雑感、将来人口推計について欧州不安による景気後退が世界へ波及

2012年01月31日

田中防衛相と沖縄防衛局

米国イリノイ州のバイロン原発で、一時外部電源が喪失し、低レベルの放射性物質をベントで外部に排出する、という事例がありました。非常用電源が立ち上がり、問題ない、基準以下だから影響ないと、まるでどこかの政府みたいな言い訳です。しかし経緯を調べれば、外部電源が喪失した時点で、安全には停止していない疑いがあります。安全サイドであるなら当然止まっているべきですし、そうであれば内部の圧力が上がり、ベントするということもなかったはずです。米国の古い設計の原発は、外部電源喪失に弱い、ということが今回も明らかになったのでしょう。
同日、ロシアで日本からの輸入品の内、福島原発事故後、約10ヶ月で535の基準を上回る汚染された物品を確認した、とされます。除染で一部は輸入されたようですが、まだ壊れた建屋に覆いもない中で、原発の情報に疎くなってはいけないのでしょう。政府は原発を原則40年で廃炉という方針を閣議決定しましたが、原則がついた時点で形骸化は確実であり、外部電源喪失に耐えられるのかは、しっかりと検証しなければいけません。米国の影がちらつくIAEAが、例えお墨付きをだしても、です。

田中防衛相が、予想通りの失態続きです。真紀子氏は後ろから足を引っ張られ、外相を辞任しましたが、直紀氏は後ろから手足を操る人がいるようです。就任早々の辺野古年内着工の話も、間違えたのか、どうせ田中氏は長く続かないと官僚が願望を口走らせたのか、定かではありませんが、元々よく知らない防衛面ですから、官僚の言いなりになっても当然で、これが野田氏の定義する最強内閣ということなら、この国の防衛面を最弱の状態にしておくことが良い、と述べていることになります。
そんな沖縄防衛局で、宜野湾市長選に関与したのでは? との疑いがもたれています。労働組合や、政治にかかわる宗教をやったことがある人なら、この程度のことは選挙ごとに行われていることで、何とも思わないでしょう。ただし広義では、これはアウトでしょう。何より、そうした活動にメールを使う、脇の甘い構図は、どこかの電力会社のやらせ事件と同じです。違法性が高いものを、証拠を残す形で行うのは、沖縄防衛局が本当に防衛を担えるのか? という不安すら感じさせるものです。

しかも防衛省は、身内で調査することで是としようとしている。選挙に行くことを促す講話をした、とのことですが、職務権限上の命令権を有する局長がそれをすれば、下手をすればパワハラです。しかも身内を調べて参加を促すところから、その疑いもあるのです。選挙でどの候補に…と云えば、公務員が政治活動する法律に抵触しますが、その前段階から、これは容認できないものなのでしょう。
原発の問題も、この沖縄防衛局の問題も、やり口が非常に似通っています。汗をかかず、賛成派を集めて多数派のように見せかけ、それで意思を決定させるというものです。しかもそれを、便利な道具に頼っているため足がつく。消費税増税でお尻に比がついていた野田政権が、これで片足を棺桶につっこんだ形になったのでしょう。田中防衛相は委員会中に、勝手に休憩をとり、問題となりましたが、自発的か、引責かはまだわかりませんが、防衛相という任から永久に休憩させられる日も、そう遠くないのかもしれませんね。

このエントリーをはてなブックマークに追加
analyst_zaiya777 at 23:04│Comments(6)TrackBack(0)政治 | 一般

トラックバックURL

この記事へのコメント

1. Posted by tora   2012年01月31日 23:22
防衛相の失態を見るに野田政権は3月まで持たないんじゃないと思いはじました。
このままいけば問責決議受けるのは確実で任命責任を問われますね。
国会答弁もおぼつかず、衆議院の優越があれど本年度予算も危ぶまれますね。
このまま国会が停滞してしまうのが問題です。
2. Posted by おるおる君   2012年01月31日 23:38
これからは 大津波の高さを予想しないそうですね。釜石市で3Mの予想が10Mが来て 死者がたくさん出たからだそうです。 3Mの津波の予想では大丈夫だからと逃げませんかね?
まぁ被災者を思いやって 誰も言わないのでしょうね…
学校側の言うことも聞かずに無理やり子供を連れて帰って犠牲になってしまった親子もたくさんいたとか…
3. Posted by 管理人   2012年02月01日 00:02
tora さん、コメント有難うございます。

なんだかんだと居直れば、というより野田首相はすでにそうした腹を固めているとみられ
ますが、政権を倒すのは中々に厳しいものです。
ただ野田氏は、自分の映像がYouTubeに流れ、シロアリ発言を橋下大阪府知事に当てこすり、
後で弁明に追われるなど、自らの発言にもイラダチ、軽率なものが目立ち始めたので、
精神的には相当に堪えていることが伺えます。
財務省に洗脳されているので、消費税増税を見直すことはしないでしょうが、公明に
配慮して消費税増税プラス7%を言及したところ、今度はそれが火種となり、消費税増税に
賛成が得られそうもなくなった。
自らの判断の甘さも目立っています。

