2018年01月

2018年01月31日

国会予算委とNHK

貴乃花部屋から十両に初昇進したのが、角界初の双子力士、ということで貴乃花親方が記者会見に登場しました。満面の笑み、久しぶりに口を開いた、などと言われますが、記者たちの優しさは度を越しています。通常、こういった会見ではいくら封じられても、聞きにくいことも質問するものですが、貴ノ岩関の話や理事選の質問は一切でなかった。まるで官邸の菅官房長官への記者会見のようです。官邸での記者会見は、東京新聞の記者が慣例をやぶることで盛り上げましたが、こちらはそうでないようです。これではまともなコメントなどとれるはずもなく、貴乃花氏が逃げ回れる理由がよく分かります。

参院予算委で、自民党の宇都議員が「平昌五輪に安倍首相が出席したくないなら、インフルエンザに罹患する手もある」と述べました。愚かなのは、もし仮病をつかったら、自民党議員の提案通りにした、として批判される。実際に病気になったとしても、仮病をつかったと邪推されるので、無理をしてでも出席した方がいい、となる。どちらにしろ安倍氏の手足を縛り、出席せざるを得ない状況に追いこむのです。宇都氏が出席しない方がいい、と思っているなら、結果は逆の効果を生むのですから愚かと言わざるをえません。
しかも一国の代表に仮病をつかえ、などと公の場で言えば、道徳の教科化をすすめたのに恥ずかしい、とは考えなかったか。学校に行きたくない人は仮病で休んでよし、と言っているようなもの。いじめを受けていてつらい、というならまだしも、一国の首相が会いたくないから仮病、というのでは国民に示しもつきません。宇都氏の提案は、様々な意味で愚かだということです。そして、そんな愚かな提案だから、野党が予算案の審議時間を70時間要求する、といった事態を招きます。これまで8対2の時間配分でも、野党の質問時間は60時間台。つまり質問の時間配分を7対3にして70時間を確保するとすると、3月末の予算案の可決では審議時間が足りなくなる。配分だと、強引に審議を打ち切られる場合もあり、審議時間の方をFIXさせる戦略に切り替えた、ということです。

そんな国会予算委が、午後はNHKで中継されませんでした。元TBSの山口記者の準強姦事件について質疑が行われ、被害者であるジャーナリストの伊藤氏が傍聴するにも関わらず、です。NHKは「重要案件の質疑は適宜、総合的に判断して放送」としますが、手口をみれば明らかにドラッグをつかったレイプ、昨今こうした事件が頻発し、この問題で警察が積極的に動けばその抑止力にもなったのに、検察審査会も「不起訴相当」とし、まったくその機能を停止した。また世界的な#1MeToo運動もあり、世界的に注目が集まる中、「適宜、総合的に判断した」結果、NHKは放送しないという選択をしたのです。
これでは日本がメディア、警察も含めて性被害に対して後進国、とみなされるでしょう。仏国では、日本の満員電車におけるチカン被害を訴えた本が売れています。核廃絶でも同じように、日本の評価を悪化させましたが、性被害についてもこのままでは、日本が極めて劣った国との印象を世界に与えることでしょう。

そしてそれらが、安倍氏への忖度によって行われている、というのですから尚更です。結果的にそれは、安倍氏を劣った政治家、という評価を与えることにもなるのです。記者が必要以上に取材対象との関係の良好さをアピールし始める。それはすでに、ジャーナリズムの放棄であり、関係者という立場に堕した、ともいえるのです。政界、角界、そうしたものに粘着して生きてきた似非ジャーナリズムの末路、日本はそんな中で、よく分からない価値や基準が蔓延している、とさえいえます。インフルエンザどころか、すでに日本全体がおかしな熱病に罹患されており、幻覚のような姿を目にしつつ政界、角界、メディア界などが衰弱していく、今はそんな状況をみせられているのかもしれませんね。

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2018年01月30日

28年度の国の財務書類

日経平均は大幅下落ですが、24000円に拘って頑張っていた日系と欧州系の一部が、ここに来て下りたのが原因です。25日移動平均線を割れたこと、ともされますが、どちらかといえば為替がここ1年キープしてきた対ドルで108〜115円の水準を割れそう、というのが大きいと感じます。昨年9月もこの水準を割れそうだったところ、株価の上昇とともに見事に切り返して115円に接近した。それがここに来て、ふたたび108円割れを試す水準まで来ており、頑張っても円安にならない。そこに株も移動平均割れで投げた、とみています。

財務省が平成28年度の国の貸借対照表をだしました。資産が0.4兆円の増、負債が28.5兆円の増、差し引き28.1兆円の債務超過です。深刻なのは、安倍政権になってから資産・負債の差額は右肩上がりで悪化している点です。しかも昨年度は大きく拡大している。公債が25.8兆円も増えていることが原因ですが、安倍政権になってから借金依存が拡大していることの、これは証左なのでしょう。今日は衆院予算委で補正予算が可決しましたが、ここ2年は補正予算も赤字国債に頼るようになり、事態の悪化ぶりがよく分かります。
債務超過の状態なので、資産を売却するなどして賄わないといけませんが、例えば昨年末に郵政の二次売却を行いましたが、明らかに不人気でした。来年度は三次売却を行い、政府が保有する分を残して、すべて民間に放出されることになります。しかしそうなれば、さらに額面が下がるでしょう。高配当株、などと言われますが、業績が伴わずに一体、いつまで配当も続けられるのか? 政府保有の株が減れば、ますます配当による還元の意欲は低下するでしょう。そもそも成長の原資に回すべきものを、配当に回していたら衰退していくだけです。そして、郵政株の売却は臨時の収入として予算が計上され、復興の財源に回る予定ですが、それすらすすまなくなる恐れが強まります。

資産の売却がすすまない以上、できることは二つ、歳入を増やすか、歳出を減らすか。安倍ノミクスで税収増、というのは夢物語に終わり、かつ安倍政権は大盤振る舞いが大好きですから、歳出を減らすこともできない。だから消費税増税、ということなのです。結局それは、安倍政権ではこの悪化する貸借対照表を改善するためには、税としてとるしかないからであり、国民負担は確実に増える方向でしかない、となります。
一応、この貸借対照表には独法をふくみませんから、全体像の把握としては若干、弱い面があります。例えば高速増殖炉もんじゅなど、廃炉を決めたら資産ではなく負債です。日本にはこうしたいつ負債になるか分からない、負の資産もあるので、要注意といえるのでしょう。安倍政権で、改善するどころか悪化しつづける貸借対照表、租税収入が1兆円減少したことにもよく表れます。社会保険料が3.7兆円増となり、財源全体は増えたようにみえますが、固定で徴収する社会保険料と、景気に左右される租税収入、その増減の仕方にも安倍ノミクスの失敗が透けてみえるのです。仮想通貨の流出を起こしたコインチェックのCMで例えるなら「(こんなヤバい状況を)政府が知らないはずないだろ」となるのでしょうが、実は「ヤバいよ、ヤバいよ」という事態が裏では進行してしまっているのでしょうね。

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2018年01月29日

仮想通貨を推奨する国

国会では補正予算を審議する予算委が始まりました。松本前内閣副大臣の辞任について、自民党がこぞって問題視しましたが、ならば離党や議員辞職を促すべきで、名護市長選対策のための通り一遍の謝罪としか思えません。そもそも安倍政権に、米軍をコントロールする力がない以上、沖縄に寄り添うなら基地負担を減らす方向で議論をしなければ嘘です。さらに安倍氏を始め、閣僚でも沖縄入りする政治家は少なく、口先だけ「寄り添う」などと言っているなら、さらに沖縄の民意は離れるだけでしょう。
しかも、安倍氏は常に「任命責任はある」としながら、責任をとることはないため、松本氏のような問題政治家でも、安易に任命してしまう。しかも、佐川国税庁長官のように、税以外の質問は受け付けない、などというのは本来、詳らかにすべき状況を覆い隠す。情報開示や透明性という点でも、大きな禍根を残すものです。安倍ノミクスによるお金をばらまいて景気をよく見せかける、といったことと同時に、憲政の常道を外したことが前例となるなら、これもまた安倍政権による日本壊しの一環といえるでしょう。

仮想通貨取引所コインチェックの問題をうけ、金融庁がすべての仮想通貨取引所に対し、聞き取り調査するといいます。しかし取引所が嘘をつく可能性もあり、そもそもシステム面ですから、金融庁の職員とてすべてのプログラムをチェックできるわけではない。取引所としては、ここで不備があります、などといって顧客を逃すのが怖いので、金融庁には嘘をついておいて、その間にシステムをアップデートして対応する、との思惑が働きやすい。その間にトラブルさえ起きなければ…そんな思惑を喚起しやすいのです。
最大の問題はレバレッジをかけられること。為替はやっとレバレッジの倍率を低下させましたが、中々崩せない日本のミセス・ワタナベに、米国が業を煮やして日本政府にレバレッジの低下を促した、ともされます。しかしそうして為替で稼げなくなった人が、レバレッジのかけられる仮想通貨に流れているともいい、日本政府が準備した代替のギャンブル取引が、仮想通貨ということだったのでしょう。

しかも、通貨なら中央銀行による政策に連動したり、実需の取引が多かったり、ある程度は価格設定に説明がつけられますが、仮想通貨にそれはありません。買う人が多ければ上がり、売る人が多ければ下がる、というだけです。大口の投資家や、情報操作によって価格をコントロールされてしまう恐れを常にかかえる。高いギャンブル性が魅力なだけの市場に、日本の個人投資家を叩きこんでいるとしか思えません。
コインチェックは現預金から460億円を、今回の被害に対して補填する、といいます。分からないのは、通常の取引所がこれほどの現預金を抱えている、という点です。通常、保険という形はありますが、現預金は聞いたことがない。そんな現預金があるなら、セキュリティにもっと投資できたはずで、釈然としないものを感じます。もしかしたら、仮想通貨取引をここで委縮させるわけにはいかない、としてどこかから何らかの補填が入る、という話があったのかもしれません。日本が、何か裏でおかしなことをしている、それはギャンブルを推奨する政府とともに、それを支えるマネーの流れ、という意味でもそうなのかもしれません。自民党からすれば、仮想通貨が暴落しても「それで何人死んだんだ」というヤジでも飛ぶのでしょうが、これからの仮想通貨のことを億り人(送り人)が現れるという意味で『火葬通貨』と呼んで、火遊びと考えるぐらいでないと、本当に人生をダメにしてしまう人が増えてしまうのでしょうね。

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2018年01月28日

自民党改憲案について

日経に『欧米の経営者による安倍政権への評価が高い』という記事があります。北朝鮮への素早い対応、などとも書かれていますが、恐らく実情は異なるでしょう。経団連会長は歴代安倍トモ、これだけ財界の意向を聞いてくれる政治家もいない。今国会の働き方改革も、経営者にとって都合がよいものです。そのしわ寄せは国民がうけているのに、支持率が高いなんて…欧米の経営者にとってもクレイジーにみえるはずです。さらに欧米の『経営者』というのがくせ者で、経営者が付き合うのは同じ経営者、日本の経営者の言葉をそのまま受け売りしている面も否めません。極端な言い方をすれば、経営者に好かれる政治家は、国民の敵ともいえるのです。

自民党が改憲案で、9条2項を残して自衛隊の存在を明記、との方針を固めたと伝わります。ほぼ安倍首相の案ですが、2項を消したり、自衛権を明記したりすれば、それだけで新たな議論を呼び起こします。つまり改憲ではなく、加憲でないと時間がかかるのです。
しかし加憲であったとしても、安倍氏の言うように「自衛隊の役割は変わらない」わけではありません。それは、今は違憲の安保法制を容認するためで、晴れて自衛隊が、米軍の指揮の下で武力行使できるようになるでしょう。それは日本が武力を保持しているわけではなく、憲法にも明記された『自衛隊』という一組織が、米軍として軍事力を行使する、との理屈が成り立つからです。つまり、安保法制の改定→改憲、という手順にはなりましたが、これで自衛隊は違憲ではなく、堂々と戦地に赴いて戦うことができるのです。

