2019年04月

2019年04月26日

平成の終わりに

国民民主と自由党が合流です。自由は解党し、山本議員は離れて計6名が国民となり、合計で64名と野党第二党として立憲民主党に数だけなら迫ります。ただし民主党政権時代、小沢氏の追い出しに加担した者たちは怖くて堪らない。「政策の違いや理念が…」などと語り、離党を匂わす議員のほとんどが、嫌小沢からの仕返し恐怖症でしょう。当時は仙谷氏という強い後ろ盾もあり、党勢もそこそこあったので強気でしたが、今は異なります。小沢氏が選対本部長にでも就こうものなら…。そんな恐怖が先に立つものです。
そしてこの動きを国会議員として、唯一期待するのが細野氏でしょう。合流に強く反対した4名が離党でもしてくれれば、旧民主から自民へ、という流れを最初につくった自分がその橋渡し役として存在感を示せる。そういう議員を糾合すれば、自民内で細野派を新たに立ち上げられる。当然、選挙区がかぶる自民党議員に勝って、そこで党公認を得られるぐらいでないと、なかなか自民にも受け入れてもらえないのでしょうが、議員として力を失った細野氏が唯一、復権できる道となるものであり、注目しているはずです。

平成最後の相場が終わり、平成を通じて株価は約26%の下落となりました。時価総額はバブル期越え、などと報じるところもありますが、日経225の構成銘柄も異なりますし、また上場企業の数も違います。短期間ならその影響も小さいですが、30年を経過した前と後では比較するのも困難です。ただし株主の構成比率の違いは、今の相場の歪をよく映すのでしょう。何しろ日銀の間接支配がここ数年で強まったからです。
さらに、平成という時代は財政が拡張しつづけた時代といえます。バブル崩壊以後、無意味に繰り返された景気対策という掛け声の下での財政出動によって、今や国債発行は1000兆円を越え、それも日銀が半数以上を保有する、という。言葉は悪いですが、財政の面でも日銀の間接支配が強まっているのです。株式、債券、この2つで日銀に大きく依存しており、日銀の経営に疑義を生じた時点で、日本は突然死するのでしょう。

平成という時代は『歪(いびつ)』を溜めた時代、といえるのかもしれません。それは巨大な地震などが頻発したこともそうです。地球が変動期に入り、世界中で大きな変動が起きた。それが日本では、政治の安定こそ大事、などと未だに語る識者もいるなど、その変動を無理に抑え込んでしまっている。無能で悪政を働くような政治が長くつづくことの、何がメリットなのか? 大切なことは、政治が安定することではなく、正しい政治をする政権が長くつづくこと、であるはずなのに、それを語る人が皆無というのも歪な時代をよく表す、といえるのでしょう。偽善が蔓延する時代に突入した、ともいえそうです。
もともと、イビツとは飯櫃のことであり、江戸時代は竹でお櫃をつくったため、うまく円にならずに楕円形となり、その形からイビツを歪みと同じ表現になった、とされます。このまま日本はイビツを抱えていくと、そのうち突然死が待ち受け、飯櫃どころか棺(ヒツギ)入りが待っているのかもしれません。少なくとも、座して死を待つような状況だけは避けなければ、後世から笑いものにされるだけであり、間違っていることを正しく指摘できるような空気だけは、令和の時代になってとりもどさないといけないのでしょうね。

GWはしばらくお休みしたいと思います。5月5日に再開予定です。

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2019年04月25日

日銀がフォワードガイダンスを変更

韓国の1-3月期実質GDPが0.3%減と、マイナス成長に沈みました。輸出が4割を占める、極めて輸出に依存した経済の韓国は、隠れ世界の景気敏感という側面をもちます。ただし、今回はスマホなどが中国との競争に負けた側面も大きく、輸出の柱となる産業を失いつつある韓国のこれからは非常に暗い、といえます。
特に、今が金融相場なのがネックで、未だ不動産バブルの崩壊から立ち直っていない韓国では金融を吹かすのも憚られる。韓国では緊急閣僚会議を開き、6.7兆ウォン(約6500億円)の補正予算を提出する、としますが、明らかにこれでは足りません。しかし個人負債の肩代わりなどを始めとする文政権のバラマキのせいで、財政に余裕もない。日中韓とASEANが、危機時に円や人民元を融通し合う仕組みづくりに入った、としますが、それらも韓国経済の危機的状況を察知し、アジア通貨危機の二の舞を避けるためかもしれません。

MMT(現代金融理論)の成功例ともされる安倍ノミクス、黒田バズーカですが、その日銀が今日の金融政策決定会合でフォワードガイダンスを変更し、「当分の間」としていた金融緩和を「少なくとも2020年春ごろまで」としました。バズーカを撃ってから6年、また10連休を前に何かしないと…と焦ったのか、市場にインパクトを与えるという意味では6年前とほぼ同じでも、その規模はバズーカから水鉄砲に代わった印象です。
成長率見通しも引き下げ、物価も2021年度でも目標の2%のとどかないとし、金融緩和が長期化すると鮮明にしたのです。しかしFRBやECBの次の一手がまだ見えない中、日銀が先んじて動いたことで、やっぱり日本には引き締め効果が生まれてしまうのでしょう。今回とて、時間軸は伸びても内容は同じ。欧米が緩和に動くと、日銀の限界が鮮明になってしまいます。新たな緩和がありそう…と勘ぐる人もいますが、むしろ物価目標の旗を下ろして景気面に配慮した政策に移行する、という人もおり、市場関係者の間でも見方は分かれます。個人的には、政策の固定化は避けなければいけないので何らかの緩和策を打つ、とはみていますが、だからといってそれが成功するということでもない、と考えています。

今後、日銀が所有するETFを貸し株として融通、という話もでてきていますが、株を買い漁った結果として流動性を失い、貸し株にするなど言語道断といえます。まるで日銀が配当などの儲けを中抜きし、抜け殻となったETFを流通させてお茶を濁しているようにしか見えない。2020年ではまだ市場から株式が枯渇することもないでしょうが、ETFをただ一方的に買うことによっておこる弊害は、日本株の流動性を低下させ、ますます外国人投資家の逃避といった副作用を生むことにもなるでしょう。
日銀が放った水鉄砲、市場に冷や水を浴びせなかったのは幸いですが、日経225先物を日系の2社が大量買いしており、まるで日銀と歩調を合わせて市場が好感している、というムードを演出したかったかのようです。しかしここで多少手直しをしたところで、これまでの日銀がしてきたことを水に流せるわけでもない。水の低きにつくが如し、日銀の金融政策によってイールドカーブがフラット化し、
それが『低』成長を促している、ともされますが、黒田水鉄砲の効果としては日本経済をいつまでも水面のように平らとし、息苦しさを与え、そのうち溺れて窒息するのを待っている、となるのかもしれませんね。

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2019年04月24日

雑感、旧優生保護法の救済法の成立

衆院外務委員会で河野外相は、『日ソ共同宣言以外の2国間合意を踏襲』とする認識を表明しませんでした。2月に安倍首相が「東京宣言など多くの諸文書を踏まえて交渉していることは言うまでもない」と答弁しているので、今日の河野氏の発言からすると、この3ヶ月で安倍政権の日露外交方針はさらに後退を余儀なくされた、ということなのでしょう。つまりそれは、外交青書でも示されたように北方領土はもう『領土』ですらなく、平和条約締結を優先する、という形になった、安倍政権がしてしまった、ということなのです。ソビエト崩壊以後、日露でむすんだ合意にはほとんど北方領土が含まれていた。それを「踏襲する」といえないのですから、これからは北方4島と呼び、『返還』でもなく露国が太っ腹になって譲渡してくれるのを期待することぐらいしか、日本にはできなくなったのでしょう。重ね重ね、国益を害すのが安倍政権です。

旧優生保護法への救済法が可決、成立しました。安倍氏による談話も発表されましたが、薄っぺらい表現で、本人も不在。救済法をなぞっただけ、と政府関係者もみとめたとされるように、心の籠らない、上から目線の談話です。そもそも救済法の前文に『我々は、それぞれの立場において…』と、責任の所在を曖昧にしており、謝罪する気もないことがよく分かります。320万円の賠償金をみても、ただの口止め料としか思えません。いくら訴訟への影響を避けるため、といっても訴訟ではなく話し合いで解決する道とてあるはずなのに、です。
この問題が重要なのは、国による人口統制の思想が色濃く表れているからです。それは今日もつづく少子化対策の遅れとも無縁ではありません。政府は、人口が増え過ぎないよう配慮しているフシもあり、未だに少子化に対して策を打たないのも、優生保護法からつづく一連の流れとみなせます。これはうがった見方ですが、日本人が増え過ぎるのをヨシとしない、米国の思惑に沿った動きとみることも可能です。

平成はバブルとその崩壊をくり返しましたが、昭和からつづいたバブルでは、日本が米国を飲みこむ勢いがあった。日本が成長しすぎるのは、米国も容認しない。それは産業面でも、人口の面でもそうです。旧優生保護法は戦後の混乱期からはじまりましたが、GHQに支配されたこの国では当然のように米国の思惑が、優生保護法には含まれていたはずです。優生生殖という世界的な趨勢にも乗り、日本人の数を抑制する方向で動いてきた。旧優生保護法の被害者とは、言葉を変えればそんな国策の犠牲者でもあるのです。
口が悪い人は、「安倍氏は謝罪したくないから欧米の外遊スケジュールを入れ、このタイミングで救済法を成立させたのでは?」などと囁きます。日本にもどってきても10連休、謝罪も、犠牲者と面会するタイミングすらありません。司法をイイワケにして謝罪をしない、安倍政権の態度がすべてを物語るのでしょう。安倍政権の外交は、すでに害交と呼べるレベルですが、救済法をつくっても本気で謝罪するきも、救済する気もない、ただの胡散臭い法としか見えないのでしょうね。

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2019年04月23日

10連休前の懸念

日本が敗訴した韓国水産物禁輸についてのWTO裁判。安倍政権は盛んに第一審で「科学的に安全と認められた」と述べ、それは敗訴でも覆されていないと語りますが、第一審の報告書にもそうした記載はない、と朝日が報じています。安倍政権は毎日がエイプリルフールなので、今さらこの程度の嘘で驚くこともありませんが、菅氏の説明は「放射性セシウムの濃度が日本と韓国の基準値を下回ると第一審はみとめている。上級委員会はこの事実認定を取り消していない」からとしますが、まず国の決めた基準値が安全かどうかも疑わしい。
福島原発の事故前は、原発で働く作業員の年間被ばく量を引き下げる方向だったのに、事故後は100mSvまでは大丈夫、といきなり言いだした。そんな国の安全など誰も信用できません。異常時だから、多分この程度までは大丈夫、という程度の認識であり、子供の甲状腺がんについても認めない国の姿勢からも、その基準値が安全なのか、仮に病気になっても生活要因として切り捨てるつもりなのか、よく分からないのです。WTOでも「科学的に安全」と言っていないのは、不幸な事故などで得られた被ばくの知見だけでは、完全に安全ということができないからです。それを、安倍政権は「科学的に安全」というのですから、一体その知見はどこから? とした理由が上記であり、子供のイイワケより稚拙なレベルの説明といえるのでしょう。

