2017年11月

2017年11月30日

雑感。政治と金と人

日銀の原田審議委員が賃金が上がらない理由について「人手不足が不十分」と、とんでもない理屈を講演で語りました。労働人口が減って、高齢者の雇用延長と女性の就労で何とか賄っている現状を「人手不足が不十分」とは、何とも金融政策担当者として首を傾げざるを得ません。厚労省が昨日発表した調査では、月額の賃上げは前年より451円増えて、5627円となり、1999年以来で過去最高ですし、賃上げ企業の割合は1.1%増えた87.8%。企業は経団連からの要請などもあって、賃上げはすすんでいるのです。
問題は、介護保険の見直しなどにより、労働者の負担が重くなっていること。また、働き方改革により残業時間が減らされており、手取りが減っているのです。賃金上昇率が足りない、というのは企業の業績と労使関係によって決まりますが、それ以外の部分では政府の政策によって、労働者が景気回復をまったく実感できていない、というのが現状です。急速にすすむ少子高齢化の国で、「人手不足が不十分」などと言いだすなら、もっと人口減少社会がすすまざるを得ません。もしくは新しい産業をうみだす、という政府の失敗という意味であるなら、はっきりとそう言うべきなのでしょう。

立憲民主の吉田氏が妻に事務所費を支払っていた、として話題です。これは実体として事務所が存在し、かつ地域の賃貸物件と比較して割高、というのでなければ何の問題もない話ですが、立憲民主への醜聞探しの一つでもあるのでしょう。事務所費の問題は、元々自民議員が自宅の庭にある物置小屋を事務所として届け出ていたのに実体がなく、また政治資金から妻に事務所費を支払っていた、というところからのものです。そこまで悪質だと問題になりますが、そうでないならこうしたケースは山ほどあるでしょう。
総務省が2016年分の政治資金収支報告書を公表しました。企業・団体献金が約3%も増えて27億円。いみじくも安倍政権が企業に求める賃上げ率と、献金の増加額がぴたり一致する、という結果です。しかも企業・団体献金の9割が自民に流れていますが、これを参院選やTPP推進といった安倍ノミクスへの期待、で理由付けするところもありますが、やや早計でしょう。企業名を名乗って献金する額はこの程度でも、企業が個人名義で献金する額はこの倍以上とみられ、選挙に向けて企業を叩いてお金をださせた、という割合もかなり高まったとみられます。すでに神谷氏の実弾が暴露されていますが、ここまで露骨なケースは稀としても、金満選挙が得意な自民は、お金がいくらあっても足りません。

今国会は森友学園の問題に終始しましたが、認可をだした加計問題ももっと追及してもよかったのでしょう。森友問題でも判明したのは、政府は過去のことを検証しようとすらしない。何か問題があるからそうするのであって、何事もなければしっかりとすべての証拠、証人を集め、報告書をつくるなりしてもよいはずで、会計検査院から言われたから直します、というだけで、真摯とはほど遠い説明に終始しました。
加計氏から与野党ともに献金が渡っていたことも、暴露されている。森友学園の籠池氏にも、そういった役割を期待されていたのは間違いないでしょう。はっきりいって政治の「人材不足はもう十分」です。今国会ででてきた財務省理財局の太田局長の答弁を聞いても、あんないい加減な答弁で通用してしまうのか…という意味で、官僚の「能力不足ももう十分」です。民間の「人手不足が不十分」と嘆く前に、国の中枢にたずさわる人間たちの質の低さを何とかしない限り、この国の底上げは難しい、ということだけは今国会をみてもはっきりするのでしょうね。

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2017年11月29日

米上院予算委で減税法案が通過

北朝鮮が2ヶ月半ぶりにミサイルを発射し、ロフテッド軌道により米国を射程にとらえられることをアピールした上で、火星15号と発表しました。ICBMであることは間違いなく、大気圏再突入の技術の如何はありますが、来年には愈々「米国に核攻撃できる国」を宣言するのでしょう。それでも米国は軍事行動に移れない、とみていることになります。
菅官房長官が「発射から完全に把握」したから、Jアラートなど国民に周知しなかった、としましたが、これは嘘でしょう。ロフテッド軌道はどこまで上がるか、それによって落下地点も変わる。初めからどこに落とすか、が分かっていない限り判断はできないはずで、もしそれを知っていたのなら、安倍政権は北朝鮮とにぎっていることになる。これは評判の悪いJアラートを鳴らさない、との判断を政権がした、ということを示すに過ぎません。それにEEZに墜ちているのですから、漁船への被害を考慮して鳴らすべきであり、それこそ「完全に把握」しているなら、ピンポイントで鳴らすこともできるでしょう。変な嘘をついていると、いざ領土に墜ちたときに説明のつかないことになる。こういう場当たり的で、適当なことを言うのが安倍政権の姿勢である点は、「完全に把握」できます。

米国では上院予算委でトランプ減税法案が通過し、本会議でも通過する期待が高まっています。米株は大幅高ですが、何度この話で上げるのか? といったレベルで、正当性のあまりない上昇です。米不動産価格は、前年比10%以上の上昇をしている地域もあり、年末商戦の出足も堅調。まさに死角なし、といった米経済ですが、こんなゴルディロックス相場がいつまでも続かない、という意見も多い。ただし、今は売りで入っても損をするから、として多くの運用担当者が買いでとっている状況であり、市場の調整機能が壊れている様子がうかがえ、一部ではコメディ(喜劇)ロックスなどとも揶揄されます。
米株の問題は、VIX指数が11月初旬に過去最低水準で引けたこと。相場の急変動が抑制されていいではないか、という意見もありますが、VIX指数を取引の指標として組み入れているなどが、自動で買いを入れてしまう。それがまた相場の安定を促し…の循環になり、ここまで上がってしまった。そして相場が安定する、ということは運用担当者は頭が痛いのであり、ヘッジをかけた取引だと利ザヤが薄くなってしまう。その結果、ヘッジのない取引が増えており、急変動に対して脆弱な相場になってしまっているのです。

北朝鮮のミサイルでも、反応薄なのではなく、反応し始めると雪崩を打った大きな動きになるため、それを拒絶する形で安定させようとする動きで相殺される。これが今日の市場の動きです。ブラックマンデーから今年30年。ある意味で示唆的とはいえるのでしょう。相場は急変動を準備しているようにもみえ、何が引き金になるかは分かりませんが、こうした相場で運用益の高い金融機関は、ヘッジコストの低減でそれが為されているケースもあるので、この辺りは要注意でもあるのでしょう。
米国ではゴルディアンノットという言葉もある。直訳するとゴルディアスの結び目、ですが、『難事』という意味です。ゴルディロックスの先に、ゴルディアンノットが待っているのか? もしそうなったら、トラジディ(悲劇)ロックスとなり、世界中の多くがその結末に涙することになる。そのシナリオは回避したいところですが、それこそゴルディアンノットなのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 22:49|PermalinkComments(4)このエントリーをはてなブックマークに追加 アメリカ | 経済

2017年11月28日

東レの製品検査データ改ざん

経団連会長の榊原氏の出身企業である東レで、製品検査データの改ざん問題が発覚しています。契約した条件の数値より少し外れたから改ざんしただけで、性能上は問題ない、とこれまでの神鋼、三菱マテと同じ理屈のイイワケをしますが、ここに来て取り沙汰されるのが『特別採用』。納入先が納得すれば、数値を下回っていても納品できる、という仕組みのことですが、一連の問題企業はこの特採を悪用した形で、納入先には知らせず、検査データの改ざんで賄っていた形で、特採外の事例ということになります。
しかも確信犯だった神鋼、上層部が状況を把握してから、方針を改めることもなく8ヶ月も出荷をつづけていた三菱マテ、1年以上も経産省に報告していなかった東レ、とどの企業も隠ぺい体質を抱える。自動車メーカーの無資格検査員の問題も確信犯ですし、日本製の品質にも関わる問題が頻発しているのは、由々しき事態といえます。

今日の株式市場は、本田駐スイス大使が一部のメディアに答える形で、日銀総裁への意欲をみせ、かつ黒田総裁の緩和は物足りない、と述べるなど、明らかに市場操作をはかろうとした形跡もありました。しかし緩和という言葉に対しても、何の反応もなかった。北朝鮮のミサイル発射で弱含んだ…というのも少し違うのでしょうが、本田氏の発言を完全スルーした辺りに、すでに日銀への期待が剥落していることがうかがえます。
11月第2週に外国人投資家が売りに転じたことをみても分かる通り、ここ数週間の相場を支えているのは日系です。米国の投資家からは「日本株を買い推奨しているところはない」とまで言われる始末。やはり9月からの外国人投資家の一気買いは、売り方の買戻しと欧州系の動きだったことが分かる。しかもそれは業績改善への期待などではなく、グローバルマネーの資金循環の一つだったことになる。つまり先進国ファンドなどで、日本も組み入れられている以上、欧米の株価上昇と比べて見劣りする日本株の比率、水準を維持するためにも、12月の締めの報告書をつくるために買わざるを得なかった、となるのでしょう。

東芝が巨額の増資に成功しましたが、米GS証券が顧客をかき集めた印象もある。不祥事が相次ぐ日本企業、金余りだから資金が集まりますが、そうでなければ売りたたかれているところでしょう。もしくは、かつての金融ビッグバン時のように、金融機関を安く買いたたいて再上場などで儲けを得よう、という向きしか集まりそうにない。東芝への巨額増資により、WDとの和解交渉にも新たな重しになるのかもしれません。
モリカケ問題にしろ、日本では政治をはじめ、企業でも「何かおかしなことをしている」という空気が漂う。日本では政治の安定、経済の安定、などとも語られますが、その裏ですすんでいる「何かおかしい」感。日本を忌避したくなる要因には十分なのでしょう。いつ不正によって、投資戦略に大きく見直しをかけざるを得なくなる。それが海外からの日本の見方です。ジャパンパッシング、日本人だけがそれに気づけずにいると、日本ビッグバンがおこって、日本の企業から何から売りたたかれる、そんな日が来てしまうのかもしれませんね。

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2017年11月27日

国会で森友問題審議が始まる

昨日で千秋楽を迎えた大相撲、相変わらず日馬富士関の暴行問題を報じられますが、これは貴ノ岩関が公にでてこないと何を報じたところで、何の意味もないことです。それが病気のために難しい、というなら後遺症を含めて精密検査を受けさせなければおかしい。貴乃花親方が「自分が喋れば貴ノ岩関の傷が癒されない」などと述べますが、貴ノ岩関に何も語らせないから、被害者を利用している、とみなされるのです。精密検査をうけさせたら、何か不都合なことがあるのか? そうでないなら、早急に受けさせるべきでしょう。

国会では、森友問題にからむ衆院予算委が開かれています。今日は与党の質問が大半で、最後に立憲民主が質問した程度なので、注目度も低いですが、概ね安倍政権が会計検査院の報告をうけて、今国会をどう乗り切ろうとしているか、は見えたように感じます。
適正としていた売却額の値引きに関しては、各省庁から上がってきたからそのまま伝えた、とするものですが、本来その各省庁を統括するのが政権の役割であり、そのまま伝えたから問題ない、という話ではありません。どうしてそうした報告になったのか? 会計検査院という第三者の目によるチェックまで、どうして適正と使い続けたのか? その検証も必要ですし、何より不適正な報告を行った責任は、すべて安倍政権にあります。
そこにも忖度があったのではないか? つまり不適切などと報告を上げたら、人事考課が悪くなるからできなかった。もしそんな報告を上げたとしても却下され、差し戻されたりはしなかったのか? 適正とされた検証はいくつもあります。それを経ずに、ただ報告があったから原稿を棒読みしました、では済まないのです。

