる、としますし、また正社員化促進法なるもので、家計の安心により消費拡大としますので、増税凍結と整合的ではあるのでしょう。ただしこれらの財源は? というとユリノミクスによる税収増とします。しかし経済成長に資する中身は、ありきたりなIoTやAIといったレベルで、全く期待はできないものです。東京を国際金融都市に、という都知事選のときの主張も繰り返しますが、なりたいと思ってなれるものでもない。金融緩和と財政出動に過度に依存しない、とはしますが、日銀とは出口を模索する、といいながら当面は継続する方針ですから、結局のところ依存性がより高まるだけなのかもしれません。

原発ゼロ、も40年廃炉の原則を守るから、2030年にゼロというだけで、新設を認めない限り自然にそうなる、というものです。一方で、原規委がみとめたら再稼働を容認するのであり、決してゼロありきではない。関電を抱える大阪の維新と連携するのですから、今すぐゼロと言えない、こんなところにしがらみが見え隠れします。
憲法改正も、国民の知る権利と地方分権に関するもの、としますが、9条改正も含むとします。ただし中身も分からず白紙委任状を渡すことは困難であり、それが出てこないうちは希望への期待も低い。改憲派もこれだけでは判断材料もありません。

全体的には、とても甘い内容といえます。ユリノミクスでも特区活用、少子化対策でも正社員化で解決、という。それ以外に何もないに等しいので、そこがダメなら終わり、という中身でしかないのです。希望の『望』という字は、一説では背伸びをして遠くを見る、という象形に満月の意味が加わる過程で『月』が足され、『臣』の部分が『亡』に代わった、とされます。『臣が亡んで、月を高く仰ぎ見る』 まさに小池氏の今にあてはまる、という言い方もできるのでしょう。『望』には『うらみ』という意味もある。この程度の公約なら、排除の論理で多くの現職議員を公認せず、としなくてもよかったような、そんな中身でしかない。周りを臨み見れば敵ばかり、そんな立ち位置が『望』の一字にも端的に示されている、といえるのかもしれませんね。


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2017年10月05日

自民党、政策パンフレット

自民の政策パンフレット。表紙には左上をみつめる修正済みの安倍首相の写真と、『この国を、守り抜く。』の文字。安倍政権になってから、2単語を句読点で句切るキャッチフレーズが増えていますが、読点が入ると間にどんな文言も入れられます。『この国を(壊しても、オトモダチの利権を)守り抜く。』でも一向にかまわないわけです。要するに逃げを打っているのであり、2単語すら一気に言いきれない、そんな弱さしか感じられません。

1に『北朝鮮の脅威』をもってきますが、『国際社会による圧力強化を主導し…』とし、演説でも「(北朝鮮から)話し合いを求めるよう促す」とします。しかし以前から指摘しているように、そうはならないよう中露が全力で支えます。北朝鮮が優先して話し合いをもつのは中露であって、日米ではないのです。しかも『主導』により、北朝鮮は日本へと狙いを変えている。『国民の声明と財産を…』もっとも危険に晒しているのは、安倍氏本人です。しかも『世界の中心で、動かす外交』と、各国首脳との会談の写真を並べますが、何も決まっていない。北朝鮮への圧力とて、日本が何かをして動いたことなど一つもありません。言い換えれば『世界の中心で、動かした気になっている外交』です。
2に『安倍ノミクスの加速』ですが、どれもツッコミどころ満載の6項目を並べます。『名目GDP50兆円増加』は東日本大震災の落ち込みからもどっただけ、『就業者数185万人増』高齢者と女性の低賃金労働の拡大、就業率や有効求人倍率の改善は生産年齢人口の減少にもとづくもの、『家計の可処分所得 292兆円(2012)→295兆円(2015)』消費税で3兆円以上が家計から抜かれたので、家計は苦しくなっている、『外国人旅行者数5年で3倍』民主党政権時代の取り組みと、現在の円安、海外バブルの影響なので、決して安倍政権の成果ばかりではない、などです。

