2018年02月

2018年02月28日

パウエルFRB議長の議会証言

18年度の予算案が今晩、通過する見込みです。自公は審議時間さえ確保すれば、数をもつので法案を通すことが可能です。厚労省のデータねつ造も「精査、精査」と言って時間稼ぎをしていれば、後は委員長権限で通せるのです。岸田政調会長が「予算を通すことが最大の景気対策」と述べ、これは安倍政権になってからの常套句のようになっています。それを「最大の…」と言ってしまうぐらい、他の景気対策が何もない、ということのこれは裏返しなのでしょう。与野党が納得できる予算案をつくれば誰も文句はいいません。

米国でパウエルFRB議長の議会証言が行われました。市場は嫌気した、というより期待値で上昇してきたので、材料出尽くしで一服です。証言でボルカールールの見直しに言及した点はハト、また景気は数年よい見通し、金融安定リスクはない、などかなりのリップサービスもありました。12月以降、景気見通しが強まった、など金融引き締めを示唆する文言もありますが、全体的には経済学者の理論に立脚した説明がなく、平易な言葉で語ったため、議会フレンドリーとみられたこともあり、無難にのりきったという印象です。
しかし逆にいえば理論武装がなく、経済が混乱したときの舵取りには不安を残す。言葉は悪いですが、安寧な世のお飾りトップであれば打ってつけ。分かり易さとは、市場を一方通行にしてしまう危険もあるのです。分かり易くて誰もが理解してしまうからこそ、の弱点をこれからFRB理事に選任された経済学者のグッドフレンド氏が補完する形になるのでしょうが、バーナンキ元FRB議長以来、市場フレンドリーが求められるFRB議長、あまりにフレンドリー過ぎても、今後の運営を難しくする部分があるのでしょう。

米株は急落前の水準、と語られることもありますが、これには著名投資家バフェット氏が個人投資家に送ったリポートも寄与しています。投資を推奨し、むしろ積極的になれ、と言わんばかりの煽りもあり、急落して下がった局面を買い場とみせた。ただ一方で、証券担保ローンの拡大など、ネガティブな面も目立つ。お金を借りて投資する、それが通用する局面が後どれぐらいつづくか? ここからその継続度合いが試されます。
パウエル氏は4年で「バランスシートを正常化」と語り、この部分はタカです。金利正常化と同時に行うのですから、2兆$程度を市場から吸い上げながら、利上げも行う。正直、これが成功するとは到底思えません。恐らくトランプ政権でバラマキを続ける間、また自身の任期中に、ということなのでしょうが、パウエル氏のこの賭けが、今後の市場の見通しを大きく変えるかもしれません。

日本の場合、黒田氏の続投で緩和継続、との見立てです。しかしすでに金融機関の中には厳しく見積もると、自己資本比率が4%の下限を下回る金融機関がでてきた、というように弱体化した金融が、日本経済の重しともなりそうです。パウエル手腕に怯えるのは、日銀もしれない。今年はECB監視を強めるよう、日銀の金融政策決定会合の日程も組まれていますが、来月の21日、最初のFOMCで何が起こるか? フレンドリーどころか、不況ドリーが鳴き始めることも考えに入れておかないといけないのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:19|PermalinkComments(4)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | アメリカ

2018年02月27日

雑感。カジノと仮想通貨と、麻生財務相

麻生財務相が平昌五輪で13個もメダルをとったのは「コーチに金をかけた結果」と述べました。どうやら上から目線は相変わらずで、コーチに金をかけようと、かけまいと結果が決まることはありません。高額のコーチだって最初は無名だったのであり、選手とフィットしたコーチが結果を残し、コーチとしての単価が上がるのです。こんな当たり前のことも分かっていない人が閣内にいたら、働き方改革がよい方向にすすむはずもありません。
軽い脳梗塞と診断された江崎沖縄北方担当相が辞任し、後任に福井照氏と伝わります。衆院TPP委理事のとき「強行採決という形で実現できるようがんばる」と発言し、理事を辞任した経緯も報じられ、軽率で能力不足が顕著です。それでも二階派を政権存続のために、閣内にとりこんでおく必要があっての人選でしょう。しかしこの問題にしても、どうして当初、脳梗塞と伝わったときに閣僚を交代させなかったか。軽い脳梗塞ぐらいなら、沖縄や北方領土の問題に対応できる、という判断か。そして後任人事にしても、党略のためであって適材適所ではない。沖縄、北方領土の軽視は、安倍政権の特徴ともいえます。

安倍政権が16年の臨時国会で成立したIR法に基づき、カジノ設置を3ヶ所とする実施法案の提出を検討と報じられます。個人的には3ヶ所も? ですが、自民内からはもっと多く、との声もあります。大体、どこの国でも賭博にたよった経済運営をするようなところは、景気が芳しくないのが常識です。安倍ノミクスは道半ば、といった参院選から2年近くが経ち、安倍ノミクスが迷走しているので3ヶ所も必要、ということをこれは示します。
金融庁が仮想通貨による資金調達(ICO)の規制を検討、と伝わります。遅きに失した感はありますが、すでに海外では詐欺も起こっている。ICOとは企業がHP上で事業内容を示し、それをトークンと呼ばれる独自の仮想通貨を買わせることで資金調達する仕組みです。投資家は自分の仮想通貨で、その企業の仮想通貨を買うことで、資金調達に協力します。仮想通貨はブロックチェーンで取引を監視しますが、例え詐欺だろうと、一度完結した取引を元にもどすことがむずかしいのは、NEMの流出でも明らかです。Appleの共同創業者も、カードによる仮想通貨の購入を持ちかけられ、それが偽造と気づいたときには取引が完了し、取り戻せなかったと告白しています。取引履歴を追えても、この取り戻すという機能がない仮想通貨は、相対取引としては欠陥商品でしかないのです。

江戸時代、11月の酉の市には博打がつきものでした。農閑期でもあり、神仏に祈りをあげたついでにご利益をかねて、博打をしたのでしょう。「三の酉は火事が多い」というのも三の酉まであると、博打によって家計が火の車だから、といった俗説もある。それがカジノを3ヶ所もつくったら、毎日が酉の市のようなもの。ハレとケの使い分けもできない人間が身を持ち崩すのは、容易に想像できるでしょう。
カジノが儲かったら、それは「ギャンブルにお金をかけたから」となり、それが国民なら本当に景気を上げてくれるのか? 仮想通貨で損をするのは「投機に金をかけたから」となります。お金をかけることは、決して成功とむすびつくものではない。それをよく理解しておかないと、基すらおかしくしかねなくなるのでしょうね。

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2018年02月26日

消費税増税時の景気対策検討を指示

総務省がNTT東西に、光ケーブルの増強を求める方針です。実はこの問題、プロバイダーとNTT東西との契約により、通信量が過重になった際の速度が雲泥の差がある、といったことが発端です。Windowsの大型アップデートなどがあると、極端に速度が出なくなるケースは、NTT東西とプロバイダーとの間のボトルネックが原因です。
プロバイダーの中でも分配設備含めて契約しているところは、自社の設備投資によって能力を増強できますが、回線を借りているところはNTT東西側が設備投資をして、能力を増強しなければいけなかった。NTT東西はそれを渋り、結果的にボトルネックが発生していたのです。しかし先行き、大型アップデートなどの過重通信がさらに激化する恐れもあり、総務省としても黙っていられなくなったのでしょう。国際都市を標榜している日本で、光ケーブルのネット通信が低速、などというのは恥ずかしい限りですから。

経済財政諮問会議で、安倍氏が消費税増税時のショックを緩和するような施策を要請、民間議員から肯定的な発言が相次いだことが議事録から判明しています。18年度の予算編成をしている段階で、こんな話がでてきたのは19年の経済環境に自信がもてなくなったためでしょう。19年の前半で景気が悪いと、消費税増税を見直さないといけません。安倍氏としてはそれを公約化してしまったため、是が非でも19年度の景気をよく保ちたい。
今から効果的な案をつくって欲しい、そんな願いが籠められています。ただし、諮問会議の民間議員が阿諛追従するように、ここに集うのは理論的に経済を語ってきた学者の類であって、実践してきた実務家ではない。財務省や経産省もそれに値しない。そして安倍氏に忖度することによって、公共工事に偏るから効果的なものもでてこない、という悪循環に陥ることが確実です。これまでの安倍政権の景気対策が、ほとんど的を射ていなかったことでも分かる通り、大規模な金融緩和を施しても低成長なのは、根本的に安倍-黒田ラインによる財政、金融政策では、景気押し上げ効果が難しいことを露呈するのです。

昨年の夏ごろから、急に世界経済の好転が囃されましたが、一つには全人代の前に中国が緩和的な状況をつくったことで、堰を切ったことが要因だと考えます。しかし先週末、中国で安邦保険集団を金融当局が監視下におく、と発表されました。世界で爆買いをくり返し、総資産は34兆円に達したものの、その多くが不良債権といいます。つまり買収金額に見合わぬ収益しか得られていない。もし安邦保険集団が整理、などとなれば、世界の不動産市場が動揺することは間違いありません。そして、こういう世界で爆買いしてきた中国企業に規制が入ると、やはり世界のあらゆる市場に動揺が走ることになります。
ここまで世界は飛ばし過ぎるぐらい、速度違反の景気拡大い入った。欧米では引き締めをしなければいけないぐらい、です。その効果は早ければ春には出てきます。つまりピークは今年中には過ぎてしまい、来春には悪化していることが容易に想像できるのです。安倍政権の危機感、景気が斜陽で消費税増税もできなくなったら、財政健全化すらできず、景気低迷で歳入が減り、さらに円の信認が崩れる、という点にあるのでしょう。外国人投資家は日本株をさっさと売り払い、今は興味もなくなったのか、売買代金も2兆円かつかつになってしまいました。しかも安倍-黒田体制が継続する、となるので尚更日本に興味をなくすのでしょう。日本のボトルネックは安倍-黒田ライン。光ケーブルより厄介な速度低下をもたらす元凶、といえるのかもしれませんね。

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2018年02月25日

雑感。報じない国

平昌五輪が閉会しました。個人的に、私が見てもいいことがないので、できるだけこういう国際大会は見ないようにしています。テレビをつけて数分でドーハの悲劇や、逆転ホームランを打たれるシーンを目にする、などが重なり、新聞などでもその記事を読まないようにしています。なので、五輪期間はニュースでも五輪報道になるとチャンネルを変えたりするので、逆に大変です。東京五輪のときは、見ない、関心をもたない、という生活がどこまで通用するか? 今から悩ましくさえあります。

しかしそんな五輪の陰で、厚労省のデータねつ造や小川原湖への米軍の燃料タンク投棄を、まったく米軍に抗議することなく海自が処理する、など安倍政権の異常ぶりについて、ほとんど報道されないといったこともあり、日経の世論調査でも内閣支持率が横ばいと、高止まりしています。五輪で選手が活躍しても、決して安倍政権のお陰でも何でもないのですが、メダリストに直接電話してそれを中継させる、など五輪の政治利用でやりたい放題の安倍政権、東京五輪と連想させ、自らの手柄にすることに成功したといえるのでしょう。
しかし安倍政権になってから、報じられなくなったいくつかに、年金問題があります。若者1人で高齢者2人を支える図、などかつては頻繁に報じられていたのに、今では年金不安などほとんど報じられません。人口動態はかつてより悪くなり、70歳支給開始が検討されるなど、情勢は悪化しているのに、です。確かに株や債券など、運用部門は好調ですが、それは日銀が人為的に価格を吊り上げている面も大きいのであって、それがなくなると危険水域に入ることも予想される。そうした事情も一切、報じることがありません。

日本の財政の危機感も、メディアは報じない。安倍ノミクスが失敗し、財政健全化が先送りにされ、経済成長も限られるのでかなり深刻にもかかわらず、です。福島原発のことも、NHKは偶に特集しますが、民放では禁忌のように特集もしません。安倍氏は五輪招致の際「アンダーコントロール」としましたが、まさにメディアの報道姿勢がアンダーコントロールだと訴えたのでしょう。報じないことは、国民が知らない。知らないから危惧することもない。政権も責められない。そんな構図がまかり通ってしまっています。
国民にネガティブな情報を伝えるな、これが安倍政権からメディアに厳命されているのでしょう。厚労省のデータねつ造など、第二の年金不正事件として、もっと大々的に扱ってもよさそうですが、まるで交通事故でも伝えるかのように、メディアも淡々と報じるのみです。これでは官僚も不正のし放題、政権に都合よいことをしておけば、責められることもないと高をくくることができます。不正を不正とも報じられない国、それは不政からはじまっている、といっても過言ではないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:09|PermalinkComments(5)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | メディア

2018年02月24日

厚労省杜撰データの調査員証言?

