2019年03月

2019年03月31日

統一地方選、前半のラストサンデー

自民党の甘利選対委員長がNHKの討論番組で、「(憲法を)政府の解釈で乗り切るのはもうそろそろ限界」と述べ、憲法改正議論を始めるべきとしました。しかし維新の馬場幹事長が「自民党から『憲法改正議論を置いておこう』との声が聞かれる」と暴露され、甘利氏の発言が保守層にむけたただのパフォーマンス、ということが露呈しました。そもそも「解釈で乗り切って…」いること自体が誤りで、憲法を何だと思っているのか? 憲法を蔑ろにしている者たちが改憲を騒いでいるのは、滑稽でしかありません。
しかし滑稽なのは、この国の政治そのものかもしれません。統一地方選、前半のラストサンデーに安倍首相は私邸近くの公園を歩いてお花見です。苦戦が伝えられる大阪W補選の応援演説に入ってもおかしくありませんが、それをしない。改元を控えて…などとされますが、菅官房長官は横浜に入っており、神奈川県知事選ですら安倍氏が演説に入らないのは、不自然という他ありません。保守分裂選挙も多いですが、どちらに肩入れしても禍根を遺すから、といってもそうでない知事選もあるのですから、演説に入ればいいのですが、そうしない。これは憶測ですが、安倍氏は改元に緊張して、体調が悪くなっているのかもしれません。

統計不正という特大の不祥事があっても、安倍氏は厚労省の問題として、知らぬ存ぜぬで逃げ果せたため、ほとんどストレスがかからなかったはず。桜田五輪担当相の不安定さも、片山地方創生担当相の贈収賄疑惑も、ナゼか国会もメディアもスルーし、国会は凪のまま予算案が可決されました。昨年より下がったとはいえ、株価も2万円をキープしており、憂うことは何もないはず。唯一の問題は、統一地方選で自民が分裂していること。総裁としての指導力が疑われるところですが、幹事長に責任を転嫁することで、その辺りも心の回避はできるでしょう。亥年の選挙イヤーを安倍氏は懸念していたはず。ここでの全力投球をしないのは、やはり安倍氏の側に何らかの問題があるとみて間違いないのでしょう。
そもそも改元にしろ、なぜ安倍氏が説明するのか? 逆にそんなことをするため、余計な波紋を呼びかねません。例えば初の国文学からの採用となれば、様々な憶測をよぶでしょう。中国古典からの採用となれば、保守勢力から失望をうけるかもしれない。発表は菅氏、説明は安倍氏、として手柄を分け合おうとしたため、余計なものを安倍氏が背負い込んだ形です。言葉は悪いですが、菅氏が「平成を踏襲」としたことで、発表の手柄を自身が得る。安倍氏にも気配りとみせて説明を引き受けさせ、負の部分を請け負わせた。菅氏の戦略にはめられた形であり、余計に安倍氏が緊張を余儀なくされることになったのかもしれません。

菅氏はそれこそポスト安倍を狙っているでしょう。安倍後は誰がやっても大変、だからこそ自分が後継となることで、安倍政権の政策を継続するとアピールできる。そう党内に訴え、支持を得る。実際に菅氏が勢力を伸ばしており、無派閥でもあることから派閥間の対立とは無縁でいられる。統一地方選でみられた保守分裂、そこから党内一致を訴えるのに恰好の人材、そうアピールできるのです。さらにここに来ての改元での手柄、「平成の踏襲」その言葉には、小渕氏と同じで自分も首相に、そんな思惑が見え隠れするのかもしれません。安倍氏の心痛、それは獅子身中の虫がいると知りながら、重用せざるを得ない。まさにお腹が痛い問題、といえるのでしょうね。

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2019年03月30日

東電が東通村に寄付を検討

東京電力が青森県東通村に企業版ふるさと納税制度をつかって、4億円を寄付することを検討、とします。東通原発1号機が建設途中のまま、福島原発の事故で止まっているために、固定資産税の収入がみこめなくなったから、としますが、そもそもの問題は、村がまだ完成もしていない原発の固定資産税の収入を当てこんでいたことにあります。確かに、原発の受け入れを決めた時点で計画はすすむでしょう。しかしそれが不測の事態で止まる、ということは往々にして起こり得る話です。例えば未知の活断層が発見されて、建設地として不適合となったり、巨大地震により海岸線に津波が襲うことが後で判明したり。両者ともそう低い確率でないことは福島でも証明され、柏崎刈羽のように活断層ではないと抗弁することでこれまでは済ませてきました。
しかも東電は国からの支援をうけた企業。損害を与えた福島になら寄付はみとめられても、仮に完工しても原発を動かす目処の立たない地方に、なぜ寄付をするのか? 福島原発の被災者らが起こした訴訟について、裁判外紛争解決手続きを拒否し、係争中であるにも関わらず、です。つまりこの問題は、実際に損失を与えた側とは積極的に向き合わず、損失を与えたわけではない側には寄付する、ということをどう捉えるか? どちらも機会損失を与えたことになりますが、明らかに前者の側への手当てを厚くすべき、といえるでしょう。

しかし企業からみれば、被災者へお金を払ったところで感謝されることはなく、また今後の付き合いがあるわけでもない。一方で、それこそ将来原発が建設されたら、地方自治体とは長く付き合いがある。企業サイドからすれば、経営判断としてどちらを優先するかは当然、ということでしょう。ただしそれは義務を果たしている、とは言えない。企業は周辺住民や、それこそ利用者を無視して活動していいわけでもありません。特に、国が支援していなければ東電はつぶれていた企業、半官状態で一地方自治体に優遇を与えることをみとめていいのか? これを国や経産省として許すのか? という問題にもなってきます。
特に、東通村はすでに4億円の寄付を表明している東北電力と合わせた8億円を、地域再生計画として移住促進策につかう、といいます。電力会社の寄付に頼ってそんな事業をする地域に、果たして住民は暮らしたいと思うか? 道路は電源三法交付金で整備された、としても実際に原発が建設されなければ、それも心許ない話です。東電が破綻したら、それこそ原発計画もとん挫し、交付金もうけられなくなるかもしれません。

週刊誌で、東北から関東にかけての汚染度が載っていました。問題は、こういうことを国が発表しない点にあるのでしょう。それこそ関東全県にかけて、東電は賠償請求の対象にされかねない。原発再稼働すら頓挫するかもしれない。だから汚染状況を国が発表しない。しかもこれは地上の話で、海の中を調査したわけではない。これまでも河川から流れ込んだ汚染土が滞留するのは河口付近、という話があっても国は調査しません。水中はそれこそ天然の遮蔽物があるので、土を掘らないといけないため、国がすすめなければいけない大きな事業であり、本来は必要な作業でもあるはずなのに、です。
東電の寄付も、それこそ安倍政権が統一地方選で訴える地方創生を、企業サイドから後押しする、という意味があるのかもしれません。しかし東通村がもし地域再生計画などを始めたら、それこそ他の地域から住民を奪うことになる。そんなことを、企業サイドから後押ししてよいのか? という話にもなるでしょう。ふるさと納税制度、多額の返礼品が問題視されていますが、企業版ふるさと納税制度にも疑問を感じざるを得ません。今やふるさと納税制度自体、ふつごう納税制度に変えた方がよいのかもしれませんね。

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2019年03月29日

雑感。中高年の引きこもり61万人

今日の日経平均は21205.81円となり、18年度の騰落は248.49円のマイナスとなりました。どこもドレッシングに動かず、静かな年度末となったのも、新年度からの戦略が立てにくい面もあるでしょう。4月は外国人投資家が買いに動く特異月とされますが、ファンドなどの益出し売り、年金などが支払いを確保するための売りをだすなど、読みにくい面もあります。特に10連休への警戒もあって、4月はポジションを落としておきたい。Brexitと米中貿易協議などの行方も見えず、トルコやブラジルでも新興国不安が再び、など見送りムードが強い。
特に日本が真っ先にスルーされるのは、金融緩和の負け組だからでもあります。今日も売買は2兆円にやっととどく程度、最近は円安でも反応しにくくなったのは、外需が落ちているときに円安でも、輸出で稼げないばかりか、輸入が負担となることも影響する。金融相場に乗り切れない日本、余裕のある欧米が緩和に転じたら、日本には引き締め効果がでるのが確実でもあります。それを避けるための策も色々と語られますが、どれも弥縫策でしかない。世界経済は不透明ですが、日本経済は完全に負け組だからスルーされるのです。

外国人労働者の受け入れも、増税時の対策も混乱を生じる模様です。そもそも日本人と同じ待遇、とすると就学ビザで入国し、アルバイトする人とどう見分けるのか? 何らかの証明するカードを作ってもすぐに偽造されるだけ。疫病の診断や健康診断などをうけさせるとしたら、一体どこが負担するのか? 等々の詳細な制度設計が遅れており、マイナンバーも振り当てないといけません。日本人ではない、でも日本人と同等の待遇、とするのは線引きが難しく、また省庁も横断的となってしまい、とても難しいのです。
内閣府が中高年の引きこもりが61万人と発表しました。経済財政諮問会議が、就職氷河期の人材に能力開発を、などとまたトンチンカンなことを言っていますが、長いこと就労していないと、企業は採用しません。能力開発をしたところで同じ、欲しい人材に育て上げてくれるわけでもないので、言葉は悪いですが、能力開発などという言葉自体がまやかしであり、それをするぐらいなら企業に研修採用をさせた方が、よほど有意義です。人間関係でトラブルとなり、引きこもったなら職場の人間に馴れる方が先でもあります。

企業サイドとしては、人材不足でも一度引きこもった人は、またそうなるかもしれないとの危惧をもつ。特に、軽度鬱であったり、発達障害などがあると、さらに警戒するでしょう。実際、本人がそれと意識していないくとも、そうした原因がある場合、職場に通うことが億劫になった理由を把握して企業サイドも雇用する必要があり、負担もでてきます。もしブラック企業に勤めた経験があり、働くことに嫌気がさしてしまった場合はさらに深刻で、まず就労意欲すら失っている可能性がある。つまるところ、こうした個々人の状況に応じたきめ細かい対応が必要であり、それが企業を敬遠させてしまう一因となっているのでしょう。
政府ができることは、如何にマッチングしてお試しで雇用してもらうか。そしてそのまま就労に結びつけるか? です。能力など職場にいれば、そこで自然と覚えますし、企業も覚えさせようとするでしょう。安倍政権は「有効求人倍率は(バブル期を除いて)過去最低」などと胸を張りますが、こうした埋もれた人材が一斉に就職活動をはじめたら、一気にその数字は悪化します。むしろそこに手を当ててこなかった、見当違いな対策でお茶をにごすだけだったから、数字が改善してきたといえるのかもしれません。負け組の日本経済で、それでも労働環境が改善してきた、というカラクリ。こうした層を負け組と蔑み、焦点を当ててこなかったからこそだとすれば、まず能力開発が必要なのは政府そのもの、といえるのでしょうね。

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2019年03月28日

安倍首相が外遊を発表

安倍首相と山口公明代表が官邸の庭で桜を鑑賞し、安倍氏が「(改元を前に)名残惜しそうに咲き誇っている。後一ヶ月で新しい時代がくる。桜のように皆さんの夢や希望が咲き誇る時代にしたい」と述べました。だとすれば、『皆さんの夢や希望』はパッと散ってしまうものにしかなりません。一時の栄華ではなく、国は常緑樹のように常に生き生きとしていなければならず、桜のような落葉樹に国家を準えるのは相応しくありません。
そんな安倍氏、4月22〜29日に欧米歴訪となります。GW10連休も改元など忙しいからその前に…ということかもしれませんが、これで国会は17連休になりそうです。首相がいなくても審議できるものもありますが、議員立法が極端に減り、閣法が増える現状では、閣僚が一人欠けると審議が止まるケースも多い。重要法案もないし、参院選までヒマ、とでも考えているのかもしれませんが、そもそも6月には大阪でG20もあり、ナゼこのタイミングで欧米を歴訪しなければならないか? すらよく分かりません。

例えばBrexitにしても、メイ英首相が辞任カードをつかってメイ案に賛成するよう、与党議員と調整していますが、100人以上を説得しなければならず、現状は困難です。すると4月12日にリミットが来ます。混乱の最中では直前で訪問を断られる可能性もあり、メイ案で英議会が合意し、5月23日に期限が伸びたなら『合意なき離脱』は回避したので、話すことはありません。G20前の調整なら事務方で十分でしょう。新興国では支援を求められるし、欧米ならこれまでもGW中の歴訪先としてきたので文句もでないだろう、として訪問先に選んだとしか見えません。単純に、海外旅行好きの安倍氏が息抜きをしたいだけかもしれません。
また訪米はさらに理由が不明です。延期されている日米貿易協議にむけ、首脳同士で何らかの合意を得るのか? しかしその場合、議会対策が急務のトランプ氏からの要求のハードルが上がります。わざわざ火中の栗を拾いに行くようなもの。特に、スペイン北朝鮮大使館の襲撃に、FBIも関わっていたと報じられ、次の米朝首脳会談の予定も立たない状況です。米中協議もまとまらず、成果が欲しいトランプ氏。かつゴラン高原の問題で国際法すら蔑ろにしたトランプ氏とこのタイミングで会うのは、リスクでしかないはずです。