3の『劇的な生産性の向上』は『生産性革命』という、海外ではごく当たり前にすすめられているIoTやAIしか出てこない。しかも日本は出遅れていて、巻き返すには多大な予算をかけて世界に追いつく必要があります。4の『保育・教育の無償化』では、すでに「待機児童ゼロ」という約束を反故にした上、さらに0-2歳、高等教育も所得制限をかけて無償化、という嘘があります。しかも消費税再増税分の2兆円をまわす、としますが、結局は国債で賄うのと同じです。借金増やして無償化して、将来は子供たちに返せ、という請求書を回す腹積もりなのでしょう。『人づくり革命』は一生働け、働けなくなっても教えてやるから最期まで働け、というもの。「教えてやるから…」という上から目線が鼻につきます。
5の『地方創生』には『地方大学の魅力向上に取り組み…』と、やっぱり加計学園を支援する気満々、疑惑に答える気はさらさらない、という態度が滲む。6の『憲法改正』では、『自衛隊の明記、教育の無償化・充実強化、緊急事態対応、参議院の合区解消』の4項目を中心に議論をすすめる、といいますが、一言でいえばどれも憲法に書くほどのものはありません。自衛隊は合憲、教育は条件付き無償化なら憲法違反になりますし、緊急事態の対応を憲法に書いたら、それ以外のことが起こったときの対応を難しくするだけです。参議院の合区解消も、書いても書かなくても大した問題ではありません。

キャッチフレーズ『この国を(破滅に導くために、安倍政権を)守り抜く。』とも読めてしまう。もし本当に安倍ノミクスが加速させるなら、日銀にさらなる緩和を促すしか、手がないからです。それは滅びをより一層早め、確実なものとするでしょう。皺を飛ばしたり、あごの肉を削ったり、髪のボリュームを増やしたり、そんな加工をするのと同じで、日本を見かけ上「よくなった」と言いふらして虚飾し、実際には高齢化によって縮退に向かう、という現状は『この国を、末路にする』としか読めないのでしょうね。

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2017年10月04日

共産、2017年総選挙政策

東京五輪・パラリンピックで使用予定の東京湾に、重大な汚染と報じられます。しかし東京湾は未だにほとんどが遊泳禁止であり、元々競技には向かないのです。大雨が出なければ…などとしますが、放映権にも影響しますし、何より競技者への負担も心配される。安全、安心して競技に挑める環境づくり、それを怠ったらいけません。

共産の『2017年総選挙政策』をみてみます。発表が遅れたのは、立憲民主との調整を待っていたためでしょう。他の党が、HPに掲載するときはパンフレット形式にするにも関わらず、共産は文書のみ。本をよく読む人なら読みやすいですが、ぱっとみただけの印象は弱い。こういうところに共産のアピール力のなさは、一向に改善しない、と感じます。『憲法破壊、民意無視、国政私物化―安倍政治に退場の審判を』が最大の争点とし、多くがその内容で占められます。モリカケ問題を真正面から取り上げる、通常の政策集とは異なる点も特徴と言えるのかもしれません。
北朝鮮問題では「断固抗議、糾弾」する一方、「対話による平和的解決」をめざす。これは企業の内部留保を賃上げに回すよう求める、という部分にしろ、方向性は理解するものの、方法論が不明というものと同じです。どうやって、の部分が抜けている。ただし、以前の共産なら「賃上げに回す」とだけしていた。エリート主義で高飛車な、横柄な主張が減った、ということかもしれません。選挙で野党の連携を求め始めたように、唯我独尊という感じは大きく解消された、とはいえるのでしょう。

選挙制度改革で、衆参ともに比例代表中心、という点が注目されます。これは無所属に厳しく、また党名をころころ変える政党にも厳しい。既成政党に有利な面があり、また党が議員を縛り易くもする。比例名簿を決める権限が執行部にあるからで、国政の私物化を招きやすい、といえます。いくら共産に有利でも、回り回って不誠実な対応が横行しやすい状況を推進するのは、共産という存在にはそぐわない、とえいるでしょう。
共産の経済政策は『経済民主主義』で、1%のためではなく99%のため、という。所得税の負担率を示し、所得が1億円をこえると負担率が減る。その解消のために証券取引の優遇税制の見直し、資産への毎年課税、と富裕層への負担拡大をうちだす。大企業の優遇税制の見直し、法人税率をもどす、など、消費税増税の凍結を見直すところの中で、唯一といっていいほどその財源ねん出法を示すのが特徴です。その財源を社会保障の拡充に回す、とするので、上手くいけば生活が安定して消費拡大も望めますが、その間に株式市場は大きくおちこむでしょう。そのタイムラグに堪えられるか? それも課題といえます。

