2018年05月

2018年05月31日

雑感。罰せられない国

労働法制の関連法案が衆院を通過しました。私はこれを『働き方改革』とは呼びません。なぜなら『働き方』という労働者側ではなく、『働かせ方』という雇用者側の要因によって定義されるからです。つまり労働者側の視点では『働かされ方』であり、いくら維新との合意で、一度認定されてもまた見直せる、としたとしても、雇用者側からかかるプレッシャーにより、結局は不平等契約をむすばされる。自分で、よりよい条件のところに移って…ということができる人はごく少数。職をころころ移っていると再就職にも影響する、と考える人にとって、この働かされ方改革は厳しい結果しかもたらさないのでしょう。
4月鉱工業生産指数が0.3%上昇と、市場予想を下回りました。1-3月期が悪かったので、4月は大幅回復、とみこんでいたところの予想に届かず、です。しかも輸送用機械が堅調で、北米向け輸出が好調としますが、北米の自動車販売は低調であり、かつ25%の課税まで言及されている。在庫が積み上がる状況も、先々で課税されるならその前に、という思惑が働いたとしたら、これは将来的に重しとなりそうな結果です。働き方どころか、国内の生産体制にも大きな問題となるでしょう。来月の訪米で安倍首相が一体何を話してくるのか? それ次第では働く場すら壊滅的となり、AI化により削減される労働力と合わせて、少子化にもかかわらず、日本も高失業率時代を迎えることになるのかもしれません。

佐川前国税庁長官をはじめ、森友問題における公文書改竄について、すべての被疑者についての不起訴が決まりました。日本はとんでもない国になった、というのが第一感です。首相の名を騙って行政機関の決定をゆがめても、首相自ら問題ないといい、公文書を改竄しても事件にもならない。これから日本の公文書は、すべて改竄されている疑いをもってチェックしなければいけないのですから、日本の信用は失墜したも同じです。
加計学園の事務局長が、愛媛県に謝罪に訪れました。しかし首相と理事長が会談した、が会議の発端であったにもかかわらず、会議の場でつい嘘をついた、という。嘘に嘘を重ねているとしか思えず、辻褄すら合っていない。日本はすべてが嘘で糊塗され、不誠実で、異常な状況であることが、この一件でもうかがい知れます。日大アメフト部から噴出する日大の問題をはじめ、日本の教育機関は大丈夫か? そう懐疑の目が向けられます。

仏紙『フィガロ』が、カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞した是枝監督に対し、安倍氏が何の言及もしないことに、政府に批判的な是枝氏に対する当てつけ、と報じました。アイススケートのザギトワ選手に秋田犬を贈呈するところにも出しゃばる安倍氏が、21年ぶりの受賞にも言及しない時点で、この国は親安倍か、反安倍か、で線引きされ、親安倍以外は国からもみとめられない、そんな国になってしまったかのようです。
日本はアベランス(aberrance:常軌を逸脱)の国になってしまった、ということなのでしょう。海外紙からも指摘される安倍氏の異常ぶり、それが日本のメディアからほとんど聞かれない。反安倍になってしまうと、不都合なことが起こるから。そんな国では、誰も働きたくないのであって、日本では正論を語ることすら困難になってきた。安倍政権がつくりだしてきたのは「働き方」ではなく、「憚り方」を国民全体にいき渡らせ、安倍氏を礼賛するよう迫ること、だったのかもしれません。大阪地検まで「憚り方」が蔓延する今、その憚りは『便所』というもう一つの意味でも語られるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:22|PermalinkComments(10)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 司法

2018年05月30日

党首討論について

TOPIXが8日続落です。イタリア政局で株価下落、という説明もされますが、やや説明不足です。弱気相場入りしているからイタリア政局で株価が弱含むのです。強気相場だったら、まだ総選挙は先、として気にもされないでしょう。ちょうど市場の循環が強気から弱気入りした、そのタイミングとイタリア政局不安が重なった、ということです。
しかしイタリアではポピュリズム政党の台頭と、抵抗する大統領との衝突、が政局不安の原因ですが、これは民主主義の危機です。国民の多数の声と、指導層との間に乖離があり、それを食い止めようとするためです。しかも総選挙をすれば、さらにポピュリズム政党が増大する、という悪循環。結局、これまでの指導層が国民の望む姿と乖離した国家づくりをめざしてきたことが、問題の根幹にあるのです。それは国民の大多数に幸福を与えられなかった政治の失敗と、既存システムとの対立、という側面をもつのです。

日本では1年半ぶりに党首討論が行われました。最初に指摘しますが、英議会を参考に取り入れられたこの既存システムは、制度疲労の状況です。野党4党が45分の間に入れ替わり、最大でも19分しか与えられない。ゴミ捨て場の近くで、ご近所さんが立ち話をするより短いこの時間で、できることは少なく、また質疑に対して応答の質が乏しいのですから、単なる印象を国民にどう与えるか? という戦略性を争うものでしかありません。
それを踏まえ、立憲民主の枝野代表はモリカケ問題を追及した。安倍首相が「大事なことはプロセスが公平、公正だったか」と述べましたが、まさにそこに疑義がもたれているのに、情報をださない、説明を尽くさない、それで問題ない、というので長引いている。自分で「大事なこと」を分かっているなら、早く「プロセスが公平、公正」だったことを示せばよいのです。しかし政府が隠した情報が、愛媛県だったり、リークだったりで続々とでてくる現状では、情報公開の「プロセスさえ公平、公正」か疑問、なのです。

国民民主の玉木共同代表は外交で攻めましたが、外交など答えられないことの方が多く、自説をひけらかすのに終始した。つまり自民の印象を悪くしよう、ではなく自分の印象をよくしよう、という形です。終わった後、安倍氏から握手を求められたように、モリカケの追及をせず、ゆ党としての立ち位置を鮮明にし、安倍氏も大喜びだったのでしょう。
共産の志位委員長はモリカケの追及、維新の片山共同代表は官邸による行政管理の問題を取り上げました。共産は対決姿勢、維新はゆ党としてのこれまでの態度を堅持、という意味で、色を鮮明にした。これで国会は与党、自民・公明。ゆ党、国民民主、維新。野党、立民、共産、自由、社民と立ち位置がはっきりした。これが今回の党首討論で分かったことです。逆にいえば、それしかよく分からなかった党首討論でもあったのでしょう。

レッセ・フェールというと、自由・放任主義を意味するフランス語で、産業革命以後の世界で広くすすめられました。その結果、産業革命以前のような格差社会が各国で広がり、富裕層をはじめとする上流階級が富と権力を独占し、自由でも何でもない社会が生まれ、それに反抗する動きが世界で広がっている。ただしそれは一方で極右による他国との対立で強勢を演出する方向か、ポピュリズムという一国主義という両極端な形で現れます。
日本では、まさに富と権力の独占による政治が蔓延し、それがまた他国との対立で強勢を出する独裁、という形になった。その結果、この国はまともに議論すらされない、井戸端会議より低調な党首討論、という現状を生んでいるともいえます。まさに日本では政治の「劣化・増えーる」という「自己中・放言主義」による政治になっているのでしょうね。

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2018年05月29日

米朝交渉前に日米交渉?

日大アメフト部の部員から声明文がだされ、関東学生アメフト連盟が内田前監督と井上コーチの除名を発表しました。しかし他のコーチも暴力や暴言といったパワハラ行為を指摘されており、問題は殺人タックルに留まらなくなっています。内田氏、井上氏の会見から、スポーツ庁の鈴木長官の動きが活発化し、スポーツ庁で処理する動きもありましたが、急速に萎んだのは単なるルール違反でなくなりそうだから。通常、そういうクラブ活動における問題は文科省の所管であり、試合に限らなくなった場合、非常に厄介なことになる。世論の熱もまったく冷めず、下手に手出しすると火傷する、と悟ったのでしょう。

安倍首相が急に、米朝首脳会談の前に日米会談、を言いだしました。一生懸命、拉致問題にとりくんでいます、のアピールかもしれませんが、念押ししなければ不安になるような関係性も見え隠れする。最近の鉄鋼・アルミ、さらに自動車関税などの問題は、日本が除外されずに大きな問題になりつつある。あくまで噂ですが、この訪米は自動車関税についての直接交渉とされており、支持層である自動車業界に配慮することで支援をとり付け、会期末解散に打ってでるため、とされます。労働法制の衆院可決も延期された。数日、様子見をしたいという事情があったとしても、今日は日大への学連の処分がでるので、悪いイメージはかき消せる。タイミングは絶好だったのに、採決できませんでした。
国会運営でも党から押し切られ、安倍政権が主導権をにぎれなくなっている。それは3選を危うくするものであり、安倍氏は破れかぶれ解散をするしかないのです。それをしなければいけない事情、それは集中審議で、微妙に発言を修正したことでも分かる。「収賄的関与はない」と安倍氏は述べた。他の関与はあった、これまでの答弁が虚偽だった、とみとめたのですが、否定をつづけても次々証拠が上がり、かつそれが関与を著しく疑わせるものだったため、です。この件に幕引きできないまま総裁選になれば、重しになるのは必定。党総裁選はそれこそ実弾あり、醜聞や裏工作、何でもありの血生臭い戦いです。ここまでくると、新たな実績、選挙の強さをもう一度アピールするしかありません。

しかし半年で2度目の解散となれば、明らかに逆風。しかも森友文書で判明した稲田前防衛相の夫の関与や、新たな改竄疑惑。つまり今回、提出されたものも正しい資料ではなかった。闇の深さ、不誠実な対応に、国民の懐疑の目も向けられる。だからこそ、トランプ氏に泣きつきに行く。ここで助けてくれないと、総裁選で負けてしまう。だから解散、総選挙で勝てる材料をください、と。そしてこれは、米国の中間選挙の日程も迫っていることから、リミットは8月の投開票になる。つまりここで日本にとって好材料を与えてもらい、そのお返しとして、夏ごろには日米通商交渉で日本は大幅に譲歩してみせる。トランプ氏もこの交渉には乗り易く、政治的な合意も得やすいといえるのです。
解散の大義は、恐らく労働法制を通したことの是非。それと安倍政権への信認、といったところでしょう。そして米国から与えられるご褒美、が材料になるはずです。しかしそのご褒美をもらう代償として、一体いくら国費を無駄遣いするつもりか? 米国が乗り気になるぐらいですから、相当の対価は支払わなければならないでしょう。日大の執行部も、一体いくらで政権に手仕舞いを依頼したのか、分かりませんが、安倍政権の対価はその比ではないでしょう。安倍政権は、日本が大火傷しても構わない、という態度がめだつ。それは下手に敵対して失脚すると、犯罪者として糾弾され、自分の身すら危うくなるのですから、日本がダメになっても生き残りたい、と考えるために起こることです。森友、加計など、安倍政権がはじめた火遊びは、延焼して鎮火すら難しくなる中、国民全体を火傷させようとする試みに変わりつつある、といえるのかもしれませんね。

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2018年05月28日

国会の集中審議

原油価格が急落しています。サウジ-露国の間で増産の動きがでた。これはトランプ氏がガソリン価格の高騰で国内消費が減退するのを恐れ、批判の矛先をOPECに向けたからです。減産といってもサウジも露国も実質的には生産量を横ばいか、増産しているぐらいで、余力もあります。多少の増産で、米国の怒りを逸らすのが目的で、投機筋もこの動きがでてくると原油市場に資金を置いておけなくなった。そんな慌てぶりが鮮明です。
そんな露国と、日露首脳会談を行った安倍首相。全く成果なし、北方領土交渉など何の進展もなく、経済協力をすすめる、という露国にとってだけ都合いい話をして帰ってきたようです。個人的な親密さで…という外交など通用しない。山口会談で失敗し、ファーストネームで呼び合うことさえなくなった二人の隙間が、より開いたように感じます。

