2019年06月

2019年06月30日

年前半の株式市場

3回目の米朝首脳会談が行われました。黙っていられないトランプ米大統領が、直前でTweetしたようにこれは韓国側の仕掛けだったのでしょう。習近平主席の訪朝で、存在感の喪失を恐れた韓国の文政権が、独自のホットラインをつかって「会いませんか?」と持ちかける。当然、北朝鮮側にもトランプ氏の感触がよいことは伝えたでしょう。経済が失速気味で、米中首脳会談でもタカ派の意見を封じたトランプ氏となら、妥協点を探れるのでは? 実際、金正恩委員長の満足げな顔をみても、そんな思惑が感じ取れました。
保守寄りの識者などは、『孤立する韓国』や『リベラル文政権の危機意識の欠如』といった記事を書きますが、G20でも存在感のなかった文大統領が、トランプ訪韓に賭けていた、となって相変わらずの読みの甘さを露呈します。もし安倍政権が、拉致問題解決にむけて「あらゆるルート」を探るなら、子の韓国のホットラインを頼ってもよいはず。結局、徴用工の問題とを天秤にかけ、韓国には阿らない、というのが安倍政権の判断なのでしょう。今回の米朝首脳会談でさえ、恐らくは事前に伝えられていないはず。安倍政権の本気度と、関係構築のまずさが、結果的に拉致問題の解決を遠のかせている原因となっていることが顕著です。

2019年も半年、株価は日経225、TOPIXとも昨年末より約5%の上昇です。ただ現状、米中貿易協議が上手くいく、といった条件を相当程度盛りこんでおり、かつ米利下げと同時にパウエルFRB議長が「非伝統的とはいえない」とした、量的緩和も織り込んでいます。しかし昨日の合意をみても、協議再開を決めただけ。スケジュールもなく、米国の要求を、中国が飲むはずもない。このまま大した進展もなく、制裁関税も解除されれば市場にとっては有益ですが、トランプ政権内の強硬派がそれを赦さないでしょう。米国による対中交渉は漂流、年後半は米FRBの金融緩和、その進捗に焦点が当たることになってくるのが確実です。
ただ以前から指摘しているように、金融緩和が効果あるのは金融市場に不安があるとき。仮に緩和をしても、バブルを生じるだけなので賞味期限も短い。さらに、米中貿易摩擦が炸裂すれば、緩和しても景気は下押しされるため、注意も必要です。今は『期待』という魔物が相場を押し上げていますが、いつ材料出尽くしになるか分からない。パウエル氏は市場フレンドリーで、期待を裏切らないとの思惑が強いですが、いつまでもそうであるとは限らない。特に今回は、緩和の限界を迎えるのが早いだけに要注意といえます。

今回はフレンドリーになったトランプ氏が、一体いつまでその態度をつづけるのか? パウエル氏がフレンドリーな態度をとり続けられるのか? 年後半はフレンドリーか、そうでないか、といった思惑が先走る展開が予想されます。金融相場は思惑次第で、上にも下にも行き易い。特に今回、循環的な下落を、米利下げ期待で否定して上昇しているだけに、買いが大きく膨らんでしまっていることが懸念として残ります。
年後半、今以上に上をめざしていくには力不足。一方で溜まった買いを消化できないと、下への力がより強くかかる展開がつづくのでしょう。G20でも「年後半は成長」としながら「リスクが残る」とします。むしろリスクだらけなのに、G20では答えが出せなかった、というのが真実です。果たして思惑だけで、どこまでいけるのか? 金融相場の力が試される展開となるはずです。当面20000〜22000円のレンジ相場でしょうが、7月のFOMC後の世界はフレンドリーかそうでないか、それ次第ということになるのでしょうね。

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2019年06月29日

G20が閉幕。初の議長国として…

G20が閉幕です。注目されていた米中首脳会談は、やはり米側が華為技術への制裁を一部解除する、といった話から、協議を再開するのと同時に制裁関税の発動も見送るなど、最大限に米側が妥協してきました。ただ、協議再開といっても溝は深く、国内的にはこれ以上の妥協はしにくい。そもそも安全保障上の問題、としていた華為技術への制裁をこうも簡単に解除しては、内外から反発もでてくる。米国が制裁を解除したのだから、自分たちも…という西側諸国もでてくるはずです。5Gが一気にすすむ可能性と同時に、米側があれだけシステムに問題がある、と言っていた話はどうなるのか? 不完全燃焼といった感は否めません。

不自然なのは、大阪宣言を採択したはずが、未だに主要メディアから宣言自体が報じられない点。初の議長国として成果がでていれば、メディアからここぞとばかりに報道されるはずが、全くそれがありません。なので、安倍首相の記者会見から読み解きます。「自由、公正、無差別、開かれた市場、公平な競争条件、こうした自由貿易の基本原則を確認」としますが、これが基本原則なら自由貿易など、何一つ達成されていない、といえます。EPA、FTA、その他の貿易協定でも、関税をすべて撤廃して補助金もださず、物流などの整備もせず、市場の為すがままに任す、といったことをしている例は皆無です。多くの貿易協定でも一部は関税ゼロですが、それ以外は自国の産業を守るため、関税や制限をかけている。安倍氏は「原則を打ち立てるのが必要、求めるのは原則」としますが、これが基本原則なら誰も自由貿易など求めていない、となります。
デジタル化、グローバル化に対応できていない、としてWTO改革を語りますが、本音は韓国の輸入制限措置を是認したWTOに恨み骨髄、といったところで、交渉が進展しないトランプ氏を巻きこみ、WTO改革をすすめよう、という魂胆がありありです。そのデータ流通に関しては、大阪トラックはやっぱり日程を決めただけ。結果的に成果は何もありません。「粘り強く共通点をみいだすアプローチに多くの国が賛同」としますが、それを米国がしていないから混乱が生じており、米国は賛同していないこともうかがえてしまいます。

独紙が各国首脳は「安倍氏に首ったけ」とし、調整役を果たせるのは安倍氏しかいない、と持ち上げます。それは退陣が決まっているメイ英首相、力を失ったメルケル独首相など、欧州系は役立たず。見かけ上、米露中と上手くやっているように見えるのでしょう。しかし米国には媚び、露国とは平和条約交渉も暗礁、中国は米国との対立で日本に接近しただけ。TPPや欧州とのEPAをむすんだことを安倍氏の成果、としますが、TPPは日本側がかなり条件を飲んで、やっと成立させた。それも対米交渉に使える思惑でしたが、その米国はTPP越えを果たさないと納得せず、むしろ足枷になってしまいました。欧州とのEPAは元々、競合する点が少なくて成立はたやすいとみられていた。安倍氏の外交成果とは、その程度のものなのです。
G20が終わった後、訪韓したトランプ氏が金正恩委員長との再会を果たすかどうか、そこに注目が集まっています。逆からみれば、G20に見るべき点がなかった、ということ。一先ず何事もなく終わったことが成果だとしたら、とんだ茶番です。それでも、もう外交成果として他に何もない安倍氏が、唯一期待をかける北朝鮮の拉致問題で、トランプ氏の訪韓は援護射撃となるかもしれません。国連事務総長にも、拉致問題の解決への協力を依頼するなど、他力本願の面は否めませんが、そうするしか手もないのでしょう。今回のG20も、成果とするには程遠い。「首ったけ」どころか、首の辺りが寒くなった首長ばかりが集まり、大したことも決められないセレモニー。Gが『がんばりましょう』の意味なら、今回は議長国として安倍氏の採点はやはり落第、首は回っていない、会議を回していない印象であり、むしろ煽てられて一人踊らされた、という感じなのかもしれませんね。

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2019年06月28日

G20大阪サミットが開幕

G20大阪サミットが開幕です。ただ早くもインテックス大阪の会場が狭すぎて、「日本の家はうさぎ小屋」感を醸すなど、問題がでています。大阪の埋め立て地が、果たしてこれだけの国際会議を開く場にふさわしかったのか? デジタル経済に関する首脳特別イベント、という特殊なものであるものの、始まる前にスタッフがごっそりと入っていたときは、どこで誰が暗殺されてもおかしくないほどでした。その後、各首脳が肩を寄せ合い、水をとるのも周りに気をつかうほどの狭さで、正直気の毒になるほどでした。
そのイベントで「大阪トラックを開始」と宣言しましたが、要するに枠組みをつくってやっている感を出そうということですが、隔たりの大きさが露呈しています。米国からすればデジタル課税やデータ制限など、米企業にはマイナス面が大きい。日米首脳会談でも「日米関係を強固」というぐらい、米国に軸足をおく安倍政権では、その調整すらままならない可能性が高い。メディアでも「安倍首相の調整力に期待」といった言い方をしますが、調整力があろうとなかろうと、議長国として調整しなければいけない。日程を決めるぐらいで調整力を誇られても困るのであって、方針を決めて宣言をだせるかどうかが調整力をはかる鍵です。

今回のG20、注目は米中首脳会談です。習主席が会見で「輸入拡大、知的財産を守る」などと、米側の要求をのんだ、妥協したと報じられますが、これは中国流のクセ球です。中国は直前で、米国が絶対にのめない華為技術への制裁問題も交渉に含めるよう要求しており、中国はこんな妥協をしているのに、こちらの要求を米国はみとめない、ということを内外に喧伝するためのものです。中国は今、妥協する必要はまったくない。特に、イランとの緊張を高める米国が、もし戦端を開けば二正面作戦が困難となり、放っておいても米国側が折れてくるのですから、様子見していればいい。先に香港紙が合意か? と報じ、日中の株価だけが反応していますが、後追い記事もなく、また米側から否定されて意気消沈しています。これは最近、Bloomberg方式と揶揄されるもので、スクープのように見せかけて株価を操縦する意図だと推測されます。
よほど米側が妥協すれば、中国も合意するでしょうが、仮に残りの対中輸入品に関税をかけたら、米経済の方が深刻な打撃をうける。輸入関税といったところで国民にとっては増税ですから、人民元をこれ以上安くできないため、増税分が米国民に直撃する。だから段階的なり、税率も10%から、などの意見がもち上がるのです。市場も一応、協議再開をメインシナリオにおきますが、それすら米側が妥協して、初めて成立する。長期戦を意識している中国にとって、米側の出してくる条件を値踏みする余裕がでてきているのです。

その原因は、単純に米国が多方面にケンカを売り、問題をこじれさせているから。正直、メキシコやカナダなど、米国に依存する国は脅しに屈しますが、中国にしろイランにしろ、制裁馴れしているような国はそう簡単に折れない。G20でも西側の結束が崩れており、意見をまとめるのが難しくなっているのは、米国との対立が影響します。そんな米国と歩調を合わせる安倍政権が、調整役を果たせるかは甚だ疑問、ということです。
G20の存続すら、今や危ぶまれている。もし日本が調整に失敗したら、こんなセレモニーはなくていい、といった意見が多数となるでしょう。恰幅のいいトランプ氏と、習氏にはさまれた安倍氏は、どことなくエリア51に囚われた宇宙人のようにも見えた。トランプ氏をコントロールできるのは安倍氏だけ、などと政府高官は語りますが、先の日米首脳会談でもトランプ氏のツイッターに日本がふり回されるなど、決してコントロールなどできていない。むしろ大阪トラックはコントロール不能、となればG20も終焉し、安倍氏はG20最後の議長国という、ある意味で強烈なレガシーを残すことになるのかもしれませんね。

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2019年06月27日

公明の参院選マニフェスト

2018年度税収が60.5兆円弱でバブル期越え、などと報じられます。ただ国の経済規模、世界的な成長、そして税体系などがまったく異なるので、単純に数字だけ比較するのは間違いです。特に税体系は、景気の良し悪しに関係なく税収を確保できる消費税が中心となっており、おかしな話、天災が重なって生鮮食品の値段が上がると税収が上がる仕組みです。しかも、恐らくトランプ減税の恩恵をうけた米経済の好調がフル寄与しており、それが剥落する今年度から、また米中貿易戦争の行方などが今後、カギとなってきます。
国民年金の納付率が68.1%と、昨年より1.8pt改善と報じられますが、免除・猶予を含めた納付率は40.7%しかありません。非正規でフルタイムで働いていない人など、一ヶ月分の保険料16410円を支払ったら生活もできない人が多い。かつ40年納めても一ヶ月で65008円しかもらえず、生活できない。制度的には完全に成立していないのです。納付率云々の前に、老後は生活保護に頼るしかないこんな制度を保険料として別枠で納めさせようとしたところで、誰も納得して納める人などいない。改革するしかないのが年金制度なのです。

公明党の参院選マニフェストが発表されました。「小さな声を、聴く力」を掲げますが、小さな声を創価学会と読み替えるのが相応しい。地方選でも同じですが、公明の候補者は自らの名前より、政党名を訴える傾向がある。公明党だから創価学会の人、そこから依頼された人、投票してね、という態度なのです。最近、自民党でさえ政党名を伏せて戦う候補も多い中、公明の特異な立ち位置は、悪いイメージのついた『マニフェスト』を使いつづけることも同様に、特定の層だけに訴えればいい、という態度が透けてみえます。
しかも自公連立政権が誕生して20年以上が経過し、かかげる政策は結局20年経っても達成していないから、という負のイメージが付きまとう。いいことを書けば書くほど、これまでできていないことをどうやって達成するのか? 疑念を持たざるを得ないのです。『子育て安心社会に』『希望ある幸福社会に』『一人の命を守り抜く』『誰も輝く社会の実現』詳述は避けますが、どれも実現できていない、今新たに分かったことなど一つもなく、21年も与党であり続けたのに出来ていないからこそ、公明への信用がおけなくなるのです。

