2019年02月

2019年02月28日

米朝首脳会談は合意ゼロ

米朝首脳会談、異例の何も合意せず、という形で終わりました。外交交渉では首脳が会うのは事務方の調整が終わった後であり、それが今回はハノイでも続いていると報じられていたので、嫌な予感はしましたが、まさかの結果です。合意文書を準備するも、サインせずというのも不自然です。合意文書は調整済みだから準備するもので、今回の結果からみると合意文書をもってサインを迫った、が真相に近いかもしれません。
北朝鮮が完全な制裁解除を求めた、というのも違和感があります。制裁は国連決議であり、米国だけに解除を求める筋合いはありません。制裁の緩和、というなら話は分かりますが、その場合は開城工業団地の再開など、対韓国向けの一部でも解除できれば、北朝鮮は御の字だったはず。しかも北朝鮮が完全解除を求めるような材料を提示した、という話もでてきていません。交渉の道具として、初期段階では完全解除を要求するでしょうが、その話なのか? 今のところ米側だけの情報ですが、不可解さが残るものとなっています。

困ったのは日本、韓国です。日本は2回、拉致問題を取り上げたといいますが、まさに「取り上げた」だけなのでしょう。そもそも核合意さえできていないのに、拉致問題が議題になるはずもありません。米国頼みの交渉はたちまち頓挫し、安倍首相は「私が向き合わねば…決意する」などと言いますが、最初からそうすべき、という話です。しかも日本単独で交渉しても、国連の制裁決議をひっくり返す力は日本になく、また制裁決議を破って支援を約束することもできない。向き合ったところで「何しに来たの?」としかならないでしょう。北朝鮮は「拉致問題は解決済み」とするのですから、日本側から何らかの提案をしない限り話にもなりません。
韓国は文政権が親北をうちだし、それを経済の起爆剤にしようと考えていた。事実、今日の韓国株が急落したように、北朝鮮はビジネス的にも重要だったのです。しかし制裁が継続する以上、現在の苦境がさらにつづく。今さら日本に頭を下げるわけにはいかず、政治的に行き詰まります。明日から抗日を活発化させ、国民の目を逸らそうと画策しているようですが、経済的無策はそれ以上に文政権を追い詰めることになるでしょう。

ほそく笑むのは中露です。北朝鮮が頼るのは中露しかなく、制裁対象品以外の輸出入はつづいているように、中国がコントロールをつづけられる。経済的自立が遠のいたことで、米中貿易協議でもカードに使えます。露国も最近では兵器開発などで、米軍への圧力を強めていますが、北朝鮮が脅威で居続けてくれれば二面作戦がつかえる。アジアにおける露国にむけられる米軍の脅威は、かなりの範囲で減殺しつづけるといっていいでしょう。
最大の敗北は米国です。北朝鮮が焦っていた、という見方もありますが、それは物分かりのよさげなトランプ氏の間にある程度の決着をみせかたったから、でしょう。事実、米議会ではロシア疑惑が取り上げられており、トランプ氏が大統領でいつづけられる期間は短い。次はトランプ氏でないから、次回会合の日程も決まらなかった、とみることができます。恐らく、トランプ氏がここで成果をだせないと…と焦り、それを事務方が押しとどめ、それを振り切って合意文書を手に「これにサインしろ、悪いようにしない」と迫った。それを北朝鮮が拒否、というのが今回の会談の実情に近いように感じます。結局、トランプ氏の外交手腕のなさを露呈しただけです。

そしてこれは、経済的には最悪といえます。昨日、ライトハイザー米通商代表部が米中貿易協議に厳しい見方を示しましたが、来月の米中首脳会談でさえ、まともな合意ができるとは思えなくなってきた。今の株高をトランププットともしましたが、市場の期待を一気に冷ましてしまう可能性があります。米株の頭打ちも顕著になってきて、経済指標は悪化をつづける、不況時の株高という話まで語られるようになってきました。
無能なリーダーに率いられる今の世界のリスク、米議会で証言した元トランプ氏のコーエン顧問弁護士にむけて、共和党が「尻に火がついた」と批判していましたが、まさに世界全体のお尻にも火がついたのかもしれません。そんな中、嫌なことから目を背けてきた安倍氏の「ケツ意」にも火がついた、となるなら日本にとって好材料でしょうが、魂に火を灯すほどの情熱も傾けず、「拉致問題解決に全力を…」などと語ってきた人物に、そもそも期待するだけ空しい話でもあるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:32|PermalinkComments(2)このエントリーをはてなブックマークに追加 アメリカ | 政治

2019年02月27日

毎勤不正事件の再報告書

著名投資家のジョージ・ソロス氏が「北朝鮮バブル」と発言し、話題です。北朝鮮が体制崩壊し、新たに資本主義を導入するならそうでしょうが、絶対に管理経済を止められません。莫大な資源と質の高い労働力、と言ってみたところで、それを輸出しても大した成長もしていなかったのが、これまでです。
一番の問題は、儲けがすべて国に入ってしまい、資本関係が成り立たないこと。アフリカでも王制の強い、強権的な国はいくら資源があっても成長はしていない。それは資本流入さえ許さず、国家の統制に外れたことは許さないためであり、成長にも限界があるのです。低位から中位になるぐらいなら可能でしょうが、バブルと呼べるほどではない。ソロス氏は中国への投資もすべて引き上げ、日本への投資もすべて売った、とするようにアジアへの投資は苦手なようです。それはアジア独特の考え、慣習をまだ理解していないためでしょう。中国とて株式市場の完全開放は遠いのに、北朝鮮がいきなり投資先として有望になることはないでしょう。

安倍首相が各種団体との懇談会に積極的に参加、と報じられます。亥年の統一地方選、参院選にむけて目玉がない、と焦っているのでしょう。安倍ノミクスの成果、としていた賃上げの疑義がぬぐえず、そうなると就労環境全体の底上げ、という話への疑問ともなる。本当に人手不足なら、米国のように賃上げがすすむはずだからです。コンビニの営業時間が本部から決められ、各オーナーに決定権がない、という問題も、蓋を開ければ人手不足。しかし時給を上げても人集めをする、という方向ではなく、営業時間短縮や、閉店という選択になるのは、コストアップに耐えられる経済状況ではないから。それは安倍ノミクスの明白な失敗を示すのです。
そもそも、amazonがマケプレ出品者に対してもすべてポイント還元を課す、と表明したことで公正取引委員会が聞き取りをはじめましたが、コンビニの本部と各オーナーとのフランチャイズ契約においても、独占的地位の濫用がないか? きちんと調査すべきです。しかし自民はコンビニの本部のような大企業との接点はあれど、各オーナーとは接点がないので、そちらの声が届かない。世界の潮流にのってGAFAへの規制を始めようとするのも、彼らとは政治的な接点がないからできること。だから公取の調査でも偏りがでるのです。

厚労省による毎月勤労統計の不正事件、特別監察委員会が報告書をとりまとめましたが、まず米朝首脳会談に合わせて発表する辺り、すでにこすい考えが滲みます。しかも改めて組織的隠ぺいを否定する出来レースぶり。記者からの鋭い質問に、答えられずに呆然とする委員の姿など、恥さらしもいいところです。しかしそれも米朝首脳会談でかき消され、扱いが小さくなるから問題ない、という考えなのでしょう。
しかも報告書の中では、幹部職員による「放置」や「無関心」が目立つ。担当課が不正を行ったのは「課単独の判断」としながら、動機が曖昧。この報告書は、まさに『亡国書』と言えるのでしょう。こんな組織が国を束ねる行政機関だと信じられないレベルだと伝えるのですから。そしてそんな重大な問題にも関わらず、無関心を装い、甘い処分しか考えていない安倍政権は亡国政権と言えるのかもしれません。まさに国民が「放置」や「無関心」でいる間に、安倍政権が「単独の判断」でしたことが今、国を蝕んでいる。この問題を是正できない、愚かな政権のいる国は北朝鮮以下の評価しか、投資家からはうけないものであり、今回の報告書は日本に対する失望を、より一層濃くするだけにしかならないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:28|PermalinkComments(4)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 経済

2019年02月26日

今の相場はトランププット?

地銀の融資上限を緩和、という話がでています。ナゼか後継者不足で廃業、という問題と重ねて語られますが、恐らくそんなことをすれば、優良な企業への融資は増える一方、後継者不足のような企業はリスクが高いので、資金は回りにくい。むしろ廃業を促進するはずです。地銀が地方行政機関からの指定銀行の契約をうけない形が増えているのも、契約条件を厳しくしなければいけないほど、収益性が悪化しているから。また地銀再編ともなれば、地元との密着も薄れるので、ますます利益の薄い事業をする意味がない。安倍政権の行うものは、いつもどこか的外れで、本来の対策と逆行するものばかりだというのが今回も、なのでしょう。

米中の株価が堅調ですが、その原因として語られる理由、あくまで噂の類ですが、個人的に確度が高いと思われるものは、世界的な不動産市場の変調により、引き上げられたマネーが株に向かっている、とするもの。もう一つは『トランププット』が起きているのでは? という話です。これまでパウエルFRB議長がハト派に転じ、パウエルプットなどとも呼ばれてきましたが、FOMC議事録の公表をうけても大した反応はしなかった。中身が想定通りだったのはその通りですが、パウエルプットにしては市場は冷淡です。なのに、毎回ほとんど中身が同じトランプ氏のTweetに対しては、やけに好感して上昇する。それが米中貿易協議に関するものなので、反応しやすい側面があるにしても、あまりに楽観しすぎなほどの動きをみせます。
これはトランプ氏のTweetをネガ・ポジに別け、それでアルゴリズムを働かせる主体があるのでは? とみられるのです。それにトランプ氏が気をよくし、同じことをくり返しTweetする。株価が上がる、この循環が働いている。こうした動きがおきたのは一般教書演説以降であり、トランプ氏の支持率急上昇と重なる。一般教書演説が好感されたことで、そんな取引が起きたのでしょう。中国紙が米中貿易協議に新たな障壁、と報じたり、米紙が紙媒体で合意したものは何もなく、だから何の材料も出てこない、と報じても関係ない。トランプ氏が「進展している」と書けば、それだけで上昇させてきたのがこれまでです。

日本では日経ダブルインバースETFの取引が急拡大、と報じられます。つまり株価が下がるとみている投資家が多い。それはいくら米FRBがハト派になったとはいえ、まだ年内は流動性吸収がつづき、また株価がここまでもどった以上、利上げを再開する材料が整っている。楽観シナリオが崩れただけでフラッシュクラッシュを起こしかねない今の相場では、ヘッジの意味でも急落に備えておく必要がある、といえます。
米中の動きに追随していないから、これから日本株は上がる、という人もますが、世界が成長だけを享受できなくなった今、優勝劣敗になるのであり、米株が上昇すれば日本株が上がる、という単純な動きにはなりにくい。以前も指摘した通り、中国が対米輸入に切り替えるのなら、もっとも打撃をうけるのは日本になるかもしれない。株価は本来、企業業績をみるものであり、有利な業種、そうでない業種の見極めが必要となります。トランプ氏の「進展」、誰に「親展」されたのか、中身もわからぬまま上げるような今の相場は、米中が突き上げた株価は、バブルどころかバベルの塔のような混乱の象徴でもあるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:55|PermalinkComments(2)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

2019年02月25日

雑感。信頼できない首相

維新の下地議員が「県民投票は反対が43万票、反対以外が71万票」と、棄権や「どちらでもない」まで反対以外に含める数字を用いました。そんなことを言いだしたら、安倍政権など国民の20%も支持していない、80%が反対なのに政権をとっていることの方が異常です。棄権票を数に含めたところで、それは何の意味もありません。下地氏は県民投票そのものにも反対していましたが、いくら悔しいからといって、民主主義に竿さすなど議員としての資格すら疑われるのでしょう。次の国政選挙では、「私に投票した人が4万人、投票しなかった人が7万人だから議員にはなりません」として、比例復活をしない方が前言にも沿うのでしょう。
安倍政権が昨日の沖縄県民投票をうけ「長年にわたって対話を重ね…ご理解をいただけるよう対話をつづけ…」と述べましたが、すでに工事をすすめており、今さら何を対話するのでしょう? それに安倍政権になってから一体どれほど対話したのか? 安倍首相などほとんど沖縄入りせず、菅官房長官に丸投げで、官邸に面会にきた沖縄県知事を無視して面会しないこともありました。「理解いただけ」ていないまま工事を始めた責任、むしろ対話をしたいなら政権側から沖縄に乗りこんで、話し合いをするというのがスジです。工事をつづけ、玉城県知事が来たら会ってやる、などという態度を「対話する」とは言わないのです。