日経平均は三日続伸ですが、気になるニュースがあります。それは上海株の続落です。昨年末、中国では中央経済工作会議で減税の拡大と流動性供給、インフラ投資の拡大などを打ち出し、中国経済が底を打った、との認識が広がり、1-3月は世界経済も下支えされた側面もありますが、中国政府はそれを先週、見直した。中国人民銀行も預金準備率の引き下げを「急がない」とし、緩和ではなく様子見の姿勢に転じたのです。中国としてはリーマンショック後に打った対応と同じで、それがバブル化したため、今の公共投資と緩和という政策を長くつづけたくない。1-3月期GDPが巡航速度にもどったのだから、としての様子見です。
しかしあれだけ落ちた景気が、今はマインド回復で支えられただけで、実体経済への波及はもう一歩という段階で様子見に転じたのは、中国政府のバブルの危機感が相当に大きいことを感じさせる。不動産バブルと公共投資に頼ると、同じ轍を踏むのですから当然です。しかし中国政府と中国人民銀行の緩和姿勢を好感して上げてきた相場だけに、ここで緩和を止めるとどうなるか? その不安が上海株を直撃しています。

上海株の下落がつづくと、来週辺りから米株など世界的にも波及すると予想されます。日本は10連休中、かなり警戒すべき動きといえるのでしょう。10連休、安倍政権は休みが増えるのだから国民は喜ぶ、と安易に考えて決めたように見えますが、サービス業が増えた日本では、休みが休みにならないことと同時に、一方だけ休むと困るようなケースが多い。保育もそうですし、卸業者や物流が止まってしまうと動けない人も多い。また今回はイレギュラーケースなので、マニュアルもないため各々のえがくシナリオが試される、とも言えます。
逆に、安倍政権のえがくシナリオはいつも幼稚です。休みを増やせば国民が喜ぶ、嘘をつけば国民は騙せる、というものです。しかしG20前、早くも中国が世界経済を下支えする役割から外れた影響は大きい。外交青書では『北方領土は固有の領土』を外し、『北朝鮮に最大限の圧力』という言葉もなくした。嘘をついても、現実は日本がどんどん追い詰められていることが、すでに明白なのです。10連休、安倍氏は早くも『外遊』というお遊びモードで欧米を歴訪しますが、国内は10連休どころか『収斂、急』という事態に経済も、外交も警戒が高まってしまうところなのでしょうね。

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2019年04月22日

雑感。経団連の通年採用拡大

スリランカで起きた同時多発テロ、6つが同時で2つが時間差で起きたため、連続爆破テロとされることも多いですが、大規模でかつ計画的です。特に今、貧富の差はさらに広がり、政治体制への不満も高まっている。政治が遺恨を増幅するようなことばかりしているのですから、こうした傾向はまだ続くのでしょう。特定の相手を敵視し、支持を集めるというのが最も忌むべき手法ですが、政治的にはもっとも利用しやすいものであり、かくいう日本の安倍首相も同じ手法を用いているのですから、日本も例外ではありません。

昨日の衆院2補選、及び統一地方選の後半戦において、自民からは厳しい声も聞こえます。衆参ダブルの話もくすぶりますが、消費税増税の再々々延期では正直、戦いにくい。すでに使ってしまった増税対策費の影響や、財政に穴が開くことなど、与党にとってありがたくない話もつきまとうからです。もし安倍政権が衆参ダブルを仕掛けるとすれば、恐らく争点は「安倍政権の信任、そして存続」をかける、ということになるのではないか。つまり自民総裁4選を訴え、ここで勝てば安倍政権がつづくことを承認させる、と。
もちろん、自民総裁の任期を総選挙に問うなどおかしな話ですが、最近の安倍政権はなりふり構わない選挙を仕掛けますし、安倍氏が進退をかける、という意味では自公支持層への引き締めにもなる。今回、大阪12区では自公の支持層が維新の藤田氏に少なからず流れており、脆さもみせる。安倍政権への飽き飽き感を覆すため、またネガティブな報道をさせないために、安倍氏が進退をかけてくるとみています。

話は変わって、経団連が通年採用を拡大、という話があります。経団連に参画するような企業はすでに人余り、省人化投資や事業効率化によって採用を拡大する必要はない。それでも新卒一括採用から通年採用にするのは、一つには優秀な人材を…という面があるにしろ、もう一つには採用人数について大々的に報じられたくない。政治の介入が増えて、採用人数が減っているなどとして余計な圧力をうけたくない。また入社式などを大々的に行わず、研修なども新入社員全員で行うのではなく、時に応じて行うことでコストダウンも見込めます。新入社員の側に定年まで勤めるとの意識が希薄化する中では、企業としても社員育成に時間とお金をかけていられない。そんな切迫した事情も透けてみえそうです。
しかし学生としては、いつ踏ん切りをつけて中小企業を視野に入れるか、その目処が立ちにくいことにもなる。どこまでも個人より組織を優先した判断、といえるのでしょう。組織を優先し、個人を蔑ろにする傾向が強まったのも、ここ最近のことです。そうして組織からはぐれ、疎外感をもった者が反対の勢力に流れていく。世界は可笑しな方向にむかって着実にすすんでいて、それを止める術を誰ももっていない。むしろ政治がそれを助長しているのですから、始末に負えません。若者の採用の前に、まず国のトップや経営者の採用方法について見直さないと、世界はただただ悪い方向にむかってすすんでいくだけ、ということにもなるのでしょうね。

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2019年04月21日

衆院2補選は与党候補敗北が確実

衆院2補選、まず沖縄は野党が支援する屋良氏が当確です。しかし自民新人、公明推薦の島尻氏は実にスジが悪い。やたらとメディアも元沖縄・北方相をアピールしますが、実績がないばかりか、これまでの当選でも首をかしげる点が多い。那覇市議に当選したときは民主公認だったのに、1年に再選した後ですぐに離党。参院選に出馬したときも地域政党を名乗り、自公推薦をうけたものの、当選後にすぐに自民党入り。再選を目指した参院選では普天間の県外移設を訴えるものの、自民党は辺野古移設をすすめるなど、島尻氏の主張は形骸化した形です。つまり寝返りと嘘をくり返した結果、人間性について評価が低くなってしまっているのです。それでも自民最後の沖縄選出議員、ということで重宝されていましたが、この敗戦で流れも変わるでしょう。ダブルスコアとは言いませんが、この大敗は島尻氏の政治的影響力を低下させることが確実です。
大阪12区は自民の北川知克氏の死去に伴うもので、弔い合戦で負けたら求心力にかかわる、として安倍氏も渋々、土曜日に異例の3ヶ所で演説し、吉本新喜劇に出演するなどアピールするものの、まったく劣勢が跳ね返せなかった。大阪ダブル選挙で息を吹き返した維新の勢いに、完全に飲まれた形です。執筆時点ではまだ当確がでていませんが、維新候補に大差で敗れ、自民はこれで2連敗という形となりそうです。

しかしこの2補選、野党の選挙戦術において、極めて有用な示唆を与えています。つまり沖縄では辺野古移設、大阪では都構想など、争点づくりに成功した。逆にいえば、争点のある選挙では自民はそれほど強くない、ということなのです。大阪12区の樽床氏も、沖縄3区の島尻氏も、肩書に頼った選挙戦術はまったく受けない。こんな役職に就いていました、なんて主張は有権者にとって価値もありません。また大阪12区の宮本氏のように、自民・維新以外の別の選択肢、受け皿…などという考え方にも何の魅力も感じていない。つまり争点があって、その争点に賛否があり、その判断が有権者の投票行動にも強く現れているのです。
なので、対案などといって自ら争点をつぶす野党にも、票が集まらないのは当然です。与党と賛否が分かれ、かつ国民にアピールできる2、3個の政策をピックアップし、それで徹底的に戦うこと。つまりそれが争点化です。例えば、安倍政権の間におこった行政不祥事について、行政刷新を訴える。ここまでなら自民も抱き着き戦術で、同じような項目を掲げるでしょう。そのとき、野党ならこの問題で封印された事実を追及し、国民の下に詳らかにします、と約束すればそれは自民にはできないことです。国民も、何かおかしいと思いつつ風化されてしまいそうですが、それを行政刷新というお題目で争点にすれば、十分戦えるはずです。

対案などをだせば、政策のすり合わせが起こって争点がぼやける。政策のアピールも大切ですが、全体像をみせたところでそこまでチェックして投票する有権者も少ない。有権者を、浮動票を動かすためには分かりやすい争点を2、3個でいい。それで劇場型の選挙を展開すれば、投票率は自ずと上がってくる。郵政民営化、消えた年金、自民党にとりもどす、直近で大きな動きがおきた選挙では、必ずといっていいほど単一争点が票を動かしてきたのです。野党から争点をつくるので、中々に大変なことですが、それができれば山が動くのでしょう。むしろ自民党にとって『ヤマ』しいところを動かす、という戦術が必要なのでしょうね。

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2019年04月20日

市場の動きとついていけない日本

安倍政権がいきなり農協をやり玉に挙げ、改革を訴えたのは2年半前。それが今になって政府と農協が一丸となって、アジア地域で農協型の共同組織づくりを支援、という話がもち上がってきました。日本では改革が必要なのに、それを輸出? というより、農協が安倍政権に完全敗北し、協力を約束したからその恩典として、アジア進出という道を準備した、とみるべきなのでしょう。農協型の仕組みをつくれば、農薬や肥料などを組織立って融通することが可能となる。日本でつくったものを輸出するのもそうですし、海外でつくられた安価なものを輸入して農家に販売することもできる。高齢の農家が増え、先細りが懸念される農協にとって、安倍政権に協力して海外進出が生き残りの道。ただし、それが農家のためではなく、あくまで農協という組織の存続のためだけに利用されそうな点が、残念に感じる部分といえるのでしょう。

萩生田自民幹事長代行が言及した「消費税増税の再々々延期」、しかし市場は全くの無視をきめこみ、ムニューシン米財務長官が言及した「日米貿易協議で為替条項」という話でさえ、ガン無視でした。つまり今、市場はまったく政治のことを見ていない、気にしていないが現状です。萩生田氏は「日銀短観で…」と景気の弱さの確認方法を示しましたが、米株は最高値をうかがう勢いで、景気の弱さなど微塵も感じられない。日本株は弱い、出遅れといっても22000円を回復しており、市場からはまったく景気の悪さを感じさせるものがありません。さらにトランプ政権、安倍政権とも異常なほど株価の推移を気にしており、市場に悪材料となるような合意はしないだろう、と市場からはその思惑を見透かされていることになります。
しかし実際の経済指標には、絶好調とされる米国でさえ斑模様。日本に至っては悪いものの方が目立つほどです。政治家が抱く危機感の方が正しいのか、市場が抱く楽観の方が正しいのか、実はこれが同義なのが現状です。つまり、政治が危機感を抱く→景気対策を打つ→株価を押し上げ、というのが現状の支配的なシナリオであり、その引き金をひいたのは中国といえるでしょう。中国政府の公共投資、減税により景気に期待できる、として上海株が上昇した。その流れが世界的に波及、経済が悪いから株が上げる、という現在の状況が生まれたのです。しかしこのシナリオの最大の弱点は、政府が景気対策を打ったからといって、必ずしも経済が回復するわけではない。その視点が完全に抜け落ちてしまっていることなのでしょう。

