中国経済指標に対する不安地方分権について考える

2009年08月12日

自民、民主の財源議論について考える

東名高速道路の静岡県牧之原付近の土砂崩れ、急ピッチの復旧が続きます。確かにお盆休みや物流に関わるので、早い復旧に越したことはありませんが、盛り土の一部を強固にすると、反対側や周囲に歪が出易くなります。きちんと計算された上でなく、行き当たりバッタリで修復計画が変更されているように見え、今後に起こると予想される東海地震に、今回の補修で本当に対応できているのか?政治日程絡みで焦り過ぎではないか?やや心配になってしまいますね。

21世紀臨調主催で、自・民の党首討論が行われました。財源議論では、麻生氏は名目経済成長2%達成に伴う消費税増税で、鳩山氏は無駄遣い削減、予算組み替えで、という基本姿勢に終始しています。これはどちらも水掛け論であり、たら、れば、の話をしているので、どちらが責任あるかではなくどちらの主張が現実的か、というだけの話になります。
消費税を何%上げるかは明記されていませんが、引き上げは景気を下押しするので、仮に一時期2%を達成してもその後は低迷する可能性があります。特に今は世界各国で需要を先食いしており、来年、再来年の反動減を見込むと、2%の経済成長がどの段階で達成可能かは微妙なところです。

無駄遣い削減では、民主の主張する企業会計に準じる財務書類の作成が、どの程度機能するかでしょう。行政刷新会議や契約適正化に向けた委員会の設置、等もありますが、これまでもチェックが機能し難い問題があります。財務書類を作らせても、傘下の法人に積み増して誤魔化す可能性はあるものの、不正会計は国家利益に反する行為として罰することが可能となります。
民主の財源議論は行政改革と一体であり、逆に云えば行政改革が出来なければ、政策がどん詰まりに陥ることが確実です。むしろそこが決意であり、官僚のもつ利権構造から、どの程度国民利益に資する財源を確保できるのか?なのでしょう。これは財源が無責任というより、行政改革に責任をもって行動できるかであり、言い方を変えれば両党とも政治の責任とは何か?が問われていることになります。

しかし残念なことは、両党とも財政には責任をもっていないことです。自民は歳出拡大を当面続ける、というこれまでの成長路線を堅持する姿勢を持ち、民主は再配分という形で財政については現状維持を打ち出しています。国債の利払い増が懸念される中、政治が責任を明示しない部分となっています。特に両党とも年金問題で支出の拡大が見込まれますが、その財源は明らかにしていません。
財源議論はどちらにとっても脛に傷であり、かじる脛も細くなり、どこから搾り出すかでもめているのみです。政治が責任をもつというなら、行政の情報を全て公開するぐらいの気概も必要なのでしょう。情報を公開すれば、不正やその他が国民に向けて詳らかになることを意味します。それに耐えられてこそ、責任ある行政運営ができたということになるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:37│Comments(13)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

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この記事へのコメント

1. Posted by おるおる君   2009年08月13日 00:02
民主党が言う民主党政権が続く限り消費税はあげませんというのは…
聞きようによれば、有権者に対する脅しととれませんかね?
又消費税を上げずに財源は大丈夫でしようか?
2. Posted by 管理人   2009年08月13日 00:18
おるおる君 さん、コメント有り難うございます。

民主が仮に2巡目に入る時には、消費税は避けて通れないでしょうね。
何より医療、介護、社会保障など、手厚くなればなるほど財源が必要です。
個人に手厚くなりすぎれば、国家財政に影響し、増税など耳障りの悪いこと
にも言及せざるを得ないでしょう。幾ら予算配分を見直しても、社会構造が
変化する中で自然増になる部分には、それなりに財源手当ても必要ですからね。
環境税も持ち出したようですが、財源問題は民主党でも出てくるはずであり、
仮に政権をとっても次の次の総選挙までにそれらが明らかになってくること
になるのでしょうね。
3. Posted by Sean.   2009年08月13日 15:53
税収が50兆円程度しかないにもかかわらず、民主党が16.8兆円(平成25年度)の支出を約束していることが問題です。いくら「節約する」「予算の組み替えをする」と言っても、あまりにも規模が大きすぎて信じられません。経済成長によって所得税・法人税を増やすか、それとも消費税を上げるか。いずれにしても、その範囲で新しい政策に取り組むようにするのが健全な計画ではないでしょうか。手当等は一端増やすと簡単には下げられないものです。あまりにも大雑把でヒヤヒヤします。

租税及び印紙収入、2009年度当初予算、2006年度実績(億円)
総額         478,155     522,905
所得税        155,720     140,541
法人税        105,440     149,179
消費税        101,300     104,633
4. Posted by 管理人   2009年08月13日 23:44
Sean. さん、コメント有り難うございます。

