2018年04月

2018年04月29日

安倍首相の中東歴訪

安倍首相が中東歴訪に出発しました。日本独自のパレスチナ支援構想を「平和と繁栄の回廊」と銘打ちますが、かつて第一次安倍政権の時代、「自由と繁栄の弧」という価値観外交を標榜したことが思い出されます。そもそも自由と繁栄の弧は、東南アジアから南アジア、中央アジアを通って東欧から欧州までをつなぎ、自由主義と法の支配という価値観でむすばれた外交をする。いわば中国、露国包囲網とも呼べるものでした。
残念ながら「平和と繁栄の回廊」なるものがどんな構想か、までは調べていませんが、トランプ政権の支持基盤でもあるイスラエルとの関係も悪化させず、パレスチナの支援をするということでしょうから、かなり難しいはずです。今のネタニヤフ政権にとり、パレスチナ強硬対応はマスト。パレスチナ入植地にも勢力を広げ、イスラエルの勢力拡大を既定路線とするのですから、パレスチナの支援を快く思うはずもありません。中東の歓心を買うためにパレスチナの支援をし、イスラエルに怒られないように、さらに支援するとなるのですから、この中東歴訪で一体どれぐらい散財してくるのか? となるのでしょう。

安倍氏が歴訪に出発する前、トランプ大統領と電話会談し、拉致問題解決を働きかける方針で一致、と伝わります。そんな中、北朝鮮の金正恩氏が「日本といつでも対話を行う用意がある」と、南北会談で文大統領に語った、と伝わる。文氏も安倍氏の考えを伝えた、としますが、北朝鮮の反応については文氏も語らない。焦らされているようでもあり、むしろ語ってはいけないようでもある。日朝の交渉まであえて伏せているようです。
金氏が前向きなのも、拉致問題の道筋がもう見えているから、と思えてなりません。北朝鮮としては、拉致問題でもう話すことは何もない、日本からはお金をひきだす戦後賠償、平壌宣言不履行に伴う賠償など、いくらでもお金を引き出せる交渉ができ、拉致問題では賠償を得なくてもいい。そうなると、米朝首脳会談でも拉致問題は入らず、。日朝で交渉しろ、という話になり、そこで拉致被害者はもういないと伝えられるかもしれません。

悲観的にならざるを得ないのは、日朝平壌宣言はあくまで拉致被害者はもういない、という北朝鮮に対して再調査を依頼したところまで、なのです。つまり次に日朝首脳会談をしたときは、その結果を聞くことになる。そこで「いない」と言われても、日本には返す言葉がありません。この5年、日本政府からめぼしい情報がないように、嫌いなものは嫌い、という安倍氏の性格もあって、北朝鮮とは没交渉どころか、脱北者や北朝鮮内の協力者からの情報を、日本は集めてこなかった。安倍政権が誕生する前まで、メディアでも北朝鮮内の映像を報じるところが多かった。今やそれらもほとんど報じられません。
メディアが忖度したのか、北朝鮮の監視が厳しくなったのか、それは分かりませんが、今や北朝鮮内に拉致被害者がどれぐらい残っているか? 政府も答えようがありません。しかも今回は、米韓に先に交渉を依頼したため、その結果をうける形になる。結果的に、米韓もみとめた結果を日本も受け入れざるをえない環境がつくられてしまうのです。米朝首脳会談は3〜4週間のうち、とトランプ氏が明らかにした。俄かには信じられませんが、その後に日朝首脳会談が待つなら、それは極めて厳しい交渉になる、と考えておいた方がよいのでしょう。「自分の繁栄はこれ」と外交の安倍を強調してきましたが、今やその肩書さえ怪しくなってきているのが現状でしょうね。

明日からお休みしたいと思います。30日にwindows10の春の大型アップデートがあり、恐らく2、3日はトラフィックがぱんぱんになると予想され、3日からは出かけてしまいますので、ちょっと長い休みになります。6日には再開したいと思います。

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2018年04月28日

物価2%の達成目標時期が削除

南北首脳会談が行われた昨日、財務省がこっそりと辞任した福田財務事務次官のセクハラを認め、6ヶ月間の2割の給与減として、退職金から差し引くとしました。しかし大した削減額ではありませんし、懲戒相当の処分であり、経歴に傷がついたわけでもない。天下り先への再就職には、何の支障もないでしょう。福田氏が罪をみとめたわけでもなく、裁判に訴えるとした態度を変えたわけでもない。財務省としては、言葉は悪いですがさっさとこの問題を切り離しただけ、ゲス対応を通常運転にもどしただけのことです。

もう一つ、重要なのが日銀の政策決定会合です。こちらは予定通りの開催ですが、展望リポートから物価2%の達成目標の時期を、削除したのです。5年前、「2年程度で達成」としたものがずるずると先延ばしされ、7回目の先送りとなるはずだった今回、それを外した。黒田氏は「欧米でも達成時期をコミットしていない」と、その理由を語りますが、むしろ強くコミットすることで効果をだすはずが、失敗した、という話です。ただし達成時期を外したことは、もう一つの意味を市場に与えることになります。それは物価が2%に達成せずとも、緩和の旗を下ろす、つまり政策変更のフリーハンドを得たことになります。
米FRBも物価が明確に2%に達した、という前に引き締めても達成するだろう、として引き締めを開始した。黒田総裁は「19年度ころに2%達成」との考えを示す。一般的な指標では20年度でも2%を達成しない、とされますが、達成できるとの確信をもてば引き締めても問題ない、となるのです。達成時期を展望リポートから外せば、それが可能です。

さらに黒田氏は、副作用が金融仲介機能の低下と資産バブル、としましたが、2001年から5年間日銀が行った量的緩和では、海外で資産バブルが起きても日本ではほとんど起きなかった。現在の量的質的緩和、イールドカーブコントロール(YCC)をすすめてみても、それが起きる気配もない。なのに、それを懸念する副作用とするには違和感があります。また金融仲介機能の低下はすでに発生しており、低金利での融資が拡大、経済が悪化してそれが不良債権化したら、大きな問題になるでしょう。つまり金融仲介の低下は、すでに対策を打たなければいけない段階であり、遅きに失している、とさえ言えます。
相場が日銀の金融政策決定会合に反応しなかったのは、市場も朝鮮半島の落ち着きをリスクオフと考え、円安、株高を演じているため、です。しかしすでに海外で始まっている資産バブルと、国内で始まっている金融仲介機能の低下、この問題をより深刻にとらえるなら、早期の引き締めも意識されるのであり、市場も改めてこの動きをネガティブ視することになるでしょう。リフレ派に頼った金融政策はすでに失敗が顕著であり、副作用が懸念されている時点で、今の政策は失敗なのです。それを市場が意識したとき、円安、株高も終わる。すでに円安の動きに株価がついていけていない、ともされています。

むしろ今の円安は、日米経済対話で米国が有利な条件を引き出すために仕掛けられている、といった噂もある。米国の長期金利が3%に乗せたときの動向と、為替の動きにもズレがあった。米MMFが円売り越しから、一気に中立までもどしたのに円高になるどころか、逆に円安に動いた。巨大な円売りがそれ以外から入っていることを意味し、日本からの年度切り替えに伴う再投資、という以上の円売りが発生したことを意味します。その主体とそうした意味、読み違えると後で停滞しっぺ返しも待つのでしょう。二期目に入った黒田日銀体制、南北会談と重なった、という以上に注目もされず、前途多難といえるのでしょう。むしろ暴走をはじめた市場に、後手に回る場面がでてくるなら、異次元緩和というゲス対応を通常運転にもどすだけで、大きなインパクトを生じることになるのでしょうね。

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2018年04月27日

南北首脳会談について

南北首脳会談、板門店宣言もでました。注目するのは『南北関係を改善し、発展させることは全民族の一途な願い』とした点で、それは『時代の切迫した要求』とする点です。前段では『民族的和解と平和繁栄』や『途絶えた民族の血脈をつなぎ、共同繁栄と自主統一の未来』とでてきますが、それは『時代の要求』で、全世界の人が求めていることでしょう、と述べていることになります。つまり、この後のG7などでこの流れに水を差すようなことはしないよね、と南北が合同で世界へのプレッシャーを与えているのです。
しかも、そのために『和合の雰囲気を高めていくため、各界各層の多方面の協力と交流、往来や接触を活性化』とするので、要するに対北制裁を解除せよ、もしくは対北制裁をかけても南北の交流によって骨抜き、という事態にもなる。つまり北朝鮮にとっては、この南北交流によって見事に風穴を開けた形になり、会談の実をとった形です。

軍事に関しては『緊張と衝突の根源となる相手に対する一切の敵対行為を全面的に中止』を『あらゆる空間』で行う、とします。昨年の韓国大統領選、文在寅氏の圧勝でしたが、北朝鮮のサイバー攻撃部隊も動いた、と噂される。対北融和政策を掲げる文氏に勝利させたかったからです。そして、ネット空間でさえも敵対行為をやめよう、という。北朝鮮、文氏にとってはウィンウィンの結果となり、そうする意味もない、となります。
そしてこれは、北朝鮮が嫌がる米韓軍事演習も止める、という話になる。しかも『完全な非核化』はあくまで目標であり、積極的に努力する、のみです。結果がそうなる、という話ではありません。しかも『停戦協定を平和協定に転換』するのに3ヶ国(南北米)または4ヶ国(南北米中)会談を『積極的に推進』とする。かつての6ヶ国協議から、日本と露国は外された形です。これが米国や韓国から、日本側に伝えられていたのか? いたとすれば、それを公表しなかったのはナゼか? 今後日本の国内でも議論される問題でしょう。

しかも日本外しはそれだけではない。『民族分断により発生した人道問題を至急解決するため努力し…離散家族、親戚再会をはじめとする諸問題を協議、解決』とする。韓国でも拉致被害者はいますが、あえてその問題には触れず、だから日本の拉致問題もここには入らなかった。当然といえば当然で、南北会談が成功した、というためには「拉致問題が残っている」など、南北とも言いたくない。それは米朝会談でも同様でしょう。言葉は悪いですが、米韓北にとって拉致問題は、宴に水を差す厄介な問題でしかないのです。
北朝鮮としては、仮に米朝首脳会談が失敗しても、韓国が米軍を抑える役目を期待できる。韓国としては、文政権の成果として南北の統一という夢を、国内に与えられる。これは双方にとって望むべき結果です。不都合なことには蓋をし、現状を打開し、未来に希望を与える、という意味で。ただし、米国にとっての現状の認識と、未来の姿としては少々どころではない、大きな違いがある内容、といえます。実際、米朝首脳会談が行われるのか、まだ予断をゆるさないところですが、ただ一つはっきりしたのは日本が完全に遠ざけられた、ということ。蚊帳の外どころか、近づけもしない門外という感じです。

安倍氏が今日の会見で、北朝鮮の行動を「強く期待」とした。まさに会談して行動を促すのではなく「期待」しかできない。安倍外交、完全崩壊です。恐らく南北とも、このシナリオをもっていた。核実験も長距離ミサイルも、目処さえつけば南北会談、だから北朝鮮も焦っていなかった。そんな北朝鮮に、圧力一辺倒を唱え続けた安倍氏、南北のシナリオを見抜けなかったことが、最大の敗因でしょう。『時代の切迫した要求』に逆らいつづけた結果、いやむしろ『事態の切迫した要所』を間違えつづけた結果、といえるのかもしれません。この失地、回復するのは大変で、安倍氏にとってこの宣言は『煩悶』店宣言に聞こえたのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 22:24|PermalinkComments(6)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | アジア

