2018年12月

2018年12月28日

雑感。来年にかけて

今年の株価は20014.77円でした。ただ、どうしても2万円台をキープして終わりたい、との思惑でそうなっただけで、年明けが思いやられます。米株も引け間際の急騰でプラス圏となりましたが、ここまでドレッシングしないと困る人が多かった、ということなのでしょう。TOPIXは1500pt回復に失敗しており、今年最大の買い手となった日銀がいくら損をだしたのか? それ次第では、来年の相場の波乱要因になりかねないのでしょう。株式アナリストは来年末に24000といった辺りの予想を立てる人も多いですが、それはすべての問題が上手くいかないとムリな数字で、極めて可能性が低いのでしょう。私は最悪には至らないものの、市場フレンドリーな解決はムリと判断しています。最悪に至るような場合は1万円割れを覚悟した方がいい。それぐらい、来年の市場は先が読みにくく、振れが大きいということなのです。

大阪維新が公明との密約を暴露し、来年の統一地方選で府市長選のダブルを画策、と報じられます。維新としてはこれまで大阪で、公明の協力があったから強かったのですが、橋下氏が離れた上に維新が失速してきて公明が離れつつある。このまま参院選を迎えてもじり貧が確実、都構想で夢を与えない限り消滅の懸念すらあるのですから、必死にもなる。ただその結果、公明の維新離れを加速する結果にしかならないのでしょう。貧すれば鈍する、維新のドタバタ劇にはそんな言葉しか思い浮かびません。
しかし維新が失速しては安倍首相が困ります。これまでも維新とだけの修正協議をし、与野党合意の構図をつくってきた。維新と希望が国政政党から消えてしまえば、与野党協議の手が使えなくなる。最近では国民民主という新たな勢力もでてきましたが、その国民民主も消滅の危機です。株式市場が失速した今、政権支持率が低下することは必定。来年は株価に対して、安倍政権のコミットが増えてくると想像できます。参院選前に補正予算、などという話もでていますが、そんなことをすれば景気が悪いと自ら認める形になる。消費税再増税の再々延期も同様、安倍ノミクスの失敗が意識されるでしょう。

暗い話ばかりなので、未来にむけた希望の話を。それは日本の技術が世界を変えるかもしれない、というものです。期待するのは人口光合成と固体燃料電池。光合成は光化学気鉢兇あり、自ら酸素と水素イオンをつくりだす反応が重要です。つまり光エネルギーで水素イオンをつくれるのなら、水素発電により家庭のエネルギー需要を賄える。今の太陽光発電のような半導体を隆起させて電気をつくるシステムより、効率的な仕組みが可能です。固体燃料電池は、今のリチウム電池より熱耐久性も高いし、充電をくり返しても劣化せず、高効率で安価にエネルギーを充電できるシステムです。この双方が工業的に成り立つようになれば、現在の世界を一変させかねないともいえる物凄い技術です。
晴れた日に水を与え、水素イオンを貯蔵しておき、電気が欲しい時にはそれを用いますが、その熱によってお湯もつくれる。余った電気は固体燃料電池に貯蔵しておく。スマホやパソコンなども固体燃料電池になれば、バッテリーの劣化で性能が落ちることもなくなる。電気自動車も熱による性能低下を防げるので、今よりコンパクトにできる。まだまだ実用化は先ですが、恐らくこうした技術がでてくるころまで、世界は後退や低成長に甘んじるのかもしれません。何しろ新興国でもモノがいき渡ってしまい、消費意欲がそれまで盛り上がるとは到底思えないからです。世界は間違いなく悪い方向に向かっていますが、来年からしばらくは『期待』ではなく『希望』という言葉を探して、過ごしていかないといけないのかもしれませんね。

今年の記事は今日で終わります。来年は4日から再開したいと思います。皆様、よい年をお迎え下さいね。

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2018年12月27日

来年の世界情勢について考える

米ダウが1086.25$の記録的な上昇となり、日本株も750.56円上昇して2万円を回復しました。巷間あまり語られない話をすれば、今回の下落の主因は欧州系からの売りです。欧州は景気が悪化し、かつ伝統的に金融機関は国との結びつきが強い。そんな中で政局が不安定化し、またECBが来年から緩和を中止するため、資金がシュリンクすることで解約売りがでているためです。さらに原油安によるオイルマネーの減少が重なり、欧州の売りが重しとなってきた。欧州系がクリスマス休場で動きが鈍くなり、売り方がとりあえず手仕舞いを計り、買い方がそれを煽るような動きをみせたことで上昇幅が拡大したのです。
元々、年末には高く見せかけたい機関投資家も多く、こうした動きがでることは予想されましたが、欧州側からの需給は当面悪いままであり、年を越しても同じでしょう。日本株は欧州系のマネーが多く、かつ日産のゴーン前会長やIWC脱退などの材料もあって、ますます買ってはくれません。明日は大納会ですが、今日も日系大手は先物の買いを入れた。このまま買いポジションをもったまま年越しをするとしたら、相当な覚悟でしょう。年末年始も開く欧米市場、年明けはご祝儀相場となる確率も高いですが、下手にここで大幅高になってしまったばかりに、逆に読みにくくなったということでもあります。

来年の世界は非常に不安定な状況が予想されます。米国では議会がネジレ、トランプ大統領の訴追も意識され、かつ債務上限問題もある。ここに来て不安視されるのがジャンク債市場で、ここで問題が生じると流動性不安が炸裂する、とも噂される。ムニューシン財務長官やパウエルFRB議長の去就など、米国も心配のタネが尽きません。最大の懸念がトランプ大統領のTweetというのも最悪です。米不動産市場の動向や、昨日発表になった製造業指数も悪かった。年末商戦で小売りが堅調、といったところで過去の数字です。逆資産効果が出やすい米国で、原油安が追い風となるのか? それともシェールオイル関連企業が、ジャンク債市場で破裂するのか? いずれも不安定さを来年は増してくるでしょう。
欧州も深刻です。Brexitの行方と各国の政権弱体化。伊国のように債務問題などがあるのと同時に、ここに来て金融不安が生じている。マネーロンダリングを始めとする不正な取引に関与した疑いで、経営が行き詰まっているのがドイツ銀です。しかし同じ構図が各国でもあり、それはゴーン前会長と同じで、リーマンショックで大きな損失を抱えた投資家が、手練手管を用いたことで生じた問題が一部に含まれている、ともされます。損失の補填や追証などで協力したのであり、根深い問題といえるかもしれません。

中国は金融を緩和的にすることで、何とか米中貿易戦争の悪影響を回避しようとする一方、中国共産党による引き締めを強化しています。景気悪化が政局不安につながらないよう、ということでしょうが、そんなことをすればマインドが低下するのは必然です。国威発揚的な発言も増えますが、それでも反米の動きを見せないのは、交渉の余地ありとみているためでしょう。しかし外交交渉にはタカ派が並び、トランプ政権の行き詰まりとともにハードルが上がれば、全面対決すら辞さなくなるかもしれません。それは反日と同様、米国製品のボイコットという形になる可能性が高く、民意を材料として没交渉に陥る可能性を意味します。
原油安で国内経済が心配な露国も、交渉のハードルを上げてくるでしょうし、米朝交渉のすれ違いぶりは深刻です。イスラエルのネタニヤフ極右政権は、ご多分に漏れずメディア操縦と、利益誘導を図ったなどの不正で行き詰まりです。来年にかけて、実に様々な課題を抱えたまま、世界は年を越すことになります。上記したのはほぼ核保有国なのですが、経済面の悪化が、軍事的緊張を高めてきた歴史的事実を鑑みると、来年以降はかなり厳しい状況となることも予想されます。今や戦争経済に移行することはないでしょうが、緊張を高めておいた方が政局的に有利な国ばかり、という深刻さであって、保護主義的な傾向が、景気の堅調さを反故にする、という場面が出てきてしまうのかもしれませんね。

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2018年12月26日

安倍政権の6年

日経平均は引け間際に切り返し、6日ぶりの反発です。しかし先物では日系大手1社が昨日の売った分以上の買いを入れており、それで反発したのが明らかで、「底堅さ」を演出した結果です。朝方380円高まであったものの、後場にマイナス圏に沈み、このままだと陰線で引けてしまう。そこで多めに買い増して、反発の機運を煽ろうとした。しかしいくら大手とはいえ日系1社では反発力も弱く、薄商いに救われただけで、逆に買いポジションを重くしただけに終わったのでしょう。日本株に本当の反発力はなく、海外にふらされるだけの脆弱な相場付きが、しばらくつづいてしまうのでしょう。

安倍政権が誕生して満6年です。今日になって経団連の会合に出席し、やっと賃上げ要請をしましたが、昨年に比べるとトーンが弱い。3%の数字も示しませんでした。明らかに財界との力関係に変化がみられますが、株価は5分の4以下となり、日米貿易協定など問題山積の中ですから偉そうなことも言えないのでしょう。このままだと労使交渉は、賃下げになりかねない。業績見通しが悪化するからです。
安倍政権がIWC脱退を決めましたが、二階自民幹事長が主導した、ともされます。これも日本はこうした国際会議を脱退したことがなく、ナメられている。だからどうせ総裁任期がくれば交代する安倍政権の間に、一度こうしたことをやっておこう、との判断だったとも語られます。商業捕鯨を再開してもクジラの捕獲量が減少し、トータルすればIWC脱退はマイナスとされる。安倍政権の判断力の低下と揶揄されても、将来IWCに再び加盟したり、他の国際会議でも『日本は席を立つのでは?』との幻想を与えられれば、今後の日本にとってプラスとなる。そんな判断が裏で働いた可能性が高いのです。

改正入管法でも、詳細案として出てきたものはメディアが国会開会中にスクープしたものと同じ、何の進展もなかったことで、自民内から反発も起きます。先進的な取り組みをする自治体には補助金、などとしても、最低賃金が都心部の8割というところも多く、そういうところに外国人労働者が集まるとは思えない。外国人労働者から職業選択の自由を奪えば勝手に差配できるでしょうが、そんなことをすれば人権問題にもなるでしょう。地方の人材不足を埋めることはできないのでは? 対策は地方に丸投げでは? そんな声が自民内にも蔓延しており、政権の抑えが利かなくなってきた面が否めません。
言葉は悪いですが、無能な政権が6年もつづいたのは、お金をばらまいたから、というのが実態なのでしょう。しかし米国が引き締めに転じ、欧州も緩和を止める。日本だけがバラマキをつづけても支え切れなくなった、ということです。それは国会も同じ。如何に審議を蔑ろにするか? について腐心してきた安倍政権が、ついにデータもださず、詳細は政令で決めるなどと言いだした。立法府を完全に破壊した形ですが、そうやって議論もできない無能ぶりを隠ぺいしてきたからこそ、6年もつづけることができたのです。

しかし7年目は異なります。すべてが逆回転を始めた。日銀の緩和は、景気後退期において日本の余裕のなさ、打つ手がないことを示す。国会では自民の協力が得られにくい。財界が見放したことで、少しずつメディアの箍も外れてきた。今後は安倍政権への攻撃が増えるはずです。これを一言で言い表すなら『用済み』もしくは『お払い箱』です。むしろ安倍政権でいつづけることがリスクと意識される。経済政策も、外交も、内政も、安倍政権では見直しできないからこそ、頭を代えて修正をはかろうとする動きが、すでに起き始めているともいえるのでしょう。安倍氏は1月の日露交渉を絶対に成功させようとするでしょうが、原油安でふたたび傷みはじめたとはいえ、ハードルを上げた露国から色よい返事がもらえるとは思えません。7年目の冒頭から安倍政権は正念場を迎える。それに失敗したら『安倍は席を立つのでは?』という観測の方が、大きくなってくるのかもしれませんね。

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2018年12月25日

日本株の暴落

日経平均が1000円を超す大幅な下げで、一気に20000円を割れてきました。しかも先物は15時以降の取引で19000円を割れており、配当権利落ちもあって、明朝は19000円すら維持できるかどうか? 微妙なところです。一般に米国の政治不安や、欧州の景気後退、米中貿易戦争などの要因が語られますが、日本独自の要因もあります。まず今日の下げは、先物の取引だけをみると、PKOで先物買いをすすめていた国内勢が一斉に投げを打った形が鮮明です。むしろクリスマス休暇中のはずの外国勢は、先物を買っているのです。
国内勢が買いを積み増してまでPKOに走ったのは、景気見通しに自信をもっていたこともあったでしょう。それが今日、連休明けで米株がその間に1000$以上も下げ、2万円を割れて返ってきた。それでも朝方はPKOなのか、板には大きな枚数の買い注文が入ったものの、みるみる削られて消えてしまった。それをみて売り圧力の強さに失望も広がり、国内勢も耐えきれなくなり、投げ売り状態になったのでしょう。