28日が予定されていたパウエル新FRB議長による議会証言が、27日に前倒しされました。理由は明らかにされていませんが、前向きにとらえない方がよいかもしれません。最近、為替でも100円割れを示唆する識者が増えましたが、購買力平価や実質実効為替レートでみれば、明らかに今は円安ですから、円高になるというより正常化ともいえます。人為的に国債利回りを低く抑えている日本では、金利差による為替の評価が通用しにくい。またIMMによる通貨の取り組みをみても、じわりと円売りが減ってきた。もしかしたら、資金が流動化する先ぶれかもしれず、この動きには注意しておいた方がよいでしょう。

しかし安倍ノミクスの失敗を隠すため、新たな成長戦略と位置付けた労働法制の杜撰データ問題で、共同通信が調査担当者から得た証言が、かなり衝撃です。調査時間は1社あたり1.5時間とする内規があり、それに従ったが、1日5社を回らなければならず、移動や報告書をまとめる時間も足りず、また企業が必要な資料を準備しておらず、十分な調査ができなかった、とするものです。何が衝撃か、といえば、労働法制の調査をする担当者が、まるでブラック企業のような業務の押し付けられ方をしているからです。
これは継続して調査しているものではないため、企業も通達をうけて、どんな情報が必要なのか、分からなかったことは想像に難くない。しかも企業にとっては新たな調査で、余計に手間がかかり、協力しないということはなくても、かなり後ろ向きだったでしょう。調査担当者に愚痴の一つも言ったかもしれません。それを、頭を下げて回収して回る。しかも1社1.5時間という制約の中で。どう考えても無理があります。1日の労働時間から、単純に5社になったのでしょうが、極めて厳しい状況だったことがうかがえます。

しかも、調査がそれだけ厳しいものだと、データの信ぴょう性自体が疑わしくなります。安倍政権は、新たな調査は否定しますが、このデータは「精査」と言っているのですから、それこそ全件をもう一度確認し、改めてデータを正確にしないといけない。つまりそれが終わるまで、労働法制の改定案を国会に提出してはおかしい、となります。さらにこのデータで議論していた審議会からやり直さないといけません。精査後のデータで、審議会を通した後で、国会提出となれば、1年は後ずれすることになるでしょうし、そうしなければおかしな話です。施行を1年後ろ倒し、という話ではありません。
しかし自民党議員からすると、野党は杜撰データ問題は、野党の「誹謗中傷」だとします。しかしこの杜撰データは、厚労省の「偽造修飾」であり、まずそれを改めないと話が始まらないのです。このとき、自民議員が火に油をそそぐことは、むしろマイナスになるでしょう。安倍ノミクスの代替案となるべき労働法制まで、虚飾により通そうということになってくると、安倍ノミ屑は深刻なレベルといえるのでしょうね。

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2018年02月23日

労働法制とマルクス主義

安倍政権で「JR東労組に革マル派」とする答弁書が閣議決定されました。今の若い人に革マル派などといってもほとんど通用しないでしょう。かつて過激派だった左翼団体、といっても今のJR労組のストが『自己啓発活動を止める』といった、経営者にとって痛くも痒くもないことでも分かる通り、今はただのマルクス愛好家といった趣です。しかし安倍政権はレッテル貼りが好きなようで、麻生財務相がストは立憲民主が主導、と主張したことも記憶に新しい。ストを主催した人が、立憲民主を支持しているかどうかは分かりませんが、根拠レスで人を誹謗中傷するような人物がろくでもないことは、子供でも分かります。

そんな根拠レスになってきたのが、働き方改革法制です。加藤厚労相が「なかった」としたデータも出てきて、リストと整合させるとさらに不備が発覚するかもしれない。つまり裁量労働制の方がよい、という根拠もないのに、労働法制を改定して対象を拡大し、後に問題が生じたら、安倍政権ひいては自民が全責任を負うことになる。根拠のあるデータがあるなら、それは法律の検討不足という意味で、国会審議が足りなかったとして野党にも責任転嫁できますが、そもそも根拠がないので法律提出が間違い、となります。
安倍首相は「省庁からでてきたデータを信じるしかない」と、厚労省の問題としますが、自身でデータを突き合わせ、検討していないと自ら露呈したようなものです。だから景気認識もおかしいですし、有効求人倍率の低下をまるで成果、として語るのでしょう。要するに、安倍氏は疑って検証することもなければ、自ら考えもしない。愚者なので傀儡になっています、と自ら認めた形で、法律の良し悪しを論じる力も安倍氏にはないのです。

マルクスは「疎外」の意味を拡大して「人間が自分自身でつくりだしたものによって支配された状況」としました。今に当てはめるなら「有権者が自らつくりだした安倍政権によって支配された状況」とでもいうべきか。マルクスは、支配者や資本家が労働者(プロレタリアート)を疎外する理由を「労働力を金で買う資本主義では、熱心に働くほど労働単価は下がり、生産物は資本家の所有となるため、労働者には喜びもない」とします。つまり「労働とは本来、創造的エネルギーを用いて生産したものを通して、人間が共同的な存在であることを明らかにする営み」であり、資本主義では労働者が疎外される、とする。
当初から、欠陥があるとされるマルクスの『資本論』に、多くの知識層が共感したのは、虐げられる労働者に温かい視線を向けたからです。支配者や資本家のように、自分たちの幸福ばかり追求する制度から脱却できる、と考えたから。ただしそれがレーニンや毛沢東により運用される段になって、超官僚主義となったことで共産主義の欠陥が浮かび上がったのです。むしろ今、マルクスの指摘したように支配者と資本家、それと労働者との格差が拡大し、疎外が大きくなる過程にあり、マルクス主義の見直しがすすむことも考えられ、安倍氏も毛嫌いせずに、労働法制を知るためにも一読した方がよいかもしれません。

日本では、すでに力を失った革マル派より、革アベ派の動向の方がよほど問題を起こしています。ネット監視を強め、安倍政権を批判すると炎上させる。Wikipediaの「エンゲル係数」まで、その意味を安倍氏の言ったとおりに書き換えようとする。一般社会に対する迷惑行為がめだつのです。最近、生産性革命など、やたらと「革命」という言葉をつかいたがる安倍氏、革アベ派による一般社会の「阻害」に、もっと目をむけるべきなのかもしれませんね。

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2018年02月22日

ベネズエラの仮想通貨

米株がふたたび米国債の金利を意識し始め、ダウが2日間で400$以上下落するなど不安定となり、日本株も連れ安しています。為替も対ドルで107円台と、ひところより落ち着いていますが、これが一時の休憩ならふたたび円高へと向かう可能性もあり、注意も必要です。日本のように人為的に金利を低く押さえつけている場合、金利差を基にした取引自体の正当性が疑われます。米国がインフレを加速させるなら、通貨としての価値は下がるのでドル安が正当化される。市場の健全な動きを阻害する要因がある以上、偏った見方は危険です。大事なことは、市場に参加するプレイヤーにとって何が重要なのか、です。

ベネズエラ政府が仮想通貨ペトロを発行し、約7億$の資金調達に成功した、と発表しています。ベネズエラ産原油に紐づけられているため無価値ではありませんが、議会は否定しており、換金に疑義が生じる可能性が高い。しかし今後こうした資金調達法や、中銀によるデジタル通貨として仮想通貨を発行する可能性なども議論の対象です。
つまり仮想通貨は、政府にとっての新たな資金調達手法として活用される可能性がある。国債は償還期限がありますが、仮想通貨に期限はありません。マイニングに報酬が支払えなくなったら終わり、そのときは新たな仮想通貨の枠を増やしてマイニングへの報酬とするしかありませんが、それを国家や中銀によるコントロールで行えば、通貨の大量発行によるインフレは避けられます。モノとの取引に用いられなければ、物価とも切り離せる。ある意味、通貨が不安定化する国にとって、仮想通貨は魅力的に映ります。

安倍政権が仮想通貨に前のめりなのも、日銀を使い倒す安倍ノミクスにより、いずれ円が不安定化することを恐れているため、ともされます。日銀の経営不安…今はまだ現実的ではありませんが、このまま国債や株を買い続ければ、間違いなく訪れることです。そのときスムーズに円を捨てさせ、仮想通貨に移行するには、国民の嫌悪感を払拭しておく必要がある、そう考えたのでしょう。しかしコインチェックやテックビューロなどのトラブルが、むしろ日本人に仮想通貨を忌避しようとする意識を植え付けた、といえます。
問題は、仮に安倍政権が政府保証をつける形で仮想通貨の発行を示唆したとき、市場に与える動揺が大きい点でしょう。欧米は仮想通貨そのものに否定的なので、そうした不安はほとんどありませんが、安倍政権だけは異なります。国債による資金調達をほとんど日銀が吸収していますが、それができなくなったとき、新たな資金調達手法として仮想通貨、が議論されるかもしれない。日銀の限界と、仮想通貨の議論は、日本では表裏一体になるのかもしれず、今はまだ遠い話ですが、注意も必要となるのでしょう。

株も小康、後…という状況であり、為替とともに第二段が始まる恐れも高い。何より、平昌五輪の終わりが見えてきて、パラには出場しない北朝鮮、米国との対話も直前でキャンセルした北朝鮮が、また動き始める恐れも高まっています。リスクに敏感となった市場が、改めて今の水準感をみたとき、居心地のよい場所はどこか? 考え直す可能性も高まります。黒田日銀総裁が「仮想通貨は仮想資産という方がいい」としましたが、むしろ今の市場が「仮想資産」だらけだったとしたら、実態を映す鏡に、すでになっていないとしたら。過剰資産が生んできた経済成長だけに、注意も必要なのでしょうね。

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2018年02月21日

雑感。カジノの入場料2000円?

