民主、自民執行部の初顔合わせ雑感。他人の口を借りること

2012年10月12日

雑感。ノーベル平和賞にEU

iPS細胞の臨床応用の件で、誤報だったという話になっています。該当する人物の経歴が虚偽、手術も実際に行われていない、などお粗末極まりないですが、そもそももしこの事実が正しいなら、手術を行う前に大々的に報道されているでしょう。6件も手術を行った、とされることからも事実を隠蔽して何例も手術をしたとしか思われず、国際会議で発表する予定だったとしても、それは伏せていたかった何らかの事情が存在したはずです。その辺りの調査不足があったのでしょう。
平成22年の読売報道から、誤報が続いていた。その頃からメディアと付き合い、効果について認識していた該当人物がつき続けるウソを、検証もできなかった点は問題でしょう。研究者には常に、研究費を集めたい、名誉を得たいという欲望に駆られ、成果を大きく評価してしまいがちです。創薬の分野は、特に臨床試験の結果を捏造するなど、そうした不正に目を光らせなければなりません。科学技術の報道は難しいですが、だからこそ慎重さが求められているということなのでしょね。

ノーベル平和賞が、EUに決まりました。「戦争の大陸から平和の大陸」に変えたことが受賞理由だそうですが、いがみ合っていても、分裂気味でも、戦争さえしなければ平和ということなら、日本も受賞資格ぐらいはありそうです。南欧が離脱して欲しくない、それはノーベル財団とて運用がうまくいかず、賞金の捻出に窮しているように、世界経済の安定を願ってのことかもしれません。まさかEU安定のために、ノーベル財団まで賞金で支援するとは思ってもみませんでしたが…。
S&Pがスペインを格下げし、格付けの投機的水準にリーチがかかりました。ただし、今はESM、OMTなどの体勢が整い、逆に早くスペインに支援要請して欲しい、という立場です。しかしスペインが支援要請すれば、今度はイタリアにリーチがかかる。イタリアを狙い撃ちされたとき、それはESM、OMTでも支援するのは苦しく、無制限の支援としても限界を迎えることになってくるのでしょう。

世界経済の下振れが指摘される中で、IMFは最近、急激な財政再建に懸念を表明し、先進国が流動性の罠に陥り、金融緩和は利かず、財政再建が成長を押し下げる割合が強まっていると警告しています。一方で、新興国は金融緩和で経済を下支えするよう求め、IMFが望む成長率に、世界経済を維持するような提言が増えています。しかし非常に矛盾を抱えており、すでに資金が国境を越えて右往左往する時代、先進国が流動性の罠に陥っているなら、それは新興国の金融緩和効果も相殺します。
金利を下げれば通貨安となり、輸出が増えるとよく語られますが、その前に投資資金が引き上げられ、新規資金が流入しなくなるため、内需が悪化します。輸出で稼げる外貨より、投資資金を呼び込んで得る資金の方が、大きくなってしまった。新興国の金融緩和が行き過ぎると、それは通貨安から破綻へという道へ、一気に転がり落ちる可能性があり、バランス感覚が大事な局面なのです。

日本は世界に先駆けて、低金利、低成長という道を歩んでいます。しかし均衡してしまった日本は、今後それをどう変えるか? という点に注力すればよいですが、世界はこの均衡点を目指し、そこにタッチ&ゴーで離陸するという難しい道を模索しなければならない。失敗すれば墜落が待っています。IMFの発言は、どこか無責任に聞こえますが、それは具体策のない現状への、回答を持ちえていない証左でもあるのでしょう。先送りされてきた景気の減速、後退へと突き進む中で、EUの問題や米国の『財政の崖』の問題を、真剣に議論しない姿勢に、本気度を疑ってしまうのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:22│Comments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 欧州

