2019年01月

2019年01月31日

FOMCと上値の重い日本株

経済財政諮問会議で26年度のPB黒字化、との試算がだされました。政府は25年度に達成とするのですが、両者ともかなり楽観的な成長率のシナリオを置きます。安倍政権では統計を操作しているので、無理やりにでも成長率を高くみせかけるでしょうが、税収が伴う可能性は低い。結局のところ、無理にでも成長率を引き上げるため、少子高齢化への対策ではなく移民受け入れのようなことをし始めた、というのが本音でしょう。しかも社会保障費の伸びも徐々に抑制できる、としている。しかし政府が社会保障費を削れば、収入が減る世帯もでてくるのですから、それこそ成長は遠のくのです。世界経済減速が意識される現状で、夢のような成長率を描く、アホノミクスの深刻さが極まれり、というところです。

米株がFOMCを受けて400$上昇…と報じるところもありますが、実際にはAppleとボーイングの好決算で300$以上が上昇しており、FOMCは既報通りであるため、100$も上乗せされていません。またダウは25000$の節目を越えるため、一部の仕掛けもあったとみられます。ではそのFOMC、昨年末から利上げ打ち止めは示唆されていましたが、今回はpatient(我慢強く)今の水準が適切かを見極める、としており、当面の利上げはなくなりました。またバランスシートの縮小を月500億$のペースから「変更する用意」とし、現状4.1兆$とみられる水準を2.5〜3兆$にするとしていた当面の目標には、到達しない見込みとなりました。
日本株の上昇が拙いのは、昨日でApple株の上昇は織り込んでいたこと。ただ、Appleはサービス部門は堅調でしたが、端末の販売は低迷しており、部品供給が多い日本企業が上昇するのは、本来おかしい。また円高になったため、上昇が抑えられた面があります。そもそも日本の証券会社などは、今年FOMCで2回の利上げをコンセンサスとしており、為替も112円ほどを前提として、株価を高めに予想をだす傾向があります。それが0回の利上げとなれば、為替想定も、企業の利益見通しも下がる。予想PERも下がらざるを得ず、今の株価を正当化、もしくは割高にみせてしまうかもしれず、上昇期待を萎ませる結果となりました。

昨日はTOPIX型の銘柄入れ替えや、今日は月末要因で売買高も膨らんでいますが、それを除くと2兆円ほどしか取引がない。それに影響を与えるような話が、いくつか出てきています。金融庁が高速取引するHFT業者への規制を本格化します。株価が急落すると、すぐにアルゴリズムを駆使するHFT業者が悪者にされますが、それも売買を膨らませる要因だったのです。今回の規制はデリバティブなので、現物株の売買高には関係ありませんが、そのうちあらゆる市場も規制、監視の対象になるのであれば、取引は萎むでしょう。
また東証が、東証一部上場基準を厳しくしよう、という動きがあります。今はまだパブコメを集める段階であり、今日で一旦集計、今後も意見を募集としますが、流れとしては東証一部の銘柄が減少して二部、マザーズなどの新興銘柄が増えることになるでしょう。さらに日経225やTOPIXなど、指数算出基準も変わってくる可能性があり、日本の株式市場の風景を一変させかねないとも危惧されます。なぜこれをするか? 東証は優良な企業のみを一部に残し、一部へ上場すること自体のプレミアム感をだすことに期待するのでしょう。しかし景気が悪いときにそんなことをすれば、相場が壊滅的な影響をうけることにもなります。

相変わらず安倍首相は「所得環境は改善」と嘘をつきつづけます。しかし多くの調査ですでに可処分所得は下がっている、つまり社会保障費の負担が増え、生活につかえるお金は減っているのです。そこにもってきて、実は実質賃金が下がっていたとすれば「生活環境は著しく悪化」としかいえないのです。そんな日本で成長率を高くみつもり、将来には借金が返せると試算するのですから、愚かという他ありません。
今、海外の市場はパウエルFRB議長が市場フレンドリーになったことを指して、パウエルプットなどと呼ばれ、上昇を囃しています。しかし日本では統計不正を政権側がさらに誤魔化す、楽観的な見通しでPB黒字化などとのたまう、金融庁も東証も市場のことなどまったく考えてもいない。そうした日本の状況では、オプション市場でいうところの安倍プット、つまり売る権利を取引したくなってしまうのです。日本の株価の上値が重いのは、まさに安倍ノミクスがアホノミクスとばれた結果、なのかもしれませんね。

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2019年01月30日

見抜けなかった責任?

東証マザーズ指数先物でサーキットブレーカーが発動しました。13%も寄与度のあるサンバイオがストップ安となり、新興株への売りが嵩んだためです。新薬の治験がうまくいかなかったためですが、市場の期待が異様に高すぎて、こうして下落も大きくなった。今の市場はすべてが楽観に基づき上手くいく前提で動いていますが、今晩のFOMCから始まる米国の動き、期待に添うものかどうかは要注目なのでしょう。

国会では代表質問が始まり、その中で安倍首相は「見抜けなかった責任を重く受け止め…」と語りますが、不適切調査の責任は? と素朴に感じます。また昨年1月に算出方法を変更したときから、市場はずっとおかしい、と指摘しつづけていましたが、1年間もその声を聞けなかったのは「見抜けない」のとは異なります。この言葉は「マヌケだった責任を重く受け止め…」と変えた方がよいのでしょう。そうでないのなら、むしろ自分たちが指示してそうなったとしか思えず、「見抜かれた責任」について受け止めるべきです。
安倍氏は連合の賃上げ率を引きあいに「所得環境は確実に改善」と説明しますが、これは嘘です。賃上げ率はあくまで名目であり、物価変動を含めた実質にした際、プラスでなければ「環境の改善」とはいえないからです。厚労省は事実上、実質ではマイナスとみとめている。では「所得環境は悪化」なのです。もしここで「所得は改善」といえば、名目は改善しているので嘘ではなくなる。恐らく答弁書ではそこまでの記載がなく、再度つっこまれたので慌てて答弁したために起きた齟齬だったのでしょう。

昨年は原油が70$台をつけるなど、物価上昇率が1%付近であり、その影響が大きいとはいえ、安倍政権は脱デフレをめざしています。もし本当に脱デフレをしたら、この程度の賃上げ率では生活環境が悪化するばかりとなるでしょう。しかも今年は原油が50$台に下がり、円高傾向にあったのに、原油が先週ふたたび上昇の兆しを見せ始めた。今の企業は値上げには積極的である一方、値下げには消極的です。それは政府によるインフレの後押しがあるためでもあり、それが生活を苦しくしている。しかも、どう考えても来年度の賃上げ率は低くなるでしょう。世界経済の不透明感から業績連動の一時金などの比率が高まるはずです。そうなると、余計に脱デフレなどを達成してしまえば、ますます『所得環境』は悪くなるでしょう。
気になるのは、もし景気が悪化し、『雇用環境』も悪くなると今、副業などをしている人が真っ先に首切りに遭うのではないか? 企業としては別の収入がある人は納得しやすい、との思惑が働く。またA社を辞めたけど、B社からの収入があるのに失業保険がうけられるのか? 受けられない場合、一気に生活苦となりかねないのでしょう。これから起こることは、過度な楽観にもとづく常識が通用しなくなる時代、と思った方がよいのかもしれません。今がその幕間で、過度な悲観の巻き戻しなどといっていられるのも幸せなのかもしれません。昨年、株式市場が混乱してもゆっくりとしか動かなかったNY金価格が、ついに1300$台に乗せてきました。まだ混乱は続いている、と見た方が間違いがないのです。

統計不正…実はインフレ率に関しても、政府の統計はおかしい、と言っていたのが日銀です。実は実質の賃金はもっと低いのかもしれない。実感なき…といわれる今回の戦後最長、実態すら朧気で、その形すら怪しくなっているのが、統計不正によるもっとも大きなダメージといえるのです。政府の「腑抜けた責任」によって為された行為により、日本は『抜け』殻にされてしまうのかもしれませんね。

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2019年01月29日

雑感。戦後最長の経済成長?

青酸カリで企業を恐喝する事件がおきています。気になるのは、数年前に確か山口県の企業で青酸カリが盗まれる事件がありました。ウォンによる請求、オウム真理教の麻原彰晃の名前をつかうなど、犯人像は右派の反動のようにも感じます。悪いことをしているのは朝鮮民族であったり、カルト集団であったり、と偽ることによって罪悪感から逃れつつ、幼稚な犯罪に手を染めているためです。それをさらに偽装し、そう見せかけることで自らの犯人像を希薄化させるほどクールなら、逮捕にはてこずるのかもしれません。
総務省がIoT家電に勝手に侵入する方針を示しました。Tポイントの利用状況を勝手に捜査機関に提出していた点などをみても、この国が監視社会に向かっていることを強く感じます。統計は勝手に操作する、お手盛り調査で済ます、そんな国の機関が勝手に家電などに侵入してきたらどうなるか? それは野党系の政治家や、反対運動などをしている家庭に入りこみ、会話を盗聴することすらできてしまうのです。17年7月から施行された共謀罪のほとぼりが冷めたころ、こうしたことを総務省がやる辺りに、かなりのうさん臭さを感じます。IoT家電など、まさかのためにも導入しないが吉、そんな認識がさらに消費動向を減退させそうです。

安倍政権で月例経済報告を「緩やかに回復」とし、「戦後最長となった可能性」に言及しました。しかし可処分所得は下がり、成長率は低迷。四半期ではマイナスも頻出するなど死に体です。しかもここに来て、毎勤不正によるGDPへの影響も囁かれだしました。毎月勤労統計では04〜11年のデータは復元できていない。重要な基幹統計ですらこの為体ですから、他の統計などでも恐らく記録の保管は推して知るべしでしょう。
しかし安倍政権では、GDPへ算入するデータを続々と増やしてきました。それに伴って過去のGDPまで遡って修正していますが、過去のデータが本当に存在していたのか? もしかしたら現状の成長率をよりよくみせるため、過去の数字を低く見せかける操作がされていたのでは? そんな疑惑があります。

しかもこの手法では、翌年になるとさらに高い数字をださないと成長したことにならない。そうして偽装が膨らみ、収拾がつかなくなったのがギリシャです。ただ安倍政権が終わった後、数字を正常なものにもどすと成長率がどんと下がり、安倍政権のころはよかった、という評価につながる。まさに統計データを弄ることは、悪魔の誘惑とさえいえます。モリカケ問題などをみても、たとえ脱法的であっても自分とその周りに有利なよう取り計らうことを平気でしてきた安倍政権が、この禁断の手法に手を染めないわけがありません。
国交省でも17年度の建設工事を1.3兆円も下方修正した。過去のGDPも修正が必要です。米国では政府機関が1ヶ月閉鎖して0.4%GDPを下押し、とします。日本では政府機関が複数年にわたって不正をして、一体どれぐらいGDPが下押しされるのか? むしろこれから発表される経済統計さえ、本当に正しい数字なのか? 誰もそれを信用できません。「戦後最長」という言葉も、安倍政権が自ら望んだ称号でもあったのでしょう。むしろその言葉を逆から読んだ「長き最後の戦い」として、不正をしてでも自分をよくみせかける手を打ってきた、ということかもしれません。むしろ「戦後最長」を成し遂げたのは「専権裁量」によって為された、それが偽装や不正ということになるのでしょうね。

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2019年01月28日

安倍首相の施政方針演説

先週、WSJが報じた「FRBが資産圧縮を停止」とする記事で、円高に向かいやすくなっています。ただ利上げの旗を下ろした直後、このタイミングでそこまで踏みこむか? 日本時間の30日未明のFOMCが注目されます。しかも、ここで資産圧縮を停止したら次の危機において、対応する余裕がない。ペースの調整ぐらいはあっても、それは買い入れ枠の範囲を広げる、といった程度にとどまるのかもしれません。米株がそれで上昇していますが、日本は円高でついていけない。逆に市場の期待にそぐわない結果だと、米株は下がり、円安と動くのかどうか? 今週はその後の米中協議などもあって様子見が強まりそうです。

第198通常国会が召集され、安倍首相の施政方針演説が行われました。しかし6度目の施政方針演説の中でくり返されてきた項目も多く、達成されていないから施政方針演説に盛りこまなければいけないのなら、それは失敗し続けてきた、ということでもあります。特に1億総活躍など、言葉を変えれば生きている限り死ぬまで働け、国のために尽くして死ね、ということです。また来年度からはその1億に、新たに外国人労働者も加わってくる。制度設計が拙く、大混乱必至のこの制度も加えると1億総脱落にすらなりかねません。
気になるのは外交面の中身が薄っぺらいこと。恐らく先週の日露首脳会談が芳しいものだったなら、もっと盛りこむ内容も多かったはずが、ざっくり削られた印象です。戦後の総決算だか何だか知りませんが、不都合な形で決算してもらっては困る。少なくとも北方領土に関して、4島返還か、2島返還か、国はこれまで4島一括返還を訴えてきたのであり、国民に何の説明もせずにいきなり2島のみになりました、または1島も返還されなかったけれど、平和条約だけは結んでしまいました、は通用しないのでしょう。