森友・加計の集中審議、安倍政権の反論の戦略として、愛媛文書は「伝聞の伝聞」として言い逃れするつもりのようです。しかし正当な反論でもなければ、意味不明です。愛媛文書は議事要旨としてまとめられたもので、伝聞ではありません。「伝聞の伝聞」という言葉は先週辺りから聞かれだしましたが、加計学園が虚偽をみとめたのは想定外、つまり担当者が「伝聞」を県側に伝えた、となって初めて「伝聞の伝聞」なのですが、虚偽をみとめたことでこの言葉が宙に浮いたのです。それでも尚用いるのは、安倍政権の危機管理能力の欠如を如実に示し、最初にこの文言を戦略上つかおう、との伝聞を聞いた後、今日までそれを修正するのが間に合わなかった、ということになるのでしょう。
しかも、安倍氏は加計学園に「抗議するのは理由がない」としました。自分を守ろうとしてくれる加計学園に、感謝するぐらいだ、と言いたいのでしょうが、上記したように「伝聞の伝聞」という理屈を、加計学園側が自ら崩したのですから、本来は怒るべきでした。しかもこれで、晴れて首相の名を騙って行政機関に依頼をだしていい、という前例もでき、日本はとんでもない国になりました。安倍氏自ら、それで行政機関の判断が歪むことはない、としており、抗議もされないのですから益々増えることでしょう。

しかも共産が入手した、として財務省と国交省との「意見交換書」や財務省が会計検査院の報告に手を加えようとしていた、などの新たな情報もあり、この問題がまだまだ終わらないことを示しました。ただ、そんな中、もっとも質問時間の長い国民民主の追及が、これまでの内容に終始したことで、集中審議が散漫になった印象を与えました。単純に議席数で割り振られますが、その能力と実績に見合ったものではない、ということがこの事実でも分かります。安倍氏の答弁を拾ったり、明かされているデータ、文書から追及のネタを探ったりしていた、他の野党ともちがう。努力の跡が何もみられないのです。
30日には党首討論ですが、そこで隠し玉でももっているのか? 残念ながらその期待は望み薄です。ただ、共産に情報が集まっているように、官庁の中から不正を糺そうとする動きがでていることには望みがもてるのでしょう。日露首脳会談でも「北朝鮮とつっこんだやりとり」と、安倍氏は自画自賛していましたが、6ヶ国協議の当事国の中では、蚊帳の外におかれている日露がどれほどつっこんでも、大した話ができるはずもありません。「私は平然としている」と安倍氏は述べましたが、『平然』とは落ち着いて動じないという意味ですが、それはいい面でも、悪い面でも用いられます。「平然とうそをつく」「平然と犯罪をする」、安倍氏の場合こちらの意味合いの方が強くなっており、これは『伝聞』のような曖昧なものとは異なる、確信に近くなっていることは事実なのでしょうね。

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2018年05月26日

加計学園がウソをみとめる

菅官房長官が、栃木県連大会の挨拶で「選挙のとき日米韓で圧力をかけつづけ、北朝鮮の政策を変えると言い続けた。私たちが考えていた方向に向かっている」と述べました。他人の褌で相撲をとる、というより、一国だけ違う土俵で相撲をとっている安倍政権が、他人の成果を自分のものとして横取りした、というところでしょう。
南北会談は二回目が開催され、トランプ氏があれほど猫なで声で会談への未練を訴え、これが圧力の結果だとしたら、随分と優しい圧力もあったものです。北朝鮮が会談再開への意思を示すのも、トランプ氏なら体制保障が得られる、と思っているから。かといってリビア方式ですぐ非核化、とはしたくない。その綱引きをしています。日本など、この問題でかすりもしていない。徹頭徹尾、この問題で日本は蚊帳の外です。しかも、今は訪露の最中であり、安倍首相が直接トランプ氏に電話をして事情を聞く、ということもできない間の悪さもあって、日本には何の情報もない、というのが現状なのです。

加計学園が愛媛文書に載っていた2015年2月25日の安倍氏との面談は「加計の担当者が誤った情報を伝えた」と発表しました。そうなると加計学園は愛媛県、今治市を騙した詐欺というばかりでなく、それに基づいて動いた国家戦略特区でさえ、本来はみとめるべきではなかった、国家への詐欺にも該当します。さらに、そんな加計学園側のウソ主張を加藤現厚労相や内閣府の職員だった柳瀬氏や藤原氏が、まったく見抜けなかった、という官邸崩壊状態を露呈することになる。自分たちのトップが誰と面談したのかも知らず、かつその嘘に騙されるというみっともなさ。安倍官邸のお粗末ぶりが際立つのです。
しかしこれは日大アメフト部の内田前監督と同じぐらい、お粗末なイイワケです。加計学園の窓口がたった一人で、すべての交渉に一人で対応し、嘘をつきつづけた、というのならその当事者のみの責任ですが、複数で担当していた場合、それは組織ぐるみとなる。その場合は加計氏も知っていたのか? そこに焦点が当たる。「担当者が誤った情報を与えてしまったように思う」や「深くお詫び」で済む話ではありません。

28日の集中審議を前に、こうした情報をだしてきたのは打ち止め感を演出し、安倍政権の問題ではない、というためでしょう。加計の担当者にひたすら謝罪させ、安倍政権は「制度上問題ない」と言い続ける。国家戦略特区の選定の上で、手続きは瑕疵なく行われたとして、加計学園には多少のペナルティーで国民の留飲を下げさせて幕引き、という魂胆でしょう。こうすれば安倍氏、加計氏をともに守れ、また学園が特区ともども存続するために、痛みは最小で済む。土曜に発表したのも、国民の目を逸らしたかったからです。
しかしこのあまりに悪質な詐欺事件、加計学園を無罪放免で存続させると、怒りの声が安倍政権へと向かう可能性が高い。何しろ、このウソは何がウソなのか? ということに国民の多くが気づいているからで、安倍政権を、加計学園を守るためなら、担当者の責任にして自分たちが安寧をはかる。日大アメフト部の問題とも、構図が重なってくるからです。ただし、加計学園担当者に、真実を語る勇気も、また誠実さもないでしょう。大人の醜い世界を体現する安倍政権には、教育を語る資格すらない、ということを今回のことでもよくあらわしているのでしょうね。

明日は一日、お休みしたいと思います。

analyst_zaiya777 at 23:16|PermalinkComments(11)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 社会

2018年05月25日

雑感。労働法制が衆院委を通過

米朝首脳会談の延期、双方とも融和派と強硬派の綱引きで、まだまだ予断を許しません。トランプ氏はノーベル平和賞が欲しく、かつ記念硬貨までつくってしまった以上、何としても会談したい。でも意味のある合意でなければ、逆効果。金正恩氏の方が事情は複雑で、国内ばかりでなく中国の意もうけている。北朝鮮利権を米国にさらわれるわけにはいかない中国が、イラン核合意の見直しで中東に火種を抱える米国が、朝鮮半島有事を望むことはない、と踏んで強硬路線に転じさせ、中国の介入する余地をつくりたかった。
米朝会談に中国も同席、という形になれば合意後のテーブルに中国も入りこめた。しかし中東がまだ沸騰するほどの熱量がなく、中国の勇み足になったことで米国強硬派の巻き返しにあった、というのが顛末でしょう。仕切り直すにしろ、中間選挙の前に成果の欲しいトランプ氏には時間もなく、逆に選挙期間中にサプライズ演出で米朝首脳会談、というシナリオも語られる。それに協力すれば、北朝鮮にも見返りが大きいからです。

働き方改『悪』法案が、衆院厚労委で強行採決されました。今日もまたデータの不備が見つかる中、日程ありきで議論する気ゼロ、というのが鮮明だった。安倍氏が重要法案に位置付けた、総裁選があるから国会も延長しない、だから内容が伴わなくても、根拠が疑われても法案を通す、という何のため? がまったく抜けた国会運営といえます。
そんな安倍首相は、訪露の途中で米朝交渉の延期について「トランプ氏を支持」と語りました。これで『置き去り』批判が回避できる、内心ではほくそ笑んでいたのでしょう。露国とは平和条約締結に意欲、といい、「互いに勇気をふりしぼり、あらゆる困難を越える」とします。しかし少なくともプーチン氏に勇気をだす必要性はなく、原油高で経済も安定している今は、日本に特典を与えてやる必要もありません。すでに日本は支援を約束しており、動きだしているのですから、黙ってそれを受けていればいい、という話です。

仏国でナポレオンの時代に活躍したタレイラン、という政治家がいます。彼が出版物の検閲制度に反対したときの言葉に「政府の誠実性を怪しくしてはならぬ。現在では長く欺いておくことは不可能である。ヴォルテールより、ボナパルトより才気ある誰かがいる世間だ」と述べました。つまり独裁者として力を得たナポレオンより、不正・不義を憎んでルイ王朝の専制主義に反抗した哲学者より、社会の目が怖いと述べているのです。
そのヴォルテールの作品『カンディード』。純朴で誠実な青年カンディードが多くの苦難や社会の悪い部分を目にしながらも自分を失わず、最後には初恋の人と再会して小さな土地でも幸せに暮らす、という話です。そのカンディードが最後に語った言葉「我々は自らの幸福を心配しよう。いざ、庭に行って働こうではないか」というものがあります。ドイツ観念論でも評価されたこの言葉、『幸福を心配』→『働く』という流れが重要であって、『働く』→『幸福』という流れでないことが肝要です。ドイツ観念論は人間悟性を重要視しますが、悟性とは正しく判断する、ということ。つまり働くことで幸せになるのは単なる結果であり、幸福であることを望むから働く、ということなのです。しかし幸福になることのない労働を強いる、それがこの働き方改『悪』といえるのでしょう。「才気ある誰か」が正しく指摘していかないと、1800年ごろの仏国より、今の日本は劣った世間だということになるでしょう。少なくとも、今の政府には「才気」どころか、「猜疑」しか抱けない時点で、この国の劣化はすさまじい、となってしまうのでしょうね。

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2018年05月24日

安倍政権と株高局面の転換

日大アメフト部のレイトタックル問題は、昨日は勘繰りとしたことが事実では? と思えてきました。今日になり、会見→入院で責任者が雲隠れ、スポーツ庁の鈴木長官が「我々がリーダーシップをもって解決」と安倍首相のようなコメントで動きだす。司直でも文科省でもなく、スポーツ庁を前面に押しだすのは、これがフィールド内で起きたことで、刑事事件ではなくスポーツのルール違反、という形で処分する形をとりたかった。これが安倍政権と日大幹部の合意だったのかもしれません。予想通り、メディアはこちらの報道にかかりきりになり、森友交渉記録の報道は隅に追いやられてしまいました。

しかも国会ではTPP関連法などが続々、衆院を通過します。週末の世論調査で、政権支持率の高いことに安堵し、今のうちに…という意図が透けてみえる。しかし支持率の維持に寄与したとみられる株高にも変調がみられます。北朝鮮情勢の暗転、米国による輸入自動車への課税、FOMC議事録で年4回以上の利上げ、という予想が減少したことで米金利の低下、円高に動いたこと、など様々な理由もありますが、一番は3月最終週からの2ヶ月の上昇波動が終わり、反転する機会を迎えていたことが大きい。つまりここから2ヶ月、政権の支持率を高める要因の株高、というのは望み薄という形になることが予想されます。
しかし北朝鮮情勢の暗転は先々週からでていたこと。米国の年4回以上の利上げ、などという話も後7ヶ月で4回利上げするのか? という話になり、現実味の薄い話だった。つまりここ数週間の上昇は、かなり強引なシナリオに基づいていたことがうかがえる。どの道、近いうちに限界を迎えたでしょう。裁定買い残の上昇や騰落率からも上がり過ぎを示唆しており、戦略上の問題から今後、円高、株高局面を迎えることが予想される。そうなると困るのは安倍政権です。日経などの政権支持率がやたら高いのは、株高を価しているから。株高も安倍政権の成果、と考えるぐらいの人間により支持されてきたのです。

しかしそんな株価で評価する層も、安倍政権が語るTPPで8〜9兆円規模の経済成長、などというまやかしを信じていない。市場ではTPPなど話題にすらなりません。それ以上に、米国から関税をかけられたら、甚大な影響をうけるからです。結局、米国はTPPにもどらず、2ヶ国協議をするというのですから、日本もそれに乗るしかありません。トランプ氏との個人的な親密さがあるだけに、安倍政権にとって逆に痛手となる。親密ぶりをアピールしていたのに、実は違うのでは? 個人的に親しいのに、制裁関税のようなことをうけるのはナゼ? という懐疑の目が、安倍政権へと向かうことになるからです。
外交の安倍、経済の安倍、など様々に喧伝されてきましたが、5年も政権を担当した結果が『置き去り』です。株高はまだつづいているように見えますが、大して当たらないとされる国際機関の景気見通しは、先進国は総じて右肩下がり、成長鈍化を指摘されます。金融緩和という政権の手柄でもないもので押し上げられていた景気、それが終焉を迎えると景気も悪化する。そして日本は、金融緩和をつづけつつ景気が悪化するので、こちらも『置き去り』です。大した見込みもなく、様々な策を打ってはみたものの、引き際が分からないために、安倍政権の政策は常に変化に対応できないものとしかなっていません。

