2018年09月

2018年09月30日

沖縄県知事選

沖縄県知事選、玉城デニー氏が当確です。出口調査でも無党派の7割を固めていたことから、優勢とはみられていましたが、朝日の速報が早くてびっくりです。むしろ政権側のメディアは、これほど力を入れた選挙で敗北した安倍政権への遠慮、があったのかもしれません。大差をつけられていたところから、組織をフル回転させ、公明も創価学会を全国規模で動員。一時は僅差とも報じられていましたが、最後はやはり縁故より遠望、沖縄の未来を見据えたとき、結局は基地が残り続けることへの不安、不満がこの結果をもたらしたのでしょう。
沖縄は今やリゾート地としてだけではなく、アジアとのハブの機能をもち、中国、東南アジア方面への経由地としても魅力を増します。基地に土地をとられ、なけなしの借地料をうけとるより、基地がなくなり、沖縄全体の価値が向上すれば、今の環境なら沖縄経済にとってプラスの方が大きい。そうした考えも後押ししたでしょう。それに、「対立より対話」を掲げて、県知事としては権限外のことを約束し、かつ自分が所属する日本会議についても必死で隠そうとする、そんな佐喜真氏への不信が、最終的に足を引っ張ったともいえそうです。

これで安倍政権も困ったことになります。辺野古移設は米国と約束したことなので、すすめないといけない。ただ、ここまでの乱暴で強引な進め方と、これからは少し異なります。総裁任期の最後、レイムダック化が意識される中、強引な運営は党内からも批判をうける。ナゼなら次の総裁としても、安倍政権の手法は影響するためで、特に辺野古は『諦めのよい』日本人というのを覆し、どこまでも政権に抵抗するという姿勢を示すものであり、下手をすれば全国規模に拡大する動きになるかもしれない。むしろ日本古来の『折り合いをつける』ことができない以上、安倍政権の手法は否定されつづけることにもなるのです。
東京の横田基地にも、米軍のオスプレイが明日から配備されます。ただ、すでに何度も目撃されており、私も爆音に上空を見上げると、オスプレイだったことが何度かあります。それを諦め、受け入れるだけでいよいのか? 横田基地周辺の住民にも、沖縄の抵抗運動は一つの契機になるかもしれません。最後まで諦めず、抵抗をつづけることで活路が開ければ、それは成功体験にもなる。だから安倍政権は警戒し、最大限の力で沖縄県知事選を戦ったのです。ただしこれが、安倍政権の不人気ぶりを露呈することにもなりました。
沖縄の特殊事情、といってみたところで、公明の得票率が落ちているように、創価学会と安倍政権は相性が悪い。会員レベルの離反は、度し難いところまで来ているのでしょう。無党派層の30%しかとれなかった、というのがF票の退潮を示しており、ここまでフル稼働してもこの程度、ということは国政選挙になっても同様の結果となる。すでに創価学会票なしでは落選危機にある自民政治家にとって、この結果は心理的にも影響するはずです。

安倍首相が公明党大会の挨拶で「人との関係が大切」として、トランプ米大統領とも良好な関係としました。ただトランプ氏はTwitterでも「日本が大量の兵器を買った」と喜んでいる。金で歓心を買うのが、安倍氏のいう「関係」なのでしょう。沖縄県知事選でも、組織力や動員といった形の「関係」を利用したものの、結果は敗れた。心の結びつきを得られない安倍政権では、肝心なところで信頼が得られないことの証左です。今回の知事選、かなり自民の不正な選挙活動も目立ちましたが「人への姦計が大切」と思っているなら、どこまでいっても安倍政権はこの国にとって害悪だということになるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:08|PermalinkComments(2)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 地方

2018年09月29日

参院選の目玉候補?

日本でも北海道胆振東部地震の余震や、千葉県沖の地震が起きていますが、インドネシアでM7.5の地震がおき、6mの高さの津波も発生しています。海と地震と、インドネシアは日本とよく似た環境であり、その苦労も共通、むしろ他民族の難しさも含めたら、インドネシアの方が大変かもしれません。被害はまだ不明な部分も多いですが、早急に支援などを考えた方がよいでしょう。ただ、日本も台風24号がすでに沖縄で大きな被害をだしており、明日は西日本から関東を直撃する見込みであり、人的支援は難しいかもしれません。しかし東日本大震災のとき、支援してくれたことを忘れてはいけないのでしょう。

立憲民主なども来夏の参院選の公認などがすすんでいますが、先日に相撲協会を退職を発表した貴乃花氏が、参院選に自民から出馬するのでは? という噂があります。なるほど1年近く前でもあり、出馬のための退職とみられないため、また出馬の準備の期間としても十分といえます。土俵は残す、としているのもそこを選挙事務所とするためなら、1年間は維持していてもペイできそうです。何より、政治家になるのは公益法人としての相撲協会を、外から改革とすると説明がつく。そのときは恨みを晴らす、ということになるのでしょう。
ただ言葉は悪いですが、貴乃花氏は曰くつきです。今回の退職騒動も、かつての洗脳騒動と構図が似ている、との指摘もある。弟子の転籍も、コピーを提出して済ませようなど、社会性には大いに疑問がある。退職会見のときもピントがずれた回答やはぐらかしも目立ち、まともに演説できるとは思えない。なので比例単独、となるのでしょう。やたら安倍支持者のコメンテーターが貴乃花氏をもち上げる、と思っていたら、ここまでの動きはすべて計画通りなのかもしれません。メディアの大騒ぎは十分に利用価値あり、という自身の宣伝には役だったといえ、自民の目玉候補としては十二分に存在をアピールできたのでしょう。

ただ安倍氏以上に垣間見せる、貴乃花氏の幼児性は政治家になっても変わらないでしょうから、自民党も手を焼くかもしれません。いずれは第二のアントニオ猪木氏として、独断専行に走ることもあるかもしれない。そして相撲協会も、貴乃花氏に滅茶苦茶にされては堪らない、として自民党大物に近づき、より政治との癒着を強めるかもしれません。
しかし貴乃花部屋の『お別れ会』、弟子たちは妙に晴れがましい顔であるのは、ある意味で不安が取り除かれた、という心持ちが表れているのかもしれません。貴乃花氏に従っていたら、どこに向かうか? 特に貴乃花部屋は一代年寄、名跡をもたないので、いずれ親方になるとしたら、名跡を買わないとならず、それが貴乃花部屋所属では取引すら応じてもらえない可能性がありました。年寄名跡は一門で継承するケースが多いからです。貴乃花部屋から移れば、名跡の取得が可能となり、親方への道が開けたといえるのです。

ただ貴乃花氏が政治家となり、相撲協会改革になど乗りだせば、そんな未来さえ暗くなるかもしれない。改革は誰にとっても幸福をもたらすものではなく、痛みが必ずでます。既存のシステムで地位を確立しようと考えていた場合、それが覆されてしまうこともあるためです。家族にも刃をむけ、孤立し、そして親方という世界の中でも孤立した貴乃花氏。政治の世界にとびこんだとて、いずれ孤立する姿が待つのでしょう。それは「孤独」を、本人は「孤高」と読み替え、周りの者からすれば「蟲毒」という漢字を当てたくなるためであり、毒虫の中で生き残った一匹は強烈な毒をもつゆえ扱いづらいのであり、結局は協調性がもてない以上、政治家に立てられても「孤立」しか待っていないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:48|PermalinkComments(8)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2018年09月28日

日経平均がふたたび24000円越え

場中にバブル後最高値をつけるなど、一見すると堅調な株式。ただそれを促した昨日からの円安については、一昨日のFOMCを1日遅れで反映した、などという誤った認識も語られます。しかし日欧の市場でスルーだった、むしろ円高に推移していた為替市場が、米国市場になった途端に急に円安に動意づく、というのは明らかに不自然です。あくまで噂レベルですが、日系の金融機関に株高を指示していた安倍政権の思惑とは裏腹に、24000円をつけたことで金融機関がひるみ、27日には売りに回った。それに焦った安倍政権が、円安にすることで今日の株買いを促したのではないか? とされます。3Q末なので、様々な調整が入ることもありますが、円買いが増えていたわけでもなく、ここで円売りをする主体もよく分かりません。広範にドルは買われましたが、円売りが突出しており、その理由は判然としないのです。
しかも、今日発表された経済指標など、特段よいものはない。むしろ鉱工業生産指数など、悪いものが目立った。安倍政権下で発表される経済指標は信じられない、とされて久しいですが、わざわざ悪いものを発表するインセンティブはないので、悪い内容は信ぴょう性が高いといえます。そんな中での株高、一つの原因として需要超過であるとの指摘があります。

自社株買い、MBOやプライベートエクイティなどによる上場廃止、等によって市場から株式が吸収されています。さらに日本では日銀がETF購入をつづけており、市場に流通する株式は減少の一途です。その一方、日米欧の中央銀行が行った金融緩和によって、市場では過剰流動性が健在であり、国債も上昇局面にあって運用先がなく、渋々株式に流れてくる状況です。
結局、株式市場が堅調なら保有する自社株も上がり、見かけ上は収益が上がる。その循環がつづくのも、この株式の需給という面が大きい。結果的に、株高→企業価値の上昇→株高というくり返しによって支えられてきた、といえます。しかし、ここもとの日本株式のように歪みが生み出したおかしな市場が、かなり頻出している。困ったことに、それが減るときは株式市場が弱含むときであり、正常化は株安という負の部分を伴うので、それを嫌がる向きが今の株高を囃している、という言い方もできるのかもしれません。

沖縄知事選まで株高、という噂もありますが、週末の投開票が台風によって、どう影響されるのか? 基本的に、こうした自然災害があると与党系が強い、しかも建設業などに家族も含めて期日前投票に行くよう促してきた、ともいう。組織票はこういうときに強いので、その効果がでてしまうのかもしれません。ただ、創価学会内でも内紛の動きが報じられ、与党系から流される対立候補への醜聞にも、白けたムードが漂う。組織内の動向が、明日の沖縄を決めるのだとしたら、これほどふざけた話はない、といえるでしょう。
日本に頻出する異常気象、そして株価の歪み。日本の未来すら不安になります。日蓮が活躍した鎌倉時代、震災、水害などが頻発し、世が荒れた時代といえます。そんな中で「それ浄土というも、地獄というも、外には候わず、ただ我らが胸の間にあり。これを悟るを仏という、これに迷うを凡夫という」と日蓮は記しました。現世を穢土としてみるのではなく、現世を寂土とすることをめざしたのが、日蓮です。果たして、今の日本は浄土なのか、地獄なのか。では地獄に導こうとしているのが何なのか? 改めて考えないと、本当に来世しか期待できないことに、この国はなってしまうのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:34|PermalinkComments(12)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 政治

2018年09月27日

日米首脳会談、TAG?

日米首脳会談が行われ、FTA(自由貿易協定)ではなく、TAG(物品貿易協定)の成立させるための共同声明が発表されました。当初、市場にもヘッドラインだけ聞いて、自動車関税は先送り、農畜産物についてはTPPの枠内で、ということで好感する向きもありましたが、内容が伝わるに従い、評価は悪化の一途をたどり、安倍政権の交渉能力の欠如を嘆く意見の方が増えました。まず、茂木経産相は「FTAとTAGはまったく異なる」と述べますが、私の解釈ではFTAを二段階にして、最初に物品を、次に商取引や投資などを話し合うというだけのことで、実態はFTAそのものです。実際、共同声明にもTAGを締結した後、投資などの話し合いに移ることが明記されており、要するに、二国間交渉(FTA)を拒否していた安倍政権が、TAGとして物品の交渉を優先させることで、意見を違えていないとの体面を保っただけのことです。

自動車関税は先送り、とされますが、話し合った結果として何%の関税がかかるか、分からないのであって、TPPでは現状とほぼ変わらなかったはずで、よくて引き分け、悪ければ大敗の可能性もある。さらに米国での製造を増やすことが声明に明記されているため、関税が変わらずとも日本での製造する数量は減っていく。悪い観測では、米国への製造移管、その進捗度合いによって関税率が変わることはすでに合意され、最悪は25%か、それ以上の関税率になる可能性もある、という話もでています。要するに、これは猶予期間でしかないのです。
農畜産物では、TPPの枠内としていますが、関税率はそうでも数量については変更の余地があるのではないか? つまりコメと同じで輸入数量が決められ、日本政府が一定の枠を買う。それを流通させたら、国内の生産者が大打撃をうけるので、結果的に廃棄せざるを得ない。そうすることで影響を軽減するなら、結果的に日本は大損する、という話です。しかも昨日も記したように、WTO改革では補助金をだして産業を保護することに罰則をかける、というのですから、農畜産業への補助金をだすこともしないかもしれない。自動車産業を守るため、米国に日本の農畜産業を売り渡した、としても強ち間違いではないかもしれません。