米国ではムニューシン財務長官が米6大金融機関に流動性確保を確認した、と報じられますが、むしろ逆効果です。金融に悪影響がでるのは第二、第三段階。実際に景気が悪化してからであり、それが起きつつあるのは欧州、米国はまだです。米国はバタバタしない方がよいのにトランプ大統領を始め、FRBを悪者にしたり、中国に責任を転嫁したりするので市場をさらに動揺させる。オイルマネーが逃避し始めたのでは? とも語られ、原油安がそれを促したものですが、それもトランプ氏が求めたことだったはず。つまりトランプ政権の人災は、ここに来て株式市場に深刻な問題を引き起こしているのは、間違いありません。
ただ日本の問題も深刻です。株価は半年先を映しますが、10月の消費税再増税も今回は期限付き、条件付き減税となるため、7-9月期は買い控えが起きることが想定できる。7月参院選で与党大敗も見えてくる。景気が悪化したタイミングで大量の外国人労働者を受け入れようとする愚。金融緩和に拡大の余地がなく、それでも低成長でプラスとマイナスを行ったり来たり。円高が襲えばすぐに景気後退が見えてきます。これまでも「未来を壊して現在を充足させる」が安倍政権の態度だと指摘してきましたが、現在が壊れてしまうと、未来はさらに悪くなる想像しかできない。それが安倍ノリスクとして意識されてしまうのです。

こうなるとテクニカル分析やPER、PBRなどの株価水準を計る試みも、一切通用しないと思った方がいい。株価下落が、逆に株価水準を調整して下落を正当化してしまう可能性があるためです。以前から指摘しているように、今は需給をみるべきです。オイルマネーはまだしばらく売る可能性が高い。国内勢もまだまだ買いポジションが重い。ヘッジファンドなどの一部には、Sellにベットするところがでてきたとの観測もある。需給はまだしばらく悪い状態がつづくのであり、反転の兆しは中々みえないのでしょう。
株安の震源とされる米株はダウ5000$の下げ、日本株も5000円の下げ、でも同じではありません。27000$近くから下がる米株と比べ、24000円強から下げる日本株の方が下げがきついのです。今日はケリー前日産取締役が保釈されましたが、こうしたことも日本株を売る材料にされているのでしょう。異常な国・日本。そんな認識が世界に広がりつつあり、これも需給を悪化させる要因となり得るのでしょう。クリスマス・ドロップ。このプレゼント、蓋を開けたら中から煙がでてきて、日本が何十年も老けこんだ姿をみせるのかもしれません。未来を壊して現在を充足させる、それは竜宮城にいた浦島太郎の体験したことと同じ、その代償を日銀を始め、払っていくことになるのかもしれませんね。

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2018年12月23日

来年の政局について

韓国海軍の駆逐艦が海自のP1哨戒機にレーダー照射を行った問題、韓国側は北朝鮮船の捜索目的だったとしますが、火器管制レーダーを用いる必要はありませんし、遭難した船の捜索なら漁業組合を通じて日本側にも連絡があって然るべきです。日本領海まで流された可能性があって、レーダー照射を行ったのなら尚更でしょう。単なる手違いなのか、意図的なのか。意図的としたら、隠したい情報は1000人以上の元徴用工が、韓国政府に対して賠償金を支払うよう裁判を起こした一件でしょう。文政権としては藪を突いて蛇をだしてしまったようなもので、韓国最高裁がこれを認めないとなると、日韓請求権協定の完全な否定となり、文政権は何らかの言及をしないといけなくなります。そうなると、日本政府との全面対決も辞さない覚悟が求められる。一方、韓国最高裁が政府の支払いを認めると、ただでなくとも債務問題のある韓国は、さらに厳しい状況を迎えることも予想されます。

2018年報道写真展を視察した安倍首相が、「今年は大きな転機となる年」と語りました。今年の漢字のときも「転機」と用いており、お気に入りのようですが、内実はかなり複雑です。安倍政権は今年、親中、親北に転じる一方、改正入管難民法など、リベラルに大きく舵を切った。また任期中の改憲を諦める一方、レガシーづくりのために北方領土の返還ではなく、日露平和条約の締結ですすめる方針に決めた。間違いなく安倍氏は大きく方針を転換した一年だったのでしょう。そして、安倍政権始まって以来の株価連続上昇が途切れる1年にもなる。それは財界との関係さえ変化させることにもなりました。
来年の政局を考える上で、安倍政権のこの『転機』が問題となるのは間違いありません。昨日も指摘した通り、日銀のETF購入に批判も高まり、転換を迫られる。安倍政権がそれを拒否することはできません。そんなことをしたら中央銀行の独立性を蔑ろにした、別の問題となります。なので日銀が耐えるしかありませんが、損失が膨らむ状況では発表を後ずれさせればさせるほど、問題が大きくなり黒田総裁への批判が高まる。日銀のETF購入停止がトドメとなり、株価が下落すれば安倍政権の成果が一つ消えます。これが早い段階で起こると、安倍政権の支持率はアッという間に急落することでしょう。

外交でも日露平和条約を目論んでいたら、次々と露国から投げられるクセ球を、河野外相が捕球できずに「次の質問どうぞ」とパスボールをした。このままでは転機が失敗という結果になります。しかし今さら改憲をかかげようと、安倍政権では時間切れで間に合わない。それどころか、安倍改憲案では改憲派も納得しませんし、護憲派は勿論反対。自らの改憲案が失敗だったと露呈し、さらに行き詰まることでしょう。しかもリベラルに転じた安倍氏のことを、自分たちのことを保守と思っている安倍支持層が、いつまで支持してくれるかも微妙です。改憲でのいきづまりがトドメとなるでしょう。
つまり安倍政権は、来年前半にも日銀、日露平和条約、改憲でトラブルを抱え、参院選を迎えることになるのです。なので参院選で改憲を争点にするか、もしくは消費税増税の再々延期を打ち出す可能性が高い。株式市場の軟調さをみて、リーマンショック級といいだす可能性が高いのです。しかし政策当局者がそんなことを言いだせば、さらに株式市場をどん底に突き落としかねない。しかしこのタイミングで税率を上げるのがリスク。年後半にそんなことを持ち越せるのか? 前半から後半にかけて非常に悩ましいともいえます。そして仮に消費税増税の延期を掲げず、参院選を戦って負けたときに果たして上げられるのか? 安倍政権にとって最大の試練が前半にあり、乗り越えられる可能性も低いですが、後半にも引きずることになる。すべては今年の『転機』から、来年の大きな壁に突き当たるともいえるのです。あまり一般的には言われませんが、『点鬼簿』というのは死者の名を記す帳面といわれます。安倍氏は今年、『転機簿』という帳面に名を記しましたが、来年それが『点鬼簿』になるのか? 参院選までが大きな転機となり得るのでしょうね。

明日は一日、お休みしたいと思います。

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2018年12月22日

来年の相場予想

米国でつなぎ予算が成立できず、一部の政府機関が閉鎖されました。トランプ大統領が国境の壁建設費用を含むよう要求、民主党が多数派の下院は壁建設をもりこみ、共和党が多数の上院はもりこめなかった。米国のネジレは深刻です。マティス国防長官が2月で退任したら、トランプ氏の暴走が止まらなくなる、ともされますが、早くもパウエルFRB議長の解任を議論している、などと報じられます。
今回の政府機関の閉鎖も、クリスマスや年末休暇をはさみ、国防などの予算は成立しているので影響は軽微、という判断があってそうしたのかもしれませんが、今後も不規則な動きが市場を混乱させるでしょう。今回の決定をうけ、米株は朝高後、一気に大幅なマイナス圏に沈み、NASDAQは弱気相場入りとされる20%の下落幅を越えてきました。世界経済のアンカーとされる米国が一番の不安定要因となっています。

何とか先週末は日経平均で20000円台をキープしましたが、米株安をうけて先物は19000円台に突入しています。日本でもTOPIXはすでに弱気相場入りとされる、高値から20%以上の下落を記録しています。昨年末のTOPIXは1817.56であり、これは日銀が今年買ったTOPIX型のETFは、すべて損失として計上されるということです。日銀は今年6兆円以上、ETFを買っているので、2割とは言いませんが、1割の損失でも6000億円の損失。日銀の保有ETFの損益分岐点は、日経平均で18500円とされますが、それを割れてくると今まで買った分がすべて損失として計上されることになります。
それ以前に、今年度の決算でETFの損失を計上したら国会でも問題視され、日銀が袋叩きになることでしょう。日銀の決算発表は来年の6月ごろですが、国会が要請すればETFの評価損益ぐらい、すぐにでてくるはず。むしろ出せなければそれも日銀を袋叩きにする要因となるでしょう。日銀の本当の損益分岐点は、安倍ノミクスの失敗を如実に示すものになるのかもしれず、それが参院選前に発表されるかどうか、それは非常にセンシティブな問題といえ、日銀は発表を遅らせる可能性が高いともいえるのです。

しかしこれは日銀に限った話ではありません。FRBが利上げを止めた途端、強烈な円高が襲う。市場ではすでにFRBの利上げ停止を織りこみ始め、円高が進みやすくなっていますが、さらに経済が混乱すれば逃避の円高が襲う。そうなれば、海外の持ち分比率を上げた年金も損失を蒙る。米株安、円高のダブルパンチであり、しかも日本株でも損失をだすと、日本国債を売ってバランスをとろうとする、それがさらに金利差縮小で円高を促すかもしれません。しかも円高は、海外投資を増やした金融機関も直撃する。国内では稼げず、海外投資でも失敗すると、日本にも金融不安が襲うかもしれない。日銀、年金、金融機関と、いずれも来年から数年かけて正念場を迎えることになるでしょう。
昨年、私は18年の市場予想として『日経平均はオーバーシュートも含めて上限25000円、しかもつけるなら早い段階でしょう。失敗すると16000円』としました。失敗とは、Brexitを始めとする十大リスクの決着のことですが、今年は失敗とはいえず、先送りしただけでも下限に近付いてきた、といえます。来年は先送りした分が、それ以上の影響を伴った問題となってきます。特に、債務の問題がどこかの国で破裂したときはリーマンショック級の問題が勃発することには要注意です。来年、起きる可能性は高くないですが、株安がそれを加速度的に起こしやすくさせる点には注意が必要です。日本の日銀、年金、金融機関だけではない。金融で肥大化した市場、その恩恵に浴していたところほどリスクが高まることは間違いなく、各国でも年金に直撃すると、社会不安が深刻化する恐れもでてくるのです。

来年の市場は非常に読みにくく、ボラタイルな展開が予想されます。金融で肥大化したのは需給も同じ、それが相場を上にも下にも行き易くさせます。上は21000円、下は14000円ぐらいはあり得るでしょう。むしろ債務問題が破裂したら、1万円割れもみえてきます。これは悲観のし過ぎですが、20000円を超えることが心理的負担になってくることは十分に考えられ、上値が限定的になる一方、下値は叩きやすい。それぐらい世界に漂う問題は深刻であり、かつ解決する術を政治がもっていない、むしろ政治が悪化させる要因であることが問題なのです。亥年は「固まる」などと言いますが、むしろ呆然として硬直するような場面が増えてしまうのでしょう。アルゴリズム取引の冷徹なシステムは、人を凍らせるほどの残酷な現実をみせることもありそうです。努々油断しないことが大切な一年になるのでしょうね。

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2018年12月21日

ゴーン前会長再逮捕にみる安倍政権の迷走

ゴーン前日産会長の勾留延長がみとめられなかった翌日、特別背任の疑いで再逮捕されました。こんな異常なことをしていたら、国際社会からの信用をますます落とすでしょう。私は今回の動き、安倍政権というより財界と自民が関与して検察を動かした、とみていました。そして今回の裁判所による勾留延長をみとめなかったのは、国際社会を気にした安倍政権が動いた、とみた。しかし今日の動きをみると、そこに妥協が働いたような気がしてなりません。それはゴーン氏が再逮捕された一方、ケリー前役員が再逮捕を免れたからです。再逮捕の理由となった損失の付け替え、ケリー氏も側近として関与していたことが想定される。それなのに再逮捕されないのは、米側に徹底的に配慮する安倍政権の態度とも合致します。
しかし醜態をさらしたドタバタ劇、ある意味で来年の政局にも結びつくものと感じます。つまり安倍政権の意向が、すぐに覆されたからです。つまり財界と自民党の判断が勝った。それをうかがわせる動きも散見されます。それは安倍氏が財界に対して、今年はまだ賃上げ要請をしていない点です。昨年は経済界のイベントで、必ず賃上げ要請をしていた。来年は消費税増税を成功させるためにも、何としても賃上げは必須のはずです。なのに出足が鈍い。そこには財界と安倍政権との力関係の変化が見え隠れするのです。