安倍氏自ら「自衛隊が誇りを…」と改憲の意義をほこるのですから、今の自衛隊を安倍氏は『恥ずかしい存在』と認識しているのが明らかです。そして、そんな自衛隊なら他国に委ねてしまえ、というのが自民党改憲案の本旨です。安保法制と合わせて考え、自衛隊を明記できれば法的権限をもって、海外に派遣できる。米軍指揮下で、です。
これは小沢自由党代表がかつて唱えた、国連に自衛隊を委ねる、という案と似ますが、非なるものです。小沢氏は国連軍の創設まで見定めて提案しましたが、今の国連はほぼ常任理事国の軍隊を代理の国連軍とする暫定措置のままであり、自民党の改憲案でも米軍が国連軍の代理なら、そのまま通用する、という発想でしょう。しかし米軍が国連の意に添わずに行動することなど、それこそ多々あり、代理といっても国連軍として動くことはほとんどない。小沢氏の語る国連軍なら、権利を委ねるという意味ですが、米軍に委ねる、というのは自国の権利を放棄すること、そのものでもあるのです。

しかし安倍氏の媚米主義をみれば、そいう憲法にする、というのは合致した行動といえます。自民党改憲案で、もっとも酷い扱いをうけるのは自衛隊でしょう。その名をアメリカ太平洋軍特別部隊、とでも改名した方がよいのかもしれません。米軍の戦争に参加させられ、米軍への怨嗟はそのまま日本へと向かってしまう。日本を守るのではなく、日本の敵をつくるために、海外で行動させられるのですから。安倍氏は「憲法は理想を語る場」と述べましたが、驚くべき意見といえます。憲法が理想であって、現実とはそぐわないから守らなくていい、と聞こえるからです。法学者さえ首を傾げる憲法に対する新解釈、そんなものを礼賛する欧米の経営者、如何に法律を無視して自分たちのためだけに行動している者たちか、ということが垣間見えるのでしょうね。

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2018年01月27日

雑感。黒田日銀総裁の発言

ダボス会議の討論に出席した黒田日銀総裁が2%の物価目標に「近づいている」と発言し、引き締めが意識されて円高が進行。すぐに「認識は変わっていない」と火消しせざるを得ない状況に追い込まれました。黒田氏が成果を誇れば、それは緩和をする理由がなくなるのであり、彼は自らの行動によって、自らを『愚かな総裁』と喧伝せざるを得ない状況に追いこまれているのです。プライドが高い、とされる黒田氏にとっては憤激ものでしょう。
しかも一時期は黒田バズーカ、などと言われ、チヤホヤされていた、なのに、今となっては各国の中央銀行も黒田バズーカのようなやり方ではダメ、と気づいているために、黒田氏の主張など見向きもしない。だから自分に目を向けようと、成果を誇ったのでしょうが、タイミングが悪く円高に向かいやすい時期。そういうことも分からず、成果を誇ったのなら、やっぱりこの人物は経済について知らない、と暴露したのも同じです。

来年度の年金支給額は、今年度並みとすることになりました。物価は上昇気味ですが、賃金が下がるなど、マクロ経済スライドを導入するために計算上、支給額が減るはずなのに、です。そして減額するべきものを先送りすると、将来に増額しなければいけないような状況になっても支給額が増えない、という事態にもなります。
例えば将来、物価が2%上昇したとしても支給額が上げられない、となる可能性もあり得るのです。そもそも、コアコアの物価はまだ低いものの、生鮮食品やガソリンなどの生活に密接なところの物価は現状でも大きく上昇しており、こんなときに年金額を下げたら、怨嗟の声が蔓延するでしょう。つまりマクロ経済スライドは、基本的なところで失敗している、ということになり、その問題を覆い隠すために先送りをくり返せば、さらに将来の問題を大きくする、というジレンマを抱えているのです。そして安倍政権の、将来を犠牲にして今だけの満足度を上げる、という方針ともよく合致する、ともいえます。

しかし黒田氏の思惑は別にして、日銀が引き締めに転じれば円高、株安が襲い、インフレからは遠ざかることになります。つまりインフレにするためにとった策は、あくまで短期で目標達成するために規模を拡大させた。そのため、少しでも規模を縮小するだけで物価に下落圧力がかかり、目標達成からは遠ざかる。途中で止めたら、永久に2%にとどきませんし、2%に達成してから止めても、すぐに物価が下がって元の木阿弥となる。つまり黒田バズーカによる物価上昇策とは、手段としては最悪だった、ということになります。
日銀が始めたETFやREITの購入など、投機の動きは、仮想通貨でさえレバレッジをかけられるという意味で、個人にも広げようとしている。安倍政権は、まさに将来を犠牲にして今だけの満足度を上げる、ために日銀や個人に投機を推奨している、とさえいえるのでしょう。つまり政府は従来から、個人資産をいかに活用するか、ということに苦心してきた面があり、日銀にその役割を肩代わりさせ、個人には仮想通貨のようなものにレバレッジを認める、としているのです。しかし富裕層は仮想通貨のように手は出しません。年金でも同様ですが、結局一番困るのはぎりぎりの生活をする庶民、ということになり、これから仮に不景気になったら、一気に問題が噴出することでしょう。そういう日が「近づいている」からこそ、黒田氏にしろ焦って成果を誇りたがる、ということかもしれませんね。

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2018年01月26日

与野党で分裂騒動

昨日のムニューシン米財務長官のダボス会議での発言、トランプ大統領が否定、と日本で報じられますが、トランプ氏は「長期のドル高」と語っており、ムニューシン氏と何も変わっていません。つまり「短期のドル安」は容認しているのであり、火消しにもなっていないのです。それが中間選挙までなのか、大統領選までなのか、ドル安で見かけの経済をよくしたい、との意図があるとすれば、それが地獄の窯の蓋を開けるかもしれません。
Bitcoinの取引所、で出金停止が起こっています。仮想はデータ上でしかなく、そのデータを担保するブロックチェーンがあったとしても、復元が難しい場合もあります。日本はマイニング用の設備投資で、半導体関連が活性化するためか、仮想通貨の取引にレバレッジがかけられる極めて投機性、ギャンブル性の高い取引を容認している数少ない国です。なのでBitcoin長者も生まれれば、Bitcoin破産も出る。これはカジノ解禁に向けたギャンブル取引の定着化を狙っているのでは? などと言われます。仮想通貨の取引はギャンブル、そうした認識で程よい距離を保たないと、人生が壊されるケースもでてくるでしょう。

松本内閣副大臣が沖縄の米軍機事故の質問をした志位共産委員長に「何人死んだんだ」などとヤジをとばし、辞職しました。死人がでなければいい、そんな判断をするのは政治家ですらありません。名護市長選を前に、早めの幕引きをはかったのでしょうが、そもそも暴言、失言が多い人物を副大臣に任命していたことが問題です。同じ細田派、日本会議にも関係するためか、安倍内閣で度々閣内にいますが、間違いなく問題児です。
そんな自民で額賀派が分裂騒動です。そもそも会長の額賀氏の力量不足と、野心のなさ、日和見主義で勢力を停滞させてきましたが、竹下派を継承する自民党の本流に位置していた派閥です。この動きは当然、次期総裁選にむけたもので、これまでは安倍氏に近くて派閥にもそれなりのポストが割り当てられてきた。しかし細田派の傀儡に成り下がり、安住するだけでよいのか? といった思いもあるでしょう。政治家ならてっぺんをめざす、額賀氏のように「2位じゃダメですか?」の戦略への明確なNOでしょう。

希望の党でも分裂騒ぎです。党の統一見解で安保、憲法に関して曖昧な表現にとどめたため、結成組と合流組、それに党執行部との3つに分裂する気配です。結成組の中心である松沢氏は「離党はしない」としますが、党執行部からの分党提案を蹴れば、除名や除籍もありえます。そこまで強硬なことはしないでしょうが、党はまだ借金を背負う身、早く完済をめざしたいなら、言うことを聞かない政治家に付き合ってはいられません。
恐らく来週の協議でスムーズに分党になるでしょうが、その後の野党の枠組みも含めて、どういう分裂の仕方をするかは注目といえます。結成組は維新と、合流組は立民と、党執行部は民進と合流するなり、統一会派を組むなりする可能性も高いからです。

トランプ氏が「TPP復帰を示唆」と報じられ、困るのは安倍政権です。TPP11を組む際、米国がもどってくるための地ならし、としていたためで、トランプ氏が戻ると言っているのに話し合いもしなければ、嘘になります。しかしトランプ氏は「米国に有利な条件なら」としており、そんな調整がTPP11の他の国とできるはずもありません。
くっついたり、離れたり、人の世の常です。しかしこれはGlobal化の中で、改めて枠組み構築しようとする世界の流れの一つであり、日本の政治も安倍氏が媚米化を露骨にしたことで揺さぶられた価値観、そんなことも影響するのでしょう。ただし日本の場合、誰がGrobel(平伏する)化するか。そんなことで細分化されつつあるのかもしれません。しかし希望のゴタゴタをみるにつけ、野党がまとまらなかったのは希望の政治家が主因、ということが鮮明になるのであり、希望だけは『愚弄ばる』化といえるのでしょうね。

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2018年01月25日

ムニューシン財務長官のドル安容認発言

角界の春日野部屋で、14年9月に兄弟子が弟弟子に暴行。16年6月に有罪判決が確定。16年3月から民事の損害賠償請求訴訟がおこされていることが、明らかになりました。これをうけ、相撲協会の隠ぺい体質とともに、貴乃花親方による貴ノ岩関への暴行事件の際にとった行動に「得心がいった」と述べる人がいますが、とんでもありません。
事件当時、貴乃花氏は危機管理部長、報告もうけていたといい、むしろ相撲協会とともに隠ぺいを図った当事者。もし貴乃花氏が相撲協会のやり方に抵抗し、公表しようと動いていた、と言うならまだ分かりますが、そうした報道はない。ならば相撲協会への不信、はおかしな話です。別の部屋の弟子なら守らなくていい、そんな判断だったら、言葉は悪いですがクズでしょう。忸怩たる思いで隠ぺいに加担しました、というならさっさと記者会見を開いて自分の言葉で語るべきで、そうしない限り貴乃花氏の行動に正当性は見出せません。いつもこの相撲協会関連の報道に関して感じることは、一方が善で一方が悪、そんな単純化するのは危険、ということです。今は全員が自己保身と栄達、そんなもののために他者を利用しようとしているようにしか見えない。みんながアウトレイジです。

ダボス会議でムニューシン米財務長官が「ドル安は我々にとってよいこと」と述べ、円高がすすみました。その後で「より長期のドル高は…今後もそうあり続ける」としますが、前段のインパクトにかき消された形です。それは『強いドル』政策の転換、とうけとめられたからです。米国のように貿易赤字を直接投資によって穴埋めする国にとって、ドル安容認がどんな影響をもたらすか? 考えるまでもなくマイナスです。
特に今、金利上昇局面なのに円高ドル安。その背景には金利上昇局面で米国債の値下がりが予想されるため、米直接投資が減少する背景がある、とされます。中古住宅成約も右肩下がり、これは在庫不足の側面もありますが、米市場は株ぐらいしか買うものがない。今の株高も資金流入が高水準のためであり、それは他市場から流れてきた資金、とも言えるものです。そして米国外の投資家は、株のようなリスク資産への投資は限られるため、ドルを買って投資することができない。つまりこうした国で、強いドルの旗を下ろせば、貿易赤字という実需によるドル安がさらにすすみ易くなってしまうのです。