そもそも対米貿易黒字の大半は自動車関連産業なのですから、そこを削らない限り、トランプ政権が満足する結果が得られるはずもないのです。農畜産物とて、他の地域との競争という話であって、関税を引き下げたからと言って劇的に増えるわけでもない。自動車産業を守りたい、という安倍政権の態度では、他の産業に大きな負荷がかからざるを得ないのです。
今回も、安倍政権は目先の問題を先送りしただけ、しかもその後にはもっと悪化することが間違いない。TAGなど、おかしな交渉の仕方を受け入れてもらう代償に、何を失ったかはこれから分かるでしょう。それは安倍政権が体面を保つためだけに、日本が失った代償という意味でもあります。TPPに拘り、FTAを否定した、その戦略的失敗のツケを日本の生産者や消費者がうけることになる、ということでもあるのです。結局、TPPも米国が抜けたことで日本にメリットなし、むしろ損失が増えるとの見立てもあり、米国とのTAGでもそうなる可能性は十分ある。いえ、もうそうなっている、ということなのかもしれません。

勝ってもTPP以上にはならず、負けるとTPPより悪い結果となる。これを負け、と言わずして何とするのか? tagは英語で『値札』などの意味もありますが、野球では『タッチアウト』の意味もあります。安倍政権はタッチアウトで負け、なのです。野球は最後に攻撃した側が負ける、というスポーツの中では面白い仕組みがあります。ただサヨナラゲームもあり、最後に攻撃した側が勝つこともできる。ただ安倍政権では、最初から最後まで攻撃されっ放しで、このままでは完全試合で負け、の道をただ突き進むだけなのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:07|PermalinkComments(6)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | アメリカ

2018年09月26日

日経平均が24000円に乗せる

昨日指摘したところ、すぐにFFR日米貿易協議で「基本的な認識で一致」とし、首脳会談で合意をめざす、としました。日本側は農畜産物で妥協の余地あり、としますが、同時に日米欧で提出する世界貿易機構(WTO)改革では、自国の特定産業を優遇する制度を導入した国への罰則を盛りこむ、とします。どの国でも農畜産業に補助金をだし、保護していますし、日本ではTPP対策として補助金を、という話もある。しかしもしWTO改革でそれらの農畜産業への補助金を「特定産業への優遇」とされたら、罰則覚悟でつづけるか、補助金を止めるか、という話になる。むしろ政府から補助金をカットする口実にされかねない、とすら思えます。
JAを潰して大規模農業を推進したい安倍政権は、補助金を減らして個人の農畜産家を立ちいかなくさせる。今回も米産品で数量を決めて輸入を義務付けられ、補助金もでないと日本の農畜産業は壊滅的になるでしょう。WTO改革はトランプ氏も主張し、これを中国が念頭としますが、同じように日本でも補助金漬けにされた産業があることを忘れてはいけません。

日本株が8ヶ月ぶり24000円台を回復です。ただここ最近、歪な市場がめだちます。直近2日はTOPIX先物を国内勢が買い上げていますが、現物株では日経225型の買いパターンとなった。しかも23000円ブレイクに伴う外国勢の買いは先週木曜には終了しているので、そこから国内勢だけが頑張っている印象です。第3四半期末のドレッシング、とは考えにくい。ここで頑張っても投資成績としてあまり重要でないためで、株高にする意味がないのです。年末高の先取りだとしても、重要なイベントを幾つも控えた中、リスク管理上も考え難いことです。
最近、メディアでも取り上げられるようになった『安倍政権が発表する経済指標が信じられない』という話。毎月勤労統計では今年1月に3分の1のサンプルが変更されたにも関わらず、調整もされなかったため、雇用者報酬が2000円強も押し上げられた。つまり年間通して1%弱の押し上げ効果が前年比でかかることになります。また労働力調査は就業者数が60『万人前後だった伸び率が、今年は160万人前後となり、これにはまったく説明がつかない。これまでも女性と高齢者の再雇用が増えてきて、限界とみられたタイミングで加速したのです。

さらにここに来て、企業収益も二重計上によって膨張している、との指摘もある。つまり株価を決めるマクロ、ミクロの指標がどちらも信じられない事態であり、「異常」とも形容されるここの強さには誰もが首を傾げる。特に、そんな事情をよく知っているはずの国内勢が株を買っているのですから、尚更です。その説明になるかもしれない一つの説は、沖縄県知事選までは株高を、安倍政権側が金融機関に要請した、ということです。
自民党総裁選、沖縄県知事選、この重要日程で勝利を期すために、安倍ノミクスは成功しているという印象を与えたい。特に、沖縄県知事選では党派色を強くだし、佐喜真候補を支援しており、また支持層でもある建設業は景気を敏感に映すので、株高は効果的に安倍政権の成功事例としてアピールできます。沖縄県知事選は剛腕を指摘される菅官房長官が取り仕切っており、対立候補の嘘だらけの醜聞をばらまくほど、その手口が汚くなってきた。3Q末で株高を建前に、金融機関に動員をかけたとて、決して不思議ではありません。

これまで国内勢は、22000円に接近すると買い、23000円に接近すると売っていた。その取引が成立する前提は、株価が下がると買う、という日銀の存在あってこそ、です。そうした細々とした取引で糊口を凌いできた国内勢が、ここに来て急にリスクをとる、ということも考えにくいのです。これからは『安倍政権の株価が信じられない』などという話が、巷にはあふれるのかもしれません。『歪』という漢字は、いみじくも『不正』と書きます。今の市場が不正によって歪になっているとすれば、口に糊がされたようにその不正を指摘できない理由も、また政治と金融機関の歪な関係の中にあるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:07|PermalinkComments(2)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

2018年09月25日

日米通商協議が1日延期

貴乃花親方が日本相撲協会に退職届けを提出しました。権力闘争で負けた末であり、虚実まじった告発文を退職理由に据えたものの、実際には一門に加わると下っ端になることを嫌った、と推察されます。前から気になるのは貴乃花氏への質疑の際、家族の反応を問われ「『そう』と聞きました」弟子の反応は「涙する子がほとんどだが、側面から見守っていく」と、必ず主語が「私」になってしまう点です。私がそう聞いた、私が見守る、とするのです。
8月末に文書をうけとった、場所後半に別の親方から口頭で言われた、などと有形無形の圧力を語りますが、それを周りと相談もせず、今朝になって重要な決断を伝えるだけになる。相手の立場になって物事を考えられない、貴乃花氏の最大の弱点だといえるでしょう。むしろだから相撲では成功しても、親方業では上手くいかないのかもしれません。貴乃花氏を擁護する向きも多いですが、組織で上手く立ち回れない者の悲哀、そんな顛末だけのことです。

安倍首相が訪米し、トランプ大統領と居室で通訳だけ交えて会談しています。しかしゴルフをするため、わざわざ日曜に渡米した日本側の要請が受け入れられず、先のTwitterでは「支援してきた」とまで釘を刺され、この会談がただの親密ぶりアピールとは到底思われません。しかも直後、FFR日米通商閣僚協議が1日延期された。事務方の調整がつかないわけでない、としますが、閣僚が会っても仕方ないから1日延びた、と受け止めるのが自然です。
米国の事情は、月内にはカナダとのNAFTA再交渉に決着をつけなければいけない。2000億$の対中制裁関税を発動し、中国からは通商協議の継続を拒否された。NAFTA再交渉がまとまらないと、合意したはずのメキシコも通商協議をやり直す可能性がでてきます。つまり中間選挙が終わるまで、各国とも米国と交渉しない可能性がでてきます。そうなるとトランプ政権は成果なし、むしろ農畜産業では反トランプの動きも広がり、選挙で大敗する可能性もでてきます。

総裁選が終わるまで、日本叩きをせずにおいたのだから、これからは協力しろ。それがトランプ氏の言い分でしょう。しかも、2人きりの食事会後の安倍氏の表情から困ったという風はうかがえず、粛々と受け入れた様子だった。今頃、事務方は双方がメンツを立てた上で、米国の意向を最大限にうけいれるための条件設定に腐心しているところかもしれません。
日本の立場は、米国をTPP交渉にひきもどすこと。選挙公約を破ってまでTPPを推進したので、そこがマストです。であるなら日米の合意は「米国がTPPに戻る(かもしれない)との意思を前向きに受け止め、米国側の要求をのんで、農畜産物の解放をすすめる」となることでしょう。それ以外に自動車や機械、電機への影響を回避する術がない。突如、思いついたようにJA叩きを始め、熱病のようにすぐ止めた安倍氏には、農畜産業の未来を本気で考えたこともないため、そこで妥協しやすいのです。そしてそれは米国で反トランプの動きが広がる農畜産業に対し、成果としてアピールできる点も大きいので、細かい決定事項は後になるとしても、中間選挙の前には何らかの合意まで進んでしまう可能性があります。

新潮45が休刊を発表しました。社長の反応も謝罪になっておらず、編集長が一切でてこないまま、トカゲの尻尾を切ったのでしょう。言論の場でもあるので、右から左まで様々な意見があってもよいですが、批判をうけたものの擁護に回れば、それは意見を偏らせたとみなされる。それはもうオピニオン誌を捨て、色のついた雑誌になることを意味するのです。
新潮の創業者、佐藤義亮氏の「良心に背く出版は、殺されてもせぬ事」は、『出版』の部分を替えると様々なものに当てはめることができ、かつ責任ある人は必ず守らなければいけないこと、です。しかも、そもそも『良心』が欠落していた場合、そこに歯止めがなくなることにも注意が必要です。良心があったら、あんな出版物を世に出してはいけないことに気づくでしょう。良心があったら、米国と安易に合意してはいけないことにも気づけるはずです。ちなみに、『良心的な』という意味でstraight dealingという言葉もありますが、これは『公正な取引』も意味します。果たして、日米の交渉に『良心』があるのかどうか? すぐにそれが試される場面がでてくるので、注意も必要なのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:42|PermalinkComments(4)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | アメリカ

2018年09月22日

総裁選後の報道について

仙台東署東仙台交番で、警察官が襲われた事件。容疑者が銃マニアで、警官の銃を奪おうとした…と報じられますが、違和感だらけです。伝わる状況がその通りなら、隣室に警察官がいることを認識した上でエアガンを用いており、拳銃を奪う確率はかなり低い。1000円を落とし物、といって無駄にすることを惜しんだとしたら、かなりのケチ、というか損得勘定もできないことになる。破滅的に人を殺したかった、という方がよほどすんなり動機としては受け入れられます。ただ、そのどちらでもない、だから警察が隠したいのでは? と感じます。
容疑者が通っていた小学校の近くの交番、それは幼少期に、交番にいる警官との接触があったとしても不思議ではない。そこで怒られた、もしくは酷いことを言われた、それを恨みとして抱きながら、大きくなった。その復讐を果たそうと武器を蓄え、当日犯行に及んだ。それは破滅的で、悲劇的な最期を覚悟の上で、という観測も成り立ちます。別に銃マニアという確たる報道もない中で、『拳銃を奪うため』などという報道が先行して流される。こういうときには注意した方がよい。それは警察による世論誘導の恐れもあるからです。

自民党総裁選が終わり、組閣やら党役員人事について、政権幹部の語ったこと、として報じられる内容も注意した方がいい。それは1.世論の反応をみるため、2.党内の反応をみるため、3.サプライズを起こさないため、に為されていることが多い。組閣にしろ、党役員人事にしろ、安倍氏の胸算用だけです。安倍氏以外から発せられる情報には、ほとんど価値がありません。それでもメディアが協力し、報じるのは減った政治報道の穴を埋められる、ということ以上に、ここで協力しておけば別の機会でネタを横流ししてもらえる、といった打算が含まれます。これで1.、2.の反応が悪いと、結果は大きく変わってくるのであって、それでもこんな観測記事を流したことの責任をとらなくて済むから、こうしたことが起こります。
安倍氏が改憲をめざすのなら、挙党一致でなければいけません。もしどこかの派閥に制裁を加え、造反されたら改憲が難しくなるのです。今は維新、希望など野党でも改憲に前向きな政党もあり、議員票だけなら3分の2はたやすいと見られます。しかし自民党内でさえ割れたら、国民世論には間違いなく反対しやすい空気が生まれ、国民投票で確実に否決されるでしょう。なので、組閣でも憲法観が近い人を…などというのは、そもそも自民党内で意見が割れていることを露呈するだけであり、むしろ改憲を成功させる気はない、とみなせるのです。