地方選でめだつ保守分裂、むしろ自民党党内対立というべき選挙となり、また行政の特大不祥事でさえ政権基盤が安泰、という異常事態に、心も考え方もゆるんでいるから、こんなタイミングで物見遊山の外遊がしたくなるのでしょう。しかし欧米は多くの問題を抱え、新しくなった政府専用機を試したくてのほほんとやってくる安倍氏など、本当は相手にもしたくないはずです。総理の座を『名残惜しく』外遊を楽しむ安倍氏、桜とはちがってダラダラと政権の座に居続けたことで、国内でも大きな問題を抱えるようになった。意味のない外遊、それはまるでチェーホフの戯曲『桜の園』に登場するラネーフスカヤのように、散財して没落し、『桜の園』を奪われることにもなりかねないほどの贅沢三昧といえるのでしょうね。

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2019年03月27日

来年度予算の成立

ワイドショーや報道番組でも桜の開花が報じられますが、正直どうでもいい話です。桜が咲かなかったりすれば重大ニュースですが、毎年咲くものが数日早かろうと、遅かろうとニュースバリューは高くありません。最近、投稿により映像がつかえるため火事や自動車事故などの扱う時間が増える中で、さらに桜に時間をかける。標準木の観測にきた気象庁の職員が「日本は平和」と発言しましたが、逆でしょう。報じたくない不都合な真実から国民の目を逸らすため、桜や矮小な事件を殊更に取り上げているように思えてなりません。

重大なニュースの一つ、19年度予算案が成立しました。日経がネット記事で当初「社会保障膨らむ」としていましたが、「社会保障・防衛費膨らむ」と見出しを変更しました。社会保障など、不測の事態で急増したわけでもなく、当初からわかっていたこと。一方で、防衛費は安倍首相による米兵器の大人買いで膨らみ、しかも莫大な費用を隔年で支払っていくため、長期的に防衛費は膨らみつづけていくことになります。
歳入は3兆4160億円増の62兆4950億円となり、新規国債発行を32兆6605億円に抑える、とします。しかし消費税再増税と、その前の駆け込み需要を見込むとはいえ、企業業績に陰りもみえ、消費者信頼感指数も低下するなど、消費も落ち込む予兆があります。すでに今年度の企業業績の落ち込みで、来年度の景気対策に回す予算がなくなる、とも噂されます。今年度の予算には、すでに2兆円強の景気対策費が盛りこまれているとはいえ、現状の景気動向からみても心許ないものです。公共投資も1兆円増やし、これを選挙対策費に充て、建設業を選挙マシーンとしてフル稼働するつもりのようですが、それを地方創生と言ってしまう辺りに危うさを感じます。

問題は、欧米が金融引き締めを停止し、緩和に転じると、動けない日銀とのベクトルの差により、日本に引き締め効果がでてくる点です。しかもあまり語られませんが、欧米が緩和に転じても、資金ショートを起こした状態での緩和でないため、効果が著しく低い。景気をほとんど押し上げない可能性すらあります。金融緩和をしても低成長、低インフレになる。世界が『日本化』する状況すら想定できてしまうのです。
低成長、低インフレの状態で高齢化がすすむと、いやが上にも歳入が不足して増税に頼らざるを得なくなる。まさに『日本化』です。リフレ派は安倍ノミクスの失敗は消費税増税のせい、としますが、やらなければ歳入不足で苦しんでいたはずで、今年10月の再増税もやらなければ拡大する歳出を賄えません。年金改革、社会保障改革を後回しにしたツケですから、増税しないと日本の財政は耐えきれないのです。

しかし間違いなく、今回のように景気が谷に向かうタイミングでの増税は景気を著しく冷やすでしょう。増税を織りこんだ予算案を通してしまったため、もう後戻りできません。株式市場でも、年度内の相場を高くみせかけ、昨年より上昇したと言いたいのか、今週になって日系大手の先物買いがかなり目立つ展開です。日本の不都合な事実、それは統計不正から始まり、現状の景気について正しいことを言うことすら憚られる、というものです。『櫻』という漢字は、元々『ユスラウメ』を指していたものが、日本では他の木に『櫻』を当てたのが、今の『桜』です。桜の開花に一喜一憂するばかりでなく、日本の現状にも目をむけておかないと、何か騙されていると気づいたときには、その下に死体が埋まっていると思い知ることにもなるのでしょうね。

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2019年03月26日

安倍外交は火種ばかり

ピエール瀧容疑者の逮捕のときも現れる、「真面目な奴ばかりじゃつまらない」という意見。真面目な人が、危険な人物を演じてそうみえる方が、よほど価値があるのであり、危険な人物だと演技でなくともそれを演じられるわけです。つまり価値が低く、かついつ発禁になるかも分からないものを見せられて、何が楽しいのか? 素がおもしろい、というのはタレントであり、役者ではない。演者なら役ごとに異なる個性を演じ分けてこそ名バイプレイヤーであり、彼はそうでなかった、という話です。真面目な人が、しっかりと役柄を演じてこそ映画、ドラマ、演劇などの価値は高まる、ということを忘れてはいけません。

PHP総研が安倍政権の統治機構には2つの正しさが欠かせない、とする提言をまとめました。みんなが選んだ正統性(Legitimacy)と専門性や合理性に基づく正当性(Rightness)で、安倍政権はLに傾斜し、Rが蔑ろにされた、とします。LeftとRightという分類とは逆になっていますが、むしろ安倍政権の本質である実はLeft、ということと合致するかもしれません。むしろ安倍政権はRightではなくLight、軽さや浅さという部分にフォーカスをするなら、安倍政権がLに傾斜した、という部分とも合致するのかもしれません。
トランプ米大統領がゴラン高原のイスラエル主権をみとめました。国際社会は大反発、日本も従来の立場を維持、とします。今日になり、昨年11月に安倍首相がブルキナファソのカボレ大統領との共同声明をだした件で、中国から厳重抗議をうけた、と明らかになりました。「南シナ海で国際法を尊重」という趣旨だと反論した、といいますが、トランプ氏の態度はこの国際法を無視しており、中国を批判する理由としていたら、同盟国の米国がそれを為していなかった、という由々しき問題です。武力による領土拡大をみとめてしまえば北方領土、竹島、尖閣諸島など、日本の領土についても不安が台頭することでしょう。

トランプ政権になってから日本からの対米投資が拡大、特にそれが共和党地盤の地域に多い、とする記事もある。それだけトランプ氏に阿ってきましたが、肝心なところで一致できない。そのとき果たしてどうするのか? 外交上手とされる安倍政権ですが、火種だらけという状況です。韓国は挺身隊の裁判で三菱重、新日鐵住金に次いで、不二越の資産も差し押さえに動いています。いくら韓国の無法を説いたところで、そうならないよう動いてこそ外交巧者です。安倍氏は首相として13年12月に靖国神社を参拝し、米国からこっぴどく怒られて以来、中韓を怒らせないよう神経をつかってきた形跡もありますが、その結果として韓国へ強い態度にでられず、慰安婦合意などをすすめたものの、いずれも失敗というのが現状です。
いい人そうに見えて、実は悪人というのがもっとも厄介なパターンです。それと同様に、政治手腕がありそうでいて、実は問題解決能力が皆無、というのがもっとも厄介なパターンといえるでしょう。まさに安倍政権がそうです。外交問題はトラブルばかり、何一つとして解決しないばかりか、法の支配という問題でさえ、各国と一致できないのが現状です。Lightにはもう一つ、動詞で『火が点く』という意味があります。安倍ライトにとって、外交問題で噴き上がる火の粉、悪役でないと思われていた人が、実は悪役だったというのはフィクションの世界では定番で、面白いものですが、現実になると困った問題の方が多いのでしょうね。

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2019年03月25日

日経平均の急落

日経平均が急落です。欧州で製造業購買担当者景気指数(PMI)が悪化し、米国で長短金利が逆転、恐怖指数(VIX)が急騰、景気後退が意識されたといいます。しかし個人的には、ここから米ダウが3000$下がっても、日経平均が2万円を割れても、決して驚くべきことではありません。本当の景気後退を迎えたら、今の相場は高すぎる。だから下への動きは敏感で、それを避けようとブル派のファンドなどが頑張ってもち上げてきた相場だからです。そうした層が意識するのは「ゴルディロックス相場よ、再び」です。FRBが緩和姿勢に転じ、過熱もしない、冷え過ぎもしない相場環境が訪れることを望み、だから買ってきたのです。
しかし9月末までFRBの資産売却がつづくので、引き締め状況です。またトランプ米大統領が仮に米中協議がまとまっても、しばらく関税を維持する方針を示唆し、また中国の構造改革では隔たりが大きく、米中貿易協議がまとまらない可能性が高まり、中国経済が早期に回復、というシナリオが崩れ始めています。円キャリー取引も同様ですが、ゴルディロックス相場が成立する要件は、こうした不安材料による急変動が起こりにくいことです。しかし残念なことに、今の世界は不安から目を背けていられるほど強くありません。

それを象徴的に示すのが、日本の短期債を海外投資家が7割保有、という事実です。海外投資家はドルやユーロと円を交換する際、わずかな手数料が得られ、それを短期債に回している。マイナス金利でも買い手がいる間は回転が利き、安心です。今、リスクオンと言いながら、実は債券購入というリスクオフの投資が拡大しており、実際にはかなり慎重な投資も増えている。つまり強くないと多くが意識しているのです。
それなのに株価だけが、指数先物の取引でふわふわと上昇しており、これが脆弱性の要因です。しかも上記は円キャリー取引と逆、円買い要因ですが、ここまでそれ以上の円売りをだしてまで、国内の投資家は海外へと資金を振り向けてきた。つまり海外投資家が円買いにより手数料をうけるのと逆で、手数料を支払ってまで高金利の債券投資を膨らませてきた。それが少しでも円高になると、収益の悪化が顕著となり、慌てて資産を引き上げようとする。今は長短金利差が逆イールドになるなど、まだ債券投資が活発なので急な動きも起きませんが、円高がすすめばどうなるか分かりません。損益分岐点の見極めが大切です。

国会では、日銀の黒田総裁が「ETFだけで債務超過になる水準を答えるのは適当でない」と答弁しました。日銀のETFの損益分岐点は恐らく19000円程度に上昇しているはずで、それ以下だと赤字です。簿価を下回ると引当金を積む、ともしますが、逆にいえば引当金を積みだしたら危険、という分かり易さ。日銀は当座預金があったり、紙幣も発行できるなど、債務超過で倒産という可能性は著しく低いものの、円の信認低下という副作用により景気を冷やすことで、日本の債務を膨張させるリスクを常に負っています。
黒田氏は出口にもふれ、当座預金の付利の引き上げで収益が減少しやすい、とみとめる一方、経済情勢が好転する場合は、長期国債の金利も上昇して受け取れるので、バランスシート全体で考える必要がある、としました。しかし問題は、経済情勢が好転しない状況で出口に向かわざるを得なくなったとき、です。償却原価法をとっているから、国債価格の下落でも決算上の期間損益には損失が計上されない、としますが、償還された際はその限りではありません。いつまでも損を隠しておけるはずもないのです。

今の相場の最大の脆弱性、それは先進国の中央銀行に余力がないこと。それを必死で口先介入し、まだ手はあると思わせようとしていますが、実際にはほとんど打つ手がありません。世界的に金融株が弱いですが、そんな経済が強かろうはずもなく、中央銀行がカバーするべき金融機関に対し、カバーし切れないとの思惑もそこに含まれているような気がしてなりません。今のゴルディロックス相場、実はゴルディアン・ノット(ゴルディアスの結び目)と呼ばれる解決策をもたないのが、最も厄介な点なのでしょうね。

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2019年03月22日

雑感。統一地方選がスタート

米大リーグ、シアトルマリナーズのイチロー選手の引退で大騒ぎです。しかし昨年途中の奇妙なアドバイザー就任から現在まで、チームは功労者のイチロー氏に、如何に自分の口から「引退」を言いだすかと腐心してきた。日本開幕をセットし、調子の上がらないイチロー氏をオープン戦でつかい続け、力の衰えを自覚してもらう。これはチームの功労者に対する、米国流の気配りでもあったのでしょう。昨年とて2割そこそこ、レギュラーで使える成績ではなく、客寄せパンダにするつもりなら昨年とてぎりぎりまでワイルドカードを争いましたが、それが終わった後、電撃復帰させることもできた。ただそれだとイチロー氏が納得しない。だから年をまたいで、日本を花道にするために開幕戦をセットしたのであり、驚くようなことではありません。