またFRBが市場フレンドリーになったことも、市場の楽観ムードにつながった。政府、中央銀行が株安を防ぐために対策を打つ、というのが安心感となって、株高につながる。つまり今の世界は市場本位制という状況に陥り、市場の価格が経済の好不調を映す、という誤った認識が広がってしまい、政治も市場もそれに毒されている、というのが現状なのです。しかしバブルがそうであるように、株価など決して実体を映していない。どんなに企業業績や経済指標をみて、市場がそれを反映するとしても、結局のところ株価は人のマインドです。ITを導入してもそれは同じ。儲かるか、儲からないか、で価値が決まるものを景気のバロメーターにした時点で、すでに政策判断を誤っており、バブルを生む要因をつくっているといえます。
安倍政権の発足当初、『甘利越え』なる言葉を生み、やたら株価を意識した政策をとっていたのは安倍政権です。誤った認識や、誤った手法を輸出するのは、ある意味安倍政権の得意技ともいえるのでしょう。そんな誤った認識に従い、市場本位制をとっている米中の株価が、今や一時期の下落をとりもどすほどに上昇し、片や日本株が弱い、出遅れという状況なのは示唆的です。安倍ノミクスなどといい、日銀も黒田バズーカなどと異次元緩和を行い、株価対策をうちつづけたことで、すでに出涸らしとなっている日本。米中が市場フレンドリーになって株価が上昇しても、日本だけ市場閑古鳥が鳴くのは致し方ないといえるのですね。

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2019年04月19日

雑感。日露平和条約交渉の頓挫

あまり大きく報じられませんが、6月G20で来日するプーチン露大統領と平和条約交渉で、政府は大筋合意するのを断念しました。やはり安倍氏は色丹、歯舞だけで平和条約を結ぶ予定だったのに、それすら蹴られた形です。これが問題なのは、4島返還が遥か彼方に遠のいたこと、日ソ共同宣言すら形骸化し、2島さえ返還の見通しが立たなくなったこと、平和条約が高いハードルとして返還+平和条約締結が、今後の交渉の基本ベースになったこと、です。つまり交渉が後退しただけでなく、将来的な交渉にも弊害が生じた。すべては功を焦って安易な妥協をもちだし、結果は失敗という安倍政権の責任に帰されるものです。
逆にいえば、妥協をもちだすのは交渉の最後でなければならない。交渉が行き詰まり、突破口とするために妥協し、それが2島返還ならまだしも、平和条約交渉の入り口で2島返還にしたことで、合意までにさらなる妥協を日本が迫られることになったのです。しかも、プーチン氏と北朝鮮の金正恩氏との会談も伝わる。これまでプーチン氏は、西側の制裁に対して日本を梃子に、解除へと動くことを期待していた。それが北朝鮮というカードを手に入れ、ますます日本を顧みる必要がなくなった、ということになります。

北朝鮮も露国の後ろ盾を得て、米朝交渉の再開を目論みますが、北朝鮮という船に中国、露国と乗ったことでますます交渉が困難になったといえます。そんな中、外務省の2019年版の外交青書で北朝鮮に対する「圧力を最大限まで高めていく」とする文言を、削除する方向と伝わります。つまり北朝鮮に融和路線でせまり、拉致問題を始めとする交渉の端緒にしよう、ということですが、その程度で北朝鮮が見向きをするとは到底思えません。元々、日本の制裁、圧力により北朝鮮がダメージをうけていたわけでもない。日本が融和に転じたとて北朝鮮にとって何のメリットもないのですから、キッカケにすらなりません。
5月25〜28日にトランプ米大統領が国賓待遇で訪日します。北朝鮮が韓国による米側への働きかけに対して、懐疑的な見方を強めているのですから、ここで安倍氏が米国にモノが言える立場であることを強くアピールすれば、北朝鮮が日本の調整能力に期待し、交渉に応じるかもしれません。しかし安倍氏は米朝交渉で、拉致問題を「取り上げてもらった」などと語り、それを成果とするぐらいですから、北朝鮮が日本に期待するはずもない。日米貿易交渉でも米側の要求をのめば、ますます日本は米国にモノを言える立場でない、と見透かされることになります。むしろ日米交渉が北朝鮮を交渉の場にひきだす鍵となるでしょう。

誰が得をして、誰が損をしているのか? 世界は近視眼的な政治家たちが右往左往することによって、ますますカオスな方向に動いているといえます。そこに安倍氏も入っており、むしろもっとも負けているのが残念な限りです。中東でおきた民主化の動きは『アラブの春』などと呼ばれましたが、結果は春どころか、カオスという真冬並みの混乱をうみだしただけでした。『安倍外交の春』、G20のホスト国などと浮かれていたら、いつの間にか経済でも外交でもみるべき点がない、ワースト国に成り下がっているのが現状なのでしょうね。

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2019年04月18日

消費税増税を再延期?

NTTドコモが新料金体系を発表しましたが、姑息というしかありません。低通信容量なら割安感もありますが、5Gになったらギガサイズのデータなどあっという間です。ふつうなら問題ありませんが、不正なデータやウィルスに感染すると、莫大なデータのやりとりをし、割高な通信料となってしまう。つまり将来、低通信容量で契約する人は少なくなるのを見越して、そこだけ目立つ形で割安にしたのです。ただ、それこそ5Gになったらトラフィックの占有が問題で、通信容量より常時接続をするようなコンテンツを利用する者への課金が重要になるはずです。結局、菅官房長官が急にやり玉に挙げ、庶民受けを狙った通信料の引き下げも、形ばかりに終わりそうで、この発表をうけて携帯電話各社の株価が上昇したのが象徴的でした。

自民党の萩生田幹事長代行が「消費税増税先送りもあり得る。その時は国民に信を問う」と発言し、波紋が広がります。OECDが対日報告書で「消費税を26%まで」と、財務省の意をうけた援護射撃をし、4月の月例経済報告でも景気は「緩やかに回復」を継続したのに、安倍首相側近が景気後退を匂わせたのですから。しかも今回は過去2回と異なり、すでに増税をふくむ予算が通った後、つまり財政に穴が開きます。しかも恐らく昨年度の税収上振れ分が少なく、今年度は景気対策に充てる予算が少ない中で、その穴を埋めるためにさらに負担が増えると、景気が悪いのに景気対策もできない、といった事態にも陥るでしょう。
これを観測気球とする向きもありますが、それは諸刃の剣どころか切腹用の刃を用意するようなもの。財界も霞が関も「安倍政権では増税できない」とハッキリするため、退陣にむけた狼煙が上がることでしょう。逆にいえば、増税先送りと衆参ダブル選挙はセットでないと、党内がもちません。米国のタイム誌が「世界で最も影響力のある100人」から、今年は安倍氏が落ちた。安倍ノミクスに失敗し、そもそも対米追従で外交的な影響力があったわけでもないので、経済が落ち目になったら除外されて当然ですが、落ち目の安倍氏を無理して支える必要もなく、財界や霞が関からも「もっとよい顔を」となるのが確実なのです。

東電が福島原発の作業に、入管法の改正で入ってくる外国人労働者を、と言いだした。このために入管法を改正した? というぐらいの露骨なタイミングで、それだけ東電にも焦りがあるのでしょう。プールからの燃料棒の取り出しが本格的に始まれば、ますます作業員の被ばく量も増え、年間の限度を超えるケースが多発する。作業はすべて遠隔で行っても、機器のメンテや安全管理のために作業員が必要。その確保のため、外国人労働者を入れて敷地内の軽作業などに充てたい、というのが本音なのでしょう。
しかし仮に外国人労働者が福島原発の実情をみたら、一体どう思うか? 日本は大丈夫というが、とんでもないものが福島に合った、そう噂することでしょう。安倍ノミクスなどとし、経済は良好と謳うものの増税先送りをくり返すのも同じ、その実態を海外が知ったら、とてもではないが評価などできるはずもない、というのがここ最近の動きでもあるのでしょう。日本は世界の景気敏感株、などという人もいますが、つまり国内景気が弱くて世界的な変動の影響を受けやすい、ということでもあるのです。安倍氏の本音が透けて見えた萩生田発言。今日の観測気球、誰の目にも反則気球に映った時点で問題が拡大したのでしょうね。

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2019年04月17日

中国1−3月期GDP

仏国のノートルダム大聖堂の火災で、マクロン大統領がパリ五輪に合わせるよう「5年で再建」と語りましたが、明白な政治利用ですし、大事なのは期間ではなくしっかりと元通りに再建すること、です。しかし現状、世界は勇ましいことを言ったり、嘘をつく政治家の方が支持されることが多く、正論が評価されにくい雰囲気もあります。安倍政権はこの常習犯といえますが、虚勢や虚構がまた一つ確認できそうです。
日米閣僚級の貿易協議で、TPPで協議した水準で大筋合意と報じられます。しかし米農業団体が求めたTPP以上、という条件は満たさないため、この大筋合意には裏があるとみていい。数量なのか、はたまた為替条項でより有利な条件を付加するのか。例えば米産牛肉などの輸入の枠が決まっていると、他の国は日本に輸出しにくくなる。消費に対して供給ばかり肥大すれば、価格下落を招いて損をするからです。米国産牛肉は日本が決まった枠を買うので、安定した価格が見込まれる。一定の量を買わなければいけないので、米農業団体は価格支配権をもつことが可能だからです。今回は、来週の日米首脳会談を前にして、今回は特段の動きを示さなかったものの、果たしていつどの段階で、米国にとって都合よい話がでてくるか? それが参院選の後…というのは考えにくく、G20用のおもてなしとして準備するつもりかもしれません。

中国が発表した1-3月期GDPは前年同期比6.4%増と、市場予想を上回りました。ただ固定資産投資が6.3%増、不動産投資は11.8%増と、借金型の中国経済がさらに借金を拡大させて押し上げた面が強く、しかもこの辺りは地方政府が数字を弄って、中央に報告していた事例がこれまでも散見されます。同時に発表された3月鉱工業生産は前年同月比8.5%増と14年7月以来の高い伸び、3月小売売上高も8.7%増と昨年9月以来の高い伸びです。これだけをみると中国経済は回復、といえそうですが、日本の指標が衝撃でした。
財務省が発表した3月貿易統計速報は、前年同月比2.4%減ですが、対中輸出が9.4%減です。日本製の部品を使って製造する、もしくは日本製品を買うことの多い中国で、日本からの輸出が減っているのに中国の数字は改善している。しかも驚くほど…。減ったのは金属加工機械、科学工学機器、半導体製造装置なので、中国製造業が伸びている気配がない。これをどう読むか? によって今後の経済情勢の見方も変わります。

中国の経済統計は、以前よりもさらに信用がない。減税や公共投資など、なりふり構わない経済対策を打ちましたが、その効果が出ている、という数字を作り上げないと習政権の体制がもたない。そして市場が楽観ムードとなった現状を壊したくない。それが今日の経済統計だったのでしょう。しかしそんな嘘が、真になってしまうのも経済です。株高で一部の資金繰りが改善、信用不安が減ったことでムードも上がっているのは事実でしょう。そのムードだけで今の市場は支えられ、市場の上昇で企業が楽になる。その循環が起きているのは、ほぼ間違いありません。ですが、消費の現場はそういうわけにもいかない。
実際、生活が苦しくなれば財布の紐がしまりますし、値段が上がれば買い控えも起きる。中国の場合、家具などが増えているので見えにくいですが、これは不動産投資と同様、家具とセットで高めの価格で不動産を売る、という流れが影響します。実際の消費の現場は、まだ回復とは言い難い状況と予想されます。果たして、世界がこの虚構まみれの中で踊っている現状が、いつまでつづくのか? 日本では『嘘も方便』という言葉もありますが、世界的に『嘘と抗弁』が通用する間だけ、幸せであるのかもしれませんね。