改憲への意欲、というのが党内4選にむけた布石でないなら、挙党一致のために党内融和をめざし、組閣も党役員人事でも、反対派もとりこまないといけない。読売で発表した憲法私案について「読売を読め」などと党内にむけて高飛車に言うのではなく、自ら説得に回るぐらいでないと決して達成できないのです。今、周りからでてくるのは、それと真逆で党内を分断させかねない話ばかり。むしろ安倍氏周辺の、狭量で執念深い連中たちが、その観測記事でも反論が少なかったら、そのまま押し通してしまおう…というためのものかもしれません。
報道にはよくよく注意しないと、矛盾があったり、前後を考えるとおかしなものが含まれていたりする。文科省の接待問題も、総裁選が終わった途端に流される。安倍政権の責任論に発展しないよう、情報を隠していたとしたら大問題なのでしょう。共同通信の世論調査で、改憲に賛成は35.7%、反対は51.0%、安倍1強に問題と答えたのは57.4%、問題ないは33.6%。この数字をはき違え、独裁を強めると、レイムダック化は相当早くなってくるのでしょうね。

明日、明後日とお休みしたいと思います。

analyst_zaiya777 at 22:32|PermalinkComments(7)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | メディア

2018年09月21日

総裁選期間中の株高

昨日の総裁選の結果が公表されたとき、株式市場は一時急落をみせました。石破氏が善戦したから、とも語られますが、私は少し異なる見方をしていて、材料出尽くし感があったのでは? と考えています。ただそれを覆すリスクオン、米国による2000億$の対中制裁関税が、対話の余地を残すものだったことを好感、という流れがつづいた。しかし日本株については昨日までの外国人投資家の買戻し相場が終わり、今日は日本勢が買い上げた。そしてここには安倍首相サイドによるPKO(Price Keeping Operation)が働いていた、という観測もあります。

今週、日本円は世界最弱通貨です。リスクオンで円売り、という話もありますが、トルコ、ブラジルなどの現在危機を指摘される国の通貨はそれほど上げていないので、この説はおかしい。売り方が買い戻しているわけではないからです。つまりこの期間、円安にして外国人投資家の株買いを引き出したのでは? しかもその間、日本勢は株を売り、利益をだした。巧妙なのは、目立たないよう対ドルはそれほど動かさなかったのであり、これもリスクオンの円売り、という説を否定します。円売りの資金は株を売った分でも捻出できそうですが、補填もあったかもしれない。そしてもう一つ、PKOを引き出しやすかった要因もあります。
毎年、年末までは一段高になる。それは需給によりそうなる要因もあるのですが、ただ今年は微妙です。貿易戦争、ブレグジット、新興国不安など、年末までにある程度その結果が見えてくる。市場を不安定化させかねない要因がてんこ盛り、だから早めに年末高相場をスタートさせ、その果実を得ておきたい。第3四半期を終えてから、需給を好転させるいつもの流れを前倒しさせる。そのための円安誘導、軽いリスクオン相場を煽った、というのです。PKOと年末株高の先取り、そして今日は安倍首相の誕生日祝い、などともされているのが、ここもとの相場です。あくまで一つの読み方ですが、意外という言葉よりは説得力もありそうです。

今日になって、急に西日本豪雨災害の激甚災害指定、と安倍氏がいいだしました。地震は被害範囲が確定する前に指定し、豪雨災害はもうとっくに被害が確定した後、やっと…というこの差は、総裁選の結果と無縁ではないのかもしれません。地方で嫌われる安倍、それは安倍ノミクスの恩恵…などという前に、被害がでた地域への手当をどうするのか? が問われている。それに気づかせたのなら、総裁選の意味があったのかもしれません。
ただもう一つ、日本の景気についてはまだ目くばせが足りない。予想PERが上昇しており、株高も正当化される、などという人もいますが、年末にむけた不透明な部分が、すべて上手くいった、という前提の予想であり、来年の消費税増税にむけた駆け込み需要も含んだ数字です。米中間選挙の結果も、どちらに転んでも市場に不透明感が漂いそうです。安倍ノミクスに拘りつづけ、無策のままなら日本のリスクはかなり高水準になります。急拡大する日本からの対外投資、国内で運用する先もなくなり、今や円キャリー取引で円を売ってくれる人もいないから、自ら円を売って、海外にもちだして運用している。それを成功などとしてしまうほど経済オンチの首相ですから、PKOぐらいしか対策もないのであり、今回は上手くいっても、次はこの手口も研究され、大損させられるかもしれない。日本が徐々にリスクを高めている状況は、リスクオンどころかリスク隠(イン)なのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:29|PermalinkComments(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 政治

2018年09月20日

自民党総裁選について

自民党総裁選、安倍氏が国会議員票329、党員・党友票224。石破氏が73、181票で、553対254で安倍氏が3選を果たしました。石破氏は50票前後の予想から23票を上積み、国会議員の締め付けが厳しい中でも党員・党友票を181にしてきた。討論会が増えていれば、間違いなく党員・党友票は逆転していただろう、との見立てもあり、国会との溝、国民との溝をより浮き彫りにした総裁選だった、といえるでしょう。では何が溝なのか? 森友・加計問題への対応は、国会議員には当たり前の利益誘導を、国民は許していない点。そして安倍政権の行ってきた政治、経済、外交に対しての評価が、国民とはまったく異なっている点にあるのでしょう。

経済では「安倍ノミクスの果実を地方へ」などとしますが、5年経っても実現できないことは手法として間違っているのであり、安倍ノミクスとは異なる経済政策を打たない限り、絶対に地方へは波及しません。そして安倍ノミクスさえ閉じられないのに、他の経済政策など打てるはずもなく、また安倍政権は経済ブレーンが新自由主義、リフレ派に偏っており、日銀の政策委員会では経歴詐称といわれた桜井氏や、未だに緩和拡大を主張する片岡氏などがいて、出口にも向かえない。経済財政諮問会議も似たようなもので、そもそもトリクルダウンなどの企業と富裕層を優遇する考え方、経済理論では地方への波及は『お零れ』でしかありません。
外交に評価できる点はゼロ、政治などは自衛隊を海外派遣できるようにしたら、入隊希望者が減る、副作用を生んだ。これで憲法になど明記されたら、さらに海外派遣のお墨付きを得て、かつそれが銃ももてず、銃弾の飛び交う中に送り込まれることが必定。自衛隊が誇りをとりもどすどころか、存続すら危ぶまれる事態になりつつあります。むしろ安倍氏は高額で使い物にならない米兵器の大量買いなど、日本を守る自衛隊を弱体化させるのが目的ではないか? とすら勘ぐれるほどです。必ず安倍政権は、掲げる目標とそこから導かれる結果とが真逆、それは保守を名乗りながら、実質的には全体主義をめざす安倍氏の態度と、ある意味で整合的とはいえます。そんな人物を国民が支持しているとしたら、あまりに愚民で、まさに日本を滅ぼすために、安倍氏は首相をつづけていることになるのでしょう。

自民党的には双方の顔を立てた、などと言われますが、厳しいのが安倍政権のレイムダック化が見えたことです。一つの考え方として、安倍氏が改憲にまい進して討ち死にするのを見届け、一度たどった道として次の改憲で本当の改正をめざす、という方法が見え隠れします。どう考えても3年で改憲はムリ、安倍氏もどこかのタイミングでそれを悟るでしょう。そのとき、党規約を変えて総裁任期を再度延長し、求心力を高めないといけませんが、それすら党が拒絶し、引導をわたす。改憲スケジュールと、安倍政権の存続とは密接になる可能性が高い。何より安倍氏の心を折られる点が、大きく影響するはずです。
支持率の動向次第ですが、早ければ来年の地方選前にそれは起きるでしょう。その次は参院選前、新しい顔で戦うという選択肢もある。今のところ、自民の選挙は支持層、安倍支持層、創価学会に支えられています。しかし情勢調査で、それでも勝てないとなったときに、安倍政権が偏らせすぎた政策を巻き直す必要がでてきます。つまり安倍支持層を切ってでも、多数に訴える政策に転換する必要がでてくるのです。今回はまだ、そのタイミングではなかった、ということ。そして安倍支持層が強く求める改憲に、安倍政権が頓挫したときが、その見極めとして重要となってくるのでしょう。

いくら締め付けても、圧力をかけても、反安倍勢力が増えていった党内の事情。それは国民の反安倍の意識とも重なっていくことになります。6年もつづけていてこの程度にしかならない、それが後3年つづいたとて何か変わるわけでもありません。そして国会議員と、国民との意識の差、それがさらに自民党への見る目を悪くするでしょう。奇しくも国会議員票が329票、『みにく』いとなった。昨日も指摘したように、安倍氏の周辺がもつ差別意識と質の低さ。『醜い』自民党議員にも、同じ目が向けられることになるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:03|PermalinkComments(6)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2018年09月19日

明日の自民党総裁選で…

日銀が金融政策決定会合を開き、現状維持を決めました。7月に微調整をした後なので、現状維持は予想通りですが、安倍首相が総裁選の中で言及した「任期中に出口」に対する黒田総裁のカウンターが注目されていました。ただ特段の言及もなく、「物価目標2%を早期に実現するよう緩和を継続」と従来の主張を繰り返しました。ただ、政府側の口先介入に強く反発しなかったことで、日銀の政策は政府のたなごころにある印象をより強めた、と言えます。

その自民党総裁選、明日に投票ですが、議員投票は無記名であることから不穏な観測も漏れ伝わります。議員票は安倍氏が8割を押さえた、と専らですが、いくら勝ち馬に乗っても飽和状態で、見返りのポストが得られる見込みはない。特に、安倍政権はオトモダチ優遇型なので、オトモダチ以外は冷遇される。今さら揉み手擦り手で媚びへつらい、ポストを得ることができるのなら、とっくにしているでしょう。つまり投票したとて旨味はない。
さらに地元の党員、党友が石破氏に投票する者が多数となれば、尚のこと冷遇で済めば御の字、むしろ安倍周辺から罵倒されるでしょう。何しろ安倍氏周辺の発言からも、斎藤農相への圧力は「当たり前」といった話が伝わり、それを裏付けるように麻生財務相まで圧力があるのは現職総理がいるのだから当然、といった論調です。つまりオトモダチでもなく、地元も石破でまとまると、もう安倍政権下では浮上の目がなくなってしまう議員が多数にのぼるのです。

しかし唯一、そうした議員が日の目をみる結果があります。それは僅差にもちこむこと。安倍氏側も、石破支持者を無視できない状況にもちこめば、数人はポストを宛がわれることが期待できます。つまり派閥の決定に逆らって、石破氏に投票する議員が一定数、でてくる可能性が高いのです。そしてそれを促すのが、先に記したように地方の党員、党友で反安倍の動きが強いこと。安倍政権の中央集権型への反発が強いことにより、どうせ座して干されるぐらいなら…と考える国会議員がでてきても、おかしくない情勢が生まれているのです。
安倍氏の演説では、聴衆を自民党関係者に限って制限されましたが、その周辺では「安倍やめろ」コールが起こった。結局、動員をかけて、オトモダチに囲まれないと安心できない安倍氏、のイメージをより強くしたでしょう。「国民に丁寧に…」という説明とは真逆であり、国民との距離を自ら示した形です。そして国民、とは大都市圏以外でまったく日の当たらない地方にいる人々、その距離でもあるのでしょう。そしてそれは、次の総裁任期3年で冷や飯を食わされかねない国会議員でさえ、溝を深くしつつあると言えます。

杉田水脈議員の「生産性」論文を載せた新潮45が、批判に対して反論を特集しましたが、文芸評論家で『約束の日-安倍晋三試論-』などの著書もある小川榮太郎氏の寄稿が、様々な反発を集め、新潮内部からも批判的な意見が寄せられる異常事態です。内容は割愛しますが、非常に差別的な文章であり、かつ挑発的な内容で、質の低さを露呈しています。
新潮45という一雑誌に対して、新潮全体が反発する。今の日本の縮図をみるようです。わずかな勢力が悪目立ちし、あたかも自分たちが正しいかのように振る舞いますが、大多数の理性的で、理知的な人間には受け入れられない。そういう人々は集団になることを嫌う傾向もありますが、こうした目に余る行為には立ち上がらざるを得ない。声を上げないとおかしな方向に、組織全体がねじ曲がっていく恐怖を感じざるを得ないのです。果たして明日、総裁選の結果が安倍氏圧勝なら、選挙では自民党への警戒が強まり、敗北する可能性が高くなる。一方、僅差なら自民党は多様性をたもつことができ、御の字かもしれませんが、安倍氏とその周辺はレイムダック化がすすむでしょう。石破氏が勝利したら? メ自民党内とメディアはひっくり返るほどの大混乱でしょうが、国民の目は冷めることになるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:03|PermalinkComments(4)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2018年09月18日

