2019年11月
2019年11月30日
増税後の経済指標は違和感
10月の労働力調査、完全失業率は2.4%、有効求人倍率は1.57倍で両方前月と比べて横這い、としか報じられませんが、中身は警戒すべきものです。4ヶ月で通算すると正規社員は19万人減、非正規社員は250万人増です。10月だけをみても、15〜64歳の労働力人口は30万人増としますが、正規社員は4万人しか増えていないので、大半が非正規雇用となります。労働力人口と就業者数は必ずしも同数にはならないので、比較するのは本来おかしいのですが、今の日本の雇用がどこかおかしい、とは感じ取ってもらえるでしょう。
産業別でみると製造業が20万人減、卸売・小売が16万人減、これを台風やネット販売の拡大を原因とする論調もありますが、製造業は明らかに増税前の駆け込みに対応するための増産体制が終わった、とみるのが正しいのでしょう。卸売・小売はここ数ヶ月減少傾向ですが、ネット販売というより、増税対応倒産といった面が大きいはずです。ネット販売など、ここ最近の話ではありませんし、インバウンド消費の一服と、増税への負担が同時に襲って倒産、もしくは撤退が増えた。この動きに対して、人手不足が深刻だった飲食・宿泊や、医療・福祉に回っていることはいいことですが、その結果として非正規ばかり増えているのは、決して雇用環境が良好とはいえない。この労働力調査、ナゼかメディアは完全失業率と有効求人倍率しか報じませんが、この指標から見えるのは米国と同様、日本の雇用環境も状況が変わった、ということです。
10月の鉱工業生産指数は前月比4.2%低下の98.9でしたが、これも台風の影響とする分析もありますが、どちらかと言えば増税後の増産終了の面が大きいでしょう。落ち込みが大きかったのは自動車の7.8%ですが、関東、東北で自動車生産が活発なわけではありません。また増税対応のレジなど、出荷が一巡した。諸々、増税の影響がみうけられますが、鉱工業生産の発表は安倍トモの経産省であり「増税の影響が大きく出たとは考えていない」と、10月の政府の答弁を踏襲しています。逆に、それを理由とすると安倍政権がまた嘘をついた、となるので口が裂けても「増税のせい」とは言えない状況もうかがえます。
11月消費動向調査は38.7と前月比2.5pt増です。内閣府は即座に基調判断を「持ち直しの動きがみられる」に上方修正しました。耐久消費財の買い時判断が4.3ptも上昇していますが、ナゼか増税した途端にプラス転換しています。9月の駆け込み時は28.1と前月比3.6pt減となっていたことを考えると、かなり違和感のある動きといえるでしょう。耐久消費財は、あまりキャッシュレス決済には含まれないはずですが…。また暮らし向きも38.0と前月比3.5ptも上昇しており、増税後に上向くとは…? 関係ないはずの収入の増え方が、10月から改善傾向というのも違和感がある。内閣府としては、「増税における過度な不安感が和らいできた」と言いたいのでしょうが、数字が違和感だらけで、かつまだ判断の分かれ目である50は大きく下回っている状況です。過度な不安感はなくとも、不安感満載の結果、ということは間違いありません。
もうこれまでの右肩上がりの好環境、というのは転換したとみてよいのでしょう。FRBが慌てて短期債を購入する資金供給をはじめても、ECBが金融緩和状態にもどっても、それはもう以前の状態ではない。一回それを経験し、過ぎた後の世界では、新鮮味が薄れてしまった。今の市場が、その経験した世界の再現を目論んでいたとしても、もうそれは別の世界です。日本経済は、その好環境からの斜陽という途上にある。経済指標からはそうとしか読み解けず、安倍トモによる歪んだ判断に惑わされず、なぜ10兆円以上の補正予算を組もうとしているのか。この経済指標では語られない部分を考えないといけないのでしょうね。
明日は一日、お休みします。
産業別でみると製造業が20万人減、卸売・小売が16万人減、これを台風やネット販売の拡大を原因とする論調もありますが、製造業は明らかに増税前の駆け込みに対応するための増産体制が終わった、とみるのが正しいのでしょう。卸売・小売はここ数ヶ月減少傾向ですが、ネット販売というより、増税対応倒産といった面が大きいはずです。ネット販売など、ここ最近の話ではありませんし、インバウンド消費の一服と、増税への負担が同時に襲って倒産、もしくは撤退が増えた。この動きに対して、人手不足が深刻だった飲食・宿泊や、医療・福祉に回っていることはいいことですが、その結果として非正規ばかり増えているのは、決して雇用環境が良好とはいえない。この労働力調査、ナゼかメディアは完全失業率と有効求人倍率しか報じませんが、この指標から見えるのは米国と同様、日本の雇用環境も状況が変わった、ということです。
10月の鉱工業生産指数は前月比4.2%低下の98.9でしたが、これも台風の影響とする分析もありますが、どちらかと言えば増税後の増産終了の面が大きいでしょう。落ち込みが大きかったのは自動車の7.8%ですが、関東、東北で自動車生産が活発なわけではありません。また増税対応のレジなど、出荷が一巡した。諸々、増税の影響がみうけられますが、鉱工業生産の発表は安倍トモの経産省であり「増税の影響が大きく出たとは考えていない」と、10月の政府の答弁を踏襲しています。逆に、それを理由とすると安倍政権がまた嘘をついた、となるので口が裂けても「増税のせい」とは言えない状況もうかがえます。
11月消費動向調査は38.7と前月比2.5pt増です。内閣府は即座に基調判断を「持ち直しの動きがみられる」に上方修正しました。耐久消費財の買い時判断が4.3ptも上昇していますが、ナゼか増税した途端にプラス転換しています。9月の駆け込み時は28.1と前月比3.6pt減となっていたことを考えると、かなり違和感のある動きといえるでしょう。耐久消費財は、あまりキャッシュレス決済には含まれないはずですが…。また暮らし向きも38.0と前月比3.5ptも上昇しており、増税後に上向くとは…? 関係ないはずの収入の増え方が、10月から改善傾向というのも違和感がある。内閣府としては、「増税における過度な不安感が和らいできた」と言いたいのでしょうが、数字が違和感だらけで、かつまだ判断の分かれ目である50は大きく下回っている状況です。過度な不安感はなくとも、不安感満載の結果、ということは間違いありません。
もうこれまでの右肩上がりの好環境、というのは転換したとみてよいのでしょう。FRBが慌てて短期債を購入する資金供給をはじめても、ECBが金融緩和状態にもどっても、それはもう以前の状態ではない。一回それを経験し、過ぎた後の世界では、新鮮味が薄れてしまった。今の市場が、その経験した世界の再現を目論んでいたとしても、もうそれは別の世界です。日本経済は、その好環境からの斜陽という途上にある。経済指標からはそうとしか読み解けず、安倍トモによる歪んだ判断に惑わされず、なぜ10兆円以上の補正予算を組もうとしているのか。この経済指標では語られない部分を考えないといけないのでしょうね。
明日は一日、お休みします。
2019年11月29日
雑感。それしかできない安倍政権
中曽根元首相が亡くなりました。各国営事業の民営化をすすめましたが、目算なき…とも言われたように、未だにJR北海道は黒字化が難しい、廃線がすすんでそれが地方の衰退を招いた、など決して良い面ばかりではありませんでした。ロンーヤス、と呼び合い、日米の蜜月ぶりをアピールしましたが、この頃からさらに米国の支配が強まり、また愛称で呼び合えば仲良し、という奇妙な価値観を日本の政治家たちに植え付けた。功罪両面で現在に至る日本の政治を形づけた、色々な意味で転換点にいた政治家だったのでしょう。
自民の二階幹事長が、北朝鮮のミサイル発射に関して「この前も(緊急会議を)やった。会議を開いて異議を唱えるだけ。それしかできないのか」と発言しました。二階氏が厳しい発言をしたのも、党内からの厳しい声を反映したものです。『桜を見る会』でミソをつけ、党内に不満が蔓延している。北朝鮮問題ほど、やるやる感ばかりで実際には何もしていない。これは諸々の意味を含んだ、党内の憤懣を反映したものです。
審議拒否を表明した野党が、国会復帰です。桜を見る会の招待で、60番台が首相、長官レベルのものだと政府がみとめた。これで詐欺的商法をとっていたジャパンライフ会長が、首相の招待だった可能性が高まったためです。ただジャパンライフは自民に深く食い込んで、警察の摘発を免れていたとされるので、安倍氏以外にもその可能性が残ります。確実なのは、破綻したジャパンライフは自民と近縁だったということです。
再び内閣は「昭恵夫人は私人」と閣議決定をしました。森友問題で、私人だから答弁できない、としておいて今さら公人になると森友問題に飛び火します。ただそうなると、明らかな昭恵夫人枠が説明つかない。出席は安倍氏の公務補助、ということですが、そのためにオトモダチを呼ぶ、というのでは税金の使い道としてふさわしくない。自民の2018年の収入が263億円もあるなら、そこからだすべきともなるでしょう。
そんな中、内閣府が4月22日にシュレッダー依頼をしたメールを提出しました。今時、パソコンの設定を変えれば日付など操作できます。参加者名簿も復元できない、としますが、パソコンに一度でも入力したものなら、ほぼ確実に復元できるでしょう。ただし、安倍政権ではすでに森友・加計問題のときに交替時期、として財務省が疑惑のパソコンを廃棄した前科がある。つまり今回も内閣府のパソコンの命は風前の灯、もしくはHDDは交換された後かもしれません。これまでも悪質な隠ぺい、改竄を行ってきたので今回も間違いなくやるでしょう。というより、やらない手はありません。すでにその手は汚れ切っています。
桜を見る会の飲食物を一手に担ってきたジェーシー・コムサという企業の経営者も、安倍トモとされます。安倍トモ、昭恵トモ、自民支持者、詐欺企業、宗教団体、反社会的勢力、これだけ多くの問題が集まっていた、桜を見る会。むしろ桜ではなく『裸の王様を見る会』だったのかもしれません。みんなが裸の王様に群がり、お金と繋がりと権限を求めて、手を差し出していた。そんな人物らと握手し、裸の王様はさぞ満足だったのでしょう。しかし裸だから袖がない、無い袖が振れない、となって増税やら負担増の話がでてきて、やっとそれ以外の人々が気づいた。あの裸の王様の周りに群がっているのは一体何だ? と。そしてそれが、殊更に醜悪にみえる。まさに安倍氏とその周辺を喜ばす、「それしかできないのか」と。一体、誰の政権の時代が最悪なのか。少なくとも中曽根氏の時代は功罪両面としましたが、安倍氏の時代は悪い方向でしか、評価しようがないのでしょうね。
自民の二階幹事長が、北朝鮮のミサイル発射に関して「この前も(緊急会議を)やった。会議を開いて異議を唱えるだけ。それしかできないのか」と発言しました。二階氏が厳しい発言をしたのも、党内からの厳しい声を反映したものです。『桜を見る会』でミソをつけ、党内に不満が蔓延している。北朝鮮問題ほど、やるやる感ばかりで実際には何もしていない。これは諸々の意味を含んだ、党内の憤懣を反映したものです。
審議拒否を表明した野党が、国会復帰です。桜を見る会の招待で、60番台が首相、長官レベルのものだと政府がみとめた。これで詐欺的商法をとっていたジャパンライフ会長が、首相の招待だった可能性が高まったためです。ただジャパンライフは自民に深く食い込んで、警察の摘発を免れていたとされるので、安倍氏以外にもその可能性が残ります。確実なのは、破綻したジャパンライフは自民と近縁だったということです。
再び内閣は「昭恵夫人は私人」と閣議決定をしました。森友問題で、私人だから答弁できない、としておいて今さら公人になると森友問題に飛び火します。ただそうなると、明らかな昭恵夫人枠が説明つかない。出席は安倍氏の公務補助、ということですが、そのためにオトモダチを呼ぶ、というのでは税金の使い道としてふさわしくない。自民の2018年の収入が263億円もあるなら、そこからだすべきともなるでしょう。
そんな中、内閣府が4月22日にシュレッダー依頼をしたメールを提出しました。今時、パソコンの設定を変えれば日付など操作できます。参加者名簿も復元できない、としますが、パソコンに一度でも入力したものなら、ほぼ確実に復元できるでしょう。ただし、安倍政権ではすでに森友・加計問題のときに交替時期、として財務省が疑惑のパソコンを廃棄した前科がある。つまり今回も内閣府のパソコンの命は風前の灯、もしくはHDDは交換された後かもしれません。これまでも悪質な隠ぺい、改竄を行ってきたので今回も間違いなくやるでしょう。というより、やらない手はありません。すでにその手は汚れ切っています。
桜を見る会の飲食物を一手に担ってきたジェーシー・コムサという企業の経営者も、安倍トモとされます。安倍トモ、昭恵トモ、自民支持者、詐欺企業、宗教団体、反社会的勢力、これだけ多くの問題が集まっていた、桜を見る会。むしろ桜ではなく『裸の王様を見る会』だったのかもしれません。みんなが裸の王様に群がり、お金と繋がりと権限を求めて、手を差し出していた。そんな人物らと握手し、裸の王様はさぞ満足だったのでしょう。しかし裸だから袖がない、無い袖が振れない、となって増税やら負担増の話がでてきて、やっとそれ以外の人々が気づいた。あの裸の王様の周りに群がっているのは一体何だ? と。そしてそれが、殊更に醜悪にみえる。まさに安倍氏とその周辺を喜ばす、「それしかできないのか」と。一体、誰の政権の時代が最悪なのか。少なくとも中曽根氏の時代は功罪両面としましたが、安倍氏の時代は悪い方向でしか、評価しようがないのでしょうね。
2019年11月28日
米国で香港人権法案が成立
10月の小売販売額が前年同月比7.1%減となり、消費税増税の影響であることが明らかとなりました。台風19号の影響が3〜4%としても、前回の増税時の14年4月の4.3%減と比べてもそん色ないレベルです。さらに問題は、増税対策として導入したキャッシュレス決済の、財源枯渇問題が早くも語られることです。幼保無償化も財源不足、キャッシュレス決済もまだ想定の加入者が未達で、かつ10月は7.1%も消費が減退しているにも関わらず、財源不足に陥る。一体、この政権はそろばん勘定ができているのか? 不安にもなります。ここに来て75歳以上の医療費負担を、1割から2割に引き上げる案も、足りないから負担を増やすというだけ。本当に安倍ノミクスで日本が成長していたら、財源なんて軽く賄えるはずです。足りないから増税、足りないから負担増、それでも計算できずに財源不足。『桜を見る会』で、支持者や自分のオトモダチを優遇しまくる、そんな安倍政権はもはや金銭感覚すら疑わしい、となるのでしょう。
トランプ米大統領が香港人権法案に署名し、成立しました。議会・共和党を敵に回すわけにはいかないトランプ氏は、署名するしかありませんでしたが、感謝祭前まで待ったのは、市場インパクトを小さくするためだったのでしょう。しかしこれで、中国は禁断の手を使う可能性もでてきました。それは米中貿易協議を打ち切る手です。中国としては春に打った経済対策の効果がほとんどでていないばかりか、民間債務は拡大する一方で、さらに苦境に陥っています。だから米中合意を焦っている、との根拠になっていますが、米国の『行動を確認してから行動』では、どの道遅きに失している。中国は何としてもこの交渉で『行動対行動』、つまり米国に今すぐ輸入関税の撤廃などの条件を勝ちとらなければなりません。
つまりここから瀬戸際外交、中国は協議を打ち切ってしまう。そうなると、困るのは米国も同じです。ここから年末商戦、合意を相当程度に織りこんでしまった株価が下落すれば、必ず米消費行動に影響してきます。それに、大統領選を控えるトランプ氏が、交渉に力を注げるのは来年の春ごろまでで、議会も対決姿勢が鮮明となり、ここからは外交どころではなくなります。つまり感謝祭、年末にかけて米国の行動を促すために、譲歩させるために中国は交渉を打ち切ってしまうことが、想定されるのです。
ただ、その確率は昨日までは軽微、今日になって30〜40%程度で、まだ決して高いわけではありません。しかし頭に入れておいてよいぐらいには、可能性が高まりました。中国の瀬戸際外交が有効なのは、今の市場は部分合意、でほぼ揺らいでいないからです。それはリーマンショック前と似て、明らかに油断です。もし協議打ち切りとなれば、ダウは2千$、日経平均は3千円近く下がったとしても、何の不思議もない。だから中国にもカードになります。すでにアリババによる香港市場への上場も果たし、今のところ中国市場は戻りがにぶい状態で、日米よりショックも少ない。仕掛けやすいタイミングではあるのです。
今の日本株は、配当の再投資を囃して高値維持、といったところですが、これだけの消費の弱さをみても、かなりの割高感がただよいます。グローバル投資の一環で、日本株をここまで買い上げた外国人投資家も、今以上に買ってはこないでしょう。ここからは国内勢の節税売りと、配当の再投資やドレッシング買いとの綱引きがはじまります。今年は株が高いので節税売りも小さいとみられますが、逆にここで米中貿易協議がどうすすむか、によって節税売りの規模も変わってくるはずです。国内経済の弱さを、海外の堅調さに頼ってきた日本。海外が堅調でなくなったとき、その実力が試されるのは確実です。
9月時点の日銀のETF購入は31兆円をこえ、含み益は4兆円といいます。ただ、ETF購入策の初期に買った分が利益に大きく寄与しており、ここ数年で買った分は、ほとんど利益になっていないのが現状です。金銭感覚が狂っている安倍政権、それを促した要因の一つが日銀のバラマキにあったのなら、最大の問題は日銀のバランス感覚であり、世界経済の急変で日本が一番ダメージを負うのも已む無し、となるのでしょうね。
トランプ米大統領が香港人権法案に署名し、成立しました。議会・共和党を敵に回すわけにはいかないトランプ氏は、署名するしかありませんでしたが、感謝祭前まで待ったのは、市場インパクトを小さくするためだったのでしょう。しかしこれで、中国は禁断の手を使う可能性もでてきました。それは米中貿易協議を打ち切る手です。中国としては春に打った経済対策の効果がほとんどでていないばかりか、民間債務は拡大する一方で、さらに苦境に陥っています。だから米中合意を焦っている、との根拠になっていますが、米国の『行動を確認してから行動』では、どの道遅きに失している。中国は何としてもこの交渉で『行動対行動』、つまり米国に今すぐ輸入関税の撤廃などの条件を勝ちとらなければなりません。
つまりここから瀬戸際外交、中国は協議を打ち切ってしまう。そうなると、困るのは米国も同じです。ここから年末商戦、合意を相当程度に織りこんでしまった株価が下落すれば、必ず米消費行動に影響してきます。それに、大統領選を控えるトランプ氏が、交渉に力を注げるのは来年の春ごろまでで、議会も対決姿勢が鮮明となり、ここからは外交どころではなくなります。つまり感謝祭、年末にかけて米国の行動を促すために、譲歩させるために中国は交渉を打ち切ってしまうことが、想定されるのです。
ただ、その確率は昨日までは軽微、今日になって30〜40%程度で、まだ決して高いわけではありません。しかし頭に入れておいてよいぐらいには、可能性が高まりました。中国の瀬戸際外交が有効なのは、今の市場は部分合意、でほぼ揺らいでいないからです。それはリーマンショック前と似て、明らかに油断です。もし協議打ち切りとなれば、ダウは2千$、日経平均は3千円近く下がったとしても、何の不思議もない。だから中国にもカードになります。すでにアリババによる香港市場への上場も果たし、今のところ中国市場は戻りがにぶい状態で、日米よりショックも少ない。仕掛けやすいタイミングではあるのです。
今の日本株は、配当の再投資を囃して高値維持、といったところですが、これだけの消費の弱さをみても、かなりの割高感がただよいます。グローバル投資の一環で、日本株をここまで買い上げた外国人投資家も、今以上に買ってはこないでしょう。ここからは国内勢の節税売りと、配当の再投資やドレッシング買いとの綱引きがはじまります。今年は株が高いので節税売りも小さいとみられますが、逆にここで米中貿易協議がどうすすむか、によって節税売りの規模も変わってくるはずです。国内経済の弱さを、海外の堅調さに頼ってきた日本。海外が堅調でなくなったとき、その実力が試されるのは確実です。
9月時点の日銀のETF購入は31兆円をこえ、含み益は4兆円といいます。ただ、ETF購入策の初期に買った分が利益に大きく寄与しており、ここ数年で買った分は、ほとんど利益になっていないのが現状です。金銭感覚が狂っている安倍政権、それを促した要因の一つが日銀のバラマキにあったのなら、最大の問題は日銀のバランス感覚であり、世界経済の急変で日本が一番ダメージを負うのも已む無し、となるのでしょうね。
2019年11月27日
GSOMIA破棄撤回後の日韓のすれ違い
桜を見る会をめぐり、西村官房副長官が「反社会的勢力の皆様が出席されたかどうかは個人情報」と述べました。菅官房長官は「結果として入った」としますが、警察の監視対象が個人情報保護法で守られる? そういえば行政官もよく個人情報だから、との理由で表に名前がでてきませんが、なるほど同じぐらいに問題を抱えるのでしょう。皆様、というぐらい多く出席していたことが確実で、名簿を廃棄したから名前が分からない、というなら余計に問題が大きいのです。むしろそうした人物らが、政治家とのツーショット写真を詐欺の道具にしても、背景などを変えられたらいつ撮影されたかも分からず、判断つかないのですから。
しかも文春では新たな疑惑も報じられる。まさに疑惑のデパートならぬ、疑惑の底なし沼です。しかも説明が次々に嘘とバレる、ホテルニューオータニは安倍トモとバレる、など波紋も広がります。韓国系の宗教団体・統一教会の幹部も参加していた、など一部の情報もありますが、そんな韓国との間でGSOMIA破棄を撤回後、日韓双方の意見に食い違いもみられます。双方にウソが多い政権なので、真実が分かりません。
22日に経産省が「局長級協議には応じるが対韓輸出管理の強化はつづける」としたものを、韓国は「合意を意図的に歪曲」としました。しかも韓国は「日本側は謝罪した」といい、菅氏は「政府として謝罪した事実はない」と言います。ただ「政府として」とついているので、例えば大臣クラスとは言わずとも官僚、外交官が私的に謝罪した可能性は残るわけで、菅氏の発言は『全面否定でない』点には注意も必要です。韓国は「外務次官の謝罪メッセージ」を大使館を通じてうけとった、としており、事実はこちらに近そうです。