臨時国会で慌てて通した改正入管難民法も、財界の意向をうけたとされますが、かつての安倍政権なら財界を抑えこめたでしょう。とにかく財界の意向を聞くしかなくなったのは、偏に景気がよくないから。政府は「戦後最長の景気拡大の可能性が高い」と発表し、メディアが例外なく「実感なき」と付け足すのも同じ流れで、財界は安倍政権の手柄でもないし、喧伝されるような結果はでていない、とみなしているのです。
ここに来て『外交の安倍』の成果が次々に頓挫している影響もあります。原発輸出は一つも成功せず、インフラ輸出も思ったような成果がない。財界を引き連れ、仰々しい行進をしていたのも今は昔、上手くいった案件はほとんどなく、節を曲げて中国の一帯一路に接近した辺りから、実はもう財界の意向に逆らえなくなっていた。安倍支持層に嫌われても、財界が怖くて怖くて仕方なく、配慮せざるを得なくなったのです。恐らくその延長には辺野古移設もあるのでしょう。米国が怖いばかりでなく、これだけ巨額の建設費、財界にとっては垂涎であり、難工事だからこそ天井なしで予算を引き出せる、だから止められません。

財界の怒りは、マイナス金利によって金融機関が苦境に陥った影響もあるのでしょう。財閥の影響は小さくなったとされますが、未だに金融を中心とした枠組みは保持しています。しかもその金融に対して、安倍側近らの無知な暴言が相次いだことで、怒り心頭に発している。それでも景気が良好ならまだ唯々諾々と従ってもいましたが、もうそうした環境ではない。財界からの安倍下ろしが愈々始まりそうです。
財界パーティーでの安倍首相の元気なさそうな挨拶も、そうした情勢の変化を如実に示したものでしょう。株価も下落し、問題山積の状況で、いくら年末とはいえ、ほとんど政権内から言及がないことも苦境を映します。ゴーン前会長の再逮捕にみる、安倍政権の力の衰えと内部の混乱ぶり。来年の政局を考える上でも、考慮しておくべき一つの事例といえるのでしょうね。

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2018年12月20日

FRB、日銀の金融政策

ゴーン日産前会長の勾留延長を裁判所はみとめませんでした。恐らくこの逮捕における安倍政権は主導的立場でなく、財界に依頼された与党幹部の仕掛け、とみていましたが、今回は安倍政権が関与して勾留延長をみとめなかったとみられます。それはIWC脱退という、国際社会に批判される行為の代替として、仏国世論に配慮せざるを得ない事情が透けるからです。マル政案件として勾留延長がみとめられる、と考えていた検察は梯子を外され、驚愕したというのが今日の事態でしょう。

米国でFOMCが開催され、政策金利の誘導目標を0.25%引き上げ、年2.25〜2.50%とし、ドットチャートから来年は2回、再来年は1回の利上げを見込みます。市場は来年0回の利上げを織り込み始めていた折、かなりタカ派の印象です。さらに来年3回だった予想を2回に引き下げた理由を景気に懸念、としたために景気減速も意識された。そうして米株が崩れて、日本株も支えを失いました。これまで買い支えてきた日系が総崩れとなり、日経平均20000円割れも見えています。昨年の年末水準どころか、年初来安値を更新し、底値がみえなくなってきました。これには今日の日銀金融政策決定会合も影響します。
日銀は現状維持でした。しかし10年物国債の金利が一時0.01%をつけるなど、長期金利までマイナスに突入する寸前です。日銀は誘導目標が0%で、±0.2%が許容差なので問題ない、としますが、マイナス金利になると日銀の操作が利かなくなる恐れがあります。特に今、日銀は市場に資金を流すのが目的の買いオペが基本であり、売りがだしにくい。金利がマイナスでも値上がり益が狙えるなら、買いが活発化する恐れもあり、それに対抗して日銀が売りを入れれば物価目標の旗を下ろした、とみなされるでしょう。今回、何も言及がなかったことで失望を誘った。打つ手があるかどうか、懐疑的にみられたのです。そして日銀が緩和をつづけ、FRBが利上げ局面だったにもかかわらず、今年の円は世界最強通貨になる恐れもある。もしFRBやECBが、ふたたび緩和にもどったら、円高はさらに加速する恐れもありますが、日銀に打つ手はありません。円高→デフレという構図がふたたび、という認識も広がったのでしょう。

しかし今回の株安の最大の原因は、金融で肥大化した世界経済が、逆資産効果に怯える構図が背景にあります。米国では保有する不動産の価値が上がると、さらにローンが組める仕組みがあったり、中国の個人、企業に溜まった負債など、世界経済が減速するだけで致命傷になりかねない問題が山積する。世界の金融や、投資に精通している者からすれば、現状はかなり危険だと認識できるのですが、日本ではそうした認識をもつ人が少ない。そこがこれまでの相場における、外国人投資家と国内勢との差です。
そしてそれが来年も成長するし、企業業績もいい、という国内のアナリストの主流になっています。しかし今回、逆資産効果による消費の蒸発はリーマンショック級になりかねない、という話も耳にします。最大の問題は、世界経済のけん引役であった米中が、逆資産効果によるもっとも深刻な打撃を受けるためです。今日で今年の経済イベントはほぼ終了です。来年は大変な一年になる、その準備を今年したような印象もうけます。株高はマル政案件だと、高をくくって買いに張っていたら安倍政権が無能で株安を放置し、市場関係者が驚愕。それが今日の動きだったのかもしれませんね。

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2018年12月19日

SB株の上場

ソフトバンクの携帯部門(SB)が新規上場しましたが、初値が公開価格1500円を割れ、終値は1282円と公開価格の15%安、しかもほとんど安値引けと最悪の結果になりました。ただある程度予想されたことです。IPOに参加した証券会社にはかなり厳しいノルマが課せられ、枚数を捌く必要があった。そのため営業をかけてまで売った、という話も流れており、保有する意図のない購入が多かったとされます。
またPERは高くないけれど配当性向が高い、という理由で1500円の値付けとなりましたが、この構図は親子上場をする企業に多く、配当を多めにして資金を親会社に還流する。ただこれも収益が上がっているうちで、上場に合わせて今年度の決算見通しで純利益4200億円、前期比5%増と発表しましたが、場が引けてから通信障害による解約が1~2万件と発表するなど、不誠実な動きも散見される。こういったことも信用を落とすのです。抜本的に成長戦略を練り直さないと、親会社すら窮地に陥らせるかもしれません。インカムゲインよりキャピタルロスが大きくなったら意味がありませんから、下値を叩かない限り投資してももらえないでしょう。これからは株価下落が親会社、ソフトバンクグループ(SBG)の評価損計上に直結する。上場するタイミングに失敗したSBは、親会社にGという重力加速度を付加させて下落に追いこむ可能性もあるのです。

相場環境も悪かった、とされますが、11月貿易収支は2ヶ月連続の赤字、これを原油高で説明するところもありますが、11月はすでに原油は下落しており、問題は輸出の伸びが鈍化したことです。輸出は前年同月比0.1%増、ただその内訳は米国が1.6%増となる一方、中韓が大きく下がっており、明らかに米中貿易戦争の影響で、米国が中国から日本に貿易対象を増やした可能性が見え隠れします。そこに来て半導体製造装置関連にみられるように、スマホ不況が見え隠れする。かねてより持たざる者にいき渡った後が問題、とされていました。そこにAppleが低価格帯スマホをやめたことで、数が捌けなくなっている影響が大きく、またスマホ各社も高価格帯シフトをしたことで数より単価となり、半導体のダブつきを感じさせます。
しかし上場には早くても数ヶ月かかるので、偶々この時期に重なったことは不運、という話でもありません。スマホの情勢や米中貿易戦争など、既知の事実であり、経営者ならそうした諸々の情勢から判断することも必要だからです。これからSBGは投資主体の企業となるようですが、著名投資家がキャッシュ化を急ぎ、世界的に市場がダウントレンドに入っている中で、底値を正しく見極められるかどうか? これまでの孫会長の成功体験がつかえない時代に、これから突入していく。今回の上場における判断も、孫氏の判断が入っている公算が高く、その手腕にも疑問符がつく。最近の孫氏にはケチがつき始めており、サウジ皇太子の一件と言い、こうしたツキは継続しやすく、今回もそれがでてしまった感じです。

個人であれば、一時的に投資を控えてキャッシュに代えておく、という判断もできる。しかしSBGは企業なので、継続して収益を上げ続けなければいけない。ベンチャー投資や研究開発投資では、正直難しい部分にも直面するでしょう。何より今、世界はスマホにつづく世界市場で拡大していける新たな商品を欲していますが、残念ながらめぼしいものが見当たらない一方、世界経済が鈍化すると消費すら減退するかもしれない。経営判断がより重要となってきますが、ツキの落ちた孫氏では覚束ないのかもしれません。
通常、こうした大型上場では証券会社も株価防衛に動いてくれる、という判断もあるのですが、高飛車なSBG側に愛想をつかした、という見方が今回多い。投資主体になった企業が、証券会社から見限られた。個人投資家も裏切った。ツキばかりでなく、このツケも今回、SBGには重くのしかかるのかもしれませんね。

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2018年12月18日

国会ですすむ会派合流

キャッシュレス決済減税について、中小企業で商品をたらい回しさせるだけで、5%分のポイントを取り放題という話がでています。しかし大企業間の取引でも、間に中小の卸売りを介在させると還元をうけられたり、大口の取引をわざとキャッシュレス決済になるよう、小口にして回数を増やしたり、といったことも考えられ、そうしたものの監視に莫大なコストがかかることぐらい、初めからわかっていたことです。
しかも輸出をすると、国内でかけられていた消費税分の税還付をうけられますが、その計算も複雑になる。今回は中小と大手では税率が異なる仕組みだからで、嘘の申請をうけても見抜けるかどうか? 企業の規模まで税務審査で把握していないと、まずムリといえるでしょう。まさか、ポイントで還元だと税には当たらないから還付なし、とでもいうのか? 未だにこうした疑問が残るなど、本当に制度としては杜撰で、麻生財務相は「経産省に仕組みは考えさせる」とするように、政権内でもたらい回し状態です。

国会では無所属の会の6人が立民会派入りを表明、これで衆院は立民会派が64人と、国民民主会派の37人の倍近くになり、野党第一党の体裁をますます整えています。恐らく今回の無所属の会の動きは、会派の数が少ないと、質疑時間さえ短くなり、存在感を示せないといった問題もあるでしょう。野党の質問が細切れになれば、与党を利することが必定。それを踏まえれば、野党第一党に勢力を集中する、という判断を下すのが、正しい野党の姿です。しかし国民民主にはそうした判断ができない。だから支持も上がりません。
選挙協力の話が停滞するのも、国民民主は自分たちが野党第一党になりたい、という下心がミエミエだからです。自分たちが追い出した立民に抜かれたのが、本当に悔しいのでしょう。今さら頭を下げて、次点に収まるのはプライドが許さないのでしょう。しかし保守政治家の中村喜四郎氏まで立民会派に参加し、ますます立民会派は保革相そろう重厚な布陣になっており、差が開く一方です。

維新と希望が参院会派で合流し、年の瀬を前にして国会内の動きも活発です。来年は通常国会後に参院選が待つので、何とか実績を残したい。各党とも会派の規模を大きくし、活躍の場を求めているのです。こんなところでも国民民主が孤立化し、漂流していることがうかがえます。政策の近い維新や希望と合流すればよさそうですが、そうなると立民との選挙協力は白紙でしょう。かといって、立民との統一会派も嫌。お子様・俺様・安倍政権に協力する政党は、どうしても子供じみた印象しかうけなくなるのかもしれません。
最近、安倍政権で謳われてきた政策の齟齬が、ぽろぽろ報じられてきました。女性活躍はまったくすすまず、地方創生など逆行する施策ばかりで、地方の衰退が報じられます。一億総活躍など、何がそうなのか? というレベルですし、訪日観光客が3000万人突破という話でも、ホテルの乱立や違法民泊の問題などは残り、また治安の悪化やトラブルの記事も散見される。その最たるものが安倍ノミクスで、今や口をつぐむか、ネガティブな言葉としか認識されていません。TPPもカジノも、成長戦略だったはずが、今では不安の方が大きくなっています。来年の参院選では、安倍政権への通信簿が争点になりそうな気配です。キャッシュレス決済減税でも、問題を解決するのではなくたらい回すような安倍政権ですから、不都合なことから目を背けてきたツケが、たまりにたまってきたのが現状です。野党が問題をすっきり解決して、選挙に挑むのなら、大きな成果も期待できるでしょう。ただその野党の中に国民民主が入っている可能性は低く、むしろ自公と立民・共産との一騎打ちという構図の方が、すっきりするのかもしれませんね。