財務省は近畿財務局と籠池氏との音声データの存在を初めて認めましたが、価格交渉とは認めませんでした。しかし金額が飛び交っており、誰がどう聞いても価格交渉でしょう。つまりこの部分は抗弁で逃げ切ろう、ということですが、先の答弁との食い違いもあって認められないのだとしても、逆にそれが疑念を増す形になる。近畿財務局内でどういった検討が行われたか、この音声データでやり取りしている以上、上司とも話し合っているでしょうし、局内でも話し合われたはずで、それを財務省は「廃棄した」として逃げ回っている。しかしその場合、この音声データのみが確証となり、財務局はふつうに裁判をすれば敗訴することになるのです。つまり価格交渉した、と断じられることになります。
安倍首相にしろ、貴乃花親方にしろ、二人から感じるのは自己中オーラです。自己中心的な人物は、周りの風に流されず、孤高にみえる。それがカリスマにみえ、ウェーバーによる『カリスマ的支配』では、そのカリスマ性を認めた者は選ばれし者となり、それらの人々の儀式、行政、規律などをことごとく定める、とされます。つまり安倍氏の行う政治や、貴乃花氏の相撲協会改革に、カリスマ性を認めた人は否応なく従う、ということです。しかし逆からみれば、カリスマ性を認めない人からみたら、そうしたものは害悪にしか感じない部分もある。カリスマの厄介とは、必ずそこに分断を生じる点です。

しかもカリスマとは本来、奇跡をほどこし、予言を行う天賦の素養であって、相手にそれがない場合は、悲惨以外の何ものでもありません。今回の件でも分かることは、誰かの口を封じ、自らの主張を通そうという、世俗的にみてもあまり褒められたことをしている訳ではない、という点です。カリスマどころか、仮初並みの能力しかない者に率いられたら、それは世間を悪い意味で騒がすことも多くなるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:46|PermalinkComments(6)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2017年11月26日

地方政治の二つの問題

熊本市議会で、女性である緒方市議が子連れで議場に入り、本会議の開始が40分遅れるという問題がありました。緒方氏は「子育てと仕事を両立しようとしている女性たちが直面している問題を体現」と、その理由を語りますが、「子供と長時間離れるのは不安」としていることから、これは愛着心の強い親の問題であって、女性に限った話ではありません。男性とて子供に強い愛着を抱いて分離不安になる人もいるからです。
子育てと仕事を両立するために必要なのは、職場の近くに保育所、保育室をどう確保するか、であって職場に子連れ出勤できる環境を整えることではない。そんな職場は今後も現れないでしょうし、よほど特殊な業態でない限り、できないことです。これは子供との分離不安、を抱えた親への対処の問題であって、一般論と重ねることは難しいものです。もっともらしい理屈を語っても、そこに含まれる目的が異なる場合、気を付けてみておかないと間違った議論にもなります。注意してみていかなければいけません。

大阪市長が米サンフランシスコ市が慰安婦像を市有化したことで、姉妹都市を解消する動きがあります。市民が選んだ市長の決断であり、嫌なら市民がリコールすればよいもので、周りが云々する話ではないでしょう。長いこと姉妹都市だったから…などと言ってみたところで、それが現時点でどれだけ必要性のあることか。例えば、姉妹都市の間で交換留学といった制度があり、それが無くなることが惜しい、ということなら、民間で継続すればよい話であって、姉妹都市をしばる理由とはならないでしょう。
姉妹都市にも色々と問題があって、一時期ブームのように各地方都市が結びましたが、形骸化していたり、議員の物見遊山の旅行先になっていたり、事業への支援を求められたり、だの色々とあります。なので、解消するに吝かでないとしても、今回の問題は大阪市がどれぐらい慰安婦像の市有化に対して、ロビイ活動を行ったか? その結果の敗北を、強い反発でごまかしているのではないか? といったことでしょう。もし大阪市の活動があっても、サンフランシスコ市が市有化の決断をしたなら、結果として双方が望んだ形でもあり、なのでそれは大阪市として有識者が判断する問題でしかありません。市長の独断でよいのか、それとも議会で話し合うべきか、も同様でしょう。

前者は個人的な問題なのに、それを一般的な問題としようとして失敗した事例。後者は、実は各自治体が抱える問題のはずなのに、慰安婦像という象徴的なものがあるため、どうしても特殊な問題にとらえられがちな事例、といえます。国の政治にも問題がありますが、地方にも多くの問題がある。特に、市長、市議辺りだとよく分からないから、として適当に投票してしまう人も多いのでしょう。しかしそういうところから関心をもっておかないと、自分たちの市町村が笑い者にされる可能性もあります。暮らしと直結する地方自治に関わる問題、どんな人物が審議しているか、よく見ておいた方がいい、そんな事例でもあるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:10|PermalinkComments(4)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 地方

2017年11月25日

官邸での安倍、浜田、本田会談?

安倍首相と本田駐スイス大使、浜田内閣官房参与が官邸内で、会談をもった、として昨日の株式市場は反転しました。前回の日銀金融政策決定会合後の総裁会見で、黒田氏が若干キレ気味だったこともあり、どうやら黒田氏の再任がなさそうだ。本田氏は緩和に前向きだったこともあり、もし本田氏が日銀総裁になれば、さらに日銀の緩和政策が継続される、ということの確約になる、そんな理屈のようです。
これは、来年にはイールドカーブコントロールも若干ゆるみ、やや規制に向かうという市場コンセンサスよりやや緩和的、ということも言えますが、今の黒田日銀が国債購入を手控えだしたのも、市場機能の喪失を恐れてのことで、仮に本田氏が総裁に就任したとしても、市場に出回る国債が少なくなっている現状が変わらないので、今のままのやり方をつづけても、来年にはやや引き締めにむかわざるを得ません。

すでにETFやREITまで購入する日銀に、さらなる緩和の手段があるか? 恐らくこの3人が集まって話し合ったのは、ヘリマネの是非ではないか? とみられます。増税地獄とも語られれる現状をみても分かる通り、政府は財源不足に悩んでいます。小泉進次郎氏が『子供保険』に固執していましたが、党内を黙らせる安定した財源として、使途を幼児教育無償化に限定した国債を発行、それを日銀に引き受けさせる。これで安倍氏が「すべて無償」と語った財源も確保されるし、さらに日銀の新たな緩和の手段ともなる。まさに一石二鳥、三鳥として相談したのではないか? というのが私の見立てです。
しかしヘリマネには副作用もある。恐らく景気のいいときなら、それほど問題視されることはないでしょう。しかし景気が悪化すると、市場機能の乱れとともに、ヘリマネを実施している国の国債は売り浴びせをかけられかねません。これまで日銀は二度、金融緩和をしていますが、いずれも世界経済の回復期に行っており、問題が生じにくかったといえますが、ここから世界経済が調整する、とみるなら初めての下方局面への転換での緩和、となります。そのとき日本の国債市場が大荒れになるのかもしれません。

最近、浜田氏は安倍ノミクスそのものにも懐疑的な見方を示す。本田氏がスイス大使に転身したのも、安倍ノミクスの失敗のツケをとらされないよう、早めに逃げ出した、と専らです。その二人に相談する時点で、安倍氏の手詰まりを示すのでしょう。一時期、海外の有識者を招いたり、新自由主義とは正反対の経済学者に意見を聞く、などもしていましたが、すでに安倍ノミクスを始めてしまった後では、それを止めることすら難しい。その方策から練らないといけず、誰もが効果的な策を示せなかったのです。
以前、本田氏、浜田氏、それに黒田氏を含めて3ダメンズと称したこともありますが、安倍ノミクス3本の矢は、ほぼこの3人を支柱とした経済政策でもありましたが、そんな3人の心はもうポキポキ折れているのかもしれません。旧約聖書の一節に『神より福祉をうけるならば、災禍をもまた受けざるを得ない』とするものがあります。安易にヘリマネなどを始めたら、安倍ノミクスも3本の矢も墜落が待っているのかもしれませんね。

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2017年11月24日

政治と金の問題がまた…

未だに大騒ぎする大相撲の暴行問題。貴ノ岩関から電話で直接聞いた、として元旭鷲山の証言がでています。暴行はひどかった、まだ目まいや耳の聞こえが悪い、とするものですが、これでダメージを受けるのは貴乃花親方です。なぜなら、そんな後遺症があるのに精密検査などを受けさせていないからです。本場所も休場し、部屋にいるという。力士生命にかかわるというなら尚のこと、精密検査をして、完治に向けた努力を怠る、もしくはそれをさせていない親方の責任が大きくなります。こうしたものは、自分の身を守ろうとして論陣を張ったつもりが、逆に矛盾を露呈するという一つの示唆でもあります。

自民党の竹下総務会長が、国賓を迎える宮中晩餐会で「パートナーが同性なら出席に反対」と述べ、今日になって「言わなきゃよかった」と嘆いています。LGBTへの理解がすすむ中、日本の政治家の時代遅れぶりをまた一つ、世界に喧伝してみせた形です。「日本人のメンタリティーとしてどうかなと思った」と理由を語りますが、個人の差別主義的な思想を、日本全体に当てはめて言い逃れする点は、さらに悪質といえます。そもそもこうした思想は保守層の一部にみられ、日本人とそれを一体に考える時点でおかしな話です。
自民党では神谷議員が、総選挙前の9月に選挙区内の14市議に現金を渡していたことが判明しています。「政治活動費として渡した。問題ない」としますが、このやり方を認めたら、政治家同士ならいくらでも買収可、となってしまう。自民党としては比例復活であり、早めに切りたいところですが、神谷氏は二階派。選挙で弱体化した二階派は、これ以上の議席減は望まないところでしょうから、その説得がカギとなりそうです。

国会では衆院内閣委で、会計検査院が示した森友学園への土地売却問題での質疑が行われました。菅官房長官は予想通り「真摯に受け止める」としましたが、受け止めるだけでは話にならないのであって、出てきた話は「今後…適切な対応をしたい」とだけでした。本来、もしこうした不適切な調査、検討がおこったら、過去にさかのぼって同様の事例がないか、調査するのがスジであって、それを最初から封印してしまった形です。
石井国交相は「重く受け止める」とするものの、「ぎりぎりの対応だった」とするなど、問題ないとの見通しを示す。最近、公明は自民離れの動きもみせますが、ここに来てやっぱり自民と組んで何か悪いことをしている、との印象が強まったといえます。石井氏には早くもギリギリボーイ、などとかつて芸能界で活躍した女性グループに倣った異名までついた。公明も創価学会離れが深刻で、モリカケ問題で自民との一体化をさらに印象付けるようだと、公明自体がギリギリボーイズとして活動することにもなるのでしょう。

自分のことを擁護しようとイイワケをして、むしろ墓穴を掘る。掘った穴の深さは人それぞれで、墜ちた先に待つ運命もそれぞれなのでしょう。「真摯に受け止める」政治ではよく用いられますが、『真摯』とは「まじめでひたむき」というほどの言葉ですが、『真摯』を『真姿』と読み替えるなら、閻魔様の前に立たない限り、こうした人たちは真摯にい合えない、となるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:02|PermalinkComments(18)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2017年11月23日

雑感。中国人投資家

韓国で、日本でいうところのセンター試験に当たる大学修学能力試験が行われました。15日に発生したM5.4の地震で1週間延期されていたものですが、日本だとM5.4ぐらいだと、延期はなかったでしょう。イラン・イラク国境付近のM7クラスの地震、メキシコ地震も同様ですが、意外と世界全体で地震への備えが不足していると感じます。
来年辺りに巨大地震が頻発する、という話もあります。地球の自転速度は32年周期で遅くなりますが、そのタイミングで巨大地震を誘発する、というのです。世界のどこで、という予測には役に立ちませんが、日本でも巨大地震の周期と微妙に符合してくる点が気がかりです。今、世界で徐々に増えている震度7クラスの地震も、その前兆だと考えると、来年はさらにそうした報道が海外から増えるのかもしれません。