公明で興味深いのは『日本国憲法について』と、章立てとは別枠で1頁を割いて語っていることです。簡潔にまとめれば「地球環境保全の責務や、大災害時の国会議員任期延長などを盛りこむことなど議論を深める。9条については4年前に成立させた平和安全法制で事足りているので、変更の必要なし」です。しかし前段は、特に憲法に盛りこむ必要性は感じない。個別の法律で対応すればいい話であって、わざわざこんなことをもちだしたのは、自民に配慮して私たちも改憲派です、と言いたいため。一方で、9条については池田大作氏の主張に沿うために変更しない、という苦しさがにじみ出たような物言いであり、正直主張らしい主張を感じません。
批判の多い軽減税率が景気を下支え、と言ったり、イイワケめいたことも多いマニフェスト。結局、公明は何をやりたいのか? という主張は皆無。唯一その理由となるのは「ずっと与党でいたい」ということだけが、強くにじみ出るマニフェストです。そのために、自民と政策のすり合わせをマニプレートしますが、そのせいで間の抜けたものにしかなっていません。年金を100年安心と盛んに喧伝していたのも公明でした。だからその主張を「マニ」受けられない、公明とはそういう立ち位置になっているのでしょうね。

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2019年06月26日

通常国会の閉幕と安倍首相の会見

第198通常国会が閉幕です。安倍首相が記者会見を開いていますが、その異常性がむきだしになった会見だった、とも言えます。年金問題に対して、野党にむけ「具体的な対案もないままに不安を煽るような無責任な議論」としますが、本来すでに公表されるべき財政検証をださないから、野党は対案のつくりようもない。どれぐらい年金原資があり、将来の給付に回すとどの程度になるか? が財政検証ですから、野党が対案を出せないのは安倍政権の無責任が原因、といえます。しかも、その財政検証さえまともなデータがでてくるか…。統計不正、公文書改竄、甘い経済見通しによる政策立案など、安倍政権で出てくるデータは虚構にまみれたケースが枚挙に暇ありません。まず信用できるデータか? 調べるところがスタートになります。
その年金に関して「増やす打ち出の小槌はない」としますが、農水省の政府系ファンドなどは方々で打ち出の小槌をふるい、損失をだしています。年金原資を確かなものとするためには「経済を強くすること」としますが、バカも休み休み言ってほしい。株価が上がって運用益が増えた、などともしますが、国債金利はゼロからマイナスに転落、これのどこが経済が強いのか? しかも30%は日本国債で運用するので、今後年金は続々と、債券で運用するだけで損をだすのです。しかも緩和負けする日銀の問題はそれだけでない。日本から海外へ向かって運用される資金は400兆円。1%の円高で4兆円がふっとびますが、年金も45%が海外運用です。昨年度末が110円台なので、現状は2%以上の円高なので、約50兆円を運用しているとすると、為替だけで1兆円が飛んだことになる。今、米株は最高値をうかがう勢いですが、米中貿易次第では損失が膨らみます。そもそも強い経済で、マイナス金利などになっているはずがない。安倍政権は経済を強くなどしていないのです。

安倍氏曰く、参院選の最大の争点は「安定した政治の下で新しい時代への改革を前へすすめるのか。それとも混迷の時代に逆戻りするか」だそうです。経済の関係者もよく「外国人投資家は安定した政治を望む」といった言い方をしますが、大嘘です。それは今の外国人投資家が売り逃げている状況をみても、よく分かるでしょう。「安定した政治が正しい認識で正しく政治を行う」ことを望むのは、外国人に限らず当然の要求です。今の安倍政権は後半ができていないから、外国人投資家は逃げだす。「安定した政治により悪い政策を行う」安倍政権では、むしろ「安定した政治」はマイナス要因とすら言えるのです。では、Brexitで揺れる英国や、メルケル首相の引退で揺れる独国の株価が低いのか? そんなこともありません。
安倍氏曰く、経済最優先だそうですが、その嘘に騙されて買った外国人投資家が、今は一生懸命売っている。売るものがなくなっても、株を借りてでも売る。それが株価の現状です。これまでは黒田バズーカで金利を下げ、円安だから株高になった。しかし緩和負けで円高になれば、株安が待ち構える。未来を食いつぶしてきた、というのはこういうことです。マイナス金利と株安で、年金原資はこれからもどんどん食い潰される。気になるのは、世界的な金融相場が崩れたとき、日本の年金など吹き飛んでしまうほどの影響を蒙ってしまうことです。それは安定運用のはずの国債が、もうその任を担えないから、という面が大きいのです。

今の年金制度、運用方針では、間違いなく数年と経たずに制度的には破綻です。『制度的に』とするのは、破綻しそうになると給付を減らし、負担を増やせば制度は維持できるからですが、それでは国民も納得しないでしょう。そんな制度にしがみつき、制度の持続性すら訴えられない現政権、与党の方がよほど無責任といえます。会見では「経済の再生」と述べていましたが、7年近くも政権を担って今さら再生? この6年、日本経済は死んでいたの? 素朴に、そんな政権が「安定」して続いたところで、何の期待も夢も日本にはもてないのです。
安倍政権の打ち出の小槌は、F35の購入やイージス・アショアの導入では、ばんばん振られるようです。でも年金は絞る。そもそもマクロ経済スライドを導入した時点で、給付を減らす方針ははっきりしており、ない袖は振れない、とつれない態度なのです。思えば、森友問題も、加計問題も、安倍氏のオトモダチにはやはり打ち出の小槌をばんばん振っていた。でも年金受給者や、これからそうなる人にも振るつもりはないのでしょう。
安倍氏の言葉を逆から読めば、参院選の争点がはっきりします。「安定しても低迷する今の時代をつづけるのか、新しい政治の下で改革に期待するのか」です。しかも今の安定は、一瞬にして崩壊するほど危うい均衡の中にある、ということも忘れてはいけない。週末のG20でその一端が垣間見えるかもしれない。危機を招いた、危機に対応する術もない安倍政権が安定することこそ、最大の危機になるのかもしれませんね。

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2019年06月25日

立憲民主党の参院選政策パンフ

内閣不信任の提出と、否決が今日行われました。嫌なことから目を背け、まともな議論もできない安倍政権の嫌な部分が際立った通常国会だった、といえるのでしょう。だから安倍政権では問題を解決できないし、問題を悪化させる一方であることがよく分かる。困難なことに立ち向かい、答えをだして選挙に挑む。そんなリーダー像とは程遠い。外交、内政でも同様に、問題は悪化するばかりでいつ弾けてもおかしくない。これまでの貯金と、未来を先食いすることで何とかやりくりしてきたものが、いつ壊れても不思議はありません。
Bloombergが、トランプ大統領が日米安保の見直しに言及していた、と報じました。既報の内容であり、相場操縦の好きなBloombergが再報したのもその辺りの理由でしょう。前回、大して大きな報道にならなかったのは、不公平というワードの一つとして日米安保の見直しも入っていたためですが、今回はシビアな受け止めが増えた側面もあるのでしょう。ただ、日米安保の深淵も知らず、軽率なトランプ氏のことを、米軍産複合体が排除する可能性がこれで見えてきた、という人もいます。悪い噂ですが、イランに圧力をかけさせた上でトランプ氏を暗殺、その責任をイランに帰し、中東で戦端を開くというものがあります。米財界もトランプ氏にうんざりし始めており、排除に前向きという話もある。米国を陰に日向に操る、とされる財界と軍産複合体の思惑が、奇妙に一致している。今日の報道は、その前哨戦として投資家が一稼ぎ、といったところかもしれません。

立憲民主党が参院選公約を発表しています。『#令和デモクラシー』を掲げ、『「普通」は通用しない。古い政治ではリアルに追いつけない。…ムーブメントだ。…アップデートだ。』と、ネット民が歓びそうな文言が並びます。政策パンフの中で特徴的なのは、多様性の受け入れと参加型政治への転換を訴える点でしょう。5つのビジョンでも2と4でそこに割いており、恐らくここを推す方針であることが読み解けます。
1では『家計所得を引き上げ』とし、最低賃金1300円、官民の非正規を正規化、介護・医療・保育・農業者などの所得引き上げ、とします。それ以外でも老後の安心、子育て・教育投資、消費税10%再増税を凍結をうちだす。かなりバラマキ感が強いですが、財源は金融所得課税や法人税で賄う、とします。正直、それでは全然足りないので、所得税に切り込まざるを得ないでしょう。『税の累進性を強化』とするので、富裕層への課税を明確に打ち出す必要がある、と感じます。またせっかく政府系ファンドの杜撰融資などが勃発する折、政府の無駄遣い削減はどこの項目にもない。民主党政権時代にムダ削減で失敗したから、という後ろ向きな態度より、あのときの失敗を糧に新たな手法で…という方が訴えるところも多いはずです。

一番大胆な提案に感じるのが、『原発ゼロ基本法案の早期成立』と『2030年までに石炭火力発電の全廃』です。発送電の完全分離と電力の地産地消で自然電力100%、としますが、かなりの技術革新も必要です。またこれが大胆に感じるほど、他の政策に見るべき点がないともいえる。『安倍政権が成立させた特定秘密保護法・共謀罪・カジノ法等を廃止』というのも大胆ですが、参院だけ多数をとっても難しいもので、これが衆院選まで残れば大したものでしょう。5の平和を守る現実的な外交へ、という項目は、現実的すぎてみるべき点がない。逆にいえば、安保ムラのメディアからの批判を恐れ、大胆な提案を控えた、と見えてしまいます。
総じて、政権をとってやろう、といった野心的で、革新的な提案はほとんどありません。11頁程度のものをダウンロードさせる、というのもネット民を意識した割に、サービス精神に乏しい。ふつうに見られるようにし、必要ならダウンロードという形でもよかったはずで、多様性と参加型政治を推すといったところで、正直それがどう日本を変えてくれるのか? という国民の疑問には応えていません。LGBTの人や政治に参加したい人には刺さるでしょうが、多くの有権者はどうすれば日本が良くなるのか? を知りたいのです。失敗を恐れて踏みこみ不足、というのが総評となるでしょう。「枝野立て」という声で立憲民主党が始まった、としますが、もっと大胆な提案をして「枝野目立て」としないと、政権政党への期待も膨らまないのでしょうね。

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2019年06月24日

内閣不信任の提出あるか?

今日の株式市場は4年ぶりに売買代金が1.4兆円台と閑散ムード。6月は株主総会が多いので、投資家が少ない側面はあれど、株主総会に出席するのは中長期投資家が多く、特に出席者に配られるお土産も減少傾向であることから、日々の売買にそれほど響かないはず。しかしここまで閑散ムードなのは、G20を始めとする見極め要因が多いことと、やはり日本株への期待がまったくもてない、といったことが影響します。

そんなG20で日露首脳が最終合意をめざしていた経済協力活動5項目で、合意できない見通しと伝わります。海産物養殖、温室野菜栽培、観光ツアー、風力発電、ごみ削減の5項目ですが、国内ですでに北方領土は返還しない、と言明したプーチン大統領にとって、この程度は日本から受けずとも露中の間ですすめられる、との算段でしょう。平和条約締結を急ぎ、それをレガシーにしようとしていた安倍首相にとっては慙死するレベルですが、日本にとってはムダなお金を使わずに済みそうです。そもそも経済協力をして関係を深めれば…なんて、子供のお遊戯レベルの甘い考えでしかなく、熾烈な外交交渉では通用しない仕儀です。
野党が内閣不信任の提出で最終調整をしていますが、テレ朝とNHKが行った世論調査で、内閣支持率が急落していることも影響するのでしょう。しかもNHKの調査では、与党が増えた方がいい21、野党が増えた方がいい30と、約1.5倍となっており、与党批判票がかなり乗ることが予想される。統一候補さえつくれれば、そこには無条件でこの与党批判票が流れてくる。自民からは勝敗ラインを「与党で過半数」などと弱気な声が聞こえてくるのも、内々で調査した結果、あまり芳しくない結果になっていることも影響するのでしょう。

安倍氏としては、それでもG20で成果が出れば…と望みをかけていたでしょう。しかし露国に袖にされ、日韓首脳会談も開けない。イラン訪問にも失敗した挙句、さらに緊張が高まる事態です。さらに気になるのが、G20にも参加するトルコでは首都イスタンブールの市長やり直し選挙で、最大野党の候補が勝利し、エルドアン大統領の基盤が揺らぐ。イスラエルのネタニヤフ首相も薄氷の勝利でしたが、ここ最近の強権的手法をとってきた首長が、ことごとく失速している。つまり限界が見えてきたことと、そうした手法への厭き、結果的に問題を解決できない指導者への不満が高まってきた。世界経済のアンカーともされる米国で、その強権的手法をとるトランプ大統領が誕生したことで、各国の市民も危険性に気づいた側面もあります。
強気なことを言っていても、問題を解決できずに悪化するばかり。それに気づかされたのが、年金問題です。失敗を認めず、謙虚に改めることができない政治家、そんな印象が強まる。さらにここにきて、自民党本部が所属国会議員に配布していた、俗にいう『ネトウヨ冊子』をみるにつけ、質の低下が如何ともしがたい。しかもテラスプレスなる怪しげなサイトの引用など、酷過ぎるにも程があり、こんな党が日本を率いているなんて悪夢としか思えない。個人情報のルール化の前に、与党の情報リテラシーを疑うレベルといえます。

旧ソ連の時代、かの国では「子供の世代に希望を託す」という言葉がよく用いられました。それは現在の生活に希望がみいだせなかったから。日本でも仏教では「来世への期待」を掲げる教義もありますが、それも現世では改善の見込みがないためでした。古代ギリシャの賢人タレスの言葉に「最もやさしいものは何か。成り行き任せだ」というものがあります。人々は幸福、快楽に対してもしり込みするもので、何もしないのが一番易しい、というのです。しかし不幸に対して何もしなければ、それこそ子供の世代や来世のいても改善の見込みはない、といえるのでしょう。株式も日本に対して「期待できない」とするように、この国では夢や希望すらもてない状態になってきた。成り行き任せでは年金をはじめ、不幸が待つばかりという現実に、野党ばかりでなく国民も「成り行き任せ」ではなく、行動が求められる段階に来ているのでしょうね。