そんな中、韓国の文喜相国会会議議長が、最高裁が下した元徴用工への賠償請求権を、1年半で時効として破棄。日韓の企業とその他から寄付されたお金で基金を設立し、賠償に充てる法案を示してきました。日本側は韓国の問題とし、政府は立ち入らないことで面子を保ち、韓国も賠償金を横流しした罪を頬かむりし、当時支援した企業からお金をださせ、司法も傷つけない、という案です。しかしこれは日本政府、韓国政府の思惑そのままですが、肝心の被害者に寄り添っていない。明らかにこれまでの説明とも食い違い、また企業から本当に資金が集まるのか? また韓国では基金をつくっても、市民団体などが利益を吸い取って、肝心の受益者にお金が回らない、などの問題が内在するので、韓国国内での納得もすすまない状況です。
一連の流れをみると、韓国の文喜相案があって徴用工、慰安婦問題が解決しそう、GSOMIA破棄の撤回にむけて日本が『キッカケ』を与えるのが、対韓輸出管理の見直し、だったと想像されます。ただ極秘の合意だったはずが、安倍トモの経産省が安倍政権へのダメージを考え、余計な発表をしたものだから、外務省ルートの交渉が破綻した。それで外務次官が謝罪、それを安倍政権は「政府として」謝罪ではない、と言い張っている構図がうかがえます。双方とも米国に頭を押さえつけられ、ケンカもできませんが、腕をふり回して抵抗しているフリをする。まさに子供のような状況です。ただ日韓両政府とも、面子や自分が正しいというためだけに行動しており、国民の方はまったく向いていない、というのが最悪な状態といえるのでしょう。むしろ国民=社会からみて、誰が反社会的勢力なのか? 安倍政権にとっては、反社会的勢力もオトモダチ、だから守るというのなら、国民の敵が誰かも見えてくるのでしょうね。
しかも文春では新たな疑惑も報じられる。まさに疑惑のデパートならぬ、疑惑の底なし沼です。しかも説明が次々に嘘とバレる、ホテルニューオータニは安倍トモとバレる、など波紋も広がります。韓国系の宗教団体・統一教会の幹部も参加していた、など一部の情報もありますが、そんな韓国との間でGSOMIA破棄を撤回後、日韓双方の意見に食い違いもみられます。双方にウソが多い政権なので、真実が分かりません。
22日に経産省が「局長級協議には応じるが対韓輸出管理の強化はつづける」としたものを、韓国は「合意を意図的に歪曲」としました。しかも韓国は「日本側は謝罪した」といい、菅氏は「政府として謝罪した事実はない」と言います。ただ「政府として」とついているので、例えば大臣クラスとは言わずとも官僚、外交官が私的に謝罪した可能性は残るわけで、菅氏の発言は『全面否定でない』点には注意も必要です。韓国は「外務次官の謝罪メッセージ」を大使館を通じてうけとった、としており、事実はこちらに近そうです。
そんな中、韓国の文喜相国会会議議長が、最高裁が下した元徴用工への賠償請求権を、1年半で時効として破棄。日韓の企業とその他から寄付されたお金で基金を設立し、賠償に充てる法案を示してきました。日本側は韓国の問題とし、政府は立ち入らないことで面子を保ち、韓国も賠償金を横流しした罪を頬かむりし、当時支援した企業からお金をださせ、司法も傷つけない、という案です。しかしこれは日本政府、韓国政府の思惑そのままですが、肝心の被害者に寄り添っていない。明らかにこれまでの説明とも食い違い、また企業から本当に資金が集まるのか? また韓国では基金をつくっても、市民団体などが利益を吸い取って、肝心の受益者にお金が回らない、などの問題が内在するので、韓国国内での納得もすすまない状況です。
一連の流れをみると、韓国の文喜相案があって徴用工、慰安婦問題が解決しそう、GSOMIA破棄の撤回にむけて日本が『キッカケ』を与えるのが、対韓輸出管理の見直し、だったと想像されます。ただ極秘の合意だったはずが、安倍トモの経産省が安倍政権へのダメージを考え、余計な発表をしたものだから、外務省ルートの交渉が破綻した。それで外務次官が謝罪、それを安倍政権は「政府として」謝罪ではない、と言い張っている構図がうかがえます。双方とも米国に頭を押さえつけられ、ケンカもできませんが、腕をふり回して抵抗しているフリをする。まさに子供のような状況です。ただ日韓両政府とも、面子や自分が正しいというためだけに行動しており、国民の方はまったく向いていない、というのが最悪な状態といえるのでしょう。むしろ国民=社会からみて、誰が反社会的勢力なのか? 安倍政権にとっては、反社会的勢力もオトモダチ、だから守るというのなら、国民の敵が誰かも見えてくるのでしょうね。
2019年11月26日
日本の海外不動産投資に課税案
ローマ教皇が訪日し、日本に対して「もっと人間味や思いやりがあり、慈悲深い社会の構築を切望する気持ち」を「憧れ」としました。また「社会全体が高度化していても、内実は貧しく後進的で、真の生活や活力を欠いている状況を多く目にするようになった」とも。前半はそれこそ、日本の美徳として誇ってきたものですが、実はそれがもう憧れになっている。つまり現状そうなっていない、と指摘しています。後半は内政の失敗を如実に意味します。ローマ教皇はただ見たことばかりでなく、情報はすでに入っているはずで、そうした多くの情報からそう判断した、ということです。温厚な語り口ですが、中身は辛辣です。
安倍首相は会談して「非核化などで協力できる」としましたが、ローマ教会はそう考えていないでしょう。これだけ悪評をぶち上げておいて、安倍政権と協力しよう、などとは考えてもいないはずです。「フランシスコは麻生財務相を同じ洗礼名」などとしましたが、そもそもカトリックは聖書に登場する人物しか洗礼名につかえない、厳格な戒律があります。そのため被ることが多く、ニックネームを発展させました。同じだからどう、ということは通常考えないのであって、こういうところにも認識の差、無知を感じます。
与党の税制調査会で、海外の不動産投資による節税をみとめない方針を示しました。当然、富裕層による投資目的ですから、本来は税金をかけるべきものです。例えば株を購入する場合、取引に税金もかかりますが、購入したこと自体は節税になりません。資産が増えているからで、それが海外の不動産投資だと見かけ、国内に資産がないので赤字になる。これが住居としての国内であれば、税負担を減らして購入を促す、という施策もあり得ますが、海外ではそうする意味がありません。そもそも論として制度がおかしいのです。
しかしこのタイミングで出てきたのは、少し注目です。海外の不動産バブルはそろそろヤバい、という認識を自民ももった。そのバブルが弾けたら、国内の富裕層が大きなダメージを負い、国内経済にも深刻な影響を及ぼす。それだけではなく、日経にもう一つ載った記事の事情も大きいのでしょう。それはドル不足の懸念というもので、邦銀はドル建て資産を拡大してきたものの、米企業や個人からの預金は少ない。つまりドル建て資産の中身が、日系からの不動産投資とそれへの融資ということなら、不動産バブルがはじけても、経済的に何らかのクラッシュが起きても、邦銀は一気にドル不足に陥る可能性があります。すでにアセットを減らす邦銀がでてきたように、海外の不動産投資を増やせる状況ではない、ということなのです。
海外の不動産バブルを促してきた仕組みが、一つ消える。21年度から、とするのでまだ1年以上ありますが、要注意の動きともいえるのでしょう。今の世界経済が、不動産バブルと株バブルによって支えられている現状で、ある意味その両輪が崩れる、これまで揺るがなかった不動産市場にいよいよ影がさすとなれば、それは全体の市場を揺るがしかねません。まだ先の話、と油断していると、悪い条件が続々と先に溜まっていく現状で、いつそれを織りこむかは予断をゆるしません。ダウ・ジョーンズ社が「米中部分合意」とヘッドライン速報をうち、一時的に株価が跳ね上がりましたが、その勢いがすぐに萎んだことも話題です。
薄商いだったから撥ねたけれど、買いの勢いはそれほどないのでは? ともされます。実際、もう何度もその情報で株価が上がってきただけに、実需で買う人はもう仕込んでいる。後は先物の動き、手口だけ、ということかもしれません。人間ならもう買えないが、アルゴリズム取引なら買う、とも揶揄されるように、すでに市場は「人間味や思いやりがあり、慈悲深い」ものではなくなっており、ヘッドラインによる高速取引で、怪しい動きも織りこむ形となっているのでしょう。内実は貧しい、というのが現状なのでしょうね。
安倍首相は会談して「非核化などで協力できる」としましたが、ローマ教会はそう考えていないでしょう。これだけ悪評をぶち上げておいて、安倍政権と協力しよう、などとは考えてもいないはずです。「フランシスコは麻生財務相を同じ洗礼名」などとしましたが、そもそもカトリックは聖書に登場する人物しか洗礼名につかえない、厳格な戒律があります。そのため被ることが多く、ニックネームを発展させました。同じだからどう、ということは通常考えないのであって、こういうところにも認識の差、無知を感じます。
与党の税制調査会で、海外の不動産投資による節税をみとめない方針を示しました。当然、富裕層による投資目的ですから、本来は税金をかけるべきものです。例えば株を購入する場合、取引に税金もかかりますが、購入したこと自体は節税になりません。資産が増えているからで、それが海外の不動産投資だと見かけ、国内に資産がないので赤字になる。これが住居としての国内であれば、税負担を減らして購入を促す、という施策もあり得ますが、海外ではそうする意味がありません。そもそも論として制度がおかしいのです。
しかしこのタイミングで出てきたのは、少し注目です。海外の不動産バブルはそろそろヤバい、という認識を自民ももった。そのバブルが弾けたら、国内の富裕層が大きなダメージを負い、国内経済にも深刻な影響を及ぼす。それだけではなく、日経にもう一つ載った記事の事情も大きいのでしょう。それはドル不足の懸念というもので、邦銀はドル建て資産を拡大してきたものの、米企業や個人からの預金は少ない。つまりドル建て資産の中身が、日系からの不動産投資とそれへの融資ということなら、不動産バブルがはじけても、経済的に何らかのクラッシュが起きても、邦銀は一気にドル不足に陥る可能性があります。すでにアセットを減らす邦銀がでてきたように、海外の不動産投資を増やせる状況ではない、ということなのです。
海外の不動産バブルを促してきた仕組みが、一つ消える。21年度から、とするのでまだ1年以上ありますが、要注意の動きともいえるのでしょう。今の世界経済が、不動産バブルと株バブルによって支えられている現状で、ある意味その両輪が崩れる、これまで揺るがなかった不動産市場にいよいよ影がさすとなれば、それは全体の市場を揺るがしかねません。まだ先の話、と油断していると、悪い条件が続々と先に溜まっていく現状で、いつそれを織りこむかは予断をゆるしません。ダウ・ジョーンズ社が「米中部分合意」とヘッドライン速報をうち、一時的に株価が跳ね上がりましたが、その勢いがすぐに萎んだことも話題です。
薄商いだったから撥ねたけれど、買いの勢いはそれほどないのでは? ともされます。実際、もう何度もその情報で株価が上がってきただけに、実需で買う人はもう仕込んでいる。後は先物の動き、手口だけ、ということかもしれません。人間ならもう買えないが、アルゴリズム取引なら買う、とも揶揄されるように、すでに市場は「人間味や思いやりがあり、慈悲深い」ものではなくなっており、ヘッドラインによる高速取引で、怪しい動きも織りこむ形となっているのでしょう。内実は貧しい、というのが現状なのでしょうね。
2019年11月25日
財政投融資3兆円と、対日報告書
大阪の少女誘拐事件で逮捕された男が「助けた」と証言しているようですが、明らかに相手をコントロールする術を熟知しており、逃げられる状態にあった、監禁ではない、とイイワケできる環境をつくっています。極めて悪質ですが、ただこの問題は氷山の一角で、それこそ一罰百戒で厳罰化をしていかないと、未成年者への犯罪を抑止するのも難しいのでしょう。家庭や学校に不満をもつ子供がいる、それを狙う大人がいる、需要と供給がそこで成立しているからです。安倍政権では特に、家庭に不満をもつ子供を、その家庭に押し付けてしまう傾向がある。児童相談所の前に、もう少しソフトな相談できる場、子供たちが気安く色々なことを聞きに行ける場、ネットでもいいのでそうしたものを設けることが必要と感じます。
香港の区議会選挙、民主派の圧勝でした。高い投票率が政治を覆す、ということを証明した形です。自民党もそうですが、低投票率は政権与党の信任になり易く、逆に投票率が上がれば政府批判票という形になり易い。すべては投票率がカギですが、だから日本のメディアは選挙なのに盛り上がりを避け、まるで一般のニュースのような扱いとし、投票が終わった後で『選挙速報』などの特番を組んで、やった感だけだすのです。
これを市場は好感していますが、米中関係がさらに難しくなった。トランプ大統領も民意の反映を中国に求めざるを得ず、中国としてはそれを容認しづらい。むしろ香港に更なる圧力をかけ、民主化への動きを止めようとするでしょう。米中とも、国のトップは親中派の勝利を望んでいた。民意を無視するトップたちだけに、これは明らかに次の火種であり、むしろ米国では議会と大統領との溝を生じさせる要因になりかねません。
安倍政権が策定を急ぐ経済対策に、3兆円の財投活用という話がでてきました。財投は国が低利で貸し付け、民間に大型事業を促す仕組みですが、今どき金融機関からも低利で融資がうけられます。ムダな大型事業などをすれば、民間企業にとって負担になりかねない。今やまったく不要な仕組みですが、経済対策の規模をほこるときに出てきます。まさに今回、安倍政権はやった感をだすために、割り振るのでしょう。特に、訪日観光客をとりこむための空港周辺整備、というのが怪しさ満載です。現状より増えると本気で考えているのか? むしろ今は地方への観光が主流で、財投を成田や関空へ…としている時点で、五輪後に落ちこむ東京の建設需要を賄うため、維新を支援するため関空、という構図が透けてみえてしまうのです。
むしろ地方空港の整備で、アクセスをし易くするというなら、日本全体に波及させる意味でも有意義かもしれませんが、やはり安倍政権の経済対策には期待できない、という思いを強くします。財務省のヒアリングで40年債の発行を求める声が多い、というのも低金利環境下で、他に運用先がないから。IMFの対日報告書は辛辣で、日銀は物価目標を柔軟化、金利目標を10年債から短期金利へ(YCCの否定)、ETF買入には苦言、と財務省の意向を反映しやすいIMFの報告書で、日銀がメッタ斬りに遭った印象です。一方で、消費税は2030年で15%、2050年で20%にしろ、などちゃっかり財務省の意向も組みこんでいます。これはIMFからの提言というより、国内から湧き上がる批判、という面が強いのです。経済対策に期待できない安倍政権、日銀の金融政策にもダメだしが相次ぐ中、株価だけが高い、というのが現状なのです。香港の『民主派勝利』という報道、そのうちメディアが『民主派』という言葉を使わなくなったら、それは中国への配慮と同時に、安倍政権が旧民主へのイメージ改善を嫌って言葉を変えさせた、とみなすこともできるのでしょう。しかしそんなイメージ云々、相手をコントロールする術ばかりに長けたところで、やってる感だけのまともな経済政策もない、格差はどんどん拡大する一方の日本に、香港のような激しい活動が起こる日も近いのかもしれませんね。
香港の区議会選挙、民主派の圧勝でした。高い投票率が政治を覆す、ということを証明した形です。自民党もそうですが、低投票率は政権与党の信任になり易く、逆に投票率が上がれば政府批判票という形になり易い。すべては投票率がカギですが、だから日本のメディアは選挙なのに盛り上がりを避け、まるで一般のニュースのような扱いとし、投票が終わった後で『選挙速報』などの特番を組んで、やった感だけだすのです。
これを市場は好感していますが、米中関係がさらに難しくなった。トランプ大統領も民意の反映を中国に求めざるを得ず、中国としてはそれを容認しづらい。むしろ香港に更なる圧力をかけ、民主化への動きを止めようとするでしょう。米中とも、国のトップは親中派の勝利を望んでいた。民意を無視するトップたちだけに、これは明らかに次の火種であり、むしろ米国では議会と大統領との溝を生じさせる要因になりかねません。
安倍政権が策定を急ぐ経済対策に、3兆円の財投活用という話がでてきました。財投は国が低利で貸し付け、民間に大型事業を促す仕組みですが、今どき金融機関からも低利で融資がうけられます。ムダな大型事業などをすれば、民間企業にとって負担になりかねない。今やまったく不要な仕組みですが、経済対策の規模をほこるときに出てきます。まさに今回、安倍政権はやった感をだすために、割り振るのでしょう。特に、訪日観光客をとりこむための空港周辺整備、というのが怪しさ満載です。現状より増えると本気で考えているのか? むしろ今は地方への観光が主流で、財投を成田や関空へ…としている時点で、五輪後に落ちこむ東京の建設需要を賄うため、維新を支援するため関空、という構図が透けてみえてしまうのです。
むしろ地方空港の整備で、アクセスをし易くするというなら、日本全体に波及させる意味でも有意義かもしれませんが、やはり安倍政権の経済対策には期待できない、という思いを強くします。財務省のヒアリングで40年債の発行を求める声が多い、というのも低金利環境下で、他に運用先がないから。IMFの対日報告書は辛辣で、日銀は物価目標を柔軟化、金利目標を10年債から短期金利へ(YCCの否定)、ETF買入には苦言、と財務省の意向を反映しやすいIMFの報告書で、日銀がメッタ斬りに遭った印象です。一方で、消費税は2030年で15%、2050年で20%にしろ、などちゃっかり財務省の意向も組みこんでいます。これはIMFからの提言というより、国内から湧き上がる批判、という面が強いのです。経済対策に期待できない安倍政権、日銀の金融政策にもダメだしが相次ぐ中、株価だけが高い、というのが現状なのです。香港の『民主派勝利』という報道、そのうちメディアが『民主派』という言葉を使わなくなったら、それは中国への配慮と同時に、安倍政権が旧民主へのイメージ改善を嫌って言葉を変えさせた、とみなすこともできるのでしょう。しかしそんなイメージ云々、相手をコントロールする術ばかりに長けたところで、やってる感だけのまともな経済政策もない、格差はどんどん拡大する一方の日本に、香港のような激しい活動が起こる日も近いのかもしれませんね。
2019年11月24日
教育に忍び寄る安倍政権の影
共同通信の世論調査で、安倍内閣の支持率が48.7%と5.4%減となりました。安倍首相の発言が信じられない、安倍氏が信じられない、が急増しているように、桜を見る会の問題はこれまでの森友・加計問題とはちがって、安倍氏の直接関与が明らかです。『忖度』が通用しない。ナゼなら安倍晋三事務所が積極的に関与しており、安倍氏もそれを認めてしまった。しかも教育機関ができれば、それは国民にとって利益にもなりますが、今回はただ安倍氏が税金を私利私欲のために流用し、自身の支持者を喜ばせたという話です。
しかし教育機関をつくっても、安倍政権下で国の圧力が大きくなっていることが、明らかとなっています。すでに東大に、英語民間試験を活用するよう文科省に『指導』という名の圧力をかけるよう、依頼していた自民党の下村選対委員長ですが、同じ会合で教育関係者に党改憲案を説明して、改憲に協力するよう依頼していたことが暴露されました。文科族議員として、教育機関に強い発言力があるだけに、これはただの依頼ではありません。政治的中立を求められる教育に、圧力をかけたことになる。これは党会合での発言で、党の立場としてだから問題ない、とする人もいますが、意味が分かりません。下村氏が文科族として、巨大な力をもつ、権限に関わるからこそ圧力になるのであって、擁護する人はむしろイヤガラセが怖くてそう語るのでしょう。東大への圧力もそうですが、下村氏の名前は教育界で絶対的な力をもつのです。
しかも安倍政権では、教員の残業の在り方を変えようとしています。教育機関への介入ばかりでなく、すでにサービス残業の坩堝とされる教員を、さらに苦しめることになりかねない。こんな改悪なことばかりしているから、安倍政権は支持を落とす一因ともなってきたのでしょう。桜を見る会で隠れていますが、英語民間試験をはじめ、試験制度の変更も問題だらけ、安倍政権の7年間でもっとも傷んだのは教育機関、ひいては学生ということになるのかもしれません。知らず知らずのうちに大学は成果主義に陥り、基礎研究分野が危機的状態だと言われるのもそうで、ノーベル賞で盛り上がっても将来は日本人受賞は望み薄とされます。
安倍政権の問題は、常に同根です。それは経産省利権は原発をはじめとして守りぬく一方、教育分野に介入して、自分たちの利権を拡大してやろう、そんな意思が透けてみえるのです。教員の残業の在り方を変えるのも、自分たちの利権を拡大する上で、教員をこきつかって経営者に丸儲けさせよう、との意思もうかがえる。教育分野でこれまで出てきた話は、安倍政権の邪悪さが如実に垣間見えてしまうのです。
与党への逆風が吹く中で、高知県知事選が行われて与党系の浜田氏が、共産党の松本氏を破って初当選しました。現職の尾崎前県知事が浜田氏を後継指名し、国民民主と立民は県連単位の協力にとどまる、共産アレルギーなど、野党がその追い風を受け止めきれなかった面もありますが、一つには県政の事情もあるのでしょう。高知県など、今四国はインバウンドが熱いと報じられます。東京や大阪、九州などはもう旅行してしまったアジア系の観光客が、ちょっとちがう体験として選ぶ機会が多いのです。経済的には徐々に改善する、という形であり、その意味で現職による後継指名が大きなプラス要因でもあったのでしょう。
中国では香港の議会選挙も行われています。香港といえど、正しい選挙が行われるのか? 非常に疑わしいところですが、その懸念は日本でもあるのでしょう。桜を見る会における名簿シュレッダーの件をみても、都合の悪い資料はシュレッダー廃棄、という浅ましい実態が浮かび上がります。受験では合格することを『桜咲く』などと言ったりもしますが、当選者にも花がつけられたりします。ただ安倍政権下で行われることで、そこで咲く花には醜悪な面が隠されている、ということになるのかもしれませんね。
しかし教育機関をつくっても、安倍政権下で国の圧力が大きくなっていることが、明らかとなっています。すでに東大に、英語民間試験を活用するよう文科省に『指導』という名の圧力をかけるよう、依頼していた自民党の下村選対委員長ですが、同じ会合で教育関係者に党改憲案を説明して、改憲に協力するよう依頼していたことが暴露されました。文科族議員として、教育機関に強い発言力があるだけに、これはただの依頼ではありません。政治的中立を求められる教育に、圧力をかけたことになる。これは党会合での発言で、党の立場としてだから問題ない、とする人もいますが、意味が分かりません。下村氏が文科族として、巨大な力をもつ、権限に関わるからこそ圧力になるのであって、擁護する人はむしろイヤガラセが怖くてそう語るのでしょう。東大への圧力もそうですが、下村氏の名前は教育界で絶対的な力をもつのです。