2018年04月26日

雑感。ネットと犯罪と安倍政権

TOKYOの山口氏が強制わいせつ容疑で起訴され、波紋が広がります。事件については不明な部分も多く、言及しませんが、気になるのはネットで被害者を特定しようとしたり、根拠もなく被害者と認定した相手を、誹謗中傷してみせたり、そんな動きがあることです。TOKIOのファンも安倍支持者と同じ、応援したい、好きだと思っている相手を徹底的に擁護するような行動をとり、被害者への二次被害を与えても平気な集団なのか? とさえ感じられます。むしろ社会全体がそうした行動を容認し、力を与えているかのようです。
これまでも安倍支持者は、安倍政権に関する真実の告発や、関わる人物からうけた被害を訴えただけで、極悪人のようにネットで晒され、誹謗中傷をうけることが続発しました。日本ではそういうことをしてもいい、という認識が広がり、被害者をさらに貶める行為が横行するなら、やはり安倍政権の5年半は失敗だった、となるでしょう。TOKYOのファンも、応援しているから、好きだから、で愚行を重ねるなら、それはTOKIO自身の価値をファン自らが貶めることになる、そう早く気づいて、そうした行為を改めるべきでしょう。

例えば、海賊版サイトへのブロッキングを実施、という記事があります。知る権利を侵害、『通信の秘密』を定めた憲法に違反、という問題がある、とされます。知る権利については正規の手続きを踏めば、きちんと『知る』ことができるので、これは権利の侵害には当たりません。18禁、など若者への有害なものは規制できるのと同様、著作権を侵害するケースは知る権利を一定程度規制できる。それがこれまでも認められてきました。
『通信の秘密』に関しては、サイトそのものをブロックするので、通信は行われていない状態であり、秘密保持には関係しない。さらに犯罪に関しては逆探知や、通信の傍受なども行われている。『通信の秘密』は『違法でないなら』が建前なのです。むしろ今回の問題は、民間事業者に自主的な対応を促したこと、です。違法か、違法でないか、その線引きが曖昧なまままま運用すれば、濫用の懸念もある。例えば、政権に批判的なサイトへのブロッキングなども行えてしまうのです。きちんと法的な位置づけ、運用の在り方などを決めた上で、著作権や人権などの権利を守るために行使されるなら、これは有用です。

国会では集中審議を野党6党が拒否し、空回しの状況です。産経系などは野党批判に躍起ですが、そもそも何ヶ月、何年、疑惑が報じられても一向に国民が「審議が尽くされた」「事実が解明された」と感じないのか? それは安倍政権が解明する気がなく、「丁寧な説明」と安倍氏が語ることを、まったく果たしていないからです。行政が情報を出さず、必要な人を証人喚問に呼ばず、何を集中して審議するのか? それすら不明なままです。
今はただの醜中審議、口先だけの安倍政権が国会を正常化させたいがため、のイベントに過ぎません。日本のネットリテラシーが低下するのも、政権自体の道徳心が欠けるのですから、致し方ないのかもしれない。何しろ、これまでとて被害者保護、という言葉がこの政権から出てきた試しがないのですから、支持者にもそうした認識がないのでしょう。狂いだしたこの国の道徳心、海賊版サイトばかりでなく、日本全体が有害とされないためには、セクハラをはじめとした犯罪被害者の保護、という観点をしっかりと国民の間に根付かせていくことが大切なのでしょうね。


analyst_zaiya777 at 22:51|PermalinkComments(2)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | メディア

2018年04月25日

解散風は微風

南北会談を明日に控えますが、拉致問題の進展に期待が集まります。ただ、考え得る最悪のシナリオは、米韓が確認した結果、北朝鮮には拉致被害者が残っていないから、日本は北朝鮮との平和条約締結にむけた交渉を開始しろ、という国際世論がつくられてしまうことです。米国としては、拉致問題で足をとられて非核化や長距離ミサイル廃棄の合意を見送るわけにはいかない。一方で、北朝鮮への見返りのお金は日本から出させたい。それを両立させる術は、もう拉致問題はない、と米韓が認定してしまうことなのです。
これをやられたら、日本はそれでも拉致問題を北朝鮮に迫る、といったことができない。米国に逆らうことになるからです。金正恩氏が、父親の金正日氏が嘘をついた、拉致被害者はまだ残っている、という確率が低いだけに、交渉を米韓に委ねたツケがそういう形で噴出するのか? 米朝会談の後、どんな発表があるかは予断を許しません。

森山自民国対が内閣不信任が出されたら、との条件付きながら「解散」を示唆。菅官房長官の反応からみても、政権側からの要請で言及したとみられます。しかし半年で二度目の解散となれば、内閣不信任程度では大義に欠ける。これまでも粛々と否決し、やり過ごしたこともあるからです。しかも外交日程が立て込んでいる、北朝鮮の危機が…などと言っていたのに解散したら、一体それは何だったの? となる。一ヶ月以上も解散で穴を開けても大丈夫なのですから。しかもこの動き、与野党に小さくないさざ波を起こします。
前回の衆院選は、希望が暴走して結果的に与党を利する形になりましたが、内閣支持率が30%では間違いなく微減では済まない。自公、維新を加えても衆院3分の2に達しない可能性が高い。維新の馬場幹事長が「7年で4回も選挙」と嫌気したように、次の選挙では維新も壊滅的打撃をうけるのは間違いない。自公維がそろって数を減らせば、改憲勢力ががた減りです。しかも希望から分党するとみられる安倍氏に近い極右勢力も、選挙準備が間に合いません。安倍氏にとってはオトモダチ減らし解散、となるでしょう。

立民は枝野代表が「数が増える」というように、追い風です。国民民主は選挙準備も間に合わず、選挙協力の協議でも後手に回る。しかも分党した候補のいる選挙区に候補者は立てられず、そこは自民と保守票を食い合うので、立民が候補を立てれば漁夫の利です。立民が伸びれば共産にも利がある。立民と共産にとっては早くも党勢拡大の好機です。国民民主が草刈り場にならないだけ、まだマシというレベル。しかも選挙をにらんで、さらに国民民主から逃げだす動きを加速するかもしれず、国民民主には逆風となります。
これを国会対策としてアドバルーンを上げたのだとしても、時期尚早だったといえるのでしょう。恐らく、これまで安倍政権の仮想敵は『民進』だった。何かにつけ「民主党政権では…」と比較対象にしてきた。しかしそれが立民、民進、希望に分裂した結果、安倍氏には敵が見えにくくなり、どこに拳を振り上げていいか、よく分からなくなった。どこを叩いて、何に勝てばいいのか、そうした判断もついていないのでしょう。

当然、その解散には北朝鮮問題の結果もからんでくる。他人任せのツケを払うなら、解散どころの話ではない、となる。むしろ結果が出る前でないと、解散の手も打てなくなります。むしろ拉致被害者が帰ってくる、という観測があるなら、こんなところで解散観測など打ち上げる必要もないでしょう。解散風を吹かせないと、党内も国会も制御不能。そんな苦境がにじむ安倍政権。行政機関も不祥事続きで制御不能、というならどんな大義をかかげたところで、安倍政権をつづけるのも大疑しかない、となるのでしょうね。

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2018年04月24日

雑感。円安にうごく市場

民進と希望の新党名が『国民民主党』に決まりました。ニュースにもとり上げられない、寂しい船出なのは、両党からどれぐらいの人数がこの新党に参加するか、読み切れないためでしょう。希望は分党協議に応じる見込みですが、民進は不透明。衆院の無所属の会が合流せず、の方針を決めたら、分党協議に発展する可能性もあります。支持率1%の野党、身の丈に合う姿になるのか? ふさわしくない巨大さで船出するのか? 5月の発足まではまだまだ紆余曲折も予想されます。「穏健保守からリベラルまでを包摂する国民が主役の中道改革政党」としますが、そんな大義名分はどこも同じ、求心力には欠けるのでしょう。
福田財務事務次官の辞任を閣議で了承しました。退職金支払いは留保、といってみたところで財産権の侵害に当たりますから、懲戒処分のないまま自己都合の辞任をみとめてしまえば、ほぼ満額で退職金も年金もうけとれます。「業務に支障をきたすから辞任」ではなく「退職金、年金に支障をきたすから辞任」に安倍政権がお墨付きを与えた形です。麻生財務相は「はめられた訴えられた」という話もある、としますが、少なくとも「訴える」と述べているのは福田氏の方であり、被害女性もテレビ朝日も「訴える」とは述べていないのですから、相変わらず認識不足というか、意味すら分かっていないようです。

円安が止まりません。108円をブレイクし、円買い方が売っている、日米の金利差を反映、という話もありますが、為替の動きだけだと米金利と連動しているわけではないので、後者の説明は苦しい。長期でみて円買いのシナリオが崩れたか? といえばそういうこともない。米国ではインフレ懸念が高まり、利上げも年4回シナリオの確度が高まってはいますが、まだ米長期金利が3%をつけたわけでもないので、先走り過ぎの印象です。
米国では金利上昇で金融、保険買いというシナリオもありますが、一時的には保有している国債の価額が下がるので、国債運用の多い企業ほど減益要因となります。金利上昇で運用利回りが改善、といってみたところで資金需要がそれほど高いか、というとそんなこともない。長期的には利回り改善は好感できても、これも先走り過ぎです。

今の市場は単純なシナリオに乗っかり易い、というのが今の円安の背景なのでしょう。金利差といってみたところで、米国のインフレがすすむならそれは円高要因であり、また日本は恒常的に経常黒字国。常に円買い需要の方が高い。それでも円安にすすむのは、むしろ日本のインフレ要因に注目され始めたためかもしれません。日本でもコアは1%未満ですが、原油・生鮮食品を含むと1%を越える。ここに来てのコストプッシュインフレの圧力は強く、日本でインフレがすすむなら円安要因。それなのに、日銀が金融引き締めに動かないのなら、それに賭けた円安、というシナリオで市場が動きだしたのでしょう。
しかし本当に黒田日銀が動かないのか? 以前も予想したように、日米貿易摩擦を解消する近道は、円高にすることです。ここで円安となれば、ますます米国からの圧力が高まる。インフレ目標の達成をマストにしないなら、仕入れ価格の上昇を「兆し」として踏み切ることも可能です。そのシナリオは、まだ市場は完全に無視した状況なのでしょう。分かり易いシナリオに飛びつく市場、それは認識不足の財務相と同時に、チープ化した状態といえるのかもしれません。5月にも始まる日米経済対話、それにむけた円安は日本の厳しい状況を、さらに一層厳しくする可能性もあり、注意が必要なのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:30|PermalinkComments(5)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 政治

2018年04月23日

各社の世論調査

自民党の下村元文科相が講演会で、福田氏のセクハラに関して「隠しテープで録っておいてテレビ局の人が週刊誌に売ること自体がはめられていますよ。ある意味犯罪」と語りました。タレントの松本人志氏も番組内で「ハニトラ」発言をするように、自民党ネット対策が「ハニトラ」「はめられた」説を盛んに流します。しかしハニートラップなら長期間やる必要もなく、肉体関係を結んだ方がよりダメージがあります。「はめられた」というのも同様、本当にそれが目的なら行動が中途半端であり、全く説得力がありません。
要するに「セクハラ」のイメージを希薄化したい、という意図なのでしょう。しかし自民の長尾議員のように、自民党がセクハラに関して鈍感であり、かつセカンド・セクハラとなっているため、逆効果です。それでもこんなことをするのは、公明・創価学会婦人部の反発がことのほか大きいためでしょう。しかし自民は女性蔑視政党、女性の敵、そんな認識が広がるのですから、浅はかな戦略が身を亡ぼす、とさえいえるのでしょう。

週末、世論調査が行われ、内閣支持率が読売、FNN産経は40%弱、毎日、ANNは30%前後で、不支持率は総じて50%以上でした。安倍支持層が多く世論調査でも答えているメディアと、そうでないメディアで支持が真っ二つですが、むしろ注目は不支持率です。支持をやめた、というのではなく不支持に回る、これが自民批判票として野党に流れるからです。
自民の政党支持率は30%後半、一部では政権支持率を上回り、これまでの政高党低から党高政低へと国会運営が変化します。労働法制の通し方も変化することになり、安倍首相が重要法案と位置付けましたが、政権に引導を渡すつもりなら成立を諦めるのも手です。どの道、会期延長しないと成立が難しく、延長は安倍氏が望まない。そこで二階氏が安倍氏を説得して成立を見送らせれば、安倍氏の求心力はがた落ちして総裁選です。

安倍氏が大阪自民府連に「大阪都構想に反対」を伝えた。国対より党の地方組織固めに舵を切ったことを意味し、これも労働法制の成立を難しくする。維新が忖度して協力してくれれば、強引な国会運営という批判をかわせますが、そんなことになれば維新が沈む。次の選挙で、維新が「大阪都構想」を訴えられなくなるからで、死活問題です。
しかも地方組織固めに動いても、与党内がガタガタです。麻生氏を閣内に残せば、セクハラ政権のイメージは払拭できず、麻生氏を切れば麻生派はもう安倍政権を支持しない。麻生派は麻生氏以外では河野外相だけで、優遇された派閥でもないので、安倍氏を支持する義理もないのです。だから麻生氏を残す、という判断は公明の支持層が離れ、選挙には負ける。選挙の強さ、が安倍政権の看板でしたが、それがもう使えなくなるのです。青木の法則では政権支持率と政党支持率を足して50を割ると危険水域、とされますが、政権の不支持率と野党支持率を足すと、それを越えてくる現状はもう危険水域です。

安倍氏は6月の米朝首脳会談の成果を、自身の成果とする気満々で、今はまだ総裁選にも出る気です。「膿を出し切る」という言葉は、行政の腐敗は自分のせいでない、とでも言わんばかりですが、5年以上も政権の座について『膿』が溜まったのなら、それは自分のせいであり、立民の辻元氏の言葉を借りれば「膿の親」です。自民党総裁選、『膿の親よりその他の親』となるのか? むしろ誰がなっても『火種の親』となるかもしれず、安倍氏による膿は、自民党内も深く蝕んでいる、とさえいえるのでしょうね。

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2018年04月22日

北朝鮮が核、ICBMの停止?

