2018年11月

2018年11月30日

G20への注目

秋篠宮さま(メディアがこの敬称で統一しているので使用)が、大嘗祭は宗教的色彩があるので、国費支出ではなく天皇家の私費にあたる内廷会計として処理するのが適当、と発言し、波紋を広げています。大嘗祭は天皇家の秘中の秘、詳細は明かされていませんが、人として亡くなった上で、天皇として新たに生まれ変わる場ともされます。それは五穀豊穣の祈りと似て、1年の実りに感謝し、来年の実りを祈念する。つまり代替わりとしての意味をもつのです。政府は今上天皇のときをそのまま踏襲すればいい、と高をくくって何の考えもなしですすめようとしたところ、すでに「大嘗祭は宗教的祭祀」との大審院判例がでていることすら失念していたのでしょう。結果、大慌てで火消しする事態になっています。
安倍支持層らは「口をだすな」など、過激に反発しますが、そもそも論でいえば最高裁判断の出ている問題を蒸し返させたのは、安倍政権です。トップダウンで官邸の意向ばかり忖度していたため、皇室に確認するのを怠り、ぼろが出たのです。皇室であればこの最高裁の判断を重く受け止め、国費で大丈夫か? と考えており、諮問があったかもしれない。その確認を怠った安倍政権が慌てているのを、あえて擁護する必要もありません。内廷会計では不足する、などと反発しても、身の丈に合った儀式として…と秋篠宮さまは述べており、新嘗祭を少し拡大するとしているので、安倍政権の説明が説明になっていません。「宮内庁長官が話を聞く耳をもっていない」これは重い発言です。

G20が久しぶりに注目されます。まず米中首脳会談、米紙が楽観的な見通しを示したため、日米でも何らかの合意がむすばれる、という空気が流れます。一先ず来年からの対中関税第二弾の発動が先送りされるのなら、好感できるかもしれません。しかしその合意すら今のところ見通しが立たず、トランプ米大統領の発言からは楽観できそうもない。市場の先走りが正しいか、来週には判定がでます。
トランプ氏は米露首脳会談の中止を申し入れました。ウクライナ艦船を拿捕した問題を重視した形であり、そんなプーチン露大統領と安倍首相は会談できるのか? 日露で平和条約締結にむけ、交渉をすすめるという中ですから、会談しないという判断はしにくい。しかし西側諸国で日本が露国とのパイプを切らないから、こうした重要な国際会議の前でも露国の暴走が止まらない、という評価が増えてくると当然、日本への風当たりが強まるでしょう。そしてその火種は、むしろ仏国になるかもしれません。

マクロン仏大統領が安倍氏との会談を要請し、安倍氏は立ち話なら…と応じたようです。ルメール経済相と世耕経産相の会談は、なぜかルメール氏の発言を世耕氏が文書で否定する、といった泥仕合の様相ですし、やましいことがないなら堂々と日仏首脳会談を開けばいい。安倍氏が逃げ回っているのも、世耕氏の奇妙な反論も、どうも安倍政権の側に負い目があるとの印象を深くします。BrexitでもEUを離脱する英国に、TPP参加という助け舟を日本側がだすことで強気の交渉につながり、仏国としては苛立ちを覚える。つまりEUサイドから今後、安倍政権への批判が増える可能性が高いのです。
安倍政権はすでに改憲を諦め、北方領土2島返還と日露平和条約の締結という形で、歴史に名を残す方向に舵をきった、との観測もあります。しかしその日露交渉が、仏国の邪魔でうまくすすまないとなったら、それこそゴーン前日産会長への司法判断すら変わってくるかもしれません。むしろ安倍政権の側に負い目があるのなら、仏国にとっては外交カードであり、ルノー防衛のためにも日露交渉を邪魔してくる可能性が高い、といえるのです。果たして、このG20が来年の世界の帰趨を決めるほどになってきて、その中で日本の立ち位置は相当に大変なことになってきた。G20はGroup of 20の略ですが、今やGhoul(悪鬼) of 20、20の悪鬼たちが集まる場ともいえるのかもしれません。勿論、安倍氏もその悪鬼の一人ですが、安倍氏だけがGと呼ばれる黒い昆虫にみえてしまうのは、マクロン氏から逃げ回るその姿のせいかもしれませんね。

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2018年11月29日

韓国徴用工裁判がふたたび

パウエル米FRB議長がNYで講演し、「政策金利は中立金利をわずかに下回る」と発言し、米利上げ打ち止め懸念が流れ、米株は大幅高です。しかしこれまで「大幅に下回る」としてきたFRBが、ここで態度を転換したことで、逆に来年も米中貿易戦争が景気を下押しすると、FRBが暗に認めたと感じます。つまり金利を上げなくとも、景気が減速して、中立金利の方が政策金利に近づく方向で低下してくる、そう考え始めたとしか思えません。そうなると、円ドルはどうしても円高に向かわざるを得ない。来年の米利上げ確率を含めて今の水準だからであり、利上げ回数が下がれば必然とそれを織りこまざるを得ないのです。米株の動きは楽観のし過ぎ、という面も否めませんが、日本はそれに中々追従しにくいのでしょう。

自民税調で自動車課税の見直しの話がでていますが、使用距離で課税するなど、地方をさらに痛めつける方策に唖然とします。公共交通が少ない地方は、どうしても移動に車を頼り、買い物も病院も…となるので距離も長くなる。つまり郊外に暮らすと損をする構図です。自民党でも過疎に悩む選挙区を抱える政治家など、よくこんな提案を受け入れるものだと感じますが、この程度のことも考え及ばないのでしょう。与党の政治家には慢心ということと同時に、著しい劣化を感じさせます。
韓国でふたたび徴用工訴訟で、日本企業への賠償判決を韓国最高裁がだしました。その中で元徴用工の遺族が「日本人にも知らしめたい」と述べましたが、日本人は徴用工、学徒動員など、当時はふつうに合ったことであり、知らないわけではありません。逆にみると、韓国人は日本が朝鮮人『だけ』にそれを押し付けた、という認識をもつのであり、教育を歪められると事実認識がおかしくなる、という一つの例なのでしょう。何度か指摘していますが、当時の朝鮮半島は植民地ではなく、日本の領土に組みこんだのであり、日本の法律が通用していました。一部特例法などはあったでしょうが、当時の朝鮮人がうけた、と思い込んでいるものは日本人も体験済みのものがほとんどです。日本人は自分の国がしたことだから仕方ない、と考えていますが、独立した韓国では認識が異なるというだけです。

報道ステでも、ベトナムの労働者は日本より韓国を望む、それは待遇がいいから。というニュースをしていましたが、もう一つ韓国では最低賃金を上げたことにより賃金の底上げが顕著です。労働者ですから最低賃金が守られる。日本のように技能実習生などとして、労働法制を逃れるまやかしとは違うのです。ただ問題は、そのことで企業は負担が増え、雇用を手控えている。つまり韓国では若者から職を奪い、それを外国人労働者に回している形です。韓国人としても、最低賃金レベルで働き始めると、その後の出世も限られることから、何となく社会が収まっているのが現状です。
もう一つはキャッシュレス決済を進めた結果、個人債務が重しとなって消費停滞を招く。それを国が肩代わりして借金棒引きに協力している。そのため、国には財政的に余裕がない。なので、徴用工判決でも沈黙を守り、日韓請求権協定により本来自分たちが払うべきお金を、日本につけ回そうとしているのです。韓国人がこうした自国の恥ずかしい姿に気づかないうちは、こうしたことが続くのでしょう。

日本も対抗策を打つなどと滲ませますが、大使の追放や国交断絶などは逆に無意味に感じます。効果的なのは、韓国製品の禁輸措置。スマホや家電など、韓国製品も増えましたが、それを禁輸してしまうのです。韓国も対抗して禁輸措置などをうちだせば、苦しいのは韓国です。部品調達など、日本に頼るところも多いからで、アドバンテージを生かして態度を変えさせるためにできる手段です。
ただ安倍政権は自由貿易を標榜しており、韓国に制裁をかけ難い。つまり自縄自縛となり対策をうちだせないのです。さらに韓国で失敗したキャッシュレス決済を、日本に導入しようとしている安倍政権。外国人労働者の受け入れでも、韓国の方が評価も高く、遅れをとる安倍政権。安倍ノミクスが上手くいっているはずなのに、金融政策の正常化でも出遅れ、すでにFRBが警戒モードなのに何もできない安倍政権。安倍政権の売国ぶりは、微に入り細を穿つほどに徹底されている、といえます。韓国の社会を揶揄し、対岸の火事などとしていると、気づけば日本の方が歪んでいることすら見えなくなるでしょう。自民党議員の著しい劣化に付き合って、国民まで劣化する必要はありません。むしろ国が語ることにも懐疑の目を向け、正しく評価できるように民度を高めていかないと、韓国と安倍政権のような低レベルな争いの真偽すら、見極められなくなってしまうのでしょうね。

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2018年11月28日

コメの需要と株式

農水省が来年度のコメの需要を前年比9万t減の756万tとし、生産抑制の動きをとるようです。減反廃止をしても、結果的に生産調整するのなら意味がありません。むしろ生産調整金を削減しただけ、ということになりかねず、大雨や台風で今年は結果的に、生産量が減少して事なきを得ましたが、来年の天候次第ではコメが生産され過ぎて値崩れ、という心配もあります。そもそも安倍政権では、日本の農産品は海外で注目、とするのですから、作り過ぎたら安倍政権の方針に基づいて輸出すればいいのです。コメそのものではなくとも、日本酒用のコメの生産を奨励し、それを輸出してもよいでしょう。これではTPPの効果ゼロです。
それに、来年は入管難民法改正によって外国人労働者が数十万人増えるのなら、少子化だからコメの需要が減る、とは言えないはずです。特にアジア系ならコメを主食とする人も多く、すんなり受け入れるでしょう。本当に労働力不足なのか? 信用できない安倍政権下の経済指標ですが、その中でも残業時間は減少をつづけています。これを不正な残業が減ったから、と説明するものもありますが、そもそも不正な残業なら調査から漏れているはずで、調査で現れる残業時間が減っているのなら、それは仕事量が減少しているとしか思えないのです。果たして入管法改正が何をもたらすのか? よくよく見ておく必要があるのでしょう。それこそ日本人の残業時間がますます削られるなら、消費減退となり、さらにコメの消費も落ちることになり、農水省の需要予測がはからずも当たってしまうのかもしれません。

ここ最近、株価は一見、堅調に見えますが、これは週末の米中首脳会談を前にしたポジション落としの動きも含まれます。もし米中貿易戦争が回避されると、売り方が困る。一方で、買い方にとっては日銀のETF買いが心の支えでもあり、買い方は手をひかない。なので、相場が上昇しています。よく外国人投資家が今年は売り越しており、いずれ買う、と説明する人もいますが、それだけの売りを国内勢の買いで支えられてきたのであり、元々現物株の保有が多く、先物は裁定取引などのヘッジで利用されてきた。それが今や現物買い、先物買い、そして直近では円売りのポジションが溜まってしまっています。今後、景気が減速すれば国内勢が、好調がつづくなら外国人投資家が困ったことになるのであり、その一つの判断が週末にやってきます。
事前にトランプ大統領がTweetなどで発信していますが、そんなトランプ氏の思惑を覆したのがGMです。米工場閉鎖と従業員の解雇を発表しました。ただどの工場か、また解雇ではなく配置転換もあると含みをもたせますが、部品調達もコスト高、人件費高騰がすすむ米国では、生産拠点となりにくくなっているのが原因です。米中首脳会談を前にGMが仕掛けた、ともみられ、貿易戦争を回避しないと工場閉鎖が現実味を帯びる、との警告でしょう。逆に言えば、それだけ米国経済も怪しくなっていることの裏返しだと、トランプ氏に知らしめたのです。

ただ議会がネジれ、与野党ともに協力の得やすい対中圧力路線は、トランプ氏にとって必須のコンテンツです。議会対策を考えると、そう簡単に引き返せない。ディールが得意とアピールする以上、安易な妥協もしにくい。米国側が妥協するインセンティブは小さい。ただ中国は景気対策も打ってはいますが、減速を止められていません。高成長から安定成長へ、という転換に失敗している印象で、中国には妥協の余地がある、といえます。
米国がファーウェイ製のスマホを禁止するよう、日本に圧力をかけています。中国メーカーのOPPOなどもスマホ販売に乗り出しましたが、これは単純に中国に機密情報を盗まれる、という以上にAppleの主要市場である日本で、中国製が伸長することへの警戒も含まれるのです。米中貿易戦争は一筋縄ではいかない。安易な楽観は厳に慎むべきでしょう。むしろ日本が藁のように両国をむすびつける縄となればよいのですが、外交オンチの安倍政権では藁どころか笑い者しかならず、さわらぬ米中に祟りなし、として傍観せざるを得ない。株式市場が国内勢と外国人投資家と、買いと売りで綱引きをしていても、結果的に国内勢の方がヤバそうなのは、政府ともども市場関係者の見通しの悪さが影響するのかもしれませんね。

