日本の4-6月期GDPと経済政策官房機密費に関する官僚証言

2010年08月17日

厚労省の怠慢の責任と施設売却

昨日の悪化したGDP発表以降、菅首相が景気対策の検討を指示しました。ただ現状挙がるのはエコポイント延長、中小企業資金繰り対策など、既存の景気対策の延長であり、同じ対策を続けても効果は確実に弱まります。20日頃に景気対策の検討に入る、23日には菅首相と白川日銀総裁の会合、などの口先介入と思しきイベントは並びますが、効果のほどは甚だ疑問視せざるを得ません。
今日の株式市場では、法人?年金?と見られる実物買いが入り、取引中の年初来安値を拒否して引けています。一時はまさか政府の介入?ともされたほど、この水準で市場は疑心暗鬼になっており、予断を許しません。仮にイベント通過で失望が広がると、若干弱気に傾く可能性もあります。来週にかけ、海外のマインド変化と日本政府の対応は、短期の市場形成に大きな影響を及ぼすのでしょう。

年金・健康保険福祉施設整理機構(RFO)が、年金や社会保険料を使い建設した施設の売却を行い、簿価6562億円、時価2001億円とされた施設合計で、2185億円になったと発表しました。建設・維持費で1兆13百億円ですから、約2割の回収です。ただ赤字経営の穴埋めに年金・社会保険料が充てられなくなった分、ムダ削減には繋がるのでしょう。但し社会保険病院、厚生年金病院は地域医療への影響から売却を凍結されており、RFOは2年間延長することが決まっています。
地域医療では特に、民間参入が困難な場合、均衡状態を崩せば大きな痛手です。新たな独法をつくり、運営を任せる法案は廃案となり、2年間で新たな運営を模索する必要があります。地域の実情、一つ一つに合わせて廃止、存続するにしても売却か、新主体に移行するのかを決しなければなりません。福祉の増進、などの曖昧な目的で作られた施設とは、判断基準を大きく変えねばなりません。

これはエコポイントも同様。本来、効果が薄れた製品から、対象を新たに拡大したいところですが、生活に密着した部分でないと、税金投入して購入支援する意図が薄れます。病院も生活に密着したものであり、税金投入が許容される一方、甘い経営方針であればムダとの批判を招きます。実はこれが独法、公益法人を含め、必要性を論じる場合に必ずもたねばいけない視点であり、それは『国民生活への寄与度』という形で表されることになります。
長妻大臣が年金機構の事務所に業務の覆面調査を実施、正しい応答が全体の2割ほどしかなく、機構が対策に追われるとされます。しかし年金機構が年金照合作業に追われ、対策が後手などの説明は言い訳に過ぎません。準備期間は充分にあり、作業の遅さとサービス、マナーの悪さが指摘されたものは、通常の民間機関であれば昼夜を徹して改善を目指さなければいけないものです。特に、年金は国民生活に密着しており、納付を義務化された半強制的なシステムだからです。

所在不明の高齢者の問題でも、紙台帳のみならず、コンピュータ上のデータさえ照合が必要となっています。不正受給の回収作業まで大量に発生、これらも今までの通常業務さえ怠慢だった部分が、露呈したことで一気に作業量が増しただけの話です。これを大臣が余計なことをして仕事を増やす、などと述べるある幹部がいる時点で、組織的な改善は年金機構に移管しても進んでいないのでしょう。厚労行政は幅広い分野です。大臣の個人的な責任に押し付けようとする官僚が現れた、それをそのまま報道してしまうメディアの記事にも、要注意なのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:34│Comments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 年金

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この記事へのコメント

1. Posted by おるおる君   2010年08月17日 23:51
なんとまぁ…民主党は全く悪いタイミングで政権交代したことになるのでしょうか?
これから普天間に党の選挙に…
国会に円高に景気低迷と…

政局に影響が出るでしょうか?

