2018年10月

2018年10月31日

日銀会合は現状維持でも見通しは悪化

今日はハロウィンですが、渋谷の街は犯罪のし放題だろうことは想像に難くありません。また家から仮想して出かけると、一人暮らしでは空き巣も誘発しやすい。元々、ハロウィンはケルトの過越しの祭りとして行われたもので、死者が彷徨うとされるのがこの時期です。
世界的にみても、1年をきっちり暦で埋めたケースは少なく、半端な時期に当たります。それは農閑期であり、また日も短く、闇の支配する時間が長い。よくないものを呼びこんでしまう、という時期と考える文化が多かったのです。今つかわれている暦でも、9月がSept(7)、10月がOcto(8)とされ、英名と実際の月に差があるのは、1、2月が追加されたためです。祭だからとハメを外し、よくないものを呼びこまないようにしないといけないのでしょう。

日銀が金融政策決定会合を開き、政策は現状維持、フォワードガイダンスとして「消費税率の引き上げの影響も含めた経済・物価の不確実性を踏まえ、当分の間、現在の極めて低い長短金利の水準を維持する」とする文言も変更はありませんでした。ただ、18年度のコアCPIの見通しを、1.1%上昇から0.9%上昇に、19年度を1.4%上昇、20年度を1.5%上昇とそれぞれ0.1pt下方修正しました。さらにGDPも18年度を1.4%増と、前回から0.1pt引き下げています。
つまり現行の金融政策を維持しても、目標は遠くなるばかり、とみとめた形です。黒田バズーカを始めたときは「短期で成果をだす。そのために政策の逐次投入はしない。一斉に対策を打つ」としていたのに、気づけば5年以も成果がでていないのです。最初から大量に戦力を掛けてしまったため、次に打つ手はない。フォワードガイダンスも世界的に主流の政策といえど、もし景気に急変動がおきた場合、政策を変更せざるを得ず、結果的にフォワードガイダンスが足枷になりかねない。今や日銀は「無知銀」とさえ呼ばれ、経済のことを本当に分かっているの? とすら揶揄される状況です。今や金融機関は対外投資をすすめ、それが円安を促していますが、これは将来に強烈な円高を引き起こしかねず、時限爆弾の規模がどんどん大きくなっているような状況で、そうしたものを放置しているのですから。

日経平均は2日で700円以上もどすなど、反発の兆しとされます。しかしその間、日系の金融機関が日経225先物を大量に買うことで達成されており、ふたたび大幅な下落に見舞われると、日系はさらなる打撃を受ける。日系大手はもし今の水準だと、10-12月期のトレーディング部門の損失は100億円を越えたのでは? と警戒されるほどであり、逆にもどさないと大変だから、ここでさらに資金を大量に投下してでも上げようとしている印象です。
こうした危険な運用に走るのも、日本での収益機会が著しく低下していることがあるのでしょう。国内ではM&Aも減少、投資信託も運用難、しかも販売も低調でまったくみるべき点がありません。野村が中国で投資運用を発表したり、三菱UFJ信託が豪運用会社を買収したり、海外に出ていかざるをえない。こんな状態にしたのも、日銀の失敗といえるのです。

今回の臨時国会、所信表明で「安倍ノミクス」との文言が入らなかったことが話題です。代表質問でも消費税増税や改憲、移民問題などが語られますが、安倍ノミクスの失敗がもっと取り沙汰されてもよいのでしょう。「道半ば」で迷子になった安倍ノミクス。黒田バズーカは不発弾となり、今や地雷となっていつ、どこで弾けるか分からない。すでに死に体となった安倍ノミクスや黒田バズーカ、死者の仮装としてハロウィンの列に並ぶのも、そう遠くないのかもしれません。何しろ、弾けたときの恐怖は、全国民に及ぶのですからね。

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2018年10月30日

雑感。韓国最高裁と米移民問題

韓国最高裁が徴用工の問題に対し、新日鐵住金への賠償請求をみとめました。韓国では戦時賠償として日韓基本条約締結の際、当時の11億$が支払われていますが、当時は軍事政権下であり、それを国民に伝えず、その資金を使って漢江の奇跡と呼ばれる経済復興を成し遂げましたが、すべて政権の手柄としてしまった。しかも慰安婦に関して、後からわかった事実だから請求権がある、との立場をとり、国民にもそれを広く喧伝してしまいました。国民世論がそこに固執したことで日本が損害を償っていないものに対しては、改めて請求できるとの認識が広がり、司法も個人の請求権は消滅していない、と追随している形です。韓国政府もこうした司法の動きを警戒しますが、世論が怖くて「日韓で解決する知恵をだす」などとし、政府に責任がないとの立場をとります。国際司法すら韓国では無視された状態です。
しかし韓国国民が正しい認識をもたない限り、一時的に鎮火してもまた同じ問題が蒸し返されるだけです。ただ「断交しろ」など、強い文言を使う人もいますが、そんなことをすれば改めて日韓で平和条約をむすぶ際、米国の意向で日本側が再度、戦時賠償を支払わされるだけでしょう。米国としては日本が金を払って韓国が黙るなら、それがアジアの安定にとって都合よいからです。安倍政権でこうした問題が起こったのは、むしろ韓国との関係に失敗してきたツケでもあり、慰安婦問題にしろ、結果的に元にもどっている。ここで日韓の問題をゼロにもどすなどとなったら、安倍外交の失敗をより強く印象づけることになるでしょう。

今日の日経平均は300円を越える上げです。昨日の米ダウは安値から300$切り返し、selling climax(セリングクライマックス)と騒ぐ人もいますが、米国では中間選挙まで不透明感が続くことは間違いなく、まだ上下動をつづけるのでしょう。ただその中間選挙で、ある噂を耳にしました。中米ホンジュラスなどから、米国にむけて移民の大集団が発生しています。
米ペンシルベニア州でユダヤ教集会堂(シナゴーグ)では銃の乱射事件もありましたが、容疑者の動機は「ユダヤ人が移民を扇動している」とし、ユダヤ人を皆殺しにする、との思想をもっていたとされます。しかし強ちその動機は誤りではない、との噂です。トランプ氏はユダヤ人にとって最も望ましい大統領です。中間選挙で劣勢が伝えられるトランプ氏を支援するため、このタイミングで移民問題を再燃させ、それに立ち向かう大統領というイメージを与える。そのために移民を扇動して動かしたのが、ユダヤ人だというのです。

トランプ氏の支持者の中には『Q』というサイトを信じ、世界を牛耳る『闇の政府』と対立するのがトランプ氏だ、と英雄視する向きもあります。しかし陰謀論の定番は、ユダヤ人が世界を動かす元凶、というものであり、ナチスも『シオン賢者の議定書』という書物を信じてユダヤ陰謀論を喧伝していたぐらいです。今もトランプ氏の共和党に大口献金をするのはユダヤ人であり、むしろトランプ氏が『闇の政府』と昵懇の関係、とさえいえるのです。
露国への選挙介入問題がくすぶるトランプ氏が、今度はユダヤからの選挙介入をうけている。一体、米国の選挙とはどこの国の選挙なのか? という問題が今後もち上がるのかもしれません。特に最近、市場がよく選挙結果を外す、という話もありますが、こうした介入の影響を加味しないと、今後は世界全体で選挙結果を読みにくくさせるのでしょう。世界が異例で、異様な手法にまで手を染め始めた。それはどの国も苦境に喘ぎ、不満のはけ口を外へと向けることに、齷齪していることが関係するのでしょう。個人の債務を国が補填することまで始めた韓国、関税障壁をつかって国内経済を活性化するとしたのに、失速が見え始めた米国。異常な政治体制の先鞭をつけ、はじめた政策が尽く失敗している日本。責任の擦り付け合いがはじまっているのも、国際的なsaving climax(セイヴィングクライマックス:損失回避の山場)が来つつあることの、証明なのかもしれませんね。

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2018年10月29日

中国との3原則と入管難民法改正案

独国ではメルケル首相率いるキリスト教民主同盟が、州議会選挙で大敗しました。これでメルケル氏が12月の党首選への出馬を断念し、長きにわたったメルケル政権が幕をひくことになります。移民政策の違いで連立与党に亀裂を生じた辺りから、凋落の一途だったように感じます。鉄の女とも称されましたが、その強さが逆に脆さとなってはね返ったのでしょう。
ブラジルでは「ブラジルのトランプ」と称されるジャイル・ボルソナロ下院議員が大統領選を制しました。世界は協調から対立へ、という構図が鮮明になるような出来事が、欧州と南米でおきた。日本はいち早く『対立型』の安倍政権が誕生しましたが、6年経って行き詰まりが鮮明であるように、『対立型』では様々な問題を解決することが難しい。ただ、世界の人々がそれに気づくまでには、日本と同じように時間がかかることになるのでしょう。

日本では代表質問が始まりました。その中で、日中首脳会談で3原則(1.競争から協調へ、2.隣国同士として互いに脅威にならない、3.自由で公正な貿易体制を発展させる)について、安倍氏は確認した、と質問にも答えていますが、中国はそれを認めていない。「首相の表明を歓迎」とするだけであり、またこれも安倍氏の嘘なのでしょう。外務省も「内容について取り上げたが、『3原則』という言い方はなかった」としており、「確認」とすらも使わない。そうなると公的な合意事項としても入っていないはずで、確認していないことになります。
そもそもこの3原則、日本で中国との協力関係を築く上で…という前提の条件だったもので、中国としては何の制約もない話です。日本側がもちださない限り、絶対に交渉の場にもでてこない。特にこの1.や2.など、国際関係ではほとんど不可能といえる内容です。もし1.のようなことが起こるとすれば、どちらかが妥協し、この分野はゆずってこの分野はうちが…というしかないのですが、そんなことを国主導で行うことができるのは共産圏や社会主義の国だけです。2.も『脅威』の捉え方ですが、自国が発明し、世界をリードするような分野があった場合、脅威になるからやめてくれ、もしくは一緒にやらせてくれ、などとしてそれを受け入れるのか? 『軍事的』がつかない『脅威』など、実はあらゆるところで起こっているのです。民間が競争する以上、どちらかの国が有利、不利になるのは摂理としても起こりえる話であり、それを国が制約をかけることがおかしいのです。

自民法務部会で入管難民法の改正案が了承されました。国会審議に影響しないよう、党内の議論はすっとばされた、というのが実情でしょう。そこまでして急ぐ理由は、もしかしたら中国の景気失速で大量にあふれる労働者を、日本側が受け入れることも含まれるかもしれない。中国で失業率が高まれば、それは国内の政情不安を招きます。経団連からもそうした労働力を受け入れたい、という要請があって、そうしているのなら急ぐ理由もあるのでしょう。なにしろ、表には出さなくても、国民には黙ってそうした密約を結んでも、安倍政権では決して不思議はないほど、多くの嘘をこれまでもついてきたのですから。
大体、この3原則は3.を実践すると、1.も2.も実現不可能なのです。なぜなら自由で公正な貿易体制を築けば、どちらかの国で産業が衰退したり、逆に隆盛になったりするでしょう。それを脅威ではない、と無視すればそれまでですが、国内情勢からも認めにくい話です。自由で公正であることと、協調や脅威にならない、は成立しない。もしそれを強引にすすめるなら、それは自由で公正でもなくなる、矛盾でしかないのです。パンダの貸与について協議入りすることはしっかりとすすめたのに、3原則の確認は忘れた安倍氏。むしろこの矛盾まみれの3原則をもちだすのが恥ずかしい、そんなまっとうな感覚をとりもどしたのだとしても、国内にもどってはクロをシロと言い張ってしまう、パンダのような愛嬌はとれない、対立型にもどってしまうということなのかもしれませんね。

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2018年10月28日

雑感。インドのモディ首相を別荘に招待

安倍首相が山梨の別荘にインドのモディ首相を招いています。これまで別荘といえば、それこそおトモダチを招いての『悪巧み』をしていた場で、外交に用いられたことはなかった。その禁を破ってまでモディ氏を招いたのは、モディ氏はクジャラート州首相時代から日本との付き合いが深く、また安倍首相も就任当初から厚遇してきた。オーストラリアのターンブル首相が今夏に失脚してしまったため、馬の合う唯一の首脳という側面があります。
また訪中と無関係ではないでしょう。中国にすり寄り過ぎると、自身の支持層にも示しがつかない。また中国の一帯一路との協力関係を打ち出したからには、アジア圏で日本の存在感を示しておかなければならない。そのままだと中国に手柄をすべてもっていかれます。ナゼなら、中国への流通体制をつくるのが一帯一路だからで、そんなものに協力し、一部の工事を受注できたとて中国の権益が肥大化し、日本がその分、影響力を低下させるのは当然だからです。インドはAIIBにも参加し、軍事的には対立する中国とも、経済は切り離して良好な関係を築いてきた。そんなインドと協力することで、一帯一路でも日印中という形をつくっていける。逆にいえば、だから一帯一路にも乗れる、ということになるのです。

訪中でも安倍氏は「一帯一路」とは用いず、あくまで第三国投資という言葉を貫いた。しかし日本はAIIBにも参加していませんし、まったく別の仕組みをつくる、とする今回の枠組みでも一体どれだけの成果が得られるか? 正直、仕組み次第では日本が損をする可能性もある。もしそこで中国ともめても、インドを取りこんでおくことで、インドに仲裁を依頼できることにもなり、唯一といっていい友人であるモディ氏を、殊更に厚遇することにメリットを見出した、というのが今回の別荘への招待の理由でしょう。
しかしモディ氏も経済面を期待されて首相になった割に、そちらの評判はあまりよくない。高額紙幣の廃止など、評価として定まっていないものもありますが、経済成長を期待されていた割に、中国を脅かすほどの成長もない。インド株など、就任直後が最高値で、その後はみるべきほどの上昇もない。つまり4年経っても期待に応えていない、が現状です。