毎勤不正に関して、有識者検討会の阿部座長に送ったメールででてきた官邸関係者を、当時の横幕内閣参事官(現厚労省会計課長)とみとめました。これで中江元首相秘書官とともに、官邸に出入りする2人が関係したことになり、官邸の関与を強く疑わせるものとなっています。しかも2004年に統計を変更したのは担当係長の判断であり、指示はなかったと厚労省のヒアリングで答えたとします。であればその担当係長は即刻、統計法違反で告発すべきでしょう。またそれを疑問に思わず引き継いできた、歴代の担当係長、課長も同罪です。どう考えても言い含めてスケープゴートにした、という匂いしか感じられません。
しかもここに来て、ラブロフ露外相が「安倍氏が領土問題を解決し、平和条約を締結…との確信がどこから来ているか分からない」と発言。日露交渉の進展にも疑義が灯りました。安倍氏の確信は、どうやらプーチン大統領は親日だから、最後には譲ってくれるだろう、という曖昧なものとしか考えられない。16年の山口会談もほとんどそうで、根拠なき楽観で安倍氏の地元で会談すれば、領土問題という手土産をもってきてくれる、というものでした。今回も安倍政権はほとんどそれで、プーチン氏の善意に期待するだけなのでしょう。

読売の世論調査で、安倍政権の支持率は49%、不支持40%とありましたが、その内訳が興味ぶかい。政策へ期待(できない)…13(20)、指導力がある(ない)…15(4)、首相が信頼できる(ない)…5(43)、閣僚の顔ぶれがいい(悪い)…1(11)、他の内閣よりよい(悪い)…46(3)。かつては首相が信頼できる、も二桁ありましたが、内閣を支持している人でさえ「首相を信頼」していない。つまりこの結果は「信頼できない首相による間違った指導力で、おかしな政策やトラブルが起こっているけれど、他に選ぶ人がいない」から、安倍内閣が継続していることになります。必ずしも%で分けるのは正しくありませんが、49%のうちの5%しか信頼されていない人が、この国の首相であることが「悪夢」でもあるのでしょう。しかもまだ悪夢の途中、悪い夢から醒めたときは領土問題の後退や、官僚機構の崩壊、そして経済の衰退に気づくのでしょう。沖縄県民投票をうけても、その声を無視する政権、到底信頼などできるはずもないのでしょうね。

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2019年02月24日

雑感。沖縄県民投票と日銀と地銀

沖縄県で行われた辺野古移設に対する県民投票、投票率は18時時点で前回の県知事選越えとなり、過半数に達したことが明らかに。かつ反対が多数となったことが確実となりました。『嫌われる米軍』を厭う米国も動かざるを得ない勢いです。安倍政権は米軍と約束したことだから…との説明も使ってきましたが、その米国が見直し、と言いだしたら一体どうするのか? 県民の声は無視するけれど、米国の声は聞く、というのなら、この政権には国を統べる資格なし、となるのでしょう。これで「粛々と」工事をすすめられるのか? そして国民はそれを赦すのか? 改めて問われることになるのでしょう。

日経でも世界で不動産市場が変調、と報じられます。やっと大手紙も…というレベルですが、一度こうした流れになると、止まらなくなる可能性が高いです。売り逃すと莫大な損失を抱えてしまうからで、売りが売りを呼ぶ展開になる。バブル崩壊後の日本もそうでした。米国ではホームレスが増加しています。正規の社員であっても、暮らすことができないほど家賃が高い。そんな世界は持続不可能です。それを招いたのも過剰流動性であり、世界が正常化にむかうことが減速というなら、やはり現状は異常だということなのでしょう。
異常な世界だから、異常な政治が蔓延る。なぜなら異常なことをして景気を保つ、ということができるからで、まさに日銀の緩和などはそれに当たるでしょう。朝日の単独インタビューで黒田総裁が語っていますが、追加緩和などをすれば日本が潰れます。地銀が耐えきれずに再編にふみだし、地方の企業は融資基準の厳格化により、倒産が相次ぐでしょう。地域を守る宿命から外れ、利益優先になるためでもあり、そうせざるを得ないほど経営が厳しくなるのです。それすら理解できないのなら、中銀総裁は即刻辞めるべきです。

東京新聞が関東の地銀に行った調査で、回答した13行のうち11行が手数料の新設や引き上げを行ったといいます。今や大手行でも振り込み手数料などの値上げが相次ぎ、貯金を下ろすだけでお金がかかります。こうしたものは物価に反映されませんが、国民の負担となって跳ね返る。景気を下押ししつづけるのです。そして今、国ぐるみでキャッシュレス決済に誘導していますが、今は競争が働いてサービスなどが過剰になっている面もありますが、いずれ寡占化したら割高な手数料などがかかるようになるでしょう。
さらに問題は、キャッシュレス決済は管理社会に行きつく危険性を常にはらみます。もしそれが一般化したとき、安倍政権であったら間違いなく国民を完全に管理するよう、法改正されるでしょう。そしてそのとき、物価は弄り放題になるかもしれません。何より現金として出ていく傷みがないので、国民に気づかれにくいためでもあります。国民が知らぬ間に、様々なことを決めてしまう。それに国民がNOと言わないといけない日が、いずれ来ます。今日の沖縄は、まずその態度を示してくれたといえるのでしょう。株が高いは百難隠す、そんな状態で今の経済がすすんでいるのなら、不動産市場の変調と同じように、持続不可能といえます。日本の金融機関が総崩れになってからではもう遅い。安倍政権と黒田日銀にNOを突き付けざるを得ない日は、そう遠くないですし、その機会を失ったら日本の未来は暗い、といえるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:15|PermalinkComments(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 地方

2019年02月23日

米中貿易協議は延長戦へ

世耕経産相がプレミアムフライデーでキャッシュレス決済をした際、ポイント還元を増やす考えを表明しました。やっぱり経済について何も分かっていない、ダメ閣僚ぶりを露呈します。そのために別システムを準備するムダ、切り替え時にトラブルを起こす危険性、そもそもプレ金など低調なのに、誰が喜ぶの? という不満。小売り企業も決済事業者も、誰もうれしくない。ただプレ金を推進した経産省だけが失敗を認めたくないため、改めてプレ金を流行らせたい、というだけのダメ政策です。こんな考えを大して精査もせず、表明してしまうぐらい経済のことを分かっていないだけに、存在感の薄い経産相と揶揄されるのでしょう。

米国では米中貿易協議が2日間延長され、来週まで期待をつないだこと。またトランプ米大統領が来月の米中首脳会談と、3月1日の制裁発動の延期を示唆したことから、米株は大幅高しています。しかし「為替問題に対して最終合意」「米国製品の輸入を1兆$規模で積み増すことで合意」と、割と合意はたやすいと思われるところだけで、知財保護や産業振興の補助金などでは「引き続き障壁が高い」と、米通商代表部もみとめているように、実際にはほとんどこれまで織り込んできた期待以上のものは、でてきていない印象です。
トランプ氏の発言も、従来からくり返してきたことです。それでも米株が上昇したのは、今週は上値が重く、流れが変わりそうな雰囲気があった。ここまで楽観、期待という材料で上昇させてきた主体にとっては危険な状態だったため、もうひと踏ん張りしてみせた、というのが本質でしょう。12月米小売売上高が低調だったように、米国も株安に怯えている。特にトランプ氏の最近の発言からは、市場フレンドリー感がにじみでるように、何とかして株高を維持したい、それを感じ取って市場も動いている、というのが昨今なのでしょう。

以前から指摘しているように「合意」とされたものも、他の項目が先送りになれば決着はしないはずです。例えば今後6年間で1兆$の輸入、という話でも中国が本当に6%以上の経済成長をしていたら、吸収できる数字ですが、成長が鈍化するとまず達成できない数字です。そしてこれが積み増しではなく、半導体や液化天然ガスなどの輸入先を米国産に切り替えるだけなら、それまで中国にそれらの製品を輸出していた国が困る、という話です。半導体なら日本を直撃するかもしれない。液化天然ガスなら露国や東南アジアの国々が困る。そして割高な米国産を買わされる中国企業はもっと困る、という話になりかねません。
米中貿易協議が成立しても、決してウィンウィンではない。それはよく意識しておくのがよいでしょう。米株は上昇していますが、シカゴの日経225先物は22日の東証終値をほとんど上回っていないのも、米国だけが得をするような取引では、周辺国は苦境に陥る。そしてそれが世界経済をおかしくすれば、回りまわって米国経済をもおかしくするでしょう。GAFAなどは世界で稼ぐ方が多く、そこが崩れれば米株も軟調になる。そうなれば米内需が崩れる、ということが昨年12月に体験したことです。

今のそういう方向にすすんでいる。果たして延長した2日間でどこまで決まるか? もしかしたら対中貿易の多い日本が、もっとも負の影響を受けるかもしれず、「ノーベル平和賞に推薦」という話で海外からも「トランプ氏の愛犬(ポチ)」ともされる安倍政権。そうなると、日本は米国から餌ももらえなくなり、経済も知らないダメ閣僚では野生化しても生き残れない。日本人を「ノーベル経済学賞に推薦」もできないような国では、対策も難しいということになってしまうのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:59|PermalinkComments(2)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | アメリカ

2019年02月22日

週末の沖縄県民投票

安倍首相が皇太子に内奏を行いました。うがち過ぎかもしれませんが、今上天皇が安倍政権に対してあまり好感情を抱いていなかったことから、今のうちに関係を築いておこう、との戦略にみえます。昨日も指摘したように、トランプ米大統領が就任する前に会談し、関係構築に役だったとの成功体験が、安倍氏の行動につながっているような気がしてなりません。ただ通常、宮内庁を通じて行えばいいことを首相自らすることで、戦前への回帰として保守層ウケを狙っている、とも考えられます。いずれにしろ安倍氏にとっては天皇陛下も利用する対象なのであって、そこに崇敬などのない点が大きな問題でもあるのでしょう。

沖縄で普天間基地の辺野古移設における県民投票が、週末に行われます。直前で賛成、反対にどちらでもないという選択肢が加わりましたが、「どちらでもない」に投票する人は、辺野古工事における関係者の家族や親族で、心情的には反対だけれど…という人ぐらいしか想定できません。恐らく与党などは「反対」という人が「どちらでもない」に流れることを期待したのでしょうが、どちらかと言えばこれまで投票に行かない、と決めていた人も一先ず行こう、となって投票率が上がったら、与党にとっては失敗となるのでしょう。
菅官房長官が県民投票の公示に合わせ、投票結果に関わらず辺野古移設推進を訴えたのも、明らかに反対派の意欲を殺ぐ目的だったのでしょう。ただ、逆に沖縄県民の怒りに火をつけた可能性が高い。すでに米国での署名は何らかのアクションをとれる水準に達しており、県民投票の結果次第では米国からストップがかかる可能性がある。何より、米国では民主主義を否定することに拒絶感があり、安倍政権の態度は明らかにそれに反するからです。それが分かっているだけに、沖縄にとって菅氏の態度は怒りに火をつけるだけとなります。

しかもここに来て、埋め立て予定地の軟弱地盤に杭77000本、一部は90mと前人未踏の工事が必要なことが分かり、ますます反対する理由が増えた。安倍政権は「普天間基地の危険除去が第一」としますが、だったら辺野古でなくともよいはずで、工事を始めてしまったから、今から移設先を新たに探したときのコストより、数倍もかかる地盤改良が必要な辺野古に固執する理由がない。むしろ軟弱地盤が判明した段階で、工事を続行した安倍政権の判断ミスが致命的な結果を招いている、とも断じられるものとなっています。
国地方係争処理委員会が、沖縄県側が埋め立て承認を撤回した件について、防衛省沖縄防衛局が行政不服審査法に基づいて、石井国交相が撤回の効力を停止した手続きを「瑕疵があるとはいえない」として沖縄県側の訴えを退けました。そもそもこの委員会の名前が今回のケースではおかしく、国国・地方係争処理委員会でしょう。国の機関同士が結託し、自分たちに都合よい結果を導く。こんなことが起こる国では、民主主義さえ蔑ろにされて当然かもしれない。愈々、国地方係争処理委員会・米国支所の判断が必要なのかもしれません。