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2019年06月22日

雑感。骨太の方針は今年も骨密度が低い

昨日、安倍政権が経済財政運営の基本方針(骨太の方針)と、成長戦略を閣議決定しました。1.70歳までの就業、2.地銀。バスなどの統合促進、3.就職氷河期世代の就業30万人増、4.最低賃金を平均1000円、5.データ取引のルール整備、等です。1.は企業や職場にいる人にとって、厄介な人がいすわってしまう懸念がある。それに、今は雇用環境が良好ですが、それが厳しくなったときに新規の雇用を阻害してしまう恐れがあります。若者を雇用する分が、高齢者にいってしまうわけで、それが就職氷河期を生んだのです。選択肢を確保などと言っても、裏では解雇のしやすさを伴わないと成立しない。結果的に70歳まで働ける人、働かせたい人と働かせたくない人など、すべて無視して働きたい人をすべて受け入れる、というのは危険に過ぎるのです。
それは3.も同じですが、働きたくない、という人を無理やり働かせたところでうまくいく可能性は少ない。就労意欲のある人を受け入れる体制づくり、というだけでよいのに、30万人などという意味不明な数値目標を掲げる。それぐらいの人数を働かせないと、社会保障の負担が賄えない、という事情が透けて見えます。しかも、これは労働者側への働きかけだけで、企業の受け入れ体制づくりという話はほとんどない。一方で、受け入れたら補助金、などという制度にすると悪用する企業が多発するでしょう。人手不足といいながら、この世代を受け入れない企業の考えをどう転換させるかが政策の柱であるべきですが、この方針は違います。

2.は、独禁法を適用除外としますが、そもそも利用者の少なくなった地域で、事業として継続できないことが問題であり、多くの地方が補助金をだしたり、自ら乗り合いバスを運行するなどして賄っているのが現状です。地銀は統廃合したところで、国際金融に乗り出せなければ収益性は低いまま。マイナス金利の日本では、単なる資産規模を大きくしてつぶれにくくするだけ、ともいえます。この程度は骨太でも何でもありません。
4.は野党も最低賃金の引き上げを目指しますし、世界的な傾向として引き上げですが、格差社会における底上げという面もありますが、結果的に雇用が減退するだけに感じます。それに全国一律にすると、コストダウンになるからと地方に工場を置いていたところも、消費地に近い都市部近縁へと移ってしまう可能性もある。結局、安倍政権のやろうとしていることは外国人労働者を受け入れるとき、最低賃金で働かせようとすると、都市部と地方で偏在が生まれるから、そうしようとしているだけにしか見えません。

5.はすでにプラットフォーマーを米企業に握られ、利用されている段階で、日本だけのローカルルールを決めたところで、果たして通用するのか? 例えばFacebookの個人情報の扱いが悪かったら利用を禁止、ということができるのか、です。これは国際的なルール作りが必要で、骨太にはふさわしくない。むしろ日本単独では、ルール作りというより違反した企業への罰則、規制を考えるべきといえるのでしょう。
ここのどこに成長戦略があるのか? 5月の個人消費が悪化、という話があります。10連休で海外旅行が増えた側面もあるかもしれませんが、令和特需は発生しなかった。日本経済はもう瀕死の状態です。4月の設備投資は堅調でしたが、ここは令和特需で設備の更新や変更が入ったのかもしれない。しかし5月に入って米中貿易戦争が再燃、一番のダメージをうける日本は年金不安で消費も不調。社会保障など、国民に痛みの伴う改革が載らなかった、とメディアなどは批判めいたことを書きますが、ただでなくとも消費税増税で負担が増える今、国民はその痛みに耐えられそうもない、が現状です。だから安倍政権や政治家、官僚が痛みを堪えてでも自浄努力をすすめなければいけない段階で、この方針には何もそれが載っていないのが問題なのです。骨密度の低い骨太の方針ですが、今やもう肉も皮もボロボロなのが日本経済。髀肉之嘆という言葉もありますが、今や皮肉をいって嘆くぐらいしかできないのが日本です。安倍政権の骨、もはや日本を支えるに足る部分は何もないことが分かる、骨太の方針でもあるのでしょうね。

明日は一日、お休みします。

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2019年06月21日

雑感。中東の緊張と安倍政権

昨日の中銀の動きで、日米で異なる反応がでています。米株はS&P500が史上最高値。日本株は大きく下落しました。円高が大きく影響した、ともしますが、気になるのは「G20、日米貿易協議が終わるまでは日の丸為替防衛隊は動かず、円高を容認するのでは?」との噂が流れたことです。当然、為替に関しても協議に含まれるのであり、日本は円高にして少しでもその圧力を逃がしたい。為替条項は必要ないというために、円高にしておく必要がある。そして円高となればCPIが下落し、日銀が追加緩和をせざるを得なくなる。日銀に何ができるかも分かりませんが、日本でも緩和期待という不自然な株価上昇を生むかもしれません。
ただ、今は多くが間違えているのは予防的措置の緩和が、成功した試しはないということです。ギリシャ国債の金利低下など、各地でバブル的動きもおき、日本国債も長期金利が-0.2%に近づく-0.195を一時つけました。景気後退の直前で緩和をし、バブルを起こせば底が深くなる恐れがある。利下げと米中貿易戦争が丸く収まる、という二兎を追う米株をはじめ、金余りでお金の流れが変化しており、注意も必要です。

ホルムズ海峡で米軍の偵察機が撃墜され、米軍が攻撃寸前で止めていた、と報じられました。ここ最近の米軍発表はまったく信じられませんが、米軍もイランも無人偵察機の軌道において、わずかな差しかない。つまりGPSの僅かなズレでも起きかねないほど、ギリギリの航路で飛んでいたことが、そもそもの発端です。逆にいえば、不測の事態が起きてもよい、という覚悟で米軍が偵察機をとばしていたのが問題といえます。
原油価格も急騰していますが、ただOPEC会合が開催時期も決められず、やっと来週に開催されるなどの原油安要因も依然として残る。OPECが供給を絞ると、米国のシェールガスが増産され、市場を食われるとの恐れもあり、またサウジとイランの対立など、OPECも一枚岩でなくなった。露国の思惑もからみ、まさに原油市場が混沌とする。この時期、わざわざ米軍が緊張を高めるような嘘や行動をとるのも、米経済支援との見方もある。中東産原油に頼る日本のような国が、米シェールガスの輸入を増やすことになるから。米国内は安定供給ができるので価格高騰は免れる。中東の緊張は、米国にとって願ったり叶ったりなのです。

『得意な』外交でイランを訪問し、大恥をかいた安倍首相ですが、仮にここで原油高になるとCPIも下がりにくくなり、日銀の追加緩和期待も萎む。それどころか、円高を志向する中で参院選を迎えてしまうことにもなり、企業業績の悪化も見据えて株価が調整局面に入るかもしれない。日米貿易協議を先送りし、年金問題も封印して参院選に不安要素を取り除こうとしてきましたが、その結果として円高、株安、原油高というこれまで自慢してきた安倍ノミクスへの懐疑的な見方が増えてしまった。二兎も追わず、目先のことに追われてきた結果が、日本のリスクコントロールの欠如という致命的な欠陥を浮き彫りにしてしまった形です。
思えば、『得意な』外交でメイ英首相と会談した際、ハードブレグジットは望まない、というばかりで他に提案がなかった安倍氏。その英国は、米軍発表の機雷説に真っ先にのっかるなど、EUから米国へとシフトしている様子がうかがえる。一方で、日本はホルムズ海峡での米軍発表に乗り切れていない。米依存という軸足を失った安倍政権、外交ではすでに撃墜寸前であり、それは米軍からの攻撃の可能性がでてきた。日本タンカーへの攻撃然り、日の丸外交部隊は危険水域での飛行を余儀なくされており、来週のG20でその手腕が疑問視されれば、一気に『得意な』外交から『幼稚な』外交へと評価を変えざるを得なくなるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:23|PermalinkComments(2)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 中東

2019年06月20日

FOMCと日銀の金融政策

今日は日米の中央銀行の金融政策会合でした。まず米FOMCで声明文が『我慢強く』から『適切な』と変わり、金融政策を緩和的にする方針に変更。ただ不思議なのは、経済の見通しを引き下げた、と報じるところもありますが、今年の成長率見通しは引き上げており、逆にインフレ見通しは引き下げ、『不確実性』が増し、よりインフレフレンドリーの政策に転換する、というだけです。ただ1月に『我慢強く』としたのに、半年も経たずに文言を見直すなど、全然『我慢強く』なかったという始末です。これで米国では年内3回の利下げを織り込みますが、ちょっと注意も必要です。今回、ドットチャートをみても0.5%の利下げを主張した理事がおり、3回分の利下げを2回で行ってしまう可能性がある。7月の利下げ確率が、国債市場からみるとほぼ100%となりましたが、7月の利下げは情勢次第、米中貿易協議や6月雇用統計次第、ということです。
パウエルFRB議長が、もし今回の会合で「我々はトランプ政権が外交交渉に失敗する、という前提で金融政策を変更しない」といえば、相当な皮肉になったはずです。しかし今回、パウエル氏は率先して利下げに向けて理事のとりまとめに動くなど、完全に政治に屈した印象を与えました。9対8で薄氷の現状維持であり、恐らくそこまで利下げ派を懐柔したのも、パウエル氏でしょう。確かに、景気後退を迎えてから金融政策を転換するのは、当局者としての恥でしょうが、政治の失敗をFRBが担保する、などという伝統から外れたことを始めたのも、恥となるでしょう。G20で米中首脳会談が開かれる見通しとなったこのタイミングだっただけに、尚更それが意識される。協議が上手くいくなら、緩和する必要性もなくなるのですから。

日銀の金融政策決定会合は、もっと深刻です。黒田総裁自身、「政府と政策の協調を行うことは日銀法にも書いてあり、問題ない」とする。つまり「政治の失敗を金融政策で担保する」と述べています。物価目標2%に向けたモメンタムが損なわれたら『躊躇なく』緩和、としますが、物価を2%にする、などというのは日銀法のどこにも書いてないのであり、単に自分たちが定めた目標です。なのにその数字に拘り、効果の怪しい緩和を『躊躇なく』する、というのです。経済成長が2%に届かず、かつ賃金が目減りする現状で物価が2%になったらどうなるか? かつ物価にカウントされない増税がされる中で、消費が壊滅する恐れがあるのに、その目標にこだわる意味は皆無、どころかネガティブでしかありません。それも『政府と政策の協調』をしているので変えられない、安倍政権が未だにインフレをよいこと、とするから、というだけのことです。
昨日の党首討論の言葉を借りれば、『インフレ自慢』をしたいから、国民がどんなに苦しんでもインフレにする。それを安倍政権、日銀が『政策の協調』をして、というから始末に負えない。本当に日本が安倍政権のいう高成長を果たしたら、そのとき2%のインフレになっても吸収できるでしょう。しかし今がそういう状況か? 考える能を失った中央銀行など、存在自体が害でしかありません。それがよく分かるのが「イールドカーブコントロール(YCC)は国債を増発しても金利が上がらないようにしている」と認めました。つまりこれでは財政ファイナンス(マネタイゼーション)であると、世界に喧伝してしまったも同じなのです。

ECBも緩和的となり、日銀の緩和負けが鮮明になってきました。日の丸為替防衛隊の活動も空しく、円高に向かって動きだす。そうなると、物価はデフレへと向かっていく。果たして、打つ手もない日銀が何かをすれば、さらに円高に向かい、日本経済は困窮していくのかもしれません。もし黒田氏が皮肉をいうなら「我々は安倍政権が失敗する、という前提で金融政策を打ってきたが、我々も失敗した」です。いい加減、達成できない物価目標2%を掲げるのではなく、国民のために何ができるか? を掲げないと国民も鼻白むことになるでしょう。政府と日銀の協調、安倍ノ(ミ)クズと黒田バ(ズー)カでは、国民は絶対に幸せになれない。それこそ黒田氏の記者会見が『閑話(ムダな話)』では、世界各国から見劣りすることだけは間違いないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:52|PermalinkComments(8)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 一般

2019年06月19日

1年ぶりの党首討論

山形・新潟沖で地震がありました。すぐに「柏崎刈羽原発は異常なし」とされましたが、運転中であれば緊急停止する震度であり、運転していなかったからすぐに「異常なし」とできたのです。緊急停止だと確認にじかんがかかったはず。しかも、震源地がもっと原発に近ければ、それこそ点検などに時間を要したことでしょう。日本海は地震のリスクが高い、などと今日になって報じられますが、ならば新屋演習場へのイージス・アショア移設にも影響する話であり、関連付けた話があまり聞かれないのは、よほどその問題にはふれたくない、ということなのでしょう。日本はどこでも海の近くは津波の影響からは免れない。それは例えば、南海トラフで地震がおきたときの辺野古とて同じであり、海沿いの基地の脆さにも直結するからなのでしょう。

1年ぶりの党首討論が開かれました。どうみても盛り上がっても、議論が活発だったとも言えない。それは野党は質問する立場ですが、回答する側が誤魔化そう、という意図が最初から透けているのですから当然です。安倍首相は「大切なのは、年金生活者の生活実態は多様で、実態に対応するものになっているか」としますが、だから対応するものになっているか、今後もそうでありつづけるか、については語らない。財政検証は「政局とは関わらず」出す、としますが、通例より提出が遅れているのをみても、政局にらみだと分かる。嘘をつく気満々の人間と話をしても、議論なんかできないのは、どういう立場や状況であっても同じです。
安倍氏は「私は滅多に激怒しない人間だと党内に理解」としますが、だとすればキレ気味でまくしたてるのも、相手を罵るのも、理性的に行っていることなので、余計に始末が悪い。感情が暴走してつい口走った、というレベルでないからです。マクロ経済スライドを止めて受給者の給付が減らないようにするには7兆円必要、やめるのは馬鹿げた話、としますが、だからマクロ経済スライドを導入すると、年金受給者の給付が7兆円減らされる、ということでもある。つまり安倍氏は、理性的に受給者の生活は苦しくなる、と述べていることになるのです。WGの報告書も安倍氏は読んだそうですが、最初はよくできた、と喜んだのかもしれません。