そしてIMMの取り組みをみても、現在はかなり円ショートを抱えており、ドル安誘導の流れが意識されると、これが一気に円ロングに傾く可能性がある。そうなると対ドル100円割れになってもおかしくありません。米当局が必死で火消しに走っていますが、その成否によっては現実味を帯びるでしょう。ドル安の流れはECB理事会次第か? とみていましたが、俄然ダボス会議に注目が集まることになり、当分収まらない可能性もあります。
ユダヤ系で、その名前もヘブライ語の『慰める者』を意味する、とされるムニューシン氏ですが、トランプ氏の米国ファーストを意識し、ドル安にも言及したのでしょうが、とんだ食わせものだったのかもしれません。投資責任者として成功し、ゴールドマンサックスの共同経営者になったことでも知られますが、経済のことを知らなくても投資が成功することなど、ままあります。それともただの短慮、軽口を叩いただけだったのか? いずれにしても、今回の軽挙では誰も慰められないのであり、開いた『弱いドル』の扉は、そう簡単に閉められそうもないのでしょうね。

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2018年01月24日

安倍首相の五輪出席

安倍首相がぶら下がりで平昌五輪の出席を表明しました。しかし先に産経の単独インタビューで出席を明言。すると産経はそれまでの「論外」主張を、「政権を担う者の責任」などとヨイショし始めた。しかし端的に今回の問題を考えれば、バルト3国や東欧の歴訪で、あれほど北朝鮮の脅威を訴えておきながら、当の韓国とは国会日程を理由に会わない、などという態度がとりにくくなった。つまり自身で勝手に出ざるを得ない状況に追いこみ、主張の整合がとれなくなったことが原因です。もしこれで出席しない、となれば歴訪の間も慰安婦合意の正当性を訴え、世界の世論形勢を優先していなければおかしい、となります。

平昌五輪参加をうけ、韓国を訪れた北朝鮮の視察団を「プロパガンダ」と報じるところもありますが、政治家の行動、言動、服装に至るまでプロパガンダでないことの方が少ないのであり、すべて宣伝効果を狙ったものです。美女、とされることも武器であり、日本とて勘違いを含め、美貌を武器にしようとする女性議員もいる。わざわざプロパガンダなどというのは、それをされて嫌がる側が用いる理屈、ということがいえるでしょう。
韓国は明らかに北朝鮮に利用され、むしろそれを愉悦と感じているのではないか? というほどです。五輪委員会まで明白な政治利用を容認し、南北統一に酔っているようですが、政治は切歯扼腕してそれを眺めるばかりでなく、日本が韓国のそうした態度を改めさせるのもまた外交なのです。自分の思い通りにいかないと、ただ相手を非難するばかりで具体策もない。安倍氏の手腕そのものですが、一先ず今回は訪韓し、文大統領と会談するので、その成果も含めて評価がだせる形になります。安倍氏はそれが嫌で渋っていたようですが、党内の声に観念したのでしょう。ただ気になるのが、ぶら下がりでも若干舌足らずになる場面があった。歴訪中の言いよどみ、外交はつらい、などの発言も含めて、明らかに最近の安倍氏は体調面に何らかの変調を来している、という点です。

代表質問でも「財政の改竄…」と語り、ヤジに慌てて「改善」と言い直す場面もあった。昭恵夫人のFacebookに載った病的な写真もふくめ、薬の使用を制限しながら使う必要に迫られているのでは? そんな推測も成り立つ。ステロイドなどの強い薬を服用していれば、別の臓器に影響がでてきてもおかしくない。あくまで憶測ですが、安倍氏は通常国会が終わったら退任を示唆し、総裁選には後継を立てる、という戦術も考えられる。つまり自分の政策を踏襲してくれる、そんな政治家に政権の座を禅譲する気ではないか?
改憲では、自衛隊員の尊厳を訴えて必要性を説きますが、最近頻発する米軍機の事故、トラブルにより危険に晒される国民の尊厳は、等閑です。激しく抗議、などの態度はとりますが、安倍政権と米軍との関係をみても、名護市長選を前にただのポーズとしか思えません。むしろその姑息さ、本気だったら安倍氏が直接、米軍に直談判するぐらいの行動があって然るべきですが、ただ表面的に抗議するばかりでしかありません。

国会の質疑時間について、自民が強行に主張するのも、安倍氏の体調と密接に関係するとみると分かり易い。そして、北朝鮮にさらなる圧力を米軍がかけるなら、益々米兵は疲弊し、ミスも多くなる。安倍氏の媚米主義、そのものが否定されるかもしれない。世界的に頻発する火山の噴火も、もし巨大なものが発生したら、世界は寒冷化により食料価格の高騰、予期せぬ物価高騰に国民の怨嗟が政権に向かうのは確実。安倍氏が幸せなうちに首相の座から下りるためには、夏までが限界でしょう。年後半、景気が失速すればさらに批判の的になります。そこにきて、体の不調が重なるとなれば、安倍氏がもたないことは確実なのです。「政権を担うものが無責任」そう呼ばれないためには、幸せなうちに退陣したいと考えるでしょう。昭恵夫人の病的写真の投稿、家ではもうこんなにボロボロ、ということを暗示したなら、体調の改竄も難しくなってきた、ということなのでしょうね。

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2018年01月23日

日銀の会合と経済財政諮問会議

草津の白根山が噴火しました。噴火予知はムリ、今回は噴火速報もでず、10時ごろの噴火で官邸に対策室ができたのは12時前、明らかに失態です。つまり監視カメラに頼り、それ以外の箇所で噴火したらお手上げ、ということが露呈しました。監視員などに頼らずとも、地元の住民に通報するよう要請しておけば速報もだせるし、対策室ももっと早くできたはず。金がなくても知恵をしぼれば、できることは多いはずなのです。

日銀の金融政策決定会合が開かれ、現状維持が決定されました。ただし展望リポートで予想物価上昇率の判断を「弱含み」から「横ばい圏」に引き上げたため、円高の反応となっています。引き締め観測の高まり、すでに日銀はもう緩和の手は打てない。米欧が引き締める中でさらなる緩和の手を打ったら、どんな不測の事態を招くか分からず、そんな冒険はできない。会談で引き締め観測を打ち消しても、わずかな言葉尻や行動をみて、そら引き締めだ、と動きだすのが確実で、市場との対話はかなり困難だと示します。
そんな中、安倍政権が経済財政諮問会議で、財政黒字化を先送りする試算をだしました。赤字解消が前回の25年から27年にずれこむ、というもので元々楽観的だった経済成長率を下方修正するなどした影響です。しかし団塊の世代が後期高齢者入りする25年問題は、以前から指摘されていた話。25年までに黒字化を達成できなければ、さらに苦しくなることも想定されていたこと。つまり安倍政権は財政再建に失敗した、と断じられます。

財務省がマイナス金利で1.5兆円の増収、と試算しました。お金を借りるために国債を発行すれば儲かる、という異常な仕組みで、こんなものが長続きするはずありません。事実、基盤の弱い中小金融は経営難、大手も預金をひきだすだけで手数料をとられる。結局それは間接的な税とも呼べる状況で、マイナス金利で国に吸い上げられる分を、国民から手数料として徴収しているようなものです。しかし日銀に対しては、保有する国債を無利子としてバランスシートに組み入れ、償還まで保有する案が未だに多く語られます。
しかしこのヘリマネと呼ばれる手法は、国に買い戻してもらえるなら資産ですが、このまま財政赤字がつづけば買い戻しもできず、デフォルトの確率が高まることになります。つまりこの策は、日銀が保有しているから売り叩かれない、というためだけの策で、始めたら国債の暴落がいつ起こってもおかしくない。日銀は売らなくても、市場で取引される分は間違いなく変動要因が大きくなるでしょう。拡大する財政の穴を、国内で埋め切れるリミットは24年、とも言われている。つまり27年どころか、25年の財政黒字化でも手遅れなのであり、その手立てがヘリマネなら、確実に予断を許さない事態を招くと想定されるのです。

今日の日経平均は24000円を越えました。しかし最近、上に撥ねるときは日系2社の仕掛けであることが多く、今日もそうで、珍しく2社がそろって買い上げたことが主因です。爛れた安倍政権と黒田日銀との関係、それに金融機関も乗っかっていることが、ここからもうかがえます。金融政策決定会合と経済財政諮問会議が重なった特異日、でてきたのが『日銀が助けてくれないと日本の財政が大変。金融機関も協力して株高で楽観を演出』という結果。日本丸は総動員で、何とか太平洋の荒波にぷかぷか浮いていられる状況ですが、バズーカを積んでいても、2つのスクリューで株高を演出しても、安倍ノミクスというエンジンが悪いのですから、日本丸は沈没していくだけです。いつどこで地下にたまったマグマが噴出し、轟沈するか分からない、そんな恐怖に怯える状況がつづいてしまうのでしょうね。

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2018年01月22日

通常国会、安倍首相の施政方針演説

関東は雪で大変です。黒潮大蛇行により温かい海流が関東から離れ、寒気が入り易くなっている側面もあるらしく、様々なことが繋がりをもって現れているのでしょう。

そんな雪の中、第196回通常国会が召集され、衆院本会議で安倍首相による施政方針演説が行われました。150年前、明治という時代が始まり…白虎隊で戦った山川健次郎を、明治政府が重用したことを人材活用と重ね、少子高齢化を克服できる、と語ります。しかし維新を成し遂げた薩長は人材不足、さらに腐敗や汚職にまみれていたことは、歴史的な検証によって既に明らかです。よほど薩長史観に毒された人間でない限り、明治政府が素晴らしい、などとは言わない。山川とて政府の要職についたわけではありません。
働き方改革で「若いベンチャー経営者が…テレワークや週3日勤務の導入で優秀な人材を集めた」と安倍氏に語った、とされます。例が例になっておらず、誰かが不明ですし、漠然としすぎ。妄想や幻聴では? と疑うレベルです。「非正規という言葉をなくす」としますが、正規の待遇を下げ、非正規の待遇に近づける、それが働き方改革の中身です。

人づくり革命では「児童養護施設が育った若者が夢を…『自動車の完全自動運転を実現させたい』」と語り、青学理工学部にすすんだ、とします。言葉は悪いですが、若者が大学を卒業するころには実現されているでしょう。日本ではなく海外で、です。日本では実証実験のための公道が中々開放されず、出遅れている。もし安倍氏がそれを直接聞いたなら、さらにその先の道を示す必要があり、それが為政者の役目といえるのでしょう。
全体的に総花的で「やりました」「実現します」という、強い決意の感じられない羅列ばかりです。豊田佐吉も持ちだしますが、成功例だからと安倍氏がもちだすのは違和感もある。他人の褌で…の言葉がぴったりで、全体の「やりました」「実現します」という言葉通り、自分の実績に中身がないから、大きく成功した企業人にあやかったつもりなのでしょうが、むしろ小者ぶりをアピールする結果となったのでしょう。

パリ協定で示された2050年にむけて、日本の環境技術で貢献、としますが、すでに環境後進国とみなされる日本。火力に頼り、原子力しか代替の提案がないような国は、世界に貢献できるどころではありません。福島に水素生産工場を…といいますが、低エネルギーで水素を生産できれば、それが新エネルギーにもなるはずですが、そういう提案はありません。車を水素で動かす、というのも現時点では日本しか推進していないのです。
北朝鮮問題への対応、では「3年前、私たちは平和安全法制を成立させた」→「憲法違反の安保改正をした」です。「日米同盟はかつてないほど強固になった」→「米国従属はかつてないほどすすんだ」です。そもそも北朝鮮への対応なのに、この文言がでてくる時点で、戦争を想定しているといえ、安倍政権は圧力の先に北朝鮮の完全なる武装解除をめざして、日米で北朝鮮に戦争をしかける気では? とすら勘ぐれます。