北朝鮮の拉致被害者家族会と支援団体が開いた「国民大集会」に安倍首相が参加し、「私が司令塔となって全力でとりくむ」と述べました。しかし5年以上も無策のまま放置、しかも北朝鮮から折れてこなければ交渉しない、と更なる店晒しも示唆していた安倍氏が、今になって「司令塔」などと言いだすのは違和感があります。それこそ韓国の融和策が当たり、米朝交渉が進展しているから、先にすすんだ。「司令塔」どころか、北朝鮮から安倍政権が相手にされていないことは、北朝鮮が表明した項目でも如実です。核実験場の放棄と大陸間弾道ミサイルの中止。そこには日本が要求するものは何も入っていません。
すでに山体崩壊が意識される豊渓里核実験場の放棄は既定路線であり、核開発を一旦停止するので長距離ミサイルの開発も、一時的に停止するだけのこと。これは新たな核実験場を選定するまでのツナギであり、それまでの交渉材料になる、との判断でしょう。ポンペオCIA長官に「完全な非核化の意思」を伝えた、とされますが、北朝鮮が国としてみとめられれば内政干渉はみとめられないのですから、体制が維持される。もう設計図も試験も終えたので、一旦は核、ICBMを放棄してもまた作れ、痛くも痒くもありません。

問題は、日本の要求を全て無視したこと。米朝交渉で日朝平壌宣言を履行することで合意、日本に大量の戦後賠償金を支払わせ、それを北朝鮮は成果として手に入れる。そんな見方もありましたが、これでは日本が納得しないことは明らかです。しかし、その日朝平壌宣言をみると、実は拉致問題に関しては「今後再び生じることがないよう適切な措置をとることを確認」というだけで、過去の清算は含まれていない。つまり拉致被害者が帰ってくる見込みは、日朝平壌宣言までもどっても可能性は低い、とさえいえるのです。
これは、新たな日朝首脳会談を行い、拉致問題もふくめた包括的な合意を得る必要がある、ということですが、その道筋が安倍政権では立たない。米国に媚びたとて、米朝合意があったとしても、そこに拉致問題の解決が入ることはないでしょう。もし入るなら、それは米国が条件を上乗せするか、北朝鮮が妥協したか、しかありませんが、どちらも考えにくい。日朝平壌宣言で拉致問題の解決が入っていない以上、日朝平壌宣言の履行と書かれても一歩もすすまない。日朝、二国間で交渉するしか進展はないのです。

しかし北朝鮮に交渉する気がないのは、党中央委員会総会に金正恩氏が伝えた内容でも、明白です。安倍政権と交渉したとて、実りのある交渉ができるはずもない。北朝鮮にそう見透かされているのです。これも5年間ほったらかしにしたツケ。北朝鮮圧力で先頭を切っていたことの結果、です。北朝鮮が折れたわけでもなく始まった、今回の交渉劇で日本が出る幕を失ってしまったのです。国内でぎゃーぎゃー騒ぐ『司令塔』にはなれても、国際社会では眼中にもない。「地球儀俯瞰外交」を標榜してきましたが、まさに俯瞰するばかりで主役にはなり切れない。この舞台を二階席、三階席から見下ろすだけの俯瞰、ただの観客にしかなれないのが、安倍外交の顛末になるのでしょうね。

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2018年04月21日

雑感。G20が閉幕

民進と希望の合流で、政策協議が大筋合意となり、24日にも新党協議会を開く方向です。「民主党」は使えないが、「平和民主党」「国民民主党」などは使える、としますが、それだと略称が「平民」「国民」と、華がないというか、消えた国民新なども想起される名前となります。こうしたものは勝手に想像するのが楽しく、私の一押しは『済世民主党』です。済世とは「世を救う」という意味で、略称は『済民』。これは経済の元になった四文字熟語「経世済民」の後半で、そのものずばり「民を救う」の意味となります。「さいみん」と語呂が良くないので、その場合は『済世』を略称としてもよいでしょう。船出から支持率が低そうですが、こちらの語呂は「さいせい」で、響きとしては最適です。

G20が閉幕しました。元々今回は共同声明もなし、前回から日が浅いこともあって重要視されていませんでしたが、国会の同意も経ずに麻生財務相が向かったことで、何かありそうと警戒されていました。気になるのは『各国がすすめた金融緩和を引き締め方向にする時期にきていることを確認』という点です。日本は未だ、はっきりと引き締め方針をうちだしていませんが、この考えで一致した、ということは愈々…と予感させます。
しかし香港ドルの急落、銀行の資金調達コストの上昇、ドル調達コストの上昇など、日本にいると気づきにくいですが、世界では怪しい動きが散見される。例えば、トランプ米大統領が人為的な原油高を引き起こしている、としてOPECを批判しましたが、原油相場は大きく下がらず、むしろそれを牽制する発言でWTIの終値はほぼ横ばいでした。これも市場が暴走している、その一つです。米MMFでは大幅な円売り越しから、中立水準まで一気にもどしましたが、円高どころか円安になった。世界中で市場が暴走しているかのようです。

その原因と考えられるのが、日本では団塊の世代、米国ではベビーブーマー世代の大量退職もあって、過去のトラブルについて経験のない市場関係者が増えたこと。リーマンショックでさえ2008年9月と10年も前であり、その後で中央銀行が大量の資金供給をはじめたことから、危機らしい危機もなく過ごした。その結果、末端の運用担当者は危機に対して鈍感であり、中央銀行への依存体質が染みついている、といえるのです。
今の市場は、そうした危機に鈍感な人々によって引っ張られている、といえます。いざとなれば中央銀行が何とかしてくれる、と。しかし日銀や欧州ECBは緩和中であり、余裕はほとんどない。米FRBとて中立金利は3%と考えており、まだ達していないばかりか、大量の国債を抱えて身動きしにくい。今、危機がおきたら対応が難しいのです。実は、楽観により相場が落ち着いているのは、中央銀行にとっては望ましいとさえ考えているはずです。しかし裏ではおかしなことが、着実に始まっています。経済から発生する世界の不都合な真実、まさに政治が済世を成し遂げるタイミングに来ているのでしょうね。


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2018年04月20日

証人喚問をする意義

麻生財務相につづき、小野寺防衛相も国会の同意なく米国に向かいました。さらに国会も審議に応じない野党抜きですすめる、と。これはもう自民党が、安倍政権は退陣、もしくは9月の総裁選で交替することを前提に、国会を運営するということの意思表示です。なぜならこのまま通常国会をのりきっても、臨時国会はまた運営に行き詰まることが確実。ならばいっそ政権を変えて、臨時国会は心機一転でのぞむ、そんな動きになります。

柳瀬経産審議官が、首相秘書官当時に愛媛、今治、加計関係者らと官邸で会った件で、森山自民国対は「証人喚問は刑事事件に関するもの…」「証人喚問でなくとも分かる」などと述べていますが、偽証罪に問われるからこそ「刑事訴追の恐れ…」や「記憶にない…」などの答弁をひきだせ、そのことで解明には至らずとも、不正を働いていたことが国民の目にさらされることになります。「証人喚問でないと分からないこともある」です。
例えば、佐川前理財局長に関して大阪地検が刑事訴追せず、といった報道もある。その場合もう一度佐川氏を証人喚問することもできます。今度「刑事訴追の恐れ」で答弁を拒否すると、本人の思い込みなのか、検察の捜査不足、踏みこみ不足なのか、という問題になる。それも証人喚問をしたから、再度の証人喚問をすることで判明するのです。つまり証人喚問でないと分からないこともあり、そこには明確な違いもあるのです。

さらに福田前財務事務次官も証人喚問すべきでしょう。「全体をみればセクハラでないことは分かるはず…」としますが、録音は自分の声と認識していると同時に、自分は「全体」を記憶しているからこそ、そんな言い訳ができるのであり、記憶になかったらそんな説明はできないはずです。また、セクハラはよほどひどい場合でないと、刑事訴追にはなりませんから、それで逃げることもできない。もし「記憶にない」を連発すれば、告発者が名乗りでた以上はその告発者の言い分のみ採用されるので、セクハラと認定できます。つまり証人喚問をすることで、セクハラか、そうでないかがはっきりするのです。
籠池氏を証人喚問しておいて、すでに辞職したから、と拒否することもできないでしょう。日本の裁判では「社会的制裁をうけたから…」として、罪一等を減じる、といった判決も目立ちますが、これほど下種な話もありません。社会的地位の高い人は、それだけの責任を負うのであり、社会的地位が高いからこそ、の事件もある。セクハラなどまさにそうでしょう。社会的制裁は、その責任を放棄した代償であり、罪はむしろ重くならなければおかしい。そしてその認定をするために、証人喚問は有効な手段でもあるのです。

米誌タイムの「世界で最も影響力のある100人」に、日本の安倍首相が選ばれました。しかし北朝鮮の金正恩氏が入っているように、「影響」にはいい面も悪い面もあります。しかも豪国のターンブル首相が選者として「力強いリーダーシップで日本経済を蘇らせた」と、安倍氏に関して頓珍漢な意見を寄せており、世界で孤立する日豪の首相同士が、慰め合っている構図にしか見えません。むしろ金正恩氏が載るのに、自分が載らないなんて…と危機感を抱いた安倍氏が泣きついた、というのが真実かもしれません。
社会的地位の高い、首相という地位にある人には責任があります。証人喚問という手段があるのに、それを用いず国会を逃げ切り、退陣して社会的制裁をうけた、で終わりではその責任すら果たしていないことになるでしょう。むしろその責任を放棄したかのように嘘をつく輩が多いからこそ、今は証人喚問という手段が唯一の対抗になるのでしょうね。

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2018年04月19日

日米首脳会談は無風?