安倍氏は「経済を成長させ、収入を増やし、社会保障の基盤を厚く…」としますが、まず収入は増えていませんし、すでに今年のボーナスは減額を発表するところが多い。さらに労働人口が減るなら、結果的に基盤は薄くなっていくだけです。だから女性や高齢者を働かせよう、とするのですが、女性が働きにでれば行動経済学でいうところの割引率という考え方により、妊娠・出産をしない心理が働く。高齢者の就労が増えれば、ミスもでてくる。高齢ドライバーの事故ばかりでなく、ケアレスミスを起こしやすいので、余計なコストがかかることになる。民主党政権のころの方が成長していた、という指摘に「デフレ自慢」としましたが、それとて成長には変わりないので、安倍政権の成長戦略は失敗した、と断じられるのです。
衆院解散について問われ、「頭の片隅にもない」としますが、参院単独で勝利するのが厳しいから、衆参ダブルにしたい誘惑があるのであり、年金問題、イージスアショア、成果なき外交、参院選後の日米貿易協議は厳しい、という何重苦にもなる状況では、逆に参院選単独は考えにくい。立民が内閣不信任に消極的で、批判もありますが、これが相手を油断させる戦略なら、来週の提出もありうるのでしょう。ただ、G20もあるので時間差解散もあるかもしれない。この党首討論の盛り下がりをみて、国会戦線を「異常なし」としてすんなり終えると思えるほど、安倍氏の心の動きは穏やかではなかったのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:04|PermalinkComments(2)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2019年06月18日

香港のデモと日本

陸上配備型迎撃装置、イージス・アショアの設置場所とされた秋田県の新屋演習場、住宅地からほど近く、津波の影響も想定され、設置場所としての適性にも疑問符がつきますが、岩屋防衛相などは見直しません。この構図、沖縄の辺野古移設とほとんど同じ。つまりもう日米合同委員会で「イージス・アショアは新屋で」と合意されたから動かせない、ということなのでしょう。米軍に対し、設置場所の変更を申し出るより、住民がどれほど反対、怒りの声を上げようと、当初の計画のまま押し進める。そんな事情が透けてみえます。
民主党政権は失敗、という人もいますが、日米合同委員会で決めた辺野古移設に手をつけ、その決定を覆そうとしたからこそ、官僚もメディアも、日米安保ムラの住民たちがこぞって民主党政権を叩いた。民主党議員に手をつっこみ、離反させたり、都合の悪い政策を通させたり、といった裏工作まで行ったからこそ瓦解したのです。新屋演習場の問題をみると、如何に日米合同委員会の決定を覆すのが難しいか、を改めて感じさせるのであり、こうしたことは沖縄だけの問題でないことを意識させられます。安倍政権が長期政権になっているのも、こうして日米合同委員会の決定に逆らっていないから。つまり未だに戦後体制を守りつづけているからこそ、日米安保ムラにも守られ、安寧を得る。その逆に、住民の尊厳は蔑ろにされる。奇しくも辺野古と新屋、という二つの問題は、安倍政権と米軍と、そして国民との間にある溝を浮き彫りにさせた、といえるのでしょう。

香港では逃亡犯条例改正に反対するデモが拡大し、林鄭行政長官が『事実上』の撤回を表明しましたが、未だに反対デモが収束する気配をみせません。羨ましく感じるのは、こうした国民の熱があるからこそ、アジアのハブとして香港は君臨できるのであり、日本とのパワーの違いを感じさせます。国がすすめることを、何となく反対だけど、傍観しているからこそ国民の間から何かをうみだす力がでてこない。政府の方を向き、その顔色をうかがう意識が強まり、日本は停滞、凋落へと転がり落ちているといえます。
だから政府が起業を促したところで、小粒なものしか出てこない。世界を席巻するサービス、ビジネスモデルもない。社会を変えてやろう、とのパワーもないのなら、それも当然です。6月の月例経済報告は5月を維持し「緩やかに回復」となりました。しかし以前から指摘しているように、景気の分かれ目である50を下回った状態であり、日本は「緩やかに衰弱」が正しい。国民が活力を失い、どうせ何をやっても上手くいかない、との空気が蔓延する。そうした空気をつくったのも、安倍政権と安保ムラの仕業といえます。

安保ムラにとっては、現状の戦後体制を変えてもらっては困る。社会に変革の機運がおきてもらっては、自分たちの利益が損なわれる、と考えている。だからそうした動きを徹底的に排除してきた。だからこの国にはまともなデモも、反対運動も起きにくくなった。そういうことをするのが何となく悪いこと、という空気の醸成に成功したからです。その結果、この国は安定した。昨日の記事の言い方を踏襲するなら『腐安定』になったのです。沈鬱という安定が、この国からすべてを奪ってしまった、といえるのでしょう。
国民をコントロールしてきたはずの中国が嵌った罠、それはこれから統制を強めようとした香港では、市民の間に活力が残っていたのが誤算だったのでしょう。日本では官製春闘や、今日も携帯電話についても『官製』の文字がチラつく。金融、株式市場でも日銀の『官製』が蔓延る。中国の社会主義体制の中に残っていた民主主義が垣間見せたのは、日本が社会主義の罠に嵌っている、という現状であり、社会全体が活力を失い、『緩やかに衰弱死』に向かっていく姿です。一国二制度だからこそ見えた気概、日本がそれに学ばないのなら、辺野古や新屋ばかりでなく、日本は第二の敗戦を迎えて米軍に蹂躙される。それは経済でも政治でも、という事態になりかねなくなるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:38|PermalinkComments(2)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | アジア

2019年06月17日

政治の安定も株式市場の安定も、どちらも問題

安倍首相が自民全国幹事長会議で「政策を前にすすめるために政治の安定が不可欠。まなじりをけっして参院選を勝ち抜こう」と語りました。その政策がダメである場合、政治の安定はむしろ国力を落とす結果となることを、安倍政権はこの6年で示してきました。真に能力のある、正しい政治であれば必然的に政治は安定するのですが、それを無理やり安定させることで日本は大きな矛盾を抱え、未来は暗いとなります。

安定が正しくない、もう一つが株式市場です。今、売買代金はやっと1.5兆円を超えるぐらい、売買は低迷し、後場には値動きすらなくなります。その原因は「日銀のETF買い」とはっきり語る人も増えました。ETF買入れは白川前総裁時代の2010年、年間4500億円ではじまりましたが、市場に比べて規模が小さく、大した意味がなかった。黒田総裁となり、13年4月に1兆円、14年10月に3兆円、16年7月に6兆円にまで引き上げられています。ただ白川氏の間は「市場の安定」としていたものが、黒田氏に代わり「資金供給」と変わったことで規模が天井なしとなり、その逆で市場は低位安定してしまった、というのが現状です。
今週は日銀もFRBも金融会合がありますが、注目はFRBです。6月FOMCで利下げがあるか、声明が引き下げられ7月に利下げか、という予想が大半を占めます。しかしそれでも私は今回、声明も変更なしではないか? と予想しています。5月米小売売上高が前月比0.5%増となり、底堅いとの声も聞かれます。経済指標もよく、株高。債券市場はすでに年内3回の利下げを織りこんでおり、利下げがないと動揺しやすい、ということ以外、利下げする理由がない。予防保全という言い方もされますが、そこには高いハードルがあります。

6月最終週のG20で、米中首脳会談が開かれる見込みです。まだ実現性も定かでありませんし、会談内容さえ決まっていませんが、トランプ政権が米中貿易協議により解決をそのタイミングに定めている以上、FOMCで米中協議が失敗に終わり、世界経済が低迷する、という前提の利下げを果たして行えるのか? 事前にトランプ政権から交渉が上手くいかない、との事前アナウンスがない限り、FOMCは動きようがないのです。
FOMCの役割は雇用と金融市場の安定。政府の失敗を担保する役割まではになっていないのです。ただ5月小売売上高は、明らかに制裁関税前の駆け込みとみられ、企業の雇用意欲も減退気味。ただしそれも、米中首脳会談が上手くいけば利下げそのものが要らなくなるのです。それを6月の今週、果たして判断できるか? 眉唾と言わざるを得ません。そして利下げ見送りとなれば、日本も巻きこまれるので、注意が必要です。

基本は、米金利急騰にともなう円安、株高ですが、私はそう思わない。市場は多少、利下げなしの瞬間は慌てるでしょうが、自然といずれ辿る道だとして反動の動きは収まるはずです。FRBのメインシナリオは、G20での協議が上手くいかず、景気減速が確実視されるようになった7月FOMCで声明の変更、8月ジャクソンホール講演で複数の理事が利下げの必要性について言及、9月FOMCで利下げ、となるはずです。高々2ヶ月遅れるからといって、株価が数千円も下げたり、為替が数円の幅で動く、と考えるのは早計です。少なくとも、そういう動きを抑えてしまうのが今の市場でもあり、金余りの結果ともいえます。
しかし安定しているからといって、将来の問題が解決するわけでもない。米中で拡大した個人、企業、政府の債務など、いつ信用が崩れてリーマンショックの二の舞を引き起こすか? 分からない状況です。ただ、まだ大丈夫という程度の話でしかないのです。今の安定は、決して将来の安定は約束しない。安定しているからといって、決してよい状況とは限らないのです。むしろ不安定である方がダイナミズムとなり、能動的で建設的なものが生まれることもあります。緊張感も薄れ、『異例の』が連発される今の政治が、『安定』の悪しき例となっているのが皮肉なのでしょう。それは株式市場も同じです。安定による停滞と沈鬱、それがこの国から活力を奪ってしまった。日本の市場関係者が「政治の安定を外国人投資家が好感」などと言っていたことさえ、すべて嘘なのです。むしろ、日本の現状を言い表すなら、それは『腐安定』となるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:08|PermalinkComments(4)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 政治

2019年06月16日

雑感。投資に失敗する農水省の官民ファンド

大阪吹田市で、警官が襲撃されて銃を奪われた事件。本当に最近、こうした事件が増えていると感じますが、くり返されるということは対策ができていない、ということ。犯人の目的も分かっていませんが、計画的犯行の可能性もあり、けん銃強奪を狙ったとしたら、次の犯罪も考えられる。何でも厳罰化すればいい、というものではありませんが、日本は本当に安全で安心な国なのか? 疑う事例が枚挙に暇ありません。

農水省所管の官民ファンドが92億円の累積赤字を抱えており、しかも今年度から投資額を9倍とし、8年で700億円を投入するみこみです。約5年で319億円の元手を減らしまくった挙句、さらにその倍以上をつぎ込むというのですから、気が狂っているとしか思えない。しかも、役員には満額の退職金を支払うというのですから、何のためにつくったかは容易に想像できる。役員の経歴は分かりませんが、恐らく元官僚なのでしょう。これが年金2000万円不足の問題をやっている最中ですから、尚更問題です。官僚には年金が不足しない。こうして退職金がどんどん上乗せされるからであり、失敗しても何ら責任をとることもないからです。
日経などは2000万円の不足を「独り歩きする平均値」としますが、その平均の上には元官僚がごっそり並ぶことを考えると、多くの国民は平均以下を強いられることになるのです。官僚ではない国民は、大半が2000万円すら貯められず、老後は生活費にすら困る。それこそ70までと言わず、ずっと働きつづけなければいけない。働き方改革でさえ、年金受給の段階になるとマイナスの項目が多いことを、忘れてはいけません。

しかしこの農水省の件は、これまで何度もみてきたことです。安倍政権のために嘘をつき、政権を守った官僚は退職しても、次の職が約束されるし、恐らく次の職場でも退職金ももらえるでしょう。それは森友、加計問題ばかりでない。省庁に不祥事が起こる、セクハラやパワハラが判明し、早めに引責辞任した官僚にもその後の生活を約束してきたからこそ、安倍政権は元官僚による暴露を抑えてきた、といえる。その分、税金がつかわれ、元官僚の老後の生活は安泰となってきた。日本は安倍政権と、それを守る官僚にとっては非常に安全、安心な国になってきた、とさえいえます。その一方、国民の安全や安心が脅かされてきた6年です。
高齢ドライバーの事故とて、すでに各国では対策が始まっているのに、日本ではまだ。G20エネルギー・環境相会合で、日本はやっとレジ袋有料化を来年4月から、としますが各国はもう対策を打っている。警察官が襲撃されたり、子供が狙われたり、そうした事件でも安倍政権の対応の遅さと、対策の誤りによってまったくこの国に安全も安心も訪れていないことが分かるのです。世界ではもう何らかの対策がはじまっているのに、日本はまだなのですから。それは上記した、官僚との関係でも明白です。余計なことをした金融庁は疎まれ、国会でも次官が平謝りです。官僚は余計なことをしないようになり、政治家の顔色をうかがい、その指示にしか従わない。自分で何か動くことをやめており、その政治家が無能なので、対策がすべて後手後手になって世界から見劣りしてしまう、というくり返しが安倍政権なのです。環境問題でレジ袋を有料化する前に、損をした役員にはそれなりに責任をとらせるなど、本当に必要なところからお金をとらないと、国民の安全、安心どころか、生活すら守れないことになりかねないのでしょうね。

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2019年06月15日

安倍首相の「悪夢」発言

昨日、日本株はメジャーSQでしたが、関連する売買が1500億円程度と多かった時から比べて10分の1以下。これが安倍ノミクスの現状です。日本はすでに見向きもされず、今の株価では買わない。日銀が買い過ぎているので、下落はしにくいものの逆からみれば流動性が失われ、面白みのない相場とみなされているのです。来週のFOMCや月末のG20など、道しるべになるのか、はたまた波乱要因なのか。そして日本の政局もまた、日本を敬遠させる一因です。まだ、安倍首相が衆参ダブル選を諦めたとは思えないからです。