しかも大事な県民投票の前なのに、報道機関の冷淡ぶりが目に余ります。これまでも国政選挙を報じない、などと浮動票の動きが出ないよう報道機関が配慮してきましたが、沖縄では逆にそういう政権とメディアの態度が、反発を生んで投票率を上げることにもなるのかもしれません。むしろ県民の意思を知りたいなら「賛成だけど安倍政権は嫌い」「賛成」「反対」「反対だけど安倍政権は好き」に別けたら、意思ははっきりするでしょう。3/4が政権側の敗北となる結果の投票の方が、実は民主主義には沿うのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:00|PermalinkComments(4)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 地方

2019年02月21日

米中貿易協議で6つの覚書

北海道で震度6弱の地震がありました。胆振東部地震の余震なのか、それとも誘発されたものかは分かりませんが、前回でも北海道には脆弱な地盤が多いことが判明しているので、心配です。被害をうけた家屋など、くり返しの揺れで倒壊の危険も高まるものであり、震度6クラスでも被害が拡大しかねません。

国会でトランプ米大統領をノーベル平和賞に推薦したのかどうか、と問われた安倍首相が「同盟国なので配慮はある」と、事実そのものより同盟国としての立場を強調しました。しかし残念ながらそんな理屈、聞いたことはありません。米国は同盟国である日本に対しても、配慮のない対応を迫ることもあり、配慮するかどうかは個別に判断されます。日本がそうでないというならそれは同盟国ではなく、従属国の立場です。
5月26、27日にトランプ氏が訪日し、新天皇による初の海外の来賓として迎える、といいます。『初』に何の意味もありませんが、安倍氏はトランプ氏の就任前に会談するなど、ナゼか『初』に拘り、それを相手にも名誉として強いる傾向があるようです。ただそのトランプ氏、5月まで大統領で居続けられるか? その判断となるモラー特別検察官によるロシア疑惑の報告書が、月内にも提出される見込みです。ただ司法省がそれを公表するか? その内容が如何なるものか? 来週になったら注目を集めることになるでしょう。

そんな米国では、米中貿易協議で6つの覚書が準備、と報じられました。1.技術移転強要とサイバー窃盗、2.知的財産権、3.農業、4.サービス、5.非関税障壁、6.通貨、7.貿易赤字削減、8.実行メカニズムです。7と8は覚書に盛りこまれておらず、7は中国が対米輸入を増やす項目について、8は米国側が中国が約束した内容をどう確認するか? という内容です。6は何も決まらないでしょう。過小評価された人民元…などといっても、日本の円も韓国のウォンも過小評価され、監視対象国にされていますが、それを飛び越えて人民元のみ何らかの制裁をかけるのは難しく、かけるとすれば東アジア全体となり、大混乱に陥ります。
中国が妥協できるのは3と4、農畜産物の市場解放と、カード会社などの中国市場への参入ですが、どちらも日米欧などが参入したとて、勝てる見込みがありません。中国はせまい土地でムリやり農畜産業などが行われるので、抗生物質や薬が蔓延しており、それがさらに酷くなって安価となり、競争力をつけてくる。カード会社などは中国政府への情報提供を義務付けられることが確実で、また中国ではすでに信用コストによる融資などが始まっているため、追いつくのは困難です。むしろそれが分かっているから解放するのです。

1、2、5で折り合いをつけるなら、8の実現は難しい。進捗を計られ、未達となったら再び制裁発動などを受け入れたら、中国が罰を受けるようなものだからです。1の技術移転の強要自体は国際的に問題ありません。そんな国には企業が進出しなければよいだけです。サイバー窃盗にしても、米国側が犯罪の証拠をみつけだし、提示しない限りはただの口約束で終わるでしょう。5にしても、中国が半導体生産能力の増強に1500億$を投じ、それが米企業を脅かすとしますが、米国とてかつては補助金や税優遇などで産業を促進したはず。これらに対し、実行メカニズムを監視するなど、米国に都合よすぎる話ばかりとなってしまうのです。
果たして、上記1〜6で覚書をつくったとて、1と2は合意でき、3〜6は継続…などとなるのか? 私は難しいと感じます。むしろ合意するなら一斉で、できないならすべて継続協議。もしくは複数が合意できても発動はすべてが合意した後、となるはずです。そして途中段階では、米中首脳会談が開催されることはないでしょう。むしろ、米中貿易協議が決着するまで、トランプ氏が大統領でいつづけられるかどうかも、ロシア疑惑の行方が決めるのかもしれません。米朝首脳会談ばかりが日本では報じられますが、実はそれ以外の項目の方が、よほど日本にとっても影響ある、重要な問題と言えるのでしょう。ただ、それを「同盟国の配慮」とやらで日本が報じず、それこそノーベル平和賞どころか、犯罪者としてトランプ氏が政権の座から追われるのなら、初の『国賓』どころか日本の情報の『酷貧』ぶりの深刻度の方が、『初』と断じてもよいぐらいになるのでしょうね。

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2019年02月20日

また国会で「記憶にない」官僚が…

1月貿易統計がでて、約1.4兆円の赤字で4ヶ月連続です。対中輸出が崩れると日本経済は脆弱、それがこの数字にも表れますが、ここまで赤字が大きくなると経常黒字も危ういかもしれません。特に資産価値が目減りするとリターンすら期待できなくなり、逆に対外投資の多さがネックにもなってくる。今日の円安はこの貿易統計をキッカケにした側面もあるのなら、愈々日本の破綻にベットする投資家の登場も意識すべきかもしれません。円安になっても海外経済が悪化していたら、輸出は増えず、逆に輸入コストの増大によって日本経済がおかしくなる。WTIで原油も60$に迫る水準まできましたが、資源を輸入しなければいけない日本は、そこに弱点があるのです。実は、輸入も減少しているのが、日本経済の怪しさを映すのでしょう。

毎月勤労統計不正事件、阿部検討会座長に対し、「委員でない人から変更の示唆があった」とメールがあったことが明らかになり、それが中江元総理秘書官だった可能性が高くなりました。さらに15年9月14日に厚労省幹部が、中江氏に対して有識者検討会の状況を説明した、という話もでてきた。つまり官邸の関与を強くうかがわせますが、中江氏はこれらの指摘に「記憶にない」と安倍政権ではお決まりの答弁が出ました。
安倍政権に関わると記憶力が低下するのか? それとも安倍政権ではそんな記憶力のない人物ばかりなのか? はたまた嘘をついているのか? 上記した内容が事実だとしたら、中江氏は強くこの問題を意識しており、最後の可能性がもっとも疑わしいとなります。前者2つだとしたら、安倍政権の政策はすべてこうした無能な人間たちによって為されており、その政策が効果すら怪しいことにも説明がつく。いずれにしろ「日本がヤバい」として、日本の破綻にベットする投資家がますます増えてしまうのかもしれません。

例えば千葉県野田市の少女が虐待死した事件をうけ、児相の職員を増員する方針ですが、任用要件を厳格化とも伝わります。要するに職員のスキルが高ければ、カウンセラーに依頼したりする予算が削減できる、と考えているのでしょう。ただ人手不足が叫ばれる中、職場環境の悪いことが自明の児相になり手がいるのか? 弁護士の配置を義務づけ、ともしますが、それが助言程度のことなら職員の負担は大して減らない。むしろ警察との緊密な連携により、躾けも暴力なのだという意識づけの方が大切です。
官邸が「東京新聞の記者による事実誤認の質問」があるとして、記者クラブに問題意識の共有を迫った問題をみても、事実誤認の答弁をした元総理秘書官についての問題意識は、官邸内で共有もされていないようです。だから総理秘書官は歴代「記憶にない」をくり返す。柳瀬氏といい、中江氏といい、「首相案件」という言葉をつかっても、記憶にも残らないというのですから、事実誤認どころではありません。

それは安倍首相自らが、「事実誤認の答弁」をくり返し、それを抗弁によって乗り切るということをくり返してきたのですから、部下も推して知るべしかもしれません。何が問題で、どう対処していいのか? も分からないほど暗愚でも、部下が無能な上司の方ばかりみているのですから、当然ということでもあるのでしょう。「記憶にない」それで言い逃れできなくなると「記録がない」、次に公文書の改竄であったり、統計の偽装につながっていく。安倍政権では起こるべくしてこうした問題が起こっているのであり、国民までそうして安倍政権でくり返される様々な問題を「記憶にない」と軽視してはいけないのでしょうね。

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2019年02月19日

米中貿易協議は週末までに何か決まるか?

中国商務省が劉鶴副首相が21、22日と訪米し、ライトハイザー米通商代表部と協議する、と発表しました。これで今週は米中貿易協議進展への期待をつないだ形ですが、カウンターパートが対中強硬派のライトハイザー氏、というのが肝です。ここで合意ができれば来月にでも米中首脳会談で…となるのでしょうが、強硬派を納得させる材料に乏しい。中国が10年は雌伏することになる条件を容認するとは、とても思えません。
米中貿易協議で、中国側が妥協すれば合意できる、と考える人もいますが、逆でしょう。米国側が中国の提案でどこまで妥協するか? 米国側が妥協しない限り、解決の道のりは遠い。そのとき強硬派のライトハイザー氏が当たるのですから、米国側はまだ妥協する段階にない、と考えているのでしょう。中国側の方が早く影響がでており、中国はもっと譲歩してくる、と読んでいるのかもしれません。その結果、制裁関税の発動が伸ばされるのなら、現状の景気減速がつづくことになり、決して楽観は許されない、となってしまいます。

市場は楽観が支配しており、週内はつづきそうですが、問題はもし仮に米中貿易協議が成立したら、米FRBは利上げを再開するでしょうし、資産縮小の規模を変えることはないでしょう。今の市場はパウエルプットと呼ばれるように、今年に入ってのFRB議長の態度豹変を好感した側面がありますが、その見直しを迫られます。今の市場は引き締め停止どころか、緩和まで織り込んでいたので、その影響は免れません。
しかも合意内容次第では、もっと悪い状況になります。中国が大きな譲歩を迫られた場合、これは中国経済の減速がさらに加速する可能性があり、世界経済の低成長が促進されるでしょう。言葉は悪いですが、中国からあふれるマネーが世界中で株、不動産などの資産バブルを生んできたのであり、その縮小を余儀なくされるからです。特に新興国の破綻が相次ぎ、マネーフローが大きく変化することでしょう。

米国が妥協して合意した場合、中国の減速は抑制され、米国がその代わり減速します。ただこのケースでは世界経済全体にとって、ペース調整はあっても減速は緩やかになります。市場は本来、こちらを望むはずですが、なぜか前者のケースで語られることも多く、さらにそれで楽観だというのですから、それは難しいのです。すでに中国が海外資産への監視を厳しくし、米不動産市場にも変調がみられますが、前者であればそれが崖になる。後者であればそれが下り坂で済む、という形にしかならないのです。
日本の株式市場では外国人投資家が先物を買う一方、現物株は売っている、と話題です。しかし一言でいえば、これは日本から資金を引き上げているのです。先物を売っていたヘッジファンドが買い戻し、現物株を買っていた年金などの長期投資家が売る。日本のポジションを落とすのも、以前から指摘しているように安倍ノミクスではもう買えない。統計不正で信用失墜。中国減速の影響は日本が大きくうける、そして日本経済が減速しても日銀に余裕がない、経済を支えるべき金融機関が死に体、諸々の状況がそうさせるのです。

日系大手の動きに言及することも多いですが、最近気になるのは他の日系の証券会社がTOPIX先物を買うケースが多いことです。リスクヘッジのために持っていたTOPIX先物の売りポジションを解消する。その先に何が待つか? 不安を覚えざるを得ません。米中貿易協議、今はナゼか協議は成功するし、FRBは緩和に転じたまま、世界経済はもう一度成長軌道にもどる、というシナリオで上昇していますが、次に下落に転じたとき一体誰が買い支えるのか? 今日も日銀の黒田総裁が追加緩和に言及していますが、安倍首相、黒田氏と、日本経済を考えるトップの名前の一字目が『安い』『黒い』とナゼか経済的によい印象がない言葉。実はこれが日本の先行きを暗示している、といえるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:09|PermalinkComments(2)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

