雑感。民主党代表選後の動きを予想してみる民主党代表選と概算要求

2010年08月30日

日銀・政府の景気対策について

日銀が臨時の金融政策決定会合を開き、新型オペの拡充として期間6ヶ月物の貸出を、10兆円上積みして新型オペの規模を30兆円とする、と決定しました。今の経済、特に市場関係者は雨乞いすることで溜飲を下げる傾向があります。自分の池に水が溢れていても、他の国で一杯雨が降っていれば、自分の国でも降らせてと天にせがみます。ダムが壊れていて、水が漏れていることが問題であるのに、水量ばかりを気にしているため、すぐ下がった水量を気にして効果が切れてしまいます。
今回の対策は、やや長めの資金の利回りを低下させますが、ただ入札回数は少なく、オペレーションとしての効果は限定的です。10兆円は大きな資金ですが、日銀が雨の降らせ方を局所的にした。潤いを感じられるのは一時的、と見て間違いありません。更に8月10日の会合で、景気見通しを楽観的とした判断をわずか3週間で見直し、政治に屈したとの印象を内外に与えたことは、日銀の大きな失策です。下ぶれリスクを先取り、という言い訳は虚しい限りに聞こえます。

政府は同日、経済対策の基本方針を決めました。予備費9200億円を充当し、トライアル雇用制度の拡充、家電エコポイントの延長、環境分野の設備投資に補助金、などを打ち出しました。補正予算を組まないので、すぐに対応できる資金ですが、対策の詳細は来月10日に打ち出します。
日銀の新型オペ拡充も、政府の基本方針も、いずれも市場予想を超えるものではありませんでした。今日の日本市場は期待値が高まった午前は300円近い上昇、日銀の決定内容が伝わった後場は失速し、150円上昇で引けています。月末ドレッシングを巻き込んで、買い方が仕掛けた印象も強く、内容に乏しかったことから明日の相場は若干、期待値が剥落する場面も起きそうです。

為替相場も、政府が介入辞さずの姿勢を示したことから、85円台後半にあった円ドルが84円台中盤まで巻き戻って留まり、アナウンスメント効果は低かった、と見るべきでしょう。結果として政府・日銀の手詰まり感を露呈した、そんな一日として意識されそうです。米国はFRB議長が景気認識に厳しさを認め、追加緩和を示唆、次の段階で緩和措置を打ちます。これだけで2ヶ月程度、アナウンスメント効果を得ることが出来る。日本のようなバタバタした印象は皆無です。
大事なことは壊れたダムを補修すること。ただし日本はバブル崩壊以後、補修作業を繰り返しており、そこそこ水漏れは止まっている。問題は欧米です。欧州ではアイルランド格下げなど、再び不安が出始めており、スプレッドが拡大しています。法人税減税などを行い、企業誘致に努めて経済発展をした国が、財政不安を抱えた場合に法人税増税に舵を切れるのか?これは世界の企業動向、拠点探しに対する態度を決めることになるのかもしれません。

雨は降っても地は固まらない。それは大地主が自分の池に水を引き込み、下流の農家に流さないことで起きています。昔から水利権は村同士の争いの種になり易かった、という面で見れば、雨乞いばかりしていても、何ら問題の解決にはなりません。今回の対策は『年寄りの冷や水』です。後手で小出し、屋上屋を架すような政策を冷やかされるだけ、という深刻な内容でもあるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:35│Comments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 経済

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この記事へのコメント

1. Posted by おるおる君   2010年08月31日 00:18
世界中の国が輸出したいが為に、自国通貨を安くしたい!
これで一番損をしているのが日本です!
戦前だったら戦争ですよね!世界は戦前のブロック経済の反省を忘れているのでしょうか?
民主党の支持率が上昇したとか?夏休み中に上がってもしょうがないでしょう?
結局民主党は、談合 というか 密室で決めてしますのでしょうかね?
2. Posted by 管理人   2010年08月31日 00:55
おるおる君 さん、コメント有り難う御座います。

日本は先進国、という縛りに苦しんでいますね。つまり経済規模は世界第2位の経済大国、
ビジネスモデルは輸出依存の新興国並、これが日本が身軽に動けない理由です。韓国、台湾、
中国など東アジアの各国が介入しても、通貨安モデルに移行できない。欧米ではマネタリー
ベースを拡大させ、通貨の価値を希薄化させて対応しているのに、日本はバブル崩壊後の
対応で、その政策の副作用を経験しているため踏み込めない。ジレンマなのでしょうね。

民主党の支持率上昇は、簡単に言えば短命政権は恥ずかしいとする論調と、続けば良いと
考える政権を、批判する人間が少ないことに影響されたと考えます。夏休みで政局の報道が
少ない面もありましたね。個人的には、菅‐小沢の会談は決裂すると見ています。小沢氏の
処遇に提示がなかったこと、そこは妥協点として、切羽詰った段階で何らかはあるでしょう。
ただ以前と比べ、ハードルは挙がっています。党内融和なら、先の菅‐鳩山会談で側近の
厚遇などを打ち出しておけば、溜飲を下げた可能性がありますが、この段階ではかなりの
条件を小沢氏側が提示できることになります。逆に条件闘争でかなりの材料を引き出さ
なければ、小沢氏の立場が苦しくなりますからね。
恐らく代表選後の一部議員の人事を巡り
調整し、選挙後の挙党体制を確認する場に終わると見ています。ただ小沢氏の動きは予想
し難いため、仰天はある可能性も充分高いと見ていますけどね。

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