雑感。選挙の当落予想は当たるのか?野田民主は臨時国会を開かないのか?

2012年10月05日

日銀政策決定会合に前原氏が出席

米国の9月雇用統計が発表され、非農業部門で11万4千人、失業率は7.8%と前月より0.3%下がりました。注目されたのは、経済面ばかりでなく、失業率が8%超えのままなら大統領選で共和党・ロムニー候補が有利、7.8%まで下がれば、オバマ大統領が有利という評価があったためでもあります。
ただ市場は、ややロムニー候補の方が市場に優しい、との評価もあって、先の討論会でロムニー氏が若干盛り返し、それを好感していた部分もあるので、オバマ氏有利となった今回の結果をどう判断するかは微妙です。しかも製造業は伸びておらず、これは昨今の非製造業が景気判断の別れ目である50を超える実体と、合致しています。非製造業の伸びが、消費の堅調さとなって製造業へと波及するか? これは本来の景気循環とは逆の流れなので、そこに直近の注目は集まるのでしょう。

日銀の政策決定会合があり、現状維持となりました。注目されたのは前原経財担当相が、閣僚として9年ぶりに出席したことですが、9月の会合ですでに緩和を決めており、様子見が規定路線で、前原氏はそれを覆せなかった形です。今回のことで、前原期待で市場も盛り上がった部分もありますが、経済の専門家ではない前原氏では口をはさむことすら難しい、ということが知れたのでしょう。9年前に出席した竹中氏は経済学者であり、委員とも丁々発止のやり取りも可能ですが、前原氏では専門用語すら理解できず、自説を語る以外で会話に入ることは、困難だったと思われます。
前原氏や、自民党の安倍総裁も外債購入に積極的ですが、白川日銀総裁は明確にそれを否定しました。円安誘導の側面がある一方、日銀法を盾に「財務省が一元的に対応すべき」との論は突き崩せません。さらに来週から開催されるIMF総会で、財務省は為替介入について理解を求める意向ですが、各国から否定される恐れが強まっています。それは実効為替レートベースで、円はそれほど高くなっておらず、日本は単に通貨安を狙っている、としか海外では受け止められていないため、です。

企業ができる、簡単な円高対策は円建て取引を増やすこと、です。日本は米国との取引が減った今もドル建ての取引が多く、円建ては4割程度とされます。これでは円の変動が業績に影響しやすい。企業が従前から円高に弱い体質を引きずっているのです。ならば政府に円高対策を求めるより、企業間の取引で円建てを増やす、それが企業ができる取組みであり、むしろそちらを優先すべきです。
これは対中国政策でもあります。中国は人民元を決済通貨とするよう、東南アジア、中央アジアでも人民元取引をすすめており、着実に取引を増やしています。日本がアジアで地位を保つなら、円建て取引を増やす努力が民公的にも、民間も必要です。さらに貿易でも、最近は赤字が目立ちます。これなど原発が止まったことで、原油や液化天然ガスの輸入が増えたことで説明されることも多いのですが、企業が工場を海外に移設し、日本に輸入する製品が増えている要素も含まれており、逆にそれなのに円建て取引が増えない、ということの方に、違和感を覚えた方がよいのでしょう。

バーナンキFRB議長が、金融政策には限界がある、と認めたように、中央銀行にできることは少ない。特に、今が超緩和時代であり、日銀には物足りなさもありますが、だからと云って日銀が円高の流れに変化を与えることは、ほとんどないのでしょう。残念ながら、リスクのオン、オフで流れる資金の方が、よほど大きく市場を動かすからです。今の市場は、ややリスクオンに傾いていますが、嵐の来ない間に行動する、という発想以上のボックス圏を破るだけの勢いには欠けるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:26│Comments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 政治

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この記事へのコメント

1. Posted by おるおる君   2012年10月05日 23:58
前原さんの持論である日銀の外債購入ですが…購入すればどうなると 考えているのでしょうか?
2. Posted by 管理人   2012年10月06日 01:06
おるおる君 さん、コメント有り難うございます。

短期的には、円により外債を買うのですから円安が期待できますが、効果は限定的
だと考えています。
まず規模の問題ですが、恐らく国債、ETFなどの資産購入枠を大きく超えることはない
ので、それは悪い意味で、市場にとってはいいポジション整理に利用されるだけに
終わるでしょうね。
つまり何も起こらない。

長期的には、まず外債の中身が問題になりますが、恐らく短期で1〜3年ものの、
日本の国債より高い格付けの債券をもつ、という形が想定されます。
すると償還まで保有することになるでしょう。
逆に、市場で売却は考え難い部分もありますから。
資産劣化は起きにくいですが、日銀が世界経済に責任をもつ、という事態になり、
例えば海外で大きな変動が起きると、その度に日本の格付けにも大きな影響を
与える、という点には注意が必要です。
これから世界経済が堅調に、低位でも成長を続けるという前提であれば、外債を
購入しても、それほど悪い材料にはならないでしょう。
しかし世界経済に不透明感があると、はっきり云えば危険です。
個人的には、中央銀行の保有資産について、定量的な評価はないのですが、今でさえ
日銀の保有残高は危険水準だと考えています。

恐らく、前原氏や安倍氏が期待する効果はないでしょう。
それは超緩和状態で、日銀が為替市場に対抗しても、規模で負けるからです。
為替介入が、一時的には効果あるのも、規模の大きさでしかありません。
ロスカットを出さざるを得ない水準まで介入するからこそ、ですが、外債購入は
ETF購入などと、同様の介入方法になると思われます。
それで為替市場の大きな流れを変える、というには至らないのでしょうね。

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