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2018年12月17日

来年度の予算は7年連続過去最高

スマホ決済サービスPayPayで、不正引き落としが相次いでいます。元々、この仕組みは不正が生じ易いとされていましたが、慌てて導入したツケがこんなところに出ているのでしょう。100億円のキャッシュバックが終了、これからその回収をすすめる段階ですが、極めて厳しい状況と言えそうです。
そもそもスマホ決済は、将来的には手の甲や手首にチップを埋め、それで直接決済する仕組みに移行するとされ、その幕間的な位置づけでしかありません。様々なシステムが乱立していることもマイナスでしょう。19年度予算案でも、キャッシュレス決済の導入補助などありますが、何とかPayをすべて網羅しないと、うちの店ではこちらの決済は使えません、などとなり、トラブルも生じるでしょう。しかも海外のキャッシュレス決済は減税対象から外す、などとも出てきた。ますます個人はいくつもの決済サービスを導入する必要が生じ、管理が難しくなります。海外でもキャッシュレス決済で家計が破綻する例が増える、とされる。結果、その対策にも税金が投入される結果になりかねません。

来年度の予算案は101.5兆円と、7年連続で過去最高を更新です。新規国債の発行額を32.7兆円に抑える、などとしますが、安倍政権で一度、3%の消費税増税をしているため、財源もなく年金の国庫負担を増やした分の穴埋めができ、小康しているだけです。かつ短期政府証券などは国債とカウントされず、短期で借金をつけ回す仕組みもあるので、国債の発行を抑えた=借金が減るわけではありません。
しかも困ったことに、国際決済銀行(BIS)が四半期報告で、最近の株安は始まりに過ぎず、今後も続くとの見通しを示しました。株高が企業業績の押し上げや、個人消費を活発にしてきた面は否めず、株安がすすめば世界経済にも暗雲がただよう。しかし著名投資家などは、すでにキャッシュを増やしているといい、現在の外国人投資家の大幅な売り越しは、まさにこの投資を解約してキャッシュ化をすすめることにより起きている、といえます。なので投資環境が改善するまで、外国人投資家による買いは入ってこない。日本でも株安がすすめば、来年度の税収にも影響し、国債の臨時増発ということにもなりかねません。

実際、これまで安倍政権では税収の上振れ分を補正予算などに回してきたのであり、それを予備費と含めて災害対応や景気対策に充ててきたのです。それが無くなれば補正予算の編成にも影響する。こうしたことが悪循環として、景気を押し下げることになりそうです。社会保障費の伸びは抑制しても軍事予算は膨張をつづける一方。しかも米製兵器の大量購入であり、景気とはまったく関係ありません。来年はTPPも批准されますが、安倍政権が当初語ってたようなTPPが成長戦略なら、来年の景気は見通しも明るいのでしょう。しかし誰もそんなことを言わない。むしろ下押し要因と捉えられているのです。
ポール・A・サミュエルソンによる経済学の定義を簡単にすると「貨幣によるか、よらないかを含めて資源をつかい、商品を生産し、現在、未来の消費のために、色々な人や集団に配分する上で、どのような選択的行動をとるのか、についての研究」です。しかし経済学のけの字も知らない安倍政権とその経済ブレーンは、キャッシュレス決済の利点とリスクも弁えず、導入をすすめます。むしろ世界がキャッシュ化、貯蓄を増やす方向に動いていることすら踏まえないと、現在、未来の消費すら危うくしかねないのでしょう。むしろ配分がオトモダチに偏っている安倍政権では、その選択的行動から誤っているのであり、その結果として膨張した予算、それが引き起こす未来はcash-less、使える予算すらなくなってしまった状態になるのかもしれませんね。

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2018年12月16日

雑感。ファーウェイ製品の排除

共同通信の世論調査で、内閣支持率は42.4%(4.9pt減)、不支持率は44.1%(4.6pt増)でした。しかし改正入管難民法の成立に「評価しない」は65.8%が反対、辺野古への土砂投入を「支持しない」は56.5%と、相変わらず個別の政策は反対が多い。逆からみると一体、何を評価して安倍政権の支持をしているのか? 「他より良い」が常にトップですが、多くの人がやっていることは間違えているのに、他の人よりマシと考えているなら、日本の政界はよほど人材不足であり、選挙制度そのものに欠陥ががあるとしか思えません。

日経の調査では61%が中国製の調達を排除する政府の姿勢を支持しています。この辺りは何となく中国製は不安、という潜在的な意識の表れでもありますが、しかし中国製に実際の問題が確認されたなら、ファーウェイ製品にしろ個人に販売しているスマホやパソコンなど、すべて使用禁止とし、回収しないとおかしな話です。米国から要請された、危なそうだから、で調達を歪めてしまうと別の問題も生じます。
ファーウェイ製の通信設備で不必要なポートが確認された、という話にしても、バックドアの問題は少し前に韓国製スマホでもありました。5G通信にスウェーデン製のものを用いたとしても、そのメーカーが仕込まないとも限らない。要するに、契約にないことをしていたらその責任を問うのは、どのメーカーであっても同じはずであって、その証拠もないのに排除していたら、政府が恣意的に利益誘導することもできてしまう。逆からみると、恣意的に都合の悪いメーカーを排除する口実にもなってしまうのです。

例えば、改正入管難民法で外国人労働者が入ってきますが、産業スパイだったら? 中国人は中国共産党に支配され、いずれにしろ政府との結びつきがあるのだから、企業の情報を盗みだしてしまう恐れがあるから誰彼構わず排除するのか? そんなことはできないでしょう。しかし実際にAppleから情報を盗み出そうとした中国人が逮捕されており、現実問題として起こり得ます。そのとき責任を負うのは受け入れた企業なのか、仲介した業者なのか、それとも国なのか? 証拠もないのにファーウェイ製を排除しておいて、起こり得る産業スパイの問題には目をつぶる、安倍政権の二枚舌がこんなところにも見え隠れします。
今や日本国内には中国製品があふれています。特にパソコンなど、NECは名乗っていてもレノボ傘下だったり。そうして製造業を押さえられた後で、こうした問題が起こると、困るのは国民なのです。ファーウェイ製のスマホを所有している人など、不安に陥っているでしょう。中国の法律など昔からのことですし、それが中国製造2025で警戒感が高まっただけで、証拠もないのに排除する、今はそういう段階なのが問題なのです。かといってほぼ汎用とは言えない通信機器などにバックドアを仕込まれると、見抜くのは難しい。ただそれは中国製だろうと、それ以外の国だろうと同じ、後は信用力の差だけになります。

中国は歪んだ社会主義の国です。中国で大企業になるためには国との関係が必須、その中には研究開発費など、国からの資本が投下されている企業もある。そうした見極めは個人では難しい、だから国はいい加減な理由で調達せず、といった判断を下してはいけない。ファーウェイにはこれだけ中国からの関与があり、こういう点に問題があると詳らかにしないと、国民に対して答えを示していることにならないのです。「他より良い」「他より悪い」で国の判断をしていると、戸惑うのは国民ばかりとなってしまうだけなのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:40|PermalinkComments(10)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | アジア

2018年12月15日

与党の税制改正大綱

岩屋防衛相が辺野古移設は「日米同盟のためではなく日本国民のため」と述べました。南西地域が重要で、抑止力を落とすわけにはいかないから、だそうですが、普天間基地を使用している米海兵隊が、日本の防衛の一体何の役に立つのか? 通称「殴り込み部隊」ともされ、朝鮮戦争や中台戦争のときは真っ先に敵地にむけて上陸をかける部隊です。言葉は悪いですが、日本が攻撃されたとて米海兵隊に出番はありません。それのどこが「日本国民のため」なのか? それとも相変わらず現行憲法を無視して、専守防衛ではなく敵地攻撃を米海兵隊とともに為すため、基地は存続すべきというのか? いずもの空母化を進める意向ですから、ますますそうした疑いが強まってくるのでしょう。

来年度の与党税制改正大綱がまとまりました。主なものは自動車関連ですが、購入時に0〜3%かかる燃費課税を1年限定で1%減、増税後に登録された自動車の自動車税を最大4500円引き下げ、が主に減税です。一方でエコカー減税などは対象を絞り込み増税となります。この中で最大に問題なのは、増税後に登録された車だけ、自動車税を引き下げる方策です。これは増税前の買い控えを促すのと同時に、中古になっても継続されると、この期間に登録された車にプレミアムがつき、それ以前の車の価値を落としてしまう。中古車市場さえ揺るがしかねません。むしろそうしたプレミアムがない、増税の前までは引き下げのない軽自動車へのシフトをより強めることになり、自動車業界すら動揺するでしょう。
さらにエコカー減税の絞りこみも、そもそもパリ協定などのCO2削減対策だったはずで、それをこのタイミングで絞りこむと、日本の温暖化対策への懐疑的な目を増やすでしょう。電気自動車への走行距離での課税という案にしても、地方生活者が苦しくなるばかりか、遠出をしなくなり、景気対策としても逆行する。そもそも自動車税に伴う税収を、現行水準に維持する必要があるのか? 日本国民は減っていくのに、道路ばかりつくってどうするのか? つくればその維持費もかかる。その負担は一体誰が負うのか? このままでは使わない道路の維持費ばかり、徴収されるようになるでしょう。

後は多くが時限的な拡張であったり、期間の延長だったりするので、景気押し上げ対策にはなりません。増税時の景気対策は、ほとんど消費税へのキャッシュレス決済減税に委ねる、ということなのでしょう。しかしそれも未だ制度の詳細は見えてこず、このままだと大混乱が必定な情勢です。与党の税制改正にしても、景気の下押しにつながる項目も散見され、結果的に減税したいけれど財源がない、ということを露呈しており、右から左に税項目を付け替えただけ、に終わりそうです。
そんな中、来年度には預金保険機構が保有する8000億円程度を国庫に納付させ、来年度の予算に充当する方針です。「使う見込みのない余裕資金」とされますが、次の景気後退期には金融危機に陥る可能性が高く、それは日本も同じです。銀行が取り付け騒ぎなどを起こさないよう、積み立てておく資金にまで手を出し始めた安倍政権。すでに虎の子の国民の財布、休眠口座にまで手をだしているのですから、今後も国民のなけなしの金を何とか奪いとる算段を、安倍政権はすすめているのでしょう。何が「日本国民のため」なのか? よくよく考えないと、取り立て屋に「殴り込み」をかけられて、金品を巻き上げられるのは日本国民の方、ということになってしまいかねないのでしょうね。

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2018年12月14日

12月日銀短観について

辺野古に土砂が投入されました。来年2月ともされる住民投票が実施されると、米軍から「辺野古で大丈夫か?」という懸念が示されるのが必定。米軍としても最近は墜落など、不祥事つづきであり、米軍排斥の動きなど起きて欲しくないのです。なので政府としては既成事実をつくり、国民投票では県民に諦観が生じ、自分たちに有利に導きたい。政府の思惑はそんなところでしょう。
しかしこれは沖縄県の問題だけではありません。辺野古には軟弱地盤が指摘されており、しかも飛行場の滑走路ですから分厚いコンクリを打つための地盤改良工事は、莫大な建設費の増額を伴います。つまり、国費が大量に投入されるのです。米軍から使えない基地はいらない、という声が出てくるかもしれない。そのためにもさっさと工事をすすめ、批判的な声を封じたいのでしょう。

12 月日銀短観が発表されました。これは企業へのアンケート結果ですが、業績などで結果が残ってしまうため、他の経済統計と違ってごまかしが利かないものです。その上で内容をみると、かなり悪いものでした。現状判断指数(DI)は大企業製造業が19(±0)、非製造業が24(+2)、中小企業製造業が14(±0)、非製造業が11(+1)。市場予想を上回っていますが、先行き判断指数(DI)は同じ順番で15(-4)、20(-4)、8(-6)、5(-6)と、すこぶる悪化する。しかも、汎用機械や生産用機械、自動車などが下落しており、米中貿易戦争の影響が少しずつ表れ、先々も不安材料として意識されていることをうかがわせます。
しかも少し気になるのが、業種別でみると中小企業は先行きがほとんどマイナス。その中でプラスなのが、原油が下がって小康状態の石油・石炭製品と、生鮮食品の高騰で加工品に注目が集まる食料品、それに3月期末で需要増を見込む小売りのみ。大企業の判断はもう少しよいのですが、中小企業には冬の時代が到来している。これは人材不足どころか、中小企業では人材の余剰を意識する水準かもしれません。