モディ氏は新自由主義に近いとされており、かつ「モディノミクス」などと持て囃された点も、安倍氏に近いといえます。しかし上記した通り、大して成功もしていなければ、高額紙幣の廃止などもどういう影響がでるか。地下経済への打撃、などとも語られましたが、恐らくカード決済への移行を促す目的もあった、とみています。カード決済になると一般的に消費が拡大する、とされており、日本がそれを目指しているのもほぼ同じ理由です。
最近、相次ぐ慶大生による醜聞は、ある意味で日本でも高額紙幣の廃止に動きやすくさせるのかもしれません。何しろ慶應閥とよばれるグループにより、1万円札の肖像に福沢諭吉が選ばれた、とされており、逆に言えば福沢諭吉である必要性は皆無、といえるのですから。印刷技術が上がり、髯や髪の毛など、複雑な模様でなくとも今は紙幣に描かれる肖像の選択肢も広がっていますが、福沢諭吉はその他の紙幣の肖像が交代したときでさえ、生き残ってきました。このまま高額紙幣を廃止すれば、カード決済が増える公算が高くなるのですから、慶應閥の影響を低下させることを目論むのかもしれない。すでに高額紙幣を廃止したモディ氏に、色々と尋ねたとしても強ち妄想とばかりはいえないのかもしれません。まさに安倍氏の別荘は『悪巧み』の場、学歴にコンプレックスのある安倍氏が慶應閥を疎ましく思ったとしたら、日本での高額紙幣廃止もあり得るのかもしれませんね。

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2018年10月27日

株式の下落と年金、日銀

年金積立金管理運用独立法人の7-9月期、国内株式の運用実績が5兆円超という記事があります。ただこの話が虚しいのは、10月で5兆円以上の損を抱えている可能性があるためです。10月の日経平均の下落幅はすでに3000円に迫っており、10%を越えています。年金の運用資産額は156兆円、その4分の1が株式なので約40兆円、単純計算で4兆円を越えてきます。さらに外国株の運用も4分の1、米株はまだ8%弱の下落幅ですが、円高が1%以上になるので、合わせて10%の下落とみなすと、同じく4兆円の損。今月だけで8兆円がとんでいる可能性があるのです。
しかも、日本株を買っているのは年金だけでなく、日銀もETFを通して買っている。3月末に24兆円との推計があるので、9月末の時点で12%程度の上昇率だったため、約27兆円。毎年6兆円の購入と考えると、現時点で5兆円のプラス。合計32兆円となり、ここから10%以上が下落したので3兆円を越える損です。日本株は10月だけで80兆円ぐらいの時価総額がふっとんでいますが、そのうちの1割ぐらいは年金と日銀がかぶっている計算になるのです。
上記はざっくりとした計算なので、もっと損を抱えている可能性が高い。何より日銀は高値づかみをしている割合が高く、特に10月はほぼ毎日購入するなど、下落局面で損失を出す買い方をしています。日銀の機械的な買い方は、かなり危険度の高い手法であることが証明されるかもしれない。日銀は損益を発表していませんが、国会で追及すべきなのでしょう。

これまで株価が大きな調整局面を迎えるときは「こつん」という音がします。これは私独自の感覚的なもので、下落に転じるサインのようなものです。ただ今回、その音はしませんでした。むしろ米債券と株価との関係を挙げる人もいますが、要するにこれだけの大きな調整にも関わらず、まだ本格的な調整ではない、ということです。今回の調整の原因として語られるのは、これまで散々出てきた内容です。つまり今回は、これまで無視してきた悪材料を改めて織りこんだだけのことで、もし下落局面が始まるならこれから、ということです。
その原因になるのは、日本のバブル崩壊時も苦しんだ株式持ち合い。保有している株価が下落し、評価損を計上することで利益を消されていく。しかも今回、日米ですすんだのは自社株買いです。業績が評価損を上回るまで、上値が重い展開がつづくことになるでしょう。これまでは株価が上昇、評価益が利益を押し上げてきましたが、その逆が起きます。

問題は今がバブルなので、株価が実態に見合わぬ押し上げがあっても、それに気づかない点です。その結果、今回の調整局面でもすぐにもどす、年末は28000円、などと景気のいいことを語るストラテジストも多かった。しかし底値が見えないことで、その自信が揺らいでいるのは、そもそも28000円などという数字に根拠がないためです。バブルなので上がることはあるでしょう。しかしそれは実態を映していない可能性が高い。最大の問題は、世界の経済成長は横這いぐらいなのに、それを遥かに上回って株価が上昇していたことなのです。
企業業績を株価上昇の根拠とする人もいますが、利益の二重計上の問題や、資産価値の上昇も含むなど、決して実体経済を映したものでないケースもある。何より景気に遅行するので、業績がよくても株価はそれより先に下落するケースの方が多い。先々の業績は企業経営者とて間違えるように、景気が悪化してからそれを被ることにもなるのです。

年金は運用益が改善した、とこれまで安倍ノミクスの成果として語られてきた。しかし一月でその成果を台無しにするほどの結果となった。真にバブルが崩壊したら、この程度では済まないことにもなるでしょう。そしてその引き金は、こうして資産価値が目減りすることで始まるのかもしれません。今はまだ、右肩上がりが長く続いたことによる弊害の下げ。ここから先、バブルに復帰したとしても、いずれ音のする調整局面を迎えたときが、真の試練になるでしょう。そのときは年金の運用損のみならず、日銀の損失という面がクローズアップされる。安倍ノミクスならぬベアノミクスの始まりを警戒しておくべきなのでしょうね。

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2018年10月26日

『自己責任』について

シリアで武装勢力に囚われていたジャーナリスト・安田氏に対して「自己責任」批判が多く聞かれます。代表的なものは「国が渡航禁止にしているところに行った」「プロとして危機管理ができていない」などです。しかし例えば、シリアの混乱に乗じて日本政府が不正をしていたら? 例えば死の商人をしていたり、開発した猛毒を試す人体実験をしていたり。そういう場所に、国が禁止しているからといって誰も調査に行かなかったらどうなるか? 犠牲になる人が大量にでても、国民は何も知らない、ということにもなるでしょう。
「プロだから…」という話も、では人命救助の訓練をしている自衛隊員が、救助中に誤って死亡しても「自己責任」だから仕方ない、というのか。どんなプロでも失敗するケースはあるのです。どんなに細心の注意を払おうと、起こってしまうケースもある。自己責任が行き過ぎると、実は多くのケースで多くの人間が困った事態に陥ることにもなります。

あくまで極論ですが、地震で家が倒壊しても自己責任です。液状化するような危険な土地に建てたのが悪いので、建設会社との地盤調査の問題だけで、国が一切介入する必要はない、となります。水害も同じ、警報がでても逃げなかった人は助けに行かず、放置すればいい。そもそも川の近くの低地に家を建てたのは自分の判断です。泥につかってもボランティアに行って掃除する必要はない、となる。行政による補償などをする必要もないでしょう。
これから宇宙旅行が当たり前になる時代が来ますが、宇宙で事故を起こして漂流しても、助けに行く必要はないでしょう。危険な場所に自ら望んでいったのですから。航空機事故で墜落しても同じ、国が助けに行く必要はありません。上記の例は許認可などの問題もあるので、必ずしも国が無視していい話ではありません。しかし自己責任が行き着く先には、そうした事態も想定されるのです。それこそ年金や健康保険、生活保護も不要でしょう。長生きすると思う人だけが老後の資金をため、病気になる心配をする人だけが民間の保険に入ればいい。投資に失敗して無一文になっても、リスクを冒して投資したのですから、生活保護で助ける必要もない。「自己責任」型社会は、小さな政府の究極の行き着く未来としてそういう形になります。そこでは許認可もなくなりますので、自ら選択した結果にすべての責任をもたねばなりません。

私には上記した通り、「自己責任」をふりかざす人はアナーキズムとしか思えません。しかし今回のケースでは「国の命令に従わなかった」という、国粋主義の匂いがする。どちらも人権意識が希薄、という意味では共通するかもしれません。むしろジャーナリストの役割を正しく理解していない、という形の批判も含まれるのでしょう。例えば自己責任の意識が強い米国では、ジャーナリストが拘束されても「自己責任だから見放していい」とはなりません。それはジャーナリストが危険なところに行き、情報を伝えることが役目である。その認識を多くが共有していることがあります。国の不正を暴くジャーナリストが守られる必要性など、自己責任型の社会であってもそこには保証すべき範囲、という考えがあるのです。
日本では安倍政権にすりよるメディアを多くの国民が疑問視しないように、国と良好な関係を築くのがジャーナリスト、との誤解もある。しかしそれでは偏った情報しか流れないのです。例えばシリアなら、介入している露国の情報や、シリア政府の報道がメインとなるでしょう。それでは一方からの情報発信であり、客観的な視線が欠ける情報なのです。

だからといって、武装勢力に囚われたら国が責任をもって絶対に助け出せ、というつもりもありません。助けに行く側にもリスクがあり、また諸々の情勢、状況もあって難しいということもあるでしょう。しかし助ける努力を怠ってはいけない。なぜなら、そこに生きている人がいるからです。家が潰れて逃げられない人も、家が水没して屋根の上で助けを求める人も、生きているのです。生きている人を国が見放してしまえば、それは国体を怪しくするのです。
自己責任で国が突き放してしまえば、国への信頼、信用が低下し、国内は荒れるばかりでしょう。自分の身は自分で守らねばならず、社会は廃れていきます。まさに人々は国を信用しない、無政府主義が蔓延することでしょう。ジャーナリストの役割、国の役割、それらが果たすべきことをして、初めて国が健全な形で、国民からも信頼される形になるのです。自己責任の匙加減、まちがえると国が危うくなるだけなのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:32|PermalinkComments(7)このエントリーをはてなブックマークに追加 社会 | メディア

2018年10月25日

安倍首相の訪中

今日の日経平均は800円以上の大幅下落です。昨日も日系大手が先物を買い上げ、相場を下支えしましたが、ここが動かないとフリーフォールです。米中貿易摩擦が企業業績にも影を落とし始めており、増益基調が崩れる、という懸念が増幅された形であり、半導体などは利益率の低い川下の工程を中国に委ね、それを米国に輸入する形だったので、関税障壁の影響をもろにかぶっている構図が、昨日は鮮明になりました。さらに米不動産販売件数の低下は、中国が貿易で儲けた資金を、米不動産市場に還元する構図が崩れた、とも意識された。昨日の米国は、悪材料が連鎖する状況であり、疑心暗鬼が広がった結果といえます。
しかし実際、日本の工作機械受注などにも中国減速の影響が如実にでており、7月以降の中国経済は、かなり弱気ムードがただよう。中国は消費経済への転換をねらって減税なども打ち出していますが、問題は国、企業、個人に至るまで多額の債務を抱える状況であり、資産価値の目減りは、さらなる消費鈍化を促しかねません。韓国では国が主導して借金棒引きなどを実施していますが、中国でもそれをしないと景気浮揚の目はないのかもしれません。しかしそんなことをすれば、モラルハザードが起きかねず、国なのか金融なのか、どこかが痛みを被ることにもなり、それがさらに景気悪化につながりかねない事態ともなります。

このタイミングで安倍氏が訪中しています。事前に卓球の福原愛氏が引退会見をした。Tリーグの開幕と合わせたのと同時に、中国リーグにも参加していた福原氏は、両国の絆としても影響があります。依頼したわけではないかもしれませんが、上手くこのタイミングに合わせてきた、という印象です。ODAの中止も、これまで中国国内ではODAについて喧伝されておらず、両国は長いこと良好な関係をつづけてきたアピールになるため、でしょう。野村HDなどが日中で合同のファンドを立ち上げ、なども協力関係を内外にアピールできます。
経済が減速する中国と、低成長で世界経済頼みだった日本と、思惑が一致したことでの首脳会談です。7年ぶりになったのは、単に安倍政権が首脳会談をしてこなかっただけのこと。双方が敵性国扱いをしてきたため、国際会議での顔合わせの際は、日本の国旗が掲揚されない中を握手する、ということもあった。結局、それを覆したのは弱者連衡という、双方の困った事情がそうさせたというところです。ただこの弱者連衡、互いを補完する形でなく、また米国に楔を打たれているだけにいくら蜜月を演出しても、どこまで協力できるかも分かりません。その米国は中間選挙の前、まだまだ中国叩きを止める気配はありません。

「自由貿易の旗手」などと語る日本と、自由主義経済でもないまま、その自由貿易の中で甘い汁を吸ってきた中国と。安倍政権が外交で標榜してきた「価値を共有する国」でも、中国はありません。少なくとも今回は「彼の地(への困惑)を共有する国」になり得た、ということなのでしょう。ただファンドなどが上手くいくはずもなく、特にここに来ての世界経済の減速、資産価値の下落は投資先にも窮する状態に陥る、といえそうです。
安倍ノミクスが斜陽になった日本、一帯一路が頓挫しつつある中国、この部分は「価値を共有する国」といえそうです。しかし今のまま見せかけの良好な関係を演出したとしても、それでは問題解決に何の役にも立たない。むしろ米国を前にして「仮死(状態)を共有する国」として、ともに呼吸すらままならない状態がつづくだけなのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:24|PermalinkComments(4)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 経済

2018年10月24日

安田氏の解放と臨時国会の召集

シリアの武装勢力に拘束されていた安田純平氏が、解放されました。安倍首相は「『協力』いただいた全ての関係者に謝意」と述べますが、『協力』というと日本が主導し、周りがそれに力を貸してくれた、というイメージももちますが、正しくは日本が見放したものを、シリア情勢の変化と、日本に恩を売りたいカタールとトルコが独自に動いて解決してくれた、でしょう。ともにサウジと距離のある両国は、サウジ人記者の問題もあって、ここが外交上の攻め時との事情もあったでしょう。偶々、中東情勢の変化によって好転したのです。
安倍政権が見放した、との事情は河野外相がまったく中東への働きかけをしていなかったことでも分かる。中東は4月のヨルダン、昨年12月のパレスチナ、ヨルダン、バーレーン、アブダビ、9月のカタール、クウェートです。ヨルダンといえば、後藤氏や湯川氏の誘拐事件で現地対策本部をおき、解決には何も寄与しなかった場所であり、この訪問でも事件については何の意味もなかったでしょう。何度もヨルダンを訪問したのですから、カタールにも寄れたはずです。何も人質解放にむけて動いていることを隠す必要はありません。何より後藤氏らのときは現地対策本部までおいたぐらいですから。そのときの失敗から極秘に動いた、などという説明も通用しない。何より、解放から数日たって、カタールからの連絡でその事実を知り、かつ本人確認にも手間取ったほどであり、安倍政権としては寝耳に水だったことが分かるのです。
しかも『自己責任』などとして、安田氏を誹謗中傷していた安倍支持層にとっては最悪の結果といえます。それに、そんな言説に乗っかって見放していた安倍政権にとっても、最悪の結末です。安倍氏や河野氏の、あまり嬉しくなさそうな会見でもそれが伝わりました。言葉は悪いですが、どの面下げて安田氏と会うのか? 今から頭が痛いのかもしれません。