世界全体の経済が堅調です。米国の消費者信頼感も高水準、欧州の指標も高く、新興国も悪くない。不安、と語られるものも多くは政治や軍事面であり、経済面から崩れそうな材料は見当たらないほどです。金余りが生んだ徒花でもありますが、この状況を生んでいる一つの要因動として、中国人投資家の動きに注目する向きがあります。
よく米投資家をアニマルスピリット、と称することがあります。旺盛な投資意欲が感情の抑制の利かない動物並み、というほどの意味ですが、中国人投資家を称するのは、言葉は悪いですがゴキブリ並み。どこかの家で殺虫剤を撒かれても、叩かれて追い回されるなどしても隣の家に移って繁殖する。そうやって徐々に数を増やし、大繁栄する。今、世界のあらゆる市場がそうであるように、わずかな調整も拒否し、ただただ右肩上がりをめざす。多少下がって損をしても、まだ儲かる、まだ儲かる、として新たに資金を積んでくる。そんな動きを誘発している、まさに今はコックローチスピリットが支えています。

中国経済に不安が囁かれても、何とか支えられるのは各市場が崩れそうになってもまた盛り返す、これをくり返します。株、不動産、ビットコイン、規制をかけても裏道を探し、そこで儲けようとする。しぶとく生き残り、殺虫剤の匂いがしなくなったら、またそこで増殖する。中国政府すら手を焼く、中国人投資家のこうした行動が、実は今の世界市場を支える顕著な要因、ということになります。
1人の中国人投資家をみかけたら、100人の中国人投資家がいると思え、これがコックローチスピリットの真骨頂です。儲けられる、と思うとわっと群がる。たとえ失敗してもへこたれない。通常、経済学では損失回避性といって、損と得が同じ金額だったとしても、損の方が数倍大きく感じられるため、損失を回避しようとする、とされます。ただし、中国人投資家にはこの法則が通用しないのです。コックローチのコック(Cock)は雄鶏、という意味の他に、指導者という意味もあります。しかし俗語で『バカげたこと』も意味する。今の市場が中国人投資家によってリードされる、これが『バカげたこと』だったと思う日がくるのか? それとも、地震と同じで来年は大きく揺さぶられるのか? いずれにしろその生命力の強さは、不測の事態であってもへこたれることはないのかもしれませんね。

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2017年11月22日

雑感。増税と森友問題

北朝鮮の亡命兵士が脱北するときの映像が公開されました。ただ、こうしたものは北朝鮮に監視カメラの位置を知らせるようなものなので、通常は公開しないものです。それでも踏み切ったのは、国際世論を味方につけるためでもあるのでしょう。北朝鮮が明確に停戦協定の義務違反をした、という根拠として制裁の正当化とする。問題はその先の戦略として、北朝鮮の軍事行動をどういう形で封じ込めるか? それ次第では、この動きが北朝鮮の暴発を誘発する可能性もあって、まだまだ不透明なところでもあるのでしょう。

会計検査院が森友学園の土地売却について「慎重な調査検討を欠いた」と、国会に報告しました。これまで安倍政権は「妥当」「適正」としてきており、会計検査院がそれにNOを突き付けた形です。この問題について、与野党が審議することで合意していますが、恐らく安倍政権は「我々は妥当と考えている」とするか、「指摘は真摯にうけとめる…」というだけで自身の責任を回避するつもりでしょう。この問題は、佐川国税庁長官などの当時の関係者を証人喚問し、偽証を封じる形でないと真相解明が難しいものです。
この問題が重要なのは、安倍氏が関与しているかどうか、ということと同時に、国の資産が不当に売却され、国費に損害を与えた可能性がある、という点です。国がこれだけ無駄遣いをする中、税調では増税議論が真っ盛りです。決定したものはないので、一つ一つに言及はしませんが、ここに来て増税が必要となるのは、明確な安倍ノミクスの失敗を意味するものでもあります。税収が増えた、などと一時期喧伝されましたが、財政出動の結果という面もあり、また安倍政権ではそれを見越して歳出を拡大してきた。社会保障の負担増というばかりでなく、防衛予算の拡大などです。しかも米兵器の大量購入をうちだしていますが、リボ払いですから、実際に買う段階になったら予算が足りなくなります。

リボ払いは、経済を少しでも学んだ人間なら誰しも「やるべきでない」という代物です。借金だけが膨らみ、支払いが長期化する。国の仕組みは後年度払いという形ですが、今から後年の大型払いに向けて積み立てておかないと、予算が足りないのは明白です。しかもそこに社会保障の拡大もかぶるので、本気で歳出改革をしないと国が崩れていくのです。しかし安倍政権では歳出改革できない。森友・加計問題にしろ、不必要なものをこれだけオトモダチにティスカウントしていたら、国の資産ですらアテになりません。
補正予算の話もでてきましたが、2兆円規模で、かつ建設国債が半分以上を占めるという。借金して、意味のない公共工事に回して終わり。安倍政権でくり返してきた無能なやり方です。こんなことをしているから、予算なんて足りなくて当然です。しかも、ここに来てテレ東まで会社員の手取りが大幅減、ということを報じ始めた。賃上げ3%に前向き、などとされる安倍政権。実は20万円以上てどりの下がった会社員からすれば、微々たるものに過ぎないのかもしれません。安倍ノミクスの失敗をみとめ、根本から経済政策を見直さないと、日本は増税地獄でしか財政を賄えない、まさに地獄絵図が待っているだけです。森友学園は、地下にゴミが埋まっている、としてディスカウントされたとしてきましたが、言葉は悪いですが、この国は政治という世界に溜まったゴミを何とかしない限り、国民には苦境しか待っていないのかもしれませんね。

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2017年11月21日

独国の政局不安定と、市場

米国でトランプ政権が北朝鮮をテロ支援国家に指定しました。ただ、これは米国内の位置づけが変わっただけで、特に何かが変わるわけでも、圧力が強化されるものでもありません。北朝鮮はメンツが…と報じるところもありますが、メンツに拘るぐらいなら、まだ相当の余裕がある、という裏返しでもあり、圧力が利いていないという話になる。
そんなことより問題は、中国特使が北朝鮮と何を話し合い、北朝鮮がどう返答したか? です。タイミングからみても、中国から報告をうけてトランプ政権が動いたとみられ、それは悪い情報だった可能性が高い。今はテロ支援どころか、核で戦争できる国になりつつある北朝鮮。中国の仲介を蹴った先にどんな戦略をもつのか? それが重要です。

独国でメルケル政権が連立に失敗し、少数与党による単独政権になるか、再選挙の公算が高まりました。移民政策の不一致…などと語られますが、どちらかと言えばメルケル疲れが顕著ということなのでしょう、これまでの12年に及ぶメルケル政権で、ドイツ社会民主党、自由民主党、緑の党、どこも一度はメルケル連立政権に参加し、離れてきました。離れるにも理由がある、ということです。一方で、ドイツのための選択肢や左派党は政策がまったく違うので、連立は組めない。まさに選択肢を失った格好となりました。
しかし欧米の株式市場は落ち着いています。これには理由もあって、経済のステージが低迷から回復に向かう過程では、政策出動のような政治による手立てを必要とします。なので政治の安定が求められますが、今は回復からバブルへ、という過程にあり、すでに自立して成長できる経済です。なので重視されるのは金融政策や、市場調整能力の喪失といった問題です。トランプ政権が無策でも、安倍政権が無能でも関係ありません。政治が不安定でも、むしろ市場に余計なことをしない、という意味では好感される材料といえます。

ここに来て経済が絶好調な欧州ですが、理由は英国のEU離脱に伴い、資金シフトが欧州に起こっていること。本来、そうなると英経済は弱含みますが、ポンド安により輸出が堅調、という効果により相殺され、見かけ上ウィンウィンになっている。ただし英国はインフレが止まらず3%に達し、今月には10年ぶりの利上げを実施するなど、混沌としてきました。将来的に英国はかなり危険なのですが、今は台風の目に入ったような穏やかさを、英国と欧州は享受できている、といえ、一時的な陽だまりのような状態です。
英国のように、インフレ昂進で利上げせざるを得ない、という金融政策の歪みが、今の市場ではもっとも不安視されるところでしょう。さらに日本でも、景気はまったく良くなっていないのに、緩和状態を止めて引き締めに転じれば、景気への悪影響は計り知れないものとなるでしょうし、緩和の限界によって自動的に止まった場合は、その比でないほどの下押し圧力がかかることになります。市場には政治の安定が…などという論を語る人もいますが、独国の事情がそれが必要条件でないことを示します。今の市場、北朝鮮問題も同じかもしれませんが、ナポレオンに負けたプロイセンのシル中佐の言葉がもっともふさわしいかもしれません。「終わりのない恐怖より、恐怖のある終わりがよい」 生き永らえて恥をさらすより、潔く死ぬ方がマシ、という意味ですが、この金融肥大化市場の行きつく先、恐怖のある終わりでなかったとき、もっと悲惨な状態がその後で待つことにもなるのでしょうね。

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2017年11月20日

国会で代表質問がはじまる。

相撲協会が日馬富士の殴打事件で揺れています。しかし疑問なのは、相撲協会が日馬富士関には話を聞いて、被害者とされる貴ノ岩関に話を聞かない点です。いずれはそうするにしろ、物事の真偽を明らかにするためには、双方の話を聞かなければいけません。結局、相撲協会の遅々とする対応が、問題を長引かせているといえます。

国会では代表質問が行われました。まず自民党は岸田政調会長で、これは次期総裁候補としてのお試し期間であり、二階幹事長辺りの方針でしょう。通常、政調会長が代表質問に立つことは稀ですが、こういうところで力量をみせれば総裁レースで優位に立てます。ただし、今日の代表質問がそれにふさわしかったか、というと微妙です。
立憲民主は枝野代表、希望は玉木代表ですが、こちらも存在は示しましたが、元々短かった所信表明に対するもので、特段のめだった成果は難しかったのかもしれません。ただし、双方の立ち位置は分かるものなので、今後は党内がその立ち位置で納得できる議員がどれほどいるか? それが問われていくと思われます。そんな中、立憲民主は民進の支部、地方議員に「年内に立憲民主へ」と呼びかけました。当然、立憲民主も地方組織をもたねばならず、民進が残るなら、民進とは異なる組織を立ち上げなければなりません。

一方で民進も地方組織の存続を決定しており、立憲民主で当選した選挙区でも、参院議員は民進で残っているケースもあり、股割きになりかねない。民進としては合併交渉はせず、地方組織を抱えることで有利に取り計らいたい、との思惑もあるのでしょうが、選挙は立憲民主で戦った方が断然有利です。それを見越して、名古屋市議補選に枝野氏がのりこみ、勝利してみせた。希望は排除の論理を用いましたが、立憲民主は自ら選んでくれるような形を作り上げた、ということなのでしょう。地方組織が雪崩を打って立憲民主へと流れれば、自然と民進も合流、合併の流れになる、という読みなのでしょう。こうした動きを見越して、民進から事務局を引き抜いた、とみることも可能です。
問題は希望で、民進から希望へと移る地方組織がどれぐらいいるか? 今回当選した希望の議員のいる選挙区でも、半数ぐらいかもしれません。なぜなら地方議員も、希望の肩書では当選できないからです。さらに応援演説に誰が来ても、票の上積みにならない。統一地方選も1年程度になってきて、選挙が視野に入る中ですから、尚のこと希望は地方組織をつくることすら難しい。立憲民主は党事務所の立ち上げの話が報じられましたが、希望はとんと聞かない。さらに事務局などどうするのか? 希望は上のゴタゴタばかりで、下からの基礎の部分で党の体制が、まったく不明となってしまっています。