12年前の安倍氏のいう『悪夢』とは、参院選の惨敗から始まりました。つまり最近、やたらと「民主党政権時代は悪夢」とつかう安倍氏は、同じ歴史を繰り返したくないはずです。過度に封じ込めをはかる『足りない年金問題』も、悪夢をくり返しているように感じられる。つまり12年前と異なる形にしなければいけない。改憲をむきだしにしたことにより、公明のバックにいる創価学会の協力も得にくくなるのであり、むざむざ座して死を待つより、自らその形を変える。そのためには衆参ダブル選挙にするしかないのです。
解散風が収まった、というのはG20の議長国として、解散したままでは迎えられないので、会期を延長するだろう、というのが根拠です。しかしこれまでも裏技、強引な技を駆使してきた安倍政権ですから、党首討論を理由に会期末で解散に打ってでる。もしくはG20後、唐突に臨時国会を開いて衆院を解散する。G20が29日に終わるので、7月第一週なら参院選の公示前ですから間に合います。会期延長と衆参ダブルをむすびつけている時点で、間違えやすいといえます。問題は、年金問題の終息のさせ方だけとさえ言えるのです。

恐らく解散後の記者会見で、年金問題について新たに専門家会議の立ち上げを約束する。そうすれば選挙期間中でも、専門家会議で議論するから、といって逃げられ、争点になるのを封じられます。実際にはどうしようもないですし、結論をだすとしたら「不足する」としか言えない。しかし選挙を経た後なので、国民はもう文句をいうこともできない。むしろ解散風を弱めたように報じるのは、それだけ与党が苦しくなり、野党を油断させる必要があるから、です。何が起こるか分からない、と考えた方がよいのでしょう。
NHKが報じた安倍氏のイラン訪問で、現地紙が「侍がきた」と報じたものは、キャプテン・アメリカというアベンジャーズの姿を模したもの、とされます。確かに盾をみるとそうなので、米国の使いとして安倍ンジャーズがやってきた、というだけのものだったのでしょう。ことほど左様に、日本のメディアは安倍氏を応援する形で事実を歪めている。ただ、それを覆いつくしても隠せないほどの失態を今回は重ねており、逆にメディア自身がその失態を阿諛追従する、残念な結果にもなっている。金融庁のWGも、専門家の集まりだったはず。安倍政権のいう「専門家」には要注意であり、安倍氏の率いる安倍ンジャーズは、地球どころか日本も救えない。むしろイラン訪問時の日本タンカーへの攻撃が、本当に米軍によるものだとしたら、米国のキャプテンから倒される側になりつつあるのかもしれない。それはトランプ氏の支持率とともに、安倍氏も用済みということになりかねず、ますます衆参ダブルを打って安心感を得ておかないと、悪夢をみるから…となりかねないのでしょうね。

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2019年06月14日

年金の財政検証の公表遅れ

昨日の日本所属のタンカーが攻撃された事件、米国はイランの革命防衛隊が仕掛けたとして、映像を公表しました。船体に機雷をつけて爆発させるリムペット・マインだと。しかし所有会社が機雷を否定、飛来物によるものとします。実は飛来物だと、あの海域に展開する米艦艇が探知していないはずがない。しかも機雷だと、もっと舷側に凹みがでているはずですが、公開された写真をみても船体に穴が開いているだけで凹みが少なく、まるで貫通弾の跡のようにもみえます。米側の公表の速さも気になりますし、もし安倍首相にイラン訪問を促した米側の真意がこれだとすれば、安倍外交は失敗以上の問題を抱えたことになります。

年金2000万円不足問題で、健全性を5年に一度チェックする財政検証の公表も遅れています。専門委員会の最終会合があってから、過去2回は3ヶ月後に公表しましたので、今年は3月7日に会合が終わっており、通例ならもうでてもおかしくない。それを参院選後に先送りするなら、よほど不都合な内容になると予想される。重要なのは、この財政検証を経て保険料や給付のあり方が見直される。そして今回、恐らくほぼ確実に給付水準が引き下げられることでしょう。そうなると、2000万円どころでは足りない、となってきます。
麻生財務相は「2000万円ないと生活できない、とは言ってない」としますが、それは爪に火を灯すぐらいに生活を切り詰めれば、生きていくことはできるかもしれない。しかしそれが文化的で健康な水準か? というと疑問があります。資産をもつ麻生氏はもらっているかどうか知らない、という年金ですが、年金だけで生活する人にとっては死活問題で、麻生氏に何らその厳しさが分かっていない、というのが問題です。

例えば18年度末は、日経平均だけをみれば250円安ですが、TOPIXをみると125pt安。10分の1以下の規模のTOPIXですから、その下落率の大きさが分かります。では13年度末と18年度末のTOPIXを比較してみると、390pt高です。プラスじゃないか、というと、その間の14年10月に基本ポートフォリオを見直し、国債51→35、日本株17→25、外国債11→15、外国株16→25としており、まさに高値掴みをしている。つまり単純計算するよりは、確実に増えていないということになります。そして最大の問題は、日銀によるマイナス金利です。
日本国債にマイナス金利がついたのは14年から、16年1月に当座預金にマイナス金利を導入。同年9月にイールドカーブコントロールを導入、日本国債はそれ以後、長短含めてマイナス金利になることが増えています。マイナス金利の問題は、償還まで保有すると価値が目減りすること。年金のように、一度買ったら満期まで保有する主体は確実に資産を減らすことになる。運用比率を減らしたとはいえ、35%の資産が削られていくのですから、たまったものではありません。しかも基本ポートフォリオの見直しで、海外の運用を増やしたタイミングは円安、円高になっている現状はここも運用が厳しいとみられます。

年金の財政検証は5年に一度、年間の上下動に一喜一憂するのではなく、長期の運用で何が最適かを見極める場であり、かつ給付と負担の割合についても見直される、大事なものです。その公表が遅れている時点で、これは大変なことが起きている、ということが明白なのです。参院選後に締結ともされる日米貿易協定もふくめ、参院選後の日本には火種ばかりがくすぶることは間違いないのでしょう。2000万円どころか、一体どれぐらい年金が足りなくなっているのか? 「足りない年金問題」は、自民党の脇腹を貫通するほどの威力がある弾丸なので、安倍政権は「嫌い(機雷)」だと言い張り、無視しようとするのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:09|PermalinkComments(3)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 年金

2019年06月13日

安倍首相のイラン訪問

安倍首相がイランを訪問していますが、ハメネイ師が安倍氏が携行したトランプ大統領からの書簡を、「メッセージを交換することはない。返答しない」と述べたと伝わります。またトランプ氏の約束は「嘘」ともし、率直な交渉も拒否しました。つまり、『丁稚のお使い』は完全に失敗です。国際社会もトランプ氏の人とナリについて、粗方特定ができた。トランプ氏は嘘つきで、まともに交渉する相手ではない。トランプ政権との間に何らかの合意をしても、為にならない。だから丁稚の言葉に、誰も耳を貸してくれません。
日本に対して「原油輸入に前向き」とロウハニ大統領が語りましたが、米国に尾を踏まれている日本が、単独で踏み切ることはないでしょう。日本が原油輸入を躊躇すれば、イランからの心証はどんどん悪化するでしょう。トランプ氏の用事も果たせず、イランからは宿題をもらった。菅官房長官などは「大変有意義な会談」としますが、誰がどうみても「大変息苦しい会談」で、トランプ氏との会談では嘘くさい営業スマイルを浮かべる安倍氏にも、まったく笑みはなかった。よくこんな目算で「成果をだして衆院解散」とか言っていたな、というレベルです。外交オンチは相変わらずの甘さと、見通しの悪さで突っ込んでしまった印象です。

高橋洋一氏の『安倍政権「徹底査定」』という本。80点という高得点をつけているようですが、かつて『アベノミクスで日本経済大躍進』という本を書いていた人とは思えません。むしろそうなっていないことを批判し、落第点をつけるべきでしょう。しかもこの本、読売で広告されていたのは、安倍支持者が読む読売なら買う…とでも考えたのか? さらに前言を忘れてくれるくらい、物分かりが悪い人向けなのかもしれません。
もう一つ、日産のゴーン前会長の逮捕で慌てる仏政府、という記事を書いたのは須田慎一郎氏。残念ながらどちらも安倍広告塔の二人。選挙を意識し、お仕事の依頼が入っているのかもしれません。そもそもゴーン氏逮捕は日本側が仕掛けたことなので、仏政府が慌てるのは当然です。しかも現在の起訴内容からすれば無罪が相当と感じますが、国策捜査なので有罪にしようとするのですから、尚更仏政府は寝耳に水です。日産への背信、というだけなら刑事事件にできなかったはずが、強引にそれをしてしまっているのですから。しかし広告塔として、選挙に有利となるため無理やりにでも安倍政権を誉めそやす必要があったと推測されます。

ホルムズ海峡で、日本の調達したタンカーが攻撃されましたが、安倍氏のイラン訪問とタイミングを合わせた、との観測もある。それはイランの強硬派かもしれませんし、イラン寄りの行動をとる安倍氏を牽制するスンニ派かもしれない。海賊のようにタンカーを拿捕するのではなく、ただ攻撃をかけただけだからです。つまり中東の火種にわざわざ飛び込み、その火を日本もかぶってしまった、ということになるのです。
もう一つは、ここで有事を起こしたい軍産複合体の可能性もでてくるでしょう。自衛隊がペルシア湾に展開する口実が、これでできたからです。イランでは「客は三日まで歓迎される」という諺がある。アラブ諸国はどんな訪問客でも歓待してくれますが、三日もいれば疎まれる、というほどの意味です。もし自衛隊がペルシア湾などで、長期間展開するようなことになれば、それは歓迎されないかもしれません。もう一つ、イランで客に関する諺があります。「死と客は避けられぬ」これは訪れる死も、客も必ずしも歓迎できないけれど、それを歓迎して受け入れようとするイラン人の心意気にも感じます。政権延命のために汲々とし、嘘までつく安倍氏では、イランの人々の心を動かすことなどできないでしょう。『丁稚のお使い』では客としても認められず、バルマク家の宴の意味も知らなければ、空の皿をだされてただ仏頂面を浮かべるだけとなり、外交成果などほど遠い、落第点しかつかないことだけは間違いないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:01|PermalinkComments(8)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 中東

2019年06月12日

雑感。年金2000万円不足

今日も『足りない2000万円年金問題』が炸裂しています。泉谷しげる氏と東ちづる氏が出演するロボ貯のCMが「年金足りるか?」との文言が入っていたためか、流れなくなったと話題です。要するに、AIで自動運用し、老後資金を貯めようというCMなのですが、ここにも忖度が働いたのかもしれません。金融庁のリポートと合わせて流し始めたとしたら、安倍政権がうけとらず、アテが外れて撤回しただけかもしれませんが…。
安倍政権の態度を擁護する意見の中に、年金の不足は「分かっていたこと」などというものがありますが、政府はそれを認めておらず、年金だけで生活できるとの方針を堅持しているので、政府がそれを「分かっていないこと」になります。もし政府が「分かっていたこと」なのに、それを認めていないのなら嘘をついていることになる。国民が年金の不足を理解する前に、政府の見解を国民が理解しなければいけません。

年金の運用にも重要な日本の株価が、21000円を回復するも上値が重くなっています。最大の問題はメジャーSQ週なのに、売買代金が2兆円にとどかない日が頻出すること。この水準では買いたくない投資家が多い。先物市場でも、日系のロールオーバーは目立つものの、外国人投資家は多くない。米国がFRBの利下げ期待で盛り上がっても、日本の景気にはまったく期待できない。そんな裏返しが見え隠れします。
主体は忘れましたが、流れていたCMで海外への投資をすすめるものもありました。つまり金融関係者の誰もが「日本はダメ。期待できない」と考えているのです。今回の年金2000万円不足のリポートも、金融関係者が肯定的なのは、それが投資を促し、自分たちの収益が上がるから、という腹黒い思惑があります。しかし残念ながら、年数%の運用益を継続してだすようなところはほとんどなく、例えば1千万円の元手を、2千万円に増やせる人など、ごく一握りです。つまり2000万円とするには運用するのではなく、真面目にこつこつと貯金するしかなく、利回りのほとんどつかない現状では、実際にその額を貯めるのが一番の近道です。

慌てて投資セミナーなどに通う人は、まず失敗します。一つアドバイスをするとすれば、フィナンシャルプランナーに投資の相談はしないこと。証券会社、銀行、郵便局などで製品の説明は聞いても、すぐに運用先を決めないこと。毎月分配型にはしないこと。外貨建ては止めること。特に海外投資をすすめてくるところも多いですが、ドル調達コストが高い今は、米株などが上昇しても運用コストでかなりもっていかれます。上記したように、日本はダメ、と考えている運用者が多い上に、海外にも投資しにくいのが現状です。投資に成功したいのなら、環境のよいときにすること、悪いときは投資を休む決断をすること、です。
安倍首相は年金と聞くとお腹が痛くなってしまうのか、まったく亡きモノとして封印しようとしています。しかし安倍政権が嘘をつきつづけてきたために、これまで投資には良い環境だったときに国民は投資できず、これから投資が難しい時代に入って、運用を考えなければいけなくなった。安倍氏のお腹以上に、国民の頭が痛いのです。むしろ、その懐が寒くなってきた、といえるのでしょう。電子マネーやカード決済を政府が押しすすめるのも、現金をつかわない買い物が消費を促進するから、という心理を狙ったものですが、年金問題が直撃すれば、いくらキャッシュレスにしても消費は減退しつづける。むしろコスト増の方が重しとなり、経済全体が低迷する恐れすらでてきます。場当たり的な対応で、ずっと未来を壊しつづけてきた安倍政権、安倍氏がお腹を壊しても年金問題に真正面からとりくまないと、経済全体が壊れるでしょう。足りないのは年金2000万円どころではない、とならないよう早急に対応できないなら、政府の見解を知るまでもなく国民は安倍政権を引きずりおろした方が、年金問題の解決には近道と考えることでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:24|PermalinkComments(2)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 経済

