スペインの動きについて経済の話。9月日銀短観について

2012年10月01日

第3次野田改造内閣について

第3次野田改造内閣が発足しました。一言で云えば『閣僚体験会内閣』、資質はまったく未知数どころか、ゼロから勉強を始める閣僚ばかりが初入閣しました。金とポストで代表選の票を買ったのですから、これはある程度想定されたことですが、それにしても首を傾げる人材ばかりです。
財務省の城島氏は、前原氏、岡田氏の失言、暴走を嫌気した財務省が両名を蹴り、回ってきたお鉢です。3党合意をまとめた実績で論功行賞がある、とはいえ大抜擢ですが、財務の素人。労組出身で調整型の同氏には、財務省の言うことをよく聞いて…という官僚主導の匂いしかしません。そんな前原氏は、所轄官庁のない国家戦略担当相へ追いやられ、凌雲会としては仙谷氏も処遇されず、不満がたまります。側近の長浜氏が環境相という要職についたのと、対極的な処遇とも言えるでしょう。

しかも輿石氏に頭を下げさせ、内閣不信任に小沢氏が棄権するよう依頼する。そのために三井厚労相、中塚金融担当相を入れた、ともされますが、民主党内に残る旧小沢グループは、御旗のない烏合の衆です。小沢氏とて、そこで棄権すればオリーブの木構想を自ら否定し、他党との連携より政局、とみられるので到底棄権などの提案は呑めません。その思惑は、都度語られることになりますが、これは絶対に有り得ないといえるでしょう。それより重要なのは田中慶秋法相で、小沢裁判が高裁でも一日で結審していますが、この決着をどうするか? また原発関連の告発状を、8月から警察が一斉に受理し、捜査が始まっていますが、この処理をどうするかが、法相の手腕にかかっています。
その旧小沢グループを糾合しそうな一部が、原口氏です。役職に処遇されず、代表選時の発言に従い、党を割らなければまた口が軽い、態度がころころ変わると陰口を叩かれ、民主内の評判ががた落ちします。また鹿野グループ、赤松氏の旧社会党系は完全に蚊帳の外で、内にも火種を残すほどの論功行賞ぶりです。それが閣僚体験会への参加条件だったとなれば、内閣不信任に造反も出るでしょう。

経団連が早期解散を口にし始めました。田中真紀子文科相で、中国との関係改善とも語られますが、財界は野田内閣の交代で、中国の怒りを諌める腹を固めたことが知れます。頼みの財務省、財界が野田氏に公然とNOを突きつける。改造して後1年やりたい、という野田氏の思惑は透けますが、「最善にして最強」、「適材適所」といった内閣の残像すらないこの第3次改造に、国民は薄っぺらさしか感じません。その壁の薄さに、声の大きい真紀子氏ですから、閣内不和が表に漏れてくるのも早いでしょう。
自民には、3日天下で知られる明智光秀がいて、天下をとるまでもなく討ち死にしましたが、野田内閣が1日体験会で終わるかどうか? それは野党にかかっているのでしょう。自・公の解散戦略に違いが生じており、威勢のいいことを言いながら、党内に来年のダブル選でいい、という勢力をかかえる自民と、政策ごとに協力はするが、絶対に来年まで衆院選をもちこしたくない公明、という構図が、不透明感をます原因です。ただ、党内から下克上をしかける勢力、が存外早く動きだすかもしれません。

改造とは、本来改良、改善でなければなりませんが、今回は安普請で、欠陥だらけですきま風や雨漏りも目だってくるでしょう。そもそも、政策の統一感がなく、法案ごとには閣内が一致するとも思えません。シロアリを退治すると云っていた野田氏が、シロアリに食われ、屋台骨から崩れていく家に、いつまで住み続けられるか? この体験会には、忍耐力が試されるということなのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:17│Comments(5)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

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この記事へのコメント

1. Posted by tora   2012年10月01日 23:31
来年のダブル選を望んでいるのはのびテルを担いだ長老派でしょうが、彼らは総裁選で失敗してるので党内影響力は減少したでしょう。
派閥の力がさらに弱くなって党内もまとまりがなくなりそうですね。
野田をおろしたい勢力がさらに増えたのはかく実で案外りんじ国会冒頭解散があるかもしれませんね。
違法献金でやめた前原とかすね傷ありの人が閣僚に多いので案外早くスキャンダルが出て崩壊するかもしれませんね。
2. Posted by バッタマン   2012年10月02日 00:12
野田が総理のイスに座り続けるかぎり、国会は開かれないと思うのですが、特例公債などはどうするつもりなんでしょうかね。