2019年02月18日

雑感。安倍政権の『悪夢』

安倍首相が『悪夢』の説明として「民主党政権時代に就職できなかった人にとって悪夢」と、とってつけたような説明をしました。リーマンショック後や、東日本大震災があったときに就職できなかったからといって、民主党政権が悪いと考える人はいないでしょう。そもそもリーマンショックとて、米国のサブプライムローンの破綻に端を発していますが、その原因は自民党政権時代にはじめた日銀の量的緩和により、円キャリー取引が活発化、余剰マネーがサブプライムローンなどの高金利の金融商品に流れこみ、バブル化したことが問題だったのです。そうなると、民主党政権時代に就職できなかったのは自民党のせいであり、民主党政権時代の悪夢とは、まさに自民党がみせたものだった、ということになります。
しかも今、日銀はその当時以上のマネーを市場に供給し、剰え日本の金融機関はハイイールド債などのリスクの高い高金利商品への投資を活発化させている。リーマンショック前を再現しているような状況ですから、これからの『悪夢』はすべて安倍政権のせい、ということになるでしょう。しかもリーマンショック前に、日銀が緩和を止めたことがバブル崩壊の遠因となりましたが、今はまだ緩和をつづけているのに、バブル崩壊が近づいている。民主党政権時代など比較にならないほどの悲惨な『悪夢』が、この先には待ち構えているのです。そのとき安倍政権の時代はよかっただろ、などと言ってしまう暗愚さがこの言葉の背後にはただよう。政治は未来への結果がすべてであり、民主党政権時代にはじまった成長の果実を最大限にうけている安倍政権が、今の結果を自分たちのおかげ、などというのは著しい間違いなのです。

日経の世論調査で78%が「景気回復を実感していない」と答えています。財界の意向を受けやすい日経でさえこの数字、というのが問題です。こうした調査では「悪くなっている」とは尋ねないので、実態はつかめませんが、半数だとしても「実感している」より倍近い数が「悪くなっている」と感じていることになります。景気は悪くなっている、そう感じている39%の人にとって、今は『悪夢』でしかありません。
10-12月期の機械受注統計がでて、前期比4.2%減。基調判断を下方修正しました。しかし先週発表された10-12月期GDPで設備投資2.4%増と、まったく違った景色が見えてくる。当然、数字はちがうものですし、速報と2次速報で採用される統計データも異なりますが、GDP押し上げ要因だった設備投資が崩れると2期連続のマイナス、テクニカルで景気後退がみえてきます。米12月小売売上高が予想外のマイナスで、市場に衝撃を与えましたが、日本のGDPでは個人消費が0.6%増だった。日本の方が景気減速の影響をうけている中、米国より個人消費が強い、というのも違和感があり、そうなるとGDPは総崩れになるかもしれません。

厚労省の毎勤不正事件で、中江元総理秘書官は「問題意識を伝えた」としますが、もしそうだとすれば統計の責任者である政策統括官が、統計処理の事情を精査して、問題意識に対して答えを返さないと本来おかしい。それなのに3年9ヶ月も放置し、昨年12月になって問題を始めて知った、というのです。これは官僚機構では絶対にあり得ず、総理秘書官の言葉は首相案件、特に安倍政権では官邸が人事権をにぎるので、首相案件はより重みをもったはず。どこかで誰かが嘘をついている…いいえ、むしろ誰もが嘘をついている、といっても過言ではない。官僚の間でさえ、嘘が蔓延していることがこの一事でもよく分かります。
安倍政権の悪夢とは、誰もが嘘をつくようになり、誰も信用できない世界になったこと。そういえばここ最近、大型の詐欺事件で逮捕されるケースが相次ぎますが、そのほとんどが自転車操業だったものが、回転が利かなくなって暴露したものです。日本経済が大きな成長をしていたら、もしかしたらまだ自転車操業もつづいていたかもしれない。それが低成長となり、個人が余裕を失い、縮小を余儀なくされた結果だとすれば、まさにそれが『悪夢』なのでしょう。詐欺が蔓延し、いい夢をみていた人が、気づいたときには『悪夢』だった。安倍政権の現状と、それはとても酷似しているといえるのかもしれませんね。

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2019年02月17日

雑感。少子化と児童虐待

堺屋太一氏の告別式が行われました。堺屋氏はずっと少子化についての問題を訴えてきましたが、安倍政権ではまったくその問題に手を付けずに放置。剰え少子化による雇用環境の改善を「成果」などと、とんでもないことを言いだす始末です。成長を前提とした制度、政策に依拠しながら、成長の果実さえ生み出せない。その状況が後数年つづくだけで、日本は絶望的な状態になりますが、そんな想像もできないのでしょう。
そもそも「人手不足」はブラック企業のいう言葉。収益を従業員に正しく還元されていれば、労働者は自然と集まってくるもので、安い人件費でないと戦えない、というのは経営サイドの失敗です。そうして待遇のよい企業には人が残り、そうでないところは人手不足と騒ぐ。そんなブラック企業の是正をするのではなく、その声を聞いて外国人労働者を受け入れるのですから、安倍政権にすりよる層の質もうかがえるというものです。

そして少子化対策ではもう一つ、千葉県野田市の虐待事件でも、政権は「対策をしっかり…」と述べますが、その原因を正しく理解できているのか? 外では温厚、とされる父親が小学校や児相に圧力をかけたり、嘘をついたりしてまで娘をとりもどしたのか? それは父親にとって『一度覚えたストレス解消の味』が忘れられず、次にそれなしで同じストレス環境に晒されたときへの不安が、執拗な行動につながったのです。
ストレスとは誤解されがちですが、本人がそれと意識していない形で心にかかる負荷です。意識できるものはプレッシャー、と区別されるのです。父親が幼少のころ、家庭においてストレスをうける環境にあった。そして自分が父親となり、家庭内において同じようなストレスを感じたとき、異様な苛立ちを覚えるのも、その負担を受容できなくなっているため。だから心のバランスを保つための自己防衛をとろうとします。幼少のころは親に逆らえず、ストレスに晒されるだけだったものが、親になると解消できる。それが子供への暴力です。そしてストレス解消できることが快感となり、それをくり返してしまう。他者との関係でそれが発揮されないのは、幼少時のストレスが主に家庭に限られていたためであり、普段は温厚とされる人物が家庭で激変してしまうのも、ストレスから身を守るために為されている、と自覚させない限りは虐待が収まりません。

これは精神疾患でも同じですが、そうした過去の事実と親が向き合えるようにならないと、解決しない問題なのです。しかし今、児相でも行われているのは面談であったり、一時的に引き離して様子をみる、というだけです。必要なことは親へのカウンセリングです。自分の事情にすら気づかず、冷静に考えれば異常な行為でも、自己防衛による行動なのでそれを正当化しようとする。なぜそんなことが起こっているかを見極めないと、また同じことをくり返すだけ、児相の職員を増やしても抜本的な対策とはならないのです。
それに児相の職員の要件も、緩和した方がよいでしょう。職員がカウンセリングまでうけもつのではなく、専門のカウンセラーとの橋渡しをする。児相が客観性をたもち、子供サイドに立たないと子供を守れません。親への対応をカウンセラーが担い、第三者性をもたせる。児相は子供が好きで、子供を守りたいという人がなるものなら、人材はすぐに確保できます。またカウンセラーの質も担保しないといけないので、そちらにも配慮が必要ですが、ここまですればある程度は虐待による事件を減らせるのではないか、と思います。

ただ安倍政権では、こうした児相の職員増という話もコストアップだからやりたがらない。来年度に1000人増ぐらいでは、付け焼刃ぐらいにしかならないでしょう。安倍氏そのものが人の機微に対して鈍感である以上、まともな指示もだせない。周りにいる人物も、安倍氏の顔色ばかり窺っていて、忖度はできても心の内面まではかれない。子供を守る、というのは少子化という意味でも大きいのですが、残念ながら安倍政権では対応もできないので、こうした問題をくり返してしまうのでしょう。安倍政権の面々は、まず堺屋氏の『平成三十年』を読むところから始めた方がよいのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 22:21|PermalinkComments(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 社会 | 心理

2019年02月16日

週末の米株大幅高と嘘つき

独国で日韓外相会談が行われました。河野外相は慰安婦問題で天皇陛下の謝罪を求めた文韓国国会議長への抗議を5回した、として改めて日本の立場を伝えるも、康外相から発言はない、と発表しましたが、韓国側からは河野外相は言及しなかった、と発表しました。言葉は悪いですが、嘘つき同士が言った、言わないと争う様はほほえましいというか、同類相憐れむ、という感じです。そもそも文氏の発言を3日間も放置した日本の外相が5回抗議、という話を押すこと自体がすでに怪しくて仕方ありません。5回も抗議したことが大切なのではなく、すぐに抗議し、適切な対応をとらせたのか、が大切です。もし日本が即応して抗議していたら、韓国も何らか反応したはずで、それすらなかった両国が世論を気にして嘘をつく構図にしか見えないのです。

米株は大幅高です。米中貿易協議の進展に期待、ということですが、来週ワシントンで協議継続が決まりましたが、それ以外は何も分かりません。そもそもBloombergが制裁関税の発動を60日延長、と報じますが、それは60日間は何も決まらない、という話の裏返しでもあります。恐らく今月17日にも、3月1日の制裁関税発動についての詳細がトランプ大統領から発表される、とされていたものが延期されるぐらいのことが週末に決まったことです。それなのに米株は大幅高、不自然な上昇が起きているということになります。
しかし先週ぐらいから、円ドル相場でも不自然な動きがありました。金利差が拡大していないにも関わらず円安がすすみ、111円をつけました。リスクオフで円安、としても100円台後半でさえ実効為替レートでは円安気味なのに、裏付けもなく円安に動くのは、明らかに不自然です。金利差が拡大していないのは、今がリスクに対してどちらかと言えば、まだオンだから。金価格も1300$台を維持しており、リスク警戒がつづいているのに、株価だけが不自然に『期待』だけで上昇をつづけている、というのが現状なのです。

日本は週末、先週もそうだったように日系大手が週末に日経225先物を売っていますから、週初は一気に買い戻して21000円台を回復するでしょう。ただワシントンでの協議次第で、相場の流れが一変してしまう点には注意も必要です。本当に60日、制裁発動が延期されたとしても現状の中国経済の悪化がさらにつづく。米国経済へも打撃となって跳ね返る。本当の意味で解決しないと何の意味もないのですが、その道のりはまだ遠い。深刻な中国経済を何とかしたい習主席と、株価下落が支持率にはねかえるトランプ氏、やたらと前進をアピールしますが、両者ともすすんだ先にゴールがあるとは限りません。むしろ両者が解決と考える水準の差がそれを難しくする、ともいえ、来週の米中協議延長戦はそれを計るものとなるのでしょう。
トランプ氏が安倍首相からノーベル賞に推薦された、と満更でもない様子で語っています。推薦状5枚のコピーをもらった、とするのでほぼ事実でしょう。北朝鮮対応を巡って、とのことですが、米朝会談を実現させただけで、未だ朝鮮戦争も終結させられていないのに、なぜ? と素朴に感じます。韓国の文在寅大統領が口頭で「トランプ氏をノーベル平和賞に」と述べたことはあり、韓国の間違いでは? ともされますが、安倍氏の提灯もちぶりからみても、安倍氏の可能性は捨てきれません。残念ながら、安倍氏の提灯で照らされる世界経済は、先行きの見通しさえ立たずに迷走をはじめている、ということかもしれません。『期待』による相場が『奇態』にしかみえず、いずれ『危殆』に瀕するかもしれないのも、世界のリーダーが嘘つきばかりになり、何が真実かもわからなくなっているようでは仕方ないのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 22:31|PermalinkComments(2)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

2019年02月15日

拉致問題で新事実?