第197臨時国会が召集されました。今日は所信表明演説だけですが、その中で生産年齢人口が450万人減ったが、女性の雇用が200万人増えた、とし、それを政権の成果とします。しかし本来、子育て世帯のどちらかが働かなくて済む、子育てに専念できるのが最良であり、子供が犠牲になっている可能性もある。そもそも450万人減る、ということ自体が政策の失敗であり、それを女性、高齢者、それに外国人就労を増やして対応しよう、という弥縫策の結果なのです。しかも安倍政権の間に出生率が上がったわけでもありません。安倍氏のいう少子高齢化が「我が国最大のピンチ」なら、何の手も打っていない形なのです。
「社会保障制度を3年で全世代型へ」などというのも、「生涯現役」などと使い始めたことからすると、要するに給付を減らし、負担を増やすということで、これも失敗の結果です。生涯働かないと生きていけない制度にする、それが全世代型であり、まさに子育てどころか生活の余裕すら失っていく、ということにもなるのでしょう。すべては安倍ノミクスで成長、などという言葉が嘘になり、低成長であえぐ現状では、社会保障費の支払いすら窮するのであって、しかも今後は時限爆弾のように歳出が増え、日銀も緩和を停止する段階で、国には余裕がなくなってしまう未来しか描けない。美辞麗句で飾っても、言葉の裏には苦境しか感じません。

「初心に帰り…慢心はないか?」などとも述べましたが、未だにくすぶる森友・加計問題のみならず、閣僚に噴出する政治資金の問題、政治の浄化さえ目標に掲げない。まさに最大の「国難」は安倍氏そのもの、というほどのお粗末な所信表明でした。今回の安田氏の問題でも、安倍政権は何もしていないのは明らかなのに、「密接にトルコ、カタールと連絡をとっていた」などと嘘をつく。「初心」でも「慢心」でもなく、安倍氏は国民にとって「叛臣」というのがもっとも相応しいのかもしれませんね。

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2018年10月23日

明治維新から150年

150年前の10月23日、元号が慶應から明治に改元され、明治時代が始まりました。ただ騙されてはいけないのが、明治はかなり不正や不祥事が横行し、国民からの不人気は如何ともしがたく、そのため政府に逆らった西郷隆盛が英雄視され、後世に美名を残したのです。反逆者なのに西郷を厚遇せざるを得なかったのは、明治政府としても苦渋の決断であり、その人気にあやからないと政体の基盤が揺らぐほど、明治政府というのは脆かったのです。
しかも歴史的に明らかになったのは、国内でドンパチやって白黒つける、そのために外国勢の介入も厭わなかった薩長と、戦争を回避することが日本を守ると考えた幕府、という差であり、どちらが歴史的に評価されるべきか? という点です。もし薩長の思惑通りに事がすすんだら、日本という国体そのものが現在までつづいていなかったのかもしれません。

今日の日経平均は大幅安です。原因は、これまで買支え役となってきた日系大手1社がついにギブアップし、3度目の正直で売り方の勝ちになったのです。売り方といっても、様々な事情で今月は売らざるを得なかった層も含まれ、幾つもの主体がある中で日系大手1社で対抗するのは、そもそもムリがあった。米中が減税をうちだす中で株価が弱含んだことで、買い方が一気に厳しくなったことも影響したでしょう。米中の減税は、明らかに来年は財政問題が両国とも噴出するとの警戒もあり、楽観一辺倒になりにくい。特にそれ以外の要因も重なり、リスクオンになりにくく、年末高を囃して買った層の見切り売りも影響しています。
しかも日本は来年、安倍ノミクスの失敗と消費税再増税が重なってくる。NHKスぺのマネーワールドでも、金融緩和は害悪、といったニュアンスの報じ方もでてきた。金融緩和をしても成長しないし、未開の場所でとんでもない融資が為されている。その原因が金融緩和でお金をじゃぶじゃぶにされたこと、という番組構成であり、一般人もそうした認識をもつようになるでしょう。日銀への風当たりが増し、半年後をみる株価としては弱気にならざるを得ない。金融緩和は、成長を促さずとも株価を高値にもち上げる効果だけはあったので、市場的には厳しくなることが予想されるのです。世界の金融バブルが崩壊するタイミング、それを予想した者が今後の勝者となっていくのであり、すでにその準備は始まっています。

安倍氏は明治維新150年式典でも「今は国難の時代」などと述べます。しかし自らが国難を招いた元凶であり、それが安倍ノミクスです。3本の矢は「大胆な金融政策」「機動的な財政政策」「民間投資を喚起する成長戦略」ですが、現時点でその結果は「やり過ぎた金融政策」「米兵器の購入に費やされた財政」「低成長で国内投資は低迷」です。まさに安倍政権6年間で、日本を国難に導いたのであって、安倍氏のせいということにもなるのです。
幼児性をもった維新の志士たちは、結局自分たちでは上手くいかず、旧幕臣の力を借りて維新を成し遂げていったことも、歴史の事実です。しかし今、頼るべき幕臣もいなければ、官僚を骨抜きにしてしまったことで政治が上手く機能する見込みすらない。来年は世界で財政の問題が噴出することでしょう。それが米国発なのか、中国発なのかは分かりません。しかし現在の懸念が指摘される伊国や、原油依存からの脱却をめざすサウジどころのインパクトではなく、世界全体を覆うほどの黒い霧となってくるはずです。そして日本は経常黒字国なので、すぐに財政問題が破裂することはありませんが、すべての市場が下方に引きずられるような黒い霧になると、対外投資の多い日本への打撃は大きく、いずれ大波が襲います。日本の最大の国難は、安倍氏そのもの。海外とのドンパチを煽って防衛予算を拡大させ、経済政策に失敗したためにその資金も捻出できない、という所作の結果として「国難」を招いている。明治維新から150年、151年目には愈々それが明らかになるのかもしれませんね。

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2018年10月22日

日銀の金融システムリポート

台湾で日本製の列車が転覆しました。事情についてはまだ分かりませんが、高速でカーブに突っ込んでおり、機器の故障も疑われます。安全装置を切っていたとの報道もありますが、ブレーキ系に何らかのトラブルか、運転手の自殺的行為でもない限り、あの速度をだすことはないでしょう。ブラックボックスが回収されているので、いずれ事情が判明するかもしれませんが、日本の鉄道車両輸出に黄色信号が灯ったことだけは間違いないのかもしれません。

日銀が金融システムリポートを出しました。これは金融機関の情勢などを分析するものですが、低金利が長引いており、銀行などは低採算性の融資や、信用コストに見合わぬ融資を拡大させており、「バブル期にみられたような過熱感はうかがわれない」とします。バブル期並みに過熱していたら大変ですが、そこに近づいているのであって、かなり深刻です。
しかも国内ばかりでなく、国外への投資でも海外金融機関との競争激化でリスクの高い融資が増えている、とする。特に、今年に入ってから突出して日本からの直接対外投資が増えており、世界経済が不安定化する中での融資でもあり、余計に問題を抱えている可能性があります。金融システムリポート自体は半年に一度、だしているものですが、ここに来て判断を悪化させたのは、日銀が政策転換するための材料づくりではないか? とされます。日銀は政策変更を意味するものではない、としますが、リスクが高まっているのに手を打たない、というわけにはいかない。今回のリポートだけで黒田バズーカを見直すわけにはいきませんが、いつでも金融政策を中立状態にもっていく材料にすることはできます。

内閣府がGDPとともに発表している雇用者報酬について、2018年度分を下方修正する見込みです。これまでも「高過ぎる」と批判をうけており、他の指標とも合っていなかった。また厚労省が発表している毎月勤労統計は1月に統計の算出方法を見直したことで伸びが高くなった、との指摘をうけて従来の方法を参考値として載せていますが、内閣府も同じように賃金を高く見せかけていた形です。脱デフレを確実にするため、というより安倍首相のすすめる官製賃上げの成果を見せかけるために、統計を忖度によって操作した、という形です。
今日の株価上昇も、きっかけは中国による景気対策がうちだされ、上海株が場中に上昇したことが理由ですが、日経225先物にはいつもの日系大手がラージもミニも大幅な買いを入れていた。よく海外投資家が先物を大量に売ったから、反対売買を入れるときは上がる、という人もいますが、日系大手がこれだけ反対に買いを入れていたら、よほどのことながい限り、ほぼ相殺されるでしょう。まるで株価まで、安倍政権が望む水準に価格を維持するよう、忖度が働いているかのようであり、安倍政権の数字の見せかけは深刻です。

それこそまるで、日本は高速でカーブに突っ込むように、危ない運転をつづけている。日本の金融機関は健全、というのが債券市場でも下支え役になるとのシナリオもありましたが、金融システムリポートの示すようにリスク資産を大量に抱えていたら、景気後退期には不良債権となり、回復を遅らせることになるのです。成長しないと…との強迫観念にとらわれた安倍政権、ブレーキ役の日銀はすでに壊れており、運転手役の政府は経済指標の操作という自殺行為に手を染めている。いずれ大きなクラッシュに見舞われることは間違いなく、対岸の火事と傍観しているわけにはいかないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:06|PermalinkComments(4)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 一般

2018年10月21日

ポスト安倍について考える

那覇市長選で、現職で辺野古移設反対派の城間氏が再選を果たしました。県知事選で当選した玉城氏も応援しており、自公維希の応援する新人を破ったのは余勢を駆ったという面もあるかもしれませんが、安倍政権の嫌われぶりも顕著になった、とみることも可能です。玉城氏と会談した後、すぐに辺野古移設にむけた対抗措置をとる安倍政権。県民の意思は無視するのか! という怒りも投票を促したのだとしたら、この動きは全国に広がる可能性もあります。
まさか、とは思いますが、国の文化審議会が19日、琉球王国の国王の陵墓『玉陵』を国宝に答申する、という件もありました。沖縄の建造物で初の国宝であり、県民の反安倍感情を緩和する目的もあったかもしれません。そうして国宝指定をすると、観光には有利であり、基地に頼らずとも自立できてしまう。そのため安倍政権ではやりたくない、が本音だったでしょう。しかし沖縄県知事選の敗北をうけ、是が非でも歓心を買う必要があった。ただ安倍政権のこすい手法に、段々国民が気づき始めたという事情があったのかもしれません。

ポスト安倍について、各紙でも報じられていますが、石破氏は無役、岸田政調会長、河野外相は留任、野田氏は衆予算委員長、加藤氏は総務会長、小泉氏は厚労部会長です。総裁選で争った石破氏を無役においたことで、政権批判をし易くなり、安倍氏の掲げる改憲案にすら疑問を呈しています。党内がバラバラ、という印象は明らかに政権にとって不利ですが、総裁選で安倍氏を応援した勢力に配慮せざるを得ず、石破氏を処遇できなかった。この辺りにすでに脆さが見え隠れします。一強とされながら、すでに『配慮』が働いているのです。
野田氏は本人の思惑とは別に、このまま重鎮とされるポジションに追いやられた。予算委はテレビ中継もされ、そのかじ取りも難しい。本来、ベテランで論功的な意味合いのポジションです。岸田氏、河野氏は政権と一体となってじり貧になるのが確実、何より二人とも今回手を挙げなかったことで、安倍政権との近さが嫌われる傾向もでてくるでしょう。小泉氏はまだ若すぎます。安倍氏の意中は加藤氏であろう、というのが透けて見えます。というより安倍氏を支持した勢力が、岸田氏や河野氏につくわけはないので、安倍氏の丁稚とされる勢力から出世させるしかない。稲田氏の目も残しつつ、加藤氏に引き継がせて安寧を得たい、というのが安倍氏の戦略なのでしょう。ナゼならそうしないと、安倍政権下で行った様々な不正などが、すべて白日の下にさらされかねず、それが怖いのです。

しかし安倍氏を支える勢力には小者感しかただよわない。安倍氏が自身を誇大にみせようと、それこそ『外交の安倍』『安倍ノミクス』などの虚勢をはったことで、安倍氏の後を継ぐ、となるとそれ以上のものを打ち出すしかない。むしろ安倍氏とは正反対の政策をとる方が楽なのです。加藤氏にしろ、稲田氏にしろ、安倍氏以上の虚構をつくりだすのは非常に難しく、しかも安倍氏の失敗の後を受け継ぐのですから、尚更厳しいといえるのです。
そして、そんな『こすい』安倍氏の手法にも、国民が気づき始めてしまった。実際、景気回復はすすまず低成長止まり、外交でも何の成果もないばかりか、どれも行き詰まり。それを何となくイメージだけで補ってきたばかりに、国民が一旦気づいてしまうと、凋落が止め処なくなりそうなのです。ポスト安倍を、安倍氏は決めきれなかった。それは、後継指名をすることで自身が力を失うことを恐れた、という側面と、まったく後継者を育ててこなかった、むしろ潰してきた結果でもあり、さらに自身が嘘で糊塗してきたことで難しくしてしまった、という側面があるのです。果たしてポスト安倍が、自民党内だけで収まるのか? 首相という意味のポストは、混沌としつつあるといえるのでしょうね。

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2018年10月20日

日中通貨交換協定が再開か?