平昌五輪開会式で、ペンス米副大統領と北朝鮮側が会談する予定があったものの、直前でキャンセル、と伝わります。安倍政権はいい面の皮で、圧力の先に北朝鮮から会談、どころか米国はもう会談する予定だったのですから。米国は、米国の都合と事情によって、他国を置き去りにする。日本の都合と事情は関係ないのです。
米国は核やミサイル実験の無期限停止を約束させれば、それで成果とできる。ただし、北朝鮮が直前でキャンセルしたのは、見返りとなるはずの経済制裁の解除が、思ったほどではなかったためでしょう。交渉とはそういうもので、一方的に妥協するのは交渉ではない。敗戦処理です。米国は一先ずテーブルにつく戦略ももっていた。安倍政権の方針とは齟齬がありますが、また安倍氏得意の前言を翻してころっと方針転換をはかる、『なかったこと』にするつもりでしょう。勝手に安倍氏の言い訳を考えるなら「交渉するのが当たり前じゃないですか。北朝鮮がこれまでのことを見直す、というから交渉するのであって、何ら以前の発言と変わっていませんよ」となるのでしょう。明らかに変化しているのですが、それを抗弁によって取り繕う、という形にしかならないのでしょう。

カジノの入場料が2000円? なる案がでてきました。マイナンバーカードの提示も義務付け、依存症防止としますが、たかが2000円では何の障壁にもなりませんし、依存症ならカードを偽造してでも入場を果たすでしょう。しかも観光客に制限がないというので、依存症の観光客はいいのか? むしろギャンブルで収益を上げるのは依存症となり、無分別で賭けてくれる人がいてこそ。そこを否定したら、基本的に儲からないことになります。
しかし日本は先進国で唯一、仮想通貨の取引を推奨する国です。英中銀からは「通貨として失敗」とされ、黒田日銀総裁でさえ「仮想通貨というより仮想資産」とする。世界的には通貨でない、と考えられているのに、日本では先物まで取り扱えるようにしよう、との声があります。自民党はよほど国民を鉄火場に投げ入れたいようです。

初代駐日大使タウンゼント・ハリスの残した言葉に「日本の役人は猥談が好きだ。すぐに女をすすめてくる」というものがあります。実際、開港した横浜には幕府公認の遊郭ができ、横浜村の人口3万人の時代に、3千人が働いていた、といいます。しかも土地を無料で貸し与え、奨励金1.5万両も与えた、というのですから、よほど儲かる商売ができたのでしょう。そこでは「素人娘は外人と通ずべからず」として独占しようとしていたようですから、外国人から富を幕府が得るのが目的だったとうかがえます。
これを今の安倍政権に当てはめれば、「日本の政治家は賭場が好きだ。すぐに鉄火場をすすめてくる」となるのでしょう。しかしその元締めである安倍政権は、労働法制データなど、詐欺的行為に及んでいるのですから、始末が悪いのかもしれません。賭場をひらく元締めが、詐欺をするのですから信用はまったくおけない、という事態です。ちなみに、異人娼婦から生まれた混血児は差別され、牢屋敷に入れられていましたが、明治の世で一部は橋をつくる際の人柱にされた、ともされます。明治維新を信奉する安倍政権も、カジノででた自己破産や依存症になった人などを、使い捨てにする意図が見え隠れするつもりなのかもしれませんね。


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2018年02月20日

雑感。安倍政権の働き方

米軍三沢基地所属のF16戦闘機が、エンジンから火がでたとして燃料タンク2個を小川原湖に投棄した、と発表がありました。人がいないことを確認した、としますが、高速で飛行する戦闘機、特にエンジンから出火したのであれば緊急であり、簡単な目視だけだったと推測できるため、偶々休漁だったことが幸いしただけでしょう。
相変わらず安倍政権は「米軍に再発防止を求める」という型通りの答弁しかしませんが、米軍が一向にそれを改めない場合、この型通りの答弁が致命傷にすらなりかねない。環境汚染の問題、休漁の補償の問題を含めて米軍に請求できるのか? できずに国庫から支出となるようなら、安倍政権は米軍に頭が上がらないと自ら認めるようなもの。米軍が本当に日本の安全のためになるのか? 改めて問われる事態となってきます。

衆院予算委で、厚労省のデータねつ造をうけた集中審議が行われました。安倍首相は「答弁は撤回するが、データは撤回しない」とします。明らかにおかしなデータを撤回しない? とするのは、このデータを撤回すると議論の前提となるデータが何もないからで、あくまで今国会で成立をめざす意向を示した形です。しかし政権発足以来、様々な形で労働法制に手を入れようとしてきた安倍政権が、これまでは挫折し、今国会での成立にやたらこだわるのは、安倍政権がえがくロードマップがあるため、でしょう。
一つは来年の通常国会は改憲の国会審議を終えたい。その後に国民投票もあるため、かなりタイトと考えている。また今国会で改定すれば19年から施行できるので、遅れ気味の東京五輪の準備にも間に合う。特にソフト面など、リオ五輪以上のものにしたいはずですから、システムエンジニアを酷使できる裁量労働制はうってつけです。

ただ、そんな些末的な問題より、米国から区切られた期限が迫られている、という面が大きいのだと考えます。裁量労働制は、企業による労働者の囲い込みをしにくくさせます。米企業にとって、優秀な日本のエンジニアを雇うチャンスにもなる。最近、米シリコンバレーも目立った企業がでてこないように、米国でも手詰まり感がただよう。特に、VRやARなどは日進月歩、日本の企業が新たな分野を開発した場合、米企業が買収をしかけても、労働環境が異なれば、後にトラブルとなりかねない。日本固有の労働形態をぶっ壊しておく、それが安倍政権に課せられた使命、そんな裏側も透けてみえます。
企業にとってもメリットがありますが、それで社員が過労死にでもなれば、企業の打撃が大きいことは確実で、そうそうブラックなこともできません。ぎりぎりの運用を行うのは中小零細企業ぐらいで、そんな企業が政府へ圧力をかけられるはずもありません。ここまで異常なことをしてでも、今国会で通さなければならない、安倍政権にとってこれが死活問題となることが大きいはずです。まさに米軍に文句もいえない安倍政権は、米国に要請されたことはたとえ国民に死人が出ようと、通すというスタンスなのでしょう。

さらに日本へ外国人労働者を受け入れる、という提案にもこの裁量労働制は利く。専門性の高い人材、というので、まさに裁量労働制で使い捨てられる。ますます日本の評判を落とし、日本は地獄のような国、との評判を高めたいのかもしれません。裁量労働制、など呼ぶのは『最良』労働制、と聞き間違えることを狙ったものでしょうが、むしろ『罪障(仏教用語で成仏できない悪い行い)』労働制という方が、的を射ているのでしょう。会社に酷使されて自殺…死んでも死にきれない、そんな労働制度に変えようという。そのために安倍政権は働いているようにしか見えないのですね。

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2018年02月19日

厚労省のデータねつ造

平昌五輪で金メダルをとった選手に、安倍首相が直接電話する姿が報じられます。明らかに五輪の政治利用であり、しかも競技に対して深い知識もないために会話もかみ合わずにおかしなことになる。最近、インタビュアーの能力不足によりおかしな質問も目立ちますが、便乗する政治家のおかしな感謝の言葉も、上滑りで滑稽といえます。

しかも五輪の陰に隠れ、今国会の目玉法案である労働法制の改定にむけた審議が、大変なことになっています。厚労省の『2013年労働時間等総合実態調査』で、裁量労働制の人にはふつうに労働時間を、一般労働者には一月で一番長く働いた時間を聞く、といった形で裁量労働制の方が、就業時間が短くみえるようにしていました。しかも一般労働者には法定労働時間8時間に、単純に残業時間を足しただけであり、事業所によって7時間や7時間半、といった就業時間だと、この数字がさらに低くなる可能性もある。「少なくとも3つの誤り」と厚労省も認めていますが、もっと多くのデータの誤りが含まれる可能性もあります。
そもそも、この調査を「精査」と呼んでいる時点でおかしな話で、統計資料のねつ造ですから、国家公務員の統計法違反に当たります。しかもこの調査が2013年だけで、継続して調査しているわけではない点も重要で、傾向すら調べなかったのは、2013年のデータが捏造だと厚労省は知っていたのでしょう。しかも加藤厚労相は7日の時点で知っていて、1週間以上も沈黙していたことも判明している。これは政府による捏造、隠ぺいであることを十分に疑わせる。2013年の調査なので、歴代厚労相である田村氏か塩崎氏による指示だった可能性も高い、つまり安倍政権によるデータ捏造が露呈した可能性が高いのです。

その判断を促す材料は、厚労省の担当者を統計法で告発するかどうか、で分かります。その構図は、まさに財務省の佐川理財局長の答弁のときと同じ、政権にとって都合よいデータ、答弁を行った者を処罰しない、という形だからです。佐川国税庁長官を庇いつづけるように、厚労省の担当者を庇うなら、それは政権ぐるみと判断できてしまいます。
そもそも裁量労働制には問題も多い。本来それに含まれない営業や事務職でも、商品の開発に携わった、会社の業務システムに関わった、というだけで裁量労働制に含まれてしまい、みなし労働時間を適用され、正当な残業代が支払われていない事例も散見される。しかも本人はそれ、と気づかないケースもあるといいます。また出退勤のタイミングを自由に決められる、とされますが、毎朝打合せをセットされて出社しなければいけない。退勤時間も監視されて、自由ではない、などという例が枚挙に暇有りません。

そこにもってきて、2013年のデータが「少なくとも3つの誤り」といい、底なしの様相を呈するに及んでは、焦って労働法制を改定する必要は皆無、といえます。まず2017年版の最新データをつくり、それを基にして議論をやり直す必要があるでしょう。滑稽で上滑り、平昌五輪なら滑りで上にいくことは好感されますが、政治の世界でそれをしていたら、多くの国民が労苦に苛まれるだけです。すでに安倍政権の弄働により、この議論が陋(ロウ:いやしい)働になってしまっており、議論にすら耐えられなくなっているのでしょうね。

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2018年02月18日

雑感、先週の市場

麻生財務相が15日の予算委で「今の状況において、特別に介入しなければならないほどの急激な円高でも円安でもない」と述べ、翌日には「特定の水準を念頭においた為替政策を行っているわけではない」と釈明しました。最初の発言は聞きようによっては、何かのトリガーがあるように聞こえるのであり、日銀のETF購入のようなトリガーを連想させることを嫌ったのでしょう。為替介入は国際的に嫌われる行動であり、日本でそんなトリガー戦略をもっていたら、国際的な信用をなくすことにもなりかねないからです。

米株は先週強い動きで、下落幅をとりもどす勢いです。しかしこれで混乱が収束した、と考えるのは早計です。こうした急降下、急速にとりもどす、といった動きをくり返すのは、相場にそれだけ不安定要因があるから。そして今回も、その不安定要因が取り除かれたわけではないのに、相場がもどした。それはマインドの転換がそうさせているだけで、不安定な要因そのものが消えておらず、マインドはころころ変わるものだからです。
コメント欄には記載しましたが、個人的には、今年FRBの利上げは3回、ただしそのうちの1、2回で0.5〜1.0%と大きな利上げを行うのではないか、と考えています。インフレ昂進が顕著となり、0.25%の利上げでは追いつけないと判断された場合、4回ものタイミングを探るのは事実上困難です。パウエル新FRB議長としては、大きな利上げをしておくことで市場への牽制にもなるため、そういう誘惑にかられやすいのです。当然、指標を横にらみしながらでしょうが、年内に1%以上の政策金利が上がってくることになるでしょう。

ただし、世界には不安定要因が蔓延しています。ニュージーランドが、外国人による不動産売買を規制する方針をかかげました。中国人投資家の爆買いにより、国民が家を買うことが難しくなったため、です。恐らく世界的にも同じような動きが出てくるでしょう。資産価値の上昇を喜んでいるのは、資産をもつ一部富裕層だけ。庶民の生活がそれで影響をうけるようになったら、政治的にも危険なことであり、規制をかけてでも食い止めようとする。そして中国人投資家が世界から締めだされ、投資資金が漂流したら何が起こるか? 個人が債務を拡大しても、投資などによるリターンが上回ることで成り立ってきた経済が、一斉に崩壊へと向かうことになりかねません。
今回の株価変動にも、IMMの通貨取り組みが動かなかったように、まだ投資資金の縮退は起きていない。投資資金の流れが変化するタイミング、それを正確に見極めなければならないのでしょう。今、起きつつあること、それは序章に過ぎず、過剰流動性相場の終幕に一体どんなことが起こるのか? それは恐らく、誰も予期していない衝撃の結末、という帯のついたノンフィクション作品になるのかもしれず、読んだ気になることが一番危険、ということが言えるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:17|PermalinkComments(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

2018年02月17日

産経、リーダーとして決断…?