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2019年04月16日

日米閣僚級貿易協議がスタート

東京五輪の日程が発表されましたが、どう考えても日本より世界の視聴時間に、日程を合わせたかのように感じてしまいます。米国で人気のあるスポーツは米国のゴールデンタイムに合わせるよう午前、欧州に合わせてサッカーなどは日本の夜、などです。日本の昼が暑いから、というなら何のために日本で行うのか? 台風シーズンですから、日程には余裕を持っているでしょうが、仮に東京ではそうでなくとも、他の地域で洪水などの被害があったら、ボランティアの手も足りなくなるでしょう。日程をみて改めて感じるのは、この東京五輪はジャパンファーストではない、何のために日本で行うのか? ということです。

日米通商交渉(TAG)がスタートです。茂木経済再生担当相が「為替条項は財務相間で話し合う」と語ったところをみると、もう為替条項が入るのは確実な情勢です。ただし、その形については協議の余地あり、ということでしょう。よく日本は最近、為替介入をしていないから問題ない、という人もいますが、そんなことはありません。日本円はユーロや人民元と比べても、実質実効為替レートが低く抑えられている。それを例えば乖離率を何%まで、それ以上になったらその分関税を…などということもあり得るからです。
しかも「具体的にそういった(サービス)分野の話はでてきていない。今日の内容の中心は物品だ」と語ったところからも、具体的でないけれど話がでた、または今日ではなく、いつか話をする、と言っているように聞こえます。日本はTrade Agreement on goodsとしますが、米国が発表した合意文書にはサービス分野も入っており、米国がそれをしない、という選択はありません。ムニューシン財務相が為替条項について言及したように、物品以外の項目も話し合うつもりでしょう。ただ茂木氏は、日本でももっとも注目が集まる協議初日だけは「しない」ということにしたかった、というのが本音だったのでしょう。

米通商代表部(USTR)は人員が少なく、米中協議に目処が立ったからトランプ大統領が欧州に粉をかけ、そして日本とも交渉を始める余裕ができた、などとされますが、中国とは交渉が決着するというより、隔たりが大きくて後は米中首脳に委ねる、といったところなのでしょう。最近のトランプ政権はより懐疑的となり、米朝交渉でも効果が確認できるまで制裁は継続、というように米中でも関税を引き下げない、と明言しています。そうなると中国は条件をのめなくなる。米国がこの態度を継続する限りは交渉にもならないのであり、そうなるとトランプ氏が直接交渉によってその条件を撤廃するか、相手に飲ませるしかないのです。
日本の場合も、実質実効為替レートの乖離を減らすよう両国で努力、といった文言で済むなら軽い為替条項といえます。しかし米農業団体などがTPPで損害を被っており、TPPよりも有利な条件を、とトランプ政権に圧力をかけており、そうなると日本の戦略全体が間違っていた、ということにもなるでしょう。そうなると、TAGとは、Trade Agreement own goal(日本の自殺点貿易協議)と呼んだ方がよくなるのかもしれませんね。

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2019年04月15日

雑感。ネットとテレビと株式市場

同性婚訴訟の先陣をきって東京地裁で口頭弁論が行われました。これは婚姻を法的な権利ととらえるのか、旧習の家族制度に範をとるのか、の問題です。婚姻により得られる権利は膨大で、同性同士だとその権利を受けられないのが憲法違反に当たるのか? ハッキリ言えば、この手の判断を地裁レベルにさせるのは本来おかしく、仮に司法から憲法違反という判決がでても、立法府が無視すれば何の措置もとられない、という事態にもなります。安倍政権は支持層の反発を考慮して動かない可能性が高く、むしろ司法に働くかけて不都合な判決を排除しがち、ともいえます。個人的には、婚姻制度は現状のままとし、婚姻に代わる、それと同程度の権利を得られる新制度を立法府が構築すれば、すべて丸く収まる話だと考えます。司法に判断をゆだねるのではなく、立法府がきちんと答えをだす。それこそ問題解決能力のある政治、といえるのでしょう。

GAFAに対する規制圧力が強まる中、先行するEUが、巨大インターネット企業がメディアのニュースを掲載したり、音楽をつかったりする場合、著作権者に対して適切な使用料を払うことを求める改正著作権法が成立しました。勝手にアップされたものでもGAFAが著作権を払うことになるので、GAFAは監視を強化せざるを得ない。ディズニーにしろ、固定の動画配信により期待が高まるのは、信頼できるスジが制作した映像でないと、今後はリスクを抱えることになり、ネット配信のビジネスモデルが大きな転換を迎えることにもなるのでしょう。最近では若者のなりたい職業にYouTuberが上位にきますが、今後はどこかの配信会社と契約し、そこを通して配信するようになるはずです。なぜなら、配信会社が不適切な動画の責任を負う形でないと、YouTube側のリスクが高すぎるから。ネットの世界のテレビ化、今後数年で起こるはずです。
今日の日本株は22000円台を回復しましたが、朝は持ち高調整のための売り方の買いと、ブレイクまでに費やした分のポジション落としのための買い方の売りとが交錯し、派手に撃ち合った後は非常に静かな相場となりました。300円近い上昇にもかかわらず、2.3兆円程度の売買で、月曜日とはいえ閑散です。誰もこの経済環境で高値を抜いていくことに懐疑的であり、相場の思惑だけで上昇するのも限度がある。今の市場はそんな懐疑派と、とにかく上げ相場にはついていくトレンドフォロー型とのせめぎ合いといったところです。

そもそも底打ち、などとして上昇相場を肯定する向きもありますが、それが騙しで二番底をつけにいく展開はままあります。今はとにかく年後半は回復する、という期待だけでムードを上げていますが、実体として回復したという数字は少ない。今はまだ低位で横這い、またはやや上向きという数字が多いのであり、相場の思惑と、実体経済との差について、今後の市場がいつそれを調整するのかが問題です。
むしろ今後、ネット動画が新たな情報発信媒体となり、精緻な分析を交えた市場予想などを配信し始めるのかもしれません。テレビは特定の番組に対して広告主がつくため、広告主に配慮した番組づくりにしかならない。しかしネットは人気のある動画に広告がつくので、自由度が高い一方、正確な情報発信であったり、予想の的中率などが問題となってくる。そして、そうした正しい情報だけが生き残っていく形となるのです。問題解決能力のない政治が世界的に蔓延し、それをテレビや新聞などが批判もできない時代。ネット動画のテレビ化と同時に、ネット動画によるテレビの凌駕も今後数年では起きてくるのでしょうね。

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2019年04月14日

安倍首相による「復興に全力」の意味

安倍首相が6月の大阪G20で、韓国の文在寅大統領との個別首脳会談を見送りの方向で調整、と報じられます。徴用工の問題や慰安婦基金の解体などがあり、「建設的な対話はみこめない」とのことですが、問題があるから話し合うのでは? 問題がない相手とはディナーでも共にしておけばよいはずで、問題がある相手とは積極的に問題解決にむけて話し合う、というのが本来のスジです。特に今、WTO敗訴の衝撃が安倍政権にはあり、逃げているのでは? と捉えられがちです。また河野外相が水産物の輸出入に関して二国間協議を要請していることもあり、下手に首脳会談をすれば、妥協を迫られるのでは? との警戒もあるでしょう。

ただ、結局のところ安倍政権には問題解決能力がないのでは? との方が強く感じられます。今日の安倍氏は被災地を訪れていますが、日韓の貿易協議は水産物の禁輸をとる国々に対し、韓国に是正させることを一里塚、としてきたはずであり、それを日韓首脳会談でこじ開ける、という気概をみせるべきです。なぜなら、北朝鮮の金正恩氏とは拉致問題に関して「向き合わねばならない」としているのに、「復興に政府一丸で全力」としている安倍政権が、被災地の水産物の輸出に全力で取り組まないのは説明がつかないからです。「私が直接、文大統領を説得する」ぐらいに言ったらどうか? 全力とはそういうことのはずです。
これでは桜田前五輪担当相の「復興より自民党議員が大事」といったのと同じ、「復興より自分の体裁が大事」と安倍氏自ら、行動で示すようなものです。では、そこそこ関係性のよいカナダなどと、水産物の輸出で交渉するのか? G20はそれこそ安倍政権の語る「政府一丸で全力」が試される場面なのです。

安倍氏は福島第一原発をスーツ姿で訪れ、「復興がすすんでいる」などとしますが、視聴者にとんでもない勘違いを与える映像です。福島原発では未だに放射線量が高い状態がつづきます。ただ、すでに放射性物質は地面に固着したり、壁を除染しても落ちない、つまり飛散する恐れがないから防護服なしでいられるのです。それは、防護服とは放射性物質を体に付着させないようにし、外部被ばくを増やすのを防ぐためだけのものだから。福島原発の敷地内は、それこそ線量バッジをつけ、きtんと被ばく管理をしていないと立ち入ることさえできない。そういうところであることに、未だに変わりないのです。
しかも、スポット的に放射線量が高い場所について、政府は未だに公式に発表しない。民間の調査では都心にもそういう箇所があり、きちんと調べるべきではないのか? 国民に事実を伝えず、それで「復興がすすんでいる」などと言われても、誰も信用しないし、国際社会なら余計にそうでしょう。安倍政権の全力のだしどころ、人を騙したり、虚構により取り繕ったりする方向にむけて為されているのではないか? そう感じさせるような一連の動き、といえるのでしょうね。

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2019年04月13日

G20財務相・中央銀行総裁会議が閉幕

週末の米株がJPモルガンの好業績をうけ、金融株が上昇。これをうけてシカゴ日経平均先物も上昇しており、週明けは22000円乗せとなる可能性もあります。ただ週末の日本株、そのJPMが日経225先物を買い越しており、自分たちの決算で相場上昇を見込み、日本で小金を稼ぎにきたのか。日経平均はFリテ、SBGの大幅な株高で指数全体が支えられましたが、実はJPMの思惑も入っていたとすれば、週明けはその反動もでてきそうです。ただこれで一気にダウが最高値に近づいてしまったので、危険水域に近づいてしまいました。

G20財務省・中央銀行総裁会議が2日間開催され、閉幕しました。しかしIMFが年後半からの景気回復をみこんだことで、楽観シナリオにより景気減速の議論もせずに終わった。はっきり失望の結果です。しかも麻生財務相が「結束を…」などと述べますが、米国が分断をすすめており、その米国を日本が指導できない以上、何もできないのと同じです。G20で初の議長国となった日本ですが、無能を露呈するばかりであり、IMF第2位の出資国である日本が、会議に先立ってIMFから楽観的な見通しを語らせたのでは? と陰口をたたかれる始末です。なぜなら、今の日本はとてもマズイ状況に置かれているためでもあります。
米国で大論争を巻き起こしているMMT(現代貨幣理論)ですが、要諦はインフレにならない限り、政府はいくらでも通貨を発行できるし、それで公共工事を拡大し、景気を下支えできるというもの。課税は歳入を増やすためではなく、経済の過熱を冷ます目的だけなので、今より減税もできる。もしこれを採用する米民主党の一部が多数を占めることになれば、米国がMMTをはじめることにもなり、早ければ2年後にはMMTが動き出すことになるのです。しかし困るのは日本。先陣を切ってMMTもどきのことを始めているため、世界がMMTを始めたら、逆に日本だけが世界から出遅れ、引き締め効果が生まれてしまうことにもなります。

