日韓併合100年に対する首相談話円高に関する動き

2010年08月11日

米国FOMCによる追加緩和策について

日米の中央銀行による会合が開かれ、市場が大きく動きました。日銀の政策決定会合はほぼ無策。一方FOMCでは、FRBが買い取った住宅ローン担保証券(MBS)の償還金を、国債購入に充てる決定をしています。FRBの動きは追加の金融緩和策、という指摘もありますが、端的には市場に資金供給を促す策ではなく、資金吸収による出口戦略を先延ばしして、「異例なほど不透明」とFRB議長自ら発言した現状の苦境を乗り切るための施策、ということになります。
FRBの動きは、追加の供給策では日本型デフレに陥る、とタカ派のレポートが米地区連銀総裁から出ており、一方で緩和策を求めるハト派との中庸、といった施策です。FRBのバランスシート拡大はなく、2倍近く拡大しているマネタリーベースにも変動を与えない決定と云えます。

ただ市場が動いたのは、FRBによるドル安容認の動きを感じ取ったものです。MBS購入は住宅市場支援策です。この継続は一業種に偏った施策との指摘がFRB内にあり、MBS購入枠拡大の提案はあったはずですが、国債購入による低利な貸出しを増やすことで回復の弱い住宅市場への影響は相殺する。また国債利回りを下げてドル安に誘導し、外需を取り込んで景気回復を促す。これが米国経済の方向性、国債大量発行に伴う当面の支援策が、国債購入だったということです。
これを受け、米2年債利回りが0.5%を切るなど、水準感が変わったことでドル安に拍車がかかります。FRBの景気認識から見れば、当面利上げはない。ドル売りのポジションを組み易くなり、密接な関係にある欧州にも飛び火。ストレステスト以来、安堵感の広がっていたユーロ売りに繋がり、景況感が良い円高に繋がる、という嫌な流れが出来てしまいました。一方、円高を嫌気し、株式市場は週末のSQ、来月のメジャーSQを低めにとろうとの動きで売りが嵩みました。

今日発表の中国の経済指標も一部が弱く、消費者物価指数は3.3%と3%台に乗せたことで、金融引き締めが意識されます。昨日は中国の輸入鈍化も発表されましたが、中国経済の動向を意識せざるを得ない、欧米の経済事情という側面が、改めて意識され始めています。
15年ぶりの円高、という指摘もありますが、当時と今では水準感が異なります。購買力平価などを見ても極端な円高ではないため、介入するには論拠が必要です。2、3日で3〜5円程度動けば介入の条件は成立しますが、それとて一時的な緩和であり、過剰流動性に陥った世界で、日銀の介入程度で下支えが出来る期間は、そう多くはないでしょう。といって、政策決定会合で無策を露呈した今、また景気判断は良好と見ている日銀に、追加緩和策や介入などの手は打ち難いのが現状です。つまり政治も日銀も自己保身による態度が、新たな対策を遠ざけるという効果を生んでいるのです。

現在は先進国が二流化するデフレ懸念に陥り、新興国はインフレに悩むという構図です。先進国から持ち出された資金が新興国に流れ込む、物価は先進国が新興国並に近づくのと同時に、新興国は先進国水準を目指す、その過渡期です。こうした平準化に向かいながら、資金供給が過多に陥っているため、新興国ではバブルを引き起こしています。このバブル崩壊で過渡期は終わり、世界経済は冬の時代を迎えるでしょう。それに気付きつつ、FRBは自国経済に対する自己保身的な態度から出口戦略を先送りした。いずれ世界は、そのツケを清算しなければならない段階に至るのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:24│Comments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | アメリカ

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この記事へのコメント

1. Posted by おるおる君   2010年08月12日 00:12
世界経済の冬の時期はいつ頃到来しますかね?

当然中国バブルも崩壊するでしょうし

二番底どころではない!ということでしょうか?
2. Posted by 管理人   2010年08月12日 00:40
おるおる君 さん、コメント有り難うございます。

今回のFOMCで、米国経済の鈍化が示されましたので、財政年度の切り替えタイミング
ですが、中間選挙前に何らかの経済対策は打ち出される可能性があります。その内容を
見極めたい面もありますが、11月から年末、年始にかけてのタイミングで、借り換え等の
問題を生じたときが、ターニングポイントになる可能性もあります。欧州の緊縮財政を
意識されると、経済の停滞がより鮮明となり、何らかの金融対策が利かない、という
事態も想定できます。あらゆる面で何らかの、想定される反応と異なる動きを市場が
見せたとき、失望とそれに対する分析が行われることで、マインドが悪化する恐れが
あります。景気は気から、とはよく言われますが、世界経済を真に冬に向かわせるのは、
こうした人々の気持ちが後ろ向きになるとき、なのでしょうね。新興国のバブルが弾け、
先進国は長期停滞を意識する。各国が同時にこうした状況に置かれると、案外冬将軍も
早く到来し、心と懐が寒いことにもなりそうです。政治と中銀の行動に、より重責が
かかる中で、現在の日銀の態度にはやや心配がありますし、累積された財政問題に対し、
そこに逃げ込むばかりの政府の対応も、適切な対応をとれない懸念を生じます。
そうしたことが重なれば、来年辺りは深刻な状況を迎えるかもしれませんね。

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