安倍首相が13日の衆院予算委で、朝日新聞について「捏造記事を書いて検証したが、間違えたと書かない。私に一度も謝らない」と述べました。恐らくこの段階で、労働法制のよりどころとしてきた2013年の厚労省の調査について、ねつ造が判明していたのでしょう。翌日、撤回して謝罪をする、そのダメージコントロールに「朝日は間違ったことを謝らない」との印象付けをしようとしたのでしょう。しかし一国の首相が、一メディアの検証記事に噛みつく、という小者ぶりの方が目立ってしまい、逆効果だったといえます。

産経が『リーダーとして決断した訪韓の評価は』というコラムを挙げています。まず『リーダーとして決断した…』というのは、安倍支持者や右曲がりのメディアから、訪韓に否定的な意見が多かったことを指すのでしょう。そういう反対意見を振り切って、となるのでしょうが、それで訪韓への世論調査で評価が高かったことから、安倍支持者や右曲がりのメディアも慌てて、安倍氏を賛辞する意見に変えざるを得なかった。須らく産経も当初は反対、安倍氏との単独インタビューでそれを報じてから、肯定派に転向した経緯があります。むしろ自分たちと世論とのギャップに耐えられなかったのかもしれません。
しかも、産経が行った40分のインタビューは訪韓のことに割かれたが、安倍氏はよどみなく答えた、としますが、インタビュアーは相談相手ではなく、意図を表明する相手なのでよどみがあるはずもありません。しかも日韓首脳会談で、安倍氏はストレートに慰安婦問題について意見をぶつけ、文大統領はのらりくらりかわし…などとしますが、一体どこからの情報か? 日本から参加した人物からの情報なら、ある程度割り引いて考えないといけません。同じように、安倍支持メディアである産経の記事なので、さらに割り引いて考える必要もありそうで「文氏がへらへら…」などというのは、もう悪意しか感じません。

しかも、安倍政権はこれまでの日本の弱腰を、「問題があったら対話」の方針に変えたので、相手国は厄介に感じたかもしれない、とします。ならば、安倍政権は即刻、米国に飛ばなければいけないでしょう。トランプ氏は日中などを指して、貿易で「好き放題している」とツイートし、制裁関税までちらつかせています。「問題があったら対話」なのですから、米国との貿易摩擦はすぐにでも解消した方がよいでしょう。それに、「問題があったら対話」するのは当たり前で、安倍政権がこれまでできていなかったらその時点で問題なのであり、正常化しただけです。殊更に評価すべき点でもなく、まして5年目の政権に対して今そうなったのなら、むしろ批判すべき項目とすら言えるのです。
しかも南北融和で平昌五輪を「ハイジャック」しようとしたことに、日米で対抗したことが「成果」とします。しかし南北融和は何ら問題なことではなく、そこに非核化を無視した合意や制裁を逸脱する行為があるかどうか、です。文氏が平昌五輪の後に、どういった北朝鮮との対話の戦略をもっているか、それを確認した上で南北融和が問題、とするならいざ知らず、そうでないならただの暴論です。しかも結びが「ペンス副大統領が会談を求めてきた、安倍氏が訪韓していたから対応できた、そういう仮定の事態にも備えて対応した、正当に評価されていい」と、この記事が誰にむけて書かれたか、がよく分かります。ペンス副大統領が出席するのは事前に分かっていたこと、それなのに安倍支持者や右曲がりのメディアは、訪韓を否定した。でもほら、正しかったでしょう、という自己弁護のために、この記事は書かれているのでしょう。

しかし北朝鮮問題を国際社会に訴えて回っておきながら、韓国と対話もしないのがおかしいのであり、さらに日韓首脳会談後、共同記者会見が開けないこともおかしいのです。「問題があったら対話」? 「問題があったら解決」するのが、真のリーダーに求められる資質でしょう。『訪韓』自体をうじうじ悩み、『決断』している時点で、もうリーダーの資質ゼロです。ねつ造記事ばかりでなく、こうした質の低い贋造記事があふれている時点で、国民を貶めているということにもなるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:11|PermalinkComments(6)このエントリーをはてなブックマークに追加 メディア | 政治

2018年02月16日

日銀人事と家計収支

日銀人事、総裁に黒田氏が続投、副総裁に日銀プロパーの雨宮氏、バリバリのリフレ派である若田部早稲田大教授が国会に提案されました。日銀で実際に企画、立案してきた雨宮氏で市場関係者に安心感を与え、リフレ派を充てて引き締め懸念を鎮静化させる。そんな意図が読み解けますが、すでに日銀が覆面テーパリングに軸足を移しているのは、金融緩和の副作用が拡大するのを恐れてのこと。リフレ派の若田部氏がそこに入ると、ある意味でひっかきまわされる懸念もでてきます。これで投票権のある理事を含め、二人のリフレ派を抱えたことになる。むしろかじ取りを難しくしただけ、にも感じられます。

総務省の調査で、2017年の平均した家計収支で、支出が実質で前年比0.3%減となりました。ただ不自然なのは、増えた項目が家具・家事用品と交通・通信のみ、後の食料などの費目はすべて減った、などはまるでデフレでもあるかのようです。食料などは野菜の高騰は夏場の大雨被害と、冬の豪雪などもあって収まる気配がない。水光熱費とて、原油高騰はつづいていますし、前年より増えていて然るべしですが、通年でみると減った、ということになる。それは家計の節約志向が強まった、そんな傾向かもしれません。
ただし実収入が実質で前年比0.7%増など、他の指標とも合わない部分がある。総務省の家計調査はアンケート形式なので、逆に言えばアンケートに答える余裕のある世帯、ということもいえます。そうなるとこれは、中流階層以上が財布のひもを締めている、という結果かもしれず、トリクルダウンの反証という面も強くなりそうです。また、金融資産純増が97850円など、明らかに富裕層の傾向も示すので、他の指標との差について考察するなら、日本はさらに格差が拡大し、富裕層は可処分所得も金融資産も増えたのに、多くの国民は可処分所得も減り、金融資産などほとんどないのでさらに生活が苦しくなっている、ということになるのかもしれません。

オーストリア人のヴィトゲンシュタインの言葉「正しかったり、誤ったりするのは人間の語ること。言語で人間は一致する。それは意見の一致ではなく、生活形式の一致なのだ」というものがあります。少し言葉を補足すると、言語とはつるつるしてはっきりとした輪郭のある世界、だから摩擦もない代わりに、滑って先にすすむことはできない。生活形式の一致というのは観念的にそちらの方がよいのでは、そう感じるという意味です。
リフレ派の語ること、それは観念ばかりでなく、現実にも夢想だということが判明しつつある。マイナス金利にすれば多く借りられ、インフレにすすみ易い、などとされましたが銀行は経営を圧迫され、貸し出しは増えずにむしろ減った。正しかったり、誤ったり、それは仕方ないことでもありますが、誤りを認めずに先にすすみつづければ、待っているのは崖です。今、債券バブルが叫ばれ、国債や社債にも今後は不安定な状況が訪れる、とされます。そんなとき、リフレ派がかじ取りする日本は、国債をさらに不安定化させる要因を抱えた、ともいえるのでしょう。日本では、生活形式が壊れ始めている事例が、随所にあらわれている。学資ローンで破綻、などもその一例です。広がる格差、それは生活形式の一致さえすすまず、むしろ崩れていくのであり、日本では言語の一致さえ失われて話し合いすら上手くいかない状態が、政治や日銀内ではびこる事態になりかねないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:34|PermalinkComments(4)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 一般

2018年02月15日

日本株と円キャリー

安倍首相が韓国の文在寅大統領が訪朝に前向きなのを批判し、「対話のための対話では意味がない。検証可能で不可逆的な核放棄をコミットさせる必要」と述べました。安倍氏の言でいくと、北朝鮮が核放棄を約束しない限り、対話もしちゃいけない、となります。対話して核放棄を約束させる、でも一向に問題ないでしょう。要するに、先に動くのを北朝鮮に限定したいのは、自分が先に動いても問題解決できないから、とも見えます。
米国が韓国の動きをそれほど牽制していないことでも分かる通り、米国は北朝鮮に対して強硬派の日本と、懐柔派の韓国を使い分けているから、となります。つまり安倍政権は米国の振りつけで踊っているだけ。ペンス米副大統領が「意図的に無視」としたように、米国は直接働きかけずとも、日韓どちらが成果を上げるか、待っていればいいのです。結果として日韓どちらの策が有効か、それを見極めて動ける。失敗した側の国は、色々な意味で今後の対米関係をおかしくする。だから安倍氏も焦っているのでしょう。

米株は4日続伸で、ダウは先週末の1000$超の下げを取り戻しました。CPIが高く、金利が2.9%台に入っても上昇したことで、金利による株価変動は終焉、ともみられていますが、次のステージは長期金利3%台というところでしょう。今はそれまでにどれぐらい株価を戻せるか? 次の焦点はパウエル新FRB議長の議会証言とされており、それで年内の利上げ回数を見極めようとするでしょう。その前に市場が身構えて3%台に乗せるようだと、嫌気する動きが広がるかもしれません。米株は未だ不安定、この認識はもった方がよさそうです。
問題は日本株、今日は買い方の見せ玉がでるなど、上昇させたいという意図を感じさせましたが、いつもの日本勢が買いに張ったようです。しかし先週末から3日続落、米国の事情で株価が下落したのに、日本はまったく下落前の水準から遠い位置にいます。企業業績がいい、と株高の理由を説明されても、それが円高で揺らいでいるのが大きいのでしょう。本当に日本企業は来期、高い増益を維持できるのか? という懐疑です。

ここ数日の株価の乱高下をみても、米MMFの円売り基調がほとんど揺らいでいない。ということは、円キャリー取引が未だに健在であり、乱高下にも動揺がみられません。しかし金や原油も、株価との連動が強まりつつあり、過剰流動性で流れていた資金が、少しずつ揺さぶられている印象をうける。恐らく、ここに楔を打つのが円キャリー取引の巻き戻しが起こり、投資資金が縮退に向かうとき。それが起きると、一気に円高に向かってしまう可能性が高い。海外投資家からみて、それが最大に日本株を敬遠する理由でしょう。
次に市場の動揺が大きくなるとき、それは円高とのセットであり、日本に資金を置いておくのが難しいのです。そもそも、円キャリー取引のようなことが起こるのは、金融政策の不手際であり、それを放置していた日銀のせいでもある。結局、黒田バズーカの徒花がこんなところにも影響し、日本株の上値を重くする原因ともなっているのです。結局、黒田日銀総裁の続投によって、日本は「緩和のための緩和では意味がない」状態になり、円高に向かいやすくさせたこと、が最大の失敗といえます。円キャリーの巻き戻しが、一体いくらの水準で起きるか? それを狙って円高に向かっているとの見方もある。円キャリーの巻き戻し、それが出たときは市場の急変動も予想され、「株放棄のコミット」が走ることにもなるので、まだまだ注意が必要ともなるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:20|PermalinkComments(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

2018年02月14日

10-12月期GDP速報値について

報道ステの富川アナが豪雪被害に対して、自衛隊の除雪を「わずか1.5km」と発言し、自衛隊の苦労に対して何だ、と批判する人がいます。しかし番組自体、自衛隊が頑張っても大雪で「わずか1.5kmしか進めなかった」とするもので、むしろ自衛隊の労を慮った発言だったことが判明しました。これで批判していた人は、中身をまったく見ていない、上滑りな言葉だけで批判している浅慮な人、ということが明らかとなりました。
恐らくこの批判をした人の中には、自衛隊の存在価値を上げ、また朝日批判の一つとでも考えた人もいたでしょう。しかし中身が薄っぺらくては、逆に自衛隊の価値を下げてしまいます。また、メディアを委縮させる効果も狙ったのかもしれません。しかし結果として、人の尻馬に乗るような行為を戒める、そんな事例の一つになったのでしょう。