雑感。対中追加関税と日本の株高

北海道胆振東部地震で停止していた苫東厚真火力発電1号機が、かなり前倒しで再稼働する見込みです。気になるのは、苫東厚真火力発電所内でも液状化した場所があり、地盤が弱いと確認されている。今回の余震で震度7以上の揺れは起こらない、としても今は緊急対応でよいですが、北海道電力は早期に安定供給にむけた発電所の分散化、発電方式の多様化などをすすめるべきでしょう。火力発電所の設置基準はゆるいですが、それだと非常時には役立たない発電にしかならず、原発とて大きな揺れでは自動停止するので、結果的にブラックアウトを引き起こす要因をずっと抱えることになります。安倍政権では発電方法をベストミックスとしているのですから、地盤のゆるいところに一ヶ所集中で火力、というのがそもそもおかしいのです。

米国が対中の輸入品2000億$分について、10%の追加関税を課すと発表しました。ただ深刻なのは米国で、大型の家電なども一部含まれますが、その多くが日用品である点です。つまり日本で例えると、日用品に10%の消費税がプラスされるのと同義です。丸々10%が小売り段階でのるとは思えませんが、数%の税率アップとなり、個人消費の落ち込みが懸念されます。すでに一部では米国のGDPをコンマ数%下押し、と公表しているところもあります。
すでに人民元が数%下がっており、中国の輸出企業は見た目ほどダメージも少ない。トランプ氏は年内に25%もチラつかせますが、そうなったら米個人消費の打撃が大きくなり、米国がギブアップする可能性もある。中国経済はクラッシュしないよう、政府がコントロールしており、業績悪化がつづいたとて、経営不振は免れる。中国共産党、地方政府ににらまれない限り、存続が可能です。ある意味、このチキンレースは米国に分がない。時間的猶予は米国側が短く、中国は統制経済をしき、のらりくらり米国が衰えるのを待てばいいのです。

日本株は意外高です。これまでは日系が22000円を割ると買い、23000円付近で売る、ということをくり返してきました。それをトルコ利上げで水準ブレイク、海外勢はショートカバーの買いを入れ、これが一段高の要因です。日系は23000円より高い水準で売ってきたので、今回の取引は成功といえるのでしょう。メジャーSQが高い水準ででて、幻のSQにしないために先週末は買っていた日系が、今日はこぞって売っていたのですから。ただ、まだ明確なサインは出ていませんが、早ければ明日、遅くとも週内には買いもどし相場も終わりでしょう。
国交省が発表した基準地価が27年ぶりに前年比上昇、と伝わります。ただ住宅地は下落、商業地がけん引した形で、特に4大都市圏の上昇が顕著です。ここには間違いなく中国マネーが入っていて、ここには対米の通商交渉への不透明感も要因として重なります。そしてもう一つ、早ければ年度末には消費税増税分が、住宅購入にはかかるように、税制も影響しています。駆け込み需要を当て込んで、強気の価格設定もめだつ。それでも買う中国マネーに牽引された、というのが正しい見方でしょう。ただし、残念ながら消費税増税が為されたら需要は蒸発する、とみられます。すでに値崩れも始まっていますが、駆け込み需要後の動きと、世界的な景気悪化がダブルで直撃するとみられるからです。その意味でも、米中貿易戦争の効果がではじめる年末から来年にかけては要注意なのでしょう。

今の経済は、米国が足元の脆弱性を高めながら、それでも減税や公共工事の拡大などでエンジンを吹かしながら、好調さを維持している経済です。米国による一極集中、という危険な状態でもあります。まさに次、世界的に危機がおこるとすれば、それは北海道でおきたようなブラックアウトのように、一斉に闇が訪れるようなことにもなりかねないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:33|PermalinkComments(2)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

2018年09月17日

雑感。総裁選と中国と

メディアから自民党総裁選に関して、党員・党友に対して世論調査をとった、というものが続々と出てきます。気になるのは、自ら党員・党友を公表している人がそれほど多いのか? という点です。通常の世論調査では母集団1億人弱に対して、1千人を確保するように調査がとられています。党員・党友だと母集団は小さくなりますが、500人は確保しないと結果を保証できないでしょう。各メディアがそれほどの人員を調査対象として抱えておけるのか?
通常の世論調査は、あくまで「自民党支持層」であり、党員・党友と限っていないのですから、尚のこと別枠で『自民党の党員・党友』という調査対象をもつことになる。自民党が個人情報を漏らさない限り、それだけの数の調査対象が集まるとは、到底思えません。党員・党友になるとき、個人情報の扱いを党に委ねていれば問題ありませんが、そうだとすると随分と従順さを強いられるものです。それが自民党、ということなのかもしれませんが…。
もう一つ、安倍氏は斎藤農水相に対して「石破氏を応援するなら辞表をだせ」と迫った、という話に「いいことと思わないが、自由に闊達にみんな応援したらいい」と述べ、角福戦争のころはこんなものでない、と語りました。社会の常識や、価値観などは時代によって変わるものですが、安倍氏の頭の中は40年ほど前から価値観も変わらないようです。この言葉を字句通りにうけとれば、自民党総裁は私利私欲のためなら、能力ではなく個人的関係によって組閣している、となります。閣僚が無能でも、こうした判断基準なら仕方ないのかもしれない。ただそんな手法が、現在の世界情勢、情報化社会において国民に受け入れられるか? ハッキリ言って、パワハラ組織としか思えず、受け入れがたいものでしかありません。

南シナ海で海自が訓練をしても、中国側の反応が意外と冷静です。というより、恐らく日本側とにぎった、とも思われます。総裁選を前に、中国に強い態度をみせることを中国に飲ませる代わりに、来月の日中首脳会談では日本側が中国の要求をのむ。そんな合意が為されたのかもしれません。それは今晩にも米側から発表される、追加の制裁関税絡みの話になるかもしれません。今日、上海株は3年10ヶ月ぶり、人民元ショック以来の安値を更新してきました。
前回は国家による買い支えが入った、との噂が入って切り返した。しかしそこを割ってきて、下値が見えにくくなった。中国企業は業績すら正しいかどうか曖昧で、株価そのものも企業の価値の正確さより、中国国内のマインドを映す傾向が強い。今、中国経済はバブル崩壊を懸念されつつずるずると下支えされてきたものが、底が抜けるかもしれません。

それを日中関係で好転させられる。そんな期待があれば、南シナ海で演習しようが、中国も何も言わないでしょう。そして今、中国はそんな材料をもって、一気に株価を支える買いに入るのかもしれない。ただ問題は、日本が中国経済を下支えできるかどうか? なのでしょう。正直、安倍政権では一帯一路への参入、債務保証などを通じた貢献ぐらいしか準備していないだろう、と思われますが、それでは焼け石に水でしかないと考えます。
中国では公共工事を増やす、と公表されてもまったく株価が支えられない。それは過剰投資の国内で、いくら公共投資を増やしてもダメ。通商により拡大するしか、膨張した経済を維持する力がないからです。かといって、日本は消費減退社会。中国の製品を受け入れる素地もない。下手をすれば、中国製品を日本を経由して米国に輸出、などのとんでも策もあり得るのかもしれません。ナゼなら日本で製造した部品を、中国で組み立て、それを輸出する構図である以上、中国の貿易が日本にとっても重要だから、とイイワケが立つからです。ただそうなると米国から日本がにらまれ、日米通商協議にも影響する。そのときはトランプ大統領との「信頼関係」という話になるのかもしれません。訪米してゴルフ、という話もありますが、あまり日中で親しくすると、トランプ氏から「中国を応援するなら辞表をだせ」などと迫られることにもなりかねないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:59|PermalinkComments(2)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | アジア

2018年09月16日

信頼関係がないと外交できない安倍政権

安室奈美恵氏が引退しました。一線を外れる、ということですが、数年前に事務所から独立するといった話もあり、それは立ち消えにはなったものの、そこから意欲を継続するのが難しかったのでしょう。ただ、この引退劇で気になったのは、自民党幹部が面会し、翁長前県知事について語ることを自粛するよう要請した、というのです。通常、芸能人とて政治活動は認められています。商業的にそれを行えばアウトですが、ボランティアであれば立会演説で同席し、みずからが演説することもできます。コンサートで「〇〇候補の支援を」などといえば問題ですが、面識のある翁長氏を追悼してもダメ、とは干渉に過ぎます。
ここでも感じるのは、安倍自民が目指すのは国民統制型の政治、つまり全体主義だということです。今はまだ軽い要請という形ですが、それこそ「もしここでその発言をしたら、今後の活動に支障がでるよ」などと言われれば、誰でも委縮してしまう。経済が好調なら、個人で活動しても上手くいく可能性がある。しかし芸能は特に、嫌でも行政とつながることで影響されてきた。公式行事に呼ばれて箔をつけたり、補助金を得ていたり、コンサートなどの会場が押さえやすくなったり。最後は自治体所有の公共物ばかりでなく、政治的な色がつくと、政治とつながりのある芸能界の人間から疎まれ、仕事がしにくくなるのです。

安倍氏がNHKの番組で「信頼関係がなければ(外交は)できない」と述べました。トランプ氏との蜜月ぶりをアピールする中での発言なので、念頭に置くのは個人的な信頼関係、ということです。しかしそれこそ年に数回しか会わず、お付きの人間に囲まれ、それで信頼関係を築けた、などと考えているから、安倍氏の外交は幼稚なまま、といえます。通常の外交は、事務方により綿密にすり合わせが行われ、トップが会うのは調印などの最終段階。だから決定事項がぶれません。そこで物事がひっくり返ったら、それこそ信頼関係が崩れます。
しかし安倍外交ようにトップ外交で、その個人的な信頼関係を基にすると、色々な物事がその場の世界的な力学によって変わり、結果が安定しなくなります。例えばトランプ氏が日本に貿易戦争で過大な要求をしてきても、日本は安倍氏が信頼関係を崩したくない、と思えばそれを受け入れざるを得ない。そしてそれは、事務方の要請を経ずに行われることなので、結果が安定しない。つまりそれは相手につけこまれる要因ともなり、むしろ最悪の結果を招きやすい。「信頼関係がなければ外交できない」などというのは、むしろ事務方との信頼関係がなく、暴走してしまう可能性を常に秘めることにもつながるのです。

しかも露国で、プーチン大統領から新たな平和条約締結にむけた提案をうけた際、安倍氏は2人で話し合って直接反論した、と述べました。ならばどうしてフォーラムの中で反論しなかったのか? 約束のある会談でさえ遅刻してくるプーチン氏ですから、それはフォーラムの合間か直後、ということになるでしょうが、それほど素早く対応について決められるなら、むしろフォーラムの場でそれをした方が、よほどすっきりしたはずです。
プーチン氏との個人的な「信頼関係」を築いていたとて、公衆の面前で予定になかった提案をされ、その場では苦笑いを浮かべるだけに終わる。これが、安倍氏のトップ外交の限界、むしろトップ外交の失敗の原因、ともいえるのでしょう。信頼関係なんてものが、何十回会った、一緒にゴルフした、ということで成し遂げられるものではなく、会った瞬間から信頼できる関係もあるでしょう。しかしそれを為すのは、人柄であったり、人間性であったり、個人的な魅力がそうさせるのです。しかし猜疑心が強く、卑屈な部分をもつ安倍氏にそれはなく、一方で権謀術数を駆使し、政界を渡り歩いてきた各国首脳にもそれを期待するのはムリ。気分屋で暴言上等のトランプ氏には期待するだけムダです。つまり「信頼関係がなければ外交ができない」のなら、安倍政権の外交は必ず失敗する、ということなのです。なぜなら前提となる「信頼関係」など、最初からないのですから。

北朝鮮交渉、北方領土交渉、米国でいえばオバマ前大統領からは見限られ、トランプ氏からは貿易戦争を宣言される安倍外交。個人的な信頼関係なんてものに基づく、安倍外交の失敗の歴史をふり返れば、安倍氏が勝手に信じていた信頼関係が、実は一方通行だったという勘違い外交の結果、といえるかもしれません。それは、一歌手にまで圧力をかけ、自分の意に副わせようというような人間が、それが通用しない相手と会って、うまく信頼関係が築けるか? 考えるまでもなく自明です。「シンゾー」と呼んでもらう個人的な親密外交、むしろそう呼んでくれる人もいなくなり、今や日本外交はマヒ状態にあるのが致命的なのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:14|PermalinkComments(9)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2018年09月15日