安倍ノミクスで好循環、などという段になっては、毎勤不正によって否定されたのです。賃金は下がっており、法人税収が上振れたことを成果としますが、海外で稼いでも税収には寄与するので、国内で経済政策に失敗しているケースもあります。そもそも世界はリーマンショック以降、長期の経済成長がつづいており、それが訪日外国人も伸ばしましたが、その循環はもはや絶えようとしています。今、新たな対策が必要なのですが、失敗した安倍ノミクスにしがみつく安倍政権では、世界の低迷の波にのまれるのが必定です。
さらに気になるのが、毎勤不正において「できる限り速やかに、簡便な手続きで不足分をお支払い」とする点です。どこか他人事で、金さえ払えば文句ないだろう、という厭らしさしか感じない。04年から始まったことなら、安倍政権の責任は小さいかもしれない。しかし18年1月からは間違いなく安倍政権の責任ですし、今回も幹部職員が同席したり、メールだけの聞き取りだったりする甘い調査で幕引きをはかろうとしたことは、まぎれもなく安倍政権の責任です。安倍政権ではたびたびこうした適当な調査で、不正を大した処分もせずに終わることがしばしばです。森友、加計問題など、まさにそうした手法がとられました。今回の毎勤不正とて、安倍氏にとっては森友、加計問題が沈静化して国会で追及されなくなってラッキー、ぐらいに考えているのかもしれません。こうして不正を行っても、有耶無耶にして逃れてしまうことが慣行となれば、益々この国は廃れていくのでしょう。施政方針演説、そこが『至誠』ではなく、その『姿勢』が問題視される点でも言葉が軽くなったと感じます。演説の中で、明治天皇の詠んだ短歌を引用しましたが、それを少し変えて『しきしまの 大和心を 忘れたる ことあるごとに あはれに思ふ』これを安倍政権の『辞世』の句として、国民の方針にしないといけないのでしょうね。

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2019年01月27日

責任をトップがとらない国の政治哲学

統一地方選の前哨戦とみられていた山梨県知事選、自公の推す長崎氏が当選確実となりました。日経の世論調査などをみても、内閣支持率が53%と6ptも上昇しており、それを裏付けたといえます。ただし政府統計が信用できない、とするのは79%にのぼっており、まるで毎勤不正は安倍政権の責任ではない、とするもののようです。しかしこれはメディアの報じ方が、行政の不正を報じる時は必ず安倍首相の映像をつかわない、とする影響もあるのでしょう。担当の閣僚は前面にだしますが、安倍氏はその答弁にたってさえほぼ報じない。つまりメディアが行政の不祥事と安倍氏とを切り分ける戦略に手を貸している、とさえいえます。
日経の調査なので、年初からの株価の上昇も影響するでしょう。ただ建設工事統計の2017年度が1.6兆円も下方修正、18年下期の不動産取引が急減、などの記事が並ぶ。統計不正の問題がGDPまで下方修正されたら、もはや安倍政権の責任ではない、などとは言えないでしょう。企業では不祥事を起こすとトップの責任が取り沙汰されますが、安倍政権ではそれがない。それも、メディアが責任問題をすり替えた結果といえます。しかし、もし安倍氏に責任がないとしても、その下の組織は着実に腐ってきているのですから、自民党だったり、自民の支持する候補にはそうした腐敗がない、とするのは判断力の低下とすら断じられます。

ただ、長い目でみると今回の野党の敗北は、共闘にむけた一里塚になるかもしれません。保守分裂の中で自公が勝った。野党は立民と国民が推した候補と、共産が推す候補が割れた。つまり野党としては自公に勝つためには、全野党が一致して当たらないと…という機運にもなるでしょう。しかも、この動きは先週に突然勃発した国民と自由、立民と社民の統一会派の動きなどの、野党間の第一党をめぐる綱引きも影響した、とみられます。野党はばらばらで権力闘争をしている…というのが印象を悪くしたのと同時に、自民は安倍氏の下で権力争いもなく、まとまっているというのが、組織としての信頼感につながった面もあるのでしょう。
野党はばらばらでは勝てないし、倒すべきは野党同士ではない。与党をその座から引きずり下ろさないと、自分たちの掲げる政策など実現できない。野党は政権をとることをまず目指すべきで、実現もできない政策でもめたり、ただの感情論である過去の遺恨などで戦略をせばめてしまうのは愚です。支持率からみても、野党第一党は立民です。それ以外の政党が立ったところで、与党に勝てる見込みはありません。一方で、野党の差は決して大同小異というほどわずかではありませんが、立民は恩讐を捨てて、大道につく。そういう決断をすることが大切なのでしょう。

日本は世界にかなり先んじて、保守を騙る専横政治を誕生させました。その結果、行政には不正が蔓延し、曖昧な決着で誰も責任をとらない、という無責任な社会がこの日本で実現してしまった、といえるのでしょう。その一方で、鬱積を晴らすように些細なことを問題視し、袋叩きするネットの風潮もある。それこそ大道を誤り、小異にめくじらを立てたところで、社会は一向によくならないのに。
ハイエクの自由の条件気茲蝓屬發靴皸娶が前進すべきであるとするならば、指針を与える理論家は自分が多数意見によって拘束されていると考えてはならない。政治哲学者の仕事は多数の意思を実行する公務員の仕事とはちがう」ここでいう政治哲学者は、政治家とイコールではありません。「政治哲学は一見不可能なものを政治的に可能とする技術」とするように、ブレーンでも黒幕とされる人物でも政治哲学者です。ただし、今や公務員が多数の意思を実行する立場ではなくなり、政治哲学の中で特定の人物らの考えを実行し、特定の人物への称賛を集めるために働いている、というのが問題なのです。そうなっている原因を見極めず、この国をだらだらと弱体化させつづけるのではなく、政治哲学の中で解決をみいだす野党の存在が、今の日本では喫緊の課題となって久しいのでしょうね。

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2019年01月26日

雑感。米国の政府機関閉鎖は一旦解除

自民の森山国対が毎勤不正に関して「今回はさほど大きな問題はない」と述べました。恐らく、対応もつくし、国民が騒いでいないから、という意識なのでしょうが、海外からも「Liar Abe」とまで評される一端ともなっている事柄を「大きな問題はない」は、常識を疑われるレベルです。安倍首相が直接つく嘘だけでなく、統計データすら信用できない国。それが今の日本に対する海外の見方なのです。
ただ統計不正の問題で、統計の人員不足や資金不足により生じた、とするのは何の説明にもなっていないばかりか、逆に省庁の無能ぶり、悪質性を示すといえます。統計は本来、省庁にとって必要な作業であり、統計法でも決められた罰則すらあるものです。そこに人員や予算を割り当てていない、などというのは確信犯的な怠慢でしかありません。これを予算どり、人員どりの材料にしようとする悪質さであり、それをそのまま垂れ流すメディアはどうかしているレベルです。不正をしないともう正確なデータがだせないほど疲弊しているから、何とかしてくれというのならまだしも、不正をしていたけれど、それは人と時間が足りません、などという犯罪者のイイワケを、論評もはさまずに伝えているのですから。

米国では3週間のつなぎ予算が成立。壁建設費を含まないもので、一旦は政府閉鎖が解除されます。トランプ氏がこの民主党の法案をのんだのは、政府機関の閉鎖に対して国民の批判がトランプ氏に集まっているため、です。自身の支持層を満足させていれば大統領に再選できる、と考えていたら、ゆるいトランプ支持層であった保守層でさえ、トランプ氏から離れ始めている。一旦この問題を冷却させないとまずい、そんな判断もあったのでしょう。しかし今後、壁建設を成し遂げないと支持層が満足せず、それを強引な手法で成し遂げようとすれば、ますますゆるい支持層は離れる。大統領任期の4年のうちに達成すれば…と思っていたら、最初の支持が高くて議会がねじれていないうちに通しておけばよかった。後悔は先立たないものですが、ロシアゲートでも追い詰められてきて、泣きっ面に壁なのかもしれません。
しかし米国では政府機関が閉鎖され、データが出てこなくても、空港や国境などの手続きで混乱を生じても、政府職員の給与が支払われなくとも、国は回ってきました。恐らく日本でそうなったら、大混乱となるでしょう。逆に言えば、それだけ政府の関与が各方面で強すぎるともいえます。そんな国で統計の不正がおこったのですから、これは間違いなく「大きな問題」であり、早期の幕引きに失敗したように、安倍政権の適当な対応がさらに「問題を大きくした」ということも言えるのでしょう。

国民民主と自由の合流話がでてから、政界について報じられる機会が増えてきました。統一地方選を前にして、新元号などで話題をとられそうになる中、よくも悪くも野党が目立つことは自民にとって脅威となるでしょう。統一地方選で野党に勢いがでると、そのまま参院選になだれこむパターンが多い。通常国会は毎月勤労統計の不正が争点になるとみられ、4月まで引っ張れると野党にとって有利なのでしょう。
恐らく安倍氏は、新元号と今上天皇の退位と新天皇の即位で、統一地方選を乗り切れるとふんでいるのでしょう。今のメディアなら政治ネタを極力減らし、そちらに時間を割くとみられるためです。しかし再び米政府の閉鎖がおきたり、Brexitなどが炸裂すると、嫌でも政治ネタが増えてくるとみられます。もし日本でも、予算不足や人員不足で統計データもまともにだせない、などという官庁があったら、政府機関を閉鎖した方がいい。暴論であっても、そこまで強く野党が議論を主導していけるのなら、今の政治の流れに楔を入れることにもつながっていくのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:08|PermalinkComments(4)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | アメリカ

2019年01月25日

週末の株高

安倍首相がダボス会議で海外の経営者を前に、日本への投資をお願いする場面がありました。これまでもNY証取などで講演した際、「Buy my Abenomics」と発言してきましたが、今や海外の投資家からは公文書偽造、統計不正など安倍政権の評判はガタガタであり、安倍政権への信用は皆無です。外国人投資家は粛々と保有株を売っており、買い戻すこともありません。さらに日産のゴーン前会長の件などもあって、日本で事業をすると政治マターで逮捕されるかも…との評判まで付きまといます。
今日の株高も、9時少し前に、急速に先物買いと円売りが入って相場が200円以上の高騰をみせました。しかしこの手口は日系大手であり、今日も日経225先物の買い筆頭です。今晩の欧米株高に賭けた、ともみなせますが、恐らく週末で短期の売り方が買い戻すだろうから、相場を急騰させてそうした流れを加速させよう、との戦略も見え隠れしました。また東証一部の売買高が久しぶりに2兆円を越えましたが、それも久しぶりに先物の傾きが大きくなったことで、現物株にもその分の売買が入ったものとみられます。

今日はハイテク株が活況でしたが、Windows7のサポート終了で買い替え需要…という話は眉唾です。未だに7を使い続ける人は、10では動作しないソフトを使いたいなどの事情があり、また一度10にアップした後、7に戻しておくといつでも10にアップデートできるため、既存のパソコンを買い替える必要はありません。米国でハイテク企業の好決算が影響しましたが、引け後のインテルは期待外れであり、今日は単純に売り方が一部の売りを買い戻すキッカケにはなりましたが、ハイテク株の本格的な反騰は先でしょう。
そのインテル、問題は微細化技術の遅れであり、プロセスルールが14nmからすすんでおらず、ARMメーカーはもとより、ライバルのAMDからも差をつけられた印象です。しかもコア固有の脆弱性の対策がソフト面にとどまっており、ハード的な対応ができていない。こうしたことがインテルの弱い決算に見え隠れするのであり、またパソコン、スマホが買い替え需要しか期待できない現状で、半導体関連は期待薄なのです。特に中国の景気動向などをみると、贅沢品の伸びが鈍化することはあれ、伸びていくとは思えません。贅沢品とはハイテク製品であり、恐らく10-12月期以降の市場の混乱などをみてもVR、AR、自動運転、スマート家電なども停滞するとみられます。余裕があるときは消費者の目もそうした方に向きますが、生活が厳しくなると必要最低限でよい、という意識に変わってくるのです。つまり半導体需要全般は、期待値が高かっただけに下落幅も大きくなりましたが、まだ下値不安は残ることになります。

アノマリーとして2月初旬を高値に、その後弱含むケースがしばしばあります。年初からの戦略について、改めて見直すタイミングとともに、日本の投資信託などが3月で一旦締めることなどが影響している、とみられます。昨年の10-12月期の大きな下落をみて、途中解約は一旦思いとどまったとしても、ここでどれぐらい出てくるか? それ次第では相場の調整が大きくなる可能性があります。なので、そうした売りを出さないために、未だに相場の先行きを楽観する見通しを示す識者が多い、と考えておくのがよいのでしょう。
来週はFOMC、米中協議など、重要案件が山盛りです。ここまで市場は楽観的要素を多分に盛りこんできており、その期待にそぐわないことがあると、アノマリーを起きやすくもさせるのでしょう。以前、安倍氏がNY証取で講演したことを取り上げ、外国人投資家は「Bye-Bye Abenomics」と指摘したこともありますが、今や安倍氏自ら「Die my Abenomics」と宣言したようなものであり、日銀の物価見通し引き下げなど、失敗した経済政策の日本で買っているのは日系大手だけ、という状況なのです。日本がハイテク産業に強い、というのも裏目となるのでしょう。日本が陥った罠、それは今後、Abe no Bearという形で、より外国人投資家からは強く意識されることにもなるのでしょうね。

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2019年01月24日

国民民主と自由の合流?