結局、野田氏には戦略がないのでしょうね。
だから財務省に踊らされ、その通りに動いてしまう。
もっと能力があれば、自ら戦略を練り、通常国会の序盤は低姿勢、終盤には一気呵成に
通したい法律をバンバン通し…ということもできたのでしょうが、この辺は財務省の
役人程度でも、描けない戦略ということなのでしょうね。
答弁で認識を問われ、調査しますとだけしか答えられなかった非力さ、無能さをイヤと
いうほど、国民は知ることになりました。
国会が停滞することは、もう既定路線になってくるのでしょうね。

最低、予算を通して、関連法案で行き詰まって解散か、総辞職かを迫られることに
なるのでしょう。
消費税増税賛成論者が、野田政権を惜しんで今後、どの程度の援護射撃をうってくる
のか? その物量作戦次第で、今後の野田政権の寿命が決まってくるのでしょうね。
4. Posted by 管理人   2012年02月01日 00:15
おるおる君 さん、コメント有難うございます。

高さの予想を、抽象的なものに変えるようですね。
3mだと防波堤で回避できても、10mなら難しい。
これは地域差もあるので一概には言えませんが、てんでんこ、で助かった地域もありますし、
逆に、避難場所を定めていなかった学校の遅れが、避難を拡大させてしまったところもあり、
自分の住んでいるところの状況をよく知る、ということが大事なのでしょうね。

その一方で、津波の高さ予測はあくまで予測の範囲である、という認識が必要なのでしょう。
科学が万能ではないように、予測は人間のこれまで得た知見に基づきます。
それを越えたものは、それこそ『想定外』になります。
ということは、想定外は今後も起こりうるということです。
パニックを起こさないことは最大限に担保した上で、政府の云うことを信じて…、
というような判断を丸投げすることはやめるべき、と言うことも云えます。
だからこそ、津波にしろ、地震にしろ、正しい認識を得ておく努力が、日頃から必要なの
でしょうね。

震災の日、友人は奥さんが車で迎えにくる場所を、事前に打ち合わせてあり、連絡がとれなく
ても合流できた、ということがあり、私もそれに同乗させてもらって帰宅することができ
ましたが、とても感心したものです。
そうしたことは、日頃からできることなので、状況に応じて家族とこうしておこう、などの
話し合いはしておくことが大事なのでしょうね。
5. Posted by あらいぐま   2012年02月02日 07:05
代わったばかりの閣僚を攻撃するのは政局を狙った物でしかありませんね。
比べようも無い問題を抱えた総理以下の政権幹部を全く追及しない事は悲劇的です。
そんな中マスコミが全くスルーしていると言う事は霞ヶ関は解散と引き換えに今国会で消費税増税法案を通そうとしているのでしょう。
しかし自公も一枚岩には見えず自民党執行部の思惑とは違った方向に国会は進むかも知れません。
どう転んでも国民には不幸な結末しか齎さないと思います。
6. Posted by 管理人   2012年02月03日 00:18
あらいぐま さん、コメント有難うございます。

田中防衛相は、本当に素人だということが確実ですし、それは以前から参院枠で択ばれた
人間には、つきもののことでしたから、特段驚くこともありません。
むしろ驚くべきは、年金の試算結果を党で決定したものではない、とする野田首相を初めと
した、政権幹部たちの言い逃れなのでしょうね。
つまりこの試算は2075年のもの、ということを述べていますが、つまり原資を使い切って、
そのまま徴収した分を、年金として支払うと…ということなのでしょう。
しかし原資はもっと早くなくなる、ということも言われており、それまで無為無策で年金を
放置しておく、とも聞こえてしまうことになります。
それこそ全体像を示せ、と野党から問い詰められることになるのでしょうね。

自公は連用制でもめている、という話がありますが、これはつまり与党に返り咲こうと
考える自民にとって、連用制は議席を減らすことになりかねない、という危機感があります。
つまり連用制だと、小選挙区で獲得した分の議席は、比例で減らされるため、支持基盤
が崩れ、小選挙区で接戦で勝利、ぐらいになると比例ではほとんど議席をとれないことに
なりかねないのですね。
一方で、公明は比例に強いので、連用制にして地域の票を束ねて貰ったほうが、議席を
多くかせげるのであり、自民の都合に合わせたくない。

どちらにしろ、国民はそんな政局めいた話で、一喜一憂しても仕方ないのですが、
ただこのままいくと、自民、民主も過半数をとれないことは確実なので、キャスティング
ボートを握る第三局が、極めて重要なカギを握ってくるのでしょうね。
それがどこかは断定しませんが、選挙次第では、日本の政治が大きく動くか、国民に失望を
与えるかが決まってくるのでしょうね。

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
雑感、将来人口推計について欧州不安による景気後退が世界へ波及