米国ではトランプ大統領が予算案に署名する代わりに、非常事態宣言で予算案に含まれない、残りの壁建設費43億$を捻出する方針です。米民主党は法廷闘争も辞さず、阻止する方針ですが、議会は債務上限の引き上げを前に紛糾模様であり、予断を許しません。裁判になれば政権側が不法移民による違法薬物や犯罪の流入について立証しないといけませんが、実際にはトランプ氏によって注目度が上がり、不法移民などは減っている。米司法省でもトランプ氏側が負けると忠告しており、勝ち目はないのでしょう。ただ仮に非常事態宣言がでると、日本にも困った問題がでてきます。43億$は軍関連の予算から捻出しないといけません。それは米軍需産業にとって大打撃、シリア撤退をはじめ、トランプ氏を引きずり下ろす動機にすらなりかねないのでしょう。
それを回避するために、トランプ氏は米軍事兵器をどこかに買ってもらわないといけない。その先が日本になりかねないのです。かといって、これまで日本はF35や地上配備型イージスなどの大量買いをしており、財源の余裕がない。非常事態宣言が上手くいかないでくれ、世界中で一番そう願っているのは安倍首相かもしれません。しかしそうなるとネジレ議会で非常事態宣言をつかったトランプ氏、レイムダックが深刻かもしれません。

共同通信が拉致被害者の田中実氏が平壌で暮らしている、と北朝鮮側から安倍政権側に14年には伝えられていた、と報じました。つまり安倍政権は5年間もこの情報を放置していたことになります。しかも帰国の意思はない、としながら日本側の関係者は面会もしていない。拉致問題がこの間、停滞していたことを如実に物語ります。さらにナゼこのタイミングで政府関係者がリークしたのか? これには2つの可能性があり、1つは拉致問題が進展しそうな場合。もう1つはトランプ氏が金正恩労働党委員長との会談で拉致問題を取り上げたとき、この話をだされたらその後の会見でつい口走ってしまう、そんな恐れを感じている場合です。
北朝鮮としては隠す意図はないとみられ、トランプ氏から拉致問題をもちだされたら「実はこういう人物が平壌にいるが、日本に帰りたくない」と言っている、との話がでてくると想定されます。しかも日本政府へ伝達済み、と伝えられたら日本の面目丸つぶれです。進展するのはどう考えても米朝首脳会談後でしかなく、やはり後者の可能性が高いのでしょう。いくら外交問題とはいえ、この情報を公表しなかった安倍政権は、よほど拉致問題で世論が再燃するのが嫌だった、それぐらい前進していなかった、ともみられます。

保守系の人物の書籍の広告が新聞に載っており、その中で『それでも安倍政権を支持する理由』とありました。『それでも…』と使うのは、保守系でも安倍政権への見方が悪化しているため。『左翼がとも黙らせたい…』との謳い文句もありましたが、それほどの主張か? と首を傾げます。ただ保守を自認する人物が、安倍支持に揺らぎをみせ、屁理屈をつけなければいけないぐらいの事態に陥っているのでしょう。
拉致被害者が今でも生きている、そう知っていて何もしなかった安倍政権。愈々その化けの皮も剥がれつつあるのかもしれません。文春で夕刊フジがレーダー照射問題以後、トップ記事を韓国批判が占めていた、とも報じます。中露、北朝鮮には安倍政権の態度が影響して、批判できないから、という理由も語られますが、メディアが忖度をはじめたら自殺するようなものでしょう。今や北朝鮮の拉致問題は、安倍政権の放置問題と重なってきたようでもある。拉致した側に配慮して批判もできず、拉致被害者がまだ生きている、という事実すら国民に報じず、梨の礫だった安倍政権。国民から石の礫を浴びせないと、この政権は嘘をつきつづけるだけであり、安倍政権の『嘘』という国民との間に建てた壁の方が、非常事態に思えてくるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:21|PermalinkComments(8)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | アジア

2019年02月14日

10-12月期GDPと中国貿易統計

18年10-12月期GDPが内閣府から発表されました。安倍政権における経済統計の信用は低いですが、実質GDPは前期比0.3%増(年率換算1.4%増)、名目GDPは前期比0.3%増(年率換算1.1%増)となりました。内訳でみると民間最終消費支出が実質で0.6%増ですが、7-9月期は7月の豪雨被害の影響を加味してあったはずで、その補正がどう果たされたかは不明です。またレオパレス21の違法建築の影響がでるので、今後は家賃が上昇傾向になることも考えられる。これまで供給過多で家賃が抑えられてきましたが、レオパレス21の改修が済むまで、賃貸物件が少なくなる。特に今、東京五輪関連の建設が山場を迎えるため、リフォーム業者の確保にも苦労するでしょうから、ますます改修がすすみにくいという状況もあります。
賃料アップは物価上昇要因ともなる。ますます賃金のアップでは追いつかず、生活苦がすすむかもしれません。レオパレス21の問題は広がりをみせ、国による検査体制の不備を訴え、集団訴訟も起こされていますが、やや無理スジに感じます。施工会社の性善説に立ち、図面通りに建てられたかを確認するだけですが、もし全面検査などをすれば自治体の人員も、時間も足りなくなります。マンションの耐震偽装でも国の不備は認められていない。発注元、設計士、施工会社のどれかが問題を見抜かなければなりませんが、レオパレス21の手法では難しく、最後の砦が施工会社しかなかったというのが実情だったのでしょう。

設備投資が実質2.4%増と高めです。7月の西日本豪雨や9月の胆振東部地震の復興としては早すぎる。7-9月期が2.7%減と大幅な落ち込みだったため、反動との見方も強いですが、こういうところに不自然さを感じます。財貨・サービスの輸出も0.9%増で、7-9月期1.4%減の反動とされますが、中国経済の悪化が顕著だったときに、輸出が増? というのも不可解です。一方で輸入が2.7%増というのも、7-9月期が0.7%減だからとはいえ、暖冬と株価下落が重なっていたタイミングとすると、かなり高い印象もうけます。
安倍政権が10-12月期を高くみせかけたかった動機もあります。2018暦年でみると実質0.7%増ですが、1-3月期0.2%減、4-6月期0.6%増、7-9月期0.7%減、10-12月期0.6%増、つまり10-12月期が悪化すると暦年でプラスという説明もできない。日本では年度の切り替えが3月ですが、国際的にみると12月であり、ここを高くしておかないと日本が成長している、といえない。しかし安倍政権ではGDPの算出方法すら変更されており、過去もそれに合わせて変更した、といいますが、毎勤不正事件でも過去のデータが残っていないことが判明しており、一体何をどこまで実態が反映されているのか、まったく不透明という状況なのです。

中国の1月貿易統計で前年同月比、輸出は9.1%増、輸入は1.5%減でした。輸出は春節前、そして3月1日の米国による制裁前の前倒しともみられますが、輸入の方が何倍も深刻です。春節の消費は好調、と春節入りしてから早々と発表されましたが、中国経済は堅調とのアナウンス効果を狙ったのでしょう。問題は転売規制により、個人や小規模事業者の商いが細っている傾向が、この統計でも垣間見られる。正規ルートの輸出入を増やす方向となるのでしょうが、それまではモノ不足が発生するかもしれない。景気が減速する中での物価高、スタグフレーションが進行するとさらに景気への逆風になりかねなくなります。
中国の成長率も信用できませんが、貿易統計は相手との整合である程度は計ることができる。2月の状況をみないと輸出の伸びがどうなるか? 分かりませんが、一先ず減速傾向であることは確認できました。問題は日本、安倍政権になって信用できない経済統計、その最大のものがGDPになってしまっているのです。GDPは国内総生産という意味ですが、国内ウソ生産の数字をみせられても、判断に悩むところではあります。安倍政権によって生産される嘘の数だけ、この国の不透明感は増してしまうのでしょうね。

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2019年02月13日

NISAの日

桜田五輪担当相が水泳の池江選手が白血病と発表されたことをうけ「がっかり。盛り上がりが若干下火にならないか心配」と述べ、今日になり撤回、謝罪しました。野党は政争の具にするな、とする人もいますが、政争の具になるような愚昧な人物を任命しているのは安倍政権です。もし桜田氏が適任、桜田氏しかいない、というなら自民党の人材払底は深刻です。労働力不足の前に、能力ある閣僚の不足を政権は何とかする方が先なのでしょう。そうでないと国民は安心して生活もできないのですから。
ただメディアが白血病から回復した人物をとり上げたり、五輪のスケジュールと合わせて紹介したりするのにはうんざりします。まだ詳しいことが分からないうちに、そうした報道をみて本人が何を感じるか? もし希望を抱いてそれが覆されたり、東京五輪に間に合わなせなければと焦ったりすれば、治療にも影響するでしょう。今は温かく見守ってあげる、といったことが大切なのでしょう。

2月13日はNISAの日です。今日の日経平均は2日つづきの大幅高で、21000円台を回復してきましたが、相場付きはやや不自然だった印象です。朝方はシカゴ日経平均先物よりもかなり上の21000円台で始まり、8時台から円安に動かすいつもの日系大手の手口でしたが、後場に勢いを失うなど、日系大手とは少し異なるものだった。引け後に発表された手口をみても、売買は大きいもののやや売りで終えるなど、傾きは小さかったので、恐らく日系大手が前場に相場を引き上げ、後場は売っていたのではと推測されます。
21000円が上値抵抗となっていたため、何とかしてそれを抜きたかったのでしょう。ただ不自然なのは米市場も同様です。超党派で合意した予算案、国境に何らかの構造物、として13億$が盛りこまれましたが、トランプ大統領の要求は57億$と1/4以下です。トランプ氏が署名を明らかにしていないように、政府機関の閉鎖による悪影響と壁建設ができないことによる支持層離れと、今は天秤にかかているのでしょう。それなのにすでに予算案が通ったかのような上昇ぶりです。米中協議進展への期待もありますが、ここまでの上昇ですでに織りこんでいるいるはずであり、大幅高には力不足のはず。なのに米株も大幅上昇をみせました。

最近、報じられるのが日本の対外証券投資の多さです。そこには年金の投資比率の変更の影響もありますが、日本の金融機関が海外のハイイールド債を買い漁っている、という話も同様、要するに国内で収益がだせず、海外の金融商品を買うことで何とかしよう、と考えてのことです。国内では個人に株を買え、株は上がるといっているのに年金や金融機関は海外の株を買う。これが日本の現状ということなのでしょう。
言葉は悪いですが、日系の投資でも米株をある程度動かせるだけの力をもった、といえます。ただ昨年買った分はあまり好成績ではなかったでしょう。それを取り戻すため、何か今はムリをしているような印象もあります。世界と戦うのに秀逸な分析や読みではなく、先物の操作で何とかしようとしている分、勝ち目は薄いのかもしれません。むしろ日本勢が引き始めると、海外の大きな変動要因になりかねず、世界経済の足を引っ張ったとして犯人扱いされかねない。引くに引けず、行くも地獄とすら感じてしまいます。下落局面での本格的な下落が始まるとすれば来週辺りからが危ない。それを乗り越える前に大量の買いを抱えてしまったようでもあり、こうした点にも不安を感じてしまいます。

NISAの日、カレンダーでその上にあるのは2月6日、この日は『お風呂の日』と語呂合わせで制定しているところがあるようです。五右衛門風呂ではお釜の下は火が焚かれている。NISAの日、火で焼かれないように、個人は自分の身を守るためにも熱に浮かされずに、冷静な目で見ておく必要があるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:30|PermalinkComments(3)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

2019年02月12日

自民党大会での安倍首相の発言

連休明けの日経平均は大幅高でした。しかし日系大手が8日に売った分を買い戻した、が真相であり、そこに円安を乗せてさらに100円プラス、という感じです。米中貿易協議への期待、といってみたところで日欧しかはしゃいでおらず、3月中旬に米中首脳会談で決着、などの記事もでていますが、一見すると解決したように見せかけても中身が伴わないことにもなりそうです。それは米つなぎ予算で暫定合意、という話もでてきましたが、壁建設を伴わないものでトランプ大統領が納得するか? 議会が合意しても、米中がで局長級が合意しても、それをひっくり返してしまう存在がいるので厄介と言なるのです。
ただ最近気になるのが、日系の証券会社が先物やオプション市場でポジション落としをしているのではないか? 通常、現物株のリスクヘッジとして活用しますが、そのポジションを落とすのは、値動きをだして収益機会を得る。つまりイベントドリブン型の取引を主体にするのでは? とみられます。それだけトレンドフォロー型の取引では収益性が低く、トレーディング部門が苦境、という事情が影響するのかもしれません。日系大手の動きがまさにそうしたものを映すなら、これから日本株は値動きの粗い展開がつづくことになります。それがさらに健全な投資家を遠ざけることになりますが、貧すれば鈍するなのでしょう。