テレ朝が昨晩未明、緊急会見を行い、福田前財務事務次官のセクハラをうけたのは自社の記者である、とみとめました。なるほどテレ朝の動きをつかんで、昨日の辞任会見かと得心はいきましたが、テレ朝の初動の不味さとともにテレ朝内で、週内にテレ朝が動くと財務省に伝えた者がいる。まだまだ闇が深い問題、といえるのかもしれません。
矢野官房長の、逆ギレの「そんなに弁護士に訴えることが嫌なのか」との発言m福田氏の「お遊び」発言は、日本の性差別被害の根深さを国際社会に喧伝する形になり、より深刻です。トランプ米大統領もセクハラ、不倫の口止め疑惑など、女性蔑視発言が目立ちますが、なるほど安倍氏とトランプ氏はこんなところにも共通点…とも受け取れます。

日米首脳会談、驚くのは何の決定もなかったこと。共同記者会見でも、トランプ氏はお行儀よく原稿を読み、為替への言及もなく、茂木経再担当相とライトハイザー通商代表との新たな経済対話の枠組みが決まっただけ。元々は麻生財務相とペンス副大統領との経済対話で話し合っていたはずで、その代替だとしてもポジションは格下であり、前進した感じもありません。成果を欲するトランプ氏にとって、何のメリットもない結果です。
これほど何もない理由、考えられるのは3つ。安倍氏との個人的な付き合いから、支持率が下げ止まらないことで気をつかった。しかし中間選挙で大敗が予想されるトランプ氏にそんな余裕はありません。北朝鮮問題で、日本の重要性を再認識した。しかし会見でも、中国が重要な役割を果たしてくれた、とトランプ氏も述べており、日本に言及がなかったことからもそれは想像しにくい。3つめについては、憶測も踏まえて考えてみます。

実際には裏で合意事項があるが、政治的な理由で公表が憚られた可能性。このケースで想定されるのは、日銀の金融緩和を停止する。つまりそれは中央銀行の独立性の問題もあるため、政治による金融政策への言及はご法度。そうして為替を円高に誘導し、貿易黒字を減少させると約束する。この場合、次の日銀会合まで結果を先送りできる上、日銀はステルス引き締めを政治マターで公にできる上、金融機関への弊害がめだつなど、これは米国からの圧力ではなく、国内事情による政策転換との言い分も立ちます。
麻生財務相が国会同意を得ないまま、G20に向かったのも黒田日銀総裁とともに、日本の金融政策の転換を説明するためかもしれない。当然、それは麻生氏も辞任前の花道として、G20という大舞台を利用した、という面もあるでしょう。黒田氏としては、二期目スタートと同時に方針転換など、恥の上塗りになりかねませんが、財務省主計局OBとして財務省の尻拭いをする、というところなのかもしれません。

あくまで憶測であり、実際にここから市場に引き締めを織りこませにいく、となると相当に難しいでしょう。しかし米中間選挙前に結果をだすには、時間がないのも事実です。米国が満足するのは100円を大きく割れるレベルとみられることからも、短期間にやり過ぎると崖が大きくなり、黒田氏の責任論にまで及んでしまう。難しいかじ取りになるのは間違いありません。麻生氏が訪米に向かう姿、淡いグレーのスーツに濃いめのハットがダンディどころか、まるで道化にしか見えなかった。むしろダムンド・デイ(damned day:呪われた日)としか思えず、オシャレをしたつもりがシャレにならない、というところだったのかもしれませんね。

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2018年04月18日

このタイミングで株価回復?

福田財務省事務次官が自ら辞職を申し出た、とされます。「事実と異なるから裁判で争う」としますが、録音データは自分かどうか分からない、とします。声は録音されたものだと、う印象をもちますが、自分がどんな話をしたか憶えていれば内容から否定できるはず。あんな話をしたことはない、としますが、テープそのものを否定できないのは憶えがあるため、としか思えません。裁判向けに策を弄しすぎて、説明がおかしいのです。
裁判になれば早くとも総裁選をまたぐ、うまくすれば消費税再増税の判断まで、真偽を不正確なままひっぱれる。そして判決がでる頃には注目度も低くなり、どちらに転んでもめでたく天下り団体へ再就職をはたせる、そんな算段でしょう。しかしセクハラが実際に行われていたら、辞職ではなく分限免職にしなければおかしく、辞職だと年金もうけとれる満額回答です。不正事実が認定されれば、遡って処分もできますが、ほとんど実行されたことはない。辞職で終わり、で済ましてはいけないのでしょう。

日米首脳会談で、ゴルフも日程に入るようです。北朝鮮問題では満額回答ともされますが、やや印象は異なります。拉致問題は「提起する」というだけで、「解決にむけて努力」ではない。下手をすれば米側の交渉材料にされかねない。中・短距離ミサイルも同様で、北朝鮮がだしてくる条件と、真っ先に相殺されて引っ込められるのが、日本のお願いでしょう。そもそも期待するだけおかしな話ですが、笑顔もハグもない会談の冒頭、トランプ氏が通商交渉に比重をおいていることは間違いなく、北朝鮮問題で条件をのんであげたから…とかなり高い要求をしてくることも想定できるのでしょう。
ポンペオCIA長官が北朝鮮と交渉していたことが伝わり、株式市場は一気に22000円台を回復してきました。しかし最近、理由が不明で大きく上昇するときは日系がそろって買う、というパターンで今日もそれを踏襲しています。そもそもトランプ氏の慎重な物言いからも、その交渉が100%うまくいったとは思えない。まだ一波乱、二波乱ありそうで、決して交渉が前進したわけでもない。むしろ今日上昇させたのは、安倍訪米が成功、とのみせかけるか…と思っていましたが、財務事務次官の辞任の目くらまし? という可能性もありそうです。麻生氏の「安倍ノミクス下で悪化は経営能力に難」発言と重なるからで、安倍ノミクスで好景気だからもっと株価が高くてもいい、そんな圧力にもなったからです。

しかし米モルガンスタンレーは「米株はピーク。景気後退に備えよ」というリポートをだすなど、潮目の変化も感じる。日本の新年度入りで、日本の機関投資家が新規資金を世界の各市場に流した。そのタイミングでだされたリポート。タイミングとしては出来過ぎで、機関投資家だからどうせすぐには売れないだろう、との思惑が見え隠れします。
正確には「安倍ノミクスで好景気」ではなく、「安倍ノミクスで日銀が100兆円以上も毎年ばらまいてもこの程度の景気」が正しい。しかも日銀は副作用と、終息のさせ方に悩んでいる。麻生氏の言葉を借りれば、「安倍ノミクス下でこの程度の景気なのは、安倍政権の経済政策能力に難」ということでもあります。福田氏の身の処し方など、麻生氏の政治的判断にも難、という言葉も付け加えられるかもしれません。しかも、福田氏が辞職してセクハラは終わり、ではない。麻生氏の責任という問題が今後、大きくなるのは確実です。風よけにしようと福田氏を留任させたものの、3日で方針転換させた。景気の風も変わりはじめているタイミングだけに、株価の追い風がないと麻生奴凧はすぐに墜落する。むしろ不祥事が雨あられで、暴風雨に吹き飛ばされる恐れも強まってきたのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:09|PermalinkComments(10)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 経済

2018年04月17日

雑感。明日の日米首脳会談

発見されたイラク日報に関し、小野寺防衛相が「組織性や継続性のない散発的な発砲や襲撃は戦闘に該当しない」とし、イラク特措法の『非戦闘地域』に該当するとの見方を示しました。この理屈だと、とある敵の遊軍が行きがけの駄賃とばかりに、自衛隊駐屯地を襲撃してきても戦闘でない、となります。敵兵が組織的に、継続的に攻撃などしてきたら、自衛隊は壊滅するでしょう。つまりその段階でないと、自衛隊は撤退もできない。やはり自民党は自衛隊を使い捨てにするだけの、ただの道具とみなしていることが、ここでもはっきりします。自衛隊を憲法に明記する前に、むしろ自衛隊を憲法に明記してしまったら、正規の軍隊としてより命が軽く扱われてしまうことにもなるでしょう。

安倍首相が訪米します。日本から要請することは多く、一方で米国は着々とディールの材料を積み上げているのに、日本からはそれができない。最初からこの会談はかなり厳しい、と予想がつきます。北朝鮮問題では、中短距離ミサイルの削減まで盛りこんで欲しい、としますが、言葉は悪いですが北朝鮮とて自衛権がある。兵装が整った中露とは仲良くして、北朝鮮だけ武装解除しろ、は虫が良すぎる話です。また拉致問題を取り上げてくれるよう要請する、としますが、そもそも日朝の二国間で解決すべき問題であり、それができないから米国に…は、逆に日本外交の弱みとしてつけこまれるだけでしょう。
通商交渉はもっと大変です。為替操作国認定はされませんでしたが、香港のように為替介入を始めたところもありますが、日銀の金融緩和がやり玉にあがり、円高に移行するかもしれない。購買力平価でみても円安は鮮明なのですから、おかしいと言われれば金融政策しか買えられません。しかも、二国間で通商交渉入り、などとなったら何のためにTPPに日本は残るのか? TPP承認にむけた国会審議入り、それすら無意味なものとなります。

さらにここに来て、大きな難問となりそうなのが、日本にも対露制裁に加わるよう、圧力がかかるのではないか? シリアに関する対露追加制裁を、トランプ大統領は思いとどまりましたが、西側で対露制裁に加わっていない日本に、代用として制裁をかけさせるつもりではないか? そうなると、来月の日露首脳会談がとぶことになる。日本が制裁に加わらないなら、逆にその説明を求められ、「代わりに何ができる?」と迫られるでしょう。日本の対露政策が転換する可能性が、大きくなってきました。
先の山口会談で、プーチン大統領が北方領土返還交渉にのることはない、と思い知らされた。外交成果を求めるなら、トランプ氏絡みで北朝鮮への成果に賭ける、そんな戦略が想定できるのです。しかしそうなると、来月の日露会談をセットしたのは失敗。米露を手玉にとり…という外交が、ここに来て重しにしかならなくなったのです。

ゴルフ会談も今回、セットされていないという。それはレベルが違い過ぎて、安倍氏ではついていけない。日本でのゴルフでは安倍氏が一回転して笑われたように、あたふたするばかりで接待ゴルフもできないのです。日米首脳会談、いつにも増して注目されるのは、激動する世界において、日米とも政治的混乱により成果を求めている点です。日米会談が決まり、犬が尻尾をふるように喜んだ、とも伝わる安倍氏。自分がころりと転がり落ちたバンカー(bunker)のbunkには、一部で『逃亡する』という意味もあります。今回の結果、逃亡したいと思うほどの結果だった場合、政権の寿命まで変えることにもなるのでしょうね。

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2018年04月16日

福田財務事務次官の反論?

貧すれば鈍する、NNNの世論調査で支持率が30%を切った安倍政権の今は、まさにこの言葉で表現されます。財務省事務次官の福田氏のセクハラ報道、全面否定のコメントが発表されました。不可解なのは、麻生財務相が「このような報道がでること自体が問題」としますが、もしこれが捏造で、まったく報道された事実がないなら、この発言はおかしい。コメントの最後で福田氏が「反省の上…」とするのもおかしい。新潮社を訴える、事実無根だというのなら、堂々と公判の中で戦えばいい話です。謝罪も反省も不要です。
しかも「女性記者に名乗り出て」という段になっては、財務省がセクハラ対策においてまったく未整備で、女性権利に対しての対応がまったくできていない、ということを示します。匿名の通報があっても、被害者が名乗り出ない限り、加害者側の証言だけを信じる、というのですから。特に今回、音声データも公表されていますが、任意で福田氏の発言、とされる部分だけを提出してもらい、音声照合をかければ福田氏のものかどうか、確認ぐらいはできるでしょう。それが先でない財務省の調査は、何の価値もありません。

週末、公明の山口代表が厳しい言葉を発した。最近、創価学会婦人部の一体感が薄れ、安倍政権に協力する公明の評判も悪い。そこでセクハラには厳しく対処せざるを得なくなっていますが、この財務省の発表は、さらに婦人部の怒りを買いそうです。しかも、これまで敵対する行為をとった者、不都合な組織に対して制裁してきた安倍政権が、被害者が名乗りでろなどという高圧的な態度にでたことは、女性蔑視が極まった、というように映るでしょう。つまり公明の選挙協力は今後、かなり限定的になるとみられます。
それでもこんなコメントを発表したのは、これよりひどいセクハラ議員が自民、閣僚の中にいて、辞任ドミノになることを警戒した、という噂もある。いずれにしろセクハラ対策に後ろ向きで、女性蔑視の政権という汚名をうけてでも守りたいものがあった、としか思えない今回の対応。ナゼ福田氏を守る? という謎も残ります。あくまで憶測ですが、佐川前国税庁長官の証人喚問を政権に打撃がないよう、成功のうちに終わらせた、その論功として切るに切れないのかもしれない。もしかしたら『死せる公明、生ける福田に「恥知らず!」』と罵るような場面が、今後でてくるのかもしれません。