安倍首相が最年少ノーベル平和賞のマララ・ユスフザイ氏と会談し、「女性活躍に積極的な安倍首相に世界でリーダーシップを発揮してもらい…」ともち上げられました。しかし官僚の入れ知恵とはいえ、日本の現状を知ったら、マララ氏は幻滅したかもしれません。女性の就労が増えているのは、家計が苦しくてパートに出るから。そのパートを正社員化する流れもあって、正社員として働くことも増えていますが、やっていることはパートと同じということが多い。責任ある立場につくケースは欧米と比べても圧倒的に少ない。
特に、安倍氏は「女性は家庭を守って…」という、古臭い因習に囚われた日本会議に推戴された人物です。人材不足で財界から苦情を言われ、やむなく『女性活躍』などと称し、社会にひっぱりだしたもののケアが行き届かないのは、未だに幼保への送り迎えを女性が担うケースが圧倒的に多い点をみても、日本社会がまだ前時代的であることが知れるのです。男性が働き、女性は補助、未だ日本では根強くそう考えられています。

統一地方選の前哨戦、県知事・県議会選挙が告示されました。なぜか与党系の候補が口をそろえて争点とするのは「人口減少対策、地方創生を国とともに実現」ということです。しかしどれも安倍政権が6年もかけて失敗しつづけてきたことであり、今から何ができるというものでもない。むしろ失敗しつづけたからこそ、統一地方選でアピールして参院選での底上げ、ということかもしれませんが、実現もできないことを訴えるのは、詐欺まがいとされても仕方ないでしょう。外国人労働者の受け入れでも、最低賃金がちがうので都市部に集中する、という懸念に与党から「では最低賃金を全国一律に」と出てきた時点で、自民党はダメだと感じます。そんなことをすれば韓国のように失業率が上がり、地方が崩壊することになるでしょう。
安倍政権にはこの辺りに妙案がまったくないのです。北朝鮮へのリスクを訴えても、少子高齢化へのリスクは訴えない。北朝鮮に対しては軍事力を増強すれば『やっている感』をだせますが、少子高齢化には具体策がないので、リスクというと『やっていない感』が漂ってしまう。では与党系の知事候補にしろ、具体策は何かあるのか? よく聞いても何もないのです。それは国が手詰まりの中、地方から妙案があったら、そういう人物が首相になった方がいいぐらいなので、そういうことは起こりえないのでしょう。言葉は悪いですが、与党系の候補は『安倍氏以下の能力』でないと務まらない、というのが今回の統一地方選です。

個別の都道府県の事情についてはコメントしませんが、与党と対決…などと言っていた知事が、今や自民と昵懇になったり、保守同士の対決となったり、今回の争点もそうですが、そもそも国民に選択肢が与えられていない、という時点で民主主義の危機を感じます。人は年老いて引退、ということになりますが、国が老いたり、衰退した後ではとりもどすのが大変です。地方の人口減少も、地方創生も、もう大分悪化した後であり、かつ今後もその傾向がつづいてしまうのでしょう。リーダーシップもないけれど、『他よりよい』で首相を長くつづけられる国。統一地方選で繰り広げられる演説を聞いても、これが『同質知能選』にしか思えない時点で、この国ではまずリーダーの選別方法から考えないと人口減少も地方創生も、正しい対応はできないのかもしれませんね。

23、24日はお休みしたいと思います。

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2019年03月21日

Brexitの混迷とFOMC

Brexitはまさに混迷の極みとなってきました。20日までにメイ首相のBrexit案を議会が『承認したら』、離脱延期をEUと協議としていたものが、下院議長が「二度も否決された法案を再度採決はできない」とすると、承認をとばしてEU側に離脱延期を要請。しかしEU側は延期には合意案の承認が条件とし、まさに混沌です。
どうもメイ氏はEU側と結んでおり、その代弁者として英議会と対している。だから合意案に拘り、それを変更できないと考えている。EU側もメイ氏が合意案を採決してくれることを望み、それ以外の選択肢を示さない。小手先の合意案では英議会が納得しないので、EUとメイ氏が英議会の強硬な反発に折れて『合意なき延期』に陥れば、各国にいる反EU勢力を勢いづかせるだけなので、それもできない。『合意なき離脱』か、『合意なき延期』か、それを食い止めるには再度Brexit案をつくり直すか、英国民投票を行って残留派が勝利するしかありませんが、どちらも時間切れです。果たして来週、どういう決着をするのか? 予断をゆるしません。

米FOMCは利上げ停止を正式に表明、9月末に資産売却も停止としました。市場が期待する利下げには踏み込まなかったものの、「海外の成長鈍化が逆風、米経済も減速」としたので、米経済の減速度合いによっては利下げも…という市場の期待に応えた形です。ただ20年の利上げ確率を1回とする理事が多く、その意味で過度な市場の期待を打ち消すことも忘れませんでした。保有資産の構成も入れ替え、住宅ローン担保証券(MBS)は10月以降も償還を迎えたものから売却し、減少させるものの、国債への再投資に回すことで資産の量を維持します。恐らく9月末の段階でFRBの保有資産は3.5兆$程度になるとみられ、その水準を保つということです。
FRBは今回、上手くやったようにみられますが、今後に大きな遺恨を残した形です。まずトランプ大統領の圧力に屈した形になった。独立性に疑問符がつき、今後も政治的圧力にさらされる懸念が生じました。また引き締めを早期に閉じることで、大量の資産を抱えたままとなり、ふたたび緩和に転じたときの余裕が少ない。そもそも今回は減速であって、金融不安が起きていないのなら、量的引き締めは継続してもよかったはずです。それも止めたことで緩和効果がでるのは間違いなくとも、今のような債務不安がある中では、いつ金融不安が再燃するかも分からない。そのときFRBの打つ手が限られるので、対応が後手になりかねません。

世界的には、ふたたびキャリートレードが復活している、という見方が大勢です。先進国などの通貨を売って、それで高金利の債券などに投資する。日系の金融機関からすれば、安い円を売って米国債さえ買っておけば、利ザヤが稼げる。ただしそれは、ヘッジをかけるとほぼ利益が帳消しされるので、今はリスクヘッジをとっていないとされます。これは非常に危険な状況であり、いざ突発的な事象にさらされると非常に脆い状況にある、といえるのでしょう。最近、新興国への投資が復活しているのも、米FRBが引き締めを停止する、とする観測がキャリートレードを促したとされており、こちらもヘッジがない状態だと推測されます。
もしBrexitが「合意なき離脱」に陥った場合、リスクオン環境は一気に巻き戻されるかもしれない。仮に「合意なき延期」になった場合、先送りはできるでしょうが、将来的にはもっと大きなEU崩壊すら見えてくるかもしれない。今の経済が過度な楽観によってもたらされているだけに、わずかなリスクでも許容しにくいのです。果たして来週、どういう決着を迎えるのか? それ次第では日本の改元によるお祝いムードなど吹っ飛ぶかもしれず、平成の最後は『平静」ではいられなくなるのでしょうね。

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2019年03月20日

月例経済報告の下方修正

産経新聞が景品表示法違反の疑いをうけました。新聞の勧誘で電動自転車などを景品とし、解約を申し入れると、支払いが終わっていないとして受け入れないなど、詐欺まがいの購読者獲得をしていたのです。一部の販売代理店のこととはいえ、補助金で購読者数の維持をし、広告出稿などの悪影響を避けようとする悪質さは、逆にそれだけ苦境にあることを示すのでしょう。保守層による安倍人気の陰りがさらに直撃し、下方へと向かう流れが加速しつつある。すでに地方での紙媒体の配布を廃止しつつあり、凋落の一途なのでしょう。

注目された政府の月例経済報告、『緩やかに回復』とする文言を維持したものの、その前に『このところ輸出や生産の一部に弱さもみられるが』を付け足し、下方修正しました。日経は『「景気回復」判断変えず 月例報告 表現は下方修正』、朝日は『景気判断を3年ぶり引き下げ「輸出や生産の一部に弱さ」』、読売は『景気判断、3年ぶり下方修正…「一部に弱さも」』、毎日『景気判断を下方修正、3月月例経済報告』、産経『3月の月例経済報告 景気判断を3年ぶり下方修正「戦後最長景気」は維持』との見出しを各社、つけました。朝日、読売、毎日は淡々と報じ、日経は最後までみないと分からないよう工夫し、産経はイイワケがましいことが分かります。大体、見出しは最初のいくつかを読んで興味ないと読みとばす傾向があり、日経のように『景気回復』を先頭にすれば、そうした読み飛ばしをされても『景気回復』だけが印象づけられます。産経は、通常なら20文字もかけたら長い見出しを33文字もかけた。『月例経済報告』に興味がない人は読まないように、という工夫をしたので、こんな長い見出しになってしまったのです。
有識者も見方が別れる、などとされますが、メディアに登場する『有識者』は政府の表現を追認しますが、そうでない有識者は辛辣で、後退に入ったと断言します。後は、この後退が長引くのか、短期で終息するか、だけだと。そもそも『回復』は元通りになることですが、一体いつまで、どこまでいけば回復が終わるかもよく分かりません。戦後最長景気は、未だかつての状態にもどっていないから『回復』なのであり、最長だからといって決して誇れる話ではありません。しかも経済統計を操作してこの程度でしかない。安倍政権は統一地方選を控え、判断を変えなかったのなら、これは参院選までつづく。つまりそれまでまともな景気対策は打たれないので、この後退局面は長引く、ということが確実視されてしまうのでしょう。

安倍首相が「日本国憲法のあり方を考えるシンポジウム2」(夕刊フジ主催)に、ビデオメッセージを寄せました。「自衛隊に良い印象をもつ…9割に達した」と述べましたが、その自衛隊員によるわいせつ事件が相次いでいる。かつては大々的に報じられたそれも、今や日常化してしまい、個別の事案の扱いが小さくなったので、国民が知る機会は減りました。今日も厚労省の現職課長が、韓国の空港で暴力事件を起こして逮捕される。「韓国が嫌い」などと述べており、この首相にしてこの公務員、といった状況なのです。
そのシンポで「G20サミット、ラグビーW杯が日本で初めて開催される。来年はいよいよ東京五輪・パラリンピック、25年には大阪・関西万博」と、今が節目で「この国の未来像について、真正面から議論を行うべき」と語ります。G20は形骸化したとされ、ラグビーは日本のサンウルブズがスーパーラグビーから除外される、五輪は竹田JOC会長が辞任を表明、万博は維新へのご褒美で誘致に協力したものの、今や自民と維新は敵対関係、というのが現状です。確かに、この国の未来像について真正面から議論した方がよいのでしょう。ただし、それは憲法議論とはまったく異なる、日本が凋落の一途をたどる現状を、何とかしなければいけない、という意味です。安倍政権による『経綸(けいりん:国家を治め整えること)表示法違反』による国家の私物化、誤誘導による弊害を除く方が改憲議論より先であり、凋落を食い止めないといけないのでしょうね。

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2019年03月19日

日本の時給と公示地価

日経が過去20年で日本の時給が9%減となり、世界的にみても大きく出遅れ、貧者のサイクルに陥っているとする記事をあげました。これも安倍政権が毎月勤労統計の不正から、「賃金が上昇した」という嘘の答弁をできなくなったことで、記事になったということでしょう。最近は「国民総所得は増えた」と答弁していますが、高齢者や女性の労働参加、また外国人労働者の拡大などで労働者の数が増えている場合、一人一人の収入は目減りしていることにもなる。こうして具体的に9%減、といった数字がでてくるとそれが実証されたことにもなります。非正規の増加が要因、といってみたところで、その20年の間に17年間も政権の座にあった、自民党の政策の結果というのが一番の問題です。安倍政権が成果を誇ったところで数字は正直です。
東洋経済が家計調査で家計支出が名目で2.3%と高い伸びとなったのは、18年1月以後に調査先構成比で勤労者世帯の割合が増加した結果、とする記事をだしています。日本の就業形態で非正規が増えているのなら、当然調査先の構成比でも非正規の割合が増えていかないと、日本の実勢をあらわすことになりませんが、安倍政権はどこまでも嘘をついて、経済情勢を誤認させたいかのようです。先進国で日本だけが時給が下がっている、それが10%近いという現状は、どう言い方を変えても経済政策の失敗という他ありません。

公示地価が公表され、27年ぶりに地方も上昇と報じられます。しかしリゾート開発という側面が大きく、海外バブルの余波で上昇した。その海外バブルは黄色信号が灯り、この上昇の継続にも疑問符がつく。そればかりか、公示地価そのものは固定資産税の評価とは別ものですが、地元で土地をもっていても売らない、売れない人にとってはただの負担です。保有資産が上がり、融資を受け易くなるといった側面もありますが、そうした利益を享受できる人はごく一部でしょう。ほとんどが望ましくない土地の上昇という問題を抱えます。
社会が健全に成長していれば、固定資産税の上昇も賃金の上昇でカバーできるので、何の問題もありません。むしろ土地価格の上昇は好感できるものです。しかし今の日本はちがう。不動産価格の上昇はただの負担であり、いずれ欧米のように勤労世帯が家賃を払うと生活できない、そんな都市がでてくる恐れすらあるのです。賃金が上昇している欧米でさえ大きな問題を起こしており、その余波でしかない日本では、高々0.数%の上昇でさえ問題なのは、やはり賃金が目減りしているためであり、賃金の問題は極めて深刻といえるのでしょう。