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2018年11月27日

F35の大人買い

入管難民法改正案が衆院を通過しました。委員会での審議時間は17時間、しかも質問には答えられず、様々なことは年内に決めるというので、国会は白紙委任をした形です。要するに自公は国会での審議など無用、というのでしょう。厚労省の調査で、18年は平均賃上げ額が過去最高の5675円と、過去最高と報じられますが、すでに安倍政権では経済指標に信ぴょう性もありません。ただこれが来年も過去最高などと報じられると、ウソがバレバレとなるでしょう。本当に来年の4月1日に入管法が施行されるなら、人材不足も解消され、人件費の高騰に歯止めがかからないとおかしいのですから。

最新鋭ステルス戦闘機F35を100機、追加発注して現在注文している42機と合わせ、140機体制をめざすと報じられます。中国の軍備拡大に対抗する、としますが、本音はトランプ米大統領のセールスに負けて大量導入という形でしょう。F15と置き換え、といったところで1機100億円の大盤振る舞いです。
そもそもF35は大きくて重く、形式的に空母をもっていないことになっている日本では、国内しか運用できません。ステルス性能をもったとしても、日本のレーダー網をずたずたにされた上で、領海、領空に入ってきた敵にこっそりと近づくためでしかなく、本来であれば必要ありません。しかもステルス性能を維持するためには機体の外へ、ミサイルなどを搭載できない。こっそりと近づき一撃を加えて帰還…というのがステルス機の本来の目的ですが、情勢と合致しないことが分かるでしょう。その一撃すら、核兵器をもたない日本では拙いものでしかなく、すでに深く食いこまれた敵に与える打撃としては寂しい限りです。性能と戦略とがまったく合わないのも、単に要請をうけたから買う、というだけの判断でしかなかったことがうかがえ、無用の長物にしかならないもの、といえそうです。

そんな中、岩屋防衛相が防衛大綱にて、護衛艦いずもにF35Bを搭載できるようにする考えを示しました。そうなると形式的に空母となるため、日本は愈々、敵地攻撃能力を備えることになります。しかしもし仮に北朝鮮が核ミサイルの準備を始めたとて、いずもが近づけばその前にミサイルを撃ってくるでしょう。これは中露も同じ、すでに核ミサイルの照準は日本に定めており、日本が敵地攻撃のために空母を出港させた時点で、発射ボタンは押されているでしょう。重くて動きの鈍いF35では近づく前から、もうその失敗は目に見えている。そもそも空母一機では周囲の緊張を高めるだけでしかないでしょう。
中国では逆に、空母の建造を当面見送りとも伝わります。米中関係をこれ以上悪化させたくないのと同時に、景気対策などに資金を振り向けたい思惑も透けてみえ、当面の軍事的脅威は少ないはずです。それでも安倍政権はF35の大量の大人買いに走っているのですから、的外れといえます。むしろ政策も的外れなら、戦略的にも的外れ、実際に運用されたとしても的に当たる前に、日本は滅んでしまいかねません。その前に財政的には破綻が近づいている、といえるのでしょう。安倍政権の狙う的、日本を切り売りして自分たちだけが利益を得る、そんなところだけは今のところ的を外していないのであって、F35の大人買いも、その中身は実に子供じみているといえるのでしょうね。

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2018年11月26日

大阪万博と日産の問題

大阪に万博が決まりましたが、2兆円の経済効果などというのは眉唾です。7年後の経済情勢など誰にも分かりませんし、まず『いのち輝く未来社会のデザイン』というテーマそのものが古くて、興味が湧きません。日進月歩の最新技術を扱う見本市など山ほどあり、逆に公的なイベントでは出展していても時代遅れを感じさせるケースもある。特に長い準備のかかる万博では、顕著に時代遅れとなるか、もしくは達成見込みのないものばかり、となりかねません。テーマからは介護や、多様性に即した展示が増えそうですが、その多様性を否定する傾向のある維新ですから、尚のこと期待薄と感じます。

経産省が増税対策として自動車購入時の税率ゼロをめざしていましたが、それを撤回して恒久減税に舵を切る、といいます。これは当たり前で、キャッシュレス決済だと減税となってしまう現状では、購入時特典はメリットが薄い。そしてもう一つ、EVが一般的になるとガソリン車より部品点数も下がり、車検が楽になる一方で、バッテリーやモーターなど消耗の激しい、基幹部品の交換頻度が高くなる。維持費は上がる一方で、車離れを引き起こしかねません。恒久減税で購買を促進したい、が本音です。
車といえば日産の問題が未だ尾をひきます。しかし恥をかいたのが安倍政権で、世耕経産相が仏国で仏経済・財務相と会談して「政府は口をはさまず」と述べた後、仏政府から「3社連合のトップはルノーから…」との発言があり、早速齟齬をみせました。経産省は会談の共同プレスリリースを「協力関係を維持…強力にサポート」とするので、むしろ政府介入は高まった印象であり、世耕氏のみズレた発言をしていることになります。恐らく自由主義の旗を振る安倍政権が、国家介入を易々とゆるすと都合が悪い、という判断が世耕氏の発言ににじみでており、いつもの嘘で糊塗された印象操作の一環でしょう。実際には仏政府の介入を止められなかった、というのがプレスリリースから明らかです。

ゴーン前会長の捜査では、悪印象を与えて有罪にもちこみ易くする、いつもの検察の手口でもある捜査情報駄々洩れの状況です。120億円とされる有価証券報告書の虚偽記載という話も、実際に支払われたかどうかの実績については、よく分からず、将来の約束分であれば虚偽記載には当たらないはずです。家族の旅行代や各国にある別荘なども企業のガバナンスの問題であって、組織がそれを認めないとすれば私的流用ですが、当時のトップであるゴーン氏が役員会に諮って決定していたら、問題ない行為です。そうした細かい情報がほとんど分からないまま、有罪確定とするのは危険です。
ただこの国の司法は、すでに独立性を失って政治に牛耳られているため、有罪になるかどうかはむしろ外交問題次第でしょう。仏国では日本の陰謀説などが語られ、外交問題との認識も高まっており、外交関係を悪化させたくないと判断するなら、無罪の可能性すらあります。すでにその萌芽は世耕氏の態度や発言に垣間見られ、安倍政権の外交力不足は司法判断さえ歪めてしまう可能性もあります。むしろ自動車社会の未来図を踏まえた判断をとらず、3社連合を自然に瓦解させたいのかもしれません。

すでに海外ではドローンによる配送や、中東ではドローンに人が乗って取り締まりをしたり、タクシー代わりとする、などの活用がみられる。日本ではそうした点でも出遅れている。『いのち輝く未来社会のデザイン』どころか、日本の未来さえ怪しくなり、技術後進国に陥る恐れすらあるのです。むしろ人口も減って、山野が増える方向なら、大阪万博では『猪鹿が行く未来社会のデザイン』とした方が、日本の未来を描いた展示となってしまう、といえるのかもしれませんね。

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2018年11月23日

右寄りの実

成蹊大の学園祭で、学生が主催した枝野立民代表の公園で、メディアが学内で枝野氏に取材する申請を学園側が「警備上の理由と特定政党へ偏った印象にならないため」として、一旦許可した後で不許可にする、といったことがあります。昨年は自民党の石破氏が講演し、会見しているのであり、成蹊大は特定の自民党に偏っている印象を与えている、といえそうです。学生の方が与党側、野党側と配慮しているのであって、大人の忖度が如何に醜いものかを示すのでしょう。成蹊大は安倍首相の出身母校ですが、その安倍氏は学歴コンプレックスを抱いており、この程度の判断を下す大学では、安倍氏も自信をもって出身大学名を語れないでしょう。説明にもならない説明をしてしまうレベルなのですから。

今晩にも大阪に万博を招致できるか? が決まりますが、維新と希望が入管難民法改正について、与党との修正協議に応じる見込みです。保守政党を自負してきましたが、どうやらただの自民を阿諛追従するだけの政党であることを、これで露呈するのでしょう。保守層に評判の悪い入管法改正案を、修正で済まそうというのですから、保守層の支持も落としそうな勢いです。すでに橋下氏から「生意気だからなくなってしまえ」と言われる国政の維新は、存在意義すら怪しくなってきたのかもしれません。
存在意義の怪しくなってきた、というのが産経新聞です。一部で報じられているように、大都市圏のみの配達とし、ネット配信を強化する、といいます。地方では配達のシステムを維持する方が、負担が大きいということですが、全国紙の旗を下ろすことによるマイナス面の方が大きいはずです。それでも地方を切ったのは、安倍政権と同じで計算力がないのでしょう。地方を切り捨てでも生き残ろうとしても、都市部からも全国紙ではないという目で見られ、価値を落とすのです。ほとんどタブロイド紙並みの記事ともされてきましたから、ある面では業態が実態に追いついてきた、ともいえそうです。

恐らく保守を名乗ってきた維新や希望、それに産経も含めて、態度が怪しくなってきたのは安倍政権が保守? という懐疑的な面が増えてきたため、もあるでしょう。安倍政権が終わってしまえば、保守層がばらばらになるのが必定。何しろ今でさえ、その政策が本当に保守なのか? 日本にとって正しいことなのか? が問われる始末。安倍政権が終わるとその疑問が噴出するでしょう。日露の交渉もそう。昨日もとり上げた税制もそう。TPPも本当に大丈夫なのか? 日米関係は? これまで通してきた法案も、施行されてから何の問題も生じないのか? などなど、検証がすすめばすすむほど保守層にとって困ったことになる。それが分断の兆しともなれば、安倍応援団だった政党やメディアでさえ、大混乱に巻き込まれることになるでしょう。それを回避する術をとらねばならないのです。
最近は『残念ないきもの図鑑』などもありますが、『残念な保守層図鑑』は、安倍後には大幅な書き直しが必要となるのかもしれません。安倍政権が行った政策について、賛否が分かれることで属性などが組み替えられるためです。成蹊大学の名の由来は『桃李不言下自成蹊』といいます。意味は桃や李はモノを言うことはないが、甘い実をつけるのでその下には自然と道ができる、です。しかし安倍政権が実らせた甘い実は、保守層がこぞって道を為しましたが、その道の出口は何方向にも分かれている、ということかもしれません。しかもその実、毒入りだったとしたら…。白雪姫が食べた毒リンゴは、のどに詰まっていただけで息を吹き返しますが、保守層の食べさせられた毒入り桃や毒入り李は、政権についてから6年ですっかり胃にも到達しているでしょう。そろそろ全身がしびれてくるころだとすれば、自らの生存について懐疑的になってきたとしても、おかしくないのでしょうね。

明日と明後日はお休みしたいと思います。

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2018年11月22日

消費増税時の5%還元は愚策

日韓が2015年の口約束に基づいて設立した慰安婦財団について、韓国側が解散を発表しました。それに関して安倍氏が「国際約束を破る…」と述べ、不快感を示しますが、寡聞にして「国際約束」なる言葉は聞いたことがありません。メディアは「日韓合意」と報じますが、文書も交わしていないただの口約束に過ぎず、こうなることは当初から予想されたことです。文書を交わしていないので、外交文書として引継ぎが行われず、政権交代になると次の政権に口伝するしかありません。どちらかの国でそれを怠る、もしくはできない事情が発生した時点で「国際約束」なるものは終わるしかない。遅かれ早かれそうなったはずで、朴政権から文政権になった時点で、危うかったといえるのです。

消費増税時のキャッシュレス決済について、5%のポイント還元と伝わります。期間は9ヶ月程度としますが、問題は軽減税率の適用により食料品は8%のまま据え置かれますが、そこにもポイントが還元される点で、9ヶ月はすべての物品で消費税率が下がることになります。つまり来年の10月以後、9ヶ月は逆に減税になる形なのです。恐らく本意は、来年は経済が厳しい。だから逆に減税して、景気を下支えしよう。キャッシュレス決済も拡大できるのだし…という腹積もりなのでしょう。
しかし愚策も愚策、超愚策です。10月の減税まで買い控えが起こるでしょう。さらに住宅など、来年3月まで8%適用対象としていたものが、実はその後でキャッシュレス決済をした方が割安ともなる。金額が大きくなるとキャッシュレス決済の適用が難しいケースもあるでしょうが、不動産業者や住宅建設業などがサービスとしてキャッシュレス決済を導入すれば、アドバンテージになります。こうした情勢を見極めようとして、住宅やリフォームなどの手控え要因になりかねません。