一度狂った歯車は、もう元にはもどせない。財務省の1、2が辞任となれば、麻生氏の辞任の引き金にもなりかねない。いくら官僚に責任を押し付けても、統治能力の欠如を示すからです。勝手に「俺が安倍政権を支えているのだ」と勘違いしている麻生氏、支えどころか、自ら周囲とかみ合っていない歯車になっているのだと、気づけていないのでしょう。
小泉政権下のイラク日報がでてきました。「ない」と言っていたものが、後に「ある」に覆る事例が、この国の行政機関では異様に多すぎる。今回のセクハラも、今は「ない」としますが、後に「ある」と変わる日がくるのかもしれません。むしろ、悪いことはしていないとしつつ「反省」してしまう福田氏、猿より軽いその「反省」でも、自制心が「ある」としていたものが、「ない」に変わってしまう日の方が早いのかもしれませんね。

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2018年04月15日

加戸前愛媛県知事の「ばかばかしい漫画」批判

産経が、他紙がとりあげないと罵倒を浴びせるほどの知識人、とみとめる加戸前愛媛県知事が、加計学園の問題を追及する野党を「ばかばかしい漫画」と表現しました。加戸氏の認識としては「漫画」という低レベルなものの上に、さらに「ばかばかしい」という卑下する語を重ねることで、問題を矮小化する意図があったのでしょう。
若者の支持が高い、とされる安倍政権ですが、支持層の間にはこうした齟齬が大きい。安倍政権ではクールジャパン戦略推進会議も開かれていますが、大した実績も上げられないのは、大臣が兼務でかつ大した知識もない、というばかりでなく支持層に後ろ向きな意見が多いためです。それは加戸氏の語る内容、その記事からも読み解けます。

そんな加戸氏「ふつうは10日ぐらい前の話を思い出しながらメモをつくる」と、ふつうでないことを語ります。議事録なら早ければ当日、遅くとも翌日までには作成します。備忘録としても翌日には作成して関連部署には流すでしょう。もし加戸氏が県知事時代、愛媛県庁がそんな運用をしていたら、それは学校など新設できないでしょう。
しかも「愛媛県は何でもメモにして外にだすと思われると、国の対応は不親切になる」としますが、外にでては困るような打ち合わせをしていたら、それは国も県も信用を落とすのであって、不正事実がなければ堂々とだせばいい。国がそれで不親切になるとしたら、国側に不都合がある場合のみで、それは安倍政権の不都合でしかありえません。

さらに「私が官邸側の人間だったら…愛媛県は何回も内閣府に蹴飛ばされてかわいそうだと思って助言する」と、今回の官邸での愛媛、今治、加計学園との会談を正当化しますが、その動機がすでにアウトです。「かわいそう」などという感情論は、すでに利益誘導であり、国全体の利害を考えた行為でない。この問題の本質である、ナゼ愛媛県か? ナゼ今治市か? ナゼ加計学園でなければいけなかったのか? に突き当たります。真に日本にとって獣医学部が必要なら、予断なくあらゆる条件を突き合わせて設置地域を検討し、参入を希望する学園がだした条件を、精緻に検討して判断しなければいけない。「かわいそう」が通用してはいけない世界なのです。
平成25年5月と10月に、安倍氏に加計学園とは伝えず獣医学部新設を要請した、とも述べます。安倍氏は興味なさそうだった、その後、内閣府からは申請を断られている、ことを安倍氏が知らなかった証拠、と語りますが、ただの主観ですし、何よりその後、官邸での会談までのどこかの時点で安倍氏が知ったことを、その話では一切不明のままです。

「下らん攻撃」「最後の悪あがき」「アホらしくて…」と、安倍政権を追及する野党を散々ののしった後で「ばかばかしい漫画」と語っているところをみても、加戸氏は漫画というのは下らなく、アホらしい、という主観をもっているのでしょう。そこに「ばかばかしい」とつけることで、さらに卑下してみせた。もし加戸氏がこれを漫画だと考えているのなら、結末は勧善懲悪ではない、カタストロフィーに終わると考えているのかもしれません。しかしどちらが「最後の悪あがき」なのか? 「ばかばかしいあなたの意見」より、よほど若者に支持される漫画が多いことを、よく考えるべきなのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:15|PermalinkComments(15)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2018年04月14日

米シリア攻撃で日本は苦境

米英仏によるシリア空爆が実行されました。元々、トランプ米大統領による米軍のシリア撤退発言があり、それで勢いづいた露軍・アサド政権軍が従わない住民を掃討する作戦にでたことがキッカケです。化学兵器の使用に関しては断言できませんが、トランプ氏にとっては弱腰批判をうけ、やる以外の選択肢がなかった。しかし今回、露国が強い反発をみせており、それは制裁が解除されず、経済的に疲弊する中で強い露国を、国民向けにアピールしなければいけない。米露とも民主主義であるからこそ、そのために対立する、国民に強い指導者をアピールするための戦争、という現実が今後あり得るかもしれません。

日本は非常に困難な立場におかれます。トランプ氏とプーチン氏、どちらともファーストネームで呼び合う外交を安倍政権は目指してきました。ドナルド、ウラジーミルと最初は呼ばせてもらった。何しろ手土産をもって、相手を喜ばすタイミングで訪問したから。しかしプーチン氏とは北方領土が前進、と期待された山口会談以後、疎遠になりましたし、トランプ氏とは鉄鋼・アルミで制裁関税をかけられ、為替監視リストからも外してもらえない。TPP復帰でも条件次第であり、吹っ掛けられる可能性が高い状況です。
そしてシリア攻撃後、トランプ氏と真っ先に会う先進国首脳として、難しい対応を迫られます。米国を追従すれば露国から不興を買い、北方領土どころか、北朝鮮問題すら難しくするでしょう。安倍政権は声明をだしましたが、『これ以上の事態の悪化を防ぐための措置と理解』という文言で逃げましたが、どっちつかずの態度はさらに両者からの不信を招くでしょう。どちらにとっても「安倍は味方でない」としか映らないからです。

安倍外交を評価する人は、このファーストネーム外交に代表される個人的な親密さ、を指摘する人もいますが、トランプ氏やプーチン氏には、毛ほどの役にも立たない。ビジネスマンを自負するトランプ氏はビジネスライクな付き合いしかしない。KGB出身のプーチン氏はそもそも人間関係が希薄。安倍外交は何の役にも立たない、ということです。
麻生派のパーティーに安倍氏も出席、そこで麻生氏は「政策のど真ん中で、安倍政権を支える」と発言しました。「政策のど真ん中」? 少し変わった表現ですが、要するに政局となったら支える気はない。政策を通せるうちは安倍政権に協力する、という意味でしょう。安倍氏は満面の笑みでしたが、麻生氏の卑屈な笑みは、さて安倍氏のお手並み拝見、いざとなれば「政権のど真ん中」で寝首を掻く、という腹黒さを映すようです。

安倍氏にはかなり重大な弱点がある。それは『真の友達』がいないこと。安倍氏の血筋と名前にすり寄ってくる者はいても、心をゆるせる友人はいない。腹心の友である加計氏とて、自身の学園設立に安倍氏の名前を利用した。トランプ氏やプーチン氏も、安倍氏を外交上利用するだけして、今や安倍氏を敵とみなしつつある。それらはすべて、安倍氏の人間性に魅力がなく、またそうした人間関係を築いてこなかった、人付き合いに限界があることを示します。4月、「1年生になったら、友だち百人できるかな」という歌があります。今や安倍氏は「友だち悪人ばかりかな…」と嘆いていることでしょうね。

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2018年04月13日

米国の動きと、日本の人口減

総務省が人口推計を発表しました。65歳以上が56.1万人増、生産年齢人口が60万人減、15歳未満は18.8万人減、これが日本の求職を押上げている最大の原動力です。就職が容易になった、と喜ぶ若者がいるようですが、この社会構造では将来、年金が破綻するのは目に見えています。しかも9年連続で人口減少、減少幅は7年連続で拡大しています。つまり安倍政権は少子高齢化対策に失敗し、日本は数年後に危機に陥ることになります。
それは年金ばかりでなく、経済規模が縮小すれば今の借金を返すのが難しくなる。人口減とは、生産力の低下と同時に、消費の減退も意味するのであり、今より減った歳入で1千兆円を超える借金を払っていかなければいけないのです。支払い能力に疑義をもたれれば、国債は暴落です。プライマリーバランス改善の旗を下ろしたようにしか見えない安倍政権は、財政をずっと悪化させつづけた、ともいえます。この5年半で、間違いなく日本は改善ではなく、悪化している。その一つの結果が、人口推計にも表れているのです。

日本ではトランプ米大統領が「TPP復帰」としか報じられませんが、これはトランプ氏が変節したわけではなく、再交渉によって米国に利があれば、という条件付きで、従来の主張のくり返しにすぎません。中国へ圧力をかける目的はその通りですが、安倍氏の訪米一週間前に言いだした点も、意図を感じます。つまり日本の対米貿易黒字に対して、TPP再交渉によって答えをだせ、ということなのでしょう。そもそも大統領任期中の2年で復帰、とただの復帰ならそんな時間をかける必要もない。また中間選挙の前、対中貿易の制裁競争となり、不満の高まる農畜産業界にむけて、目くらましする目的が強いのです。
シリア情勢で市場が右往左往、というのもおかしな話です。これまでも米軍はシリア空爆を行った実績もあり、影響は計れます。イランやサウジアラビアに飛び火する可能性、米露の緊張、といったところで同じです。可能性がなくはないが、微々たるもの。市場を動かすには材料不足で、それなのに市場は一喜一憂し、値動きを大きくします。

昨晩の米株市場は1-3月期の金融決算期待で上げた、ともされますが、1-3月といえば値動きが大きかった。つまり金融機関は、金融緩和による資金流入で相場上昇、という収益構造から、値動きを荒くして稼ぐイベントドリブン型に転換した、となります。今後も落ち着かない相場展開はつづく、なぜなら今の水準の居心地が悪いためです。経済成長して達成される水準なのですから、成長できなかったら下落する。さらに上には行きにくいものの、この水準が成長にかかっている以上、阻害要因で上下動しやすいのです。
日本の市場も居心地が悪い。裁定売り残がたまっている、外国人投資家が8週連続で売って4月は買いを入れやすい、と上昇要因も語られますが、不透明なのは日銀です。ETF購入に関して微修正が行われ、年間6兆円規模から減らされ始めた、ともされます。最大の買い手が市場から撤退をはじめたため、日本株も不安定にならざるを得ないかもしれません。

米国にとってシリアだろうとTPPだろうと、今や大統領の人気取りの道具にすぎません。しかしそれに乗ったイベントドリブンで、金融機関は潤っている。ある意味、米国はしたたかです。翻って日本は、少子化対策に打つ手もなく、政権は醜聞まみれで、どんどん国力を落としていく、そんな政権が5年半もつづいています。安倍氏は「膿をだしきる」としていますが、腐った部分を取り除かない限り、また膿んでくるのは確実。その腐った部分は安倍政権そのもの、といえます。まともな政策がでてくる国に変えない限り、日本は弥縫策をとりつづけるばかりで、将来的にそれは貧乏策としかならないのでしょうね。

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2018年04月12日

雑感。相撲協会と官僚のセクハラ

日本相撲協会がちびっこ相撲で女児の参加をみとめなかった件で「ケガが目立つ」としました。通常、中学までなら女子の方が成長も早く、体も出来上がるため、女児だからケガをする、という説明はどうにも腑に落ちません。参加者の少ない女児がケガをすると注目が高いというのが実態でしょう。女児がケガをして将来に傷を…などという説明も不自然で、ならば格闘技全般から女児を締めださないと、おかしな話になります。
女人禁制が注目され、相撲協会は厳格に適用、という話をするためにでっち上げたとしか思えず、伝統を隠れ蓑にする相撲協会の悪しき体質、といえるのでしょう。楽しみにしていたちびっこ相撲に、相撲協会の勝手な理屈ででられなかった、女児の気持ちを慮って心が痛まないようなら、相撲人気全体にも影響する事態となることでしょう。