対する安倍首相は、情熱もやる気も感じられない。淡々と…、安全運転…、などとも報じられますが、国難に立ち向かう姿勢としては首を傾げざるを得ません。モリカケ問題には「丁寧に説明」としますが、丁寧だろうと相手が納得しないものは、説明を尽くしたとはなりません。日馬富士関の殴打事件では、貴乃花親方がまったく説明をせず、問題視されていますが、説明とは『説き明かすこと』です。本人が丁寧になっている気、だけではそれを説明とは言いません。地位のある人間に独り相撲をとられても、周りが迷惑したり、困惑したり、というのは政界でも角界でも変わらないのでしょうね。

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2017年11月18日

自民党の憲法改正推進本部の議論

働き方改革、人づくり革命、名前はとても御大層で、非常に左派的なものを安倍政権はうちだしますが、どれも中身がプアです。働き方改革では、電通の過労死ばかりが問題視され、会議の中身がなくなってしまった。人づくり革命では、学び直しなどがもりこまれますが、年老いてから新しいことを始めたい、などという人はほとんどおらず、特にそれが生活に直結するものなら、尚のこと手をだしにくい。自分に適性があるか、分かりもしないのに時間とお金をかけるわけにはいかないからです。国が教育にかかる費用を全額負担し、その間の生活まで面倒をみる、などとなったら本末転倒でしょう。
教育無償化も掛け声倒れで、自民の選挙公約にもこっそりと所得制限の話が載っていましたが、こうしたものがあるとイジメの材料にされかねないのでしょう。足りないとされた3000億円を経済界から捻出させましたが、恒久財源とするなら、法人税を引き下げた分との相殺となるのか? 安倍政権のやることはどこか間が抜けていて、対策としてはお粗末なものばかりです。政権の能力不足や、トップが示す方向性のおかしさ、といった面も大きいですが、自民党憲法改正推進本部から出てきた案も怪しいものとなっています。

重点項目として1.参院選合区の解消、2.自衛隊明記、3.緊急事態条項の創設、4.教育無償化を掲げます。1.は14条の「政治的…差別されない。」の部分を鑑み、47条に追加するというものですが、そもそも47条は「選挙区、投票の方法その他両議院の議員の選挙に関する事項は、法律でこれを定める。」だけで、憲法より下位の公選法などに選挙制度などは規定されます。それをわざわざ憲法に書く、という意味はありません。むしろこの項目を追加したいのは、人口動態などが変化したとき、再び改憲の議論を蒸し返せるから、というのがあるのでしょう。逆に言えば、それ以上の意味はまったくありません。
2.は、軍隊でない武器をもった何だかよく分からない集団が、海外において武器を使用したとき、相手国の法律によって裁かれる。そのとき、これではマズイ、となって国民的議論を喚起させ、はれて自衛隊を軍隊と明記する改憲を行おう、とする二段構えに見えます。つまり、最初に犠牲になる自衛隊員がでてくることが前提なのでしょう。こんな改憲をしたら必ずいつかそうなりますから、要注意ともいえるものです。

3.は大災害時の首相権限の強化と、国会議員の任期延長を含みますが、前者は65条「行政権は内閣に属する。」73条六「この憲法及び法律の規定を実施するために、法令を制定するお。但し、政令には、特にその法律の委任がある場合を除いては、罰則を設けることができない。」とあり、これで十分です。もしこれを外した行動を明記するなら、異常事態とはいえ、憲法以上のことをさせることになる。憲法にそんなことを明記する必要もありません。後者は、1.の説明と同じ、公選法などに明記すればよい話です。
4.は、憲法に書くとおかしな問題が生じます。例えば将棋の藤井四段が進学で悩んだように、高等教育をうけたくない人がその権利をうけられない。憲法に書いてあるのに、です。そういうものは下位の法律で十分ですし、そもそも憲法に書く意味がありません。

そもそも安倍政権では、憲法の前文を直さないといけないでしょう。「政府の行為によってふたたび戦争の惨禍が起こることのないやうにすることを決意し…」「その権威は国民に由来し…」「その福利は国民が享受する。」「自国の主権を維持し、他国と対等関係に立とうとする各国の責務」 前文にはいくつも安倍政権が覆い隠しておきたい文言が並んでいます。恥ずかしくてそう言えないから、意味のないところだけど変えたい、といって駄々をこねるのなら、これは改憲どころか、怪憲議論となるのでしょうね。

明日はお休みしたいと思います。

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2017年11月17日

所信表明演説について

今日も日本株は乱高下でした。昨日は日系が買いを入れる中、ほとんど売り方が抵抗もせずに300円上がった。恐らく一昨日に外国人投資家はあらかた売っていたので、日系の買い戻しが成功した形です。ただし、その理由に米下院でトランプ減税法案の可決が見通せた、というのもあったはずで、昨晩は確かに下院を通過したのですが、上院では1人が反対表明、5人以上が懸念を述べており、共和党から3名が反対すると法案は成立しません。これから上下両院で調整もありますし、反対しそうな議員の説得もある。まだまだ薄氷を踏むような厳しさであり、下院を通過したことは決して好感するような材料ではありません。ただし反発ムードを演出したかった人たちにとって、格好の材料になっただけでしょう。

日本では安倍首相の所信表明演説が、あまりに短すぎると話題です。どうせ残り3週間しかないし、重要法案もないし…ということなのでしょうが、国難とまで称する問題があるなら、3週間でもみっちり話し合うのがスジでしょう。本当に国難とまで思っているのか? 選挙を勝つためだけの口からついた出まかせだったのか、それが問われる国会です。
所信表明演説の内容をみると、安倍氏の腑抜けぶりが目に付きます。「安定的な政治基盤の下で、政策をひたすらに実行せよ」が選挙の民意とします。しかし得票率を見る限り、決して安倍政権に白紙委任状を渡したわけではなく、また「安定的」でないと政治が実行できない、というひ弱さの裏返しにしか聞こえません。それに国難があるなら国の基が揺らいでいるのであって、国自体が揺らいでいるのにその上で胡坐をかく、というのは決して安定とはいいません。国難なのか、安定なのか、もしその両方が成立しているとすれば、この国は衰退していくだけ、ということも言えてしまうのでしょう。

国難とした北朝鮮問題も、「国際社会と連携…緊密な協力…」としますが、中国の特使やトランプ米大統領の発言などをみると、日本など眼中になくすすめられている印象しかうけません。少子化問題など、『少子高齢化を克服』とするなど、すでに出だしから少子化を食い止めるのではなく、少子化になっても生産性革命や人づくり革命をして、頑張りましょうというだけです。しかも両方とも大した策があるわけでもありません。
世界の成長をとりこむ、という項目など「自由で公正なルールに基づく経済圏を世界に拡大」としますが、TPPは20項目も凍結で、RCEPも来年に先送り、EUとのEPAにしても大枠合意とは名ばかりで、まだまだ締結までの道のりは長い。それより何より「自由で公正なルール」が、日本の成長につながるわけでもありません。むしろ衰退を促すかもしれない。すべては条約、交渉の内容次第なのですから、まず掲げている大目標自体が間違い、といえます。

ほとんど焼き直し、といえる今回の所信表明演説。明確に消えたのは中国の南シナ海への進出に対するけん制。今回のASEANでも、文言から外れたように、安倍外交の完全敗北で終わった項目、といえます。米国がただの調整役を自任する以上、日本には為す術もありません。ASEAN各国も中国外交の実利で懐柔されており、日本は撤退した形です。結びで、「困難な課題に、真正面から立ち向かい…」としますが、モリカケ問題にしろ、ナゼ失敗したのか、どうして問題視されるのか、を直視できずに目を逸らしたり、強行に押し通したりする政治家は、決して「真正面から立ち向かう」ような態度を期待できないのです。今回の所信表明演説は、総じて小心者表明演説に終わっただけ、といえるのでしょうね。

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2017年11月16日

衆院文科委と維新

日銀の黒田総裁がスイスの大学で講演し、『リバーサル・レート(RR)』について言及したことが話題です、RRとは金利引き下げが効果をだす下限、ということで、それ以下に下げても逆に銀行の経営悪化につながり、それでも貸出金利は引き上げられないので、条件を厳格化するなどして引き締めの効果となってしまう、という考え方です。
日銀はイールドカーブコントロール(YCC)政策をとり、短期金利を-0.1%、長期金利をゼロに張り付けています。これは景気、物価を加熱も減速もさせない中立金利より下に金利を張り付けることで、プラスの効果をだそうとする手法です。昨日発表された7-9月期GDPデフレーターもプラスとなり、日銀も自信を深めていますが、YCCによる副作用で金融機関による経営悪化が累積的、ともみとめており、転換をさぐっているとされます。しかも7月に審議委員に就任した片岡氏はバリバリのリフレ派で、更なる緩和を要求するなど、市場に誤ったメッセージが伝わるかもしれない。そこでRRをもちだした、とされますが、真相は謎です。またYCCとRRを組み合わせたとき、日銀の政策がどう変わるかも謎のままです。

維新の足立議員が衆院文科委で、与野党の議員で日本獣医師会から献金をうけている与野党議員をさして「犯罪者」と言及し、問題になっています。加計学園を擁護するための暴論、とみなすことも可能ですが、もう一つは与野党の審議時間について、自民への援護射撃とみなすこともできます。つまり野党の審議時間が多いと、維新のような小政党でも質疑時間を割り当てられますし、もとより人数が少ないので質問する回数も増える。こうしてたびたび暴言を吐く議員も、何度も質問の場に立つことができてしまうのです。
与党議員の質問のレベルの低さが問題になっていますが、同じように野党議員の質問のレベルの低さを露呈すれば、民意も動いて自民に有利となるかもしれない。特に、与党でも攻撃したのは石破氏で、安倍氏との対立軸を鮮明とする議員であり、これが安倍政権への援護射撃だとみなせば、維新が軽い処分で済ませようとする理由もはっきりするでしょう。つまり安倍政権、維新の間で調整された上で為されたものかもしれません。

しかし今回の衆院文科委で露呈したのは、明らかに野党の調整不足。立憲民主は内閣府の長坂政務官をしどろもどろにさせるなど、一定の成果をみせました。質問通告したものまで答えられないなど、長坂氏の能力不足は如何ともしがたい面もありますが、一定の成果を上げた。しかし希望がそれを掘り下げられない。そもそも、選挙で維新と協力した希望は、維新との質問調整をするのが一般的であり、その維新が加計学園容認なのですから、質問にも迫力がでないのは当たり前です。希望の軸足が立憲民主なのか、それとも維新なのか。改めてそれを問われる場面もめだったのでしょう。
希望が今のように立ち位置を曖昧にしているなら、与党への追及も迫力不足で、野党は共倒れにもなる。維新がより自民へとの接近を強める中、希望がどうするのか? 本当に自民の補完勢力となるなら、希望は維新と同じ道をたどることになるのでしょう。それは分裂をくり返し、純化をすすめた結果、消滅の道を歩む。これを維新カーブコントロール(ICC)と呼ぶのなら、組織としても失敗と揶揄される形となる。このまま態度をリバーシブル(両面着用)・レートに据え置くなら、ICCとRRの組み合わせは最悪といえるのでしょうね。