毎月勤労統計の不正で、56の基幹統計を調べたところ、22の調査で問題がみつかったとされます。それだけか? 毎月勤労統計のデータも修正されたようですが、それとて不正をした人間たちの手によるものであり、しかもお手盛り調査で「問題ない」などという組織のものは、信用ならないのです。厚労副大臣などは調査をつづける、といい、では特別監察委のそれは何だったのか? やること為すこと、もう滅茶苦茶です。公明などは閣僚の処分も…などとしますが、まず調査の形から議論しないと始まりません。厚労委の調査など、のらりくらりといい加減な答弁で乗り切る、が安倍政権の基本スタンスなのですから、関係者全員を証人喚問して公然と問い詰めるぐらいしないと、誰もまともに回答しないのでしょう。

急に国民民主と自由の合流、という話がもち上がりました。まずは統一会派から、というのですが、非常にリスキーな合流といえます。政策は大きく異なりますし、対案路線の国民民主は、先の通常国会、臨時国会でも対案を模索して、野党共闘を崩した前科があります。自由は逆に立憲民主と歩調を合わせて対決路線をとってきた。これだけ違いがあると、野合との批判をうけることが必定となるでしょう。
それでも合流話がでたのは、一つには参院選での野党共闘がすすまないのは、野党第一党の立憲民主の態度にあります。そこを動かす梃子にしたい、というのもあるでしょう。ただもう少し深読みすると、国民民主内にいる反小沢、右派を自任する勢力を一掃し、立憲民主との政策合意をしやすくした後、選挙協力したい、との思惑も透けてみえます。希望と分裂した際、極右と目される勢力は希望に残りましたが、中道保守の勢力は国民民主に移った。これまでも保守っぽいことを訴え、安倍政権への協力もうちだすなどしたため、それらの勢力も国民民主に残りましたが、そこに配慮する限り立憲民主との調整は難しいのです。

本気で合流をめざすなら、昨年のうちに実現しているでしょう。政党助成金の問題があるので、その方が有利だからです。しかも合流のムードは垂れ流しても、実際に合流をめざすかどうかについて、両党の代表ともはっきり明言しない。新聞やテレビなどが一斉に「合流」と報じたにも関わらず、です。党代表に対応を一任され、両党の代表とも前向きならすぐにでも合流できそうなのに、何かすっきりしないのです。
小沢氏は選挙において野党協力が欠かせない、という立場であり、自民を倒すことを使命として政界に残っているような人物です。立憲民主が孤立主義に陥り、野党協力がすすまないと危険だということは重々承知しているでしょう。そしてこの動きの背後に、連合の陰もちらつく。立憲民主と国民民主が分断されたままでは、さらなる組織の弱体化を招く恐れがあります。公明を支援する創価学会のように、選挙を体制強化にむすびつけるためには、分断選挙は絶対に避けたいところ。玉木氏にとっても、このまま立憲民主と対立したまま選挙に突入したら、自身の政界での力関係にも影響する。大敗を避けるためには党の形を少し変えてでも…そうした思惑が重なっての『仮想』合流話が持ち上がってきたのでしょう。

ここからは与太話ですが、仮に合流となった場合、自由・国民民主連合などとし、呼称を自民連などとすると、選挙の時に混乱がおきて自民に流れる票の一部を奪えるかもしれません。毎勤の不正問題があって、野党…特に立憲民主の気の緩み、単独主義が強まりそうなところででてきた、国民民主と自由との合流話。野党の選挙協力への足掛かりを残した、という意味では小沢氏の剛腕は健在、というところなのでしょう。安倍政権のお手盛り、手抜きがあからさまな中で、小沢氏のそれは王手へとつながる手、といえるのかもしれませんね。

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2019年01月23日

ダボス会議の安倍首相と、日銀会合

日露首脳会談、安倍首相は4島と使いましたが、一度も「北方領土」とつかわなかった。交渉の大幅な後退を意識させます。日ソ共同宣言までもどす唯一の利点は歯舞、色丹を「引き渡し」とする点です。引き渡しなら、それは一時預かっていたものも含みますが、「返還」になると今は露国のものだと認めるということ。しかしそれを認めた瞬間、交渉が打ち切られるかもしれません。安倍氏は「戦後70年、解決は難しい」と述べますが、そんなことはハナからわかって分かっていること。交渉を始めた途端にその責任者がいうセリフではありません。まるで小学生が夏休みの自由研究のテーマを決めた後、ネを上げるのに似ます。
次にむかったダボス会議では「成長のエンジンはガソリンではなくデジタルデータだ」として、データの越境を自由に、と訴えますが、意味が分かりません。正直、出遅れた国が先をいく国に自由につかわせて、などという虫のいい話です。特に、そのデータを最大に抱えるのが米中であり、デジタルマネーが一般的になった国です。日本は提供するデータも少なく、取引材料もない。それが経済成長や貧富の解消につながる、などと述べる段に至っては笑ってしまいます。だから日本が低成長で、貧富の格差が広がっているのではないのか? 重要統計のデータでさえ正しく出していない国の首相が、自国の問題を海外で喧伝し、剰え国際社会はそうならないように、と訴える。しかも国家間の関係でみれば、貧富の格差が広がったとて何の不都合もありません。むしろ強い国にとっては国力が増した、と感じるだけの話ですから、解消するはずもないのです。何が問題で、どう解消するべきか? そういう基本がまるでできていない、政治家にとって致命的だから、初めてみたら「解決は難しい」などと言いだすことになる。国際的に恥をかくだけになります。

日銀の金融政策決定会合が開かれ、現状維持が決まりました。しかしここからの現状維持は、同じ状況に留まるのではなく、日日刻刻と情勢が悪化する『現状維持』です。最近、市場ではETF購入をツイストオペにするのでは? とさます。これは日経225型ETFを売り、TOPIX型ETFを買う、という形ですが、もしそうすれば益々このETF購入の意義が希薄化します。市場に資金を投入し、インフレ目標を達成する。その目的が、ツイストオペでは単に浮動株を増やして市場の歪みを減らす、という形になるからで、そうであれば止めるべき、となります。インフレ目標を下げたように、この手法では効果がないこともあります。
さらに、すでに日経平均で18500円が損益分岐点とされ、このまま市場が下落すると日銀が経常損失を計上することになる。株式市場はすでに浮動株が消えてしまう、情勢の悪化。世界経済の悪化をみて市場が下落すると、赤字が拡大する中で日銀が抜けだせなくなる、情勢の悪化。国債の方がイールドカーブコントロールに移行し、年80兆円の購入どころか、今年は20兆円程度の購入になるとみられ、修正が利いている。ETF購入の方が、効果も意味もない中で、修正できないどころか悪化していく最悪の状況なのです。

そして問題は、もし日銀がツイストオペなどを発表すると、日系大手証券の現在のポジションからみても相場の大きな変動要因になりかねない点です。ここは日経225先物を買い、TOPIX先物を売る。しかも最近、外国人投資家が市場を動かすことが少なくなった今、この日系大手が買えば上がり、売れば下がるという展開も多い。つまり相場への影響力が強い。日銀のツイストオペとは真逆の保有状況であり、日銀の動きを市場が吸収しきれなくなると、ここが耐えきれずに日経225などを売り始める可能性が高く、そうなると相場への影響力からみて、一気に市場が弱含んでしまうことにもなりかねないのです。
日本はこれまで、成長のエンジンを日銀の金融緩和としてきた。しかし今や、景気後退のエンジンに日銀がなりかねなくなってきた。本当に世界経済が後退をはじめたら、日本だけが金融政策に打つ手もなく、逆に引き締めるといったおかしなことになりかねない。今や日本はデジタルデータがあるから成長できる、といった類の問題ではないのです。むしろそのデータすら捏造し、虚構の成長を演出する、というのが安倍政権の基本戦略なら『恥たるデータ』が国際社会と共有できることにもなりかねないのでしょうね。

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2019年01月22日

中国GDPと毎勤不正

昨日発表された中国の2018年GDP、実質で前年比6.6%の成長でした。しかし10-12月期は6.4%成長と、リーマンショック直後と同じであり、一段と減速が鮮明でもあって米中貿易戦争の影響は顕著です。リーマンショック直後は4兆元の景気対策をうちだし、世界から称賛されましたが、数十兆元だった国、地方の債務は今や220兆元越え。経済規模が異なるので単純比較はできませんが、中国は民間の債務も大きく、かなり難しいかじ取りになるでしょう。先に預金準備率の引き下げなどの金融緩和、大型減税、インフラ投資の積み増しなども発表していますが、過剰融資が問題となっている金融、収入そのものが断たれた場合は減税の効果も低く、インフラ投資は未だに過剰。これでは抜本的な改善にはつながりそうもありません。
中国は戦後復興を成し遂げた日本の経済政策に学ぶところも多かった。社会主義型の構造に資本主義を取り入れるやり方は、まさに戦後日本と同じです。ただしそれはバブルまでのことで、日本がバブル崩壊からずっと立ち直れず、お手本となるものがないため、中国も打つ手が迷走を始めているように感じます。というより、空疎な経済が未曽有な規模にまで膨らんでしまった現在において、まともな打つ手はないのかもしれません。むしろ債務をここまで膨らませてしまったのも、バブル崩壊後の日本から学んだことだとすれば、中国の行く末は不良債権処理におわれる長期における低迷、という日本の今と重なるのかもしれません。

厚労省の特別監察委員会が、毎月勤労統計の不正について調査する中間報告をだしました。恐らく「安倍首相が海外に行っている間に片付けておけ」という号令の下、だされたものであり、この中間報告で早くも厚労省から22人、根本厚労相は給与4ヶ月とボーナス返納などの対応を発表しています。しかしお手盛り調査に、お手柔らかな処分であって、そもそも特別監察委の「組織の不関与が問題」とするのは、出来レースの調査だったことを如実に示します。2004年からの不正であるなら、まずその当時の担当者から事務次官、及び歴代の厚労大臣をよびだして確認してもいない。こんな調査でとりあえず処分、などというのは片腹痛いのであり、まず調査が非公開である点にも大きな問題を感じます。
さらに18年1月の抽出調査を3倍する、というものでは政策統括官までは確認していた、といい、「然るべき手続きを踏んで修正すべき」とするも室長任せにしていた、という。もし民間でこうした問題が起こったら、間違いなく解雇でしょう。何しろ罰則もある法律違反であり、不正に対して下の者に対応を任せました、といっているのですから。むしろ大臣に報告し、然るべき沙汰を待つ、というのが極めて自然です。つまりもしこの報告が正しいとするなら、統括官は不正を隠ぺいした主犯、とすら断罪できるのです。

この問題で、この程度の処分ですむなら統計法自体が形骸化してしまうのでしょう。中国の経済統計が信用できない、などと言っていたら、日本の統計もそれと同じぐらい信用がおけない、これが今や日本の評価です。IMFが世界経済見通しで、日本の成長率を微増させたのも、消費税増税への対策が打たれるから、とされますが、本当は日本の経済統計は操作されているから、というのもあるのかもしれません。中国はさらに日本を手本に、経済統計を操作してもよいなどとなったら、アジア全体の経済の地盤沈下とともに、日中はどん底まで沈んでいくのかもしれませんね。

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2019年01月21日

雑感。日露、日韓、発砲事件

安倍首相がモスクワに向けて出発しました。「平和条約を前進」この言葉の裏に「北方領土は諦めた」という本音が透けてみえます。国後、択捉はもうもどってこない、歯舞、色丹も共同『経営』ぐらいでお茶をにごし、平和条約を締結させるつもりでしょう。政府内からもそうした発言がちらちら聞こえてくるように、それで世論を納得させようとして周辺からの打診的な発言を繰り返しているように感じます。恐らく、安倍氏の頼みの綱はプーチン大統領はこれまで、領土問題を解決するために半分ずつという原則をとってきた。2島は返還してもらえるかも…。黒海の情勢悪化で、NATOとの緊張が高まる折、日本との友好関係は維持しようとするだろう。そんな淡くて儚い期待だけで、露国に向かったとしか思えません。
韓国艦艇からのレーダー照射問題でも、レーダーの電波を音に変換したものを公開し、これで幕引きとする考えです。実務者協議でも真相究明に至らないと考えた、としますが、真相が分からないと再発防止にもつながらない。むしろこれが前例となり、韓国艦からの嫌がらせが増える可能性すらあります。日本は自ら幕引きする、と高をくくられるからです。韓国は日時を明らかにしろ、と主張しますが、日本が韓国の火器管制レーダーの情報をもっている時点で、それはアウトな話です。通常の演習でも、短信音などで相手に撃墜を伝えることはできるので、火器管制レーダーを照射しない。むしろそれが日本側にあったら、韓国側から打ったことがあると認めたようなもの。何のためにそれをしたか? が問われるのです。