しかも安倍政権では、教員の残業の在り方を変えようとしています。教育機関への介入ばかりでなく、すでにサービス残業の坩堝とされる教員を、さらに苦しめることになりかねない。こんな改悪なことばかりしているから、安倍政権は支持を落とす一因ともなってきたのでしょう。桜を見る会で隠れていますが、英語民間試験をはじめ、試験制度の変更も問題だらけ、安倍政権の7年間でもっとも傷んだのは教育機関、ひいては学生ということになるのかもしれません。知らず知らずのうちに大学は成果主義に陥り、基礎研究分野が危機的状態だと言われるのもそうで、ノーベル賞で盛り上がっても将来は日本人受賞は望み薄とされます。
安倍政権の問題は、常に同根です。それは経産省利権は原発をはじめとして守りぬく一方、教育分野に介入して、自分たちの利権を拡大してやろう、そんな意思が透けてみえるのです。教員の残業の在り方を変えるのも、自分たちの利権を拡大する上で、教員をこきつかって経営者に丸儲けさせよう、との意思もうかがえる。教育分野でこれまで出てきた話は、安倍政権の邪悪さが如実に垣間見えてしまうのです。
与党への逆風が吹く中で、高知県知事選が行われて与党系の浜田氏が、共産党の松本氏を破って初当選しました。現職の尾崎前県知事が浜田氏を後継指名し、国民民主と立民は県連単位の協力にとどまる、共産アレルギーなど、野党がその追い風を受け止めきれなかった面もありますが、一つには県政の事情もあるのでしょう。高知県など、今四国はインバウンドが熱いと報じられます。東京や大阪、九州などはもう旅行してしまったアジア系の観光客が、ちょっとちがう体験として選ぶ機会が多いのです。経済的には徐々に改善する、という形であり、その意味で現職による後継指名が大きなプラス要因でもあったのでしょう。
中国では香港の議会選挙も行われています。香港といえど、正しい選挙が行われるのか? 非常に疑わしいところですが、その懸念は日本でもあるのでしょう。桜を見る会における名簿シュレッダーの件をみても、都合の悪い資料はシュレッダー廃棄、という浅ましい実態が浮かび上がります。受験では合格することを『桜咲く』などと言ったりもしますが、当選者にも花がつけられたりします。ただ安倍政権下で行われることで、そこで咲く花には醜悪な面が隠されている、ということになるのかもしれませんね。
2019年11月23日
市場と解散
米国ではトランプ大統領が「米中合意が近い可能性」、また香港人権保護法案の署名には躊躇っている、と語りました。友人である中国の習近平主席との関係も考えて、というのですが、この法案は共和党も賛成しており、もし拒否権を発動すると弾劾で共和党からの造反を誘発しかねません。そもそも、これまで何度も米側から「近い、近い」と語られますが、一体どれぐらい近づけば合意するのか? 近いと思っているのは米国だけで、中国は「交渉を楽観」とはしますが、近いとは言わない。互いの距離感がまったく違っているので、アテにはなりません。以前から指摘しているように、米側が条件を引き下げないと合意は難しく、中国は時間をかけるだけです。なので、米側がどれだけ近づくか、が年内合意の鍵なのです。
株式市場は未だに合意間近だろうけれど、それは織り込み済みなのでさらには買えない、という雰囲気です。9月初めからの上昇相場が、一旦調整するタイミングともいえ、ここから12月15日の追加関税発動までの1ヶ月は調整局面です。ただしそこで発動延期にならないと、年末ドレッシングさえ入り難くなるでしょう。
逆に、米中貿易協議でぐだぐだやっている間は大きな調整もありませんが、合意できないと大きな調整が待つ。極めて動きにくい1ヶ月と言えるでしょう。年末までは上昇の特異月とされますが、逆に年明けは調整の特異月です。ただその法則は、今年はつかえない。すべては米中貿易協議の行方次第で、年末の景色は大きく変わってしまうのであり、失敗したら奈落に墜ちるでしょうし、成功したら今より少しは上かもしれませんが、ただ成功したとて部分合意に留まるので、これはあくまで米中が関係改善を始めた、ということを好感するだけ。年末ドレッシングによる買いが入り易い、という程度にしかならないでしょう。
そうなると、安倍政権の解散戦略にも大きく影響します。さすがに『桜を見る会』旋風が吹き荒れるので、年内解散は難しい。年明け、忘れたころ解散が基本戦略でしょうが、米中貿易協議が部分合意をむすべたとしても、年明けは調整の特異月、株価的には見るべき点がなくなります。補正予算と経済対策を発表して、気分を盛り上げて解散、とでも考えているのでしょうが、臨時国会をこのまま閉じれば、年明け解散→総選挙→補正予算審議→本予算審議、となると年明けの日程が過密すぎて、財務省の協力も得られにくい。特に昨日も指摘したように、経産省主導で色々な政策を実施してきて失敗したのに、今井氏が補佐官に昇級しており、この経済政策も経産省サイドの意向が強くでてくるでしょう。ますます期待感の低いものとなり、それを市場も失望する可能性がでてきます。つまり財務省が協力しないので財源問題がクリアできず、赤字国債を発行してばんばんと公共工事、金融機関への融資拡大を促す策、などがでてきたところで、むしろ日本の財政への不安の方が大きくなってしまう可能性がかなり高いということなのです。
安倍政権が初めて迎える、逆風下での『桜を見る会』解散。安倍氏が今年の『桜を見る会』で読んだ2句、「平成を 名残惜しむか 八重桜」「新しき 御代(みよ)寿(ことほぎ)て 八重桜」をもじれば「権勢を 名残り惜しくて 安倍桜」「安倍らしく お代ごまかして ヤケ桜」になるのかもしれません。この桜疑惑はぱっと咲いて、ぱっと散るようなものではない。花の命は短いけれど、高くなり過ぎた鼻の柱は、低くなることもなくポキリと折れるものです。狂い始めた解散の風、時期外れの春一番、花散らしの風になるのかもしれませんね。
株式市場は未だに合意間近だろうけれど、それは織り込み済みなのでさらには買えない、という雰囲気です。9月初めからの上昇相場が、一旦調整するタイミングともいえ、ここから12月15日の追加関税発動までの1ヶ月は調整局面です。ただしそこで発動延期にならないと、年末ドレッシングさえ入り難くなるでしょう。
逆に、米中貿易協議でぐだぐだやっている間は大きな調整もありませんが、合意できないと大きな調整が待つ。極めて動きにくい1ヶ月と言えるでしょう。年末までは上昇の特異月とされますが、逆に年明けは調整の特異月です。ただその法則は、今年はつかえない。すべては米中貿易協議の行方次第で、年末の景色は大きく変わってしまうのであり、失敗したら奈落に墜ちるでしょうし、成功したら今より少しは上かもしれませんが、ただ成功したとて部分合意に留まるので、これはあくまで米中が関係改善を始めた、ということを好感するだけ。年末ドレッシングによる買いが入り易い、という程度にしかならないでしょう。
そうなると、安倍政権の解散戦略にも大きく影響します。さすがに『桜を見る会』旋風が吹き荒れるので、年内解散は難しい。年明け、忘れたころ解散が基本戦略でしょうが、米中貿易協議が部分合意をむすべたとしても、年明けは調整の特異月、株価的には見るべき点がなくなります。補正予算と経済対策を発表して、気分を盛り上げて解散、とでも考えているのでしょうが、臨時国会をこのまま閉じれば、年明け解散→総選挙→補正予算審議→本予算審議、となると年明けの日程が過密すぎて、財務省の協力も得られにくい。特に昨日も指摘したように、経産省主導で色々な政策を実施してきて失敗したのに、今井氏が補佐官に昇級しており、この経済政策も経産省サイドの意向が強くでてくるでしょう。ますます期待感の低いものとなり、それを市場も失望する可能性がでてきます。つまり財務省が協力しないので財源問題がクリアできず、赤字国債を発行してばんばんと公共工事、金融機関への融資拡大を促す策、などがでてきたところで、むしろ日本の財政への不安の方が大きくなってしまう可能性がかなり高いということなのです。
安倍政権が初めて迎える、逆風下での『桜を見る会』解散。安倍氏が今年の『桜を見る会』で読んだ2句、「平成を 名残惜しむか 八重桜」「新しき 御代(みよ)寿(ことほぎ)て 八重桜」をもじれば「権勢を 名残り惜しくて 安倍桜」「安倍らしく お代ごまかして ヤケ桜」になるのかもしれません。この桜疑惑はぱっと咲いて、ぱっと散るようなものではない。花の命は短いけれど、高くなり過ぎた鼻の柱は、低くなることもなくポキリと折れるものです。狂い始めた解散の風、時期外れの春一番、花散らしの風になるのかもしれませんね。
2019年11月22日
桜を見るより人を見ると…
韓国がGSOMIA失効を、直前で回避しました。安倍政権や与党からは「日本の態度は変わらない」と、判で押したように同じ文言がでてきますが、韓国がこれを発表する前、日本側から条件提示があったと韓国高官が語っているところからも、何らかの条件を日本側から提示したのでしょう。これまでも韓国は『キッカケ』を求めており、直前になるとメディアからも「キッカケを欲している」などと報じられた。日本から『キッカケ』を与えたものの、条件面の詰めはこれからで、しかも公表しないことが条件とみられます。
韓国では文議長案に近い、ともされており、徴用工問題では基金をつくって、民間がそこに出資する形になる。輸出管理の強化も、見直す方向で動くことになるのでしょう。GSOMIA破棄は韓国側がダメージ、などと報じるところも多かったですが、日米は必死で食い止めようとしたように、韓国が枠組みから外れるのは、日米にもダメージが大きいのです。昔から橋頭保、などという言葉があるように、アジア大陸のとっかかりは韓国が担わないといけない。なので米国は日本にも働きかけ、もしくは圧力をかけてでも、慰安婦のときと同じような基金をつくらせ、それを橋頭保に話し合いを始める、ということなのでしょう。
『桜を見る会』の前夜祭、後援会が開催して安倍晋三事務所は受付はしたものの入出金はない、としていますが、ここにきて安倍氏が会費を払っておらず、ゲスト扱いだと菅官房長官が明らかにしました。飲み食いしていないから…としますが、それは関係ありません。講演などを行っていたらその対価、とも考えられますが、安倍氏の出席を前提にその会が開かれていた場合、後援会という特定の団体に利益を与えたことになります。茶菓子代などを集めて、車座で政治家と有権者が意見交換をしたりはありますが、そういう集まりでもない。秘書が受付をして、自身がゲスト? そんな話は聞いたこともありません。
その『桜を見る会』で、立民の蓮舫氏が政府への問い合わせを行い、それが業者に流れていた疑いがでています。同じ日、『桜を見る会』の出席者名簿が黒塗りだらけ、という。安倍首相主催の会合に出席しておきながら、情報を明かせない怪しさです。これはすでに元暴力団、半グレなどの参加が明らかになったように、参加者の詳細が知れると、さらに悪材料となりかねないことを懸念したのでしょう。しかし蓮舫氏の情報が、相手方に駄々洩れだったように、政府の個人情報の管理ができているわけではなく、むしろ安倍晋三という個人を守るための情報、危機管理だけをしている、というのが政府の本音となるのでしょう。
しかし幼保無償化の財源不足が明らかとなり、制度設計の不備が指摘されます。消費税増税の理由として目玉だった幼保無償化がこれですから、他の政策も推して知るべしです。その原因として取り沙汰されるのが、首相秘書官から補佐官へと秋の改造で昇格した、今井氏だとする意見があります。安倍氏の懐刀、ともされますが、外交・内政なども経産省出身の今井氏が経産省ルートをつかってすすめようとして、すべて失敗している。それでも先にも記したように今秋に出世した。失敗の責任をとることなく、です。
東大アレルギーのはずの安倍氏が重用するのは、生粋の提灯もちなのか、それともよほどゴマカシが上手いのか。それとも安倍氏が盲目なのか? 言葉は悪いですが、どんなに無能でも、君主になれる唯一の条件は『人を見る目』があることです。漢を興した劉邦など、ダメ人間とされながらも人をよく用い、適材適所に配しました。しかし安倍氏は後継者と目された政治家が、次々と醜聞で消えていくし、一番の腹心が失敗まみれで何の成果もない、という残念さを浮き彫りにします。『桜を見る会』などで、名簿を黒塗りして見えなくしているように、『人を見る目』のない安倍氏が一番隠したい恥部は、周りに名前を伏せたくなるような人材、人々しか集まっていないことであり、だから滅茶苦茶なことしかできないのでしょうね。
韓国では文議長案に近い、ともされており、徴用工問題では基金をつくって、民間がそこに出資する形になる。輸出管理の強化も、見直す方向で動くことになるのでしょう。GSOMIA破棄は韓国側がダメージ、などと報じるところも多かったですが、日米は必死で食い止めようとしたように、韓国が枠組みから外れるのは、日米にもダメージが大きいのです。昔から橋頭保、などという言葉があるように、アジア大陸のとっかかりは韓国が担わないといけない。なので米国は日本にも働きかけ、もしくは圧力をかけてでも、慰安婦のときと同じような基金をつくらせ、それを橋頭保に話し合いを始める、ということなのでしょう。
『桜を見る会』の前夜祭、後援会が開催して安倍晋三事務所は受付はしたものの入出金はない、としていますが、ここにきて安倍氏が会費を払っておらず、ゲスト扱いだと菅官房長官が明らかにしました。飲み食いしていないから…としますが、それは関係ありません。講演などを行っていたらその対価、とも考えられますが、安倍氏の出席を前提にその会が開かれていた場合、後援会という特定の団体に利益を与えたことになります。茶菓子代などを集めて、車座で政治家と有権者が意見交換をしたりはありますが、そういう集まりでもない。秘書が受付をして、自身がゲスト? そんな話は聞いたこともありません。
その『桜を見る会』で、立民の蓮舫氏が政府への問い合わせを行い、それが業者に流れていた疑いがでています。同じ日、『桜を見る会』の出席者名簿が黒塗りだらけ、という。安倍首相主催の会合に出席しておきながら、情報を明かせない怪しさです。これはすでに元暴力団、半グレなどの参加が明らかになったように、参加者の詳細が知れると、さらに悪材料となりかねないことを懸念したのでしょう。しかし蓮舫氏の情報が、相手方に駄々洩れだったように、政府の個人情報の管理ができているわけではなく、むしろ安倍晋三という個人を守るための情報、危機管理だけをしている、というのが政府の本音となるのでしょう。
しかし幼保無償化の財源不足が明らかとなり、制度設計の不備が指摘されます。消費税増税の理由として目玉だった幼保無償化がこれですから、他の政策も推して知るべしです。その原因として取り沙汰されるのが、首相秘書官から補佐官へと秋の改造で昇格した、今井氏だとする意見があります。安倍氏の懐刀、ともされますが、外交・内政なども経産省出身の今井氏が経産省ルートをつかってすすめようとして、すべて失敗している。それでも先にも記したように今秋に出世した。失敗の責任をとることなく、です。
東大アレルギーのはずの安倍氏が重用するのは、生粋の提灯もちなのか、それともよほどゴマカシが上手いのか。それとも安倍氏が盲目なのか? 言葉は悪いですが、どんなに無能でも、君主になれる唯一の条件は『人を見る目』があることです。漢を興した劉邦など、ダメ人間とされながらも人をよく用い、適材適所に配しました。しかし安倍氏は後継者と目された政治家が、次々と醜聞で消えていくし、一番の腹心が失敗まみれで何の成果もない、という残念さを浮き彫りにします。『桜を見る会』などで、名簿を黒塗りして見えなくしているように、『人を見る目』のない安倍氏が一番隠したい恥部は、周りに名前を伏せたくなるような人材、人々しか集まっていないことであり、だから滅茶苦茶なことしかできないのでしょうね。
2019年11月21日
GPIFに関する醜聞
今日の市場は米中貿易協議の行方で、右往左往しました。部分合意は来年へ、とする米メディアの報道で急落し、中国の劉副首相が楽観を示して盛り返した。どちらも決裂は嫌だけど、妥協した合意は嫌、との事情が透けて見えます。結局、大風呂敷を広げ過ぎたもののディールが下手なトランプ氏と、いざとなれば時間を武器にする中国では、肝心なところで折り合えない。最終的に部分合意をむすぶ、との市場の期待はこうした事情を過小評価しすぎです。国益がかかるから外交交渉は厄介で、内容が重要なのです。
東洋経済オンラインで、特大のスクープが報じられています。NHKや一部のメディアも報じた『GPIF理事長が、女性部下と不適切な関係』という記事ですが、実はこれがGPIF理事による謀略で、理事長処分は不当というのです。詳しくは『衝撃事実!GPIF理事長「処分」は謀略だった』という東洋経済の記事を読んでもらって、概要は『女性は厚労省出向組であるA理事からセクハラをうけ、高橋理事長はその相談に乗っていた。しかもA理事はコンプライアンス担当で、内部で処分は難しいことから高橋氏は出向元の厚労省に交替を依頼するも、厚労省は放置。その間に怪文書が出回り、『A理事、B理事が辞めると理事長のやりたい放題になるので、理事長退任を。応じなければネタを週刊誌に垂れこむ』とし、その通りにネタが流れました。
このB理事をGPIFに推したのは世耕官房副長官(当時)。A理事とB理事の退任時期が迫り、すでに退任が決まっていたのに、政治力で押し返して留任させた。GPIFの経営委員会も、監査委も大した調査もなく理事量の罪を認めて処分を下した。日経新聞は社説で『GPIF理事量は襟を正せ』とまで論じた』 これが概要です。注目なのは、記事中でも指摘されるように、前川文科省次官(当時)を週刊誌にスクープさせた構図と似て、さらに怪文書という自民がよく使う手法もとり、その構図にはしっかりと自民、官僚、そしてメディアが連ねている点です。そして高橋氏はむしろ被害者に寄り添った善の側であり、悪が善を貶めた点まで前川氏の構図とそっくり。これが安倍政権下での日本、悪がはびこる時代、という形が鮮明です。
被害女性が弁護士を立てて告発したのに、GPIFの経営委などが無視する構図も、これまでの安倍政権下の対応と同じです。日本は真面目に、真摯に人々のことを考え、行動する人間が虐げられ、その地位をとり上げられ、処分をうける。安倍政権や自民と近い者だけが優遇をうけ、地位が守られ、そのため組織が壊れていく。大切な年金を運用するGPIFにのこったセクハラ、無能の理事。この構図は国民の不安を高めるでしょう。今、『桜を見る会』で起きているのも同じ構図です。安倍政権のもたらした『美しい国』とは、誰にとって美しく見えるのか? 薄汚い人間であればあるほど、この国は住みやすい、美しい国なのです。
こうした記事が、一メディアでしかとり上げられない。本来、大スクープのはずですが、NHKや日経をはじめ、すでに情報操作に加担したメディアは見向きもしないのでしょう。水清ければ魚棲まず、などとされますが、汚泥にしか暮らせないような者が、上澄みに巣食って蓋をしているような状況なので、多くの人々は水面がみえない。希望がもてない。その間にも、人々のために生きようとする者は、水底へと追いやられているのが現状です。民主党政権の時代よりマシ、などと言っていたら、いつの間にか歴史を通じてもこんな腐敗、不正な統治者の時代は、かつての日本になかった。それほどの酷い時代になってしまっているのでしょう。水は低くきにつく、などと諦めていたら、日本は汚泥の中で足をとられ、一歩も前に進めなくなってしまうでしょう。もうすでに経済政策ではそうなっていますが、日本全体が底なし沼にはまる前に、『安倍』という泥沼は何とかしないといけないのでしょうね。
東洋経済オンラインで、特大のスクープが報じられています。NHKや一部のメディアも報じた『GPIF理事長が、女性部下と不適切な関係』という記事ですが、実はこれがGPIF理事による謀略で、理事長処分は不当というのです。詳しくは『衝撃事実!GPIF理事長「処分」は謀略だった』という東洋経済の記事を読んでもらって、概要は『女性は厚労省出向組であるA理事からセクハラをうけ、高橋理事長はその相談に乗っていた。しかもA理事はコンプライアンス担当で、内部で処分は難しいことから高橋氏は出向元の厚労省に交替を依頼するも、厚労省は放置。その間に怪文書が出回り、『A理事、B理事が辞めると理事長のやりたい放題になるので、理事長退任を。応じなければネタを週刊誌に垂れこむ』とし、その通りにネタが流れました。
このB理事をGPIFに推したのは世耕官房副長官(当時)。A理事とB理事の退任時期が迫り、すでに退任が決まっていたのに、政治力で押し返して留任させた。GPIFの経営委員会も、監査委も大した調査もなく理事量の罪を認めて処分を下した。日経新聞は社説で『GPIF理事量は襟を正せ』とまで論じた』 これが概要です。注目なのは、記事中でも指摘されるように、前川文科省次官(当時)を週刊誌にスクープさせた構図と似て、さらに怪文書という自民がよく使う手法もとり、その構図にはしっかりと自民、官僚、そしてメディアが連ねている点です。そして高橋氏はむしろ被害者に寄り添った善の側であり、悪が善を貶めた点まで前川氏の構図とそっくり。これが安倍政権下での日本、悪がはびこる時代、という形が鮮明です。
被害女性が弁護士を立てて告発したのに、GPIFの経営委などが無視する構図も、これまでの安倍政権下の対応と同じです。日本は真面目に、真摯に人々のことを考え、行動する人間が虐げられ、その地位をとり上げられ、処分をうける。安倍政権や自民と近い者だけが優遇をうけ、地位が守られ、そのため組織が壊れていく。大切な年金を運用するGPIFにのこったセクハラ、無能の理事。この構図は国民の不安を高めるでしょう。今、『桜を見る会』で起きているのも同じ構図です。安倍政権のもたらした『美しい国』とは、誰にとって美しく見えるのか? 薄汚い人間であればあるほど、この国は住みやすい、美しい国なのです。
こうした記事が、一メディアでしかとり上げられない。本来、大スクープのはずですが、NHKや日経をはじめ、すでに情報操作に加担したメディアは見向きもしないのでしょう。水清ければ魚棲まず、などとされますが、汚泥にしか暮らせないような者が、上澄みに巣食って蓋をしているような状況なので、多くの人々は水面がみえない。希望がもてない。その間にも、人々のために生きようとする者は、水底へと追いやられているのが現状です。民主党政権の時代よりマシ、などと言っていたら、いつの間にか歴史を通じてもこんな腐敗、不正な統治者の時代は、かつての日本になかった。それほどの酷い時代になってしまっているのでしょう。水は低くきにつく、などと諦めていたら、日本は汚泥の中で足をとられ、一歩も前に進めなくなってしまうでしょう。もうすでに経済政策ではそうなっていますが、日本全体が底なし沼にはまる前に、『安倍』という泥沼は何とかしないといけないのでしょうね。
2019年11月20日
雑感。初心を忘れない?