12日の国会で、安倍首相や河野外相が韓国の文国会議長の天皇謝罪発言をうけ「極めて無礼な発言」「謝罪と撤回」「厳重に抗議」と述べました。しかし8日にはわかっていたこと、日本が3連休だからといって、国会が始まるまで発言を控える必要はありません。本当にそう思っていたなら即刻情報を集め、当日には声明をだすべきでした。3日間は休みたい、というなら即刻内閣総退陣して休日でも機能する内閣に交替すべきなのです。こういうことをしているから、安倍政権はビジネス右翼とされるのです。天皇陛下に不敬を働いても即応しないのですから。むしろ世論の動向をさぐってから対応を決めたのでは? とすら勘ぐれます。
安倍氏が自民党党大会で「民主党政権は悪夢」とし、「少なくともバラ色ではなかった」とその理由を今日の国会で述べましたが、ならば今も悪夢がつづいています。安倍氏自身が今を「バラ色」と思っているなら、総理大臣は激務で大変と語っているので、言葉は悪いですがドMなのか、仕事をサボっているかどちらかでしょう。しかし3日も声明をださずに放置するぐらいですから、間違いなく後者です。さらに今をバラ色とするので政策立案すら怪しい。党大会での発言なので、個人的な繁忙を「バラ色」としたわけではないでしょうから、今をバラ色と感じていない国民との意識の乖離が大き過ぎるのです。まさに安倍氏は「賃金が上がっている」といい、国民はそう思っていない。これではまともな対策など打てるはずもありません。

安倍氏がもう一つ、「改憲にむけて道筋」と語るのもビジネス改憲でしょう。本気なら6年も政権についていて、手もついていないというはずがない。改憲を主張する支持団体に配慮し、「道筋」などと語りますが、これまでカジノや共謀罪、PKO法や直近では入管難民法、あんな強引な国会運営をしておいて、憲法だけは丁寧にする道理はありません。数の横暴がつかえるので、国会だけなら通せてしまう。国民の反発とて、メディアで操縦して「改憲が必要」とキャンペーンを張れば、騙される人が出てくることでしょう。それをしない、していないというのは、自身の改憲案があまりに評判が悪くて、後世の評価がよくなさそう。名を残すだけなら他のことでもできるから、という事情が影響しているはずです。つまり「改憲にむけて道筋」は、支持層をつなぎとめておくためだけの、ビジネス上必要だから用いている文言ということになります。
安倍政権で急速にすすむ行政の劣化も、安倍氏にとってはバラ色に感じるのでしょう。ナゼなら、エリートが自分のために嘘をつき、証拠まで隠して安倍氏のために尽くしてくれる。そんな官僚を愛おしくすら感じているのかもしれない。しかし国民にとって、それこそまさに悪夢、この国が崩壊していくのを目の前でみせられているも同じです。今は「少なくともバカ色の悪夢」がこの国を覆っているのでしょうね。

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2019年02月09日

「より良い未来を切り開く」?

安倍首相が昨日、建国記念の日にむけて「平成の、その先の時代に向かって、子や孫の世代のために、より良い未来を切り開いていく」とのメッセージをだしました。この程度の内容、11日にだせば良さそうですし、「より良い未来」と真逆のことをしている人物が語ると、皮肉か? と勘ぐりたくもなります。
韓国国会の文議長が「退位前に天皇が謝罪すれば解決」と述べました。絶対にそれで解決はしませんし、むしろ韓国内のビジネス反日を勢いづかせ、徴用工でも謝罪しろ、謝罪が足りない、などと言ってくるだけでしょう。ナゼなら彼らにとって成果であり、もっともっとと日本に対する要求を高くするだけだからです。韓国は『李承晩の呪い』に罹っており、反日がビジネスになっており、それを解消するためにはまず李承晩が韓国にもどってから何をしたか? その検証から始めないといけません。ただ問題は、皇室に対して何かと反感を抱く安倍政権が、安易にこうした申し出を受けてしまうのではないか? という点です。北方領土も北朝鮮との拉致問題も、解決できる見込みもなくつっこんで玉砕しつづける安倍政権。韓国からの要請と、皇室への恨み、その二つから解決するはずもない皇室の謝罪を、皇室サイドに要請してしまう懸念があります。

昨晩の米株がまちまちの展開となり、いよいよ長期の下落トレンド入りが懸念されます。3ヶ月続いた下落トレンドが今年に入ってから反転しましたが、それが1ヶ月と少しで終わるなら、未だに下落トレンドの中にある、といえます。肌感覚でいうと1ヶ月半ぐらいは反発局面がつづくか、とみていましたので、やや下落が早い印象もあり、一旦は騙しになる可能性もありますが、米中貿易協議の不透明感や欧州経済の減速より、この相場の波動という意味でのトレンドの方が今は深刻です。しかも統計不正や日銀が緩和姿勢を改めないことで、日本に対する見方が一層厳しくなっている。昨日も指摘したように、統計不正をするような国に投資できませんし、ここから景気後退入りだと金融政策で日本に打つ手なし、だからです。
しかも中国の景気減速の影響を日本の方が強くうけている。かつては東アジアで問題があると、日本のマネーを頼りにされましたが、最早そういう状況ではない。むしろ日本の方が深刻なら、東アジア経済全体が沈んでしまうかもしれません。だから米株より日本株の方が戻りは鈍く、下落の圧力は強いといえます。

今や日銀の保有国債は500兆円にせまり、日本の借金の半分を肩代わりしている状況です。脱デフレは達成の見込みもなく、統計不正はする、不正をしてもGDPの伸びは大したことない、業績好調で株価が上昇してきましたが、海外の変調で一気に悪化するなら、国内の景気とは一切関係ないことの証明でもある。これが、安倍政権の目指してきた「より良い未来」です。これのどこに一体、「より良い」が感じられるのでしょう? 私には数年後には、日本がとんでもない苦境に陥っている未来しか、残念ながら想像できません。
だから外国人投資家は、もう日本への興味を失っているのです。安倍ノミクスで買った分のすべて売り、追加でさらに売ってくるかもしれません。それも日銀が買っているので、見た目の影響は小さいですが、このままだと日銀がいきなり突然死する可能性すら捨てきれないのです。そんな未来が、安倍氏にとって「より良い」というから売国奴というのです。ただ「より良い未来を切り開く」と言っているので、「切り開く」のもう一つの意味、切って中を開くというだけなら、日本を切り刻んでどこかに売り渡す、という意味にも聞こえてくる。まさに私は売国します、といっていることになるのでしょうね。

明日と明後日はお休みしたいと思います。

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2019年02月08日

毎月勤労統計と家計調査と景気ウォッチャー調査

2018年の毎月勤労統計速報値が厚労省から発表され、現金給与総額は1.4%増、実質賃金は0.2%増でした。しかし既報の通り、2017年と調査対象企業が多く入れ替えられており、18年に調査したところは賃金の方が17年より少し高かった、という意味でしかありません。ずっと違和感があった総労働時間が0.8%減というのも、調査対象が変わっていたとすれば理解できます。人手不足なのに労働時間が減り、給与を上げる。そもそも調査対象が異なるので、比較するのは意味がないのです。経年的な変化をグラフにしていますが、それすらムダであり、今後も調査対象がころころ変わるならこの統計には意味がないことになります。
総雇用者報酬をみるべき、と安倍首相は国会で語りますし、非正規や高齢者や女性の就労が増えたのだから、と説明をする人もいます。しかし働き方改革でそうした就労を増やしたのは、安倍政権であり、仮にそれが収入減の原因だとしたら、政策の失敗を意味します。また総雇用者報酬とて、調査対象を数倍して求められるため、その数字が正しいかどうか? その保証が安倍政権ではありませんし、信用がゼロです。

例えば総務省の家計調査では、18年を通じた平均で、季節調整値として勤労者世帯(総世帯)の実収入は前年比、実質1.2%減、名目0.0%です。調査手法が異なるとはいえ、1%以上も開きがあるので何がこの国の実態を移すのか、まったく不明なのです。これが二人以上の世帯になると実質0.6%減、名目0.6%増と多少は毎勤に近づきますが、顕著なのは世帯主の収入は大きく目減りし、配偶者や他の世帯員の収入が伸び、実収入が押し上げられていること。つまり家計調査では、一人一人の成員の収入は前年より減少した、給与は下落傾向にあると示しており、単身世帯も含む総世帯の数字よりも毎勤との乖離が顕著なのです。
毎勤は事業所に対して支払った賃金を映しますから、そこが増えているなら本来は家計調査で世帯主の収入が増えていないとおかしい。非正規や高齢者や女性の就労が増え、世帯主の減収を補ってぎりぎりで名目の賃金がプラスになった、というのが家計調査の結果なのです。毎勤の結果との乖離、数字でみると一見それが小さく見えても、中身を精査するとまったく逆の姿がみえてくる。これでは日本の統計の信用回復などは到底ムリです。最近、株式市場でも外国人投資家の売りが止まらない、と懸念をもって語られますが、こんな統計不正をする国は売られて当然です。ギリシャの二の舞になりかねないのですから。

1月の景気ウォッチャー調査、これぐらいは正しくあって欲しい、と祈るばかりですが、現状判断DIは前月比1.2pt減、先行き判断DIは前月比1.5pt増。ただ先行き判断の中には、改元への期待や増税前の駆け込み、10連休といった一過性の項目が並び、危険性も感じる。改元が商売になるケースもあれば、ただのコスト増というケースもある。増税といっても、キャッシュレス決済ならむしろ減税となる場合、本当に駆け込みがあるのか? 特にここから株式市場が二番底をつけにいくような場合、楽観はすべてふっとぶかもしれません。
企業が検査データをゴマカシたり、数量を誤って深刻したりすれば、市場から大きなペナルティを食らう。国全体が統計データで不正を働いたらどうなるか? その国から資金を引き上げてしまうのです。今の日本はまさにそうした流れに入ってしまったのかもしれない。今回の毎勤と家計調査にみられる差なども、まさに不審の塊となるでしょう。日本が市場から退場宣告を受けないために、早く是正をはからなければいけませんが、安倍政権がのさばる限り、それは難しい。国内で支持が高くても国際的な評価の低い政権、日本人がそれに気づかず井の中の蛙であっては、外国人投資家も日本株はもう『蛙(買わず)』という判断にしかならなくなるのでしょうね。

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2019年02月07日

雑感。SBGの決算

北方領土の日、「北方4島が不法に占拠され…」の文言を用いない声明が採択されましたが、むしろ声明が忖度された、といった方がよいのでしょう。安倍政権に任せたら、4島どころか2島返還すら危うい。むしろこうした声明を外交に利用し、日本人は熱望していると露国に迫ることもできない。もう『北方領土の日』と掲げることすら、国内では禁止され、今後は『露国から領土を貸してもらえる日』になるのでしょう。鉢巻の文言さえ変わりましたが、日露平和条約がむすばれても島が返ってこないとき、出席者は何を感じるのでしょう?
安倍首相は「森羅万象すべて担当」と述べました。だとしたら今回の統計不正の問題でも責任をとらなければなりません。担当であり、かつ責任者なのですから。「遺憾」などと他人事で済ますこともできなくなります。安倍氏はナゼか自分を立法府の長と勘違いすることも多いですが、本来は行政の長であり、担当だと言い切ったのなら猶のこと逃げることも許されないのです。本当は「国会で行政のことに関してはすべて質問される立場」というのが本旨なのでしょうが、意味すら踏まえず「森羅万象」と四文字熟語をつかったせいで、おかしなことになった。地震が起きても、町で殺人がおきてもすべて「担当」ということになるのです。

今日の日経平均は、ストップ高したソフトバンクグループ(SBG)が150円以上の押し上げ効果だったにもかかわらず、122円も安くなりました。朝方、9時直前に円安にして日経225先物を買う、といった動きもありましたが、それに失敗したばかりに上値を重くした、そんな印象もあります。先物と実際の日経225の指数に乖離が生まれ、それがしこりとなった。結局そうした動きもSBG期待を織りこみ過ぎた面があるのでしょう。
ただSBG株は6000億円という巨額の自社株買いを囃しますが、決算はかなり怪しいものです。保有するNvidia株は10-12月期に大幅下落したものの、リスクヘッジで損害は軽微。そう説明もありましたが、ヘッジの取引をしているのなら、収益性は格段に落ちていることになる。そもそも半導体株に期待して買った、孫会長の眼力は大丈夫なのか? スマホの販売も陰り、VRやARが今のところ撥ねる兆候もなし、eスポーツなどと言ってもネットゲームをするのはごく一部。スマート家電や自動運転技術などもまだ課題を抱える。半導体株の未来は明るい、といってみたところで、今は過当競争とさえ言える状況もあります。つまり孫氏の投資がITバブルのただの後掴みだったのでは? そしてヘッジをかけたということは、実は孫氏の投資が株安を促した面があるのではないか? 自分が損をしないために、どこかで新規に売り建てたはずだからです。