そもそも日露、日中が非常に良好な関係なら、一時的にしろ韓国と敵対しても、一向にかまわないはずです。北朝鮮は米国との2月の首脳会談をひかえ、動きもないでしょう。実は韓国と丁々発止の議論をするのにこれほど絶好のタイミングはないはずです。むしろここで膿をだすために、ひざ詰めで協議してもよいでしょう。しかしそれを日本側から下りる、というのですから、実は日露、日中とも関係はむしろ悪い。軍事的な問題がそこに含まれているとしか思えない。実際、中国はふたたび辺野古周辺での活動をはじめており、露国とも、日本海で墜落した露空軍の戦闘機などの影響もあるのかもしれません。
露国が日本海で活動していても不思議はありません。ただ日露首脳会談を前にして、なぜ戦闘機を展開したのか? 日本海で訓練する必要があったか? それが極東の緊張をみているとすれば、恐らくNATOの動きを見越したものであり、米朝交渉の行方次第では、米軍が日本海に展開することも想定しているのでは? とみられます。こんな状況で、露国が平和条約など結ぶはずもなく、それを期待している安倍政権は、どうかしているレベルです。自分の都合で外交を歪め、成果を焦っているその典型といえるでしょう。

新宿の歌舞伎町で発砲事件がありました。不思議なことに、最近こうした暴力団絡みの犯罪が増加傾向にあり、拳銃をつかった事件も頻発します。暴対法ができて、暴力団は壊滅的となり、今は半グレなどが跋扈する、と語られたこともありましたが、どうやら先祖返りしているようです。逆からみれば、安倍政権下では暴力団が活況になる素因があるのかもしれません。人手不足の中で建設業を潤すのなら、暴力団が外国人をやとって派遣業をすれば、仕事は山ほどあるでしょう。それだけでなく、振り込め詐欺に有力な対策もうちだせず、被害は拡大する一方で資金源が断ち切れていません。
安倍政権になって「振り込め詐欺」の新名称として「母さん助けて詐欺」などとされたこともありますが、定着せずに終わりました。しかし外交に失敗し、内政でも続々と問題が明らかになる安倍政権、嘘をついてでも自身の成果を喧伝し、失敗を隠してきたのですから、今やマザコンともされる安倍氏そのものが「母さん助けて。詐欺(がばれちゃった)」というレベルにまでなってきているのでしょう。露国に北方領土を振りこみ、韓国には譲歩を振りこみ、暴力団には稼ぎ時を振りこむ。そんな安倍政権から搾取されるのはいつも弱い立場の国民、ということになるのでしょうね。


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2019年01月20日

仏政府によるルノー、日産の統合提案

北朝鮮の金英哲党副委員長が訪米し、トランプ氏と会談。一気に2月米朝協議の機運が高まります。しかし立場の違いが埋まっておらず、外交で成果の欲しいトランプ氏が安易な妥協をするのでは? との懸念もある。ただ日本にとって、もっとも懸念すべきは拉致問題を提起してもらえるよう、米国に依頼する安倍政権の態度です。もし仮に、北朝鮮問題で進展がない場合、成果の欲しいトランプ氏が日本に対してその成果を求めてくる可能性があるからです。つまりトランプ氏にとって、北朝鮮問題で成果をだせないとき、日本を保険とできる。これからも拉致問題を取り上げてやるから金を出せ、と言われかねないのです。

安倍首相がダボス会議で、日本が自由貿易を主導する立場をアピールするようです。しかし早くもそれが試されるのが、仏政府によるルノーと日産の経営統合要求です。仏政府はルノーの筆頭株主、ルノーは日産の筆頭株主であり、仏政府には口をだす権利があります。問題は日本政府で、許認可権という権利をもっていても、企業買収に口をだす権利がない。メディアや通信インフラなどのように法律で守られているわけではないからです。空港や水道事業など、外資の参入も容認しようとする安倍政権が自動車産業だけは守る、という理屈も成り立たない。安倍政権がゴーン前会長の逮捕以来、日産を守ろうという態度を貫くのかどうか? それ次第では、自由貿易を主導とはいえなくなるはずです。
日産には拒否する権利があります。そうすると敵対的買収に発展するのか? 日産の株主構成比率からみても、臨時の株主総会でもルノーが勝てるかどうか、厳しいとみられるためです。日曜にこうした報道がでたのも仏国の戦略でしょう。もし日本政府が財界を焚きつけて、日産株の防衛に動こうとしても間に合わないタイミングです。ただ実際、仏国が買収に動く可能性は小さいとみられます。いくらルノー経由とはいえ、そこまで資金をかけて持ち分比率を上げるメリットがあるのかどうか? イベントドリブン型の動きはでてくるとみられますが、今後の仏国の戦略は不透明といわざるを得ません。

ルノーが日産に送った書簡、テレ東がスクープとして一部報じていますが、日産による不当な捜査を訴える点からみても、ゴーン氏が釈放されたのち、海外へと逃亡して不当な捜査を訴える材料としての根拠を遺した、といえます。逆にいえば、ゴーン氏が日産に復帰できる可能性も、これで残したことになる。ゴーン氏が日産・三菱と欧州につくった合弁会社から不当な報酬、という話も複数の国にまたがっており、それを追及しはじめると国際的な司法の判断にももちこめるかもしれない。そのとき日本の捜査が不当だった、とすればゴーン氏の復帰への障害はなくなります。後は、ゴーン氏の復帰とともにルノーとの統合を決定してしまえばいい。無理して買収に動く必要もなくなるのです。
自由貿易は標榜しておきながら、企業の買収などに関しては閉鎖的、そういう態度が果たして国際社会で通用するのかどうか? ダボス会議の安倍氏は特に注目されるのでしょう。今年のダボス会議はトランプ氏が出席せず、注目度も下がっていますが、なぜか今年のG20議長国だから、としてやる気満々の安倍氏。むしろ国際関係はいっそう複雑に、難しくなっている中で、立場を悪くしているという現状すら理解できていないから元気なのだとしたら、安倍氏にとっては自らのダメ、ボスぶりを示す駄ボス会議として、きっちりと(悪い意味での)爪痕を残してくるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:22|PermalinkComments(2)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 欧州

2019年01月19日

雑感。米国株の上昇と日本

米国株式市場が堅調です。私が耳にした一つの噂では、昨年末にトランプ大統領が複数の著名投資家と会談したことが知られています。株式市場の上昇を自らの成果としてきたトランプ氏は、株高を維持したい。そこで著名投資家に下支えを依頼した、というのです。当然、見返りはあるでしょう。ただそれは金銭的なもの、というより情報なのかもしれない。政府が公表する経済統計だけでなく、M&Aの情報や外交、貿易に関するものまで。そして今、市場を押し上げているのもその情報ですが、これがかなり怪しげです。
17日はWSJがムニューシン財務長官が「中国からの輸入品にかかる関税の一部、または全部を撤廃」と発言したと伝わり、相場が上昇しました。18日はbloombergが「中国が米国からの輸入を6年に亘って拡大」と提案したと報じ、相場が上昇しました。しかしムニューシン氏は米中貿易交渉ではほとんど力をもたず、実質的な担当であるライトハイザー通商代表はこの発言を否定していますし、18日は財務省報道官がbloombergの報道を否定している。つまり両日とも、噂で跳ね上がってはいますが、実態には即していないことになるので、非常に危険度が高い、といえます。特に、ダボス会議で米中の協議が期待されていましたが、トランプ大統領は政府閉鎖を理由に欠席を表明しており、代表団の派遣も中止する、といいます。もし仮にライトハイザー氏のみ参加しても、米中協議が進展する見込みはないでしょう。そして、こんなあやふやな情報で上昇してしまう今の米株市場には、リスクしか感じませんが、もしこれがトランプ氏と著名投資家の合意の上で為されているのだとしたら、メディアもグルになって演出されたもの、といえるのでしょう。

米中貿易戦争で日本が苦境…そう報じられますが、日本がとるべき手が一つあります。ふたたび技術大国となり、中国に技術力で勝り、米国にサービス分野で勝ることです。安倍政権のように「二番でいい」などと考え、米国にも中国にも気持ちで負けているような政権では、到底ムリな話でしょう。そして今から追いつき、追い抜くのはかなり大変です。ただ米中に主導権をにぎられたままでは、大国に弄ばれ、右往左往するだけであり、今後もそういう立場をめざすのが安倍政権の態度でもあります。米国には頭が上がらず、中国の成長にすがるばかりで、ここ6年で日本が置かれた立場はさらに悪くなったのですから。
立場が悪いのは日本の株式市場も同じです。売買代金は2兆円かつかつ、5年前は安倍ノミクス、黒田バズーカで盛り上がったのに、今や外国人投資家はそのころ買った分を、一生懸命吐き出している。18日も日系大手の日経225先物買いが炸裂しましたが、8時から円安をしかけ、ゆるゆると円安に向かいながら株を買う。円売りが止まると株買いも止まり、後場の値動きはほぼない。こんな分かり易い手口をつづけるのも、自分たちが買うから周りも買え、として買いを誘発する戦略なのでしょう。ただし、それが成功している気配もなく、日系大手が買い手トップになってしまう。周りはそれ以上に売買していないのです。

電動自動車も、自動運転も、次世代通信技術も、今や日本はその二番手にもなり得ていません。株式市場の規模もそうです。民主党政権の時代「2位じゃダメなんですか?」が嘲笑されましたが、安倍政権の時代は「3位にも入れない」。もう笑っている場合ではありません。米中貿易戦争、この隙にトップを狙うぐらいの戦略もない政権では、日本が落ち目になっていくばかりです。米国では『嘘から出た実』を信じ、上昇するぐらいのアニマルスピリット。日本の安倍マルスピリットでは、揉み手擦り手でついていくことしかできず、とてもではないが太刀打ちできるものではないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:13|PermalinkComments(4)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | アメリカ

2019年01月18日

毎月勤労統計で処分を急ぐ理由

JAXAが小型ロケット・イプシロンの打ち上げに成功しました。低コスト化で費用は55億円、将来的に30億円程度をめざす、としますが、米国などでは航空機にロケットを搭載、空中で切り離して宇宙空間へと送る手法が、すでに運用を開始しています。今はまだ一般的なロケットより割高ですが、イーロン・マスク氏のスペースX社が第一段ブースターを地上に帰還させる技術を確立するのに躍起なように、使い捨てのブースターではなく、再利用して何度も打ち上げるブースターの開発がコストカットのカギです。日本はその点で出遅れており、既存技術のブラッシュアップが得意でも、いずれ壁に突き当たるのでしょう。
世耕経産相は、日立の英原発建設の凍結をうけても尚、原発輸出を諦めない意向を示し「日本の高い技術力を…」と用います。しかし日本の原発が劣っていることは、福島原発で示してしまった。古い原発とはいえ、その対策を全原発が必要としたこと。また福島原発事故を二度と起こさないための、新たな技術の開発ができていないなど、提案できるものがない。同じことが起こるかもしれない、だから原発は高コストになってしまうのです。事故を二度と起こさない、新たな仕組みを取り入れた原発を開発するのでなければ、日本の技術力などと言ってみたところで、誰にも信用してもらえない時代なのです。

毎月勤労統計の不正で、厚労次官を処分という話が昨日報じられました。まだ全容が解明されていないのに、しかも次官だけを処分して幕引きを図りたい、安倍政権の焦りと早期の終息という思惑が見え隠れします。しかし不正が始まった2004年当時、小泉政権ではプライマリーバランスの改善が喫緊の課題でした。つまり政府には毎月勤労統計を低く抑え、給付を減らしたい動機があった。しかも国際競争力の確保、というお題目で人件費削減を画策、非正規雇用の拡大を促していた時代でもあり、失業保険の拡大がみこまれた。さらに時期は微妙にズレますが、失業保険の給付が数ヶ月後からになったのも、確かこのころからです。つまり国を挙げて、雇用保険の給付を減らそうとしていた時期に不正がおこったのです。
2018年1月に数字を3倍した時期も、安倍首相が財界にむけて賃上げ3%の要請をしていたのに、結果がでていなかった時期と重なる。何とかして指標で結果をださなければいけなかった。特に厚労相は加藤氏、という安倍氏の側近。安倍氏と加藤氏は母親同士も仲が良く、ポスト安倍に加藤氏が急浮上したのも厚労相として結果をだしたから。結果とは即ち、3%の賃上げ達成です。つまり毎月勤労統計を操作する、政治的な動機は2004年、2018年ともにあるのです。これが厚労省だけの問題とはとても思えません。