東京証券取引所が9日に起こしたシステム障害で、社長の減額などを検討、と報じられます。ただ注文ができなかった証券会社などへの賠償は行わない方針であり、今一つすっきりしない幕引きを狙っているようです。確かに、補償などをすれば多額に及ぶ可能性があり、切り離したい思惑があるのでしょう。ただそれとて、元々の原因となった大量のシステム確認のための送信を行った。外資系の証券会社に賠償を求めればよい話。それができない、というのなら、東証側にシステム上の問題があったか、裏で何らかの力が働いた、ということになり、ますます不透明感がただよいます。どちらにしろ良いことは何もありません。
日本株は、日系大手が先物で大量に買い支えていたものの、それが17日で途絶えた。18日にはオプションにヘッジのプット買いを入れており、相場の下落に備え始めたのかもしれません。米株も不安定、上海株はもっと不安定、二つの市場を横目にみている日本株は、いずれにしろ自律反発が難しい面があります。むしろ自立反発できない、脆弱な市場という言い方がよいでしょう。その原因は簡単で、日本の成長率が低いため、国内での利益を上乗せできる可能性が低く、海外の景気頼みになってしまう、という点が大きいのでしょう。

そんな中、安倍首相の訪中にむけて閣僚は秋季例大祭で靖国に参拝しない、など日本側の気の使いようは凄まじいですが、その中で日中の通貨交換協定を再開する見通し、と伝わります。これは両国の中央銀行間で、いつでも通貨を交換できる仕組みであり、日中の関係悪化に伴い、停止されたものです。それが以前は30億ドル規模だったものを、10倍にするとのこと。つまり3兆円分の通貨を、中央銀行がやりとりできる形になります。
この仕組みが必要なときは、金融が混乱して通貨の調達が難しくなったとき、とされますが、実はもう一つの側面が外貨準備と同様に、相手国の通貨防衛において機能する、という点です。国が破綻の懸念を生じるのは、通貨調達が困難になったとき、が主です。相手国の通貨が調達できなくなり、価値の毀損がはっきりすると、通貨が暴落してハイパーインフレに陥ります。そのため各国が外貨準備をもちますが、多くがドルであり、ただ通貨を保有するのではなく米国債を購入する形で、各国が通貨を防衛しているのです。中国は今、その外貨準備の不足が囁かれている。それを、いつでも円を調達できる形にすることで下支えしよう、というのが今回の動きです。

しかし、もし仮に中国経済が破綻した場合、日本は中国側が調達した分の通貨の価値が毀損することになる。言ってみれば危機が飛び火します。3兆円は日本が泥をかぶれる分、としてはあまりに巨額です。中国経済がコケたら大変だから、だとしても、今の借金膨張型中国経済が改善しないうちに、助け船をだすのは危険にすぎる、といえるのでしょう。
日系大手にしろ、多分大丈夫だろう、で賭けて、後からこれは大変なことになりそうだ、としてヘッジをかける。日本政府も同様に、多分中国経済は破綻しない、に賭けているのだとしたら、甘過ぎる判断といえるのです。今、通貨供給量でいうとマネー3.0の時代、ニクソンショックで金本位制を失う前を1.0、そこからリーマンショック前までが2.0、そしてリーマンショック後、大量の資金供給によりダブついた状態がマネー3.0です。マネー3.0は、持続的な成長が難しくなった時代であり、借金してそれを成長に回す、というのが困難な時代。なのに、世界の見通しの甘い政府や企業が借金を重ね、何とかして儲けようとしているのが現状です。そして、それがいつ行き詰まるか? どこの国でもそうした危機に見舞われているのです。日本は、日本単独での成長が難しく、米中に何とか頑張ってもらわないといけない。だから通貨協定を結んででも、相手が破綻するのを防ごう、というのでしょう。マネー3.0の時代は、ある日突然大きなクラッシュがおきたら、必然的にマネー4.0に移行せざるを得ない、そんな脆弱さを有します。安倍政権も陥った罠、マネー3.0の時代を未だにつづけようとする日本が、一番の危機に陥りつつあり、脆弱な日本市場もそれを映す、ということなのでしょうね。

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2018年10月19日

雑感。世界から出遅れる日本

福島第一原発の事故で、業務上過失致死傷罪で強制起訴された東電の旧経営陣に関して、TVなどでは一斉に「謝罪した」とテロップつきで報じられました。しかし中身は冒頭に亡くなった人にむけたもので、決して罪をみとめたわけではないので、通常「お悔み」とするものです。それを「謝罪」としたのはTV局による東電への配慮だったのでしょう。東電は被害者へ配慮しています、というイメージが「謝罪した」と報じることでかなりアップするのですから。

レジ袋の有料化を環境省が求める、と報じられます。しかしレジ袋は可塑性が高い。つまり自然界ではすぐにボロボロになって、形すら失うほど脆いものであり、環境負荷は低いのです。むしろストロー、ペットボトル、個別商品の包装、弁当などのプラ容器などは可塑性が低く、環境負荷が高い。規制すべき方向性の順序が逆、ということがここでも言えます。
例えば今、道徳心の低い者でもゴミをポイ捨てするとき、レジ袋に入れて捨てるケースも多いですが、レジ袋が有料化されると、ゴミをばらばらに捨てる可能性があります。そうすると可塑性の低い、自然界でも厄介なポリ塩化ビニルやポリプロピレンなどのゴミが、回収しにくくなるかもしれません。レジ袋の有料化は啓発的な意味合いがあるとしても、消費への負担感だったり、上記したようなゴミの散逸という面にも配慮しないと、逆効果になりかねません。

安倍政権が消費税増税時にキャッシュレス決済にポイント還元を行う計画であることから、カード会社に接続料の引き下げや、企業にも消費減を招かないよう賃上げ要請などを行っています。携帯電話料金の値下げ要求にしろ、社会主義国かと見まがうばかりですが、ここに来てポイント還元は全商品対象などという案も出てきました。増税による歳入増より、コスト負担による歳出増や景気減退の影響の方が大きくなりそうな雲行きです。
結局、安倍政権では安倍ノミクスに失敗し、消費税再増税をするのが怖くて仕方ない。だからなるべく影響を小さくしたい、がこの一連の動きなのでしょう。特に、世界全体の景気が減速しはじめてきた。未だに高い水準にはありますが、逆にこれまでが高すぎてそれ以上になるのは相当難しい。今年前半のような状態がピークだとすれば、これからは落ちていく一方となります。来年の10月は、かなりマズイ環境だと認識し始めたのでしょう。

三井不動産がNYに5500億円をかけて、二つのビルを建設しています。出遅れ日本企業が米国に巨額投資をすると、大抵それが景気のピークを意味する、などというアノマリーもあります。中国の7-9月期GDPも実質で6.5%増と、かなり低い水準になってきましたが、経済指標をかなり見栄えがよいよう操作されている中国で、これほどの失速を示したのは、相当に悪いとみた方がよいでしょう。小売り売上高も上昇していますが、人民元安でインフレがすすむので、売上高は自然増となっている恐れもあり、注意も必要と言えます。
安倍政権では、廃プラの問題には周回遅れで世界に追いつこうとしている。ナゼかこの問題で旗手になる気もないようです。ただその議論もどこか的外れ、ASEMでも安倍氏が各国首脳から話しかけられることもなく、一人でポツンとする様子が、どこか寂し気でした。自由貿易の旗手、などとしてASEMでも議論の口火を切る役を任されましたが、日本が語るべき内容が乏しいのであって、様々な面で遅れをとっている。だから慌てて追いつこうと、レジ袋の有料化やキャッシュレス決済をもちだしてきたものの、スジが悪くて定着も難しいのが現状なのです。そのうち安倍政権が、大麻合法化などもいいだすかもしれない。カジノも設立が遅れ、すでに周回遅れで合法化してしまったように…。世界から出遅れた日本、それをいくら安倍政権が「謝罪した」としても、失った国益について国民が納得することはないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:33|PermalinkComments(8)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2018年10月18日

雑感。商品券と靖国参拝

片山地方創生担当相に報じられた口利き疑惑、片山氏は否定し、文春を訴えるとしますが、100万円を渡した業者は事実と認め、うけとった元私設秘書で税理士も、100万円をうけとったことは認めます。青色申告の承認取り消しを免れるため、と業者は明確に語っていますし、片山氏との面会もかなり詳述しています。記憶は鮮明といえ、結局それは青色申告が取り消された、という恨みも含むのでしょう。その100万円は片山氏にわたった、とされますが、もし片山氏が受け取っていたら、口利きの報酬というのはある程度認識していた可能性があります。元秘書からの資金ですから、単なる寄付とは到底思えないのですから。

消費税増税時の景気対策として、公明がプレミアム付き商品券の導入を言い始めました。自らが選挙公約にまでした軽減税率が不評で、慌てたというのが実態でしょう。安倍政権で検討されているキャッシュレス決済にポイント還元、という手法では、多く消費した方が多く還元される。消費した分だから…としても、貧困層はその消費すらままならないのです。
軽減税率にしても、食事に家族ででかけられる人は8%で、持ち帰りのお弁当なら10%。幼い子供がいたり、親が遅い時間にしか帰ってこられず、外食が難しくて自炊する余裕のない人には不利です。食料品には軽減税率があっても、朝から晩まで働いている人には意味がありません。また新聞にも軽減税率がかかっていますが、今どき新聞を読んでいるのは、ある程度余裕のある層でしょう。つまり今の軽減税率は、その考え方が非常にあいまいで、誰もが納得できる理屈もなく、富裕層優遇という側面が見え隠れするのです。これは弱者の味方を標榜してきた公明にとって死活問題であり、手を打ってきたのでしょう。ただし商品券を配るぐらいなら、税制などで考慮した方がコストも安いのであって、本末転倒といえます。

超党派「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」が、秋季例大祭の靖国神社に参拝しました。憲法20条3項に「国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない」とあるのに、それすら守れない人々が改憲を議論しようとする、という始末の悪さを露呈しています。しかも今年に限っては、事情が少し異なります。靖国トップが天皇批判を繰り広げた後であり、すでにその人物は辞職していますが、なかったことにできる話ではありません。つまり今年は、天皇に対して不敬を働いた靖国を参拝した議員、という意味になるのです。何の言及もなかったら、そうした懸念をさらに強くするのです。
むしろ今年は抗議して靖国に行かない、とした方がよほど態度としては好感されたでしょう。逆に、参拝したり玉串料などを納めたりした議員は、天皇を軽んじており、靖国を重視している、とも見なせる。平和を希求する天皇陛下と、戦争賛美ともとられる内容を含む靖国と、政治家としてどちらを重視するべきかは、論じるまでもないでしょう。この議員の会は、憲法を守る自制心もなく、また天皇陛下をも蔑ろにする勢力とすら断じられます。

安倍首相は「自衛隊を憲法に書く」意義を解きますが、現行憲法を守る気もないのに、新憲法にしたとて守るとは到底思えない。そもそも憲法17条には「何人も、公務員の不法行為にひょり、損害を受けたときは…国又は公共団体にその賠償を求めることができる」とあります。片山氏の問題とて、もし政治の働きかけで青色申告が受け入れられていたら、税法が歪められたとして、国に損害賠償をしてもいい、というほどのものなのです。上記二つをまとめると、庶民の敵で戦争屋、それが安倍氏とその周辺の実態なのでしょう。むしろ「そういう輩が国政に携われないよう憲法に書く」方が先、といえるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:14|PermalinkComments(2)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2018年10月17日

雑感、臨時国会と醜聞

株式市場は世界同時株安から堅調な回復…と報じられます。しかし日本に限ってみれば日系の大手1社がずっと日経225先物に大量買いを入れ、相場を支えてきた。しかもミニもラージも、ですから相当に買いが溜まっており、23000円を手前にした今日、息切れも見え隠れします。ここが限界だと日本株の下支え役がいなくなり、23000円が遠くなるのかもしれません。
相場がすぐ元の水準にもどす、とみこんだのか? それとも単なる注文売買なのか? もしかしたら相場が下がったら困る事情でもあったのか…? いずれにしろこれから数日が勝負かもしれません。海外勢が仕掛けた空売り比率と、日本勢が抱える先物買いと、どちらが勝つかでその後の相場の流れが、しばらく決まってしまうのかもしれません。自然に解消されるのではなく、戦略の練り直しを迫られたときは大量の反対売買がでてくるのですから。

臨時国会が来週24日から12月上旬となりそうです。1ヶ月半ありますが、その間に安倍首相の訪中やASEAN出席など外交日程が立て込むので、かなりタイトです。しかも文春で、片山地方創生担当相に口利き疑惑、と報じられることが明らかとなりました。工藤国交政務官を始め、相変わらずの醜聞だらけの閣僚によって、審議が相当程度に紛糾すると予想されます。
よく「醜聞追及などしていないで、国政として大事な法案の審議をしろ」という人がいますが、醜聞を抱えた閣僚が法案審議に足るのか? 例えば工藤氏のようなケースは、自身のお金の管理もできないような人物が、国交政務官として務まるのか? 片山氏は口利きですから、政治家としての資質にすら疑問符がつきます。補正予算は9400億円規模とされますが、どちらも地方、国交省にも関わるものです。閣僚の任にふさわしくない者がそれを扱うのが如何に危険か? 考えるまでもなく分かることです。逆に言えば、任にふさわしくない者を任命してしまった責任があり、それを見直さなければ安倍政権の責任に帰されるのです。

安倍氏は欧州3ヶ国を歴訪しています。スペイン、仏、ベルギーですが、安倍氏はナゼか最近「自由貿易の旗手」と、自身を評します。しかし日本と比べても、欧州内の方がよほど自由貿易がすすんでおり、旗手などと言えば笑われるレベルです。しかし同じような構図は、北朝鮮問題でも「先頭に立って…」と使っていましたし、よほど安倍氏は自分が率先して何かやっている、と喧伝しなければ気が済まないようですが、北朝鮮問題では独りぼっちになり、日本だけが問題を山積みにしたまま取り残されました。果たして自由貿易に関しては、安倍氏のいう通りに日本が旗振り役となることができるか? まずムリでしょう。
日本は金融、メディアなど、様々な非関税障壁があり、決して開かれた市場ではありません。実効レートでは歴史的な円安水準なのに、外資からのM&Aがほとんどないことでもそれがうかがえます。むしろ日本は閉鎖された国、というのが一般的な海外の日本の見方なのであり、旗手どころか『奇習』の国とされるのです。日本独自の文化、風習は外資の参入を拒むのと同時に、日本企業が海外企業を買収しても上手くいかないのは周知の事実です。