2017年10-12月期GDP速報値が発表され、前期比で実質0.1%、年率換算0.5%増、名目-0.0%、年率換算-0.1%となりました。8四半期連続プラスは28年ぶり、などとも報じられますが、安倍政権になってからGDP算出方法が変わり、不可解な数字がのっているともされており、釈然としないものも感じます。内容も、おや? と首を傾げる部分もあります。
個人消費が前期比0.5%増、7-9月期が0.7%減と惨憺たるものだったので、反動増という面もありますが、季節調整分が安倍政権になってから恣意的です。7-9月期GDPの発表は11月、株高に浮かれていたので、ここで膿をだしておいて、今はわざと高くだした可能性もある。なぜなら民間住宅が2.7%減、在庫0.1%減、外需0.4%減となり、設備投資の0.7%増と個人消費のプラス寄与がないと、10-12月期はマイナスになった可能性が高いのです。

そんな安倍政権のデータ操作を疑わせるものが、今日の国会でもありました。安倍氏が「裁量労働の労働時間は、一般より低いデータもある」とした答弁を「精査が必要なデータを基にした答弁が撤回」としました。そのデータは厚労省の2013年のもの。今さら精査? どう考えても異常です。自民党はずっとホワイトカラーエグゼンプションから始まり、労働法制の見直しを訴えてきた。安倍政権も当初から訴えており、厚労省は労働法制の改定のために、このデータを作った可能性がある。しかも、安倍氏がこんな細かいデータを覚えているはずもなく、官僚が答弁資料を作成して盛り込んだはずです。
野党が問題視し、他のデータと突き合わせると、齟齬がでることとなり、今日になって慌てて撤回した。深彫りされたら厚労省のデータが捏造とバレるためでしょう。答弁書を作成する段階では、嘘がバレないと考えていたとしか思えません。こうした指標の至るところに嘘が垣間見える。今回でも、10-12月期GDPで雇用者報酬は実質で0.4%減、これほど報酬が下がっているのに、個人消費が増えていたら、次の1-3月期の消費の落ち込みは相当なものとなるでしょう。株価も絶好調、トランプ減税で盛り上がっていたのに、報酬を下げる? 前期が高すぎるとはいえ、この数字には首を傾げます。輸入の伸びも、iPhoneXの輸入? と説明されますが、そのiPhoneXは販売数量が伸びず、生産調整とも伝わる。日本人だけ爆買い? 単価が高い分がそうさせたか、どうにも謎としか言えません。

「わずか」だろうと、指標を弄れば後に大きな禍根となって、他のデータも弄らないと辻褄が合わなくなります。研究開発費をGDPに組み入れましたが、スパコン不正事件の容疑者にだしていた補助金も、研究開発費として計上してきたのでしょう。精査すべきはどこか? おかしなことの尻拭いばかりしていたら、それこそ日本は尻すぼみとなるでしょう。そんな政権には『しり』ぞいてもらう方が日本のため、といえるのでしょうね。


analyst_zaiya777 at 22:56|PermalinkComments(4)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 政治

2018年02月13日

為替と株式のメインシナリオ?

日本円が対ドルで107円台に突入しました。しばらくキープしていた108円を割れた要因は複数あるでしょう。FX証拠金の話もそうで、日本では円安に向かうとやたら喧伝されるため、円安にかける投資家が多かった。ポジションを整理する必要があったのが一つ。もう一つは米予算教書で示された内容が、ちょっとショッキングでした。
19会計年度の歳出が5%増、一方で歳入は2%台なので財政赤字が膨らみ、財政赤字が9840億$に拡大、としました。しかも直近3年の経済成長は3%台、一方でCPIは2%前半にとどまり、長期金利も19年末で3.1%にとどまる。こんな楽観シナリオをトランプ政権が打ち出したことで、予算教書の信ぴょう性が著しく低下しました。景気が悪化したら、それこそ財政赤字は急拡大するでしょう。さらに20年以降、社会保障費、教育関連予算などを削減して歳入改善、としますが、これが米国内で広がると中間選挙は大敗するでしょう。9月にレイムダック化するのか、それともトランプ政権がつづくことで楽観シナリオによる大盤振る舞いで、米財政が悲惨な状態になるのか。いずれにしろドル安を導きやすくなります。

日本では金利差をさして円高、というシナリオが大半です。しかし米国が悪い金利上昇なら、金利差は大した問題ではありません。今の為替市場は、金利差で動く状況ではないのですから、それを根拠とするのは難しい。それより市場が荒れたとき、日本から海外投資に回っていた資金が急速に巻き戻される。そんなシナリオに賭ける動き、つまり平時のシナリオより、非常時のシナリオがメインとなっているのが今なのです。
株式でも、空売り比率が45%で下げ止まる、とする理屈を語る人も増えました。しかし以前と異なり、今はベア型のETFなどもあり、機械的に空売りをするケースも多い。それに週初の売買代金が4兆円に接近するほど活況なら、相場が下落すると自然に解消されることもある。今の市場では、空売りが下げ止まりのシグナルにはなりにくいのです。むしろもっと下げる、というシナリオが通るのか、通らないのか、という話です。

こんな楽観ばかり並べる米国に頼った業績で、本当に今の株価が正当化できるのか? 減税効果が、株安などの逆資産効果で相殺され、個人消費の伸びが止まったら? 金利上昇で高額消費にブレーキがかかったら? 企業活動に与える影響は? 懸念されている中国景気にまで波及したら? そんなシナリオを一つ一つチェックしながら、本当の日本株の実力について、今一度精査すべきタイミング、ということがいえるのでしょう。
これまでは株価と為替の連動性が薄れた、というシナリオでしたが、ここ数日は為替を意識するようになったのも、シナリオの変化であり、こうして情勢、状況に合わせていくつものシナリオが、その時々に応じて採用されたり、されなかったりをくり返すのです。固定のシナリオに拘れば、そうした変化にも即応できなくなります。空売り比率、とは言われますが、空買い比率という言葉はない。読みを充てれば『からかい』になるのでしょうが、どんなシナリオが今の市場に適するのか、からかい半分の偏ったシナリオを押し付ける市場関係者より、今は柔軟である方が有効でもあるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:10|PermalinkComments(4)このエントリーをはてなブックマークに追加  | 経済

2018年02月12日

産経の世論調査

フジ産経の世論調査で、政権支持率は微減だったものの、自民と公明の政党支持率がそろって2%も減少し、特に公明など共産を下回りました。茂木経再担当相の問題が直撃したとみられますが、さらに安倍政権の景気・経済政策について『評価する』47.1→40.2%、『評価しない』45.5→50.4%となり、直近の株乱高下の影響がじわり効いています。しかも安倍政権では歴代、経再担当相が株価にコミットしてきたので、その担当閣僚が醜聞まみれで、能力不足ときては対応が難しい、ということも影響するのでしょう。
立民の支持が伸びたのは『左旋回の弧』と、産経らしい右と左、どちらかに分類しないと気が済まない論調で暗に批判します。しかし改憲で『9条を変える必要がない』が40.6%で最も高く、『2項を残して自衛隊明記』27.5%、『2項を削除して自衛隊明記』28.8%よりも高い。これなど、仮に分類するなら前者が左、安倍案が中道、後者が右、となるのでしょうが、国民の意見はそう単純ではありません。例えば改憲の設問で『各政党は党の思想や理念、考えを反映した憲法草案をつくり、国民に示すべきだと思うか?』こんな枕がついたら、誰もがそう思う(83.9%)と応じるでしょう。しかし護憲なら憲法草案などだす必要はありませんし、そもそも憲法と違うことをしたい、している、という政党はどうなの? とも感じるでしょう。右や左で価値が変わるのではなく、日本の価値を最大化できるのはどこか? で政党の価値は決まります。安倍政権は? その意味では落第といえるでしょう。

米国のペンス副大統領が、北朝鮮とに条件をつけずに対話について言及しました。米国は圧力と対話、二面作戦であり、普通に考えて当然です。安倍政権は当初は『圧力』のみ、その後『北朝鮮から対話を求めてくるよう圧力』に引き下げましたが、可能性としてはほぼゼロなので、安倍政権で対話の道はない、となります。しかしすでに韓国は無条件での対話に応じ、米国も圧力のトランプ大統領、対話のペンス氏、と二面作戦になった。日本だけが対話の道がない。それで日本の価値が最大化できているとは到底思えません。
経済政策についても、FXの証拠金倍率をさらに下げる方向で検討に入る、という。一つはFX業者の決済リスク、ともされますが、裏ではミセスワタナベをさらに仮想通貨に誘導させようとしているのではないか? 特に株価が乱高下し、為替も円高方向へのバイアスがかかる中で、個人投資家を儲けさせるにはもう仮想通貨しかない。先進国で唯一となりつつある仮想通貨推奨国、まずここのればレバレッジについて議論するのが先でしょう。なぜなら、それこそ取引所の決済リスクは、仮想通貨取引所の方が高いのですから。

政治では長期政権がよいこと、などとされますが、経済学では「1杯目のビールより2杯目のビールの価値が低い」ことを限界効用逓減の法則、とよびます。つまり同じことをしていても効果が低くなること、であり、政治の安定を望む、などというのは本来、政治が余計なことをしない方がいいぐらい、景気がいいときの物言いです。しかし株価の乱高下が示すように、今後は右肩上がりの経済は期待しにくい。そのとき安倍政権が同じことをしても、効果が低いということも意味するのです。
そしてさらに、同じことどころか、もう景気対策ですら打てなくなりそうなのが、日本の現状です。限界効用逓減どころか、もう限界で効果激減、というところまで来てしまった。諸外国からも、経済政策ではインフレ助長、北朝鮮問題では圧力一辺倒、そんな特異な日本に対して今後は批判も強まってくるでしょう。日本の価値の最大化、安倍政権では果たせないからこそ、問題が多いといえるのですね。

analyst_zaiya777 at 23:22|PermalinkComments(7)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | メディア

2018年02月10日

仮想通貨の規制?

黒田日銀総裁が続投、と一斉に報じられました。嫌がる黒田氏に、株式の乱高下を盾にとって不安要因を与えるな、と迫った結果でしょう。FRB議長も交代するし、株価も乱高下するし、こんなところで交替させられない。しかしもし今以上に混乱が拡大したとき、黒田氏に打てる手があるか? 対策をとれるだけの知見があるか? といったら甚だ疑問です。むしろ日本が一番先に売り叩かれることになるのかもしれません。
米株は乱高下しつつダウは330$高でしたが、シカゴ日経平均先物は大証終値より105円安で終えました。若干、円高にふれたこともありますが、昨日のマイナーSQを意識した取引もあって妙に底堅く推移したことで、高すぎると意識されたのでしょう。さらに、ここに黒田氏続投のニュースが逆風と感じられたのなら…。世界は株安への対抗策を日本はもっていない、と認識したのかもしれず、これがただの調整でなかったときの日本株のパフォーマンスは、より深刻なものになるのかもしれません。

独仏の財務相、中銀総裁が会談し、仮想通貨による金融政策に与える影響を協議し、規制にむけた作業を行うよう、次のG20で協議すべき、と提言することを表明しました。日本は先進国の中で、唯一といっていいぐらいに仮想通貨に前向きですが、世界の風向きは明らかに変わってきたようです。それはコインチェックによるNEMの流出でも、資金を移動した先までわかっているのに、取り戻せないことでも分かる通りであり、仮想通貨のもつ利点ばかりでなく、弱点が強く意識されるようになったことも影響するのでしょう。
弱点は、取引の監視はマイニングというシステムによってできても、管理者がいないためにその資金を強引にとりもどす、ということができない。不正に得た資金でも、取引として完結したものはブロックチェーンに記載され、確定する。なので取り戻すとなると、以前の取引を取り消すか、新たに資金をもどす取引を書き加えないといけない。前者はブロックチェーンの仕組み上、かなり難しい。後者は、そもそもそんな仕組みがない。それこそハッキングでもして取り戻すしかないのです。つまり管理者がいれば、前者でも後者でも、時間をかけてでも通貨の安定のために実行するでしょうが、管理者のいない仮想通貨では、誰もそんなことはしない。する組織すらないのが現状なのです。