雑感。自民党員、党友への調査

共同通信が自民党の党員、党友を対象に世論調査を行いました。安倍氏55.5%、石破氏34.9%と一週間前の調査から、安倍氏が支持を5.5pt落とし、石破氏が6.3pt増やした。これが国政選挙なら政権側としては大惨事で、逆転もあり得る、となるでしょう。これだけ勢いがあると、一気に抜かれるからです。ただ総裁選は議員票が半数を占め、ここは大して揺るがないですし、党員、党友票はもう発送しないと間に合わないタイミングのため、安倍氏3選は今のところ確実な情勢です。ただ安倍氏側の焦りは相当なものと推察されます。
つまりそれは、安倍氏の選対の対応が失敗していることを意味するからです。安倍氏は低姿勢、周囲は高圧的、という形で締め付けています。しかし安倍氏の本質が攻撃型、つまり高圧であることは党員、党友なら誰でも知っている。安倍氏の態度が胡散臭く、周りが代弁するそれが、安倍政権の実態だというのがさらに猜疑となる。この人が約束を実行してくれるのか? これまでとて約束は守らず、約束にないことばかりをしてきた安倍政権のことを、身内ならよく知っているのです。むしろ大差で勝利でなかったらレイムダック、と語ってきた危機意識を煽って締め付ける方法により、来週の結果如何によっては、本当にレイムダックになってしまうのかもしれません。それは人間の意識が、一度でも意識するとそのイメージを覆すのが難しくなるからで、大勝できなかったレイムダックの安倍、というイメージを周囲がばらまき過ぎたから、ともいえそうです。

これは安倍氏も同じミスを重ねていて、「まっとうな経済をとりもどした」とし、経済指標を列挙する戦略ですが、その背後では「まっとうでない金融政策」をとってきた、という現実があります。それを残り任期で出口に向かう、というのですから、「まっとうな、金融政策」は間違いなく経済指標を悪化させるでしょう。経済は力強さをとりもどすどころか、脆弱さを増しているのであり、景気悪化に耐えられる状況ではありません。
しかし安倍氏は今の経済情勢を「まっとう」という。では、正常化にむかった状態、出口にむかうのは「まっとう」ではない、となります。まっとうであるはずの状態がまっとうでなくなり、ダラダラと続けてしまう。景気は気から、としてマインド面を上げようとついてきた嘘が、自身を雁字搦めにしてしまっているのです。繰り返された嘘により作り上げられたイメージ。「景気は好調」「まっとうな経済をとりもどした」でもその背後にある異常な状態、その整合をとることさえ困難になりつつあるのです。

そして嘘のイメージにより、安倍政権はずっと糊塗されてきた。「安倍ノミクス」「外交の安倍」などもそうで、実態は何もしていないばかりか、むしろ事態を悪化させてきたにもかかわらず、うまくいった、というイメージを与えてきた。しかしそれが逆に、反安倍という素地をつくってきた、ともいえます。イメージだけで評価してきた人にとっては、実態を知ることで裏切りに感じる。イメージとは、一度固定化されると覆すのも難しいばかりか、覆された途端に、そのイメージとは真逆な印象を与えてしまうのです。
自民党内でもそれが広がってきた、というのなら、ある意味でこれは必然といえるのでしょう。すでに国会議員は、親安倍という病に罹り、判断力をにぶらせているのかもしれない。しかし党員、党友が真実に気づくことで、レイムダック化した安倍政権からRaid( 乗っ取り)をBack(戻す)のかもしれない。まずは「まっとうな政治をとりもどす」のでない限り、景気の失速ばかりでなく、自民党の失速は目を覆うばかりとなるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:15|PermalinkComments(2)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2018年09月14日

トルコ中銀の利上げと、日本の出口?

経済危機が叫ばれ、リラ安がすすむトルコ中銀が、金利を6.25%引き上げ、年24%にすると発表。リラも対ドルで6.4から6.0リラ台にもどしました。ただ、これまで利上げを否定していたエルドアン大統領が存続している限り、また起きる危機といえます。政府系ファンドの責任者を解雇し、自らが収まるなど国家統制を強めており、マネーの力にマネーで対抗しようとしている。しかしトルコの経済規模だと、大規模金融緩和で市場がもて余すマネーに対抗できるとは、到底思えません。トルコショックはまだ終幕まで長い話になりそうです。

トルコ中銀の利上げで、一時的なリスクオン。特にドル円はあまり動かなかったもののユーロ円は円安にすすみ、日経平均は23000円台に乗せました。ただ、SQを通過した後は配当権利分が乗っており、権利落ち後も維持できる保証はありません。これまで年金などの機関投資家は、配当権利落ち分を再投資、が一般的でしたが、今の市場を席巻しているのはETFなどの信託系であり、再投資する必要性はない。そのため指数が下がった分は、そのままになるケースもあり、この一時的なリスクオンを継続する力はあまりありません。
そして市場を動かしそうなのが、自民党総裁選の討論会でありました。安倍首相が日銀の金融緩和を次の任期中に出口にむけた目処、と述べました。中央銀行の独立性を著しく害し、あたかも政治により金融政策がコントロールされているかのような発言は、エルドアン大統領並みの危険性を感じます。しかも「経済が成長している中で(出口戦略を)やりたい」と述べ、これまで日銀が掲げてきた「インフレ目標に向けた緩和」という論理すら覆してしまった。つまり金融緩和は景気対策で行われたもので、景気がよければインフレが目標に達していなくても終了する、と述べた形です。逆に、景気が低迷すれば終わるのが難しいことも意味し、日銀の政策の手をしばってしまったことにもなるのです。

エルドアン氏よりも露骨な安倍氏による中銀への介入は、今回は無視された形です。ただ次の金融危機が起きると、改めて蒸し返されるでしょう。日本は円安にすすんでも、金利上昇で対抗することができないのだ、と。日本の場合、トルコと違って外貨準備も多く、海外純資産も大きい。そのため金融危機時には円高に向かいやすく、円売りを膨らませにくい。また財界が協力する護送船団方式が根深く存在し、危機にはそうしたマネーも動くため、トルコのようなリラ安にはなっていません。しかし構図はトルコと同じであり、単純に日本の経済規模から、日本に向けては仕掛けにくいというだけの話なのです。
森友や加計の問題も、安倍氏からは「解決」の2文字がでてこない。金融政策も、手法については自分の口から説明すると市場に影響するから、として黒田総裁に任せるといいます。しかし総裁任期3年以内に出口にむけて動くとすれば、市場に織りこませるためにも数ヶ月前には動かないといけない。しかし間に消費税増税をはさむので、極めてタイトなスケジュールと言えるでしょう。ただ財務省主計局出身の黒田氏にとっては、消費税増税
さえ達成すれば、日銀が引き締めに動くのか? そうなると景気はやはり置いて行かれるかもしれません。それは決して「解決」ではなく、政治主導による勝手な判断、自己都合によりそうなってしまう、ということにもなるでしょう。

タレブの著した『ブラック・スワン』では、多くの事象がまったく予期し得ぬやり方で偶然に生起する、ということを示しています。世界は常に変化し続け、その変化につれて予測不能なことが増え、現実化するとその分析が行われ、予測可能とされる。逆に言えば、リーマンショックから10年、その間の進歩について、予測不能な事柄が増えている、ということでもあります。米国でも、当時のバーナンキFRB議長とガイトナー財務長官が対談し、対応について語っています。「国民に納得のいく説明ができなかった」としますが、誰も責任を取ることなく、大量の血税を投入して金融機関を救済したのですから、それは説明がつかないでしょう。日本は一体、何のために金融緩和としてそれだけのお金を投じてきたのか? 日本ではブラック・スワンより、ブラック政府による金融政策への介入の方が、よほど説明のつかないことになってきているのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:05|PermalinkComments(4)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 経済

2018年09月13日

自民党の選挙戦術と、経済統計

沖縄県知事選が告示されました。選挙戦の前からデマをばらまく、自民の選挙戦術が拡大していますが、これは安倍首相の『ケチって火炎瓶』事件でも明らかです。そうした戦術を政党として推奨し、実践してきたのが自民です。特に厳しい選挙になると活発化するので、今回はそうした自覚もあるのでしょう。通常、こうした選挙では前職の後継候補を先に、新人を後にして報じるのが一般的ですが、ナゼか多くのメディアで届け出順の佐喜真氏、玉城氏の順で報じる。これが現職と新人なら、必ず現職の方が先、新人が後になるにも関わらず、後継でありながらそうならないのは、後継候補としての印象を薄めたい、という政権の狙いにメディアも協力しているのでしょう。これは明確なルールでなく、一般的に…という話なのでメディアとしても協力しやすく、佐喜真氏を先にすることにした、と思われます。

ここ1週間、株式市場は堅調です。ただ先物だけの印象が強く、例えば週初は日系大手が日経225型で、ロールオーバー中心ながら期近を大きく買い、期先を少なく売った。通常、日系は現物株を保有するため、ヘッジ目的で先物を売っておくことが多い。期先の売りが少ない、ということはヘッジを減らすか、現物株を減らすか、または明日のメジャーSQを過ぎて、改めて売り立てるしかない。また今日は米系大手がTOPIX型で、期先を大きく買った。その思惑は分かりませんが、こうした思惑的な動きにより市場は盛り上がりに欠ける、といえます。
昨日の記事のコメントにもつけていただきましたが、市場でもちょっとした話題でした。ただそれは一般紙がやっと報じたか、といったレベルで、すでに株式市場は政府の発表する統計で動くことはなくなっています。ナゼなら信じられないから。何かおかしい、という印象がそれを材料として動くことを止めており、安倍政権への信用を失墜させています。

これは例えば株式の論評をする際でも、企業のデータで分析するケースが増え、政府の発表する統計データで将来を予測するケースが、圧倒的に減っていることでも分かります。政府の発表するデータで解説すると、明らかに自分が間違えてしまう。例えばここ最近、報じられた8月のマインドを示すデータが、軒並み改善を示しています。しかし7月の西日本豪雨災害で7月が下がったとはいえ、8月は酷暑で懸念が高まっていた時期でもあり、また米中の貿易協議もまだ見通しがつかなかったタイミング。何をもって改善したのか? 正直、誰にも説明がつきません。7月が下がり過ぎた、としか言えないのが現状です。
そんな安倍氏は「GDP600兆円を目指す」と述べているので、いずれ達成させるつもりでしょう。すでにサービス分野で新たに組みこまれたものもありますし、個人間取引まで含めよう、というのですから。ただしそれは、過去とはまったく違った意味の600兆円であり、誰もうれしくない数字です。そんなものを掲げている時点で、安倍政権の頓珍漢ぶりが目立つ。そしてそんな政権の経済統計が、信用に足るはずもありません。

今回の北海道胆振東部地震を「激甚災害指定する見込み」と安倍氏は語ります。熊本地震のときは激甚災害に指定しなかったのは、単に総裁選のあるなしではないか? 単純にどれぐらいの被害があれば、ということは言えませんが、安倍政権では恣意的な判断が常態化しており、それは発表される経済統計も然り、ということなのでしょう。つまり総裁選のタイミングに、安倍ノミクスを成功した、というためには指標の改善が必要だから、という恣意的な判断が含まれているのでしょう。
前政権が経済統計を弄っていたギリシャは、破綻する恐れもあってIMFやEUから多大な支援をうけた。中南米の国でも経済統計を操作していた国は、総じて大きな売り圧力にさらされている。毒を食らわば皿まで、として安倍政権をつづけて経済統計のちょろまかしを封印し、安寧を得る、というのが自民党総裁選の判断なら、デマをばらまく自民党の選挙戦術は経済統計にまで及んでおり、『ケチって火炎瓶』以上に日本は火の車、安倍のリスクは相当に高まりつつあるといえるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:19|PermalinkComments(12)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 経済

2018年09月12日

安倍という病

新聞の広告欄に『反安倍という病』という図書が載っていました。海外から安倍政権は支持されている、反安倍は何でもかんでも安倍のせい、という主張がされているそうです。ただこの主張をする人物は、自分が『親安倍という病』に罹患していることに気づいていないか、意図的にそれを隠し、活動しています。著者はまぎれもなく安倍ライトに属する人物なので、大体読まずとも主張は知れますが、こうしたものを出版でき、広告まで打ってもらえるのが、この国の根深い病ということなのでしょう。なぜなら、差別意識をむき出しにしたような著作物が、一般の人の目にふれるような状態にあるのですから。
私は反安倍でも、親安倍でもないつもりですが、安倍氏が正しい政策さえ行ってくれれば、それを正しく評価します。ただ、安倍氏に「正しさ」を期待するのはムリだろう、と感じます。政治家としての能力が低かろうと、主張が異なろうと、やっていることが日本にとってタメになるのなら良いのですが、安倍氏は今を、特に未来を壊すことばかりしている。要するに安倍氏の「正しさ」とは、自分が理想とする状態に日本を変えることであり、そこに論評を加えることすら赦していない。今の石破潰しにも、それが色濃く表れます。