おわりに、では天竜川の氾濫を荒れ地に植林にすることによって鎮め、森が守り神となった、としますが、その荒れ地をつくったのは誰か? 人間です。人が乱開発や手を入れずに放置するから荒れ地となる。安倍政権が行っているのは、まさに荒れ地をつくる行為ばかりです。黒潮も曲がれば甚大な影響をもたらす。安倍政権が曲げた日本の形は、すでに様々な形で弊害をうみだしている。それを覆い隠す日銀の異次元緩和によるバブル、その白く降り積もった下には、どす黒い荒れ地が待っているのであり、安倍政権はもっともそうした雪解けを恐れている、といえるのでしょうね。


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2018年01月21日

米国と原油高

南米ベネズエラの経済危機が叫ばれて久しいですが、昨年の原油生産量が前年比13%減の日量207万バレルと発表されました。それを補うかのように、米国のシェールオイル生産が日量1000万バレルに達しようとしており、年末には1100万バレルまで増産される、との見通しがでています。今の原油高は1.好景気、2.イランとの核合意の見直しに伴うイラン産原油の取引停止、3.ベネズエラの減産、4.中東の反政府組織による原油インフラへのテロ、5.ドル安、6.市場の暴走、など様々な要因により引き起こされています。しかしこうしてそれを上回る米国による増産があり、需給としての原油高でないことは一目瞭然です。

通常、南米でトラブルがあると米国が積極的に介入するのが常です。犯罪組織の温床になれば、米国への影響が小さくないからです。しかし米国は静観、ベネズエラの破綻を容認するかのような態度です。イランとの核合意見直しも、トランプ政権によるオバマ政権時代の否定、ということをさておいても、このタイミングで打ち出したのは理由もあるのでしょう。米国第一のトランプ政権、支持率も一定数は維持していても下落気味、経済が良好といってもほとんどオバマ政権時代の産物で、実はトランプ政権では減税ぐらいしか、経済を押し上げる政策はありません。それが国民に知られたら、非常にまずいことになります。
トランプ政権の成果とするための原油高、米鉄鋼産業などは相変わらず、悪い状況がつづきますが、シェールオイル産業は息を吹き返すことができる。関連産業でも雇用が増え、シェール関連への投資家は配当をうけとり、原油の輸入量減により貿易赤字を削減、産油国の動向に一喜一憂せず政治ができる原油安全保障が確立できる。こうした様々な利がありますが、唯一の弱点はガソリン高による国民の不満です。ただし景気は好調、時間当たり賃金も2.5%の上昇があり、不満の声が大きくならないので無視できるレベルです。つまり、トランプ政権で唯一自身の成果と喧伝できるのが原油高による効果なのです。

中間選挙の前、原油高を米国が仕掛けたとみてほぼ間違いないのでしょう。そしてそれは露国との約束だったかもしれない。選挙に協力してくれた謝礼、国内向けに制裁は解除できないものの、原油高にすれば露国経済は程よく助かる。トランプ氏にとって、ここ最近の原油高は『百利あって一害なし』です。そのために使える手は何でもつかう。ベネズエラが破綻しようが、イランが混乱しようが、原油の輸入が多い日本や欧州などのような国が困ろうと、何の不都合もない。トランプ政権にとっては、米国第一だからです。
予算案が否決され、政府機関の閉鎖がはじまります。共和、民主の非難合戦、責任のなすりつけ合いが終わるまで、醜い争いはつづくのでしょう。現状、イイトコどりの市場が、これを悪材料にするとはとても思えませんが、継続度合いによっては嫌気がさす可能性もあります。米国が始めた米国第一の経済政策、それが「百害あって一利なし」とみなされるようになったら、この暴騰相場も終わりでしょう。米国害一、そうみなされる段階をさぐることで、相場の転換をさぐることもできるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:04|PermalinkComments(2)このエントリーをはてなブックマークに追加 アメリカ | 経済

2018年01月20日

雑感。安倍首相の読む力

安倍首相がリトアニアを訪問した際、杉原千畝記念館を訪れて自ら「日本人の誇り」と語った『杉原千畝(ちうね)』の名前を読めなかった、と報じられます。しかも3年前には杉原千畝の映画を鑑賞し、記者にその感想を述べていた事実もある。そうした映画をみていなくても国内、国外問わず名の知られた人物の名前が読めない、はおかしな話です。ど忘れ? 記念館を訪れた直後で、それは考えられません。考えられる理由は、大して興味ももてないし、他のことが気になって説明も耳に入っていなかった。もしくは高齢による物忘れ、です。
後者だとすると、総裁選の材料にされかねない。安倍氏も63歳、認知症がでてきてもおかしくない年齢です。しかもこれまで「大好き」と公言し、周りからも元気になる、と評されていた外遊に「60越えるとつらい」と漏らした。勿論、冗談の類ですが、これも安倍氏の足を引っ張る材料としては十分で、高齢批判が総裁選でも注目されることになります。
前者だと厄介なのが、世界に深く食いこむユダヤ人コミュニティから見限られる点です。他国の人間ならいざ知らず、同じ日本人で杉原千畝を軽視するなど、彼らからみたら信じられない行為です。そもそも日本で杉原千畝は冷遇されたのであり、官僚の側に立つ安倍氏が軽視したとて、何の不思議もありません。そんな気持ちが説明も上の空、という状況をつくったなら、ユダヤ人コミュニティからも見限られ、安倍外交はさらに行き詰まるケースが増えるはずです。

来週から始まる国会で、まず審議されるのは2.3兆円規模の補正予算です。しかしほとんど景気を押し上げない、とされていて、注目度も低い。震災復興、東京五輪、リニアとぱんぱんの大型工事に、さらに公共工事を上乗せ、というのですから意味がありません。GDPは公共投資として押し上げられますが、波及効果も低く、景気は押し上げないのです。
その後の97.7兆円の18年度予算案はさらに問題です。財政規律の歪み、が指摘されますが、安倍政権が経済と財政の関係を説明するのに、高い成長率と低い国債利回りが共存する、との前提を用いた試算をだしました。通常、国内経済が成長すれば利回りも上昇する、させないとおかしいのであって、もし安倍政権の試算通りだとすると、日本は強烈なバブルが発生していることになります。一時的にはそれで財政を潤しても、その後のツケ払いにより、日本の財政はより痛むことになる。今、安倍政権もほとんど同じ理屈を用いていて、自分たちの間に財政は改善した、という言い方をする。しかし背景には日銀による国債の大量買い、といったバブルにより改善しているように見せかけているだけ。経済が好調、というのにイールドカーブコントロールにより低金利の状況を、人為的につくりだしているのです。この状況が崩れたとき、ツケ払いは相当なものとなるでしょう。

安倍氏が読めなかった杉原千畝、難しいという人もいますが、『畝』という漢字の読みを音読の『ホ、ボウ』とすぐにピンとくる人は少なく、ふつうは田を別ける『うね』と読むはずで、一般的な国語の知識があれば、漢字をみれば読めるはずなのです。今のキラキラネームより、よほど平易といえるでしょう。千に田を別ける、国民に広く利益を還元する言葉は読めず、オトモダチや米兵器産業には多額の予算をつける、そんな時流すら読めないことをしていては、総裁3選どころか政治生命すら危うくなるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:09|PermalinkComments(5)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2018年01月19日

欧ウラン濃縮企業を日本政府が買収?

日本政府が国際協力銀行(JBIC)を通じて欧州のウラン濃縮大手、ウレンコ社を米エネルギー会社と共同で買収する交渉をしている、と報じられます。中国などに経営権が移るのを防ぐため、などといいますが、ウラン濃縮などは既知の技術であり、今さら技術流出の懸念などの心配はありません。うがった見方ですが、この買収には英国への原発輸出と、東芝によるウェスティングハウス(WH)の売却、が密接に絡むものと考えています。
世界は脱原発へと向かい、当然のようにウラン濃縮産業も廃れていく。淘汰され、寡占化された段階で中露に企業の経営権を握られていたら、原発どころか産業、兵器の分野でもウラン化合物を使えなくなる恐れもある。しかしナゼ欧州のウラン濃縮に対して、日本が拠出しなければならないのか? 不安があるなら財政に余裕のある独国や、原発依存の強い仏国でもよいはずです。日本が参入せざるを得ないのは、WHの売却をすすめる上で、今後も世界的な原発推進の姿勢をとるよう、日本政府が約束させられたためなのでしょう。WHは製造、開発というより特許ビジネスに近いとされ、世界中で自分たちの特許が用いられた原発が稼働しつづけることが重要、とされます。日本が原発を推進し、世界中の原発を支え続ける、それが売却の条件だったら、買収に日本政府がのりだしたことに説明もつきます。

福島第一原発の2号機の内部映像が公開され、溶け落ちた燃料が圧力容器を突き破って、格納容器に達していたことが判明しました。後はコンクリートをどこまで削っているか、どの程度の範囲まで広がっているか、その調査が待たれます。それは溶融燃料をとりだすばかりでなく、放射化されたコンクリートまではつらないと終われないからで、汚染の範囲は通常、コンクリートで止まりますが、燃料の溶け落ちた場所だけはコンクリート部まで汚染がすすんでしまっている。すべて取り去って、やっと完了となるのです。
しかし事故から約7年も経って、やっと2号機の内部が確認された。2021年から溶け落ちた燃料をとりだす計画を始める予定ですが、取りだすにもこれまでの2倍程度、時間がかかるとみてよいでしょう。それは内部を確認しながら、とりだしの作業をする何らかの遠隔操作のマシンを準備する必要があるためで、計画、製造にも時間がかかるためです。これまでの比でないほど、格段に難しくなり、これからが本番ともいえるのでしょう。

東日本大震災の津波被害の語り部、それを聞きに来る国民が減り、風化が心配という声があります。しかし今、もっと風化が心配されるのは福島原発への無関心であり、何となく原発を再稼働することを容認してしまうこと、なのでしょう。福島原発のニュースがほとんど取り上げられない。それは事態が何も動いていないから、つまり福島原発の処理がすすんでいないから、ニュースの扱いが小さいのであり、由々しき事態といえます。
日本政府がウレンコ社の買収に参加するのは、衰退産業への投資、という二重の意味で問題のある行為です。もしかしたら、国内で処分先の決まらない高レベル放射性廃棄物を、欧州で処理してもらう、という魂胆でもあるのか? そんなことになれば、日本は未来永劫、非難されることにもなるでしょう。ウレンコ(売れん子)社をあえて日本が買う理由、その理由はどんな想定をしてみたところで、日本にとって不都合なことばかりで、国会にも諮らず、こうしたことを進めてしまう安倍政権の慢心が、また一つ見え隠れするニュースでもあるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:17|PermalinkComments(6)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 欧州

2018年01月18日

Apple社の投資計画と日米の労働環境

昨晩、Apple社が300億$の投資と、海外の滞留資金を米国内に還流するなどして5年間で3500億$の効果、と発表しました。トランプ減税の効果ともされますが、内情はやや異なるようです。バッテリー問題でミソをつけたAppleは、米国で巨額となる訴訟問題に直面します。しかもバッテリーを割安で販売、交換する施策もとるため、今後は動作がもっさり、バッテリーの持ちが悪くなった、といって買い替える消費者が減ります。これは訴訟による選挙対策、賠償費用の負担と、消費減のダブルパンチとなってAppleを襲います。
さらにAppleが従業員用に無料の送迎バスをだしていますが、それに石が投げられる、との報道もある。地元住民としてはAppleがくると家賃が上がる、などの弊害しかない。さらにここのところの不祥事も重なるのでしょう。つまり米国内で嫌われ者となりつつあるAppleにとって、米消費者への理解がすすむような施策を準備する必要があった。これも広告、宣伝費の位置づけなのでしょう。しかしAppleなど、勝ち組の企業、従業員へと向けられる厳しい目に対して、これが答えになるかは依然として不明です。