今日の日経平均株価は大きく下がりましたが、いつもの日系大手が大量に売ったためでもあります。ここは12日には期先を大量に買い、期近を大量に売っていますが、それ以外の日は期先を売り、期近を買う、といった操作をしてまで持ち分をごまかしていましたが、今回の日銀短観をみてポジションを落とさざるを得なくなった、というのも一因でしょう。それは企業の想定為替レートが対ドルで107.26円→107.40円→109.41円、と現行水準に近づきましたが、業績改善が思ったほどではなく、今年大幅な増益だから株高、というシナリオに見直しが迫られたのです。現状の113.5円程度でも、下期に業績が落ちこむという予想が増えたのであり、思っている以上に世界経済の減速が利くことがうかがえます。
企業は今年、大幅な減益を予想していた。上期は大幅な上振れになりましたが、下期はさらに下振れを見込む。これが今回の日銀短観の結果です。昨日、欧州では景気に暗雲が漂う中で、ECBが量的緩和を終了しました。しかも保有債券のうち、加盟国の出資比率に応じて買入れる額を規定していますが、現状ではそれを上回っている状況であり、これを規定に近づけるのでは? と推測されます。つまり2兆€のうち、10数%ぐらいは市場に出てくるかもしれない。各国が債務問題で揺れているにも関わらず、です。これで日銀は困ったことになる。日本だけが、緩和状態を脱していないのですから。

まさに日本経済は軟弱地盤の上に立っているようなもの。安倍ノミクス、黒田バズーカは上面だけ土砂を運び入れ、整地はしましたが、地盤が軟弱なので何の意味もない状況です。これは日本の状況がどうなっているか? きちんと調べもせず、ただ自分たちのやりたい政策だけをやった結果であって、海外が動揺すると屋台骨もしっかりしていないため、すぐに倒壊することを意味します。辺野古は今や、国民の誰もが望まない工事になってきた。日本経済も、国民がこんなはずではなかった、という水準に近づいてきたのでしょう。来年は経済イベントが盛りだくさん、だから辺野古工事を急いだ、ということはないのでしょうが、微妙に両方とも安倍政権の無能ぶりが垣間見えるだけに、同根の問題といえるのでしょう。支持基盤が固いと思っていたら、意外な点に脆さが隠れていたのであり、経済面で評価されてきた安倍政権だけに、柔らかい地盤に生える根の問題は深刻なのでしょうね。

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2018年12月13日

妊婦加算と一人親への寡婦控除

内閣府の景気動向指数研究会で、2012年12月からつづく景気拡大期間が『いざなぎ景気』を越え、戦後2番目だと認定しました。しかし四半期ごとのGDPはマイナスが散見する一方、連続で下がらないので拡大が途切れていない、というだけです。しかも実質賃金は目減りしており、消費がややプラスなのも物価高の影響とみると、ほとんど説明がついてしまいます。今回の景気拡大期に名前をつけるとしたら、『うそつき景気』がよいのでしょう。経済統計を操作してまで、景気拡大期だと言い張りたい安倍政権によってつくられたのですから。しかし操作しても斑にマイナス成長がめだつぐらい弱いのであって、安倍氏寄りのメディアさえ「実感ない」とする。国民も「嘘でしょ?」と言いたいはずです。

厚労省が批判の多かった妊婦加算を廃止する方向で検討、と伝わります。そもそもこの妊婦加算は、母親の目線はまったくなく、医師会側の要望をくみいれただけのもの。妊婦であると特別な対応が必要だから、という意見はまったくそれです。妊婦の診察を医療機関が敬遠しないよう…などとしますが、妊婦を拒絶するような医療機関は公表してしまえばよいのです。そうすると評判が下がり、病院経営にも響きますから、必然的に受け入れざるを得なくなり、
厚労省は代替策を検討する、としますが、政府が補填するというのもまた違うのでしょう。米国では人種差医療、というのが一般的です。人種の坩堝であり、人種ごとに罹患しやすい病気や遺伝性の疾患なども異なるため、それに応じて治療をするのです。つまり相手に合わせて治療するのがごく当たり前であって、妊婦だけ特別視するのがおかしいのです。例えばアレルギーがあったり、既往歴があったり、外国人だったりすると、特別な対応が必要だからといって加算するのか? そんなことをすれば差別とされるでしょうし、病気に罹れば罹るほど、医療機関にかかればかかるほど割高になっていく。そんな制度は国民の猛反発をうけるでしょう。妊婦加算は少子化を推奨、というばかりでない問題だらけの制度なのです。

公明が拘っている未婚の母親にも寡婦控除を、とする自民党の答えが住民税を非課税とし、1年間だけ手当、でした。「未婚を奨励」「伝統的な家族観を壊す」などという理由からですが、その結果、伝統的な家族が少なくなり、少子高齢化を招いたのではないのか? 未婚を奨励したとて、何が問題なのか? 例えば性暴力をうけて妊娠してしまった人もいる。それでも産む、という決断をしても国から見捨てられる。結婚しようと思っていたけれど、婚姻届けをだす前に関係を解消する、といったこともあるでしょう。それでも産みたい、という人を支援して、初めて少子高齢化対策になるのです。
安倍首相は改正入管難民法に関して、「地方の人材不足は深刻」としましたが、その元凶が少子高齢化です。また地方には仕事が少ない、魅力がないから都会に若者が集まってしまう。それを解消するのではなく、外国人労働者を受け入れて穴埋めしよう、というのがかの法律です。やるべきことをやらずに、国の形を変えてしまう。「伝統的な家族観」の前に、「伝統的な日本社会」を壊すようなことをしておいて、何を今さら…でしょう。公明もこの程度で合意していては、やっぱり口だけ『弱者の味方』です。自公に少子高齢化を解決する気がゼロ、と分かる上記二つの話は、売国政権の正体見たり、なのでしょう。日本人の数をどんどん減らしても一向にかまわない、制度設計すらきちんとできないことを示すのですから。黄泉の国で腐敗したイザナミをみて、逃げ帰ったイザナギのように卑怯で、小心者が我々のご先祖さまなら、それを見事に体現した政権であり、女性蔑視の風潮が染みついている、ということなのかもしれませんね。

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2018年12月12日

今年の漢字は『災』

今年の漢字は『災』でした。2011年の東日本大震災のときは『絆』であり、2004年の小泉政権のとき以来2度目の『災』は、災害がそのまま印象として残ったことを意味します。もし政治が機能していれば、そこは『復』や『興』などがくるはずです。安倍氏は『転』を挙げましたが、昨年ならトランプ氏とのゴルフで、バンカーですってんころりんしたことを揶揄されたでしょう。日露交渉に転機、という意味のようですが、それも露国からは高いハードルを課せられ、河野外相など「次の質問」という口癖までできました。むしろ森友・加計疑惑などを『転』嫁できた、ということか? はからずも転嫁は『嫁』という漢字もつかわれますので、夫婦そろって『転』覆を免れた、という意味かもしれません。

しかし明らかに景気は転換を迎えています。機械受注も景気判断を下方修正しましたが、着実に米中貿易戦争の余波は訪れています。それに加えて今晩には英国でメイ首相による不信任案がだされます。仏国ではマクロン政権が最低賃金の引き上げや減税をうちだしましたが、逆風は止まりません。
カナダがファーウェイ副会長を保釈し、市場には楽観ムードが…などとされます。トランプ大統領が米中協議の進展を匂わせたことも影響しますが、一方では副会長の一件を政治利用するかのような発言もみせる。長引くことが確実なのに、今日の日本株市場が意外高を演じたのは、これまで指摘してきた日系大手による先物大量買いの影響です。ロールオーバーの枚数も異常な多さですが、期先を多く買うことで買い越した。ここはロールオーバー中も傾きをかけてきましたが、今後その大量の日経225先物買いを、どう処理するつもりなのか? 日系の証券会社は現物株の買いが多いので、必然的に先物は売ってヘッジします。しかしこの日系大手は、TOPIX先物は売り越しである一方、日経225先物は大量に買っているので、今後何らかの齟齬が生じると、ここから大量の先物売りがでて相場が転調する可能性が大きくなっています。

ではその転調の兆しとは何か? 未だに日系の証券会社からは日経平均で24000〜30000円など、高めの予想がでています。業績予想を高めにだし、予想PERを低くみせ、それに基づいて実際の株価と比較するためですが、これが絵空事だと気づかされたとき、この日系大手の戦略は行き詰まることになるのでしょう。もしこの日系大手が、3Qでも大した損失を被っていない場合、それは委託により大量の先物を買っているのであって、日本の暗部が見え隠れするかもしれない。いずれにしろ、株高にならないと困る人、企業、組織が日本には大量にいて、下落基調への転変を望んでいないのがよく分かります。
今から来年の漢字を予想すると鬼も呆れるかもしれませんが、恐らく『乱』だと思われます。米国ではトランプ政権と議会が折り合えず、混乱する。欧州でも混乱が激しくなる。中国は人民元をこれ以上下げられないと、来年には愈々デフレに陥り債務問題が炸裂するかもしれない。日本でも消費税増税で大混乱、参院選では野党の躍進で『乱』と報じられるでしょう。安倍氏は『災』『転』じて…とでも考えていたのかもしれませんが、むしろ日本は『福』どころか『復』も達成できていないのですから、何をかいわんやです。むしろ日本経済の『転』落を招く安倍政権は、天災レベルであることを思い知らされることにもなり、安倍政権に阿諛追従してきた組織の反『乱』も話題になることでしょうね。

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2018年12月11日

日本の異常性を報じる海外紙

日銀のETF購入がついに6兆円を突破です。先日、TOPIXが前場でほとんど下落していなかったにも関わらず、日銀による購入観測が流れた。明らかに日銀が動くぞ、と喧伝することで株価の下支えを図ったものでしょう。昨日も指摘したように、このままでは安倍ノミクス始まって以来、初の年間騰落率で下落に転じます。すると困るのは日銀、年金、ゆうちょなど、PKOに駆り出された公的マネーです。ここがそろって評価損を計上するようだと、明確に安倍ノミクス変調と報じられるでしょう。そして、安倍政権の偏向ぶりが、ここでこぞって海外で報じられるようにもなっています。

日産のゴーン前会長が逮捕された件で、海外紙は『日本の異常性』を盛んに喧伝します。司法制度は各国で異なりますが、未だに日本では取り調べに弁護士が立ち会わない。それが先進国ではあり得ないなど、警察庁が拒んできたことが『日本の異常性』と捉えられているのです。また日本では20日の交流期限を迎えたとき、延長という手もありますが、再逮捕で交流期限を延ばすことも盛んに行われますが、それも『日本の異常性』と受け止められる。逮捕容疑が有価証券報告書の記載義務違反、という分かり難いものだったことも影響するでしょう。受け取ることが決まっていたのに書かなかった、という線で争っていますが、同じ定義を適用すると脱税でも摘発できそうですが、そういうわけでもありません。
ゴーン氏が最初、記載しなかった理由として「高額報酬だと社員のモチベーションが下がる」と供述したとされますが、これが事実なら特別背任でしょう。自身が退社するときにはあまりに高額の退職金となって受け取るのですから、その時点で社員のモチベはダダ下がりになる。自分が経営者の間だけ、役員報酬を低く見せかける操作をしているからです。これまで報じられることは、すべて特別背任としか思えず、下手にひねって罪状をつくりだしたため、自縄自縛に陥っている印象です。そうしたこともまた海外紙から攻撃され、メディアの過剰報道までも『日本の異常性』と報じられる始末です。

今回のJICを始めとする官民ファンドの一件もそうです。官が口をだして結果的につぶす。田中前社長の「日本は法治国家ではない」を、そのまま報じる海外紙もあります。しかもこの動きを批判的に報じるのは、JICが海外投資なども積極的に行おうとしていたこともあるでしょう。ジャパンマネーは政府の色付きか? という意味で注目を集め、しかもその仕組みが頓挫した、ということも大きいのでしょう。
日露交渉における河野外相の質問拒否も今後、大きく報道されるかもしれません。トランプ米大統領が嫌いな記者からの質問をスルーしたことも、大きく報じられましたが、日本ではスルーされたメディアがそれを大きく取り上げない、ということも『日本の異常性』なのですから。

仏国で広がるデモ、マクロン政権への攻撃は遅れてきた新自由主義、今ごろのトリクルダウン推進者という問題が大きい。日本の安倍政権も、実は同じ構図ですが、世界経済の堅調さでこれまでその新自由主義、トリクルダウン推進でもカモフラージュされてきただけなのです。しかしゴーン前会長を発端とした高額報酬批判、JICへと拡大し、日本の企業経営者や官僚、そして政治家へと向かうことになるかもしれない。むしろ、それが起こらず、日本人が従容としてそうした境遇をうけいれている、などとなったら、それも『日本の異常性』として、奇異な目でみられることになるのかもしれませんね。