「我々がリーダーシップをもって…」も、結果が悪いと誰かのせいにして、自分たちは知らないと責任から逃げてしまう。または都合の悪い情報には、別の情報をぶつけて隠そうとする。他人の手柄は自分のもの、自分のミスは他人のせい、日本全体が何かこうした歪みをあらゆる場面でみせられているのも、安倍政権であることと無縁ではないのでしょう。外交、経済で『置き去り』にされ、内政では『歪み』をひどくする。安倍政権を唯一支える株価が変調したとき、その評価ががらりと変わる可能性もあります。そういえば、安倍政権になってから市場関係者のウソが増えた、と感じるのは、間違ったリーダーシップの結果おきた歪みなら、株高局面で買った層が置き去りにされる日も、そう遠くないのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:18|PermalinkComments(19)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 経済

2018年05月23日

森友交渉記録が提出される

日大アメフト部のレイトタックス問題で、内田前監督と井上コーチが会見しました。しかし言葉の一つ一つというより、奥歯にものが挟まったような、本音は語っていない印象を強くしたに過ぎません。どう言えば相手に伝わるか、ではなく、どう言ったらごまかせるか? という言葉選びをしていることが、口調からもよく読み解けるからです。
学生スポーツの常として、毎年同じ質を保つのは困難。実働だと大学は3年、中高は2年しかプレイする期間がなく、選手は入れ替わってしまう。あくまで推測ですが、昨年の甲子園ボウルで優勝し、連覇のかかる今年はプレッシャーと同時に、チーム力の低下を自覚していた。それがライバルチームのQBをつぶせ、という発言につながったのではないか? しかし結果的にそれは自らのチームをつぶす、という形になったのでしょう。

財務省がやっと森友学園との交渉記録950頁と、改竄前の決裁文書3000頁を国会に提出しました。交渉記録は個人の『手控え』、との説明は明らかにムリがある。調査要請があったのにこれほどのデータの存在を忘れていたら、著しく資質が低いことになる。佐川前国税庁長官が「ない」としたデータを隠すため、『手控え』もないことにしていたなら、控えたのは手ではなく、安倍政権に気をつかう、忖度の態度だったのかもしれません。
その中で、昭恵氏付きの谷査恵子氏が理財局に対して問い合わせた件について、安倍首相が「値下げしてではなく、制度があるか、適用をうけられるか、との問い」だと答えました。しかし谷氏は「昭恵氏の知り合いが優遇をうけられないか」との問いであり、安倍氏の答弁には齟齬があります。森友学園側は制度をすでに知っており、あえて制度を尋ねる必要はない。しかも『適用』と『優遇』は意味が異なります。『優遇』は他よりよい処遇という意味であり、制度上の『適用』は決して『優遇』ではない。適用が難しいものにそうしたり、そもそも制度を越えた処遇をする、というのが『優遇』なのであって、谷氏がそれを求めている以上、理財局としては『優遇』するか、しないか、となります。

しかも安倍氏は「妻が関わっていたら首相も議員も辞める」と答弁しており、昭恵氏が谷氏に要請している時点で「関わった」ことは確定する。その証拠が財務省側に残っていたのですから、安倍氏がとる対応としては「関わっていない」を証明するしかありません。つまり谷氏を国会に証人喚問し、理財局の記録はこうだけど、それは財務省が勝手に書いているのか、それともこの記録通りだとしても、谷氏が勝手にやったことか、と尋ねないとといけない。前言を守るなら、そうでないと議員辞職する話になります。ここに書かれた『優遇』という言葉は、安倍氏の答弁をすべて覆す内容を秘めているのです。
しかも、これが偶然なのか、政権の致命傷になりそうな財務省の交渉記録の提出日、急に日大の会見が開かれた。しかも明らかに準備不足で、明日には関西学院大に二次リポートを提出する、というその前日に行われた。あくまでゲスの勘繰りですが、日大側が政権へ助けを求めたとしたら、財務省の情報公開と同時に会見をひらくことが、バーターの条件となった可能性もあります。明日には訪露、今日一日だけしのげれば…。注目を集める日大の動向だけに、情報潰しに利用された側面も考え得るものです。

今後、日大アメフト部への警察の捜査や、文科省による指導において日大側に有利な判断が働いたとしたら、それは『手ごころ』が加わったとみて間違いないのでしょう。交渉記録や行政の手続きに『手を加え』、悪事に『手を染めて』きた安倍政権。悪い奴らと『手を結び』、政権に逆らう者を『手にかけて』きましたが、メガトン級の公文書爆弾が次々と落とされ、『手が後ろに回る』日が近づいてきたのかもしれませんね。

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2018年05月22日

雑感。負うた子に教えられるのか?

日大アメフト部のレイトタックル問題で、当該選手が記者会見を行いました。日大という組織が隠ぺいしようとする中、顔も名前もだして真実を語る。やったことは間違いですが、彼は出直すキッカケを自らつくった形です。問題はコーチの手法であり、「1プレイ目でQBを潰してこい」と命じた後に「頭を丸めてこい」と指示をだしている。これは肉体的に記しをつけることで命令を固着化させ、断れない状態にする、という精神誘導のやり方です。ごく稀に奴隷状態におかれた人たちが、互いを殺し合うという凄惨な事件もありますが、あれも同じです。命令と行動が一旦むすびつき、それを達成することを無条件に受け入れ始める、それが服従を生みます。つまり日大側の監督、コーチ陣は『服従』の状態をつくり、選手にそれをさせるよう仕向けた、というのが会見で分かったことです。
日大のコメントで「潰せ」は「思い切り当たれ」の意味だとしますが、当該選手のみ受け取り方に乖離がある、というのも不自然ですし、それはもうチームとして成立していない、という話です。アメフトはチーム戦であり、個々の選手がで命じられた通りに動いて、初めて作戦も立てられるし、勝利できるのです。そしてもし「乖離があったなら」反則で処分される前に、ディフェンスチームから下げないとおかしい。こんな説明をしているから、日大には危機管理部もあるけど無能、などと揶揄されることにもなるのです。

新たな愛媛文書で安倍首相は面会を否定しますが、そうなると加計学園が安倍氏の名を騙って愛媛県側を騙した、となる。地方自治体の動きが鈍い、と官邸側からも指摘されていたことで、安倍氏の名をだして愛媛県側をひっぱりだした、というなら、安倍氏は怒らないといけない。自分の名をつかって詐欺を働いたのですから。なぜその調査を指示しないのか? この時点で、安倍氏の行動には道理が通りません。時の総理の名を騙った、加計学園の壮大な詐欺事件かもしれず、与党が動かないと疑惑は晴れないのです。
「負うた子に教えられて浅瀬をわたる」という箴言があります。浅瀬…の部分は省略されることも多いですが、かつては川を歩いて渡ることも多く、そのとき溺れそうな子供を背負った。しかし足元しかみえなくなって深みにはまる大人に対し、子供の方が周りをみる余裕があり、浅瀬をみつけられることもある。未熟な者に教えられる、というばかりでなく、これは視野狭窄になって間違いを犯すことを戒める、そんな箴言でもあります。

日大アメフト部の加害選手による記者会見をみて、大人が何も感じなければ嘘でしょう。学生にはまだ出直す機会もあるけれど、大人にそれはできない、として頬っかむりしたままでは、この国は安倍氏がめざすとした「美しい国」どころか、子供に範を垂れることもできない「恥ずかしい国」となります。ある意味、今日の官邸の対応で、誰が嘘をついているかはよく分かった。間違いなく安倍官邸が、壮大な嘘の元凶です。
東京都狛江市の市長がセクハラをみとめず、「受けとり方だ」として実名告発で市長を辞職する意向を示しました。この国では「受けとり方」が悪いとして、相手を罵っていい、相手の責任にしていい、という不文律でもできたかのようです。しかし上に立つ者がが、下位にいる者に対して正しい行動を示せなければ、それはすべて上に立つ者の責任といってよいのです。では、安倍政権は? これまでも様々な問題がありましたが、上に立つ者が責任をとった試しがない。安倍氏は常々「責任は私にあります」としながら、責任はとらなかった。大臣が辞任しても、不祥事が発覚してもそうでした。安倍政権では「負うた子が暴れて、勝手に深みにはまった」とでもいうつもりか? モリカケ問題という川は、安倍政権のつかう「調査中」という時間稼ぎで非常に流れはゆるやかなれど、足も立たないほどの深みにどっぷりとはまってきた、ということになるのでしょうね。

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2018年05月21日

新たな愛媛文書

日大アメフト部のレイトタックル問題で、警察に被害届が提出されました。日大の内田監督は「私の責任、私の問題」としてアメフト部監督の辞任で幕引きをはかった。何しろ日大の理事としての地位を守れる、保身がそれで計れるからです。しかも今日になって第三者委員会による問題解明を、という。しかし警察の捜査の方がより強い権限があり、今さら第三者委員会を設ける意味がありません。この問題は、今や日大によるレイトアクト問題、と言い換えた方がよいのでしょう。対応が遅くて様々な余計なトラブルを引き寄せている。最初に『内田氏の保身』で始まり、すべての対応をおかしくした印象です。

愛媛県が2015年2、3月の加計学園との面会記録や、官邸での復命書など27ページの文書を国会に提出しました。復命書では「ここだけの話」として「新潟市の国家戦略特区獣医学部の現状は、当初よりはトーンが下がっている」とまで助言するなど、明らかに利益誘導をはかろうとの意図もある。この復命書を元に、各省庁に配ったA4資料が作成されたことはほぼ間違いないく、しかもこれは柳瀬氏の参考人招致の時の説明とも食い違います。こうなったら出席者全員を国会に証人喚問し、突き合わせなければなりません。
しかも面談の概要、という文書では「総理案件」とでてきており、記載者が異なることで「首相案件」と「総理案件」が使い分けられた、ということも理解できる。柳瀬氏が語ったように「私は普段『総理』としか言わないから違和感」という説明も、これで通用しなくなります。さらに「懸案として、安倍総理が文科省からの宿題を返せていないという話があり、そのことを心配されていたと聞いたが(加計学園)」との記載もあり、その後で加計学園が「県・市からも(下村文科省に)説明」とも述べているので、官邸・県・市・加計学園の四者で、安倍氏の認識、という事実は共有されていたことがうかがえます。

さらに文科省の「吉田局長に提案」を促していることから、吉田氏もキーマンです。逆にいうと、文科省や農水省は当時から後ろ向きで、それをどう動かすか? という議論は、もはや官邸ぐるみで渋る省庁を動かそう、という内容が読み解けるものとなっており、登場人物にはすべて国会で語ってもらい、ファクトを突き合わせる必要があるのです。
安倍氏は2月25日の「加計理事長との面談」という事実を否定しますが、面談なので食事時でも可能ですし、立ち話程度でもいい。加計氏から「イスラム国問題等で多忙を極める安倍首相と面会が実現しない」など、くり返し要請されていたこともうかがえる。官邸にもどって一緒に昼食をとった可能性、自宅で夕食をとりながら会った可能性、など様々に憶測できるので、加計氏のスケジュールと突き合わせないといけないのでしょう。

しかも、この愛媛文書によって詳らかになったのは、新潟市の「革新的農業実践特区」の認定後、さらにいくつかの規制緩和を求めていたものを、官邸側が裏でつぶして回っていたのでは? との疑念も抱きます。何度か登場する新潟市、獣医学部の新設を求める動きを警戒していたことが、よく読み解けますし、「総理案件」を通すためには新潟市の意欲をつぶしておくことが必須。獣医学会と文科省はそもそも後ろ向きなので、背後から吉田局長などを通して、圧力をかけておけば十分だったのかもしれませんが…。
新たな文書が公表され、せっかく上がった支持率がふたたび下がることを恐れ、安倍政権はぴりぴりムードです。しかし一体いつまでつづけるのか? 一体どれほど嘘をつきつづけるのか? という安倍氏側の問題であり、ファクトは何か? について一向に隠しつづけることにそもそもの原因があります。レイトアクトによって、ますます問題を混沌とさせ、嘘に嘘を重ねている。むしろライド(嘘をついた)アクトにより、更なるトラブルを招き寄せているということになるのでしょうね。