日本では通貨発行権をもつ日銀が、すでに大量の国債を保有し、株など資産も買い漁っている。それでもインフレにならず、失業率も低下。MMT論者からみれば日本が成功事例にみえることでしょう。日本がG20を主導したら、間違いなくMMTの議論をしなければいけない。この景気減速に備えて各国が共通して打てる手、それがMMTです。それを日本は実験中。その途中経過について説明を求められると、本当は黙っておきたい日本の現状を、世界に向けて発信することになってしまう。それだけはどうしても避けたかったのでしょう。むしろ今、議長国であることに負担を感じているのかもしれません。これではG20首脳会議はどうなってしまうのか? 今から不安にもなってくる、というものです。
安倍政権のもっともダメな部分は、失敗をみとめられない。自分がやっていることはすべて正しい、と主張しつづけるため、政策の転換ができない。国内では抗弁することでやり過ごせますが、海外から改めて問われり、誤りを指摘されると途端に脆さを露呈する。WTO敗訴も同じ構図、といえるのでしょう。胸を張って日本の政策はこうで、上手くいくから他国も…といえない、それが安倍ノミクスです。MMTはModern Manetary Theoryの頭文字をとったものですが、日本ではMou danmatuma 安倍noMics Theoryというべきなのでしょうね。


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2019年04月12日

WTO逆転敗訴も「敗訴でない」?

日本の総人口が1億2644万人となり、26万人以上と過去最大の減少幅でした。高齢者が増えているので減少も大きくなりますが、問題は少子高齢化がさらに悪化していること。しかも最近、政府が焦って就職氷河期世代への再就職支援などを始めましたが、ここが年金をうけとる段になると、低年金で生活に困窮するのが必定。少しでも今の所得を上げて、受給額を引き上げておかないと、とんでもないことになるためです。しかし非正規を拡大し、厚生年金に加入できないようにしてきたのは小泉政権以来のことです。つまりこれは、明確な政策の失敗がここにきて大きな歪みとなって、問題が発覚しつつあるということです。
15〜64歳の生産年齢人口は51万人以上の減少と、かなり衝撃です。間違いなくこれが失業率を改善させ、有効求人倍率を低くみせている。外国人の純流入数は16.5万人で、これがカバーした。だから安倍政権は焦って外国人労働者の受け入れを拡大させようとしている。働き方改革、とされるものも裏を返すと働かせ方改革であり、就職氷河期世代は働き方を選べる状況にはない。人生設計さえ狂い、生き方すら改革できないのが小泉改革以降の日本です。そして、今が売り手市場として幸福を感じている若者にとっても、就職氷河期世代が低年金にともない生活保護に転落すると、税金で支えなければならないのは労働者世代です。つまり自分たちが一生懸命働いて、就職氷河期世代を支えなければならなくなるのです。日本に溜まった矛盾、恵まれた世代とそうでない世代とがくり返し現れるのは、結果として誰も幸福にはしないのです。

WTOの二審、上級委員会で日本が逆転敗訴です。福島など8県産の水産物を韓国は輸入禁止にしており、その措置が妥当となったのです。一審の判断に瑕疵があったと認める一方、一審で認められた日本産の食品の安全性は覆されていない、などと菅官房長官も述べ「敗訴ではない」としますが、簡潔にいえば『その国が決めた基準をクリアしない限り、日本の基準で安全としても輸出はできない』ということです。この判決をもって、今もつづく禁輸措置をとる国を懐柔しよう、とする安倍政権の目論見は完全に外れたことになる。またしても安倍政権の外交上の敗北が露呈した瞬間、といえるのでしょう。
日本は相手の要望を聞き入れ、それを改善によって輸出を増やしてきたのがこれまでです。しかし安倍政権はそれを、自分たちの基準はこうだから受け入れろ、受け入れないと提訴、という強硬手段に訴えた。このやり方は米国そのままであり、その結果がこれです。国力にも、外交手腕にも劣る日本が米国の真似をしたところで通用しない。まさに猿真似では、国際社会では通用しないということでもあります。

韓国は北朝鮮問題で米国と溝が生じており、今回のWTO判決で文政権が小康を得た形です。米国が北朝鮮に示した、とされる非核化の条件は、敗戦国待遇を北朝鮮に受け入れろ、と迫るものでした。北朝鮮もトランプ政権の間に再交渉する意欲は失ったでしょう。これから核実験、長距離ミサイルの試射などの挑発行為をとるかどうか、それはトランプ政権が本気で朝鮮戦争の再開を望むか? その見極めだけでしょう。
安倍政権では、米国と決裂したら北朝鮮は日本がすり寄ってくる、などの誤った楽観も語られましたが、結果的に拉致問題解決への目処も立たないまま、ふたたび緊張状態を迎えてしまった。それは国内の少子高齢化さえ解決できていないのに、より難しい外交で成果などだせるはずもありません。輸入規制の撤廃にむけた二国間協議を韓国に要請、としますが、その要請を受け入れる段階で韓国には借りをつくることになってしまう。安倍政権のめざした米国型高圧外交、アジア人は猿と蔑されることも多いですが、ただの猿真似ではくるくると堂々巡りをくりかえす猿回しにしかならない、ということなのでしょうね。

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2019年04月11日

雑感。ブラックホールの映像

ブラックホールが撮影…少し期待しすぎたのかもしれませんが、ちょっと拍子抜けでした。ホーキング輻射によりブラックホールは光る、もしくは落ちていく情報が表面に貼りつく、などという推測はこの映像では確認できなかったからです。しかし電波望遠鏡が発達し、それこそ宇宙空間にいくつもの観測衛星が浮かべば、いずれこうしたナゾも解明されるかもしれません。今は地球上でできる最善のことをした、という意味でこの映像の意義は大きいのでしょう。ただガスの濃度差など、新たなナゾも生まれてしまいました。

Brexitが10月31日まで延期されました。トゥスクEU大統領とメイ英首相とは、言葉は悪いですが同じ穴のムジナ。Brexitを骨抜きし、影響を最小限にするのが目的であり、期限を1年延期と提唱したのもトゥスク氏です。ただ、メイ首相はすでに辞任カードを使い、野党とも協議を始めるなど崖っぷちであり、1年延期したとてトゥスク氏とメイ氏の描いた通りの決着にはならないでしょう。メイ案以外の選択肢として議会で投票を行った際、EUから離脱も関税同盟には残る、が僅差の否決でしたが、そんな都合のよい決着にはEU側が断固反対するでしょう。それが許されるのなら、EUから離脱する国が続々と現れるはずです。
ただ今回の決着先送りでも、EUが混乱を恐れて弱気になっていることが読み取れ、EU各国の中で離脱を訴える政党にとって追い風となるはずです。EUは強気にでられない、今が交渉のチャンスだと。EUの恩恵を最大にうけている独国が、トゥスク氏の提案にのったのもEU離脱派が、まだそれほど伸びていないため。逆に仏国をはじめ、政治的に不安定な国は、自国内の離脱派が伸長するのが怖い。この延長が吉とでるか、凶とでるか。個人的にはEUの終わりの始まりで、どんな形にしろEUに変化が生じると考えます。

世界の指導者が混乱を恐れ、何とか物事を丸く収めようとする中で、株式市場でも大量のVIX指数売りが溜まっている。何か弱気材料がでても、VIX指数を低く抑えることで株式の下落を防ぎ、上昇させるといった取引が今年に入ってから活発です。それが3ヶ月もつづいたことで、すでに維持するのが難しくなっているのです。いつそれが買いに転じ、VIX指数が上昇するか分からない、それに伴い株が下落するか分からない、という状況で日本は10連休を迎えてしまう。非常に懸念される状況が近づいています。
今の世界は力業で不安定要因を排除しようとする一方、その歪を溜めていく。昨年10月から起きた急激な下落も、実はその一環とさえいえるのです。ダウ、NASDAQ、S&P500、これらのうち一つでも最高値を更新したら要注意なのでしょう。その歪が一気にふきだし、現状の環境でこの価格はあり得ない、という思惑が一斉に広がる可能性があるからです。そして今、ヘッジをかけずにリスク資産に投資し、わずかな利回りを得るような投資をしていた層が慌ててポジションを巻き戻す。そんな動きを引き起こし易くなります。

Brexitも同じで、不安定要因を排除しようとするばかりに、歪みが大きく溜まっています。そしてそれは日本も同様なのでしょう。昨日取り上げたように、安定が望まれるとして長期政権をメディアと財界も推奨してきたら、その腐敗が歪として溜まってしまった。今や世界は、ブラックホールが空間を歪ませて映像を屈折させるように、溜めこんだ歪みによって現実すら見えなくなっている、そんな状況なのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:19|PermalinkComments(4)このエントリーをはてなブックマークに追加 欧州 | 経済

2019年04月10日

長期政権の緩み?

昨日のコメントで、『令和』への文句は言いがかりとした上でイジメ、とするものをいただきました。ネットでも散見される、安倍政権を批判するとイジメ、との認定には違和感もあります。政府と国民の関係は、言葉は悪いですが、看守と囚人に似ます。看守に対して囚人がイジメなどできません。逆ならあり得ますが…。それこそ言いがかりの類だと考えていましたが、どうも『安倍政権を支持する自分』という個に対して集団で批判、攻撃してくる、だからイジメと認識するのでは? と感じました。
イジメが成立するのは立場が同じか下。時おり生徒が教師をイジメる事件も起こりますが、そこにはPTAなり、教育委員会などの教師よりさらに強い立場の介入、もしくは関係があり、教師が弱い立場に置かれることが影響します。ただし看守と囚人の関係にそれはなく、国民の立場で政府をイジメることは絶対にできない。しかし囚人同士であれば、看守を批判する者と、看守の立場に立ってものごとを考える者との間にイジメが成立する。だからイジメと感じるし、一方で相手へ「イジメだ」として批判を向けるのでしょう。

桜田五輪担当相が辞任です。自民比例東北の高橋議員のパーティーに出席し、「復興以上に大事なのは高橋さん」と発言したことが引き金ですが、これまでも大臣の資質を問われ、それでも延命させた安倍首相の問題が大きい。いずれトラブルを起こすのが自明だったのですから。先ごろ辞任した塚田国交副大臣についても、吉田参院議長との会談メモがでてきましたが、どう都合よく聞いても「忖度しろ」と言っているように聞こえる。そして、こうした問題を「長期政権の緩み」と報じるところも多いですが、緩みで済むのか? 塚田氏の問題は利益誘導ですし、桜田氏のような資質なき閣僚をすえることが、どれほど国益を害すのか? これは「緩み」などではなく、間違いなく「腐敗」と断じられるものです。
塚田氏に関しては、さらに母親による債務問題も週刊誌で報じられます。片山地方創生担当相もくり返し、行政への働きかけの見返りを要求、と報じられます。週刊誌報道なので、必ずしも事実と反するのかもしれませんが、これが真実なら完全な「腐敗」でしょう。甘利元経済再生担当相の問題も、政治とカネによるまさに「腐敗」でした。安倍政権では『政治とカネ』に関する劣化、腐敗が間違いなくすすんでおり、それを「緩み」と報じる時点でおかしい。これは「長期政権による腐敗」とすべきなのです。