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2018年12月10日

7-9月期GDP2次速報と、安倍ノミクス

内閣府の発表した7-9月期GDP2次速報値、実質で前期比0.6%減、年率で2.5%減となりました。速報値の0.3%減、1.2%減と大幅な下方改定です。法人企業統計がでたときから、設備投資が低く、下方修正されるのは自明でしたが、思った以上に大きくなっています。ただ今回、気になるのは家計最終消費支出の推計において、需要側推計値と供給側推計値を加重平均して求めるのですが、その需要側推計値のウェイトをこれまでの0.3139から、0.2385へと引き下げられたことです。高すぎると指摘される家計調査などの経済統計をそのままつかってしまうと、それこそ高すぎるとなるために需要側を引き下げた、ということかもしれません。安倍政権ではこうして経済統計を、様々な形で弄っていますから、過去との比較など無意味です。市場はもう政府発表の経済統計を『参照』しているだけになっています。
産業革新投資機構(JIC)で、民間出身の取締役9人が、一斉に辞任しました。ハッキリ言って、民間の投資運用会社では数億円を稼ぐファンドマネージャーもいる。名のある金融出身者は、それまでも高額の報酬をもらっており、官民ファンドの看板を立派にするために人集めをするなら、相応の金額で招聘する必要があります。しかも官は出資先など運用にも口をだし、体のいい財布としたい。いわば、その報酬は名前を借りて金集めをし、また裏で政府が運用するための口止め料だったのです。それを朝日新聞にすっぱ抜かれ、その怪しい仕組みがバレそうになり、慌てて経産省が火消しに動いたけれど、取締役らは納得しなかった、というのが顛末でしょう。世耕経産相の厚顔ぶりが際立ちます。残念ながら、日本の経済はこんな怪しい人物らが恣意的に運用しているのですから、上向くはずがありません。

安倍首相が会見し、2020年の改憲施行をめざす考えを改めて示しました。この旗を下ろせば、日本会議などの改憲支持派が離れてしまう。しかし憲法審査会の動きをみても、事実上これは不可能です。19年度中に通せれば、国民投票→改正憲法発布→施行と急げば間に合うかもしれませんが、非常に駆け足になるでしょう。その間に参院選があり、自民が3分の2を失うと、成立すら見込めなくなります。国民民主、維新など改憲に乗る政党に期待、というところかもしれませんが、その両党とも議席を確保するのさえ容易でない支持率に留まる。それを避けるのなら来年の通常国会で通す必要がありますが、強引にそんなことをすれば、さらに参院選は大敗して安倍政権は退陣しているでしょう。
安倍政権では国土強靭化に3年間で7兆円、防衛費は5年間で27兆円、増税対策として来年度予算に2兆円、など威勢のいい声が聞こえます。しかし財源不足は如何ともしがたく、2次補正とて予備費の余りと税収の上振れぐらいしか充当できない。7-9月期の落ち込みは一時的、という見立ても多いですが、10-12月期とて冬物衣料は壊滅的で、低迷が長引く可能性がでています。これから異常気象が異常とは呼べなくなるのなら、毎年7-9月期は景気が低迷することになり、常態化するかもしれません。

改憲の旗を下ろす前に、安倍ノミクスの旗は一体どこへいってしまったのか? もう飽きた? 安倍政権からその言葉が聞こえてくることがありません。今日は大幅下落ですが、実は今年、年末の終値で日経平均が22764.94円を越えないと、安倍ノミクス始まって以来の年間騰落率がマイナスとなる。市場関係者からも「潮目が変わった」という声がでてくることは確実です。実は2年前も危なかったのですが、トランプラリーで事なきを得た。そのトランプラリーが剥落してきて愈々…となるのです。
恐らく安倍政権内でも危ない、ということに薄々気づきはじめており、だから大風呂敷を広げて、景気のいいことをいうようになっているのでしょう。しかし官民ファンドが赤字経営で、隠れ負債などが明らかになると、それこそ日本政府、日本国債への信用ががた落ちしかねません。JICの田中社長は「日本は法治国家ではない」と述べますが、何を今さら、安倍政権の下では散々に法律を蔑ろにしてきたのであり、自分が不都合なことになったからそんなことを言いだしただけでしょう。日本の暗部を浮かび上がらせた『世耕』氏、憲法『施行』にトドメをさす景気低迷を招く元凶になるのだとすれば、組閣という『施工』の段階から手抜きだったということになるのでしょうね。

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2018年12月09日

2次補正予算と官民ファンド

安倍政権が2次補正予算を3兆円規模とするようです。防災、減災対策に1兆円、TPP対策に3000億円などですが、6年もやってまともな景気対策が機能したこともないので、今の日本は低成長に沈んでいます。防災、減災対策などが機能するはずもなく、百年に一度の災害に対して、備えができるとしたら過剰設備になりかねない。本当に減災ができるのなら、補正ではなく本予算で通すべきであって、この辺りからすでに的外れといえます。東京五輪後から大阪万博にかけて、端境期をうめるために建設業を潤すだけの口実に過ぎないのでしょう。こうした目的化された公共工事の場合、成果についてきちんと評価し、失敗とみなされたらきちんと責任をとらせる仕組みが必要で、そうでないから無駄遣いが止まりません。
経産省と産業革新投資機構(JIC)が、高額報酬問題で揺れていますが、農水省でも立ち上げた官民ファンドに問題と報じられます。農林漁業成長産業化支援機構(A-FIVE)が赤字続きで存続危機と伝わります。日本の農林水産業で6次産業化をすすめる、安倍政権が就任当初からすすめてきた政策ですが、そもそもファンドは出資して、その分を回収するのが目的です。政府がこれまで用いてきたのは補助金など、出しっ放しの資金であり、収益を上げることなど度外視してきた。急に回収を求められるファンドを立ち上げても、上手くいくはずもないのでしょう。しかも事業化が難しい、ファンドなどに急かされるまでもなく、儲かるならやっているような6次産業化では、成功する事業の方が少なかったとみられます。

しかも悪いことに、4月から改正入管難民法が適用されますが、仮に4月に受け入れても、すぐに戦力になるわけではありません。技能実習生とは異なる制度、と答弁しているように、日本に馴れた労働者ではないので、まず技能実習生と同様にある程度の教育期間が必要となるためです。しかもその間もコストがかかりつづけ、戦力となるころには世界経済の変調が襲ってくるかもしれない。そうなると余剰な人員となり、日本に招いたもののすぐに首を切れず、切り易い日本人を解雇することになるかもしれません。もし過剰に管理しだすと、しわ寄せが日本人に来る可能性すらあるのです。
問題は来年の景気の読み方、なぜか日本では学者から市場関係者まで、来年まで好調という人が多い。例えば米国の長短金利差逆転も、1〜2年後に景気後退になるのがこれまでだから大丈夫、と述べる人もいます。しかし経済の流れが速まり、かつ一つが折れると総崩れになり易い。これは投資社会が拡大し、また金融工学などが未だにくすぶっていることが影響するためであり、景気後退に陥る前に市場が崩れる。むしろ市場が崩れて景気後退を知る、ということが起こり易くなっているのです。

安倍政権では、何とか鬼門の増税を乗り越えようと、増税分より減税分の方が大きい、という禁じ手までつかいますが、そのコスト負担が企業サイドに重くのしかかることは間違いありません。そこに来て改正入管難民法もまた、コスト負担になりかねない。本当に『優秀な』労働者が集まるのか? むしろ日産のゴーン前会長の逮捕で、海外では日本の排他性が喧伝されており、真に優秀な人材は日本を忌避するでしょうし、技能実習生が国に戻って悪評を流せば、それでも日本へ労働に来ようと思う人材は減るでしょう。安倍政権が6年、貯めつづけてきたその膿が、来年辺りに爆発するのがJICやA-FIVEなどからもうかがえるのでしょう。浜田内閣官房参与は、経済学者にもかかわらず安倍首相のことを「師匠」と呼び、慧眼だと褒めたたえ、安倍氏の指摘することが自分では気づかなかったという。安倍政権そのものが、こうした不要なものの塊なのですから、日本経済が低迷したまま、世界経済が荒れるとその荒波を受けやすい、ということなのであり、警戒する必要があるのでしょうね。

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2018年12月08日

雑感。野党の抵抗

不毛な臨時国会が、ほぼ会期通りに畳まれる予定です。自民は中身のない法案をだし、質問時間を大幅に未達するなどやる気なし、安倍首相自ら「ややこしい質問をうける」といいだす始末です。国会を質疑の場ではなく、セレモニーをするだけとでも考えているのでしょう。きちんと議論を尽くす、と考えていれば、決して「ややこしい質問」などという認識がでてくるはずはないのですから。
そしてもう一つ分かったのは、対案路線など何の意味もなく、野党のとるべき対抗策は徹底抗戦しかない、ということです。与党に修正協議に応じたり、法案をよりよいものとするために他党の意見を聞いたり、という意識が薄い。今回とて維新の要請を少し聞いたふり、をすることで維新も賛成する場面が目立ちます。そもそも法案の中身がないので、政令や省令で決めると言っているのですから、空手形でもいいわけです。G20と万博の開催で、大きな貸しをつくっている維新にとって、自民の意向に逆らうことなどできるはずもない。しかし面子を保つために、維新の意見を少し聞いた、という体裁を保っただけのこと。他の野党が対案をだし、修正協議などを要請しても、もし自民がそれを受け入れるとすれば、野党分断を画策したときだけ。野党がまとまって対案などをだしたら、協議にすら応じないでしょう。

無所属の会が立民会派入りをし、一部は立民に合流するといいます。野党第一党の座に立民がなったときから、国民は協力するのがスジなのですが、プライドが邪魔をして国民民主は独自路線をとりがちです。無所属の会は両党の橋渡しを公言してきましたが、サジを投げた。政党助成金の問題もあるので、年内には結論をだすでしょう。そうなれば、ますます立民の勢力が大きくなります。
そうなると困るのは国民で、来年の参院選でも改選議員で名前が全国区なのは大塚代表代行ぐらい。以前も指摘しましたが、新人で目玉をつくらない限り、大敗が見えています。野党の足を引っ張ると認識されているからで、もし一定程度の議席が欲しければ選挙協力がマストでしょう。しかし今回も問責なのか、不信任なのかでもめたように、国会で協力できないのに選挙だけ協力する、というのはあり得ない。国民民主が対案路線をとり、立民と協調できないなら来年の今ごろは野党第二党の座すら危ないのかもしれません。衆参ダブルで死屍累々、ということも容易に想像できるからです。

ただ立民の対決路線も、辻元国対が目立つようでは厳しいのでしょう。挙党一致で一丸となって自民と対決している、という姿勢を示せば反自民票の受け皿になりますが、今のままでは各個部隊がそれぞれ戦っている印象です。特に、入管難民法改正案では有田議員も目立ちましたが、本会議で長時間の演説をした自由党の森議員や、一人牛歩を行った山本議員の方が報じられる機会も多い。自由党は党として、何としても法案成立を止めたい、という印象が強くなるのです。対案路線でお行儀のよい国民との差を示すためにも、立民は党一丸という雰囲気をだしていかないといけないのでしょう。
正直、安倍政権がここまで滅茶苦茶をしても、安倍支持層ががっちり世論調査などを牛耳っていて、支持率が落ちない。しかし個別の中身をみると、北方領土など全く中身を知らない、無知な人間が答えた世論調査の結果である、という事実も透けて見える。言葉は悪いですが、こうした愚者には正論で挑むより、イメージの方がよいケースもあるのです。彼らにとって安倍政権は、中韓と対決するヒーローであり、自分たちを守ってくれる唯一の存在、という誤った認識をもち続けているのですから。

モンテスキューは政体を三つに大別でき、それぞれの行動原理を示して『共和制=美徳』『君主制=名誉』『独裁制=恐怖』とします。独裁制の本質は、現代社会では少し解釈を変えるべきでしょうが、安倍政権が『名誉』に猛進する態度は、18世紀の初頭にはすでに示されていた、ということでしょう。しかし日本は共和制であり、君主制に移行した覚えはありません。安倍政権は勝手に君主制に移行し、勝手に移民の受け入れを決めている。日本を「とりもどす」どころか、恣意的に「変えている」安倍政権から、日本を「とりもどす」ためにも野党の戦略が大切になってくるのでしょうね。