バブル崩壊以後、日本は失われた20年と言われましたが、今やそれが30年となりそうです。失われた30年の間、賃金が20年間で9%も下がり、地方都市の不動産は27年間下がりつづけた。その間に安倍政権は第一期も含めると約7年、つまり4分の1近くも政権の座にありつづけながら、流れを止められなかったというのがこの2つの記事です。しかも、それが止まったのは海外バブルのお陰、その悪影響が個人に及ぶという最悪の形となって襲ってきました。貧者のサイクル、それは国民を貧困に招く政治家の能力の貧しさ、乏しさという面が大きいのであり、安倍政権がその『サイクル』を止め、長期政権を担っていますが、最も能力の貧しい者が最も長く政権にいつづけている弊害が、ここに来て大きくなりつつあるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:00|PermalinkComments(2)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 政治

2019年03月18日

2月貿易統計について

2月貿易統計がでて、5ヶ月ぶりの3390億円の黒字でした。しかし黒字の要因は輸出が1.2%減、輸入が6.7%減と国内がみるも無残な急落ぶりであり、海外より国内の景気悪化が深刻、という結果です。対中向け輸出が5.5%増で、これが安心感を誘ったともされますが、半導体等製造装置が金額ベースで22.6%の伸びと米半導体企業のブロードコムの決算と整合しそうですが、自動車が17.3%の伸びであり、こちらはナゾです。ただ半導体等電子部品は19.5%の減なので、中国は半導体を内製する方針に転換したのかもしれない。需要が減退している今だからこそ、政府の景気対策をつかって製造装置の輸入を増やしたなら、今後は日本からの電子部品の輸出は減る方向であり、実はとても悪い内容だということが分かります。
しかも中国は春節が輸出入の大きな変動要因となりますが、昨年は2月15(木)〜21(水)日、今年は2月4(月)〜10(日)日、真ん中がすっぽり抜けた昨年より、今年の方が条件はよかったとみられ、その影響で押し上げられた可能性が高い。内容は思っている以上に悪いかもしれません。さらに米国からの輸入が4.9%の伸びで、輸入の落ち込みをカバーしましたが、航空機類が249.8%の伸びなので、偶々飛行機の納入があったことで押し上げられたのです。内需の深刻度は、EPAを結んだEUからの輸入が0.5%増という点にも表れています。

先週末の黒田日銀総裁の会見で、生産や輸出、海外経済の判断を下方修正しながら「景気拡大の基本メカニズムに変化は生じていない」として「緩やかに拡大」とする総括判断を据え置きました。しかし上記の貿易統計やその他の経済指標をみても、明らかに国内景気は悪化している。確かに、昨年の2月に比べて原油が10$近く下げており、その影響があったとしても、輸入がこれだけ落ちてしまうのは内需の弱さが深刻ということなのです。明日の政府の月例経済報告でも、景気見通しを下方修正しない、などとみられますが、そのせいで景気対策への目配せが遅れ、日本の景気は深刻度を増していく、ということなのかもしれません。
全人代が終わった後の、中国の株価に注目していましたが、上海市場は2.5%近い上昇をみせました。大した景気対策がでなかったばかりか、米中首脳会談は6月? とも報じられる中で、何を根拠に上昇しているのか? 誰にも説明できない状況に陥っています。むしろ中国政府の景気対策とは、公的マネーによる株価の下支えによるマインド好転ではないか? とまで噂されます。それぐらい上海株の上昇は世界的にみても突出しており、また経済指標は悪化の一途をたどっているので、まったく説明がつかない状況です。

しかし中国がそうした株価対策をしたとて、日本が非難できる立場にありません。日銀がすでに大量の株価操縦をしているからで、むしろ日銀は中国に感謝しているかもしれない。最近の日本株は、上海市場とペッグされたような動きであり、下支えされているのですから。ただ、最近の日本株は引け間際に大量の商いが成立することがつづいており、投信などの影響もありますが、より日銀のETF購入などの思惑が強まる展開であり、決して正常とはいえない状況です。それは日銀や政府の景気の見方すら正常でないのですから、株式市場とて正常な動きをしなくて当然かもしれません。景気が底打ちする期待をもちつつ、上昇をつづける株式市場。ただ今や最大の資金の出し手である政府や中央銀行の財布が底をつく前に景気が反転しないと、その後は大変なことになるのだけは確実なのでしょうね。

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2019年03月17日

防衛大学校での訓示

安倍首相が防衛大学校の卒業式で訓示し、「新しい防衛大綱の下、宇宙、サイバー、電磁波といった領域で我が国が優位性を保つことができるよう、次なる時代の防衛力の構築に向け、今までとは抜本的に異なる速度で変革を推し進めていく」と語りました。しかしこれは「新しい防衛大綱」などなくとも、実は今の防衛は抜本から仕組みを変えなければいけない時期に来ています。露国によるクリミア侵攻時に、GPSやレーダー網などが無力化した。これまで、最新鋭機には必ずといっていいほど搭載され、高い性能と実績をほこってきたシステムが、役立たずになった。つまり安倍氏が「サイバー、電磁波」などといった、防衛大学校の訓示としてはいささか的外れに思えるものを並べたのも、そこが最重要案件だから、という意味なのです。

そんな中、日米が共同で米イージス艦に搭載する新型レーダーを開発、という話がもち上がっています。日本の海自が保有するイージス艦は米軍のシステムに頼っており、そのシステムが無力化されるのなら、海自も防衛力を根こそぎ奪われる、ということです。中露の極超音速ミサイルへの対抗というばかりでなく、これはレーダーにより敵ミサイルへの迎撃、というシステムを無力化されたときの対処のためでもあります。
そしてこれは、無人機による迎撃すら機能しなくなる恐れがある。レーダーを潰され、GPSも機能しなくなれば無人機などただの紙ヒコーキです。つまり今、軍事兵器は大転換期にあり、レーダー、GPS、そうしたものを再構築する、しなければ次の時代の軍事面ではかなりの制約をうけることになるのでしょう。

しかしこれで困るのは、実は日本です。安倍政権で大量の米兵器を大人買いしてしまった。米国の顔色をうかがい、ご機嫌をとるためですが、言葉は悪いですが役立たずの兵器を大量に保有することになる。システムのアップデートや装備の入れ替え、ぐらいで対処できればよいですが、恐らくそうだとしても時代遅れの兵器を、莫大な予算をかけて買ってしまった。新しい兵器は数年後には登場するでしょうが、そのときに改めて買い直すのはムダ。まさに日本の防衛網が著しく時代遅れになりかねなくなってきたのです。
「今までとは抜本的な速度で変革」とは、そういうことですが、ならばここ数年で兵器を大量買いした安倍政権の判断はどうだったのか? それが問われなければなりません。露国のクリミア侵攻は5年前、当然その事情は安倍政権もつかんでいたはずです。それからシリアを始め、内戦状態になったときの兵器の使用状況などを踏まえ、防衛戦略を立てなければならなかったはずで、今から大きく変えます、では済まない話なのです。

それこそ秋田、山口でもめているイージスアショアなど、本当に機能するのか? 誘導装置を狂わすシステムが相手の兵器に搭載されたら、一体どうするのか? 大山鳴動して鼠一匹捕まえられないかもしれません。日本の防衛大綱、まず国を滅ぼすような愚かな判断をする政治家を排除するところから始めないと、国防すらままならない事態に今の日本は陥りつつあるのが現状なのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:07|PermalinkComments(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2019年03月16日

雑感。事件と信用スコア

電気グルーヴのメンバーで、俳優のピエール瀧容疑者が麻薬取締法違反で逮捕され、出演作品などが販売中止になると「作品に罪はない」とする意見があります。しかし一般人にとっては一人の犯罪者かもしれませんが、薬物依存から逃れようとしている人、そして薬物を取り扱う人物らにとっては事情が異なります。薬物のことを忘れようとする中で、ピエール瀧容疑者の姿をみる、声を聞くと嫌でも思い出し、そのたびに苦しむことになる。逆に麻薬の密売人たちにとっては、よい広告塔です。彼のことを連想させる映像、音声、その他あらゆるものが依存性のある人たちを喚起させ、売り上げが伸びるのですから。作品に罪はないかもしれない。しかし一部でそうしたイメージが利用される恐れもあり、やはり規制をかけざるを得ないのです。
この議論で感じるのは、将来的に世界で運用される、とみられる『信用スコア』です。その人の『信用』により社会的な位置づけも変わってくる。しかも犯罪をするような人物とつながると、自分も信用スコアを落とされる。すると、自ずと危険人物との付き合いを減らそうとし、犯罪が抑止されるという考えです。同じように危険人物を作品に用い、実際に事件を起こしたなら、作品の『信用スコア』が落ちて発禁されることになる。そんな世の中はつまらない、といってみたところで、確実にそうした方向にすすんでいくのであり、俳優や音楽家など、作品を世に発表するような職種は今後、より厳しい自己管理が求められ、それをできる者だけが業界にとどまるのでしょう。逆に、それができない者と仕事をするのはリスクとなります。

NZで銃乱射事件がありました。銃をもつことができる国では、多かれ少なかれ起こる問題ですが、NZはこれまで移民に寛容とされてきた。しかし異常な考えをもつ者がコンマ数%でもいれば、こうした事件が起こります。逆に、これまで銃による事件が少なかったために安全管理が疎かになっていたのでは? とも感じます。またこうした事件でも、信用スコアがあると危険な組織との付き合いなども考慮されるため、事前に対処できる可能性が高くなる。ビッグデータの活用がすすめば、人との結びつきも考慮されるためです。
一方で、仏国では18週連続で黄色いベスト運動のデモが起こっている。沖縄でも辺野古移設に抗議する集会が開かれました。こうしたものも、信用スコアは査定してしまいます。政府のすすめることが必ずしも正しいわけでなくとも、上からの指令に従えない者は信用が落ちる。残念ながら、そうした社会は非常に生きづらいということになります。しかし世界的にみれば、信用スコアに似たシステムをすでに導入している国があり、それが中国です。国家統制をすすめる上で都合いい、まさにそうすればテロなども起こしにくくなり、社会が安定する。その安定が、国民にとって幸福かどうか、は決して約束しないのでしょう。

辺野古移設など、地盤改良で3年8ヶ月、などと報じられますが、国の示す予定はいつも先送りにされる。確実に5年以上の歳月がかかり、安倍氏が辺野古移設の理由とした「早期に普天間の危険を除去」という言葉とも矛盾する。他の場所の方が、よほど工期から考えても早期にできるからです。信用スコア、誰に対しての信用なのか? むしろ嘘をつきつづけ、国民を騙してばかりいる政府の信用の方が低くないとおかしく、より多くの人を不幸にするという意味でも、信用が高くないと務まらない職種としての政治家、芸能人、有識者などの公人としての立場がある。そうした認識が広がらないと、安易に導入してはいけないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:53|PermalinkComments(4)このエントリーをはてなブックマークに追加 社会 | 海外

2019年03月15日

雑感。強気を演出しても…

英国では交渉期限の延期を求める法案が可決、と報じられます。しかしそれはあくまでメイ首相のBrexit案を議会が20日までに可決したら。否決したら長期延長をEU側に求める、としますが、それをEUが受け入れる可能性は小さい。では20日までに可決するか? 答えは否でしょう。今回の延期法案とて与党が反対票を投じ、野党が賛成に回って成立。しかしその野党はBrexit案を否決する気満々なのですから。要するにメイ氏を追いこみ、かつ『合意なき離脱』に陥った責任をメイ政権に帰すため、野党が今回賛成に回ったとみられます。
米国ではトランプ大統領がだした壁建設のための非常事態宣言を、議会が否決しました。トランプ氏は拒否権を発動する見込みですが、これで議会と対立する形となり、レイムダック化がすすみそうです。北朝鮮は米朝交渉を中断する意向をにじませ、米中貿易協議は「急がない」とするなど、交渉が捗々しくない。1日に発動予定だった制裁関税を延期しましたが、またそれを延期するのか? 実は、米中首脳会談の席にもボルトン大統領補佐官がいて気になりましたが、彼がいる限り、交渉事はうまくいかないでしょう。保守強硬派の彼は妥協を知らない、しないために交渉がまとまりません。北朝鮮も同様にボルトン氏が加わっていますが、中朝が焦っているとの話もありますが、ボルトン氏がいる間は急ぐ必要がない、と考えているのでしょう。

日銀が金融政策決定会合を開き、その後の黒田総裁の会見の様子を日経ですら『景気に強気『演出』』と報じます。演出しなければならないほど、実体は悪い。中国減速のせいにしても、自分たちがステルステーパリングをしている影響も、当然ある。国内を引き締めており、海外の動向にどうしても敏感になるのです。自分たちは悪くない、景気はまだ大丈夫、そう言って『演出』を施さないと、後ろめたくて仕方ないのでしょう。
中国の全人代では、約33兆円の減税と社会保険料のひき下げ、企業の技術移転強要を禁止する法案などをだしましたが、減税は儲かっている企業の負担を減らすだけで、米中貿易戦争で赤字になった企業は淘汰されるだけ。社会保険料が減ったら、給付も減らされる。将来不安が個人消費を下押しするかもしれない。対応が日本に似て意味のないものになりつつある、と感じるのは私だけではないでしょう。中国は日本の経済政策を真似てきましたが、日本がバブルの後遺症から抜け出せていないために、教科書を失ったのかもしれません。