東方経済フォーラムに安倍氏が出席し、露国につづき、中国と首脳会談を開きました。共同会見も中身なし、中国とは北朝鮮問題で連携、などとも報じられますが、米朝に交渉の軸足が移っている中で、連携も何もありません。それに中国が日本にすり寄るのは、米中貿易戦争が痛手になっているからで、日本がそこに支援などを約束しているから。それだけのお金をつかって歓心を買っているのであり、その結果が『連携』という不確かな中身です。
そんな中、露国が年内に平和条約の締結を、と変化球を投げてきました。北方領土を棚上げし、むしろ北方領土を平和条約に文言として含めることで解決を容易にする、と主張します。しかし条約に「話し合います」だけなら、日本に北方領土がもどってくることは、永遠に消えるでしょう。かといって、この提案を蹴ると露国はこれ幸いとばかりに、日本が関係を壊した、と言ってきます。提案に乗るようなふりをして、やんわり拒絶するしかありませんが、そうなると「外交の安倍」の肩書に傷がつき、交渉もまとめられないのか? となります。

プーチン氏に2時間も待ちぼうけを食わされた上、露国内で中国、モンゴルも参加する冷戦終結後、最大の極東軍事演習『ボストーク2018』が行われました。これは日韓、米軍を想定したものであり、現職総理が露国にいるとき、こうした演習を行っても文句すらいえない。これが「外交の安倍」の結果です。中露の連携、軍事力を見せつけられ、拍手をして帰ってくるなら、もう安倍外交は国益を害する、という評価しかできない。日本を守る気などない、としかならないのです。経済協力という話も、露骨な日本外しをうけ、うちだした提案も、現実味はまったくない。露国は安倍氏に何の期待もしてないのが明らかです。
「外交の安倍」の結果は、米国の犬になり、露国にはカモにされ、中国からは踏み台にされる。それは海外も安倍政権を支持するでしょう。こんな扱いやすく、低レベルの外交をする日本の政権であれば、自分たちの国益に適うからです。ここ最近、日本に来た要人といえばASEANのついでに寄ってくれたトランプ氏。支持されているはずの安倍氏のところには、一生懸命働きかけない限り、要人も来てくれないのです。しかも来てくれる段階で、多額の金銭が発生している。「外交の安倍」をアピールするあまり、失敗が許されなくなり、自らの成果を演出するためにお金をばらまき、結果は惨憺たるもの。親安倍という病に罹っている人は、こうした現実から目を背ける、という症状がでているのでしょう。

プロ子供、などの話もありますが、通常のテレビ番組では街頭インタビューとされるものでも、事務所に所属するタレントが出ている場合も多い。安倍政権を批判するような発言があったから、殊更に取り上げられている嫌いもありますが、現実をよく知りもせずに批判してしまう、という症状も出ているのでしょう。そこを否定すると、成り立たないテレビ番組も多いのに、自分たちに不都合なことがあると潰してしまう。親安倍にしろ、反安倍にしろ、それが社会にとって害悪である点に、何の変りもないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:09|PermalinkComments(6)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2018年09月11日

安倍政権の「地方への暖かい風」?

北電が苫東厚真火力発電の完全復旧が11月以降、と発表したその日、太陽光発電の買い取りを半額にする、と経産省が発表しました。断線したり、ソーラーパネルが破壊されない限り、昼間には発電するシステム、つまり災害に強い太陽光の普及は、安倍政権にとって不都合なようです。むしろ節電要請をする北海道に、巨大な太陽光発電システムをつくれば、当面の昼間の発電は賄えるのに、です。買い取り価格が海外と比べて高いから、とも語られますが、ならば電力会社が自前で太陽光発電を導入すれば、それは原子力や火力と同じですから、買取価格もかからない。再生エネを高くみせているのは、むしろ買い取り制度にあります。
しかも小規模でもできる再生エネ発電は地域、地域での産業として成立する。つまり地域おこしにもなります。小さな村なら、それで村内の電力をまかない、売電することで収益とすることも可能でしょう。それは町おこし、としても機能する。総裁選でも地方経済活性化、を謳う安倍政権から、ここもとででてきた内容は、その真逆とさえいえるものばかりです。

ふるさと納税も、地元産品でなかったり、高額商品であったり、などの返礼品をかかげる地方都市は対象外とする、と総務省が発表しました。しかし、そもそも魅力的な地元産品がない、などのケースではふるさと納税も集まらず、疲弊していくばかりです。これまでに地場産業を育ててきた、育てる余裕のあった自治体と、そうでなかった自治体には色濃く差がでることにもなるでしょう。結局、ふるさと納税でも優勝劣敗、市場原理が鮮明化することにもなります。
安倍政権は地方活性化、と述べているのですから、仕組みを見直してより地方が活性化できるようにする、というのが代替策としてでてくるべきです。しかし制度の趣旨に合わない、だからやめろ、というだけでは物事が解決することにはならないのです。もし、制度を運用する知恵もないなら、制度自体をとりやめて新しくした方がまだマシなのでしょう。

もう一つ、就職活動のルールを廃止する、という提案が経団連会長からありました。経団連加盟企業のみ、ルールを守ると外資などと競争できない、という話もありますが、もう一つは大企業への就職活動が長期化し、中小企業の採用が厳しくなることが考えられます。これまでは大企業に漏れた人材を、中小企業がその受け皿となってきましたが、その期間がなくなる恐れが強い。特に今、日本では少子高齢化の影響で人手不足が顕著であり、大企業も必死で人集めせざるを得ず、予定の人材を集めるまでは止めないでしょう。
就職活動ルールの話は財界から、ですが、今の安倍政権と経団連の関係からすれば、政府の思惑も混じっている、とみて間違いないでしょう。そして、上記の話はすべて地方にとって厳しくなるものばかりです。一体、安倍政権は本気で地方活性化を考えているのか? という話にもなります。地方活性化は総裁選のリップサービス、としか思えなくなります。そして、ナゼかこれだけ地方叩きの方針を並べながら、大メディアがそれをまったく指摘しない、という点にも問題を感じます。やはり安倍政権がめざすのは中央集権国家であり、その象徴として改憲がある、としか思えません。北海道でも、太陽光発電と蓄電池で必要な電力をまかなうことができた、という家庭もある。北海道で太陽光発電が見直されないよう、ここで買い取り価格の引き下げをうちだした、とまでみるのはうがち過ぎかもしれませんが、安倍政権が地方への冷たい風を送りこんでいることは間違いなさそうです。『ふるさと納税』の見直しではなく、『古顔のうざい』面々を何とかしない限り、この国の仕組みを刷新することは難しい、ということなのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:52|PermalinkComments(4)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2018年09月10日

リスクと対応

全米OPテニスで、大坂なおみ選手が優勝しました。ただ気になるのは、対戦相手のセリーナ・ウィリアムズ氏に与えられた警告で、ブーイングの嵐が起きたこと。どの国でもナショナリズムの高まりがあり、対立を強めている。それと日本も無縁ではありませんし、そうしたナショナリズムに対しては、常に冷静で公平な視点をもって対処しなければなりません。

4-6月期GDP改定値が発表され、実質で前期比0.7%増、年率換算3.0%増と速報値(年率1.9%増)からの大幅改定となりました。総裁選が始まったおり、景気をよく見せかけるために法人企業統計で設備投資の数字を盛った、などと揶揄されていましたから、ある程度は想定内といえます。もしくは財界の協力で、設備投資を4-6月期に前倒しで実施させた結果、ということもあるかもしれません。いずれにしろ7-9月期には崖が待つので、4-6月期を高く見せかければ見せかけるほど、7-9月期の落ちこみが大きくなることになります。
総裁選の論戦では、安倍首相が「安倍ノミクスの恩恵で、地方にも温かい風が吹き始め…」と語りましたが、地方議員の多くが「嘘つけ!」と感じたでしょう。インバンド消費があるところはすでに恩恵もありますが、猛暑と災害でそれも今後は減少に転じる。国内経済では地銀の経営悪化と、スルガ銀のような不正で、むしろお尻に火がついた状況です。地方は生き残りに必死で、それに失敗したところは脱落するので、「温かい…」どころの話ではありません。そもそも少子化での人口減少は地方が中心で、そこに安倍政権は無策なのです。

北海道の胆振東部地震でもオール電化は厳しい、との声があります。しかし太陽光発電と併用すれば、晴れてさえいれば昼間に家事を済ますことができる。北海道や東北、日本海側など年間で4分の1が雪の下になってしまうため、太陽光発電の必然性が低い地域の特異性、ということも言えます。リスクには常に備え、例えばオール電化の家庭なら、カセットコンロとガスは常備しておく対応が必要ですし、石油ストーブがあれば煮炊きもできます。
これは北海道電力も同じ、結果的に苫東厚真火力発電に頼り、集中させ、リスクへの備えを怠った。それで困った、大変だ、といっても自業自得感が強い。組織でも、個人でも、それは同じです。オール電化は基本料が電力会社のみになるので、日々の暮らしでは負担が減る。そこで満足せず、そのとき生じるリスクへの備えは、誰しも考えなければいけません。

例えば最近、ガラケーに注目という記事があります。機能は制限されても、バッテリーの持ちがよく、通話品質もよい。こうした震災などの非常時や、山登りをする人には必須の装備かもしれません。普段使いする必要はなくても、SIMを入れ替えて使えるようにしておけば、トラブルのときには役に立つ。そういう考え方を常にもっておくことが大切なのでしょう。
翻って安倍政権、経済を「当たり前の状態にした」と語りますが、異常時の金融緩和をつづけていて、当たり前も何もありません。非常時の備えが何もない、どころか非常時には節電など、国民負担を強いることばかりです。特に、西日本豪雨災害や、台風21号の暴風雨被害では重かった腰が、胆振東部地震ではやたら震災対応アピールが目立つ。安倍氏にとっては『風が吹けば桶屋が儲かる』ではなく『風が吹いても儲からないけれど、地震の対応は俺様が儲かる』とでも考えているのかもしれません。『風が吹けば…』の箴言は、意外なところに影響がでる、という内容ですが、それを「意外」としている時点で災害対応としては落第であり、今回の震災対応にしろ、「温かい風」どころか「生暖かい風」や「木枯らし」が、安倍政権に向かって吹き付けることになるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:38|PermalinkComments(4)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 社会

2018年09月09日

リーマンショックからそろそろ10年

リーマンショックからおよそ10年、日経にも次の危機の芽、という話が載っていますが、日本でもその萌芽はすでに発生しています。スルガ銀行やTATERUが起こした不正融資の問題です。これが根深いのは、資金を借りる人も身の丈以上の融資がうけられ、それを望ましいと感じていた部分もある。しかし賃貸住宅にしろ、シェアハウスにしろ、融資をうけた分を上回る収益があれば、貸す側も借りた側もウィンウィンであり、問題は顕在化しなかった、といえます。しかしそのバランスが崩れ、賃料収入以上に返済などの負担が大きくなると、途端に破綻するのが、この仕組みです。つまり日本では賃貸住宅などの過剰供給という深刻な問題が発生しており、必ず失敗する仕組みだったともいえたのです。
そして問題は、新興国などにはこうした融資のリスクについて、貸し手側も借り手側も理解できておらず、拡大している現状がある。借金をして利息を払ってでも、それを上回る収益があった、これまで成長してきた世界経済。しかしその上値が抑えられ、投資に厳しい環境が広がる中、この問題は一気に顕在化し、世界経済を斜陽に向かわせる破壊力を秘めた問題、とさえいえるのです。振り返れば、リーマンショックを引き起こしたサブプライムローンの問題もまさにそうで、収入を上回る身の丈を越える借金を、組織的に金融機関がさせてきた、それが一気に暗転したことで起こった、ともいえる問題だったのです。

そしてスルガ銀行でも明らかになったように、それを引き起こす要因の一つが過度の成果主義です。金融機関は、これまで景気がよいときは融資が拡大し、収益を拡大してきた。しかし現在のように人為的に金利を低下させていると、収益機会が減少し、景気との連関が崩れます。しかしそれを赦せない経営陣が、社員に過度な負担をかけることで、こうした不正融資が増える、といえる。つまり日本は今、こうした問題が起こり易いとも言えます。
しかし新興国はもっと深刻で、そもそも世界的な金融市場に参加した経験も乏しく、またここ10年で成長した機関は、金融危機を経験したことすらない。また、金融機関ですらない組織や個人が金融仲介業などを行っていたりする。中国ではシャドーバンキング、などとも呼ばれますが、金融機関ではないのでバンキングと呼ぶことすら誤解を与えかねず、こうしたものが跋扈する社会は、常にリスクを抱えている、とさえ言えるのです。

