ソフトバンクによる米企業の買収経済対策と一票の格差

2012年10月16日

米財政赤字と特例公債法案

米財務省が、2012会計年度における財政赤字が1兆893億$、GDP比で7%と発表しました。米国の財政悪化の伸びは、日本の比ではありません。イラク、アフガンの駐留米軍を減らし、法人税収が伸びても赤字額は減らず、大統領選を前にして公約が達成できていないオバマ大統領には逆風です。
米国では、9月雇用統計に経済学者からも、民主党に有利となるようとり計られたのでは? との疑義が呈されています。楽観をばらまき、経済を上向かせる。それが至上命題であり、特に大統領選の前に、オバマ氏が有利となる思惑も働く。しかし財政赤字に関しては数値の調整が利きません。もしこの数値を操作すれば、次政権に移ったとき、糾弾されることが目に見えているためです。結局、オバマ氏は公約を達成できなかった、そのことは大統領選の材料になりえることです。
先に示したように、米国の財政赤字の伸びは急激です。財政の崖と云われますが、景気に打撃が大きいものの、崖を下った方が財政には寄与します。しかし先のIMF、世銀の年次総会で示されたのは、財政改革を急ぎ過ぎず、景気に目配せするよう求める姿勢です。これは米国が財政の崖を回避するための、有力な材料となりますが、財政改革が遅れれば遅れるほど、今後は格下げとの兼ね合いが出てくる。時間軸で云えば、最上級格付けを失う方が先にくる可能性は十分ある、と云えます。

日本も、特例公債法案の成立にむけて、月末に臨時国会が開催される見通しです。民主からは条件さえ整えば年内解散で合意、とのアドバルーンも打ち上がりますが、すでに民主への信を失っている自民は、時期を明示するよう求めています。これまでにも、裏で与野党が時期を調整したことはあり、野田氏のいう「解散時期は示せない」との理屈は成立しません。むしろ谷垣氏の甘さが、今の事態を招いているのですから、自民は妥協する必要性を感じていない、ともいえるでしょう。
財務省がいくら裏で、特例公債法案の成立にむけたペーパーを与野党に配ろうと、この点に変化はないでしょう。仮に今、財務省に逆らおうと、政権をとれば仲良くやれるとの思惑が自民には働きます。また、消費税増税では谷垣氏も財務省に騙されたのですから、その点も自民は我を通しやすい。特例公債法案を蔑ろにしようとした、野田首相を見限ったとの報もあり、財務省が恩義に感じて野田氏の延命に手を貸す、ということももうないといえるのでしょう。

そんな中、新たな民主の延命策として、今後は離党ではなく分党とし、内閣不信任に反対するよう求める策が、民主内で模索されているようです。しかしそれでは何のために離党、分党するのか不明で、落選確実です。内閣不信任で反対すれば、選挙をしても民主を責められず、埋没するでしょう。いくら看板をえても、それが民主党○○支点と見なされれば、分党しない方がマシです。
民主は党としても奇策が多く、議員の動きにも首を傾げるものが多い。この奇策は、決してよい意味ではなく、奇妙な策ということです。特例公債法案とて、本来は赤字の補填であり、もし与野党で合意できないなら、知恵をしぼって赤字国債を発行しなくても、乗り切れる策を考えてもよいのでしょう。それが奇策に当たりますが、復興財源とてムダ遣いの温床にされる民主では、奇策どころか気息奄々で、財政を真剣に考えることなど期待できないということになるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:35│Comments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | アメリカ

トラックバックURL

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
ソフトバンクによる米企業の買収経済対策と一票の格差