2019年06月11日

高齢者の限定免許と骨太の方針

相次ぐ高齢者の自動車事故をうけ、安倍政権が安全装置つき自動車に限定する免許を『成長戦略』に盛りこむ方針、と伝わります。今の安全装置など、補助的で大した意味がありませんし、何よりそんなものを成長戦略とする意味が分かりません。高齢者が免許を手放す必然性を減らし、自動車産業を潤すとでもいうのか? それは成長ではなく、縮小抑制というだけです。そもそも高齢者の身体的衰えを鑑みても、今の自動車ではリスクが変わらない。根本的に新しいシステムを、安価に提供できるようにしなければダメです。
一つの例としては電動の立ち乗りフォークリフト。手だけで前進後退、右左折ができる。足をつかわない運転で、最高速度を抑え、安全装置もつければ高齢者でも安心して乗れるでしょう。軽自動車サイズにして4人乗りとすれば、簡単なアシには十分です。既存のシステムを組み合わせるだけなので、安価に提供できる。体が不自由な高齢者が乗る、一人乗りの電動車の延長という位置づけの新たな製品が必要なのでしょう。

金融庁がまとめた『年金2000万円不足』リポートを、麻生財務相が「受け取らない」と発言。安倍政権はそれ自体を亡きものとする意向です。しかし安倍政権のいう『不正確で誤解を与えた』という言葉は、実は『年金4000万円不足』が正しい、としても当てはまることになります。以前も指摘しましたが、年金制度は破綻しない。それは負担を増やし、受給を減らせば均衡できるからです。しかし老後の生活は成り立たなくなる。運用に失敗して、資産を失う人などは年金だけでは足りないので、生活保護に切り替えるようになる。すると受給はさらに減り、負担は増えないかもしれない。しかし生活保護は税金で賄われるので、結果的に重税が課されることになるのです。年金は破綻せずとも、生活が破綻する人はますます増えるでしょう。
来年度にむけた経済財政運営の基本方針、いわゆる骨太の方針の原案が明らかになりました。就職氷河期世代のためにハローワークに専用窓口や、資格所得支援などを盛りこみますが、いくらやる気をみせたところで、企業が若年層の労働者を求める以上、マッチングが上手くいくはずがありません。例えば求人要件の拡充などを企業に義務づける。新卒採用に対して何%かを中途採用する、それぐらいのことをしないと、いくら労働者側に働きかけても改善は難しいのです。しかも、今から働きはじめてもそういう人たちの年金は少ない。今の社会保障を賄うため、人手不足の対策のためだけで、結果的に使い捨てられると感じる人も多いでしょう。そうした印象が強い以上、こうした政策がうまくいく見込みは皆無といえます。

一方で、社会保障改革へは切りこまず、財政健全化とはほど遠い。これは『骨太の方針』ではなく、単なる『太腹の方針』です。それに見合う財力ももうないのに、大盤振る舞いをして、散財するようなもの。消費税増税への賛成意見で「将来世代へツケを回さない」ため、という意見が多いですが、実は政府の方針自体が「将来世代へツケを回す」ものでしかないのです。『年金2000万円不足』とするリポートを受けとらない、としたように今の不満をださないようにするため、将来世代へずっとツケを回してきたのが安倍政権です。
『消えた年金問題』がトラウマで、今回のリポートも無視することでやり過ごそうとする。それが「問題と向き合う」と宣言した安倍氏の、真の姿でもあります。高齢者の自動車事故を云々する前に、問題から目を逸らすことが安全運転だと考えている、安倍政権の政権運営の方が、よほどリスクが高いといえます。気づいたときには、国民全員が高速道路を逆走させられているかもしれない。いみじくも、黒田日銀総裁が「金融政策を最大限吹かす」と述べたこともあるように、安倍政権の高齢ドライバーでは、エンジンを吹かし過ぎて壁に衝突するまで止まらないかもしれない。安倍政権を制限し、限定する免許が今こそ必要なのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:03|PermalinkComments(5)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2019年06月10日

安倍政権は算数が苦手?

やっぱり…、といった形で自衛隊のF35A墜落は、パイロットが平衡感覚を失った『空間識失調』の可能性が高い、と発表されました。フライトレコーダーも、レーダー追尾による飛行記録もないのに、なぜ事故原因を特定できるのか? むしろ「機体に問題ない」というために、パイロットに罪を擦り付けたとしか思えません。早期幕引きをはかり、運用再開する。今後も続々とF35の購入を控えるためにそんな判断をした、としか思えないのです。命令遂行中の隊員の死亡は階級特進が常ですが、そこで過剰な特進があったり、遺族への手当てが特段篤かったりするなら、それは口封じと思ってほぼ間違いないのでしょう。
そんな自衛隊、イージスアショアの配備に関して、陸自の新屋演習場を適地として説明する資料に、9ヶ所の誤りがあったことが判明しました。GoogleEarthをつかった試算といい、杜撰という他ありませんが、説明会でも居眠りがあるなど自衛隊の緊張感のなさが気がかりです。恐らく新屋演習場を適地としたのは、近くに住宅地があるため、でしょう。本来、それは設置条件に反しますが、米軍のシステムを日本に導入するに辺り、米軍幹部の視察なども予定される。僻地などにお連れしたら、それこそ安倍政権の『おもてなし』精神に反する、との警戒もあるのでしょう。沖縄の辺野古と同じ、新屋ありきですすめているので、自衛官にも緊張感がない。自分たちが真剣に討議し、決定したことではないから、というのが理由と思われます。

5月景気ウォッチャー調査がでてきました。現状判断DIが前月比1.2pt減の44.1。先行き判断DIが前月比2.8pt減の45.6。これで今年に入ってから景気判断の分かれ目である50を上回ったことがないばかりか、先行き判断は右肩下がり。5月に入って米中貿易戦争が長期化しそう、との予想が増えたことも影響するのでしょうが、10連休の影響は完全に相殺された形です。むしろ夏休みの旅行計画などの出足が鈍るなど、マイナスの影響が大きくなっている。浪費を控える傾向が、今後より一層強まる可能性が高くなります。
今日は国会で決算委が開かれ、その中で金融庁がだした『年金2000万円不足』リポートに関し、安倍首相をはじめ政権幹部が「不適切な表現」としました。これだと表現は不適切だけれど、それは事実ということになります。安倍氏は相変わらず、何とかの一つ覚えのように「民主党政権のときより運用が増えた」としますが、政権2年目で東日本大震災がおきた民主党政権のときより増えるのは当たり前です。それ以上に減っていたら大問題、何ら自慢できる話ではありません。そもそも国債がマイナス金利となり、国債で運用しても減らない、というだけの状況で、逆に運用コストから考えるとマイナスになってもおかしくありません。だから株式の運用比率を上げましたが、高値掴みをしてしまった可能性が高い。今後、株価が右肩下がりとなるなら、損失は未曽有のレベルまで拡大してしまうことにもなるでしょう。

それでも国民に自助として運用を推奨するのは、無責任に過ぎます。これからはマイナス金利でインカムゲイン(利息収入)に期待できず、キャピタルゲインに賭けるしかない。しかし投資をしても成功する確率が高い、金融相場はもう終焉した。これからの金融相場は、プロでも運用が厳しい時代がくるのです。投資に成功する人は、大体3割ともされる。つまりほとんどの国民は、2000万円どころか資産を失うことになるでしょう。
安倍政権は、本当に数学が苦手のようです。景気判断の分かれ目とされる50を下回りつづけても「回復基調」と言い張る欺瞞。GoogleEarthの数字さえ読めない。年金の不足分を、麻生財務相などは読んでない、としながら「不適切な表現」といってしまうぐらい、数字に無頓着といえます。むしろ小学生のころからやり直した方がいい、算数から学び直した方がいいぐらい『数字識失調』がひどい、といえるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:22|PermalinkComments(2)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2019年06月09日

衆院解散とイラン訪問

自民が参院選公約となる政策パンフを発表し、消費税増税を既定路線としたことから、衆参ダブル選挙の確率が低下、と報じるところが多くあります。しかし私はむしろ確率が高まった、と感じています。高まった解散風を鎮静化させ、野党を油断させたかった、と読めるからです。そもそも政権に近いスジからイラン訪問で成功したら…と、希望的観測が語られたように、その後のG20でも何か成果があれば解散を押し通したい、それが安倍政権の思惑です。ただ、その前哨戦であるG20財務相・中央銀行総裁会議は低調でした。
「年後半に景気回復」は維持したものの、すでに成長率見通しは引き下げ方向で、かつ今回でも米中など対立の構図は解消できなかった。さらに反保護主義の旗も掲げられず、デジタル課税も一致したのは方向性だけ。つまり具体策にふみこめていない。世界をリードどころか、調整役すら果たせていないのです。それもそのはず、日本の立ち位置が特殊すぎて、日本が議論をまとめようとすると、国内で説明していることと矛盾を生じかねない。世界をリードするためには、まず国内でついている嘘を改めないといけません。

では、イラン訪問で成果はだせるか? これも難しいでしょう。日章丸をもちだすまでもなく、中東における日本の印象はよい。それは欧米列強に対抗し、互角の戦いをしたアジアの小国として、植民地の多かった中東の国々は希望をもつことができた。訪日して働くイラン人が多かったのも、そんな日本への印象が手伝っています。ただし、安倍氏への印象は悪いでしょう。最大の問題は、安倍氏が米国のお使いでしかないことです。米国の意向に逆らえない、米国に意見を言える立場にない、単なる米国との取次に、日本を介する意味がないからです。直接話をしにくいトランプ氏が送ってきた丁稚に、何の期待もできない。安倍氏と会談するより、全権委任された米大使と話をした方が、実のある会談になることが確実だからです。
それでも親日国として、無碍な扱いはしてこないでしょう。ただし、日本の印象は悪くなるかもしれない。独自の外交方針をもち、米国へも意見できる立場になって、初めてイラン訪問もうまくいく。それを数日で安倍氏が身につけられるか? といったら確率は『永遠の0』です。安倍氏の外交はこれまでも、そして自民党の政策パンフにも示されるように『日米同盟を強固』でしかなく、それ以外の軸足がないからです。逆に、それを否定したら路頭に迷うだけ。何でもかんでも米国にお伺いを立てて、国際社会の関係を築いてきた安倍氏にとって、独自の外交方針を今から立てて行動していくには、あまりに遅すぎるのです。

そして恐らく米国は、このイラン訪問に安倍氏が失敗することも想定済みでしょう。ただ話し合いをもった、という実績だけできればいい。実際に戦争をする気ではないでしょうが、圧力強化に日本の自衛隊を活用するよう、日本に命令するはずです。後方支援として、ペルシア湾の掃海や米軍への物資供給など、自衛隊法を改正したことで、めいっぱい自衛隊を使える。安倍政権が米国への忠誠を示すため受けざるを得ません。
恐らく、国際的には失敗と見なされる安倍氏のイラン訪問も、国内向けには成果として喧伝し、解散に打って出る可能性は十分にあります。消費税はもう影響が大き過ぎて、やるも地獄、止めるも地獄という感じなので、安倍氏の決断一つでしょうが、年後半に景気が失速し続けたら、安倍ノミクスの成果などすべて吹っ飛ぶからです。それこそ、政策パンフにも安倍ノミクスの成果として、実体経済の回復が一切でてこなかったように、もしかしたら民主党政権時代を下回る可能性すらでてきます。GDPはすでに統計手法の見直しなどで、比較対象にすらなりませんが、景気実感はリーマンショック級の悪化がみこまれるからです。『得意な外交』のはずが『特異な外交』しかとれない安倍政権。イラン訪問をしても『海賊と呼ばれた男』としての称賛はなく、『飼いならされた男』として軽蔑されることが確実なのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:35|PermalinkComments(2)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2019年06月08日

G20財務相・中央銀行総裁会議が始まる。

米国の5月雇用統計が非農業部門で前月比7.5万人増と、市場予想を大きく下回り、FRBの利下げ観測が強まり、米ダウは5日続伸となり、週間でも1100$以上の上昇です。ただ5月は洪水やハリケーンなどでブレが大きいことは予想済み、ADP雇用統計も大きく下がっているので原因ははっきりしています。しかし今、アルゴリズム取引が『利下げ要因』に敏感に反応するようプログラムされており、それに沿って上昇させているだけです。特徴的なのはこの間、安全資産とされる金価格も上昇しており、決して利下げによって景気が下支えされる、と考えているわけではないのです。短期だから急騰する、と考えて間違いありません。
ただ今朝になり、トランプ大統領が米墨協議で合意し、10日からの関税5%を「無期限で見送る」としました。ただその内容が、メキシコが警備隊をグアテマラ国境付近に展開、米国に不法入国し、保護申請をした移民をメキシコ側で待機する制度を拡大、などの効果が疑問視されるものばかりです。効果が出ない場合は再協議、ともしますが、時間稼ぎであることはトランプ氏も自覚しているのでしょう。市場の反応が大きくなり、落としどころを米墨でさぐった結果、合意したのです。ただタリフ(関税)マンを自負するトランプ氏ですから、また気が向いたときにこの話題をもちだすでしょう。結局、不法移民対策で成果がでないことには、大統領選での勝利もないことが本人にも分かっているので、メキシコに対策させるしかないのです。

G20財務相・中央銀行総裁会議が福岡で開催されました。麻生財務相が「世界経済は下方リスクを抱えるが、年後半から来年にかけて堅調さが回復」と説明しますが、失笑を買うレベルでしょう。希望的観測としてはよいですが、政策当局者が語るレベルではありません。ECBが20年半ばまで金融政策を中立としましたが、その判断が誤りなのか? FRBの利下げ観測は? そうした対策があるから回復、というのなら、やはり政策効果ですからG20でもちだす話ではありません。それ以外の国でも対策が必要であり、欧米にばかり頼るのもおかしいのです。ただし、こう言っておかないと日本の増税が正当化されないから、そんな説明をしたのでしょう。麻生氏がこれを話す間、笑い者どころか、哀れみすら誘ったのかもしれません。
昨日の自民党の参院選公約でも、世界をリードとするのですから、このG20でも議論をリードして然るべきですが、早くも懸念が相次ぐと、今度は「2国間ではなく、多国間の枠組みで不均衡の解決に取り組むべき」とします。だったら米国を説得しなければなりませんが、日本にはそんな力もなければ、安倍政権にはやる気もありません。自分たちの原理原則を掲げたところで、実行が伴わないので他国からも厳しい目をむけられます。議長国なのだから、そういうなら米国を説得するような調整をするのだろうな? という目です。