「毎月勤労統計がおかしい」とは、昨年からずっと指摘されていたことです。しかし発覚は昨年12月末、しかも総務省からの指摘をうけて。安倍氏は昨年12月、経済団体のパーティーに出席しても賃上げ要請をしなかった。恐らく総務省の動きを事前に知り、安倍氏が賃上げ要請をできなくなっていたのではないか? 結局、昨年は不正をしなかったら賃金はマイナスで、安倍ノミクスの成果どころか失敗だったとされるのが必定。それを知り、安倍氏が賃金への注目を避けたかった事情も透けてみえるというものです。
しかも2004年といえば安倍氏が自民党幹事長時代。もし小泉政権で統計データの不正を政治的に行う動きがあったら、安倍氏の耳にも入っていたかもしれません。さらに2005年には安倍氏は官房長官に就任します。重要案件として引継ぎが行われたかもしれない。あくまでこれが政治案件だったら、という前提ですが、安倍氏が疑惑の最も深淵にいるといっても過言ではない。18年の動きなど、安倍氏と加藤氏の関係性、そして政権の態度からみても政治案件だった可能性が、極めて高いということも言えるのです。

政治は三流でも経済は一流。かつての日本はそう評されました。しかしその三流だったはずの政治に飲み込まれ、今や経済も三流。技術力など、どんどん諸外国に追い抜かれてしまっているのが現状です。誤った指標で行われた、誤った政策をふくめて来年度の予算案を修正し、閣議によって再決定されましたが、国民が支払わされることになった勉強代は高くつきそうです。むしろ、そうした三流の政治家をイプシロンに搭載して、宇宙空間に追放した方が最大のコストカットになるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 22:37|PermalinkComments(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2019年01月17日

ダボス会議と安倍首相

英国のBrexitで、メイ政権は継続、EU側は正当な理由があれば期限先延ばし、としました。これは将来的なメリットより、人は目先のメリットを優先してしまう、行動経済学でいうところの現在志向バイアスに当たります。メイ首相は国民投票を否定しており、かといって議会が納得できる離脱案を改めてEUと協議したとて、うまくいくはずがありません。つまり手詰まりです。一方でEUも、離脱協議でこれだけ配慮してくれるのだから、我々もチャレンジしよう、という各国のEU離脱派の政党に勢いを与えることになります。
未来にはデメリットでも、現在を満足させて蓋を閉めてしまうというのは人間のサガかもしれません。昨日の記事で取り上げたナポレオン没落後の戦後協議にからめれば、あまりに決まらないことで「会議は踊る」と揶揄されましたが、今回の英国は「議会は踊る」、EUは「委員会は踊る」となるのかもしれません。

安倍首相が日露首脳会談後、5年ぶりのダボス会議に出席します。5年前といえば、安倍ノミクス、黒田バズーカなどで世界が日本を評価していた時期に当たります。黒田日銀総裁など、セントラル・バンカー・オブ・ザ・イヤー2014を受賞するなど、順風満帆だったといえるでしょう。しかしこの頃の海外の評価が高かったのは、金融危機にも陥っていない日本が市場に資金を供給し、欧米の金融機関を援助する形になるから、といえます。時が流れて5年、欧米では緩和を止め、米国では資金吸収に至っているのに、未だに資金供給をやめられない日銀。先進国でもっとも出遅れた国として蔑まれるまでに落ちぶれました。
蔑まれる、というのは株式市場をみても外国人投資家は新年になっても売りをつづけるなど、日本に投資する気がないことでも自明です。先物でも欧州のぶん回しが得意なCTAスジが活発なので、出来高はありますが、それ以外の主体の取引量が減っています。現物株でも今は新興市場が活発なのは、国内の個人投資家が取引するからで、大型株を扱う海外勢が動いていないことでも分かる。一時は市場の7割が外国人投資家、といわれましたが、今では6割。もっと減っているのでは? との観測もあるほどになっています。

安倍氏はG20に向け、世界経済の成長を途切れさせない決意を示す、などとします。しかし欧州は減速を始めており、中国も実態はかなり厳しい。新興国でもトルコなど、危機を指摘されている国が出始めている。米国の住宅指数にも10-12月期には悪影響がでてきた。すでに成長を途切れさせるかどうかではなく、この減速を後退にまで至らないようにするためには? という方向で知恵を働かせないといけません。
しかしそのとき日本は、金融政策の手が打てず、財政に頼るとしても世界一の国債を発行する国。打つ手がないのです。そんな国が「成長を途切れさせるな」と言ったところで、では日本はどれだけ貢献できるか? と問われても何も言い返せないでしょう。これから欧米がふたたび金融を緩和すれば強烈な円高が襲い、日本の景気も失速が確実です。そんな国が偉そうにご高説をのたまわったところで誰も耳を貸しません。

よく安倍政権が継続していることで「日本は安定」として、海外から評価されている、という人もいますが、逆です。「日本は停滞」していて面白みがない。だから外国人投資家がスルーするのです。日本が現在志向バイアスで、変わらないことが現在の幸福、などと考えているなら、未来により手痛いしっぺ返しがくるでしょう。5年間も異常なことをつづけている安倍政権、黒田日銀、ダボス会議で踊るのは、DA PUMPの『USA』だとしたら、嘲笑と失笑ぐらいは周りから買えるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:42|PermalinkComments(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 経済

2019年01月16日

英国の戦略、ゴーン氏の戦略

英国でメイ首相が提出したEU離脱案が圧倒的多数で否決されました。市場ではEU側が期限を延ばし、その間に英国が何とかするだろう、という期待であふれていますが、私は懐疑的です。EUが妥協すればそれは欧州内でEU離脱をめざす各国の政党に力を与えるだけ。EUが配慮してくれるので、EU離脱をすすめてしまおう、という動きが高まります。なので、3月29日までに英国側が何とかするしかありません。
1つの案は、メイ政権は来週までに自主的か、内閣不信任かで退陣、与野党合意の下で暫定政権をつくり、国民投票をすることです。メイEU離脱案か、EU残留か。これは議会内の離脱派、残留派、双方に受け入れやすい。残留派は残留できれば御の字ですし、離脱派は仮に残留が決まってもメイ氏の合意案が悪かったと責任転嫁し、離脱は仕切り直しとしてしまうのです。恐らくこれだとEU残留が多数となるでしょう。そして議会で残留を決めた後、改めて解散総選挙する。そこで改めて離脱派が勝利すれば、ふたたびEUとの離脱協議を開始する。英国では大混乱になりますが、EUとしては一旦、小康が得られますし、改めて離脱協議をしても条件は変わらない、と強い態度を示す形になります。この順番を逆にしたり、おかしな先延ばしやこれ以外の変な動きをすると、3月29日には間に合わなくなり、合意なき離脱が現実味を帯びてくるのでしょう。

ゴーン日産前会長の保釈請求を、東京地裁はみとめませんでした。ゴーン氏側の戦略を読み解くと、保釈をみとめられない事情も透けてみえます。勾留理由の開示手続きでも、まったくやる気のない反論でしたが、恐らくゴーン氏は日本の司法で争うつもりはない。なぜなら、仮に無罪となったときには日本は多額の賠償をゴーン氏側から請求されるので、政府とべったりの司法が、今さら無罪になどできるはずもないからです。
なので、ゴーン氏は保釈されたらすぐにでも国外に脱出するでしょう。そして公判にも出廷せず、不当逮捕、不当起訴を訴えて日本側を民事で仏国において提訴。多額の賠償を勝ち取った上で、日本側と司法取引する。ゴーン氏を無罪、日産側の損害賠償請求も一切みとめさせず、代わりに多額の賠償を放棄して、この一件をすべてチャラにする。その意味でも、仏国でルノー取締役を解任させられることも、戦略的には一貫します。日産、ルノーで今後もうけとるはずだった報酬、年金はかなりの額になるので、賠償金の上乗せになるからです。それをさせないためには、日本側は保釈金をかなり釣り上げるか、犯罪人引渡協定をつかって仏国に身柄引き渡しを要求するしかありませんが、それを拒否する事情が仏国などにはあります。

ゴーン氏の資産は海外にあります。欧州、中東などで、もし仮にこのままゴーン氏が有罪、日産の損害賠償が成立してしまうと、その資産が日本に奪われることになる。それを各国とも容認できない。なので不当逮捕、日本の異常な司法制度というのを殊更に喧伝し、国民世論を煽っている。ゴーン氏が駆け込んできても、日本側の非を鳴らして保護する口実をつくるため。そうして自分たちの国にある資産を守ろうというのです。
英国にしろ、ゴーン氏にしろ、他に取るべき道がない。そしてその背後に、どちらも仏国の思惑がちらちら見え隠れします。仏国は自国が苦境に陥ると、政治力によって逆境を覆してきた歴史もある。ナポレオン没落後に行われた、戦後賠償を話し合う会議で活躍し、仏国を守り通した政治家、タレイランのように。しかしそのナポレオンの甥が選挙に勝利して大統領となり、ナポレオン三世と名乗って皇帝をめざすと、女流作家であったジョルジュ・サンドが放った言葉が、今でも民主主義の欠陥をよく示すものとして知られます。「フランスの半分は、他の半分を告発する」つまり、半分の意思により決定されたことが、本当に全体として幸福なのか? 政治力を駆使してきた国で問われた民主主義、これは今の世界におきる危機、国政の衰退にも通じるのでしょう。そんな仏国に政治力で勝ることができるのか? 英国も、日本も試練に立たされているのかもしれませんね。


analyst_zaiya777 at 22:34|PermalinkComments(4)このエントリーをはてなブックマークに追加 欧州 | 政治

2019年01月15日

雑感。株高とJOCと日露

今日の東京株式市場、不透明な上昇の陰には日系大手の日経225先物買い有り、と揶揄される相場が展開されました。恐らく朝方、3連休を前にしてポジションを落としたところが買い戻しに動き、それをみて今日のうちに20500円に乗せておこう、との思惑が働いたのでしょう。英国のBrexitを目前に控えた今日は、さすがに動かないと考えていましたが、むしろ商いの減少を好機ととらえたのかもしれません。
業種別でみると中国関連の上昇がめだちますが、上海株の上昇も中国政府が景気対策を打つ、貿易統計などの統計が悪かったのでそうするだろう、との期待です。しかし日本以上に統計データに信ぴょう性のない中国で、統計データの悪さが材料になるのか? 効果的な対策がうちだせるのか? 米中関係改善への期待もありますが、トランプ政権も追い込まれており安易な妥協ができず、中国もそれを飲むことができない。安易な景気対策は、逆に中国の債務問題により警戒を高める結果になりかねず、注意も必要となります。

東京五輪の招致における贈賄疑惑で、竹田JOC会長が会見を開きましたが、危機管理もできていない無能さを露呈しただけでした。皇族に関わりがある、というだけのお飾り会長ですが、問題は竹田氏だけではなく招致に関わったJOC全体の問題です。国立競技場の問題、マスコットの残念ぶり、そして招致における贈賄と、今や『東京汚倫(ピック)』とさえ呼ぶ人もいます。汚れた倫理観しか感じられず、それに携わる人間たちのエゴ、醜悪さを垣間見せられ、もろ手をあげてのお祭りムードとはいかないかもしれません。
偶々、テレビをつけたらBS-TBSの報道番組に河井首相補佐官が出演し「安倍首相は自由貿易圏の盟主だ、国連議長にしてもいい」などと発言し、周りの苦笑と、かわいそうな人をみる目が印象的でした。逆にこんな人物が補佐官にいたらまともな外交などできるはずもありません。安倍氏を煽てて気分よくさせ、自信をつけさせるのには役立つのでしょうが、だから安倍外交は失敗ばかりになる、と感じます。政府関係者などの発言が場違いで、的外れなのもこういう人物らが取り巻きにいて、代弁するためなのでしょう。

日露外相会談は荒れ模様です。ラブロフ露外相は「第2次大戦の結果を認めろ」と、日ソ共同宣言どころかポツダム宣言まで戻るかのような発言までみせました。これでわかるのは、露国は安倍首相の間に南クリルの主権を露国と認めさせた上で交渉する、との戦略だということ。安倍氏が描いていた、不法占拠している露国がその主権を日本とみとめる、という戦略とは対極にあります。北方領土との呼称にも不快感を示すなど、日本が交渉の席を立つことなどできない、と見越して強気の態度にでているのですから、非常に厄介です。
安倍氏が勝手に盛り上がり、年初からべらべらと抱負を語る。それで露国が足元をみている。今の露国はWTI原油価格も1バレル50$台と、小康を得ており、日本に頼る必要はない。露国では珍しいデモが起こるのも、中国を真似て、国内の不満を口実にしてハードルを上げるつもりでしょう。しかもそのハードルは2島返還どころか、両国関係の改善から始めないといけませんよ、というメッセージであり、ここから新たに経済支援などを含めた活動の先に、もしかしたら領土交渉にすすむかも…というレベルのものであると感じます。

