全省庁が野党の質問請求を自民党国対に事前提示経済の話。金融安定化法可決とその影響

2008年10月03日

年金記録改ざん件数が100万件超の疑い

今日、日経平均は11000円を割ってきましたね。米国でもワコビア買収がシティグループではなく、ウェルズ・ファーゴに決まったようです。金融混乱と今晩の金融安定化法の行方、また米雇用統計など重要指標もありますので、この点は明日まとめて考えたいと思います。

改ざんされた疑いのある年金記録、ついに100万件超との試算が出ました。検索条件が厳しすぎる、との指摘もありましたが、3つの条件の1つに該当する件数は約144万件、重複分を差し引いても100万件は下らないとのことです。しかもこれは昭和61年3月以降の記録しか調べておらず、また加入期間を減らす手法に対しては調査しておらず、調査そのものが片手間で、実際は更に改ざんされた疑いのある年金記録は増える方向にある、というイワク付きの数字です。
年金制度はその他でも、運用主体である年金積立管理運用独立行政法人(GPIF)から、07年度の運用損が約6兆円と発表がありましたが、これだけ株価が下落すると08年度の運用損は更に拡大するでしょう。4-9月のみで考えても日経平均は1割下落しているので、同じ程度毀損していると考えると、20兆円の運用なら2兆円が08年度の半期で消失したことになります。

年金は納付に比べて給付が多い、流出超の状態が続いています。納付率の悪化もありますが、納付実績を上げるためのこうした改ざんが恒常的に行われていた、とすると更に問題があります。仮に年金記録の改ざんが認められたとすると、給付額が跳ね上がり納められた年金分との間に乖離を生じます。つまり納付より給付が多い状態となり、年金原資は更に毀損する形となるのです。
年金原資は国債で67%の運用、と決めているため約束した3.2%の運用実績に足りず、ただでなくとも積立られた原資を毀損する形が続きます。代表質問でも、国庫支出分を今の3分の1から2分の1に引き上げる財源について、麻生氏は言及しませんでした。これらから見ても、年金制度は崩壊の一歩手前にあり、心ある人ならタイムリミットを示して結果を出すことを言明するべきです。そうしないと、破綻して終わりという事態も充分に考えられる水準なのです。

舛添厚労相を評価する人は、小泉元首相を評価したのと同じに感じています。大風呂敷を広げた発表をする場面がメディアに載り、この人はやってくれそうだと期待する。ですがその実、常に後日言質を変えて省庁寄りの態度を示し、問題ないと抗弁します。今回も後期高齢者医療制度で舛添私案なるものを披見しながら、マニフェストにも記載しないと述べ、何のために記者に発言したのかも分からない始末です。
年金も医療も今その制度を利用している人間がおり、過去も現在も未来もクリーンな形にしておくことが重要です。そんな時、口先だけの大臣では小手先の修正すら行えないことになります。麻生氏と仲が悪く、更迭の不安から先手を打ってメディア向けに色々と仕掛けているようですが、情報を小出しにする社保庁の体質すら問題視できないようでは、大臣の資質はないということを充分に認識して欲しいところですね。

analyst_zaiya777 at 23:14│Comments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 行政 | 年金

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この記事へのコメント

1. Posted by ブラックジャック   2008年10月04日 11:53
1 舛添厚労相は、当初は、移民とや難病について国の責任を認め、国民目線で仕事をしていたので、私も評価していました。でも、最近の、突然出てきた舛添私案なるものは、周りを混乱させるだけで、大臣留任を意図したものなのかと思わずにはいられませんでした。

今の政治家に必要なのは、実態を国民の前に正直に明らかし、判断を仰ぐという姿勢です。国民に知らせたくない情報を隠したり、官僚を擁護するような姿勢はブーイングを浴びます。

小泉元首相も結局は口だけだったとの評価になり下がりましたが、唯一の功績は、国民に方針を説明し、国民の判断を問う姿勢だったのかもしれません。それ以降の政治家は、このスタイルだけは真似しなければ評価されなくなったので、日本の政治も少しは前進していると思いたいですね。
2. Posted by ナン   2008年10月04日 22:10
最近思うのですが、40代〜60前後の年齢の方々に自民党支持の方が意外と多い、気のせいかもしれませんがそのように感じることがあります。あまり世代でわけて考えることはしたくはないんですが。

現時点での経済面からいえば極めて自然という気もすることはするのですが、バブル前後からの政治を見てきた影響というのはあるのでしょうか。

しかしながら、不思議というかかなり疑問なのですが、本来一番怒らなければならないのがこれから年金を受け取るそれらの世代の人たちのような・・・。
もう少し想像力が働いてもいいのではないかという気はしています。
3. Posted by 管理人   2008年10月04日 23:35
ブラックジャック さん、コメント有り難うございます。

舛添氏の場合、発言は世間の耳目を集めますが、そのほとんどが実行に移されていないの
ですね。米国の金融安定化法のように、日本の年金制度も超党派の対応が必要であり、
そのためには情報の隠蔽、職務怠慢による情報隠しなどを看過するべきではないのです。
今回の件数も、当初から検索条件が可笑しいとされながら、長妻氏の質問があるまで
改めての調査を行わなかった。調査から漏れた過去の記録や脱退に関しての再調査に
ついても、社保庁は渋っている。こうした状態を放置している時点で、舛添氏に大臣の
資質はないと考えています。超党派の対応とすれば厚労大臣経験者の責任に及ぶ、との
党内事情も分かりますが、それではいつまでもこの問題は解決できないのでしょうね。
4. Posted by 管理人   2008年10月04日 23:53
ナン さん、コメント有り難うございます。

年金制度は変更になりましたが、世代が高いほどその影響が少ないので、40〜60代の
声が高くないのでしょうね。若い世代はマクロ経済スライドの導入と納付と給付の
関係で相当にヒドイ状態に陥りますが、実感がないので反対の声も上がりません。
年金制度全体を俯瞰すれば、かなり異常な事態なのですが、それらはこうした世論を
意識した政治的配慮により抑えられてしまっているのですね。一方で、高齢者ほど
与党支持者が多いのは事実ですが、これは変化を嫌う態度が影響しているのでしょう。
現状への満足度が高ければ、社会全体を変えるような事態は望まない、将来世代への
影響より現世利益を求める、という態度に近いのかもしれません。変化についていく
にはパワーが必要であり、高齢層にそのパワーを求めることは難しいのですが、その
きっかけになりそうなのは高齢者医療制度です。高齢者の気持ちを揺さぶったこの
制度により、その子供世代である40〜60代にも新たな流れが出来るのかもしれま
せんね。

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