米国ではトランプ減税により、従業員への還元策を発表する企業も多いですが、結局それは米国内の人材不足を露呈するものです。トランプ政権では移民の規制や、不法移民二世を追いだす、といった施策が打たれるかもしれない。少しでも従業員を確保しておかないと、人手不足で事業がいきなり頓挫、といった事態を招きかねない。だから少し余裕のあるうち、我々の企業は従業員に優しい、というアピールに余念がないのです。
日本でも春闘が本格化しますが、経団連などは安倍政権の要請通り、企業に3%の賃上げを要請します。毎年同じ光景が繰り返され、現実にはボーナスを下げたり、実際の賃金が3%の賃上げを達成することはありません。しかし今回、企業も3%の賃上げに言及するところが出てくるなど、前向きな姿勢も見受けられます。ただしこれにも裏があり、来週始まる通常国会を、安倍政権は『働き方改革国会』と位置づけ、残業代ゼロ、高プロの導入、裁量労働制の拡大、などの法律を通すつもりです。つまり賃上げ3%を実施したとしても、残業代などが減れば企業としては固定費削減となり、リターンが大きいのです。

企業としては少しでも国内のムードをよくし、労働法制の改定を安倍政権にすすめさせ、後に実際の賃金の支払いを下げることを目的としている。つまり米国では人材確保のために企業は向いていて、日本では人材を疲弊させる方向に企業も政治も向いている。これが成長を維持できる国と、低成長にあえぐ国との違い、といえるのかもしれません。
しかも日本では賃上げがすすまないと、増税もセットで議論されるため、ますます国内経済が疲弊しかねない。日本の場合、3%の賃上げはマスト、でもそれほど春闘でもそうした動きが広がっていないのが現状です。日本は政治による誤った方向性と、企業の過度な自己防衛により、いつまで経っても低成長を脱することができないのでしょう。

今日の日経平均は朝方24000円をつけましたが、ほぼ寄り天で値を消しました。オプション市場で24000円のコールが増え、それを崩せば反対売買で利益がでる、そう見定めてここ数日、買い支えていた層が意外と落ち着いた動きだったため、ポジションを外さざるを得なかった、というのが実態でしょう。よく日本は国際的な景気敏感株、などといわれますが、それは国内経済がぼろぼろで、海外に依存した収益性を高めているために、そうなるのです。世界では仮想通貨への規制が議論され、価格が大きく値下がりし、日本の個人投資家にも大きな損失がでました。こうしたものも、政府の方向性が世界と逆行している、その一例なのでしょう。日本の労働市場も、政策によって滅茶苦茶にされつつあるなら、Appleのような企業が日本に現れることは絶対ない、と言いきれてしまうのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:25|PermalinkComments(2)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 一般

2018年01月17日

安倍外遊からの帰国と野党

民進と希望が合意文書をかわした統一会派の構想は、およそ2日で瓦解しました。あまりに拙速だった党執行部に、所属議員からNOを突きつけられた。これで両党とも、党執行部の弱体化がすすみ、党内に多くの亀裂が入った状態で通常国会に突入することになります。
今回の統一会派の目的は、国会で野党第一党となり、議論を主導する立場になって存在感を増す、というためのもの。しかし存在感があっても、安倍政権と対峙できるだけの理論武装がなければ、それは悪い形の存在感にしかならない。それが民進と希望、という政策調整さえできていない会派では、安倍政権がほくそ笑むだけでした。憲政史上最悪の統一会派、衆院では希望が多数、参院では民進が多数、政策調整ができていなければ、衆参で対応、方針が変わった可能性もあり、これが成立したら大変なことになるところでした。

しかし両党に与えたダメージは計り知れません。希望は分党によって10人以上が離脱する、とされており、民進は3つ以上のグループに分割される可能性があった。それを露呈させた党執行部への不満も残り、両党とも四分五裂になる可能性が意識されます。そんな政党を国民が支持するはずもなく、さらに支持率低下につながり、それで議員もまた逃げだす。そうした悪循環の引き金を、今回の統一会派騒動がみちびきだすのかもしれません。
安倍氏は外遊の日程を終え、帰国しました。しかしノーベル平和賞を受賞したICANのフィン事務局長とは会談せず、「(核廃絶を求める)合理的な国際社会から足を踏み外した」と糾弾されます。唯一の被爆国を自認する国が、核廃絶に背を向けたのですから、非難されて当然ですが、それが安倍政権になってから急にでてきた『米軍の核の傘の下にいるから、核廃絶の流れにはのれない」という基準なのですから、国民にとってもどうしていきなり基準が変わったのか? よく分からない。つまり国民は何で日本が批判されているのか、分からないまま『国際社会から足を踏み外した』と言われていることになります。

さらに平昌五輪の開会式に出席せず、と発言したら与党内から国会の調整ぐらいつけるから出ろ、と言われる始末。従軍慰安婦の件で出たくない、という理屈は立たない。なぜなら今回の外遊も、北朝鮮の脅威を訴えていたからで、その直接の当事国である韓国とは、話し合うことが何もない、というのは説明がつかないのです。
カナダで開かれた外相会合に河野外相が出席し、「圧力を最大化で一致」と日本では報じられます。しかし英文をみると、違った文言になるはずです。共同声明では「緊張緩和」が入るなど、日本の示す圧力外交と世界とはまったく一線を画しているのです。それは日本の首相が、従軍慰安婦の問題の方を重視して韓国に行かない、などと言っているのですから、この国とて本気で北朝鮮包囲網を築こうとしている、とはみなされないのです。

外遊中、ルーマニアでは首相が突然の辞任により、会談が見送られました。日本の都合で組んだ日程なので、ルーマニアの都合で政局に巻きこまれたのですが、これに対して何も言えないのが安倍外交の限界なのでしょう。北朝鮮への圧力でも『国際社会から足を踏み外した』安倍政権、野党の失敗の上に胡坐をかいていたら、国際社会という座布団の上からは滑り落ちていた、というところです。仏教では胡坐のことを『結跏趺坐』といいますが、安倍外交でかく胡坐は『結果無残』。国内では通用しても、海外からは『足を踏み外した』といわれるぐらいに最悪の評価、ということを今回も露呈したのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:17|PermalinkComments(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2018年01月16日

日銀のさくらレポート

ビール消費が右肩下がり、といいます。規制が厳しくなり、安売りできなくなったのと同時に値上げするものもあり、また若者のビール離れの影響もある。ただ、今の子供たちに増えるご飯、おかず、と別々に食べるといった風潮は、ビールを飲みながらつまみ、という食習慣にはなじみ難いといえ、ますますビールに逆風といえます。

日銀の1月さくらレポート、上方修正した地域は東北が『緩やかな回復基調』から基調が抜け、北陸が『緩やかに拡大』から『拡大』へ、近畿は『緩やかに拡大』の前に『足取りを確かなものにしつつ』という文言が入りました。他は横ばいで下げたところがない。一見すると良好な結果ですが、今回は個人消費についてこだわって見てみると、『雇用者所得は改善』という判断がほとんどですが、個別のアンケートでは違う景色がみえます。
雇用、賃金に関するものはほとんどなく、家電エコポイントで買った家電の買い替え、初売りのついで買いが増えた、そしてインバウンド消費が目立つ。宿泊が増えた、というのもインバウンド消費の流れで外国人旅行客が安いホテルを占拠してしまうため、日本人の旅行客が高額のホテルに遷移している、と考えると分かり易いかもしれません。初売りも外国人が買い漁り、後で回収して転売する目的という。それだと、動員された人がついで買いをする機会が増えるでしょう。何しろ、動員された人はそこで何も買っていないことになり、せっかく来たのだから、とまさに『ついで』が発生するからです。

しかも、参照として添付されたデータに、賃金に関するものは一切ない。政府統計を参照しているのですから、賃金に関するデータもあるはずなのに、さくらレポートには入れていない。雇用が堅調、というのはデータからも示されますが、賃金に関して『改善』と指摘する根拠は何もない。にもかかわらず、一体どうやって判断したのか? 謎です。
しかも、最も気になるのが預金残高が2016年が8.1%の高い伸び。17年もこのままなら6%台は維持するでしょう。2015年までが3%台だったものが、ここ2年の上昇は明らかに個人向け国債の販売を止めてしまったから。金利が低く、手数料を除くとほとんど儲けがでない、という商品になってしまったため、銀行やゆうちょも国債を個人には売らなくなりました。結果、行き場のないお金が預貯金として溜まり始めています。いくら流動性を増やしても、預貯金が増えては効果も低くなる。そもそもは日銀の政策で預貯金が増える方向に誘導されているのですから、本末転倒といえます。

読売が一面で、『銀行員の転職』と報じました。低金利で収益性が低下、というばかりでなく、預貯金が増えても運用先がなく、低いといっても利子はつけなければいけないのですから、銀行としては預貯金が増えるのはマイナスです。しかも安倍政権が成果と誇ってきた倒産件数の増加も、昨年からじわりと上昇傾向にある。甘い融資が不良債権になる、ということを身をもって体験している日本の金融機関は、そこまで甘い融資をしているとは思えませんが、それでも倒産がじわり増えているのは危険信号です。
インバウンド消費とて、実は日本が円安、低インフレだから日本に行って買い物を、となっているのであって、安倍政権や日銀が目標とする物価目標2%が達成されたら、むしろ減るかもしれない。さくらレポート、まさに客を装って商品をよくみせようとする、『さくら』のレポートと言えそうです。国内向けに「回復、改善」を謳い、海外向けには低インフレと円安でインバウンド客をよびこむ。まさに日銀が『さくら』となって、多くを騙すためのレポートといえるでしょう。自動車販売も急ブレーキ、それはビール消費と同じように、日本で縮む消費の縮図といえるかもしれず、実態を表していると思えないこのレポートは、錯乱レポートという方が近いのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:18|PermalinkComments(2)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 一般

2018年01月15日

円高の理由として語られるいくつか

民進と希望の統一会派、やはり党内から反対意見が続出です。希望は選挙公約から後退して面白くない、民進は自分たちを見限って出て行った政治家とまた組むのが面白くない。どちらも『舌の根の乾かぬうちに』公約を見直したり、統一会派をくむことに不満、ということです。民進と希望の統一会派は『民希』かと思っていましたが、『進望』がいいかもしれません。統一会派に動いた執行部も、これに不平不満をいう議員も、どちらも『シンボウ』が足りないからです。政党としての核となる基本政策や矜持、そうした『心棒』がないのなら、せめて略称ぐらいはそう呼んだ方がよいのかもしれません。

今日の東京市場でも円高がすすみ、米国の大幅高による株価への好影響を相殺した形になりました。最近の円高にはいくつか語られるシナリオがあり、前回は北朝鮮有事などによる円高を事前に織りこむ動き、を取り上げましたが、日銀の政策変更が近々あるのでは? との観測。むしろ、日銀が引き締めに転じないよう、円高にしてインフレ率を下げておく必要性、などという話もあります。世界の市場が過剰流動性によって押し上げられ、それを継続させたいなら、米欧のように引き締めに転じたところに期待はできない。日銀に如何にして緩和策をとらせつづけるか、が重要で、そのための円高だというのです。
一方で、原油高との連動性という話もある。原油高はほぼ100%を輸入にたよる日本経済にとってはマイナスです。しかし中東の政府系ファンドなどでは、運用資産が増える可能性があり、イスラエル寄りの米国には投資しにくい。欧州では待機資金をつかえばいい。日本には新規資金を流入させ、円高にしておけばさらに中東から原油を買ってくれるかもしれない。そんな思惑の入り混じった円買い、との話もあります。

その中で、円でBitCoinを買うため、との話もある。最もBitCoinの市場が整備され、取引量も多い。要するに、流動性が高いことでリスクヘッジできる、それが円での取引というのです。BitCoinに規制がかかる国もあり、また日本での取引が本国に通達されない場合、所得としての税がかからない取引もできる。今や仮想通貨は雨後の筍のごとく勃興しており、一方の仮想通貨で増えた資産を、もう一方の仮想通貨に移しておく、ということもできる。仮想通貨をみとめていない国では、そもそも仮想通貨のままの資産を、きちんとカウントしない可能性もあって、この辺りの事情も円へと資金が流れやすい構図の1つです。
こうした様々な説が語られるのも、日米の金利差が拡大する中ですすむ円高の理由、それを計りかねているため、でしょう。株や経済にバブルの兆候はみられない、という人も仮想通貨はバブル、という。そうそう都合よくバブルが切り離されることはないので、一部でバブルが起こっているようなときは、ほとんどがバブルの余波を受けていることになります。仮想通貨ばかりでなく、円で起きる説明のつかない事象、すでに経済全体が『仮想』、むしろ『仮装』となり、実態とかけ離れてしまっているのなら、これからの経済では『深謀』が大切、ということになるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 22:47|PermalinkComments(4)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 一般

2018年01月14日

民進と希望の統一会派合意?