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2018年05月20日

雑感。エネルギー計画の素案

東電福島原発事故の合同検証委の報告書で、「炉心溶融」を使わなかったのは当時の清水社長の独断、炉心溶融の判断基準認識する社員が少なく通報しなかった。炉心溶融の判断基準を明らかにしなかったのは、社内の情報共有が不十分だった、としました。それって東電に原発を運転する資格がそもそもなかったのでは? というレベルです。

経産省が16日に公表した2030年に向けた新しいエネルギー計画の素案では、再生可能エネルギーを技術革新して大量導入、という文言はありますが、原発は「ベースロード電源」という意味不明な位置づけを維持します。石炭火力を減らし、ガス火力を増やすとしますが、結果として再生エネを22〜24%、原発を20〜22%として、原発を維持するのです。しかもその理由が1基4400億円という建設費を前提とするためです。つまり原発は安価、という理屈からですが、世界中で原発を新設するのは数兆円規模。英国に輸出する日立は、3兆円です。しかも日英の政府が債務保証までつけて建設する、とします。そうしたものが本当にコスト的にペイするのか? 福島原発による影響で、もはや原発は高コスト発電です。
それでも新設の原発なら、まだ安全かもしれませんが、古い原発の安全性は低いまま。圧力容器に問題があるのに、そこに手をつけられない古い原発は対処すらしていないも同じ。日本の場合、古い原発ばかりなのでリスクは高いままであり、新設は難しいし、さらに高い建設費はコストを押し上げる。日本で原発を20%超で稼働することは、どう考えても現実的ではない。しかも再処理工場は試運転で失敗をつづけ、稼働すらできない状態で、かつ地層処分は場所すら決まらない。素案の通りなら、使用済み燃料の処理すらすぐに行き詰まるでしょう。これが国の計画なら、驚きというより嘆かわしいというレベルです。

株式市場は23000円をトライする層もいて、一見すると堅調ですが、対ドルで111円を狙っても定着せず、といった状況で勢いもありません。外国人投資家はすでに日本株に興味なく、為替をにらんだリバランス程度でしかない。市場では6月12日までは堅調、という話がまことしやかに伝わりますが、そこまでもたないのでは? との話もあります。
日本の場合、3月の最終週ぐらいに流れが転換、上昇に転じましたが、昨今の市場環境は2ヶ月で戦略を変えてくることが多い。さらに6月8日にはメジャーSQなので、その前に戦略を転換しやすい。最大の問題は、北朝鮮が米朝交渉の見直しに言及したにも関わらず、市場は無反応だった。つまりもう北朝鮮問題でリスクオンになっているわけではない、ということなのです。中東問題、新興国の不安、など様々な問題があれど、市場はリスクオンという戦略になっているだけ。なので6月12日は関係ないのです。

むしろ6月12日以後も楽観がつづく、という可能性もありますが、そこまで長くつづくことは昨今の市場の動きからみても少ない。そもそも世界経済がさらに成長する、とする材料に乏しく、好景気時の減税というお尻に鞭を入れた米国が、どこまで景気を維持できるかも分からない状況です。下手をすれば今週で上昇相場も終わる可能性もあります。
4月は円安だから、として転換した市場が、今以上に円安になることがないなら、その時点で支援材料もない。6月12日に北朝鮮問題が収束するのが確実なら、戦略はその前に見直さないといけません。今の市場、何が炉心溶融の引き金になるか、それをしっかりと見極めることが大切なのでしょうね。

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2018年05月19日

雑感。日本の諜報

年末に任期満了する沖縄県知事、菅官房長官が「自公維で推せる候補を」と県連に要請しました。維新は与党? 選挙協力ができるほど、主張も組織も似通うなら、自公と維新が合意する、というのはほぼ与党間の調整としても問題ないのでしょう。与野党合意で…という印象づけをするため、維新は野党にのこっていますが、次の選挙では政党要件すら危うい、と言われ、そうなると自民に合流するしかなく、その予行演習のようです。
しかし以前から沖縄県知事選では、自公維という形が常態化してきた。それは自公が選挙に弱いためです。前回の選挙でも翁長氏に敗れた。膵ガンを公表した翁長氏ですが、選挙が前倒しになる可能性も考え、早めに動きだしたのでしょう。これまでも敵には徹底的に制裁を、自分たちに従えば優遇、という方針をとってきた沖縄県知事選対策、辺野古基地移転に協力すれば自治体でない、地方団体にまで予算をだす、という異常な対応までとってきた。そんなアメとムチ、我欲と矜持との対立となるのかもしれません。

NHKが日本の諜報、という特集を報じました。大韓航空機墜落事件で、露国の関与を暴露したように、日本の諜報は機能していた。しかも日本でも戦後、メディアをつかった世論統制をはかることが、米国のすすめもあって検討、というかなり踏み込んだものです。NHKでは森友問題でスクープを連発した記者が移転、などのきな臭い話もあり、政治による統制が強まっている中ですから、余計に違和感もあります。政治による言論統制にもっとも従いやすいのがNHKなのですから、自らNHKの報道は政府のフィルターがかかっています、と暴露しているようなもの。NHKスペシャルは予算をかけた、社をかけた番組ですが、時折こうして社の流れに反発するような特集も組まれるのが特徴です。
実際、日本の諜報について、かつては機能したように聞きますが、安倍政権では特に劣化したとしか思えないような事例が散見されます。相手国の意向がまるで分っていない、というのは露国がそうでしたし、米大統領選ではクリントン氏に賭け、トランプ氏の当選で就任前に慌てて面会する、という醜態をさらした。外交面の諜報は、まったく落第と言っていいレベルです。番組ではもう一つ、ネットの諜報活動にも言及していましたが、日本の場合は自国での利用ではなく、米国に利用してもらうための収集です。

Facebookの情報収集でも、日本は抗議すらしていない。確かに日本ではFacebookの利用は少ないですが、欧州でもザッカーバーグ氏を招集する、という中で日本の対応はかなり特殊です。日本では利用の多いTwitterでさえ、世論操作に利用されていたと報じられても調査すらしない。それはむしろ、日本政府がそうした情報を利用していた側、そんな懸念すら抱かせるものです。批判するどころか、隠しておきたい事実だったのかもしれません。
沖縄県知事選や統一地方選、もしかしたらその前に解散総選挙もあるかもしれない。米国でおきた露国による介入、しかしそれ以上に厄介なのは、情報をにぎっている政府による操作がおきた場合、です。各種SNSの情報、選挙前ばかりでなく、疑ってかかるぐらいの見方でもよいのかもしれません。特に今、安倍支持層とみられるネット部隊が跋扈している場面が、たびたび散見する中ですから、『安倍と無知』により選挙を誘導されないよう、正しい情報を見抜く目を養っておくことも大切なのでしょうね。

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2018年05月18日

TPPが衆院可決

安倍政権が政権交代となった選挙で「参加しない」としていたTPP承認案が、衆院で与党の多数により可決され、参院は30日の自動通過も可能なことから成立が確実になりました。また最近では老害を指摘される麻生財務相が「森友よりTPPの扱いが小さい新聞のレベル」と間違った指摘をして物議をかもしたことも話題でした。安倍首相は「8兆円程度の景気押し上げ効果」と、根拠もよく分からない推計も語りますが、実際に発行されれば効果は如実に現れます。安倍政権が5年前に語っていた「円安で企業が国内回帰」というのも幻想だった。国内は少子化で、省人化投資や日本脱出を模索する企業ばかりです。
「お金をばらまけばインフレ」などというお寒い経済認識を示す安倍政権が、TPPの経済効果を語ったところで、誰も信用しないでしょう。そもそもTPPはデフレ志向であり、安倍政権の目指したインフレ政策とは真逆です。日銀のとるインフレ誘導の金融政策とも逆行する。貿易量が増えればプラスですが、すでに日本の内需は崩れ、新興国は急速に資金が逃げだすことにより混乱で、アルゼンチンはIMFに支援要請するなど、不穏な動きもある。経済が順調なときは経済圏が有利に働くときもありますが、混乱すると足枷にすらなりかねない。相手国でハイパーインフレなどの経済混乱が起こると、物流全体がおかしくなるからです。果たして今、リーマンショックから10年近くつづく好景気、その間にすすんでしまった適温バブルの先に、それが弾けるなら大暴落ともされます。このときTPPが必要かどうか、お寒い安倍政権の経済政策では、まともな説明もつけられないのでしょう。

今日は対ドルで111円をつけました。円を売って新興国に投資する、そんな動きが3月後半に急速に巻き戻され、米金利上昇をトリガーとする円安へと転じました。日本の海外への新規投資も重なったとはいえ、かなり巨額です。世界のお金の流れは金利の高かった新興国から先進国へ、となっている。ただし日本はほんの少ししか、そのお金が流れてこない。円安に伴うリバランスぐらい、というのが安倍政権への期待のなさを示します。
安倍政権は未だに米国のTPP復帰を夢見ていますが、米中貿易協議では中国が22兆円もの米国向けの貿易黒字を削減、と提案しています。具体策がないので、中国のブラフともされますが、中朝の外交は、最初に好条件をだして相手を交渉にひきずりこみ、相手が逃げだせなくなってから、相手の非を鳴らして条件を下げる、というのが特徴です。つけ入る隙をみせると、責められて条件を見直さざるをえない。しかしトランプ氏としては、二国間交渉の方が実がある、という認識を転換するには至っていない。米加墨のNAFTA交渉もすすんでおり、TPPにもどるはずもありません。TPPの交渉成立が確約された今日とて、市場は冷淡なもの。そんなTPPに米国がもどる見込みは皆無といえるのでしょう。

今日になって、精査されたとした労働法制のデータに、また不備がみつかりました。一体何を調べたのか? ただ数字の辻褄が合うところだけ残した、というのでもないなら、何を精査したのか? 改めて安倍政権に問うてもよいのでしょう。来週には通す、というために来週早々にデータを出し直す、という。日程ありき、でいい加減なまま法案を通すのは、加計ありき、でいい加減な手続きで特区を決めた経緯ともよく似ます。
TPPとて、政府推計はあまりに過大で、また前提がおかしいことが確実です。茂木経再担当相の不信任をだすより、数字で攻めれば簡単にボロをだすでしょう。ただしそれも成立ありき、でスケジュールをくんだ安倍政権では、効果は薄いかもしれない。しかし経済に明るい、というイメージをつけておけば、それは後に選挙などで経済政策を訴えるときに力もなります。審議拒否が封じられて打つ手がない、となげく前に、自分たちには力があると示す戦略も大切なのです。選挙で嘘をついて、すぐにTPPへの参加を表明したのに誰も批判をしなかった、安倍ありき、でしか物事を考えられない安倍支持層に対しても、ぐうの音もでないほどの数字、論理でつけ入られないようにすることも大事なのでしょうね。

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2018年05月17日

雑感。アベ対応

麻生財務相が北朝鮮の政府専用機を「みれくれが悪い。無事シンガポールまで飛んでいけばいいが、途中で落ちたら話にならん」と講演で語りました。ここまで来ると、迷惑な高齢クレーマーとしか思えませんが、実際に撃墜計画もある、という噂もあって穏やかではありません。事務方の調整がつかないままだと行きで、会談が決裂すると帰りで、米軍機が狙っていると噂されます。潜水艦による洋上発射ならアシもつきません。
北朝鮮が米韓合同軍事演習に難癖をつけ、米朝会談すら拒否する姿勢を示します。ボルトン米大統領補佐官のリビア方式への牽制、とも伝わりますが、ここまで北朝鮮は従順にふるまい、それに基づきトランプ氏もはしゃいだツイートをし、後戻りできなくなってから梯子を外す。北朝鮮の得意なやり方です。北朝鮮はボルトン氏をやり玉にして、米中間選挙後へとの会談を延期する。するとトランプ氏としては成果を誇ることができず、困ったことになります。また対話の姿勢を示している相手に、軍事行動もできない。米国にもここで北朝鮮がゴネだしたのは想定外で、困惑した様子が伝わりますが、米国の弱みを的確についたのでしょう。トランプ政権の一体感のなさ、中間選挙で負けるとレイムダック化する、という弱点は、相手にとってもつけ入りやすい、といえます。