これは一般会計分ですね。民主党のムダ削減の主張には特別会計が含まれています。
大雑把ですが、特別会計では09年歳入400兆円弱、繰越金30兆円弱、その内財源手当てで
補正を含め、一般会計に組み入れられたのが外為特会の3兆円弱です。繰越金は翌年に
持ち越しですので、単年度決算が原則の日本財政にとって、特別会計が如何に特別視
されているかが分かります。しかも内容は現状、必要性が低くなったものも含まれ、
役目を終え、割合を引き下げることも可能なのですね。確かに経済成長をすれば全て
解決する問題ですが、欧米が今後数年低成長に陥る予測も多い中、外需依存のままで
財政出動だけで成長を訴えるのは、相当無理がありますし、その間の財政全体も検討
しなければなりません。日本国債も格下げが懸念され、利払い拡大が現実味を帯びて
います。一般会計、特別会計、それに貯蓄率など総合的に見ていかなければいけない
問題なのでしょうね。
5. Posted by Sean.   2009年08月14日 12:17
特別会計の歳入は、国民年金等の年金保険料、たばこ税等の特別会計直接納入税、地方公共団体等負担金、公債金、国有財産処分、備蓄石油売払等事業収入、資金運用益、一般会計からの受入れ等です。特別会計の透明化は重要ですが、特別会計の収入を別の目的に使うことは出来ません。年金保険料を子供手当に使ってはなりません。「一般会計に組み入れられたのが外為特会の3兆円弱」とありますが、一般会計から受け入れた蓄積資金が現状では過剰と判断されて返還されたのであって、元々は一般会計の毎年約50兆円の税金から蓄積されたものです。特別会計の無駄を省くと、約50兆円の税収から特別会計へ組み入れられる分が減る可能性はありますが、財務省主計局報告では全て無くしたとしても4.1兆円程度です。いくら無駄を省いたとしても恒久的財源としての税収からの配分であって他にはないと思いますが。。。将来に禍根を残さないでしょうか 。
6. Posted by 管理人   2009年08月14日 23:42
Sean. さん、コメント有り難うございます。

細かくいくと色々あるのですが、例えば外為特会は政府短期証券と繰越資産が
歳入であり、一般会計からは入っていません。政府短期証券は非常に癖がある
公債ですが、国の資産が膨らむと法律で発行が義務付けられ、歳入に組み入れ
られます。その他、外貨準備として米国債に振り分けられた利回りが収益に寄与
しますので、積み残すか一般会計に組み入れるかは裁量次第で可能なのですね。
ちなみに先に麻生首相が約束したIMFへの資金も、この辺りから出ており、一部
円高で損失を出したとはいえ、収益を確保している特会でもあるのですね。
特別会計と一般会計の、所謂年金、保険を除いて重複分を削減すると大体200兆円。
これが歳入です。民主党の主張は約1割のムダを抽出する、と述べているのですが、
私もこの全てが可能と考えるほど楽天家ではありません。ただムダと呼ばれるものの
本質は、行財政改革全般の進行次第でもあります。続きます。
7. Posted by 管理人   2009年08月14日 23:54
続きです。

例えば社会整備特会。これは道路特会や港湾特会などを含むものですが、日本では
ハブ港、ハブ空港がない致命的欠陥を指摘しており、韓国に荷受や乗り継ぎの点で
遅れをとる事態となっています。この結果、赤字補填を余儀なくされる。これもムダ
です。また瑣末的な話ですが、一般道と農道が並行で走っている点など、縦割り行政
のムダな点ですが、農道は基準としてガードレールや歩道がないなど、通学路にも
要をなさず、アスファルトの立派なものも使途は限定されています。林業の助成と
して作られた特会も、今や国有林の保全と環境整備を謳う特会に切り替えられ、存続
しています。全てムダ、という気は毛頭ありませんが、財務省主計局のいう4.1兆円
とは違う視点も必要なのでしょうね。財政審議会もありますが、道路、ダム建設を
減らすだけでも財政寄与度は高いですが、それを一般会計に組み入れる仕組みが、
今は抜けています。全て統合されれば、建設費抑制は単純な予算の組み替えで済み、
これが行財政改革として必要なことでもあるのでしょうね。
8. Posted by Sean.   2009年08月15日 13:27
外為特会の件、要するに借金と金利収入ですね。認識不足で失礼しました。特別会計は、歳出総額355兆円の内、特別会計間の重複を除くと169兆円。内、国債償還利払79.5兆円、社会保障費52.6兆円、地方交付税交付17.8兆円などで、残るのは10兆円。この10兆円分の歳入は、一般会計からの繰り入れと特定財源を合わせて4.1兆円、残りの5.8兆円は手数料などです。
財源に関する争点は、「民主党の子供手当を始めとする政策16.8兆円の財源をどうするのか」ということです。いずれにせよ、政府に入ってくるお金は、大まかに「税金」「社会保険料」「国債などの借金」と「金融収支」ですね。子供手当など社会福祉の恒久的支出の財源は、税金でまかなうべきと思います。今後低成長が続きそうなので、200兆円の総予算の無駄を省いた分は、借金返済に大部分を充当せざるを得ない。貸方、借方共に縮小して、身の丈にあった財政規模にしなければ。。。16.8兆円を使う前によくよく考えるべきですね。
9. Posted by 管理人   2009年08月15日 23:53
Sean. さん、コメント有り難うございます。