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2018年12月07日

通信技術の東西冷戦

貴ノ岩関が引退です。これでは日馬富士関が暴力をふるったのは、貴ノ岩氏の態度が悪かったから、との説明を補完するようなものです。しかし上位に行けばモンゴル勢から『ガチンコ相撲』の標的ですし、素行の悪さも報じられるなどしたこともあり、相撲界に見切りをつけたのでしょう。他の格闘技ならこれほどバッシングもされないのですから、見切りをつけるなら若いうち、なのでしょう。
ソフトバンクの通信障害は、世界11ヶ国で起きた、エリクソン製のソフトウェアが原因と公表されました。スマホ依存が過ぎると、たった一つの障害で生活すら成り立たなくなる。キャッシュレス決済も同様、単なる不具合ならよいですが、社会インフラを大混乱させる目的のテロが原因だと、復旧すら困難になるかもしれない。それは最早、災害と呼べるレベルでしょう。今回はソフトバンクだけのことですが、ソフトウェアの不具合はすべてのキャッシュレス決済でも起きうることです。便利さの裏側、そこには必ずリスクが付きまとうことを意識し、備えをするのは自然災害と同じと捉えるべきでしょう。

日本政府がファーウェイとZTEを政府調達から排除、と伝わります。中国が警戒を強めるのは、米国でも最初は政府調達から排除し、その後完全に販売も規制したためです。恐らく日本でも同様のことが起こる。そうなったらファーウェイもZTEも一時的な過剰設備に陥ります。西側諸国は続々と同様の発表をしており、通信技術の東西冷戦というような事態であり、この問題はしばらくつづく。東西冷戦を終らせた第41代米大統領、ジョージ・H・W・ブッシュ氏が先週亡くなったのは、非常に示唆的です。
しかし元々、米国はネットの情報を収集しており、日本でも青森にその基地があります。中国が情報を抜く、として規制をかけるなら米国だったら良いのか? という疑問も当然でるでしょう。結局、安倍政権の標榜する自由貿易というのは、東西冷戦下では通用しない、ということなのです。NTTドコモやソフトバンクは、5G通信に向けてファーウェイと協業してきましたが、それすら頓挫するかもしれない。今回も、政治が経済を邪魔をする、という構図が現れるということになるのでしょう。

以前から指摘しているように、景気の面で本当に最悪なのは、米中貿易戦争そのものではなく、それが景気後退を招くことです。中国を叩けば、中国人が世界で流しているマネーが減少する。それが各国の経済を下押しすることになる。特に不動産市場の変調が、それを引き起こしやすいといえます。米国では、不動産ローンを借り換える際、住宅価格の上昇に伴って新たに組めるローン額が上がる。それが好調な消費を促してきました。そのローンが負債となり、重しとなれば消費は一瞬にして蒸発する懸念もある。東西冷戦の破壊力がそこまでいくか? それは両国のメンツ次第でもあります。
しかし仏国で収まる気配がないデモなど、住宅価格が上昇して賃貸では暮らせない、その分の賃金上昇もない中で生活苦を迎える人々の叫び、でもあります。さらに欧州で景気が低調となれば、他国でも同様の問題が発生するでしょう。むしろ不動産市場は世界経済の伸びと比べ、上昇し過ぎているのであり、かつその恩恵は国民に享受されていないのです。どこかの国が規制でも始めれば、それこそ雪崩を打つように世界的な不動産市場の適正化がすすむかもしれません。通信事業から、不動産市場に東西冷戦のガチンコがすすむようなら、世界経済が二桁のマイナス成長に陥ったとしても、決して不思議ではないので、こうした報道には注意しておくべき段階に入ってきたのでしょうね。

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2018年12月06日

ファーウェイ副社長の逮捕

トルコの原発新設計画が白紙、英国の原発新設計画もほぼ頓挫、仏国が高速増殖炉計画を凍結、安倍政権のすすめた原発輸出計画は破綻がみえてきました。使用済み燃料棒の行方、余剰プルトニウムの処理など、国内にも問題が山積しており、安倍政権はこの問題に対して一向に解決策を示しません。しかも青森県につくった六ヶ所再処理施設は建設費とこれまで稼働もせず、ただ設備を維持してきた費用は優に3兆円をこえ、これがすべて負債になる。また青森と約束した雇用も維持できず、中間貯蔵している高レベル廃棄物などの行方も問題となりかねません。この問題で沈黙する安倍政権、経産省利権の本丸だけに電力会社、原発に配慮してきましたが、原発政策自体が『核のゴミ』になりつつあります。

ソフトバンクの大規模システム障害、PayPayの開始からトラブル続きで、システム障害はこの辺りから来ているような気がしてなりません。スマホ決済が便利、などと言っても、通信障害があったらむしろ何もできなくなってしまう。大規模災害が起きても、恐らく同様となるので、便利さに頼り切ると非日常をのりきる術すら失ってしまうことになります。ソフトバンクの携帯部門の上場を前に、トラブル続きの孫社長。PayPayにしても、2割キャッシュバックで市場占有がすすまなかったら、大損になりかねません。最近、系列の証券会社がやたら大きな取引をするケースも目立ちますが、携帯部門の上場を成功させるため、市場を高値で維持させたいからでは? などとも揶揄される始末です。
しかしその市場、中国のスマホメーカー、Huaweiの副社長がカナダで逮捕され、米中貿易戦争の激化が懸念されてアジア株が大幅安です。Huaweiが特殊なのは、人民解放軍に関わっていた人物が経営に携わる点、CPUまで内製している点で、これはAppleの経営手法と同じ。つまりAppleを追い抜いて主流の座を奪われる懸念があり、そうなると中国政府に情報が握られ、米国の立場が危うくなるかもしれない。Appleが高額シフトし、ますます市場占有率が低下する形ですから、米国としても異常なほど危機感が高いのです。

しかし日本は逆に、端末の販売と通信契約を別ける方向で動いているため、ますますSIMフリースマホとして、高機能なHuaweiが勢力を伸ばす形です。安倍政権は、スマホにしろ通信料を下げることで減税効果を狙ったのでしょうが、もし米国の要請通りにHuaweiを締めだすと、短期的には効果が減殺されかねないのでしょう。しかも、せっかく来年の習近平主席の訪日を要請したばかりなのに、それすら中止になる。そればかりかG20さえ失敗しかねず、目だった行動はとりにくいのです。ただ米国の要請を断りつづければ、それこそ日米貿易交渉(TAG)の圧力は相当でしょうし、極めて高度な難しい問題になってきたのでしょう。
市場も米中貿易戦争の難しさについて、改めて意識したというのが本音でしょう。政治は問題を拡大するだけしても、解決に導く力はない。それは今や劣化した政治家ほど、国のトップにつくことが多くなったためです。市場が期待するような合意は、夢のまた夢というほど困難な状況になった。今後売り方が勢いづくのかもしれません。今や市場にとって、政治は『株のゴミ』と呼んでもよいのかもしれません。景気を脅かす最大の阻害要因は政治、それを改めて思い知らされる局面が来てしまったのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:56|PermalinkComments(4)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 原子力

2018年12月05日

安倍氏周辺の憂鬱

大相撲の貴ノ岩関が、暴行事件をおこしたと公表されました。それは日馬富士関の追い出しに加担させられ、損害賠償請求をしたら途中で訴えを取り下げられ、剰えそれを主導した貴乃花元親方はさっさと相撲協会を引退。残された貴ノ岩関としては、やるせない気持ちでいっぱいでしょう。
九州場所は貴景勝関が優勝しましたが、貴乃花氏との師弟愛などと報じられても、むしろ貴乃花氏のストレスから解放されたから優勝したのでは? と感じます。その貴乃花氏は離婚を発表して、弟子の晴れ舞台を台無しにしてみせた。そういう親方です。以前も指摘しましたが、貴乃花部屋にいては親方になれる道はほとんどない。年寄名跡を買わないと親方にはなれず、大体一門で名跡を抱えるため、どの一門にも属さず、名跡をもたない貴乃花部屋では一代年寄になるしかなかった。貴乃花部屋が消滅して焦燥を強める貴ノ岩氏、せいせいした貴景勝氏。そんな受け止め方の差を感じます。

自民がめざした憲法審査会の6日開催が見送られ、国会を会期通りに閉じる意向のため、今国会での提出は断念した形です。これも安倍首相が難しそうな改憲より、日露平和条約の締結にレガシーづくりの舵を切ったことも影響するのでしょう。そして、この動きには明白な参院選への戦略もあるのでしょう。安倍支持層である日本会議などは、改憲が至上命題であり、逆に言えばその旗を掲げている限り、選挙などでも支援します。しかし逆からみれば、改憲の道筋が見えてしまうと忠誠心が低下する恐れがある。言葉は悪いですが、安倍氏にとってはやるやる詐欺で支持層を騙しておく方が得なのです。
今日の水道法改正案でも、維新が賛成に回りましたが、G20の大阪開催、大阪万博などの借りをつくった維新は、すでに骨抜きにされた状態です。参院本会議で討論に与党が立たず、維新に委ねたのも悪評のある改正案で矢面に維新を立たせた。自民の卑怯ぶりと、維新の卑屈ぶりが顕著です。逆からみれば、そういう輩が今の国会に多数いる、という状態は異常というほかないのでしょう。

自民の山本一太参院議員が、群馬県知事選への出馬の意向を示しました。父の代からの県知事選への熱い思いが動機、としますが、安倍応援団として歌までつくっていた山本氏が、安倍政権の間に国政を離れるのは、大して出世しないどころか、安倍政権が終わったらその近さから反安倍勢力によって干される、と懸念した部分もあるのでしょう。自民内で広がる反安倍、それは先の総裁選でも地方に不人気であることが判明し、またこの臨時国会でも地方イジメが先鋭化する安倍政権に、協力していられないとの思いがそうさせます。似非保守の細田派が権力をにぎりつづけることへの反発もあるでしょう。
安倍支持層には高齢者が多い、ということがバレて、来年度は年金のマクロ経済スライドが発動の見込み、などと根本厚労相は述べますが、実際にできるのか? これまで一度しか発動したことがなく、参院選を控える中で年金減額は安倍政権の死活問題になりかねません。しかし安倍政権でインフレをめざした以上、いずれ高齢者の年金は減らされ、生活が厳しくなっていくことは必定でした。いよいよそのタイミングが来るのか? 焦燥を強める安倍支持層、そして安倍応援団、むしろ安倍政権から逃げだした方がせいせいする、と思う日が近づいているのかもしれませんね。

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2018年12月04日

雑感。JICの高額報酬と水道法

今日の株式市場は見事なダラダラ下げ。売りを急ぐでもなく、買ってくれる投資家が現れてくれるのを待つよう、買い方が売り続けた。昨日の上昇も『米中首脳会談を楽観』などと報じられましたが、基本は国内勢の買い方が買い増しただけでした。売り方が買い戻してくれないと、多過ぎるポジションが来週のメジャーSQで負担になるのは間違いなく、外国人投資家がロールオーバーに動きだして買戻し期待が剥落、米株夜間取引も下げ基調を強め、買い方が投げざるを得なくなった形です。
しかも今回の買い方は、円売り、株買いとヘッジのかかっていない大きなポジションなので、余計にリスクが高まっていた。米中首脳会談は単なる先送り、企業からみれば不透明感が3ヶ月もつづき、活動の停滞を招くのであって、決して喜ばしいことでないのに市場関係者が浮かれる、という構図も危険に過ぎました。結局、年内はモヤモヤしたまま、ポジション整理が大変となるのでしょう。

世耕経産相が産業革新投資機構(JIC)への高額報酬問題で、大臣給与の1ヶ月の自主返納、嶋田事務次官は1ヶ月の30%を自主返納と発表しました。しかしこの自主返納は、決して国民に謝罪するためではなく、自分たちも減らすから、これで手打ちにしてくれ、という機構側の田中社長への泣き落としです。JICは官民ファンドですが、政府がほぼ100%の出資をして、民間から資金を集めて運用する。いわば政府保証つき、という問題の大きい組織です。それが最初から高額報酬で経営陣を雇い入れる、というのは明らかにお手盛り感が強かった。しかも政府出資の民間組織が、首相の給与を越えるのは明らかに行き過ぎだったのでしょう。行政機関にしろ、政治にしろ、異常なほどに劣化していることの証左です。
水道法も通過しましたが、もし水道事業が儲かるのなら、このJICで投資して買い占めればいい。民間が参入したいほど魅力的なら、投資する価値があるでしょう。水道事業の民営化を訴えたのが宮城だけ、という状態で焦って通すのも、安倍政権の滅茶苦茶ぶりを如実に示します。実際には補修、メンテなどに掛かる費用は自治体もちで、やっと利益がだせるのであって、しかもその補修、メンテは待ったなし。さらに一時期、使用された鉛管の交換にも多額の費用がかかってきます。鉛管は、鉛が溶け出すと精神障害を起こすもので、これまでは微量なので影響ない、と説明してきましたが、しばらく使わなかった水道の最初の水は捨てるように、とするなど非常に曖昧な運用をしています。本来はすべて即時、交換が必要なものを補修、メンテの際に交換するとしているのも、それだけ余計にお金がかかるから。そんな状態で、水道事業は民間に運用を任せるというのですから、さらに遅れがでるでしょう。