旧優生保護法への一斉提訴が行われています。この法律の問題点はいうに及ばず、ただこの法律が暴走したのは、旧厚生省が抱えていた『国民が増える』ことを悪とする思想が背景にある気がしてなりません。1970年代の厚生省の白書で、増えすぎる国民の弊害を説くものがあり、当時は人口が右肩上がりだったこともありますが、この頃から一貫して厚生省は人口増に否定的な文化があった。不妊手術の強制など、優生の系統を残すという法律の趣旨があったとしても、人非人の所業ができたのは、『国民が増える』ことを悪とする文化が、不妊を『国にとってよいこと』との錯覚を生んだ、と思えてなりません。
そして今、行政の文化はいい加減な答弁と曖昧な記憶、責任者が中々でてこない、という異常なものへと変わりました。しかもそれを真似たのか、日大アメフト部の対応はまさに今の安倍政権と同じ、国民の誰も納得しないような回答一枚と、責任者すら表にでてこない。冷たい対応を『塩対応』などともいいますが、これを『アベ対応』として、一括りにしてもよいのでしょう。試合後の監督のコメントは、都合悪いから削除するといい、日大の対応は本当に安倍政権のそれとそっくりです。しかも、日大には厳しいコメントをするメディアも安倍政権にはそれをしない。そんなところもアベ対応といえます。

行政の文化を創るのも政治の役目です。旧優生保護法が1996年までつづいたように、自民党政権も少子化はむしろ望ましいと考えている。安倍政権もその文化を踏襲し、少子化対策は皆無といえますし、ほとんど言及がないことからも明らかです。旧優生保護法と、現在の少子高齢化というのは同根の問題、と考えてほぼ間違いないのでしょう。
そしてそんな文化を抱える安倍政権が、行政にアベ対応という悪質な文化を蔓延させ、それを一般組織も踏襲しようとしている。ここ一連の流れは、そんな社会の劣化を感じさせるものとなっています。耐震偽装でもそうだったように、社会的な問題に対しては、国会で証人喚問をしてもよいのです。日大アメフト部の監督や関係者を、証人喚問して国民にその真偽を詳らかにしてもよいのでしょう。陰に隠れて逃げおおせようとする悪を退治する、それも政治の役目のはずですが、退治するはずの行政のトップが巨悪、という現状では社会の劣化は止まらない、といえるのでしょうね。

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2018年05月16日

1−3月期GDP速報値

1-3月期GDP速報値が発表され、実質で前期比0.2%減、年率0.6%減。9四半期ぶりのマイナスです。名目で前期比0.4%減、年率で1.5%減なので、生活実感に近いとされるこちらの数字の方がより正確かもしれません。実質で内訳をみると、内需は消費支出が0.0%減、住宅投資は2.1%減、設備投資は0.1%減、在庫投資は0.1%減となり、公共投資が小幅にプラスとなった以外は国内の弱さが目立ちます。輸出が0.6%増となり下支えしました。
内閣府は天候要因の他に、中古市場の拡大といった原因を挙げますが、頓珍漢です。中古で購入する人が増えると、GDPに換算されないように見えますが、中古で売る人はまだ使える商品を手放して新しいものを買うのですから、消費はすすむ。つまり所有移転が起きているだけで、消費全体のパイは何も変わらないのです。それに、1-3月期に急速に中古市場が拡大したわけでもありません。恐らく内閣府の職員が、安倍政権から納得のいく説明をしろ、と叱咤され、渋々もちだした理由なのでしょう。明らかに野菜高騰、WTI原油も60$台から下がらなくなり、2、3月は円高もすすみましたが、輸入品の価格下落がすすまなかった。円高で価格転嫁がすすまないのは、他のコスト増の要因があるからで、円安になると一気に価格に上乗せされるのも、企業が吸収しきれないため。これでは個人消費が活発になるはずもなく、4月に入って円安がすすむことから4-6月期も厳しいかもしれません。


一部で、雇用者報酬が前年同期比2.0%増となり、17年度通じて1.7%増となったことで個人消費は後押しされる、という理由を説明する人もいますが、生鮮食品とガソリンなどの高騰は物価に含まれない。つまり1.7%増を相殺するに余りあるほど、上昇していればそれも個人消費を押し下げる要因です。上記したように、ここに円安が加わるので、雇用者報酬は3%ぐらい上昇しないと、個人消費には効いてきません。また16年度は2.7%増だったのであり、伸びの鈍化もマインドを悪化させる。今年の賃上げ率も大企業は2%そこそこで、一時金も期待できそうにないことから、報酬面からの消費拡大の期待は皆無です。
少し気になったのは、GNI(国民総所得)が0.7%減と急激な悪化です。GNIはGDP+海外化の純所得+交易利得で示されますが、日本は経常収支が黒字だからこそ、国債がGDPの2倍を超えても財政破綻の不安もない、とされます。原因は円高により、見かけの収支が悪化したことだとみられますが、そうなると日本は円安で個人消費悪化、円高で国際収支悪化、という綱渡りを強いられる。安倍政権や黒田日銀が少しでも間違えたら、経済に大きな打撃となる。ちょうどよい水準をさぐるのが非常に難しい、となるのかもしれません。

例えば今、スルガ銀行のシェアハウス投資で行員の多くが不正、という話があります。こうしたものもGDPを押し上げてきた。問題は、被害者が録音データを突きつけるまで、不正を銀行側がみとめなかった点であり、銀行の経営不振という話もありますが、こうした問題は他でも多く抱えるのでしょう。今や投資信託などは、行員が手数料を稼ぐために販売されるものばかりです。顧客満足度を上げるより、売上げを至上命題とする経済。それもGDPを押し上げますが、国民は不幸になっていくばかりでもあるのです。
スマホの伸びが減少したことも、個人消費を押し下げた、などといわれますが、スマホも中古で売買されますが、これまでも高い伸びを示してきた。つまり中古市場云々ではなく、新しい経済政策もうちだせない安倍政権により、海外バブルが止まると最も打撃をうける日本経済の現状が問題なのです。つまり日本経済そのものが安倍ノミクスという使い古された『中古』のまま、というのが9期ぶりの悪化の最大の要因といえるのでしょうね。

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2018年05月15日

雑感。労働法制に関して

麻生財務相が「大臣としても個人としてもセクハラと認定したと考えていただいて差し支えない」と、福田前財務事務次官のセクハラについて語りました。しかし「考えて…」以後の文言は相手の認識についての話であり、こんなところで最後の抵抗をみせ、矜持を保とうとした『さもしさ』しか感じません。「はめられた可能性」などと、現職大臣が証拠もなく相手を謗ることが、人権侵害の恐れすらある話であって、まず被害者に向けて謝罪するのがスジでしょう。「可能性」とつければいい、という話ではなく、「可能性」だけで相手を「はめる」という犯罪にすらなり得る行為に言及することが問題なのです。
もう一つ、15年8月に今治市に出張した当時の藤原内閣地方創生推進室次長が、移動に「官用車」としていた出張記録が、実は加計学園の車だったことが明らかとなっています。単なる虚偽記載、というばかりでなく加計ありきを隠す目的だったのでは? 特に便宜供与を疑われるものであり、利害関係者であることからも悪質性が高いものです。

厚労省の作成した労働時間等実態調査で、2割のデータが不適切で削除する、としました。しかし数字の整合がとれるものが8割、というだけであって、2割ものデータに不備があったら調査事態に問題があった、と言わざるを得ない。単なる誤記のレベルを超えるのですから、調査をやり直す必要があるのです。しかし労働法制の改定を、安倍氏が今国会の重点項目にしてしまったため、数字だけ異常でないものを拾いだしたに過ぎません。
この構図、安倍政権でおきた諸問題とそっくりです。まず数字を弄る。政策の正当性を保つ上で行政上の手続きをととのえる。何とかの一つ憶えのような、政策の意義を同じ言葉でくり返す。最後は維新の協力をえて、与野党合意という体裁で法案を通す。早くも維新が高度プロフェッショナル制度に関して、一度指定されても撤回できる、との修正をかけて労働法制に合意、という話がでてきました。維新はまず調査データの問題から協議を始めないといけないのに、とにかく法案を成立させた、という実績作りに余念がなく、与野党合意という形をむざむざ自民に与えてしまっている。今の国会はそんな状況です。

そんな維新が消滅危機でも、安倍自民が余裕なのは、それに代わる党が国民民主として表れたため、です。労働法制の対応が一つの試金石となるでしょう。「対決より解決」を標榜するからには、修正協議に応じるとみられるからです。しかし繰り返しますが、議論の前提となる調査データに、単なる誤記でない捏造を疑われるものがあった。それを「解決」するなら、まず調査のやり直しを求めるのがスジです。それができるかどうか? 国民民主に野党としての矜持があるかどうか、それが問われるのでしょう。
麻生氏の発言にしろ、「官用車」にしろ、厚労省のデータ不正にしろ、一つでも政権の屋台骨が揺らぐほどの重大な問題にもかかわらず、それぞれがベタ記事扱いで、大きな問題とも報じられません。不正、不祥事が相次いでもそれに慣れてしまえば、感覚がマヒするという構図。米国ではトランプ氏も同様ですが、根が悪人で、悪いことばかりしていると小さな良いことがとても素晴らしい行いにみえる。ジャイアンの法則と同じなのかもしれません。しかし日本人が「寛容者」となり、こうした異常な政権の不正行為を追認していては、日本は不正、汚職、人権無視といった悪事がまかり通る国になってしまいます。ドブのような国は、見ても暮らしても心が暗くなる。澄み過ぎて魚も済まないぐらいでも、少なくても見栄えはよいものです。悪事に馴らされ、簡単に「官、容赦」となる前に、きちんと問題を解決できる国になるよう、求めていかないといけないのでしょうね。

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2018年05月14日

みえてきた米朝交渉後の日本のシナリオ

新潟市で起きた小2女児殺人事件の容疑者に逮捕状が請求されました。ただ、あくまで噂レベルですが、今朝の早い段階で身柄を拘束されていることからも、昨日の時点で容疑者が絞られていた。それが今日の逮捕となったのは、国会で集中審議を控えていたから、とも言われます。容疑者は会社員、逃走の危険がないなら逮捕を一日のばす。またいつの時点で容疑をみとめたか? 伝わりませんが、逮捕状請求が夕方になったことで今日一日、メディアジャックになった。まさに集中審議をトップニュースから引きずり下ろせたのです。逮捕を1、2日遅らせることぐらい、安倍政権ではやりかねないのでしょう。

噂として流れていた話と、私の憶測を加味して、米朝首脳会談後の動きが段々とみえてきました。ポンペオ国務長官が「完全で検証可能、かつ不可逆な核廃棄」を求める、としながら米企業によるインフラ整備にまで言及した。しかしこの「完全で…」は達成も困難で、またどうすればそれが可能か? もまったく不明。つまりそれを断言できるのはサジ加減一つ。米国は、段階的にすすむ核廃棄の動きをもって、北朝鮮のインフラ整備をすすめることになります。ただし、国連の制裁決議を解除しない。なぜなら、そうすることで参入する国、企業をしぼることができ、米企業の独占で受注できる。北朝鮮が市場開放すれば、中露をはじめとした投資資金が集まり、北朝鮮でバブルが起きるのは必定。制限をかけたまま米企業が北朝鮮利権をがっちり握る、というのが米国の戦略なのです。
しかし北朝鮮が建設費を捻出できるわけがない。そこで日本が資金を拠出する。安倍氏の求めていた「完全で…」を達成するためです。しかも米企業に拠出するので、北朝鮮への制裁にもかからず、多額の拠出ができる。ただし、見返りは拉致問題の解決ではありません。それはトランプ氏を米朝会談後に訪日してもらう、という戦略のためです。そこでトランプ氏にこう宣言してもらう。「北朝鮮との拉致問題の交渉ができるのは、安倍政権しかいない」と。そのお墨付きを得て、安倍氏は総裁選再選へ、というのです。