衆院内閣委員会で、菅官房長官が安倍昭恵夫人の推薦枠について否定した直後、内閣審議官が肯定する、という醜態をみせました。その後の答弁をみても、ほぼすり合わせをして答弁は確定していたはずで、どうして菅氏が最初に否定したかはナゾです。ただいずれにしろ、後でぽろぽろと発言を修正する最悪の対応であり、安倍首相がついに自らの事務所に推薦について「自ら意見をいうことはあった」と認めました。「プロセスには一切関与していない」としますが、だとしても誰かが首相枠1000人を準備したことは間違いなく、もし「自ら意見をいう」のなら、その人数についても把握していないとおかしな話です。
つまり公金を用いた『桜を見る会』に、自分の支持者を1000人も呼ぶことを承知していたことになる。最長政権について感想を求められ「初心を忘れず…」としていましたが、決して『初心』が潔癖だったわけでないのは、これまでも数多の事例で明らかです。森友・加計問題もオトモダチへの利益誘導という問題でした。結局、この政権の醜聞は常に同根であり、発足当初から、常にオトモダチと自分の支持者を大事にしてきた。それが自民全体に波及し、『桜を見る会』で自民党と各省庁の推薦枠の数が一緒、というところまで私物化がすすんだ。ナゼなら、安倍氏本人がそういう類の政治家だからで、保守とされる人物を国際会議に呼んで各国首脳に面会をさせたり、閣僚にオトモダチが多かったり、そんな話が枚挙に暇ないのです。なので、まさに「初心を忘れず」にこれからも利益誘導しつづけます、との宣言なのでしょう。
金融庁の金融審議会が東証に、TOPIXに変わる新指数をつくるよう要請する方針です。私の周囲では日銀がTOPIX型のETFを買い過ぎたから、目先を変える必要が生じた。だから最近、日銀のETF買いの運用方針が変わった、などと囁かれています。これまではTOPIXが前場で0.5%下がれば、ほぼ確実に買い出動していたのに、動かなくなったためです。それは新たな指数などができれば、それに基づくETFもできるでしょうし、TOPIX型ETFをこれ以上増やすのは逆にリスクともなってきます。東証がすすめる市場改革とも絡み、日銀が動きにくくなっているのも事実で、それは企業業績に比べて市場が高いことも影響します。
最近、市場ではVIXショックが囁かれています。VIXは恐怖指数ともされるように、市場の変動が大きいときは動きが激しくなる指数ですが、VIXを売ると株を安心して買える、VIX売り、株買いという投資が拡大し過ぎていて、そのアンワインドが起きると昨年末のような急落を引き起こす可能性が高いのです。
その原因となりそうなのが、米議会が可決した香港人権法案です。全会一致で上下両院を通過したので、確実に発行される。これをうけて中国の反発が予想され、米中貿易協議は決裂の恐れが高まりました。むしろ米中両政府とも、これを口実に決裂させるのでは? そんな懸念でもあります。米中合意を相当程度に織りこんでしまった市場が、VIX売りから崩れると大きな下げになってくる。米株安は今や世界経済を支えている形の米消費を直撃し、深刻な事態を招きかねません。今週末がブラックフライデー、来週のサイバーマンデー、実店舗はすでに値引きサービスを開始していますが、どのタイミングでこの話が破裂するのか? それとも香港人権法案を乗り越え、米中貿易協議が結べるのか? それ次第では年末から来年にかけての経済は、大きく変わってくるのでしょう。むしろ来年は深刻な事態すらあり得ます。
そんなとき、日本はすでに金融政策に打つ手なし。今年度から早くも税収減で赤字国債の発行すら囁かれ、財政政策すら限られます。結局、安倍政権の「初心」が間違えていたから、ここからの苦境への対処を難しくしているのです。むしろ「初心」など忘れて、さっさと安倍ノミクスの旗を下ろして、新たな事態に対応する経済政策を構築しないといけないのですが、今さらムリでしょう。安倍氏が第二期の政権の座に就いたときは58歳。論語では『六十耳順』、60歳になったら人のいうことに耳を傾けるよう教えられますが、当初からそれができていなかった安倍氏は、歪んだ初心にしがみつくしかないのかもしれませんね。
つまり公金を用いた『桜を見る会』に、自分の支持者を1000人も呼ぶことを承知していたことになる。最長政権について感想を求められ「初心を忘れず…」としていましたが、決して『初心』が潔癖だったわけでないのは、これまでも数多の事例で明らかです。森友・加計問題もオトモダチへの利益誘導という問題でした。結局、この政権の醜聞は常に同根であり、発足当初から、常にオトモダチと自分の支持者を大事にしてきた。それが自民全体に波及し、『桜を見る会』で自民党と各省庁の推薦枠の数が一緒、というところまで私物化がすすんだ。ナゼなら、安倍氏本人がそういう類の政治家だからで、保守とされる人物を国際会議に呼んで各国首脳に面会をさせたり、閣僚にオトモダチが多かったり、そんな話が枚挙に暇ないのです。なので、まさに「初心を忘れず」にこれからも利益誘導しつづけます、との宣言なのでしょう。
金融庁の金融審議会が東証に、TOPIXに変わる新指数をつくるよう要請する方針です。私の周囲では日銀がTOPIX型のETFを買い過ぎたから、目先を変える必要が生じた。だから最近、日銀のETF買いの運用方針が変わった、などと囁かれています。これまではTOPIXが前場で0.5%下がれば、ほぼ確実に買い出動していたのに、動かなくなったためです。それは新たな指数などができれば、それに基づくETFもできるでしょうし、TOPIX型ETFをこれ以上増やすのは逆にリスクともなってきます。東証がすすめる市場改革とも絡み、日銀が動きにくくなっているのも事実で、それは企業業績に比べて市場が高いことも影響します。
最近、市場ではVIXショックが囁かれています。VIXは恐怖指数ともされるように、市場の変動が大きいときは動きが激しくなる指数ですが、VIXを売ると株を安心して買える、VIX売り、株買いという投資が拡大し過ぎていて、そのアンワインドが起きると昨年末のような急落を引き起こす可能性が高いのです。
その原因となりそうなのが、米議会が可決した香港人権法案です。全会一致で上下両院を通過したので、確実に発行される。これをうけて中国の反発が予想され、米中貿易協議は決裂の恐れが高まりました。むしろ米中両政府とも、これを口実に決裂させるのでは? そんな懸念でもあります。米中合意を相当程度に織りこんでしまった市場が、VIX売りから崩れると大きな下げになってくる。米株安は今や世界経済を支えている形の米消費を直撃し、深刻な事態を招きかねません。今週末がブラックフライデー、来週のサイバーマンデー、実店舗はすでに値引きサービスを開始していますが、どのタイミングでこの話が破裂するのか? それとも香港人権法案を乗り越え、米中貿易協議が結べるのか? それ次第では年末から来年にかけての経済は、大きく変わってくるのでしょう。むしろ来年は深刻な事態すらあり得ます。
そんなとき、日本はすでに金融政策に打つ手なし。今年度から早くも税収減で赤字国債の発行すら囁かれ、財政政策すら限られます。結局、安倍政権の「初心」が間違えていたから、ここからの苦境への対処を難しくしているのです。むしろ「初心」など忘れて、さっさと安倍ノミクスの旗を下ろして、新たな事態に対応する経済政策を構築しないといけないのですが、今さらムリでしょう。安倍氏が第二期の政権の座に就いたときは58歳。論語では『六十耳順』、60歳になったら人のいうことに耳を傾けるよう教えられますが、当初からそれができていなかった安倍氏は、歪んだ初心にしがみつくしかないのかもしれませんね。
2019年11月19日
安倍政権の在任日数と香港情勢
安倍首相の通算在任日数が2886日と、戦前の桂内閣と並び、明日には史上最長となります。ただ善政を布いているから長いわけではなく、悪政だから長い、という皮肉な結果です。野党をヤジり、国民が反対する法案を通し、剰え約束したことは守らない。菅官房長官が推薦枠の撤廃、などと言い出しましたが、撤廃したからそれでいい、というわけではないのです。過去の反省があって、間違っていたから撤廃するのでなければ、ほとぼりが冷めたころにまたくり返されるだけ。むしろ、また特定の支持者を優遇するためにここは一旦止める、と言っているようにしか聞こえない。これが戦後最長、通算『罪人』日数2886日の実態です。
悪政をとった方が政権は安定する、という事例を端的に示すのが香港情勢です。闘争の場面だけが報じられますが、大事なことは民主派の議員が議会選挙でも弾圧されていること。選挙という体裁はとっていても、民主主義を謳っても、中身は共産党独裁で、党の決定に反対する者はゆるさない、という姿勢です。
米紙に、中国高官が共産党の内部文書を匿名告発していますが、その内容はウィグル自治区の弾圧についてであり、人権意識がゼロということがよく分かります。つまり人権を抑圧し、自分たちに逆らう者を強制収容所、文面では再教育所に送ることが状態化し、それを習近平主席が自ら指示している、というのです。そこまでするから国民は沈黙せざるを得ない。天安門事件以後の民主化の人々への弾圧も同様に、そうやって人権を無視して抑圧をかけた方が、ある段階までは国情の安定に寄与するのです。ただし、それが貧富の差が拡大する香港では、怒りとなって暴動につながった。このままでは悪い未来しか想像できない、ということであり、悪政は悪い未来へ導くものだと認識されると国情は乱れてしまうのです。
しかし中国国内とて、米中貿易戦争の影響で経済はボロボロ、今は中国政府による景気対策と、協議がうまくいくとの期待で小康ですが、上向いて見える指標でも、まだ判断の分かれ目を越えているものはほとんどありません。つまりまだ悪化をつづけている、ということです。今は悪化のし方が緩慢になった、というぐらいのレベルで、このまま時間が経過すると倒産や事業停止などの影響で、景気悪化が深刻となります。そうなれば国内での貧富の差が拡大し、中国自身が国情を乱すことにもなってくるのでしょう。
日本でも中間層を壊し、貧富の差を拡大させてきましたが、まだ国情が荒れるほどには開いていない状況です。ただ、賄賂や癒着が常態化している中国と同じぐらい、政権の利益誘導や優遇が顕著にみえてきて、ネットはすでに荒れ始めています。かつては安倍政権を批判する、その政策を否定するだけで攻撃をうける、といったこともありましたが、今や一つ一つの事象に対して親安倍派が、反安倍派の勢いに負けるケースもめだつようになってきました。それは数的なものだけではなく、安倍政権のしていることが、まともな感性をもつ人間なら決して肯定できないようなことばかりしているから、という面も大きいのでしょう。在任日数を誇るのではなく、その間に何をしたか、どんな実績を残したか、が重要なのですが、めぼしいものが何もないばかりか、悪化したものばかりです。日本にとってそれは『災難』日数という意味でもあるのでしょうね。
悪政をとった方が政権は安定する、という事例を端的に示すのが香港情勢です。闘争の場面だけが報じられますが、大事なことは民主派の議員が議会選挙でも弾圧されていること。選挙という体裁はとっていても、民主主義を謳っても、中身は共産党独裁で、党の決定に反対する者はゆるさない、という姿勢です。
米紙に、中国高官が共産党の内部文書を匿名告発していますが、その内容はウィグル自治区の弾圧についてであり、人権意識がゼロということがよく分かります。つまり人権を抑圧し、自分たちに逆らう者を強制収容所、文面では再教育所に送ることが状態化し、それを習近平主席が自ら指示している、というのです。そこまでするから国民は沈黙せざるを得ない。天安門事件以後の民主化の人々への弾圧も同様に、そうやって人権を無視して抑圧をかけた方が、ある段階までは国情の安定に寄与するのです。ただし、それが貧富の差が拡大する香港では、怒りとなって暴動につながった。このままでは悪い未来しか想像できない、ということであり、悪政は悪い未来へ導くものだと認識されると国情は乱れてしまうのです。
しかし中国国内とて、米中貿易戦争の影響で経済はボロボロ、今は中国政府による景気対策と、協議がうまくいくとの期待で小康ですが、上向いて見える指標でも、まだ判断の分かれ目を越えているものはほとんどありません。つまりまだ悪化をつづけている、ということです。今は悪化のし方が緩慢になった、というぐらいのレベルで、このまま時間が経過すると倒産や事業停止などの影響で、景気悪化が深刻となります。そうなれば国内での貧富の差が拡大し、中国自身が国情を乱すことにもなってくるのでしょう。
日本でも中間層を壊し、貧富の差を拡大させてきましたが、まだ国情が荒れるほどには開いていない状況です。ただ、賄賂や癒着が常態化している中国と同じぐらい、政権の利益誘導や優遇が顕著にみえてきて、ネットはすでに荒れ始めています。かつては安倍政権を批判する、その政策を否定するだけで攻撃をうける、といったこともありましたが、今や一つ一つの事象に対して親安倍派が、反安倍派の勢いに負けるケースもめだつようになってきました。それは数的なものだけではなく、安倍政権のしていることが、まともな感性をもつ人間なら決して肯定できないようなことばかりしているから、という面も大きいのでしょう。在任日数を誇るのではなく、その間に何をしたか、どんな実績を残したか、が重要なのですが、めぼしいものが何もないばかりか、悪化したものばかりです。日本にとってそれは『災難』日数という意味でもあるのでしょうね。
2019年11月18日
雑感。女優の逮捕と経産省の試算
女優の沢尻エリカ氏がMDMAの使用で逮捕されました。この件で、『桜を見る会』の醜聞を隠すため政治がGOサインをだした、否だしていない、など意見が割れていますが、だしたとしても影響が限定的だったのは土曜日に逮捕された点です。金曜日にクラブで…ということなので、土曜日の朝になったのでしょうが、その結果ワイドショーは1日おいた、新鮮味のないニュースになった。平日だったらニュースジャックされるぐらいのネタでも、10年以上使用、他にも違法薬物を…など出るところが出てしまった後ですから、面白みがありません。もしGOをだしたとしても、こんなところにも運が落ちたことを感じさせるのでしょう。
そもそもクラブが違法薬物の交換場所になっているケースが目立ちますが、もし違法薬物が売買、交換されていた場合、そのクラブの所有者、従業員を逮捕するぐらいのことをしないと取り締まりもできません。そうした法律ができれば、自発的に排除するよう動かざるを得なくなります。押収量が急増、などと報じますが、そこには行政の怠慢もあるのです。今は薬物中毒者リストを警察がにぎって、容疑者を泳がせているような状況です。だから醜聞隠しの逮捕、などと疑われるのであって、このままでは薬物中毒者が、政権与党の醜聞があるときは注意しよう、などとして警戒する可能性すらあります。結局、クラブはそうした薬物中毒者を泳がせ、都合よいタイミングで逮捕できるようにするための罠、そんなときに容疑者リストに載っている沢尻氏がクラブに行ったから生贄になった、との印象すら抱きかねなくなるのでしょう。
政府小委員会に、経産省が福島原発で溜まるトリチウムなどの放射性物質をふくむ水を、1年間で全量を海洋や大気に放出した場合、年間被ばく線量よりずっと低い、とする試算をだしました。言葉は悪いですが、嘘つき安倍首相を補佐する嘘つき経産省、という印象はぬぐえません。そもそも国連科学委員会のモデルに基づき推計、といったところで環境は様々ですし、モデルケースに当てはまらない状況など山ほど考えられます。福島県の環境、植生、季節などを考慮して考えられたのか? これは単にモデルケースで計算したら影響は少ないです、という試算にすぎないのです。そんないい加減な報告は参考程度にしかなりません。
そもそも大気に放出する場合、日本の高い湿度ではすぐに地面に落下するでしょうし、海沿いなので、下手をすれば潮風が内陸に吹き付けることになりかねない。ふたたび汚染土を大量発生させかねない。いい加減な環境評価で、適当に事業をすすめてしまうのは橋、ダムなどを始め、辺野古基地建設でも同様の傾向といえます。むしろ安倍政権の十八番、という言い方もでき、今回もその例に漏れません。少なくとも、他人が嫌がることをするのであれば、嘘をつかずに真心をこめて、真摯にすべての情報を詳らかにするのが正しい行政の有り方ですが、安倍氏を始め、経産省にはそんな人の道すら分かっていないのでしょう。
人を罠にかけよう、貶めよう、などと考えているから、この政権には誰も信用がおけなくなる。あからさまな嘘が透けてみえたり、人を騙そう、ペテンにかけよう、などと微塵でも感じさせた時点で、それはもう政治の場にあるべきではない、とすら言えるのです。タレントがクラブに行くのも、支持者が桜を見る会に出席するのも、今や政権の掌の上で遊ばされているようなもので、チヤホヤされていると思っていたら、明日には追及される立場になる、というのも同じなのかもしれませんね。
そもそもクラブが違法薬物の交換場所になっているケースが目立ちますが、もし違法薬物が売買、交換されていた場合、そのクラブの所有者、従業員を逮捕するぐらいのことをしないと取り締まりもできません。そうした法律ができれば、自発的に排除するよう動かざるを得なくなります。押収量が急増、などと報じますが、そこには行政の怠慢もあるのです。今は薬物中毒者リストを警察がにぎって、容疑者を泳がせているような状況です。だから醜聞隠しの逮捕、などと疑われるのであって、このままでは薬物中毒者が、政権与党の醜聞があるときは注意しよう、などとして警戒する可能性すらあります。結局、クラブはそうした薬物中毒者を泳がせ、都合よいタイミングで逮捕できるようにするための罠、そんなときに容疑者リストに載っている沢尻氏がクラブに行ったから生贄になった、との印象すら抱きかねなくなるのでしょう。
政府小委員会に、経産省が福島原発で溜まるトリチウムなどの放射性物質をふくむ水を、1年間で全量を海洋や大気に放出した場合、年間被ばく線量よりずっと低い、とする試算をだしました。言葉は悪いですが、嘘つき安倍首相を補佐する嘘つき経産省、という印象はぬぐえません。そもそも国連科学委員会のモデルに基づき推計、といったところで環境は様々ですし、モデルケースに当てはまらない状況など山ほど考えられます。福島県の環境、植生、季節などを考慮して考えられたのか? これは単にモデルケースで計算したら影響は少ないです、という試算にすぎないのです。そんないい加減な報告は参考程度にしかなりません。
そもそも大気に放出する場合、日本の高い湿度ではすぐに地面に落下するでしょうし、海沿いなので、下手をすれば潮風が内陸に吹き付けることになりかねない。ふたたび汚染土を大量発生させかねない。いい加減な環境評価で、適当に事業をすすめてしまうのは橋、ダムなどを始め、辺野古基地建設でも同様の傾向といえます。むしろ安倍政権の十八番、という言い方もでき、今回もその例に漏れません。少なくとも、他人が嫌がることをするのであれば、嘘をつかずに真心をこめて、真摯にすべての情報を詳らかにするのが正しい行政の有り方ですが、安倍氏を始め、経産省にはそんな人の道すら分かっていないのでしょう。
人を罠にかけよう、貶めよう、などと考えているから、この政権には誰も信用がおけなくなる。あからさまな嘘が透けてみえたり、人を騙そう、ペテンにかけよう、などと微塵でも感じさせた時点で、それはもう政治の場にあるべきではない、とすら言えるのです。タレントがクラブに行くのも、支持者が桜を見る会に出席するのも、今や政権の掌の上で遊ばされているようなもので、チヤホヤされていると思っていたら、明日には追及される立場になる、というのも同じなのかもしれませんね。
2019年11月17日
日経新聞の『円安』害悪論
自民党の大岡衆院議員が、自身の後援会が開いた政治資金パーティーに呼んだ来賓に、無料で飲食を提供していた疑惑が報じられています。500人が1口1万円、70人が来賓というので、70人に1万円ずつの寄付であり、事実なら公選法に抵触します。安倍首相自身が猿でもできる「反省」ぐらいで済ませているのですから一議員など推して知るべし、大岡氏は魔の三期生、首相も首相なら…という言葉がぴったりです。
日経新聞がここに来て「円安=株高」はおかしい、円安は悪、とする論調を展開しています。もうとっくにそんなことは常識ですが、今さらそんなことを言いだしたのは、1つには害の方が目立ち始めてきたためでしょう。害とは即ち、円安になっても税収が増えない。日本経済全体からすれば、富が散逸するだけであり、株高によるメリットよりもその散逸の方が深刻で、経済の空洞化を引き起こす、とする懸念です。
円安になると、企業は見かけの海外売上が嵩増しされ、業績も上がります。しかし現地で稼いだお金を還流することが少なくなった。現地で納税すればそれ以上に税負担はかからない。現地の通貨では売上は増えていないので、納税額が増えることはありませんが、日本の場合は売上が増えることになり、税負担が減る。だから現地で処理して、そのままで済ませるのです。円安になる本国に置いておくのもリスク管理として劣っており、通貨が高くなる国にそのまま置いておくのが、企業としては正しい判断になるのです。
これまでは、そうはいっても国内の固定費が多く、その負担のためにも還流が一般的でした。しかし国内は不動産の上昇も、人件費の上昇も低く抑えられ、逆に海外の負担の方が重くなってきて、これも還流をしない要因となります。また合併や買収も、今や海外企業の方が圧倒的に多い。特にドル調達コストが高い今、わざわざ円に換えておくより、ドルのまま持っておくのがいい。今はありとあらゆる状況が、円に還流する必要性を否定する。経営者報酬でさえ、今やストックオプション付きの株券で代用ができ、企業にとっては現金を保有しなくてもよい。稼いだはずの富が、海外にとどまる傾向が強まっているのです。
企業が海外に資金をとどまらせれば、いずれ賃金も頭打ち。日本は購買力が下がり、国際競争力を落とすばかりで、日本は貧しくなる一方です。株価がすでにその国の経済を表すものでなくなってから久しいですが、こんな話を大ぴらにはできないから、婉曲的にでも日経がそれにふれざるを得なくなった。このままでは、日本は危険な水域に突入しかねない。円安歓迎の態度を見直すべき、ということです。
しかし日銀にとっては逆風です。金融緩和は通貨安をもたらし易く、日銀はそれもインフレ率の上昇に寄与する、との考えで追加緩和についても「躊躇なく」としてきたからです。しかし日経がこんな記事をだすように、財界もすでに日銀にNoを突き付けはじめた。財界も金融機関の苦境を黙っていられなくなった、という面があるとしても、円安に未来はない、という認識では一致するのでしょう。しかし一方で、海外でないと稼げない国内の運用主体は、どんどん円を売っている。溜まる円買いのマグマ、リスクが高まったときの強烈な円高も、深刻な水準になってきたのでしょう。警鐘を鳴らさなければいけないほどに、歪みが溜まってきた日本経済。円安を糧としてきた株価も崩れるようだと、本当にみるべき点のない経済になりかねません。むしろ、それが安倍ノミクスの実態であり、その化けの皮が剥がれるときと、政権への醜聞が重なっているのは決して偶然ではありません。議事録でもみられた経団連と安倍政権の溝、安倍政権と官僚だけがまだ気づいていない、そんな落とし穴はこの『溝』なのかもしれませんね。
日経新聞がここに来て「円安=株高」はおかしい、円安は悪、とする論調を展開しています。もうとっくにそんなことは常識ですが、今さらそんなことを言いだしたのは、1つには害の方が目立ち始めてきたためでしょう。害とは即ち、円安になっても税収が増えない。日本経済全体からすれば、富が散逸するだけであり、株高によるメリットよりもその散逸の方が深刻で、経済の空洞化を引き起こす、とする懸念です。
円安になると、企業は見かけの海外売上が嵩増しされ、業績も上がります。しかし現地で稼いだお金を還流することが少なくなった。現地で納税すればそれ以上に税負担はかからない。現地の通貨では売上は増えていないので、納税額が増えることはありませんが、日本の場合は売上が増えることになり、税負担が減る。だから現地で処理して、そのままで済ませるのです。円安になる本国に置いておくのもリスク管理として劣っており、通貨が高くなる国にそのまま置いておくのが、企業としては正しい判断になるのです。
これまでは、そうはいっても国内の固定費が多く、その負担のためにも還流が一般的でした。しかし国内は不動産の上昇も、人件費の上昇も低く抑えられ、逆に海外の負担の方が重くなってきて、これも還流をしない要因となります。また合併や買収も、今や海外企業の方が圧倒的に多い。特にドル調達コストが高い今、わざわざ円に換えておくより、ドルのまま持っておくのがいい。今はありとあらゆる状況が、円に還流する必要性を否定する。経営者報酬でさえ、今やストックオプション付きの株券で代用ができ、企業にとっては現金を保有しなくてもよい。稼いだはずの富が、海外にとどまる傾向が強まっているのです。
企業が海外に資金をとどまらせれば、いずれ賃金も頭打ち。日本は購買力が下がり、国際競争力を落とすばかりで、日本は貧しくなる一方です。株価がすでにその国の経済を表すものでなくなってから久しいですが、こんな話を大ぴらにはできないから、婉曲的にでも日経がそれにふれざるを得なくなった。このままでは、日本は危険な水域に突入しかねない。円安歓迎の態度を見直すべき、ということです。
しかし日銀にとっては逆風です。金融緩和は通貨安をもたらし易く、日銀はそれもインフレ率の上昇に寄与する、との考えで追加緩和についても「躊躇なく」としてきたからです。しかし日経がこんな記事をだすように、財界もすでに日銀にNoを突き付けはじめた。財界も金融機関の苦境を黙っていられなくなった、という面があるとしても、円安に未来はない、という認識では一致するのでしょう。しかし一方で、海外でないと稼げない国内の運用主体は、どんどん円を売っている。溜まる円買いのマグマ、リスクが高まったときの強烈な円高も、深刻な水準になってきたのでしょう。警鐘を鳴らさなければいけないほどに、歪みが溜まってきた日本経済。円安を糧としてきた株価も崩れるようだと、本当にみるべき点のない経済になりかねません。むしろ、それが安倍ノミクスの実態であり、その化けの皮が剥がれるときと、政権への醜聞が重なっているのは決して偶然ではありません。議事録でもみられた経団連と安倍政権の溝、安倍政権と官僚だけがまだ気づいていない、そんな落とし穴はこの『溝』なのかもしれませんね。
2019年11月16日
雑感。後半国会と解散
安倍政権は20年9月から、マイナンバーカードを保有する人に、キャッシュレス決済を通じて2万円をつかうと最大5000円のポイント付与、との経済対策(?)をする予定です。しかしその申請をすれば、政府がマイナンバーとキャッシュレス決済に紐づけして、個人を管理することが可能となりますし、キャッシュレス決済事業者も、カード所有者だと確認される。それを嫌がる人も多くいるとみられ、プレミアム付き商品券でさえ3割程度の利用率とされるように、不信感があって面倒くさい制度は利用がすすまないものです。
これははっきりマイナンバーカード普及策、と呼べばいいのであって、目的が違うのです。こんなものを経済対策と名乗り、予算を組むからおかしい。それに、マイナンバーカードが普及したところで国民にとって何の利益もありません。それで行政がスリム化し、税負担が減るというなら協力しますが、ただ国が国民を管理しやすくなるだけ、というデメリットしかないから誰もマイナンバーを支持しない。マイナンバーカードで手続き簡単、などと言っても滅多に行政サービスなんて利用しませんし、マイナンバーになったとて情報管理を厳しくすれば時間はかかるし、時間がかからなくなると管理の甘さが意識され、漏洩が怖い。行政が文書を勝手に廃棄したり、嘘をついたりする、今の状況では信用もなく、誰もマイナンバーによる管理を好ましく思わないのです。さらに小出にこんなバラマキをすれば、それで増える行政コストまで国民は負担しないといけない。マイナンバー普及の一里塚は、行政が信用をとりもどすことだと知るべきです。
臨時国会も後半戦、というより前半戦はほとんどみるべき点もなく、与党が内容がまったく分からない日米通商合意を、No審議で通したことぐらいがトピックです。後半も辞任閣僚と『桜を見る会』で紛糾が予想される。安倍氏の解散戦略も大きく揺らいでおり、むしろこの状況で解散できるか、がポイントです。
ただここに来て、二つの外交問題が大きく影響しそうです。すでに実施された国後、択捉への観光ツアーで、政府が旅行会社を通じて参加者に「北方領土と言わないで」と伝えていたことが暴露されました。安倍政権になり、「北方領土」とさえ口にできなくなった。これが明確な交渉の後退でなくて何なのか? 余計なトラブルを避けるため、といいますが、日本が交渉で後手を踏んでいるから発言すらできなくなったのです。そしてもう一つは、在日米軍の駐留経費負担の増額要求です。7月に金額は4倍以上を要求した、と米側メディアが報じています。もしこれが事実なら、日米通商合意を止めて、これを含めて交渉した方がよいぐらいのインパクトであり、それこそ日米同盟すら揺らぎかねない事態となった、といえるのでしょう。
北方領土は、安倍政権が前のめりですすめてきた外交交渉。在日米軍の駐留経費は、トランプ政権誕生以来、口にしてきたものです。つまり事前に、安倍政権がどれだけ準備してきたか、が問われるものであり、日露はすでに後退しているように失敗が見えている。日米は通商合意でさえ中身が明かされないように、駐留経費に関しては黙して語らない。成果でもないことを、殊更に喧伝してきた安倍政権が何も語らないのですから、それは敗北が確定ということでもあるのでしょう。来年、駐留経費については本格的な交渉に入りますが、その虚実が明らかになる前に、解散はしておきたいところでしょう。
時間が経てば経つほど悪化する情勢、早めに解散したいところでしょうが、それを妨げる『桜を見る会』疑惑。安倍氏はまだ解散を諦めていないとみられ、「反省」などと口にします。ただ猿でもできる反省をしただけで、信用ならない行政のトップの行動が正当化できるものでもないでしょう。政府がメディアを通じて、国民に「桜を見る会と言わない」よう誘導しだしたら、解散間近と思ってよいのでしょうね。
これははっきりマイナンバーカード普及策、と呼べばいいのであって、目的が違うのです。こんなものを経済対策と名乗り、予算を組むからおかしい。それに、マイナンバーカードが普及したところで国民にとって何の利益もありません。それで行政がスリム化し、税負担が減るというなら協力しますが、ただ国が国民を管理しやすくなるだけ、というデメリットしかないから誰もマイナンバーを支持しない。マイナンバーカードで手続き簡単、などと言っても滅多に行政サービスなんて利用しませんし、マイナンバーになったとて情報管理を厳しくすれば時間はかかるし、時間がかからなくなると管理の甘さが意識され、漏洩が怖い。行政が文書を勝手に廃棄したり、嘘をついたりする、今の状況では信用もなく、誰もマイナンバーによる管理を好ましく思わないのです。さらに小出にこんなバラマキをすれば、それで増える行政コストまで国民は負担しないといけない。マイナンバー普及の一里塚は、行政が信用をとりもどすことだと知るべきです。
臨時国会も後半戦、というより前半戦はほとんどみるべき点もなく、与党が内容がまったく分からない日米通商合意を、No審議で通したことぐらいがトピックです。後半も辞任閣僚と『桜を見る会』で紛糾が予想される。安倍氏の解散戦略も大きく揺らいでおり、むしろこの状況で解散できるか、がポイントです。
ただここに来て、二つの外交問題が大きく影響しそうです。すでに実施された国後、択捉への観光ツアーで、政府が旅行会社を通じて参加者に「北方領土と言わないで」と伝えていたことが暴露されました。安倍政権になり、「北方領土」とさえ口にできなくなった。これが明確な交渉の後退でなくて何なのか? 余計なトラブルを避けるため、といいますが、日本が交渉で後手を踏んでいるから発言すらできなくなったのです。そしてもう一つは、在日米軍の駐留経費負担の増額要求です。7月に金額は4倍以上を要求した、と米側メディアが報じています。もしこれが事実なら、日米通商合意を止めて、これを含めて交渉した方がよいぐらいのインパクトであり、それこそ日米同盟すら揺らぎかねない事態となった、といえるのでしょう。
北方領土は、安倍政権が前のめりですすめてきた外交交渉。在日米軍の駐留経費は、トランプ政権誕生以来、口にしてきたものです。つまり事前に、安倍政権がどれだけ準備してきたか、が問われるものであり、日露はすでに後退しているように失敗が見えている。日米は通商合意でさえ中身が明かされないように、駐留経費に関しては黙して語らない。成果でもないことを、殊更に喧伝してきた安倍政権が何も語らないのですから、それは敗北が確定ということでもあるのでしょう。来年、駐留経費については本格的な交渉に入りますが、その虚実が明らかになる前に、解散はしておきたいところでしょう。
時間が経てば経つほど悪化する情勢、早めに解散したいところでしょうが、それを妨げる『桜を見る会』疑惑。安倍氏はまだ解散を諦めていないとみられ、「反省」などと口にします。ただ猿でもできる反省をしただけで、信用ならない行政のトップの行動が正当化できるものでもないでしょう。政府がメディアを通じて、国民に「桜を見る会と言わない」よう誘導しだしたら、解散間近と思ってよいのでしょうね。
2019年11月15日
『桜を見る会』の安倍首相の説明?
