内閣改造について雑感、『蟹工船』がブーム

2008年08月02日

雑感、二つの事件について

共同通信の内閣改造に伴う世論調査結果、内閣支持率は31.5%と4.7%上昇。不支持は48.1%で5.4%低下、ご祝儀的には低い値であり、発表された直後という特殊要因もありますが、第一インプレッションには失敗した形です。目玉が幹事長、という時点で内閣への評価が高まらないのは想定済みですが、『改革』とは膠着した現状を全く違う視点で見つめる作業であり、領袖にそれが出来るのか?という不透明要因も大きいのだと思います。小手先の変更に終始するようなら、早晩支持率は逆戻りすることになるのでしょうね。

米原潜ヒューストンが佐世保寄港時、艦内から微量の放射性物質を漏洩していた、と日本政府に報告がありました。米海軍側は漏洩したのは0.5μCu以下で、極めて微量なので影響は無いとしていますが、問題は原潜のバルブ一つの不具合で簡単に機関部から放射性物質が漏洩するという事実です。確かに炉の中の水に含まれる放射性物質は微量かもしれませんが、米原潜に二重、三重に安全設計が施されていないということは不安を増幅させます。
殊更に不安を煽るつもりはありませんが、それを取り込んだ魚介類を人間が口にすれば、内部被爆という重大な問題になります。仮にそうなっても経路は分からず、事実は闇に葬られます。
米国という国は、かつてネバダ州のトノパー射撃場で地上核実験を繰り返し、数万人の住民を被爆させたという前例があります。当時、すでに広島、長崎での知見を貯えていたはずの米国ですから、情報操作をしている可能性だって捨て切れないという点で、心配を与えます。日本側の情報伝達にも遅れが見られますし、軍と原子力絡みの情報は影響が大きいだけに、その不備が目に付きますね。

話は変わりますが、夏の甲子園が始まりましたが、出場校である群馬県の桐生第一高校の野球部2年生が、強制わいせつ容疑で逮捕されても高野連が出場を認めました。昨今は集団性のあるもの以外、部員の不祥事でも出場辞退にはならなくなりましたが、これも個人主義と捉えるとまた違った側面も見えてくるのかもしれません。
地域社会の崩壊、横の繋がりの欠如、仲間意識の希薄化、最近のこうした風潮は至るところに拡大しています。チームスポーツであり、共に頑張ってきた仲間が逮捕されても出場辞退にはならない、今回の高野連の判断は事件の悪質性という観点からも、やや意外感がありました。
こうした風潮には正負両面があります。確かに真面目に努力してきた他の部員は可哀想、という判断もできますが、互いに悩みを分かち合い、同じ時を一つのスポーツを通して研鑽し合い、仲間意識を養うのが部活動という場だと考えます。あくまで個人の問題と位置づけた今回の判断によって、今後同様のケースでも問題なしとなり、仲間という考え方をすることはなくなるのでしょうね。

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analyst_zaiya777 at 23:24│Comments(2)TrackBack(2)原子力 | 社会

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1. 桐生第一  [ しんの日記 ]   2008年08月03日 20:18
雑感、二つの事件について ... 話は変わりますが、夏の甲子園が始まりましたが、...
2. 桐生第一 野球部  [ 休憩 ]   2008年08月03日 21:36
桐生第一監督「自分の指導不足」 主将「出場に感謝」朝日新聞桐生第一高校の野球部は1日夕、大阪市内の宿舎で会見した。福田治男監督(46)は「部員が事件を起こし、大変申し訳...

この記事へのコメント

1. Posted by ろっし   2008年08月03日 04:54
5  だいたい支持率は、5%上昇ですね。上がれば解散、下がればどうするんでしょうね。

 軍事機密と情報公開、政府の対応。三つ揃って、あるべき姿です。

 甲子園。単独犯なのと2年生で、主要メンバーで無い(補欠でもなかった)。この点を考慮したと思います。逆に同じ学校の生徒であれば、部員でなくても広義的には、一緒となります。会社の一個人の犯罪も同じです。集団、組織でなくて、関連性も薄いので、間違った判断ではないでしょう。正しいとも言い切れないですが。判断が難しく妥当性はある判断だとは思いますね。
2. Posted by 管理人   2008年08月03日 23:43
ろっし さん、コメント有り難うございます。

支持率は微増、というところですので、総辞職が強まるのでしょうね。公明の意向を
受ければ総辞職、年末にかけて党首選、その後すぐ信任選挙として解散、年明け総選挙。
その間、粛々とテロ特の再可決などもこなしつつ、というシナリオが現実味を帯びて
います。来年度予算成立後の4月、という線もありますが、年金の負担引き上げに伴う
財源措置という点で、予算案が素直に成立するかに疑義があるため、厳しいでしょう。

桐生第一の件は、高野連の判断そのものより、人との繋がりが希薄化して犯罪が増えて
いる云々、という論調と合致しているのに反対者が意外と少ない、という点に不思議さ
を感じています。声高にそう主張する人間が、なぜ今回は声を潜めるのか?これも
世論の動きに圧され易い評論家の宿命なのかもしれませんね。

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