さらに現状、クレカなどを導入していない店舗にとっては、わざわざ導入するメリットも低い。手数料や機器の設置などの負担を考えると、その分を現金値引きして競争力を維持しよう、とする動きもでるでしょう。高々9ヶ月なら、その後のことも考えて損になるためです。結果導入はすすまず、キャッシュレス決済が浸透しない上に、これは強烈なデフレ圧力と、その後に5%の大幅なインフレ圧力となって、景気の谷を深くすることが予想されます。恐らくこの5%は、クレカなどを導入する店舗への手数料を引き下げろと圧力をかかていますが、それがすすみそうもないので、上乗せしたということなのでしょうが、景気に大打撃となる上に財政にもその間は穴が開く、愚策というしかありません。
今日になって、銀行連合がスマホ決済を手数料1%台で導入する仕組みをすすめる、とします。2020年4月から本格稼働としますが、この手数料なら導入したいとする店舗を獲得し、クレカではあまりメリットがない国内の金融機関にも利益を享受する仕組みを導入させよう、というのでしょう。その意味
でも9ヶ月は必要だった。また東京五輪まで、としますが、ちょうど開催期間で期限が切れることになり、そのタイミングで引き上げられれば景気の底はさらに深刻な深さとなるでしょう。

しかも来年10月までと、9ヶ月後までの2回、システム更新が必要になる。これは企業サイドにとっても大きな負担です。五輪期間中はサマータイム導入、といいだしたときぐらい、民間のことを考えていないといえます。この5%は、来年7月の参院選で勝利するため、増税感を与えないようにするための方便でもあるのでしょう。しかし景気にも財政にもマイナスになる。国民も企業も混乱する。こんな愚策中の愚策をだしても平気でいる、その神経がもう売国政権の正体を如実に示すのです。国民との約束は平気で破ってきた安倍政権、公明が約束した軽減税率や、経産省と約束したキャッシュレス決済の拡大ばかり守ろうとしたことで、制度が滅茶苦茶になってきた、といえるのでしょうね。

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2018年11月21日

雑感。世耕経産相の動き

世耕経産相が日産ゴーン会長の逮捕に関し、ルノー・日産・三菱自の3社連合に対して「安定的な関係を維持していくことが重要だと認識」と語りました。国が口をだすようなことではなく、個人的な感想だとしても立場上、不適切です。むしろ仏政府の反発を読み切れず、打診的にそうした発言をしたのだとしたら、安倍政権としても対外的にはマズイことになった、と認識しているのかもしれません。もしこれを国内的に利用しようと考えたのなら、余波まで考えが及んでいなかった、と言えそうです。

世耕氏はこのところ動きを活発化させています。英国に委託した使用済み核燃料の再処理で出たプルトニウム21.2tは英国にそのまま保管されていますが、英国とその削減に向けて協議を開始と伝わります。しかし削減するにはガラス固化体に混ぜて廃棄するか、反応させて減容するしかありません。しかしどちらも技術的には未熟で、削減は難しい状況です。原発を稼働している国にプルサーマル発電をお願いすると、そこから出る核廃棄物の処理に、さらに頭を悩ますことになるでしょう。
また世耕氏は露国国営のロスネフチのセーチン社長と一昨年に会談し、株売却を持ちかけられた、とします。当時の露国は原油安と経済制裁で疲弊し、救済という形が鮮明であり、かつそれを北方領土交渉にからめようとしていた、と報じられます。結局その話はとん挫し、中東に株は売却されますが、もし購入していたら今頃原油高で株高を享受できていたかもしれません。ただ、それだけの資金をすぐに動かすのは難しく、国債増発になっていたかもしれません。また逆から見れば、その程度のお金で北方領土を売り渡すはずもなく、的外れだったことがうかがえるというものです。

安倍政権では経産官僚である今井総理秘書官の下、経産省が甘い汁を吸い続けてきた。そのため、世耕氏の出る幕はなく、昼行灯とすら揶揄されてきました。しかし経産省でも煮詰まってきた原発の問題、世界から懸念を示され始めた保有プルトニウムの問題、検査不正や今回の日産など、相次ぐ企業不祥事の問題など、経産省の管轄に取り沙汰される問題は山積みです。むしろこれから経産省絡みの問題は、安倍政権の火薬庫にすらなりかねないのでしょう。何しろ株価にも直結するのですから。
国際会議でも、安倍首相の後ろでちょろちょろする様を丁稚などと称されてきた世耕氏、目立たないことで経産相の職にとどまり続けてきましたが、これからは昼行灯として輝けるのか、それともHeel and Donkey(悪役とマヌケ)になるのか? いずれにしろ問題の大きさに対して小粒感も否めないところからも、対応できそうになく、利害関係者との「安定的な関係」を築くのは難しいのでしょうね。

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2018年11月20日

消費税増税への対策を検討?

日産のゴーン会長の逮捕が、今日も話題です。50億円も株が増えることになるので、希薄化を嫌気した売りが膨らむのは仕方ないですし、経営上の不安もあります。数か月前、ゴーン氏の私的流用という記事が流れましたが、日産が横領などで訴えない限り刑事事件ではなく、あくまで社内の問題として処理されると見ていました。それがいきなり地検の逮捕となったので、クーデター説やルノーへの宣戦布告説などが流布されることになります。コストカッターという異名もありましたが、要はお金に厳しい、ケチということ。それでいて高額報酬を望むような発言が多く、清廉さは感じられない。これはそういうい意味でも当初から予想されていたことで、驚きとするには当たらないのでしょう。

自民の経済成長戦略本部が、来年10月の消費税再増税時の下支え策をまとめました。プレミアム付き商品券、キャッシュレス決済にポイント付与、自動車減税、住宅ローン減税など、どれも見たことあるものばかりでなく、どれも富裕層への優遇姿勢が目立ちます。自民の独自色としてはマイナンバーカードを活用する点ですが、買い物が面倒になることは経済的にマイナスなので、下支え策に含める時点で下策といえます。そもそも消費税には逆進性の問題があり、本来は貧困層への打撃を緩和する方向でなければなりません。食品には軽減税率、といったところでテイクアウトの問題は解消されず、正直者がバカをみる、という制度として最初からおかしな点を解消しようとする動きすらみせません。
安倍政権も消費税再増税対策として、2次補正の編成を指示と伝わります。しかし実際はTPP11やEUとのEPA発効に伴う農家の支援なども含む。逆にいえば、それをしないと耐えられないのであり、TPP11やEPAは決して景気に寄与するばかりではない、ということを示します。来年にはTPP11が批准される見込みであり、それは工業の分野でさえ正負両面がある、と考えておかねばなりません。

安倍首相は経済財政諮問会議でも、成長率の底上げ策を、当初予算に盛り込むよう指示したとされます。しかし出てくるのが、パートタイムの就業時間延長を促すキャリアアップ助成金、短時間労働者の就労時間が増えて社会保険に加入した倍の助成など、働き方改革で多様性を求めたはずなのに、もうそれと真逆のことをしはじめます。結局、安倍政権で行われた施策は景気にはマイナスであることが判明し、見直さざるを得ないのでしょう。それを増税対策として、目晦まししているのです。
さらに同会議では社会保障費の抑制にも踏みこめない。今の制度では破綻するのが目に見えていますが、増税に怯えて歳出抑制ができないのです。しかし制度が腐っているのに、いくらシーリングをかけたところで意味がありません。やはり日本の景気は弱い。安倍政権はそれを認めていませんが、だから一生懸命に対策をしなければいけない、というのがここもとの動きとしてもはっきりします。

ただ、安倍政権がコストカッターになっても上手くいかないことは自明です。おトモダチに利益誘導することしか考えていない政権であり、清廉さは全くないためです。かといって景気拡大もできず、歳入に行き詰まったから増税せざるを得ない。しかしその対策で汲々とし、腐心するという状況なのです。ただ、それを国民は正しく理解できていないことが、直近の世論調査でも鮮明です。
多くのメディアで、消費税増税も賛成が増えた。北方領土交渉で日ソ共同宣言までもどることにも賛成が多い。ただ、4島返還を求める声が多数なのは、正しい情報を国民が知らないからこそ、です。政府が発信したことだから、その動きが4島返還につながると信じている。しかし日ソ共同宣言を読めば、4島返還など夢のまた夢であることが自明なのに、そういう事情を知らない国民、消費税増税をしたときの景気の悪化も想像できない国民、それが世論調査に答えている、ということなのです。日本にもっとも必要なのは、ポストカッターなのかもしれません。その任に足る能がないのに、ポストについている人物をカットしない限り、組織は変わらないといえるのでしょう。騙される方が悪いのか、騙した方が悪いのか、間違いなく後者の罪の方が重いのであり、相手の地位や発言に騙されないような知恵を身に着けていかなければ、この国はますます悪い方向になるだけなのでしょうね。

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2018年11月19日

日産会長の逮捕とソフトバンク携帯事業の上場

日産のカルロス・ゴーン会長とグレッグ・ケリー代表取締役が、東京地検特捜部に逮捕されました。有価証券報告書の虚偽記載で、2011〜15年に約50億円もの過少申告をしていた。また私的流用もあったということで、日産側の告発でもあり、ゴーン氏とケリー氏にはかなり厳しい状況です。
この動きがどういう波及をするのか? 今のところ読めません。もしかしたら日産・ルノーの決算の修正になるのか? ストックオプション絡みなら業績には関係しないでしょうが、年間10億円も穴が開いていたので、どこかに歪みも出そうです。ルノー株も急落しているようですが、今後の提携にも影響があるかもしれません。実質的には仏国の国営企業ともされるルノーは、小が大を飲みこむ形で日産を買収しましたが、そこから歪みがあり、日仏の政治問題にまで発展してくるのかもしれません。

株式市場ではソフトバンクの携帯部門の上場が、CMまで打たれて喧伝されています。ただ、ボーダフォンを買収した時点で、ソフトバンク本体とは別建ての株式として資金調達しており、いずれ上場するという話もありました。ただソフトバンクはその後、携帯事業も決算に含めており、違和感があったのも事実です。今後、子会社を上場しても連結で決算を上げるのか? それとも別建てで上場したのなら決算を上げるのか? 現状、前者が市場の主流ですが、それは投資家の目を欺く行為にも映ります。本当の意味で株式の価値を評価されていない可能性もあるからで、今後の動きに注目です。
今年最大の大型上場であり、証券会社がCMまで打つのも、実際には資金が集まるか? 不安もあるためでしょう。何より極めて市場環境が悪い。携帯電話市場は安倍政権が通信量の引き下げを至上命題に掲げる中、収益性の低下が懸念される。さらにMVNOの成長が止まっている、といえど、ここでMVNOへの割り当てに不平等がある、との指摘もあり、もし傘下のMVNOに優先的に割り当てをしているようだと、その見直しも経営の重しです。株式を上場しても、今後の成長がみこめないということでもあり、安定株という以上の価値が見いだせないのは、NTTや日本郵政の上場の時と同じです。

ソフトバンク本体も、サウジ皇太子によるジャーナリスト殺害でサウジの投資ファンド(SWF)の動きが滞り、また多くの投資運用ファンドの成績が軒並み急降下するなど、極めて厳しい状況です。携帯事業の上場も、半年以上前から計画されていたものでしょうが、世界全体の株式市場が停滞する中での上場となったのも不運…むしろそれは、孫会長の手腕に疑問、となるのかもしれません。
ゴーン氏の私的流用の話は、実は数ヶ月前に流れていた話です。株式市場が堅調なときは、そういうものが目立たない。もし流用しても、運用で増やして返却すれば、経理上の穴が開かないためです。しかしそれが運用に失敗すると、途端に崩れてしまう。今回がそう、というつもりはありませんが、株が高いは百難隠す。世界経済が斜陽に入ると、様々な不都合な事情が詳らかにされることにもなります。果たして、どの企業が不都合な事情を抱えているのか? それはこれから徐々に明らかになっていくのかもしれません。ただゴーン氏、イニシャルで書くとGhosnですが、Gone(落ちぶれた)と聞こえてしまう。一つの不祥事で企業が傾くことはよくあることですが、その不祥事に携わった人間の末路は、かなり悲惨なものとなってしまうのは仕方ないことなのでしょうね。

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2018年11月18日

欧州不安がふたたび

APEC( アジア太平洋経済協力会議)で、首脳宣言が採択できない、という異常事態です。これは名前の通り経済について話し合う場ですが、政治的な問題がもちこまれてしまっている印象です。貿易戦争という問題は、政治体制とも結びつくため、余計に妥協しにくい。市場では少しの情報ですぐに楽観に傾きますが、そう簡単に収まりがつく話ではありません。