森田千葉県知事が、文春砲に「私は至らない人間」としましたが、「私は(行政の場に)いたら(いけ)ない人間」でしょう。一般人の移動が困難なときに、単独行動をしてしまう行政トップ。それが自宅なのか、別荘なのか、とにかくプレイルームがあって、遊べる環境が山盛りのところに帰ってしまう。多くが自宅にも帰れず、まだ避難すら完了していない最中に、です。嘘をついたら、つき続けるというなら、まさに日本の行政トップとしては今、一般的といえるかもしれませんが、県民にとっては迷惑なだけです。
そんな日本の行政トップ、安倍首相は前夜祭で1人5000円となったことについて、「全て自己負担。ホテル側が設定」としました。宿泊しているから、としますが、そのホテルは通常1.1万円という設定ですが、ディスカウント可能というのですから、予約殺到でしょう。100人単位で宿泊すると、5000円でパーティー会場から食事までつくのですから。それこそ企業、組合、宗教団体、大学のサークル、どんな組織でもちょっと東京に旅行しよう、と100人を集めれば通常は1.1万円の豪華ホテルでパーティーができます。
しかも、参加者1人1人が旅費、宿泊費は旅行会社に支払っている、という。しかしパーティーだけは受付で安倍事務所の人間が集めて、ホテル名義の領収書を発行。集めた後でホテル側に渡した、という。宿泊と移動は、個人で旅行会社に払っているというのですから、なぜ別立てでパーティーのときだけ集めたか? 宿泊も同じホテルですし、サービスとしても一括でよいでしょう。しかも、もしツアーとするなら、旅行会社がパーティーも主催するはずで、移動と宿泊だけのツアーも確かに存在しますが、なぜ今度は安倍事務所がパーティーだけとりまとめたかがナゾです。安倍氏が参加するから、自分の後援会のパーティーだから、受付ぐらいは…とすると、今度は何で移動と宿泊を旅行会社に丸投げしたか、説明つきません。あべ晋三事務所がパーティーの参加者をつのり、日程までお知らせしているのに、実施主体がちがう、というある意味詐欺的な中身になるからです。
しかし安倍氏、及び自民はこの説明で通す、と戦略を固めたのでしょう。安倍氏が国会での説明責任に言及する一方、自民国対が拒否する、というのもこれまでにみられた光景です。要するに、安倍氏が善人、自民が悪人、と使い分けすることで安倍氏のイメージを守り、時間稼ぎをする。国民がこの話題に飽きたころに国会で説明し、あまり報じさせない。森友や加計問題でもとったやり口。言葉は悪いですが、何とかの一つ覚えでも、メディアを牛耳っている今は忘れさせることにも協力してくれるので、有効なのです。
この問題が深刻なのは、5年前に当時の小渕優子経産相が支持者への優遇ツアーで問題になり、閣僚を辞任していますが、それとまったく同じ構図である点です。つまり安倍氏は、自ら選んだ閣僚が辞任するのを目の当たりにしながら、同じことをしていた。むしろ公費をつかった『桜を見る会』というスケールアップした優遇を、有権者に与えていた点です。そして、もしバレても国会の追及さえ逃れてしまえば、共犯である自身の支持者は票を入れてくれる。小渕氏がそうだったように、むしろ後援会の結束を強くする点にあります。愚かなことに、一緒に悪いことをしていた、という意識はより強固に人を結びつけることが多くの心理学でも明らかです。つまり安倍氏は、国民の不審とは真逆に、政治家としての安泰は得た、といえるのです。恐らく後援会には、この方針で発言を統一するよう、箝口令が布かれているいるところでしょう。果たして、こんな国で本当にいいのか。行政と立法府には、今や「いたらいけない人間」ばかりとなっているのが実態としたら、この国の終わりは近いのかもしれません。本来は、国民にとって「至れり尽くせり」とならなければいけませんが、これだから国民の不満は高まるばかりで、「いたくない国」に成り下がっている、といえるのでしょうね。
そんな日本の行政トップ、安倍首相は前夜祭で1人5000円となったことについて、「全て自己負担。ホテル側が設定」としました。宿泊しているから、としますが、そのホテルは通常1.1万円という設定ですが、ディスカウント可能というのですから、予約殺到でしょう。100人単位で宿泊すると、5000円でパーティー会場から食事までつくのですから。それこそ企業、組合、宗教団体、大学のサークル、どんな組織でもちょっと東京に旅行しよう、と100人を集めれば通常は1.1万円の豪華ホテルでパーティーができます。
しかも、参加者1人1人が旅費、宿泊費は旅行会社に支払っている、という。しかしパーティーだけは受付で安倍事務所の人間が集めて、ホテル名義の領収書を発行。集めた後でホテル側に渡した、という。宿泊と移動は、個人で旅行会社に払っているというのですから、なぜ別立てでパーティーのときだけ集めたか? 宿泊も同じホテルですし、サービスとしても一括でよいでしょう。しかも、もしツアーとするなら、旅行会社がパーティーも主催するはずで、移動と宿泊だけのツアーも確かに存在しますが、なぜ今度は安倍事務所がパーティーだけとりまとめたかがナゾです。安倍氏が参加するから、自分の後援会のパーティーだから、受付ぐらいは…とすると、今度は何で移動と宿泊を旅行会社に丸投げしたか、説明つきません。あべ晋三事務所がパーティーの参加者をつのり、日程までお知らせしているのに、実施主体がちがう、というある意味詐欺的な中身になるからです。
しかし安倍氏、及び自民はこの説明で通す、と戦略を固めたのでしょう。安倍氏が国会での説明責任に言及する一方、自民国対が拒否する、というのもこれまでにみられた光景です。要するに、安倍氏が善人、自民が悪人、と使い分けすることで安倍氏のイメージを守り、時間稼ぎをする。国民がこの話題に飽きたころに国会で説明し、あまり報じさせない。森友や加計問題でもとったやり口。言葉は悪いですが、何とかの一つ覚えでも、メディアを牛耳っている今は忘れさせることにも協力してくれるので、有効なのです。
この問題が深刻なのは、5年前に当時の小渕優子経産相が支持者への優遇ツアーで問題になり、閣僚を辞任していますが、それとまったく同じ構図である点です。つまり安倍氏は、自ら選んだ閣僚が辞任するのを目の当たりにしながら、同じことをしていた。むしろ公費をつかった『桜を見る会』というスケールアップした優遇を、有権者に与えていた点です。そして、もしバレても国会の追及さえ逃れてしまえば、共犯である自身の支持者は票を入れてくれる。小渕氏がそうだったように、むしろ後援会の結束を強くする点にあります。愚かなことに、一緒に悪いことをしていた、という意識はより強固に人を結びつけることが多くの心理学でも明らかです。つまり安倍氏は、国民の不審とは真逆に、政治家としての安泰は得た、といえるのです。恐らく後援会には、この方針で発言を統一するよう、箝口令が布かれているいるところでしょう。果たして、こんな国で本当にいいのか。行政と立法府には、今や「いたらいけない人間」ばかりとなっているのが実態としたら、この国の終わりは近いのかもしれません。本来は、国民にとって「至れり尽くせり」とならなければいけませんが、これだから国民の不満は高まるばかりで、「いたくない国」に成り下がっている、といえるのでしょうね。
2019年11月14日
7-9月期GDP速報値
yahooとLINEに経営統合の話がでています。ただ、特にpayなどは明らかに独禁法に抵触しますし、それ以外でも寡占化の懸念がある。そもそも通信アプリがLINEでほぼ独占される現状は、行政の怠慢との誹りも受けかねないところです。仮に合意に至ったとしても、業態がそのままというわけにはいかないでしょうし、何よりGAFAの情報の扱い方などに規制をかけようとする今、総合サービス業という形で個人情報がどう扱われるか。ルール化が進む中で、この統合の成否はまた変わってくる、ということも言えます。国際競争力をつけるために寡占化やむなし、というのなら他の業態でも独禁法なんて不要、となるかもしれません。日韓が手を結ぶ形になる今回、果たして成否は政治的なものも絡んでくるに違いありません。
7-9月期国内総生産(GDP)速報値が発表され、実質で前期比0.1%増(年率0.2%増)、名目で前期比0.3%増(年率1.2%増)となりました。個人消費が0.4%増、住宅投資が1.4%増と、9月の駆け込みの影響が大きかったものの、4-6月期よりも伸びが小さかった。天候不順の影響などともしますが、消費を手控える面もみえる。駆け込みも前回より小さかったのか、小さくせざるを得なかったのか、では大きく違います。特に10月は反動減と、台風の影響もかかってくる。9月の15号は千葉県のみでしたが、19号は東日本で広範囲に影響がでており、個人や企業に影響しないはずがありません。むしろ高めに出すぎた反動が意識されるレベルといえます。
輸出は0.7%減ですが、今日発表になった中国の統計をみても、固定資産投資は1-10月で前年同期比5.2%増と1996年以降で最低、10月の工業生産は前年同月比4.7%増も伸びは鈍化、10月小売総額は前年同月比7.2%増も、こちらも伸びは鈍化。深刻なのは、9月まででさえ伸びてはいても中国経済は失速してきたのに、10月は9月までの伸びにも届かなかった点です。中国が景気対策を打っている中でこれでは、日本の中国向け輸出も期待できず、外需はGDPを押し下げつづける要因となってくる。さらに香港情勢悪化の影響により、中国経済への打撃も大きくなります。来年に向けて世界経済は回復、とのシナリオが崩れ始めているのです。
官邸で柿をほおばった安倍首相が、久しぶりに「ジューシー」発言です。何を食べても「ジューシー」としか言わない、そんな語彙力のなさを指摘されると、スピーチライターに依頼してコメントしていたのですが、ここにきて『桜を見る会』であべ晋三事務所が開催した前夜祭などで、明らかに割安な水準でパーティーが開かれており、利益供与を疑われ、公選法違反の疑いがでてきたことで、気もそぞろかもしれません。
柿は医者いらず、といわれるほど栄養価の高い果物ですが、権力の独禁法違反をつづけてきた安倍氏には、もはや根治は難しいのかもしれません。むしろ国費を『ジューシー』にしゃぶってきた、自分たちが甘い汁を吸うばかりで、本当の成長産業を育ててこなかったことで、世界経済悪化の影響を日本経済が深刻にうけている。しかも景気が悪いときに行った消費税増税、という悪手の影響がこれから日本経済を苦しめることになります。菅原前経産相、河井前法相、ここにきて第三の閣僚辞任候補なるものも、囁かれ始めています。安倍氏が成果としてきた経済でみえる明らかな変調、これから株安に向かうのであれば安倍政権は死屍累々、まさに『重屍(じゅうしー)』という状況になりかねず、日本経済まで道連れにするのは勘弁、となるのでしょうね。
7-9月期国内総生産(GDP)速報値が発表され、実質で前期比0.1%増(年率0.2%増)、名目で前期比0.3%増(年率1.2%増)となりました。個人消費が0.4%増、住宅投資が1.4%増と、9月の駆け込みの影響が大きかったものの、4-6月期よりも伸びが小さかった。天候不順の影響などともしますが、消費を手控える面もみえる。駆け込みも前回より小さかったのか、小さくせざるを得なかったのか、では大きく違います。特に10月は反動減と、台風の影響もかかってくる。9月の15号は千葉県のみでしたが、19号は東日本で広範囲に影響がでており、個人や企業に影響しないはずがありません。むしろ高めに出すぎた反動が意識されるレベルといえます。
輸出は0.7%減ですが、今日発表になった中国の統計をみても、固定資産投資は1-10月で前年同期比5.2%増と1996年以降で最低、10月の工業生産は前年同月比4.7%増も伸びは鈍化、10月小売総額は前年同月比7.2%増も、こちらも伸びは鈍化。深刻なのは、9月まででさえ伸びてはいても中国経済は失速してきたのに、10月は9月までの伸びにも届かなかった点です。中国が景気対策を打っている中でこれでは、日本の中国向け輸出も期待できず、外需はGDPを押し下げつづける要因となってくる。さらに香港情勢悪化の影響により、中国経済への打撃も大きくなります。来年に向けて世界経済は回復、とのシナリオが崩れ始めているのです。
官邸で柿をほおばった安倍首相が、久しぶりに「ジューシー」発言です。何を食べても「ジューシー」としか言わない、そんな語彙力のなさを指摘されると、スピーチライターに依頼してコメントしていたのですが、ここにきて『桜を見る会』であべ晋三事務所が開催した前夜祭などで、明らかに割安な水準でパーティーが開かれており、利益供与を疑われ、公選法違反の疑いがでてきたことで、気もそぞろかもしれません。
柿は医者いらず、といわれるほど栄養価の高い果物ですが、権力の独禁法違反をつづけてきた安倍氏には、もはや根治は難しいのかもしれません。むしろ国費を『ジューシー』にしゃぶってきた、自分たちが甘い汁を吸うばかりで、本当の成長産業を育ててこなかったことで、世界経済悪化の影響を日本経済が深刻にうけている。しかも景気が悪いときに行った消費税増税、という悪手の影響がこれから日本経済を苦しめることになります。菅原前経産相、河井前法相、ここにきて第三の閣僚辞任候補なるものも、囁かれ始めています。安倍氏が成果としてきた経済でみえる明らかな変調、これから株安に向かうのであれば安倍政権は死屍累々、まさに『重屍(じゅうしー)』という状況になりかねず、日本経済まで道連れにするのは勘弁、となるのでしょうね。
2019年11月13日
嘘をつく政治家と、イイワケと
トランプ米大統領の弾劾公聴会、公開で行われるために最初のヤマ場ともされます。民主党はここで疑惑を深めれば世論が高まり、共和党からも造反者がだせる。前回、弾劾開始の審議では共和党議員が一人も造反せず、結束の強さを示しました。ただしここにきて、ボルトン前大統領補佐官が「シリアからの米軍撤退は、トランプファミリーがトルコで行っている事業を円滑にすすめるため、トルコに特権を与えた」と新たな疑惑を語りだしました。トランプ氏がトルコへの制裁に消極的だったのも、頷ける話です。ボルトン氏は保守重鎮、保守層にもトランプ氏への疑念が広がる可能性があり、支持層の行方も気がかりです。
森田千葉県知事への文春砲、森田氏が「自宅」と語ったところは別荘であると証拠を並べてきました。説明に嘘が含まれていた、となるとダメージも大きく、しかもその別荘はプレイルームなどが備えられた遊び場、というのですから尚更です。つまり台風15号の被害が拡大する中、公務を途中で切り上げて遊んでいた、となる。それは「自宅」と言い張りたくもなり、かつそこには留まっていない、自分の車で視察、などとトンデモ発言もしたくなるのは、そういった事情もありそうです。嘘の代償は大きいのでしょう。
そして安倍政権、安倍首相自ら「桜を見る会への人選には携わっていない」としていた答弁が、虚偽であった可能性が一斉に報じられました。それは『あべ晋三事務所』が取りまとめておいて、秘書が勝手にやりました、は通用しない話です。しかも、人選に問題があるから来年度は開催を見送り、ということは問題があると認めたことになる。一体、その問題とは何か? ただ「私が決断して止めた」ではなく、開催しない理由を説明しないといけません。どんな問題があったか? なぜ来年は開催できないか? を説明しないと、すでに概算要求も終わったこの段階で、大きすぎる影響に対して無責任との批判も上がるでしょう。
この問題の根っこには、年金減額やら社会保障費の負担増が議論されるように、安倍政権は元々、経済成長をして財政健全化をめざす『上げ潮』路線で、歳出の拡大を正当化してきた側面があります。しかし既知のとおり成長は低位で、歳入の伸びは限定的、社会保障の伸びを補うにはほど遠い…どころか、国民は負担増を余儀なくされ、給付は減らされる一方です。そんな中で、自分の選挙区の有権者のために国費をつかっていた、優遇していた、とバレたのですから、来年度は開催できなくなったのです。公選法違反も指摘されますが、自分のお金ではなく、財政が厳しいはずの国費をつかっていたから、より深刻なレベルなのです。
むしろ安倍ノミクスが成功し、財政に余裕ができて国民負担のないままでいたら、いつものトンデモないイイワケで、スルーできたかもしれない。しかし安倍ノミクスは失敗し、社会保障の増大を賄えない。国民が傷みを感じるようになり、政治の無駄遣いが赦せなくなってきたのです。つまり安倍政権がこれまでついてきた嘘、その虚実が詳らかになってきて、国民が「(森友・加計問題を始めとして)まぁ悪いこともしているけど、自分たちに利益を与えてくれるから」と大目に見てきたものが、ここにきて通用しなくなった、ということなのです。自民の甘利税調会長が「経済対策6兆円超を」と訴えることも、もはや嘘くさく聞こえる。結局それは、自分たちと繋がりのある企業、団体に消えるのではないか? これだけ国費を無駄遣いしてきた政治家たちが、ここから襟を正せるのか? 誰もが疑念の目をむけることになったのでしょう。『桜を見る会』から始まった流れ、実は安倍政権と『サヨナラをする会』といった形になってきたのでしょうね。
森田千葉県知事への文春砲、森田氏が「自宅」と語ったところは別荘であると証拠を並べてきました。説明に嘘が含まれていた、となるとダメージも大きく、しかもその別荘はプレイルームなどが備えられた遊び場、というのですから尚更です。つまり台風15号の被害が拡大する中、公務を途中で切り上げて遊んでいた、となる。それは「自宅」と言い張りたくもなり、かつそこには留まっていない、自分の車で視察、などとトンデモ発言もしたくなるのは、そういった事情もありそうです。嘘の代償は大きいのでしょう。
そして安倍政権、安倍首相自ら「桜を見る会への人選には携わっていない」としていた答弁が、虚偽であった可能性が一斉に報じられました。それは『あべ晋三事務所』が取りまとめておいて、秘書が勝手にやりました、は通用しない話です。しかも、人選に問題があるから来年度は開催を見送り、ということは問題があると認めたことになる。一体、その問題とは何か? ただ「私が決断して止めた」ではなく、開催しない理由を説明しないといけません。どんな問題があったか? なぜ来年は開催できないか? を説明しないと、すでに概算要求も終わったこの段階で、大きすぎる影響に対して無責任との批判も上がるでしょう。
この問題の根っこには、年金減額やら社会保障費の負担増が議論されるように、安倍政権は元々、経済成長をして財政健全化をめざす『上げ潮』路線で、歳出の拡大を正当化してきた側面があります。しかし既知のとおり成長は低位で、歳入の伸びは限定的、社会保障の伸びを補うにはほど遠い…どころか、国民は負担増を余儀なくされ、給付は減らされる一方です。そんな中で、自分の選挙区の有権者のために国費をつかっていた、優遇していた、とバレたのですから、来年度は開催できなくなったのです。公選法違反も指摘されますが、自分のお金ではなく、財政が厳しいはずの国費をつかっていたから、より深刻なレベルなのです。
むしろ安倍ノミクスが成功し、財政に余裕ができて国民負担のないままでいたら、いつものトンデモないイイワケで、スルーできたかもしれない。しかし安倍ノミクスは失敗し、社会保障の増大を賄えない。国民が傷みを感じるようになり、政治の無駄遣いが赦せなくなってきたのです。つまり安倍政権がこれまでついてきた嘘、その虚実が詳らかになってきて、国民が「(森友・加計問題を始めとして)まぁ悪いこともしているけど、自分たちに利益を与えてくれるから」と大目に見てきたものが、ここにきて通用しなくなった、ということなのです。自民の甘利税調会長が「経済対策6兆円超を」と訴えることも、もはや嘘くさく聞こえる。結局それは、自分たちと繋がりのある企業、団体に消えるのではないか? これだけ国費を無駄遣いしてきた政治家たちが、ここから襟を正せるのか? 誰もが疑念の目をむけることになったのでしょう。『桜を見る会』から始まった流れ、実は安倍政権と『サヨナラをする会』といった形になってきたのでしょうね。
2019年11月12日
『桜を見る会』から見える怪
英国ではEU離脱党が、ジョンソン首相率いる保守党が勝利した317選挙区で、候補者擁立を見送る方針を表明しました。保守党が離脱方針でまとまったため、離脱党と票が競合することになる。離脱党としては苦渋の撤退なのでしょう。離脱党のファラージ党首が発表時、浮かべた表情がすべてを物語るのでしょう。
日本では『桜を見る会』への、安倍支持者の正体が問題視されています。二階幹事長など「政治家は支持者のために動いて当たり前」などと、とんでもないことを言いだしていますが、以前から人選が不明なことや、選考方法に疑義があると指摘されてきましたが、ここに来て問題が大きくなったのは、財政負担が拡大することと、貧富の差に国民が敏感になってきたことも影響するのでしょう。明らかに一部の人間への利益誘導であり、安倍首相を支持する人間に対して、税金で優遇される姿は嫌でも国民の目につきます。
しかも、政府はその招待客の名簿について、すでに廃棄したという。例えば遅効性の毒物を打たれ、後に影響がでても捜査できない、ということになります。これがこの国のセキュリティだとすれば、北朝鮮の脅威を訴える前にリスク管理がまったくできていない、と言えるでしょう。あくまで仮定の話として、狂犬病ウィルスは数年かけて発病するケースもあります。握手を求められ、チクッと刺されてもその場で気づかず、1年後に首相が狂犬病で亡くなる。なんて推理小説並みのことが、現実には可能です。以前から、『桜を見る会』の招待状がネットでやりとりされている、ともされるので、正直チェックすらザルなのです。
『桜を見る会』は、もはや『サクラを見る会』です。有名人と、自身の後援会の会員をマッチングして、握手させたり写真を撮らせたり。つまり政治家とコネをもちたい有名人、というサクラを準備する。支持者はそうした有名人とお近づきになれる、という会です。毎年、桜の満開時期ともズレますし、確か昨年などはもう葉桜だったはず。でも、多くの人間が集まるのは、花の桜ではなくサクラをみるためだから、ともいえるのです。前夜祭として安倍氏と会食、などというのもこれがイベント化している証左です。