その教科書になりそうだった日銀の量的緩和も、失敗が見えてきて真似すべきではない。特に中国では個人債務も大きいため、量的緩和が致命傷になりかねない。過剰投資で過剰設備になったため、公共事業も打ちにくい。中国の八方塞がり感は、北朝鮮を改めてカードとして利用することが考えられ、それが北朝鮮をして再び瀬戸際外交に走らせた要因の一つなのでしょう。交渉では動かせない米国を動かす梃子にするつもりです。
つまり今、世界が『強気演出』によって、国内を引き締めにかかりだした。Brexitは合意して円満に離脱、米中貿易協議は成立し、米朝は関係改善、そんな融和ムードの『演出』はここで終わった、ということなのでしょう。こういうとき困るのは八方美人の外交をしてきた国です。韓国、そして日本。韓国では内政の失敗もあり、すでに文政権がレイムダックに陥りつつありますが、安倍政権は『演出』によって何とか支持を保っている。しかし「向き合う」とした国が瀬戸際外交に転じたので、拉致問題の解決は遠のき、また世界的な緊張が高まれば露国の出方すら不透明になります。『八方塞がり』の国、『八方美人』の国、どちらも瀬戸際に陥るのなら、どこかの『発砲』が引き金となって、世界はリスクの底が抜けてしまうのかもしれません。『演出』よりも『本質』、それがより重要となり、政府や中央銀行などの態度が問われていくのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:32|PermalinkComments(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 海外

2019年03月14日

詐欺の横行する日本

アポ電と呼ばれる詐欺グループの実行犯が逮捕され、またmface詐欺の最大規模のグループも逮捕されています。最近、詐欺が横行しているように感じますが、これも金融緩和の徒花でしょう。低金利で借りて高金利で運用すれば、それだけで儲かる。金融機関の運用では手数料が高く、低利回りであるため儲けは微々たるもの。だから自分で運用しようと、高金利を謳う怪しい投資にも手をだしてしまう。しかもそこに、将来不安という問題が重なってくる。むしろ日本は、国を挙げてこうした詐欺的なグループを援助しているかのようです。
さらに、詐欺などの刑罰が軽すぎるのも問題でしょう。行動経済学のプロスペクト理論では、得をした喜びより損をした苦しみは二倍以上、と試算されます。詐欺罪はおおよそ10年以下の懲役、未遂だったり未成年だったりすると、さらに刑が減免される。逆にいえば、10年と経たずに同じ人物が、同じような詐欺をくり返すことができてしまうのです。損をした人の苦しみは二倍どころか、その後の人生を大きく狂わせてしまうのに、です。これでは暴力団にとってのよいシノギとなり、絶対に減ることはないといえるでしょう。個人的には、詐欺とわいせつに関する罪においては、その後の一生をずっと監視対象とすることが必要では、と考えます。首や足首などにGPS付きのバンドをつけ、居場所の確認と同時に定期的な報告を義務付ける。再犯は数倍の量刑とする。そうでないと、罪と罰の考え方において著しく不公平が生じる、ということでもあります。

しかし詐欺的行為、といえば今や安倍政権の十八番といえます。日露外務次官級会談を今月2回目の開催をめざす、とします。明らかに安倍政権側の焦りがあり、かつ上手くいっていないことがうかがえる。安倍首相は北朝鮮の金正恩氏と「向き合う」と、くり返し発言しますが、北朝鮮からは誹謗中傷の言葉がとんでくる。10年つづけた国連人権理事会への北朝鮮非難決議案の提出を見送りましたが、今の段階から融和的にならないといけない。「向き合う」どころか、まず「ふり返り」もしてもらえないのが、今の安倍政権の立場なのです。
経済的にも、すでに統計不正が明らかですが、もはや深刻な景気減速に陥っていることが不正をしているはずの統計データからも分かる。それでも安倍政権は嘘をついて、景気がよいと言い張ります。株価は日銀の買いで支えられ、低金利も日銀の量的緩和による。雇用の改善は少子化と海外バブルの影響ですが、それを自分たちの成果だと言い張り、国民を騙してきた。政府がそんな状況では、詐欺グループを責められないのかもしれません。

そうした詐欺が通用しない外国人投資家は、今年に入って3月第一週までに現物株を1.5兆円売り、先物を2兆円以上買っている。年金などの機関投資家は株が高いうちにさっさと日本から逃げだし、その調整が終われば、さっさと先物を売ってくるでしょう。世界的に同じような状況にありますが、これはフラッシュクラッシュと呼ばれる急落を準備しているようにしか思えません。詐欺的な政治に付き合って、短期スジが先物を買って上昇しているので、相場が実体に近づくまで、冷静な長期投資家は寄り付いてこないのかもしれません。
米中貿易協議のせいにしていますが、日銀のマネタリーベースも減少しており、今回の減速は日銀の緩和がついに限界に近付いている問題も大きいのです。こんな状況で引き締めざるを得ない日本、これまで景気がいい、とされてきたのは金融緩和の結果だけだからこそ、日本は苦境に陥るともいえるでしょう。mface詐欺でも、実行犯の言葉は巧みだったとしますが、安倍政権の発する言葉に騙されていては、自分たちが被害者になってしまうのです。むしろ安倍政権からの発信を『アポ電』ならぬ『アベ電』として、より注意深く精査し、その虚実を計っていかなければいけないのでしょうね。

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2019年03月13日

『官製春闘』が終焉

Brexit案はやはり議会で否決されました。延長がメインシナリオですが、離脱強硬派は延長案を否決し、29日で離脱を確定するのでは? とも噂されます。延長だと改めて国民投票が行われ、離脱を否定されるのが怖いのです。あくまでそのシナリオで、メイ首相が打てるウルトラCが、北アイルランドの領有を一旦空白とし、北アイルランドで国民投票を行って英領にとどまるか、アイルランドに帰属するかを決めさせる。これだと最長で1年は猶予ができ、国境管理も必要ない。今の離脱案で国境管理のところを省けば、英国議会も同意を得られるでしょう。今では、メイ氏はBrexitを骨抜きするための案しかEU側と合意しない、ともされており、離脱反対派にとっても強硬派にとっても邪魔。そんな話すら聞こえてきました。まだまだ予断を許しません。

春闘では賃上げが昨年水準にとどかず、秋の消費税増税に向けてハードルが上がります。官製春闘が不発になった途端、NHKでは「春闘に興味なし、という国民が増えた」などと報じます。小泉政権のころから非正規が増えており、今さらの話ですが、安倍政権が官製春闘などをしている間は報じなかった。NHKの官製メディアぶりをよく伝えるものとなっています。昨年10月から始まった景気減速、企業サイドからみれば半年、その波にのまれた形です。米中貿易協議もまとまっておらず、賃上げを約束できる状況ではありません。
安倍政権が「景気がいい」と嘘をつくので、まともな景気対策も打てない。そもそも中国の景気動向にふらされる時点で、国内景気は著しく弱いのですが、それも認めていない。だから構造改革もすすまない。こんな状況で企業が安倍政権の成果を喧伝させるためだけに、春闘で賃上げに妥協できるはずもありません。機械受注の減少などをみても、企業が警戒モードに突入していることをうかがわせ、将来的な減速に備えています。それなのに安倍政権は現実から目を背け、統計データを偽装したり、都合よく用いたりして、景気がよいと思わせようとしているのですから、企業サイドにとっても日本の景気など期待できるはずもないのです。

大阪府知事選で、自民がタレントで俳優の辰巳琢郎氏を擁立か? と記事が流れました。通常、最終局面とされる二階幹事長との面談もあったので、メディアも踊らされましたが、辞退されるとすぐに小西元府副知事が出馬を表明、自民が推薦をだしたので、知名度がない小西氏の出馬表明を大々的に取り上げさせるために、一芝居打ったとみられます。そもそも辰巳氏は京大卒のインテリとして有名ですが、政治的発言がめだつわけでもなく、またレギュラー番組ももっていた。ハードルが高いからインパクトがでて、引き立て役にされたのです。
反維新で糾合、としますが、こんな浅ましい三文芝居をみせられ、逆に維新以外の党はのっかりにくくなった。そもそも維新と自民は同じ穴のムジナ、どっちに転んでも保守の地盤という計算も見え隠れする。維新と自民が票を奪い合えば、第三の選択肢にもチャンスがある。知名度のある、魅力的な候補者をみつけられるか? それによってダブル選挙の帰趨は大きく変わってくる。こちらもまだまだ帰趨は不透明と言えます。

安倍首相はまだ、消費税再増税の先送りを諦めていない、とされます。参院選、目玉候補のいない自民がとれる策、それが『先送り』だからです。幼保の無料化に対しても、産経などが猛烈に批判し、少子化対策が先という記事をだす。保守層にとって、神経を逆なでした移民受け入れに舵を切った安倍政権に、少子化を何とかしないと保守層も離れる、産経も一緒につぶれるとの危機感もあるのでしょう。しかし『官製春闘』などとして、その成果を報じてきたメディアが、今年からは『閑静春闘』として扱いを小さくするほど、安倍政権の成果を報じにくくなってきた。むしろ『管制春闘』に失敗するほど、その力が殺がれてきたのも国内で溜まりに溜まった膿のせいだとしたら、安倍政権の『慣性(官製)力』にも愈々陰りが見えてきた、といえるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 22:52|PermalinkComments(6)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 経済

2019年03月12日

雑感。Brexitは不透明

英・EUによる「法的拘束力をもった」離脱合意案が合意されました。ただし1月に英議会で否決された、アイルランドとの国境管理の問題では『回避策がみつかるまで英国全土を関税同盟に残す』としていたものを、今回は『永続的に拘束しつづけない』と付け足しただけ。『20年12月までに回避策をみつけられるよう努力』とも記しましたが、ただの努力目標。メイ英首相は「必要な見直しを勝ち取った」としますが、実は何の変化もありません。言葉だけがマーチからワルツに踊りを変えた印象で、これでは議会の同意も難しいでしょう。
そうなると期限延長を議会で可決し、EUと協議しないと『合意なき離脱』ですが、EU側も延長したとして2、3ヶ月が限度。むしろ延長することで、EU内の英以外の国の離脱推進派を後押ししかねず、今後の混乱を誘発しかねません。一旦、合意案を発表してしまった後では、そこからの妥協は英・EUともに弱腰とみられ、リスクを伴う。これは短期で決着しなければいけなかった問題で、この時点まで引きずる時点で双方とも敗者です。

米国では2020年度会計の予算教書がでてきて、歳出は5%以上も増やすよう要求しました。米国では予算は議会が決めます。予算教書はいわば、トランプ政権が議会へのお願いとして出すもの。中露への備えとして国防費の増加、メキシコの間の壁建設費用など、何でも盛り込んだ印象で、財政赤字は1兆$を越えます。すでに景気拡大局面は最終段階、とされる中で財政赤字が止まらない。26年度には政府債務が30兆$を突破するとの試算もありますが、もしここから景気後退が始まったら、加速度的に債務が拡大することになります。
怖いのは、金融緩和をつづけても景気が拡大しない、日本型の経済情勢に陥ると、世界各国で不都合な真実が一気に噴出することです。政治の場では、一人の政治家の名スピーチにより情勢ががらりと変わることもある。しかし経済はマインドが悪化すると、一気に悪くなってしまう可能性もある。特に各国の債務状況が悪い現状では、一度悪くなると崖を転がり落ちるように悪化が続く可能性がある。だから今、意味不明な楽観をばらまいてでも、景気悪化を食い止めようと相場が上昇する、ということをくり返しています。

英国王ジェームズ一世(1566〜1625)は読書をよくする博識でありながら、王権神授説を唱え、国民に対しては神から王権を授けられた王への服従を求める、といった暴君でした。そのため「キリスト教世界随一の賢明な愚人」とも評され、議会とはたびたび衝突した。知識人といっても賢者ならず、といったことを体現した人物であり、英国ではシェイクスピアでも「知恵の数より毛が多い」などと人を小バカにする言葉が格言としてつかわれるほどです。ちなみに、このジェームズ一世の時代は、シェイクスピアが活躍した時代でもあります。シェイクスピアの歴史劇の一つ、リチャード三世の最終盤、ボズワースの戦いに挑むリチャード三世の言葉「I have set my life upon a cast,And I will stand the hazard of the die」があります。意味は「この命、投げた賽に賭けた。死の目が出ようと」です。まさに今の英国、死の目がでることも厭わないのかもしれません。知識が集まったはずの議会が示す混乱、経験のないことに挑む困難さ、国民投票が決めたことという暴君により振り回されていると、改めて意識せざるを得ないのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:19|PermalinkComments(2)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 欧州

2019年03月11日

東日本大震災から8年

東日本大震災から8年、黒い津波はヘドロを巻き上げたもので、水の津波より危険だということが分かっています。日本全国、湾になったところの海底にはヘドロが溜まり、津波により撹拌されて黒い津波となり、被害を拡大する。それが分かったのですから、ヘドロ除去などの対策を今からとっておくべきでしょう。