つまり北朝鮮の体制保障を求める米朝交渉を、安倍政権も体制保障のためのイベントにすり替える。そんな算段がまとまった。今日になり、安倍氏は「拉致問題の解決には直接交渉が必要」との認識に微妙に変化させたことも、安倍政権の戦略の変化を感じさせる。核実験場の廃棄に、日本のメディアは立ち会わせてもらえないことも、6月12日以降に状況を転換させて、日朝交渉へとよいムードを盛り上げるための布石かもしれません。
しかし日朝平壌宣言に立ちもどるとした安倍氏は、拉致問題を解決する気がないことは明白です。宣言を読めば誰でもすぐ気づきますが、拉致問題は今後おこらないようにしようね、というだけで話は終わり。つまり5人の拉致被害者がもどってきた時点で、当時の小泉政権はもうこの話は打ち止め、で北朝鮮と話がまとまっていたのです。安倍氏がそこに照らして日朝交渉に至るなら、拉致問題は棚上げにされるのは確実なのです。

しかも日本が北朝鮮のインフラ整備をする米企業に拠出をするのは、あくまでトランプ氏による安倍政権の体制保障を得るためのものであって、それとは別に、北朝鮮への戦時賠償という巨額拠出が待ち受けます。しかし安倍政権は、拉致問題を棚上げするので、米朝交渉も棚上げせざるを得ず、交渉はすすまない。ただしその方が安倍政権にとって都合いいのです。なぜなら、様々な問題と同様、曖昧にしておけば自身を強く支持する層が、勝手に支持率を上げてくれるのですから。何も解決できない政権、という汚名もそうした支持層が隠す上でも、ある意味不都合な解決だったら棚上げする優先度が高いのです。
しかし米国のみが北朝鮮利権をにぎる、という構図を中露が黙っているはずがありません。もしかしたら米中露が北朝鮮に群がり、利権を奪い合う中で日本が取り残される、という事態に陥りかねないのでしょう。自分のために国費を湯水のように使い、国のためではなく自分のために策を弄す。もしこのシナリオ通りなら、愛国心ならぬ愛自分心をむき出しにして北朝鮮問題も利用しようとする安倍政権、ということになるのでしょうね。

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2018年05月13日

民主と名の付く政党

自衛官の採用数が、計画の8642人に到達しない6852人、4年連続の未達で少子化の影響などと伝わります。しかし安保法制の改定もあり、日報廃棄の問題なども影響したのは間違いないでしょう。さらに最近の若者は軟弱になった、などと言われますが、未知の物質が次々と生み出され、シックハウス症候群による問題や、シュガーレスやカロリーオフの食品には味を調えるため、何が雑じっているか分からない時代。世代を重ねるとダメージが蓄積される可能性もあり、今は壮大な人体実験を行っているようなものです。また無数の電波が飛び交うなど、それが人体にどんな影響を与えるか…。影響なし、で御の字、影響がある場合は人体を弱める方向でしか働かない。若者はそんな時代に生きています。
それなのに、昔ながらのやり方を押し付けたとて、耐えられない者がでてきて当然です。自衛隊とて無人化、省力化が必要なのであり、人口減少社会においては国防力もそれに見合わなければいけない。また、弱くなった部分への目くばせも必要です。例えばアレルギーのある隊員には専用の携帯食も必要ですし、衛生兵の常備する薬とて変わってくるでしょう。そうしていかなければ、自衛隊員を希望する若者は今後も減るのでしょう。

東洋経済に安倍3選に追い風、という記事があり、その原因が国民民主が民進の有していた4つの常任委員会の委員長ポストを、自民と分け合ってしまったのです。つまり参院の野党第一党は民主であり、与野党の筆頭間の協議ですでに決められていた。玉木代表が審議拒否しない、と明言したこともあり、残り少ない国会会期でも、法案がスムーズに通ってしまうというのです。委員長、理事を自公と民主に抑えられ、野党が徹底抗戦するのも難しい。つまり衆院では野党第一党でも、参院では民主に握られているために、立民ではどうしようもない。自民としては国民民主が野党第一党である限り、安泰というのです。
そもそも希望の立ち位置は維新との共闘であり、維新はこれまでも審議拒否をしていない。その希望が民進と合流したとて、その立ち位置は変わらない。あくまで自民補完勢力として、国民民主は存在するのでしょう。早くも国会運営で現れたのはそんな事実です。玉木氏が「立民を中心とした連立で…」政権交代と述べますが、抵抗できない野党という責任を立民にかぶせるため、表ではそう述べながら裏で自民に協力している、としか思えない。委員長人事などをみても、民主の異様さは際立っている、ということになります。

今は野党がネジレている。しかも、そのネジレの根幹には主役になるはずだったのに、それを奪われた、という国民民主の恩讐のようなものが漂い、それが自民を利することになるのかもしれません。しかも、国民民主はそうやって立民の足を引っ張ることで、自分たちが野党第一党の座に返り咲こう、という魂胆が見え隠れしています。国民民主は総務会を置き、決められなかった民進時代の失敗をくり返さないようにする、とします。しかしその足の引っ張り合い、という体質を改めない限り、自公を政権の座から引きずり下ろすことなどできない、という自覚をもつべきであり、できなければ野党として不要です。
今、政界には『民主』と名の付く政党が三つ、自由民主党、立憲民主党、国民民主党。表では自民と、立民、国民が対立するようでありながら、裏では自民と国民が協力する、という複雑怪奇な構図です。まるで三国志のよう、と言えるかもしれません。強大な魏(自民)に対抗する蜀(立民)と呉(国民)。ただしその呉は、今や『誤』にしか見えず、関羽を討って呉蜀同盟に亀裂を入れるつもりかもしれません。民主とは主権が人々にある、という意味ですが、権力の綱引きをしているようでは、その名にふさわしくないといえるかもしれません。若者が弱くなった、というばかりでなく政治の世界が弱体化し、昔ながらの自民が勢力を保っている図は、それこそ政治の世界の少子高齢化といえるのかもしれませんね。

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2018年05月12日

米朝会談は6月12日

北朝鮮の中央通信が「解決した拉致問題」をもちだす日本を、批判しました。やはり北朝鮮はこれまでオフィシャルに使ってきたこの言葉で、拉致問題を幕引きするつもりでしょう。日本は工作員を送りこむか、北朝鮮内に協力員をつくり、情報を集めておかなければいけなかった。つまり拉致被害者がまだ生存しています、という確証を得ていない限り、北朝鮮側から「ない」とされると、この話は米韓が協力を約束しようと、そこで終わってしまうのです。米韓とて、日本が一方的に主張しているだけにしか見えないからです。
しかも安倍氏のいう「完全で検証可能かつ不可逆的な核廃棄」にしろ、中短距離ミサイルの廃棄にしろ、北朝鮮が被征服状態にならない限り、そんなことは起こりえない。要するに日本の戦後と同じように、北朝鮮が連合軍の管理下におかれでもしない限り、そんなことにはならないのです。米朝会談が6月12日に決まり、G7で日米首脳会談が開かれます。安倍氏の主張は日中韓の共同声明でも盛りこまれなかったように、米国もこんな無茶苦茶な要求、できるはずがありません。安倍氏の要求通りなら、交渉にすらならない。
一体どのタイミングで、安倍氏が現実的な案に舵を切るのか? 総裁選まで、となったらそこまで拉致問題は店晒しです。北朝鮮を仮想的としてきた安倍政権は、敵に対して強気にでることで支持を維持してきた、といえる。米国から怒られて転換するか、国際社会からの白眼視に耐えかねて転換するのか、いずれにしろ今のままだと孤立するばかりですし、拉致問題は前にすすまない。6月12日が安倍政権の命運を決めるのでしょう。

市場関係者の間でも、6月12日がキーになってきました。今、米国はバフェット氏によるApple株の追加購入で自信をとりもどし、北朝鮮問題の進展、米国人3人の解放と、トランプ氏への支持が高まり、楽観ムードが一気に高まっています。この高値圏にあってダウは6連騰しています。米国は良い方向にむかっている、トランプ政権が誕生したときは、誰も考えていなかった意見が多数を占め、中間選挙でも共和党が議席を確保するのでは? との観測も高まり、減税と含めてトランプ氏に追い風となっているのが現状です。
しかし事前にこれだけ期待が盛り上がると、6月12日で米朝に何も合意がない、とでもなったら一気に相場が崩れる可能性もある。そうでなくとも材料出尽くしになる公算が高く、6月12日でサプライズがでない限り相場の転換点になる、ともされます。6月12日は全世界が注目する、というのはまさに市場関係者目線からみてもそう、といえるのです。

そうなると、ますます安倍氏の主張する「完全で…」が邪魔になることが分かるでしょう。もし北朝鮮がそれを拒み、交渉が決裂したら? 全世界に混乱を招くことになる。特にそれで支持率を上げてきたトランプ氏が、わざわざ失望を招くことをするはずない。円満に、核廃棄への道筋をつけて手を握り合えばノーベル平和賞も見えているのに、拉致問題や中短距離ミサイルの廃棄にこだわるはずがない。日本に配慮してくれるなら、そこは日本と話し合って、ぐらいの合意は得てくれるでしょうが、それ以上は望み薄です。
つまり6月12日、それまでに安倍政権は米朝が合意できるぐらいの要求にとどめ、米朝会談の成功にただ乗りする、ぐらいでないと一気に外交の失敗が露呈するかもしれない。G7での日米会談は、まさに戦略転換を伝える場にしないといけないのかもしれません。むしろ、最後までごねているようだと日本は厄介、として米国からも見限られるかもしれません。いずれにしろ、これまでの行動が徒になり、結果を残せそうにない安倍政権がそこで主張を変えるのなら、命運を決める日が、迷走した日として受け取られるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:59|PermalinkComments(8)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 経済

2018年05月11日

雑感。嘘と名誉

昨日の柳瀬元首相秘書官の参考人招致、早くも様々な反応がでています。愛媛県の中村知事は交換した名刺を公開し、愛媛県側は3人がメインテーブルについていたこと、また県側の職員が柳瀬氏に対して説明していたこと、などを明らかにしています。確かに、柳瀬氏は吉川教授がメインで話をしていた、としますが、顔は忘れていたといい、後でテレビに出ているのを見て思い出した、という違和感のある説明をしており、実際は愛媛県側がメインで話をし、吉川氏がサブだったなら顔も覚えていないこともあるでしょう。吉川氏も過去に意味深な発言をしており、柳瀬氏の答弁が崩れる可能性が高まっています。
一部ではすでに指摘もありますが、安倍首相が加計氏何度か便宜をうけており、それが17年1月以降に申請を知った、という答弁につながった可能性がある。つまり申請を知っていたら贈収賄の可能性があるため、この一線は崩せない。なので、柳瀬氏も「首相には報告していない、指示もうけていない」と首相は知らずに便宜をうけていた、としなければならなくなり、嘘を重ねることになった。愛媛県側とも、今治市側とも会った記憶がない、としたのはそれまでの官邸の戦略が「完全否定」だったからであり、証拠がでてきて国会が混乱、認めざるを得なくなり、嘘を重ねたらまた否定された、というのが今日の流れなのでしょう。安倍政権の場当たり的な虚言で、多くがふり回されている印象です。

しかも森友学園と財務省との交渉記録がみつかった、という。近いうちに公表される、といいますが、また安倍政権で「ない」と言っていた資料が「ある」に変わります。このタイミングが微妙で、後半国会で波乱を起こしやすい。しかし国会が沸騰している間は「ない」で逃げ、ほとぼりが冷めたころに公開しようとしたところ、ほとぼりは冷めるどころか沸騰しつづける。しかし財務省がここで踏み切ったのは、安倍政権の終焉を予感し、安倍政権の間に禊をすますつもりなのでしょう。麻生財務相がそれを認めたのも、恐らく麻生氏も安倍政権の終わりをみている可能性があり、意図的に問題を起こすかのようです。
「セクハラ罪はない」も「はめられた可能性」も、問題発言であるのは麻生氏も自覚があるでしょう。むしろ昭恵夫人の問題で、自身が責められることへの意趣返し、自爆テロに近いとするなら、今回の交渉記録も安倍政権の息の根を止めかねない、といえます。すでに多くの答弁が不整合に陥り、この交渉記録によってさらに安倍政権が窮地に陥ったとしても、麻生氏としてはもう安倍政権を支える義理はない、と考えたのかもしれません。