そして中央銀行の放出した資金が仮想通貨に替えられたら、金融政策の効果すら失う。今でもザルとされる金融政策が、さらに無力化します。しかも例えば円→仮想通貨→ドル、といった取引が増えると、通貨の価値そのものまで不安定化する。つまり仮想通貨が介在することで、仮想通貨そのものの価値を変動させ、その反対売買であるドル→円で収益をだす、といった取引も可能となるかもしれません。しかしそれは、通貨の価値を決める流通量や金利、といったファクターではないドル円の価値を生んでしまうかもしれない。
テザーの不正取引の話もでてきて、さらに仮想通貨は混沌です。規制をかける動きは世界的に広がるでしょう。仮想通貨とは、新自由主義の落とし児のような気がしてなりません。市場に任せ、民間に任せ、そうすればすべて上手くいく、という放任の思想がその根底にありますが、それが機能するためには、色々な面が過不足ありで、権威や権力という立場からみると目障りにもなってきたのでしょう。仮想通貨…、仮想は仮想のままでいる間は幸せなのでしょうが、現実世界はもっと複雑で、様々な思惑が入り乱れている。仮想と現実、現実が実存の世界である以上、仮想がでしゃばりすぎるのは許せない人も多いのでしょうね。

明日はお休みしたいと思います。

analyst_zaiya777 at 23:10|PermalinkComments(4)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 一般

2018年02月09日

平昌五輪の裏で続々と安倍政権が…

平昌五輪が開会式を迎えました。政治五輪、とも呼ばれるほど政治色が強く、それが東京五輪にも引き継がれるなら、今後の五輪のシンボルマーク、五つの輪は手を取り合う姿ではなく、互いに利権に手をだして引っ張り合う姿の象徴、になるのでしょう。
米国ではつなぎ予算が成立、18年は1430億$、19年は1530億$の債務上限の上積みがみとめられます。共和、民主ともに債務拡大に前向きで、米国が亡国にむかう様相がさらに強まった印象です。減税と歳出拡大で、財政赤字が膨らむのは確実、しかも適温相場が崩れて景気が悪化したら、加速度的に米国は財政が悪化するでしょう。緊張感を失い、今何をするか? の判断すら狂った米国は、これから凋落の道が待っているのかもしれません。

産経が8日、12月9日の記事で『米兵が日本人を救出した美談を、沖縄2紙が伝えない』とした記事を削除し、沖縄2紙に謝罪しました。しかし非常に意図的なものを感じます。この記者は米軍にのみ取材を行い、警察には取材していない、という。つまり検証不足が明白な事例であり、内部監査をうけていた、年末年始をまたいだ、といっても遅くとも2週間もあれば訂正記事をだすことはできたでしょう。これは、名護市長選の前に訂正しない、米軍の美談はそのまま残す、という社内合意があり、昨日の公表になったとみられます。
まず異様なのは、産経の検証が事実なら、米軍が嘘をついていること。昨年末には部品落下や不時着などがあり、一時的に米軍への風向きを変えたい、との意図があったと推測できます。産経はそれに乗っかり、名護市長選に向けてフェイク記事を書き、計画通りに名護市長選の後で公表した。こんなことがまかり通ったら、メディアの自殺です。

沖縄の伊計島でオスプレイの部品がみつかった件も、日本政府は「日本に報告がなかった」と米軍に抗議する、という記事も怪しい。実際には報告があって、すでに発見されていても名護市長選後に先送りしたのではないか。しかも、平昌五輪の開会式に合わせて発表。産経のフェイク記事も、大して注目を集めずに通り過ぎてしまう。
それを決定づけるのは、森友学園の資料を大量に出してきたことです。つまり安倍政権はこのタイミングで、こそっと色々な隠してきたことの一部を公開した、ということなのでしょう。しかも、この段階で森友学園に注目を集めさせるのは、加計学園の生徒集めのためにも必要です。志望する学生が多い、とされますが、このタイミングで国会で追及などをうけていれば、合格しても入学しない生徒が続出する可能性もあります。経営不安が囁かれても同じでしょう。だから森友学園の話題に目を逸らさせる。そのための、このタイミングでの資料提出。廃棄した、といっていた資料をだしてでも、他の余計な追及を避けようというのが、安倍政権の戦略のように思えてなりません。

昨日からはじまった、こっそり軌道修正の理由は、明日から3連休というのもあるのでしょう。まさに国民の目を逸らす目的です。そして、森友問題資料を国会に提出した日、安倍氏が国会にいない、というのも計算済みとみられます。日本の政治は安倍政権によって凋落の一途であり、株価という化けの皮も剥がれつつある今、嘘で糊塗された面の皮の厚さだけが、この政権の特徴ともなってきているのでしょうね。

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2018年02月08日

北朝鮮の軍事パレードとロケット

米スペースX社がロケットの打ち上げに成功、1段目のブースターも無事に着地しました。ただ風が強いと、それこそ姿勢制御が難しく、打ち上げタイミングを選べない方式になりそうです。オスプレイでも同様なように、垂直離発着では姿勢制御が命です。
宇宙の話題でもう一つ。つい最近、NASAが公開した『無重力下の歩行』訓練の映像で、月面着陸時の船外活動の映像が虚偽であることを、自ら明白にしました。簡単にいえば、月面では重力が小さいため、体を少し倒したぐらいでは前へすすむ推進力が得られず、ましてや飛び跳ねるように歩くことなどできない。思い切り前傾するか、ダイブするぐらいの勢いで飛び上がるしかない、というのです。すでに多くの検証で、キューブリック監督によって撮影されたもの、ともされますが、NASA自身が『無重力下の歩行』の研究をしながら、それが映像に反映されなかったのは超特急で仕上げられたため、ともされます。完璧主義者のキューブリック監督は、至る所に嘘と分かる内容をさしはさみ、これがCIAによる圧力で本意ではないと分かるようにしている、ともされますから、益々疑いようがないのでしょう。

北朝鮮が平昌五輪の開会式直前に、軍事パレードを行いました。始まってしまったら扱いが小さい、朝鮮半島に注目が集まるこの時期が、世界に喧伝する絶好のタイミングとみたのでしょう。五輪後、と噂される米軍の軍事行動。これに弱気な態度をみせては、国の統率がとれません。新型ミサイルをお披露目し、搬送能力を示した、というところです。
安倍首相はペンス米副大統領と会談、「核武装した北朝鮮は決して受け入れられない」と会見で述べています。安倍氏は国会で「核保有国が非核保有国を恫喝した事実上初めて」と北朝鮮を非難しましたが、朝鮮戦争当時に米国は北朝鮮に核攻撃を検討、と報じられていますし、キューバ危機のときはもっと露骨でした。北朝鮮の委員会に、どんな権限があるかは分かりませんが、「事実上初めて」の前に「米国以外の国で」をつけた方がよいでしょう。しかも日本は米国の核の傘を露骨に喧伝しているため、疑似非核保有国です。核の反撃能力があり、国連の核禁止条約にも賛成しなかったのですから、殊更に非核保有国に分類できるわけではないのです。むしろ安倍氏の言は、米国の核の傘と喧伝しているけど、実は有名無実化しており、核抑止力は利かない、と言っているように聞こえます。それに、北朝鮮を核保有国とみとめるのか? 北朝鮮は大喜びでしょう。

先週からの米株の乱高下も、北朝鮮有事のシミュレーションになった、という話もあります。これが米政府関係者にとってなら、抑止力にもなるでしょう。株価上昇を成果、と喧伝するトランプ政権では、致命傷になりかねないからです。もし市場関係者にとってなら今から徐々に仕込むことになり、相場の乱高下にかける取引が今後も増えるでしょう。
急落した後、下げ止まったかのように数日安定した後、再度下落することもあります。それは買い方がポジション調整をする間、あらゆる手で支えるから、とされます。未だ不安定な相場がしめすもの、北朝鮮有事の可能性について織りこんでいるとは思えませんが、むしろ高まる緊張をここまで市場は無視してきました。悪材料を意識しはじめた市場、北朝鮮有事に対する、もう一段の備えも必要かもしれません。そうでないと、前のめりになり過ぎた『無重力下の愚行』でふわふわ上がった市場を、重力下のフリーフォールとなったときに、悔いることにもなりかねないのですからね。

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2018年02月07日

雑感。毎月均等統計と貴乃花インタビュー

昨晩の米株市場は、始値がダウで600$近いマイナス、それを30分ぐらいで400$プラスまで切り返し、場中はプラスマイナスを行ったり来たり、引け間際の30分で600$近いプラスまで押し上げました。とある噂ではシンジケートが組まれ、下支えに動いた、トランプ政権のお墨付き、との話も聞かれます。シンジケートというと物騒に聞こえますが、複数の主体が参加して資金を融通し合う、企業買収でもよくある形です。米株市場の危機に、複数の主体が買い支えの資金を拠出し、それが30分の急騰を生んだ原因というのです。
日本株は朝高も、ほぼ安値引けで昨日の終値まで押し戻されました。米夜間取引を横目にみながらなので影響は必至ですが、米株もボラが上がっているのにVIX指数が低下するなど、かなりイレギュラーな展開で、不安定と言えます。一昨日は米国債を購入し、金利を上昇させても下げ止まらなかったことから、VIX指数を下げるよう動いて株価を上昇させた、などともされる。いずれにしろ当面はボラタイルな展開がつづくのでしょう。

平成29年通年の毎月勤労統計速報がでて、現金給与総額は前年比0.2%減。つまり安倍政権が語っている「給料は上がった」というのは、実質ベースではウソ、となります。確かに名目なら現金給与総額は0.4%増ですが、生活実感は実質の方が近いのですから、国民からみれば安倍ノミクスは失敗、にみえて当然です。これで安倍ノミクス5年で、実質で給与が上がったのは一昨年のみ。累積でもマイナスとなることが確実です。
しかも、この5年間で総実労働時間が前年比で減少がつづく。経済が上向いているなら、仕事も増えて労働時間も増えているはずなのに、そうでない。効率化? もしそうだとしても今度は人手不足、という話が信じられなくなる。いずれにしろこのスラックが賃金上昇を促さない原因とも考えられ、それを放置して有効求人倍率ばかりを喧伝する安倍政権は、真の問題点が分かっていない、といえます。むしろ、分かっているけれど認めたくない、ということなら、安倍政権の景気回復はずっと『実感なき』との言葉が付きまとうのでしょう。

貴乃花親方がテレビ朝日の単独インタビューに応じ、ゴールデンタイムで2時間の特番で放送されました。残念ながら直接みておらず、報道ステで一部をみただけですが、最初に違和感があるのは「警察の捜査が終わる前に自分が事件について語ることは警察の冒涜」という点。ならば、テレビや新聞はずっと警察の捜査を冒涜していることになる。貴乃花氏は以前から指摘しているように『被害者に近い人物』ではありますが、直接の被害者ではないので何かを語っても一向に問題はないはずです。もしそれが冒涜になるなら、身内への取材を報じること、そのものをメディアが禁止すべきです。これはあくまで貴乃花氏が語っていることなので、メディアはそう思っていないけれど…、というならそれを論評なく垂れ流してよいのか? という点に大きな疑問を感じます。
もう一つは、通常こうしたものは双方の主張を取り上げるべきで、特にこれは物事の良し悪し、という問題ではなく、互いに主張が鋭く対立する問題です。その一方の主張だけを取り上げるのは問題を感じます。それに、不思議なのは日馬富士関の貴ノ岩関への暴行の現場について、どうして日本人で同席していた人にインタビューしないのか? モンゴル語で分からない、ということはありますが、アイスピックをもちだしたかどうかなどは、聞けばすぐ分かる話です。株価下落の話も、安倍ノミクスの自慢話も、こうして大相撲の話にしてもそう、メディアの検証不足が顕著に感じます。米国では『シンジケート』が株価を支えますが、日本ではメディアが「信ジトケー」と言われても信じられず、モヤモヤした気持ちがマインドを低下させつづける、ということにもなるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:19|PermalinkComments(4)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 社会

