雑感。エジプトのデモ拡大雑感、企業統合と破産の話

2011年02月12日

年金に関する議論について

エジプトのムバラク大統領が辞任しました。総括は色々あれど、一つ云えるのは民主主義は、民衆の力によって成し遂げられるということです。今後、エジプトには国としての困難が待ち受けるでしょうが、民衆の選択により国が導かれることに、国民全体で責任をもち、国の行く末を見ていかなければいけないのでしょう。衆愚であろうと、大衆迎合であろうと、民主主義が如何なる欠陥を抱えていようと、これが大衆が導くダイナミクスなのだということですね。

共同通信の世論調査で、内閣支持率が20%をきりました。このままだと2月後半に10%前半、3月には1桁に落ちます。民主は元の基盤が弱い政党、連合とて上の統制が末端まで確実に及ぶほどではなく、地方の県連、市議団レベルも自民より圧倒的に少ない。世論の追い風を浴びなければ、多数派を死守することなど出来ない政党です。それがこの支持率ですから、統一地方選は大惨敗の目も出てきました。これまでの選挙を総括もしない執行部ですから、これは止むを得ない話です。
そんな中、俄かに社会保障と税制の一体改革で、年金制度に関する問題が持ち上がっています。与野党協議の前に、まずはっきりさせなければならないのは、今の年金制度は変更が必要だ、ということ。百年安心な設計ではない、ということです。そこで厚生、共済年金一元化の話もありますが、これは共済年金の側が制度的に破綻する、その仕組みを厚生年金の側につけ回す手法です。

公務員人件費の削減、地方への業務と権限の移管、いずれも現役世代の負担を増やします。また公務員はリストラを経ていないため、早期退職勧奨があっても、団塊の世代の退職が待ちうけます。しかも、給与引下げが遅れているため、支給の方が益々増える悪循環、これまで財務省の管轄として、共済年金を守り続けてきた公務員が負担に耐えられず、厚生年金とセットにしたいと言い出している。実は自民党政権時代からの、これは財務省主導による共済年金を守る議論に過ぎません。与謝野氏がテレビで発言していますが、要は自民党時代の議論に逆戻りさせ、与野党が歩み寄ることで財務、厚労が協議して公務員の既得権益を守る形ですすめるということです。
問題は最低保証のあり方で、それを確立させなければ年金か、生活保護か、という選択になるだけです。問題は歳入と歳出を均衡、もしくは黒字に貼り付けることではなく、国が保証する最低生活を国民に与えるには、収入減少型社会に陥るとリスクが高い、ということです。つまり働く者も、引退した者も、不安を抱えるような社会ではどんな制度でも、破綻を想起させる点をどう国民に、納得できるように説明し、解決の糸口を提示するかなのです。

インフレになれば、マクロスライドがあるから給付が上がる、という説明もありますが、コストプッシュインフレは賃金デフレと物価高の両面を担う可能性が高い。それでは歳入減、歳出増の仕組みに陥るだけです。持続可能性とは、時と場合に応じて成功するか、失敗するか分からない、という制度ではなく、如何なる変動にも耐えうる制度を構築できるかどうか、です。そのために日本年金機構は給付のみで、規模を十分の一に縮減、税と一体化させた方が有利であるなら、そうすべきなのです。
菅政権の持続可能性は最長でも4月、その間に与野党協議が進む道はまずありませんが、大切なことは中身を透明化した議論にすることです。今のままなら、大手メディアは官僚の流す表向きの議論ばかりで、国民がまた百年安心プラン、などのゴマカシに晒されます。小手先の改革で終わらず、国民に納得できる議論となるようにするために、議論のオープン化からまず始めねばいけないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:36│Comments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 年金

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この記事へのコメント

1. Posted by tora   2011年02月12日 23:51
地方は民主からの離脱者が相次いでいるそうですね。
統一選の候補者も750人しか集まらず、さらにその候補者からも公認外し、返上等の動きが出てます。
まさに沈む船からねずみが逃げ出すような状態です。
このまま同日解散総選挙の可能性は高いと思います。
2. Posted by 管理人   2011年02月13日 00:25
tora さん、コメント有り難う御座います。

菅氏に正常な判断ができれば、まず解散・総選挙には打ってでないはずですが、今は何が
どう転んでも可笑しくありませんね。支持率1桁で解散すれば、どうなるかの実験的な内容
となりそうです。ただ周囲としては、必死で食い止めるでしょうが、その辺りは前原氏や
仙谷氏、岡田氏になると、次期首相候補ばかりで、本人的には頷けないでしょう。枝野氏も
今の予算委の答弁がまったく目立たない点をみると、無難すぎて政権の防衛ラインには
立っていない、役不足を否めない印象です。身内ばかりをより集めた結果、誰も信頼でき
そうにないのが菅政権、党執行部という点が極めて問題ですね。さっさと退陣させたくても
予算成立までは、何とか引き伸ばしたい。引換え総辞職で済ませたい、としてもそれが逆に
見えているだけに、野党も飲みにくい点です。解散のカードを切りすぎて、今の野党にしろ
すぐ手詰まり感に陥りそうで、仮に総辞職に追い込んでもそれを成果とし難い。いずれに
しても、総辞職が軽い扱いになりそうで、そうなれば菅政権を延命するだけ、無駄な行動
にもなりそうです。菅氏をどう扱うのか?政治とかねの小沢氏以上に、民主党内でもこち
らの方が戦々恐々、下手を打てば仲間が全員自滅する破れかぶれ解散、ということになり
ます。結果的に、菅氏を誰が引き摺り下ろすかのチキンゲームで、当分の永田町の動きは
決まってきそうですね。
3. Posted by tora   2011年02月13日 23:17
民主党の自分等は支持されて当たり前、という幼稚な傲慢さを見てると
浅間山荘事件の過激派学生が逮捕された時、警官に向かって
「僕らの闘争に触発されて東京では革命が始まったでしょ?!」
とwktkしながら尋ねたという話を思いだす。

まあ当時のテロ学生と現在の民主は『同志』ですけど
4. Posted by 管理人   2011年02月14日 00:17
tora さん、コメント有り難う御座います。

リーダー論、というとおこがましいですが、攻めのリーダーは浅薄な知識であっても、前に
進むしかない。勢いを失えば、失速が見えているためです。支持されて当たり前、というより
その寄る辺を失えば、菅氏程度の能力ではもたない面も大きいのでしょうね。当時の学生運動
も、勢いのある内は拡大しましたが、自分の能力を過信し、リーダーと錯誤する輩が大挙して
現れると、一部が過激化していき、一方で離反者も増やしました。周囲を牽引していくだけの
能力と態度は、実はリーダーにとって極めて重要ですが、もっとも軽視されがちですね。
菅氏は能力的に劣るリーダーです。攻めは得意ですが、得意分野だけ追求できるときは勢いが
重要。逆にそれだけで充分です。しかし首相になれば守りが主体。広範な内容をカバーせねば
ならず、そのために睡眠時間を削って…などと、自ら認める始末です。支持されて当たり前、
というより、そうでないと政権の存立基盤が立たない面も大きいのでしょうね。これは錯誤
なので、菅氏はずっとそうであり続けるのでしょうね。仙谷氏も同様、自分は能力が高いとの
齟齬を抱きつつ、自分がリーダーに相応しい、と想い続けるのでしょう。国を作ってきたのは
自分たちだ、と気取る経営者も同様ですが、若者たちが閉塞感を抱くような社会にしてもまだ、
その錯誤には気づけぬまま、いずれ時代に取り残されていくことになるのでしょうね。

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