内政なら、安倍氏が方針を立てたら脱法的やり方であっても法案を通してしまえば、どんなにダメ政策でも成果として喧伝できる。それが通用しないのが外交です。「外交の安倍」などとされたのも河井氏が自らの成果として喧伝したものでしょう。しかし実態は、外交問題は余計にこじれるばかり、むしろ安倍政権就任前より悪化しており、さらに未来の日本においても禍根を遺すほどの問題を抱えてしまっている状況です。
血統の良さで、お飾りで据えられた…JOC会長と安倍氏とは、どこか似た構図にみえます。その裏で不正が横行する構図も似たり寄ったり、官庁の不祥事と、スポーツ団体が昨年おこした不祥事など、この国がどこかおかしくなっているのは、無能なトップとその下にいる悪鬼魍魎の類がそうさせているようでもあります。無能なトップが、おかしな方針をだしてすすめる安倍政権の方が、もっと罪深いともいえますが、竹田氏の方が仏国から捜査対象になったのは、所詮小悪では足切りされる、というだけのことです。NHKの世論調査で、不自然に内閣支持率が上がった。株価が上昇した、という側面もあるかもしれませんが、不透明な上昇の陰には…。やはり巨悪を倒さない限り、日本がダメになっていくばかりなのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:39|PermalinkComments(2)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 経済

2019年01月13日

外交の安倍のはずが…

イスラエルのネタニヤフ首相が、イスラエル軍がシリアのダマスカス空港にあったイランの武器庫を空爆した、と発表しました。越境し、第三国同士が戦闘している時点で異常ですが、この動きは中東の火薬庫に火を点けかねません。これまでも疑惑はありましたが、正式に認めたのは異例です。メディア操縦が指摘され、窮地にあるネタニヤフ氏がイラン叩きを表明することで支持拡大を狙ったのでしょう。しかし国際社会はこの動きに対し、アクションをとらないといけない。そうでないとイランの報復により、戦争を引き起こすからです。イスラエルを巻きこんだ中東戦争に発展したら、とんでもないことになります。

今年の6月にはG20首脳会合が大阪で開催されますが、外交の安倍を標榜している割に、四面楚歌に陥っている安倍首相には当然、中東問題を解決する術もありません。米国のイラン制裁に同調し、イランを抑える術を失いつつあり、イスラエルとは親近感があっても、強権的なネタニヤフ氏とは馬が合うものの今一つの関係です。反イランで同調しかねないサウジは、先の皇太子による記者殺害疑惑から、話をしにくい関係がつづく。G20にはサウジも含まれますが、日本の中東におけるプレゼンスは安倍政権で確実に落ちました。それは米追従で、独自の中東戦略をもちえない安倍政権ですから、当然でしょう。
安倍氏は日英首脳会談後の共同記者会見でも、日露交渉は「できる限り進展」、北朝鮮とは「私が金正恩朝鮮労働党委員長を向き合わねば」と語ります。しかし露国からは「北方領土の主権を確認」と、実効支配する露国に今は主権があるよう認めるよう迫られ、北朝鮮からは徴用工問題でも揺さぶりをかけられる。どちらも日ソ共同宣言、日朝平壌宣言を前提に交渉をすすめる、というので最初から期待薄です。これまでも語っているので詳述はしませんが、どちらも問題のある宣言であり、それを前提にしたら国民が納得する解決などできるはずもない。安倍氏がどうして期待しているのか? それすら首を傾げます。

外交の安倍のはずが、いつの間にか各国は日本へ圧力を強めている。露、朝、韓、中国も関係が改善したはずが、最近はふたたび圧力を強めてきた。盟友だった豪国のターンブル前首相は去り、インドのモディ首相も経済政策に失敗しており、風前の灯です。米国のトランプ政権も、ネジレ議会でロシア疑惑が再燃しており、壁建設でも不興を買えば、レイムダック化がすすむでしょう。こんな状況でG20をどうまとめていくか? すでに前回からG20はまとまりに欠けており、今年失敗すればG20瓦解もみえてきます。
安倍氏が何で自信をもっているのか分かりませんが、今や外交の安倍どころか、外寇の安倍。外から攻められてばかりで、日本独自の外交戦略など持ち得ず、日本から海外に打ってでることができていないのです。原発輸出に失敗、インフラ輸出はままならず、日本独自の充電規格だったチャデモも中国との共同規格として放棄してしまった。クールジャパンはいつのまにか冷却し、今では日本のインフラでさえ水道を始め、海外に売り渡そうとしています。外国人観光客や、外国人労働者の受け入れなど、広い目でみれば『海外から日本に来る』だけで、日本が海外に打ってでたわけではない。まさに外寇といえます。

中東で有事ともなれば、日本は決断を迫られます。現在、国際平和協力法で直接の有事国には派遣できませんが、周辺のPKOには参加せざるを得なくなるかもしれない。武器をもたない自衛隊が、いつ有事に巻き込まれるかもわからないところに、です。外交の安倍、などとのたまわっていたら、外寇が激しくなり、いつの間にか公害の安倍の方が懸念される事態にまで来ているのでしょうね。

明日は1日、お休みしたいと思います。

analyst_zaiya777 at 23:16|PermalinkComments(6)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 海外

2019年01月12日

米株と日本株

政府の経済統計に疑問がもち上がる中、内閣府から12月景気ウォッチャー調査が発表されました。現状判断DIは48.0と前月比-3.0pt、先行き判断DIは48.5と前月比-3.7ptとなりました。アンケートをとったのが12月25日からであり、株価が急落して2万円割れになったタイミングもありますが、見るも無残な急落です。地域別でみると現状判断では北海道、甲信越、北陸が高くでていますが、これは冬季のスキーなどの観光が影響するのでしょう。これまで雪が少なく、12月からは増えてくるだろう、という期待を移している。ただそれ以外は大幅な悪化であり、マインドの低下はやがて実経済にも現れるでしょう。

米株は堅調でしたが、一服感もでてきました。来週からは業績相場に移りますが、その前にでてきた米小売りメイシーズは年末商戦前半は良かったものの、後半の失速が顕著でした。株安に代表される資産の目減りにより、小売りにも顕著な影響がでていたことを示します。さらにここから米政府閉鎖の影響がでてくる。無給で働いている職員や、自宅待機にさせられた職員など、不安で消費を減らさざるを得ないでしょう。最長記録更新は間違いありませんが、厄介なことに解決する目処が立ちません。
トランプ大統領は公約でもあった壁を建設しないと、支持層を納得させられない。しかしトランプ氏が移民に厳しい態度をとる、と発言したことで国境警備が厳重になり、今では不法入国が減って、壁を建設するまでもなくなった。皮肉なことに、トランプ氏が壁を建設せずとも不法移民を減らせる、と示してしまったようなものです。しかし公約を果たさないと、念願の再選が遠のくばかりか、下院で主導権をにぎった民主党により刑事訴追の恐れもある。必死さゆえに、トランプ氏も旗を下ろせません。

FRBは利下げには柔軟な姿勢をみせつつあるものの、バランスシートの縮小は堅持する意向を示しており、米株市場はそれを織りこめていません。ここまでは需給が勝ったからで、昨年株価が下がったことで買い場とみた新規資金が多めに入ってきた。機械的に買っていただけであり、ここからFRBの金融政策と、株価下落によるマインド低下、米政府閉鎖などの影響について織り込んでいかないといけません。
日本株の戻りがにぶいのは、新規資金が少ないばかりではない。外国人投資家の買いの手が入らないのは、安倍政権への不審が大きいのです。司法が滅茶苦茶、経済統計でさえ偽造、外交面ではいいところなし。さらに中国の設備投資減少の影響が直撃し、景気が上向く気がしない。国民がそれを感じているのと同様、むしろ外国人投資家はそれ以上に安倍政権、日本に対する期待値が下がっているのです。しかも日本は増税が待つ。いくら9ヶ月は猶予措置があるといっても、経済が大混乱する予兆もある。そんな国には誰も投資しない。だから買わない。ふたたび日系大手が日経225の買いを膨らませており、何とか2万円台はキープしていますが、上値が重い印象なのはここが崩れると、すぐに相場が変調してしまうような状態で買い場とするには心許ないからです。

ピーター・ドラッカーの言葉に「経済的発展において、最大の資源となるのは人間である。経済を発展させるのは人間であって、資本や原料ではない」があります。安倍ノミクス、黒田バズーカで資本をばらまき、働き方改革で労働者を疲弊させ、剰え人が足りないといって外国人労働者に頼る。これでは日本に期待するなど、内外問わずムリでしょう。人間を育ててこなかった、人に投資してこなかった安倍ノミクスの6年間、発展もしなかったのは当然であり、株価だけふわふわ浮上しただけの相場が海外の要因により厳しくなるのも、致し方ないのかもしれませんね。


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2019年01月11日

外交と司法

毎月勤労統計の不正、菅官房長官は「原因究明、再発防止にしっかり取り組む」としますが、不正を働かせた側かもしれない安倍政権が原因究明、再発防止? そんなことをすれば自己弁護と次はバレないようにするだけで、何の解決にもなりません。安倍政権になって異様に増えた、省庁によるデータ偽造や捏造。国会での虚偽答弁や、質問には答えず同じ回答をくり返す官僚…。それがどうして起こっているのか?
考えるまでもなく安倍政権に原因があります。安倍首相そのものが嘘をつき、自身を正当化してきたことは昨日も述べた通りで、露国にまで指摘される始末です。安倍氏は国会答弁でも場違いな同じ回答をくり返す。忖度などともされますが、安倍氏のそんな態度を官僚が真似ないわけがありません。嘘をつく、データを偽造する、同じ答弁をくり返す、それで面倒な議会対策が事もなくすすむのですから、上意下達でそうなってしまったのです。そして勿論それは、官僚の自発的行動ではなく、安倍政権からの指示かもしれない。だから第三者により検証しないとダメで、かつそれは政権に批判的な人物らで構成されなければなりません。

そんな安倍氏、英国ではとんだドジです。記者の質問で「逃亡犯ジャック・シェパード」というのを通訳が「シー・シェパード」と誤訳し、安倍氏がそれに答えようとしました。英語がまったく聞き取れない、というだけなら笑い話ですが、英国で反捕鯨団体シー・シェパードについて何を話そうとしたのか? 興味がなくもありません。想定問答にも入っていないはずで、適当な答えなら国際問題に発展したかもしれません。
しかし安倍氏が英国の合意なきEU離脱について懸念を表明してすぐ、ホンダが英国工場を4月に一次生産休止、と発表して冷や水を浴びせました。安倍氏の外交力など意味がなく、企業は備えるというのですから。日をずらして発表するならまだしも、当日というのが財界の意向を強く映すのです。それは毎月勤労統計が、安倍政権退陣のキッカケとなった『消えた年金』問題と酷似するため、でもある。財界はもう安倍政権はダメだ、と見限っている可能性が高く、内政ばかりか外交でもまったくいいところのない安倍政権に協力するどころか、むしろ失点をつけてみせる。政治のステージは確実に変わってきているのでしょう。

仏国が竹田JOC会長を、東京五輪の招致における贈賄について捜査をはじめます。もしかしてゴーン日産前会長はこうした動きをつかみ、先んじて意趣返ししたものだったのか? と勘ぐりたくもなりますが、日本の司法、捜査で問題ないとされたものを仏国で有罪とすれば、日本の調査における問題を浮かび上がらせることもできる。仏国が日産への主導権をキープする上でも、仕掛けてくる可能性は十分あります。
韓国では徴用工判決に対して、文在寅大統領が「三権分立の国では判決を尊重」とし、日本側も理解すべきとしの認識を述べました。しかし三権分立であっても、司法が正しく法律を執行しているか、監視するのが立法、行政の役割です。特にこれは国家間の条約が含まれ、行政と無縁ではないのですから、条約に基づいているかどうかの認識は示すべきです。上記二件は、国際関係に司法を用いるのでAdministration of Justice(法の執行)ならぬ、Administration of Justify Oneself(自己弁護の執行)となるのでしょう。

しかし外交の安倍、経済の安倍、どころか外交、内政ともに滅茶苦茶になってきた安倍政権。まさにAdministration of Justify Oneselfをするために嘘を重ね、データを捏造し、それが行き詰まってきたことが原因なのでしょう。まさに今こそJudicature(司法権)を行政から国民の手にとりもどし、捜査権の執行などによりその不正、犯罪を詳らかにしないと、Administration(行政)が崩壊し、Justice(正義)が執行されない状態がつづいてしまうのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:43|PermalinkComments(2)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 司法

2019年01月10日

雑感。安倍首相の珊瑚移した発言

毎月勤労統計の不正、2004年から行われており、500人以上の事業者はすべて算入するはずが、東京都分はその3分の1のみだった。しかも昨年の1月からそれを3倍する形で補正、結果として3%以上の賃上げが達成された形になっていました。しかも14年間に失業給付をうけた人は過小給付となり、その対応に数百億円の予算を計上する。小泉政権から始まったことが如何に滅茶苦茶だったか、よく知れます。
さらに昨年1月からの不正は安倍政権も周知の上、というより不正を認識して補正しており、余計に罪深いといえます。昨年、毎月勤労統計がおかしい、ずっと指摘をうけてきて1年間放置してきた罪も重い。安倍政権の闇は底なしです。統計データは捏造などをすると統計法により、違反すると6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金となる、犯罪です。安倍政権では行政における犯罪、不正にはやたら甘い姿勢をとりますが、昨年1月の担当大臣だった加藤勝信氏も含めて追及しないとおかしな話でもあるのでしょう。