2018年02月06日

世界同時株安について

世界同時株安の状況です。しかしこのタイミングでトランプ政権のサンダース報道官が「減税とインフラ投資をすすめる」と発言し、さらに嫌気されています。適温を加熱させるトランプ政権の減税と公共投資が、今回の下落の主因でもあるのに、それをさらに強化する、というのならトランプ政権は本当に経済に無知、となるためです。
しかもトランプ氏へのFBIのロシア疑惑捜査が不正、と政権側が公表し、これに米民主党が強烈に反発。議会が開店休業状態になることが予想されます。公共投資ばかりでなく、つなぎ予算も成立が難しくなった。そもそも、FBIがトランプ陣営幹部の盗聴をする際の令状を不正取得した、という共和党議員のメモを公開しただけ。FBIの資料でも、令状をだした裁判所の情報でもなく、それを基にしたメモ、という二次資料で「自らの無罪が証明された」というトランプ氏には、共和党議員でさえ呆れるばかり、と言えます。

今回の株安の震源地、とされる米国の下げ幅より、日本の下げ幅の方が突出して高くなっています。アルゴリズム取引に伴うフラッシュクラッシュだ、売り方の手口だ…という人もいますが、むしろ先物ぶん回しが得意な欧州系は、今日は大きく買い越している。1月第2週からの売りを、ここで回収しただけ、という状況であり、今日の下げの主因はここまで頑張ってきた日系、及び一部の外資系の買い方が放り投げたこと。それだけ買いに傾けた取引が多かったために、反動安も大きくなった、というに過ぎません。
昨日までは強気だった識者が、今日になったら急に弱気の発言に変わった、というのも社の方針が変わったことと整合的です。自社の自己売買や顧客への説明も、昨日と今日とで立場を変え、急にそんなことになったため、慌てて売る大口顧客も多かった。それが今日の急落につながった、とみます。そこに米夜間取引の急落やら、円高への動きなども重なり、一時1600円を越える下げとなった。それが今日1日の動きです。

問題は、株式市場以外にまだ動揺がみられない点。金価格や資源、為替相場も株式の急落ほどではない。国債市場も同じです。つまり今はまだ、株式の割高感を調整するだけのものに過ぎません。来期増益でない、というだけで達成できないような数字を維持するのが難しくなった。VIX指数の急騰が示すように、株は元々リスク資産、株価が上昇して持ち分が増えたら、本来は減らすのがスジでした。それを先送りし続けてきた分が、今慌てて売りをだしている主体であり、フラッシュクラッシュというよりアルゴリズム取引で売る条件がやたらと重なった、ツケの先送りをしていた分を払っている印象です。
昨日も指摘したように、米国で2日連続の下げとなり、恐怖指数ともされるVIX指数がしばらく高止まりすることが予想されます。恐らく今回の下げで世界から〇兆円消えた、といった報道もあると思いますが、それだけ資産が減ると、他の市場も売って利益を確保しようとする動きが広がります。まだ他の市場の動きが少ないですが、誘発するようだともう一段の下げも覚悟しなければなりません。時間軸、値幅、まだ想像もできませんが、今はまだフライングクラッシュ、来期は増益、未来は明るい、といった根拠なきものに踊ってフライングして買っていた投資家が慌てているだけに過ぎません。Bitcoinにも大型の価格操縦の疑いがでてきましたが、株価も操縦されていて、この下落でその主体があぶりだされるのなら、下落幅はまだまだ深くなることも予想されるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:42|PermalinkComments(4)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

2018年02月05日

日本株の急落

佐賀で陸自ヘリが民家に墜落、炎上して火事となっています。基地周辺には危険も伴いますが、今回の件が厄介なのは対戦車ヘリで、弾頭を搭載していたら誘爆する可能性もある点です。安全装置はそう簡単に外れないでしょうが、墜落の影響で弾頭にヒビが入り、それが火災の熱で…という可能性は残ります。軍事用の機体は、民間のそれとはまったく異なる、別の大きな危険がつきまとうので、要注意ともいえます。
これが影響するのは、米軍機の事故であれだけ強く申し入れた、と喧伝したために自衛隊機をしばらく飛ばすことはできません。1日早ければ、名護市長選にも影響したところでしょうが、今回でも防衛大臣の首は飛ぶかもしれない。憲法への自衛隊明記、というのも国民理解が遠のくかもしれません。米軍がトランプ政権の下で酷使され、事故を頻発させるように、自衛隊が安倍政権の下で酷使され、事故を起こしたのなら米軍と自衛隊の事故は、原因が同じということにもなる。原因究明が待たれるところでしょう。

日経平均が大幅下落です。米株の夜間取引が弱含み、反発する機運すらつかめませんでしたが、問題は、今晩の米株の推移です。今日で反発できるなら、それはまだ期待を残した形であり、調整幅も少なくて済むでしょう。今晩も大幅に下げるなら、それは基調転換を強く意識させ、調整幅も、期間もやや長めになると予想されます。
よく相場はすぐに切り返す、25000円に到達する、という人もいますが、あくまで前提は来期も増益、です。しかし米減税があっても金利上昇で相殺され、景気が停滞したら? つまり増益基調が崩れたら、その限りではありません。しかも今回は間違いなく金利上昇を伴うので、これは株式ばかりでなく住宅市場に波及する恐れがある。資産価値の上昇で支えられている現在の景気が、いきなり頓挫する可能性もあり、業績が確約できるような状況でもなくなるでしょう。つまり、あくまで来期の増益があれば、今後の株高を正当化できるのですが、そうでなくなる可能性が今回の調整局面の理由では示されるのです。

これまでもアノマリーやテクニカル分析の常道を外してきたので、この下落でもそういったもので下げ止まる期待はありません。以前から指摘しているように、今は需給により相場の方向性が決まるので、ただのポジション調整で終わるなら、資金の流出は小幅でとどまりますが、VIX指数の上昇は否が応でも資金回収の動きを誘発するでしょう。だからこそ今晩の米株市場が落ち着けば、VIX指数も落ち着くので小幅、といえるのです。
そして今回の動きは、日銀を震え上がらせました。インフレ→引き締め、という手順がこれほど相場を動揺させるのですから。そして先に相場が動揺してしまったため、日銀が簡単に次の手を打てなくなった。緩和する余裕のない日銀、もし相場がフリーフォールになるなら、日本独自でそれを止める術もないので、売り方にとって動きやすい市場ともなりかねません。市場の急変に伴う業績悪化、現実味を帯びると危険です。

米軍機の事故がおきても、ぎりぎり民間への被害が出ない範囲で済んだ。今回、自衛隊は一度の事故で民間に被害がでてしまった。安全装置を準備する米国と、それすらない日本、という対比にも見えてしまいます。それは経済の面からも同じ、FRBは景気悪化にも打てる手を着々と準備しているのに、何ももてない日銀。黒田バズーカは市場に向けて放たれたもの、と考えられてきましたが、その砲弾は迷走し、着弾もしなかったため、インフレにも向かわなかった。今、相場が混乱をはじめたことで、やっと着弾するのかもしれません。それは日本を破壊する方向で…。安倍ノミクスによるベアノミクスへの耐性、黒田バズーカのバカバカしさ加減、それが試される局面ともいえるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:48|PermalinkComments(4)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

2018年02月04日

安倍政権と財務省

民進党の党大会、「寂しい」などと言われますが、党所属の国会議員も減り、また野党第一党の地位から滑り落ちたのですから当然です。野党第一党で政権交代を狙う立場にあれば、周りも注目するし、期待もする。しかしこれからは周りを注視し、期待していく側になったのです。来賓がいなくて当たり前、これからは他党の集会にお邪魔する側になったのです。かつて社会党も辿った道、野党第一党からの転落はある意味で残酷です。

しかし与党にも怪しい風が吹き出しました。それは財務省がそろり、と従来の答弁を覆すような資料をだしつつある。これは財務省が、このままいけば安倍政権は消費税再増税を先送りする可能性があり、圧力をかけているとみて間違いないでしょう。自由党の山本氏が「財政出動を増やすべき」としたことに、安倍首相も「増税する際は財政出動した」と述べ、前向きな姿勢を示しました。しかしここ最近の補正予算は赤字国債に頼ることも多く、財源不足は顕著です。それでも増税できるなら、と協力してきた財務省も、愈々その本気度について懐疑的となり、安倍政権退陣に向けて動き出した、というのです。
自民党総裁選は今秋、消費税再増税の判断は翌春、遅くとも初夏までです。つまり安倍政権がつづくと、今国会を含めて2度の通常国会を経ますが、果たしてそれに安倍政権が耐えられるか? 経済が失速したら、また先送り…となるのではないか? 事実、経済には不安要素が強まっています。米株急落にみられるように、FRBがインフレ抑制に前のめりとなれば、世界経済のけん引役であった米景気が失速しかねない。1年と少し後の世界、安倍ノミクスが大きな曲がり角に至ることは間違いなく、そのとき安倍政権では耐えられないのです。なぜなら、まさに経済政策に失敗した政権が、それでも国民に増税などをお願いできる状況でもないからです。そしてこの問題は、次期日銀総裁選びにも関係します。

黒田総裁は1期限りで辞したい。短期間で異常な金融政策を終息できず、これからその失敗を自らみとめ、後始末をはじめないといけない。それらの責任をすべて財務省に被せるのではないか? 財務省出身の黒田氏が後始末をして景気が失速したら、財務省のせいだから財政出動の資金を捻出しろ。そんな強引な理屈を押し付けてくるかもしれない。そのために黒田氏続投を模索しているのでは? そしてそれが叶わない場合でも、財務省出身者をあて、引き締めと財政出動を両立させるつもりではないか? というのです。
当然、財務省はもう財源がないので、できれば財政出動はしたくない。それに安倍ノミクスの失敗のツケまで払わされては堪らない。ただでなくとも安倍政権では景気効果の薄いものばかりが増えるので、やりたくない。ここに来て、安倍政権に不都合な情報をそろりと出してきたのは、あわよくば総裁選で交替、をもくろんでいるとみられるのです。

自民党内でポスト安倍の動きが俄かにでてきたのも、経産省主導の安倍政権から、財務省が力をとりもどしたい、つまりポスト安倍には財務省のバックアップが得られる、という点も大きいのでしょう。すでに安倍政権の息の根を止められる情報は、官僚もにぎっているでしょう。ただし自分たちから積極的に出したりはしない。あくまで政局を見て、潰せそうなら、特大級のスキャンダルをだしてくるでしょう。安倍政権はあまりに官僚に弱点を握られすぎたのです。与党内に吹き始めた生暖かい風、今はまだそろり、と吹く程度ですが、経済政策の失敗から吹き荒れると暴風となって、与党内の残酷物語が展開することになるのでしょうね。

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2018年02月03日

相撲協会の理事選

米株のダウが約666$の大幅下落です。1月雇用統計がでて、時間当たり賃金が前年同月比2.9%増となり、インフレ警戒が広がり、FOMCの利上げが年3回から4回の予想が増えて金利が上昇して株に弱気、という理由が語られますが、おおよそその通りではあるものの、もう少し考察も必要でしょう。米株は年初から調整知らずで上昇をつづけました。新規資金の流入がつづいたからで、運用担当者が利確するタイミングを失っていた。先高期待が喪失したことで一気に売りがでた。またVIX指数の上昇で、株が安全資産でなくなったこと、などが複合的に影響しての大幅な下げにつながった、とみています。
問題は、インフレ懸念は継続して意識されること。また一度上がったVIX指数は、景気拡大とインフレ懸念との狭間で相場変動が大きくなり、高く推移することが予想されます。もしかしたら、トランプ減税の効果はインフレ懸念という形でより大きくなる形となり、ゴルディロックス相場を終焉させる破壊力がより強かった、ということになるのかもしれません。小売り大手ウォルマートのように、賃上げ発表と同時に、従業員の削減をしていた、という話もある。賃上げ…、今後の市場でも軽視はできなくなるでしょう。