また放射性物質を含む汚染土を、駐車場や道路の下に埋める、という案もありますが、道路の下には上下水道などが通っているケースも多く、仮に配管が破裂した場合、汚染度が地上に吹き上げることになる。また掘り返す工事のたび、管理区域並みの厳重装備で工事をすることにもなります。どこに埋めようと、二度と掘り返さない、資産価値がゼロでも構わない、とならない限りは後にトラブルを起こすことになる。道路の下に地下水脈が流れていたら汚染し、下流で井戸水がつかえなくなるかもしれない。茨城・栃木の豪雨で汚染土の入った袋が流された、などもありましたが、減容して放射能が失われるまで管理するしかないはずです。
汚染土の再利用を国がすすめるのは、原発の廃炉ででる金属などの廃棄物も放射化され、そのままゴミとなるのを防ぎたい。また福島原発で汚染水を入れているタンク、建機などもそうで、一度放射化されると除染しても線量が落ちない。ゴミになったらその量が半端ないことになります。汚染土の再利用を蟻の一穴に『低線量なら再利用』という流れをつくりたい。そんな思惑をもつのでしょう。使用済み核燃料でさえ処分方法が決まっていない。低線量の廃棄物もアスファルト固化処理が頓挫して以来、保管という形をとらざるを得なくなっている。この国はいつの間にか、大量の放射性廃棄物が行き場もなく溜まった状況になっているのです。

ヘドロなら焼けば土や肥料として再利用できるかもしれない。ただ問題は、東北から関東にかけて拡散した放射性物質、それが川の流れで海へと運ばれ、ヘドロの中に滞留しているかもしれない。もし福島原発からトリチウム水が放出されたら、さらに海洋汚染がすすむかもしれない。津波でなくなったはずのヘドロは、また福島や宮城の海底に溜まっているといいますし、それが放射性物質をふくむ可能性は十分に高いといえるのです。
日経などでは復興の主役は『官から民へ』といった書き方もしますが、まだ官がやらなければならないことは山ほどあります。むしろ、なぜ8年経った今だからこそ、改めて各地の汚染状況などをチェックし、公表しないのか? 原発を推進するため、事なかれ主義で蓋をしておけばいい、というものでもないでしょう。むしろ今、拡散した放射性物質がどう動き、どういう場所に溜まるのかを大規模調査しておくべき、ともいえるのです。

8年経ってもできないこと、8年経ったからこそしておくべきこと。安倍政権は一体どこまでわかっているのでしょう? むしろ6年間、やるべきことをしてこなかったのでは? 菅官房長官が追悼式のことを「きねん式典」とし、後に訂正していますが、安倍政権の復興、原発への向き合い方など、改めて問われる『疑念式典』として、今さらながらに注視するべきなのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:41|PermalinkComments(2)このエントリーをはてなブックマークに追加 社会 | 政治

2019年03月10日

現代金融理論と日本

2月の米雇用統計がでて、非農業部門の雇用者数が2万人増と市場予想を下回りました。しかし時間当たり賃金は前月比0.4%増と加速、どうやら政府閉鎖の影響や、2月は日数が少ないこともあり、データにも歪みが発生しているようです。ただ、運輸・倉庫の雇用が減少しており、米中貿易戦争の影響は確実にあります。一方、建設の雇用が大きく落ち込みましたが、1月の住宅着工件数が前月比18.6%増とややちぐはぐな数字も浮かぶ。1月に建設の雇用が大きく増えましたが、それが2月で減少に転じたなら、着工したものの工事が止まったのか? それは住宅価格と資材の高騰などの問題が、建設を思いとどまらせたのかもしれません。
日本でも雇用の問題で、安倍政権は学生のバイト増を「4年生の就活期間の短縮」「好調な就職状況」とし、『家庭からの給付のみで修学可能』が14年度38.3%から16年度47.5%に増えた、とする日本学生支援機構(JASSO)のデータも示し、経済環境の好転をアピールします。しかしだとすればアルバイトなどをせず、遊び呆ける学生が増えるはずで、バイト増の説明としては不十分どころか、真逆です。JASSOの調査は家庭環境まで調査はしませんが、明らかに奨学金破綻などが報じられ、親御さんが警戒していること。親が借金してでも子供に借金を背負わせないようにしたい、という動きの中で、学生も親の苦労を和らげるためにバイトをしよう、との動機が強く働いたものと推測できます。ただそこに、渋々働くような者がいて、少しでも楽しく、浮かれ気分でバイトをする者などがいて、バイトテロを起こしてしまう。真剣に就労意欲をもって働いている人との差が出てしまう。人手不足が深刻なのは、質の高い労働力が不足している、ということでもある。なぜそれを安倍政権が自覚しないのか? この国の根底にある問題は、かなり深刻といえるのでしょう。

世界的に、MMT(Modern Monetary Theory: 現代金融理論)が注目を集めています。通貨を限度なく発行できる国はデフォルトに陥ることなく、いくらでも借金できるという魔法のような理論で、日本でも提唱する人がおり、財政はいくらでも拡張できると訴えます。日本ではすでに日銀の国債保有が米FRBを越えており、それでも低金利、低インフレを実現しているので、すでにMMTが発動されているとする見方もあります。
個人的には、MMTには『信用』を加味しないと危ういと感じています。日本の場合、国債を保有するのは年金などの公的機関と、日本の金融機関です。日本の信用にかかわらず、国債を売ることができないのと同時に、支える宿命にあります。日銀がどれほど国債を買い漁ろうと、金融機関がその調整弁として国債を保有し、またそれを日銀に売却するということをくり返す。世界的にみても稀有な状況にあるといえるでしょう。

一方で米国のように、国債の多くを海外が保有するような国は国債の価格変動が大きく、信用という問題がかかわってくる。米国債が説明不能な動きをはじめたら、各国が警戒して売り急ぐでしょう。ドルを基軸通貨として支えようとする国がある一方、逆に米国債を大量に保有する大国が通貨発行権をもつために、信用が毀損すると米国債の側からドルにも圧力がかかることになる。米国がMMTに頼るのは危険ということになります。
日本とて、金融機関が弱体化すれば国債を保有する力もなくなり、困ったことになるでしょう。今はまだそうなっていない、というだけで、低金利環境と逆資産効果がつづくと、どうなるか分かりません。特に、ここ数ヶ月の外国人投資家による株先買い、現物株売りの背後で、日本国債買いも目立つのは、これまでの日本国債は年金と金融機関が保有するだけだから、大丈夫という説を覆すきっかけにもなりかねません。『雇用』は良好などと胡坐をかいて、経済環境はいい、安倍ノミクスは成功している、などという誤った認識をもつ安倍政権では、まずその『誤用』から正していかないと、複雑化した経済情勢に対処もままならない、ということになるのでしょうね。

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2019年03月09日

『法の支配』について

大阪維新が公明との大阪都構想について決裂、松井府知事と吉村市長が同時に辞任し、4月の統一地方選に合わせてWクロス選挙を実施する見込みです。恐らくこれに失敗すれば、維新は時間の問題で消滅への道をたどるのでしょう。橋下氏がいる間は中小企業の支援があった。果たして都構想にそこまでの魅力があるか? 拘ることに支持が得られるのか? 失敗すれば、創価学会につづいて頼みの中小企業まで失ったことがはっきりし、夏の参院選でも維新は大惨敗するでしょう。これは賭けですが、勝ったところで有権者にとって何のメリットもない。ナゼなら、都構想そのものが今や徒(ともがら)抗争になってしまっているからです。

国会では安倍首相が『法の支配』の対義語を問われ、「まさに法の支配による、この国際秩序を維持をし、平和な海を守っていくことが、それぞれの海の繁栄につながっていく、という考え方を示しているところでございます」と答えました。質問をした立民の小西議員が、対義語は『人の支配』だとしましたが、安倍氏は「勝手にいろんな憶測をした上で批判をする、あるいはかなり人格的な批判をする、ということは、これはまだ若い議員であられますから、将来を思えば、そういうことは控えられた方がよいのではないか」と応じました。一応、安倍氏の応答を記してみましたが、問題は安倍氏の答えに安倍氏の本質がある点です。
安倍氏は明らかに『対義語』を問われたのに、一生懸命に『法の支配』の意味を説明しようとしていることが分かります。いわば『はぐらかし』です。しかも、法の支配の意味すら異なっている。法の支配は『イギリスの法律家コークが、国王は神と法の下にあるべきであるとして、ジェームズ一世の王権を抑制して以来、『人の支配』に対抗して認められるようになった近代の政治原理』です。つまり安倍氏は『法の支配』=『国際ルールにより国権を維持する機能』だと考えている、または考えていたということが、これでわかるのです。

安倍氏の語ったことは、法治主義を薄っぺらく説明した感じです。しかもその法治主義は『繁栄』を決して約束しない。今の国際社会が、対立と混乱を生みつつあることでもよく分かります。法は残念ながら完璧ではなく、先進国だろうと国際機関だろうと、そこには立法機関があり、常に法律を改正したり、新たな法案を通しているのは、不備を埋めるため。つまり、法律は常に脆弱性とせめぎあっている状況です。逆からみると安倍氏は『法の支配』を拡大解釈した上で、剰えそれが『繁栄』につながるという誤った認識をを公的に示した形になった。これは『法の支配』を誤認させるという意味では『ゴマカシ』にあたるのでしょう。
本来の『法の支配』の意味からすれば、権力者による暴政をふせぐ仕組みそのものが、『法の支配』です。しかし安倍政権は、官僚の人事権まで掌握し、それが忖度を生み、まさに『人の支配』を可能としてきたといえるのでしょう。自分と逆のことほど、よく口にするのが人間の性。つまり安倍氏がよく「法の支配」と口にしてきたのは、それと真逆なことをしてきた証拠かもしれません。ただしそれによって、愚かな政策を通すための法律を山ほどつくってきた、という意味では、安倍氏の語っていたのは、実は『呆の支配』なのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:37|PermalinkComments(5)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2019年03月08日

株価下落といくつかの統計と

ソーシャルレンディングと呼ばれる投資仲介業者が、利用した投資家から提訴されました。そもそも5〜8%ほどの利回りを約束するこうした事業は、ほとんどが金融機関から事業性が薄い、運営組織の信用がない、として融資をうけられなかったものです。言葉は悪いですが、ほとんど博打のようなもの。ごく稀に成功する事業もあるでしょうが、成功確率からみてもリターンは低く、手をだす価値はほとんどありません。さらに問題は、投資家が事業内容を精査できない点、及び仲介業者も正しく精査している形跡がない、という点です。金融機関以上に厳しい審査をしていたら、人件費でかなり投資家への還元が圧縮されているでしょう。あくまで仲介するだけ、ということですから、ますますこの仕組みにはリスクしか感じられないものとなっています。

今週に入り、世界経済の減速を嫌気して株価が軟調、昨晩のECBで年内の利上げ見送りとTLTRO靴発表され、さらに減速を意識する流れなりました。TLTRO自体は6月から資金繰りの悪化するイタリアやスペインの金融機関を救済するため、策が講じられると予想されていましたが、9月から実施と何とも中途半端。昨年12月で緩和を停止した、その判断も正しかったのか? そして実際の景気悪化を確認してから手を打つのも遅きに失した、との評価もある。これまでドラギマジックともされてきましたが、ECBへの評価が一気に下がった印象です。
2月の景気ウォッチャー調査は、現状判断DIが47.5と3ヶ月ぶりに前月比1.9pt改善しましたが、先行き判断DIは48.9と前月比0.5pt悪化です。ただ中身は少し信じられない面もあります。『春物衣料が好調』としますが、いくら暖かくてもまだ2月、春物衣料の品ぞろえは2月後半から本格化するので、2月前半の冬物バーゲンの低調を補うほど強かったのか? また『バレンタイン商戦が好調』というのも、今年は義理チョコを止める動きもあり、何か腑に落ちない。当然、地域差もあるので一概には言えませんが、最近の統計不正の問題もあり、アンケート調査である景気ウォッチャー調査でさえ、きちんと調査されたのか? 疑問が残ります。

統計不正の大元である毎月勤労統計の1月分速報がでてきました。実質賃金が1.1%増ですが、不思議なのは総実労働時間が2.4%減となり、パートタイム労働者の給与が下がるのは理解できても、それなのに一般労働者への特別に支払われた給与が13.2%増。つまりボーナスが拡大したことです。10-12月期に株価も悪化し、マインドも悪く、中国需要の大幅減に見舞われていた企業がボーナス拡大? どうにも解せません。ボーナスを業績連動型にする企業も多く、12月まではそこそこ好調だったからなのか? しかし10-12月期の決算をみても、業績悪化を表明する企業が多いことからも、ここからは逆に一時金の目減りが賃金押し下げ要因となりそうです。
毎勤について、厚労省政策統括官により『賃金データの見方』という資料があります。18年1月でどのような変更を行ったか? という説明の資料ですが、毎回2%程度の段差が生じていたので、部分入れ替え方式を採用したといいますが、前回の総入れ替えを行った15年1月に段差は起きていない。また18年1月に採用した後に段差が生じた、という図を提示しており、明らかに段差とは関係ない結果となっています。しかも、15年1月に調査対象とされた企業のうち、3分の1が6年間も協力しなければならない一方、18年1月で半数が変更され、そのうち調査対象となった企業の3分の2が2年1ヶ月で調査対象から外れる、というのです。当初、何の説明もなく行われたときからは透明度が増しましたが、こんなおかしな変更をしていたのか? と驚くばかりの内容です。