センター試験が2日間の日程を終えました。毎年、大雪などの異常気象の特異日に実施するのはおかしい、と主張していますが、今年は2、3日前に猛烈な寒波が襲いました。もし週末だったら大混乱に陥ったでしょう。センター試験は11月か12月、台風も来ない、雪の影響も少ない時期に行うのがベストだと考えますが、日本では大きな犠牲がでて問題視されるまで、こうした悪癖を改めない傾向があります。むしろ苦労を乗り越えることこそ美徳、という考えまである。しかし試験は順位がつく競争なのですから、条件を同じにしなければ本来おかしな話です。雪深いところと、そうでないところで試験をうける過程に差があるようでは、それを正しい競争といえるのか? そうした点からの考察も必要でしょう。

民進と希望の幹事長会談で、衆参での統一会派結成が合意されました。これで衆参第一会派となりますが、衆院の民進議員はそもそも民進の看板を掲げて戦ったわけではありません。希望から公認を受けられなかった遺恨もあり、無所属の会として継続して活動する議員もいるでしょう。何より、政策や党の方針が違いすぎて、それについていけない議員も両党ともに多くいます。今後、この統一会派には『野合』との悪評がつきまとうことは確実なので、さらに支持を落とすのは必定。その前に逃げだしたい議員も多い。
来週の22日が通常国会の召集日ですから、党内手続きを考えると1週間前はぎりぎり。それでも16日まで合意は待つ、とみていました。明日には離党者が続出する可能性もあるからで、党内手続きが紛糾する可能性、という前に、党がガタガタになるかもしれないからです。このタイミングを選んだのは、出ていくなら出ていけばいい、という決意にも見える。今回の衆院選でも、選挙が近づくにつれて離党者がバタバタでてきた経緯もあり、民進としても出ていくなら出ていってもらって結構、と考えたのでしょう。年末年始、地元にもどって説明をしてきた議員は、この動きで決断を促されることになります。

しかしこの動き、むしろ民進内の反希望議員をおいだすため、というのが正しいのかもしれません。その先にすんなりと合流し、党内に貯めた政党助成金を分け合う。しかしそうした腹蔵が見え透いているため、さらにこの統一会派には否定的な目がむけられることになるでしょう。つまり後一日では、分党にして政党助成金を別ける話し合いまではすすめない。出ていきたければ勝手にどうぞ、そのための猶予の一日です。
しかし分党にできれば、政党助成金の分割も可能であり、その後でそれぞれが活動することも可能。ここで12月までの政党助成金をうける権利を移す必要などなくなります。そのためには、民進内でどれほど反希望議員を拡大できるか、にかかっているのかもしれません。しかしそうなれば、益々この民進と希望の統一会派は、内紛の絶えない脆弱なものとなり下がるでしょう。それが衆参の野党第一党なのですから、安倍政権の高笑いしか聞こえません。安倍首相が年始からご機嫌だった理由も、この動きに裏打ちされていた、とみると理解できるのかもしれません。民希の統一会派を最も喜ぶのは、安倍政権です。

この統一会派、腹にまつわる言葉でくくると、妙にしっくりきます。衆院選では『腹に据えかねる、腹の虫がおさまらない』、統一会派では『腹をさぐる、腹を決める』。これで誰が『腹を切る』のか。しかしこのままでは『腹がふくれる』こともなく『腹の立つ』ことも増えるでしょう。政党を『割る』のは嫌われますが、この統一会派では『腹を割る』ことすらできない議員も多い。安倍政権だけが『腹を抱える』となるだけ。いくら『背に腹は代えられない』といっても、国民からみれば腹と反対、『背信』にしかみえない行動といえるのでしょうね。

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2018年01月13日

安倍首相と河野外相の外遊

安倍首相がバルト3国とブルガリア、セルビア、ルーマニアなど東欧3国の歴訪にでかけました。長期政権だから、行く機会ができた…などと語るところもありますが、重要な国ならいつでも行くべきで、長期政権だから…などというのは相手にも失礼です。
今回は、外遊好きの安倍氏が歴訪先を探したところ、先進国からは総スカン、一帯一路に含まれるアジア圏も中国との結びつきを重視したいために乗り気でなく、アフリカ勢も中国寄りで、かつ日本で開かれたアフリカ会議でも日本から芳しい提案がなかったことから、今一つ乗り気でない。消去法的に今まで行ったことのない、日本との結びつきの弱い国として選ばれたのでしょう。結びつきが弱い、とは一度でも安倍氏と会ったことがあると、二度目はもういい、となってしまうからで、それが今回の歴訪先を選んだ理由でしょう。つまり会ったことがないから、会ってくれそうな国、という意味になります。

エストニアでは「(首相府のある)タリンまで北朝鮮はミサイルの射程に入る」として「ともに圧力をかける」と、安倍氏は述べました。北朝鮮から攻撃される理由もなければ、中国を飛び越えたミサイルを北朝鮮が撃てるはずもないのに、何を言っているんだ? というレベルです。ラタス首相は国連合意の履行について言及しただけで、安倍氏の意見に同調したわけでもないのに『連携』とする安倍氏は、笑い者になったかもしれません。
何しろ、エストニアは報道の自由ランキングでも上位であり、ITを活用するお国柄です。安倍氏の発言もすぐ国民に知れ渡ったでしょう。何度も大国に占領され、辛酸をなめてきた国にとって北朝鮮の核の脅威など、微々たるもの。それの何倍も露国の核の方が怖いのであり、だから北朝鮮に圧力を、とはなりにくい。今回も、安倍氏に調子を合わせてくれただけ、ということも気づけないようなら、安倍氏の愚者ぶりも相当です。

河野外相がミャンマーでロヒンギャの村を視察しました。こうした動きは歓迎できますが、国民にも根深いロヒンギャへの憎悪、これはその調整役を日本が買ってでたようなもの。これから困難な道のりが待ちます。逆に、ここで手を引いたり、失敗すればその時点で悪名がつきまとう。そうした外交手腕もない安倍政権が、自ら火中の栗を拾いに行ったのです。これが安倍政権の外交の未熟さを明らかにすることになるかもしれません。
そんな河野外相は、行革担当相時代の外務省イジメについて「間違っていた」と述べ、自身の専用機をおねだりするなど、外相の立場を満喫する方針に転じています。米国に行政を牛耳られている日本では、米国との調整役となる外務省が有利。外相になったからにはそんな外務省とうまくやることが首相になる近道と気づき、有頂天なのかもしれません。しかし首相にしろ、外相にしろ、国民の方を向いておらず、国際感覚も欠如しているとなれば、それは外交などうまくいくはずがありません。タリンでの安倍氏の発言、日本では脳をつけて『脳タリン発言』として報じられる方が、ふさわしいのかもしれませんね。

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2018年01月12日

為替と米国債

日経平均が3連騰後、3日続落となりました。上げ幅が1000円に対し、下げ幅が200円と規模こそ異なりますが、3日続落の間に円は対ドルで2円ほど円高になっており、ドルベースでみた日経平均はほぼ6日続伸といった状況になる点が興味深い。先週、たった2日間の取引で外国人投資家が現物を4000億円、先物を2000億円ほど買っており、円高、株高のこの動きは外国人投資家によるものとみると、かなりの部分で説明がつくことになります。
しかしこの間、米国債の金利も上昇しており、円高の説明がつかない、とされます。日米の金利差が拡大し、ドルが強くなるはずのタイミングでの円高。当初、日銀の金融引き締め観測で、と語られましたが、国債の購入規模を縮減していくのは既定路線のはず。実際、昨年から徐々にすすんでいたことからも、年初に何かが変わったわけではありません。そこで出てきた話が、米中貿易摩擦と朝鮮半島有事。だから米国債売り、円買いというのです。

朝鮮半島有事は、3月開戦といった話も伝わる。平昌五輪後であれば、在韓米国人をこっそり移動させても目立たない。そこで電撃作戦、敵基地をつぶして即戦闘終結を狙っている、とされます。ここ最近、軍事境界線を越えるなど、北朝鮮側の失態もめだち、それを開戦の根拠とできる。朝鮮戦争は停戦状態なので、キッカケがあれば再開できます。もし朝鮮戦争が再開されたら、軍事費の負担と景気への悪影響で、米国債の利回り上昇と、有事の円買いのシナリオが利く。2ヶ月先の動きを先取りした、ということになります。
米中貿易摩擦は厄介です。中国による米国債売り、が取り沙汰されて米金利が一段高したように、ここもとで米国は中国による投資の規制であったり、ファーウェイ端末の取り扱いを中止したり、と米国側から仕掛けている。しかも、欧州や新興国も巻きこみ、中国包囲網を築きつつある。一帯一路でさえ、投資案件が次々とつぶれるように、中国による出資に対して、世界が過敏に反応しつつあります。つまりこれは、米中貿易摩擦に限らず、世界による対中包囲網と呼べる状況になっており、影響が拡大する懸念があります。

では、ここにきて米国が主導して対中包囲網を築くのは、習近平体制が確固たるものとなり、中国が覇権主義を推し進めようとしているから。つまりこれまで中国は、新興国の位置づけでかなりの部分、大目に見てもらっていた。各国がその成長に頼っていた部分もあり、また中国も胡錦涛体制の間の慇懃な態度を踏襲し、相手に取り入るまでは丁重、といったことも警戒心を与えなかった理由です。しかし習近平体制となり、少しずつ変わり始め、それが昨年の共産党大会でより独裁が鮮明となってきた。国際社会も愈々、中国を脅威と見定めるようになり、そこに北朝鮮問題が絡みます。
朝鮮半島有事に、中国が介入することは米国にとって目障り。中国の国力を落としておきたい。しかしそうなれば、間違いなく中国は米国債を売りたたいて、米国経済の混乱に動くでしょう。つまりここ2ヶ月ぐらい、米国債は売りに大きく動く可能性があり、逆に円はドルに対して高くなる可能性がある。そういう動きを先取りして、今は動いているということになります。そして、円高は米IMM通貨先物の取り組みをみても、昨年末時点では高水準にあり、反対売買を引き出しやすい。市場の関心が円高、金利差拡大という通常ならあり得ない動きにかけるのも、強ち無理スジといえないのかもしれません。

上記の通りなら、先週の外国人投資家による買いは、短期となるでしょう。円高によるドルベースの取引では儲けがだせる一方、有事となれば株は売られるのですから。いずれにしろ今冬の市場の動きは、かなりイレギュラーにならざるを得ないのかもしれません。米中の腹蔵と経済、互いに腹を殴りあって、最後に立っているのはどちらか? 金融工学でもこの答えは導けないだけに、互いの腹芸を見守るしかないのかもしれませんね。