モリカケ問題では、今日も様々な情報があります。近畿財務局が大阪航空局に対して、ゴミの積算量を増やすよう依頼していた、というのです。これは取引の問題ですから、当時の迫田理財局長の問題です。また安倍首相が「適正に見積もった」という答弁も、虚偽になる可能性がある。官僚が虚偽の説明をしたから、としてもこれは官邸の責任です。
加計学園の問題では、愛媛県や今治市の職員が官邸を訪ねたことをみとめ、かつ官邸から文科省に事前に来訪を伝えていたことも、明らかになりました。文科省の考えを確認するためですが、特区制度にはなじまない、として文科省側は突っぱねた、とします。文科省は構造改革特区での申請を15回も却下しており、態度は一貫している。それを国家戦略特区にして強引におしすすめるため、官邸に来訪したという形でしょう。つまり柳瀬首相秘書官(当時)の記憶があろうが、あるまいが会ったことは確実。そして首相秘書官が「首相案件」と語ったのに、安倍氏が知らないはずがない。安倍氏は昨日でも微妙に答弁内容を変えてきていますが、虚偽答弁を後から微修正したところで、虚偽答弁は残るのです。

ここに来て、福田財務事務次官にセクハラ報道が、厚労省の福田健康局長がセクハラで指導をうけました。セクハラに対して甘い体質、それは安倍政権の女性蔑視の態度とも共通します。安倍政権の支持母体である日本会議は、戦前の家父長制を礼賛し、女性は家を守ることを推奨します。『女性活躍』などと謳った安倍政権で、大した政策がでてこなかったのも根底では、こうした支持母体に配慮したため、です。セクハラに厳しく対処をできない、これは自民から女性票が逃げる原因ともなってくるでしょう。
相撲協会にしろ、区別の意味を正しく認識できなければ、それは差別と同じです。女性を性の対象にみる傾向を、国の機関がもつのなら、この国は後進国とみなされる。なるほど安倍政権は戦前回帰をめざしていたのですから、日本を後進国にまで引きずり落としたいのかもしれません。安倍氏が最近、維新を強調するのも明治の元勲とされる人たちは、総じて愛人をもったり、女性遊びが激しかったり、といった性の乱れまで踏襲したいのかもしれません。いよいよ犯罪集団の様相を呈してきた安倍政権、盗む、騙す、嘘をつく、挙句には政権に居座る。土俵際でねばっていれば、いずれ風が変わる…とでも考えているなら、国民の心が分かっていないとして、安倍人気など一瞬で吹き飛ぶことにもなるのでしょうね。

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2018年04月11日

国会の集中審議

自民党の小泉進次郎氏が、柳瀬元首相秘書官の「記憶の限り、会っていない」との発言に関して「記憶にないなら、分からないとなるはず」と語ります。当然の話ですが、自民内でも滅茶苦茶な答弁をする安倍政権と、少しでも距離をおきたい、として石破氏や小泉氏の発言を容認している。このとき閣内にいたり、党の要職だったりすると軽率な発言もできない。有力候補の総裁選までの戦略も、大きく狂っているといえます。

国会で審議されたことについて、くり返しは割愛します。ただこの裏で、安倍政権には新たな敵があらわれた、という話があります。来週の日米首脳会談、その前に安倍政権を弱体化させる。そのために官僚をつかい、醜聞をばらまくといったことを米国が仕掛けているのではないか? 四月初旬の開催をもとめた安倍氏に、中旬としたのは米国。この意味を計りかねていましたが、なるほど予算成立を果たし、その間に安倍政権を弱体化させて、米国の意向を通しやすくするためのスケジューリングだったことが分かります。
経産省出身の首相秘書官が、玉木希望代表のときにヤジを飛ばした、という話もありますが、経産省としては柳瀬経産審議官や藤原経産大臣官房付が処分されたら、経産省は一気に解体の恐れもでてくる。つまり森友学園の問題では、財務省の責任論が取り沙汰されましたが、加計学園の問題では経産省の責任が大きいことが、今回明らかになった。つまりこれは、財務省と経産省の暗闘、という意味ももつのです。そして、経産省は日米合同委員会の日本側代表からも外れる。すなわち、米国とは日米合同委員会でつながる財務省には後ろ盾があり、経産省にはない。安倍政権を弱体化させる、これも米国のディールであり、米国と財務省の思惑が、日米首脳会談を前にして俄かに一致した、というのです。

安倍氏が突然、元気がなくなったのも米国の動きを知れば、当然でしょう。ここまで米国に尽くし、散々にその意向を聞いてきて、媚米外交とまで揶揄されても我慢してきたのに、その米国から「詐欺師」呼ばわりされ、かつ政権崩壊工作まで始まったのですから。これで来週の日米首脳会談、何らかの実がとれるとは到底思えません。それどころか、どんな要求をされるか…。得意、と勝手に自負する外交で下手を打てば、もう終わりです。
『政府関係者』のリークに対し、菅官房長官の動きが緩慢なのも、米国の意をうけた動きであるなら、安倍政権ではどうすることもできません。元々、官僚は安倍政権ではなく、日米合同委員会での決定を優先する傾向があるからです。そして、これまで安倍氏は米国の意向を聞いて、その通りに行動してきた、との自負もあった。しかし米国ファーストを掲げるトランプ氏にとって、国民から支持される安倍氏、が目障りに見えてきて、かつ米国第一主義を通すとき、利害の対立が大きくなることが明らかになってきた。消費税増税まで、と我慢してきた財務省と、米国の思惑の一致。霞が関の権力争いも含めて、安倍氏がハンドリングできなくなりつつある。柳瀬元首相秘書官への「信頼」とは、すなわち一緒に凋落しそうな経産省だけが、自分のことを最後まで守ってくれそう、という弱腰の裏返しだとすれば、今ごろは「記憶の限り、(私がこんな目に遭うなんて、道理に)合っていない」と嘆いているため、縋りつきたいと考えているから、とも言えるのでしょうね。

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2018年04月10日

黒田日銀の二期目がスタート

安倍政権の終わりの始まり、とみられる文書が発覚しました。加計学園の設置に関して、当時の首相秘書官だった柳瀬氏が『首相案件』と発言した。これを朝日やNHKなどが報じましたが、重要なのは『政府関係者』からのリークという点。愛媛県の中村知事は「備忘録」としますが、それを政府関係者が有していた、ということは単なる備忘録ではなく、政府、県双方が確認した合意文書である公算が高い、ということになります。
それを政府関係者がリークした。加計学園が開校し、一段落というタイミングもありますが、もう一つは安倍政権に付き合って事実を伏せたまま、棺桶までもっていくとの忠誠心が薄れたためでしょう。籠池氏、佐川氏、かつて安倍首相によって激賞された人物も、政権の都合が悪くなると極悪人として、何をされるか分からない。官僚としてもこんな恐怖政治、もううんざりという声が聞こえてきそうです。これで政局は、安倍政権がいつ退陣するか、にかかってきました。総裁選まで引っ張れば、自民党でさえ不祥事に巻きこまれて大きく支持を落とすことが確実で、労働法制を提出したら、否応なく国会は会期延長になりますが、そうなると追及に耐えきれない。自民党から引導を渡す日が近いのでしょう。

昨日、黒田日銀総裁の二期目がスタートしました。「今やめると大変なことになるが、先々やめるともっと大変なことになる」そんな地獄のようなETF購入。それなのに今年3月には10回以上の買いを入れるなど、日銀は正常な判断力すら失われたようです。恐らく安倍政権の不祥事がつづき、株価も下落すると一気に支持率が落ちこむ、とみて下支えする必要性に迫られたのでしょうが、結果的に安倍政権が退陣しても株価の大幅な調整はなさそう、となり、安倍ノミクスはもう頓挫し、株価と関係ないと示すことになりました。
マネックスGが仮想通貨取引所、コインチェックのIPOを正式発表した翌日、仮想通貨のレバレッジ規制などを金融庁が検討し始めました。先進国では稀有な、仮想通貨にレバレッジをみとめる日本ですが、マネーゲームで躍らせれば国民の不満も縮小、市場をじゃぶじゃぶにすればインフレになる、というリフレ派の思想が色濃く映るものでした。しかしそれも見直さざるを得なくなる。弊害の方がめだってきたためです。買収が一段落したところでの有識者会議も、既定路線というところだったのでしょう。

日銀とて長短金利操作による金融政策の弊害がめだってきた。銀行は収益性を落とし、むしろ企業への融資も滞る。日銀はETFを19.3兆円も買い、時価総額は24.4兆円と含み益をほこりますが、それはこんな買いしか入れない投資家はこれまで存在しなかったためで、日銀が買っていなければ、昨年などは市場が大きく調整していた。逆にいえば、買い続ける限り含み益は維持できても、売りに転ずれば含み損が大きくなる公算が高いのです。
そして安倍政権の終わりが見えてきたとき、次の政権がこのリフレ派によるマネー大量供給といった政策を、是としない可能性もある。安倍政権と一体化してきた日銀は、政局によって政策転換を迫られると、非常に困ったことになります。二期目に入ってすぐ『困難』や『代償』という指摘が為される異例の船出、黒田氏の前途は多難といえます。

安倍政権の終わりの始まり、そのタイミングで黒田日銀は始まり、金融政策は終わるのか。自民党の二階幹事長が安倍政権の不祥事について「国民もうんざりだが、我々もうんざり」と語りました。日銀は『うんざり』どころか『運去り』、安倍一強で狂ったこの国の仕組み、日銀がそのアンカーとして、最後までおかしな政策をひきずるのか。『首相案件』として始まった黒田バズーカ、終息のさせ方も分からないのは、多くの不祥事と同じなのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:02|PermalinkComments(6)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 経済

2018年04月09日

雑感。底なしの行政の不正

民進と希望が5月にも新党を立ち上げる方針で、合意しました。後は分党者が何人でるのか? 民進は政党助成金を、希望は借金をどうするのか? そして野党第一党として、与党と対峙していくだけの覚悟があるのかどうか? それが問われます。合流しても政党支持率は1%程度でしょうし、しこりも残る中で、国会をどう回していくのか? 突発的な衆院解散や、来年の統一地方選にむけて…としますが、荊の道なのは間違いありません。

財務省が口裏合わせを認め、謝罪しました。しかし省庁は現行担当者が責任をとる形が一般的ですので、これは佐川局長時代の話とはいえ、現在の太田理財局長が処分をうけなければおかしな話です。不正な事実を、さらに不正を働いて隠ぺいしようとした重大犯罪なのですから、これで誰も処分されない、となると不正し放題になってしまいます。
防衛省ではイラク日報問題に加え、南スーダン日報も新たにでてきました。省庁の腐敗は底なしの様相ですが、ここまでくると官僚の答弁や、だしてくる資料に何ら正当性は見いだせない。むしろ隠ぺい、誤謬、虚偽、といった疑いが強い。安倍首相は「強いリーダーシップで解明」と、お決まりの文言を並べますが、強いリーダーシップがあれば、当初から隠ぺいなどできていないのですから、これはおかしな話です。これだけ官庁で不正が起こっている理由について、安倍政権で解明できるはずもなく、また解明する気もないでしょう。なぜなら、今でさえぽろぽろと出てくる新事実は、リーダーシップが欠如した結果として芋づる式になっているのであり、一気に膿をだす態度とはほど遠いのです。