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2017年11月15日

7−9月期GDP速報値

7-9月期GDP速報値が発表され、実質で前期比0.3%増、年率換算で1.4%増となりました。内需が0.2%の押し下げ要因となりましたが、個人消費が0.5%減、民間住宅0.9%減、など個人部門が大きく下がり、企業の設備投資が0.2%増、在庫投資が0.2%増など、企業部門の伸びを消した形です。しかも在庫投資の伸びは、将来の押し下げ要因になる可能性もあり、今回はプラス寄与したものの、実はもっと厳しい内容であることがうかがえます。
GDPを押し上げた要因は外需。輸出は1.5%増、輸入は1.6%減。これがGDPを0.5%押し上げ、全体としての成長に寄与しました。外需はバブルで押し上げられた形ですが、内需はかなり深刻です。個人消費は前期が大きく伸びた反動、天候不順、という見方もできますが、住宅投資の急減は、不動産バブルの終焉ともいえ、不動産価格の一服とともに個人消費も落ちこむことが考えられる。今はバブルの波及により全体の経済が押し上げられた状態であり、それは株価という面でも、世界同時株高を演出する材料となっています。

日経平均は6日続落ですが、特徴的なのは昨日です。引け間際に急失速し、微減という形になった。これは下落トレンドに入ったときの特徴的な手法です。逆に、これまでは下げていても引け間際に急伸して上昇して引ける、という場面が目立ちましたが、それが逆転した形で、アルゴリズム取引でスイッチを切り替えた。それが分かる場面でした。
よく「反転のきっかけ…」と言われますが、約2ヶ月上昇をつづけたので、正常な相場であれば少なくとも1〜2ヶ月は調整を余儀なくされます。特に11月に入ってからは売り方に踏ませよう、とする動きで押し上げられていたので、その分が今は剥落している状態です。そして大体9月8日から3000円強上昇したので、半値押しの20900円程度で止まれば反発することになります。特に、1ヶ月半も経てば年末ドレッシングと被る。この水準ならそれほどドレッシングも必要ではありませんが、そのタイミングでアルゴリズム取引がもう一度買い、に切り替わるなら、そこで反転のきっかけ、ということにもなるのでしょう。

ただし、気をつけたいのがこのアルゴリズム取引です。上昇局面では下落サインが点灯しないよう調整し、下落局面ではその逆の調整をする。人為的でない、こうした取引は相場の流れをつくる一方、暴落や暴騰をさせにくい、ともされます。アルゴリズムで制限がかけられているから、ということですが、多くの参加者がどちらかに偏った判断をすると、相場の動きを大きくするきっかけとなりかねません。今回のように、もう上昇相場が終わった、当面は下落局面、そうしたアルゴリズムの判断が今は動きを大きくしています。
2ヶ月間、上昇した局面もそうだったように、理由はないけれど今はそうだから、というアルゴリズムの事情によって流れが決まる。それは今回のように、健全な相場の流れをアルゴリズムの判断材料に織りこんでいるはずなのに、健全ではない相場をつくってしまう、という危険を孕むものでもあります。あらゆる市場が健全でない状態となれば、そのときバブルが弾けたときの反動を大きくするものとなるのです。日本は不動産が崩れ、内需に期待がもてなくなった今、海外要因に振り回される危険とともに、アルゴリズム取引の指向性には十分に注意する段階に来ていることは、間違いないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:10|PermalinkComments(2)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

2017年11月14日

雑感。政治家の発言

希望の小池共同代表が代表を辞任し、サポート役に回るとの方針を示し、両院議員総会にて了承されました。希望では幹事長に古川氏、政調会長に長島氏、憲法調査会長に細野氏が就くなど、党体制がととのったタイミングで…と説明することもできますが、明らかにここ直近でとられた世論調査の影響も指摘できるでしょう。維新や公明並みでしかなく、今後に党の分裂懸念などが囁かれれば、その都度ダメージをうける。つまり、党に関わっていることがすでにマイナスで、距離を置いた方が得策、という判断を下したのでしょう。
党の体制をみても、小池路線の踏襲どころか、発足メンバーが牛耳るという形であり、これでは不満をもつ議員が多数います。希望の遠心力はもう如何ともしがたく、支持基盤のほとんどない政党では生き残りもはかれない。衆院選前には民進から希望へ、という流れが民進に打撃となりましたが、今度は希望から民進へ、という流れが希望への大きな打撃となる。今回の辞任の話も、小池氏が公表する前にメディアに流れていたことも、小池氏にとっては不満でしょう。足立区議選も思わしくなく、都政ですら立ちいかなくなりそう。希望の党は今や、悲報の党として、でてくる情報がネガティブになりかねません。

維新の足立議員が「朝日新聞、死ね」とツイッターに投稿し、物議をかもしています。加計学園をめぐる社説に対して「いつまで名誉棄損を続けるのか。『日本、死ね』も許されるなら、これも許される」とします。朝日の社説は安倍政権に対して説明が足りない、としているもので、私が読む限り、何ら名誉棄損には当たりません。さらに表現としても、制度の不備について不満を爆発させた言葉と、自らの言葉の解釈次第で、個人的な怒りを爆発させるのと、同列にしている時点でおかしな話です。
言論の自由とは、あくまで公共の福祉において許される範囲で認められたものです。朝日新聞の社説は、その意味では言論の自由の範囲です。しかし足立氏の場合、相手を誹謗中傷する目的において為された場合、公共の福祉において認められない。「問題提起だから」炎上する方がいい、としますが、問題提起だとしても自ら名誉棄損を犯していい、という類の話ではなく、炎上目的なら尚のこと名誉棄損が目的であることを鮮明にします。結果的に、公的立場にある人物が不適切な手法を助長している、という意味でも問題のある行為だといえます。

安倍首相が強くもとめ、東アジアサミットへの初参加を表明していたトランプ米大統領が、時間切れで出席できませんでした。今回のAPEC、ASEAN+3、安倍氏は誤算続きといえたでしょう。南シナ海問題については、トランプ氏は仲裁役を買ってでたものの、積極関与については後ろ向き、北朝鮮問題では圧力という方針を示すのは日本だけ。しかも、トランプ氏は中国との対話に満足と伝わり、日米の蜜月どころか、米中の接近により、日本の孤立化がより鮮明になってきた。中国がここに来て、安倍氏にすり寄ってきたのも、米中の親密ぶりへの自信、習近平体制の盤石化、そして安倍政権の弱体化、という事態により良い条件が得られやすい、とみて中国側が方針転換したものです。
唯一の成果が、自身の弱体化により得られた日中の関係改善、というのが皮肉でもあるのでしょう。ギリシャでは、古い神ほど名前の最初に『ア』がつきます。アルテミス、アポロン、アテナなどで、神系譜上あらわれるそれ以外の者は、言葉から生み出されたり、便宜上つくられた存在が多い。しかし日本では最初に『ア』のつく存在は、むしろ問題児が多い、ともいえそうです。安倍氏、足立氏、そこに朝日新聞も加わるのか? それは個々の判断にもよりますが、『ア』は洋の東西を問わず、文字の最初におかれていることが多い。神話上、地域によって価値が逆転することはよくあることですが、まさに日本では『ア』のつく存在に、問題が多く散見されることだけは間違いないのでしょうね。

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2017年11月13日

NHKの世論調査とTBSひるおび

NHKの世論調査、色々と興味深いことがあります。日米首脳会談について評価12%、ある程度評価51%、あまり評価しない24%、まったく評価しない8%。しかしこの質問には枕がついていて「北朝鮮に核やミサイルを放棄させるため、圧力を最大限まで高めることで一致」と聞いた上で回答を求めた。これでは評価する側にバイアスがかかった状態であり、まったく純粋な形で評価したのでないことが鮮明です。
また衆院選で与党が3分の2の議席を獲得した方が、良かった28%、良くなかった28%。などともしますが、人は通常どんな質問をされても「良かった」と答える方にバイアスがかかります。過去を否定するほど、今に失望していたなら否定的見解も増えますが、まだ衆院選後1ヶ月も経っていない。野党の景色は大きく変わりましたが、与党の議席は若干減った程度なので、このタイミングで良かったか、と聞けば、そう答える人が増えるのです。しかし他社の世論調査で「与党が増えた方がよかった」「野党が増えた方がよかった」という選択を示すと、後者の方がダブルスコアで多い、といったものもある。統計は質問の仕方で答えを誘導することが可能です。

これは例えば「野党に多く配分されている質問時間を…」として質疑の時間を聞いたものでは、現状を維持すべき26%、野党多めで与党の配分を増やす14%、与野党半々38%、議席数に応分11%です。これは行動経済学のフレーミング効果といって、「多く…」とつくと、バランスをとらなければ…と考える回答者が増える効果を狙っています。しかし質問を「自民が野党時代に要求して、野党に配分を多くした質問時間を…」と変えると、結果は大きく違ってくるでしょう。NHKが意図的にこうした質問の仕方をしたとすれば、それは統計学や行動経済学の悪用であり、結果を恣意的につくり上げたかった、となります。
TBSの「ひるおび」という番組にレギュラー出演している八代弁護士が、山尾氏を「気持ち悪くて」と発言しました。「公私のライン」について説明した後のコメントで、前後は「今の長々と山尾さんの主張を紹介したことが気持ち悪くて。こんなに丁寧に紹介しなくても…」ですが、これはアンカリング効果と呼ばれるもので、最初に示された意見が印象深く残ってしまう、というものを狙ったのでしょう。そもそも番組構成を出演者が知らないはずがなく、「長々と…」説明することは了解済みだったはず。つまり「気持ち悪い」という印象を最初に視聴者に植えつけておく、そのためだったのでしょう。

しかも「『公私のラインを引かせていただく』というのは、だったら政治家は辞めるべき」とし、「全人格、投票のための情報は知る権利の対象」「『プライベートは答えません、見せません』は、政治家は務まらない」とします。ならば、安倍首相がプライベートで加計氏と行ったゴルフの会話の内容も、すべて詳らかにする必要がある、と述べていることになる。安倍氏が記者とオフレコで行う懇談も、すべて報じて然るべきです。これは八代氏の論なので、同意できない面も多いですが、山尾氏の『公私のライン』に対してそう主張するなら、返す刀で自民党議員も斬らないとおかしな話なのです。
最近、八代氏のことを『ちんちん八代』とする声を耳にしました。これは下ネタではなく、自民に言われたら、どこかの選挙区で尻尾をふって立つ、という意味なのだそうです。小池氏が希望の党を立ち上げたときも「都民として許せない」と述べるなど、自民応援団と化している。NHKにしろ、人を誘導する術に長けている側がそうした手法をとったとしても、検証可能な現代では効果も限定的。しかし一次情報としてそうしたものが流れると、それだけで効果が高い、としてあえてするのでしょう。しかしその結果、メディアやコメンテーターとしての評価を落としていく。それでも安倍政権に阿っておけば仕事は安泰、ということなのでしょう。そういう態度がむしろ「気持ち悪い」ということでもあるのでしょうね。

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2017年11月12日

雑感。日米の動きと安倍政権

安倍政権が神奈川県座間市でおきた、9人殺害事件の再発防止を検討する関係閣僚会議を開きました。しかし日本では禁忌のように、死について語ることがタブーのようになっているので、SNSの規制もそうですが、まずそちらも必要と感じます。そもそも首吊りを女性にすすめるような人物は、優しくはありません。首が締まることで顔が鬱血して腫れあがり、全身が弛緩することで便は垂れ流し、下半身に血が溜まって下膨れになる。そんな醜い姿を、死後とはいえ晒せ、などというのは女性にとって屈辱以外の何ものでもありません。死にキレイも汚いもありませんが、自らもっとも醜くなる姿をさらすような方法を選びとる必要もないでしょう。死を理解し、きちんと立ち向かう。その教育が必要に感じます。