1971年にスタンフォード監獄実験が行われ、集められた一般人を看守と囚人に別け、役割を与えると、命じられてもいないのに看守役は囚人を従わせるために懲罰を与え、囚人が暴動を起こすとそれを暴力で鎮圧、さらに体罰を加えるなどしました。今の日本はまさにこれと酷似した状況にあるのかもしれません。国民が不平、不満を漏らすと、それを抑えるよう監視役が現れる。しかしそうしている間にも、実際の看守である政府の間では劣化し、腐敗がすすみ、監獄であるこの国全体がおかしくなっていく。日本では国民同士で本当は協力した方がよいのに、協力しない方が得をする『囚人のジレンマ』が、分断を生みつつあるのかもしれませんね。

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2019年04月09日

雑感。新紙幣の発表について

ゴーン日産元会長による反論動画、やはりこの程度しか出てこないから、記者会見できなかったということがよく分かるものでした。事実関係について証明、反証することもなく、現日産経営陣による陰謀説を唱え、「数人の幹部による汚いたくらみ」ともしますが、名前は弁護士がカットした。もしカットしなければ、下手をすれば名誉棄損にされたかもしれません。ナゼなら、まったくそれを証明できていないのですから。
恐らく記者会見でつっこまれても、何の説明もできないから会見できない。公判にむけた情報操作という以上に、稚拙さしか感じません。これで同情が集まるか? 到底ムリでしょう。また実際に謀略があろうと、公判で問われるのは私的流用があったかどうか? それだけです。つまりこの動画は何の意味もない、ただ個人的な憤りを吐露しただけです。記者会見を開けなかった、としますが、動画をとる時間が会ったら深夜でも緊急記者会見を開けばよかったのです。それすらさせずに警察が介入していたら、それは陰謀説が強くなったのでしょうが、この動画はただゴーン氏の人間性を疑わせるだけのものでしかありませんでした。

新紙幣について発表されました。大体20年ごとに刷新されており、2024年からの運用をナゼ今日発表したのか? 憶測ですが、衆院補選の公示を隠す意図があったのでは? 沖縄3区は恐らく勝ち目がない。県民の意思を無視し続ける自民に投票するのは、あまりに卑屈であり、先の県民投票の結果をみても自民を背負ったら勝てる見込みすらない。問題は大阪12区補選です。安倍官邸としては自民北川氏の地盤でしたが、落としてもよいと考えているのではないか? ここを維新に譲って、国会対策として協力を得やすくする。統一地方選でも応援演説に出向かない安倍氏、大阪への遠慮からも、また組織票頼みの選挙を旨とする安倍政権の選挙戦術からも、扱いを小さくして浮動票の動きを小さくしたい面があったと考えます。
もう一方で、令和と新紙幣とでブームをつくり、景気後退を何とかしたい。実際、紙幣の判別機や自動販売機など、特需が起こることになります。ただし、ほとんどの企業にとって改元も、新紙幣もただのコストアップ要因です。ブームで本当に景気が浮揚すれば、コストを吸収できますが、そうでないと逆効果になる。事実、ブームが乱発されすぎて食傷気味であり、一つ一つの効果が減殺されている印象です。

一万円札の渋沢栄一氏は、徳川慶喜公への忠誠を貫き、明治新政府へも渋々出仕したことで知られます。有用な部下が出仕を拒めば、慶喜公に二心あり、とみなされるのを恐れたのです。しかし大蔵省少補事務取扱として財政整理をはかり、各省の予算増額要求を拒否したものの、薩長により政治的に覆されたために出仕から3年ほどで下野しており、明治政府への忠誠心は皆無といえます。一橋家→幕臣→静岡藩と続く慶喜に仕えたころと、下野した後に実業家として成功したときが、もっとも活躍した時期だったのです。
五千円札の津田梅子氏は女性活躍を、千円札の北里柴三郎氏は国際的な活躍、という意味合いなのでしょうが、正直みんな同じような顔に見えてしまう。ふくよかで顔の特徴が薄い。今は印刷技術も向上し、特徴のない顔もその違いを浮き彫りにできるようになりましたが、逆にそのことでこうした同じような顔を並べても大丈夫、となったのでしょう。しかし紙幣の顔などよくみない、ちらりとみて違いが分かる方が、よほど有意義だといえます。まだプロトタイプでしょうが、数字が大きくてチープな字体であるのと同様、何か今回の紙幣刷新は、それこそキャッシュレスを促すためにわざとそうしているようにも感じます。

これで長らく続いた慶應学閥による福沢諭吉推しから外れたことになる。学問ノススメの言葉を借りれば、『天は人の上に人をつくらなかったが、人の上に安倍が立ったことで、自分が下ろされた』となるのかもしれません。薩長から追い出された形となった渋沢氏といい、令和の『令』を体現した人選といえ、安倍政権に従わないと下野させられる、令に従え、という意味では狙い通りなのかもしれませんね。

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2019年04月08日

景気ウォッチャー調査と株式市場

安倍首相が沖縄泡盛組合の表敬をうけ、琉球泡盛を贈られ「私も円熟さを増したわけではないが、まろやかさは多少増した」と語りました。現状でまろやかさを増した、というのなら、若いころは狂犬とされるほどの敵とみなすと誰でも噛みつく、暴れん坊だったのでしょう。自ら円熟味は増していないとするので、人間としての深みはないということなのでしょうが、せっかく沖縄の泡盛なのですから、辺野古について何らかの言及をしてもよいはずなのに、記事からは読みとれなかった。円やかではあっても、物事を円滑にすすめる、ということはできない。それは『多少』という点に、よく表れているのかもしれません。

内閣府が発表した3月の景気ウォッチャー調査、現状判断DIが44.8と前月比2.7pt低下、先行き判断DIが48.6と前月比0.3%低下。先行きでは小売り関連が令和煽りと消費税増税前の駆け込みをみこんだプラスである一方、家計も企業も軒並み悪化する、との予想が並びました。これをうけ、内閣府も基調判断を「緩やかな回復基調がつづいている」から「このところ回復に弱さがみられる」へと下方修正しました。同じ日、発表された消費動向調査も6ヶ月連続減少で、消費マインドの落ち込みが顕著となっています。
判断理由の概要では、GWで高額な旅行に申し込んでいた人が安いプランに移行、3月値上げで商品の伸びが非常に鈍化、新年度の広告予算を削減、中国経済の減速で製造業に生産調整、等々。ほとんどいい話がありません。中国が減税などの景気対策を打つことで回復、という予想が市場では多いですが、国内の肌感覚としては実感できていない。個人もそんな空気を感じ取り、消費を抑制し始めていることがうかがえます。

相変わらず市場では「出遅れの日本株を見直し買い」などとする意見も多いですが、増税を控える日本を買う要因は一つもありません。では、増税を止めたところで歳出の大幅な組み直しが必要で、そうなると景気対策費の捻出にも難儀するでしょう。増税をみこんだ予算を通してしまったことで、日本への期待はもう皆無なのです。日本株を買えるとしたら、米中の景気が回復して、その恩恵が日本も潤すとの確証が得られたときだけでしょう。そして、こんな景気の弱いときに増税をするのは自殺行為だ、と誰もが分かっている。さらに日本発で景気を浮揚するような材料がでてこない、だから買ってこないのです。
世界的には相変わらず楽観シナリオが主流で株高傾向ですが、中国ではすでにバブルが深刻化、米国も斑模様の経済指標を都合よく解釈し、景気が良いのにFRBが利下げする、というあり得ないストーリーが蔓延しています。新興国株もカネ余りで復活、現状では債券高、株高、という驚くような好環境であり、逆にいえばこんな状況がそう長くつづくはずもない、といえるほどです。しかし日本はそうではない。首相は円熟でもなければ、円やかさも多少、というぐらいのものでしょうが、日本の円は今や危険水域というぐらいになっている。リスクオフで円売り、という動きも起きていません。これまで国内勢がヘッジなしの円売りを入れ、海外の高金利債券を買い漁ってきたため、いざとなれば強烈な円買いがおきることでしょう。やはり安倍ノミクスの最後は、円満ではいられない。だから市場も警戒心がとれない、ということなのでしょうね。

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2019年04月07日

雑感。統一地方選の前半戦

統一地方選、注目の大阪W選は維新の圧勝です。大阪都構想は政界を去った橋下氏の忘れ形見のようなもの、それの効果もよく分からないけれど、橋下氏が言っていたから、として支持する人も多い。自民支持層と呼ばれる人でさえ、都構想に賛成なら維新に入れる、という構図が出来上がっており、自民の締め付けも利きにくくなっています。安倍官邸としては一先ず御の字でしょう。維新は今後も安倍官邸には協力する。むしろ今の維新の力の源泉は橋下氏の遺産と、安倍官邸との関係です。維新は安倍政権に協力し続けるしかない。政府主導で提出される法律も増える中で、維新が野党で賛成してくれるのは心強いはずです。

唯一の与野党対決となった北海道は、与党系の鈴木氏が勝利しました。無党派層がやや鈴木氏に流れており、保守地盤の強い北海道では、やはり無党派層をつかまないと苦しい、ということを露呈した形です。逆にいえば、無党派層をどうつかむのか? をきちんと戦略として野党が練られていない。どういう訴えをすれば、無党派層に響くのかを考慮しないと、参院選でも厳しいということがよく分かったことでしょう。
一方で、今回は自民分裂選挙が目立ちましたが、福岡県知事選では麻生財務相の推す自民推薦の武内氏が、圧倒的な差で敗北です。自民県議なども対立候補の現職小川氏に流れ、自民も地方の締め付けが利きにくくなっている。ただ、これが国政選挙になると自民支援で一致するのですから、分裂といっても痛くも痒くもないのでしょう。そもそも今の自民が保守? という疑問とともに、保守分裂というより自民党ががん細胞のように分裂をくり返し、増大し、国を蝕んでいく様子が今回の選挙でも浮き彫りなのでしょう。

全体的にいえることは、令和ブームは今回の選挙に吹いていない。やはり支持基盤の厚いところが勝つ、という従来型の選挙を踏襲したまで。まだ投開票が終わっていませんが、投票率もさほど伸びておらず、亥年選挙の前半としては驚くほどの凪、といえます。それは何とか景気も下降気味とはいえ低成長を維持し、財政も日銀も喘いでいますが、そんなことは国民が知る由もない。昨日もとりあげたよう外交も悪化していますが、今はまだ致命傷ではない。政府の鼻薬が効いている、という面もありますが、だからといって好感しているわけでもない。状況がフラットだから、支持層の厚さだけで勝っている印象です。
だからこそ野党には無党派をひきつける戦略が必要ですが、現状ではそれがない。大切なことは情報発信なのでしょう。しかもそれは、既存のメディアに頼らない、新たなメディアをどう活用するか? 小沢自由党代表がネットメディアへの露出を拡大していますし、玉木国民民主代表もYouTuberとなっていますが、それでは足りない。今や新聞やテレビまで与党の顔色をうかがう現状では、それに代わる媒体まで情報発信を成熟させる必要があるのでしょう。例えば政党のホームページは、活動報告や自分たちの政策しか載せませんが、それではダメ。政府発表のデータや資料を分析し、それを分かり易く国民に伝える。今、新聞はネットでの記事も有料のものを増やしていますが、政党のホームページは完全無料とし、その数字の是非を伝える。政治家は官僚をよび、聴取もできるのですからその数字の根拠や正当性を詳らかにすれば、新聞よりも有用な情報発信媒体となり、その読者を奪うことにもなるでしょう。