政治を東京湾に喩えるなら、閉じた状態であるため汚染が溜まり、また解消されにくい面がある。共産はそれをクリーンにしてくれる期待もあります。ただこれまでは、流れこむ川はすべて堰き止め、汚染された砂は全て入れ替える、といった夢物語を主張することも多かった。それが選挙の連携と同じで、現実路線に転換しつつある、その過渡期と言えるのかもしれません。水澄みすぎて魚住まず、から、魚住めるよう水澄ます、に転換できるのか? 護憲派勢力としての存在感が増しているだけに、注目も集まるのでしょうね。

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2017年10月03日

維新の選挙公約『維新八策』

今日の株式市場は強く上昇し、年初来高値を更新しています。きっかけは米ISM製造業景気指数と言われますが、日本株は10時近辺に急に円安と同時に動いた。中国系の動き、とも言われますが、もう一つはマル政マネーではないか、とも言われます。自民が選挙公約を発表した翌日の市場が無風では、格好つかない。しかし市場を動かすパワーが足りないので、為替から促した、というのです。そもそも年末に日経平均が21000円、という人の為替の予想は115円。つまりそれだけ円安になれば、ドルベースの投資をする人が21000円に押し上げてくれるだろう、というものです。自民政権が続くならサプライズもなし、株価が上がる材料は一切なく、今日の売買高もスカスカだったように腰の入った買いではありません。

自民の公約は未だに示されず、愚直どころか愚鈍に政策を訴える戦術のようですので、先に日本維新の会の公約をみてみます。『消費税増税凍結! 身を切る改革で教育無償化』がお題目です。経済の停滞と歳出拡大を訴え、日本に未来がない、という。ならば、どうしてそんな国にする安倍政権を応援するのか? という自己矛盾を感じます。
身を切る部分は、議員報酬3割減、定数3割減、国家公務員の総人件費2割減、天下り原則禁止。一言でいうと、逃げ道いっぱいで見かけの達成はたやすい内容です。公務員の総人件費はバックにいる竹中会長のいるパソナなどの人材派遣や業務委託をすれば済む話ですし、天下りも『原則』とつけたら事実上骨抜きです。議員報酬や定数は、多数をとったら急に後ろ向きになる人たちばかりで、恐らく維新とてそんな疑いの目を向けられるでしょう。今、自分たちが少ない人数だから、そうした思い切った提案ができるのだろう、と。

『現実的な憲法改正』『現実的な外交・安全保障』と、やたら『現実的』と用いますが、憲法改正では国民投票をすることが目的のような書き方で、中身がない。維新に任せたらどう変わるか分からないのであり、安全保障では『存立危機事態』ではなく『米軍等防護事態』とする。さすが竹中氏が背後にいるだけに、より媚米主義になる、となるのでしょう。『日韓の歴史問題等に関する認識の違いを違いとして認識…』という部分が『現実的』なのでしょうが、不承不承が政権をとったらどう変わるか、改めて不明です。
経済政策はびっくりするぐらい目玉がない。消費税増税の凍結を訴えながら、IoTなど流行の言葉を用いてはいますが、成長戦略はありません。むしろ競争促進、という原則を掲げるので、維新が担えば日本経済はスカスカになるかもしれません。なぜなら、国内ばかりでなく、国外と戦ったとき、その競争に勝てるような企業が少ないからです。多国間貿易協定にも前向きなことから、新自由主義に基づく開放政策により、日本固有の利点は失われ、米国の大資本で蹂躙される、そんな未来図も描けてしまうのでしょう。
待機児童問題、子育て政策を訴え、女性の力をひきだす、などどこかの自民と同じような提言も目立ちますが、少子化対策ではない。結局、維新は自民と根っこは同じで、違いをだすのに四苦八苦、というのが公約に見え隠れします。維新は公約を『維新八策』、と名乗っていますが、大阪での成功事例を並べるばかりで、それが『現実的』ということなら、この政策には夢も『希望』もない、となるのでしょう。希望との連携も示唆しますが、小池氏と違ってみるべき点が一切ない。『維新はったり』ぐらいのことを打ち出さない限り、誰も見向きもしないような政策ばかりなのでしょうね。