シェイクスピアの『ペリクリーズ』というロマンス劇の台詞で、「もしあなたが名誉ある家柄の生まれなら、今それをお示しください。もし名誉ある地位を与えられたなら、あなたがそれにふさわしいと考えた人たちの判断を裏切らないでください」というものがあります。美徳と美貌を兼ね備えたペリクリーズの娘マリーナが、海賊に誘拐され、売春宿に売り飛ばされても誇りを失わず、客としてやってきた総督に向かって語る台詞です。
今の安倍政権、「名誉ある家柄の生まれ」が多いにもかかわらず、それを示すどころか、人格も人品も悖るような行動、言動がめだちます。ましてや「名誉ある地位」を与えられたのに、裏切るような行動、言動ばかりといえるでしょう。シェイクスピアは晩年に『名誉』を重んじていたようで、作品にも色濃く表れています。功成り名を遂げて、人には『名誉』と、それに即した行動が必要というのは、人生訓たりうるでしょう。翻って安倍政権は、今や『名誉』どころか他人に『汚名』をかぶせ、嘘をつかせてまで自分たちが生き残ろうとする、そんな浅ましさしか感じません。しかし続々と明らかになる矛盾、齟齬により、今や『名誉』どころか『余命』の方が気になってきた、といえるのでしょうね。

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2018年05月10日

柳瀬元首相秘書官の参考人招致

4月の景気ウォッチャー調査、現状判断DIは前月比+0.1ptの49.0。先行き判断DIは前月比0.5ptの50.1。ただこの先行き判断の上昇は、夏場は暑くなるとの予想を好感したもの。しかし猛暑の見立てもあり、そうなると消費は落ち、期待倒れに終わる公算も高い。しばらく寒さがつづいたように、今は『ほどよい』という陽気は望み薄なのでしょう。

柳瀬元首相秘書官の参考人招致が行われました。しかし幾つか矛盾も感じます。安倍氏の別荘で加計氏と加計学園関係者と会った。その後、3回官邸で加計学園関係者と会ったことを認めました。安倍氏と加計氏が親友関係であることを自覚した上で、会ったことを安倍氏に報告しない。お誕生日会のサプライズか、悪巧みでもあるまいし、常に安倍氏の傍らにいてその事実を語らない、などあり得ません。しかもこれだけ安倍氏への忖度が横行する行政府の中で、安倍氏に成果を誇るには最適ともいえる内容にも関わらず、です。
しかも加計学園関係者と、吉川岡山医大獣医学部長との会談で、後方にいたのが愛媛、今治の職員だったかもしれない、と曖昧。しかし特区申請者である地方行政の関係者がいて、その前で特区の話をして、頭の片隅にすら残らない、などあり得ない。名刺は残っていないとしますが、紹介されて利害関係者であることを理解したなら、記憶に残らないはずがない。しかも個別の会議の出席者における関係性について、まったく無理解だったのに、安倍氏に報告していない、という記憶だけは異常に鮮明、というのも奇妙です。しかも、愛媛県の文書で下村氏の話がでた、という件に関して「総理と加計学園の方との間で獣医学部の話が出た覚えは全くない」と、やたら記憶が鮮明で、では愛媛文書はまったくの虚構だったのか? という話になる。さらに、「首相」とは言わないから「首相案件」には違和感、としながらそこに関する自身の発言ははっきりしたことは憶えていない、とします。

野党が追及するべきは、まず官邸で利害関係者でも依頼すれば誰でも首相秘書官と会えるのか? 会談した際、メモをとっていないというが、会談内容を後で精査することはしないのか? その場合は記憶しか頼らないのか? 録音をしないのか? 官邸では面会者の入邸に対してチェックすると思うが、どうしてその記録は確認しなかったのか? 等々いくつもあります。柳瀬氏→安倍氏という関係を直接訪ねても、今回のように理論武装をがっちり固めてきますので、柳瀬氏がどういう動きをしたか? 内規や一般的な内容に即して通常の対応だったのか? そこを責めて、まず加計学園が特権的な待遇をうけられていた、ということを明らかにする方がよいでしょう。つまり柳瀬氏が主犯ではないのか? という問い詰め方をしていけば、自己弁護のための理論武装に汲々とするはずです。
しかし佐川前理財局長と同じで、安倍政権では行政の主要人物が、安倍政権にとって都合の悪い部分の記憶はやたら鮮明で、はっきり否定する一方、それ以外は何だか曖昧、という症状がみうけられます。これをアベ健忘症と呼ぶのがいいかもしれません。加計学園の関係者と会い、それを誰にも報告していないのに、国家戦略特区で獣医学部の新設が決まり、それが加計学園に決まる。誰も何もしていないのに、ここまでレールに乗った通りの動きがおきるなど、誰からみても異常です。政治との『ほどよい』距離を保てない、行政が正しさすら『健忘』した結果、こうした問題が累積しているのだとすれば、アベ健忘という症状は日本を滅ぼす最悪の疾患であり、完治も難しいとなるのでしょうね。


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2018年05月09日

日中韓首脳会談について

3月の毎月勤労統計で、現金給与総額が2.1%増と4ヶ月ぶりにプラスとなりましたが、一時金で押し上げる構図が鮮明です。3月は金融などの臨時ボーナスがでたりもしますので、それも寄与したでしょう。しかも今年に入って労働時間が減っている。労働単価としては上昇しますが、景気がいいのなら労働時間が増えているはずで、企業がコスト増を負っても人集めに汲々とする現状が浮き彫りです。つまり業績は圧迫されるので、これから昨年度の決算発表が相次ぎますが、今年度は人件費、原油をなどの資源高等、コスト増を上回る売上げがあるか、がカギです。しかし米国でも弱まる個人消費など逆風が多いのです。

日中韓首脳会談が開かれています。安倍首相は共同会見で「拉致問題での日本の立場に『理解』をえられた」と述べますが、そこは『協力』でなければ失敗です。逆にいえば、中韓は何もしない、と明言されたに等しい。『理解』とはそういう意味です。安倍氏は米韓に拉致問題を取り上げてくれるよう『お願い』して回っていますが、それも本来はおかしく、日朝で話し合うべき課題です。人道問題なので『理解』は得られても、行動を求めること自体が間違いです。安倍氏の外交はいつもこうした上滑り感がつきまといます。
例えば北朝鮮の非核化についても安倍氏は「完全、かつ検証可能で不可逆的な廃棄」と述べますが、そんなものは不可能であるのと同時に、イスラエルのように核保有疑惑のある他国にそれを求めず、北朝鮮にだけ求めるのはダブルスタンダードです。イスラエルは「ない」と言い、国際社会もそれに従って保有せず、の判断です。北朝鮮は現状「ある」としているので廃棄を求めることはできても、「ない」に転じたとき、一体どうやって検証するのか? 国の隅々まで検査するなど不可能で、結果的に疑心暗鬼を生むだけです。

例えば、北朝鮮が日本に「完全、かつ検証可能で不可逆的な核保有をしていない」ことを証明しろ、と言ってきたとき、果たして何ができるか? 基地すべて査察させるか? それでも疑念は尽きません。また米軍基地は検証不可なので、隠すことは可能。果たして相手が納得するか? しないでしょう。それと同じで、日本が北朝鮮にそれを求めたとて、何ができるわけでもありません。誇大に相手への高いハードルを課そうとしただけで、まったく現実的でない要求を安倍氏はする。だから北朝鮮と直接交渉もさせてもらえません。米中韓は北朝鮮と高官クラスは何度も交渉できているのに、です。
首脳三人の写真撮影、意気込む安倍氏、余裕の文大統領、笑顔もない李首相、というのが3人の立場を象徴します。経済で苦しくなってきた中国は、日本に融和的な態度をみせて経済支援を得たい。ZTEなど米国の規制により部品調達もままならない、と伝わりますし、北朝鮮よりも米国の制裁が中国には効いています。韓国は米朝首脳会談を成功させる、そのための地ならしに日本も巻きこむ、という算段です。中韓に、朝鮮半島問題で日本へ期待するものが何もない以上、今回の日中韓首脳会談で北朝鮮について日本と話し合うことはほとんどない。だから日本の主張を『理解』であり『協力』ではないのです。

昨日の北朝鮮の金正恩氏の訪中で、ほぼ中朝の戦略は固まったとみていいでしょう。3人の米国人を解放した、というのもその一環です。そこに拉致被害者が含まれないのは、安倍氏が直接やるべき交渉だから。日本が『置き去り』というばかりでなく、どうやって達成するか、達成できるはずもない「完全、かつ検証可能で不可逆な廃棄」にこだわり、拉致問題を『置き去り』にしているのです。結局、安倍氏の北朝鮮への対応は、相手が頭を下げて服従する形でない限り、何も前にすすまないも同然なのです。話し合いのテーブルにさえつけない日朝交渉、その最大の阻害要因は安倍氏の態度、外交方針であり、国民がそれを『理解』し、支持するのは不可能です。「完全、かつ検証可能で不可逆的な行政の仕組みづくり」すら為していない安倍政権が、他国にそれを求めるなど愚でしかないのですからね。

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2018年05月08日

PB黒字化の見送りと革靴

安倍政権が基礎的財政収支(PB)の黒字化を、20年度に達成としていた目標を25年度に先送りする方針です。間違いなく25年度も達成はムリでしょう。安倍政権に限らず、自民党は人口減による経済の下押しに関して、あまりに理解が低すぎます。それでいて、経済成長をして歳入を増やす、という方向性しかもっていないため、実際に経済成長しないと途端に行き詰まる。結果、今回のように目標の先送りですし、そのうち日銀のように、PB黒字化の達成年度をかかげない、などと言いだすかもしれません。何しろムリだからです。
そして、これから安倍氏がトランプ米大統領と約束した、米兵器購入の支払いが嵩んでくるのですから、尚更です。だから社会保障費の自然増を抑える、といった国民負担による辻褄合わせをせざるを得ない。そしてそれがまた景気に打撃となり、経済成長が疎外される悪循環です。そして、日銀の異次元緩和も5年は到底つづけられない。日本はこれから大枠では景気を下押しする材料しか見当たらないのです。

市場関係者は、今年度の日本企業は2桁増益を見込みます。しかし3月時点の企業の利益見通しは微減。米国でも活発化するのが1-3月期でピーク論であり、企業サイドの見通しも1-3月期に大幅増を成し遂げたのに、通年では横ばい。つまり4-12月期はかなり悪い、とみています。その原因の一つが原油高、トランプ氏がイラン核合意の見直しを示唆し、落ち着き始めていた原油相場にふたたび火をつけ、WTIで1バレル70$に乗せてきました。米個人消費は原油動向にふらされる傾向が強く、消費減退の傾向が数字でも明らかです。
今晩、トランプ氏がイラン核合意について表明しますが、もし見直されれてば原油はさらに高騰し、米経済は失速するでしょう。そして米経済が失速すれば、日本企業への打撃が非常に大きくなる。イラン核合意を当面維持、となっても不安定さは継続するでしょう。オバマ前大統領のレガシーつぶしに躍起なトランプ氏が、今回は経済への打撃が大きいから躊躇ったとしても、くり返し起きる問題であることは火を見るより明らかです。

そんな中東が沸騰する中、中東を歴訪した安倍氏がイスラエルを訪問した際、畳にのった黒革靴型の容器に入ったデザートを供されました。当然、これは侮辱です。中東では靴を投げることが侮辱にあたり、畳という日本を代表するものに置き、安倍氏にだした。つまり投げつけたのです。それはシリア、ヨルダンへの支援を約束し、中東和平という言葉を軽率につかう安倍氏に対するイスラエル側からの当てつけ、でもあったのでしょう。
さらに、米国の傀儡である安倍政権がなぜイスラエルの肩をもたないのか? という苛立ちもあったでしょう。トランプ政権と歩調を合わせろ、と。しかし日本は中東産原油への依存が大きい。米シェールオイルの輸入も道半ばで、イスラム勢力の原油に頼らざるをえない。言葉は悪いですが、安倍氏のええかっこしい外交が、ここに来て次々と頓挫している印象です。米朝交渉の窓口である米担当者の「日本は置き去り」発言も、安倍外交の失敗を米国側から指摘されたようなもの。時代の変化を読む力もなく、双方にいい顔をしてなぁなぁで済ます外交では、世界が納得しなくなったことの証左でもあるのでしょう。