恒久的な政策の手当てには、明確な財源がある方が有利であることは確かですね。
私も経済成長による税収増が最も望ましい形と考えますが、実は隠れ借金と称される
ものが日本では多く、財政全体を見通し難くさせる事情が存在します。例えば先の
政府短期証券は、財務省発表の債務には含まれません。それを含むOECD発表の債務
残高は年金、社会保険を含む歳入との比較で2010年度には196%、先進国中最悪と
なります。更に経済対策で歳出が増え、200%の扉を叩くと諸外国の日本を見る眼も
変わってくるでしょう。国債の格下げとなれば利払いが拡大し、一層の歳出入改革
の必要性が出てきます。日本は歳出を増やさず経済成長を促し、合わせて財政を
見直さねばならず、それに具体的な戦略、評価できる項目がある党は残念ながら
皆無なのが実情なのですね。
大英帝国は大戦後、小さな国家を目指して戦争と植民地政策から大きく舵を切り
ました。日本にもいずれ、大きな改革は必要となってくるのでしょうね。
10. Posted by Sean.   2009年08月16日 11:32
小生には細部の認識不足の点がありますが、管理人さんとは経済情勢や国政に関する基本認識は一致しています。プラザ合意以降、内需主導の安定成長といいながらバブルを生み、金融も製造業も財政も身の丈以上に拡大した。地方を含む行政コストを縮減する段階に差し掛かったが、サブプライム&リーマンショックの影響で財政拡大を余儀なくされている。。。というのが現況

問題なのは、そのような情勢であるにもかかわらず、民主党が16.8兆円の巨額の恒久的支出を約束していることです。「子供は国の財産であり、社会全体で育てる」と言った理念は傾聴に値しますが、野党的な理想論と現政権批判を政策にしたのでは、現実の国家経営は不可能です。郵政民営化は実質的に白紙?国債減額?消費税?ノンリコースローン?・・・個別には立派でも政策パッケージとして成立するのかはなはだ疑問です。政権交代ムードにのってオーバーコミットメントのきらいがあり、政権交代後の政治経済の混乱と、将来の禍根を懸念します。
11. Posted by 管理人   2009年08月17日 23:47
Sean. さん、コメント有り難うございます。

私も現状認識はSean.さんと同じに感じています。ただ若干異なるのは、私が行財政改革を
1丁目1番地に考えており、それに見合う提案をしている政党は?という視点で見ている
点なのかもしれませんね。例えば民主党のバラマキですが、財源手当てがなけけば、
有権者から批判も強まり、世論を背景とする民主党の結束も弱まります。それが今度は
政権交代ではなく、政界再編に向かう可能性を示唆しており、民主党は嫌が上でも先に
行財政改革をやる必要性に迫られることになります。実はすでに財源手当てのない施策、
年金の国庫負担引き上げが実施されており、この財源手当てをするか、見直すかも次政権
に持ち越しの課題になります。タイムスケジュールも出されていますが、財源を生むため
の行財政改革を率先してやる、そうでなければ解党的出直しになる、という点で自民党の
従来路線堅持より、強いメッセージと考えているのですね。
12. Posted by Sean.   2009年08月18日 11:58
[1]「国の総予算207兆円の中からムダづかいや不要不急な事業を根絶することにより16.8兆円の財源を確保する」というのはまやかしである。
[2]財源確保の見通しが無いまま巨額の支出を約束しているので、将来の増税や国債増発が懸念される。−−「行財政改革を行って財源を確保してから新しい事業を行う」とは言ってないですね。

行財政改革に関する民主党の主張に強いメッセージは感じません。官僚に代わって政治家が行政しても同じ穴のムジナでしょうね。民主党も利権癒着を疑わせます。自分たちがという思いが結果的に大きな政府になりそうです。組織の自己撞着性は民主党にも存在するはずです。お役所仕事の怠慢さを改革するには、政権交代というショックが必要かもしれませんが。。。

解党的出直しで迷惑を被るのは将来の日本人です。選挙では、政策の相対比較だけでなく、根本政策を投げかけていく必要があると思います。
13. Posted by 管理人   2009年08月18日 23:47
Sean. さん、コメント有り難うございます。

みんなの党の渡辺元行革相が云うように、30兆円程度のムダはあると見ています。
度々当ブログでも行政のムダを指摘していますが、そうした事情とは別に、民間企業
の経営、財務諸表や事業別収益等を見ても、5分の1程度のムダは摘出されます。
これは組織外からの点検、精査を経ると、平均的に確認できる数字でもあるからです。
民主党に出来るかどうかは別にして、ムダ抽出は可能です。マニフェスト上、ムダな
部分を幾つか列記していますが、それで読み取らなければ、恐らくご指摘のように
マヤカシとしか感じられないのでしょうね。今の自民党が解党的出直しを迫られて
いるように、マニフェストに具体的な数字を書けば、当然次の選挙で点検が可能と
なります。検証可能性、という言葉を以前使いましたが、それが民主党の覚悟の部分
でしょう。官との利権癒着は最低3年以上は政権が続かないとありえず、当面は適当に
やり過ごす戦略を官僚は持っています。自家撞着に陥るかどうかは、官僚との対決
姿勢を維持できるかどうかなのでしょうね。

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