トランプ米大統領が、ゴルフ場で一回転した安倍首相について「私はみていないが、感動した。どの体操選手より素晴らしい」と語りました。官邸はこの映像について、削除依頼に躍起なようですが、失敗しない人間などいないのですからこの程度はユーモアで返せばいい。まるで安倍氏が何も失敗しない、完璧な人間でないと気が済まないようですが、レベルの異なるメンバーでゴルフをさせる方が、よほど恥ずかしい行為といえます。散々だった、という安倍氏のゴルフ、スコアを国家機密などとするぐらい恥ずかしかった、ということでしょう。
問題は、日米の蜜月などと報じられましたが、中韓への訪問で、だいぶトランプ氏の態度が北朝鮮に融和的になったこと。ツイッターでは「でぶで小柄」としますが、北朝鮮の金正恩氏とも「仲良くできる」と語ります。安倍政権では海自艦へ、トランプ氏を乗艦させたいとして無理をおしたのですが、米国から断られた、という話もあります。北朝鮮の脅威をアピールすることに躍起だった安倍政権がここにきてトーンダウンするのも、米国の流れが変化し、対話路線へと舵を切ろうとしていることの現れでもあるのでしょう。

そんな米国は減税の先送りが検討され、日本では増税が語られる。期待された補正予算による景気対策も、ここまで何の形もみえません。所信表明が17日なので、実質審議は3週間もありませんが、今週中には何らかの形がでてこないと、期待感の剥落も大きくなりそうです。加計学園の認可の話もでてきて、臨時国会も年明けからの通常国会も、この話題で政権は責められそうであり、経済対策どころではなくなりそう。さらに改憲も口にしますが、公明の激しい拒絶に遭い、政権運営にも暗雲がただよいます。
これまで順風満帆だった安倍政権、モリカケで味噌をつけても、衆院選で勝利して後4年の承認を得た、と考えていたら、この選挙で各党が自民との関係の見直しを始めた。党内でも次期総裁選をにらんで、小泉氏などが動きだした。実はこの選挙が、安倍政権の不都合な真実をあぶりだす結果になった、といえるのかもしれません。転がり落ちて砂の中、そんな光景が政権運営でもでてくるのかもしれない。米国からも見捨てられつつあるのか、APECでも、必死に圧力を訴える安倍氏と、対話容認ともとれる態度をとったトランプ氏の間に吹く隙間風。引き際を間違えた安倍政権にまつ末路は、砂の中に一回転といったことにもなりかねないのでしょうね。

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2017年11月11日

希望の党の代表選

APECが首脳宣言を採択し、閉幕しました。「あらゆる不公正な貿易慣行をふくむ保護主義に対抗する」という文言は、裏を返せば保護主義とみなす貿易慣行には、制裁をふくむ対応をしてもいい、ということ。それを不公正や不公平とする明確なルールがない中で、この文言を入れたなら、都合よく用いる国が現れても文句がいえなくなります。米国は制裁関税や対抗策をとりますが、他の国は米国に対してそれができない。これが大国の優位性ですが、トランプ政権はそれを最大に利用し、二国間協議でも有利にすすめようとしている。APECはそれに対抗するのではなく、黙認する、とこの宣言は示すのでしょう。
TPP11も、首脳会合は開けなかったものの6ヶ国の批准で発行、という形で大筋合意のまま各国が持ち帰り、発行にむけて努力する、という形になったようです。しかしカナダやニュージーランドなど、不満をもつ国も多く、どうなるかは分かりません。それはTPP11が、本当に自国の経済にとって最良なのか? に各国も懐疑的だからです。米国が二国間交渉で、有利な条件を勝ち取ったなら、それこそTPP11にもどる必要性もなくなる。米国が離脱したことで凍結が20項目とされますが、永久凍土のようになるのかもしれません。

希望の党の共同代表選挙は玉木氏と大串氏の一騎打ちで、39対14で玉木氏となりました。しかしこの判断、民進党で前原氏が代表になったときと同じ形です。つまり党に分裂懸念があり、それをさせないために発足メンバーではないが、小池氏寄りの人物、というバランスを気にした。しかし旧の民進党衆院メンバー以上に党内がバラバラの希望が、今後も今の形のまま存続できる可能性は限りなく低いのでしょう。
安倍政権は立憲民主が野党第一党として、国会運営で調整役となることを極力嫌っています。希望と維新を統一会派とし、野党最大とすれば立憲民主ではなく、希望が調整役となってくれる。そう考えて裏工作をすすめている、ともされる。橋下氏が維新からの離党を表明した丸山氏と和解し、維新もまだ離党届を受理していない、というように多数派である必要があって、離党の引き留めに動いたとも想像できます。

しかしもし希望と維新が合流し、政権に接近すれば、希望の中で不満をもつ議員が多くでてきます。ただでなくとも基盤の弱い希望で、そんな動きをしていたら次の選挙で勝てないことが必至だからです。またそんなことをするために希望に移ったのではない、として離党する議員が続出するでしょう。それが年内に起こるか、それとも実際に希望と維新が接近してからになるのか? 後者だと希望を利することになるだけなので、前者になる可能性も高まります。それだけ政治家としての立ち位置が異なるからです。
希望の党は絶望の党、などとも呼ばれますが、実存主義の創始者とされるキルケゴールの『絶望』の定義によると、1.絶望していることを知らない絶望、2.絶望して自己自身であろうと欲しない弱さの絶望、3.絶望して自己自身であろうと欲する絶望、とします。1.は絶望するべき状況なのにそれをしていないので、本人的にはまだ幸福といえます。2.は一般的な絶望に近く、絶望のジレンマとされます。3.は、自分自身が絶望したということを強く認識した状態で、迫害を受けた者が結束を仮託する様子に似ますが、キルケゴールはそれを「犯行」と呼び、絶望の原因を自分以外に転嫁する状態、とします。今の希望の党は、2.から3.に移行する段階、とも言えるのでしょう。一方は、一方に向けて「お前のせいだ」と互いに罵り合う状態。別名『自己の裡にある永遠的なものの絶望的濫用』ともされますが、党運営で濫用がすすめば、すぐに党の形が壊れるほど絶望の根が深い、という状態なのでしょうね。

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2017年11月10日

TPP11は大筋合意?

注目された今日の株式市場、売りにも買いにも張ってくる投資家がおり、やはり単純に買っておけば儲かる市場は終焉、ということを示すのでしょう。最近、15年8月を起点にして外国人投資家はまだ売り越しだ、という意見を述べる人もいます。しかし1000億円で買ったものが2000億円になったら、売りの金額は2倍となる。その間の相場の動きとの相関をみなければいけないのであり、単純に金額だけを比べて売り余力、買い余力を語ることに大した意味はありません。また15年8月以前に外国人投資家の持ち分がゼロだった、というなら分かりますが、そうでないのですから、これは個人投資家に買わせ、外国人投資家や自分たちに有利なよう取り計らおうとする、誘導の論にすぎないので、注意も必要です。

TPP11で大筋合意と伝わりましたが、首脳会談もなし。まだまだ決定とするには程遠いことが知れました。原因はカナダですが、NAFTAの見直しと同時並行しており、米国がTPPに戻る見込みはない、との感触も得ているのでしょう。米国が2国間交渉に拘るのも、大国の優位性により有利な条件を得られやすいからです。そう考えると、TPP11の中でカナダはそこそこの大国、米国がもどらないのならTPP11の他国とは、独自交渉をした方が得です。
安倍政権が用いる『大筋合意』にも注意した方がいい。これまでもこの文言が出てきても、実際には決まっていないことが大かった。あくまで『大筋』であって、完全な『合意』ではありません。当然、合意できない国もでてくる。つまりまだまだ予断を許さない、ということなのです。『大筋合意』とは、政治的にアピールするためのものに過ぎません。だからこそ、今日の市場でも『大筋合意』では無反応だった、と言えます。

そもそも多国間だろうと、二国間だろうと、自由貿易協定であることに何の違いもありません。どこかのメディアは相変わらずTPPこそ最良、といった誤った認識を伝えますが、要するに交渉次第。どんな貿易協定でも、国益をどれだけ勝ち取ったか、つまり内容が重要なのであって、合意したことを好意的に報じるメディアは、どうかしています。
しかも米国が戻ってこないなら、日本は大国の優位性により、他の国とは二国間交渉をした方がよほど有利な条件をかちとれた、ともいえます。しかし日本は米国との貿易量が圧倒的に多く、米国との交渉では逆に大国の優位性、を米国にちらつかされる。だから多国間交渉にもちこみましたが、米国がもどらない前提なら、カナダと同じで離脱した方がいいぐらいなのです。米国が離脱したなら、安全保障上の問題もないので、それを理由として正当化する必要もないので、ますますこれが経済的にどれだけ日本が有利になるか、という判断でないと評価してはおかしいのです。

株価が変調したのは、米国でトランプ減税が1年先送りとなり、それを織りこんでいた市場が5〜10%は調整する、とみた層が売りに動いた、という話もあります。法人税が20%に下がれば売り上げに大きく寄与するのですから、逆にいえば先送りになればそれを織りこんでいるのがおかしい、という話にもなる。米株が下げれば、その分日本株も…となって、先んじて日本株が織りこみにいった。他国の税制で…といったところで、これも大国の優位性であり、今のバブルも経済大国、米国の動きにかかっているのですから、世界全体が同行一つで震撼することにもなります。トランプ減税先送りが実際に決定されたなら、株式市場は大方の参加者が『大筋合意』となる水準まで下げることも予想されるのですね。

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2017年11月09日

株式市場の変調

トランプ米大統領の訪中、どうやらしたたかな中国に丸め込まれた印象です。28兆円の商談とも報じられますが、これまで動く、動くと言っていて止まっていた案件の焼き直し。また米GSと組んだファンド、という話も運用難の中国政府系ファンドが、米金融機関のノウハウを得て投資機会を拡大するため、とも言えます。見かけの金額に満足し、北朝鮮への対策ではかなり譲歩した。結果、トランプ氏は北朝鮮をダシに使い、日中韓から好条件をひきだしただけ、に終わったのです。ということは、圧力も長期戦を余儀なくされることとなり、拉致問題の解決については二の次、三の次にならざるを得ないのでしょう。

今日の東京株式市場は乱高下でした。私の知り得る範囲と、噂なども加味して今日の相場を説明すれば、取引開始段階から、先物が現物を上回るギャップの状態で推移しました。それをみて、今日も買い方優位、とみてアルゴリズム取引で買いのスイッチを押した。そうした買い方が多くいたことで、前場は見せ玉をつかわずとも買い上がった。
しかし昼休憩の間に利益確定売りをだす主体があって、後場は下げて始まった。それでもアルゴリズム取引でしばらくは買いが続いたものの、売りが出たという事実に焦って、利益確定売りを入れる主体が現れた。複数の主体が売りに回った、という事実にアルゴリズム取引が売りサイン点灯、とみて持ち分の処理をはじめる。高値から800円以上下げたところで、急な相場の変動に運用主体がアルゴリズム取引のスイッチを入れ直し、ふたたび買いに転じて結局は始値の水準までもどした、といったところなのでしょう。