各国で極右政権が誕生し、今や安倍氏は形無し。外交でこんな非礼なことをされても、苦情すらいえない。今や安倍政権でめだつのは極端な金融緩和ぐらい。しかしそれすら風前の灯火です。安倍氏のお尻にも火がついてきたのは、日本も原油高、円安のダブルパンチで個人消費が怪しくなってきたこと。来年の消費税増税も怪しくなるような景気後退が近づいていることも、影響するのでしょう。もし増税できなければ、25年度のPB黒字化は完全に諦めざるを得なくなります。むしろ炎に焼かれた後の黒炭のような状況に、日本は置かれているのかもしれません。イスラエルでだされた黒革靴、安倍政権に対する世界の評価を示すのなら、外交、経済とも瓜田に入れた靴のせいで、世界から反感を買っていることになり、日本が火の車になる日もそう遠くない、となるのでしょうね。

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2018年05月07日

国民民主の発足と国会正常化

民進と希望が合流した、国民民主党が発足し、参加したのは62名(衆39、参23)となりました。民進からは29名(衆11、参18)、希望から18名(衆13、参3)が合流せず、民進からは立民に10名(衆1、参9)が移り、希望は結党メンバーの5名(衆2、参3)が新・希望の党として出直す形です。民進を存続政党とし、希望を解散して吸収する存続合併方式ですが、まさに希望の救済という印象であり、民進から希望に移って戦った先の衆院選は一体何だったのか? その戦犯たる前原氏が国民民主に移るので、益々分かり難い形です。
衆院で野党第一党をとれなければ失敗、逆にいえばそのためにはどんな裏工作を用いてでも成し遂げるだろう、とみていたので拍子抜けです。しかも共同代表の玉木氏が「審議拒否せず」を明言、大塚氏が共産との選挙協力に難色を示し、公明との協力を示唆、など与党寄りの野党、維新に近い形をめざしているように思え、一体どういう層から支持して欲しいのか? ちょっと保守寄りで自民は嫌、そんな層へのアピールだとすれば、そういう政党は消滅をくり返してきた歴史を国民民主は踏襲するのでしょう。むしろ国民民主は、民主党政権時代の負のイメージを一身に引き受け、消え去るために誕生したようです。立民の引き立て役として、時代の変化を体現するためだけに誕生した政党。連合の怒りも買って支持層も離れ、次の次の選挙には影も形もなくなっているかもしれません。つまり『民主』が完全に消滅し、ただの『国民』にもどる、名前からはそんな未来を予感させます。

麻生財務相が「セクハラという罪はない」と発言し、波紋を広げます。いかに人権意識が低い人物か、を露呈しますが、罪にならないから何をしてもいい、というわけではない。麻生氏は「役所への迷惑、品位を傷つけた」から処分したとしますが、迷惑や品位を傷つけた行為の結果として、被害者がでている、という事実がある。財務省事務次官という立場があるから記者が誘いに応じざるを得ない、という原因があり、セクハラが生まれる土壌がある。そこにメスを入れなければ、また同じことを繰り返しますが、麻生氏はそこを改善する気もない。つまり組織の統治としても落第、ということを露呈します。
野党がGW明けから審議に復帰します。GW前半に日経がとった世論調査で、審議拒否を支持しない、が多数を占めたことで決断した、とされます。しかしこの日経の調査、他の調査より政権支持率がかなり高め、ということ。またGW前半にもかかわらず、調査への協力をする層が多いことからみても、調査対象にかなり安倍支持層が多いこともうかがえます。

古代アテネでは『非合法的な独裁者』が現れないため、陶片追放がありました。独裁者になりそうな人の名を陶片に書いて投票、一定数になると10年間国外追放になる制度です。一見、独裁者を生まずに民主的な投票によって決めるので、よい制度だと思われがちですが、文盲も多く、同一人物の筆跡が多く確認されるなど、不正、乱用がめだったことが後の研究でも明らかです。つまり投票にしろ、世論調査にしろ、不正によってだされた結果により社会が動揺しては、誤った方向に導かれるということにもなりかねません。
アテネでは『人間は生まれつき政治的動物』として、政治に参与する権利と、戦時に参戦する義務はセットでした。つまり国家は自分たちで動かし、自分たちで守る、というのが徹底されていたのです。今の日本は、政治家の意識も能力も低く、人権意識すら危うい事態です。国民が政治に関心をもち、自らの手で国を守る、と考えておかないと、こうした政治家が跋扈することにもなるのでしょう。「セクハラという罪はない」ですし、「国を滅ぼすほどの愚策」をとった政治家すら、罰する法律はありません。ただし、どちらも野放しにしていては、この国がダメになることだけは間違いないのでしょうね。

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2018年05月06日

雑感。憲法記念日と円安

民間のシンポジウム『第20回公開憲法フォーラム』に安倍首相がメッセージを寄せ「憲法はこの国の形、理想の姿を示すものです。21世紀の理想の姿を私たち自身の手でえがくという精神」が、日本を切り開くといいますが、俗にいう「米国に押し付けられた憲法は嫌」論なのに、媚米主義をとる安倍氏の矛盾。しかも、憲法を変えても何も変わらない、といいながら「私たち自身の手でえがく」憲法が「理想の姿」「日本の未来」というのですから、それは改憲により日本が変わる、という意味であり、ここも矛盾です。
しかも自衛隊を明文化することで「正当性が明確化」というのですから、今は「正当性」が疑わしいと述べていることになります。「自衛隊を合憲という憲法学者は2割」とくり返し用いますが、まず自衛隊法を制定した段階で、憲法学者も含めてどんな議論があったのかを詳らかにしない限り、この議論は成り立ちません。もし自衛隊法を制定したとき、憲法学者が制止する中で立法府が強引につくってしまったのなら、まずその当時の政治家の責任を明確化した上で、自衛隊法を現行憲法に整合させる方が先、です。
その上で改憲し、その改憲の延長線上として、それに基づいた自衛隊法に改定するのがスジなのです。憲法に違反する、という自衛隊になった原因が自衛隊法にあるのに、その違憲の自衛隊法に合わせて改憲する、などという理屈は、「憲法はこの国の形、理想の姿」という先の主張すら揺らぐ。なぜなら、憲法に違反するような下位の法律があれば、国の形すら変えられるのですから。結局、安倍氏の用いる理屈は、憲法を軽んじている人のそれでしかありません。むしろそんな人に改憲して欲しくない、となるでしょう。

4月の米雇用統計が就業者数自体は予想にとどかなかったものの、賃金の伸びや失業率の低下などが好感されて、米株は大幅高しました。気になるのは為替で、円は一時対ドルで110円をつけるも、一気に108円台まで円高がすすんだ。円売りを仕掛けていた層が、大台乗せで一気に反対売買を入れたことが原因でしょう。問題は、今の円安が決してリスクオンだけでない、という点です。もしそうなら、米MMFも円売りが拡大しているはずです。
3月27日の佐川前国税庁長官の証人喚問から円売りがすすんだ、ともされます。実際、26日には104円台をつけるなど、円高のピークでした。つまり105円から110円まで、日本の新年度入りに伴う新規の海外投資と合わせ、円売りというムーブメントが5週間つづいた。どうやら一旦はその流れが、打ち止めになったというのがここもとの流れなのでしょう。

理由はいくつかありますが、日本勢の円売りが止まったこと。6月の米FOMCでの利上げが示唆され、年4回の利上げがほぼ確定したこと。そしてもう一つは、日本の国会で野党が審議に復帰し、柳瀬審議官が招致されること。佐川氏で始まった円売りが、柳瀬氏の招致で止まるのは、特に理由があるわけではなく、そうした戦略が一段落した、という意味です。
日本では円安による悪いインフレ、が起き始めており、ある意味で景気後退の危機でしたが、一先ず小康するかもしれない。日本の株価は日本の景気とあまりリンクしなくなっていますが、安倍氏の語るように「日本経済が強くなった、復活した」というのなら、本来は円高に向かうはずです。為替とは国の総体的に強さにも影響されるからです。しかしそうなっていない。未だに長期金利はゼロ%台で、日本経済は強くもなければ、復活もしていません。円安で株高、海外のバブルで株高、それが日本の株価であり、株高だから日本経済が強い、とはならないのです。結局、安倍政権は経済に関しても大きな矛盾を抱えたままであり、株高でGWもご機嫌だった安倍氏。むしろ安倍氏の心を安んじるために、GWまで日本の機関投資家が円安に誘導していた、というのなら、反動が大きくなるかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:13|PermalinkComments(11)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 経済

2018年05月02日

ヨルダンでの安倍首相の記者会見

1日でWindows10の大型アップデートが終わったので、休みますと言っておきながら、今日は記事を書きたいと思います。

中東歴訪中の安倍首相が、ヨルダンで記者会見を開きました。しかしナゼか北朝鮮問題にふれ、日本人記者も北朝鮮や内政に関する質問をする。中東ではイスラエルのネタニヤフ首相が「イランの核合意違反」に言及、米国がイラン核合意からの離脱の判断を再来週にもする、そんな風雲急を告げる中で、中東に関する言及がほとんどない。唖然というか、絶句ですし、これが外交が得意とする首相の態度か? と愕然とします。
記者が北朝鮮や内政の質問をするのも、国内できちんとそれに答えていない、ということの裏返しです。だからヨルダンの記者会見で質問をするし、それに応じる。中東の記者が中東に関する質問をする中で、これは恥ずかしい行為です。共同会見でないので、相手のメンツをつぶすことはありませんが、中東まで来て何をしているのか? むしろ、中東の人々、国に対して不信感を与えたことでしょう。わざわざ日本からやってきて、しかも政府専用機で記者も同行しながら、日本でできることをヨルダンでするのですから。

産経では野党が国会で審議に応じないことをサボり、などと報じて「先進国ではあり得ない」としますが、先進国では与党が勝手に審議をすすめたり、といったことはありません。むしろ与党の行動が先進国であり得ない、新興国のレベルなのですから、これは与党の責任が大きいものです。そんな中、柳瀬経産省審議官が愛媛、今治、加計学園と会ったことを認める、として審議再開を与党側から打診しました。しかし参考人招致であり、会ったことは事実だけれど、何を話したかは「記憶にない」を連発するのでしょう。
しかしヨルダンでの記者会見でも、安倍氏は声明に『拉致問題』を含めなかった。要旨をみただけなので、どこかに含めたかもしれませんが、記者からの質問で、やっと「拉致、核、ミサイル」とふれただけです。まさか「記憶にない」から、声明には盛り込まなかった? むしろ記憶から消去したかったのかもしれない。それぐらい、手詰まりだからです。産経は「さらに制裁を」と、相変わらずとんでも論を振りまきますが、韓国が北朝鮮への融和を示した以上、日本の独自制裁はまったく意味がありません。拉致問題を解決したいなら、米国ではダメで、中国を動かさなければなりません。

そんな中国、米国との通商交渉では、自動車や金融などに外資の出資をみとめることを対案として示しますが、成熟産業になり、外資からの資金流入で活性化したい、というだけのこと。債務を膨らませてきた経済がいよいよ行き詰まり、海外からの資金を得る手法を
そう偽っているだけ。ベネズエラにも大量に貸し付けてきて、そのベネズエラに破綻懸念が流れる。中国は今、未曽有の危機を前にしている段階で、それをどう動かすか?
「日中韓サミットが大事」と安倍氏は述べますが、この枠組みでイニシアティブを安倍政権がとれるとは、到底思えません。対北圧力の強化、に同調してくれる国は今やなく、トランプ氏でさえノーベル平和賞に目が眩んでいる状況です。そのためなら、日本など簡単に切り捨てるでしょう。「文氏、李氏と腹を割って話したい」としますが、むしろ足元を見透かされているのは安倍氏。拉致問題をもちだすことすらできないでしょう。

中国を動かすには、経済でゆさぶりをかけること。緻密に利害を説いて、相手に日本の条件を飲ませるしかありませんが、そんな安倍氏は安倍ノミクスで経済政策に失敗した。いわば経済オンチであり、それを支えるブレーンもリフレ派ばかりで、アテにならない。中国の弱みをつき、ニンジンをぶら下げなければ交渉にすらならないでしょう。腹を割る前に、この交渉でうまくいかなかったら拉致問題解決もない、という決意、腹を切る覚悟でコトに当たらなければ、本当に拉致問題を「記憶にない」と言いだしかねなくなるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:52|PermalinkComments(6)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般