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2018年01月11日

野党共闘と原発

共産の小池書記局長が民進、立民、自由、社民それぞれと、来年の参院選にむけた協力を促すよう提案しました。希望は政策が合わず協力しない、としますが、これで困るのは民進です。国会は希望との統一会派、選挙では5党連携になれば、党公約すらまともにだせなくなるでしょう。低迷する支持率とともに、参院民進は壊滅する可能性もあります。
そもそも希望は先の衆院選で、維新と連携しており、政策も維新よりです。読売に企業献金容認といった話をすっぱ抜かれ、橋下前大阪市長から指摘されると、すぐに玉木代表が否定したように、未だに維新との連携を模索する。民進との統一会派の際は玉虫色の提案もしますが、希望としてはステルス戦術をとらざるを得ず、玉虫どころかカメレオンでしかありません。これでは改革保守どころか、改作保守。国対上は民進よりになったり、維新よりになったり、と立ち位置が曖昧となり、選挙でも弱さを露呈するだけでしょう。
共産がこのタイミングで動きだしたのも、民進と希望の統一会派に対して、楔を打つつもりでしょう。基盤のない希望、支持率でさえ共産が上回るところも出てきており、選挙を考えれば間違いなく統一会派をくむべきでない。共産のそんな主張に、民進も答えをださないといけません。今、党内の希望派議員への配慮もあって、どっちつかずの判断になっていますが、そうこうするうち民進も希望も支持率が凋落するばかり、となります。政党を移るリミットは15日、この週末が一つのカギとなるのかもしれません。

小泉、細川元首相が原発ゼロ・自然エネルギー基本法案の骨子を発表し、立民との連携も示唆しました。そんな動きと対抗するよう、英国への原発輸出に安倍政権は多額の政府保証をつけます。建設計画が遅れただけで工費が膨らみますし、トラブルを起こせばその比ではありません。そんなものに政府保証をつける、安倍政権の気が知れませんが、この原発輸出が日立案件、次期経団連会長も安倍トモとされ、そんなところに政府の大盤振る舞いの理由もありそうです。
問題は、日本の原発の規制基準は今ある原発を動かすためのもの。全停電になれば暴走する原発を、そうさせないよう非常用電源装置を屋内へ、電源車を常設、といった項目を入れました。そうしたものを考慮せずとも、全停電になったら安全に冷却する仕組みを取り入れるのかどうか? そうなると、今後建設される原発と、既存の原発との安全格差が広がることになる。それをどう折り合いつけるか、世界に問われることになります。そうでなく、従前の設計を踏襲するなら、いざ原発が事故を起こしたとき、日本は国家財政を傾けるほどの負担を迫られることになります。福島原発の事故処理ですら、まだどれぐらいの予算がかかるか分からない中、この判断は無謀といえるのでしょう。

中国海軍の潜水艦、戦艦が接続水域に侵入、という報道があります。中国では経済を引き締め始めており、日本では北朝鮮の脅威が一先ず先送りされた矢先、両国にとってナショナリズムを煽るのに、絶好なタイミングでこうした事件が起きた、といえるのでしょう。こうしたおかしな動きをする政府と、どう対していくか? 野党にはそれが問われます。
ゲーテは『希望は不幸な人間の第二の魂』とします。しかし『希望は不幸な政治家の、第二の自民』となってもらっては困る。そして、野党が統一する場合、しっかりと自民との対立軸がだせる形でまとまらないと、これまでと同様に組織票で負けるのです。希望の立ち位置、それが野党共闘にとってネックとなりつつあるのなら、『ハジメ』るための『ケジメ』を民進がつけるべきタイミングが迫ってきた、といえるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:21|PermalinkComments(4)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2018年01月10日

日銀の緩和と倒産

日銀がオペを減額、という話が米国の長期債金利をあげた、などという話があります。しかし日銀がそれを発表したタイミングと、円高に動いたタイミングにズレもあることからも、市場が当初それほど気にしていた、とは思えない。為替にしろ米国債にしろ、口実に利用された、というのが正しい見方でしょう。ただし、日銀はイールドカーブコントロール(YCC)に政策の軸足を移す、と宣言してからその対応が遅れ、昨年から徐々に移行しつつある段階でこれを材料視されたことは、ある意味で日銀への圧力となるはずです。
それだけ世界は中央銀行の動きに敏感、というこれは証左です。YCCだと変動がなければ緩和の規模は必然的に減るものの、変動が大きくなると年80兆円を越えてくる可能性もある。日銀から緩和をひきだしたければ、むしろ日本国債を積極的に取引して値動きをだした方がいい、ともなってくる。今年は否応なしに、日銀が金融の変動に巻きこまれることにはなるのでしょう。それは神経質になってきた市場からの催促となるはずです。

成人の日、大混乱を招いた『はれのひ』。この問題も今の日本を象徴します。一昨年には6億円の負債、と報じられますが、資本金が少なく、事業規模も小さいこうした企業が6億円もの負債を抱えたら、通常なら資金繰りから事業がストップします。しかし今、資金繰りで困るケースは少なく、こうした企業も生き残ってしまう。最終的に成人式の日、事業そのものが成り立たずに逃げだす結果になった。安倍政権は倒産件数の減少を誇りますが、こうして危ない企業も平然と残ってしまうのであり、決して成果ばかりではないのです。
昨年末、倒産したジャパンライフの負債総額は約2400億円、資本金5億円未満の企業としては大きすぎる規模です。例えば昨年、倒産したてるみくらぶは資本金6000万円に対して負債規模は約150億円、ただしこれは分社化だったので資本金が低くても事業がスタートできた、という面があり、通常これでも大きな倒産です。しかしジャパンライフは製造、卸、販売を事業としているため資産が大きいはずで、負債が小さくなる傾向があるはずなのです。度々、国会でも事業への問題が取り沙汰されていたというのに、不渡りをだすまで銀行が取引をつづけていた、という。これが政界との近さなのか、それともじゃぶじゃぶの金融で、こんな企業でも融資をつづけていたのか、その両方か、が重要です。

日銀が引き締めに動けば、こうした怪しい企業もあぶり出されるかもしれません。すでに介護分野で倒産が相次いでいる、という。介護報酬の改定により、事業継続が難しくなったためですが、金利上昇は企業の資金繰り、という面で大きな問題をあぶりだしそうです。今は金利上昇を囃し、金融株は上昇傾向ですが、金融緩和時の甘い融資について、今後はどういった形で噴出することになるのか? そして、今は健全とされる企業が、それでどれだけ事業継続が難しくなるのか? 日本に漂う日銀というもやもやした雲が晴れたとき、改めてこの国の状況が白日の下にさらされるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 22:46|PermalinkComments(2)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 企業

2018年01月09日

南北会談と日本の立場

日経平均は3連騰で、上げ幅は1000円を越えました。原因は、この時期ファンドマネージャーは利益確定売りをだし、最初に余裕をもって運用をすすめたい、といった思惑が働くものですが、今はまだ上がる、まだ上がるからもう少し先延ばし、として売りを控えているためでしょう。気になるのは、外国人投資家がまだ本格的に入ってきていない中で、日系による上値追いになっていること。外国人投資家の買いを誘発したい、という思惑があるにしても、外国人投資家が売りでとってきたら、一気に吹き飛びかねないところでしょう。
11月毎月勤労統計では実質賃金が11ヶ月ぶりに+0.1%となりました。ただ所定外労働時間が増え、所定外給与、特別に支払われた給与が増えたことが要因です。安倍首相がいうような賃上げが好影響、などという状況ではありません。一方で、消費者態度指数は4ヶ月ぶりにマイナスとなり、収入の増え方が横ばいだったものの、それ以外は総じてマイナスとなりました。実感なき景気回復、などとも称されますが、少子化による逆効果である雇用以外、経済指標では良好な数字なき景気回復、といえるのかもしれません。

朝鮮半島の南北会談が行われ、平昌五輪の参加と軍当局の会談を開催、朝鮮半島の問題は民族で解決、という3つが話し合われたとされます。最後が重要で、もし朝鮮半島有事となった場合、米軍との協力関係で韓国側に齟齬をきたす恐れがある。韓国は当然、『核をもった北朝鮮』との統一ができれば、一気に国力アップが図れる。日本と違い、核への反発が起こらないのも、統一という道筋があるからで、平昌五輪という以前に融和路線に転じるだけの理由が存在します。嫌北、親北と政権が交代することが常で、北朝鮮としても文政権になった段階から、こうした展開は想定済みで、だから余裕があったといえます。
また文政権は慰安婦合意を見直すものの、日本と再交渉はしない。10億円は自国で賄い、日本とその扱いについて話し合う、とします。平昌五輪の前に日本との対立を鮮明にすれば、五輪の失敗が懸念される。要するに、五輪後に再交渉する布石を打った、ということでしょう。文書が残っていてさえ、覆されることも多い国際合意で、日韓慰安婦合意は文書さえないのですから、一方が見直したいと言ってきたとき、寄る辺がありません。

一方で、安倍氏はこの動きを喜んでいる、との話もあります。韓国が約束を破ることは予想できたので、あえて合意を結んでおく。今回の動きで、韓国嫌いの多い自身の支持層にアピールできる。ちょうど支持率も下がってきた折、まさに都合いいというのです。北朝鮮の脅威を煽って軍拡、というのと同様、朝鮮半島の動きは安倍氏にとって都合いいことばかり、といえます。ただし、安倍氏は地元の後援会の会合で「大切なことは…制裁決議を履行し…」としますが、韓国が抜けただけでも国際社会の包囲網は崩れるのであって、安倍氏が言っていたような『圧力の先の対話』が、崩れた点は大きいのです。
南北会談に、拉致問題を韓国に含めてもらうこともまた、外交力といえます。しかしそれは達成できない。圧力一辺倒の安倍政権では、話し合いの場すらもてないのですから、拉致問題の解決どころではありません。外交力のなさを、圧力でごまかしてきた安倍政権にとって、韓国に出し抜かれた意味は大きいのでしょう。つまり、世界が圧力をかけた先に日本が出し抜いて北朝鮮と対話できれば、拉致問題の解決にむけた話し合いができたかもしれない。しかし韓国が親北になり、対話をすすめる中では、いくら日本が水を向けたとしても、北朝鮮が拉致問題で話し合いに応じることはないでしょう。慰安婦合意の見直しに応じる代わりに、拉致問題解決にむけた北朝鮮との話し合いを韓国との共同でセットさせる、これも外交手段としてあったはずです。

結局、安倍政権の中で拉致問題の解決は優先度が低く、慰安婦合意でゴタつく方が優先度が高い、ということなのでしょう。経済では『良好な指標なき』であるなら外交では『具体的な成果なき』といえるのかもしれません。安倍氏が時折、会話に交じる「大切なことは…」というときは、自分の主張を強調する場合だけで、実際には大切なことでない場合も多い。政権から5年経ち、自慢話も多くなってきましたが、慰安婦合意をもって成果とするのは『自慢不合理』としか思えなくなってくるような海外の動き、でもあるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:18|PermalinkComments(2)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | アジア

2018年01月08日

雑感。相撲界の改革?