サクラ、という言葉はパッと咲いてパッと散る。ただで見る、という意味と、場を盛り上げてすぐに去る、という意味が重なってそう呼ばれるものです。しかしそれを呼ぶ側が、パッと咲くどころか長期政権となり、特にその私物化が顕著な人物ですから、この会はすでに形骸となっているばかりでなく、有害となってしまっている。しかも、これはただのムダ遣いではない。国費の私物化という、明確な目的をもった使途であり、悪質であると断罪されるべきものです。山口県の安倍支持者や自民党の推薦枠などが、妬みの対象とされかねず、国民の怒りを買うことにもなりかねないのですから、もっと厳密であるべきなのです。
『桜』という漢字は『櫻』とも書き、貨幣を意味する『貝』の字が二つも並ぶ。後援会の人間には有名人という『サクラ』がみえ、出席者にはこれが『マクラ(営業)』にみえ、この問題を批判しないどころか、正当化するような人間は周りから『メクラ』に見え、自民党にはこれが『票の生る木』に見える。桜が『金の生る木』にみえている人たちにとって、何が見えているかはそれぞれ、ということでもあるのでしょうね。
日本では『桜を見る会』への、安倍支持者の正体が問題視されています。二階幹事長など「政治家は支持者のために動いて当たり前」などと、とんでもないことを言いだしていますが、以前から人選が不明なことや、選考方法に疑義があると指摘されてきましたが、ここに来て問題が大きくなったのは、財政負担が拡大することと、貧富の差に国民が敏感になってきたことも影響するのでしょう。明らかに一部の人間への利益誘導であり、安倍首相を支持する人間に対して、税金で優遇される姿は嫌でも国民の目につきます。
しかも、政府はその招待客の名簿について、すでに廃棄したという。例えば遅効性の毒物を打たれ、後に影響がでても捜査できない、ということになります。これがこの国のセキュリティだとすれば、北朝鮮の脅威を訴える前にリスク管理がまったくできていない、と言えるでしょう。あくまで仮定の話として、狂犬病ウィルスは数年かけて発病するケースもあります。握手を求められ、チクッと刺されてもその場で気づかず、1年後に首相が狂犬病で亡くなる。なんて推理小説並みのことが、現実には可能です。以前から、『桜を見る会』の招待状がネットでやりとりされている、ともされるので、正直チェックすらザルなのです。
『桜を見る会』は、もはや『サクラを見る会』です。有名人と、自身の後援会の会員をマッチングして、握手させたり写真を撮らせたり。つまり政治家とコネをもちたい有名人、というサクラを準備する。支持者はそうした有名人とお近づきになれる、という会です。毎年、桜の満開時期ともズレますし、確か昨年などはもう葉桜だったはず。でも、多くの人間が集まるのは、花の桜ではなくサクラをみるためだから、ともいえるのです。前夜祭として安倍氏と会食、などというのもこれがイベント化している証左です。
サクラ、という言葉はパッと咲いてパッと散る。ただで見る、という意味と、場を盛り上げてすぐに去る、という意味が重なってそう呼ばれるものです。しかしそれを呼ぶ側が、パッと咲くどころか長期政権となり、特にその私物化が顕著な人物ですから、この会はすでに形骸となっているばかりでなく、有害となってしまっている。しかも、これはただのムダ遣いではない。国費の私物化という、明確な目的をもった使途であり、悪質であると断罪されるべきものです。山口県の安倍支持者や自民党の推薦枠などが、妬みの対象とされかねず、国民の怒りを買うことにもなりかねないのですから、もっと厳密であるべきなのです。
『桜』という漢字は『櫻』とも書き、貨幣を意味する『貝』の字が二つも並ぶ。後援会の人間には有名人という『サクラ』がみえ、出席者にはこれが『マクラ(営業)』にみえ、この問題を批判しないどころか、正当化するような人間は周りから『メクラ』に見え、自民党にはこれが『票の生る木』に見える。桜が『金の生る木』にみえている人たちにとって、何が見えているかはそれぞれ、ということでもあるのでしょうね。
2019年11月11日
景気の弱気ムード
10月の全国企業倒産件数が前年同月比6.8%増となりました。小売業が5ヶ月連続で増、インターネット販売に押された、などとしますが、ここでは明らかに消費税増税と、それに伴うキャッシュレス決済の導入のコストを賄いきれず、継続を諦めた店舗の影響も大きいのでしょう。以前から指摘しているように、キャッシュレス決済の導入自体、店舗にとってはお客を逃がさないためで、増える見通しがあって行うことではありません。導入しなければ客数減がみえる。経営の厳しい店舗が廃業を決断するキッカケになり易いのです。
10月景気ウォッチャー調査は、かなり衝撃です。現状判断DIは36.7と前月比10.0ptの下落です。9月に駆け込みで跳ね上がった小売りが50.0から31.8に急落、飲食もサービスも落ちて、企業関連も前月比4.6pt減となり、雇用も前月比3.8pt減など、よいところがありません。唯一、住宅関連が前月比0.8ptの落ちこみで幅は小さいですが、住宅関連は低位安定という感じで、上下動が少なくなっていることが影響するのでしょう。
先行き判断DIは43.7と前月比6.8%の上昇。9月までは3ヶ月先の12月も悪い、とみていた小売り、飲食などが1月になったらよくなる、と急に考えたわけではなく、9月から始まった米中貿易協議の進展をうけた株高を、素直に織り込んだのが真相でしょう。家計も企業も改善を見せる中、唯一悪いのが雇用関連で前月比0.7pt減です。すでに雇用はピークアウトしていて、省人化投資の効果からも人余りの傾向にあるのでは? との指摘もあります。高齢者や女性などは、企業がバッファとして雇うパートや臨時雇用が多く、早い段階ではここにダメージがくるのかもしれません。毎月勤労統計でも、正社員は伸びたもののパートの伸びは小さかった。景気ウォッチャー調査とも整合的といえ、雇用関連は今後荒れるかもしれません。
現状判断も先行き判断も、6月に一旦回復の兆しをみせたものの、その後は下落する傾向がみられます。実は、その6月は株高だった月、つまり何となくムードに流されて景気が改善する、との思惑が広がっていたときでもあります。そして10月もほぼ同じ、何となく米中貿易協議が部分合意でもして、景気が回復するとの思惑が重なり、株は野放図に高くなってしまっています。今や、強気派の市場関係者でさえ「下落した方がいい」というほど、企業業績の悪化は米国よりひどい中で株高となっており、日本株が割高に見えてしまっています。ただそれがマインドを押し上げていることは、景気ウォッチャー調査からも顕著です。
安倍政権は、雇用と景気を安倍ノミクスの成果としてきた。しかしその2つとも、ここ最近は揺らいできました。「駆け込みの影響は軽微」と政府系の経済関係者などから、しつこく発表されますが、指標からはそこそこ悪いことが顕著で、決して軽微では収まっていない。いい加減、虚言でマインドを維持しようとする動きは、逆効果にもなってきたのでしょう。株高、という分かり易い形でさえ、実体を映さないだけに継続性は疑わしい。9月の機械受注の民需の落ち込みが前月比2.9%減と、3ヶ月連続のマイナスとなったのは、示唆的といえるのでしょう。ベア(弱気)ノミクスとなってきた日本経済、安倍政権のメッキが剥がれると、アベがベアに変わるのなら、時間が経つとそのメッキが剥がれるのは必然、ということになるのでしょうね。
10月景気ウォッチャー調査は、かなり衝撃です。現状判断DIは36.7と前月比10.0ptの下落です。9月に駆け込みで跳ね上がった小売りが50.0から31.8に急落、飲食もサービスも落ちて、企業関連も前月比4.6pt減となり、雇用も前月比3.8pt減など、よいところがありません。唯一、住宅関連が前月比0.8ptの落ちこみで幅は小さいですが、住宅関連は低位安定という感じで、上下動が少なくなっていることが影響するのでしょう。
先行き判断DIは43.7と前月比6.8%の上昇。9月までは3ヶ月先の12月も悪い、とみていた小売り、飲食などが1月になったらよくなる、と急に考えたわけではなく、9月から始まった米中貿易協議の進展をうけた株高を、素直に織り込んだのが真相でしょう。家計も企業も改善を見せる中、唯一悪いのが雇用関連で前月比0.7pt減です。すでに雇用はピークアウトしていて、省人化投資の効果からも人余りの傾向にあるのでは? との指摘もあります。高齢者や女性などは、企業がバッファとして雇うパートや臨時雇用が多く、早い段階ではここにダメージがくるのかもしれません。毎月勤労統計でも、正社員は伸びたもののパートの伸びは小さかった。景気ウォッチャー調査とも整合的といえ、雇用関連は今後荒れるかもしれません。
現状判断も先行き判断も、6月に一旦回復の兆しをみせたものの、その後は下落する傾向がみられます。実は、その6月は株高だった月、つまり何となくムードに流されて景気が改善する、との思惑が広がっていたときでもあります。そして10月もほぼ同じ、何となく米中貿易協議が部分合意でもして、景気が回復するとの思惑が重なり、株は野放図に高くなってしまっています。今や、強気派の市場関係者でさえ「下落した方がいい」というほど、企業業績の悪化は米国よりひどい中で株高となっており、日本株が割高に見えてしまっています。ただそれがマインドを押し上げていることは、景気ウォッチャー調査からも顕著です。
安倍政権は、雇用と景気を安倍ノミクスの成果としてきた。しかしその2つとも、ここ最近は揺らいできました。「駆け込みの影響は軽微」と政府系の経済関係者などから、しつこく発表されますが、指標からはそこそこ悪いことが顕著で、決して軽微では収まっていない。いい加減、虚言でマインドを維持しようとする動きは、逆効果にもなってきたのでしょう。株高、という分かり易い形でさえ、実体を映さないだけに継続性は疑わしい。9月の機械受注の民需の落ち込みが前月比2.9%減と、3ヶ月連続のマイナスとなったのは、示唆的といえるのでしょう。ベア(弱気)ノミクスとなってきた日本経済、安倍政権のメッキが剥がれると、アベがベアに変わるのなら、時間が経つとそのメッキが剥がれるのは必然、ということになるのでしょうね。
2019年11月10日
雑感。経済指標と景気
9月の毎月勤労統計で、実質の現金給与総額が0.6%増となりました。一般労働者の伸びが大きく、パートタイムの横這いを補った形ですが、業種別でみると鉱業・採石業、建設業の所定内給与の伸びが高いので、東京五輪に向けた最終局面なのか、台風15号など自然災害における対策、公共事業の増大をみこんだものとみなせます。また保険・金融、卸売・小売の所定外給与の伸びが高いので、この辺りは増税におけるシステムの更新や従業員への教育、といった影響がうかがえます。いずれにしろ特殊要因といった印象がぬぐえず、持続性には疑問符がつきます。これまで毎月勤労統計は実質賃金でマイナスが続いてきましたが、9月の特殊要因は、むしろ今後の賃金低下を促す要因になる、とさえ言えるのかもしれません。
中国は物価が3.8%上昇、明らかにアフリカ豚コレラによる食肉価格の上昇の影響ですが、そのため米中貿易協議で豚肉を大量購入したい、という事情が見え隠れします。経済が悪化する中、物価だけが上がる状況は危険に過ぎるからです。米中貿易協議が年内解決しなくても、中国は豚肉だけは買うことになりそうです。
日本も消費税増税から1ヶ月以上が経ちましたが、9月の指標には明らかに駆け込みの影響がみられます。駆け込みをした層は、恐らくキャッシュレスを用いない層でしょう。自動車や住宅などの大きい買い物以外では、キャッシュレス決済がつかえるのに、駆け込みをしたのですから。ただ10月以後の指標には注意が必要です。キャッシュレス決済と、現金決済では金額が異なる。どちらにどう合わせるかによっては、物価が高めにでたり、低めにでたりする。つまりその影響が極めて読みにくくなる、ということです。
それはキャッシュレス決済で、各企業が独自に行うポイント還元の影響もでてくる。ポイント還元があるから消費が拡大したのか、そうでないのか、出てくる指標だけでは読めないのです。ポイント還元は後日、ポイントを還付する形が多く、そうなると一時的な消費が拡大しても、次の月には減少することを意味する。10月以後の消費動向の読み方は、経済関係者の間では腕のみせどころ、逆に頓珍漢なことを言っていると、能力の低さを露呈するとも言われていて、多くが支持する説でさえ疑念をもった方がよいでしょう。
最近、雇用に関しても待機労働力、つまり就職をあきらめた層も数に含めないと、正しい失業率が示せない、とする意見がでてきています。安倍政権も同様ですが、雇用が改善したといっても、働いても生活しにくい層が就職をあきらめた場合、失業率だけは改善しますが、経済的には何らプラスでないことにもなる。安倍政権は就労人数が増えた、ともしますが、高齢者と女性の就労環境を正しく説明したことはありません。低賃金で働くケースもあるとみられ、経済的にプラスかどうかはそうした他の数字も見比べないといけないのです。安倍政権では、就職氷河期世代への就労働きかけ、が盛んですが、むしろそれで就職活動を始めたら、失業率が悪化するのかもしれません。本当の経済の実態、その実力をこれから図ることにもなるのでしょう。世界的に経済が斜陽の中、むしろ駆け込みより、労働力や資金などが逃げだす懸念が高まっている、ということなのでしょうね。
中国は物価が3.8%上昇、明らかにアフリカ豚コレラによる食肉価格の上昇の影響ですが、そのため米中貿易協議で豚肉を大量購入したい、という事情が見え隠れします。経済が悪化する中、物価だけが上がる状況は危険に過ぎるからです。米中貿易協議が年内解決しなくても、中国は豚肉だけは買うことになりそうです。
日本も消費税増税から1ヶ月以上が経ちましたが、9月の指標には明らかに駆け込みの影響がみられます。駆け込みをした層は、恐らくキャッシュレスを用いない層でしょう。自動車や住宅などの大きい買い物以外では、キャッシュレス決済がつかえるのに、駆け込みをしたのですから。ただ10月以後の指標には注意が必要です。キャッシュレス決済と、現金決済では金額が異なる。どちらにどう合わせるかによっては、物価が高めにでたり、低めにでたりする。つまりその影響が極めて読みにくくなる、ということです。
それはキャッシュレス決済で、各企業が独自に行うポイント還元の影響もでてくる。ポイント還元があるから消費が拡大したのか、そうでないのか、出てくる指標だけでは読めないのです。ポイント還元は後日、ポイントを還付する形が多く、そうなると一時的な消費が拡大しても、次の月には減少することを意味する。10月以後の消費動向の読み方は、経済関係者の間では腕のみせどころ、逆に頓珍漢なことを言っていると、能力の低さを露呈するとも言われていて、多くが支持する説でさえ疑念をもった方がよいでしょう。
最近、雇用に関しても待機労働力、つまり就職をあきらめた層も数に含めないと、正しい失業率が示せない、とする意見がでてきています。安倍政権も同様ですが、雇用が改善したといっても、働いても生活しにくい層が就職をあきらめた場合、失業率だけは改善しますが、経済的には何らプラスでないことにもなる。安倍政権は就労人数が増えた、ともしますが、高齢者と女性の就労環境を正しく説明したことはありません。低賃金で働くケースもあるとみられ、経済的にプラスかどうかはそうした他の数字も見比べないといけないのです。安倍政権では、就職氷河期世代への就労働きかけ、が盛んですが、むしろそれで就職活動を始めたら、失業率が悪化するのかもしれません。本当の経済の実態、その実力をこれから図ることにもなるのでしょう。世界的に経済が斜陽の中、むしろ駆け込みより、労働力や資金などが逃げだす懸念が高まっている、ということなのでしょうね。
2019年11月09日
米国ですすむ弾劾と、日本
結局、米中貿易協議は合意という段階でない、と米国が発表していますが、なぜ中国が「合意」などと言い出したか? それは市場の期待を高めるだけ高めておいて、もしこれで交渉が決裂したら米国にその責任が帰されることになる。米国が妥協しなかったから決裂した、といえるためと想像されます。トランプ米大統領は相変わらず「中国が合意したがっている」としますが、米中双方とも合意はしたがっているのであって、問題はどちらが「従っている」か? です。交渉の主なのか、従なのかの鬩ぎ合いをしているだけです。
そのトランプ氏、弾劾では徐々に包囲網を狭められている印象です。前駐ウクライナ大使が「根拠のない虚偽の主張」で解任された、とし、その理由がウクライナ疑惑の中心人物であるジュリアーニ元NY市長でトランプ氏の顧問弁護士が、金銭的野望が邪魔されると考えたのでは? とします。かつ駐EU大使からトランプ氏への支持を表明されるよう促された、とします。つまり自分はトランプ氏支持で、ウクライナ疑惑でも協力するよ、と言っていたらウクライナ大使の職を解任されることはなかったのでは、とするのです。
その駐EU大使は、「記憶がよみがえった」として「(ウクライナの)ゼレンスキー大統領がブリスマの捜査を約束しなければ軍事支援しない、と通告した」と証言しました。前回はそれを否定しているので、180度の転換です。しかし前駐ウクライナ大使に、トランプ支持を表明するよう促した点をみても、彼はトランプ支持だったのに、雲行きが怪しくなってきて寝返った。まさに日本でも「記憶がよみがえる」人はいます。それは『蘇る』のではなく、『読み替える』。つまり空気を読んで態度を変える、ということなのです。
現駐ウクライナ代理大使は、もっと具体的な証言をしていて、不正を確信したとまで述べています。弾劾に対して、トランプ氏の過剰な反応も目立つように、立場が悪くなると他人を攻撃する姿勢は、日本の安倍首相とも似ます。また野党議員に野次を言った、と抗議をうけていますが、こういう人物らは治らないのでしょう。あなたが悪いと言われたら、他人のせいにする、他人を攻撃する、という行動が染みついてしまっている。犯罪的行動が議会で問題視されるのも、日米ともに同じということでもあります。
日本では菅原前経産相や、河井前法相に関して公選法を疑われるような報道がでて、本人も閣僚を辞職しているにも関わらず、当局が捜査をはじめないばかりか、議会が追及することもできない。バカバカしいことに、議会が偏ると正義が廃れるのです。これが民主主義の限界ということでもあるのでしょう。日本では決められる政治が正しい、として圧倒的の強さの与党を是とする空気が未だにありますが、正義が廃れたところに正道は育ちません。『極道』という言葉は、本来『道を極める』であり、仏教では良い意味ですが、いつの間にか『極(悪)道』のように、ならず者を意味する言葉となりました。そのうち自民のことも『自(惚)民』もしくは『自(暴自棄)民』と、間に漢字を付け加えて意味も変えた方が、正しく伝わるようになるのかもしれませんね。
そのトランプ氏、弾劾では徐々に包囲網を狭められている印象です。前駐ウクライナ大使が「根拠のない虚偽の主張」で解任された、とし、その理由がウクライナ疑惑の中心人物であるジュリアーニ元NY市長でトランプ氏の顧問弁護士が、金銭的野望が邪魔されると考えたのでは? とします。かつ駐EU大使からトランプ氏への支持を表明されるよう促された、とします。つまり自分はトランプ氏支持で、ウクライナ疑惑でも協力するよ、と言っていたらウクライナ大使の職を解任されることはなかったのでは、とするのです。
その駐EU大使は、「記憶がよみがえった」として「(ウクライナの)ゼレンスキー大統領がブリスマの捜査を約束しなければ軍事支援しない、と通告した」と証言しました。前回はそれを否定しているので、180度の転換です。しかし前駐ウクライナ大使に、トランプ支持を表明するよう促した点をみても、彼はトランプ支持だったのに、雲行きが怪しくなってきて寝返った。まさに日本でも「記憶がよみがえる」人はいます。それは『蘇る』のではなく、『読み替える』。つまり空気を読んで態度を変える、ということなのです。
現駐ウクライナ代理大使は、もっと具体的な証言をしていて、不正を確信したとまで述べています。弾劾に対して、トランプ氏の過剰な反応も目立つように、立場が悪くなると他人を攻撃する姿勢は、日本の安倍首相とも似ます。また野党議員に野次を言った、と抗議をうけていますが、こういう人物らは治らないのでしょう。あなたが悪いと言われたら、他人のせいにする、他人を攻撃する、という行動が染みついてしまっている。犯罪的行動が議会で問題視されるのも、日米ともに同じということでもあります。
日本では菅原前経産相や、河井前法相に関して公選法を疑われるような報道がでて、本人も閣僚を辞職しているにも関わらず、当局が捜査をはじめないばかりか、議会が追及することもできない。バカバカしいことに、議会が偏ると正義が廃れるのです。これが民主主義の限界ということでもあるのでしょう。日本では決められる政治が正しい、として圧倒的の強さの与党を是とする空気が未だにありますが、正義が廃れたところに正道は育ちません。『極道』という言葉は、本来『道を極める』であり、仏教では良い意味ですが、いつの間にか『極(悪)道』のように、ならず者を意味する言葉となりました。そのうち自民のことも『自(惚)民』もしくは『自(暴自棄)民』と、間に漢字を付け加えて意味も変えた方が、正しく伝わるようになるのかもしれませんね。
2019年11月08日
安倍政権の経済に関する動き
昨日、中国商務省が米中貿易協議で「同じペース、同じ割合で発動済みの追加関税を、段階的に撤廃することで合意」と発表しました。しかし今日になり、米国のナバロ補佐官は合意していない、としました。トランプ米大統領が沈黙を貫いていることからも、米国も微妙なのでしょう。ただし、気になるのは「同じペース、同じ割合」という点。明らかに米国側がかけている関税率の方が高く、金額も大きいのに、同じ割合で撤廃していったら、明らかに中国の完全勝利の交渉です。しかも、中国は国内企業の優遇や市場解放について、ごく一部の見直ししか示していない、米国の要求は通っていないのですから、尚更です。