年金の長妻が結果を出せていませんね…

最も期待されていた大臣だったはずですが…
なぜですかね?
2. Posted by 管理人   2010年08月18日 00:30
おるおる君 さん、コメント有り難うございます。

日本には様々な膿が溜まり始めていた、政権交代だけでなく、その膿が一つ一つ潰れている
感じですね。民主党内の動きが、直接政局には絡まないと思います。今のところ、鳩山氏も
菅氏支援を表明しており、世論調査も菅氏支持が高いので、下手に動けないという雰囲気も
ありますからね。親小沢派も対抗馬をたて、相争う形で代表戦後に、政権内部に親小沢派を
送り込みたい、という思惑でしょうね。円高と景気減速は、現状は大きな動きになり難いの
ですが、今後国民の失望を高める一因になりかねず、来週の対応はその意味で何が出るか?
ということなのでしょうね。
長妻氏は監督者ですから、不正や怠慢を暴き、内部の規律を正す形の省運営を行っています。
しかし怠慢と、欺瞞が跋扈する厚労省内部を、完全掌握するのはムチばかりでは難しいので
しょうね。といって、アメを渡せばしゃぶり尽くして次を要求する。それが今回売却された
施設群です。一方で病院などは切り離せない、そのジレンマをうまく整合させられるかが、
長妻氏の手腕ということになります。ムチを振るうから仕事が遅滞する、仕事量が拡大し、
混乱する。そんな意見に価値はありません。ただもう一つ、年金などの抜本改正を封印した
ばかりに、悪い仕組みをそのまま引き摺っているという面もあります。どの時点で改革を
打ち出すのか?党内の情勢とも絡み、こちらの方が政局という意味では、与野党に大きな
うねりを招き易いのかもしれませんね。
3. Posted by ケーイー   2010年08月19日 20:44
八千億円をドブにすてているんですか?
お役人様は自分には甘くて、患者や病院には厳しいのですね。厚生年金病院を経営していれば我々民間医療機関がどれだけ苦労しているかわかるだろうに、医療費カット、患者窓口負担引き上げしかやってないのは無策としか言い様がない。
「地獄の沙汰も金次第」ならぬ「医療の質も金次第」となりつつある現状を厚労省はどう考えているのかな?
リーマンショック以来患者の治療中断が多いと言われているが、それこそ医療費の無駄なんだけど、こう景気が悪いと治療費が払えない人が段々増えてきている。大昔のように貧乏人は医者にも診て貰えなくなるんだろうか?怖い!
4. Posted by 管理人   2010年08月19日 23:32
ケーイー さん、コメント有り難うございます。

年金、社保料関連の公共工事は、ここで売却しなければ更なる赤字の垂れ流しになっていた
ところであり、まさにドブに捨てていました。これも特別会計として年金、社保料を別け、
予算に余裕があった頃、旧厚生省、社保庁が自分たちもハコモノを作って、運営、管理の
ための公益法人を設立、天下り先を確保したい、という意図の下で行われたものです。
そんな予算があるなら、医療でより良い形で患者さんに提供した方が、どれほど有益かは
云うまでもありませんね。これも特別会計の仕分けで、どれほどムダを突き詰められるか?
ということになります。英国ではホーム
ドクターが診察する分には、治療費を全額国が負担し、患者負担がない国もあります。
日本でも一時期検討されましたが、コストと見合わず議論が進んでいない面もありますね。
行政は大きな改善を望まない、仕組みが変われば自分たちの負担であり、予算拡大を伴わ
ないと、中々乗り気でない。それを変えるのが政治の役目ですが、特に厚労行政はこうした
膠着した面が強く、患者や医療の現場で働く人への配慮が足りず、国の負担が増えること
ばかりを議論の主体にしてきた面があります。小泉政権の2千億円カットなど、国民の生命、
財産を守ることが国の役目なら、まず健康的に過ごせること、そこに予算配分があって
然るべきであるはずなのですけれどね。

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