諫早湾干拓訴訟について日銀短観は悪化傾向を継続

2008年06月30日

社会保険庁改革の最終報告書について

年金業務・組織再生会議で、社会保険庁解体後の設立組織「日本年金機構」(2010年1月設立)の最終報告がまとまりました。総職員数を17830人とし、そのうち正規職員を10880人、社保庁からのスライドを9880人とし、1000人は民間からという計画が示されています。
過去に懲戒処分を受けた職員は正規職員としてではなく契約職員とし、その後正規職員への是非を決めるそうです。ただ契約職員から契約を切られる職員は少ないはずであり、むしろ時期を見て正規職員にするための干渉的な位置づけなのでしょう。現業務をそのまま引き継ぐのであれば、15%減となった職員数では不足するという理由で、簡単には首を切らないはずですからね。

年金についていえば、05年から厚生年金は毎年0.354%、国民年金は毎年280円上昇しています。17年に厚生年金は18.3%、国民年金は16900円になることが決まっており、あまり話題にはなりませんが、着実に国民の負担は増えています。改正前の05年のレベルが13.58%、13300円ですから、負担増の大きさが分かりますし、国民年金は月額ですから、年に直せば相当のものです。
一昨日のコメント欄でも書きましたが、運用収益はH13〜H18までで確か2回乃至3回程度しか3.2%を超えておらず、それ以前はマイナス傾向が続いたので、収支状況を見ると毀損が続いている状態です。国民負担の増加でその毀損分を埋める計算ですが、特に給与水準が上昇しない現在、厚生年金の給与天引きからの収入は23兆円程度が予定されていても、それすら達成するかは不透明です。

社保庁の問題に戻れば、消費者庁の問題でも同様ですが、徴収と給付の部門、管轄官庁と摘発部門を別けないと、チェックのきき難い体質が継続してしまうことになります。つまり組織内で擁護、隠蔽体質を継続してしまう可能性があり、ダブルチェックのきかない組織となってしまうのです。
現体制をそのままスライドするなら、単に公務員を民間人へ改めるだけで、組織が改善されるかどうかは不明です。むしろ情報の消去であったり、引継ぎ不備の問題が今後は発生する可能性を否定できず、何のための新組織かが見えなくなります。国民の不満は年金機構がこれだけの不正、管理の不備があったことに対してどう手を打つのかで量れることになります。

年金は制度疲労と組織崩壊という重大な危機を迎えています。組織崩壊については、単純に社保庁をスライドするのみではなく、監視体制をどう構築していくのか、という点が大事になります。そうでなければ国家の監視の目を離れた、情報隠蔽体質をもつ新たな組織が出来るだけであり、ほぼ随意契約と同じ状況で業務が発注される以上、自浄能力の働かない、そんな組織になりかねないのですからね。

analyst_zaiya777 at 22:58│Comments(10)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 年金 | 社会

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この記事へのコメント

1. Posted by おるおる君   2008年07月01日 00:20
内閣府は、07年度約20兆円の国民所得が海外流出したと発表したらしいですが、これは貿易収支とは別物なのでしょうか?
2. Posted by ナン   2008年07月01日 00:29
とにかくあらゆるものがあまりにも不透明すぎて、国民からすると何をどう決められてもとても納得ができないといった状況のように思います。本当に不信感が極まっていますね。
3. Posted by ろっし   2008年07月01日 06:34
5  独立行政法人改革と同じで骨抜きという感じです。名前を変えれば、批判や目先を変えれるという作戦にも思います。確かに徴収額も上がっていきますね。全額負担にすればよいのにと思います。ちなみに、徴収料金が上がっても、半額は国費投入並びに非課税なので、民間の預貯金や保険に比べてお徳です。ただ、払える余裕の無い人も増えており、セーフティネットや所得の再配分を行ううえで、現状を打開する必要はあるでしょうね。チェック体制や責任の所在を明らかにする必要があるでしょうね。社会保険庁で苦情や処理をまじめにしている職員は、気の毒に思います。かと思えば、責任も取らず天下り三昧の官僚もいる。自分のお金を投げ出して償うべきでしょう。また、刑に処してもいいぐらいです。