さらに欧州から不穏な話が伝わります。英国のメイ政権がEU離脱交渉の合意案を示した途端、閣僚が続々と退任し、かつ与党内にもメイ首相の不信任という話がでてきました。強硬派にも穏健派にもウケが悪い、という最悪の状況であり、このままだとBrexitが体現されます。従前から欧州は最後の最後で妥協する、という政治文化もありましたが、今回は通用しない可能性もあります。
また巨額の財政赤字を計上する見込みのイタリアに対し、欧州委員会が制裁を科す手続きに入った、と伝わります。公的債務残高が130%超であり、財政健全化に後ろ向きとみなされるためで、EU加盟国には財政に対して健全に保つよう努める義務があります。しかし大衆迎合主義、ポピュリズムとされる五つ星運動と同盟に推されたコンテ政権では、EU懐疑主義が蔓延していて、そんな制裁をうけても財政拡張を改めないかもしれません。下手をすると英国につづき、EU離脱の動きとなる可能性もあります。ナゼなら、イタリア経済が低迷するのはEUのせい、とイイワケできることになり、そのイイワケを真にうけた国民がさらに現政権を支持する、といった悪循環も考えられるからです。

今年はフェイクニュースが米国でも盛んに喧伝されましたが、実は政治のフェイクの方がよほど深刻だといえるでしょう。まさに安倍政権も同じです。日本経済が好調だと喧伝していたのは、実は世界経済の好調さの恩恵をうけていただけ。一方で、日本経済がヤバくなると、急に世界経済のせいにしだした。日本経済が強くないから世界経済に左右されているだけで、安倍ノミクスを6年つづけても、結果的に日本経済は脆弱なままということでもあります。
FRBが世界経済減速の兆しに言及し、米金利上昇も止まり、円高に向かいやすくなりました。日本企業は海外売上の増加と、円安によって業績が押し上げられていたため、世界経済の減速と円高は、実はダブルパンチです。これまでの「業績は好調」という説明すら、フェイクになるかもしれません。もし今年から世界経済の減速がはじまったら、その原因は『フェイク』ということが後世、検証されるかもしれません。それは経済指標のフェイク、景気に関する説明のフェイク、企業業績に対するフェイクなど、一般の人々を誤認させるようなことを政治が意図的に行ってきたことが、ここに来て限界に達したことも意味するのでしょう。その限界とは、数字のねつ造に人々が気づき始めるばかりでなく、フェイクに踊らされた人が間違った判断を政治に求め、それが実践されてしまうこともそうです。来年はそのフェイク(fake)がエイク(ache)に変わる日がくるのかもしれない。そのとき、改めて政治のフェイクに気づいても時すでに遅し、今からウェイク(wake)しておく国民のいる国が、いち早くその窮状を脱することもできるのでしょうね。

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2018年11月17日

雑感。立民と無所属の会の統一会派?

米中貿易戦争に動き、という話があります。米国からの要求に、中国が142項目の行動計画を米国に送った、というのです。ただ米国は不満と伝わり、開幕したAPECでも声明文の合意にむけて米中の鞘当てが激しくなり、G20で首脳会談を開き、貿易戦争に決着というシナリオも巷間語られることが多くなりましたが、まだ現実的ではないのでしょう。
FRBも世界経済の減速にふれたので、12月の利上げは予定通りでしょうが、来年の利上げ回数について憶測を呼んでいます。米国内でも貿易戦争の悪影響について、愈々意識され始めたといえそうですが、トランプ政権がその判断を下すのは、まだしばらく先でしょう。何より中国への圧力は安全保障上の問題と意識されており、経済問題は二の次にされかねない。安易な妥協はしにくい状況であり、米国が受け入れられるとすれば中国がかなり妥協したときだけです。まだそこまでの段階ではないため、解決はもう少し先、となるのでしょう。

国会では野党に動きがでてきました。無所属の会が立民との統一会派にむけた協議入り、というのです。無所属の会は、単独でも当選できるぐらいの政治家集団ですが、如何せん政治経験を積んだ、年齢層の高い政治家ばかりです。言葉は悪いですが、このままでは判官贔屓の切れる次の選挙以降、じり貧となるでしょう。統一会派を足掛かりに、いずれ支持率の高い立民と合併することを目論むのでしょう。ただ全員受け入れを前提にしており、立民としては中々受け入れにくい。政治信条の違いと、個人的な恨みが邪魔をしています。
これまで無所属の会は、立民と国民との橋渡しと言ってきた。ここに来て態度を転換するもう一つの理由は、国民の玉木代表によるドタキャン騒動も影響するのかもしれません。二階自民幹事長との会談を、自ら申し出てセットしたにもかかわらず、立民の反発が怖くてドタキャンする。この行動に、与野党ともに総スカンで、玉木氏は政治家としての株をいくつも落とした形です。国民が自民に接近する中で、いくら橋渡しをしても雪解けすることはないでしょう。無所属の会もサジを投げざるを得ず、単独で立民との合流に舵を切ったのです。

国民が求めた統一名簿も、立民は蹴った。話題性は欲しいでしょうが、現職の方が順位が高くなり、わざわざ国民の政治家を生き残らせることに、意味を見出せないのでしょう。ただ来年の通常国会は、立民にとって試金石です。7月ともされる参院選まで、形として実績を残さないといけない。話題を集めて、安倍政権に対抗しうると喧伝しないといけません。
明治9年6月28日に、浅草寺で開かれたのが新聞供養大施餓鬼です。前年の6月28日、讒謗律と新聞紙条例が公布され、政府に批判的なジャーナリストが次々と摘発されたことへの抗議のため、そんなイベントが開催されたのです。むしろこれから1年、メディアが取り上げざるを得ないようなイベントを、どれだけ開催できるか? そしてそれが如何に国民へと遡及できるか、それがカギとなるのでしょう。当時は明治新政府への批判が、国民の間に蔓延しており、そうした新聞の動きを後押しする空気もありました。しかし今や、新聞は讒謗律や新聞紙条例がでているかのように、政府批判を控え、阿諛追従するような有様です。そんなこの国の空気とも、野党は戦っていかなければいけません。

ただ、来年はリーマンショック以来つづいてきた好調な経済に、愈々終止符が打たれる年となるかもしれない。つまり政権与党への批判の声が増える年になるのかもしれないのです。その風に乗れるよう、戦略を練る必要があるのでしょう。むしろ今開くとしたら、行政供養大施餓鬼として、不祥事つづきの行政と政権を、極楽に送ることが必要かもしれません。共謀罪、カジノ法など、供養した方がい法律も増えてしまいましたからね。

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2018年11月16日

雑感。桜田五輪担当相は人気?

菅官房長官が記者会見で「2島が返還されたら日本の主権は確認」とします。ただそもそも日ソ共同宣言は日本語訳で「引き渡される」となっており、「返還」と読み替えるのは少々ムリがあります。前提を間違えた上で「主権は…」と語るのは、国民に誤認させようとの意図の上でのことですから、余計に罪深いといえそうです。逆にそれだけ言い逃れもできず、苦しい説明になるのでしょう。しかも当面誤魔化しておくつもりが、早速プーチン露大統領にバラされ、慌てている様子も感じます。露国では、プーチン氏の支持も下がり、日本に妥協するとみられたくない。もし今後交渉したとしても「日本に主権」となる可能性は、限りなく低いのでしょう。国内向けに取り繕うばかりでなく、本腰を入れないと2島「引き渡し」ですら未達となりそうで、幕引きの仕方は相当に難しくなりそうです。

桜田五輪・サイバー担当相が「海外で人気」との見出しで報じるメディアがあります。これも印象操作で、「海外から揶揄」か「海外で驚き」と報じるべきでしょう。実際、記事の中身はそうなっており、いくら皮肉でもヘッドラインしか読まない人向けに、そうした見出しをつけて誤認させようとしたとしか思えません。日本がバカにされていることなのですから、そこは正しく伝えるべきです。そうしないと是正する動きも起きないのですから。
桜田氏はUSBが何かも知らない、ということですが、ロンドンに行ってサイバー問題も協議してくる、とします。自身の事務所には「セキュリティ対策をしっかり」と指示している、と述べますが、中身は知らないということ。効果も何も分からないので、担当者が手を抜けばそれで終わりです。それと同じことが、国のサイバーセキュリティでも同じことが起こる。ロンドンでは話し合いにすらならないでしょう。いくら事務方が内容を詰める、としてもトップがお飾り前提ですから、海外から侮られて当然です。しかもこれだけ報じられた後ですから、桜田氏がロンドンに行ってもサイバー問題で出る幕もないでしょう。

ただ以前も指摘したように、こうした「無能」で話題になる閣僚がいると、背後で不誠実なことをしていても目立たない。入管法改正では、安倍氏は特定技能1号の『技能水準』について決まっておらず、算出された見込みも根拠レスだと暴露されたばかりか、技能実習生の脱走理由を「低賃金」としたアンケートを、報告書では「高い報酬を求めて」に変えるなど、国内企業の問題を隠ぺいするようすり替えを行っていた。安倍政権で度々みられる調査、指標などのねつ造が入管法改正でもまた、行われていたという形になります。
もはや日本のセキュリティは、サイバーのみならず国家機関ですらボロボロの状態です。すべての前提となるべき数字、情報がザルなのですから。露国といえば、未だに米大統領選への介入疑惑が報じられていますが、日本の選挙とて介入しない、と断定することはできないでしょう。むしろ安倍政権が日ソ共同宣言まで時計の針をもどしてくれた、そんな安倍政権を応援するための介入だったら、歓迎すると言いたいのかもしれません。FBの情報流出が騒がれても、日本だけは知らんぷり。そんな国にセキュリティを語る資格もないから、実は桜田氏がその象徴として「適材適所」なのかもしれません。桜田氏が知らなかったUSB、ウソ、失政、暴言の頭文字だったら、桜田氏にも心当たりがあるのかもしれませんね。

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2018年11月15日

日露外交が大転換?

昨日、ASEAN関連会議などに出席するため、空港で記者会見した安倍首相が「平和条約問題を…」と語ったとき、嫌な感じは受けましたが、やはり安倍氏は日ソ共同宣言に基づいて、歯舞・色丹の2島を材料にして事前に平和条約をむすぶことになる、とプーチン露大統領との共同記者会見の場で発表されました。言葉は悪いですが、売国政権の面目躍如です。
一部のメディアや識者で、これを好感する人がいますが、ロシア利権をもつ人か、もしくは2島返還で御の字と思っている人ぐらいです。そもそも日ソ共同宣言では「平和条約が締結された後に現実に引き渡される」とされ、平和条約が先です。しかも、今日のプーチン氏の発言からは、露国が主権をにぎったまま日本側に利用できるよう「引き渡す」ともとれるのです。平和条約という最大のカードを失った日本が、その後の交渉で有利に立つこともできなくなるのは必定。4島返還どころか、2島返還すら危うくなる可能性も高いのです。

これは安倍政権の戦略からも読み解ける。恐らく、平和条約締結時に「4島返還」という文言をどこかに入れるつもりでしょう。しかし最大のカードを失った日本は、経済協力という形でしか交渉カードがない。ただ資源高になると露国経済には余裕がでて、日本の支援など必要なくなります。それどころか安倍ノミクスの失敗で、将来の日本が他国に経済支援できるほど余力があるかどうかも分からない。そこに4島返還の文言があろうと、確約をとれなければ未来永劫、返還されない恐れがある。しかし露国が確約を与えるとはとても思えません。つまり安倍政権のチープな希望は、何の価値も意味もないことになるのです。
そもそも日ソ共同宣言は、安倍政権とその支持者が騒ぐ憲法の比でないほど、敗戦国根性がにじむものです。樺太、千島交換によって千島列島を得たのに、北方4島どころか2島しか「引き渡す」約束をしていない。それどころか、シベリア抑留には一切ふれず、ソ連で有罪判決をうけた日本人が「送還される」とするのみです。むしろソ連が日本に対して「賠償請求権を放棄」し、日ソともすべての請求権を「相互に放棄」とするのみ。つまり敗戦国の日本は、何も言えないという宣言なのです。要するに、51年のサンフランシスコ平和条約に批准しなかったソ連とは、日ソ共同宣言をむすぶまで戦争状態であり、国連に加盟するためにもどうしても日ソ共同宣言を結ぶ必要があった。だからここまで屈辱的な内容でも受け入れたのです。それを安倍氏は丸々受け入れる、としたのが昨晩です。

本来、行うべき外交戦略は、日ソ共同宣言を変えて平和条約に向けた、新たな共同宣言をむすぶことでした。つまり準備段階が必要だったのですが、安倍氏はそれをせずに、いきなり結論を求めた。任期はもう短く、歴史に名を残すためには事前の宣言ぐらいでは物足りない。安倍氏の名誉欲が、北方領土4島返還ではなく、日露平和条約という形にすり替わった、歯舞、色丹2島の返還とて不透明なのに…それがはっきりしたのです。
「日本を取り戻す」と述べていた安倍氏。まさに取り戻すのでしょう。大部分を露国に譲りわたす形で。残念ながら、幼稚な外交をしてきた安倍政権が存続してきたために、こんな結果を導いたとしか言いようがありません。93年の東京宣言にもどるのではなく、56年の日ソ共同宣言までもどった。安倍政権のもどした歴史の針は、まさに戦後の象徴だったのですから。経済では安倍ノミクス後の状態も踏まえ、安倍政権がとりもどした日本というのは、戦後の焼け野原なのかもしれません。日本では「敵に塩を送る」という言葉もありますが、まさに安倍政権は「敵に島を送る」ことで自己満足を得ようとしている。安倍後に迎える日本の焼け野原、安倍野原からの復興は、とても大変なことになるのでしょうね。