内閣府の社会意識に関する調査でも、メディアの情報発信のあり方に疑問をもつ人がいる。野党の方が正しい情報発信ができている、そうした意識を有権者の間につくれば、そういう政党に任せたい、との意識が醸成されるでしょう。一方的な情報発信はいらない。必要なことは『正しい』のがどちらか? ということ。毎日HPを更新し、しかも新聞以上に精細な分析を載せるには、人もお金も必要でしょう。そのために野党は共闘し、国民民主が残している政党助成金をつかう。元々は民主党が政権をとる前から溜めた金、国民民主が占有するのは不自然といえます。野党が政権をとりもどすために既存メディアに代わる、一次情報発信としての媒体。それこそ令和の時代は、政党の『例話(れいわ)』が試される時代といえるのでしょうね。

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2019年04月06日

社会意識に関する世論調査

明日は統一地方選の前半戦、11の知事選や41の道府県議会選の投開票日です。そんな中、内閣府の社会意識に関する世論調査が興味深いので、少し取り上げてみます。『国の政策に国民の考えや意見がどの程度反映されているか?』との質問に、かなり反映1.2%、ある程度反映27.1%、あまり反映されていない54.1%、ほとんど反映されていない15.2%でした。内閣府のとるアンケートに答えている時点で、相当に国のやることに協力的な人々でも、69.3%が政府が勝手なことをしている、と考えている。これが日本の現実です。
良い方向に向かっている分野は医療・福祉31.9%、防災21.1%、科学技術19.7%、治安19.4%、教育18.7%です。しかし医療・福祉はそれこそ技術の進歩の面が強く、政府の成果ではありませんし、防災も同様です。補助金をだした分野が目をだしたなら、それこそ政府にその原因は帰せられるのでしょうが、ここ最近は研究分野への政府の支出は減らしてきた。防災には公共投資の面も含まれますが、残念ながらここ最近のゲリラ豪雨などの事象には、まったく対応不可です。良い方向に向かっている? そう考えている時点で、過去の栄光にすがっている面が強いともいえます。教育とて、入試不正が多発するようなこの国の、外国人留学生が行方不明になってしまうようなこの国の、また首相に忖度する学園が存立を容易くするようなこの国で、何が『良い方向』なのか? 逆に言えばそれ以外の項目は特にないので渋々…と想像できます。

一方で、悪い方向に向かっている分野は外交37.5%、国の財政37.5%、防衛29.0%、景気26.5%、地域格差25.4%です。安倍政権の行動の結果として現れるものが、ずらりと並ぶ。特にそれは外交の安倍、安倍ノミクス、地方創生として、政権が最優先事項として取り上げてきたものばかり。安倍政権の6年間の集大成という形でみると、まさに一言で『失敗』と片付けられます。しかも、景気よりも国の財政が悪いという回答がくる。
つまり財政支出を増やすような景気対策は、国民の不安をより増すことになり、消費が防衛的になる可能性が高まります。さらに、消費税増税をして改善されるならよいのですが、すでにその分の歳出を含んだ予算を組んでおり、プライマリーバランスの改善はほど遠い、ということが知れ渡っている。しかも、安倍政権が増やしたはずの国防費で、防衛が悪い方向に向かっている、と答えた人が多いのですから、安倍政権のやることなすことすべて『悪い方向に向かっている』とする国民が多いことを、これは意味します。

国の政策への民意の反映方向、という項目では、政治家が国民の声をよく聞く24.8%、国民が国の政策に関心をもつ23.4%、国民が選挙の時に自覚して投票する16.2%です。しかし1番目の項目は、この政権が6年間もつづけて民意が反映されない、が多いように期待薄です。しかし2、3番目は国民の行動としてできることです。政策に関心をもち、その善悪成否について、メディアの受け売りではない、しっかりとした分析を行って自分の意見としてもち、それを選挙の時に反映する。まさに明日、そしてこれからの選挙でそれが問われていく、といえるのでしょう。奇しくも『忖度』発言による副大臣の辞任、国民まで『忖度』するようになったら、この国は坂道を転がり落ちるだけであることは自覚すべきなのでしょうね。

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2019年04月05日

統計データのいくつか

塚田国交副大臣が辞任です。乗り切れると判断していた安倍政権が、急に態度を転換させたのは統一地方選に大きな影響が出ている、との調査結果がでたためでしょう。また週末、どうせこれで一旦報道も休止となり、鎮静化できるとの読みもある。しかし下関九州道路に国が関与する間は、この「忖度」発言が尾を引くことになります。忖度により交通量予測などが高めにでて、事業性が担保され、建設にGOサインがでるなどしたら、そのたびに疑われることになる。何しろ、安倍政権は数字を弄るのが大好きな政権だからです。

総務省が2月の家計調査を発表し、消費支出が前年同月比で実質1.7%増と市場予想にとどきませんでした。悪天候の多かった昨年に比べ、天候に恵まれた今年は消費が伸びるとみこまれたのです。しかも伸びたのは自動車購入、通信量と季節性のない変動要因が並ぶ。それもそのはず実収入が前年同月比で実質0.1%増。しかもこれでも高めにでていると見られ、かつこの世帯の実収入は52.6万円と、日本の実態にそぐわないのです。
統計不正があった厚労省の毎月勤労統計2月分では、現金給与総額は0.8%減。実質賃金は1.1%減です。総務省の世帯主収入は約36.0万円、毎月勤労統計の給与総額は26.4万円。対象の差ということもありますが、単純にいえば高所得世帯は微増した一方、低所得世帯は大きく減少している、というのが2つの統計に表れたといえるでしょう。むしろ毎月勤労統計の調査対象に、毎月の消費支出を聞いた方が、国の統計として正しい数字がでるのでは? と感じます。Fリテが初任給の4万円増、と発表していますが、驚くのはバブル期より低かった初任給です。Fリテは新入社員も販売員を務める特殊形態ですが、これまでが低すぎたといえます。

内閣府の2月景気動向指数の一致指数は、0.7ptと4ヶ月ぶりの上昇です。しかし出荷と生産は伸びる一方、消費は下落するなど、景気減速は一巡したという思惑で企業が動いた結果、であることが分かります。株式市場も同じような思惑で動いており、半導体株が堅調ですが、これも需要減速が一服するとの思惑です。企業が堅調な見通しを示したこともありますが、そうしたものが景気動向指数も押し上げた格好です。
しかし日銀による3月生活意識に関するアンケートは、景況感のDI(良くなったー悪くなった)は-19.2と、マイナス幅を拡大。1年後の景況感はDIが小幅に改善するも、悪くなるとの回答は39.3と高水準です。暮らし向きでも「ゆとりがなくなってきた」が40.0と悪化しており、DIも下がった。個人は企業や市場が考える楽観とは逆、むしろ悪化とみているのです。企業と個人、果たしてどちらが正しいのか? 

金融政策がふたたび緩和的となり、恩恵をうける企業と、そうでない個人。一度下がった個人のマインドは、消費減退となって企業を苦しめることでしょう。ただ、それでも資金繰りが楽なので、倒産はしない。それが現在のマインドの差に表れているように感じます。市場は企業サイドの判断についているようですが、業績は当面下がりつづけるでしょう。果たして、すでにバブル化が指摘される現状が、一体いつまでつづくのか? 世界的に政府の情報発信、統計の数字への信ぴょう性を失いつつある今、バブルを壊すものが虚構と現実の乖離に気づくときだとすれば、イスラエルやトルコ、そして日本でも続々と虚構が暴かれつつあり、そう長くはもたないのかもしれませんね。

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2019年04月04日

ゴーン被告の4回目の逮捕

トヨタが昨日、ハイブリット技術の全面開放を表明しました。英断ともされますが、個人的には遅きに失したと考えます。全固形燃料電池が商業ベースで量産されれば、EVシフトが世界的に起きます。弱点である充電時間の長さ、充電池の寿命、安全性等が劇的に改善されるため、今後はファミレス、スーパーにいる間に充電、というのが一般的になると予想されます。支払いは駐車料金を払う機械で一緒にできますし、その程度の時間で十分に満充電できる。小売り、飲食なども充電料金も売り上げになりますから、ガソリンスタンド単独より小売りに付随した形で車の充電をするように、世界的なパラダイムシフトが起きるでしょう。
すでに世界はEVに向かってすすんでいる。トヨタが主導権をにぎるハイブリッドが、改めて世界で評価される可能性は極めて薄いのです。なので今回の開放は、ハイブリッド車の延命のためであって、過渡的な技術が思っている以上に早く廃れることへの危機感がそうさせました。そしてこれは水素燃料電池車も同様、世界の潮流から外れた以上、いずれ戦略の転換が必要です。日本だけに普及する車を売るのは企業にとって負担であり、世界的な流れをつかまなければいけなかったのに失敗した。だから遅きに失したのです。

日産の元会長、ゴーン氏が4回目の逮捕です。保釈中の逮捕は異例ですし、いきなりツイッターを開設して記者会見を11日に設定しましたが、これは検察の情報封じという見方は早計でしょう。逆に、検察が逮捕する動きを察知して、ゴーン氏側が記者会見をすることで世論を喚起し、逮捕を免れようとした面が強いと考えます。実際、すでに録画済みともしており、弁護士側が検察の動きをつかんでいたことがうかがえる。問題は、国際的に注目されている事案について、なぜこのタイミングで逮捕だったのか? です。
オマーンの捜査協力が得られた、というのも一因でしょう。しかしこれだけの案件、検察側だけの判断で逮捕に踏み切ることはできない。政権サイドのGOサインがあったはずです。むしろ、政権が認めない限りは逮捕に動けなかった。ではなぜ政権が容認したか? やはり塚田国交副大臣の「忖度」発言を大々的にメディアに取り上げられたくない、との判断が働いたものとみられます。ゴーン氏を逮捕すれば、当分はこのネタでワイドショーは長時間ひっぱるはずです。間違いなく塚田氏の件は扱いが小さくなります。

検察サイドは何としても有罪にしないと面子が立たない。だから政権サイドに嘆願したでしょう。何としてオマーンルートを解明するため、再逮捕したいと。安倍政権としては、塚田氏の公選法違反などをもみ消すことも約束させたでしょう。政権、検察、双方の思惑が完全に一致した。タイミングと言い、まさに政権、検察にとっては都合よかった。統一地方選を無事に乗り切るためには必須だったのでしょう。
弁護士が「この逮捕は言論封じ!」という戦略をとったため、見えにくくはなりましたが、その前にいくらでも記者会見できたはずです。裁判所に出廷したときも大した反論ができなかったように、ゴーン氏は記者会見したくなかったのでしょう。結果、ビデオ映像という一方通行の情報発信を選択したのも、妥協の産物です。映像をとるヒマがあったら、さっさと記者会見を開いていればよかったのですから。

しかし最悪なのは日産のユーザーです。仮にゴーン氏が無駄遣いしていた場合、その分の割高な車を買わされていたことになる。EVでは先行した日産ですが、政治との調整では後手を踏むことが多いように感じます。仏政府に蹂躙されることを恐れ、日本政府に泣きついたら、こうしていつまでもゴーン氏ネタでしゃぶりつくされることになったのですから。自動車業界のパラダイムシフト、まだまだ道半ばであり、gone(過ぎ去った)というほどに過去の因襲をぬぐいさるのは簡単にはいかない、ということなのでしょうね。

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2019年04月03日

令和はbeautiful harmony?