しかし日経なども「世界経済は19年後半にかけて持ち直すとの基本認識を維持」とするなど、どうして日本のメディアは安倍政権に対して過保護なのか? OECDもIMFも、ECBもFRBも今年から来年にかけての成長率見通しをもう引き下げているではないか。それでもプラス成長を維持する、と判断していますが、それすら今は怪しくなってきたのです。米中協議が進展する気配はなく、2大国が失速に向かっていることは間違いない。G20にやたら期待も高まっていますが、来年まで合意できる見通しは今のところありません。
米株市場は、短期でみるとG20期待と利下げ期待とで上昇する可能性が高い。それは下げ相場の反動という側面が大きい。日本株は、米利下げ期待による金利低下で、対ドルでは金利差縮小による円高にすすみやすく、来週のSQのロールオーバーが始まっているのに、売買代金が1.6兆円とかつかつになるなど、流れにのりきれない深刻さです。日本には何の期待もないからですが、そんな国が議長国である今回のG20に成果など期待するだけムダなのでしょう。ナゼなら、議長国が経済指標の偽装を疑われる『偽装国』であり、成果すら偽装して報じるばかりで、実態が伴わなくても気にしないという最悪の国なのですからね。

analyst_zaiya777 at 22:58|PermalinkComments(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 政治

2019年06月07日

自民党の参院選公約

自民党が参院選公約となる政策パンフと政策BANKを公表しました。びっくりするぐらい欺瞞に充ちた内容です。『日本の明日を切り拓く。』がキャッチフレーズですが、『日本の明日を切り売りする。』の間違いでしょう。『力強い外交・防衛で、国益を守る』などとしますが、外交も防衛も、時に柔軟でしなやかに、時に強靭に臨機応変に臨むことが必要です。国民の命や平和な暮らしを守る、としますが、どうしてオスプレイがそこら中で飛ぶのか? 米軍は日本中どこでも、勝手に飛ぶことができるのであって、事故がおこって日本人が死んでも、日本の法律で裁くこともできません。米軍が本国で禁止されていることでも、日本でできてしまう。戦争がなくとも、どこかの国と戦うまでもなく、国民の平和や安全など守れていないのです。

『アベノミクス6年の実績』など、すべてツッコミが可能。若者の就職内定率や有効求人倍率を成果として掲げますが、18年の出生数91万8397人、死亡者数136万2482人。安倍政権になってから人口減少が止まらないどころか、加速している。労働者の数も減少しているので、求人をだすしかない。日本が縮小していく、その徒花が内定や有効求人倍率の改善として現れているだけです。家計の可処分所得は4年連続増、というのも金融資産の上昇や役員報酬の増加がほとんど、と説明できます。4月毎月勤労統計で賃金は実質で1.1%減と、これで4ヶ月連続の減少です。18年を統計不正をして上昇させた影響で、今年に入ってから減少がつづくのです。それ以外は円安と海外バブルでほとんど説明がつくので、アベノミクスの成果でもありません。
『誰もが安心、活躍できる人生100年社会をつくる』など、もう悪意としか言えません。金融庁がだした年金2000万円不足、というレポートをみても分かる通り、100年働きつづけろ、と言っているのと同じです。政策BANKには「人生100年型の年金を実現」としており、省庁のだした試算とも合致しない。退職金も右肩下がり、という話もありますが、非正規にはその退職金もない。小泉政権以来拡大した非正規社員にとっては、年金に頼るしかありませんが、それが金融庁が「不足するよ」と言っているのです。それを自民が、制度的に何とかする、というのならその方策を示すべきですが、この公約のどこにもそんな記載はありません。

政策BANKの社会資本整備というところに、こっそり「高速道路のミッシングリンクの解消」と「4車線化」など、建設業界を喜ばす項目をもりこむ。人口減少社会で、さして重要でもない、交通量が少ないことが分かっている道路をつくる、という。自民党型の社会では、こうした無駄が止まらないことが改めて示されるのです。本気で100年後の日本を考えるなら、決してでてこないような項目がこれでもか、と盛りこまれます。
NHKが今日のニュースで「安倍政権の『得意な』外交で…」と、相変わらず胡散臭い紹介をしていましたが、もう多くのメディアで「6年たってレガシーが…」と語られるように、本当に安倍政権は成果と呼べるものが何もないのです。それでいて、政策BANKでは「北朝鮮に…最大限の圧力を高め」「わが国固有の領土である北方領土」だったり、安倍政権の外交方針とも異なることを掲げた。支持層向けに強気にでました、というのでは説明がつかない。一体この国はどこへ向かってすすんでいるのか? 政権と党の間で齟齬が生じているのではないのだとしたら、こんな欺瞞に充ちた嘘もない、と断じられるでしょう。

総じて、こんな政策で100年もたったら、日本は影も形もなくなっているでしょう。それは米国の51番目の州に入れてもらい、辛うじて余命を保つ、というぐらいヒドイ状況が待っているともいえそうです。少なくとも、自民党が寝ていても明日は来ます。しかし明日を切り売りされたら、取りもどすのはかなりの困難を極める。もう遅きに失しているのかもしれませんが、こんな政策を掲げる政党が与党であるなら、日本の明日は諸外国から切り刻まれる、第二の敗戦が待っていることだけは間違いないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:30|PermalinkComments(2)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2019年06月06日

安倍ノミクスの成長戦略は相変わらずダメ

安倍首相の在職日数が伊藤博文元首相と並んで、歴代3位となりました。長ければいいというものではない、ということを見事に体現しています。昨日も指摘したように、景気判断の別れ目とされる50をほとんど下回っていない米国は、景気悪化に備えて利下げを模索している。指標のほとんどが50を下回る日本の、政府の景気判断は「緩やかに回復」であり、増税まで既定路線としてすすむ。おかしいのは誰の目にも明らかです。
しかもNew York Timesには、「日本はMMTを実施しているがそれを認めず、景気は低迷し、いずれハイパーインフレに向かう」と書かれるなど、散々です。MMTを批判する記事なので、文脈がそれに沿ったものだとしても、日本の実情はかなりそれに近い一方で、ハイパーインフレには向かいにくいのが実情です。それは金融機関が、まるでスポンジが水を出し入れするように、お金を海外との間で出し入れするからで、調整弁になっているからです。ただその仕組みも一体いつまでつづくか…。景気後退局面に陥ると、結果的に海外の円をもどす形となり、円高に向かいやすいために後退を長引かせる面もあるので注意も必要なのです。

安倍政権で産業競争力会議の後をひきつぐ形でできた、未来投資会議。名目成長率を3%とする、とする安倍ノミクス第3の矢を達成するための有識者会議ですが、まともな成長戦略など出てきた試しがありません。東日本大震災後の復興需要と合わせ、13年度は3%に近づいたものの2%さえ怪しい。しかもその間、MMTを実施していたのですから尚のことです。インフレも成長率も目標には一度も届かない、失敗しているのです。
そもそも未来投資会議で出てくるのが、70歳雇用や地銀再編を掲げるなど、少子高齢化に対策を打たず、黒田バズーカで地銀の経営が怪しくなったから、という失敗のツケをどう修正するのか? であり、成長戦略ですらありません。よくてマイナスの穴埋め、悪いと失敗のツケをもっと増やして日本を低成長に導くこととなる。未来投資どころか、未来ろくでもない会議とでも名を変えた方がよいぐらいです。

今日には規制改革推進会議も開かれましたが、その中で重要なのは『限定正社員』と『兼業・副業』です。『限定正社員』は、地域の場合はお試しで事業を始めたり、支社などを立ち上げたりするのに役立つ一方、企業がその地域から撤退を決めた場合、すぐに解雇できる。時間の限定なら、一般的な8時間労働だと、どうしても休憩だったり、注意力散漫なタイミングがありますが、それもなく安価な労働力を確保できるメリットがある。あくまで企業目線で、企業にとって都合のいい仕組みがつくられる恐れがあります。
『兼業・副業』の場合は、そのうち正社員として勤めていても、生活ができるギリギリの社会になると想定できます。今はまだ給与を引き下げる方向にありませんが、企業にとっては残業代を削減でき、だらだら残業を防げるメリットもある。本業に支障がでるようなら、すぐにでも賃金に反映させようとするでしょう。さらに福利厚生などを削れるメリットもでてくる。休みを削ってでも働くのが幸せなのか? という問いとともに、この規制改革は企業にとってどうメリットがあるか、を考えているだけのことです。

安倍政権の成長戦略は、言ってみれば企業がメリットをうけ、そのことで国が成長とカウントする仕組みでしかないのです。国民の幸福感とは一切関係ない。企業がもうかったところで、賃金に反映されないのはこれまででも明白であり、日本の成長とは企業と国民の間に断絶が生まれる、空洞化ということでもあるのです。レジ袋の有料化や、女性のハイヒール、パンプスを強制するのを是とするなど、本来必要のないことばかりを押し付ける安倍政権。そこで打ち出される成長戦略とは、むしろ低調戦略と名を変えた方がよいぐらいでもあるのでしょうね。

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2019年06月05日

市場の反発と予測する世界

カリタス学園が再開されましたが、それに触発されて息子が他人に危害を加えることを恐れ、元農水事務次官の父親が息子を殺害した事件。この父親のことを、事件を未然に防いだとして英雄視する向きもありますが、そう主張する者は覚悟しておいた方がよい。それは事件を未然に防ぐ、という予測逮捕を認めた主張であり、かつ殺人容認主義者とみなされるからです。つまり殺人を容認する主張をする者はチェックされ、次に予測逮捕によって拘束されるのは自分たちです。日本ではまだ未導入ですが、中国や英国ではすでに一部実施されており、予測逮捕は現実的になりつつあります。こいつは罪を犯しそうだから逮捕、そんな時代がくるのです。殺人容認だったり、過激な暴力論を唱える人間は予測逮捕の対象となってしまうのです。
罪を犯しそうだから…といって社会から排除するのはある意味簡単です。しかしそう主張する人間に限って、自分がその対象になるとは考えていない。ネットで他者を攻撃する者も、決まって「捕まるとは思わなかった」とするのと同じです。自分の身に実害が及んでから、それに気づくのでは遅いのです。予測逮捕であったり、予測排除などが始まったら何が起きるか、その想像力をもつことが肝要なのでしょう。

米国でパウエルFRB議長が「適切な」金融政策をとる、と講演で発言して米株が大幅高、日本株も6日ぶりに反発しています。低金利、流動性供給はもはや「非伝統的な」政策ではない、とし、金融緩和を匂わせたことで、すでに年内3回の利下げ確率が最も高く、2回の利下げはほぼ確実といった債券市場の動きをみせます。しかし米国の景気は決して悪いわけではなく、指数でも景気判断の分かれ目とされる50を割るようなものはほとんどありません。割りそう、割るかもしれない、といった判断で金融緩和を始めるとしたら、それこそ非伝統的な手法であり、その予測が正しいのかどうか、が問われることになります。
しかし現在のダウ25000$台は、決して緩和が必要な水準ではない。景気指標も決して悪化とは言えない。年3回の緩和をするとしたら、6月は難しいとするとほぼ毎回のFOMCで利下げするしかありませんが、それはもう景気後退期のようです。つまり債券市場が狂っているとしか思えない。利回りの低下が景気を下支えすることもない。ナゼなら、行き場のない資金が債券市場に流れこんでいるように、流動性そのものを狂わすのは資金不足ではなく、信用棄損となるからです。利回りが低下してお金が借り易くなっても、借りられない企業は信用がないから。そういう状況が今後、訪れることになるのでしょう。

つまり今後、各国の中央銀行の低金利が常態化する、というのは世界全体が低成長に陥る、ということなのです。そのニューノーマルにおいて、年金や保険など運用を前提とするシステムは軒並み苦境に陥ることでしょう。それがこれからの「非伝統的な」流れであり、低成長型世界の「適切な」金融政策です。
これから世界は、AIを活用した未来予測に基づく様々な施策が行われるでしょう。予測逮捕もその一つです。株価などもAIの予測に基づき、取引されることになる。今はアルゴリズム取引といっても、短期の流れをつかんで上下動させますが、今後は中長期の予想まで踏まえた形で、様々な戦略を駆使するようになっていくでしょう。それはもう時代の流れであり、どれほど否定しても遠からず訪れる未来です。そのとき金融緩和と称し、低金利でお金をじゃぶじゃぶと流すような手法を、AIがどう判断するのか? それこそそんな政策を行う人間を、早めに排除するよう予測逮捕してしまう、などという未来がくるのかもしれませんね。

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2019年06月04日

雑感。シーサイドラインの事故と自衛隊機墜落と

横浜で自動運転していた金沢シーサイドラインが、逆走して車止めに衝突、負傷者がでた問題で「進行方向切り替えの信号は正しく入出力。自動列車運転装置(ATO)の地上側装置に異常なし。モーターが逆に動いたのは電気系統の不具合との見方」と伝えます。しかし少しでも制御をかじったことがあれば、違和感しかない説明です。明らかに制御プログラムの不具合で、通常ではない信号を拾って進行方向の切り替えが上手くいかなかったから、一斉に逆走したとしか思えないからです。恐らく制御プログラムの不具合などといえば、自動運転をしている路線を一斉に止めねばならず、影響の大きさを危惧して不自然な説明をしたのでしょう。
しかし一番驚くのは、逆走を始めた時点でハードのリミットスイッチを設け、それを越えた際にはモーターを強制的に切るようにしていかなったこと。要するに安全装置が疎かだった、ということです。恐らくこれまで事故が起こらなかったのは、通常ではない信号がよほど発生しにくいものだったからで、最初から仕込まれたエラーだったのかもしれません。調査には1年かかる…という説明も不自然で、恐らくそれは自動運転している路線の制御プログラムをすべてチェックし、修正が終わった後、事実を報じるかどうかは分かりませんが、影響が少なくなったころに原因を発表、そこで幕引きをはかるつもりです。原発といい、この国の安全安心とは、国民に統制された誤った情報を与えてでも不安や懸念を起こさせない、といった方向性を目指しているのでしょう。今回の違和感だらけの発表を聞いて、強くそれを想起させました。