安倍首相がNHKの日曜討論で「土砂投入に当たって珊瑚を移した」と発言し、問題となっています。ごく一部は移したようですが、ほとんどはそのままで、かつ赤土投入により周辺の珊瑚にも影響するので2重、3重に罪深い。しかもNHKがそれを検証もなく、垂れ流したことも問題です。NHKが御用メディアに成り下がったことの証左ですが、むしろ国民を騙す誤用メディアとした方がよいのかもしれません。
沖縄では県民投票に不参加とする市がでてきています。市議会議員レベルでみれば、市民全体より一部の建設業者と結託している方が、当選を重ねられます。建設業者は選挙で人をだしてくれたり、熱心に票を掘り起こしてくれるからです。辺野古移設は大小含めて建設業者に恩恵がある。だから議会で予算が通りにくいのです。県民の意思すら確認しない地方自治体というのは、民主主義の体すら為していないのであり、そうした市の市長や市議の顔と名前をよく憶えておくのがよいのでしょう。

辺野古移設に関しては、米WHにおける署名が20万人を越え、何らかの対応がでてきます。トランプ氏のことですから、それをカードに日米貿易協議を有利にすすめようとするかもしれません。どうせなら辺野古を諦め、160億円とかなりの割高で購入を決めた馬毛島にすべて移管した方が、余計な手間もかからないはずです。しかし馬毛島も空母艦載機の離着陸訓練(FCLP)に西之表市は反対を表明しています。無人島で人はおらずとも夜間の離着陸訓練などは危険を伴いますし、海への影響も考えられる。しかし在日海兵隊は今後、グアムを拠点にするのなら一時滞在である日本では、無人島でも基地の設置はよいことになります。
露国には「米軍は敵対的でない」と書簡を送った安倍氏。しかしその露国からは北方領土の住民について誤った発信をするな、と抗議される始末です。しかも読売に載った、北方領土を不法に占拠した賠償について、日本は請求しないことで平和条約交渉を前進させる、という記事には唖然とさせられます。元々賠償など払う気もない露国が、それをもって前進させるはずもないからです。むしろそうした前提条件を置いていたら、話にもならないレベルです。統計データで嘘をつくばかりか、露国にまで嘘つき、と批判される安倍政権。珊瑚の移植の前に、日本がこれから迎える惨事を解決もできず、誰かに委嘱するつもりでも、すでに信用ならない安倍政権には誰も協力すらしてくれないのでしょうね。

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2019年01月09日

株価は上昇がつづくも…

米国ではトランプ大統領が国境の壁建設について、大統領執務室から演説を行いました。しかし直後、民主党も反論演説を行い、メディアもそれを報じる。米国民も政府機関の閉鎖は大統領のせい、との認識を強めており、今回も非常事態宣言をだす演説ならまだしも、従来の説明に終始したため国民の理解も得られにくいのでしょう。苦境を察知したのか、やたら米中次官級協議を「うまくいっている」とTweetし、それが市場でも好感された、と報じられます。ただでてきた内容は失望の強いものです。
2日の予定を 1日伸ばした米朝協議、米産品の購入拡大には進展、一方で知財関係では合意に程遠い、とされます。米軍は南シナ海で航行の自由作戦をとり、中国は北朝鮮の金正恩氏を協議に合わせて北京に招くなど、双方の場外戦も激しかった。しかし覇権を狙う両国にとって、安易な妥協はできない。今や新たな冷戦構造とされ、米・中露による知財、情報、規格など無形の分野で争う構図となっています。

株価が堅調です。ただし、巷間語られる米中協議の進展を好感…というのとは、少し異なる感想を抱いています。大体、年初はファンドなどが新たな資金を動かすため、値上がりしやすい。そこに悪い材料がないことから、イベントドリブン勢も買いで応えている。ただ、毎年鏡開きまではこうした動きがもたないので、週内いっぱいもつかどうか、であって来週から米国は業績相場に入ってきます。昨日もNASDAQが一時弱含んだように、業績相場に入ると悪材料もでてくるので、流れも変わってきます。
以前から指摘しているように、今は需給の方が重要です。決して昨年の悲観の行き過ぎで、今が上がっているわけではない。こんな相場でも新規資金が入るので、機械的に買う主体が多い。そうした需給とそれを見越した思惑により、今は上がっているのです。これは原油などの商品市場も同じ。上昇の説明をつけないといけないので、サウジの減産や米中協議の進展で世界景気の減速も回避される、などと語られますが、買い需要が一巡すると、悪材料がでて急落するのは昨年末と同じなので注意も必要です。

そんな中、深刻なのは日本です。円高はもどりが鈍く、株価も指数寄与の大きいSB株をいじって高くみせかけてはいますが、株価が下がる業種の方が多いなど中身は乏しいですし、大幅高というには商いも低調です。昨年、外国人投資家は5.7兆円も売り越しており、今年は買うなどという人もいますが、安いころに買った外国人投資家が、利益のでる間に逃げだしたとするなら、もどりは鈍い。新規資金の入る時期なのに、この低い売買代金という点をみても、外国人投資家による日本パッシングは顕著といえます。
そんな中、毎月勤労統計の不正がじわり重し、という意見もあります。14年もの間、公表されていた統計手法と異なる手法で算出したデータを公表していた。しかも、それがバレないように計算するソフトまで導入していたのですから、組織ぐるみの捏造です。昨年、急に毎月勤労統計の数字が高くでるようになったのも、データを弄ったからでは? と噂されており、尚且つそれまでは失業給付などを低く抑えるため、数字をあえて低くでるよう見せかけていたのでは? など様々な疑惑がもたれています。市場からみれば、日本の統計は信用できない、日本の景気は本当に大丈夫なのか? との疑念がもたれるところです。

さらに12月の日銀による「生活意識に関するアンケート調査」は深刻です。1年後の景況判断指数(DI)は-32と、安倍ノミクスを掲げて以来、最低です。「世界的な株安が影響した可能性」と日銀は分析しますが、調査した11月9日から12月5日は日経平均で22000円前後、米ダウも25000$前後で推移しており、高値からは下落したものの辛抱していた時期です。国民でさえ日本の景気に自信がもてない、嘘をつく政府、行政という問題もあって、本当に日本は大丈夫か? そう考える国民が増えてきたのでしょう。世界では冷戦構造がくすぶりますが、日本では安倍ノミクス失敗による零落構造が、より深刻になってきているのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:30|PermalinkComments(2)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

2019年01月08日

ゴーン元日産会長の意見陳述

ゴーン日産前会長が、勾留理由開示手続きで公判の場に姿を現しました。その陳述書からいくつか疑問を抱いた点を挙げてみます。ドル建ての収入が変動しないよう結んだ、とされる為替スワップで、06年に為替118円、日産株1500円、07年に為替114円、日産株1400円で契約をむすんだのが、09年2月に為替80円、日産株250円となり、担保を差し入れるよう要求された。退職して慰労金を担保に差し入れるのは日産への同義的な責任があり、できない。なので、知人が担保を用意するまでの間、日産に金銭的な損失を負わせない限りにおいて、担保を提供してもらった。これが特別背任とされるものです。

まず、ドル建ての報酬を日産が『できない』とし、為替スワップ契約をむすんだ。『銀行業界全体の仕組みが機能しなくなり』為替スワップ契約において必要となる担保を『直ちに』要求された、としますが、前段の銀行業界全体の…というのは何の意味もありません。為替スワップ契約ですから、契約上必要とされた担保を、正規に要求しただけでしょう。つまりどちらも私事であり、自己責任の範疇で生じたことです。
次に、詐欺などのケースでは「損失を与えていない」は、確かに犯罪成立要件になりにくい。しかし特別背任でそうした大審院判例がでたケースは、私の知る限りにおいてありません。これは直接的な損失がなくても、信用を毀損すると企業価値が揺らぐので、特別背任に問えるかもしれないからです。これが社内で、正規の手続きを踏んだ上で為されたのなら、それは日産会長であったとしても一時的な貸借であり、相応の利息がかからないとおかしい。社内手続きとその契約がどうなっていたか? この陳述書には何の記述もありませんが、これをセーフとするのは些か苦しいと感じます。それは企業のコンプライアンスにかかってくるからで、もしこうした資金移動が常態化している、と市場から認識されれば信用を毀損することにもなります。今回は損失がなくとも、もしかしたら企業活動とは別に、危ない取引をして大きな損失を被った場合、減益となって企業活動にも影響する。今回損失がないから…は無罪証明としてかなり弱いのです。

ハリド・ジュファリ氏について、支援者でありパートナーだとして功績を語りますが、企業体としてみれば契約がない限り、相手がどんな行動をとろうと対価を払う必要がありません。『同氏の会社からの請求に基づき、関係部署の承認に基づいて、相応の金額の対価を支払った』と陳述書にはありますが、この文言だけをみると、契約はなかったように感じます。後付けであっても、こういう仕事の対価として支払う、という契約があって然るべきでしょう。それが日産側に残っており、その契約が正当な報酬だったかどうか、が問われるので、陳述書にその契約について記述がない以上、曖昧という他ありません。
金融商品取引法違反について、はさらに反論が弱い。4つの自動車メーカーから招請をうけた、高待遇の条件だったので、参考のため個人的なベンチマークにした。誰にも話していないし、取締役らが作成した退職後の条件などには反映されていない。確定された退職後の報酬を契約したこともないし、提案は社内外の弁護士により検討し、承認されると思っていた、とします。根本は、退職後にうけとる報酬とされた株を有価証券報告書に記載しなかったこと、が勾留理由ではありますが、検察が説明したゴーン氏のサインがある契約書の存在など、そこに対する反論がなかったからです。報じられている範囲で、物証とされるものはその契約書だけなのですが、明確にそれを否定しなかったのはナゾです。

これが裁判で手の内をみせないための、とりあえずの意見陳述なのかどうか? つまり隠し玉が他にあるかどうか? そうでないと、国策捜査でもあるこの事案で無罪をかちとるのは難しいでしょう。ただ日産側にすべての証拠が握られている以上、ゴーン氏にも手詰まり感があるのは否めません。むしろ外圧に頼るのか? 高度な政治判断を期待しているとすれば、ゴーン氏にとっては仏国のマクロン政権の弱体化が一番の気がかり、ということなのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 22:29|PermalinkComments(2)このエントリーをはてなブックマークに追加 司法 | 社会

2019年01月07日

安倍首相の「寛容な精神と謙虚な対応」

今日の株価は一時700円以上上昇するも、引け間際に2万円割れ寸前まで下落するなど、477円高にとどまりました。私の周りでは、朝方のTV番組で為替ストラテジストたちが円安を予想するも、その前提が年内にFRBが1〜3回の利上げを行う点にあり、これにミセスワタナベとされる個人投資家が円売りを入れにくくなり、日中ずるずる円高になったことが影響した、とされています。市場はすでにFRBの利上げ回数を0回が主流であり、日本の為替ストラテジストがやたら楽観的な前提の円安予想をしていることに失望したのです。
私は今年、FRBの金融政策では1〜-1回、つまり利下げもあり得ると考えています。それは景気が悪化したからではなく、株価下落の責任をFRBに押し付けられるのを嫌がって、という理由です。市場がすでに0回を見こむ中で、改めて利上げを織り込ませようとすれば間違いなく株価に影響する。FRBが悪者にされかねないのです。日本の市場関係者がよくつかう「行き過ぎた悲観の巻きもどし」という言葉、行き過ぎたはずの悲観に、現実が追いつくこともままあります。今はアンテナを高くし、発言の裏にある前提だったり、条件だったりに気を配らないと、何を織りこんでその数字かで間違うこともでてきてしまうのでしょう。

安倍首相が自民党の仕事始めで、「しなやかに、寛容な精神と謙虚な対応で政権運営を行っていきたい」と述べました。しかし昨年も「寛容」「謙虚」などと述べていましたが、臨時国会のひどさをみれば如何に口先だけか、よく分かります。むしろ「〜たい」と願望を述べているので、自分は「乱暴な精神と短慮な対応」をしている、と考えてのことなら、自分のことをよく分かっているとも言えそうですが、改善できないなら進歩はありません。反省だけなら猿でもできる、猪よりまず猿から学ぶべきでしょう。
プーチン露大統領に書簡を送り、米軍は敵対的でない、と送ったそうですが、露国でも安倍氏の嘘つきぶりに気づいたことでしょう。むしろ、本気でそんなことを言っているのならオメデタイ奴、「凡庸な精神と偏狭な対応」と感じたかもしれません。安倍氏は対露外交で自信、とも報じられますが、それは領土問題を放っておいて平和条約をむすぶなら誰でもできるのであって、恐らく安倍氏の頭の中は山口会談以前にもどって、お花畑状態なのでしょう。むしろ露国のハナ薬が効きすぎているのかもしれません。