安倍政権で海外に向けて有名になった言葉は『忖度』です。それ自体、よい言葉なのですが、海外の人は『命じられなくても不正に手を貸すこと』という意味でうけとっているでしょう。サウジ記者暗殺も、サウジの公式見解通りなら、ならず者の殺し屋たちが領事館の中で行った、それも『忖度』で、という何とも不可思議な話にもなる。海外では訳せない言葉をそのまま用いますから、『忖度』もいずれ海外で定着するかもしれません。醜聞だらけの閣僚で、政治を回そうとすることもそうです。日本は旗手どころか奇妙な種、『奇種』だという認識が、安倍政権のこういう態度からも広がるのかもしれませんね。

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2018年10月16日

安倍改造内閣の政治とカネ

サウジアラビア人記者がトルコで暗殺された疑惑で、米紙などではサウジは認める方向、と報じます。サウジは王族による独裁であり、北朝鮮よりも国体としては異常な国です。よりにもよって、投資を呼び込もう、また積極的に投資することで歳入を賄おう、とした矢先に圧力をかけられては堪らない、というところでしょう。外国人旅行客もほとんど受け入れていませんし、その閉鎖性や、独裁と暗殺をむすびつけられると困ったことになる。領事館への捜査を受け入れたのも、そんな事情が透けてみえますが、果たして「取り調べの過程で、事故で亡くなった」という説明が通用するのか? それ次第では予断を許さないのでしょう。

安倍改造内閣が発足して、たちまち政治とカネの問題が噴出です。工藤国交政務官が集会を開きながら、それを政治資金収支報告書に記載していなかった問題。工藤氏の事務所は「政治パーティーではなく実費の集会」としますが、それで収入があり、政治資金でないなら雑所得ですから、当然税金を払っていないとおかしな話です。では税金を払っていたのか? 今回は報告書を訂正していますが、もしかしたらそれまで脱税状態にあったのかもしれません。
石田総務相は駐車場代や車の保険料などの車に関する支出を、政治資金から捻出している疑惑です。あくまで政治団体の所有で、名義登録で本人にしており、維持費として石田氏に払っている、との説明ですが、収支からは複数台の所有となるものの、石田氏の保有資産からは自家用車は一台だけで、現状では政治団体の説明すら宙に浮いた状態です。しかもその車を石田氏が個人的に利用していたら、政治資金の私物化にあたり、問題となるものです。

社民党の福島瑞穂氏が「東京五輪のボランティアの派遣はパソナ」とTwitterで指摘しています。契約金は非公開ということに怒りを表明していますが、もう一つの問題は随意契約ではないのか? という点です。ボランティアの派遣など、人材派遣会社ならどこでも可能なはず。特殊な技能はいりません。今回の東京五輪のボランティア募集に、過去の経験を尋ねるものがありますが、その経験が生かせる保証などどこにもないのです。ならば公募すべきであって、随意契約でパソナに決めてしまうのは癒着との誹りもうけるでしょう。
消費税再増税の対策でさえ、問題を山のように抱えており、国民の間にもお金の問題がシビアになってきた。そんなとき、安倍政権が政治とカネでトラブルを抱えると、余計にダメージを大きくするのでしょう。来年のGW10連休という話も、安倍政権では頃合いを見計らってこのタイミングで発表したのでしょうが、カレンダー業界から悲鳴が上がり、また休日が多すぎて時間給で働く人が厳しくなるなど、負の面が語られるようになった。消費税再増税でも、早く制度を決めないと小売りの対応もままならず、大混乱に陥るのが必定です。それは安倍政権の意思決定が遅すぎて混乱する、と政治手腕の問題にも帰されるものとなるでしょう。

アラブの方の諺に「真理の矢を投げるのなら、先端を蜜にひたせ」というものがあります。正論による鋭い批判は、相手を怒らせ、反撃をくらうものだからやんわりと伝えろ、といった意味ですが、サウジ記者はそれができなかったのでしょう。安倍政権では「政策を打つなら、先端を蜜にひたせ。その蜜にはオトモダチを集らせろ」となるのかもしれません。キャッシュレス決済の導入も経産省が推進しており、そこには多くの利権があるのでしょう。安倍政権の政治とカネ、もう一つのアラブの諺で例えるなら「ハエはミルク売りの顔を知っている」であり、安倍政権の周りにはハエが群がった構図があり、そこが嫌悪されるところなのでしょうね。

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2018年10月15日

為替条項のインパクト

安倍政権が消費税10%を表明しました。もし来年の再増税ができなければ、安倍ノミクスが成功としていた言葉が嘘になる。また小売り店などは、中小との線引きがありますが、地域で数10店を構えていたら大型? 移動販売は? チェーン店は大型でも、うちの地域にあるお店は小さいんだけど…など、様々なトラブルを生むことになります。公明が党是のように軽減税率を謳っていたので、仕方なく導入するけど、混乱させて早期に全商品10%に、が本音です。
中小型店でもキャッシュレス決済を導入しなければ、競争力はない。一方で導入したところで、利用客が高齢者なら設備維持の方が、負担が重くなる。そもそも高齢者が新規にキャッシュレス決済による申請を受け付けてもらえるのか? キャッシュレス決済もできないカードも止められた貧困層が、還元の恩恵をうけられなくていいのか? 住宅や自動車などが減税になることからも、富裕層優遇ではないか? など様々な疑惑すら渦巻いています。経団連が10%に増税するのを歓迎していますが、今や経団連はBtoB(Businessすら期待できず、BtoG(Government)、政府との取引を増やしたい、と考えている。つまりBtoC(Consumer)を蔑ろにしても構わない、という意識が透けるのです。国民の大反発を招きかねないのでしょう。

今日の株価は先週の世界同時株安の流れを引きずりました。消費税再増税の先送りを期待していた層が…などとされますが、上記したように安倍ノミクスの失敗を明示するようなものなので、それができないことぐらい、市場は承知しています。問題は、米国がもちだした為替条項の破壊力です。日本は為替操作はしていない、と主張するでしょう。しかし実は日銀の政策の中に、それと指摘されるものがあった場合、そのインパクトが大きいのです。
日銀はETF、REITなどを市場から購入しています。建前は「市場にお金を供給し、インフレにするため」ですが、今の日銀は前場に下がったら買う、と機械的に買いを入れています。これでは市場にお金を供給していますが、増やしているわけではない。インフレ目的とは程遠い。それどころか、国内の投資先を消失させ、ダブついた資金を海外へもちださせることで円安誘導しているのでは? との疑いすらある。事実、日銀がETFを買うことでファンドなどがその組成のため、蓄えた株価によって市場に流通する量が激減しています。流動性が低下しているため、株の取引量も減っている。日銀の説明を肯定する経済学者もおらず、米側から圧力をうけたら止めざるを得ません。

もう一つがイールドカーブコントロール(YCC)。それをするとインフレになる理屈もよく分からない。事実、5年も経ってインフレになっていないのなら、止めるべきです。言葉は悪いですが、これまでの試験は落第だったけど、次の試験は頑張る、と言っているようなもの。しかも頑張ったところで、試験に合格する見込みもないのが現状です。安倍政権はTAGと言い張る日米通商交渉で、為替条項が入ることによって日銀の政策が転換する。市場がそれを織りこみに行ったとて、何の不思議もありません。そして黒田バズーカが撤回されたとき、安倍ノミクスは終焉し、日本だけが「リーマンショック級の景気変動」を引き起こし、消費税再増税すら難しくなるのかもしれません。何しろ、日銀の資産買入とYCCが円安のドライバーだったことは間違いなく、それを露呈したら為替操作国に認定されるかもしれません。
昭和大医学部も不正入試があった、と発表されました。日銀ほど、不正をしてでもインフレ試験に合格したい、と考えているところもないでしょう。しかし米試験官から不正を指摘され、渋々と撤回することになるのかもしれません。そのとき日本の株式市場がどこまで下がるのか? 市場という試験官が下す審判に、安倍政権が戦々恐々というのが現状でしょう。そうさせないため、米国に更なる貢物をするためにももっともっと増税しないと…、が本音なのかもしれませんね。

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2018年10月14日

雑感。増税時の対策

安倍政権では、明日の閣議で消費税増税時の景気下押し対策について、検討がはじまります。ただそもそもおかしいのは、小売店で『キャッシュレス決済』をした顧客にだけ、ポイントで還元するということ。だからといってキャッシュレス決済にしよう、というのは中年ぐらいまでで、高齢者でこれまで現金払いだった人が移行するとは到底思えません。弱者切り捨て、との批判を受ける覚悟があるのか? そもそもポイント還元をうける権利が、支払いの手段で変わってよいのか? それを店側が、自主的にやるなら戦略で済みますが、国で制度として行うなら、間違いなく不平等というレッテルが貼られることになるでしょう。
しかも今語られる軽減税率の制度は、販売の現場も、消費者も混乱するのが確実です。混乱すれば消費は停滞する。誰もが様子をみようとするからで、何のために軽減税率を導入するか? その目的すら不明となります。しかも自動車には何らかの激変緩和措置を設ける、という。当初、政府の諮問会議にトヨタの豊田会長が参加していたように、自動車業界となぁなぁの関係だから、特典がつくのか? それもまた不平等感を強めることになるでしょう。

しかも安倍政権は「リーマンショック級の激変が起こったら増税を止める」と明言しており、俄かにその確率が上がってきた。米中貿易戦争、イタリア債務、今回の世界同時株安でも世界から100兆円以上が失われた。世界は不安と楽観をくり返しながら、やがて大きなクラッシュを迎えます。問題はその時期ですが、世界全体でリーマンショック前の債務水準を超えてきた今は、不意の変動でリーマンショック級のトラブルを引き起こしかねない状態なのです。
ムニューシン財務長官が日米貿易協議でも為替条項を、と発言しました。為替操作国に中国も…とも発言しており、米国が為替について厳しい目を向け始めたことは間違いないでしょう。そもそも関税障壁を高くしたとて、貿易赤字そのものの縮小は見込めないのですから、為替に目がいくのは当然です。実際、為替を直接は操作していなくても、弱い国から逃避する資金が、その国を通貨安にしていくものであり、日中の通貨安は、実は弱さの裏返しでもあり、それまで目の敵にされてはたまったものではない、が本音です。

むしろ円安で業績好調、などと喧伝されることが日本では多いですが、そういう人物らには楔になるのかもしれません。そしてそれが期待できなくなったとき、株価がまたどう変化するのか? そうやって株価の下落がリーマンショック級になったとき、増税もできなくなり、財政再建ができないとなったら、日本の円がどう動くのか? これからは一つ一つの動きが、どこにどう波及するのか? きちんと考えておかないといけないのでしょう。むしろ円の価値が下がるから、今からキャッシュレスを推進したい…という安倍政権の狙いだとしたら、それは政策の失敗をごまかしているに過ぎず、日本の深刻度はリーマンショック級、ということになるのかもしれませんね。

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2018年10月13日

雑感。立民と国民の覚書

昨晩の米株は300$近く上げました。ただ、シカゴ日経平均先物は金曜日の終値より100円以上も安く返ってきました。日系1社の大量の先物買いによって、金曜の上昇が支えられた側面もあり、海外勢としては反対売買を入れたくなるところでしょう。ナゼなら、崩せば利益が得られるとの算段が立ちますから。米株の戻りはすでに織りこんでいたのも、期待よりもどらなかったことで、売りも入れやすい。週明けは日本勢の頑張り次第かもしれません。

改憲に関するCMにおいて、民放連が自主規制しない方針を示し、自民側が懸念を抱いています。改憲に賛成するCMをバンバン流せるのですから、自民にとって規制などない方がいいはずですが、逆に賛成のCMばかり流されて国民の間に白けたムードが流れるのを警戒しているのでしょう。賛否両方があって、議論が活発化して投票率も上がって…というのが自民の描いている戦略であって、しかも賛成派のCM量だけではとても足りない、という事情もあるのでしょう。そもそも改憲でCMを流そうとする団体、個人が一体どれぐらいいるのか? 自民だけがバンバン流して…は、怖くて仕方ないのかもしれない。改憲できなかったときのしっぺ返しが…。
野党の動きもでてきました。立憲民主と国民民主が連合のとりなしで「各選挙区の事前調整の必要性を共有」という覚書を交わしたのです。しかしこの文言、行動について何も担保するところがなく、枝野立民代表が牽制する発言を行えば、玉木国民代表が事前の世論調査や予備選挙で、と述べるなど、早速怪しい動きがおきています。しかし支持率1%もない国民民主が、予備選などを行っても勝てるはずがない。また目玉候補を擁立したくても、ここまで不人気なら誰も手を挙げてくれないでしょう。泡沫候補ばかりでは、立候補すらできません。

それでも国民民主が強気なのは、貯めこんだ政党助成金があるため、なのでしょう。言葉は悪いですが、金で候補者を買う。そのいくつか、戦略としては相撲協会を退社し、借金があるともされる貴乃花氏、宇宙事業が軌道に乗らない堀江氏、そして大阪市長を辞してからも、政治的発言をしている橋下氏、などです。橋下氏はお金に困っていないかもしれませんが、自民から立候補したとて、首相になれる公算は低い。「対決より解決」を掲げて維新に近い立ち位置でもある国民民主なら、野党第一党になれる可能性があります。橋下氏が参加し、支持率を一気に上げて予備選、これなら野党統一候補として国民民主からいくつか立てられるでしょう。玉木氏は代表の座から退くことになるかもしれませんが、名を捨てて実をとるなら、これしかありません。国民民主を橋下氏の党にしてしまうのです。
ただこの戦略の最大の壁は、橋下氏が首を縦にふる可能性が低い、ということなのでしょう。そして野党統一候補の座を得るために、大盤振る舞いしてしまえば、実際の選挙戦でどれだけの選挙資金が残るのか? 青息吐息の国民民主と、潤沢な資金をもつ自民が戦って勝ち目があるのか? 国民民主が引っ掻き回せば回すほど、自民にとって有利にしかならなくなるのでしょう。しかし自民としては、国民民主が潤沢にもつ資金で、改憲に関して弱い反対のCMをバンバン流して、議論を盛り上げて欲しい、というのが本音かもしれません。そして立憲民主は二段階で、金満選挙と戦って勝ち取らないと、議席を奪えないのかもしれません。立民と国民、その覚書の裏には連合の働きかけがあったものと推測されますが、立民と国民とを連合させるのは、到底ムリなのかもしれませんね。