それはPayPayで再度、100億円のキャンペーンを打つぐらいですから、自社株買いの6000億円ぐらいだせる、との自負もあるのでしょう。しかし自社株買いやグループ企業の保有株は、決算ではその損失を計上する必要がない、としても金融機関との取引では資産や担保として影響する。借金経営のSBGは、グループの株を高くみせかける必要があるのです。携帯会社のSBの上場にも失敗し、一瞬だけ公募価格を上回る、ということもありましたが、ほとんどそれより低い水準で推移している。Nvidiaにしろ、いくら一旦は損失を回避できたとしても、どうしても不安が残ります。世界経済の減速とSBGの戦略が合致しないと分かったとき、改めてその真価が問われてくることになるでしょう。投資会社に転換して本当に大丈夫か? と。
すでに買われ過ぎの日本株、世界全体のもどり基調が終わるようなときは、やっぱり投資会社には厳しい目が向くことになります。SBGの正念場はまだ先かもしれませんが、それこそ「森羅万象すべて」知ることもできない人間が、投資で成功し続けるのは至難の業です。もし富裕層が互いのネットワーク、及び損失を補填し合う仕組みでもって、生き残りをはかっているとしたら、そのときは別の怒りがSBGに向かうこともあるのでしょう。少し前に米国でおきた99%運動、残り1%を罰することができるのは、それこそ「森羅万象を司る存在」しかいなくなってしまうのですからね。

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2019年02月06日

トランプ大統領の一般教書演説

日経が『中国企業の業績急ブレーキ 1割赤字 1000社が減益』という記事を挙げました。しかし昨日もとりあげたフレーミング効果、それを狙った悪質なタイトルにも感じます。後半を『9割黒字 2500社が増益』と書くと、同じ内容ですが印象が大きく変わるでしょう。ただ、1〜9月期までは絶好調だった中国企業が、10〜12月期の急変で一気に悪化した部分もあり、警告という意味なら慧眼ですが、どうも最近の日経には誤解を与えるような記事も多く、今回は人目をひくために記事に不自然なフレームをかけたのか、それとも日本企業の業績悪化を過小にみせかけるため、かの国の方がひどいという印象を与えたかったとみられます。

トランプ米大統領の一般教書演説、サービス精神には溢れていましたが、内容は薄くて消化不足です。目立つのは北朝鮮との首脳会談に言及、壁建設は諦めず、破滅的貿易政策の転換が最優先課題、インフラ投資をすすめ、医療費や薬価の引き下げ、景気減速に神経をとがらせ、そのために党派的(ロシアゲート事件の)調査を止めるべき、というものです。アフガンの撤退も、トランプ氏の独断であって軍にも寝耳に水だったことが判明していますが、それも正当化する。最大に目をひくのは、「私が大統領でなかったら北朝鮮と戦争」という件です。
15ヶ月も核実験がない、ともしますが、今のところ慌てて実験する動機が薄い、というだけです。問題は、トランプ氏はここ数ヶ月のうちに米朝交渉で成果をだすことを強く望んでいる。それは大統領選にむけて…という事情ですが、それが上手くいかなかったとき、米朝戦争の危機が一気に高まるでしょう。戦争という言葉を軽々し口にした以上、トランプ氏の頭にはその選択肢が入っていることは明白です。そのときは米中貿易協議などはふきとび、米中戦争にむけて極端に緊張が高まることにもなってしまうのでしょう。

南米のベネズエラでも、マドゥロ政権とグアイド国会議長による綱引きの裏に、米中の思惑があります。反米政権をゆるさない米国と、現政権に貸し込み、原油利権を得ようとしていた中国と。米国はすでにCIAを動員し、経済封鎖をしていますから、ここで米国が勝利すれば中国の債務を棒引きさせるなども、米中貿易協議の交渉材料となるかもしれない。南米でおきていることも米中には大きく関係してくるのです。
こんな状況で米中貿易協議が進展することはないでしょう。とにかく対立する点が多過ぎて、またそれぞれが取引材料になるので、解決に向かうなら一足飛びですが、少しずつ解決は困難なのです。トヨタが決算を発表し、本業の方の打撃は少なかったものの有価証券の評価損で3558億円を計上しており、やはり出てきた印象です。バブル期の教訓で控えていた株式もちあいが、世界的な景気回復局面で油断につながり、増加していた。それが10-12月期で一気にマイナスに作用した。そして今の株式は回復といわれますが、米中短金利の逆転や金価格の上昇をみても、危機はまだ終わっていない。3ヶ月つづいた下落が一旦止まっただけで、下落局面がつづいているのなら今回の上昇は1ヶ月半、つまり2月半ばで終わり、また下落をはじめるでしょう。今はそれが起きるかどうかを見極める時期、相場循環を確認するタイミングに来ている、ということでもあるのです。

トランプ氏が神経を尖らせる、景気についてですが、米企業には中国の影響が遅れてでてくることになるでしょう。10-12月期は大きな影響もみられなかった、それは米国が最終製品を輸入するだけだからであり、中国へのサプライヤーである日本企業には過大な影響がでている。果たしてこれが一過性で終わるか? とてもそうは思えません。ロシアゲート事件も概ね捜査を終えつつある、という。もしトランプ氏が更迭されるような場合、市場がそれを好感するのか、悲観するのか。トランプ氏のファーストネーム、Donaldは古いケルト語のdubno(world)とval(rule)からなりますが、トランプ氏が世界のルール足り得るのか、それともルールによって権力の座から引きずり降ろされるのか、今や世界経済を米国一国で支える構図であり、大きなインパクトをもつだけに注意が必要なのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:47|PermalinkComments(2)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | アメリカ

2019年02月05日

麻生発言と統計不正

麻生財務相の「年を取った奴が悪いみたいなことを言っている変な奴が一杯いるが、それは間違い。子供を産まなかった方が問題なんだから」発言。問題ない、や言葉狩りという人もいますが、それは間違いです。まず前段のおかしな想定で「変な奴が一杯いる」とし、後段をその比較として「問題」とするこうした手法はフレーミング効果と呼ばれるものです。まず「年をとった奴が悪い」などというのは、ごく一部のサイトのごく一部の人間です。それを「一杯いる」とおかしなフレームを当てはめ、比較によってもう一方を貶す材料とする。それは誤解を与えるやり方であり、多くの商品でも行われる商法です。
しかも、前段のごく一部の人間の方が明らかに問題です。そもそもそんな人間が一杯いたら、事実の誤認であり、それを引き起こした政治の責任です。それに産まないのではなく、産めなかった人も多い。精子数の減少や女性が病気で、産みたくても産めない人が多いのです。そういう人に国がきちんと手当をして、支援したのかが問われる。麻生氏の発言の最大の問題は、自身が政権の座にあって為すべきことをしたのか、の責任には全く言及せず、どちらにもおかしな想定を当てはめ、責任をなすりつけたことにあるのです。

統計不正の問題、政権寄りのメディアは『不適切』の言葉をつかうことが多いようです。しかし実刑まである犯罪を『不適切』とは、どんな忖度でしょう? 日経まで『不適切』と使うに至っては、この国では統計が正しくなくても経済的に問題ないと、世界的に喧伝するようなものです。言葉を正しくすれば、『毎月勤労統計の不適切調査』ではなく、『統計不正事件における不適切調査』です。つまり刑事事件の調査に関して多くの不適切な部分があるのであって、統計法違反という重大な犯罪であるはずの『毎月勤労統計の不正』を、内輪で幕引きするために『不適切調査』をする、という二重に問題がある事象なのです。
しかも、総務省が「景気指標を見る場合、参考値を重視すべき」との見解を示し、財務省もほぼ同意見のようです。そうなると、政府が発表する日本の景気指標とは一体何なのか? メディアが報じる数字に何の意味があるのか? 実はほとんど報じない参考値が目安だというのですから、国民に正しい情報を伝えていない、ということにもなるでしょう。さらに参考値を再集計していない厚労省は「検討中。統計の専門家の意見をきく」と、統計を扱うのに専門家もいない、という自分たちの無能ぶりまで露呈する始末です。

それは決められた通りにやるだけなら専門家はいらない、ということかもしれませんが、その結果として不正が長く放置されつづけたのなら、組織として成り立っていない。そんなものが日本の行政機関だとしたら、この国の未来は暗いのでしょう。安倍首相は「統計を弄っても安倍ノミクスをよくみせることはできない」と述べましたが、すでに毎月勤労統計で「見せかけ」はできており、安倍氏がまた嘘をついたことになります。ただその嘘は、良識ある国民に向けたものではなく、自身の支持層向けだったのでしょう。
米国のトランプ大統領も同じですが、今や政治は常識のある一般人向けではなく、非常識でも自分を支持してくれる層向けに発言し、行われているという状況なのです。麻生氏の発言も同様です。その不自然さ、滑稽さに気づくような人に向けてのものではない。そんな非常識な発言を、支持者が納得し、鵜呑みしてくれることだけが重視されているのです。こうした政治手法を『30%の政治』と呼んでもよいのでしょう。良識のある70%に納得してもらうより、非常識でも自分を支持してくれる30%に向けた政治、発言をするということです。麻生氏の先の言葉を、こう言い換えると安倍政権の心根が知れるのでしょう。「嘘をつく奴が悪いみたいなことを言う奴が一杯いるが、それは間違い。嘘を見抜けなかった方が問題なんだから」そうやって自身を正当化し、政治をしているのが安倍政権なのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:37|PermalinkComments(4)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2019年02月04日

先物市場の動き

千葉県野田市で小学4年生の女子児童が浴室で亡くなった事件、ついに父親につづいて母親も逮捕されました。教育委員会のダメぶりが取り沙汰されますが、高圧的な態度でせまる親は、その子に対してもっと高圧的であると考えた方がいい。なので教育委員会はそれに屈してはダメなのです。またDVがあれば母親はすでに支配下であり、その母親に子供を委ねることは自殺行為です。母親が夜逃げでもして、父親と遠ざかれとでもいうのか? 児童相談所の判断も愚でしょう。未だに父親は「躾けだ」と述べているようですが、「躾け」かどうかを判断するのは本人ではない。社会通念上、ゆるされざる範囲を超えるものは暴力であり、犯罪なのです。教育委員会や児童相談所にその判断ができないなら、早期に警察に委ねた方がよいのかもしれません。

今日の株式市場はかなり特殊でした。9時少し前から円安に誘導、TOPIX先物に大量の買いが入り、それが一服した10時少し前にふたたび円安に誘導、日経225先物に買いを入れたものの動きが鈍いと見て、すぐにTOPIX型に切り替え、結果的にTOPIX先物と日経225先物の商いに、大きな乖離を生むことになりました。
先週、米雇用統計が市場予想を上回ったことで米金利が上昇、円安というのが一般的な見方ですが、個人的には中国の春節の影響もあったと考えています。対ドルの人民元安誘導も、米中貿易協議がはじまってからは人民元高にしたり、方向感がありません。そうした一部のヘッジとして円買いがあったのか、もしくは10-12月期からつづく貿易量の減少で余った円買いを、春節のタイミングで吐き出した。実際、米金利は小幅な動きでしたし、米夜間取引では日経平均はほとんど上昇していなかった。米市場でも円安にすすんだタイミングがかなり特異なものだったことからも、きっかけは金利とは考えにくいのです。

しかもTOPIX先物を大量買いした米系大手は、マレーシア政府系ファンドの資金流用にかかわった件で米司法省から捜査をうけています。しかも10-12月期、株式トレーディング部門で大幅黒字をだして市場を驚かせた。ここで日本で一当て狙ってきた、と考えるのはうがち過ぎかもしれませんが、ここに来て日経大手の日経225先物の爆買いが止まり、どちらかというとこれまで売っていたTOPIX先物を買い戻す流れにもなっている。そうしたものが合わさって、今日のTOPIX先物を大きく押し上げた要因になったことは間違いなく、日米合作だった印象です。ただし、今日の取引では他の追随があまり多くなく、特に日経225型が細ったのは予想外だったかもしれません。日系大手も米系大手も、自分たちが市場動向を左右できると考えて、仕掛けたようにも見えますが、見せ玉をつかってみても動かない投資家が多かったのです。
日本では金融庁が高速取引を監視する方向ですが、こうした技術の進展を妨げたり、敵意をみせたりしても、それは技術が遅れていくことになり、ますます日本市場から資金を遠ざけるでしょう。本来行うべきなのは高速で見せ玉をつかうなど、相場操縦を疑われるものであり、それは今の規制の中でも行うべきことなのです。そして、どちらかに大きく傾きをかけてポジションをつくるなどの行為を監視し、不意な変動をふせぐことが当局には求められるのです。むしろ、金融庁や証券取引等監視委員会が行うべきなのは、高速取引を上回る高速監視によって、相場操縦を防ぐことにあるといえるでしょう。日本では、本来規制や監視すべきところがそれをできていない、それは行政の不祥事を取り締まるべきところができていないのですから、児相や証取だけを指して怠慢ということはできないのかもしれません。日本では行政の怠慢の間に、犠牲になる人が増えてしまう。安倍政権の傲慢さ、行政の欺瞞、国民の不満、株式市場では万がふきとぶ…日本ではマンが飛び交う状況にあり、日本には不正が『蔓』延している以上、こうした問題が次に大きなリスクとなって降りかかったとき、対処のしようもなくなるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:04|PermalinkComments(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