以前もとり上げたことがありますが、ヴォルテールの『メガロポリス』の中で『兵士や殺人者は刑罰に値しない。…むしろ宮殿の中で安住しながら数百万人の人間の血を流すことを命令し、かつその結果に対して恭しく神に感謝をささげている、あの怠け者の野蛮人なのである。』と語ります。フランス革命を準備した、とされる哲学者であり、理性による人間の漸進的向上を求めつづけ、王侯や教会の横暴、腐敗を糾弾した人物です。
もう一人、フランス革命の思想的支柱となったルソーは『人間不平等起源論』で『文明が発達すればするほど人は堕落し、不道徳で不幸な状態に陥る』とします。今の安倍政権は『文明が発達した』というより、『混迷が発覚した』といえるのでしょう。しかも、そこで不正を糺す方向ではなく、そろって不正に手を貸す、自らの罪を隠ぺいするようになり、それでも下がらない支持率に堕落をさらに深める、という状況かもしれません。

ルソーは「自然に帰れ」という言葉が有名ですが、省庁が不正に手を染めない、自然な状態にもどすためには、『不道徳』な政権でいつづけることが『不幸』といえるのでしょう。フランス革命でフランス国民は『自由』を手に入れましたが、日本人は『自由』民主党からの『自由』を手に入れないと、行政の問題はつづくといえるのでしょうね。

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2018年04月07日

貿易戦争と市場

米国で3月雇用統計がでて、非農業者部門雇用者数が10.3万人増と予想を下回り、また時間当たり賃金も前年同月比2.7%増と、前月よりやや上昇。利上げ観測をやや加速する内容です。ただ増加幅が低くとどまったのは気象要因とされ、また賃金も減税の還元分とみられることから、市場の受け止めは冷静でした。ただしトランプ大統領による対中貿易戦争の懸念が高まり、市場は大きく下落しました。
この時期、新年度入りした日本の資金が各国の市場に流入し、またそれは円を売って行われるため、円安、株高を促しやすい面があります。また米国でも税還付が本格化し、それが市場に流れてくる。最近、妙に底堅かったり、堅調だったりした理由ですが、貿易戦争がそれに克ってきた印象もあります。というより、新規資金の流入が止まったら、貿易戦争による下押し材料を本格的に織りこみにいかなければいけなくなりそうです。

今の市場は、FRBが引き締めに転じてもその効果がでるまで、タイムラグがある。その幕間の状況です。次のステージは金融引き締めであり、そこでは投資資金も減る。市場も調整せざるを得なくなる。今の日本の新規資金は、まるでステージとステージの合間に物販で爆買いする、田舎からでてきたお上り見物客のようにしかみえません。
そうなってしまうのは、投資信託だったり、ファンドなどの機械的な買いだからでしょう。個人も企業、団体も、新年度入りして資金を動かしやすくなる、との理由でお金を動かしてしまうこともそう。貿易戦争の懸念がある中で、資金を動かしたことは当面、しこりとなって残るかもしれません。中旬に入ってくると、新規資金という意味では入りにくくなり、相場も調整しやすくなる。つまり高値掴みをしてしまった公算が強い。そうなってしまうのは、自分の都合だけで資金を動かしているため、なのでしょう。

これからの市場は、休む時には休む、というメリハリが大切になってきます。特に米国が3桁の上下動を繰り返すなど、落ち着きがない状況ですから、尚のことです。相場観では1ドル100円であっても、日経平均が2万円を切っても特に不思議はない。企業業績が悪化する、という短観の結果を映すのなら、そうなってもおかしくありません。企業は期初の予想は厳しめに見積もりがちですが、貿易戦争をどこまで織り込んでいるか? むしろ今はほとんど織り込んでいないとみられることからも、それが現実味を帯びるとかなり厳しいことにもなるのでしょう。貿易戦争が引き起こす副作用、日本はその影響から逃れ、上手く立ち回らないといけませんが、安倍政権ではまず不可能であることも悪材料として意識されるのでしょうね。

明日は1日、お休みしたいと思います。

analyst_zaiya777 at 22:40|PermalinkComments(2)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

2018年04月06日

雑感。省庁再々編? と個人情報

米国でトランプ大統領が、対中貿易制裁でさらに10兆円分を追加する、と発表。5兆円規模なら全体の貿易規模の2%、という人もいましたが、これで6%分に拡張です。話し合いで解決できる、という人もいますが、そう単純ではありません。トランプ氏は貿易赤字の削減を訴えていますが、人為的に中国の貿易赤字を削減しても、それ以外の国の赤字が増えるだけ。関税障壁を設けたり、輸入量を決めたり、需要を無視してそんなことを決めても、失敗するのは日米の貿易協定でも明らかで、かといって中国が米国での生産量を増やす、といったこともないでしょう。日本の自動車とちがって、中国では貿易品が細分化されており、かつ高級品が多くないため、米国の高い人件費ではペイできないのです。
しかしトランプ氏に対抗する、中国がまともな国に見えてくるから不思議です。中国の知財問題は日欧も困っているので、米国が主導して連携すれば、もっと有効な手を打てたでしょう。しかし米国ファーストのトランプ氏は、日欧にも貿易戦争を仕掛けているため、連携することが難しい。結果的に、米国は孤立主義に陥らざるをえない。トランプ氏の望む貿易赤字が減るのは、米国の消費が弱い、となるときしかあり得ないのです。

与党内から急に省庁の再々編、という話がでてきました。不祥事つづきだから、という理由でしょうが、それを誘発しているのが安倍、自民党政権に根差すのなら、省庁再編をしても元の木阿弥です。原因が正しく解明された後、そういう話になるのならまだしも、特に安倍政権では究明できるはずもなく、省庁再編の話などは論外中の論外です。一体、どれぐらいの人と予算がかかるのか、そうしたものを無視した意見でしかありません。
しかし政権が2、3は飛んでもおかしくない問題が頻出するにも関わらず、安倍下ろしの声が高まらないのは、政権をころころ変えるな、という誤った方針で安倍政権が始まったため、でもあるのでしょう。5年も続けた結果が外交に行き詰まり、経済は死に体、行政の腐敗という惨憺たる結果となり、責任転嫁をするための省庁再編なのでしょう。

しかし世界ではもう一つ、新たな問題が生じている。それは個人情報を利用した、不正選挙の問題です。米国ではFacebook、露国や新興国でも同じような問題があり、日本でも政権側が個人情報をつかった不正選挙をしている疑いがある。なぜなら、省庁は個人情報の宝庫であり、安倍政権は使い放題にできる。またメディアを牛耳っていれば、同じように個人情報が集まってくる。自民党がネット強化をうちだす以上、その甘い誘惑に抗って個人情報を悪用していない、という説明すら困難になってきているのでしょう。
貿易戦争の陰に隠れていますが、個人情報の問題も政治と密接です。政権与党による悪用を防止する、何らかの法律も必要なのでしょう。労働法制が閣議決定され、今国会に提出という。安倍首相が勝手に重要法案と位置付けたため、提出しないとそれだけで責任論になるためですが、今国会中で成立できず、それを争点に解散、総選挙という戦略も見え隠れしています。個人情報の不正利用防止法ができる前に、政権与党が利する不正選挙を断行する。そんなことが起こらないためにも、これからの政権の動き、メディアの動き、SNSなどの動きも含めて、チェックが必要なのでしょう。そうしないと、不祥事どころか不正事実がさらに蔓延することにもなりかねないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:24|PermalinkComments(4)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2018年04月05日

シビリアンのコントロール?

日本相撲協会が京都府で春巡業中、倒れた舞鶴市長を助けようとして土俵に上がった女性に対して「上がらないで」とアナウンスしたことが話題です。人命と建前と、建前を優先する姿勢は誰も納得しません。そもそも江戸時代初期は辻相撲、管理もルールも曖昧な形で、それを寺社奉行の管轄とし、寺社の建設・修復の資金捻出のための勧進相撲としたのです。つまり番付の『蒙御免』は、寺社奉行から許可をうけた場所を示すもの。日本書紀や古事記に相撲っぽい記述があるから神事なのではなく、江戸時代に勧進相撲が定着したので神事となった。そこに拘泥し、女人禁制を人命と引き換えにすることに意味はありません。そんなに女性を土俵に乗せたくないなら、男性の救急救命士を土俵際に準備しておくべきでしょう。それは相撲取りでも、同じことが起こるかもしれないのですから。

財務省本省から、森友学園側に嘘の供述を依頼していた件、私の記憶に間違いなければ既出の話ですが、籠池氏を嘘つき呼ばわりしていたため、そんなことを財務省がするはずない、という先入観で無視していたのでしょう。しかし今や、官僚は嘘つき、正しいことなど何一つしていない、極悪非道組織という先入観が、国民に醸成されつつあります。
厚労省が野村不動産に是正勧告を行った問題で、加藤厚労相が「(是正勧告を)労働局として認めたことはない」と発言。厚労省も野村が自主的に公表、としていましたが、朝日が公表した勝田局長の会見録では、「正式な発表ではない」と断りながら、嬉々として「全社的な指導を行った」と語っていたことが暴露されています。これで厚労省は労働法制の根拠データの改竄と、今回で安倍政権で二つめの嘘をついたことになります。

防衛省の問題も、そもそも日報を紛失する、という重大な問題であり、本来はそれだけでも処分を下さなければならないのに処分はなく、1年後に明らかにされたときも嘘をつく。不可解さを増します。小野寺防衛相が「シビリアンコントロールが利いていたから公表できた」などと語りますが、本来は統合幕僚長をはじめ、トップ3まで分限免職になってもおかしくないほどの問題です。「政治主導で解決」とも小野寺氏は述べますが、1年間も隠されつづけた恥ずかしい大臣の、何をどう主導するというのでしょう?
しかも横田基地への米軍オスプレイ配備も、防衛省が調整して事前につかんでいなければおかしな話です。しかし公表後、数日ですでに配備が完了した。政府が国民に黙っていたのか、米軍との調整が上手くいっていなかったのか、そのどちらかです。どちらにしろ安倍政権、外務省、防衛省の小野寺氏の不手際であり、そんな人物の政治主導が機能するとは到底思えません。

civilはcitizenより、もう少し高貴な印象のある言葉です。civilizeと動詞になると『文明化する』など、文化的な意味が強まるからです。しかし日本の政治、行政は文化的どころか、嘘がまかり通る未開な状況といえる。文明的でもない統治者がいたら、それは嘘やゴマカシがまかり通ることにもなるのでしょう。そのうち、永田町にも救急救命士が必要になるのかもしれません。それは安倍政権の延命、青息吐息で嘘を吐き続ける、そんな緊急時に必要、と考えた与党側が設置することになるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:01|PermalinkComments(5)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2018年04月04日

米中貿易戦争と日本

イラク日報問題で、小野寺防衛相が昨年3月27日に発見も、当時の稲田防衛相はおろか、政務三役にも報告していなかった、と発表しました。小野寺氏は『遺憾』としますが、これはそんな謝罪も反省もない言葉で片付けられるものではなく、国会への虚偽答弁、報告、隠ぺいという重大な犯罪行為です。国会法104条では『内閣、官公署その他に対し、必要な報告又は記録の提出を求めたときは、その求めに応じなければならない』となっており、mustなのです。その後、要求されなかったから提出しなかった、で済む話でもありません。
しかも不自然なのは、なぜ1年間も隠していたものを、昨日になって公表したのか? しかもそのタイミングでも防衛省は嘘をつき、その説明を1日で覆した。行動の一貫性もなく、稲田氏へ責任論が飛び火しそうになり、慌てて防衛省に罪を被せた、としか思えません。もしこれが事実なら『劣化』どころか『腐敗』です。当時の防衛事務次官を含めて、関係者を処分するのがスジですが、安倍政権からそうした話が聞こえてこない。今回も、行政に罪を被せて自分たちが生き残りをはかる、これが安倍政権の手口なのでしょう。