年明けから話題に事欠かない相撲界。今度は行司の式守伊之助による十代の行司へのセクハラ行為が発覚しました。泥酔した結果、としますが、男性社会で裸もあふれる相撲界だけに問題も大きい。世界ではTime up、セクハラとはオサラバ、という機運が盛り上がる中ですから、余計に日本の伝統である相撲界のこうした問題は厳格に対処すべきでしょう。
日馬富士の暴行問題に関して、協会への報告義務を怠ったとして、貴乃花親方に対する理事解任という処分が下されました。時系列的にみても嘘をついたことが明白なのですから、処分は仕方ありませんが、相変わらず「被害者に…」という論調も見受けられます。もし貴ノ岩関が『貴乃花部屋であること』を理由に、暴力をうけたなら貴乃花部屋を被害者としてもよいでしょうが、事件の経緯をみてもそうではない。なぜ「貴乃花氏が被害者」という論調をつかうのか? 皆目見当がつきません。

相撲界を改革する旗手、として貴乃花氏を応援するむきもありますが、そもそも格闘技でガチンコが成立するのか? 例えば白鵬で問題になったかち上げ、張り手ですが、横綱相撲としてふさわしくない、というのと同時に、では下位同士の関取がそんな取り口をしても、特に問題ないのか? それは奇妙な話です。それが肘打ちや掌底といった攻撃に巧みに偽装されたら、もしかしたら死者がでるかもしれないのに、禁止にしないのですから。
例えば立ち合いの際、相手の顔面に頭突きするような攻撃とて、可能となるでしょう。いくら鍛えた者同士、といっても顔の周りは鍛えられません。事実、本場所でも脳震盪に至ったケースもあり、こうした危険な行為は禁止して、初めてガチンコ相撲という形が成立するはずです。もし貴乃花氏がそういった危険な技について、もっと相撲協会の中で話し合って、その上でガチンコ相撲を推奨するなら理解できますが、今のままガチンコ相撲など取り入れたら、死者がでてからでないと何もしない、というに等しいと感じます。

貴乃花氏の師匠、貴ノ花親方が亡くなったとき、肉親に対しても自分が相撲部屋を継ぐのだから遺産を放棄しろ、と迫ったといいます。この一事をみても分かる通り、貴乃花氏は自分の目的のためなら、良い言い方をすれば「妥協をゆるさない」。悪い言い方をすれば「血も涙もない」。弟子を大事に…という言葉も、自らの目的のためには弟子に頑張ってもらうしかないから、そういう形にならざるを得ない、としか思えません。
相撲協会とて先に挙げたように「横綱相撲にふさわしくない」などと言うばかりで対策が後手であり、ルール化せずに忖度や察し、に任せている時点で無能です。モンゴル勢が裏で星を融通していることも問題でしょう。しかしそのカウンターが貴乃花氏のやり方では現役の力士に負担がかかるだけなのです。危険な行為を禁じた上で、さらに部屋間の交流はほとんどなくし、給料制は止めて出場料と勝星に比例した報酬制にする。そうすればガチンコ相撲となるでしょう。しかしそれは、今までの相撲ではなくなるはずです。それでよいのかどうか、それを踏まえた上で貴乃花氏の改革路線を考えないといけません。

個人的に、相撲にそれほど興味はありませんが、昔からガチンコだったのか? についても懐疑的に考えています。人が競う、特に格闘技でガチンコになったら、必ず悪どい手を考えつく者が現れる。相撲のルールに、そこまで精緻に練られた痕跡がないことからも、昔から忖度や、いい感じで折り合いをつけていたとしか思えないのです。始めてみて、やっぱりダメでした、では済まないからこそ事前の検討が重要ですが、貴乃花氏にそれを重視している風もない。やはりそういう面に、安倍首相と同じ危うさしか感じられない。相撲界もTime up、昔と決別してこれからを始めるなら、きちんと周りに気を配り、様々な目配せできる人間でないと、改革などできるはずもない、となってしまうのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:07|PermalinkComments(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 社会 | 一般

2018年01月07日

雑感。日銀総裁人事

米12月雇用統計は非農業部門の雇用者数が前月比14.8万人増。19万人前後とみていた市場予想より低かったものの、11月が上方修正され、それで市場は小康を得た形です。失業率は4.1%と横ばい。ただし、市場が気にする平均時給は2.5%と、相変わらず低いままにとどまります。このままだと資源高やドル安によるコストプッシュインフレになれば、米景気は一気に冷え込むことも想定されます。米国のインフレと経済の関係も、かなりシビアなコントロールが必要になってきている、といえそうです。
そんなFRBでは今年、パウエル議長が就任します。しかしパウエル氏は弁護士出身であり、経済政策の要は経済学者のグッドフレンド氏が握る、とされます。そのグッドフレンド氏、インフレが低くても利上げすべき、とかなりのタカ派として知られます。理事になると、急に宗旨替えする人物も多いので、確定的なことは言えませんが、従前の主張に従えば年4回の利上げを行うでしょう。今、米国債市場では慌てて年4回に備えるような動きも見受けられますが、この動きが住宅市場や社債市場などに、どんな影響を与えるかをこれからみていかなければいけません。

安倍首相が日曜討論で、日銀人事に対して「引き続き黒田氏に頑張っていただきたいが、人事としては白紙」と述べました。ここから読み解けるのは、黒田氏に打診しているものの芳しい答えは得られていない、だろうと考えます。黒田氏は逃げたい、安倍政権としては黒田氏以外、黒田バズーカをつづけてくれる人もいない。もし仮にここで日銀の緩和路線が転じてしまえば、消費税再増税はおろか、自民党総裁選も危なくなります。
しかも直近、たすき掛け人事の慣行は破れており、黒田総裁の後も財務官出身者をもってくる人事は可能でしょう。ただしそうなると、財務省が黒田バズーカの尻拭いに齷齪することになり、財務省にとっては本末転倒になりかねない。消費税再増税を果たしても、尻拭いで財政出動を迫られるのなら、やらない方がよかった、となりかねない。つまり無理やり消費税再増税のために景気を浮揚させたとしても、景気がその後に大きな下降トレンドを描き、税収が落ち込むなら意味がないことになる。しかも黒田氏、次期総裁と二代つづけてトンデモ総裁をだした、となれば財務省の汚点にもなりかねません。

今年、以前から述べているように中央銀行の役割が大きく変わる。しかも、そのメンバーでさえ日本では固まっていない。さらに言えば、日本では適任者すらみつけるのが大変です。黒田バズーカをうまく収められる人材、など皆無でしょう。小泉政権時代から新自由主義者が大手を振って闊歩してきたこの国が抱える、新たな状況に対処できない、という問題。「次期総裁は白紙」ではなく「白眉」と言えない時点で、大問題といえるのでしょうね。

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2018年01月06日

安倍首相の年頭の発言

年初からご機嫌、とされる安倍首相ですが、相変わらずおかしな現状認識をばらまいています。経済団体のパーティーで「ニュースをみていたら、関西のデパートで開店前に6000人が並ぶ。高級品の動きもいい。5%も売り上げが上がった。これも4年連続で最も高い賃上げが行われた成果」だそうですが、初売り、福袋目当てで中国人バイヤーが買い占めている、というニュースは見ていないようです。さらに「最も高い賃上げ」などと言うに及んでは、政府が発表する経済指標ですら見ていないのでは現状認識がおかしくて当然です。
「榊原会長とゴルフをして、今年のベストスコア。今年1回だからベストスコア。でも3%以上、ドライバーは飛んでいた」だから、3%の賃上げをよろしく、というスピーチに及んでは懐具合どころか、心まで寒くなるジョークであり、相変わらずこの人には冗談や、スピーチのセンスは絶望的なまでに皆無、ということがよく分かります。まずは自分のジョークのセンスを3%上げるところから始めた方がよいのかもしれません。

自民党の仕事始めでは「時代に対応した国の姿を議論するのは私たちの歴史的な使命」としました。最近この「歴史的な使命」を使いたがりますが、言葉の意味は「歴史に与えられた務め」であり、務めを果たすか、果たさないかは本人次第です。しかも「国の姿を議論」するのは、国会では当たり前のこと。憲法に飛躍せずとも、立法府とは常にそういう務めを負うのです。端的にいえば、議員としての心構えを遠回りに言っただけ。
東京タワーがつくられたのが同じ戊戌だとし、その3年前に自由党と民主党が合流したのは「占領下につくられた憲法を始め、様々な仕組みを安定した政治基盤の中で変えていくことだった」とします。自民党の結成が戊戌と被っていませんし、ぐだぐだ感も否めませんが、飛行空域の問題や地位協定など、60年以上も放置された挙句に、未だにまったく手をつけようともしていない中で、国民生活とは遠い憲法にだけフィーチャーする。そのセンスも問題です。憲法など、政権が肩入れして議論するようなものではないのですから、政権は国民にとって真に必要な部分に残る占領状態を解消すべき、といえるのです。

インフレと経済との関係、株高の要因、など様々なことがおかしな現状認識の下で、安倍氏の楽観は成り立つのでしょう。なので、この状況が一変したときに慌てふためくことになり、まともな対策も打てない、となります。ここが安倍氏の抱える最大の問題であり、致命的な政治センスのなさを指摘される要因ともいえるのです。
北朝鮮問題も、韓北のホットラインが再開されるなど、圧力一辺倒の安倍政権への逆風もふきはじめ、カナダなどは日本への懸念も示す。外交ではまったくいいとこなし、これも政治センスがないから、そうなります。これまでは政治センスがなくとも、各国の中央銀行の大量資金供給で経済が堅調、百難を隠してきましたが、それも今年で終わりです。真の意味で、政治の力量が試される年になってくるのです。行政指導をうけて倒産したジャパンライフの問題、リニア談合も、安倍政権を直撃するといわれますが、この段階で浮かれている安倍氏。そんな自分の状況でさえ、現状認識がおかしいのなら、消える前のロウソクと同じでパッと明るくなっている状態、ということかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:07|PermalinkComments(4)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2018年01月05日

好調ではじまった株式市場

本年もよろしくお願いします。

大発会から2日つづきで日経平均が上昇するなど、市場は絶好調です。経済指標がよかった、といっても昨年の指標であり、これはご祝儀相場にちょっと色をつけ足した、といった形です。しかし今の相場、急激に高くなるとその分、終わりも早くなる宿命です。インフレと今の市場と、少し現状認識という意味で説明してみたいと思います。

かつてはカネ-モノの関係で物価が決まりましたが、今はカネ-金融商品-モノの関係で物価が変わります。いくら資金供給をつづけても、金融機関はそれを吸収するだけの金融商品を組成し、投資家に販売します。今は金融機関も自己売買の規制が多く、自ら投資ができない分を買わせるのです。これにはリーマンショック前から発達した金融工学も大きく関係しています。住宅サブプライムローンで痛い目をみたのに、自動車サブプライムローンを組成したりできるのも、金融工学により安全性を謳っているから、といえます。
いくら金融緩和をしても、金融商品というバッファが存在し、それを売買することで吸収され、実際のモノとお金の相対的な価値が変わらない。だからインフレになりにくい。そしてこれは企業とカネの関係も変えました。金融商品は既存の市場でやり取りするものもあれば、直接企業へと投資するものもある。つまり金融商品に組み入れられるようなことをする企業には資金が集まるので、例えば環境対策をしたり、成長分野への投資促進だったり、といった活動が増えた。当然、それは目的がはっきりした投資であり、資金繰りが改善して余裕をもった企業とて、その目的外である賃上げに回す理由にはならないのです。また業績がよくても、本業で儲けていなければ賃上げなどしません。金融緩和をしても民間への資金の流通は限られ、ほとんどが富裕層と金融機関のやりとりになり、それが投資という形で企業に還元される。これが今の世界の資金の流れとインフレの関係です。

そして金融商品は市場にも流れる。このため多くの市場が高値をとっています。株高、債券高、資源高、景気がよいからそうなっているのではなく、金融商品を次々に組成する、ということでそうなる。そして相場が上がるから、さらに余裕がでた富裕層がまた投資に回そうとするので、さらに金融商品が組成される。今はこのサイクルが利いているので、好調といえます。しかし実態との乖離がすすみ、このサイクルが利かなくなれば、今の景気も終わり。金融商品の閉鎖が相次げば、市場から資金が逃避する負のサイクルに入ることとなり、臨界点を越えると、すべての市場で連動するものとなるでしょう。
こんな市場が1年ももつはずがなく、また今の上昇ピッチはこの市場の寿命を縮めるだけ。企業が賃上げなどすれば、少し先には資金繰りの悪化と固定費増大で苦しくなるだけ。人手不足で賃上げをするより、安定経営を考えるなら身の丈に合った仕事量に抑えようとする、これが今の状況です。金融緩和とインフレ、賃金などとの関係を考えるとき、これが基本となります。なので、金融引き締めに転じても、しばらくは金融商品というバッファが緩衝材となり、安寧は保てるでしょう。しかしある日突然、ぽんと底が抜けたように相場が急変動をはじめるリスクは常にあります。そしてそれ以外でも、いくつかの市場の急変動が、他の市場に波及することもあり得ます。ご祝儀相場で上げすぎ、実体との乖離がすすんでしまえば、ご終期相場になる時期も早まる、ということなのですね。

analyst_zaiya777 at 21:45|PermalinkComments(8)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 |