日本も安倍ノミクス、という虚構の経済政策によって、不正融資が蔓延してしまったように危うい状態といえます。他に運用先がなくなり、米不動産市場に資金が集中、価格が高騰していますが、恐らくこの市場が崩れるのが最終段階になるように感じます。それ以外にこれから上昇しそうな市場が見当たらない、お金を借りて投資をしても、利息を払ったら損をする時代がくる。そのとき市場から、資金は一気に消失することになります。
そしてそのとき、安倍ノミクスの真実が見えてきます。景気が悪化しても金利低下の支援策がつかえない。資金供給も逆効果。日本は長期の低迷を余儀なくされることになるでしょう。ナゼか、総裁選では毎回総選挙でつかってきた「安倍ノミクス」の文言がでてこない。それは自民党内でさえ、もう安倍ノミクスは虚構である、という認識が広まっているためなのでしょう。安倍ノミクスの裏で起きていた不正融資事件、リーマンショックから何も学べていなかった金融機関が、これから起こす問題には要注意、ということなのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:59|PermalinkComments(4)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 一般

2018年09月08日

雑感。露国の工作活動

8月米雇用統計で、非農業者部門の雇用者数が前年比20.1万人増となり、平均時給が2.9%増とこれまでにない良好な数字となりました。インフレが加速する懸念もあり、FRBの利上げにも追い風です。ただ、ヘッジファンドなどが米国債先物を大量に売り建てており、9月利上げは既定路線であることからも金利は上昇せず、むしろ発表後は円安に向かいました。米経済は現状、対中への2670億ドルの追加関税、NAFTA再交渉の行方など、貿易戦争が焦点であることからも、様子見という感じが強いのかもしれません。そしてそこには対日も含まれます。
中間選挙を前に、焦りもみられるトランプ氏。内幕の暴露本や政権幹部による匿名の告発記事など、政権全体が揺れており、何としても醜聞を覆い隠そうと、貿易戦争をもちだす傾向があります。中間選挙に負けたら弾劾が待つ、ともされており、そうなったら大統領権限が剥奪され、ホワイトハウスから追い出される。それは必死にもなります。むしろ関係が悪化する安倍政権では、弾劾されて欲しいとすら考えているかもしれません。

そんな日米が政権浮揚の助けとしてきた露国ですが、最近さらに工作活動を活発化させており、英国からは殺人未遂容疑で露国人が訴追され、マケドニアがギリシャと合意した、国名を『北マケドニア共和国』とすることに反対し、ギリシャやマケドニアで工作活動を行っていたことが、両国から報じられています。米国では中間選挙を前に、露国の介入に監視を強めており、出先機関としての特定などもすすめています。
なのに、日本は露国による選挙介入に関してまったく関心がないばかりか、無防備に過ぎます。むしろ、安倍氏に都合よい形で露国が介入している、ということかもしれません。安倍支持層とされる人々の中には、露国の工作員も含まれている。そう考えると、あまりにムリスジな安倍擁護論などを展開する動機としても、十分に理解できます。そして、そんな日本では総裁選を行っている。一番、日本を海外に売り渡しているのは誰か? という話にもなるでしょう。露国の介入が日本だけない、という判断そのものが危険なのです。

米国では『Q』というサイトがあり、『世界は影の世界政府に支配されており、トランプ氏こそそこから解放してくれる』というデマをばらまいている、としてハッカー集団、アノニマスから宣戦布告をうけています。最近、デマを拡散するアカウントをFacebookやYouTubeなどが締め出しており、Twitterもそちらに舵をきりはじめました。デマや陰謀論などを拡散する行為に対して、世界的に監視が強まるのも、そういう人に毒され、実際の行動すら危うくする人が増えていることも影響するのでしょう。そして、そういう拡散に手を貸しているのが如何なる団体か? ということにさえ、目くばせが必要となっています。
なぜ日本でそうした問題から目を背けるのか? 世界的な工作活動が、日本だけ行われていない、などということもありません。総裁選にぴたりとタイミングを合わせた日露首脳会談も、ある意味で露国の協力なのかもしれません。英国で起きた神経剤事件でも、英米独仏加が露国を非難しても、日本は加わっていない。仏伊の軍事衛星を露国が傍受しようとした、と発表もされました。日露の関係、総裁選の間だからこそ改めて考えないと、この国を他国から誤った方向に導かれる可能性も捨てきれなくなります。むしろもうそうなっている、とするなら、安倍首相の罪深さは深刻、といえるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:44|PermalinkComments(4)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | ロシア

2018年09月07日

自民党総裁選が告示

昨日の安倍首相の行動、公邸から官邸に入ったのが5時50分だったので、3時10分に安倍氏が指示、という話だと2時間40分も間が空いていることになります。官邸に立ち上げた対策本部が安倍氏の名をつかって方々に連絡を入れた、その整合をとるための出まかせ、という話も耳にします。どうやら、安倍氏は5時過ぎぐらいまで眠っていた、とみた方がよいのかもしれません。とんだ危機管理ですが、むしろ安倍政権の実態『虚構』を色濃く映すのかもしれません。安倍氏の威を借りて暴走する、都合が悪くなると安倍氏は「関わっていない」と逃げ、指示をだした何者かは分からぬまま、誰も処分されない、という実態です。
今回、電力復旧に焦ったのも、電力行政の失敗を追及されたくない経産省の匙加減、という話もあります。苫東厚真発電所に依存し、そこがつぶれるとブラックアウトを起こす、そんな脆弱なまま、北海道電力に行政指導をしなかったのは、経産省の失態です。一刻も早く電力を復旧し、逆に失点を+にしよう、という焦りみたいなものも感じました。ただ、この件で泊原発を動かしていないから、苫東厚真火力に頼っていた、という主張には注意も必要でしょう。原発は外部電源がないと、通常運転も困難になります。今回のように結果的に外部電源がダウンすると、原発もダウンする可能性が高い。しかも、原発は一度停止すると再稼働まで時間がかかる。固い地盤の上に建つので、他の設備より地震には耐えられても、決して万能の給電方式ではありません。しかも非常用発電までダウンすれば、福島原発の二の舞になるのです。

自民党総裁選が告示されました。安倍氏と石破氏の一騎打ちですが、早くもこの震災で論戦を回避し、現職の利を生かそうという安倍氏側の戦略に、党全体が協力する構図が見え隠れします。しかし安倍氏が掲げる70歳になっても働ける「生涯現役」や「社会保障改革」は、正直評判が悪い。そもそも70歳になると不調を訴え、病欠する人も増える。再雇用で経験が生きるところならまだしも、70歳だといつ痴呆を発症するか、などの問題もあり、企業が前向きに雇用できる状態ではありません。それに、経験を生かせる職場で働いている人も少ないので、メリットを享受できる人はごくわずか、ともされます。
社会保障改革は、マクロスライドを導入して「100年安心」と言っていたのに、もう改革しなければいけないほど制度に齟齬を来している、そもそもの問題があります。今の制度を継続するなら、わずかな額を多くの高齢者で分けるだけのため、誰もが不幸な状態がつづくでしょう。抜本的な改革ではなく、小手先しか手直ししないならやらない方がマシです。

西日本豪雨災害への対応として、予備費から616億円という話がでてきました。総裁選入りした途端、だしてきたのは偶然ではないでしょう。昨日の震災は激甚災害指定に前向き、というのも総裁選を意識したものであり、あざと過ぎるといえます。安倍政権にとっては、政権をつづけることがすべてに優先され、日本がどうなろうと構わない。他人の不幸も利用し、そのためにはどんな嘘でもつく、というのがここ2日で垣間見られたことです。
米国では、トランプ氏が日本に対して愈々貿易戦争を仕掛ける、と宣言したとも報じられ、日米関係も危うくなってきた。日本では一部の経済メディアは報じますが、一般のメディアはほとんどふれません。恐らく、安倍政権が日米関係の良好さを謳うため、報じるわけにはいかないのでしょう。日露でもわざわざ総裁選日程に合わせて、訪露しますが、その前に露による軍事演習で墓参が停止されるなど、きな臭くなっている。外交の安倍を自負してきましたが、むしろ外寇が目立ってきた、とさえいえるのでしょう。むしろ国内的には公害の安倍、の方がめだつようにもなってきているのが現状でしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:17|PermalinkComments(5)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2018年09月06日

平成30年北海道胆振東部地震

北海道で震度7の地震が発生しました。浦河沖、というと地震の巣として知られますが、内陸部の直下型は意表をつかれた形です。液状化や地滑りが多いのも、これまでに体験したことのない揺れで、初めて脆い地層であることが露呈した、という面が大きい。油断が招いた部分は多いにしろ、北海道には古代の文献の積み上げが少ない点も気がかりです。
これだけ地滑り、液状化が起こりやすいと分かったからには、今後の住宅建設にも大きな影響がでるでしょう。またブラックアウトを起こした発電所などにより、農林畜産、水産業にも影響する。そして泊原発の外部電源が喪失しましたが、非常用発電機もいつまでももつものではない。軽油などの燃料を供給しつづけ、全電源喪失の状態を防がないと、第二の福島原発のような事態になりかねない。さらに観光にも大打撃となるでしょう。

まず気になったのは、3時8分発生、3時9分官邸に現地対策本部、3時10分に安倍首相が指示、という流れがあって、安倍氏が官邸に入ったのは4時50分。実に1時間40分もかかっている点です。私邸にいた、ゆっくり身支度した、といっても1時間とかからないでしょう。1時間40分も何を? という疑問がわきますし、3時10分に指示、という動向も眉唾に感じます。あくまで推測ですが、慣れない総裁選での低姿勢で、心身ともに疲労し、人前にでられる顔色ではなかった可能性もあります。ぶら下がりに応じられるまで、体力回復を待つ必要があった。別の推測では、二度寝した? とすら勘ぐれ、この1時間40分は謎のままです。
さらに、熊本地震では激甚災害指定が見送られましたが、今回はどうするのか? 来年の消費税再増税に備え、西日本豪雨災害や台風21号のように、補正予算も出し渋るつもりか? 電力の復旧を急ぐ、としますが、これだけ液状化すると上下水道の整備も大変です。当分、家で暮らすのは厳しい状態がつづくとみられ、仮設住宅などの整備も考えないといけない。政治の対応は多く、安倍政権の手腕が問われる、ともいえます。安倍氏が総裁選との兼ね合いで肉体的、精神的にも耐えきれない可能性も高いのでしょう。

もう一つ気になるのは、それこそ台風21号の被害についての報道がめっきり減ったことです。同じ災害であり、どちらかに偏ることは可笑しな話なのでしょう。震災は今日の発生だけに、扱いが大きくなっただけで、明日からは並列して扱うのが望ましいのでしょう。ただ安倍政権の対応は、暴風雨被害では総裁選を優先し、震災被害では総裁選を一時休止するようで、その扱いの差は気になるところです。被災した人にとっては、暴風雨だろうと地震だろうと、苦しいときに国がどれだけ守ってくれたか? だけが記憶に残ります。安倍政権の対応だと間違いなく、見捨てられた、と感じる人が増えるだけでしょう。
政治は、平時であればそれほど必要とされません。むしろ国民に意識されない方がよい政治、といえるでしょう。しかし非常時においては、政治が前面に立って物事を押しすすめないといけない。そんなとき、国のトップの1時間40分の空白はやはり気になります。むしろ安倍氏がいない方が都合いい、などというなら、総裁選びさえ茶番としか思えなくなるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:37|PermalinkComments(12)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2018年09月05日

雑感。総裁選と災害対応

台風21号の爪痕が生々しい今日、麻生財務相が盛岡市内で開かれた「安倍晋三自民党総裁を応援する会」で、「G7 の国の中で唯一の有色人種の国、アジアで出ているのは我々だけ」と誇らしげに語った、と伝わります。米加は多民族国家であり、前半は不正解です。後半はその通りですが、『西側』と称される中に東の日本が入ったのは、米国に占領され、ここを共産圏の防波堤にする、という戦略によって戦後復興が早められた経緯もある。日本の努力だけでそうなったわけでもないので、胸を張れる話でもありません。
しかもトランプ氏が安倍氏との会談で「ゴルフをしよう」と呼びかけている、安倍氏のもっている力だ、と語りましたが、米紙はすでに日米関係の亀裂を報じている。トランプ氏がゴルフに誘うのも、公務でゴルフができるからで、実際はレベル差があり過ぎて安倍氏はついていけない、と言います。日米関係もまさにそうで、レベル差についていけず、米国の要求を呑むばかり。接待ゴルフもできない安倍氏では、対等の交渉などムリなのです。

こうした自らの差別意識と嘘でまみれた講演をするぐらいなら、早く西日本豪雨災害の補正予算を、今回の台風21号もふくめて組むべきです。どうせまだ自然災害はあるだろうから、まとめた方が規模も大きくなり、見かけ上やった感がでる、とでも考えているならゲスでしょう。関空の復旧のめどが立たなければ、経済的にもかなり下押しになります。そもそも地盤沈下で、防潮堤を立ててやっと運営できていた空港をハブにするのは無理があったのであり、日本全体のグランドデザインを失敗した証拠、ともいえます。
安倍政権は総裁選にかまけてないで、一先ず災害復旧へと舵を切るべきなのです。むしろその成否によって、評価されるかどうかが決まる、とさえ言えるでしょう。今は総裁選を優先し、閣僚がこんな講演をしている時点で、この政権には日本を任せておけない、としかならない。もしこんなことをしている政権を支持し、再選させるなら、自民はもう終わった、といえるでしょう。地方の復興など、とてもではないが任せておけないからです。