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2018年11月14日

7−9月期GDPについて

内閣府がつくったセクハラ防止啓発ポスター。東幹久氏を起用し、二つの発言に対して『これもセクハラ?』と大きな文字で書かれ、下に小さく『セクハラを決めるのはあなたではない』とします。しかしこれだと『セクハラと訴えられるから止めましょう』という男性目線の啓発でしかありません。訴えられるから、ではなく相手の人権を無視して貶める発言をしてはいけない、ということなのです。上司なら女性であってもセクハラ発言などできないでしょう。セクハラとは、女性を下にみて、かつからかうという意図をもって為されるから問題なのであって、根幹は相手の嫌がることをしない、です。滋賀県の饗庭野演習場で放たれた迫撃砲ぐらい、的外れです。迫撃砲は物的被害だけで、人的被害がなかったからまだよかったですが、セクハラ防止啓発ポスターのような的外れでは、被害を食い止められません。

2018年7-9月期GDPが発表され、実質で前期比0.3%減、年率換算1.2%減となりました。項目別では民間最終消費支出が0.1%減、民間住宅が0.6%増、設備投資が0.2%減、民間在庫が0.1%減、政府最終消費支出が0.2%増、公的資本形成が1.9%減、輸出が1.8%減、輸入が1.4%減です。7、9月の豪雨と胆振東部地震の影響などがあっても、消費は底堅く、一見すると国内は堅調、という結果です。輸出の減少は関空の受け入れ停止などで、インバウンド消費の落ち込みが影響した、としますが、インバウンドにカウントされない外国人旅行客の消費減少で、個人消費の落ち込みなど簡単に説明つく。つまりこの結果では、国内の個人消費はむしろ増えた、という判断すらできるのです。しかしその原因ははっきりしています。
7-9月期では、以下の推計方法に変更が生じています。最終消費支出は、家計調査などから世帯数を乗じて求めていました。しかし7-9月期は、簡単にいうと災害の死者や避難者を除いた上で大体の世帯数を割りだし、それを家計調査にかけた、とするのです。しかし家計調査は他の統計とも整合がつかないほど数字が高く伸びている、と話題の統計情報です。7-9月期平均で、前年同期比で(実質)実収入は2.9%増、消費支出は1.1%増です。経済が好調とされる米国よりも賃金が伸びていて、自然災害でも消費が増えた、というのです。災害の影響を機械的に割り引いただけですから、消費はあまり減らなかったとなりました。

一方で、毎月勤労統計が1月から算出方法を変更した影響で、賃金の17年のデータと18年のデータに大きな段差があり、それを補正するために17年より前のデータは補正する、とします。毎月勤労統計も雇用者報酬が2018年になってから高めにでている、と噂の統計ですが、その高めの方向で過去データを修正する、というのです。それ以外でもいくつか、7-9月期においては補正がかけられており、おかしな統計データを、あまりおかしな数字にならないよう頑張って調整したのが、今回発表されたGDPということです。もし自然災害で補正をかけていなければ、国内は米国をしのぐほどの高成長を成し遂げていたかもしれません。
しかし、それだけ国内が好調なのに輸入が減少、という矛盾がある。原油高がフル寄与して、金額ベースでは間違いなく輸入が伸びているにも関わらず、です。輸出の減少も、インバウンド消費の減少で隠されていますが、米中貿易戦争の影響はこれから深刻となるでしょう。10-12月期はプラスにもどす、という予想が多いですが、株価下落の影響が今度は利いてくるはずで、逆資産効果が懸念されます。それでもGDPの数字は揺るがず、高くでることが予想されるのです。矛盾だらけのGDP、もはや的外れで炸裂する迫撃砲以上に、国民をリスクにさらしている、ということなのでしょう。今や日本ではGovernmental Harassment(ガバハラ)が意識されるところであり、統計資料の異常な数字に「これもガバハラ?」と驚くばかりです。「ガバハラを決めるのは国民です」という意識をもって、政府の行動を監視していかなければいけないのでしょうね。

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2018年11月13日

ペンス副大統領の来日

日大アメフト部の悪質タックル問題、警視庁は前監督と前コーチを立件しない見通しとなりました。警察がまた…という感想しか湧きません。これまでの政治家への立件も見送ってきた。今回もその流れでしょう。「つぶせ」は一般的な指示であり、故障させる意図はないとしますが、悪質タックル後の同じ選手が出場しており、黙認したとみられても仕方ない状況です。アメフトは攻守交替ばかりでなく、頻繁に選手が交替するスポーツで、一人の不調が全体に影響する。あのタックルをした選手を使い続ける道理はありません。
恐らく安倍政権か、自民党に陳情があり、警察へ介入があったものでしょう。証言を覆す学生がいた、とされますが、タックルした選手を守るためだった、とします。しかし結局守れていないことになり、かつ第三者委ではその発言を合理的とみなした。複数の証言があったと推測され、それを全員が示し合わせて行っていたなら、組織としてアメフト部の腐敗は顕著であり、部を解体させる必要すらでてくるでしょう。仲間を守るため、として監督やコーチを貶めたのですから、第三者委の調査でも偽証として断罪する必要がでてきます。よくて停学、悪くすれば退学になってもおかしくない。そうではなく、大学を守るために証言を覆すよう圧力をうけたなら、断罪されるべきはどこか? 改めて問われるでしょう。

ペンス米副大統領が訪日し、安倍首相と会談しています。その中で、安倍政権が物品のみのTAGとしていたものを、サービスも含むと認めました。これで日米貿易交渉はTAとなります。しかもペンス氏のTweetをみるとFがつく。つまりFTA交渉の開始をみとめた形です。ペンス氏は「インド太平洋地域のモデルケースに…」と述べているので、NAFTA(北米自由貿易協定)改め、USMCA(米墨加協定)のように数量規制も設けられるのでしょう。ナゼなら米国はそれを各国の交渉材料とすることが多発しており、インド太平洋地域でのモデルとするなら、日本との協定にも入れないはずがありません。安倍政権ではまた「数量については交渉していない」などと嘘をつくのでしょうが、注意深く見ていく必要があります。
また防衛装備品の購入拡大を求めた、とペンス氏は語っており、やはり日本の軍事予算の拡大は止まらないことになります。「トランプ大統領は何度も言った」というように、日本で増税が必要なのは止まらない軍事予算のせい、という見方が正しいようです。しかもそれは日本の防衛力向上に資するものではなく、米国の利益のためとなるのでしょう。

さらに注目されるのが、日米でインド太平洋地域で8兆円のインフラ投資、と述べた点です。米国が600億$、日本が100億$を投資、というのですからかなり大きな話です。これを中国の一帯一路と重ねるつもりはないでしょう。しかし、米国のインフラ産業に大してメジャーな分野はなく、いくら中国封じ込めといっても心もとない限りです。悪い観測では日本製のインフラを米国製として、米国に利益が落ちる形になるのではないか? そうなると上記したように、防衛装備品といい、日米FTAが始まる前から米側に対して大盤振る舞いとなるのでしょう。日米同盟は強固、その言葉の裏にはお金の匂いしかしません。
未だに日米貿易協議をTAGなどと報じるメディアは、よほど政府からにらまれるのが怖いのか、政府に配慮した報道をしているか、のどちらかでしょう。そしてそれ以外のところでは、すでに負け戦となっている日米協議について報じないのも、同様です。そもそも北朝鮮問題を抱え、米国頼みの安倍政権が貿易協議で何かを要求できるなど、考えられないのです。

日本では警察も、メディアも、政治を監視するという任から下りてしまって久しいですが、その裏ではこの国の劣化が深刻なレベルに達しているのでしょう。その末路が入管法の改正に思えてなりません。技能実習生制度のような悪い制度の上に、さらに屋上屋を架すとするこの手法が、まさに安倍政権そのものということなのでしょう。日大アメフト部の殺人タックル、いみじくも足をめがけてタックルしましたが、日本も安倍政権によって足腰を狙われ、大けがする一歩手前まで来てしまっているのかもしれませんね。

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2018年11月12日

経済財政諮問会議の提言

破産手続き中のジャパンライフ、マルチ商法まがいの商売、かつての豊田商事を彷彿とされる手法からも、筋金入りの詐欺企業だったことがうかがえます。また消費者庁から何度も業務停止命令をうけて、それでも存続しつづけた裏に、政治家との密接なつながりがあったともされます。献金をうけたり、パーティー券を購入してもらった政治家など、それを公表した上で被害者救済の基金に回すべきでもあるのでしょう。もし消費者庁に圧力などかけていないのであれば堂々と、献金をうけたけれど陳情は受けたり、行政側に働きかけてもいない、といえるはずです。逆に、それがないと疑惑が増幅されることにもなります。
またスルガ銀行は前会長らに、35億円の支払いを求める損害賠償請求をおこしましたが、ジャパンライフも同様に旧経営陣らに請求しないとおかしな話です。事前に資産隠しを行ったとの報道もあり、救済に回す資金を確保する上でも必要なはずです。今回のように悪質なケースでは、弁護団に任せるばかりでなく、行政が積極的に動いてもよいかもしれません。法人を隠れ蓑にした詐欺の場合、経営陣が責任逃れをしてしまうケースもあります。法人設立の条件を下げようとする動きもあり、詐欺企業の跋扈を防ぐためにも、経営陣の責任追及に関するルール作り、資産隠しの防止については喫緊の課題ともいえるのでしょう。

経済財政諮問会議で、民間議員から「消費増税時の腰折れ対策、最低賃金の引き上げ」といった提言がありました。しかし最低賃金を引き上げたところで、小幅では景気対策にはなりませんし、大幅だと経営に打撃として経営陣が反発する。韓国のように、大幅に最低賃金を上げた結果、雇用環境が引き締められ、就職が難しくなったという悪い事例もある。しかも日本では、入管法改正によって劣悪な労働環境を強いられていた技能実習制度にもメスが入れられようとしており、藪蛇との指摘もあります。
制度が整えられ、日本人並みの就労をみとめられた移民と、技能実習生の格差が問題にされかねず、そうなると暴動をおこすかもしれない。もし技能実習生の待遇を改善するなら、その時点で企業には負担増となり、コストの上昇はインフレ圧力となりかねない。増税+高インフレに今の日本経済はとても耐えられる環境にありません。

安倍首相は同会議で「日本経済は回復基調だが、世界経済に不安」という言い方をします。回復というのは元の状態に戻ることであり、元の状態とは一体いつなのか? 6年たってもまだ越えられないのか? 回復基調の最中に増税などして大丈夫なのか? 様々な疑問もわきます。むしろ増税時の腰折れ措置とは、その間に財政を拡張することで公共投資を増やし、成長率を下げないようにするためだけのことで、景気とは別といえるのです。
安倍氏が成果と語る雇用も、もしかしたら入管法改正で頓挫するかもしれない。安倍氏の計算では、能力のある労働力を海外から受け入れるために、高額の報酬が必要で、それが労働者の賃上げにつながる、という誤った認識もあるのかもしれません。しかし実際には技能のある人は欧米など、もっと給料の高い国に流れるばかりで、言葉は悪いですが、日本にはそこそこの人材しか集まらないでしょう。その程度の賃金しか払ってもらえない、という認識がすでに日本の見方であり、日本は第一選択肢になりにくいのですから。

そもそも技能実習制度さえ、労働力の搾取であり、本国にもどって技能を伝えるため、というお題目で安い労働力として外国人を入れているだけのことです。むしろそういう詐欺的行為をする国では、きちんとした制度作りをしない限り、優秀な人材など決して集まらないのです。やっつけのような国会での議論、日本という国の経営陣の責任追及についても、きちんとしたルール作り、おかしな制度をつくらせない仕組みが必要なのでしょうね。

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2018年11月11日

雑感。中国『独身の日』

中国では独身の日セールが行われました。中国では個人向け減税が行われ、消費が堅調といった報じられ方もされますが、このセールで購入した業者が日本などのネット通販で売っていたりするので、本当に中国の消費が底堅いか? はこれからの検証を経ねばなりません。
みずほ総研の分析では、すでに中国経済が減速から停滞へ移行している、とするものがあります。個人的にはまだ減速過程とみていますが、最大の問題は中国企業のマインドが著しく低下している点でしょう。それは中国経済が減速し、国家統制を強めていることから、国営企業に利益をもっていかれる、民間企業はいつ淘汰されてもおかしくない、などの観測もあり、アリババの馬会長が引退を示唆したのもその流れです。出る杭は打たれる、目障りとなれば叩かれる、富裕層への批判が強まると、冤罪で裁かれて財産が没収される、今の中国はかつての開放路線とは真逆のマインド悪化が起きており、根が深いといえます。