年頭所感でも「衆参ダブル選挙は頭にない」としましたが、日露外交だけが安倍氏のカードであり、それ以外の勝てる材料はありません。菅官房長官は「参院で過半数」を勝敗ラインとしましたが、安倍政権の特徴は、目標を低くして選挙への注目度を下げる、です。しかし日露外交に失敗すれば、改憲どころか議会のネジレも見えてくるのであり、衆参ダブルにして選挙体制を強化するしか勝てる見込みがなくなります。
しかし今年は統一地方選があるばかりか、解散総選挙のやりすぎで公明は警戒感を抱き、特に改憲をかかげるなら創価学会内の造反も相次ぎそうです。株価も下がり、全世代型の社会保障という点でも国民の反発を受けやすい。財界の後押しも弱くなり、メディアにはちらちら安倍ノミクスや、安倍政権が成果としていたものも否定が始まってきた。ごまかしが利かなくなってきた選挙が近づいてきました。

しかし野党第一党である立民が、このタイミングでウィングを広げよう、としているのが気になります。反安倍を貫けば勝てますが、下手に保守層のとりこみを狙うと安倍臭がただよい、忌避感が強まるのでしょう。今から政権をとったらどうしよう…と慌てても仕方ありません。安倍自民がそうだったように、選挙で勝ったら平気で公約を破り、メディアを抱きこんでそれを批判させない。そういう手だって使えないことはないのです。まず選挙に勝つこと、そのためには徹底的に反安倍でいくことが大切です。安倍政権の失敗がめだち始めたのに、安倍政権に寄せる必要はない。そもそも安倍支持層は、保守ではないのですから。もし立民が反安倍を貫けるなら、衆参ダブルは好機ともなるでしょう。むしろ立民にこそ「貫徹の精神と選挙の対応」が求められるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 22:46|PermalinkComments(4)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2019年01月06日

最近の米中の動き

安倍首相が韓国における徴用工訴訟で、資産差し押さえ請求に対して対抗措置の検討に着手、とNHKの番組で述べました。今ごろ着手? 違和感もありますが、発言により韓国側にプレッシャーをかけたいということでしょう。しかし韓国海軍によるレイダー照射問題といい、今や日韓は互いに緊張を高めておく方が、政治的に利がある。それだけ内政に行き詰まり、外敵を利用する状況にあるといえます。しかもそこに沖ノ鳥島付近を探査など、中国も参戦してきて、今やアジアは政治的緊張を高め合う展開となっています。
これが深刻なのは、中国は一時期、米中貿易戦争の回避地として日本に期待してきた。日本も財界の要請で中国に接近し、互いに利を享受できる関係だという認識を高めていた。それを中国側が蹴ってきたのは、日本に期待できない。それは媚米主義の安倍政権がファーウェイ排除に動きだした、という以上に、外部要因に脆い日本経済では、中国経済を支えるのは厳しいとの認識も広まったためでもあるのでしょう。

その米中貿易戦争、米国はトランプ氏が大統領の間に徹底的にやる、そう決めたようです。私も記憶が定かではないのですが、年末に米捜査官という人物がインタビューでテレビに出演、中国のハッキングなどの不正について語る、という映像が流れました。しかし新聞ではほとんど報じられていない。テレビで報じるほど重要だったにも関わらず、新聞の扱いが小さいのは、印象操作をしたいときにありがちです。逆に言えば、米国はまだまだ米中貿易戦争をつづけるので、日本側も協力するよう国民に対して中国の悪い印象を付ける狙いがあったのでしょう。米国は徹底的に中国を叩くつもりです。
中国版GPSが運用を開始したことでは、軍事利用というより個人情報を盗む目的の方が大きい。GPS搭載端末をもっているといつでも位置が補足でき、それこそ暗殺するにも容易です。またビッグデータと合わせれば、その国の人々の流れも把握でき、マーケティングにも利用できる。GPSのメリットを考えれば、中国が覇権をにぎろうとしてもおかしくありません。そういう面でも米国との対立軸がでてきたのです。

月の裏側に無人機を着陸させたのも、米国への対抗です。月の利権を中国がにぎる。いざとなれば中国人を月に移住させる、なども行ってくるでしょう。それは南シナ海でとった手法と同じです。表面は米露が探査しているので、裏側でも自分たちが発見、権利を主張できるものを握ろうとの思惑でしょう。
今ここで、経済面だけで戦争しているわけではない。あらゆる面において、中国の伸張を抑える必要がある。しかし技術や軍事力ではすぐに抑えきれない。では何をするか? 経済面で弱点をついて中国を破綻に追いこむ。その弱点とは何か? それは債務問題です。恐らくそれが破裂するまで中国を追いこむつもりです。米国も返り血を浴びますが、その負の部分をトランプ氏に引き受けさせ、失意のうちに大統領を去らせる。なので、ここ1年半が勝負となるのでしょう。今年、経済の予想を立てる上では米中関係は必須なのに、薄っぺらい分析が多いのも、実はそれが知れると世界中を動揺させるためでもあります。トランプ氏は年末、著名投資家と会談をもった、ともされますが、Tweet好きのトランプ氏が一切それを公言していない。その密約の中には、恐らく米国の意思が見え隠れもするのでしょう。それをトランプ氏が知らされていない可能性は高く、それを知ったときには最もトランプ氏が驚愕することになるでしょう。今年、財界が考える最も警戒すべきリスクはトランプ氏、だそうですが、実はその背後にあるものの方が、世界経済を低迷に導く主体、という方が正解でもあるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:15|PermalinkComments(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 アメリカ | アジア

2019年01月05日

安倍首相の年頭所感

米12月雇用統計が非農業部門で前月比31.2万人増と、市場予想を大幅に上回り、またパウエルFRB議長が金融政策を「柔軟に見直す」と発言。米株は一気に切り返しました。しかしすでに米債市場などは今年の利上げを0回、利下げまであり得ると織りこんでおり、パウエル氏の発言はそれを追認したに過ぎません。それでもこれだけ上昇したのは、昨年から運用の失敗を繰り返したファンドなどが、今年はイベントドリブン型の運用に切り替えたから、という話もあります。つまり下げも上げも大きくなる、ということです。
事実、為替はそれほど動いていない。米利下げ局面ともなれば、金利差縮小による円高が予想されるとはいえ、為替は実需が多くてイベントドリブンが仕掛けにくい。当面、動かしやすい株をつかって、あまり儲けのでないイベントドリブンの商いを増やしてくるものと思われ、そうした拙い儲けでも出さないといけない、との思惑によって変動幅が大きくなってしまうのでしょう。結果、それが相場から投資家を遠ざけ、さらなる下落を引き起こすことになりますが、それでも利益をだすことだけが至上命題のファンドは、そうした動きをせざるを得ない。究極のエゴイズムが働きだしている、そう予感させる動きと言えます。

安倍首相が年頭記者会見で「猪のようなスピード感としなやかさをもって政権運営にあたる」と述べました。猪より素早く、しなやかな動物など山ほどいますし、何より猪は持久力が不足気味です。海を渡って島に上陸する、ともされますが、全力疾走ではそう長くもたない。だから持久力のある狼には狩られるのです。それ以上に、猪は清潔に保つために泥を体に塗りつけます。安倍氏は、自分で泥をかぶるのを嫌がり、他人にそれを擦り付けてきた。猪に準えるなら、全くその身は汚れまくっている、とも言えます。
安倍氏は『日本の明日を切り開く』1年とする。その先頭に立つ、とも述べましたが、先頭に立っているのが体中が雑菌まみれで、寄生虫がうようよいるようでは困るのです。若者の就職率は過去最高水準、訪日観光客は3000万人を越えた、などとも述べ、きれいごとで糊塗しようとしますが、前者は若年層の労働力が減った少子化の影響ですし、後者は海外がバブルで旅行がブームだから、で説明がつきます。泥をかぶる、とはこういう嘘をつくのではなく、悪い部分を詳らかにし、それを自分が引き受けて改善する術を示すことなのです。今はただ『日本の明日を切り売り』するため、泥を自分から遠ざけているに過ぎません。

日露交渉でも、早くもギブアップ宣言とみられる「ロシア人しか住んでいない島の帰属を日本にすることの困難さを国民は理解している」と、ラジオに出演して訳の分からないことを言いだしました。自分が平和条約締結に前のめりとなり、それと代替であるはずの領土交渉の「困難さ」を理解していなかっただけでは? だったらもう日露平和条約を諦めるべきですが、国民が何を理解しようと、政治家は結果を求められるのであり、領土返還もなく日露平和条約をむすぶことを、国民はまったく理解できないでしょう。
猪はスピード感としなやかさを有していますが、説明するまでもなく害獣です。柵をつくってもそれを掘り、畑に侵入して荒らします。人前にでてくれば恐怖のあまり暴れまわり、人に危害を加えてきます。まさに安倍氏は害獣のごとき弊害の方が、目立ってきているのです。「全世代型の社会保障」? むしろ6年も政権を担ってそれが実現できていない方が問題でしょう。社会保障は誰に対しても平等で、公平でないとおかしい。全世代型? などという言葉のまやかしをしている時点で汚らわしい存在といえます。『切り開く』という言葉には、『開墾して田畑や道路をつくる』という意味もあります。『道路をつくる』まさに寄生虫に栄養を与え、この国を『切り倒す』ことを年頭から宣言してみせた。そういう意味にもうけとれてしまうのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:01|PermalinkComments(2)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 

2019年01月04日

財務省、日銀、金融庁の緊急会合

本年もよろしくお願いします。

大発会の日経平均は3年ぶりの452.81円安の19561.96円となりました。Appleショックなどとされますが、きっかけは中国製造業指数が悪化し、米中貿易戦争が意識されやすくなっていたこと。AppleのCEOによる中国景気は思った以上に悪い、という発言はそれを補完したに過ぎません。今日も一時、切り返す場面では米中で次官級の会議が開催、との情報だった。今の市場は米中の景気鈍化というシナリオに敏感になっているのです。それは金融不安などの二次、三次災害を引き起こすからでもあります。
今日も円安にして株価防衛、という動きが散見されましたが、為替も本邦勢による大量の円売りのマグマが溜まっており、年初に105円割れで為替防衛の動きがでたように、ここを死守しないと不味い、との思惑が働いています。日経新聞などはすぐにアルゴリズム取引を悪役にしたがりますが、今時、ほとんどの相場に携わるファンドなどはプログラムを組んでおり、問題はそうしたファンドの扱える資金量が拡大してしまったこと。それが相場の動きを大きくしているのです。日銀など中央銀行がやってきた流動性供給の徒花でもあって、流動性が減少しない限りアルゴリズム取引は力をもちつづけます。
そして気になるのは、相場が斜陽に入ると『相場で〇億儲けた』などという体験談の記事が増えます。大口の個人投資家も収益を確保できなくなり、そうした形でお金を稼ぐのと、もう一つは素人を相場に誘いこんで株を買わせ、その間に自分たちは売り抜けよう、という両方の思惑が働いてのことです。逆にこういうときはもう一つの相場が終わるときなので、無理せずに休む決断も大切となります。

財務省と日銀、金融庁が円高、株安をうけて緊急の会合を開きました。大発会に麻生財務相が出席したためやっている感をだしただけで、実際に打てる手はありません。為替操作は日米貿易協議を前に恰好の攻撃材料となりますし、TPPが発効してしまった以上、為替を操作すれば貿易が有利となるので相手国からの批判に晒されるでしょう。下手をすればTPPは瓦解、米国から為替操作国認定をうけるだけです。
しかも現状水準でも為替は企業の減益要因になりつつあり、円安だから企業の増益基調が崩れない、という論調を採っていた人は減益要因に変わった、とはっきり伝えるべきですが、そうは言いません。なぜなら彼らは株高論者であり、株高の理由をさがしているだけで本質について伝えようとは思っていないからです。為替に頼った収益計画だったり、経済運営などを考えるから、立場が変わった途端に慌てることになるのは、どちらも同じ。今回の緊急会合は、日本のひ弱さを露呈しただけになりました。

「安倍ノミクスで株が上がったわけではない」そう断言する市場関係者も増えました。それは為替で慌てるぐらいの脆弱さで、安倍ノミクスが成功とはとてもではないが、自慢できたものではありません。しかし株価を成果としてきた安倍政権にとって、株安は死活問題です。株価対策をしてくる、などという人もいますが、増税対策で大盤振る舞いをし、株価対策も…などとなったら、財政が死活問題に陥るでしょう。しかも安倍ノミクスがまともに機能しなかったように、安倍政権の株価対策はすべて的外れだった。だから「安倍ノミクスで株が上がったわけではない」のです。これまでの円安、株高対策はただ金をばらまくことだけに費やされ、実態が伴ってこなかった。ばらまくお金がなくなれば終わり、しかもそのバラマキがアルゴリズム取引に力を与え、円高、株安を促そうとしているのですから皮肉な話です。
むしろ安倍政権では髀肉の嘆といったところかもしれません。ただしそれは活躍の機会がなく、髀肉がついてしまったという嘆きではなく、無為に日をすごしてきてついた髀肉を、今さら自ら活躍をしてそぎ落とそうとしてももう遅い、という逆の意味となるでしょう。世界経済の回復期に政権の座にあったことが幸運だっただけの政権に、為す術もないのが日本にとってもっとも死活問題ということになるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:16|PermalinkComments(2)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 |