そんな中、安倍首相が自衛隊高級幹部会同での訓示で、改憲についての意欲を示したのは憲法99条違反だ、という指摘がでています。99条は「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」ですから、尊重の姿勢が足りない、ともいえます。ただそれ以上に、憲法98条の最高法規性の条文は「(憲法に)反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない」としますが、安倍政権ではそれすら無視してきたのですから、99条どころの話ではありません。
安倍氏は新潟で「農林水産業を守る」と講演したのですから、ならば果樹への被害について、さっさと補填すればいい。西日本豪雨災害ではみかん農家が大打撃、と伝わる。台風21号では甲信越から東北まで、果樹が落ちたり、傷ついたり、といったことがある。なぜそこに手をつけないのか? これほど言行不一致なこともないでしょう。台風21号は昨日のこととはいえ、西日本豪雨災害は2ヶ月も前です。すぐにできることをやっていない人間に、何を期待する、というのか? 安倍政権の地方重視とは名ばかりです。なぜなら、総裁選で票さえとってしまえば、次はないのですから、地方に目配せする必要もなくなる。総裁選では票をもっていても、総裁になってしまえば国会議員しか引きずり下ろす力がないためです。

しかも、安倍氏はそもそも新自由主義の経済学者に、政策の多くを依存している。地方重視や農林水産業に優遇、という政策とは真逆です。そうした学者の意見を無視し、まい進するほど地方について知識があるわけでもない。これまでほとんど無視してきた「地方」の声を上げても、その薄さは如何ともしがたいのです。繰り返しますが、地方重視ならさっさと補正予算を組んで、被害対策について確定すべきなのです。その方がよほど総裁選対策にもなるのに、それをしていない時点で、地方にお金をつかう気などまるでない、ということがバレバレです。安倍氏にしろ、麻生氏にしろ、総裁選を『ウソ再選』にする気満々、といえるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:05|PermalinkComments(2)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2018年09月04日

代表選と総裁選

台風21号により大きな被害がでています。関西空港は海上ポートであるだけに高波で水没、橋に船がぶつかって交通が寸断、孤立化という懸念された状況がそのまま現出しています。物流の寸断と、復旧費用の増大。また今後の安全対策の困難さを考えると、計画段階から正しかったのか? と思わざるをえません。また暴風により屋根がはがされたり、車の水没、横転などが今回もみられましたが、不測の出費が家計を苦しめており、日本の景気回復はまた一段と遠のいた、といえるでしょう。

国民民主の代表選は玉木氏207pt、津村氏74ptで、玉木氏となりました。これで独自色に拘ってゆ党の地位にとどまることが確定しました。根拠のない自信に満ち溢れ、俺たちが野党で一番だ、俺たちに協力しろ、というばかりで周りのことも顧みられない。敵にしろ味方にしろ、一番相手にしたくない存在です。それは国民からみても同じ、投票したいとは思えません。独自色は、毒地色にしか見えないのであって、それで国民に支持を広めるならポピュリズムに政策をふるしかありません。ただ、その決断もできないでしょう。根拠のない自信に満ち溢れている、とは必要な見直しすら遠ざけてしまうものです。
自民党総裁選では、安倍陣営が誓約書への署名を迫り、安倍ファッショなどの声も聞かれます。こちらは狭量で小心者の安倍氏に、安心してもらえる材料を、という忠誠心競争が暴走を生んでおり、こちらも深刻です。ナチス時代もそうですし、北朝鮮でも垣間見られますが、独裁政権になると必ずこうした下の者が暴走し、トップのご機嫌をうかがうための行動が過激化します。それこそ不都合な人物を消してしまったり、組織をつぶしたり、戦前の日本の特高警察の行動も同じです。そして、概してこうした行動は、トップが小者なのにそれをひた隠すことで起こる、とも言えます。つまり安倍氏はそういう人物なのでしょう。

そもそも自民党内で派閥統制が緩んだ結果、派閥が政権を支持しても所属議員がその通りに行動するか? それは不明です。つまり8割を固めた、というのはあくまで派閥の人数を足し合わせただけのこと。誓約書まで書かされ、安倍氏への忠誠を誓わされるのなら、投票しないと考える議員だっているでしょう。しかも、8割が支持するなら論功でも自分にお鉢が回ってくることはない、と考える議員にとって、忠誠は屈辱にしか感じません。
昨日の段階まで、安倍氏は福岡に行くつもりだった。それは地方重視というより、地方の票が読み切れていないため、でしょう。『非常に強い』まま上陸する台風に備え、官邸につめていて然るべきにも関わらず、その決断さえつかない。小心者ぶりがよく表れます。もし福岡ではなく、これで関西圏に乗り込んで演説でもしていたら、その豪胆さを評価されたかもしれませんが…。

ドン・キホーテを書いたセルバンテスの言葉で「流れに逆らおうとしたところで無駄なことだ。流れのままになっていれば、どんな弱い人でも岸に流れ着くものだ」というものがあります。国民民主では、玉木氏へ、という流れに従っていたら、『孤岸(湖岸)』という岸にたどりついたのかもしれない。自民では、安倍氏へ、という流れに従っていたら、『晋美岸(審美眼)』を試されることになってきた、といえるのかもしれません。晋三こそ美しい、すばらしいという人たちの言が、本当に正しいのか? その岸が三途の川の賽の河原でないのかどうか、自分がそこに献身という石(意思)を積まされているのだとしたら、すでに毒を食らって三途の川は渡っている、といえるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:20|PermalinkComments(2)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2018年09月03日

雑感。内部留保と投資

明日は台風21号の上陸が予想されます。駆け足台風になりそうなので、水害より暴風に警戒が必要かもしれません。また高潮と大波は今後の参考にもなるでしょう。もし今回、大きな被害をだすようなら、南海トラフの地震で津波がおきたら、その比でないほどの被害がでます。西日本は今年、台風などの雨の通り道になってしまっていますが、風の対策は中々難しく、古い樹木や周りに飛ばされそうなものがないか、注意が必要なのでしょう。

企業の内部留保が17年度末で446兆4800億円と、過去最高と報じられます。しかしこれは政策の失敗であり、企業の内部留保が多すぎる、との指摘がこれまでもあったにも関わらず法人税減税を実施した結果、招いたことです。しかも、設備投資に回さないという批判も、最近の設備投資は省力化、省人化であり、景気の拡大を導くどころか、波及しない結果となりかねない。もし内部留保が問題だ、というなら法人税増税をして、その分を政府が取り上げてしまえばいい。ただ、世界的な潮流は法人税を下げる方向であり、日本もそれに倣った結果としてこうした事態を招いたのですから、さもありなんという話です。
日経が「所得増でも倹約」という記事を上げましたが、今の労働者層には倹約している意識すらないでしょう。賢く消費、に馴れており、バブル期のようなアホな使い方をしないだけです。それに年金や社会保障に不安を抱える中、宵越しの金をもたない、といった江戸期のような発想はありません。そもそも江戸時代、江戸は出稼ぎ中心でしたが、それは一攫千金狙いだったり、大都市に憧れて若者が集まる場、であって、大抵の人は年を重ねると地元へともどっていった。江戸で消費しても、地元に変えれば生活の基盤があったのであり、だから消費も活発だったのです。今のように自分の身は自分で守らないといけないようでは、倹約ではなく堅実な消費をめざすしかない。これも政策誘導の失敗の結果です。

しかも日本は投資環境が圧倒的に悪い。株式市場は23000円を大きく下回ると日系が買い支え、23000円を越えると処分売りをだす。それを外資などが解消に手を貸せば、23000円を越えるのですが、外資も日本市場にそう期待していないので、23000円のポジションを増やそうとしない。だから膠着します。しかも海外に投資しても、リスクオフになると円高がすすみ、損をする可能性が高い。よほど目端が利き、機敏に動ける人物でないと損をする可能性が高いのです。外貨投資も同じで、円高に怯えつつの取引しかできないのです。
これは法人、個人とも同じ。結局、日本は設備投資にしろそれに不向きな環境をつくってきた、それは政府の責任なのです。対米輸出を自動車一本で稼ぐ構図にしたため、自動車関税という話でグラつく。海外の急変に怯え、自国の景気の強さは一切顧みられない。これが日本という国の現状です。貯蓄から投資へ、ずっと言われ続けた結果、高齢者がその貯蓄を取り崩しはじめると、生活必需品への消費にしか回らない。投資へ、の流れは一切できていないのが現状です。安倍ノミクスの実感がない、は一部の世論調査でも80%を越え、安倍ノミクスの継続を望まない人の方が多い、という結果もあります。それなのに次の首相に安倍氏が選ばれるのは「他にいない」がトップ。経済政策に失敗し、国民からも安倍ノミクスを止めてくれ、と指摘される人物が首相をつづけているのですから、この国で投資したい、という人が増えなくて当然です。トップが愚かだから、自己防衛に走る。これがこの国の根本です。政治の世界では、暴風雨でも吹いて古い体質が倒れない限り、この国の投資は凍死寸前レベルでしか推移できないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:44|PermalinkComments(12)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 政治

2018年09月01日

防災の日

今日は防災の日です。閣僚も徒歩で官邸に集まる、などの非常時の行動を意識していましたが、安倍首相だけは動静をみても8時7分、官邸と伝わるのみです。普段は私邸にいる安倍氏が、この日だけ公邸にいて、防災訓練を行ったのならそれは訓練ですらないでしょう。巨大地震がおきたとき、私邸にいたら確実に遅れます。それを想定し、訓練をしなければまったく意味がありません。公邸にいるより、確実に私邸にいる方が多いのですから。
しかもそのとき、股関節周囲炎だと歩くことすらままならないかもしれない。あれだけゴルフをしていたのですから、もう治ったのかもしれませんが、西日本豪雨災害で現地にも行けないほど酷かったはずが、都合よく治る病気もあったものです。むしろ行きたくない、やりたくない病なら、巨大震災だと再発する類のものかもしれません。私邸にいて初動が遅れました、などとなったら、それこそ評判がた落ちで逃げ回りたくなるでしょうから。

日米首脳会談が9月25日、日中首脳会談が10月23日で検討、と伝わります。通常、総裁選を戦う間は外交日程など組めないはずで、もし安倍氏が敗れたら、相手国にも失礼にあたるからです。いくら勝利を予想できたとしても、選挙という結果が曖昧なものだからこそ、確実性に薄いもので予定を立ててしまう。これが安倍政権の危機管理、ということなのでしょう。
NHKでも巨大地震の予兆を感じた時『臨時情報』をだす問題を取り上げていましたが、もしそれが出たら、間違いなく経済は大混乱します。沿岸付近にある工場、産業は稼働を停止し、それは原発も同じです。想定した津波を越えてきたら? そして、津波がくると分かっているところに、従業員は集まるのか? 通勤の移動で被災する可能性もあり、その被害を軽減するなら泊まりで対応、ということもあり得るでしょう。長期化すれば、それだけ作業員も疲弊する。被災するのが分かっていて、家族を残しておけるのか? 正直、東日本大震災のように事前予告もなく、どんときてしまうより、臨時情報で「巨大地震の可能性…」と伝わる方が、様々な予測不能の問題が発生する、といえるのです。

原発作業員が辞めてしまい、そもそも対応が難しくなるかもしれない。長期の操業停止でサプライチェーンが崩壊する。船が日本への接岸を拒み、海上輸送が滞る。漁業ができずに海産物が供給されない。海岸付近の道路がつかえず、意外な場所で渋滞が発生し、物流が混乱する。避難場所が学校である場合、授業はできるのか? などなど、巨大地震が起きていなくても、『臨時情報』だけでそうなる可能性があります。
大切なことは、普段から不測の事態がおきたときのために何を、どう備えをもっておくか? です。私邸に寝泊まりする安倍首相もそうですし、読売の単独インタビューに応じた黒田日銀総裁も、金利を上げると経済には大変、としますが、金利が低いまま景気が低迷したらもっと大変です。普段の備え、安倍政権、黒田日銀はまったくできていない、といえるでしょう。日本は地震大国ともいわれますが、政界の根拠のない自信大国、ということもいえるのかもしれません。もっとも不測の事態がおこったら、仮病をつかうのが政界の習わしでもあり、そのときは官邸に誰もいなくなり、防災どころか崩壊の日になってしまうのかもしれませんけれどね。

明日は一日、お休みしたいと思います。

analyst_zaiya777 at 22:57|PermalinkComments(6)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 社会