そんな中国の公船4隻が魚釣島沖の日本の領海に侵入したのも、日中首脳会談までは抑えていた動きが、改めて表面化した。しかも安倍首相が中国との首脳会談で「3原則を確認した」と国会でも発言し、外務省はそれを否定する、といった齟齬もあった。中国としては日本側が当面、強く出られないと高をくくっている。何しろ、中国側が安倍氏の発言を否定すれば、安倍政権が困ることになるからで、政権が弱みを握られている状況でもあります。そもそも政権内で認識が異なるなどあってはならないことで、自業自得といえるでしょう。
しかし中国とて、景気が減速していく中で日本の支援が欲しい。それこそODAは終了となりましたが、これから一帯一路などの協力は不可欠です。むしろ、それがあるからODAの終了もすんなり中国は受け入れた。しかしすでに一帯一路は受け入れ国の拒否に遭い、頓挫がめだっています。なのでそこに日本の信用力を活用したい、が中国の本音でしょう。逆にいえばここから中国は、硬軟織り交ぜて日本から条件をひきだすことをしてくるはずです。

外交に理念のない、政策に一貫性のない安倍政権が中国にとりこまれるのも、時間の問題でしょう。そもそも政権には財界の圧力があり、その財界は華僑から要請をうけ、その華僑は中国本国からの命令で動いている構図もある。それだけ中国の富裕層にとっても、今の中国は危険だと認識されており、様々なコネを用いてくる、ということなのでしょう。
ただし本当の中国リスクは、以前から指摘しているように地方政府と個人に溜まった債務です。ここが弾けると、中国経済の下押しは深刻なレベルとなるでしょう。今は通常の景気循環の波の中での減速ですが、そこまで波及するかどうか、をみていかなければいけません。そのタイミングで、中国へと接近を強める安倍政権。何の目論見も展望もないのでしょう。『独身の日』はセールを行う日ですが、安倍政権にとって中国接近をつづけていると、やがて『毒針の日』が訪れるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:19|PermalinkComments(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | アジア

2018年11月10日

年末までの株価

米中間選挙が終わり、経済的に大きなイベントは来月のFOMCでの利上げ、がメインです。英国によるEU離脱の合意、イタリアの財政問題もありますが、欧州関連は毎回だらだらと長引いた結果、大山鳴動して鼠一匹、となることも多い。最悪のカタストロフだけは回避しようというのが欧州の伝統芸であり、そこまでのゴタゴタはナポレオン没落後を話し合うウィーン会議で「会議は踊る」とされた言葉にもよく表れます。互いが交渉に疲れ、もういいやとなって初めて合意できます。それまでは各国がそれぞれの踊りを披露することになります。

中間選挙後、円は対ドルで114円をつける場面がありました。ただ不安のある新興国を含め、通貨不安でドル高だった国は緩和され、先進国など経済が安定しているところはドル高にすすむ、という流れがあったので、恐らく一時的に株高に動いたように、世界的なポジション調整の動きが起こったとみて、間違いないのでしょう。その後、113円台後半を維持しているのは、若干の米金利上昇もありますが、今後の米金利の行方が影響した点もあるのでしょう。
米FOMCでは、設備投資の減速について言及がありましたが、不動産市場の減速については言及がなかった。これにより、来年の利上げが1度か2度、と読んでいた市場関係者が、先を見通しにくくなっています。FRBがもし米不動産市場をまだ割高で、これが健全な調整だと思っているなら、利上げを打ち止めせずに金利上昇がすすむ。来年の利上げ回数も読みにくくなり、投資の手が止まりかけているのが、中間選挙後の動きということになるのでしょう。
日本では日系大手が8日に先物をラージもミニも大量に買い、9日はそれを吐き出すことで行ってこいになりそうです。最近はここが日経225型で売りでも買いでもトップの大口の取引をするため、日中の相場の流れを決めてしまいます。しかし以前も指摘したように、直近の取引では損ばかりしているとみられ、いずれ反対売買が出てくるようだと、相場の大きな変動要因になりかねません。さらに、今年は10月の調整がきつく、相場が上昇してもやれやれ売りが出てきて、相場の頭を押さえてしまう。9月から年末高を煽るなどして、買いポジションを増やしたところもあったでしょう。結果、今年は上値を追いにくくなってしまいました。

昨年末が22764円なので、今年の株の騰落は現時点でマイナス。しかも昨年末の対ドルは113円弱なので、113円台後半の円安である現状、外国人投資家からみた日本株は「とても弱い」。未だに「外国人投資家が買う」と喧伝する人もいますが、これほど弱い日本株で、しかも安倍ノミクスに失敗し、成長もしない、上昇の材料がない国では、投資を増やすインセンティブはありません。外国人投資家は当分、売買はフラットとみた方がいい。
唯一の根拠としていた企業業績も、年末の上方修正が減り、ほとんど上位数社が大幅に見通しを上げたために上乗せがされていますが、多くの企業が横這いかマイナス、という惨状です。まず中国の失速が、そして来年辺りから米経済にも陰りが見えるとなれば、明るい展望など見通せるはずがありません。いくら市場関係者が予想PERを高くみせかけようと、1月の3Qの業績開示まで、企業業績への期待が高まるはずもなく、これも株価にはマイナスに働くでしょう。結果、今年の年末高は想定しにくい、という結果になります。

取引最終日の直前ぐらいには、ドレッシングが入る可能性もありますが、年末高を前提にした取引は極力控えるべきです。日系大手の先物取引も、買い一辺倒でなくなったように、ここからは買い手をさがすのも難しい。「市場は踊る」今年は株価3万円などという言葉に踊らされた人も多かっただけに、宴の後始末が大変、ということに今はなってしまっているのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:35|PermalinkComments(4)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

2018年11月09日

国会とファクトチェック

官房長官補佐官が退任しました。「業務に一定の区切りがついた」ことを理由としますが、悪い噂もあり、問題が大きくなる前に足切りした、が実情のようです。閣僚の醜聞が相次ぐ安倍政権ですから、補佐官まで追及されたら堪らない、というところでしょう。

桜田五輪担当相が、質疑でしどろもどろになった原因を「事前通告がなかった」とした自身の発言を、指摘をうけて「若干違う」と訂正しました。内容が詳らかでなかった、としますが、国会の答弁を官僚の準備した原稿を読み上げればいい、という認識でいるからこうした愚かな発言になります。質問通告はそもそも慣習であり、まったく通告しない人もいます。質問も大まかなものが多く、そこから官僚が類推して想定問答集を作成し、それを閣僚にレクする、という流れを踏みます。もし事前に、詳細な質問などが分かっていたら、国会全てが茶番になるでしょう。そのときは閣僚も不要で、国会も開く必要すらありません。
自民党の下村氏は「改憲議論しないのは国会議員の職場放棄」と述べますが、閣僚なのに自分の担当する職務を勉強しないのは、閣僚の資格なしですから、その方がよほど問題でしょう。改憲を議論しなくても議員の仕事は他に山ほどあるので大した問題ではありません。しかし言葉は悪いですが、働かないアリがいてもその巣は問題ありませんし、むしろ活性化するとされますが、その巣にアリでもない虫が入りこんでいたら、大きな問題です。働かないアリより、獅子身中の虫がいる、それが安倍政権の閣僚に広く散見されるのです。

杉田官房副長官と沖縄県の謝花副知事が、辺野古移設に関して玉城県知事になってから初の会合が開かれました。玉城氏は外国特派員協会で会見を開いていますが、その中で今年2月の名護市長選で「フェイクニュースが流され、それが与党候補を利する結果となった」と語りました。これを補完するような事実が、直近の沖縄県知事選でも行われた可能性があります。
民間で沖縄県知事選で、ファクトチェックイニシアティブ(FIJ)の呼びかけに、複数のメディアがファクトチェックを報告しており、その中で「デマ・中傷(による被害)が多いのは玉城デニーさんが9割」というものがあります。自民党サイドが選挙戦術としてデマを多用する実態が、ファクトチェックによって詳らかにされつつある。しかも公明党の遠山氏のように、事実と反することを堂々と主張した議員もいるなど、かなりの問題です。

FIJの調査で、鳩山元首相が「玉城候補も佐喜真候補も翁長さんの後継と名乗って…」というTweetに、佐喜真氏は後継と名乗っていないとして「誤り」と判定しましたが、鳩山氏が琉球新報を引き合いに反論したところ、「ミスリード」と一段軽い扱いにしました。しかし関東圏では、佐喜真氏が後継を名乗った、と複数のメディアが報じており「その遺志を継いで…」という映像付きでもありました。もしこれがミスリードなら、関東圏のすべてのメディアがミスリードになるはずですが、佐喜真氏の発言は前後の文脈をみても、間違いなく後継を意識した発言です。ファクトチェックの『ファクト』でさえ、危うい状況であるのかもしれません。ナゼなら、この鳩山氏への「誤り」認定は、日本人的バランス感覚によって忖度で為された、9割に対して1割のせるために為された可能性も高いのです。
閣僚の発言にファクトチェックを設けたら、それこそ一体どれぐらいが「誤り」となるのか? また「ミスリード」ばかり、となるのかもしれませし、「虫がいい」ことばかり言って、実態を隠してしまうこともあるでしょう。国会では公選法違反や収賄罪などを指摘されながら、大した追及もうけずにのうのうと活動をつづけている議員も多くいる。むしろ「働く資格のないアリ」たちが跋扈している現状は、フェイクチェックの方が先になるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:04|PermalinkComments(8)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2018年11月08日

東海第二原発の運転延長認可

あまり大きな扱いをされていませんが、BCGワクチンに長年ヒ素が混入されていた、と厚労省が発表しました。健康に影響はない、としますが、ヒ素は微量でも猛毒ですし、慢性化すれば中毒症状もあります。テレビなどが報じなかったのは騒ぎを大きくしないためであり、単純に死亡者がいなかった、というだけで「影響ない」とすることはできない話です。

昨日、原子力規制委員会が日本原電の東海第二原発の運転延長に認可を出しました。今月には40年の運転期限を迎えるため、他より優先して審査するなど、異例の対応の結果です。東海第二原発は世界一危険な原発と呼ばれます。周辺には住宅が建ち並び、事故がおきたときの避難計画の策定には大きな課題があります。福島原発の事故で、放射性ヨウ素の拡散について新たな知見が得られ、小児の甲状腺がんの増加が福島原発由来だった、ということが明らかになりつつあります。事故は大きな影響が出ることが明らかなのです。
安倍政権では、普天間基地の危険性を訴え、辺野古移設をすすめるのですから、同様に東海第二原発の危険性を訴え、移設をすすめるべきでしょう。普天間は広い平地が必要として米軍が住んでいた住民を排除したため、周りで暮らさざるを得なかった。東海村は原発関連産業が発達し、周辺住民が増えた、と事情は違えど、事故がおきたら大変なことになるのは同じです。特に古い原発ほど安全対策が難しい。40年超で運転させるようなインセンティブもないはずです。あるとすれば、副社長が運転再開にむけて「周辺自治体の合意は必要ない」と言い放った、そんな傲慢な企業を生き残らせるためだけ、ということになります。

東海村では、1997年3月11日に動燃の東海事業所でアスファルト固化処理施設が火災・爆発事故を起こしました。このとき、当時の科技庁が国際原子力事象評価尺度でレベル3を指定し、重大な事象ではあるが、施設外に影響なし、と報告しています。しかし爆発により建物は破壊され、火災により煙が屋外に漏れていたため本来はレベル4(事業所外への大きな影響を伴わない事故)か、レベル5(事業所外へリスクを伴う事故)だったとの指摘もあります。
そんな不誠実な日本の対応のためか、14年後に大きな事故が引き起こされ、多くの住民が被ばくする事態を招いた、ともされます。原子力事業がきちんと反省と、改善をもって対応していたら、付近の住民への避難やヨウ素を早めに服用させるなどの対応ができたはずです。原発はそんな大きな事故を起こしません、起こるはずがありません、という誤った認識により、福島原発の被害が拡大してしまったのです。では東海第二原発では、その反省と改善ができているか? 残念ながら、小幅な手直しぐらいとしかいえないのでしょう。

少なくとも、今の安全基準は今ある原発を動かすための指針、でしかありません。それは決して安全とはいえない。福島原発のような事故を起こさないための対策は、炉心を改造するしかないのです。しかも、BCGワクチンの話にしろ、国は危険という話に気づいても発表は遅れる。甲状腺がんの話も、福島原発由来という話は民間でのことで、国は未だにみとめていません。そんな国で、原発が事故をおこしてもまともに情報がでてくるのを期待することもできないのです。厚労省や日本原電の副社長のように、傲慢な人物らでは尚更でしょう。柏崎刈羽原発で、放射線管理区域外でおきたケーブル火災で、消防との連携がうまくいかなかった、という事例もある。それが管理区域内だったら…。この国で原発を動かすのは、それだけの能力と責任感をもつ企業体から、まず育成が必要なのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:06|PermalinkComments(7)このエントリーをはてなブックマークに追加 原子力 | 健康