今日の株価の下げは大きかったですが、配当権利落ちはすでに21000円割れ。周期からみると、3ヶ月下落し、2ヶ月の上昇を演じた後、ふたたび下落局面に転じたなら、これは長期では下落局面の波に入っている、ということ。ここでマインド面がさらに悪化すると、長い景気後退局面に入ることも予感させます。そんなタイミングで、未だに統計資料に不信感がぬぐえない日本。この国の仕組み全体にリスクしか感じない時点で、日本への投資はソーシャルペンディング状態にあるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:17|PermalinkComments(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

2019年03月07日

景気動向指数と米中朝の動き

1月の景気動向指数が発表され、一致指数が97.9と前月比2.7pt低下し、3ヶ月連続の減少です。先行指数はさらに悪く95.9と前月比1.3pt低下します。統計データを操作している、との疑惑のある安倍政権でも複数の統計をまとめただけの景気動向指数までは、操作できなかった。しかも、3ヶ月連続の減少は景気後退を示すものです。1月は中国の春節の影響で下方への影響が強かった、とはいえますが、先行指数の悪化はこの問題が簡単ではないといえる。10月の消費税増税をこの状況で本当にできるのか? OECDでも日本の成長率が下方修正され、いよいよ不況時の株高が意識されるような水準になってきた、といえるのでしょう。

株価が3日続落していますが、日系大手がロールオーバー中心でもこの3日は売りに傾け、下げを主導しました。またここ最近、米中貿易協議の好材料がないことも原因ですが、それどころか悪材料が目立ちます。中国携帯大手Huaweiがカナダや米国を次々、告発している点です。当然、中国当局からGOサインがでたので、訴訟を起こしたはずで、ここに来て中国が強気にでたのは、先の米朝首脳会談があったのかもしれません。
成果を焦るトランプ氏、中国との貿易協議でも失敗すれば交渉能力の欠如が疑われるのが必定です。米中貿易協議で株安となり、米国の個人消費にも悪影響が及ぶことを昨年、体験した。ここで決裂すれば昨年末か、それ以上の下落がふたたび襲うでしょう。交渉能力がなく、株安を招くリーダーとなれば再選は難しくなり、米民主党がモラー特別検察官とは別にロシア疑惑の調査をはじめたこともあり、まさに窮地に陥ることになります。

ここに来て、北朝鮮が核や軍事で動きをみせたのも、中国からのGOサインがでたためでしょう。すでに制裁を受け、失うもののない北朝鮮からしてみれば、次の交渉までに新たな取引材料を得る形にもなる。中朝が苦境、という人もいますが、中朝は我慢比べであれば米国に勝てる。なぜなら、選挙による権力交代がないためで、耐えきれば勝てる一方、米国は苦境がつづくと政権が交代してしまう。その際、前政権の否定から入ることが多く、そこで改めて交渉することでより有利なポジションを得られる、という思惑も働きやすいのです。
特に、トランプ氏は弾劾も囁かれるぐらいですから、もしそうなったら次の政権がよほど強硬派でない限り、交代させた方がいい。そもそも米中貿易戦争はトランプ氏が引き起こしたもの、多少融和的になったとしても、また強硬路線に転じる可能性がある。中国が、何らかの手段でモラー特別検察官の調査報告書の内容についてある程度情報をつかんだのなら、ここでトランプ氏を引きずり下ろせると計算した可能性もあるのです。

そうなると3月末で米中貿易協議が妥結、という可能性は極めて低いと考えた方がいいのかもしれません。中朝が交渉に『時間』という武器を用いるのか? そうなれば景気の谷はつづき、不況時の株高もいつか終わりを迎え、資産効果すら消えてなくなるかもしれない。昨日のみずほの業績下方修正の発表で、気になったのは保有資産の評価損1800億円。まさに逆資産効果がここにも表れています。ルネサスの操業停止など、景気後退を意識させる動きも増えてきた。時間は誰の味方をするのか? 少なくとも日本は味方にすらなってくれないのであり、それはダラダラとおかしな政策をつづけた日本が一番『時間』をムダにした、その結果となるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 22:08|PermalinkComments(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 一般

2019年03月06日

雑感。統計不正に「向き合わ」ない安倍政権

安倍首相と菅官房長官が拉致被害者家族と官邸で面会し、「次は私が向き合わねば。あらゆるチャンスを逃さない」と述べました。ナゼか安倍政権では、米朝首脳会談に失敗したから、北朝鮮は日本にすりよってくる、といった楽観もあります。小泉政権時代の成功体験からの発想でしょうが、当時は小泉政権の支持率が落ちていたとはいえ、日本が米国とは異なり独立して動ける、と北朝鮮も夢想していた時代です。だから日本に支援を求めるため、首脳会談に応じた。しかし安倍政権は米国の傀儡であり、逆にいえば米国の許可しないことで合意できない。そんな国と向き合う必要はない、北朝鮮とてそれぐらいのことは十分に理解しているでしょう。
辺野古移設を県民がNOと言っているのに、それを米国と協議すらできない。では、拉致被害者のために米国と掛け合って、何か制裁解除なり、経済支援なりの実を安倍政権がとってくれるのか? 期待するだけムダです。チャンスを自らとりにいかなければなりませんが、嫌なことから目を背け、汗をかくこともできない人物では、こちらも望み薄です。日露平和条約の締結も難しくなり、政権をつづける意欲が減退気味、とされる安倍氏ですから、拉致問題に全力を傾注すればよさそうですが「向き合う」などと言っている時点で残念感がぬぐえません。

横畠内閣法制局長官が、国会議員の役割を問われ「声を荒げて発言することまで含むと考えていない」と述べました。立民の小西議員が、安倍氏に「聞かれたことだけ堂々と答えなさい」としたことに向けたものですが、ほとんどのメディアが小西氏が『大声を上げ』たと報じます。しかしどう聞いても、大声を上げているようにも、声を荒げているようでもない。言い方がきつくなったとは思いますが、それとて大したものではない。もっと舌鋒鋭く、声を張り上げて追及した議員は数多くいました。時代が変わった、と言いたいのかもしれませんが、行政官が野党の質問に、私情を交えて答弁するのも時代のせいにするつもりかもしれません。
毎勤不正では、樋口特別監察委員長が隠ぺいの意図を直接、職員に確認していないとし、また総務省の統計委員会が報告書に対して「分析も評価もなく、情報が著しく不足」などと批判しました。総務省としては、厚労省に付き合って自分たちが沈む必要なし、と距離を置いている印象です。樋口氏を安倍氏は統計のプロなどとしますが、それはどう考えても特別監察委員長としての職責に合致する立場とは思えません。統計は数字を客観視するものであり、人の虚実を計るものではない。今回の意見を聞いても、まったくその任に足るとは思えない。逆にいえば、厚労省の人選である以上、厚労省に都合いい判断をする委員長として就任した、という疑惑をさらに深めるものとなっており、すでに統計委員会が距離をおいたのですから、再調査すべきです。

ただしその際、野党による第三者委員会を設立し、かつその人件費とかかったコストはすべて厚労省の職員の給与から捻出させる、といった工夫をした方がよいでしょう。調査に時間がかかればかかるほど、職員の給与は削られていく。統計に関係ない職員も同様であり、かつ懲戒で減給されるとそこにさらにプラスとなる。つまり嘘をつきつづけ、調査を長引かせると全員の首を絞めるどころか、自身の立場すら危うくする。これだけのリスクを負わないと、まともな回答などひきだすことはできない、ということなのでしょう。
安倍氏がまず「向き合わねば」いけないのは、こうした行政における不正であり、そうでないと外交でさえ覚束なくするのです。例えば北朝鮮と裏で交渉している担当者が、嘘の報告をしてきたら? 今回の統計不正を「知らなかった、騙された」というのなら、他の問題でも起きることを懸念して、本来なら当然でしょう。つまり自分たちに黙って、勝手に悪事を働いている可能性を、安倍政権は払拭しようともしない。この時点で、すでに安倍政権そのものが怪しさ満載、といえるのです。こんな政権では、拉致問題どころか如何なる問題でさえ、解決能力はゼロといえるでしょう。いみじくも行政官が、安倍政権の味方であると示してしまった今日の国会、いかなる行政の不正もすべて安倍政権のため、ということを露呈したのであり、こうした現実と国民がまず「向き合わねば」ならないのが現状なのでしょうね。

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2019年03月05日

雑感。体罰禁止が解決策か

日産の元会長、カルロス・ゴーン被告の保釈が東京地裁で認められました。ただ東京地検が準抗告を求めており、現時点で結論はでていません。弁護士が交替したのは、当初は保釈さえされれば仏大使館に駆け込み、国外逃亡して裁判への出廷を拒む、という戦術を狙っていたためヤメ検弁護士である大鶴氏に任せ、検察との交渉を重視した。しかしルノーでも流用が指摘されるなど、厳しい世論を背景に仏政府から協力を得られそうもなく、日本で裁判をうける決意を固めたため、弘中弁護士により無罪を勝ちとる方針に転換したためとみられます。
ただこれは国策捜査、政権への忖度が働く裁判所では負けが確定です。問題はなぜこのタイミングで保釈か? ですが、恐らくBrexitで欧州が混乱する前に、批判の多い勾留を解除しておこう、という思惑もあるのでしょう。弁護士を交替したことも、裁判をうける意思を示した、とプラス判断だったと思われます。いずれにしろ、これは国策捜査なので保釈も政治案件であり、仏政府の関心が薄まったことも要因だったと思われます。

児童虐待防止法と児童福祉法の改正案において、体罰を防止する文言を盛り込む方針が、与党から示される見通しです。家父長権の強化を目論む自民党・保守層にとっては容認しがたいものですが、すんなり党内を通りそうなのは、夏の参院選で絶対に公明・創価学会の協力が得なければならず、理解を得られやすい法案を提出する必要がある、との判断でしょう。ただ法案を通す必要はなく、その間に自民党・保守層に都合いいよう、内容を骨抜きする可能性もあり、議論の紆余曲折も想定できます。国会を混乱させて、野党の審議拒否で審議時間が足りなかった、として引き延ばしをはかる戦略もあり、法が執行されるまでは予断を許しません。
さらに、児童虐待が報じられるたび、児相の問題が取り沙汰され、そのたびに安倍政権への逆風が吹く。児相は地方自治体の管轄ですが、大元は上記の法律によって規定される。つまり法律の不備が問題視されます。しかも国会の所信表明演説で、自衛隊員の子供の声は取り上げておいて、虐待をうけている子供の声は無視してよいのか? との批判もある。言葉は悪いですが、やっている感をださないと体面が悪くて仕方ないのでしょう。

そもそも体罰を禁止することで、虐待が止まるのか? 確かに見た目でも分かる暴力に対しては、抑止力が働くでしょう。ただ一番怖いのは『支配』です。ストレスは、本人がそれと気づかないうちに心に溜まる負荷であり、それが爆発すると衝動的な行動にでる。そして子供のときには現れずとも、大人になって自分の子供に虐待という牙を剥く、ということが起こり得る。本来、そこまで考えないといけないはずなのです。
大切なことは、虐待の連鎖を起こさないこと。そのためには、親の再教育と、子供の心のケア。これは一見、うまくいっている家族関係であっても、子供が「いい子を演じる」ことによってストレスを溜めている場合なども、同様に当てはまるといってよいでしょう。目黒の5歳女児が虐待死した事件でも、子供はいい子になることによって虐待から逃れようとしていた。暴力がなくとも、こうして「いい子を演じる」子は、次の世代への虐待の芽をはぐくんでいることにもなるのです。子供を教え導くとは? 法律で規定すべきものとは思えませんが、少なくとも範を示すべき大人、特に公人としてメディアにも登場する政治家が、相手に対してゴマカシやすり替え、嘘をつき、まともな対人関係の範を示せないようでは、『教導』がこの国で広がることもない、ということは確かなのでしょうね。

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2019年03月04日

安倍氏の語る「真実」?