この鉛、古代ローマ時代に鉛製の食器などをつかっていたことで、貴族の間では精神障害が多かったことで知られます。今の日本で精神疾患が増えたのも、単なるストレスによるものではなく、実は鉛を始めとした、化学物質が影響しているのかもしれません。アスベストも同じ、危険は古代から知られていたのに、規制が遅れた日本。このタイミングで水道の民間参入を焦るのも、こうした不祥事に蓋をしておきたい、という事情もあるのでしょう。安倍政権では問題解決能力が欠如しているので、責任を切り離したい。こうしたものも政治や行政機関の劣化を示す、といえるのかもしれません。
『日本が売り飛ばされる』、これが今年の裏テーマです。こうしたタイトルの本も続々刊行されており、安倍政権下で日本の富や価値が切り売りされていく。安倍政権が煽った投資も、失敗にむけて少しずつ動き出した感じもします。来年は『売』という漢字がキーワードになるのかもしれません。消費税増税では小売りが大混乱、日本株は売り止まるかどうか、それもこれも政治と行政が劣化し、日本に期待がもてないところからくるのでしょう。言葉は悪いかもしれませんが、鉛で国民の精神に障害を与え、正常な判断力を失わせているぐらいがちょうどいい、と安倍政権なら考えているのかもしれず、日本人の健康すら売り渡す姿勢が鮮明となってくるのかもしれませんね。

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2018年12月03日

G20での安倍首相

東名高速道路で起きたあおり運転事故の裁判がはじまっています。個人的には殺人罪も適用可能、と考えます。なぜなら道路に人を放置しても殺人が適用できるからで、危険な場所に留め置く行為そのものが罪に問えるのです。あくまで上記は意識不明の状態にあるケースですが、動けなくした状態でも適用はできるでしょう。検察の主張は、危険運転致死傷罪と監禁致死傷罪をニコイチにして求刑を重くしているような印象もあり、むしろ危険運転致死傷罪の適用範囲拡大を狙って、わざと今回そちらで立件しているようにも感じます。被告に明白な殺意はなかったかもしれない。しかし道路上にいれば危険であることは誰でも弁えており、だから未必の故意が適用できる。今回、過失運転致死傷と争点がずれているような形になっているのも、検察側の意図がそうさせているとすれば検察の罪は重いのでしょう。

安倍首相が来年6月の次回G20の議長国であることから「世界経済の成長をけん引し、自由で開かれた未来社会の実現を推進」と、抱負を述べました。しかし今回、明らかになったG20の溝は来年になったらさらに深くなることでしょう。世界経済が成長しつづけられるか? 今回も答えは見えませんでした。
安倍氏も齟齬を露呈する場面が目立ちました。日米首脳会談では、F35の大量購入に謝意を示したトランプ氏に対して、安倍氏は計画通りとして否定した。明らかにTAG交渉を前に、米国にプレゼントを渡したものであって、予定に入っていなかったからトランプ氏は謝意を示したのでしょう。日露首脳会談では河野外相とラブロフ外相を責任者とする新たな枠組み、などとしますが、交渉担当者は従来の共同経済活動と同じなので、成果を期待できそうもありません。そもそも露国側から領土問題は議題にならない、と牽制され、日本側として「じゃあ経済協力は止めます」とも言えない。安倍氏が最重要マターに格上げしてしまったために、今さら引き下がれなくなった。露国としてはしてやったりで、最初にハードルを上げて交渉を有利にすすめる、といった外交の初歩の戦術が易々ととられてしまっています。

さらに日中首脳会談では、産業補助金や知的財産、技術移転の問題などで中国に具体的な措置が必要と述べた、としますが、米中首脳会談からも漏れたこの問題を、高々35分の会談で指摘できるはずがありません。挨拶と来年のG20への協力を要請するのが精いっぱいでしょう。嘘つき安倍政権がまた…という印象です。11月中旬の東シナ海への中国試掘船による活動に抗議、という話を今日になって発表しましたが、分かっていたのなら日中首脳会談で取り上げないのはおかしな話です。そんな話をしていたら35分なら通訳も含め、あっという間に終わってしまったことでしょう。当然、米中首脳会談でも議論になると思い、取り上げたと嘘をついたら梯子を外された、というのが見え隠れします。
来年の参院選に向け、衆参ダブルの思惑がちらつきます。前回の6年前が自民大勝という形であり、ここで大きく議席を落とすと、安倍政権のレイムダックが加速するとみられ、そのためにも6月のG20で成果をだしたい、というのがミエミエです。しかし今回のG20で入った亀裂は、半年で修復できないところまで拡大してしまう可能性があり、外交の安倍の真価が試される、といえます。しかし嘘で成果を強調する安倍政権に、本当の意味で問題を解決する力がないことは、これまででもはっきりしています。G20、Gは重力加速度の記号としても用いられますが、国際協調が崩れるとまさにフリーフォールで墜落する可能性すら漂うのでしょう。危険な道に放置された状態の日本、その放置した側の安倍政権がこのまま為す術をもたなければ、殺人罪を適用してもよいのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:08|PermalinkComments(4)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2018年12月02日

米中首脳会談について

G20後に行われた米中首脳会談、一先ず中国から輸入される2000億$相当の物品に25%の関税をかける方針を、90日先送りとすることで合意しました。相当量の農産物、エネルギー、工業製品を中国側が購入することで、時間的猶予を与えた形ですが、中国にとってもこれは願ったりの条件です。中国としては食料品などのインフレは避けたい。エネルギーは調達網を多極化しておく。工業製品は必要ありませんが、輸入を増やせばその分、人民元を引き下げられます。急速に減らす外貨準備、それでも追いつかない人民元安政策で当面のショックを回避、そうするためにも一時的にしろ輸入拡大を促すのは渡りに船なのです。

米国とてそんなことは百も承知、ただ市場に流れる楽観を崩すと、大きなうねりがショックを生むかもしれない。ここで結論を出すのは難しいことは分かっているので、何とか中国側がある程度の条件をのんだ、という形で先送りしたい。中国の出してきた条件は、ある意味で渡りに船でした。ただ、米中首脳が膝を突き合わせても結局は合意できない、この問題の解決は難しい、ということが明らかになったので、今後はさらに期待値と失望との狭間で悩むことになるでしょう。中国経済は現状でさえ減速をつづけており、今回は先送りだけで問題解決にはつながっていない。両国とも時間軸上の一体どこで、どの程度の答えをだすのか? それに悩む展開がつづき、市場はそれを横目にみながら取引することとなるのでしょう。
トランプ米大統領は自画自賛し、中国側が花をもたせた、という見方もありますが、中国としては3か月後、対中制裁関税が発動されたら、今回の増やした分の取引を止める、というカードが使えます。経済にとってもっとも打撃となるのは、安定した取引ができず山と谷が生まれてしまうことです。山に合わせて設備を増強したら、谷のときに過剰設備となる。谷に合わせていると、山のときに思ったように利益を上げられない。その狭間で経営、投資に失敗したところが必ず現れるからです。中国はそのカードをにぎった、とみることもできる。シェールオイル関連企業など、まさにそうなるでしょう。

これで年末まで、市場はぼんやりした感じになるでしょう。ヘッジファンドなどは今回の先送りで、新たな戦略を組む必要はなくなりましたが、今回の合意が景気を押し上げる内容ではなく、世界的な減速はつづいてしまうため、買いでも売りでも大きく動けない。月曜日は落としたポジションの巻き戻しで少し動きも出るでしょうが、年末にむけて傾きをかけると、3ヶ月後に困ったことになります。非常に動きにくい、というのが第一感ですが、国内勢の買いポジションの多さと、海外勢の売りポジションの多さと、気になるのはそれを来年にどう持ち越すか? だけになってくるのでしょう。
しかし90日後、同じことがまたやってくる。そして中国経済がこの90日で、どう変化しているか? 米国の好調な経済も、少しずつ怪しい数字が増えている。90日後の情勢変化が、新たな問題を起こすでしょうし、それが合意に近づけるかもしれない。実にこの90日は悩ましいといえるのでしょう。共同宣言もださず、さっさと飛行機に乗ってしまった両国首脳、タヌキ同士の化かし合いが一先ず市場に通用するのかどうか? それが年初のお年玉になるかどうか? ただ風もないのにぶらぶらする別の玉袋の方が市場に吹く風をうけやすいため、両国首脳の肝っ玉次第では、ポチ袋の中身も寂しくなってしまうのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 22:54|PermalinkComments(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 一般

2018年12月01日

日韓関係について

4K8K放送が開始、などと浮かれ気分ですが、そもそもチューナー搭載テレビも少ないですし、将来的に8K放送が始まるまでの、4K放送は幕間的な意味でしかありません。8K放送となればチューナーもアンテナも専用のものが必要とされ、4Kとは互換性がないのです。よほど壊れて買い替えが必要というのでない限り、4K放送にあえてするのはよほど余裕のある層ぐらいでしょう。特需は起きそうにありません。
現在のフルハイビジョン放送の開始時でさえ、人間の目にはハイビジョンとフルハイの見分けがつかない、などという理屈で国内メーカーは32インチより下はハイビジョンのまま。ただこれは、画面が小さくなれば画素密度が上がり、精彩に見えてしまうので大画面テレビが売れなくなるから、というのが本音です。つまりメーカーが利益率の高い大画面テレビを売りたい、との思惑から、画素密度との関係を正しく伝えていないばかりに、4K8K放送になっても期待値の盛り上がりにかける原因になっているのです。大画面で4K8K放送をみるメリットを説明すると、小さな画面で2K放送をみるのと同じであって、まともに説明すると今のままでいい、となる。ナゼなら大画面TVなど置ける家の方が少ないのですから。

日韓問題について、徴用工判決以後、奇妙な言説が多すぎると感じます。韓国に強く抗議できるのは安倍首相と河野外相だから、など。問題を解決できる力もなく、混乱させるだけのリーダーをもち上げたところで国益にはなりません。私は韓国製品を禁輸すべき、と強めの対抗策をとることを推奨するのも、今後の日韓関係をよりよくしていくためには、3つの排除すべき問題があるためです。
まず反日、嫌韓がビジネスとして成立してしまっていること。韓国では反日を訴え、日本では嫌韓を訴えると支持を得て、寄付が集まる。徴用工裁判などまさにそうした活動の結果です。彼らは飯のタネにするために元慰安婦を利用し、元徴用工を担ぎ出す。日本では韓国のそうした行動を材料にしてヘイトをする。これは立派なビジネスであり、彼らにとっては反日、嫌韓は道具でしかありません。だから日本がいくら謝罪しようが、当事者がそれで納得しそうになると、彼らが邪魔をする。当事者を言いくるめ、長く支援してきたと情に訴え、合意させないように仕向ける。彼らは問題が解決してしまうことこそ最悪の結果であり、当事者のことなどお構いなし。反日にしろ嫌韓にしろ、そういう連中をまず両国から除くことから始めないとけない。そのためにビジネスとして成立させてはいけないのです。

さらに問題は、日本では親韓もビジネスになっている点です。日本が韓国に支援するお金をピンハネして利益を得る連中もいる。こうした連中も除かないといけないでしょう。日本の嫌韓はそちらも支持を集める材料にしており、嫌韓を除くためには親韓も阻害要因となります。そして最後に、韓国で行われている反日教育を改めること。亡命政権だった李承晩氏が韓国にもどったとき、あまりに日本化された現状を変えるため、日本統治時代を徹底的に否定した。それが韓国の反日ビジネスを支える糧であり、正しい教育に改めるだけで反日の力を殺ぐことができるのです。以上の3点を改善する道を示してこそ政治家です。
隣国同士、協力関係を築けるならむしろ有意義であり、米国とてこれまでNAFTAという米加墨の協力関係があったからこそ、経済が好調だった。日韓とてそうした関係を築けるのなら、むしろ大いに成長する余地がでてくる、といえます。だからこそそのために何をするか? 韓国に強く抗議した? 何の意味もありません。日韓がよい関係になるために反日、嫌韓、親韓などの利権構造にメスを入れていくのが、政治家の務めなのです。ただ安倍政権も、文政権もむしろこの利権構造にどっぷり漬かってしまっている。日韓の関係悪化が飯のタネ、そうなっているのが政権そのものなので、それが厄介な点なのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:39|PermalinkComments(2)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | アジア