もし米国が、経済失速が怖くて安易な妥協をむすぶなら、大山鳴動してトランプ一匹が躍っただけ、となりそうです。ただ以前も指摘したように、これは米覇権主義と重なるので、もしトランプ氏がその旗を下ろすなら、国内は荒れるかもしれません。地方議会選や州知事選で、共和党は連敗つづき。明らかに米国の中間層はトランプ疲れを起こし、離れている。某世論調査で次期大統領選への投票はトランプ氏が56%、という報道に市場は安心しているようですが、米民主党の候補者が決まっていない状況ではトランプ氏が圧倒的有利です。実際の投票行動は、明らかに民主党に勢いがある。もしウォーレン候補やサンダース候補が民主党の予備選を勝ち上がってくると、さらに対中強硬、格差解消政策で経済的ダメージも大きく、注意も必要です。
日本では日米貿易協定の承認案を審議する外務委員会で、首脳会談の発言録の提出を政権側が拒否、野党が退席する中、与党は審議時間だけ稼ぎました。合意文書がないので、発言録ぐらいしか審議する材料がありませんが、それすら出さないのなら、そこに不都合な内容が含まれる可能性が高い。しかも野党が退席した後、空費させたのはとにかく米国と合意してしまっているから、何としてもこの承認案で通す、という強引さが見え隠れする。ますます日本経済にとって問題となる中身である、と疑えるものです。
全世代型社会保障では、検討会議を開いたものの、高齢者の負担増をふくむことで医師会や公明が反発。剰えその会議の議事録で、経団連会長の発言を議事録に載せていないなど、杜撰な中身であることが判明しています。政府の意向と反対する意見は載せない、という態度で、これではあらゆる会議でも議事録が信頼できなくなります。経団連は波風を立てなくないので「見解は反映されている」としますが、こうした情報がでてくる以上、経団連会長の腸は煮えくり返っていることが想像できます。そもそも上記は、高齢者の負担増、収入源という話ですが、今や最大の消費層である高齢者をそこまで痛めつけたら、内需が減退することも予想されます。景気減速が顕著な日本では、議論するだけでも消費が防衛的となり、ダメージが大きくなります。それに気づいた層が指摘しても、改竄してでも安倍政権はそれを認めません。
そんな中、補正予算の策定を安倍氏が指示、と伝わりますが、苦心の跡がみられるのは15ヶ月予算として一部を20年度の当初予算とする、という。つまりもう財源がなく、補正予算の規模を誇ることができないので、当初予算分を補正として規模を維持しよう、というのです。財政健全化した、と言い張るだけに赤字国債をだすわけにもいかず、欺瞞的なやり方をとらざるを得なくなった、ということでしょう。しかし大切なことは、その検討項目に何ら景気を底上げするような方針が入っていない、ということです。つまり今回は、経済対策ではなく軽い財政負担でやった気になるための、安倍氏の心持の問題、つまり軽財対策なのです。米中の心配をする前に、日本の景気悪化の方が深刻であり、それなのに本格的な経済対策を打つことができない現状を、もう一度踏まえて日本経済を考えた方がよいのでしょうね。
もし米国が、経済失速が怖くて安易な妥協をむすぶなら、大山鳴動してトランプ一匹が躍っただけ、となりそうです。ただ以前も指摘したように、これは米覇権主義と重なるので、もしトランプ氏がその旗を下ろすなら、国内は荒れるかもしれません。地方議会選や州知事選で、共和党は連敗つづき。明らかに米国の中間層はトランプ疲れを起こし、離れている。某世論調査で次期大統領選への投票はトランプ氏が56%、という報道に市場は安心しているようですが、米民主党の候補者が決まっていない状況ではトランプ氏が圧倒的有利です。実際の投票行動は、明らかに民主党に勢いがある。もしウォーレン候補やサンダース候補が民主党の予備選を勝ち上がってくると、さらに対中強硬、格差解消政策で経済的ダメージも大きく、注意も必要です。
日本では日米貿易協定の承認案を審議する外務委員会で、首脳会談の発言録の提出を政権側が拒否、野党が退席する中、与党は審議時間だけ稼ぎました。合意文書がないので、発言録ぐらいしか審議する材料がありませんが、それすら出さないのなら、そこに不都合な内容が含まれる可能性が高い。しかも野党が退席した後、空費させたのはとにかく米国と合意してしまっているから、何としてもこの承認案で通す、という強引さが見え隠れする。ますます日本経済にとって問題となる中身である、と疑えるものです。
全世代型社会保障では、検討会議を開いたものの、高齢者の負担増をふくむことで医師会や公明が反発。剰えその会議の議事録で、経団連会長の発言を議事録に載せていないなど、杜撰な中身であることが判明しています。政府の意向と反対する意見は載せない、という態度で、これではあらゆる会議でも議事録が信頼できなくなります。経団連は波風を立てなくないので「見解は反映されている」としますが、こうした情報がでてくる以上、経団連会長の腸は煮えくり返っていることが想像できます。そもそも上記は、高齢者の負担増、収入源という話ですが、今や最大の消費層である高齢者をそこまで痛めつけたら、内需が減退することも予想されます。景気減速が顕著な日本では、議論するだけでも消費が防衛的となり、ダメージが大きくなります。それに気づいた層が指摘しても、改竄してでも安倍政権はそれを認めません。
そんな中、補正予算の策定を安倍氏が指示、と伝わりますが、苦心の跡がみられるのは15ヶ月予算として一部を20年度の当初予算とする、という。つまりもう財源がなく、補正予算の規模を誇ることができないので、当初予算分を補正として規模を維持しよう、というのです。財政健全化した、と言い張るだけに赤字国債をだすわけにもいかず、欺瞞的なやり方をとらざるを得なくなった、ということでしょう。しかし大切なことは、その検討項目に何ら景気を底上げするような方針が入っていない、ということです。つまり今回は、経済対策ではなく軽い財政負担でやった気になるための、安倍氏の心持の問題、つまり軽財対策なのです。米中の心配をする前に、日本の景気悪化の方が深刻であり、それなのに本格的な経済対策を打つことができない現状を、もう一度踏まえて日本経済を考えた方がよいのでしょうね。
2019年11月07日
SBGと楽天の投資失敗
千葉県の森田知事がトンデモ説明を行いました。別荘ではなく自宅、というのはいいとしても、自分の車で被災地を視察していた、とします。道路が寸断したり、折れた枝や小石が転がり、いつタイヤがパンクしてもおかしくない、二次被災をおこすようなところを、県のトップが単独で行動していた、というのですから。言葉は悪いですが、一議員なら死んでも行方不明になろうと問題はなくとも、森田知事は行政のトップです。もし何かあったら、とんでもない労力をかけて探さねばならず、リスク管理もできていない行為です。
公用車も、コンビニまでではなく自宅まで送った、と千葉県側が修正してきました。私用車ではなく、公用車で視察すればまだ連絡が取り易いにも関わらず、です。そしてこれにより千葉県全体が疑惑のまなざしを向けられることになった。被災の翌日、トップが私的な行動をしてしまう対応の杜撰さ、それをむしろ喜ぶ千葉県職員。安倍政権でも同様ですが、トップがバカで仕事もできないけれど、口をださないでいてくれた方が都合いい。だから嘘をついてでもそんな無能なトップを守る、公的な資料でさえ誤りだった、と言い出す。それが現代日本の常識、国がしているから県も…となっているのが、今回の顛末のようです。確かに森田知事は自民議員、補助金を引っ張ってきやすい、そんなそろばんを弾いているのなら県民への裏切りでしょう。
昨日のSBGに続いて、楽天も赤字決算を発表しました。SBGは配車サービス・ウーバーやWeWorkへの投資が失敗。楽天も配車サービス・リフトへの投資が失敗。明らかにこうしたベンチャー投資に陰りが見えてきた、というのが実態です。そもそも配車サービスはタクシーとの競合です。逆にいえば、タクシーの売上以上の収益を確保するのは難しい。潜在需要を越えることになるからで、自動車の保有が減ったり、旅行などの需要拡大がない限り、いずれ頭打ちとなります。つまり高い価値をつけることが誤りなのです。
しかしタクシーから顧客を奪っている間は、成長産業です。WeWorkもシェアオフィスで注目されましたが、本来は不動産投資の業態です。小さなオフィスで十分、という企業はスタートアップか、そもそも小さいシェアの企業で、継続して収益をあげつづけるのは難しい。つまりシェアオフィスは安定しないのです。それが、これまでは経済が堅調だったから目立たなかった。米中貿易戦争の影響で業績悪化もめだつように、企業が高い賃料のところで継続して事務所を構え続けることが難しい。WeWorkの問題は、経済が斜陽になったとたんに収益環境が悪化する。景気に左右され易いということでもあるのです。
SBGの孫会長は「3勝1敗」としましたが、明らかにもっと成績は悪い。ベンチャー投資の難しいところは、低い価値のところを買って高値で売り抜けるのが醍醐味ですが、リスク投資に近い点です。成功もすれば失敗もする。そこが目利き、の重要な点ですが、孫氏の目利き力に疑問符がついた。いくら強気を保っても、ベンチャー投資をこのまま続けて大丈夫なのか? という疑問です。結局、景気がいいときに偶々成功した事例があっただけでは? とみなされると、今後の投資も集まりにくくなるのでしょう。
日経新聞に、投資会社のファンドマネージャーが「日本株はまだ割安。我々は買う」などとインタビュー記事を載せていましたが、大体こういう記事がでるときは、外国人投資家が売りたいタイミングです。ナゼなら自分が買うのに、わざわざ市場を高くする必要がないからで、要するに日本人に買わせ、売り抜けたいと述べているのです。MMFをみると、待機資金が多いから株の買い余力がある、などという人もいますが、市場が高すぎて、高値掴みをしたくないから待機資金が溜まっていくのであって、相場が健全な波動を拒否して上げてきたためであり、さらに上昇するならこの待機資金が増えることはあっても、減ることはないでしょう。今は、一昔前の相場の常識とは異なる、SBGや楽天の投資手法が、一昔前のものであるだけに不安が尽きない、ということにもなるのでしょうね。
公用車も、コンビニまでではなく自宅まで送った、と千葉県側が修正してきました。私用車ではなく、公用車で視察すればまだ連絡が取り易いにも関わらず、です。そしてこれにより千葉県全体が疑惑のまなざしを向けられることになった。被災の翌日、トップが私的な行動をしてしまう対応の杜撰さ、それをむしろ喜ぶ千葉県職員。安倍政権でも同様ですが、トップがバカで仕事もできないけれど、口をださないでいてくれた方が都合いい。だから嘘をついてでもそんな無能なトップを守る、公的な資料でさえ誤りだった、と言い出す。それが現代日本の常識、国がしているから県も…となっているのが、今回の顛末のようです。確かに森田知事は自民議員、補助金を引っ張ってきやすい、そんなそろばんを弾いているのなら県民への裏切りでしょう。
昨日のSBGに続いて、楽天も赤字決算を発表しました。SBGは配車サービス・ウーバーやWeWorkへの投資が失敗。楽天も配車サービス・リフトへの投資が失敗。明らかにこうしたベンチャー投資に陰りが見えてきた、というのが実態です。そもそも配車サービスはタクシーとの競合です。逆にいえば、タクシーの売上以上の収益を確保するのは難しい。潜在需要を越えることになるからで、自動車の保有が減ったり、旅行などの需要拡大がない限り、いずれ頭打ちとなります。つまり高い価値をつけることが誤りなのです。
しかしタクシーから顧客を奪っている間は、成長産業です。WeWorkもシェアオフィスで注目されましたが、本来は不動産投資の業態です。小さなオフィスで十分、という企業はスタートアップか、そもそも小さいシェアの企業で、継続して収益をあげつづけるのは難しい。つまりシェアオフィスは安定しないのです。それが、これまでは経済が堅調だったから目立たなかった。米中貿易戦争の影響で業績悪化もめだつように、企業が高い賃料のところで継続して事務所を構え続けることが難しい。WeWorkの問題は、経済が斜陽になったとたんに収益環境が悪化する。景気に左右され易いということでもあるのです。
SBGの孫会長は「3勝1敗」としましたが、明らかにもっと成績は悪い。ベンチャー投資の難しいところは、低い価値のところを買って高値で売り抜けるのが醍醐味ですが、リスク投資に近い点です。成功もすれば失敗もする。そこが目利き、の重要な点ですが、孫氏の目利き力に疑問符がついた。いくら強気を保っても、ベンチャー投資をこのまま続けて大丈夫なのか? という疑問です。結局、景気がいいときに偶々成功した事例があっただけでは? とみなされると、今後の投資も集まりにくくなるのでしょう。
日経新聞に、投資会社のファンドマネージャーが「日本株はまだ割安。我々は買う」などとインタビュー記事を載せていましたが、大体こういう記事がでるときは、外国人投資家が売りたいタイミングです。ナゼなら自分が買うのに、わざわざ市場を高くする必要がないからで、要するに日本人に買わせ、売り抜けたいと述べているのです。MMFをみると、待機資金が多いから株の買い余力がある、などという人もいますが、市場が高すぎて、高値掴みをしたくないから待機資金が溜まっていくのであって、相場が健全な波動を拒否して上げてきたためであり、さらに上昇するならこの待機資金が増えることはあっても、減ることはないでしょう。今は、一昔前の相場の常識とは異なる、SBGや楽天の投資手法が、一昔前のものであるだけに不安が尽きない、ということにもなるのでしょうね。
2019年11月06日
国会の集中審議
また文春砲が炸裂しそうなのが、千葉の森田知事です。台風15号が千葉に大きな影響を与えたその日、千葉の別荘に行っていた、というのです。しかも公には視察をしていた、と説明していたので二重の打撃です。9日未明の大災害で、10日に設置された災害対策本部を午後3時に抜け出して別荘にいた、という報道がもし正しければ、すぐにでも辞職ものでしょう。ただでなくとも対応の遅れを指摘されていた上、余暇を楽しんでいたとなるからです。石原前都知事同様、ろくに登庁もせずに高い給料だけもらう知事なんて必要ありません。
国会では予算委で集中審議が行われました。その中で自民党の坂本議員が、菅原前経産相と河井前法相について「見識、人物ともに信頼できる方で適任だった」としました。なるほど、自民党では公選法を疑われるような人物が、「信頼できる」ようです。さらに菅原氏のことを「審議を遅らせてはいけないという強い責任感から辞任」としましたが、こんな集中審議をしている、審議を遅らせた安倍首相は辞任していないので、どうやら安倍氏には強い責任感がないようです。安倍氏は「行政を遅滞させてはいけない」としますが、就任から二ヶ月ともたずに辞任するような閣僚を任命するのが、もっとも行政を遅滞させる原因です。
河井氏に関しても「法相として適材適所」としましたが、公選法を疑われる秘書を雇っておいて法相にふさわしいのか? 少なくとも秘書が独自の判断でそんなことはしないので、連座制でなくとも河井氏の関与が疑われます。この二人を擁護する坂本氏の言葉が真実だとすれば、自民党の人材不足は深刻なレベルなのでしょう。そしてそれを否定しなかった安倍政権も、人材不足で正しい評価が下せない、とみなすことも可能です。
萩生田文科相が私的諮問機関の議事録公開に前向き、とも報じられますが、「公開すると闊達な議論ができない」「出席者1人1人に確認をとって」と述べている。また確約しなかったことからも、公開はしないと見ています。どう考えても利益誘導の方法を話し合ったとみられ、今は逆風が吹き荒れるから、余計な発言をせずに時間稼ぎをし、ほとぼりが冷めるのを待つ、ということでしょう。恐らく時間が経った後で、出席者から賛意が得られずに公開できない、その出席者も個人情報なので明かせない、と言い出すはずです。
むしろ議論の過程が何も公開もされずに立法されるシステムがあること自体が異常であり、私的だろうと行政の枠組みをつかうのなら、すべて公開されるのがスジです。本当に安倍氏が、私費のみで開催するのなら公開する必要はありません。公的な関わりのある会議に出席しておいて、公開での議論もできない、公開を拒否するような出席者の存在の方が、そもそもの疑惑なのです。特にこれは教育という、特に外交や軍事といった秘匿性が必要な議論ではありません。「前向き」ぐらいでやった気になられても困ります。
19世紀のスイスの政治家、ヒルティの言葉に「怠惰、逸楽、浪費、無節操、吝嗇などの習慣を養えるように、勤勉、倹約、節制、誠実、寛容などを養える。そしてどんな人間的美徳も、習慣となってしまわぬ限り、確かに身についたものとはならぬ」があります。上記の人々は、少なくとも人間的美徳を習慣としていないのであり、そんな人物を国民は「見識、人物ともに信頼できない」ことだけは間違いないのでしょうね。
国会では予算委で集中審議が行われました。その中で自民党の坂本議員が、菅原前経産相と河井前法相について「見識、人物ともに信頼できる方で適任だった」としました。なるほど、自民党では公選法を疑われるような人物が、「信頼できる」ようです。さらに菅原氏のことを「審議を遅らせてはいけないという強い責任感から辞任」としましたが、こんな集中審議をしている、審議を遅らせた安倍首相は辞任していないので、どうやら安倍氏には強い責任感がないようです。安倍氏は「行政を遅滞させてはいけない」としますが、就任から二ヶ月ともたずに辞任するような閣僚を任命するのが、もっとも行政を遅滞させる原因です。
河井氏に関しても「法相として適材適所」としましたが、公選法を疑われる秘書を雇っておいて法相にふさわしいのか? 少なくとも秘書が独自の判断でそんなことはしないので、連座制でなくとも河井氏の関与が疑われます。この二人を擁護する坂本氏の言葉が真実だとすれば、自民党の人材不足は深刻なレベルなのでしょう。そしてそれを否定しなかった安倍政権も、人材不足で正しい評価が下せない、とみなすことも可能です。
萩生田文科相が私的諮問機関の議事録公開に前向き、とも報じられますが、「公開すると闊達な議論ができない」「出席者1人1人に確認をとって」と述べている。また確約しなかったことからも、公開はしないと見ています。どう考えても利益誘導の方法を話し合ったとみられ、今は逆風が吹き荒れるから、余計な発言をせずに時間稼ぎをし、ほとぼりが冷めるのを待つ、ということでしょう。恐らく時間が経った後で、出席者から賛意が得られずに公開できない、その出席者も個人情報なので明かせない、と言い出すはずです。
むしろ議論の過程が何も公開もされずに立法されるシステムがあること自体が異常であり、私的だろうと行政の枠組みをつかうのなら、すべて公開されるのがスジです。本当に安倍氏が、私費のみで開催するのなら公開する必要はありません。公的な関わりのある会議に出席しておいて、公開での議論もできない、公開を拒否するような出席者の存在の方が、そもそもの疑惑なのです。特にこれは教育という、特に外交や軍事といった秘匿性が必要な議論ではありません。「前向き」ぐらいでやった気になられても困ります。
19世紀のスイスの政治家、ヒルティの言葉に「怠惰、逸楽、浪費、無節操、吝嗇などの習慣を養えるように、勤勉、倹約、節制、誠実、寛容などを養える。そしてどんな人間的美徳も、習慣となってしまわぬ限り、確かに身についたものとはならぬ」があります。上記の人々は、少なくとも人間的美徳を習慣としていないのであり、そんな人物を国民は「見識、人物ともに信頼できない」ことだけは間違いないのでしょうね。
2019年11月05日
日経平均が23000円回復
産経がRCEP合意の障害となったインドに苦言を呈す記事を載せています。中国も前のめりなRCEPですから、産経としては合意できなかったことを喜ぶかと思いきや、安倍首相が「牽引」などとした上で合意できなかった、という事情が大きそうです。世界的に数少ないオトモダチのリーダー、モディ首相でさえ「牽引」できない。もう一人のオトモダチ、トランプ米大統領もパリ協定離脱を発表するなど、安倍氏はオトモダチに恵まれないのか、それとも類が友を呼ぶのか。いずれにしろ懸案を巻き起こすオトモダチばかりのようです。
日経平均が23000円を越えてきました。米中貿易協議は、相変わらず米国側から楽観見通しの報道が相次ぎ、このネタで年内はメシを食える、と見た欧米の投資家が買っている印象です。しかしどうみても中国は餌をぶら下げ、米国の期待を盛り上げておいてぎりぎりでゴネる戦略ですから、どう決着するかは不透明です。一番は、トランプ政権が強硬姿勢を改めないと部分合意もできそうにありませんが、それでは米覇権主義でトランプ政権を支持していた人間が離れます。大統領選にむけて景気をよくするため、トランプ氏は妥協する、との見方が経済界では強いですが、トランプ氏はその損得勘定に今は忙しいので、こちらも不透明です。
ただ、問題はすでに米製造業は景気後退の兆しをみせています。10月のISM製造業指数などが予想にとどかず、50%割れのまま。今の米国は非製造業が強くて堅調ですが、製造業の方は米中貿易協議が解決して持ち直す、今が底で今後はよくなる、という期待だけで相場が押し上げられている印象です。しかし米国が多少、妥協したところで制裁関税がすべて解消されるわけではなく、そうなると中国の減速は止まらないでしょう。同じことは米製造業にもいえます。米中貿易協議も完全決裂はなさそう、Brexitも合意なき離脱にならなそう、と最悪は回避できそうですが、景気が良好だった2018年前半のような状況にもどるわけではなく、むしろ悪い状態がつづくという中で、市場だけが上昇してしまう、というのが現状なのです。
年内は20000~22000円のレンジ相場とみていましたが、23000円を超えてきたことで、金融相場の深化も意識されます。相場が暴走して、期待ばかり先行してしまう状態ですが、ただ今回の上昇波動がはじまってすでに2ヶ月、これが年末まで継続できるパワーはないでしょう。いくら金余りだとしても、です。そこには米中貿易協議の情勢、仮に部分合意がむすばれるとしても、その中身次第では材料出尽くしになってしまう可能性なども含めて、膨らみ過ぎた期待が修正されるタイミングとなるのかもしれません。