米国のトランプ大統領が知財侵害に対する報復関税として、中国に5兆円規模の制裁を課すもので、中国は早速報復関税を発表しています。日米でも「中国が損をするから報復できない」という誤った認識を語る人もいます。しかしこれはディールであり、一方が取引材料を得れば、もう一方も対抗して当然です。しかも、最終は税収も上がりますが、関税障壁をかけられた商品は割高になるため、自然と輸入量が減る。それより安いところからの輸入に切り替えるためで、特に中国だけが損をする、という話でもありません。
貿易戦争などできない、市場が下落するからおかしな経済政策などできない、としていた市場関係者の予想を、トランプ氏は尽く裏切ります。というより米市場関係者の劣化も著しく、すでにリーマンショック前からおかしな楽観に依拠する風説が、あたかも真実であるかのように語られてきました。市場型経済の米国は、貿易戦争では打撃が小さい、という話も聞かれますが、世界経済に暗雲がただようことによる市場の低迷により、二次的な打撃が大きくなります。見かけの輸入、輸出の問題だけで論じるのはナンセンスで、そんなものに依拠した説明は、正直何の価値もありません。貿易戦争で被害をうけるかどうかは、経済環境によって変わるのであり、市場型経済の米国と、製造業型と投資経済の中国は、どちらも大きな打撃をうけるのが必定です。

トランプ政権はロシアゲートを隠すため、それ以外に国民の目を向けさせるために貿易戦争を仕掛けている、という話もある。残念ながら、日米ともにフェイク政権が国を治めている以上、国の威信を失墜させる行為がつづくのかもしれません。そればかりか、経済を毀損する行為を平気でしてしまう、ともいえるのでしょう。なぜなら、日米とも政権にべったりの支持層がいて、それを喜ばすことだけしていれば安泰、と誤解しているから。
正しい評価が与えられないから、政権も間違った方向にすすんでしまうのでしょう。安倍政権の外交を評価している人は、多くが日米関係の良好さを絶対の基準としているように感じます。これも正しくなくなってきた。トランプ氏から詐欺師呼ばわりされ、首脳会談も4月初旬から中旬へと、米国の事情で先送りにされた。米中が貿易戦争を繰り広げている間に、対中輸出を増やす、といった上手く立ち回ることすらできない。「日本が損をするけど報復できない」今の日本の立ち位置は、実に深刻といえるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:03|PermalinkComments(3)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | アメリカ

2018年04月03日

安倍政権ですすむ行政の劣化

河野外相が講演で「北朝鮮が次の核実験の用意を一生懸命やっている」と発言、翌日には北朝鮮分析サイト38ノースが「過去数ヶ月に比べて活動は大幅に低下」と反論すると、今日になって河野氏は「活動はつづいている」とさらに主張。日本のインテリジェンスに些少でない不安を残す形になりました。外務省の「様々な情報」とは、圧力外交を掲げてきた安倍政権の主張を正当化するための、フェイクニュースだった可能性もあります。
防衛省ではイラク派遣当時の日報が「ない」としていたものが、急に出てきました。嘘か真か、1月半ばには防衛省内で確認、小野寺防衛相には3月31日に報告、とします。しかし財務省の公文書改竄問題が破裂した間、ずっと防衛省が『調査』の名目で情報を隠していたとすれば、それも問題がある。一部に、共産から公文書改竄を指摘され、目くらましで出してきた、予算成立まで待った、などとも揶揄される。要するに防衛省、政権の都合で国民に大事な情報が隠ぺいされてきた。昨年の2月、稲田元防衛相の「ない」発言から怪しい部分はありますが、これら一連のことは、すべて行政の劣化を示すものです。

問題は、安倍政権になってから急に行政の文書を失くしたり、公文書まで改竄したり、行政の信頼を根底から失墜させるぐらいの事件が、立て続けに起こっていることです。そして内閣人事局をはじめ、政治主導を掲げてきてこの為体なのですから、安倍政権の手法が間違えているのか、安倍政権には著しく統治能力がない、としか思えない。逆にいえば、それ以外の原因が思いつきません。いずれにしろ安倍政権は落第、という話です。
そしてその原因となりそうで、心当たりがあるのが、安倍首相が度々用いる「責任があります」という言葉。しかし安倍政権では『責任をとる』のも政権の都合により、とったり、とらなかったり、時期をずらしたり。つまり何か問題がおこっても、それを処理、処分するのも政権の都合であり、情報をだす、ださない、文書を改竄してだす、嘘の答弁をする、これらのことをしても政権の都合で守ったり、守らなかったりするのです。こんなことをしていたら、情報を恣意的に扱うようになっても当然だといえるでしょう。

つまり安倍政権では、起きるべくして起きているのが、ここ最近の問題です。問題に対してすぐに対処せず、すべてを政局化し、政権にとって都合のよいタイミングを見計らおうとする。本来、行政はそれに抵抗して正しい情報発信に努めなければいけませんが、官庁の人事権ですら政権が恣意的に扱うため、今や安倍政権の嘘につきあって、嘘の上塗りをします。なくしてはいけない情報を「ない」と言い、後で「あった」という。これでは誰も行政を信じられなくなり、国は崩壊するでしょう。まさに愛国を謳っていたはずの保守勢力が、国を滅ぼす元凶、とさえいえる状況になってきた、といえます。
安倍政権ですすんだ行政の劣化は、むしろ政治家としての能力に欠けた、劣った政治による弊害、といえるのでしょう。本来、もっとも歪めてはいけない行政の信頼、というものを蔑ろにし、自分たちの信頼のために、平気で事実を捻じ曲げてしまうことに由来する、といえるのかもしれません。河野氏の言葉を借りれば「安倍政権が次の嘘実権のために一生懸命やっている」となるのでしょう。嘘で築かれた実権、一生懸命そこにすがりつけばつくほど、国民にとっての弊害は大きくなるばかり、といえるのでしょうね。

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2018年04月02日

3月日銀短観について

3月の日銀短観が発表され、大企業製造業は現状判断DIが24(-2)、先行き判断DIが20(-4)。非製造業が23(-2)、20(-3)。中小企業製造業が15(0)、12(-3)。非製造業が10(+1)、5(-5)となりました。景況感が悪化、という意見と、リーマンショック前と同じぐらいの高水準、という報道の二つに分かれますが、両方とも正しく、両方とも間違いです。
日銀短観は景気が「良い」から「悪い」を引いた数字であり、景況感の変化を映します。つまりこの結果は、ピークから落ちたことを意味するので、先行きがさらなる悪化を示すのなら、これは景気が山を越えて谷にむかってすすみだした、ということを示します。後は、それが短期でとどまるか、長期化するか、という話ですが、内容をみるとしばらく時間がかかりそうな数字が多く散見され、これは厄介だぞ、という感じが滲みます。

仕入れ価格判断で、素材業種の現状の変化幅が12月調査より+12となり、資源高騰の影響が顕著にでている。先行きは-11と元に戻るとの見立てですが、甘い希望でしょう。今のバブルが弾ければ資源価格も下落しますが、そのときは別の面で影響がでる。もう一つは円高により輸入価格の低下への期待もありますが、それも別の影響が大きいものです。
製商品・サービスの需給判断では、現状は12月調査より若干の改善をみせましたが、先行きは低下する見込みです。資源高騰の価格転嫁がすすむことで、需要が落ちこんでいる数字も散見され、川下からの価格高騰が景気まで冷やしそうな状況です。

売上高の2018年度の計画は1%程度の上積みを見こみますが、これは素材価格の上昇を織りこんだ物価上昇率と同じなので、実質的には横ばい。それを映すのが、経常利益の2018年度の計画が3月時点でマイナス、という点です。2017年度は期初の時点で、前期の大幅高で工期の落ちこみをカバーする、という計画を立て、実際にそうした形に着地している。2018年度の期初でこれだけ弱気だと、今年度の経常利益がプラスを維持、という市場の予測を裏切ります。一言でいえば、2017年度が高すぎて今年度はそれを越えられないのです。
設備投資は大企業で2018年度の計画で2.3%増、研究開発費も1.3%増です。先行きの落ちこみに大して、設備投資や研究開発費が増えるのは、先行投資というより省力化投資。さらに節税対策という面もあって、景気拡大には結び付きにくい面が大きいのでしょう。

想定為替レートが109.66円と、現状と比べてもかなり円安水準でみていることもマイナスう。その見通しで、この経常利益計画なら、もっと落ちこむことが予想されるのです。今日は新入社員の入社式でしたが、明らかにバブルの匂いがする豪華さのものが目立ちます。今はバブル、その認識を考慮した上で、現状の景気認識を考えるなら、バブルの中で景気が山を越えたとすれば、次に待つのは崖です。トランプ米大統領の関税障壁に対して、中国が控えめに対抗措置をうちだしてきました。市場では中国は対抗できない、といった見立ても多かったので、こうしたことも積み重なると市場を崖に導きます。
今日の東京株式市場は、外国人投資家がイースター休暇のせいで、売買代金は1.6兆円、売買高は10億万株を割りました。日本人が買わないのに、外国人が買うはずもなく、この日銀短観をみても、今の日本株に買いは入れにくいでしょう。いずれにしろ日米首脳会談まで待たないと日本株に戦略も立てにくいですが、今日示された日銀短観は、リーマンショック前のようなバブル症状だったものに陰り、という意味で深刻にとらえた方がよいのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:20|PermalinkComments(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 一般

2018年04月01日

雑感。アジア情勢

今日はエイプリルフール、嘘であって欲しいニュースが中国の有人宇宙実験室、とされる天宮1号の墜落です。中国でこのプロジェクトを管轄する弁公室では、大半は大気圏突入で燃え尽きるが、一部は地上に到達する。ただし人に衝突するのは雷に当たる確率の1千万分の1、などと発表していますが、それは地表の面積に対し、人という小さな物質に焦点を当てているだけであって、建物に当たる確率はもっと高いですし、建物の中に人がいたら、恐らく二次被害、三次被害という形で様々な影響がでてくるでしょう。すでに制御不能とされることからも、どうなるかはまったく不明です。人口密集地帯に墜ちたら大変な被害もでるでしょう。明日は、予断を許さない状況といえます。

米韓合同軍事演習が規模を縮小される、中朝は首脳会談を行い、南北会談、米朝会談も予定されるなど、アジア情勢は安定化しつつあります。不思議なことに北朝鮮が要となり、中韓も和解するかもしれない。なぜなら、韓国へのTHAAD配備も中止されるかもしれないからで、米朝会談の如何によってはさらに事態がすすむ可能性もあります。
よく北朝鮮に対してジャイアン効果を謳う人もいますが、ジャイアン効果は米国であり、北朝鮮は時折こうして話し合いに応じはしますが、常に態度は同じで強気です。問題は今回も強気をつらぬきますが、どこまでの成果を求めるか、ということ。北朝鮮が核放棄をみとめることはありませんし、経済制裁の解除、ということもないでしょう。米国としては長距離ミサイルさえもたなければ、国内的には理解も得られやすいので、最低ラインと考えているでしょう。では北朝鮮は? 何を最低ラインとするか、よく分かりません。

一足飛びに朝鮮半島の統一や、米朝平和条約の締結と言った話にはならないでしょう。米朝首脳会談で、議題は非核化かもしれませんが、その道筋をつける、といったところが双方の妥協ラインかもしれません。そしてそうなると、露国のように実際には削減を遵守しない可能性もあり、また今度も西側が踊らされた、ともなりそうです。
何より米国は、中間選挙の前にトランプ政権も成果が欲しいだけ。それを見越して、核放棄に合意できるかもしれない。つまりその間だけ、北朝鮮も合意したように見せかけることで合意、と何とも分からないことにもなりかねない。恐らくその数ヶ月の嘘に付き合うことが、北朝鮮にとって妥協点になるのかもしれません。そのために、どれだけの見返り得られるか、というところだと考えらえます。

しかし中国の天宮1号の墜落は、まるで中国経済の実態のようにも思えます。今回、北朝鮮が最初の外交相手として中国をえらんだことで、ある意味で中国もメンツをたもった。その借りを返すために、中国は米朝の裏工作に付き合う、ということなのでしょう。しかしそうやって中国がプレゼンスを保っていられるのも、経済次第ということでもあります。安定化の背後にある、安定化しないと困る事情、アジアの実態は意外と各国とも台所事情の厳しさから生じているのだとすれば、竈の神の気分次第で、その安定が壊れることもあり得るのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:32|PermalinkComments(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 アジア | 政治