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この記事へのコメント

1. Posted by tora   2012年10月13日 00:18
裏取もできないマスコミはもう不要でしょう。
読売は自称1000万部もすでに割り込んでただで一定期間での配り始めてる地域もあるとか。
HPに記載した記事を削除して隠蔽に走ったもの駄目ですね。
すでに魚拓をとられて保存されてます。
ますますマスコミ不信が増大する結果になっただけでしょう。
平和賞と経済学賞は本来ノーベル賞にカウントしちゃいけないでしょう。
前者は核密約の佐藤、後者はLTCM破綻で完全に信用を失っていますから。

2. Posted by 管理人   2012年10月13日 00:46
tora さん、コメント有り難うございます。

肩書きに騙されて、一方的に内容を記載してしまったという形に近いのでしょうが、
少なくとも複数の科学者に確認をとる、ぐらいは必要だったのでしょうね。
メディア不審から、不信へと変わり、この記事に追随して歓迎ムードを煽った、
他のメディアも同様に糾弾されるべきではあるのでしょうね。

ノーベル賞には、数学が入っておらず、独自に数学者は設けているぐらいですし、
平和賞は政治利用が以前から指摘され、経済学は正解もないものを、ただ一時期の
流行で賞をだしているだけですからね。
今回の文学賞も、受賞理由はよく分からず、世界的な知名度や、売れていなくても
中身のよい作品なのか、確かに中国では有名かもしれませんが、中国という枠、
政治、文化を知らないと理解できない部分も多く、欧米ではあまり売れていない。
村上春樹氏は世界的にファンは多いものの、いつでもとれるから後回し、といった
感じにしか受け取れませんでしたね。
物理学など、理論と実証という明確な結果があり、受賞にも納得がいきます。
何でも人の実績を評価する際は、多角的にみて万人が納得できる理由をつけないと、
権威が落ちていくことにもなるのでしょうね。

ノーベル賞は、あまり騒ぐことなく、一つの評価ぐらいに考えておいた方がよく、
さらに政治的な思惑が強くからみ始めていますから、今後の賞レースにおいても
極めて不透明な決定が、増えるのかもしれませんね。
3. Posted by おるおる君   2012年10月13日 08:36
昨日はソフトバンクが ストップ安から急落しましたが…費用負担に無理があるという…投資家の判断でしょうか?
4. Posted by 管理人   2012年10月13日 23:49
おるおる君 さん、コメント有り難うございます。

費用負担にムリがある、というより、資金調達方法が分からないため、嫌気売り
が嵩んだといったところですね。
新株発行か、第三者割り当て増資か、金融機関からの融資なのか、いずれにしろ
巨額であり、仮に前二者なら株価的にはマイナス、後者であっても利率などに
よっては、経営を圧迫するでしょう。
ボーダフォンの買収の際は、特別事業体株式という形でしたから、直接ソフトバンク
の株価には影響せず、軽微でしたが、今度も同じ手というわけにはいかないでしょう。
今回は国境をまたぐため、米国での収益性が問題であり、それを日本市場から調達
する、という形になりますから、あくまで仮定ですが米国の企業なのに日本でのみ
株式を発行している、という矛盾が生じてしまいます。

はっきり表明していない、ということは逆に言えば不透明感が強く、しばらく正式な
コミットがないと、ソフトバンク株は買えない、という判断になりますね。
買収費用などが決まらないと、資金調達方法についても明らかにならない、という
問題もありますが、その金額が決まったとき、様々な仕組みを組み合わせてくる
と考えており、それがどういう形になるかを見極める必要もあります。
特に、今回は1位、2位と引き離されて3位、5位の買収と伝わるので、実はそれほど
収益性が上がらない、という問題もあるのですね。
端末の大量調達でコストが下がる、グローバル標準の統一化で、メリットがある、
なども語られますが、世界的に行き詰まり、上限が指摘される中で、通信事業を
買収するという戦略に、成功を期待できるのか?
米国政府の、通信事業体の擁護の姿勢を突破できるか?
今回は不透明感だらけなのも、嫌気されているのでしょうね。

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