岩屋防衛相が、墜落して行方不明のF35Aについて「遠からず原因の絞りこみができるのでは。安全確保ができれば飛行再開」と語りました。しかし飛行記録も見つからず、原因が分かるのか? もし過去の整備記録などで不具合が確認されたとすれば、そんな機体に大事な隊員を搭乗させた、という別の問題が生じる。少なくとも墜ちてからあの機体は危なかった、などというのなら運用に耐えられるものではありません。
しかし安倍政権ではF35の購入を急いでおり、それは米国との約束なので果たさないといけない。運用に耐えられるかどうか、ではなく、安倍政権の方針に従ってF35の安全宣言をだすつもりではないか? それは米軍事産業にとって、危険な機体だという印象を与えないための早期運用再開を目論むのではないか、ということです。安倍政権はよく「自衛隊員が誇りをもてるよう改憲して…」と語りますが、3月の飛行隊結成から約1ヶ月でおこした事故の、正確な情報もないまま運用を再開する、といったことをするなら、誰がその誇りを穢しているのか? よく分かるというものです。

天安門事件から今日で30年、中国の報道統制という話もでていますが、今の安倍政権とメディアの態度に、それを批判できるのか? 中国のような共産党一党支配の国に、日本が近づいてしまっているのが現状ではないのか? 国会では予算委が開かれない、という話もでてきており、参院選前にネガティブなことを起こさないよう、与党が統制するような国に日本もなってしまっていると感じます。そして今日の二つの技術者が関わる問題でも、違和感しかなかったように、国民が真実を知らぬまま不安や懸念を抱かない社会が、果たして幸福なのかどうか? 改めて考えさせられるものでもあるのでしょうね。

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2019年06月03日

ソ連の対日交渉方針の文書

岩屋防衛相がアジア安全保障会議で発言し、北朝鮮が非核化するまで国際社会は結束を維持し、制裁決議を完全に履行する必要がある、と語りました。だから拉致問題で北朝鮮と交渉しても、日本は何もしないし、できない。だから北朝鮮が安倍首相と会うことは絶対にない、となります。北朝鮮が無条件交渉を方々で言いふらす安倍氏のことを「厚かましい」としますが、つい最近まで国際社会に「圧力をかけろ」と訴えて回っていた、どの口が言うか、といったところでしょう。相変わらず安倍系のメディアの解説員という素人が、米国への取次ぎを日本に要請するため会談を求めてくる…などと語りますが、あんなご機嫌取りのトランプ訪日をみせられ、日本から米国に何か依頼できる立場にあると考える国が、どれほどいるか? むしろ日本は米国のいいなりだから、米国と交渉をすれば日本から菓子折りをもって訪ねてくる、と考えるでしょう。そもそもトランプ大統領自身が再交渉を否定しておらず、日本を介する必要がありません。

そんな安倍氏はトランプ氏の訪日で、参院選後に日米貿易協議を妥結する見返りに、大幅譲歩をしたのでは? との疑惑に「まったく根拠がない」と反論しました。しかし密約を指摘されると、政府は必ずこういって否定する定番の文句です。しかも、米国の情報開示でその嘘がバレても、「まったく根拠がない」と言い続けます。日本国内で嘘と分かる資料がみつかっても同じ、「まったく根拠がない」は言い換えれば「絶対にみとめない」ということです。要するに非常にいさぎ悪い態度の被告がとる態度と同じなのです。
共同通信が報じた1955年6月に日ソ交渉開始直前に、ソ連共産党中央委員会幹部会が承認した対処方針が記されたメモを入手、サンフランシスコ平和条約に北方4島の主権が明記されず、ソ連が日本に主権をみとめるよう迫っていた事情が、これで判明しました。しかしそうなると、安倍政権が2島返還のみで平和条約をむすんでしまえば、絶対に残り2島は返ってこない、ということ。安倍政権の動きは、まさに露国としてはしめしめ…といったところかもしれない。むしろ露国も弱点を抱えているのに、弱腰外交でそれを補い、露国に特典を与えるようなものだからです。G20でも日露首脳会談と報じられますが、この共同通信の入手したメモの破壊力は、相当でしょう。そのため主要メディアが中々とり上げようとしません。

浜田参与が安倍氏と会談し、MMTを引き合いに国債増発による財政拡大を忠言した、と語りました。失敗した経済学者が、さらに悪事を重ねるようなものです。そもそも日本はバブル崩壊以後、財政拡張で国債を増発してきた。それでも景気は一向に上向かないし、インフレにもなっていない。それを吹かした安倍ノミクスでも、事情は変わっていないどころか、逆に悪化しているのが現状です。なぜその失敗に学ばないのか? これも非常にいさぎ悪い態度の被告が、さらに開き直って自分は正しいと言い張るようなものです。
安倍政権の外交は、もう失敗だらけなのです。国際社会と連携するので、北朝鮮に対して独自の制裁解除などできないため、拉致問題の交渉は詰んでいる。日ソの北方領土交渉も、すでに領土という言葉を外した以上、相手の主権をみとめたようなもの。露国とて主権を主張するのに躊躇う中、日本から譲歩してしまったのです。日本だけが大歓迎のトランプ氏は、欧米では差別主義者としてデモの対象です。並べると、本来協調すべきところと、独自路線をすすむべきところが逆であることが分かるでしょう。北朝鮮とは拉致問題があるから、独自路線で挑んだ方がいい。露国とは主権交渉なのですから、円満解決より丁々発止でいった方がいい。弾劾の動きがすすむトランプ氏と接近し過ぎれば、米国の政局に日本が巻き込まれる恐れすらあります。まさに今、誤った外交により、日本のいく道が怪しくなってきているのです。安倍政権の外交の裏側、国益に反するから開示できない、とする答弁が多いですが、実はもう国益に反することを山のようにしているのかもしれません。「まったく根拠がない」ことでも、類推して分かることもある。安倍政権という被告には、自白を待つより証拠をつきつけて責めていかないと、質の悪い被告ですから罪をみとめたりはしないことだけは確かなのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:07|PermalinkComments(4)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2019年06月02日

就職氷河期への対策を骨太にもりこむ?

元農水事務次官が「引きこもりで暴力もあった」とする長男を殺害した事件。また「引きこもり」がクローズアップされそうですが、これはすでに幼少期からうけつづけたストレスで、同じ状況がおこるとイライラし、暴力的になることが知られます。従順で素直、そう評される子供でも本人が気づかないうちにそれがストレスとなり、やがて溜まってくると暴走し、イライラに耐えられず暴力的になる。特に長男であり、厳しく育てようとしたのかもしれず、子供が大人になると上手くいかない原因ともなったのでしょう。
大切なことは、なぜ自分がイライラし、精神的に不安定になるのか理解すること。精神科でなくとも、カウンセラーなどを介して親子がそれぞれ、どういったことがしこりになっているか知り、そうした状況にならないようにすること、です。本人が自覚するだけでもよい影響があるので、親子の関係を再構築するためにも、互いが納得する形で専門家を訪ねるのがよいでしょう。引きこもりが問題なのではなく、そうなってしまった原因を知り、悲劇劇な結末を選択する前に改善する道をさぐることが、必要なのです。

安倍政権でも最近、就職氷河期で職につけず、不安定な立場にある人への支援を検討しています。ただし聞こえてくるのが就労支援だったり、職業訓練といったありきたりな内容であり、ろくな政策ではないと感じます。骨太の方針に盛りこむとしますが、安倍政権お得意のやっている感だけでしょう。特に今回の元農水事務次官のようなケースでは家庭問題もからんだり、また就職活動で失敗をくり返すことで心に傷を負ったようなケースでは、自信をとりもどすような支援も必要でしょう。これはブラック企業に勤め、就労意欲を失ったような場合でも同様に、大切なことは心労支援だったり、社会復帰のための訓練なのです。
しかも就職氷河期を35〜45歳、と区切っているのもスジ悪です。それ以外でも就職に失敗した人はおり、そういう人が見捨てられ感を強めるだけ。この方針自体が、社会保障費の抑制という質の悪いところから出てきているだけに、うちだす対策にもろくなものがない。丸投げされた厚労省が従来の就労支援の延長として行うだけのこと。それなのに年齢制限をかければ、意味が分からないことにしかならないのです。

安倍政権が間違えているのは、大変だから何とかする、という後発の理由で動き出すことです。問題が起こる前に、起こらないように向き合うのでなければ、政治家など誰がやっても一緒です。法律は官僚が書くので、方向性を決めるのが政治家の仕事だからです。問題が起きてから、やれ大変だ、何とかしなきゃ、では遅いのです。問題が起きた時点で不幸な人がでているのであり、そういう不幸な人をできるだけ少なくするのが、政治の仕事です。言葉は悪いですが、問題が起きてから対策するならバカでもできます。むしろ問題が起きているのに、対策もしないのは本当のバカです。これまでに引きこもりや、就職氷河期などというものが起きている時点で、本来は対策をしておかないとおかしいのです。遅きに失した現状で、どこまで取り戻せるのか? それ次第では、安倍政権は政治の素人集団と断じても強ち間違いではないのでしょう。就職氷河期どころか、政治氷河期でみつかるマンモスの骨がスカスカでは困ることばかりなのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:50|PermalinkComments(4)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 社会

2019年06月01日

米国によるメキシコへの制裁関税

昨日、トランプ米大統領がメキシコへの制裁関税として6月10日から全輸入品に5%の関税、と発表し、世界的に景気後退懸念が襲いました。今回は移民問題という、経済と全く関係ない問題での制裁関税であり、今後も同様のことが起こるかもしれない。トランプ氏が自らをタリフマンと呼び、制裁関税により問題解決に前のめりになっていることもあるでしょう。中国への制裁関税が、国民に意外と支持されていることもあり、米国の暴走が止まらない可能性があり、あらゆる市場がそれを敏感にうけとめたのです。
日本株は、日経225先物で一斉に日系が売りをだして総崩れです。TOPIX先物には、最近の定番となっている日系の4000枚買いが入り、支えになりましたが、アジア株式市場はそこまで落ち込んでいないのに日本が大きな動きになったのは、日米貿易協議を抱えているためです。まさに制裁関税をうけかねない。経済への打撃が大きくなる、そんな不安に怯えたのです。ただ原油市場をはじめとする商品市場まで景気後退をおりこみだしたので、来週のアジア市場にも、一周遅れで嵐が襲うかもしれません。中国の景気対策期待もありますが、前回のリーマンショック後の4兆元の景気対策を打ったときとは環境が大きく違うのです。

欧米もあのときは中国の景気対策を好感し、応援もした。しかし今回、少なくとも米国は協力しない。むしろ効果を無効とするように動くでしょう。対中強硬派が幅を利かせ、中国をどこまでも追い込もうとするからです。米国は、自身が景気後退に陥るまでこの愚策に気づくことはないでしょう。まさにトランプ政権は究極のポピュリズム政権であり、ショー化された政治をすることで国民が喜べば、さらにのめりこみ、国民がそっぽを向けば政策を改める。だから景気後退に陥ったり、インフレが加速したりして、国民に不満が溜まるようでないと政策は見直さないのです。それは人気番組なら放送がつづくメディアと同じです。
ただし困るのは中国より、日本が大きい。内需がからっきしで、米中に頼ってきただけにダメージが大きい。しかも金融も財政も吹かす余裕がない。これまでが円安で救われてきただけに、円高が襲うと企業業績にも悪影響を与える。米国の為替報告書をみても、今介入などしたら絶好の口実を与えるだけで八方塞がりです。そもそも五輪特需の剥落、増税、失敗した安倍ノミクスの継続と、この国には何の買う材料もない。国内の金融機関が、運用先がないから海外に資金を逃避する、などという時点で異常です。さらに、そのヘッジのつもりなのか、国内では株を買いポジションに大きく傾けており、株が下がり、円高になれば海外で運用した分も損失となって襲ってくる。ヘッジどころか、ダブルインパクトとなって、日本の金融機関を襲うかもしれない。不良債権問題、ふたたびといった不安も日本を買えない理由となります。

しかも相場の循環的にいうと、3ヶ月の下落の後、4ヶ月の上昇を果たし、そして1ヶ月弱の下落ですから、まだ2ヶ月は下落局面がつづく可能性がある。今回の局面はトランプ氏の行動一つでひっくり返る可能性もありますが、残念ながら2ヶ月ほどで米景気に変調が確認され、国民がそれを実感するとも思えないので、この循環がつづいてしまうと考えた方がいい。つまり8月ぐらいまでは継続するとみた方が方がよいのです。
しかもそのタイミングで、衆参ダブル選挙があるのか? そして8月といえばトランプ氏から「大きな数を期待」ともされる米中貿易協議が決着するのか? いずれにしろ、そうした材料が相場反転のきっかけではなく、むしろ悪材料となって襲う可能性があるのですから、やっぱり日本株には期待できない、となるのです。トランプ氏のやり方は安倍氏そっくり、と指摘したこともありますが、まさに北朝鮮を追いこんで、自分たちの条件を押し付けようとしていたことと同じ、どころかスケールアップしてトランプ氏は実践しています。しかし日米とも、そんな手法の間違いを自覚したころには時すでに遅し、自分たちの為政者がタリフマンどころか、(知恵が)足りぬマンのせいで景気が大変なことになっている、となるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:32|PermalinkComments(4)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 |