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2018年10月12日

安倍政権の嘘がまた、海外から…

今日の日経平均は下げ止まりました。ただ、中国上海市場の落ち着きや、2日で1500$ほど下げた米株が今日は反発するだろう、との思惑で買い戻しただけで、上記のことは騙しになる可能性もあります。週末で売り方が一旦手仕舞った、というのがあっても、日経平均は大きくもどしたものの、TOPIXはほぼ横這い。こういう大きな下げの後は、戦略の練り直しなどがあるので、当面は思惑でボラティリティの高い展開になることを覚悟しなければいけません。

大阪の松井府知事が、府議会の6分の休憩の間に、喫煙のために公用車に乗っていたと自民から追及されました。こうした点にも安倍政権の統制が利きにくくなった、と感じさせます。安倍政権は維新と協力関係にあり、特に改憲では公明の対応が見極められない中、維新の存在は不可欠です。しかし自民大阪府連にとって、維新は目の上のたんこぶ。倒すべき相手です。自民総裁選でも、あれほど引き締めたにも関わらず石破氏に流れた票、安倍政権のめざす方向性と、地方のもつ価値観との乖離。ある意味、深刻度を増しているといえます。
しかも、安倍政権は外交で困った場面が目立ってきました。日米貿易交渉、TAGなど存在しないことが明らかになり、しかも米調査報道サイト「プロパブリカ」が、日米首脳会談でトランプ氏が支援者の経営する「ラスベガス・サンズ」の、カジノ日本参入をみとめるよう、安倍氏に迫ったと報じました。しかもこれは昨年2月の話、安倍氏はその後の国会答弁で、カジノをめぐって米と会話したことは「一切ない」と語っており、答弁との整合性が問われます。しかもこの「一切ない」は、安倍氏の疑惑となったケースが度々ありましたが、米側との交渉でもそれを使っていた、となるとそれ以外のケースでも、多くが虚偽答弁だった可能性が高まる。嘘つき安倍政権の辻褄合わせが、海外から明らかになってきたのです。

もう一つ、中露北が5ヶ国協議を提唱しはじめました。つまりこれまで北朝鮮問題の話し合いは日本を含めた6ヶ国協議でしたが、日本を外そうというのです。日本はそれに残るためには米国の仲裁に頼らざるを得ず、そうなるとますます米側の要求を断れなくなる。しかも仮に6ヶ国協議に残れても、直接の首脳会談が開けるみこみもない。米国が領収書を回してくるとき、会談できる可能性もありますが、首脳会談まですすむ可能性は低いのです。
安倍主張と玉城沖縄県知事が会談しましたが、安倍氏のぶすっとした顔が目立ちました。それは今さら安倍政権がすすめてきた辺野古移設でいく、と米側にも約束しており、米側との約束は守れても、沖縄の民意は守れない、そう考えているためです。一体、どこの国の首相? というレベルですが、上記のように米側にいい顔をしてきた、そのツケを国民に回している。米側から回ってくる領収書も、増税して国民に回す、という安倍政権の一貫した態度によって、自身が追い詰められてきた、ということもいえるのです。

安倍氏には「ラスベガス・サンズ」が「三途」にしか聞こえなかったかもしれない。未だにくすぶる森友・加計学園問題にしろ、どれだけ嘘をついてきたのか? 安倍氏の渡る三途の川のその先にいる閻魔大王に、一体どれほど舌を抜かれないといけないのか? むしろ下(地方)からの突き上げによって、出し抜かれるのかもしれない。地獄の沙汰は金次第でも、株価まで怪しくなってきて、その懐も寂しくなってきた。総裁任期3期目は、6過酷協議になりつつあるのかもしれませんね。

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2018年10月11日

世界同時株安

豊洲市場が今日、開かれました。初日なのでいくつものトラブルもありますが、問題は人とモノが動きだすと、より地盤沈下がすすみ、コンクリやアスファルトに亀裂が入り、そのたび汚染水に悩まされる、ということをくり返す点にあるのでしょう。また巨大地震のときにあれほど脆弱な地盤、液状化しやすい場所がどうなるか? 市場が止まって営業ができないとなったら、どうするのか? これからの課題の方が多い、といえるのでしょう。

株式市場は大幅な下落です。割高な米株が下がったとて、それほど驚きはありませんが、日本の下げが大きくなったのは、9月中旬からの日本株上昇の根拠が揺らぎだしたため、です。「米株より割安」などという論が語られ、株買いを促してきましたが、割高な米株と比べればどこの国も割安です。米経済が強く、将来の成長を期待しての高さであり、それ以外の国の経済は米国より強くもないのに、株価だけキャッチアップするはずがありません。
もう一つは第2四半期の業績発表と同時に、今期の業績が上方修正される、とも喧伝されてきた。しかし少しずつはじまった企業の業績をみると、期待に達しないものが目立った。10月はヘッジファンドの決算月になることも多く、売りが出てくるのではないか? 特に日本は短期的な上昇率が高く、狙われやすい。そんな思惑が重なって、売り圧力が強まったのです。

一番景気のよい国の株価が下がったから、それほどよくない国の株価はもっと下がる、そんな流れもあるでしょう。では米株の動きをみると、ハイテク関連の売りが大きく、これは巷間語られる単純な金利上昇や貿易戦争ではありません。普通に考えれば、これまで上昇してきたので利益確定売りが一気に出た、ということですが、もう一つはこれまでネット関連株が、情報漏洩や中国に不正チップを組みこまれてスパイされていた、などの負の情報をまったく無視してきたこと。悪材料のデパートとされるFacebookは下げていますが、それでも限定的。Google+やAppleでも情報流出の話がありましたが、市場は無視を決めこんできました。今回の下げでも、まだそれを完全に織りこめておらず、それでも成長への期待でこれからも上がる局面はあるでしょうが、一旦立ち止まったという程度です。
むしろ、IMFによる世界経済の成長鈍化見通し、などをうけてグローバルに展開するハイテク関連の方が打撃が大きい、との認識が広がったこと。ならば一旦、売っておこうと考えたとて不思議はありません。それが今日、売りが重なったことで更なる狼狽売りを誘ったというのが現実でしょう。米株がここから1000〜2000$下げたとて、株価的にみても不自然さはありませんが、そこまでいくこともないでしょう。今はまだ、米株ぐらいしか投資する先がなく、需給的にはみても米株は上がりやすい。ただ、世界的に調整するとグローバルに動かすファンドなどは打撃が大きくなり、動かす資金が減るため、時間的な調整が大きくなることもあります。今回も下げの比率がどこまでなのか? 確認する必要があるのでしょう。

日本では25000円をめざして日本勢もだいぶ買ってきたので、打撃も大きくなった。23000円を上抜けた際、外国人投資家が水準ブレイクで買った分も、今回の下げでチャラになった。需給面でいうと、日本の痛手はかなり大きいものとなりました。米株よりも調整が長引く可能性があり、また理由なき円安を志向した層の被った損失も、また今後に影響するとみられます。日本の株価が液状化しやすいのは、根拠なき論をばらまく有象無象が多くて、安心して投資できない環境がそうさせるのでしょう。価値を簡単に溶けさせないような、しっかりとした土台を築かない限り、米国が震源となる巨大な揺れに脆弱な環境がつづくだけなのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:43|PermalinkComments(4)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

2018年10月10日

雑感。携帯料金と言論の自由と。

総務省が「モバイル市場の競争環境に関する検討会」の初会合を開きました。菅官房長官の肝入りで、通信料金の4割値下げを目的にする、とします。総務省の調査では日本だけが突出して高くみえますが、他の調査ではそうでないとの結果もあり、この辺りは注意したいところです。ただ料金設定より大きな問題は、携帯各社はiPhoneの契約だけ特殊な形態を用いており、それ以外の端末を保有する人に不利益があるのではないか? それが事実だった場合、携帯各社は集団訴訟を起こされてもおかしくありません。
料金そのものより、契約形態を簡素化することが一番であり、それが顧客の流動化につながるはずですが、政治的には面白くない。料金を引き下げた、などというのを成果として語られても、それは官製賃上げと同じで実は政治としての結果ではありません。単純に、企業が忖度しただけの話であり、本質的な部分で問題点を改善しない限り、決してそれは成果ではないのです。しかし安倍政権はみせかけの成果を誇ることが多く、今回もそれでしかありません。

米国では人気歌手テイラー・スイフト氏が、中間選挙を前に民主党支持を表明、波紋を広げています。米国では著名人が政治的な態度を表明することが多く、だからといって不利益をうけない、という文化があります。しかし日本では安倍政権が自ら「中立性を保て」とメディアに圧力をかけており、態度を表明すると仕事を干されるケースもあります。個を大切にしてきた米国と、組織を大切にしてきた日本、といえばそれまでですが、米国では大統領がヘイトをしても許される、というほど言論の自由がある、という意味では良し悪しです。
そんな米国のドルが、外貨準備として比率を落としている、との記事があります。6月末時点で62.2%と、依然としてその地位は変わりませんが、徐々にその比率を下げており、円は4.97%、人民元は1.84%と徐々にその比率を上げている。アジア経済圏の拡大という事情以外に、トランプ政権への不信がその背景にあるのでは? として警戒される動きです。

そして新興国で危機を謳われる国は、特に外貨準備の少なさを問題にされることも多い。さらに、その外貨準備が不安にさらされたときが、世界的な危機につながります。米国は現状、利上げ局面であり、外貨準備として国債を買うという選択が難しい。なので比率が下がるとしても、トランプ政権では減税と財政出動により、財政に大きな負担がかかっている。ただでなくとも貿易赤字であり、財政の穴埋めに失敗すると、国債にはさらなる売り圧力がかかり、そのかじ取りに失敗すると、米ドルが基軸通貨としての地位を失うことになるでしょう。
『人、遠慮なければ必ず近憂あり』、これは論語ですが、遠慮は控えめの方ではなく、未来を見通す、ということです。しかし今、どちらの意味でも当てはまりそうです。トランプ氏の遠慮のない物言いが、米国では様々な問題を生じ、国が分断されるという近憂を招いている。日本では未来を見通す目をもたない安倍政権が、近憂ではなく金融に頼ってきた。日米の政治が、『遠慮』を失う中で起きつつあること。それは今、比較的強い通貨となっているドル円でも、その価値を大きく毀損し、『害化準備』に陥る可能性をも秘めている、ということなのかもしれません。それでも個人で意見がいえる米国がいいのか、日本のように批判の声をひそめてでも、穏便にすまそうとする国がいいのか。そんな「モラリティ(道徳性)市場における競争環境」について、改めて考えた方がよいのかもしれませんね。

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2018年10月09日

雑感。9月景気ウォッチャー調査

国会では参院の野党第一党が、国民民主と立憲民主が24議席で同数となりました。野党第一党は、与党との協議ができ、また国会対策を主導できるという意味で、重要です。通常国会では衆院が立民、参院が国民と、戦略が割れるケースもあった。本来、衆参で同一の政党がになった方がよいのですが、そうなると国民民主は埋没懸念もあり、何としても死守したいとの思惑がある。ただ、先にも記したように統一した政党が当たる方がよいのに、それをしない、させないとなると、国民民主はさらに国民から見放されることになりかねない。国民民主という名前でも、国民と民主の間にはすきま風が吹いている状況といえるのでしょう。

今日は東証のシステムが午前、混乱しました。外資系が朝のシステムチェックで通信を確認する際、大量のデータを誤送信した、ということのようですが、何ともお粗末です。先日も仮想通貨について取り上げましたが、それがどんなに便利な仕組みだろうと、システムが一つエラーをだすと、取引そのものができなくなる。またデータそのものが飛ぶ、そうした可能性を常に抱える点が、全面移行には二の足を踏む点です。ある日、買い物や取引をしようとしたら、システムエラーでできませんでした。その経済的損失は、巨額に及ぶ可能性が高いのです。今はまだ、仮想通貨といえば小さなシステム、小さなパイでしかないので影響も軽微ですが、これが巨大なパイを動かすようになった後でトラブルが起きたら…。きっとその検証を経た後でないと、仮想通貨のような仕組みに安易に頼ってはいけないのでしょう。
9月の景気ウォッチャー調査が発表されました。現状判断DIは48.6と、前月比0.1pt減。驚くのは小売り関連が前月比1.1%増となったこと。9月は台風と北海道胆振東部地震により、消費が落ちている予想もある中で、この結果です。景気ウォッチャー調査は、地域別に主な意見が発表されることもあり、地域ごとの景況感が判断できるものです。そんな中、北海道は前月比11.6pt減、一方で西日本豪雨災害があった近畿は0.8pt減ですが、中国は2.5pt増。つまり景況感が改善しているのです。判断理由をみても、豪雨災害などがなかったかのように、まったく触れないものもある。あれだけ広範にわたった被害で、まるで無視などできるのか? もしかしたらまた安倍マジック、安倍政権では経済指標が信じられない、その一環かもしれません。

さらに先行き判断DIが51.3と前月比0.1pt減、小幅の減少にとどまったのは飲食関連が前月比2.4pt増と回復が鮮明。現状判断でも、小売りは売り上げが伸びた、との意見が多く、逆に飲食はかなり悪かった、とするものが目立った。9月に悪かった飲食関連が、先行きを明るくみる、という傾向はあるかもしれませんが、小売りが0.6pt減にとどまっており、安倍政権でいうところの「消費は底堅い」を地で行く内容、といっていいのかもしれません。
しかし原油高、円安に伴う悪影響の意見がほとんど出てこないのは、意外過ぎます。これも安倍政権では、円安をよいこととして判断する傾向に合わせた。原油高もデフレ脱却という目的のためには寄与します。そうした政権の判断を踏襲した、と言われても何の不思議もないような結果であり、また地震では政府も対策室をつくって対応に万全を期したけれど、豪雨災害のときは飲み会にうつつを抜かしていてもよい、という行動を正当化したということもいえるでしょう。地震では大きく落ちこむのに、豪雨ではむしろ上がるのですから。