『令和』の英訳を『beautiul harmony』に統一する、外務省が決定しました。海外ではすでに『order and peace』と報じられたことに対応するものですが、そもそも安倍政権が外国人記者への情報発信で説明不足だったことが原因であり、しかも『令和』にそんな意味はありません。『巧言令色鮮し仁』にも現れるように『令』のもつ『よい、立派な』は飾り立てる意味です。『令嬢』も『美』とは一切関係ありません。言葉は悪いですが、不細工でも他人の息子、娘は令息、令嬢となり、『令』は形式的であることが分かります。
やっぱり安倍政権は嘘をつく、ということを殊更に海外にむけて喧伝する必要もない。そんな嘘に付き合ってくれるのは日本のメディアだけなのですから、大人しく『instructed harmony』としておけば、安倍首相の説明とも整合するでしょう。instructには命令という意味もありますが、教える方のニュアンスが強く、また上から目線で『指図する』という『令』のもつ意味と、極めて整合します。逆にそれ以外を充てると、言葉のもつニュアンスとのズレを海外から指摘されたとき、まともな説明もできないことになるでしょう。

harmonyを欠くのが、英議会です。Brexitのメイ案ではない代替4案もすべて否決され、メイ首相は4回目のメイ案による採決をめざす一方、EUに長期延長を要請しました。これで英議会が合意したら、過去の3回は何だったのか? となり、英国議員も説明に窮するでしょう。メイ氏はナゼ修正を拒み、EUから譲歩をひきだそうとしないのか? 英議会が納得するために、何でもよいので変化をつけないと合意はできません。
一方で、米中貿易協議は「合意間近」と報じされますが、間近と合意では大きな溝があります。契約では何事もサインする前が一番もめます。米国では中国が合意を守るかどうか懐疑的な見方が増えており、関税は継続するという。ではどうなれば解除なのか? それを合意しない限り、協議は終われないのです。ただ、米中は「合意間近」と思わせておいて、実際は合意しないのが内外にとって都合いい。下手な合意では国内がもちませんし、合意しないとなったら失望が大きい。「間近」という言葉で踊っている間は、市場にとっても両国の交渉担当にとっても居心地がいい。まさにここにはharmonyが機能しています。

塚田国交副大臣の「下関九州道路で忖度」発言を、やっとメディアが取り上げはじめました。国会で取り上げられ、他のメディアもとり上げるから恐る恐る…という感じが顕著です。選挙期間中のことであり、公選法の221条でいの一番に『財産上の利益』を約束したら違反としているのであり、副大臣を罷免するぐらいでは済みません。これを完全な嘘、としますが、235条では『虚偽事項の公表罪』があり、嘘でもアウトなのです。公選法違反ですから、これは議員辞職すら必要であり、処分せざるを得ないのです。
改元は『beautiful harmony』とするのに、安倍政権は野党とも、ましてや法律ともharmonyする気はないようです。ないものねだりで、自分が調和できないタイプの人間だから、調和とつかいたいのか? そもそも憲法ともharmonyする気がなく、改憲しないと限界などと言っているのですから、安倍政権にはharmonyが最もふさわしくないのです。むしろ安倍政権の間は『aberrant obedience(常軌を逸した服従)』の方が、時代を映す言葉としてふさわしい、といえるのかもしれませんね。

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2019年04月02日

3月日銀短観

『令和』の他の文字は英弘、広至、万和、万保、久化と判明しました。安倍首相が好き、という『和』が2つも入り、かつ国書からとったという英弘、広至の二つはどうみても人の名前のよう。漢籍からとった文字はこれまでも候補となったもの、という出来レースぶりです。しかもメディアはこぞって「万葉集が出典」とくり返しますが、その万葉集が『文選』の帰田賦の冒頭を引用している、ということは一切報じません。出典が漢籍だからといって、不都合があるのは安倍氏ぐらいですが、メディアは正しく報じない。国民に嘘を教え、海外からみて恥ずかしい国民にしようとしているとしか思えず、まさに日本の北朝鮮化。読売新聞だけが元号を掲げる写真を菅官房長官ではなく、安倍氏にしたのも、安倍氏の現人神化をすすめる暴挙といえ、そのうちこの国でも「偉大なる安倍晋三同志が…」と発言しないと、逮捕されるのもしれません。
しかも塚田国交副大臣が下関北九州道路に関して「安倍氏や麻生財務相が言えないので、私が忖度した」と発言し、党幹部による地元への利益誘導を匂わせましたが、メディアはスルー。撤回してから報じるなど、どこに「美しく心を寄せ合う中で、文化が生まれ育つ」のか? メディアが壊れて、この国に正しい文化が生まれる気配すらありません。強いていうなら「政府に心を支配される中で、忖度が生まれ育つ」という意味が元号に込められている気がして、押しつけがましいお祝いムードとともにげんなりさせられます。

昨日、3月の日銀短観が発表されました。大企業製造業の現状判断DIは12(-7)、非製造業は21(-3)、先行き判断DIは8(-4)、20(-1)、中小企業は同じ並びで6(-8)、12(1)、-2(-8)、5(-7)となりました。非製造業の現状判断がよいのは、それこそ改元期待もあるでしょう。先行きがさらに悪化する、との見通しなのが深刻です。市場は米中貿易協議がまとまる、との期待をほぼ織り込んでいますが、企業サイドはそうみていないことが分かります。恐らくそうなると、4月後半から始まる企業業績の発表は、相当に慎重な見通しが増えることとなり、株価にネガティブインパクトを与えそうです。ただし、この調査では企業の19年度の売上・収益計画は微増をみこみます。ただし、経常利益は悪化をみこむ。これは販売価格判断が下降となる予想が増える、つまりデフレになるとの予想が増えていることが影響するのでしょう。
昨年度の純利益の計画も軒並み未達。そこからさらに今年度は悪化をみこむのですから、経済環境は悪化と企業がみていることになります。ここで困るのが日銀です。デフレマインドの復活に、何らかの対策をとらないといけない。しかし手がありません。3月のマネタリーベースが若干の微増になったのも、恐らく日銀の危機意識が影響したのでしょう。しかし今から打つ手はむしろデフレを悪化させかねません。

むしろ全産業の資金繰り判断が、前回調査と比べて悪化している。この超低金利環境で、悪化するのはこれまでが良過ぎた面もありますが、その影響からか設備投資計画も大企業製造業のみ前年から増やすものの、それ以外は軒並み縮小する見通しです。国全体が収縮していく、そんな様子も日銀短観からうかがえるのです。しかし政府の景気判断は悪くないので、景気対策はでてこない。日銀の金融政策しか頼るところはありませんが、それすらも困難な状況です。文化は心を寄せ合うから生まれるのではない。繁栄と安寧により人々の心に余裕が生まれるからこそ、文化とは生まれるのです。令和にこめられた意味、実はその『繁栄と安寧』が安倍政権では担保できないので、何とか別の手段で…といことなのかもしれませんね。

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2019年04月01日

元号は『令和』

改元…正直、興味がないというか、これは自分の名前と同じように自分ではどうすることもできない、決めたものを受け入れざるを得ないものです。ただ決まったものに対する評価はできます。『令和』という字。まず『令』は、人を集める意の傘の部分と、人がひざまずいた形とからなる会意文字であり、そのものズバリ『命じる』意です。私のもつ辞書で軽く調べると、いいつけ、戒め、法律、長(おさ)、よい、他人の親族に対する敬称とあり、唯一のよい意味は『よい』ぐらいで、ほとんどは上から目線です。また使役の助字、仮定の助字としても用いられます。これを名前として用いる場合、人を率いる立場の人になって欲しい、という願いが籠められるのでしょうが、それを元号とするのはどうなのか? 元号に上から目線の押しつけられ感を抱くのは、やはり相応しくないといえるでしょう。だから今回、初めての採用なのです。
『和』も少しふれておくと、やわらぐ、なごむ、などの意味の他に、大人しくする、調子を合わせる、などの今の官僚の態度と、微妙に符合する意味もでてきます。ただもう少しうがった見方をすると、『令』という字に『口』を加えたものが『命』です。つまり『令和』の言葉そのものが、『命』という言葉に集約されます。特攻隊を美化し、国のために命をなげだす姿に「感動」と発言していた安倍氏にとって、『命』を分解した元号を定め、国民に広く布告することが挙国一致、国家総動員体制と意識させたのかもしれません。

万葉集巻五、梅花の歌32首の序文から、としますが、昨日も近所の公園を花見したのも『梅』と合わせたのかもしれません。花見の対象が桜に変わるのは平安時代で、万葉の時代の花見は梅。やたら花見をアピールした理由もここにありそうです。ただ『初春の令月にして 気淑く風和ぎ 梅は鏡前の粉を披き 蘭は珮後の香を薫す』とする原文に対し、安倍首相が「厳しい寒さの後に春の訪れを告げ…梅の花のように…明日への希望とともにそれぞれの花を大きく咲かす…」としたのは、かなり違和感もあります。まず今が『厳しい寒さ』なら、安倍政権の6年間は失敗、むしろ自民党政権がそうした事態を招いた、とも断じられる。若者へのアピールに「大きく咲かす」としますが、半分が高齢者のこの国では散った後の方が大切です。
しかも元号そのものは商業的にどこかが有利にならないよう、と最大限の配慮をしたのに、会見で「世界に一つだけの花」をもちだし、利益誘導する姿勢はどうなのか? 結果、元号とこの曲が紐づけられ、商業的に利用されるのが確実です。実は若者に人気がないことに悩む安倍氏が、SNSなどの話題も持ちだして、若者に最大限のアピールをしようとした。その結果、政府の態度に不整合が生じたのでしょう。

初の日本の古典からの採用で、保守層へのアピールも欠かさない。しかし「人々が美しく心を寄せ合う中で文化が生まれ育つ」という意味だとした『令和』。生憎とそんな意味は微塵も感じられませんが、それも上から目線で意味を押し付けるつもりか? そもそも『令月』でさえ、よい月という意味とともに陰暦二月の別名という意味がある。万葉集は単に『初春の二月』と言っているに過ぎない、との見方もあります。
むしろ「新元号、万歳!」などと叫ぶ映像があると、日本の北朝鮮化を感じてしまいます。上から目線で決めたことに従わざるを得ない。庶民は快哉を叫び、お祭りムードを盛り上げないといけない、といった義務感も垣間見られ、元号制定における薄気味悪さも感じてしまいます。昭和は遠くなりにけり…と思っていたら、昭(日の光のあきらかな意)和と比べると、意味的には格段に落ちてしまった感もある『令和』。これが『命』という意味を分解したものだとすれば『仏作って魂入れず』ではありませんが、『元号決めて命軽んずる』のような国にならないよう、願いたいところではあるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:14|PermalinkComments(8)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般