民主党を離党して改革クラブ立ち上げ経済の話、今週発表の経済指標

2008年08月29日

総合経済対策がまとまる

ゲリラ豪雨の被害が拡大しているようです。これまでの規模や推計では推し量れない雨量、日本の気候が今後も大きく変動していくという想定で、これからも自然災害に備えておかなければならないのでしょうね。

政府が進めていた総合対策が出てきました。事業規模は11兆円、これと別に定額減税も別枠で2兆円規模とされますから、総枠では13兆円といったところでしょうか。ただこれは来年度予算も含まれたものであり、08年度の補正予算は1兆8千億円、これを財政融資資金特別会計内にある、金利変動準備金の未償還分を充当し、赤字国債の発行は福田氏の意向でやらない方針です。
昨日、各省庁がまとめた来年度概算要求が発表されましたが、86兆1千億円程度、年度では4兆円弱の増加です。総合対策内では本来の政策範囲で行うべき内容も含まれるので、86兆円のうち幾つかが総合対策内に含まれている、と考えればほぼ同義的に用いることができます。

定額減税も7月CPIが2.4%を越え、所得拡大はない中での生活費の補填であり、経済対策ではありません。夜間高速道路の一部値下げも、すでに運送業界では高速を利用しないよう通達が出ており、夜間は一般道も空いているため効果も限定的でしょう。むしろ利用者が激減し、道路財源確保のために値下げせざるを得ないだけであって、経済対策でも何でもありません。
中小企業の資金繰り支援も、本来は銀行が負うべき業務です。これまでも一部を公庫がその役割を担ってきましたが、10月に組織改変もあり、保証枠の拡大なのか、融資条件の見直しなのか、で影響も大きく異なってきます。しかもこれは政府保証国内債と呼ばれる債券で賄われ、中小の破綻が拡大すると政府の損失が拡大する可能性も出てくるものです。

来年度概算要求と合わせ、今回の総合対策は『歳入規模を損なわず、歳出規模を確保する』という色彩の強いものとなっています。このため項目は並びましたが、具体的な支出はほとんどないという、これが緊急対策?と目を疑うばかりの内容です。費用対効果でも、アナウンス効果でもなく、これは単に政府が景気に目配せしたということでしかないのでしょう。
残念なことは、特別会計内にある埋蔵金、ムダを抽出するチャンスを再び失ったことです。つまり本来、大型の補正を組む場合は省庁の尻を叩き、官僚から資金捻出を促せる絶好の機会でもあるわけです。しかし概算要求と重ねてしまったことで、予算枠を確保する方向で省庁が動き、それをもって経済対策だというに留まりました。本当に必要なことは何か?国民に訴えるようなものは、今回の対策では何もないと言えるのでしょうね。

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analyst_zaiya777 at 23:12│Comments(6)TrackBack(0)政治 | 経済

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この記事へのコメント

1. Posted by ろっし   2008年08月29日 23:33
 日本は、水も多いのですが、豪雨対策も必要です。近年、局地的豪雨(ゲリラ豪雨)は多く、特に都市部では、甚大な被害になる可能性があります。

 詳しい分析ですね。定率減税については、私も懐疑的です。現在ならば、貯蓄になるのではないかと考えるからです。

 中小企業の貸し渋り対策に一番、力を入れています。ご指摘の通り、本来は、銀行ですね。このあたりは、主義を通せば倒産増。どうすればいいんですかね。

 環境(省エネ)の製品購入補助が、なかったのが意外でした。これは、指摘されるでしょう。私は、開発補助で価格下落、国際競争力向上を図るべきと考えています。

 一般人は別として、専門家は、赤字国債なしは、皆、評価しています。当たり前だけど、今までが普通でなかったから。年収400万円の人が、貯金1200万円、借金1600万円の状況なら、普通そうするだろうな。
2. Posted by 管理人   2008年08月30日 00:45
ろっし さん、コメント有り難うございます。

環境面での支援は、一部では太陽光発電の補助復活などもありますが、今回の対策には
具体的なものはありませんでしたね。中小企業対策では、銀行が業態を変化させ、収益を
企業への貸し出しから金融商品の購入などの運用に転換させたことが問題です。金融庁が
貸し渋りへの監視を強めていますが、銀行は相手企業の資産状況、経営環境の悪化をその
理由に挙げており、それを覆せないのが現状です。銀行と証券の境をなくしたことが
原因であり、今更元には戻せないので、結果的に政府が関与せざるを得ないのですね。
この現象は日米とも起きているので、金融緩和の考え方自体に問題があったのでしょう。

赤字国債発行なしは良いのですが、だから対策も打てないでは意味がありませんね。
増税路線をとる税調の流れに乗れば、歳入減や歳出増を最低限に抑えたかった意図も
理解できますが、国民からは無策との判断が高まることになるのでしょうね。
3. Posted by おるおる君   2008年08月30日 15:24
日本列島の下に、富士山級の海山が沈みこんでいるのが実際に確認されたみたいですね。大陸移動説では、以前から図で解説されていましたが、事実とわかっても固いプレ―トに下に富士山級の海山が沈みこんでいるとはね…。
これでは、歪みができて地震も起きると思いますね!
4. Posted by ナン   2008年08月30日 15:56
元から期待もなにもないので、駄目さの再確認といった感じでしょうかね。
新党がらみで注目されている女性議員は民主のイメージダウンの役割を担っているかような存在ですが、もはや民主云々の話ではないというところを与党の人たちにはもっとよく認識して欲しいところです。
5. Posted by 管理人   2008年08月31日 00:25
おるおる君 さん、コメント有り難うございます。

5.5億年前に分裂を始めたゴンドワナ大陸ですが、そこから日本列島の下に沈みこみ型の
プレート境界構造が生まれたといいます。何度か巨大な海山が日本の下にもぐりこみ、
それに持ち上げられて日本という島が生成されたので、この巨大海山もその一つという
ことなのでしょうね。エネルギーは巨大で、歪による地震もそうですが、数千万年を
かけて見ると、日本に巨大な山を作ったり、大きな地形変化の原因にもなるのでしょう。
この研究は端緒についたばかりなので、研究結果に期待したいところですね。海溝型の
地震の発生メカニズムが解明されれば、今のあまり機能していない地震通報システム
より、数段優れた予知システムもできるでしょうからね。
6. Posted by 管理人   2008年08月31日 00:32
ナン さん、コメント有り難うございます。

期待がなかっただけに、サプライズがあると面白いなとは思っていたのですが、
見事に何もないというサプライズでしたね。

姫井議員の件は、民主党に対しての投票行動にはあまり影響しないと見ていますが、
与党の今回の無策ぶりと無理矢理の定額減税が、選挙には大きく影響してくるので
しょうね。鳩山氏が定額減税を批判していますが、これは来年度の財政に影響して
きまるから当然でしょうね。破れかぶれでバラマキをすると、後を引き継ぐ方も
大変であり、この影響は相当後遺症として日本財政に残る失点になるかもしれません。
公明が連立に参加した頃、子供のいる世帯に向けて数万円をバラマクというとんでも
ない政策を与党に飲ませましたが、その再来かもしれませんね。

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