気になるのは、先行き判断でも北海道は前月比4.3%減と、もどりが鈍いとみている点。これは前月の結果に対しての比較なので、減でも必ずしも悪化する、ということではありませんが、影響が長引くという見立ても多いのでしょう。それは意外と住宅地、商業地でも地盤が弱い、液状化という面もあって、それを解消するには時間がかかる、とみているためなのかもしれません。そしてもう一つ、農畜産業でうけたダメージは長期に亘る。病気になってしまった牛、泥が入って使えない田畑など、回復には数年かかるものが山ほどあるのです。ただ、下押し要因てんこ盛りなのに、国民が本当に楽観視しているとしたら、それも安倍マジックであり、国民が愚かになっている証拠だとしたら、余計に深刻なのでしょうね。

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2018年10月08日

自民改憲案と韓国との動き

加計学園の加計孝太郎理事長が会見しました。安倍首相と面談した、と愛媛県側に説明したのは「部下の勇み足だった」としましたが、それを人は嘘といい、社会的には詐欺と呼びます。そして部下だろうと、組織としての加計学園が詐欺について咎めを負うのです。部下がやったことで私は知らない、加計学園は関係ない、は通用しない。言い逃れとしても酷いもので、しかも首相の発言などとも齟齬があり、明確にそれについて説明もできていない。これだけ日も開き、かつ自ら会見日を指定したのですから、どれだけ戦略をもった言い訳を準備しているかと思えば、これです。本当に安倍氏の周りは能力に疑問符のつく人物ばかりです。嘘をついていい記者会見ではなく、国会の証人喚問で答えさせるべきなのでしょう。

国会で気になる動きがあります。自民が改憲案について、公明との事前協議を断念というのです。沖縄県知事選での大敗により、公明が頑なになった影響もあるでしょうが、事前協議することでブレるのを嫌った、という側面があるでしょう。安倍案、なる可笑しなものを提示してしまったばかりに、そこから逸れるだけで安倍氏が求心力を失う。ならば国会の憲法審に挙げて、公明に二進も三進も言わせない方がいい。そんな思惑が見え隠れします。
そしてもう一つ、憲法審で否定されつづけることで、国会を解散して衆参ダブル選挙にもちこむ戦略もある。憲法を争点に掲げて選挙で勝利すれば、公明も野党も有無をいわせず従う以外ない。何しろ、選挙でお墨付きを得た、といえるからです。公明と事前協議し、わざわざ提出段階で修正するより、その方が安倍政権にとって都合いい結果になります。ただその大前提が、選挙に勝つこと。だから衆参ダブルにするしかなく、組織票をフル稼働して戦うしかありません。ただ、改憲が争点になると投票率が上がることも予想され、また創価学会からも造反がでるとみられ、その辺りが読み切れないところなのでしょう。

ただここに来て、韓国が微妙な動きをしています。まず国際観艦式での自衛隊の旭日旗掲揚を韓国側が自粛するよう要請し、海自艦の出席が見送られました。また日本側が10億円をだした慰安婦財団が解散する方針となり、日本側にも通知されました。これらは左派系の政党が政権をになった、という事情とは少し異なるとみています。韓国の文政権も、最近は支持率が下がり気味、てこ入れが欲しい。安倍政権も改造では目玉をつくれず、国内の保守勢力を引き締めておきたい。双方の思惑が合致し、このタイミングで日韓が軋轢をみせるのは、双方の政権にとって都合よいのです。観艦式への参加見送りも、韓国側は強く抵抗した成果、日本側は理不尽な要求は断固拒否、と国内向けにアピールできます。
慰安婦財団の件も、これから日朝交渉へと向かう際、韓国側と金銭的に妥協していると、北朝鮮にもそれを前提として協議しないといけない。北朝鮮がそれで妥協してくれないと交渉が止まるので、素の状態にもどしておいた方がいい。韓国側は、安易な妥協をした朴槿恵政権の悪政を見直した、日本側は韓国がちゃぶ台返しをした、と主張できる。すでに7月から文政権は検討を始めていた、としますが、年内に解散というのをここで発表したのも、日韓の政権内では裏で合意もあったのでしょう。それを読売だけが一面で伝えた、というのも相変わらずです。日韓のここもとの動きは、明らかに双方の政権にとって、対外的な敵愾心を煽り、国内の引き締めをはかる上でウィンウィンということなのです。

安倍政権では衆参ダブル選挙に向け、今後もこうした朝鮮半島との対立を煽りたい。北朝鮮対応が菅官房長官に移ったのも、交渉というより対立の匂いがします。ただ日朝平壌宣言でも、新たに明らかになった問題は話し合いましょう、つまり慰安婦問題を俎上にのせることには合意していて、拉致被害については解決すると一言も書いていない。逆にいえば、慰安婦問題で資金を上乗せし、そこから拉致問題でも妥協をひきだしたい、というのが安倍政権なのでしょう。そしてその交渉がうまくいかないときは、韓国と同様に北朝鮮とも対立を煽って、衆参ダブル選挙への支援材料とするつもりなのでしょう。国会での動きと、俄かにもち上がった韓国との対立構図、これが勇み足になるかどうかはこれから、なのでしょうね。

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2018年10月06日

消費税増税時の対策?

米9月雇用統計は非農業部門の雇用者数が13.4万人増と、予想を下回りましたが、先月、先々月が大幅な上方改定となり、また失業率が3.7%と48年ぶりの低水準。さらに平均給与は前年同月比2.8%増と、ほどよい水準となりました。ただ、株式市場は下落。米金利が上昇し、2月の急落を意識し始めていること。平均時給が2.8%増で、インフレ率は8月に前年同月比2.2%増ですから、この数字が事実なら生活に余裕のでた家庭が増え、消費のしやすさにつながるため、インフレ予想が高まります。経済が強すぎて、逆に金利が低すぎて、そのバランスが利きにくくなっているのが米国です。なので、一つ間違えると急落を引き起こしかねない事情を抱えている、といえ、それがリスクオフの意識を高めてしまう、ということになります。

日本では来年の消費税再増税時のクッションとして、軽減税率の導入の一方、ポイントで還元なども語られています。安倍政権では現金志向の強い日本で、仮想通貨の導入をめざしていますから、ポイントも恐らくそういった形で国民を誘導する目的でしょう。以前のようなエコポイントでは、結果的にコストが膨大となり、また利用が制限されるなど、経済活性化にはつながらなかった。恐らく、今回は仮想通貨にして利用を促す形となるはずです。
ただNHKスぺでも価値が目減りする通貨キームガウアーについて取り上げていましたが、これは期限内につかわないと自動的にお金が減る仕組みで、そうすれば消費がすすむ、というものです。この仕組みを導入すると、自動的に寄付ができるため、社会貢献として参加する人がいます。ただ、参加する人数が増えると、必ず毎年数%の未使用のまま期限を迎えて消えるお金がでてくる。つまりその分、消費は下押しされることになります。またタンス預金ができなくなり、不測の事態で収入が減ったりしたときは、急に家計が破綻してしまうかもしれない。社会の安定と不可分であり、逆に言えばそれが崩れた途端に社会が崩壊してしまう可能性もある。サブ的な通貨としてなら可能でも、メインの通貨にはなり切れない仕組みです。

そもそも安倍政権では、国家が介入しての官製賃上げなど、企業に働きかけても一向に内部留保が減っていない。ある程度の統制が利くはずの企業に対してでさえ、お金を回す仕組みがつくれていないのに、個人に無理やりそれを押し付ければ景気を冷やしかねません。それを消費税増税と同時に行おう、というのは下策です。よほど上手い仕組みを考えない限り、失敗してさらに景気の底が深くなるだけでしょう。トランプ減税によって景気が浮揚する米国と、日本だけが対極の増税をする。それだけで問題があるのに、そうせざるを得ないのは、トランプ政権と安倍政権では政権担当の期間が異なるためです。
トランプ氏は前政権の遺産により、減税と歳出拡大を打てた。しかし安倍政権はもう6年目で、余裕がないから増税するしかない。世界的な潮流である仮想通貨にも乗り遅れ、貯蓄から投資へ、の流れもつくれなかった。そして消費税再増税の導入における仕組みづくりの失敗が、トドメになるのかもしれません。新たな成長戦略の策定は来夏となった。増税前、という意味と、参院選前に発表して支持率浮揚をめざしたものでしょう。しかし統一地方選には間に合わない。統一地方選で負ければ、負の連鎖で支持率が低迷し、そのまま参院選に雪崩れこむことになるでしょう。そもそも本当に安倍ノミクスが成功していたら、新たな成長戦略で支持率浮揚、などと考えなくてもよかったはずなのです。米国も来年は減税効果が薄れ、逆に日本の景気にも悪影響を及ぼしかねません。

目減りする政権の価値を、虚飾と誇張によって防いできた安倍政権。その仕組みも解明がすすんで通用しなくなり、信用も低下し、打つ手もない。安倍改造内閣のことを滞貨一掃などともされますが、まさにお金の信用と安倍政権の信用は表裏一体、滞貨一掃が今後は退化一層となり、経済の失政が致命傷となる日が近づいてきているのでしょうね。

明日は一日、お休みします。

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2018年10月05日

雑感。AppleとAmazonにデータ盗用チップを埋め込まれた、との報道

安倍政権では経済統計の信ぴょう性が著しく低下していますが、8月の家計調査で消費支出が前年同月比、実質で2.8%増になった、とします。猛暑でも消費が増えたのは夏の賞与が増えたから、とその理由を説明しますが、明らかに嘘でしょう。交通・通信が15.1%増で、自動車関連が伸びたとしますが、西日本豪雨災害で自動車に被害の出た人が、修理や新車購入などで出費したとみられます。豪雨災害で、特に土砂や鉄砲水などの被害の場合、駅の近くよりも駅から離れた場所が主です。そういうところは自動車が必須であり、家が残っても自動車が壊れたら生活ができない。避難所も駅や商店などから遠く、買い物もままなりません。西日本豪雨災害は広範に及ぶため、被害から一月経ち、落ち着いたところで自動車に対する支出が増えた。大きな出費となったので押し上げただけで、家計は余裕をなくしたとみられます。何より、8月の実質の世帯収入は前年同月比0.6%減なのです。

米国の経済統計も大丈夫? というほど強いですが、そんな中でペンス副大統領による「中国が民主主義に介入している」と演説しました。トランプ氏は脱税疑惑、不倫口止めに選挙で集めた資金をつかった、などの醜聞がてんこ盛りで、トランプ政権が指名した連邦最高裁判事のカバノー氏は暴行疑惑で、公聴会で証言するなど踏んだり蹴ったり。そんな中、中国叩きは米国内でもかなり好意的にうけとめられることから、目くらましのためと、中間選挙の前に布石を打っておき、中間選挙で負けても中国のせい、として責任逃れにもなります。
そんな中、BloombergがAppleとAmazonが、Supermicro社製のマザーボードに中国人民解放軍がチップを忍び込ませ、データを盗まれたと報じました。しかしAppleもAmazonも即座に否定、Bloombergの指摘した部品はあまりに小さく、単純なICチップではアクセスは困難、と専門家も否定します。しかもSupermicro社製のマザーボードは米軍にも納品されており、FBIや政府関係者がそうした事実をつかんでいるなら、即座に交換されているはずだが、そうした動きはない、として完全に否定される、とします。ただ最近のBloombergといえば、相場操縦に手を貸すメディアとしても有名で、今回もSupermaicro社の空売りに手を貸したのでは? と噂されます。恐らくは今回のBloombergの報道も、噂通りなのだと考えます。

ただペンス副大統領の演説といい、あまりにタイミングがいい。中国ならやりかねない、という疑念と上手く合致させた。しかもFBIもすぐに否定したわけではない。航行の自由作戦を展開していた米艦艇と、中国駆逐艦が異常接近した、という事例も重なった。米国人が中国に向ける目を厳しくする中で、Bloombergの記事がでたため、大騒動になりました。
しかももしこれが空売り、相場操縦があったとした場合、これまでトランプ氏は世界政府があり、グローバルな金融もそこに依拠しており、だから庶民は潤わない。庶民は虐げられているのであって、トランプ氏はそんなシステムに対抗する人物、として扱われていた。しかしこの相場操縦に加担していたとすると、トランプ氏そのものがグローバル金融の申し子、庶民を騙す側にいる、ということになります。単純に空売り勢が、トランプ政権の動きに便乗した、というのでない限り、そうした疑念が米国民にも広がることでしょう。

中国側としても、一時的な緊張の増幅は、その後に緩和へと向かいやすくもさせる。「もう緊張を高めることはしない」というだけで、それは妥協のカードになるためです。さらに米金融に手を貸した、ということになるのか? 露国のスパイ容疑も続々と報じられますが、世界の経済が小康を保っている間に、余裕のでた国が軍事や諜報活動などに、精をだしてきたことも間違いないことです。そして今度は、それを利用して国内の引き締めをはかる米国。そんな中露と、接近しようと盛んに働きかける安倍政権。日本の場合、マザーボードに埋め込まれた盗聴チップより、世間に埋め込まれた嘘のチップの方が問題なのかもしれません。そのうちBloombergが安倍政権のヨイショ記事などを書き始めたら、要注意なのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 22:57|PermalinkComments(5)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | アメリカ

2018年10月04日

改造内閣の支持率と嘘と

共同通信の世論調査でも、第4次安倍改造内閣の支持率は46.5%と0.9%減、不支持も38.2%と1.8%減ですが、改造後のご祝儀はありませんでした。世論調査に答える層には、どこの新聞社でも一定数の安倍支持層が入りこんでおり、底堅いですが、数字以上にこれは深刻です。何しろこの総裁任期3期目は、改憲を掲げたのですから、改憲の道筋さえつけられなければアウトですし、この支持率では国会でさえ通せる見込みがない。何しろ改憲案を提出し、否決された時点で総退陣、安倍政権は終わりです。国民に支持された安倍政権、でない限り、党内政局的にも反対しやすくなり、安倍政権は行くも地獄、退くも地獄になりかねないのです。