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2017年10月02日

立憲民主党の立ち上げ

9月の日銀短観は大企業製造業DIが現状で22(+5)、非製造業が23(±0)、中小企業製造業が10(+3)、非製造業が8(+1)です。先行き判断DIは同じ並びで19(-3)、19(-4)、8(-2)、4(-4)となります。業種別でみても、業務用、生産用機械が好調で、これは人材不足やIoT、フィンテックなどの対応で伸びているだけでしょう。しかも、先行きは軒並み下がるように、ピークは過ぎようとしています。メディアでは主に人材不足が重し、と語られますが、実は人材不足対応の一服感が、先行きの景気を押さえる要因となりそうです。
気になるのは、販売価格判断が大企業は現状横ばい、先行きに下落をみこむ。仕入れ価格も下げが目立つのでその影響もありますが、デフレ脱却とは真逆の方向を示す。やはり今がピークの印象です。ただし、売上高は下期の予想で微増をみこむものの、経常利益は上期に計画より大幅な上積みがあったことで、通年でも上昇を示します。これも個人がそうであるように、もつ者はより栄え、もたざる者との間に格差が広がる。企業も同じように、もつ企業はより栄え…という金余り状況が生んだあだ花、といえるのでしょう。それほどモノが売れている印象もないのに、経常利益だけは伸びていく。10月からFOMCが愈々、国債の再投資を減らす資産圧縮に入ります。金融市場がどう動くか、気になるところです。

枝野民進代表代行が、希望へ合流せず、立憲民主党の設立を発表しました。しかし厳しい船出なのは、民進を離党しての立ち上げだから、です。本来、前原氏に分党を迫った上で政党助成金の割譲を迫らなければいけない。前原氏が両院議員総会でウソをついていたことが自明なのですから、前原氏も飲まざるをえなくなるでしょう。
ただし枝野氏が急いだのは、今は民進党の立候補予定者はすべて希望に移る、という方針ですすみ、希望の第一次公認名簿もそれで発表が予定されていた。しかしここで受け皿政党をつくることで、希望からは出たくない、という候補者の流れをつくることができる。つまり今日でなければならなかったのであり、恐らくまだ態度を示さず、希望に行きたくない議員らが分党の扱いにしろ、と前原氏に迫ることになるのでしょう。

しかも立憲民主党に集まる人は、民進が厳しい選挙でも勝ち抜いてきた議員。つまり保守の壁を打ち破れる議員が多いのです。さらに、今回は希望が評判を落とす結果になった。排除の理論は、極めて日本人的には受け入れにくく、仮に希望が落下傘で立憲民主の候補者のいるところに候補を立てても、逆に対立構図なら判官びいきで立憲民主に票が増えることも予想される。むしろ希望の落下傘は、立候補時の預入金さえもどってこない惨敗にもなりそうです。希望に『期待する』が思ったほど伸びていないからです。
しかも希望が立憲民主潰しに動けば動くほど、やっぱり自民と組んで政治を保守で壟断したいのではないか? との疑念を生じる。総選挙後、立憲民主と組めば政権がとれそうになっても不可能、という道を自ら選べば、政権選択を訴えていたのも絵空事なのか? という見方も広がるでしょう。これは『政権をとったらどうしよう』病にもっとも重く罹患している細野氏などが影響しているとみられ、純血主義でないと安心できない、という極めて偏狭な考えの持ち主、とみられるケースであり、政治家的には最悪です。

自由党の森氏なども発言を微妙に変えてきた。今回、希望には反自民の追い風も吹くので議席を伸ばすでしょう。しかしそれは決して暖かく彼らを応援するものではなく、冷たい風なのかもしれません。産経などは『安保法制に反対したのもリセット』などと揶揄しますが、選挙で約束したTPP反対を、政権をとった途端にリセットしてTPP賛成に転じ、米国が抜けた後も推進する自民よりはよほどマシです。それは選挙で選択できるからです。誰に北風が強く吹き、誰に温かな目が向けられるのか? 上から目線の順に、自民、希望と冷たい風が吹くなら、吹き下ろしの空っ風に目を開けられない政党が続出することにもなるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:52|PermalinkComments(44)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般