今日は珍しく米系が大商いを演じたことからも、売り仕掛けはこことみて間違いないのかもしれません。しかし今日垣間見えたのは、アルゴリズム取引の危険性。これまで米国でも、売りのサインを点灯させないよう、下げていた相場も引け間際に切り返してプラス圏で終える、ということをくり返してきました。しかし今日、売りを仕掛けるタイミングになったのはVIX指数の下げ過ぎや、前場の上昇しすぎ、とも語られますが、よく分かりません。ただし売りのサインが出ると、特に高値警戒もあるだけに競って売りに出てしまう。今回の株高はバブルの所為でもあり、ふわふわしたマネーは逃げ足も速いのです。
特に今回、高値でつけた大きな十字線、これは相場の転換点を示唆します。欧州や日本勢など、とんでもなく大きな取引となってしまい、しこりを残した形です。それすら否定し、再度の上げ相場に転じられるのか? むしろそうならないと、今日の取引で大損した主体などはいたたまれずに売りに転じるのかもしれません。そういう意味で、今晩の米国株の動き、明日の相場つきなどが重要となってくるのでしょう。

ただし、買っていれば儲かる、という夢のような時間は終わりを告げたのでしょう。これまでも、9月は売りだった外国人投資家が買い戻したことで買いサインが点灯、とみたアルゴリズム取引が日本株を買い推奨にした。それがスタートで、ここまでほぼ一直線に上げてきました。しかし売りも、買いも両睨みにならざるを得ないのがこれからです。
未だに「企業業績が…」や「米国株が最高値だから…」という理由を相場上昇に用いる人もいますが、そんなものはすでに織りこみ済み。今時そんな理由で買う主体はありません。買うから上がる、上がるから買う、これがアルゴリズム取引の循環であり、これがここまで相場を押し上げてきた主因です。その主因が今日崩れた。約2ヶ月つづいたことでも異常でしたが、安倍ノミクスがアホノミクスと称されるように、アルゴリズム取引がアホのリズム取引となるのか? 明日は重要となるのでしょうね。

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2017年11月08日

トランプ大統領の訪韓

トランプ米大統領が訪韓しましたが、非武装地帯(DMZ)への電撃訪問を、天候不良を原因に取りやめました。しかし韓国の文大統領は先にヘリで到着しており、トランプ氏がどうしてもたどり着けなかった、とは思えません。歴代の大統領の中で、もっとも北朝鮮から憎まれているトランプ氏。口では勇ましいことを言っていても、本音ではかなり小心者であることはこれまでの行動からもうかがえます。CIAが何らかの動きを察知してストップがかかったのか、それは分かりませんが、直前で取りやめたというのが正しいのでしょう。
その辺りは文氏との夕食会を終えてホテルに帰る際、ルートを少し変更したことにも現れるのでしょう。反対する市民がペットボトルやペンライトを投げこんだため、としますが、まずそんな状態になること自体、韓国の警備体制の怠慢ですが、通常のルートを外れればそれだけ警備が難しくなる。反対側の車線を逆走して…ということなので、警備体制の変更は大したことがなかったかもしれませんが、予定と微妙に異なる…という点が、トランプ氏の心の弱さを映すのかもしれません。

日本では独島エビや慰安婦を同席させたこと、などが盛んに報じられますが、韓国が得意とするのは昔から告げ口外交です。日韓の関係悪化が…という話は今回の主要議題ではなく、日韓の政府間でやればいいだけのこと。北朝鮮問題でトランプ氏が何を語ったか、が重要です。韓国議会で、トランプ氏は朝鮮半島で「完全かつ検証可能で、不可逆的な非核化」と述べた。何だか、日韓の慰安婦合意で、日本政府がつかう文言と似ています。
「米国を過小評価すべきでない」とも述べますが、日本では圧力一辺倒で「完全に一致」としましたが、「北朝鮮が交渉の席につき、ディール(取引)するのは理に適っている」とするなど、対話路線を示す。トランプ氏の外交は、恐らく米国にとって複数の選択肢もあり、それを相手によって使い分ける、という形であり、日本で語ったことも100%鵜呑みにするべきではないかもしれない。逆に言えば、日本の安倍政権は圧力と戦争を指向しているから、日本ではそれに沿った内容のコメントをした、とも読み解けるのです。

トランプ氏は訪中していますが、日中のおもてなし合戦になっている面があり、むしろ中国では政治的な動きを差し置いている印象もうける。そもそも、安倍氏も用いる「日米が主導して圧力で完全一致」という言葉にしろ、本来は最大の貿易相手である中国を巻きこまないと、効果としては極めて薄いものにしかなりません。日本に中国を巻きこむ術はなく、米国頼みしかできませんが、トランプ氏はビジネスライクに損得勘定をしっかり打ちだす、とされる。実は頼りになる相手、とは言えない面が強いのです。
トランプ氏のやり方は、まさにビジネス。多くの好条件を引き出すやり方である一方、外交になると信がおけなくなり、頼りにすべきでない、となる。ビジネスなら利益重視で十分ですが、外交だと軍事、政治もからむため将来の信用も大切となってくる。トランプ氏のやり方では、その部分で圧倒的に疑義が生じてくるのです。そんなトランプ氏に頼るしかない安倍政権、トランプのトラップに嵌っている、とも言えそうで、今後も貢物外交をつづけるしかないのかもしれません。しかもこのやり方だと、韓国はますます中国寄りとなり、日米、中韓、という綱引きの中で北朝鮮問題はディールされることになるのでしょう。トランプ氏が映しだすのは、各国の首脳の誰がトラッシュ(能なし)なのか、それをこのアジア歴訪で試されているのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:11|PermalinkComments(21)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | アジア

2017年11月07日

日経平均が26年ぶりの高値

9月の毎月勤労統計、実質賃金が前年比0.1%減と、4ヶ月連続の減少です。しかもパートタイム労働者は0.1%増ですが、一般労働者は0.5%減と大幅な下落です。常用雇用は2.7%増となりますが、労働時間は横ばい。本当に労働力が足りないわけではなく、囲い込みたいがためだけに若者を集めたい、として人手不足を嘆く、といった印象もうけます。
安倍政権になってから実質賃金が上昇したのは28年度だけ。しかもその年は0.2%のデフレであり、それが寄与した形です。今年はここまで0.6%のインフレのため、例に漏れず実質賃金はマイナス、という状況。インフレで経済が良くなる、などとして脱デフレを目指していましたが、脱デフレで生活が苦しくなっていることが指標からも明らかです。

しかもここに来て、サラリーマン増税が政府税調で語られる。サラリーマンに必要経費として認められ、控除されてきた分を大幅に減らし、税負担を重くする、というもの。年収500万円のモデルケースでは年間30万円の負担増と、労働者は塗炭の苦しみを味わうことになります。さらに年金生活者には年金増税が、診療報酬の改定による医療、介護の負担が来年度は行われる見通しで、介護保険料も20歳以上で全員徴収、との計画もあります。
しかも、大学授業料を出世払いで、などという案も自民の教育再生実行本部で検討されている。親世代の負担は減りますが、年金に介護と、20歳から徴収されることになれば、払えない学生が親に頼ることもあるでしょう。さらに就職もできず、返済が困難となれば自己破産する若者が増えることも予想される。上記したように、労働時間が増えていない現状は、決して労働力不足で困っている、といったことではなく、今の好環境でさえ横ばい、これで景気が悪化すれば、また雇用が蒸発する可能性もにじませるのでしょう。

企業は未曽有の好業績、とされながら、それと反比例するように労働分配率が下がる。その原因は、今はBtoBによるビジネスモデルが多く、キャッシュリッチな企業が有利になる環境であり、労働分配率を上げてまで個人消費を促す必要性を、多くの企業が感じていない。これがインフレにならない主因、つまりBtoBのビジネスモデルが増えるに従い、最終消費という形の物価、が固定される傾向が強まっているのです。
それに胡坐をかいて低金利を維持するから、企業は益々享受し、BtoBのビジネスで収益を上げ、最終的なBtoCの業態だけが苦境、という現在が生まれています。例えばサウジで後継問題により戒厳令に近い状態になっています。巨大な投資家まで逮捕、勾留されていますが、反応は原油相場で大きくでました。後継王子が減産に前向き、とされるためですが、原油相場では減産が主要課題です。これだけ好景気を謳われるのに、一向に原油の需要は増えてこない。技術革新で化石燃料をつかわなくなった、という面があるにしても、BtoCを意識しがちな原油相場が未だにもどっていないことが、現状をよく映すのです。

ビジネスモデルがBtoCからBtoBに移っているのに、金融政策はBtoCの部分をみて決定される。その誤謬に気づかないうちに、株価はバブル後の高値を越えてきました。しかし今日の市場は、先物で買い方に見せ玉が多くでたことで、日系の証券会社が釣られた印象しかなく、要するに買いを飛ばすぞ、という昔でいえば「青い鳥」に踊った。こういう取引が出てくるのも、バブルの所為といえるのでしょう。
しかも最近、売買代金は3兆円越えですが、売買高は20億株にも満たない日がつづく。要するに先物で飛ばし、大型株しか扱っていないからこういう事態になるのであり、相場の広がりは感じられません。上がるから買い、買うから上がる。そのくり返しで大型株優位の展開となり、そうさせますが、健全な相場とはいえない状況です。

バブルの定義は様々ですが、中央銀行の不作為をもって、実体より押し上げられた経済状態をそう指すのなら、間違いなく今はバブルです。広辞苑の改定でも入った『ゴチ』ですが、日銀ならぬ『ゴチ銀』により市場は浮かれ、26年ぶりの高値となりました。日銀がこのまま『ムチ銀』でありつづける限り、この肌感覚とはまったく合わない市場がつづいてしまうのかもしれませんね。

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2017年11月06日

日米首脳会談について

トランプ米大統領の訪日で、報道過熱ぶりが目立ちます。しかし例えばトランプ氏の車列に向かって、日米の旗を振りながら「大歓迎」という報道もありますが、あれはサクラです。セキュリティー上、移動経路を公にすることはありませんし、一般人の接近など許されるはずもない。しかもきれいに人が二列ぐらいで、その後ろはスカスカ。一人が二つの旗をもって見かけ上、水増しするよう努めていましたが、逆にそんな演出をする必要性は一切感じません。それにこの動員、一体どの団体からのものか? その辺りも気になるところです。

そもそも今回『友好ムード』の演出だけで、実際に外交上、何かが決まる類のものではありません。新たな条約を結ぶ、経済協力関係を築く、といったことが一切ない中で、ただただ日本側が『おもてなし』をする、というだけの話です。大山鳴動して鼠一匹、どころか、トランプ一人大喜び、というためだけのもの。日本のフィーバーぶりは異常ともいえるものです。まるで宗主国をお迎えする植民地の国、といった感もします。
他に友達もいないトランプ氏と安倍氏、似たもの同士であるだけに、蜜月は双方が望んだことでしょう。カートのないゴルフ場にカートをもちこんだり、プロゴルファーの松山氏を同伴させたり、9ホールを90分で回ったり、昼食と夕食は必ず安倍氏とともにするなど、親密さをアピールするために詰込みすぎて、空回りしている感もする。安倍氏のへぼプレーでSPが大わらわ、といった話も伝わりますが、いつもは接待される側が、たまに接待をすると気をつかいすぎてプレーに集中できないことは、よくあることです。