日経平均が2日連続で下落し、24000円割れです。きっかけは米金利の急騰で、その要因は原油高。日本の金利も急騰ですが、日本では日銀がイールドカーブコントロール(YCC)を行っており、大きくは動けません。それでも一時長期金利で1.55%をつけるなど、国債売りが日本も襲いました。安倍政権では脱デフレをめざしてきましたが、それを達成した途端、景気後退というのが現実味を帯びてきます。これまでも原油高を発端とする物価上昇は、景気を冷やしてきたのであって、特に日本は消費が強くないため、悪影響が出やすいといえます。
しかも黒田日銀は、脱デフレを達成したら金融緩和を終了させるのですから、景気後退期に金融を引き締める、というバカなことが起こりかねない。さらにそのタイミングで、金融を緩和させる余地がないのですから、景気後退が深くなることも予想されます。まさにそのとき、安倍政権の謳ってきた安倍ノミクスが虚構であったことが露見するのでしょう。

直近でも嘘が露見しています。日米貿易に関する共同声明で日本側はTAGと呼び、物品を優先としますがが、米側の英字は「TA on goods,as well as on other key areas including services」とつづくので、「as well as(同様に)」サービスを含む重要な分野も、同時に交渉することになります。ここまで明確な嘘となると、単にFTAは結ばないとしてきた安倍政権の姿勢を覆していない、とするためだけについたものとみられ、ひどい嘘といえます。
それが国家のため、国益のためにつく嘘なら、まだ納得できる部分もありますが、安倍政権は自分の利益のため、また自分の前言が嘘にならないため、平気で嘘をつく。沖縄県知事選挙での、佐喜真氏側の主張であった「携帯電話料金4割減」権限もなく主張していたので公選法違反、という話がでている。どこまで行っても安倍政権は卑怯で、嘘にまみれており、しかも公選法違反や政治資金規正法、贈賄罪などの疑惑まみれともいえます。

フランスの哲学者というより思想家に近いモンテーニュの言葉に「この世で一番大切なことは、どうしたら自分が自分のものになり切れるか、を知ることだ」があります。含蓄のある言葉なので解説はいれませんが、安倍政権では「自分のもの」の部分を「偽善者」に置き換え、それが「この世で一番大切」と考えているようです。ちなみに「as well as」は「〜と同じようにうまく(やる)」といった意味合いが強く、物品ではすでに米国はかなりの部分を勝ち取ったから、サービスを含むその他重要な分野も…といった意思が透けてみえます。嘘の代償は、国民がそれを払うことになるのですから、安倍政権が嘘をつけばつくほど、国民は負担が重くなることを覚悟しないといけないのでしょうね。

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2018年10月03日

教育勅語と柴山文科相

早くも柴山文科相の発言が物議をかもしています。「(教育勅語は)現代風に解釈され、アレンジした形で道徳などにつかうことができる分野は十分にある」とのこと。「同胞を大切にするとか、国際的な協調を重んじる」部分としますが、少なくとも「国際的な協調」などは教育勅語に謳われていません。教育勅語でいう「日本の美徳」を「中外に施して」というのですから、日本が諸外国を占領、教化すると述べているのです。
教育勅語には解釈の難しい部分もあり、いくつかの説もありますが、安倍政権では「国憲を重し国法に遵ひ」という部分も守れていないので、まずそれを学ぶべきでしょう。そもそも教育勅語は日本の美徳を掲げても「緩急あれは義勇公に奉し以て天壌無窮の皇運を扶翼すへし」、つまりいざとなったら天皇のために尽くせ、と述べているのであって、目的が間違えているから戦後に否定されたのであり、安倍政権ではその美徳とされる部分ですら守れていないのですから、国民に道徳として教える前に、まず自分たちが読み返すべきでしょう。

沖縄県知事選で勝利した玉城氏が、辺野古の埋め立て地を訪れています。米紙ニューヨークタイムズが社説で「安倍首相と米軍司令官らは県民とともに公正な解決をさぐるべき」としました。知事選を住民投票と同じとし、米軍は東シナ海の即応能力が低下する、と主張するが沖縄の犠牲によって実現するべきでない、とします。日本のメディアが主張すべきようなことを、米紙の方にされてしまう。日本の美徳とは? 改めて考えさせられます。
横田へのオスプレイ配備でも、約束された10月1日より前に、何度も飛来していた。米軍が日本国内で訓練しても、日本政府に通知する義務なければ、相談する必要もありません。米軍は日本中、勝手にどこでも自由に飛べる。正式配備などという言葉も意味がないのです。しかも事故を起こしても補償もしない。爆音で不眠症になった住民がいても、それを見て見ぬふりでいい。それが日米安保、地位協定です。この不平等条約をそのままにして、何を道徳で教えるというのか? 教育勅語でいう「朋友相信し」は、日米の間には存在しないのです。

しかも教育勅語でそれに続く「恭儉己を持し、博愛衆に及ほし」は、謙遜するよう己を保ち、博愛をもって民衆に及ぼす、という意味であって、自らの手柄をほこり、敵とみなした相手は徹底的に攻撃する、安倍政権ではまったくできていない。どころか真逆のことをしています。道徳を押し付けても、国のトップがそれをしていないのでは、まったく言葉としても軽くなる。特に、文科相という立場の人間がそれでは、日本の教育業界は教育勅語とは反した方向にむかっている、とさえ言え、まずは自身が勉強すべきなのでしょう。
しかも靖国神社のトップ、小堀宮司が教学研究委員会で「今上陛下は靖国神社を潰そうとしている」と発言し、物議をかもしています。今上陛下が慰霊の旅をするのは、戦争否定につながる、という意味なのでしょう。少なくとも神道は天皇を中心とした教義体系であり、一神社の宮司が批判してよいものではありません。国民からみれば象徴天皇として、立派な行いをしていると感じている中、宮司が批判する行為そのものも、教育勅語とはまったく反した行いといえるでしょう。教育勅語と口にはしても、安倍政権ではその実、内容についてまったく不勉強であって、それも「学を修め業を習ひ」とはまったく即していません。むしろ不敬、不道徳をこの国に広めようとしているのが、安倍政権とそれに協力する連中、ということかもしれません。むしろ教育勅語を「安倍のために尽くせ」という文言に書き換えるつもりなら、これは日本の悪徳を謳うものでしかなくなるのでしょうね。

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2018年10月02日

第4次安倍改造内閣について

第4次安倍改造内閣が発足しました。安倍首相は「全員野球内閣」としますが、共産、小池書記局長の「閉店セール内閣」が秀逸です。閣僚待機組とされる当選回数の多い議員を大量に任命したことで12人の初入閣となった。顔ぶれをみても「誰?」というような人物ばかり。大体が「全員野球」などというときは、チームを引っ張るスターがいないときに用いるもので、自ら小粒感をみとめてしまったようなものです。ロートルばかり、安倍首相も「いぶし銀」としますが、地方創生担当相として初入閣した、唯一の女性の片山氏が認証式で臨んだスーツはまさに銀。ただ、一昔前の宇宙人コント用の衣装のようで、今日わざわざ買ったということですから、よほど在庫がなかったのでしょう。売れ残り内閣ともいえそうです。
法務相に石破派で当選3回の山下氏を入れ、石破派に楔を入れた。法相にしたんだから改憲で文句をいうな、ということと同時に、派閥の序列を無視した任用で揺さぶりをかけた。ただし法相ですから、改憲にも釘をさすことができる。山下氏に気骨があれば、安倍政権の動きを牽制し、閣内不一致を演出することもできる。早々に閣内から去れば安倍政権への打撃ですし、石破派が消えれば安倍氏のめざす改憲への反対もしやすくなります。逆に言えば、これまで警察庁などともみ消してきた、安倍政権下の醜聞をさらけだすこともできるのです。政権の生殺与奪の権利を石破派がにぎることにもなるので、その動きには注目です。

党役員人事まで広げてみると、選対委員長に甘利氏、総務会長に加藤氏と側近を入れ、改憲シフトともされますが、改憲で党議拘束をかける、などと愚かなことはできないので、挙党一致をめざさないといけません。ただし説得する立場が、上から目線で安倍氏の改憲案を相手に飲ませようとする、そんな2人では上手くいくはずもない。むしろ上手くいかない改憲の動きに対して慰め、やけ酒に付き合う立場に最側近を入れたようにしか見えません。
沖縄でさえ懐柔できなかった菅官房長官が拉致問題も担当する。その沖縄・北方には宮腰氏という門外漢を充てる。原田環境相、吉川農相、山本国家公安・防災など専門外で、本気度は微塵も感じられません。一方で、文科相には側近の柴山氏をおいて監視を強め、復興相には経産族とみられる渡辺氏を充て、経産利権の拡充につとめる。全員野球どころか、これは安倍支配を一層強めるためあえて小兵をそろえたようで、これは仕事をする、させるための内閣ではなく、安倍氏が手柄を独り占めするための組閣といえそうです。

失態つづきの麻生財務相、失言壁の桜田五輪担当相、片山地方創生担当相、カジノの石井国交相、専用ジェット機おねだりの河野外相、TAGなどと言い始め、対米交渉に不安を残す茂木経済再生担当相、仕事をしているように見えない世耕経産相、脛に傷もつ甘利選対委員長、稲田総裁特別補佐。西松建設の問題では本命ともされた二階幹事長、決して調整が上手くない森山国対委員長。全員でやっても、この野球では勝てる見込みすらありません。
野球はあくまで個人スポーツです。しかし個人の意思、意欲を抑え、チームのためと称して『犠牲』を強いる。犠牲バント、犠牲フライなど、日本では当たり前でも、世界ではあまりそうしたプレイは好まれない。野球は個人スポーツ、という認識があるためです。安倍政権のめざす「全員野球内閣」とは、安倍氏のために犠牲となり、安倍氏の勝利のために働け、というためのものなのでしょう。「全員下級内閣」といったら言い過ぎかもしれませんが、「一応総活躍内閣」をめざして在庫一掃、ただし売れ残りは売れ残るだけの理由があるのであって、「閉店ガラガラ内閣」というのが妥当なところなのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:28|PermalinkComments(4)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2018年10月01日

日銀短観と株高

ノーベル医学生理学賞が本庶京大特別教授と米テキサス大のアリソン教授に決まりました。2人ともがん細胞が免疫系の働きを阻害する動きを、薬によって抑制することでがん細胞を免疫によって攻撃する、という治療の道を拓いたことが評価されました。今、がん治療はメッセージ物質を阻害して転移を防いだり、画期的な方法も広がりますが、その契機になった研究ともいえ、その意義は大きい。それをやっとノーベル財団も認めたということです。
ただ安倍首相が電話で祝辞を述べていますが、紋切り型で感情も希薄、原稿を棒読みしているだけなので、テレビで報じるのは逆効果です。特に沖縄県知事選で、総力戦での敗北は安倍政権への見方を悪化させているところであり、印象操作が利きにくい。これは県知事選だから…と自分を納得させているのでしょうが、フル稼働でも自公の組織票を固めきれなかった影響は、決して小さくありません。多くの地域でも、安倍政権のごり押しにいら立ちを抱えており、この結果が地方の乱を誘発する可能性を多分に秘めているからです。

株価が好調です。ただ今日は、沖縄県知事選で敗北した安倍政権が、レイムダック化するのを好感した動きでは? などとも揶揄されます。米株も堅調ですが、これも中間選挙で共和党が下院で敗北し、トランプ政権が弱体化するのを好感し、株高ともされるためであり、強権的な政権への嫌悪感がその背景、とも語られるからです。それは経済のファンダメンタルに全く関係なく、今回の株価の上下動が決まっている、そうみられることも影響しています。
今朝、発表された9月日銀短観は現状判断DIが大企業製造業で19(-2)、非製造業で22(-2)、中小企業製造業で14(0)、非製造業で10(+2)、先行き判断DIが同じ並びで19(0)、22(0)、11(-3)、5(-5)となりました。企業のマインド悪化が止まらず、先行きも厳しくみていることが分かります。設備投資の意欲が高い、ということを指して、これを悪い結果とみるべきでない、という人もいますが、今年度の経常利益は元々悪化する見通しで、多少はプラスに修正されたものの、まだマイナスのまま。それなのに株価が上がっているのですから、これはこれから大幅に上方修正されないと株高の説明がつかないのです。しかし今夏の自然災害は未曽有であり、企業の経済活動にも支障をきたしていて、中々そうした見込みも立ちません。

米加の貿易協議が一定の合意をみましたが、ヘッドラインで流れてもそこでは動かない。為替で先行して円安となり、それに従って株価が動くという形で、はっきり説明がつきません。原油高→インフレ懸念→米利上げ継続観測→米国債ショート→米金利上昇→円安、という流れを指摘する人もいますが、ここもとの米金利は原油との連動を薄めており、どこかでこの流れにも沿わない動きがある。しかし日本株は、円安だけをみて国内勢が買っている印象であり、それが日経平均が上がってもTOPIXは横這い、という歪さを生んでいるとも言えます。
やはり政治の弱体化を好感した動きがあるのではないか? 米国ではトランプ政権が弱体化すれば、貿易戦争を仕掛ける力がなくなります。日本では、安倍政権が弱体化すれば、ますます日銀が金融緩和を止められなくなる。市場にとって、政治の弱体化がこれほど喜ばれたことはなく、それは政治の劣化によって市場が振り回されることに、もう耐えきれないとの思いが強まってきたため、なのでしょう。ノーベル医学生理学賞はガン細胞が免疫の働きを抑える動きを阻害する薬の発見に対して、ですが、これが今の国民の動きとも合致するのかもしれません。政権というガン細胞が人々の目を晦まし、健全になろうとする動きを阻害してきた。しかし不健康になっていく体に、投票という免疫系の働きによって、健康な状態をとりもどそうとする。そんな動きにも、沖縄県知事選は思えます。市場はそんな動きを織りこんだとしても、不健康な状態は国の臓器、としての企業には深刻なダメージを残します。業績改善見通しで株高、などという説に信ぴょう性があるのか? 企業業績が出始めると、その見通しの正しさが証明されるのであり、そのときはまず目を治さないといけない、ということにもなるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:54|PermalinkComments(2)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 政治