 

 
4. Posted by ハンバーガー   2008年07月01日 22:55
場違いですみません
オリンピックは8月8日に行われるのですか???
5. Posted by 管理人   2008年07月01日 23:21
おるおる君 さん、コメント有り難うございます。

国民所得というと、GDPから関税や減価償却分を除いた収益という意味ですので、
内容が異なるかもしれません。内閣府ということで推測すると、交易利得(損失)
の話かと思いますが、これは23兆円の流出超と試算されています。貿易収支は輸出と
輸入の総額の差を用いていますが、交易利得に関しては輸出価格と輸入価格の推移を
見て交易条件を割り出し、その差をとります。物価という位置づけとはまた少し
異なるのですが、原油や資源価格が高騰し、輸出する自動車やハイテクなどの
価格が上昇しなければ流出という結果になります。単純な価格だけではなく
数量もありますので、理論的な国内からの出費の推移を見ている、と考えれば
いいと思います。
6. Posted by 管理人   2008年07月01日 23:30
ナン さん、コメント有り難うございます。

年金制度は一般的に複雑で、かつマクロスライドが導入されたことから、
説明をきいても自分がもらえる年金額がピンと来ないことも多くあります。
更に今回の組織移行に伴う、骨抜きとも思える内容なので、国民にとっては
理解し難いものとなっていますね。舛添氏も最初は大風呂敷を広げるの
ですが、必ず官僚に丸め込まれるのは官僚をどう動かすのか、という点で
戦略不足の面があります。その結果、言い訳のような記者会見を繰り返し、
もはやメディアを用いて世論形成をするという手法がとれなくなっているの
ですね。年金という大事な制度が、こうやって蝕まれているのかと思うと、
とても残念ですね。
7. Posted by 管理人   2008年07月01日 23:38
ろっし さん、コメント有り難うございます。

年金に関しては金融業界に携わる人間でお得と考える人間はほとんどいません。
厚労省幹部自ら86歳まで長生きすれば得、と述べていますし、国費投入があっても
これは資産価値としては低いのですね。つまり解約できない、特に国民年金は
夫婦間では遺族年金もありますが、基本的には本人の死去に伴い財産価値が
なくなります。こんな金融商品は他に見当たらず、損得で考えるとあまり得では
ないのですね。

天下りを繰り返す者や、自ら不正をしていた者は今回の改革でも全く手付かずで、
本当にしっかり仕事をしている人間にとっては残念なことでしょう。襟をただし、
出直すのなら、解雇による裁判の懸念があっても、厳し過ぎるぐらいの処分が
必要なのでしょうね。
8. Posted by 管理人   2008年07月01日 23:43
ハンバーガー さん、コメント有り難うございます。

北京五輪は8月8日から24日までが開催期間ですね。大体、夏の五輪は
8月の2週間+その前の金曜日から、と考えると4年後の開催期間も推測
できます。決まりがあるかは分かりませんが、こういう日程を組むことが
多いですね。
9. Posted by ハンバーガー   2008年07月01日 23:49
説明不足ですみません

オリンピック中止はありえますか?

ホントにすみません
10. Posted by 管理人   2008年07月02日 00:11
ハンバーガー さん、コメント有り難うございます。

オリンピックを中止することは現状ないと考えています。環境面、治安面を見ても、
中国は締め付けで乗り切る意向であり、祭典というムードとは程遠いかもしれませんが、
意地でも予定通りにやるでしょう。ただその後の各国の評価が問題であり、その時
中国という国家の真価が問われると考えています。改革解放路線といいつつ、
報道規制、情報統制を行う国家から、無尽蔵に情報が垂れ流されなければ成功とは
呼べない五輪という場で、一体何が起こるのかに私も非常に興味をもっています。
良いことばかりでなく、五輪という場が改めて考え直される、そんな五輪になるの
かもしれませんね。

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