旧約聖書の中に『我ら神より福祉を享くるなれば災禍をも亦受けざるを得んや』というものがあります。金融緩和もそうですが、その恩恵ばかりでなく災いをも招く。その恩恵を今は持て囃していますが、いずれ災いにも目を向けざるを得なくなります。市場が高い今だからこそ、少し先にどんな業態が生き残れるのか、どんな企業が業績を伸ばせるのか、いずれ訪れる災禍にも耐えきれるのか、それを見極めておくタイミング、ということでもあるのでしょうね。
日経平均が23000円を越えてきました。米中貿易協議は、相変わらず米国側から楽観見通しの報道が相次ぎ、このネタで年内はメシを食える、と見た欧米の投資家が買っている印象です。しかしどうみても中国は餌をぶら下げ、米国の期待を盛り上げておいてぎりぎりでゴネる戦略ですから、どう決着するかは不透明です。一番は、トランプ政権が強硬姿勢を改めないと部分合意もできそうにありませんが、それでは米覇権主義でトランプ政権を支持していた人間が離れます。大統領選にむけて景気をよくするため、トランプ氏は妥協する、との見方が経済界では強いですが、トランプ氏はその損得勘定に今は忙しいので、こちらも不透明です。
ただ、問題はすでに米製造業は景気後退の兆しをみせています。10月のISM製造業指数などが予想にとどかず、50%割れのまま。今の米国は非製造業が強くて堅調ですが、製造業の方は米中貿易協議が解決して持ち直す、今が底で今後はよくなる、という期待だけで相場が押し上げられている印象です。しかし米国が多少、妥協したところで制裁関税がすべて解消されるわけではなく、そうなると中国の減速は止まらないでしょう。同じことは米製造業にもいえます。米中貿易協議も完全決裂はなさそう、Brexitも合意なき離脱にならなそう、と最悪は回避できそうですが、景気が良好だった2018年前半のような状況にもどるわけではなく、むしろ悪い状態がつづくという中で、市場だけが上昇してしまう、というのが現状なのです。
年内は20000~22000円のレンジ相場とみていましたが、23000円を超えてきたことで、金融相場の深化も意識されます。相場が暴走して、期待ばかり先行してしまう状態ですが、ただ今回の上昇波動がはじまってすでに2ヶ月、これが年末まで継続できるパワーはないでしょう。いくら金余りだとしても、です。そこには米中貿易協議の情勢、仮に部分合意がむすばれるとしても、その中身次第では材料出尽くしになってしまう可能性なども含めて、膨らみ過ぎた期待が修正されるタイミングとなるのかもしれません。
旧約聖書の中に『我ら神より福祉を享くるなれば災禍をも亦受けざるを得んや』というものがあります。金融緩和もそうですが、その恩恵ばかりでなく災いをも招く。その恩恵を今は持て囃していますが、いずれ災いにも目を向けざるを得なくなります。市場が高い今だからこそ、少し先にどんな業態が生き残れるのか、どんな企業が業績を伸ばせるのか、いずれ訪れる災禍にも耐えきれるのか、それを見極めておくタイミング、ということでもあるのでしょうね。
2019年11月03日
政府専用機のボヤ
ASEAN出席のために安倍首相が搭乗する、政府専用機でボヤ騒ぎです。調理用オーブンで出火、とのことですが、新しくなった政府専用機に乗りたいために欧州外遊を入れるなどし、ここで火事など、運用開始から呪われたのか…。むしろ、安倍政権にケチがつきはじめたことをこうした事例は示すのかもしれません。物事が悪い方向にころがりだしたことは、安倍氏も感じ始めてているでしょう。政府専用機には各社の記者も同乗するため、ごまかすこともできない。愈々、そのお尻に火が点いたことを暗示するのでしょう。
そのASEAN首脳会議で、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)首脳会議に、安倍氏は出席します。その意気込みで「自由で公正なルールに基づく経済圏をつくるために日本が今後も交渉を牽引」などとしますが、梶原経産相は出席しないし、2泊3日ぐらいの強行軍で、兼任などできるはずもありません。経済規模でも成長力でも中国に負けており、日本が牽引できる点は何もありません。ただ過去の栄光から、各国も一目置いてくれる点、また中国を脅威とみなす国の協力をいかに取り付けるか、ですが、残念ながら安倍政権はあまり東アジアで評判もよくない。それは何もしてないから。東アジアのために何か動いたことがないからです。
悪い意味で、安倍政権は外交に何の痕跡も残していない。7年も政権の座にあって、びっくりするぐらいに国際的には何もしていないのです。CO2排出でも、核廃絶でも、二国間のトラブル解決でも、何かした、という実績は皆無です。特に東アジアでは、現状は困窮する中国がすりよってはきますが、それもここ最近のこと。ずっと険悪なムードでした。韓国の文在寅大統領との会談があるかどうかも注目ですが、今や関係は最悪と言ってよいでしょう。北朝鮮問題では、弾道ミサイル発射を国連決議違反と日本が訴えたところで、米国が問題視していないし、東アジアで他に騒ぐ国もない。何もしていない、牽引したことなどないのです。
自由で公正なルール…といったところで、どこの国も自分たちが有利なルールをつくりたいものであり、その綱引きをとりまとめることができていないのです。言葉は悪いですが、安倍氏の掲げるそのお題目は、きれいごとです。それがみんなにどう利益となるか、自由で公正なルールが、みんなにとってどう利益となるかを説明しないといけない。でも、安倍政権にはそれができません。ナゼなら、今は米国が主導して、自国優先主義を掲げている国ばかりで、そのお題目ではそうした国に対抗できると証明できないからです。
ただでなくとも海外で実績のない安倍氏、米国の傀儡とみなされるばかりか、トランプ氏と親しいことが今回は逆の効果をうみだします。「そんなに自由で公正なルールが大事なら、なぜ米国にそれを言わないのか」と。日米貿易協議とて、首脳会談で合意したといっても細則は協議をつづけており、意見は言えるはずです。むしろ日米貿易協議の結果を、RCEPも注目するでしょう。本当に自由で公正なルールを推進する気があるのか? と。政府専用機で起きたボヤ騒ぎ、国内で沸き起こる火の粉とともに、その煙が暗雲となって安倍政権を覆い始めているのでしょうね。
明日は一日、お休みします。
そのASEAN首脳会議で、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)首脳会議に、安倍氏は出席します。その意気込みで「自由で公正なルールに基づく経済圏をつくるために日本が今後も交渉を牽引」などとしますが、梶原経産相は出席しないし、2泊3日ぐらいの強行軍で、兼任などできるはずもありません。経済規模でも成長力でも中国に負けており、日本が牽引できる点は何もありません。ただ過去の栄光から、各国も一目置いてくれる点、また中国を脅威とみなす国の協力をいかに取り付けるか、ですが、残念ながら安倍政権はあまり東アジアで評判もよくない。それは何もしてないから。東アジアのために何か動いたことがないからです。
悪い意味で、安倍政権は外交に何の痕跡も残していない。7年も政権の座にあって、びっくりするぐらいに国際的には何もしていないのです。CO2排出でも、核廃絶でも、二国間のトラブル解決でも、何かした、という実績は皆無です。特に東アジアでは、現状は困窮する中国がすりよってはきますが、それもここ最近のこと。ずっと険悪なムードでした。韓国の文在寅大統領との会談があるかどうかも注目ですが、今や関係は最悪と言ってよいでしょう。北朝鮮問題では、弾道ミサイル発射を国連決議違反と日本が訴えたところで、米国が問題視していないし、東アジアで他に騒ぐ国もない。何もしていない、牽引したことなどないのです。
自由で公正なルール…といったところで、どこの国も自分たちが有利なルールをつくりたいものであり、その綱引きをとりまとめることができていないのです。言葉は悪いですが、安倍氏の掲げるそのお題目は、きれいごとです。それがみんなにどう利益となるか、自由で公正なルールが、みんなにとってどう利益となるかを説明しないといけない。でも、安倍政権にはそれができません。ナゼなら、今は米国が主導して、自国優先主義を掲げている国ばかりで、そのお題目ではそうした国に対抗できると証明できないからです。
ただでなくとも海外で実績のない安倍氏、米国の傀儡とみなされるばかりか、トランプ氏と親しいことが今回は逆の効果をうみだします。「そんなに自由で公正なルールが大事なら、なぜ米国にそれを言わないのか」と。日米貿易協議とて、首脳会談で合意したといっても細則は協議をつづけており、意見は言えるはずです。むしろ日米貿易協議の結果を、RCEPも注目するでしょう。本当に自由で公正なルールを推進する気があるのか? と。政府専用機で起きたボヤ騒ぎ、国内で沸き起こる火の粉とともに、その煙が暗雲となって安倍政権を覆い始めているのでしょうね。
明日は一日、お休みします。
2019年11月02日
決める政治と、決めたことの間違いと
米10月雇用統計は非農業部門の雇用者数が12.8万人増と、GMストで一桁台の予想を覆し、力強さをみせました。失業率は3.6%と0.1%悪化、平均時給は前年同月比3.0%増と、まずまずの結果でダウが300$の上昇をみせました。FRBが利下げ打ち止め、様子見をしても経済がこれほど堅調なら大丈夫だろう、と自信を得た形です。ただ利下げ打ち止めとなると円高に向かいやすいため、日本株の夜間取引はそこまで上昇していない。トランプ政権からは、相変わらず米中貿易協議の楽観が語られますが、中国は行動対行動が原理であり、トランプ政権は相手の行動をみてから自分の行動を決める、という。そうした溝が埋められる見通しは依然として立っていませんが、そこに市場が気づくまでは、相場の楽観はつづくのかもしれません。
英国では総選挙が決まりました。与党保守党が支持を伸ばして40%程度、野党労働党が伸び悩んで20%強です。ジョンソン氏のBrexit案は英国が確実にEUから離脱するため、強硬派の支持もとりつけており、議会では賛否が拮抗するレベルとなっていて、決められない政治からの脱却、ということで与党が支持を集めているのです。労働党は党内で意見が割れており、再び国民投票をする、としか訴えられないことも影響するのでしょう。それが英国にとって不都合なことでも、未来が現実になるまでは不透明なままの方を嫌うものです。
これは日本にも当てはまるのでしょう。閣僚二人が文春砲で撃ちとられ、教育改革は頓挫。一見すると野党に追い風が吹いているように見えます。しかし攻めどころを間違えると、これまでのくり返しです。7年で10人の閣僚が途中で辞任しても、まともに答弁できない閣僚がいても、支持率がまったく落ちていない安倍政権。それは将来の日本を傷つけ、悪政であっても決めてきた、という実績も手伝っています。安倍ノミクスもそうですし、自衛隊法の改正も、共謀罪も、カジノ法も、国民はその弊害が実際には起きていないため問題に気づけず、逆に強引にでも国会を通してきた、決めてきたというのも支持率の維持にとっては大きいのです。
トランプ米大統領も、ジョンソン英首相も、決める政治家です。だから一定の支持も得る。どんなに愚かな政策、国を危うくするものであっても、実際に愚かだったり、国が危うくなったりしないうちは、国民はその害を知ることもできないから、評価されるのです。それは安倍首相も同じ、言葉は悪いですが、空気を読んだり、常識にとらわれたり、周りに気配りしたり、といった一般の人間ならふつうにすることを、していないからこれらの人物は一定の評価をうける。空気も読めず、常識も知らず、周りのことなんて一切気にしない、そんな一般社会では劣等とされる人物の方が、支持されるのが世界的な流れでもあるのです。
しかしそれが長くなると、実際に『決めたこと』が害悪ておなってくる。イスラエルのネタニヤフ首相も、トルコのエルドアン首相も、保守強硬派が力を落とす要因は、ずばり『実績』です。日本でも愈々見えてきたのが、教育改革の頓挫や、中東への自衛隊派遣。国民にとって不都合なことが起こるのが分かりきっているから、そこが責めどころになる。実施を延期しました、で済む話ではなく、これから補償や、こんな方式をぎりぎりまで変更できなかったのか、決め方に問題なかったのか、などの様々な検証が必要なのです。安倍政権が決め手きたこの法律がそのまま実施されたら、国民にこんな害がありますよ、と野党が示して与党を攻撃することができれば、国民も『決めたこと』に疑問をもちはじめます。年末解散が予想される、与党が弱り始めた今だからこそ、野党が腹を『決めること』が重要となってくるのでしょうね。
英国では総選挙が決まりました。与党保守党が支持を伸ばして40%程度、野党労働党が伸び悩んで20%強です。ジョンソン氏のBrexit案は英国が確実にEUから離脱するため、強硬派の支持もとりつけており、議会では賛否が拮抗するレベルとなっていて、決められない政治からの脱却、ということで与党が支持を集めているのです。労働党は党内で意見が割れており、再び国民投票をする、としか訴えられないことも影響するのでしょう。それが英国にとって不都合なことでも、未来が現実になるまでは不透明なままの方を嫌うものです。
これは日本にも当てはまるのでしょう。閣僚二人が文春砲で撃ちとられ、教育改革は頓挫。一見すると野党に追い風が吹いているように見えます。しかし攻めどころを間違えると、これまでのくり返しです。7年で10人の閣僚が途中で辞任しても、まともに答弁できない閣僚がいても、支持率がまったく落ちていない安倍政権。それは将来の日本を傷つけ、悪政であっても決めてきた、という実績も手伝っています。安倍ノミクスもそうですし、自衛隊法の改正も、共謀罪も、カジノ法も、国民はその弊害が実際には起きていないため問題に気づけず、逆に強引にでも国会を通してきた、決めてきたというのも支持率の維持にとっては大きいのです。
トランプ米大統領も、ジョンソン英首相も、決める政治家です。だから一定の支持も得る。どんなに愚かな政策、国を危うくするものであっても、実際に愚かだったり、国が危うくなったりしないうちは、国民はその害を知ることもできないから、評価されるのです。それは安倍首相も同じ、言葉は悪いですが、空気を読んだり、常識にとらわれたり、周りに気配りしたり、といった一般の人間ならふつうにすることを、していないからこれらの人物は一定の評価をうける。空気も読めず、常識も知らず、周りのことなんて一切気にしない、そんな一般社会では劣等とされる人物の方が、支持されるのが世界的な流れでもあるのです。
しかしそれが長くなると、実際に『決めたこと』が害悪ておなってくる。イスラエルのネタニヤフ首相も、トルコのエルドアン首相も、保守強硬派が力を落とす要因は、ずばり『実績』です。日本でも愈々見えてきたのが、教育改革の頓挫や、中東への自衛隊派遣。国民にとって不都合なことが起こるのが分かりきっているから、そこが責めどころになる。実施を延期しました、で済む話ではなく、これから補償や、こんな方式をぎりぎりまで変更できなかったのか、決め方に問題なかったのか、などの様々な検証が必要なのです。安倍政権が決め手きたこの法律がそのまま実施されたら、国民にこんな害がありますよ、と野党が示して与党を攻撃することができれば、国民も『決めたこと』に疑問をもちはじめます。年末解散が予想される、与党が弱り始めた今だからこそ、野党が腹を『決めること』が重要となってくるのでしょうね。
2019年11月01日
英語民間試験導入の見送り
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が、今年度中の運用実績を公表しない、と発表しました。恐らくFRBや日銀による金融緩和の影響が読めないことと、株価の動きも見通せないこと。さらに来年3月に基本ポートフォリオを見直すことも影響するのでしょう。裏読みすれば、すでに基本ポートフォリオの変更にむけて売買をすすめるのかもしれず、やたら少なかった国債など、不透明な動きを説明したくないのかもしれません。
19年度上半期の税収は前年同月比4.6%減の約16.7兆円、と発表されました。所得税は6.3%減、法人税は9.1%減、消費税は3.8%減。9月に駆け込みもみられた中で消費税も落ちたのは想定外で、年後半はキャッシュレス減税と増税の影響が綱引きする形で、予断を許しません。所得が増え、就労人口も増えたと安倍政権は説明するのに、所得税が減る? 法人税は3月期決算企業がこれからだから…などと財務省は説明しますが、それは毎年同じです。税収全体から言えることは、日本はすでに景気後退を認めざるを得ない、ということです。
萩生田文科相の「身の丈」発言で、ついに英語民間試験の導入を2020年からではなく2024年ごろ…と方針を転換しました。それは自分たちの制度設計の不備を、「身の丈」と受験生に転嫁する態度は、反発をうけて当然ですが、ここまで制度の不備を指摘されながら修正もしなかった安倍政権の責任が大きいものです。しかもこのタイミングでの方針転換。進むも地獄、退くも地獄、結果、「身の丈」を思い知ったのは安倍政権そのものでした。つまりこれまで、多くのケースでも同様にトップダウンが機能するのは、トップが優秀なケースだけです。トップが無能だとそれこそ害が大きい。教育改革でもそれが実証された形です。
安倍政権では2013年に立ち上げた教育再生実行会議、という私的諮問機関の提言をうけて、入試制度の改革などもすすめました。その提言をうけ、文科省が形にしたのが今回です。逆にいえば、その提言通りにしたらこうなりますよ、と官僚から政治家に投げられたのです。それを安倍政権が修正しなかったのは、教育再生実行会議に参加する委員に、誰とは言いませんが日本会議系の人物が多数、入っている。そればかりか、下村氏(当時、文科相)に献金するなど、金と欲で結びついた人物まで委員で入っていたことなどをみても、誰もその決定に口をだせなかったことが容易に想像できます。つまりこんなダメ政策をずるずると引っ張り続けた最大の責任は、安倍首相そのものにあるのです。
早くもこれを文科省の責任に帰すような意見も散見されますが、明らかに方針を立てた安倍氏の支持層や取り巻き、つまり安倍一強による弊害です。それを萩生田氏という太鼓持ちが、「地方では学校で開催」「人手不足には先生も試験官に」など、民間委託を蔑ろにする方針を示したものだから、空中分解を始めたのが真相です。地方で試験を実施することは、民間の原理としても通用しないし、教員を活用するなら、そもそも全国統一で高校で試験を実施すればよいではないか? という懐疑が生じたのです。
どこからどうみても、民間委託によってキックバック、つまり利益を得ようとした安倍氏とその取り巻きたちの思惑によってすすめられた。受験生の事情や、苦労などを何ら考慮せずに。それが今回の教育改革です。私的諮問機関である教育再生実行会議の質の低さ、誰目線かを浮き彫りにしたのが、「身の丈」だったのです。能力もないのに重要な役職につく、そんな「身のほど」を弁えない人間たちが決めているからこそ起こる問題、まさに「身の毛もよだつ」ほどの醜悪さに、国民も気づかないといけないのでしょうね。
19年度上半期の税収は前年同月比4.6%減の約16.7兆円、と発表されました。所得税は6.3%減、法人税は9.1%減、消費税は3.8%減。9月に駆け込みもみられた中で消費税も落ちたのは想定外で、年後半はキャッシュレス減税と増税の影響が綱引きする形で、予断を許しません。所得が増え、就労人口も増えたと安倍政権は説明するのに、所得税が減る? 法人税は3月期決算企業がこれからだから…などと財務省は説明しますが、それは毎年同じです。税収全体から言えることは、日本はすでに景気後退を認めざるを得ない、ということです。
萩生田文科相の「身の丈」発言で、ついに英語民間試験の導入を2020年からではなく2024年ごろ…と方針を転換しました。それは自分たちの制度設計の不備を、「身の丈」と受験生に転嫁する態度は、反発をうけて当然ですが、ここまで制度の不備を指摘されながら修正もしなかった安倍政権の責任が大きいものです。しかもこのタイミングでの方針転換。進むも地獄、退くも地獄、結果、「身の丈」を思い知ったのは安倍政権そのものでした。つまりこれまで、多くのケースでも同様にトップダウンが機能するのは、トップが優秀なケースだけです。トップが無能だとそれこそ害が大きい。教育改革でもそれが実証された形です。
安倍政権では2013年に立ち上げた教育再生実行会議、という私的諮問機関の提言をうけて、入試制度の改革などもすすめました。その提言をうけ、文科省が形にしたのが今回です。逆にいえば、その提言通りにしたらこうなりますよ、と官僚から政治家に投げられたのです。それを安倍政権が修正しなかったのは、教育再生実行会議に参加する委員に、誰とは言いませんが日本会議系の人物が多数、入っている。そればかりか、下村氏(当時、文科相)に献金するなど、金と欲で結びついた人物まで委員で入っていたことなどをみても、誰もその決定に口をだせなかったことが容易に想像できます。つまりこんなダメ政策をずるずると引っ張り続けた最大の責任は、安倍首相そのものにあるのです。
早くもこれを文科省の責任に帰すような意見も散見されますが、明らかに方針を立てた安倍氏の支持層や取り巻き、つまり安倍一強による弊害です。それを萩生田氏という太鼓持ちが、「地方では学校で開催」「人手不足には先生も試験官に」など、民間委託を蔑ろにする方針を示したものだから、空中分解を始めたのが真相です。地方で試験を実施することは、民間の原理としても通用しないし、教員を活用するなら、そもそも全国統一で高校で試験を実施すればよいではないか? という懐疑が生じたのです。
どこからどうみても、民間委託によってキックバック、つまり利益を得ようとした安倍氏とその取り巻きたちの思惑によってすすめられた。受験生の事情や、苦労などを何ら考慮せずに。それが今回の教育改革です。私的諮問機関である教育再生実行会議の質の低さ、誰目線かを浮き彫りにしたのが、「身の丈」だったのです。能力もないのに重要な役職につく、そんな「身のほど」を弁えない人間たちが決めているからこそ起こる問題、まさに「身の毛もよだつ」ほどの醜悪さに、国民も気づかないといけないのでしょうね。