公務員の天下りについて経済の話。米国の弱含みリスク

2006年11月28日

中国で六カ国協議再開に向けて協議

中国の北京では今、六カ国協議再開に向けて各国の協議が行われています。一方では米国のヒル国務次官補と北朝鮮のキム・ケグァン外務次官が、米朝協議を行っています。中国の武大偉外務次官も加わっての話し合いであり、この米朝協議の行方が今後の北朝鮮問題への何らかの道筋になっていくことでしょう。

少し違和感を抱いたのは、米朝協議が7時間近くに及んでいることです。両首席代表とも全権委任されている訳ではなく、この協議では双方が自身の主張を行い、それを持ち帰って国と調整しながら協議を進めていく形が一般的だと考えます。なので、協議の最初は短時間で終わることが多くなります。
これが長引いた背景には、双方の意見の乖離が大きく、妥結するポイントのすり合わせのために調整に時間を費やしたか、もしくは双方が細かい内容のすり合わせまで行えるように、事前協議を済ませていたのか、ということになります。後者は考え難いので、前者が可能性としては高くなるのでしょう。

米国は北朝鮮側の要求が受け入れられない、と感じれば席を立つことも可能なはずです。今までのブッシュ政権ならそうしたのでしょうが、やはり民主党との距離感の中で、対話重視とのスタンスを見せることも必要、との判断もあるのでしょう。また中国の面子もありますし、その点では米国が強攻に突っぱねることも難しいところです。
協議では金融制裁の緩和が一つのポイントですが、これが核放棄に結びつくことは考え難いことでしょう。キム・ケグァン氏が得意げに述べていたように、核保有国として出席している北朝鮮にとって、その前提が崩されるような会議の運びは許容できない。結果的に落とし所も難しい、それが長時間の協議の表れでもあると見ています。

昨晩の某番組内でも拉致問題は重要と主張していましたが、これは現状二国間の問題にしかなり得ないのだと思います。残念な話ですが、拉致問題を抱える幾つかの国同士がタックを組める状況でない限り、世界はこの問題に対して冷たいでしょう。何故なら現在の北朝鮮への関心は、核の方がウェートが高くなっているからです。
そこで日本政府の対応が重要ですが、拉致認定を進める国内向けは良いのですが、世界に向けた発信、工作が上手くいっていない印象を受けます。今回でも北京入りした佐々江外務省アジア大洋州局長の影は非常に薄くなっています。日本が抱える問題は大きいのですから、その存在感を示してきて欲しいですね。

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analyst_zaiya777 at 23:36│Comments(2)TrackBack(0)政治 | アジア

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この記事へのコメント

1. Posted by 永田智子   2007年02月04日 07:34
非常に深遠な問題で、まだまだ会議は進展し得ないのではないでしょうか。
各国の思惑は相容れない主張ばかりで、さすがにさじを投げざるを・・・
拉致問題をからめたがる日本は、主張をしても認められないでしょう。
急転直下交渉が進むとすれば・・・
どなたか意見交換しませんか?
2. Posted by 管理人   2007年02月04日 20:25
永田智子さん、コメント有り難う御座います。

私はこのブログでは自分の意見を述べるようにしているので、
意見交換はあまり考えておりません。もしご質問やご批判などあれば、
直接コメントとしていただければ、それには誠心誠意答えていく
そういうことで考えております。
ご期待には添えませんが、よろしくお願いします。

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