3. Posted by バッタマン   2012年10月02日 00:20
分割して書き込んですみません。

民主党の党員・サポーター離れが進んでますね。本当に民主党は次の選挙はやばいのではないでしょうか。何を訴えても、民主党から立候補というだけで、落選させられそうですね。

あと自民党新総裁の安倍氏ですが、マスコミに異様に叩かれていますね。安倍氏の存在はマスコミにとって都合でも悪いのでしょうか。
4. Posted by 管理人   2012年10月02日 00:25
tora さん、コメント有り難うございます。

森元首相、古賀氏、青木元参院議員、読売社主、フジテレビ会長などが自民総裁選
の投票日前に集まり、総裁選のことを話し合った、という話しも伝わっていますが、
この長老たちの威光も、今は昔なのでしょうが、実は自民内にもどうせネジレだから、
衆参ダブルでいい、という勢力も少なからずいるのですね。
ただ、今回の総裁選においても、決選投票で意外と石破氏が伸びたように、もう
派閥や長老たちの意向を汲む、という議員は少ないのでしょうね。
しかし醜聞、怪文書の類の多いことと云ったら、今も昔も変わらない部分もあり、
ただ札びらが飛び交わなかっただけ、時代が変わったということなのでしょうね。

野田氏は、内向きとされる今回の改造で、何がしたかったかと云えば、結局は
延命にかける意気込みを示したかった、というところなのでしょう。
それが唯一、党内をまとめる術でもあります。
ただ一日野田政権が延びれば、票はその分逃げることにもなり、結果的に他の政党の
選挙準備も間に合い、民主からも票が逃げていく。
それは、民主に入れる意味がないからで、自公民なら自民に入れるし、保守系の
野田氏でも、保守なら自民か維新の方が、よりハッキリ色が出ています。
一日でも議員を続けたい、という想いが、結果的には民主党が解党する、という
ことにつながっていくのですね。
違法献金もありますが、前原氏は対中強硬路線で、財界からのウケも悪い。
といって、自民も同様に、安倍氏では期待しにくい状況となり、この辺りは経済界の
動きも、一様ではないということなのかもしれませんね。
5. Posted by 管理人   2012年10月02日 00:43
バッタマン さん、コメント有り難うございます。

臨時国会は開くでしょうね、短期だと思いますが。
特例公債法案と、衆院選挙制度改革法案とを通すことを提案するはずです。
ただ、それに野党が乗るかどうかは別でしょうね。

民主党には、上記のコメントでも書きましたが、積極的に票を入れる動機がない、
というのが最大の問題で、投票に行く、という積極的な行動とは対極にある思考
をしない限り、民主党に投票する人はいません。
縁故、前から投票してきた、という腐れ縁でしか投票する人はいないでしょう。
そしてそれは人に対してであり、党については別、つまり比例復活が減る、という
ことにもなるのですね。
民主に致命的なのは、支持母体が割れ、恐らく自主投票も増えるということ。
組織的な締め付けが利きにくい団体ですし、民主は50割れも覚悟すべきでしょうね。

今のメディアは、やや財界よりの判断として、対中強硬路線を掲げる人間を叩く、
という方向性を鮮明にしています。
つまり、安倍氏はやや保守色が強すぎて、財界の覚えがめでたくないのですね。
幹事長も保守で強硬派、抑えが利かず、暴走する可能性がある。
財界には親中派が多くいますが、これはちょうどそれを刷り込まれた世代、という
言い方もでき、それが力を握っている現在、安倍氏のような態度はバッシングを
受けやすい、ということでもあります。
これはもう、こういう仕組みでこの国は動いている、と理解するしかありませんが、
メディアは今、相互批判ができず、ただ底流では一致した見解でそれをする、という
ことであり、安倍自民が仮に政権をとっても、相当にメディア対策では苦労する、
ということが今から分かってしまうのでしょうね。

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