2018年11月07日

雑感。米中間選挙

米中間選挙、現時点で上院は共和、下院は民主が多数となりました。今回、両院とも共和にとって有利な状況でした。上院は改選議席数が民主が多く、下院では区割りで優遇されていた。それでも上院では大した上積みができず、下院も逆転される。トランプ政権にとって懸念されるのは、特定の支持層だけを固めても投票率が上がると通用しない、という点です。財政を痛めてでも減税をやって、国民を喜ばせれば勝てる、などという甘い状況ではない。このままでは2年後には確実にトランプ氏の再選はならず、共和は大敗でしょう。
日本への影響は、トランプ氏が成果とできるものを日本側が準備できるか? によって決まります。準備できればその範囲で止まりますが、準備できなければ圧力が止まらなくなるでしょう。しかもすでに日本は米兵器を大人買いしており、さらに上積みすれば防衛費の拡大が止まらなくなり、これは難しい。なのでTAGなどと国内的に嘘をついて始める通商交渉では、相当の妥協を迫られることになるはずです。そうしないと自動車関税など、不利な立場に追いやられることになり、安倍政権の交渉能力が疑われることになるのですから。そうなる前に何とかしないと…というのがここから2年の戦略となるはずです。これまでは日米同盟の強固さをアピールし、対中、対移民などの対外強硬策をとってきたトランプ政権ですが、そちらの問題が片付くと日本は用済みですから、そのとき本当の関係がみえてきます。

今日の株式市場では、前場に「下院も共和」との観測が流れて急騰する場面もありましたが、結果は小幅下落でした。それもそのはず、9月の景気動向指数は、一致指数と先行指数がともに下落し、しかもプラス寄与した項目はゼロ。基調判断を「足踏み」と下方修正しました。9月の毎月勤労統計では、実質賃金が前年同月比0.4%減で2ヶ月連続で減少。安倍政権で実質賃金がプラスになったのは昨年だけ、しかも昨年は消費者物価指数がマイナスとなったから、という状況であり、今年も9月までの段階ではマイナスなのです。日本は不景気一歩手前、こんな状態で株価だけ上がったら、それこそ実態を反映していないとなります。
確かにトランプ政権は中間層への減税を公約にかかげており、それが実現されたら一段高というシナリオもある。ただトランプ政権で膨らむ財政赤字は、危険水域に入るとのシナリオもある。金利が上昇しやすくなっており、それが景気を冷やす可能性が上昇するのであり、10月の急落局面も金利上昇で引き起こされたとすれば、まったく予断をゆるさない話です。ここからは揺らぎがポジティブにも、ネガティブにも反応しやすくなるのです。

米国でも予想通りとの受け止めですが、市場関係者からも「公共工事が増える」「保護貿易がつづく」と語られます。どちらも民主の政策に近いですが、わざわざトランプ政権に得点を与える必要はなく、財政の問題を考えても、合意は得にくいでしょう。外交はトランプ政権の専権事項でも、貿易は異なる。議会の承認をうける必要があるものもあり、NAFTA合意なども含めて、議会承認は通りにくくなるはずです。トランプ氏の分断の手法では議会の合意が難しくなり、停滞を迎えるのはほぼ間違いないということなのでしょう。
しかし米国では、そうして2年を我慢してもトランプ政権にNOという人が多かった。しかも若者は7割近くが民主に投票した、との出口調査もある。銃を所持し、白人を優遇し、借金して今を楽しむ、そんな古い考えにもNOといえる若者が多いのは、米国の健全さを感じます。しかし2年間は、まちがいなく米国が不健全な状況に陥る。その間に、絶好調な米経済が傾くリスクにも注視しつつ、今後の世界情勢を考えていかないといけないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:49|PermalinkComments(4)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | アメリカ

2018年11月06日

西日本豪雨災害時の対応

安倍首相がTPPの年内発効に際し、英国を念頭に拡大に期待、と述べました。しかし今や英国は合意なきEU離脱が懸念されており、そうなったときの経済下押しと混乱は、下手に経済圏を同一にすると、その余波をもろにかぶるレベルといえるでしょう。景気がここから低迷するなら、むしろ離脱が活発化するともみられる。もし自由貿易なら、為替が急変動するときの悪影響を緩和する手段がないためです。好景気では自由貿易が好影響を与えるのはその通りですが、不景気ではまったく様相が異なる。だから経済は難しいですし、これが正解と言えるようなものがない、ということでもあるのです。もし、この経済政策なら上手くいく、などという人がいたとしても、信じてはいけない。こういうケースならこうした方がいい、という提案しかできないはずなのですから。

西日本豪雨災害時の警察に通報された音声が公開され、当時それをうけた警察官などがインタビューをうけています。このとき安倍氏は永田町で飲み会に興じていた、と考えると暗澹たる気持ちにさせられますが、問題は次にこうした事態がおきたとき、どう対応するのか? という点です。警察無線がパンクした、といっても平時にはそれだけの容量を確保するのはムダです。かといって、自然災害の規模が予想されるときならまだしも、ほとんどが想定以上の被害、という形であり、中々事前に準備することもままなりません。
しかも、地元の事情をよく知らない人間がサポートに入っても、大して戦力とはならないでしょう。異常時には他の地域も危険な状況になっていることが想定され、連携も難しくなる。連携するエリアを広げても同じ、局所的な被害ならそれで対応可能性ですが、西日本豪雨災害のような広域災害では、基本的に行政には限界があるといえるのでしょう。

私論ですが、想定外を無くす、つまり想定内として対応するしかありません。行政が見積もる被害想定を、もっとも悪いとされるものとして対応する。「多分、大丈夫」は禁句とし、その想定の下で事前に一時避難などの対応をとる。避難場所を充実させ、一先ずそちらに逃げておく、という決断をしやすくし、行政が高齢者などの移動の補助をする。そうして当日の災害時の対応を減らすしか、手はないのだと考えています。
これは想像力の問題です。経営者にしろ、行政のトップにしろ、もっとも必要な能力にして、もっとも蔑ろにされやすい。想像力をもてば、こういう事象に対してこうした事態が想定され…として先に、先に対応がとれる。しかしそうした能力を選挙で見抜くのは難しく、見た目や弁舌、それに主義・主張に流されがちですが、それこそ災害時に酒宴を開いているなどもってのほか、想像力の欠如も甚だしい、とさえいえるのです。

桜田五輪担当相が2週間もたってから就任会見を開きました。その中で、しどろもどろ答弁は「質問通告がなかったから」と述べました。これも想像力の欠如が指摘できるのでしょう。閣僚など、官僚が想定問答をつくってくれており、そこにすらない質問であたふたする、というならまだしも、あれだけ答弁に窮するのはもう自身の勉強不足、そこからくる想像力不足が影響した、といえるのでしょう。想像力不足の政治家は、国家経営を危うくする元凶です。EU離脱後の英国の状況も踏まえず、TPPに参加…などというのも想像力の欠如。これでは世界経済に逆風が吹いたときに、国民の怨嗟の声があふれても、国が対応できませんでした、などという事態も容易に想像できてしまいます。そのときは、経営手腕のない政治家が蔓延ることが、最大の自然災害ということになるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:05|PermalinkComments(12)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2018年11月05日

問題閣僚ばかりは戦略か?

明日は米中間選挙です。上院は共和が多数を維持、下院は民主、だけど共和が追い上げ、と伝わります。元々、上院は半数が改選ですが、民主の改選が多く、少しの勝利で共和が半数をとることもできますが、これが2年後の大統領選と同時に行われる選挙だと、共和の改選が多く、民主が有利となります。ある意味、2年後の上院は台風の目となりそうです。
下院ではBlue WaveやPink Waveなどともされますが、民主の勢いがどうなるか、その中で女性議員の躍進は? などが話題です。Blueは民主のカラーですが、女性というとPinkというのもアナクロな感じです。しかし米議会では女性議員の数が3割ほどと、意外と女性の躍進がすすんでいないことも確かで、その結果が注目されます。日本では女性活躍などのスローガンを掲げても、道半ばでゴールも見えないまま終了したばかりか、改造内閣で唯一の女性閣僚となった片山氏は、政治資金収支報告書の訂正ばかりしているような印象です。

今日の国会では桜田五輪担当大臣が集中砲火です。質問には一つも答えられず、大量の汗をかき、言葉の言い間違いも目立つ。あまりの酷さに、第二の金田元法相という渾名すら。大臣になってもろくに勉強もせず、またレクをうけても憶えられず、閣僚どころか議員としての資質すら疑われるレベルです。しかも金田氏は竹下派、桜田氏は竹下派から鞍替えして今は二階派、どちらも一度も閣僚になれない古参議員を抱え、在庫一掃という形で閣僚をねじこもうとしてきた派閥であり、見事にトラブルの種です。しかも金田氏は共謀罪で、桜田氏は五輪で、一体安倍政権は本当にそれを重要視しているのか? という問題でもあります。
最近では、ダメな閣僚を集めると、安倍首相がまともにみえるから、わざと無能な閣僚を入れているのでは? などと揶揄されます。宮腰沖縄北方担当相の全裸ピンポンなど、身体検査をしていればすぐに分かる話で、盲目的に派閥の候補者リストから選んだのでない限り、政権サイドの失態になるはずです。しかし安倍政権ではこれまで繰り返された改造でも、醜聞閣僚がでても支持率が下がらなかった。むしろ「他よりいい」というだけで選ばれている安倍氏の支持が高まり、自民党の地盤沈下はしていない。だから今、醜聞閣僚を大量にさらって、今のうちに閣僚の肩書をつけておく、という方向にあると感じます。

しかも安倍政権では、まともに政策議論をしたくない。醜聞閣僚が袋叩きに遭っても、それで審議時間が稼げ、時間がくれば数の力で採決してしまう。安倍政権の戦略は、まさに問題閣僚を重要なところに起用することで成り立っている、そんな印象すらあるのです。結局それは、国民が正しく政治を評価できていない、年間何千万円も支払っている閣僚の仕事をただしく評価できないことで、政治の劣化がすすんでいるのが原因なのでしょう。
米国では分断が問題視されますが、日本では壟断が問題です。上記した通り、安倍氏にとっては無能で怠惰な閣僚を周りにはべらせておくと、自分が有能にみえる。そして安倍氏に阿ることで、権力や地位がついてくるという佞臣を蔓延らせる要因ともなっている。結局、安倍政権では安倍首相、菅官房長官、麻生財務相さえ固定しておけば、世は事もなしという認識でいるのかもしれません。米国でおこるWave、日本ではその波紋、余波すら及びそうにありませんが、日本でも新たな波をおこさない限り、国会の劣化は止まらず、権力集中の弊害は改まらない、ということになるのでしょうね。

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2018年11月04日

来年の日本経済は深刻?

