経済の話。日銀の動向について安倍氏が原爆症認定の見直しを指示

2007年08月05日

緑のオーナーが元本割れ

林野庁が実施していた緑のオーナー制度で、出資者の9割が元本割れとなり、問題となっています。84年から98年まで実施され、50万円と25万円の出資に応じて国有林のオーナーとなり、最短で15年が満期だそうで、500億円を集めたとこのことです。
当時、私もちらりと耳にしていましたが、木材価格の推移と物価スライドの考え方が分からず、投資ではなく日本の森を守るためだけの制度だと結論付けた覚えがあります。しかしこれを投資と考え、リターンを望んでいた人には、国に騙されたという想いもあるでしょう。

基本的に、長期間資金を預けなければいけないものは、物価変動を考えて行わなければなりません。今回のように、木材価格は住宅市場の低迷による木材需要の低迷や、輸入材により価格下落は想定できますし、極端に価値が上昇するようなものでもないので、今回の事態は容易に想定できた事象です。
むしろ、元本割れを説明しないままに投資を促した、林野庁の責任は大きいでしょうし、随意契約でしか売却できない木材など、無価値を表現しているようなものです。更に随意契約を隠そうとする林野庁には、作為的に国民を騙そうとする意図すら感じられます。

これらは年金にも当てはまります。会計検査院に報告されただけで、着服や不正支給が1億3314万円もあると明らかになりました。裏金作りをしていて処分された職員もいて、公的詐欺行為は漫然と、しかも継続して行われていことが判明しています。
更にこれは明らかになった分だけなので、陰に隠れている部分を含めた総額が明らかになるまで、この問題は収束はしないのでしょう。本当に年金は未納だったのか、社保庁職員による横領だったのか、刑事事件にまで発展する問題として、これらは追及されていかなければいけないでしょう。

この国は公的機関であれば、国民の寄せる期待や安心は大きいものがありました。何事も親方・日の丸がいれば大丈夫。国民はそうした想いを寄せていたのです。しかしここで白日の下に晒されたのは、国を信用してはいけないという、国家の在り方そのものに対する疑義です。
これらは税金の無駄遣い以上に、国民を失望させました。そしてその積み重ねが、自民党大敗となって今回現れたのでしょう。自民党はすぐに自治労を持ち出しますが、組合を制御できない経営者は、結果的にその資質がないとも言えるのです。国を運営してきたのは内閣なのですから、今回の参院選、責任をとらされるのも当然だったのでしょうね。

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analyst_zaiya777 at 23:03│Comments(2)TrackBack(0)社会 | 政治

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この記事へのコメント

1. Posted by おるおる君   2007年08月06日 11:23
これは、林野庁の木材が、思惑通りに売れないための苦肉の策でしょう?もちろん、自然保護のための寄付金・協力金ではと、思っていましたが…。真剣に、利殖目的の人達がいたとは驚きですね!勧誘時に、リスク説明があったかが問題かも知れませんね。木材が売れていれば、わざわざ新しい仕事を、官僚がする訳ないですよね!
2. Posted by 管理人   2007年08月06日 23:23
おるおる君 さん、コメント有り難う御座います。

確かに自然保護のための基金としての位置付けだとしても、リスクを説明して
いない金融商品は論外でしょうね。であれば、しっかりと基金としての
元本割れなどを説明すべきで、今回の林野庁の対応は金融商品を扱う資格を
著しく損なっています。だから問い合わせや批判が集まっているのでしょうね。

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