今回、公式の発表では北朝鮮への対応は「完全に一致」という従来の見解を踏襲したことぐらいが成果として語られます。拉致被害者家族ともトランプ氏は会談しましたが、日米のやり方だと北朝鮮が自ら屈して会談する、という形でないと拉致問題は何の進展もしない、ということになる。北朝鮮が粘り腰なら、これまで通り圧力をかけたままで、他に打つ手もない、となる。一方で、トランプ氏がちらつかせる軍事行動は、拉致被害者すら炎で焼く可能性もあるものです。外交、軍事、どちらも手の内を明かさないことは重要ですが、どちらの道をとっても拉致問題にとって、悲劇にしかなりません。
今回、明確に決まったことは米軍事装備品を日本が大量に買う、ということだけです。実はトランプ氏、NAFTAの見直しや移民排斥など、他の産業界から総スカンで、軍需産業のみが好感している状況です。高額の兵器でもぽんぽんと気前よく買う、上客の日本がいる以上は軍需産業も万々歳。再び銃の乱射事件がおきましたが、こうした事件が起きても規制の話にならないため、全米ライフル協会も大歓迎というところ。議会の承認もうけずにリシア空爆をするなど、その手は血塗られている大統領、とも言えそうです。

ともに国内で根深い○○嫌い、という層がおり、国内の分断がつづく。米国ではロシアゲート事件、日本ではモリカケ問題と、政権運営に疑義を抱える中で行われた、日米首脳会談。だからこそ余計に盛り上げた、ということなのでしょうが、『友好ムード』どころか、『騒動ムード』にしか見えませんでした。『おもてなし』をしても『恐れなし』とはならないだけに、余計に日米首脳ともに仲良しとアピールする。もしかしたら来年、政権の座を追われるタイミングも「完全に一致」となるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 22:42|PermalinkComments(19)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | アメリカ

2017年11月03日

雑感。米国の動き

米国でトランプ減税案が出てきました。減税規模は10年で1.5兆$と当初計画のおよそ3分の1程度ですが、連邦法人税率を35%から20%まで引き下げ、日欧よりも低くすることが盛り込まれています。また海外の資産を米国へもどす際、35%かけていた税率をこれまでの分は10%前後で課税するものの、今後はほぼゼロに。個人税制に関してはほぼ先送りです。
日本企業にも関係するのは、米国以外に本社をおく企業が、米国で稼いだ分を海外に送金する際、20%の税率を課すという点です。この法案がそのまま通ってしまえば、米国での売上げが大きい日本の自動車産業などに影響することが確実です。還流さえしなければ税負担はないものの、企業の業績がよくなっても国内で賃上げ、とはならない公算が高い。その国で稼いだものはその国で使う、という流れが鮮明になるなら、日本は市場規模が縮小していく中で、ますます苦境に陥ることにもなるのでしょう。企業栄えて国亡ぶ、という事態を促進するとともに、米国で企業活動するリスクを想起させる法案といえるのでしょう。

米FRBの次期議長にパウエル理事の昇格が決まりました。市場はほぼ予想通りで、織り込み済みのはずですが、今は一粒で何度もおいしい、ということで同じ材料で上昇をくり返す、といったパターンも見受けられます。今回、パウエル氏はハト派とみられていますが、完全雇用と物価は目標にむけ緩やかに上昇、と認めているので、低金利をつづけておく理由がない、と述べていることになります。どこまでハトでいられるのか? ハト(ピジョン)の考え(ビジョン)を今後は確認していくことになりそうです。
10月雇用統計もでてきて、26.1万人増と30万人以上増加する、との市場予想を下回りましたし、時間当たり賃金が2.4%増と、前回より大きく低下した。ハリケーンの影響が消え、巡航速度にもどった印象です。また10月に始まったテーパリングの影響は出ていないものの、今後どういった形で雇用統計に出てくるか、も流目されるのでしょう。

昨日訪日したイバンカ大統領補佐官、米国でも日本の「イバンカへの熱狂」の違和感、と報じられます。外国人女性に弱い日本人、というのと同時に、安倍政権と歩調を合わせてこれを大々的に報じたい、という思惑もあるのでしょう。しかし重要決定に携わったこともなく、父親の女性蔑視を放置するなど、その言動や行動における結果と、日本の入れ込み方に対する温度差は相当なものです。米国で軽視されるのもそういった部分なのですが、なぜか日本ではほとんど報じられず、もの凄い力の持ち主であるかのような歓待ぶりを印象付けようとしているかのようです。
ファーストドーターなどとされますが、重要なのは大統領補佐官としての実績。言葉は悪いですが、今のところただの客寄せパンダでしかなく、大騒ぎするほどではありません。トランプ氏の訪日を盛り上げたい、という日本政府の意図は、むしろひっくり返されるかもしれない。それはトランプ減税により、日本企業にも税負担が拡大する可能性とともに、700人とされる随行員による通商交渉は、相当に熾烈を極めるものとなるためでもあります。国内で行き詰まりを迎えつつあるトランプ氏、お土産の要求は相当に高くなってくるでしょう。今のところ、日米ともに首脳はアホウドリ(アルバトロス)、とみなされる点で、この会談はアンダーパー、という結果に終わるのかもしれませんね。

明日と明後日はお休みしたいと思います。


analyst_zaiya777 at 23:29|PermalinkComments(69)このエントリーをはてなブックマークに追加 アメリカ | 政治

2017年11月02日

野党の醜聞

神奈川県の座間で9人の死体遺棄、損壊とみられる事件があり、『首吊り士』を名乗って自殺の指南みたいなことをしていたようですが、中身は嘘が含まれるようです。「首吊りは気道を止めるのではなく血流を止めるよう…」と言っていたようですが、日本で絞首刑が採用されているのは苦しみが少ないとみられるためであり、それは床が抜けた瞬間、全体重が首にかかって一瞬で骨が折れ、絶命するからです。つまり息が止まったり、脳に血が通わなくなったりして死ぬわけではありません。逆に、そうした状態になるなら最も苦しむ刑の執行方法となるでしょう。自ら名乗るハンドルネームですらこれですから、全体として死への興味は感じますが、知識としては浅薄だったと想像できます。

米大統領の長女、イバンカ大統領補佐官が来日しました。日程を切り上げて帰国するのは、税制改正が大詰めともされますが、実際には財源の問題でモメており、未だに議会を通過する見通しが立っていません。段階的実施が取り沙汰されたり、実施時期が後ずれするように何も決まっていない、が現状です。むしろロシアゲート事件が進展し、議会に弾劾を出されないよう調整する役目、というのが正しいのでしょう。最近、民主党だけではなく、共和党にも攻撃の矛を向けたばかりに、ロシアゲート事件で核心部分がでてくると、議会側から即弾劾がでる、ともされており、気が気でないのかもしれません。
野党の醜聞について取り上げてみます。小川参院民進幹事長の長男が少女の暴行して逮捕され、離党しました。ただ最近は、本人以外の犯罪で周りの家族を追及することを良しとしない風潮もあり、これを醜聞とはしにくいものです。ただし、政治家は有権者に判断されるものなので、離党して党へのダメージを防いだ、ということなのでしょう。ただでなくとも参院民進の立ち位置が曖昧となっており、さらにダメージを受けたら、どこかの党に吸収、合併する際でも、都合の悪い条件をのまざるを得なくなるかもしれません。

立憲民主の初鹿氏に『強制わいせつ疑惑』と週刊文春が報じましたが、記事を読むと首をかしげる部分が多い。被害女性が記者から問題を指摘され「今から思うと問題」という発言をしている。泣き寝入りしていたり、声を上げづらかったり、といったことなら同情の声も上がるのでしょうが、実際に被害届なりが出てこないと追随記事もだしにくいのでしょう。本人に被害者意識が低く、扱いにくい印象です。
先に青山氏も党員資格停止をうけていますが、文春は野党狙いをつづけており、これ以上に問題なことをしている与党議員の噂も耳にしますが、それはさておいて、野党を攻撃している印象です。立憲民主はクリーンさを売りにするあまり、こういう攻撃がボディーブローになる、との思惑もあるのでしょう。つまりニュースバリューとして、どうせ悪いことをしている与党より、クリーンである立憲民主の醜聞の方が、拡散力もあると判断しているのかもしれない。しかし、どうも記事の立て方に違和感があるのは、先の記事でも同じ、記者から誘導されて大ごとにしているような印象をうけるためです。

それこそ文春以外、他のメディアが取り上げないのも、こうした内容が後追いをしにくくさせている面もあるのでしょう。昨年までは文春砲と持て囃され、与党を攻撃し過ぎたツケでにらまれ、転んだのか? 今年は新潮にスクープをもっていかれている印象も強いことから焦っているのか。まさに野党の『春』ばかり文にする、という意味でとらえるなら、今は『文春俸』? が疑われるレベルにもなってきたのでしょうね。

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2017年11月01日

特別国会が開かれる

日経平均は大幅高でしたが、好業績云々…と語られますが、実際には特別国会の会期が1ヶ月程度となり、補正予算の検討とヘッドラインで流れたことで、買い方が先走った印象です。先物の見せ玉の立て方が話題で、通常の建て玉の7、8倍にも達することもあり、今日は買い上げたかったのかもしれません。今はどんな形であれ、市場にお金が出回ることを好感する向きもあり、今日は特に、たまに大商いを演じる欧州系1社がとばした印象です。しかし補正の内容も規模も分からないうちに、だいぶ動いてしまった感がします。

第195特別国会が召集され、首相指名選挙で第98代内閣総理大臣に安倍氏が選出されました。閣僚認証式を終え、すべての大臣を再任して第4次安倍内閣が発足しました。しかし「改革、改革、改革」と3回も改革を並べましたが、改革というほど大きな変更はこれまでも聞いたことがなく、自民の公約にも名ばかり改革があるばかりです。
年内にも幼児教育無償化の2兆円をまとめる、としましたが、経済界はすでに3000億円の負担増は飲んでおり、問題はそれをどういう名目で徴収するか? 事業主拠出金は、賃金に一定の比率をかけて算出したものを企業が負担していますが、これなど賃上げをすれば負担が増えてしまう悪弊を指摘されており、所得拡大促進税制による減税と、相殺負担ともされている。安倍氏自ら賃上げ3%を要請したのですから、賃金への比率をかけるような負担増を求めるわけにはいきません。一方で、ただ企業負担を増すばかりでは、結果的に賃上げのインセンティブも低くなってしまう。一体どうするつもりなのか?

さらに昨日も指摘したように、19年度は極めて経済的に微妙なタイミングに当たります。東京五輪特需が一巡し、ハード面では続々と景気効果が止まる。ソフト面に切り替わったとしても、すでに海外のバブルで旅行客は過去最高、それがさらに上乗せ、とはなりにくい。大体どこの国も、五輪開催の前年にはピークをつけてしまいます。
消費税再増税は19年10月ですから、年度の前半は駆け込み需要があっても、後半は増税の落ち込みが予想され、そこに五輪特需の剥落が上乗せされたら、未曽有の景気失速に陥るかもしれない。18年度が五輪特需を上乗せするだけに、それを増税の判断に用いると痛い目をみることになります。不動産に早くも一服感がでてきたように、農地転用にむけた動きも本格化するでしょうから、19年度は景気の分岐点になりかねません。

すると、消費税再増税が難しくなり、幼児教育無償化の財源も失うかもしれない。制度を先行的に始めていた場合、そこで財源不足となる可能性も高くなります。日銀がそこまで緩和を続けていた場合、簡易テーパリングをしていても日銀は保有国債で600兆円を越えて
可能性があり、財政の不安が生じる恐れも高くなるのでしょう。
幼児教育無償化は、あくまで少子化時に個々のスキルを高めるため、幼児のころから教育を充実させる、といったもので、少子化対策ではありません。結果、そのころの幼児が成人するころには、日本は財政破綻を疑われるレベルとなっているかもしれないのです。その対策、問題を解決するために、エリートを育成するとでもいうのか? そうした自分が亡くなった後のことまで知らない、今さえよければそれでいい、といった態度がつづくのなら、この内閣は『仕事人内閣』どころか、『死後盗人内閣』ということにもなるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:21|PermalinkComments(28)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般