日経平均が再び上昇です。WSJ紙が米中貿易協議が決着に近い、と書いたのが主因とされますが、実はここに来て日系大手が日経225先物買いを再び始めている。週末のメジャーSQに向け、ロールオーバーにまぎれ、2日つづけて1000枚以上の買い越しとなり、逆にTOPIX先物は売り越す。なので日経225はよく上がりますが、TOPIXは上値が抑えられます。なぜこうした不自然な取引をずっとつづけるのか? よほど強い動機がないとこういうことは起こらないはずで、これまでも推測はしてきましたが、それ以上の固い意志を感じます。本当に最近、日本はどうなってしまったのかと心配どころか、不安にさせられるという状況です。

国会では衆院で予算案が成立し、参院で論戦がスタートです。そんな中、岩屋防衛相が辺野古埋め立てに関して「70mより下は固い粘土層があり、軟弱地盤は70m」と述べました。しかし70mの工事実績がなく、問題視されかねないところで、都合よく70mより下に固い層があったものです。それに、いくら固いといっても粘土層、基地の滑走路は通常の航空用滑走路よりも、コンクリは分厚くなりますし重くもなります。杭が粘土層にしか乗っていないなら、ずれたりしてコンクリに亀裂が入るかもしれない。今や統計データも捏造する安倍政権ですから、この調査が正しいのかどうか? 改めて精査が必要ということでもあるのでしょう。
そもそも米韓の大規模軍事演習を終了し、新演習「同盟」を米韓両軍がはじめました。しかも「防御」と「反撃」のうち、「反撃」を行わない形となり、まるで日本のような専守防衛の演習です。そしてその理由をトランプ氏は経費削減に求めた。在日米軍とて経費削減の対象であり、日本に海兵隊を置いておく理由はほとんどない。普天間の危険除去なら、米軍再編に合わせて海兵隊にお引き取り願えば、わざわざ辺野古に移設する必要はありません。存在自体の意味が希薄なのに、地盤改良工事までして、貴重な珊瑚を殺して、きれいな海に土砂を投入して汚して、辺野古に基地を移設することの訝しさは、相変わらず安倍政権への不信として残ります。

安倍氏は韓国艦からのレーダー照射問題に関して「我々は真実を語っている。真実を語る方が強い」と語りました。それなら統計不正が相次いだ、政府の経済認識は「嘘に基づいて語っているので弱い」となる。しかも国民は厚労省の設置した第三者委員会の報告書も「信用できない」とするので、これも「弱い」となる。そもそも日韓の二国間の問題で「強弱」を用いる時点で、支持層へのアピール臭さがぷんぷんするのであり、真実だろうが虚構だろうが、我を通した方が国際社会では強いのです。米国がどんなに間違った理由で戦争をしても、国としての強さが揺るがないように、エビデンスなど関係なく勝った者が強いのが、国際関係です。
東京新聞に「信号無視話法」という記事もありますが、安倍氏の答弁は質問のすり替えや無関係な答えが多い、しかし政権をとり、支持率が高い間はそれも「強い」と表現されます。真実とは一切関係なく、強弱は現れる。もし米国が、レーダー照射問題で韓国の肩をもてば、韓国側の方が強くなってしまうのです。しかし「強い」こともまた、真実ではない。国の方が「強い」からといって、県民投票で否定された辺野古移設を止めないことも、正しくはないのです。米韓軍事演習で「反撃」をとりやめ、「防御」だけにしましたが、軍事には「すり替え」も「ゴマカシ」もない。安倍氏も国会の経費節減のために、「反撃」をとりやめ「すり替え」も「ゴマカシ」もなくし、「防御」だけにした方が少なくとも「真実」を語ることが多くなるのでしょうね。

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2019年03月03日

雑感。破防法と政治

今日は桃の節句ですが、日本人形協会が「ひな人形のお下がりNG」という解説を行い、賛否があります。しかし雛祭りは「上巳の節句」「ひいな遊び」「人型流し」が混在して成立したもの、とするのが一般的で、ひな人形が厄災を引き受けるもの、とするのは必ずしも正しくありません。言いだしたら、毎年買い替えないと次の年も厄を引きずる、となります。人型流しを殊更に重視するなら、ひな人形は昔のように紙でつくる簡素なものとなるでしょう。鑑賞を重視したひな人形は、ひいな遊びの流れであって、どちらが正しい、どちらが間違いというものではないのです。そもそも上巳の節句は3月の最初の巳の日、ということであり、漁村などでは磯遊びをする日とされていました。このように雛祭りそのものが、その起源を語るのに諸説紛々、始まった時代すら曖昧なのに、日本人形協会があたかも「この説が正しい」などと決めることなどできるはずもありません。

維新の足立議員が国会で、「破防法の監視対象と連携する政党がまっとうな政党か?」と、共産と連携する立民を牽制しました。16年3月に「共産は破防法対象」とする閣議決定をうけたものですが、そもそも破防法の対象である団体が政党であり、かつては安保闘争など、政治との対立に武力闘争があった時代の指定を現在までつづけている。逆に言えば、破防法の対象から外れる規定がないことで、共産がそうなってしまっているのです。
実際、オウム真理教が破防法を適用されず、破防法とは政治的意図の下で適用されるものということが露呈しています。そして現在において、武力闘争が否定される中で政治・団体のありようが変わっても、破防法を適用しておく方が公安の監視対象として、政敵の動静をさぐることができて都合いい。そのために監視対象として存在しているのです。維新の馬場幹事長は「事実だ」としますが、これが現在の破防法の事実です。むしろ共産が昔から形を変えず、現在まで同じ形でつづいているために監視対象が継続されている、が正しいのです。

では朝鮮総連も破防法の対象ですが、そこと連携する北朝鮮と協議をすすめ、良好な関係を築いて拉致被害者をとりもどさなければいけない安倍政権はどうなのか? そもそも朝鮮総連が破防法の対象であることがゆるせない、として協議すら拒絶したら? 結果、破防法の監視対象から除外するでしょう。ことほど左様に、破防法は政治的思惑によるのです。適用・除外は公安審査委員会によるので政治とは関係ない、といってみたところで、安倍政権で頻発する委員会の私物化をみても、政治案件であることがよりはっきりするのでしょう。
維新がここで立民と共産の連携を壊しにかかったのは、それだけ両党の連携が怖いから。またそれを恐れる自民に対して、援護射撃を行ったというのが正しい見立てなのでしょう。ただ、むしろ破防法の存在意義について、改めて意識させてしまった。野党議員の事務所に警察の監視カメラ、などということが起こるのも、政治的に監視するために行われたのも破防法などが関係する。与党にとって都合いい形で、野党を監視する根拠とされてしまっているのです。昔のことを水に流せず、ずっと引きずる。むしろそうした方が都合いい人たちもいる。厄を払わずに、悪『役』としてずっと批判するための材料、それが破防法ということにもなるのでしょうね。

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2019年03月02日

週末の株の動き

週末も株価が上昇し、これで2ヶ月上昇をつづけたことになります。3月末までもてば、下降と上昇の期間が同じとなり、大きなレンジ相場となるのでしょうが、そこまでもつかどうか。まず週末の上昇は中国の財新が発表した2月の製造業購買担当者景気指数(PMI)が49.9と前回の48.3からは上昇し、市場予想も上回ったことです。節目の50は下回りましたが、上昇したことで底打ち期待が広がり、中国株が上昇しました。
米国ではBloombergが米中貿易協議がまとまる方向と報じ、楽観が広がった。この辺りが上昇の要因ですが、もうほとんど3週間ぐらいはこのネタで上昇を演じている、と言えます。恐らくは中国が急速にマネーサプライを拡大させており、この辺りの資金が米中の株価に流れ込んでいるのが、最大の要因でしょう。なので、反応するのが米中ネタであり、かつ使い古された材料でも楽観であれば上げる、という根拠に乏しい上昇になっている。以前なら、中国マネーは不動産が主流でしたが、各国の不動産が変調しているため、株に集中していることが今回の株高の要因です。要するに株の需給関係が極めて良好になっている、ということです。

日本は一昨日から急激に円安へ向かいました。タイミングからすると米GDPなのですが、市場予想を上回ったとはいえ、米GDPの上振れが円安にはつながらないはずです。多少、米金利も上昇していますが、金利差拡大を意識するほどではない。米株も上昇しなかった。リスクオフの円安というわけでもありません。
昨日は金価格が急落して1トロイオンス辺り1300$を切り、急にリスクオン的ムードが広がりましたが、どうもタイミングがちぐはぐです。これも不慣れな中国系マネーの所作だから、かもしれません。そもそも2月ISM製造業景気指数54.2に低下、予想も下回ったタイミングでリスクオン、というのも不自然です。今週のドル押し上げの主因は「円安」と指摘されるように、もしかしたら円安が先でドル高とし、それが人民元安を促すという仕組みが働いたか。その結果としてリスクオン的な動きがつづいた、と考えることもできそうです。

ECBが昨年末で機械的に緩和を止め、FRBが引き締めをつづける中、日本単独がマネーサプライをつづけても世界からマネーが減る。それを食い止めたのが、中国の緩和。しかもマネーサプライの拡大は過剰投資をさらに助長する恐れもありましたが、そのマネーが海外に向かい、市場が落ち着いた、というのが現状なのでしょう。なので反応するのが中国関連のみ、という事態になっている。恐らくですが、Bloombergはかつて中国当局ともめ、その後で手を組んだ。その辺りも昨日の記事にはつながるのでしょう。他紙がトランプ氏の交渉能力に疑問をつきつける中で、米中貿易協議の進展とする記事をうちだしたのもそんな背景がありそうです。
なので、この上昇局面の継続度合いは、中国の思惑次第なのかもしれません。中国のマネーサプライが一体いつまでつづくのか? 米株はすでに下落前までもどり、米中貿易協議も決着すれば、金融引き締めを再開せざるを得なくなるでしょう。そうなると、ふたたびマネーサプライは中国の緩和を上回って減少をはじめるでしょう。世界の資金供給量、その動向がいつ反転するのか? マネーの供給をつづけても資産価格が減少するケースだってある。そのときは、とても困った問題が発生することになるでしょう。むしろ命運を握っているのは、各国ともマネーを供給しつづけられる体力だとするなら、世界はすでに困った問題が発生している、というのが現状なのでしょうね。

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2019年03月01日

米朝首脳会談でトランプ氏を全面支持する安倍政権

昨日の米朝首脳会談、日本では北朝鮮側に問題あり、という報道も多く、産経などは「生気がない金正恩」「北朝鮮が窮地」などと報じます。しかし明らかにシンガポール会談より金正恩氏の顔色はよく、それは国内での報道からも成果をだせると考えていたフシがあります。昨日の深夜、北朝鮮側が開いた会談もウソ、という見立てで論じるところも多いですが、米国も北朝鮮もウソをついていない可能性もあります。
それは27日は一部の核廃棄と一部の制裁解除で話がまとまりそうで、和やかなムードだった。しかし米議会でロシア疑惑が厳しくなったことをうけ、28日になってトランプ氏がのハードルを上げた。北朝鮮が「そんな要求をするのなら制裁の全面解除必要」と返せば、米国からみれば「制裁全面解除を要求された」、北朝鮮からは「自分たちは一部解除を求めた」となります。このケースでは、交渉決裂の責任は米国となるでしょう。時系列的にみても、この推測がもっとも正しそうですが、ナゼかこうした分析は聞かれませんでした。

そんな米国では10-12月期GDPが発表され、前期比年率換算で2.6%増、12月の小売売上高が急減し、個人消費は2.8%増と前期より減速しましたが、設備投資が6.2%増となり、市場予想を大きく上回る成長となりました。今回は政府閉鎖の影響で、統計データも速報と改定とでごちゃごちゃであるため、単純比較はできませんが、米国の成長を確認した形です。ただ住宅投資が3.5%減と、通年でも0.2%減となったのが気がかりです。
日本では10-12月期法人企業統計がでて、売上高が前期比3.7%増となったものの経常利益は7.0%減となり、急ブレーキです。またソフトウェアを除く設備投資が3.3%増と高くでて、これはGDP改定値にも反映されるため、上方修正されるとみられます。ただ日米とも、他の数字が悪くなると途端に設備投資が上振れてカバーする、という形になることが最近増えています。設備投資がバッファとなり、数字が悪くならないよう調整されているように見える。株価も盛り上がり、経済の明るい展望が語られていた7-9月期の設備投資は4.4%減、株価が急落した10-12月期に盛り返す、というのも不思議です。ソフトウェアも含めると設備投資は5.7%増、計画した段階と実際の景気情勢が異なるケースもありますが、経営判断としては明らかに不自然なのです。

国会で、安倍首相が長妻氏との論戦で「年金を最後の1人まで支払うと約束したがどうなった?」と問われ、「できません、と私に言って欲しかったんですか? それは違いますよ」と返しました。要するに、この言葉の裏には「私は嘘をつきます」と述べていることになります。しかもそれが国や、国民のためならまだしも、破綻しそうな年金制度をごまかすため、というのが大問題なのです。「消えた年金の問題で、お支払いできない人もでてきてしまう」と素直に謝罪するのが、本来の為政者のあるべき姿といえるでしょう。
今日の玉城沖縄県知事との会談で、まさに「生気がない安倍氏」に見えました。できないことは「できない」という、その誠実さもない安倍氏ですが、少なくとも「嘘をつきません」とすら言えない以上、安倍政権のだしてくる数字や言葉を信用することはできないのでしょう。安倍政権は嘘をつく、統計データも嘘をつく、ナゼか米国も同じような統計のクセがでる。米朝首脳会談でもおかしな分析をする識者がいる。それが安倍政権がトランプ氏を「安易な妥協をしなかった。全面支持」としたためなのか? しかし国民はそんな安倍政権を「全面支持」はできません。特にそれが、海外ではトランプ氏の方に問題がある、という報じ方が多いことを知ると、この国で報じられることも信用できないのです。この国はいつからこんなおかしなことになってしまったのか…。まさに「窮地の日本」ということになっているのでしょうね。

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