相撲協会が理事線を行い、貴乃花親方が2票で落選しました。これに貴乃花派の識者などは怒り、相撲協会はダメ、理事選は間違いだ、などと烙印を押します。しかし理事選は親方による投票で、また一門のシステムが残ることは事前にわかっていたこと。要するに、貴乃花氏はそのシステムの中で多数派をとれなかった、というだけのことであり、貴乃花氏が当選したら良くて、落選したらダメ、などというものではありません。
そもそも理事選の直前に更新したブログも問題です。これまで理事をつとめ、あの主張通りの行動をとっていたのか? 他の理事、現執行部と対立するから何もしません、といっていただけではないのか? だとしたら、そんな人物のことを誰も信用しません。それにどうしてブログ? 理事選が一般人の投票であるなら、ブログで広く意見を発信するのも道理でしょうが、理事選はあくまで親方が投票するもの。親方衆にわざわざ自分のブログをみろ、というのか? それより親方衆に対して、口頭で説得する方がよほど効果的ともいえます。貴乃花派の識者やファンに向けて情報発信し、世論を喚起して…という思惑があったとしたら、誰もそんな人物に投票したい、とは思いません。

行動と主張のズレ、そればかりでなく、誰に理解して欲しいのか? 何を変えたいのか? そんな諸々のことが明後日の方を向いているのですから、自身の一門からも票が逃げたのです。今回の出馬も、選挙にするため、とも報じられますが、貴乃花氏としては一門以外からの自身への支持を確認したい、という思惑もあったのでしょう。そして、貴乃花派の識者が「当選確実」などと流すことで、さらに世論を煽りたて、寝返る親方を増やして当選する、との青写真まで描いていたのかもしれません。
しかし逆に、弱体化を招いたのは計算外だったに違いありません。貴乃花氏は言っても聞いてくれない、周りとしてはそんな改革者を不安視するものです。それは自分が考えている改革路線と、貴乃花氏のそれが違ったら、次に排除されるのは自分だからです。因果応報、貴乃花氏が現執行部に敵対的な行動をとればとるほど、身内の離反を招きやすいといえる。結局、そういうやり方で多数をとる、というのが難しいのです。貴乃花氏が善、と決めてかかって怒りを示すより、なぜ貴乃花氏が多数をとれないのか? そういう反省もなければ、貴乃花氏の行動はただの駄々っ子の叛乱にしかなりません。相撲協会を変えたければ、ファンに向かって恰好をつけるのではなく、他の親方衆のためにどれだけ汗を流せるのか? そうでないのなら、一部の支持者以外からは裸の王様にしか見えなくなるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:53|PermalinkComments(2)このエントリーをはてなブックマークに追加 社会 | 一般

2018年02月02日

安倍首相によるエンゲル係数の新解釈?

参院予算委で安倍首相が「安倍政権の5年でエンゲル係数が上がっている」との民進党、小川氏の指摘に「物価変動の他、食生活や生活スタイルの変化」のためと答弁し、話題です。しかも、翌日の午前にWikipediaが安倍氏の主張が正しいかのように書き換えられました。全く愚かなのは、この前の自民、宇都議員ではありませんが、こんなことをしていたら官邸が関与している、との疑いを深めるだけ。仮に官邸とは全く関係ない、安倍支持者によるものだとしても、です。わざわざ安倍政権の評判を落としているに過ぎません。
アンチ安倍の人がわざわざこんな手の込んだことをする必要がない。安倍支持者の浅慮ぶりがまた一つ明らかになったのでしょう。そもそもエンゲル係数は収入対比で飲食代をみるので、安倍氏の語るように収入が上がっていたら、エンゲル係数は下がるはず。もしそれを越えて食料品が上昇しているなら、結果的に生活は苦しくなるので、物価変動で上がっていたら政策の失敗です。もし仮に食生活や生活スタイルの変化で、より国民が貧しくなっていくのだとしたら、そんな状態を放置していることもまた、政権の失敗です。どんな苦し紛れの答弁をしても、エンゲル係数の上昇は政権の失敗しか示さないのです。

日経平均は月末から乱高下です。実は、月末に売り、月初に買い戻すという機械的な取引をする主体がいるのでは? と噂され、大体その主体も分かりつつありますが、毎月分配型ならあり得ますが、そうでない主体がどうしてそうしているのかは分かりません。それが月初20連騰を生み、ドレッシングが多い月だけは月末は下支えされます。そしてそうした取引を意識して、また取引が膨らむ、といった構図で月末、月初が作り出されていると言え、今日まで引きずったのは、ずっと噂されていた日銀の指値オペも影響しています。
今日、日銀が指値オペをだしましたが、為替は一瞬、円安で反応したものの株はじり下げとなり、為替もそれにつれて円高へとふれました。予想通りだったこと、及び金利がほとんど動かなかったこと、などがあります。つまりもう日銀の指値オペは効果がない、4回目で影響が知れたこと、及び世界的な金利上昇局面に対抗しうる手段でないこと、などが挙げられます。欧米の金利上昇に比べ、日本の長期国債は0.01%下落はしていますが、来週になればふたたび金利が上昇するでしょう。日銀がそのたびオペをするのか? 市場はその辺りを注視しており、イールドカーブコントロールも正念場です。

市場も正念場なのは、ボラティリティーが上昇しており、VIX指数の低さをみて買いを入れていた層が、ここ最近の市場の乱高下に動揺しつつあります。まだ目立って売り急ぐことはありませんが、金利が上昇すれば有利子負債の多い企業などは収益性にも影響してきますから、金利とVIX指数の動きが、当面の市場の次の動きを決めることでしょう。
米国では経済指標が絶好調、とされます。しかし消費者の態度では予想を下回るものが目立ち、今後の消費にも不安がのこる。トランプ減税の恩恵の度合いを知ったら、がっかりする国民も増えそうです。問題は、いつまでもこの絶好調な指標がつづかない、ということ。下がり始めたら、それが失速とうけとめられ、下落のきっかけとされやすい。これまでは株式市場への資金流入が株価を押し上げてきました。通常、国債市場から流出した資金は、株式に向かうものですが、今はそうなっていない。株先/債先のバランス取引自体、すでに取引が減っていますが、欧州でも引き締め発言があると市場が大きく反応してしまうように、明らかにこれまでと違う動きが起きつつあるのでしょう。

もしかしたら安倍氏は、エンゲル係数を編み出したドイツの経済学者、エルンスト・エンゲルではなく、同時代に活躍したドイツの思想家、フリードリヒ・エンゲルスと間違えたのかもしれません。マルクス主義を理論的に補完し、マルクス亡き後に第二次インターナショナルを率いた人物です。日本が安倍政権の間に、共産主義の悪しき部分であるメディアコントロールと格差社会を生み出した、そんな『生活スタイルの変化』によりエンゲルス係数が上がった、というのなら的を射ているのかもしれません。しかしそんな国からは益々お金が逃げていくのであり、日本の正念場ともいえるのでしょうね。

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2018年02月01日

雑感。FRB議長の退任と、日米の分断の構図

米国ではイエレン議長の下でのFOMCが開催され、金融政策は現状維持となりました。ただし声明文でインフレの見通しについて強気であると受け止められ、米株は大幅高から一時マイナス圏に沈むなど、乱高下しています。年内2回の利上げ、とみられていたものが年内3回、来年もう1回の利上げ見通しとなった。ここでタカ派の声明文をだしたのは、むしろ米経済は過熱気味である、と言うイエレン氏の最後のメッセージでもあるのでしょう。
これは昨晩のトランプ大統領による一般教書演説で、10年で1.5兆$規模のインフラ投資を謳うなど、先の減税と合わせて大盤振る舞いが目立つ。これだけ巨額の財政出動となれば、インフレを加速させる懸念の方が強まります。コントロール不能になる前に、早く引き締めたいとの思いもあるのでしょう。実際、1.5兆$規模といっても真水は少ない見込みですが、このままだと酷いバブルによって米経済が壊れる可能性すらあるのですから。

そんなトランプ氏は中間選挙をにらみ、教科書通りの演説を行いました。3割強の固い支持層に支えられている、といっても中間選挙では苦戦が予想され、早くもレイムダックが囁かれる中です。起死回生の一手が1.5倍に増やしたインフラ投資、です。ただ、この3割強の固い支持層、という形が日本でもほとんど同じ状況が展開されており、少し昨日の話と重なるところもありますが、この部分について考察してみたいと思います。
メディアとの敵対を表明した著名人との関係を考えたとき、ジャーナリズムのとる戦略は二つ。徹底的に叩くか、もしくは親密となってその情報を一元的に扱うことで、知名度をあげたり、情報発信役をになったり、です。まさに元TBS記者の山口氏は後者であり、某番組では安倍氏に直接電話できる、と自慢げに語っており、安倍氏の情報発信役としてメディアにも出演し、また関連の記事を書くなどして利益を得ていたのです。

最近のメディアは中立性にこだわり、意見の割れる話題では両者の意見を公平に扱おうとします。最近の相撲界でも同様、貴乃花一派の宗像氏などを出演させ、貴乃花側の事情を語らせます。こうなると、例えどんなに奇怪な意見でも、正論を外していても数%は支持する人間が現れます。それに元々が人気者であると、その人気が上乗せされる。これが支持率3割を切らない事情であり、トランプ氏などはまさにこれです。
日本の安倍首相も同じ、メディアを選別した上で、重要情報は読売か、産経に流す。特定の記者のインタビューだけ受ける。こうなると情報発信をコントロールでき、また中立にこだわるメディアが両論併記してくれるので、どんなにおかしな主張でも拡散され、歪んだ意見に賛同する人、プラス自身の支持層で3〜4割の支持を確保できる。日米とも首相の力量不足を意識されながら、支持率が落ちない理由は、メディアを選別することで生じているものであり、本来はこうした手法についても考察が必要なのでしょう。

貴乃花氏も同じ。メディアにほとんど語らないことで、取り入ろうと必死で記者は猫なで声をだし、機嫌を損ねないようにします。もし自分が情報発信の対象になれば、それだけでメリットが大きいからです。3割の支持層がいれば、今後も何かとメディアに取り上げられる。こうして今のメディアと、著名人との関係は築かれているのです。
貴乃花氏のブログについて称賛の声が多い、と報じられます。しかしこうしたものは振付師がいて、ブログの中身も戦略に則ったもので、本人の主張かどうか疑わしい。そもそも現時点で、理事選にむけた暴露合戦を貴乃花側が仕掛けている点をみても、決してブログで語られる中身のような未来を貴乃花側がめざしている、とは思えない部分もある。誰が分断と混乱をしかけているのか、この辺りは中身を読まないといけません。

メディアが掲げた『中立性』により、逆にアンチも生み、分断につながる。ではどうすればいいのか? メディアが基準を中立ではなく、正しさにおくことです。そうでない限り、メディアと対立し、コントロールする相手をうまく利用しようとする、そんな輩によって国民までコントロールされてしまうのでしょう。そうして分断や混乱にうんざりする日が来るまで、こうしたおかしいことも中立性によって両論として喧伝され続けてしまうのでしょう。女性らしい細やかさと気配りで、世界経済を見事なかじ取りで支えた、と評価されたイエレンFRB議長がこのとき退任する。一つの時代の終わりを感じさせ、新たな時代は男社会による醜い分断と混乱の時代、そうなるような気にさせてしまうのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:11|PermalinkComments(4)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 政治