2019年02月03日

細野氏の二階派入り

日本会議が機関誌にて、新元号を4月1日に発表する安倍首相に対して「遺憾の意」を掲載していたことが判明しました。強力な支持母体として、自民党内にも日本会議に属す議員が多い。これまで安倍氏に対して恭順だっただけに、少し意外な気もします。ただ、日本会議系の議員が続々と失脚、後継レースから脱落していく中、安倍後のことを考えた場合、ここら辺で存在感を示しておかないと、凋落の一途をたどることにもなるでしょう。つまり自分たちを保守系団体として、アピールして政治にも影響力を発揮できると示す必要があった。
安倍氏がそこまで考えて4月1日に発表、としたとは思えませんが、それを材料として日本会議が仕掛けた、というところもあるのでしょう。そしてそれは、日本会議も安倍後を考え始めたことも意味する。自民党の内規を変えて4選…安倍氏の頭にはあったでしょう。しかし周りがそれを赦す雰囲気がなくなってきた。永田町では、次期総裁候補の流れができると、一気に現職の力が落ちる傾向もある。安倍氏としては次期総裁候補にまで影響を与えたい、と考えているのでしょうが、実は消費税増税のころまでが契機となるのかもしれません。

細野氏が二階派入りし、自民党内がザワつきます。ナゼなら、悪い意味でも知名度なら次期総裁候補級だからです。細野氏は希望の党でも選挙区で勝利するほど、選挙に強い。岸田派の吉川氏は比例復活もなりませんでした。恐らく次の衆院選でも同じ結果となれば、その次の選挙では細野氏が自民公認となるでしょう。力で勝ち取るのが政治ですから、票をもっている方が強いのです。ただ問題は、細野氏に投票していた層が、どこまで与党議員になりそうな細田氏についていくか? そのバロメータが次の選挙となります。
そして二階派はこれまで閣僚を送り込んでも無能をさらけだす、という醜態をさらし、総裁レースでも蚊帳の外。それが細野氏を抱えることで、総裁選を戦える勢力となってくれば、総裁選レースが大きく動くことにもなるでしょう。二階派の資金力、結束力、清濁併せ呑むその懐の広さなど、二階氏はまさにかつて師事した小沢自由党代表に通じるところがあるのでしょう。そして派閥の規模としては第5位とはいえ、その調整力をもって他の派閥をとりこみだすと、一気に総裁選でも力をもちうるのが脅威でもあります。

そして二階派の前代表は伊吹氏、その伊吹氏は神道政治連盟にも関係していました。その仲介で細野氏が日本会議から支持をとりつけると、自民党内の日本会議系議員も従わざるを得ない。まさに自民党内が風雲急となります。これまで総裁候補に悩んでいた二階派、日本会議が手に入れるコマ、それが細野氏になる可能性がある。外様ではありますが、細野氏が自民党入りしてもらっては困る人間たちが、今ザワついているということです。そのザワつきはしばらく止まらないでしょうし、足の引っ張り合いが始まることでしょう。
ただ、安倍後の自民が政権与党の座に居続けられるかどうか? 行政不祥事が相次ぎ、統計さえ正しくなかった。経済情勢すら間違えていたとすれば、日本は凋落にすでに足を踏みこんでいる可能性すらあります。産経によると、韓国のレーダー照射以来つづく行為で「日本国民の怒りは頂点」だそうですが、多くの国民が「また支持率の低下した政権が、反日でご機嫌取りをしている」としか考えていないでしょう。しかし「支持率の低下した政権が、反日をする韓国に強気の態度を示すことで、国民にアピールする」安倍政権に対して、そのうさん臭さに気づけないようなら、韓国と日本はほぼ同列、対岸の火事と笑っていられないことにもなります。失敗した安倍政治の後を継ぐ、思っている以上に大変であることを自覚しないと、自由民主党が自由貧弱党に凋落する可能性すらでてくるのでしょうね。

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2019年02月02日

雑感。米経済指標と日本の統計不正

米1月雇用統計では非農業部門の雇用者数が前月比30.4万人増と、市場予想を大きく上回りました。失業率は4.0%となりましたが、こちらは政府機関の閉鎖の影響とみられます。平均時給は前年同月比で3.2%増と、上昇率はインフレを昂進させるレベルです。ただ、米国では一時期より下がった原油により、ガソリン価格が押し下げられており、むしろ生活の余裕ができたというレベルでしょう。ただ1月の消費者態度指数確報値は91.2と7.1ptも急落しており、政府機関の閉鎖といえど影響が大きくなった印象です。
一部の政府機関が1ヶ月も閉鎖されたのに、米国の経済統計への信用度は高い。ただ、ISM製造業景気指数は56.6と、市場予想を上回りましたが、世界経済の減速の影響は徐々に表れており、この数字が正しいとすれば雇用環境は悪化していくことになるでしょう。今が絶好調であるだけに、雇用に下方へのバイアスがかかったとき、果たして市場がどう判断するか? 減税効果の剥落がはじまる米国で、今後の景気見通しはねじれ国会の行方と、米中貿易戦争により、相当に読みにくくはなってくるのでしょう。

安倍首相がキャッシュレス決済を体験、という映像が流れて「意外と簡単」などと述べていますが、逆に「使ったことなかったの?」と驚かされます。周りから言われて消費税増税対策に盛り込んだ、というだけだから、それが効果的なものかどうか判断できないのでしょう。導入したら定期的に接続料などがかかり、負担になる。だから9ヶ月程度の一時的な対策では、導入するところも少ない。しかも一部の小売りでは、その分を値下げによって対応するというところもあるので、尚更導入はすすみにくいといえます。
しかもそれはデフレ要因ですから、安倍政権がめざす脱デフレとも逆行する。政策と、効果についてまったく理解できていないから、安倍ノミクスも失敗したといえます。しかも統計不正がおきて以来、安倍氏は「連合の賃上げ率は…」と、安倍ノミクスの成果を語りますが、連合の賃上げ率を政策に反映することはない。本来、統計不正について最も怒りを示さないといけないのが、安倍政権なのです。なぜなら行政の統計により政策が決められているからで、政権の政策が歪められ、効果がでなかったり、まったく的外れだったりした可能性がある。それなのに、担当部局の職員を即更迭するなど、むしろ真相の隠ぺいに加担している。だから安倍政権が主導する形で、統計不正が行われたとの疑いが強まっているのです。

厚労省のお手盛り調査でも、安倍政権が自ら厚労省に向けて「こんないい加減な調査をして」と怒るのがスジです。国会で追及されたら困る、という事情はあれど、だからこそ省内できっちり調査したという形で幕引きしておけば、ここまで長期化しなかったはず。間違えた対応で問題を長引かせたのに、安倍政権がそれを処分しようともしない。むしろ安倍政権の指示に従い、早期の幕引きをはかった厚労省はその従順さを評価されている気配もある。財務省も、文科省も、安倍政権の不正を隠ぺいし続けたら、そのご褒美として省庁を退任しても天下り先が準備されている。そんな噂すら囁かれるほどになっています。
むしろ、安倍ノミクスの成果を強調するために、統計不正が行われていたのでは? そうした推測は強ち間違いでもないのでしょう。それを安倍政権が指示していたのかどうか? そこまで踏みこめるのかどうか? 携わった官僚を証人喚問できるのか? 今の与党の怒りがただのブラフでないのなら、国会できっちりと証人喚問までして結果をだすでしょう。野党の追及の仕方ばかりが問われますが、実は与党の態度の方が重要といえます。それ次第では、統一地方選や参院選にむけた、怒りの矛先が与党に向かうことになるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:15|PermalinkComments(2)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2019年02月01日

GPIFが過去最大のマイナス

年金積立金管理運用独立法人(GPIF)が10-12月期で、14.8兆円の運用損となりました。見事に安倍政権で運用比率を変えて株式を増やしたツケで、過去最大のマイナスです。しかも国債は国内がわずかにプラス運用であるものの、長期金利もマイナスに突入しており、ここが限界でしょう。GPIFは2001年度以降の累積収益率は2.73%で、財政上必要な収益率は上回っているとしますが、10年もつづく好景気がここまではプラスに寄与しただけであり、今後先進国の中央銀行の金融緩和を大規模にはできない、という前提に立てば、運用はますます悪化するだけでしょう。しかしこれはGPIFに限った話ではなく、今後どの国も年金運用が企業収益のブレーキになりかねない、そんな噂すらささやかれます。

日本でも2001年から確定拠出年金の運用がはじまっており、圧倒的に企業が掛け金を払う企業型の運用が多い。加入者は運用について指示することができ、配分比率などを変えることもできますが、昨年末の急落で多くが損失をだしているでしょう。売却しない限り損失は確定しませんが、将来もらえる私的年金が減ったことに間違いない。労使の問題もあるので一概にはいえませんが、そうした損失を個人が負うのか? 企業サイドがある程度その損失を肩代わりするのか? によって後者なら業績の圧迫要因です。
昨日、野村が4-12月期の業績を発表し、1千億を超える赤字でした。のれん代が800億円以上ありますが、問題は200億円弱の個人営業やホールセール部門の赤字です。減益要因にはなっても、あまり赤字になることのない部門まで、赤字を計上している。昨年来、ここの業績は気になっていましたが、やはり赤くなった印象です。むしろこの程度の損失で済んで御の字、もしかしたらまだ膿が溜まっているかもしれません。問題は野村にしろ、確定拠出年金の運用委託先となっている場合、委託側の企業とどういう契約を結んでいるか? 元本割れをしない運用も選択できるようになっていますが、もし元本割れしてしまったら、委託した企業か、運用した側が補填しないといけません。これだけ相場が急変動してしまうと、元本割れを起こしている可能性もあり、そうしたものが影響したということも考えられるのです。

日経がこの前、中国がリーマンショック前にうった景気刺激策より、今回はまだ対策費用が少ないので、追加で刺激策を打つ可能性と報じていました。しかし以前と比べ、中国の国家債務が急拡大しており、そんな余裕があるかは微妙です。また米企業の10-12月期の業績は、思っていたほど悪くないとして小康状態にあります。ただ消費は遅効性があり、また年末商戦は蓄えで何とかなった部分も大きい。10-12月期の急落による影響はこれからうけるでしょう。気になるのは、中国から米不動産市場に流れる資金が急減という話もでており、もしそれが不動産価格の下落を招くと、米国経済とて斜陽に入ることは間違いありません。
中国はこれまで社会主義体制の下、年金などは手厚い面があった。ただ急速にすすむ少子高齢化と、成長の減速、後退まですすむと、一気に年金財政も悪化することになります。米国とて401kの運用に失敗した人が増えれば、社会不安すら招くかもしれません。世界全体が低成長に陥ると、世界中で年金トラブルにより国家が傾くことすら考えられるのです。GPIFとてその懸念から逃れることはできません。昨年の急落が第一幕で、今後二幕、三幕とつづいていくのか。それはこれからの各国政府の動きと密接でもあるのでしょう。とりあえず、米中協議はまだまだ時間がかかりそうな印象です。次にリーマンショック級のことが起こったら、今の世界に耐性は低い。そのときは年金などふっとぶことも覚悟しておいた方がよいのかもしれません。日本もすでに金融機関がガタガタ、野村まで大赤字となる現状では、ショックについてもある程度は頭に入れておいた方がよく、そのときはGPIFが元本維持不能(GanPonIjiFuno)の頭文字にみえてくるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:07|PermalinkComments(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 一般