2日に発表された米雇用統計は、非農業部門の雇用者数が25万人増と市場予想を上回り、時間当たり賃金も前年同月比3.1%増と、絶好調な内容でした。恐らく年末商戦を前にした人材確保が活発化したこと、Amazonが賃上げを約束するなどした影響とみられます。ただAmazonの賃上げは実質賃下げともされており、その影響はまだ読み切れません。この絶好調の雇用統計をうけて、12月利上げ観測が強化される形になり、米10年債利回りが小幅に上昇、ドルもつれて高くなり、円安が一段とすすみました。グリーンスパン元FRB議長などは、米国債はバブルとの指摘をしており、米のインフレ率は現時点で2%ですが、この賃金上昇率では確実に3%にむけて上昇することになる。それを織りこむなら、金利はさらに上昇するはずです。

日本では逆に、入管法改正案が通過すると、低賃金労働が増えて賃下げ圧力が顕著になる、との試算もあります。そもそも技能実習生制度の弊害が語られる中、ろくに法律の整備もすすまないうちに入管法を改正する異常事態は、安倍政権が賃下げによってインフレにさせたくないためでは? などとも揶揄されるほどです。インフレ2%を達成できなければ、日銀がいつまでも緩和を続けざるを得ないので、安倍政権としては願ったり叶ったりなのです。
日銀はもう緩和を一刻も早く終わらせたい。ナゼなら、このままでは前回の景気後退期から一度もまともな回復をすることもなく、ふたたび景気後退を迎えることになるからで、緩和をつづけたまま景気後退になると、対応する手段も限られ、ひどいことになるのが目に見えているからです。黒田氏が総裁に再選されたのも、増税までは緩和をつづけるという決意だったのですが、そこまで待つと確実に景気後退に陥りそうな勢いになってきました。

日本が怖いのは、金融政策が超緩和状態、リーマンショックほどのひどい状態ではないから増税、財政政策にも余裕がない。さらに賃金デフレ、景気低迷という五重苦の状態で、世界の景気後退を迎えることです。しかしナゼか、安倍政権はそうした状態にしようとしている。しかも焦って、というのが現状でしょう。ナゼそうしようとしているのか分かりませんが、まさに来年、一番景気後退を迎えると困るのが日本であることに間違いありません。
米中の貿易摩擦が問題なのではない。もし貿易摩擦が問題なら、それが解消されれば景気は回復することになります。真の問題は、景気後退を迎えてしまうと中々脱出するのが難しい点であり、貿易摩擦の先に景気後退が待っているか? です。今のままなら米国は財政問題が破裂し、中国は民間のマインド低下が深刻となり、貿易摩擦がなくなっても景気後退を迎えることでしょう。英国のEU離脱も含めて、すべては海外の政府の態度次第でもありますが、今のままなら間違いなく景気後退は遠からず起こってしまう予想しか立ちません。

そんな中、日本は五重苦にめがけてまっしぐら、景気後退はより深刻に日本に影響を与えることになります。日本株は景気敏感株などとも呼ばれますが、景気の波を増幅して受け止めようとしているのが、安倍政権です。ナゼか景気が絶好調なときにやるような、増税と移民受け入れをこのタイミングで、来年やろうとしている安倍政権。来年は安倍ノリスクが最大化される年になることは、今から間違いないということなのでしょうね。

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2018年11月03日

安倍色と港の使用許可

米軍普天間基地の移設で、土砂運搬のために利用する予定だった本部港が、業者に許可をだしませんでした。理由は7ヶ所の岸壁のうち3ヶ所が台風で壊れ、物理的に新規の受け入れは不可能とのことです。防衛相を個人とみなす、など異常な手続きに手を染めながら、肝心の手順についての検証が欠けている、というお粗末ぶりです。しかし安倍政権なら、その4ヶ所を利用している業者を強制的に排除し、土砂搬入のための業者をねじこむぐらい、造作もなくやろうとするでしょう。当初、沖縄県が本部港を管轄する本部町に使用許可の権限を移していますが、県から許可しないように、と言われたとの報道もありました。誰がそうした情報を流したかは分かりませんが、大手メディアが報道したのですから、信頼できるスジからの情報だったのでしょう。しかし今、その信頼できるはずのスジが、一番信頼できません。

自民党の下村氏が講演し、「憲法はその国の理想を示すもの」「安倍政権の下で議論したくないと思っている人が多い。『安倍色』を払拭することが必要」と語りました。安倍政権の下だろうと、問題は憲法の中身であり、安倍案で押し通そうとしているから、自民改憲案は問題があるのです。憲法はその国の理想、というのも憲法観としてはおかしい。独国のように、憲法を頻繁に変更しているところを例にだし、改憲しない日本がおかしい、という論調をとっていましたが、下村氏の「憲法は理想」が正しいなら、独国は理想がころころ変わっている奇妙な国、ということになる。憲法は国の形を決めるもの、だから為政者を縛り、為政者の都合のいいように国を変えられないようにするための、ブレーキでもあるのです。
『安倍色』とは、安倍氏が都合よいように国の形を変えようとする、まさに改憲案そのものです。ならば、自民党内でもう一度、きちんと意見を出し合って改憲案を練り直した方がよいのでしょう。このままだと自民党内から造反がでて、国民投票にかける前に、国会すら通過できないはずです。そもそも理想などというのは十人十色、もし国民の大半が同じ理想をかかげるとしたら、洗脳されているか、共産主義で文句もいえない状態か、です。もしくはシンプルに、殺すな、盗むな、など条文を少なくすれば、反対する人も減らせるでしょう。

ヴォクス・ポプリ・ヴォクス・ディー。これはフランク王国を隆盛させ、中世において帝権とキリスト教皇との棲み分けを計り、西ヨーロッパに巨大な王国をつくりあげたシャルルマーニュに対して、顧問官のアルクィンが送った手紙に書かれた言葉です。意味は「民衆の声は神の声なり」です。シャルルマーニュは「カール大帝」という呼び名が定着するように、ヨーロッパの父とも呼ばれる人物であり、周辺の部族を武力によって従わせ、また内においては善政をしき、カロリング・ルネサンスともされる文化革命を起こし、それまで東ローマ帝国に与えられていた帝冠をフランク王国にもたらした偉大な王です。
ここまでの王となれば、それは憲法に色がでていたとしても、国民が納得するでしょう。身内からも「色を消した方がいい」などと言われるほど、誰からも功績をみとめられていないような人物が、今の日本というのが不幸なのでしょう。シャルルマーニュの言葉として有名な「平和なくして神をよろこばすことはできない」があります。『神』を『民』と読み替えれば、現代でも通用するでしょう。安倍氏のような、対立を煽って支持を集めるやり方では、平和を実感することなど到底ムリ。つまり安倍政権では、民が喜ぶことはなかった、というのが実態でしょう。ヴォクス・ポプリ・ヴォクス・ディー、それを守れないからこそ、神は台風によって港を壊し、安倍政権の野望の邪魔をする、といえるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:08|PermalinkComments(4)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2018年11月02日

安倍政権とお金

シリアで拘束されていたフリージャーナリストの安田氏が、帰国後初めて自ら記者会見を行いました。あくまで拘束状態の中ですから、事実確認も難しい中で語ったこととして、2015年の時点で「日本政府は金を払う用意はある」「武器は渡せない、ムリ」そして12月末になると「日本は自ら連絡を絶った」ということです。誘拐組織は7月末から「日本側と交渉する」としていたので、5ヶ月は交渉していた計算になる。問題は、なぜ日本側から連絡を絶ったのか? 12月末に何があったのか? ということになるでしょう。
気になるのは、2015年の12月末、急に決まったのが慰安婦に対する日韓での共同基金設立の話です。このとき、いきなり財源措置のない10億円という話がぽんとでてきて、奇妙だなと感じたのを覚えています。官房機密費は1億円もないとされ、10億円をかき集めるのは大変です。補助費から捻出するにしても、年末は災害などへの支出で不足しているのが毎年のことですから、そう簡単にだせる金額ではない。これは憶測ですが、7月から支払うつもりでプールしていた資金を、急に韓国と話がまとまることとなった慰安婦基金に回したのか? だから身代金交渉ができなくなり、連絡を絶ってしまったのか? 辻褄だけは見事に符合するので、この問題は安倍政権のアキレス腱になってくるのかもしれません。

今日の日経平均は大幅高でした。いつもの日系大手の先物買いがまた入った、という事情とともにBloomberg紙が「トランプ氏が米中貿易の合意の草案づくりを指示」と報じたことで、貿易摩擦の懸念が和らいだことが影響しました。しかしトランプ氏は来週の中間選挙を控えて株高に誘導したい、との誘惑があり、あえてこのタイミングでこうした情報をだしたかもしれない。もしくは、最近は市場誘導をすることで有名なBloomberg紙ですから、そうした思惑もあったかもしれない。いずれにしても、米中がそう簡単に合意できれば苦労しません。
安倍政権では株の配当などにかかる金融所得への関税について、増税を見送りと伝わります。理由は株安を懸念して、というもの。しかし9月末までの段階なら、来年には3万円などと威勢のいいことを語る人もいたほどなので、本当に経済が強くて株高になっているのなら、税率をアップしても株価が下げることはありません。要するに、今の株高が虚構だから税率をいじると影響がある、それが怖い、ということになるのでしょう。

代わってインボイス制度を導入し、軽減税率分の税収減を穴埋め、という話が急速に浮上しています。インボイス制度とは、売り手から買い手に対して消費税の適用税率や税額を伝えるために発行する送り状といったもので、まだ日本では導入されていないため、どういった方式になるかもわかりませんが、税控除された小規模事業者との取引がしにくくなる、ともされます。またこのインボイスが導入されると、これまで輸出品には消費税をかけるのがおかしい、として輸出の段階で税額をその輸出企業に還付する制度もありましたが、その都度で税額が明記された送り状があるので、一括還付でなくなる可能性もあります。
例えば自動車産業なら、完成車を輸出するところに還付を一括で渡していましたが、これからは部品メーカーでも送り状に応じて還付が可能です。ただ、そうするとトヨタなどの完成車をつくる企業のメリットが剥落するため、還付はこれまで通りとなるかもしれない。むしろあまり騒いでいないので、制度を変えずにいるのなら、小規模事業者が取引をしにくくなる、という効果だけが生じることを想定しているのかもしれません。

いずれにしろ安倍政権ではお金の使い道すら怪しく、かつ税制も富裕層優遇が目立つ。金融所得への課税でも、一律20%などとせず、大量保有者には応分の負担とすれば、負担感は減らせますし、そうした大量保有者の多くは企業経営者だったりするので、増税したとて株売りが膨らむことはないのでしょう。結局、今のうちに改善できないので、将来に亘って何もできない、という結果になるのは金融政策でもそうですし、安倍政権で顕著にみられる傾向です。入管難民法もそうですし、急に思いついたように始めたことといえば、日韓の慰安婦合意もそうでした。安倍政権ではインボイス(invoice)より、不正だったり、株価の下落だったりしないよう、インボーク(invoke:祈り)の方が大事なのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:14|PermalinkComments(5)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2018年11月01日

国会論戦について

米軍普天間基地の辺野古移設工事が、再開されました。本来、国民が行政への不服を訴え出る制度を利用し、防衛省が国交省に不服申し立てを行い、石井国交相がそれを認める、という異常事態です。石井氏は「国の機関であっても一般私人と同じ立場で審査請求しうる」としますが、もしこの主張が正しいなら、どんな制度でも国の機関同士で審査請求し、自分たちに都合のよい判断ができてしまう。それは行政不服審査法を骨抜きにするもの、とさえ言えるでしょう。沖縄では今後、県民投票も実施予定とされますが、安倍政権ではそれすら無視して基地建設をすすめる気かもしれません。何しろこの政権に法は通用しないからです。
韓国の徴用工裁判でも、日本は国際法違反だとしますが、安倍政権が国内法を骨抜きにしている状況ですから、同罪といえます。米国では、トランプ大統領が移民の子供が米国で生まれると米国籍をえる生得市民権について、大統領令で見直す、としました。しかしすぐに共和党内から憲法の上に大統領がいるわけではない。大統領では憲法で保障された生得市民権は覆せない、と反発しています。言葉は悪いですが、頭の悪い政治家は、権力をもつと国際法や自国の憲法すら覆せる、と考えるのはどの国も同じようです。日本がそういう国でないのなら誇らしいことですが、他国と同じかそれ以下なので、残念すぎるという他ありません。

国会審議では相変わらずの質問に答えず、延々とちがうことを答弁する、といった光景もみられます。山下法相が入管難民法改正案について、日本に入ってくる想定人数を尋ねたのに対し、制度の趣旨から説明をはじめたのです。しかも野田予算委議長から制止され、やっと答えたのは「人数は精査しているとこと」という。制度を設計する段階で、どの業種にどれぐらいの人数が必要で、どれほどの効果があるか、を想定しておくのは当然の話ですが、安倍政権ではそれもできていないようです。つまりこの入管難民法改正案、うまくいくかどうかもまったく分からない、そんな為体だということがこの答弁からもハッキリしました。
逆にいえば、数値目標をおいていないので、どんな結果になっても「成功した」と安倍政権が言い張ることもできる。どんなに国益を害す結果となろうと、安倍政権にとっては責任もない、関係ない、となります。これほど無責任なこともありませんが、安倍政権では度々みられます。要するにこの政権が、日本の未来に無責任である証左なのでしょう。

裸ピンポンダッシュの宮腰沖縄北方担当相や、片山地方創生担当相など、就任直後から不祥事まみれの閣僚がずらりと顔を並べましたが、国会論戦ではほとんどこの話題が出ませんでした。「『何でも反対』『対案がない』のデマは止めてもらいたい」と立民の長妻氏が語りましたが、まさに政策論争をして、政権批判を控えたということなのでしょう。
しかし言葉は悪いですが、国会のことを何も知らない安倍支持者がネットで展開する批判を意識して、行儀よくする必要もないのでしょう。上記したように、国会で論戦を避けているのは安倍政権であり、聞かれたことにもまともに答えず、時間稼ぎばかりするから審議が深まらないのです。頭の悪い安倍政権と、それ以上に頭の悪い支持層に付き合うと、日本のいく末を危うくすることは間違いありません。対立構造を煽り、国内を分断しているのは一体どこの政治家か。米国や韓国という、ある意味で他山の石となりうる事例もでてきている。この国会は立憲民主が衆参両院で、野党第一党になった初めての国会であり、試金石ともなりうるのです。ちなみに試金石とは、かつて那智黒石が用いられていたとの説もある。那智黒石といえば、囲碁の碁石としても有名ですが、海外で起こる国内分断などに学び、黒を白で囲んで勝利する、といった戦略も必要なのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:14|PermalinkComments(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般